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相談室(No.12001〜)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

 

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。    

 

★ 『乳がん治療の歴史』 コーナー 新設のおしらせ

このたび、当サイト「乳癌インフォメーション from Doctors」 に 『乳がん治療の歴史』 コーナーを開設いたしました。

当サイトの トップページ から、または こちら からご覧いただけます。1世紀以上にわたる乳がん治療の変遷に沿って、様々な用語の解説をおこないます。ぜひご利用下さい。

    

 

★ 公開第16回かながわ乳がん市民フォーラムにご参加いただき、有難うございました

2017年 第16回かながわ乳がん市民フォーラムにご参加いただき、有難うございました。、「今こそ受けたい乳がん授業  」と題し、多くの医療者と乳がん体験者に参加して頂き、壇上で模擬教室を展開致しました。


 日 時  2017年8月26日(土) 午後1時〜午後4時(開場:12時30分) 参加無料
 会 場  はまぎんホール ヴィアマーレ  (〒220-8611 横浜市西区みなとみらい3-1-1 )
 
プログラム :

    1時限目 生 物 「そもそも乳がんとは?」
    2時限目 歴 史 「乳がん治療の変遷」
    3時限目 化 学 「お薬が世にでるまでの長い道のり」
    4時限目 家庭科 「乳がん治療と生活」
       中休み
       放課後  乳がん体験者のよもやま話

    司会 : 俵矢香苗

    出演者 : 校 長  清水  哲 (前 神奈川県立がんセンター 乳腺内分泌外科) 歴史担当 
           学級委員 三輪 晴美 (毎日新聞社 生活報道部 記者) 放課後担当
           講 師  谷  和行 (平塚共済病院 外科) 生物担当 
           講 師  勝俣 範之 (日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科) 化学担当
           講 師  京盛 千里 (聖マリアンナ医科大学病院 看護部) 家庭科担当
           講 師  橋口 宏司 (横浜南共済病院 薬剤科) 家庭科担当
           生 徒  乳がん体験者の方々
                   荒井 博子 宇治川 洋子 梶原 真理子 古武 好恵 後藤 綾香(仮名)
                   後藤 孝子 白石 幸子  杉  信子   中山 須美 茂木 伊奈江
  


 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

12097 18/04/02 T.A. ジェネリック 須田
12096 18/03/26 R グリコーゲンリッチ乳がん(3) 清水
12095 18/03/22 グリコーゲンリッチ乳がん(2) 清水
12094
12094-2
12094-3
18/03/20
18/03/22
18/03/26
グリコーゲンリッチ乳がん
グリコーゲンリッチ乳がん(2)
グリコーゲンリッチ乳がん(3)
清水
清水
清水
12093 18/02/28 S.M. 抗がん剤治療を受けるか受けないか 緒方
12092 18/02/15 PU 転移性乳がん 石山
12091 18/02/06 k.m 乳癌治療後の出産、母乳について 石川
12090 18/01/11 C  葉状腫瘍の追加手術について 高橋
12089 18/01/11 Ariki 腋の痛み 高橋
12088 18/01/01 断端陽性について 須田
12087 17/12/20 のう胞 清水
12086 17/12/18 K.M. 全摘の手術を控えています 清水
12085 17/12/18 T.H 今後の治療について 清水
12084 17/12/12 M.S. 骨折と癌治療 齋藤
12083 17/12/08 コイン  多発性肺がん転移(HPNo.12029) 久保内
12082 17/12/08 N.M. 無治療の経過観察 久保内
12081 17/12/08 葉状腫瘍 久保内
12080 17/11/28 Y.S. 経過観察で大丈夫なのでしょうか? 緒方
12079 17/11/21 K 今後の治療について(2) 石山
12078
12078-2
17/11/16
17/11/21
今後の治療法について
今後の治療について(2)
石山
石山
12077 17/10/30 K  左胸のしこり 徳田
12076 17/10/21 S.O 妻の乳がんについて
12075 17/10/21 E 乳がん治療とサプリメント(HPNo.12070)
12074 17/10/21 H.F.  放射線治療について
12073 17/10/13 N 骨転移の骨シンチについて 高橋
12072 17/10/13 K  術後の石灰化 高橋
12071 17/10/13 M リンパ、血行促進とガン転移について 高橋
12070
12070-2
17/10/09
17/10/21
E  術後の治療について
乳がん治療とサプリメント
須田
12069 17/09/28 T 左胸のシコリ 鈴木
12068 17/09/19 M  アナストロゾール 清水
12067 17/09/19 A  炎症性乳がんです 清水
12066 17/09/15 Y.O. 異時性両側乳がん ki67の値が手術前の生検と術後でかなり異なる場合の薬物療法 齋藤
12065 17/09/06 M.A.  非標準治療について 久保内
12064 17/09/06 M.S. 肺の影 久保内
12063 17/09/06 O 石灰化の増加について 久保内
12062 17/08/23 S 現在の私のステージはどれくらいなのでしょうか? 緒方
12061 17/08/23 S.M. 治療後の検診の頻度について 緒方
12060 17/08/23 S.S.  乳がん、乳頭のしこり 緒方
12059 17/08/14 乳癌の皮膚転移の場合の抗がん剤の種類について (HPNo.12049) 石山
12058 17/08/14 S  このままの治療法でいいのでしょうか? (HPNo.12055) 石山
12057 17/08/07 R.O. 乳がん診断について 石川
12056 17/08/07 K.M. 母の今後の治療について(HPNo.12053) 石川
12055
12055-2
17/08/07
17/08/14
このままの治療法でいいのでしょうか?
このままの治療法でいいのでしょうか?(2)
石川
石山
12054 17/08/07 乳癌の皮膚転移と今後の治療について(HPNo.12049) 石川
12053
12053-2
17/08/03
17/08/07
K.M. 母の今後の治療について
母の今後の治療について(2)
徳田
石川
12052 17/08/03 M.I. 緑内障  徳田
12051 17/08/03 左胸の乳首が陥没しています 徳田
12050 17/07/22 私の癌はどの程度のものでしょうか?
12049
12049-2
12049-3
17/07/22
17/08/07
17/08/14
乳癌の皮膚転移と今後の治療について
乳癌の皮膚転移と今後の治療について(2)
乳癌の皮膚転移と今後の治療について(3)

石川
石山
12048 17/07/09 薬は効いているのでしょうか? 高橋
12047 17/07/09 K.I. DCISが確定されました (HPNo.10781) 高橋
12046 17/07/04 M.M. 術後1ヶ月での転移? 須田
12045 17/07/04 乳頭からの分泌について 須田
12044 17/06/30  K ホルモン療法(HPNo.12042) 鈴木
12043 17/06/22 M.T しこりが大きくなり不安です 清水
12042
12042-2
17/06/22
17/06/30
K  リンパ転移、再発?
ホルモン療法
清水
鈴木
12041 17/06/22 Y.A.  乳がん転移について 清水
12040 17/06/17 K  ホルモン療法期間(5年か10年か?)(HPNo.11973) 齋藤
12039 17/06/08 K M アロマシンとハーセプチンの組み合わせ 久保内
12038 17/06/08 今後の治療薬について 久保内
12037 17/05/26 C.N. 髄様癌について 緒方
12036 17/04/30 M.K. 健側の腫瘍(HPNo.11043) 徳田
12035 17/04/30 良性石灰化の今後(HPNo.12028) 徳田
12034 17/04/25 マンモグラフィ 石灰化 カテゴリー4 俵矢
12033 17/04/25 Y  左胸のしこりと肥大について 俵矢
12032 17/04/25 乳がんの症状に当たりますか? 俵矢
12031 17/04/19 アリミデックスの副作用について
12030 17/04/19 K O DCIS切除後の断端について
12029
12029-2
17/04/15
17/12/08
コイン 乳がんの再発=多発性肺ガン
多発性肺がん転移
高橋
久保内
12028
12028-2
17/04/15
17/04/30
乳腺の変化について
良性石灰化の今後
高橋
徳田
12027 17/03/30 すぐに摘出した方が良いでしょうか? 鈴木
12026 17/03/23 K.M. 54歳で乳がん見つかりました(2)(HPNo.12022) 清水
12025 17/03/23 TS-1について 清水
12024 17/03/23 不正出血というものなのでしょうか? 清水
12023 17/03/17 KK 乳汁分泌と石灰化 齋藤
12022
12022-2
17/03/07
17/03/23
K.M. 54歳で乳がん見つかりました
54歳で乳がん見つかりました(2)
久保内
清水
12021 17/03/07 M.S. ccrと考えてもいいのでしょうか? 加藤
12020 17/03/07 A.K. 今後の治療について 加藤
12019 17/02/22 E.E. 異時性両則乳癌の抗癌剤について 緒方
12018 17/02/22 右胸のしこりについて 緒方
12017 17/02/22 M.T. FEC 緒方
12016 17/02/13 M.M ホルモン療法 石山
12015 17/02/13 Y ノルバデックス10年の治療について 石山
12014 17/02/11 T 再発後のタモキシフェンについて/新たに肺に影(HPNo.11945) 石山
12013 17/02/11 全摘手術しようと思います 石山
12012 17/02/11 メメ トリプルネガティブで、化学療法しかないが本人の意志に任せると言われて 石山
12011 17/02/07 K 術後の治療方針 石川
12010 17/02/07 M.S. トリプルネガティブ 石川
12009 17/02/01 T.K. 化学療法+放射線+タモキシフエン E2上昇
12008 17/01/28 かよ 右乳房のしこり
12007 17/01/28 H.H.  左胸のしこりについて
12006 17/01/28 K.T. 高校2年生です 谷K.M.
12005 17/01/22 June 分泌物 徳田
12004 17/01/19 自分は、いつからガンになっていたのか? 徳田
12003 17/01/19 乳ガン検査結果について 徳田
12002 17/01/17 乳房の痛み 俵矢
12001 17/01/02 Y  局所再発乳癌の術後薬物治療について 須田

 

No.12097】  18年04月02日   T.A. 
ジェネリック

乳癌術後(閉経後)のホルモン薬をジェネリック選択するかどうかで悩んでいます。閉経前のホルモン薬ノルバディックスは、ジェネリックでも長年使用経験があるので心配することはないと聞いたのですが、閉経後の薬をジェネリックはどうですか? 術後5年間のホルモン療法が終わった1年半後にリンパ節に再発したので、心配になりました。教えてください。どうぞよろしくお願いします。

ジェネリック医薬品とは、それまでの新薬と同等の有効性、安全性を有する有効成分と、違っていても有効性、安全性に差がない添加剤で成り立っています。異なる添加剤が使用されていても、溶出試験、生物学的同等性試験等で、同等性が確認されています。添加剤や製法が異なっていても、品質有効性、安全性が確認されなければ、製造販売の承認審査に合格しません。貴女の場合、ホルモン剤は、効果があれば、長期間使用される可能性があるので、経済的な面からもジェネリック医薬品を使用するメリットはあります。主治医とご相談の上、納得のいく治療を選択して下さい。(文責 須田)

 

No.12096】  18年03月26日   R 
グリコーゲンリッチ乳がん(3)(HPNo.12094-3)

お忙しい中、ご丁寧な返信ありがとうございます。浸潤部の組織型を主治医に確認したところ、組織型については、非浸潤も含む全体での30%ということで、はっきりはわかりませんでした。あともうひとつ教えて頂きたいのですが、私はセンチネル迅速診断で0、4oの微小転移が確認されました。04oのため腋窩は、いじっていません。術後の永久標本では面がかわったためか、転移はみられなくなり、ステージ1となりました。5oの浸潤(非浸潤が広範囲にひろがり、ところどころで浸潤していたもののうち最大です)にも関わらず、微小転移があったことが気になっています。主治医は、微妙転移は予後に影響しないから、気にしないでといいますが、先生のご経験的にも、本当に予後に影響しないのでしょうか? (小さい浸潤にもかかわらず、リンパ微小転移があったことで、癌に勢いがあるのではないかと心配です) のちに、脇に再発がみられることもありますか? 浸潤5o以内だと極端に再発が少ないと言われましたが、先生のイメージではどうですか? それでも再発している人は、どういう方なのでしょうか? こわいのです。
グレード2、ハーツ陰性、ki25から40、ホルモン弱陽性です。お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

微小浸潤なのに微小転移があるというのは珍しい現象で、心配になるお気持ちも理解できます。今までに微小転移の方が腋窩リンパ節再発したという経験はありませんが、腋窩リンパ節再発が絶対におきないとは言い切れません。また、浸潤径 5mm以下の方の遠隔転移をおこす方の数は極めて少ないということに間違いありませんが、転移が絶対におきないという訳ではありません(これは経験があります)。貴女の場合、浸潤径、リンパ節転移といった一つ一つの解剖学的情報からは予後が良いと考えられるので、一般的には術後補助療法は不要と考えられます。しかし、微小浸潤ガンかつ微小リンパ節転移という状況は、貴女が心配される様に決して油断できる状況では無いとも考えられますので、御本人が希望するのであれば、術後補助療法を行うという選択肢もありだと思います。(文責 清水)

 

No.12095】  18年03月22日   R 
グリコーゲンリッチ乳がん(2)(HPNo.12094-2)

ご丁寧な返信ありがとうございます。参考にさせていただきます。グリコーゲンリッチ乳がんは、教科書的には同等か若干予後が悪くなるというのは、グリコーゲンリッチ乳がんの方が全員再発してるわけではないのですか? 教科書ではなくて、もし先生のご経験的にはどうなのでしょうか? すごく稀な乳がんとみたので、乳がんで再発してしまう数少ない人は、この稀な癌の人なのではと悪い方に思ってしまいます。私の場合は、先生も無治療にしますか? 抗ガン剤はしますか? ホルモンは弱陽性です。

わたしが経験した方は長期followできていないため、転帰は不明です。稀な癌だから転移再発が多いということはありません。浸潤径が5mmの乳管ガンであれば、術後10年での転移再発率は5%未満です。ということは、Glycogen-rich carcinomaの10年までの転移再発率は浸潤性乳管ガンと同等なら5%未満、若干悪いと考えたとしても7 or 8%未満と考えてよいのではないでしょうか。術後補助療法は無治療もしくは内分泌療法になると思います。最後に一つ確認しておいていただきたいのは、浸潤部の組織型が何だったかです。浸潤部の30%、つまり1.5mmがGlycogen-rich carcinomaだったのでしょうか? 転移再発を決めるのは浸潤部の組織型なのです。(文責 清水)

 

No.12094】  18年03月20日   R 
グリコーゲンリッチ乳がん

広範囲な石灰化から非浸潤の予想でしたが、残念ながら浸潤ヵ所がみつかりました。5o以内のため無治療なのですが、癌の種類が普通の乳がん70%とグリコーゲンリッチ乳がん30%の混合癌です。このグリコーゲンリッチ乳がんというのは、特殊なようで、べてもあまりよくわかりません。これは特殊で100%遠隔転移おこすとか、後不良とか、かってるのですか? 私は5o以下のため無治療で心配です。危険性が高いなら抗ガン剤も必要になりますよね。

Glycogen-rich carcinomaは特殊型乳癌の中でも稀な組織型で、数が少ないため詳細なことは分かっていません。教科書的な回答としては ”Glycogen-rich carcinomaの予後は、浸潤性乳管ガンと比較して同等もしくは若干悪い” という事になっています。5mmの浸潤径であれば、(当然リンパ節転移は無かったと思いますので)若干予後が悪いといっても、転移再発の確率はかなり低いと思います。(文責 清水)

 

No.12094-2】  18年03月22日   R 
グリコーゲンリッチ乳がん(2)

ご丁寧な返信ありがとうございます。参考にさせていただきます。グリコーゲンリッチ乳がんは、教科書的には同等か若干予後が悪くなるというのは、グリコーゲンリッチ乳がんの方が全員再発してるわけではないのですか? 教科書ではなくて、もし先生のご経験的にはどうなのでしょうか? すごく稀な乳がんとみたので、乳がんで再発してしまう数少ない人は、この稀な癌の人なのではと悪い方に思ってしまいます。私の場合は、先生も無治療にしますか? 抗ガン剤はしますか? ホルモンは弱陽性です。

わたしが経験した方は長期followできていないため、転帰は不明です。稀な癌だから転移再発が多いということはありません。浸潤径が5mmの乳管ガンであれば、術後10年での転移再発率は5%未満です。ということは、Glycogen-rich carcinomaの10年までの転移再発率は浸潤性乳管ガンと同等なら5%未満、若干悪いと考えたとしても7 or 8%未満と考えてよいのではないでしょうか。術後補助療法は無治療もしくは内分泌療法になると思います。最後に一つ確認しておいていただきたいのは、浸潤部の組織型が何だったかです。浸潤部の30%、つまり1.5mmがGlycogen-rich carcinomaだったのでしょうか? 転移再発を決めるのは浸潤部の組織型なのです。(文責 清水)

 

No.12094-3】  18年03月26日   R 
グリコーゲンリッチ乳がん(3)

お忙しい中、ご丁寧な返信ありがとうございます。浸潤部の組織型を主治医に確認したところ、組織型については、非浸潤も含む全体での30%ということで、はっきりはわかりませんでした。あともうひとつ教えて頂きたいのですが、私はセンチネル迅速診断で0、4oの微小転移が確認されました。04oのため腋窩は、いじっていません。術後の永久標本では面がかわったためか、転移はみられなくなり、ステージ1となりました。5oの浸潤(非浸潤が広範囲にひろがり、ところどころで浸潤していたもののうち最大です)にも関わらず、微小転移があったことが気になっています。主治医は、微妙転移は予後に影響しないから、気にしないでといいますが、先生のご経験的にも、本当に予後に影響しないのでしょうか? (小さい浸潤にもかかわらず、リンパ微小転移があったことで、癌に勢いがあるのではないかと心配です) のちに、脇に再発がみられることもありますか? 浸潤5o以内だと極端に再発が少ないと言われましたが、先生のイメージではどうですか? それでも再発している人は、どういう方なのでしょうか? こわいのです。
グレード2、ハーツ陰性、ki25から40、ホルモン弱陽性です。お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスいただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

微小浸潤なのに微小転移があるというのは珍しい現象で、心配になるお気持ちも理解できます。今までに微小転移の方が腋窩リンパ節再発したという経験はありませんが、腋窩リンパ節再発が絶対におきないとは言い切れません。また、浸潤径 5mm以下の方の遠隔転移をおこす方の数は極めて少ないということに間違いありませんが、転移が絶対におきないという訳ではありません(これは経験があります)。貴女の場合、浸潤径、リンパ節転移といった一つ一つの解剖学的情報からは予後が良いと考えられるので、一般的には術後補助療法は不要と考えられます。しかし、微小浸潤ガンかつ微小リンパ節転移という状況は、貴女が心配される様に決して油断できる状況では無いとも考えられますので、御本人が希望するのであれば、術後補助療法を行うという選択肢もありだと思います。(文責 清水)

 

No.12093】  18年02月28日   S.M. 
抗がん剤治療を受けるか受けないか

診断 浸潤性乳管癌、 エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体 陽性、 HER2タンパク 陰性、 PET検査 遠隔転移 陰性

1月に手術で、乳房の部分切除、センチネルリンパ節生検を受けました。乳房のしこりの大きさ15o、リンパ節は3つ切除し、1つに顕微鏡レベルの転移あり。2つ目・3つ目には転移なし。当初は術後の治療として、放射線治療+ホルモン療法の予定でしたが、転移があったため、抗がん剤治療もと言われました。その後セカンドオピニオンで、別の治療を提案されました。それが抗がん剤治療をせず、放射線とホルモン剤治療。ただホルモン剤治療は念入りに、タモキシフェンにプラス+LHRHアナログをと。タイプ的に抗がん剤治療ですごく効果が出るとは言い難い…それでもするかしないか…と。どちらを選択するか、考えても考えてもわかりません。癌=抗がん剤が標準的な治療なのでしょうか?

年齢がわかりませんが、40歳代前半までであれば、ホルモン治療の内容でLHRHアナログを上乗せする効果があると思います。いずれにしろ、抗がん剤治療は不要と思います。金額が問題になりますが、オンコタイプDXという自費検査を受けると、抗がん剤治療の上乗せ効果があるかを数値で出してくれます。これも参考にして、抗がん剤治療をうけるか、主治医と相談してはいかがでしょうか? 自分で考えても結論を出せる人はとても少ないと思います。(文責 緒方)

 

No.12092】  18年02月15日   PU
転移性乳がん

転移性乳がんで、ゾラデックス+ノルバデックス治療となりました。現在49歳10ヶ月。ゾラデックス使用中に閉経を確認することは可能でしょうか? 閉経後の治療薬は使えるでしょうか? 

使用中は自然閉経かどうかはわからないので、投与前に女性ホルモンのエストロゲンとFSHを測定し、治療終了後にゾラデックスの効果がないときに再度計るしか、確認のしようはないと思います。(文責 石山)

 

No.12091】  18年02月06日   k.m
乳癌治療後の出産、母乳について

以前手術法、術後治療につきましてご相談させて頂きました者です。(罹患時29歳、現在33歳。)
◯2014年5月 左乳房温存手術→放射線治療→約2年程のホルモン治療(内服のみ、ゾラデックスの使用はしませんでした。)
◯2017年 担当医と相談ののち自然妊娠、2018年 2月出産予定です。

(手術時の病理結果がこちらになります。)
ステージ1 浸潤4mm×4mm ホルモン(+)エストロゲン(+) 組織グレード2 核グレード2 ki67...6% HER2 (−)

この度、授乳についてご相談させて頂きたく、メールをさせて頂きました。術側は左側になりますが、1年程前に右側に良性のしこりが見つかり、妊娠中も経過観察しておりました。(細胞診の結果、良性。その後、3か月毎エコー検査。11月の検診時には、ほぼエコーで見えない程まで縮小しておりました。) 産後、授乳については主治医の方より問題はないと言われておりましたが、ミルクで子育てをと考えておりました。母乳育児の方が、乳癌発症率が低いとの情報も聞いたことがありますが、統計など出ているのでしょうか? 乳癌罹患後の妊娠出産の統計自体が少ないとは思うのですが、どういった形を取るのが1番負担やリスクが少ないのか、少しでもご教授頂けましたら幸いです。(素人的なイメージとしては、母乳育児に関して乳腺炎等のトラブルなども多く、乳房に負担が多いのでは、また母乳育児中の乳癌検診は、見つかりにくいとのイメージがあります。ただ、逆を考えれば、出るものを無理に止めてしまうのもあまり良くないのか、、等々、悶々としております。) 何卒ご回答の程、宜しくお願い致します。

出産回数が多いほど、授乳期間が長いほど、傾向として臨床的にも乳がんになるリスクは少ないような印象を持っています。私も母乳育児は問題なく、むしろホルモン環境を考えると授乳をした方がいいのではないかと考えます。無事出産を迎えられることを祈念しております。(文責 石川)

 

No.12090】  18年01月11日   C
葉状腫瘍の追加手術について

41歳主婦です。昨年12月に、全身麻酔で、3cmの葉状腫瘍の摘出手術を行いました。術前の組織検査では線維腺腫であった為、マージンは取らず、腫瘍のみの摘出になっています。病理の結果、良性でしたが、切除断端が一部陽性とありました。主治医は、再発することもあるので、今後も経過観察をと言っていましたが、追加手術は必要無いのでしょうか? 断端が陽性で(たとえ一部でも)、再発しない可能性もあるのでしょうか? 色々とネットで調べ、葉状腫瘍の恐ろしさと、再発を繰り返すと悪性度が増す事もあると知ったので、もし再発したらと思うと恐くて不安です。こちらから強く、マージン確保の追加手術をお願いした方が良いでしょうか? それとも、経過観察をし、再発したら次こそ十分なマージンをつけての手術でも、手遅れにはならないでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます。葉状腫瘍にも良性と悪性がございます。良性で断端陰性であれば追加手術は必要ありません。悪性で断端陽性であれば必ず追加手術が必要です。Cさまの場合には、良性で断端陽性。ガイドライン上は、良性、悪性問わずに、1cmの余裕(マージン)を確保して切除するべきであると記載されておりますので、ガイドラインに従えば、さらに最低でも1cm正常乳腺を追加切除する必要性がございます。しかし、追加切除を望んだとしても、正確にどの部位が断端陽性なのかの判断が難しく、乳腺全体的に追加で大きく切除することになると考えます。それだけの利点があるかどうか。手術をされた主治医の先生とのご相談になると存じます。一方、十分な切除をしたとしても局所再発があり得る疾患ですので、追加切除をしたとしても、慎重な経過観察は必要です。もう一度主治医の先生とご相談してみてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.12089】  18年01月11日   Ariki
腋の痛み

明けましておめでとうございます。以前にも相談させていただきました。年齢は70代です。術後12年(5月手術)近くなります。今現在も腋の痛みが取れません。お薬は処方されています。現在トラマールとムコスタ錠を服用しています。今までにトリプタノール、リリカを服用しました。これらの薬は副作用が出て止めました。昨年11月に、突然11年以上経過しているのでと、主治医から診察無しを言われてしましました。腋は、痛みと重りを下げているような状態が続いています。毎日が憂鬱です。何か良い方法はございませんでしょうか。トラムセットが良いとも聞いていますが。良いお薬がございましたら、ご指導の程よろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。Arikiさまのように、乳がん術後に脇の下の痛みでお悩みの方はいらっしゃいます。術後疼痛症候群と呼ばれるもので、強い痛みの場合にはペインクリニックを受診される患者様もおいでになります。トラムセットはトラマールとアセトアミノフェンの配合薬ですので、お試しいただくのもよいかと存じます。主治医の先生から診察終了と言われてしまうと、とっても悲しいですよね。長期間変化がない場合には、先ほどお伝えしましたように、ペインクリニックを受診されてみてはいかがでしょうか? 応援しています。(文責 高橋)

 

No.12088】  18年01月01日   C
断端陽性について

お忙しい中恐縮ですが、ご連絡させていただきました。40代後半の主婦です。2017年11月「右乳癌の診断」右CD〜BD広範囲の低エコー域、一部で腫瘤形成。ER+、PgR+、grade1、her2(-)。12月、右乳房切除、センチネルリンパ生検(陰性)をおこない、無事に退院しました。その後、病理診断と治療方針の話を主治医としました。所見内容は、浸潤の最大径はプレパラート上の計測で6.7ミリ。乳管内成分は面疱型壊死を伴って広い範囲に分布し、乳頭部乳管にも達する。浸潤部の組織像は硬癌相当、全体としては乳管内成分優位のため乳頭腺管癌に分類。histological grade1 (tubular formation score1,unclear polymorphism score2,mitotic co Ki-67は浸潤部のhot spotで20%前後、浸潤部全体としてはより低い。切除断端について、乳管内成分は乳腺組織にまで進展を認め、陽性。間質浸潤成分は陰性。このような内容でした。今後の治療方針は、放射線治療、ホルモン療法(タモキシフェン5〜10年毎日、リュープリン2〜5年3ヵ月に1回)を来月から始めましょうということでした。主治医に聞きづらく、ご意見をおきかせください。
1) 全摘で断端陽性になることはあるのでしょうか。
2) 放射線治療は6ヵ月以内に傷口が治ってから開始すればよいと言われています。急ぐ必要ナいということですか。
3) 治療方針の参考意見を聞かせてください。

