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相談室(No.11901〜12000)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。    

 

★ 『乳がん治療の歴史』 コーナー 新設のおしらせ

このたび、当サイト「乳癌インフォメーション from Doctors」 に 『乳がん治療の歴史』 コーナーを開設いたしました。

当サイトの トップページ から、または こちら からご覧いただけます。1世紀以上にわたる乳がん治療の変遷に沿って、様々な用語の解説をおこないます。ぜひご利用下さい。

    

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

12000 17/01/02 今後の治療について 須田
11999 16/12/31 K.A ホルモン療法と子宮筋腫 鈴木
11998 16/12/22 M  乳がん BCA225 再発 転移 清水
11997 16/12/22 経過観察 清水
11996 16/12/22 T  今後の治療について(HPNo.11988) 清水
11995 16/12/22 M  術前抗がん剤の効果 清水
11994 16/12/22 術後の治療について 清水
11993 16/12/12 再発と生理の関係について 齋藤
11992 16/12/12 S  再発治療 薬の選択 齋藤
11991 16/12/12 Y 複数の検査について 齋藤
11990 16/12/06 保険適応外 久保内
11989 16/12/06 Y  母の乳癌について 久保内
11988
11988-2
16/12/06
16/12/22
今後の治療について
今後の治療について(2)
久保内
清水
11987 16/11/24 今後の治療について 緒方
11986 16/11/22 アナストロゾールは効いているのでしょうか? 緒方
11985 16/11/22 W  検査結果(HPNo.11980) 緒方
11984 16/11/22 M.I. 治療法についてアドバイスをいただきたく思います 緒方
11983 16/11/14 ひまわり ホルモン治療の追加について 石山
11982 16/11/14 H.U. 乳がん 部分切除後の断端陽性について 石山
11981 16/11/14 Y.S. 経過観察 石山
11980
11980-2
16/11/11
16/11/22
再検査
検査結果
石川
緒方
11979 16/11/11 乳腺線維腺腫疑について 石川
11978 16/11/11 E.F. 乳管内乳頭腫 石川
11977 16/10/31 乳がんの可能性はありますか? 徳田
11976 16/10/31 T  胸のしこりと痛み 徳田
11975 16/10/25 乳がんステージ1 俵矢
11974 16/10/17 M.J. ホルモン療法薬変更について(2)(HPNo.11960)
11973
11973-2
16/10/17
17/06/17
K  ホルモン療法薬の再変更
ホルモン療法期間(5年か10年か?)

齋藤
11972 16/10/17 W  乳がんの可能性はありますか?
11971 16/10/12 Y.S. 乳腺症診断について 高橋
11970 16/10/12 A  やはり癌でしょうか? 高橋
11969 16/10/12 Y.W. ノルバディクスの服用期間について 高橋
11968 16/10/12 しこりが気になります 高橋
11967 16/10/12 S.A.  やはり再発でしょうか?  高橋
11966 16/10/12 I  左胸脇近くのしこり 高橋
11965 16/10/12 ノルバディクス服用中です 高橋
11964 16/10/07 A  右胸の乳癌 須田
11963 16/10/07 M  乳がん経過観察中の卵巣摘出 須田
11962 16/10/07 M.T. 右胸のしこりについて 須田
11961 16/10/07 N.I 今後の通院について 須田
11960
11960-2
16/09/29
16/10/17
M.J. ホルモン療法薬変更について
ホルモン療法薬変更について(2)
鈴木
11959 16/09/29 A.S. 乳ガンの可能性 鈴木
11958 16/09/20 M.F. 授乳中のしこりについて 清水
11957 16/09/19 FS ランマーク皮下注射投与について 清水
11956 16/09/19 M 抗がん剤や放射線治療は必要ないのでしょうか? 清水
11955 16/09/19 B  乳管癌の手術を控えております 清水
11954 16/09/19 M 乳がんステージ4の診断を受けました 加藤
11953 16/09/19 H  今後の治療について 加藤
11952 16/09/14 T  こんなに待っても大丈夫でしょうか? 齋藤
11951 16/09/14 K  左乳房にえくぼがあります 齋藤
11950 16/09/14 T.S.  精密検査不要 齋藤
11949 16/09/10 F  肝臓、肺への転移 久保内
11948 16/09/10 T  乳輪のデキモノ 久保内
11947 16/08/26 M.S.  肺/肝臓転移疑い 緒方
11946 16/08/26 Y.T.  経過観察で良いのでしょうか? 緒方
11945
11945-2
16/08/26
17/02/11
T 再発後のタモキシフェンについて
再発後のタモキシフェンについて/新たに肺に影
緒方
石山
11944 16/08/17 N 乳がんの2bと診断されました(2)(HPNo.11943-2) 石山
11943
11943-2
16/08/13
16/08/17
N   乳がんの2bと診断されました
乳がんの2bと診断されました(2)
石山
石山
11942 16/08/13 K  今後の治療について(3)(HPNo.11923) 石山
11941 16/08/11 M.S.  ステージW(HPNo.11934) 石川
11940 16/08/11 Y 今後の治療について 石川
11939 16/08/09 K 今後の治療について(2)(HPNo.11923) 石川
11938 16/08/09 K 体外受精(HPNo.11927) 石川
11937 16/08/09 K 小さなしこりと今後の治療について 石川
11936 16/08/02 K  今後の治療について 徳田
11935 16/08/02 M.S. ダイエットサプリメントについて 徳田
11934
11934-2
16/08/02
16/08/11
M.S.  手術できるでしょうか?
ステージW
徳田
石川
11933 16/08/01 M  ランマ-ク皮下注 徳田
11932 16/08/01 B  パジェット病 徳田
11931 16/08/01 N 再発のリンパ摘出について 徳田
11930 16/07/26 F 外科的生検 俵矢
11929 16/07/26 N 乳癌の可能性はありますか? 俵矢
11928 16/07/26 K  経過観察 俵矢
11927
11927-2
16/07/16
16/08/09
K   心配です
体外受精

石川
11926 16/07/12 M.O  妊娠中の乳がん検診について 高橋
11925 16/07/12 再検査は必要ですか? 高橋
11924 16/07/12 乳癌の胃転移 高橋
11923
11923-2
11923-3
16/07/12
16/08/09
16/08/13
K  今後の治療法について
今後の治療について(2)
今後の治療について(3)
須田
石川
石山
11922 16/07/08 針生検 須田
11921 16/07/08 手術後の膨らみ 須田
11920 16/07/08 R.M. 病理検査・ki67のみ結果待ち 須田
11919 16/07/08 放射線治療について 須田
11918 16/06/28 nao 皮膚改善の方法がありませんか? 鈴木
11917 16/06/28 MH  手術後の治療法について(2)(HPNo.11910) 鈴木
11916 16/06/24 T  乳癌の可能性 清水
11915 16/06/24 C  抗ガン剤を受けるか悩んでいます 清水
11914 16/06/24 I  手術した方の胸に新たなしこり 清水
11913 16/06/24 S  今後の治療について 清水
11912 16/06/15 A.H.  胸のシコリがいびつ 齋藤
11911 16/06/15 S ホルモン療法について 齋藤
11910
11910-2
16/06/15
16/06/28
M.H.  手術後の治療法について
手術後の治療法について(2)
齋藤
鈴木
11909 16/06/06 T  異時性両側乳がん 久保内
11908 16/06/05 M   乳がん治療中の卵子凍結について 久保内
11907 16/06/05 K.M.  手術後の治療方針について 久保内
11906 16/05/24 H  治療方針について(3)(HPNo.11802-3) 緒方
11905 16/05/24 Y  マンモグラフィのみの検査 緒方
11904 16/05/17 さくら 脳転移の症状(2) (HPNo.11887)  石山
11903 16/05/17 F.M. ゾメタでも治療は可能なのでしょうか?(HPNo.11899) 石山
11902 16/05/12 B   転院先について 石山
11901 16/05/12 S  乳ガン検査、治療について 石山

 

No.12000】  17年01月02日   K
今後の治療について

40才。数日前に乳癌の温存手術を受けました。術中1回目の切除では断端陽性。2回目追加切除し、術中の病理検査では陰性を確認し、終了しました。術後 病理診断の結果、内側の側方にin situ carcinomaが露出(#7)、乳頭側の切除断端(F#7)では、凍後標本においてatypical ductal hyperplasia相当の乳管内病変あり。断端陽性のため、放射線治療を本来なら50グレイのところを追加で60グレイ実施しましょうと言われました。自分なりに調べたところ、断端陽性の場合は、陰性になるまで切除・または全摘する場合が多いようですが、このまま放射線治療とホルモン療法で良いのでしょうか? 追加切除を希望するなら乳頭は残せないと言われました。乳頭を残せないのであれば全摘術なのですが…。放射線+ホルモン療法と全摘術では、局所再発率は大きく変化するのでしょうか? 主治医の先生がおっしゃるには、私の癌はおとなしい性質だとのことで、抗がん剤はなし、ホルモン療法もノルバデックスのみでいいそうです。

術式右乳房円状部分切除術
局在部位:右A
大きさ:1.1×0.8Cm
組織型:硬癌
核グレード:1
核異型スコア:2
核分裂象スコア:1
T因子:pT1c
癌波及度:F
リンパ管侵襲:ly0
静脈侵襲:v0
リンパ節転移:pN0(0/1)
センチネル:(0/1)
ER:100% PgR:100% HER2:score0 Ki67:平均10% hotspot20%

乳房温存療法『乳房温存手術+乳房照射(放射線治療)』と乳房切除術(いわゆる全摘)とは、同等の治療成績であることが分かっています。現在貴女は乳房温存療法の途中で、乳房温存手術が終わったところですが、ここで問題が出現したわけです。手術中、断端は陰性でしたが、永久標本では、わずかに断端陽性が認められたことから、このまま温存療法を続けるべきか、または全摘に変更するか迷いが生じたのだと思います。この場合、選択肢として、以下の3つが考えられます。
1)更に追加で乳頭まで切除し、その後、放射線治療を行う。(乳房温存療法)
2)わずかながら断端陽性であるので、乳頭を温存し、その部位に10グレイの追加照射を行う。(乳房温存療法)
3)断端陽性なので、乳房切除術(全摘)の変更し、放射線治療は行わない。

ホルモン療法については、どの場合でも引き続き行うことになります。温存療法と全摘での治療成績が同じであるということは、局所の再発率については放射線治療では100%防ぐことはできませんが、生存率についても同等であるということです。いずれにしても納得のいく治療法を選択することが大切だと思いますので、貴女の状態を一番把握してくださっている主治医の先生と充分にご相談なさってください。(文責 須田)

 

No.11999】  16年12月31日   K.A
ホルモン療法と子宮筋腫

10年前に乳がん温存手術をしました。放射線治療25回、ホルモン療法を5年間続けました。今は定期的な検診を続けています。お尋ねしたいのは、ホルモン療法をすることによって、一旦小さくなっていた子宮筋腫が大きくなることがあるでしょうか。手術後、婦人科の先生に、子宮筋腫があったけど疣の様に小さくなっているので大丈夫と言われていました。年齢は70代です。筋腫が結構大きくなっていますので、ご相談させていただきました。ご回答のほど、よろしくお願いいたします。

質問ありがとうございます。ホルモン療法として何という薬剤を使われたかがはっきりしませんが、タモキシフェン(商品名ノルバデックス)を使われたのであれば、この薬剤は子宮内膜に女性ホルモンとして働きますので、内膜の増殖、筋腫の増大などの作用があります。ただ、内服終了して5年が経過していますので、現在、ホルモン療法の作用はほとんど無いと思われます。また、年齢的にも閉経状態にあれば、筋腫は小さくなるのが通常ですから、筋腫が大きくなっているのか、何か新たな疾患なのかを含めて、一度、産婦人科の受診をお勧めします。(文責 鈴木)

 

No.11998】  16年12月22日   M 
乳がん BCA225 再発 転移

初めて相談いたします。年齢は50歳です。術後6年経過しています。ステージ1で、温存療法。ホルモン感受性が5パーセント未満、悪性度が中程度(MIB20パーセント)ということで、放射線治療と抗がん剤(TC)をした後、ノルバティックス5年間服用しました。経過観察で、3カ月ごとにマンモとエコー、胸部CTと腹部エコーを交互にしております。また、毎回採決もしています。そこで、腫瘍マーカー5種類調べているのですが、BCA225のみ、以前は130程度だったものが、直近3回(H28年2月から12月)が、198、170、200と上昇しています。ほかのマーカーの値がかわらず、画像での変化はないので、病的な意味はないのではないかと言われていますが、とても心配です。これと時期を同じくして、閉経値だったホルモンE2が、5から73に上昇しています。プロゲステロンは0,07付近で、変わらずです。何かマーカーの値と関係があるのでしょうか。また、子宮内膜がとても厚いので、黄体ホルモンの薬を10日間飲んだ後、生理を起こしたのちに内膜の厚さを測るそうです。
ご相談は、
1) 腫瘍マーカーBCA225が上昇しているので、再発転移の可能性を探らなくてもいいのか。
2) ホルモン値の揺れはBCA225の値の上昇に関係あるか。
3) 10日間と限定でも、黄体ホルモン(デュファストン)の服用は、乳がん既往者にリスクはないのか。

ということです。どうぞよろしくお願いいたします。 

1) Mailの内容から、BCA225が上昇した時に一度画像検査をして異常なしとなったと理解しています。それ以上転移の可能性を探る方法はありません。腫瘍マーカー検査は偽陰性、偽陽性があります。高いからといって必ず再発があるわけではなく、逆に低いからといって再発がないということではありません。ですから、現在の術後経過観察のガイドラインでは、定期的な腫瘍マーカー検査は推奨されていません。
2) BCA225についてはあまり詳しくないのですが、ホルモンの影響は受けないと思います。
3) 10日間程度使用であれば、リスクにはならないと思います。(文責 清水)

 

No.11997】  16年12月22日   K    
経過観察

初めて投稿します。宜しくお願い致します。48歳ですが、右乳房の痛みをきっかけに、10年程前からマンモグラフィ、エコー、触診の定期検診を受けてきました。今回の検診で、マンモグラフィの画像に、右乳房の白い影が左乳房より多く写っていました。昨年の画像と比べても、明らかに白い影が右だけ増えていました。医師は、「乳腺が重なって、こんな風に写る事も無いわけでは無い。エコーでは、しこりなど無いし、胸も固い所が無いので、総合的に判断すると、次の検診まで様子を見ましょう。しかし、1年は長いので、9月頃に受診して下さい。」との事でした。私は、動揺してしまって、咄嗟に、今のところ大丈夫なのですか?と聞いてしまいましたが…、大丈夫だとは、今は言えないと、おっしゃいました。次回の検診まで自分で触るなどして様子を見ながら待つのでいいのか、とても、不安です。ご意見を伺えたら嬉しいです。

がん検診について考える良い機会ですね。皆さんは、がん検診を受ければ“ガンがあるかないかわかる”と思っていますよね。しかし、がん検診は受診者全てのガンの有無を判定するために行うのではなく、検診を受けた集団全体の生存率を上げることを目標としています。言い換えれば、がん検診で異常なしと言われても、ガンがある場合(偽陰性)もあれば、ガン疑いと言われてもガンがない場合(偽陽性)もあるのです。ガン検診は、この両方(偽陰性、偽陽性)をいかに小さくするかが課題なのです。例えば、乳がん検診は40歳以上、2年に一度のマンモグラフィー検診が推奨されています。なぜエコー検診が推奨されていないのでしょう? 何故毎年ではいけないのでしょう? エコー検査を追加すれば間違いなくガンの発見率は上がり、偽陰性は小さくなります。その代わりに、ガン疑いは増えて偽陽性が多くなり、多くの方にガンかもしれないという不安な思いを抱かせたり、不要な針生検検査が増えることになります。また、マンモグラフィーを毎年にすれば、やはり発見率は高くなるでしょうが、放射線被曝という問題が生じてきます。このように、メリットとデメリットのバランスを考えて標準的な検診方法が推奨されています。話が長くなりましたが、貴女の場合、触診もエコーも追加して行なっていますから、偽陰性になる可能性(ガンを見逃す可能性)は低くなっています(ゼロではありませんが)。その代わりに偽陽性になる可能性は高くなっています。今回はマンモグラフィーの所見で異常が指摘されたわけですが、触診、USで異常なければ、ガンである可能性は、マンモグラフィー単独の時より低くなっています。それでもガンを見逃している可能性はゼロにできません。そこで担当の先生は1年間隔を半年にして、見逃しだった場合のリスクを小さくしようと提案しているのです。現時点で考えうる最善の方法だと思います。理解していただきたいのは、がん検診でがんが100%見つかるわけではないということ、がん検診を受けることで、このようにガン疑いと言われて不安な気持ちになるという副作用?があるということです。それでも乳がん検診については、検診を受けない場合より受けた場合の方が、その集団全体の生存率が上がることが世界的に証明されているので、検診受診が勧められるのです。(文責 清水)

 

No.11996】  16年12月22日   T   
今後の治療について(HPNo.11988-2)

お忙しい中、お返事どうもありがとうございます。ki67について手術後の病理結果にはありませんでしたが、術前の針生検の結果では、ki67=11%となっています。またOncontypeDXは申し込みましたが、今結果待ちです、以上の追加情報をもとに、再度ご助言頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

Ki67=11%,ER,PRが強陽性、浸潤径が13mmであれば、0.5mmのリンパ節転移があったとしても、効果と副作用のバランスを考えると、内分泌療法のみで良いように思えます。もちろん、副作用は厭わないので、より再発を抑える治療を希望という場合は化学療法を追加することもやぶさかではありません。(文責 清水)

 

No.11995】  16年12月22日   M 
術前抗がん剤の効果

トリプルネガティブ 2bで、温存目的もあり、術前抗がん剤をしています。AC療法が終わり、原発巣及び腋窩リンパ節共にかなり小さくなり(直径が大体1/2〜1/3位になり10mm×8mm×3mm位)、その後、ウィークリーパクリタキセルを行っています。現在10回終了しております。3回目が終わり、4回目の前に触診をして、約6mm位と言われ、その後、6回目が終わり、7回目の前には、やはり触診で、しこりの存在が見つけられないと言われました。その後、訳あって(手術の仕方の相談等で)、ある都内の大きな病院でセカンドオピニオンを受けました。その際、エコーで原発巣のみ診ていただきました。腋窩リンパ節については診ていただいておりません。先生からは、しこりがほとんど分からなくなっている。crに近い。癌だと聞かなければ、誰がエコーをやっても見つけられない。それほど抗がん剤の効果があったということと、おっしゃっていただきました(セカンドオピニオンの報告書には near cr と判断すると記載あり・・・元の病院で確認)。腋窩リンパ節については、原発巣の効果とだいたい同じだろうともおっしゃっていただきました。来年の1月に術前の検査(造影MRI、マンモグラフィー等)を行い、手術をする予定です。ここでお尋ねですが、原発巣のあったところは、エコーでその存在が確認できないということでも、造影MRIで場所とか、まだしこりが残っている等の確認はできるのでしょうか? また、腋窩リンパ節については診ていただいていないのですが(触診では全く分からない)、セカンドの先生がおっしゃるように、原発巣の効果とだいたい同じだろうということは、エコーでは分からないくらい効果が出ている可能性が高いと考えてもよろしいのでしょうか? よろしくお願いします。

画像検査は、MMGはレントゲン、エコーは音、MRIは磁力を使って病巣を描き出します。ですから、どの検査もある一面しか見ていないことになります。3つの検査を総合して判断してください。
原発巣と腋窩リンパ節で効果が異なることもあります。腋窩の情報も原発巣の情報に加えて総合的に判断します。何れにしても最終的には手術をした後の切除標本にガンが残っていたかどうかが問題なので、画像情報は参考程度(大きくなったか、小さくなったか、消えたかの3つ程度)に考えてください。(文責 清水)

 

No.11994】  16年12月22日   N  
術後の治療について

術後の治療についての質問です。56歳 閉経しています。10月に乳癌の全摘手術をしました。以下病理診断の結果です。
腫瘍径浸潤部 2cm 広がり 7.2cm ER 90% PgR 60% ki-67 60% grade 3
sentinel 1/2
herceptest 2+
oncotypeDX
score 27 ER 11.3 PR 5.7
HER2 9.3
抗がん剤を使うかどうか迷っています。ご意見をお聞かせください。

リンパ節転移があったこと、G3であること、Ki67が高値であることを考えると化学療法をお勧めします。Oncotype Dx score 27は中間riskなので、これだけで化学療法を行わないと決めるのはちょっと逡巡します。(文責 清水)

 

No.11993】  16年12月12日   A 
再発と生理の関係について

昨年5月に、左乳がんにて全摘出しました。年齢は現在52歳です。AC、タキソール、ハーセプチンの投与は終わり、現在ノルバデックスを毎日1錠服用中です。ドセタキセルの服用4回めで生理が止まったのですが、先週から生理のような軽い出血があります。生理があるということは、女性ホルモンが活発化していて、再発につながったらどうしようと悩んでます。ノルバデックスを増やすとか、リュープリン注射をするとか、卵巣を摘出するとか、、、考えてもよくわからず、何かアドバイスはいただけないでしょうか。よろしくお願いします。

Aさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。Aさんは、術後AC→タキソール+ハーセプチンの化学療法を施行し、現在ノルバデックスを内服されています。ノルバデックスを内服して約1年前後と推察致します。術後の化学療法で無月経となったのですが、最近生理のような軽い出血がおありなのですね。さてアドバイスですが、まず婦人科を受診なさって頂き、その出血が生理なのか、婦人科的疾患なのかを確認して頂きたいと思います。生理であった場合ですが、手術をお受けになった乳がんの状態が不明なため詳細なアドバイスできかねますが、このままノルバデックスのみを継続する場合もありますし、リュープリンを追加する場合もございます。この部分はぜひご担当の先生とよくご相談して頂き、お決め頂きたいと思います。(文責 齋藤)

 

No.11992】  16年12月12日   S
再発治療 薬の選択

遠隔転移再発4年目で、46歳です。今後の治療について悩んでいます。

<治療経過>
2005.11右乳がん手術。温存術後、FEC4回、PTX12回→放射線→ノルバデックス5年、ゾラデックス2年
《病理》乳頭腺管がん、充実腺管がん リンパ管侵襲(+)血管侵襲(+)ER(+)10%以上 PgR(+)10%以上 Her2(-)グレード3 リンパ節転移2/6 
2012.11 縦隔リンパ節、胸膜、骨転移(CEA35.2、CA15-3 266.4)
2012.12フェソロデックス500mg4回、ゾメタ開始
2013.3 胃転移 生検《病理》ER(+)、PgR(+)、HER2(1+)、Ki-67 40% リュープリン、フェマーラに変更(2013.3 CEA81.0 CA15-3 3334.4)
2013.6 脳髄膜転移(CEA5.6 CA15-3 1256.1)
2014.6  顎骨腫瘍摘出(親知らず抜歯)
2014.6 右鎖骨上リンパ節転移→生検《病理》ER(+)8、PgR(+)3、HER2(-)、Ki-67 60%
2014.7 肺転移増大 タスオミンへ変更(CEA11.4 CA15-3 843.7)
2014.11 PET-CTにて骨転移増悪のためランマークに変更(CEA17.8 CA15-3 1644.1)
2015.1  アロマシンへ変更(CEA29.3 CA15-3 1990.7)
2015.3  プロセキソールへ変更(CEA43.4 CA15-3 3095.7)
2015.9  脳転移 ガンマナイフ療法(CEA13.9 CA15-3 279.9)
2015.11 CT がん性リンパ管症 骨転移進行 ゼローダへ変更(CEA28.8 CA15-3 479.9)
2016.7  CT 悪化なし(CEA4.9 CA15-3 227.0)
2016.11  CEA10.9 CA15-3 270.4

ゼローダの効果もこれまでとのことで、そろそろまた薬の変更が必要と言われました。選択肢として、アロマシン+アフィニトール、点滴抗がん剤(ハラヴェン、アブラキサン、アバスチン他いろいろ)を提示されました。今の私の体調はというと、体はだるいものの週2回短時間の仕事と家事はできています。可能ならば内服薬で頑張りたいとは思いますが、少しでもがんの進行を抑えれるのであれば、点滴も仕方ないかなとも思います。

質問
1) ホルモン剤から抗がん剤にかわり、またホルモン剤(アロマシン+アフィニトール)にもどるというのは、効果あるのでしょうか?
2) 次に何の薬にするのが最適か、よろしくお願いいたします。

Sさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が解消されると嬉しく思います。Sさんは再発が見つかってからホルモン療法と化学療法を合わせて7つの治療をお受けになっています。現在の再発部位は、リンパ節、胸膜、肺、骨、胃、脳髄膜ですね。さてご質問への回答です。
1)効果がある場合ももちろんあります。
2)どの治療法を選択することがベストかは、ご質問内容からお返事することは大変難しいです。以下のお返事内容は、私が拝見していた場合の治療のご提案の一つになります。肺転移が進行して呼吸苦等が出現することが近い将来に予想出来るようであれば、化学療法をお勧めします。肺転移も他の転移部位も小さく、また数も少なく無症状であれば、再度ホルモン治療の一つとして、アロマシン+アフィニトールのご提案も選択肢の一つだと思います。 Sさんは再発してしまってからの治療を担当医の先生と一緒に4年間もお受けになっていらっしゃるのですから、ぜひこれからもご担当先生とよくご相談なさって、後悔の少ない選択をして頂きたく思います。(文責 齋藤)

 

No.11991】  16年12月12日   Y
複数の検査について

肩の痛みを精査するために(骨転移など)、同じ日に以下の順番に検査を受けます。
@ L−肩関節X-P 2R(正・斜) レントゲン
A 乳腺エコー
B 肩部MRI単純+造影
C PET-CT 単純
MRIでも造影剤を使用します。さらにPET-CTでも写りをよくするための造影剤?を口から飲みますが、それぞれ影響を及ぼし正確な判断ができなかったり、身体に悪影響があるということはないでしょうか?同じ日にこのような複数の検査をするのは問題ないのでしょうか?

