No.13017 術後療法のTS1について

307 views
2024.01.02 xyz 0 Comments

お忙しい中、すみませんが、よろしくお願いします。

76歳女性、湿潤性乳管癌 (ルミナルA)、右乳房全摘、腫瘍存在範囲 4.0×2.0、腫瘍径 2.2×2.0、リンパ管・血管 侵襲ナシ、ER(80%)PGR(80%)陽性、グレード1〜2、HER2 陰性、リンパ節転移1/12、ki67 10%、骨粗鬆症あり

【オンコタイプDX】

RS→5 、9年遠隔再発率→10%、 化学療法→明らかな上乗せなし

上記の診断結果から、術後はホルモン剤のみかなと、少し安堵していたのですが、主治医から、タモキシフェン+TS1を1年と提案されました。TS1を飲んだ方が、再発率が下がる結果がでていると言われました。オンコタイプの結果に、明らかな上乗せなしと記載されているのに、「抗がん剤も必要なの?ホルモンの薬だけじゃダメなの?」と動揺しています。オンコタイプで判定する抗がん剤とTS1の抗がん剤は、違うのでしょうか? 併用すべきか、是非先生の見解をお聞きできればと思い質問させていただきました。よろしくお願いします。

Changed status to publish
2024.01.02 須田 0 コメント

ER陽性・HER2陰性に対する術後療法として、内分泌療法にTS1を併用することの有用性を検証した臨床試験にPOTENT試験があります。対象は、①再発リスクが中等度または高度(腋窩リンパ節転移があれば転移の無い人より再発リスクは中等度以上) ②ER陽性かつHER2陰性の患者さんです。5年間の標準的術後内分泌療法単独の患者群と、5年間の標準的術後内分泌療法に1年間のTS1を併用した群に分けて、浸潤性の病変のない生存が延長するかを比較しました。結果は、TS1を併用することにより浸潤性の病変の発生リスクが37%低減されたとなりました。

1)この結果については、乳癌診療ガイドライン(2022年版)では、再発リスクが高い場合(リンパ節転移がある場合は適格基準に当てはまる)、内分泌療法にTS1を1年間併用することを強く推奨しています。

2)一方、オンコタイプDXでは、化学療法の明らかな上乗せ効果なし。RS→5で9年再発率は10%と判定されています。

A )B)どちらかが間違っているというのではなく、POTENT試験を重視するのであればTS1を追加、オンコタイプDXの判定を重視するのであれば内分泌療法単独という事になります。貴女の病気の全体が分かっている主治医に、治療費も含め、お話しを伺い、納得のいく術後療法をしてください。(文責 須田)

Changed status to publish
Question and answer is powered by AnsPress.io
  • 会員の紹介
  • 乳がんについて