よろしくお願いいたします。

1) 乳房切除後の病理組織学的な断端検索をするには、ホルマリン固定後、全割して、すべてのブロックのパラフィン切片を作って診断する方法や、側方断端を切り出し、パラフィン標本によるプレパラートを作って診断する方法などがあります。また、断端陽性の定義も、医療施設により様々です。貴女の場合、いずれかの方法で断端検索のためのプレパラートを作成した結果、乳腺組織には病巣がみられるが、乳腺組織以外には見られないとあります。従って、乳房切除術の場合、一般的には乳腺が明らかに露出することはないので、病巣から切除断端までは少し離れていると考えられます。主治医に、切除断端の検索方法も含めて、納得のいくよう、伺ってみてください。
2) 乳房切除後の放射線治療は、乳房を切除した胸壁とその周囲のリンパ節への再発を予防するために行われます。6カ月以内を目安に、手術創が治ってからの開始でよいと思います。
3) ホルモン療法、長期になりますが、頑張ってください。治療中に疑問点、不安点などが出てきた場合が、主治医にご相談ください。納得のいく治療を前向きに受けることが大切だと思います。(文責 須田)

 

No.12087】  17年12月20日   S
のう胞

乳がん患者です(非浸潤がん)。今年で13年経過しています。40代後半、出産経験なし。今までにマーカーやや高めはありましたが、再発はしておりません。最近になって、乳がんをしていない胸に、「のう胞」が突然出来ました。ホルモン剤(タスオミン)の有効性は10年と聞いています。主治医は、こののう胞は、年齢的なものだと思うから気にしなくてもいいといいます。対側の乳がんの心配をしています。これは主治医が言う「年齢的なもので、気にしなくていいのでしょうか?」 お忙しい所、恐れ入りますが、回答お願いします。

”のう胞”は主治医の先生がおっしゃるように、40歳代の女性に多くみられる良性病変で、心配ありません。対側乳がんの発生率は年率0.7〜0.8%程度と言われています。つまり貴女と同じ年に100人手術したとすると、術後10年の間に7-8人が対側の乳がんを経験していることになり、術後20年では14〜16人と、年と共に一定頻度で増えていきます。ですから、対側乳がんを恐れることなく、定期的な検診(原則は年1度のMMG、場合によってはUSも)をしっかりしてください。蛇足ですが、貴女が乳がんの手術をしたのは30代ですよね。血縁者に乳がん、卵巣がんの方はいませんか? もしいらっしゃるようであれば、遺伝性乳がんの可能性も考えなければいけなくなります。遺伝性乳がんの場合、対側乳がんの発生率はもっと高くなりますから、検診法も変わってきます。一度主治医の先生に相談してみてください。(文責 清水)

 

No.12086】  17年12月18日   K.M.
全摘の手術を控えています

乳がんになり、来月には全摘の手術を控えています。不安な事があり、どうにも落ち着かないので、質問をさせて頂きたくメールしました。時系列:全て同じ病院の乳腺外科で、それぞれ担当医は変わっています。二年前:1cm位のシコリをみつけ細胞検査をしたところ良性腫瘍、年に一度の検診で良いと言われました。昨年:シコリが2cm位に大きくなっている。同じ病院で市のマンモグラフィーを受けましたが問題なし。高濃度乳房です。今年:シコリが4cm位になり再度検査をうけると、乳管がんが見つかりました。1/4切除or全摘。同時再建を勧められました。不安なのは、今年の検査の時に、「シコリなんか無いよ。」と否定された事です。別の日にも聞いたのですが、「シコリじゃなくて乳腺です。」と言われました。それでは2年前の良性腫瘍という見立てが間違っていたという事なのか・・・、2年間悪性の腫瘍を放置したという感がいなめません。でも1/4切除や同時再建を進めるくらいだから、できたばかりの乳がんなのかな?とも思いたくなります。そこで質問なのですが、お医者さんは見落としや検査ミスを認めない事はありますか? 2年放置した悪性のがんがあっても、1/4切除、同時再建を勧めたりしますか? それが分かったからと言って争う気力はありません。「たとえミスがあったとしても、やるべき事は前進するのみ。」と、家族で結論は出ているのですが、それでも一人考えると胸が苦しくなります。お忙しい所大変恐縮ですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

大変に難しい質問ですね。乳がんに限らず病気の診断というのはとても難しいのです。診断する時点で得られた情報(乳がんであればしこりの大きさ、触診所見、マンモグラフィーの所見、エコーの所見、細胞診、組織診等の結果)から最も考え得る診断をし、その経過をカルテに記載します。結果としてその診断が違ったとしても、それをミスとは言いません。しかし、どれかの検査の結果を確認しなかったとか、検査結果を他人と取り違えたなどという場合には、明らかにミスですから、通常は謝罪します。診断について疑念がある場合は2nd opinionを受けて、その先生(その病院)の診断が妥当であったかどうかを確認する方法があります。しかし、一般的に2nd opinionは結果論になる(結果がガンであるとわかって画像をみるので、バイアスがかかる)ので、厳しく診断される傾向がありますが…。慰めるために言うのではないのですが、もし本当に、最初の診断の時点でガンであって、2年放置した後に診断されたとすれば、このガンの増殖は遅い方と考えられますから、決して手遅れということはありません。ER,PR陽性、Her2陰性乳がんであることが予想され、術式にかかわらず内分泌療法をしっかり行えば、長生きできるのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.12085】  17年12月18日   T.H
今後の治療について

ご相談よろしくお願い致します。母を失いかけており、信じがたい状況になりました。66歳の母についてお伺いしたいのですが、乳がんに18年前になり右胸を切除、6年前に再発し、骨転移、肝転移であることがわかりました。再発後はトリプルネガティブと診断され、ゼローダ、アブラキサン、ハラベンと、それぞれの抗がん剤の効果がなくなりはじめた時点で、薬を変更してきました。3種類とも効果はあり、がんの進行をとめることができました。現在最後の抗がん剤として、アバスチンとパクリタキセルを投与しましたが、肝臓の数値が徐々に悪化し、AST300台、ALT150、ALP894、ガンマ154に上がり、腹腔内に腹水がたまりました。約500mlで、今はまだ抜けないといわれています。今後は治療法がないとして、別の病院で肝臓のカテーテルの血管内治療を予定しています。ところが、1週間前に血液検査をした際は総ビリルビンが1.2だったのですが、本日(カテーテル治療の5日前になります)に、数値が2.1にあがり、カテーテルでの抗がん剤治療が困難かもしれないといわれてしまいました。腹水はあるものの、母は元気で、従来よりは少ないものの食欲もあり、普通に動けています。ビリルビンが上昇していますが、黄疸の症状もそこまで出ていません。そこでお聞きしたいことがございます。
1) ビリルビンがこのままあがればカテーテル治療すら困難ともいわれていますが、抗がん剤の副作用かが、わかりません。副作用でビリルビンが上昇したという可能性はありますでしょうか。
2) その場合、抗がん剤を使ったカテーテル治療をお願いしたいと思っているのですが、控えたほうがいい可能性もあるのでしょうか。
3) カテーテル治療がだめな場合、ほかに使える抗がん剤や治療法はありますでしょうか。

何卒よろしくお願い申し上げます。

1)ビリルビン上昇の原因として、肝転移の悪化もしくは化学療法の副作用による肝機能低下の二つが考えられます。どちらなのかを判断するのはとても難しいですが、様々な血液検査の結果、CT等の画像検査の結果を参考にして総合的に判断します。
2)ビリルビン上昇の原因が肝転移の悪化と判断されればカテーテル治療(肝動注の事だと思いますが)が選択されますし、肝機能の低下と判断されれば、カテーテル治療は選択されないと思います。
3)Mailにある薬剤しか使っていないのであれば、使える薬剤としては、Anthracyclinを含む治療(AC,EC)、ナベルビン、ジェムザールなどがありますが、現状ではあまり効果は期待出来ず、副作用が懸念されます。お母様のこれから残された時間を如何に辛くなく元気に過ごしてもらえるかを第一に考えるとするならば、一生懸命に副作用に強い薬剤を使って治療することを考えることはかえってマイナスになる可能性もあります。そのことも考慮して主治医の先生と良く話し合ってください。(文責  清水)

 

No.12084】  17年12月12日   M.S. 
骨折と癌治療

52歳です。15年夏手術後、フルコース治療を行い、16年2月頃からアリミデックスを服用しています。これまでに骨密度検査を2回ほど行いましたが、年齢相応の数値で、特に骨の異常はありません。この夏、何げなく歩いていたら、つまづき転び、軽く右肩を打って骨折してしまい、完治まで4週間を要しました。そして本日、家の中で足の指を家具の角にぶつけました。足の腫れ具合や痛みから、これも多分骨折と思われます。いずれのケースもそれほど強打した覚えもなく、今までにも同じようなケースはあったと思われますが、いとも簡単に重症化するのは、がん治療と何がしかの影響があるのでしょうか。また、そうだとして、今後の日常生活で治療前より気をつけた方がいい行動、または運動などあるのでしょうか。ご教示願えますと幸甚です。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でM.S.さんの不安が少しでも減ればうれしく思います。現在アリミデックスを内服中であり、骨密度を内服後約2年の間に2回測定され、異常は無かったにも関わらず、2度の骨折を経験されてしまったのですね。アリミデックスの影響で骨折が多いのではないかと心配ですね。一般的に骨密度検査を行う部位は、腰椎(腰の骨)や大腿骨頚部(太ももの骨の股関節に近い位置)です。この部位の測定結果と、肩や足の指の骨の骨密度が一致するかどうかは私は存じ上げません。しかし極端な差は無いと考えますので、アリミデックスの影響は少ないと考えます。頂いたご質問からは、M.S.さんの体格や食生活や普段の活動の状況はわかりませんが、何気ない動作でつまずいたりぶつけたりされている事から、運動器全体の衰えが年齢以上に進んでいる可能性があります。これをロコモティブシンドロームといいます。骨だけで無く、筋肉や関節や軟骨などの機能が低下している状態のことです。これを予防するためには適度な運動とバランスのよい食生活が大切といわれています。詳しくは、日本整形外科学会ホームページの「一般の方へ」のページにある「ロコモティブシンドロームとは」をご参照下さい。結論を申し上げますと、現在のがん治療はお続けになり、日常生活では適度な運動とバランスのよい食生活を心がけて頂くのが良いと思います。(文責 斎藤)

 

No.12083】  17年12月08日   コイン 
多発性肺がん転移(HPNo.12029-2)

HPNo.12029で相談させていただき、ほんとうにありがとうございました。経過観察中、 今年5月にPet-CTと血液検査を受けましたが、Petでは他の癌等は、でませんでした。CT画像は昨年の秋と変化はありませんでした。血液検査も異常なしでした。昨日、CT、血液検査を受けました。半年前と同じで大きな変化はなく?血液検査も大丈夫で、再び6か月の経過観察になりました(前回5ミリを2ミリの癌と間違えて記載しました。お詫びします)。一年前の再発発見後も、11年前OP後と同じく、これまで同様の生活をしています。相談室の先生に頂いたお返事の様に、治療は、最初はホルモン療法になると主治医の説明を受けていますが、今は無治療です。体の変化や息苦しさも何もありません。 いつ頃から治療が始まるのでしょうか?と主治医にお聞きすることさえ、診察室で気づきませんでした。 日々どの様なことを注意したらいいのでしょうか? また主治医の移動をお聞きしました。カルテ資料があるので大丈夫ですよね。 どうかよろしくお願いたします。

はじめに、小生は前回ご相談の回答医師と違っているかと思いますが、当番制なので悪しからずご理解ください。1年間無治療だったようにお見受けしましたが、明らかな肺転移だとしたらおかしいですね。11年目の再発となれば、発育速度の遅い乳癌と考えますが、それにしても無治療でサイズに変化が無いのは理解しにくいです。小さな転移巣だったら自覚症状が出ないのは当たり前ですが、画像で少しは大きくなると考えますし、単発が多発になったり、数が増えたり、他部位に転移が広がる可能性があると思うので、やはり内分泌療法から始まる再発治療が必須と考えます。もしかしたら肺内の腫瘤状の病変は、再発では無く他の病変ではないのでしょうか?主治医に良く伺ってみてください。(文責 久保内)

 

No.12082】  17年12月08日   N.M.
無治療の経過観察

初めて相談させていただきます。50代です。九月に片側乳房全摘出+センチネルリンパ節生検を受けました。11月に結果の説明を受け、広がりのあるDCISの中に、1mmの浸潤が認められるとのことでした。浸潤部分は、ER(−)、PgR(−)、HER2(3+)、脈管侵襲なし、リンパ節転移なし0/4、断端陰性。GradeとKI67は調べておりません。浸潤1mmということなのですが、predictという予測サイトを見つけ、自分の結果をgrade3で打ち込んでみたところ、術後無治療での5年生存率86%、10年生存率79%と予想外の低い結果が出てきて動揺しております。他の予測サイトでは、術後15年の無治療時乳癌死の確立が2%くらいとなっておりました。そこで質問ですが、

1) newadjyuvant com.という予測サイトでは、私の結果を当てはめるとどうなりますでしょうか。再発率、5年、10年生存率、化学療法+ハーセプチンの上乗せ効果を教えていただきたいと思います。
2) 最近、nccnガイドラインではHER2陽性タイプは5mm以下でも化学療法+ハーセプチンの使用を考慮するというようになっているようですが、grade3であった場合、5mm以下で化学療法+ハーセプチンを行う方が増えているのでしょうか。現状を教えていただければと思います。
3) predictの結果についてどう思われますか。

お考えをお聞かせください。術後、無治療の経過観察となっておりますが、すっきりせずご相談させていただきました。よろしくお願いいたします。 

ガイドラインは様々あると思いますが、症例数の多い分布の中心部の症例では良く合うと思われる一方、中心から離れた例外的な症例では、それぞれのガイドラインで判定が異なったり、実際とは「ブレ」を生じることが多いと考えられます。HER-2 typeの恐れられているところは、HER-2のシステムを介した増殖の速い悪性度の高い腫瘍であることです。浸潤径がミリ単位で治療された場合は、HER-2陽性といえどそれほど増殖の速くなく悪性度が低いのか、転移を引き起こすほどの大きさになっていない可能性が考えられ、GradeやKi67が良い指標になります。Ki67は免疫染色をしないといけませんが、Gradeは標本を見直すだけでできますので、主治医に聞いてみられるとよいと思います。
ただし「広がりのあるDCISの中に1mm径の浸潤がみられる」というHER-2 typeの乳癌に化療+ハーセプチンを行うかというと、小生はNoです。現在病理標本を作製するのは5mmスライスですが、浸潤癌(-)のDCISの中には2~3mmの浸潤部を持ったものが紛れ込んでいる可能性が十分にあり、あなたの場合はたまたま1mm径の浸潤部が(運悪く?)切られている可能性があり、広く乳管内にDCISが広がっているのにたった1mmしか浸潤部を持たない悪性度の低いHER-2 typeであることが考えられるからです。NCCNのガイドラインが一番厳しく書かれており、何でもかんでも化学療法という流れが有ることは事実ですが、その人個人個人の状況に応じて術後治療は考えるべきではないでしょうか?(文責 久保内)

 

No.12081】  17年12月08日   T
葉状腫瘍

40代後半、主婦です。先日葉状腫瘍の日帰り手術を局所麻酔で受けました。術前の針生検で判明した3cm未満の良性葉状腫瘍と、以前からあった1cmほどの線維腺腫を、ふたつ摘出しました。病理検査でも良性で、次は半年後の検査でOKとなりましたが、報告書の最後の一文が気になっています。長いのでまとめの部分のみ引用させていただくと、「複数のfibroadenomaの形態の結節とこの間の乳腺症の形態からなる病変で、結節の一個(直径18mm)は良性の葉状腫瘍と考えられます。悪性所見は見られません。また、追加切除部分には葉状腫瘍の形態は観察されていませんが、葉状腫瘍の断端の判断は難しい部分もあるのでfollow upして下さい」とありました。これは腫瘍が取りきれていない部分があるということでしょうか。葉状腫瘍は断端陰性で手術することが大前提と何かでみたのですが、そうすると追加手術したほうがいいですか? ちなみに執刀医は手術直後に「エコーで腫瘍の取りのこしがないことを確認した」と言っていましたが、病理検査とは、やはり違うのでしょうか。良性ということで、半年ごとに経過を見て、もし再発したらその時はマージン大きめに摘出するというのでは駄目なのでしょうか。

葉状腫瘍はその構成成分が線維腺腫(FA)とほぼ同一であり、画像診断上見分けがつかないほど似ていることがあります。FAは若年発症で緩徐な増殖をし、葉状腫瘍はFAに比較して発症頻度が1/40~50と低く、同じように切除しても局所再発を来しやすいのが特徴です。(またFAは原則的に悪性のものは無いですが、葉状腫瘍にはまれに悪性のものが有りますが、切除して良性葉状腫瘍と言われているあなたは心配しないで良いでしょう)ですからFAはギリギリ腫瘍縁で切除して良いのですが、ガイドラインでは葉状腫瘍は5~10mmのマージンを付けて切除すべきと言われています。葉状腫瘍が大きいとマージンをしっかりつけて切除できないことも有り、例え十分な切除をしても局所再発しやすい腫瘍なので、3~4年は経過観察した方が良いと考えます。また、悪性腫瘍ではないですし、今回の手術で局所再発を来さない場合も十二分に考えられるので、現時点での追加切除はお考えにならなくても良いのではないかと考えます。(文責 久保内)

 

No.12080】  17年11月28日   Y.S.
経過観察で大丈夫なのでしょうか?

初めて相談させて頂きます。今年の8月に左胸のシコリを見つけて病院へ行き、マンモグラフィとエコーの検査をしました。結果は 右胸、嚢胞3つ 左胸、嚢胞1つ。気がついたシコリは、3.9ミリと言われました。3ヶ月後に又エコー検査とのことで、11月にエコーの検査をしましたところ、まだ5ミリまでは 大きさの変化はないが、穿刺吸引細胞診をする事になりました。1週間後に結果を聞きに行きましたら、細胞診の検査は悪性の所見なしとの事で、カテゴリー3と。しかし、エコー画像では気になることがあり、気にしていたシコリは前方境界線断裂しているとの事です。エコー画像だけを見たらカテゴリー4だけど、今は3で、半年後にエコーの検査をと言われました。前方境界線断裂で細胞診の悪性の所見がなければ、半年後までの経過観察で大丈夫なのでしょうか。4ミリ弱のシコリの細胞診は確実に採取されたかはわかりませんが、前方境界線断裂と言われましたが、半年後まで待つのは、一般的なのでしょうか。その際に、グレーですか?と聞いたら、オフホワイトと言われました。長々となりましたが、宜しくお願い致します。

経過観察で大丈夫です。一連の検査の結果から、経過を見て問題と思われます。半年後に変化がない事を確認すると考えてください。(文責 緒方)

 

No.12079】  17年11月21日    K
今後の治療法について(2) (HPNo.12078-2)

質問へ丁寧に お返事いただきましたこと、本当に感謝しております。Cの回答の中に、私に対して確認がありましたので 返信させていただきました。化学療法前の画像診断でリンパ節転移は、1個はありそう・残り2個は やや形と内側が不明瞭なのでハッキリと転移とは言えない…との説明でした。手術後の病理検査では 化学療法により転移が消失したかについては記載がありませんでした。ただ 個人的には腫瘤径が大きかったので…胸壁に対する照射が必要なのかと思ったのですが…。皮膚浸潤は なく、がん波及度はgでした。質問を重ねまして 申し訳ありません。可能であれば、お答いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

一般的には腋窩リンパ節転移個数が4個以上では照射したほうが良いと記載されていて、研究的な分析では転移が1個でもあれば照射した方が良いというものもあります。ただし、これらは手術で郭清し、取れたリンパ節の病理学的所見から決定されるもので、術前化学療法後で、その所見が分からないと決定できません。主治医とよく相談なさってください。(文責 石山)

 

No.12078】  17年11月16日    K
今後の治療法について

はじめて質問させていただきます。日々お忙しい中、このような形でも ご尽力頂いて感謝しております。50歳女性 妊娠・出産歴なし、最終月経2017年3月でした。2017年5月に右乳ガン診断(トリプルネガティブ、大きさ 48×52o、リンパ節転移1〜3、核グレード3、T3N1M0、ステージVa)。同6月からFEC4C施行。同10月19日に右乳房切除術(全摘、腋窩リンパ節郭清レベル1)。 手術後の病理検査の結果は、化学療法の効果判定 2b、検索範囲ほぼ全域に不自然な繊維化・脂肪化がみられ、浸潤ガンが存在していたと考えられます。A領域には、低グレードの核所見を伴う非浸潤性ガンを認めます(乳管内のみ)。非浸潤ガンの部分はER 90%・PgR5%・HER2 2+・Ki67 1%
リンパ節転移は、pNo、レベル1(0/12)でした。術後にドセタキセル4C施行予定でしたが…現在のところ 今後の治療方針は決まっていません。個人的にはタキサン系の薬剤を使用しないのは、とても不安です。このような場合 今後の治療はどうなるのでしょうか?

1)タキサン系の上乗せ効果は、どのくらいになるのでしょうか?また施行した方が良いでしょうか?
2)非浸潤部分のHER2感受性については どのように考えるのでしょうか?治療対象になるのでしょうか?
3)ホルモン療法は どのくらいの効果と考えたら良いでしょうか?また私のような閉経途中の場合 治療はどのようになるのでしょうか?
4)放射線療法は 行った方が良いでしょうか?
5)卵巣ガンの家族歴があります。治療の区切りがついたら 相談していく予定でしたが…この予定で良いのでしょうか?

多岐にわたる質問で恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

1)術前化学療法後のタキサン上乗せ効果は不明ですが、一般的にはFEC単独よりさらに20%程度の再発予防効果と考えられます。当院でもお勧めしています。
2)化学療法後の非浸潤部のHER2の状態は余り治療には影響なく、化学療法前の組織診断でHER2の状況(免疫染色、FISHなど)で決定するのが一般的で、トリプルネガティブならハーセプチンなどの適応ではないと考えます。
3)当院では10年間のAI剤かTAMOを行いますが、閉経状態かどうかは血中エストロゲンとFSHを測定し、閉経状態と考えれば前者を、そうでなければ後者を投与します。
4)術前のリンパ節転移の記載は1〜3個ということでしょうか? 一般的には、そうであれば、断端に取り残しがなければ放射線治療は不要と考えます。
5)遺伝子外来があれば、その科を受診し、相談されるのが良いと思います。(文責 石山)

 

No.12078-2】  17年11月21日    K
今後の治療法について(2)


質問へ丁寧にお返事いただきましたこと、本当に感謝しております。Cの回答の中に、私に対して確認がありましたので 返信させていただきました。化学療法前の画像診断でリンパ節転移は、1個はありそう・残り2個は やや形と内側が不明瞭なのでハッキリと転移とは言えない…との説明でした。手術後の病理検査では 化学療法により転移が消失したかについては記載がありませんでした。ただ 個人的には腫瘤径が大きかったので…胸壁に対する照射が必要なのかと思ったのですが…。皮膚浸潤は なく、がん波及度はgでした。質問を重ねまして 申し訳ありません。可能であれば、お答いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

一般的には腋窩リンパ節転移個数が4個以上では照射したほうが良いと記載されていて、研究的な分析では転移が1個でもあれば照射した方が良いというものもあります。ただし、これらは手術で郭清し、取れたリンパ節の病理学的所見から決定されるもので、術前化学療法後で、その所見が分からないと決定できません。主治医とよく相談なさってください。(文責 石山)

 

No.12077】  17年10月30日    K 
左胸のしこり

19歳です。左胸の内側の下側に硬いしこりなのか、骨なのか分からないものがあるのですが、これって乳がんなのでしょうか? ピリピリとした痛みがあります。現在浪人生活を送っておりまして、病院に行く時間も無く、両親に相談しても、若いからそんなことはないと言われるのですが、毎日不安で仕方がありません。

乳がんは、極めてまれな年齢です。しかし、不安で勉強が手につかない状況を考えると、専門医に相談して、安心した方がよろしいと思います。(文責 徳田)

 

No.12076】  17年10月21日    S.O
妻の乳がんについて

妻の乳がんについて相談です。術後、トリプルネガティブと診断されました。大きさは2.2〜1.3。 全摘でリンパの転移なしです。JBCSグレード3(3+3)、WHOグレード3(2+3+3)、Her−2(1+)、ER(score0)(0%)、PgR(score1+)(less than 1%)、
ki−67(80−90% positive)。 再発を防止したいので、抗がん剤治療を行いたいと思いますが、推奨する抗がん剤の種類はどのようなものでしょうか?

