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相談室(No.1601〜1700)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 なお、個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。
なお当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

1700-1
1700-2

1700-3
03/07/31
03/12/28
04/09/14
T2 妊娠中の乳がんの検査について
乳房マッサージで出血
授乳中、腋の下のひきつり
片山
吉田
西川・福田
1699-1
1699-2

1699-3
1699-4
03/07/31
03/08/06
03/08/17
03/09/06
M.M. 術後の化学療法について
化学療法の吐き気止めについて
ACおよびタキソールについて
5FUについて
片山
加藤
加藤
麻賀
1698 03/07/26 K  術後の治療法について 片山
1697-1
1697-2
03/07/26
03/08/12
S’Y 右胸全摘後の治療について
HER2について
片山
加藤
1696 03/07/26 C.T.  細胞診後の赤みについて 片山
1695 03/07/26 y 今後の治療方針 片山
1694 03/07/26 M・S 乳汁分泌と痒み 片山
1693 03/07/26 C. M. 乳ガン転移後の治療について 片山
1692 03/07/23 yuriko 乳癌の治療法について 片山
1691 03/07/21 S.H.  病院を移りたいのですが? 片山
1690 03/07/21 A・F 乳腺線維腺腫について 片山
1689 03/07/21 K.M.   アリミデックスと骨密度 片山
1688 03/07/21 S 乳腺炎について 片山
1687 03/07/21 M.M. 術後化学療法の選択について 片山
1686 03/07/21 T.T. クラスII  良性のしこりの処置について 片山
1685 03/07/21 T・T 乳首からの分泌液 片山
1684 03/07/19 tomo  嚢胞について 片山
1683 03/07/19 K.M 右脇下の痛み・他・検査入院の期間は? 片山
1682 03/07/19 M.H. 乳がんの検査について 片山
1681 03/07/16 OK 右腋下のしこり 片山
1680 03/07/16 Y マンモグラフィーの所見について 片山
1679-1
1679-2
03/07/16
03/07/19
Kei 胸に水
胸に水 (2)
片山
片山
1678 03/07/16 I.K.  良性ののう胞と診断されました 片山
1677 03/07/16 T.M. 癌と黴(カビ)について 片山
1676 03/07/14 TM 母の乳癌について(胸水) 稲葉
1675 03/07/14 aju   10歳の胸のしこり 稲葉
1674 03/07/14 O.A.  術後病理結果について 稲葉
1673 03/07/14 O.H. 日焼けについて 稲葉
1672 03/07/14 A.S. しこりとは? 稲葉
1671 03/07/14 O.M. 乳首の異変相談 稲葉
1670 03/07/14 けい 左乳房のしこり?が心配です 稲葉
1669 03/07/14 J.K. 妊娠中のしこり 稲葉
1668 03/07/13 J.H.  硬化腺症 稲葉
1667 03/07/13 M.T. ホルモン剤の副作用について 稲葉
1666 03/07/13 卵巣腫瘍の石灰化について 稲葉
1665 03/07/13 傷口の痛みについて 稲葉
1664 03/07/11 Y.S. 左胸のしこり 稲葉
1663 03/07/11 M.T. 穿刺細胞診の後 稲葉
1662 03/07/11 H.A. 術後の状態について 稲葉
1661 03/07/11 hilary  乳腺炎でしょうか 稲葉
1660 03/07/11 F.Y.  母の乳癌について 稲葉
1659 03/07/11 ai 乳首の痒みと白くて透明の分泌物がでます 稲葉
1658-1
1658-2

1658-3
03/07/09
03/08/24
03/09/01
N.N 術後の生活について
術後補助療法について
術後補助療法について(2)
稲葉
清水
清水
1657 03/07/09 Y.U. 乳癌検診の判定について 稲葉
1656 03/07/08 M.S.  不安 稲葉
1655 03/07/08 nachu 両胸の痛み 稲葉
1654-1
1654-2

1654-3
1654-4
1654-5
03/07/08
03/07/24
03/07/31
03/08/29
03/09/06
N.A.  乳癌の治療方法について
乳癌の治療方法について(2)
乳癌の治療方法について(3)
細胞診について
葉状腫瘍でした
稲葉
片山
片山
清水
麻賀
1653 03/07/08 M.T 術後化学療法について 稲葉
1652 03/07/05 H  硬いしこりについて 稲葉
1651 03/07/05 H.T.  授乳期の乳がんの可能性について 稲葉
1650-1
1650-2

1650-3
1650-4
03/07/05
03/07/11
03/09/01
03/10/18
M.T.   骨転移の可能性
骨転移について
肝転移後の治療について
乳癌の骨転移
稲葉
稲葉
麻賀
徳田
1649 03/07/05 K.G.  術後の創の化膿について 稲葉
1648 03/07/05 C.F 退院後12日目に左脇の下に見つけたしこり 稲葉
1647 03/07/03 K.A. 乳輪にしこり 稲葉
1646 03/07/02 sun  乳房痛の原因は? 稲葉
1645 03/07/01 Y 右腋のしこり 籾山
1644-1
1644-2

1644-3
1644-4
1644-5
03/07/01
03/07/05
04/06/20
05/02/15
08/11/04
T.T 骨転移の治療について
骨転移の治療について(2)
骨転移治療のその後について
骨転移の治療について(4)
骨転移の治療について(5)
籾山
稲葉

吉田
鈴木
1643 03/07/01 DKI 右乳の痒みとしこり 籾山
1642-1
1642-2

1642-3
03/07/01
03/07/02
03/07/11
C.O.  授乳中の摘出手術について
授乳中の摘出手術について(2)
乳腺炎について
籾山
稲葉
稲葉
1641 03/06/30 MM 薬の作用 籾山
1640 03/06/30 H.T. 今後の治療の選択について 籾山
1639 03/06/30 M.O 乳ガンを宣告されて 籾山
1638-1
1638-2
03/06/30
04/11/12
K.I. 今後の治療方法について
今後の治療法について(2)
籾山
片山
1637 03/06/30 再発のリスク 籾山
1636-1
1636-2
03/06/30
03/07/13
S.K.   術後10年目の乳癌からの転移
予後について
籾山
稲葉
1635 03/06/30 T.Y.  今後の再発治療について 籾山
1634 03/06/30 O.S.   左胸のしこりについて 籾山
1633 03/06/30 HM マンモトーム生検について 籾山
1632 03/06/27 N.T. 線維腺腫の摘出法について 籾山
1631-1
1631-2
03/06/27
03/10/12
Y.Y. 転移の可能性について
癌性腹膜炎について教えてください
籾山
千島
1630-1
1630-2
03/06/26
03/06/30
H.I. 胸水が溜まっています
肺転移
籾山
籾山
1629 03/06/26 S.N. 右胸のしこりについて 籾山
1628 03/06/26 A.K. 現在の治療方法の適否について 籾山
1627 03/06/25 G 若年層の再発リスクについて 籾山
1626 03/06/25 Y.K. 線維腺腫の摘出について 籾山
1625-1
1625-2
03/06/24
03/06/27
A.T. 補助療法の回答を7/1に求められています
補助療法の回答を7/1に求められています(2)
籾山
籾山
1624 03/06/24 S.T. 胸のしこりと細胞診 籾山
1623 03/06/24 IS  線維乳腺線腫 細胞診クラスIIIa 対応は? 籾山
1622 03/06/22 k・k しこりについて 籾山
1621 03/06/22 S.O.  乳頭からの異常分泌 籾山
1620 03/06/21 F.O. 乳頭からの微量出血について 籾山
1619 03/06/21 R子 定期検診について 籾山
1618 03/06/21 K・R 男性の乳癌について 籾山
1617 03/06/18 T.M.   全身再発していますが・・・ 籾山
1616 03/06/18 E.T. ノルバテックス服用期間について 籾山
1615 03/06/18 R.U. 乳輪の痛み 籾山
1614 03/06/18 薬の副作用について 籾山
1613 03/06/18 a. m.   一箇所だけの胸の痛みについて 籾山
1612 03/06/18 T.W. 乳輪直下のしこり 籾山
1611 03/06/17 YK 術後の補助化学療法について 籾山
1610 03/06/17 G 母の乳癌術後について 籾山
1609 03/06/17 N 乳癌の手術の時期と病院の選定について 石田
1608 03/06/17 T.M.  リンパ節郭清について 石田
1607 03/06/17 M.T. 石灰化としこりの大きさ 石田
1606 03/06/17 M.S 乳首根元のしこりについて 石田
1605 03/06/17 Y.S. 乳頭からの分泌物 石田
1604 03/06/17 ROKO 乳がん治療と神経節ブロックの併用について 石田
1603-1
1603-2
03/06/15
03/06/18
Y 乳がんのレベルと腕のしびれについて
外科と乳腺外科の違いについて
石田
籾山
1602 -03/06/15 MT 出血が続いて心配 石田
1601 03/06/15 K.U. 背部痛について 石田

 

 

No.1700-1】 03年07月31日 T2
妊娠中の乳がんの検査について

このページを見つけ、救われた気持ちでメールさせていただいています。私は38歳、3歳の子供がいます。現在妊娠3ヶ月です。妊娠に伴って乳房も張ってきたところです。3日ほど前に左の胸外側に小さなしこりのようなもの(クリッとするもの)を発見しました。乳房の張りも右側より左側の方が張っています。気になって何度も触っていると、触ったときに少し痛くなってきました。わきの下からその部分にかけて少し張っているという感じもしてきました。ちょうど昨日、産婦人科の検診日だったので、そのことを先生に告げると触診をしてくださり、「心配はないでしょう。心配なら、産後レントゲンをとってみたら・・・」ということでしたが、念のため今日、乳腺外来を受診しました。触診のあと、「心配するようなものではないと思いますが、一応しこりかどうかMRIをしてみましょう」「MRIは妊娠中でも大丈夫ですから」ということでした。が、私は3度流産の経験があり、1度目の時、軽い接触事故にあい、MRIは妊娠の可能性があっても影響はないということで首のMRI検査をしました。その後、それが原因かどうかわかりませんが、流産しました。今回の妊娠の前にも2度続けて流産し、今回の妊娠もやっと3ヶ月までたどりついたというところです。過去のそれらの不安や、今回の妊娠に対しての影響の心配(年齢的なこともあって今回こそなんとかうまく継続させたい)などの思いを先生に告げると、「そうしたら、(MRIは)やめときましょうか。3ヵ月ごとに受診してください。」とおっしゃいました。本当に不安を解消したいなら、触診だけではなく、他の検査をしないといけないということはわかっているのですが、MRI検査を受けるということをその場ですぐには受け入れられなかったので・・・。長い前置きになりましたが、質問させていただきたいのは、
1)触診の結果、2人の先生とも、「(何かあるが)心配するようなものではないでしょう」とおっしゃったのですが、 触診で、これは明らかに、その種(乳がんなど)のものではないということもあるのでしょうか?2人の先生の発言から、先生方はどういう印象(乳がんの可能性)を持たれましたでしょうか?
2)このページでマンモグラフィーとか、超音波、エコー、細胞診などいろいろな検査があることを知ったのですが、妊娠中の場合、一番安全で有効な検査はどういうものでしょうか? 超音波というのは妊娠中にお腹に当ててするあの超音波と同じものなのでしょうか? それなら抵抗なくできそうな気がするのですが、MRIとどちらが有効なのでしょうか? どなたかのメールで、検査の種類によって、異常ありの結果が出たり、異常なしの結果が出たりしていたようですが、そういうこともあるのでしょうか?   
3)乳がんは妊娠中は進行が早いとか、妊娠によって乳がんに悪影響があるというようなページをみましたが、どうなのでしょうか?
4)妊娠中に乳がんが発見された場合、手術などはするのでしょうか?その場合、お腹の赤ちゃんに対する影響は?
5)「心配なら、産後レントゲンをとってみたら・・・」という発言がありましたが、もし乳がんだった場合、それで間に合うのでしょうか?
簡潔にまとめるつもりが、長々となってしまいました。恐縮です。特に(2)の質問については詳しく教えていただきたいと思っています。こういう場を設けていただいて本当に嬉しく思いました。よろしくお願いいたします。

1)正直に申し上げて触診だけで乳癌かな?と強く疑える場合は逆に自信を持てますが、それがなんでもないと言い切るのはなかなか難しいと思います。さらにMRIなどの検査をしてみようということですから、やはり触診だけでは難しいということだと思います。
2)やはり、超音波(エコー)が一番副作用も少なく、安心してできる検査かと思います。マンモグラフィーも比較的X線照射量が少なくてできる検査だと考えますので、必要に応じて考えたいと思います。
3)4)妊娠は乳癌にとって好ましい状況ではありません。妊娠続行のまま手術を含めた治療が可能なこともありますが、場合により、母体の安全を考えて人口流産して乳癌の治療を優先することもあります。
5)上述しましたように必要があればレントゲン検査(マンモグラフィー)は行っていい検査と考えています。(文責 片山)

 

No.1700-2】 03年12月28日 T2
乳房マッサージで出血

半年前、妊娠3ヶ月の時に左胸にしこりがあるような気がして・・・ということで。その時、2件の病院で超音波の検査をしました。
「疑いがあるようなら細胞針をします。」ということでしたが、結果は、2件とも「大丈夫です。(癌ではない)」とのことでした。結局そのしこりが何であるのかは、どちらの先生からもはっきりした説明はいただけませんでした。あれから「切迫流産、切迫早産」と言われながらも半年が経ち、現在妊娠9ヶ月に入ったところです。ようやく産婦人科の先生から「順調」と言う言葉を聞くことができ、1週間ほど前に初めて乳房のマッサージをしようとしたところ、気になっていた左の乳房から少しうっすらと血がにじみ出て来ました。その後はそういうことはないのですが、心配がよみがえってきました。昨日の定期健診で産婦人科の先生は「乳がんだと血が出るということはあるけれど、妊娠中にもそういうことはよく聞きくよ。続くようだったら、精密検査も考えて見ましょう。」ということでした。たまに少しの血がうっすらとにじみ出るような事は乳がんでなくてもあることなのでしょうか? 原因はどんなことが考えられますか? 深刻度はどのくらいなのでしょうか? 先生方の見解はいかがでしょうか? よろしくお願いいたします。

乳房は妊娠中から授乳期にかけて腫脹しており、マッサージなどで出血することもあるようです。あまり心配は要らないと思います。乳房のしこりや出血が出産後も残るようでしたら、念のためもう一度検査しておくこと勧めます。(文責 吉田)  

 

No.1700-3】 04年09月14日 T2
授乳中、腋の下のひきつり

過去の掲載HPNo.1700です。1年ほど前、妊娠中にしこりを見つけメールさせていただきました。その時の超音波検査では、「異常なし」ということでした。現在授乳中(6ヶ月)です。1年前のしこりは今もありますが、大きさは変わらないような気がします。心配なのは、1ヵ月半くらい前から、しこりがあるほうの左胸の上部が凝った感じがあり、わきの下から上腕部にかけて、引きつったような感じがあります。【リンパへの移転?】などと、また、乳がんへの心配と不安がよみがえり、信頼しているこちらの相談室にメールさせていただきました。

@ 上記のような症状はどのような事が考えられますか?(乳がんの可能性は?)
A しこりのある左の母乳を与えていてもよいのでしょうか?
B 出産入院中に子供の便からMRSAが検出され、その後の検査では便からはなくなり、おへそから検出、その後、10日ほど前の検査で、おへそからはなくなり、喉から検出されたのですが、それは何か関係がありますか?
C 右の乳輪から白い分泌物(母乳だと思っているのですが)があるのですが、問題はないのでしょうか?
D 検査に行く時は搾乳などして母乳があまり溜まっていない状態にしておいたほうがいいのでしょうか?
E レントゲンをとった場合、母乳に影響はないのでしょうか?与えてもよいのでしょうか?

出産1ヶ月後頃から左のおっぱいの出が悪くなり(張らなくなり)、右のおっぱいでの授乳が主になっています。どうかよろしくお願いいたします。

授乳期乳腺は増殖しており、良悪性の診断が難しいケースがあります。増殖によるこりや引きつれを感じていらっしゃる可能性が考えられますので、超音波検査を含めた検査をうけてはいかがでしょうか。検査の際には搾乳をされた方がよろしいかと思われます。また、検査後の母乳については問題はないかと思われます。子供さんの件は担当医にご相談下さい。(文責 西川・福田)

 

No.1699-1】 03年07月31日 M.M.
術後の化学療法について

始めまして。このようなメール相談をしていただいてありがとうございます。
44歳既婚、子供なしです。7月3日に左乳房切除術を受けました。乳管内の浸潤が予想外に広く、4x1.1cm、リンパ節転移3個/27あり、ホルモンレセプターはEおよびPとも陽性、HER2陰性でした。術後の化学療法について、主治医からファモルビシンとエンドキサンの組み合わせ(タキソールも加えるかもしれない)が提案されました。来週からはじめられることになるのですが、動揺していたこともあり後でいろいろ不安になり、おそれいりますがお尋ね致します。

@ ホルモンレセプター陽性であっても化学療法は行わなければならないのでしょうか? これによって予後に与える影響はどのくらい改善されるのでしょうか?
A この治療を受けた場合、おそらく生理がとまるとのことで、ホルモン剤は投与されないのでしょうか? ホルモン療法は化学療法のあとになるのでしょうか?
B 副作用について大変不安です。WBCは毎週チェックするようですが、一般にどの程度減少するのでしょうか?普通の生活をしていて大丈夫なのでしょうか?脱毛は必発だとのことで、かつらを用意するようにいわれましたが、また元に戻るのでしょうか?吐き気の予防薬などはあるのでしょうか?

お忙しい中、おそれいりますがよろしくお願いいたします。

@ リンパ節転移陽性であり、やはり化学療法は推奨されるということになると思います。ファルモルビシンとエンドキサンの組み合わせによる化学療法によって、30-40%の再発が防げると考えられます。
A 化学療法によって生理が止まっても、抗エストロジェン剤(タモキシフェン)によるホルモン療法の併用は考慮されると思います。1998年のEBCTCG meta analysisでは、無作為比較試験55試験の約37,000例について総合解析を行い、「タモキシフェン補助療法は、ER陽性あるいは不明乳癌患者の10年生存率を大幅に改善する。このような効果は年齢および閉経状況、化学療法併用の有無にかかわらず認められる。」とされています。
B 非常に個人差があります。全く変動しない方もいらっしゃいますし、一回の投与でいきなり正常値以下になる方もおられます。
このような場合は風邪をひかぬように、そのため人ごみを避けるようになどの注意が必要になると思います。脱毛はかなり高頻度に起こると思いますが、投薬が終れば、ほぼ元に戻ることが多いです。吐き気の予防薬は静注、経口薬ともにあります。(文責 片山)

 

No.1699-2】 03年08月06日 M.M.
化学療法の吐き気止めについて

先日は術後化学療法について相談いただきありがとうございました。44歳 7月3日に左乳房切除術を受けました。リンパ節転移が3個あったため、本日から術後補助化学療法としてACが始まりました。セロトーンの効果もあってか、吐き気も全くなく今のところ快調です。吐き気止めとして、ゾフラン4mg、メドロール4mgx3回を渡されました。吐き気がでないようだったら服用しなくてもよいのでしょうか?ステロイドは服用したくない気持ちが強いのですが・・・。申し訳ありませんがよろしくお願い致します。

化学療法後の吐き気は、投与直後よりもむしろ2-3日程度してから起こることがあります。よって現在吐き気がなくてもしっかりと服用された方がよいと思います。一度吐き気を体験してしまうと、体が覚えてしまい気持ちの面からも次回から出現しやすくなりますので、初回からしっかりと予防しておくことが大切です。ステロイドは優れた制吐作用を持ち、短期間の服用では副作用も軽いため、やはり服用されることをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.1699-3】 03年08月17日 M.M.
ACおよびタキソールについて

前回もいろいろとアドバイスいただきありがとうございました。44歳、7月3日に左乳房切除を受け、ERおよびPRとも陽性、HER2陰性ながらリンパ節転移3個/27陽性であったため、8月4日にファモルビシン90mg、エンドキサン900mgで第1回の化学療法を外来で受けました。投与された夜から、全身倦怠・食欲不振がひどく、3日間、ミネラルウォーターとスポーツ飲料しか受けつけず寝たきりの状態であり、こんなことでは化学療法で死んでしまうのではないかと思いました。ゾフラン、メドロールを渡されましたが、食べられないため、ゾフランだけ服用しました。仕事復帰も遠のきそうで非常に不安です。

@ 体表面積当り60mg、600mgで投与されましたが、私(167cm、51Kg)には多すぎる量ではないでしょうか?量を減らしたら副作用がましということはないのでしょうか?
A 白血球数が本日(8月15日)2600でした。治療を続けたら回を重ねるごとに減少の程度が強まるのでしょうか? G-CSFはどの程度になったら使用するのでしょうか?
B 6クールといわれていますが、途中でやめたら効果が薄いのでしょうか?
C 副作用がひどいのでタキソールに変更しようかともいわれていますが、消化器症状はましだと聞きました。しかし骨髄抑制はどうなのでしょうか?タキソールの方が強いのではないのでしょうか? また1クールだけアンスラサイクリンをやってすぐ変更するというのはどうなのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

@ 多すぎる量ではないと思います。ただ抗がん剤の量に関しては個人差があり、同じ投与量でも体にとって多すぎると受け止めてしまう方、少ないと受け止める方がいます。量を減らせばもちろん副作用は軽減されますが、効果も下がる可能性があります。ファルモルビシンは用量依存性であることが知られています。
A 抗がん剤の投与回数が増してくると、少しずつ減少の程度が増加してくることもあります。G-CSFは基本的に白血球が低下し、発熱が見られた場合、また発熱がなくとも好中球(白血球の中の一つ)の低下(500以下)が認められた場合に投与を考慮します。また抗がん剤の投与量が多い場合などに予め投与する場合もあります。
B 例えば、4クールでは多少効果が劣るであろうと考えられています。
C タキソールの投与方法にもよりますが、骨髄抑制はそれほど強いものではありません。特有の副作用(しびれや筋肉痛)が出ることがありますが、一般的に副作用はそれほど強くなく、吐き気もあまり出現しません(脱毛はあります)。1クール後の変更に関してはデータがありませんので何ともいえませんが、副作用次第では変更を考慮されても良いかと思います。(文責 加藤)

 

No.1699-4】 03年09月06日 M.M.
5FUについて

お忙しい中、いつも丁寧に回答いただいてありがとうございます。術後化学療法についてお尋ね致します。44歳。リンパ節転移が3/27個あったため、CEを1クールしましたが、嘔気などの副作用がひどかったことなどから、もっと近くの病院に転院し、2クールめは、5FU点滴を加えてCEFとなりました。しかし、5FU経口薬をあまり服用していないと申し上げましたら、次回からは5FUは中止してCEに変更しようと言われました。5FUは加えても、再発予防効果にあまり差はないのでしょうか?5FUの経口治療は、それほど効果がないのではないかと読んだことがあります。CEもCEFも差がないのなら薬が少ないほうがよいのではと思うのですが・・・。よろしく御願い申し上げます。

CEFのうち5FUを除いてCEで行うところも増えています。5FUを除いてもその効果に差がないと言われています。私自身は治療経験の多いCEFの方を好んで使いますが。ただこの場合の5FUは注射薬です。経口5FU系抗がん剤の再発予防効果の有用性についてのデータはありませんが、現在検証中の臨床試験があり、もう少しするとそのデータが発表になるかもしれません。(文責 麻賀)

 

No.1698】 03年07月26日 K
術後の治療法について

はじめまして。このたびは、お世話になります。早速ですが、術後の治療法についてご相談です。これまでの経緯は、
・ 生検のため左乳房のしこりをとる→しこりの大きさ2.3cm、悪性と判定 (右乳房にも1.3cmのしこりあり、クラスのため、経過観察にする)  
・ その後左乳房温存手術+リンパ節レベルの一部郭清
 <結果>先に摘出した部分以外からも乳管内に小さながん細胞数箇所あり。リンパ転移なし(0/15)、ホルモンレセプター(+)

今後の治療法について決断する時期になりました。選択肢として放射線、抗がん剤(ご提案はCAF)、ホルモン療法について、なし〜組み合わせ治療まであげられています。生存確率の最も高い方法を選びたいと思いつつも、子供2人、フルタイムでの仕事をもち、副作用等も心配な面もあります。現時点では放射線+ホルモン剤に抗がん剤を加えるべきかどうか迷っています。一般的にはどんな方法がとられることが多いのか、効果の程度(確率論だとわかっていますが)に差があれば教えていただきたく思います。年齢40歳、閉経前です。また、抗がん剤を行う場合について、医師より、4週間に一回だけ点滴による投与をサイクルに6回と聞いています。図書等によると、4週間のうち最初の1,2週両方投与するケースが載っていますが、効果の違いはあるのでしょうか? また、病院からは、放射線をかける場合、1回目の抗がん剤後放射線治療を実施、この終了後2回目の抗がん剤というスケジュールときいています。抗がん剤の間隔というのは意味があるのでしょうか? 以上2点アドバイスをいただければありがたいです。どうぞよろしくお願いします。

