No.12596 今の治療方針は大丈夫でしょうか?

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2021.01.25 ひろ 0 Comments

56歳です。20年前に4ミリの早期乳がん発見、3度の手術をしました。その後、放射線治療やホルモン内服を今まで続けてきましたが、今年4月に肺とリンパに転移が見つかり、ステージ4と診断されました。5月末よりベージニオとフェマーラ内服治療を続けています。今の通院は、毎月1回の血液検査と、3~4か月に一度のCTの検査のみです。
転移が心配でPET検査や脳検査の事を主治医に相談しましたが、「PETで新たな癌が見つかったところでどうしようもない」と言われ、脳転移に関しても、「乳がんは色んな所に転移の可能性がないので脳検査も必要ない」と言われました。
乳がんになった人の脳・骨・他の臓器転移の話も聞きますので、このまま主治医の治療方法を信じて今の治療を続けて良いのか不安です。また、主治医の指示により検査・治療を長年続けて来たにも関わらず、今ステージ4という結果を受けました。「手術した時に既にあった癌が今わかる大きさになった」という事らしいですが、乳腺外科のドクターが、セミナーで『乳がんは初期に治療すれば治る』とおっしゃっていました。早期発見から手術・検査・治療をずっと続けているにも関わらずステージ4になってしまうと、早期発見で手術・治療しても意味が無いように思えてしまいます。
1)やはり早期発見で、長年ずっと治療・検査して来ても、いきなりステージ4になる事は仕方ないのでしょうか? 途中で見つける事は不可能だったのでしょうか?
2)主治医の言うように脳や骨転移の検査は必要ないのでしょうか? 主治医の今の治療方針で本当に大丈夫でしょうか?
3)また、その人に合った治療方法を見つけるゲノム検査がありますが、今はゲノム検査などせず、いきなり分子標的薬の治療に入りました。一般的には患者に合う検査はせずに、一般に使用されている薬剤使用の治療になるのでしょうか?

長くなりましたが、こちらの先生方の考え方もお聞きしたいと思い質問させていただきました。宜しくお願い致します。

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2021.01.25 須田 0 コメント

乳癌治療についての一般的な考え方ですが、検査で明らかな他臓器への転移がない「初期治療」の場合は、完治を目指しますが、転移を伴っている「遠隔転移の治療」では、治療により完全に治すことがほとんど望めないのが現状で、症状のコントロールによりQOL(生活の質)の維持を目指すことになります。

  • 初期治療について

Ⓐ非浸潤癌(ステージ0)の場合

癌細胞が乳管・小葉の中にとどまっているので、理論的には完全に切除することで治ることになります。

Ⓑ浸潤癌(ステージⅠ~ステージⅢ)の場合

浸潤性の乳癌では、骨、肺、肝臓、脳などに転移することがあります。乳癌がシコリとして見つかった時に、または見つかる前から、すでに体のどこかに検査では発見できない癌細胞が微小転移の形で存在すると考えられています。この様な微小転移が長い時間を経て分裂・増殖を繰り返し、1㎝前後の大きさになると、CT、MRI、PET-CT 、骨シンチ等の画像検査で遠隔転移として見つかるようになります。乳癌の治癒を目指す治療ですので、手術や放射線療法のような局所治療と、ホルモン療法、化学療法や抗HER2療法などの全身療法を組み合わせて治療します。この際、臨床所見や病理検査により乳癌の様々な性質を調べ、その結果に基づいて治療することになります。

  • 遠隔転移を伴う治療(ステージⅣ)について

遠隔転移は乳房から離れた部分に乳癌が出てきたものであり、その他にも目に見えない癌細胞が微小転移の形で潜んでいると考えられています。現在の治療法では、これらの全身に潜んでいるすべてのがん細胞を根絶するのは難しいのが現状です。遠隔転移の病巣を手術で切除しても、体のどこかに潜んでいる癌細胞が増殖してくると考えられます。従って遠隔転移の治療は、体全体に効果があることが必要ですので、全身療法である薬による治療が基本となります。治療薬には沢山の種類がありますが、1つの治療法を行って効果があるうちはそれを続け、効果がなくなれば別の治療法に変更するやり方が一般的です。

貴女の場合、初期治療を終えて、遠隔転移再発です。おそらくホルモン受容体陽性・HER2陰性で、症状のない肺転移と推測されます。初期治療として術後ホルモン療法を行っていると思われますので、未使用のホルモン療法、またはホルモン療法+ベージニオ(アベマシクリブ)のいずれかで治療開始し、できるだけホルモン療法中心で治療を継続することになると思いますが、乳癌診療ガイドラインに沿った適切な治療法が行われていると思います。

質問1)について

乳癌が見つかった時、検査により乳房から離れた部分に癌があれば、ステージⅣの乳癌と表現します。貴女の場合、乳癌手術後20年遠隔転移再発です。

質問2)について

定期的に様々な検査を受けて、遠隔転移を早期に発見し早期に治療しても、症状が現れてから治療を開始しても、最初に乳癌と診断されてから全体としての生存期間に変わりがなく、真の生存期間の延長にはあまり役立たないことが、様々な研究で明らかになっています。

質問3)について

貴女の場合、色々なホルモン剤を使用して効果がなくなった場合、抗癌剤が検討されると思います。その際にゲノム検査を希望すれば行うことになると思います。また、ベージニオはホルモン治療を強化するために使用されています。

貴女が不安になる気持ちはよくわかりますが、貴女の病気についての情報は、主治医が一番よくわかっています。現在の自分の状態はどうなのか、自分に合った治療は何なのか等、主治医としっかり話し合うことが大切です。前向きに頑張るためにも、納得のいく治療法を選択してください。コミュニケーションをとるために看護師さんに話を聞いてもらうことも1つの方法です。応援しています。(文責 須田)

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