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相談室(No.10301〜10400)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

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目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

10400 11/10/20 さくら マンモトーム
10399-1
10399-2
11/10/20
11/12/20
閉経前後のホルモン治療
閉経前後のホルモン治療 (2)

加藤
10398 11/10/20 Sunny 線維線腫のしこり (HPNo.10365) 須田
10396 11/10/20 術後腫瘍マーカー値に関して 須田
10395 11/10/17 H  肺転移(3)(HPNo.10366)
10394 11/10/17 M.E ホルモン治療期間について
10393-1
10393-2
11/10/15
11/11/15
Y.F. 骨転移とリンパの腫れ
化学療法について

吉田
10392 11/10/15 リンパ節の郭清
10391 11/10/13 H.U. 転移について 高橋
10390 11/10/13 S  定期検査(HPNo.9879) 高橋
10389 11/10/13 M.S. 今後の治療について 高橋
10388 11/10/13 抗癌剤 高橋
10387 11/10/13 C.N. 乳房全摘手術後の治療について 高橋
10386 11/10/10 N  エコーの再検査について 須田
10385 11/10/10 H.K 10月に手術予定です 須田
10384 11/10/10 K.K. 今後の治療と予後について(HPNo.9679) 須田
10383 11/10/10 M ハーセプチンの増量について 須田
10382 11/10/10 肺転移(2)(HPNo.10366-2) 須田
10381 11/10/10 今後の治療と妊娠 須田
10380 11/10/10 S子  マンモトーム 高橋
10379-1
10379-2

10379-3
10379-4
11/10/10
11/11/26
11/11/29
11/12/28
OBASAN 乳がんの再再発について
化学療法
化学療法(2)
紡錘細胞がん
高橋
石山
石山
斎藤
10378-1
10378-2
11/10/10
12/07/14
H.T.  術後治療に関して
術後治療について
高橋
石山
10377 11/10/08 E  腫瘍マーカー 高橋
10376 11/10/08 フェマーラによる白血球減少? 高橋
10375 11/10/08 今後の治療について 高橋
10374 11/09/29 乳がん全摘後の検診について 鈴木
10373 11/09/29 T  再発治療について 鈴木
10372 11/09/29 E エコー検査の結果 鈴木
10371 11/09/26 Y.T 背中の痛みについて 鈴木
10370-1
10370-2
11/09/26
12/06/27
K.Y.  転移の確定
現段階の治療方法について
鈴木
浜口
10369 11/09/26 C.S ホルモン療法と妊娠(HPNo.10180) 鈴木
10368 11/09/26 T アブラキサンについて  鈴木
10367 11/09/26 N.K. 乳腺症と乳管に6ミリの腫瘍 鈴木
10366-1
10366-2

10366-3
10366-4
10366-5
10366-6
10366-7
11/09/26
11/10/10
11/10/17
11/11/03
11/11/07
11/11/20
11/12/22
H  肺転移
肺転移(2)
肺転移(3)
肺転移(4)
肺転移(5)
肺転移の追加質問です
肺転移(7)
鈴木
須田

浜口
浜口
石川
久保内
10365-1
10365-2

10365-3
11/09/26
11/10/20
12/12/04
SUNNY 線維線腫でしょうか、葉状腫瘍でしょうか
線維線腫のしこり
新しくできたしこり
鈴木
須田
久保内
10364 11/09/26 M 乳房再建について (HPNo.10357-2) 鈴木
10363 11/09/26 MK ホルモン治療(2)(HPNo.9727-2) 鈴木
10362 11/09/26 S 術後の治療について 鈴木
10361 11/09/20 T.Y. nccst439について 首藤
10360 11/09/20 H.I. 乳がん術後再発転移の治療法について 首藤
10359 11/09/20 今後の治療について 首藤
10358 11/09/20 マミ   術前化学療法プラス右腕の痛みについて 首藤
10357-1
10357-2
11/09/20
11/09/25
部分切除か全摘かで迷っています
乳房再建について
首藤
鈴木
10356 11/09/19 テイアラ 6ミリと4ミリの腫瘍がありました 首藤
10355 11/09/19 7歳乳輪部のしこり 首藤
10354 11/09/19 N.S ハーセプチンと併用する抗がん剤について(HPNo.10349) 首藤
10353 11/09/17 M.K 造影剤液漏れについて 首藤
10352 11/09/17 皮下全乳腺切除手術 首藤
10351 11/09/14 D  要精密検査 清水
10350 11/09/14 ハーセプチン治療法について 清水
10349-1
10349-2

10349-3
11/09/14
11/09/19
11/11/24
N.S. 術後治療の選択について
ハーセプチンと併用する抗がん剤について
ホルモン剤と抗がん剤の併用について
清水
首藤
石山
10348 11/09/14 R.H. 今後の治療と妊娠出産について 清水
10347 11/09/14 H.I. 術後の治療について(HPNo.10339) 清水
10346 11/09/14 N.Y ハーセプチンの必要性 清水
10345 11/09/11 今後の治療方針 清水
10344-1
10344-2

10344-3
11/09/11
12/03/14
12/03/18
L  今後の治療とデカドロン
今後の治療について
今後の治療について(2)
清水
石川
石山
10343 11/09/11 J・M 腫瘍マーカー(HPNo.9894) 清水
10342-1
10342-2
11/09/08
12/04/02
S  今後の治療について
今後の治療について(2)
清水
緒方
10341 11/09/08 N.Y ハーセプチンは必要が無いのでしょうか? 清水
10340 11/09/08 タスオミン 清水
10339-1
10339-2
11/09/05
11/09/14
H.I.  10年生存率
術後の治療について
斎藤
清水
10338 11/09/05 ko  肺転移 斎藤
10337 11/09/05 R.T. ゾラデックス(HPNo.9811) 斎藤
10336 11/09/05 E  再発率について 斎藤
10335 11/09/05 S  腫瘍マーカーについて 斎藤
10334 11/09/05 K.I. ホルモン療法の副作用? 斎藤
10333 11/09/05 K.Y 妻の乳がんのことで 斎藤
10332 11/09/05 ホルモン療法 斎藤
10331 11/09/05 S.S. 抗がん剤治療について 斎藤
10330 11/09/03 F.M.  乳癌の骨転移による最新治療について(HPNo.10321) 須田
10329 11/09/03 Y  乳がんと診断されました 須田
10328 11/09/03 S  再発率はどの程度しょうか? 須田
10327 11/09/03 化学療法後の手術の時期について 須田
10326 11/08/31 O.K 今後の治療について 久保内
10325 11/08/31 S.W ゾメタ投与中の歯科治療 久保内
10324 11/08/31 術後療法について 久保内
10323 11/08/27 A.K. 胸のしこり 久保内
10322 11/08/27 術後の治療について 久保内
10321-1
10321-2
11/08/27
11/09/03
M.F. ノルバデックスとコラーゲン
乳癌の骨転移による最新治療について
久保内
須田
10320 11/08/16 K.T. 抗がん剤について(HPNo.10309) 大西
10319 11/08/16 K.H. 骨転移の治療について 大西
10318 11/08/09 M アリミデックス」飲み方について 大西
10317 11/08/09 F.C.  今後の治療について(2) (HPNo.10304) 大西
10316 11/08/02 O・A リンパ郭清について 石山
10315 11/08/02 Y.Y. 骨密度 石山
10314 11/08/02 E 骨粗鬆症の治療薬について 石山
10313-1
10313-2
11/07/31
12/03/15
T.O. 胸、脇の痛み
蜂窩織炎
石山
石山
10312 11/07/31 術後の化学療法について 石山
10311 11/07/31 S.T. 母親の乳がんについて 石山
10310 11/07/30 Y.T. ビタミンC 石山
10309-1
10309-2
11/07/30
11/08/16
K.T. 抗がん剤について
抗がん剤について(2)
石山
大西
10308 11/07/29 病院選びについて 石山
10307 11/07/29 M.M. 今後の治療について迷っています(HPNo.10298) 石山
10306 11/07/29 K  1ミリの微小浸潤がんについて 石山
10305 11/07/27 術後治療について 石川
10304-1
10304-2

10304-3
11/07/27
11/08/09
11/11/09
F.C. 今後の治療について
今後の治療について(2)
HER2について 
石川
大西
吉田
10303 11/07/27 N.S. 抗がん剤治療に迷っています 石川
10302 11/07/27 U.M. act療法中 タキソール アナフィラキシーの場合 石川
10301 11/07/24 M.Y 細胞診 石川

 

No.10400】  11年10月20日    さくら
マンモトーム

38歳の女性です。私は昨年、浸潤性小葉癌と診断されました。その後、温存手術(リンパ節切除)→抗がん剤→放射線を受け、今はホルモン治療中です。病理診断の結果は、「腫瘍径 約1p ・リンパ節24個中2個に移転  ・Ki67 16% 」です。 この抗がん剤治療中(昨年12月)に、反対の乳房に新たなシコリ(約3mm)を見つけました。穿刺吸引細胞診とMRI検査を受け 良性だろうという事で 現在は経過観察中です。私が気になるのは、主治医にシコリが固い気がする・・・と言われた事と、昨年乳癌と診断されるまでの経過が、最初自分でシコリを見つけ、受診後良性だろうとの診断(マンモグラフィとエコー)で経過観察し、1年後に癌と言われ、しかもリンパまでと言う結果でしたので、今の診断にも不安がぬぐいきれません。私は、少しでも確実な病理診断が出来そうなマンモトームを受けたいと思っています。現在、通院している所にはないので、主治医に相談してみたところ、希望であれば紹介してくれるそうです。ただ主治医の考えとしては、穿刺吸引の次は、ニードルでの検査を順番としては勧めたいとの事と、マンモトームは石灰化の症状の方に適するとのお話でした。他の先生のご意見もお伺いしたいと思い、メールさせて頂きました。他医院でのマンモトーム生検を受ければ、今より確実な診断がつきますか? それとも 私は過剰に心配し過ぎでしょうか? 細胞診とMRIをうけているので、経過観察でもよいのでしょうか? またマンモトームでシコリが全て摘出された後にグレーの結果が出た場合は、どうなるのでしょうか? そう考えると、シコリを残せるニードル検査の方が良いのでしょうか? 乳癌になって、不安が何処までも尽きません。どうか教えて下さい。お願いします。

反対の乳房に生じたしこりの性状にもよりますが、3mmのしこりに対して穿刺吸引細胞診とMRIで悪性所見が認められない場合は、一般的には経過観察で十分であるように思います。ただ以前の乳がんの経験があるため心配がぬぐえないという気持ちも十分に理解できます。さらに深い検査を行うのであれば、まず針生検(コアニードルバイオプシー)が一般的ですが、出血のリスクなど合併症の可能性もゼロではありません。ですから、まずは今の資料を用いて他の病院でセカンドオピニオンを得る方法がよいのではないでしょうか?(文責 谷)

 

No.10399-1】  11年10月20日    K
閉経前後のホルモン治療 

初めての御相談です。どうぞよろしくお願い致します。現在50歳です。3年前、47歳の時に乳がんが見つかりました。右乳ガン、2センチ弱で温存手術。病理は、ホルモン感受性どちらも強陽性、悪性度グレード1、乳頭腺管ガン、リンパ管侵襲高度、断端微妙に陽性、リンパ節4個転移ありでした。術後化学療法(FEC4クール+ウイークりタキソール4クール)、放射線30回のあと、ホルモン治療としてリュープリンとフェアストン。現在のところ再発も無く、元気に過ごしています。この9月でリュープリンを2年間打ち終わり、先生の方からは、年齢的にも効果が薄いので、これで終了しませんかという御提案を頂きました。そして抗エストロゲン剤より効果の高い、閉経後のホルモン治療に切り替えていきましょうということでした。フェアストンに代わり、フェマーラを服用することにして、9月から飲んでいます。しかし、この相談室を拝見するうち、疑問に思ったことがありました。アロマターゼ阻害剤に切り替える上では、事前に血液検査で完全閉経を確認するのが通常のようですね。しかし主治医の先生の御意見では、「血液検査では確実に閉経と判断がつきかねるケースも多く、見切り発車で、とにかく飲んでみましょう、もしも完全閉経でない場合は、フェマーラの刺激で生理がもどってきますから、それで判断がつきます。その際はフェアストンに戻します。」ということでした。血液検査は、あと2か月後に、一応目安として行うそうです。その頃にはリュープリン1カ月製剤の効力も切れているはずだということでした。主治医の先生の仰るように、見切り発車でフェマーラを飲んだ場合、万一生理がもどってきたり、血液検査で閉経前が確認された場合、その前何カ月かのフェマーラは「効かないものを投与した」ということにならないでしょうか? 私はリンパ転移が4つもあり、ハイリスクなので、ホルモン治療に空白ができるのが不安です。しかし、だからこそ主治医の先生は、早目にアロマターゼ阻害剤に切り替えないと損だと仰います。私の場合は47歳時に濃厚な化学療法もしておりますので、おそらく閉経しているはずだということです。(FEC2回目を最後に現在まで、一度も生理はありません) この「見切り発車で閉経後治療に切り替え」というのは、よくあることなのでしょうか? そして3ヶ月くらいなら、「効かないものを投与した」としても、再発リスクが高まることはないのでしょうか? ご回答、よろしくお願い申し上げます。

抗エストロゲン剤からアロマターゼ阻害剤に切り替える際は、多くの乳腺専門医がしばしば悩んでいることと思います。それはホルモン学的に「閉経である」かどうかの確認が意外に難しいからです。理論上は貴女のおっしゃる通りまず採血でE2とFSHを測定し、その値で閉経であるかどうか判断するというものですが、実際にはその時服用している抗エストロゲン剤の影響などで値にばらつきが生じることがあり、これらの値だけでは閉経であるか否か判断しかねるケースも少なくありません。わたくしはこのようなケースでは必ず採血を行いますが、貴女の主治医の先生のように見切り発車で変更している医師も多くみられます。ただ、もし再度フェアストンに戻らざるを得なかったとしても、それだけで再発リスクが高まるといえるほどのエピソードとは思えませんので、あまり心配し過ぎずに、お待ちいただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.10399-2】  11年12月20日    K
閉経前後のホルモン治療(2) 

相談番号10399でお世話になったものです。その節は、ありがとうございました。

1) リュープリン&フェアストンをやめ、見切り発車でフェマーラに変えて3カ月になります。先日血液検査をしたところ、E2 17 FSH 10,6 LH1.4 と、完全閉経と言えない数値が出ました。しかし主治医の先生は、「閉経に近いし、脂肪からのホルモン分泌をおさえる方があなたには適切」ということで、フェマーラの継続を指示されました。私としては、完全閉経ではないのにフェマーラを続けていいものやら、戸惑っています。ほんとうにこのまま、フェマーラで問題ないのでしょうか。ちなみに、生理は全くありません。
2) このところ、1CTPの値が、2.9→4.0→5.3と上がってきています。主治医の先生は、「他のマーカーは正常だし、心配ありません。」とのことなのですが、骨転移があった場合、他のマーカーも必ず一緒に上がってくるのでしょうか。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

1) 医師の考え方にもよりますが、いま焦ってフェマーラに変える必要はないように思います。戸惑っておられるのでしたら、もう一度ご相談されることをお勧めします。
2) 心配ないように思います(転移があったとしても、マーカーが上がるとは限りません)。(文責 加藤)

 

No.10398】  11年10月20日    Sunny
線維線腫のしこり (HPNo.10365-2)

先日はとてもご丁寧に回答していただき、ありがとうございました。大変感謝しております。先週の金曜日に専門医を受診してまいりました。超音波の検査はなく、触診のみでしたが、しこりのサイズの5mmと1cmの差はお答えいただいたように、周囲の組織(tissue?)も触れるので、しこり自体は5mmでも触診だと大きく感じるとのことでした。一安心しました。ただ、触診の時、右胸も左胸もbreast tissue(乳腺?)が硬く触れるので、一ヵ月後にサイズが変わっていないか自己触診をしてくださいと言われました。(もしそこで大きくなっているようだったら、すぐまた受診してくださいと言うことでした。) 硬くなるとは、張っていることと同じなのでしょうか? 次回は経過観察で、3ヶ月後のエコーの検査なのですが、受診後やはり気になって、毎日しこりの部分を触れて確認してしまいます。自己触診もあまり頻繁にしすぎるのはよくないですか? それともう一つなのですが、時折、特にしこりのある左胸がズキンとかピリピリと軽く痛むことがあります。他の方のご回答を拝見していると、しこりと痛みは無関係のように思えますが、こういった痛みは正常な乳腺でも起こることですか? 乳腺専門の先生方にとっては、本当に些細な質問だとは存じますが、どうかお答えいただけますか。どうぞよろしくお願いいたします。

乳腺が張っていても硬く感じるし、瘤が大きくなっても硬く感じると思います。自己触診を頻繁にすることが良くないのではなく、触診の間隔が短いと変化があまりなく、触診しても意味がないということです。しこりと痛みは無関係であり、正常な乳腺でも痛みがあることもあります。過度に心配しすぎる必要はありませんが、不安や疑問がある場合は、専門医を受診してご相談ください。(文責 須田)

 

No.10396】  11年10月20日    S
術後腫瘍マーカー値に関して

浸潤性小葉癌で、2009年5月に皮下乳腺全摘をしました。2年間のゾラデックスが終了し、タスオミン20mgを継続服薬中です。術前と術後のCA15−3の数値についてお尋ねいたします。術前 8.3、 術後 6.6、 今現在 9.1。 この数値だと、癌は取りきれなかったという事でしょうか? ゾラが終了すると、数値が上がったりするのでしょうか? 術前CT検査で、乳がん側腋窩腫大リンパ節を発見したのですが、手術中みつけられなかったと、主治医がおしゃっていました。自覚症状として、脇に物が挟まった感覚があります。今後どの様な事に気をつけていったらよいでしょうか? 治療法など、少しでもアドバイス頂けたら幸いです。

基準範囲を基本として、各検査の項目の特性を考慮した上で正常とみなす範囲を決めますが、この範囲を区切る値をカットオフ値といいます。CA15−3のカットオフ値は27U/mlですので、貴女の場合、術前、術後、現在のいずれも正常範囲内であり、正常範囲内での変動は意味のある増加とは考えません。腋窩にモノが挟まった感覚があるとのことですが、これはおそらく手術による違和感であり、時間の経過と共に軽減してくると思います。浸潤性小葉癌の場合、反対側に異時性に癌が出現することがありますので、対側の乳腺についても定期的なフォローが必要です。主治医とのコミュニケーションを密にして、納得の行く治療を受けることが大切です。不安なこと、心配なことは、遠慮なく、主治医にご相談なさるといいと思います。(文責 須田)

 

No.10395】  11年10月17日    H 
肺転移(3)(HPNo.10366-3)

ご助言いただき、ありがとうごさいました。もう一点教えて下さい。閉経前なので、リュープリンをしながらノルバデックス、局所再発したのでフェマーラに変更、その後肺転移、胸膜転移し、アロマシンを服用していますが、閉経前なので、やはりノルバデックスかヒスロンの方が有効なのでしょうか。最近は閉経後のホルモン剤の方がよいということで、私のように閉経前でもアロマターゼを服用するほうが増殖を抑えられるのでしょうか。

閉経前ですので、過去の治療歴がなければ、まずリュープリン+ノルバデックスを選択するべきですが、貴女の場合この治療中に再発してきたという経緯がありますので、ノルバデックス以外のホルモン剤の使用が好ましいと考えます。フェマーラも同様のことが言えます。現在は自覚症状のない肺転移・胸膜転移とのことですので、やはりホルモン治療の継続が一般的であり、リュープリンにアロマシン、フェアストン、ヒスロンHのいずれかを加えたホルモン治療などが候補に挙がります。これら3種の薬剤は、それぞれ作用機序も異なり、いずれも期待できると考えますが、ヒスロンHは体重増加や血栓症などの副作用の可能性があるため、他の薬剤の効果がなくなった際に使われるケースが多いようです。これらをふまえ、主治医の先生とよく話し合ってください。(文責 谷)

 

No.10394】  11年10月17日    M.E
ホルモン治療期間について

初めてご相談させていただきます。乱文ですがお許しください。
今年の夏に右胸温存手術を受け、ホルモン治療を開始いたしました(ニュープリン1ヶ月製剤を一回、ノルバデックスを3週間服用したところです)。今後、様子をみて放射線治療を開始する予定で、ハーセプチンの使用は検査結果待ちで未定です。病理検査の結果も比較的軽く、浸潤性乳管癌(右) ・腫瘍1.7p×1.10×1.00p ・グレード1  ・ER+  ・PgR+  ・HER2+  ・リンパ節転移− ・リンパ管侵襲− ・遠隔転移− ということでした。ホルモン治療が必要なら、開始前に卵子の凍結保存を希望していましたが、妊娠の成功率と乳癌治療へのリスク(排卵誘発剤の使用など)を考えるとあまり進めないとこのことで、そのまま治療を開始しました。私は現在39才です。結婚したのも最近でしたので、まずは今年からタイミング治療などから始めて、子供を授かろうと計画していた矢先の病気の発覚でした。本格的な不妊治療を始めてもすぐに子供を授かるとは限らないのだから、治療を優先させるべきだという理屈は理解しています。主治医の説明では、術後〜2年間の治療がとても大切だということでしたので・・・。しかし、まずは妊娠を優先させるべきだったのではないかという考えが頭から離れず、毎日苦しくてたまりません。医師に休薬を相談して、早々に子作り期間を迎えたいのですが、一般的に休薬するにしても、2年間はみなさん治療を受けられているようです。でも私は年齢のことを考えると、とても2年間も治療するなんて考えられません。どうにかホルモン治療を1年で中断したいのですが、無謀な素人考えでしょうか。ホルモン治療を1年受けた場合と2年受けた場合では、再発率はどれぐらい違ってしまうのでしょうか? また、子供を授かった後、また治療を開始するのは可能ですか? それともそれは意味の無いことなんでしょうか? よろしくお願いいたします。

御存じのとおりホルモン治療中は奇形が生じる可能性があるため、妊娠は控えるべきです。よって乳がん治療の観点だけからみると、貴女のようなケースでは、われわれ医師は再発予防のため通常は5年間のホルモン治療をお奨めし、その間の妊娠は控えるよう患者さんにお話しします。しかし貴女は現在39歳で妊娠を強く希望されているとのこと、それも貴女方御夫婦にとって、とても重要なことです。ただホルモン治療を5年間行う場合と2年間とでは、5年間行ったほうがより再発率が低いといったデータはありますが、1年間と2年間で比較したデータは今までになく、よって1年間で止めることのデメリットの程度はだれにもわかっておりません。ここでいえることは、これらの治療はあくまで確率論であって、ホルモン治療をどれだけやっても絶対に再発はしないとは言えないし、またまったくホルモン治療を行わなくても、貴女の場合再発しない確率のほうがはるかに高いということだけです。何より一番大切なことは、ホルモン治療の必要性と、お子さんを欲しいと思うお気持ちを、貴女方御夫婦でよく話し合って方針を決定することです。さらにちょっと厳しい言い方になりますが、もし不幸にも乳がんが再発した場合でも、自分たちのとった行動が間違ってなかったといえるよう御夫婦でよく話し合ってください。御夫婦だけでは話がまとまらない場合には、信頼のできる身内の方にも話し合いに入っていただくとよいかもしれません。そうすることで、どのような選択を行ったとしても胸を張って今後の生活をお送りいただけることと思います。ただ妊娠出産のあと、再度ホルモン治療を行うことは、その効果が予測できないため、お奨めできません。苦渋の選択であることと思いますが、貴女方御夫婦にとって納得のいく方法を選択なさってください。わたくしたちも応援しております。(文責 谷)

 

No.10393-1】  11年10月15日    Y.F. 
骨転移とリンパの腫れ

初めて投稿致します。38歳女性。ホルモンレセプター陽性。初発は2003年左乳がん温存、リンパに転移あり。ゾラデックスとタモキシフェンを始める。2006年左ワキリンパが腫れ、4日入院して手術で取る。この時にアロマシンに変更。2011・6月左ワキリンパ・左鎖骨上下リンパに腫れがあり、今も増えている。同時に骨転移・頸椎5番と9番にその他細かく集積あり。6月にアロマシンからトレミフェン(1日3錠)に変更したが、3か月様子を見ても悪化しているので、ホルモン剤は中止して、抗癌剤(FEC100かTCかゼローダ)にすると言われました。ですが、まだフェマーラを試していないのが気になります。腫瘍マーカーは、今年8月の時点で、CA15-3とCEA共に5.7。 
2006年に鎖骨下リンパが腫れて、度々痛みを伴ったので、主治医(乳腺外科)に相談したら、初めは化膿止めを処方されました。その後も度々痛みがあり、その度に伝えたが、大きさが変わらないので(11o×6o)、経過観察しつつ腫瘍マーカーと超音波で見ていたが、今年6月に大きくなり、同時に骨転移が発覚しました。しこりや病巣の大きさに変化が現れないと、治療は進めないものなのでしょうか。転移するのを待っているみたいで、怖いと思いながらの治療でした。今からでも放射線治療をすべきでしょうか。今は初めてのセカンドオピニオンも考えています。今の骨の痛みは日常生活に影響を与える程ではないですが、何となく痛く、気分がめいる時は痛み止めを飲んでいます。頸椎5番は下半身の動きに関連してくるので、動かなくなる前に何とかしたいのですが、ゾメタ(場合によって抗癌剤も)だけで治療していくものでしょうか。5番だけでも放射線をしたいのですが、1回でも放射線をすると、後にはもう照射できなくなると聞きますが、歩けなくなることを考えると、照射した方がいいのでは・・・と考えます。また、トモセラピーも自宅から1時間ほどで通えるので、それも視野に入れることは可能です。総合的に見て、私はどのような治療が適しているのか、放射線はどうすべきか、アドバイスをお願いします。また、自宅から通えるセカンドオピニオン先を自分なりに調べましたが、自宅から1時間ほどかかってしまいます。この先もしかして転院したら、抗癌剤治療やちょっとした不安がある際に、距離が負担にならないか心配です。あと、今の状態で外科・腫瘍内科・放射線科のどこに行ったらいいでしょうか。また、1つの病院内に上記の科がまとめてあった方が、治療にはいいですよね? このタイミングで色々な角度から意見を聞きたいと思い、質問させていただきました。ご回答、宜しくお願いいたします。

現在38歳であるとすると、30歳のころから乳がんの闘病をしてきたこととなり、大変ご苦労されてきたこととお察し申し上げます。現在術後8年であり、これまで長期にわたりホルモン剤で経過を見てきたところ、現時点で病巣の増悪が食い止められなくなり、ホルモン剤では効果が薄いとの判断で、フェマーラを選択せずに抗がん剤をお奨めになったものと思われます。比較的緩徐な再発経過であり、またこれまで抗がん剤治療はされておらず、抗がん剤に十分期待はできるものと思います。また骨転移も認められており、ゾメタや放射線治療は、今後の骨転移の痛みや骨折などの合併症を食い止めてくれる可能性があり、双方とも施行することをお奨めいたします。トモセラピーは私自身経験がなく、お答え困難ですが、通常の放射線照射でも十分に効果が期待できると考えます。もし今後他院を受診されるのであれば、やはりまず乳腺外科を受診し、乳腺外科医の指示のもと腫瘍内科や放射線科受診ということになりますが、これまで長く診ていただいた経過を考えると、転院するデメリットもとても大きいと考えられますので、よくご判断なさってください。取りとめのない回答になってしまいましたが、再度主治医の先生とよくご相談のうえ、今後の方針を決定なさってください。(文責 谷)

 

No.10393-2】  11年11月15日   Y.F.
化学療法について

先月にHPNo.10393で質問せさて頂きましたY.Fです。再度化学療法に関して質問させてください。
その後10月後半に骨シンチをしたところ、胸椎5番・9番(前回の質問で頸椎と記入しましたが胸椎の書き間違えでした。大切な部分なのにすみません。)の集積は、5番がやや大きくなっていました。特に痛みはありません。放射線科にも行きましたが、痛みが出てから照射するのでも良いのでは?という見解でしたが、気になるようであればMRIを主治医にお願いしてくださいと言われました。また、同じく10月後半に鎖骨下のリンパからFish法で細胞を採取しました。まだ結果は聞いていません。これでHER2が術後には陰性だったのから、今回変化しているかどうか見るそうです。
今はゾラデックスとゾメタのみの治療になっています。前回のこちらでの質問後にセカンドオピニオンをしました。そこでは主治医と全く違う意見だったので、更に迷いが出てきてしまい、アドバイスをお願いしたいと思いました。

主治医は、「@FEC100を6クールから8クールその後は無治療かホルモン剤 ATCかGTを6クール〜その後は1つにするか無治療予定 Bゼロータだ」と、おっしゃいました。特にFEC100を強く勧めています。理由として、私がまだ38歳と若いからだそうです。まだ体力があるので耐えられるであろうということです。ですが色々調べていくと、FECは強いので副作用が大きかったら予後に重大な影響が残ってしまう・心不全も起こりうると載っていて、心配になりました。更にセカンドオピニオン先でも、その状態でFEC100は強すぎると言われたからです。再発の場合はAC・EC、タキソール・タキソテール・ゼロータ辺りではないかとおっしゃいました。TCは初発術後にはいいだろうけど・・・、また再発は単剤を長く使ったほうがいいとも。
更にセカンドオピニオン先での意見と主治医の意見が全く違ったので困惑していたら、セカンドオピニオン先で、「サードオピニオンをすればすっきりするかも?」と言われ、先日行ってきました。そこでは、まだヒスロンHを使用してないので、それを使ったらどうかとの意見でした。しかし主治医とセカンド先では意味がないと言われたものです。他には
@ FEC100は術後には意味があるけど、今は意味がない。Eを単剤ならOK
A TCも意味がない
B 他で考えられるのはタキソール・タキソテール・アドリアマイシン・ジェムザール・ナベルビン・ハラベン・シクロファスミド・ゼロータ でした。

