No.12743 乳房切除術をしてもらうのが最善ですか?

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2021.10.19 匿名 0 Comments

2人出産し、授乳後5年ほど経った30代半ばに片側乳頭から血性分泌物があり、エコー、マンモ、細胞診、針生検をしてもらいました。乳頭近くに外から触れる8㎜ほどの腫瘤があり、針生検はⅢで、経過観察となりました。

その後、下着に付着する程度の血性分泌物が不定期に続き、半年おきにエコー、上記から約3年後にマンモとマンモトームをしましたがⅢ、さらにこの夏のマンモと針生検でもⅢ(病期Tis、N=0、M=0、組織学的グレード1、ER95%、PGR90%、Ki67 5%)、医師Aは経過観察との指示でしたが、医師Bが異型乳管過形成が認められるからMRIをとのことで、MRIを撮ってもらいました。

すると医師Aに、MRIに広がりが認められるから乳房切除術を提案されました。その後のCTでは転移は認められていません。子どもはのぞんでおらず、今いる子どもが自立するまで元気に働き生きることが希望です。

1)確定診断は出ていませんが、乳房切除術は妥当でしょうか? (希望するなら確定診断がつくまで針生検やマンモトームをしてもいいとのことでしたが、摘出生検のお話はありませんでした。そういうものですか?それとも私は対象外の理由がありますか?)

2)この2か月ほど分泌物の頻度が高く、またチクチクピリピリした痛みを頻繁に感じますが、大丈夫でしょうか。

3)医師Aと医師Bの見解の違いは何でしょうか。今までMRIを撮らなかったのはなぜでしょうか。

4)このまま手術した場合、術後の病理は最悪どこまで可能性がありますか。

お忙しいのに恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

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2021.10.20 清水 0 コメント

Mailの中で、“針生検Ⅲ”というのがわからないのですが、細い針をさして細胞をとる穿刺吸引細胞診の結果がclass 3ということでしょうか? 針生検、マンモトーム生検であれば、通常1,2,3,..という数字ではなく、病理診断として、乳管内乳頭腫なのか、非浸潤性乳管がんなのか確定診断がつくはずなのですが…。

1)確定診断がついていないのに乳房切除をすることは原則としてありません。(例外はHBOC(遺伝性乳癌卵巣癌症候群)の時のリスク低減乳房切除)

2)病気の良悪性と痛みの症状は無関係です。分泌物の頻度も無関係です。痛いから、分泌が増えたから悪性になったということはありません。

3)確定診断がついていないので、悪性と確定診断がつくまでは治療をしないと考えるか、悪性の可能性があるならば積極的に治療をしようと考えるかの差だと思います。MRI検査は腫瘤の良悪性の判別に有用な検査ですが、県によっては健康保険で認められないこともあり、実施するかどうか難しい判断です。乳管から出血している場合のMRI検査では、造影される乳管が描出されますが、これが乳がんの乳管内進展なのか、乳管内に充満している血性分泌物なのかの鑑別が難しいのです。

4)Mailの内容からは、乳管内乳頭腫の可能性が高いように思いますが、最悪、非浸潤性乳管がんだと思います。

このようなケースでは、乳管腺葉区域切除がお勧めです。出血している乳管を切除する手術で、外来で、局所麻酔でできます。出血している乳管を切除するので、診断を確定することができますし、以後出血も無くなるので一石二鳥です。最近はMRI検査の普及であまり行われなくなりましたが、乳管造影という検査も良悪性の鑑別の一助になりますし、乳管腺葉区域切除をするときの一助(腫瘍が乳頭からからどれくらいの距離にあるかが事前にわかる)になります。一時は乳管内視鏡検査(直径0.5mmの内視鏡)という検査もありましたが、観察はできるのですが組織を取ることが難しいため、あまり普及しませんでした。(文責 清水)

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