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相談室(No.10701〜10800)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

公開第11回かながわ乳がん市民フォーラムを、8月4日(土)午後1時〜午後4時(開場:12時30分)に開催いたしま した。 たくさんのご参加、有難うございました。

 


★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

10800 12/10/09 M.T. マンモグラフィーの意味(HPNo.10794) 徳田
10799 12/10/09 Y  術後13年後の不正出血 徳田
10798 12/10/09 K.R. 生検  針針か手術か(core or open)の選択 徳田
10797 12/10/07 K.A  再発率について 徳田
10796-1
10796-2
12/10/07
12/10/30
そら 今後の治療計画
発赤と放射線治療の遅れ
徳田
石川
10795 12/10/02 S.S.  術後の相談 徳田
10794-1
10794-2
12/10/02
12/10/09
M.T. 精密検査
マンモグラフィーの意味
徳田
徳田
10793 12/10/02 M 乳腺腫瘤疑い 徳田
10792 12/10/01 A.S. 術後治療について 俵矢
10791 12/10/01 L 母の乳癌について 俵矢
10790 12/10/01 M・O 炎症性結節について 俵矢
10789 12/10/01 M.M.  抗癌剤について 俵矢
10788 12/10/01 A.A. 乳がん温存術後の再発疑いについて 俵矢
10787 12/10/01 R 乳頭に白いニキビのようなものが出来ています(HPNo.10762) 俵矢
10786 12/10/01 Y 歯の治療について(2)(HPNo.10782) 俵矢
10785 12/09/29 Y.T.  再発防止の薬について 俵矢
10784 12/09/29 H 手術方法について 俵矢
10783 12/09/29 K.I.  ハーセプチンは必要でしょうか?  俵矢
10782-1
10782-2
12/09/29
12/10/01
Y 歯の治療について
歯の治療について(2)
俵矢
俵矢
10781
10781-2
12/09/29
17/07/09
K.I.   非浸潤性乳がんの補助療法無しによる再発率について
DCISが確定されました 
俵矢
高橋
10780 12/09/29 J  術後治療について 俵矢
10779 12/09/27 Y  再発転移の相談(HPNo.10641) 高橋
10778 12/09/27 M  MRIで良性か悪性か判るものなんでしょうか? 高橋
10777 12/09/27 S.O 乳首の先の白いもの 高橋
10776 12/09/25 Y   胸のしこりについて(HPNo.10758)
10775 12/09/25 ひな 乳輪付近のしこりについて
10774 12/09/25 S.I.  ルミナールA・Bの判定について
10773 12/09/25 MIMI 放射線
10772 12/09/25 hiro 皮膚転移
10771 12/09/25 H サブタイプ別の治療について
10770 12/09/25 Moca 抗癌剤の上乗せ効果 (グレード3) 高橋
10769 12/09/25 A.I. 手術後の治療について迷っています 高橋
10768 12/09/22 N.T.  アリミデックスについて
10767 12/09/22 S ホルモン療法とUFT内服について
10766 12/09/22 J  出産することはできるんでしょうか?
10765 12/09/14 ドラ 性行為中の出血 高橋
10764 12/09/14 K.M.  83歳の乳癌治療について 高橋
10763 12/09/14 M.K. トリプルネガティブと抗がん剤治療(HPNo.10737) 高橋
10762-1
10762-2

10762-3
10762-4
12/09/08
12/10/01
12/12/25
12/04/17
R  プロゲステロンクリーム
乳頭に白いニキビのようなものが出来ています
肝臓に影
エゾウコギ
須田
俵矢
鈴木
鈴木
10761 12/09/08 M  乳がんと食事 須田
10760 12/09/08 mina ホルモン治療について 須田
10759 12/09/08 I.S. 胸筋間リンパ節 須田
10758-1
10758-2
12/09/08
12/09/25
Y  しこりについて
しこりについて(2)
須田
10757 12/09/07 葉月 術後の痛み 鈴木
10756 12/09/07 W.T.  抗がん剤と早期閉経、髄様がん 鈴木
10755 12/09/07 N 右脇下のつっぱり 鈴木
10754 12/09/04 S子 局所再発 手術 (HPNo.10745) 清水
10753 12/09/03 M.S.  放射線の後遺症について 鈴木
10752 12/09/01 B  抗癌剤の使用 鈴木
10751 12/08/29 S子 局所再発 手術 (HPNo.10745) 清水
10750 12/08/29 K 乳首のしこり 清水
10749 12/08/28 T.S 乳がんの可能性が高いでしょうか? 清水
10748 12/08/28 G.K.  オンコタイプDXについて 清水
10747 12/08/28 T.M.   胸筋間リンパ節転移(HPNo.8341-3) 清水
10746 12/08/28 I.H.   腋下の腫れについて 清水
10745-1
10745-2

10745-3
12/08/28
12/08/29
12/09/04
S子 局所再発 手術
局所再発 手術(2)
局所再発 手術(3)
清水
清水
清水
10744 12/08/28 A.Y.  トリプルネガティブの治療について(2)(HPNo.10719) 清水
10743 12/08/28 AYY フェマーラとボナロン錠と抜歯について(HPNo.4438) 清水
10742 12/08/28 N  職場復帰の時期について (HPNo.10735) 清水
10741 12/08/23 H  局所再発(HPNo.10729-2) 清水
10740 12/08/23 T 粘液癌 清水
10739 12/08/23 KA  浸潤性乳管癌の手術について 清水
10738 12/08/21 B  健側乳頭からの分泌物について 斎藤
10737-1
10737-2
12/08/20
12/09/14
M.K.   手の痺れと浮腫み
トリプルネガティブと抗がん剤治療
加藤
高橋
10736 12/08/20 H 胸のしこり 加藤
10735-1
10735-2
12/08/20
12/08/28
N 針生検
職場復帰の時期について
加藤
清水
10734 12/08/20 A.S. 悪性との診断 加藤
10733 12/08/20 E 腫瘍マーカーについて 斎藤
10732 12/08/20 R.T 70歳の母の乳がん(右胸・右腋かリンパ節転移あり)について 斎藤
10731 12/08/20 A  乳がんと診断されました 斎藤
10730-1
10730-2

10730-3
12/08/20
12/10/10
12/12/12
N.T. マンモトーム
術後の治療について
放射線治療の不安 
斎藤
浜口
斎藤
10729-1
10729-2
12/08/20
12/08/23
H  局所再発
局所再発(2)
斎藤
清水
10728 12/08/20 S.I.  乳がんの全摘手術を受けました 斎藤
10727 12/08/15 N.T. 肝多発転移 加藤
10726 12/08/15 T  プラセンタ 加藤
10725 12/08/15 H  抗癌剤の変更のタイミング 加藤
10724 12/08/15 YM 放射線治療 加藤
10723 12/08/15 M.M. 術後の治療について 加藤
10722 12/08/15 O  今後の治療について 加藤
10721 12/08/14 C  乳頭からの茶色い分泌物 久保内
10720 12/08/13 R  ホルモン治療について 久保内
10719-1
10719-2
12/08/13
12/08/28
A.Y. トリプルネガティブの治療について
トリプルネガティブの治療について(2)
久保内
清水
10718-1
10718-2
12/07/30
12/11/11
L  乳輪にがん
骨転移治療
緒方
大西
10717 12/07/30 C  マンモグラフィとマンモトームでの被曝 緒方
10716 12/07/30 Y 手術跡の皮膚(HPNo.10627) 緒方
10715-1
10715-2

10715-3
12/07/30
13/04/17
15/06/19
KK 肺転移について
肺転移について(2)
肺転移について(3)
緒方
鈴木
須田
10714 12/07/25 B 胸の痛み 大西
10713 12/07/22 H   局所再発でのリンパ節郭清について 大西
10712 12/07/22 A.T. 皮下乳腺全摘出での乳輪・乳頭の削除(HPNo.10698) 大西
10711 12/07/16 Y.T 転移性乳がん 肝臓のう胞  石山
10710 12/07/16 A.T. 手術方法について(HPNo.10698) 石山
10709 12/07/14 H.T 術後治療について(HPNo.10378) 石山
10708 12/07/14 Y   41歳の乳ガン患者です 石山
10707 12/07/14 T.O.  ホルモン治療の影響? 石山
10706 12/07/13 S  抗がん剤の必要性 石山
10705 12/07/13 T 乳腺炎治療中のしこり 石山
10704 12/07/13 A  ガンということも考えられるのでしょうか? 石山
10703 12/07/10 K  健康な子供は産まれるのでしょうか? 石川
10702 12/07/10 Y 男児の右胸のしこり 石川
10701 12/07/07 S  抗がん剤は必要でしょうか? 石川

 

No.10800】  12年10月09日    M.T.
マンモグラフィーの意味(HPNo.10794-2)

先日No.10794の相談させていただいた者です。右側細胞診の結果は、異常なしでした。左側の集簇性石灰化は、小さいので、細胞診はしないで、半年後に又マンモグラフィーとエコーをすることになりました。せっかく小さなうちに石灰化が見つかったのに、結局大きくなるまで様子を見るだけなら、マンモグラフィーの意味ってあるんでしょうか? 何年間も様子を見て、結局悪性がわかるなら、その何年間がとても苦痛です。集簇性石灰化が消えていくことはあるんでしょうか? 又、何年も良性であり続けた例はあるんでしょうか?

集族性石灰化の状況で判断すべきです。ステレオマンモトーム生検といって、マンモグラフィと針で石灰化を採取して、良性か悪性か診断する方法もあります。しかし、すべての方に放射線をつかって、針をさすことはどうでしょうか。やはり、そこまでするかどうかは、病変の悪性の確率がどのくらいあるかで判断すべきです。良性の石灰化の場合は、放置しておいて問題ありません。消失することもあります。(文責 徳田)

 

No.10799】  12年10月09日    Y 
術後13年後の不正出血

手術後13年目になりました。55才です。何度もご相談にのっていただき感謝しています。13年目になって閉経状態ですが、今日不正出血があり、心配になりました。現在は年一回の経過観察となり、半年前の子宮体がん検査では異常なし、ここ数年CA15−3が上限をやや超えるくらいで経過しています。半年前の子宮体がん検査では異常なしでしたが、ここにきて出血にまで至るものでしょうか? 万が一、子宮体がんだとすると、乳がんの転移でしょうか? ご多忙中恐縮ですが、ご回答いただけると幸いです。

半年前に体がん検診をして異常なしであれば、がんの心配は無いと思います。55才ですから、13年間生理がないからといって、卵巣機能がまったっく停止したとは言い切れません。婦人科を受診して、卵巣機能など調べて頂いたらいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.10798】  12年10月09日    K.R. 
生検  針針か手術か(core or open)の選択

アメリカ在住の41歳で、2年位前に左胸がDCIS(非浸潤性乳管がん)と診断され、部分切除、放射線を経て、現在ホルモン治療中(Tamoxifen)です。実は最近右胸の生検をしたばかりで、今更ですが、疑問があります。ちなみに家族歴はなく、遺伝子検査(BRACA)は陰性でした。右胸にちょっとしたものが触診で見つかり、マンモグラフィーとエコーをして、異常がないと太鼓判を押されましたが、念のため外科に行って来いと言われ、それで生検(針ではなく全身麻酔で手術: open biopsy)に至り、結果異常なしでした。 外科の先生は、初めてでしたし、正直言いますと、熟考の上手術しようとおっしゃられたように思えません。マンモとエコーのフィルムを見もしませんでした。私の病歴に、どの程度目を通していたかも疑わしいです。触診をして、生検の説明をする等、5分と一緒に過ごさなかったんではないでしょうか。術後の診察では、半年後か1年後にまた来るように言われるかと思ったら、肩すかしで、来なくてもいいそうです。そこで疑問は、そもそも生検自体必要だったのか。必要だったとしても、針で充分、むしろそちらの方がよい、妥当な選択だったのではないかということです。それに加えて、これは主人のうけうりですが、万が一、今回のが陽性だったら、手術生検をして、がんを全部取り除いた後では取り返しのつかないことになっていた、と申しております。しかるべき方法は、針生検で胸のしこりをまず調べ、それが陽性とわかったら、色素を注射し、手術中にリンパ節を探しだして摘出し、がんが転移していないかどうかを調べると。前回リンパ節の心配がなかったので、自分の無知が恥ずかしいですが・・・。主人の説や、余計な新聞記事(外科は不必要なopen biopsyを乳がん患者や乳がんの疑いのある患者にしすぎで、それはおそらくお金儲けのためという主旨)を読んでしまったりしたせいで、この先生の決断、診断に対する不信感が拭えません。ご意見お待ちしております。

外科医の対応から不信感は理解できますが、結果が良性であったためにその思いが強くなったのでないかと思います。針生検にするかopen biopsyにするかどうかは、病変の状況によります。実際、針生検で診断がつかず、open biopsyを再度行なう場合、さらには、針生検で良性と診断したために、手術が遅れた場合もあります。判断がつかないときは、openbiopsyをおこないます。完全に取り切った組織で最終診断をするのです。また、open biopsyで悪性の場合、全部取り切ってしまって、取り返しのつかないことにはなりません。完全に取り切ってしまえば、乳房の追加手術をせずにすみますし、センチネルリンパ節生検も、まず支障無く行えます。完全に取り切って非浸潤癌であれば、センチネルリンパ節生検もする必要がありません。(文責 徳田)

 

No.10797】  12年10月07日    K.A
再発率について

49才6カ月です。術後の無治療とホルモン療法を行った場合の再発率の違いについてお尋ねします。2012年8月23日、左乳房の全摘手術を受けました。術後の病理診断は下記の通りです。
浸潤性乳官ガン(硬癌)、Scirrhous carcinoma of breast 、腫瘍 pt1 ≦1、 リンパ節転移なし:(センチネルリンパ節中にも転移なし、術中、術後の診断においても)、ly0、v0 リンパ、静脈血管双方に侵襲認められない、腫瘍の存在範囲小さいためmitotic count の評価は困難、Nuclear aypia grade 1、Ki-67 +/- ≦10、 Hercept Test - 陰性、 Pgr レセプター+++、 Er レセプター ++
以上の診断の下に術後の補助療法がおこなわれます。ルミナールAと言われていますので、ホルモン療法が行われると思いますが、できるなら術後の治療を無治療で過ごせたらと思います。その際の再発の率の違いを教えて頂けないでしょうか。この点について、先生の所見も教えて下さい。この診断で最善と思われる補助療法は、どんな治療でしょうか。宜しくお願いします。

無治療であれば、10年の再発率は、15%程度、ホルモン療法を行なえば、5%減少して10%程度と考えます。ホルモン療法の副作用の程度を考えると、5%減少するのであれば、行なうことをお勧めします。(文責 徳田)

 

No.10796-1】  12年10月07日    そら
今後の治療計画

42歳。閉経前。先月6日に部分切除術にて手術を行い、先日病理結果がでました。
組織型:乳頭線管癌、病理学的腫瘤径:0.4p×0.3p、リンパ節移転:なし (0/2)、核異形度(N-SAS): 1、組織学的異形度:2、ER:60%, PgR:90%、Her2:1+、切除断面:陰性、Ly:0, v:0、 波及度:g:0, f:0, s:0、Ki-67:10%
主治医が、今後の治療計画としてとして、放射線治療のみでいいでしょうという見解でした。嬉しさ反面、ホルモン治療しないでいいのか、大変不安です。主治医は、組織学的異形度は2だけれども、腫瘤径がかなり小さいことと、リンパ移転がないこと、波及度もみても移転していない事からの判断ということです。他のドクターにもご意見を聞きたいと思います。大変お忙しい所申し訳ございませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

ガイドライン的には、ホルモン療法は、どちらでも可ということです。ホルモン療法も全く副作用がないわけではないので、慎重に考える必要がありますが、ホルモン療法を行なうと、10年の再発率で、5%程度の再発の減少が期待できるので、ホルモン療法を開始して、副作用により継続の判断してはどうでしょうか。(文責 徳田)

 

No.10796-2】  12年10月30日    そら
発赤と放射線治療の遅れ

以前、質問 10796 でお世話になりました。この度は大変親切に応答して頂き、誠にありがとうございました。再度主治医と相談した所、主治医の強い意見(放射線治療のみ)に従うことにしました。今回の相談ですが、手術から約20日後、突然部分切除した左側乳房の下側半分(患部は左上)が赤くなり、現在では発赤の範囲が広くなり、全体に広がってきました。手術して間もないのに炎症性乳がんが発症したのかもしれないと思い、主治医に相談したところ、血液検査とエコーをしました。血液検査は CRP 1.19(基準値<=0.3)、溶血(-)、乳び(-)。エコーでは左下乳房を見て、「リンパ腋はあまり溜まっていない」との事で、「多少の炎症はあるけど、別にこれといって処置はしない」と言う事でした。しかし、発赤してから約1ヶ月になりますが、発赤の色も濃くなり(赤黒)、放射線科の先生から、この症状では放射線治療できないと、ストップをかけられております。このまま投薬治療なしで、治癒するのを待っているしかないのでしょうか? 放射線治療も遅れると良くないと聞きますが、すでに手術してから7週間たっております。単独意思で皮膚科に受診した方が良いのでしょうか? 治らない発赤と放射線治療の遅れに対して大変不安に感じます。お忙しい中大変申し訳ございませんが、どうか助言をお願いします。

放射線治療の中断は残念でしたね。なにか治療方法はあると思うので、外科の主治医に紹介状をもらい、皮膚科受診し相談してみたらいかがでしょうか。放射線治療も手術後2ヶ月以内に開始すれば、遅すぎることはないようです。 (文責 石川)

 

No.10795】  12年10月02日    S.S. 
術後の相談

52歳です。全摘術後の放射線、タモキシフェン治療をすべきなのか、経過観察不適かの御相談です。
6月1日、右の乳房に1cmのしこりに気付いて検診。 エコー、穿刺吸引細胞診、造影剤MRI、CT、マンモなどの診断でグレーゾーンが続き、一度目の手術でしこりを取ったところ、「非浸潤なので全摘で完治する。その後の補助治療も一切不要。」と言われ、全摘手術。 皮膚側に剥離面陽性。浸潤(T1mic)が、一カ所あり、取り去ったが、放射線治療と5年間のタモキシフェン治療を言われております。放射線による新たながん発生や、次回右胸にしこりが出た時に同所に照射できない、タモキシフェンによる子宮けいがんやうつの副作用などを考慮し、過剰な予備治療はしたくはないと思っております。 照射とタモキシフェンやっておかずに後悔するよりは、色々とやっておいた方が安心だよという主治医、もう一人の医師は不要なのではとの意見もあり、夜も眠れません。
Minimal invasive ductal carcinoma(Nuc! lear grade1, ly0,vo,margin: positive) 核異型スコア1、核分裂像スコア1、核グレード1) 脈管侵襲なし、組織学的にcancer存在は、ほとんどが乳管内に乳頭状cribriform,壊死を伴う微小石灰化、充実性形態を呈するductal carcinomaであるが、一部の標本の一カ所にわずかな間質浸潤を見る。剥離面で、脂肪組織内に残存する乳管内にcancerの進展がみられ、皮膚側において剥離面陽性。乳頭側の太い乳管内への進展なし。ER,PgR共に、ほぼ全体に強陽性 Her-2:0
また、全摘で、皮膚側剥離面陽性は、多々発生するのでしょうか? どうぞ、よろしくお願いいたします。

断端が陽性なので、全摘でも放射線照射を行なうということですが、放射線照射による皮膚がんなどの2次発がんの可能性は、きわめて低率です。乳房温存術後の放射線照射の場合を考えてみてください。したがって、放射線照射を勧めます。また、T1micですから、再発のリスクはきわめて低いですが、ゼロではありません。副作用が少ないので、タモキシフェンの服用を勧めます。子宮頸がんではなく、子宮体がんのリスクが少し高まりますが、メリットの方が大きいと考えるからです。うつなどの問題については、内服しながら、様子をみて、副作用が強ければやめればよいと思います。(文責 徳田)

 

No.10794-1】  12年10月02日    M.T.
精密検査

マンモグラフィーで、左側の胸に集簇性石灰化カテゴリー3と言われ、大学病院で精密検査を行いました。エコーで見たところ、石灰化は今すぐ細胞診は必要ないけれど、マンモグラフィーで異常がなかった右側の胸の方に嚢胞がいくつか集まっているからと、細胞診をしました。結果はまだ出ていませんが、検査中に先生と助手の方が話していたのが、「シストですね」と聞こえました。シストって?心配要らないと思っていいのでしょうか? 結果出るまで気掛かりです。教えて下さい。

一般的に、シストとは、英語表現のいわゆる「のう胞」という分泌物の貯留した袋で、悪性の可能性はまずありません。(文責 徳田)

 

No.10794-2】  12年10月09日    M.T.
マンモグラフィーの意味

先日No.10794の相談させていただいた者です。右側細胞診の結果は、異常なしでした。左側の集簇性石灰化は、小さいので、細胞診はしないで、半年後に又マンモグラフィーとエコーをすることになりました。せっかく小さなうちに石灰化が見つかったのに、結局大きくなるまで様子を見るだけなら、マンモグラフィーの意味ってあるんでしょうか? 何年間も様子を見て、結局悪性がわかるなら、その何年間がとても苦痛です。集簇性石灰化が消えていくことはあるんでしょうか? 又、何年も良性であり続けた例はあるんでしょうか?

集族性石灰化の状況で判断すべきです。ステレオマンモトーム生検といって、マンモグラフィと針で石灰化を採取して、良性か悪性か診断する方法もあります。しかし、すべての方に放射線をつかって、針をさすことはどうでしょうか。やはり、そこまでするかどうかは、病変の悪性の確率がどのくらいあるかで判断すべきです。良性の石灰化の場合は、放置しておいて問題ありません。消失することもあります。(文責 徳田)

 

No.10793】  12年10月02日    M 
乳腺腫瘤疑い

はじめて相談させていただきます。8月に健康診断を受けて乳腺腫瘤疑いで要検査になり、大学病院でマンモグラフィーと超音波を受けてきました。右乳房乳頭レベル深部に集蔟、尾側に区域性に広がるpunctate〜amorphouscalcificationsと言われ、詳しい検査を三週間後に受けることになりました。いっぱいで、それが一番早いと言われました。自分で調べると、集蔟性や区域性石灰化は乳ガンの可能性が高いとあり、不安でしかたありません。このように集蔟性、区域性石灰化と診断されて良性の場合ってあるのでしょうか。また三週間待てないので、どこかで血液検査を受けてはっきりさせたいと思ったのですが、血液検査で乳ガンかどうかというのはわかるものでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご返信いただけますでしょうか。よろしくお願い致します。

もちろん確率的には、良性の可能性の方が高いです。しかし、悪性の場合を否定しておく必要があるので、精査するのです。悪性でも、非浸潤癌のように極めて早期のものですので、血液検査では、わかりません。(文責 徳田)

 

No.10792】  12年10月01日    A.S.
術後治療について

乳癌で、左Bt+SNBをしました。術後の病理では、全体に石灰化した癌があったが、ホルモン依存のおとなしい癌と説明されました。「今後の治療は自分で決めて」と言われ、9月21日から、ノルバデックスの内服は開始しました。閉経前ですが、46歳で、更年期なので、LH-RHアゴニスト製剤はどうしたら良いのかと悩んでいます。タモキシフェンを単独でいくのは、どのような状況の時なのでしょうか。LH-RHアゴニスト製剤を使用しないのはどんなときですか。

閉経前乳がんの術後ホルモン療法としてはタモキシフェン単独か、もしくはタモキシフェンとLH-RHアゴニストの併用療法が推奨されます。再発リスクが高そうな場合や、患者さんの年齢が若い場合にLH-RHアゴニストを追加することが多いと思います。46歳で再発リスクが高くなければタモキシフェン単独でもよいと思います。再発リスクが高い場合は、化学療法の追加も視野にはいってくると思います。(文責 俵矢)

 

No.10791】  12年10月01日    L 
母の乳癌について

60代後半の母が乳がんの診断を受けました。色々わからないことがあり、教えていただければと思います。
1か月ほど前、左乳頭から血性分泌があり、乳腺科を受診。マンモグラフィーとエコーをしたところ、マンモグラフィーでは所見なし、エコーでは長さ?30ミリほどの影?腫瘍?が写っていたとのことで、担当医から乳管内乳頭腫か乳がんの可能性があるとのことで細胞診を行いました。その時、もしがんだった場合、通常のがんで30ミリだと大変なことだが、それとは違うタイプなので、その大きさにびっくりする必要はないというようなことも言われたようです。
細胞診の結果悪性と分かり(クラスなどは聞かなかったようです)、手術が必要とのことで、それなら違う病院に転院したいと紹介状を書いてもらいました。細胞診の結果の際、母はカルテにステージWの記載があったと言います。私はクラスの間違いでは?と言ったのですが、頑なにステージだったと言い、実際転院先へ持って行った紹介状にもそのような記載があったようです。
転院先の病院では、マンモグラフィー、エコー、肺のレントゲン、心電図、血液検査を行い、同じくマンモグラフィーでは所見なし、エコーでははっきり影?腫瘍?が写っていたようです。(母自身が手で触って分かるしこりはありません) 先生からは、この後のPET−CT、MRIの結果を踏まえて病状を説明するとのことで、詳しい説明はなかったようですが、母が「どれくらいでしょうか?」と聞くと、「初期だと思います」というような発言はあったようです。また、先生から、「マンモグラフィーに写らないがんが2割ほどある」との説明もあったようです。すでに手術日も決まっており、その前に針生検も実施予定ですが、その針生検については「99%がんだが、残りの1%を払拭するために行う」ということも言われているそうです。まだ検査中であり、結果を聞くまであまりに時間があるため、日々不安で仕方なく、いくつか質問させていただきます。

1) 初診の病院で、当初は非浸潤性ですと言いながら、ステージWという記載があったということは、どのように理解すればいいのでしょうか? 色々調べても、細胞診でステージは分からないとのことですが、細胞診の結果がよほど悪いものだったのかと気になっています。
2) 転院先の病院で「初期」という発言があったにも関わらず、転移を調べるためにPET検査を行うのは、どういうことでしょうか? 少しの可能性でもあれば、通常やる検査でしょうか? 先生の言葉とは裏腹に(ステージW記載のこともあり)、実はとても進行しているのではないかと不安です。
3) エコーと細胞診結果で「99%がん」と言われるのは、よほど悪性度の高いものなのでしょうか?
4) マンモグラフィーに写らないがんが20%あるとの説明でしたが、具体的にはどのようながんなのでしょうか? がんの種類ではなく、ただ、場所や本人の乳腺の具合によって写らないということなのでしょうか?