Yさん、ご相談ありがとうございます。私のお返事で不安が解消されると嬉しく思います。検査ですが、@〜Cまでの検査を同じ日に行っても検査結果やお体に対して特に問題ございません。異常が見つからないこと願っております。(文責 齋藤)

 

No.11990】  16年12月06日   X
保険適応外

左胸にしこりがあり、たまに痛みます。気になるので乳腺科を受診してみようかと、近くの病院を調べ予約しようとしたのですが、自覚症状があると伝えても検診扱いになり、保険適応外と言われました。普通そうなのですか? 確か昔にしこりが気になり、別の病院を受診した時は保険適応でした。(癌ではなく脂肪のかたまりだったのですが)なので、すんなり信用出来ず、ネットで調べても自覚症状がある場合は保険適応されると書かれていたので、こちらにメールさせてもらいました。宜しくお願いします。

昔からあった(良性と診断されていた)しこりが、サイズがそのままで時々痛むようならば、もしかしたら自覚症状のうちに入らないかもしれませんが、診断されていない「しこり」が気になるなら、それだけで立派な自覚症状だと思います。こういう症状は、診てみなければ分からないので、乳腺科受診で良いと思いますし、あなたの場合は(小生は)保険適応と考えます。
ただし、一過性あるいは周期的な「痛み」や、違和感等の知覚の異常をすべて自覚症状にすると、そういう主訴の方からの乳癌発見率が検診での発見率とあまり変わらないので、是非検診に回っていただきたいと考えるのは、医療機関の常ですし、ピンクリボン運動の時期や有名人の乳癌報道で人々の関心が高まっている時は、受診の予約が大変混んでしまっているので、特にそういう対応をされやすいと思います。乳がん検診は定期的に受けて頂いて、その中間期に「しこり」「異常な分泌」等の症状が有れば、乳腺科の外来を受診するという姿勢であって頂きたいものと考えます。(文責 久保内)

 

No.11989】  16年12月06日   Y
母の乳癌について

母(61歳)のことで相談させてください。平成28年9月1日、右胸全摘、腫瘍1.6センチ、リンパ転移なし。病理結果 ホルモン陽性、ハーツー陰性、ki67 48%。現在AC療法3回目投与から6日目。白血球数値低下のため、11月28日に注射。担当医からは、今後の治療方針としてAC療法終了後ホルモン療法と言われております。再発リスクを下げるため、ウィークリーパクリを追加する方法もあるとのことでした。抗がん剤の副作用や体力の低下等が気になるところなのですが、ウィークリーパクリの追加で再発リスクはどの程度下げられるでしょうか? またこのような状況で再発や転移の可能性は何%くらいになりますでしょうか? 母の前で担当医には聞きづらく…(大変心配性なため)、どうぞよろしくお願いいたします。

ホルモン(受容体)陽性、ハーツ―陰性、Ki67=48%とのこと、免疫染色結果から考えると、お母様の乳癌はLuminal B type だと思います。Luminal B typeへの(全身)治療は、ホルモン(内分泌)療法と抗がん剤(化学)療法が勧められています。1.6cmでリンパ節転移なしですので、StageTと考えられますが、StageT全体では10年生存率90%ですが、Luminal B・StageTでは10数%減ってしまいます。(Ki67=48%ですのでもう少し悪いかもしれません)再発率が増加するのは、既に現時点でPETやCTや骨シンチでも発見できないミクロの転移が存在する可能性があるからで、そのミクロの転移を抗がん剤でやっつけられるかどうかにかかっています。しかし、どの抗がん剤が効くのか、何をどの位やったらよいのかは、どんな優秀な医師でもどんな立派な病院でも分かっていないのが現実です。単なる経験則なので、AC療法で良いとか、TC療法が良いとか、AC→Tが良いとか言われているのが現実です。(本当に効くか効かないかは、小生は術前化学療法でなければ分からないと思っています)さてお母様の場合は、アンスラサイクリン(A)とタキサン(T)のどちらが効くかわかりませんが、Ki67=48%と結構高いので、憂いのないようにパクリタキセルを追加されたほうが(あくまで小生の個人的意見ですが)良いかと思います。AC療法の副作用は脱毛・好中球減少・悪心嘔吐等よく知られたものですが、AC後のパクリテキセルはむしろその時期に発毛が始まり、好中球減少も悪心嘔吐もほとんど無く、その意味では結構ラクに過ごせます。ただし末梢神経障害(手足の先の痺れ→手先の細かい作業がしにくくなったり、躓きそうになったりします)が75%くらいの人に出現し、後半加速度的に重くなってきますので、それに対する治療を早めに開始するのが良いと思います。(文責 久保内)

 

No.11988】  16年12月06日   T
今後の治療について

術後の治療について相談をお願いします。10/21に右乳房温存手術を受けました。45歳です。病理結果は、「右内上、Ax省略、in situで断端Ca(+)、浸潤径:1.3cm*1.0cm、硬がん、波及度:ly(+),f(+) NA:2,MC:2=NG2 in situ(+):low papillary,cribriform,flat Needle scar(+) ER(+) PS5 IS2
PgR(+) PS5 IS2 HER2(0) リンパ節SLN1/1(0.5mm)」 です。主治医と相談した治療方針:放射線とホルモン治療を決めましたが、抗がん剤をするかどうかは自分で決めてくださいと言われました、私はもちろん初期治療をしっかりとしたいと思っていますが、抗がん剤の副作用を考えますと、抗がん剤に対する抵抗感もあります、私の病理結果では抗がん剤は過剰でしょうか? どうかご意見をよろしくお願い致します。

ご記載いただいた病理所見だけから病状を理解するとすれば、Stage Tbで Luminal typeと判断されます。ER・PgRの値は高く、HER2陰性なので、Luminal Aであってほしいのですが、NG2とly(+)が気になるところです。Ki67値がわかるとコメントできますが(施行していないなら追加でやってもらうと良いでしょう)、30%以上あれば化学療法(抗がん剤)追加は過剰な治療ではないと考えます。また健康保険の対象外です(そして結構費用がかかります)が、多遺伝子診断(Oncotype Dx等)を追加でなさると、より明確に抗がん剤追加の是非が判明すると思います。もう少し情報を得てから決定されたほうが良いかと思います。(文責 久保内)

 

No.11988-2】  16年12月22日   T
今後の治療について(2)

お忙しい中、お返事どうもありがとうございます。ki67について手術後の病理結果にはありませんでしたが、術前の針生検の結果では、ki67=11%となっています。またOncontypeDXは申し込みましたが、今結果待ちです、以上の追加情報をもとに、再度ご助言頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

Ki67=11%,ER,PRが強陽性、浸潤径が13mmであれば、0.5mmのリンパ節転移があったとしても、効果と副作用のバランスを考えると、内分泌療法のみで良いように思えます。もちろん、副作用は厭わないので、より再発を抑える治療を希望という場合は化学療法を追加することもやぶさかではありません。(文責 清水)

 

No.11987】  16年11月24日   T
今後の治療について

53歳、HER2、ホルモン陽性でリンパ、肝臓に転移ありのステージ4です。ハーセプチン、パージェタ、ドセタキセル半年投与した結果、肝臓、リンパの転移が消え、原発巣が50ミリから20ミリ弱に縮小しました。原発巣の全摘手術を受けます。色々な報告では、手術すると予後がいいという報告もあって、期待しています。ステージ4は手術しないこともありますが、手術することで、再発や生存率などはどうなるのでしょうか? 今後どのような治療をしていけばいいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

良いという報告と、変わらないとう報告とあり、乳癌学会のガイドラインにも、局所制御(手術をすることで、その後の出血や痛みや、リンパ節転移のためのいろいろな症状を予防する)の目的で手術を症例を選んで行っても良い、とあります。生存率が改善する患者さんもいらっしゃるということです。今後の治療ですが、病状の進行を防ぐために、ハーセプチンとパージェタは、継続します。ドセタキセルの副作用が重い場合、ホルモン剤や経口の抗がん剤に変えたりすることもあり得ます。今後も、主治医との相談・合意を持って薬物治療を進めていくことになります。(文責 緒方)

 

No.11986】  16年11月22日   M
アナストロゾールは効いているのでしょうか?

初めて相談させていただきます。ルミナールAで、アナストロゾールの治療を進めています。飲み始めて1ヶ月半位で、幸いにもまだ副作用らしきものもありません。恥ずかしい事に55才で閉経後にもかかわらず、いまだに性欲があります。こんな状態は、アナストロゾールは効いているのでしょうか? また性欲というものが再発に繋がるのではないでしょうか? 乳ガンと診断されたのに、こんな自分がいやになります。よろしくお願いいたします。

アナストロゾールの効果と副作用に関しては、関節痛が強い場合は効果が高いと言われてますが、副作用がないからと言って効いていないと決めつけてはいけません。個人差があります。さらに、性欲と再発には関係はありません。いやになる事はないでしょう。まあ、主治医には相談しにくいですね。(文責 緒方)

 

No.11985】  16年11月22日   W 
検査結果(HPNo.11980-2)

前回11980で相談させていただきました。結果が出て、教えていただきたいのです。今回のしこりは前回切除した腫瘍の一部で切除していなかった部分で2年かけて大きくなって来ていると診断されました。2年前のMRIにも小さく写っていました。その時の先生は今他の病人に異動した為なぜ切除していないのか不明です。エコーでは腫瘍が3つありました。
@ 大きさ10×8×7、形状 楕円形•乳管と連続性あり、  境界 明瞭平滑、 内部エコー 不均一、 微細石灰化(+)、 嚢胞変性(+)、 後方エコー 増強 前方境界線との断裂あり、 ハローあり 血流わずか エラストスコア3−4、DCIS否定したい。
A 大きさ8×7×3、形状 楕円形、境界 明瞭平滑、内部エコー 均一 後方エコー不変、血流わずか エラストスコア2、前方境界線との断裂無し
B cystic mass 2個 大きさ6 Axillaに皮質が厚いLN(+)9 MRIで両側腋に馬蹄形の非特異的なリンパ節を認めるとなっています。

先生からは、多分乳頭腫だろう、2つの腫瘍を近い内に切除しましょうとなりました。@の腫瘍は余り良く無さそうに思えますがどうでしょう? 部分麻酔で日帰り手術で出来ますか?

現在の主治医の方針で良いと思います。大きさからは部分麻酔で日帰り手術でできると思いますが、主治医に確認してください。(文責 緒方)

 

No.11984】  16年11月22日   M.I.
治療法についてアドバイスをいただきたく思います

お世話になっております。先日、母親が、摘出手術後の治療法の相談にて想定外の状況を伝えられ、少しでもアドバイスをいただければと思いメール相談させていただきます。HP上の以下のコメントは十分承知しております「一般的な参考意見であることをご了解下さい」
母親(73歳)が乳癌と診断され、約1ヶ月前に摘出手術を行ないました。リンパは摘出しなかったです。そして、先日、その手術結果と今後の治療方法を聞きにいったのですが、アドバイスをいただければと思います。。母親からの電話の又聞きでして、医療用語等の使い方が間違っている可能性がありますが、ご了承ください。

【癌の状況報告】
■リンパ転移無し → 有り
手術中の簡易検査?では「転移無し」との判断で、リンパの摘出を しなかったのですが、後日の詳細検査にて、3つ採取したリンパの うち、1つのリンパにて 2mm強の転移があったとのこと

■摘出した癌細胞 → 進行性のあるもの
HER2 陽性(高め),KI67 高め と診断書に記載されており、進行性 のあるもので、今後の治療は必要とのこと

■ステージ 1〜2程度(当初)→ 2b

【医師からの提案】
■リンパ除去の再手術について⇒再手術をするかどうかを考えてください
■今後の治療方法について
 案@ 抗がん剤(AC療法→ドセタキセル→ハーセプチン) 案A ホルモン療法  ⇒どちらを選択しますか。 参考として、70歳付近での生存率を教えてもらいました。案@ 5年:85%,10年:64%, 案A 5年:80%,10年:55%

【アドバイスいただきたいこと】
1) 医師からは、「どうしますか? 家族/ご自分で判断してください」との状況になっております。 (1)リンパ除去の再手術をしたほうが良いか (2)抗がん剤 or ホルモン療法の選択 を踏まえて、どのような対応がよいのでしょうか?
2) 医師を非難するつもりは全く無いのですが、今までの医師コメントでは、「転移無し」「大丈夫」のような印象でしたが、先日の結果では、「転移有り」「進行性」になり、不信感もでてきてしまっています。わかる範囲でのアドバイスいただき、判断の参考にさせていただきたく思います。

一週間後に医師と再相談になっており、そのときの基礎知識としたいと考えております。どうぞ、よろしくお願いいたします。

1)
(1)リンパ除去の再手術をしたほうが良いか
一般的には「リンパ節郭清」と言っているもので、最終的な治療方針を確認する目的で行います。今回切除した3個は、センチネルリンパ節生検と言って必要最小限のリンパ節を取って転移のないことを確認する目的の治療です。郭清は、脇の下に転移しているリンパ節の個数を調べて、術後の照射や化学療法の是非を確認するためです。ただし、お母様の場合、HER2タンパクが陽性(おそらく3+)なのでハーセプチンと化学療法の組み合わせの治療を受けていただいた方が再発のリスクが下がるタイプです。この治療を受けるか受けないかが再発にかかわってくるポイントで、リンパ節郭清を受けても受けなくても再発には差が出ません。したがって、化学療法を受けるのであれば、切除しなくて良いわけです。
(2)抗がん剤 or ホルモン療法の選択 を踏まえて、どのような対応がよいのでしょうか?
前にも書いたように、HER2タンパクが陽性(おそらく3+)の場合、ホルモン療法が効くタイプでもホルモン療法に抵抗性を示したりするために、化学療法とハーセプチンも受けた方が再発率が下がります。ただし、年齢から強い副作用が予想される化学療法を敢えて受けないと希望される患者さんも当然いらっしゃいます。主治医が二つの選択肢を提示したのは、お母様がこの先どのような生活を望んでおられるかによって、いずれかを選択してくださいという趣旨だと思われます。

2)お母様のように、予想と結果が乖離することは、残念ながら時々あります。あくまで、術前の画像検査は影絵でしかありません。最終的には、病理検査結果で判断する以外ありません。「HER2 陽性(高め),KI67 高め」とは、どういう意味なのか、どうして案@抗がん剤(AC療法→ドセタキセル+ハーセプチン)と案Aホルモン療法が、提示されたか、主治医はどちらを勧めるのか、などなど聞きたいことを箇条書きにして良く聞くことが大切です。きちんと説明してくれる主治医であれば、不信感は払拭されると思います。(文責 緒方)
 

 

No.11983】  16年11月14日   ひまわり
ホルモン治療の追加について

お世話になっております。今回ホルモン療法の追加についてご相談したく、送らせて頂きます。お忙しい所恐れ入りますが、よろしくお願い致します。
わたしは、2011年7月(当時40歳)右乳房全摘出し、非浸潤がんが断端陽性(ぶっつり切れていると言われました)、浸潤がんのしこりは1.5センチ、グレード2、ホルモン陽性、HER2陽性、脇のリンパ節転移はありませんでした。抗がん剤治療、ハーセプチン治療、放射線治療が終了し、タモキシフェン治療5年があともう少しで終わります。(現在再発なし)
そこで質問ですが、今後、タモキシフェン5年追加するべきか、又はアロマターゼ阻害薬を追加するべきか迷っています。月経は、抗がん剤治療の際に止まりそのままです。医師にはタモキシフェンを追加するべきかを質問しましたが、やった方が良いと推奨は出来ないが、やっても良いという話でした。家に帰り調べたらアロマターゼ阻害薬という選択肢がある事を知り迷っています。少しでもリスクを減らせるなら治療をしたい考えです。どうするべきかご助言頂けると、助かります。どうぞ、よろしくお願い致します。

現在の年齢が45歳であれば、一般的に閉経前ですので、アロマターゼ阻害剤は適応ではありませんが、抗がん剤の閉経か真の閉経かはっきりしません。血中エストロゲン、FSHなどのホルモン濃度の検査で確認の上検討されてください。(文責 石山)

 

No.11982】  16年11月14日    H.U.
乳がん 部分切除後の断端陽性について

41歳です。先月10月21日に、粘液癌で左乳房部分切除+センチネルリンパ節生検の手術を受けました。本日、病理結果が出て、断端陽性であることが判明しました。主治医からは、見つかったのは非浸潤癌で、1本の乳管のみであることから、放射線照射を通常よりも5回追加して、30回照射にするか、もし心配であるなら全摘の選択もあると言われました。主治医は、放射線治療の追加でも大丈夫と言われましたが、どちらにしたらいいか迷っています。ご意見をいただけますでしょうか? 検査結果は以下の通りです。

臓器
1 乳腺 (左)
診断
Left breast cancer
所見
左乳房部分切除+センチネルリンパ節生検
Mucinous carcinoma @#1−6 浸潤は#3,4
腫瘍径 約11mm、pT1c、f、ly0、V0
pN0(SLN:0/1)
StageT
DFM<5mm(断端陽性) #1に非浸潤癌あり。
ER(Allred 8=5+3) 
PgR(Allred 8=5+3)
HER2(0)
Ki67LI20%

組織型 粘液癌
TNM、病期(UICC)pT1cN0M0、pStageT

質問
1) 放射線照射の追加でも大丈夫か? 全摘の方がいいのか?
2) 放射線照射の追加と、全摘の場合の、それぞれの再発の確率、放射線照射で非浸潤癌が消えるのか? またそれを確かめる方法はMRIなどで確認することはできるのか?

ぜひご意見をお聞かせください。参考にさせてください。よろしくお願いします。

1) 主治医のいう通りで、どちらでもいいです。より再発の少ないのは再手術ですが、乳房は全摘になります。
2) 断端陽性の程度もまちまちで何とも言えません。さらに断端陽性の定義すらあやふやです。放射線は再発を減らせますが、0ではないとしか言えません。(文責 石山)

 

No.11981】  16年11月14日    Y.S.
経過観察

52才です。18_×17_の腫瘍で、今年2月マンモ、エコー、MRIにて嚢胞内乳頭腫と診断されました。MRIでも悪い染まり方はなかったため、良性とのこと。今月再診ですが,万が一乳がんでも、優しいタイプの顔なので、半年おいても大丈夫とのことでした。でも、もし乳がんになったらと思うと心配で眠れないこともあり、とても長い半年でした。また経過観察と言われたら、様子見ていてもいいでしょうか? このまま不安がずっと続くと思うと、とても苦しいです。よろしくお願いします。

画像診断でそうであっても、細胞診や針生検をして最終的に良性と診断していないのであれば、いずれそういった検査をするか、思い切って摘出するのも一つの選択肢ではないでしょうか。次回診察の際に主治医とよく相談してみてください。(文責 石山)

 

No.11980】  16年11月11日    W  
再検査

38歳になります。2年前乳頭腫になり切除しました。その後定期的に検査をしていて、今年も半年位前にした乳ガン検診では異常ありませんでした。数日前に痛みがあり、触ってみると、しこりがありました。個人病院に行って触診とエコーをした所、1センチほどのしこりでした。詳しく検査をするため、市立病院に来週行きます。エコー診断書には「辺緑は明瞭平滑、乳腺境界線に断裂無し、ただ腫瘤に流入する血流あり、エラストスコアは1です。」となっています。ここでは詳しく教えて貰えなかったのですが、エコーの結果は、どんな状態なのでしょうか? 癌の可能性が高い為に詳しく検査をするのですか?

辺緑は明瞭平滑だと良性のことが多いですが、悪性でないとは言い切れません。乳腺(前方)境界線に断裂あれば、がんの疑いが高くなります。腫瘤に流入する血流が豊富だと、悪性寄りに考えます。腫瘤の硬度が高いほど、悪性の疑いが増します。エラストスコア1は硬度が最低ランクで硬くありません。総合的に判断すると良性の可能性が高いということになります。2年前に乳頭腫の手術もしていますし、万が一のため精査するのだと思います。(文責 石川)

 

No.11980-2】  16年11月22日    W  
検査結果

前回11980で相談させていただきました。結果が出て、教えていただきたいのです。今回のしこりは前回切除した腫瘍の一部で切除していなかった部分で2年かけて大きくなって来ていると診断されました。2年前のMRIにも小さく写っていました。その時の先生は今他の病人に異動した為なぜ切除していないのか不明です。エコーでは腫瘍が3つありました。
@ 大きさ10×8×7、形状 楕円形•乳管と連続性あり、  境界 明瞭平滑、 内部エコー 不均一、 微細石灰化(+)、 嚢胞変性(+)、 後方エコー 増強 前方境界線との断裂あり、 ハローあり 血流わずか エラストスコア3−4、DCIS否定したい。
A 大きさ8×7×3、形状 楕円形、境界 明瞭平滑、内部エコー 均一 後方エコー不変、血流わずか エラストスコア2、前方境界線との断裂無し
B cystic mass 2個 大きさ6 Axillaに皮質が厚いLN(+)9 MRIで両側腋に馬蹄形の非特異的なリンパ節を認めるとなっています。

先生からは、多分乳頭腫だろう、2つの腫瘍を近い内に切除しましょうとなりました。@の腫瘍は余り良く無さそうに思えますがどうでしょう? 部分麻酔で日帰り手術で出来ますか?

現在の主治医の方針で良いと思います。大きさからは部分麻酔で日帰り手術でできると思いますが、主治医に確認してください。(文責 緒方)

 

No.11979】  16年11月11日    O  
乳腺線維腺腫疑について

毎年人間ドックで、マンモグラフィー、超音波検査、触診を受けています。今回、初めて超音波検査にて、左乳房外側上部に乳腺線維腺腫疑あり、数は1個、3×3ミリとの結果がでて、経過観察となりました。マンモグラフィー、触診では異常はありませんでした。乳腺線維腺腫について調べたところ、閉経前の若い女性によくみられるようなことが書いてありました。わたくしは56歳で、52歳で閉経しております。夏ごろから、左乳房の上側にピリピリと痛みを何度か感じたことがあり、少し気になっておりました。最近も左乳房と脇の境目あたりに、少し痛みを感じることがあります。わたくしの年齢で、乳腺線維腺腫ということはありえますでしょうか? 1年後の検診までほっておいてもよいのか不安です。別の病院であらためて検査をするべきか、ご助言をいただきたいと思います。よろしくお願い致します。

56歳、閉経後でも乳腺線維腺腫ということはありえます。3x3mmと小さいので、1年後の検査をしっかり受ければよろしいと思います。(文責 石川)

 

No.11978】  16年11月11日    E.F. 
乳管内乳頭腫

乳管内乳頭腫は癌でしょうか?

