こんにちは。41歳女性です。不妊治療の最中に乳癌が発覚しました。癌の再発転移を防ぎながら、子供の妊娠出産、子育できることを希望しています。以下、現在わかっている症状と行なった治療です。
2025年12月16日 乳がん診断
2026年2月 採卵、受精卵凍結
2026年3月11日 乳房全切除術
左乳房腫瘤5cm、浸潤性乳管癌、ホルモン受容体陽性、HER2タンパク陰性、癌の増殖指標 ki67 8%、BRCA1/2遺伝子検査 陰性
全摘切除術
センチネルリンパ節生検 リンパ節転移1個
オンコタイプDX検査の結果、再発リスク5、ホルモン治療での再発率3%、抗がん剤治療を上乗せした場合の効果比率2.3%
オンコタイプDX検査結果を受け、主治医の立てた治療方針は、抗がん剤治療後、妊活を行い、妊娠・出産後、ホルモン治療を行う。
【質問】
オンコタイプ結果の再発率が低く、抗がん剤の上乗せ効果も低いのに抗がん剤治療を行う必要があるのか? 副作用のことを考えると、できるだけ抗がん剤治療は回避したいですが、妊娠希望もあるので、早めに強い治療を行って、妊娠に進んだほうがいいのかとも思い、迷っています。
乳がんの術後、追加治療(補助療法)を検討する際に、妊娠希望が有ることで今後の方針を検討することは、私自身も診療において時々経験します。しかし、ご夫婦が妊娠をどの程度希望するのか?またどの程度の妊娠する可能性が期待できるのか?一方で乳がんに関してはどの程度再発率があるのか?補助療法を行うことでどの程度再発率を抑えることができるのか?妊活を行うこと(補助療法を制限すること)でどの程度再発率が上昇する可能性があるのか?など、個々のケースで事情は異なりますので、我々乳腺専門医の意見だけで方針を決定することは困難です。現在41才で不妊治療施行中、乳がんは5cm、腋窩リンパ節転移1個、ホルモン受容体陽性、HER2陰性、Ki67=8%、オンコタイプDXでは再発リスク5%、抗がん剤の上乗せ効果2.3%との結果です。がんのサイズが比較的大きくリンパ節転移があったことは再発を懸念する条件では有りますが、一方でKi67が低値であることやオンコタイプDXの結果である再発率5%、抗がん剤上乗せ効果が2.3%という結果などは、抗がん剤の使用価値はそれほど高くないようにも考えさせられます。これらのことを総合的に判断すると、抗がん剤を使用せず妊活を行い、もし妊娠ができない場合は期限を決めて妊活を終了する、妊娠した場合は、出産が終わった段階で内分泌療法を開始する、といった方針も有力な選択肢であるようにも感じられます。いずれにせよ重要な決定となりますので、再度主治医の先生と早々によくご相談されることをお奨めします。(文責 谷)