私が直接先生と話をしたりしたわけではないので、不明確でわかりづらいところもありますが、どうぞよろしくお願いします。

おそらく、伝聞するなかで、かなりの誤解が生じております。主治医の先生のいうように、おそらく初期の乳がんが疑われるのだと思います。だとすると、悪性度がそれほど高いものではないように思います。もし、御兄弟のほかの方や、お父様が主治医のお話をお母様と一緒にすでに聞いていらっしゃるのであれば、説明に同席したご家族に、まずお話を聞いてみてはいかがでしょうか。誤解が解けなければ 相談者さんとお母様と一緒に主治医のお話を今一度聞くことで誤解を解くことが必要だと思います。(文責 俵矢)

 

No.10790】  12年10月01日    M・O
炎症性結節について

温存手術後4年目です。4月にCTを撮りましたところ、右中葉に3mm大の結節影、左上区にも小結節がいくつか見られるという所見でした。炎症性結節で経過観察になりました。8月には4.7mmと大きくなっておりましたが、これは肺転移ということでしょうか? 次は半年後にCTを撮る予定です。素人考えでは、もし転移なら小さいうちに治療した方がいいのではないかと思うのですが、如何でしょうか。また、左乳腺に小石灰化があります。形態:淡く不明瞭な石灰化分布:びまん性。先生のご見解を宜しくお願い致します。

転移の可能性をかならずしも否定できるわけではありませんが、この大きさでは、小さすぎて、転移なのかを診断することが困難だと思います。もう少し大きくなって、1cmを超えてくるようならば、肺生検などを行って組織診断を確認しても良いと思います。その時の画像診断にもよると思います。乳房の石灰化に関しては、経過観察でよいと思いますが、実際にみて診断しているわけではないので、主治医の先生に確認されることをお勧めします。(文責 俵矢)

 

No.10789】  12年10月01日    M.M. 
抗癌剤について

はじめて相談させてもらいます。58才母が乳ガンと診断を受け、ステージ3b、浸潤性乳管癌、組織グレード1、核異型グレード1、リンパ転移なしとの結果でした。エストロゲン、プロゲステロン陽性、her2蛋白なしとの事で、手術後抗癌剤、ホルモン治療、放射線治療の予定です。ルミナールAタイプは抗癌剤が効きにくく、通常はホルモン治療と放射線治療になるとテレビで拝見したのですが、ステージ3bの場合ですと、やはり抗癌剤はやるべきなのでしょうか? fec療法4回とドセタキセル4回の予定なのですが、本人が抗癌剤だけはとても嫌がっており、副作用などを考えると心配です。例えばオンコタイプdx の検査をお願いした場合、ステージ3bの場合でも、抗癌剤を受けた方が良 いかどうかの数値などは、はっきりするのでしょうか? 宜しくお願い致します。

閉経前、リンパ節転移がなくて、ステージIII ということなので、一応オンコタイプDXの適応にはなるかと思います。検査をすればリカレンススコア(再発リスクを評価するスコア)の数字は出ると思いますが、その解釈が問題となってくると思います。リンパ節転移のない、ステージIIIということは、腫瘍の大きさが5cm以上か、もしくは皮膚浸潤などがある乳がんということになると思います。ただし、オンコタイプDXを評価する元になった試験の対象患者には、腫瘍径の大きい患者さんはほんの一部しか含まれていません。小さい腫瘍の方で言えることが、大きい腫瘍の方で当てはまるかはわかりません。つまり、リカレンススコアによる化学療法をするしないの判断が、お母さまの場合に適切かどうかということが問題となります。低リスクに分類された場合、化学療法をしなくて大丈夫かどうかというところは、よく考えないといけないところです。お母様と、主治医と、よくお話になって検討してください。(文責 俵矢)

 

No.10788】  12年10月01日    A.A.  
乳がん温存術後の再発疑いについて

乳がん温存術後の再発疑いにつきまして、お尋ねいたします。2005年12月、左乳房の穿刺吸引細胞診でクラス3b、その後の外科生検で約2pの非浸潤癌との確定診断で、2006年2月に、左乳房温存術と放射線照射を受けました。その後は無治療で、定期検査で経過観察をしています。2012年9月に、エコー検査で、約1pの内部不均一の画像が認められ、穿刺吸引細胞診でクラス3aとわかりました。その後、乳がんの再手術とリンパ節除去、抗がん剤治療を勧められました。今回は外科生検はなしで、手術日程の調整となりましたが、こうしたケースでは、クラス3aでも悪性腫瘍の確定診断となるのでしょうか。また、リンパ節切除の前に、センチネルリンパ節生検を行うという選択肢はないのでしょうか。お答えいただきますよう、よろしくお願いいたします。

手術した乳房内にエコー検査で異常があるということですね。細胞診クラス3で悪性の確定診断はできません。通常は針生検や、マンモトーム生検を行って確認してから手術という段取りになることが多いかと思います。針生検やマンモトーム生検で診断がつかない場合は、切除生検をすることもあります。この場合、術後なので、通常センチネルリンパ節生検の適応ではないと思います。主治医に今一度納得いくまで説明してもらってから手術したほうがよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.10787】  12年10月01日    R . 
乳頭に白いニキビのようなものが出来ています(HPNo.10762-2)  

以前も投稿しましたRです。又、ご相談したいので、よろしくお願いします。相談室に同じ相談の投稿がありましたが、私も少し気になっているので、ご相談いたします。乳頭に白いニキビのようなものが出来ています。直径3ミリ位で、痛くも痒くもありません。触った感じは、少しプクッとしているような感じです。平成23年11月に左乳がんが分かり、左乳房を全摘、12月には子宮頚部異形成と筋腫があった為、乳がん治療にもなるのではと、両卵巣、子宮の全摘手術をしました。平成24年1月から抗がん剤治療を半年やり、その後、放射線治療25回終了、現在はフェマーラ服薬のみです。白いニキビのようなものに気がついたのは、放射線治療中の8月だったと思います。
投稿No.10777の方も同じ質問をされていましたが、炎症とは、再発の可能性もあるのでしょうか? 一応マンモを8月16日に撮りましたが、結果は、まだ知らされていません。10月30日にエコー検査、乳腺科は11月1日受診の予定です。よろしくお願いします。

白いニキビのようなものは、おそらく乳頭分泌物と皮脂、角質などが混ざったものが乳頭の乳管に詰まっているのだと思います。痛みなどがなければ、11月1日の受診の時にみてもらうとよいと思います。乳頭の周囲に炎症が起きている時は、その場所が赤く腫れて熱をもちます(触ると腫れぼったくて、熱い)。そういう兆候がなければ大丈夫です。炎症の兆候があるようなら、早目にみてもらいましょう。また炎症や、白いニキビのようなものと乳癌は、無関係の可能性が高いと思います。(文責 俵矢)

 

No.10786】  12年10月01日    Y . 
歯の治療について(2)(HPNo.10782-2)

以前に相談したものです。ジェムザールとゾメタの点滴をしています。歯の痛みがあり、治療を優先してゾメタを中止していますが、そのためか、左股関節から足先まで重たく、だるくて力も入らず、歩けない状態です。カロナールを飲んでいても効きません。どうすれば、痛みをやわらげることができますか? それから、この際、痛みのない歯も診てもらう方が、よいでしょうか? よろしくお願いします。

左股関節の痛みは、骨転移のある場所でしょうか。痛みで歩けないとのことなので、早目に主治医にまず診察してもらうようにしましょう。歯については、ゾメタ施行中とのことで定期的に見てもらうと安心かと思います。(文責 俵矢)

 

No.10785】  12年09月29日    Y.T. 
再発防止の薬について

初めて相談させていただきます。平成22年12月に左乳房に癌が見つかり、検査の結果、他臓器に転移なしとのことで、18日に部分切除をいたしました。23年1月~3月 FEC4回、 4月~6月 ドキタキセル4回、 5月~今年の5月までハーセプチンを受けていましたが、途中ハーセプチンの治療時に腫瘍マーカーが高くなり、急遽、放射線治療を合わせて受け、マーカーは正常値になりました。しかし、今年の4月頃より血液検査をするたびに腫瘍マーカーが上がり続けていて、CT、胃カメラ、大腸カメラ、ペットも撮りましたが、異常が見つかりません。先生は4月にかわられたばかりで、今度は3ヵ月後に来るよう言われますが、マーカーが上がり続けているので、再発の可能性は大だとも言われます。素人考えとしては、じっと症状が出る迄待つより、目に見えない癌であるなら、予防的というか再発を防ぐ薬がないものかと思うのですが、このまま様子を見るべきなのでしょうか? 薬があるとすれば、どんな薬でしょうか? よろしくお願いいたします。

腫瘍マーカーが上がっているだけでは、本当に再発なのかどうかはわかりませんので、治療を開始することは得策ではないと思います。腫瘍マーカーの上がり方の程度にもよりますが、経過をみるのがよいかと思います。(文責 俵矢)

 

No.10784】  12年09月29日    H 
手術方法について

私は41歳の主婦です。昨年11月に、乳がん検診で、「あやしい所があるので、来年の検診は早くおいで」と、言われました。7月末に検診に行き、やっぱりガンですねと言われ、検査を進め、大学病院でマンモトームをしたら、6個取ったうち4個がガン(ステージ0と思われる)でした。10月4日に温存手術で、その後放射線治療と決まってるのですが・・・。腫瘍があるのは乳輪の左横なのですが、もう一つ怪しいのが、MRI(造影剤)で乳輪の下に見つかりました。細い針での検査では異常なしだったのですが、将来的にガンになるのなら全摘(放射線無し)にしようかと悩んでいます。その旨先生に伝えたら、少し驚き、「乳輪、乳頭のみ残す全摘の方法もありますよ。」との事でした。それも放射線無しだそうです。ご意見をお伺いしたいと思います。

細胞診も行っているようなので、部分切除をして、経過観察でもよいかとは思いますが、実際に画像を見たり診察をしないとお答えは難しいです。すみません。(文責 俵矢)

 

No.10783】  12年09月29日    K.I. 
ハーセプチンは必要でしょうか?

DCIS との診断で、片側全摘の手術を受けました。病理診断で乳管の断裂が何ヵ所か見られたとの事で、結果的にステージ1a 。このまま様子を見てもいいかもしれないが、Her2反応+3 なのでハーセプチンを使ってはどうかと言われました。出来れば強い薬は使いたくないのですが、やはり必要でしょうか? DCIS 部分は直径2.6センチ、浸潤部分は最大径1ミリ以下です。

この場合は、ホルモン陽性ならホルモン療法のみ、陰性なら薬物療法なしで経過をみることが、ガイドラインでは推奨されています。使いたくないということを主治医にお話になってみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.10782-1】  12年09月29日    Y 
歯の治療について

何回か相談させていただいてます。ゾメタを始めてから虫歯?が痛み出してきました。先に治療すべきとありますが、ゾメタをしてから痛み出しました。やはり歯の治療をした方がよいですよね。歯医者にはゾメタ治療していることは告げたほうがよいですか? 壊死とかが気になり、これからが恐いです。後、注意する点があれば、教えていただきたいです。よろしくお願いします。

歯科医に相談なさったらよいと思います。歯科の先生には、ゾメタの治療をしていることをお話して、今後経過観察していただくとよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.10782-2】  12年10月01日    Y 
歯の治療について(2)

以前に相談したものです。ジェムザールとゾメタの点滴をしています。歯の痛みがあり、治療を優先してゾメタを中止していますが、そのためか、左股関節から足先まで重たく、だるくて力も入らず、歩けない状態です。カロナールを飲んでいても効きません。どうすれば、痛みをやわらげることができますか? それから、この際、痛みのない歯も診てもらう方が、よいでしょうか? よろしくお願いします。

左股関節の痛みは、骨転移のある場所でしょうか。痛みで歩けないとのことなので、早目に主治医にまず診察してもらうようにしましょう。歯については、ゾメタ施行中とのことで定期的に見てもらうと安心かと思います。(文責 俵矢)

 

No.10781】  12年09月29日    K.I.
非浸潤性乳がんの補助療法無しによる再発率について

アメリカカリフォルニア在住です。41歳既婚です。3年前に不妊治療の末、こどもを1人出産しています。7月の年一回の定期マンモグラフィーで石灰化が見つかり、その後のマンモトーム生検により、左非浸潤性乳がんと診断されました。約6週間後の8月後半に皮下乳腺全摘+センチネルリンパ節生検+臀部自家組織による同時再建(SGAP)の手術を受けました。術後の病理検査のレポートは以下の通りです。

- DCIS, cribriform,comedo(not identified@biopsy) and solid types, with
central necrosis, high nuclear grade (<-intermediate@biopsy)
- Size of DCIS: 3.8cm (<-3cm@biopsy)
- Surgical margins: DCIS is 0.3cm from the anterior margin,
0.4cm from posterior margin
All other margins appear negative for carcinoma
- Lymph/vascular invasion: not definitively identified
- Microcalcifications: seen with DCIS
- Benign breast tissue: present with biopsy site change and lactational
change
- Negavtive for invasive carcinoma
- ER>95% 3+, PR<1% 1+

センチネルリンパ節生検は陰性でした。オンコロジストはタモキシフェンの5年服用という選択肢のみを提案してくれましたが、基本的には健側の乳がん発生をふせぐためのもので、服用するか否かは自己判断に任せると言っていました。タモキシフェン服用しない場合、基本的にはDCISの乳腺全摘手術後の乳がん再発を発見するテストは無いため、次のフォローアップは1年後のMRIになるだろうと言われました。そこで質問です。

1) 私の術後診断では、補助療法なしで再発率はどのくらいでしょうか。
2) margin 0.3, 0.4cmでは非浸潤性がんの取り残しはどのくらいの率で起こるのでしょうか。
3) comedo typeとhigh nuclear gradeというのが気になります。biopsyでは報告されていなかったため、手術を待つ6週間の間に急速な変化、発展を遂げてしまったのでしょうか。
4) comedo+high nuclear gradeの浸潤化+再発率はどのくらいでしょうか。
5) このタイプでは術側の取り残しによるがん細胞へのタモキシフェンによる治療は効果はどのくらいあるのでしょうか。
6) ER>95%では一般的にタモキシフェンは服用すべきでしょうか。
7) 1年後のMRIを受けるのを待つ間に、何かやってもらえるフォローアップありませんか。これで治療が一旦終了と言われてしまっているのが大変不安です。
8) 3年前の出産前2回、出産後2回流産もしています。5回の妊娠流産期間(5年間ほど)は不妊治療用ホルモン剤を常用していました。特に過去1年は流産を短期間で繰り返し、その間にクロミッドも使用していました。このことが、今回の乳がん発生を促してしまったのでしょうか。ちなみに1年前のマンモグラフィーでは、石灰化の兆候は全く見られなかったと言われています。
9) 補助療法なしで現段階(術後1月から)で妊娠することは、術側の再発、健側の新たな乳ガン発症の危険度が上がるのでしょうか。

たくさんの質問をしてしまい申し訳ありません。何か参考になる意見が頂ければ幸いです。

1)2)4) 遠隔転移再発に関してはほとんどなしと思われますが、病理診断の限界もあり、ゼロではありません。また手術した側の乳房の皮膚や胸壁からの再発(局所再発)は、数%-程度と思われますが、施設によって幅があると思います。
3) 生検では病変のごく一部をサンプリングしているので、生検の検体では見られないものが、手術検体でみられることはよくあることです。
5)6) 主治医の先生のおっしゃる通りです。対側乳癌の発生を防ぐためにタモキシフェンを服用するか、服用しないかは、個々のケースに応じて決めるので、主治医ともう一度お話してみてください。タモキシフェンの服用は局所再発をいくらか減らす効果はあると思いますが、どの程度かは不明です。
7) なにかするとすると、超音波検査や視触診になるかと思いますが、一年後のMRIで十分と思います。
8) 関係ないと思います。
9) 妊娠出産は再発や新たな乳癌の発症には無関係と思います。妊娠なさる場合は、ホルモン療法をやらないということなので、ホルモン療法をやった場合と比較すると、新たな乳がんの発症率は少し高いかもしれませんが。(文責 俵矢)

 

No.10781-2】  17年07月09日    K.I.  
DCISが確定されました

5年前に "非浸潤性乳がんの補助療法無しによる再発率について" 質問させていただいた者です。
2012年8月に非浸潤がんの左乳頭乳輪温存皮下乳腺全摘出の手術を、アメリカロサンゼルスで受けました。2012年6月の定期マンモで石灰化が見つかりました。術前術後の病理検査はともに非浸潤でしたが、グレード3のコメド型でした。乳頭からは離れた皮膚に近
いupper left superiorに広がる石灰化でした。術後唯一言われたのは、ER(3+)PR(1+)の標準治療であるホルモン剤治療でした。オプショナルだったため、術後なんの補助療法もしませんでした。以降毎年ロサンゼルス、転居先のピッツバーグで定期検査を受けて
いましたが、昨年の検査以降、痛みを伴う乳頭からの異常分泌が続き (絞れば出る程度)、今年5月に新たな転居先のニュージャージーで受けたマンモで異常を指摘され、MRI+マンモトームでDCISが確定されました。
問題箇所は、乳頭直下の微小石灰化 (6/30 DCIS確定)と、今年のマンモで初めて映ったleft posterior upper aspect 石灰化(乳腺がないはずなので、どこに石灰化があるのかわかりません、再建に使った臀部脂肪か胸筋か?)です。5年前の手術時に、左臀部の脂
肪移植による同時再建を受けた際、胸骨の一部を切り取って今回問題になっているエリアからの血管を乳頭に繋げたと記憶しています。この石灰化は、乳頭直下のDCISが広がったものでしょうか。奥深すぎて、biopsyが出来ないと言われています。
質問は、この奥深い石灰化が乳がんによるものの場合、取る乳腺がないので、何が標準治療となるのでしょうか。また今回のDCISは5年前の再発なのか、新たなDCISなのでしょうか。乳頭直下の石灰化に対しては2週間後に乳頭乳輪の摘出の予定です。
5年前の手術pathology レポートの記載と、先日出たマンモ及びマンモトームのレポートをコピーします。よろしくお願いいたします。

8/22/17 surgical pathology report
Final diagnosis
-DCIS, cribriform, comedo, and solid types, with central necrosis, high nuclear grade -Size of DCIS: 3.8 cm -Surgical margins:
0.3 cm from the anterior margin
0.4cm from the posterior margin
All other margined appear negative for carcinoma -lymph/vascular invasion: not definitively identified -negative for invasive carcinoma -ER >95% 3+ PR<1% 1+

6/27/17 FINAL PATHOLOGY REPORT
DIAGNOSIS
STEREOTACTIC NEEDLE CORE BIOPSY OF LEFT BREAST:
INTRADUCTAL CARCINOMA, PAPILLARY AND SOLID TYPE WITH FOCAL MINIMAL LUMINAL NECROSIS, INTERMEDIATE TO HIGH NUCLEAR GRADE, CONTAINING RARE MICROCALCIFICATIONS (SEE COMMENT) ESTROGEN AND PROGESTERONE RECEPTORS ARE PENDING ON PARAFFIN BLOCK
1A AND AN ADDENDUM REPORT TO FOLLOW

COMMENT: SEVERAL DEEPER SECTIONS EXAMINED AND NO MORE MICROCALCIFICATIONS IDENTIFIED

6/14/17 Diagnostic Mammography report
IMPRESSION: Reconstructed left breast. There are two groups of calcifications identified as described above. The most inferior and inner group compared to a present previously supporting benign etiology. The calcifications in the upper
outer aspect are not appreciated previously, however it may related to differences in technique. The calcifications do a probably benign been seen due to differences in positioning. It may represent fat necrosis. Follow-up left
mammogram is recommended in six months. Results were discussed with the patient.

6/30/17 Diagnositic Mammography addendum report In view of the appearance of the nipple, this raises concern for the group of calcifications that was identified at the very superior posterior aspect of the reconstructed breast. These
calcifications were difficult to demonstrate because of the very posterior location. Rather than follow-up, I would recommend a biopsy these calcifications. If a stereotactic core biopsy cannot be performed, needle localization with
excision would be recommended.

IMPRESSION: Abnormal microcalcifications within the nipple that is known to be abnormal by MRI in a patient with nipple sparing mastectomy, status post reconstruction with abnormal nipple discharge. There is concern for malignancy. In
view of the findings identified in the nipple, further evaluation recommended this time for the calcifications in the very superior outer left breast. A biopsy is recommended.

ご相談どうもありがとうございます。皮下乳腺全摘後の再発についてのご相談ですね。皮下乳腺全摘術はすべての乳腺を摘出することが目的の手術ですが、乳首近くや鎖骨、脇腹、乳房下端に乳腺が残る可能性がございます。移植した組織に再発したと考えるより
は、残っていた乳腺に乳がんが発生した、あるいは再発したと考えるのが自然です。その際には、基本的に乳房全摘術やがんが存在する部分の乳腺切除術を考慮します。まずは主治医の先生にご相談し、治療方針を決定していってくださいね。特別におかしなこと
が起こった訳ではありません。再発なのか、新しい乳がんなのかも、判断は難しいと思います。まずは出来る治療をおこなっていきましょう。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10780】  12年09月29日    J  
術後治療について

非浸潤がんとの診断で、左乳房全摘手術をしましたが、術後の病理診断で浸潤がみつかりました。浸潤径は6ミリ、ER+、PGR+、HER2-、グレード1、リンパ節転移-(0/2)、リンパ管侵襲・静脈浸襲は0という結果でした。浸潤部分が5ミリ以上はホルモン療法が必要ということですが、6ミリという大きさと悪性度、副作用のことを考えると、ホルモン療法をやらなくてもいいのでは…と考えてしまいます。再発のリスクを考えて、ホルモン療法をするべきでしょうか。

通常はホルモン療法をお勧めすることが多いケースだと思います。しかし患者さんの状況、合併症などによってはしないこともあります。ホルモン療法をするかしないか 得失をよく考えて選択することが大事だと思いますので、主治医の先生と今一度お話になることをお勧めします。(文責 俵矢)

 

No.10779】  12年09月27日    Y 
再発転移の相談(HPNo.10641-2)

NO10641では丁寧なご教示感謝しております。その後、自分なりに納得して、ゾラデックスとノルバデックスを終了しました。現在追加のAIを検討するため、閉経を確認すべく血液検査で様子をみています。しかしながら、ここ1か月、右鎖骨やろっ骨の痛みと右胸全体に違和感を時々感じます。このような症状の時、再発を精査できるのは、MRIやPET-CTがよろしいのでしょうか? 2年前にも鎖骨に痛みを感じ、頚部MRI単純+造影検査をしたことがありますが、今回は症状の範囲が広いので迷っています。MRIは、頚部と胸部の広範囲を両方同時に検査することができますか? PET-CTは、被爆の問題や、以前造影剤をいれたもののリニアックが故障し造影剤後時間が経過しすぎてうまく精査できなかったケースに見舞われ、個人的に抵抗があります。MRIよりPET-CTの方が、より再発を見つけやすいのでしょうか? ご教示、よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。再発転移の診断にPET-CTが良いか、MRIが良いかは議論の分かれるところですが、PET-CTに抵抗がおありでしたら、全身diffusion MRIという選択肢がございます。被爆もございません。病院でdiffusion MRI(ディフュージョンエムアールアイ)をご希望してみてくださいね。骨の痛みには、骨シンチグラム(コツシンチ)も有効です。もちろん通常の胸腹部造影CTも大切な検査です。先生と良くご相談なさってくださいね。応援していますからね。(文責 高橋)

 

No.10778】  12年09月27日    M 
MRIで良性か悪性か判るものなんでしょうか?