乳管内乳頭腫は乳管にできる良性の腫瘍で、がんとは違います。しかし、悪性の乳管内がんと症状、超音波検査などの画像所見が似ていて、また病理組織診断でも見分けがつきにくい場合もあるので、経過観察は必須と考えます。(文責 石川)

 

No.11977】  16年10月31日    W 
乳がんの可能性はありますか?

二年位前に乳管内乳頭腫の切除をしました。その後、定期的に検査をしていて、今年も5月の終りに検査をして、何の問題もありませんでした。昨日の夜にその切除した辺りに少し痛みがあり、しこりを見付けて不安になり、今日個人病院へ行って来ました。一応、痛みは傷の痛みだろうと言われ、しこりは傷痕だと思うが、急に出来たの物なのか前からあった物なのか比較をした方が良いだろうと言うことで、手術をした市立病院にレントゲンの比較をして貰うのですが、もし急に出来たしこりなら、ガンの疑いがあるのでしょうか? しこりは弾力性のある物だと言われました。

乳管内乳頭腫は、増殖性の病変であり、乳がんのリスク因子と考えます。したがって、しこりについては、専門医の診察を受けてがんの可能性を否定すべきと思います。(文責 徳田)

 

No.11976】  16年10月31日    T
胸のしこりと痛み

32歳、3児の母親です。今10ヶ月の子どもに授乳をしています。左胸脇下辺りに痛みを感じ、触ってみるとシコリの様な物が複数触れます。以前にも感じたので、近くの内科ですが、触診・血液検査・一部エコーをして頂いたのですが、大丈夫との事でした。ただ女性だし乳がん検診は受けたほうが良いとの事でした。今日の朝、胸の痛みや、痛みの部分を触ると硬さや、ゴツゴツした感じ、小さなシコリみたいなのが複数触れます。横向きに寝て、腕を上げて、痛みの胸を触ると、線にそり硬く盛り上がった感じです。鏡で見てもボコボコした感じが分かります。今までセルフチェックで胸はよく触っていたのですが、ネットに書かれているような異常はなく、今朝いつもと違うので、凄く不安を感じています。やはり乳がんの可能性はありますか?

年齢的に可能性は、低いと思います。しかし、授乳期であり、セルフチェックはむずかしく、専門医による超音波検査などをおすすめします。(文責 徳田)

 

No.11975】  16年10月25日    A
乳がんステージ1

10月7日 右胸全摘しました。今後の治療について相談よろしくお願いします。43歳です。病理結果は以下の通りです。
組織型 ( 乳頭腺管癌 )
腫瘍径 ( 1 )o
リンパ節転移個数( 0 / 1)個
ホルモン受容体 ER( + )( 20 )% PgR ( - )( 0 )%
HER2 蛋白   ( 0 )
Ki-67      ( 6 )%
組織学的悪性度 ( 2 )

サブタイプ    ( ルミナールA )

悩んでいるのはホルモン療法についてです。ステージ0でしたが、病理検査の結果、ステージ1となり動揺しており、主治医はホルモン療法なしでいいと言われましたが心配です。ホルモン療法無しと有りでは、どの位、再発率、生存率がかわるのか気になります。

おそらく、乳管内がんの広がりが広くて浸潤がんの部分が少しだけあったということなのだと思います。この場合、内分泌療法をすべきか否かは、なかなか悩むところだと思います。患者さんの条件(合併症や家族歴など)、病変の条件(どのようなタイプの乳管内がんであったか、病理学的な検索はどのように行われているか)等によって判断は異なってきますから、この場で、すべきか否かを答えることは非常に困難です。主治医に今のようなことをお尋ねになり、場合によってはセカンドオピニオンを受けるのはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11974】  16年10月17日    M.J. 
ホルモン療法薬変更について(2)(HPNo.11960-2)

お世話になっております。ゾラデックスは、3ヶ月毎に今年の4月まで使用しておりましたが、6月に卵巣を両方とも切除したため、今後は不要と言われ、現在は使用しておりません。卵巣切除したため、閉経と同じ状態なのでアロマターゼに変更と言われたのですが、違うのでしょうか? よろしくお願いします。

おっしゃるとおり、両側卵巣摘出により「人工閉経」となったことを受けて、主治医の先生が閉経後薬剤であるアロマターゼ阻害剤への切り替えを提案されたものと思います。一般論として自然閉経、人口閉経合わせた閉経状態の女性に対して、ノルバデックス5年間よりもノルバデックスから遠中でアロマターゼ阻害剤に切り替えた方が再発予防効果が強いことはよく知られておりますが、貴女の場合もこれを踏まえてアロマターゼ阻害剤に切り替えた方が再発率が低くなる可能性があります。ただしアロマターゼ阻害剤により骨密度の低下が進行する可能性が十分にありますので、その場合は6ヶ月〜1年くらいの間隔で骨密度も調べてゆく必要がありそうです。骨密度の低下が進行するようであれば骨粗鬆症の薬剤も併用するか、再度ノルバデックスに戻す必要があると考えます。どのタイミングで切り替えが良いのかは明らかでありませんので、切り替えるのであればいますぐでも良いと考えます。現在日本で使用しているアロマターゼ阻害剤は、アリミデックス(一般名;アナストロゾール)、アロマシン(同エキセメスタン)、フェマーラ(同レトロゾール)の3種類ですが、効果、副作用ともにほぼ同じと考えて良いと思われます。アロマターゼ阻害剤の投与期間も10年間とすれば5年間よりも再発予防効果がいくらか上昇する可能性はありますが、その分骨密度の低下に伴う骨折の頻度もいくらか上昇する可能性もあり、その優位は難しいところであると考えます。(文責 谷)

 

No.11973】  16年10月17日    K 
ホルモン療法薬の再変更

いつも拝見し、参考にさせていただき、感謝しています。私は現在52歳です。約4年前に、浸潤性乳管癌(3cm)で部分切除、リンパ節転移1箇所で郭清、放射線治療も受けました(ルミナールA・ステージUb)。その後、ホルモン療法でノルバデックスとリュープリンの注射を2年後、フェマーラにスイッチしました。しかし、膝の痛みがあり、骨密度を測定したところ低下、エディロールカプセル(ビタミンD)を追加処方で飲み始めました。ところが、今年の7月に大量の血尿がありました。元から腎臓の石灰化を指摘されていましたが、無治療でした。石の大きさが 2cmに成長していて、それが原因の出血かもしれない、とのことでした。現在泌尿器科で、ウラリットを処方され飲んでいます。それで、フェマーラからノルバデックスに戻せば、骨密度の心配は無くなる、と言われて、戻しますか?と提案されています。しかし、再発予防効果はフェマーラの方が高いとのことで変更したので、元に戻すという提案に抵抗があります。次回までにどうするか決めてきてください、とのことですが、結論が出せません。それで、相談室の先生方のご意見もお伺いさせていただきたいと思いました。よろしくお願い致します。

結論から申しますと、私ならばノルバデックスに再度戻すことをお奨めいたします。理由は以下の3つです。1)すでにフェマーラを2年間近く服用したことになりますから、再度ノルバデックスに戻しても、<正確なデータはありませんが>おそらく再発予防効果はあまり変わらないことが予想されること。2)そもそもフェマーラなどアロマターゼ阻害剤に少し劣るとは言え、ノルバデックスも再発予防効果は十分に期待できる薬剤であること。3)骨密度の減少は、今後一生「骨折」の可能性を確実に増加させることにつながる重要な合併症であること・・・です。私の外来でも同様の悩みはしばしば生じて、そのたびごとに患者様とよく検討しております。(文責 谷)

 

No.11973-2】  17年06月17日    K 
ホルモン療法期間(5年か10年か?)

このような相談室があることを心強く思い、感謝しながら、いつも参考にさせていただいています。前回、NO.11973で相談させていただいた者です。今回、ホルモン療法の期間について、相談させていただきたいと思います。よろしくお願いします。ホルモン療法が5年となり、次回診察時に継続か終了かを決めることになっています。主治医は、どちらでも・・・とのことです。10年継続の方が、再発率数パーセント下がるとのデータですが、効果と副作用(現状では、ほてりあり。またその他潜在的なもの)を考えると、何を基準に判断したら良いか、教えていただきたいと思います。私の場合、5年と10年の再発率が分かるようでしたら、教えてください。治療・病理診断等は下記のとおりです。

48歳時 右乳癌温存療法 センチネルリンパ節生検1/3転移 腋か郭清ステージUB ER100% PGR70% HER2− MIB-1 5% ルミナールA GradeU(3-2-1) 最大径3cmの浸潤性乳管癌、周辺にDCISを伴い、線維性間質内に個細胞性、索状配列を示して浸潤するscirrhousタイプ、管状構造はごく一部 脂肪織内に浸潤 放射線治療とリュープリン2年
ホルモン療法は、ノルバデックス2年5ヶ月後、フェマーラへスイッチするも、骨密度低下で1年11ヵ月後に、再度、ノルバデックスに戻し、8ヶ月 トータル5年(内訳ノルバデックス3年1ヶ月・フェマーラ1年11ヶ月)
また、骨密度低下時に、ビタミンD処方され飲みましたが、その影響?腎臓結石・尿管結石となり、現在治療中です。

Kさん ご相談ありがとうございます。 私の回答で少しでも疑問が減り方針決定の一助になれば嬉しいです。ノルバデックスを5年で終了するか、10年まで延長するか迷いますね。最新のガイドラインを見ると、閉経後乳がん患者さんのノルバデックス10年内服は推奨グレードB(科学的根拠があり実践するよう推奨する)となっています。しかし長期投与による子宮内膜癌と肺塞栓の発生率を増加させます。現在のKさんの月経状態がわかりませんが、前回のご質問に記載されていた年齢から、月経があったとしても閉経は近いと想像します。何を基準に判断したら良いかお悩みですが、この判断基準は個々の患者さんによって随分異なります。どなたでもお望みですが極僅かでも再発抑制を希望される方は、10年の内服継続を行っています。さらに5年という期間は大変長いですね。今までの内服時の副作用と今後多くはありませんが子宮内膜癌や肺塞栓の事を考え、10年の内服をお勧めしても遠慮される方もいます。ご期待に添えていないかもしれませんが、最終的にはご担当の先生とKさんがよくご相談になってお決めになるのが良いと考えます。(文責 斎藤)

 

No.11972】  16年10月17日    W 
乳がんの可能性はありますか?

18歳女性です。5日前からくらいから左乳房に、にきびのようなものができました。痛みはありません。また、しこりなども確認できないのですが、左腕が痺れるような感じがします。リンパ節に転移していると、そのようなことがあると聞いたことがあるのですが、乳がんの可能性はありますか?

18歳女性、現在症状としては乳房にニキビのようなものができたことと左腕のしびれ、さらには乳房にしこりは確認できないということですので、一般的には乳がんの可能性は極めて低いと考えます。ただしこれらの症状が強くなるようであれば、帯状疱疹といったウイルスの病気は否定できませんので、その際は皮膚科を受診なさってください。(文責 谷)

 

No.11971】  16年10月12日    Y.S. 
乳腺症診断について

既婚者、32歳、出産経験なしです。本日、左胸にシコリが三つある乳腺症と診断されました。恐らく乳腺が詰まっているだけだろうと言われました。サイズは1.2センチと、0.8ミリと、0.8ミリの三つです。次の診察は、一年後に経過観察で大丈夫だろうと言われました。本当にもっと詳しく調べなくて大丈夫でしょうか? シコリは3年前から検診で引っかかっており、なくなることもなく、本当にこのままでいいのかと。御見解を教えてください

ご相談どうもありがとうございます。乳腺エコーをおこない経過観察となったのであれば、先生のご指示に従うのが良いと思います。もしどうしてもご心配な時には、もう一度受診なさって、針生検が必要ないかどうかのご説明をお聞きくださいね。ご不安な患者様の場合には、3ヶ月後にもう一度乳腺エコーをおこなって、しこりに変化がないことを確認することもございます。主治医の先生にご相談なさってみてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11970】  16年10月12日    A 
やはり癌でしょうか?

35歳、出産経験ありです。約2年前に左胸と肩甲骨の軽い痛みのため、乳腺外科にてマンモとエコーを受けました。マンモでは異常なし、エコーにて乳腺症と診断され、半年後の経過観察となりました。半年後またエコーにて乳腺症との診断、小さいものがいくつかあるとのお話でした。痛みは強くなく、常にでもないため、ホルモン剤も処方はせず、一年後の経過観察となりました。その後一年が経過する前に左胸外側上部にコロコロしたしこりが触れるようになりましたが受診せず、一年経過の今月再びエコーを受けた結果、針生検となりました。しこりは2.5センチくらいあり、エコーの画像の説明では、そのしこりの横に長く黒い物もつながって写っていました。針生検時はやわらかい感じだったとの事。「急にできたしこりだし、悪性の可能性があるので…」と、結果待ちの状態です。やはり癌でしょうか? また針生検後、自分で触ると少ししこりが小さくなった気がするのですが、そういった事はあるのでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます。お話だけで診断を推測するのは危険ですので明確なお答えは難しいです。横に長く黒い物が「乳管」であれば、乳管内乳頭腫という良性のしこりの可能性もございます。ただし先生のおっしゃる通り、急にできたしこりであれば、乳がんの可能性も否定はできません。ご心配と思いますが、今は針生検の結果をお待ちくださいね。針生検の結果も、100%確実に答えが出るわけではございません。はっきりしない場合には、小さな傷でしこりを摘出する手術をおこなう場合もございます。主治医の先生と良くご相談なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11969】  16年10月12日   Y.W. 
ノルバディクスの服用期間について

5年前に乳がん(ステージ1 ホルモン陽性 9ミリ リンパ節転移なし)になり、ノルバディクスを5年間服用しました。先日満5年になった際、先生から、これで終わりでいいでしょう、と言われ、現在無治療です。主治医によると、顔つきや腫瘍の大きさから5年が妥当、という事でしたが、ネットなどを見ると、10年服用で10年後からの再発率を下げる効果があるなど、10年服用が推奨されている情報をよく目にして、このまま服用を終わりにしていいのか心配になってきました。よろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。おっしゃるとおり、臨床試験ATLASにおいてタモキシフェン(ノルバデックス)の5年投与と10年投与を比較し、10年投与したグループで10年後以降の再発、死亡の危険性が明らかなに減少すると報告されています。どのような場合に10年にするかの明確な線引きはございません。ご希望があるのでしたら、主治医の先生にご相談なさってみてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11968】  16年10月12日   A
しこりが気になります

はじめて相談させていただきます。よろしくお願いします。32歳女性です。右側の胸の外側で、乳輪から3センチ程斜め上で、胸の付け根から1センチ内側のところに、よく触ると米粒くらいのしこり、そのすぐ周辺にも直径1センチくらいのしこりがいくつかあります。米粒くらいのしこりは、一つだけ独立してる感じですが、他のしこりは全体に合体しているような、独立していなくて、どこからはじまっているのかよくわからない感じです。固さは、どれも石ころほど固くなく、消しゴムくらいで、ツルッとしていています。それが気になり、この前、婦人科で診察してもらいました。マンモグラフィーと超音波、触診をしてもらったのですが、左側の胸に良性の石灰化があるのみで、気になっていた右側は異常なしでした。その時は安心したのですが、何日かたって、一体しこりは何だったのか? 先生も念入りに触診したのにわからない(しこりが見当たらない)と言われ、本当に異常なしだったのか、不安になってきました。もしかしたら、マンモグラフィーに、ちゃんと、しこりのある部分が写っていなかったのではないか?と、心配になってきました。マンモグラフィーの撮影範囲は、どこからどこまでなのでしょうか? 胸の付け根や脇の下まで撮影されるものなのでしょうか? わたしは胸が小さいのですが、小さくても、ちゃんと、しこりが気になる胸の外側が写っているものなのでしょうか? 異常なしと言われたのに気にしすぎだと思いますが、どうも悪い方に考えてしまいます。ちなみに生理2週間くらい前で、ちょうど今頃、排卵日だと思います。排卵日なのか、右胸だけが張っている感じもあります。その関係でしこりがあるのかも?とも考えたりします。すごく長くなりすみません。ご回答、よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。乳腺の張りが強い場合は、乳腺の表面がでこぼこして、しこりの様に触れる場合があります。皆様がしこりと感じても、検査の結果何も写らなければ、ご心配なさらなくて大丈夫です。マンモグラフィーは脇の下の乳腺までを含めて、見落としがないように撮影されているのが通常です。胸の大きさは問題ありません。どうしても悪い方、悪い方に考えてしまうと思いますが、もしご心配であれば、乳腺外来の先生を受診なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11967】  16年10月12日   S.A
やはり再発でしょうか? (HPNo.10046-6)

10046で質問させていただいた者です。無事2人目も授かり、妊娠出産と時間が空いてしまいましたが、2年半ぶりに市の乳がん検診に行ってきました。触診異常なし。マンモグラフィー 術側の不均一高濃度、カテゴリー3。もう一人の読影医はカテゴリー4で、再受診しました。エコーは問題なし、どうでしたか?と聞いたら、エコーしたの?と言われて、目も通していませんでした。エコー検査もマンモグラフィーもささっと見る程度で、引っかかった場所を細かく見ている感じはせず、不安です(担当医ではない方がエコーをしました)。検診の際も、しこりが気になると伝えている途中で、「これは検診で診察じゃないから答えられない」と遮られてしまい、不信感でいっぱいです。来週、以前手術をした病院に行く予定ですが、まだ1歳にもならない子供もおり、不安で寝ることもできません。やはり再発でしょうか? 術側なので局所再発になるのでしょうか? 非浸潤がんは再発リスクも少ないはずですが、温存だったからでしょうか…(術前 全摘の選択肢はなく、最初から温存でやりますと、医師に言われました)。まとまりのない文になってしまいましたが、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。乳房温存術後にマンモグラフィーをおこなうと、傷のひきつれなどで正確な診断が困難となることがあります。手術をしてくださった主治医の先生に画像をご覧になっていただき、判断を仰いでみてくださいね。検診の先生は、異常があるかないかのご判断しかできません。そのフィルムだけで診断をしなければならないので、判断は厳しくなります。ご不安なお気持ちでお過ごしになるのはおつらいと思いますが、次回の診察をお待ちくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11966】  16年10月12日   I
左胸脇近くのしこり

先日しこりが気になり、受診しました。左胸脇近くです。去年は乳腺がつまってるからと言われました。まだ授乳中です。触診し、エコーを細かくみていて、検査しましょうと言われ、針みたいなものをさしていたようです。先生は口数が少なく、「血流が悪いみたいだ、金曜日結果が出ます。」だけでした。怪しいですか?と聞いたら、うなずいているようでした。しこりは動かず、小豆のようです。1センチないくらいでしょうか。凄くおっぱいが垂れたし、子供が引っ張って吸うと伸びます。しこりが見つかったほうの乳首が少しむくんでいます。乳首が少しだけ沈みます。怪しいですよね。他の病気の可能性はありますか? 不安でたまりません。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。ご不安だと思いますが、針の検査をされたのであれば、結果をお待ちくださいね。乳がんではないことを確認するのが針の検査の一番の目的です。結果が出るまでは先生も何とも言えず無口だったのかもしれません。授乳中はミルクが乳管につまって、しこりの様に触れることがあります。ご心配と思いますが、結果をお待ちくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11965】  16年10月12日   S  
ノルバディクス服用中です

55歳の主婦です。今年2月に石灰化で乳がんを見つけていただき、手術をしました。閉経前でした。術後の検査結果は、ホルモン陽性、ハ−ツマイナス、リンパ転移なし、断端マイナスki67が30%、7ミリの乳頭腺管ガンでした。ノルバディクス、リュウプリン3か月製剤で治療中です。放射線は5週間終了済みです。知人から、遺伝子の関係で、ノルバディクスが効かない人がいるので、cyp206という遺伝子検査を受けてみるように勧められました。主治医を私は信頼しており、もし必要なら主治医からそういったお話があるのではと思っております。自分から主治医に切り出すのはいかがなものかと思います。でも、知人も私の心配をしてくれてのことなので。いかがなものでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます。治療を頑張っていらっしゃいますね。ノルバデックス内服前にCYP2D6を計測することは一般的ではありません。乳がんガイドラインでも推奨されておりません。特にご心配なさらずに内服してくださいね。主治医の先生にもご相談してみてくださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11964】  16年10月07日   A  
右胸の乳癌

43歳です。6年前から毎年、マンモとエコー検査を受けていました。6年前当初より右胸の石灰化を指摘され、MRI検査をしましたが、異常なしでした。今年は6年前から受けている病院と異なる病院でマンモとエコー検査をした際、少し気になる箇所があるとの事でマンモトーム検査をしたところ、右胸が乳がんと。非浸潤がんで初期とこのこと。ただ場所が広いので全摘出した方がいいと。これは6年前からあったという事なのでしょうか? 同じ場所をずっと指摘されているのか、詳しくわかりません。ただ大まかな場所は同じように思います。

直接画像を拝見していないので何とも言えませんが、疑問がある場合は、主治医によく伺って下さい。不安なお気持ちはよくわかりますが、幸いにも初期の段階で見つかったのですから、前向きに治療に取り組んで頂きたいと思います。(文責 須田)

 

No.11963】  16年10月07日   M  
乳がん経過観察中の卵巣摘出

お世話になります。49歳、2年前に非浸潤性乳管癌で右乳房を全摘し、無治療で経過観察中です。最近になって、左卵巣にチョコレート嚢腫(4.5センチ)が見つかり、年齢と悪性化の心配のため、摘出を勧められました。手術する病院へ転院したところ、乳がんの既往歴から、左だけでなく、両方の卵巣の摘出を強く提案されてます。今のところ不順になりがちですが、生理は月に1回(時に2回)きており、両方の卵巣摘出後の更年期症状が心配です。私の乳がんは女性ホルモン感受性ありなので、ホルモン補充は難しいと考えています。その点を婦人科の主治医に話しましたが、数か月の我慢、と言われるだけで、特に更年期症状が出たときの対応はお話されませんでした。どうしても片方の卵巣を残したいのならそうしますが・・・とはおっしゃって頂いています。そこで、教えていただきたいのですが、

1) 乳がんの既往歴があると卵巣がんのリスクはどの程度高くなるのでしょうか?
2) 乳がんの観察中、更年期症状が出た場合、皆さん、どんな治療をされるのでしょうか?
3) 症状が辛い場合、短期間のホルモン補充治療をすることはありますか? その際、短期間とはどれくらいなのでしょうか?
4) 卵胞ホルモンのみの補充では乳がんに影響が少ないと読んだことがありますが、どうでしょうか? もしそうなら、子宮摘出も視野に入れた方が良いのか、と思っています。

乳腺外科の次の診察が約1年後なので、この場をお借りしました。どうぞご回答のほど、よろしくお願いいたします。

1) 日本人が乳癌にかかる可能性は12人に1人、卵巣がんにかかる可能性は82人に1人と言われています。また、乳癌や卵巣がんになった人のそれぞれ約10%が遺伝性のがんで、遺伝子の異常が共通しており、遺伝性乳癌卵巣がん症候群といいます。これは日本人に特化したデータではありませんが、遺伝性卵巣がんの場合は、通常の卵巣がんに比べて、卵巣がんにかかる可能性が8〜60倍高くなるという報告があります。従って、貴女の乳癌が遺伝性のものであるとすれば、卵巣がんになるリスクは高くなると考えられます。
2)3)4) 内分泌療法中に、ホットフラッシュ、動悸、不安、睡眠障害等がおこることがあります。その際には、発生頻度の少ないホルモン剤に変更したり、セロトニン作動性抗うつ剤や降圧剤などの薬剤を使用したりしますが、ホルモン補充療法は再発リスクを増加させるので、一般には行いません。(文責 須田)

 

No.11962】  16年10月07日   M.T.
右胸のしこりについて

初めて相談させていただきます。37歳 出産経験なし。母方の叔母が数年前に乳がん、母親が現在卵巣がん治療中です。今年2月、健康診断で右胸(外側)に腫瘤あり/要精密検査(触診により。マンモは異常なし)と通知があり、3月初旬に乳腺科を受診しました。エコーで7mm大のしこりがあり、血流があるのが気になるとのことで、同日中に針生検を受けましたが、結果は「脂肪分の豊富な乳腺だか、著変を認めず。悪性所見認めず」とのことでした。念の為3ヶ月後に診察とのことで、6月に受診した所、5mm大に小さくなっていたため、次は1年後の検診で大丈夫ですよと言われ、安心していました。しかし、8月末くらいからしこり部分が簡単に触ることができ、なんとなく大きくなったような気がしてきました。たまに軽く痛む感じもあるのですが、悪化するようなことはあるのでしょうか? そもそも6月の受診から半年も経っていないのですが、気にしすぎでしょうか?