セカンド・サードオピニオンでは、ゆるやかな薬をゆったりと長く使っていく方法がいいと言っていました。その辺は医者の考え方の違いだけなのでしょうか。初めに副作用がゆるやかにいって、最後に(体力が落ち切ってから)強くなるのも辛いと思いますし、初めから強くして、むやみにQOLが落ちて体力が落ちるのも困ると思います。サードオピニオンをしても、意見の違いがあって困惑しています。しかし、何となく共通しているのは、ゼローダ・タキソール・タキソテール・E(を含んだ何か?)・ジェムザールあたりでした。恥ずかしながら、8年間のんびりときてしまい、化学療法の知識も乏しくて、現在必死になっているところです。ですので、分かりづらい部分も多々あるかと思いますが、ご意見宜しくお願いします。

あと、抗癌剤感受性試験(CD−DST法)というものがあって、自分の癌に効く薬・効かない薬が事前に分かるというものらしいですね。少し値段が高いですが、無駄な副作用と効かない薬代を考えるといいのかなと思いますが、どうなのでしょうか? 長くなりましたが、ご回答宜しくお願いします。

再発乳癌の治療に確定した方法はありません。ただホルモン感受性のある乳癌でしたら、ホルモン剤から治療を始めるのが原則でしょう。ホルモン剤で病勢が抑えられなければ抗癌剤となりますが、私もセカンドオピニオンの先生と同意見です。ACやECから体力の許す範囲で始めて、病勢が進行した時には次の薬に替えることにするのが良いと思います。抗癌剤の感受性試験では、効かない薬は判っても効く薬は判らないとされています。過度の期待はしない方が良いでしょう。骨転移に関してゾメタはお勧めですが、放射線は痛みなどの症状が出現したときにするのが原則です。骨シンチでは病変の進行は判りません。最近ホルモン剤が無効となった時に使用する新しい薬(フルべストラント)が使用出来る様になりました。どこかの時点で使用してみるのも良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.10392】  11年10月15日    E
リンパ節の郭清

現在37才。先月9月20日に乳ガンの温存手術をしました。トリプルネガティブで、術前の診断では、リンパ節への転移なしでステージTでしたが、術後の病理結果が出て、センチネルリンパ生検2本中1本に微小転移が見つかり、ステージUaとなりました。手術中の迅速診断では陰性とのことで、覆ることがあると知らなかっただけに、落ち込みました。先生に、リンパ節の郭清の手術をしてから抗がん剤などしたほうがいいか、と伺いましたが、微小転移だし、抗がん剤をするので、しなくても大丈夫と言われました。ですが、標準治療ではリンパ節郭清することとあるので不安です。トリプルネガティブということ、グレード3ということもあるので…。これから抗がん剤、放射線治療の予定ですが、今、受精卵凍結の為に、違う病院に通院しているため、受精卵凍結後に治療の予定です。術後の病理検査の結果は、以下の通りです。
(病理診断)
Invasive carcinoma of the rt.breast,see comments,partial resection

手術方法 乳房温存手術、大きさ 11×7o、組織型 Invasive carcinoma (suspected of Invasive ductal carcinoma)、NG 2‐3 、MC 3:Grade 3、リンパ管侵襲 Iy(?)、静脈侵襲 V(―)、
波及度 f、リンパ節転移 SLN1397(+)(記述参照) 、SLN539(―)

異形上皮細胞が、大小の不規則な細胞胞巣を形成して浸潤しています。周囲には乳管内進展もみられます。腫瘍細胞周囲に炎症細胞浸潤(リンパ球主体)を伴っています。腫瘍細胞は多角形で、核小体が明瞭で、クロマチンが若干粗な大型〜中型の核と淡明〜両染性の胞体を有しています。核異形がやや強く、菱形の細胞が目立つ細胞胞巣にはhyaline globule 様の好酸性小球が散見されます。また、核異形がやや弱く、立方体の細胞が目立つ細胞には若干のグリコーゲン含有が疑われます。腫瘍病変の辺縁は圧排性の発育が主体ですが、小索状の腫瘍胞巣が間質反応を伴いながら不規則に浸潤する部分もあります。浸潤癌です。浸潤性乳管癌や髄様癌が、組織型の候補になります。索状構造や崩れた乳頭状様の構造が目立つので、浸潤性乳管癌の可能性がやや高いと考えられます。リンパ管侵襲と断定しうる所見は認められませんが、判定は難しいです。静脈侵襲は確認されません。わずかに脂肪織に浸潤が及んでいると判断します。剥離面と断端に癌は及んでいません。術中迅速診断で検討したセンチネルリンパ節の残組織をホルマリン固定して、永久切片を作成して検討した結果、SLN 1397に癌の転移胞巣が出現しました。

センチネルリンパ節の迅速診断で陰性とされた診断が、術後の病理結果にて陽性に覆ることは時々経験します。しかし微小転移(0.2〜2mmの大きさの転移をさします)であったとのこと、今後リンパ節郭清を行うべきか否かは、専門医の間でも意見がわかれるところだと思います。おっしゃる通り郭清をするのが標準治療といえるのかもしれませんが、トリプルネガティブで今後抗がん剤治療が免れないのであれば、微小転移が1個であるということもあり、主治医の先生がおっしゃる通り郭清は省略するのも一法であると考えられます。同様のケースであれば、私も郭清を省略し抗がん剤治療をお奨めしたいと思います。(文責 谷)

 

No.10391】  11年10月13日    H.U.
転移について

お忙しいところ失礼致します。相談室を拝見し、参考にしております。今回、自分でも質問をしたいと思い、メール差し上げました。よろしくお願いいたします。
今年4月に、T期で温存手術後 放射線治療・ホルモン療法をしております。乳がんの場合、比較的小さい時期から転移する可能性があると聞きますが、浸潤癌だが、リンパ節転移や脈管侵襲がない場合でも、その可能性はあるのでしょうか?

乳がんに対して手術をお受けになり、その後もホルモン治療を継続なさっているのですね。お疲れ様です。浸潤がんであれば、わずか1cmでも再発や転移を起こす可能性があります。再発を防ぐために現在ホルモン治療をなさっているのですものね。ご不安になってしまうこともあると思いますが、主治医の先生を信じて、定期検査を継続していってくださいね。応援しておりますからね。(文責 高橋)

 

No.10390】  11年10月13日    S 
定期検査(HPNo.9879-6)

NO.9879で質問させていただいた者です。本日、母の乳がんの術後4年半定期検査の結果が出たのですが、どうも腑に落ちないことがありましたので質問させていただきます。
結果発表時、母が主治医とCT画像を見ていた(以前までは画像を見ることはなく、結果を聞くのみ)らしいのですが、CT画像に少し濃淡のある場所があったということで、主治医は「肝臓転移の初期はこんな感じだけどなぁ・・・」と言ったそうなのです。そこで、母がこれまでの検査時からずっと脂肪肝有りと診断されているというと、主治医は「ああ、じゃあこの影は脂肪肝だね。」と言い、結局検査結果は異常なしとなりました。しかし、このような診断では、本当は問題があるのに見落とされているのではないか・・・と、マイナスに考えざるを得ません。母に詳しく追及しても、癌のことを考えたくないらしく、全く取り合ってもらえません。今回も腫瘍マーカーはどちらも基準値を大きく下回っており、特に変化はないですが、CT検査では、脂肪肝と肝転移は写り方が似ているというような理由で、判断が難しかったり、見間違えたりすることなどあるのでしょうか? 4年半という時期に入って、このような問題が発生しとても不安です。よろしくお願いいたします。

ご不安なお気持ちなのですね。少しでもお力添えできましたら幸いです。確かに肝転移はCTだけでは判断が難しい場合がございます。その場合には、腹部エコーや肝臓造影MRIで判断いたします。一度先生にお願いしてみてはいかがでしょうか。ご不安は迅速に解決なさるのがよろしいかと存じます。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10389】  11年10月13日    M.S.
今後の治療について

いつも拝読し、真摯なお返事に信頼を抱き、今回相談させていただきたく、お願いします。2009年2月に左乳房に直径1.5cmのしこりを発見し、針生検にてinvasive ductal carcinoma、ER(-)、PgR(-)、her2(3+)、nuclear gradeI との結果を得、術前ケモを行いました。(FEC3クール、docetaxel 3w毎+herceptin毎週を4クール(ただしDocetaxel量はneurtopeniaのため2回目以降60mg/cm2に減量) 術前検査では、リンパ節を含めすべてに臓器に転移は認めませんでした。その後、全摘を行いました。リンパ節に転移なしでしたが、ケモの効果は軽度(GradeIa)と判定されました。腫瘍が1.5cmと小さく、リンパ節に転移も無く、nuclear grade I と、比較的おとなしい顔つきは術前から変わっていなかったため、術後追加のケモは行わず、herceptinのみの1年間の投与を行いました。しかし、術後1年目(herceptin終了後1ヶ月目)の胸部CTにて、S6に径5mmの結節陰影を指摘され、経過観察していました。6カ月後のPETCTにて、8mmに増大を認め、かつその他に転移巣を認めなかったため、原発性肺癌か乳癌の転移かを決めるため、VATSにて、S6ごと、その小結節を除去しました。VATSの病理結果は、乳癌の肺転移で、リンパ節転移はありませんでしたが、転移巣の組織はnuclear grade IIIになっていました。その後直ぐにpaclitaxel+herceptinのweekly投与を開始、現在5クール終了したところです。

1) 術前ケモの効きが悪かったのは、docetaxel量を減量したからでしょうか? あるいはherceptinの効きが悪いタイプなのでしょうか?
2) pCRになりやすい条件として組織がGradeIIIの方が良いということですが、前回doce+herceptinに反応していなくて、今回pacl+herceptinに反応する確率はあるでしょうか?
3) 現治療3カ月目終了時点で撮った胸腹部CTでは、転移巣はありませんでした。主治医は、これはsurgical CRと云いますが、ケモが奏功していると判断するには早すぎるのでしょうか? surgical CRはいつまでをいうのでしょうか?
4) 副作用が許容されるなら、pacli+herceptinを6クール以上続けるのが良いでしょうか?(1年くらい?)。 私としては最低6カ月、出来るなら1年続けて、あとはherceptinのみでコントロールしたいと思っていますが、再再発のriskは高まるでしょうか? 何を基準に治療期間を決定すればよいのでしょうか?
5) 主治医は今回の治療をオペ後の補助療法的に考えていると云いますが、この治療(pacli+herceptin1年間+herceptin 単独5年間予定)で、初回治療と同様に良い効果を得ることは可能でしょうか?  それとも再発の場合は、たとえ手術+ケモを行っても、初回とは全く違うものなのでしょうか? oligometaは予後良好と云いますが、私の場合は、それには当てはまるでしょうか?

以上、宜しくお願いします。

1)  論文によると、ホルモンレセプター陰性でHer2陽性の場合の術前化学療法において、完全奏効する確率は7.7%と報告されています。従いまして、薬の用量だけが関連するわけではありません。
2)  ドセタキセルを初回おこなって、再発後パクリタキセルを使用することはしばしばあることです。効果がみられる場合があるからです。
3)  手術で肺転移が完全摘出できたことを先生はsurgical CRとおっしゃっているのだと思います。CR(完全奏功)の定義は、存在していたがんが、画像診断上完全に見えなくなり、その状態が4週間以上継続することが条件ですから、次回のCTで病変が見えなければ定義上はCRとなります。しかし、今後も再発予防が必要であることは確かです。CRであるから抗がん剤不要ということではなく、次回の再発をいかに防ぐかということが大切だと思います。
4)  特にいつまで継続するという答えはありません。基本的には、再発を予防できている限りは継続していくのが基本姿勢だと思います。まずはおっしゃるとおり一年継続して、CTでご評価いただき、その時点での体調などを考慮し、その後の治療を決定していくことになります。
5)  色々ご心配だと思いますし、良い方向にお考えになりたいお気持ちも、とても良く分かります。でも肺転移はステージ4ですので、油断せずに、今後も主治医の先生とご相談いただきながら、再発を防いでいくための治療を継続なさってくださいね。主治医の先生が、「落ち着いているようなので一旦治療を終了しましょうと。」おっしゃるかもしれませんが、最終的に治療を継続なさるかどうかの決定は、MSさまのご判断になると思います。点滴抗がん剤は終了しても、経口抗がん剤を内服するという方法もございます。良くご相談なさってくださいね。とても良く勉強されて、知識も豊富なご様子で素晴らしいと思います。応援していますね。(文責 高橋)

 

No.10388】  11年10月13日    O
抗癌剤

初めての相談です。6月末に定期検診(1年に一度)を受けた際に、去年より石灰化が多くなっているから精密検査をした方がいいということで、乳腺外来のある大きい病院へ紹介されました。マンモトーム生検、乳腺造影、MRI、骨シンチ等検査の結果、浸潤癌と判断されました。骨転移などはなかったです。ごく初期の癌ということでしたが、場所が乳輪から真下の大胸筋の近くなので、乳房全摘出手術となりました。病理検査結果は、5mm、脈管侵襲なし、HER2陰性、ER(ー)PR(ー)、リンパ節転移なし、ステージ1 でした。主治医としては、ホルモン療法は使えないので、予防的観点から考えると抗がん剤を3週間ごとに4回の治療を進めたいということでした。しかし、これは本人がやるかやらないか決めてもらっていいので、次回診察の時までに決めてくださいとのことでした。家族と相談した結果は、「定期検診をしっかり受ける、免疫力を高める努力をする、元気に明るく生活する」ことを前提に、良い細胞まで破壊する抗がん剤は極力受けない方がいいのではないかとなりました。しかし、あくまでも素人考えなので、専門知識のある先生に伺いたく、相談させていただきました。私は54歳。21歳の娘を産んでいます。2歳まで正常に授乳させました。1年前に閉経しています。

ご相談どうもありがとうございます。手術を終わられて一息つかれているところだと思います。そんな時に、次の治療を考えなければいけないこと、とてもおつらいと思います。でも、今後の再発を予防するためにも、どのような選択肢を選ぶべきか御一緒に考えましょうね。ER(-)PR(-)Her2(-)ということで、いわゆるトリプルネガティブ乳がんですね。ステージ1ということですが、今後の再発を少しでも減らそうということで考えますと、抗がん剤治療は唯一の治療手段となります。定期検診をしていても再発は防げませんし、乳がんは再発してしまうと、根治はまず不可能と考えられています。ですから再発させないことが大切なのです。正常細胞は一時的にダメージは受けますが、治療終了後に復活いたします。治療の副作用は一時的につらいかもしれませんが、再発してしまうと精神的にも肉体的にも、もっとつらいかもしれません。この点を良くお考えになって、主治医の先生とご相談の上、今後の方針を決定なさってくださいね。応援しております。(文責 高橋)

 

No.10387】  11年10月13日    C.N.
乳房全摘手術後の治療について

今年7月に乳房全摘手術を受けた41歳女性です。術前の診断では、乳管内をはうようにして広がるタイプの癌で、石灰化が広範囲に認められるため、温存手術は不適応とのことでした。術後の病理検査の結果は、組織型は乳頭腺管で、リンパ節転移(−) 切除断端(−) 脈管侵襲(−)でした。1o以下の浸潤が見つかったため、病期はTになるそうですが、悪性度も低く、全摘をしたため、追加治療は必要ないと主治医から説明を受けました。ホルモン受容体はER 100% PgR90%ですが、浸潤部分がわずかなため、免疫染色をしても正確な判断がつかないので、非浸潤部分での判断結果とのことでした。ホルモン受容体の有無というのは、浸潤癌の細胞で判断するものなのでしょうか。また、浸潤癌と非浸潤癌でホルモン受容体に違いがでるものなのでしょうか。わずかでも浸潤しているということは、転移や再発を防ぐ意味で全身療法が必要なのではないかと心配ですが、乳房全摘のため乳腺自体がないので、ホルモン療法自体が無効なのでしょうか。ご回答よろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。ホルモン感受性は非浸潤がんでも浸潤がんでも同じように検査結果はでます。Her2に関しては、「浸潤部分で判断する必要があり判定不能」と記載されているのではないかと思います。全身への転移や再発を防ぐ意味で、ホルモン治療をおこなっていただくことは可能だと考えます。乳腺の有無は関係ございません。御本人のご希望を先生にお伝えいただければ良いのです。非浸潤がんでもホルモン治療を行う場合もあります。是非とも主治医の先生に、ご不安な点をお伝えいただき、ホルモン治療をご希望されると良いでしょう。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10386】  11年10月10日    N
エコーの再検査について

初めてご相談させていただきます。先月受けた健康診断の結果、乳房エコー検査で要精密検査となりました。画像が3枚添付され、「左 辺縁不明瞭低エコー腫瘤像」と記入されています。10年以上前から毎年エコー検査を受けていますが、再検査は初めてで、大変ショックを受けています。ネットで調べたところ、境界が不明瞭なものほど悪性度が高いと書いてありますが、この段階で乳がんの可能性は高いでしょうか? 近くの総合病院で精密検査を受けるつもりですが、乳腺外来が月水金で、月水がベテランの外科長先生でその先生を信頼して遠方からも大勢患者さんが来るほどの先生が担当です。明日の金曜は、若い近くの総合病院の助教授が来ているそうです。早い明日の診察を受けるか、月水の経験豊富な先生に行くか、乳がんの可能性が高ければ月水に行ったほうがいいかなと思い、ご相談のメールをさせていただきました。どうかよろしくお願い申し上げます。

「乳癌かどうかを調べましょう」というのが精密検査の意味で、乳癌と確定されたわけではありません。マンモグラフィー、エコー、触診、細胞診、CTなどの検査を行うことになります。検査内容が、担当のドクターによって変わることはありません。検査内容をふまえて総合的に判断することになりますので、不安を取り除くためにも、早めに受診なさる方が良いと思います。(文責 須田)

 

No.10385】  11年10月10日    H.K
10月に手術予定です

初めての質問です。43才です。昨年2月の超音波、今年3月のマンモは異常なしでしたが、8月初めに約2センチの乳ガンがみつかりました。硬ガン、トリプルポジティブです。グレードは 2。9月初めの術前検査では、リンパ節を含む他への転移はありませんでした。乳ガンのしこりには、軽い痛みがあります。10月に手術予定ですが、最近、患側の脇の下にも同じような痛みを感じます。リンパ節転移があるのでしょうか? 進行が速い種類なので、検査後1ヶ月以上もあくのは、転移が進むのではないかと、とても不安です。私の乳ガンで、リンパ節の転移があるのとないのでは、どのくらい予後が変わりますか? たくさん質問してすみません。よろしくお願いします。

患者さんに不安を与えてしまうのは心苦しいのですが、どこの病院も患者さんが多く、どうしてもお待たせすることになってしまうようです。ただし、病気の状態等によっても考慮されていると思いますので、主治医を信頼して治療に当たっていただきたいと思います。ご不安、ご心配なことがある場合は、遠慮せず、ご相談して、納得のいく治療を受けてください。腋窩リンパ節に転移がある場合は、他臓器に癌が進展している可能性が高くなるので、もし転移があった場合は、予後の改善のために、術後、薬物療法を行うことになります。予後はリンパ節転移の個数によっても変わってきますので、まずは状態を把握してから、治療方針を決めることになります。(文責 須田)

 

No.10384】  11年10月10日    K.K.
今後の治療と予後について(HPNo.9679-2)

昨年6月に、当時の状況についてご相談させていただいたものです。ご回答をいただいた後、CTの結果などからも転移と確定し、昨年7月から治療に入りました。治療にあたっては、随時、私の考えや気持ちを主治医に伝えるようにしました。主治医もそれを尊重しながら最適な治療を勧めて下さり、とても信頼して治療に臨んでいます。疑問や希望などをきちんと主治医にお伝えすることは、とても大事な事と実感し、背中を押していただいた温かいご助言にとても感謝しています。ありがとうございました。今回は、今後の治療と予後についてお尋ねしたくて、再度ご相談させていただきました。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。転移後の、これまでの病状と治療は次のような経過です。
・2010年 7月 CT 多発リンパ節転移(右頸部、縦隔・肺門)増悪、肝転移(3p・1cm)増悪
・    7月 タスオミン服用開始
・    9月 CT 多発リンパ節転移(右頸部、縦隔・肺門)著変なし、肝転移(3.5pp・1.3cm)増悪
・    10月 CT 多発リンパ節転移(右頸部、縦隔・肺門)著変なし、肝転移(3.7pp・1.5cm)増悪
・    10月 ナベルビン+ハーセプチン(4コース)開始
・    11月 CT 多発リンパ節転移・肝転移 著変なし
・2011年 1月 PET 多発リンパ節転移(右頸部、縦隔・肺門、肝門部)、肝転移、骨転移(両側恥骨)
・    2月 ゼローダ+ハーセプチン開始
・    3月 恥骨の痛みが強くなり、ロキソプロフェンを服用しても、立つ・座るがつらくなる。放射線治療を勧められる。 (術後半年の時に恥骨の不全骨折をし、その時は強めの運動を続けているせいではとの事でした。運動をしている状況は同じなので整形外科を受診してみたく、放射線治療は受けませんでした。)
・    4月 両側恥骨の放射線治療を受ける。ゼローダ+ハーセプチンは2ク−ルで終了。(痛みがさらにひどくなり、歩けなくなる前にと強く勧められて放射線治療を受けました。痛みは改善しました。)
・    4月 PET 多発リンパ節転移(両側頸部、縦隔・肺門、胸部下部食道、肝門部、傍大動脈領域、両側腸骨領域)増悪、肝転移 増悪、骨転移(両側恥骨、L4棘突起)増悪
・    5月 アドリアシン+ゾメタ開始(5月から8月は、恥骨の放射線治療の副作用(陰部の粘膜炎・膣炎・腸炎のような症状etc.)がひどく、アドリアシンの脱毛も有って、精神的に大変でした)
8月 アドリアシン+ゾメタ 4回を終了。 PET 多発リンパ節転移(両側頸部、縦隔・肺門、胸部下部食道、肝門部、傍大動脈領域、両側腸骨領域)、肝転移、骨転移(両側恥骨、L4棘突起)いずれも改善傾向
・    9月 アリミデックス+ゾメタ開始

昨年7月の治療開始からなかなか好転しなかったのですが、やっと「改善傾向」となり、主治医も私もほっとしました。この間、特にアドリアシンを選択する時には、難しい状況に加え、脱毛する薬は避けたかったと落ち込む私を強く説得して下さり、また、放射線の副作用も加わってさらに落ち込む私を精神的にも支えて下った主治医には、本当に感謝しています。9月からは「肝臓などには効果が期待できないかもしれないけれど、少し体を休めましょう」と、アリミデックスを服用していますが、服用を始めて2週間あたりから指のこわばりや肩痛、悪心、頭痛が続いています。確かに抗がん剤のような体の辛さは無いのですが、ずっと体調不良なので、我儘なのではと思いながらも、しばらくの休息(?)ならば、アリミデックスは服用せずに、休薬してみたいと思い始めています。ここで休薬することについては、どう思われますでしょうか。それから、これからの見通し(治療と予後)は、どのように思われますでしょうか? 主治医にも、予後はどうでしょうかとお尋ねしてはいるのですが、私に配慮して下さるのか、はっきりとは言われず、会話の中から「こんな感じかな」と察しています。治療に関しては、次の治療を選択する時に、考えられる治療を示して下さり、私のお話も聞いて下さって、相談しながら決めてきました。なので、その状況によって、示される治療が変わる事もあります。ちなみにホルモン剤で維持できなかった場合は、カンプトになると思うとの事でした。(タキサン系は、術前で使用したタキソールの副作用が強く、またステロイドの副作用も強く出て、とても大変だったので、今は選択肢から外れています。) 実は、主治医が数か月後に退職される事になり、担当Dr.が変更になります。もちろん新しいDr.には十分引き継いで下さるとの事ですが、これから厳しい状況も予想されるなか、また新しい信頼関係を築いていかなくてはとの気持ちの動揺もあり、改めて今後の治療や病気の状況を知っておきたいと思ってご相談させていただきました。まとまらない文章になってしまい申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

人の顔がそれぞれ異なるのと同様に、病態についても個々によって異なり、今後の経過や予後に関しても様々です。従って、臨床に携わる一人として申し上げると、貴女のお気持ちを配慮してくださっているというよりも、はっきりとはわからないのです。ホルモン療法を少なくとも3ヶ月続けてみて、現在の病勢が進まなければ、そのまま継続することにると思います。主治医が代わることによるご心配、ご不安を取り除く1つの手段として、現在の主治医に引き続き診ていただくことも一案かと思います。通院が可能な範囲であれば、お願いしてみてはどうでしょうか。乳癌の治療は長期にわたりますので、同じドクターに診てもらいたいという患者さんはたくさんいらっしゃいます。(文責 須田)

 

No.10383】  11年10月10日  M
ハーセプチンの増量について

いつも拝見しています。補助療法のハーセプチン投与中に、体重が5kg増加したら30mg増量するということを聞きました。前半の抗がん剤併用時は食事もなかなか取れませんでしたが、後半、ハーセプチン単独になってからは7kg体重も増え、看護師にもそのことは伝えてきましたが、30mg増量して投与したのは最後の2回だけでした。もう少し早く増量できたのではという思いがあります。

1) 最後の2回だけ増量した場合の効果のほどは?
2) 今からハーセプチンの増量の分を投与するということは可能ですか?
3) 実際の臨床の場で、途中からハーセプチンを増量する方はどのくらいいるのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

ハーセプチンの投与量は、2回目以降は6mg/kg です。従って7kg増加であれば、理論的には42mg増量となりますが、費用対効果のこともありますので、主治医と充分ご相談ください。(文責 須田)

 

No.10382】  11年10月10日   H
肺転移(2)(HPNo.10366-2)

親切なご対応ありがとうございます。頑張って治療したいと思います。あと数点、教えてください。私のように胸膜転移の場合、放射線は普通照射しませんか? 痛みがでてきたときに使用するものですか? 胸水はホルモン剤の効果があれば減ってきますか?