今年2月に乳がん検診を受け、マンモにしこりらしきものが映りました。エコーでもわからず、MRIを受けた結果、何もないので大丈夫と言われました(細胞の検査はしていません)。先日、やはり何となく気になり、病院に行って、再度エコーを受けました。「しこりはあるが良性のもので、半年前のMRIも、良性か悪性か念のため検査したが、何も映っていなかった。悪性だったら細胞がふえるが、エコーを見た限り、半年前と画像も変わってなく、しこりも大きくなっていないので大丈夫。」と、いわれましたが、MRIで良性か悪性か判るものなんでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます。乳腺MRIで良性か悪性かの正確な診断は不可能です。ただし、マンモグラフィーや乳腺エコーでも分からない小さい乳がんを早期発見することは可能です。従って、乳腺MRIで異常がないと判断されれば、経過をみることが多いです。ただし、乳腺エコーでしこりが見えるのであれば、一度針の検査をしていただいた方が良いと思います。いわゆる針生検です。ご心配であれば、先生に乳腺の針生検をご希望してみてくださいね。細胞診は正確な診断率が低いので、出来ましたら乳腺針生検の方を選んでおこなっていただいた方が良いと思います。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10777】  12年09月27日    S.O
乳首の先の白いもの

今年3月に右乳がんで温存手術をしました。42歳、閉経前です。今はリュープリン、タスオミンで治療中です。抗がん剤はしていません。最近、健側の左胸の乳首の先に白ニキビみたいなものがあるのに気がつきました。痛くも痒くもありません。これは再発でしょうか? パソコンで検索して、乳口炎というものに似ていますが、授乳期は8年前に終わっているので、違うかなと不安になりました。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。乳頭の先に白いものができるのは炎症のことがほとんどですが、実際に診察を受けないと何とも申し上げられません。必要であれば、マンモグラフィーや超音波検査で異常がないことをご確認頂ければ良いかと存じます。ご不安だと思いますが、早めに診察を受けて解決してしまいましょうね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10776】  12年09月25日    Y  
胸のしこりについて(HPNo.10758-2)

以前ご相談させて頂いたんですが、再度ご相談させていただきます。その後、乳腺外来を受診しました。触診で、これは癌ではないと思うけど調べてみましょうと言うことで、マンモグラフィーとエコーをしてもらいました。結果、何も映っておらず、乳腺の一部だと言われました。エコーでも念入りにみてもらったのですが、ほかの部分と変わりがないとの事でした。石灰化が何箇所かにあるけど、心配はないとの事でした。これがしこりと言われてはないのですが、良性のしこりと言うことなのでしょうか? 細胞検査はしてないのですが、その必要性はないのでしょうか? 触ってわかるしこりの癌でも、マンモグラフィーで映らないと言う事はないのでしょうか? ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

乳腺外科で視触診、マンモグラフィー、エコーをした上で異常なしと言われたのであれば、まずガンの心配はないと考えます。乳腺そのものがしこりのように少し硬く触れただけかもしれません。ただどうしても心配が払拭できないならば、別の乳腺外科を受診なさってはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.10775】  12年09月25日    ひな
乳輪付近のしこりについて

先日、乳輪に炎症があり、触るのも痛いくらい腫れていました。よく触ると、その付近、しこりのようにかたかったです。炎症は一週間くらいでひいて痛くもないのですが、乳首の奥をつかむとしこりがあります。大きさは3から4センチくらいあり、痛みはありません。それほど固いしこりではなく、指と指で挟むと動きますが、根本は乳頭にひっついています。こんな大きさになるまで気づきませんでした。来週病院に行こうと思いますが、それまでの間心配で寝られません。夏に乳首にかゆみがあったことは何度かあります。分泌液も、透明から少し白いものは、たまに出ます。年齢は35才です。よろしくお願いします。

メールの内容からは、乳輪の下に炎症がおきて硬いしこりを作る乳輪下膿瘍という病気が最も考えられますが、直接拝見したわけでないのでもちろん断定できません。早々に乳腺外科を受診していただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.10774】  12年09月25日    S.I.  
ルミナールA・Bの判定について

いつもお世話になります。乳がんのルミナールA・Bの判定を教えて下さい。

ザンクトガレン会議2011では、ホルモン感受性が有るタイプでHER2陰性かつKi-67<14%のものをLuminal A,ホルモン感受性があるタイプでHER2陽性またはKi-67が高値のものをLuminal B として分類しています。Luminal Aは原則的に内分泌療法単独を、Luminal Bは内分泌療法に化学療法(+抗HER2療法)を施行することを推奨しております。(文責 谷)

 

No.10773】  12年09月25日    MIMI
放射線

73歳女性。昨年11月初め、右乳癌温存手術を受けました。T1bN0M0、硬癌、悪性度3 でした。乳腺炎のあとがあり、念のため8センチ大を切除したということでした。癌は8ミリ大の1箇所に留まり、散らばりはありませんでした。放射線はかけていません。術後の創あとが化膿し、治癒するのに2ヶ月ほどかかり、もともと膿みやすい体質なので、放射腺照射による皮膚への影響がこわかったことによります。主治医も、受けない場合のリスクを説明された上で 「まあ、いいでしょう」ということでした。しかし、術後1年が近づき、不安がつのってきました。「やはり、放射線は受けておくべきではなかったか」と。今から照射を受けるのは無意味でしょうか、お教えください。1年の検診は10月半ばです。勿論、検査の結果、転移等が認められれば、話は変わってくると思います。あくまで転移・再発が認められない場合に、今から放射線照射を受けるのはどうでしょうか。主治医も話やすく信頼申しあげていますが、私のわがままを通した手前、言い出しにくい気持ちでいます。一般論として、いかがなものでしょうか。よろしくお願いします。

乳房温存療法の術後は、抗がん剤の使用など行わない場合、原則的には術後速やかに放射線治療を受けることが良いとされております。「乳癌診療ガイドライン@治療編2011年度版」でも、術後20週を超えると局所制御も生存率も低下すると記載されております。貴女の場合は術後10ヶ月以上が経過しており、この段階で放射線治療を受けた場合どの程度の治療効果があるのかはわかりませんが、このまま放射線療法を行わないよりは局所再発率はいくらかは減少すると考えられますので、今からでも放射線治療をお受けいただくことを個人的には推奨したいと思います。(文責  谷)

 

No.10772】  12年09月25日    hiro
皮膚転移

皮膚転移をし、1センチほどの赤く丸いものができて、ジュクジュクした感じになっています。何か塗って軽減させるものとかはないでしょうか。それとも、何もぬらずに消毒だけして、乾燥させておいたほうがいいのでしようか。

皮膚に転移したシコリはなかなか処置が難しく、たとえ小さくてもその対処に難渋するケースが少なからずみられます。主治医または皮膚科の専門医によく相談しその指示に従ってください。(文責 谷)

 

No.10771】  12年09月25日    H 
サブタイプ別の治療について

サブタイプ別の治療について伺います。2005年、粘液がん(PURE)1.5cm、手術時44歳、ER PgRともに50%、Her2(-)、脈管侵襲なし、Ki-67が50%でした。当時はKi-67を認識するということがなかったようで、MIXタイプなら他のがんと同じ治療をするが、おとなしいタイプからということで、放射線とホルモン療法5年終えました。当時はKi-67を認識することがなかったようですが、PUREタイプの粘液がんでKi-67が50%は、ルミナルBになりますか? おとなしいのか、おとなしくないのか、よくわかりません。現在でしたら、どのような治療が考えられますか? お忙しい所申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

粘液がんに対しては現在でもまだ確たる方針が定まっておらず、一般の乳がんと同等に扱う考え方、予後の良い組織型との分類でワンランク軽い扱いにする考え方、また粘液がんを pure typeとmix typeに分け、pure typeだけをワンランク軽い扱いとする考え方などがあり、現在でも議論の対象となっております。おっしゃるとおり最近では増殖性の指標と言われるKi-67の値を重視する考え方が主流になりつつありますが、粘液がんにおけるKi-67の評価は実際のところまだよく知られておりません。よって現在でも貴女のように抗がん剤を使用せずに放射線療法とホルモン療法だけで経過を見る場合も、さらに抗がん剤を上乗せする場合も、いずれも有力な選択肢になると思います。(文責 谷)

 

No.10770】  12年09月25日    Moca.
抗癌剤の上乗せ効果 (グレード3)

初めて投稿致します。「抗癌剤の上乗せ効果について」お教え下さい。似た質問の方もおられましたが、私はグレード3なので、改めてお尋ねします。
56才。閉経後です。今年の8月左乳房乳ガンの(内視鏡)温存手術+センチネル生検を受けました、病理診断は、「浸潤性乳管がん 断端陰性、 腋窩リンパ転移 0/4、リンパ管血管浸潤 陰性、  浸潤部腫瘍径 1.4cm、核異型度 3、ly(−), v(−)  ホルモン感受性 ER 3+, Pg -(0), HER2 -, Ki67 15.2% <ルミナルA 中間 リスク 、 ステージ Ia> 」で、主治医からは、ホルモン療法 (AI)、放射線治療は必須だが、抗がん剤は「今出来る事をしっかりやるのならAC療法を、ご自身の生活や希望を踏まえ、やるやらないの選択を」と言われ、迷ってます。「抗がん感受試験」(健康保険可)を使用前に受けたいと思いましたが、都内実施病院は他院の患者は対象外と断られました。ちなみにリスク大の「核異型度 3」について詳細の計算式は病理診断書に記載無しの為不明。同時期入院患者3名に聞いたところ皆「3」でした(偶然かもしれませんが)そこで質問ですが、

1) 私のタイプはホルモン法が効きやすいが、<ER 3+>、「核異型度 3」だと、抗がん剤も効きやすいのでしょうか? 抗がん剤の上乗せ効果は7%程度と書かれている場合が多くで、今年の乳がん学会で「上乗せ効果が見込めるKi67=20-25%」と、沖縄の先生が発表されているので、やはりあまり効果がないのでは、厳しい副作用を想定してまで・・・と、思ってしまいます。
2) もし抗がん剤使用の場合、AC療法が最適なのでしょうか? 終了後、タキソール毎週療法もと言われてますが、必要でしょうか? やるとしたら副作用の出来るだけ少ない薬剤を希望してます。例えば、経口(飲み薬)とかは対象外でしょうか? 
3) ホルモン療法、アロマターゼ阻害薬を、アリミデックス、アロマシン、フェマーラ3種から選ぶ様に主治医から言われていますが、価格以外の特徴(副作用等)、最新のおすすめをお教え下さい。

以上、よろしくお願いします。

1)  乳癌のサブタイプ分類では、貴女の場合、HERU陰性、ER陽性ですが、Ki67がわずかですが14%を超えているので、現時点ではLuminal Bということになります。St.Gallenコンセンサス会議で推奨される術後補助療法は、ホルモン療法±化学療法であり、化学療法を併用するかどうかは、ホルモン感受性、再発リスク、患者さんの意向によって決定するとなっています。貴女の病理検査の状況(浸潤性乳管癌、リンパ節転移なし)にあてはまる再発リスクに関する更なる検査として、オンコタイプDXという遺伝子検査があります。保険適用になっておらず、費用が高いことが欠点ですが、この検査を行って、化学療法を併用するかどうかを検討するのも一つの方法です。
2) もし抗がん剤をおこなうのであれば、アンスラサイクリン系やタキサン系を投与することが推奨されています。再発予防効果が最も高いのは、FEC療法にタキサン系を追加する治療となります。しかし副作用も強くなりますので、主治医の先生とご相談いただいて、お決めくださいね。
3) アロマターゼ阻害薬のなかで、どの薬を一番に選ぶと良いのかは、まだ分かっておりません。それぞれ、開始してみて副作用などの状況により変更していく場合がございます。選択肢がいくつかあって、自由度がある、という感じでお考えになってくださいね。

以上、少しでもお役にたてましたら幸いです。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10769】  12年09月25日    A.I.
手術後の治療について迷っています

8/30に乳房全摘、同時再建手術を受けました。リンパ節も含め、転移はありませんでした。癌の診断結果は、以下の通りです。
浸潤性乳管癌、24mm x 10mm、Nuclear grade 3 / Histological grade III、ER
90%、Pgr 100% (ホルモン感受性乳癌)、Her2: (-) Score 1+、Ki-67: 10%、Luminal
A type
比較的おとなしい癌ではあるが悪性度が高い(grade3)ので、抗がん剤治療をする方が良いが、抗がん剤をするかどうか考えてと言われました(ホルモン療法は必須との事)。この数値で、ホルモン療法のみでいくのは難しいでしょうか。あるいは、抗がん剤も必須なのでしょうか。恐れ入りますが、ご意見をお伺いできれば幸いです。

ご相談どうもありがとうございます。グレード3であれば、主治医の先生のおっしゃる通り Luminal Aであっても抗がん剤をおこなう場合があります。しかし、基本的には Luminal Aで、しかもホルモン感受性が高い場合には、ホルモン治療で経過をみる先生の方が多くなってきていると思います。医師たちの間でも悩むポイントです。抗がん剤をおこなえば、再発が必ず防げるということではありませんから、副作用についても良くお聞きくださいね。主治医の先生と良く相談して、方針をご検討くださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10768】  12年09月22日    N.T.
アリミデックスについて

現在95歳の義母は、88歳のとき、大腿骨骨折時に、25年前の乳がんの転移と言われて手術をしましたが、リハビリを嫌がって立つ事を止め、その後7年間おむつをして、ベッドの上で生活しています。血圧の薬とアリミデックスのみで、在宅介護です。リモコンを使いこなし、隅々まで新聞を読んで、携帯も使います。五感、食欲問題なく、記憶力は、若い者でも驚きます。本当に癌ですか?

乳がんの場合長期間を経て再発が見つかるケースがまれにあります。私も乳がん手術後26年経ってから再発した方を拝見したことがあります。お義母様の大腿骨骨折が乳がんの再発であるか否かは、私が直接拝見したわけではありませんのでコメントできませんが、長期間を経て再発するケースは比較的進行の緩やかな癌である可能性が高く、さらにアリミデックスがよく効いているとすると、その後7年たった現在でもほぼ変わらず生活できている可能性は十分にあると考えます。(文責 谷)

 

No.10767】  12年09月22日    S 
ホルモン療法とUFT内服について

出産直前に乳癌が分かり、2ヶ月前(7月)に左乳房全摘手術を受けました。病理結果は、「乳頭腺管癌 ER:8(99%strong) PgR:7(80%strong) HER2:陰性 ki-67:4% グレード3 脈管浸潤あり リンパ節転移:3個中0個」ということで、術後よりノルバデックス内服を始めて2ヶ月になります。初めの主治医は、ノルバデックス内服のみの説明しかありませんでした。しかし、主治医変更に伴い、ゾラデックスも始めました。新しい主治医は、「増殖能は低いが、グレード3や脈管浸潤が強い事もあり、UFT(経口抗がん剤)を併用する方法もある」と、説明されました。CTやMRIで、遠隔転移はないものの、肝臓に血管腫、膵臓肥大、胃壁肥厚を言われました。半年程前から、みぞおちに痛みがありますが、原因不明です。37才で、四人の子供の子育て中です。できるだけQOLは下げたくないです。でも幼子の成長をまだまだ見たいです。必要なら併用も考えます。再発してから後悔するのは嫌です。私の状況からいって、UFT併用もしたほうが良いでしょうか? お忙しい中、申し訳ないです。ご意見聞かせて頂きたいです。

4人の子育てのなか乳癌治療を頑張っておられるとの由、とても大変なこととお察し申し上げます。貴女の場合、ホルモン感受性が強陽性であることから、ホルモン治療の効果が十分に期待できることや逆に抗がん治療があまり効果的でない可能性があること、またグレード3、脈管浸潤ありとはいえ、リンパ節転移もなくKi67が低値であり再発率がそれほど高値ではないこと、これらより、いまのノルバデックス+ゾラデックス治療のみで経過を見ることが現在では一般的であると思います。しかし、UFTをこれらに加えて使用することにより、さらにいくらかの再発率を下げる効果はあるかもしれませんので、選択肢の一つには挙げてもよいと考えます。個人的には副作用のリスクや経済的負担をさらに負ってUFTを追加することは、あまりお奨めいたしません。(文責 谷)

 

No.10766】  12年09月22日    J
出産することはできるんでしょうか?

去年10月に温存手術を受けました。抗がん剤治療と放射線治療も終わりました。今月になって生理がなく、妊娠したようなのですが、出産することはできるんでしょうか?

乳癌の最後の治療から3ヶ月以上経て、現在ホルモン剤の使用もなく無治療ということであれば、妊娠・出産は特に制限やリスクはありません。また妊娠・出産によって乳癌の再発の可能性が高くなることもないとされております。(文責 谷)

 

No.10765】  12年09月14日    ドラ
性行為中の出血

昨年2月に、乳がんの手術を受けました。リンパに転移していたため、全摘しました。抗がん剤の治療を終え、今はノルバディックスとリュープリンの治療をしています。昨年10月に、自分でしこりを見つけ、主人にしこりを触らせてから、パタリと無くなった性生活でしたが、体調も落ち着いてきたので、1年8ヶ月ぶりに・・・。痛みなどは無く、まぁ普通に終わったのですが、気づいたら出血が・・・。出血はその時だけで、終わってしまえば出ないのですが、何の出血なのか少し不安になり、質問させて頂こうと思いました。子宮がん検診は定期的に受けていて、異常はありません。きれいな赤い血で、少し水気が多いような気がします。どこから出ていて、何の出血なのでしょうか? また、性行為はしないほうがよいのでしょうか? ご意見、よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。お話だけでは、直接乳がんの治療と出血の因果関係は不明です。性交後の出血の原因は、膣炎やびらんやポリープや子宮頸がんなどの可能性がありますが、様々な原因の可能性があり何とも申し上げられません。婦人科を受診していただいて、原因を調べていただいた方が良いと思います。なかなか婦人科を受診することのハードルは高いかもしれませんが応援しています。(文責 高橋)

 

No.10764】  12年09月14日    K.M.
83歳の乳癌治療について

83才の母に、乳がん1.6センチが見つかりました。近くに乳腺外科がないため、外科だけの判断ですと、年齢、過去の胆嚢全摘、腰部脊柱管狭窄症の手術経験により、もうあきらめのような説明しかいただいておらず、本人も投げやりです。色々調べると、骨への転移等怖いことが情報として出ています。やはり放置し、死を待つことしかないのでしょうか。83才で進行は遅いにしても、これからどういうふうになっていくのでしょうか。少しでも何かよい方法のアドバイス、どうぞよろしくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。何もあきらめる必要はありません。他に転移がなければ早期がんですので、手術を含めてしっかりとした治療をご希望なさって良いと思います。抗がん剤治療をおこなうかどうか、内服ホルモン治療をおこなうか、放射線治療をおこなうか、手術方法はどうするか、など色々考えなければならないことはございますが、ベストな治療を相談して決めていけば良いと思います。御本人、御家族が治療方法を決めていくのです。満足なお返事が今の病院で得られないのであれば、他の病院に紹介していただくほうが良いと思います。以上、少しでもお役に立てましたら幸いです。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10763】  12年09月14日    M.K.
トリプルネガティブと抗がん剤治療(HPNo.10737-2)

HPNo.10737で、一度ご相談させていただいた際には、大変励みになりました。ありがとうございます。無事に温存手術が終わり、病理検査を元に、来週から治療が始まります。病理検査結果のあまりの悪さに絶望しています。年齢36才、左側乳ガン多発、ステージ1、腫瘍20_&13_、ER-、PgR+-(1ー10%陽性)、HER2-、Ki-67 85%、核異形3、リンパ管内に癌+、リンパ節転移なし、トリプルネガティブです。
1) 再発率と生存率を教えてください
2) 化学療法FEC100×6、TC×4、経口抗がん剤UFT 2年間の3つの提案がありましたが、何が一番生存率が高くなりますか? FECを勧められています。理由は、Kiの異常な高さの為です。その後は、放射線治療と内分泌治療になる予定です。FECについて、乳ガンの方のブログに、副作用が一番キツいのに効果があまりないと書いてあるのを見てしまい、混乱と絶望感でいっぱいです。

インターネットの情報が患者様を惑わせてしまいますね。少しでもお力になれましたら嬉しいです。
1) adjuvant!onlineで確認しましたところ、10年生存率64.1%、10年再発率46.8%でした。
2) 引き続きadjuvant!onlineで計算しました。それぞれの個々の治療での数値を出すのはとても難しいのですが、アンスラサイクリン系が含まれる治療では、10年生存率が76.7%まで改善し、アンスラサイクリンおよびタキサンが含まれる場合には77.6%まで改善するというデータがでました。経口抗がん剤は、M.K.さまの状況ではお勧めはできませんが、FECやTC療法であれば再発予防効果は大きな違いはないと考えます。

以上、御参考になりましたら幸いです。数字はあくまでも参考程度にお考えくださいませ。一番大切なことは主治医の先生と、納得出来るまでお話会いをしていただき、後悔しない治療をおこなっていただくことです。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10762-1】  12年09月08日    R
プロゲステロンクリーム

平成23年11月に左乳ガンになり、左乳房全摘手術を行いました。子宮けい部異形成と子宮筋腫があった為、その翌月12月に、子宮と卵巣の全摘出手術をしました。今年1月から抗がん剤FEC100を3週間毎4クール、ドセタキセル3週間毎4クール、放射線治療、25回終了、次は、ホルモン療法。フェマーラ服薬予定です。リンパ節転移9ケありました。ホルモン陽性ですが、更年期障害がいきなりきたようになり、本を読んで、天然プロゲステロンクリームが良いと知り、3回ほど使用してしまいました。そして、今日、婦人科の受診の際、先生にその話をしたところ、プロゲステロンも乳ガンには良くないかもと言われ、知らなかったとはいえ、折角辛い治療を乗り越えてきているのに、3回といえ、使ってしまい、どーしようかと悩んでいます。エストロゲンが私にはダメだというのは知っていましたが、本当に情けないです。よろしくお願いいたします。

天然プロゲステロンクリームの説明書では、通常プロゲステロンを15〜30r 摂取するように書かれていますので、1日30r 使用したとしても、3回で90r ですので、量が少なく、影響はないと考えて大丈夫です。継続的に使用するのはよくないと、おっしゃったのだと思います。文献的には、ホルモン補充療法を5年以上続けると、乳癌の発症リスクが2倍になるというデータがありますが、これは、統合型エストロゲン0.625r+酢酸メドロキシプロゲステロン2.5r を毎日内服するという内容です。従って、トータルの内服量は2.5×365日×5=4560r ということになります。あまり気にせず、前向きに頑張っていただければと願っています。(文責 須田)

 

No.10762-2】  12年10月01日    R
乳頭に白いニキビのようなものが出来ています

以前も投稿しましたRです。又、ご相談したいので、よろしくお願いします。相談室に同じ相談の投稿がありましたが、私も少し気になっているので、ご相談いたします。乳頭に白いニキビのようなものが出来ています。直径3ミリ位で、痛くも痒くもありません。触った感じは、少しプクッとしているような感じです。平成23年11月に左乳がんが分かり、左乳房を全摘、12月には子宮頚部異形成と筋腫があった為、乳がん治療にもなるのではと、両卵巣、子宮の全摘手術をしました。平成24年1月から抗がん剤治療を半年やり、その後、放射線治療25回終了、現在はフェマーラ服薬のみです。白いニキビのようなものに気がついたのは、放射線治療中の8月だったと思います。
投稿No.10777の方も同じ質問をされていましたが、炎症とは、再発の可能性もあるのでしょうか? 一応マンモを8月16日に撮りましたが、結果は、まだ知らされていません。10月30日にエコー検査、乳腺科は11月1日受診の予定です。よろしくお願いします。

白いニキビのようなものは、おそらく乳頭分泌物と皮脂、角質などが混ざったものが乳頭の乳管に詰まっているのだと思います。痛みなどがなければ、11月1日の受診の時にみてもらうとよいと思います。乳頭の周囲に炎症が起きている時は、その場所が赤く腫れて熱をもちます(触ると腫れぼったくて、熱い)。そういう兆候がなければ大丈夫です。炎症の兆候があるようなら、早目にみてもらいましょう。また炎症や、白いニキビのようなものと乳癌は、無関係の可能性が高いと思います。(文責 俵矢)

 

No.10762-3】  12年12月25日    R
肝臓に影

以前にも投稿致しましたRです。以前の投稿 No.10762 と No.10787 です。先日受けたマンモに異常所見なく、安心していたのですが、12月11日に受けた腹部エコーの検査結果についてご相談致したく、又、投稿しました。よろしくお願いします。本日12月20日に、12月11日に受けた腹部エコーと骨シンチの結果を聞きました。骨に異常はありませんでしたが、肝臓に影があるとのこと。大きさが13ミリで、造影剤を入れてのCT検査を来月2013年1月23日に受けることになりました。11月に受けた腫瘍マーカーは正常で、他の数値も問題ありませんでした。担当の先生曰く、「腹部のCTはまだ一度も撮っていないので、念のため撮っておきましょうと。」のことですが、自分としては、再発の可能性が強いと担当医から言われていたので、とても不安になりました。落胆しています。骨シンチで肝臓転移というのは分からないものなのでしょうか? また、影があるとのことですが、大きさ13ミリと判断出来るのは、影ではなく腫瘤ということなのでしょうか? 2011年11月に左乳房全摘、リンパ節廓清手術を行いました。ホルモン陽性、リンパ節転移9ヶあり。今年1月より抗がん剤半年、その後放射線25回終了、今は、フェマーラを服薬中です。子宮頚部に異形成もあったので、乳がん治療にもなると思い、2011年12月に両卵巣、子宮全摘手術も行っています。出来る治療は頑張っていますが、転移の可能性はあるのでしょうか? 殆ど愚痴のようになってしまい、相談室の先生方には申し訳ありません。

