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相談室(No.10801〜10900)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 


★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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名 前

件  名

担 当

10900 13/01/12 S 今後の治療について.(HPNo.10865)
10899 13/01/12 E.Y. 乳がん術後 月経過多の治療について
10898 13/01/12 M.U.  術後のフォローについて
10897 13/01/12 P 乳ガン術後の治療について
10896 13/01/10 S.W ゾメタとフォサマックの併用について(HPNo.10885-2) 須田
10895 13/01/10 O 乳がん? 須田
10894 13/01/07 M CA15-3について 須田
10893 13/01/05 K  経過観察 須田
10892 12/12/31 A 退院後の症状について 高橋
10891 12/12/27 M.E.  葉状腫瘍 高橋
10890 12/12/27 M 両胸の痛み 高橋
10889 12/12/25 Y.K. 標準治療とセカンドオピニオン 鈴木
10888 12/12/25 R 肝臓に影 鈴木
10887 12/12/25 YK 子宮体癌(HPNo.9371-4) 鈴木
10886 12/12/25 K.E. 乳腺炎、乳輪下膿瘍について(2) (HPNo.10872) 鈴木
10885-1
10885-2
12/12/25
13/01/10
S.W プロテイン摂取について
ゾメタとフォサマックの併用について
鈴木
須田
10884 12/12/25 Y 経過観察 鈴木
10883 12/12/20 N  ゾラデックスの必要性 清水
10882 12/12/20 H  乳頭からの分泌物 清水
10881 12/12/20 H  現在の治療と今後の治療について 清水
10880 12/12/17 S  リュープリンの副作用ついて 清水
10879-1
10879-2
12/12/17
12/12/25
Y.K.  乳腺炎との関連性および海外での治療について
標準治療とセカンドオピニオン
清水
鈴木
10878 12/12/17 Y 術後の治療について 清水
10877 12/12/17 S.M. 2回目断端陽性について(HPNo.10851)  清水
10876 12/12/13 さくらこ 小豆粒大のしこり(HPNo.10527) 清水
10875 12/12/13 U   術後8年目の治療について(HPNo.10492) 清水
10874 12/12/13 G  骨転移の可能性は高いのでしょうか? 清水
10873 12/12/13 Y アバスチンの併用 斎藤
10872-1
10872-2

10872-3
10872-4
12/12/13
12/12/25
13/02/03
13/02/08
K.E.  乳腺炎、乳輪下膿瘍について
乳腺炎、乳輪下膿瘍について(2)
治療法と手術時期
再手術後の病理と同時再建
斎藤
鈴木
浜口
吉田
10871 12/12/13 A.K. 非浸潤がんの手術法について(HPNo.10810) 斎藤
10870 12/12/13 M.M. 傷跡の近くの赤いできもの(HPNo.10422) 斎藤
10869 12/12/12 Y  歯の治療とゾメタ (HPNo.10822) 斎藤
10868 12/12/12 L  17歳男子です 斎藤
10867 12/12/12 N.T. 放射線治療の不安 (HPNo.10730)   斎藤
10866 12/12/04 Y ニキビのようなしこり 久保内
10865-1
10865-2

10865-3
12/12/04
13/01/12
13/01/18
S 母の状態について
今後の治療について
転移について
久保内

俵矢
10864 12/12/04 Y  手術日について 久保内
10863 12/12/04 M 要精密検査 久保内
10862 12/12/04 S  CEA CA15-3 上昇→肺水検査について(HPNo.10835) 久保内
10861 12/12/04 SUNNY  新しくできたしこり(HPNo.10365) 久保内
10860 12/12/04 T.T. 精密検査 久保内
10859 12/11/21 Y  母の症状について 緒方
10858 12/11/21 M.E.  授乳後の検査 緒方
10857 12/11/21 Y  乳がんと言われました 緒方
10856 12/11/19 M.M 脂肪肝について(2)(HPNo.10679) 緒方
10855 12/11/19 E.T. 検査結果 緒方
10854 12/11/19 MIMI 骨転移 緒方
10853-1
10853-2
12/11/16
13/01/15
A.H.  今後の治療について
健康食品や漢方との関連について
緒方
加藤
10852 12/11/16 S.I. 抗がん剤治療について 緒方
10851-1
10851-2
12/11/16
12/12/17
S.M.  断端陽性2回目の治療法について
2回目断端陽性について
緒方
清水
10850-1
10850-2

10850-3
12/11/13
13/01/15
13/07/01
K  骨転移について
骨転移について(2)
骨転移について(3)
大西
加藤
緒方
10849 12/11/13 E.T. 病院選びについて (HPNo.10844) 大西
10848 12/11/13 S ノルバデックス 大西
10847 12/11/11 M  転移の可能性 大西
10846 12/11/11 L  骨転移治療(HPNo.10718) 大西
10845 12/11/11 Y  再発率 大西
10844-1
10844-2
12/11/09
12/11/13
E.T.  乳がんの再検診について
病院選びについて
大西
大西
10843 12/11/09 M  両胸の柔らかい大きな固まり 大西
10842 12/11/08 AK 管腺葉区域切除 (HPNo.10810) 大西
10841-1
10841-2
12/11/08
13/05/16
R  MRI検査
MRI検査(2)
大西
徳田
10840 12/11/05 S.I. 進行乳がん 石山
10839 12/11/04 M.F.  温存手術の予定 石山
10838 12/11/04 C  乳癌再検査 石山
10837 12/11/04 AK  乳がん、乳頭腫の鑑別(2)(HPNo.10810)  石山
10836 12/11/03 A  右乳房のしこり? 石山
10835-1
10835-2
12/11/03
12/12/04
S CEA CA-3の上昇について
CEA CA15-3 上昇→肺水検査について
石山
久保内
10834 12/11/01 L  母の乳癌について 石山
10833 12/11/01 チエ 乳腺線維腺腫 石山
10832 12/10/31 M.N. 術後の治療について 石山
10831 12/10/31 A   乳癌と飲酒 石山
10830 12/10/31 Y 左あごの状態(HPNo.10822-2) 石山
10829 12/10/30 そら 発赤と放射線治療の遅れ(HPNo.10796) 石川
10828 12/10/30 S   FEAについて 石川
10827 12/10/30 A   マンモの構築の乱れについて 石川
10826 12/10/30 N  トリプルネガティブと診断されました 石川
10825 12/10/30 C.T.  葉状乳頭腫とは? 石川
10824 12/10/30 S  乳癌の再発(反対側にできた癌)について 石川
10823 12/10/30 AK セカンドオピニオン (HPNo.10810) 石川
10822-1
10822-2

10822-3
12/10/28
12/10/31
12/12/12
Y 股関節(骨転移したところ)の痛み
左あごの状態
歯の治療とゾメタ
石川
石山
斎藤
10821 12/10/28 N  Ki 67 石川
10820 12/10/28 Y・Y 癌検診結果内容について 石川
10819 12/10/28 K  マンモト―ムについて 石川
10818 12/10/28 T.T.  ドックで、乳腺腫瘤、6か月後再検査といわれました 石川
10817 12/10/28 K.O. 術後の抗癌化学療法を受けるべきか 石川
10816 12/10/23 K  転移トリプルネガティブ乳がんの抗がん治療について 吉田
10815 12/10/23 A  CA15-3 吉田
10814 12/10/21 N 浸潤乳癌と診断されました 吉田
10813 12/10/21 A.W 母の乳癌について 吉田
10812 12/10/21 A.T. 術後治療について(HPNo.10698) 吉田
10811 12/10/20 A 片側の広範囲の石灰化 吉田
10810-1
10810-2

10810-3
10810-4
10810-5
12/10/20
12/10/30
12/11/04
12/11/08
12/12/13
AK 乳がん、乳頭腫の鑑別 
セカンドオピニオン
乳がん、乳頭腫の鑑別(2)
乳管腺葉区域切除
非浸潤がんの手術法について
吉田
石川
石山
大西
斎藤
10809 12/10/20 Y.K. 全摘での放射線治療について 吉田
10808 12/10/16 M.I.  再発の可能性と治療について 浜口
10807 12/10/15 Y.M. 乳がん手術のより良い方法について(温存手術・全摘手術) 浜口
10806 12/10/15 Y子 フェマーラ5年以後 浜口
10805 12/10/15 M.F. 術後治療の検討余地があるかどうかについて 浜口
10804 12/10/11 Y.Y. 今後の治療と遺伝について 浜口
10803 12/10/10 T 過去術後傷口の痛み? 浜口
10802 12/10/10 N.N. 胸のしこり 浜口
10801 12/10/10 N.T. 術後の治療について(HPNo.10730) 浜口

 

No.10900】  13年01月12日   S
今後の治療について(HPNo.10865-2)

以前No.10865で、母の状態について相談させて頂きました。その際はご丁寧にご回答頂き、ありがとうございました。その後の治療についても相談させてください。
PET検査でも転移が見られなかったので、翌週に手術をして頂くことになりました。12月半ばのことです。それから2週間程入院し、今は自宅療養をしています。手術後の経過は順調で、以前に比べ疲れやすくなったのと、精神的に動揺しているところは多少ありますが、外出もしたりして、比較的元気に過ごしております。ただ、主治医より、1月の終わり頃より化学治療(AC療法)を開始するよう提案されているそうです。手術後の家族への説明でも、「手術前の検査ではリンパ節への転移は見られなかったものの、センチネルリンパ節に転移があり、腋窩リンパ節郭清を行った(まだ病理検査の結果が出ていないので、はっきりとした転移の数は分かりません)。静脈にも癌細胞がこびりついていたので、できる範囲で取り除いた。楽観視できる状態ではなく、治療をしないと1年〜1年半の余命だ。」と、言われました。また、PET検査で明らかな転移は見つからなかったものの、肺に網膜があったので、リンパ節に転移していたとなると、肺へ転移しているかもしれないので、注意深く見ていかなければと言われました。

1)  母は現在71歳です。日本の乳がんガイドラインでは、「高齢者乳がんの術後薬物療法は、ホルモン感受性乳癌に対して、術後ホルモン療法が推奨される。化学療法は、余命が期待でき、併存症が少なく、臓器機能が保たれている場合に限り、若年者に準じた治療が推奨される」。アメリカのガイドラインでも、「70 歳以上の患者に対する化学療法推奨を裏付けるデータは不十分」となっています。母は術前の検査でホルモン陽性でしたが、やはり進行しているので、化学療法は必須なのでしょうか? 母は今まで健康そのものでしたが、PET検査で実は以前に心筋梗塞を一度おこしていることが分かり、強い抗がん剤で心臓やその他に負担がかかり、その合併症などで逆に命を落としたりしないか心配です。また、どこかで高齢者は化学療法の効果よりも副作用の方が大きいと読んだ気がするので、果たして化学療法をするメリットやデメリットがどの程度なのか疑問です。

2) 今のところ、リンパ節以外に転移が見られない状態で、治療をしないと1年〜1年半の余命という根拠は、どこからくるのでしょうか?

3) PETで肺に網膜が見られたので注意して見ていかなければと、主治医の先生はおっしゃっていましたが、その前のレントゲンの検査では、「肺も心臓もとってもきれいです」と言われたようなのですが、通常PETで肺に網膜が見られた場合、肺への転移と考えるのでしょうか?

主治医の先生にお聞きするのが一番だというのは分かっておりますが、主治医とお会いする時は母も一緒なので、本人の前で余命や転移などについては聞きづらく、また、他の先生のご意見もお伺いしたく、質問させて頂きました。お忙しいところ申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。

1) お母様のご病気に対し一生懸命に勉強なさって、少しでもお母様のために良い方法を見つけたいと思う貴女の姿勢にまず敬服いたします。お母様の乳がんがどのようなprofileかがわかりませんので、抗がん剤の是非について私が述べるのは困難ですが、お母様が無治療であればどの程度の再発のリスクがあるのか、またホルモン治療・分子標的治療・放射線治療など抗がん剤以外の治療がどのくらい期待できるかなどをよく検討した上で、今後の治療は決定されるべきであると思います。仰るとおり、抗がん剤治療はその副作用も十分に考慮されなければなりませんが、一般的に71歳という年齢であれば、それだけで抗がん剤を選択肢から外す年齢ではありません。よって抗がん剤によって期待できる効果とそのリスクをよく検討して、抗がん剤を使用するかどうか決定されるべきです。言い換えれば、抗がん剤の副作用で受ける悪影響の可能性と、抗がん剤を使用することによって再発を免れる(または再発までの期間を延ばす)可能性との比較であると思います。ただし、あくまで重要なことは、追加治療の最終決定は本人がおこなうものであるということです。お母様とよくご相談の上で、今後の治療を決定なさってください。

2) 私にも「1年〜1年半の余命」の根拠はわかりませんが、手術を行った印象として再発率がとても高い、といった思いを主治医の先生はお伝えになりたかったものと思われます。

3) 「PETで肺に網膜が見られる」との意味が私にはわかりません。もう一度主治医の先生によくお聞きになってみてください。(文責 谷)

 

No.10899】  13年01月12日   E.Y. 
乳がん術後 月経過多の治療について

6年前に乳がんの手術をしまして、昨年2月にホルモン療法が5年経過終了し、現在無治療経過観察中です。昨年7月から月経が再開しましたが、その出血量がかなりひどく、貧血数値(ヘモグロビン濃度)が8程度です。地元の大きな総合病院の婦人科を受診したところ、子宮内膜ポリープがみつかり、10月に切除。良性ということで、その後は無治療の状態です。(その婦人科の大きな病院は治療終了と言われ、その後は近所の婦人科を受診するよう言われました)。その後も月経過多は治らず、現在は近所の婦人科で漢方薬と鉄錠剤を飲んでいます。その婦人科の先生は、乳がん術後なので、ピルなどホルモンをいじる薬は出せないということでした。先日、乳がん検診に行ったところ、月経過多ならピルを服用はできないが、リューブリンなら乳がん再発防止にもなるし、月経もとまるのでよいのではないかと、検診した医者(担当医ではありません)に言われました。婦人科でのリューブリンは半年しか投与できないと聞いたことがありますし、以前の乳がんの担当医には、リューブリンは2年投与した際に、「必ず2年間しか投与してはいけない。その期間より長くても短くてもダメ。それがエビデンスだ。」と言われた記憶があります。月経過多の治療として、リューブリンの再投与はしてもよいものでしょうか。現在42歳です。

月経過多に対してリュープリンを再投与することは、乳腺外科の立場からはお奨めできません。現在の月経過多の原因がまず何であるのかをもう一度婦人科の医師によく聞いていただき、その上で婦人科サイドでその対処が検討されるべきであると考えます。今受診している婦人科の医師にその旨再度お聞きになるか、他の婦人科でセカンドオピニオンをお受けになってはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.10898】  13年01月12日   M.U. 
術後のフォローについて

はじめてご相談させていただきます。 乳癌で、2年前に右胸を全切除、腋下リンパ節を切除(リンパ節への転移なし)しました。今年、左胸に別の癌が発見され、左胸を全切除、腋下リンパ節を切除(リンパ節への転移あり)しました。今後はハーセプチンとパクリタキセルを3ヶ月併用し、その後はハーセプチンのみを投薬して治療していただくことになっています。ご相談したいことは、その際、再発について定期的な検査はどのように行なわれるのか、という点についてです。左胸が残っていたころは、左胸のマンモグラフィーや胸部CTといった検査を受けていたのですが、両胸がなくなった今後、どういった検査が行なわれるようになるのでしょうか? お手数をおかけいたしますが、ご回答いただけますと幸いです。

両側乳がん術後(全摘後)とのことですので、今後留意するべき点は、領域リンパ節転移(腋窩、鎖骨周囲、頚部などへのリンパ節転移)、遠隔再発(肺・肝・骨・脳などへの転移)および局所再発(手術した創周囲への再発)などが主なものと挙げられます。マンモグラフィは今後行いませんが、診察ごとの視触診に加え、採血、CT、骨シンチ、MRIなどのなかで主治医が必要と感じた検査を追加してフォローしてゆくことになります。(文責 谷)

 

No.10897】  13年01月12日   P
乳ガン術後の治療について

40代前半、閉経前です。乳ガン術後で、病理検査結果で髄様癌であると診断されました。腫瘍の大きさは1、3センチ、センチネルリンパ節転移なし、エストロゲンは3/8、プロゲステロンは陰性、Her2陰性です。グレード3、Ki-67は60%となっていますが、特殊型で予後良好なので、参考値となるため気にしなくて良いと言われました。ノルバデックスを5年と言われたのですが、ホルモン感受性が弱陽性で、グレードなどが高めなので、本当に抗がん剤をしなくてよいのでしょうか? リュープリンは、しておいたほうがよいのでしょうか?

髄様癌、粘液癌、管状癌などの特殊型と組織分類される乳癌では、乳癌の大部分を占める乳管癌と比べて予後が良いとされており、Ki-67,グレードなど他の因子で悪性度が高いとされる方でも抗がん剤を使用しないケースが多く見られます。貴女の場合、髄様癌でホルモン感受性が弱いタイプであり、追加治療に関しては専門医のあいだでも意見が分かれるケースであると考えます。私見となりますが、主治医の先生と同様で、ノルバデックス5年間、リュープリン2年間を推奨したいと考えます。(文責 谷)

 

No.10896】  13年01月10日   S.W  
ゾメタとフォサマックの併用について(HPNo.10885-2)

先日は回答頂き、ありがとうございました。安心してプロテイン摂取を決断できました。10885で相談させて頂いた件で再度お聞きしたい事があり、投稿させて頂きます。肋骨に転移が発見されてからは、ゾメタとフェマーラの治療で経過観察しておりました。その後、骨密度の検査で骨粗鬆症の診断を受け、フォサマックを処方されました。骨粗鬆症であっても、ゾメタとフォサマック併用は必要ないのでしょうか? お忙しいところ何度も申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

ゾメタもフォサマックもビスフォスフォネート製剤です。一般的に、骨粗鬆症では経口薬のフォサマックを使用し、骨転移には注射薬のゾメタが使われています。ゾメタに関しては、海外での大規模臨床試験で、骨粗鬆症の進展を防ぐことが報告されています。また、ゾメタ注とフォサマックの併用は、副作用の発現率を高める可能性があると考えられています。貴女の場合、ゾメタ注で経過観察することで、骨粗鬆症に対する効果が期待できると思います。(文責 須田)

 

No.10895】  13年01月10日   O  
乳がん?

初めてご相談させていただきます。脇から胸にかけて触ると、小さな豆粒のようなしこり?のようなものがあるのを発見しました。しこりと思えばそんな気もするし、違うと思えば違うような気もするし、と言ったくらいのものですが、かなり心配になってきました。乳がん検診は、7ヶ月ほど前にエコーとマンモグラフィーを受けました。結果は何もないということでした。数ヶ月で乳がんが出来ることはあるのでしょうか? また、私のしこり?のようなものは癌なのでしょうか? 受診するとしたら、前回とは違う病院にいったほうがいいのではないかと考えていますが、どうでしょうか? 是非、ご意見をよろしくお願いします。

直接診察していないので確定的なことは言えませんが、7ヶ月前に乳癌検診を行っているので、おそらく乳癌は否定的だと考えられます。しかし、心配を払拭し、乳癌でないことを確認するためにも、一度乳腺外来を受診してください。(文責 須田)

 

No.10894】  13年01月07日   M 
CA15-3について

今回、CA15-3が、3ヶ月ぶりに6.5から12に上がりました。術後2年半になりますが、先生は誤差の範囲内で問題ないとおっしゃいますが、心配です。どちらかというと右肩上がりです。術後3年目、腫瘍径4cm、ホルモン強陽性、リンパ転移2/7、Ki67 5です。先生は、「あなたは大丈夫です」と言われますが、それは転移しないという意味でしょうか。

CA15-3 の基準値は 27 以下です。基準値の範囲内での変動ですので、問題ありません。(文責 須田)

 

No.10893】  13年01月05日   K 
経過観察

39歳、未出産です。先日総合病医院で、初めてマンモを行いました。その際、要精密検査という結果になり、エコーもしてもらいました。後日結果を聞きに行ったところ、「エコーにあやしい影がある。サイズは6mm。ただ形がいびつで、悪性かもしれないし、のう胞が3つ、くっついたものかもしれない。サイズが小さく、細胞診をするには小さすぎるので、半年経過観察で、再度マンモとエコーの検査をしましょう。」と言われました。先生曰く、「2センチまではステージ1で、すぐに大きくならないから、半年後で問題ない」とのことでした。このまま半年間、経過観察しているべきなのでしょうか? ちなみに外科の先生で、乳腺外科の先生ではありません。ほかのサイトをみると、6mmで検査をしている方は、たくさんいらっしゃいます。のう胞が3つもくっつくことなんて、あるのでしょうか? 2つくっついたのは、別のサイトでみたことがありますが・・・。紹介状を書いてもらい、別の病院でみてもらおうかと思ったりもしたのですが、その病院の先生の見立ては半年後再検査なので、言いづらいです。

エコーの画像を拝見していないので、はっきりしたことは分かりませんが、一般的には経過を見てもよい大きさであり、6ヶ月毎のフォローで大丈夫だと思います。ただし、いびつな形というのが気になります。微妙な大きさでもありますので、念のために、セカンドオピニオンを受けるのも選択肢の一つだと思います。(文責 須田)

 

No.10892】  12年12月31日   A 
退院後の症状について

私は今月初めに乳癌の手術(乳腺全摘、乳首温存、お腹の脂肪と血管を移植、筋肉は取っていません)をしました。経過は順調なようで、三週間で退院してきました。退院初日の夜、急に胸がモヤモヤドキドキして、いてもたってもいられない状態で息苦しくなりました。以前から肩こりがひどかった為、デパスを服用していた時期があり、残っていた為、安定剤の作用もあると聞いていたので服用したところ、何とか眠る事ができました。次の日も昼から同じ症状が出て、又デパスを服用しました。 どうしても銀行の用事があり、外に出ると少
し気が紛れるのか、息苦しさはありません。視界がぼやけた感じで気持ち悪くなったりします。神経性の病気でしょうか? 傷は痛みますが、それより、ドキドキの症状がとても辛いです。外科に相談したらいいのでしょうか? 入院中にマイスリーを毎日飲んでおり、退院後も処方されていますが、依存性になるのではないかと、不安です。入院中には出なかった症状で、とても辛いです。仕事も復帰予定ですが、とても不安です。私の様に大きな手術をした場合、どのくらいで痛みも改善されるのでしょうか? こんな痛くて辛いなら再建するんじゃなかったと、後悔してしまいます。焦ってはいけないと思いますが、不安で不安でどうしたらいいのかわかりません。どうかアドバイスをお願い致します。

御相談どうもありがとうございます。お話からすると、心臓疾患からくるどきどきではなく、不安からくるもやもや感のようにも感じられます。2-3週間経過して、同じ症状が続くのでしたら、一度外科を受診して、創部が問題ないことをご確認ください。その上で、内科受診や、不安が強ければ心療内科でアドバイスを受けるのもひとつの方法かもしれませんね。でも、心臓疾患の可能性もゼロではありませんので、一度循環器内科の診察も受けておいてくださいね。術後の痛みは、寒い期間はつらいかもしれません。数年経過しても寒い時期には傷がうずく方が多くいらっしゃいます。再建手術は、御自身の判断でなさったのですから、是非自信を持ってくださいね。再建をしていなければ、「再建すればよかった。」と後悔するかもしれませんしね。これからも色々な選択肢がでてくると思いますが、その都度御自身の判断能力を信じて、歩いていってくださいね。これからも応援しています。(文責 高橋)

 

No.10891】  12年12月27日   M.E. 
葉状腫瘍

断乳直後に乳腺炎になり、乳腺外科で検査を受けました。検査結果は、化膿した部分とシコリ、ともにクラス2の乳腺炎だったのですが、下のシコリが気になると、再検査されました。針で細胞診をした結果、良性の葉状腫瘍とのことでした。いま37歳なのですが、乳腺炎とは関係なく、このシコリは8年以上放置していたものです。ずっと変化のなかったシコリが妊娠中に巨大化したのですが、妊娠中に巨大化するものは良性と思い込んでいた為放置。断乳して乳腺炎になり、炎症が落ち着いてきた頃、少し小さくなった気がしました。しかし、小さく感じるのは炎症の腫れが落ち着いてきた為と言われ、葉状腫瘍だから即手術と言われました。

1) CNBの組織診で葉状腫瘍だったものが、摘出後に線維腺腫だったという可能性はありますか?
2) 5センチあるかないかくらいの大きさ(エコーではハンバーグを横から見たような形)だと、摘出後、胸はどれくらい変形しますか?
3) まだ乳腺炎の赤みと腫れが残っているのですが(かなり改善したとはいえ)、手術をした場合に、炎症がある為転移しやすいということはありますか? シコリの真上が乳腺炎になっています。

御相談どうもありがとうございます。
1)CNBの診断は確定的なものではありません。針生検で葉状腫瘍と診断がついていても、摘出すると「線維腺腫」と診断される場合もございます。最終的には、摘出してみないと分からないことが多いと思います。
2)変形の程度はM.E.さまの乳腺の大きさによって異なってくると思いますが、5cmであればやはりある程度の変形の可能性はあると思われます。
3)乳腺炎と腫瘍との関係が不明ですので、転移の有無についてはお答えは難しいです。ただし、炎症をおこしていてばい菌がいる状況での腫瘍摘出は避けた方が良いでしょう。傷が感染して、手術後の経過が悪くなってしまう可能性がございます。

以上、さらに詳細は主治医の先生とも御相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)
 

 

No.10890】  12年12月27日   M
両胸の痛み

41歳です。約2週間くらい前から両胸が痛くて、乳がんではと心配しています。さわった感じでは、しこりの様な物は感じられません(自分で分からないだけかもしれませんが・・・)。乳首からの分泌物もありません。生理前ですが、41歳ですし、閉経かもしれないし、胸が発育するなんて事もないと思います。2週間後に乳がんの検診を受ける事になっているのですが、この2週間のうちに悪化したらどうしようと、気が気じゃありません。

御相談どうもありがとうございます。とてもご心配されていますね。基本的には痛みを伴う乳がんが発生する可能性は低いです。もちろんゼロではありませんが、多くの胸の痛みはホルモンバランスから来るものです。不安になりすぎずに、ただし検診はきちんとお受けくださいね。あなたのことを応援しています。(文責 高橋)

 

No.10889】  12年12月25日   Y.K.
標準治療とセカンドオピニオン(HPNo.10879-2)

No.10879 で相談させていただいた者です。早々にご回答いただき大変力強く感じました。ありがとうございます。ご回答を参考に、主治医に改めて術法とステージ、必要になる可能性がある治療について詳しく話を聞きました。

1.日本の標準治療について
日本では以下の診断をどのように解釈できるのか、ご助言をいただければありがたく存じます。
術法はOpen Biopsyではなく、取り残しなく一度で済ませるために乳房部分切除とのことでした(少し広めに切除するということなのでしょうか)。ステージに関しては、すべては手術の2週間後に出るbiopsyの結果次第で、良性かもしれない、0かもしれない、TNM次第で全摘・リンパ切除・人口乳房再建(この国では普及しています)・放射線・化学療法等が必要になるかもしれない。でも現段階では何も確定的なことはいえないから、前向きに考え、まずは必要不可欠な切除をしましょう、との説明を受けました。また、同じ病院の病理医の先生と個人的に相談できる機会があり、お話をうかがったところ、私のケースは良性と初期癌の間のグレーゾーンに位置付けられ、切除をすればそれ以上の治療は必要ない、反対側の乳房も含めて術後の経過観察が大事という楽観的な説明だったたため、主治医から受けた説明を確認したところ、それ以上の治療が必要になる可能性はゼロとはいえないが極めて低い、と言われました。その際に受けた病理的な説明を参考に、十分には理解できていなかったCore-biopsyの結果をもう一度読み直し、「非定性的に上皮組織で増殖している乳管内乳頭腫がある。その良性腫瘍内にごく初期の乳管内にとどまる癌をみとめる。確実な診断のためしこりの切除が重要である」という内容であることを理解したところです。主治医から受けた、ありうる治療の幅の広さはショックでしたが、お二人の話はそれぞれ正しいのだと思います。しこりの大きさ等を考えると、今すぐの手術が必要という判断は的確だとも思います。