放射線治療は局所的な治療です。胸膜転移は病変として広範囲ですので、局所的な治療は致しません。骨転移等で痛みが出現した場合、痛みのコントロールのために照射することもあります。ホルモン療法で効果があれば胸水も減ってきます。(文責 須田)

 

No.10381】  11年10月10日   M 
今後の治療と妊娠

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。 5年に右乳ガン、温存、トリプルネガティブ、グレード3、乳頭腺管ガン、脈管侵襲あり、断端陽性、リンパ節一個転移ありで、術後化学療法(EC4+タキソ4)、放射線30回をしました。 今回、左乳ガン(原発・乳頭腺管ガン/一部のみ軟骨成分伴う浸潤ガン)、全摘、トリプルネガティブ、 グレード1、脈管侵襲なし、断端陰性、リンパ転移なしでした。 初めは抗がん剤をやるような感じで主治医に言われていたのですが、病理結果後、予後が良いし、内容的にも、主治医から抗がん剤をしなくても良いのでは?と言われました。 自分としてはする気でいたのですが、一回五年前に抗がん剤投与していることもあり、するメリットもないと言われ、悩んでイます。 5年前の32歳の時から5年を無事に迎え、結婚もして、これから妊娠を・・・と考えてた矢先の今回の出来事だったのですが、やはり今後妊娠を考えているので、抗がん剤をしない方が良いのか、凍結して抗がん剤をするかを悩んでいます。 母も12年前乳がんになり、祖母は卵巣がんで亡くなってる為、家族性乳がんということと(遺伝子検査はしてません)、トリプルネガティブ・両側異次性乳がんを考えると、無治療は怖いし、でも妊娠を・・・と思うと悩んでます。 恐らく、将来妊娠を希望してる為、凍結も考えていると主治医に前に話していたので、その辺りも考慮に入れて、主治医はそう言ってくれているのでしょうか?  抗がん剤の話を私がしつこく言ってるもので、もしやるならECかゼローダと言われました。 そして、ECは一回やってる為、効き目がなさそうだから、やるならゼローダが良いのでは?と言われました。 ゼローダは再発転移に使うものだと思いますが、原発で再発転移予防に効き目はあるのでしょうか?  もし、今後再発転移した際に、今回ゼローダを使ったら、もう使えなくなりますか?  あと、ゼローダは卵巣機能障害にはなりませんか? 仮に無治療になった場合、どれくらい経ったら妊娠は可能ですか? どちらかと言えば、先生も抗がん剤をやらなくても良いと思われますでしょうか?  とても悩んでます。 お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願い致します。

トリプルネガティブ乳癌に対しては、アンスラサイクリン或いはタキサンを含む治療が標準的です。貴女の場合、5年前に右乳癌がトリプルネガティブであり、原則論通りの治療を行っていましたが、もし今回の左乳癌がその時点で癌の芽としてあったと考えれば、治療したにもかかわらず出現したことになりますので、今回はEC+タキサンを選択しないのだと思います。貴女にとってゼローダの効果は不明ですが、主治医は、病理結果から判断してゼローダを選択したのでしょう。
化学療法終了後の妊娠・出産で、胎児に異常や奇形を起こす頻度は、一般女性の場合と同じと考えられています。化学療法後いつから妊娠が可能かという事についてですが、化学療法が卵巣に直接影響する期間は短いとされていますが、念のため数回の月経を確認した後、具体的には化学療法終了後3ヶ月程度あければというのが一般的な考え方です。乳癌の治療は医療の問題ですが、子供をさずかることは人生の問題であり、どちらも大切なことです。まず貴女がどうしたいかという事が最重要であり、それを踏まえて、主治医の先生と充分ご相談ください。(文責 須田)

 

No.10380】  11年10月10日   S子
マンモトーム

以前にも何度か相談させていただきました。よろしくお願いいたします。65歳、未婚、出産経験なし。平成20年に、初めてのマンモ検査で4個の集簇性石灰化があるといわれ、ずっと経過観察中でした。半年ごとの検査で、集簇性石灰化が5個だったり3個だったり、6個だったりで、心配ならマンモトームをと言われていましたが、躊躇したまま現在にいたります。この1年半は、ずっと6個のまま変化なしで安心していましたが、このたびの検査で集簇性石灰化が8個になっていることがわかり、ショックをうけています。2個増えているのです。私の年齢では、もうホルモンは出ていないし、乳腺症のような痛みもなかったし、私としてはやはり集簇性石灰化の個数が増えた理由は癌であったとしか考えられないのですが・・・。変わったことといえば、この1年で2キロ太った事と、前回までかかっていたのは大学病院で、このたびその大学病院の分院が近くに新しくでき、主治医がこの病院に転勤されたため、私もついてきて、この病院で初めてのマンモです。増えている2個は、少しほかのより色は薄いと言われました、カテゴリーは3のままだそうですが、マンモトームを進められました。現在腰部脊中間狭窄症のぶり返しの痛みで、マンモトームもすこしつらいので、まだ予約はしていませんが、不安でなりません。癌でなくても、この年齢で石灰化が増えることはあるでしょうか? またマンモの機械がかわることによって、今まで写らなかった2個の石灰化が写るようなこともありますでしょうか? 先生方のご経験から、ぜひ教えていただきたくご相談いたしました。お忙しいところ恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。マンモグラフィーの器械によって見えるものは多少変わってくる可能性はあります。でもやはり主治医の先生のおっしゃるように、変化が見られたのであれば、マンモトームで組織を採取し大丈夫であることを確認したほうが安心だと思います。悩んでいるよりも行動に移した方が安心を得られることが多いです。私たちが応援していますから、頑張って検査をお受けになってくださいね。良い結果報告をお待ちしています。また悩ましいときにはご相談くださいね。案ずるより産むが易しですからね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10379-1】  11年10月10日   OBASAN
乳がんの再再発について

62歳の女性です。
1.2009年6月にステージ2A、トリプルネガティブの乳がんと診断され、術前化学療法をうけました。
2.2010年1月、温存手術。
3.同年2〜3月、放射線療法25回
4.2011年5月、局所再発し、6月に全摘手術。化学療法はなし。

その後、肋骨の上あたりにしこりを発見、今月の診察で、先生には“肉芽”かもと言われました。来週エコー検査を受ける予定です。全摘したのに4か月たたないうちに再発することはあるのでしょうか? また、再再発の場合、手術できるのでしょうか? 化学療法も必要でしょうか? 通院先は乳腺専門医はいるのですが、主治医は専門医ではありません。セカンドオピニオンも考慮した方が良いでしょうか? 夫が今年亡くなり、相談する人がいません。どうかよろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。ご不安なお気持ち、良く分かります。でもまだ再発と決まったわけではありませんので、慌てないで落ち着いて考えていきましょうね。数ヶ月で再発する方も実際にはいらっしゃいます。どうしてもご心配な場合には、その部分の組織を一部取って調べる生検をしていただくのがよろしいかと存じます。お話から、もしその部分だけの再発であれば切除は可能かと思いますが、拝見していないので何とも申し上げられません。まずはしっかりと検査をお受けになって、先生とご相談くださいね。応援していますからね。(文責 高橋)

 

No.10379-2】  11年11月26日   OBASAN
化学療法

10月10日、HPNo.10379で回答いただいたOBASANです。その後、生検でクラス3B、大いに怪しいが、はっきりしたがん細胞は出ず、ペット検査で遠隔転移はなし、先に手術をして、組織を全部調べることになりました。手術前の説明で、がん細胞が、まわりの細胞を巻き込んでいくタイプかもしれない。1センチほどのしこりが赤くなっているのは、リンパ管にしみだしていることが多い。その時、初発の手術時、グレード3だったことも聞きました。手術は終わり(かなり大きくとったそうです)、結果待ちですが、化学療法を勧められました。最初の主治医は、2か月のパクリタキセル、その後、乳腺専門医に変更してもらい、その先生の話だと、初発の時とおなじ、半年と言われました。2か月は頑張れるけど、半年はきついな!というのが正直な気持ちですが、命には代えられないと思っています。なお、抗がん剤はよく効いて、乳管のなかには残ったが、周りの塊は消えたというお話でした。アドバイス、よろしくお願いします。

申し訳ないが記載の意味がわかりません。結果待ちというのは、、病理結果はまだなのですよね。2か月のパクリと半年というのは投与回数を増やすという事ですか? それとも毎週投与と3週投与の違いなのか・・・。「抗がん剤が良く効いて・・・」以下の意味も、今回の手術結果のことでしょうか。(文責 石山)

 

No.10379-3】  11年11月29日   OBASAN
化学療法(2)

とりとめもない書き方ですみませんでした。HPNo.10379 10453 で、回答いただいた者です。11月22日に再々手術を受け、病理結果はまだですが、10月の針生検でクラス3B、ペット検査でも再発の可能性大とのことでした。生検後、確実ながん細胞が出なかったので、もう1度検査して、再発だったらパクリタキセル2か月と言われましたが、その後、病理医とも再検討の結果、検査しても、また、がん細胞が出ないこともあり、手術を先にし、病理結果を待ち、化学療法をした方が良いでしょうとのお話でした。半年というのは、初発時(2年前)の治療で、DOC+FEC それぞれ4回ずつ受けましたので、それと同じ治療ということだと思います。抗がん剤がよく効いたというのも初発時です。パクリ2か月というのは、最初の主治医の先生のお話で、半年は変更後の先生のお話で、どちらも手術前のことですので、これから変わるかも知れず、詳細なスケジュールはわかりませんが、ただ、2か月と半年はずいぶん差があるな!と思っただけです。2年前の化学療法は術前でしたが、今回は術後に何か月治療すればよいという基準はあるのでしょうか? また4か月で2度目の再発は、やはり抗がん剤は必要でしょうか? 可能性大という事で、私としては結果が出てあわてて決めるのではなく、今から、気持ちや治療の準備をしておきたいと思ったからです。気持ちの焦りから、よくわからない文章があれば、また、ご指摘ください。よろしくお願いします。

パクリの術前治療や再発予防の補助療法はFEC後4回(3週法で)、毎週投与なら12回が一般的です。再発の場合、決まりがありません。取り残しがあれば長くなるし、取りきれていて、その再燃予防は短いこともあります。(文責 石山)

 

No.10379-4】  11年12月28日   OBASAN
紡錘細胞がん

HPNo.10379 で回答いただきました。術後、細胞診の結果、紡錘細胞がんと診断されました。耳慣れない言葉で、インターネットで調べてもあまり出てこず、キツネにつままれたような感じです。初発時からあったのか? 後から移行したのか?不明だということです。抗がん剤も効かないので、このまま経過観察という事になりました。初発のときは効果があったのですが、ほんとに何も手立てがないのでしょうか?  転移しやすく、薬も効かないなら、このまま手をこまねいて待つしかないのでしょうか? 情報が少ないので不安です。よろしくお願いします。

御相談ありがとうございます。一度局所再発をおこし、全摘手術をお受けになったにも関わらず、たった4ヶ月後に再度局所再発を認め、さぞ驚かれ不安をお感じになっていることと思います。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。紡錘細胞癌とは、乳癌の特殊なタイプの一つです。顕微鏡で見たときに細胞の形が特殊であるため、この名前が付いています。特殊ということからわかるように、数も多くはなく、インターネットで調べてもあまり出てこないのだと思います。私も調べてみました。性格は報告により様々で、遠くへの転移を起こさないおとなしいという報告や、勢いのある転移を起こしやすい癌であるという報告もあり、一定していませんでしたが、「勢いのある癌である」という報告が多いようです。特殊なタイプの癌であるから治療も特殊な事を行うかというと、そういうわけではなく、通常の乳癌と同様の治療を行います。局所再発のみできちんと取り切れていれば無治療という選択肢もありますし、トリプルネガティブの再発なので全身病と考え抗ガン剤を行うという選択肢も考えられます。OBASANのご担当の先生とよく御相談した後に、納得いく方法をご選択頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10378-1】  11年10月10日   H.T. 
術後治療に関して

はじめて投稿いたします。多くの方が、この質問箱に真剣に投稿されているのに勇気が出ます。術後の予防治療に関して、再発、転移のリスクを無くすべく自分でも調べてはおりますが、専門医師様のご意見も参考にしたく、宜しくお願いいたします。左乳下部にしこりが見つかり、「乳腺症の進行したもの」との経過観察後、本人希望で生検。癌と診断されました。年齢47歳 (閉経前)、子供一人高齢出産。

○切除生検の報告書より
浸透性乳管癌(乳頭線管癌)、核グレード3、脈管浸潤陽性 v(+)、リンパ管浸潤ly免疫組織化学的に検討し後日報告
pn(3+)、 ホルモン感受性ER(3+),PgR(1+)、HER2(3+)
Ki-67未測定
切除生検22×17×13mm
腫瘍最大径11mm
部分的に、腫瘍胞巣周囲に高度のリンパ球、形質細胞浸潤が見られる。
大型異型細胞が乳頭線管状、索状配列をとりながら浸潤性に増生する像が主体、乳腺周囲脂肪内へも進展している。

○左乳房切除標本の報告書より
乳頭内、前回生検部位周囲にDCISを認める。乳頭内および周囲では生検同様の大型、高異型度の腫瘍細胞が乳管内で
充実性に増生している。#8では、iow-gradeのDCISの像を示している。形態的に別病変(多発病変)の可能性があるので、
対側乳腺の慎重なfollow-upが必要と思われる。
郭清されたリンパ節に転移を認めない。
レベルT:Ca(-)0/7、レベルU:Ca(-)0/6
切断断片:腫瘍細胞を認めない。

報告と受診の日にリンパ節転移の有り無しを調べるのに、腋窩リンパ節郭清の手術を即計画されて、温存か切除を同時に行うかは判断を任され、少しでも再発リスクを下げたいと乳房切除を希望しました。結果的に乳頭内の乳腺部に腫瘍細胞の増生が認められたとの病理で、切除して良かったのかと考えています。温存して放射線治療しても、五年、十年後には再発したでしょうとの話でした。

1) しこりの切除生検時、周りの細胞には癌細胞は無かったとの話でしたが、「進展」とは浸潤していたことでしょうか。HER2検査は浸潤した部分で検査するとのことですが。
2) 術前にMRIで検査すれば癌の広がりは確認できたはずではと、この相談所で読み、疑問を持っています。又、切除生検の結果報告日に即、内分泌療法としてゾラデックを注射されました。ゾラデックは40代の人には効果が確認されておらず、飲み薬のノルバデックスが標準とも知り、疑問に思います。抗癌剤をする場合、日数を空けないと効果が無くなるのでは。

以上、2点の質問と、術後の再発予防の治療に関して、医師からはリンパ節に転移があれば抗癌剤治療AC療法を必修と促されていましたが、今回、早め早めで手術をしたことでリンパ節の転移が免れたと考えています。今後の治療としては、やはり抗癌剤治療後に一年のハーセプチンとホルモン治療(ゾラデック)を五年が再発リスクを一番下げる選択なのでしょうか。再発率の計算ができるページがあるとのことで確認してみます。何卒宜しく、ご意見をお待ちしております。度々、ご相談させていただきます。

ご相談どうもありがとうございます。ご不安はいっぱいだと思いますが、少しでも解決できましたら幸いです。
1) この御報告書のなかで進展と記載してあるのは浸潤の意味だと思います。
2) おっしゃるとおり術前に病気の広がりをみるために乳房MRIをおこなうことが一般的になりつつあります。結果的に乳頭への広がりもあり、乳房切除の選択は正しかったと思います。術後ホルモン療法は、ノルバデックス5年にLH-RHアゴニスト(ゾラデックスやリュープリン)を2年併用するかどうか、となります。おっしゃるとおり、いわゆるLuminal B typeであり、腫瘍径も11mmですので、まずは抗がん剤治療を行い、ハーセプチンを同時あるいは順番に追加、そして抗がん剤終了後にホルモン治療を行うのが標準的かと存じます。主治医の先生とも良くご相談いただき、今後の方針をご検討くださいませ。これはひとつの意見ですので、絶対的なものではございません。主治医の先生の御意見を尊重し、HTさまの納得できる治療をお受けになってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10378-2】  12年07月14日   H.T. 
術後治療に関して(2)

10378にて、以前ご相談した者です。左乳房全摘手術日前より、ホルモン治療のゾラデックス注射をしていました。本当は即、抗癌剤AC療法をと考えたのですが、Ki67を測定してもらったり、仕事の都合で、6ヶ月後の今年3月より4回の抗癌剤を終えました。最終の一ヶ月後に「効果判定」との事で、診察を受けた際に、抗癌剤で「生理を終わらせる作用」=「化学閉経」と考え、今日より閉経後では治療効果の良い「アロマターゼ阻害剤のアリデミックス」に変えますとの事、生理がきてしまったらゾラデックスに戻しますということでした。

1) ゾラデックス1回目に生理があったきりで、現在まで生理はありませんが、血液検査でホルモン値を測定しないで、「化学閉経」と考えてよいのでしょうか。腫瘍マーカーの1CTPがわずかに標準を上回ってきている(5月6.7 6月5.5)のと、CA15-3が標準値内ですが上がってきている(5月16.4 6月17.1)ので、ホルモン剤を変えて様子を見たいのでしょうか。手術時から肩が痛いのが取れないので、PETをすることを希望しましたら、判定はその結果を見てからということでした。アロマターゼ阻害剤への変更をどう考えればいいのでしょうか。
2) 以前、病理検査にてHER2が(3+)だけでしたが、後日の報告にて、腫瘍組織の20パーセント程度が(3+)だが、残りの大部分では(1+)相当とのことです。再発予防に一年間のハーセプチン治療をしておいた方がよいでしょうか。担当医からは、「再発したときの為に取っておくのも一つの考えです。」との話もありました。どう判断すればいいのでしょうか。

人それぞれの病状があるようで、不安で迷う事ばかりです。ご指導下さい。宜しくお願いいたします。

1) 一般的にはE2、FSHを計って判断します。
2) 補助療法(再発予防)にHER2(3+)なら、ハーセプチンが一般的です。(文責 石山)

 

No.10377】  11年10月08日   E
腫瘍マーカー

母が2年前に乳がんが見つかり、左乳房を全摘しました。ホルモン療法は効果なしとの結果から、抗がん剤およびハーセプチンを行ない、今年3月にて治療が終了しました。 3カ月ごとに検査を受けているのですが、ここ3回腫瘍マーカーの値(CA15-3)が、15→16→17と微増しています。 かかりつけの病院からも、微増だけど次回はマーカー検査をしてみようと話があり、母および家族的には再発を心配して気が気じゃありません。範囲内ではありますが、可能性は出てくるのでしょうか? またPET等受けたら、早く見つけられたりするのでしょうか?

初めまして。ご訪問をどうもありがとうございます。ご指摘の腫瘍マーカーの数字は、完全にいつも一致するわけではありません。身体の具合によって、やや上昇することもございます。あまりご心配する必要はないと思いますが、これからも余りにも上昇がひどい場合には主治医の先生と相談くださいね。これからもよろしくお願い申し上げます。(文責  高橋)

 

No.10376】  11年10月08日   M
フェマーラによる白血球減少?

FEC6クールの後、昨年よりフェマーラを服用しています。 健康な頃は4~5000あった白血球が、昨年12月より、 3700→3100→2900と減り続けています。 主治医は、「元々低いし、気にしないでいい。」と言いますが 、感染に弱くなったり、疲れやすく、困っています。 フェマーラが本当に原因なのかわかりませんが、(私生活が忙しい、ジプレキサを眠剤で服用など) 、日常で白血球を増やす事ができますか? また必要はありますか?

ご相談どうもありがとうございます。正確には白血球ではなく好中球という数字が、抵抗力の目安になるのですが、通常でも白血球2,900前後の方はいらっしゃいます。フェマーラで白血球低下がおきることは少ないと思いますが、あまり低下するようであれば薬剤を中止したり、新しい薬剤への変更が必要になるかもしれません。日常生活で注意すべき事はありません。また今後も主治医の先生とご相談されながら頑張ってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10375】  11年10月08日   K
今後の治療について

32才で乳がんU期、40才で胸骨転移。胸骨切除し、化学療法の後ホルモン療法にて経過観察、術前より癌ワクチン+LAK療法を併用していました。42才で胸椎に再発し、HITV療法+トモセラピーにて一時小康状態。CTL局所注入→点滴にて治療中。点滴に移行して一回目は腫瘍マーカーが下がりましたが、次の検査では治療前の数値に急上昇していました。翌月のPET−CTでは、局所の集積も殆どなくなり、新しい病巣もありませんでした。数ヵ月後に病気が出てくる予兆だと言われましたが、本当でしょうか? 画像に出てくるまで、様子見でいいのでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます、治療を頑張っていらっしゃいますね。ご不安が少しでも落ち着きましたら幸いです。腫瘍マーカーは全く数値が変わらないということはありません。何らかの変動が見られます。その数字に一喜一憂する必要はないと思います。画像に現れて来るようであれば、治療法を変更する必要はあるかもしれません。今は落ち着いて経過をみていくことが大切だと思います。また主治医の先生とご相談しながら頑張ってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10374】  11年09月29日   K
乳がん全摘後の検診について

2010年5月に左胸全摘手術を受け、抗がん剤、ホルモン治療中です。術後の検診が、半年ごとの造影剤入れてのCTと、血液検査のみなのですが、そんなものなのでしょうか? 主治医からは再発転移率が高いと言われ、がん細胞の分裂が異常に速いと言われてます。皆さんのブログ等みると、色々な検査をされているので不安です。ホルモン治療は、近くのレディースクリニックへ、1カ月おきにリュープリンとタスオミンをもらいに行っています。よろしくお願いいたします。(48歳)

術後の治療に頑張られているとのこと・・。一段落までもう少しでしょうか? さて、術後の検診についてですが、これは日本のガイドライン、海外のガイドラインをみても、検査は、年に1回の反対側のマンモグラフィのみが推奨されています。他の検査は行っても意味がないということになっています。
これは、患者さんからしたら、あまり良い話ではありませんが、再発乳癌は完治が難しいと言われます。小さな状態で再発乳癌を見つけるのと、少し大きくなってから自分で気がついてみつけるのと・・・、その間が3ヶ月とか半年あったとします。しかし、行う治療法はどちらも一緒で、治療効果も一緒と言われます。早く見つければ、早く治療が始まり、早く終わる訳ではなく、完治が難しい(完治したとする判断材料がない。画像上は消えてしまったとしても、血液中の癌細胞までゼロになったとする判断ができない)とされるので、結局は、早く始まった治療をずっと続けることとなります。一方、反対側の乳癌は早期に見つければ、完治が可能ですので、反対側の早期乳癌を見つけることは有意だというわけです。再発乳癌の早期発見、早期治療は、その意味が乏しいとされています。従って、施設によっては、全く検査を行わない施設もたくさんあります。こういった現状を理解してもらってのことだと思います。
実際には、これらの考え方は少し古くなっているという意見もあり、新規の治療法が様々出てきているので、以前に比べ、再発乳癌の治療効果も確実に向上しております。大きくなってから治療をするより、小さなものの方が、効き目もありそうですし、今後の展開によっては、この辺りの考え方が変わる日が訪れるかもしれません。ところが、実際は、採血をしたり、CTを撮ったり、エコーをしたりしているのが現状です。やはり、早く見つけて・・という気持ちを皆さんお持ちですからね。われわれも、何となく、半年に一度検査をして、何かあれば早めに治療を・・などと思っている節もあります。日本の医療事情も、検査を予約すればすぐ検査が可能ですから、なんとなく甘えている部分もあるかと思います。答えとしては、主治医とよく相談し、検査のスケジュールを立てて下さい。恐らく医師の間でもこのスケジュールは若干の温度差がありますので。とりとめのない文章になりましたが、ご参考になれば・・。(文責 鈴木)

 

No.10373】  11年09月29日   T 
再発治療について

初発は44歳、温存手術後放射線、抗癌剤なしでホルモン療法をしました。5年間のノルバデックスが終わった3ヶ月後、マーカーCA15-3が上がり、PET検査により肝臓と骨に転移が見つかりました。ゾメタと共にタキサン系の抗癌剤で治療開始後、一旦肝臓の癌は縮小しましたが、半年でまた大きくなり、マーカーも上がりました。次の治療として、FECかハラヴェン、或いはホルモンが効くタイプだから、ホルモン剤にするか・・・と言われ、迷っています。私としては、抗癌剤が効けば、もしかして癌が消えるか小さくなって、それからホルモン療法をしようと思って半年がんばってきたのですが・・・。ホルモンが効く人は、抗癌剤が効きにくいのでしょうか? FECとなると、吐き気などの副作用があると思うので、効く可能性が低いならば、ホルモン治療にしようと思うのですが・・・。

質問有り難うございます。一生懸命頑張って来た矢先に病変が大きくなったとのこと・・。一緒に考えたいと思いますが、同じような内容に対して5-6件前に自分が回答していますので、参考になさって下さい。結論から言えば、FECもハラヴェンもホルモン療法も、全てがご本人にとって大事な治療法の選択肢ですので、ホルモン療法が効くタイプは、一般的に抗癌剤が効きにくいと言われますが、だからFECは行わない・・というのではなく、必要な治療法のひとつということになります。野球に例えれば、全てのピッチャーを順番につぎ込んで、ホームランを打たれないように、総力戦で闘うということです。ピッチャーも特徴があり、相手の特徴を見ながら、監督が次のピッチャーを投入するわけで、病気の治療も、相手の病状、大きさ、勢いなどをみながら、時にFEC、時にホルモン療法、時にハラヴェンという具合です。おっしゃるように、抗癌剤でがんばって、ホルモン療法でメンテナンスという考え方は大事なことで、われわれもよく行います。ただ、再発乳癌の治療は、短期間で頑張って、あとはホルモン療法でメンテナンスというのではなく、半年後も一年後も、今の治療を上手に続け、時に休みながら、時にガス抜きをし、病状を大きくさせずに安定した状態を保つのが当面の目標です。また、抗癌剤がよく効いた場合、効いたから続ける、続けるから効いたわけで、なかなか抗癌剤を止めて、メンテナンスに移行するのはちょっと勇気のいる判断になります。効果と副作用、ご本人のモチベーション、人生観、価値観などを総合的に考えながら判断をすることが必要になります。
いずれにしても、これから先の治療も長期戦になることが予想されます。自分で考え、自分で治療法を選択し、大げさなようですが、自分の人生ですから、納得のいく治療をお受け下さい。微力ながら応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.10372】  11年09月29日   E
エコー検査の結果

いつも有難く拝見しております。数年来定期検診を受けており、3か月前にエコーで所見あり(マンモはOK)との事で、 細胞診を受けました。判明せず、今回エコーの再検査を行いました。主治医の先生より、「大丈夫ですよ。次回は半年後に経過を見ましょう」と言われ、ほっとしました。念の為、今回のエコーの所見の写しを欲しいとお願いした所、診察室から出た後に看護師の方から受領しました。直接先生に質問をする機会をなくしてしまったのですが、所見内容の専門用語や数値の意味がわからず、どの位の大丈夫さなのか、今後悪性に変わる可能性があるのかなど、教えて戴ければ大変有難く思います。(細胞診をしたのは右側です。年齢58歳、姉妹に乳がん患者あり) 以下の内容が記載されています。
(右) Cに15o×17oのlow echoic tumorous+ calc+
    血流もわずかに認めますが明らかな腫瘤ではなく変化(乳管拡張+石灰化)の可能性あり   PI 1.1 RI 0.8
Ax LN swelling―
(左) Dに14o×15oのlow echoic lesion+  明らかな腫瘤とは言い難い 乳腺の変化?か
(甲状腺 右) >small cyst+
(総合所見)  bil Mastopathy

患者数が大変多く、待ち時間も長く、次回半年後にしか主治医の先生にはお目にかかれない状態です。前回分以前は貰ってないのですが、今回分をご説明戴ければ本当に有難く、よろしくお願い致します。

質問有り難うございます。恐らく、エコー検査の内容を拝見しても、しっかりとしたコメントがなされておりますし、しっかりとした施設で検査を行っているご様子。
内容についての問い合わせですが、必要な部分のみ意味をお伝えしますので、細かな部分に関しては、主治医の先生にご質問下さい。

(右)C領域(外上)に15x17mmの低エコー腫瘤(画面上は黒っぽく写る)があり、石灰化を伴う。腫瘤には血流も通じているようだが、腫瘤というよりは乳腺のまだらな部分を見ている可能性有り。わきの下のリンパ節は腫れていない。
(左)D領域(外下)に14x15mmの低エコー腫瘤様の部分あり、乳腺のまだらな部分がそのように見えるのではないか?はっきりとした腫瘤のようではない。 
(甲状腺 右) 小さな嚢胞(水たまり)あり—そのまま放置で良い
(総合所見)  乳腺症(病的な変化ではなく、硬い乳腺、軟らかい乳腺がまだらに入り交じっている状況を、画像上、典型的な像を呈するので、この言葉を用いる)

過去に相談室の中で乳腺症に関しては、記載が多いと思います。ご参考にして下さい。以上です。一つ言うのであれば、右のしこりのように見える場所は、細胞診ではなく、組織診がいいのではないでしょうか? この辺りは、主治医が、組織診の必要性を十分理解して頂いていると思われますが。上述の、「乳腺がまだら」ということですが、良く見られる所見で、あまり病的に考えない方が良い所見です。ただ、まだらでも初期の乳癌が潜んでいることがあるので、注意が必要です。これに関して、経過を見るのか、取り出しをしてまで白黒はっきりさせるのかは、主治医の嗅覚によります。怪しそうなら、切除して病理学的に検査をすると思います。そこまで行わないようですので、主治医が経過を追うように判断した材料があるかと思います。エコーの所見は、難しい単語も多く、理解が大変ですが、あまり、中の所見に振り回されない方が良いと。(文責 鈴木)

 

No.10371】  11年09月25日   Y.T
背中の痛みについて

いつも参考にさせて頂いてます。5月初旬に、右乳房全摘出+リンパ郭清(レベル2まで)をしました。 病理結果は、浸潤癌(乳頭腺管がん)、4.2×2cm ステージ2b リンパ節転移1個 波及度g+f+他− リンパ管侵襲+v1 血管侵襲+v1 ER90% PgR90% HER2 弱発現 グレード3 年齢

35歳 未婚 出産経験なしです 。現在、抗がん剤治療中です。術後4ヶ月位から、背中の右肩甲骨辺りが痛みます。と言っても激痛ではなく、肩こりの延長くらいの痛みです。常時ではなく、たまに、ふとした週間に、少し力が入った時にという感じです。リンパマッサージやストレッチは行っています。反面、ジョギングやゴルフの練習なども行っています。なので、何が原因かわかりません。ただなんとなく気になり、骨転移を疑ってしまします。術前(半年前)に、CTや骨シンチで異常はありませんでした。骨転移の可能性はあるのでしょうか? しっかり検査してもらったほうがいいのでしょうか?