腫瘤が大きくなった可能性がある場合は、念のためにも受診したほうがよいと思います。乳癌のダブリングタイム(腫瘤の体積が倍になる時間)は、一般的には3〜4カ月と言われています。不安な気持ちを取り除くためにも受診してください。(文責 須田)

 

No.11961】  16年10月07日   N.I
今後の通院について

33歳、出産なしです。乳癌検診のエコー、カテゴリー3で要精密検査になり、現在も定期的に乳腺外来に通院しています。今後の事で悩んでおり、ご相談しました。2012年までの触診・エコー検診では「異常なし」でした。2013年4月、エコーでシコリ発見。その場で検診から保険診療に変わり、マンモグラフィーと細胞診が追加になりました。細胞診の結果は「良性腫瘍」。半年毎にエコー、1年毎にマンモグラフィーとエコーの定期検査を受けています。3年6ヶ月の間には、5ミリ以下のシコリも2つ増えましたが、現在も全てのシコリに変化なしです。検診からずっと診察してもらっている先生が、乳癌等の治療患者が増えた為、検診廃止と治療していない検査だけの患者は、検査延期か、転院の方向で現在動いています。

@ 今のA病院に継続診察で1年1回に延ばしてもらい、半年後の検査は、B病院で受ける。この場合、2ヵ所の病院に1年1回ずつでも保険診療になりますか? 
A 転院して半年毎に定期検査を受ける。(紹介しようとしている先生は、乳腺専門医ではなく乳腺認定医で2次病院)

@なら次回の予約、Aなら紹介状をお願いしなければなりませんが、@かAを迷っていて結論がでません。ご意見とアドバイス頂ければ幸いです。長文になりましたが、宜しくお願いします。

日本の法律では、保険の適応は病気の場合に限られますが、「良性腫瘍」でも乳腺疾患の範疇ですから保険診療になります。
地域によって医療事情が異なるので、@ A どの方法がよいかはわかりませんが、いずれにせよA病院の医師に6カ月ごとの follow が必要だと判断されているのですから、不安を取り除くためにも、どこかで診察を受ける必要があります。貴女の不安に思う気持ち、、疑問に思うことを主治医に相談して、納得のいく結論を出してください。(文責 須田)

 

No.11960】  16年09月29日   M.J.
ホルモン療法薬変更について

お世話になっております。以前に何回かご相談させていただいた者です。毎回適格でわかりやすいご回答をありがとうございます。今回は、ホルモン療法のお薬を変更したほうがいいかどうかの相談です。現在43歳です。2015年1月に右全摘手術をしたときの病理の結果は下記のとおりです。
乳頭腺管癌
切除断端 陰性
脈菅浸潤なし
浸潤がんのサイズ 1.2×1.1cm(周りに5.2×2.3cmの範囲で非浸潤がんがあり、さらに乳頭をはさんで対極にも2.0×1.9cmの非浸潤がん、その他にも微小な非浸潤がんがいくつかあったとのこと)
センチネルリンパ節転移 なし(0/6個)
核異型度 3
Ki-67 4.9%
ER 陽性(80%)
PgR 陽性(95%)
HER2 2+、FISH法で陰性

手術の翌月からノルバデックスを開始、その翌月からゾラデックスも開始しました。乳がんと同時期に見つかった子宮筋腫が大きくなっていたため、今年の6月末に、子宮全摘+両側の卵巣切除 の手術を受けました。7月の乳腺外科の診察の時から、ゾラデックスは今後不要、とのことで中止となりました。次回の診察が、10月中旬の予定ですが、次回からノルバデックスをアロマターゼ阻害薬に変更したほうがいいかもしれない、と言われました。閉経後の治療成績はアロマターゼ阻害薬のほうがいいとの結果が出ているが、絶対に変更しなくてはいけないというわけでもないので、次回までに考えてきてください、といったようなことを言われました。

1.やはりノルバデックスからアロマターゼ阻害薬に変更したほうが、再発率は低くなるのでしょうか?
2.変更の時期としては、次回(来月、ノルバデックス開始から約1年半)からというのは適切な時期でしょうか?
3.アロマターゼ阻害薬は3種類ほどあるようですが、どれが一般的なのでしょうか? 効果や副作用に違いはありますか?
4.アロマターゼ阻害薬に変更した場合、何年くらい続けるのが効果的なのでしょうか?(ノルバデックスは10年位、と聞いていました)
5.ホルモン療法開始後、少し骨密度が低下しているのですが、アロマターゼ阻害薬に変更することで、骨密度の低下がより進むでしょうか? ノルバデックスやゾラデックス使用時よりもさらにエストロゲンが低下するようなので、全体的に副作用はアロマターゼのほうが強いのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

質問有り難うございます。ノルバデックスからアロマターゼ阻害剤に変更する治療法は、治療開始時に閉経後にある方の乳癌に対する治療法です。現在はゾラデックスで閉経状態にあるものと思われますが、もともと閉経前で治療に入られたので、このままノルバデックスを5年内服することで良いと思います。従って、個別の1-5に関するご質問には回答しませんので、ご容赦下さい。(文責 鈴木)

 

No.11960-2】  16年10月17日   M.J.
ホルモン療法薬変更について(2)

お世話になっております。ゾラデックスは、3ヶ月毎に今年の4月まで使用しておりましたが、6月に卵巣を両方とも切除したため、今後は不要と言われ、現在は使用しておりません。卵巣切除したため、閉経と同じ状態なのでアロマターゼに変更と言われたのですが、違うのでしょうか? よろしくお願いします。

おっしゃるとおり、両側卵巣摘出により「人工閉経」となったことを受けて、主治医の先生が閉経後薬剤であるアロマターゼ阻害剤への切り替えを提案されたものと思います。一般論として自然閉経、人口閉経合わせた閉経状態の女性に対して、ノルバデックス5年間よりもノルバデックスから遠中でアロマターゼ阻害剤に切り替えた方が再発予防効果が強いことはよく知られておりますが、貴女の場合もこれを踏まえてアロマターゼ阻害剤に切り替えた方が再発率が低くなる可能性があります。ただしアロマターゼ阻害剤により骨密度の低下が進行する可能性が十分にありますので、その場合は6ヶ月〜1年くらいの間隔で骨密度も調べてゆく必要がありそうです。骨密度の低下が進行するようであれば骨粗鬆症の薬剤も併用するか、再度ノルバデックスに戻す必要があると考えます。どのタイミングで切り替えが良いのかは明らかでありませんので、切り替えるのであればいますぐでも良いと考えます。現在日本で使用しているアロマターゼ阻害剤は、アリミデックス(一般名;アナストロゾール)、アロマシン(同エキセメスタン)、フェマーラ(同レトロゾール)の3種類ですが、効果、副作用ともにほぼ同じと考えて良いと思われます。アロマターゼ阻害剤の投与期間も10年間とすれば5年間よりも再発予防効果がいくらか上昇する可能性はありますが、その分骨密度の低下に伴う骨折の頻度もいくらか上昇する可能性もあり、その優位は難しいところであると考えます。(文責 谷)

 

No.11959】  16年09月29日   A.S.
乳ガンの可能性

42才です。3年以上前に胸の下側(胸と胸ではないところの境目あたり)に、米粒のようなしこりを見つけました。次の日すぐに病院へ行き、触診、超音波検査をしたところ、「経験上、多分良性。また半年後に来て下さい。」と言われ、バカな私はそれから今まで受診せず放置してしまいました。あれから3年以上経ちましたが、しこりはあの時と同じ場所に、同じような米粒大で触れます。私は昔から非常に痩せ型で、胸もAカップないので、普通のサイズの方より、しこりは探しやすいと思うのですが、他のしこりはないように思います。乳頭からの分泌物もありません。もちろん近々受診しますが、乳ガンの可能性はどのくらいあるのか不安です。何かお言葉いただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

質問有り難うございます。3年以上経過して、変化のないしこりであれば、まず心配ないと思います。次回の検査で変化なければ、経過観察も不要と思われます。(文責 鈴木)

 

No.11958】  16年09月20日   M.F.
授乳中のしこりについて

29歳、3歳と8か月の子どもがいて、現在授乳中です。10代の頃から右乳にしこりがあり、22歳のときに乳腺外来にて調べてもらい、年齢、エコー的にも線維腺腫だろうとのこと。一番大きいしこりを注射器のようなものでとり検査し、結果、線維腺腫でした。それから1年に一度エコーをしてもらっていたのですが、特に異常なし。ただ、毎回エコーをしてもらっていたのですが、毎回かなり長い時間エコーをし、何枚も写真?をとっていたのが、とても不安でした。複数の線維腺腫があるみたいでした。そして出産、授乳と続き、この5年ほど検診にいけておらず、3か月ほど前に左のわきの下、といっても横乳、肋骨のあたりにしこりをみつけました。以前からあったものなのかは不明ですが、自分では気づきませんでした。大きさは2.5センチほどです。横に寝て腕をあげると、しこりの部分が浮き出るくらいです。わきの下は危険だと聞いたことがあるので、とても不安で、授乳中ですが検査にいくべきかどうか、授乳が終わった後にいくべきかと悩んでいます。また、以前右乳にあった一番大きいしこりは、かなり小さくなりました。授乳したおかげで線維腺腫は小さくなることってあるんでしょうか? よろしくお願いします。

授乳中に気付いたしこりであれば、乳がんより乳瘤(ミルクが溜まったしこり)である可能性が高いように思いますが、乳がんでないとは言い切れないので、たとえ授乳中であっても、新しく気付いたしこりであれば、検査を受けに行くことをお勧めします。“脇の下が危険”ということはありません。繊維腺腫が授乳で小さくなることはありませんが、妊娠出産を契機に腫瘤が柔らかくなって触った時にわかりにくくなることはあります。(文責 清水)

 

No.11957】  16年09月19日   FS
ランマーク皮下注射投与について

初発から6年、53歳です。3年目に腰椎、胸椎、2箇所ずつ、また肝臓に2箇所転移が見つかり、ホルモン剤をノルバデックスからアリミデックスに変更、月一回のランマーク皮下注射投与(+デノタスチュアブル)が始まりました。状態は安定しています。先日主治医から、「ランマークを毎月ではなく3ヶ月に一回の投与でも効果が出ているという発表が、学会などでも出始めており、すでに2年以上投与しているので、顎骨壊死をはじめとする副作用を考えると、今の状態では、毎月でなくてもいいのではないかと思います。」と言われ、3ヶ月ごとにしてみようか迷っていますが、私自身は、良くはならなくても、できるだけ普通の暮らしを続けることを望んでいます。この夏2年ぶりに行った骨シンチでは、胸椎のひとつはより濃くなり、新たに仙骨もうっすらと影が出ていましたが、逆に腰椎は薄い影になっていました。長い治療になりそうですので、いろいろな治療のパターンがあると思います。先生のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

勉強不足ですみません。ランマークが3か月投与で効果があるという話は知りませんでした。しかし、もう一つのBMAであるZOMETA(ジェネリックであればゾレドロン酸)は3か月と間を空けることの有効性が証明されているので、私はZOMETAに変えて3か月に一度の投与をしています。ランマークもゾメタも長期になると下顎骨壊死の頻度は高くなる印象があり、疼痛等がない骨転移の場合、投与間隔をあけるという選択肢は十分に考慮に値します。(文責 清水)

 

No.11956】  16年09月19日   M
抗がん剤や放射線治療は必要ないのでしょうか?

先日、右乳房全摘と、リンパ切除手術を受けました。以下、病理結果で、今後ホルモン治療のみの予定なのですが、抗がん剤や放射線治療は必要ないのでしょうか? よろしくお願いいたします。

病理結果は、乳頭腺管がん
大きさ1.2と0.9
核異型度2
lyあり
リンパ節転移レベル1  2個
ホルモン感受性 エストロゲン受容体ER70% プロゲステロン受容体PR50%
HER2蛋白なし
Ki-67 20%

病理所見からはKi67が20%という値を高いと判断するか低いと判断するかで、Luminal AかLuminal Bにわかれます。多くの病院は15〜20%くらいをLuminal AとBの境界にしています。Luminal Aと判断すれば、リンパ節転移2個でも術後治療は内分泌療法が勧められ、Luminal Bと判断されれば、化学療法の追加が推奨されます(主治医の先生はLuminal Aと判断しているのでしょう)。私も基本的には内分泌療法で良いと思いますが、貴女が化学療法の副作用を厭わず、将来の再発のリスクを少しでも下げたいと考えているならば、化学療法を追加するという選択肢もあると思います。リンパ節転移2個の場合の術後照射をするかしないかについても、まだ議論があるところだと思います。(私は個人的には古いガイドラインに従ってあまりお勧めしていません) この問題も含めて、主治医の先生と、そのメリット、デメリットをよく話し合って、納得のいく治療を受けるようにしてください。(文責 清水)

 

No.11955】  16年09月19日   B 
乳管癌の手術を控えております

お世話になります。東京都に住む50代の主婦です。今週末、非浸潤乳管癌の疑いで手術を控えています。実は7月に皮膚疾患の疑いで(メラノーマ)乳頭から2センチのマージンで手術をいたしました。症状は乳首のかさぶたと無色の浸出液でした。皮膚生検の結果、色素のうすいメラノーマの疑いで急いで手術になりました。結果HE染色までの結果ですが、非浸潤乳管癌の疑いが出たため、診断がかわりました。このため皮膚科から乳腺外科にかわり、今週末追加切除になりました。ここで質問させていただきます。
1) 6月に乳ガン検診で石灰化と乳腺症はあるものの心配するものではないので、また1年後といわれていました。
2) 乳頭のかさぶたのため大学病院の乳腺外科にて、乳房MRI も超音波もしましたが、ここでも問題なしでした。

このようにたまたま切ってみたら発見できたというケースは良くあることですか? また、8月のはじめに術前検査をしているのですが、あれから1ヶ月たっていても何も検査は要りませんか? センチネルリンパ節は前回の手術で検査済で、全くの陰性でしたが、1ヶ月の間に次のリンパ節に転移することはありませんか? また、HE染色までですが、先生は、今回の乳管癌はとても質のよいものでラッキーですよと言っていました。HE染色まででわかる情報はどのくらいありますか? 悪性良性の他に、病気の種類まではわかると思いますが、他にも情報があるからラッキーだとおっしゃったのでしょうか? 切除部分までは非浸潤乳管癌ですが、全部とらなければわかりません。MRI 上からは、もしかしたら全部とれている可能性もあるので、部分切除で十分でしょうと言われました。沢山の質問で申し訳ありません。お応えいただけると幸いです

診察をしたわけではないので詳しくはわかりませんが、Mailの内容から判断するとPaget病のように思われます。たまたま切ってみたらガンであったということはよくあることではありませんが、Paget病の場合は切開生検で診断をつけることはよくあることです。Paget病であれば、ゆっくり増殖するガンなので、1ヶ月で進んでしまうということはありません。Paget病であれば、HE染色のみで診断がつき、おとなしいガンであるということもわかります。(文責 清水)

 

No.11954】  16年09月19日   M 
乳がんステージ4の診断を受けました

8月24日に母が倒れて、救急車で運ばれたところ、乳がんステージ4と診断を受けました。骨、肺、肝臓に転移があるようです(脳にはなかったようです)。母は2年以上も自覚があったにも関わらず金銭的な問題と家族に心配をかけたくないとの思いから乳がんを隠していて、病院に運ばれた時には左胸の乳首まで溶けてなくなっていたようです。ネットで探しても、そこまで症状を進ませている患者さんの情報が見つからず、母はどうなってしまうのかと不安です。すぐに抗がん剤の治療が始まりました。25日に右胸の首あたりから何かを埋めこみ、その場所から26日にド セタキセルを投与しました。27日に肩の痛みが出ました。本人は筋肉痛みたいな感じと言っていましたが、夕食後のロキソニンを飲んで効いてくるまでのおよそ30分間、「あー!あー!」と声をあげるほどの痛みでした。温パックをもらって肩にあてると多少は違うようでしたが、それでも声をあげていました。また、右足の膝から下に痛み、しびれが出ていました。さすると少しやわらぐようでしたが、これも「いたたたた」と声が出る感じでした。また、左わき腹のあたりに本人は「差し込みがきた」と表現する痛みがくるようです。今は痛み止めは粉末状の「オキノーム」カプセル入りの「オキシオコドン」「ロキソニン」「ボルタレン」これらをすべて使っています 。母の具合はどんな感じなのでしょうか? ご返信よろしくお願いいたします。

抗がん剤の副作用で、投与後筋肉痛のような痛み、しびれがでることがよくあります。また、治療に反応して痛みが出ることもあります。多くの場合、長くは続きませんので、ご安心ください。 これからは進行が少しでも遅くなるように、いろいろな治療が続きますが、副作用も様々なものが予想されます。予測困難な場合もありますが、少しでも負担が軽くなるよう担当医は配慮してくれるかと思います。(文責 加藤)

 

No.11953】  16年09月19日   H  
今後の治療について

現在ホルモン療法をしていますが、一年半はこちらでみますが後は開業医に戻って下さいと言われました。開業医は小さな病院で、マンモグラフィがあるだけです。この先の検査などに不安を覚えます。ここでの診察を希望するなら、主治医はなく毎回違う医師で、非常勤の医師にもなると言われました。手術を終えたばかりで、こんなにも早く病院を戻されるものですか? ステージVb、全摘で、数ミリの腫瘍が残っていました。

病院によって対応が異なります。「@ずっと(長期間)フォローアップ可能 A比較的短期間で他院(開業医やクリニック)へ行かなければならない」 に分かれます。最近は医業も分業化が進み、Aの病院が増えてきています。受診者の方々からすれば、おっしゃるように@を希望される場合がほとんどであると思います。ただ、これは病院の方針として決まっていることが多く、なかなか変えることは難しいかもしれません。また@の場合でも、「 A)ずっと主治医が変わらず担当する B)主治医は決まっておらず、毎回担当医が変わる」とに分かれます。これも方針が決まっている場合が多く、Bは心細く感じる方も少なくありません。治療前に確認できればよいのですが、そこまでされる方は少ないでしょう。今回のように手術後突然説明を受け、困惑される方が多いようです。しかし@-Aが望ましいと思っている医師も、あまりの多忙ぶりに頭を抱え(特に受診者が殺到する医師)、@-BやAにせざるを得ない状況におかれることも多々あるでしょう・・・。乳がんの術後は思ったより多くの検査を必要としません。開業医やクリニックでのフォローは待ち時間が少なく、診療時間にゆとりを持てることもあり(かならずしもそうとは限りませんが)、大病院の3時間待ち1分診察より多くの長所もあろうかと思いますので、選択肢の一つとしてお考え頂ければ幸いです。(文責 加藤)

 

No.11952】  16年09月14日   T  
こんなに待っても大丈夫でしょうか?

ご相談させて下さい。8月2日にマンモグラフィーで要検査になり、翌3日に乳腺外科を受診しました。触診でしこりを触知、「しこり1.6センチ、エコー上リンパ転移見当たらず」と診断を受けました。12日にマンモグラフィー、MRI、超音波エコー、針生検査を受け、25日にCT、骨シンチを受け、9月2日に結果が出ました。ステージ1の浸潤性乳管癌、しこり1.8センチでした。サブタイプがHER2陽性、ホルモン受容体陰性のHER2タイプ、術後化学療法とハーセプチンという標準治療になるとの事。全摘する予定ですが、手術が10月17日と1か月半先で、せっかくリンパ転移なしの状態なのに、待ってる間に転移しないかと不安です。抗がん剤治療もハーセプチンもしっかり治療して、頑張る覚悟は出来ています! こんなに待っても大丈夫でしょうか? よろしくお願いします。52歳です。

Tさん ご質問ありがとうございます。私のお返事で心配が減れば嬉しく思います。現在の状態は1.8cmのHER2タイプ浸潤性乳管癌の手術前ですね。手術まで1ヵ月半のお時間がさぞご心配と思います。残念ながら大丈夫とも大丈夫で無いとも言い難いと考えます。治療に対して前向きのお気持ちを維持して、お待ち頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11951】  16年09月14日   K
左乳房にえくぼがあります

現在、左乳房にえくぼがあります。10年以上検診に行っていなかったのですが、えくぼが気になり、先日乳ガン検診で、触診、マンモグラフィ検査を受けました。口答では、しこりがある。画像の説明では、放射線状になっているので、要精検と言われました。本日電話があり、なるべく早く検査に来てくださいとの事で、5日後に予約しましたが、不安です。またリンパ節に時々違和感を覚えるのですが、転移でしょうか?

Kさん ご質問ありがとうございます。触診、マンモグラフィで精密検査が必要と言われ、ご心配と推察致します。しかし5日後に精密検査の受診があるのですから、その精密検査をお待ち頂くのが良いと思います。違和感と転移が必ず一致するわけではありません。ご心配は尽きないと思いますが、予約された施設での精密検査が現時点では最善と考えます。(文責 斎藤)

 

No.11950】  16年09月14日   T.S.
精密検査不要

48才、身内に癌にかかった人はいません。8月の乳がん検診の結果は、「視触診 異常なし、超音波 異常なし、マンモグラフィー 左局所的非対称陰影 腫りゅうの可能性のある陰影あり。総合的にみて精密検査は不要。」という結果でした。自覚症状なしです。精密検査なしで、1年もほおっておいて良いのでしょうか? とても心配になったので相談しました。よろしくお願いいたします。

T.S.さん ご質問ありがとうございます。私のお返事で心配が減れば嬉しく思います。マンモグラフィで腫瘤の可能性のある陰影を認めましたが、超音波検査では異常なしの結果だったのですね。腫瘤(しこり)の発見は超音波検査の方が優れていると報告されています。このため総合的に精密検査不要になったのだと思います。現時点でのお胸の触診状態をご自身でご記憶頂き、定期的に自己触診して1年間変化が無ければ、1年後の検診で良いと考えます。ご自身の触診で変化があれば、その時に診察をお受け下さい。(文責 斎藤)

 

No.11949】  16年09月10日   F
肝臓、肺への転移

乳癌と診断され早2年、ステージ4と宣告され、転移もしているから手術もできなく…昨日59歳の母親が朝から息苦しい状態が続き、救急車を呼んで通院している病院に運ばれました。ホルモン治療、抗がん剤といろいろやってきましたが、抗がん剤の強いのもやりました。CTの結果、肝臓、肺に転移していると…。2ヵ月前にとったCTにも肺に影がありました。はじめは息苦しさは抗がん剤の副作用からきているとの話でしたが…。担当医師に呼ばれ、一度抗がん剤治療はやめ、息苦しさをとる治療に専念すると言われました。その後抗がん剤をやるのかは、また話し合いましょうって言われ…ぶっちゃけどうしていいのかわかりません。抗がん剤治療をやめたら、最悪のケースも考えないといけなくなりますよね? このままなにもできないのでしょうか?