2.セカンドオピニオンの必要性について
腫瘍内科医のセカンドオピニオンを薦められた話を主治医にしたところ、腫瘍内科医は確定診がないと意見できないので、今の段階でのセカンドオピニオンは乳腺外科の管轄になると言われました。主治医は誠実な人柄で、治療経験も豊富なため信頼していますが、いずれかの段階でセカンドオピニオンを受けることは有益とも思います。どの段階で、どの分野の医師に話を聞くのが妥当か、参考までにお伺いできれば幸いです。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

海外での検査、診断、手術といろいろご不便があるものと思われます。
まず、現状での日本の標準治療について・・ということですが、先の質問と今回の質問も含めて、今までのステップは、一言で言えば、きわめて標準的であると思います。
もう少しわかりやすくまとめると、@Core-biopsy(日本ではCore needle biopsy : CNB)の結果、初期の癌の可能性が高い(初期=非浸潤癌)が良悪性の診断がつかない6cm大の病変がある。A従って、open biopsy(切除生検)を行った。ただし、今回は仮に癌であったとしても、非浸潤癌であれば、追加の手術が必要ないので、やや広めの範囲で部分切除を行った。B現在、切除した病変の病理結果を待っているところ、ということになるかと思います。
次のステップですが、@切除した病変に癌が存在するか否か、A癌があるとしたら、非浸潤癌だけか、浸潤癌が混在するか、Bその病変は取り切れているか否か、Cもし癌が存在したら、ホルモン感受性、HER2蛋白の有無は?、という判断が必要です。その上で次の事を考えなければなりませんが、現状で回答するには、病理結果が無いため、回答の内容が多岐にわたりますので、病理結果が揃ってから、改めてご質問下さい。
今後の要点は、@取り切れていれば、追加の切除は必要ないが、cosmeticな面でデメリットが大きいと感じれば、全摘+再建も考慮、A浸潤癌が存在した場合は、腋窩リンパ節の生検も必要になる、B非浸潤癌のみの病変であれば、化学療法は不要だが、病変の性質で、女性ホルモンを抑える治療が必要になることがある、C非浸潤癌であれば、再発を起こすことはなく、治癒可能である、D全摘と部分切除は、基本的に生存率は一緒であるが、部分切除の場合は放射線治療が必要になる、などになりますが、TNM次第で、全摘、放射線、化学療法の必要性を判断するわけではなく、癌の性格を判断し、化学療法の必要性を判断します。腫瘤が小さくても、癌の悪性度が高ければ、化学療法が必要ですし、腫瘤が大きくても、悪性度が低ければ、化学療法は不要になります。
長くなり、失礼致しました。
それと、セカンドオピニオンに関しては、病理診断が難しい病変ですので、まずは病理医のセカンドオピニオンが良いと思います。次いで、病理診断が確定した時点で、腫瘍内科医ということになると思いますが、日本では、術後の治療は、腫瘍内科医ではなく乳腺外科医が担当していることが多く、腫瘍内科医より乳腺外科医へのセカンドオピニオンになります。
かなり、細かくなりましたが、個人的には、これらの細かな点に対応し、説明を聞き納得して・・ということになると、日本で治療をするのも一考かと思われましたが。(文責 鈴木)

 

No.10888】  12年12月25日   R  
肝臓に影(HPNo.10762-3)

以前にも投稿致しましたRです。以前の投稿 No.10762 と No.10787 です。先日受けたマンモに異常所見なく、安心していたのですが、12月11日に受けた腹部エコーの検査結果についてご相談致したく、又、投稿しました。よろしくお願いします。本日12月20日に、12月11日に受けた腹部エコーと骨シンチの結果を聞きました。骨に異常はありませんでしたが、肝臓に影があるとのこと。大きさが13ミリで、造影剤を入れてのCT検査を来月2013年1月23日に受けることになりました。11月に受けた腫瘍マーカーは正常で、他の数値も問題ありませんでした。担当の先生曰く、「腹部のCTはまだ一度も撮っていないので、念のため撮っておきましょうと。」のことですが、自分としては、再発の可能性が強いと担当医から言われていたので、とても不安になりました。落胆しています。骨シンチで肝臓転移というのは分からないものなのでしょうか? また、影があるとのことですが、大きさ13ミリと判断出来るのは、影ではなく腫瘤ということなのでしょうか? 2011年11月に左乳房全摘、リンパ節廓清手術を行いました。ホルモン陽性、リンパ節転移9ヶあり。今年1月より抗がん剤半年、その後放射線25回終了、今は、フェマーラを服薬中です。子宮頚部に異形成もあったので、乳がん治療にもなると思い、2011年12月に両卵巣、子宮全摘手術も行っています。出来る治療は頑張っていますが、転移の可能性はあるのでしょうか? 殆ど愚痴のようになってしまい、相談室の先生方には申し訳ありません。

ご質問ありがとうございます。さて、「影」と「腫瘤」ということについてですが、特に使い分けをしているのではなく、定義もありません。はっきりと「しこり」として確認できれば、「腫瘤」という言葉を使いますし、「しこり」としては存在感が薄く、なんとも言えない時に「影」と言ったりします。また、「腫瘤」ではやや言葉が難しいので「影」と言ったりもします。ですから、10mmでは「影」、13mmで「腫瘤」などと区別するものではありません。次に、骨シンチと腹部エコーは、全く検査の目的も、見ているものも違います。骨シンチでは、肝臓の病変は写ってきません。今まで、出来うる治療を頑張ってきた矢先の事ですので、不安ですし、愚痴のひとつも・・ということだと思います。CTの結果まで、不安な年末年始ですね。何かあれば、またご相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.10887】  12年12月25日   YK 
子宮体癌(HPNo.9371-4)

以前10616でお世話になりました。2005年(38歳)に乳がん温存術で、ホルモン治療(リュープリン5年、タスオミン6年)を年齢が若い事もあり、自らの希望で標準より長く行いました。昨年の11月より生理が再開したあと NSTの上昇(35↑)が見られましたが、その後、少しずつ低下しており、現在の値は10です。少し安心していたところ、先日の健診で、貧血で要精検が出たので、婦人科受診。子宮内膜にポリープのようなものがあると言われました。現在は体癌の細胞診結果待ちです。結果が出るまでは落ち着いて待たなければなりませんが、質問させてください。
私の場合は、ホルモン治療を通常より長く行っているので、体癌の可能性も普通よりは高いと認識しています。ホルモン治療後、閉経前の患者で体癌やポリープは確率的にはどれぐらい多いのでしょうか? また、転移なのか、新たな癌と、どちらが多いでしょうか? ホルモン治療終了後でも、その影響で体癌になる場合もあるのですか? 婦人科関連のことですみませんが、先生の経験の中で教えていただければ助かります。お忙しい中とは存じ上げますが、よろしくお願いします。

質問有り難うございます。ホルモン治療を長く行った場合の子宮体癌についてのご質問ですが、残念ながら、通常5年間の内服に対して、6年間の内服でどれくらい子宮体癌や子宮ポリープの頻度が上がるかというデータはありません。参考になるかどうかわかりませんが、データをお示しします。「5年投与」と「投与なし」で比べた場合、15年後の子宮体癌での死亡率は、「投与なし」に比べて、「5年投与」で0.2%の増加をします。また「10年投与」と「投与なし」で比べた場合、15年後の子宮体癌での死亡率は「10年投与」で0.4%の増加をします。
また、子宮に癌が発生する場合、そのほとんどは新規の病変で、乳癌が転移してくることは非常にまれです。ホルモン治療後に、その影響で子宮体癌になったのか、ホルモン治療とは関係なく子宮体癌になったのかは、非常に難しい問題で、どちらの可能性もあり得る話しです。あまり、明確な回答がなく申し訳ありません。
術後7年経過したとはいえ、再発をはじめとし、いろいろと心配はつきないところですね。お察しします。ご自身の身体のことだから、数字やデータが気になるのは仕方がありませんし、自身のことだから知っていたいと思いますが、今まで、やるべきことをやってきたので、きっと結果はついてくるはずです。腫瘍マーカーの数字にしても、体癌のリスクにしても、細かな数字、データに振り回されることなく、もう少し、ほんの少しでいいので、自信を持ってみて下さい。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.10886】  12年12月25日   K.E. 
乳腺炎、乳輪下膿瘍について(2) (HPNo.10872-2)

大変に丁寧なお返事を頂きましてありがとうございます。
しこりが2箇所にみつかり、受診しました。マンモには白っぽくうつり、エコーでは低エコーの不定形なかたちがあり、固くて血流ありと書かれていました。MRIでは白く固まりで写り、癌のパターンを示していると言われました。しこりの辺りから膿と血液が出ました。しかし、細胞診でも針生検でも、軽度の過形成があるが、主に炎症変化があるだけで、悪性所見はなしと出ました。血液検査は、まったくの正常値でした。結論としては、腫瘍形成型の乳腺炎と診断名が付きました。あまり、典型的でないので、経過を診ていきたいとのことで、また、2カ月後に診ていただく予定です。炎症に隠れて悪性がある可能性があるとのことですが、乳腺炎と癌が併発することはあるのでしょうか? また、乳腺炎で出来るしこりも、固くて血流があるものなのでしょうか? 授乳からは3年以上空いているのに、乳腺炎と診断されて非常に戸惑っています。

ご質問ありがとうございます。種々の画像検査、組織診まで行い、乳腺炎の診断とのことです。まずは、2ヶ月後に経過観察で十分だと思います。いろいろ、ご心配な点が多いようですが、あまり過敏にならず、経過を追われたらいいのではないでしょうか。もし、それでも心配が尽きないのであれば、局所麻酔でしこりの切除、ということになるでしょうが、炎症の最中に手術をすることは、あまり得策ではないように思います。また、いくつかのご質問があるようですので、回答します。@乳腺炎に癌が併発することは、あり得ます。A乳腺炎で出来るしこりも、炎症ですから、固く、血流があります。B乳腺炎は授乳期だけのものではなく、閉経後でも起こります。
以上、回答のみで失礼いたしますが、細かな点に関しては、主治医とよく相談し、不安のないようにお過ごし下さい。(文責 鈴木)

 

No.10885-1】  12年12月25日   S.W
プロテイン摂取について

いつも拝見させていただいております。2009年8月に、左乳房切除術後、EC→T療法それぞれ4回終えたところで肋骨に骨転移が発見され、現在はゾメタ、フェマーラ、フォサマックの治療を受けております。今のところ骨転移も進行することなく、仕事にも復帰し、普通に日常生活を過ごしております。最近、筋力をつけたいと通い始めたジムで、ホエイ(乳清)から作られたプロテインの紹介をされました。タンパク質が豊富という事で、とても魅力を感じる反面、毎日摂取する事が、乳癌を患い治療中の体へどれだけ影響するのかが不明なため、不安に思っております。病理検査の結果は、ER(+)PgR(+) HER2(1+)でした。このプロテインを飲んでよいものかどうか、ご意見を伺いたく投稿させていただきました。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。  

ご質問有り難うございます。まず、骨転移を患いながら、ご自身の人生を楽しんでいらっしゃる様子が伝わり、何よりだと感じます。
さて、ご質問に関して、プロテインの摂取はなんら問題ありませんので、どうぞお続け下さい。ひとつふたつ注意するとしたら、骨転移がありますので、筋トレで必要以上の負荷を骨にかけるのはあまり得策ではないと思います。ほどほどに。それと、zometaとフォサマックですが、zometaを投与していれば、フォサマックは不要です。実際、併用データがなく、併用することの安全性、効果が確かめられていませんので、主治医とよくご相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.10885-2】  13年01月10日   S.W
ゾメタとフォサマックの併用について

先日は回答頂き、ありがとうございました。安心してプロテイン摂取を決断できました。10885で相談させて頂いた件で再度お聞きしたい事があり、投稿させて頂きます。肋骨に転移が発見されてからは、ゾメタとフェマーラの治療で経過観察しておりました。その後、骨密度の検査で骨粗鬆症の診断を受け、フォサマックを処方されました。骨粗鬆症であっても、ゾメタとフォサマック併用は必要ないのでしょうか? お忙しいところ何度も申し訳ありませんが、どうぞ宜しくお願い致します。

ゾメタもフォサマックもビスフォスフォネート製剤です。一般的に、骨粗鬆症では経口薬のフォサマックを使用し、骨転移には注射薬のゾメタが使われています。ゾメタに関しては、海外での大規模臨床試験で、骨粗鬆症の進展を防ぐことが報告されています。また、ゾメタ注とフォサマックの併用は、副作用の発現率を高める可能性があると考えられています。貴女の場合、ゾメタ注で経過観察することで、骨粗鬆症に対する効果が期待できると思います。(文責 須田)

 

No.10884】  12年12月25日   Y   
経過観察

初めてメールします。37歳で、子どもは二人います。先日、市の乳ガン検診を受けました。エコーで、右胸だけ注意深く見ていて、乳首の近くで、エコーに黒い塊みたいなものが写っていました。大きさも測っていました。結果は、低エコー腫瘤で、経過観察となりました。私の叔母と、実の姉が乳ガンです。経過観察となった場合、今のところは心配ないという事なんでしょうか? 初めは、低エコー腫瘤と診断されて、後に癌になる場合が多いのでしょうか? 他の病院で、もう一度見て貰ったほうがいいのか、次の健診まで何もしなくていいのか、心配でご相談しました。宜しくお願いします。

ご質問ありがとうございます。画像を見ていないのと、組織診を行っていないのでなんとも言えませんから、一般的な考え方をお伝えします。エコーの検査を行った時、乳腺のしこりは、多くが低エコー腫瘤(画像上、黒く写る)として検出されます。私どもは、それらが、「誰がみても良性と思われる」ような形状、性質をしていれば、組織診、細胞診などの病理検査を行わずに経過観察をすることがあります。ただ、「誰がみても良性」と思われる腫瘤でも実際に病理検査を行うと「悪性」の診断がつくこともありますので、原則、病理検査を行い、「良悪性」の診断は行いますが、全部のしこりに病理検査はできませんので、必要に応じて病理検査を行います。ご質問のケースでは、「経過観察」になったとのこと・・恐らく、「良性」を強く疑う所見だったのだと思います。従って、自己触診を行い、何か変化が無ければ、半年後〜来年の検診で良いという判断になったと考えます。
組織診を行い、「良性」と診断したしこりが、「悪性」に変わることはありませんが、ごくまれに、そのしこりの中に癌が発生したりすることもありますので、1-2年、経過観察を行い、変化がなければ、後は検診で、というのが一般的かと存じます。
ご心配であれば、組織診が必要なのか否か、画像はどうなのかを他で診て頂くのも一つだと思います。(文責 鈴木)

 

No.10883】  12年12月20日   N  
ゾラデックスの必要性

以前にもお世話になり、その節はありがとうございました。ホルモン療法についてご相談させて下さい。H23.3 左胸全摘手術(廓清なし)後、抗がん剤TC療法×6回、その後ホルモン療法をノルバデックス単独で治療中です。注射タイプのゾラデックスを、当然、同時に始めると思っていましたが、主治医より、「生理が戻ったら始めようか」と言われ、様子見していました。そして、今年9月に出血があったのですが、「生理ではないだろうから、婦人科で問題がないか検査して下さい。」と言われました。子宮頸がん、体がんともに、陰性(−)で、問題がありませんでした。婦人科の先生には、「出血は、生理かどうか難しい所、もし出血を止めたいのであれば、乳腺外科にて注射を始めてはどうだろうか? もし無理で、それでも出血が気になるのであれば、婦人科的には、女性ホルモンを投与して安定させるしか出来ない、でもきっとホルモン感受性の乳がんだろうから、乳腺の先生に反対されるかな、一度聞いておいて。」と言われました(今日乳腺の受診日でしたが、聞きそびれました)。勿論、ホルモン感受性なので、女性ホルモン投与など、怖くてお願いできません。血液検査の結果も、今までは、まだ生理が再開したとは言えない、けれども閉経でもない数値だそうです。本日乳腺の受診日でしたので、主治医に、「結局前回の受診から3回、生理様の出血がありました。注射しますか?」と言いましたが、主治医は「以前に生理が来たら・・・と話したっけね。でも、抗がん剤をバッチリ6回完了して、そこで生理が止まって、で生理が最近再開したわけだけど、注射は最初の2年を目安に行うものだし、もうあと数か月で満2年になるよね。僕としては、もう今までの治療で充分だと思うよ。だから、生理を普通に受け入れればいいと思う。」との返答でした。私としては、よく聞く標準的な治療は全部やっておきたい、そして、出血している事自体、再発のリスクが高くなるのではないのでしょうか? 恐らく希望すれば行って下さると思いますが、信頼している主治医が必要ないと言うなら、素直に従うべきか?迷っています。また、来年3月の2年検査まで数か月空いてしまい、もし、注射が必要な状態なら、早めに受診して希望した方が良いのでしょうか? 再発のリスクが、注射をしない事で、著しく上がってしまう可能性はありますか? 解らない事だらけで申し訳ありません。同じ主治医の患者さんで、私と同年齢あたりで、同時期に抗がん剤治療していた方が、抗がん剤後、すぐに注射を開始したので、何で私は注射をして貰えないのか?そういった小さな疑問も生じて来ています。主治医の言うように、術後2年経過後に注射を開始しても、本当に効果はないのでしょうか? 質問攻めの長文になってしまい、申し訳ありません、宜しくお願い致します。当方、39歳、ステージ1です。
病歴 粘液癌(乳管内に非浸潤癌が広がり、基底膜を破っていたのが3か所との事でした)
   サイズ 8o、4o、2o の3つ
   グレード2  ホルモン共に90% 脈管侵襲共になし(−)
   リンパ転移なし(−) センチネル生検(0/3)
   Her2(−) 増殖能(−)

一般的には、ゾラデックスの投与期間は2年間ですが、最近は、化学療法を行って閉経した方の生理が戻った場合は、再発のリスクが高くなる傾向があるので、ゾラデックスもしくはリュープリンを投与することがよいと言われています。貴方のがんは粘液がんで小さく、リンパ節転移もないので、かなり予後が良いと考えます。その辺が主治医の先生が追加治療不要と考えている原因ではないでしょうか。主治医の先生とよく相談して下さい。(文責 清水)

 

No.10882】  12年12月20日   H  
乳頭からの分泌物

一ヶ月前に乳頭を強く押したら緑色の液体がでてきました。そのうち治るだろうと、ほっておいたのですが 、一ヶ月たった今も緑色の液体が一滴でます(胸がはっています)。右側はたまに白色の液体がでます。 この症状で考えられる病名を教えてください。

一番考えられるのは乳腺症です。一度乳腺外科を受診して検査することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.10881】  12年12月20日   H 
現在の治療と今後の治療について

6年前に温存し、3年後に局所再発、全摘出をしました。その2年後に呼吸苦があり、胸膜、肺、大動脈リンパ節に転移し、胸水が溜まり、右側を癒着手術しました。それから1年たちましたが、その間に肝臓、骨に転移し、現在治療中です。ゼローダから始めましたが効果見られず、エンドキサンを足したところ、マーカーが下がり、体調も回復しました。しかし、半年後マーカー上昇のため中止してナベルビンを開始しましたが、肝臓がはれてしまい、胃のあたりがカチカチになってきて左に胸水が溜まってきたので中止、現在タキソール、アバスチン、ゾメタで治療中です。マーカーは上がる一方ですが、2コース終わったとこです。そこで相談です。

1) マーカーCEAは20ぐらいずつ、15-3は200ぐらいずつ上昇していますが、主治医は、「急激に上がっているわけではないので、自覚症状をみながら今の治療をもう1コースして、それでも上がるようであればジェムザールをしてみよう。」という話しでした。もちろん自覚症状をみながらですが、今の抗癌剤の治療がベストとみてよろしいですか。あまり早く変更ばかりしても効果がわからないので、3コースぐらいはしてみてもいいでしょうか。
2) 胸水がなんとかとどまっていてくれていますが、この先増水すると癒着をしなければいけなくなると思うのですが、やってしまうと自発呼吸が難しくなるので、酸素が必要な生活になるかもしれないと言われました。なんとかさけたいのですが、やはり増水してしまうと、抜くだけではなく癒着をしないとまたすぐ溜まってきてしまうので、それしか方法はないでしょうか。
3) 一時、肝臓が激痛でしたが、一時軽減したのですが、最近またみぞおち付近のカチカチになってきている部分から肝臓にかけて痛みがでるようになり、オキシコンチンを増やし、ロキソニンでしのいでいますが、カチカチになっている原因は、肝臓がはれてくるせいなのでしょうか。抗癌剤の効果があれば、やわらかくなってくるものなのでしょうか。
4) 呼吸がままならないのでスローペースでの歩行しかできないのですが、肺の中のリンパ管が悪くなっているので、胸水だけではなくリンパ管症のせいもありますか。
5) すべては抗癌剤の効果に期待するしかないのですが、今まで使用した抗癌剤は、FEC、タキソテール、タキソール、ゼローダ、ナベルビン、エンドキサン、アバスチン、ゾメタです。今後の薬剤として何が残されているでしょうか、今後国内認証されそうな抗癌剤は予定あるでしょうか。
6) ゼローダにエンドキサン(錠剤)を足したら効果があったのですが、エンドキサンを使った薬剤は今後使用してみる価値はありますでしょうか。具体的に何があるのかわからないのですが・・・。

以上、まだ幼児がいるため少しでも頑張りたいと思っています。アドバイスいただけると幸いです。

1) 腫瘍マーカーの上がり方は個人差が大きいので、マーカーのみに頼るのはよくありません。ガイドラインでも腫瘍マーカーの上昇のみで治療法を変更するのは望ましくないとあります。画像診断、自覚症状を重視すべきだと思います。
2) 胸水の癒着療法を行ったとき、一過性に発熱することはありますが、呼吸が苦しくなったり、酸素が必要になることはありません。何度も抜く必要が出てきた場合は癒着させてしまう方が良いと思います。
3) 上腹部の硬い感じは肝転移の可能性が高いと思います。抗がん剤が効けば柔らかくなることが多いです。
4) 呼吸がままらない原因は、肺転移、胸膜転移、がん性リンパ管症や、抗がん剤の副作用の間質性肺炎、心機能の低下などいくつもの原因が考えられます。現状では、いろいろな動作をゆっくり行うことを心がけて、少ない酸素を有効に使うことが肝要です。場合によっては在宅酸素を導入しておくことも、安心に繋がると思います。
5) ホルモン療法剤、ハーセプチンを使っていないということは、triple negative(ER(-)PR(-)Her2(-)なのですね。そうなると、ハラヴェン、ジェムザール、アブラキサン、イリノテカン、CMFなどが残っています。
6) CMFがエンドキサンを含んだレジメンです。副作用が少なく、Triple negativeには有用だと言われていますが、効果はあまり強くありません。

主治医の先生とよく相談しながら、少しでも長生きできるように頑張って下さい。そして、治療を頑張るだけでなく、子供さんが成長した時に向けてお母さんのメッセージを残してあげるなど、残された限られた時間をどう有効に使うかも同時によく考えて下さい。(文責 清水)

 

No.10880】  12年12月17日   S 
リュープリンの副作用ついて

リュープリンを投与して、かれこれ1年が経過します。副作用として、ホッとフラッシュやほてりがある事は認識しています。私は、ホットフラッシュ等の副作用は、どうってことがなかったのですが、9回目投与あたりから、精神的に不安定になり、11回目の投与が終ってからは、関節が痛いです。特に股関節に痛みがあります。リュープリンの副作用として糖尿病などもあげられています。すべての副作用になる訳ではないですが、私は股関節の痛みもあるため、糖尿病の心配があります。
ここらかが質問です。リュープリンの長期投与による副作用は、ホットフラッシュやほてり以外に、何が多くあげられるのでしょうか? 糖尿病の発祥も、率としては高いのでしょうか? ご回答の程、よろしくお願いします。

リュープリンの副作用は、更年期障害の症状と考えてもらえば良いのです。頭痛、めまい、肩こり、手指の関節痛(股関節痛というのはめずらしいです)、動悸、しびれ、うつ傾向、情緒不安定等々。糖尿病という副作用の頻度は非常に低いと思います。糖尿病かどうかは血糖値を測ってもらえばよいのではないでしょうか(文責  清水)

 

No.10879-1】  12年12月17日   Y.K.  
乳腺炎との関連性および海外での治療について

初めて相談させていただきます。留学中の海外の病院でCore-Biopsyの結果、「乳癌の可能性が極めて疑われる病変あり」という診断を受けた者です。癌だとしても、広がりはなく、ごく初期、超音波でのしこりの大きさは、6.5×4.8×1.5cmでした。確定診がつかなかったため、来年1月に手術(「腫瘍核手術」に該当するのでしょうか?)をし、しこりを切除して確定させる、癌の場合は放射線治療が必要になると言われました。今のところ、当地で手術、場合によっては放射線治療まで受けようと考えています。最後に日本で検診を受けたのは2011年11月ですが、初めて受けた細胞診の結果、良性との診断を受けました(同じ部位です)。

お伺いしたいのは次の二点です。
1) 過去の乳腺炎との関連性
10年ほど前に、難治性乳腺炎を患いました。乳輪下膿瘍を切除する手術、その後、別の病院で、乳腺炎の原因と思われる陥没乳頭を治す形成手術を受けました。こちらの医師に、病変部位はたまたま手術個所と同じ場所だけれど、まったく別のものだと説明を受けましたが、「なぜ」という思いがあります。日本の元主治医(経過観察は手術の1年後で終了しています)に画像を送って、当地の医師に引き継ぐべき情報と意見をいただければと思い病院に問い合わせましたが、病院の管理運営上制約があり、直接話をうかがうことはできていません。事態を受け止めるため、過去の病歴との関係を理解するためのご助言をいただけないでしょうか。

2) 日本への帰国可能なタイミング
万が一化学療法が必要になった場合は、日本に帰国する必要があると考えています。二回のトランジット、30時間程度の飛行機での移動が必要になります。治療のスケジュール上、帰国のタイミングの選択肢には、手術後も含めて、どのようなものが考えられるでしょうか。

その他、何か特に現段階で確認しておくべき点がありましたら、ご教示いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 画像診断だけであれば、前回の手術の瘢痕と新しいがんの鑑別は難しいと思いますが、Core biopsyをして“乳癌疑い”ということであれば、乳輪下膿瘍の影響は考えず、open biopsyで確定診断をつけるという選択でよいと思います。ただし、core biopsyでがん疑いということは、がんでない可能性もあると思います。
2) open biopsyの結果ががんであって、しかも化学療法が必要というsituationですね。やはり治療は一貫して行なった方がよいので、診断がついた段階で帰国して、手術、放射線、術後の補助治療を一緒に考えてもらって治療する事ことをお勧めします。現地で手術、放射線を行なったなら、化学療法も現地で受けて良いのではないでしょうか?
3) 現時点で言える事は、何はともあれopen biopsyをして診断を確定させる事です。(文責    清水)

 

No.10879-2】  12年12月25日   Y.K.  
標準治療とセカンドオピニオン

No.10879 で相談させていただいた者です。早々にご回答いただき大変力強く感じました。ありがとうございます。ご回答を参考に、主治医に改めて術法とステージ、必要になる可能性がある治療について詳しく話を聞きました。

