No.12263 HER2タイプ、術後の治療について

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2019.10.22 H&N 0 Comments

48歳女性です。母を乳がんで亡くしていることから、2年毎に検診を受け、そこで見つけてもらい、2㎝のコメド壊死伴う非浸潤がんとの診断を受けました。その後、温存手術し、術後病理でアップステージしました。pT1aと、説明いただいた紙に書いてあります。ER- PR- HER2は3+です。結果は、コメド壊死を伴う非浸潤がんが主で、腫瘍径は全体で2㎝、最大浸潤径3㎜の硬性型の浸潤がんあり。乳管内進展は-、波及度は乳腺組織内、センチネルリンパ転移なし0/1、リンパ管の侵襲認めない、静脈侵襲は認めない。Ki-67は28%でした。温存で腫瘍は取り切れているとのことでしたが、断端に乳管内病変があることから、マージンはぎりぎりかもしれないとのことでした。

温存手術を終え、痛みや制限もなく安心したのですが、術後にステージが上がり、また、顔つきが相当に悪く、再発転移しやすいタイプと聞き、不安が大きくなっています。放射線治療を終えると、抗がん剤とハーセプチンをする方が良いと言われています。質問は以下3点です。

1) 非浸潤とのことで温存にしたものの、マージンがぎりぎりであったこと、悪性度の高い浸潤部があったので、再手術し、全摘する方が良いのでしょうか。

2) 今回、抗がん剤とハーセプチンを使って、もし再発した後もまた使用できるのでしょうか。どの程度の再発率かとかあるのでしょうか。

3) 実母が58歳で乳がん、祖母を膵臓がんでなくし、伯母も50歳で乳がんをしています。遺伝に関し、調べたほうが良いのでしょうか。

主治医とは相談が出来ますが、私自身のことであり、自分の気持ちの整理や、より納得して治療したいと思い、質問しました。お忙しいところすみません。よろしくお願いいたします

 

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2019.10.22 0 コメント

 

  1. 切除断端に乳管内病変(=非浸潤部位)がみられたとのことですが、浸潤した部位が断端にみられないのであれば、たとえ乳管内病変が残存乳房に少し残っていたとしても、今後行う放射線治療で充分に死滅させることが出来ると考えられます。もちろん最終的には本人の御希望が最優先であると考えますが、私個人としては、再手術はお奨めしません。
  2. 5mm以下の浸潤癌の場合、病変が十分に切除されていれば再発率は10%以下と考えられ、抗がん剤療法や抗HER2療法(ハーセプチンなど)は行わないというのが現在の一般的な考えです。しかし貴女の場合は、浸潤部が3mmとは言え、非浸潤癌がコメド壊死を伴うものであることや、Ki67=28と高めであることなど悪性度がやや高いとのことで、主治医の先生がハーセプチン+抗がん剤の補助療法(再発予防治療)を提案されたのであると思います。今後万が一再発した際にも、抗がん剤の種類は変更すると思われますが、ハーセプチンは再度使用することが出来ます。
  3. 祖母や伯母がともに母方であれば、遺伝性乳がんの可能性も少なからずあると考えられます。しかし遺伝に関する検査を行うということは、貴女だけでなく結果的に貴女の親族の遺伝検査をすることにもなります。検査施行後に、「検査を施行してほしくなかった」と親族から言われないためにも、遺伝検査を受けるのであれば、血のつながりのある方々とその検査施行の是非をよく話し合っておく必要があります。「日本HBOCコンソーシアム」という団体が発行している「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)をご理解いただくために」という冊子が上記団体のホームページから無料ダウンロード出来ますので、これもご参考にしていただければと思います。(文責 谷)
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