まず、放射線療法は必ず受けてください。これにより局所の再発率をかなり低減することができ、乳房切除の場合と遜色の無い成績が得られることになっています。
全身療法についてはSt.Gallenのコンセンサスに従えば、ホルモン療法(抗エストロジェン剤)は受けたほうが良く、しこりが2.3cmと2cmを超えているため、化学療法またはホルモン療法であるLH-RH analogue(ゾラデックスなど)が推奨されることになります。CMF6サイクル(1,8日目にM,F投与、Cは1-14日目経口投与)は再発率を25%低減し、AC4サイクル(A,Cおのおの1日目投与を1サイクルとし、21日間隔)はこれとほぼ同等といわれます(例えば100人の内20人が再発するところを5人減らしてくれる)。CAF6クールはさらに12%くらい再発率を下げてくれることになっており、C,A,Fそれぞれ静注を1サイクルとし、21日間隔投与と、A,F静注1,8日目、Cは1-14日目経口投与があります。投与量と投与間隔は重要で、上記のような成績はこういったレジメンが元になっていますが、実際には副作用などで投与量を減らしたり、間隔を伸ばさざるをえなくなることもしばしばあります。放射線療法は連日で25回ほどのことが多く、21日周期でほぼ1回目と2回目の間で終了するという意味ではないかと考えますが、いかがでしょうか?
また、LH-RH analogue(ゾラデックスなど)は、月一回の投与2年間でCMFと同等の効果があるとされています。CMF,CAFなどの化学療法では高率に閉経となってしまいますが、LH-RH analogueでは投与終了後生理が再開するというメリットもあります。(文責 片山)

 

No.1697-1】 03年07月26日 S’Y
右胸全摘後の治療について

こんにちは、56歳の母の癌について質問させて下さい。先月、乳癌(硬癌)のステージ2と診断され、今月手術をうけました。手術は温存も可能だといわれましたが、母の希望で右胸全摘しました。腫瘍は1.7センチ、リンパ節は0/16で、転移なしでしたが、癌の種類が顔つきの悪い癌なので、今後ホルモン療法か軽い抗癌剤で治療をするそうです。(どちらを使うかはまだ結果が出てないそうです。)肺などにも転移はないといといわれましたが、骨シンチと脳のCTはまだ検査していません。閉経後です。
・ 今後再発する確率は何パーセントくらいあるのでしょうか?
・ 検査結果によっも違うと思うのですが、どういった治療が考えられますか?
・ 骨シンチと脳のCTの検査をまだしていませんが、リンパの転移がなくても転移の可能性はあるのですか?
よろしくお願いします。

・ 5年生存率は90%を超えると思われます。裏返すと10%未満の再発率と考えます。
・ ホルモンレセプター(ER/PgR)が陽性ならばホルモン治療薬(抗エストロジェン剤)の投与が考えられます。ただ、顔つきが悪い癌との事で、この場合でも抗癌剤投与(CMF,CAF,CEF,AC,ECなど)が考慮されることもあります。ホルモンレセプターが陰性の場合は無治療か、抗癌剤投与ということになると思います。
・ リンパ節転移がなくても、血行性に骨、肝、肺、脳などに転移することはあり、これが最初にお話した10%未満の再発につながると思います。(文責 片山)

 

No.1697-2】 03年08月12日 S’Y
HER2について

先日はありがとうございました。家族で10%未満の再発ということで少しホッとしたのですが、その後検査の結果 ホルモンレセプターER(−)PgR(−)HER2(3+)とでました。CT、骨シンチは異常なしです。リンパ節は0/19でした。治療法は抗がん剤CMF6ヶ月、経口抗がん剤(エンドキサンP、フルツロン)に決まりました。
1) HER2は予後が悪いといいますが、HER2を持っていると必ず再発するのですか? それとも再発の可能性がもってない人よりかなり高くなるのですか? そうであればHER2(3+)の母の再発率はどれくらいになりますか?
2) 再発後の治療法でハ―セプチンというのがあるようですが、再発予防のものはないのですか? 調べるとHER2について再発後の事はいろいろあるのですが、再発するリスクについてどれくらい重要かということがあまりないので教えて下さい。あまりよくないような結果がでたので心配です。よろしくお願いします。

1) HER2陽性であるからといって再発するとは限りません。陰性の方と比較すると若干再発率は高くなりますが、先日お伝えした数字とあまり変わりはないでしょう。
2) 再発予防に有用であるかどうか、現在欧米を中心として大規模な臨床試験が行われています。一般的に予防に使われるのはその結果がでてからです。(文責 加藤)

 

No.1696】 03年07月26日 C.T.
細胞診後の赤みについて

35歳、既婚、妊娠経験ありません。以前より胸にしこりのようなものがあり、時々痛みもあり気になっていたので、乳腺外科を受診しました。今までにも何度か婦人科で相談をしたことがありましたが、そのたびに乳腺が張っているのだろうといわれてきました。腫瘤付近は乳腺症があるらしく、触診ではぼこぼことしているだけで腫瘤はわかりにくいようでした。乳腺外科で初めてマンモグラフィー、超音波検査をしていただきましたが、マンモグラフィーでは腫瘤ははっきりと写っていませんでしたが石灰化があるといわれ、大中小と3個くらいの白くはっきりとした石のような(石を砕いたような角がある)ものが写っていました。超音波では横長の楕円形の腫瘤(1.5cm×7mm)がはっきりとあり、そこに石灰化した3つの石のようなものが写っていました。良性か悪性か微妙と言われ針で細胞を取って検査をしました。(注射針のような細い針を刺し、チュウブで繋がった注射器のようなもので吸い取っていました。)
まだ検査結果は出ていませんが、検査をした日の夜、気になったので貼ってあったバンドエイドを剥がして自分の指で腫瘤を何度もぐりぐりと触ってしまいました。朝になって胸を見てみると、打撲の痕のようにうっすらと赤くなっています。これは針を刺したために内出血したものでしょうか?針を刺した部分をグリグリと触ったので、腫瘤の中からがん細胞が他に広がったりする事はあるのでしょうか?この赤みは1週間後、病院に行くまで放っておいて良いでしょうか?そもそも腫瘤の形は本で見る乳腺線腫のように感じられたのですが、そこに白い石のようなものがいつくかあると癌の可能性が高くなるのでしょうか?検査結果を聞くのが怖くて、あと1週間もこのような気持ちで生活していかなければならないのかと思うと不安です。よろしくお願いします。

お話をうかがった範囲で判断しますと、良性の線維腺腫で、一部が変性により石灰化を起こした可能性が高いと考えます。皮下の赤みは内出血によるものと考えられ、経過観察で吸収されてなくなると思われます。グリグリと触ったことで癌が広がることはありません。(文責 片山)

 

No.1695】 03年07月26日 y
今後の治療方針

今後の治療方針について教えてください。37歳で、2年半前に左乳房全摘手術を受け、リンパ節転移36個、ホルモン感受性+でした。術後治療として、CMF10回、放射線治療15回、その後ゾラデックスとノルバデックスを続けてきました。今年1月に胸膜に転移、胸水がたまっている事がわかり、エストロゲン量が標準値以下だったので閉経とみなし、アリミデックスを3ヶ月続けたところ生理になり中止。医師はCEFをし、効かなくなったらタキソテールを点滴すると言っています。質問ですが、
@ 卵巣摘出で、アリミデックスを服用しても腫瘍(右胸膜に1cm3個)に効きませんか? 抗がん剤の方が効果がありますか?
A もし抗がん剤治療になった場合、吐き気を止めることはできませんか? 前回カイトリル2本入れてもらったけど駄目でした。
B 閉経前なのにアリミデックスを3ヶ月も服用しましたが、害はないのですか?
C 8月19日まで無治療で左脇と右脇下が張ってきていますが、大丈夫でしょうか?
D 卵油を飲んでいて生理が戻るわけではありませんよね。ゾラデックスを止めたからですよね。これからも卵油を飲んでもよろしいでしょうか?
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

@ ゾラデックスは卵巣摘出とほぼ同等の効果があると考えられ、それを行っていて再発したわけですから、治療法を代えるということになると思います。
A 前回と異なる抗癌剤治療なので吐き気の出現や程度は異なるかもしれません。カイトリルと同じ効果を持つ内服薬を点滴後4日間投与することもできますので、主治医の先生と相談してみてください。
B アリミデックスによる一般的な副作用以上のものは心配しなくてよろしいかと思います。
C 生理前の張りなのでしょうか? リンパ節の腫脹の可能性は? 拝見していないのではっきりしたことは申し上げられません。
D レシチン、ビタミンE、Fなどの主成分からして、害はないと考えますが・・・。(文責 片山)

 

No.1694】 03年07月26日 M・S
乳汁分泌と痒み

現在24歳、独身です。去年ぐらいから左の乳輪の左半分がかさぶたみたいにかさかさしてきて、軽い痒みを感じました。それから痒みは続いていたのですが、そんなに気になる程ではなかったので病院にもかかりませんでした。先月ぐらいから痒みがひどくなってきて、ただれて下着に黄色い汁が付き、乾くとカピカピになって下着にくっついています。同じような症状でパジェット病という乳癌があると知って不安になり、3日ほど前に産婦人科で診察してもらったのですが、下着などのかぶれということでゲンタシンという軟膏をいただきました。それから毎日痒みを感じたら塗るようにしているのですが、一向に痒みもただれも良くならないというか、軟膏を塗るとよけいに痒みが増しているような気がします。不安なので今日皮膚科に診てもらおうと思っているのですが、処方された軟膏によっては痒みがひどくなるものもあるのでしょうか? お忙しいところすいません!!

軟膏によって痒みがひどくなっているというよりは、やはり乳頭のびらんによる症状そのものと考えます。皮膚科、または乳腺外科を受診し、細胞診などの検査を受けることをお勧めします。(文責 片山)

 

No.1693】 03年07月26日 C. M.
乳ガン転移後の治療について

65歳になる私の母の相談です。4月の終わりに乳ガンと診断され、ハーセプチン(単独)を投与する治療を1か月ほど受けています。皮膚、肝臓、肺、リンパ腺に転移があって、担当の先生からかなり厳しい状況だと云われております。骨転移はありません。 HER2テストの結果は3+でした。皮膚の転移は目に見えるだけに本人が最も気にしている部分(肝臓と肺の転移に関しては本人には知らせていません)でして、乳房全体が茶褐色に変色して、ぽつんと小さな穴のようなものが開いています。担当の先生は癌が表面に出てきて"花が咲いた"状態だとおっしゃいました。その穴がここ2週間ほどの間に急に大きくなり、表面をぬれタオルで軽くぬぐう程度で、そこから出血するようになりました。また、みぞおちにかけての皮膚に赤みが出てきて、そこが熱をもってピリピリすると母が申しております。これは皮膚の転移が進行しているということなのでしょうか? ピリピリした感じはハーセプチンを投与した日とその翌日が最もひどく、3日ほどたつと少しおさまるとのことです。薬が関係しているということはあるのでしょうか?
現在は大学病院の外来での点滴治療を受けているのですが、担当の先生は母が痛みや穴が大きくなっていることを訴えても、「そうですか」とおっしゃるだけで、特に積極的な治療はして下さいません。このまま乳房の穴がどんどん大きくなると、どうなってしまうのか、母も私もとても不安です。せめて目に見える部分だけでもなんとかできれば、母の不安が少しは解消されると思うのですが、何か手はないものでしょうか? それから、ハーセプチンは抗ガン剤と併用しないとあまり効果がないと書かれている記事を読んだのですが、単独での投与では転移をおさえられないということでしょうか? すでに手術や放射線療法は無理(ホルモン剤も使えないタイプ)と云われています。できるかぎり苦痛や不安を感じさせることなく過ごさせてやりたいのですが、表面の穴だけでもなんとかする方法がありましたら、是非教えて頂きたいのですが・・・。

肝臓と肺という重要臓器に転移があり、残念ながらかなり厳しい状況と言わざるをえません。 ハーセプチンは確かにタキソールという抗癌剤と併用すると更に効果が期待できることもあるのですが、既に全身転移があり、身体的状況がそれを許さない状況であるのかもしれません。放射線療法も患者さんの全身状態にもよりますが、一時的な腫瘍縮小効果が得られる場合もあるかと考えます(表面の穴がふさがる事は無いかもしれません)。それが無理ということであれば、やはり後はモルヒネなどによる除痛などによる緩和療法を主体とするべき時期なのかもしれません。(文責 片山)

 

No.1692】 03年07月23日 yuriko
乳癌の治療法について

48歳の姉の乳がんの治療法について心配のため教えていただきたいのです。
左胸の乳輪部に近い部位に3.5センチのしこりがあり、本人の話では筋肉に癒着している状態ということで、もしかしたら転移しているかもしれないという状況です。治療法としては先に手術(乳房全体を摘出)して後から化学療法を受ける方法と、先に化学療法(半年)をしてしこりを小さくしてから乳房を残す手術をして、術後また化学療法をする方法があるということで、姉は乳房を残す方法の治療法を選択しました。姉の乳癌の状態からいってどちらの方法が確実に予後の状態がよろしいのでしょうか? 私の気持ちとしては、先の方法で早く手術をして悪いところを早く取ってもらいたいという気持ちが強いのですが、(女性として姉の気持ちもわかるのですが)どうでしょうか?回答のほう、よろしくお願いします。

術前化学療法に関しては、NSABP(National Surgical and Adjuvant Breast and Bowel Project)-B18やEORTC(European Organization for Research and Treatment of Cancer)などの大規模無作為化試験が行われていますが、術前と術後に化学療法を行った場合の無病生存率や全生存率に差はなく、乳房温存率は向上するといわれています。実際に画像などを拝見していないのではっきりしたことは申し上げられませんが、お姉様の場合、3.5cmの乳癌ということで、ガイドラインに沿って腫瘍径3cm以下まで腫瘍を縮小させて温存というのは理にかなっているかも知れません。しかし、予後に関しては今のところ差が無いということになると思います。(文責 片山)

 

No.1691】 03年07月21日 S.H.
病院を移りたいのですが?

58歳の私の母の相談です。昨年7月に右の乳癌手術を受けましたが、手術の時は早期癌だから大丈夫と言われていました。手術中病理検査は行わず、手術後の病理検査で、リンパ節より数個の癌細胞が見つかりました。その話を聞いて私たち親子は不安になりました。手術後約1年間外来通院していたのですが、今月に入ってから、同じ手術をした方の右乳房にしこりを発見しました。又もし手術が必要があれば、別な病院を受診したいのですが、どのように先生に話したら良いのでしょうか?

原発巣が小さくて、術前にリンパ節への転移が触れなくても、術後の病理検索でリンパ節への転移が分かることは時にあることです。また残念ながら乳房内に再発してしまったわけですが、乳房を温存した以上、ある程度(5%前後?) の比率で起こりうることなのです。こういった状況を納得された上で、最初の手術のときの状態や病理のことなどをすべて知っていらっしゃる、今までの主治医の先生と今後のことを相談して治療を続けられるのが理想的だとは思いますが、どうしても別の病院へということであれば、そのままを正直に先生にぶつけられてよろしいかと思います。そして紹介状と今までの経過、病理などの資料をいただいて別の病院を訪ねてみてください。(文責 片山)

 

No.1690】 03年07月21日 A・F
乳腺線維腺腫について

はじめまして。私は29歳の未婚女性です。2週間ほど前に、右胸の外側下部分にしこりを発見して外科に行きました。診察は触診とエコーのみで、マンモグラフィは乳腺が発達していると写らない場合もあるということなので、しませんでした。エコーで見た結果、大きさは1.5pほどで、触るとコロコロと動くことから乳腺線維腺腫だろうと診断されました。ただ少しいびつな形をしているようなので、摘出して生検するのが一番安心だろうと言われました。今なら傷跡も小さくて済むということだし、私としてもしこりを触るたびに不安になるよりも取ってしまった方が安心だと思って手術の予約をしました。けれども周りの人達は、乳腺症と間違えている場合もあるから、他の病院でも検査するべきだと言います。私は診断して下さった先生の説明を聞いて充分納得して決めたことなので摘出してもらうつもりですが、乳腺症と乳腺線維腺腫は見分けがつきにくいものなのでしょうか?私は生理前になると胸がはって、いくつかしこりのようなものが出るのですが、エコーをとった時(生理後10日ぐらい)にも細かいブツブツのようなものが写っていて、乳腺症のようなことは言われましたが、右胸のしこりは生理前とか関係なくあります。線維腺腫の手術は簡単で心配することはないということなので、手術もすぐ決めたのですが、私は間違っているのでしょうか?よろしくお願いします。

乳腺症は硬化性腺症、のう胞形成、アポクリン化成など非常に多彩な変化を示す状態で、エコーなどの画像でもその像は多様です。1.5cmの大きさで、エコー上特徴的であり、穿刺吸引細胞診でも特徴的な細胞であれば、まず線維腺腫で間違いないと思いますが、画像診断に100%ということはなく、正直申し上げてしこりのある方全員に組織検査ができれば、我々外科医としても安心なわけです。もしもあなたが主治医の先生と話し合って納得してそう決めたのであれば、生検してもらって病理診断をつけてもらうのが最も確実な方法です。(文責 片山)

 

No.1689】 03年07月21日 K.M.
アリミデックスと骨密度

初めまして。60歳の主婦です。昨年9月、右胸全摘手術を受けました。以来毎日アリミデックスを服用しています。先日、市の検診で骨密度の検査を受けました。1年前は100%といわれて安心していたのに、今年は70〜80パーセントと言われました。急に減ったのは薬の副作用ではないかと思うのですが、如何でしょうか? もしそうであれば今後どんなことに注意すべきかお尋ねいたします。よろしくお願いいたします。

アリミデックスはアロマターゼ阻害剤というホルモン剤の一種類で、低エストロジェン状態をきたす作用機序から、長期投与による骨密度の低下や脂質代謝への影響などは注意しなければならないといわれています。実際ATACのトライアルにおいて、アリミデックスはノルバデックス(タモキシフェン)よりも再発や対側乳癌の発生のリスクを減少させることが分かっており、今後術後補助療法として標準化されていくだろうと思われますが、有害事象として、筋骨格系障害(関節痛など)や骨折の頻度は増加したので、やはりこういった点に関しては注意が必要と思われます。(文責 片山)

 

No.1688】 03年07月21日 S
乳腺炎について

2児の母です。一人目の子の時にも乳腺炎になったのですが、その時は田舎に居たため病院にいけなくて、自力で胸を冷やして治しました。二人目の時も乳腺炎になりマッサージで搾乳しましたが、2日たちますがオッパイの痛みが和らぎません。熱は下がりましたが、片頭痛とオッパイが痛くて心配です。もう少し様子を見たほうがいいのでしょうか? 教えてください。

乳房の発赤はあるのでしょうか? 解熱はされたとのことですが、痛みが残っているということで、乳腺炎から膿瘍形成を起こしている場合などは、抗生剤の投与や切開排膿などの処置が必要になることもありますから、一度乳腺外科を受診されるようお勧めします。(文責 片山)

 

No.1687】 03年07月21日 M.M..
術後化学療法の選択について

はじめまして。よろしくお願いいたします。30歳、千葉在住です。実は私の母が(北海道在住)乳がんと診断され、今月の初めに手術を行いました(乳房の一部とリンパを摘出しました)。その結果、肺と腰の骨の一部に黒い点が確認できますが、転移はないようですとのことでした。詳しい事情も良くわからないのですが、但し、摘出したがんがレベル3(良くないらしいのです)、ER陰性とのことで、術後の化学療法をすることになりました。その方法で、「CMF療法(6ヶ月)とEC療法(3ヶ月)2つあるがどうしますか?」と言われたらしくとても悩んでいます。どっちがいいのか、またはどんな違いがあるのか教えていただけませんか?お忙しい中、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

お母様の場合、St.GallenのConsensus(乳癌の術後補助療法に関する国際会議)に照らし合わせて、術後の化学療法が推奨されることになります。
CMF療法はC(サイクロフォスファマイド)、M(メソトレキセート)、F(5-FU)を組み合わせた抗癌剤療法で、6クール(6ヶ月)で再発する可能性のある患者さんの約25%を助けてくれるというデータがあります。EC療法はE(エピルビシン)、C(サイクロフォスファマイド)を組み合わせた抗癌剤療法で、4クール(3-4ヶ月)でCMF6クールと同等の成績が得られるということになっています。施設によって投与量・投与方法などに差があると思われますが、後者のほうが投与期間が短くてすむというメリットがあります。お母様の閉経状況がわかりませんが、閉経後の方は閉経前の方と比べて化学療法の効果が若干低いというデータがあります。(文責 片山)

 

No.1686】 03年07月21日 T.T.
クラスII  良性のしこりの処置について

45歳独身です。先日、えんどう豆大のしこりを見つけ、大丈夫だろうが念の為と、マンモグラフィー、超音波を受け、形がいびつというので、細胞診というのでしょうか、組織診というのでしょうか、注射で細胞をとり、「クラスII良性」とのことでした。先生はそれでも取った方が良いとのこと、胸に傷をいれなくてはいけないのでしょうか。最新の方法では、カメラを腋から入れて取る方法もあると本で知りました。そのままにしておくと将来的にどんな影響があるのでしょうか。切って診ることで悪いものが見つかる可能性もあるのでしょうか。どなたかの手記で、私と同じ検査までして、その結果は書いてなかったのですが、半年後にガンが大きくなったというのを読みました。私は数日後にもう一度MR検査を受けて相談という予定です。結果にもよるのでしょうが、同じ質問を主治医の先生にもするつもりでいます。セカンドオピニオンをお願い致します。

乳腺の腫瘤の診断は触診、マンモグラフィー、超音波、そして細胞診により総合的に行うものです。ですから細胞診がクラスUでも主治医の先生は何らかの理由で切除したほうが良いと判断されたのかもしれません。そこは実際に画像などを拝見していないのではっきりしたことは申し上げられません。主治医の先生にお尋ねください。良性と判断した場合でも将来的に大きくなると手術がしにくくなると考えられる場合、患者様とも相談の上、切除を考慮することもあります。(文責 片山)

 

No.1685】 03年07月21日 T・T 
乳首からの分泌液

30歳です。1か月ほど前に乳首をつまんでみた所、白いのとまじって茶色っぽいものがでてきました。数回つまんだら出なくなりましたが、先日またつまんだ所、前回より薄い茶色っぽいものが白いのと混じって出てきました。よくみると1箇所から出てきているようで、気になって数回同じ事をしたら、ほとんど出なくなりました。断乳後半年以上たってるのですが、病院に行った方がいいのでしょうか?しこりはさわってもないと思うのですが・・・。色々調べた所、乳がんでは?と、とても心配です。よろしくお願いします。

白色、黄色、透明な乳頭分泌物はたいていが良性で心配のないことが多いです。ただ血性の分泌物や、血液が古くなって黒色、褐色となった分泌物の場合、稀に悪性のこともあるので、一度乳腺外来を受診なさってみてはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

No.1684】 03年07月19日 tomo 
嚢胞について

こんにちは。33歳、女性(出産経験はありません)です。かかりつけの婦人科で左胸に1センチ程のしこりを触れ、5月半ばに紹介された乳腺外科で精密検査(触診、エコー、マンモグラフィー)を受けました。水が溜まっていると言う事で、注射で内容物を取るとしこりは全てなくなりました。細胞診はクラス2。自己検診は続けながら、かかりつけのクリニックの婦人科で半年毎にエコー検査を受ける事になりました。ところが先日(7月上旬)、嚢胞があったのと同じ場所と、その少し上に1センチ程のしこりを見つけ、驚いてかかりつけのクリニックで触診、エコーを受けました。「5月に精密検査したしこりと同じ形・状態なので、また水が溜まったのでしょう、新しく出来ているしこりについても同様のものでしょう」との事。予定通り半年毎の検診を11月に、その間自己検診で変化あれば、それを待たず受診、心配あれば乳腺外科で精査する事になりました。質問させていただきたいのは、乳癌の場合、5月の精査で分からなかったものが、2ヵ月後に1センチのしこりになる可能性はどれくらいあるのでしょうか、という事です。乳がんは急に大きくなることはあまりないと思っていたのですが、私の場合も再度乳腺外科を受診した方が良いのでしょうか。宜しくお願いいたします。

かかりつけの先生がおっしゃるように嚢胞内に再び水がたまった可能性が高いと思います。ただ乳癌の中で急速に大きくなるタイプもありますので、再度乳腺外科を受診してみてください。(文責 片山)

 

No.1683】 03年07月19日 K.M
右脇下の痛み・他・検査入院の期間は?