乳癌の手術をすると、殆どの方が、肩の痛み→骨転移、咳→肺転移、頭痛→脳転移と心配をされます。不安はなくなりませんからね・・。ただ、今回の症状は手術と同じ側ということと、その痛みも時々、ふとした時とのこと・・。無理な力が加わったり、普段使わない筋肉を使った為とも考えられます。もし骨転移であれば、いつも耐えがたい痛みがあったりするものです。今まで、手術、抗癌剤と頑張っていらっしゃいますから、そうそう悪いことばかり続きませんよ・・きっと。やるべき事はやっているのだから、自信を持って治療を進めて下さい。ただ、あまりに症状が続く時や、不安が大きいときは検査をしてもらい、早く治療をするならその方が良いでしょうし、逆に病気がなければ、この次に同様の症状の時は慌てずに済みますから、検査をしてもらうのもいいのでは?(文責 鈴木)

 

No.10370-1】  11年09月25日   K.Y.
転移の確定

8年前、40才の時に左胸にしこりを見つけ、検査の結果、乳がん(粘液癌、一部浸潤)でした。温存、部分切除,腋窩リンパ郭清し、放射線とソシゲーン(タオモキシフェン)を5年間服用しました。その後、定期的に検診を受けてきましたが、今年のCTで、右肺2.5×3.5位の病変が見られ、別の呼吸器内科を紹介されました。PET検査をした所、右肺に1ヶ所、がんがあるとのことでした。乳がんの転移か原発の肺がんかがわからないので、気管支鏡検査をしましたが、その洗浄液が陽性で、組織は採取できず、確定できませんでした。現在右肺の中葉、下葉切除、もしくは全右肺の切除(腫瘍の位置が心臓に近く2本の血管の間にある様なので)か、もしくは乳がん由来として放射線、化学療法にするか問われています。組織を調べれば、はっきりすると思いますが・・・。やはり肺切除するのが賢明でしょうか? 一人親で、子供が中高生です。今の段階で最良の方法を教えて頂けたらと思います。

2003年の病理報告です。
病理診断:Breast carcinoma mucinous carcinomaを主体 一部 invasive ductal carcinomaが混在
F(+) ly(+) v(-)導管内進展傾向:軽度 saugikal margin(-) 周囲にはmasutophtuy,fibroadenoma
リンパ節:LN level T+U(0/14)
追加報告 病理診断 See desucuription Hercep Tesut score 0 ER(+++) PR(++)

お手数おかけ致しますが宜しくお願いいたします。 

乳癌の術後で、肺に転移があり、原発の肺癌なのか、乳癌の転移なのか・・難しい判断を迫られているようです。順序的に、@気管支洗浄液を今一度、病理学的に検査してもらい、乳癌からの転移か否かを判断してもらう、A気管支鏡での組織検査(再検査しても無駄とも)、BCTを行いながらの肺腫瘍の生検、C肺切除の順序かとおもいま。ただ、肺全摘は、後々のことを考えると、日常生活に制限が出ることも考えられるので、あまりお勧めはしません。とすると、CTガイドの肺生検が妥当な選択ではないでしょうか? 肺癌と乳癌では使う抗癌剤も全く異なりますので、乳癌の肺転移だとして抗癌剤を使うのはあまり賢明ではないと思います。難しい判断ですが、何かありましたら、また質問を寄せて下さい。(文責 鈴木)

 

No.10370-2】  12年06月27日   K.Y.
現段階の治療方法について

前回 【No.10370】  11年09月25日 転移の確定転移の確定 で、質問させていただきました。その節はありがとうございました。結果もご報告せず今に至ってしまいました。前回ご相談してから、結果的に肺の手術を昨年10月にしました。幸い全摘にはならず、右肺中葉のみの切除で終えました(乳がんの肺転移です)。しかし、その後、肺炎(後に好酸球性肺炎と診断)に罹り再入院。抗生物質がなかなか効かず(熱が下がらず)、最終的にステロイド剤(プレドニン)で治りました。その後、元の病院で(手術は別の病院で受けました)抗がん剤治療を始めました。当初FECを4クール、タキソテールを12クールとの事でしたが、タキソテールは担当医が変わり4クールになりました。
しかし、タキソテールは、1回目に気分が悪くなり(点滴直後、胸に圧迫感と目の周りに星が周り始め)、中止になりました。アルコールのせいでは無く、アレルギーではないかとの事。結局、その後の治療はホルモン療法になり、タモキシフェンを20r服用しています。FECを終えているので、無理をしてまですることはないでしょうとの事。タモキシフェンは初発の治療でも服用していました。手術の際の組織診断は、下記の通りです。年齢的にこのまま閉経になり、その後はまた薬を替えていくようです。抗がん剤治療はこの段階で他の薬もあったのかもしれませんし、もう一度チャレンジすべきだったか、しばらくは考えていました。現段階の治療方法について、今の方法で良いかお教え願えませんか。再発後の治療関連の相談内容もありますが、宜しくお願いいたします。

組織診断 (10月の手術時)
Lung,rt middle lobe, resection  Mucinous carcinoma, metastatic E-R(+):90%、 3+, Pg-R(−): <10%, 1+, Ki-67 LI=20%   HER-2: Score 2, HER2-FISH:(-) HER2-FISH法 シグナル比=0.7, HER2遺伝子の増幅なし

肺転移に対する治療ということで、現在他に明らかな病変がないのであれば、ホルモン感受性なので、基本的にはホルモン療法を中心に治療を進めていき、もしも病状が進行して、ホルモン抵抗性となった場合には、化学療法を行うという方針でよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.10369】  11年09月25日   C.S
ホルモン療法と妊娠(HPNo.10180-2)

NO.10180で相談させていただきましたC.Sと申します。その節は、丁寧なご回答をありがとうございました。大変参考になりました。その時の相談の続きになります。ホルモン治療としてリュープリン2年、タスオミン5年を開始し、今年の秋で2年になります。リュープリンの終了をもってホルモン治療をやめ、妊娠を考えたいと思っております。ですが、まわりはやはり私自身の体を心配しており、治療の中断を賛成しかねています。今回お聞きしたいのは、2年と5年では具体的に再発率の違いはどのくらいあるのか?という事と、治療を続けたら絶対に再発しないとは限らない、薬を飲んでも飲まなくても、再発するかどうかは結局わからない、という考え方は間違っているのか?という事です。グレードも低く、転移もなし、何よりも砂袋を背負って霧の中を這っているようなホルモン治療の副作用から楽になりたい、妊娠出産を考えたい、という気持ちが日に日に強くなっています。受診のたびに診察医が違うので、自分とまわりの考えをしっかり固めてから相談しようと思っています。お忙しい中恐れ入りますが、ご意見をいただければ幸いに存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

質問有り難うございます。術後のホルモン療法として、リュープリンとタスオミン(ノルバデックスのジェネリック医薬品)を使用中に妊娠を希望されているとのことです。
各々の投与期間ですが、リュープリンは2年以上のデータがありませんので、2年間の投与が標準です。現在、長期投与でのデータを集積中ですので、今後は、5年が標準とか・・になるかもしれません。タモキシフェンは50歳以上のデータですが、50才以上の人に1年間投与すると、再発を21%、乳がん死を12%減少させ、2年間投与すると再発を29%、乳がん死を17%減少させ、5年間投与すると再発を47%、乳がん死を26%減少させると報告されています。従って、現在では5年の投与が標準になっております。50歳以下でも大きな違いはないとご理解下さい。おっしゃるとおり、再発予防の治療は100%ではなく、内服していても再発することはあり、内服しなくても再発しないこともあります。これらの、曖昧な考えをまとめるために、今までで世界中のひとにタモキシフェンを内服した場合の死亡率の減少、再発率の減少のデータがあります。従って、われわれは、ホルモン療法を勧め、最後まで頑張ってもらうように手助けをしていきます。仮に再発をしてしまった際の治療が、大変なことが多く、長期に及ぶことを知っているためです。そうであれば、5年間、頑張って下さい・・ということです。
ここは、パートナーさんとよく相談し、再発予防の治療と妊娠・出産とを天秤にかけ、結論を出しましょう。副作用がつらい方もいますし、妊娠を希望される方もいます。誰の治療でもありません、ご本人の治療ですので、納得のいく治療を受けて下さい。ホルモン療法を止めて、妊娠・出産を目標に・・というのも大事な治療ですから。(文責 鈴木)

 

No.10368】  11年09月25日   T
アブラキサンについて

いつも参考にさせて頂いています。現在、術後の抗がん剤治療中です。病理結果は、浸潤癌(乳頭腺管がん)、4.2×2cm ステージ2b リンパ節転移1個 波及度g+f+他− リンパ管侵襲+v1 血管侵襲+v1 ER90% PgR90% HER2 弱発現 グレード3 年齢35歳。FEC4回終了し、後半タキサン系を予定しています。候補は、ウイークリータキソール12回、タキソテール4回、アブラキサン4回の3択です。アブラキサンは、最近は再発じゃなくても使えるようになったようですが、私の病院では私が初めてのようです。私としては、タキソールかアブラキサンで悩んでいます。副作用は軽いほうがいいですが、回数が少なく済むならアブラキサンでもいいのかと悩みます。アブラキサンの副作用が、あまり情報がなく、悩んでいます。また、他の患者さんには勧めていないのに、自分に進められる理由が何かわかりません。アブラキサンのメリット、デメリット等教えて頂けると幸いです。

質問ありがとうございます。現在、アブラキサンは進行・再発乳癌に対してのみ保険承認されております。各施設、各地域などで行っている臨床研究などに参加されるのであれば、説明文書、同意書があるかと思いますので、それを参考にして、臨床研究に参加するのであれば構いませんが、そうではなく、タキソールより、タキソテールより効果的だから・・という理由でアブラキサンを選択するのは止めて頂いた方が無難かと思います。その上で、参加されるのであれば、その説明文に副作用などは記載されていると思います。(文責 鈴木)

 

No.10367】  11年09月25日   N.K.
乳腺症と乳管に6ミリの腫瘍

31才(女)です。8月に会社の健康診断の超音波エコーで右乳房の腫瘍を認めると通知が届き、家の近くの病院の乳腺科で、マンモグラフィーとエコーを再検診しました。本日結果を聞きに行ったところ、両胸ともに乳腺症と言われ、マンモでは特に異常はなく、エコーで乳管に6ミリの腫瘍があると言われました。それが癌なのか?良性のものなのか?悪性なのか?まだ小さ過ぎてわからないとのことで、経過観察で、半年後にまた来て下さいと言われました。子供を考えており、これでは来年の3月まで妊娠はしないほうが良いということでしょうか? 妊娠している状態で検診(マンモ/エコー/細胞診等)だと、胎児に悪影響がありますか? 難しいですか? その乳管の6ミリの腫瘍が癌だとしたら、子供を出産している場合ではないですよね? その6ミリの腫瘍がなんなのか気になります。セカンドオピニオンとして金曜に別の病院で診てもらおうか悩んでおります。宜しくお願いいたします。

6mmの腫瘍・・難しいですね。一般的には、そのまま経過観察とすることが多いように思いますが、確認のため、細胞診を行ってもイイかもしれません。ただし、おっしゃるとおり、小さすぎるので、細胞診の結果の解釈が難しくでることもありそうです。超音波での腫瘍の形を判断の基準にすることもありますが、確実ではありません。というわけで・・、妊娠、出産を考えて・・というのであれば、細胞診を行うのが一番、安全、確実だと思います。妊娠している状態では、マンモも問題ないとされていますが、気分的にも宜しくないでしょうから、エコーの検査のみにされたほうがイイと思います。(文責 鈴木)

 

No.10366-1】  11年09月25日   H
肺転移

いつも参考にさせていただいています。五年前に初発、術前化学療法にてFEC、タキソテールをし、温存手術。術後リンパ節転移二個あり。タキソールを8回しましたが、溶血になっため断念。リュープリンとノルバデックスにて三年間しましたが、局所再発。全摘出し、フェマーラに変更しましたが、」二年後マーカーが上昇。全身検査の結果、肺転移一箇所、胸水が少しだけあるそうです。自覚症状はまったく無く元気なのですが、抗癌剤と思いきや、ホルモン療法から始めるということでした。アロマシンです。このような状況なのですが、アロマシンで効果は期待できるものなのでしょうか。胸膜転移になると思いますが、薬物の効果があれば、腫瘍が小さくなったり、消失したり、胸水が現状維持か減っていくこともあるのでしょうか。アロマシンの治療で不安なのですが、ご助言いただけると幸いです。

術前、術後と頑張って来られましたが、現在、肺転移のご様子。ご質問ありがとうございます。転移・再発をきたした乳癌の治療は、決まったものがなく、使える治療法を、使いもれのないように、症状、副作用、人生観、価値観などと相談しながら治療を継続することに尽きます。ご本人は化学療法では・・と思われたようですが、上述の考えに基づけば、化学療法も正解、ホルモン療法も正解ということになります。ただし、手術で取り除くという考えは、あまりありません。元の乳癌から、血液中をとおり、肺に根付いたことになるので、転移した先を手術しても、血液中に病変が残ることになるためです。
転移・再発乳癌の治療を行っていく上で、いつも治療法を変更するときは、患者さんはもとより、われわれも熟慮し、悩みますし、大きな決断をします。次の治療法は効くだろうか?副作用はどうだろうか?といった具合です。A、B、Cという3種類のホルモン療法があり、D、E、F、G、Hという5種類の化学療法があったとしたら、AからHを順序よく使うも良し、ランダムに使うも良しです。通常、ホルモン療法と化学療法は一緒に使うことは少ないようです。一般的には、ホルモン療法→化学療法に移行することが多いと思われます。従って、アロマシンも正解で、その効果を見てから、次のホルモン療法、もしくは化学療法ということになるでしょう。
今回のケースでは、ホルモン療法を行っている最中での病変の出現ですので、効果は乏しいかもしれませんが、フェマーラがダメでも、アロマシンの効果が見られることも良くありますし、その逆もあり得ます。アロマシンの効果が今ひとつの時、次のホルモン剤・・ということになるわけですが、この時に、病状に勢いがあった場合には、ホルモン療法では効果が難しいかもしれません。その際には、化学療法を選択する決断が必要になります。今後の治療は、症状、副作用、人生観、価値観との相談です。絶対、脱毛する化学療法はイヤである・・というのであれば、脱毛しにくい化学療法を選択したり、吐き気の少ない物・・というのであれば、吐き気の少ないと言われる治療法を選択します。
長くなりましたが、アロマシンの効果に期待しつつ、ご自身で納得のいく治療をお受け下さい。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.10366-2】  11年10月10日   H
肺転移(2)

親切なご対応ありがとうございます。頑張って治療したいと思います。あと数点、教えてください。私のように胸膜転移の場合、放射線は普通照射しませんか? 痛みがでてきたときに使用するものですか? 胸水はホルモン剤の効果があれば減ってきますか?

放射線治療は局所的な治療です。胸膜転移は病変として広範囲ですので、局所的な治療は致しません。骨転移等で痛みが出現した場合、痛みのコントロールのために照射することもあります。ホルモン療法で効果があれば胸水も減ってきます。(文責 須田)

 

No.10366-3】  11年10月17日   H
肺転移(3)

ご助言いただき、ありがとうごさいました。もう一点教えて下さい。閉経前なので、リュープリンをしながらノルバデックス、局所再発したのでフェマーラに変更、その後肺転移、胸膜転移し、アロマシンを服用していますが、閉経前なので、やはりノルバデックスかヒスロンの方が有効なのでしょうか。最近は閉経後のホルモン剤の方がよいということで、私のように閉経前でもアロマターゼを服用するほうが増殖を抑えられるのでしょうか。

閉経前ですので、過去の治療歴がなければ、まずリュープリン+ノルバデックスを選択するべきですが、貴女の場合この治療中に再発してきたという経緯がありますので、ノルバデックス以外のホルモン剤の使用が好ましいと考えます。フェマーラも同様のことが言えます。現在は自覚症状のない肺転移・胸膜転移とのことですので、やはりホルモン治療の継続が一般的であり、リュープリンにアロマシン、フェアストン、ヒスロンHのいずれかを加えたホルモン治療などが候補に挙がります。これら3種の薬剤は、それぞれ作用機序も異なり、いずれも期待できると考えますが、ヒスロンHは体重増加や血栓症などの副作用の可能性があるため、他の薬剤の効果がなくなった際に使われるケースが多いようです。これらをふまえ、主治医の先生とよく話し合ってください。(文責 谷)

 

No.10366-4】  11年11月03日   H
肺転移(4)

病状に変化があり、再度質問させて下さい。 一ヶ月検診にいったのですが、胸水が肺の半分より上まで増えていました。 自覚症状は少し咳があるぐらいです。生活はできます。 利尿剤をもらい、アロマシンをまだ一ヶ月しか服用していないので効果がでていないと思うのですが 、引き続きアロマシンで様子をみることになりました。 胸水は利尿剤でコントロールできるはずという話しを聞いてきたのですが 、増え続けるのか心配です。減ることを期待してもいいですか? 限界になったら水を抜くそうですが、この治療をすると体力を失い、溜まっては抜き、溜まっては抜きという治療になり、体に負担がかかりますか? 二週間の入院になるそうなんですが、その間は動けない状態で治療するのでしょうか。 一度抜いてしまうと、ずっと繰り返すことになりますか? あとホルモン剤で新薬があると聞きました。リュープリンと併用が可能と聞いたのですが 、期待できる新薬でしょうか。

アロマシンの効果が出てくれば、胸水が減ることも期待できます。呼吸苦などの症状が強く日常生活に支障をきたすようであれば、胸水を抜いたり、胸膜を癒着させて胸水が溜まりにくくする治療をすることがあります。胸水を抜いている間はチューブにつながれた状態になりますので、やや不自由はありますが動けないわけではありません。今年の9月に製造販売承認されたフルベストラント(フェソロデックス)は今までのホルモン療法剤とは違った作用機序を持つ薬で、腫瘍の増殖を抑える効果だけでなく、腫瘍が獲得した薬剤耐性を減らす作用も期待されている薬です。ホルモン感受性の閉経後再発乳がんに対する新しい選択肢として期待できると考えます。(文責 浜口)

 

No.10366-5】  11年11月07日   H
肺転移(5)

とても参考になりました。ありがとうございました。もう一点、質問させてください。胸水は、肺の圧迫や日常生活に症状が苦痛にならない限り、ぬかなくてもいいものなのでしょうか? そのまま多量のまま貯留しておいて、他臓器への転移などに影響はしてこないものなのでしょうか。少しでも溜まっているなら、抜いたほうがよいでしょうか。

胸水を抜く胸腔穿刺は比較的安全に施行できる処置ですが、出血、気胸、肺水腫などの合併症もありますので、日常生活に支障をきたしていなければ、急いでする必要はないと考えます。胸水が他臓器への転移に影響することは心配しないで大丈夫です。(文責 浜口)

 

No.10366-6】  11年11月20日   H
肺転移の追加質問です

ご助言いただき、ありがとうございました。本日診察でしたが、胸水がさらに増えておりましたので、相談させて下さい。アロマシンを二ヶ月と少し、利尿剤を二週間服用しましたが、増水のためアロマシンが効いていないという判定になり、化学療法を薦められました。候補として、経口のゼローダ、TS-1、点滴ならCMF、ナベルリン、ジェムザールということでした。初発のときに、術前化学療法でFEC、タキソテール、術後タキソールを使用した為、タキサン系とは違うものがよいかもしれないということでした。胸水の方はしんどいのですが、まだお風呂も入れますし、座っている分には咳もなく、普通に生活できます。ただ歩くとしんどいぐらいなので、まだ抜かないということにしました。抜くときは胸膜癒着手術になるということでした。ゼローダを選択することに決めたのですが、CMFでもいいということでした。

1) 今日からゼローダを朝、夜 四錠になりました。この選択で進めてよさそうでしょうか。
2) CMF、ジェムザール、ナルベリンは脱毛はありますか。
3) 経口ではなく点滴の抗癌剤を選択したほうが、即効性があり、胸膜転移に有効でしょうか。
4) 胸膜癒着手術をした場合、その後の生活は、呼吸苦に関しては解消されますか。
5) 単剤ではなく、併用する方法もあるそうですが、どういう組み合わせが今の乳癌治療に有効性がありますか。
6) 胸水があるためか、右あばらから背中に痛みが走ります。胸膜に炎症をおこしているから、ひきつれとかのせいかもしれないということでした。痛みがある場合でも、ロキソニンや座薬で対処して、現状のままほっておいてもよいでしょうか。

1) ゼローダの選択はよさそうに思います。
2) CMFは脱毛作用大ですが、ジェムザール、ナルベリンでは少ないと思います。
3) 胸膜転移に有効かどうかは、薬剤の種類、その薬が効くかどうかに因ると思います。
4) 胸水が貯まらなくなるので、その点に関しては呼吸苦が改善される可能性が高いと思います。
5) 有効性が高まる可能性がある、いろいろな組み合わせが考えられます。一度主治医と相談されてみてはいかがでしょうか。
6) 原病を治さないと症状は続きます。それまでは鎮痛剤などの対症的療法に頼ることになります。 (文責 石川)

 

No.10366-7】  11年12月22日   H
肺転移(7)

胸水が満タンになってしまったので、抜く為に三週間に入院してきました。最初の一週間で抜く予定が、途中で水が抜けなくなってしまい、詰まっているのではないかということで、再度位置を変えて入れ替えたのですが、それから激痛で、何をしていても刺しているところと背中が痛く、耐えられない痛みでした。「神経にさわっているのではないか?」と聞いてみましたが、それはなさそうということで、とにかく耐えるしかない二週間でした。座薬とロキソニンでしのいでおりました。全部は水は抜けないということで、下に少し溜まった状態で癒着したのですが、これがなかなかうまくいかないことが多いらしく、きっちりと癒着するは難しいものなのでしょうか。レントゲンで見ましたが、白くもやがかかった状態になってますが、こんなものなのか・・・と思ってしまいました。呼吸は入院時のピークよりはましですが、走ったりはできませんし、呼吸も浅い気がします。痛みはロキソニンでは無理なので、オキシコンチンとオキノームを服用することになってしまいました。胸膜転移ではあまり痛みはないと聞きますが、この痛みは癒着術のときの痛みなのか、抗癌剤をいれているのでその炎症なのか・・・。もしくは転移の痛みなのかが、はっきりわかりません。入院時前の方が痛みがなかったように思います。この癒着術の痛みは一生治らないものなのか、それともマッサージや電気などで軽減されるのであれば、してみたいと思いますが、麻薬にたよらないといけない状態が続くのでしょうか。主治医に聞いたら、仕方ないとしかいいません。癒着術のやり方などに問題がある場合もありますか? 針をさした肋骨のところ付近が赤くなっています。

胸水のコントロールは、最初のうちは容易でも、治療を重ねていくうちに難しくなることが有ります。それは癌性胸水の場合、癌細胞が多く浮いていたり、フィブリンという不溶性タンパクが析出してきて(この物質が癒着のもとです)安全な穿刺が出来ないことがあるからです。No10427で浜口先生が述べているように、出血・気胸・肺水腫等の合併症が起こる可能性が高くなり、思ってもみない医療事故につながりかねません。
癌の転移による胸水に対しての主たる治療法は、全身療法(化学療法と内分泌療法)で、その中で効果のあるものを探し出すことがメインです。胸水の穿刺や癒着療法や痛みに対しての治療は、あくまで姑息的な治療と捉えた方が良いと思います。
また、痛みに対してはまず座薬やロキソニンといったNSAIDが最初ですが、効果がなくなったら麻薬(それに加えて抗痙攣剤・抗うつ薬等も付加することもあります)のが良いと思います。あなたの主治医の治療方針はその路線を行っており、決して間違った方向に進んではいません。麻薬は中毒にならないように少しずつ量を増やしていきますので、使用に当たってはそれほど心配しないで良いと思います。マッサージや電気が効けばそれでも良いですが、エビデンスが無いと思います。(文責 久保内)

 

No.10365-1】  11年09月25日   SUNNY
線維線腫でしょうか、葉状腫瘍でしょうか

初めて投稿させていただきます。海外在住、41歳です。6月に、こちらでは乳がん検診というものが特にないので、GPのファミリードクター(一般開業医)で触診をしてもらいました。その際しこりを発見され、別の施設のメディカルイメージングでエコーとマンモをしました。マンモは特に異常なしで、エコーでは5mmの線維腺腫だと言われました。細胞診もやり、そこでも線維線腫となりました。今回疑問なのは、触診で、たった5mmのしこりに触れることは可能なのでしょうか? 私自身も触れることができ、どう考えても最低1cmはあるように思います(6月の時点で)。 エコーは、医師ではなく撮影技師(乳腺専門ではありません)がされました。専門医ではないので、5ミリ以上の誤診をしていしまうこともありえますか? 来週にやっとブレストセンターの外科医に予約が取れ(こちらでは直接患者が専門医に訪れることができないのです)、診てもらえるのですが、もしこの5ミリの診断が正しければ、急激に(3ヶ月に)5mmも大きくなったとすると、葉状腫瘍の可能性もありえるでしょうか? つい先日妊娠もわかり、とても不安でご相談させていただきました。 どうぞよろしくお願いいたします。

海外と日本との医療事情の違いですね・・。日本では、希望すればその日のうちに乳腺外科医の診察が受けられ、当日にエコー、マンモ、さらに必要なら生検、細胞診まで受けられる施設もございます。さて、ご質問の件ですが、海外の事情はわかりませんが、日本では一般的に、エコーの検査は技師さんが行います。そのあとのエコーを使って生検・・となると医師が行いますが、通常のスクリーニング検査は技師さんの担当です。触診で5mmがわかるのか、エコーで5mmの誤診があるのか・・に関しては、触診では5mmはわかりにくいのが通常ですが、わかることも良くあります。触診で1cm、エコーで5mm、これは良くあることで、周囲の脂肪組織も触れてしまうため、触診の方が大きくなります。3ヶ月に5mmも大きくなり・・ということですが、最初は触診だけでしたので、おそらく見つからなかったのではと思います。急速に大きくなるので葉状腫瘍では??とのご心配も出てきました。ご心配は察しますが、いずれも振り返っての不安が多いようですので、まずは安心できる施設で確実に診断をしてもらいましょう。(文責 鈴木)

 

No.10365-2】  11年10月20日   SUNNY
線維線腫のしこり

先日はとてもご丁寧に回答していただき、ありがとうございました。大変感謝しております。先週の金曜日に専門医を受診してまいりました。超音波の検査はなく、触診のみでしたが、しこりのサイズの5mmと1cmの差はお答えいただいたように、周囲の組織(tissue?)も触れるので、しこり自体は5mmでも触診だと大きく感じるとのことでした。一安心しました。ただ、触診の時、右胸も左胸もbreast tissue(乳腺?)が硬く触れるので、一ヵ月後にサイズが変わっていないか自己触診をしてくださいと言われました。(もしそこで大きくなっているようだったら、すぐまた受診してくださいと言うことでした。) 硬くなるとは、張っていることと同じなのでしょうか? 次回は経過観察で、3ヶ月後のエコーの検査なのですが、受診後やはり気になって、毎日しこりの部分を触れて確認してしまいます。自己触診もあまり頻繁にしすぎるのはよくないですか? それともう一つなのですが、時折、特にしこりのある左胸がズキンとかピリピリと軽く痛むことがあります。他の方のご回答を拝見していると、しこりと痛みは無関係のように思えますが、こういった痛みは正常な乳腺でも起こることですか? 乳腺専門の先生方にとっては、本当に些細な質問だとは存じますが、どうかお答えいただけますか。どうぞよろしくお願いいたします。

乳腺が張っていても硬く感じるし、瘤が大きくなっても硬く感じると思います。自己触診を頻繁にすることが良くないのではなく、触診の間隔が短いと変化があまりなく、触診しても意味がないということです。しこりと痛みは無関係であり、正常な乳腺でも痛みがあることもあります。過度に心配しすぎる必要はありませんが、不安や疑問がある場合は、専門医を受診してご相談ください。(文責 須田)

 

No.10365-3】  12年12月04日   SUNNY
新しくできたしこり

昨年No.10365で線維腺腫についてご相談させていただきましたサニーと申します。オーストラリア在住です。先日、経過観察中だったしこりのエコーとマンモグラフィをするために受診しました。二軒のメディカルイメージングセンターで見てもらいました。以前からあったしこりはそのままの形で問題はなかったのですが、そのほかに小さいもの(5ミリ前後)が4つもできていました。その中の二つは見た目にも良性の線維腺腫のようだといわれたのですが、残りの二つのしこりが気になるようでした。一軒目のセンターでは
左胸
At 6 o’clock 3cm from the nipple there is an ovoid 9 x 2 x 5mm hypoechoic
lesion with internal vascularity
At 9 o’clock 1cm from the nipple there is a 4 x 3 x 4mm hypoechoic lesion
which may be intraductal. There is
internal vascularity within this lesion.
コメントには
9時の位置にあるしこりには
There is a hypoechoic lesion with internal vascularity which is possibly
intraductal in location.
Ultrasound-guided biopsy is suggested to assess the possibility of an
intraductal/papillary lesion.
とあり、両方のしこりにバイオプシーが必要とありました。

1) intraductal/papillary lesionというのは乳管内乳頭の病変(良性、悪性)ということでしょうか?ちなみに乳頭からの分泌物はありません。 
2) 血流が病変に見られるということで悪性を疑っているのでしょうか?

2軒目のセンターでは
左胸
At 7 o’clock 3cm from the nipple, there is debris demonstrated within a
slightly prominent retroareolar duct. this is similarly seen at 9 o’clock.
コメントには
元からあった線維腺腫(1時の位置)のそばに新しい似たもの(2時の位置)ができているため、半年後受診で変化があるか確認ということでした。

3) prominent retroareolar ductの意味は何ですか? 
4) debris とは乳管内にあるミルクの残りカスのようなものを意味しますか?