トリプルネガティブと診断されたとのことですので、乳癌術後の再発防止治療(補助療法)は抗癌剤治療を行うことになります。日本で現行の補助化学療法は、注射剤としてはアンスラサイクリンを含む治療(AC療法、EC療法、FEC療法など)、タキサン系薬剤(ドセタキセル、パクリタキセルなど)、経口抗癌剤としてユーエフティーなどがあります。種類によってもその効果と副作用が異なりますので、主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 谷)

 

No.12075】  17年10月21日   E
乳がん治療とサプリメント(HPNo.12070-2

私の質問に回答をいただき、ありがとうございました。しっかり読ませていただきました。がん患者やその家族の方でうつ状態になこともあると知り、自分だけが不安なのではないと感じ、少し安心できました。その後、私は主治医と相談して、抗がん剤治療を始めることになりました。あれからこの相談室を教えてくれた友人や夫にも話を聞いてもらい、とにかく必要な治療を受けることが大切、ということで納得し、今は前回の質問時より落ち着いております。(夜は途中で目が覚めますが、朝まで眠れるようになりました。)自分でも「乳がんガイドライン」HPなどを読んで、恐れるならきちんと治療を受けようという気持ちになれました。そしてもう一つ質問したいことがあります。私は現在50歳で、出産経験はありません。また私のかかった小葉がんは「ホルモン補充療法に関連していることがある」そうですが、この療法は受けたことがありません。ですが、30代後半から、プロポリスとローヤルゼリーのサプリメント剤を毎日少量ずつとってきました。もしかしてこれが小葉がんを促進したのか?と感じました。今は手術の傷の治りが良いと思い、とりあえずプロポリスのみ少量とっています。主治医から指示は受けていませんが、今後の抗がん剤や放射線治療中は、サプリメントの服用はさけるべきでしょうか。乳がんガイドライン等にサプリメントの効能は証明されいない、とありますが、やはり通常は避けておくべきでしょうか。サプリメントは自己責任でとるものと理解していますが、医師の方の通常の指示や、他の乳がん患者さんの状況など可能ならば参考までに教えていただきたいです。お手数ですがよろしくお願いします。

ご存じの通り、すべてのいわゆるサプリメントにおいて乳癌治療に効果的であるという証明がないことより、これを積極的に推奨することはありません。しかし、プロポリスやローヤルゼリーを使用したことで小葉がんの発生が促進したとも考えられません。医師によってもその意見は少しずつ異なると思いますが、もしそれが貴女の体調にとって有用と判断されるのであれば、それらがこの治療の効果を妨げるという証明もありませんので、私見では使用されることを考慮されてもよいと考えます。ただし、自覚症状はなくても肝機能異常など有害事象の原因となっていることもしばしばありますので、使用する場合は必ず主治医の先生にその旨をご報告するべきだと考えます。(文責 谷)

 

No.12074】  17年10月21日   H.F. 
放射線治療について

みなさんの投稿を拝見し、乳がんについて勉強しているところです。放射線治療について教えてください。乳房温存手術後の放射線治療は、術後9カ月でも効果はあるのでしょうか。開始時期を遅らせることで再発率は変わりますか。一般的に言われている「放射線治療しなかった場合の乳房内再発率20〜30%、治療した場合の再発率10%以下」というのは、化学療法やホルモン療法を併用しての再発率なのでしょうか。ホルモン療法中は再発・転移しないのでしょうか。標準的な治療では、温存手術後2カ月以内に放射線治療を開始するかと思います。温存手術を受けた担当医は、「術後半年や1年以内でも効果はある」と言っていました。状況が許せば、すぐにでも放射線治療を始めたいのですが、5歳(幼稚園)と2歳(未就園児)がおり、通院時の子どもの預け先の問題もあって、術後1年でも効果があるのであれば、来年5月以降にしたいのが本音です。すぐに始めないと効果が無いのであれば、少しでも治療期間を減らせたらと思っています。そこで、照射量を増やして回数を減らす寡分割照射は35歳でも受けることはできるのでしょうか。ガイドラインは50歳以上が条件のようですが、50歳未満が受けることのデメリットは何でしょうか。照射量を増やした場合、副作用は強くなりますか。35歳です。

8月19日 超音波、マンモ、MRIの結果、乳がんの可能性が高いと判断
8月26日 乳房温存手術
9月21日 病理検査の結果が出る
大きさ1.8センチ(1カ所) 
リンパへの転移なし
断端陰性
ホルモン受容体陽性
Ki-67 20%
タモキシフェンを服用中

乳房温存術後の乳房照射に関するご質問ですが、この点に関し、とてもよく勉強されており、敬服いたしました。おっしゃるとおり、特に制限がない場合は術後2ヶ月以内には放射線照射を行うことが好ましく、諸事情でそれが困難な場合は、可及的速やかに開始するというのが一般的なコンセンサスと考えてよいでしょう。乳癌診療ガイドライン(2015)でも、術後20週を超えると局所生存率も生存率も低下するため、それまでに施行することが望ましいと記載されております。ただし化学療法と放射線療法の併用は好ましくないとされているため、術後化学療法を施行する場合は、化学療法終了後に通常放射線療法を行うことになりますが、ホルモン治療と放射線療法の併用は問題なく施行出来るため、やはりなるべく早い段階での放射線治療が望まれます。おそらく術後半年以上経ってからでも放射線治療の効果がないことはないと思われますが、どの程度効果が減弱するかはよく知られておりません。これらより放射線治療の開始時期は、ともすると命に関わる重要な決定事項となり、私見ではご家族や周囲の方にもこの事情をよく御理解頂いて、その方々のご協力のもと、早々に開始することをお奨めしたいと思います。また通常の放射線療法より1回の放射線量を少し増加し、totalの照射期間を短くする寡分割照射は、その効果や有害事象に差がないとされておりますが、まだ施設によってはその照射法を行っていないところもあると思われますので、それを希望する場合は事前に確認する必要はあると思います。この臨床試験が50歳以上で行われたことで年齢の記載が記されておりますが、それより若年でも可能と思われますので、それも担当の放射線治療医に相談することになると思います。是非今後の治療がスムーズに行われることを願っております。(文責 谷)

 

No.12073】  17年10月13日   N
骨転移の骨シンチについて

骨転移の骨シンチについてお聞かせください。乳癌の骨転移治療をし(抗癌剤と放射線治療)、溶けた骨が再生し、痛みも全くなくりました。治療から2年立ちますが、骨シンチ検査で再発当初と大きさが変わらず、黒く写ります。癌細胞が死滅していれば、骨シンチでは白く映るのでしょうか? 骨をまるまる取り出すことは出来ませんが、癌が存在するのか詳しく検査する方法はありますか? よろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。骨シンチに関するご質問ですね。おっしゃる通り、骨シンチでは転移の病巣は黒く写ります。ただし、がん細胞が存在する場合だけでなく、骨折や炎症など骨が傷んでいる場合にも黒く写りますので、治療の効果判定としては不正確です。骨転移の治療効果を厳密に診断するのは困難で、どちらかというと新しい病巣が出現していないかの確認が大切です。そのためには、PET-CT検査やdiffusion MRI検査(拡散強調画像MRI)をおこなうのも一つの方法です。主治医の先生にもご相談なさってみてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.12072】  17年10月13日   K
術後の石灰化

術後3年。腫瘍8ミリ、おとなしいタイプのガンとの診断。放射線治療ののち、現在はタモキシフェン服用のみ。現在51歳です。血液検査は3か月毎で異常なし。年1度マンモを撮っています。実は今回撮ったマンモに石灰化が見つかりました。去年の画像とくらべて、明らかに白く写っている所が2,3か所確認できます。先生は、「術後、石灰化することはありますから、大丈夫だと思います。3か月後もう一度患側のマンモとりましょう」と言われました。その時は「わかりました」と言って帰りましたが、大丈夫だったら3か月後のマンモは何のために? 3か月で石灰化にそんなに変化がでるものですか? いろいろネットで調べても、先生がおっしゃった術後石灰化が増えるという情報が出てこないので、とても心配になってきました。本当に乳がん術後の石灰化はよくあることなんでしょうか。3か月後のマンモより針生検をしていただいた方がよいでしょうか。ご意見よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。石灰化の原因の一つに、出血がございます。手術後は使用した糸や出血などが原因で、石灰化が出現することはございます。主治医の先生もそのようにお考えになっていると思います。しかし、術後の問題のない石灰化なのか、あるいは新しい乳がんの細胞が原因なのかの判断ができないので、念のため3ヶ月後に石灰化に変化がないかを確認してくださるのだと考えます。いずれにしてもまずは、3ヶ月後のマンモグラフィーをお受けになってから、また主治医の先生と今後の方針をご相談いただくのが良いでしょう。応援しています。(文責 高橋)

 

No.12071】  17年10月13日   M
リンパ、血行促進とガン転移について

乳がんを患っています。日常肩こり、背中のこりに悩んでおります。先日、東急ハンズで1分間に3000回振動も可能なマッサージ機の実演をやっておりまして、試してみたところ、とても気持ちよく、終わった後、血行が良くなり、体中が、かゆくなったほどです。購入を考えてはいるのですが、疑問は、ガンはリンパ・血液の流れにのって転移するとのことですが、マッサージ機を日常使用すると転移を促進してしまわないかということです。国内外にこのようなことに関する研究論文があるのかどうか、あるなら内容について教えていただけないでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。おっしゃるとおり、がんは血液やリンパ管を通して全身に流れる可能性がございます。しかし、マッサージ器により転移が促進されるという根拠はございません。気持ちよいのであれば問題ございません。もし乳がんに対して手術をお受けになっている場合には、手術側の腕へのマッサージはご注意くださいませ。肩こり、背中のこりについては、主治医の先生にも念のため一度ご相談してみてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.12070】  17年10月09日   E  
術後の治療について

こちらの相談室を知人に教えてもらい、初めてメールをお送りしております。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。8月に乳がんの手術を終え、先日術後の病理検査の結果がでたので、今後の治療について、主治医から話がありました。主治医とはもう一度話をして今後の治療計画を決定する予定ですが、現在感じている不安について、一般的な意見をいただけますと助かります。

<病理検査結果を聞いてメモしたこと>
左胸 浸潤性小葉がん、全摘出手術。 腫瘍大きさ 18mm×10o×25o、深さ(?)は30o。 術前に、腫瘍のまわりに小さなぽつぽつがあると言われ全摘となりました。センチネルリンパ節転移あり 3/6、3個のうち2個はごくわずかとのこと。ly0、v0 でしたが、センチネルリンパ節に転移があったので、リンパ管にも転移ありと考えられるといわれました。ホルモン受容体は陽性で、ホルモン療法が効果的と言われました(ER、PgRの数値は聞きませんでした)。 HER2は、術前と術後で結果が異なり、fish法で陰性ということでした。 Ki-67は 27.7%、増殖度は中間と考えられるとのこと、悪性度は聞いていません。

<主治医からの治療提案>
ステージは2(b)、サブタイプは、ルミナルB型なので、タキソテール(と思いました)を3週間×4回、アンスラタキサン系は不要と思っているとのことでした。プラスホルモン療法(タモキシフェン))10年と言われました。私の右胸にも、術前のMRで、グレー(?レベル3?)の小さな点がみられるので、右胸のがん発生を抑えるためにも抗がん剤は効果があるかもしれないということです。

<質問>
1) 主治医の提案する治療は適当と思われますか? 疑っているわけではなくて、よくわからないので、抗がん剤がタキソテールでよいか、意見をいただきたいです。
2) 私は、術前の検査(CT、MR、骨シンチ)、術後の胃内視鏡検査では、転移やなんらかの病気は無いということでした(大腸は検便の結果待ちですが)。 現在の傷は、きれいに治りつつあるそうです。ただ、今年の1〜4月ごろ、仕事のストレスと(自分としては)更年期障害による食欲不振と胃腸の不良で、体重が減りました。7月に癌がわかってから、そのストレスでさらに体重がへり、現在も食欲不振のままで、あまり食べられず、体重が戻りません。体調は普通ですが、165cmで48キロ程度です。これで抗がん剤治療ができるのかどうか、とても心配しています。主治医は、「あなたは抗がん剤治療ができる体力があると思うので、提案しています。血液検査と体調を見ながら薬物を投与していきます。吐き気をとめる薬も投与するので、副作用は昔より少ないと思われます」ということでした。この状況で抗がん剤投与は可能でしょうか。
3) Aのように、ストレスなどで、食欲不振、胃痛、時々眠れない、急に汗をかくことがあります。主治医にも聞いてみますが、この症状のため、同時に心療内科なども通院したほうがいいでしょうか。そういう患者さんはいるのでしょうか。

長くなりましたが、どうぞよろしくお願いします。

1)浸潤性小葉癌は、全乳癌の5〜15%で、50歳以上で好発し、ホルモン補充療法に関連していることがあると言われています。小葉癌はマンモグラフィーによる検出が困難で、進行例が多く、同側で多巣性で、しばしば両側性(6〜47%)に発生します。また転移については、髄膜、腹膜、後腹膜、消化管(胃など)、生殖器(卵巣、子宮など)等、特殊な場所に転移する場合があります。貴女の場合、リンパ節転移のある浸潤性小葉癌で、ルミナールBタイプですので、ホルモン療法に加えて化学療法を行うことが推奨されています。長期的スパンで見ると、化学療法を付け加えることによって、死亡率・再発率を16〜17%改善するというデータもあります。化学療法剤としては、「@アンスラサイクリンを含む治療法 Aタキサン(パクリタキセル、ドセタキセル)を含む治療法」が考えられます。組み合わせも含め、どのような薬剤を使用するかは、予後の改善(再発率、死亡率の低下)、副作用、ご本人の希望等を考慮して決めることになりますが、主治医と充分にご相談の上、納得のいく選択をすることが大切です。

2)抗癌剤の使用が無理になってきた時は、主治医が判断して中止となります。抗癌剤の副作用もケースバイケースで、それぞれによって異なりますので、使ってみないと判断できない部分があります。先々のご心配はあると思いますが、まずは現在行える治療を試みることが大切だと思います。主治医の先生とコミュニケーションをとりながら治療を進めていくことになりますので、ご心配なことがある場合は、その時々に申し出て、ご相談なさるとよいと思います。

3) 癌のような大病をした場合、家族も含めて30%の方々が、精神的ストレスでうつ状態になるという報告があります。貴女の場合、色々な身体症状も出現していますので、精神科、神経内科、心療内科等に受診した方がよいと思います。治療に前向きに取り組むためにも、専門の先生によく話を聞いていただくだけでも効果があると思います。がん患者さんの精神的サポートを専門に行っている専門医もいますので、主治医の先生にご相談して紹介して頂くのもいいかもしれません。紹介状をいただいて治療経過などをお持ちになった方が、ご相談しやすいと思います。(文責 須田)

 

No.12070-2】  17年10月21日   E  
乳がん治療とサプリメント

私の質問に回答をいただき、ありがとうございました。しっかり読ませていただきました。がん患者やその家族の方でうつ状態になこともあると知り、自分だけが不安なのではないと感じ、少し安心できました。その後、私は主治医と相談して、抗がん剤治療を始めることになりました。あれからこの相談室を教えてくれた友人や夫にも話を聞いてもらい、とにかく必要な治療を受けることが大切、ということで納得し、今は前回の質問時より落ち着いております。(夜は途中で目が覚めますが、朝まで眠れるようになりました。)自分でも「乳がんガイドライン」HPなどを読んで、恐れるならきちんと治療を受けようという気持ちになれました。そしてもう一つ質問したいことがあります。私は現在50歳で、出産経験はありません。また私のかかった小葉がんは「ホルモン補充療法に関連していることがある」そうですが、この療法は受けたことがありません。ですが、30代後半から、プロポリスとローヤルゼリーのサプリメント剤を毎日少量ずつとってきました。もしかしてこれが小葉がんを促進したのか?と感じました。今は手術の傷の治りが良いと思い、とりあえずプロポリスのみ少量とっています。主治医から指示は受けていませんが、今後の抗がん剤や放射線治療中は、サプリメントの服用はさけるべきでしょうか。乳がんガイドライン等にサプリメントの効能は証明されいない、とありますが、やはり通常は避けておくべきでしょうか。サプリメントは自己責任でとるものと理解していますが、医師の方の通常の指示や、他の乳がん患者さんの状況など可能ならば参考までに教えていただきたいです。お手数ですがよろしくお願いします。

ご存じの通り、すべてのいわゆるサプリメントにおいて乳癌治療に効果的であるという証明がないことより、これを積極的に推奨することはありません。しかし、プロポリスやローヤルゼリーを使用したことで小葉がんの発生が促進したとも考えられません。医師によってもその意見は少しずつ異なると思いますが、もしそれが貴女の体調にとって有用と判断されるのであれば、それらがこの治療の効果を妨げるという証明もありませんので、私見では使用されることを考慮されてもよいと考えます。ただし、自覚症状はなくても肝機能異常など有害事象の原因となっていることもしばしばありますので、使用する場合は必ず主治医の先生にその旨をご報告するべきだと考えます。(文責 谷)

 

No.12069】  17年09月28日   T
左胸のシコリ

37歳、二児の母 です。検査の事でご相談したいのですが、実は左胸のシコリに気づき、近所の産婦人科に行った所、直ぐに市がやっている検査機関でマンモグラフィーの検査を受けました。そして、検査結果は3週間後と言われました。それまで待つしかないのでしょうか? もし結果が悪く、早めに連絡がきても、それまでエコーもなにもせずに待つだけしかないのでしょうか…。他の専門病院に今すぐいくべきか、とても悩んでいます。実際にシコリがある以上、焦りがあります。アドバイスをお願いします。

ご質問有り難うございます。ご心配のことと思います。お近くの専門病院の受け入れのハードルがどれほど低いのかにもよるかと思います。私の勤務する大学病院では、まず近医なり、検診なりを受けて頂き、その結果をお持ち頂かないと、受診しにくい状況にあります。ご自宅近くのかかろうと思っている専門病院に聞かれるのがいいかと思います。受け入れOKであれば、マンモグラフィは再検査されるかもしれませんが、受診されてはいかがでしょうか。しこりがあってもすべてが乳がんではありません。もちろんその逆もありますので、慎重に対応した方が良いでしょう。仮にマンモグラフィで異常なしとなっても、エコーも含めて検査をした方が安心だと思います。(文責 鈴木)

 

No.12068】  17年09月19日   M 
アナストロゾール

アナストロゾールの事で相談させて下さい。先般の乳ガンフォーラムでもお話がありましたジェネリックの事でお聞き致します。先般のお話では、先生よってはお考えでジェネリックで主成分以外の混ざり物が入った場合、主成分がどうなるかわからないと言う様な内容だったと思います。私は術後1年間になりますが、主治医の先生の大丈夫と言うお言葉で、ジェネリックを飲んで参りました。だた不安はずっとあって、今からでも先発薬にした方がいいのか悩んでおります。またジェネリックの薬品会社も、有名な所の方がいいと言う先生もいらっしゃいます。この薬以外では迷わずジェネリックを飲んでおりましたが、やはり乳ガンの転移を思うと神経質になってしまいます。長文お許しください。よろしくお願いいたします。

“ジェネリックで主成分以外の混ざり物が入った場合、主成分がどうなるかわからないと言う様な内容”の話は、正確には“主成分以外の成分が異なっているため、主成分は変わりないが、薬としてみたときに、別の成分による副作用が出たりする可能性があることが懸念される“ということで、効果については”国は主成分が変わらなければ効果に変わりないと言っていますが、ジェネリックは臨床試験をしていないので、本当に有効かどうかと聞かれると、自信を持って大丈夫と言える先生は少ないかもしれません“。ジェネリック薬品は、あくまでも主成分が同じお薬であるということです。医療費が高いジェネリック先進国のアメリカでは、ジェネリックが発売されると、ほとんどジェネリックに変わってしまうということです。それで大きな問題は起きていませんから、ジェネリックに不安を持つ日本の医者が保守的なのかもしれません。(文責  清水)

 

No.12067】  17年09月19日   A
炎症性乳がんです

二年前炎症性乳がんと診断され、EC、ハーセプチンパージェタタキソテールを半年、全摘手術、放射線25回、ハーセプチン一年間やりました。病理結果は、がんは見当たらず完全奏効といわれました。ホルモンは陰性で、もう治療はなく、普通の日々です。元気にしていますが、2年を迎え不安になってきました。炎症性乳がんですし、再発は、やはりしますか。このまましない人や、しない確率はありますでしょうか。

難しい質問ですね。ひとまずは完全奏功であったことを素直に喜びましょう。この治療(化学療法のレジメン)が行われるようになってまだ3−4年ですから、今後転移再発が起こるかどうか、まだ誰もその答えは知りません。しかし、現時点において、同じ治療した多くの方が元気に暮らしていることも事実です。転移再発の心配は炎症性乳癌の方も、早期癌の方も一緒です。がんと診断された方(Cancer Surviver)に共通の悩みです。決して消えることはありませんから、難しいことですが、その不安を少しでも解消できるように努めてください。あとは時間が解決してくれます。(文責  清水)

 

No.12066】  17年09月15日   Y.O.
異時性両側乳がん ki67の値が手術前の生検と術後でかなり異なる場合の薬物療法

異時性両側乳がんで、本年7月に全摘しました。ki67の値が、手術前の生検と術後でかなり異なり、値の低い術後の結果で治療が進んでいることに不安を覚えています。初発は2007年(40歳)、腫瘍径11ミリ、ホルモン強陽性、HER2陰性、グレード1、リンパ節転移なし、温存手術に放射線25回、ノルバデックス5年とゾラデックス2年。10年めの検査(CT)にて、逆側乳房に腫瘤(5ミリひとつ、他に砂つぶのようなもの複数)と雲のようにぼんやりとしたものが造影、肺や肝臓には転移を疑う所見なし。手術前の生検では、浸潤がん、ホルモン強陽性、HER2陰性、グレード1、ki67は30%
MRIで広がりを確認。全摘手術で、腫瘍径7ミリ+0.5ミリの浸潤がん、ほか広範囲にDCISが存在、リンパ節転移なし。術後の病理検査では、ki67が5%以下、脈管侵襲なし、他は手術前の生検と同じ。
今回の術後の治療は、当初はノルバデックスのみ、年齢的にも生理を止めなくてもよいとのことでした。それが、術後にも関わらず、腫瘍マーカー(NCC-ST-439とI-CTP)が増加したのと、エストラジオールの値が144とまだ高いこともあり、生理を止めることになりました。ご相談させていただきたいのは、化学療法の要否です。ki67が5%以下なら化学療法は不要で納得ですが、術前の30%では検討が要りませんでしょうか。また、両側であることを勘案する必要はありませんでしょうか。主治医からは、経口抗ガン剤の話しがチラッと出ています。ただし、生理を止めるのが先でしょうと。この状況では、術後の治療として化学療法を行いますでしょうか。もし行われる場合、何を選択されますでしょうか。以上、情報に不足がありましたら、補足させていただきます。ご意見いただけましたら幸いです。

Y.O.様 ご質問ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が解消すれば嬉しく思います。Y.O.様のご質問の文面から、今回の乳がんは、ほとんどが非浸潤癌(DCIS)であり、浸潤がんは0.5mmに加え手術前生検の大きさと理解し、お返事申し上げます。手術前の生検がどのような生検なのかはわかりかねますが、CTで5mmであれば針生検でしょうか。いずれにしても非常に小さな浸潤がんです。早期に見つけて頂き良かったですね。さて、ご心配の術後治療ですが、ホルモン強陽性であれば化学療法は不要であり、ノ
ルバデックスの1種類のみで十分と私は考えます。化学療法を行わないことについて不安が取りきれない場合は、オンコタイプDx.という検査を行い、再発リスクを測定する検査方法もあります。しかしこの検査は保険適応では無いため、たいへん高額です。術後の治療について、再度ご担当先生と良くご相談して頂き、後悔の無い治療をご選択頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.12065】  17年09月06日   M.A. 
非標準治療について

ステージUa ホルモン感受性+ HER2タンパクの過剰発現− Ki67 20%〜30% サブタイプ ルミナールA 腫瘍の大きさは約2cm と診断されました。他詳細は判りません。私としては、手術前に温熱療法や血管内治療等、標準治療以外もやってみたいと思い、申しでたのですが、標準治療以外をするのであれば、この病院では今後治療を引き受ける事はできない、と言われました。確かに責任は持てないわけですし、正論だとは思いますが、標準治療と非標準治療は、両立できないのが普通なのでしょうか? できれば血管内治療等で腫瘍をできるだけ小さくしてからの方が、手術するにしても体に負担がかからないだろうと思い、言ってみたのですが、非常識な話なのでしょうか? お手数ですが、回答宜しくお願いします。

はっきり言って非常識だと思います。術前治療は、以前は温存できない乳癌に対して化学療法で温存できるようにする目的があったのですが、現在では、全身にあるかもしれないミクロの転移を叩いてから手術することにより、生存率を上げる目的で行っています。化学療法(内分泌療法)は、主病変にも転移巣にも同じように効くので利き方が分かりますが、血管内治療や温熱療法は主病巣局所にしか利きませんので、術前治療の意味がほとんどありません。それらの非標準治療は、主病巣を手術しないでも良い状態にするために行うのですから、手術自体が根治手術にならないので、両立できないと考えるのが妥当です。
ともかく、腫瘍径2cmのルミナールAならば、通常は乳房温存術で切除出来て、術後は放射線治療と内分泌療法のはずですから、どのみち身体の負担は最小の乳癌治療だと思いますが、何が不足なのでしょうか? ただし、(施設の免疫染色の染色性等にもよりますが)20%<Ki67<30%が、果たして「ルミナールA」と言い切れるかどうかは、主治医に良くお聞きください。ルミナールBの可能性が有るかどうかです。その場合も、Ki67がこの程度の値なら、手術先行で切除標本から多遺伝子診断をしてもらわないと、再発リスクや術後化学療法の是非は判定できません。まして血管内治療や温熱療法で腫瘍が壊死してしまえば、多遺伝子診断は決してできず、再発リスクや術後化学療法の是非は闇の中になります。(文責 久保内)

 

No.12064】  17年09月06日   M.S. 
肺の影

2015年7月、部分切除後フルコース治療し、今現在経過観察中です。11月に2回目の検診が待っていますが、その前の会社の健康診断で肺に影は見えるとかで、肺ろう包症となっていました。ネットで調べた様な症状(胸の圧痛と若干の呼吸困難)が、最近の1年内に2回ほどありました。

1)この症状は転移ガンと区別がつきにくいという事はないでしょうか? 明記してある病名を信じていいのか、または転移を疑った方がいいのか。
2)医者に相談したいと思っています。気管支の専門医か、または今の乳腺外科の主治医に相談すべきか、どちらかいいでしょう。
3)転移の肺がんだとして、11月の検診まで待ってもそれほど支障はないでしょうか。 *転移ガンは治療は早くても遅くても、それほど終末時期に変わりはないと、乳がんガイドラインに明記しています。

ご教示願います。

「肺ろう包症」という病名は存じ上げません。「肺嚢胞症」なら理解できますが、胸部X線撮影で『白く』みえる肺癌や乳癌の転移と異なり、『黒く』見える病変なので、容易に鑑別が付くはずです。いずれにしろ、精密検査を要する胸部X線所見が健康診断で見られたのなら、呼吸器内科の先生に受診するべきでしょうし、その際に乳癌の既往をきちんと述べ、呼吸器科の先生に「転移の疑いがあれば、主治医の乳腺科の先生に情報提供書(俗に言うところの紹介状です)を書いて欲しいとおっしゃれば、満点だと思います。乳癌の転移だった場合は、11月でも問題ないかもしれませんが、原発性肺癌なら早く診断して治療した方が良いですね。だから早く診察に向かうべきです。(文責 久保内)

 

No.12063】  17年09月06日   O
石灰化の増加について

42歳女性です。H27年4月に、検診センターで、不明瞭集簇性の石灰化が、左上側乳房に見つかりました。精査となり、市内の病院の乳腺外科を受診。「石灰化が増えたら、マンモトームの検査をしましょう。」と、経過観察してきました。H29年3月の定期検査で、石灰化が増えたように見えるという事で、MRIとエコーを実施。異常なしで、先生は経過観察という方向性を示されましたが、私の不安が強く、先生にマンモトームをお願いしました。2年前、石灰化が見つかった際に、マンモトーム検査の希望をしたところ、場所的に、マンモグラフィーで挟むと、乳房が柔らか過ぎて、上手く針が当たらないという理由で検査できなかった為、先生は渋々でしたが、H29年5月に、困難ながらも実施。結果は、微細石灰化は見られるが、癌ではありませんでした。しかし、H29年8月、マンモトームから3ヶ月後の定期検査で、やはり石灰化の増加が、気になるとの事。マンモトームでは採取しにくい場所だから、全てを採取できてるわけではない。良性でも増加するが、癌の可能性もある。毎回の定期検査で、増加した事を話し合うようにもなる。それを踏まえて、経過観察するか、石灰化を切り取って、外科的生検し、白黒ハッキリするか、決めるように言われています。MRI、エコー、マンモトームで癌の可能性を否定されているのに、外科的生検まで行う必要性があるのでしょうか? マンモトームでの結果が、ひとまずの確定診断と考えている為、外科的生検をする事に戸惑っています。よろしくお願いします。

乳腺の石灰化病変の経過観察とのこと、乳腺科医によって結構幅があり、いろいろな対応があろうかと思いますし、今回は全く所見を見ないで質問に答えるため、正しい意見が言えるかどうか100%の自信がないことを前提にお読みください。
このご質問を読む限りは、あなたの主治医の言われることに一理あろうかと思います。あなたの石灰化病変は、多分カテゴリー3と診断されるものと思いますが、この中に乳癌が含まれる割合は6~7%と考えます。マンモトームが出来たての頃は、カテゴリー3の石灰化病変にどんどん行っていましたが、癌の確率が少ないことから、MRIや超音波で乳癌を疑う所見が無ければ、経過観察を行って増加傾向にあるものを後日生検しようという風潮で、現在に至っています。乳癌であったとしても、非浸潤性乳管癌か小さな浸潤癌ですので、発育は緩徐ですし、ほとんどすべてが完治します。一度マンモトームまで行って、その時「乳腺症の石灰化」と診断されたのに、6~7年経過して数が増えてきて、生検しなおしてみたら非浸潤癌だったという症例は2~3経験がありますし、長く診ている先生が、「数が増えてきたので生検をしましょう」と勧められたのであれば、そういうことも十分考えられると思われた方が良いと思います。生検の方法は、超音波で見えれば超音波ガイド下生検も一手ですし、超音波では見えずマンモトームで刺せるのならステレオガイド下のマンモトームでしょうし、マンモトームの困難な部位ならば(その可能性が高いですね)切除生検も検討しなければならないかと思います。まだ「有っても非浸潤癌」という状態なら、期間を短くした経過観察も可能かとは思いますが…。(文責 久保内)

 

No.12062】  17年08月23日   S
現在の私のステージはどれくらいなのでしょうか?

