No.13247 オンコタイプDXの保険適用について

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2025.07.12 M.S. 0 Comments

全摘術と断端陽性に放射線治療をうけた術後5年2か月の患者です。浸潤径5㎜、リンパ節転移なし、Her2:FISHにて陰性のホルモン陽性。43歳で発症し、断端陽性に対し放射線治療をうけましたが、再発率は3分の1に抑えるしかできないと聞きました。10年後も1割再発してくる晩期再発を防ぐために、抗がん剤の適用にならないと手術当時主治医に聞きましたが、抗がん剤で再発リスクを抑える上乗せ効果があるならば、抗がん剤を受ける、ホルモン療法5年を10年に延ばしたいと考えております。Low Riskと言われましたが、今後不妊治療により、ホルモン補充が妊娠中も含め大部必要と言われております。妊娠は乳癌の悪化は少ないが、ホルモン補充と授乳が再発リスクをあげると聞きました。抗がん剤の上乗せ効果がある結果、RSが低くない場合には、不妊治療を諦め抗がん剤とホルモン療法を5年追加か、不妊治療後抗がん剤治療、ホルモン療法を追加5年しようと考えております。この状況下において、以下の病理結果を見て、オンコタイプDXをうけることができますか? またオンコタイプDXの保険診療の適応になりますでしょうか? 現在は再発しておりません。また私が下記病理結果、治療内容の何をもってLow Liskと判断できるのかお教えくださいませ、何卒よろしくお願い致します。

病理結果

組織学的に非浸潤性乳管癌成分優位の浸潤性乳頭腺管癌、G2、NG2を認めます。浸潤層は、硬癌ないし微小乳頭癌に相当する組織像で角形不正が中等度、分裂像は中頻度に見られます。非浸潤性乳管癌成分は、充実状、乳乳頭状を呈し、面皰壊死を伴います。リンパ管侵襲像を認めます。最も端のスライスに非浸潤性乳管癌は2-3乳管で2.0 ×1.0㎜の範囲で断端陽性がみとめられます。浸潤部においては腫瘍細胞が小型から中型の充実性胞を形成しています。胞巣部において狩猟才坊が小型から中型の充実性胞を形成しています。包装周囲にはretraction artifactによる空隙が認められます、充実型です、腫瘍の浸潤は乳腺組織にとどまります。

核グレード分類read2

組織学的グレード分類GradeⅡ

浸潤径5×3㎜

浸潤径プラス乳管内進展巣55×55㎜

免疫染色 

ER:Jscore3b,Allred score TS8(PS5+IS3)

PgR:Jscore3b,Allred score TS7(PS4+IS3)

Her2:FISHにて陰性

Ki67Li:22.2%(111/500)

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2025.07.12 0 コメント

オンコタイプDXは、乳がんの術後に抗がん剤治療を行うことが効果的であるかどうか、もし抗がん剤治療を行うならば、それによりどの程度再発率を下げることができるか、を調べることを目的として行う検査であるので、貴女の様に術後5年以上経過した方にとっての今後の指針を示すものではありません。よって保険診療の適応の有無という以前に、この検査を施行する目的が異なりますので、検査を施行するべきではないと考えます。またLow Riskという決まった基準はありませんが、1)ホルモン感受性が強陽性であること、2)浸潤癌の部分が5mmしかないこと(pT1b), 3)リンパ節転移がないこと(N0)などに加え、4)核グレード=2、Ki67=22.2といずれも高い値ではないこと、などより、主治医の先生はLow Riskと表現されたのではないかと思います。(文責 谷)

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