No.12787 術後の治療について(HER2陽性)

332 views
2022.03.11 匿名 0 Comments

57歳。術後の治療選択後、色々調べて行くうちに不安が増して不眠となり、こちらにご相談させていただきます。

非浸潤ガンの術前診断で全摘(広がり5cm)+センチネルリンパ生検

【術後病理検査結果】組織型・・・浸潤がん(浸潤性乳管癌)、リンパ節転移・・・なし (センチネル5個中0)、 ホルモン治療の有効性・・・ER(−)PgR(−)、 ハーセプチンの有効性・・・3+、 がんの浸潤径・・・5ミリ×4ミリ(8箇所あり最大値)、 核異型度・・・2、 脈管浸襲・・・なし、ki67・・・15%

今後は、無治療で良いとのこと、希望があればパクリタキセル+ハーセプチンの治療もあり、自分で選択して欲しいと言われました。非浸潤癌(検診で要精密、針生検でもがん細胞出ずに紹介先の病院へ)、MRIでも浸潤がなさそうと言われており、急に抗がん剤の話になり、知識もなく、パニックになってしまいました。HER2陽性は予後が悪い事、浸潤径が5mmで境界線なことを知り、落ち込んでいます。

  • 無治療を選択したのは間違いではないでしょうか。
  • 浸潤がなさそうと言われていたのに、いくつか浸潤があり、最大5mmというのは、スピードが速い癌なのでしょうか。
  • 手術までに3ヶ月あり、その間に浸潤してしまったのでしょうか。
  • 無治療だと遠隔再発率は5%以下でしょうか。
  • HER2陽性で核異型度2、ki67の15%は、安心材料となりますでしょうか。

たくさんの質問をしてしまい申し訳ありません。宜しくお願いします。

Changed status to publish
2022.03.11 須田 0 コメント

乳がんの診断は、手術後の病理検査で決定されます。手術になる前の色々な検査での診断は仮の診断で、手術前に非浸潤癌かどうか正確に診断するのは困難なことです。針生検や画像診断等で非浸潤癌と診断されていても、手術後の切除標本の連続切片で調べると、そこに小さな浸潤巣(がん)がある場合があります。非浸潤性乳管癌が浸潤性乳管癌で“こぶ“として触れるようになるまで、十数年かかると言われていますので、0.5cmの浸潤癌になるには3ヵ月などという月の単位ではなく、年の単位が経過しているものと推測されます。

病理検査での浸潤癌の大きさが0.5cm以下(pT1a乳癌)と小さく、さらにリンパ節転移、遠隔転移のない原発性乳がんの予後は極めてよく、再発のリスクも高くないことが知られています。そのため主治医の先生は無治療でもよいと言われたのだろうと思います。しかし、この様なタイプの乳癌の中でも再発等をきたすものがあり、一つの要因として非浸潤部の範囲が広い場合があげられています。

HER2は癌細胞の増殖に関係しており、HER2陽性乳癌では、陰性の乳癌に比べて転移再発のリスクが高いことで知られていますが、ハーセプチンを使うことにより予後が改善します。核のグレード(1,2,3)は数値が高いほど悪性度が高くなります。Ki67は癌細胞の増殖する能力を表す指標ですが、増殖能が高いと判定されるのは20~30%以上です。

貴女の場合、病変部が5㎝と広めであり、乳房全切除とセンチネルリンパ節生検を行ったものと推測されます。また確定診断は浸潤性乳管癌(pT1a)ですが、この様な病変が8か所あり、精神的な不安も大きいとのことなので、サブタイプ分類での治療を追加したほうが良いかもしれません。ER(-),PGR(-),HER2陽性ですので、パクリタキセル+ハーセプチンについてメリットとデメリットを主治医からよく聞き、前向きに頑張るためにも、納得のいく治療方針を決定してください。(文責 須田)

Changed status to publish
Question and answer is powered by AnsPress.io
  • 会員の紹介
  • 乳がんについて