ご質問ありがとうございます。さて、「影」と「腫瘤」ということについてですが、特に使い分けをしているのではなく、定義もありません。はっきりと「しこり」として確認できれば、「腫瘤」という言葉を使いますし、「しこり」としては存在感が薄く、なんとも言えない時に「影」と言ったりします。また、「腫瘤」ではやや言葉が難しいので「影」と言ったりもします。ですから、10mmでは「影」、13mmで「腫瘤」などと区別するものではありません。次に、骨シンチと腹部エコーは、全く検査の目的も、見ているものも違います。骨シンチでは、肝臓の病変は写ってきません。今まで、出来うる治療を頑張ってきた矢先の事ですので、不安ですし、愚痴のひとつも・・ということだと思います。CTの結果まで、不安な年末年始ですね。何かあれば、またご相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.10762-4】  12年04月17日    R
エゾウコギ

以前も投稿致しました、Rと申します。以前のNo 10762-1、No 10762-2、 No 10762-3 です。肝臓に影があると相談致しましたが、結果は良性の血管腫でした。今は、フェマーラ服薬のみです。今回はサプリのことでご相談したく、よろしくお願いいたします。私は、エストロゲンもプロゲステロンも陽性の乳ガンです。先日、エゾウコギというサプリメントを購入致しましたが、朝鮮人参と同じような作用があるとのこと。飲まないほうが良いのでしょうか? 良く調べないで、癌に効くと聞いて購入してしまいました。よろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。乳癌の治療のみならず、癌の治療に関して、サプリメントほど怪しいものはありません。効果が実証されているものは何もありませんので、変に心酔しない方が宜しいと思います。特に、フェマーラと一緒に飲んで安全である・・などというデータは存在しませんので、全く勧められません。いわゆるビタミン剤としてビタミンCを摂るとか、カルシウムを摂るとかは別として、癌に効く、転移した癌が治る、医者から見放された癌が小さくなった、などと謳われているサプリメントはご自身の責任で飲まれるようにして下さい。(文責 鈴木)

 

No.10761】  12年09月08日    M 
乳がんと食事

牛肉や乳製品を少なく、少しの炭水化物で、ダイエットをしています。155cm、43kg、52才です。もう少し体重が欲しいと主医に言われていますが、肥満は、乳がんにはよくないのでは? 見た目も太るのはストレスになりそうです。

閉経後の女性では、肥満が乳癌のリスクを増加させるというデータはありますが、貴女の場合は、肥満には当てはまりません。体格指数が25以上であれば肥満と定義されており、計算式にのっとって計算すると、貴女の場合は、60s以上で肥満ということになります。体格指数22が標準体重ですので、貴女の標準体重は、52.8sになります。主治医は、健康のためにも、この標準体重に近づけなさいと、アドバイスなさっているのでしょう。あまり神経質になることはありませんが、健康でいるためには、やせ過ぎもまた問題になることがあります。(文責 須田)

 

No.10760】  12年09月08日     mina
ホルモン治療について

6月に、マンモグラフィーにより石灰化が見つかり、生検により、乳がんと診断されました。(触れるしこりや自覚症状は、全くありませんでした)7月末に、右胸全摘手術を行いました。
[病理の結果]
浸潤部分5ミリ、 ルミナールBタイプ、 KI67=40%、 ハーツー 1+、 ER 陽性90%、 PR 80〜90%

主治医からは、悪性度は高いが浸潤部分が小さいとのことで、ホルモン治療を勧められました。9月より、リュープリンとタスオミン(5年)を開始しましたが、副作用が心配です。出来ればホルモン治療もパスしたいのですが、無治療は不安でもあります。私のような場合、やはり治療しないと再発リスクは高くなるのでしょうか。ホルモン治療はやるべきでしょうか。

St.Gallenコンセンサス会議での乳癌のサブタイプ分類により推奨される治療法は、ルミナールBで、HERU陰性の場合は、ホルモン療法±化学療法となっています。更に、化学療法を併用するかどうかについては、ホルモン感受性、再発リスク、ご本人の意向により決定するとコメントされています。貴女の場合、ER90%、PGR80〜90% なので、再発リスクを避けるためにも、ホルモン療法はやるべきだと考えます。(文責 須田)

 

No.10759】  12年09月08日     I.S. 
胸筋間リンパ節

乳がんのリンパの事でお尋ね致します。脇のリンパの転移はなしでしたが、胸筋間リンパ節に2個の転移がありました。脇のリンパ節と比べて、再発のリスクはどちらが高いでしょうか? 教えて下さい。

胸筋間のリンパ節をRoHerのリンパ節と言いますが、乳癌が乳輪部を含めた上方の1/2部分に発生している場合に、このリンパ節への転移があることが多いようです。この場合、胸筋間リンパ節から鎖骨上下窩リンパ節へのリンパの流れがあると考え、鎖骨上下窩へのリンパ節領域への放射線照射を考慮するのも1つの選択肢です。主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.10758-1】  12年09月08日     Y 
しこりについて

左乳房に、しこりらしいものがあります。自己診断で、胸はよくチェックしていましたが、急に気づきました。これがしこりなのか、よくわかりません。筋上になっていて、筋上に沿って触るとあまり感じませんが、横から触るとコリっと感じます。触ると痛いです。初めは、指で軽く触る程度ならわからなくて、強く押さえて触るとわかる感じでしたが、気になって、ついつい触ってしまって、大きくなった気がします。これはしこりなのでしょうか? 2・3日で大きくなるものでしょうか? 今までチェックしていたけど、気づかなかっただけなのかもしれません。気づいたときは、指2本分ぐらいの長さがありました。乳がんの可能性はありますか? 今、どういう状態が考えられるか、教えてください。

直接診察しなければ何とも言えませんが、貴女が25歳以上であれば、乳がんの可能性がないとは言えません。癌でないことを確認し、不安を取り除くためにも、一度乳腺外来を受診することをお勧めします。(文責 須田)、

 

No.10758-2】  12年09月25日     Y 
しこりについて(2)

以前ご相談させて頂いたんですが、再度ご相談させていただきます。その後、乳腺外来を受診しました。触診で、これは癌ではないと思うけど調べてみましょうと言うことで、マンモグラフィーとエコーをしてもらいました。結果、何も映っておらず、乳腺の一部だと言われました。エコーでも念入りにみてもらったのですが、ほかの部分と変わりがないとの事でした。石灰化が何箇所かにあるけど、心配はないとの事でした。これがしこりと言われてはないのですが、良性のしこりと言うことなのでしょうか? 細胞検査はしてないのですが、その必要性はないのでしょうか? 触ってわかるしこりの癌でも、マンモグラフィーで映らないと言う事はないのでしょうか? ご意見をお聞かせください。よろしくお願いします。

乳腺外科で視触診、マンモグラフィー、エコーをした上で異常なしと言われたのであれば、まずガンの心配はないと考えます。乳腺そのものがしこりのように少し硬く触れただけかもしれません。ただどうしても心配が払拭できないならば、別の乳腺外科を受診なさってはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.10757】  12年09月07日     葉月
術後の痛み

昨年12月に自分でしこりを見つけ、乳腺クリニック受診。触診、エコー、マンモグラフィー、細い針での細胞診(無麻酔)をしました。結果がまだグレーであり、しこりが6mmと小さいこともあり、2月に局部麻酔で切除しました。病理検査の結果は、乳管内腺腫良性ということで治療は終わり、3ヵ月後に触診、エコーのフォローアップ。特に問題なく、11月にマンモ、エコーをする予定です。傷は4cmほどですが、今でも本当にたまにですが痛むことがあります。クリニックでは長期にわたって痛みが出ることがあると言われましたが、半年経っても痛むこともあるのでしょうか。強い持続する痛みではないですが、「ズキッ」とすることがあります。宜しくお願いします。

この痛みは、全く問題ありません。局所が赤く腫れるなどの症状がなければ、術後の痛みとしてお付き合い下さい。もともと敏感な場所ですので、仕方ない部分がございます。とくに雨降りとか、寒い日などは、痛みがあるように思います。また、永くにわたり感じることがあることもご理解下さい。(文責 鈴木) 

 

No.10756】  12年09月07日     W.T. 
抗がん剤と早期閉経、髄様がん

お世話になります。以下、長文ですみません。
34歳(出産未)、手術は乳房温存術+センチネルリンパ節生検(4個すべて転移なし)、断端陰性で終了しました。術後病理の結果、乳房温存浸潤がん、約2 cm(17×13mm+α)、髄様がん(リンパ球浸潤が認められる)、グレード3、トリプルネガティブ、Ki67は31%で、術前検査で遠隔転移もなしでした。現在、術後補助治療として抗癌剤(TC療法4クール)を勧められていますが、受けるかどうか悩んでいます。その主な理由は、今後の出産を切望しており、治療による閉経リスクが高い(例えばAC療法の場合、30〜40歳の閉経リスクは13〜30%)割に、そもそもガンは全身に散らばっているのか、また、トリプルネガティブで抗がん剤が効くかどうか不明であり、ベネフィットが低い点です。また、抗がん剤投与は、効果がなくても、その他のリスク(他のがんや白血病になるリスク)は少なからずともあるため、不必要な治療は選択したくないと思います。
私の診断された「髄様がん」について、乳がん全体の約1%程度で、症例は少ないですが、がん細胞、核が大きいため、グレード3に分類されるものの、乳管内で膜に包まれており、リンパ節転移もしにくいことから、術後治療を省略できるケースもあると見たのですが、私の場合、その「省略できるケース」には当たらないのでしょうか? 他の病院の先生なら、どのような治療方針を選択されるか、ご意見頂戴したく思います。
妊娠のことは主治医とよく相談し、退院後直ちに受精卵(受精胚)凍結の準備を進めさせていただき、受精卵凍結をすることができました(妊娠の確率は受精胚1個に対して20〜30%)。よって、保険としての保存はできたものの、閉経した場合の不妊治療はとても辛いことや、抗がん剤の効果がなかった場合、現在とても元気な卵巣に毒を与えてしまうことが本当にいいのかと葛藤があることから、必要があると納得した上での抗がん剤投与としたいと考えています。

ご自身の病気であるとはいえ、いろいろ調べられ、しっかりとした意見を持っておられることに感心いたします。また、この質問は、非常に回答が難しく、明確な答えが導き出せませんので、最終的には、ご本人が決めて下さい。
結論から言えば、化学療法をお勧めします。髄様がんとはいえ、トリプルネガティブで、Ki67も高く、再発のリスクが高い部類に入ります。治療を省略できる範疇ではないと考えます。
妊娠、出産に関しては、パートナーと良く相談して下さい。極端な話しをすれば、再発をしてしまい、命にかかわることになっても、パートナーからの一般的な意見とすれば、奥様が元気でいることの方が大事でしょうし、奥様からすれば、それより出産を切望する事の方が多いのでは・・という話です。お二人で話しあわれて、それでも出産を・・というのであれば、抗がん剤投与後の閉経という問題から、抗がん剤は行わないほうが良いでしょう。文献にもよりますが、AC4サイクルの無月経の発生率は55%という報告もございます。抗がん剤が効いた、効かないは、5年後、10年後の話しになります。この相談室にも再発をされて治療を受けていらっしゃる方がたくさん訪れますが、われわれも、彼女たちも再発乳がんの治療の方が、再発予防の治療に比べて、より大変で長期に及ぶことを認識しています。ですからこそ、再発予防の治療をしっかり行う・・という考えです。ひとりひとりの人生ですので、正解はないのかもしれませんが、よくお考えになり、納得のいく治療をお受け下さい。(文責 鈴木) 

 

No.10755】  12年09月07日     N
右脇下のつっぱり

この数日、右腕を上げた時に、筋が突っ張って痛みを感じます。今年は乳がん検診を受けてないので、近いうちに検診を受けようと思っていますが、どういう症状が考えられるでしょうか? 以前もこちらで相談させていただいたことがありますが、そのときは、やはり右乳房にシコリがあり、検査を受けたところ「良性でしょう」とのことで、自然に消えました。不定期ですが、右側に違和感を覚えることが多いので、乳腺の腫れとかが出やすいのかなとも思いますし、リンパ腺とか関係あるのかとも思います。ご回答、よろしくお願いいたします。(50歳)

脇の下のつっぱりに関してですが、恐らく、病的な意味は少ないと思います。女性ホルモンにより、乳腺が張ったり、しぼんだりしますので、それを痛み、突っ張り、違和感などの症状として感じることが多いようです。また、閉経期に入っており、女性ホルモンのアンバランスも一因かと思われます。一度、検査を受けて、この症状は問題無いんだな・・という認識を持たれたらいかがかなと存じます。(文責 鈴木) 

 

No.10754】  12年09月04日     S子
局所再発 手術 (HPNo.10745-3)

いつもありがとうございます。全摘を行って、もうそこに癌がないのに 温存した場合と遠隔転移のリスクが変わらないのはどうしてですか? 乳房内の再発なら命にかかわらないと聞いています。むしろ温存して再発する乳房があった方が、他への転移がないのでしょうか? よろしくお願いします。

どうしてなのでしょう? 私にも分かりません。分かっているのは、全摘を行なっても温存手術を行なっても生存率に差がないという事実だけです。またその臨床試験では、乳房温存した人が乳房内再発をした場合は乳房切除を行なっています。つまり、最初の手術で乳房切除を行なった場合と、最初の手術で乳房温存を行なった場合で生存率に差がないという事で、最後まで乳房温存だった人と乳房切除をした人を比べた訳ではありません。もし、温存した乳房にできたがんから転移が起きているなら、乳房温存して乳房内再発した人の生存率は低くなるはずですよね。そうでないというのが結論です。だからといって、貴女が考えるようなsituationが絶対に起きないとはいえません。そのことが心配であるなら乳房切除をお勧めします。(文責 清水)

 

No.10753】  12年09月03日    M.S.
放射線の後遺症について

7年前に温存手術をして、放射線治療をしました。副作用が酷いほうで、照射後4か月ほど、いろいろな症状が出ていました。術後から今日まで、手術した乳房や腋の下が時々痛くなっていたのですが、手術の後遺症だと思い我慢していました。(去年までの先生に一度聞いた時は、気圧の変化等で痛むことがあるということで、それで納得していました。) 今年になってから、痛みの回数や痛みのズキズキが強くなり、主治医も変わったので、また聞いたところ、「放射線の後遺症だよ」と、言われました。気が弱いので、そうですかと帰宅しましたが、どちらが原因なのでしょうか。放射線の後遺症だとしたら、これはずっと続くものなのか、また何年もたってから悪くなるということがあるのでしょうか。次回の診察は来年1月のため、教えていただければと思います。お忙しいなかとは思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。

7年前からの痛みのご様子・・痛みというのは個人差があり、なかなか他人には伝わりにくいので、つらいですよね。ただ、これは「放射線の後遺症」というより、「手術のため」と思われます。多くの方が、手術をした側の乳房から腋窩までの痛み、ちくちく、ずきずきした感じを言われます。もともと敏感な部分ですので、ある程度しょうがない部分があるかと思われます。上手に付き合うことが必要かもしれません。あまり痛いのであれば、必要時に痛み止めを使うくらいの対処しかないのが現状だと思われます。寒い日、雨降りの時などは痛むことが多いようですので、あまり冷やさないようにされてはいかがでしょうか? (文責 鈴木) 

 

No.10752】  12年09月01日    B
抗癌剤の使用

39才です。今年の6月6日に乳ガンの温存手術を受け、放射線治療を8月3日に終了しました。病理診断は、Invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma [pT2, f,ly(−),  v(−), Nuclear grade2(Nuclear atypia 2+Mitotic counts 2=4)] Lymph node:metastasis(−) (Sentinel LN:0/2) 腫瘍径約25×20o、乳頭線管癌、水平および垂直断片陰性 MIB−1標識率:約15%、 Her2タンパク(1+)、ER:陽性(Allred score=PS+IS=5+2=7)、
PgR:陽性(Allredscore=PS+IS=3+2=5) となっています。主治医の先生は、「抗エストロゲン剤とLHーRHアゴニスト製剤の治療でやりましょう。」と言われましたが、私のパターンでは、抗がん剤の治療は必要無いのでしょうか? 患者側の希望で抗がん剤を投与するパターンも有るみたいですが、主治医の先生からは、ホルモン療法のお話しか有りませんでした。ルミナールbでは抗がん剤を投与すると思ってたので、気になります。また、抗がん剤を投与した場合の上乗せ効果は、何%位有るのでしょうか? 先生方の所見を宜しくお願いいたします。

いろいろ調べていらっしゃるようで頭が下がります。まず、Ki67(MIB1標識率)が15%ということで、ルミナールAかBか・・ということですが、非常に微妙な数字で、先生の中でも意見の分かれるところかと思います。一般的に14%という数字が引き合いに出されますが、公的にKi67の扱いについてはまとまっていないのが現状です。個人的には、ホルモン療法(抗エストロゲン剤とLH-RHアゴニスト)の治療を行います。抗がん剤の上乗せ効果も数%と思われます。患者さんにとっては、数%でも・・と思うところですので、ここから先は、患者さんの希望も考慮し・・ということになります。明確な答えの出にくい部分ですので、曖昧な回答で失礼申し上げます。よくお考えになり、主治医とご相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.10751】  12年08月29日    S子
局所再発(HPNo.10745-2)

ご回答いただきありがとうございます。根治を目指して、だいぶ全摘という方向で決心がついてきました。もう少し質問させてください。
1) 3度目の再発を覚悟し、温存した場合、遠隔転移のリスクもたかくなるのでしょうか?
2) 乳管内にがんがある場合は、皮膚と乳腺が接近していても乳腺を取り除けばいいのでしょうか?

1) 乳房温存と乳房切除では、遠隔転移のリスクには差がないと考えられています。
2) やせている方で、皮下脂肪が少ない場合、乳腺と皮膚が近接するので、皮下乳腺全摘を行った場合に乳腺を切除しきれないリスクは、太った方の場合より高くなります。(文責 清水)

 

No.10750】  12年08月29日    K 
乳首のしこり

中2男子です。16ヶ月ほど前から、乳首あたりに少々硬いしこりができています。これは悪性なのでしょうか? どれくらいで、なくなるものなのでしょうか?

中学生の男子であれば、思春期女性化乳房症という現象で、声変わりや、ひげの生え始めと同じ思春期に見られる現象のひとつで、クラスに一人くらいの割合でいると言われています。通常は数ヶ月〜1年程度で自然に消腿します。長引くようなら、乳腺外科で診てもらってください。(文責 清水)

 

No.10749】  12年08月28日    T.S
乳がんの可能性が高いでしょうか?

鏡を見ていたら、乳首が少し変形している事に気付き、ネットで調べたら、乳がんの症状の1つだとありました。痛みや痒みはありません。出血や分泌物もありません。病院で診てもらおうと思っていますが、事前に何か少しでも分かればと相談させてもらいました。乳がんの可能性が高いでしょうか? 乳がん以外の病気の可能性もありますか? また、受診の場合、何科に行くべきでしょうか?

今までと違って見えているなら、乳がんが潜んでいる可能性は否定できません。もちろん他の病気の可能性もあります。乳腺外科、もしくは外科を受診する事をお勧めします。(文責 清水)

 

No.10748】  12年08月28日    G.K.  
オンコタイプDXについて

21歳です。オンコタイプDXを受けることの目的とメリット/デメリットが知りたいと思います。2012年6月、自己診断により左胸上部にしこりを発見。2012年7月、マンモグラフィ、病理組織検査(針生検)の結果、乳がんと診断。その後、乳房CT(単純+造影), 超音波(肝胆膵脾腎), 骨シンチグラフィー, 乳腺MR(両側 単純+造影)の結果、3.1〜5.0cm転移なしのステージIIAと診断されました。2012年8月入院、左胸全摘出手術(同時再建でエキスパンダー挿入)、ドレーン廃液50ml以下になる前に退院しました。

病理結果 : ステージIIA、腫瘍径(t) : 4.5x1.5x1.4cm (T2a)、がんの種類 : 浸潤がん (乳頭腺管がん)、切除断端 : 陰性(-) 取り残しなし、波及度 : f(脂肪)、リンパ管侵襲 : 陰性(-) ly0、静脈侵襲 : 陰性(-) v0、エストロゲンレセプター(ER) : 陽性(+) 90%、プロゲステロンレセプター(PgR) : 陽性(+) 99%、組織学的悪性度(核異型度) : グレード1、HER2/neu : 陰性(-)、MIB-1(Ki-67)細胞増殖能 : 15%、リンパ節転移(n) : 移転個数 0 / 切除リンパ節数 1

今後の予定:
転移も見られず、顔つきも良く、ER陽性であることから、今後の治療方針はホルモン療法を5年ほど行う(使用薬剤などの詳細な話は未実施)方向でほぼ決まっているが、年齢が若いことと、腫瘍径が大きいことから、方針を決定する前にオンコタイプDXでさらに詳細なデータを得るよう、主治医に勧められた。主治医の説明では、「ホルモン治療の薬剤は効きやすく、抗がん剤は効きにくいタイプだから、ホルモン療法のみで良いと考えているが、腫瘍径が大きいことだけが気になる。念のためオンコタイプDXを受けて裏付けをとって、大腕を振って治療に望みましょう。」とのこと。

質問詳細:
オンコタイプDXを受けることによって、再発リスクを考え、ホルモン療法の前に化学療法を取り入れるかの検討材料になることは理解しています。しかしながら、病理結果及び主治医の説明を聞く限り、化学療法が有効な治療法になりえないという解は出ているのではないかと疑問を抱いています。

・オンコタイプDXの結果が仮にハイリスクだった場合=(イコール)化学療法を取り入れるという選択になるのか。
・化学療法を取り入れたとして、どれほどの効果が期待できるものなのか。
・はたまた、病理結果から判断された「抗がん剤が効きにくい」という内容を、オンコタイプDXは覆す結果を出すことがあるのか。
・オンコタイプDXを受ける場合、結果が出るのが今から約3週間(手術の2ヶ月後)となり、その分治療開始が遅くなるが、そんなに間をあけても良いものなのか。

このあたりの疑問が消化できず、オンコタイプDXを受けた方が良いのか、受けなくても良いものなのか、判断できずにいます。費用対効果を考えたときに、受けなくても良いものであれば、すぐにでもホルモン療法を開始して、費用もその他の部分に注力したいと考えていますし、本人は病理結果が信用できるものであれば、化学療法は行いたくないから、どっちにしろオンコタイプDXは受けなくてもいいと希望しています。(アジュバント化学療法が40歳以下で効果がほとんどないという情報を目にしたことにも起因していると思います。) もちろん、少しでも再発リスクの軽減につながるのであれば取り入れたいですし、Adjuvant! Onlineの結果を参考にすると、ホルモン療法のみに比べ、化学療法併用で10年以内の再発リスクが10%も増えているので、もし、化学療法の効果が得られるなら、本人を説得してでも受けさせたいと考えています。知識不足の上、拙い文章力で大変申し訳ありませんが、アドバイスをいただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

オンコタイプDxの結果が仮にHigh Riskとでれば、化学療法を加えた方が再発率が低くなることが証明されています。その程度はscoreの高さに比例するので、一概には言えません。おっしゃる通り、ER,PRが強陽性で、Her2(-),Grade1,Ki-67 15%の結果から、オンコタイプDxを行なっても、low-riskもしくはintermediate riskと判定される可能性が高いと思われます。”大腕を振るう”ために行なう検査としては、やや高額すぎると思うのは、私だけでしょうか。治療効果と副作用のバランスを考えればホルモン療法が推奨されますが、貴女がどのような副作用にも耐える覚悟で、少しでも再発のriskを少なくしたいとお考えならば、化学療法を加えるという選択肢もあると思います。効果は大きくはありませんが、ゼロではありませんから。3週間程度の遅れは余り気にしなくてもよいと思います。それより納得のいく答えを出す事の方が重要だと思います。(文責 清水)

 

No.10747】  12年08月28日    T.M.
胸筋間リンパ節転移(HPNo.8341-3)

いつも相談室を拝見し、参考にさせていただいております。No.8341(2008/09)、No.8804(2009/04)で相談させていただいた者です。 その後、ゾラデックスを2年で終了し、ノルバデックスによるホルモン療法を継続しておりますが、2012年7月、右胸にしこりを自覚し、針生検を行なったところ、胸筋間リンパ節に転移を認めました。 PET-CT により、遠隔転移は認めませんでしたが、転移を認めた胸筋間リンパ節については、PETでは明確に転移とは判定できないレベルでした。

1) 細胞診で悪性と確定診断されたリンパ節が、PETではっきり写らないことは、よくあるのでしょうか。
2) グルコースの取り込みが低いということは、増殖速度が遅いと考えられるのでしょうか。また、悪性度との関連はあるのでしょうか。
3) 胸筋間リンパ節は切除予定ですが、その後の治療方針は、 ホルモン療法の可能性が高いようです。 再度病理診断をすると思いますが、前回と同じタイプであった場合、 先生であれば、どのように治療されますでしょうか。

