No.12780  10年治療 その後について

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2022.02.21 TSK 0 Comments

私は2010年に33歳で乳がんになりました。その後10年にわたり、手術、抗がん剤、放射線、ホルモン療法と治療をし、去年5月に全てを終了しました。ステージは2bでした。その後6ヶ月後に生理がきて、また2ヶ月後にまた生理がきて、2回きました。

1)現在45歳ですが、生理が来ることで乳がんの再発リスクはあるのでしょうか?

2)採血するときに術側は避けて欲しいと言われていますが、10年たってもやらない方がよいですか? リンパ節郭清とは、すべてのリンパ節を取ることのようですが、私は4個取ったうちの2個に転移がありました。採血する時に血管がかなり細くて、毎回手の甲で血をとるのですが、手の甲もそろそろ取る場所がなくなります。

3)一年に一度マンモグラフィとエコーをしますが、温存で、挟む乳がほとんどないため、痛くて痛くていつも怖く、内出血するくらいです。ほかにいい方法とかないでしょうか?

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2022.02.21 久保内 0 コメント

1)手術・化療・放射線・内分泌の全ての治療法をされているので、乳房温存で腋窩郭清をされたLuminal B typeの方だと考えます。33歳発症で10年治療をされて、現在45歳ですから、2ヶ月に1度の生理が来たことから卵巣機能が回復していると考えます。Luminal B type の方で再発するとすれば大抵は10年経過する前ですが、Luminal Aやそれに近い緩徐な発育をするタイプでは10年を超えてからの場合は有り得なくは無いです。そういう方での再発はあり得ますが、極めて少ないのが現実です。むしろ内分泌治療薬による副作用の危険(例えば子宮体がんの発生増える)ことの方がリスキーなので、ガイドラインでは「術後10年の治療」と言っているのです。中には10年を超えて内分泌治療を継続する方も居られますが、極めて稀な場合だと考えます。むしろ、33歳で発病なさったとのこと、遺伝性乳癌の可能性は検査されたでしょうか?遺伝性乳癌は当時では自費検査で大変費用がかさみましたが、現在では健保収載になり、比較的安価になりました。もし遺伝子異常が有れば、対側乳房・温存乳房だけでなく、卵巣癌・腹膜癌の危険もあります。既に検査図済みだとしたら余計なことかも知れませんが、一言添えます。

2)腋窩郭清した側での採血を禁忌としたのは、皮膚の表在最近を持ち込むことで、(リンパ管の流れの悪くなった方に)蜂窩織炎を起こさないようにする目的です。外傷(ガーデニングの土いじりでも起こり得ます)・ワクチンの皮下注射等も禁忌です。採血・静脈注射は良く消毒して血管を外したりしなければOKなのですが、百発百中でないとダメなので、通常は不可とされます。どうしても反対側の血管が出ないなら、足の血管や大腿の付け根の血管からは採血が出来ますが、外来の採血には向かないでしょう。乳癌術後で健側の静脈が取れない場合は特別な方ですので、病院側とよく相談して下さい。その方に合わせたスペシャルメニューを作ってもらった方が良いです。(私だったら自分自身で、良く消毒をした後で患側から採血するかも知れません)

3)局所再発と新規乳癌を見つけるにはマンモとエコーは必須です。エコーは余程押しつけない限りはいたくないと思います。問題はマンモですが、技師さんの技量によると思います。男の人のマンモは、挟むところが無いけどほとんど痛くありません。乳腺が無いからです。

でも術後の人では瘢痕になって硬くなっているので、余り圧迫をかけると痛いと思います。健常の乳房と同じように扱っている技師さんでは問題が有るかと思います。新規の石灰化や新しい陰影を確認できれば良いのですから、圧をかけずに引き延ばしてもらうよう、主治医の先生と担当の技師さんに良くお話ししてもらうことが大事だと思います。(文責 久保内)

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