No.12415 悪性葉状腫瘍

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2020.05.03 T.K. 0 Comments

初めてご相談させていただきます。

51歳、女性です。10年以上前に3cm程度の胸のしこりに気づき、細胞診にて線維腺腫と診断され、経過観察をしておりました。しこりは徐々に大きくなり、今年の1月には6cmに。葉状腫瘍の可能性を指摘され、4月に腫瘍切除をしました。手術の結果、大部分は線維腺腫であるが、一部が境界型~悪性葉状腫瘍の稀な腫瘤との診断でした。腫瘍は取り切れているとのことでしたが、周囲をどのくらいとったのかはわかりません。「大部分は線維腺腫なので、再発に関してはそれほど心配しなくてもいいが、なくはないので、今後は半年に1回のチェックが必要」と説明されましたが、徐々に不安が強くなってしまい、落ち着きません。再発や転移に関して、一部分でも悪性は悪性だと思って覚悟しなくていいのか? 本当に半年に1回のチェックでいいのか? もしマージンをあまりとっていなかった場合、再手術は必要ないのか? (術前にしこりの周りを大きめに取ると説明されていたのですが、術直後の夫への説明では、たぶん線維腺腫だから大きく取ってないようなこと言っていたけど??と、後から言われました。夫の勘違いなのか、次回主治医の先生に確認しようとは思っていますが。)

よろしくお願いいたします。

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2020.05.03 須田 0 コメント

葉状腫瘍の治療の原則は、手術による腫瘍の完全摘出です。悪性でなくても葉状腫瘍ギリギリで摘出すると、周囲に再発する事がしばしばあり、そのため正常の周囲組織を全周性につけて確実に摘出することが必要になります。乳房に比して腫瘍が大きい場合は、乳房全切除となることがありますが、この場合、同時乳房再建術は保険診療で行うことができます。

貴女の場合、「今年の1月、腫瘍の大きさは6cm 」とあります。悪性の葉状腫瘍かどうか、摘除標本を全割しての病理検査で調べる為の腫瘍摘除術を生検と言いますが、その生検を今年の4月に行ったことになります。その結果、「1部が境界型~悪性葉状腫瘍」との事、従って、腫瘍と切除マージンまでの距離が不十分であるならば、治療のために確実に取りきることが必要です。貴女の乳房の大きさが分りませんが、腫瘍の大きさとの相対的関係で腫瘍が大きい場合、切除範囲は最大乳房全切除の選択肢となることがあります。この場合、前述のように、同時乳房再建をすれば保険適応となります。

貴女が疑問に思われていることは、完全摘除が出来ているかどうかですので、主治医の先生に手術内容や病理検査結果についてよく伺い、再度の手術が必要かどうか相談してください。完全摘除であると結論づけられれば、6か月ごとのフォーローで良いと思います。前向きに頑張るためにも、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

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