はじめまして。36歳、1児(5歳)の母です。生理が始まった5日ほど前から右腕の付け根に痛みを感じました。始めは生理前の胸の張りかと思っていましたが、段々と針でさしたようにチクチクと痛み出し、痺れを感じてきました。右腕全体と乳首から上の胸と脇の下までが重く痛いです。不安になりネットで色々調べてみました。早く病院に行くのが一番なのはよくわかっていますが、もし検査等で入院になったときの事を考えると躊躇してしまいます。マンモグラフィー検診のことを知りましたが、一般的に検査は日帰りで出来るものなのでしょうか? 夫は忙しく、近くに頼る人もいません。実家が遠く、実母にはこちらには来てもらうことはできません。実家に帰れば何とか助けてはもらえそうですが・・・。当然個人差があるでしょうが、検査入院の期間や費用等はどれ位かかるのでしょうか? 夫には早く行くように言われていますが、家を留守にする事で自分の症状よりもモヤモヤと悩んでおります。
個人的な情報として・・・
平成6年10月に実父(昭和8年生れ)が初期の胃がん手術。
平成13年1月に末期の肺がんと診断される。余命6ヶ月。治療の後11月中旬に緩和ケア病棟に入院。12月上旬に死亡。
平成11年8月に次女の姉が良性の腫瘍で簡単な手術をしています。乳がんではなかったみたいです。詳細はわかりませんが、乳がんになる前のものだったそうです。
私は平成10年5月に予定日よりも一月早く出産しています。妊娠少し前から太り気味になり、現在は妊娠前よりも20キロくらい太っています。また、未熟児で生まれたため直接授乳が出来ずに、そのためか母乳がほとんどでませんでした。2ヶ月くらいは吸わせていたのですが、上手に飲んでくれないし出ていないみたいなので、母乳をやめました。よろしくお願いします。

病院によっても違うと思いますが、一般的にはすぐに入院とはならず、まず外来通院でマンモグラフィーや超音波の検査を受けることが多いと思います。(文責 片山)

 

No.1682】 03年07月19日 M.H.
乳がんの検査について

24歳女性。避妊用ピル服用歴1年半+4ヶ月中止+7ヶ月(先月より中止)です。右胸外側上方に米粒大のしこり(硬く動かない。寝た状態では触れないが、起き上がり、右腕を上方に上げた状態でのみふれる)を見つけ、この1ヶ月の内に婦人科、乳腺外科、乳腺専門外来を別々の病院で受診しました。婦人科では簡単な触診の後、異常なし、乳腺外科ではマンモグラフィー後、異常なし(但し、乳腺が多く、細かいものは移らないかもしれないと言われました。)、乳腺専門外来ではエコー検査により異常なし、生理的なものでしょうとの診断を受けました。それぞれ、私が触れることのできる状態(起き上がって腕を上げる)では触診はほとんどなしでした。

1) しこりのある理由がわからず不安です。どのようなものが考えられますか。
2) エコーをやっても写らないしこりが、悪性の腫瘍である可能性はあるでしょうか。
3) 今後、どのくらいの期間をあけて検診を受けるべきでしょうか。
4) 現時点の検査では異常なしであったしこりが、数年もしくは十数年の後に悪性腫瘍となることはありますでしょうか。

1) 乳腺そのものを触れているか、皮下の脂肪腫、粉瘤のような良性のしこりの可能性が考えられると思います。
2) エコーで写りにくい悪性腫瘍も稀に経験しますが、あなたの場合、触診、マンモグラフィー、エコーと3つの検査で総合的に診断されたので可能性は少ないと考えますが・・・。
3) 実際に拝見していないのではっきりしたことはいえませんし、できれば今回診ていただいた先生にお尋ねになるのが良いと思いますが、3ヵ月後くらいでしょうか?
4) 乳腺の中にできるのが乳癌ですから、あまり先のことはわかりませんが、良性のしこりが悪性化することは非常に稀と思います。(文責 片山)

 

No.1681】 03年07月16日 OK
右腋下のしこり

24歳女性、出産経験なしです。7月9日、右の腋下に痛みがあり、腫れを発見して病院にてMRIをとったところ、副乳腺の疑いと、水がたまっているとの事でした。主治医は、「副乳には癌も発生するので、とったほうがよい。」といわれました。診察が生理前で痛みがあった事と、14日から生理が始まって腋下の痛みも治まってきている事から副乳腺なのかな?とも思っていましたが、右半身に痺れがあり、乳頭から背中の肩甲骨にかけて鈍い痛みがあるので、これも副乳の関係なのか…と心配しています。受診した病院は乳腺専門医がいなかった為、明日でも他の乳腺専門医に診察してもらった方がいいのかと悩んでいます。痺れに関しては「脇の部分の神経がある場所に水がたまっているので、多少は圧迫して腕がしびれる事はありますが、首や背中に及ぶ事は無いので、他の場所からの関係でしょう」と言われました。痺れがひどくなってから気付いたのですが、右の乳房が左側よりも下がっていて、全体的に感覚が鈍い気がします。顔面や腰のあたりまで違和感があるので、副乳腺でそんな症状がでるのかな?と疑問に思います。高校生の時に肩甲骨を強打して、それからその部分の感覚が鈍っているのは気付いていましたが、その部分から乳頭にかけての痛みは一体なんだろう…と考えると心配でなりません。今では、どうして腋下に水がたまったのか?と副乳腺を摘出するということは何か問題があったのではないか?と色々考えてしまいます。副乳は病気が無いならそのままにしておいても問題ない、というのを何かで見ました。「なるべく早めにとったほうがいいですね。」と診断されたということは問題あるのでしょうか?来週には、痺れの原因に首が関係あるのか、MRIをとることになっています。マンモグラフィをうけるとしたら体的には大丈夫でしょうか?本日首のレントゲン撮影もしているので、あまり近い間隔での撮影は避けたほうがいいのでしょうか?自分自身に全然知識が無いので心配ばかり増えて助言いただきたいと思い…、よろしくお願いします。

副乳(腺)にも癌ができることは確かにあります。しかし予防的にとる必要は無いと考えられ、他の画像検査や細胞診によって疑われる場合に考えればよいと思います。生理が始まってから治まってきた腋下の痛みは副乳と関係がありそうですが、右半身の痺れ、乳頭から背中の肩甲骨にかけての鈍い痛み、顔面や腰のあたりまでの違和感というのは直接副乳とは関係ないと考えますが・・・。
副乳に関しては、乳腺専門医に診察してもらうことをお勧めします。マンモグラフィーは線量も少なく、近々受けて大丈夫な検査と考えます。(文責 片山)

 

No.1680】 03年07月16日 Y
マンモグラフィーの所見について

1ヶ月前に受けた乳がんの集団検診の結果が送られてきました。マンモグラフィーの所見が、左の乳腺の構成が高濃度で、カテゴリーは3、総合所見はその他で、何か書いてあるのですが読めません。要精検になっているのですが、乳がんの可能性が大きいのでしょうか。この検診のときは生理前で胸が張っていましたし、脇の下も痛かったです。生理がくればこのような症状はなくなります。今も排卵日ごろですが、精密検査を受けに行ってもよいのでしょうか。行くなら乳腺外来のある病院に行ったほうがいいのでしょうか。質問が多くてすみません。

乳癌の可能性が高いということではなくて、念のため精密検査が必要というニュアンスと考えてください。もう一度いろいろな角度からマンモグラフィーを撮ったり、超音波の検査をしたりということになると思います。できれば生理が終った直後に乳腺外来を受診されるのが良いと思います。(文責 片山)

 

No.1679-1】 03年07月16日 Kei
胸に水

23才、女性です。右胸にシコリがあります。乳腺外科でマンモグラフィ・超音波検査・細胞診をした結果、「水のようなものが溜っているのだと思います。」との事、半年後にまた来てくださいと言われました。それで異常がなければ気にしなくていいと言われました。いったい病名は何なのでしょうか? そして、針で細胞を採り検査したから、水のようなものは全てその時抜き取られてしまったのですか? まだ シコリは大きさも変わらずあります。消えてなくならない場合って、異常があるってことですか? ちなみに検査してから3ヶ月経ちました。お忙しいところすみませんが、よろしくお願いいたします。

良性の乳腺の嚢胞(のうほう)症と思われます。シコリの大きさが変わっていないということなので、水のようなものは全ては抜き取られなかったか、3ヶ月経ったので、また溜まってきたのかもしれません。消えてなくならないから異常ということではありません。前回の検査から少し時間も経過したので、気になるようでしたら、もう一度同じ乳腺外科を受診なさってはいかがでしょうか。(文責 片山)

 

No.1679-2】 03年07月19日 Kei
胸に水(2)

昨日 「胸に水」で 質問させて頂いた者です。早速の回答ありがとうございました。あと何点かお聞きしたいことがあります。
1) 細胞診という検査をするということで、特に担当の先生から「この検査でシコリを全て採ります」ということは聞いてなかったのですが、その先生は細胞診で水を全て抜いてしまおうと考えていたのでしょうか? それとも ただ シコリの原因を細胞診検査で知るために少し採ったのでしょうか?素人考えですが、シコリの原因を知るために細胞診で細胞を少し採ってみたら水のようなものが溜っているのだろうとわかったいうことでしょうか?
2) 左側の胸のちょうど同じ位置にも 同じようなシコリがあります。骨でしょうか?胸にはもともとそのような物があるのでしょうか。全く同じ位置なので気になります。病院では何もいわれませんでした。(胸内側中央より少し上)

1) 一般的に穿刺吸引細胞診の検査で水を全部抜いてしまうのは難しいですし、検査目的である程度の量を抜いてみる場合が多いと思います。ただかなりの量が抜けて、次回みえたときにほとんど触れなくなっていることは経験します。
2) 拝見していないのでコメントできません。診てもらった病院でお尋ねください。(文責 片山)

 

No.1678】 03年07月16日 I.K. 
良性ののう胞と診断されました

35歳主婦です。ひと月ほど前から、毎日ではないものの、左の腕が、手がぬけるようにだるく、ひょっとしたら乳房が原因かと思い触ってみたところ、しこりに気がつきました。とりあえず、すぐに産婦人科に行き診察してもらったところ、触診と胎児を診る超音波のようなもので、「しこりは12mmと6mmの二つありますが、境界線がはっきりしているので良性でしょう」と言われました。安心しましたが、病院が外科でなかった事と、やはり腕のだるさが気になり、悪性ではないかと心配です。しこりと腕のだるさは関係あるのでしょうか。外科を受診し直した方がよいでしょうか。

この大きさのしこりと腕のだるさは関係ないと思いますが、この文面だけでは良悪性の判断はつきかねますので、一度乳腺専門外来を受診されることをお勧めします。(文責 片山)

 

No.1677】 03年07月16日 T.M.
癌と黴(カビ)について

4年前、乳癌の手術をしました。退院する時に色々注意する事を聞いてきましたが、その一つに黴に注意する様に! と言われました。そこでお聞きしたいのですが、私は毎年梅干を作っているのですが、塩漬けにしている時点で、黴が出てしまいました。ネットで調べると処置の仕方もあり、その通りにしましたが、一回黴の出たものは何だか不安です。こういうものを食べても支障は無いのでしょうか?三ヶ月に一度は病院に通い、年に一度は肺・肝臓・骨の検査をしています。今年も異常が無くホッとしているところですが、食べ物の影響は大きいのでは?と思うのですがどうでしょうか?

一般的に食物に生えた黴は種類も分からない上、その毒性・安全性も不明な訳ですから、食さないほうがよろしいと思います。(文責 片山)

 

No.1676】 03年07月14日 TM
母の乳癌について(胸水)

母(71歳)は、2002年1月に左乳房にしこりを発見し、アリミデックスを服用して、半年後の6月に全摘手術を行いました。その後、投薬のみで副作用もなく元気にしておりましたが、6月の老人検診で肺に水が溜まっているのがわかり、すぐに主治医のもとで血液および尿検査を行いましたが、とくに再発している恐れは無いということでした。しかし、依然、肺の水は減らず、原因もわからず、最近は空咳が出る様になり、本人は転移を疑って食欲もない状況です。主治医からは特に薬も出ず、水を抜いて検査をするというオファーも無いのですが、本人の心配を払拭するにはどうすればよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

やはり肺の水(胸水と思います)の原因を調べることだと思います。胸水の原因はもちろん乳癌の転移もありますが、心臓や肝臓、腎臓が原因のこともあります。必要なら水を抜くなどの検査をして原因をはっきりさせるのがよいと思います。(文責 稲葉)

 

No.1675】 03年07月14日 aju
10歳の胸のしこり

もうすぐ10歳になる娘なのですが、右胸の乳首に1cmくらいのシコリが出来ていて、つい最近気づいて、近々病院に行こうと思っています。悪い病気なんでしょうか? 胸もまだ出ていないので、乳がんって事はないですよね? とらなければ駄目なのでしょうか?

悪い病気である可能性は低いと思います。では何かといわれても実際診察しておりませんので、はっきりとはわかりません。念のため専門医を受診して下さい。(文責 稲葉)

 

No.1674】 03年07月14日 O.A.
術後病理結果について

温存の術後病理結果について質問します。断端陰性でしたが乳管内浸潤あり、娘結節3mmありでした。温存部位にミクロレベルの癌細胞が残存している可能性と、残存していた場合でも放射線治療をすれば局所再発は10%以下になると考えてよいでしょうか?

温存手術後は切除した乳腺の断端が陰性であっても、放射線をかけるのが原則です。断端陰性といっても切除した検体の全ての断端を調べているわけではありません。また残った乳房にがん細胞が顕微鏡のレベルで残っている可能性は否定できません。温存手術は残った乳房にがん細胞が顕微鏡レベルで残っていると考えて、放射線照射と組みで行うのが原則です。実際放射線照射を行った人の方が行わない人より乳房内再発が低いという結果が出ています。照射をした場合、乳房内再発は3〜4%前後と思われます。(文責 稲葉)

 

No.1673】 03年07月14日 O.H.
日焼けについて

左胸温存手術後1年です。放射線30回60グレイ当てています。リンパ節レベル1廓清しています。非浸潤性乳管癌だったので、薬は何も飲んでいません。45歳です。放射線を当てた人は日焼けをしてはいけないと聞きましたが、どうしてですか。夏休みに子供たちに海水浴に連れて行ってほしいと、せがまれています。泳ぐのはいけませんか。泳がないで、長袖を着て、日焼け止めクリームをぬって、浜辺にいるのはいけませんか。また、紫外線の強い浜辺ではなく、普通の旅行で一日中、日傘をさして、史跡めぐりをするのはどうですか。どの程度の日焼けならよいのか、腕だけ焼けてはいけないのか、全身なのか、わからなくて困っています。よろしくご指導ください。

放射線を照射後、日焼けをなるべく避けた方がよい部位は、照射した乳房と手術した側の腕だと思います。乳房については照射した部位は軽いやけどのようになりますので、日焼けも同様ですから避けた方がよいのだと思います。腕については乳癌でリンパ節郭清をした場合、日焼けを避けた方がいいという意見があります。これはひどい日焼けをした場合、皮膚がむけて感染をおこしやすくなること、日焼けがひどい場合、正常な人でも腕にむくみがきますので、乳癌術後の人なら一層ひどくなる可能性があることなどからそういわれるのだと思います。ただあまり神経質になる必要はないと思います。泳いでも、水からあがったらなるべく直射日光に当てないようにするとか、長袖を着るとかすればよいと思います。史跡巡りなどは問題ないと思います。(文責 稲葉)

 

No.1672】 03年07月14日 A.S.
しこりとは?

現在20歳の学生です。しこりというものがいまいちよく分からないのですが、胸に何か硬いものがあり、ここ最近、胸の側部(脇の下あたり)に少し痛みを感じます。健康な女性の場合は硬いものなど何もなく、柔らかいだけというものなのですか。また集団検診で受けるX線検査で、乳がんの有無は分かるのでしょうか?

なかなかしこりはわかりにくいと思います。正常の乳腺でも皆一様の硬さでなく、軟らかい部分、硬い部分あるのが普通です。またホルモン周期によっても硬さは変わります。もちろんそれぞれの人によって乳腺が硬い方、割と軟らかい方、様々です。大事なのは乳腺が硬いとかしこりがあると感じた時に、それが本当にしこりがあってそう感じるのか、それとも生理的な範囲なのかということを区別しなくてはいけません。もちろんそれには専門医の受診が必要です。ですから自分で何かいつもより硬いとかしこりがあると感じたら、迷わず専門医を受診してください。また常日頃から自分の乳房を触って、自分の乳房の硬さを知っておくことも大事です。集団検診のX線検査についてですが、乳房をはさんでとるマンモグラフィという検査なら全ての乳癌がというわけではありませんが、ある程度は見つけることが可能です。通常の胸部のレントゲンでは乳癌を見つけることはできません。(文責 稲葉)

 

No.1671】 03年07月14日 O.M.
乳首の異変相談

はじめまして、私は34歳の既婚で、子供は居りません。以前より乳首の横辺りにほくろがかさぶたになった様な物が長い間有りました。気が付くと、時々かゆい事が有ったりしたのですが、先日そこがかゆくて見てみると、ジュクジュクして来てかさぶたの部分がめくれました。そうするとその部分が火山のように小さな口を開いていたのですが、今はそこが凸凹した感じでふさがっています。痛みは無いのですが、時々軽いかゆみが有ります。直径3ミリくらいの大きさなのですが、今は少し色が薄くなって、かさぶたがはがれた時のような色になっています。普段はかゆみも無く、何の症状も無いのですが、パジェット病という可能性もあるのでしょうか? 海外に住んでいて、病院に行くのもなかなか行きにくいので悩んでいます。癌家系なので、もしかして?と思っているのですが、検査はどのような検査をするのでしょうか? 以上、教えて頂きたく思います。宜しくお願いいたします。

メールの内容から推測すると、パジェット病の可能性は低いと思いますが、完全に否定できるわけではありませんので、専門医の受診をお勧めします。行う検査ですが、海外は保険制度の違いなどもあり、検査をどの程度行うかはわかりません。日本なら一般的には診察・マンモグラフィ(乳房のレントゲンです)・乳房超音波・細胞診(乳首のただれた部分をこする擦過細胞診など)・乳頭皮膚の生検などです。これらの検査をいっぺんにやるわけではなく、何回か外来受診してもらって行います。(文責 稲葉)

 

No.1670】 03年07月14日 けい
左乳房のしこり?が心配です

はじめてメール致します。35歳主婦(2児出産経験あり)です。さっそくですが、2点教えていただければと思いメールしました。
1) 今日、産婦人科(町医者)へ乳がん検診にいきました。1週間ほど前から左胸に痛みがあり、痛みを感じる部分を触るとなんとなく右に比べ塊があるように思えますが、はっきりしませんでした。左手をあげると少しひきつれる感じがします。乳がん検診(触診)の結果は、しこりがあると言われ、総合病院で精密検査をすすめられました。医師に乳がんの可能性を聞いた所、多分大丈夫と言われました。自分ではあまり感じられないしこりの存在が信じがたく、不思議です。生理はもうすぐくる予定です。生理後の受診でも大丈夫でしょうか?
2) 1年ほど前に突然左乳頭にマッチの先ほどの突起物が出来ました。いたくも痒くもなく、ひっぱっても感じません。何でしょうか?

以上2点です。(1)は心配させそうで、(2)は恥ずかしくて周りの人には言えません。お忙しい中、申し訳ありません。教えていただければ幸いです。

1) 1〜2週間以内の受診でしたら生理後でもよいと思います。
2) 申し訳ありませんが、これだけの情報でははっきりと診断できません。また実際診察せずにメールの内容からだけで判断すると間違える可能性もあります。精密検査を受ける際に乳腺外科の診察を受けて診断していただくのがよいと思います。(文責 稲葉)

 

No.1669】 03年07月14日 J.K.
妊娠中のしこり

30歳、1歳8ヶ月の子をもち、現在妊娠八ヶ月です。二週間前に左乳房内側の上のほうにしこりがみつかり、乳腺外科受診し、その日にエコー下ではなく、直接イソジン消毒も行わずに細胞診を行いました。結果はクラス1だったのですが、一ヶ月後と産直後に詳しい検査をさせてくださいと言われました。細胞診後二週間たつのですが、針を刺した部分を中心にみるみる石のようにかたくなり、現在でも熱感があり、数日前からは乳輪周囲も非常に痛くなってきました。明らかに炎症をおこしているように思うのですが、こういうケースはありますか?妊娠中のうえ、まだ診断がつかない腫瘤があるうえに、炎症?が広まり、産後の授乳や再検査に影響がでないか非常に不安です。ご意見をお願いします。

細胞診の検査で感染を起こすというのはめったにありませんが、メールの内容からすると炎症の可能性も否定できないと思います。もちろん実際診察していませんのでよくはわかりませんが・・・。細胞診を行った乳腺外科の先生に念のため診ていただくのがよいと思います。(文責 稲葉)

 

No.1668】 03年07月13日 J.H.
硬化腺症

病院で硬化腺症と診断されました。これはどういったものなのですか?

これは乳腺症の一種で悪い病気ではありません。乳腺症とはホルモンのアンバランスなどが原因で、乳腺が硬く触れたり痛みを伴ったりする状態をいい、腫瘍(できもの)や炎症によるものは入りません。顕微鏡で見るといくつかの型に分けられ、その内の一つが硬化腺症です。悪性の病気ではありません。(文責 稲葉)

 

No.1667】 03年07月13日 M.T.
ホルモン剤の副作用について

48歳、今年1月左切除、リンパ節転移4個、ホルモン陽性。手術後、抗癌剤CEF6クールを終了し、6月末よりアリミデックスを服用しています。服用後一週間ほどして、肩、肘、手首、指、股関節、膝の関節が痛みます。薬の副作用を調べたところ、関節痛もありましたが、主治医からはそのような説明は受けていません。思い返してみても関節が痛むような理由は見受けられません。この場合、ホルモン剤の副作用が考えられるのでしょうか? もし副作用だとしたら、次回外来受診まで2週間ほどありますが、服用は中止したほうが良いのでしょうか? 

関節痛はホルモン剤の副作用である可能性はあります。中止するほどではないと思われますが、次回の診察時に主治医と相談して今後どうするか決めていただければよいと思います。(文責 稲葉)

 

No.1666】 03年07月13日 F
卵巣腫瘍の石灰化について

先日病院で、「卵巣の一つに1.5cm位の腫瘍があり、石灰化している。しかし良性なので様子を見ましょう。」と言われましたが、何故石灰化するのかが判りません。体質なのかどうか教えてください。お願いします。

腫瘍の一部が石灰化するとか、石灰化成分を含むというのはよくみられます。腫瘍細胞が壊死をおこして石灰化になるとかいわれていますが、詳しいメカニズムはわかっていません。また卵巣の場合でしたら、皮様嚢腫という良性腫瘍がありますが、これは中に骨や軟骨の成分を含むことがありますので、レントゲンやCTをとると石灰化としてとらえられることもあります。特別な場合(透析中とか内分泌のある種の病気など)を除いて、特に体質とは関係ありません。(文責 稲葉)

 

No.1665】 03年07月13日 N
傷口の痛みについて

はじめまして。2ヶ月前に乳がんで全摘出の手術を行った妻について質問させて下さい。最近なのですが傷口付近がうずくように痛む事がよくあるということです。傷口はきれいに治ってきていますし、外見では特に気になるような事はありませんでした。またしこり等の触ってわかるような異常個所もありませんでした。たいしたことはないと思ってはいるのですが、本人が心配しているようなので、お忙しいとは思いますが、ご意見、何卒宜しくお願い致します。

手術後の傷がうずくことはよくみられることです。手術の直後より、むしろ数カ月たってからというのが多いようです。外見では何ともなくしこりも触れないとのことですから、局所再発などの可能性は少ないと思います。あまり心配はなさらないで大丈夫と思います。(文責 稲葉)

 

No.1664】 03年07月11日 Y.S.
左胸のしこり

はじめまして。約1ヶ月前に左胸の上部にしこりを見つけました。7/2に集団検診でマンモグラフィを撮影し、約1ヵ月後に届く検査結果を待っているところです。触診した医師から、「結果がわかってから受診したほうがいいですね」と言われました、境界が不明瞭で、ころころと動く感じもしません。通知を待たずに受診しようと思っていますが、生理前は避けた方がいいでしょうか?お忙しい所恐縮ですが、アドバイスをお願いします。

できれば生理前は避けて生理後1週間ほどの時期が適当ですが、心配なら生理前でも診てもらっても構わないと思います。(文責 稲葉)

 

No.1663】 03年07月11日 M.T.
穿刺細胞診の後

44歳で5歳の子供がいます。親族としては叔母が乳癌術後3年です。3ヶ月前から左乳房の外側下に硬いぐりぐりを見つけました。乳房は痛くなりやすい性質で脇の下まで痛みが広がり、気になって触った結果、見つかったのです。6月末に都立病院で検診を受けた際、マンモグラフィと超音波をした上で、確かに乳腺以外のしこりだからと穿刺細胞診をされました。昨日その結果を聞きにいったのですが、「大丈夫だったようですね」と言われた後で、安堵した私の顔を見て「しかしこの検査では8割しか大丈夫と言えない。僕は癌を見逃すより、不安を掻き立てるほうが同じミスでもましだからいうが・・・」と不安を煽るようなことを言われ、「年齢も安全圏にはいないし、かといってこれ以上することはない。捕まえられないものを切り取るのを僕は勧めない」とおっしゃり、半年後に再診と言われました。「ただ、別の病院にかかるのもひとつの手ではある。ここより大きいところ」と言うことで、センター病院のようなところで診てもらうのもいいとのこと。必要なら紹介状を書くけどと言われたのです。穿刺細胞診の後、気のせいかぐりぐりがより硬くなってきたように思えます。中の液体を抜いたせいでしょうか。この先生は極度に慎重なのでしょうか。なぜ病理検査は勧めないとおっしゃるのでしょうか。緊張しすぎていてしこりの大きさなども聞き忘れていました。やはり癌センターに受診したほうがいいのでしょうか。ご助言よろしく御願いいたします。

癌がどうか悩むよりはきちんと検査(必要なら組織検査なども)をして、白黒はっきりしてすっきりした気持ちで生活を送る方がよいと思います。仮に癌であったとしても放っておけばより進んでしまうわけです。治る段階の癌も放っておいた為に治らない段階になってしまうこともあります。悩むよりはきちんと専門病院を受診して、はっきりと診断してもらうことをお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.1662】 03年07月11日 H.A. 
術後の状態について

2001年12月に母が左乳房全摘手術を受けました。詳しいことはよくわかりませんが、放射線療法ではダメだったらしく、抗がん剤での治療を受けています。肺にも転移して、毎日とても苦しそうな咳をしており、夜も十分に寝ることができないようです。何か、よい対処法はありますか? また、術後の創が化膿して、おできみたいなものがたくさんできています。このおできのようなものを、少しでも軽減するような薬はあるのでしょうか?

