0.8ミリの浸潤癌、ルミナールA、ステージ1で部分切除。切りとった部分の輪切り5ミリスライスから、たまたま2ミリの浸潤癌もあったそうです。切り口から2つの浸潤癌が見つかりましたが、 切り取った部分から2つの癌が見つかる事はあるのでしょうか? 大変ショックを受けました。
両方切除済み。もしかしたら、他にも1.2ミリの癌があるのではないか? 先生は1.2ミリの癌は数に数えないと言っていました。その代わり部分切除の場合、放射線(私の場合2.8Gy 15回 追加照射3回の50Gyです)、ホルモン療法10年、その方法で、他にもしもあった1.2ミリの乳がんは抑え込む事が出来るのでしょうか?とっても心配です。造影のMRIはアレルギーがある為、しておりませんが、もしやったとしても5ミリ以上でないと見つからないとおしゃっていました。「今の所エコー、マンモ検査で5ミリ以上はないと」のことです。部分切除とは、このような治療方法なのでしょうか?この治療方法でいいのでしょうか?宜しくお願い致します。
まずはじめに、乳がんはもともと多発しやすいガンなのです。ですから、切除した標本に二つのがんがあることは珍しいことではありません。そうなると、部分切除した後の温存した乳房の中にもがんがあるのではないかと心配になりますよね。ですから、昔はどのような大きさの乳がんでも、がんを取り切るために(癌を乳房内に残さないようにするために)全例乳房全摘をしていたのです。ところがある時、発想を変えてがんを取り切るのではなく、乳がんで死ななければ良いのではないかと考えた先生が、乳房全摘と乳房部分切除を比較する臨床試験を行いました。(乳房部分切除した人で温存した乳房にまた乳がんができた場合は、2回目の手術で乳房全摘しました。)その結果、最初に乳房を全摘しても、最初の手術が部分切除で乳房を温存(2回目の癌ができた人は2回目に全摘しています)しても生存率は変わらないことがわかりました。これが現在行われている乳腺部分切除の基本です。またその時に、最初の手術で乳房温存した人を二つに分けて、半分の人には温存した乳房に放射線治療を行い、残りの半分の人には放射線治療を行わず経過をみました。その結果、放射線治療をした人では温存した乳房内にもう一度乳がんができた人の数は放射線治療をしなかった人の六分の一に減っていました。なので、乳房部分切除した場合は温存した乳房に放射線治療を行うことが推奨されています。その後の研究で、乳がんで亡くなる人の数を減らすためには、全身への薬物療法が重要であることがわかり、次々と新しい薬が試されて、現在に至っています。ですから、貴女の乳がんの治療で、乳腺部分切除した結果、多発であることがわかりましたが、それは普通のことで、温存した乳房内に次のがんができる確率を下げるために放射線治療を行い、さらに散らばっているかもしれないがん細胞に対してホルモン療法を行うという治療は、現時点では貴女が乳がんで亡くなってしまう確率を、ゼロにはできませんが、その確率を最も低くする治療であると言えます。(文責 清水)