この二つの病変を両方のセンターが同じような位置に捉えているので、たぶん同じ病変を見ていると思うのですが、まったく異なったコメントなので、どちらを信じていいのかとても動揺しています。

5) 先生からは、この二つのコメントに共通点が見られますか?
6) やはり不安なのでバイオプシーは受けるつもりですが、この場合はしこりがかなり小さいので、針生検ではなく細胞診が適しているのでしょうか? 細胞診だとあまり信憑性がないと聞くので、できれば針生検がいいのですが。

来週にはファミリードクターと話をしますが、その前に頭の中で整理をしておきたいので、長くなってしまいましたが6つの質問の回答をいただけないでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

1) そうです。intraductal/papillary lesionというのは、乳管内乳頭病変であり、良性も悪性もあり得ます。
2) 悪性に限らずviableな組織には血流があります。超音波上の血流信号は、正常組織にはほとんど見えませんが、腫瘍では見られることが多く、悪性腫瘍の方が豊富に血流を見ることが多いので、診断の補助になります。
3) 「乳頭下の乳管(この部位は正常でも拡張した乳管が見え得る)に顕著に見られる」ということで、2軒目のセンターでは「余り病的意義が無い」と考えているように思います。
4) その通りです
5) 1軒目の6時方向と、2軒目の7時方向は同じものを見てコメントしているように感じます。
6) 針生検よりまず細胞診にするべきだと考えます。理由は、極めて小さい病変で細胞診が適していると思いますし、乳管内乳頭病変は極めて柔らかくかつ周囲に分泌液が存在しているため、針生検では思うような採取が出来ない可能性が高いからです。(文責 久保内)

 

No.10364】  11年09月25日   M
乳房再建について (HPNo.10357-2)

ご解答ありがとうございます。もうひとつよろしいでしょうか? 全摘すると傷が大きく、再建の時には皮膚が足りないということがあると、書いてあるものがあります。新しい手術法で、乳頭、乳輪と乳腺を全適する皮膚温存乳房切除術というのがあるそうですが、この手術をした場合も、術後、放射線を当てるのですか? それとも当てるべきですか? 全摘をしたら二次再建をしようと考えています。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

質問ありがとうございます。乳癌の診断をうけて、患者さんが一番最初にぶつかる術式の選択です。結論から言えば、全摘も部分切除も予後は同じという考えに基づけば、どちらの術式も正解ですので、あとは、患者さんが選択をすることになります。放射線の必要性、局所再発のリスクなどを勘案し、どちらかを選択しましょう。
全摘の場合、乳頭、乳輪も切除し、その周囲の皮膚も切除するのが一般的ですが、最近では乳頭、乳輪も温存する手術もあるようです。これも、病変の部位、広がり(特に乳頭方向への)により選択することになるかと思います。全摘の場合、基本的に放射線は必用ありません。例外的に広がりの範囲が大きく、切除した範囲のギリギリまで病変が広がっている場合、わきの下のリンパ節に転移が多い場合は放射線の必要性も出て参ります。また、再建方法も、施設により、行う医師により、成績(特に出来映え)も様々と思われます。あせって決める内容ではありません。2-3ヶ月経っても、病変は大きく変化しませんので、いろいろな意見を聞き、納得されて手術をお受け下さい。第一関門です・・・。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.10363】  11年09月25日   MK
ホルモン治療(2)(HPNo.9727-2)

2回目の相談になります。2005年の右乳房温存手術、放射線治療、5年間のタスオミン服用のみのホルモン治療後は、半年ごとの血液検査、エコーにあわせて1年に1度マンモ、CT検査を行ってきました。7月のマンモで石灰化の広がりがあるということで、8月にMRI、精度のいい?マンモの再検査をしました。結果、主治医の先生の診断は、「石灰化は8ミリ、広がり方は区域型?で、悪性を疑うものではあるが、6年前の手術の傷の癒着というのも良くあることだし、1年前のマンモでも石灰化があり(これに関しては先生が心配する範疇ではないと判断して私はお聞きしていませんでした)、もし悪性なら何らかの病変、しこりなどがでてきてもおかしくない。エコー、CTにおいては異常がない、ということから経過観察でもいいような・・・」というお話でした。私としては、6年前に治療した病院は乳腺専門でなかったことが引っかかっていましたので、再発などがあった場合は別の乳腺専門医にお願いしたいと漠然と考えていましたので、別の病院に紹介状を書いていただきました。その予約が今月の26日なのですが、お聞きしたいのは普通新たな病院ではどのような診察になるのでしょうか?

1) 勿論MRI、マンモの画像はお借りしていますが、マンモについては7.8月と受けているので、CTも含めて3ヶ月続けてマンモを受けるのは被爆といった意味で不安です。
2) MRIについては、マンモトームでの検査と考えていればいいのでしょうか。
3) 乳腺センターのある病院では、マンモトームの結果は当日でるのでしょうか? やはり1週間ぐらいはかかるのが普通ですか?
4) 局所再発の場合の標準治療は、どのように考えていればいいのでしょうか。

この状況で何を考えても仕方がないことですが、7月末に再発の可能性を示唆されてから2ヶ月過ぎているので不安が募ります。現在46歳ですが、前回もご相談しましたが、ホルモン治療としてはタスオミン服用のみで、生理がなくなるどころか、粘膜化筋腫(多少小さくなっているようですが)のため、常に生理の期間も長く、量も異常に多いという状態で6年過ごしていますので、乳がんへの影響性もとても気になります。アドバイスのほど、よろしくお願いいたします。

石灰化と一口にいっても、良性から悪性まで様々ですが、これが、患者さんはともかく主治医も振り回すやっかいな存在ですね。さて、ご心配の石灰化に対してですが、次の病院に行かれましても、恐らくエコー、マンモ、MRIはもう一度行うのが通常ではないかと思われます。施設により、機種により、各々の検査での写り方に若干の違いがありますので、次の精密検査へのステップを考えた時に、行った先の検査を受けた方が宜しいのではないでしょうか。被爆の心配も理解できますが、ここは必要な検査であることをご理解下さい。MRIは、最近では検診に使う報告もあるくらい、細かな病変も検出可能となっています。従って、MRIの結果と石灰化のある部位とが一致するようなら、マンモトームの検査を受けたほうが良いと思います。マンモトームの結果は通常1-2週間かかります。
局所再発の治療ということですが、温存した乳房内への病変が再発なのか、新規の病変なのかにより、若干考え方が異なります。再発としても乳房の中だけの病変(全身への広がりがない)の場合、新規の乳癌と同様の治療が可能です。一般的には、全摘が必要になるようですが、病変の広がり、残存された乳房のボリュームにもよるかと思います。先の見えない不安が大きいと存じますが、まだ、白黒もはっきりしていませんので、まずは、確実に診断をしてもらい、疑いが完全に晴れるまでは、突っ込んで検査を受けたほうが良いと思います。また、何かありましたら・・・。(文責 鈴木)

 

No.10362】  11年09月25日   S 
術後の治療について

今年8月に右乳房全摘手術をしました。これからの治療法についてご意見をお聞かせください。宜しくお願いします。主治医の意見は、術後の治療は無治療でもよいとの事で、心配ならホルモン治療をしてもよいという感じでした。病理結果は、ホルモンセプター・あり、組織学的グレード・1、増殖能・低い、リンパ節転移・なし、脈管浸潤・広範でない、病理学的腫瘍・1.7センチ、非浸潤癌・4センチ、HER2遺伝子の発現・なし、50才です。浸潤している癌があるのに無治療でもいいのか疑問に思っています。

1) 私の場合、無治療とホルモン治療をしたのでは、10年後の生存率や再発率に違いは無いのでしょうか。
2) 違いがあるとすればどのくらいでしょうか。
3) 主治医の話には抗がん剤が出てこなかったのですが、効かないタイプでしょうか。

再発がとても心配なのですが、ホルモン治療をしても無治療でも生存率・再発率に違いが無いのであれば、無治療を選択しようと思っています。ご意見をお聞かせください。宜しくお願いします。

質問有り難うございます。術後の再発予防の治療に関してのご質問です。まず、ホルモンレセプター陽性(ホルモン感受性あり)の浸潤癌であれば、ホルモン療法が必要です。他の要因を見てみましても、悪性度の高い病変ではありませんので、抗癌剤の使用は必用ありません。効かないということではなく、必要がないということです。ホルモン療法は、閉経前、閉経後によっても使う薬剤が違うので、どちらの状況でも使う薬剤について特徴をお知らせします。タモキシフェン(商品名ノルバデックス)は、50才以上の人に1年間投与すると、再発を21%、乳がん死を12%減少させ、2年間投与すると再発を29%、乳がん死を17%減少させ、5年間投与すると再発を47%、乳がん死を26%減少させると報告されています。現在では、5年間の内服が標準的な治療期間です。もちろん副作用もありますので、副作用と相談しながら続けることになります。一般的に、副作用で継続できない方は、少ないように思います。無治療を呈示された主治医の先生の意向はわかりませんが、もしかしたら、ホルモンレセプター陽性といっても、その陽性の程度が極めて低い場合、ホルモン療法の効果が少ないと考えたのかもしれません。ただ、現在のホルモン療法は、ホルモン感受性の程度が低くても、ホルモン療法を行うことが多いので、ホルモン療法を行うようにされてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.10361】  11年09月20日   T.Y. 
nccst439について

はじめて質問させていただきます。1年9ヶ月前に乳がんの手術をしました。病理の結果、非浸潤で3ミリ、センチネルにも転移は無しでした。2箇所悪性だったため、全摘を選択しました。現在タスオミン20を1日1錠服用しています。最近nccst439の数値が高く、心配しています。2月の検査で14、8月は17でした。その間は検査していないので、上下しているのか、高いままなのかわかりません。子宮がん検査はして、2センチの筋腫が見つかりましたが、癌はなしでした。この腫瘍マーカは、他にどんな可能性があるのでしょうか? 主治医の先生は様子見でいいということですが、やはり心配です。

あなたのご年齢が不明ですが、NCC-ST439の数値上昇は特に閉経前のかたでは再発と無関係にみられます。したがって閉経前のかたの腫瘍マーカーとしては不適と考えられます。(文責 首藤)

 

No.10360】  11年09月20日   H.I.   
乳がん術後再発転移の治療法について

3年ぶりの相談です。私は乳がんで、06年4月に右乳房全摘手術を受けました。術後2年目にあたる08年4月の定期検査の際、胸部X線CTで右肺上部に小さな影があると言われ、08年7月にPET−CT検査を受けたところ、右側の横隔膜の上の胸膜のあたりに腫瘍があると言われました。ただし、血液検査では腫瘍マーカーの値は正常で、体調も悪くなかったので、気功の治療を受けながら経過観察をすることになりました。その後も、胸部X線CTやPET−CT検査で変化がなく、問題なかったのですが、今年になってからストレスが多くなり、右胸に違和感を覚えるようになりました。血液検査の腫瘍マーカーの値は正常でしたが、11年9月上旬のPET−CT検査の結果では、病変が増大し、前胸壁内へ浸潤し、腫瘤を形成しているといわれました。また、多発肺転移再発と、多発LN転移再発もあるといわれました。しかし、今後の治療法について、主治医としては、どの抗がん剤が効くかわからないし、どうすべきか困っている様子で、私にもいろいろな人に相談したり、セカンドオピニオンを受けてほしいようです。私としても、抗がん剤治療を受けて、かえって寿命を短くすることになるのは嫌だし、セカンドオピニオンも受けますが、ぜひ、ご意見を承りたくご相談いたします。なお、友人から丸山ワクチンを勧められましたが、これについても教えてください。

最初の乳癌がホルモン感受性のあるものであれば、ホルモン療法を開始されてはいかがでしょうか。感受性が無ければ、やはりここは化学療法をおすすめします。丸山ワクチンは、残念ながら効果のエビデンスに乏しいようです。(文責 首藤)

 

No.10359】  11年09月20日   H 
今後の治療について

37才女性です。9月に左乳房温存手術・センチネルリンパ節生検を実施して、月末から抗癌剤治療がはじまります。
病理報告書は、以下のとおりです。
Invasive ductal carcinoma、solid-tubular carcinoma、腫瘍径1.5×1.5 cm、g&f,ly(-),v(-)、グレード3
断端陰性、ER:1(<1%)+2=3、PgR:1(<1%)+2=3、HER2:1、Ki-67:LI60%
腫瘍内においては核の腫大した腫瘍細胞が主として大型充実性胞巣を形成しながら浸潤増殖し、一部には篩状構造を呈する腫瘍成分もみる
浸潤巣にはごくわずかに乳管内進展もみる。腫瘍細胞は高度の異型性を示し核分裂像が非常に目立つ、明らかな脈管侵襲は指摘できない。
術中に提出されたセンチネルリンパ節3個中の1個に200μm程度の微小腫瘍胞巣を認めたが、今回作成しなおした永久標本に転移巣は指摘できない。
標本上、腫瘍原発巣は取りきれていると判断できる。

抗癌剤治療の前に以下のことが気になっております。
1) 主治医より、抗癌剤はTC療法4クール、その後放射線治療と言われています。トリプルネガティブでタキサン系を使用すると、一部増殖を助ける働きがあるかもしれないという文献を読んで不安になってきました。トリプルネガティブにはアンスラサイクリン系が効くと書いてあったのですが、普通はアンスラサイクリン系を使うのでしょうか?
2) いろいろ調べると、他の方はEC療法4クール後タキソールを4クールするなどしているのですが、TC療法だけで大丈夫なのでしょうか?
3) 主治医に、TC療法4クール、放射線治療後は経過観察と言われたのですが、その後何か治療法はないのでしょうか?
4) 小さいとはいえリンパ節に転移があったのですが、その先に転移している可能性は低いのでリンパ節郭清はしなかったと聞きましたが、病理の結果、増殖が速いと言われたので、今からでもリンパ節郭清した方がいいのではないかと思ってしまいます。主治医はしないと言っていましたが、一般的には追加手術はしないものなのでしょうか?

術前化学療法をしていないので、効くか効かないかはわからないと言われ、不安になっています。可能なことがあるなら、頑張っていきたいのです。どうぞよろしくお願いします。

TC療法も術後補助療法の選択肢としては標準治療のひとつであり、問題ないところでしょう。アンスラサイクリン含有が必須ということもありませんので、よく主治医とご相談ください。リンパ節転移ですが、200μmの大きさの微小転移であれば、基本的にリンパ節転移無しと同じと考えてよいのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.10358】  11年09月20日   マミ
術前化学療法プラス右腕の痛みについて

私は乳癌Ua(脇の下の転移の疑いはないが、腫瘍が大きい為)と診断され、術前化学療法ACを2回しました。抗がん剤をしてから、目立った副作用は髪の毛が抜けた程度で、あとはあまりありませんでした。むしろ、ガン発覚時に痛かった腕の鈍痛は消え、虫歯治療中で、ズキズキしていた歯痛も消えました。ただ、しこりの縮小はなく、むしろ大きくなった気がします。そして一日に何度かしこり周辺がズキンと痛みます。
1) 普通乳癌に痛みは無いと言いますが、なぜ今胸が痛くなるのか、そして、抗がん剤を始める前に痛かった腕と歯の痛みは、なぜなくなったのか、実は乳がんではなく歯と腕の癌で、オッパイにあるのは実は転移した癌なんではないのかと思い不安です。そう言う場合もありますか?
2) 術前化学療法の薬ですが、一般的にACよりも、FECや他の方が多い気がするのですが、ACからタキサンに決められた理由はあるのでしょうか。
3) ホルモンは効くけどハーセプチンは使えない人だと言われました。若い人は抗がん剤が効くからと勧められ、術前化学療法を選びました。ホルモンの効く人は抗がん剤は効きにくいのでしょうか? 

主治医となかなか会えなくて心配な毎日です。よろしければ、助言お願いします。

1) 腕と歯の痛みとの関連はわかりません。乳房への転移はきわめて稀です。
2) ACからタキサンへとつなぐ方法も多くの施設で行われていますので、特に問題は無いでしょう。
3) 一般的にホルモン感受性の高い乳癌は、抗癌剤が効きにくい傾向にあります。(文責 首藤)

 

No.10357-1】  11年09月20日   M 
部分切除か全摘かで迷っています

部分切除か全摘かで迷っています。マンモグラフィーで石灰化が見つかり、「グレイド4」で、生検必要という診断結果でした。マンモトームの結果が以下になります。

病理診断;
Carcinoma、Suspect of lobular carcinoma in situ

病理所見;
6時方向以外の標本中に大型で明るい胞体を持ち、核異型を示す腫瘍細胞が小葉内に増生しています。また、それとは別に好塩基性の物質を入れた篩状腺管状構造を形成している像めみられます。その部分では、腺腔内に小石灰化を伴います。また、篩状腺管状構造に混じってもしくはその周囲に硝子化を伴った間質がみられます。さらに、腫瘍細胞が小乳管にPagetoidな増殖を示す像もみられます。
増生する腫瘍細胞はER陽性(陽性率90%)PgR陽性(陽性率90%)です。また、EーCadherin陰性、34βE12一部陽性です。神経内分泌マーカーのCD56とNSEが一部陽性です。篩状腺管状構造の腺腔内の物質は、PAS陰性、AlーBlue陽性です。
悪性腫瘍であると考えますが、組織型は形態像と免疫染色結果から、lobular carcinoma in situを最も考えます。
間質浸潤を否定できない部分もあり、その確認のためと組織型確定のためさらに免疫染色を追加し結果を後日報告します。

とのことで、以下が後日の報告です。

病理所見;
篩状腺管状構造を示す部分があるが、好酸性の硝子様物質を取り囲むような構造を示しており、この部分はcollagenous spherulosisと考えられる。硝子様物質は免疫染色でcollagen type Wが陽性を示すことからも、collagenous spherulosisとして矛盾しない。collagenous spherulosis内に異型細胞が浸潤していると考えられるが、lobular carcinoma in situではしばしば腫瘍細胞がcollagenous spherulosis内に浸潤する。α-SMA、p63染色を施行したが、異型細胞の明らかな間質への浸潤像は認められない。形態像、免疫染色所見から、本病変はlobular carcinoma in situと考える。

部分切除であれば4cm*4cmでいいとのことです。部分切除の再発率は5%、全摘の再発率は1%と言われました。
あまり変わらない再発率なので、部分切除で充分と言われましたが、本当に大丈夫でしょうか? 乳頭にまで及んでいたら・・・本当にそれでいいのか? 乳房がなくなるのは嫌ですが、非浸潤性小葉癌は、多発すると聞きます。部分切除+放射線で、10年、20年後に転移多発に苦しむのも・・・と、悩んでいます。

非浸潤性小葉癌自体は悪性度がそれほど高くなく、部分切除のみでよいでしょう。しかしながら病変全体が非浸潤性であるか、一部浸潤癌であるかは、切除してみなければ分からないので、現状では何とも言えません。乳頭に及んでいたら全摘となる可能性が高いのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.10357-2】  11年09月25日   M 
乳房再建について

ご解答ありがとうございます。もうひとつよろしいでしょうか? 全摘すると傷が大きく、再建の時には皮膚が足りないということがあると、書いてあるものがあります。新しい手術法で、乳頭、乳輪と乳腺を全適する皮膚温存乳房切除術というのがあるそうですが、この手術をした場合も、術後、放射線を当てるのですか? それとも当てるべきですか? 全摘をしたら二次再建をしようと考えています。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

質問ありがとうございます。乳癌の診断をうけて、患者さんが一番最初にぶつかる術式の選択です。結論から言えば、全摘も部分切除も予後は同じという考えに基づけば、どちらの術式も正解ですので、あとは、患者さんが選択をすることになります。放射線の必要性、局所再発のリスクなどを勘案し、どちらかを選択しましょう。
全摘の場合、乳頭、乳輪も切除し、その周囲の皮膚も切除するのが一般的ですが、最近では乳頭、乳輪も温存する手術もあるようです。これも、病変の部位、広がり(特に乳頭方向への)により選択することになるかと思います。全摘の場合、基本的に放射線は必用ありません。例外的に広がりの範囲が大きく、切除した範囲のギリギリまで病変が広がっている場合、わきの下のリンパ節に転移が多い場合は放射線の必要性も出て参ります。また、再建方法も、施設により、行う医師により、成績(特に出来映え)も様々と思われます。あせって決める内容ではありません。2-3ヶ月経っても、病変は大きく変化しませんので、いろいろな意見を聞き、納得されて手術をお受け下さい。第一関門です・・・。応援申し上げます。(文責 鈴木)

 

No.10356】  11年09月19日   テイアラ
6ミリと4ミリの腫瘍がありました

9月3日に、マンモとエコーで、左乳房に黒い2つの影をみつけられ、すぐに穿刺をしていただきました。左乳腺CE、6mmのほうはアポクリンか精細胞+乳管上皮細胞+泡沫細胞±で、良性由来正常あるいは良性という結果でしたが、もうひとつのCD 4mmのほうは、検体不適という結果で、脂肪細胞少数散見との報告書の記載でした。担当の先生は、4ミリのほうは検体不適でも再穿刺はされず、3ヶ月後エコーの予約になりました。3ヶ月待つ間、もし悪性だったらと心配なのですが、他の病院でもういちど穿刺など再検査してもうべきか悩んでおります。いかがなものでしょうか。50歳です。

実臨床の立場からは、4ミリの病変(かどうかもわからない)であれば、3ヶ月後の再検という措置が妥当でしょう。(文責 首藤)

 

No.10355】  11年09月19日   H
7歳乳輪部のしこり

7歳の娘の左乳輪部に、乳輪と同じほどの大きさのしこりがあります。悪いものではないかと心配しています。もし受診するなら、診療科は何科を受診すればいいでしょうか?

一般的には正常乳腺が発達してきているのだと推察されます。乳腺科標榜の病院で一度診察をお受けになるのがよいと思います。(文責 首藤)

 

No.10354】  11年09月19日   N.S
ハーセプチンと併用する抗がん剤について(HPNo.10349-2)

お世話になっております。先日以下の状況でどのような治療方針が適切かお尋ねしたものです。
R<90%,、 PgR>90%、HER2 3+、リンパ管侵襲ly2、静脈侵襲v0、レベル1の廓清でリンパ節転移14/20でした。核異型スコア、核グレード3、Ki67 20~30%、腫瘍径1.5X1.0X0.6、切除 8.7X8.0X2、硬がんで、断端は陰性でした。

主治医からも、相談室様からも、また今日会って参考までに意見を聞いたもう一人の 先生からも、私の場合、放射線、ホルモン療法、ハーセプチン、化学療法全て使った方がいいとのご意見でした。そこで化学療法について、一つお尋ねです。私が難色を示していたので、主治医とは化学療法についてまだ詳しい相談はしておりませんが、もしするならCEF->DOCのようにアンスラサイクリン多剤併用と、タキサンの組み合わせのようになるかなあと、ちらっとおっしゃっていたように思います。ただもう一人の先生は、自分ならハーセプチンとタキサン系単独(アンスラサイクリンは使わない)を使うと思うと言われました。少し見てみたところ、アンスラサイクリンとハーセプチンをを併用すると心筋障害が増強するともあり、私もできれば後者の方がよいように思います。この抗がん剤の選択、またハーセプチンとの組みあわせについて、どちらが望ましい、効果的、あるいは一般的というものがあるでしょうか。お忙しいところたびたび恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

あなたが特に心臓が弱いのでなければ、アンスラサイクリン系含有レジメンからタキサン系+ハーセプチン同時投与がよいと思います。(文責 首藤)

 

No.10353】  11年09月17日   M.K
造影剤液漏れについて

いつも拝読させて頂いております。1年半前に温存手術を受け、補助療法抗がん剤、放射線治療を受け、経過観察中です。めまいを感じ、肋骨の痛みもあると主治医に相談したところ、頭部MR、腹部CT、骨シンチ検査をする運びとなりました。早速、MR検査を受けたところです。造影剤の点滴注射の際に、3回失敗されて(研修医だったのか?)、4回目は他の医師により成功して続行したのですが、2/3箇所目の失敗の部分が、グリグリとされたせいか? W1cm・H4cm程赤くなっており、液漏れがあったのでは?と心配しています。今も痛みはあります。造影剤点滴液漏れでWEB検索し調べたところ、薬剤や状態により、処置の必要有り、と出ていたので、心配です。もう少し様子をみて、次の骨インンチの検査で通院の際に相談してみようかとは思っておりますが、不安でこちらに相談させていただきました。よろしくお願いします。
リスクと合併症が載っていたサイトです↓↓
「http://www.health.qld.gov.au/consent/documents/medical_imaging_221.pdf#search='造影剤液漏れ'」
「極めてまれなケースとして、もし皮膚が損傷した場合はさらに手術による処置が必要になることがあります。」
まれなケースとはどんなケースなのか? どういう状態になったものをいうのか? 今月末に大事な催しが控えているおり、体を使う仕事なので、重症になったら非常に困ることになるので、変になる前に早めに処置をしたいと思っております。どうかアドバイスをいただきたいです!よろしくお願いします。

液漏れがあった可能性は否定できないでしょう。メール内容では血管周囲に炎症がみられるようですが、皮膚全層の壊死などは起こっていないようですから、それほどご心配には及ばないようですが、痛みが続くようならば当該医療機関を受診されることをおすすめいたします。(文責 首藤)

 

No.10352】  11年09月17日   Y 
皮下全乳腺切除手術

現在、非浸潤乳腺がんと診断されて、全乳房切除手術と言われています。大きさは1.5ミリ、左下乳輪近くにガンがあります。どうにか乳首、乳輪を残したいと思っています。いろいろ調べて、皮下全乳腺切除手術ができないかと思っています。
1) どこの病院で、この手術法を積極的に取り入れているので しょうか。教えてください。
2) 非浸潤ですが、細胞分裂のスピードが速いと言われました。これは、どういうことでしょうか。早く手術しないと、浸潤する可能性があるということ でしょうか。資料をそろえてもらったり、セカンドオピニオンに行ったりと、時間が経ってしまって大丈夫でしょうか。

多くの施設で行われている術式です。お近くの病院のHPで検索してみてはいかがでしょうか。通常、非浸潤癌はそれほど増殖が早くないものです。(文責 首藤)

 

No.10351】  11年09月14日   D
要精密検査

妻の公的乳癌検診で、マンモグラフィだけを受け、結果として、要精密検査になりました。精密検査の為、総合病院を受診したところ、再度マンモグラフィを取られ、針で細胞を取られとのことでした。(毎年マンモグラフィを人間ドッグで受けており、一年前は石灰化があるが問題ないと言われていました。) まだ結果はでていないのですが、石灰化の大きさは7ミリということでした。これだけではなんとも言えないと思いますが、この段階で、カテゴリーはいくつなんでしょうか。また、7ミリとは、石灰化としては大きいのでしょうか。針で細胞を取るとは、悪性の可能性が高いのでしょうか?