転移をおこしてきた場合、転移巣に対する治療と転移により起こされる症状を緩和する治療の両者が必要です。転移巣に対する治療は抗癌剤ですが、痛みや咳といった症状に対しては鎮痛剤や咳止めなどの薬が必要です。まず咳を抑えることが大事と考えます。術後の創のおできみたいなものですが、これが皮膚転移なのか抗癌剤により局所の抵抗力が落ちて感染を起こしたものかで治療方法が異なります。(文責 稲葉)

 

No.1661】 03年07月11日 hilary 
乳腺炎でしょうか

2ヶ月前に乳癌検診(エコー、マンモグラフィー)を受けた直後から、左胸だけ違和感が出てきて悩んでいます。検診の結果は異常なしだったのですが、乳輪部の痛みに加え、乳房痛(張りと鈍痛)に悩まされるようになりました。生理周期には関係してないようで、張りも痛みも毎日感じます。同じような相談メールも見たのですが、私の場合は非授乳期で、感染による炎症性の乳腺炎なのでしょうか?その場合は自然治癒はしないのですか?タイミング的に検査した病院で感染したとしか考えられないので、再受診をためらってます。40才で2児がいます。

炎症をおこした際にみられる発赤や熱感といった症状が乏しいので、乳腺炎とは断定できないと思います。また検査や病院で感染するということはありません。症状が続くようなら再度の受診をお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.1660】 03年07月11日 F.Y.
母の乳癌について

71歳の母の乳癌について質問いたします。地元の診療所での数年来の定期検診では「全く異常なし」と言われていたのですが、胸のしこりが気になり、大阪の大手の病院で検査して頂いたところ、7月5日、父同席の際、以下の診断を受けました。
1、乳癌である。
2、首、脇部にも転移が見られる。(リンパ云々の説明はありませんでした)
3、肝臓にも気になる影がある。
4、入院の上、適切な抗がん剤を見つける。期間は1週間かも知れないし、1ヶ月以上かかるかも知れない。          
5、現在満室のため、入院時期は後日連絡する。
6、それまでは、普段通り生活をしていて良い。
7、入院は適切な抗がん剤を見つけるためであり、決定後は通院で癌をおさえ、その後手術を行う。
8、有効な抗がん剤が見つかれば、70%の確立で大丈夫である。

癌のサイズや進行状況の詳細な説明、ホルモン療法等の説明はなく、入院の連絡待ちの状態です。さて、質問ですが、
1) 転移が見られるようなこのケースで、70%大丈夫というのはどのような意味でしょうか。
2) 5年前に神戸の大手の病院で義母を乳癌で亡くした際も抗がん剤の副作用が強く、施術後、「癌が脳にまわっている」とのことで、モルヒネで痛み止めをしたまま意識不明となりました。母は気力充分で、前向きに病気と闘うと申しておりますが、抗がん剤の副作用が強いと気力も萎えてしまうのではと心配です。ホルモンやワクチン療法との併用は効果があるでしょうか。
3) アレルギー体質等はありませんが、35年前に腎臓病にかかりました。現在は、食事の際、塩分に配慮している程度で外食、旅行も含め、日常生活は全く普通ですが、こちらの影響もあるでしょうか。
4) 現時点でのお医者様の対応は適切でしょうか。
皆さんの質問に比べ、情報が少なく、応えにくい部分もあろうかとは存じますが、宜しくお願い致します。

1) 抗癌剤が効いて癌が小さくなる確率が70%ということだと思います。但し、癌が消えてなくなるということではありません。抗癌剤が反応する割合が70%ということだと思います。
2) ホルモン感受性が陽性ならばホルモン療法は有効です。ワクチン療法の効果は科学的にはまだ十分立証されていません。ホルモン療法との併用は陽性なら有効ですが、ワクチン療法との併用はあまり有効でないと思います。
3) 特に関係はないと思います。
4) 主治医の先生の対応は適切と思います。但し、お母様のような段階の乳癌(恐らく首や脇のリンパ節に転移がみられ、場合によれば肝転移の可能性のあるような進行乳癌)の治療は決められたガイドラインなどありません。ある先生は違う治療を考えるかも知れません。まず主治医の先生とよく話し合って今後の治療を決めて下さい。また他の先生の意見を聞きたければ、セカンドオピニオンという方法もあると思います。(文責 稲葉)

 

No.1659】 03年07月11日 ai
乳首の痒みと白くて透明の分泌物がでます

現在22歳で、親や親戚で乳癌にかかった者はいません。去年の冬頃から両方の乳首がすごく痒くなり、掻きむしった後は、血が出たり膿が出たりして下着につきます。最近ここ1ヶ月位前からは、乳房を押すと両方の乳首から白くて水っぽい分泌物が出ます。来月には、一度大学病院の乳腺外科に受診しようと思っているのですが、やはりこのような症状は乳癌とかの疑いがあるんでしょうか? 乳首の痒みは、皮膚の癌 パジェット病というのがあるみたいなので、ものすごく不安でしかたがありません。このパジェット病というのは、どういう検査をすればいいのでしょうか?乳癌の検査の費用も少し気になるのですが、だいたいどれくらいの費用がかかるんでしょうか?よろしくお願いします。

乳首の痒みとただれといった症状で病院を受診する方の多くは乳癌でないことが多いです。ただ中には乳癌や乳癌の一つの型であるパジェット病の症状であることがあるので、検査は必要となります。検査は特別な検査でなく、乳癌一般の検査(診察・マンモグラフィ・超音波・細胞診など)でわかります。分泌物がある場合、分泌物の細胞診や分泌液中の腫瘍マーカーを測定したり、場合によっては乳管造影といった検査を行います。パジェット病を疑った場合は乳頭皮膚の擦過細胞診や、場合によれば乳頭皮膚の生検などが行われます。費用についてはどの検査を行ったかや保険の種類で異なりますので、一概には言えません。初診時は診察やレントゲン・超音波などでいきなり造影の検査や生検をやることはありませんので、それほど費用はかからないと思います(いきなり数万円もかかるということはないと思います)。 まず乳腺外科を受診して、次回以降どの程度かかるか、その病院の事務の方に聞くのが良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.1658-1】 03年07月09日 N.N
術後の生活について

よろしくお願いします。6月20日、温存手術を受けました。T2NOMO、ステージ2Aです。センチネルリンパ節生検で転移が見つからなかった為、リンパ節郭清省略、内視鏡を併用した手術で、腕もよく上がります(少しは痛みますが)。退院時、退院指導やリハビリ指導があるかと思いましたら何もありませんでした(入院前にもらった小冊子にはリハビリや術後の生活の注意が記載されていましたが)。リンパ節郭清していなければリハビリは不要なのでしょうか?患側の腕で重い物を持たないように等も関係ないのでしょうか?気をつける点は何もありませんか? また、職場復帰の時期について複数の医師に相談した所、「放射線治療も結構しんどいので出来れば仕事を休んだ方がよい。」と言われたり、「あなたの体力次第です。」と言われたり、いろいろでした。個人差があるのでその通りなのでしょうが・・・。事務職ですので、すぐ復帰できそうですが、まもなく放射線が始まるし、手続き上、試しに出勤してみてダメだったら休むという事が難しく、迷っています。極端な話、風邪なら無理したら悪化するでしょうが、無理したから癌が再発するというものでもない気がします。職場復帰の時期についてはどのように考えたらよいでしょうか。退院後の外来は16日で、その時に病理検査の結果と今後の治療方針を聞く予定です。ホルモン治療や抗がん剤治療は仕事しながらでも出来るでしょうか?

リンパ節郭清を行わない場合、リハビリはあまり必要ないと思います。日常生活の範囲で腕を動かすことがリハビリにつながりますので、特にリハビリというのは必要ないと思います。患側の腕の制限もないと思います。職場復帰の時期については、決められたルールはないと思いますが、私の場合はすぐ職場復帰するのではなく、入院期間と同じ日数ほど仕事を休んで職場復帰に備えるよう話しています。術後の放射線治療やホルモン治療は仕事をしながら行うことは可能です。抗癌剤の治療は用いる薬剤によって副作用の程度が異なりますし、個人差があるので一概には言えません。副作用が強い抗癌剤は、仕事をしながらの治療は大変かもしれません。(文責 稲葉)

 

No.1658-2】 03年08月24日 N.N
術後補助療法について

以前にもお世話になりました。ありがとうございます。40歳閉経前、T2N0M0、ステージ2A 、腫瘍径3センチです。6月温存手術、(センチネルリンパ節生検の上リンパ節郭清省略) 7〜8月放射線25回、術後2ヶ月にしてようやく今後の治療方針を聞いてきました。ER,PgR共に陽性と言う事で、ノルバデックスを3年服用する事になりました。他の治療法についてはなんの説明もありませんでした。つらい化学療法も痛い注射も免れて喜んで帰ってきたのですが、だんだん心配になってきました。St.Gallenのガイドラインによれば、腫瘍径3センチあれば、TAM+化学療法、もしくはTAM+LH−RHアナログではないでしょうか?(核異型度は聞いていませんが、おとなしい性質のものだという様に聞いています)。この相談室を見ても、明らかに私よりローリスクと思われる方の多くが化学療法を受けていられるようですし、最近のNO.1752のご回答を読むと不安です。もちろん化学療法など受けたいはずがありませんし、ゾラデックスなどの痛い注射もやらずに済めばそれに越した事はありません。主治医は腫瘍径よりも私が若い事を気にされていたようでした。腫瘍径はあまり気にする必要はありませんか? こんなこと気にする必要はないと思いながら、私の病院の乳がんの生存率が他院より若干低い事まで気になってきました。ノルバデックス3年(本当は5年がいいんですよね?)だけで安心してよいものでしょうか?(次の外来は2ヵ月後です)。よろしくお願い致します。

大変良く勉強されていると思います。St.Gallenのガイドラインではおっしゃる通りです。ガイドラインとは何かというと、現時点で考えられる最も再発のriskを小さくする標準的治療だと言う事です。確かに、リンパ節転移がなければ再発のriskは低く、腫瘍径はあまり強い予後因子とは考えられていません。しかし、それでもガイドラインが治療を奨めているということは、術後補助療法を行った方が再発のriskはより小さくなるということです。N.Nさんにとってガイドライン通りの治療をしたら絶対再発しないかと言えばそうではありませんし、ガイドラインを無視しても再発しない事もよくある事です。どちらにしても再発しなければ問題ないのですが、万が一再発した時、手術後にきちんとした補助療法を行っていないと自分の気持ちの中に後悔の念が生じてくるのではないでしょうか。短期間で終わるが副作用の強い化学療法を選ぶのか、期間は長いが比較的穏やかな治療のホルモン療法を選ぶのか、一長一短はありますが、是非主治医の先生とよく話し合って、自分の納得のいく治療法を決めて下さい。(文責 清水)

 

No.1658-3】 03年09月01日 N.N
術後補助療法について(2)

No.1658−2で相談させて頂いた者です。ありがとうございました。このような場があることを心から感謝しております。お忙しいのに何度も申し訳ありませんが、また質問させて下さい。化学療法については主治医から提案があれば受けるつもりでいましたが、自分からすすんで受けようという気にはなかなかなれません。ですので、主治医に相談するならゾラデックスかリュープリンかなと考えています。ただ、6月20日手術でしたので、既に術後2ヶ月経過していますし、次の外来(10月)を待っていれば4ヶ月経過ということになります。術後補助治療は早ければ早いほどよいのですよね?術後4ヶ月経ってからのゾラデックス(orリュープリン)追加は有効でしょうか?それとも今すぐ外来の予約をいれるべきでしょうか。よろしくお願い致します。

ゾラデックスかリュウプリンを選択されたのは良い選択だと思います。それと、前回書き忘れましたが、ガイドラインの推奨では、ノルバデックスはご指摘の通り5年です。話は戻って術後補助療法の開始時期ですが、おっしゃる通り、術後補助療法は早く始めるにこした事はありません。しかし、通常でも温存療法を行って、術後放射線治療が終わってから始めたとすると2か月くらいはすぐに過ぎてしまいます。治療開始が術後2か月か4か月かでそんなに差が出るとは思いませんが、後はあなたの気持ちです。病院によって診療のシステムが違うので予約以外で診察してもらう事が大変なことなのかどうかわかりませんが、自分で悩んで決めた事ですし、先生にお願いするという事であれば10月まで待たずに早めに予約を入れて先生と相談された方が良いのではないでしょうか。本当はこのような相談室に相談するのではなく、主治医の先生にいつでも何度でも相談して納得して治療してもらえるのがbestなのでしょうが、医師と患者さんのお互いの気持ちが噛み合ない場合がある限り、この相談室は頑張っていきます。(文責 清水)

 

No.1657】 03年07月09日 Y.U.
乳癌検診の判定について

乳癌検診の視触診を受けました。判定 I II III IV V の判定基準について教えてください。私は、III といわれました。

乳癌検診の視触診の判定基準ですが、私の知る限りでは統一したものはないように思えます。判定の分類などは検診を行う団体(県・市町村・民間団体など)によって異なるのではないでしょうか。はっきりしたお答えができず申し訳ありません。(文責 稲葉)

 

No.1656】 03年07月08日 M.S.
不安

40才、未婚、8月に結婚予定です。両胸に2〜3個所水が溜まる様になり、近くのクリニックで9ヶ月前から3ヶ月おきにエコーと細胞針での検査をしています(細胞針は左胸のみ)。1回と3回目はクラス2、2回目はクラス1、毎回少量悪性の細胞が見られるとのこと。つぎで4回目だが、マンモグラフィの検査を早目に受ける様いわれました。今受診している病院では受けられないので、他の病院を予約するとのこと。当初3回くらい検査してクラス2以内だったら次は年に1度位の検査の間隔と言われていたが、今回マンモグラフィを受けることは、何かあったのかと不安です。そして最近小さなよく動くぐりぐりが左胸にできているのを3回目の病院での触診で知りました。先生はよく動くしこりは大丈夫といわれたが、気になります。あと3ヶ月前くらいから右の足の付け根が痛くなり、整形外科へ行ったが骨は正常とのこと。そして、左脇の下と左背中の鈍い痛みが気になりはじめ、クリニックの先生に相談したが、乳がん検査とは関係ないのではとのことでした。今月は他県へ引っ越し、来月は結婚をひかえていますが、胸の事が気になり不安な気持ちです。

まず細胞診検査の結果からお話しします。クラス1とかクラス2というのは良性の所見で、悪性の細胞は含まれませんので、少量悪性の細胞がみられるというのはどういうことなのかわかりませんが、結果だけをみるなら悪性の所見はないということです。但し、細胞診の検査では悪性でも必ずしも悪性と出るわけでありませんから、念のためエコーを行って経過をみているのではないでしょうか。マンモグラフィーとエコーは検出しやすい病変に違いがありますから、特に何か悪性の兆候が見られたから行うというのではないと思います。足の付け根や脇の下、背中の痛みも特に心配はないように思えます。(文責 稲葉)

 

No.1655】 03年07月08日 nachu  
両胸の痛み

26歳です。結婚、妊娠の経験はありません。3年間ずっと薬の副作用で乳汁がでていました。1月頃から胸の痛みを感じはじめ、薬を中止して、生理がなかったのでドーパミンを処方してもらいました。ただ、合わなかったらしく吐気が続き中止いたしました。現在も胸が痛く触るだけでも痛い状態です。病院にいっても筋肉痛と診断され、まず両胸が痛いということはないといいます。これからどうすればいいのでしょうか!

今まで薬やドーパミンを処方してもらった先生が産婦人科の先生ならその先生に相談するのが良いと思います。薬を処方してもらった先生が産婦人科の医師でなかったら、乳腺外科又は産婦人科の先生に診てもらうのが良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.1654-1】 03年07月08日 N.A.
乳癌の治療方法について

ご相談いたします。38歳、独身、出産経験はありません。6月はじめに右乳房外側上方にしこりが見つかり、クリニックで検査した結果、おそらく乳癌だろうと言われました。大きい病院を紹介してもらい、本日、診断結果を聞いたところ、やはり乳癌との診断を受けました。クリニックの医師も、病院の医師(乳腺科専門医)も手術を勧めてくださっています。三センチの大きさなので温存は疑問だそうです。できれば切らずに治したいと思っています。クロスタニンのことを聞きました。ご意見をお聞かせくださいますでしょうか。よろしくお願いいたします。

私の意見も手術をされた方がいいと考えます。しこりが3cmということですから温存療法の適応にはいると思いますが、温存の適応はしこりの大きさだけで決まるのではなく、何か他の理由があって温存はできないと主治医の先生が判断されたのかも知れませんので、主治医の先生と相談して下さい。手術をしないで抗癌剤や放射線だけで治すというのは、今のところまだ標準的な治療としては行われていませんし、科学的なデータはまだ出ていません。恐らくこの数年の間に手術なしで抗癌剤や放射線治療で治す治療に対する臨床試験が始まるとは思いますが・・・。クロスタニンは科学的根拠がないのであまりお勧めはしません。(文責 稲葉)

 

No.1654-2】 03年07月24日 N.A.
乳癌の治療方法について(2)

先日はメールをありがとうございました。もう一点お伺いしたいことがあります。
乳癌は、乳房切除の標準治療以外にどのような治療法がありますか? 主治医の先生に温存について伺ったところ、「多発性の乳管癌」であることのことです。「親分」のようなしこりの近くに「子分」のようなしこりが二つ、検査結果の映像から見られます。この点から温存は難しいとの報告をうけました。現在classX、レベル0か1です。乳房切除はどうしても避けたく、温存か他の治療法をさがしたいと思い、癌センター中央に治療の場を移すつもりでおります。主治医の先生も紹介状を書いてくださいました。
陽子線?治療というものもNHKで見ましたが・・・。よろしくお願いいたします。

乳房温存療法のガイドラインによれば、多発性腫瘤や広範囲な石灰化を伴う病変などは温存術の適応外ということになっています。多発性腫瘤の場合、他にも画像では解らない腫瘤が潜んでいる可能性があり、これらが術後の放射線療法でコントロールできる保証が無いということだと思います。乳房切除術後に再建を考えるというのも一つの選択肢と思いますがいかがでしょうか?
陽子線治療に関しては国立がんセンターのホームページ(http://www.ncc.go.jp/jp/)の治療の項目に説明がありますので参考にしてください。(文責 片山)

 

No.1654-3】 03年07月31日 N.A.
乳癌の治療方法について(3)

いつもご親切にご対応くださり、ありがとうございます。お目にかかってお礼を申し上げるべきところをメールにて失礼いたします。今回は最後の質問をさせてください。
質問@ 乳癌の治療で、手術後の放射線治療は行わず、抗癌剤のみといわれました。なぜですか?
質問A 陽子線治療は乳癌には適していないのですか。

以下はGセンターへ行った報告です。
多発性のため温存は適用外、CT等の結果ではおそらく浸潤しているとのことでした。手術前に抗癌剤を投与し腫瘍を小さくしてから手術する方法も聞きました。が、私の場合は腫瘍が乳首に非常に近いのと、多発性であることから、腫瘍が小さくなっても温存は難しいとのこと、「何を残したいの?」と言われてしまいました。紹介してもらって行ったのですが、先生とのコミュニケーションというのは難しいものだと思いました。メールではこんなに親切な先生がいらっしゃるのに病気以外のことで疲れます(笑)。今まで、本当にありがとうございました。季節柄、ご自愛くださいませ。

質問@ 温存術の場合は術後に残存乳房に放射線照射をすることが標準となっています。乳房切除術の場合は、とりあえず照射をするターゲットがなくなりますので、病理結果などを元に抗癌剤などの術後補助療法をすることになると思います。

質問A 国立がんセンターのホームページによれば、「重粒子線や速中性子線は、通常の光子線治療では十分な効果が得難い腺がん(前立腺がん、肺の腺がんなど)や肉腫(骨、平滑筋など)に効果が期待できるとされています。陽子線を含む荷電粒子線はがんに限局した治療に適していることから、がんの周りに放射線に弱い組織がある眼球内の悪性黒色腫や中枢神経系の近くにできた脊索腫や軟骨肉腫に効果的です。今後は重粒子線治療や陽子線治療がどんながんに効果があるか、有用であるかを臨床試験によって調べていく必要があります。 」ということになると思います。参考になりますでしょうか?(文責 片山)

 

No.1654-4】 03年08月29日 N.A.
細胞診について

いつもお世話になっております。先日はわざわざメール、恐れ入ります。乳癌の治療でいろいろと相談にのってくださり、ありがとうございます。おかげさまで、一期再建の良い先生に会うことができ、治療の場を移しました。実は、手術の覚悟を決めていたのですが、乳癌の診断自体がくつがえってしまい、とてもとまどっています。今ごろになって「良性かもしれない」と言われました。お考えをお聞かせいただけませんでしょうか。6月中旬、初めて行ったKクリニックでは細胞診の結果ClassWでした。乳腺外科専門の先生の診断です。6月下旬、Kクリニックから紹介された社会保険F病院の細胞診ではClassXの診断でした。7月下旬、G病院へ、上記F病院の検査結果をすべて持っていきました。このとき、主治医は、超音波の検査結果を見ながら、「おそらく浸潤しているでしょう」と言いました。8月中旬、G病院の主治医に一期再建の医師のところへ行きたいと申し出て、紹介状を依頼しました。このとき、口頭でも説明はあったのですが、依頼した紹介状の診断はClassUでした。G病院では超音波検査、腫瘍マーカー、心電図、心肺機能、レントゲン検査、血液検査を受けました。細胞診、生検は受けていません。現在、一期再建の医師のところで生検を行い、今はその結果待ちです。W、X、U・・・と三箇所の医療機関で診断が異なる場合があるのでしょうか。良性なら私にとってはうれしいことですが・・・。G病院では初診から一か月も経って、なぜ今ごろClassUと言われるのでしょうか。言われる前にもう手術の予約もしておりましたし、手術のための検査も受けていました。先生のご意見をお聞かせくださいませ。どうかよろしくお願いいたします。
 

先日、相談室質問番号1761で細胞診は精度の高い検査だとお話したばかりで、この質問は辛いです。言い訳をする訳ではないのですが、”きちんと行われれば”と書いてあったと思います。どういう意味かと言うと、大分前に一度書いた事があるのですが、細胞診の検査が”きちんと行われる”ためにはいくつかの条件があります。1)針を刺す医師の技量:正確に腫瘤を穿刺する必要があり、小さいしこり等で穿刺が難しいと判断すればエコー下に行うか、MMGでstereotacticに行うなどの配慮をする。2)穿刺した細胞はすぐに固定する:穿刺してプレパラートに吹き付けた細胞はすぐに乾燥して診断不能になってしまうので、穿刺後いかに素早くアルコール液で固定するかが大切。そのためには検査技師が同席していて穿刺するのがbetterです。3)資格を持った細胞検査技師がいる:最初のscreeningは細胞検査技師が行うので、試験を受け合格して資格を持っている検査技師がscreeningしないとエラーが起きる可能性があります。4)細胞診の診断ができる病理医がいる:最後の診断は病理医が行いますから、病理の先生の技量が大きく影響します。以上の4つの条件が全て揃って、はじめてきちんとした細胞診ができるのです。ですから、誰が見ても癌であるという症例であれば問題ないのですが、ちょっと難しい症例では病院が変わる毎に細胞診の結果が変わる事もあり得ます。意見が分かれた時は生検して確定診断をつけるのがbetterです。ですから、現在の選択は間違っていないと思います。G病院の先生の結果が何故1か月もかかったのかはわかりません。(文責 清水)
 

No.1654-5】 03年09月06日 N.A.
葉状腫瘍でした

いつもお世話になっております。先週、針生検の結果がでました。ClassUで、葉状腫瘍でした。良性でも摘出は必要とのことで、今月末に日帰りで手術を受けます。再発した場合、悪性を伴っていたら全摘になると言われました。再発を防ぐためにはどんなことを心がけて生活していけばいいのでしょうか。最初に行ったクリニックから紹介された総合病院で手術を受けていた場合、「全摘したら良性だった」・・・などということが起こっていたかと思うとぞっとします。私の場合はセカンドオピニオンではなく4th、5thでした。今後もし、乳癌の診断を受けたら、「針生検をして下さい」とお願いするべきなのでしょうか。三か月間乳癌だと言われていたので本当につらかったです。医師の方も看護士さんもいろいろな方がいらっしゃいました。勉強になりました。この経験を生かして、仕事の合間になりますが、今後は乳癌に関するボランティア活動に参加しようと思っています。これからもどうかよろしくお願いいたします。

私どものところでも細胞診や針生検で良性の葉状腫瘍と診断しましたが、腫瘍を摘出したところ悪性の葉状腫瘍であったということを経験していますので、腫瘍を摘出して正式な組織診断をしておいた方が良いと思います。患者さんの立場から再発を防ぐための心がけといったものは特にありません。担当医が腫瘍を摘出する際にある程度の正常な乳腺部分をつけて取ることが重要です。(文責 麻賀)

 

No.1653】 03年07月08日 M.T
術後化学療法について

術後の化学療法についておたずねします。浸潤性乳管癌で腫瘍は2センチ以下、リンパへの転移はセンチネルで1個、脇下リンパ節への転移はありませんでした。リンパ管浸襲レベル1、血管浸襲レベル0、核異型度レベル3、ホルモン感受性は陰性でした。年齢は38歳、閉経前ということで、EC療法を3週間毎6回、または内服であればエンドキサンと5FUを2年間と説明をうけました。再発予防のためにも化学療法は受けておいた方が良いのでしょうか?副作用のなるべく少ない薬にしたいのですが、そうすると効きめがないということになるのでしようか? また点滴と内服の場合のメリット、デメリットについても教えてください。

初めに確認しておきたい点が1点あります。リンパ節への転移についてですが、センチネルリンパ節に1個転移があったということでしょうか。センチネルリンパ節に転移があったということは、脇の下のリンパ節に転移があったという事で、お答えします。
手術後の補助療法の原則は脇の下のリンパ節に転移があった場合や、リンパ節に転移がなくてもしこりの大きさが2cm以上やがん細胞の顔つきが悪いもの、ホルモン感受性が陰性のもの、年齢が35歳以下の方などは補助療法を行った方が再発率が低くなるといわれています。またホルモン感受性が陽性の方にはホルモン療法を行うのが望ましいとされています。あなたの場合はリンパ節に転移があったということですから、何らかの補助療法が必要です。(仮にリンパ節に転移がなくても、核異型度が3、ホルモン感受性が陰性ですから、やはり必要です。)ホルモン感受性が陰性ですから、ホルモン療法の適応はありません。抗癌剤による化学療法が適応となります。抗癌剤は欧米の基準ではアンスラサイクリン系薬剤(EC、AC、CAF、FECなど)です。欧米ではこれにタキサン系薬剤を追加します。日本でも最近は欧米の基準で行う傾向にありますから、注射ならアンスラサイクリン系薬剤が多いと思います。ただリンパ節1個でタキサン系を追加するかは日本ではまだ意見が分かれるかも知れません。抗癌剤の内服は転移陽性例で再発を抑える効果は点滴治療より劣ると思われます(但し、きちんと比較したデータはまだありませんが)。内服は点滴より副作用は軽いですが、効果が劣ると思われます。(文責 稲葉)

 

No.1652】 03年07月05日 H
硬いしこりについて

教えてください。触診で小さな球形の硬いしこり見つかり来週再検査です。硬いしこりでも良性もありますか?大変不安です。36歳です。

硬いしこりでも良性のこともあります。きちんと再検査して診断をつけることが大事だと思います。(文責 稲葉)

 

No.1651】 03年07月05日 H.T. 
授乳期の乳がんの可能性について

27才、現在7ヶ月の子供が一人います。授乳中で分泌過多気味、助産院でマッサージを受け続けています。出産後から分泌過多に悩まされ、左胸にのう胞?と診断された2×2程度のしこりがあり、右胸の乳輪近くには細胞診までしたあずき粒大の石灰化を疑うしこりがあります。石灰化といっても問題のない石灰乳石灰化?というものらしいです。ずっと乳がんじゃないかと思いながら病院に何度も足を運んでは、なんともないと言われてきて、昨年の12月から今までしこりの大きさも変わらないし、自分でも大丈夫だと思えるようになってきたのですが、最近になって、ほぼ4〜5日おきに右胸の外側の乳腺が痛んで、乳汁にチーズみたいな黄色っぽい(目やにみたいな)かたまりがネトネトと出ては痛みが消え、という繰り返しなのです。乳質が悪くならないように食べ物にはもちろん気を使っているにもかかわらずです。乳首の先に割れ目が出来ているのですが、そこが痛いので何かの菌が入っているのかもしれないのですが、こうも頻繁に定期的に痛むと心配になってきます。そこでお伺いしたいのですが、授乳期の乳がんでは炎症性乳がんと乳腺炎の判断が難しいとも聞いた事があります。私の症状にそれを疑うようなものはありますでしょうか?

