No.12375 肺多発転移後の肝転移(No.12200)

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2020.03.02 匿名 0 Comments

去年ご質問させていただいたNo.12200です。イブランスを11サイクル飲みましたが、今回肝転移が発見されました。新たな転移に再度ショックを受けておりますが、今回はウィークリーパクリタキセルとアバスチンの抗がん剤をすることになりました。副作用も心配ですし、今後どのくらい抗がん剤を続けるのかも気になります。私にどのくらい選択肢があるのか教えていただきたく、再度ご質問させていただきたいと思います。肝臓の数値に異常はありません。年明けから腫瘍マーカーが上がってきたので、骨シンチと造影CTの結果、肝転移約2cmが見つかりました。肺の転移巣に大きな変化はありません。骨転移もありません。

1) 抗がん剤はエンドレスになるのでしょうか?

2) 最近よく聞くゲノム診療とはどういったものでしょうか?

3) 他になにか治療法がありますでしょうか?

実はかなりの衝撃を受けて、まだきちんと考えられずにいます。頑張っても、頑張っても、いい結果が見えてこないです。お忙しいなか恐縮ですが、ご意見をお聞かせください。

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2020.03.02 清水 0 コメント

はじめに、可能であれば肝臓転移の針生検を行って、肝転移巣のsubtypeを確認することをお勧めします。以下、subtypeに変化がなくLuminal Bであるとしてお話しします。

1)抗がん剤治療は、一つずつその効果と副作用を見極めながら行います。だから、効果があって副作用がなければエンドレスに続きますが、実際は効果もきれてきますし、副作用も強く出ますから、エンドレスに行うということはあまりありません。

2)ゲノム医療とは、切除したがん組織の遺伝子変異を調べ、再発したがんに対する標準治療が終わった段階で使える新しい治療薬を探すための一つの方法です。乳がんの場合、現時点で乳がんの治療薬としての保険適応はないが他のがんに適応がある治療薬が使えないか、現在治験中の薬剤のなかに何か使える薬がないかを探す医療です。お金も時間もかかります。貴女にはまだ治療薬がたくさん残っているので、現時点でゲノム医療の対象とはなりません。

3)まず考えることは、BRCA遺伝子検査を行なってリムパーザの適応があるかどうかを決めることです。保険医療でも7万円くらいかかる検査なので、イブランス投与中(高額医療制度を利用中)に検査することをお勧めします。BRCA遺伝子検査が陽性となる人は約10%と言われていますから、その確率は決して高くはありませんが、リムパーザは副作用が比較的少ない薬剤なので、一度検査してみる価値はあると思います。一般的にはリムパーザは化学療法の前に行うことが勧められています。次に、他の内分泌療法を考えます。確かに術後補助内分泌療法中の転移なので内分泌療法の効果は低そうですが、イブランス・フェソロデックスが約一年間効果があって肝転移の大きさが2cmであるのであれば、もう一度内分泌療法を試してみる価値はあるように思います。しかし、閉経前なので治療薬に限りがあります。そこで両側卵巣切除を行なって閉経状態にして、閉経後の内分泌療法を考えるという治療法もあります(注:ゾラデックス、リュープリンで閉経状態にして閉経後の薬剤を使う方が良いのですが、日本の保険診療では認められないようです)。最後に化学療法ですが、確かにアバスチン・パクリタキセルは良い治療法ですが、早く症状を改善する力は強いのですが、生存期間は伸ばしません。ですから使うタイミングを考慮します。他の化学療法剤としては、アンスラサイクリン(AC,EC)、ゼローダ、Sー1(経口抗がん剤)、ハラヴェンまでが標準的な治療となり、その他としてジェムザール、ナベルビン、イリノテカンなどが使われ、その後ゲノム医療が検討されます。(文責 清水)

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