1.日本の標準治療について
日本では以下の診断をどのように解釈できるのか、ご助言をいただければありがたく存じます。
術法はOpen Biopsyではなく、取り残しなく一度で済ませるために乳房部分切除とのことでした(少し広めに切除するということなのでしょうか)。ステージに関しては、すべては手術の2週間後に出るbiopsyの結果次第で、良性かもしれない、0かもしれない、TNM次第で全摘・リンパ切除・人口乳房再建(この国では普及しています)・放射線・化学療法等が必要になるかもしれない。でも現段階では何も確定的なことはいえないから、前向きに考え、まずは必要不可欠な切除をしましょう、との説明を受けました。また、同じ病院の病理医の先生と個人的に相談できる機会があり、お話をうかがったところ、私のケースは良性と初期癌の間のグレーゾーンに位置付けられ、切除をすればそれ以上の治療は必要ない、反対側の乳房も含めて術後の経過観察が大事という楽観的な説明だったたため、主治医から受けた説明を確認したところ、それ以上の治療が必要になる可能性はゼロとはいえないが極めて低い、と言われました。その際に受けた病理的な説明を参考に、十分には理解できていなかったCore-biopsyの結果をもう一度読み直し、「非定性的に上皮組織で増殖している乳管内乳頭腫がある。その良性腫瘍内にごく初期の乳管内にとどまる癌をみとめる。確実な診断のためしこりの切除が重要である」という内容であることを理解したところです。主治医から受けた、ありうる治療の幅の広さはショックでしたが、お二人の話はそれぞれ正しいのだと思います。しこりの大きさ等を考えると、今すぐの手術が必要という判断は的確だとも思います。

2.セカンドオピニオンの必要性について
腫瘍内科医のセカンドオピニオンを薦められた話を主治医にしたところ、腫瘍内科医は確定診がないと意見できないので、今の段階でのセカンドオピニオンは乳腺外科の管轄になると言われました。主治医は誠実な人柄で、治療経験も豊富なため信頼していますが、いずれかの段階でセカンドオピニオンを受けることは有益とも思います。どの段階で、どの分野の医師に話を聞くのが妥当か、参考までにお伺いできれば幸いです。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

海外での検査、診断、手術といろいろご不便があるものと思われます。
まず、現状での日本の標準治療について・・ということですが、先の質問と今回の質問も含めて、今までのステップは、一言で言えば、きわめて標準的であると思います。
もう少しわかりやすくまとめると、@Core-biopsy(日本ではCore needle biopsy : CNB)の結果、初期の癌の可能性が高い(初期=非浸潤癌)が良悪性の診断がつかない6cm大の病変がある。A従って、open biopsy(切除生検)を行った。ただし、今回は仮に癌であったとしても、非浸潤癌であれば、追加の手術が必要ないので、やや広めの範囲で部分切除を行った。B現在、切除した病変の病理結果を待っているところ、ということになるかと思います。
次のステップですが、@切除した病変に癌が存在するか否か、A癌があるとしたら、非浸潤癌だけか、浸潤癌が混在するか、Bその病変は取り切れているか否か、Cもし癌が存在したら、ホルモン感受性、HER2蛋白の有無は?、という判断が必要です。その上で次の事を考えなければなりませんが、現状で回答するには、病理結果が無いため、回答の内容が多岐にわたりますので、病理結果が揃ってから、改めてご質問下さい。
今後の要点は、@取り切れていれば、追加の切除は必要ないが、cosmeticな面でデメリットが大きいと感じれば、全摘+再建も考慮、A浸潤癌が存在した場合は、腋窩リンパ節の生検も必要になる、B非浸潤癌のみの病変であれば、化学療法は不要だが、病変の性質で、女性ホルモンを抑える治療が必要になることがある、C非浸潤癌であれば、再発を起こすことはなく、治癒可能である、D全摘と部分切除は、基本的に生存率は一緒であるが、部分切除の場合は放射線治療が必要になる、などになりますが、TNM次第で、全摘、放射線、化学療法の必要性を判断するわけではなく、癌の性格を判断し、化学療法の必要性を判断します。腫瘤が小さくても、癌の悪性度が高ければ、化学療法が必要ですし、腫瘤が大きくても、悪性度が低ければ、化学療法は不要になります。
長くなり、失礼致しました。
それと、セカンドオピニオンに関しては、病理診断が難しい病変ですので、まずは病理医のセカンドオピニオンが良いと思います。次いで、病理診断が確定した時点で、腫瘍内科医ということになると思いますが、日本では、術後の治療は、腫瘍内科医ではなく乳腺外科医が担当していることが多く、腫瘍内科医より乳腺外科医へのセカンドオピニオンになります。
かなり、細かくなりましたが、個人的には、これらの細かな点に対応し、説明を聞き納得して・・ということになると、日本で治療をするのも一考かと思われましたが。(文責 鈴木)

 

No.10878】  12年12月17日   Y
術後の治療について

以前、質問させて頂き、お世話になりました。今回は親戚の者が乳がんになり、治療に不安を感じ、質問させて頂きます。60歳の主婦(リューマチの持病あり)で、7月に乳がんがわかり、11月に手術しました。結果は粘液がんで、左胸を全摘(腫瘍は大きかったようです)しましたが、肺に小さな腫瘍があったことと、リンパ節に3個転移があったそうです。うち1つは太い血管のそばにあるということで、取りきれなかったようです。昨日、病理の結果が出て、ホルモン療法(アリミデックス1錠)の投薬のみで3ヶ月間様子を見るとの事です。1月末にCTを撮り、薬の効果をみて、その結果しだいで、また治療法を変えることもあるとのことです。本人と直接話ができておりませんので、情報が少ないとは思いますが、宜しくお願いいたします。

詳しい状況が不明なのでお答えしづらいです。肺の小さな腫瘍は転移を疑われているのでしょうか? また、取りきれなかったリンンパ節というのはどういう状況なのでしょうか? 一般に粘液がんは悪性度が低く、進行が遅い乳がんと言われていますから、肺転移が疑われたり、リンパ節が取りきれないという状況は考えにくいです。強いて言えば、粘液がんが純粋な粘液がんではなく、通常の浸潤性乳管がん成分を合併している粘液がんであれば考えられる状況です。術後の治療は、ER.PR,Her2の状況が分からないとお答えできません。(文責  清水)

 

No.10877】  12年12月17日   S.M.
2回目断端陽性について(HPNo.10851-2) 

お世話様でございます。11月に断端陽性の為、2回温存手術を致しまして、10851にて今後の方針の御相談をさせとぃただきました。12月11日に抗がん剤TC療法の最終(4回目)投与予定で、その後再手術と思っておりますが、前回ご指導いただいた全摘、皮下乳腺全摘同時再建、放射線照射25回+5回とでは、再発、転移等にどれくらい差があるのでしょうか? 2回目も陽性だった不安から手術のみ考えておりましたが、体力的にも自信が無くなって参りましたのと、家事都合で長期の入院に支障が生じましたので迷っております。度々申し訳ございませんが、再度のご指導をお願い致します。

まず考えて頂きたいのは、全身への転移と、乳房内再発を分けて考えてください。腫瘤径8mmで二度断端陽性ということは、非浸潤癌病変で断端陽性と考えられます。だとすると、断端陽性は基本的には乳房内再発のriskがありますが、全身への転移のriskにはほとんど影響しません。 したがって、全身への転移のriskは皮下乳腺全摘でも、放射線治療でも変わりません。しかし乳房内再発のriskについて考えれば、乳腺組織がなくなる皮下乳腺全摘の方が放射線治療より乳房内再発のriskは低いと思います。その差がどのくらいかは、明確なevidenceがないのでお答えは難しいのですが、私個人の予想としては5%程度ではないかと思います。(文責  清水)

 

No.10876】  12年12月13日   さくらこ
小豆粒大のしこり(HPNo.10527-3)

10527、10646で相談させていただいた、さくらこです(59歳)。2011年11月に温存手術をし、ONCOテストの結果、抗がん剤を加えても再発率は同じと出ましたので、放射線治療のあと、フェマーラを服用中です。術後の病理結果は次の通りでした。

大きさ 10x8mm
リンパ節転移あり センチネル(1/1)その他(1/2)
ホルモンレセプター 強陽性 ER(5.3)PR4(4.3)
Her2  Fish後、陰性1.1
Ki67 10%
悪性度 1
ステージ 2a

10月なかばに、少し早目の術後一年検診を行い、肝臓血腫、腎臓結石などはありましたが、CTスキャンや骨シンチでは何も見つかりませんでした。ところが、2か月近くたった昨日、術側の傷の3センチほど上の皮膚の少し下に、小豆より少し小さめのしこりを見つけ、ショックを受けています。かなりしっかりした固さのあるしこりです。これは再発なのでしょうか? 関係があるかどうかはわかりませんが、2か月ほど前に原因不明の39度ほどの熱が出て、4日間下がらなかったことがあります。また、術後ずっと、術側の背中の表面に近い部分に広範囲に痛みを感じ続けています。一年検診で大丈夫と判明してわずか2か月後に再発ということはありうるのでしょうか? 心配で動悸が収まりません。ご返答をお待ちしています。

創の近くにできたしこりであれば、再発、新しい乳癌、手術時に使った糸が原因の肉芽腫、等いろいろな原因が考えられます。心配しているより。早めに主治医の先生に診てもらった方がよいと思います。(文責  清水)

 

No.10875】  12年12月13日   U 
術後8年目の治療について(HPNo.9789-4)

お世話になっております。以前10492で相談致しました。今回は、手術後8年目の治療について質問させていただきます。現在55歳、経過良好。2004年12月に温存手術後、ゾラデックスを5年間使用しました。その後アリミデックスに変更したところ、生理再開によりアリミデックスを中止。ゾラデックスを1年追加しました。(最終2011年7月。ゾラデックスは合計6年間使用) 生理が復活しましたが、無治療でした。今月ホルモン値が閉経状態となったため、来年2月に採血で閉経が確認されたら、主治医はアリミデックスを1〜2年服用した方がよいと言っています。理由は、腫瘍径が大きく、リンパ節転移もあったためです。股関節炎の痛みもあり、アリミデックスの効果と副作用を考えると、服用した方がよいのか迷っています。是非、先生のお考えをお聞かせ下さい。よろしくお願い致します。

術後補助療法としては標準的でない経過を辿っているので、現時点でどうするのがよいか判断するのは難しいです。ゾラデックス使用時は一緒にノルバデックスを投与されていたと思うので、そうなると術後5年以上ノルバデックスを投与しているので、治療を終了するのが標準的かと思いますが、リンパ節転移陽性乳癌でノルバデックス5年投与後にアロマターゼ阻害剤を投与すると5年目以降の再発が減少するという臨床試験もありますので、アリミデックスの追加投与はそのメリットとデメリットをよく考えて、主治医の先生と相談して決めて下さい。(文責  清水)

 

No.10874】  12年12月13日   G 
骨転移の可能性は高いのでしょうか?

いつも参考にしています。一年半前に乳がん手術、ステージ2b、リンパ節転移1個、グレード3、36才です。その後、抗がん剤2種類(fec+アブラキサン)、現在はリュープリンとノルバデックスです。趣味で、軽いジョギング、フットサル、ゴルフなどしますが、先日、寒い中、きつめのズボンでゴルフをしたら、腰痛になりました。少しずつ坐骨神経痛のようになり、太もも前後、ふくらはぎ、足裏、甲が少し痛くなりました。しびれや強い痛みはないですが、なんとなく気になる感じです。一ヶ月位たちますが、今は太ももだけが張っています。なかなか治らず、骨転移を心配してしまいます。ホルモン治療のせいか、不安も大きく、困っています。ちなみに、なぜか走ったり、フットサルをすると、痛みがなくなります。骨転移の可能性は高いのでしょうか? マーカーは基準値内ですが、Tctpは少し高めでしたが、主治医はホルモン治療の影響との判断でした(7月)。ご助言よろしくお願いします。

mailの内容からは骨転移の可能性が高いとは思えませんが、検査をしてみないと正確なところはわかりません。主治医に相談して、骨シンチ等の検査をすることをお勧めします。(文責  清水)

 

No.10873】  12年12月13日   Y 
アバスチンの併用

何度か相談させていただいています、乳ガンが、肺と肺近くのリンパと股関節に再発しています。ジェムザールをしていますがおもわしくなく、来年から、タキソールかタキソテールとアバスチンの併用を勧められていますが、アバスチンなしの単独を希望しています。消えるまでするとなるとお金がかかるためです。保険にも入れていません。やはり併用をすすめられますか? よろしくおねがいします。

ご相談ありがとうございます。Yさんは何度かご相談なさっているようですが、過去の相談内容がわからなかったため、今回のご質問内容だけをお返事させて頂きます。来年からの治療ですが、アバスチンとの併用薬はタキソールであり、タキソテールと併用することは一般的治療ではありません。ご担当の先生にご確認なさって下さい。医療費ですが、アバスチンはおっしゃる通り高額な薬剤ですが、高額療養費制度により医療費がある一定金額を超えると、超えた分の金額の支払いが後に支給される(医療費をある一定金額以下にとどめる)という制度があります。お薬の内容や金額について再度ご担当の先生とよくご相談なさってから、治療をお決めになることをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10872-1】  12年12月13日   K.E. 
乳腺炎、乳輪下膿瘍について

いくつか質問させてください。
1) 乳腺炎あるいは乳頭下膿症の場合には、血液検査でのCRP(炎症反応)の値は、必ず上昇しますか? 癌の場合は、いかがですか?
2) また、MRIの癌のパターンというのがあるそうなのですが(造影剤に染まっていく速度かなにかの山なりのグラフをみました)、乳腺炎や乳頭下膿症の場合と、癌の場合は、明らかに違いがあるのでしょうか?
3) 乳腺炎や乳頭下膿症の場合に、分泌物として、すこし粘度のある血液が出続けることはありますか?

いくつも質問があって、すみません。よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で疑問が少しでも減れば嬉しく思います。乳腺炎や乳輪下膿瘍では血液検査でCRP値の値が上がる症例が多いですが、膿がたまっていても炎症が落ち着いている状態などでは、CRP値は正常に近い値まで下がる場合もあります。癌ではCRP値が上がる症例は少ないです。MRIの造影のパターンですが、これは「時間信号曲線」と言います。乳癌にはある程度特徴的なパターンがあります。しかし乳腺炎や乳腺膿瘍の場合を調べたのですが、はっきりした報告を見つけることはできませんでした。私の考えですが、乳腺炎や乳腺膿瘍の場合は、その撮影時の炎症の程度によってこのパターンは変化してくると考えます。また膿のたまっている部分と乳管とがつながっている場合は、乳腺膿瘍が改善するまで膿のような分泌物が出続ける患者さんを拝見したことがあります。K.E.さんの疑問にきちんとお応えできているとよいのですが、もしご自身のことであれば、ぜひ早めにお近くの乳腺外科に受診なさることをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10872-2】  12年12月25日   K.E. 
乳腺炎、乳輪下膿瘍について(2)

大変に丁寧なお返事を頂きましてありがとうございます。
しこりが2箇所にみつかり、受診しました。マンモには白っぽくうつり、エコーでは低エコーの不定形なかたちがあり、固くて血流ありと書かれていました。MRIでは白く固まりで写り、癌のパター
ンを示していると言われました。しこりの辺りから膿と血液が出ました。しかし、細胞診でも針生検でも、軽度の過形成があるが、主に炎症変化があるだけで、悪性所見はなしと出ました。血液検
査は、まったくの正常値でした。結論としては、腫瘍形成型の乳腺炎と診断名が付きました。あまり、典型的でないので、経過を診ていきたいとのことで、また、2カ月後に診ていただく予定です。
炎症に隠れて悪性がある可能性があるとのことですが、乳腺炎と癌が併発することはあるのでしょうか? また、乳腺炎で出来るしこりも、固くて血流があるものなのでしょうか? 授乳からは3年以上空いているのに、乳腺炎と診断されて非常に戸惑っています。

ご質問ありがとうございます。種々の画像検査、組織診まで行い、乳腺炎の診断とのことです。まずは、2ヶ月後に経過観察で十分だと思います。いろいろ、ご心配な点が多いようですが、あまり過敏にならず、経過を追われたらいいのではないでしょうか。もし、それでも心配が尽きないのであれば、局所麻酔でしこりの切除、ということになるでしょうが、炎症の最中に手術をすることは、 まり得策ではないように思います。また、いくつかのご質問があるようですので、回答します。@乳腺炎に癌が併発することは、あり得ます。A乳腺炎で出来るしこりも、炎症ですから、固く、 血流があります。B乳腺炎は授乳期だけのものではなく、閉経後でも起こります。
以上、回答のみで失礼いたしますが、細かな点に関しては、主治医とよく相談し、不安のないようにお過ごし下さい。(文責 鈴木)

 

No.10872-3】  13年02月03日   K.E. 
治療法と手術時期

No.10872、10889で相談させていただいた者です(36歳、未婚、海外滞在中です)。いつも貴重なアドバイスをいただき、心から感謝しております。1月10日に、結局、左胸のしこり部分のみを切除する手術を受けました。切除部位の大きさは、4 X 3, 5 X 3cmです。1月30日に出た病理の最終結果に基づいて、相談いたします。

病理の結果は以下の内容でした(英訳後和訳したため、念のため参考にした英語を併記します)。
「乳頭状非浸潤性乳癌(Papillary Carcinoma in situ)および非浸潤性乳管癌(DCIS:Ductal carcinoma in situ)、篩状構造 (cribriform pattern)、核グレード2、Comedoタイプ の巣状壊死と微細石灰化を伴う。病変は、検査された4つのスライドガラスすべてに存在し、染色された標本のマージン部分 にみられる。巣状に存在する。細胞の平坦型上皮異型(Flat epithelial atypia:FEA)、通常型乳管過形成(usual ductal hyperplasia) 、嚢疱(simple cysts)」

主治医の提示した治療内容は、
1.全摘手術、 2.同時再建(人工乳房:シリコン)一度で完了。エキスパンダーを入れる必要なし。 3.センチネルリンパ節生検の三点セットで、化学療法や放射線療法は不要とのことでした。また、その理由は、病変が染色された標本のマージン部分にみられるため、悪性の場合も放射線治療のみという手術時の当初案は適応外。可能な限り早期の手術が必要。部分切除手術の適用が可能だが、しこりが大きく、胸が小さいため、外見の変化に与える影響が大きくなり、メリットがないということでした。以下の点についてご助言をいただければ幸いです。

1) 上記の病理結果と治療法の妥当性について
2) 後になってから、ステージの情報や、ホルモンレセプターなどの病理結果がないことが気になっています。こうした情報は、部分切除や全摘手術後にしか出ないものなのでしょうか。
3) どの程度、進行を心配することなく手術を延ばすことが可能か(現時点で手術から20日が経過しています)。

主治医からは帰国した上での日本での治療も選択肢として示されましたが、日本のデメリットである、手術待ちの期間、自宅近くの病院で安心して人口乳房での同時再建を受けられるか等の不安と、滞在国のメリットである費用負担の安さ、カウンセリングへの容易なアクセス、治療の一貫性、迅速性などの理由から、現時点では、このまま現地で治療を継続したいと考えています。前回のご助言を参考に、スライド標本を貸し出してもらい、病理医のセカンドオピニオンを受ける必要があるのではと考えています。36歳、未婚のため、シリコンという再建方法は、おそらく私にとってはベストなのだろうと思っています。その他お気づきの点がありましたら、ご指摘いただけるとありがたく存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

切除生検の結果、広範囲に非浸潤癌が確認され、切除断端に癌が遺残していると考えられる状態ですので、追加治療としては主治医の勧める治療は妥当と考えます。非浸潤癌で転移がないことが確認されれば、Stage0となります。ホルモンレセプターなどの情報については、浸潤成分が確認されれば、浸潤部で測定することになりますので、追加切除の後で確認されればよいのではないでしょうか。どの程度まで手術までの期間を開けても大丈夫かについては明確な解答はありませんが、日本の現状ですと、浸潤癌の患者さんでも、診断がついてから手術まで2-3か月の待ち期間がある病院もありますので、非浸潤癌であれば、セカンドオピニオンを受ける時間はあると考えます。納得して治療を受けるためには、追加切除前に病理医のセカンドオピニオンを受けることは有用と考えます。滞在国で治療を受けるか、日本で治療を受けるかにつきましては、現在の主治医の先生の提示されている治療は日本での標準治療と変わりないと思いますので、信頼のできる先生で、しっかりコミュニケーションがとれているのであれば、お任せしてよいのではと個人的には思います。(文責 浜口)

 

No.10872-4】  13年02月08日   K.E. 
再手術後の病理と同時再建

No.10872、10889、10934で相談させていただいた者です。いつも、いただく回答に支えられています。本当に、どうもありがとうございます。
現地での治療をほぼ決めていたのですが、シリコン同時再建後の日本でのアフターケアの可否を問い合わせた、乳房再建がご専門の先生から、「可能だが、再発のリスクがあるから、同時再建は勧めない」とのお返事をいただき、家族からも再建は日本でしてほしいと言われ、迷っています。前回のご回答で、再手術後の病理結果の可能性にも幅があることがわかったのですが(非浸潤癌でない可能性もあるということなのでしょうか。それとも仮に断端陽性であっても全体としては非浸潤癌ということなのでしょうか)、そうすると、同時再建の再発のリスクや、放射線や化学療法は必要ないと言われていることが、どこまで確実なのかも心配になってきました。中途半端な質問で大変申し訳ありません。明日、治療法の詳しい検討を、乳腺チームや病理、形成の先生方とすることになっているため、不明点については一定の説明を聞けると思うのですが、どこで受けるかの決断まで時間がなく、またぜひこちらの先生方のご意見も合わせて参考にさせていただけたらと思うのです。告知時に動揺していたため、術式は記憶していないのですが、付き添ってくれた友人の話では、「皮下乳腺全摘手術」と同じ内容の説明だったようです。どうぞよろしくお願いいたします。

再手術後の病理結果は、勿論非浸潤癌でない可能性もありますが、全体として非浸潤癌である可能性の方がはるかに高いでしょう。もし再手術で切除したものに浸潤癌があった場合でも、リンパ節に明らかな転移があった場合を除き、通常は乳房腺切除を行っていますので、放射線や化学療法は必要ないと思います。治療法の詳しい検討の結果で対処してください。(文責 吉田)

 

No.10871】  12年12月13日   A.K.
非浸潤がんの手術法について(HPNo.10810-5

血性乳汁で検査の結果、しこり7mmの非浸潤がんが見つかりました。セカンドオピニオンも受けたのですが、いろいろな手術法に迷っています。しこり部分はマージン2cmの円形に切除予定です。

1) 乳頭について
1. 乳頭の真下までの乳管を取り、ガンが来ていないか確認、きていれば乳頭も切除。
2. 初めから分泌のある乳頭8分の1の切除。

2) 乳管について
手術中に染色して区域切除の予定です。MRIでしこりと血性乳汁のある穴とのつながりが確実ではなかったのですが、染色の結果、染色された乳管がしこりと繋がっていなかった場合、染色された乳管については、
1. 画像上、明らかな病変は認められないため、何もしない。
2. 血性分泌はあるので、念のために取っておく。

3) セカンドなどを受けているうちに手術が延び、マンモトームから3ヶ月と少し空きそうで不安です。これくらいなら問題ないでしょうか?

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでもA.K.さんの疑問が減れば嬉しく思います。さて乳頭直下7mmの非浸潤がんの手術方法ですが、その腫瘍の存在部位により変わってくると思います。乳頭直下でも乳頭から離れた深い位置に存在するのであれば乳頭温存は可能と考えます。また乳頭皮膚の真下にあるのであれば乳頭温存は困難と考えます。この手術を現在積極的に推奨するようなデータはありません。したがって美容面を考え、この手術を選択される場合は、標準手術法で無いことをご理解頂いた上で手術をお受け頂く事になると思います。乳管に関しては染色された乳管を切除する方が良いと考えます。また治療までどれくらいなら期間があいても大丈夫というデータは、私は存じ上げません。やはりできるだけ早めに手術をお受け頂く事をお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10870】  12年12月13日   M.M. 
傷跡の近くの赤いできもの(HPNo.10422-2)

No.10422で相談させていただいた者です。その後三ヶ月おきに血液検査とエコーをし、来年二月の術後二年検診で全身検査をし、妊娠にチャレンジしようと思っているのですが、ここ数日気になることがあります。温存術後の傷跡の数ミリ上に、直径5ミリくらいの赤いできものが突如としてあらわれました。痛みや痒みもないし、「傷跡の近くの赤いポツポツは注意」みたいな記事をみたことがあり、とても怖くなりました。10月のエコーでは何も異常ないと言われたのに、いきなり皮膚にきたりするのでしょうか。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でM.M.さんの不安が少しでも減れば嬉しく思います。さてご質問の手術傷跡すぐそばの発赤ですが、ご質問の文面からでは情報が少なくお返事しかねます。不安を煽るようで大変申し訳ないのですが、再発の場合もありますし、単なる皮膚の湿疹の場合もあります。再発を疑い確定診断を付けるためには、生検が必要になると思います。やはり担当の先生にできるだけ早めに診察して頂くことが最もよい方法だと思います。(文責 斎藤)

 

No.10869】  12年12月12日   Y
歯の治療とゾメタ (HPNo.10822-3

以前ゾメタ中止で相談した者です。お世話になっています。顎骨骨髄炎のようと言われ、歯医者からも、完治はすぐには無理そうなので、ゾメタもしながらの治療にするようとのことです。ゾメタを中止してから、左股関節の痛みに加え、左足の脱力・痛みが激し、くロキソニンを飲んでも脱力感は無くなりません。力が入らず、支えられないくらいです。やはりゾメタ開始したほうがいいでしょうか? よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。股関節の痛み以外にお口の症状も出てきて、さぞご不安のことと思います。私のお返事で不安が少しでも減れば嬉しく思います。ゾメタの再開始については、顎骨骨髄炎の程度で判断するべきだと思います。その状態がご質問の文面からはわかりかねますので、開始するべきかどうかはお返事しかねます。ただし現在の症状である脱力と激しい痛みをゾメタだけで改善するのは難しいと思います。激しい痛みに対しては、私も医療用麻薬等の使用をお勧め致します。また脱力と激しい痛みについて早急に再評価する必要があると思いますので、早期にご担当の先生にご相談することをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10868】  12年12月12日   L 
17歳男子です

17歳男子です。6ヶ月前に、左乳首が腕がふれたとき痛んだので、摘まんでみたところ、ちょうど1、5cmくらいのコリコリがありました。痛くなくなったので忘れていたのですが、未だ依然として残っています。気になるのでお願いします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で疑問が減れば嬉しく思います。10代後半の男性で乳房のコリコリで思いつくのは、「女性化乳房」という疾患があります。この原因として、お薬の副作用・肝機能障害・精巣機能障害や腫瘍・特殊な腫瘍などで起こることもありますが、大多数の方が原因不明です。原因がある場合は原因の治療が必要ですが、原因不明の場合は様子を見ることで自然に改善することがあります。また年齢的に可能性は低いですが、腫瘍(しこり)ができている場合もあります。一般的に診断のための検査は採血と超音波検査です。ご心配がおありのようですから、ぜひ一度外科(もしくは乳腺外科)を受診することをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10867】  12年12月12日   N.T. 
放射線治療の不安 (HPNo.10730-3

前回は、丁寧な回答、ありがとうございました。再度質問させていただきます。母が8月に初期の状態(非浸潤がんと言われていた)で手術を行いましたが、病理の結果、小葉がんで、断端にも取り残しがある状態でした。先生からは、「再手術はしないで、放射線を、取り残し部位中心に、1週多くかけましょう。」と、言われたみたいです。そこで質問ですが、断端が陽性でも再手術をせずに、放射線でたたけるものなのでしょうか? 素人の考えでは、再手術をして、断端を陰性にしてから放射線をかけた方がいいのではないか?と思います。母は、「先生が言うから大丈夫でしょ?」と話しています。ネットで調べていくと、断端が陰性か、陽性かでは、10年後の再発率もかなり差が出てきて、家族としては心配です。小葉ガンは、たちが悪く、反対側にも転移しやすいと、書かれており、今後の経過にも不安があります。ホルモンレセプターなどの詳しい病理結果はまだ出ていません。分かりずらい文章ですが、回答よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。最初のご質問の時にお返事させて頂きました担当者です。お母様の手術が終わられたのですね。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。小葉がんで切除断端に癌細胞がある状態ですね。この場合の治療方針ですが、切除断端の癌の状態で判断することが一般的です。以下のお返事は私の場合ですが、例えば切除断端の癌が浸潤がんで非常に量が多い状態であれば、再手術をお勧めしています。また反対に非浸潤がんで極少量であれば、再手術ではなく放射線治療で治療を行う場合があります。しかし放射線治療の場合は、残っている可能性のあるがんが死滅したかどうかを確認する方法はありません。気持ちの上ですっきりするためには再手術かもしれませんが、再手術をお受けになり負担を感じるのはお母様です。ご担当の先生から断端の癌の状態をよくお聞き頂き、その結果をお母様とご相談されるのがよいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10866】  12年12月04日   Y 
ニキビのようなしこり

先週土曜に突然右胸の下(ブラジャーワイヤーが当たる部分)に、ニキビのような赤い吹き出物ができているのに気が付きました。ワイヤーが当たっていることもあり、痛みがあったのですが、触ると、ビー玉大のしこりになっていたのです。7月の健康診断のレントゲンでは特に異常はなかったのですが、レントゲンでは発見出来ない病気なのでしょうか? もうしばらくして治まらなければ、とりあえず皮膚科に行ってみようとは思っているのですが・・・。そのしこりの部分が猫背になると圧迫されて苦しい気がします。

記載されたものを読む限りでは、皮膚科で診るような皮膚の病変のように思います。乳腺から立ち上がったものかどうかは不明ですが、まず皮膚科へ受診して見られてはいかがでしょうか?(文責 久保内)

 

No.10865-1】  12年12月04日   S 
母の状態について

初めてご相談させて頂きます。70歳の母のことです。4〜5年程前から左胸にしこりを感じていたらしいのですが、怖いからと病院に行かず、そのままにしていたようなのですが、そのうち乳頭が陥没し、乳首から分泌物が出たことから、先日慌てて病院に行きました。娘の私も、その時に初めて母の胸のを見たのですが、素人の目から見ても「どうしてこんなになるまで放っておいたの?」というような状態でした。
最初に診察して頂いた先生(A 医師とします)は、その胸の状態を見て驚きを隠せない様子だったようで、最初のマンモの検査のみで、進行性の末期がんだというようなことを言われたようです。その後に診て頂いた先生(B医師とします)は、母の胸を見ても特に動じることもなく、血液検査(腫瘍マーカー)では陽性が出たようですが、その後のMRIや超音波での検査で、リンパへの転移が見られなかったので、はっきりとは言わないまでも、手術と薬を合わせて治療すれば大丈夫でしょうというような感じだったようです。
そして全ての検査が終わり、最終的な結果を聞きに先日診察に行ったところ、B医師ではなく、A医師が診察にあたり、「こんな状態(末期といいたいのでしょうか?)なのに不思議なことにリンパ節に転移はありませんが、腫瘍マーカーが陽性になっているので、全身に転移している可能性がある為、来週PET検査をやりましょう」と言われたそうです。付添いの者が「ステージは?」と聞いても、「硬がんです」と言うだけで、それ以上は教えてくれなかったようです。手術をすれば助かると思っていたのに、全身に転移しているかもなどと言われ、母も大変動揺しております。

1) リンパに転移がないのに、全身に転移することがあるのでしょうか?
2) 腫瘍マーカーは確実なものではなく、補助的なものだと、どこかのサイトで見ましたが、それでも陽性が出たからと、PETまでやるものなのでしょうか?
3) 同じ病院で、どうしてこんなに先生の見解が違うのでしょうか? それとも、5年もしこりをそのままにしておいたことや、胸の状態から見て、やはりA医師の言うように末期なのでしょうか? ちなみにしこりの大きさは3p程だそうで、胸の形の変形以外は、特に本人に自覚症状はないようです。
4) PETをやるのは、やはり転移の可能性が高いからなのでしょうか?

