No.12054 乳癌の皮膚転移と今後の治療について(HPNo.12049-2)

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2017.08.07 0 Comments

先日は乳癌の皮膚転移と今後の治療についてのご回答をいただきまして、本当にありがとうございました。やはり抗がん剤治療には抵抗があったため、今後の治療について、主治医の先生にもう一度相談した結果、PET CT検査の結果で、「右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり」と「右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり」だったことで、再度CT検査を行って確認してもらうことにしました。その結果で、リンパ節転移の可能性が低かった場合は、ホルモン治療(場合によっては放射線治療も)でお願いしてみます。ただし、主治医の先生は、皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発なので、抗がん剤は行うべきとの考えがあるみたいでした。そこで再度ご質問があるのですが、このような場合の抗がん剤は、どのような種類の物を使うのでしょうか。私としては、仕事を続けたいため、体への負担(副作用)が極力少ないと助かるのですが(髪の毛も抜けないような)。以前、主治医の先生からは、3週間に1回の点滴で4カ月、その後経過を見て、場合によっては放射線、さらに3週間に1回の点滴で4カ月と言われました。今までの詳しい経過や結果もわからずお答えしようもないかもしれませんが、一般的なものでも構いませんので、よろしくお願いします。簡単な経過は以下の通りです。

10年ほど前に左乳房の非浸潤癌が見つかり、温存手術と放射線治療を行う。 7年前、同じ左乳房に石灰化が見つかり左乳房同時再建を行う。 2年前に右乳房全摘を行い、ユーエフティ内服を2年間行い、これからホルモン治療に入る寸前だったのですが、全摘した左乳房にまた、5ミリ程度のしこりを発見し、先日日帰り手術にて摘出しました。 病理検査の結果とPET CT検査の結果で抗がん剤治療と場合によっては放射線治療との方針。
【病理診断】
Invasive ductal carcinoma, recurrent and metastasis into skin, skin, excisional biopsy.
[ Additional report on ER , PgR , HER-2 immunostains ]
皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発と考えられる像です。
[ ER , PgR , HER-2 に関する追加のご報告 ]
ER 陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、 PgR陽性(Proportion
Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、HER‐2 陰性(score 0)でした。

【PET検査報告】 ~別の病院で受けました~
FDG-PET
右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり
SUVmax2.4→2.88
リンパ節転移を否定できず、貴院でのCTでの経過と併せ評価ください。
また、その尾側でも傍胸骨領域にごく淡い集積あり。
SUVmax1.38→1.63
こちらは有意な所見とは言い難い。
右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり。
SUVmax2.77→3.41
性状からは術後変化を疑う。局所所見と併せ評価ください。
他、有意な集積亢進を指摘できない。

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2017.08.07 石川 0 コメント

乳癌の皮膚転移なので、他の皮膚にも再発しやすいこと、他の臓器にも転移が発現することが稀ではないことから、リンパ節転移をも疑って、抗がん剤治療もお勧めいたします。その場合、私は強めの副作用も出現してもおかしくない、脱毛の可能性のある薬剤を使います。その方が効果が期待できるからです。使う抗がん剤もいろいろな種類があります。その治療は3週間に1回の点滴から投与量を少なくして3週連続の点滴など、投与量・間隔など変えて行う場合もあります。仕事を続けながら抗がん剤治療を受けている方もたくさんおられます。どうぞ、ざっくばらんに主治医と相談してください。(文責 石川)

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