既に聞かされておられるとは思いますが、ステージ4の乳癌とは「乳房に発生した乳癌が局所療法で手の届く範囲を超えて広がった状態」で、『手術が出来ない』のではなく『手術をしても根治につながらない』状態であり、既に初診時の2年まえにはすでにそういう状態だったということです。このステージの方は、3~5年以内に命を落とされることが多く、10年生存される方は極めて稀で10%以下でしかありませんが、内分泌治療や化学療法(癌の全身治療)が上手く当たった場合に、副作用が無く続けられた方に限られるのですが、なかなかそういう方にはお目に掛かることは有りません。癌の全身治療は、効果の有る限りは続けて良いのですが、強い副作用が生じる場合が有り、癌よりも先に患者さんの体調を著しく損なうことになると良くない(場合によると命にかかわる)ので、慎重にしなければならない場合が有ります。この場合はそのような状況と考えられますので、主治医の先生とよくご相談頂いて今後のことを決められたら良いと思います。(文責 久保内)

 

No.11948】  16年09月10日   T  
乳輪のデキモノ

42歳、出産経験1回(6年前)、授乳は1年半位です。2週間前に両方の乳頭から黄色の分泌液があり、慌てて乳腺外科を受診し、触診とエコーをして頂き、問題なしでした。9ヶ月前に検診でマンモをしている為、受診時にマンモはしませんでした。まだ受診から10日ほどですが、受診時にはなかった症状が出て、たいした事はなさそうに感じながらも、母と母の姉が乳癌になったことがあり(再発なし)、家族性の可能性もあるとの話を聞いたりしたので、不安になり、質問させて頂きます。右乳輪内の右上脇側に直径2-3mm位のデキモノ(ニキビ?オデキ?イボ?腫瘍?)が出来ました。見つけた日は、パンパンに腫れた水ぶくれの様な球の半分が出ている感じで、中に白いものが見え、手前に血管が見える感じでした。表面はツルツルでした。見つけてから4日経ち、少ししぼんだ感じで、赤いポツっとした感じになってきました。特に痛みや痒みはありません。分泌液も出ませんでした。(潰したりもしていません) 1ヶ月以内に、長湯の後に2回位、乳輪のモンゴメトリー腺から白いニュルニュルが出たりはしていて、これはネットで調べると皮脂らしく、気にせず洗っていましたが、今回のデキモノからは白いニュルニュルは出てきておらず、別物な雰囲気です。エコーで大丈夫だったばかりで、乳輪のデキモノが癌などの怖いものである可能性はあるのでしょうか? 受診したばかりで、ただのニキビな感じもして、再受診するのをためらっています。よろしくお願いします。

乳輪内には皮膚成分・モントゴメリー腺・僅かな乳管成分等様々な成分が有り、比較的複雑ですが、意外に疾患は少ないようです。記載されている内容からは炎症性のものを想定したいところですが、直接拝見してみないと正確な診断はつきません。是非乳腺外科に受診してください。乳輪部から乳癌が出来るかということについてですが、非常に症例が少なく30年近く乳腺外科をしていて2例の経験が有ります。いずれも乳輪の硬結(部分的に硬い)を触れただけですが、マンモグラフィ・エコーでは所見が有りません。診断が付かず患者さんの希望でその部の切除生検をして漸く診断できましたが、いずれも1cm以下の極めて早期の乳癌でした。乳輪皮膚の色調の変化や、液体の貯留等は伴わないので、ここで言われている病変とは異なるとは思います。(文責 久保内)

 

No.11947】  16年08月26日   M.S. 
肺/肝臓転移疑い

68歳の母について相談させていただきます。3年6ヶ月前にトリネガ両側乳がんの全摘手術を受け、抗がん剤治療後、3ヶ月ごとに腫瘍マーカー検査、半年ごとにマーカー+造影CT検査を受けて経過観察しておりました。先日受けた定期検査で、腫瘍マーカー値はこれまで通り異常なし、しかしCT画像の肺と肝臓に影があると、医師より告げられました。肺の影は小さく、医師はそれほど重要視しているようには見えませんでしたが、肝臓については現時点でその影が腫瘍かどうかも判断できない状態とのことで、3ヶ月後にもう一度CT検査をしてどうなるか様子を見ようと言われました。この医師の判断は適当と考えられますか? 現時点でエコーやMRIなど追加の検査を受ける必要はないのでしょうか? 乳がんの転移巣は、見つかるのが早くても遅くてもそれほど予後に影響はないとよく聞きますが、三ヶ月もただ待っているだけでいいものかと、とても不安に思っています。CTに写った影が悪性の腫瘍でない場合もあるのでしょうか。ご意見をお聞かせいただけたら幸いです。

造影CTで転移か判断できない病変は、経過観察になります。3か月は妥当です。ある程度、間隔をあけなければ判断はできません。MRIを追加しても、大きな違いはありません。何より、「乳がんの転移巣は、見つかるのが早くても遅くてもそれほど予後に影響はない」ので、余計な検査は行いません。転移が確認されれば、選択の余地なく抗がん剤治療が始まります。3か月の違いで、内容や治療の結果が変わるわけではなく、しっかり見極めてからでも手遅れになる訳ではないのです。脂肪肝や血管腫といったがん以外の可能性ももちろんあります。(文責 緒方)

 

No.11946】  16年08月26日   Y.T. 
経過観察で良いのでしょうか?

37歳、出産、授乳経験ありです。8月に、健康診断で乳腺エコーをしました。結果、左線維腺腫となりました。今回で3年間続けて検査をしてきて、去年は異常なしだったのに、今年はそういう結果となりました。電話で大きさを聞いた所、約8ミリとの事。また、明らかに良性なので、1年経過観察で良いと言われました。1年で8ミリになってしまったのに、本当に経過観察で良いのでしょうか? 時々、チクっとした痛みもあります。

良いです。痛みは、線維腺腫と関係ありません。(文責 緒方)

 

No.11945】  16年08月26日   T
再発後のタモキシフェンについて

67歳、発病10年目です。よろしくお願い致します。
2006.12月、左乳房切除・腋窩リンパ節郭清。硬癌、腫瘍径3.2×1.7、乳管内進展著明、リンパ節転移なし。NG1、HER2(0)、断端(-)、PRのみ(+)、MIB1(-)。アリミデックス開始。
2010.6月、PET-CTにより左腋窩リンパ節に局所再発。リンパ節1個摘出。フェマーラに変更。
2015.1月、フェマーラ終了。
2015.11月、左手術アト付近にしこり発見。12月、皮ふ転移2個、摘出。タモキシフェン開始。

長くなりましたが、昨日婦人科検診(毎年)の結果、タモキシフェンの作用により子宮の壁が厚く(7ミリ)なっている。今後も影響を受け肥大していけば、最悪ガン化もあり得るとのこと。子宮体癌の細胞取得検査は、出産経験のない私にはかなり難しい。3センチ位で安定していた筋腫も大きくなっているそうで、婦人科医師は、この際卵巣を含め子宮を摘出してしまえば、今後、何の心配もなく乳がん治療を受けられるという事でした。次回に、一応体癌検査ができるか試してみるが、摘出についても検討してきて下さいと言われ、戸惑いながら帰宅しました。私としては、主治医に様子を見ながらタモキシフェンを続けるか、他の薬に変更可能か意見を聞きたく思っています。先週、60日分を貰った所ですが、その前にご教示頂けると大変有難く思います。
乳がん自体がこれで納まるのか不安でしたのに、又新たながんと向合うのかと・・・乳がん自体の検査もその前に必要でしょうか? その結果、無治療にするという選択肢は無謀でしょうか? 子宮摘出も理解はできるのですが、循環器内科(発作性心房細動)の治療も受けている為不安があります。それでも2つ目のガンに対しては、予防策を取っておくべきか、ご教示何卒よろしくお願い致します。

タモキシフェンによる子宮体癌のリスクは、さほど高くありません。一般的には、定期的に検診を受けつつタモキシフェンの治療を継続できますが、Tさんのように検診自体が困難な場合は、悩みどころです。次回の婦人科受診までに、乳癌の主治医とご相談いただくのが、最優先の選択肢です。また、初回のホルモン感受性が、PgRのみ陽性というところが、気になります。ER-/PgR+は、一般的にあり得ない状況で、ほぼホルモン感受性陰性と考えるべきです。その後の、リンパ節や皮膚のホルモン感受性を調べられていると思われますので、感受性の再確認は必要です。フェマーラ内服の5年間は、再々発はなかったことから、感受性は陽性の気がしますが・・。そうであれば、ホルモン療法で治療を進めていくことになります。閉経後のホルモン療法は、複数あり、タモキシフェンとトレミフェン以外は体癌や筋腫の増大をきたすことはありません。実際、タモキシフェンに効果があるかどうか、新しいしこりが出るまでわからない〜出れば効いていないから変更、出なければ使い続ける〜わけですから、子宮をとるのも選択肢の一つですが、フェマーラを再開するとか、他のホルモン治療を試みるとか、手術を避け、体に負担をかけない選択もありです。また、放射線治療も選択肢に入ります。というわけで、乳癌の主治医とご相談いただくのが、最優先の選択肢です。(文責 緒方)

 

No.11945-2】  17年02月11日   T
再発後のタモキシフェンについて/新たに肺に影

昨夏、No.11945にて質問させて頂き、丁寧なご回答を有難うございました。新たな展開となりましたので、再度よろしくお願い致します。現在68歳、術後11年目です。前回の皮ふ転移摘出後の検査では、ホルモン感受性は調べていないとの事で、不明です。又、子宮体癌の検査結果は、16年07月時点で問題なく、次回は1年後で良いという事でした。その為、私の意思でタモキシフェンは少し休薬してみたいと主治医の先生に申し出、無治療となり、血液検査等の通院は継続してきました。今回、循環器クリニックで受けたレントゲンの確認の為、CT検査を外科主治医に依頼しました結果、肺野:左下葉に小結節影(+)、縦隔肺門リンパ節腫大(−)、左腋窩リンパ節やや増大? の所見報告をうけました(循環器クリニックの指摘箇所は問題なし)。遡って検索された所、15年7月のCT画像に既にごく小さい影が認められるとの事でした。 大きさは、まだ1p位で小さい為、2ヶ月後まで経過観察した上で対応しましょうと言われました。長くなりましたが、ご教示頂きたいのは
1)皮ふ転移は局所再発ではなかったという事ですね。初発から11年目を迎えている現在、この様な状態で今後ズルズルと進行度合いが加速していくのでしょうか? 
2)これまでの再発位置が全て左創部周辺の為、左肺の影もやはり転移の可能性が高いと思いますが、乳がん由来のもので無いこともありますか?
3)循環器や子宮の状態を維持しながら、今後の治療をどの様にすべきなのか不安を感じています。いくつかの選択肢をご教示ください。

よろしくお願い致します。

ホルモン感受性を調べないのは、転移ではなかったからでしょうか? 転移なのに調べなかったのでしょうか? そこを確認し、転移であれば、残った標本から感受性を調べることをお勧めします。肺の単発結節は肺癌のことも考えられ、当院であれば呼吸器外科に依頼し、VATSという方法で肺結節を摘出、または少なくとも気管支鏡で針生検、細胞診などをして診断します。肺癌であれば内分泌療法は無効ですから。(文責 石山)

 

No.11944】  16年08月17日   N
乳がんの2bと診断されました(2) (HPNo.11943-2)

No11943で質問した者です。ご回答ありがとうございます。胸の痛みが進行と関係ないと聞き、とても安心しました。陽子線も必要ないのですね。素人がネットで情報を集めている中で取捨選択がわからず、今回教えて頂いてとても助かります。すみませんが、もう少し質問させて頂いてもよろしいでしょうか。
1) 検査した病院では、グレードが3で進行が早く顔付きが悪い癌だと言われました。検査から手術まで1ヶ月半ほど期間が空いていますが、その間進行状況は大丈夫なのでしょうか。一般的には乳がんは進行が遅いと聞きますが、グレードが高いということで気になっています。
2)ki-67が30%ということで、検査の病院では抗癌剤の使用をすぐにでも勧められましたが、セカンドオピニオンの病院では、「手術後の数値でルミナールaになることもある。30%はそんなに高い数値ではない。」と言われました。病院によって意見は違うものなのでしょうか。また、オンコタイプdxという検査をしてもらった方がいいか迷っています。
3)このしこりは5〜6年前からあり、お医者さんにも診せていましたが、当時は心配ないとのことで、そのままになっていました。グレード3でもそんなに放っておいて遠隔転移がないというのは有り得るのでしょうか。また、色々調べたところ、グレードが高いとki-67の数値も高いとありましたが、関係はあるこですか? 予後がとても心配になります。

前回の質問に加え、更なる質問で申し訳ありません。手術まで待つしかなく、不安な気持ちだけが先走ってしまっています。 先生も多忙な中、すみませんがよろしくお願い致します。

1) グレード3といっても核グレードなどいろいろなグレードの種類もあり、それでも大きな病院では2,3か月待ちが当たり前で、その程度では再発などのリスクに変わりがないという研究もあります。
2) Ki−67の基準値にもばらつきがあり、世界中で異論があります。7%以上がリスクとか、14%以上が高リスクとか、20%以上が高リスクとか、いろいろあります。検査法やカウントの仕方にもばらつきがあり、あくまでも診療の目安ですから、30%というのは高いとは言えないということもあります。
3) 当院でも患者さんがよく言うのですが、前からあるからといっても本当に同じものを見ているのか不確実ですし、グレードもKi-67はあくまでも悪性度の目安ですから、術後の病理診で全然違う結果になることもあります。癌はすべての部位で同じではないので、全体像に慣れた病理医が診断することで、最終病理診断が決まるので、今から心配しても取り越し苦労になることもあります。 (文責 石山)

 

No.11943】  16年08月13日   N
乳がんの2bと診断されました

初めてご相談させて頂きます。よろしくお願いします。37歳女性です。7月初旬に乳腺外科にてバネ式の生検検査とマンモグラフィーをし、乳がんの2bと診断されました。腫瘍の大きさは4cm リンパに転移あり(多分ひとつ) 核グレード3(6点) 亜型(浸潤性) ki-67 30% エストロゲンレセプター陽性 プロゲステロンレセプター陽性 HER2 1+ ルミナールB とのことです。

1) 最初の病院では、抗癌剤が効くタイプなので、最初に半年間抗癌剤をしてから手術と言われましたが、セカンドオピニオンで行った病院では、まず全摘とリンパ郭清の手術をしてから病理検査後に抗癌剤をするかどうかを考えるとのことでした。手術は今月末の予定です。わたしなりに調べてみましたが、手術で全摘後1ヶ月後くらいからホルモン療法と放射線、場合によっては抗癌剤ということになるのでしょうか?
2) また、陽子線や重粒子といった治療法も有効なのでしょうか? 
3) しこりのある乳房がすごく痛みます。ズキンズキンと波打つようだったり、針を刺すような痛みで、痛み止めを飲んでもあまり効きません。こういった時はどのようなことが考えられるでしょうか。癌が進行しているのではと、とても心配になります。

お忙しい中恐縮ですが、教えて頂けるとありがたいです。 よろしくお願いします。

1) 創傷治癒や感染の有無、最終病理診断の判明の時期にもよりますが、そのような予定です。
2) 再発予防としては普通の電子線照射で十分だと思います。
3) 痛みと病気の進行とは無関係と思いますが、組織診の影響や検査後の出血なども考えられます。痛みの発症時期との関係など確認してみてください。(文責 石山)

 

No.11943-2】  16年08月17日   N
乳がんの2bと診断されました(2)

No11943で質問した者です。ご回答ありがとうございます。胸の痛みが進行と関係ないと聞き、とても安心しました。陽子線も必要ないのですね。素人がネットで情報を集めている中で取捨選択がわからず、今回教えて頂いてとても助かります。すみませんが、もう少し質問させて頂いてもよろしいでしょうか。
1) 検査した病院では、グレードが3で進行が早く顔付きが悪い癌だと言われました。検査から手術まで1ヶ月半ほど期間が空いていますが、その間進行状況は大丈夫なのでしょうか。一般的には乳がんは進行が遅いと聞きますが、グレードが高いということで気になっています。
2)ki-67が30%ということで、検査の病院では抗癌剤の使用をすぐにでも勧められましたが、セカンドオピニオンの病院では、「手術後の数値でルミナールaになることもある。30%はそんなに高い数値ではない。」と言われました。病院によって意見は違うものなのでしょうか。また、オンコタイプdxという検査をしてもらった方がいいか迷っています。
3)このしこりは5〜6年前からあり、お医者さんにも診せていましたが、当時は心配ないとのことで、そのままになっていました。グレード3でもそんなに放っておいて遠隔転移がないというのは有り得るのでしょうか。また、色々調べたところ、グレードが高いとki-67の数値も高いとありましたが、関係はあるこですか? 予後がとても心配になります。

前回の質問に加え、更なる質問で申し訳ありません。手術まで待つしかなく、不安な気持ちだけが先走ってしまっています。 先生も多忙な中、すみませんがよろしくお願い致します。

1) グレード3といっても核グレードなどいろいろなグレードの種類もあり、それでも大きな病院では2,3か月待ちが当たり前で、その程度では再発などのリスクに変わりがないという研究もあります。
2) Ki−67の基準値にもばらつきがあり、世界中で異論があります。7%以上がリスクとか、14%以上が高リスクとか、20%以上が高リスクとか、いろいろあります。検査法やカウントの仕方にもばらつきがあり、あくまでも診療の目安ですから、30%というのは高いとは言えないということもあります。
3) 当院でも患者さんがよく言うのですが、前からあるからといっても本当に同じものを見ているのか不確実ですし、グレードもKi-67はあくまでも悪性度の目安ですから、術後の病理診で全然違う結果になることもあります。癌はすべての部位で同じではないので、全体像に慣れた病理医が診断することで、最終病理診断が決まるので、今から心配しても取り越し苦労になることもあります。 (文責 石山)

 

No.11942】  16年08月13日   K
今後の治療について(3)(HPNo.11923-3)

ご回答有難うございました。早速ですが、乳房温存手術の整容性維持のために、手術中の病理組織学的断端検索をきちんと行っている病院は、具体的にどちらの病院があるか、教えていただくことは可能でしょうか。ネットで検索いたしましたが、よく分かりません。神奈川在住でなく恐縮ですが、東京都内の出来れば西部では無く、北部東部を希望しております。もしご存知でしたら、宜しくお願い申し上げます。

大学病院であれば一般に行っているはずですが、それ以外では常勤の病理医がいないと難しいと思われます。また、非常勤で病理医が行う施設も考えられますが、それぞれホームページに記載されていると思います。間違いないのは癌研有明病院でしょうか?(文責 石山)

 

No.11941】  16年08月11日   M.S. 
ステージW(HPNo.11934-2)

No.11934の手術の件で相談させて頂きました。手術の件は、これから主治医と相談していきます。以前、主治医に、今後の治療で 「肝臓と骨の転移で、放射線の治療があるのか?」を聞きましたら、私の場合はやらないと言われました。ステージWは、手術も放射線の治療もなく、ただ延命だけの治療なのかと、悲しくなりました。原発巣を手術して肝臓の癌が消えたら、肝臓に対してケモセラピーの治療は出来るのでしょうか❓ 調べたら、そのような治療をした例が書いてあったので、私もやりたいので、質問させて頂きまました。長く生きて行きたいので、とにかく出来る治療があれば、やりたいのです。仕事も休職中です。生活していくためにも仕事復帰したいのです。宜しくお願い致します。

骨転移でも疼痛や骨折の可能性があれば、放射線療法も行います。肝臓の転移に対してもいろいろな化学療法なども行われています。効果の程度は施行してみないとわかりませんが、諦める段階ではないと考えます。(文責 石川)

 

No.11940】  16年08月11日   Y 
今後の治療について

相談よろしくお願いします。病理結果は以下の通りです。
腫瘍1.3×1×1p f ly1 v0 リンパ転移なし グレード1 ER:20% PgR:陰性 HER-2:陰性  Ki67-10%
悩んでいるのはER20%しかないことです。今後ホルモン療法だけでいいのでしょうか? 再発率、生存率が気になります。よろしくお願いします。

StageT(腫瘍径1.3×1×1p、リンパ転移なし)、グレード1、ER:20%、PgR:陰性、HER-2:陰性、Ki67-10%なら低悪性度となり、化学療法できなくはないですが、普通はホルモン療法だけとなると思います。(文責 石川)

 

No.11939】  16年08月09日   K 
今後の治療について(2)(HPNo.11923-2)

No.11923で質問したものです。ご回答有難うございました。PETとPEMでも調べましたが、やはり病変は見えませんでした。生検前のマンモグラフィーでも、病変は見えず、エコーのみで確認できるとのことです。生検で採取した組織5本全てに非浸潤癌のみが見られ、ほぼ99%非浸潤癌でリンパ節転移もないだろう、と言われました。大き目の一部切除手術(生検の針跡から乳頭にかけて60度程度の扇型)が嫌であるのならば、ガンのサブタイプがルミナールA、ホルモン受容体であるため、@手術しないで慎重に経過観察し、見えるようになったら手術(少数派の意見)、A手術をしないでタモフェキシンを服用する、B放射線治療(しこりが目に見えるようになった際の手術で温存が難しくなるのでお勧めしない)、といった方法も考えられると担当医に言われました。また前の病院で渡されたメモにはki67 10%とありました。以下、質問です。

1. 元々(病変が見えなくなる前)は当然手術を受けるつもりでしたので、@の方法で局所再発?で、しこりが見えるようになって最小限の切除で済ませられたら、という気持ちがありますが、浸潤癌となり、遠隔転移の可能性が発生してしまいますか?
2. Aの方法は局所再発、対側の発症に加え、遠隔転移防止にも有効でしょうか?
3. 温存手術では放射線治療が標準治療だと思いますが、今回の場合、タモフェキシンの服用とどちらが再発防止に有効でしょうか?
4. そもそも今回の場合、局所再発が無ければ、遠隔転移も発生しない、局所再発で浸潤癌となれば、遠隔転移の可能性が出てくる、という理解で宜しいでしょうか。
5. 取り敢えず、Aの手術無しでタモフェキシンを服用して、副作用が苦痛でなければ服用を継続し、苦痛であれば手術を検討しようかと思っておりますが、やはり先生は手術による切除が第一に必須とお考えでしょうか?
6. 病変位置についてですが、生検をした前の病院の医師ならば、感覚、記憶等で、もう少し限定して切除部分を小さくできる可能性はあると思われますか? (マジックで乳房に病変位置を記した写真等あるか問い合せましたが、無いとの回答は頂いています。) 切除を小さくでくきるのであれば、前の病院に戻るという選択肢もありますが、病変位置を特定する資料作成せずにしこりを全て採取していまった医師に手術を任せて良いものか心配です。またはその医師なりの考えがあり、意図的に行ったと考えることはできるでしょうか。

以上、長文で申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

1. 浸潤癌となり遠隔転移の可能性が発生する危険が増します。
2. 局所再発、対側発症、および遠隔転移の防止にも有効の場合がありえますが、高い確率ではないと思います。
3. 私は放射線治療の方がタモフェキシンの服用より有効と考えています。
4. 局所再発が無ければ遠隔転移も発生しない、局所再発で浸潤癌となれば遠隔転移の可能性が出てくる、という理解でいいと思います。
5. 私はもともとは乳腺外科医でもあり、手術による切除が第一選択と考えています。
6. 生検をした前の病院の医師でも、病変位置については感覚・記憶等ではあやふやで信頼がおけないと考えます。前の医師も彼なりに最善の手を打とうとしたのだと思います。手術中の迅速病理組織所見を参考にして行うのが、安全で切除部分を小さくできる方法と思います。(文責 石川)

 

No.11938】  16年08月09日   K 
体外受精(HPNo.11927-2)

たびたびのご相談申し訳ございません。乳がんの再発率は高いと聞きます。体外受精を決心し、現在治療を進めておりますが、妊娠することで再発リスクは跳ね上がると言われました。体外受精と同時進行でがん検診を受け、早期発見に努めたいのですが、もしも仮にがんを見つけた場合、どのようになるのでしょうか。また乳がんと体外受精の両方に精通しているお医者様はいらっしゃるのでしょうか。

がんを見つけた場合、根治的治療を目指すのが基本だと思いますが、どの治療を行うかは貴方と主治医との相談になると思います。早期に発見できれば、妊孕性を温存した治療法を行える可能も高くなります。体外受精は産婦人科医の担当であり、乳がんは主に外科が担当するので、両方に精通している医師はまず皆無と考えたほうがよさそうです。(文責 石川)

 

No.11937】  16年08月09日   K 
小さなしこりと今後の治療について

4年半前に乳がん温存手術をしました。現在49歳です。ステージ1、グレード1、ER70%、PGR70%、HER2 1〜2+ fish法で増殖幅なし Ki67 20% しこりの大きさは9mm、センチネルリンパ生検でリンパ転移無しです。放射線治療をし、リュープリン2年。現在はタモキシフェンのみ服用中です。手術の1年半後(約3年前)に脂肪幹細胞の注入の再建をしました。1か月程前にとった胸の部分(胸壁)に小さなしこりを見つけました。今週エコーの予定です。針生検はしなくてよいのかと聞くと、それは大袈裟だと言われました。

1) エコーのみで再発かどうか判断ができるのでしょうか?
2) 針生検は何センチになったらできますか?しこりが小さすぎるとできないのでしょうか?
3) エコーで問題なしとなった場合、経過観察となるのでしょうが、どのような間隔で、どんな検査を行っていくのが一般的なのでしょうか?
4) 再発の場合は、どのような治療になるのでしょうか?