今まで風邪一つひいたことないくらい元気だった母が突然癌だと聞かされ、私も夜も眠れない日々が続いております。お答え頂ける範囲で結構ですので、お忙しいところお手数ですが、ご助言を頂ければと思います。よろしくお願い致します。

情報が不十分なので、きちんとした答えになっていない可能性がありますが、以下ご質問にお答えします。
1) 有り得なくはないですが、極めて少ないことだと思います。
2) 腫瘍マーカーは補助的なものです。初発癌の多くで腫瘍マーカーは正常値ですが、お母様の癌が局所進行癌のようですので、高い可能性はあると思いますし、その場合は転移の可能性も考えないといけないと思います。
3) あくまでも拝見した文章からの類推ですが、A医師は経験の浅い若手の先生で、B医師は経験豊富なベテランの先生ではないかと考えます。基本的にはあらゆる検査が終了してから、病期や治療方針について伺ってみるのが良いと考えます。
4) 大多数の乳癌症例で、病期の診断として遠隔転移の有無を見ることが普通で、お母様の場合だけ特別ではありません。PETで検査するのも一法ですし、CTと骨シンチグラフィで検査することもあります。(文責 久保内)

 

No.10865-2】  13年01月12日   S 
今後の治療について

以前No.10865で、母の状態について相談させて頂きました。その際はご丁寧にご回答頂き、ありがとうございました。その後の治療についても相談させてください。
PET検査でも転移が見られなかったので、翌週に手術をして頂くことになりました。12月半ばのことです。それから2週間程入院し、今は自宅療養をしています。手術後の経過は順調で、以前に比べ疲れやすくなったのと、精神的に動揺しているところは多少ありますが、外出もしたりして、比較的元気に過ごしております。ただ、主治医より、1月の終わり頃より化学治療(AC療法)を開始するよう提案されているそうです。手術後の家族への説明でも、「手術前の検査ではリンパ節への転移は見られなかったものの、センチネルリンパ節に転移があり、腋窩リンパ節郭清を行った(まだ病理検査の結果が出ていないので、はっきりとした転移の数は分かりません)。静脈にも癌細胞がこびりついていたので、できる範囲で取り除いた。楽観視できる状態ではなく、治療をしないと1年〜1年半の余命だ。」と、言われました。また、PET検査で明らかな転移は見つからなかったものの、肺に網膜があったので、リンパ節に転移していたとなると、肺へ転移しているかもしれないので、注意深く見ていかなければと言われました。

1)  母は現在71歳です。日本の乳がんガイドラインでは、「高齢者乳がんの術後薬物療法は、ホルモン感受性乳癌に対して、術後ホルモン療法が推奨される。化学療法は、余命が期待でき、併存症が少なく、臓器機能が保たれている場合に限り、若年者に準じた治療が推奨される」。アメリカのガイドラインでも、「70 歳以上の患者に対する化学療法推奨を裏付けるデータは不十分」となっています。母は術前の検査でホルモン陽性でしたが、やはり進行しているので、化学療法は必須なのでしょうか? 母は今まで健康そのものでしたが、PET検査で実は以前に心筋梗塞を一度おこしていることが分かり、強い抗がん剤で心臓やその他に負担がかかり、その合併症などで逆に命を落としたりしないか心配です。また、どこかで高齢者は化学療法の効果よりも副作用の方が大きいと読んだ気がするので、果たして化学療法をするメリットやデメリットがどの程度なのか疑問です。

2) 今のところ、リンパ節以外に転移が見られない状態で、治療をしないと1年〜1年半の余命という根拠は、どこからくるのでしょうか?

3) PETで肺に網膜が見られたので注意して見ていかなければと、主治医の先生はおっしゃっていましたが、その前のレントゲンの検査では、「肺も心臓もとってもきれいです」と言われたようなのですが、通常PETで肺に網膜が見られた場合、肺への転移と考えるのでしょうか?

主治医の先生にお聞きするのが一番だというのは分かっておりますが、主治医とお会いする時は母も一緒なので、本人の前で余命や転移などについては聞きづらく、また、他の先生のご意見もお伺いしたく、質問させて頂きました。お忙しいところ申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。

1) お母様のご病気に対し一生懸命に勉強なさって、少しでもお母様のために良い方法を見つけたいと思う貴女の姿勢にまず敬服いたします。お母様の乳がんがどのようなprofileかがわかりませんので、抗がん剤の是非について私が述べるのは困難ですが、お母様が無治療であればどの程度の再発のリスクがあるのか、またホルモン治療・分子標的治療・放射線治療など抗がん剤以外の治療がどのくらい期待できるかなどをよく検討した上で、今後の治療は決定されるべきであると思います。仰るとおり、抗がん剤治療はその副作用も十分に考慮されなければなりませんが、一般的に71歳という年齢であれば、それだけで抗がん剤を選択肢から外す年齢ではありません。よって抗がん剤によって期待できる効果とそのリスクをよく検討して、抗がん剤を使用するかどうか決定されるべきです。言い換えれば、抗がん剤の副作用で受ける悪影響の可能性と、抗がん剤を使用することによって再発を免れる(または再発までの期間を延ばす)可能性との比較であると思います。ただし、あくまで重要なことは、追加治療の最終決定は本人がおこなうものであるということです。お母様とよくご相談の上で、今後の治療を決定なさってください。

2) 私にも「1年〜1年半の余命」の根拠はわかりませんが、手術を行った印象として再発率がとても高い、といった思いを主治医の先生はお伝えになりたかったものと思われます。

3) 「PETで肺に網膜が見られる」との意味が私にはわかりません。もう一度主治医の先生によくお聞きになってみてください。(文責 谷)

 

No.10865-3】  13年01月18日   S 
転移について

No.10865-1・2で相談させて頂いた者です。先日相談させて頂いた内容に誤りがありましたので、追加で質問させてください。

1) 肺に網膜と書いてしまいましたが、今日母が手術前に先生から頂いた用紙を確認しましたら、「肺胸膜に肥厚あり。要観察」となっていました(無知の為、訳の分からないことを書いてしまい、すみません…)。レントゲン検査では肺もきれいで問題はなかったようですが、PET検査で上記のような状態が指摘された場合、やはり肺への転移と考えるべきなのでしょうか? ちなみに肝臓は転移なし、骨への転移の欄は空欄でした。骨シンチグラフィの検査は手術前には行っていないようですが、PETで骨への転移は分からないのでしょうか? お忙しい中、何度も申し訳ありません。よろしくお願い致します。

2) 今日自宅療養中の母の家に行くと、昨日位から傷の周りが赤くなってしまい、心配だから、来週病院の予約を取ったとのことでした。見せてもらうと、確かに赤いあざのようなものが広がっていました。その時は手術後の腫れかな?と、あまり気にならなかったのですが、家に帰ってから、もしかして皮膚転移?と思い、ネットで調べると、乳がんの皮膚転移の症状の進み方として、まず皮膚の赤みとなっていたので、心配になってしまいました。今のところ痛みはないようです。昨日母が病院に電話をして、当直の先生に相談したところ、「痛みがないなら、特に心配はないと思いますが…」との返事だったようですが、もし気になるならと、来週の初めに予約を取ってくれたそうです。母は手術後1ヶ月ちょっと経過したところです。来週病院で診てもらえば、はっきりするとは思いますが、まだ1週間近く先なので、その間不安です。実際に状態を見て頂いているわけではないので、お答え頂くのは難しいとは思いますが、皮膚転移の可能性について、お伺いできれば幸いです。よろしくお願い致します。

1) この情報からはなんとも言えませんが、おそらく、今の所見からは何とも言えないので、時間をおいて大きくなったり変化しないかを観察するということだと思います。変化があまりないのであれば心配ないのでしょう。ただし、これはやはり主治医に確認してください。
2) 術後一カ月しかたっていないのであれば、転移の可能性はそれほど高いとは思えません。むしろ化膿のほうが疑われます。化膿してなくても赤くなることはあります。高熱がなければ来週の診察で大丈夫だと思います。 (文責 俵矢)

 

No.10864】  12年12月04日   Y 
手術日について

手術日のことでお伺いします。11月13日に右の胸に1,7pのしこりをマンモトーム生検した結果がでました。結果は、非浸潤ガンとのことでした。左も石灰化が3箇所にあるので、その検査もすることになり、結果は左も非浸潤ガンでした。早くて、手術できるのは来年の2月18日か25日になるとのことですが、そんなに長く放置しといていいのか不安です。非浸潤ガンが浸潤ガンに変わっていかないかと心配です。検査はしてないのですが、右胸に0,9pのしこりもみつかっています。1,7pのすぐそばにあるとのことで、検査する必要はないと言われました。27日にCTの検査は受けましたが、転移はないとのことです。これから、骨シンチとMRIの検査が待ってます。

非浸潤癌が進んで浸潤癌になるのですが、短くて1/2〜1年、長いと数年かかると言われています。絶対大丈夫とは言えませんが、非浸潤癌はあなたが考えておられるより、きわめてゆっくり進んでいるものです。また施設により、診断から手術まで時間がかかるところと、そうでないところがあるようです。時間のかかる施設は、待機中の患者さんが多いためだと考えます。ご自身お施設とよくご相談下さい。(文責 久保内)

 

No.10863】  12年12月04日   M 
要精密検査

昨日、人間ドッグで乳房の超音波を行ったところ、「右乳腺低エコー腫瘤」要精密検査と言われ、再度エコーとマンモの検査をしました。2回目のエコー検査の時は、見えにくいところがあるとの事で、技師が変わったりしました。結果を聞くまで不安で、何も食べられない状態です。乳ガンの可能性は高いのでしょうか? ちなみに、36歳。24歳で1人目、34歳で二人目を産み、8ヶ月前に断乳。よろしくお願いします。

お知らせ頂いた内容は漠然としすぎていて、大変答えにくいご質問です。「乳腺低エコー腫瘤」は乳癌のこともありますし、良性腫瘍のことも、乳腺症で全く問題にならないこともあります。検査結果をしっかりお聞きになってください。(文責 久保内)

 

No.10862】  12年12月04日   S
CEA CA15-3 上昇→肺水検査について(HPNo.10835-2)

NO.10835 で、以前ご質問させていただきました。ありがとうございました。それから、母は11月にCT検査を行いまして、結果、「両側腋窩や縦隔に有意なリンパ腫大は認めず、肝や肺に明らかな転移は認めない、肺外側区域に嚢胞を認め、この末梢S2の肝内胆管に軽度拡張が見られます。前回(3月CT)同様です。左胸水を認め、今回新出しています。原因についてははっきりしません。f/uしてください。左葉間胸膜沿いに小結節が数個見られますが、前回CT同様です。」との所見でした。念のため、主治医に7月に撮ったPETCTと比べて頂き、今回、7月より胸水が増えているので、今月中旬に胸腔鏡の手術を行って細胞、水を取り、検査することになりました。全身麻酔の手術で、9日間の入院予定です。7月の倍程度胸、水が確かに増えています。左肺全体の8分の1程度でしょうか。自覚症状は出ていません。2010年くらいから15年間、あまり変わりのなかったCA15-3がどんどん上昇していき、10月に70.2、さらにCEAも2012年1月より5を超え、25.7になってしまったため、CT、PETなど、さまざまな検査をしてもわからないので、こちらで相談させていただいた通り、ホルモン療法などを選択するべきかと思って主治医に相談しましたが、ホルモンレセプターの検査すらまだ行っていない状況で、とにかく胸水の手術をしてからとの状態です。胸腔鏡の手術は、乳がん切除(全摘)手術より強い痛みがあり(呼吸器の担当主治医が、かなり痛いと伝えてくれた)、仮に癌細胞が見つかった場合、癌細胞が散ってしまう恐れがあるため、できれば、母はホルモン療法を行った上、それでも数値が上がるようであれば、胸水の検査をしたいと思っているようです。何回も通院していますが、なかなかレセプター検査も行っていただけないので、「検査をお願いします」と、母は主治医に伝えてるようですが、先に手術の事前検査のみ行っているようで、まだ実行には至っていないようです。こういった場合、やはり胸水の手術が先決なのでしょうか。乳がんの全摘の手術があまりに激痛で、二度とあの痛みは経験したくないと思っている母のために、最良の治療法を見つけてあげたいのですが・・・。どうかご相談よろしくお願いいたします。

ホルモンレセプターの件ですが、@17年前の採取の手術の検体 A皮膚転移やリンパ節転移と診断された時の検体での検査が可能だと思います。もちろんそれ以降の再発部位と目されている肺・胸膜の細胞は、以前の病巣と異なったホルモンレセプター値になっている可能性もあり、それを調べるためには胸腔鏡で病巣の切除と考えておられるかもしれませんが…。(文責 久保内)

 

No.10861】  12年12月04日   SUNNY 
新しくできたしこり(HPNo.10365-3)

昨年No.10365で線維腺腫についてご相談させていただきましたサニーと申します。オーストラリア在住です。先日、経過観察中だったしこりのエコーとマンモグラフィをするために受診しました。二軒のメディカルイメージングセンターで見てもらいました。以前からあったしこりはそのままの形で問題はなかったのですが、そのほかに小さいもの(5ミリ前後)が4つもできていました。その中の二つは見た目にも良性の線維腺腫のようだといわれたのですが、残りの二つのしこりが気になるようでした。一軒目のセンターでは
左胸
At 6 o’clock 3cm from the nipple there is an ovoid 9 x 2 x 5mm hypoechoic
lesion with internal vascularity
At 9 o’clock 1cm from the nipple there is a 4 x 3 x 4mm hypoechoic lesion
which may be intraductal. There is
internal vascularity within this lesion.
コメントには
9時の位置にあるしこりには
There is a hypoechoic lesion with internal vascularity which is possibly
intraductal in location.
Ultrasound-guided biopsy is suggested to assess the possibility of an
intraductal/papillary lesion.
とあり、両方のしこりにバイオプシーが必要とありました。

1) intraductal/papillary lesionというのは乳管内乳頭の病変(良性、悪性)ということでしょうか?ちなみに乳頭からの分泌物はありません。 
2) 血流が病変に見られるということで悪性を疑っているのでしょうか?

2軒目のセンターでは
左胸
At 7 o’clock 3cm from the nipple, there is debris demonstrated within a
slightly prominent retroareolar duct. this is similarly seen at 9 o’clock.
コメントには
元からあった線維腺腫(1時の位置)のそばに新しい似たもの(2時の位置)ができているため、半年後受診で変化があるか確認ということでした。

3) prominent retroareolar ductの意味は何ですか? 
4) debris とは乳管内にあるミルクの残りカスのようなものを意味しますか?

この二つの病変を両方のセンターが同じような位置に捉えているので、たぶん同じ病変を見ていると思うのですが、まったく異なったコメントなので、どちらを信じていいのかとても動揺しています。

5) 先生からは、この二つのコメントに共通点が見られますか?
6) やはり不安なのでバイオプシーは受けるつもりですが、この場合はしこりがかなり小さいので、針生検ではなく細胞診が適しているのでしょうか? 細胞診だとあまり信憑性がないと聞くので、できれば針生検がいいのですが。

来週にはファミリードクターと話をしますが、その前に頭の中で整理をしておきたいので、長くなってしまいましたが6つの質問の回答をいただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

1) そうです。intraductal/papillary lesionというのは、乳管内乳頭病変であり、良性も悪性もあり得ます。
2) 悪性に限らずviableな組織には血流があります。超音波上の血流信号は、正常組織にはほとんど見えませんが、腫瘍では見られることが多く、悪性腫瘍の方が豊富に血流を見ることが多いので、診断の補助になります。
3) 「乳頭下の乳管(この部位は正常でも拡張した乳管が見え得る)に顕著に見られる」ということで、2軒目のセンターでは「余り病的意義が無い」と考えているように思います。
4) その通りです
5) 1軒目の6時方向と、2軒目の7時方向は同じものを見てコメントしているように感じます。
6) 針生検よりまず細胞診にするべきだと考えます。理由は、極めて小さい病変で細胞診が適していると思いますし、乳管内乳頭病変は極めて柔らかくかつ周囲に分泌液が存在しているため、針生検では思うような採取が出来ない可能性が高いからです。(文責 久保内)

 

No.10860】  12年12月04日   T.T. 
精密検査

皆さんの相談内容を拝見すると、私が相談させていただく内容では申し訳ない気持ちになりますが、不安に押しつぶされそうになり、誰かに聞いて頂きたくてメールさせていただきました。一ヶ月前のマンモで精密検査になり、病院が混んでいた為、乳ガン専門の検診センターへいってきました。再度マンモを撮り、やはり乳ガンの特徴が見えていると言われ、触診でも左上が広い範囲で固くなっており、エコーも画面がかなり広い範囲で真っ黒に なっていました。針で細胞を取り、来週の検査結果を家族と一緒に覚悟してくるように言われました。40代で、出産経験もありません。ハイリクスだから普通より悪い可能性が高いとも言われました。二年前にマンモを受けた時は、何もありませんでした。ただ数ヶ月前からリンパや左肩に痛みがありました。動揺して、しこりのサイズは聞いていませんでしたが、エコー画面や触診ではかなり大きい為、二年でここまで大きくなり、転移までしてしまうものなのでしょうか? また、痛みは両胸に数年前からあったので、乳腺炎だと勝手に思っていました。お忙しいのに申し訳ありませんが、お応え頂けると幸いです。よろしくお願い致します。

お知らせ頂いた内容が漠然としていて、どうお答えして良いか返答に躊躇します。一般に40歳代は乳癌リスクが高いので、検診を受けることが勧められますし、検診を受けて要精査となって専門機関で検査を受けられているので、その結果をお待ちになるのが良いと思います。きちんとした診断が出て疑問がある場合に、再びご相談頂くのが良いと思います。(文責 久保内)

 

No.10859】  12年11月21日   Y 
母の症状について

ご多忙中、恐れ入ります。81歳10か月の母の症状について相談させてください。昨年暮れから、左乳首より出血があります。一時は結構量もあったようです。痛みは無いというので放置していましたが、本日、髪をほぐす為に横になってもらったら、左を下に横たわるとお腹が痛いのだと言いました。便通は、何やらお腹が張るようで不快らしいので、月一で内科に通院中の病院で、先月から整腸剤(ラックビー微粉)を貰っていますが、あまり改善していないようです。乳首からの出血は、内科の先生や皮膚科の先生にはお話したのですが、何の指示もされずにおります(左を下にしたら腹痛という事は、次回内科の先生に申し上げるつもりです)。食欲は一定せず、一日に4回食べたり、24時間食べなかったりの生活です。認知症が入っています。日常会話にも支障あります。(レミニール4r、8rが処方されています。)(他には降圧剤、血糖値を下げる薬、コレステロールを下げる薬も処方されています) ボケる前から、痛みの種類を説明できない人なので、どのような痛みなのかは不明です。これだけの事で何かご意見いただけましたら幸いです。○○科で診てもらうべきだ、認知症と年齢考えたらホットけ等、よろしくおねがいします。 (白内障の相談では、何もできませんと言われています。) 

腹痛と乳頭からの出血は別物と考えるのが普通です。乳頭から出血する原因の中に、乳がん、乳管内乳頭腫などがありますが、お母様の年齢からは乳管内乳頭腫は考えにくいでしょう。ただし、乳がんと決めつけるわけにも行きません。一部の薬物が原因で乳頭分泌を来すことがあるからです。いずれにしろ、腹痛と乳頭からの出血も原因の薬がないかは内科の先生に、それでも思い当たる節が内科の先生になければ、最寄りの乳腺外科に受診するのがよろしいかと存じます。乳がんであっても、放っておくわけには行きますまい。(文責 緒方)

 

No.10858】  12年11月21日   M.E.
授乳後の検査

37歳です。先月断乳しました。8年ほど前から胸に3センチ程のしこりがありましたが、他に症状もなく、放置していました。何年も大きくなることもなかったのですが、3年前の妊娠で急に巨大化。授乳中も少しずつ大きくなった(9センチくらい)ので、断乳したところ、しこりの上が赤く腫れ上がり、激痛と発熱があった為、乳腺外科に行きました。腫れた部分をエコーで見たところ、液体が溜まっていたので、注射のようなもので吸いとってもらい、同時に下のしこりも、バチンと音のする機材で細胞診をしました。結果、乳腺炎だったのですが、昔からあるしこりもmastitisと結果が出ました。エコーは、炎症と乳腺でしこりが見えにくいと言われ、細胞診も炎症で取れきれなかった可能性があると言われました。「昔からあるしこりは良性だと思いますが、また細胞診とMRIもしてほしい。」と言われましたが、今の乳腺の状態(乳腺炎はまだ腫れています。断乳後一ヶ月です)で、確実な結果は出ますか? 妊娠、授乳期で大きくなったしこりがmastitisという診断結果が出たのは、昔からあるしこりとは別の物だったということですか? ちなみに巨大化したしこりは、誤差かもしれませんが、少し小さくなった気がします。また細胞診やMRI は必要でしょうか?

