初発乳がんステージ4(肺転移、肝転移)と診断され、1年になります。レトロゾールとベージニオを約1年服薬し、腫瘍は残ってはいるものの、かなり縮小して維持しています。初発ステージ4といっても痛み等はなく、胃の調子がずっと悪いなぁと感じて消化器内科にかかったところ、がんが見つかるという状況であったため、当初からベージニオが選択されていました。てっきり点滴の抗がん剤と思っていたのですが、「痛み等の症状がないのでベージニオで」と言われ、今に至ります。ベージニオは身体に合っているようで、先日一時的に肝機能障害で1週間休薬しましたが、それ以外はずっと150mgで飲めています。心配していた下痢も、そこまでひどくないので、下痢止めもほぼ使用していません。
現在かなり腫瘍が小さくなっているので、このタイミングで点滴の抗がん剤で残存腫瘍をより小さくして、ベージニオで維持できないかと考えたのですが、治療法としてはいかがでしょうか? また、上記のような治療法をとった場合の弊害等はありますか? 点滴の抗がん剤の副作用があるのは存じておりますが、例えば化学療法を挟むことでベージニオの効きが悪くなるなど、何がありますでしょうか?
初発ステージ4乳がんと診断された後、薬物治療を1年間頑張って腫瘍がかなり縮小しているとの由、素晴らしい経過です。ベージニオとレトロゾールを使用しているものの副作用として懸念される下痢もコントロールされており、また1年間穏やかにお過ごしいただけたこと、特にご自身で「ベージニオは身体に合っている」と感じておられることは、なによりの経過だと思います。このような理想的な治療経過ですから、まずは今の状態を少しでも長く続かせることが一番の方針になります。途中で抗がん剤を挟むという方法は、その効果に対するエビデンスがないことに加え、せっかく副作用もあまりなく、これまでお過ごしいただけているのに、それにより強い副作用が生じてくる可能性も少なからず考えられ、お奨めできません。まず今の治療法を少しでも長く続けることがベストであり、今後もしベージニオ+レトロゾールの治療の効果が無くなってきたり、またその副作用が強く出てくるようなことがあって、この治療をどうしても終了しなければいけないときになったときに、抗がん剤など次の治療法に変更する方針が正しいと考えます。とにかく今は素晴らしい経過なのです。この治療を長く続けられることを私も祈っております。頑張ってください。(文責 谷)