No.12906 化学療法のTC療法とAC療法、AC-T療法の違いについて

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2023.01.08 匿名 0 Comments

オンコタイプDXの結果、グレーゾーンでも高値で閉経前ということから、化学療法を行うことになりました。術後病理では、リンパ節への転移は認められませんでした。主治医より、TC療法かAC療法、AC-T療法を提示され迷っています。単純に考えて、短期間で終わるTC療法かAC療法の方向で考え、TC療法を行なっている方が多いことから、TC療法で考えていました。しかし、こちらの質問コーナーで、ルミナルタイプはACかTCのどちらが効くのか判らないということを知りました。TCやACだけにすると、変な話博打を打つ形ということになるのでしょうか。AC-T療法にすることで副作用や後遺症の程度も変わってくるのでしょうか。化学療法をしても数%程度の上乗せと聞き、化学療法のメリットとデメリットをどのように考えていったらいいのかわからず、数%ならば、いっそのことしないという博打を打った方が良いような気持ちになってしまいました。

病気発覚を理由に職場の理解を得られず離職することになってしまい、給付金等もなく、早く仕事をしなければという事情もあり焦ってしまっています。各々の療法の違いやメリット、デメリットについて教えていただけますと幸いです。よろしくお願い致します。

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2023.01.08 清水 0 コメント

閉経前で、リンパ節転移なし、多分Luminal Bで、Oncotype Dxの中間リスクだがRS scoreは高めということだとすると、やはり化療をお勧めします。レジメンは、治療効果のみで考えればAC<TC<AC->Tの順なので、AC->TがBestだと思います。一般的な傾向として、再発リスクがあまり高くない場合(例えばn0である場合等)は、そこまで強い治療を選択せずにTCでも良いのではないかと考える先生もいますが、患者さんが化療を行うと決心したということは、多少の副作用は覚悟した上で自分の転移再発のリスクを最小限にしたいと考えているわけですから、中途半端な治療法を選択して後で後悔することがないように最強のレジメンを選択するべきであると、私は考えています。ACの主な副作用は、脱毛、悪心嘔吐、好中球減少ですが、悪心嘔吐は制吐剤(吐き気止め)が良くなったので、近年は少なくなっています。好中球減少もpeg G-CSF(ジーラスタ)の使用で発熱等の重症化はかなり抑えられます。あとはwigによる脱毛対策をするだけで十分乗り切れます。TもしくはTCの主な副作用は、脱毛、好中球減少、全身倦怠感、末梢神経障害、浮腫などです。この副作用はTでもTCでも同じですから、ACの副作用が大きく克服されている現在の状況では、TCでもAC->Tで副作用はあまり変わらないと考えられます。治療期間こそAC->Tの方が長くなりますが、副作用に大きな差がないならば、高い治療効果が得られるAC->Tが勧められると思います。(文責 清水)

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