マンモグラフィーによる石灰化はその形状と分布からカテゴリー分類をしますので、申し訳ありませんがこれだけの情報では何ともお答えできません。針で細胞をとったということは、カテゴリー3以上であろうという事は想像できます。細胞の検査をされたのであれば、その結果を待つしかないと思います。(文責 清水)

 

No.10350】  11年09月14日   N 
ハーセプチン治療法について

初めての相談です。41歳女性。今年6月末に右乳房部分切除手術を受けました。しこりの大きさ 0.9cm×0.5cm、リンパ節転移3こ中1個あり(腋下リンパ節郭清済)。ER+、PgR+、HER2 2+(陽性)、脈管浸襲Ly2、核異型度2、断端陰性です。 術後の治療は、ハーセプチンとタキソテールを同時併用で3週間に一度×4回、その後ハーセプチンのみ一年間投与→放射線治療25回→ホルモン療法(ノルバテックス)5年を予定しております。先週2回目の抗がん剤治療を受けたのですが、タキソテールを投与し始めて5〜10分程で、アレルギー反応(全身の痒みと湿疹(蕁麻疹?))が出てしまい、投与中止になってしまいました。次回からはタキソテールなしで、ハーセプチン単独で一年間投与にするとのことです。(主治医のお話では、タキソールも同系のものなので同じ反応になるだろうし、アントラサイクリン系はハーセプチンとの併用は危険なので、他に使える抗がん剤がないとのこと。)
本やネットで調べる限りでは、ハーセプチンは抗がん剤と併用するのが標準治療とあります。ハーセプチン単独でも治療効果があるのでしょうか? あるいは、あるとしても治療効果は下がりますか? 不安です。また、他に考えうる方法があるようでしたら、アドバイスよろしくお願い致します。

ハーセプチン単独では十分な効果がでない事はわかっていますが、抗がん剤で副作用が出た場合、そこまでで抗がん剤を中止してハーセプチン単独に切り替えることは、効果は下がるかもしれませんが、やむを得ないと思います。他の方法とすると、私の経験では、タキソテールでアレルギー反応が出た方がタキソールに変更したらアレルギー反応が出ないという方もいるので、タキソールを試してみる価値はあるのではないかと思います。また、ハーセプチンをお休みしてアントラサイクリン系治療を行って、その治療終了後ハーセプチンを再開するという方法もあると思います。(文責 清水)

 

No.10349-1】  11年09月14日   N.S.
術後治療の選択について

お世話になります。サイトをみせていただき、大変真摯なアドバイスをいただけるようなので、メールを書かせていただきました。
今年2011年、6月下旬の検診で異常を指摘され、MRI、マンモトームなどの検査で乳がんが確定し、先日8月30日に温存手術を受けました。腫瘍が左の乳輪内側で、比較的小さかったので、先生も可能性は低いと思っていたようですが、センチネルリンパ生検でリンパ転移がみとめられ、レベル1の廓清をしました。昨日術後検診と病理の結果を聞きに行きましたが、残念ながら以下で、主治医からは、全ての使用可能な治療をフルコースでやることをすすめられました。放射線とホルモン治療と、ハーセプチンは必要かも思っていたのですが、化学療法までは考えていなかったので、少し時間をいただきたいと伝え、まずホルモン(閉経のためアリデミックス)を服用しはじめ、傷がおさまったら放射線治療を始める予定です。以下のようなケースでは、やはり化学療法も含めた使えるもの全てを使っての治療が、予後を高めるのによいと思われるでしょうか。具体的には、副作用を考慮しても化学療法を加えたほうががいいでしょうか。あまり変わらないのなら、また可能なら比較的体への負担が少ないホルモン治療とハーセプチン、放射線の3本でいけないかと思いましたが、先生はそれでは弱いのではと言われてます。
その場合、おそらく投与後も、体に色々な問題が残るのではと思いますが、どういったことがあるでしょうか。現在52歳です。長生きできれば、もちろん有り難いですが、たとえ5年10年でも、周りの人の役に立つ、よい人生を送りたいと思います。

ER<90%、 PgR>90%、 HER2 3+、リンパ管侵襲ly2, 静脈侵襲v0、レベル1の廓清でリンパ節転移14/20でした。核異型スコア、核グレード3、Ki67 20~30% 腫瘍径1.5X1.0X0.6 切除 8.7X8.0X2.8 硬がんで、断端は陰性でした。

アドバイスをいただけると幸いです。よろしくお願い致します。

あなたの乳がんの病理結果を拝見すると、主治医の先生と同じ意見で、化学療法+ハーセプチン+温存乳房への放射線治療+ホルモン療法をお勧めします。(文責 清水)

 

No.10349-2】  11年09月19日   N.S.
ハーセプチンと併用する抗がん剤について

お世話になっております。先日以下の状況でどのような治療方針が適切かお尋ねしたものです。
R<90%,、 PgR>90%、HER2 3+、リンパ管侵襲ly2、静脈侵襲v0、レベル1の廓清でリンパ節転移14/20でした。核異型スコア、核グレード3、Ki67 20~30%、腫瘍径1.5X1.0X0.6、切除 8.7X8.0X2、硬がんで、断端は陰性でした。

主治医からも、相談室様からも、また今日会って参考までに意見を聞いたもう一人の 先生からも、私の場合、放射線、ホルモン療法、ハーセプチン、化学療法全て使った方がいいとのご意見でした。そこで化学療法について、一つお尋ねです。私が難色を示していたので、主治医とは化学療法についてまだ詳しい相談はしておりませんが、もしするならCEF->DOCのようにアンスラサイクリン多剤併用と、タキサンの組み合わせのようになるかなあと、ちらっとおっしゃっていたように思います。ただもう一人の先生は、自分ならハーセプチンとタキサン系単独(アンスラサイクリンは使わない)を使うと思うと言われました。少し見てみたところ、アンスラサイクリンとハーセプチンをを併用すると心筋障害が増強するともあり、私もできれば後者の方がよいように思います。この抗がん剤の選択、またハーセプチンとの組みあわせについて、どちらが望ましい、効果的、あるいは一般的というものがあるでしょうか。お忙しいところたびたび恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

あなたが特に心臓が弱いのでなければ、アンスラサイクリン系含有レジメンからタキサン系+ハーセプチン同時投与がよいと思います。(文責 首藤)

 

No.10349-3】  11年11月24日   N.S.
ホルモン剤と抗がん剤の併用について

いつもお世話になっております。以前、予後治療について、ご相談させていただきました。おかげで無事放射線療法を終え、少し休んで、来月からハーセプチンとTC 療法を受けるという方針が決まりました。一点お尋ねですが、術後1ヶ月ぐらいからホルモン剤を飲みはじめています。ネットで見ると、通常抗がん剤とホルモン剤は同時には併用しないとあるのですが、主治医は、今後も(抗がん剤投与が始まっても)ホルモン剤は継続して飲み続けるようにと言っています。特に問題はないでしょうか。あるいは、もしそれに従った場合、気をつけた方がいいこと、あるいは事前に聞いてみた方がいいことがあるでしょうか。今のところ、順番は、ホルモン療法(アリデミックスの服用開始)ー>25回の放射線(ここまで既に終了)—>(今後)ハーセプチン、TC 療法となる予定です。よろしくお願い致します。

内分泌療法を併用したほうが良いというデータはないと思いますので、一般的には併用しませんが、特に必要な理由があるのかもしれません。主治医に聞いてみてください。(文責 石山)

 

No.10348】  11年09月14日   R.H.
今後の治療と妊娠出産について

38才女性です。7月に手術をして現在放射線治療中です。病理の結果は以下のとおりです。
左乳房(部分切除)廓清・乳(摘出) 免疫染色(標本番号18) ホルモン受容体ER:70% PgR:99% ki-67:10% HercepTest:2+(FISH検査中) CD領域 腫瘍径(浸潤部)1.2×2.0×0.8cm  腫瘍の広がり(ductai spreadを含める)
2.0×4.2×1.2cm 浸潤度 g+f+ リンパ管浸潤 − リンパ節転移なし 
再発スコアの結果は21でした。13%再発する可能性がある中リスクであり、中リスクの場合は抗がん剤をすると5%くらいパーセンテージが下がる。妊娠出産を希望していて、他の病院で相談したところ、「ホルモンも効くし、抗がん剤はやらなくでもいいのでは? 勿論、最終的には自分が決める事ですが。」と、言われました。抗がん剤をやると子供を諦めなければならないかも・・・とも。放射線を終了して、ホルモン療法を2年やって休み、妊娠出産した後、またホルモン治療を再開するよりは、先に妊娠出産してから5年ホルモン療法を続けてやってもいいのではとも言われました。実際にそれで出産している人もいるとも。どうしたらいいかわからず、つらくてノイローゼになりそうです。

乳癌と挙児希望という難しい問題です。この問題を整理して考えると、まずは挙児希望がどの程度強いのかが、一つのpointになります。例え自分の命が尽きてもどうしても子供が欲しいという事であれば、まずは無治療で妊娠出産を優先させるべきでしょう。出産後、念のためにホルモン療法というのが良いのではないでしょうか。子供が授かるか授からないかは神様次第、コウノトリ次第と考えれば、現在の貴女の乳癌の状況に応じた標準的な治療(ホルモン療法+/-抗がん剤)をしっかり受けて、その後生理が戻ったら妊娠を考えるということになります。この場合、抗がん剤を行なうかどうかが大きな問題ですが、既にmeritは5%とわかっているわけですから、貴女がその5%を大きいと考えれば抗がん剤治療を受けることになるでしょうし、抗がん剤の副作用(不妊になるriskも含めて)に比べてmeritが小さいと考えれば、抗がん剤治療を選ばないのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.10347】  11年09月14日   H.I.
術後の治療について(HPNo.10339-2)

質問への丁寧なご回答をいただき、ありがとうございました。感謝しています。質問は10年生存率を尋ねるという少し大胆な原稿になってしまったことを後悔しています。誰でも同じかもしれませんが、なかなか病理診断だけでは判断できません。むしろ専門的で難しくてあまりわかっていないのです。私の場合は、主治医の先生からホルモン療法のみと告げられ、実際にはそれでいいのだろうかと日々不安な気持ちになっています。自分のことを腫瘍の大きさで判断して、低リスクとは思えないからです。当たり前のことですが、再発は避けたいです。診察の機会も次回は11月ということもあり、再質問で恐縮ではありますが、もう一度お教えいただけませんでしょうか。

この相談室の回答によく出てくるAdjuvant Onlineをたたいてみました。その結果は、貴女の場合、手術のみで術後補助療法を行わない場合、10年生存率は78%、他の病気で死亡する確率が5%、乳癌が原因で死亡する確率が17%でした。術後補助療法として内分泌療法(ホルモン療法)を5年間行なった場合、乳癌が原因で死亡する確率が17%から12%に減少します。術後補助療法として抗がん剤を行なった場合は、乳癌が原因で死亡する確率が17%から15%に減少(ホルモン療法の方が効果が大きい事が分かります)します。そして、術後補療法として抗がん剤治療を行なった後にホルモン療法を行うと、乳癌が原因で死亡する確率は17%から10%に減少します。ですから、どのような犠牲を払っても再発の危険性を最小にしたいと考えれば、抗がん剤治療とホルモン療法を行なう事が勧められますが、抗がん剤の副作用を考慮して、副作用を少なくして最大限の効果を上げようとすればホルモン療法が勧められるのではないでしょうか。この数字と副作用を考慮して、貴女の判断が求められます。(文責 清水)

 

No.10346】  11年09月14日   N.Y
ハーセプチンの必要性

お忙しいところ質問に答えて下さって、本当にありがとうございます。年齢を書き落としましたが、61歳です。何も知識がないまま手術・治療が始まって半年が経ち、色々と不安が出てきています。折角、検診でT期で発見出来たので、絶対に再発、転移はしたくないのです。私の場合、主治医にお願いして、Her2がFISH法で陽性か陰性か調べてもらった方がよいでしょうか? 抗がん剤は必要なくても、Her2がFISH法で陽性と出たら、ハーセプチンだけでもした方が良いのではないのでしょうか? 色々悩んでしまいます。よろしくお願いします。

Her2(2+)であれば、FISH法で調べる事をお勧めします。Her2が陽性の場合、術後補助療法でハーセプチン単独治療の効果は証明されていませんから、現時点ではハーセプチンを使う場合は必ず抗がん剤を一緒に使います。腫瘍径が1cm以上であればガイドラインでも抗がん剤+ハーセプチンが推奨されていますが、1cm未満では強い推奨ではありません。どのような犠牲を払っても再発の可能性はできるだけ小さくしたいと考えるのであれば、抗がん剤+ハーセプチン治療をお勧めします。しかし、脱毛等の抗がん剤の副作用、費用、通院期間等の不利益と、治療効果大きさのバランスを考えると、一般的にはあまりお勧めできません。(文責 清水)

 

No.10345】  11年09月11日   Y 
今後の治療方針

2008年、31歳の時、Glt+Ax+Ic施行。t=3.0×2.0cm ER(+)90%、PgR(+)80%、HER-2(1+)。術後、FEC3クール+TXT3クール終了、SC+PSへの照射終了。自覚症状は全くなく、血液データ(生化学、腫瘍マーカーともに)にも著変なしでしたが、ゾラデックス24回施行した際の(2010年)の検査にて肝臓転移(単発)を指摘されました。主治医からは、再度抗がん剤治療の提案を受けましたが、受け入れることが出来ず、リュープリンを注射しながら、ホルモン剤をフェマーラ、アロマシン、ノルバデックスというように使用しております。生化学(肝機能)数値は、著変見られず経過しておりますが、CA15-3が、5月頃から徐々に上昇傾向にあります[5月33.4、6月44.8、7月44.4、8月88.9]。5月末のCTでは、腫瘍の大きさは横ばい、7月エコーでも横ばい状態でした。8月末の採血データで大きく上昇してしまった為、9月中旬に再度採血及びCTにてチェックし、早々に骨シンチも、そして必要があればPETも追加する方向でお話がありました。そして、今まで拒否していた抗がん剤治療を検討してほしいとも・・・。抗がん剤治療により恩恵を受けられる方がいるのも承知しておりますが、エンドレス抗がん剤になってしまうのではないか、また脱毛や皮膚障害が現れるのか・・・と考えると、今普通に過ごしている生活を大きく変えるメリットがよく分からなくなってしまいました。妊娠出産もまだ諦めきれずにおりましたが、主治医から医学的に「いいですよ」とは言えない、と言われました。再度、抗がん剤治療をしてしまうと、卵巣機能にダメージを与え、自分の中のわずかな希望が完全に崩れてしまう。「だから、あんなに最初の抗がん剤治療の時、凍結卵の打診をしたのに」という、今更どうしようもない気持ちが沸き出てしまい・・・。CT検査結果を考慮しないといけないと承知しておりますが、現状況で今後判断するに当たって

1) 抗がん剤治療以外に期待できる方法はないのでしょうか?
2) 今のこの治療時期を逃してしまうのは、デメリットが大きいのでしょうか?
3) 自由診療域ですが、免疫療法等の結果は期待できるものなのでしょうか?

ご意見お聞かせ願います。宜しくお願い致します。

1) 内分泌療法が効果なくなれば原則は抗がん剤治療です。内分泌療法としては高用量Toremifen(フェアストン)が残っているのではないでしょうか。また転移巣と原発巣の性質が変わっている事もあると言われていますから、可能であれば肝転移巣の生検をお勧めします。
2) このタイミングを逃すと抗がん剤の治療効果が落ちるかと言う意味であれば、それはわかりません。現在が良いかもしれませんし、もう少し後でも良いのかもしれません。考え方としては、根治の可能性は低い事、がんと上手につきあっていく事、生活の質を落とさない事を考えて、今から抗がん剤を行なう事が良いのか、もう少し待つのかを考えては如何でしょうか。
3) 免疫療法が有効であるというevidence(証拠)はないと思います。(文責 清水)

 

No.10344-1】  11年09月11日    L 
今後の治療とデカドロン

ご相談宜しくお願いいたします。現在49歳4か月。昨年12月21日、浸潤性乳管癌にて右乳房温存手術・センチネルリンパ節生検を実施。病理報告書には、「1.invasive ductal of right breast  2.fibrocystic disease of right breast,mild paqillo-tubular corcinoma,f,1y1,v0,nuclear grade2,20×16×8_断端までの距離=2_ er:3+(2+5)pgr:3+(3+5)her2:3+ mib-1:5〜6% 」とあり。主治医より、「腫瘍の大きさ2p大、リンパ節転移No.、病期T期」で、抗がん剤治療をとの事で開始しました。タキソテール+ハーセプチン3週間毎3回(顔面紅斑、むくみ、関節痛で4回目中止) fec3週間毎4回実施。放射線療法7月13日〜270cgy15回局所照射 4回合計19回実施。腫瘍マーカーは、cea(12/6)1.3 〜(7/15)1.6 ca15-3 (12/6)16.3 (1/22)10.8( 2/12)12.4( 3/5)13.9( 4/16)14.1 (5/7)17.9 (6/17)20.0 (7/15)16.2と、基準値内の上下にドキドキです。生化は脂質以外基準値内で、内服はノルバデックス(5年間)と、総コレステロールが230→293、ldlが152→184で、クレストールを飲み始め18日目です。抗がん剤前の体重より4キロ増加、昨年より月経周期1.5〜2か月、出血量少なめ、3〜5日で終わる不規則が、抗がん剤使用から生理はありません。次回からリュープリンを併用するのですが、治療期間3年間と言われました。抗がん剤治療の説明パンフレットに、30代後半以降の方では、そのまま生理が停止することもあるとありました。そろそろ閉経する頃かと思った矢先ですが、ホルモンが強いと3年間するべきですか? 次回診察日にホルモン量の検査をお願いしてみたいと思いますが、有意義でないでしょうか。やはり、副作用を思うと…回数が減らせるものならばと、悩んでいる次第です。ノルバデックスを飲み始めてから、動作時に、関節痛と筋肉が突っ張り歩くのに下半身が痛み両踵の骨が痛いのですが、たんなる運動不足でしょうか。ハーセプチンが12回残っており、投与前にデカドロンが入るのですが、点滴後むくみ感あり、体重は1キロ増加、2週間経っても減らず、不眠も不快です。ハーセプチンによる発熱はありませんが、デカドロン抜きは可能でしょうか? 最近五十肩にもなり、抗がん剤の副作用の辛さを乗り越えても、痛みばかりが伴って、とてもネガティブになっています。申し訳ありませんが、宜しくご回答の程をお願いいたします。

リュープリンを使う目的は生理を止める事ですから、生理が止まっているのであればリュープリンを使う意味はないと思います。 ハーセプチンを投与する前にデカドロンを投与するということは通常は行ないません。主治医の先生は、今までの貴女の治療経過からら何か必要性を感じていらっしゃるのでしょうか。主治医の先生とよく相談してください。 (文責 清水)

 

No.10344-2】  12年03月14日    L 
今後の治療について

No.10344です。前回はご相談をさせて頂き、有り難うございました。あれから血液でホルモン量を検査したら閉経との事で、ノルバデックスからフェマーラにかわりました。が、抗ホルモン剤を飲み始めてから、徐々に体動時(特に歩行時に踵から足底部と膝も腰掛けるのがやっとです)の痛みはますます強まり、ノルバデックスに戻されましたが治まらず、2カ月前より、肘、肩、寝起きは手も握れない痛みも現れました。鎮痛剤を試しても改善せず、仕事も辛く感じるようになりました。治療内容に、タキソテール+ハーセプチン4回と単独ハーセプチン12回の計16回となっています。昨年8月放射線を終え、抗ホルモン療法が始まり、9月から3週間毎に単独ハーセプチンを始めて6回を終えた12月下旬に循環器を受診したところ心肥大(通常女性4.7aのところ5.5a)で駆出率45%との事で1月は休薬し、主治医から16回のうち半分はしたので良いでしょうと言われ2月に心エコー再検を勧められましました。「駆出率52%へ回復しているので、心臓の状態を観ながらハーセプチンを再開しましょう。」と、言われました。痛みに対しては、ノルバデックスは止められないと言われ、駆出率が回復しても、肥大した心臓は、1ミリ小さくなっただけで再開すればまた悪化するのではと不安で、ハーセプチンは止めたいと言いました。私はER PGR HER2ともに3+です。

1) 抗ホルモン剤の休薬やハーセプチンを止めた事で生じる再発のリスク度
2) 抗ホルモン剤による身体変化に対して補助食品を摂取して可能か (主治医にはダメだと言われました)
3) ノルバデックスの副作用にある子宮内膜肥厚があれば、不正出血がなくても子宮体部癌を受けなければならないのか (頸部のみで良いか)

ご意見を知識として、今後の治療に前向きに考えて行きたいと思いますので、宜しくお願い致します。

1) 術後、抗ホルモン剤や化学療法など何もしない場合、Adjuvant ! Onlineという予後予測を参考にすると、生じる再発のリスクは10年で20%前後と考えられます。
2) 抗ホルモン剤による身体変化に対して補助食品を摂取することは可能と思います。
3) ノルバデックスを使用していて子宮内膜肥厚があれば、不正出血がなくても必ず子宮体部癌検査も受けてください。(文責 石川)

 

No.10344-3】  12年03月18日    L 
今後の治療について(2)

HPNo.10574です。ご回答有り難うございます。1)の質問ですが化学療法、放射線療法は済ませているので、10年で20%以下の再発率と理解しました。残り6回の単独ハーセプチンを、心臓の状態をみながら、術後から間隔があいてもしたほうが良いのでしょうか? 痛みに耐え抗ホルモン療法を続けようと思います。今一度宜しくお願い致します。

HERAトライアルの結果で、HERを1年投与は、術後すぐのデータですので、間隔が空いて効果がどうなるかはわかりません。(文責 石山)

 

No.10343】  11年09月11日    J・M
腫瘍マーカー(HPNo.9894-3)

以前二度質問させていただいたものです(9894-1/9894-2)。いつもこのサイトを見させていただき、大変参考になりありがたく思っています。
今回の質問ですが、先日術後一年経過という事で、血液検査、CT,骨シンチを行いました。主治医の先生からは、「転移は今のところありません」という結果報告で、あまり詳しくおっしゃらないのですが、家に帰り、血液検査表を見て大変気になったことがあり、ご質問させていただきました。CEAが、今年1月が3.2 2月が3.0 今回8月が3.2でした(正常値5)。素人の私が不審なのは、術前の昨年8月の検査では、CEA2.8と、今より低かったのです。 なお、CA15-3は、今年1月から同じく6.5 翌2月が急に7.9 そして今回8月末日が9.4と推移しています(正常値28.0)。このCA15-3も、術前のほうが7.0と、今より低いのです。それで私の疑問と質問ですが、手術前のいわゆる癌組織が体内にあるときのほうが、癌を取り除いた後より、マーカー数値が低かったのはなぜでしょうか? いずれの数値も正常値より低いのに、れっきとした乳がんであったという事にもまず単純な疑問を持ちます。それから、この一年の数値表を見ても、CEAが術前より上がっている。CA15-3にいたっては、術前7.0で、今は9.4と確実にかなり上がっています。それもわずか7ヶ月の間に6.5から9.4も上がってるのですが、これで転移はないと言えるのでしょうか? 私的には、数値そのものの値より、術前に比べ術後もそして治療開始後も、このように徐々に数値が上がって来ていることが、とても不安で、いたたまれません。次回主治医にお会いするまで3週間ありますが、この間も心配でたまらず、こうしてご相談させていただきました。現在朝晩UFT、毎朝フェマーラの服用、3週間置きのハーセプチンと、きちんと決められた治療をこなしているつもりですが、この結果から行くと 治療は効果を上げてないのでしょうか? (心配の一つには、私の選択で、放射線治療はしましたが、抗がん剤はしていません) 本当にいつも色々ご相談させていただき感謝申し上げております。何卒よろしくお願いいたします。

CEA, CA15-3等の乳癌の腫瘍マーカーの値は、がん細胞の量に応じて鋭敏に動くものではありません。再発後のように腫瘍量が相当多い時の変動はある程度あてになりますが、手術前、手術後のように腫瘍量が少ない時の値の変動は、あまりあてになりません。ですから、手術後のfollow upのガイドラインでは、定期的な腫瘍マーカーの採血は推奨されていません。基準値(正常値ではありません)内の値の変動は測定誤差と考えられます。ですから、手術前の腫瘍マーカーの値が手術後の腫瘍マーカーの値より低いという現象も決して珍しい事ではありません。腫瘍マーカーの値にあまり振り回されないようにしてください。(文責 清水)

 

No.10342-1】  11年09月08日    S 
今後の治療について

初めて投稿します。51才女性。48才時、左DCISにて左乳房部分切除。術後放射線療法をし、その後タモキシフェンを飲んでいました。術後3年で、対側が画像診断(エコー)にてひっかかり、マンモト―ム生検にて、『異時性、対側発生の浸潤性乳管癌の広義の硬癌、核グレード2、組織学的グレード2、ER(3+)、PgR(-)、HER2(1+) 』と診断されました。腫瘍は7mmのものが2個隣り合わせにあります。非触知、マンモ所見なしでした。これからMRIを受ける予定です。

1) センチネルリンパ節生検を受けて、可能ならリンパ節郭清を避けたいのですが、現在治療している先生の施設では色素法しか扱われていないとのことで、それでいいのか不安なこと。
2) タモキシフェンを飲んで一カ月後から生理が全く来なくなったのですが、主治医は閉経していないかもしれないからと、さらにリュープシンを考えていること。

最初の乳癌が見つかる半年ほど前に、すでにE2は20以下で、閉経レベル(ただし生理はほぼ順調でした)と婦人科医師から聞かされていましたので、私としては現在は閉経後と扱って、他のホルモン療法または化学療法をしていただかなくていいのか、心配しています。ご意見をお聞かせください。どうかよろしくお願いいたします。

1) センチネルリンパ節生検の手技としては色素とRI(アイソトープ)を併用する方法が一番良いとされていますが、手技に習熟していれば色素法単独でも十分可能です。
2) DCISの術後で、タモキシフェンにリュープリンを加えた方が良いというエビデンスはありません。DCIS術後のタモキシフェン内服は乳房内再発予防するためですから、今までのタモキシフェン内服はここで一旦区切って考えてください。今度は浸潤癌ですから、今回の手術後の病理検査と閉経状況から一番良い内分泌療法、化学療法を主治医と一緒に考えて下さい。
3) 血液検査で閉経状況を調べるためには、E2(エストラジオール)とFSH(卵胞刺激ホルモン)の二つの血中濃度を調べて判断すると言われています。(文責 清水)

 

No.10342-2】  12年04月02日    S 
今後の治療について(2)

No.10342でご相談させていただいたものです。右浸潤癌に対して、10月に部分切除を受けました。センチネルリンパ節生検の結果は陰性でした。オンコタイプDX検査の結果、ハイリスク群(スコアは36)で、10年再発率が24%だったので、11月からFEC-T (4クール×2) を受けています。
1) タキソテールによる口内炎が毎回ひどく、多発した口腔内アフタの痛みのため、今回は7日目から4日間ゼリー状のものしか食べられない状態です。タキソテールも残す1回となったのですが、浮腫も進行してきて、総蛋白も5.8まで低下しています。今回で治療を中止するという選択肢はいかがなものでしょうか?
2) もう一点はホルモン療法についてです。前回も書きましたように、タモキシフェン内服中に対側に浸潤癌が見つかったこともあり、また同じ薬を使うことに抵抗があります。トレミフェンへ変更するのはいかがでしょうか? 検査の結果では、まだ閉経前ということでした。どうかよろしくお願い致します。

1)  最後の1回を中止したために、今までの治療が無効になることはもちろんありません。3回で終了することで、効果が明らかに不十分になるというデータはありません。タキソテール3回と4回が変わりないというデータもありませんが・・・。内分泌療法の感受性が高いのであれば中止するのも手だと思います。
2)  アロマターゼ阻害剤は閉経後にしか有効でないため、抗エストロゲン剤であるタモキシフェンかトレミフェンが選択の対象になります。たしかに、タモキシフェンを内服していたのに浸潤癌が発生してしまったことを考えると、同じ薬は避けたい気持ちになると思います。ただし、トレミフェンが絶対効果あるとは言い切れませんが、内分泌療法を受けないという選択肢はないと思います。よく主治医の先生とご相談下さい。(文責 緒方)

 

No.10341】  11年09月08日    N.Y
ハーセプチンは必要が無いのでしょうか?

