No.12661 術前検査について

1211 views
2021.05.24 モコ 0 Comments

以前質問したものです。2度温存手術を行い、5月末に左全摘予定です(1度目は陰性のしこりを取る話で、一泊で手術した結果、乳癌が見つかりました。1度目が去年12月、2度目が今年2月)。2度行った結果、既にわかっているデータは、次の通りです。

ルミナルA、 しこりの大きさが3cm 浸潤している所5cm範囲で考えられる、 Ki 10-20%、 リンパ転移なし y(-) グレード1

 

1)転移がないか、肺のCTと骨転移がないか調べただけですが、ほかも調べたほうがいいのでしょうか。ほかに転移していないか心配です。肺は大丈夫でも、他は大丈夫なのか・・など。2度の手術後、別の病院へ転院しましたが、前の病院のデータで大丈夫との事。通常、転移がないかどうか手術前にどこまで診るのでしょうか。手術もすぐしたかったのですが、結果最後の手術から3か月半と時間がたってしまい、その間の転移や先生の焦らなくて大丈夫というセリフに不安を感じています。大本の核を取っているから焦らなくてもいい考え方は、みな同じなのでしょうか。

2)今現在浸潤範囲が5cm近くあり、全摘後どこまで広がっているか現在不明ですが、どこまで浸潤範囲が広いと抗がん剤をした方がいいなど有りますか。

3)ローラー型の電気温灸をおなかに当てるのが日課です。あまりやらない方がいいのでしょうか。自律神経がよくなるので、最近よく使っています。

Changed status to publish
2021.05.25 久保内 0 コメント

記載された内容を要約すれば、良悪性不明の腫瘤の切除生検をしたら乳癌で、Ki67 10~20%のLuminal A typeの乳癌で、3cmの浸潤癌(しこりの大きさから類推)、乳管内進展まで含めたサイズ5cm(浸潤しているところ5cmから類推)とすればStageⅡ、リンパ節の情報が無いので判りませんが、転移陰性でStageⅡA、陽性でStageⅡBということでしょうか?

小生は常々患者さん達に、「乳癌の治療は局所戦と全身戦があり、その両方に勝つことが病気の克服に繋がる」と伝えています。『局所戦』とは乳房・リンパ節において取り損なうこと無く手術をすることであり、『全身戦』とは見えていないミクロの全身転移(これを放置することで後日の再発が起こります)を化学療法・内分泌療法・分子標的治療で叩くことにあります。

今回の3度目の手術は、1度目の切除生検・2度目の乳房温存術で取り切れなかった「術前読み切れなかった取り残しにカタを付ける(決して医師が悪いのでは無く、画像検査における限界がほとんどです)ための局所戦」だと考えます。全身戦について言えば、StageⅡのluminal A乳癌でほぼ言い尽くされており、4個以上のリンパ節転移や5cm以上のT3症例でない限り、術後の内分泌治療でコントロール可能な場合がほとんどだと思います。確かに全身転移の有無を見るために、PET+CT等の検査をすることも可能ですが、CTと骨シンチグラフィでざっと「転移なし」を検査しておいたことで、現時点では十分だと考えます。今大事なことは、局所戦を仕上げることであり、残された非浸潤癌の部分を取り切ることに全力を挙げるべきだと考えます。(文責 久保内)

Changed status to publish
Question and answer is powered by AnsPress.io
  • 会員の紹介
  • 乳がんについて