良性腫瘍のうち、線維腺腫は妊娠に伴い大きくなることがあります。「断乳したところ、しこりの上が赤く腫れ上がり、激痛と発熱」したことは、大きくなった線維腺腫とは関係なく、急に授乳を止めたために乳腺炎から乳腺膿瘍に進んでしまったためだったのでしょう。炎症が落ち着く(熱や赤みや痛み、腫れが治まった状態)まで、待っても問題ないと思います。乳腺炎(mastitis)の所見が強くて、線維腺腫の中にも乳腺組織が存在しており、ここにも炎症が波及すれば、「妊娠、授乳期で大きくなったしこりがmastitisという診断結果が出」ることはあり得ます。焦らなくても大丈夫!(文責 緒方)

 

No.10857】  12年11月21日   Y 
乳がんと言われました

11月8日に乳がんと言われました。たんたんと話をされ、検査をしましたが、1軒の病院だけでいいのでしょうか? 今度の22日に検査結果がでます。その時に手術日を決めると言われました。どうしたらいいでしょうか?不安です。

分からないことだらけなので不安なのです。よく主治医の話を聞いて、分からないことがあれば躊躇なく質問してください。不動産契約ではないので、病院を2軒や3軒回る必要はもちろんありません。主治医の話に納得がいかなければセカンドオピニオンを取れば良いのです。(文責 緒方)

 

No.10856】  12年11月19日   M.M
脂肪肝について(2)(HPNo.10679-2)

お世話になっております。以前HPNo.10679にて質問させていただきました。その後、肝機能数値も若干下がっておりますが、まだ基準値を超えている状態です。主治医は、今年の8月で術後5年を迎えたので、ホルモン剤の服用を止めてもいいとおっしゃいました。(リュープリンは今年5月で、丸2年打ちましたが、肝機能が悪くなったのを機に止めました。) 現在は、ノルバデックスのみ服用中。今後は、半年間隔での診察です。しかし、術後の病理検査結果が、術前化学療法(FECとタキソテール)を半年行ったにもかかわらず、3cm×5cm×2cm、リンパ節転移 レベルT 1個 レベルV 1個、ホルモン陽性、ハーツ陰性でした。温存しましたが、断端陽性のため全摘手術をしました。その後、放射線治療を受け、ゼローダを半年服用しました。私自身、リスクが高いと思っているので、出来るだけ治療を続けていきたいと思っております。質問させていただきたいのは、患者会で、ある方が、ノルバデックスからアリミデックスに変更したら、脂肪肝が治ったと言っておられました。ホルモン検査を受けて閉経を確認出来たら、アリミデックスにしてもらうのがいいかなと思いましたが、リュープリン最終が5月ですが、来年2月の診察時にホルモン検査を受けたら、閉経かどうかは判断出来るのでしょうか。また、病理と今までの治療法から見ると、ここで治療を止めるのと、今後も何らかのホルモン療法を続けるのとでは、どれくら再発率に違いがあるのでしょうか? よろしくお願いします。

個人差は、あるかもしれませんが、5月に最終のリュープリンであれば、2月にホルモンの採血結果に影響がでることはないと思います。ただし、薬を変更すると言うことは、新しい副作用が出現する可能性もあるということです。よく主治医と相談して下さい。
また、最後のご質問に関しての回答は、一般的にはホルモン感受性陽性の患者さんの方が、陰性の患者さんに比べより長く再発の可能性が残るということがあり、残念ながらM.Mさんの再発リスクが低くはないことは私も同感ですので、タモキシフェンからアリミデックスに変更して長めに内服することは選択肢の一つだと思います。数多くの臨床試験の結果から、術後のホルモン療法の最適期間は5年と結論付けられていますが、一部の試験結果では、再発リスクの高い患者さんに10年間タモキシフェンを内服して頂いた方とタモキシフェン5年の後にフェマーラを5年内服した場合とで、わずかにタモキシフェン5年の後にフェマーラを5年内服組が再発率で良かった結果が得られています。ただし、長く内服することで出てくる副作用もあり、私の患者さんでも何人か似たような状況の患者さんが居りますが、ケースバイケースで良く話し合って決めています。(文責 緒方)

 

No.10855】  12年11月19日   E.T. 
検査結果

検査結果は、乳がんではないとの事ですが・・・。一通りの検査(エコー・マンモ・針生検)を終え、「乳がんではない」との診断が出て、ほっとしましたが、よく誤診で乳がんを見逃されるケースがあるそうですので、本当の意味で安心できていません。もう一度、乳腺外科の専門医に診てもらいたいのですが、また最初からの検査をしても、身体に影響はないのでしょうか? 同月に2回もマンモや針生検をしても大丈夫なのか、気になっています。また、セカンドオピニオンで判断をとも考えましたが、最初の病院の画像や診断書を持って行っても、同じ診察になるのではないかと思ってしまいます。それなら、最初から初診で再度検査した方がよいのかとも考えます。素人でわからないことばかりですが、よろしくお願いします。

質問の内容のみから判断してお返事します。「誤診で乳がんを見逃されるケース」は、よくあるわけではないと思います。そういう事例が多くメディアに流れているからとも考えられます。本当の意味で安心するには、おっぱいを全部取って確認するほかありませんが、そんな乱暴な話は、中国でもないでしょう。次に受診した乳腺外科医が最初の医師より絶対に信頼がおけるかどうか? 場合によっては、次に受けた検査で、そんなことまで心配になることだってあるかもしれません。どうしても、不安が取れないのであれば、セカンドオピニオンで十分でしょう。その内容で、再度、1からやり直すか決めれば良いのでは? マンモも針生検も、必要であれば月に2回することも当然ありますが、必要であればの話です。(文責 緒方)

 

No.10854】  12年11月19日   MIMI
骨転移

再度ご相談します。前回は、昨年11月に、T1bN0M0の左乳がん切除後、放射腺治療を選択しなかった不安についてお尋ねしました。この質問について、「今からでも放射腺を受けることによって、術後乳房再発のリスクがどの程度下がるかはわからないが、今からでも照射を推奨する」というお返事を頂きました。その後、夫が不安定狭心症で入退院を繰り返し、介護の必要な親族も抱えるなど、そのほかにも私自身が身動きのならぬ状態となり、主治医にご相談する以前に、私の中で、その選択はなくなりました。せっかくアドバイスをいただいたのに生かすことができず、申し訳ございません。
ところで、今日は新たなご相談をさせていただきます。術後1年の検査結果が出て、「変わりありません、大丈夫です。」とのコメントを主治医からいただきました。血液検査の結果をみても、H、Lのしるしは、どの項目にもありません。CA15-3は 9.1から 7.0に BAPは25.3から13.7に減少しています。しかし、膝関節症で通院しているかかりつけ医に骨シンチの写真を見ていただきたく、お借りしてきたのですが、自分の変形した写真を自分でも見たく、眺めていましたら、もう1枚紙が入っていることに気づき、開いてびっくり。「腰椎にリスクの高い集積を認めます。定量指数としてHotspot数1 BS1は0,3」とあり、さらにANN0,6とあり、骨シンチ正面像と背面像に赤のチェックが1つずつ入っています。これはどう考えればよいのでしょうか。ネットでいろいろ素人なりに調べてみると、骨への転移のように見えます。もちろん画像だけではなく、いろんな検査の結果からの総合的判断を、主治医は示されたのだと思っていますが、不安は増大するばかりです。来週早々に相談の時間を無理やり押し込んでいただいたので、主治医に直接質問いたしますが、何かご教唆いただければ、割り込ませていただいた短時間の相談時間を有効に使えればと思い、厚かましいお願いをいたします。今回の検査項目は超音波検査(胸腹部)、骨量定量検査(腰椎)、乳房撮影、CT撮影(胸部)、骨シンチ、骨密度は同年比125% 若年比 95パーセントでした。現在服用中の薬はアリミデックス1錠、デイアルファカプセル1錠、カルシュウムCA200 6錠です。もし骨転移とすれば どのような治療が考えられますか。あわせてお教えください。

骨シンチの読影結果(放射線科のドクターの写真へのコメント)は、いつも患者さんに見せると混乱の原因になることが多いものです。それは、骨シンチという検査の性質上、転移でも、変形性関節症でも、骨折でも、集積したものには区別が付かないことによります。他の症状や病期、ホルモン感受性、年齢など総合的に判断して、主治医の先生が転移なしと説明しているので、心配なしです。一番良くないことは、「ネットでいろいろ素人なりに調べてみる」ことです。「もちろん画像だけではなく、いろんな検査の結果からの総合的判断を、主治医は示されたのだと思って」下さい!!「もし骨転移とすれば どのような治療が考えられ」るかは、その時に主治医の先生に聞きましょう。(文責 緒方)

 

No.10853-1】  12年11月16日   A.H. 
今後の治療について

初めてメールさせていただきます。乳がんの治療についてご意見頂戴いたしたく、宜しくお願いいたします。
10月4日の健診を受けた際にマンモグラフィで石灰化が見つかり、精密検査(エコー、細胞診、MRI)で、10月20日に乳がんの告知を受けました。この際は、広範囲非浸潤がんで、右乳房全摘手術ということでした。セカンドオピニオンを利用し、そちらの先生でも同じ所見ですが、皮下乳腺全摘手術と同時再建できる施設ということで、最初の病院では同時再建ができないため、セカンドオピニオンで伺った病院にて12月19日に手術予定となりました。
その後、組織診をしましたら、浸潤性乳管癌(scirrhouscarcinoma)で、「検体何れにも、背景に、クロマチンが増量し肥大した核を有するN/C比が増大した異型細胞が、卵巣性あるいは所々で融合上の腺管を形成しながら浸潤性にぞう生しています。」とのこと。
「核異型スコア3(分裂像は不明)、 ER,PgR どちらも陰性(0%)、 Her2は+3、 KI67h30.6%、 Cytokeratin5/6,14ともネガティブ、 p63 ネガティブ」という結果が出ています。
先生からは、手術の前に、術前治療として、抗がん剤半年(FEC治療を3ヶ月と、パクリタキセルとハーセプチンを3ヶ月)を薦められています。今、転移がないか、来週までに検査します。私は今40歳です。右乳房全部摘出切除希望で、温存は考えておりません。抗がん剤が避けたいのですが、再発リスクが高いのかと思っており、不安です。ご意見いただければと思います。

1) 絶対に抗がん剤を使用しないといけないか? (ハーセプチン単体のみではいけないか?)
2) もし術前治療を受けずに手術となると、12月19日まで放っておいて転移の心配はないのか?
3) この状況で、皮下乳腺全摘出手術に同時再建という手術で、再発リスクはないのか?

宜しくお願いいたします。

1)  現在の再発予防の治療の考え方は、「サブタイプ別の治療方針」というものが基本になっています。タイプによって、再発の可能性を下げる治療がそれぞれ異なるからです。A.H.さんは、HER2 typeと言って、ハーセプチンを併用した化学療法を受けることで再発リスクを下げることができる群です。ハーセプチン単独では、効果は不十分であり、必ず抗がん剤と併用するべきです。
2)  術前治療のメリットの一つに、受けた治療の効果を手術後の病理検査で確認できるという点があります。pCRと言って、術前治療(FEC治療を3ヶ月と、パクリタキセルとハーセプチンを3ヶ月)で全くがんが消えてしまう可能性が高い群でもあります。pCRを得られた患者さんで再発する人はとても少ないと言うことが分かってきています。つまり、先に手術はお勧めしません。
3)  手術の方法で再発率が変わるのは、局所再発(おっぱいに後からがんが出る)の頻度です。肺や肝臓などに転移する遠隔転移は、手術の方法で変わってくる物ではありません。遠隔転移が起こると起こらないとでは、天と地の差があり、いかに遠隔転移の可能性を減らす全身治療を受けるかがポイントです。

お勧めする流れは、FEC治療を3ヶ月とタキサンとハーセプチンを3ヶ月の後に、然るべき手術(質問の内容だけでは情報が足らず、全摘か、皮下乳腺全摘出手術か、はたまた再建を同時にするか後からするかまではお答えできません。スミマセン)の後に、ハーセプチン残り9ヶ月というコースです。(文責 緒方)

 

No.10853-2】  13年01月15日   A.H. 
健康食品や漢方との関連について

お世話になります。ご回答ありがとうございます。分かりやすくて納得いたしました。追加で質問させてください。一般的なお話で結構ですので、健康食品や漢方との関連について教えていただけると幸いです。
抗がん剤の副作用を抑えるために、健康食品(サプリメント)や漢方を併用といった話を聞きました。効果があるのであれば、使用したいと思います。ただ、このような類のものは、摂取して、本当に副作用を抑えるのでしょうか? 抗がん剤の効果が低下しないものなのでしょうか? ネットで調べたり、周りの人に聞けば聞くほど、何が本当なのか、訳がわからなくなってきました(私の抗がん剤での不安は、体内に起こるもの、、、粘膜系のダメージや嘔吐などです。体力低下、もともと腎臓があまり丈夫でないので、腎臓機能に障害がでるのも怖いのです)。何度も申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。

併用により、副作用が抑えられることもあります。ただ、それにより別の作用が生じることもあり、効果、安全性に関してデータがある程度得られているものをお勧めします。おっしゃるように情報が氾濫しておりますので、怪しいものには手を出さないことも肝要です。(文責 加藤)

 

No.10852】  12年11月16日   S.I. 
抗がん剤治療について

お世話になります。いつも勉強させていただいております。抗がん剤の治療でお尋ね致します。年令によって、抗がん剤は使えないのでしょうか? 65歳以上ではホルモン剤のみとなりますか? 高齢者は先が短いからだと言われましたが、本当でしょうか?

年齢が進むに従い、効果が薄くなり、副作用が強く出るようになってしまいます。ホルモン感受性が陰性では、いくらホルモン剤(本当は抗ホルモン剤、内分泌治療薬とも言います)を飲んでも効き目はありません。ホルモン感受性陰性の進行がんの高齢患者さんでは、最適な再発予防の治療の選択は、色々な要素を加味して決定されます。決して、先が短いからではありません。口の悪い人がいるものですね。(文責 緒方)

 

No.10851-1】  12年11月16日   S.M.
断端陽性2回目の治療法について

大阪在住の53歳の会社員です。今年5月初めに右乳がんとの御診断を頂き、7月に温存手術実施、腫瘍径8mm、ホルモン陽性、HER2陰性、リンパ節転移なし、グレード3との結果でしたが、断端陽性(約3・8mmの癌細胞ありとの事)の為、8月に再温存手術をいたしました。2回目の今回もまた、断端陽性との事で、主治医からはTC療法4クールの後、放射線25+5回と、ホルモン療法での治療をすすめて頂き、現在TC療法2回目投与を終えました。私といたしましては、2回目も陽性と言う事は、まだ乳房内に残っている可能性が高いと思えるので、放射線の回数を増やすよりは、全摘をと考えております。放射線療法を行って頂くと、今後、再発して全摘した際に再建が難しいという事ですので、色々調べまして、皮下乳腺同時再建という術法があると知りました。現在診て頂いている病院は、同時再建は取り扱っておられないとの事で、再々手術の場合は、全摘半年後再建との事です。また、保険のきかない手術はなさらないとの事で、自家組織を使っての再建法です。私の希望と致しましては、3回目の事でもあり、期間も長くかかっているのと、自家組織を使うダメージが不安ですので、皮下乳腺全摘、できればインプラントによる同時再建が第一希望です。12月の半ばにTC投与が終了いたしますので、それまでに方針を決めるようにと、主治医からご指示頂いております。今後の治療についてのアドバイスをお願い致します。

「自家組織を使うダメージが不安ですので、皮下乳腺全摘、できればインプラントによる同時再建が第一希望です。」と、はっきりしたご希望があるので、その線で手術を施行して貰える施設を探されるのが宜しいのではないでしょうか。腋窩リンパ節転移がなく、最終的な浸潤がんの広がりがおそらくは5cmを超えることはないと思われるので、乳房への照射は省略してよろしいかと考えます。その旨、主治医の先生にお伝えして、同意を得られることをお勧めします。good luck! (文責 緒方)

 

No.10851-2】  12年12月17日   S.M.
2回目断端陽性について

お世話様でございます。11月に断端陽性の為、2回温存手術を致しまして、10851にて今後の方針の御相談をさせとぃただきました。12月11日に抗がん剤TC療法の最終(4回目)投与予定で、その後再手術と思っておりますが、前回ご指導いただいた全摘、皮下乳腺全摘同時再建、放射線照射25回+5回とでは、再発、転移等にどれくらい差があるのでしょうか? 2回目も陽性だった不安から手術のみ考えておりましたが、体力的にも自信が無くなって参りましたのと、家事都合で長期の入院に支障が生じましたので迷っております。度々申し訳ございませんが、再度のご指導をお願い致します。

まず考えて頂きたいのは、全身への転移と、乳房内再発を分けて考えてください。腫瘤径8mmで二度断端陽性ということは、非浸潤癌病変で断端陽性と考えられます。だとすると、断端陽性は基本的には乳房内再発のriskがありますが、全身への転移のriskにはほとんど影響しません。 したがって、全身への転移のriskは皮下乳腺全摘でも、放射線治療でも変わりません。しかし乳房内再発のriskについて考えれば、乳腺組織がなくなる皮下乳腺全摘の方が放射線治療より乳房内再発のriskは低いと思います。その差がどのくらいかは、明確なevidenceがないのでお答えは難しいのですが、私個人の予想としては5%程度ではないかと思います。(文責  清水)

 

No.10850-1】  12年11月13日   K 
骨転移について

乳癌の手術を受けて、今年で10年目を迎えました。半年検診が一年毎でいいようになり、一応節目と喜んでいましたが、10月初め頃より胸の骨が痛むようになり病院に行きました。主治医は、6月にCTを撮って異常ないし、一ヶ月経っても、まだ痛みがあるようなら、またCT撮ればいい‥とのことでした。2週間後に整形外科でレントゲンとCTを撮ったところ、すぐにかかりつけの病院に行くように言われました。そして、PETの検査をすればはっきるするからと言われ、検査をしました。結果は胸骨角正中部分に10mm大の結節状溶骨性変化があり、SUVmax=2.95のFDG集積が見られるとのことでした。ですが、主治医は、「分からない。仕方がない。」と、繰り返し言うばかりで、痛みも仕方がないと言うだけで、薬も出ませんでした。3ヵ月後にCTと言われましたが、PETで集積があれば、そこがガン細胞ではないんでしょうか? 骨が溶けるのは、骨転移ではないんでしょうか? どうしたらいいのか、不安で恐い毎日で、仕事も休みがちになってしまいました。宜しくお願いいたします。

心配されているお気持ちはよく分かりますが、PETで集積があれば即ガン細胞があるということではありません。何らかの炎症でも集積するようです。骨転移の診断はPETのほかにMRIを撮影することもあります。痛みどめについては主治医の先生にお願いしても良いと思いますし、頼みづらければ市販薬でもいいと思います。(文責 大西)

 

No.10850-2】  13年01月15日   K 
骨転移について(2)

10850で相談させて頂きました。早々のお返事ありがとうございました。再度、よろしくお願い致します。お返事いただいたあと、主治医に骨が溶けるのは転移ではないのか?と聞きに行きました。「転移は転移です。」との回答でした。それも、骨に転移すると全身に回ると‥‥またまた絶望的になりました。肺などは、そこを治療すればいいけど、骨は骨髄で血を造っているからと。骨が溶けるのは、転移しか考えられないんでしょうか? 痛み止めを出さないのは、自然に痛みが治まってくれば、それはガンではないからと言われました。PETで2.5の集積がボーダーラインで、私の場合2.95の集積だったので、今は何も治療は出来ないとのことでした。胸の痛みはまだ続いています。重い物を持ったりした時は、かなりの痛みですが、普段は我慢出来ます。3ヵ月後にCTの予定です。それまで痛みを気にし、治まって来なかったら悪いものなんだと自分で分かるのも辛いです。集積があっても別の場合もあるとお返事頂いて、すごく嬉しかったです。やはり骨転移なんでしょうか? よろしくお願い致します。

さらに骨シンチグラフィ、MRIなどの検査もありますので、確認のために受けてみてもよいかもしれません。転移でなかったとしても、痛みを和らげる治療は受けてもよいと思います。主治医からの処方がなくとも、薬屋さんで手に入れることができますので、お辛い場合は試されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.10850-3】  13年07月01日   K 
骨転移について(3)

10850,10850-2で、相談させていただきました。再度お願いいたします。
2月にCTと血液検査を受けましたが、CTの所見では、「胸骨に結節状の骨硬化像あり。炎症性変化か。以前のCTと変化なし」とあります。血液検査も異常がないとのことでした。3ヶ月でどうもなかったから、次は思い切って6ヶ月後と言われました。重い物を持ったりすると痛みが出てくるので、注意していましたが、5月末からまた痛みがきつくなって、一日中ズキズキして、寝返りを打つのも痛みます。その日によって痛む所が広がったりしています。8月に血液検査だけの予定ですが、こんなに痛みがあるので、毎日が不安で仕方がないです。仕事には行っていますが、重い物を持ったり、力の使う仕事もあるので、段々と辛くなって来ています。痛みが続いているのは、骨の溶けている範囲が広くなっているんでしょうか? この相談室で回答をいただけた時は、気持ちが少し楽になりました。どうかよろしくお願いいたします。

普通の生活や仕事がままならないのは、何とかしなければなりません。乳がんの骨転移には、骨が溶ける溶骨性変化を起こす場合と、骨が硬くなる硬化性変化を起こす場合、両方が同時に起こる場合などがあり、骨硬化像は転移ではないとは言い切れません。また、痛みの程度と期間が長いことも気になります。患者さんへの負担にはなりますが、胸骨のその部分を手術で取ってきて病理診断をする生検が、白黒はっきりさせる最も確実な方法です。さらに、その結果によって治療薬の選択も可能です。主治医の先生と相談する様にして下さい。(文責 緒方)

 

No.10849】  12年11月13日   E.T.
病院選びについて (HPNo.10844-2)

返信ありがとうございます。4か月で倍の大きさとなった事で、悪性度が強く、進行性が早いのではと、心配になりました。乳がんは進行が遅いのが通常との事ですが、やはり早い人もいると思いますので、子供も小さく、今一番母親が大切な時期ですので、本当に心配で眠れない日々です。また問題は、私は北海道の田舎(函館から1時間程度)暮らしですので、もし手術となった場合が問題です。北海道では、札幌にいくつか乳がん専門医がいます。(札幌まで片道4時間半) 函館の病院は大きな病院もありますが、あまり乳がんの専門医の話を聞きません。安心して手術をするなら、距離が遠くても、札幌の病院の方が良いのかなと思っています。ただ、有名な病院は、やはり待ち時間もかなりだそうですので、手術までの日にちも待機しなければならないとなると不安です。私たちのような田舎暮らしは、検診では近くの病院でエコーやマンモグラフィーを受診しますが、いざ手術となると、地元の先生も良い先生で信頼もできますが、やはり大きな街の病院の方が症例数も多いでしょうし、名医と呼ばれる先生もたくさんいるでしょうし、数多くの難しい手術もこなしてきているでしょう。本当に心して手術に向かうには、やはり順番待ちにもなると思いますが、そちらの方がよいのでしょうか?

日本乳癌学会のホームページに認定・関連施設が掲載されています。もちろんここに掲載されていない施設にも名医と呼ばれる先生もいらっしゃると思いますが、参考にされてはいかがでしょうか。癌治療を専門病院で受けることで、専門スタッフに治療されるメリットもあるでしょうし、近くて通いやすく待ち時間も少ない病院で治療を受けるメリットもあるかと思います。乳がん治療は手術だけで終わることはほとんどありませんので、E.T.さんのスタイルに合った病院選びをしてください。(文責 大西)

 

No.10848】  12年11月13日   S
ノルバデックス

2010年に乳癌の手術をしました。その前後にはこちらでもお世話になり、本当にありがたかったです。癌は、硬がんで、ステージ1、Her2 0、ホルモン受容体 ER 90% PR 80〜90%、切断面陰性。温存手術後、放射線治療、そのあと、タモキシフェン(ノルバデックス)を服用し、2年3ヶ月になります。ノルバデックスをのみ始めて、子宮体癌、頚癌検査を受けていますが、今回、体癌のほうが、3aという結果が出ました。コメントに、「軽度の核種大、軽度の重積性変化を示す。内膜細胞のclusterが認められます。定期的にfollow upをお願いします。」とありました。エコーでは子宮内膜が厚くなっており、2センチくらいとのこと。婦人科の先生は、「去年に比べて急に厚くなったから、普通なら体癌を疑うが、薬の影響でしょうから心配することはない、4ヵ月後に再検査をしましょう。」と、いいました。乳癌のお医者様は、「ノルバデックスを飲んでいると、このくらいの結果が出るのはよくあることで、心配は要らない。あなたはまだ完全に閉経とはいえないので、ノルバデックスが唯一の薬で、変えることはできない。」とのことでした。エストラジオール164、FSH39.3です。この2年くらい生理はありません。乳癌の先生のおっしゃっていることは良くわかりますが、このままノルバデックスをのみ続けて、4ヵ月後に再検査という方法でよいのでしょうか? ノルバデックスをのんでいる人の体癌検査結果には、3aが、普通の方に比べ出やすいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

タモキシフェンの副作用で子宮内膜症の発生が増えると言われています。タモキシフェンの内服を中断することで増加する乳癌の再発率と、継続することで今後子宮体癌へと進行していくリスクを考えた場合、慎重に子宮内膜を観察しながら内服継続が望ましいかと思います。完全に閉経したタイミングではアロマターゼ阻害薬も選択肢になります。(文責 大西)

 

No.10847】  12年11月11日   M 
転移の可能性

8月27日に乳癌の左乳房部分切除、センチネルリンパ節生検の手術をしました。術後検査結果が、浸潤癌、リンパ転移なし、2,2mm、グレード3,HER2 1+ で、術後初めての9月採血の結果、CA15―3が 38 でした。転移の可能性が大きいですか? 先生は、要観察と言われました。

CA15-3の正常値は30以下ですので、軽度上昇していることになります。モニターする必要はありますが、これだけで転移を疑うことはありません。転移の可能性は極めて低いです。(文責 大西)

 

No.10846】  12年11月11日   L 
骨転移治療(HPNo.10718-2)

前回NO.10718で相談させていただきました。その節はありがとうございました。今回また相談したい事があり、よろしくお願いします。その後、9月初めに無事全摘術も終わり、病理の結果、11月1日から抗がん剤治療を開始しようという矢先に多発性骨転移が見つかりました。あまりに早い転移発覚に驚いております。病理結果は次の通りです。
しこり3.5p、リンパ節に1/13、ly:3+、v:−、ER.PgR共に強陽性、HER2マイナス、Ki-67:54.2%、グレード2
コメント:: 乳腺組織から皮膚組織にかけて特殊な像を呈する癌の浸潤を認めます。DCと思われる像もみられ、原発は乳腺と考えたいが、稀な形態を示している。

「リンパ管侵襲やリンパ節転移、Ki67も高いので、再発率も高いでしょう。」と言う事で、抗がん剤を頑張ろうと言う時に、術後すぐの骨盤の痛みが気になり、安心の為にお願いしたMRIで腫瘍がみつかりました。骨シンチ、PETCTで、腸骨、背骨、骨盤、股関節に、それぞれ1p程のものがある事が分かりました。術前の骨シンチにはありませんでした。転移で間違いないでしょうと言う事で、治療を開始するにあたり、もう治癒目的ではなく、延命の為の治療になると告げられました。抗がん剤でいくか、ホルモン療法からいくか、主治医と共に悩みました。がん専門病院ですが、それでも術後2ヶ月での転移はあまり経験がなく、内臓に転移してなかった事を幸いと思い、まずはホルモン療法で様子を見るべきか、最初から抗がん剤で強く叩いていくべきかを迷っています。主治医からは、何の薬物も使ってないので、何が効くかはやってみないと分からないから、まずはホルモン療法でもいいと思うが、あまりに不安が強ければ抗がん剤でもいいと言われました。無治療の今が、いちばん不安です。ホルモンが効く気がしますが、Ki67が高めも気になります。先生方でしたら、どのような治療を考えますか? 教えて頂きたく投稿しました。よろしくお願いします。

全く主治医の先生と同じように説明すると思います。ER、PgRともに強陽性で、かつ、Ki67=54.2%、グレード2ですから、ホルモン療法の方が効くとか、抗がん剤の方が効くとかではなく、ホルモン療法、抗がん剤をうまく使うことが重要に思えます。骨転移は主治医の先生が仰るように内臓転移ではなく、今のところ生命の危険が迫っているわけではありませんので、ホルモン療法から始めます。Lさんが心配されているように、術後2か月での転移は確かに抗がん剤治療を考えたくなるポイントではありますが、ホルモン療法から始めたうえで早い段階で効果判定をします。その結果急激に悪化しているようであれば、抗がん剤へと切り替えます。(文責 大西)

 

No.10845】  12年11月11日   Y
再発率

はじめまして。こういった相談箱があって、とても参考になったり助かっています。どうかよろしくお願いします。41歳、左乳癌温存手術、浸潤癌、しこりは2p、グレード2、センチネルリンパ節陰性、ホルモン受容体両方とも陽性(45%程度)、HER2陰性、断端陰性、脈管浸潤なし、ki-67不明です。ホルモン療法なし、とホルモン療法2年と5年した場合の、5年後、10年後再発率についてのアジュバントオンラインでの結果をお教え下さい。また日本でも上記のようなデータがあるのでしょうか? どちらかでけっこうですので、よろしくお願いします。

アジュバントオンラインでの計算では、無治療であれば再発率は24.6%で、ホルモン療法(タモキシフェン)を5年間内服すると、15.8%まで下がります。アジュバントオンラインのデータは日本人に当てはめると悪くなる(再発率が高い)傾向にあると言われています。HER2、断端、脈管侵襲、ki-67については、アジュバントオンラインでは評価項目ではありません。またホルモン療法2年や、5年後の再発率に関するデータはありません。(文責 大西)

 

No.10844-1】  12年11月09日   E.T. 
乳がんの再検診について

乳がんの再検診について教えてください。38歳の妻が、マンモグラフィとエコー検査で、13mmのしこりがあり、針生検をして細胞を取り、1週間後に結果を待つことになっています。4か月前の検診では、6mmのしこりがあったのですが、まだその頃は子供がおっぱいを飲んでいたので、再度4か月後に再診したら13mmでした。今は授乳を終えています。針生検では、細胞が硬かったらしいので、13mmもありますし、もしかしたら乳がんなのではと心配しています。13mmでも、針生検で硬くても、良性な事ってあるのでしょうか? 針生検は、柔らかいと良性、硬いと悪性と聞きます。一番怖いのは転移の可能性です。脇の部分はまだ何も聞かれてません。

硬さは確かに気になりますが、13mmの良性腫瘍は珍しくありません。ただ、悪性(乳癌)であったとしても13mmであれば小さい方です。悪性である場合、確かに転移が気になりますが、根治が十分に望まれる大きさです。仮に悪性であったとしても、このサイズであれば、あまりあわてる必要はないと思います。(文責 大西)

 

No.10844-2】  12年11月13日   E.T. 
病院選びについて

返信ありがとうございます。4か月で倍の大きさとなった事で、悪性度が強く、進行性が早いのではと、心配になりました。乳がんは進行が遅いのが通常との事ですが、やはり早い人もいると思いますので、子供も小さく、今一番母親が大切な時期ですので、本当に心配で眠れない日々です。また問題は、私は北海道の田舎(函館から1時間程度)暮らしですので、もし手術となった場合が問題です。北海道では、札幌にいくつか乳がん専門医がいます。(札幌まで片道4時間半) 函館の病院は大きな病院もありますが、あまり乳がんの専門医の話を聞きません。安心して手術をするなら、距離が遠くても、札幌の病院の方が良いのかなと思っています。ただ、有名な病院は、やはり待ち時間もかなりだそうですので、手術までの日にちも待機しなければならないとなると不安です。私たちのような田舎暮らしは、検診では近くの病院でエコーやマンモグラフィーを受診しますが、いざ手術となると、地元の先生も良い先生で信頼もできますが、やはり大きな街の病院の方が症例数も多いでしょうし、名医と呼ばれる先生もたくさんいるでしょうし、数多くの難しい手術もこなしてきているでしょう。本当に心して手術に向かうには、やはり順番待ちにもなると思いますが、そちらの方がよいのでしょうか?