お忙しいところ恐れ入りますが、 よろしくお願い致します。

1) 転移巣がPET検査で陽性にならない事は、あり得る事です。
2) 通常は、そのように考えます。
3) 最初の手術のときと同じように、ER,PRが陽性で、Her2(-),Grade2以下であれば、基本的にはホルモン療法が推奨されますが、まだ閉経前で、Tamoxifen内服中の再発であれば、化学療法も考慮しなければいけないと思います。(文責 清水)

 

No.10746】  12年08月28日    I.H.
腋下の腫れについて

再発についての質問です。よろしくお願いします。初発、左側温存手術をしました。TNBの為、T/C2クール(副作用の為中止)、FEC4クール、放射線治療をしました。その後、左腋リンパに一つ腫瘍ができ、摘出しました。放射線治療はできないといわれ 摘出後TS1、ジェムザールの抗がん剤のみをしましたが 効果がみられず、再度リンパに腫瘍ができ、現在腋下に3ヶ、肺に1ヶという状態です。現在はアブラキサンを受けていますが、最近腋の腫瘍が大きくなっているようで、腋下がはれてきており、すれると痛く、赤くなっています。今の状態は不快であり、より大きくなっていくのではないかと、また皮膚へ浸潤すると手当てが大変と聞きましたが、そのような可能性はありますか。不安に思っています。主治医は摘出手術はしないといっているのですが、このままの状態でおくしかないのでしょうか。今後のCT検査如何によっては、抗がん剤を変更していく予定です。

腋窩リンパ節転移が大きくなると、いろいろ障害がでてくるので、根治性はありませんが、局所の状態を改善する目的で手術を行なう場合もあります。主治医の先生とよく話し合ってください。(文責 清水)

 

No.10745-1】  12年08月28日    S子
局所再発 手術

4年前、右乳房部分切除しました。上部の体の内側よりで、かなり胸が薄くなっているところでした。ホルモン陽性、HER2陰性 核異形度1 断端陽性 しこりの大きさは2×1cm 傷の大きさは約5センチ、センチネルリンパ陰性(0/3)でした。放射線治療の後、ノルバディクスを毎日飲んでいます。皮膚に近い部分で、断端陽性 (がんから皮膚までの距離がなかったのだと思います)。ひと月前、局所再発と思われるしこり(1センチ程度 細胞診悪性)が、前回よりもさらに3センチくらい高い位置にできました。 ふくらみの全くないところです。右鎖骨の中央寄りの端っこからまっすぐ下に、6センチくらい下りたあたりです。乳首から離れているせいでしょうか(乳腺の端っこ?)、今回も部分切除でいいでしょうということです。皮膚は残すらしいのですが、前回皮膚に残っていたものが再発したのではと気になっています。こういう場合は、どのような手術になるのでしょうか? 皮膚を残すのか、取り除くのかが、とても気になっています。 (57歳、168センチ、60キロ)

乳房内再発が、前回取りきれなかった細胞から再発したのか、新しくできたがんなのかを区別する事は難しいことです。今回も手術創から3cm離れているという事で、どちらとも言えません。二度目のがんが同じ乳房内にできた場合の治療の原則は、術後に放射線治療ができず、三度目のがんができるリスクが高くなるので、乳房切除が推奨されます。三度目のリスクを覚悟できれば、部分切除も可能です。皮膚を切除するかどうかは、腫瘤が皮膚の近くにあるかどうかで決まります。(文責 清水)

 

No.10745-2】  12年08月29日    S子
局所再発 手術(2)

ご回答いただきありがとうございます。根治を目指して、だいぶ全摘という方向で決心がついてきました。もう少し質問させてください。
1) 3度目の再発を覚悟し、温存した場合、遠隔転移のリスクもたかくなるのでしょうか?
2) 乳管内にがんがある場合は、皮膚と乳腺が接近していても乳腺を取り除けばいいのでしょうか?

1) 乳房温存と乳房切除では、遠隔転移のリスクには差がないと考えられています。
2) やせている方で、皮下脂肪が少ない場合、乳腺と皮膚が近接するので、皮下乳腺全摘を行った場合に乳腺を切除しきれないリスクは、太った方の場合より高くなります。(文責 清水)

 

No.10745-3】  12年09月04日    S子
局所再発 手術(3)

いつもありがとうございます。全摘を行って、もうそこに癌がないのに 温存した場合と遠隔転移のリスクが変わらないのはどうしてですか? 乳房内の再発なら命にかかわらないと聞いています。むしろ温存して再発する乳房があった方が、他への転移がないのでしょうか? よろしくお願いします。

どうしてなのでしょう? 私にも分かりません。分かっているのは、全摘を行なっても温存手術を行なっても生存率に差がないという事実だけです。またその臨床試験では、乳房温存した人が乳房内再発をした場合は乳房切除を行なっています。つまり、最初の手術で乳房切除を行なった場合と、最初の手術で乳房温存を行なった場合で生存率に差がないという事で、最後まで乳房温存だった人と乳房切除をした人を比べた訳ではありません。もし、温存した乳房にできたがんから転移が起きているなら、乳房温存して乳房内再発した人の生存率は低くなるはずですよね。そうでないというのが結論です。だからといって、貴女が考えるようなsituationが絶対に起きないとはいえません。そのことが心配であるなら乳房切除をお勧めします。(文責 清水)

 

No.10744】  12年08月28日    A.Y.
トリプルネガティブの治療について(2)(HPNo.10719-2)

先日はとてもわかりやすいお答え、丁寧なアドバイス、本当にありがとうございました。お礼が遅くなりまして、誠に申し訳ございませんでした。大変申し訳ないのですが、追加で質問させてください。

[腫瘍径について]
メールをいただいた後、主治医にステージについて尋ねたところ、「腫瘍がはっきりしないので、なんともいえない。T1N1か、T2N1かわからないのですが、2bでしょうかね・・・」と、言われました。
1) 腫瘍がはっきりしないというのは、腫瘍がないということではないのでしょうか。もしくは、腫瘍がみつけられないという事ではないのでしょうか。
2) センチネルリンパ節生検で、転移が認められリンパ節郭清を行ったのですが、転移を認められるというのは、細胞レベルの話なのでしょうか。
3) セカンドオピニオンをおこなえば、もう少しはっきりした事がわかる可能性はありますか。

[セカンドオピニオンについて]
聖路加を考えていたのですが、術後の場合は「腫瘍内科」になるそうです。国立がんセンターでは、病理検査を行うセカンドオピニオンがあるようです。セカンドオピニオンで何を質問するかによっても違ってくると思うのですが、病院選びについて質問させてください。
1) 上記のステージの件を相談する場合でも、腫瘍内科で問題ないのでしょうか。
2) セカンドオピニオンで病理検査をおこなえば、腫瘍径やその他、あらたな発見の可能性はあるのでしょうか。
3) 乳がん手術数が多い病院(例えば、がん研ありあけ病院)のほうが、メリットがあると考えられますか。


[北海道大学のプレスリリースについて]
トリプルネガティブ乳がんで、下記のような人工癌ぺプチドワクチン療法で抗がん効果実証の記事をみつけました。
1) 難しくてよくわからなかったのですが、これはトリプルネガティブ乳がんの再発治療についてなのでしょうか。
2) このような治療は、どこの病院でも受けることができるのでしょうか。

以上、何度も申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。

腫瘍径について
1)Paget病のようだが、Paget病でなく、しこりの大きさがはっきりしないーこの状況を考えると、微小浸潤もしくは浸潤部があるPaget(浸潤部があるとPaget病とは呼ばないが)と考えられます。その場合は、浸潤部の大きさが腫瘍径に相当します。もう一度、主治医の先生に、「浸潤部の大きさはどのくらいだったのですか?」と、尋ねてはどうでしょう。それでも返答が曖昧なら、病理の2nd opinionをお勧めします。
2) センチネルリンパ節生検は、手術中に迅速病理診断という方法で、摘出したリンパ節の割面を病理の先生に顕微鏡で見てもらって転移の有無を判断します。ですから、貴女の表現では、細胞レベルの話しです。
3)通常の2nd opinionでは、同じ情報をもとに、手術等の治療法について主治医のお勧めとは違う治療法がないかどうかという目的で行なわれますが、貴女の場合、現状では、貴女と主治医の先生のコミュニケーションが良好とは思えません。一度資料を借りて、他の先生にもう一度、現在の状況、貴女の疑問について説明してもらうという2nd opinionもありかもしれません。

セカンドオピニオンについて
病理報告書、画像(MRI、エコー、MMG等)が借りられて、特に病理レポートに浸潤径(浸潤部の大きさ)の記載があれば、腫瘍内科の先生にもう一度説明してもらう2nd opinionが良いでしょうが、その記載がなければ、腫瘍内科の先生も浸潤部の大きさはわからないということになります。その場合は、病理標本を借りて、病理の2nd opinionという事になります。ですから、2nd opinionに行く前に、病理報告書を見せてもらう事が必要になり、もし、大きさの記載がなければ、もう一度、その病院の病理の先生に大きさを記載してもらうという方法もあります。2nd opinionと手術件数の多寡は関係なく、通いやすい病院、予約の取れる病院で良いのではないかと思います。

北海道大学のプレスリリースについて
これはトリプルネガティブ乳癌の治療法ではありません。治験の段階で、有効例の一例にトリプルネガティブ乳癌があったという話しです。この一例の事実から、全てのトリプルネガティブ乳癌に有効かどうかを判断するためには臨床試験を行なわなければいけないので、まだまだ長い時間が必要です。この研究は初期の研究段階の話しで、治療とは呼べません。治療と呼べるようになるには、まだまだ何年もかかる臨床試験を行なって、効果と副作用を見極めなければなりません。貴女のような手術後の治療に有効かどうかみるためには、治療開始して最低でも5年、場合によっては10年以上経たないと治療群が非治療群より再発が少なくなるという事を証明できません。遠い将来に期待が持てる治療法かもしれませんが、現在は使えません。(文責 清水)

 

No.10743】  12年08月28日    AYY
フェマーラとボナロン錠と抜歯について(HPNo.4438-4)

2010年10月HPNo.4438-3で、また、2009年2月にHPNo.4438-2でご相談させていただきました。その節はありがとうございました。その後、ボナロン錠を服用しながら、2009年7月からフェマーラの服用を続けています。2004年左全摘、2A, リンパ節転移
なし。現在56歳。骨密度は2012年7月現在、Tスコア マイナス3.5です。今日は、フェマーラと抜歯のことについてアドバイスをいただきたくご相談いたします。
術後から、歯科にて月1回のメンテナンスを受けていますが、歯根が割れている歯があり、なるべく抜歯しないように治療をしていただいていました。4月末から歯根の回りに炎症が起きており、先日歯科医の先生から抜歯を検討する時期にきているというお話がありました。歯科医の先生にはフェマーラとボナロンを服用していることをお伝えしており、抜歯のためにボナロンを休薬することが可能かどうか関係の先生に確認をして欲しいと言われています。フェマーラの副作用(骨粗鬆症)のためにボナロンを服用をしている訳ですが、ノルバデックス服用時も含めると、ボナロン服用は2007年からになります。抜歯のためにはボナロンを抜歯前3ヶ月休薬、抜歯後1ヶ月(?)休薬が望ましいとのことです。

1) ボナロンを休薬して、フェマーラを続けることは可能でしょうか? そのようにした場合、骨粗鬆症のリスクはどのようになりますか?
2) フェマーラとボナロンを休薬して、一定期間ののちに再開することは可能でしょうか?
3) この機会にフェマーラを中止するという選択肢もありますか?

アドバイスをよろしくお願いいたします。

1) ボナロンを休薬して、フェマーラを続けることは可能です。そのようにした場合の骨粗鬆症のリスクは、短期間の休薬ですから問題ありません。
2) フェマーラとボナロンを休薬して、一定期間ののちに再開することは可能です。一定期間というより、治療が終了すれば可能です。
3) 他の理由がなければ、この機会にフェマーラを中止するという選択肢はないと思います。(文責 清水)

 

No.10742】  12年08月28日    N 
職場復帰の時期について (HPNo.10735-2)

たびたびの質問ですみません。手術して退院後3日ほどで仕事(教員です)に行こうとしていますが、大丈夫でしょうか。主治医の先生は、退院して次の日でもOKといいます。次の放射線治療などが始まったら、また考えるのですが・・・。とりあえず仕事してもだいじょうぶでしょうか。

体調さえ良ければ問題ないと思います。放射線治療中も、時間の調整がつけば就労可能です。(文責 清水)

 

No.10741】  12年08月23日    H 
局所再発(HPNo.10729-2)

早速のご回答、ありがとうございます。質問の際、不明瞭な点を補足させていただきます。HER2は(1+)なのでFish法はしませんとの説明を受けました。脳の検査はしていませんが、胸部、腹部のCTと骨シンチでは、遠隔転移は認められませんとのことでした。ノルバデックスは、昨年の7月まで服用しました。しこりに気がついたのは、4月半ばくらいです。という事は、一年未満に再発となり、ノルバデックスではなく、他の薬を考えた方が良いのでしょうか?
あと、他にも気になる事が増えてしまいました。術後40日程経ちますが、傷口のところから未だにほんの少しではありますが、浸出液がにじみ出ています。術部そのものではないのですが、術側の乳房下半分がずっと痒いんです。もしかしたら、炎症性乳癌なのかなと、つい心配してしまいます。再びの質問で申し訳ないのですが、よろしくお願いします。

内分泌療法剤を選択する場合、年齢が55歳の場合、月経が停止していても卵巣機能がまだ停止していない場合もあるので、採血をして閉経状況を確認する必要があります。その結果、まだ完全に閉経していない状況であれば、使える薬はノルバデックスだけです。閉経していれば、アロマターゼ阻害剤(AI)も選択肢に入ってくるので、投薬中止後1年以内の再発ということであればAIの対象になると思います。私の意見は齋藤先生と少し異なり、ER,PRがともに1%でHer2(1+),Grade3ということになると化学療法をお勧めしたいと思います。とても判断の難しいケースです。傷口の浸出液、かゆみは炎症性乳がんの兆候とは思えません。心配せずに一度主治医の診察を受けて下さい。(文責 清水)

 

No.10740】  12年08月23日    T
粘液癌

左胸にしこりを発見し、すぐに乳腺外科を受診しました。エコー、マンモを受けた時点で、しこりの中身と形が気になるということで、MRIを受けました。その結果、しこり(しこりの真ん中は赤色でした)には血流があり、嚢胞ではないこと、そして、折れ線グラフのようなものを見せ、この上がり方が悪性を疑うということでした。粘液癌ではないか・・・と。多発性嚢胞なので、嚢胞が多数あるのですが、その中に、もうひとつ血流があるしこりがあるので、そこも針生検の必要があるとのことです。今日、両方のしこりの針生検です。そこでお聞きしたいのですが、これまでの検査で、ある程度悪性だと判断出来ているのでしょうか。先生に、「針生検をして良性でしたということもあるんですよね?」と聞くと、「あります。」というお返事ではありましたが、MRIを見ながらの説明は、「リンパにもいってないし、他に漏れている感じもないです。」と、さながら告知のようでした。乳がん治療を専門としている医師であれば、針生検の前に上記の検査結果で、だいたいわかりますか? それから、粘液癌であった場合、針生検による播種については大丈夫なのでしょうか? 質問が多くて申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

触診、MMG(マンモ)、超音波検査、MRI検査..どの画像検査も正診率は100%ではありません。概ね80%くらいでしょう。それでも80%の検査を3つ4つと行い、その全ての所見ががんを疑う所見であれば、90%以上の確率でがんであろうと考え、患者さんには、その時点で心の準備をしてもらうために、がんの可能性が高いとお話しします。それでも確定診断のためには針生検の診断が必要です。針生検による播種については影響ないと考えられています。播種を心配するより正確に診断することの方がはるかに重要です。(文責 清水)

 

No.10739】  12年08月23日    KA 
浸潤性乳管癌の手術について

49歳4カ月、KAです。左の乳房 浸潤性乳管癌と、生検の結果確定診断されました。
腫瘍の大きさ:エコー検査 20×16.3×12.9 MRI 12×10×11ミリ DCISではないと思います〈所見〉。 リンパ節その他の転移の所見が見当たらないとのことです。
全身骨シンチ、MRI造影剤胸部、レントゲン、CT造影剤胸部から腹部
TNM診断 ステージ  1から2A
HER2 陰性 ER 若干陽性 PGR 陰性 KI−67 なし
既往症 シェーングレン症候群〈膠原病の一つ〉

この診断のもとに手術、術後の補助療法(分子標的薬、化学療法、薬物療法)がおこなわれるようです。手術中センチネルリンパ節生検の迅速診断が行われて、その結果リンパ節温存か郭清がおこなわれると言う事です。しかし、持病の膠原病があると言う事で、全摘を勧められました。温存でも十分の条件が整ってはいるのですが、その後の放射線治療によって膠原病に影響が出るかわからないと言う事でした。これまで、この膠原病を患っている方の放射線治療に関するデーターもないという事で、できれば全摘が宜しいのではないかということです。もちろん温存の選択肢もあるわけですが、放射線治療が行えないとなると、再発のリスクを抱えてしまいますと言う事です。もちろん、その判断は私達に委ねられている訳ですが、判断がつきかねています。私達は当然温存手術が可能だろうと思っていましたので、大変難しく感じます。これらの所見に対して、この病院の判断は、どのようにお感じになられるでしょうか。それとも他に温存に至る別の治療法があるでしょうか。どうぞ宜しくお願い致します。

乳がんのことだけを考えれば、乳房温存で問題はありません。問題はシェーグレン症候群と放射線治療です。術式を決める前に放射線科の先生に相談されたらよいのではないでしょうか。それでもわからない場合で、乳房温存をご希望の場合は、今回は乳房温存を選択して放射線治療は行わず、万が一乳房内再発を起こした場合は、二回目の手術として乳房切除+乳房再建するという考え方もあると思います。(文責 清水)

 

No.10738】  12年08月21日    B
健側乳頭からの分泌物について

先月末に左胸全摘手術を終え、今週初めより、MCF化学療法6クール中1クール目開始しています(ステージ2a リンパ節転移1個) 。退院後、昨日初めて健側の自己検診をしてみたところ、 クリーム色の分泌物が乳首から出てきました。これは、健側にも既に転移等してしまっているのでしょうか? これから化学療法ホルモン療法を頑張ろうと思っていた矢先、心配でたまりません。乳頭からの分泌物について教えてください。よろしくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。手術が終わり、化学療法を開始したところですね。今までのことやこれからの治療などで、まだまだ不安が尽きないと拝察します。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。手術をしていない側の乳頭からの分泌物ですが、乳癌で分泌物がでることは少ないです。乳管内乳頭腫という乳管内にポリープが出来た場合は血液のような分泌物が出ることが多く、クリーム色のパターンは少ないと思います。また今回Bさんがお受けになる化学療法で分泌物がでる副作用も無さそうです。しかし大変ご心配であれば、やはり担当の先生に申し出て診察して頂くことが一番だと思います。これからも不安に感じることが多々あるかと思いますが、担当の先生とよくご相談して、ひとつずつ不安を解消して治療を進めていって頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10737-1】  12年08月20日    M.K. 
手の痺れと浮腫み

乳ガンの手術を控えていますが、二、三日前から、右手の痺れと腕の浮腫みを感じます。手先がピリピリする感じもあります。今まで、何も症状がなかったので、急激に悪化し、リンパに転移をしているように感じます。右足も、浮腫みを感じます。しこりの痛みも全くなかったのですが、2週間位前から痛みます。急激に悪化しているのでしょうか?

診断後におっしゃるような症状がみられることは時々あります。急激に悪化しているためということは、まずありませんので、安心して手術をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.10737-2】  12年09月14日    M.K. 
トリプルネガティブと抗がん剤治療

HPNo.10737で、一度ご相談させていただいた際には、大変励みになりました。ありがとうございます。無事に温存手術が終わり、病理検査を元に、来週から治療が始まります。病理検査結果のあまりの悪さに絶望しています。
年齢36際、左側乳ガン多発、ステージ1、腫瘍20_&13_、ER-、PgR+-(1ー10%陽性)、HER2-、Ki-67 85%、核異形3、リンパ管内に癌+、リンパ節転移なし、トリプルネガティブで
す。
1) 再発率と生存率を教えてください
2) 化学療法FEC100×6、TC×4、経口抗がん剤UFT 2年間の3つの提案がありましたが、何が一番生存率が高くなりますか? FECを勧められています。理由は、Kiの異常な高さの為です。その後は、放射線治療と内分泌治療になる予定です。FECについて、乳ガンの方のブログに、副作用が一番キツいのに効果があまりないと書いてあるのを見てしまい、混乱と絶望感でいっぱいです。

インターネットの情報が患者様を惑わせてしまいますね。少しでもお力になれましたら嬉しいです。
1) adjuvant!onlineで確認しましたところ、10年生存率64.1%、10年再発率46.8%でした。
2) 引き続きadjuvant!onlineで計算しました。それぞれの個々の治療での数値を出すのはとても難しいのですが、アンスラサイクリン系が含まれる治療では、10年生存率が76.7%まで改善し、アンスラサイクリンおよびタキサンが含まれる場合には77.6%まで改善するというデータがでました。経口抗がん剤は、M.K.さまの状況ではお勧めはできませんが、FECやTC療法であれば再発予防効果は大きな違いはないと考えます。

以上、御参考になりましたら幸いです。数字はあくまでも参考程度にお考えくださいませ。一番大切なことは、主治医の先生と、納得出来るまでお話会いをしていただき、後悔しない治療をおこなっていただくことです。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10736】  12年08月20日    H  
胸のしこり

初めてメールします。ここ4、5ヶ月くらいずっと悩んでいます。二年ほど前に、偶然お風呂で右胸にしこりを見つけて頭が真っ白になりました。乳ガンだと思い、一睡もできず、翌日病院でみてもらいました。良性のしこりと言われ、念のため針みたいなものを刺して細胞を調べたのですが、やはり良性と言うことなので、また定期的にみていきましょうと言うことになりました。その時の乳ガンかもしれないという恐怖心がなかなか消えず、今も胸を触り、しこりか骨かわからない物がある度に病院でみてもらうのですが、何にもないと言われます。その時は安心するのですが、また一週間または二週間くらいして、違う場所でしこりか骨かわからない物を見つけると、不安になります。一応左右全体的に超音波でみてもらっているので、そんな1、2週間でしこりができないと思うのですが・・・。私の母が二年前に乳ガンと宣告されたこともあり、敏感になっているのかもしれません。今、二週間前にみてもらったのですが、気になるしこりか骨かわからないものがあります。骨のような気もするのですが、大丈夫でしょうか。お願いします。

乳房のしこりは(よほど成長しなければ)動きますが、肋骨は動きません。2週間前の検査結果で大丈夫であれば、御安心下さい。(文責 加藤)

 

No.10735-1】  12年08月20日    N 
針生検

7月末に針生検をして、先日乳がんと診断を受けました。針生検のあと1週間ぐらいは何ともなかったのですが、次第に肩や胸が重苦しく、痛むこともあります。どうしてでしょうか

検査後(診断後)に、おっしゃるようないろいろな症状が出てくることは時々あります。癌が広がることによってではありませんので、御安心下さい。 (文責 加藤)

 

No.10735-2】  12年08月29日    N 
職場復帰の時期について

たびたびの質問ですみません。手術して退院後3日ほどで仕事(教員です)に行こうとしていますが、大丈夫でしょうか。主治医の先生は、退院して次の日でもOKといいます。次の放射線治療などが始まったら、また考えるのですが・・・。とりあえず仕事してもだいじょうぶでしょうか。

体調さえ良ければ問題ないと思います。放射線治療中も、時間の調整がつけば就労可能です。(文責 清水)

 

No.10734】  12年08月20日   A.S.
悪性との診断

7月中旬に左胸内上部にしこりを見つけ、30日に乳腺科を受診、触診で五分五分と言われ、マンモグラフィーとエコーの検査を受けました(検査後診察はなし)。お盆休みの帰省や病院の検査予約状況などで、次回細胞検査が8月20日、検査後の診察が9月3日と言われました。待ち時間の長さに不安になり、同日すぐに近所の健診センターに行き、再度マンモグラフィー・エコーを受けて診察、ほぼ悪性腫瘍と言われ、針生検をうけました。次回検査結果が出るまでに、手術する病院を決めるように言われ、帰宅。翌日しこりが急に固く大きくなり、パニック状態で、最初の乳腺科に連絡したが、担当医がいないと言われ、再度針生検した健診センターに行きました。「ただの内出血」と言われ、ほっとしたが、二日後、今度は腋がはれてきて、手もしびれています。内出血の影響で腋のリンパがはれているのか、生検の刺激で癌がリンパにいっているのか、とても怖くて眠れません。6日から帰省し、両親と姉に報告するつもりでしたが、そんな事をしている場合なのか、まずは入院や手術の日を1日でも早くした方がいいのかと悩んでいます。8月13日に検査結果が出ます。いくら乳がんとわかっていても、今はそれ待つしかないのでしょうか。今やるべき事がわからず、相談させていただきました。何かで見ましたが、針生検をした場合、2週間以内に手術をしたほうがよいのですか? 針生検で、こんなにも症状が出るものですか? (検査は局所麻酔をして、3回刺しました。) よろしくお願いいたします。

