No.11893 タモキシフェン5年間服用後の追加ホルモン治療について(HPNo.10198-2)

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2016.04.28 K.S. 0 Comments

2016年4月現在54歳6か月です。2011年3月に(49歳5か月・閉経前)、ひだり乳房温存手術を行い、病理結果は以下の通りでした。
・浸潤性乳管がん(硬がん)
・組織学的ながんの広がりは10mm×10mm×10mm
・術中のセンチネルリンパ節生検でリンパ節転移は なし
・ホルモン感受性 ER 陽性(陽性細胞の占有率 5  陽性強度 3)
PR 陽性(陽性細胞の占有率 5  陽性強度 3)
・HER2   陰性
・脈管浸襲   なし
・核異型度   グレード1
・断端検査   陰性

なお、HER2については最初IHC法で(2+)だったため、化学療法の有無を迷うとして、以下の検査を行った結果、陰性と判明しました。
・FISH法     シグナル比    1.0    HER2遺伝子増幅なし
・オンコタイプDX  再発スコア    16
10年平均再発率  10%(95%CI:8%―13%)
ERスコア    7.9
PRスコア    7.1
HER2スコア  8.2

結局化学療法は必要ない結論となり、2011年5月より放射線治療と、ホルモン療法(タモキシヘェン服用)を始めました。途中不正出血や卵巣の肥大(最大8㎝)があり休薬したりしましたが、術後1年ほどで生理は止まり、卵巣も徐々に通常の大きさに戻りました。現在は血液検査上も閉経状態です。半年に1度婦人科でエコーにより子宮と卵巣の経過観察を続けていますが、異常はありません。また腫瘍マーカー、マンモ、エコー、CT、骨シンチも異常ありません。
以上を踏まえてですが、あと3か月ほどでタモキシヘェン服用が丸5年間となるので、以降の治療について医師と話したところ、「リンパ節転移もないし、オンコタイプも16と低リスクだから、これで治療終了でいいと思います。あとは年に1回画像診断すればいいでしょう」と言われました。引き続きアロマターゼ阻害薬を5年間服用するものとばかり思っていたので驚いてしまいました。
私のようながんの場合(ルミナルAタイプに分類されると思いますが)、5年以上経ってからの晩期再発が比較的多いこと、乳がんは遠隔転移してしまうと根治は難しいことを考えると、ここで治療を終了するのには正直不安があります。オンコタイプDXでは10年以内の再発率については10%としていますが、術後10年後以降の再発については不明であり、防ぐためにはアロマターゼ阻害薬を飲むべきでしょうか?
タモキシフェンを5年間服用した後にレトロゾールを5年間服用すると再発率が42%減少するという臨床試験結果があるそうですが、もともと低い再発率の場合はどうなるのでしょうか? 再発率減少に与える影響が微小だとしたら、さらにアロマターゼ阻害薬を飲む意味がないような気もします。また副作用も気になります。むち打ち事故の後遺症で肩関節が硬く、肩こりもひどいので、筋痛や関節痛の副作用も心配です。
次回7月の診察時までに決めていくことになったのですが、自分の調べた限りではどの因子がどうならば「タモキシフェン5年間服用だけで以降の薬は必要ない」としていいのかわかりませんでした。そこで質問をさせてください。

1. タモキシフェン5年間服用後の追加ホルモン療法について、なにか新しい臨床試験結果やエビデンス、推奨療法等はありますか?
2. タモキシフェン5年間服用で得られると思われる私の10年平均再発率 10%は、今後レトロゾールを5年間服用することによって概ね何%になりますか?あるいは生存率がどの位上乗せされますか?(計算式も教えてください)
3. 私はアロマターゼ阻害薬を飲む方がよいですか?だとしたら至適期間は何年ですか?種類はレトロゾールでよいですか?
4. 副作用があった場合、服用を中止すれば元通りになりますか?(例えば関節痛があった場合、なくなりますか?)
5. ルミナルAタイプのホルモン療法は5年間・10年間のどちらが現在の主流ですか?

長くなり申し訳ございません。 先生方の率直なご意見を賜れば幸いです。よろしくお願い申し上げます。

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2019.01.12 徳田 0 コメント

1. エビデンスとしては、調べられたとおり、アロマターゼ阻害薬を使用すると再発率は、有意に低下します。
2. すでに5年間タモキシフェンを内服して再発がないとすると、その後再発が起こる可能性は、10%程度ですので、10年の平均再発率10%の10%、1%程度です。
3. アロマターゼ阻害薬の上乗せ効果が40%とすると1%の40%、0.6%程度でしょうか。この程度の差で、服用するかどうかです。服用するとすれば、標準的には5年間です。薬剤は、アナストロゾールでもレトロゾールでもよいと思います。
4. 副作用は、中止すれば改善します。3の効果と副作用を秤にかけて、選択してください。
5. 調べられておわかりのように治療開始時の卵巣機能、タモキシフェン5年内服時の卵巣機能、再発率などにより、個別に考えるべきです。(文責 徳田)

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