確かに授乳期は乳腺炎と炎症性乳癌の判断が難しくなります。メールの内容からすると乳癌の可能性は少ないと思えますが、一度専門医の診察を受けるようにして下さい。(文責 稲葉)

 

No.1650-1】 03年07月05日 M.T.  
骨転移の可能性

姉は2年半程前に乳癌が発見され、リンパにも13個程あり、右乳房を切除しました。詳しい治療法は分かりませんが、退院後は1ヶ月おきに飲み薬を飲んでいます。特に何も無かったのですが、2ヶ月くらい前から右腕がリンパ浮腫になり、マッサージ器でマッサージしています。先月から背中や腰が痛くなったので、レントゲンと採血を行い、転移の心配なしと言われました。痛み止めが出て服用していましたが、その後も痛みが治まらずひどくなる一方で、転移を調べるため骨シンチの検査をしました。先生からは黒い影が映っているが、骨転移しているかどうか、どちらとも言えないといわれました。現在、痛み止めにモルヒネを服用していると言っていました。毎月、ホルモン注射?をするとか・・・。姉は現在も仕事に行っていますが、薬の副作用で下痢になったり、背中の痛みでかなり辛いようです。そこでお聞きしたいのは、
1. 先生は、なぜはっきりした答えを言わないのでしょうか? 本当に、どちらとも言えないということがあるのですか?
2. 今後、背中の痛みは治まるのでしょうか? 父母も歳なので、今後痛みが治まらなければ、どのようにケアすればよいのか心配です。車椅子に乗らないと動けない位になることはあるのですか?
3. 詳しい事が分からないので、お答えしにくいと思いますが、骨転移と考えられますか?
よろしくお願い致します。

まずBに対するお答えですが、断定はできませんがモルヒネを使用していることやリンパ節転移が13個という事から考えると、骨転移の可能性が考えられると思います。@についてですが、骨転移の診断は時として難しい場合があります。直接骨の病変部位の細胞や組織を取ることが難しいため、骨シンチやレントゲン、CT、MRI検査、血液検査などで診断することになります。特に骨シンチは癌でなくても骨折や関節症などでも影が映る事もありますので、他の検査でも確認する事が必要になる場合もあります。ですから骨シンチだけに所見がみられた場合、骨転移かどうか診断に迷う場合もあります。Aについてのお答えです。もし骨転移であれば残念ながら、痛みが自然に治まる可能性は少ないと思います。痛み止めを使って痛みを軽減すると同時に、骨転移に対する治療(ホルモン療法や化学療法や放射線療法など)が必要です。背骨に転移がある場合、神経圧迫などがおきると麻痺症状がでる事もあります。車椅子が必要になることもあります。現在の病状(骨転移かどうかを含めて)について主治医の先生に詳しく説明していただくのがまず大事だと思います。(文責 稲葉)

 

No.1650-2】 03年07月11日 M.T.  
骨転移について

先日は、どうもありがとうございました。もう少しお聞きしたい事があるのですが、骨シンチで背骨・肋骨などに数カ所影が映っていたようです。最近、右腕が手先までしびれているようで、感覚が無く、物もよく落とすみたいです。背骨に転移していたら麻痺することがあるとのことですが、そのしびれは麻痺症状なのでしょうか?その麻痺症状は治らないのですか?これから進んでいくのでしょうか?母が本人の居ない時に予後の事を口にするのですが、これから痛みや麻痺が進むのであれば、今のうちに好きな所に連れて行ってあげた方が良いのでしょうか?手術した時に5年生存率が40%と言われていたので、あと2年位とか言うのですが、骨転移していたら予後の事は考えた方がよいのですか?よろしくお願い致します。

しびれは麻痺症状である可能性はあります。少しずつ進んでいくこともあります。予後のことを考えたり、本人の好きな場所へ連れて行ってあげるということも必要かも知れません。ただ実際の状況がどの程度かわかりかねますので、主治医の先生にもご相談下さい。(文責 稲葉)

 

No.1650-3】 03年09月01日 M.T.  
肝転移後の治療について

状況が変わりましたので、再度ご質問したい事があります。その後、モルヒネ等の内服薬と月一度のホルモン注射で様子を見ながら仕事(事務)にも毎日行き、日常生活も動作はゆっくりですが普通にしていました。しかし、先日の血液検査で肝機能の数字が高くなり、肝転移のようです。痛みも出てきたようです。先生からは抗ガン剤(もしくは放射線?)を投与するように言われたみたいですが、本人が治らないのに延命するだけなら髪の毛が抜けたりやせ細っていくのが嫌と言い、断ったようです。内服薬の抗ガン剤を服用していくようです。姉の行っている病院は大学病院で、余命に関することは一切言わない様です。そこで、質問ですが、
1) 私がインターネットで肝転移について調べると、乳癌が肝転移すると余命は肝転移が発見されてから平均5ヶ月と書いてあるのを見ました。これは本当ですか? 他にも、肝転移するとよくないと書いてありました。そんなに深刻な状態なのですか? 末期癌になるのでしょうか?
2) 先生から言われている治療の抗ガン剤(もしくは放射線?)投与を拒否して内服薬でいくのと、余命はどれくらい変わりますか? 本人が拒否している場合、家族はどうしてあげるのが良いのかわかりません。治療するように勧めた方が良いのでしょうか? 何か良い方法があれば教えて下さい。どうぞ、よろしくお願い致します。

1) 乳癌の転移が骨や肺などにあり、さらに肝臓にも転移が始まったとなると予後はかなり悪いです。肝転移が発見されてからの予後は平均5-6カ月といったところでしょうか。しかし、これにはかなりのバラツキがあります。もっと早いこともありますし、長いこともあります。ただ肝機能の数字が高くなったというだけでは肝転移とは断定できませんが。
2) 先生から言われている抗がん剤が何であるのかがわかりませんが、標準的な抗がん剤(点滴?)でも内服薬(抗がん剤)でも余命にはあまり影響しないと思います。
3) 本人が標準的抗がん剤を拒否しているのなら、それを尊重してやったほうが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.1650-4】 03年10月18日 M.T.  
乳癌の骨転移

再び状況が変わりまして、お聞きしたい事があります。10月3日に急に動けなくなり、救急車で運ばれ、そのまま入院となりました。骨粗鬆症であると言われ、カルシウム値が高かった(5.3)ので、アレディアという点滴を8日に4時間かけてしました。骨が溶けだしているので、それを止める薬だと言っていました。あとは、便がかなりたまっていたようで、急に動けなくなったのは、それが一番の原因だと言われた。昨日、担当医からの説明があるということで、初めて私も両親と一緒に先生の話を聞きました。レントゲン・CT等の写真を見ながらの説明でした。「背骨のレントゲンで光っている所がある。それは骨転移のようだ。背骨が少しかけている所がある。疲労骨折している。肝臓のCTで少し白く映っている所がある。肝臓転移の疑い(五分五分)。時期を見てまたCTを撮る。凝固因子が低下している。心臓のレントゲンを見て、水が溜まっている」と言われた。「今後様子を見て水を抜く可能性もある。左心室の動きは良いが、右心室の動きが悪い。カルシウム値はアレディアの点滴後下がった。今後は、リュープリンとエンドキサンを使っていく」と言われた。
14日に骨髄液を撮る検査をしています。結果待ちです。担当医は、姉の癌は原発巣も分かりにくかったので再発も分かりにくいと言い、はっきり転移だとは言いません。すべて疑いありという言い方をしました。はっきり言ったのは、骨粗鬆症だということだけです。だいぶ歩行器を使って歩けるようになったので、あと一週間位で退院する予定みたいです。以上の症状から、分かることがあれば教えて下さい。姉は、再び車の運転が出来るようになりたいと言っていました。可能でしょうか? よろしくお願い致します。

骨粗鬆症というのは、良性の疾患です。断片的なお話から推測すると、「乳癌の骨転移により骨がこわされて血液中にカルシウムが溶け出した。特に背骨は、骨が溶けてもろくなって骨折をしている。肝臓の転移はまだはっきりしない。骨の転移はすぐに命にかかわるわけではないので、ホルモン療法を中心に治療していく。」ということでしょう。
車の運転については、痛みやしびれがなければ可能と思いますが、最悪の場合、背骨の転移が進行して、骨折から脊髄が圧迫されて半身不随になることもあり、骨の転移の状況がよく分からないので何ともいえません。(文責 徳田)

 

No.1649】 03年07月05日 K.G.
術後の創の化膿について

はじめまして、34歳の女性です。2002年の8月に乳がんの手術を受けました。大きさ2センチ、非浸潤ガン、リンパ節転移(−)、ホルモンレセプター(−)、乳房温存+放射線治療を行い、化学療法・ホルモン療法は行っていません。、5月くらいから創の一部が赤くなって、血のまじった膿が出るのを3回繰り返しています。術後9ヶ月たってから創が化膿することもありますか?何度も繰り返すので、がんの再発を心配しています。乳がんの局所再発について教えてください。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

温存手術後、しばらくしてから創が化膿することはたまにみられます。温存後の局所再発は通常は手術をして3〜4年ぐらいが多く、化膿したり感染を繰り返すというより、硬いしこりを創の近くに触れるというのが症状として多いと思います。(文責 稲葉)

 

No.1648】 03年07月05日 C.F
退院後12日目に左脇の下に見つけたしこり

今年4月13日に左胸4ミリの乳癌と診断され、乳房温存及び脇のリンパの一部廓清の手術を受けた47才の者です。術後の検査でリンパにも転移はなく、ステージ1と診断されました。退院後は放射線治療を受け、今はホルモン治療を受けています。退院後12日目の診察を受けたとき、左脇に主治医が1.5ミリのしこりを見つけました。少し様子を見ようということで、2ヶ月間様子をみた後、6月27日に穿刺細胞診をし、その結果が7月6日に出ますが、もし悪性だった場合、再度の入院手術をすると言われました。こんなに早く再発、転移が起こるものでしょうか?また同じこの病院で続けて入院手術をしても大丈夫なものでしょうか?先生のご意見をお聞かせください。よろしくお願い致します。 

術後2ヶ月でしこりが見つかり、これが再発か転移かとのことですが、頻度としては少ないですが、術後早期に再発することは稀にあります。ただステージ1ということですから、可能性としてはかなり少ないとは思います。術後すぐの時期は手術後の変化などで、真のしこりなのか、一見しこりのようにふれたのかわからないことが多く、2ヶ月様子を見て検査したというのは特に問題はないと思います。再び手術となった場合、同じ病院でやるかどうかは、以前の手術の情報があるわけですし、新たな病院となるとまた検査などやり直しになる事もあるので、まず同じ病院でやることを第1に考えた方が良いように思います。(文責 稲葉)

 

No.1647】 03年07月03日 K.A.
乳輪にしこり

初めて御相談させていただきます。2、3日前から乳首に触れると痛みを感じるようになりました。見てみると乳輪のまわりにおできのようなものが3つあり、うちひとつが痛むようです。先端ににきびのしんのようなものがあります。今年の3月に卒乳をしました。未だにしぼると1、2滴ほど乳汁がでてきます。出産は2001年の12月でした。早々に受診したほうがよいでしょうか?ご回答よろしくお願いいたします。

乳輪のしこりと痛みとのことですが、メールの内容から察すると悪性の可能性は少ないとは思いますが、直接診ておりませんので、なるべく早く専門医を受診するのがよいと思います。(文責 稲葉)

 

No.1646】 03年07月02日 sun 
乳房痛の原因は?

35才、独身の女性です。昨年あたりから乳房が時々痛みます。初めは片方の乳りんあたりに1円玉くらいの赤い腫れができ、その腫れがひいた頃、もう片方の乳りんあたりに同じようなものができました。数日で赤み、腫れは引きました。数ヶ月前にも左乳輪あたりに腫れができましたが、それも数日で消えました。しかし、たまに乳房が痛いという感覚になります。左の乳房だけなのですが、生理前というわけでもなく、時々シクシクというか鈍痛というか、神経痛の痛みのような・・・。特別シコリのようなものはないようですが、どのような病気が考えられるのでしょうか? 

腫れと赤み、痛みという症状があれば通常は炎症によるものなどが考えられますが、乳房の炎症である乳腺炎や乳腺膿瘍などはなかなか治りにくく、自然に軽快する事は少ないので、この様なものとは違うような気がします。症状からすると悪性の病気の可能性も低いと思われます。はっきりとこの病気が考えられるとは断定できなくて申し訳ありません。腫れや赤みなどの症状が出たときに一度乳腺専門の先生に診ていただいたらどうでしょうか。(文責 稲葉)

 

No.1645】 03年07月01日 Y
右腋のしこり

右腋のしこりに気が付いてもう何年にもなります。以前、乳腺外来で検査をしてもらった時は「更年期障害の始まり」と言われました。3・4年前の事、35歳くらいの時です。今も大きさはそのままですが、しこりは存在しています。私は20年近く頭痛・肩こりに悩まされ、それが右側に症状がひどい事、リンパの流れが悪いようで疲れやすく、セルライトも体に溜まっています。最近は更に左の足の親指や左手小指などが軽くしびれたりもして、もしかしたらこの腋のしこりに寄る物かと思ったりします。このしこりは手術しか取れないのでしょうか?薬で消してしまう事は出来ますか?

「しこり」が本当の「腫瘍」であるならば、薬で消えることはありません。長年気に掛けているならば、摘出がすすめられます。ただし、しこりを摘出したからといって、現在の症状が無くなるとは限りません。(文責 籾山)

 

No.1644-1】 03年07月01日 T.T
骨転移の治療について

はじめまして、つい最近この相談室の存在を知りました。さっそくですが、私自身(49歳)のことについて質問させていただきます。3年前、左乳癌でBt+AXを受けました。主治医は温存を勧めてくださったのですが、私の希望で全摘術をしました。大きさは2cm大、組織学的には浸潤性乳管癌、乳頭腺管癌、リンパ節転移なし、t2n0、stageT ER94% PgR79% ということで、術後の補助療法としてタモキシフェンの内服を続けていました。この間定期検査では、脂肪肝以外は特に異常はありませんでしたが、6月(3年目)の骨シンチで右背部肋骨に集積を認め(割と広範囲です)MRIをうけました。骨転移...とのことでホルモン治療(ゾラデックス)が始まりましたが、今のところ他には異常は認めません。
そこで質問なのですが
1) 現状ではホルモン治療が一番有効なのでしょうか。また、局所的な治療は選択できないのでしょうか。
2) ゾラデックスの効果は、どの程度期待できるのでしょうか。
3) タモキシフェンは、子宮体部癌になる率が高いとのことでしたが、ゾラデックスの治療に切り換えた場合のリスクは?

以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

1) ER,PgRともに陽性であり、他の臓器に転移がないのであれば、ホルモン治療が第一選択です。放射線等の局所治療は、疼痛など自覚症状の軽減効果はありますが、治療は全身を対象に行うべきです。薬物療法と併用ならば良いと思いますが、局所治療単独では意味がありません。
2) 奏効率で20−30%程度です。
3) 確かにタモキシフェンは子宮体癌の発生が問題とされていますが、長期間投与した場合の話であり、ゾラデックスにはそのようなリスクはありません。(文責 籾山)

 

No.1644-2】 03年07月05日 T.T
骨転移の治療について(2)

先日はありがとうございました。ホルモン治療が第一選択であるという事、理解できました。もう一点だけ質問させてください。私の場合、転移が一箇所に限局しているということで、ゾラデックス単独での治療を行っています。ビスフォスフォネートを併用した方が治療効果が上がるのでは・・・との助言をいただいたのですが、併用する必要がありますか(主治医にはまだ相談できておりません)。また、ビスフォスフォネートがどのように作用するのか充分理解できていませんので、副作用も含めて教えていただけると助かります。この現実をしっかり受け止めて、骨転移と上手に付き合っていく方法を模索中です。どうぞよろしくお願いいたします。

ビスフォスフォネートは血液中のカルシウムが高値の時にカルシウムを下げる目的で使う薬剤ですが、骨転移の治療や症状緩和に有効といわれています。乳癌の骨転移に使われますが、癌により血液中のカルシウム値が高くなった場合にしか使えません。
乳癌の骨転移では乳癌細胞が骨の中にいる破骨細胞(簡単にいうと骨を壊していく細胞です)を刺激して、この破骨細胞により骨吸収が起こり(骨が壊れて)、骨折や痛みの原因となります。ビスフォスフォネートは破骨細胞に取り込まれて、破骨細胞の働きを抑えます。これにより症状の改善が得られます。乳癌細胞に対しても直接作用するともいわれていますが、詳しいことはまだわかっていません。副作用は血液中のカルシウム値が低くなったり、急性腎不全や血圧低下などです。実際に併用するかどうかは、主治医の先生とよく相談して決めていただくのが良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.1644-3】 04年06月20日 T.T
骨転移治療のその後について

約一年前に相談させていただきました。その節は適切なアドバイスをいただき、ありがとうございました。以後もいろいろと参考にさせていただいております。今回は、その後の治療についてご助言をいただきたくてメールしました。03/6月〜 ゾラデックス1/4W施注、8月からアレディア45mg点注追加し、3ヶ月毎に骨シンチをチェックしてきました。骨metaによる集積は徐々に薄くなり、04/6月 一年目の全身チェックでシンチの画像上はほぼ消失しています。この間血液検査データー(マーカー含む)他、全て異常なく経過しています。あと半年間はゾラデックスのみ続行、アレディアは一旦中止することになりました。主治医には、「最終的には色々な検査データーを総合的に判断して休薬するかどうか考えましょう」との説明を受けました。治療が奏効したようで喜んではいるのですが、不安な部分も残ります。
そこで質問ですが
@ 骨metaが分かった時点では治療はエンドレス...との説明を受けていたのですが、今回のような判断はどうなのでしょうか?
A 4月末に左側胸部を打撲(胸部単純撮影でヒビ?)、6月のシンチで3箇所新たな集積(丸く)を認めました。偶然なのですが、03/6月に骨metaを指摘された時も、1ヶ月ほど前に同部位を打撲しており(このときの集積は横に長く)、気持ちのどこかに疑問を残しつつ治療を受けてきました。主治医、知人の紹介のDrも共に打撲で横に長くという集積はありえないとお考えのようでしたが、割と短期間で治療が奏効したことなど考え合わせると、もしかして・・・という思いが残ります。確定診断をするには生検をするしかないのでしょうが、03/6月の時のものは。やはり骨metaと考えたほうがよいのでしょうか?

画像もないので大変答えにくい質問だと思うのですが、これまで経験された症例や、可能性...ということででもお答えいただければ助かります。お忙しい中、どうぞよろしくお願いいたします。

骨シンチグラムは、骨転移の診断に際してとても有用な検査で、乳癌をfollow upしていく上でなくてはならない検査のひとつです。しかし、偽陽性すなわち転移でないのに転移のようにみえるケースも少なからず存在し、その診断に難渋することがしばしばあります。貴方の場合が転移であったか否か、直接拝見しておりませんので申し上げられる立場ではございませんが、経過とも考えあわせると転移でなかった可能性もあるように思われます。しかし、いずれにしても転移の可能性が充分に高かったことだけは間違いないので、ゾラデックス、アレディアの使用に関しましては、よい選択であったと思います。その後画像上骨転移巣が消失したとのことですから、アレディアを一旦中止、その後は慎重に経過観察ということが一般的だと思います。(文責 谷)

 

No.1644-4】 05年02月15日 T.T
骨転移の治療について(4)

いつもお世話になっております。前回の相談後もゾラデックスを続行し、年末に最終チェックをしましたが、骨シンチの画像上では集積を認めず、その他の検査も異常なしでした。その後の治療は、閉経状態になっているかどうか確認して、アロマターゼ阻害剤(アリミデックス)へ切り替えましょうという説明を受けました。一旦休薬...と思っていたので、セカンドオピニオンも受けてきました。そのDrの見解は「画像上はやはり骨転移と考える。最近のシンチ、MRIで消失しているのは、治療効果かあったということでしょう。しかし、単発の病変であり、現在全く病変の存在が示せず、骨転移でなかった可能性を完全に否定することはできない。(中略)今後の方針としては治療を打ち切って経過観察してもよいのでは...」というものでした。1月に入ってホルモン量を測定しましたが、まだ閉経状態になっておらず、12月末まで使用していたゾラデックスの影響が残っている可能性もあるとのことで、今月再検の予定です。無治療で経過観察するか、アリミデックスを服用するか迷っています。また、検査の結果によってはゾラデックスを続けるという選択肢もあるようです。先生方のご意見をお聞かせください。よろしくお願い致します。

過去の相談内容を確認いたしましたが、MRIで確認していることから骨転移はあったと思います。どうするか迷うところですが、極力再燃を抑える意味で、もう少しゾラッテクスを続けることを個人的にはお勧めします。それからアリミデックスを2年程と思いますが・・・。(文責 吉田)

 

No.1644-5】 08年11月04日 T.T
骨転移の治療について(5)

久しぶりにメールさせていただきます。前回の相談後ホルモン量を測定し(閉経とするには微妙な値でしたが...)アロマシンの内服に切り替えましたが、5ヶ月目に月経が戻ってしまいましたので、再度ゾラデックスに戻し、今年の6月まで5年間続けてきました。チェック検査では画像上も異常はなく、マーカー等も安定しています。今回も3ヶ月休薬した後にホルモン量を測定しましたが、前回とあまり変化なく、内服治療へは変更できませんでした。主治医は「エビデンスはないが安全策...ということで、もうしばらくゾラデックスを続けましょう」と勧めてくださいましたので、9月から再開したのですが、色々副作用もあり、一年前くらいから咽頭痛も自覚し、このまま続けて良いのかどうか迷っています。一旦休薬して、閉経が確認できた時点で内服に切り替えてもいいのではと思う反面、その間無治療というのも不安です。先生方のご意見をお聞かください。宜しくお願い致します。

確かにエビデンスの乏しいところですが、アロマシンだけで月経が発来したのであれば、ゾラデックスとアロマシンの併用を行うのが多いように思います。ただし、薬剤には副作用がありますから、副作用と病状、ご本人の闘う気持ちのバランスで考えてはいかがでしょうか? 画像も異常なく、マーカーも安定しているのであれば、一時休薬し、検査の結果で再開するのも一考だと思います。それでも、不安感の方が強いのであれば、ホルモン療法の継続となるでしょう。(文責 鈴木)

 

No.1643】 03年07月01日 DKI
右乳の痒みとしこり

51歳の男性です。今年の始め頃から右乳が痒くなり始めました。下着のせいかと思いそのまま放置していたら、4月頃にはかさぶたができたので、皮膜を剥したりしていました。6月の始めには押すと痛みとしこり(直径約10mm程)がハッキリと分かるようになりました。ここのHPに辿り着くまで、そんなものは気にも止めませんでしたが、男性でも乳がんや乳腺症(そんな言葉を初めて知りました)に掛かると聞いて、検査には何処のどのような専門医を訪ねていけばいいのか分かりません。因みに、5歳の時に脊椎カリエスにかかりました。住んでいる所は神戸です。

男性で乳房の異常を訴える方は少なくありません。神戸の市民病院か大学病院の外科(乳腺外科)に受診してください。(文責 籾山)
 

 

