私の妻についてですが、4年前にトリプルネガティブ乳がんと診断され、部分切除を行い経過観察中でしたが、今回反対側の胸に再発しました。遺伝子検査の結果、リスク低減乳房全摘術、乳房再建、リスク低減卵巣摘出術を主治医から進められ、先に化学療法を行うので、その間に手術を行うか考え、手術を行う場合はリスク低減手術を行う病院を紹介しますと言われました。妻も私も手術を行うことに納得していますが、先に化学療法を行うことに、下記の理由で疑問を持っています。このまま化学療法を続けてリスク低減手術を行うべきか、早めの手術を検討すべきか等、ご意見を頂けると幸いです。
1)4年前も化学療法を術前に行ったが、発見時はステージ1だったものが、手術時にはステージ2になっていた。術前の化学療法に効果があったか疑問がある。今回も経過観察中の再発なので現状はステージ1です。
2)今回週1回の点滴による抗がん剤治療ということでスタートしたが、血液検査の結果が良くないという理由で2回目の点滴を行っていない。現在1回目の点滴から3週間が経過している。前回は白血球を増やす注射を何度か打って化学療法を進めたが、主治医いわく、前回ほど悪くないので様子を見るとのこと。今回使用している抗がん剤は前回とは異なります。
3)全摘なので癌が小さくなるのを待つ必要性がなく、決断したなら手術は早い方が良く、化学療法が必要なら手術の後の方が良いような気がする。
4)主治医から手術を行う病院の紹介状は、化学療法が終わる1ヶ月前くらいと言われた。こちらがお願いしたい希望の病院に問合せると、症状を見ていないのではっきりしたことは言えないが、手術が立て込んでいるので、現時点で全摘と再建で3ケ月待ち、卵巣摘出との同時手術となると更に調整が必要と返答をもらっている。
この文面から読み取れるところから情報を整理しますと、4年前にトリプルネガティブ乳癌で部分切除術を行った。初診時はステージIの大きさだった。術前化学療法を行ったが効果がなく、手術の時にはステージIIの大きさになっていた。 今回反対の胸に再発と記載されておりますが、おそらくそれは再発ではなく、反対側の乳房に新たに乳癌ができたのだと思います。今回の乳癌のステージはIとのことですね。サブタイプがわかりませんが、BRCA遺伝子変異を調べて、病的変異が陽性であったのですね。今回に関しては術前化学療法及び手術をすすめられ、今回はBRCA遺伝子変異が陽性なので、患側は全切除(と再建)4年前にがんになった反対側は予防的乳房切除、同時に予防的卵巣切除を勧められているという状況でしょうか。
1)質問文を読みますと、現在進められている治療は、キートルーダと化学療法による術前治療なのでしょうか。それだとおそらく現在のがんはステージII以上のトリプルネガティブ乳癌と考えられますので、質問1の文章とは矛盾します。しかし仮にトリプルネガティブタイプのステージII以上であれば、術前化学療法をしたほうがよいのではないかと思います。
2)抗がん剤の副作用がでていたら予定通り行えないことはよくあります。それを踏まえて今後どのように進めていくかは担当医と相談して考えていってください。
3)術前化学療法を開始したら、途中であきらかな増悪がなければ、通常は予定通り済ませたほうがよいと思います。キートルーダと化学療法をされているのであれば、 なおさら、術前治療を完遂したほうがよいと思います。
4)病院をまたぐ場合、手術日程を決めるのがなかなか難しいことがありますね。 優先すべきは現在治療をしている今回の乳癌です。まだ病気になっていない卵巣や以前手術したほうの乳房の治療は後回しでもよいかと思います。全部一回で手術できるのに越したことはないですが、調整が難しい場合、今治療なさっている病院で、今回の乳がんの手術をまず行い、その治療が一段落してから、反対側の乳房の予防切除、卵巣の予防切除を考えるのも選択肢なのではないでしょうか。以上、質問者さんからいただいた文面から状況を推測してお答えしております、実際の状況と異なることもあるかもしれませんので、ご容赦ください。
今回の質問文を拝見しますと、病状について十分に理解なさっていない部分がありそうです。いまひとたび担当医とお話しになり、今ここに上げていただいた質問をそのまましていただければよいかと思います。相談者さんが理解していない部分をまず明らかにして、担当医と一緒に今後のことを考えることをお勧めします。状況が複雑ですから、一回や2回聞いて病状を全部把握できる患者さんやご家族は少ないです。遠慮せず担当医にいろいろお尋ねください。(文責 俵矢)