No.12441 タモシキフェンと体がん検査

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2020.05.31  shi 0 Comments

腫瘍の大きさ2.5×1.5×2.4
悪性度3
ERエストロゲン 陽性
PgRプロエストロゲン 陽性
HER2 -
増殖率30パーセント

現在ホルモン療法タモシキフェン服用、2010年2月9日より開始、2020年3月終了。リュープリン2010年6月より開始、2020年6月で終了。タモシキフェンを服用してから、半年に一度子宮体癌の細胞診をおこなっています。今更ですが、体癌の細胞診はこんなに短い間隔でした方がいいのでしょうか? 検査の仕方も様々ですが…。

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2020.05.31 須田 0 コメント

ホルモン受容体陽性乳癌術後の内分泌療法としてのタモキシフェン内服の有効性は確立していますが、タモキシフェン内服の有害事象の1つとして、子宮体癌の発生リスクの増加があります。タモキシフェンは、もともと排卵誘発剤として開発されていた経緯があり、子宮内膜を増殖させる作用があります。タモキシフェンを5年間内服した人の子宮体がん罹患リスクは2.41倍、また年齢とも相関があり、55歳以上では2.96倍であるとの報告があります。しかし、これによる子宮体がんの死亡率リスクの有意な増加は認められておらず、2018年の乳癌学会ガイドラインでは、不正出血や子宮内膜ポリープを有するようなリスクのある症例でない限り、定期的な子宮体がん検診は推奨されないとしています。一方、実際に検診を受け持つ婦人科医の婦人科学会ガイドラインでは、「高リスク因子のある女性を対象に医師の裁量の下で施行」となっており、貴女の場合は、このガイドラインに沿って、医師の裁量で行っているものと思われます。いずれにしても、疑問点、不安点がある場合は、貴女の病気について一番理解して下さっている主治医にご意見を伺い、納得のいくフォローをしてもらって下さい。(文責 須田)

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