日本乳癌学会のホームページに認定・関連施設が掲載されています。もちろんここに掲載されていない施設にも名医と呼ばれる先生もいらっしゃると思いますが、参考にされてはいかがでしょうか。癌治療を専門病院で受けることで、専門スタッフに治療されるメリットもあるでしょうし、近くて通いやすく待ち時間も少ない病院で治療を受けるメリットもあるかと思います。乳がん治療は手術だけで終わることはほとんどありませんので、E.T.さんのスタイルに合った病院選びをしてください。(文責 大西)

 

No.10843】  12年11月09日   M
両胸の柔らかい大きな固まり

初めて投稿させて頂きます。両胸に柔らかい大きな固まりがあります。はっきりわかりませんが、数年前からあると思います。右胸の方が少し固く、触ると痛みがあります。別の病気で胸部CT検査をして、両胸に乳腺のつまりを指摘され、今度マンモ検診をする予定です。CTの画像に写ったのは、この固まりなのでしょうか。悪性のものなのか気になります。医師からは、「両胸が乳がんの可能性はあまりないので、乳腺症だろう。」と、言われましたが、心配です。

乳房の構成要素は皮膚、脂肪組織、乳腺組織、乳頭です。一般的に乳腺組織は脂肪組織よりも硬いものですが、乳腺症があると、より乳腺組織は固くなります。両側の柔らかい大きな塊は、乳腺組織そのものを触れているのではないでしょうか。触ると痛みがあるとのことですので、乳腺症の可能性は高いと思います。ただ、いずれにしても検査してみないと分かりませんので、マンモグラフィーの結果を待ちましょう。(文責 大西)

 

No.10842】  12年11月08日   AK
乳管腺葉区域切除 (HPNo.10810-4)

先日はお返事ありがとうございました。まずは、マンモトームとのお返事もあったのですが、石川先生には、まず、乳管造影、セカンドオピニオンとご回答していただきました。私も、そのようにしたく、乳管造影(内視鏡)が出来る病院を探したのですが、結局、通える場所で見つけることは出来ませんでした。遠方、または、もう一度探してみることも考えたのですが、だんだんと日にちが経つ事に家族も不安そうで、マンモトームの予約も取れたので、受けることにしました。お聞きしたいのですが、「乳管内腫瘍の場合は、普通、乳管腺葉区域切除が行われる」との回答を頂いたのですが、これはマンモトーム後にも出来るのでしょうか? また、マンモトームで悪性となった場合でも出来るのですか?

マンモトームの結果良性腫瘍の場合、乳管腺葉区域切除の目的は乳頭異常分泌を止めることが主になります。マンモトーム後でも可能だと思います。マンモトームの結果悪性腫瘍(乳癌)であれば、根治術が必要となります。乳管腺葉区域切除では十分なマージンの確保が難しいので、乳癌の治療としては一般的ではありません。(文責 大西)

 

No.10841-1】  12年11月08日   R 
MRI検査

術後一年半ということでMRI検査をいたしましたところ、温存した近く(すぐ下)の所に、3mmのものが2箇所白く写りました。術後一年の時は、何もありませんでした。主治医は、「乳腺の炎症かもしれないし、心配しなくても大丈夫だと思う。」と、言われました。「こういうケースで、手術して摘出してみても、何もないこともあるし・・。」とも言われました。エコー検査をしても写らないかもしれないけれど、写れば組織を取るとのことでした。抗がん剤(EC,タキサン)、放射線治療は終わり、ハーセプチンはあと少し、ホルモン治療は継続中です。そこで御質問なのですが、このような状況で、局所再発の可能性は本当に低いのでしょうか? また再発だった場合、これだけの治療をしても、効いていないということなのでしょうか? 宜しくお願いします。

報告にもよりますが、乳房温存手術後の局所再発率は、補助療法に加え放射線照射を施行した場合、数%程度です。また切除断端に癌が近い場合や、若年例、核異型度、リンパ管侵襲などが局所再発のリスク因子として知られています。なおMRIで乳房温存手術後の創部に炎症性の影が映ることは珍しくありません。仮に局所再発であった場合でも遠隔転移ではないので、再切除で良好な成績が望まれます。遠隔転移を認めていないのであれば、必ずしも補助療法が効いていないとは言い切れません。(文責 大西)

 

No.10841-2】  13年05月16日   R 
MRI検査(2)

以前質問させて頂いた者です。その節はありがとうございました。前回、その後のエコー検査では映らずに様子見となっておりましたが、今回半年経ったので、MRI検査を致しました。結果としましては、半年前の検査と変わらずに同じように映り、検査技師の方のコメントでは、わりと速く染まったので、疑いが強いのではないかとのことでした。主治医の先生からは、前回同様エコー検査をして映れば組織をとるとのことで、映らなければまた半年後に検査するとのことでした。先生は、「前回エコーにも映らなかったし、大丈夫ではないか」と言われましたが、局所再発してるのではないかと、とても不安です。局所再発でない場合でも、こんなふうな結果になるんでしょうか? 仮にそうでないとするならば、何が映っているのでしょうか? またそうでない場合、半年ごとの検査で充分なのでしょうか? 同じような質問ばかりで申し訳ありません。よろしくお願いします。

放射線の影響や断端の傷の修復過程の変化などさまざまな良性の病態が考えられますが、悪性の病変でなければ経過観察でよいわけです。6ヶ月間の経過で変化がなかったことは、良い結果と思われます。超音波上でなんらかの病変がとらえられれば、組織診を行なうという主治医の方針に賛成です。(文責 徳田)

 

No.10840】  12年11月05日   S.I. 
進行乳がん

いつも勉強させていただいております。先日テレビで、進行乳がんの70%が骨転移と説明がありましたが、進行乳がんとは、浸潤癌のすべてでしょうか? 又、ステージとかグレード等の総合判定でしょうか。教えて下さい。

そのテレビを見ていないので詳細は不明ですが、早期癌に対する言葉として進行癌というのであれば、70%が骨転移とは思われません。浸潤癌は、非浸潤癌に対する言葉です。また骨転移の定義も、症状があって分かるものか、シンチやMRで画像で判明したものか、また症状も画像も異常もないのに研究的な目的で骨髄穿刺をして診断したものか。骨転移診断の前提が分からないと、コメントのしようがありません。(文責 石山)

 

No.10839】  12年11月04日   M.F.
温存手術の予定

42歳、独身です。非浸潤性の乳がんで、来週手術予定です。左胸の温存手術の予定ですが、以前から乳腺線維腺腫が複数ある事(線維腺腫が、両乳房にあわせて10個近くあります)、今回できた乳がんが成長の早いものであることから、再発のリスクが高いのではないかと心配です。良性腫瘍がある人は乳がんになりやすいと、どこかで聞きましたが、主治医は関係ないといいます。本当のところ、どうなんでしょうか? もし再発のリスクが高いなら、皮下乳腺全摘出術を希望しようかと考えています。それらの要素が再発にあまり関係ない、もしくは皮下乳腺全摘出でも再発リスクはそんなに変わらないのでしたら、主治医の勧めるように温存にしようと思います。お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ご回答よろしくお願いいたします。針生検の結果、2.2cmの非浸潤ガンでした。MRIの結果、広がりはあまり無いようです。毎年検診を受けていますが、昨年は見つかりませんでした。1年で2.2cmは成長が早いと言われました。

非浸潤癌がいつできたか判断するのは非常に困難です。線維腺腫は癌化することはまずないので、今回の癌とは関係ないと思います。22mmであれば、当院でも温存をお勧めし、術中の迅速病理所見で取り切れなければ、皮下乳腺全摘に切り替えます。(文責 石山)

 

No.10838】  12年11月04日   C  
乳癌再検査

41才、二児の母です。乳癌検診で、再検査のお知らせをもらいました。その紙には、カテゴリ3、4、5とか、右、左、両方や乳癌の疑いなど、書いてありました。しかし、何処かにマルがついていたわけではありません。丸ができないほど重症なのかと病院に電話しても、再精密検査の時、聞いて下さいとのことでした。ボールペンで乳房の絵が書かれていて、丸い黒丸と、別の角度からだと思われるもう一個の円には、白丸のような個体が書かれていました。このような紙をもらうくらいだと、マンモグラフィだと悪性はほぼ確定なのでしょうか。あと、色々しこりがないかと探してみると、脇の下や、鎖骨周りにもありました。すべて丸くて動きます。ネットで色々気になって調べていると、脳への転移などが載っていて、似たような症状もあって、ますます不安です。時々、足のだるさ、しびれやろれつがまわらなかったことがあったり、目も見えづらくなったりしているからか、当てはまることだらけ・・・。とても悲しくて、ずっと泣いています。もう脳に転移しているのでしょうか。手遅れなのでしょうか。このまま再検査を待てばいいのでしょうか。どうか教えてください。

検診の結果用紙の書式は、各施設、各自治体によってまちまちです。カテゴリー5は癌という診断ですが、あなたの診断がどれに当たるか書かれていないのであれば、あくまでも結果を書くために便利な書式です。カテゴリー5というわけでなければ、あまり心配しないで、精密検査を受けるか、検診施設に詳しく聞いてください。一般的にマンモグラフィー検診を受けて癌が見つかる可能性は、0.1%(1000人に1人)以下と言われています。(文責 石山)

 

No.10837】  12年11月04日   AK 
乳がん、乳頭腫の鑑別(2)(HPNo.10810-3) 

先日は、お返事ありがとうございました。
1) 乳管造影→マンモトームの順の方が良いというのは、逆にすると何か支障があるのでしょうか? セカンド→マンモトームの順というのも、よろしければ理由を知りたいのですが・・・。
2) あれから、乳管造影の出来る病院を探し、次回担当医に紹介状を書いていただく予定です。しこりが見つかってから色々な検査を経て一ヶ月たちます。どんどんマンモトームまでの期間が延びて不安なのですが、1〜2ヶ月延びたとしても、さほど進行(非浸潤が浸潤になるなど)は心配しなくてもよいのでしょうか? 
3) 病気の治療についてお聞きしたいのですが、良性の乳管内乳頭腫の場合は、経過観察か切除になると思うのですが、切除の場合、しこりだけでなく乳腺腺葉区域切除という方法をとるのは、どうしてですか? 血性のものが通った乳管は、置いておくと良くないということですか? 医師でもない私の勝手な推測なのですが、もし、乳頭腫が主に乳頭近くにできることで、そこだけ切除してしまうと、その先の乳管〜末梢までが乳房内で取り残される、などの理由でしたら、私の場合、その末梢にしこりがあるので、そこだけを切除できないのか・・・と思ったのですが・・・。また、乳がんの場合も浸潤していなければ、乳腺腺葉区域切除もできるのでしょうか?

マンモトームで乳管内乳頭腫と診断されれば、そのまま経過観察という方法もあるので、腺葉切除を行うとは限りません。1,2カ月空くことで癌化することはありませんが、すでに癌であれば、多少の増大はあるかもしれません。いずれにしても、癌と確証がなければ、治療には進めません。(文責 石山)

 

No.10836】  12年11月03日   A 
右乳房のしこり?

34歳、5歳と2歳の娘がいます。33歳のときにマンモグラフィーと超音波検査をし、右乳房に微量の石炭化があるということで、半年後再検査になりました。変化はなく、良性だろうという診断でした。それから1年後、マンモグラフィーと超音波検査をし、異常なしでした。その時期に少しですが、授乳をしていまして、乳腺は授乳期の乳腺だが、診断には問題ないとのことでした。それから、また半年後(今日です)、違う病院ですが、診察にいきました。超音波のみです。診断の結果、右乳房の右上に5ミリくらいの、しこりか、乳瘤らしきものが見つかりました。形は丸いということです。3か月後、再検査となりました。大きくなっていたりしたら、細胞診断」をするそうです。なっていなかったら、そのままみたいです。 半年で、5ミリくらいの、しこりか、乳瘤って、見つかったり、出来るものですか? 乳腺が張っていて分からなかったのかなとも思いますが、石炭化のこともありますし、とても心配しています。

超音波で5mm以下の腫瘤は、質的な診断はつかないので、仕方ないと思います。「微量の石炭化」は意味がわかりませんが、微細石灰化であれば、悪性も含め、形態と分布から、ある程度判断がつきます。3ヶ月後の超音波で経過を見るのが、無難な選択と思います。(文責 石山)

 

No.10835-1】  12年11月03日   S 
CEA CA-3の上昇について

初めてご相談させていただきます。私の65歳になる母のことです。17年前、乳がんと診断され、片胸の全摘手術を行い、しこりは初期程度の大きさでしたが、リンパ節への転移がみられ、その後、摘出した皮膚の表面にも再発?とみられる極小さい癌腫瘍が見つかり、摘出しました。その後、大きな転移などの兆候は見られず、血液検査など定期的に病院に検査に通っております。
その後数年は血液に異常はなかったのですが、2011年ころからの検査で、もともと10前後だったCA15-3の上昇が始まり、去年1月に検査した値が40近くに上昇したため、CEAも6.7と高くなったので、CT検査・胃カメラ・大腸検査をいたしましたところ、特に異常はないとの診断でした。その後の同じ年6月の検査で、CA15-3が50近くになって、CEAも9.2になったので、PET―CTを行いました。同じく異常がなく、3か月後の9月の検査で、一旦、CA15-3が22ほどになり、でもCEAは依然上昇傾向で、17程度でした。一番最近の検査で、CA15-3が70.2、CEAが25.7と、今までの中で最大値を示し、再度今月CT検査をする予定です。主治医の先生は、「現段階でどういった原因でこのような上昇傾向になっているのか、まったくわからない。とりあえず再度CTを撮ります。」とのことでした。
そこでご質問ですが、このような結果を見ていただき、これらの上昇は、どのような要因が考えられるか。→CTに映らない臓器に転移の可能性が強いのか。また、映らないのだとして、このまま様子を見るだけでいいのか。(何らかの療法はないのか) また、1年にCTを2回、PET-CTを1回行うことになりますが、かなり被爆リスクが高いのではないか、できれば、もう少し間隔はあけるべきではないのかと思います。(本人も検査が大変疲れるようでできるだけ、被爆リスクをなくしたいとのこと) 本人は比較的元気で、食欲もあります。疲れやすい、風邪をひきやすい、ちょっと左下背中などがたまに痛いことがある、とは話していますが・・・。長文になりましたが、アドバイスいただければと思います。よろしくお願いいたします。

当院でもそのような患者さんもいます。検査は仕方ないと思いますが、もしホルモン感受性が陽性であれば、ホルモン治療であれば副作用が少ないので、投与してみて、マーカーが下がるか試すのも一つの方法と思います。 (文責 石山)

 

No.10835-2】  12年12月04日   S 
CEA CA15-3 上昇→肺水検査について

NO.10835 で、以前ご質問させていただきました。ありがとうございました。それから、母は11月にCT検査を行いまして、結果、「両側腋窩や縦隔に有意なリンパ腫大は認めず、肝や肺に明らかな転移は認めない、肺外側区域に嚢胞を認め、この末梢S2の肝内胆管に軽度拡張が見られます。前回(3月CT)同様です。左胸水を認め、今回新出しています。原因についてははっきりしません。f/uしてください。左葉間胸膜沿いに小結節が数個見られますが、前回CT同様です。」との所見でした。念のため、主治医に7月に撮ったPETCTと比べて頂き、今回、7月より胸水が増えているので、今月中旬に胸腔鏡の手術を行って細胞、水を取り、検査することになりました。全身麻酔の手術で、9日間の入院予定です。7月の倍程度胸、水が確かに増えています。左肺全体の8分の1程度でしょうか。自覚症状は出ていません。2010年くらいから15年間、あまり変わりのなかったCA15-3がどんどん上昇していき、10月に70.2、さらにCEAも2012年1月より5を超え、25.7になってしまったため、CT、PETなど、さまざまな検査をしてもわからないので、こちらで相談させていただいた通り、ホルモン療法などを選択するべきかと思って主治医に相談しましたが、ホルモンレセプターの検査すらまだ行っていない状況で、とにかく胸水の手術をしてからとの状態です。胸腔鏡の手術は、乳がん切除(全摘)手術より強い痛みがあり(呼吸器の担当主治医が、かなり痛いと伝えてくれた)、仮に癌細胞が見つかった場合、癌細胞が散ってしまう恐れがあるため、できれば、母はホルモン療法を行った上、それでも数値が上がるようであれば、胸水の検査をしたいと思っているようです。何回も通院していますが、なかなかレセプター検査も行っていただけないので、「検査をお願いします」と、母は主治医に伝えてるようですが、先に手術の事前検査のみ行っているようで、まだ実行には至っていないようです。こういった場合、やはり胸水の手術が先決なのでしょうか。乳がんの全摘の手術があまりに激痛で、二度とあの痛みは経験したくないと思っている母のために、最良の治療法を見つけてあげたいのですが・・・。どうかご相談よろしくお願いいたします。

ホルモンレセプターの件ですが、@17年前の採取の手術の検体 A皮膚転移やリンパ節転移と診断された時の検体での検査が可能だと思います。もちろんそれ以降の再発部位と目されている肺・胸膜の細胞は、以前の病巣と異なったホルモンレセプター値になっている可能性もあり、それを調べるためには胸腔鏡で病巣の切除と考えておられるかもしれませんが…。(文責 久保内)

 

No.10834】  12年11月01日   L 
母の乳癌について

先日もご相談させていただきましたが、その節は、ご回答ありがとうございました。60代後半の母の乳がんについてです。母は左乳頭から血性分泌があり、受診をした結果、がんが判明しました。先日、針生検の結果が出ました。その中でわからない点があったので、教えていただきたくメールしました。

<針生検結果>
 診断:Lt.breast. US-MMT:Noninvasive ductal carcinoma
     9本中2本の一部に少量のDCISを認めます。

 DCIS:solid,G2,necrosis(-),calcification(-)
 (2012/10/23)ER(100%),PgR(70%),Her2 score 0
 (2012/10/25)CGA(+),SY(+)

以上のような内容でした。結果の内容を自分なりに調べてみました。
非浸潤性乳がん
非浸潤性乳がんの種類としては、充実型、悪性度はグレード2、
壊死なし、石灰化なし
エストロゲンレセプター100%,プロゲステロンレセプター70%

1) 壊死なし、石灰化なし=コメドタイプではないという認識であっていますか?
2) 最後のCGA,SYの意味がよくわかりませんでした。調べている中で、これが陽性だと、「神経内分泌型非浸潤性乳管癌」ということなのかなと思ったのですが、あっているでしょうか? ただ、CGA,SYの前に記載された日付が、結果をもらった日(2012/10/23)より後の日付なので、この(+)が有効なのかどうかは分からないのですが・・・。
3) 「神経内分泌型非浸潤性乳管癌」の場合、悪性度が悪いなどの特徴がありますか? わざわざ神経内分泌マーカー(?)を調べている意図は何でしょうか?
4) 主治医からは、「悪性度はそれほど高くなく、ホルモンも良く効くタイプなので、ゆっくり成長するタイプですね。」と、言われました。今、手術に向けて、温存にするか全摘にするか、悩んでいます。主治医からは、大きさ(広がり)としては十分温存(1/6切除)できると言われています。あまり悪性度が高くないタイプであれば、温存+放射線でと考えているようですが、イマイチ判断できずにおります。コメドタイプでもなく、悪性度もグレード3でなければ、悪性度は高くないと考えてもいいのでしょうか? 充実型は、悪性度は中間、グレードも2ということで、最も低いタイプではないだけに悩んでいます。母のようなタイプの場合、再発リスクは高い低い、どちらと考えていいのでしょうか? 悪性度が高い=再発リスクが高いのであれば、全摘も考えようと思っています。

1) そういう事になります。
2) 多分そのような意味と思いますが、一般的には検査しませんし、非浸潤癌が神経内分泌型であるとして治療に変わりはないように思いますが。日付は検査した日か、結果が分かった日という事でしょうか。院内での決め事ですので、主治医に聞いてください。
3) 意図は不明です。主治医に聞いてください。当院ではまずやりません。
4) 非浸潤であれば、ほかの因子は無視できるほど予後は良いと思います。それよりも切除標本で本当に非浸潤なのか確認しないと、悪性度の判断はできません。(文責 石山)

 

No.10833】  12年11月01日   チエ
乳腺線維腺腫

34歳になる女性です。23歳の健康診断の時に、左胸乳首上に500円玉を楕円形にしたシコリがみつかり、エコー検査を受けました。表面はツルツルで、境界がハッキリしているので、乳腺線維腺腫と言われ、五年程、毎年検診で見て頂いていました。三年前にも違う病院で、やはり同じ診断でした。昨日、さらに違う病院にかかり、シコリの組織を取り調べる事になりました。シコリの大きさ、触った感じは変化なしです。今ままで良性だと思っていましたが、いきなり悪性になることはあるのでしょうか? 医師にも、念のためだから、といわれましたが、結果がでるまで、不安でしかたありません。もし悪性なら、非常に大きいですし、発見してから年数もたっているので、どうしていいものか・・・。 自覚症状は何もありません。どうぞよろしくお願いします。

経過観察の途中で細胞診などの検査がされていたのであれば、今回の検査は本当に念のためですし、そう考えていいと思います。ただ経過観察中に、細胞診など一度もしないで、画像上触診上で診断されていたのであれば、一度組織診をしておいたほうが安心というものです。珍しいですが、画像上、触診上、線維腺腫と鑑別の難しい癌があるので、一度受けることをお勧めします。(文責 石山)

 

No.10832】  12年10月31日   M.N. 
術後の治療について

いつも、勉強させてもらっております。8月に温存手術を受け(56才)、現在放射線治療中です。主治医は、あまり細かい説明をしてくれないので、不安になり相談いたします。病理の結果は、センチネルリンパ節内(−)Invasive apocrine carcinoma 、ly(−)v(−) intraductal component(++) Nuclear grade1(atypia 1 mytosis 1) 、ER5% PgR2% HER2(0)切除断片陰性。Ki67(浸潤部10%、DCIS部 25%) 腫瘍径(DCIS) 27mm×8mm 浸潤部 CDの標本で約5mmと書いてあります。治療方針は、放射線25回、フェマーラ5年と言われました。

1) 最近は、1%でもホルモン感受性ありと、ここのサイトで勉強しましたが、私は5%と、ほとんど効果が期待できないので、内服だけで大丈夫なのかと心配です。少し前なら、トリプルネガティブで、抗癌剤の適応になっていたのでしょうか? それとも、放射線で治療終了になっていたのでしょうか? 主治医は、浸潤部が少ないので、抗癌剤までは勧めないと言われました。浸潤部が、どのくらいの大きさから、抗癌剤の適応になるのでしょうか?
2) 主治医には、ずっと以前から、2年に1度マンモグラフィー(マンモのみ)を受けていて、今回、2年前のマンモと比べ、少し変化があって発見されました。乳がんのスピードは遅いと言われてるので、2年前、もしくは4年前に、浸潤癌になる前に発見はできなかったのでしょうか? それとも、2年前に見落とされたのでしょうか?

よろしくお願い致します。

1) 決まりはありませんが、常識的に浸潤部が5mmだけでほかになければ、当院でもホルモン剤をお勧めしていますが、アポクリン癌は特殊型ですので、細かいデータはないと思います。
2) 非浸潤部が腫瘤を作っていたのかどうかでマンモグラフィーの写りやすさが異なり、浸潤部が5mmで、その所見で見つかったのであれば、2年前には見つからないのは仕方ないと思われます。(文責 石山)

 

No.10831】  12年10月31日   A 
乳癌と飲酒

いつも参考さにさせていただいております。私はお酒をよく飲みます。しかし異常が見つかってから、調べていくうちに、お酒がいけないと書いてあるのをよく見ます。限度にもよるでしょうが、乳製品や牛肉など、あれはダメ、これはダメとなると、どうしていいのか・・・。やはり完全に断酒したほうがいいのでしょうか?

適量の飲酒は問題ないのですが、当院の外来では定期的に肝機能を見ているので、そういった状況が許せば、少なくとも禁酒することはないと思います。(文責 石山)

 

No.10830】  12年10月31日   Y 
左あごの状態(HPNo.10822-2)

10822で相談した者です、ありがとうございます。主治医にきいてみます。左奥歯の根元にバイ菌が入り消毒という治療をしていますが、10月27日から、左のあごあたりに麻酔をされているような感覚で右側と違います。ゾメタであご骨壊死もあると聞いていますが、その症状はどんなのでしょうか? 今の左あごの状態が壊死と考えられますか? ゾメタは6回しかしていません。今は中止しています。こんなに早く壊死するものでしょうか? よろしくお願いします。

外見では分からないので、疑わしい場合はレントゲン写真で確認しないと診断は難しいと思います。(文責 石山)

 

No.10829】  12年10月30日   そら
発赤と放射線治療の遅れ(HPNo.10796-2)

以前、質問 10796 でお世話になりました。この度は大変親切に応答して頂き、誠にありがとうございました。再度主治医と相談した所、主治医の強い意見(放射線治療のみ)に従うことにしました。今回の相談ですが、手術から約20日後、突然部分切除した左側乳房の下側半分(患部は左上)が赤くなり、現在では発赤の範囲が広くなり、全体に広がってきました。手術して間もないのに炎症性乳がんが発症したのかもしれないと思い、主治医に相談したところ、血液検査とエコーをしました。血液検査は CRP 1.19(基準値<=0.3)、溶血(-)、乳び(-)。エコーでは左下乳房を見て、「リンパ腋はあまり溜まっていない」との事で、「多少の炎症はあるけど、別にこれといって処置はしない」と言う事でした。しかし、発赤してから約1ヶ月になりますが、発赤の色も濃くなり(赤黒)、放射線科の先生から、この症状では放射線治療できないと、ストップをかけられております。このまま投薬治療なしで、治癒するのを待っているしかないのでしょうか? 放射線治療も遅れると良くないと聞きますが、すでに手術してから7週間たっております。単独意思で皮膚科に受診した方が良いのでしょうか? 治らない発赤と放射線治療の遅れに対して大変不安に感じます。お忙しい中大変申し訳ございませんが、どうか助言をお願いします。

放射線治療の中断は残念でしたね。なにか治療方法はあると思うので、外科の主治医に紹介状をもらい、皮膚科受診し相談してみたらいかがでしょうか。放射線治療も手術後2ヶ月以内に開始すれば、遅すぎることはないようです。 (文責 石川)

 

No.10828】  12年10月30日   S  
FEAについて

はじめてご相談させていただきます。 現在49歳、出産経験なしです。 以前より、両乳房に石灰化・のう胞が多数あり、毎年マンモとエコーで検診を受けていました。 今回、左乳房に明らかにのう胞とは違うしこり2つが見つかり、多分線維腺腫でしょうとのことでしたが、心配なので、穿刺吸引細胞診検査をお願いしました。 細胞診の結果はClassUでしたが、『核小体の目立つ細胞所見が気
になり、今一度の検査が望まれる』との但し書きがあり、針生検を実施しました。 結果、摘出した4本の組織のうち1本から軽度の異型を伴うflat epithelial atypiaの像が認められました。 とりあえず経過観察ということで、次回6か月後の検診となりましたが、 FEAを調べたところ、『FEAは乳がん前駆病変とされており、低異型度非浸潤性乳管癌の最も早期の組織像であろう』と書かれており、愕然としてしまいました。 質問させていただきたいのは、以下の通りです。

1) FEAのあるしこりは、いずれ悪性化(癌化)するのでしょうか?
2) FEAのあるしこりをこのまま経過観察しておいてよいのでしょうか? 凄く心配です。 (しこりが3p以上になったら摘出すると伺っています。現在の大きさは6oです)
3) もし癌化する可能性が少しでもあるのなら、今すぐにでも摘出したほうが良いのではないでしょうか?
4) 良性か悪性かを決定づける方法として、もう一度針生検を行うのは有効でしょうか?