回答よろしくお願いいたします。

1) 腫瘤が小さいと難しいですが、ある程度は悪性かどうか判断できると思います。
2) 針生検にもいろいろな針(方法)があります。わたくしは5mm大が目安と考え施行しています。しこりが小さすぎると、吸引法で数個は採取しないと不正確な診断(偽陰性)になることが懸念されます。
3) ふつうは経過観察となります。一般的にはエコーで大きさ、形、硬さの変化を見ていくことになります。
4) 再発の場合は、おそらく腫瘤切除後、化学療法が主となると予想されます。(文責 石川)

 

No.11936】  16年08月02日   K 
今後の治療について

現在40歳。出産、授乳経験者です。半年前に左の1つの乳腺から赤い分泌物があり、産婦人科にある乳腺科を受診。マンモとエコー、分泌物の検査で、乳腺症との診断を受けました。2ヶ月前から、左乳房とくに乳首に痛みを感じ、1ヶ月前に左乳首のすぐ上にしこりを発見。今度は外科の乳腺科を受診。マンモ、エコー、触診をしましたが、「診断が難しい。3ヶ月待つか、すぐに検査をして白黒つけるか…。」と言われ、すぐにコア生検を受けました。マンモでは、全体が白っぽく判断が難しい。エコーでは、境界線がハッキリしない丸っぽい黒いものあり。大きさ1*5センチ。触診でしこりを絞るが、分泌物なし。しこりを触ると痛みあり。大きさ、痛みは、生理とは関係なし。2週間後の結果では、良性腫瘍。炎症からのしこりということで、放置しておいていいとのこと。「痛みがあるので、日帰りでの除去手術も可能です。」ということで、なんだか鼻で笑われたように終わりました。良性で安心はしたのですが…。最近、左の肩から鎖骨下に腫れがあり、それも先生に相談したのですが、気のせいと、触りもしてくれませんでした。やっぱり、自分の体のことだから心配だし、身内がみんな癌でなくなっているから不安です。切除した方がいいのか? 他の病院に行った方がいいのか? 意見を聞かせてください。

針生検で良性とのことですので、経過観察が一般的と思います。しかし、どうしても症状が気になって、不安につながるのであれば、切除により、すっきりしてしまうのが良いと思います。メスいれることになり、多少の変形が残る場合もあるので、あなたにとって、どちらが良いかで判断してください。(文責 徳田)

 

No.11935】  16年08月02日   M.S. 
ダイエットサプリメントについて

よろしくお願い致します。39歳です。昨年秋に、右胸全摘→ホルモン治療しています。ステージ1、センチネルリンパ節転移なし、悪性度グレード1、ホルモン感受性ER++,(8)PR++(7)。ハーセプチン0。ki67 42.3%。術後はホルモン治療だけです。ゾラデックス三カ月に1回注射約二年の予定。タモキシフェン毎日服用、約10年の予定。ホルモン治療中は太りやすいと聞いて、毎日ウォーキングや、食事に気をつけていますが、補助的に、糖質吸収などを抑えるダイエットサプリメントを併用したいと思っています。ギムネマ、ファビノール、キトサンは、一般的に併用しても問題ありませんか? 主治医と話すのはもちろんですが、あまり食事療法やサプリメントには積極的ではないようで、まずこちらにお聞きしたいと思いました。

一般的には、副作用はなくても、ホルモン療法剤との相互作用や、乳がん自体の再発に及ぼす影響については、検証されていません。したがって、サプリメントの併用はお勧めしません。(文責 徳田)

 

No.11934】  16年08月02日   M.S. 
手術できるでしょうか?

ステージ4、ハーツ陽性➕3、グレード3、ホルモン陰性。肝臓 骨 尾てい骨 腰骨転移。50代半ばです。4月より、ハーセプチン➕パージェタ➕タキソテール5回点滴、浮腫があります、7月末、ハーセプチン➕パージタ1回点滴終わって、残り3回もハーセプチン➕パージェタの予定とのことです。抗がん剤がなしになり、大きくならないか不安もあります。胸は、張ったような、きゅっとするような感覚があります。手術を希望していましたが、ランダムで手術しない方になってしまいました。転移が消えたら手術希望ですが、主治医は、手術はしない方を薦めます。気持ちは、手術して原発巣を取り、前向きに生活していきたいです。原発巣があるという不安で、手術出来ないと、後ろ向きの考えになってしまいます。自分で調べたら、手術した例はあります。手術したいのですが、出来るでしょうか?

遠隔転移を有する乳がんで、薬物療法が有効な場合に、原発巣の手術の意義があるのかどうかを調べる試験に参加されているのだと推察いたします。現時点では、意義があるのかどうかが明らかではないので、試験を行って、その結果を次の方に伝えていく必要があるのです。しかし、試験を継続するかどうかは、あなたに決定権があります。主治医とよく話し合って結論を出してください。(文責 徳田)

 

No.11934-2】  16年08月11日   M.S. 
ステージW

No.11934の手術の件で相談させて頂きました。手術の件は、これから主治医と相談していきます。以前、主治医に、今後の治療で 「肝臓と骨の転移で、放射線の治療があるのか?」を聞きましたら、私の場合はやらないと言われました。ステージWは、手術も放射線の治療もなく、ただ延命だけの治療なのかと、悲しくなりました。原発巣を手術して肝臓の癌が消えたら、肝臓に対してケモセラピーの治療は出来るのでしょうか❓ 調べたら、そのような治療をした例が書いてあったので、私もやりたいので、質問させて頂 きまました。長く生きて行きたいので、とにかく出来る治療があれば、やりたいのです。仕事も休職中です。生活していくためにも仕事復帰したいのです。宜しくお願い致します。

骨転移でも疼痛や骨折の可能性があれば、放射線療法も行います。肝臓の転移に対してもいろいろな化学療法なども行われています。効果の程度は施行してみないとわかりませんが、諦める段階ではないと考えます。(文責 石川)

 

No.11933】  16年08月01日   M 
ランマ-ク皮下注

6年前、初発乳がんの骨転移の治療が始まったのですが、ランマ-ク皮下注射の1回目30分ぐらいして、突然の動悸がありました。少しして治まりました。2回目投与の夕方に、腹部に赤い発疹2個出現、翌日搔きむしる程の痒みが出ました。翌日治まりました。毎日の食事に変化なく、発疹が出たのは12年ぶりです。ランマ-ク皮下注射の副作用でしょうか? 元々、薬の添加物等に反応するため、服薬はDLSTの検査をした結果で異常のない薬しか飲んでいません。現在ヘアストンのみ服用中です。また、皮膚科の外用薬は、反応するため使用できません。来月受診するときに主治医に相談しますが、ゾメタ(添加物が少ないので)に変更して様子をみたいと思っています。先生のご意見をお聞かせください。よろしくお願い致します。

ランマークは、ヒトの免疫グロブリンですので、発疹が副作用として出現することもあります。したがって、副作用の程度と効果を天秤にかけて判断すべきです。効果については、ゾメタよりランマークの方が、骨転移にともなう症状の改善効果が明らかにすぐれていることが示されています。(文責 徳田)

 

No.11932】  16年08月01日   B 
パジェット病

初めて質問させていただきます。私は50代の主婦です。今年の2月より乳頭に疾患があります。7月までの様子を箇条書きにさせていただきます。
1 2月に乳頭に傷をつけ、ステロイド治療。何となく治らない。
2 4月ごろからかさぶたができる。
3 6月に乳腺膿疱で経過観察している乳腺外科にて、マンモグラフィーと超音波。かさぶたのことをいうと擦過細胞。経過、パジェット細胞が出ずグレー。
4 皮膚科で生検。ただ今特殊染色の結果まち。病理より途中経過、パジェット細胞がでているがメラニン色素あり。特殊染色するとのこと。
5 皮膚科と乳腺外科のカンファレンスで90%以上乳房パジェット病の診断。大学病院を紹介される。
6 大学病院では病理の最終判断がきてないのでなんともいえない。取り敢えず血液検査と、超音波。
7 超音波では多発性膿疱で、今までの様子がわからないと比べられないと、超音波技師の方が話す。リンパ節はどこもはれていない。

ここまでが2月からの流れです。おたずねしたいことは
1) 両側に多発性膿疱があり、マンモグラフィーの画像がきれいではなく、超音波の技師さんも難しそうでしたが、10年以上みていただいている先生からは問題なしと言われています。この場合、パジェット病の診断が難しいですか?
2) また、病理の途中段階でパジェット病の診断がでましたが(先生方の判断)、パジェット細胞にメラニン色素があることはよくあることですか?
3) 今まで膿疱以外に問題を指摘されたことがありませんが、MRI で新しい病気がでることもありますか?
4) 病理途中ですが、パジェット細胞がでたということは、確定されても大丈夫でしょうか?
 

1) 原発巣が、非浸潤癌のように早期の場合、乳頭病変を画像で評価するのは困難です。
2) メラニン色素があるとすれば、乳癌細胞(パジェット細胞)ではないことになります。
3) 乳頭皮膚のパジェット細胞の原発巣を探す目的で行います。
4) お話から、まだ確定診断がされていない状況と考えます。場合によっては、病理診断のセカンドオピニオンを主治医に依頼してはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.11931】  16年08月01日   N 
再発のリンパ摘出について

初発は9年前、非浸潤で温存、センチネル生検済みです。今回、取り残しではなく新たに出来たと思われる早期の(おそらくまた非浸潤)癌が見つかりました。2回目だし出来やすいんだろうとの事で、全摘予定です。1度センチネル生検をしてるので、今回術前にリンパの流れを確認してセンチネルリンパ節が確認できなかった場合に、リンパ節を摘出するかしないか考えておいて下さいと、主治医から言われました。リンパ節摘出後の副作用や不自由さのリスクと、摘出しなかった場合に、もし1部浸潤していて全身に回る事を最小限にとどめられないリスクと、どちらを取るべきか判断が出来ません。何を基準に考えれば良いでしょうか? 術中に浸潤があるかどうかわかるものなんでしょうか。初発の時に断端陽性かどうかは術中に出来ました。現在49歳です。よろしくお願いします。

乳腺部分切除および残存乳腺への放射線後の残存乳腺の局所再発については、全摘が標準的です。腋窩については、センチネルリンパ節生検後で腋窩リンパ節転移が臨床的になさそうであれば、再度のセンチネルリンパ節生検は可能で、そういう患者さんが増加していますが、局所再発率の解析が不十分で、標準とはされていません。したがって、同定できなかった場合には、郭清が標準です。再発巣が非浸潤癌であれば、郭清の必要はないと考えられますが、断端とは異なり、術中に病変の全範囲を正しく判断するのは困難です。したがって、センチネルリンパ節の同定ができなければ、最終的な病理の結果をまって、浸潤部がなければそのまま、浸潤癌が認められれば、改めて腋窩の郭清を行うというのが、納得できる方法かもしれません。(文責 徳田)

 

No.11930】  16年07月26日   F 
外科的生検

現在40歳。先日、MRI・針生検とバコラ生検をうけました。病理結果として、「針生検では検体は7片あり、5片は末梢乳管を含む乳腺組織が採取されています。2片は線維性結合組織で、乳腺固有の腺組織は含まれていません。7片のうち3片の一部に挫滅した部分があり、評価が困難ですが、標本を見る限り、明らかなcarcinomaのfocusは認められません。次にバコラ生検では検体は6片あり、4片は乳腺が採取されていますが、腫瘍性病変は認められません。1片はfibrocollagenou tissueが採取されています。一部にscirrhous carcinomaが否定出来ないfocusが見れますが、検体が挫滅してるために組織像が不明瞭です。再建による確認をおねがいします。残りの1片はfibroadipose tissueが採取されています。乳腺固有の腺組織は含まれておらず腫瘍性病変も認められません。」という所見でした。この結果、主治医に外科的生検をするように言われ、大変不安です。やはりこれではグレーゾーンで外科的手術を受けなくてはならないのでしょうか? また挫滅した組織では癌にみえても仕方ないと思うのですが? よろしくお願いします。

バコラで採取していて、良悪性鑑別困難という診断結果なので、外科的生検でがんであるのかないのかを病理診断してもらったほうが安心かと思います。(文責 俵矢)

 

No.11929】  16年07月26日   N 
乳癌の可能性はありますか?

触診とマンモグラフィーとエコー検査を受けました。しこりはなく、マンモグラフィーも異常なかったのですが、エコー検査で、影が2つ見つかりました。大きくなると良くないという事で、半年後、再検査を受ける事になりました。乳癌の可能性はありますか?

画像をみないとなんとも言えませんが、半年後に再検査ということはがんの可能性はないとは言えないけれども低い と主治医の先生は考えていらっしゃるのかと考えます。(文責 俵矢)

 

No.11928】  16年07月26日   K   
経過観察

一ヶ月半前にマンモトーム生検をし、両性の線維腺腫と言われ、半年後に経過観察です。時々、しこりを触ってチェックするのですが、この頃、しこり周辺が、時々痛くなる時がありました。今朝触ると、大きくなっている? しこりが大きいというか、周りが少し硬くなっている?ので、しこりが大きい気がする?そんな感じです。半年を待たずに、病院に行った方が、良いでしょうか? 宜しくお願いします。

マンモトーム生検後に針を刺したところが、傷が治る過程で硬くなっているのを触れているだけかもしれませんね。ただ診察しないとなんともいえませんので、半年を待たずに一度診ていただくのがよいかと思います。(文責 俵矢)

 

No.11927】  16年07月16日   K  
心配です

38歳の妻のことです。 5年ほど前に乳がんの手術を行っています。その後、半年毎の検診です。 5月末の検診の際、マンモで「少し気になる」と言われました。白くぼやっとしている部分があるが、エコーも問題なく、経過観察ということで、次回がまた半年後で す。 1か月が経過したところですが、どうしても気になっています。「本当に問題ないのか?」「半年後でよいのか?」電話で病院に問い合わせましたが、看護師の方が「問題ありません、安心してください」と言います。もう一度検査をするべきか、精密検査等を行うか、違う病院かなど、安心するために出来る行動はありますでしょうか。担当の先生はとてもプライドが高いため、患者の悩みは聞いてくれません。(自分の判断が絶対なので経過観察です) その場合は夫である私が話を聞きに行くことは可能なものでしょうか。

術後約5年が経過、おそらくこれまで大きな問題もなく順調に経過されたのだと思います。若くして乳がんの診断をされ、手術をお受けになり、苦労を重ねてやっと5年経ったという思いでしょう。定期検診で今回主治医の先生がおっしゃった「少し気になる」の一言で、いろいろと悪い想像をしてしまい「夜も眠れない思い」で過ごしておられるものとお察しいたします。私も乳腺外科医として同様の事柄をしばしば経験しますが、これは主治医の先生の診断を疑っているのではなく、この5年間で経験してきたたくさんの辛い思いが、「不安」を過剰に刺激するものであると理解しています。主治医の先生に直接お話が難しそうであったら、乳腺外科外来の看護師さんにこの旨お伝えし、とにかく「夜も眠れない思い」であることをご相談されたらいかがでしょうか? 追加の検査を受けたり他院に行って診察を受けても、おそらく今の思いは払拭されないと思います。「あなたがたご夫婦が納得のいく説明」を伝言でも良いので、主治医の先生から頂けるようお願いするべきであると考えます。(文責 谷)

 

No.11927-2】  16年08月09日   K  
体外受精

たびたびのご相談申し訳ございません。乳がんの再発率は高いと聞きます。体外受精を決心し、現在治療を進めておりますが、妊娠することで再発リスクは跳ね上がると言われました。体外受精と同時進行でがん検診を受け、早期発見に努めたいのですが、もしも仮にがんを見つけた場合、どのようになるのでしょうか。また乳がんと体外受精の両方に精通しているお医者様はいらっしゃるのでしょうか。

がんを見つけた場合、根治的治療を目指すのが基本だと思いますが、どの治療を行うかは貴方と主治医との相談になると思います。早期に発見できれば、妊孕性を温存した治療法を行える可能も高くなります。体外受精は産婦人科医の担当であり、乳がんは主に外科が担当するので、両方に精通している医師はまず皆無と考えたほうがよさそうです。(文責 石川)

 

No.11926】  16年07月12日   M.O  
妊娠中の乳がん検診について

初めて相談させていただきます。現在36歳、妊娠7ヶ月です。先日、職場の健康診断で、妊娠中ということもあり、触診とエコーのみの乳がん検診を受けてきました。その際、触診で右胸上部にしこりの様なものが触れると言われ、エコーで詳しく入念にその部分を見て頂きました。エコーをした先生は、「しこりが何処にあるのかな、これかな?」と言った感じで触診をされ、それからエコーで見てもらいました。結果は、「悪性の様なものは見つからない、妊娠中という事もあり乳腺が発達しているし、乳管が開いている。ここに悪性の物があるとするなら、グレーのモザイク状になった物が写るはずだけど見られない。」と言うものでした。しかし、私の性格もあるのですが、最初の触診でしこりらしきものがあると言われたのが気になってしまっています。この場合、癌の可能性ってあるのでしょうか? それとも気にしすぎでしょうか? その日以来、自分でも触ってしまい、触れば触るほど何かあるような気もしてしまって、胎教にも悪いなと感じています。

・30歳から毎年乳がん検診を受けている
・前回の検診から3年のブランク
・2年前に第1子出産
・第1子授乳期に右胸上部に乳腺炎を発症経験あり

以上のような経歴もあります。些細な質問かもわかりませんが、毎日気が気ではありません。スッキリさせたいです。何卒よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。触診でしこりを触れるのに精密検査でしこりが見当たらないことは日常的に十分にあり得ることです。特に妊娠中の乳腺は発達しており、全体に硬くしこりのように触れる場合がございます。乳腺エコーで問題ないと言われたのであれば、その結果を信じて良いでしょう。心配なお気持ちはとても良くわかります。結果が大丈夫であったことを信じて、毎日笑顔で大切な赤ちゃんを、お腹の中で大きく育ててくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11925】  16年07月12日   H 
再検査は必要ですか?

年齢49歳、女性です。家族歴なし、父母方の従妹が乳がんにて全摘。1か月前から、左乳房の左上部から乳首の横を通り乳房の下まで、細い針金10CMが入っているような、つるようなしこりもあり、乳腺専門外科を受診。一週間前に、3Dマンモ、エコーを行ったところ、「針金のようなしこりはリンパ管炎で問題ないが、その奥の方に石灰化、エコーで血管が密集しているところが見える、初期の乳がんです。切除すれば治ります。」と、言われました。その翌日、造影MRIを取り、昨日結果を聞きに行ったら、「癌の所見は見られないから、念のため6か月後にまた来てください、」と。こんなことはありますか? 癌だと断定されていたため、見落とされているのではという不安があります。生検をやってくれと言いましたが、必要ないですと却下。グレーの場合は組織診断と聞きますが、エコー・マンモがクロで、MRIがシロの場合は、グレーにはならないのでしょうか。どうぞよろしくお願いします。他のクリニックで再びマンモ。エコーをやっていただいた方がよいですか? 

