性別:女、年齢:50歳です。1年前から左胸に1センチの腫瘤があり経過観察でした。しかし、今年も1センチほどで、触診ではごろごろしていて、エコー像で血流を帯びていたので、白黒つけるため針生検をしたら、非浸潤がんとの結果がでました。腫瘤が1センチで、非浸潤がんという症例は実在するのでしょうか? 非浸潤がんは乳腺に糸状に広がるとの情報が多いためです。
浸潤しているかどうか、病理では免疫染色もしてもらいましたが、「結果ははっきりとは出なかった」とのことでした。ですので癌のカテゴリーなども教えてもらっていません。マンモ、乳房MRIは行っておらず、CT検査で転移がないこと、エコーでリンパ節に異常がないことは確認しております。手術は来月頭で、部分切除とのことです。非浸潤がんなら、広がりの検査もせず、部分切除でOKかも不安です。ご回答よろしくお願いします。
メールを拝見しますと、「針生検を行ったところ、針の中に入っている検体はどこを見ても明らかに浸潤している所見はなく、非浸潤癌であった。」ということで、腫瘤の全体像は確認されていない状態です。腫瘤の全体像の病理検査は、手術後、摘除標本の連続切片を作製して浸潤巣の有無を調べることになります。従って、術前の診断(最終診断ではありません)が非浸潤癌で、分かっている範囲のCTとエコー検査を基に主治医は部分切除を提案されたのだと思われます。
今後の手順として、入院して手術に必要な検査や説明が行われます。この際、MMGやMRIの検査が予定されているのではないでしょうか。主治医より手術の説明があり、手術の承諾書を貴女が書くことになります。この際に、貴女が疑問に思っていること・知りたいこと等を主治医に聞き、納得がいけば承諾書にサインをし、手術の運びとなります。
手術後は摘除した乳腺組織をすべて連続切片にし、術後診断(最終診断)として病理検査が行われます。連続切片での病理検査で摘除された乳腺組織が再構築され腫瘤全体の精査が行われますが、そこで浸潤巣が見つかる場合や、浸潤巣がなく非浸潤癌の場合もあります。更に、部分切除で癌がとり切れているかどうかもわかります。この様な手順になると思われますので、貴女の病気の情報を一番よく知っている主治医とのコミュニケションをよくして、納得のいく治療をしてください。頑張ってください。(文責 須田)