不安と恐怖で夜も眠れません。 大変お手数ですが、ご回答いただけたら幸いです。 宜しくお願い申し上げます。

1) 悪性化(癌化)する可能性はあると思います。
2) はっきり悪性と診断できなければ、経過観察になります。病変がとても小さいので、6ヵ月後で問題ありません。万が一の場合でも、それで手術術式、予後に差が出るということは、まずありません。
3) 癌化しない場合も少なくなく、2)の理由もあり、過大な治療(手術)になってしまうので、普通はしません。
4) 2度生検査をしているので、判定も難しいかと思います。するなら摘出生検(手術)をお勧めします。(文責 石川)

 

No.10827】  12年10月30日   A 
マンモの構築の乱れについて

初めてご相談させていただきます。4年半程前に左乳房温存手術をしました。ステージ1、1.7ミリ、リンパ節転移なし,トリプルネガティブでした。術後定期健診(年1回)でエコー検査のみを受け、異常なしでした。4年半たった今年10月にマンモグラフィを受けました。その結果、左乳房構築の乱れと診断されました。要経過観察 次年度再検と書かれていました。このまま半年程、放っておいていいものなのか(かかりつけの乳腺科の定期検診は終わったばかりで、次回は5か月程先です)、それとも、早めにフィルムを持ってかかりつけの乳腺科にいくべきなのか、教えていただけたらと思います。乳がんの手術を受けた人は、誰しも構築の乱れと診断されるのでしょうか、それとも手術とは関係なく、再発のおそれがあるのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

乳房温存術後のマンモグラフィ(MMG)検査では、多かれ少なかれ構築の乱れが見られるのが普通です。構築の乱れがあっても、エコー検査で腫瘍が無ければ、経過観察となります。5か月後のかかりつけの乳腺科医の定期検診で大丈夫と考えます。(文責 石川)

 

No.10826】  12年10月30日   N 
トリプルネガティブと診断されました

トリプルネガティブと診断されました。しこりの大きさは2.2〜2.8。グレード1、ki52%。術前治療を始める事になりました。グレードが低いと抗がん剤の効き目が悪いと聞き、とても心配です。グレードで効き目が違うのでしょうか?

グレードは悪性度の指標にはなりますが、化学療法の効果の指標にはならないと思います。グレード1でも奏功している場合が多くあります。 (文責 石川)

 

No.10825】  12年10月30日   C.T. 
葉状乳頭腫とは?

42歳、未婚です。先日、乳がん検診で、右胸にしこり(3cm×4cm)を指摘され、精密検査を受けました。しこりは2年ほど前からあったのですが、検診のたびに、「よく動くので良性の腫瘍ですね」と言われ、そのままにしていました。エコー、CT、針生検、外科的生検の結果、「良性の葉状乳頭腫だから、経過観察でよい」とのことでした。ネットで調べたところ、葉状腫瘍は良性でも切除が基本らしいのですが、葉状乳頭腫は葉状腫瘍とは別のものなのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが,ご回答いただければ幸いです。

乳管内乳頭腫はありますが、葉状乳頭腫という病名は聞いたことがありません。葉状腫瘍のことではないでしょうか。葉状腫瘍は急速に大きくなったり、悪性化することがあるので、また良性でも摘出手術後の局所再発が少なくないので、私は原則的に早く切除すべきと考えています。(文責 石川)

 

No.10824】  12年10月30日   S 
乳癌の再発(反対側にできた癌)について

乳癌の再発(反対側にできた癌)についてお聞きします。1年前、右胸に粘液癌が見つかり、温存手術を行いました。U期で癌そのものの大きさは2cmでしたが、粘液が大量に出ていたため、粘液部分も含めると、4cmくらいまでの大きさになっていました。手術の結果、粘液癌pure型で、リンパ節への転移なし。術後の治療は、放射線とリュープリンのみの治療です。肝臓が悪い為、薬は飲用しておりません。転移もなく安心していたところ、1年後の検査(CT)で異常が見つかりました。反対側(左胸)に影があるようです。昨年のCTの画像も同じように白く映っているので、一度は「問題ないでしょう」と、主治医に言われたのですが、やはり心配なのでエコーをお願いしたところ、5mm程度の腫瘍らしきものが見つかりました。今日 細胞診を受けたので、1週間後には結果が出るのですが、癌だった場合 これは再発ということなのでしょうか? 現在41歳で、1年前に手術をし、ホルモン治療をしている最中なのに、再発(?)と考えると、とても不安です。両方の胸に癌が見つかった場合、今後 転移の可能性が高いと考えた方がよいのでしょうか? お手数ですが、ご意見をいただると幸いです。

癌だった場合でも、再発という可能性は極めて少ないと考えます。両側乳癌でも、後で出来た乳癌が転移性でなく、両側ともに進行癌でなければ、両側乳癌だからといって、今後転移の可能性が高くなるということはありません。(文責 石川)

 

No.10823】  12年10月30日   AK 
セカンドオピニオン (HPNo.10810-2)

先日は、早々のお返事ありがとうございました。担当医師は乳がんを強く疑っているようで、それはしこりが末梢に孤立して出来ているからだと思います。いろいろと見ていると、乳頭腫は乳頭近くに出来ることがほとんどで、末梢では多発性が多いのですよね? 末梢に一つ、という事もよくあるのでしょうか? また、しこりは、左外側3時の方向、血性乳汁は乳首の上側1時の方向で、しこりが血性乳汁の原因かどうかも不明との事です。乳管造影も、乳管内視鏡もない病院で、もし、乳頭腫であって切除となった場合、しこりだけを取って血性乳汁が止まるかを確認するそうです(乳頭腫であったとしても、最終的な鑑別を受けたいので切除を希望しています)。その際、全身麻酔で5日間の入院とのことですが、標準的な日数でしょうか? 長く感じるのですが・・・。まずは、マンモトームを受けたいと思っているのですが、担当医師に、このタイミングで、「セカンドオピニオンを受けたほうがよいのでは?」と、度々聞かれます。多分、心配性な私が、あれやこれやと質問するからだと思うのですが・・・。良性であれ、悪性であれ、セカンドは受けたいと思っていますが、マンモトームの結果、病院での治療方針が出てからのほうがいいのでは?と思うのですが、いかがでしょうか? それとも、もし、違う病院で乳管内視鏡などで調べた方が良いなら、マンモトームの前の方がいいですか?

確かに乳頭腫は乳頭近くに出来ることがほとんどで、末梢では多発性が多いのですが、稀ですが末梢に一つできる場合もなくはありません。まずマンモトームや手術を受ける前に、乳管造影(乳管内視鏡でも可)検査を受けるべきと思います。乳管内腫瘍の場合、普通は乳腺腺葉区域切除が行われることが多いです。この手術は局所麻酔(日帰り手術)で可能です。また、セカンドオピニオンを受けるなら、マンモトームの前の方がいいと思います。(文責 石川)

 

No.10822-1】  12年10月28日   Y 
股関節(骨転移したところ)の痛み

前回骨転移で相談したものです、いつもありがとうございます。歯の治療中でゾメタを中止しているためか、股関節(骨転移したところ)の痛みが、カロナールでは効きにくく、トラムセットに変わりましたが、めまいがあり、飲むのをやめました。主治医に相談したところ、モルヒネしかないと言われ、びっくりしています。他にはないのでしょうか? よろしくお願いします。

モルヒネのほかには、放射線照射療法、放射線医薬品(ストロンチウムSr-89)療法などが考えられます。詳細については、主治医に相談してみてください。(文責 石川)

 

No.10822-2】  12年10月31日   Y 
左あごの状態

10822で相談した者です、ありがとうございます。主治医にきいてみます。左奥歯の根元にバイ菌が入り消毒という治療をしていますが、10月27日から、左のあごあたりに麻酔をされているような感覚で右側と違います。ゾメタであご骨壊死もあると聞いていますが、その症状はどんなのでしょうか? 今の左あごの状態が壊死と考えられますか? ゾメタは6回しかしていません。今は中止しています。こんなに早く壊死するものでしょうか? よろしくお願いします。

外見では分からないので、疑わしい場合はレントゲン写真で確認しないと診断は難しいと思います。(文責 石山)

 

No.10822-3】  12年12月12日   Y 
歯の治療とゾメタ

以前ゾメタ中止で相談した者です。お世話になっています。顎骨骨髄炎のようと言われ、歯医者からも、完治はすぐには無理そうなので、ゾメタもしながらの治療にするようとのことです。ゾメタを中止してから、左股関節の痛みに加え、左足の脱力・痛みが激し、くロキソニンを飲んでも脱力感は無くなりません。力が入らず、支えられないくらいです。やはりゾメタ開始したほうがいいでしょうか? よろしくお願いします。

ご相談ありがとうございます。股関節の痛み以外にお口の症状も出てきて、さぞご不安のことと思います。私のお返事で不安が少しでも減れば嬉しく思います。ゾメタの再開始については、顎骨骨髄炎の程度で判断するべきだと思います。その状態がご質問の文面からはわかりかねますので、開始するべきかどうかはお返事しかねます。ただし現在の症状である脱力と激しい痛みをゾメタだけで改善するのは難しいと思います。激しい痛みに対しては、私も医療用麻薬等の使用をお勧め致します。また脱力と激しい痛みについて早急に再評価する必要があると思いますので、早期にご担当の先生にご相談することをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10821】  12年10月28日   N 
Ki 67 

妻の乳がんについて相談させて頂きます。妻(43歳)の乳癌ですが、昨年10月乳癌発覚 、11月末 温存手術。病理検査の結果は、 「腫瘍 2.0cm、リンパ転移・脈管・断面ともに0、 グレード3、ホルモン陽性、HER2 ?3、KI67 58%」です。12月末より放射線開始25回(50グレイ)、2月よりFEC4クール、5月よりパクり4クール?ハーセプチン(18回開始)、今日現在は抗癌剤も終了し、ハーセプチン(8回目)とホルモン剤(5年)の再発予防治療中です。主治医との相談で、グレード3 HER2?3 KI67=高値 のハイリスクを考慮し、上記治療を選択、妻と前向きに治療中です。お聞きしたのは、KI67(増殖率?)が術後の数値で58%と出ましたが、抗癌剤終了後に、この数値が変わる事もあるのですか? 術前抗癌剤を施していれば、その後の術後病理検査で判明すると思いますが、現在調べる方法は、検査で行っている血液検査(マーカー?)でわかるのでしょうか?

Ki 67は腫瘍組織で調べます。抗癌剤施行後の組織が得られなければ、Ki 67の値の変化は調べようがありません。再発予防で抗癌剤投与した場合、この数値が変わる事はありえると考えます。血液検査(マーカーなど)ではわかりません。抗癌剤施行前に腫瘍組織でKi 67を調べ、抗癌剤施行後に手術で採取した組織でまたKi 67を調べれば、変化
がわかる可能性はあります。(文責 石川)

 

No.10820】  12年10月28日   Y・Y
癌検診結果内容について

お忙しい中、この様な質問お許しください。よろしくお願い致します。先日、63歳の叔母が、ドックの乳癌検診(触診・エコー)を受けたそうです。ドック自体が初めての事で、叔母自身少し過剰な不安を抱えているようでした。検診の結果が届いたその日に連絡があり、「自分は乳癌だ」と、絶望を感じた様子でした。聞いたところ、乳がん検診の結果に、「嚢胞内線維腫様像」と、要再検査の言葉があったそうです。再検査=悪い結果であるとは思っていませんが、ネットで調べても一切ヒットせずに、一体どういった物を再検査するのかが、わかりません。聞き慣れない言葉なので、ある程度の覚悟を持って検査に臨みたいと思うのですが、「嚢胞内線維腫様像」とは、どういった状態でしょうか?

嚢胞は内部に充実性の腫瘍が無ければ全くといっていいほど心配なものではありません。放置で構いません。しかし、嚢胞内に稀に腫瘍ができることがあり、それが悪性のこともあるので、精査・経過観察が必要になる場合があります。実際的には嚢胞内に溜まった分泌液が濃縮されて腫瘍像に見えることが大半です。(文責 石川)

 

No.10819】  12年10月28日   K 
マンモト―ムについて

お世話になります。先月、左乳房に触れると、動く腫瘍を見つけ、乳腺外科を受診しました。そこはのう胞と言うことで問題なかったのですが、念のために撮ったMRIで、別の所に6oほどの腫瘍の疑いで針診、結果はDCIS,またはDuctal hyperplasiaの所見で、マンモト―ムをすることになりました。このように何度も針を刺して悪い細胞が飛んで転移することはないのでしょうか? 宜しくお願い致します。

針生検で癌細胞の播種を起こしたという報告はないわけではありませんが、きわめて稀です。それよりも、早く、確実に診断することのほうが、遥かにメリットが大きいのです。マンモト―ム生検の場合、組織採取の際にかなりの圧で吸引するので。腫瘍細胞が飛び散ることはさらに考えにくいです。私の乳癌300症例以上のマンモト―ム生検でも、1例も癌細胞の播種を経験していません。(文責 石川)

 

No.10818】  12年10月28日   T.T. 
ドックで、乳腺腫瘤、6か月後再検査といわれました

42歳女性です。人間ドックの結果が、「触診で、両乳房外上下に硬結、乳房超音波で、両 乳房内上部 腫瘤 右 乳房外下部 のう胞 」とあり、6か月後の再検査を指示されました。ちなみに、3年前は、左 乳房外上部に硬結、マンモグラフィで異常なしでした。自分で触ると、乳房の中全体に、でこぼこしたカタマリが触れ、どこまでが乳腺で、どこからがシコリなのか全く分かりません。(自己検診の練習用模型を触らせてもらったとき、その柔らかさ、自分との違いに驚きました) そんなこともあり、今回は敢えてマンモではなく、超音波を選んで受診しました。私は初潮が11歳と早く、妊娠歴もありません。また、おばが、乳がんにより60歳くらいで死亡しています。ハイリスク群であることは認識しており、再検査と言われて少し心配です。6か月後とは、今の段階では(腫瘤が小さい等で)これ以上は分からないし、おそらく良性だから、半年くらい様子をみていても問題ない、ということでしょうか。それとも、ハイリスク群であることを考えて、半年も待たずに、早めに乳腺専門の病院で見てもらったほうがいいのでしょうか。アドバイスをお願いします。

ご本人が言われている通り、6か月後というのは、今の段階では(腫瘤が小さい等で)これ以上は分からないし、良性の可能性がかなり高く、万が一にも悪性でも半年くらい様子をみていても手術方法・成績(予後)に問題ない、ということと思われます。6ヵ月後に受診して、変化をチェックすればよいと考えます。(文責 石川)

 

No.10817】  12年10月28日   K.O.
術後の抗癌化学療法を受けるべきか

50歳、閉経前、38歳で一児を出産しました。6月に左胸、8月に右胸の乳癌手術をしました。左は、浸潤性小葉癌を乳房温存切除し、術後の病理結果は、浸潤性小葉癌、腫瘍サイズ=φ15×10×7mm、脈管浸潤= なし、Ki-67判定=23%、ER=7(0〜8)、PgR=7(0〜8)、HER2判定=スコア0 (0〜3+)、リンパ節転移=なし(0/1)、サブタイプ分類=Luminal B タイプ。 右は、マンモトーム生検などで石灰化が広範囲にある非浸潤性乳管癌との病理診断でしたが、乳房全摘出術後の病理結果は、浸潤性小葉癌、 腫瘍サイズ=φ15×7×10mm(拡がり30×10×20mm)、他に非浸潤性小葉癌が乳房内に多発性に認められる、脈管浸潤=あり、組織学的悪性度=グレード1(1〜3)、Ki-67判定<15%、ER=5(0〜8)、PgR=2(0〜8)、HER2判定=スコア0(0〜3+)、リンパ節転移=なし(0/1)、サブタイプ分類=Luminal A/B タイプ。左右の浸潤性小葉癌が、それぞれが原発か、どちらからか転移したのかは不明とのことです。今後は、主治医の勧めのとおり、左残存乳房に放射線照射25回=50Gyと、ホルモン療法(閉経前は抗エストロゲン剤のノルバデックス/フェアストンを5年間内服、および卵巣機能抑制剤のゾラデックス/リュープリンを4週毎2〜3年目まで注射、閉経後、アロマターゼ阻害剤のアリミデックス/アロマシン/フェマーラを5年間内服を予定しておりますが、抗癌化学療法については患者本人の希望に応じるとのことです。抗癌化学療法は、3パターン(パターン1=Taxotere/Cyclophosphamide療法4コース、またはパターン2=5-FU/Epirubicin/Cyclophosphamide 3剤併用療法6コース、またはパターン3=5-FU/Epirubicin/ Cyclophosphamide3剤併用療法4コース+Taxotere/Taxol4 コース)(1コース=3〜4週毎に点滴)を提示されています。主治医は、Ki-67判定=23%は抗癌化学療法を受けるべき数値だとのことです。再発リスクや生存率が抗癌化学療法を受けた場合と受けない場合で、あまり差がないのであれば、受けない選択を考えておりますが、その差はどの程度と考えられますか? そして、受ける場合、抗癌化学療法は3パターンのうちどれが最適と考えられますか? また、ネット検索で、浸潤性小葉癌は飲酒が危険因子だとあったのですが、私は日に純アルコール100グラム以上摂取しますが、これも再発リスクを高めるのでしょうか? 以上、ご助言をよろしくお願いいたします。

左乳癌に関しては化学療法は必要ありません。右乳癌のKi-67 23%は、腫瘍の悪性度が高いと考える値ですが、腫瘍サイズ 15×10×7mm、脈管浸潤なし、リンパ節転移もないので、再発リスクや生存率は、抗癌化学療法を受けた場合と受けない場合で、ほとんど差がないと考えます。化学療法を施行する場合、3パターンでどれがいいか、明らかな差は予想できないと思います。(文責 石川)

 

No.10816】  12年10月23日   K 
転移トリプルネガティブ乳がんの抗がん治療について

転移トリプルネガティブ乳がんの抗がん治療についてお聞きします。昨年8月に左乳房全摘(内視鏡手術)と、リンパ節郭清手術をしました。病理検査の結果は、断端なし、リンパ節転移(1レベル)3個でしたが、トリプルネガティブの為、照射50グレイを行いました。術前に抗がん剤FEC4クール、タキソテール4クールを受けています。今回、術後1年検診で縦隔、胸骨傍リンパ節、肺(多発)、肝臓(多発)に遠隔転移している事が分かりました。手術をした病院は他県の病院である為、今後治療を続けて行く為に、在住県の病院に転院しました。明日から治療が始まるのですが、主治医の提示は、ウィークリータキソールを効かなくなるまで続けると言う事です。私としては、トキソールをするならばアバスチンの併用を希望したのですが、アバスチンは出血の副作用が強く、良くないとの事でした。また穏やかな薬から使い始め、なるべく手持ちの薬を残しておく事が主治医の考えの様ですが、本当にそれで良いのでしょうか? 私としては、トリプルネガティブであり、治療の選択肢も限られた状況で、タキソールをするならばアバスチンを早い段階から使用して欲しいのです。明日から1クール目が始まりますが、2クール目からのアバスチン併用は可能でしょうか? 先生のお考えをお聞かせ下さい。私の命であり、抗がん剤の副作用で苦しむのも私です。効く効かないは分かりませんが、出来得る限り最善の方法を取りたいと思います。またハラヴェン、ジェムザール、ゼロータ、TS−1、アブラキサン等、私に奨められる治療をお教え下さい。宜しくお願い致します。

私も主治医の考え方に賛成です。アバスチン+タキソールは効果的な治療ですが、長いこと続けることはできない様です。私はこの方法を困ったときの切り札として使用しています。再発乳がんは、どんなに強い抗がん剤を使用しても完治させることは難しいと思います。あなたが挙げたものの他に、ナベルビン、イリノテカンなどの抗がん剤も使用が可能です。タキソールから始めて、効果がなくなった時点で、次の抗がんを使用するのが一般的と考えます。(文責 吉田)

 

No.10815】  12年10月23日  A  
CA15-3

はじめてご相談させていただきます。現在48歳です。10年前に2センチ以上の癌が見つかり、温存手術、転移はみとめられませんでしたが、医師の勧めでリンパ節を切除しました。トリプルネガティブとのことで、予後治療はしていません。38歳で妊娠を希望していましたので、放射線のみで、抗癌剤治療はうけませんでした。(無知であったと後悔しています。) 後にリンパ浮腫にもなり、再発の可能性、高齢出産など考え、出産はあきらめました。5年前には、転移ではない左乳房に、1センチ強の癌と、まわりに小さなものもが見つかりました。小さくなること、小さいものは消える事を期待し、術前に抗がん剤治療を受けましたが、残念ながら腫瘍が大きくなり、リンパ転移したため、温存手術、リンパ節切除し、前回同様トリプルネガティブで予後治療なし、定期健診を受けていました。(リンパ浮腫)
今年5年目で不安を感じていました。定期検診も半年に1回、9月に血液検査とエコーのみ。どちらも以上なしだったのですが、10月、内科にかかっていた病院でPETCTと血液検査、胸部エコーを受けることができました。画像結果は問題なかいったのでが、手術あとにリンパ液が溜まり、CA15-3はいままで13〜18でしたが、はじめて26に増えていました。 来月また血液検査をする予定ですが、更年期障害に苦しむ中(5年前に閉経)、不安でなりません。いずれも来月の結果次第とは思いますが、CA15-3 26は、PETCTでは発見されにくい臓器への転移の可能性はどの位でしょうか? また各臓器単独の検査をしたほうがよいでしょうか? よろしくお願いします。

CA15-3が26であり、PET-CT画像的に転移を疑がわせる所がないのてあれば、現在転移している可能性は低いと思います。臓器別に検査をすることは全く意味がありません。 CA15-3が13~18が26になっても誤差範囲内です。来月にもう一度測定してみてください。そんなに心配な状況ではないと思います。(文責 吉田)

 

No.10814】  12年10月21日   N 
浸潤乳癌と診断されました

先日、針生検と細胞生検で浸潤乳癌と診断されました。エコー診断で、しこりの大きさは横約15oほどらしいので、一応1期ということですが、詳しい大きさはわからないそうです。「しこり中の全てが癌ではない」と、簡単な絵で教えて頂きました。MRI等の検査結果待ちですが、MRIでしこりの中や大きさはわかりますか? これは乳癌によく見受けられる形ですか? それとも良くない形でしょうか? 宜しくお願い致します。

エコーやマンモグラフィよりもMRIの方が腫瘍の範囲を正確に反映いていることが多いです。実際にエコーなどの検査を見ないと、乳癌でよく見られる形であるかどうか分かりません。(文責 吉田)

 

No.10813】  12年10月21日     A.W
母の乳癌について

母ですが、先々月、職場の健康診断のマンモグラフィーで乳がんが発見されました。母は人より更年期が始まるのが早かった為、長い間ホルモン剤を投与していました。結局見つかった腫瘍は0.2ミリで、早期発見で、ステージ1ということでしたが、悪性である為、片胸を全摘と、転移の可能性が少なくなるように一部の脇の下のリンパ節も切除しました。その後、術後の病理検査結果で異常に数値が高いらしく、まだ発見出来ないが、がん細胞が転移している可能性があるため、抗がん剤治療が始まることになりました。この場合でも、まだステージ1と言えるのでしょうか? また早期発見なのに、ここまでの治療があることはよくあることなのでしょうか? またこの場合、完治の可能性はやはり低いのでしょうか? すごく不安です。

Stage1であっても「早期乳がん」であっても抗がん剤の投与を行うことがありますので、何とも言えません。見つかった腫瘍は0.2mmということてすが、病理検査でリンパ節転移が多数見つかったのでしょうか? もう少し正確な情報が欲しいところです。手術前には早期と思われても、病理検査で意外に進んだ乳がんであることはたまにあります。(文責 吉田)

 

No.10812】  12年10月21日    A.T.  
術後治療について(HPNo.10698-4)

以前、No.10698、No.10710にて手術方法について相談させて頂きました。その節はありがとうございました。年齢は43歳女性です。手術で左乳房全摘し、再建を考慮してエキスパンダーを挿入しています。この度、病理結果が出たので、術後治療についてアドバイス願います。

【病理結果】
1.組織型     乳頭腺管癌
2.リンパ節転移  術中のセンチネルリンパ節生検では、陰性でしたが、病理検査で1ミリ転移ありとの診断
3.ERとPgR    ER(+)とPgR(+) 共に強陽性
4.HER2      1+
5.癌の浸潤型   2ミリ
6.脈管侵襲    なし
7.核異型度、KI67  腫瘍が小さいため判定不能とのこと
リンパ転移有りの為、ステージUa

【Adjuvant! Onlineの結果】
1.未治療    再発率 42%
2.ホルモン単独 再発率 27%
3.抗がん剤単独 再発率 24%
4.2と3併用  再発率 16%

ただし、主治医からは、Adjuvant! Online(ver8)が古いのと抗がん剤を主体にしているものである、また、Tumor GradeをUndefined、Tumor Sizeを0.1-1.0cm、 Positive Nodes1-3で入力しているので、上記数字程、1の数値は悪くないと思われる。また、抗がん剤併用による効果も数値程ないかもしれないとの話でした。以上を踏まえて質問です。

1) 希なケースと言われたのですが、脈管侵襲なしにも拘らず、リンパ節に転移することもあるのでしょうか?
2) 「全摘したが、リンパ節転移(1ミリ)なので、放射線照射したほうが良い(食塩水を抜いた後に照射)。抗がん剤も年齢を考えたらやった方が良いのでは。」との話でした。治療の選択として、「1.ホルモン単独 2.放射線+ホルモン  3.放射線+抗がん剤+ホルモン」の3つが提示されました。再発をしないことを第一に考えると3を選択するべきでしょうか? Adjuvant! Onlineの結果で上乗せ効果が10%超あるのは大きいのですが、抗がん剤の副作用を考えると判断に迷ってしまいます。

長々と書いてしまいましたが、ご回答の程よろしくお願いします。

1) 脈管侵襲がなくてもリンパ節転移があるということは、時にあります。病理検査はすべてを調べる訳ではなく、調べた範囲内で脈管侵襲がなければ脈管侵襲なしといたします。ですから、このようなことも起こり得ます。
2) ERとPgRが強陽性であり、リンパ節転移の程度も軽度ですので、ホルモン剤単独でも良いと思います。抗がん剤の上乗せ効果は、このような状況だともっと低いでしょう。(文責 吉田)

 

No.10811】  12年10月20日    A
片側の広範囲の石灰化

検診でマンモとエコーを受けました。結果は、右乳腺線維腺腫、右乳腺石灰化。石灰化は広範囲に多数あったようです。調べてるみると、両側に広範囲あった場合は良性がほとんどと書いてあります。片側だと、詳しく調べてみたほうがいいのでしょうか? 腺腫も含めて年に1回は調べましょうと書いてあったので、そんなもんでいいのだろうかと不安になってしまいます。カテゴリーなどは書いてありませんでした。

片側であっても広範囲の石灰化は、まず良性でしょう。このような場合、年一回位マンモゲラフィを撮り、石灰化が増えているところがないかをチェックいたします。(文責 吉田)

 

No.10810-1】  12年10月20日    AK
乳がん、乳頭腫の鑑別 

48歳、不妊治療の末、子供が一人います。先日、片方の乳頭の一本から血性乳汁があったので受診しました(もともと高プロラクチンで、絞ると白い乳汁は出ます)。マンモでは写らなかったですが、エコーで乳頭より9cm外側にしこりが見つかりました(7mm)。乳がんか乳頭腫ということで、MRI、乳汁分泌液の検査、細い針の検査を行いましたが、鑑別不可との事で、次回マンモトームの予約を入れています。乳頭より離れているという事で、乳がんの可能性が高いのでしょうか? また、その場合、のう胞内乳がんとの事ですが、マンモトームの太い針を刺して悪い細胞が外にこぼれてしまうということはないのでしょうか? いっそ、切開、切除して確認してもらった方がスッキリするのかも・・・・と迷っています。マンモトームでも鑑別不可ということもありますか? 結果の信頼性は高いでしょうか?