針生検後2週間以内にということはなく、あわてなくても大丈夫です。針生検の刺激でがん細胞がリンパへ行って腫れてくることもありませんので、御安心下さい(検査後にいろんな症状がでることがあります)。時間はありますので、治療が必要になった場合は、あわてずに治療先(医師)を探しましょう。(文責 加藤)

 

No.10733】  12年08月20日   E
腫瘍マーカーについて

お忙しい所、恐れ入ります。腫瘍マーカーについて、気になる点がありご相談させて頂きたいと思います。一年前に、乳がん手術をしました。 「腫瘍1.5cm、全体に石灰化、ホルモン+、ハーツー+、リンパ節転移なし、グレード2」です。全摘しましたが、断端陽性で、半年の抗がん剤治療と、放射線治療をし、今はホルモン治療をしております。今回初めて腫瘍マーカーをやりました。「CEA 2.2  NCC-ST-439 1.0  CA15-3 6.1  HER 2蛋白 13.2  HER 2蛋白判定 −」という結果だったのですが、ハーツー蛋白だけ、15.2の基準に近く、高めなのが気になります。がんの電話相談で、電話ではお答え出来ませんと言われ、余計不安を感じております。そこで質問なのですが、この数値だと、体にがん細胞が残っている可能性が高いのでしょうか? それとも、健康な人でも、これくらいの数値の人もいるのでしょうか? お忙しいとこら、申し訳ありませんが、アドバイスを頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。大変な治療が一通り終了して、ホルモン治療を行っているのですね。治療お疲れ様でした。さてご質問の腫瘍マーカーですが、この数値だけで、私たちは腫瘍が残っているとか、再発しているとかの判断はしません。ガイドラインでも腫瘍マーカーの定期的な測定は勧めていません。数値には個人差があり、再発などが無くても数値が高い方もいらっしゃいます。基準値はありますが、やはり個人差のある検査です。なかなか不安を無くすことは難しいとは思いますが、あまりお気になさらず、手術前の値と今後の値の経過を見て、再度ご担当の先生とご相談されることが良いのではないかと考えます。(文責 斎藤)

 

No.10732】  12年08月20日   R.T . 
70歳の母の乳がん(右胸・右腋かリンパ節転移あり)について

70歳の母の乳がん(右胸・右腋かリンパ節転移あり)についてお尋ねします。トリプルネガティブ・グレード3・ステージVCと診断され、術前化学療法でFECをしましたが、副作用が強く、途中で投与をやめて、右胸全摘+右リンパ節かく清しました。手術後2カ月で、MRI検査により、1か所骨転移が見つかりました。幸いまだ転移個所の痛みはありません。先生には、ゾメタ+ウィークリータキソールの治療を薦めていただきました。母は元々身体障害があるため、手足に痺れや痛みがでると、つかまり立ちが出来ず、生活が困難になります。そのため、タキサン系の抗がん剤の使用に不安を感じています。転移後の母の希望は、がんと共存しながら、自分でお手洗いに行ける生活を続けることです。術前化学療法では、投与10日目前後になると急に全身に力が入らなくなり、寝たきりになってしまいました。20日目頃からまた立てるようになりますが、投与の繰り返しで徐々に症状がひどくなりました。今は、訓練して、立ったり座ったりが出来るところまで戻ってきております。手足の痺れ以外にも、フルコースで体験してしまった強い副作用は、出来れば避けたいというのが、本人と家族の正直な気持ちです。

1) ウィークリータキソールは減量して、様子をみながらの投与を提案されています。8割減量で行った場合、副作用は大分出にくくなるのでしょうか。
2) タキサン系を選択しないということは出来ますか。その場合、次に考えられるのはジェムザール・ナベルビン・ハラヴェンなどでしょうか。他にもありますか。
3) 手足の副作用を考慮したい場合、経口の抗がん剤は使わないほうがよいでしょうか。
4) 右脇の下の手術跡のそばに、ゴルフボールくらいの、ぐりっとしたしこりがあります。大丈夫と言われたそうですが、母はとても気になるようです。体験談などでも、そういうものが出来たというお話を聞かないのですが、今後とることは出来るのでしょうか。大きさや柔らかさは変わっていませんし、痛みも熱を帯びていたりはしていません。

先日、乳がん市民フォーラムを初めて拝聴いたしました。これ以上の転移は抑えたいですが、母の生活も大事にしてあげたいと思います。知識不足で文章も拙く、申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。お母様に手術後すぐに骨転移が見つかってしまい、さぞご心配のことと思います。現在の医療では、乳癌の転移が見つかった場合は、癌を完全に治すことは非常に困難であると言われています。再発治療の目的は、現在のお母様の生活状態を保つこと(生活の質の維持)と延命です。したがって現在の症状の無い状態で副作用の強い治療を行い、そのために生活の質が落ちてしまっては再発治療の目的からずれてしまいます。タキソールを8割の量で投与した場合でも、回数を重ねることによって副作用はやはり出てきます。タキサン系以外と御提示頂いたお薬以外の抗がん剤には、点滴にはトポテシンがあり、内服にはゼローダやTS-1というお薬があります。この内服薬には手足症候群という副作用があり、それが起こる割合は、だいたい2〜6割と報告されています。右脇の下のしこりは、お話しからだけではわかりかねます。もし手術の傷跡に近いのであれば、脇のリンパ節をとった部位にたまっているお水かも知れません。超音波検査などでさらに詳しくわかる可能性があります。これからのお母様の治療については、再度ご担当の先生とご相談して、ご本人・ご家族の納得のいく治療をお受け頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10731】  12年08月20日   A . 
乳がんと診断されました

よろしくお願いいたします。44歳で、先月7月5日に初産で男の子を出産しました。12年前、胸のしこりを自分で見つけ、総合医療センターを受診しましたら、水のかたまりなので心配ないと言われました。それ以降も、しこりはずっとありましたが、年に一度の検診でも問題なしでしたし、水のかたまりと、安心しておりました。しかし、産後3日目に、助産師さんから左胸のしこりの検査を勧められ、乳腺外科の先生に診ていただきました。様々な検査の結果、悪性の乳ガンで、「エコー22mm、進行度2A。MR2が18mm、進行度 I。女性ホルモン受容体あり、 HER2玉白?なし」と、メモ書きをいただきました。
生まれたばかりの赤ちゃんがいるため、インターネットで調べる時間もなく、家族・親戚にも、ガンを患った人はおらず、先生の説明もほとんど理解できませんでした。初診から2ヵ月経つ今月末に手術を受ける予定です。手術の結果によっては、入院期間が、4日から14日かかるとのことでした。手術後は、放射線治療を平日の毎日5〜6週間受けるとのことです。おっぱいが出ると手術ができないとのことで、「カバサール錠1mg・1錠」を10日前に処方され、今、ガンがない右胸がパンパンに腫れ上がっています。担当のお医者様に、「産後すぐの、おっぱいがでる女性の手術は初めてなんです」と言われてから、どんどん不安が増していきました。「何か質問はありますか?」と聞かれましたが、何を聞いていいのかも分かりません。
一番の心配は、転移です。放射線治療よりも、抗がん剤治療の方が、転移の可能性が低いと、乳がん治療の本に書かれてありました。セカンドオピニオンを受けて、どんどん手術が遅れて、乳ガンが進行するのも怖いですし、素人ながらも、乳腺が張っているこの時期の乳ガンは、進行が早いのではないかと思います。転移の可能性が低い治療方針は、抗がん剤治療の方なのでしょうか。私のように、産後すぐの、お乳が張っている乳ガン患者が受診したらいい病院など、お尋ねしてもよろしいでしょうか。長くなり誠に申し訳ございません。

ご相談ありがとうございます。ご出産直後に乳癌と診断され、さぞご心配・ご不安のことと思います。私のお返事でご不安が少しでも減れば嬉しく思います。授乳期の乳癌手術は、非授乳期と同様に考えます。したがって温存手術ができれば温存手術後に放射線治療をお受け頂きます。また温存手術が難しいようでしたら、乳房切除術をお受け頂く事になります。授乳期乳癌を手術するときは、カバサール等で乳汁分泌を止めた後に手術を行うことが一般的です。術後の治療は温存手術の場合は放射線治療がセットだと思って下さい。この放射線治療以外に、切除した乳癌の大きさ、リンパ節転移の有無、ホルモン受容体とHER2蛋白の程度、腫瘍の活発度、等を顕微鏡でよく調べた結果、抗がん剤の治療やホルモン治療を選択していきます。乳腺専門の医師の受診をご希望の場合は、http://www.jbcs.gr.jp/ninteii/senmoni.htmlよりお住まいのお近くの病院をお調べ頂くのがひとつの方法です。(受診前にお電話で確認することをお勧め致します)。一刻も早く治療を受けたいというお気持ちはよく分かりますが、ご自身の病気のことをきちんと理解頂いてから治療をお受け頂く事を、私は強くお勧めします。そのためにはセカンドオピニオンをお受け頂くのも、ひとつの方法です。(文責 斎藤)

 

No.10730-1】  12年08月20日   N.T. . 
マンモトーム

はじめてメールします。57歳の母が、先日、乳がんの診断を受けました。以前より石灰化があると指摘を受け、定期的な健診を受けていましたが、最近になり石灰化の形が変わってきた様子で、主治医にマンモトームを受けるように言われ、その結果、悪性の診断が出ました。幸いにも、乳管内にとどまっている状態でしたが、ほかの病院で再度診察を受けると、「そんなに小さな石灰化なら、マンモトームはしないで経過観察をして、ある程度大きくなってから手術をした方がよかった。マンモトームをすることで、わざとがん細胞をまき散らしている。」と、言われてしまいました。その先生に、「硬い石の中にがん細胞が閉じ込められていたのに、検査をすることで、粉々に飛び散ってしまった。飛び散ったがん細胞は、すぐに血流にのって流れる。」と言われ、ものすごい不安を抱いています。8月末に手術予定ですが、マンモトームによって、がん細胞が広がることはあるのでしょうか? 素人の質問ですみません。よろしくおねがいします。

ご相談ありがとうございます。お母様が乳癌と診断され、ご家族として多くの不安をお抱えのことと思います。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。ご質問にありました針を刺す検査で癌がまき散らされる可能性ですが、理論的に100%おこらないとは言えません。しかし癌細胞が血流にのって流れた場合でも、他の臓器に生着(腰を降ろして成長する)する可能性はとても低いと考えられています。またマンモトーム検査で癌細胞がまき散らされるということが証明されている場合は、この検査が一般的になることはありません。私はN.T.さんのお話しを伺い、マンモトーム検査で乳管内にとどまっている状態の癌(非浸潤がん:ひしんじゅんがん)が発見されて良かったと考えます。きちんとした手術と術後治療をお受け頂ければ根治可能な乳がんだからです。(文責 斎藤)

 

No.10730-2】  12年10月10日   N.T. . 
術後の治療について

先日は、ご丁寧なお返事ありがとうございました。母は、20日に無事に手術を受け、術後1週間という短い期間で無事に退院することができました。術後の説明に疑問があり、再度質問させてください。手術に関し、センチネルリンパを摘出し、病理検査にかける、また、摘出したものの断端面に多くのがん組織があれば、再手術と言われました。そこで質問ですが、

1) センチネルリンパに転移があるかないかの判断は、迅速病理ではわからないのでしょうか?
2) また、断端面にがん細胞が残っていた場合、再手術をしないで、放射線で治療はできないのでしょうか?
3) 主治医には、術後の放射線は急がなくてもいい状態と言われたそうですが、(来年でもいい)そんなに期間を空けていいものなのか心配です。

回答のほど、よろしくお願いします。

1) 術中迅速病理診断はあくまでも「迅速診断」で、標本を凍らして、薄い切片を作成して顕微鏡で見て、転移がないかを調べます。術後には標本をホルマリンで固定した後に、手術中に見ていない面も含めて細かく見直します。ですので、手術中には見つからなかった小さな転移が見つかることもあります。
2) 手術で切除した断端にがんが露出していた場合には、がんが残ってしまっている可能性があります。ごく少量の非浸潤がんであれば、追加切除せずに放射線治療で経過観察という選択もありますが、断端に浸潤がんが露出している場合や、非浸潤がんでも量が多い場合には、再手術で追加切除を考慮するのが一般的です。
3) 乳房温存術後の乳房照射の時期については、乳癌学会の診療ガイドラインによれば、「20週を超えないことが望ましい」とのことですが、明確に断言できるだけの根拠はありません。可能であれば早めに開始するのがよいですが、途中で長期に治療を休むことも治療効果に影響を与えるとの考えもあり、現実的には、それぞれの患者さんの病状、施設の現状に合わせて、治療計画を立てていくことになると思います。(文責 浜口)

 

No.10730-3】  12年12月12日   N.T. . 
放射線治療の不安 

前回は、丁寧な回答、ありがとうございました。再度質問させていただきます。母が8月に初期の状態(非浸潤がんと言われていた)で手術を行いましたが、病理の結果、小葉がんで、断端にも取り残しがある状態でした。先生からは、「再手術はしないで、放射線を、取り残し部位中心に、1週多くかけましょう。」と、言われたみたいです。そこで質問ですが、断端が陽性でも再手術をせずに、放射線でたたけるものなのでしょうか? 素人の考えでは、再手術をして、断端を陰性にしてから放射線をかけた方がいいのではないか?と思います。母は、「先生が言うから大丈夫でしょ?」と話しています。ネットで調べていくと、断端が陰性か、陽性かでは、10年後の再発率もかなり差が出てきて、家族としては心配です。小葉ガンは、たちが悪く、反対側にも転移しやすいと、書かれており、今後の経過にも不安があります。ホルモンレセプターなどの詳しい病理結果はまだ出ていません。分かりずらい文章ですが、回答よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。最初のご質問の時にお返事させて頂きました担当者です。お母様の手術が終わられたのですね。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。小葉がんで切除断端に癌細胞がある状態ですね。この場合の治療方針ですが、切除断端の癌の状態で判断することが一般的です。以下のお返事は私の場合ですが、例えば切除断端の癌が浸潤がんで非常に量が多い状態であれば、再手術をお勧めしています。また反対に非浸潤がんで極少量であれば、再手術ではなく放射線治療で治療を行う場合があります。しかし放射線治療の場合は、残っている可能性のあるがんが死滅したかどうかを確認する方法はありません。気持ちの上ですっきりするためには再手術かもしれませんが、再手術をお受けになり負担を感じるのはお母様です。ご担当の先生から断端の癌の状態をよくお聞き頂き、その結果をお母様とご相談されるのがよいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10729-1】  12年08月20日   H  . 
局所再発

現在55歳、6年前に温存手術をしました。断端、センチネル共に陽性でしたが、追加切除やリンパ郭清の追加はなく、放射線25回と追加の5回照射。ER[--〕 PR〔+〕 大きさは2p、HER2は(−) グレード2でした。2年のリュプリンと5年のノルバデックスは終了しました。最後の生理は昨年の9月でした。服薬終了後、一年経った今年の春、自分でしこりを発見。切開生検の結果、術中に癌が確定したので、十分な余白をつけて切除しました(乳房切除ではなく温存)と、主治医から説明を受けました。病理の結果は、断端(−) ER,PR共に1%、グレ-ド3、HER2は(+)との事でした。今回の治療も、ノルバデックスから始めて、閉経を確認してから薬を変更しますと、説明がありました。本などで調べてみると、局所再発はエビデンスがないけれども、一般的に局所再発したら全摘、グレード3だったら化学療法、とありました。「今の私の治療法で大丈夫なのだろうか? 局所的な皮膚転移や遠隔転移を招きやすいのではないどろうか?」等と、心配しています。よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。初回乳癌術後6年経過して、局所再発を手術で切除したところですね。多くの心配をお持ちのことと推察致します。遠隔転移についての検査を行っているかがわかりませんが、遠隔転移はなく閉経前の状態と仮定して、お返事させて頂きます。温存術後の乳房内再発に対して再度の乳房温存術は、生存率には差はないと報告されています。再発腫瘍が1つで小さく、また切除後の美容性が保たれる場合などに限り、再度温存術をする時は十分に注意をして行いましょうというのが一般的です。次に再発後の治療についてお返事申し上げます。文中のHER2(+)という結果が、1+なのかHER2陽性(3+)という意味なのかで、少し治療選択が変わってきます。HER2陽性で抗HER2療法が可能であれば、ホルモン治療に抗HER2療法を併用する治療法が選択肢のひとつになります。HER2+でも抗HER2療法が使えない場合は、ホルモン治療のみもひとつの選択肢です。再発時期が以前内服していたノルバデックス終了後から12か月以上経過しているのであれば、再度リュープリンとノルバデックスの併用を考えてもよいと思います。しかし再発が12か月以内の場合は、以前のホルモン治療に抵抗力のある癌と考えて、以前のホルモン療法薬以外を選択する方がよいかと思います。現在他臓器転移はないことから積極的に化学療法薬をお勧めするよりは、異なるホルモン治療薬を使用することを私であればお勧めすると思います。ご自身でお調べになり、疑問に思ったことを、再度ご担当の先生とご相談頂き、納得のいく治療をお受け頂く事をお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10729-2】  12年08月23日   H  . 
局所再発(2)

早速のご回答、ありがとうございます。質問の際、不明瞭な点を補足させていただきます。HER2は(1+)なのでFish法はしませんとの説明を受けました。脳の検査はしていませんが、胸部、腹部のCTと骨シンチでは、遠隔転移は認められませんとのことでした。ノルバデックスは、昨年の7月まで服用しました。しこりに気がついたのは、4月半ばくらいです。という事は、一年未満に再発となり、ノルバデックスではなく、他の薬を考えた方が良いのでしょうか?
あと、他にも気になる事が増えてしまいました。術後40日程経ちますが、傷口のところから未だにほんの少しではありますが、浸出液がにじみ出ています。術部そのものではないのですが、術側の乳房下半分がずっと痒いんです。もしかしたら、炎症性乳癌なのかなと、つい心配してしまいます。再びの質問で申し訳ないのですが、よろしくお願いします。

内分泌療法剤を選択する場合、年齢が55歳の場合、月経が停止していても卵巣機能がまだ停止していない場合もあるので、採血をして閉経状況を確認する必要があります。その結果、まだ完全に閉経していない状況であれば、使える薬はノルバデックスだけです。閉経していれば、アロマターゼ阻害剤(AI)も選択肢に入ってくるので、投薬中止後1年以内の再発ということであればAIの対象になると思います。私の意見は齋藤先生と少し異なり、ER,PRがともに1%でHer2(1+),Grade3ということになると化学療法をお勧めしたいと思います。とても判断の難しいケースです。傷口の浸出液、かゆみは炎症性乳がんの兆候とは思えません。心配せずに一度主治医の診察を受けて下さい。(文責 清水)

 

No.10728】  12年08月20日   S.I. . 
乳がんの全摘手術を受けました

現在76歳の高齢ですが、今年3月上旬に、乳がんの摘出手術を受けました。ドクターより、全摘にすれば放射線は免れると言われて、全摘を選びました。二週間で予定通り退院できましたが、病理結果が出るのに一ヶ月余りかかりました。結果は、グレード1、脇のリンパには転移は無し、シコリの大きさは3.8と3.1でした。ホルモン感受性は90%で、ハーツはマイナスです。
1) 現在ホルモンのみ(フェマーラ)を飲んでおります。年令から考えて、抗がん剤はカットになったのでしょうか? 
2) 再発のリスク等教えて下さい。担当医は若く、経験が浅いようで、質問するのも気を使います。
3) 脇のリンパは陰性と言われましたが、胸のところに2個の転移と言われ、意味が飲み込めません。詳しく教えてくだされば幸いに思います。尚、胸の転移は取り除いております。

以上、宜しくお願い致します。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。S.I.さんから教えて頂いたがんの状態であれば、現在は化学療法は施行せずにホルモン治療のみが標準治療と考えられています。再発のリスクですが、以前アクセスできていたホームページへアクセスが出来なくなってしまい、計算出来ませんでした。申し訳ありませんが、再発リスクについてはお返事出来かねます。最後のご質問ですが、「胸のところに2個の転移」という表現が私にも理解できませんでした。せっかくご質問頂きましたのにご納得頂けるようなお返事が出来ず申し訳なく思います。ご担当の先生がお若いとのことですが、選択されている治療はしっかりされていると感じました。ご担当の先生とは、これからも長いおつきあいになると思いますので、遠慮せずに積極的に質問して不安や疑問を解消して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10727】  12年08月15日   N.T. 
肝多発転移

いつも参考にさせていただいております。母の乳がんについて質問させてください。母は7年前に右乳がん、全摘手術を受け、術後に抗がん剤CEFの後、ホルモン療法アリミデックスを服用。その服用中、4年半後に右鎖骨下リンパ節に転移、抗がん剤FECの治療中、半年後には肝多発転移がみつかりました。その後、タキソール→ラジオ波で消失→わずか2カ月で肝転移増大→ジェムザール・タキソール→アバスチン・タキソール→ナベルビン と治療を続けてきました。しかし、なかなか肝臓の腫瘍は小さくも減ってもくれず、先月末に行ったCTの結果では、肝臓のほとんどに小さなものが散らばっているようでした。大きいものは3センチくらい。腫瘍マーカーも180から300とはねあがり、肝機能もあがってきているとのことでした。

1) 今の母の状態で、先生でしたらどのような治療をすすめますか?
2) 抗がん剤を続けないという選択は、危険でしょうか? 母の状態ですと、すぐに肝臓が機能しなくなってしまいますか?

まとまらない文章で申し訳ありません。宜しくお願いします。

1) 他の抗がん剤(タキソテール、ゼローダ、ハラヴェン、トポテシンなど)またはホルモン療法を考慮します。
2) 抗がん剤はただ続ければよいというものではありません。休薬したり、量を減らしたりすることも重要です。治療を続けるかどうか、お母様、担当医とよく相談されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)
 

 

No.10726】  12年08月15日   T 
プラセンタ

4年半前に温存手術を受け、現在リュープリンを1か月に一度打っています。副作用で更年期症状が出ているので、軽減させるために、プラセンタはどうかなと考えているのですが、乳がん患者には悪影響があるのでしょうか? たまたま腰痛で行ったペインクリニック(整形、内科もある)にポスターが貼ってあり、ヒトの胎盤からのもので、保険がきく、今まで全世界で何千万人も受けているが、何か病気が移ったという報告は一例もないという説明は受けました。よろしくお願いいたします。更年期の症状は、ふわふわした感じと、汗、肩こり、頭痛などで、現在は漢方を飲んでいますが、まだはっきりした効果はわかりません。プロポリスも最近飲んでいます。

プラセンタの影響は明確にされていないと思います。術後4年半経過しているのでしたら、治療の継続についてご相談されてみてもよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.10725】  12年08月15日    H 
抗癌剤の変更のタイミング

再発してから1年です。ゼローダ、エンドキサンに効果があったのですが、四ヶ月ほどで、またマーカーが右肩上がりになってきました。 CEAが10.4、CA-15-3が90です。皮膚転移している箇所に病変があったので、マーカーが上がりだしたようです。 一ヶ月後の血液検査とCTの結果で、病変があれば、薬剤の変更も考えなければいけません。 ナルベリン、ジェムザールが候補ですが、ゼローダの同じTS-1は試してみる価値はないでしょうか。 できれば点滴は後のほうにしておきたいのですが・・・ 。タイミングとして、マーカーが右肩上がりであれば、早々に変更したほうがいいでしょうか。

マーカーの結果で早々に変更しなくてもよいと思います。TS-1を試してみてもよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.10724】  12年08月15日    YM
放射線治療

乳がんで放射線治療後4日目ですが、[1.乳首から汁がでる    2.オシッコの出が悪い]のですが、対処方法等ありませんか。教えてください。

メールの内容からだけでは何ともいえませんので、すみませんが担当医にご確認ください(2は直接的な影響はないように思います)。(文責 加藤)

 

No.10723】  12年08月15日   M.M. 
術後の治療について

7月初めに、温存手術を受け(57歳)、先日病理報告書を見ました。センチネルリンパ節内(−)アポクリん癌、ly(−)v(−) intraductal component(++) グレード1 、ER5% PgR2% HER2(0)切除断片陰性。腫瘍径 28mm×8mm 浸潤部 約5mmと書いてあります。今後の治療方針は、放射線25回、アロマターゼ阻害剤 5年と言われました。

1) 浸潤部5mmとは、何ですか? 腫瘍径と浸潤部とは、どちらが予後因子に関係するのでしょうか?
2) 手術前の生検では、ER−、PgR−で、トリプルネガティブなので、抗がん剤の適用になると言われましたが、術後の病理検査では、ER、PgRとも数パーセントになりました。このようにわずかでもホルモン剤適応なのでしょうか? 主治医には、浸潤部が5mmなので、抗がん剤までする必要はないと言われています。
3) 乳がんの型としては、わずかでもホルモン感受性があれば、私の場合、ルミナルAになるのでしょうか?