初めて相談させて頂きます。3月に乳がんの手術を受けたのですが、病理結果が、「腫瘍の大きさ0.7p・リンパの転移無し・ER(+)・PGR(−)・HER2(+2)」です。治療は放射線とアルミデックスです。心配なのは、HER2が(+2)なのに、このままで良いのかということです。医師に質問すると、(+2)は良くも悪くもないということで、詳しい結果は教えてもらえませんし、これ以上調べないということです。転移、再発した時に考えれば良いという返事でした。私としては、せっかく1期の段階で発見できたので、転移、再発を絶対にしたくないと思うのですが、治療はこのままで良いのでしょうか? ハーセプチンは必要が無いのでしょうか? よろしくお願い致します。

通常はHer2(2+)であれば、FISH法で再検査を行ってHer2が陽性か陰性かの判断をします。しかし、「腫瘍の大きさ0.7p・リンパの転移無し・ER(+)・PGR(−)」で、Her2がFISH法で陽性だった時に、ハーセプチンと抗がん剤を投与した方がよいかどうかは議論があるところです。(文責 清水)

 

No.10340】  11年09月08日    T 
タスオミン

いつも参考にさせて頂いております。2010年2月、粘液癌で右乳房温存手術の後、放射線治療を行い、現在はホルモン治療中です(タスオミン服用)。現在45歳です。特に副作用等で困ったことは無く、毎日過ごしておりますが、コンタクトレンズを処方してもらう為、定期的に眼科の検査を受けた際に、異常を指摘されています。6月頃には緑内障の疑いありとのことで検査をしました。結果は、今の所1年毎の検査で経過観察でよいとのこと。先日は網膜はく離の疑い(小さな穴があいている?)で、大きな病院で再検査をして下さいとのことで、紹介状をいただきました。近日中に病院へ行く予定でおります。加齢によるものかとも思いますが、タスオミンの副作用が目にきていると考えられますか? 最近は目の疲れも酷く、違和感が常にある状態です。主治医には1月後の診察で報告するつもりですが、参考としてご意見をうかがいたいと思い、投稿させていただきました。

タスオミン(ノルバデックス)の目への副作用は視神経炎と言われています。緑内障、網膜剥離はタスオミンとは関係ないように思います。念のために眼科の先生に尋ねてみて下さい。(文責 清水)

 

No.10339-1】  11年09月05日    H.I.
10年生存率

初めて投稿いたします。このサイトを見つけられてうれしく思いました。55歳です。2011年5月末に乳がんUAと診断され、6月中旬に、右乳房切除術とセンチネルリンパ生検を受けました。大学病院の乳腺外科です。診断結果で、腫瘍の大きさ2.9cm、リンパ節転移7個中0個、腫瘍の悪性度2、ER陽性、PgR陰性、HER2は1+ となっていました。今回は、「ホルモン感受性があり、化学療法の意味はあまりないので、ホルモン療法でいきます。」と、言われました。フェマーラを処方され、5年間飲んでくださいとのこと。現在のところ副作用に感じられるものもないように思います。1日1回飲むだけの楽な術後治療にホッとする反面、再発や転移への不安を考えてしまいます。よく10年生存率とか再発率とかいいますが、この結果だけでは判断できないものでしょうか。主治医の先生に聞くのはためらってしまいますが、この場で教えていただければ有難く思います。どうぞよろしくお願いします。

御相談ありがとうございます。乳がん手術後ホルモン治療を開始され、治療が一段落したところですね。さて御相談の内容は現在の治療を継続した場合の10年再発率や生存率をお知りになりたいとの事ですが、大変申し訳ありませんが、私はこれは直接ご担当の先生にお尋ね頂く内容と考えています。人によってはご自身が思っている以上に再発率や生存率が低く(悪く)、動揺してしまう方もいらっしゃいます。私のお返事でH.I.さんが動揺してしまっても、それを私が知る術も和らげることも出来ません。またご担当の先生にここでお聞きになった内容を質問されても、ご担当の先生はお返事に窮してしまうことが想像されます。せっかくこのサイトを見つけて頂き、勇気を出してご質問されたにも関わらず、このようなお返事で誠に申し訳ございません。治療は大学病院でお受けのようですので、ご担当の先生は必ず今後の生存率等を計算する方法をご存じのことと思います。ぜひご担当の先生に詳しくお聞き頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10339-2】  11年09月14日    H.I.
術後の治療について

質問への丁寧なご回答をいただき、ありがとうございました。感謝しています。質問は10年生存率を尋ねるという少し大胆な原稿になってしまったことを後悔しています。誰でも同じかもしれませんが、なかなか病理診断だけでは判断できません。むしろ専門的で難しくてあまりわかっていないのです。私の場合は、主治医の先生からホルモン療法のみと告げられ、実際にはそれでいいのだろうかと日々不安な気持ちになっています。自分のことを腫瘍の大きさで判断して、低リスクとは思えないからです。当たり前のことですが、再発は避けたいです。診察の機会も次回は11月ということもあり、再質問で恐縮ではありますが、もう一度お教えいただけませんでしょうか。

この相談室の回答によく出てくるAdjuvant Onlineをたたいてみました。その結果は、貴女の場合、手術のみで術後補助療法を行わない場合、10年生存率は78%、他の病気で死亡する確率が5%、乳癌が原因で死亡する確率が17%でした。術後補助療法として内分泌療法(ホルモン療法)を5年間行なった場合、乳癌が原因で死亡する確率が17%から12%に減少します。術後補助療法として抗がん剤を行なった場合は、乳癌が原因で死亡する確率が17%から15%に減少(ホルモン療法の方が効果が大きい事が分かります)します。そして、術後補療法として抗がん剤治療を行なった後にホルモン療法を行うと、乳癌が原因で死亡する確率は17%から10%に減少します。ですから、どのような犠牲を払っても再発の危険性を最小にしたいと考えれば、抗がん剤治療とホルモン療法を行なう事が勧められますが、抗がん剤の副作用を考慮して、副作用を少なくして最大限の効果を上げようとすればホルモン療法が勧められるのではないでしょうか。この数字と副作用を考慮して、貴女の判断が求められます。(文責 清水)

 

No.10338】  11年09月05日  ko
肺転移

いつも拝見させていただいています。転移(肺)後、ホルモン療法(ノルバデックス+注射)で約3年近くになります。不変です。この状態が、このままどのくらい持続できるでしょうか? 今後の薬の効果は? 時々強不安になります。今後どのような事態が起こってくるでしょうか。

御相談ありがとうございます。肺転移発見後のホルモン治療で3年も不変を継続している状態で、すばらしいと思います。
さてご質問のこの状態がどの程度維持できるかと今後の薬の効果ですが、ご相談の内容からは現在の肺転移の状態が全くわからないため、お返事出来かねます。もし詳しいことを現在のご担当の先生以外に相談したい場合は、セカンドオピニオンという方法があります。ご担当の先生に申し出て、現在までの治療経過や検査結果をお持ちになり相談してみることをお勧めいたします。私は3年間肺転移が不変という治療成績はすばらしいと思います。もちろん今後のことをお考えなると不安が尽きることは無いと思いますが、今後どのようなことが起こるかなども含めて、ぜひご担当の先生に御相談なさるのがよいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10337】  11年09月05日  R.T.
ゾラデックス(HPNo.9811-3)

3ヶ月前のしこりは、エコーの結果、手術の傷が硬くなったものだとわかり、安心しました。ありがとうございました。今は4週毎のゾラデックスと、毎日のノルバテックスの服用で治療をすすめています。私の都合で、前回のゾラデックスから次回のゾラデックスまで5週間あいています。主治医の先生は全く問題ないといってくださいましたので安心していたのですが、実はその5週目の日が来週の木曜日なのですが、その日に外せない用事ができてしまいました。6週間あけるとさすがによくないのでしょうか? また、その場合ノルバテックスの処方もしていただけないことになるため、薬が一週間飲めない状況となってしまいます。これは治療効果としてはかなり下がると考えたほうがよいのでしょうか? 主治医の先生が水曜と木曜の外来のため、それまで連絡がとれずご相談できないため、先生にご相談させていただきました。お忙しいところ恐れ入りますが、どうかよろしくお願いいたします。

御相談ありがとうございます。術後の治療に対するご不安に対してお返事させて頂きます。
まず治療が予定日より1〜2週間延長してしまった場合の治療効果ですが、1〜2週間延長した場合と正確に規則正しく治療した場合との比較がありませんので、お返事はわからないとなってしまいます。しかしノルバデックスは内服後13日経過しても35%が体内に残っています。またゾラデックスは投与終了後6週間目の血中濃度ははっきりしていませんが、動物実験では投与4週間後に効果が無くなってしまうわけではなく、4週間後からさらに約10日は効果が持続している期間があるようです。したがって治療効果が多少は下がる可能性があるが、ほとんど変わらない可能性もあるとお考え頂いてもよいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10336】  11年09月05日   E 
再発率について

お世話になります。私は、50代女性です。約二年半前に乳癌の手術を受けました。大きさは2センチで、グレード3、リンパ節への転移はなし。トリプルネガティブ。術後補助療法で、EC+放射線治療受けました。現在は経過観察です。今年2月に超音波、CTなど検査を受け、異常はありませんでした。血液検査は、今年2月はCEAが2.1、CA15-3が5.9、5月はCEAが1.8、CA15-3が6、今月はCEAが2.2、CA15-3が6.5と推移しており、基準内ですが微増しています。再発の兆候ではと心配になってしまいます。問題ないでしょうか? また二年半経過した現在、私の再発率はどれくらいでしょうか? よろしくお願いいたします。

御相談ありがとうございます。乳がんの治療が一段落しても、ご不安が全く無くなることはないと思います。私のお返事でそのご不安が少しでも減れば嬉しく思います。
まず腫瘍マーカーについてですが、これは癌が体内にあるとき、癌が無いときには見られない物質が血液や分泌部の中に現れて増加する値です。この値の増加の有無で、再発や治療効果の判断の目安になるものです。それぞれには正常値があり、癌が発生していないときでもこの数字は0(ゼロ)にはなりません。御相談頂いたマーカーの値は正常値内に入っていますので、ご心配なさる必要は無いと考えます。正常値を超えてから、その後の全身の検査についてしっかり考えれば十分ではないかと私は考えています。
次に再発率についてですが、術後の治療を選択する際に、選択した治療により再発率がどの程度変化するかをある程度予測するツールはありますが、2年半経過した後の再発率を判定するツールはありません。また手術当時の再発率を算定するためには、健康状態や正確なご年齢が必要となり、御相談の内容からでは申し訳ございませんが正確にお返事ができません。(文責 斎藤)

 

No.10335】  11年09月05日   S 
腫瘍マーカーについて

HPNo..9879で質問させていただいた者です。現在術後4年目に入った母の乳がんのことで、質問させていただきます。腫瘍マーカーのCEAの数値が少し上昇傾向にあります。

CEA: 2010/10月…1.0、11/3月…1.4、11/7月…1.9 基準値4.9
CA15-3: 2010/10月…4.8、11/3月…2.8、11/7月…4.3 基準値31.1となっています。

いずれも基準値以内での変動ではありますが、CEAの値が少しずつ上昇しているので、再発しているのではないかと本人も心配しています。こうした変動の仕方は、再発や転移の可能性を疑う必要があるのでしょうか。よろしくお願いいたします。

御相談ありがとうございます。腫瘍マーカーについてご説明いたします。これは癌が体内にあるとき、癌が無いときには見られない物質が血液や分泌部の中に現れて増加する値です。この値の増加の有無で、再発や治療効果の判断の目安になるものです。それぞれには正常値があり、癌が発生していないときでもこの数字は0(ゼロ)にはなりません。御相談頂いたマーカーの値は正常値内に入っていますので、ご心配なさる必要は無いと考えます。ご担当の先生にもよくご質問頂き、ご理解頂くことが大切と思います。(文責 斎藤)

 

No.10334】  11年09月05日   K.I.  
ホルモン療法の副作用?

2年前、乳癌罹患後より、よくこのサイトを拝見し、参考にさせていただき、感謝しております。初めてお尋ねいたします。現在49才で、ノルバディックスを飲み始め、1年3ヶ月です。4〜5ヶ月くらい前より、早朝起床時に足がつり、痛みで目が覚めます。これはノルバの副作用でしょうか? もしそうなら対処する方法はありますでしょうか?

御相談ありがとうございます。お使いになっているお薬の副作用でご心配ですね。私のお返事で少しでもK.I.さんの心配が減れば嬉しく思います。ノルバデックス内服開始後1年経過する前に見られた「足のつり」についてお返事申し上げます。私も多くの患者さんに同じお薬を処方しておりますが、あまりそのような症状をお聞きすることが無いのでお薬の添付文書(説明書)をきちんと読み直してみました。すると0.1%未満に下肢の痙攣(けいれん)という部分がありました。「足のつり」と痙攣はやや違うのではないかと思いますが、K.I.さんのご質問からは詳細がわからないため、これに当てはまるかどうかはっきりとお返事ができません。現在の治療は再発を予防することが目的です。したがって日常生活を送ることが副作用のために困難であれば、お薬を変更してみたりお薬を中止することも選択枝の一つになります。これはご担当の先生とよく御相談してからご判断頂いた方がよいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10333】  11年09月05日   K.Y  
妻の乳がんのことで

妻の乳がんの事で相談致します。2004年6月に左乳房全摘手術(リンパ節転移あり)を受け、その後、2回ほど抗がん剤治療をしましたが、2年後に背骨に転移しました。ビスホスホネート製剤 ホルモン療法をこれまでしてきましたが、今月の検査で骨転移が少し広がっているとのこです、今後内服の抗がん剤か、点滴による抗がん剤治療をするか、1週間ほど考えてほしいと言われました。妻は最初は内服の抗がん剤治療をといいますが、どちらのほうが良いでしょうか?  8月検査腫瘍マーカは以下のとおりです。(HER-2〜14.5 CEA〜12.1 CA15-3〜33.8  ICTP〜4.1  ST-439〜76.0) この値もあまりよくわかりませんので、詳しく教えていただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いします。

御相談ありがとうございます。ホルモン治療を行っていても奥様の病状が少しずつ進んでしまい、さぞおつらいこととお察しいたします。さて骨転移に対する内服もしくは点滴の抗ガン剤治療の選択ですが、どちらがより優れているという報告はございません。したがって副作用の内容や通院の回数などでお決め頂くのでも良いのではないかと思います。腫瘍マーカーとは、癌が体内にあるとき、癌が無いときには見られない物質が血液や分泌部の中に現れて増加する値です。この値の増加の有無で、再発や治療効果の判断の目安になるものです。それぞれには正常値というものがあります。御相談頂いたマーカーの正常値は測定方法により多少異なってきますので、ご担当の先生のお尋ね頂いた方がよいと思います。これらの値が高いのか低いのかよりも、増減の割合の方が重要だと私は思っています。画像検査をこまめに行うことは身体的負担も大きいため、代わりの治療判定の目安になる検査とご理解頂いければ良いと考えます。(文責 斎藤)

 

No.10332】  11年09月05日  S 
ホルモン療法

初期(Ta)の乳癌で、乳房温存手術、放射線照射のあと、ホルモン療法ノルバデックスのみを服用しています。ノルバデックスを飲み始めて1年2ヶ月ほどになりますが、最初の2〜3ヶ月で生理はなくなりました。現在の年齢は51歳です。ノルバデックスを飲むと子宮体がんのリスクが上がると聞いていますので、今は何の症状もありませんが、体癌検査をしたいと思っています。ただ、以前子宮筋腫のことなどで何度か体癌検査を受けましたが、あの痛さには閉口します。人間ドックを行うところで、その一環として、子宮、卵巣のMRIをとり、その画像だけで癌などの疾患がないかどうか調べるというところがあるのですが、MRIで初期の子宮体癌はわかるものでしょうか? 実際に子宮内の細胞をこすったり取ったりしないと初期のものはわからないのでしょうか? 生理がなくなって約一年になりますが、アロマターゼ阻害剤に移行したほうが良いのでしょうか? 完全に閉経しているのかなどの血液検査はしたことがありません。よろしくお願いいたします。

御相談ありがとうございます。お使いになっているお薬の副作用でご心配ですね。私のお返事で少しでもK.Y.さんの心配が減れば嬉しく思います。
まずMRIなどの画像検査で早期の子宮体癌を見つけることは困難だと思います。したがって婦人科検診でも細胞の検査をお受けになっていると思います。ノルバデックス内服後月経が消失しているとのことですが、閉経なのか無月経なのかは、採血によって、ある程度推測することができますので、一度ご担当の先生に申し出て採血をお受けになることは一つの方法と思います。閉経していた場合の乳癌術後のホルモン療法には、ノルバデックスを2〜3年内服後にアロマターゼ阻害剤に変えて計5年間の治療を行う方法もありますし、ノルバデックスを5年間内服終了後にアロマターゼ阻害剤をさらに5年間内服する方法もあります。これはご担当の先生とよく御相談してから、どちらを選択するかお決め頂くのが良いと思います。(文責 斎藤)

 

No.10331】  11年09月05日  S.S.
抗がん剤治療について

いろいろ分からないことを教えていただいています。私の妻60歳の抗がん剤治療のことでお教えください。6月中旬、左胸の癌を温存療法で手術しました。病理検査の結果ですが、ステージT、グレードV、ホルモン感受性−、HER2 3+、リン
パ節転移0ぐらいしか分かりません(こちらの聞き方が悪いのか、必要最小限のことしか教えてもらえません)。治療方針は、EC療法3週間ごとに4クール、その後放射線治療25クール、ハーセプチン療法3週間ごとに18クールの予定で、現在EC療法2クール目です。妻は持病として不整脈、就寝中の不規則な呼吸、不規則な脈拍、低血圧があります。そうしたことを主治医に申し上げたところ、心エコーをとることになりました。そして、ハーセプチン療法のメリットとデメリットを比較して、メリットの方が大きければ受けるべきだと言われました。心疾患をもつ患者がハーセプチンの投与により重篤な症状に至ることはないのでしょうか。(外国では死亡例もあると聞きます。心疾患をもつ高齢者へのハーセプチン投与は、特に心臓に悪影響を及ぼすとの研究もあるようです。妻は、遠くの病院で通院治療を受けているので、もし投与後重篤な症状が現れないか心配です。) よろしくお願いします。

御相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも奥様の治療に対する不安が軽減されれば嬉しく思います。
ハーセプチンによる心毒性は、今までの多くの試験から約1〜5%の方に出現することが報告されています。また今回化学療法としてEC療法を施行される予定ですが、似たお薬のAC療法(アドリアシン+エンドキサン)では約3%の方に心毒性が見られると報告されています。ハーセプチンによる心毒性が見られやすい方は、高齢であったり、降圧剤を内服されていたり、もとから心機能が低い方に多いと言われています。しかしハーセプチンで心毒性が見られても、中止することにより心機能障害は改善すると報告されています。したがって化学療法前の心エコーで問題が無ければハーセプチン治療を開始して、途中で注意深く心機能を検査しながら治療継続していくのも一つの方法と考えます。
またグレード1とご担当の先生からご説明頂いておられますが、現在は0.5mm以下の腫瘍には必要ないのではないかとも考えられています。ご担当の先生はこれらを全て勘案した上で、お勧めになったと思われますが、ご不安であれば今一度お尋ね頂き、納得された上で治療をお受けになることをお勧めいたします。(文責 斎藤)

 

No.10330】  11年09月03日   F.M.
乳癌の骨転移による最新治療について(HPNo.10321-2

ご丁寧に他所にお聞きいただいての回答、有難う御座います。お門違いかもと思いますが、乳癌の骨転移による最新治療について知りたいのですが、どうすれば知る事が出来るでしょうか。

乳癌の骨転移に対して、これまでビスホスホネート系製剤がありましたが、新薬として、破骨細胞誘導因子であるRANKLを標的とした完全ヒト型モノクロール抗体であるデリスマブ(抗体療法剤)が、国内申請されました。研究データでは、骨転移による骨折、骨痛等に対して、ビスホスホネート系製剤に匹敵する効果のあることがわかっています。今後、個人に合わせた治療を選択するための有効な選択肢が増えたことになります。(文責 須田)

 

No.10329】  11年09月03日   Y
乳がんと診断されました

乳がんと診断されました。ステージ3b、グレード1です。腫瘍が大きいため、術前ホルモン療法で腫瘍を小さくしてから手術をします。術後5年生存率はステージ3だと50%位らしいですが、グレードが低くても、やはり同じでなのでしょうか? また、婦人科の検診で、腫瘍マーカーCA125の数値が異常高値でした(1000以上)。卵巣にも異常がなく、現在検査中ですが、乳がんとの関連はあるのでしょうか? ご返答をよろしくお願いいたします。45歳です。

再発の危険を示す目安となる因子には、リンパ節の転移個数、ホルモンレセプターの状態(ER PGR)、HERU過剰発現、腫瘍径、グレード等があります。従って、生存率を左右するものの1つの因子としてグレードがあると考えてください。
また、CA125は、胎児の身体を覆う上皮である卵巣上皮から発生する糖タンパクのムテン性抗原に反応します。婦人科系疾患である卵巣癌、子宮癌の他に、乳癌、膵癌、肺癌、大腸癌等の可能性も否定できません。更に子宮内膜症、良性卵巣のう腫、子宮筋腫、肝硬変等でも値は上昇します。一般に500U/mlを超えていると卵巣がんの確立が高いと言われています。(文責 須田)

 

No.10328】  11年09月03日   S
再発率はどの程度しょうか?

2008年9月に自己検診で右胸にしこりを見つけました。腫瘍は3ヶあり、35mm、ステージ2bでした。フアルモルビシン、エンドキサンの後、タキソテールを使用したところ、奏功し、手術をいったん見送った状態(無治療)で2年以上経過しました。その間、何度か針生検をしましたが、腫瘍は確認されませんでした。今年5月に「精神的不安」を払拭すべく手術をしましたが、がん細胞は全くなしという有り難い結果が出ました。私のような場合でも、体内にまだ「目に見えないがん細胞」があるのでしょうか? 再発率はどの程度しょうか? 主治医は「本当に珍しいケース」であると言って下さいました。数字をだしていただければ有り難いです。発症は44歳、現在47歳。小学生の子供が二人おります。

術前の化学療法により、病理学的に切除した乳腺に癌がまったくない場合での5年生存率は97%です。3ヶの同時多発乳がんであること、術前化学療法を行う前の乳癌の組織検査結果が不明であること等から、今後の治療については、貴女の状態を一番把握してくださっている主治医に直接お聞きになるのがベストです。その上で、納得の行く治療を選択し、前向きにがんばってください。(文責 須田)

 

No.10327】  11年09月03日    K
化学療法後の手術の時期について

今年2月から再発乳がんで術前化学療法(AC→ウィークリータキソール)を行い、副作用に耐え切れず、予定より3週間早く切り上げて終了しました(7月上旬)。8月に入って手術前の検査を行い、化学療法の効果がとてもよかったとの結果をうけ、手術(全摘+リンパ郭清)が9月15日に行われることになりました。化学療法終了から2ヶ月以上経っての手術となりますが、こんなに期間があいてしまって大丈夫なのでしょうか? 最近、若干しこりがあった所に痛みがあり、また癌細胞が活性化しているのではないかと心配です。(化学療法前の癌はグレード3で、進行がとても早いタイプだったので)

術前の化学療法なのでしょうか、それとも手術後再発した乳がんの化学療法なのでしょうか。再発乳がんであるとすれば、再発乳がんに対する薬物療法の目的は、生活の質を保ちながら癌と共存することにあります。おそらく化学療法の効果があったので、局所の再々発を避けるために手術を行う方針としたのでしょう。術後も、生活の質を保ちながら、貴女の体に合った薬物治療を進めていくことになると思います。今後の治療方針を含め、もう一度、主治医から説明を受け、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.10326】  11年08月31日    O.K
今後の治療について

初めて投稿いたします。質問の幅の広さと、回答の丁重さで決心しました。58歳、出産経験なし、独身、3cm×2.8cm、リンパ転移3個、Ub、ホルモン感受性;陽性、HER2;陰性。5月に全摘手術をしました。その後、フェマーラを処方され、「効いているようだから」とのことで、6月末から「ドセタキセル」を3週間に1回の6回を予定で抗がん剤治療をしています。 3回終了で、来月は4回目です。特に目立った副作用は今のところありません。質問事項は下記です。

1) 質問内容「8147」「9247」からみると、「ドセタキセル」と「フェマーラ」を同時に処方はだめですか。
2) デメリットとして、それぞれの効果がどの程度減弱されるかのデータは有りますか。
3) 「ドセタキセル」だけの処方は、通常無いのですか(複数の抗がん剤併用が多いように感じたので・・・)。
4) 今後、一時的に「フェマーラ」を中止し、抗がん剤治療終了後再開するほうがいいのですか(といってもほとんど終了ですが・・・)。
5) 「8279-1」の回答にある @の(標準的治療法) と Aの違いは何でしょうか 。
   @ 3週に1回タキソールを投与する第1グループ(標準的治療法)
   A 3週に1回タキソテールを投与する第2グループ

以上、よろしくお願いいたします。

1) 併用禁忌ではないのでダメではないですが、通常術後補助療法としては使わないと思います。
2) 互いの薬効を減弱させるというデータは無いようです。
3) 最近はAC・ECに対してTCと言って、ドセタキセルにエンドキサンを上乗せするのが主流になっています。タキサン単剤も有りとは思いますが、TCの方がより有効ですが、副作用もそれなりに大きいのが難点です。
4) 術後治療の場合に、普通は順番として化学療法→内分泌療法です。内分泌療法の途中で化学療法が必要となれば、一時中止して化学療法を行い後に内分泌療法に戻すのが普通と思いますが、(2に述べたように)同時併用はそれほど問題ではないと考えます。
5) 「8279-1」のAのセンテンスの終わりに(標準的治療)が書き損なっているので、理解しにくかったのでと思います。最初はタキソール・タキソテールともに、3週に1回投与が標準的治療でした。その後様々な臨床研究が進み、効果と副作用を考えてタキソールは毎週投与が、タキソテールは3週に1回投与がより良いとされています。副作用の発現状況等を考えて投与するのが望ましく、標準的投与にこだわらないで投与する場合もあります。(文責 久保内)

 

No.10325】  11年08月31日    S.W
ゾメタ投与中の歯科治療

いつも拝見させて頂いております。肋骨に骨転移が発見され、ゾメタ投与開始から一年半ほど経過しました。ここ数日、下の奥歯が痛む感じがしまして、かかりつけの歯科を受診しようと思います。気になりますのは、ゾメタを投与中に下の歯の治療を受けてよいかどうかという事です。抜歯や歯根部の治療でなければ問題ないとは聞きますが、それをしない普通に患部を削る治療であれば、下の歯の治療でも大丈夫でしょうか? 今月18日にゾメタの投与を受けております。次の診察まで期間があるため、相談させて頂きました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

ゾメタは骨転移の治療薬ですが、ビスフォスフォネートスフォネート製剤というグループの薬で、その仲間には整形外科等でよく処方される内服薬の骨粗鬆症治療薬もあります。ビスフォスフォネートスフォネートの重大な副作用に「顎骨壊死」があり、歯科治療を受ける際に問題となります。最近ガイドラインが設けられ、抜歯等の歯科処置の際には、骨粗鬆症進行予防の場合は3か月前から投与中止し歯科の治癒後に再開とされていますが、溶骨性骨転移の場合は癌の進行の方が問題なので、原則として治療中も投与続行とされています。歯の一部を削ることなら多分大丈夫と思いますが、その点については歯科の先生に伺ってください。ゾメタ使用中に抜歯した方を何人か経験していますが、2人は抜歯後の歯肉がなかなか治癒せず、歯科治療的に難渋しています。しかし骨転移は進まないので、社会的活動度は保たれているのが現状です。(文責 久保内)

 

No.10324】  11年08月31日    K 
術後療法について

初めてメールいたします。府中市在住で、現在47歳です。7月21日に右乳房の単純切除術とセンチネルリンパ生検を受けました。今後の治療についての疑問があり、不安に思っています。8月13日に術後の外来があり、結果を聞きました。浸潤がん・腫瘍径2cm・ER陽性・PgR陽性・グレード1・リンパ転移なし・HER2は2+で、現在追加検査中です。腫瘍以外に石灰化があったためと、思ったより広がっていると言われ、摘出範囲が広くなるため、全摘+再建になりました。術後療法についてなのですが、HER2が陽性だった場合は、分子標的剤+抗がん剤になるが、陽性になる確率は低いので、たぶんホルモン療法のみになるとのことでした。生理は毎月必ずあるので、LH-RHアゴニスト製剤と抗エストロゲン剤を組み合わせて使用するものかと思っていましたが、主治医は、「30代ならLH-RHアゴニスト製剤を勧めるが、40歳代では閉経が近く、効果が確認されていないので、飲み薬の方だけになる」との事でした。本や雑誌の記事などを読んでも、「閉経前にはLH-RHアゴニスト製剤が、主役」などと書かれているものがほとんどで、抗エストロゲン剤単体では再発を抑える効果が低いのではないかと不安に思っています。産婦人科で血液検査を受ければ、必要性などが分かるのでしょうか? 40歳代ではLH-RHアゴニスト製剤は不適応なのでしょうか? 組み合わせた治療の方が再発率のリスクを抑えられるのでしょうか? 9月6日に次回の外来があり、治療方針が決定することになっています。安心して治療法を選択したく、ご回答を宜しくお願い致します。

あなたの場合は小浸潤癌で乳管内成分(非浸潤癌の部分)が広いため、残念ながら乳房切除になったと考えられます。後はHER2検査を待つばかりですが、陰性であればStageTの多分Lumanal Aに相当すると思われるので、それほど強力な術後治療は必要ないのではないかと考えます。加えてLH-RHアゴニストについては、抗エストロゲン製剤に対する上乗せ効果の臨床試験で、40歳以下の場合有意であったことから、担当の先生は勧めなかったものと思います。40歳代の方に不適応ということはなく、使ってもらいたければ主治医とご相談されてよいと思いますが、小生もこういう場合LH-RHアゴニストは使用しないと思います。(文責 久保内)

 

No.10323】  11年08月27日    A.K.
胸のしこり

14歳の中2男子です。半年前ぐらいから、両胸にしこりのようなものができはじめました。母に相談したところ、すぐ治ると言われたのですが、今も治りません(右だけ大きくなってきました)。部活で、着替えるのもはずかしいです。さわると痛いです。ほかのサイトを見ていると、思春期になるとか書いてありましたが、気になります。教えて下さい。  

思春期に多い女性化乳房症ではないかと思いますが、医療機関できちんと検査をしてもらって診断してもらってください。その場合は、治療としてはホルモン治療等が有りますが、現在は健康保険で使える薬がないので、それほど高くはないのですが自費になります。思春期の場合は、今後への影響が大なので、通常このホルモン治療もは行いません。学校等で恥ずかしいから治療をと言われれば、手術しかありませんが1回で完治にならない場合もあり、お勧めしません。2~3年といった長い経過で自然軽快する場合が多いので、(女性化乳房症ならば)、経過観察が良いと考ええます。(文責 久保内)

 

No.10322】  11年08月27日    Y
術後の治療について

初めてご相談させていただきます。昨年12月、38歳で乳がんVaと診断されました。腫瘍は2cm位ですが、リンパ節の腫れが複数あり、ひどいとの事でした。細胞診の結果は、乳頭腺管癌、ER+PgR+HER2−、Ki67が高値を示しているとのことでした。術前化学療法を6ヶ月(FEC4サイクル、ドセタキセル4サイクル)受けたところ、腫瘍は画像ではわからなくなる位までになりましたが、今月はじめに全摘、リンパ節郭清(レベル2)手術を受けた後、病理結果はER+PgR−HER2−、Ki67は5%未満、グレード1、脈管侵襲ー、断片陰性、リンパ節転移は19個中3個という結果でした。

質問
1) 術前化学療法で、ホルモン感受性、ki67の数値が変化することはあるのでしょうか? また、このような場合は、どちらが私の癌の性質になるのでしょうか?
2) リンパ節に3個の転移が見つかったので、この後の治療はもう一度化学療法をするか、ホルモン療法にするか、ご意見を伺いたいと思います。化学療法となった場合、術後の病理結果を見ると、抗がん剤が効くのか疑問が残ります。
3) 主治医の先生からは放射線治療はしないとお聞きしましたが、放射線治療は不要だと思われますか? 私はできる限りの治療を受けたいと思っているので、少しでも再発のリスクが減るならば、放射線治療も受けたいと考えています。

ご意見をいただけますよう、よろしくお願いいたします。

1) 化学療法前の結果はあくまで(細胞診ではなく)針生検結果であり、病巣の一部しか見ていないので、ホルモン受容体が微妙に違ってくることはあり得ると思います。Ki67が低下したのは、増殖能が低下したことになり、化学療法の効果の表れかもしれません。あなたの乳癌の本来の性格は、ホルモン受容体は手術切除標本の結果が、Ki-67は針生検結果が反映していると考えます。
2) 原発巣にこれだけ効いたのに、リンパ節に3個転移が残っていれば、私なら術後に(術前で)より効いた方の化学療法を追加してからホルモン療法にします。
3) 乳房切除後は原則として放射線治療をしません。何故なら放射線治療は局所再発を抑えるために、乳房温存療法後の患者さんにすることが原則だからです。最近、乳房切除後にも放射線をかけることが時々見られますが、局所の癌遺残の可能性がある場合(切除断端癌露出等)と、リンパ行性に広がりやすい場合です。それ以外は対象外ですし、何でもかんでも治療をすれば良いというものではありません。放射線による合併症に勝る価値が有るなら受けるのも意味がありますが・・・。(文責 久保内)