No.1642-1】 03年07月01日 C.O. 
授乳中の摘出手術について

31歳、2児の母です。現在4ヶ月になる乳児に授乳をしています。2年半ほど前に気がついたしこりを放置していたのですが、「乳癌」の情報が耳に入り、気になったので念のため受診することにしました。外科で診察したところ、マンモグラフィと穿刺吸引細胞診を受けました。超音波検診は6日後に行う予定です。しこりの大きさは3cmでした。まだ超音波検査もしていない段階ですが、医師は「乳癌かそうでないかは結果が出るまで分からないが、大きいので、いずれにしても早いうちに摘出した方がいい。」と言います。他の情報で、「授乳中は乳腺が膨らんでいるので手術は避けたい。」と聞いたことがあるので、不安になっています。線維腺腫であれば、断乳を待って摘出した方がよいのではないかと思うのです。もし癌であれば、そんな悠長なことはしておけないことは承知しているのですが、手術をすることなく乳癌の可能性を調べることはできないのでしょうか。どこの病院でもすぐに摘出するという判断は同じなのでしょうか。

良性の腫瘍であることが100%診断できるならば、断乳後に摘出でよいと思います。しかし、問題は100%の診断を得る方法が、組織診断(腫瘍を摘出して顕微鏡で調べる)以外にないということです。穿刺細胞診を行っているようですが、これは腫瘍の一部の細胞を診ているに過ぎないので、確定診断ではありません。大きくなってからでは、取り出す傷もそれに応じて大きくせざるを得ませんので、早めに処置をされた方がよいと思います。(文責 籾山)

 

No.1642-2】 03年07月02日 C.O. 
授乳中の摘出手術について(2)

お忙しいところ何度も質問をしてすみません。先日はご回答ありがとうございました。授乳中の摘出手術について質問したものですが、再度お願い致します。
1) なぜ授乳期は手術を避けた方がよいといわれているのでしょうか。手術をすることによってどのようなトラブルが考えられるのか、一般的でよいので教えてください。
2) 少しでも悪性の疑いがあり、やはり摘出せざるを得ないという場合は授乳期ということを考え、乳腺外科のある大学病院を紹介して頂こうかとも思っていますが、そこまでしなくても近くの公立の総合病院でできる簡単な手術なのでしょうか。

基本的には主治医とよく相談のうえ決めることとは承知しておりますが、短い診察の中で的確な情報を得るための予備知識として教えてください。どうぞよろしくお願いします。

1) 手術をして乳腺組織の一部を取れば、その切り口(断端)からは少量の血液や組織の浸出液が出てきて、切除した部分に溜まるわけです。授乳期であれば、乳汁も分泌されますから切除した部分に溜まります。血液や乳汁は細菌感染を起こしやすく、そのため膿が溜まったりしやすくなります。また、授乳期は乳腺が腫大していますから、切除の際にしこりがわかりにくいとか、組織検査で診断が難しくなるとかなども考えられます。この様な理由で授乳期は手術を避けた方がよいといわれているのだと思います。しかしこれはしこりがまず間違いなく良性であると確信できる場合であって、悪性のしこりを疑ったときは授乳期であっても診断をつけるために手術(組織診断)をすべきであると思われます。

2) 公立の総合病院であれば大丈夫です。できれば乳腺専門の外科医がいる病院をお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.1642-3】 03年07月11日 C.O. 
乳腺炎について

bP642で質問させていただきました。診断結果についてよく分からないところがあるので教えていただきたく、お願いします。触診、マンモグラフィでは悪性は感じられない、しこりの大きさは3センチ、細胞診ではクラス3でした。細胞診のため針を刺した6日後に超音波検査をしたところ、しこりの中に黒い影がありました。そしてコア・ニードル(と医師は話していましたが)を刺して組織を取る際に膿が出てきたので、乳腺炎だろうとのこと。その4日後に診断結果が出ましたが、「やはり癌は出なかった。摘出も必要ない。もう来なくていいですよ。」ということでした。やはり乳腺炎だそうです。そう言えば、しこりに気がつく2ヶ月ほど前に乳腺炎になり、助産婦さんにマッサージをしてもらったことがあります。乳腺炎は痛みや発熱などを伴うと思っていただけに意外な診断でした。しこりの大きさも小さくはなっていないようです。2年半前のしこりが、ずっと痛みもなく残っているのはよくあることなのでしょうか。細胞診のために針を刺したから膿が中にたまったのでは・・・と考えてしまいます。今回乳腺を専門とされる医師がいないところで診察を受けたのもちょっと気になっています。セカンド・オピニオンのつもりで相談させていただきました。

急性期の炎症は痛みや発熱を伴いますが、慢性の炎症になるとこれらの症状を伴わないこともあります。恐らく中に溜まった膿も細菌感染は伴っていないと思います。この様な状態で何ヶ月もそのままというのはあり得ます。また細胞診で感染を起こして膿が溜まるということはありません。(文責 稲葉)

 

No.1641】 03年06月30日 MM
薬の作用

どこに相談したらよいかわからなかったのでお聞きします。2000年11月に左乳房切除、stageはW期でした。化学療法の後、ホルモン療法としてノルバデックスを飲み始めて1年8ヶ月になります。現在は2、3ヶ月おきに通院しています。風邪などをひいた場合、市販の風邪薬を飲んでも問題ないのでしょうか? 今までは主治医から風邪薬ももらっていましたが、病院に行く回数も減ってきて、風邪では外来もすぐ受け入れてもらえせん。再発と関係ないと思われる症状の場合、主治医以外の病院でもよいものでしょうか。結局は主治医に戻されるような気がします。個人差もあるかもしれませんが、医師の立場からお答えいただければと思います。お忙しい中、よろしくお願い致します。

市販薬も配合成分が様々ですので、何でも併用可能というわけにはいきません。乳癌以外の病気で治療が必要な場合は、別の病院でかまいませんが、内服中の薬を必ず提示するようにすれば安心です。(文責 籾山)

 

No.1640】 03年06月30日 H.T.
今後の治療の選択について

現在、タキソールの投与を3クール終了し、今後の治療について医師から決めるよう言われています。年齢41歳、飲用薬 ノルバテックス、4週間に一度のホルモン注射。タキソール投与前、右乳房癌、肝臓、両肺、右鎖骨上リンパ節、恥骨に転移と診断され、恥骨の腫瘍に伴う痛みは放射線治療にてほとんどなくなりました。3クール終了後、肝臓の腫瘍は小さくなり、両肺の腫瘍も消えました。副作用はほとんどありませんでした。しかし、腫瘍マーカー CEA、CA15-3の数値は上昇しています。今後の選択肢として
@ 今後もタキソールを続ける
A タキソテールに変更する
B 5-FU エピルビシン マイトマイシンCに変更する
の中から選ぶように言われています。タキソールは効かなかったと判断すべきか。AかBにした場合の副作用が心配です。どうすればよいか悩んでいます。

両肺腫瘍は消失したものの、腫瘍マーカーが上昇しているのが気になります。主治医は、タキソールの効果が不十分と考えたので、他の治療法を模索しているのだと思います。AあるいはBに変更した方がよさそうですが、副作用は、Aはタキソールと同等、Bは吐き気・脱毛がやや強いと思います。ただし個人差がありますので、施行してみて判断するという方法もあります。(文責 籾山)

 

No.1639】 03年06月30日 M.O
乳ガンを宣告されて

はじめまして。先日、ある病院で乳ガンを宣告されました。マンモグラフィー、レントゲンで、しこりの大きさ1.8pで微少石灰化あり、しこりのかたちは凹凸をなしていて悪性の可能性があるということで、乳首からの分泌物をとることによってでた細胞診の結果、クラス3b。確定診断をするためにマンモトーム生検を行ったところ、結果はガン細胞ありということでしたが、転移の可能性のない顔つきのいいガンであるとのこと。ただし、ガン細胞が乳房内で広範囲に点在しているために乳房全切除(胸筋温存)をせざるをえないということでした。しかし、「比較的早期のため、ただちに手術をしなければならないという状況ではないので、自分が納得するためにも、他の施設等で話をきかれてもいいと思いますよ。」という、とても良心的な言葉を先生からいただきました。
そこで質問は下記のことになります。
1)私の家系では乳ガンや他のガンになった者がいないため、自分が乳ガンであると信じられず、また、細胞診、生検の結果から、ガンのなかでも比較的おとなしいものであるらしいので、手術をせずにこのまま様子みるわけにはいかないでしょうか。
2)現在妊娠を希望しており(現在35歳)、今、手術や治療をすると、その後年齢的なものもあって妊娠をすることができなくなるのではないでしょうか?
3)セカンドオピニオンをとるべきでしょうか。

ご回答をおまちしております。

1)おとなしい癌でも、放置すればいずれ浸潤・転移を起こすと考えられます、。今の段階で発見されたことを不幸中の幸いと考え、手術を受けるべきだと思います。
2)リンパ節転移があった場合は、術後薬物療法が必要になり、この間約2年は妊娠は避けるべきです。先ず乳癌治療を行って、それから考えるべきだと思います。年齢的な問題もありますが、妊娠は充分可能だと思います。
3)セカンドオピニオンはおすすめしますが、何ヶ月(3ヶ月以上)も遅くならないようにして下さい。(文責 籾山)

 

No.1638-1】 03年06月30日 K.I. 
今後の治療方法について

今後の治療方法についてご質問します。46歳(女)です。96年6月に乳がんと診断され(しこりの大きさは3センチ)、非定型手術→同時再建手術を受ける。脇のリンパ節に転移はなく、手術後は無治療で定期検診のみ。01年7月の検診で鎖骨上リンパ節の腫れが見つかる。9月に細胞診をするが、しこりが小さいためうまくとれず、11月に再度細胞診をする。再発が確認され、12月に手術で5個のリンパ節を切除。02年1月にCT検査をし、内臓(肺・肝臓)への転移はなかった。ホルモンに反応するとのことで、1月からゾラデックスとノルバデックスを現在まで(1年半)投与。その間、3ヶ月に1回CT検査、年に1回骨シンチを受けている(骨、内臓にはでていない)。6月21日に自分で手術した胸の脇に近い部分に2センチほどの硬いしこりを見つけた(再建した部分の上のあたり)。23日に主治医の診察を受け、筋肉に再発したことが考えられるとのこと、27日に超音波と細胞診を受けた(2センチほどのしこりが2個つながってあった)。担当医から、治療方法として、別のホルモン療法(アリミデックス+リュープリン)に変えるか、化学療法(CAF)を提案された。しこりを切って放射線を当てる方法もあるが、切らずに薬物療法するほうがいいのではないかとのこと。治療方法としてホルモン療法と化学療法はどちらを選択すればいいでしょうか? 副作用のことを考えるとホルモン療法のほうがいいと思いますが、化学療法でしっかり叩いたほうがいいような気もしています。他にはどんな薬が考えられるのでしょうか? また、しこりを切らずに治療するほうがいいのでしょうか(切らずに大きくなることが心配です)。ご意見をお聞かせください。どうぞよろしくお願いいたします。

しこりを切除することは悪いことではありませんが、再発の根治にはつながりません。乳癌再発の場合、問題の部位以外にも「生き残り癌細胞」が存在すると想定して、薬物療法を行うことが基本です。この場合、命にかかわるような再発でなければ、ホルモン療法を優先します。ホルモン療法で効果がみられない場合、化学療法を施行します。(文責 籾山)

 

No.1638-2】 04年11月12日 K.I. 
今後の治療法について(2)

以前HPNo.1638でご回答いただきました。有難うございました。01年の鎖骨上リンパ節転移の際、左の脇の奥に腫瘍らしきもの(1センチほど)が認められた。しかし、触診では触れず、摘出手術はできなかった。02年夏に胸の表面の局所再発後アリミデックス+リュープリンに変更し、半年後の04年2月、局所再発の腫瘍(半年で大きさは変化なし)を摘出し、放射線治療を25日間受けた。5月のCT検査では、脇の奥のしこり(リンパ節?)は大きさは変わらず、他の内臓にも異状はなかった。ただし、アリミデックスとリュープリンの処方は保険適用から外れるとのことで、アリミデックスのみの処方となった。8月の血液検査ではホルモン量(エストラジオール)は10以下で、閉経状態と見られるとのこと。10月のCT検査で内臓には異状はなかったが、脇の奥のしこりが大きく(2センチほど)なっているのが判明。また、エストラジオールは15.3に上がっていた。薬はアリミデックスからアロマシンに変更した。

1) 今回の治療法としてホルモン療法がいいのか、化学療法がいいのか。それぞれ具体的にはどういう薬が選択肢としてあげられるか。他にどんな治療方法が考えられるか。
2) エストラジオール値が上がっているが、閉経状態とみていいのか。閉経後のホルモン剤を使用するにあたり、許容範囲なのか。
3) 脇の奥のしこりは取ったほうがいいのか(主治医はかなり難しい手術になるので、否定的な意見だった)。放射線、内視鏡手術等、他の方法はないのか。また手術にしろ、放射線治療にしろ、リンパ浮腫のリスクはかなりあるのか。

以上ご意見をお聞かせ下さい。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 術後8年、再発後3年という年月がたっており、一応局所・リンパ節という軟部組織で生命に即かかわらない部位の再発と考え、ホルモン療法の切り替えを第一に考えられてよろしいかと思います。それで効果がなかった場合、化学療法ということになります。以前勧められたアントラサイクリン系の抗癌剤を含んだ多剤併用化学療法が1stラインとなると思いますが、ハーセプテストが陽性であればハーセプチンという選択肢も出てきます。
2) 年齢がまだ47歳とお若いので今後生理が戻ってくる可能性もあり、その場合、ホルモン療法としてLH-RHアゴニスト(リュープリン、ゾラデックスなど)も再度選択肢となり得ると思います。
3) 場所や深さなど個人差があって一概には言えないと思いますが、主治医の先生がおっしゃるように、腋下はかなり深くて難しいことも多く、取りきれる可能性も少なく、手術的に手をつけるのはあまり考えにくいと思います。私の患者さんで局所のコントロールをする目的で腋下リンパ節再発に対して放射線療法を行い、ほぼ完全に消えてしまって腕の浮腫も全くないかたもいらっしゃいます。(ちなみにこのかたは全身療法はCEF→ホルモン療法でした) (文責 片山)

 

No.1637】 03年06月30日 K
再発のリスク

お世話になります。2点お聞きします。
@ 以下病理結果の場合、再発の予後因子としての重要性はどういう順になる(どの順に重要)なのでしょうか?
病理結果(抜粋) 腋窩リンパ節転移 5/10、 リンパ管侵襲 +、 術前化療の抗腫瘍効果 1a
A 抗腫瘍効果が1aの場合、もし追加で抗がん剤投与するとしたら、これに関するデータのない現在、効果を期待できると考えられるでしょうか? また期待できるとすれば、どんなプロトコールが有効でしょうか?効 果と耐性とどちらを優先すべきでしょうか?
以上、よろしくご回答下さるようお願いします。

@ 術前化療を行っているようですが、この場合、癌が完全消失(pCR)した症例では予後良好であるとされています。相談者の場合、抗腫瘍効果1aで癌が残っていたようですので、再発の予後規定因子は、腋窩リンパ節転移(5/10)ということになります。
A 今後、再発予防目的に術後補助化学療法を行っていくことになると思いますが、どのレジメを使用すべきかの正解はありません。抗腫瘍効果1aでは、同じレジメを続行する強い理由にはなりません。ホルモン剤やハーセプチンの適応があれば、これを組み合わせた治療も考えられます。また、抗癌剤感受性試験をやっていれば多少参考にはなりますが、研究目的の検査ですので一般の病院では行っていません。主治医に確認し、よく相談して決めてください。(文責 籾山)

 

No.1636-1】 03年06月30日 S.K.
術後10年目の乳癌からの転移

初めまして、こんばんは。私の母(74)のことで質問させていただきます。
昭和60年)(左)MMK(stage2)にて乳房切断術(大胸筋+腋窩リンパ節隔世)施行
平成5年)(右)MMK(stage1)にて単純乳切施行
その後経過は順調でした。
今回年末くらいから風邪を引き、それがなかなか治らないために近医を受診してCX-Pを撮ったところ、右肺野に陰影を認めました。(前回平成14年10月のCX-Pにも薄い影があったみたいですが、そのときには気付かなかったようです。) それでCTを撮ってみたところ、上葉に1.4mmくらいのTumorと、あと2ヶ所小さいながらも陰影が見つかりました。諸検査の結果、それが腺癌であることが解りました。まだ詳細な結果はこれからなのですが、恐らくMMKからのmetaだろうと考えられています。そこで質問ですが、なぜ取って無くなってしまった筈の癌から転移するのか?っていうのがよく解らないのです。症例としては10数年後にこのように転移することがあると言われるだけで、何となく私としては腑に落ちないものがあります。それから第2の質問ですが、恐らくOPはしないで化学療法その他になるだろうと言われました。母はかなりの心配性なため、これからどういう治療が待っているのか不安になってます。(もう年だから年齢的に抗癌剤には耐えられないのではないか?とか、抗癌剤の副作用など心配しています。) 単純に肺ガンの治療だけではないと思いますので、乏しい情報ではございますが、何かアドバイスなどありましたら宜しくお願い致します。

乳癌に限らず、すべての癌の再発は、「原発巣を取ってなくなった」と思ってから起こります。これは、「実際には原発巣の手術をする時点で、既に微小な転移が起きており、何年かの経過でXPに写る大きさまで育ってきた」と考えられています。始めに起こる微小な転移は、大きさがミクロレベルであり、どんなに高度な画像検査でも発見することは不可能です。本人も、どんなに名医といわれる医者でも、これを見つける術はなく、誰も知らない間に現在の大きさまで癌がゆっくりと育ってきたわけです。乳癌の場合、10年たってこのような再発腫瘍が見つかることも珍しくありません。おそらく年に一回程度、レントゲン検査をしていたと思いますが、その検査で発見される人もいれば、たまたま行った健康診断で指摘される人もいるわけです。そして、このような「生き残りの癌細胞」は、現在確認されているもの以外にも、全身の他の部位にも多数存在していると考えるのが普通です。ですから、見えているものだけを手術で切除するのは、あまり意味の無いことであり、全身に広く行き渡る抗癌剤治療が選択されます。お母様の場合、10年の経過で発見された腫瘍ですので、非常に発育速度が遅いと考えられます。それほどきつい治療ではなく、日常生活を続けながら抗癌剤治療を行うことは可能です。(文責 籾山)

 

No.1636-2】 03年07月13日 S.K.
予後について

先日このコーナーで質問させていただいた者です。(No.1636を参照していただけると幸いです) その節はご回答をいただきましてどうもありがとうございました。昨日主治医の方からムンテラがありました。母の治療方針についてです。現在ガンが3ヶ所(右肺)に存在しています。その他各臓器等を検査してますが、今のところガンは見つかっておりません。
母にはエストロゲン受容体とプロゲステロン受容体が存在するため、第一選択としてホルモン療法(アリミデックス投与)を行うことになりました。多分これからCT等で様子を見ながら薬をいろいろ選択されると思います。あとHER2受容体も存在しているということで、第二の選択としてハーセプチンの投与も視野に入れている、ということでした(多分そのときに抗癌剤も同時併用するだろうという話でした)。ただ既に肺にガンがあるということは、全身にガンが存在していると考えた方がいいということで、予後は恐らく2〜3年だろうと言われました。10年かかってようやく大きくなり所見として現れたガンではありますが、やはり予後はそんなに厳しいものなのでしょうか?私自身も覚悟はしていましたが、やはり実際に具体的な数字で言われてショックを隠しきれません。母にとっての初孫である私の娘(2歳半)のランドセルを背負う姿を楽しみにしています。それにも間に合わないのか・・・と思うと辛いです。感情的になっても仕方ないのですが、もう少し、せめてあと5年とか希望は持てないものかと思って相談致しました。どうぞ宜しくお願い致します。

再発後の予後についてですが、主治医の先生が仰るように、転移があるということは全身に癌が存在していると考え、予後はやはり2〜3年程度と考えられます。しかし現実には予後は半年といわれて何年も頑張っておられる方もたくさんいらっしゃいます。また乳癌の治療は年々進歩しており、新たな薬が2〜3年後に出る可能性もあります。治療法については私も主治医の先生の方針と同様です。確かに再発後の予後は厳しいものかも知れませんが、前向きに頑張って下さい。その方が癌に対する免疫力も高まるとの意見もあります。(文責 稲葉)

 

No.1635】 03年06月30日 T.Y. 
今後の再発治療について

2年前3月に右全摘手術を行い、抗ガン剤治療6クールプラス経口薬フルツロンとノルバデックスを、再発する去年11月まで続けました。リンパ節転移多数、ホルモンレセプターは両方マイナス、Her2 +2です。去年11月に同側鎖骨上リンパ節に転移し、ハーセプチン+タキソール治療をウィークリーで今まで続け、現在8クールを終わったところです。治療2クール後のCT検査結果、3cmの腫瘍が1.5cmに縮小しましたが、その後今まで大きさは変わりません。その時から腫瘍は壊死していると言われていました。質問ですが、1週間前のCT検査結果、腫瘍リンパ節は瘢痕化しているとのことで、担当医に今後の治療をどうするかと聞かれています。すべての治療をやめてみるか、ハーセプチンのみの治療をするか(これは私が言い出した事です)、ハーセプチン+タキシールの治療を続けるか、という3つの選択から決断しなくてはいけないのですが、担当医も判断を私に任すというのですが、自分ではこれという選択が出来ません。治療は高額なので中止したいのは山々ですが、腫瘍が消失していないことが不安です。瘢痕化ということは消失している状態と同じなのでしょうか。アドバイスいただけたら幸いです。よろしくお願いします。

リンパ節転移多数、ホルモンレセプターは両方マイナス、Her2+2、補助療法6クール(CMFあるいはCAFだと思います)施行後の再発ということですが、まず治療法として、現在行われているハーセプチン+タキソールは最善の治療法の1つだと思います。大きさが1.5cmに縮小したということですが、すべてが瘢痕化しているという証拠はなく、本来は治療を続行すべきです。ただし、同じ治療を続けても、腫瘍の抵抗性が出現し、効果が落ちることがあります。この場合は、これまで使用していない他の抗癌剤に変更すべきです。ハーセプチン+タキソテールや、最近市販された経口抗癌剤のゼローダなどが考えられます。まず、今の治療がまだ効いているのか、既に抵抗性となっているのかによって判断すべきだと思います。(文責 籾山)

 

No.1634】 03年06月30日 O.S. 
左胸のしこりについて

30歳、独身です。1週間前に左胸にヒリヒリとした痛みを感じ、皮膚がおかしくなったかなと思っていたのですが、あまりの痛さに2、3日して胸を触ってみると、左胸(4時方向でブラジャーのワイヤーが当たるあたり)に丸くて割と硬い、まるで膿がたまっているようなしこりが分かりました(大きさは1〜2センチ位)。 そのうちに治るかと思っていたのですが、痛みがなくならず(大きくもなりません)、気になり何回も触って確かめるようになり、そのせいか張ったような感じで、周りも痛くなり、リンパ腺もおかしいのかなと考えると不安になり、その不安から首周りのリンパが気になりだし、歯が浮いた感じで、今日は微熱がある感じです。痛さは炎症が起こってるといった感じの痛さで、寝返りをうって胸が動くのにつれても痛みが走る感じです。しこりを確かめようと強く触りたいのですが、少し触っても痛いので、大きさは大体しか分かりません。でも硬くて丸いのは確かだと思います。産婦人科に行った事が無いのでとても不安なのですが、早急に病院に行った方がいいのでしょうか。それとも、もう少し様子を見てみてもいいのでしょうか。早く病院に行けばいいのですが、心の準備としてご相談させていただきました。お忙しいとは思いますが、早くお返事いただけましたら、ありがたく思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。この症状は乳がんの可能性も有るのでしょうか? 生理が終わったと同時に始まった痛みです。それから病院にいくのなら、普通、何科に行くものなのでしょうか。外科より産婦人科の方がやはり専門になるのでしょうか? 宜しくお願いいたします。

膿がたまったような痛みを伴うしこりならば、乳腺炎が最も疑われます。乳癌の可能性は低いと思いますが、乳腺炎を起こす原因(通常は授乳中に多い)が不明ですので、放置するのは良くありません。早いうちに病院受診してください。(文責 籾山)

 

No.1633】 03年06月30日 HM
マンモトーム生検について

41歳で出産経験の無い(不妊治療中)主婦です。去年10月の定期健康診断の乳がん検診では異常無しでした。同じく去年の12月に左胸にしこりの様なものを感じ、掛かりつけの婦人科で超音波検査を受けましたが、乳腺症と診断されました。今年5月に再度左胸にしこりを感じ、同じく超音波検査を受けると影が2つ見つかり、要精検で大学病院を紹介して頂きました。そこで6月2日に触診とマンモグラフィー(石灰化らしきものが1つ?あるようです)、9日に超音波検査をし、16日にMRIと穿刺吸引細胞診を受けました。今日(26日)の診察で、細胞診の結果、2つ見つかったしこりのうち太い針で付いたしこりの方は、脂肪壊死(打ち身等思い当たることがありません)で良性との診断を受け、しこりがはっきりせず細い注射針での細胞診を行った方は、クラスV(悪性とも良性とも言えない)と診断されました。主治医の先生は、やるのなら2つ共の摘出生検を薦められました。1つ1つの検査の予約に時間がかかっていることもあり、私自身あまり緊急性(悪性?)を感じていなかったので、摘出生検の検査による傷が4〜5cm(2つを1度に取る為)になると聞き、驚き、悩んでいます。摘出生検は必ず必要なのでしょうか? 悪性の可能性が高いということでしょうか? インターネットでマンモトーム生検のことを知り、少し遠方になりますが、セカンドオピニオンとしてマンモトーム生検の可能な病院を受診してみようかとも思います。また、そうした場合、今回行った検査を再度行うことになるのでしょうか? まとまりが無く、長い文面になってしまいましたが、ご相談に乗っていただければ有り難いです。お忙しい中、本当に申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いします。