7年前、乳癌小葉癌でステージ1、温存手術をし、3年前再発、全摘しました。ホルモン感受性乳癌、ハーツ陰性。現在、胸腹部の皮膚にしこり、鎖骨上リンパ、傍大動脈リンパ、胃の小湾側リンパ転移。胸膜転移癌性胸膜炎で胸膜癒着術をしました。肺転移と胸膜転移とは別になるのでしょうか?現在の私のステージはどれくらいなのでしょうか? あまり主治医の先生からは詳しく聞く機会がなく、教えていただければと思います。余命には関わってない状態ですか? 胃のリンパに転移がある場合、胃に転移することはあるのでしょうか?

病期(ステージ)は、あくまでも再発する可能性を予想する指標の一つです。ですから、再発を来しているSさんの場合、現在のステージというものはありません。肺の周囲の膜を胸膜といい、肺の中の転移とは別になりますが、同時に認められる人もいますし、別々に治療するわけではないので、あまり意味がありません。主治医の先生と、一度、時間を取って貰って、良く話を伺うことをお勧めします。(文責 緒方)

 

No.12061】  17年08月23日   S.M.
治療後の検診の頻度について

リンパ1個転移あり ステージ3 グレード2 Her2弱陽性。先生からは進行癌と言われました。15年7月の術後、フルコース治療を終了して、2年経ちました。治療後の検査について質問です。いろいろなブログや乳がんサイトを見ると、治療後の検査は、3ヶ月から半年ごとに行っている様です。私はというと、16年の2月ごろに治療を終了して(ホルモン剤は服用しています)、最初の検査は16年9月、かつ1年ごとの検査と言われ、次回は11月という、何とも間延びした感じです。多くの方はもっと頻繁に検査している様ですがと聞いたところ、「無駄な被曝を避ける。転移がんは、自覚症状がでてから治療しても、早期発見して治療しても、治療効果に変わりないと言われている。」と言う理由で必要ないということになっています。当初は主治医の言い分にしっくりこなかったのですが、最近では、検査が近くなると転移の不安がつのり、精神衛生上悪いので、いっそ検査なんかしないで(通常のがん検診はしますが)、自覚症状が出てから検査に臨んだ方がストレスがなくていいのではないかと思い始めています。だとすれば、他の病院は何故にそんなに頻繁に検査をするのでしょうか。セカンドオピニオンを受けておらず、今の主治医しか知らないので、是非、他の専門医の方にもご意見お伺いしたく、メールしました。先生方はいかがお考えでしょうか。ご教示願います。

S.M.さんの主治医の方針と同じです。実際の経過観察の患者さんも、10年来同じように拝見しています。ただし、乳腺の超音波やマンモグラフィは定期的に行っています。それも、ガイドラインなどで有効性が示されています。他の施設の方針や実状は、その施設ごとで違うと思いますので、立ち入ったコメントはできません。ただし、再発の可能性が非常に高い患者さんや、腫瘍マーカーが高かったりと、頻繁に検査が必要な場合も、もちろんあります。(文責 緒方)

 

No.12060】  17年08月23日   S.S.
乳がん、乳頭のしこり

お忙しい中に失礼します、お教え願います。昨年8月に初めて出産し、現在授乳中の37歳です。ここ数ヶ月くらいからだと思いますが、右胸の乳首の左側面に、丸い、直径0.8センチ程のしこりがあります。触るとコリコリとしていて、しこりの一部がしこりを縁取る様に皮膚が少し赤茶っぽくなっています。びらん等はなく、しこりがある以外、痛みや他自覚症状はないです。ただ、授乳時は、両胸とも、子供の乳首のくわえ方などで痛い時もあり、右胸授乳時は左胸と比較すると痛い事が多い気もします。昨日、乳腺外科でエコーとマンモグラフィーをしましたが、「しこりは、恐らくは母乳がたまったり出たりをしている為に出来た物だと思う、切開する様な検査をすると授乳出来なくなるし、そこまでは必要ないと思う。」と言われました。 また、マンモグラフィーかエコーの物と思われる白黒写真を見ながら、「左胸乳房にも何かが見えるが、恐らくは良性の何かだと思う、ただ授乳中は正直判断が難しい。」と言われ、不安になりました。四ヶ月後に念の為また検査に来てと言われ、予約しましたが、四ヶ月も放置して、問題ないのでしょうか?

1、ガンなど悪いものの可能性を考え、切開をする様な検査をしたり、もしくは何か他にした方が良い検査はありますか? または他病院でもみてもらう方が安心でしょうか。
2、もし、切開をする検査をしたら、どれくらいの期間、授乳不可になりますか?
3、もし何か悪いものやガン、もしくは大きな問題のないもの、いずれの場合であっても、授乳をしても赤ちゃんに悪影響は一切ないのでしょうか。

授乳中は診断しずらいという事、また四ヶ月後に再度検査となり、確定出来ず、とても不安です。ご回答、どうぞ宜しくお願い致します。

1. 必要ありません。考えすぎです。放置ではなく、問題ないことを4か月後に確認すると考えてください。
2. おそよ数日でしょう。
3. 一切ありません。(文責 緒方)

 

No.12059】  17年08月14日   D
乳癌の皮膚転移の場合の抗がん剤の種類について (HPNo.12049-3)

先日は乳癌の皮膚転移と抗がん剤治療について教えていただきまして、本当にありがとうございました。今も抗がん剤治療には抵抗がありますが、主治医の先生としっかり話し合って今後の治療(おそらく抗がん剤治療)を考えたいと思います。何度も申し訳ございませんが、参考までにもうひとつだけ教えていただきたいのですが、私のような場合の抗がん剤の主流的な薬剤名はどのようなものでしょうか。事前に知っておきたいという思いがやはりありましてお願いいたします。念のため、今までの経緯を再度記載しますのでどうかよろしくお願いします。簡単な経過は以下の通りです。

10年ほど前に左乳房の非浸潤癌が見つかり、温存手術と放射線治療を行う。 7年前、同じ左乳房に石灰化が見つかり左乳房同時再建を行う。 2年前に右乳房全摘を行い、ユーエフティ内服を2年間行い、これからホルモン治療に入る寸前だったのですが、 全摘した左乳房にまた、5ミリ程度のしこりを発見し、先日日帰り手術にて摘出しました。 病理検査の結果とPET CT検査の結果で抗がん剤治療と場合によっては放射線治療との方針。
【病理診断】
Invasive ductal carcinoma, recurrent and metastasis into skin, skin, excisional biopsy.
[ Additional report on ER , PgR , HER-2 immunostains ]
皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、
浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発と考えられる像です。
[ ER , PgR , HER-2 に関する追加のご報告 ]
ER 陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、 PgR陽性(Proportion
Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、HER‐2 陰性(score 0)でした。

【PET検査報告】 〜別の病院で受けました〜
FDG-PET
右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり
SUVmax2.4→2.88
リンパ節転移を否定できず、貴院でのCTでの経過と併せ評価ください。
また、その尾側でも傍胸骨領域にごく淡い集積あり。
SUVmax1.38→1.63
こちらは有意な所見とは言い難い。
右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり。
SUVmax2.77→3.41
性状からは術後変化を疑う。局所所見と併せ評価ください。
他、有意な集積亢進を指摘できない。

一般的に、これまでの治療経過から、抗がん剤を使うならアンソラサイクリン系抗がん剤やタキサン系抗がん剤を使うことになります。たぶん補助療法と考えれば、そういった選択肢となります。PETでは再発が決定的と考えるのか判断が難しく、全身に広がっている再発乳癌と考えれば、ホルモン治療やゲムシタビン、ビノレルビン、ハラヴェンなどの再発用単剤抗がん剤治療となるのが一般的です。(文責 石山)

 

No.12058】  17年08月14日   S
このままの治療法でいいのでしょうか? (HPNo.12055-2

ご回答ありがとうございます。一番大事なことを書き忘れていました。胸骨傍リンパ節再発しています。もう放射線治療は出来ないので、ホルモン治療のみです。PET検査は半年毎にしています。マーカーは上昇していますが画像所見では光り方が鈍いそうです。このままのホルモン治療のみでいいのか迷っています。ご教授願えれば幸いです。

再発乳癌の治療では、自覚症状が乏しく、すぐに生命の危機がなく、ホルモン感受性陽性なら、ホルモン治療を継続するべきという原則があります。そのほうが副作用も少なく長く治療が続けられ、結果的に長生きできるというデータがあるからです。(文責 石山)

 

No.12057】  17年08月07日   R.O. 
乳がん診断について

ご相談させて頂きます。検診を受けた病院にて乳がんと診断され、針生検の結果、エストロゲン受容体陽性、プロゲステロン受容体陰性、HER2陰性で、初期だと言われました。セカンドオピニオンにも行き、前病院の検査結果も全て渡しました。そちらに転院して手術を受けようと、一連の検査(針生検、MRI等)をやり直したところ、ガンじゃない可能性が出てきたと言われました。病理検査の方法、精度等あるにせよ、一度ガンと診断されたものが覆る事はあるのでしょうか? 安心していいのか不安で、相談メールを出させて頂きました。よろしくお願い致します。

一度癌と診断されたものが覆る事は稀ですがあります。逆に良性と診断されたものが、別の病理医の診断では悪性となることもあります。また悪性か良性かグレイゾーン(borderline case)と判定される場合もあります。(文責 石川)

 

No.12056】  17年08月07日   K.M.
母の今後の治療について(HPNo.12053-2)

ご回答いただきありがとうございました。その後8月1日に主治医の診察があり、7月28日の骨シンチの結果が増悪しており、CT上肝臓に一ヶ所2p位の薄い影があるようで、経口抗がん剤等ではどうかと質問してみたのですが、経口抗がん剤では、あまり期待できないと思われるので、病状の進行が早く、8月7日から入院し、初回のアバスチン+パクリタキセルをすると治療方針が決定しています。主治医には、アバスチン+パクリタキセルは、術後使用したFEC・タキソテールより副作用もきつくなく、母の年齢でも可能だと言われいますが、現在の所、我慢できないような強い痛みや食欲不振等もなく、転移告知前と変わらず生活できていますが、抗がん剤をすることによりQOLが下がることや、副作用により余命が短縮されるのではないかと不安です。下記質問にご回答いただけれれば幸いです。どうよろしくお願い致します。

1)75歳以上の転移性乳がんで、アバスチン+パクリタキセルは、どのような病院でも普通に使われているのでしょうか?
2)術後使用したFECのような間隔でできる抗がん剤で、転移性乳がんに期待できるものはないのでしょうか?(自宅から1時間程かかる病院で、一週間に一度通院するのもかなり厳しいと感じています。)
3)現病状では、一番期待できる治療法は、アバスチン+パクリタキセルだと思われるでしょうか?
4)アバスチンは、一般に全生存期間改善のエビデンスは弱く,無増悪生存期間改善で有効と評価されますが,本当にリスクを上回る有用性があるか、よく検討した方がよいと言うような情報があり、米国では乳がんに対する適応が削除されたと言うことですが、この件に関しての見解をお聞かせください。

1)乳がん専門病院(乳腺科または乳腺外科、乳腺センターの標榜がある医療機関)なら行っています。
2)投与量を少なくしたり、投与間隔を長くしたり、また別の抗がん剤投与も考え得るとは思います。それは患者さん側と主治医側の相談で決めることだと思います。
3)現病状では、アバスチン+パクリタキセルが、life-threateningな肝転移には一番期待できる治療法のひとつだと考えます。
4)おっしゃる通り、アバスチンは全生存期間改善のエビデンスは弱く,副作用も重篤なものがあったので、米国では乳がんに対する適応が削除されたわけです。日本では有効例の報告もあります。今のところ、効くかどうかはやってみなければわからないので、どの抗がん剤でもそうですが、個別に期待できる効果(奏効率)と有害事象(副作用・リスク)を天秤にかけて検討するということになります。(文責 石川)

 

No.12055】  17年08月07日   S
このままの治療法でいいのでしょうか?

42歳、2012年右乳がん発症。部分切除。25日の放射線、その後タスオミン、リュープリン三か月製剤。2016年11月NCC-ST439上昇
大きさ 浸潤部 6×4o
乳管内進展 18mm以内 乳管内病変を含めた全体25×30×7mm
pT pT1b
形状 中間
組織型 invasive ductal carcinoma,papillotubular type with a prominent intraductal component and lobular carcinoma in situ Grading Nottingham grade=1(Total score 5) tubular formation:1 Nuclear pleomorphism:3 Mitotic count:1
浸潤範囲 g f
脈管侵襲 ly0,v0
断端 negative
免疫染色 ER(+) 95%以上,PgR(+)80%,HER-2 score 2,CK19(+)100%
リンパ節 pN0 n1(-)--sentinel(0/2)
Comments 浸潤部は乳管癌であるが、非浸潤部は乳管癌と小葉癌が混在している

現在 リュープリン三か月、レトロゾール、を服用しております。PET検査では光り方が鈍くなっているので、このままの治療法で行くそうですが、腫瘍マーカーはNCC-ST439が86にもなり、CEAも1.1推移だったのが2.2に上昇してきました。このままの治療法で良いのか、どんどん腫瘍マーカーが上がっていくのが不安です。遠隔転移も時間の問題なのか、なんとかここで食い止めたいと思っております。よろしくお願いいたします。

乳癌の腫瘍マーカーとしては、普通CA15-3とCEAは測定しますが、NCC-ST439を測定することはそれほど多くないと思います。NCC-ST439は乳癌だけでなく、膵癌、胆道癌、肝癌,大腸癌などでも高値となることがあります。そちらの方の検策も必要と考えます。また、小さな病巣でもわかることがあるPET-CT検査を一度受けてみたらいかがでしょうか。これら検査で異常所見が無ければ、経過を見ていくことになると思います。どんな腫瘍マーカーでも、偽陽性、偽陰性はつきもので、万全ではありません。(文責 石川)

 

No.12055-2】  17年08月14日   S
このままの治療法でいいのでしょうか?(2)

ご回答ありがとうございます。一番大事なことを書き忘れていました。胸骨傍リンパ節再発しています。もう放射線治療は出来ないので、ホルモン治療のみです。PET検査は半年毎にしています。マーカーは上昇していますが画像所見では光り方が鈍いそうです。このままのホルモン治療のみでいいのか迷っています。ご教授願えれば幸いです。

再発乳癌の治療では、自覚症状が乏しく、すぐに生命の危機がなく、ホルモン感受性陽性なら、ホルモン治療を継続するべきという原則があります。そのほうが副作用も少なく長く治療が続けられ、結果的に長生きできるというデータがあるからです。(文責 石山)

 

No.12054】  17年08月07日   D
乳癌の皮膚転移と今後の治療について(HPNo.12049-2)

先日は乳癌の皮膚転移と今後の治療についてのご回答をいただきまして、本当にありがとうございました。やはり抗がん剤治療には抵抗があったため、今後の治療について、主治医の先生にもう一度相談した結果、PET CT検査の結果で、「右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり」と「右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり」だったことで、再度CT検査を行って確認してもらうことにしました。その結果で、リンパ節転移の可能性が低かった場合は、ホルモン治療(場合によっては放射線治療も)でお願いしてみます。ただし、主治医の先生は、皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発なので、抗がん剤は行うべきとの考えがあるみたいでした。そこで再度ご質問があるのですが、このような場合の抗がん剤は、どのような種類の物を使うのでしょうか。私としては、仕事を続けたいため、体への負担(副作用)が極力少ないと助かるのですが(髪の毛も抜けないような)。以前、主治医の先生からは、3週間に1回の点滴で4カ月、その後経過を見て、場合によっては放射線、さらに3週間に1回の点滴で4カ月と言われました。今までの詳しい経過や結果もわからずお答えしようもないかもしれませんが、一般的なものでも構いませんので、よろしくお願いします。簡単な経過は以下の通りです。

10年ほど前に左乳房の非浸潤癌が見つかり、温存手術と放射線治療を行う。 7年前、同じ左乳房に石灰化が見つかり左乳房同時再建を行う。 2年前に右乳房全摘を行い、ユーエフティ内服を2年間行い、これからホルモン治療に入る寸前だったのですが、全摘した左乳房にまた、5ミリ程度のしこりを発見し、先日日帰り手術にて摘出しました。 病理検査の結果とPET CT検査の結果で抗がん剤治療と場合によっては放射線治療との方針。
【病理診断】
Invasive ductal carcinoma, recurrent and metastasis into skin, skin, excisional biopsy.
[ Additional report on ER , PgR , HER-2 immunostains ]
皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発と考えられる像です。
[ ER , PgR , HER-2 に関する追加のご報告 ]
ER 陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、 PgR陽性(Proportion
Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、HER‐2 陰性(score 0)でした。

【PET検査報告】 〜別の病院で受けました〜
FDG-PET
右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり
SUVmax2.4→2.88
リンパ節転移を否定できず、貴院でのCTでの経過と併せ評価ください。
また、その尾側でも傍胸骨領域にごく淡い集積あり。
SUVmax1.38→1.63
こちらは有意な所見とは言い難い。
右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり。
SUVmax2.77→3.41
性状からは術後変化を疑う。局所所見と併せ評価ください。
他、有意な集積亢進を指摘できない。

乳癌の皮膚転移なので、他の皮膚にも再発しやすいこと、他の臓器にも転移が発現することが稀ではないことから、リンパ節転移をも疑って、抗がん剤治療もお勧めいたします。その場合、私は強めの副作用も出現してもおかしくない、脱毛の可能性のある薬剤を使います。その方が効果が期待できるからです。使う抗がん剤もいろいろな種類があります。その治療は3週間に1回の点滴から投与量を少なくして3週連続の点滴など、投与量・間隔など変えて行う場合もあります。仕事を続けながら抗がん剤治療を受けている方もたくさんおられます。どうぞ、ざっくばらんに主治医と相談してください。(文責 石川)

 

No.12053】  17年08月03日   K.M.
母の今後の治療について

もうすぐ75歳の母の乳がん転移後の治療についての相談です。2010年1月に温存手術し、リンパ節転移13個・グレード2・ホルモン陽性(普通位)と言うことで、抗がん剤(FEC・タキソテール4クールずつ)、放射線治療後に、フェマーラを5年間服用しておりました。2016年1月にフェマーラの服用期間も終了し、2017年1月に、1年ぶりの血液検査で CEA:11.6、CA-15-3:37.5と、これまで基準値以内で安定していた腫瘍マーカーが大きく上昇し、骨シンチとCT検査をすると、胸椎、腰椎、背骨の骨転移を告知され、下記のような経過となっております。

2017年2月20日 フェソロデックス、ランマーク1回目
2017年3月6日 フェソロデックス、ランマーク2回目
2017年3月21日 フェソロデックス、ランマーク3回目、血液検査(CEA:22.6、
CA-15-3:55.4)
2017年4月17日 フェソロデックス、ランマーク4回目、血液検査(CEA:26、
CA-15-3:61.2)
2017年5月15日 CT、血液検査(CEA:32.6、CA-15-3:75.2)
2017年5月19日 骨シンチ
2017年5月22日 骨シンチ結果 新たに肋骨転移(頭蓋骨、大腿骨)
2017年5月23日 フェマーラ服用
2017年6月19日 血液検査、ランマーク5回目(CEA:38.1、CA-15-3:81.1)
2017年7月20日 CT検査
2017年7月24日 血液検査、CT結果(CEA:46.5、CA-15-3:92.6、肝臓転移判断できないが薄い影今後経過観察、骨増悪傾向)

7月28日に骨シンチの検査があり、その結果次第で、抗がん剤(アバスチン+パクリタキセル)になるかもしれないと言われておりますが、来月75歳になる母には副作用のきつい抗がん剤は体力的に厳しいのではないか、高齢者に抗がん剤は効果が期待できないような情報もあり、心配しております。(現在の母の具合は、腰や背骨が少し痛むようですが、早朝に40分位ウォーキングをしたり、近場に自転車で買い物をしたりと、再発前と変わらず、食欲もあり、術後の抗がん剤治療後よりも体重が7s位増えています。)
現在の状況では、他のホルモン剤や飲み薬の抗がん剤等で期待できそうな治療はないものでしょうか? 長文で申しわけありませんが、よろしくお願いいたします。

骨転移が進行していたら、アロマシン(経口ホルモン療法)とアフィニトール(経口分子標的薬)、あるいはTS-1(経口抗がん剤)も候補にあがると思います。それぞれ副作用がありますので、主治医とご相談ください。(文責 徳田)

 

No.12053-2】  17年08月07日   K.M.
母の今後の治療について(2)

ご回答いただきありがとうございました。その後8月1日に主治医の診察があり、7月28日の骨シンチの結果が増悪しており、CT上肝臓に一ヶ所2p位の薄い影があるようで、経口抗がん剤等ではどうかと質問してみたのですが、経口抗がん剤では、あまり期待できないと思われるので、病状の進行が早く、8月7日から入院し、初回のアバスチン+パクリタキセルをすると治療方針が決定しています。主治医には、アバスチン+パクリタキセルは、術後使用したFEC・タキソテールより副作用もきつくなく、母の年齢でも可能だと言われいますが、現在の所、我慢できないような強い痛みや食欲不振等もなく、転移告知前と変わらず生活できていますが、抗がん剤をすることによりQOLが下がることや、副作用により余命が短縮されるのではないかと不安です。下記質問にご回答いただけれれば幸いです。どうよろしくお願い致します。

1)75歳以上の転移性乳がんで、アバスチン+パクリタキセルは、どのような病院でも普通に使われているのでしょうか?
2)術後使用したFECのような間隔でできる抗がん剤で、転移性乳がんに期待できるものはないのでしょうか?(自宅から1時間程かかる病院で、一週間に一度通院するのもかなり厳しいと感じています。)
3)現病状では、一番期待できる治療法は、アバスチン+パクリタキセルだと思われるでしょうか?
4)アバスチンは、一般に全生存期間改善のエビデンスは弱く,無増悪生存期間改善で有効と評価されますが,本当にリスクを上回る有用性があるか、よく検討した方がよいと言うような情報があり、米国では乳がんに対する適応が削除されたと言うことですが、この件に関しての見解をお聞かせください。

1)乳がん専門病院(乳腺科または乳腺外科、乳腺センターの標榜がある医療機関)なら行っています。
2)投与量を少なくしたり、投与間隔を長くしたり、また別の抗がん剤投与も考え得るとは思います。それは患者さん側と主治医側の相談で決めることだと思います。
3)現病状では、アバスチン+パクリタキセルが、life-threateningな肝転移には一番期待できる治療法のひとつだと考えます。
4)おっしゃる通り、アバスチンは全生存期間改善のエビデンスは弱く,副作用も重篤なものがあったので、米国では乳がんに対する適応が削除されたわけです。日本では有効例の報告もあります。今のところ、効くかどうかはやってみなければわからないので、どの抗がん剤でもそうですが、個別に期待できる効果(奏効率)と有害事象(副作用・リスク)を天秤にかけて検討するということになります。(文責 石川)

 

No.12052】  17年08月03日   M.I.
緑内障

お世話になります。現在51歳です。2013年、47歳の時に左乳がん切除をし、その後ノルバデックスを飲んでいます。昨日、近所の眼科で緑内障と診断されました。点眼治療を1週間し、その後、総合病院(乳腺外科とは別の病院)へ紹介されるようです。近所眼科は診察と待合室の仕切りがなく、他の人に全て聞かれるため、がんの話ができませんでした。今後どうしたらよいか、ご相談させてください。
2013年9月左乳がん手術
2.2*1.4cm invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma. 核異型スコア:2、核分裂スコア:1(4/10HPF)、核グレード:1、 波及度:g−in situ g f、リンパ管侵襲:ly0、静脈侵襲:v0 ER:陽性 PS5+IS2=TS7、PgR:陽性 PS5+IS3=TS8
   HER2陰性 HER2 score:1+、MIB−1LI:10%

治療はノルバデックス10年とのことでした。ノルバデックス処方後、すぐに生理がなくなりました。ノルバデックスを1年半飲んだところでアリミデックスに変更。しかし50日ほどで生理になり、ノルバデックスに戻しました。その際に、半年ほど吐き気、めまいに悩まされ、セファドールというめまいの薬やワイパックス、漢方薬をしばらく飲んでいました(今も時々)。

質問
1) 1週間の点眼治療を待たずに乳腺主治医に相談すべきでしょうか。それともノルバデックスを飲みながら、まずは1週間の点眼、総合病院での診察、方針が決まってから、必要があれば主治医に連絡すべきでしょうか。
2) 主治医のいる病院にも眼科があるので、情報共有のため、近所眼科のいう総合病院より主治医のいる総合病院眼科に紹介の方がいいのでしょうか。
3) ノルバデックスが緑内障に悪い場合、アリミデックスに変更になるのでしょうか。(また生理、ノルバに戻し、体調不良が心配です)

以上、長々と申し訳ありませんがよろしくお願いします。

1) ノルバデックスと緑内障の関連はないとされています。しかし、緑内障の点眼治療を開始するにあたっては、まず、かかりつけの眼科医にノルバデックスを内服中であることを情報提供すべきです。話ができないのであれば、おくすり手帳を提示すればよいのです。
2)ノルバデックスを中止する必要があるような場合には、その方がよろしいと思います。継続の場合には、次回の処方時に主治医に報告すればよいと思います。
3) 前述のとおり、可能性は極めて少ないと思います。緑内障が通常の治療に抵抗性で、ノルバデックスが原因と考えられる、休薬ないし中止する必要がある場合には、乳がんの主治医に相談してください。(文責 徳田)

 

No.12051】  17年08月03日   A  
左胸の乳首が陥没しています

私は28歳で、出産経験はありません。記憶が曖昧なのですが、昨年の12月頃から自分の左胸の乳首が陥没していることに気が付きました。刺激したり、くしゃみしたり、鳥肌がたったりすると出てきます。先日、陥没乳首は乳がんの可能性があると聞き、毎日不安です。乳がんなのでしょうか?病院で相談しても、年齢的にまだ大丈夫と言われてしまいました。どうぞ、よろしくお願い致します。

陥没乳頭は、乳がんとは無関係のことが多いですが、乳頭直下の乳がんにより引き起こされることもあります。しかし、年齢だけで乳がんの否定はできませんので、可能性は極めて低いですが、一度専門医を受診してください。(文責 徳田)

 

No.12050】  17年07月22日   R  
私の癌はどの程度のものでしょうか?

