No.13298 ホルモン療法だけ、ありえませんか?

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2025.10.28 Y.O. 0 Comments

初めて質問させて頂きます。10月1日に自分でシコリを見つけて3日に受診して針生検し約2センチのシコリ有、8日に吸引式乳房組織生検の結果、浸潤性乳がん、ER 陽性、PpR 陽性、Her2 安静、Ki-67 35% と言う結果で、検査をしたクリニックの医師には、「場合によってはホルモン療法だけで切らずに済むかも?」と言われ、紹介状を書いて頂いた総合病院に今日行ったところ、座ってすぐに、「深刻な癌ではないけど切るのは切ります。」と、検査も何もせずに言われてしまいました。セカンドオピニオンにも行くつもりですが、こちらでもお伺いしたく質問します。ホルモン療法だけという選択肢はないのでしょうか? 場合によっては最先端医療も検討しています。よろしくお願いいたします。

 

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2025.10.28 清水 0 コメント

乳がんの組織を見ると決して均一ではありません。ですから、貴女の場合、ER陽性といっても多分陽性率が何%とかAllred scoreで8点満点中何点といった表記があったと思います。例えば陽性率が90%であれば陽性率はとても高く内分泌療法が有効と考えますが、言い換えれば10%のER陰性(内分泌療法が無効な)細胞が混ざっているということです。ですから、ERとPgRの両者が100%陽性、ALLERD score 8/8だったとしたら、ホルモン療法単独を考慮しても良いかもしれませんが、多少なりとも内分泌療法が効かないER,PgR陰性細胞も混じっている状況で内分泌療法だけで治療した場合、多くの細胞は死滅するので腫瘤は小さくなっていきますが、ER,Pgr陰性の細胞は生き残りますから、やがて腫瘤は再増大してくるでしょう。しかも全身に細胞をまき散らしながら…。ですから現在の乳がん治療の第一歩は、まず原発巣を切除することから始まります。そして次に、全身に散らばっているかもしれない細胞に対して内分泌療法や化学療法を追加します。散らばっている細胞がどのような細胞かはわかりませんので、病理標本のER.PgRなどの状況に応じて再発率の低くなる治療を検討して行きます。私も80歳を超えているなど平均余命の短い乳がん患者さんで、ER.PgRが陽性であれば、手術療法と内分泌療法の二つの選択肢をお勧めしています。多くの方は内分泌療法を選択されます。その結果、老衰や他の病気で亡くなるまでの5〜10年程度の短い期間であれば乳がんが悪化することなくコントロールできた方も多くいますが、中には数年で腫瘤が増大し、さらに高齢になってから手術を選択せざるを得なくなった方、手術ができずに腫瘤が自壊してしまった方もいます。貴女の年齢がわかりませんが、乳がんの治療は10年、20年、30年先を見据えて治療を考えます。目先のことだけに囚われずに治療を考えてください。(文責 清水)

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