乳腺疾患のなかには,診断が比較的簡単につくものから、非常に困難で時間のかかるものまで、多くのタイプがあります。相談者の場合は後者に属すると思います。もともと乳腺症があって、乳房全体が硬くごつごつしており、正常乳腺と腫瘍との区別がはっきりしないのが原因です。我々乳腺専門医でも、診断に非常に苦労します。しかし、細胞診でクラスIIIと診断された場合は、組織生検を受けるべきだと思います。傷の大きさは、もちろん必要最小限で行われるはずですが、腫瘍の大きさや場所によって異なります。マンモトームは、石灰化病変で悪性が疑われる場合に適応となりますが、1つの石灰化?では困難かもしれません。セカンドオピニオンは非常に良いと思いますので、ご自分の満足のいく病院で検査を受けられることをおすすめします。(文責 籾山)

 

No.1632】 03年06月27日 N.T. 
線維腺腫の摘出法について

30才、独身です。今年2月に左胸1.5センチのしこりを線維腺腫と診断されました。マンモとエコーのみの診察でした。3ヶ月後の検診でエコーのみ、「特に変わりなし」とのことで、次は半年後の検診になりました。「摘出してしまえばスッキリするよ。」とのことで、勧められました。こちらのページを見ていると、線維腺腫の摘出は局所麻酔で日帰りでできるとのことでしたが、わたしの担当医は全身麻酔で一泊入院が必要と言われていました。この先、定期的に検診を受けるよりも、いっそのこと摘出してしまいたいのですが、全身麻酔ということに気持ちが引けてしまいます。摘出を望むのであれば、全身麻酔でもお願いするべきなのでしょうか。

1.5センチの線維腺腫を摘出する場合、通常は外来・日帰りで可能です。局所麻酔に対するアレルギー等が有るのでしょうか?主治医に入院・全身麻酔が必要な理由を確認して下さい。「病院の方針」で入院が必要ならば、他の病院に相談すべきだと思います。(文責 籾山)

 

No.1631-1】 03年06月27日 Y.Y. 
転移の可能性について

平成11年12月に温存手術を受けました。その後、放射線治療と抗ガン剤治療を受け、10ヶ月間、ゾラディックスの注射を受けましたが、骨粗しょう症のため中断し、タモキシフェンを現在まで続けています。昨年の10月頃から腫瘍マーカーが上がり始め、今はCA15-3が110,NCC-ST-439が80です。その間、胸や腹部のCTやMRI、骨シンチの検査を受けましたが、異常は見つかりませんでした。今月からゾラディックスを再開しました。検査の結果、腫瘍は見つからなかったものの、不安な日々を送っています。何となく腰がだるかったりしていますが、我慢できないような痛みはまだありません。転移の可能性について教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

腫瘍マーカーが上昇している場合、やはり再発を疑うのが一般的です。胸・腹部CT、MRI、骨シンチまでやっているので、再発頻度の高い臓器には異常がなさそうです。このような場合、全身PETを行うのが良いと思います。通院されている病院にPETの検査器が無い場合は、主治医に相談して、検査だけでも他の病院で施行してもらってはいかがでしょうか。(文責 籾山)

No.1631-2】 03年10月12日 Y.Y. 
癌性腹膜炎について教えてください

No.1631で相談した者です。現在42歳で、4年前に手術をしました。その後の検査でも転移先がわからずにいましたが、先月の検査で腹水に転移していることがわかり、癌性腹膜炎と言われました。今は、6月に再開したゾラデックスとノルバデックスで治療しています。体調はいいのですが、これからのことが心配です。他の臓器に転移していく可能性は高いのでしょうか。現在は自覚症状はありませんが、今後何か症状が現れてくるのでしょうか。よろしくお願いします。

浸潤性小葉癌などの特殊な乳がんでは腹膜転移で再発することがありますが、一般的な乳がん(浸潤性乳管癌)では腹膜のみの再発というのは珍しいと思います。浸潤性小葉癌の場合は、腹膜だけではなく卵巣や他の消化管(胃、大腸)にも転移を生じることがありますので、念のためこれらの臓器の検索も行うようにしてください。いずれにしても、貴女の病状を把握する上でも、主治医に乳がんの組織型、ホルモン感受性、HER2遺伝子発現状況等を確認して、最善の治療法を選択するようにしてください。(文責 千島)

 

No.1630-1】 03年06月26日 H.I. 
胸水が溜まっています

3月に母親が乳癌切除の手術を受けました。一週間前(それまでは元気でした)から体の調子が悪いというので、昨日医者に行ったら、1リットル肺に水が溜まってしました。現在入院して水を抜いてるのですが、何かの合併症ですか?肺に水が溜まったのはどの様な原因が考えられるでしょうか?宜しくお願いします。

まず、癌性胸水か否かが問題だと思います。乳癌が胸に転移して、胸水が貯まることはしばしばあります。この場合、胸水を抜いて、顕微鏡検査で調べれば診断がつきます。癌性胸水でない場合は、抗癌剤の副作用、心臓疾患、他の肺疾患などが考えられますが、いずれも胸水の性状を検査することで判断できます。入院して既に胸水を抜いているとのことですので、主治医に診断結果を確認してください。(文責 籾山)

 

No.1630-2】 03年06月30日 H.I. 
肺転移

お返事ありがとうございました。 抗がん剤で弱った腎臓?肝臓?(どちらか忘れましたが)を助けるための薬を 一週間前から飲み始めたあたりから調子が悪くなりました。 肺への癌の転移では無いことを祈るばかりです。 水を抜き取るのは30日に完了するそうです。 それから検査をするそうです。 乳癌の切除を行ったのが三ヶ月前です。 たった三ヶ月で肺に転移するものなのでしょうか? 宜しくお願いします。

術後3ヶ月で肺転移が見つかることは決して珍しくありません。病院に始めて受診したときに、既に全身転移がみられる人もいます。このような場合は、手術以上に抗癌剤の治療が重要になってきます。(文責 籾山)

 

No.1629】 03年06月26日 S.N.
右胸のしこりについて

27才未婚、出産経験無しの女性です。着替え時に何気なく鏡を見たところ、右胸の乳輪から右のほうに4,5cmずれたところに、薄褐色で5mmほどのほくろを発見しました。ほくろはもともとあったと思うのですが、いままで気付かなかったので、これほど大きくなかったのだと思います。指で触れると、他の皮膚と感触が違うので、そこにほくろがあるのが分かります。痛みなどはありません。気になって、ほくろの周辺を触っていたところ、今度は、ほくろと乳輪の中間くらいに、しこりを発見いたしました。それほど大きなものではなく、指先ほど、細長くて動く感じではありません。押せば鈍痛を感じます。触らなければ痛みはありません。乳がんと皮膚がんは別物だそうですが、どちらも気に掛かって不安になり、相談させていただきました。相談に乗っていただければ、大変嬉しく思います。ご回答、よろしくお願いいたします。

まず、皮膚のほくろと乳房のしこりは、直接関係はないと思います。ほくろに関しては、増大傾向・色調の変化等があるならば、皮膚科に受診したほうが良いでしょう。乳房のしこりに関しては、お話だけでは分かりませんので、一度外科を受診してください。(文責 籾山)

 

No.1628】 03年06月26日 A.K.
現在の治療方法の適否について

母(55歳)の治療方法についてご相談にのっていただければと思い、本メールとなりました。ステージやクラスについてはよくわからないのですが、症状は以下のようになっています。
 ・10年ほど前から患っていたが、今回はじめて病院にかかる
 ・片方の乳房がなくなっている
 ・リンパ節に転移している
 ・かつ肝臓及び骨(4ヵ所)に転移している
今年4月に入院し、現在(6月)までの治療経緯は以下のようになっています。
 ・当初1ヶ月ほど入院し、転移場所の確認とホルモン及び抗がん剤治療
 ・その後、2週間おき位に入退院を繰り返している
 ・病院では抗がん剤(ATと担当医師は言っていました)及びホルモン(アリミデックス)治療
 ・自宅ではホルモン療法
その他、一般的に市販されている健康食品(ノニジュース、カバノアナタケ他)を飲用しています。はたして今の治療法を続けるのがベストなのでしょうか?もし今の治療法で効果が得られないのであれば、入退院を繰り返し、髪の毛も抜け落ち、心身ともに疲れていく母の姿はあまりにも哀れでなりません(セカンドオピニオンはとっていません)。また今の治療法を続けたとして、あと何年くらい生きられるのでしょうか? お忙しいなかとは思いますが、よろしくお願いいたします。

「10年ほど前から患っていたが、今回はじめて病院にかかる」、「リンパ節、肝臓及び骨(4ヵ所)に転移している」とのことですが、残念ながら、既に癌の進行度としては第4期です。治療は、抗癌剤ATとホルモン療法の組み合わせとのことで、かなりしっかりした治療を行っていると思います。AT療法は、現在の乳癌治療では最も効果のある治療法の一つであり、奏効すれば、1年以上の生存が期待できます。ただし奏効しているかどうかの判定は、通常2−3ヶ月後に行います。奏効しない場合は、他の薬剤に変更しますが、あまり効果は期待できず、数ヶ月以内で急変・死亡の可能性もあります。副作用が強ければ、治療を延期あるいは中止するしかありませんが、癌が残っていれば、その間に増大することもあります。少なくとも効果判定までは、今の治療を続けるべきだと思います。(文責 籾山)

 

No.1627】 03年06月25日 G 
若年層の再発リスクについて

妻が今年3月、右胸全摘手術をしました。本人の意志により全摘(癌専門病院にて)。データは以下の通りです。年齢35歳。腫瘍2.9cm。リンパ転移無し。ステージ2a。class1。骨など他も異常は無し。人工閉経によるホルモン療法。質問は、主治医の先生が若年層による再発リスクが高いと呟くかのように何度かおっしゃったのが気になって仕方ない上、本人もいる以上、どういう事か恐くて聞けません。我々としては、ひとまずヨシとして頑張りたいのですが、再発の可能性はそんなに高いのでしょうか?パーセンテージで回答していただければわかりやすく有り難いです。どうぞよろしくお願いします。

年齢35歳、腫瘍2.9cm、リンパ転移無し、ステージIIaの5年生存率は約90%、10年生存率は約80%です。つまり、5年以内に10%、10年以内に20%の方が、残念ながら亡くなっています。再発しても生存中の方がいますので、再発率はこれよりも少し高くなります。若年者は再発率が高いとされていますが、最も重要な予後因子は、リンパ節転移の有無です。奥様は、リンパ節転移なしとのことですので、概ね上記の生存率と考えてよいと思います。(文責 籾山)

 

No.1626】 03年06月25日 Y.K.
線維腺腫の摘出について

30歳既婚で、子供はいません。3ヶ月前に人間ドックの乳がん検診の結果、線維腺腫と診断されました。右の乳房にしこりが見付かり、2.5cmの良性とのことでした。担当医のお話では2.5cmの大きさと、今後出産を考えているのであれば、その前に手術をし、摘出をしてしまった方がいいとのことでした。私は人間ドックの結果後、すぐ渡米する予定もあり、現在はアメリカに住んでいます。言葉の問題もあり、「日本へ一時帰国した際に摘出手術をすること(なるべく早目に)、そしてそれまでは自分自身でしこりが大きくなっていないかを確認すること、出来れば定期的にアメリカの病院で検査を受けること」を担当医とお話し、渡米しましたが、現在、痛みが少しありとても心配です。近々日本へ帰る予定がない為、アメリカの病院で手術を受けようかとも考えていますが、そのしこりを摘出する手術はどのように行うのですか? 私自身言葉の問題だけですが、日本の病院で手術を受けた方が安心です。ただ、このまましこりを残しておくのも心配になってきています。自分で大きさを確認しようと触ってはみるものの、「大きくなっているのか?変わっていないのか?」良く分かりません。
出来ればある程度どのような手術なのか把握しておき、日本で手術するのか、アメリカで行うのかの判断をしたいと思っています。あと、もし手術をした場合に、乳房はどのようになってしまうのか?どのような傷跡が残るのか?教えてください。そして時々痛むのが心配なので、その考えられる原因があれば教えて下さい。以上、よろしくお願いいたします。

大きさ2.5cmの良性腫瘍ならば、外来・日帰りの局所麻酔による手術で、時間は30分程度です。翌日から仕事も可能です。痛みの原因は、腫瘍とは直接関係ないと思います。乳房痛の原因で最も多いのは、乳腺症です。生理痛と同様に痛みを自覚する疾患で、乳癌とは関係ありません。(文責 籾山)

 

No.1625-1】 03年06月24日 A.T. 
補助療法の回答を7/1に求められています

お忙しいところ申し訳ありませんが、母(62歳)の術後補助療法についてお問い合わせさせて下さい。7/1が通院の予定となっており、その時までにどうするかを決めてくるように担当のお医者さまに言われています。
センチネルリンパ生検にて乳房温存手術を行う。(4/14)
・癌の大きさは0.8センチ
・リンパ節への転移はなし(0/9個)
・切除断片陰性
・grade1
・硬癌
・ホルモンレセプター陰性
・脂肪内に浸潤
・リンパ管や静脈へは癌なし

取った部分をすべて5mm間隔で切った結果、癌の取り残しは無かったので、放射線治療は行わないとのことでした。この病院では詳細検査を行っていて良好な実績を残しているので、取り残しが無ければ放射線をしなくても問題なしとの説明を手術前に受けていました。先生はこの状態なら‘無治療’で問題はないとおっしゃっています。「ホルモンレセプターが陰性だとハイリスクとなるのに無治療でも大丈夫なものなのか? 母は昨年の8月に甲状腺癌の手術もしており、体質的に癌になりやすいのではないか? 再発・転移の可能性は出来るだけ抑えておきたい」と言ったところ、「抗がん剤までする必要は全くなく、もしするならタモキシフェンを服用するかどうかを次回くるときまでに決めてくるように」と言われました。「タモキシフェンは再発ではなく、転移を予防するためのものだから」とも言われたのですが、それはどういう意味なのでしょうか?母のような場合、術後補助療法は行わなくても本当に大丈夫なものなのでしょうか?放射線も無し、薬の服用も無し、手術のみとなると、さすがに不安になります。先生はまったく問題ないようにおっしゃっていたのですが、脂肪内に浸潤していても心配はないものなのでしょうか?ホルモンレセプターが陰性の場合はハイリスクに入ってしまうようなのですが、予後にも影響が出てくるのでしょうか?タモキシフェンを服用した場合、子宮体癌になる可能性も出てくるようなのですが、母のようにもうすでに2つも癌になってしまっている場合、体質的にもその可能性は大きくなるのでしょうか?癌になりやすい体質というのはあるのでしょうか?(癌の家系ではありません)
せっかく早期で癌が見つかり、リンパ節にも転移がなく安心していただけに、閉経後の母のホルモンレセプターがまさか陰性になっているとは、といった思いです。長々と書いてしまい申し訳ありませんが、ご回答お待ちいたしております。よろしくお願いいたします。

62歳、 腫瘍径0.8cm、 n0であり、非常に早期に適切な手術がなされたと思います。ただし、ER陰性のため、n0症例のなかではハイリスク・グループに分類されます。この場合、St.Gallen国際会議の推奨に従えば、術後補助療法は、化学療法ということになります。ここでいう化学療法とは、CAFやCMFなどの点滴治療をさします。通常4−6クール行いますが、脱毛・嘔気・白血球減少などの副作用があります。我が国では、副作用の少ない内服抗癌剤を用いることもありますが、再発予防効果に関するエビデンスはありません。私が主治医ならば、各種抗癌剤治療の効果と副作用を説明し、最終的には患者さんに選択してもらいます(点滴抗癌剤か、内服抗癌剤か、無治療か)。ER陰性なので、タモキシフェン単独という選択肢はないと思います。(文責 籾山)

 

No.1625-2】 03年06月27日 A.T. 
補助療法の回答を7/1に求められています(2)

お忙しいところ、早々にご返信いただきありがとうございます。申し訳ないのですが、あと2つほど質問させて下さい。
1)St.Gallen国際会議推奨の術後補助療法は、ホルモンレセプターが陰性の場合は、先生がおっしゃるように高リスク群に該当し、化学療法が推奨されていました。中間リスク群の場合は、ER(+)ならタモキシフェン ER(-)なら無治療となっていました。ホルモンレセプターだけで見ると、なぜ補助療法に違いがあるのかがよくわからないのです。主治医の先生にホルモンレセプターのことをお聞きしたとき、ERとPgR個々の結果は教えてくださらなかったのですが。
2)がんが脂肪内へ浸潤していたと言われたのですが、その点は補助療法には考慮しなくても大丈夫なものなのでしょうか。大きさについても8oということのみだったので、縦の大きさ(?)は未確認なのです。硬がんは縦に浸潤しやすく、転移を起こしやすいとのことだったので、脂肪内へ浸潤しているということは、進んでいるということなのでしょうか。母は乳頭から8pのところにがんがあったようなのですが、それは脂肪内への浸潤と関係はありますか。

細かいことでの問い合わせで申し訳ありません。先生が書いてくださったように早期に適切な処置をしていただいた信頼と、それ故に現在の状況で副作用の強い抗がん剤をすべきなのかということ、再発・転移の芽は出来る限り断ち切りたいという思いとが交錯しています。お忙しいところ恐縮ですが、ご返信をお待ちいたしております。よろしくお願いいたします。

1)2001年のSt.Gallen国際会議から、中間リスク群という分類はなくなりました。ER(-)の症例は、すべてany other risk群に分類され、化学療法が推奨されています。しかし、これはあくまでも推奨であり、副作用の強い方や、高齢者では、必ずしも施行する必要はありません。逆に、どうしても心配ならば、その不安を解くためにも化学療法を選択すべきではないでしょうか。
2)「脂肪内浸潤の有無」で予後を比較すれば、「浸潤有り」症例の方が予後不良です。ただし、それはリンパ節転移やER状況に比べて、統計学的に重みが低いとされています。いずれにせよ、すべてのパラメータを考慮して、術後補助療法に何をすべきか、正解を出すのは不可能です。考え過ぎて結論が出せないことのほうが不利益だと思いますが、いかがでしょうか。(文責 籾山)

 

No.1624】 03年06月24日 S.T.
胸のしこりと細胞診

25歳、未婚です。右胸の乳輪より5センチ上の所に、動くしこりがあるのを5月末気づき、もともと左胸の内側にも17、8才の時からしこりがあったので、それもついでにと病院にいきました。しかし最初の病院は乳腺外来の日ではなかったので、マンモのみ撮り、「2週間後乳腺外来を受けるように。しこり自体は触診したところ悪いものじゃなさそう。」との外科医の話。しかし不安でしかたがなかったので、その間に別の病院に行くと、「エコーに移っていないから乳腺が突起して目立つだけ、左側は良性の線維腺腫なので経過観察」(エコー操作は先生でなく技師です)と言われました。自分では不安がのこったまま最初の病院にいくと、右側を細胞診するとのこと。細胞診になった展開に非常に動揺し、「悪いものなんですか」と聞くと、「いや悪いもんじゃない」とのこと。「あなたの年齢から言っても良性の可能性のほうが高い。ただ、左側の様な形だったらいいんだけど、エコー上ね、一般に判断する良性の形とはちょっと外れてるから、良性ってことを確かめるために念のため。」と言っていました。
結果は2週間後です。もう毎日癌なんじゃ…と思って泣いています。もともと−思考なので精神的におかしくなりそうです。あと、患者さんのHPばかりみてしまい、すべて自分に当てはまった気がし、ほんと食事もできないぐらい不安です。良性のしこりでも、形が球状や楕円状じゃない場合もあるのですか?「細胞診をする=癌の要素が強いから」とイメージをもってしまっているのですが、細胞診をなさった人でも良性の場合って多いのですか。そのしこりはこの一ヶ月、病院の行き来中が生理前で、押すとすこし痛い気がしたのですが、マンモグラフィを2つの病院で撮ったのでそれで挟んだからかなとも思うんですが、マンモで痛くなってしまうことありますか。まとまってない文で申し訳ございざいませんが、よろしくお願いします。

細胞診をするというのは、一つの確認作業だと思います。画像上、良性を疑っていても、万が一の場合を考えて、細胞診の検査をするのが普通です。腫瘍の診断は、病理検査(細胞診や組織診)の結果がすべてですので、どんな名医でも、画像診断だけで100%断定することはできないのです。あまり心配なさらずに、結果を待ってください。(文責 籾山)

 

No.1623】 03年06月24日 IS 
線維乳腺線腫 細胞診クラスIIIa 対応は?

右乳房2cm程のしこりが細胞診クラスIIIa、エコーとマンモグラフィから、線維乳腺線腫と診断され、3ヵ月後に再検査を予定しています。当方36歳 妊娠暦なしです。二年前の乳がん検診では異常なしだったこと、左右に石灰化したしこりが多数みられたこと、ちくちくした痛みを感じること、癌の家系であることから、対応につきアドバイスいただけたらと思います。また、PETによる診断でガンが簡単に見つかると聞きましたが、これは乳がんに対してMRIよりも有効なのでしょうか?以上、よろしくお願いいたします。

エコーとマンモグラフィから線維線腫と診断されているようですが、細胞診クラスIIIaであるならば、外科的切除を考えたほうが良いと思います。大きさが2cmですので、今ならばそれ程大きな傷にならず、日帰り・局所麻酔の手術で摘出可能です。摘出により、腫瘍の確定診断も可能です。(文責 籾山)

 

No.1622】 03年06月22日 k・k
しこりについて

35歳の主婦です。出産後、一年経った頃、両脇の下に無数のしこりが出来ました。痛みがあり、両腕を上げるのが苦痛な程。その後、生理が終わって一週間位すると数が減ったものの、しこりが出来て、生理開始と共に、痛み、腫れが無くなります。また、脇の下に限らず、胸、おしりにも出来ます。ホルモンの関係なのでしょうか?

生理時期に一致して認められるものならば、ホルモンに関連している可能性が高いと思います。ただし病名の確定をするのは、お話しだけでは困難です。乳がんの可能性は低いと思いますが、検診も兼ねて、一度病院(外科)を受診してください。(文責 籾山) 

 

No.1621】 03年06月22日 S.O.
乳頭からの異常分泌

乳癌で検索していたらここにたどり着きました。36歳、未婚です。分泌物についてお聞きしたいのですが・・・。普通にしていれば分泌物は無いのですが、摘まんだり押したりすると出ます。最初は白い色のものと透明な色の物が出ていたのですが、先日から透明の所がピンク色の物が出るようになってしまいました。出血性の分泌物は癌だと聞き不安で・・・。早目に診察を受けた方が良いのでしょうか?

出血性のものに限らず、乳頭からの異常分泌(授乳以外のもの)を認めた場合は、病院を受診してください。レントゲンや分泌物の細胞検査などをして診断をつけます。(文責 籾山) 

 

No.1620】 03年06月21日 F.O. 
乳頭からの微量出血について

一ヶ月前に初期流産しました。その後乳汁が少し出ていたのと、乳房が張って痛かったので、テルロン錠を一日0.5錠3週間飲んでいます。先日、まだ乳汁が出ているか気になったので、乳頭をつまむと微量の出血と黄色い分泌液が出ました。その後、出血はありません。最初はあまり気にしなかったのですが、少し心配になってきました。一度検査をした方が良いのでしょうか?それとも、このままにしておいて大丈夫ですか?よろしくお願いします。 

一回きりの微量出血ならば、まず心配は無いと思います。ただし繰り返しみられるようでしたら、病院を受診して下さい。分泌物を採取して顕微鏡で観察するなどの検査で診断が可能です。(文責 籾山) 

 

No.1619】 03年06月21日 R子
定期検診について

今年4月、石灰化広範囲の為、左胸全摘・2ミリの浸潤個所あり。リンパ1/16転移。術後 CMF6ク−ル、その後ホルモン療法予定です。昨日2ク−ル目の受診の際に「次の検診は何時でしょうか?」と聞いたところ、「1年後で良いと思います。もちろん どこかに異常見られたらその時対処しますよ」と言われました。術後は3ヶ月後とか聞いていたのですが、大丈夫なのでしょうか? それから、前回のCMFの副作用で吐き気と便秘を伝えたら、処方箋が下剤・カイトリル錠(吐き気止め)そしてデカドロン錠でした。薬の名前のみの記載でしたので、薬剤師に「これは何の薬」と説明を受けていたんですが、デカドロンに関して「ステロイド」ですと言われ、「吐き気に効くんですよね?」に「吐き気は関係ないと思います」と言われました。便秘に伴って「お尻が痛い」と話しましたので、そっちの薬かしらと思いながらも飲んでいるんですが、何の薬なのでしょうか? よろしくお願いします。

主治医が1年後といったのは、おそらくCTや骨シンチなどの画像検査のことだと思います。それ以前は、3ヶ月に一回程度、採血で腫瘍マーカーを測定するのが一般的です。また、デカドロン(ステロイド)は、吐き気に有効な薬です。カイトリルなどの制吐剤と一緒に処方されることが多く、全世界的に行われています。薬剤師さんは、ご存知なかったのでしょう。(文責 籾山)

 

No.1618】 03年06月21日 K・R
男性の乳癌について

30代の男性です。男性の乳癌についてお尋ねします。男性が乳癌に罹る確率は低いそうで、ここでの回答を拝見しても「女性化乳房」というお答えが多いようですが、受診以前に、自分で女性化乳房と男性の乳癌とを見分ける基準がありましたら教えて下さい。30〜40代の男性でも乳癌が発生することはあるのでしょうか? また、色んな点で女性の乳癌に類似するそうですが、男性でも葉状腫瘍に罹る可能性はありますか? 漠然とした質問で申し訳ありませんが、どうか宜しくお願い致します。

難しい質問ですが、受診せずに判断する方法は残念ながらありません。病院に受診しても、100%の回答を得るためには、組織を摘出して顕微鏡で検査するしかありません。男性で、乳房の異常を主訴に病院を受診する方は結構いますので、躊躇せずに受診(大きな病院の外科)されることをおすすめします。(文責 籾山)

 

No.1617】 03年06月18日 T.M.
全身再発していますが・・・

術後4年弱で、乳癌が全身再発しました。肝臓と肺と骨に転移しています。病理結果は、非浸潤ガンだったのですが・・・。再発治療として、CAF3クール後、タキソテールweekly投与を4ヶ月受けました。現在、ホルモン療法、ノルバデックスを内服しています。症状的には、かなり落ち着き、画像上、肝臓内の小さな多発転移は消失し、2センチの腫瘍もむらのようになりました。肺は、少量の胸水を残すのみで、結節なども消失しました。骨の多発転移も消失し、1カ所のみになりました。体調も良く、元気に過ごしています。しかし、腫瘍マーカーは、CA15-3が123、NCCが20、CEAが6.4で、まだ異常値です。相談させていただきたいのは、職場復帰(公務員)のことなのです。再発治療のため、1年3ヶ月休職しています。そろそろ、復帰を考えているのですが、私のような状態では、職場復帰は無理なのでしょうか。主治医は、おそらく、私が望めば、職場復帰してもよいとおっしゃると思います。反対に、私がもう少し休みたいと言えば、そのようにはからってくださると思います。自分では、とても迷っています。仕事に復帰したいという気持ちがとても強いのですが、(一般的にというのも変かもしれませんが)私のような状態では、どうするべきなのか、ご助言いただければ幸いです。

治療効果はかなりあるようですが、マーカー値が高いことを考えると、今後も気を抜けないのは事実です。ただし、このまま仕事を休んで、いつ終わるか分からない治療を続けるのは、大変つらいことだと思います。私が主治医ならば、職場復帰をすすめます。Quality of Life(生活の質)という言葉がありますが、これを維持しながら治療を続けることも可能です。ご自分のやりたいことを我慢する必要はありません。どうか、頑張ってください。(文責 籾山)

 

No.1616】 03年06月18日 E.T. 
ノルバテックス服用期間について

1996年5月に右乳房全摘手術(ステージ2)後以来、ノルバテックスを服用していました。2001年の健康診断で肝機能障害が発見され、担当のDr.に相談したところ、影響はないので飲み続けた方が良いでしょうといわれましたが、昨年春以後、自主的に服用を中止したところ、約半年後の検査で数値が正常に戻りました。聞くところによると、ノルバテックスの5年以上服用はあまり意味がないとのことですが、いかがなものでしょうか? 