昨年10月頃から、左胸下部分にしこりを感じていたのですが、仕事や子供達の習い事の送迎などで忙しく、あまり気にしてなかったのですが、しこりが大きくなり、時々痛みも感じ、左右の乳頭の位置がずれていました。子供の入試も終わり、個人病院へ行ってみたところ、がんセンターの紹介状をもらい、エコーとマンモの検査などを受け、乳ガン発覚しました。脇のリンパに転移もあり、しこりが3.2ミリで、乳頭までとの事、4月に全摘しました。病理で実際取った癌が5.1ミリで、脇のリンパに5個の転移があり、浸潤性の中間期、ハーツありでした。ホルモン療法は効かないタイプとの事で、今3w間隔で抗がん剤治療をしてます。素人なので何を聞けばいいかもよく分からず、先生の話を何となく聴く感じでした。実際の所、私の癌はどの程度のものでしょうか? 完治するものか、命に関わるものか、色々教えて頂きたいと思います。

ステージ分類ではT3(しこりが5.1ミリでなく5.1cmとして)N1M0(遠隔転移が画像上なかったものとして)となりステージVA、サブタイプ分類ではHER2型ということになります。もちろん主治医の先生は完治を目指して治療を続けておられることと思いますが、再発率も少なからずあるため、その可能性を少しでも低くする目的で抗癌剤+ハーセプチン治療を行っているのだと思います。是非完治すると信じて今後も治療を頑張ってください。(文責 谷)

 

No.12049】  17年07月22日   D 
乳癌の皮膚転移と今後の治療について

乳癌の皮膚転移と今後の治療についてお尋ねします。現在までの経過ですが、10年ほど前に左乳房の非浸潤癌が見つかり、温存手術と放射線治療を行う。7年前、同じ左乳房に石灰化が見つかり、左乳房同時再建を行う。2年前に右乳房全摘を行い、ユーエフティ内服を2年間行い、これからホルモン治療に入る寸前だったのですが、全摘した左乳房にまた5ミリ程度のしこりを発見し、先日日帰り手術にて摘出しました。病理検査の結果とPET CT検査の結果で今後の治療方針を決定。結果は、次の通りでした。
【病理診断】
Invasive ductal carcinoma, recurrent and metastasis into skin, skin, excisional biopsy.
[ Additional report on ER , PgR , HER-2 immunostains ]

皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発と考えられる像です。

[ ER , PgR , HER-2 に関する追加のご報告 ]
ER 陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、 PgR陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、HER‐2 陰性(score 0)でした。

【PET検査報告】 〜別の病院で受けました〜
FDG-PET
右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり
SUVmax2.4→2.88
リンパ節転移を否定できず、貴院でのCTでの経過と併せ評価ください。
また、その尾側でも傍胸骨領域にごく淡い集積あり。
SUVmax1.38→1.63
こちらは有意な所見とは言い難い。
右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり。
SUVmax2.77→3.41
性状からは術後変化を疑う。局所所見と併せ評価ください。
他、有意な集積亢進を指摘できない。

以上により、先生からはPET検査結果により、はっきりはしていないが、リンパ節転移の可能性があり、胸の病理診断の結果から皮下再発ではなく、皮膚転移なので、やはり抗がん剤治療を行いましょうと言われました。私は皮膚内部なので皮下再発でホルモン療法とせめて放射線治療くらいだと思っていたのですが、やはり抗がん剤への拒絶が強く、まだ受け入れることができません。セカンドオピニオンができれば他の意見も聞いてみたいのですが、同時再建をはじめ何回かほかの病院で行っているため、先生にこれ以上不信感を与えたくありません。今後の転移等を考えて、やはり抗がん剤治療を行った方がよいのでしょうか? この診断結果だけでは判断できませんでしょうか? お伺いします。

経過が長く複雑で、また両側乳がんでもあり、現状がどのような再発かを正確に知ることが困難ですが、摘出病理結果やPET検査の結果より、浸潤がんの皮膚転移およびリンパ節転移があるものと考えます。それゆえ、主治医の先生がおっしゃるとおり抗癌剤治療が有力な選択肢のひとつであると考えます。しかし抗癌剤治療の受け入れが難しいのであれば、摘出病理結果ではホルモン感受性が強い、言い換えればホルモン治療が効果的に働く可能性が強いということですので、まずホルモン治療を開始して少し経過を見てみるのも有力であると考えます。主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.12049-2】  17年08月07日   D 
乳癌の皮膚転移と今後の治療について(2)

先日は乳癌の皮膚転移と今後の治療についてのご回答をいただきまして、本当にありがとうございました。やはり抗がん剤治療には抵抗があったため、今後の治療について、主治医の先生にもう一度相談した結果、PET CT検査の結果で、「右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり」と「右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり」だったことで、再度CT検査を行って確認してもらうことにしました。その結果で、リンパ節転移の可能性が低かった場合は、ホルモン治療(場合によっては放射線治療も)でお願いしてみます。ただし、主治医の先生は、皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発なので、抗がん剤は行うべきとの考えがあるみたいでした。そこで再度ご質問があるのですが、このような場合の抗がん剤は、どのような種類の物を使うのでしょうか。私としては、仕事を続けたいため、体への負担(副作用)が極力少ないと助かるのですが(髪の毛も抜けないような)。以前、主治医の先生からは、3週間に1回の点滴で4カ月、その後経過を見て、場合によっては放射線、さらに3週間に1回の点滴で4カ月と言われました。今までの詳しい経過や結果もわからずお答えしようもないかもしれませんが、一般的なものでも構いませんので、よろしくお願いします。簡単な経過は以下の通りです。

10年ほど前に左乳房の非浸潤癌が見つかり、温存手術と放射線治療を行う。 7年前、同じ左乳房に石灰化が見つかり左乳房同時再建を行う。 2年前に右乳房全摘を行い、ユーエフティ内服を2年間行い、これからホルモン治療に入る寸前だったのですが、全摘した左乳房にまた、5ミリ程度のしこりを発見し、先日日帰り手術にて摘出しました。 病理検査の結果とPET CT検査の結果で抗がん剤治療と場合によっては放射線治療との方針。
【病理診断】
Invasive ductal carcinoma, recurrent and metastasis into skin, skin, excisional biopsy.
[ Additional report on ER , PgR , HER-2 immunostains ]
皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発と考えられる像です。
[ ER , PgR , HER-2 に関する追加のご報告 ]
ER 陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、 PgR陽性(Proportion
Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、HER‐2 陰性(score 0)でした。

【PET検査報告】 〜別の病院で受けました〜
FDG-PET
右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり
SUVmax2.4→2.88
リンパ節転移を否定できず、貴院でのCTでの経過と併せ評価ください。
また、その尾側でも傍胸骨領域にごく淡い集積あり。
SUVmax1.38→1.63
こちらは有意な所見とは言い難い。
右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり。
SUVmax2.77→3.41
性状からは術後変化を疑う。局所所見と併せ評価ください。
他、有意な集積亢進を指摘できない。

乳癌の皮膚転移なので、他の皮膚にも再発しやすいこと、他の臓器にも転移が発現することが稀ではないことから、リンパ節転移をも疑って、抗がん剤治療もお勧めいたします。その場合、私は強めの副作用も出現してもおかしくない、脱毛の可能性のある薬剤を使います。その方が効果が期待できるからです。使う抗がん剤もいろいろな種類があります。その治療は3週間に1回の点滴から投与量を少なくして3週連続の点滴など、投与量・間隔など変えて行う場合もあります。仕事を続けながら抗がん剤治療を受けている方もたくさんおられます。どうぞ、ざっくばらんに主治医と相談してください。(文責 石川)

 

No.12049-3】  17年08月14日   D 
乳癌の皮膚転移と今後の治療について(3)

先日は乳癌の皮膚転移と抗がん剤治療について教えていただきまして、本当にありがとうございました。今も抗がん剤治療には抵抗がありますが、主治医の先生としっかり話し合って今後の治療(おそらく抗がん剤治療)を考えたいと思います。何度も申し訳ございませんが、参考までにもうひとつだけ教えていただきたいのですが、私のような場合の抗がん剤の主流的な薬剤名はどのようなものでしょうか。事前に知っておきたいという思いがやはりありましてお願いいたします。念のため、今までの経緯を再度記載しますのでどうかよろしくお願いします。簡単な経過は以下の通りです。

10年ほど前に左乳房の非浸潤癌が見つかり、温存手術と放射線治療を行う。 7年前、同じ左乳房に石灰化が見つかり左乳房同時再建を行う。 2年前に右乳房全摘を行い、ユーエフティ内服を2年間行い、これからホルモン治療に入る寸前だったのですが、 全摘した左乳房にまた、5ミリ程度のしこりを発見し、先日日帰り手術にて摘出しました。 病理検査の結果とPET CT検査の結果で抗がん剤治療と場合によっては放射線治療との方針。
【病理診断】
Invasive ductal carcinoma, recurrent and metastasis into skin, skin, excisional biopsy.
[ Additional report on ER , PgR , HER-2 immunostains ]
皮膚生検標本により、真皮内に主に小索状構造を呈し浸潤する異型細胞が明らかで、
浸潤性乳頭癌の皮膚転移再発と考えられる像です。
[ ER , PgR , HER-2 に関する追加のご報告 ]
ER 陽性(Proportion Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、 PgR陽性(Proportion
Score(PS) 5 , Intensity Score(IS) 3 , Total Score 5+3=8)、HER‐2 陰性(score 0)でした。

【PET検査報告】 〜別の病院で受けました〜
FDG-PET
右傍胸骨リンパ節への軽度の集積亢進あり
SUVmax2.4→2.88
リンパ節転移を否定できず、貴院でのCTでの経過と併せ評価ください。
また、その尾側でも傍胸骨領域にごく淡い集積あり。
SUVmax1.38→1.63
こちらは有意な所見とは言い難い。
右乳腺または近傍の胸壁には淡く索状の集積亢進あり。
SUVmax2.77→3.41
性状からは術後変化を疑う。局所所見と併せ評価ください。
他、有意な集積亢進を指摘できない。

一般的に、これまでの治療経過から、抗がん剤を使うならアンソラサイクリン系抗がん剤やタキサン系抗がん剤を使うことになります。たぶん補助療法と考えれば、そういった選択肢となります。PETでは再発が決定的と考えるのか判断が難しく、全身に広がっている再発乳癌と考えれば、ホルモン治療やゲムシタビン、ビノレルビン、ハラヴェンなどの再発用単剤抗がん剤治療となるのが一般的です。(文責 石山)

 

No.12048】  17年07月09日   K
薬は効いているのでしょうか?

術後 1ヶ月半、 ホルモン治療中、ルミナールA のものです。乳ガンになったことを息子たちには言っていません。彼らの性格を考えると、とうてい無理です。悲しませたくありません。なので、主人と言わないことに決めました。ただ、術後のメンタル、再発転
移の不安がいっぱいで、地に足のついた生活が出来なくて、上がったり下がったりの繰り返しです。いつ頃から前の自分に戻った生活が出来るのでしょうか。うつなのでしょうか。術後すぐタモキシフェンを服用しておりますが、先生にも生理はまだありますと伝
え、単独治療になっております。生理はいつも通りに来ています。これで薬は効いているのでしょうか? 48才です。よろしくご回答、お願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。乳がんと向き合い、きちんと治療をお受けになっていらっしゃるのですね。ホルモン治療であるタモキシフェンには生理を止める副作用がありますが、通常通り生理が続く患者様もいらっしゃいます。生理を止める目的のホル
モン治療ではありませんので、生理が続いていてもホルモン治療の効果には差はありません。生理を止める目的のホルモン治療につきましては、病状に合わせて追加することがございます。主治医の先生にご相談くださいませ。お子様へ病気についてお伝えするか
どうかについては、私は基本的にお子様へお伝えしています。お母様を守って、支えていくのもお子様の役割だと考えておりますから。ご家族様みんなで一緒に病気と向き合うことが大切です。伝え方にはもちろんコツがありますし、お伝えしたあとにも、お子様
方のケアも必要です。この点につきましても、主治医の先生に御確認なさってみてくださいね。ママは一人で病気を抱え込んで悩みがちです。毎日悲しい想いで心がいっぱいになってしまって、笑顔も少なくなってしまいます。ひとりで抱え込んではいけません。
ご家族みんなで病気と向き合うのです。ママは決してひとりぼっちではありませんからね。これからも応援しています。(文責 高橋)

 

No.12047】  17年07月09日   K.I.
DCISが確定されました (HPNo.10781-2)

5年前に "非浸潤性乳がんの補助療法無しによる再発率について" 質問させていただいた者です。
2012年8月に非浸潤がんの左乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘出の手術を、アメリカロサンゼルスで受けました。2012年6月の定期マンモで石灰化が見つかりました。術前術後の病理検査はともに非浸潤でしたが、グレード3のコメド型でした。乳頭からは離れた皮膚に近
いupper left superiorに広がる石灰化でした。術後唯一言われたのは、ER(3+)PR(1+)の標準治療であるホルモン剤治療でした。オプショナルだったため、術後なんの補助療法もしませんでした。以降毎年ロサンゼルス、転居先のピッツバーグで定期検査を受けて
いましたが、昨年の検査以降、痛みを伴う乳頭からの異常分泌が続き (絞れば出る程度)、今年5月に新たな転居先のニュージャージーで受けたマンモで異常を指摘され、MRI+マンモトームでDCISが確定されました。
問題箇所は、乳頭直下の微小石灰化 (6/30 DCIS確定)と、今年のマンモで初めて映ったleft posterior upper aspect 石灰化(乳腺がないはずなので、どこに石灰化があるのかわかりません、再建に使った臀部脂肪か胸筋か?)です。5年前の手術時に、左臀部の脂
肪移植による同時再建を受けた際、胸骨の一部を切り取って今回問題になっているエリアからの血管を乳頭に繋げたと記憶しています。この石灰化は、乳頭直下のDCISが広がったものでしょうか。奥深すぎて、biopsyが出来ないと言われています。
質問は、この奥深い石灰化が乳がんによるものの場合、取る乳腺がないので、何が標準治療となるのでしょうか。また今回のDCISは5年前の再発なのか、新たなDCISなのでしょうか。乳頭直下の石灰化に対しては2週間後に乳頭乳輪の摘出の予定です。
5年前の手術pathology レポートの記載と、先日出たマンモ及びマンモトームのレポートをコピーします。よろしくお願いいたします。

8/22/17 surgical pathology report
Final diagnosis
-DCIS, cribriform, comedo, and solid types, with central necrosis, high nuclear grade -Size of DCIS: 3.8 cm -Surgical margins:
0.3 cm from the anterior margin
0.4cm from the posterior margin
All other margined appear negative for carcinoma -lymph/vascular invasion: not definitively identified -negative for invasive carcinoma -ER >95% 3+ PR<1% 1+

6/27/17 FINAL PATHOLOGY REPORT
DIAGNOSIS
STEREOTACTIC NEEDLE CORE BIOPSY OF LEFT BREAST:
INTRADUCTAL CARCINOMA, PAPILLARY AND SOLID TYPE WITH FOCAL MINIMAL LUMINAL NECROSIS, INTERMEDIATE TO HIGH NUCLEAR GRADE, CONTAINING RARE MICROCALCIFICATIONS (SEE COMMENT) ESTROGEN AND PROGESTERONE RECEPTORS ARE PENDING ON PARAFFIN BLOCK
1A AND AN ADDENDUM REPORT TO FOLLOW

COMMENT: SEVERAL DEEPER SECTIONS EXAMINED AND NO MORE MICROCALCIFICATIONS IDENTIFIED

6/14/17 Diagnostic Mammography report
IMPRESSION: Reconstructed left breast. There are two groups of calcifications identified as described above. The most inferior and inner group compared to a present previously supporting benign etiology. The calcifications in the upper
outer aspect are not appreciated previously, however it may related to differences in technique. The calcifications do a probably benign been seen due to differences in positioning. It may represent fat necrosis. Follow-up left
mammogram is recommended in six months. Results were discussed with the patient.

6/30/17 Diagnositic Mammography addendum report In view of the appearance of the nipple, this raises concern for the group of calcifications that was identified at the very superior posterior aspect of the reconstructed breast. These
calcifications were difficult to demonstrate because of the very posterior location. Rather than follow-up, I would recommend a biopsy these calcifications. If a stereotactic core biopsy cannot be performed, needle localization with
excision would be recommended.

IMPRESSION: Abnormal microcalcifications within the nipple that is known to be abnormal by MRI in a patient with nipple sparing mastectomy, status post reconstruction with abnormal nipple discharge. There is concern for malignancy. In
view of the findings identified in the nipple, further evaluation recommended this time for the calcifications in the very superior outer left breast. A biopsy is recommended.

ご相談どうもありがとうございます。皮下乳腺全摘後の再発についてのご相談ですね。皮下乳腺全摘術はすべての乳腺を摘出することが目的の手術ですが、乳首近くや鎖骨、脇腹、乳房下端に乳腺が残る可能性がございます。移植した組織に再発したと考えるより
は、残っていた乳腺に乳がんが発生した、あるいは再発したと考えるのが自然です。その際には、基本的に乳房全摘術やがんが存在する部分の乳腺切除術を考慮します。まずは主治医の先生にご相談し、治療方針を決定していってくださいね。特別におかしなこと
が起こった訳ではありません。再発なのか、新しい乳がんなのかも、判断は難しいと思います。まずは出来る治療をおこなっていきましょう。応援しています。(文責 高橋)

 

No.12046】  17年07月04日   M.M.
術後1ヶ月での転移?

41歳です。5月31日に乳癌の部分摘出、リンパ郭清手術を行いました。6月23日の病理結果では、ホルモン(-)、Her2(-)、Ki67:60-70%、リンパ転移:1/14で、トリプルネガティブということでした。術前のCT、胸部レントゲン、MRIでは遠隔転移はなしでした。トリプルネガティブということで、術後の化学療法は決まっていましたが、念のため病理の結果を持ってセカンドオピニオンを受けに行ったところ、そもそも現段階で転移はないのかという話になり、CT、血液検査を行いました。血液検査でのマーカーは正常値でしたが、CTで肺に2mmの怪しい影があると指摘され、再度手術をした病院で確認してもらうようにと言われました。肝臓にも怪しい所があるが、エコー所見では脂肪の集積だろうということでした。根治を目指して術後の化学療法に臨むつもりでしたが、転移があったとすると、一気にステージ4になることになり、大変ショックを受けております。トリプルネガティブで、Ki67値も高いとはいえ、こんなに早く転移するものなのでしょうか? 週明けに確認するしか方法はありませんが、いてもたってもいられず、相談メールを出させていただきました。ご助言よろしくお願いいたします。

一般的に癌の転移の能力は、主病変が1mm程度の時に獲得するといわれています。しかし、肺病変は、画像上、小さな病変があっても存在の確認はできますが、良性か悪性か、またそれが転移であるのか、肺自体の病変であるのかという診断はできません。これらを明らかにするためには、検査のための手術をし、病理検査をしなければなりません。いずれにしても現時点で行える治療を進めていくことが必要だと思います。貴女の状態を一番よく把握してくださっているのは主治医ですから、今後の治療方針を充分ご相談の上、納得のいく治療を選択してください。

 

No.12045】  17年07月04日   W
乳頭からの分泌について

私は37歳で、子供は8歳と6歳です。一昨年の10月に胸を挟むと茶色の分泌があり、すぐに受診しました。分泌液の細胞検査は異常なし。エコーで腫瘍があったので、細胞診のあと 針生検しましたが、線維腺腫と診断されました。分泌液の直接の原因は分からないので、経過観察となりました。その後は分泌もなくなっていたのですが、最近また分泌液が出るようになりました。つまんだりしないと出ませんが、赤っぽい色です。病院で診察を受け、分泌液の細胞検査をしましたが、ガンではなかったそうです。エコーとマンモグラフィでも、新しい腫瘍は見つかりませんでした。また3ヶ月ごとの経過観察となりました。前回も今回も、乳管造影まではしなくてよいとのことですが、大丈夫でしょうか? 何から分泌液が出ているのか分からないのは、とても不安です。造影検査をしてくれる別の病院を探したほうがいいのなと思っています。乳管造影をしてもエコー検査と変わりがなく、悪性か良性かの判断はできないと言われました。叔母二人と祖母が乳ガンだったので、検診は20代の頃からずっと受けています。

茶色の乳頭分泌とは、おそらく血性のものだと思われます。血性の乳頭分泌の場合、一般的には70%が乳管内乳頭腫、30%が乳管内乳頭癌だと言われています。乳管内に乳頭状の病変があり、これからの分泌だと思いますが、乳頭状の病変がどこにあるのか、また良性か悪性化を判断するには、最終的には病理検査で判定することになります。貴女の場合、細胞診を何回か行い、悪性のものではないとの結果を得ているので、おそらく乳管内乳頭腫による乳頭分泌であろうと推測されますが、家族歴や乳頭分泌そのものが心配で、どうしてもはっきりさせたいという場合は、病理検査を行うことも一つの考え方かもしれません。乳管造影で、責任病変のある腺葉を確定した後、検査のための手術(マイクロドヘクトミー)で腺葉を摘除、その後、病理検査で連続切片による再構築を行うことになります。主治医と充分にご相談し、それでも納得がいかない場合はセカンドオピニオンを受けてみるのもいいかもしれません。(文責 須田)

 

No.12044】  17年06月30日   K
ホルモン療法(HPNo.12042-2)

先の質問にお答えいただき感謝しております。先日エコー検査で問題はありませんでした。ありがとうございます。
術後3年間地元の病院に行かなかったのは、相談する余地もなくアルマターぜ阻害剤の薬を出されると思ったからですが、やはり今回検査に行ったことで、そのような手はずになりました。処方された薬は手元にありますが、まだ飲んでいません。ネットでの知識からその薬の意味はわかっているのですが、どうしても副作用の起こる薬を10年も飲み続けることに抵抗があります。まして今の健康体(?)をわざわざ害することに納得がいかないのです。1ヶ月後にCTやMRIを撮るそうですが、その結果を見てから摂取を決めるというのは無謀な決断なのでしょうか。何かの異常が見られれば結局は同じ薬を処方されるわけですから、そうなってから飲んでも同じというのは、やはり素人の考えなのでしょうか。年齢は57歳なので、エストロゲンの量も多くないのではと考えてしまいますが・・・。
またもう一つの質問は、一度薬を飲み始めてから、やめても問題ないですか。どうぞよろしくお願いいたします。以下が私の針生検後と手術後の病理組織検査結果です。            
(針生検)    
浸潤性、大きさ:23mm×18mm(マンモ)、 リンパ節転移: 無、 核グレード 1、 ホルモンレセプタ 有、 HER2 無、 病期: UA
(術後)
硬癌、 大きさ:肉眼(15mm×15mm×9mm)顕微鏡(13mm×10mm)
脈管侵襲: 1y1+v0、 リンパ転移: センチネルリンパ節(0/1)
核異型度: 1、 免疫染色結果: ER: +(90%)、 PgR: +(80%)
HER2: score0, Ki67 labeling index: 約30% (増殖能力)
ガイドラインによると 増殖能力が20%以上の場合でホルモン受容体がある場合は、抗ガン治療と(か)ホルモン療法が薦められる。

ご質問有り難うございます。ひとまず再発ではなかったとのこと、良かったと思います。さて、術後の治療についての質問ですが、少々きつい言い方になるかもしれません。ご容赦ください。乳癌というのは、手術だけではなく、その後の治療で完治を目指す病気です。仰るとおり、何かイベントがあってから・・・という考えも理解できますが、再発してからの治療は半永久的になること、完治が難しいこと、時につらい治療になりますので、「再発予防の治療をしっかりとやる」というのが基本です。再発予防の治療は期間が限られています。副作用も全例におきる訳ではありませんし、内服して、副作用を見てから考えるというのもアリだとは思います。ただ、術後3年、内服せずに経過してしまったので、もう今さら・・とも言えます。今から内服してどれだけ効果的か、意味がないのかは答えがありませんので、主治医と相談のうえ、ご自身でお考えください。(文責 鈴木)

 

No.12043】  17年06月22日   M.T
しこりが大きくなり不安です

大学病院で、右胸の乳頭から近いところに、癌ではないようだけれども、しこりがあり、超音波とマンモを半年ごとに受けて、経過観察していました。11月の検査より3倍の大きさになったといわれ、不安になりましたが、がんではないようだし、受診は半年後でよいと言われました。大きくなったと聞いて、不安でしかたがありません。そして違う病院に、紹介状なしで、半年前より大きくなったと伝えて見てもらいましたが、超音波でも見つけられませんでした。大きくなるもので良性のものもあるのでしょうか? 半年たって手遅れだったらと不安です。 

診察もしていないし、画像も見ていないので、なんともお答えができません。良性の腫瘍でも葉状腫瘍と言って大きくなる腫瘍はあります。心配なら、主治医の先生によく見てもらって、よく説明を聞いてください。(文責 清水)

 

No.12042】  17年06月22日   K
リンパ転移、再発?