よろしくお願い致します。 

1) 乳管外の成分5oであったということです。浸潤部が影響します。
2) 受容体の発現率が低い場合、適応に関しては主治医の考え方によるところが大きいでしょう。ホルモン療法を行わないという選択肢もあります。
3) 針生検、術後の結果を考慮するとルミナルAとはいえないと思います。(文責 加藤)

 

No.10722】  12年08月15日   O 
今後の治療について

右乳房に浸潤性粘液がん(サイズ17mm,リンパ節転移なし、ER(+)、 PgR(+)、HER2(+)、組織学的異型度:グレード1、MIB-1:23%)があり、術前化学療法(アブラキサン3w毎を4サイクル+ハーセプチン毎週13回)、今年3月に乳房温存術+センチネルリンパ節生検(組織学的効果判定:Grade:2b、pT1:<1mm、センチネル生検:陰性 (0/5))を受けました。術後、FEC を3wごとに4サイクル受けました。今後、ハーセプチン、放射線、ホルモン治療が予定されています。

1) 術後のハーセプチンは3w毎に17回(約1年間)を予定しています。つまり、術前1w13回(約3ヶ月)+術後3w17回(約1年間)となります。ネットなどの情報をみると、術前に実施した約3ヶ月間と合わせて1年間とする、つまり術後は3w12回(約9ヶ月)とするケースが多いように感じます。どちらが一般的なのでしょうか?
2) ハーセプチン投与と放射線治療は併用すると言われています。併用することに弊害はないでしょうか?

よろしくお願いします。

1) 合わせて一年間が一般的だと思います。
2) まだ長期的な影響は明らかにされていません。(文責 加藤)

 

No.10721】  12年08月14日   C 
乳頭からの茶色い分泌物

1月に乳頭からの茶色い分泌物の件で相談させて頂きました。病院では乳管の膨張だろうと言われ(乳汁細胞診・マンモ・エコー)、治療も薬も必要無いとの事だったので、ほったらかしにしていましたが、先日何となく搾ってみたら、まだ茶色い分泌物が出ています。1月の診察の時、乳汁細胞診では、ほとんど茶色い分泌物が出ませんでした。量は、搾ったら一滴程出て(ティッシュに1〜2ミリ付く程度)、その日は一日出なかったり、で、次の日にもまた一滴程出て…の繰り返しです。恥ずかしながら、5年以上授乳しておりまして、断乳して8ヶ月程経ちます。乳汁細胞診をするにも、少量しか出ませんが、少量でも検査できるのでしょうか? それから、茶色い分泌物は、ずっと出続けても大丈夫なのでしょうか?

授乳期の乳頭分泌は、時として出血がらみのこともあり、マンモ・エコーの検査が見え難い時期でもあることから、経過観察を指示されることが有るかも知れません。しかし、いつでも同じ一つの孔からの茶色い分泌は、乳管内乳頭腫等の病変のことがあり、検査は必要でしょう。分泌量が少なくても、エコーで所見が得られることもあり、乳腺外来受診をお勧めします。(文責 久保内)
 

No.10720】  12年08月13日   R  
ホルモン治療について

3月からノルバディックスの服用を始めて約半年です。ハーセプチンのため、3週間に一度通院しています。4月と7月に血液検査をし、閉経かどうかを確認してきました。4月は、閉経とは言えないけど卵巣の機能が低下していると言われました。そして7月の血液検査の結果から判断して、今回からアリミデックスに変えることになりました。年齢は42歳です。AC→タキソールで昨年9月を最後に無月経です。主治医の先生も判断が難しいご様子でした。また、担当医の先生は、アリミデックスのほうが効果があるが、もし生理がもどったらノルバディックスに戻せばいいとおっしゃいました。このような経緯でアリミデックスに変更したのですが、時期尚早だったのではないかと心配になり、質問させていただきたいと思いました。

1) 42歳で抗がん剤での無月経から閉経する場合は、どのくらいの割合であるのでしょうか。また、私の場合、閉経と判断していいのでしょうか。ちなみに主治医の先生からも聞かれたのですが、更年期障害のような症状は自覚していません。
2) アリミデックスを服用したために、卵巣が刺激されてホルモン分泌が活性化される可能性は高いのでしょうか。
3) もし生理がもどった場合は、再発の確率が上がるのでしょうか。(これが一番こわい心配です) そして、その時は、ノルバディックスに加えてLH−RHアゴニスト製剤もということになるのでしょうか。また、そのように治療薬を変えていると、再発予防の効果が下がるということはないのですか。
4) このような心配を主治医の先生に話し、3週間ごとに血液検査をしてホルモンの状態を確認していただくことをお願いすることは可能でしょうか。

なかなか難しい問題です。アリミデックス(を含めたAI剤)とノルバデックスについては、投与変更のタイミングは様々な考え方があると思います。ノルバデックスは発売以来30年以上経過しており、ホルモン依存(エストロゲン受容体陽性)乳癌に対して、過去には卵巣(副腎や下垂体まで)摘出していたのが、この薬のおかげでしなくなりました。そればかりか、閉経後の患者さんにも、エストロゲン受容体陽性なら効果が有り、良く効くAI剤の開発まで20年余りはこれが使われていました。アリミデックス(を含めた第3世代のAI剤)が開発されると、ノルバデックスより少しだけ(だけども統計学的には有意に)効くことがわかってきました。ですから、現在では「閉経後の内分泌療法はAI剤」がスタンダードです。でも骨粗鬆症をはじめAI剤での副作用で困っておられる場合は、かなりの高齢者でもノルバデックスを使うことが良くあります。また小生の経験では、ノルバデックスを3年間飲んでおられた52歳の方が、もう2年も生理が来ないのでAI剤に替えたいと言われて変更したところ、3か月後に生理が始まり慌てて元に戻した経験があります。真の閉経かどうかは、婦人科の先生と相談して診断してもらうことが良く、下垂体のLHやFSHといったホルモンが非常に高くなっていることが必要だと思います。

1) 42歳で自然閉経する方も稀には居るので、一概には言えません。通常は50代前半での閉経が多いという一般論で言って、42歳で化学療法施行後に必ずしも閉経になるとは言えないと思います。
2) 3) ノルバデックス→アリミデックスにして生理が来ても、アリミデックスが無駄だっただけで、ノルバデックスの治療を中断(例えばノルバデックスによる子宮内膜増殖症が発生して、婦人科医から内服を中断させられることが有りますが、そのようなことと同じと考えてください)したことと変わりが有りません。
4) 3週間に1度は、健康保険が通るかどうか心配です。どのような項目の検査をどのくらいの頻度で行うかは、乳腺外科医より婦人科医の方が専門だと思います。(文責 久保内)

 

No.10719-1】  12年08月13日   A.Y. 
トリプルネガティブの治療について

お世話になっております。1969年生まれの42歳です。さっそくですが、下記に経緯と質問を記載させていただきます。
右乳首が膿んでいたため、1年以上皮膚科に受診、治らないかったため、クリニック(川崎)を受診。その間、2回、人間ドックでマンモや超音波を行いましたが、なにも指摘されませんでした。クリニックでの生検の結果(2月初旬)、悪性だったため、病院(横浜)を紹介され、現在治療中です。2/23 (右)全摘手術、リンパ節切除  2/28 退院。化学療法として、EC療法*4(4週毎)→終了、タキソール*4(3週毎)→残り3回です。今後(化学療法終了後)、CTで胸とおなかの検査を行い、以降、3か月に一度の通院で、状況確認を行い。検査は半年に一度程度で行う予定です。

腫瘍らしきものはみあたらず、当初はパジェット病での手術(乳首切除のみ)を予定していました。ところが、手術前日、主治医から、カンファレンスでMRIの先生からパジェットではない可能性を指摘され(右胸に影がある)、センチネルリンパ節生検で転移が認められた場合には、全摘するといわれました。病理検査(予定された日ではわからず、さらに3週間以上またされました)は、以下のとおりです。
・パジェット病ではなかった
・乳がん ステージ2(しこりは、はっきりしない)
・右胸の影はがんではなかった
・トリプルネガティブ乳がん(HER2陰性)であることが判明
 
質問
1) 病理検査では、しこりがはっきりしないとの事でしたが、しこりのない乳がんというのが、今一つわかりません。勉強会やネット、本で調べても探す事ができませんでした。乳首の真下にしこりがあると気付かないのでしょうか。しこりがない乳がんについて、どのような可能性があるか、ご説明いただければ幸いです。
2) リンパに転移していても温存手術で行う話を聞きますが、私の場合、しこりがはっきりしなかったのに全摘でした。どのような理由が考えられるのでしょうか。
3) しこりがなくてもリンパに転移していた場合、ステージは2Bになるのでしょうか。(主治医からはステージ2としか言われておりません)
4) トリプルネガティブの標準的治療は、化学療法だけでしょうか? その他の治療があれば、どのようなもので、どこで受けられるか、お示しいただければ幸いです。(主人が親をがんで亡くしており、さらなる治療を求めるべく病院めぐりを強く望んています。) 現在の病院では、化学療法で終了との事です。
5) 化学療法終了後の検査が終わってから、セカンドオピニオンを行いたいと思っておりますが、可能でしょうか。すでに治療が終わっているのですが、対応していただけるか不安です。
 
以上、長文で申し訳ございません。お忙しい中恐縮ですが、ご連絡お待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

狭義の乳頭部Paget病は、「乳頭に発生する乳癌で、乳頭部の難治性の湿疹様症状で発症する。」のですが、乳管内進展を来して乳房に広く病変が及んでいることが多く、治療は乳房切除(全摘)になることが多いようです。あなたの場合、「乳腺内に乳癌があり、マンモグラフィや超音波検査で発見しにくいものが、精査でMRIを施行してやっと診断に至り、その乳癌の進展様式が乳管内進展から乳頭部に及んで、Paget病のような症状が最初だった」と考えられます。狭義のPaget病は非浸潤癌であることがほとんどで、すなわち全身転移の可能性は少ないけれど、乳房切除(全摘)は免れないことが多いのですが、あなたの場合は、通常の浸潤性乳管癌のtriple negativeタイプのものと考えられます。局所療法(手術や放射線)は病変の範囲に応じて行われ、全身療法(化学療法や内分泌療法)はサブタイプ(triple negative等)や増殖能(核グレード・Ki67等)や腫瘍浸潤径やリンパ節転移度等で決まって来ます。

1) 触診で「しこり」の無い乳癌で、マンモグラフィや超音波で発見される浸潤癌は有ります。マンモ・超音波のどちらかでしか判らない乳癌も存在します。極めて稀には、マンモ・超音波で判明せずMRIやPEMで診断される乳癌もあり得ます。「しこり」の無い乳癌に共通した特徴は無く、それぞれの癌の精査で治療法その他が決定されます。
2) 乳房温存療法が適応になるのは、腫瘍径3cm以下で、術後に放射線治療が受けられる方で、温存療法で乳房部の病変が取りきれる方に限ります。情報が少なくて判断に困りますが、乳房切除(全摘)でなければ病変が取り切れなかったからだと思います。
3) T2N1またはT3N0がStageUBです。あなたの場合は、T2N1と考えられ、浸潤癌の腫瘍径が2cm〜5cmのものだったと考えられます。
4) Triple negativeタイプに対しては、全身治療は化学療法だけです。内分泌治療もハーセプチン治療も効きませんし、それ以外に有効な治療法は有りません。
5) セカンドオピニオンは、いつどのタイミングでも可能だと思います。(場合によっては治療の途中でも構わないと思います)(文責 久保内)

 

No.10719-2】  12年08月28日   A.Y. 
トリプルネガティブの治療について(2)

先日はとてもわかりやすいお答え、丁寧なアドバイス、本当にありがとうございました。お礼が遅くなりまして、誠に申し訳ございませんでした。大変申し訳ないのですが、追加で質問させてください。

[腫瘍径について]
メールをいただいた後、主治医にステージについて尋ねたところ、「腫瘍がはっきりしないので、なんともいえない。T1N1か、T2N1かわからないのですが、2bでしょうかね・・・」と、言われました。
1) 腫瘍がはっきりしないというのは、腫瘍がないということではないのでしょうか。もしくは、腫瘍がみつけられないという事ではないのでしょうか。
2) センチネルリンパ節生検で、転移が認められリンパ節郭清を行ったのですが、転移を認められるというのは、細胞レベルの話なのでしょうか。
3) セカンドオピニオンをおこなえば、もう少しはっきりした事がわかる可能性はありますか。

[セカンドオピニオンについて]
聖路加を考えていたのですが、術後の場合は「腫瘍内科」になるそうです。国立がんセンターでは、病理検査を行うセカンドオピニオンがあるようです。セカンドオピニオンで何を質問するかによっても違ってくると思うのですが、病院選びについて質問させてください。
1) 上記のステージの件を相談する場合でも、腫瘍内科で問題ないのでしょうか。
2) セカンドオピニオンで病理検査をおこなえば、腫瘍径やその他、あらたな発見の可能性はあるのでしょうか。
3) 乳がん手術数が多い病院(例えば、がん研ありあけ病院)のほうが、メリットがあると考えられますか。


[北海道大学のプレスリリースについて]
トリプルネガティブ乳がんで、下記のような人工癌ぺプチドワクチン療法で抗がん効果実証の記事をみつけました。
1) 難しくてよくわからなかったのですが、これはトリプルネガティブ乳がんの再発治療についてなのでしょうか。
2) このような治療は、どこの病院でも受けることができるのでしょうか。

以上、何度も申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。

腫瘍径について
1)Paget病のようだが、Paget病でなく、しこりの大きさがはっきりしないーこの状況を考えると、微小浸潤もしくは浸潤部があるPaget(浸潤部があるとPaget病とは呼ばないが)と考えられます。その場合は、浸潤部の大きさが腫瘍径に相当します。もう一度、主治医の先生に、「浸潤部の大きさはどのくらいだったのですか?」と、尋ねてはどうでしょう。それでも返答が曖昧なら、病理の2nd opinionをお勧めします。
2) センチネルリンパ節生検は、手術中に迅速病理診断という方法で、摘出したリンパ節の割面を病理の先生に顕微鏡で見てもらって転移の有無を判断します。ですから、貴女の表現では、細胞レベルの話しです。
3)通常の2nd opinionでは、同じ情報をもとに、手術等の治療法について主治医のお勧めとは違う治療法がないかどうかという目的で行なわれますが、貴女の場合、現状では、貴女と主治医の先生のコミュニケーションが良好とは思えません。一度資料を借りて、他の先生にもう一度、現在の状況、貴女の疑問について説明してもらうという2nd opinionもありかもしれません。

セカンドオピニオンについて
病理報告書、画像(MRI、エコー、MMG等)が借りられて、特に病理レポートに浸潤径(浸潤部の大きさ)の記載があれば、腫瘍内科の先生にもう一度説明してもらう2nd opinionが良いでしょうが、その記載がなければ、腫瘍内科の先生も浸潤部の大きさはわからないということになります。その場合は、病理標本を借りて、病理の2nd opinionという事になります。ですから、2nd opinionに行く前に、病理報告書を見せてもらう事が必要になり、もし、大きさの記載がなければ、もう一度、その病院の病理の先生に大きさを記載してもらうという方法もあります。2nd opinionと手術件数の多寡は関係なく、通いやすい病院、予約の取れる病院で良いのではないかと思います。

北海道大学のプレスリリースについて
これはトリプルネガティブ乳癌の治療法ではありません。治験の段階で、有効例の一例にトリプルネガティブ乳癌があったという話しです。この一例の事実から、全てのトリプルネガティブ乳癌に有効かどうかを判断するためには臨床試験を行なわなければいけないので、まだまだ長い時間が必要です。この研究は初期の研究段階の話しで、治療とは呼べません。治療と呼べるようになるには、まだまだ何年もかかる臨床試験を行なって、効果と副作用を見極めなければなりません。貴女のような手術後の治療に有効かどうかみるためには、治療開始して最低でも5年、場合によっては10年以上経たないと治療群が非治療群より再発が少なくなるという事を証明できません。遠い将来に期待が持てる治療法かもしれませんが、現在は使えません。(文責 清水)

 

No.10718-1】  12年07月30日   L 
乳輪にがん

初めて相談させていただきます。47歳、20代から8才まで4人の子供がいます。3年前に左胸の乳首の真下にしこりが見つかり、日帰りで切除しました。検査の結果、しこりは5ミリで良性とのことで、その後、半年ごとにマンモ、エコーの検査を受けていましたが、昨年9月に、次は1年後にということで何事もなく安心しておりました。今年に入って左胸の乳輪の周りにかゆみがあり、寒い時期だったため乾燥かな?と思い、保湿などをして様子をみていましたが、乳輪が盛り上がり、乳首とおなじ高さになり、硬くなってきました。心配になったので、定期検査をしていた病院で3月に検査したところ、しこりもないし、皮膚科ではないかと言われ、ステロイドをもらって帰りました。薬を塗っても良くならず、2回違う皮膚科を受診して薬を変えましたが、変わらず、6月にまた以前の乳腺科に受診しました。「パジェットということもあるかもしれないので、組織を採って検査しましょう。」ということで、その場で、針ではなく麻酔後にメスで組織を切り取りました。一週間後、浸潤がんで、しこりは1.5センチ、パジェットではないと告知されました。紹介状を書いてもらい、がんの専門病院にて9月初めに全摘の予定です。
そこでお聞きしたいのですが、

1) 1.5センチのしこりは、昨年9月にはもうあったのに見つからなかったということでしょうか? または3年前のしこりが悪性だったということもあるのでしょうか?
2) 乳輪の盛り上がりは皮膚浸潤ということになるのでしょうか?
3) 現在の主治医にステージを聞いた所、「1いや2です。早期ではないです。」と、言われました。「しこりは1.5センチですが、広がりは5センチです。」とも言われました。きちんとした結果は切除してからでないと分からないと言われましたが、広がり5センチというのは、かなり進行しているということでしょうか?

手術までまだ時間があり、目に見える乳輪の盛り上がりが全部がんだと思うと気持ちも焦り、色々な疑問も出てきます。まとまりのない質問で申し訳ないですが、よろしくお願いします。

1)超音波等の画像検査を見ないとそれはわかりません。3年前とは、別のモノと思いますが、これもコメントできるものではありません。
2)皮膚のすぐ下に乳腺があることが、乳輪と他の場所との違いですから、乳輪のすぐ下の乳腺にできた癌が原因で、皮膚がむくんだりすることもあるかもしれません。詳しい病理結果を主治医に聞きましょう。
3)「広がり」と言う表現は、乳管内進展ということとイコールで医師は使用します。乳管内進展(乳管の内だけをがんが進む)のが非浸潤がんで、乳管を破れば浸潤がんです。しこりは、ほぼ浸潤がんと考え1.5cm、その外に非浸潤がんとして5cmの乳管内進展があるということだと思われます。病気の進み具合は、浸潤がんの大きさなので、広がりが5cmあっても進んでいるわけではありません。但し、取らなければいけない範囲は、当然広くなるわけです。焦りは、禁物です。(文責 緒方)

 

No.10718-2】  12年11月11日   L 
骨転移治療

前回NO.10718で相談させていただきました。その節はありがとうございました。今回また相談したい事があり、よろしくお願いします。その後、9月初めに無事全摘術も終わり、病理の結果、11月1日から抗がん剤治療を開始しようという矢先に多発性骨転移が見つかりました。あまりに早い転移発覚に驚いております。病理結果は次の通りです。
しこり3.5p、リンパ節に1/13、ly:3+、v:−、ER.PgR共に強陽性、HER2マイナス、Ki-67:54.2%、グレード2
コメント:: 乳腺組織から皮膚組織にかけて特殊な像を呈する癌の浸潤を認めます。DCと思われる像もみられ、原発は乳腺と考えたいが、稀な形態を示している。

「リンパ管侵襲やリンパ節転移、Ki67も高いので、再発率も高いでしょう。」と言う事で、抗がん剤を頑張ろうと言う時に、術後すぐの骨盤の痛みが気になり、安心の為にお願いしたMRIで腫瘍がみつかりました。骨シンチ、PETCTで、腸骨、背骨、骨盤、股関節に、それぞれ1p程のものがある事が分かりました。術前の骨シンチにはありませんでした。転移で間違いないでしょうと言う事で、治療を開始するにあたり、もう治癒目的ではなく、延命の為の治療になると告げられました。抗がん剤でいくか、ホルモン療法からいくか、主治医と共に悩みました。がん専門病院ですが、それでも術後2ヶ月での転移はあまり経験がなく、内臓に転移してなかった事を幸いと思い、まずはホルモン療法で様子を見るべきか、最初から抗がん剤で強く叩いていくべきかを迷っています。主治医からは、何の薬物も使ってないので、何が効くかはやってみないと分からないから、まずはホルモン療法でもいいと思うが、あまりに不安が強ければ抗がん剤でもいいと言われました。無治療の今が、いちばん不安です。ホルモンが効く気がしますが、Ki67が高めも気になります。先生方でしたら、どのような治療を考えますか? 教えて頂きたく投稿しました。よろしくお願いします。

全く主治医の先生と同じように説明すると思います。ER、PgRともに強陽性で、かつ、Ki67=54.2%、グレード2ですから、ホルモン療法の方が効くとか、抗がん剤の方が効くとかではなく、ホルモン療法、抗がん剤をうまく使うことが重要に思えます。骨転移は主治医の先生が仰るように内臓転移ではなく、今のところ生命の危険が迫っているわけではありませんので、ホルモン療法から始めます。Lさんが心配されているように、術後2か月での転移は確かに抗がん剤治療を考えたくなるポイントではありますが、ホルモン療法から始めたうえで早い段階で効果判定をします。その結果急激に悪化しているようであれば、抗がん剤へと切り替えます。(文責 大西)

 

No.10717】  12年07月30日   C
マンモグラフィとマンモトームでの被曝

2年程前に、授乳中に、マンモグラフィとマンモトームを受けました。授乳中でも大丈夫と言われ検査を受けましたが、今になり、被曝したおっぱいを子供に飲ませてしまったのではと不安になりました。マンモトームを受けたということは、被曝したということでしょうか? そして、そのまま授乳したということは、やはり子供に影響があるのでしょうか? 当時は無知で何も気にせず授乳してしまいましたが、原発事故以降子供への放射能の影響が心配になり、検査したことを悔やんでいます。回答どうぞよろしくお願い致します。

全く問題ありません。考えすぎです。(文責 緒方)

 

No.10716】  12年07月30日   Y  
手術跡の皮膚(HPNo.10627-4)

いつも丁寧なご回答を、ありがとうございます。5月に受けた5mmの腫瘍の摘出跡(1cm程度の縫った跡)なのですが、以前より赤みが増したような気がいたします。皮膚に転移した場合の初期症状は、どんなものなのでしょうか?

