No.12070 術後の治療について

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2017.10.09 E  0 Comments

こちらの相談室を知人に教えてもらい、初めてメールをお送りしております。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。8月に乳がんの手術を終え、先日術後の病理検査の結果がでたので、今後の治療について、主治医から話がありました。主治医とはもう一度話をして今後の治療計画を決定する予定ですが、現在感じている不安について、一般的な意見をいただけますと助かります。
<病理検査結果を聞いてメモしたこと>
左胸 浸潤性小葉がん、全摘出手術。 腫瘍大きさ 18mm×10㎜×25㎜、深さ(?)は30㎜。 術前に、腫瘍のまわりに小さなぽつぽつがあると言われ全摘となりました。センチネルリンパ節転移あり 3/6、3個のうち2個はごくわずかとのこと。ly0、v0 でしたが、センチネルリンパ節に転移があったので、リンパ管にも転移ありと考えられるといわれました。ホルモン受容体は陽性で、ホルモン療法が効果的と言われました(ER、PgRの数値は聞きませんでした)。 HER2は、術前と術後で結果が異なり、fish法で陰性ということでした。 Ki-67は 27.7%、増殖度は中間と考えられるとのこと、悪性度は聞いていません。
<主治医からの治療提案>
ステージは2(b)、サブタイプは、ルミナルB型なので、タキソテール(と思いました)を3週間×4回、アンスラタキサン系は不要と思っているとのことでした。プラスホルモン療法(タモキシフェン))10年と言われました。私の右胸にも、術前のMRで、グレー(?レベル3?)の小さな点がみられるので、右胸のがん発生を抑えるためにも抗がん剤は効果があるかもしれないということです。
<質問>
1) 主治医の提案する治療は適当と思われますか? 疑っているわけではなくて、よくわからないので、抗がん剤がタキソテールでよいか、意見をいただきたいです。
2) 私は、術前の検査(CT、MR、骨シンチ)、術後の胃内視鏡検査では、転移やなんらかの病気は無いということでした(大腸は検便の結果待ちですが)。 現在の傷は、きれいに治りつつあるそうです。ただ、今年の1~4月ごろ、仕事のストレスと(自分としては)更年期障害による食欲不振と胃腸の不良で、体重が減りました。7月に癌がわかってから、そのストレスでさらに体重がへり、現在も食欲不振のままで、あまり食べられず、体重が戻りません。体調は普通ですが、165cmで48キロ程度です。これで抗がん剤治療ができるのかどうか、とても心配しています。主治医は、「あなたは抗がん剤治療ができる体力があると思うので、提案しています。血液検査と体調を見ながら薬物を投与していきます。吐き気をとめる薬も投与するので、副作用は昔より少ないと思われます」ということでした。この状況で抗がん剤投与は可能でしょうか。
3) ②のように、ストレスなどで、食欲不振、胃痛、時々眠れない、急に汗をかくことがあります。主治医にも聞いてみますが、この症状のため、同時に心療内科なども通院したほうがいいでしょうか。そういう患者さんはいるのでしょうか。

長くなりましたが、どうぞよろしくお願いします。

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2017.10.09 須田 0 コメント

1)浸潤性小葉癌は、全乳癌の5~15%で、50歳以上で好発し、ホルモン補充療法に関連していることがあると言われています。小葉癌はマンモグラフィーによる検出が困難で、進行例が多く、同側で多巣性で、しばしば両側性(6~47%)に発生します。また転移については、髄膜、腹膜、後腹膜、消化管(胃など)、生殖器(卵巣、子宮など)等、特殊な場所に転移する場合があります。貴女の場合、リンパ節転移のある浸潤性小葉癌で、ルミナールBタイプですので、ホルモン療法に加えて化学療法を行うことが推奨されています。長期的スパンで見ると、化学療法を付け加えることによって、死亡率・再発率を16~17%改善するというデータもあります。化学療法剤としては、「①アンスラサイクリンを含む治療法 ②タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)を含む治療法」が考えられます。組み合わせも含め、どのような薬剤を使用するかは、予後の改善(再発率、死亡率の低下)、副作用、ご本人の希望等を考慮して決めることになりますが、主治医と充分にご相談の上、納得のいく選択をすることが大切です。

2)抗癌剤の使用が無理になってきた時は、主治医が判断して中止となります。抗癌剤の副作用もケースバイケースで、それぞれによって異なりますので、使ってみないと判断できない部分があります。先々のご心配はあると思いますが、まずは現在行える治療を試みることが大切だと思います。主治医の先生とコミュニケーションをとりながら治療を進めていくことになりますので、ご心配なことがある場合は、その時々に申し出て、ご相談なさるとよいと思います。

3) 癌のような大病をした場合、家族も含めて30%の方々が、精神的ストレスでうつ状態になるという報告があります。貴女の場合、色々な身体症状も出現していますので、精神科、神経内科、心療内科等に受診した方がよいと思います。治療に前向きに取り組むためにも、専門の先生によく話を聞いていただくだけでも効果があると思います。がん患者さんの精神的サポートを専門に行っている専門医もいますので、主治医の先生にご相談して紹介して頂くのもいいかもしれません。紹介状をいただいて治療経過などをお持ちになった方が、ご相談しやすいと思います。(文責 須田)

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