主治医に診察に行く予定ではいますが、少し前もって知っておくべきことがあればと思いメール致しました。3年前に右側に乳がんが見つかり全摘再建しましたが、術後治療は何も受けませんでした。半年前ぐらいから、右のリンパ腺あたり(脇の下より正面)が鏡に映ると膨らんで見えます。その下あたりが全摘でか、少し陥没しているので、余計膨らみが目立ちます。初めは脂肪か筋肉が付いてきたのかと思っていましたが、少しずつ大きくなってきているように感じます。押しても痛みはなく、硬さも筋肉程度です。リンパ腺転移や再発の可能性についてわかることを教えてください。よろしくお願いいたします。

診察をしていないので、mailの内容からはなんともお答えできません。リンパ節転移かどうかは主治医の触診である程度わかりますし、心配であれば、超音波検査、場合によっては細胞診で診断します。まずは主治医の先生の診察を受けてください。(文責 清水)

 

No.12042-2】  17年06月30日   K
ホルモン療法

先の質問にお答えいただき感謝しております。先日エコー検査で問題はありませんでした。ありがとうございます。
術後3年間地元の病院に行かなかったのは、相談する余地もなくアルマターぜ阻害剤の薬を出されると思ったからですが、やはり今回検査に行ったことで、そのような手はずになりました。処方された薬は手元にありますが、まだ飲んでいません。ネットでの知識からその薬の意味はわかっているのですが、どうしても副作用の起こる薬を10年も飲み続けることに抵抗があります。まして今の健康体(?)をわざわざ害することに納得がいかないのです。1ヶ月後にCTやMRIを撮るそうですが、その結果を見てから摂取を決めるというのは無謀な決断なのでしょうか。何かの異常が見られれば結局は同じ薬を処方されるわけですから、そうなってから飲んでも同じというのは、やはり素人の考えなのでしょうか。年齢は57歳なので、エストロゲンの量も多くないのではと考えてしまいますが・・・。
またもう一つの質問は、一度薬を飲み始めてから、やめても問題ないですか。どうぞよろしくお願いいたします。以下が私の針生検後と手術後の病理組織検査結果です。            
(針生検)    
浸潤性、大きさ:23mm×18mm(マンモ)、 リンパ節転移: 無、 核グレード 1、 ホルモンレセプタ 有、 HER2 無、 病期: UA
(術後)
硬癌、 大きさ:肉眼(15mm×15mm×9mm)顕微鏡(13mm×10mm)
脈管侵襲: 1y1+v0、 リンパ転移: センチネルリンパ節(0/1)
核異型度: 1、 免疫染色結果: ER: +(90%)、 PgR: +(80%)
HER2: score0, Ki67 labeling index: 約30% (増殖能力)
ガイドラインによると 増殖能力が20%以上の場合でホルモン受容体がある場合は、抗ガン治療と(か)ホルモン療法が薦められる。

ご質問有り難うございます。ひとまず再発ではなかったとのこと、良かったと思います。さて、術後の治療についての質問ですが、少々きつい言い方になるかもしれません。ご容赦ください。乳癌というのは、手術だけではなく、その後の治療で完治を目指す病気です。仰るとおり、何かイベントがあってから・・・という考えも理解できますが、再発してからの治療は半永久的になること、完治が難しいこと、時につらい治療になりますので、「再発予防の治療をしっかりとやる」というのが基本です。再発予防の治療は期間が限られています。副作用も全例におきる訳ではありませんし、内服して、副作用を見てから考えるというのもアリだとは思います。ただ、術後3年、内服せずに経過してしまったので、もう今さら・・とも言えます。今から内服してどれだけ効果的か、意味がないのかは答えがありませんので、主治医と相談のうえ、ご自身でお考えください。(文責 鈴木)

 

No.12041】  17年06月22日   Y.A.
乳がん転移について

初めて質問させて頂きます。乳がん右側温存手術後4年経ちました。今はホルモン治療中です。硬癌、ホルモンレセプターあり、HER2 ➖、リンパ節転移 センチネルのみ1つ。2年前の会社の健康診断で胃カメラをしたところ、胃粘膜下腫瘍といわれ、経過観察となりました。一年後に再度調べても大きさも変わらず、また一年後といわれました。今年もまた検査なのですが、もしかしたら胃に転移ということはありますでしょうか? よろしくお願いします。

胃転移の可能性があるかと聞かれれば、ありますというお返事になります。しかし、乳がんの胃転移の頻度は、肺や肝臓や骨転移に比べると極めて頻度は少ない転移です。また、胃転移をきたす乳がんは小葉癌が多いと言われています。また、胃転移の所見はタコイボ胃炎様の所見をきたすことが多いと言われています。そうなると、貴女の乳がんが硬癌であること、胃粘膜下腫瘍様の病変であることを考え合わせると、胃転移の可能性はかなり低いと思われます。心配しないで定期的な検査を受けて良いのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.12040】  17年06月17日   K
ホルモン療法期間(5年か10年か?)(HPNo.11973-2)

このような相談室があることを心強く思い、感謝しながら、いつも参考にさせていただいています。前回、NO.11973で相談させていただいた者です。今回、ホルモン療法の期間について、相談させていただきたいと思います。よろしくお願いします。ホルモン療法が5年となり、次回診察時に継続か終了かを決めることになっています。主治医は、どちらでも・・・とのことです。10年継続の方が、再発率数パーセント下がるとのデータですが、効果と副作用(現状では、ほてりあり。またその他潜在的なもの)を考えると、何を基準に判断したら良いか、教えていただきたいと思います。私の場合、5年と10年の再発率が分かるようでしたら、教えてください。治療・病理診断等は下記のとおりです。

48歳時 右乳癌温存療法 センチネルリンパ節生検1/3転移 腋か郭清ステージUB ER100% PGR70% HER2− MIB-1 5% ルミナールA GradeU(3-2-1) 最大径3cmの浸潤性乳管癌、周辺にDCISを伴い、線維性間質内に個細胞性、索状配列を示して浸潤するscirrhousタイプ、管状構造はごく一部 脂肪織内に浸潤 放射線治療とリュープリン2年
ホルモン療法は、ノルバデックス2年5ヶ月後、フェマーラへスイッチするも、骨密度低下で1年11ヵ月後に、再度、ノルバデックスに戻し、8ヶ月 トータル5年(内訳ノルバデックス3年1ヶ月・フェマーラ1年11ヶ月)
また、骨密度低下時に、ビタミンD処方され飲みましたが、その影響?腎臓結石・尿管結石となり、現在治療中です。

Kさん ご相談ありがとうございます。 私の回答で少しでも疑問が減り方針決定の一助になれば嬉しいです。ノルバデックスを5年で終了するか、10年まで延長するか迷いますね。最新のガイドラインを見ると、閉経後乳がん患者さんのノルバデックス10年内服は推奨グレードB(科学的根拠があり実践するよう推奨する)となっています。しかし長期投与による子宮内膜癌と肺塞栓の発生率を増加させます。現在のKさんの月経状態がわかりませんが、前回のご質問に記載されていた年齢から、月経があったとしても閉経は近いと想像します。何を基準に判断したら良いかお悩みですが、この判断基準は個々の患者さんによって随分異なります。どなたでもお望みですが極僅かでも再発抑制を希望される方は、10年の内服継続を行っています。さらに5年という期間は大変長いですね。今までの内服時の副作用と今後多くはありませんが子宮内膜癌や肺塞栓の事を考え、10年の内服をお勧めしても遠慮される方もいます。ご期待に添えていないかもしれませんが、最終的にはご担当の先生とKさんがよくご相談になってお決めになるのが良いと考えます。(文責 斎藤)

No.12039】  17年06月08日   K M
アロマシンとハーセプチンの組み合わせ

ホルモン療法でアロマシンを使用してます。担当医から、アロマシンを続けながら、ハーセプチン投与をするとのお話がありました。インターネットでは、アロマシンとハーセプチンの組み合わせはまだ認められていないとの事でしたが、大丈夫なのでしょうか?

この質問にお答えするのに、背景が明らかでないので、もしかしたら的外れな答えになってしまうかもしれないことをお断りしておきます。術後治療として(あるいは再発治療として)アロマシンを使用していて、再発巣が出現してハーセプチンの併用をすることになったのでしょうか? もしそうなら、ハーセプチンは単独や内分泌治療との併用は有効性が極めて低いので、化学療法(特にTaxaneとの)併用が有効であるとされています。アロマシン等の内分泌治療薬とハーセプチンの併用は、健康保険で認められていないのではなく、効果が少ないため再発治療にはあまり使われないと認識なさった方がよろしいと考えます。ただし、化学療法がその副作用のため忌避される場合や、術後の補助療法等では内分泌療法との併用はあり得ない選択肢ではないと考えます。(文責 久保内)

 

No.12038】  17年06月08日    D
今後の治療薬について

今までに何度か相談させていただき、その都度ご丁寧なお返事をいただきありがとうございました。初発の33歳から18年が経過し、現在52歳です。1999年3月に乳房温存術を受け、ゾラデックス注・フルツロン2年、ノルバデックス5年、化学療法6回、放射線25回施行。2004年に温存乳房に再発、内服はフェアストン1錠。その後、2007年2009年2010年に再発があり、アリミデックス・アロマシン・フェマーラ内服。2011年からは、フェアストン3錠を内服していました。2012年に胸筋内リンパ節に転移が認められ、ゼローダを2か月服用し、その後アバスチン+タキソールを6か月した後、2013年1月からフェソロデックスを2017年1月まで試行。2016年9月のCTで肺に腫瘍あり、たぶん転移だと思われるとのことで、詳しく調べていません。2017年2月からアフィニトール+アロマシンを開始していますが、4月に呼吸苦が強くなり、CT上、間質性の変化が認められたためアフィニトールを一週間休薬し、症状が落ち着いたため再開しています。
そこで質問ですが、
1) 2007年から2010年にかけて(42~45歳)アロマターゼ阻害薬を使用したわけですが、再三の再発は完全な閉経状態でなかったため薬が効いていなかったと考えられますか?
2) もし閉経状態でなかった為に薬が効いていなかったとしたら、今回まだアロマターゼ阻害薬を使うことはできますか?
3) アロマターゼ阻害薬を使えなかったら、次はどんな薬が使えますか?

仕事を続けるために副作用の少ない薬を考えたいのですが、経過が長いために使える薬もどんどん減ってきており悩んでいます。長文なってしまい申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

このご質問にお答えするのに、いくつか明らかでないことがあり、それを確かめる必要は有りそうですが、判る範囲内でお答えします。
1) 術後の化療6回の内容が不明ですが、多分FECかTCだったのではないかと推定します。この化療が原因で完全な閉経に入っている可能性は否定できませんが、42~45歳ではお若すぎるようにも思うものの、この点が明確ではありません。明確な閉経でないとすれば、アロマターゼ阻害薬は効果が全くないであろうから、単独では使用しないと思います。もし使用するとすれば、リュープリンやゾラデックス等で閉経状態を作って使用するはずですが、いかがだったでしょうか?
2) 以前にアロマターゼ阻害薬を使用していて(一時有効で)無効になったとしても、後に別の治療を行ってその治療が無効になって別の薬剤を選択するときに、アロマターゼ阻害薬を使用して奏効することがあり得ます。ですから今回使うかどうかは別にして、今後使用できないと決めてかからない方が良いと思います。(ただし現在アフィニトールとともに使われているアロマシンはアロマターゼ阻害薬ですが…)
3) 内分泌療法は現在アロマシンを使っているので、アロマターゼ阻害薬の中で回していくのはあまり意味がないように思います。使用するとすればヒスロンくらいですが、列記された最近治療法に比べて有効率は低いと考えます。内分泌療法で使用できる薬がほとんど無いので、化学療法に向かう可能性が高いと考えます。通常FECかTC(術後に使われなかった方を使用する可能性あり)だと思いますが、ハラヴェンも使えると思います。副作用の少ないものを選びたい由ですので、有効率は低いですがナベルビンやジェムザールも検討の余地があろうかと考えます。(文責 久保内)

 

No.12037】  17年05月26日    C.N. 
髄様癌について

ゴールデンウィーク中に左乳浸潤癌、部分切除をして、病理結果が出たのですが、判断に迷いますので、相談させてください。腫瘍は9mm センチネルリンパで転移− 断端− トリプルネガティブのステージ1aの診断でした。抗ガン剤を覚悟していたところ、核グレード3 Ki67は80パーセントで、髄様癌の特徴を含むという結果でした。髄様癌は予後が良く、病巣も9mmと小さかったので、抗ガン剤はやる、やらないは患者判断に任せるとなりました。質問は

1) 髄様癌の特徴を含むとは完全な髄様癌ではないという事でしょうか? ならば抗ガン剤をした方が良いでしょうか?
2) 髄様癌に対してアンスラタキサンは効果的でしょうか?
3) Ki67が80パーセントと高いので、やる価値はあるのでしょうか?

以前は1センチ以下ならばトリプルネガティブは抗ガン剤をやらなかったという話も耳にします。髄様癌という、比較的珍しい癌なので、担当医師もはっきりと効果を伝えられないようです。私的には出来ればやりたくないのですが、子供の事を考えると、やるべきなんだろうと思います。データがないので、気持ちの上での判断しかできないので、こまっております。よろしくお願いします。

髄様癌は、特殊型という文字通り特殊な乳癌に分類されるタイプのものです。いわゆる、トリプルネガティブで核異形が強く、増殖因子も高いといった、一般的な乳癌であれば化学療法が必要な要素を持ち合わせているのですが、実際はおとなしいことが多く、臨床医が判断に迷うことが多いのが特徴です。C.N.さんの場合は、1cmと小さく、個人的には化学療法は行わず、乳房に照射をして経過観察で十分と思います。(文責 緒方)

 

No.12036】  17年04月30日    M.K. 
健側の腫瘍(HPNo.11043-6)

No.11043 で何度かご相談をさせていただいており、現在はノルバデクスを服用し、体調は良好です。いつもご丁寧な回答を戴きまして感謝しております。4年前(当時51歳)に右乳房を全摘出、その後インプラント挿入による再建手術をしています。その際に健側の乳房が元々小さかった為、バランスが悪くなるという理由から、左乳房にもインプラントを挿入しました。乳がんと診断された当時は、右乳房に3個 左乳房に1個の腫瘍が見つかりました。術後の検査の際は、マンモグラフィーだとインプラントが入っているため画像診断がつきにくいので、自分の希望で超音波の検査もお願いしています。これまでは健側にある1個の腫瘍は良性なので心配ないと言われていましたが、この度の検査結果では腫瘍が3個増えており そのうちの1個に?マークがついているので、7月にまた超音波の検査をすることになりました。心配なので直ぐにでも針生検をして頂きたいところですが、インプラントが入っている為、7月の検査で腫瘍(5o)が大きくなっていたら針生検をすることになりました。疑わしい腫瘍は今回初めて見つかったわけではなく、昨年も(5o)あったようでしたが、大学病院の主治医が転勤になったあとの先生からは何の説明もなく、順調ですと言われてました。今回また、新しい先生に代わり その先生から健側に4個の腫瘍があることを知らされました。7月には形成科の定期診断(年に1度)もありますが、インプラントを除去する方向で相談をした方が良いでしょうか。また、この腫瘍が悪性のものだとしたら これは再発ですか?転移ですか? 病院では少し動揺してしまい、担当の先生に冷静に質問ができませんでした。お忙しいところ大変申し訳ございません。ご教示いただけますと幸いです。宜しくお願いいたします。

インプラントについては、現時点で除去する必要はないです。経過から可能性は低いですが、腫瘤が悪性であることがわかってから考えればよいと思います。また、通常、針生検の障害にはなりませんので、心配な腫瘤が超音波検査で明らかになれば、穿刺していただきましょう。安心できると思います。(文責 徳田)

 

No.12035】  17年04月30日    F 
良性石灰化の今後(HPNo.12028-2)

NO12028で質問させて頂いた者です。その節はご回答いただき、ありがとうございました。その後どうしても違和感が拭えなかった事もあり、こちらでご助言を頂いた事もあって、乳腺専門医のいる乳腺外科に行ってきました。結果は触診と超音波の所見から異常無しで、私が懸念を抱いていた部位の触感は、女性ホルモンの影響と、強いて言えば乳腺症のようなものと、画像類や症例が載っている本を使って、とても丁寧に説明して頂きました。そして今回初診だった事もあり、他に異常が無いかマンモグラフィも撮って貰ったところ、左右の胸に幾つも石灰化がありました。左右合わせて10個は無かったと思いますし、どちらかに特に発生している訳でもなく、大きさも針の先ほどのごくごく小さい物から、一番大きい物でも超音波でも捉えられない位の大きさで、群集、列をなす、形がいびつなどの悪性を疑う所見はない、良性の石灰化との所見でした。そして今後は超音波を半年から1年後の間に、マンモグラフィは1年後で充分と言って頂いたのですが、超音波だけは半年後からでもと言うのは、どういう事が考えられますか? (医師にうっかりお聞きするのを忘れてしまいました) 因みにかかりつけの乳腺科でも、マンモグラフィの画像に石灰化がある事は知っていましたが、今回ほど画像をじっくり見た事はなく、石灰化があってもおそらく今回同様の良性所見だったのか、「異常ありません、また来年検診に来て下さい。気になる事があればその都度」と言われて終わっていました。良性の石灰化は悪性化する事はないとの事ですが、今になって今回診て頂いた医師の言葉と、自分で把握していたより石灰化が多かった事で、少し心に引っかかっています。

マンモグラフィーは、放射線被曝のリスクがありますが、超音波は無害ですので、不安なことがあれば、いつでも受診してほしいという事だと考えます。(文責 徳田)

 

No.12034】  17年04月25日    R  
マンモグラフィ 石灰化 カテゴリー4

39さい 既婚 ふたり子供がいます。4月10日のマンモグラフィで、左乳房石灰化カテゴリー4の、結果がきました。5月11日に、大学病院で検査を再度うける予定です。たぶん、またマンモグラフィとエコー、触診になると思います。4月10日の検診の一ヶ月前くらいから、左胸や左の背中や腰が痛かったのですが、生理前ということと、姿勢が悪いからだと思っていました。しかし、この結果をうけて、左胸もズキズキ痛いような気がして、背中、左胸、腰に癌がわるさをしているんじゃないかと思えてならなくなり、不安でたまりません。カテゴリー4で、転移とかはあるのでしょうか? また、5月11日までまだ時間がありますが、その間に進行してしまうってことはあるのでしょうか? 血縁に乳ガン患者はいないので、あまりにも唐突な結果だったので、かなり動揺しています。

カテゴリー4というと、マンモグラフィーに所見があり 悪性病変の可能性があるが良性の可能性もある状況と思います。まずは悪性なのか良性なのかを診断をつけることが大事です。仮に乳がんである場合でも、数週間で進行してしまうことは稀ですので、検査を待ちましょう。(文責 俵矢)

 

No.12033】  17年04月25日   Y 
左胸のしこりと肥大について

私は半年くらい前までは中性的なのもあって、ダボダボの服を着ていたら、男性と間違われる位、胸が平たかったです。でも何故か左胸だけ急に大きくなり、今や左だけ、右に合わせたら、Cカップのブラでも小さいくらいです。触ってみると全体的に硬く、しこりがある様に感じます。まだ19歳なのですが、乳がんの可能性はあるのでしょうか?

19歳という年齢を考えると乳がんの可能性は低そうですが、一度に専門医を受診なさると良いと思います。乳がんの除外も必要ですが、内科的な診察も必要かもしれません。 (文責 俵矢)

 

No.12032】  17年04月25日   R
乳がんの症状に当たりますか?

私は37歳、妊娠出産経験無しです。1番最近の乳がん検診は、去年8月の自治体で行なっている乳がん子宮頚がん検診の時のマンモグラフィーで、そのとき異常無しでした。毎日お風呂では、体に石鹸が付いた状態で、脇から胸下までしこりが無いか調べています。お風呂以外でも、部屋で横になりチェックしていますが、自分ではしこりのような物は感じませんが、最近、右胸の乳首の下の皮膚が一部白くなっている事に気付きました。小指の爪の半分くらいの大きさで、その部分の感触は、飛び出したり、ザラザラした感じはありません。痛み、痒みも、出血もありません。お風呂、部屋で触ってみてもしこりは感じません。気になっているのですが、これは乳がんの症状に当たりますか? 乳がんには、皮膚がくぼむことがあると聞いたので、気になっています。排卵日辺りから胸が痛む事があり、生理までは胸が張ります。身内では、父の妹が15年程前に乳がんになり、左胸を取りましたが、今、元気に生活してます。宜しくお願い致します。

文面を読む限りでは乳がんを考えさせる症状ではないように思います。しかし、ご心配であれば一度専門医を受診なさってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.12031】  17年04月19日   S
アリミデックスの副作用について

68歳です。抗がん剤点滴を半年投与の後、右乳房全摘手術(リンパ節はoPせず)でした。初診から数えますと、そろそろ4年と少しになります。術後より、アリミデックスのみを服用。抗がん剤副作用の後遺症に加えて、アリミデックス1rによるとみられる手足関節、腰、股関節の痛み、こわばり、朝起床時の両足の痙攣するような吊りつっぱりの痛みなどなど、この4年を迎えて、一段と痛みの強さを増してきたように感じています。起きてぼつぼつ動き始めますと、なんとか普通に行動出来ていて、今のところ寝込むことはありません。しかし、服用が5年という約束ですので、後一年はこのまま服用頑張っていけるかなぁと不安を感じています。アリミ10年という説も出ているようですが・・・。私の場合、それまではとても耐えて行けそうにありません。骨粗鬆症に対するお薬「ベネット」「エディロール」も整形で頂いて服用しています。しかし、アリミデックス服用のその行き着く先が、個人差はありましょうが、ガンは抑えたとしても、立ち上がることも出来ない身体になってしまってはと思うと、アリミデックスをこのまま飲み続けることに非常に不安を感じます。あと一年は体の様子をみつつ頑張るべきか、それとも骨粗鬆症の心配の無いホルモン治療剤なんて、あるのでしょうか。主治医にたずねるべきですし、尋ねるつもりではいますが、言葉の少ない怖い雰囲気の医師です。今までに何度もお話はしているのですが・・・。少し私自身としても、色々知ったり調べておきたいと思いまして。近頃はウツに近い状態も出てきて、薬をこっそりやめたいなど゛、悪魔のささやきの誘惑に負けそうなのです。よろしくご゛指導お願いします。

アリミデックスの副作用である手足の関節痛や手指のこわばりは、しばしば経験します。我慢しうる程度の軽度のものについては、そのまま経過を見ることもありますが、貴女の場合は、その症状は決して軽いものではなく、その対処が必要です。同等の薬剤という観点では、アリミデックス以外のアロマターゼ阻害剤(フェマーラ、アロマシン)に変更することも考えられますが、これではやはり関節痛やこわばりが治まらない可能性も高いので、タモキシフェン(ノルバデックス)に変更するのが一般的です。タモキシフェンにはこれらの副作用は少なく、またこの時期からの薬剤のswitchでは、再発予防効果もほぼ変わらないと考えます。主治医の先生とよくご相談ください。(文責 谷)

 

No.12030】  17年04月19日   K O
DCIS切除後の断端について

DCIS切除後の断端について質問があります。腫瘍径は約2-3cmで、もともとAtypical Hyperplasiaの術前診断のもと部分切除をしたため、後壁と下壁の断端がキリギリで1mm以下とのことです(その他の断端は2mm-10mm)。ガイドラインでは、DCISは放射線治療をすれば予後は断端のサイズに関わらないとのことですが 再部分切除をした方が良いのでしょうか。その場合、腫瘍はもうないのですが、場所は推定できるのでしょうか。またあるコラムで、後(筋膜)と下(腹)方向の腫瘍マージンはDICS腫瘍の進展の方向でないのであまり気にしなくても良いと言われている先生がいましたが、本当でしょうか。よろしくお願いします。

DCIS切除後の断端が陽性とのことですので、より慎重な姿勢で臨むのであれば、追加切除をすることになります。しかし、今後の放射線治療でコントロールできる可能性も十分にあると考え、このまま追加切除なく進める選択肢も有力です。一番大事なことは、患者さん本人のご意向に沿った方針を選択することだと考えますが、私自身のこれまでの経験では、同様のケースにおいては、このまま追加切除せずに放射線治療だけで経過を見たケースが多いと思います。(文責 谷)

 

No.12029】  17年04月15日   コイン
乳がんの再発=多発性肺ガン

10年前に相談をさせていただきました。多くを学べ、相談室の先生方へ深く感謝申し上げます。2017年1月に2CMの乳がんを部分切除(リンパ転移8個あり)、放射線、抗がん剤(AC+パクリタキセル)、ホルモン剤(フェマーラ)5年間の治療。10年目検診で、多発性肺癌転移が見つかり驚きました。両肺に最大2MMが1個、他無数に再発。その後3か月目の検診で変化がなく、経過観察中で、今無治療です。5月中旬にPet検査予定です。検査診断後、治療開始予定です。再発がわかって6か月ですが、元気に今まで通りの生活中です、これから先に向け、何か先生方のアドバイスをお聞きできれば、心強いのです。どうかよろしくお願いいたします。 新薬オプジーポの治療は72才の私の場合、如何でしょうか? どうかよろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。肺転移が見つかってご不安になってしまいましたね。少しでもお役に立てましたら嬉しいです。お話からは現在は無治療とのことですが、肺の状態は落ち着いているのですね。肺転移はもともとは乳がんから来るものですので、肺がんに対する治療薬のオプジーボは現時点では治療薬としては考えにくいと思います。ホルモン治療をやめてからの再発であれば、もういちどホルモン治療を開始するのも良い治療の選択肢です。つらい治療にいきなり取りかかるのではなく、身体に優しい治療を第一選択にされるのが良いでしょう。主治医の先生に、身体に優しくて有効性が期待される治療について、今一度ご相談なさってみてくださいね。何かご心配な時には、またご相談くださいませ。応援しています。(文責 橋)

