No.12078 今後の治療法について(1)

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2017.11.16 0 Comments

はじめて質問させていただきます。日々お忙しい中、このような形でも ご尽力頂いて感謝しております。50歳女性 妊娠・出産歴なし、最終月経2017年3月でした。2017年5月に右乳ガン診断(トリプルネガティブ、大きさ 48×52㎜、リンパ節転移1~3、核グレード3、T3N1M0、ステージⅢa)。同6月からFEC4C施行。同10月19日に右乳房切除術(全摘、腋窩リンパ節郭清レベル1)。 手術後の病理検査の結果は、化学療法の効果判定 2b、検索範囲ほぼ全域に不自然な繊維化・脂肪化がみられ、浸潤ガンが存在していたと考えられます。A領域には、低グレードの核所見を伴う非浸潤性ガンを認めます(乳管内のみ)。非浸潤ガンの部分はER 90%・PgR5%・HER2 2+・Ki67 1%
リンパ節転移は、pNo、レベル1(0/12)でした。術後にドセタキセル4C施行予定でしたが…現在のところ 今後の治療方針は決まっていません。個人的にはタキサン系の薬剤を使用しないのは、とても不安です。このような場合 今後の治療はどうなるのでしょうか?

1)タキサン系の上乗せ効果は、どのくらいになるのでしょうか?また施行した方が良いでしょうか?
2)非浸潤部分のHER2感受性については どのように考えるのでしょうか?治療対象になるのでしょうか?
3)ホルモン療法は どのくらいの効果と考えたら良いでしょうか?また私のような閉経途中の場合 治療はどのようになるのでしょうか?
4)放射線療法は 行った方が良いでしょうか?
5)卵巣ガンの家族歴があります。治療の区切りがついたら 相談していく予定でしたが…この予定で良いのでしょうか?

多岐にわたる質問で恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

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2017.11.21 石山 0 コメント

1)術前化学療法後のタキサン上乗せ効果は不明ですが、一般的にはFEC単独よりさらに20%程度の再発予防効果と考えられます。当院でもお勧めしています。
2)化学療法後の非浸潤部のHER2の状態は余り治療には影響なく、化学療法前の組織診断でHER2の状況(免疫染色、FISHなど)で決定するのが一般的で、トリプルネガティブならハーセプチンなどの適応ではないと考えます。
3)当院では10年間のAI剤かTAMOを行いますが、閉経状態かどうかは血中エストロゲンとFSHを測定し、閉経状態と考えれば前者を、そうでなければ後者を投与します。
4)術前のリンパ節転移の記載は1~3個ということでしょうか? 一般的には、そうであれば、断端に取り残しがなければ放射線治療は不要と考えます。
5)遺伝子外来があれば、その科を受診し、相談されるのが良いと思います。(文責 石山)

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