ご相談どうもありがとうございます。症状からは乳房の皮下の血管が炎症をおこす「モンドール病」の可能性がございます。何らかの原因でおこる血管炎が起こり、硬くなった血管が針金状に触れます。通常は経過を見て行く中で消失していくことが多いです。もしご心配でしたら病院を変えて診察をおこなっていただいても良いかと存じます。ご不安なときには一歩を踏み出してみるのも良いと思います。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11924】  16年07月12日   M 
乳癌の胃転移

初めてお便りさせていただきます。58歳 女性です。2014年2月 浸潤性小葉癌の診断、ER:100% PgR:70% HER2スコア 0 術前化学療法 AC療法 ドセタキセル。
2014年8月 右全摘手術、リンパ節転移7こ、大胸筋に微少浸潤、放射線治療 25プラス5、ホルモン剤 フェマーラ。
2015年12月 胃の不快感が有ったため胃カメラ検査にて、乳癌の胃転移確認、同時に骨転移、ホルモン剤 フェソロデックス。
20016年6月 CTにて胃壁の変化が明瞭化、骨硬化も新たな部位に生じる、その他の臓器に転移などの問題はありません。CEA 5.3、*CA15-3 146.3 ランマーク治療開始

次回受診から化学療法を始めるつもりで、「ゼローダ」 「TS-1」 のどちらにするか考えて来る様に言われました。探してみたものの、参考になるものが見つかりません。まして、胃転移されている方の例など見当たりません。主治医も、効果はそれぞれだから、使ってみないと分からないと言われます。私も、そう思うのですが・・・。それでも、何か参考になるものが有ればと、こちらに辿り着いた次第です。胃転移は珍しいと聞きます。転移部位に関係なく、薬を選んで良いのですか? より腹腔内に効果がある薬は、どちらでしょうか? もうひとつ、胃転移は予後が良くないと書いた物も目にしました。その点も、お教え頂きたいです。以上の2点につきまして、ご回答頂けると幸いです。お忙しい中、申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。乳がんの消化管転移の報告はございます。私たちも日常の診療で消化管転移の患者様を担当させていただいております。純粋に消化管に転移を起こしているのか、腹膜転移の結果、消化管転移の状態を呈しているのかの判断が難しい場合はございます。転移の部位に関係なく、治療薬を選択して問題ありません。ご指摘の通り、消化管転移は経過が早いという報告もございます。ゼローダかTS-1かの判断は難しいですが、副作用を比較するとTS-1の方が比較的穏やかです。長期的に継続して行くことを考えてご判断くださいませ。今後は緩和ケアも同時進行でおこなっていかなくてはいけません。決して諦める必要はありませんが、積極的治療と同時進行で、お腹の痛みや不安を緩和する治療もおこなっていただいてくださいね。応援しています。(文責  高橋)

 

No.11923】  16年07月12日   K 
今後の治療法について

これまでマンモグラフィー、超音波、超音波下マンモトーム検査を受け、非浸潤がんと診断されたものです。診断を受けた病院は、通いにくい立地で、温存手術後の5週間の放射線治療通院が困難であること、全摘の場合は同時再建を希望しているが、対応していないため、通いやすい病院に転院しました。転院先病院で、超音波、MRIを撮ったところ、元々5mm程度であったしこりが、マンモトーム検査により、確認できなくなっていました。紹介状によると、マンモトーム検査では5回採取したそうです。主治医によれば、「通常はこのような小さな非浸潤ガンならマンモトームの前にMRIを撮っておくべきであるが、今となってはどうしようもない。」とのことです。しこりの場所がはっきり分からないので、この範囲ならば、元のしこりをカバーするであろう範囲を大き目に切除し、切除したものを調べて、ガンがあれば切除できて良かった、無い場合はマンモトームで全てガンが取りきれていたことが分かり良かった、と進めていくことを提案されました。切除部分があまり小さいと、元のしこりがあった場所とは異なる場所を切除した疑いが払拭できない、とのことです。MRIより確認がしやすいものにPETがあるが、PETで場所が特定できることは過度に期待しない方が良いと言われましたが、取り合えす検査を受けてみるかどうしようか、悩んでいます。また、既にガンが無いのなら、乳房は切除したくないですし、何か方法はないのでしょうか? 大きく切除するのなら同時再建の方が良いか、とも悩んでおります。宜しくお願い申し上げます。

貴女の場合、現時点では非浸潤癌と診断されていますが、最終的には、切除した標本を病理検査で確認します。切除標本をすべて調べて、浸潤している部分がなければ、最終診断として「非浸潤癌」ということになります。また、病理検査では、病変部がすべて取り除かれていることも確認しますので、乳腺の切除は必須です。
次に場所の特定についてですが、PET検査では、乳癌に限らず1p以内の病変を描出させるのは難しく、従って、0.5mm程度の病変部位を特定するのは困難だと思われます。ただし、乳房専用のPET検査装置「PEM」では、より小さな病変でも描出できる可能性があります。また、別の方法として、前医師によるマンモトームを行う前の2方向マンモグラフィーに病変が描出されているのであれば、その画像をお借りして、2方向の組み合わせで、およその病変場所を推定し、乳腺の切除範囲を決めることも可能です。主治医と充分ご相談の上、納得のいく方法を選択してください。(文責 須田)

 

No.11923-2】  16年08月09日   K 
今後の治療法について(2)

No.11923で質問したものです。ご回答有難うございました。PETとPEMでも調べましたが、やはり病変は見えませんでした。生検前のマンモグラフィーでも、病変は見えず、エコーのみで確認できるとのことです。生検で採取した組織5本全てに非浸潤癌のみが見られ、ほぼ99%非浸潤癌でリンパ節転移もないだろう、と言われました。大き目の一部切除手術(生検の針跡から乳頭にかけて60度程度の扇型)が嫌であるのならば、ガンのサブタイプがルミナールA、ホルモン受容体であるため、@手術しないで慎重に経過観察し、見えるようになったら手術(少数派の意見)、A手術をしないでタモフェキシンを服用する、B放射線治療(しこりが目に見えるようになった際の手術で温存が難しくなるのでお勧めしない)、といった方法も考えられると担当医に言われました。また前の病院で渡されたメモにはki67 10%とありました。以下、質問です。

1. 元々(病変が見えなくなる前)は当然手術を受けるつもりでしたので、@の方法で局所再発?で、しこりが見えるようになって最小限の切除で済ませられたら、という気持ちがありますが、浸潤癌となり、遠隔転移の可能性が発生してしまいますか?
2. Aの方法は局所再発、対側の発症に加え、遠隔転移防止にも有効でしょうか?
3. 温存手術では放射線治療が標準治療だと思いますが、今回の場合、タモフェキシンの服用とどちらが再発防止に有効でしょうか?
4. そもそも今回の場合、局所再発が無ければ、遠隔転移も発生しない、局所再発で浸潤癌となれば、遠隔転移の可能性が出てくる、という理解で宜しいでしょうか。
5. 取り敢えず、Aの手術無しでタモフェキシンを服用して、副作用が苦痛でなければ服用を継続し、苦痛であれば手術を検討しようかと思っておりますが、やはり先生は手術による切除が第一に必須とお考えでしょうか?
6. 病変位置についてですが、生検をした前の病院の医師ならば、感覚、記憶等で、もう少し限定して切除部分を小さくできる可能性はあると思われますか? (マジックで乳房に病変位置を記した写真等あるか問い合せましたが、無いとの回答は頂いています。) 切除を小さくでくきるのであれば、前の病院に戻るという選択肢もありますが、病変位置を特定する資料作成せずにしこりを全て採取していまった医師に手術を任せて良いものか心配です。またはその医師なりの考えがあり、意図的に行ったと考えることはできるでしょうか。

以上、長文で申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

1. 浸潤癌となり遠隔転移の可能性が発生する危険が増します。
2. 局所再発、対側発症、および遠隔転移の防止にも有効の場合がありえますが、高い確率ではないと思います。
3. 私は放射線治療の方がタモフェキシンの服用より有効と考えています。
4. 局所再発が無ければ遠隔転移も発生しない、局所再発で浸潤癌となれば遠隔転移の可能性が出てくる、という理解でいいと思います。
5. 私はもともとは乳腺外科医でもあり、手術による切除が第一選択と考えています。
6. 生検をした前の病院の医師でも、病変位置については感覚・記憶等ではあやふやで信頼がおけないと考えます。前の医師も彼なりに最善の手を打とうとしたのだと思います。手術中の迅速病理組織所見を参考にして行うのが、安全で切除部分を小さくできる方法と思います。(文責 石川)

 

No.11923-3】  16年08月13日   K 
今後の治療法について(3)

ご回答有難うございました。早速ですが、乳房温存手術の整容性維持のために、手術中の病理組織学的断端検索をきちんと行っている病院は、具体的にどちらの病院があるか、教えていただくことは可能でしょうか。ネットで検索いたしましたが、よく分かりません。神奈川在住でなく恐縮ですが、東京都内の出来れば西部では無く、北部東部を希望しております。もしご存知でしたら、宜しくお願い申し上げます。

大学病院であれば一般に行っているはずですが、それ以外では常勤の病理医がいないと難しいと思われます。また、非常勤で病理医が行う施設も考えられますが、それぞれホームページに記載されていると思います。間違いないのは癌研有明病院でしょうか?(文責 石山)

 

No.11922】  16年07月08日   S 
針生検

60才です。乳首の横辺りに1.5センチのしこりがあります。押しても痛くないです。針生検を3ヶ所しました。良性でしたが、エコーが不明瞭な為、疑惑が残りました。「針生検で良いとこだけに当たったかもしれない」と言われましたが、失敗したのでしょうか? 宜しくお願い致します。

針生検や細胞診では、採取する部分が目的の場所より浅かったり深かったりすると、目的の標本が採取できない場合があります。盲目的に針を刺すので、失敗ではなく、だれが行っても、このようなことは起こり得る検査です。よくわからない場合は、再度検査を受けたほうが良いと思います。(文責 須田)

 

No.11921】  16年07月08日   M
手術後の膨らみ

乳がんで右全摘手術をしました、手術してから一か月が過ぎました、胸がかなり大きいので、切った長さも少し長いように感じられます。最初は、少し膨らんでいるけど、まだ手術したばかりだからと思っていましたが、まったく膨らみがなくなりません。切った最初の部分が、ぷっくり膨らんでしまいました。病院の先生に聞いたら、脂肪腫だから、気になるようなら整形で切りますとのこと、驚きました。最初に少し膨らみがあったのに、何も対処してくれませんでした。もう治すには、切るしかないのですか。また他にも、乳がん全摘の人で、私の様な人がいらっしゃいますか。よろしくお願いします。

直接診察をしていないので、手術後の胸部の状態は不明ですが、術後の整容的な問題に関しては、個人個人、千差万別です。乳房の再建を含め、どのような形成を行いたいのかを、貴女の状態を一番よく把握してくださっている、手術をしていただいた先生にご相談するのがベストです。おそらく形成外科のDrにも相談してくださったのではないでしょうか? どうしても不安で納豆がいかない場合は、セカンドオピニオンをしてみるのもいいかもしれません。(文責 須田)

 

No.11920】  16年07月08日   R.M. 
病理検査・ki67のみ結果待ち

抗がん剤が必要になる可能性があるかどうか、心配です。45歳、閉経前、4月からマンモ、エコー、MRI、CT-PETなどを行い、左乳房温存術を6月中旬に受けました。マンモトーム生検では、ki67の数値を病院側が 術後の検査で変わるかもしれないという理由から
わかっていませんでした。術前は、しこり1つ 1.4cm、ホルモン陽性、HER2 1(陰性)、術後の病理検査で分かったのは、病理学的腫瘍径 1.5×1.2 センチネルリンパ節生検 陰性(0/1)浸潤がん 充実腺管がん 高度ホルモン陽性 HER2 1(陰性) グレード2 脈管浸潤 なし 増殖能 中間
これがすべての情報です。抗がん剤治療については、ki67の数値のみで決まってしまうのしょうか? オンコタイプDXを検討した方がよいでしょうか?

現時点で分かっていることは、 Luminal type の乳癌であるということです。Ki67 が高値であるか低値であるかの分類については、施設によって異なる場合があります。数値が微妙な場合は、オンコタイプDXで多遺伝子解析を行って、化学療法を行うかどうか検討するのも、一つの方法です。保険診療ではないので費用が掛かりますが、治療法に迷っているときには、目安になると思います。(文責 須田)

 

No.11919】  16年07月08日   Y
放射線治療について

初めて投稿します。昨年2015年11月に右乳癌(浸潤がん)ステージUbの診断を受け、乳房切除術(胸筋温存)+腋窩リンパ節郭清手術をした結果、しこり3.5cm、腋窩リンパ節への転移は1箇所、ホルモン0%、HER2 3+とのことでした。術後、この時点では放射線療法はなしでとのお話で、12月末から、EC療法を4回→パクリタキセル+ハーセプチンによる点滴を受けてきました。先日、抗がん剤(パクリタキセル)が最後になり、放射線治療のお話しになりました。放射線治療はないものと思っていたため、戸惑っています。話を聞くと、手術の時にリンパ節に7つほど腫れがあったらしく、(うち、転移が認められたのは1つなのですが) その数字が記録にあり、放射線治療も受けるか聞かれました(放射線治療は別の病院になります)。突然の選択で、迷いながらも副作用や費用の事を考え、放射線治療は受けないことにしたのですが、全摘とリンパ節郭清後でも、放射線治療を受けた方が良かったのでしょうか。また、受ける場合、時期としては抗がん剤の終わった今でないといけないのでしょうか。よろしくお願いします。

乳房切除後、腋窩リンパ節転移4個以上の場合、放射線療法(胸壁全体と鎖骨上窩に照射)が標準治療として強く推奨されていますが、転移個数1〜3個の場合でも推奨されます。この場合、標準的な抗癌剤治療を先に行って放射線照射の開始が遅れたとしても、胸壁及びその周囲のリンパ節への再発リスクは増加しないと考えられています。あなたの場合、リンパ節転移が1個ありますので、主治医から科学的根拠のある放射線療法を推奨されたのだと思います。疑問や不安がある場合は、もう一度主治医とご相談なさって、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.11918】  16年06月28日   nao
皮膚改善の方法がありませんか?

リュープロレリン、タモキシフェンの副作用で、皮膚にひどいかゆみや、皮膚が裂けるなどあり、リュープロレリンだけは医者に相談後、やめました。しかし、タモキシフェンは続けるように言われたのですが、粘膜炎症が続き、耐えられません。皮膚改善の方法がありませんか? あまりの辛さに、しばらくタモキシフェンをストップしたら、しこりが大きくなっていました。もともと皮膚が弱く、薬を飲むとむくみが出たり、吐き気がしたことはありましたので、極力、薬を飲まずにきたのですが、今回はそういうわけにもいかず、困っています。どうぞよろしくお願いします。

質問有り難うございます。ご質問頂いた内容だけでは情報が不十分で、適格にお答えできません。
@ 何のためのホルモン療法なのか? 中止したら、しこりが大きくなったということは、再発されてしまっているのでしょうか?
A 術後の再発予防にしても、再発してしまった場合の治療にしても、効果と副作用のバランスで治療の継続、中断、中止、変更は考えるべきです。
再発してしまっているのなら、皮膚科との相談の上、治療効果を見ながらリュープレロリン、タモキシフェンを継続する方法、一方、治療効果はあるが、副作用としてきついのであれば、別の薬剤(ホルモン療法、抗がん剤)を選択するということになります。皮膚の副作用は、特効薬がないので、担当の先生とよくご相談ください。詳細がわからず、コメントはこれくらいにさせて頂きます。あまり、お力になれず申し訳ありません。(文責 鈴木)

 

No.11917】  16年06月28日   MH
手術後の治療法について(2)(HPNo.11910-2)

先日はご回答ありがとうございました。(No.11910)
その後、主治医の先生と相談し、ドセタキセル×4回とハーセプチン1年の併用療法を開始したところです。ホルモン療法は、抗癌剤治療が終わってから開始となるそうです。リンパ節転移ですが、前回の質問で説明が不十分でした。転移があったのはセンチネルリンパ節に1個だけでした。この場合でも放射線治療は行った方が良いのでしようか? また、放射線治療を行うとなった場合も、抗癌剤治療が終わってからとの事でした。積極的に勧めない理由としては、皮膚が硬くなってしまう為、エキスパンダーを入れている期間が長くなってしまうとの事でした。前回、回答頂いた再建後の合併症(グレードC)とは、どの様な事でしょうか? 度々の質問で申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

質問有り難うございます。
全摘後の腋窩リンパ節転移1-3個の場合に、胸壁+腋窩に放射線治療を行うことは、一定の見解がないのが現状ではありますが、先に回答させて頂いたように、乳癌診療ガイドラインでは1個だけ転移があったとしても、全摘後のリンパ節転移陽性例には、放射線治療が勧められると記載されています。腕のむくみの頻度が増えることは懸念されますが、最善の方法としては放射線治療を勧めます。確かにエキスパンダーを入れておく時期が長くなり(最低でも半年から8ヶ月程度か)、フルに拡張してからの放射線治療になりますが、再発リスクを減らすのか、エキスパンダーを入れておく期間が長くなるのが問題なのか、ということになります。
合併症のグレードCというのは、エキスパンダーを挿入後に放射線治療を行うと、合併症が増えるため、放射線治療は勧められないという推奨グレードの分類で、合併症の種類云々ではありません。(文責 鈴木)

 

No.11916】  16年06月24日   T   
乳癌の可能性

初めて相談させていただきます。私は現在19歳の学生なのですが、左胸右側上部にしこりを発見しました。しこりは少し固く、よく動きます。それ以外の異変は特にありません。父方の祖母が乳癌を患ったことがあり、乳癌ではないかと少し不安に思っています。一度病院などで検査を受けたほうがよいのでしょうか。また、10代でも乳癌検査を受けられるのでしょうか。ご回答、よろしくお願いいたします。

19歳という年齢を考えると、乳がんの可能性は低いと思いますが、検査をお勧めします。(文責 清水)

 

No.11915】  16年06月24日   C 
抗ガン剤を受けるか悩んでいます

初めて相談させていただきます。5月半ばに左乳房温存、リンパ節切除しました。病理検査の結果がでましたが、抗ガン剤を受けるか悩んでいます。費用、日常生活など考慮して、できるなら受けたくありません。以下は結果です。
しこりの大きさ:1.7 リンパ節転移:1/22(センチネルリンパ節) 脈管侵襲:3+ 組織学的グレード:3 増殖能:高い ホルモン感受性:陽性  ER:3b(70%)  PgR:2(2%)  HER2:1+  Ki67:28% 断端:陰性 遠隔転移:なし
ご意見をうかがいたいです。よろしくお願いします。

年齢がわかりませんが、T1だがn1である事、脈管侵襲3+、ki67=28%というデータを見ると、化学療法をお勧めします。(文責 清水)

 

No.11914】  16年06月24日   I  
手術した方の胸に新たなしこり

初めてメールさせて頂きます。京都市在住、31歳です。去年温存で右の乳ガン手術をしたのですが、手術した方の胸に新たにしこりがみつかり、不安です。最初の手術をしたのは平成27年の10月で、ハー2陰性でホルモン受容体陽性だったため、12月まで放射線治療を行い(5週間)、現在はノルバデックスの服用とゾラデックスの注射を三ヶ月に一度受けています。リンパ節や他の臓器への転移はありませんでした。
術後から右の胸のハリと鈍痛がかなりありましたが、現在は、ハリは少しずつましにはなってきています。最近のニュースの影響もあって、このハリが心配になり、手術した総合病院とは違う近所のクリニックでエコー検査をしてきました。結果、右の乳頭近くに、押したらくぼみを伴うしこりがあると言われました。このしこりが、放射線治療などの影響でできているものなのか、去年の乳ガンとは別に新たにできているものなのかは、詳しい検査をしてみないとわからないと言うことで、結局、手術をした総合病院に紹介状を書いてもらいました。来週頭に受診する予定なのですが、これは乳ガンの可能性が高いのでしょうか? 去年の乳ガンの後、主治医のすすめで95GCという検査を受け、再発の可能性は低いとは言われていました。そのため、胸のハリを気にしないでいたのですが・・・。前回の定期受診は平成28年5月頭で、その時にも軽く触診?(しっかり触診ではなく、ペタペタっと触られるのみ)はして頂きましたが、なにも言われませんでした。治療に伴うしこりだったために先生は何もおっしゃらなかったのか、しこりを見落とされていたのか、わかりません。受診できるまで不安で不安で仕方なく、インターネットでいろいろ検索して、こちらのサイトを見つけました。お忙しいところ申し訳ありませんが、先生のご意見をうかがえたらと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

実際に見てみないとなんとも言えません主治医の先生によく診てもらってください。(文責 清水)

 

No.11913】  16年06月24日   S 
今後の治療について

今後の治療について悩んでおり、投稿させていただきました。現在40才、先月左乳房の乳がんに対して、皮下乳腺全摘、センチネルリンパ節生検、自家組織で同時再建しました。術中迅速で乳頭直下断端に乳管内伸展がありましたので、乳輪乳頭は切除しています。病理の結果は下記のとおりです。

Ductal carcinoma in situ,It. breast, pTisNX
D領域 g, ly0,v0
切除断端positive(外側断端 exposed)
Van Nuys classification:High grade DCIS(solid,cribriform,flat,comed,clear cell type)
免疫染色結果:ER(Score3b:50%以上) PgR(Score3b:50%以上)
HER2(score1:参考所見)
背景の乳腺組織:sclerosing adenosis,cyst,apocrine adenosis,usual epithelial hyperplasia,FA-like hyperplasia,columnar cell change/hyperplasia

D領域に広範にhigh grade DCISが広がっています。迅速時の乳頭直下組織にはDCISの進展がありますが、追加切除された乳頭部には明らかな悪性所見は認めませんでした。

主治医からは、非浸潤癌でホルモンは陽性。乳管内の広がりは5CM程度。ホルモン療法をするか、しないか、検討するようにとだけ言われました。手術前は浸潤癌と聞いていたので、予想外の結果に頭が真っ白になり、聞きたい事も聞けませんでした。次の予約までに時間が空いてしまうので、自分で病理結果を解読しようと調べているのですが、理解できない部分が多く、困っています。

1) わたくしの場合の所見をわかりやすく教えていただけないでしょうか。
2) 癌は取りきれたのか、High grade DCISとはどういう状況なのでしょうか。
3) 上記を踏まえて、無治療の場合と、ホルモン療法をする場合のメリット、デメリットを教えていただけませんか。

長文、乱文で申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。

お答えの前に、是非主治医の先生に確認した方が良いと思われることがあります。切除標本がDCISだったことを受けて、針生検の標本を見直してもらうことです。その結果、針生検の病理所見は見直しても浸潤癌だったのか?それとも、見直したら非浸潤癌だったのかということです。それが浸潤癌であれば、TisN0ではなく、T1aN0ということになります。
1)D領域:がんがあった場所は左乳房の外下1/4の範囲
  G:がんの広がりが乳腺組織内に留まっていない(脂肪組織、皮膚、筋肉には及んでいない
Ly0,v0:標本上ではリンパ管、血管の中にがんはありません。
  切除断端positive:切除した標本の外側の端にがんがありました。(残っている組織にがんがある可能性があります)
  Van Nuys classification: 非浸潤がんが浸潤がんになりやすさををあらわす分類
  High:非浸潤がんの中では悪性度が高く、浸潤がんになりやすい
  免疫染色結果:参考の結果で、非浸潤がんでは関係ありません。
  背景組織:様々な良性の変化が見られます。

2)“外側断端がpositive”とありますから、外側に残存している可能性はあります。しかし、乳頭側断端が陽性で、追加切除した乳頭乳輪にはガンがなかったということもあるので、絶対に残っているとも断言できません。断端陽性の部位が同定できれば追加切除するか、経過を見るかどちらかになります。”High Grade DCIS”について:DCISについては、基本的に遠隔転移のリスクが非常に低い乳がんです。そして、中には一生浸潤癌にならないでDCISのままでいる顔もあるのではないかと言われています。そこで、Van Nuys分類と言って、DCISが浸潤癌になりやすさを表しています。言い換えるとHigh Grade DCISとは浸潤癌になりやすい非浸潤がんということです。ということは、切除標本の検査は5mmの厚さに切った面を検査していますから、その5mmのければ中に浸潤がんがある可能性について、確率は低いのですが、考えないといけません。
3)非浸潤がんの術後治療は原則として無治療です。治療する場合、その目的は二度目のがんの発生を予防することです。しかし、閉経前の場合に使うお薬はTamoxifenですので、内服することで子宮体癌が増えるというデメリットがあります。(文責 清水)

 

No.11912】  16年06月15日   A.H.
胸のシコリがいびつ

61才です。毎年乳ガン検査を受けています。開業医のエコーだけの年もありましたが、町ぐるみ検診は去年の9月に触診とマンモだけでした。1ヶ月前に、何年も前から陥没乳頭なのですが ふと急に気になり総合病院の外科 (9月に町ぐるみ検診した外科)で受診しました。念入りな触診で、十中八九大丈夫!と言われ、マンモもして帰り、結果は二週間後です。吸引器で乳首を吸引したら、右は偏平ながら少し出ましたが、左はなかなか出ないので、手でいじっていると、右にはないシコリがありました。外科の先生は金曜日だけなので、乳腺外科に行き、またマンモとエコーをしてもらうと、シコリではなく乳腺!との事でした。二週間後外科に行き、シコリの事を伝えエコーをしたら、形がいびつだったのか誰が見てもガン!と言われ、針生検をする事になりました。乳腺外科に再び行き、エコーのやり直しをしたら、「 ああこれか、調べた方がいい」と言われ、 今、針生検の結果をたまらない気持ちで待っています。血液検査と造影剤CTもしました。鏡で見ても左右対称です。シコリは撫でるだけでは分かりにくく、指先を押し込むと分かります。乳汁や血は出ません。シコリとエコーの形がいびつだと乳ガンの可能性は高いようにネットでは書いてあり、自営の店もずっと閉店しています。心配です。宜しくお願いします。

ご相談ありがとうございます。 私のお返事でA.H.さんの心配が少しでも減れば嬉しく思います。現在は、左乳房のしこりに対して行った針生検の結果を待っている状況と拝読しました。 結果をお待ちになる間は大変不安な時間であると推察いたします。しかし既にマンモグラフィ、エコー、造影CT、採血、そして針生検まで、できる検査は十分お受けになっています。今しばらく針生検の結果をお待ちになって頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11911】  16年06月15日   S
ホルモン療法について

現在再発乳癌で、ホルモン療法をしていますが、閉経前乳癌で、ホルモン療法は保険適用では、タモキシフェン、リュープリン、ゾラテックスが基本であると思いますが、効きが悪くなった場合、リュープリン+フェマーラは保険適用にはならないのでしょうか? 浸潤性小葉癌、ホルモン感受性乳癌には効果があるとみた記憶があります。ただ保険適用ではなく、リュープリンで骨密度減少ぎみなので、使用にはデメリットもあると思っていますが、抗がん剤を長く続けていくよりも、少しでも効果があるのであれば、使用してみたいと思うのですが、無理なのでしょうか? 現在、皮膚、胸壁のみに癌があり、全摘後の再発で手術不能です。よろしくお願いします。

