乳がんルミナールタイプステージⅠ手術後、9年目に骨転移(1か所)が判明し、定位放射線治療を行いました。その後、ベージニオとレトロゾールを服用し、3か月ごとの造影CTで転移の有無を確認しています。今後の画像診断や治療についてご相談いたします。放射線治療済みの骨転移部分は、当初の痛みやしびれは大変良くなりましたが、頻繁に足がつったり、別の場所がしびれたりといった新たな症状があり、転移が広がっているのではないかという不安が付きまとっています。そのため、定期的な骨転移部のMRI検査を希望したいと思っているのですが、そのような検査は意味がないでしょうか。また、造影CTとPETーCTでは、どちらが経過観察に適しているでしょうか。初期治療時にオンコタイプDXは行っておらず、タモキシフェン5年間服用で終了しており、骨転移後の現在も、点滴の抗がん剤は行っていません。ルミナールタイプの骨転移治療に抗がん剤は推奨されないのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
乳がん術後9年目に骨転移再発が見つかり、頑張って治療に臨んでおられる様子がよく伝わって参りました。骨転移による症状の増悪の可能性を考えるのであればMRI検査は有用だと考えます。定期的に施行するべきか否かはともかくとして、現時点で主治医の先生に提案されるのは一法だと考えます。またPET-CTはとても有用な検査ですが、検査機器自体がとても高価で台数も少なく、可能な検査数も限られておりますので、どのくらいの頻度で行うべきかは難しいところです。よって基本はCTで経過観察、必要時PET-CTで確認といったフォローの仕方が現実的かと考えます。ルミナールタイプの骨転移治療に抗がん剤は使用できますし、効果も期待できます。しかしその副作用や患者様の生活の質などの観点から、まずは十分に効果の期待できるベージニオ+レトロゾールのような分子標的治療+内分泌療法から開始することが一般的であり、これらの治療が続けられなくなった際に抗がん剤に移行するという方針が通常の考え方と言えます。9年という長い術後経過の後の骨への再発であり、治療を的確に長く続けることにより、今後が十分に期待できます。是非今後も前向きに頑張って頂きたく、心より応援しております。(文責 谷)