皮膚に転移して、多い症状は、硬めのコリッとしたしこりが皮膚の下、皮一枚下に触れたり、皮膚の表面に赤く触れたり、です。ただし、肥厚性瘢痕と言って、縫った後の皮膚がケロイドのように赤く硬く盛り上がる体質の人もいます。怖がらず、主治医に聞きましょう。(文責 緒方)

 

No.10715-1】  12年07月30日   KK 
肺転移について

10年くらい前に1度相談させていただき その節は丁寧なお返事ありがとうございました。今回10年ぶりの2度目の相談です。よろしくお願いします。
2001年12月左乳房温存手術を受けました。腫瘍3.5センチ リンパ転移なし ホルモン陽性 放射線25回。術後1回だけ抗がん剤を受けましたが、副作用が酷く(急性出血性大腸炎になり緊急入院20日間)、その1回だけで止めました。半年後、左卵巣腫瘍がみつかり、良性でしたが、乳がんの為両卵巣摘出し、その後6年間アリミデックスを服用しました。その後半年から〜1年置きに定期検診を受けていましたが、今年の3月、10年検診で腫瘍マーカーCEA上昇を指摘されました。胃カメラ・大腸カメラ・脳のCTはクリアしましたが、6月末PETCTを受け、7月初め、肺転移を告知(左8ミリ 右3ミリ)されました。多発なので、乳がんからの肺転移との診断で、アリミデックス1か月分処方されました。告知直後は、11年目の転移なので 晴天の霹靂! ショックではありましたが、自覚症状もなく、わりと冷静でした。でも10日くらい前から、左胸痛や息苦しさ(料理中や暑い時特に酷く、つわりのような気持悪さ)を感じるようになり、心身共にステージW末期患者を実感しています。乳腺外科クリニック受診は8月初旬の予定でしたが、1週間前、夫と共に受診して、自覚症状が出てきたので 「 ピンポイント照射を受けたいので 癌センターを紹介してください!」と、お願いしましたが、「転移癌は照射しても意味がないので、今は必要ない。」と、断られました。次回の診察時に、胸部CTをリクエストしようと思っていますが・・・。私の主治医は、長年大学病院で多くの患者さんを診ておられ、とても優しくて信頼できるのですが、5年前に乳腺外科クリニックを開業されました。そこには入院やCT設備がなく、転移癌患者となった私には心細く、近いうちに転院を考えています。

そこで質問なのですが
1) 乳がんからの肺転移癌は、ピンポイント照射は適切ではないのですか?
2) 告知された途端、自覚症状の出た私ですが (主治医は、気のせいと言われ、デパスと睡眠薬処方されました)、たった半月くらいで胸水が貯まる事はありますか?( PETCTで、胸水貯留は判りますか?)
3) 肺転移癌患者は、やはり入院説備の整った大きな病院で診てもらうべきでしょうか? 今後抗がん剤治療になった時、10年前のトラウマで外来通院は心配です。

1)肺の転移は、血行性転移とされ、血液の中を腫瘍細胞が巡って、肺にたどり着いて育ったものです。ピンポイントで肺の転移腫瘍を治療しても、その他に出てくることがあり、モグラ叩きに終わります。残念ながら適応にはなりません。
2)普通は、ありません。PETーCTは、CTですので、胸水は写ります。
3)ホルモン治療が効けば、すぐに入院設備の整った大きな病院で診てもらう必要はないと思います。待ち時間等、今の主治医の先生の方がメリットがあることも多いと思います。(文責 緒方)

 

No.10715-2】  13年04月17日   KK 
肺転移について(2)

前回HPNo.10715で回答いただき、ありがとうございました。いつも他の相談も読ませもらい、参考にさせていただいています。またご質問させていただきたく、宜しくお願いいたします。
その後、昨年10月、癌センターにセカンドオピニオンに行きましたが、主治医の意見とそう変わらなかったので、転院せず、乳腺クリニックでずっと診て頂いています。9月 1月 4月と、3カ月毎にCTを撮り、肺転移は、左8ミリが13ミリ、右3ミリが8ミリ (腫瘍マーカーCEA 6,8が12,6)と、1度も縮小せず、増大しています。ホルモン剤は、アリミデックスを6ヶ月飲み、今年1月からアロマシンに変わりましたが、来月からノルバテックスになる予定です。
セカンドオピニオンで、「抗がん剤に移る前に腫瘍を摘出して、癌の性格を明確にする場合もある。」とのアドバイスを受けましたが、その時期は、フェマーラまでホルモン剤を試してからの方が良いのでしょうか? 4月4日のCT撮影結果では、「左腫瘍13ミリの形が少しいびつになり、多分乳がんからの肺転移でしょうが、もしかして原発肺癌の可能性もありうる。」と、今回初めて言われ、戸惑っています。
昨年の夏は体調が悪かったのですが、現在はお陰さまで自覚症状は何もないので、できたら暫くホルモン剤を続けたいのですが・・・。腫瘍摘出の時期とホルモン剤の順番をご教示下されば幸いです。(フェマーラが、いちばん抗エストロゲン作用が強いと聞いています。)

ご質問有り難うございます。肺転移に対して、ホルモン療法をされているが、やや大きくもなるご様子。次のホルモン療法は? 摘出する必要は?とのご質問です。
1) まず、摘出するか?その時期は?ですが、個人的には、摘出の必要はないと考えます。今回の「原発肺がんでは?」とのコメントから、肺がんか、乳がんの転移かを鑑別するために摘出する意味はあるかと思いますが、抗がん剤に移る前に摘出する意義は少ないと思います。むしろ、転移と診断された時点で、その腫瘍の性格を調べる意味で、摘出、針生検をすることはありますが、今後、必要性はないのでは?
2) ホルモン剤の順番は?ですが、結論から言えば、明確なデータはありません。前に使ったホルモン剤と作用機序の違うものを用いたりすることが多いようです。ただ、アロマターゼ阻害剤から別のアロマターゼ阻害剤に変更したときの効果は、数%の効果のようです。現状、アリミデックス⇒アロマシン⇒ノルバデックスとの事ですが、次いで考慮するものとしては、フェソロデックス、トレミフェンなどが良いと思います。ただ、ホルモン⇒ホルモンで経過して、大きな効果が得られてはいないようですので、どこかで化学療法に移行する判断が必要になるかもしれません。

お手紙を拝見するに、主治医の先生の方針も、がんセンターの方針も大きくぶれていないようですし、今の治療は、効果、副作用のバランスからも上手に治療出来ている様子がわかります。今後も、主治医の先生と相談しながら、治療を継続して下さい。(文責 鈴木)

 

No.10715-3】  15年06月19日   KK 
肺転移について(3)

前回HPNo.10996で回答いただき、ありがとうございました。いつもこちらを参考にさせていただき、とても感謝しています。2013年4月18日以来、今回3回目の相談です。よろしくお願いいたします。
初発から13年半、肺転移3年になる60歳です。前回の相談から2年ちょっと経ちます。2013年11月に、右肺腫瘍(8ミリ)を胸腔鏡手術でくり抜き手術しました。術後の病理結果 ハーツ-2プラス フイッシュ法でハーセプチン適用になったので、2014年4月〜2015年3月まで1年間3週間毎にハーセプチンを投与しましたが、最初腫瘍マーカーCEA14が5まで下がり、喜んだのもつかの間、徐々に11まで上がり、左肺腫瘍も2センチまで増大したので、先月5月11日に左肺腫瘍を胸腔鏡手術で摘出しました。まだ、たまに痛みがありますが、術後の経過もとてもよく、手術して良かったと思っています。先日病理結果が出て、ホルモン5% ハーツ1 K@67 60% でした。腫瘍マーカーCEAも、2まで下がっていました。13年診ていただいている乳腺クリニック主治医の今後の治療方針は、ホルモン療法で暫く様子をみて、今後再び腫瘍マーカーが上がったり、他の転移が出てきたら、抗がん剤に切り替えるそうです。このようなトリプルネガティブに近い病理結果で、今後ホルモン剤(フェマーラ)だけの治療で良いものでしょうか? 初発の乳がん術後は副作用がきつくて、抗がん剤は1回しか受けていません。昔と違って今は副作用対策も万全と聞いて、現在体力のあるうちに抗がん剤を試すのもありかな?!と、いろいろ考えています。ちなみに肺転移3年になりますが、転移の自覚症状はほとんど無く、ホルモン剤の副作用もホットフラッシュが強いくらいです。

遠隔転移で、ホルモン受容体陽性で骨軟部組織転移のみの場合、あるいはホルモン受容体陽性で症状のない内臓転移の場合は、まずホルモン療法を行います。効果がある場合はホルモン療法を継続し、効果がみられなくなった時点で抗癌剤に移行するのが一般的な治療法です。主治医の提案通りでよいと思います。(文責 須田)

 

No.10714】  12年07月25日   B 
胸の痛み

乳輪のまわりに白い粉がついています。乳輪の下の方がかなり痛みます。これは乳ガンでしょうか?それとも何かの病気でしょうか?病院に行こうと思いますが、皮膚科か産婦人科のどちらに行った方がいいか教えてください。

乳輪のまわりの白い粉とその下の痛みとのことですが、乳癌としてはあまり典型的ではないように思います。これらの症状だけで、あまり不安になられる必要はないかと思いますが、外科または乳腺外科へ受診してみてください。(文責 大西)

 

No.10713】  12年07月22日   H
局所再発でのリンパ節郭清について

5年前に温存+センチネルの手術を受けました。手元に資料がないので正確な情報はわかりませんが、腫瘍は約1p、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性で、術後に放射線治療とリュープリン2年+ノルバデックス3年(当初5年の予定が慢性腎炎で中止)のホルモン療法を受けました。今回、術側の腕に腫れや痺れがあり、リンパ浮腫を疑い受診したところ、リンパ節転移が見つかりました。細胞診でクラスD、PET-CTにて5ミリ程度の腫瘍1コが確認されていますが、その他には今のところ検査で見つかる異常はありません。腫瘍マーカーも反応無しです。
主治医の先生には、レベル1か2までリンパ節郭清して、悪いもの(?)が4個以上あれば抗がん剤、3個までならホルモン療法と言われていますが、リンパ節郭清について疑問があります。検査で時が過ぎる内に、腕は引きつれ感も強くなり、痛みもあって、着替えに困るような日もできてきました。このような症状がリンパ節郭清により改善されるのかどうか尋ねてみたところ、もっとひどくなるかもしれないし、全く予想できないと言われました。
私としては、既に全身病であるとの考え方から、手術でとるリンパ節は最低限にして、ガンの性格が変わってないかだけが確認できたら、後はそれに応じた全身治療(たぶんホルモン療法)をおこなって欲しいと希望していますが、今の病院では、リンパ節郭清しないという選択はあり得ない(ガイドライン通りでないから?)とのことで、転院も示唆されています。そこで質問ですが、

1) レベル1か2までのリンパ節郭清をおこない、悪性腫瘍が取り除かれることで、腕のひきつれ等の症状が改善される可能性は、どの程度期待できますか?
2) リンパ節は全く手術せずに、ホルモン療法で経過を見ていくような治療はありえますか?
3) リンパ節郭清ではなく、明らかに悪性の腫瘍だけを切り取るような手術は、どの程度一般的、もしくは非常識なものでしょうか?
4) 2)か3)での治療を希望し、現在の病院ではどうしても受け入れられない場合に、これから転院することは可能なのでしょうか?

乳がんは一生付き合う病気と覚悟していますし、治療でうまくコントロールしながら、できるだけ楽しく生活していきたいと考えていますが、自分の身体のことなのに、自分で納得して治療法が選べない状況が今は一番辛いです。

1) 主治医の先生と同じで予想困難です。現在の症状がリンパ節転移によるものであれば症状改善の可能性もありますが、センチネルリンパ節だけでも患側の上腕に症状が出る方もいらっしゃいます。当然リンパ節郭清をすることでも症状が出る可能性がありますので、やはり予想できないというのが正直なところです。
2) 腋窩リンパ節再発については郭清し、その後に薬物療法を追加することで根治の可能性が出てきます。薬物療法のみでは根治の可能性は少ないです。
3) 確かに初発乳癌の場合、センチネルリンパ節転移陽性であっても郭清を省略する可能性について最近話題になっています。リンパ節再発の場合には郭清するのが常識です。
4) 転院する前にセカンドオピニオンに行かれてはいかがでしょうか。
 
医師は治療法について患者さんと相談する際に、患者希望を聞き入れることも大事だと思います。ただそれも根治性を損なわないのが原則になります。治る可能性はあるものの少々辛いAという治療法と、辛くもないが治ることはないBという治療法がある場合、普通はAを勧めます。医師にはそのことを説明し理解していただく義務があります。ただ患者にもすべてを理解したうえで治療法を選択する権利があると思います。再発したことはつらい現実だと思いますが、後悔しないような治療法を選択して下さいね。(文責 大西)

 

No.10712】  12年07月22日   A.T. 
皮下乳腺全摘出での乳輪・乳頭の削除(HPNo.10698-3)

No.10698にて、手術方法について、ご相談させて頂いたものです。病理結果にて、乳房切除を言われました。皮下乳腺全摘出について聞いたところ、広範囲の為、選択の余地がなく、やはり乳房全摘の回答でした。皮下乳腺全摘出でも、乳輪・乳頭を削除する方法もあると思います。この場合、皮膚が残せると思うのですが、そこで質問です。
皮下乳腺全摘出での乳輪・乳頭の削除とは、直上皮膚を切除せずに内部の乳腺を乳頭乳輪を含め全切除する術式(skin-sparing mastectomy)であると理解しています。

1) これと乳房全摘について、再発率に違いはあるのでしょうか?
2) この術式の方が体へのダメージが少ないのではないでしょうか?
3) ただ、腫瘍と皮膚との距離での判断になるのでしょうか?
4) 腫瘍と皮膚との距離はMRIにて確認するのでしょうか?
5) それとも手術中での病理検査で確認するのでしょうか?

お伺いしたく、ご相談いたします。よろしくお願いいたします。

1) 乳房切除術(全摘)とskin-sparing mastectomy(SSM)は局所再発に関して差はありません。
2) ダメージについても差はないと思います。
3) SSMは皮膚や胸筋への浸潤、炎症性乳癌などを除く早期乳癌に適応があります。
4) マンモグラフィー、超音波、MRIで総合的に判断します。
5) 術中の病理検査で判断するかどうかは施設基準になると思います。

SSMは一定の基準を見てしていれば、乳房切除術と同等の安全性があります。しかし乳房再建がその先になければ、たるんだ皮膚が残るだけで、それ以外は全摘と変わりません。(文責 大西)

 

No.10711】  12年07月16日    Y.T
転移性乳がん 肝臓のう胞 

お世話になります。 2011.5に右乳房全摘出+リンパ郭清(レベル2まで)をしました。 病理結果は、浸潤癌(乳頭腺管がん)、4.2×2cm ステージ2b リンパ節転移1個 波及度g+f+他− リンパ管侵襲+v1 血管侵襲+v1 ER90% PgR90% HER2 弱発現 グレード3 年齢35歳 未婚 出産経験なしです。 FECクール+アブラキサン→現在はリュープリン+ノルバデックスで治療中です。
乳がん発覚時の人間ドックで、腹部エコーで肝のう胞疑い(1年経過観察)。術前CTで肝臓に何かうつっていたが、小さくよくわからなかったのか、そのまま手術(この件に関しては私はまったく知りませんでした)。この度2012、4月に、術後1年健診でマンモ、CT、血液検査。造影CTにてうつっている何かが(2個)少しだけ増大。放射線医より、肝臓転移疑いの所見。MRI、エコー検査で確認のコメント。主治医は4月の時点で、CTスライス面の誤差では?と保留。7月の診察でも、誤差っぽいけど、何かあるのは確かだからと、10月に造影CTを予約(CTから半年後)

1) 1年で造影CTを2回とっています。転移かのう胞かわからないものですか?(小さいようです)
2) 1年前にも何かあったと思います。これが転移なら、もっと大きくなったりしませんか?
3) 結局1年健診から半年後に再検査になります。そんなに開いても大丈夫ですか? 急を要しないのか、早期発見に意味がないのか。。。

不安でいっぱいです。次回の診察は3ヵ月後です。よろしくお願いします。

小さいものは経過観察し判断するしかないこともありますが、MRやPETで診断可能なこともあります。当然大きくなった場合は転移という事も考えられますが、わずかな増大であれば転移の治療成績には変りないことになります。(文責 石山)

 

No.10710】  12年07月16日    A.T. 
手術方法について(HPNo.10698-2)

No.10698にて、手術方法について、ご相談させて頂いたものです。病理結果にて、乳房切除を言われました。皮下乳腺全摘出について聞いたところ、広範囲の為、選択の余地がなく、やはり乳房全摘の回答でした。皮下乳腺全摘出でも、乳輪・乳頭を削除する方法もあると思います。この場合、皮膚が残せると思うのですが、そこで質問です。

(1) 皮下乳腺全摘出での乳輪・乳頭の削除
(2) 乳房全摘

上記(1)(2)は、根治性(再発率)において違いはあるのでしょうか。お伺いしたく、ご相談いたします。よろしくお願いいたします。

 一般にそのような手術をすることはないので成績は不明です。(文責 石山)

 

No.10709】  12年07月14日    H.T
術後治療について(HPNo.10378-2)

10378にて、以前ご相談した者です。左乳房全摘手術日前より、ホルモン治療のゾラデックス注射をしていました。本当は即、抗癌剤AC療法をと考えたのですが、Ki67を測定してもらったり、仕事の都合で、6ヶ月後の今年3月より4回の抗癌剤を終えました。最終の一ヶ月後に「効果判定」との事で、診察を受けた際に、抗癌剤で「生理を終わらせる作用」=「化学閉経」と考え、今日より閉経後では治療効果の良い「アロマターゼ阻害剤のアリデミックス」に変えますとの事、生理がきてしまったらゾラデックスに戻しますということでした。

1) ゾラデックス1回目に生理があったきりで、現在まで生理はありませんが、血液検査でホルモン値を測定しないで、「化学閉経」と考えてよいのでしょうか。腫瘍マーカーの1CTPがわずかに標準を上回ってきている(5月6.7 6月5.5)のと、CA15-3が標準値内ですが上がってきている(5月16.4 6月17.1)ので、ホルモン剤を変えて様子を見たいのでしょうか。手術時から肩が痛いのが取れないので、PETをすることを希望しましたら、判定はその結果を見てからということでした。アロマターゼ阻害剤への変更をどう考えればいいのでしょうか。
2) 以前、病理検査にてHER2が(3+)だけでしたが、後日の報告にて、腫瘍組織の20パーセント程度が(3+)だが、残りの大部分では(1+)相当とのことです。再発予防に一年間のハーセプチン治療をしておいた方がよいでしょうか。担当医からは、「再発したときの為に取っておくのも一つの考えです。」との話もありました。どう判断すればいいのでしょうか。

人それぞれの病状があるようで、不安で迷う事ばかりです。ご指導下さい。宜しくお願いいたします。

1) 一般的にはE2、FSHを計って判断します。
2) 補助療法(再発予防)にHER2(3+)なら、ハーセプチンが一般的です。(文責 石山)

 

No.10708】  12年07月14日    Y
41歳の乳ガン患者です

41歳の主婦です。6月の乳ガン検診で 、"要精密検査"と言われました。MRI造影剤をしたところ、左胸に白い影が写りました。その後、マンモトームをして、乳ガンだと判明しました。先生には、ステージ0の7ミリの乳ガンだと言われました。場所が悪く、乳頭、乳首の近くにあるため、左胸を全切除すると言われ、再建のお話も出ましたが、全切除は考えていません。セカンドオピニオンという形も考えています。7ミリの乳ガンで、乳房を全部切除しないといけないのですか? また、他の治療方法はあるのでしょうか? 情報があまりにも少ないので、色々と調べています。

当院でも乳頭に近ければそのような術式をお勧めしますが、術中に断端の迅速病理診を行って、癌が取り切れていれば、乳頭が残せ、温存が可能なことがあります。ただ温存術後には放射線治療が必要です。セカンドオピニオンをお勧めします。(文責 石山)

 

No.10707】  12年07月14日    T.O. 
ホルモン治療の影響?

乳がんが見つかる前、子宮内膜症の治療として、ディナゲストを半年ほど服用していました。何かの本で、乳がんの原因の一つとして、ホルモン療法(エストロゲン製剤、ピル等)を受けていると、ありました。 ちょうどディナゲストを服用し始めた頃にマンモの検査をしています。その時はひっかかりませんでしたが、半年後に、すでに癌の大きさが1.5センチになっていました。こんなに早く成長することがあるのでしょうか? また、手術から1年経った今は、抗がん剤治療の後に、ホルモン治療として、リュープリンの皮下注射を3ヶ月に1回しています。内膜症の人は、このリュープリンを使うみたいなのですが、大丈夫なのか心配しています。

リュープリンはエストロゲンを抑える薬で、逆の作用の薬ですので心配ないです。半年後に1.5cmという事ですが、検診マンモで写らない癌もあるので、発育が早いかどうか判断はできません。(文責 石山)

 

No.10706】  12年07月13日    S
抗がん剤の必要性

53歳 閉経前です。6/5に部分切除術をしました。センチネリンパ節生検で、転移なし、腋窩切除なしです。浸潤性乳管がん  腫瘍の大きさ 2cm≦  浸潤径サイズ0.6cm リンパ節転移なし  脈管侵襲なし  異型度 グレード2  断端陰性  エストロゲン受容体 陽性  増殖能 中間  HER2受容体 0-  以上の所見で、増殖能中間だけが唯一気になり、再発がものすごく心配で、前もってできることは何でもやっておきたいなら、抗がん剤もありなので、どうするか聞かれましたが、抗がん剤の副作用と再発リスクを天秤にかけて、やらないことにしました。しかし、今になって本当に良かったのか心配になって来ました。一般的にこの所見だとどうなのでしょうか。再発リスクはどの程度変わるのですか。放射線治療とホルモン治療はもちろん行います。プラスの抗がん剤をすべきか否かということです。

抗癌剤をやることで、一般に再発リスクを半分から3分の一に減らします。つまり何もしなくて再発が30%あるなら、10%に減らすことができることになります。ホルモン感受性陽性の場合、抗がん剤は効きにくいとも言われていて、またホルモン感受性が高ければ、それだけで再発予防効果が期待できるので、ホルモン療法で十分な効果が得られると思います。またこの所見では再発は10%程度と考えられ、抗癌剤のメリットは、さらに少ないと思われます。(文責 石山)

 

No.10705】  12年07月13日    T
乳腺炎治療中のしこり

痛み、発赤、しこりで、乳腺外科でマンモ→超音波→細胞診を受診しました。細胞診の際、膿が出てきて、乳腺炎と言われました。細胞診では膿がたくさん出て、ちゃんと細胞がとれなかったようです。切開して、現在膿出し、消毒に通院中ですが、まだ固いしこりがあるから、これを細胞診しましょうと言われ、先日2回目の細胞診を受けました。これが炎症によるものか、悪いものか確認するためだそうです。私は乳腺炎だと安心していたのですが、こういう場合、悪性の可能性が高いのでしょうか? 乳腺炎とがんが併発することはあるのでしょうか? 検査結果まで不安な日々を送っております。宜しくお願い致します。

一般的には合併しないのですが、例外があるので、細胞診だけでなく組織診なども必要な場合もあります。(文責 石山)

 

No.10704】  12年07月13日    A
ガンということも考えられるのでしょうか?

毎年、乳がん検診を受けているのですが、マンモを撮影したら、右乳頭よりほんの少し出血があり、ガンなのではないかと、とても不安になってしまいました。ここ二年くらい前から、マンモを撮るとき、透明な液がでていたのですが、今回は血がでたので、びっくりで、結果がでるまで不安でたまりません。検査結果は、マンモもエコーも異常がないという診断だったのですが、ガンということも考えられるのでしょうか? 出血と関係あるかわかりませんが、検診日当日も、乳房全体と乳首が痛かったので、その症状となにか関係があるのでしょうか。

血性乳頭分泌という事になりますが、年齢にもよりますが、乳管内乳頭腫という良性病変が多く、乳管内癌との鑑別が重要で、MRIや細胞診、組織診などを行って診断を確定する必要があります。痛みとの関係ははっきりしませんが、乳管内に液体がたまっていると痛みの原因になることはあります。(文責 石山)

 

No.10703】  12年07月10日    K 
健康な子供は産まれるのでしょうか?

3年前に乳ガンになり、左胸全摘、リンパも切除しました。運が良いことに転移もなく、ホルモン注射を1年半、今はホルモンの飲み薬だけになりました。生理はありませんが…妊娠はするのでしょうか? また、健康な子供は産まれるのでしょうか?

化学療法もしていないので、年齢的に閉経が近くなければ、普通は月経が戻るはずです。終了したホルモン療法の影響がなくなった後に妊娠した場合は、特に胎児に対する悪影響が増えることはな
いと思います。(文責 石川)

 

No.10702】  12年07月10日    Y 
男児の右胸のしこり

右胸の乳首の辺りにあるしこりは、何なんでしょう? ホルモンバランスの乱れなのでしょうか? 硬いです。12歳男児です。回答、よろしくお願いします。

思春期前のホルモンバランスと関係する、硬くなった乳腺組織だと思います。よく見られるもので、一般的には長期間かかりますが、時間の経過とともに小さくなり、なくなります。(文責 石川

 

No.10701】  12年07月07日    S  
抗がん剤は必要でしょうか?

お忙しいところ、すみません。母(55歳)が乳がんと診断され、一週間後に胸部筋肉を残して、右乳房全摘手術を控えております。術後の治療方法に関して、ご意見をお聞かせ願います。

【病理結果】
ER(陽性)100%、PgR(陽性)80%、HER2 score3 MIB-1(ki-67)
inde20% ステージUa・T2N0M0(リンパ節や骨その他に転移なし)
がんの大きさ:右乳房に37mmひとつ・14mm×8mmひとつ・乳頭に向かってまばらに複数

主治医からは、術後、抗がん剤(タキソテール・シクロホスファミドを3週に1回を4回か8回)⇒ハーセプチンを投与してから、必要があれば、ホルモン療法や放射線治療を行うそうです。抗がん剤は逃れられないかと聞いたところ、「抗がん剤とハーセプチンはセットで治療をすることで効果がでる、どこの病院でも大体この方法が標準治療になります。」と、おっしゃられました。母はうつ病も患っており、現在は比較的落ち着いていますが、難しい言葉で色々言われると理解できなかったり、疲れやすいなど、完治したわけではありません。抗がん剤は副作用が気になるらしく、乳房がなくなっただけでも精神的にショックだと思うのに、抗がん剤の副作用が重なると、再度うつがひどくならないか心配で、抗がん剤を避けて治療を行う方法がないか模索しております。

【質問】
1) HER2が陽性でスコアも高いですが、全摘しても抗がん剤は必須でしょうか?

2) ホルモン受容体が陽性、HER2陽性なら、ホルモン療法の方がよくきくのではと思うのですが、いかがでしょうか?
3) 現在の病理結果で、ホルモン療法とハーセプチンを選択したとして、生存率は抗がん剤に比べて下がるのでしょうか?

自分なりに調べて得た知識なので、質問文が誤っておりましたらすみません。ぜひご回答お願いいたします。

1) 腋窩リンパ節転移の状況にもよりますが、癌の大きさが37mm以上、MIB-1(ki-67) index 20%、HER2陽性なので、化学療法は施行するのが普通です。
2) ホルモン療法も効果が期待できるので、化学療法の後に行うのが一般的と思われます。
3) 生存率が抗癌剤併用に比べて下がる可能性は低くないと考えます。(文責 石川)

 

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