No.12844 腺様嚢胞癌

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2022.08.05 0 Comments

52歳。大腸がんの1年目フォロー造影CTで腫瘤が見つかり、CNB施行、3週間後に手術予定です。放射線療法を受けたくないので、全摘を希望、再建は今のところ考えていません。父が肝臓がん・膵がん・前立腺がんでした。乳がん・卵巣がん・大腸がんの家族歴はありません。

cT1N0M0(腫瘍径1cm)、病理の結果では Adenoid cystic carcinoma、トリプルネガティブ、ki67:8.1% nuclear grade1、histological grade1(nuclear atypia1点、miotic counts1点、tubule formation1点)

1)抗がん剤はやってもあまり…と言われました。抗がん剤をやるベネフィットは殆どないと考えていいでしょうか。

2)抗がん剤をやらない場合、全摘でリンパ節転移などもなかったら、後は無治療で経過観察ということになりますか? 他にできること、やっておいた方がいい治療や検査はありますか?

3)母親が乳がんだと娘も乳がんになる確率が2~3倍と聞きましたが、このような特殊型のものでも当てはまりますか? 唾液腺など全身の分泌腺の中でたまたま乳腺にできたようなイメージに感じられ、他の乳がんと同じような危険度になるのか疑問に思いました。

ご多忙中恐れ入りますが、どうかご助言をよろしくお願い申し上げます。

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2022.08.05 徳田 0 コメント

乳腺のadenoid cystic carcinomaはとても珍しいタイプの乳がんですので、たくさんの患者さんの治療成績から導きだされた標準的な治療ガイドラインはありません。

1)一般的には、予後良好とされていますので、早期であれば、ベネフィットはないと考えます。

2)リンパ節転移がなければ stage I ですので、全摘後は、無治療で経過観察でよいとされています(NCCN)。

3)遺伝的な背景は、明らかにされていません。しかし、生活環境が同じお嬢さんは、リスクが上がる可能性はあります。

また、あなたご自身の対側乳房もハイリスクです。したがって、定期的な乳がん健診をおすすめします。(文責 徳田)

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