乳頭より離れているという事で、乳がんの可能性が高いということはないしょう。マンモトームの結果の信頼性は高く、殆どのものは診断が付きます。太い針で刺して腫瘍細胞が溢れてしまうことは可能性としてはありますが、現実には問題となる様なことなく、正確な診断を付ける方のメリットが大きいと考えられています。ますはマンモトームでしょう。切開生検は最後の手段です。(文責 吉田)

 

No.10810-2】  12年10月30日    AK
セカンドオピニオン

先日は、早々のお返事ありがとうございました。担当医師は乳がんを強く疑っているようで、それはしこりが末梢に孤立して出来ているからだと思います。いろいろと見ていると、乳頭腫は乳頭近くに出来ることがほとんどで、末梢では多発性が多いのですよね? 末梢に一つ、という事もよくあるのでしょうか? また、しこりは、左外側3時の方向、血性乳汁は乳首の上側1時の方向で、しこりが血性乳汁の原因かどうかも不明との事です。乳管造影も、乳管内視鏡もない病院で、もし、乳頭腫であって切除となった場合、しこりだけを取って血性乳汁が止まるかを確認するそうです(乳頭腫であったとしても、最終的な鑑別を受けたいので切除を希望しています)。その際、全身麻酔で5日間の入院とのことですが、標準的な日数でしょうか? 長く感じるのですが・・・。まずは、マンモトームを受けたいと思っているのですが、担当医師に、このタイミングで、「セカンドオピニオンを受けたほうがよいのでは?」と、度々聞かれます。多分、心配性な私が、あれやこれやと質問するからだと思うのですが・・・。良性であれ、悪性であれ、セカンドは受けたいと思っていますが、マンモトームの結果、病院での治療方針が出てからのほうがいいのでは?と思うのですが、いかがでしょうか? それとも、もし、違う病院で乳管内視鏡などで調べた方が良いなら、マンモトームの前の方がいいですか?

確かに乳頭腫は乳頭近くに出来ることがほとんどで、末梢では多発性が多いのですが、稀ですが末梢に一つできる場合もなくはありません。まずマンモトームや手術を受ける前に、乳管造影(乳管内視鏡でも可)検査を受けるべきと思います。乳管内腫瘍の場合、普通は乳腺腺葉区域切除が行われることが多いです。この手術は局所麻酔(日帰り手術)で可能です。また、セカンドオピニオンを受けるなら、マンモトームの前の方がいいと思います。(文責 石川)

 

No.10810-3】  12年11月04日    AK
乳がん、乳頭腫の鑑別(2)

先日は、お返事ありがとうございました。
1) 乳管造影→マンモトームの順の方が良いというのは、逆にすると何か支障があるのでしょうか? セカンド→マンモトームの順というのも、よろしければ理由を知りたいのですが・・・。
2) あれから、乳管造影の出来る病院を探し、次回担当医に紹介状を書いていただく予定です。しこりが見つかってから色々な検査を経て一ヶ月たちます。どんどんマンモトームまでの期間が延びて不安なのですが、1〜2ヶ月延びたとしても、さほど進行(非浸潤が浸潤になるなど)は心配しなくてもよいのでしょうか? 
3) 病気の治療についてお聞きしたいのですが、良性の乳管内乳頭腫の場合は、経過観察か切除になると思うのですが、切除の場合、しこりだけでなく乳腺腺葉区域切除という方法をとるのは、どうしてですか? 血性のものが通った乳管は、置いておくと良くないということですか? 医師でもない私の勝手な推測なのですが、もし、乳頭腫が主に乳頭近くにできることで、そこだけ切除してしまうと、その先の乳管〜末梢までが乳房内で取り残される、などの理由でしたら、私の場合、その末梢にしこりがあるので、そこだけを切除できないのか・・・と思ったのですが・・・。また、乳がんの場合も浸潤していなければ、乳腺腺葉区域切除もできるのでしょうか?

マンモトームで乳管内乳頭腫と診断されれば、そのまま経過観察という方法もあるので、腺葉切除を行うとは限りません。1,2カ月空くことで癌化することはありませんが、すでに癌であれば、多少の増大はあるかもしれません。いずれにしても、癌と確証がなければ、治療には進めません。(文責 石山)

 

No.10810-4】  12年11月08日    AK
乳管腺葉区域切除

先日はお返事ありがとうございました。まずは、マンモトームとのお返事もあったのですが、石川先生には、まず、乳管造影、セカンドオピニオンとご回答していただきました。私も、そのようにしたく、乳管造影(内視鏡)が出来る病院を探したのですが、結局、通える場所で見つけることは出来ませんでした。遠方、または、もう一度探してみることも考えたのですが、だんだんと日にちが経つ事に家族も不安そうで、マンモトームの予約も取れたので、受けることにしました。お聞きしたいのですが、「乳管内腫瘍の場合は、普通、乳管腺葉区域切除が行われる」との回答を頂いたのですが、これはマンモトーム後にも出来るのでしょうか? また、マンモトームで悪性となった場合でも出来るのですか?

マンモトームの結果良性腫瘍の場合、乳管腺葉区域切除の目的は乳頭異常分泌を止めることが主になります。マンモトーム後でも可能だと思います。マンモトームの結果悪性腫瘍(乳癌)であれば、根治術が必要となります。乳管腺葉区域切除では十分なマージンの確保が難しいので、乳癌の治療としては一般的ではありません。(文責 大西)

 

No.10810-5】  12年12月13日    AK
非浸潤がんの手術法について

血性乳汁で検査の結果、しこり7mmの非浸潤がんが見つかりました。セカンドオピニオンも受けたのですが、いろいろな手術法に迷っています。しこり部分はマージン2cmの円形に切除予定です。

1) 乳頭について
1. 乳頭の真下までの乳管を取り、ガンが来ていないか確認、きていれば乳頭も切除。
2. 初めから分泌のある乳頭8分の1の切除。

2) 乳管について
手術中に染色して区域切除の予定です。MRIでしこりと血性乳汁のある穴とのつながりが確実ではなかったのですが、染色の結果、染色された乳管がしこりと繋がっていなかった場合、染色された乳管については、
1. 画像上、明らかな病変は認められないため、何もしない。
2. 血性分泌はあるので、念のために取っておく。

3) セカンドなどを受けているうちに手術が延び、マンモトームから3ヶ月と少し空きそうで不安です。これくらいなら問題ないでしょうか?

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでもA.K.さんの疑問が減れば嬉しく思います。さて乳頭直下7mmの非浸潤がんの手術方法ですが、その腫瘍の存在部位により変わってくると思います。乳頭直下でも乳頭から離れた深い位置に存在するのであれば乳頭温存は可能と考えます。また乳頭皮膚の真下にあるのであれば乳頭温存は困難と考えます。この手術を現在積極的に推奨するようなデータはありません。したがって美容面を考え、この手術を選択される場合は、標準手術法で無いことをご理解頂いた上で手術をお受け頂く事になると思います。乳管に関しては染色された乳管を切除する方が良いと考えます。また治療までどれくらいなら期間があいても大丈夫というデータは、私は存じ上げません。やはりできるだけ早めに手術をお受け頂く事をお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10809】  12年10月20日    Y.K.
全摘での放射線治療について

当方、昨年末に乳癌(発覚時 ステージUb  腫瘍径3,6cm リンパ節転移は細胞診により1個は確定、残りの4つはグレー)の診断を受け、術前抗がん剤(FEC×2回のち、効きが遅いと判断されTCH×6回)後、左胸全摘出手術を受けました。術後病理結果は、病変全体として11×6mmの浸潤性乳管癌、ER,PgRともに陰性、Her2(3+)   ki値78%、明らかな脈管浸襲なし、iy(-)、v(-)、断端陰性、リンパ転移(0/10)、histologicalgrade 3との事で、術後の補助治療としてハーセプチンの単独投与一年のみ行い、放射線治療は予定されていません。放射線治療は、全摘でもリンパ節転移4個以上だったら行うのが標準と聞きますが、これは化学療法の前と後、どちらの状態を指すものでしょうか? また私の場合、した方が少しでも予後のために良いのでしょうか?
また、乳がん検査時に同時に初期の肺腺癌(原発性)も見つかり、乳腺手術二カ月後に右下葉切除しています。主治医は、左胸部への放射線照射での肺ぞう炎のリスクの懸念と、抗がん剤の効き目も認められたという事で、しなくても良いのではと説明してくれています。ただいろんな角度からの意見をいただきたく、ここに質問させていただきました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

リンパ腺転移が4個以上の場合、胸壁に放射線治療を行ったほうが良いというのは、10年以上前の論文が根拠となっており、術前化療前のことと考えて良いでしょう。主治医の意見に賛成で、化療がよく効いているようですので、放射線はいらないと思います。(文責 吉田)

 

No.10808】  12年10月16日    M.I. 
再発の可能性と治療について

2011年5月に左乳房温存手術をしました。38歳 リンパ転移なし、Ki>20% グレード3 ホルモンー Her2+ 腫瘍径2cm大でした。術後リンパを詳しく調べたところ、「1つにがん細胞が流れた後があった」と言われました。
その後パクリタキセル12回と、ハーセプチン1年をしました。ホルモンがマイナスだったため、今は無治療です。抗がん剤の副作用も抜けてきて、徐々に元気になっていくのを実感し、ほっとしていたところでしたが、先日、右耳の後ろの盛り上がっているところに硬いしこりがあることに気がつきました。1cmくらいのものと、それより小さめのものと、2つです。コリコリと動く様子もなく、こぶのようにひっついているようです。来週主治医に見てもらおうと思っていますが、
1) この状況からみて、再発の可能性が高いでしょうか?
2) 再発だった場合、一般的にどのような治療になりますか? 再発の場合は手術はしないと、よく書いてありますが、このような場合でも化学療法のみになるのでしょうか。
3) 化学療法になったら、どのような薬になるでしょうか?

まだ、再発と決まったわけではありませんが、初発のとき何も分からず主治医の言うままの治療しかしなかったので、(ほかの方の治療を拝見するとパクリタキセルのみという方はほとんどいらっしゃらなかったので、もっと調べてから主治医と相談すればよかったと後悔しました) 今回は少し調べてからお話しようと思っています。よろしくお願い致します。

1) 質問内容だけからは判断が難しいですが、一般的には他に転移がない状態で耳の後ろだけに再発することは少ないと考えます。
2,3) 一般的に乳がんの遠隔転移に対しての治療としては、手術ではなく化学療法やホルモン療法といった薬物療法が中心になります。HER2陽性、ホルモン感受性陰性で、術後にパクリタキセルとハーセプチンを投与して、終了後まもなくの再発であれば、再度ハーセプチンと抗がん剤の併用による治療を開始することになります。併用する抗がん剤としては、ドセタキセル、ビノレルビンやカペシタビンなどを順次使用し、ハーセプチンの効果が悪いようであれば、ラパチニブ+カペシタビンを考慮します。また、骨転移の場合には、ゾレドロン酸やデノスマブを併用していきます。(文責 浜口)

 

No.10807】  12年10月15日    Y.M.
乳がん手術のより良い方法について(温存手術・全摘手術)

近いうちに、乳がんの手術を予定しております、40歳、独身、子供なしです。2か月前より、組織診(針生検)・MRI・血液検査の結果、右側乳房内側上部に悪性のしこり(1.5センチ)が見つかり、その下に右5センチ×3センチのがんの拡がりがあると判明しました。主治医の先生は、乳首から病巣が離れているため、全摘する必要はなく、右側乳房温存手術(7センチ×5センチの部分切除)と、同時に、お腹の脂肪を10センチ切除して移植する遊離脂肪移植を行う方法を推奨しています。ただ、ネットなどで調べたところ、自家組織を移植すると、腹筋の力が弱まり、また壊死がおこる可能性、移植しても1・2年後には崩れる可能性もある等、10センチもお腹を切る必要があるかと悩んでいます。また、一度温存を選択して放射線治療を行うと、その後再建を希望しても部位の肌の状態が変化して不可能になるらしいので、温存手術ではなく、全摘手術を受け、同時再建をした方が良いのではないのか、または、温存手術のみを受けて、変形した胸を受け入れる方法を取るか、と思うようになりました。
再発する可能性や、乳房変形の可能性、また身体に負担をよりかけない方法等、総合的に見て、1.温存手術+遊離脂肪移植 2.温存手術のみ 3.全摘手術+同時再建と、どの方法を選択したら良いのでしょうか? 少しでもアドバイスを頂けると助かります。

根治性を低下させずにいかに整容性を保つかは、乳がん治療の上で非常に悩ましい問題です。そのために乳房切除(全摘)を選択するか、乳房温存術を選択するか、また、どのような再建方法を選択するかを、限られた時間で選択するのはとても大変なことです。乳房温存術のメリットは乳房を残せることですが、デメリットとして基本的には放射線治療が必要になること、局所再発のリスクがあることがあげられます。整容性については、乳房切除のみで再建しない場合に比べればよいですが、最近は様々な再建のオプションがあり、必ずしも乳房温存術が整容性に優れているとは言い切れません。乳房切除術は乳房が残らないというデメリットがありますが、局所再発のリスクが低く、放射線治療が不要であるというメリットがあります。再建しない場合は整容性も低いですが、再建の状況によっては、乳房温存術よりもよいケースもあります。
再発する可能性については、遠隔転移については 1=2=3、局所再発については 1=2>3、乳房変形の可能性については 1>2ですが、3はどちらとも言えず、身体への負担についても手術操作による身体への負担は3>1>2ですが、1,2には放射線による身体への負担があります。
以上、回答になっていないかも知れませんが、納得した上で治療に取り組むことが何より大事ですので、主治医の先生とよく相談して十分に納得できなければ、手術法、再建法についてセカンドオピニオンを求めることも考慮してよいのではないでしょうか?(文責 浜口)

 

No.10806】  12年10月15日    Y子
フェマーラ5年以後

告知以来ずっと、感謝と共に拝見しております。 現在64才、フェマーラ5年(閉経後)終了以後の治療についてお伺いいたします。53 才から年に一度、乳腺専門医による健診(マンモ・超音波)を受けていましたが、58才で 急に乳房が固くなったような気がして受診。 細胞診はマイナスで、様子見。 6ヶ月後、マンモには映らず、超音波にわずかに変化ありということで、組織診をして浸潤性小葉癌がわかりました。 ER 陽性  PgR 弱陽性  Her2; 0でした。 またマーカーは、術前抗がん剤を始める前から今日まで、CEAは告知の時は1.5 、手術から約半年6から10位、以後1〜 2。CA15-3は最高でも12です。「非常に発見しずらい癌」と言われております。
腫瘍径が大きいので、術前抗がん剤fec100x4 txt x4 (術後に+各1回)。その後 温存で手術を受けましたが 、70x70x45ミリ切除で、3方向断端陽性。また、センチネルは術中マイナスでしたが、永久標本では1/2に1.5×1.8ミリが出てしまいました。再手術で全摘。 リンパは微小転移ということで廓清なし。 放射線は、胸壁と腋窩以外のリンパ領域 でした。
この秋でフェマーラ5年が終わり無治療になるのですが 、私といたしましては、「術前抗がん剤をやった上での 微小転移あり。 でも廓清なし。 脇の放射線はなし。」が、とても気になっております。 「映らない、マーカーに出ない」という性質上、再発がわかったときは、かなり大事になっているのではないか、それなら何としても押さえておきたいという思いです。 幸いフェマーラの副作用は骨密度の少々の低下以外ほとんどありません。 もう少し延長をお願いするのは、心配しすぎでしょうか。またデメリットについてもお教えください。また、しばらく予防的なゾメタというのはいかがでしょうか。 もし必要でしたら自由診療ということも考慮いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。

閉経後のホルモン感受性乳がんの再発予防には、タモキシフェンやアロマターゼ阻害剤が有用で、タモキシフェン5年間投与に比べ、その後にアロマターゼ阻害剤を5年間追加投与すると、再発リスクを下げることができることが確認されています(生存率に差はなし)。アロマターゼ阻害剤の投与期間は一般的に5年間ですが、5年間より10年間の方がよいかについては十分なデータはなく、その効果、副作用については今後の臨床試験の結果待ちです。現時点では5年間の投与が標準的と考えます。
ゾメタの再発予防効果については、ABCSG12という臨床試験で閉経前ホルモン感受性乳がんに対してホルモン療法にゾメタを追加することで、再発を抑制する効果があると報告されました。しかし、その後の多くの同様な試験からは再発抑制効果は確認されておらず、現時点では標準的治療ではありません。(文責 浜口)

 

No.10805】  12年10月15日    M.F. 
術後治療の検討余地があるかどうかについて

はじめて相談させて頂きます。 30歳・既婚・妊娠出産経験なしです。若年性乳がんです。先日温存手術(温存・円状部分切除)を終え、最終病理検査結果が出ました。
・硬癌 ・♯2〜6、8に20mm程度(5スライスの厚み)のinvasive ductal carcinomaが見られ脂肪組織に浸透 ・グレード2(腺管形成3+核異型2+核分裂像1 スコア6) ・ER:100% ・PGR:数% ・HER2:陰性(+1) ・EIC(-)  ly(-)  v(-) ・Ki67:標識率は最も高いところで30% ・リンパ節転移なし 0/6 センチネルリンパ節生検のみ ・切除断端への露出はないが以下注意書きあり (♯6で胸壁側断端から1mmのところと、♯8で皮膚側断端から2mmのところに乳管内進展が見られる) (♯4で胸壁側断端から0.8mmのところと、♯6で胸壁側断端から0.3mmのところにinvasive ductal carcinomaが見られる)

今後の治療方針は以下のとおりです。
・放射線治療50グレイ ・ホルモン療法(注射2年+錠剤5年) ・抗がん剤の上乗せ効果は1%ぐらいなので必要なし

ご質問させて頂きたいのは以下のとおりです
1) 術前画像診断では、腫瘍の大きさは12mm×15mm×9mmだったのに、最終病理結果では20mm程度となっていました。これは乳管内進展を含めての大きさになるのですか?
2) 主治医は、断端陰性とのことです。胸壁側断端から0.3mmのところにも癌があるようですが、追加手術は必要なく、まして放射線治療をするので全く問題ないとおっしゃっています。断端陰性と考えて良いのでしょうか。追加手術検討または放射線追加照射は私の考えすぎですか?
3) 術前マンモトーム生検結果では、Ki67で「標識率は最も高いところで10%」でしたが、最終病理結果は30%でした。主治医は腫瘍による平均は出しておらず、数値高めのところだけを抽出して数値を出していると仰せです。おそらく平均すれば10%代を予想とすると仰りました。Ki67の数値によって抗がん剤を検討すると、現在の乳がん治療ガイドラインに記載されていますが、私の状況で抗がん剤追加は必要ないでしょうか?
4) 主治医にオンコタイプDXについて質問しましたが、閉経前・年齢が若いという事で、あまりやる価値はないと思うと仰せになりました。私の状況で、オンコタイプDXは価値ない検査なのでしょうか? 高額ですが、やる価値あるなら、私自身は前向きに検討しています。

以上長文となり申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願いします。

1) 記載からは乳管内進展を含めてではなく、浸潤がんの大きさが20mmと言うことだと思われますが、主治医に確認して下さい。
2) 胸壁側に近い乳がんの場合には、胸壁側の断端が近接することはありますが、乳腺の後ろの脂肪や胸膜のところで切除していれば、断端は陰性としてよいと考えます。
3)4) Ki-67はがんの増殖の度合いを評価する因子として、最近では治療方針の決定の際に参考とされるようになってきていますが、測定方法や判定方法がまだ十分に標準化できていないのが現状です。10-30%程度ですと、それを決め手に治療方針を決定するというのは難しいと思います。既知の病理学的情報から、「ホルモン療法がよく効き、化学療法の効果が期待できないタイプで、仮にOncotype DXで検査したとしても、Low riskの可能性が非常に高いので、検査しなくてもいいのでは」と言うのが主治医の考えだと思います。Oncotype DXでLow riskであることが確認できれば、化学療法を行わずに、安心してホルモン療法を受けられるというのであれば、検査してみる価値はあると思います。(文責 浜口)

 

No.10804】  12年10月11日    Y.Y.
今後の治療と遺伝について

51歳、未婚で出産経験なしです。平成18年6月に乳ガンで右側全摘、リンパ郭清。その後、抗がん剤(CEF)6回と、ホルモン感受性有りで、タスオミンを5年間服用し、現在はアロマシンを服用しています。アロマシンの前に半年間フェマーラだったのですが、副作用の関節痛が酷く、アロマシンに変更になりました。アロマシンも手指のこわばりはあるのですが・・・。アロマシンは5年間の服用と言われていますが、その後の治療はどうなるのでしょうか? 昨年亡くなった、キャンディーズのスーちゃんは12年めに再発したと聞きましたし、10年を超えての再発も最近テレビで見ました。診てもらっている先生は、ガイドラインに沿って・・・とおっしゃいますが、10年経過後のガイドラインはどうなっているのでしょうか? それから、遺伝についてですが、実は私の母も乳ガン(平成22年)と卵巣ガン(平成10年)で手術しています。乳ガンは、私とは違いホルモン感受性がなく、抗がん剤とハーセプチン治療で、現在は薬も服用していません。リンパ郭清も無しです。乳ガンと卵巣ガンは、関連性があり、遺伝すると聞きますので、私も卵巣ガンになる危険度は高いのでしょうか? また、私の妹も危険度は高いのでしょうか? 彼女は結婚して、3人出産して授乳しています。よろしくお願いいたします。

MA.17という臨床試験で、ホルモン感受性乳がんの術後ホルモン療法として、タモキシフェン(タスオミン等)5年投与後にアロマターゼ阻害剤を5年投与することにより再発率が下がることが確認されており、特にリンパ節転移のある患者さんでは、生存率も改善することが報告されています。しかし、アロマターゼ阻害剤の適切な投与期間は不明であり、更に長期の投与の効果や副作用については明確なデータはありません。現時点ではアロマターゼ阻害剤は5年間が標準治療と考えます。
家族内に乳がんや卵巣がんの方が複数いらっしゃる場合には、BRCA-1, 2という遺伝子の異常による遺伝性乳がんの可能性があります。この遺伝子の異常がある場合には、高率で乳がんを発生することが知られており、欧米では予防的に乳房や卵巣を切除する手術が行われることもあります。日本では、まだ遺伝性乳がんに対して、十分な法的整備や環境整備が整っていないのが現状ですが、私の知る限りでは、がん研有明病院、昭和大学病院などでは、自費で遺伝子検査を受けることが可能だと思います。希望があれば、主治医に相談して、遺伝子検査を受けてみるというのもひとつの選択肢ですが、遺伝子異常が見つかった場合は、精神的にも大きな負担を強いられる可能性がありますので、遺伝子カウンセリングなど十分なサポート体制のもとで行う必要があります。(文責 浜口)

 

No.10803】  12年10月10日    T
過去術後傷口の痛み?

以前にお世話になりました。その節には有難うございました。今年の12月で、左乳房全摘手術を受け6年経過となります。術後3年半経過した時点で、PET検査で左腋窩リンパ節に局所再発が見つかり(手術時にリンパ節転移はなし)、即、摘出手術を受け、その後順調に経過しております。 その時、アリミデックスからフェマーラに変更しました。ホルモ
ン感受性がPGRのみ+判定でしたので、(何パーセントとかはわかりません) 薬の効果が余りなかったのか不安でしたが、お陰様で今日まで順調にまいりました。最近、術後の傷口(としか思えない場所)に頻繁に軽い痛みを感じます。手術後2年位まで、ずきっとした痛みを時々感じていましたが、その後自然に治まっていました。現在の痛みは、それに比べると軽いですが、今頃になっても後遺症的に起きることがありますでしょうか? あるいは再発とかの現象もありますか? 8月の胸腹部CT検査では問題ありませんでした。次回受診まで日にちがあり、ご教示よろしくお願い致します。

術後のキズの痛みは個人差があり、何年も経ってから気になることもあるようです。8月にCTで問題なかったのであれば、あまり心配されないで少し様子をみても宜しいと思いますが、痛みが続くようであれば、一度診察して頂くことをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.10802】  12年10月10日    N.N. 
胸のしこり

36才既婚、三人の子持ちです。小学校の頃から胸にしこりが出来、今に至っています。大きく、根っ子が付いているようです。何度か検診を受けましたが、エコーだけで異常はなかったです。どうしてしこりが消えないのでしょうか? 大丈夫なのか心配です。

質問の内容だけから判断は難しいですが、まずは小学校の時から変化ないのであれば、乳がんの可能性は低いと考えます。エコーで異常なしとのことであれば、正常な乳腺そのものをしこりのように感じているのかも知れません。心配であれば、専門医受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.10801】  12年10月10日    N.T.
術後の治療について(HPNo.10730-2)

先日は、ご丁寧なお返事ありがとうございました。母は、20日に無事に手術を受け、術後1週間という短い期間で無事に退院することができました。術後の説明に疑問があり、再度質問させてください。手術に関し、センチネルリンパを摘出し、病理検査にかける、また、摘出したものの断端面に多くのがん組織があれば、再手術と言われました。そこで質問ですが、

1) センチネルリンパに転移があるかないかの判断は、迅速病理ではわからないのでしょうか?
2) また、断端面にがん細胞が残っていた場合、再手術をしないで、放射線で治療はできないのでしょうか?
3) 主治医には、術後の放射線は急がなくてもいい状態と言われたそうですが、(来年でもいい)そんなに期間を空けていいものなのか心配です。

回答のほど、よろしくお願いします。

1) 術中迅速病理診断はあくまでも「迅速診断」で、標本を凍らして、薄い切片を作成して顕微鏡で見て、転移がないかを調べます。術後には標本をホルマリンで固定した後に、手術中に見ていない面も含めて細かく見直します。ですので、手術中には見つからなかった小さな転移が見つかることもあります。
2) 手術で切除した断端にがんが露出していた場合には、がんが残ってしまっている可能性があります。ごく少量の非浸潤がんであれば、追加切除せずに放射線治療で経過観察という選択もありますが、断端に浸潤がんが露出している場合や、非浸潤がんでも量が多い場合には、再手術で追加切除を考慮するのが一般的です。
3) 乳房温存術後の乳房照射の時期については、乳癌学会の診療ガイドラインによれば、「20週を超えないことが望ましい」とのことですが、明確に断言できるだけの根拠はありません。可能であれば早めに開始するのがよいですが、途中で長期に治療を休むことも治療効果に影響を与えるとの考えもあり、現実的には、それぞれの患者さんの病状、施設の現状に合わせて、治療計画を立てていくことになると思います。(文責 浜口)

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