ご質問ありがとうございます。 私のお返事でSさんの疑問が減れば嬉しく思います。まず閉経前乳癌に対するリュープリン+フェマーラ療法ですが、フェマーラの効能又は効果に「閉経後乳癌」と記載されているため、保険適応にはなりません。使用可能な地域・地方もあると伝え聞いていますが、本邦の保険診療では原則使用禁止です。しかし閉経前状態でも閉経後ホルモン療法を継続して使い続けたいというお気持ちは十分理解できます。Sさんのご担当の先生とよくご相談のうえ、今後の治療薬剤をお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11910】  16年06月15日   M.H. 
手術後の治療法について

43歳です。手術前診断では 超音波33o、骨転移の所見 なし、ダブルマスター 陰性、針生検 硬癌、ER(+)PGR(+)HER2(2+)CXP・n.p 遠隔転移なし、T2N0M0 stageUAでした。CEF療法×4回後に左乳房全摘出しました。病理結果は、浸潤径18×11o 乳頭腺管癌+充実腺管癌 核グレード1(unclear atypia2 、mitotic count1) 組織グレードU(Elston&Ellis )f+ s- ly1 v0 切除断端陰性 リンパ節転移陽性(1/18) 化学療法効果判定・Grade 1a ER(+)PGR(+)HER2・3+ Ki67・1.3 でした。術後の治療法てすが、腫瘍の性質が変わったので、ハーセプチン1年とホルモン療法5年と言われました。タキサン×12週は行ってもあまり効果が期待出来ないので積極的には勧めない、放射線治療も再建手術などを考えると積極的には勧めないと言われました。自分としては再発は避けたいので、最善策をとりたいと考えます。ご意見をお聞かせ下さい。宜しくお願いします。

ご質問ありがとうございます。私のお返事でM.H.さんの疑問が少しでも解消すれば嬉しく思います。少し長くなります。M.H.さんは術前化学療法の後に乳房切除術をお受けになり、化学療法後の乳がんは、大きさ18mm、リンパ節転移1個、ホルモン受容体陽性、HER2蛋白陽性の状態です。今後の薬物療法ですが、以下の理由から、私はタキサン系薬剤+ハーセプチンの併用療法をお勧めします。
@リンパ節転移陽性乳がんに対して術後療法としてアンスラサイクリン(今回術前にお受けになったCEF療法)にタキサンを併用することが勧められる。(ガイドライン:グレードB)
AHER2陽性乳がんには術後化学療法+ハーセプチンが強く勧められる。(グレードA)
この術後化学療法+ハーセプチン療法の臨床試験に用いられた化学療法は、多くがタキサン系薬剤でした。以上の理由により、タキサン系薬剤併用のハーセプチン療法を私であればお勧めすると思います。また、腋窩リンパ節転移1個の方への乳房切除後放射線治療は実践するよう推奨(グレードB)となっていますので、放射線治療をお受けになることも合わせてお勧めいたします。ただし将来再建手術をご希望なさる場合は、再建後の合併症の危険性を考えると放射線治療は勧められない(グレードC2)となっています。今後の化学療法と放射線治療については担当の先生とよくご相談になり、後悔しない納得のいく方針をお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11910-2】  16年06月28日   M.H. 
手術後の治療法について(2)

先日はご回答ありがとうございました。(No.11910)
その後、主治医の先生と相談し、ドセタキセル×4回とハーセプチン1年の併用療法を開始したところです。ホルモン療法は、抗癌剤治療が終わってから開始となるそうです。リンパ節転移ですが、前回の質問で説明が不十分でした。転移があったのはセンチネルリンパ節に1個だけでした。この場合でも放射線治療は行った方が良いのでしようか? また、放射線治療を行うとなった場合も、抗癌剤治療が終わってからとの事でした。積極的に勧めない理由としては、皮膚が硬くなってしまう為、エキスパンダーを入れている期間が長くなってしまうとの事でした。前回、回答頂いた再建後の合併症(グレードC)とは、どの様な事でしょうか? 度々の質問で申し訳ありませんが、宜しくお願いします。

質問有り難うございます。
全摘後の腋窩リンパ節転移1-3個の場合に、胸壁+腋窩に放射線治療を行うことは、一定の見解がないのが現状ではありますが、先に回答させて頂いたように、乳癌診療ガイドラインでは1個だけ転移があったとしても、全摘後のリンパ節転移陽性例には、放射線治療が勧められると記載されています。腕のむくみの頻度が増えることは懸念されますが、最善の方法としては放射線治療を勧めます。確かにエキスパンダーを入れておく時期が長くなり(最低でも半年から8ヶ月程度か)、フルに拡張してからの放射線治療になりますが、再発リスクを減らすのか、エキスパンダーを入れておく期間が長くなるのが問題なのか、ということになります。
合併症のグレードCというのは、エキスパンダーを挿入後に放射線治療を行うと、合併症が増えるため、放射線治療は勧められないという推奨グレードの分類で、合併症の種類云々ではありません。(文責 鈴木)

 

No.11909】  16年06月06日   T
異時性両側乳がん

異時性両側乳がんです。今後の治療について参考意見を伺いたくメールしました。2005年 腫瘍の大きさ 1.2cmx0.8cmで、右乳房温存術 。右腋下にクルミ大のリンパ節転移1個 her2 +3 ホルモン陽性 組織学的グレード 2 。術後治療は 放射線治療 抗がん剤 EC-T療法 ゾラ と タモキシフェンによるけんホルモン療法を実施。2011年 定期検診にて体側に乳がん確認。タモ服用中の再発のため服用中止、手術し、左全摘出しました。小葉がん 4cm大 ごく一部に硬癌含む リンパ節転移なく 組織学的グレード1 Her2 − ホルモン陽性。2005年の術後以降、生理はなかったのですが、2011年の術後に一度生理有り、血液検査し、完全に閉経状態でなかったため、リュープリンとアリミデックスによるホルモン療法を受け、現在に至ります。リュープリンは2年で終了しています。その後 生理はありません。アリミデックスを使用して5年を経過したため、担当医より服用を終了し、経過観察のみの治療にしても良いと、提案がありました。どうしようかと思案中です。参考意見をお聞かせください。これまでの経過と、腫瘍が大きかったことを考えると、終了に不安もあるのですが…。タモを服用中に体側へ再発していることを考え合わせると、5年以上同じ薬を使用することにも不安があります。宜しくお願い致します。

左側の小葉癌に対しての治療は、リュープリンとアリミデックスでしたが、リュープリン使用後に真の閉経になり、アリミデックス5年投与したのですから、本来はそれで終了です。アリミデックス等アロマターゼ阻害薬は、術後5年以上の投与に有効性が認められていないので通常は終了します。必要に応じてタモキシフェンを投与して内分泌療法を継続する方もおられますが、あなたの場合はタモキシフェン投与中の発生の乳癌のためタモキシフェンを使わなかったので、ここで使用するわけにもいかないでしょう。2度目の乳癌は腫瘍のサイズは大きかったものの、リンパ節転移が無いことや、術後化学療法を施行しなかったこと等を考えると、最初の癌よりもおとなしかったと考えられます。タモキシフェンを使用することも一手ではありますが、第2の癌の補助療法の継続という意味ではなく、右の温存された乳房に新規発生する乳癌の予防という意味合いでしかない、と考えます。(文責 久保内)

 

No.11908】  16年06月05日   M 
乳がん治療中の卵子凍結について

初めて投稿させて頂きます。質問にお答え頂ければ有難いです。乳がん治療中の卵子凍結の件なのですが…。10年ほど前から不妊治療をしており、体外受精に向けて準備をしていたところ乳がんが見つかり、大変ショックを受けました。手術前に卵子凍結を行おうと思いましたが、ホルモン受容体陽性だったので、排卵誘発剤を使用すると過剰にホルモンが分泌されるとの産婦人科医の話だったので、ガンの進行を早めてしまったり、がん細胞を増殖させてしまうより、早く取ってしまった方が良いとの判断でした。なので手術を今年の2月下旬にうけ、今は放射線、ホルモン療法、リュープリン注射をやっています。やはり子供を諦める事が出来ず、抗がん剤前に卵子凍結をしたいと思っております。大まかな病理結果は、ホルモン受容体ER3b50%以上 PgR3b50%以上 Ki-6730% HER23+ リンパ節転移無 腫瘍の実測値1.8×1.3p 硬癌(f)浸潤性入管癌 Ng:3(Na:3 Mc:3)v1、ly1  cT1bNOMOc stage1 T(1c)M (0)N(0)トリプルポジティブ グレード3 核異形成?3です。

1) 今現在、放射線、ホルモン治療、リュープリン注射をしていますが、卵子凍結をするにあたり、薬も注射も続けたままで凍結してもよいのでしょうか? 全部やめて、数カ月あけて(薬が抜けるまで)凍結したほうがよいですか?
2) タモキシフェン(服用約2カ月)リュープリン注射(12周ごと1回済)をしたことにより、卵子への影響はありますか?(その卵で受精卵を作った場合、奇形児が産まれるリスクはあるのか?)
3) 卵子凍結は自然周期で1コ採卵するのを何か月も続けた方がいいのか(例、3コ採卵したいなら3カ月のように。) 排卵誘発剤を使って一度に何個も卵を作って採卵してもよいのか?(後者は再発リスクが高いような気がしますが。)
4) 卵子凍結するには早くても1カ月(排卵誘発剤を使用する場合)ないし、自然周期なら数カ月は抗がん剤治療に進めないが、手術終了後6カ月も抗がん剤治療まで期間をあけてもいいのか?
5) ホルモン療法+リュープリンで卵巣に作用していると思いますが、そこへ排卵誘発剤を使用してもいいのか?

色々お聞きしてしまい申し訳ありません。宜しくお願い致します。

1)2) リュープリンには催奇形性は無いということですが、投与している限り排卵は望めないので、休薬して時間が経たないと採卵は無理だと思います。またタモキシフェン投与中の催奇形性は有るものの、これは受精卵が体内に存在する場合です。最近では排卵誘発にタモキシフェンを使用することもあるとのことですが、限定的に超短期投与ですので、長期投与中では廃案は起こりにくい状態になっていると考えます。
3) 不妊治療の常識では、ただでさえ妊娠しにくい方から採卵するので、通常では排卵誘発剤を用いて複数個の採卵をすると聞いています。
4) 基本的には、乳がん治療をきっちり続けて癌の再発から身を守ろうとされるのか、癌には目を瞑って不妊治療をなさろうとするのかの二者択一だと思います。二兎を追うようなことをしても、決して良い結果にはならないと考えます。
5) 不妊治療のための採卵希望の場合は、産科の専門医にお尋ねください。(文責 久保内)

 

No.11907】  16年06月05日   K.M. 
手術後の治療方針について

どうぞよろしくお願いいたします。89歳の母の手術後の治療についてです。2月下旬に右胸にしこりを見つけ、4月下旬に部分切除しました。先日検査結果の報告と今後の方針についてのお話がありました。今後放射線照射を受けるか、無治療にするかを、早めに決めなくてはなりません。助言をお願いいたします。
アポクリン癌 2.0×0.8p 浸潤径 0.4×0.3
ホルモン受容体 無し
HER2タンパクの発現 陰性 1+
組織学的悪性度(核異形度)3
切除断端 マイナス
脈管侵襲 リンパ管 マイナス 血管 マイナス
増殖マーカー Ki-67 48%
Stage 切除した部分だけでみればT(リンパを見ていないのでわからないが、もし問題があればUAくらい)

ここ数年衰えは目に見えてきておりますが、年齢の割には元気で、健康な方と思います。手術前の検査で、全身麻酔の手術が可能であるとのことでしたが、リンパに転移している可能性はそれほど高いわけではないという印象と、やはり高齢ですから、全身麻酔による万一の危険を避けて、部分切除を選びました。というわけで、リンパは調べておりません。手術前日から手術後4日間、血圧が上200前後で下がらず心配でしたが、その後、特に問題もなく、通常どおり過ごしています。今後の治療について、ホルモンとハーセプチンは効かない。年齢と体力を考慮して抗がん剤は使わない。ということで説明を受け、理解しています。放射線照射について、予防的にはした方がよいが、毎日通うことと、いくつかの副作用について困難を感じるなら、無理にしなくてもよいといった印象です。放射線の技術が上がっているとはいえ、何の危険もないわけではないし、放射線をかけなかったところに転移する可能性もあるわけですし、本人の自力の可能性に賭けるのもありかな…と思う一方、再発するとしても5年くらい先だろうというお話をうかがってはいますが、わずかな苦痛と危険をさけて、もしかしたら10年元気でいられる可能性を損なうのもどうかと思います。比較的おとなしいタイプのがんであることや、高齢であることを鑑みてもなお、放射線治療を選ぶ有用性は高いでしょうか。検査結果は上記のとおりですが、放射線の治療を受けることをお勧めになりますか? お考えを聞かせていただければ幸いです。最後になりますが、このような場を提供してくださることに感謝いたします。

術後の放射線治療は、あくまでも温存手術を補う局所療法であり、乳房温存療法のガイドラインにもあるように、術後の放射線治療を回避するべき症例(過去の同じ部位の放射線治療歴・膠原病等の基礎疾患・認知症等で放射線治療が危険である場合・最近では乳癌遺伝子保有者等)では、術式は乳房切除(全摘)にするべきです。例外として「切除断端を十分陰性で取ることが出来るなら、臨床試験等の場合は除く」と有りますが、通常放射線治療はするべきです。ただしその目的は、局所再発を防止(本来部分切除で切除断端陰性の場合、放射線治療無しで7~8%の局所再発率を、放射線治療により1~2%まで減少させて、数年後に乳房切除という再手術を予防)して、局所のコントロールを乳房切除並みに引き上げることにあり、遠隔転移を予防することにはなりません。お母様の場合、本来は乳房切除が適応と考えられる乳癌に対し、やや甘い適応で温存手術になったと考えられますが、今後発症する可能性のある局所再発とリンパ節転移に目をつぶれば、『放射線治療無しという選択肢』は有りだと考えます。一つ付け加えさせて頂ければ、記載されたデータから読み取ると、StageUAの乳癌の10年生存率は80%ですが、triple negative typeでKi67=48%と結構高いので、遠隔臓器再発率はその裏返しである20%よりずっと高くなり、「比較的おとなしいタイプの乳癌」というのには当たらず、むしろ「小さく見つかったけれど結構お転婆な乳癌」という印象を受けます。とは言え、「89歳なので抗がん剤は使わない」という方針は、それはそれで尊重して良いと考えます。(文責 久保内)

 

No.11906】  16年05月24日   H   
治療方針について(3)(HPNo.11802-3)

【No.11802】にてご質問させていただいたものです。お世話になります。その後、AC療法3ケ月、ハーセプチン+パクリタキセル3ケ月の術前化学療法を終え、術前検査を行った結果、抗がん剤の効果があり、画像上がん細胞が消失したくらいになりました。当初8cm大のがんであり、リンパ節転移陽性であったことから、「乳房全摘+リンパ節郭清」の手術になることと覚悟していました。ところが、担当医より、この状態であれば「乳房部分切除+センチネルリンパ節生検」で手術して、リンパ節は、センチネルリンパ節生検の結果により周囲のリンパ節切除範囲を決め、乳房については、病理検査の結果、取り残しがなければ1ケ月半程度放射線治療を行い、取り残しが合った場合は全摘などの追加再手術をしたらどうかということで、薦められました。そこでご意見を伺いたく思います。

1)一般的に上記手術方針で問題ございませんでしょうか?
2)当初、ステージVaと言われていたがんでしたので、とても心配していましたが、現在の状況で乳房部分切除+放射線治療でも、乳房全摘でも、今後のリスク(生存率、再発率、治癒率など)は変わらないものでしょうか?

手術は6月初めになりますが、乳房全摘でなくても生存率や再発率などのリスクも変わないのであれば、放射線治療をしたとしても、切除範囲が少ないに越したことはございません。ハーセプチンは、まだ来年まで投与が続きます。本日、思いがけないことを担当医に言われたため、本当に大丈夫かなと、帰宅後やや不安に思い始めました。是非、ご意見をお聞かせ下さい。お手数おかけいたしますが、どうかよろしくお願いします。

1) 8cmのしこりが、化学療法で小さくなったことは、大変良いことです。一般的に、小さくなる際に同心円状に小さくなったのであれば、切除範囲は小さくできます。乳房切除が温存術に変更になる可能性は、この場合です。他には、8cmの範囲でパラパラとがんが存在して、治療効果があるのですが、それぞれが小さくなったり、非浸潤がんの形で残ったりして、切除しなくてはいけない範囲は変わらないというパターンもあります。このパターンでは、画像上、消失したように見えて非浸潤がんの形で残っていることがあります。どちらであるかは、メールなどでは判断できないので、主治医の先生に良く聞いて決めるほかありません。
2) 変わりません! ただし、温存術を受けた場合は、局所再発というリスクが発生します。また、全摘を受けた場合でも、腋窩リンパ節の転移が多く残っている場合(4個以上)は、放射線治療を受けた方が生存率に差が出てきます。いずれにしろ、良く主治医と相談して、納得して治療法を選択することに尽きます。(文責 緒方)

 

No.11905】  16年05月24日   Y 
マンモグラフィのみの検査

先日人間ドックの乳ガン検査で、マンモグラフィのみの検査をしました。結果は、カテゴリー3で、微小円形、淡く不明瞭集簇性分布とありました。再検査は早い方がいいのですか? それと集簇性だと悪性でしょうか? 年齢は44歳で、出産は一度しています。

マンモグラフィの検診で用いられるカテゴリーの分類は、5段階で表記されます。カテゴリー3は、良性(ガンでない)の可能性が高いが、ごくまれに悪性の可能性もあるしこりや石灰化に対して付くものです。集簇していないとカテゴリー2となり、良性の石灰化となります。急がなくても大丈夫ですが、マンモ以外の検査を併せて受けておけば良いと思います。(文責 緒方)

 

No.11904】  16年05月17日   さくら
脳転移の症状(2) (HPNo.11887-2) 

先日はありがとうございました。早速、主治医の先生に症状を話して、脳のCTをとっていただきました。結果は、脳転移は見られないということでした。やはり認知症の可能性があるかと思うのですが、本人の前で主治医の先生に「念のため認知症の検査をしていただきたく、その科にまわしていただけないでしょうか」と言えなくて、帰ってきてしまいました。直近の出来事の記憶など、加齢による物忘れとは違うようなところがあります。ガンの相談ではないのですが、認知症の検査をしたほうがよいのでしょうか? お忙しいところ申しわけありません。どうぞ宜しくお願い致します。

今おかかりの病院が総合病院なら、その病院の神経内科か精神科にかかることになるのでしょうが、乳腺科の看護師でも受け付けの人でもいいので、とりあえず相談してみるのもいいのでは。そうでなければ普通に老年医学とか痴呆外来などのクリニックを探すのでしょうか。(文責 石山)

 

No.11903】  16年05月17日   F.M.
ゾメタでも治療は可能なのでしょうか?(HPNo.11899-2)

先日は、お返事有り難うございました(HPNo.11899)。乳腺科を受診し、全身の造影剤使用のCT検査をした結果で確定診断をし、再発転移として治療するといわれました(PETのない施設なので)。現在 背中の痛みは完全になくなりました。運動をしても痛みは出ません。次回の診察は6月末です。薬のアレルギー反応検査を依頼し、異常なしの確認ががとれたら、フェアストン40r3錠剤服用開始することになりました。質問させていただきます。骨転移はゾメタの点滴と思っていたのですが、ランマ-ク皮下注射と聞かされました。帰宅後、分子標的の薬とわかり、化学物質過敏症の患者はハ-セプチンでひどい副作用が出たと、アレルギーの先生に以前言われたことを思い出しだしました。この12年、点滴投与以外はしたことがなく、皮下注射できるかどうかわかりません(浮腫みが常にあり、皮膚の状態がひどいので)。ゾメタでも、治療は可能なのでしょうか? お返事、よろしくお願い致します。

アレルギーは個々の状態により異なるので、分子標的薬だからアレルギーが多いというわけでなく、実際は投与しないとわかりません。アレルゲンテストなどして投与するなら問題ないと思います。(文責 石山)

 

No.11902】  16年05月12日   B  
転院先について

3年前のGW前に初めて受けた乳癌検診でひっかかり、要精密検査となりました。その後、6ヶ月毎に定期検査を行い、経過観察中です。定期検査でエコーとマンモグラフィを受けました。結果、変化なしでした。4月から通院中の乳腺科医師が減り、凄く混んでいて、治療が必要な人が優先になり、私のような安定している経過観察の人は、転院する話がありまして・・・。半年後の10月の定期検査が、初診からずっと3年半診てくれた現主治医の診察が最後になります。次回の定期検査までに転院先を決めないと紹介状が作成できません。転院先は、主治医の先生が紹介する個人病院か、自分で希望する病院のどちらかになります。自分で希望する病院は、住んでいる地域の市町村医療機関検診施設である大学病院名を伝えたら、「経過観察だけでの受け入れどうだろう?」と言われました。この大学病院では、2年前から市町村医療機関乳癌検診(エコーのみ)をこっそり受けていたので、データーがあり、毎回、次年度検診でOKになってます。

1) 転院相談を兼ねて定期検査の前に今年度の医療機関乳がん検診を申込みするのですが、検診から8ヶ月という短い期間で検診に行っても大丈夫ですか? 
2) 同じ医師で検診予約をとり、今後の相談をして、受け入れ許可して頂くと、次の主治医が乳腺認定医の先生になります。現主治医と同じ乳腺専門医の曜日に予約し相談した方がよいですか?
3) 転院先は、大学病院と個人病院のどちらが良いですか?

宜しくお願いします。

地域の医療事情はよく分かりませんし、経過観察中というのはどの程度のものかもわからず、判断ができませんが、現在大学病院の検診を受けているのであれば、とりあえず紹介状を大学あてに書いてもらえばいかがですか。こっそりかかっているというのも正直に話したほうがうまく連絡が取れるのでは?(文責 石山)

 

No.11901】  16年05月12日   S 
乳ガン検査、治療について

初めて相談させて頂きます。45歳、出産経験無しです。先月末に、乳ガン検診を受けました。昨年8月に、マンモ、エコー検診をを受けたので、少し早いと思いましたが、芸能人の方の乳ガンの話や、少し胸に違和感を感じたので、初めて行く乳腺クリニックで検診を受けた所、エコーで異常があり(7ミリほどの腫瘍に、血流がありました)、翌日造影MRIをとりました。先週末MRIの結果を聞きに行った所、MRIにも影があるので、80%乳ガンだろうと、先生から話がありました。MRI、エコーの画像からして、0期非浸潤癌であろうという話で、腫瘍の摘出手術をすすめられました。手術は、日帰りが可能で、1時間ほどで終わり、摘出すれば今後の治療も必要ないとのお話でした。針生検は、癌細胞が散らばって再発してしまうので、やらない方が良いとのお話でした。全く乳ガンについての知識がなく、ネットで調べたりしているのですが、生検無しの手術というのは、あるのでしょうか? また、針を指すと、癌細胞が散らばってしまうのでしょうか? 飛び込みで行ったクリニックなので、先生の事も全くわからず、このままお願いすべきか判断ができません。今のクリニックの先生の話されるとおり、1日も早く摘出したいと思う気持もあるのですが、乳ガンは、手術後にも治療が必要との話しをネットで目にしたりして、このままで良いのか、乳ガンと言われたショックと、ネットに溢れる情報にどうしようもなくなってしまい、こちらにたどり着きました。長々と、的を得ない文章で申し訳ありません。ご助言をいただきたく、お願いいたします。

摘出手術というのは、検査目的なのか、治療目的なのかで、まったく意味が変わります。乳がんの診断を病理学的にしないで治療を行うことは原則的にありませんし、針生検が癌をまき散らすというのはあまり科学的でないように思います。いずれにしてもセカンドオピニオンを受けるか、今回の手術の目的を確認されたほうがいいと思います。(文責 石山)

 

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