ノルバテックスの推奨投与期間は、現在のところ5年間です。ただし、それまでに肝機能障害などの副作用が出た場合は、内服を中止することもあります。中止によって肝機能が正常化したならば、ノルバテックスが原因と考えてもよいと思います。(文責 籾山)

 

No.1615】 03年06月18日 R.U.
乳輪の痛み

左の乳輪のことでご相談があります。以前から痒みがあり違和感がありましたので、乳がん検診(エコー、マンモグラフィー)を受けたところ、特に異常はありませんでした。痒みはその時処方された軟膏でおさまったのですが、暫くしてから、乳輪の一部分だけ痛みが出てきてしまいました。気になるのは痒みがあった時かいていた乳輪の中にある白いプチプチが3つほど大きくなり、乳頭部がキュッとなった時などに盛り上がって、しこりのようになることです(普段は平らですが、盛り上がると痛みを感じます)。痛みのある乳輪部分の皮膚も割れてきたように見えます。生理の時の乳房痛とは違った乳輪部だけの痛みなので、再度、総合病院の外科と皮膚科で見ていただきましたが、炎症のようなものはなく、考えられるのは帯状疱疹だけれど、水泡が出てきてないので診断がつかず、経過観察とのことでした。私としては継続的ではないけれど痛みがあるのでとても気になっており、違う病院でもう一度乳がん検診を受けようか迷っています。現在39歳で授乳経験は1回(8ヶ月)です。ホルモンのバランスの問題でしょうか?

乳房痛のみで、エコー・マンモグラフィーでしこりがみつからないならば、まず乳腺症と考えてよいと思います。ただし、ごく稀に微細な病変が隠れていることもありますので、時期を変えて、他の病院で再検査するのも大切なことだと思います。(文責 籾山)

 

No.1614】 03年06月18日 k
薬の副作用について

薬についてのご相談です。5月末、しこりが2cmの乳房温存術(リンパ節転移なし)で、病理結果がでました。今後の治療は、@ 放射線治療(30日・6週間) 60グレイ A LH-RHアゴニスト剤注射(1回/4週間を2年) B 飲み薬(ノルバデックスD 20mgを毎朝1錠 2年)、以上の3つです。先生に相談すべきだったのですが、帰宅してから副作用をインターネットで調べて薬の副作用に唖然としました。
・ お酒が飲めないので、薬が効きすぎてしまう傾向があります
・ 3月の人間ドッグでall Aでした。その「婦人科検診」の時、なかなか力が抜けず、軽いカルチャーショックでホルモンバランスが崩れ、今まで狂ったことのない生理が1ヶ月に2回もきてしまったこともあり、子宮にかえって影響を与えてしまうことになりませんか?

まだ薬を飲み始めてもいないのに、申し訳ありません。こちらでご意見を伺い、相談の必要があれば、先生にアポイントを入れようと思います。(先生を目の前にすると、極度の緊張とご多忙の様子で、つい遠慮してしまうのです)お時間のあるときにお返事くださいませ。

術後にホルモン剤を使用するようですが、一般的に抗癌剤に比べて副作用はそれ程大きくないと思います。ただし、LH-RHアゴニストによって人工的閉経状態になるため、更年期障害に似た副作用がでることがあります。また、ノルバデックスは、子宮体癌との関連が報告されていますが、そのリスクよりも乳癌の再発抑制効果の方が優るとの考えで、現在も世界中で使用されています。いずれも、間違った治療は行われていませんので、安心して下さい。(文責 籾山)

 

No.1613】 03年06月18日 a. m.  
一箇所だけの胸の痛みについて

初めてご相談いたします。28歳の女性です。四日ほど前から左胸が痛みます。場所は、対面からみて左胸の10時の辺りです。そこだけにずきずきとした鈍痛があります。手で押さえると、筋のような骨のようなものが縦というよりは、幾分乳首の方へ向かってコリッとした感じであります。ごく小さいのですが、抑えると痛いです。生理の一週間ほど前ころから、胸が全体的に張ったり痛むことはあり、今もちょうど生理前で、あと4日程度でなる予定なのですが、今回は、この一箇所だけで、なんとなく鈍痛が続いており、非常に気になっております。これは、今までと同じで放っておいてもよいものでしょうか。乳がんの場合もこのようなことがありますでしょうか。精神的に辛くなりご相談させていただきました。お願い致します。

乳房の痛みを自覚する疾患で最も多いのは、乳腺症です。年齢から考えても、乳癌の可能性は低いと思いますが、一度病院(市民病院クラスの外科)に受診することをおすすめします。(文責 籾山)

 

No.1612】 03年06月18日 T.W.
乳輪直下のしこり

はじめまして。私は26歳です。かなり昔から乳輪直下に3cmくらいのしこりがあるのですが、乳癌の疑いはありまあすか?とても心配です。よろしくお願いします。

年齢から考えて、乳癌の可能性は低いと思いますが、超音波や針の検査で充分診断がつきますので、早いうちに病院を受診して下さい。(文責 籾山)

 

No.1611】 03年06月17日 YK
術後の補助化学療法について

既婚、妊娠経験のない51歳の女性です。4 月に右側乳房に乳がんが発見され、乳房温存療法を受けました。「腫瘍の大きさは15ミリ、リンパ節14個のうちレベル1に5個の転移があり、グレード3の性質の悪いがん、ホルモンレセプターあり」と診断されました。ステージは2aで、放射線治療の後、7月から補助化学療法を受けます。CAFを6サイクル実施とのことですが、本を読んでおりましたところ、ある病院では、私のようにリンパ節転移が4個以上の患者の場合、「これまでの治療成績(CMAまたはAC)は満足できないものである」ことから、現在アメリカでリンパ節転移陽性の場合の標準的治療とされているAC→タキソールを用いているとの記述がありました。同書の記述によれば、「1998年のアメリカ腫瘍学会では中間報告ながら、AC単独よりAC→Tのほうが無再発生存率が高かったことが報告されており、その後3年経過後もAC→タキソールの治療効果が持続されている」とのことです。リンパ節転移が5個である私の場合、CAFによる補助化学療法で再発はどの程度まで軽減できるのでしょうか。また、AC→タキソール療法に対する考え方と評価を教えていただけますとありがたいです。

乳癌術後化学療法の効果を示す一つの指標として、rAOR(reduction od annual odds of recurrence)があります。これによると、無治療に比較してCMFで24%、CAFで更に12%、AC-Tで更に10%以上の再発抑制効果があるとされています。ただし、対象となる症例が比較試験によって異なりますので、あくまで参考値です。一人の特定の患者さんにどれだけメリットがあるかは正確には予測困難ですが、後悔しないためには、現在最も効果があるとされる治療法(AC-T)を選択されてはいかがでしょうか。(文責 籾山)

 

No.1610】 03年06月17日 G 
母の乳癌術後について

今年の初めに65歳の母が、左乳房の3センチの癌を部分切除しました。順調に放射線治療が始まったのですが、7回目頃から切除の傷跡がジュクジュクと化膿して、やわらかい下着がほんの少しすれるだけでも激しく痛むようになり、13回終わったところで大量の膿が噴出し、担当のお医者様が中断したほうが良いと判断されました。4月の初めより様子を見て(その間も膿は出続けていました)、傷口もふさがってきたので、やっと6月9日に照射を再開したのですが、10日にまた膿が出てしまい、再び中断することになりました。手術時か、何らかの理由で細菌が侵入し、脂肪片が壊死したのが膿の原因だと言われたそうです。もう膿まないだろうと担当医はおっしゃったそうですが、また、膿むのは治癒にとって良いことなんだとも言われたそうです。それとは逆に照射の技師の方はまた膿むだろうとおっしゃっていて、母も困惑しています。化膿が治るのか、このまま照射が伸びるのがどう影響するのか、また、このような場合でも放射線治療を続けるべきなのかと心配しております。どうか良いアドバイスを頂きたく思っております。宜しくお願いいたします。

難しいケースです。放射線治療により傷口の化膿を繰り返しているようです。完全に治してから照射を再開すべきですが、その判断は容易でなく、再び化膿してしまう可能性もあります。照射の目的は、乳房内再発のリスクを減らすことですが、絶対的な効果があるわけではありません。一方、放射線による皮膚障害は重篤化するとやっかいですので、こちらを完治させることが先決だと思います。(文責 籾山)

 

No.1609】 03年06月17日 N
乳癌の手術の時期と病院の選定について

67歳、主婦です。左乳房で乳頭下にできた癌の大きさは8.1×6.9×5.9mm程度あるという診断でした。細胞診の結果 classX ステージ1と6月2日に診断されました。温存手術か全摘手術するかは、検討中という事ですが、リンパ節はいずれの場合でも郭清するという事です。乳腺外来のない病院で人間ドッグで発見されたのです。専門病院で手術を希望しましたが、二ヶ月待ちという事です。その病院で手術をした方が良いか、専門病院で二ヶ月待った方が良いか、教えていただきたいです。

診断がついて2ヶ月待ちは待ち過ぎです。乳腺外来のない病院でも、乳癌に十分関心をもち、主治医が自分にあっているようであれば、お願いしても良いと思います。自分との相性は極めて重要です。病院よりも主治医を選ぶべきと思います。(文責 石田)

 

No.1608】 03年06月17日 T.M. 
リンパ節郭清について

術前検査で遠隔転移がなく、術前術中にリンパ節転移がないだろうと判断される場合、非定型乳房切除術では、リンパ節郭清の範囲は、5年前で、標準的にどのくらいだったのでしょうか。また、病期を確定するためには、一般的に何個くらいのリンパ節を術後病理に出す必要があるのでしょうか。ご教授の程、よろしくお願いいたします。

しこりの大きさにもよりますが、2cm以下でNOでは従来の術式ではレヴェル2までは廓清を行います。 5年前と現在では大きくは変りません。現在の考え方では、センチネルリンパ節が転移なければ廓清を省略されることがあります。まだ確立されているわけではありません。特に個数の決まりはありませんが、20個前後が標準でしょうか。(文責 石田)

 

No.1607】 03年06月17日 M.T.
石灰化としこりの大きさ

左乳房に平たく硬いものを感じ、受診しました。エコーでは、「左乳房AC領域に長径5p程、厚さ1.5p程の比較的境界明瞭な凸レンズ状のmassを認めます。内部echoは、不均一で小さなstrong echoが多数認められます。良性過誤腫を疑います。」 マンモグラフィでは、「左乳房AC領域に多数の不整形の小石灰化を認めます。明らかなmassとして認められません。硬化性腺症、乳癌などが考えられます。」でした。 
質問@は、マンモグラフィで「明らかなmassとしては認められない」ということは、しこりではないということなのでしょうか。エコーでは、「境界明瞭な凸レンズ状のmass」ともあります。硬いと感じたものは、小石灰化のため硬くなったもので、小石灰化は、しこりではないということなのでしょうか。このような場合でも、T2表記になるのでしょうか。
質問Aは、半年前だったか、一度おぼろげに硬いと思ったことがありましたが、生理前の現象だろうと思いました。それから、一・二度触ってみましたが、硬さは感じなかったように思います。ところが、3ヶ月前ぐらい前から、硬さを感じ、受診した次第です。3ヶ月から6ヶ月で、0から5センチになるような乳癌はあるのでしょうか。書物などでは、乳癌は他の癌と比べて発育が遅いとありましたが、よくわかりませんでした。よろしく、ご指導の程、お願い致します。

1) しこりとは周囲と明らかに異なる性質のもので”かたまり”を作るもの。よってマンモグラフィーでmassとは、周囲と明らかに異なる濃度で"かたまり”状のもの。石灰化は多くは粒状で ”かたまり”とは言えません。濃密に集合すればかたまりとなることもあります。T2というのは臨床的な大きさですが、触診を含め、画像で明瞭なしこりが確定できればその大きさでTが決められます。
2) 通常乳がんは倍の大きさになるのに約半年といわれます。0センチは触知できない大きさとのことで、実際はある程度の大きさはあるものです。また、ある硬さがなければ触知できません。もちろん急激に増大する乳癌もあります。(文責 石田)
 

 

No.1606】 03年06月17日 M.S
乳首根元のしこりについて

はじめてご相談させていただきます。33歳で、出産経験1度あります。今日、左の乳首根元あたり(乳首と乳輪の境目あたり)に直径5mm弱程度の小さいしこりみたいなものを見つけました。ちょうど乳輪のブツブツ(?)のあたりなのですが、それは他のブツブツとちょっと様子が違うので、触ってみるとしこりのようなコリコリした感触があります。いつからあるのかはわかりません。特に乳首からの分泌物などはないのですが…。乳がんの可能性もあるのでしょうか?明日、大学付属病院の乳腺外来に行こうかどうか迷っているのですが…。お手数ですが、ご指導下さいませ。

文面からは乳癌の可能性は少ないと思います。皮下の脂質の貯留でしょうか? 乳腺外来へ検診のつもりで受診して下さい。(文責 石田)

 

No.1605】 03年06月17日 Y.S.
乳頭からの分泌物

初めてお便りします。3月にランペクトミーの温存手術で2センチのしこりを摘出しました。術後3週間ほどしてから下着に黄色いしみがつくようになり主治医の診察を受けたところ、乳管が開いていて、そこから中にたまった術後の浸出液がでてくるのだろうとのこと。その時は20ccほどを注射器で抜き取り病理にまわしましたが、がん細胞は検出されませんでした。術後3ヶ月の今まで、指で押すと液は出てきます。先日の一ヶ月検診のとき、マンモをとったときなどは器械にぎゅっとつぶされて、たらーっと液がまた出てきました。最近は以前のように黄色い液ではなく、明らかに赤い色に変わってきました。ティッシュなどに取ると黄色と赤のまじった液であり、いわゆる血液のような粘度はありません。次回の診察が8月まで無いのですが、それ以前に診察を受けたほうがいいですか?

しこりがどの部分にあり、どの部分を切除したのかによります。あるいは患側の乳腺に乳腺症があり、嚢胞があるのでしょうか?細胞診やレントゲンをとったようですが主、治医としては何か疾患の合併を考えているのでしょう。分泌物が血性に変ったとのこと。早速に受診して下さい。その時にこの分泌物排泄の要因としてどういうものが考えられるのかをしっかり聞いて下さい。(文責 石田)

 

No.1604】 03年06月17日 ROKO
乳がん治療と神経節ブロックの併用について

当方40歳、1年ほど前にStageTで温存手術を受け、現在はLH-RHa+TAMで治療中の者です。私は以前から自律神経失調症で、ずっと星状神経節ブロックの治療を受けたいと思っていました。ただこの治療は交感神経を遮断するということで、視床下部に作用するホルモン療法との併用をしていいものかと少々心配です。ホルモン療法の副作用も更年期障害様の症状ですから、神経節ブロックは有効なのかとも思うのですが・・・。また神経節ブロックではなく、神経節近傍レーザー治療はいかがでしょうか? ご回答よろしくお願いいたします。

自律神経失調症に対する星状神経ブロックについては標準的治療とはいえず、明瞭な回答は出来かねますが、星状神経節ブロックの作用はその支配下の交感神経をブロックし、主に支配下の動脈を拡張させ血流を改善させます。よって更年期障害の一部を改善させる可能性はありますが、脳に対する影響はないとおもいます。神経節ブロックではなく、神経節近傍レーザー治療とのことですが、目的は同じであり施設で慣れた方法であればどちらでも良いと思います。専門ではないので麻酔科の先生によく伺って下さい。(文責 石田)

 

No.1603-1】 03年06月15日 Y
乳がんのレベルと腕のしびれについて

初めてメールします。私は23歳なのですが、先週左胸の乳首近くのしこりを発見し、検診に行きました。細胞検査の結果を昨日聞きに行くと、「レベル3で、悪性ではありません。レベル3にはAとBがあるから、今大学病院で詳しい検査をしているので、また一週間後に結果を聞きに電話してください。」と言われました。担当医師の先生は、「私の経験では、触診とエコーをした限り、線維腺腫なので心配しなくていいですよ。」と言われたので、一応は、安心していたのですが、その日の夜から左腕にしびれを感じで、今日は左肩と首にも感じます。良性だと身体には特に何の違和感も感じないと聞いていたので、ひょっとしてレベル5と言われる悪性ではないのか、と思い始め非常に心配です。実際、レベル1〜5の判断基準もよくわからないし、いきなりそんな短期間でレベルが上がるものなのでしょうか?また、良性と言われる線維腺腫でも腕がしびれたりするものなのでしょうか?ただの意識のし過ぎなのでしょうか?本当に不安で、ますます身体にも良くなさそうです。大学病院の結果はあと6日もあるのですが、月曜にでももう一度病院に行こうと思っています。いきなりで大変恐縮ですが、至急ご解答よろしくお願いします。

細胞診ではクラス3(良性だが悪性を完全に否定できない)ということでが超音波や触診上、線維腺腫の可能性が高いとのこと。 その通りでよいと思います。線維腺腫では通常クラス2であることが多いので、再確認するということだと思います。
繰り返しこの検査を行うとクラスが変ることは時々あることです。(細胞だけによる診断なので判定が変るのだと思います)
腕のしびれに関しては疾患とは直接は関連ないと思いますが、可能性は細胞診で左乳腺に針を刺したので軽い炎症が腋に影響を及ぼし、その近くの腕にしびれを感ずるかも知れません。(文責 石田)

 

No.1603-2】 03年06月18日 Y
外科と乳腺外科の違いについて

丁寧なご回答ありがとうございました。No.1603で質問させていただいた者です。腕と肩の痺れは、ご察しの通り別の要因が原因のようで、今はほとんどよくなりました。ありがとうございます。今回質問させていただきたいのは、@外科と乳腺外科の違いについて Aしこりの位置について B乳がんができる要因についてです
@ 乳がんを体験された方のホームページで、「外科と乳腺外科の違いは天と地の差がある。外科の検査は痛くて苦痛だし、結果も出るまで時間がかかるわりに信頼性がもてない。行くなら絶対乳腺外科だ。」ということでした。私は現在総合病院の外科にかかっているので、とても不安です。乳腺外科だと細胞検査の結果ももっと早いという話も聞きます。実際にしこりができて一週間程度ですぐ病院に診察に行ったのに、結局、結果がでるまでに結構な時間もかかっており、精神的にも苦痛であり、早期発見の意味がないのでは??と少し不満に思っています。
A しこりの位置についてですが、悪性の場合、しこりが乳頭から多少離れていないと、乳頭も手術の際に絶対にとってしまわなくてはならないのでしょうか?やはり、23で未婚ということもあり、悪性で手術する場合、乳房温存法以外考えたくないのです・・・。
B 乳がんができる要因をはっきり断定できないのはわかっていますが、誘発する可能性のある要因を教えていただきたいのです。しこりは3週間ほど前にいきなりできました。家族に乳がんの者はいませんが、父方の従姉が35歳で数年前に乳がんが転移して他界しました。私は、ここ数ヶ月、失恋や環境の変化が重なって、医師に精神性の蕁麻疹と診断され、相当なストレスを抱えているということでした。ストレスで腫瘍ができることもあるのでしょうか?物理的ショックの要因も否定できないと聞きます。しこりの大きさが気になってしょっちゅう触るのは良くないことでしょうか?また、食事で注意することは何かありますか?
あまりにも急なことでほとんど知識もなく、担当医師に尋ねてもあまり納得のいくように詳しくは説明してもらえずとても不安です。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

@ 外科と乳腺外科の違いについて;
乳腺外科は、外科の一部門です。外科医にはそれぞれ専門領域があり、心臓外科、消化器外科、肺外科等があります。一般の病院では、消化器外科医が乳腺疾患も診察しているのが現状です。少なくとも、乳腺外来が有る病院ならば心配ないと思いますが、乳癌の専門医がいるならば更に信頼できると思います。
A しこりの位置について;
乳癌学会のガイドラインでは、乳房温存術の適応は腫瘍の大きさが3cm以下で、その位置は問題にされていません。ただし、乳頭の直下にあるようなしこりでは、乳頭を残すことで、癌も残ってしまう可能性があり、注意が必要です。実際には、超音波やMRI検査などで、癌の広がり診断を行い、温存術が安全に行えるかを判断します。 
B 乳がんができる要因について;
乳癌罹患のリスクは一般に、家族歴、晩期出産、肥満等が挙げられますが、個人でその要因を特定するのは困難です。また、精神的ストレスが発癌の原因になることはありません。過度に心配することは、避けるべきだと思います。(文責 籾山)

 

No.1602】 03年06月15日 MT
出血が続いて心配

昨年8月、乳癌により左側全摘、腫瘍径2センチ、リンパ節1/22有り、ガンの顔つきは中位とのことで、退院後すぐにCMFを受けましたが、体がまいって1クールで終了し、その後はずっとフルツロンカプセル、エンドキサン、ヒスロンの飲み薬だけで再発を抑えている状況です。実は5の21日に生理のような出血があり、黄体ホルモンの投与を続けているのに、おかしいなと思いつつ、もう2週間になるのに、まだ少量の出血があるのが少し心配になっています。主治医の診察はまだ2週間以上も先ですので、メールでご相談しますが、このままほって置いても大丈夫でしょうか?子宮ガンの恐れ有りで産婦人科を受診した方がよろしいでしょうか。よろしくおねがいします。

不正出血と思われます。ヒスロン投与中なのでときに不正出血をありえます。念のため早急に婦人科を受診することをお勧めいたします。(文責 石田)

 

No.1601】 03年06月15日 K.U..
背部痛について

48歳です。平成14年7月 左乳輪上部にしこりをみつけ、検査をしました。細胞診では異常を認めなかったのですが、エコー像で怪しい影を示し、経過観察ということでしたが、組織検査を希望して日帰り手術をしました。その結果、悪性ということで、8月に左全摘手術をしました。温存は場所的に薦められないということでした。ER(+)で、術後よりタスオミンというホルモン剤とゾラデックスの注射をしていましたが、3ヶ月後位からGOT、GPT、TG、コレステロールの値が高くなり、タスオミンは中止しました。ゾラデックスだけは継続し、強ミノとタチオンの注射をしていましたが、肝機能の値が下がらず肝転移も考えてCT・MRI・骨シンチも行いましたが、特に異常は認めらませんでした。ゾラデックスも中止し、強ミノとタチオンだけの治療をしていたところ、肝機能が下がり始めました。4月頃より値が正常になって来たので、再度ゾラデックスを開始しています。5月からアリミデックスも開始されました。長くなりましたが、お尋ねしたいことは、術後より続いている痛みのことです。リンパ郭清しているので脇や腕が痛むのは仕方がないと思うのですが、左の肩甲骨あたりの痛みが中々取れないので、どのようにしたらよいか教えて下さい。腫瘍の大きさは1センチ以下で、組織検査の時に採れている可能性があるとのことでした。

術後の肩甲骨付近の痛みが続いているとのこと。術後、痛みに関しては個人差が多いのですが、肩甲骨の周囲の痛みを訴える方は比較的多いようです。上肢に負担がかかっていると肩甲骨の周囲の筋肉の痛みをきたし易いと思います。湿布やマッサージ、肩の運動で解消されることもあります。 稀に肩甲骨の転移もありますので、よく主治医と相談してください。(文責 石田)