No.13159 術後の治療について

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2025.01.06 S.T. 0 Comments

術後の病理結果が出て、NA3だからと化学療法を勧められましたが、できればやりたくありません。放射線とホルモン療法はやることにしています。ki-67は基準値ギリギリかと思いますが、本当に化学療法は必要でしょうか。5年生存率の上乗せ2%と言われたのですが、この数値の重みがピンときていません。

腫瘍2センチ、Bp+SN 右胸領域A、invasive ductal carcinoma、 scirrous type、pT1cN0(0/1:sn)、Ly0  V0  f  NA3  HGⅢ、surgical margin:negative、ER スコア3、PgR スコア1、HER2 0、ki-67  20%

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2025.01.07 清水 0 コメント

貴女の乳がんはstage 1でLuminal B Typeと考えられ、5年生存率は95%くらいで、Luminal B Typeの術後補助療法は内分泌療法 +/- 化学療法が推奨されます。”+/-“というところがミソで、化学療法を加えてもよいし加えなくてもよいということです。その場合、何を基準に化学療法を加えるか加えないかを判断するかです。極端な話、それは貴女の人生観によって判断します。わかっていることは、化学療法を加えれば脱毛や吐き気などの副作用があり、体調も悪くなる可能性が高く、場合によっては仕事も休まなければなりません。ただしこれらの副作用は治療中だけのもので、基本的には治療が終了すれば時間と共に軽快します。一方で化学療法を行えば5年生存率が2%改善します。これは、5年前に貴女と同じ乳がんだった方が200人いたと仮定して、100人の方は術後に化学療法と内分泌療法を施行し100人の方は内分泌療法のみ行った結果、5年後の現時点で化学療法を行った群からは3人が再発死亡し、化学療法を行わなかった群からは5人が死亡したということです。生きている人の数から見れば化学療法を行った群では97人、行わなかった群では95人が生存していることです。貴女が化学療法を行っても行わなくても、生存している95人に入るのか、化学療法を行っても行わなくても再発死亡してしまった3人に入るのか、化学療法を行って助かった2人に入るのかはわかりません。この2人という数字を大きいと考えるか小さいと考えるか? 直近の化学療法の副作用の辛さ(やってみなければわかりませんが)と5年後の生存率2%の改善を比較することになります。小さい子供さんいる方で、直近の副作用より将来の生存の可能性を少しでも高くして子供の成長を見守りたいたいと考える方もいますし、仕事が忙しい方では、仕事を休むリデメリットの方が、将来の2%の生存率の改善というメリットより大きいと考える方もいます。また、非正規雇用の方で、長期の休職はクビになるかもしれない、生活がかかっているので休めないという方もいます。貴女のおかれた立場や考え方を重視して化学療法を加えるかどうかを考えてくださいというのが “+/-“の意味です。ご理解いただけでしょうか?(文責 清水)

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