 

No.12029-2】  17年12月08日   コイン
多発性肺がん転移

HPNo.12029で相談させていただき、ほんとうにありがとうございました。経過観察中、 今年5月にPet-CTと血液検査を受けましたが、Petでは他の癌等は、でませんでした。CT画像は昨年の秋と変化はありませんでした。血液検査も異常なしでした。昨日、CT、血液検査を受けました。半年前と同じで大きな変化はなく?血液検査も大丈夫で、再び6か月の経過観察になりました(前回5ミリを2ミリの癌と間違えて記載しました。お詫びします)。一年前の再発発見後も、11年前OP後と同じく、これまで同様の生活をしています。相談室の先生に頂いたお返事の様に、治療は、最初はホルモン療法になると主治医の説明を受けていますが、今は無治療です。体の変化や息苦しさも何もありません。 いつ頃から治療が始まるのでしょうか?と主治医にお聞きすることさえ、診察室で気づきませんでした。 日々どの様なことを注意したらいいのでしょうか? また主治医の移動をお聞きしました。カルテ資料があるので大丈夫ですよね。 どうかよろしくお願いたします。

はじめに、小生は前回ご相談の回答医師と違っているかと思いますが、当番制なので悪しからずご理解ください。1年間無治療だったようにお見受けしましたが、明らかな肺転移だとしたらおかしいですね。11年目の再発となれば、発育速度の遅い乳癌と考えますが、それにしても無治療でサイズに変化が無いのは理解しにくいです。小さな転移巣だったら自覚症状が出ないのは当たり前ですが、画像で少しは大きくなると考えますし、単発が多発になったり、数が増えたり、他部位に転移が広がる可能性があると思うので、やはり内分泌療法から始まる再発治療が必須と考えます。もしかしたら肺内の腫瘤状の病変は、再発では無く他の病変ではないのでしょうか?主治医に良く伺ってみてください。(文責 久保内)

 

No.12028】  17年04月15日   F
乳腺の変化について

46歳、女性です。2007年と2015年に出産経験があります。乳がん検診は年に1度受けており、昨年は2016年12月に、かかりつけの乳腺科にて、マンモグラフィ、視触診、超音波の検査を受け、異常無しでした。そして今年の3月中旬に、月に一度の自己検診の時に左胸に今迄とは違う触れる物の感触があり、再度かかりつけの乳腺科で超音波と視触診して貰ったところ、異常無しと言われました。しかし、今迄の自己検診の感触とは触れた感じが違った感がぬぐえず、ホームドクターに視触診と超音波をお願いしたところ、私が違和感を持った部分は乳腺との事で、非常に滑らかで綺麗な乳腺であり異常無し、と言われました。(因みにホームドクターは胃腸が専門の医師ですが、外科医です。かかりつけの乳腺科とは違う乳腺科は予約がいっぱいで、相当先にならないと診察を受けられない事から、ひとまずホームドクターにお願いしました) かかりつけの乳腺科の医師もホームドクターも、乳腺が固くなる事はあるとして、今後は月に一度の自己検診の継続と、その時に触れた感じがゴツゴツと固くなるとか、大きくなるなどしたら、その都度診察に来るように、そうでなければ、また12月の毎年一回の検診で良いとの事でした。なので大丈夫なのだとは思いますが、加齢やホルモンバランス等の影響で乳腺が変化するとしても、こんなに急に触れ心地が変わる事はあるのでしょうか? また、私が違和感を持った乳腺の触れる大きさ(長さ)は結構あるため、悪性・良性に関わらず腫瘤のような物であれば、超音波でも見当がつくように思いますが、念の為にマンモグラフィを受けておいた方がいいでしょうか? ご意見をお聞かせいただければ幸いです。

ご相談どうもありがとうございます。乳腺の硬さはその時のホルモンバランスによって、変化が見られるのが普通です。もしご心配であれば、念のためにもう一度超音波検査を受けても良いかもしれません。しこりがご心配であれば、マンモグラフィーよりも超音波検査の方が向いています。触診だけで、あれこれ悩むよりは、一度超音波検査を受けてみてくださいね。必ず不安は解決できますので、外来受診なさってくださいませ。応援しています。(文責 橋)

 

No.12028-2】  17年04月30日   F
良性石灰化の今後

NO12028で質問させて頂いた者です。その節はご回答いただき、ありがとうございました。その後どうしても違和感が拭えなかった事もあり、こちらでご助言を頂いた事もあって、乳腺専門医のいる乳腺外科に行ってきました。結果は触診と超音波の所見から異常無しで、私が懸念を抱いていた部位の触感は、女性ホルモンの影響と、強いて言えば乳腺症のようなものと、画像類や症例が載っている本を使って、とても丁寧に説明して頂きました。そして今回初診だった事もあり、他に異常が無いかマンモグラフィも撮って貰ったところ、左右の胸に幾つも石灰化がありました。左右合わせて10個は無かったと思いますし、どちらかに特に発生している訳でもなく、大きさも針の先ほどのごくごく小さい物から、一番大きい物でも超音波でも捉えられない位の大きさで、群集、列をなす、形がいびつなどの悪性を疑う所見はない、良性の石灰化との所見でした。そして今後は超音波を半年から1年後の間に、マンモグラフィは1年後で充分と言って頂いたのですが、超音波だけは半年後からでもと言うのは、どういう事が考えられますか? (医師にうっかりお聞きするのを忘れてしまいました) 因みにかかりつけの乳腺科でも、マンモグラフィの画像に石灰化がある事は知っていましたが、今回ほど画像をじっくり見た事はなく、石灰化があってもおそらく今回同様の良性所見だったのか、「異常ありません、また来年検診に来て下さい。気になる事があればその都度」と言われて終わっていました。良性の石灰化は悪性化する事はないとの事ですが、今になって今回診て頂いた医師の言葉と、自分で把握していたより石灰化が多かった事で、少し心に引っかかっています。

マンモグラフィーは、放射線被曝のリスクがありますが、超音波は無害ですので、不安なことがあれば、いつでも受診してほしいという事だと考えます。(文責 徳田)

 

No.12027】  17年03月30日   E
すぐに摘出した方が良いでしょうか?

ご相談させていただきます。5年半前(当時37才)に乳ガンになり、右乳房全摘、抗がん剤(TC)治療を終え、やっと一息ついたところで反対の左胸に、しこりが見つかりました。マンモグラフィーでは異常なし、エコーには、しこりが写っていました。腫瘍マーカーも正常値でした。1年に一度のMRI、マンモグラフィー、半年ごとにエコーを受けていましたが、今回初めて左胸に異常が見つかり、動揺しています。場所は、乳首の奥で、1.3pくらいの大きさだそうです。先生は良性だと思うとおっしゃってくれましたが、細胞診(コアニードル)をお願いしました。結果は、やはり良性で、先生の見立て通りだったようです。しこりはまだ摘出しなくてもよく、半年の経過観察となったのですが、それで良いのでしょうか? すぐに摘出した方が良いでしょうか? しこりは、自然になくなることはないが、大きくなる可能性があると言われました。3pを越えるようなら摘出するとのことです。私は、HBOCでBRCA1に変異あり、右乳房はトリプルネガティブ、硬癌、グレード3と、乳ガンになりやすいことを自覚している為、不安になってしまいます。担当の先生を信用していないわけではありませんが、色々な意見を聞きたいです。宜しくお願い致します。

質問有り難うございます。手術を受けた反対側の乳房に出来たしこりの対応について、ということですが、針生検で良性と診断されたのであれば、ひとまず経過観察でいいと思います。経過を見る中で、増大傾向にある、形が変わるなどの変化があれば摘出する必要もありますが、良性の腫瘍を放置していて癌化するわけではないので(基本的に良性は良性のまま経過する、悪性は最初から悪性、ただし、良性でも育つことはある)、あまり神経質にならない方がいいと思います。HBOCとのことで、反対側に対しての心配のネタは尽きないと思いますが、しこりができたら切除、という原則では不必要な手術ばかりになってしまいますし、私たちも、怪しいしこりには、しっかりと目を光らせておりますので、ご心配なく、主治医の先生と相談しながら治療を進めて下さい。(文責 鈴木)

 

No.12026】  17年03月23日   K.M.
54歳で乳がん見つかりました(2)(HPNo.12022-2)

返信ありがとうございました。がんの数値が900から180に減少しているそうです。根本の乳がんの腫瘍を摘出して、そのあとがん検診して、残りを調査して、1つずつ処置していけば、普通の生活できるようになりますか? 本人はGOLFできるようになりたいと言っていますが。

骨転移のある乳がんで、手術後とお聞きしています。180がCEA(基準値 5)なのか、CA15-3(基準値 約30)なのかわかりませんが、いずれにしてもまだかなり高値です。前回の先生がお話ししているように、この病気で完治を望むのは難しいです。お考えになっているようなシナリオはありません。ガンを持った状態で普通の生活を送れるように治療を続けていきます。周囲の方には、そのことをよく理解してお付き合いして欲しいと思います。Golfについては、骨のどこに転移があるかによって変わってきますから、主治医の先生とよく相談しながら決めていくことで、一般論では語れません。(文責 清水)

 

No.12025】  17年03月23日   E
TS-1について

数年前ですが、乳がん手術後のファーストラインで、TS-1を隔日で一年服用いたしました。ホルモン療法との併用です。その前に、私はHER2が陽性だったため、ハーセプチンの治療を終えてからの服用でした。最近になり、病院側の都合で主治医の先生が変わりました。新しい主治医の方に、「この数年前のTS-1は意味があったように思えないんだが。。」と呟かれました。それがどうにも引っかったので自宅で少し勉強してみると、TS-1はHER2陰性の患者のみ有効と出てくることが多いです。もう過ぎてしまったことですが、それが正しいガイドラインなのでしょうか?

ガイドラインとかHer2以前の問題として、TS-1は“手術不能または転移再発乳がんの治療薬”として承認されていて、術前術後の治療薬としての保険適応がありません。もちろん、術前術後の有効性を確認した臨床試験もありません。ですから、ガイドラインにも載っていません。TS-1は最近、転移再発乳がんの1st lineの治療に用いる臨床試験が日本で行われて、従来の点滴の治療と同等の効果が示されました。そのために脚光を浴びたのですが、だからと言って術後の治療に使うことは、保険上もガイドライン上も認められません。しかし、その治療が無駄だったかどうかはわかりません。術後補助療法として使用することの有効性は示されてはいませんが、何らかの効果があった可能性は否定できません。もう過ぎたことですから、大きな副作用もなく内服できたのであれば、きっと効果があったに違いないと自分に都合よく考えてください。これからは、治療法を決める時は先生に任せるのではなく、最低限でも“患者さんのための乳がん診療ガイドライン”程度(いろいろなネット上の情報は混乱しますので避けて)は勉強して、主治医の先生と一緒に治療法を考えるようにしましょう。(文責  清水)

 

No.12024】  17年03月23日   T 
不正出血というものなのでしょうか?

現在、50歳です。ちょうど5年前に右全摘手術を受けました。閉経前だったので、ゾラデックスを1カ月に1回を2年間、タモキシフェンを5年間服用しています。今、手元に残っている薬が無くなるまで服用で、間も無く、なくなります。この5年間、生理は全く止まっていた訳ですが、今日突然出血がありまして、腰も痛く、結構な量で、生理のようなのですが、このタイミングで生理復活なのでしょうか? このまま閉経すると思っていたのですが、それとも不正出血というものなのでしょうか? 子宮頸がん体がんの検診は1年に一度受けていて、昨年も異常無しでした。5年経過し、ちょっとホッとしたところに出血で不安になっています。

考えられる状況は3つあります。
1)婦人科系悪性腫瘍(子宮頸がん、体がんetc)。可能性は高くはありませんが、昨年の検診で異常がなかったとしても、出血があった場合は婦人科での検査をお勧めします。
2)月経再開。最近5年間月経がなく、50歳を過ぎていればまさかと思うのですが、乳がんの内分泌療法を行った方では時々見受けられます。その場合は経過を見て周期的な月経が再開するかどうかを確認するか、採血で女性ホルモン量をはかって確認します。
3)消退出血。この可能性が一番高いと思います。長らく月経が停止していた方が数年経ってから残っていた経血が流出する現象で、かなり量が多く、一回だけ出血します。この場合は心配ありません。
何れにしても、一度婦人科を受診され、必要な検査をしてもらうことをお勧めします。(文責  清水)

 

No.12023】  17年03月17日   KK
乳汁分泌と石灰化

よろしくお願いいたします。4年前に血性乳汁から乳がんが発覚し、2mmの乳頭腺管がんで温存手術をしています。乳管内進展も6cmほどありました。過形成も多く、コメドタイプも二割ほどあったようです。T1aN0M0,グレード2、ルミナルA、ki67は8.9。 断端から2mmの所にもありましたが(乳管内、4本)、追加ブーストで処理しています。お薬はノルバデックスを服用しています。
今回、定期検診のマンモグラフィーで、患側の石灰化が見つかりました。今回見つかったというより、昨年の画像にもあったのですが、先生からは何も言われていませんでした。レントゲン画像を見ていてハッキリと白い部分があったので、「マーカーですか?」と尋ねたところ、石灰化だといわれました。白い部分は丸い物と、縦に細長い部分の二カ所が隣接してありました。先生は、大丈夫とは思うが定期検診ごとに経過を見ていきましょうという感じでした。昨年のレントゲンと並べて見ましたが、あまり変わりはないように見えました。レントゲンは拡大表示ではなかったので、大きさは数ミリのように思います(マーカーと同じくらい)。あと、乳がんになる前から高プロラクチン血症で、じわりと乳汁分泌もあったので、その影響かもしれないともおっしゃっていました。長細い石灰化像やはっきりと映っている物は、ガンの可能性が高いと知って不安です。乳汁分泌と石灰化は関係あるのですか? 石灰化を定期的にみていくとしたら、どれくらいの間隔でマンモグラフィーを撮ればいいですか? 

KK様 ご相談ありがとうございます。 私のお返事でKKさんの不安が少しでも減ると嬉しいです。現在のKKさんの状態は、乳房温存手術後4年、少なくとも術後3年から患側乳房に石灰化が見つかっている状態です。まず乳房温存術後のマンモグラフィの効果ですが、新たに発生した乳癌を定期的なマンモグラフィにより見つける事が可能と言われています。 ただし乳癌を見つけても生存への効果はありません。その撮影間隔ですが、年1回が有用と言われています。しかしKKさんの場合は所見があります。所見がある場合の撮影間隔についての明確な指針は、私の知る範囲ではありません。今回の石灰化と手術で切除した部分との位置関係が、ご質問からは不明です。しかしハッキリとわかる石灰化で昨年とあまり変化無いとお書きであることから、ご担当の先生も良性を疑っているのではないかと推察します。なお分泌物が結晶化して石灰化になることはございます。ご担当の先生にどのような石灰化を疑っていらっしゃるのか、お尋ねになってはいかがでしょうか。そしてぜひ不安を解消して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.12022】  17年03月07日   K.M. 
54歳で乳がん見つかりました

私の知人が昨年5月に54歳で乳がん見つかり、薬剤投与等で治療してきました。当初は骨転移まで確認されました。がん数値は減少してきたと教えてくれました。3月末にもとの乳がんの摘出手術となりました。一般的にもとのがんを摘出すれば、その後症状が進行することはないのでしょうか? 1回/1年定期検査をしていれば、普通の生活が送れるのでしょうか?

あなたのご友人は、54歳で乳癌と診断された際、骨転移があったのですから、StageWということになります。通常StageWの患者様に、乳房の(部分あるいは全摘の)手術治療は致しません。何故なら手術では転移した部分をすべて切除することができないからです。ここで手術になった理由が何であるかは、判断した主治医ではないので解りかねますが、@局所が出血・潰瘍化等コントロール不能になるのを懸念してA原発巣である乳房を残しておくことが、医学的にあるいは患者心理的によくないと判断してということなのではないでしょうか? 小生はStageW乳癌に対する乳房切除を否定しませんが、多くの乳腺外科医が「根治性がない」という理由で否定的です。遠隔転移が判明していない通常の乳がんの方に対する根治手術に対し、骨転移等の遠隔転移のあるStagW乳癌に対する手術は姑息的手術と言い、意味が全く違うことを十分理解して手術を受けてください。
「がん数値」というのは腫瘍マーカーのことでしょうか?この値が低下しているとすれば、現在行っている治療法(化学療法・内分泌療法・分子標的治療・骨転移治療等の全身療法)がかなり効いている可能性があります。その効果を見るのだったら、入院して全身麻酔をかけて乳房を切除しなくても、局所麻酔下に針生検で病変の一部切除をすれば判明するはずです。
もう一つ重要なことを述べます。StageWの10年生存率は10%以下ですので、他の病気や事故にでも会わない限りは、この乳癌が死因になる可能性が高いと考えます。しかし今すぐというわけではなく、社会性が保たれ自立した人生が送れるのなら、しばらくは普通の方と同じ生活ができるわけですし、骨をはじめとする転移巣がなるべく身体をむしばまない様に、何とか抑えておく治療(現在有効な治療により腫瘍マーカーが低下しているようですが、このような治療のことです)にまい進されることが重要と考えます。(文責 久保内)

 

No.12022-2】  17年03月23日   K.M. 
54歳で乳がん見つかりました(2)

返信ありがとうございました。がんの数値が900から180に減少しているそうです。根本の乳がんの腫瘍を摘出して、そのあとがん検診して、残りを調査して、1つずつ処置していけば、普通の生活できるようになりますか? 本人はGOLFできるようになりたいと言っていますが。

骨転移のある乳がんで、手術後とお聞きしています。180がCEA(基準値 5)なのか、CA15-3(基準値 約30)なのかわかりませんが、いずれにしてもまだかなり高値です。前回の先生がお話ししているように、この病気で完治を望むのは難しいです。お考えになっているようなシナリオはありません。ガンを持った状態で普通の生活を送れるように治療を続けていきます。周囲の方には、そのことをよく理解してお付き合いして欲しいと思います。Golfについては、骨のどこに転移があるかによって変わってきますから、主治医の先生とよく相談しながら決めていくことで、一般論では語れません。(文責 清水)

 

No.12021】  17年03月07日   M.S. 
cCRと考えてもいいのでしょうか?

お世話になります。乳癌トリプルネガティブ 腋窩リンパ節転移ありで(2b)、術前抗ガン剤をやりました。そして先日手術しました。術後、主治医から、「抗がん剤が非常によく効いて、画像ではあまりわからなくなっていた。エコーでその名残らしいところが極僅かにあったので、抗ガン剤前の画像と照らし合わせて、切除箇所を決めた」「切除したところは、特に触っても肉眼でも病変はなかった」「リンパ節2,3には見えるものはなく、触れてもわからない」「あまり大きなものはないが、レベル1では認識できるリンパ節はある」「肉眼で明らかに転移があるようなリンパ節はなかった」「リンパ節に1つでも転移が残っていれば、乳房以外のルートのリンパ節や鎖骨上まで放射線をかけた方がいいが、おそらく乳房だけの放射線治療の可能性がそこそこ高い」等の説明がありました。特に主治医(執刀医)から、具体的にccrとは言われていませんが、上記の説明でccrと考えてもいいのでしょうか?「レベル1 では認識できるリンパ節はある」が少し気になりますが・・・。(ネットで調べると、通常でもエコーでレベル1 の腋窩リンパ節は認識できるとありましたが)  最終的には病理検査の結果が大事なのは十分理解しておりますが、トリプルネガティブはcCR の場合はpCR の可能性が比較的に高いとありますので気になります。よろしくお願いします。

主治医のコメントからはcCRに近い印象を受けます。ただcCRは目安のようなもので、実際にはおっしゃるように病理学的にどうか?が重要となります。手術を終えられた今、臨床的にどうだったかはあまり気になさらなくてもよい事項となりますので、慌てずに病理診断結果をお待ち頂ければと思います。(文責 加藤)

 

No.12020】  17年03月07日   A.K.
今後の治療について

昨年の春に左乳がんが見つかり、温存をすすめられましたが、色々と考え、全摘手術+エキスパンダー挿入術をしていただきました。病理の結果、殆どがDCISで、1oの浸潤があったということで、術後の治療は無しでいいと思うということでした。その際の主治医の説明で、一部皮膚に近いところがあり、追加して取ってきているから大丈夫だと思うんだけど断言はできないからと言われた事がとても気になり、自分なりに色々と調べ、病理の結果で断端が陽性かどうかは重要だと分かりましたので、先日の外来時に質問をしてみました。すると、陽性でしたと言われ、全く想像もしていなかった主治医の返事に頭の中が真っ白になってしまいました。手術から半年以上も経っており、全摘でほぼ根治と思い過ごしておりましたが一転し、何をしていても、陽性ということはガンが残っていて転移・再発する可能性が高くなるんじゃないかと不安で、そのことがひと時も頭から離れなくなり、落ち込んでおります。そこでお尋ねしたいのですが、DCISで1ミリの浸潤で全摘で断端陽性という結果でしたが、治療はどうするのが第一選択になるとお考えになられますか? 術後半年以上も経ってしまっておりますが、主治医の何もしなくていいと言う説明を受け入れられない状況におります。前向きに明るく生きれるように、できることがあれば行いたいと考えております。春にインプラントに入れ換える手術の予定になっておりますが、もしその前にすべき治療等がありましたら教えて頂けますか? 長々と質問してしまい申し訳ございませんが、どうぞご返答よろしくお願い致します。

断端状況は一つの目安にしか過ぎず、断端陽性であっても腫瘍残存があるとは限りませんし(逆に陰性であっても残存がないとはいえません)、追加切除しても腫瘍は見当たらなかったという場合も多くみられます。たとえ残存があったとしても、それが火種となるとはいいきれませんので、あまり心配なさらずに次の手術をお待ち頂ければと思います。(文責 加藤)

 

No.12019】  17年02月22日   E.E.
異時性両則乳癌の抗癌剤について

異時性両則乳癌の抗癌剤について質問させていただきます。 2012年6月、47才で右乳癌温存手術。ステージ1  1.9ミリ×1.6ミリ  リンパ節転移無し  グレード2  Ki 67=86%  トリプルネガティブ。 術後化学療法 FEC 100(3w)×3回  TC(3w)×3回 。放射線2グレイ×25=50グレイ 。
2016年11月、51才 、左乳癌温存手術。ステージ1  1.5ミリ×1.5ミリ  リンパ節転移無し  グレード3  Ki 67=20%  トリプルネガティブ 。 術後化学療法・予定  EC (2w+Gラスタ)×4回  1wパクリタキセル×12回 。 放射線2グレイ×25=50グレイ 。現在EC +Gラスタ、3回まで終ったところです。 FEC 、EC、TC、パクリタキセル。それぞれ心毒性が心配です。 特にEC ですが、既に前回FEC 100を3回打っているので、今回4回は多いのでは、と心配です。 前回FEC 100は3回でしたので、今回のEC も3回でいいのではないかと思うのですが。 EC の3回と4回では、生存率に大きな差があるのでしょうか。 パクリタキセルも12回必要でしょうか。 1期ですがトリプルネガティブ、 抗癌剤と放射線しかないのはわかっていますが、心毒性も心配です。 先生でしたらどの薬剤を何回打つか、ぜひ教えていただきたく、よろしくお願いいたします。

パクリタキセルやドセタキセルには心毒性はありません。Eのみの毒性と思ってください。EC (2w+Gラスタ)×4回 1wパクリタキセル×12回が、EC (2w+Gラスタ)×3回 1wパクリタキセル×12回になったら、生存率に大きな差が出るわけではありません。なぜなら比較したデータがないからです。前半4回をdose denseといって、ぎゅっと縮めて投与するスケジュールですが、後半とセットになっていて、それは臨床試験でいろいろな検討がなされた結果のセットだったり、スケジュールだったりします。前半4回のレジメンで、一定の評価を得ているものですから、3回に安易に減らすことは普通はしません。また、右乳癌の時の3回-3回のセットは、どこでも行われているわけではないので、治療された施設での臨床試験などの可能性もあると思われます。私なら、EC (2w+Gラスタ)×4回 1wパクリタキセル×12回で問題ないと思います。(文責 緒方)

 

No.12018】  17年02月22日   R
右胸のしこりについて

いつも拝見しています。ありがとうございます。6年7ヶ月前に、左乳がんの部分切除手術をしました。その後、放射線治療、抗ガン剤治療、ホルモン治療を終え、一年前より無治療です。去年の9月、エコーで診ていただきました。その際は特に異常なしでした。先日(前回の検査から5ヶ月後)、再度エコー検査したところ、右胸に1cm程度のしこりが見つかりました(マンモグラフィーでは異常なしでした)。先生は、明らかにガンという訳でもないが、念のためということで細胞診をしました。結果は三週間後です。そこで質問です。明らかにという訳ではないが、と先生はおっしゃいましたが、5ヶ月で1cmもの大きさにしこりが大きくなることなんて、良性で考えられるのか、やはりガンの可能性が高いのか、心配で眠れない日が続いています。お忙しいところ恐縮です。ご回答いただけると嬉しいです。

エコー検査の見え方の表現とは思いますが、1cm程度のしこりはエコーだけでは診断できないということです。細胞診の結果を待つほかありません。(文責 緒方)

 

No.12017】  17年02月22日   M.T.
FEC

お忙しいところ申し訳ありませんが、次回の診察まで2ヶ月あるので、質問させてください。現在58歳ですが、51歳の時に手術後FEC100を6クール投与しました。心筋に影響があるかもしれないという副作用の説明は受けましたが、心エコー等の検査は実施していません。現在は遠隔転移はなく、ホルモン療法をしておりますが、最近、少しドキドキすることがあったり、数秒で回復しますが急にふわっとするめまいのような症状が出たりすることがあります。このところ体重減少で、体力が落ちているからかとも思いますが、心筋への影響が治療後数年経ってから出ることはありえるでしょうか?

