64歳。
右乳房部分切除、浸潤性乳管癌、腫瘍8ミリ「5ミリスライスに2ミリの浸潤性乳管癌あり」、リンパ転移なし、脈管浸潤あり「静脈どの位は聞いていません」、グレード2、ER8 PGR5 陽性、HER陰性、ki6410〜20%、普通の速さで育つ、以上が病理結果です。オンコタイプ結果は、スコア27、遠隔転移16%です。治療方法は、スコアは27の中間なのですが、腫瘍が8ミリという事で、放射線18回、レトロゾール10年です。主治医は、初めは病理結果からオンコタイプを出す予定はなく、「8ミリでは余り出さない」ということでしたが、お願いしてオンコタイプを出して頂きました。オンコタイプの結果なのですが、病理の結果が普通の速さで育つと言われましたが、オンコタイプの結果は中間スコアでした。病理の普通の速さで育つとオンコタイプの結果は、この位のスコアなのでしょうか? 又、病理の結果とオンコタイプの結果は、違って出るものなのでしょうか。どちらの検体が私のものなのでしょうか? 以上の病理結果だったら、他の先生方はオンコタイプを薦めますか? 宜しくお願い致します。
追加質問で申し訳ありません。
【病理所見】
組織型 浸潤性乳管癌、腫瘍の大きさ 8ミリ、センチネルリンパ 陰性、腋窩リンパ節清 なし、リンパ節転移の数1個中0、エストロゲン受容体 陽性scoy8%「1-8」、プロゲステロン受容体陽性5% 「1-8」、HER2受容体、染色法0、脈官浸潤陽性静脈、組織学的グレード 2、断端 陰性、ki67 10~20%、以上の結果です。
オンコタイプの結果: スコア27 遠隔転移16%
「PR3.5陰性」なので、中間スコアになってしまったのでしょうか? 病理のほうはプロゲステロン受容体陽性5%となっています。どちらの結果が本当なのでしょうか? オンコと病理の違いはあるのでしょうか? ルミナールAではない乳癌になるのでしょうか? 宜しくお願いします。
オンコタイプDX検査の適応について悩む症例の中に、T1b(浸潤径0.6~1cm)n0(リンパ節転移なし)症例があります。T1a(0.1~0.5cm)n0/T1b(浸潤径0.6~1cm)n0の症例予後はほとんど再発がないこと、および日本での多施設データーでのT1a/1bn0症例ではホルモン療法を行っていれば、基本的には予後良好との報告があります。従って、T1bn0症例ではオンコタイプDX検査を積極的に推奨しないと報告されています。主治医はこの報告に準じてホルモン療法のみを提案されたのだと思います。
本来、オンコタイプDX検査は化学療法をした方が良いのではと迷う方々に対しての癌を構成する細胞の検査ですが、オンコタイプDXの一番の目的は、化学療法が不要な患者さんを見つけ出すことだと考えられています。また、この検査で化学療法の必要性を完全に判定できるわけではありません。
RxPONDER試験ではオンコタイプDX検査の結果でA)RS0-15B)RS16-20C)RS21-25D)SR26-100の4グループに分け化学療法併用の対応が検討されました。貴女はRS27ですのでD)のグループとなり化学療法併用となります。
貴女の場合、乳癌の病期分類(T1a/1bn0症例)での治療方針ではホルモン療法のみとなり、病期を考えずに癌を構成する細胞検査であるオンコタイプDX検査の判定では化学療法併用となります。従って、病理結果やオンコタイプの結果は事実で、それぞれの結果をどの様に勘案し今後の治療に繋げるかを主治医とよく相談して、納得のいく治療をしてください。(文責 須田)




