No.12049 乳癌の皮膚転移と今後の治療について

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2017.07.22 0 Comments

乳癌の皮膚転移と今後の治療についてお尋ねします。現在までの経過ですが、10年ほど前に左乳房の非浸潤癌が見つかり、温存手術と放射線治療を行う。7年前、同じ左乳房に石灰化が見つかり、左乳房同時再建を行う。2年前に右乳房全摘を行い、ユーエフティ内服を2年間行い、これからホルモン治療に入る寸前だったのですが、全摘した左乳房にまた5ミリ程度のしこりを発見し、先日日帰り手術にて摘出しました。病理検査の結果とPET CT検査の結果で今後の治療方針を決定。結果は、次の通りでした。
【病理診断】
Invasive ductal carcinoma, recurrent and metastasis into skin, skin, excisional biopsy.
[ Additional report on ER , PgR , HER-2 immunostains ]

皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発と考えられる像です。

[ ER , PgR , HER-2 に関する追加のご報告 ]
ER 陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、 PgR陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、HER‐2 陰性(score 0)でした。

【PET検査報告】 ~別の病院で受けました~
FDG-PET
右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり
SUVmax2.4→2.88
リンパ節転移を否定できず、貴院でのCTでの経過と併せ評価ください。
また、その尾側でも傍胸骨領域にごく淡い集積あり。
SUVmax1.38→1.63
こちらは有意な所見とは言い難い。
右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり。
SUVmax2.77→3.41
性状からは術後変化を疑う。局所所見と併せ評価ください。
他、有意な集積亢進を指摘できない。

以上により、先生からはPET検査結果により、はっきりはしていないが、リンパ節転移の可能性があり、胸の病理診断の結果から皮下再発ではなく、皮膚転移なので、やはり抗がん剤治療を行いましょうと言われました。私は皮膚内部なので皮下再発でホルモン療法とせめて放射線治療くらいだと思っていたのですが、やはり抗がん剤への拒絶が強く、まだ受け入れることができません。セカンドオピニオンができれば他の意見も聞いてみたいのですが、同時再建をはじめ何回かほかの病院で行っているため、先生にこれ以上不信感を与えたくありません。今後の転移等を考えて、やはり抗がん剤治療を行った方がよいのでしょうか? この診断結果だけでは判断できませんでしょうか? お伺いします。

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2017.07.22 0 コメント

経過が長く複雑で、また両側乳がんでもあり、現状がどのような再発かを正確に知ることが困難ですが、摘出病理結果やPET検査の結果より、浸潤がんの皮膚転移およびリンパ節転移があるものと考えます。それゆえ、主治医の先生がおっしゃるとおり抗癌剤治療が有力な選択肢のひとつであると考えます。しかし抗癌剤治療の受け入れが難しいのであれば、摘出病理結果ではホルモン感受性が強い、言い換えればホルモン治療が効果的に働く可能性が強いということですので、まずホルモン治療を開始して少し経過を見てみるのも有力であると考えます。主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

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