No.12838 転移、再発治療について

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2022.07.19 あさ 0 Comments

57歳、再発転移です。2009年1月に左乳ガンにて温存手術、抗がん剤、放射線、タモキシフェン10年服用しました。2022年 7月、左胸骨傍リンパ節一個、骨六ヶ所転移が見つかりました。自覚はありません。

今回のデータは、ER80PgR0、HER2,0  Ki30 NG2 です。主治医からレトロトゾールとベージニオを提案され、副作用と治療費の事を考え、レトロゾールを服用始めています。ベージニオに関しては、副作用と費用の両方の事で迷っています。お尋ねしたいのは、kiが30と言う事ですが、これは高値なのでしょうか。 高値ならば抗がん剤必要という話も聞きますが、私の場合は、どのような判断なのでしょうか。また、ベージニオも服用したほうがいいのは分かりますが、早急に始めた方がいいのでしょうか。再発なので治療は長くかかると思い、治療の事だけではなく、日常生活の事も含めて考えたいと思っています。まずは、レトロゾールだけで様子をみてもいいのでしょうか。

 

 

 

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2022.07.19 須田 0 コメント

再発遠隔転移の治療は、画像検査での病巣以外にも目に見えない癌細胞が全身のどこかに潜んでいると考えられますので、「体全体に効果がある治療」である薬物療法が基本ですが、残念なことに、現在の治療法では全身に潜んでいる癌細胞を根絶させることができません。遠隔転移再発の場合、癌の治癒を目指すのではなく、進行を抑えたり症状を和らげたりして、生活の質を保ちながら癌と共存するための治療となります。

一般的に行われている再発・転移治療の流れに従うと、遠隔転移の場合で、①ホルモン受容体陽性・HER2陰性、骨・軟部組織のみ、或いは症状のない内臓転移で、②術後ホルモン療法がある時は、未使用のホルモン療法又はホルモン療法+分子標的治療剤のいずれかで治療を開始することになります。

貴女の場合上記に当てはまります。主治医は未使用のホルモン剤レトロゾールを、分子標的剤ページニオを提案され、貴女はホルモン治療法を選ばれたという事ですので、流れに従った治療を行っていることになります。

薬剤にはたくさんの種類があり、1つの治療法を行って、効果のあるうちはそれを続け、効果がなくなれば別の薬剤(ホルモン剤)に変更するというやり方を行います。この場合も、癌細胞の特性、体の状態、患者さんのご希望などを考慮にいれ、治療効果とQOL、治療による利益と不利益のバランスをよく考えて決定することになります。乳癌細胞がホルモン療法に耐性化し、ホルモン剤が効かなくなった場合は、次の治療法として抗がん剤による治療が適応となります。

Ki69の評価方法は標準化されておりません。10~30%の場合は判断材料としないという事になっていますが、30%以上は高値と思います。『Ki69が高値の場合、抗がん剤が必要という話も聞きますが』については、「手術後の薬物療法」では、ホルモン剤+抗がん剤の組み合わせの場合もありますが、貴女の場合、抗がん剤使用は、「再発・転移治療の流れ」に従うと、色々なホルモン剤が利かなくなってからという事になります。

疑問な点については貴女の状態を最も把握して下さっている主治医に伺い、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

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