抗がん剤S-1を提案され迷っています。52歳 浸潤性乳管がん 右乳房全摘 浸潤部15×9㎜ (トータルサイズ60×40㎜)ステージ1リンパ節転移なし ER9.6 PR5.9 HER2陰性 Ly1 V0 グレード1 ki67 7% オンコタイプDX RS22 10年遠隔再発率7% 抗がん剤上乗せ効果1%未満 ステージ1で、おとなしいタイプの癌ですが、リンパ管浸潤があるのでS-1を提案されました。タモキシフェン単独かタモキシフェン+S-1か、次回までに決めるように言われました。上乗せ効果がざっくりしていて分からないようで、わずかな効果なら体の負担を考えてホルモン療法のみの方がよいか迷っています。ステージ1のおとなしいがんでもリンパ管侵襲がある場合、S-1はした方がよいのでしょうか? ホルモン療法単独でも効果はあるとも言われたのですが…。リンパ管侵襲はホルモン療法だけでも効果はありますか?
腫瘍径、リンパ節転移の有無、リンパ管侵襲の有無、組織学的グレードなどは古からある再発リスクを知る情報ですが、かなり大雑把で精度は低い情報です。次に精度が高いのがER,PR,Her2,Ki67のsubtype情報です。そして最も精度が高いのがOncotype Dxです。なのでOncotype Dxの結果を重視することをお勧めします。ここでS1を内服するかどうかを二つの視点から考えます。一つはOncotype Dxの結果からS1内服の効果があるのか? もう一つはS1が有効だと証明されたPOTENT試験の結果から貴女のがんにS1が有効なのか?一番目のOncotype Dxの結果から考えると、貴女の乳がんの、Oncotype DxのRS(リスクスコア)が22ですから、50歳以上、腋窩リンパ節転移なしの場合、内分泌療法に化学療法を加えても生存率は上がりません。ですから、S-1は不要と思います。次に二番目のPOTENT試験の結果からS1の適応を考えると、POTENT試験では再発リスクを低、中、高リスクに分けて検討し、中リスクの方にのみ効果が認められます。貴女の乳がんはS1内服のためのリスクスコアでは低リスクなので、内分泌療法にS1を追加しても、副作用が増えるだけで再発を減らす効果はありません。したがって、貴女の場合は内分泌療法単独で十分だと思います。(文責 清水)




