No.12066 異時性両側乳がん ki67の値が手術前の生検と術後でかなり異なる場合の薬物療法

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2017.09.15 Y.O. 0 Comments

異時性両側乳がんで、本年7月に全摘しました。ki67の値が、手術前の生検と術後でかなり異なり、値の低い術後の結果で治療が進んでいることに不安を覚えています。初発は2007年(40歳)、腫瘍径11ミリ、ホルモン強陽性、HER2陰性、グレード1、リンパ節転移なし、温存手術に放射線25回、ノルバデックス5年とゾラデックス2年。10年めの検査(CT)にて、逆側乳房に腫瘤(5ミリひとつ、他に砂つぶのようなもの複数)と雲のようにぼんやりとしたものが造影、肺や肝臓には転移を疑う所見なし。手術前の生検では、浸潤がん、ホルモン強陽性、HER2陰性、グレード1、ki67は30%
MRIで広がりを確認。全摘手術で、腫瘍径7ミリ+0.5ミリの浸潤がん、ほか広範囲にDCISが存在、リンパ節転移なし。術後の病理検査では、ki67が5%以下、脈管侵襲なし、他は手術前の生検と同じ。
今回の術後の治療は、当初はノルバデックスのみ、年齢的にも生理を止めなくてもよいとのことでした。それが、術後にも関わらず、腫瘍マーカー(NCC-ST-439とI-CTP)が増加したのと、エストラジオールの値が144とまだ高いこともあり、生理を止めることになりました。ご相談させていただきたいのは、化学療法の要否です。ki67が5%以下なら化学療法は不要で納得ですが、術前の30%では検討が要りませんでしょうか。また、両側であることを勘案する必要はありませんでしょうか。主治医からは、経口抗ガン剤の話しがチラッと出ています。ただし、生理を止めるのが先でしょうと。この状況では、術後の治療として化学療法を行いますでしょうか。もし行われる場合、何を選択されますでしょうか。以上、情報に不足がありましたら、補足させていただきます。ご意見いただけましたら幸いです。

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2017.09.15 斎藤 0 コメント

ご質問ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が解消すれば嬉しく思います。Y.O.様のご質問の文面から、今回の乳がんは、ほとんどが非浸潤癌(DCIS)であり、浸潤がんは0.5mmに加え手術前生検の大きさと理解し、お返事申し上げます。手術前の生検がどのような生検なのかはわかりかねますが、CTで5mmであれば針生検でしょうか。いずれにしても非常に小さな浸潤がんです。早期に見つけて頂き良かったですね。さて、ご心配の術後治療ですが、ホルモン強陽性であれば化学療法は不要であり、ノルバデックスの1種類のみで十分と私は考えます。化学療法を行わないことについて不安が取りきれない場合は、オンコタイプDx.という検査を行い、再発リスクを測定する検査方法もあります。しかしこの検査は保険適応では無いため、たいへん高額です。術後の治療について、再度ご担当先生と良くご相談して頂き、後悔の無い治療をご選択頂きたいと思います。(文責 斎藤)

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