一般的には、考えにくいことですが、もともと心機能が低めであれば詳しい検査をしても悪くないと思います。ただし、「少しドキドキすることがあったり、」するのは、ホルモン療法の影響ということも考えられます。急ぐことはないので、主治医に2か月後に相談するのでも問題ないと思います。(文責 緒方)

 

No.12016】  17年02月13日   M.M
ホルモン療法

49歳会社員です。昨年10月に受けた人間ドックで乳がん精密検査となり、12月2日に非浸潤性乳管癌と診断、2016年12月21日に乳房温存、センチネルリンパ節生検手術を受けました。病理の結果、リンパ節転移なし、Ki67 3.5%、悪性度Grade1、ER陽性、PgR陽性、HER2蛋白1+、断端陰性でした。抗がん剤治療不要、2月3日から放射線治療(20回)を受けています。その後の治療について、主治医からホルモン療法をどうするか決めるように言われていますが、副作用や服用期間の長さ等を考えると、するかしないか決めかねています。対側乳癌を減少させることは知っていますが、今後も定期検診はかかさず受診するし、もしそうなった時は、今回のように早期発見早期治療が出来るのではないかと思ったりします。この考えは甘いでしょうか。ご回答、よろしくお願いいたします。

当院でも内分泌療法はお勧めしませんが、ただ非浸潤性乳管癌の診断精度の高さが問題になります。浸潤部がないという保証が、病理医の熱意や能力によって少し違います。つまり5mm間隔で標本を全割し、浸潤部がないことを証明し、さらに免疫染色を行って、乳管上皮の破壊のないことを確認する場合もあり、その辺の精度が異なるので主治医に確認し、浸潤部が存在する可能性がわずかでもあるときは、理論上内分泌療法を勧める場合があります。それでも生存率にはあまり差はないと思いますが。(文責 石山)

 

No.12015】  17年02月13日   Y
ノルバデックス10年の治療について

いつも私達患者のためにありがとうございます。ノルバデックス10年の治療についてお尋ねします。ノルバデックスとゾラデックスの治療を6年間継続した後、無治療期間9か月を経て、@ ノルバデックスの治療を後4年続ければ、ノルバデックス10年の治療を完了したということになりますか? それとも A 無治療期間を挟んでいるので、その前の治療を考慮せず、無治療期間後さらにノルバデックスを10年服用する。つまり合計16年間ノルバデックスを服用するということになりますか? @とAのどちらになりますか?

昨年のASCOでの結果はこのような点の記載はなく、正確には判断しかねます。一般的に9カ月の休薬は薬物動態、作用機序から考えても10年のスパンの中では無視できると思うので、合計10年でいいと思いますが、厳密な意味でのエビデンスはありません。(文責 石山)

 

No.12014】  17年02月11日   T
再発後のタモキシフェンについて/新たに肺に影(HPNo.11945-2)

昨夏、No.11945にて質問させて頂き、丁寧なご回答を有難うございました。新たな展開となりましたので、再度よろしくお願い致します。現在68歳、術後11年目です。前回の皮ふ転移摘出後の検査では、ホルモン感受性は調べていないとの事で、不明です。又、子宮体癌の検査結果は、16年07月時点で問題なく、次回は1年後で良いという事でした。その為、私の意思でタモキシフェンは少し休薬してみたいと主治医の先生に申し出、無治療となり、血液検査等の通院は継続してきました。今回、循環器クリニックで受けたレントゲンの確認の為、CT検査を外科主治医に依頼しました結果、肺野:左下葉に小結節影(+)、縦隔肺門リンパ節腫大(−)、左腋窩リンパ節やや増大? の所見報告をうけました(循環器クリニックの指摘箇所は問題なし)。遡って検索された所、15年7月のCT画像に既にごく小さい影が認められるとの事でした。 大きさは、まだ1p位で小さい為、2ヶ月後まで経過観察した上で対応しましょうと言われました。長くなりましたが、ご教示頂きたいのは
1)皮ふ転移は局所再発ではなかったという事ですね。初発から11年目を迎えている現在、この様な状態で今後ズルズルと進行度合いが加速していくのでしょうか? 
2)これまでの再発位置が全て左創部周辺の為、左肺の影もやはり転移の可能性が高いと思いますが、乳がん由来のもので無いこともありますか?
3)循環器や子宮の状態を維持しながら、今後の治療をどの様にすべきなのか不安を感じています。いくつかの選択肢をご教示ください。

よろしくお願い致します。

ホルモン感受性を調べないのは、転移ではなかったからでしょうか? 転移なのに調べなかったのでしょうか? そこを確認し、転移であれば、残った標本から感受性を調べることをお勧めします。肺の単発結節は肺癌のことも考えられ、当院であれば呼吸器外科に依頼し、VATSという方法で肺結節を摘出、または少なくとも気管支鏡で針生検、細胞診などをして診断します。肺癌であれば内分泌療法は無効ですから。(文責 石山)

 

No.12013】  17年02月11日   S
全摘手術しようと思います

2014年9月にしこりがわかり、乳癌と告知、ステージ2a グレード3 リンパ転移なし、HER2.3+。すぐにFEC、ハーセプチン、アブラキサンを半年間投薬後、しこり0.5ミリになり、温存手術。温存手術後、放射線、ハーセプチン18回しました。その後、三ヶ月検診の2回目で、超音波腫瘍マーカー異常なしでした。その検診から一週間後に乳頭分泌物あり、血液が混ざっていたため、受診。プレパラート細胞診で、悪性クラス5の判断。造影MRI、超音波画像異常なし、突刺細胞診でも異常なし、もう一度分泌物プレパラート細胞診。やはり悪性クラス5の判断。超音波も、もう一度画像に映らない。でも私は全摘を希望しました。先生には、確実性と、今の段階で治療法が出ないかもというお話をして頂けました。良く理解しましたが、やはり全摘手術しようと思います。間違っていますか?

乳頭分泌で細胞診ClassXというのが珍しいですねえ。細胞診の診断は施設によってはっきりしないことが多く、セカンドオピニオンをして、もう一度乳がんの細胞診に慣れた施設での再検査をお勧めします。(文責 石山)

 

No.12012】  17年02月11日   メメ
トリプルネガティブで、化学療法しかないが本人の意志に任せると言われて

57才です。12月初旬に、3年ぶりにマンモグラフィと超音波の検診を受けました。前回も石灰化があり、定期的に検診を受けた方がいいと言われていました。石灰化の密集から怪しいと、マンモトーム生検を受け、乳管内ガンDCISだと、1/18に左乳房全摘及び一次再建手術をしました。順調に退院しましたが、先日の外来受診で水がたまったのを30cc抜いてもらったのと、実は組織検査の結果、浸潤が見つかったと大変ショックなことを告げられました。しかも、トリプルネガティブで、化学療法しかないと聞かされていました。ただ、大きさが4mm、核グレード1、リンパ節転移なしで、やるかどうかは本人の意志に任せるというレベルだそうです。しかし、やはり再発は怖い。でも化学療法で体調を悪くして、仕事もやめなければならなくなる、つまりもう現役引退を意味する。それはいやです。このレベルでやるべきでしょうか。どうぞアドバイス願います。

化学療法をやるかどうか、微妙なところですが、4mmであれば規約上T1aとなりますので、一般的には不要となりますが、トリプルネガティブであることから少し再発リスクが上がります。またKi67のインデックスが高いかどうかも考慮し、これが高ければ化学療法をお勧めします。化学療法も種類によって副作用も異なり、支持療法なども進んでいて、仕事をしながら化学療法をする人もたくさんいます。(文責 石山)

 

No.12011】  17年02月07日   K
術後の治療方針

12/末、右乳房全摘をしました。
診断 硬癌 EE'AC 22×17mm.pT2.f.ly1.v0.  margin in free tf2.na2.mc1
ER+6 PgR+6 センチネル 1/2 腋窩0/5 核グレード 1(異形の大きさ2 分裂1) Her2 2+ (fish陰性 0.9) ki67 17%

サブタイプがルミナルAなのかBなのか? TC療法4回を薦められています。病理結果でHer2 が2+だった為、結果待ちで、陽性なら抗癌剤、陰性ならホルモン療法と言われて、結果が陰性なのに、抗癌剤が必要と。ルミナルタイプで抗癌剤の上乗せ効果が低いのであれば、ホルモン療法で行きたいのですが、やはりそれは無理なのでしょうか?

サブタイプはルミナルBになると思います。センチネルリンパ節転移 陽性(1/2)、ki67 17%(>15%)なので、一般的にはホルモン療法に化学療法の上乗せが推奨されると考えます。(文責 石川)

 

No.12010】  17年02月07日   M.S. 
トリプルネガティブ

私の妻ですが、トリプルネガティブ 2b ki67 70-80 で抗がん剤治療が終わり、術前の画像診断では、マンモでしこりは消えていました。造影MRIも撮りましたが、特に何も言われていません。その後、手術の範囲の印付けでエコーをやりました。手術後の先生の話では、抗ガン剤が非常によく効いて画像ではあまり分からなくなっていて、エコーでその名残りらしいところが僅かにあったので、術前抗ガン剤の画像と照らし合わせて、手術範囲を決めて、その部分を取ったとの事でした。特に触っても肉眼でも病変はなく、あとは顕微鏡で観て、あるかどうかとの事でした。リンパ節はレベル2までとったそうです。レベル2,3には見えるリンパ節はなく、触っても分からないとの事、レベル1では確認できるリンパ節はあったようですが、あまり大きくなく、また見た目明らかな転移は見つからなかったそうです。ですので、あとは3/10の病理検査の結果次第で放射線の範囲を決めるそうです。もしリンパ節に1個でも転移が残っていたら鎖骨とかルートのリンパ節にも抗ガン剤やった方がいいが、もしなければ乳房だけでいいかもしれないとの事でした。先生からは、おそらく乳房だけの放射線治療の可能性がそこそこ高いと言っていただきました。このような状況ですが、病理検査の結果が出るまでは不安です。お尋ねですが、トリプルネガティブの場合、ccrとpcrの乖離はどの位あるのでしょうか? ネットで調べると、乳癌学会の資料に『MRIと超音波によるcCRと実際のpCR診断を評価した結果、・・・MRI+超音波では感度は79.1%、特異度は98.6%であり・・・』『術前画像診断でcCRと診断された91例における陽性的中率は、ER陽性乳癌92.9%、ER陰性HER2陽性乳癌81.5%、トリプルネガティブ乳癌100%だった。』とありましたが、どういう意味でしょうか? よろしくお願いします。

@『MRI+超音波』でcCRと判定されたが、実際にpCRだったのは79.1%(20.9%には腫瘍が残存していた)、cCRでない(腫瘍がまだ画像的に残っている)と判定された症例の98.6%に実際でも腫瘍が残っていた(pCRだったのは1.4%のみであった)。
A『術前画像診断』でcCRと診断された症例でpCRだったのが、ER陽性乳癌では92.9%、ER陰性HER2陽性乳癌では81.5%、トリプルネガティブ乳癌100%であった、すなわちトリプルネガティブ乳癌ではcCRならpCRと予想されるという意味だと思います。(文責 石川)

 

No.12009】  17年02月01日   T.K. 
化学療法+放射線+タモキシフエン E2上昇

左乳癌部分切除手術( 2016. 1. 18)、その後 Ac+タキサン系抗がん剤 放射線治療、現在タモキシフエンを約5ヵ月飲んでいます。現在50歳9ヵ月、48歳の時に子宮と右卵巣を切除しています。左の卵巣はあります。内視鏡で手術をする為に、リュープリンを8ヵ月程使用した影響かE2数値が上がらず、更年期障害が酷く、ホルモン補充療法を約1年半した後、乳癌検診で乳癌が見つかりました。
化学療法前 2016. 2.16 E2 16 FSH 52.8
化学療法後 2016. 11.22 E2 33 FSH 33.9
2017 1. 7 E2 40 FSH 33
Er90% pgr20-20% ki67 1-2%  リンパ転移2個 センチネルに5mm6mm
 
化学療法後はE2数値は、下がると思うのですが、抗がん剤が効かなかったのでしょうか? タモキシフエンが効いていないのでしょうか? タモキシフエンだけの治療で大丈夫なのでしょうか? なぜ、E2が上がってくるのでしょうか? 再発転移しないでしょうか?

E2値は抗癌剤使用の影響も受けますが、タモキシフェン服用、卵巣の手術、リュープリンの使用、ホルモン補充療法など他の要因からも多分に影響を受けていると考えられます。そのため今回のE2値の変動は、これらの影響を複合的に受けた結果と考えられます。一方、E2値と乳癌の再発との間には直接の相関はないものと思われ、またE2値のこの程度の上昇ではタモキシフェンの効果に関連はないと思われます。これらより、現在の治療を継続することを私は推奨いたします。(文責 谷)

 

No.12008】  17年01月28日   かよ
右乳房のしこり

初めて投稿させて頂きます。現在71歳、2人成人の子供がいます。昨年10月に右乳房の内側の上の方と外側の下の方にしこりを感じました。20代の頃豊胸をしていたので、マンモ検査が受けられず、一度も検査を受けたたことがありません。ネットから探して、ようやく乳腺外科のクリニックでエコー検査を受けました。豊胸だと、こういうこともあり、乳癌ではないとの診断でした。エコーだけでは心配だったので、MRIの予約を即取って貰って、2日後、造影のMRI検査を受けました。その日に結果(3時間程待って)をクリニックで画像診断をして頂き、癌ではないとのことで、すっかり安心しておりました。でも、昨今のいろんな情報から、エコーやMRI検査は乳腺外科の専門の医師が(技師ではなく)画像を診なくては確かな診断ではないとか、いろいろと・・。マンモの検査を受けてないこともあり、右の乳房にはずっと違和感もあるので、とても心配になりました。乳房自体が両方とも10年以上前から少し固く丸い感じになっているので、しこりがどの位の大きさか、自分ではよくわかりません。他の病院にも行ってみようとは思うのですが、乳腺外科では予約もずっと先になったりで、あちこち探しては迷っています。私のような状態で、エコーとMRIの検査で安心していても大丈夫でしょうか。長くなりましてすみません、よろしくお願いいたします。

豊胸術後とのことですので、マンモグラフィの際、強く圧迫することにより挿入物に何らかの影響が出る可能性があるという理由で、通常マンモグラフィ以外の検査で診断することとなります。貴女の場合、乳房エコーと乳房MRIの2つともお受けになられたとのことですので、かなり信頼のおける検査ができたと考えてよろしいかと思います。検査自体は技師さんが施行しますが、画像診断は必ず医師が責任をもって行っておりますので、そこで「癌ではない」と診断いただいているのであれば、安心してよいと思います。(文責 谷)

 

No.12007】  17年01月28日   H.H.
左胸のしこりについて

初めて投稿致します。48歳女性です。もともと乳腺症なのですが、今月の生理前から、左胸がジーンと、とにかく痛くて、気にして触っていたところ、大きなしこりに気が付きました。ゴリゴリとした感じです。 乳頭の左横部分です。それから生理が始まり、それでもそのしこりは乳房の上からすぐに触れるくらいわかったのですが、3日後くらいから小さく?なりはじめ、徐々に腫れが引いてくるような感じに変わりました。6日目には少し柔らかく、こりっと触れ、7日目の今日には乳房の上からはわからず、腕を上げて探してようやくこれだな・・と思えるまでになりました。それで乳腺の腫れかもしれないとは思ったのですが、不安でしたので、乳腺外科を受診しました。結果は触診では触れず、マンモでは形は映らず、「少し白くなっているけれど、癌を疑うまではいかない。ただ、エコーではっきりと、その気になる場所に、1pほどの黒い影が映り、形がギザギザでよくないので、癌を否定できない。」と言われました。細胞診をして、現在結果待ちです。そのしこりは、エコーで青色と緑のまだらで半々だそうです。癌は固い組織で、真っ青で映るけれど、私のは柔らかい緑も半分混じっているとのことでした。そのしこり自体は、触っても痛くないのが気になります。癌は小さくなったりはしないだろうとは思うのですが、こういった場合は、どんな事が考えられますか? もちろん、結果を待つのが一番なのですが、とても不安で投稿させて頂きました。どうぞよろしくお願い致します。

左乳房にしこりを自覚し乳腺外科を受診され、諸検査をお受けになられて現在結果待ちとのことですね。しかし直接拝見していない私からは、やはり「結果を待ちましょう」と言う以外、ご説明できることがらはありません。良い結果を一緒にお祈りしております。(文責 谷)

 

No.12006】  17年01月28日   K.T.
高校2年生です

現在高校2年生で、4月には高3になります。1年ほど前から左胸にしこりがあり、そこまで気になっていなかったのですが、ここ半年あたり左胸の方が右胸より大きいことに気づきました。症状としては、しこりを押すと少し痛む感じで、後、動きます。大きさは自分ではなかなか判断できません。ネットとかで調べると、学生で乳がんになることは滅多にないと聞いたのですが、一応一度病院で診てもらった方がいいですか? 親になかなか相談することができなくて悩んでいます。ありがとうございます。

左乳房にしこりがあるとのことですが、まだ高校2年生ということですので、一般的には乳癌の可能性はとても低いと言えます。乳房にとってはまだ成長期に当たる年代であり、それに伴う硬さのばらつきや痛みは多くの女性に見られる変化と考えます。しかし、いずれにせよ安心を得るためにも、一度乳腺外科を受診することをお奨めいたします。(文責 谷)

 

No.12005】  17年01月22日   June 
分泌物

55歳、2人の出産経験有りの主婦です。10年前に右胸に集簇性石灰化があり、マンモトームを受けましたが、良性と診断されました。その後1年ごとに検診を受けています。5年ほど前に再度石灰化と少量の血性分泌(赤)があり、検査をしましたが、怪しいものは無しとの事でした。その後、入浴時に時々セルフチェックをすると、透明な黄色い分泌物が出ることがありました。ここ2年ほどは、つまんでも何も分泌の無い状態でしたが、シャンプーをする際に、座って前屈みになると、右乳首が出てこない(埋まっているような状態)事に気づきました。分泌もなかったのでそのまま過ごし、2016年2月の検診の際に話をしましたが、マンモグラフィーで結果は異常無しでした。2016年12月31日の入浴時に何気なくつまんでみると、右乳頭より黒っぽい分泌があり、ティッシュでふき取りながらしぼると、まち針の頭くらいの量が3〜4回ほどでました。今までも、この時も、出る孔は1か所で、決まっています。心配になり、先週乳腺科を受診しました。エコーでも異常は無いようだとの事でしたが、最後にあおむけになって診てみましょうと先生が仰り、すると乳首直下に3mmくらいの影(しこりでなく)があるのがそうかなあ、との事でした。その時は分泌は止まっていて、しぼっても針の先ほどしかでず、分泌が有ったら病院に行き検査をする、なければ3月中旬まで様子見となりました。診断もつかない時点で心配しても仕方がないと思いますが、癌だった場合は早期ということでしょうか? あとはどのような検査をするのが早い診断になるのでしょうか? よろしくお願い申し上げます。

現時点では、画像で穿刺可能な異常陰影もなく、分泌もない状況ですので、主治医の方針でよろしいと考えます。(文責 徳田)

 

No.12004】  17年01月19日   S 
自分は、いつからガンになっていたのか?

今月、乳ガンと言われました。12月に受けた手術前日の説明では、葉状腫瘍で、10年前の手術の再発。。。と説明されました。以前は良性と言われ、左右の胸で、大小3コありました。今回は1コですが、悪性の場合あり・・・と。病理検査の結果、別物で? 乳癌だった・・・と言われました。2年前、自分で気付いた時、細胞検査をしていますが、「手術跡が固くなったものか? 次は2年後でいいよ。」と言われていました。心配だったので、1年後に受診しましたが、すぐには確定されませんでした。去年12月、腫瘍とその周囲を切除しました。葉状腫瘍と乳癌の判別は難しいものなのでしょうか? 自分は、いつからガンになっていたのか? 不安です。ガン専門病院の乳腺専門医に毎年受診していました。長くなってすみません。宜しくお願い致します。

切除した組織の病理検査で、葉状腫瘍と乳がんの判別は、十分可能です。葉状腫瘍の再発がみられなければ、前回手術創近傍の乳腺組織から発生した乳がんということになります。発生時期については、画像の変化から推定するしかないので、主治医にご質問ください。(文責 徳田)

 

No.12003】  17年01月19日   C
乳ガン検査結果について

38歳です。2013年(35歳)から毎年、健康診断で乳ガンエコー検査を受けました。2013〜2015年は異常なしでした。2016年9月、婦人科でエコー検査を受診しました。右胸に8.6ミリのかたまりがあるとのことでした。乳腺外科で詳しく診てもらった方がいいとの診断で、紹介状を書いてくださいました。同年10月、乳腺外科でエコーとマンモグラフィを受けました。右胸に8.9ミリのしこりのようなもの、左胸に石灰化ありとの結果でした。良性ともガンとも言えないとのことで、3ヶ月後にエコー検査をしましょうとの診断でした。2017年1月、エコー検査のみを受けました。「右胸に9ミリのしこりのようなものが確かにありますね、前回の検査の左胸の石灰化も気になりますね、良性かガンなのかは、見てるだけなのでわからないですね。」との診断でした。この時点で良性かガンなのかをはっきりさせなくても大丈夫なのでしょうか? 3年間は異常なしの結果で、4年目は上記のような結果になり、はっきりさせたいのですが・・・。

がんを否定するためには、まず針生検が必要です。針生検の適応かどうか、主治医にご相談ください。もし、経過観察でよいとの回答で、それに納得いかなければ、セカンドオピニオンを希望しましょう。(文責 徳田)

 

No.12002】  17年01月17日   R
乳房の痛み

47歳。低用量ピルのヤーズを約10年程服用しています。ピル服用のため、定期検査は、子宮癌年2回、乳癌については、乳腺エコーを年2回施行しています。平成28年11月半ばに乳腺エコーを施行して異常なし。マンモグラフィは、2年に1回で、平成27年10月施行して異常なしでした。自己検診も、定期的に行っています。元旦くらいから、右の乳首のやや内側くらいに疼痛が出現。触った感じでは、しこりはないのと、乳首からの分泌物も全くなし。鏡で見ても、くぼみ等は今のところ分かりません。検診先では、11月に検査異常なしだったので、軽い乳腺炎なのでは?と言われました。ただ、触った時に激痛。何となく触らなくても鈍痛があります。痛みの表現としては、ニキビやおできを押したら痛むような痛みです。見た目は何もないのと、しこり等もないのに激痛が気になります。宜しくお願いします。

乳房痛の多くは通常生理的なもので、病気とは関連がないものが多いです。乳腺の検査をして大丈夫ならば、乳腺の病気とは関係がないのだと思います。乳腺炎の場合は皮膚の赤みなども伴ってきますので、きっと違うのだと思います。乳房の痛みだと思っていても、左だと狭心症や、右だと胆石症の痛みのこともあります。あまりひどければ内科の先生にも相談されてはいかがでしょうか。またニキビやおできのようであれば、皮膚科にも相談なさると良いでしょう。(文責 俵矢)

 

No.12001】  17年01月02日   Y
局所再発乳癌の術後薬物治療について

乳房温存手術8年後に局所再発となり、乳房全摘手術を受けました。今後の薬物治療につきましてご教示いただければ幸いです。初発時(8年前)と今回の比較は下記になります。 (※8年前→今回で記載しております。)

術式:左乳房温存手術→左乳房全摘(+エキスパンダー)
リンパ節:陰性(センチネル生検、摘出リンパ数2)→陰性(センチネル生検、摘出リンパ数8)
組織型:浸潤性乳管癌、非浸潤癌主体→浸潤性乳管癌
大きさ(浸潤型):0.1cm以下→1.3cm
範囲:1.3cm→3.2cm
核異型度・組織異型度:3+→2
リンパ管・脈管侵襲:陰性→なし
Ki67:初発時の結果説明なし→15.8%
ホルモン感受性:なし→なし
HER2/meu:あり→あり
断端:陰性→陰性
術後治療:放射線25回→AC+(T)+ハーセプチン ※治療検討中
術前治療:なし→なし

質問
1) 2回目のセンチネルリンパ節生検の診断について
主治医より、初発時に放射線治療を受けている影響なのか、アイソトープが一部途切れていたと言われました。幸いなことに、再発時もリンパ節転移は陰性との診断ですが、それが本当に正しい診断であるのか不安に思っております。2回目も1回目同様の正確性は立証されているのでしょうか。

2) 術後薬物療法について
局所再発治療の場合、以下Aを行うことにより、@より再発率をどれ位抑えることが出来るのでしょうか。
@AC療法(3週毎4回)+ハーセプチン(1年間)
AAC療法(3週毎4回)+パクリタキセル(毎週12回)+ハーセプチン(1年間)

1) 腋窩リンパ節郭清とは、腋窩リンパ節を取り残しのないように脂肪と共に塊として切除することです。郭清をすることにより、骨・肝・肺等への遠隔転移を防ぐことができます。これらのリンパ節に乳癌の転移があるかどうかは顕微鏡で調べることになりますが、リンパ節転移が多くあるほど、再発の危険が高くなります。
乳房内の乳癌細胞が最初にたどり着くリンパ節をセンチネルリンパ節といいます。@センチネルリンパ節転移があった場合、腋窩リンパ節を郭清し、センチネルリンパ節に転移がない場合、腋窩リンパ節郭清を省略する患者さん群、Aすべて患者さんに腋窩リンパ節郭清をした群 を比較した場合の試験結果では、生存率に差がなかったと報告されています。これがセンチネルリンパ節生検の信頼性の根拠であり、センチネルリンパ節に転移のない場合には腋窩リンパ節郭清を行わなくてもよいと考えられています。貴女の場合も、8年前の乳癌の時、センチネルリンパ節2個を調べた結果、転移が認められなかったので、腋窩リンパ節郭清は行っていません。今回も8個採取し、すべてが陰性だったと確認されているので、腋窩リンパ節郭清は行っていません。つまり、前回の手術、放射線治療、化学療法等によってリンパの流れが変わり、前回と別ルートで、今回放射線同位元素が最初にたどり着いたリンパ節が8個あり、検査の結果、すべて陰性であったということです。

2)パクリタキセルを追加することによって、およそ17%再発率を抑えることになると考えられています。ただし、貴女の場合、8年前の乳癌手術時、断端は陰性だったので、今回の乳癌は、新しく発生した可能性もあります。主治医の先生に、再発か、新しい癌か、どちらの可能性が高いかを確認した上で、術後の薬物療法も検討して頂くことをお勧めいたします。納得のいく治療法を選択して、前向きに頑張っていただきたいと思います。(文責 須田)

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