No.13016 トリプリネガティブ乳がん、術前化学療法で完全奏功にはなりませんでした。今後について。

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2023.12.24 Y.H. 0 Comments

50代女性、2023年5月にトリプルネガティブ乳がん(ステージⅡa)と診断され、術前化学療法として、キイトルーダ+TC療法・キイトルーダ+AC療法を全クール終え、先日、右胸を全摘しましたが、術後の病理診断の結果、完全奏功にはなりませんでした。病理結果は、最大浸潤径35x20mm、浸潤性乳管癌、リンパ管侵襲なし、腋窩リンパ節転移なし(0/1)、化学療法効果測定1b、pT2N0M0:fStageⅡA、ER/PgR陰性、HER2発現なし、でした。今後は、キイトルーダ+カペシタビン(8サイクル)を予定しています。おそらく標準治療として、問題ない(申し分ない)治療を受けさせて頂いているとの認識はあり感謝していますが、今後について、カペシタビンの副作用も怖さしかなく、化学療法の効果もあまりなかったことに少々ショックも受けており、質問させて頂きたく、お願いいたします。

1)生存率・再発率について
トリプルネガティブ(ステージ2)で、術前化学療法で完全奏功とならなかった場合の生存率・再発率について、お分かりであれば教えてください。(ステージ別の生存率・再発率についてのグラフは見たのですが、完全奏功とならなかった集団における数値は分かりませんでした)

2)今後の経過観察について
今回の右胸に発生したがんについては、右胸はすでに全摘しているので、今後は、肺・脳・肝臓・骨などへの遠隔転移がないかを注意していく、という認識で正しいでしょうか。

3)カペシタビンの服用中の注意事項について
AC療法・TC療法の最中は、点滴後に抗がん剤が身体から排出されるまで約48時間かかるため、その間は同居する子供やペットなどへの曝露に注意すべきとの記載が、いくつかの総合病院のがん情報サイトに記載されていました(トイレの流し方やシーツを洗うようになど。私が通院していた病院からは、そういった注意は特に不要と言われていましたが)。 カペシタビンの服用中、そういった注意事項はあるのでしょうか。

以上です。主治医に確認できることばかりかもしれまんせが、すみません。どうぞよろしくお願いいたします。

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2023.12.24 鈴木 0 コメント

ご質問、有難うございます。術前化学療法を行ったけれども、完全奏効にならなかった場合の、次の治療に伴うご質問ですが、いくつか質問がありますので、分けてお答え致します。web上に流れている情報は、ほどほどに集めて、今までやられてきた治療に何の過不足もありませんので、結果を信じて、進まれて下さい。

1) 完全奏効の得られなかったトリプルネガティブ乳がんは、3年生存率で80%くらいと思われます。ホルモン感受性のある乳がんで術前化学療法を行い、完全奏効が得られなかった場合の3年生存率は94%くらいですから、トリプルネガティブの方が予後は悪いとされていますが、キイトルーダが使われていない時代のデータですので、ご参考までにお伝え致します。

2) 全摘後は、皮下脂肪、大胸筋の中に2-3%の局所再発がありますが、他は、ご指摘のように、遠隔転移がないか、に注意して参ります。

3) 化学療法中の排泄物に関しては、ここ数年、議論されております。排泄物中の抗癌剤の代謝物質が、他人に触れたとき、どれだけ悪影響を与えるのか、明確になっておりません。通常の手洗い、感染対策で十分で、あまり神経質にならなくてもよいと思います。カペシタビンの副作用についても、今までの治療からすれば、軽微に過ぎるのではないかと考えます。(文責 鈴木)

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