No.12855 術後治療の選択

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2022.08.28 匿名 0 Comments

浸潤性小葉癌です。右乳房全摘手術を受けました。リンパ節転移はなし。術前にAC4コース、週1でPTX+HER+PER4コース。完全に癌は消えず、Fab rosisの中にごく少数の浸潤癌あり。完全に消えなかったので、術後治療にカドサイラを提案されました。以前は転移治療に使われたこと、副作用もあり、費用が高額となる為、迷っています。主治医は、あまり副作用はないとのことでした。HER+PERでは効果がないのでしょうか。

 

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2022.08.29 久保内 0 コメント

HER2タイプの乳癌は悪性度が高く、従来は完治したと思っても再発の多いタイプで、治療の難しい乳癌でした。抗HER2薬であるハーセプチンが登場してから状況が一変し、まず術後に、そして術前化学療法に使用出来るようになって、その治療成績は大きく改善しました。術前化療での完全寛解率(術後の病理検査で癌細胞の消失の割合)が、ホルモン受容体陰性で約50%、陽性で約30%位になり、「治しやすい乳癌」になりました。

更なる予後の改善をめざして、2018年頃、従来再発乳癌にしか使えなかったパージェタを上乗せすることが保険収載になり、従来より完全寛解率が向上しています(まだ予後が改善を得たという報告はありません)。

一方で、完全寛解が得られなかった方は再発が多いので、完全寛解に至らなかった方への術後にカドサイラを使用した臨床試験が行われ、パージェタ・ハーセプチン続行より有意に成績が良かったので、約2年前に保険収載になりました。

ハーセプチンだけでもかなり良い治療効果ですが、ここ最近はこのように目まぐるしく治療法が変わってきました。しかし、おっしゃるように治療の効果だけでは無く、医療費の問題・副作用の問題等にも目を向けなくてはならないかと思います。医療費に関して言えば、パージェタ+ハーセプチン継続でもカドサイラに変更しても、多くの方が高額医療対象になり、違いが無いことが多いのではないでしょうか? 副作用については個体差がありますが、自覚症状はカドサイラで顕著なものは少なく、採血での骨髄障害を見てもらうこと位だと思います。治療効果を見る術後の病理所見にもよりますし、良く主治医の先生や医療費の相談窓口の方等とも相談されて決められたら良いと思います。(文責 久保内)

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