 

No.10321-1】  11年08月27日    M.F.
ノルバデックスとコラーゲン

ノルバデックスとコラーゲンの関係についてお尋ねします。明治製菓のプレミアム アミノコラーゲンとノルバデックスを同時に服用してもいいのでしょうか。CEA24です。これら2つの飲み合わせを気にしています。

ここでおっしゃっているコラーゲンはあくまで健康食品でしょうから、医薬品のノルバデックスとの飲み合わせが悪いとは思えません。メーカーにも確認しましたが、問題なしとの回答でした。(文責 久保内)

 

No.10321-2】  11年09月03日    M.F.
乳癌の骨転移による最新治療について

ご丁寧に他所にお聞きいただいての回答、有難う御座います。お門違いかもと思いますが、乳癌の骨転移による最新治療について知りたいのですが、どうすれば知る事が出来るでしょうか。

乳癌の骨転移に対して、これまでビスホスホネート系製剤がありましたが、新薬として、破骨細胞誘導因子であるRANKLを標的とした完全ヒト型モノクロール抗体であるデリスマブ(抗体療法剤)が、国内申請されました。研究データでは、骨転移による骨折、骨痛等に対して、ビスホスホネート系製剤に匹敵する効果のあることがわかっています。今後、個人に合わせた治療を選択するための有効な選択肢が増えたことになります。(文責 須田)

 

No.10320】  11年08月16日   K.T.
抗がん剤について(HPNo.10309-2)

HPNo.10309で相談させて頂いたものです。主治医が早めに治療を始めたほうがよいとのことで、先週よりタキソールとの併用でジェムザールの投与を始めました。相談室の回答を読んで、どうしたらいいのか迷ってしまい再度、相談させていただきました。

1) ジェムザール単剤からはじめた方がよいとの回答でしたが、既に治療がはじまってしまいましたが、次のクールからジェムザール単剤に変えたほうがいいのでしょうか? 主治医は2カ月くらい様子をみて、効き目がなければ次の抗がん剤へ変更とのことでした。この時に、ジェムザール単剤に変えてみても、ジェムザール単剤での効き目はなくなってしまうのでしょうか?
2) ジェムザール単剤への切り替えを主治医にどのように伝えたらよいのでしょうか? 主治医は乳腺専門医ではありません。これまでにも、薬の選択で、乳がんにおいての選択と少し違うと感じることがあり、不安でなりません。母にとって最良の薬を使ってほしいと願うばかりです。

わかりにくくて申し訳ありません。いつも、丁寧な回答にとても感謝しています。よろしくおねがいします。

治療効果の点からすると、併用療法がジェムザール単剤の治療効果に劣ることはないと思います。HPNo.10309でジェムザール単剤の話がありますが、既にタキソールの効果が認められない状況で、ジェムザールにタキソールを併用することでジェムザール単剤の治療効果をどれだけ上乗せすることが出来るかが疑問だということです。また併用療法で治療効果が認められない場合には、ジェムザール単剤へ切り替えることは通常ないと思います。乳癌の再発治療で正解は一つではありませんが、主治医の先生とK.T.さんの考えが違うようであれば、思い切ってセカンドオピニオンを希望されるのもいいと思います。(文責 大西)

 

No.10319】  11年08月16日   K.H.
骨転移の治療について

骨転移治療につきまして、ご相談いたします。骨転移治療で、ゾメタの投与を4週間ごとに受け始めて4年になります。途中病巣の増悪は見られますが、痛みもなく治療を継続しています。ここ数か月、歯茎がういたような違和感を感じ、歯科医院にかかりましたが、特に気になるところはないとのことでした。ゾメタの副作用である顎骨壊死は、投与期間が長くなるほどリスクが高まると聞いてます。いまもぬぐいきれないこの歯茎の違和感が、顎の骨にあるのではないかと不安を抱えています。そこで、ゾメタの投与期間を5週間、6週間とあけてみたりすれば、多少なりとも副作用のリスクも下がるのではないのかと思うのですが、いかがなものでしょうか? また、ゾメタに替わって、アレディアに変更すれば、顎骨壊死のリスクを軽減できるのではないかと考えています。初回治療後、4年後に骨転移、現在はアロマターゼ阻害剤とゾメタでの治療を受けています。主治医に相談する前に、こちらでのご意見も参考にさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

ゾメタ投与中の患者さんにとって顎骨壊死は頻度からすれば少ないものの、一度発症すればK.H.さんが危惧されておられるように厄介な問題になりえます。一般に投与期間が長い場合や、口の中の衛生状態が悪いケース、ゾメタ投与中に虫歯治療がリスクになるとされています。
歯肉の違和感と顎骨壊死の関係は歯科医師に歯科医師にお任せするしかありませんが、仮に顎骨壊死が関係しているのであれば、病状の増悪の程度にもよりますがゾメタの中止を考えていいと思います。投与間隔をあけた場合の治療効果や、顎骨壊死に関するゾメタとアレディアの比較は調べてみたのですが、分かりませんでした。ごめんなさい。(文責 大西)

 

No.10318】  11年08月09日   M
アリミデックス」飲み方について

乳がんの手術後、放射線治療を受け、約半年間「アリミデックス」を飲んでいます。毎朝、決して飲み忘れないように気を付けています。今回少しまとめて休みが取れるので、海外旅行に行くことにしました。そこで「アリミデックス」の飲み方についての相談です。当初渡された薬の説明書には、「飲み忘れた場合は、気がついたときにできるだけ早く飲んでください。ただし、次の服用時間がせまっている場合は、1回分とばし、次の通常の服用時間に1回分を飲んでください。2回分を一度に飲んではいけません」とかかれています。

時差が8時間ある時、
1) 日本時間に合わせて、計算して飲むようにすべきですか。(何時もAM7時ですので、PM3時に飲む)
2) 8時間くらいならば、日本でも朝食後、海外では8時間遅れの朝食後、帰国後は8時間早い朝食後と、8時間を余り気にしなくて、常に朝食後に飲むようにするので良いのでしょうか。

本来でしたら主治医に問い合わせるべきかもしれませんが、一般的なお返事をいただければと思い、この相談室を利用させていただきました。どうかよろしくお願いいたします。 

Mさんが飲み忘れないようなタイミングで服用されるのが良いかと思います。1)、2)のどちらでも構わないかと思いますし、昼食後に服用されてもよいかと思います。(文責 大西)

 

No.10317】  11年08月09日   F.C.
今後の治療について(2) (HPNo.10304-2)

前回、トリプルネガティブ(Ub、Ki-67≒52%)で、術前化学療法を終えたところで、手術後の治療について教えて頂き有難うございました。
今回は、術前化学療法の効果が得られないまま手術を受けていいのか?不安になり、投稿させていただきました。しこりが小さくならない事から、全身療法として効果ないまま手術を受けていいものなのか不安なのです。TC後は痛みも和らぎ、むくみ?が和らいだせいもあり、しこりも小さく感じましたが(エコー上も若干縮小)、ECは2回目より効いていない感じがあります。実際エコー上も大きくなり、MRマンモで大胸筋浸潤・乳腺内転移があり、日を増す毎に痛みが強く、しこりもむくみ?と一体化し、がっちりした塊になってしまいました。そういうわけで、4回目のECはTCに変更になりました。最後のTC後2週間は痛みも和らぎましたが、その後はまた痛みも強くなり、しこり部の発赤のような物も、やや黒味を帯び広がっているような感じです。

1) 局所で効いていないと言う事は、全身療法としての効果も得られていないのではないでしょうか?
2) 術前に何か手立てがないのでしょうか? 
3) 3週間では一進一退なので、毎週毎のタキソールなどはいかがなものでしょうか?
4) それとも症状的に早く手術した方がいいのでしょうか? 
5) 手術により転移しやすいとか、不利益な事はないのでしょうか?

8/16の手術を控え、CT・MRマンモを予定しています。その結果後の相談の方が病状をより把握しやすいとは思いますが、その説明のとき、手術を延期し術前化学療法を追加するか?予定どおり手術するか?を決定しなければいけないのです。何卒よろしくお願いいたします。

1) 術前化学療法で腫瘍が消失した症例は、残存した症例よりも生存率が良いことが知られています。そのことから、F.C.さんが懸念されておられるように術前化学療法で画像上効果が得られなかった方は、全身療法としての効果も少ない可能性が考えられます。しかし、画像診断のみで評価できることが全てではなく、病理学的な評価も重要です。またリンパ節の転移の状況も気になるところです。化学療法前のCT検査では8mm大の結節が散在していたようですが、仮に病理学的に腫瘍壊死が認められるようなことがあれば、生存率が良いことも知られています。
2) これからCT・MRマンモを予定され、その後手術を延期し術前化学療法を追加するか?予定どおり手術するか?を決定されるとのことですが、おそらくよほどのこと(たとえば遠隔転移がある)がなければ、主治医の先生は手術を提示されるのだと思います。現時点で術前にすることは思いつきません。
3) 3週間に一回のタキソテールと毎週投与のタキソールでは治療効果は同等とされています。
4) 化学療法後の白血球・体力回復を待って、手術を受けられるのが良いと思います。TCとECを逐次投与されたとのことですが、仮に別の抗がん剤を追加投与されても腫瘍が劇的に縮小することは考えにくいです。
5) 乳癌の手術で癌が進行することはないと思います。乳房がなくなる(もしくは変形する)ことと、腋窩リンパ節郭清をするのであれば、それに伴う後遺症が残ることではないでしょうか。(文責 大西)

 

No.10316】  11年08月02日    O・A
リンパ郭清について

1年前に乳ガンになり、右乳房温存+リンパ郭清手術をしました。リンパ郭清をすると、浮腫予防のため制限が色々出てきますが、以前から耳にピアスを開けたいと思っていたのですが、開けても問題ないのでしょうか? 小さな質問ですみませんが、返答宜しくお願いします。

右手のリンパ浮腫の予防には、耳のピアスは関係ないので大丈夫だと思います。感染さえ起こさなければ問題ないはずです。(文責 石山)

 

No.10315】  11年08月02日    Y.Y. 
骨密度

現在46歳です。6年前に、右乳がん温存で、グレード3の為、CE×4回と、放射線とタスオミン+リュープリンを続けていましたが、3年前に左肺に10mmの単発転移で摘出、その後、ウィクリータキソール後、現在までリュープリン+フェマーラを服用しています。2年前に腰椎と左大腿骨頸部の骨密度が85あったのが75に下がって、アルファロールとカルシウムを処方されました。服用後、しばらくすると、肌荒れが酷くなり、胃腸の調子が悪くなり、一ヶ月後に主治医に相談、原因を探るためにアルファロールとカルシウムを一時中止したところ、肌荒れも治ってきました。素人調べなのですが、カルシウムをとりすぎると逆に良くないと書いてありました。骨密度が更に低下しないか心配です。アルファロールだけでも再開したほうがいいのでしょうか?  

アルファロールで副作用がないのであれば再開し、食物でのカルシウム摂取で、骨密度の改善を目指せばいいのではないですか? 定期的に骨密度を検査していけばいいのではないでしょうか。(文責 石山)

 

No.10314】  11年08月02日    E
骨粗鬆症の治療薬について

いつも有難く拝見しています。姉が乳がん治療中という事で、私も数年前から定期検診を受けています。55歳、独身です。2007年6月、左側に疑わしい箇所があり、念の為マンモトームまで検査をし、印をつけて毎年検査を受けています。今年6月のマンモとエコーの検査の内、エコーの方で反対側(右側)に疑いが出、細胞診の結果、判明せず、9月に再度エコー検査という事になっています。今回ご相談させていただきたいのは、上記の判定の事ではなく、既に現在受けている骨粗鬆症の治療薬についてお願いいたします。私には、先天的に骨の発育不全があり、2010年4月より、整形外科のクリニックで骨粗鬆症の治療を受けていますが、担当医の変更があり、余り改善しないこともあり、先日薬の変更がありました。ベネット錠→アスパラCA錠と服用していたのですが(他にビタミンD剤)、今回新薬という事で、ビビアント錠20になりました。薬の情報で調べましたら、閉経後のエストロゲン補充の薬品のようです。但し、「SERM」といって子宮や乳腺には作用しないとなっていました。骨粗鬆症の状況は、Tスコアが60  骨密度0.390 (腕のX線)です。

1) ビビアント錠の服用を続けても大丈夫でしょうか?
2) もし9月に乳がんと確定した場合、ホルモン依存性であれば厄介だなと、不安もあります。子宮にも20センチ位の筋腫があり、他のハンディもあるため、摘出しないで経過観察中です。10年位になりますが、悪性化はありません。9月の結果如何によるのですが、乳がん治療に支障、制限があるでしょうか? 

9月まで乳腺の先生にお会いできないため、よろしくお願い致します。

一般的に乳がんと判明した場合は中止すべきですが、そうでないうちは問題ないはずです。それでも新薬ですので、今後問題があることが判明することもあるので、主治医とよく相談しながら服用することと、今回乳がんでないとわかっても、乳癌検診は続けないといけません。(文責 石山)

 

No.10313-1】  11年07月31日    T.O.  
胸、脇の痛み

59歳の母が乳がんで、6月13日に手術(右乳房全摘、リンパ節郭清)しました。退院後、ドレーンを抜いた後の滲出液が溜まり、注射針で何度か抜きましたが、感染の危険があると言われ、我慢しているうちに患部が固まり、痛みが酷くなりました。6月22日に退院し、6月29日に第一回の外来で病院に行きましたが、9月24日まで予約がとれませんでした。痛みに耐えきれずに、外来に何度か行き相談をしたのですが、最近リハビリに回されただけで、全く症状が好転しません。痛み止めの薬(ムコスタ、ロキソニン)を一日3回処方されて飲んでいますが、痛みが酷く、患部の胸と脇がこむら返りのときのように締め付けられ、眠りが非常に浅く、食欲もありません。これは回復の過程なのでしょうか。また、この痛みは、解消する方法はないのでしょうか。我慢するしかないのだとしたら、どのくらいの期間我慢すればいいのでしょうか。教えてください。よろしくお願いします。

傷を見ないで判断はできませんが、感染兆候がなければ問題ないのですが、術中乳がんは皮膚の剥離範囲が多いので、術直後は皮膚の神経が麻痺し、術後2,3週で皮膚の感覚が戻り、急に痛くなってくることもあります。おそらくその様なことが考えられますが、繰り返しますが、傷を見ないと何とも言えませんし、手術での剥離範囲や感染兆候の有無から判断することになります。(文責 石山)

 

No.10313-2】  12年03月15日    T.O.  
蜂窩織炎

過去の質問 10313 でお世話になりました。59歳の母の術後(右乳房全摘、リンパ節郭清)についての質問です。相変わらず患部の痛みはそのままで、それでもなんとか我慢していたのですが、8月2日にあまりの痛みに我慢できなくなり、病院に行ったところ、「蜂窩織炎」に感染していました。とにかく冷やすようにと言われ、抗生物質も貰ったのですが、何回か服用したのち、黒い便が出始めて、大腸から出血しているらしいということで、服用を止めるよう言われました。そこで冷やすことだけしていたのですが、蜂窩織炎に感染する以前から、患部が固まり、酷く痛んでいたこともあり(その時は温めてくださいと言われました)、痛みであまり冷やせません。すると8月5日の夜に突然針で突き刺されるような我慢できない激しい痛みが5回ほど連続してありました。これは蜂窩織炎が悪化しているのでしょうか。とても心配です。どうかよろしくお願いします。

蜂窩織炎かどうか見ないとわかりません。蜂窩織炎であるかどうか、痛みの原因も含め受診して診察をしないとわかりません。乳腺専門医や外科医を受診してください。抗生物質も副作用に腸炎を起こすことがあるので、中止しても、副作用防止をしつつ抗生物質の投与はできるはずです。(文責 石山)

 

No.10312】  11年07月31日    N 
術後の化学療法について

初めてご相談させていただきます。術後の化学療法について、ご意見をいただければと思います。40歳、中1と小5、夫の4人暮らしです。今年1月に胸のしこりが気になって、受診しました。国立がんセンターがん研究センター中央病院に転院。3月24日 左乳房全摘+同時再建(腹直筋皮弁)。診断は、「浸潤性乳管癌、リンパ節転移0、腫瘍の大きさ:2.5×1.9cm、核異型度:3、ホルモン感受性ER95%、PgR95%、HER2:なし、断片:陰性」でした。その後、腫瘍内科の医師に担当変更。ホルモン療法に化学療法を追加するかどうか検討するため、Ki67(増殖腫瘍マーカー)を調べていただき、52%なので、、5月28日からAC療法4回を実施しました。7月28日無事に終わったのですが、身内(母親)から、「治療ができるならもっとやっといてほしい」と言われました。主治医に相談したところ、タキソールがあるけれど、「効果は1%の上乗せがあるくらい。」「次の受診時に、心配しているお母さんに直接説明してあげる」とのコメントでした。年齢が若いのと、Ki67が高値だったので、リンパ節転移がなくても、追加でタキソールに挑戦すべきでしょうか? フルタイムの仕事の復帰、副作用の不安・・・等はありますが、何より寿命を延ばすことを先決に考えていきたいと思っています。しかし、過剰な治療ならば、やらずに済ませたいという思いもあります。いかがでしょうか? 

1%でも再発を減らしたいならタキソールを追加すべきという事です。しかし一般的に1%は誤差の範囲ですし、タキソールの抹消神経障害も副作用が問題ですし、ホルモン感受性が高いので、内分泌療法で月経を止めて治療するのも良いと思います。当院では今後ホルモン療法を考えます。(文責 石山)

 

No.10311】  11年07月31日    S.T.
母親の乳がんについて

先日母親が乳がんと診断され、本日精密検査の結果が出ましたが、精密検査が終わったばかりで、治療はまだスタートしておりません。状況は下記のとおりです。
・2.7cm程度の大きさの癌が乳房にある。
・肝臓に転移している。CTの画像を見る限り複数ありました。
・骨に転移している。(右側肋骨/脊椎2箇所)
・肺に転移している。視認するのは難しい程度
・自覚症状は咳のみ。(本人談です。)

上記状況から推察できる平均余命を教えていただけますでしょうか。まずは状況を知り、受け止めることが重要と考えております。本日診断いただいた病院からは、まだ治療が始まっていないのでなんとも言えないが、三月半年の可能性もあるし、30年生存することもあると伺っております。正直範囲が広すぎて困惑しております。情報が不足しておりますのは重々承知しておりますが、ご見解を賜ることが出来れば幸いでございます。お手数お掛け致しますが、宜しくお願い致します。

ホルモン感受性やHER2の陽性陰性、組織型など乳癌の性質によって平均余命は異なります。一般的にStageW乳癌の5年生存率は10%から15%と言われていますが、最近の化学療法、内分泌療法で成績は上がってきています。年齢にもよりますが、抗癌剤、ホルモン剤、ハーセプチン、ビスフォスフォネートなどで、癌とできるだけ共存できる方法を考えて治療するのが大事だと思います。(文責 石山)

 

No.10310】  11年07月30日    Y.T.
ビタミンC

乳がん術後 FEC→タキソール+ハーセプチンの治療で、現在ハーセプチン+ホルモン療法中です。FEC2回目と3回目に副作用がきつくて、くの病院(乳がんの紹介状を書いてくれた病院)で、抗癌剤の翌日から3日間ずつ、ビタミンC1アンプル入の点滴をうけました。また、タキソールの時に野菜ジュースを飲んでいたのですが(3ヶ月で1リットルを10本位)、あとで気づいたのですが、200mlにビタミンCが80mg入っていました。最近ネットで、抗癌剤中はビタミンCはあまりとらないほうが良いと知り、不安です。やはり抗癌剤の効果は、かなり落ちているのでしょうか?      

特にその程度の量では、気にする必要はないと思います。(文責 石山)

 

No.10309-1】  11年07月30日    K.T.
抗がん剤について

いつも参考にさせて頂いております。母が多発肝転移で治療中です。抗がん剤について、お聞きしたく投稿させていただきました。
1) ジェムザールについて、投与方法、副作用、効き目(奏効率)について教えてください。
2) タキソールとの併用の方が優位との情報も目にしましたが、どうでしょうか?
3) 母は再発後、FEC,タキソールを投与しましたが、またジェムザールと併用してタキソールは投与できるのでしょうか?

ジェムザールは白血球減少は起こることがありますが、吐き気も少なく、比較的使いやすい抗癌剤です。乳癌肝転移に半数以上の方に有効と思われます。併用のほうが効果はあるようですが、タキソールを過去にやっている場合は、効果がどうか疑問が残ります。ジェムザール単剤で始めるほうが良いのではないかと思います。(文責 石山)

 

No.10309-2】  11年08月16日    K.T.
抗がん剤について(2)

HPNo.10309で相談させて頂いたものです。主治医が早めに治療を始めたほうがよいとのことで、先週よりタキソールとの併用でジェムザールの投与を始めました。相談室の回答を読んで、どうしたらいいのか迷ってしまい再度、相談させていただきました。

1) ジェムザール単剤からはじめた方がよいとの回答でしたが、既に治療がはじまってしまいましたが、次のクールからジェムザール単剤に変えたほうがいいのでしょうか? 主治医は2カ月くらい様子をみて、効き目がなければ次の抗がん剤へ変更とのことでした。この時に、ジェムザール単剤に変えてみても、ジェムザール単剤での効き目はなくなってしまうのでしょうか?
2) ジェムザール単剤への切り替えを主治医にどのように伝えたらよいのでしょうか? 主治医は乳腺専門医ではありません。これまでにも、薬の選択で、乳がんにおいての選択と少し違うと感じることがあり、不安でなりません。母にとって最良の薬を使ってほしいと願うばかりです。

わかりにくくて申し訳ありません。いつも、丁寧な回答にとても感謝しています。よろしくおねがいします。

治療効果の点からすると、併用療法がジェムザール単剤の治療効果に劣ることはないと思います。HPNo.10309でジェムザール単剤の話がありますが、既にタキソールの効果が認められない状況で、ジェムザールにタキソールを併用することでジェムザール単剤の治療効果をどれだけ上乗せすることが出来るかが疑問だということです。また併用療法で治療効果が認められない場合には、ジェムザール単剤へ切り替えることは通常ないと思います。乳癌の再発治療で正解は一つではありませんが、主治医の先生とK.T.さんの考えが違うようであれば、思い切ってセカンドオピニオンを希望されるのもいいと思います。(文責 大西)

 

No.10308】  11年07月29日    K 
病院選びについて

初めてメールします。 6月中旬に左胸にしこりを発見し、家の近くの総合病院を受診しました。担当科は外科で、乳腺外来の先生ではありませんでした。マンモ、触診、超音波、細胞診、MRI, PET-CTの検査をし、乳癌と診断されました。左脇の腋下リンパにも転移していると言われました。左胸全摘、リンパ節廓清と言われ、術前化学療法は行わない方針と言われました。科自体が術前を行わない科らしいです。リンパ転移が術前化学療法で消えれば、廓清をしなくて良いのか知りたく、セカンドオピニオンを受けました。結果、廓清は行うみたいでした。全摘とも。両方の病院の方針が一致したので、家から近い病院にしようかと思っているのですが、こちらの病院は乳腺専門医がいません。乳腺内分泌外来が外科の中にあるのに、私は外科のままの診療です。セカンドオピニオンの病院は、がん専門の病院で、乳腺科もあり、乳腺専門医も何人かいます(家から車で1時間弱、高速使用で30分)。今後の治療を考えると、家から近い(車で10分)所が良いとは思うのですが、乳腺専門医がいない、乳腺内分泌外来があるにもかかわらず外科のままの診療というのが、ひっかかり、決断しかねています。担当医は、どちらも良い感じの先生です。やはり、乳腺専門医がいる病院で治療をした方が良いのでしょうか? とても、初歩的な質問で申し訳ないのですが、宜しくお願い致します。

乳がん治療は10年と長いので、近いところで受けるのが良いと思いますが、再発時や将来のことを考えると乳腺専門医がいない点は不安ですが、医師の異動や乳腺外科新設もありえるので、先のことは分からないことも多いと思います。以上の点を考えて決められれば良いと思います。(文責 石山)

 

No.10307】  11年07月29日    M.M.
今後の治療について迷っています(HPNo.10298-2)

本日、2回目の説明を受けに行きました。
1) 「もし今すぐ子供を作るとすれば、放射線治療をして、出産後、化学療法は可能か? 迷っているので、放射線治療を始めることは可能か?」を聞きました。主治医は、「迷いがあり化学療法もありえるのであれば、放射線を急ぐ必要はなく、化学療法を初めにした方がいい」とのことでした。化学療法をする、しないでの再発率はお聞きしましたが、10年生存率もだいぶちがうのでしょうか? 治療優先で化学療法をした場合と、遅らせてする場合と、どれぐらい違うのかわかるのでしょうか? まったく結果が違うのであれば、出産はあきらめると言っています。主治医は、「放射線をして、期間を遅らせて化学療法をする人がいない。はっきりとしたデーターがない。」とのこと。治療方法は、最終的には本人が決定する事と言われますが、年齢からも子どもについてどうするかで迷っています。
2) 次いで、ステージUAとは生存率が80%ほどと本に書いてあります。顔つきが悪いという硬癌の再発率は、他と変わらないと聞きましたが、10年生存率はどうなのでしょうか? 私は、妊娠するまでにどれぐらい期間がかかるかわからないし、期間をあければ、それだけ細胞も増えるのではと心配しています。数字ではわからないことがたくさんあると感じていますが、先生はどう思われますか? 

よろしくお願いします。

一般的には化学療法は必要で、その影響を考えると、妊娠出産はあきらめるか、卵子の凍結保存やLHRH拮抗薬で卵子を保護する方法(確実ではないですが)を考えることになります。StageUAで、生存率は10年生存率のことではないでしょうか?(文責 石山)

 

No.10306】  11年07月29日    K
1ミリの微小浸潤がんについて

こちらの相談コーナーで、色々と勉強させていただいています。同じケースが探せなかったため、69歳の母のことで相談させていただきます。16年前に右側乳房の非浸潤がんになり、全摘手術を受けています(手術後の治療はなし)。今回は左乳房が乳がんになり、同じく非浸潤がんと言われ、全摘手術をうけましたが、最終的な結果で微小浸潤がんと診断されました。診断書にあったことを一部記載させていただきます。

小葉内の炎症病巣内ではあるが、孤立性ないし小胞病状の異型上皮があり微小浸潤がんと判断
病変は乳管ないし小葉内に進展を示す乳管が主体。充実ないしコメド型 核異型中等
浸潤径1ミリ
ER境界域(3%、PS2+、ISI=PS3)
PR陰性(0%、PSO+ ISO=TSO)
HER2陽性(スコア3+)

こちらの過去の質問をみると、1ミリ未満の場合、非浸潤がんと同じととらえてよい、とありますが、1ミリ以上である今回の場合は、やはり抗がん剤の治療(ホルモン療法は効かないため)をするべきなのでしょうか? 担当医からは、とりあえず様子を見ましょうと言われたようですが、転移などをした場合、手遅れになってしまわないかが、不安でなりません。どうぞよろしくお願いいたします。

1mmの浸潤癌でHER2陽性ですが、69歳という年齢を考えると無治療でもかまわないと思います。(文責 石山)

 

No.10305】  11年07月27日    T 
術後治療について

5月初旬に手術を受けました。病理結果は、浸潤癌(乳頭腺管がん)、4.2×2cm ステージ2b リンパ節転移1個 波及度g+f+他− リンパ管侵襲+v1 血管侵襲+v1 ER90% PgR90% HER2 弱発現 グレード3 年齢35歳 です。現在FEC2回終了しています。

1) 主治医はFEC×4+タキサン系を考えているようですが、セカンドオピニオンではタキサン系までやる必要はなく、FEC×6回でいいのではと言われました。(後ホルモン治療は行う予定です) セカンドの先生は、タキサン系は副作用が残りやすく、私の場合そこまでしなくてもという考えです。主治医をもちろん信頼していますが、セカンドの先生は非常に評判がよく、また私自身もほんとに信頼のおける方だと感じたので、意見が分かれた事に迷っています。再発予防のために、どちらを選択すべきでしょうか?

2) リンパ郭清をしたのでマッサージをしていたところ、術側の脇の下に、しこりを感じました。大きさは小豆より少し小さいくらいです。 場所は腋の真ん中(毛が生える中央くらい) 、まさか再発かと不安に思っています。 術後2ヶ月で再発とかありえるのでしょうか?  リンパ郭清しているのに、リンパ節に再発する可能性があるものでしょうか?  再発でないとすれば、このしこりは何の可能性がありますか?  

1) 浸潤癌、腫瘍径4.2×2cm、リンパ節転移あり、リンパ管侵襲+、血管侵襲+、グレード3、年齢35歳という点から、私の場合は再発予防のためにタキサン系まで施行します。 
2) まず再発はとても考えにくいと思います。でも術後2ヶ月でも可能性が全くないわけではありません。残念ながら、リンパ郭清施行してもリンパ節取残しが皆無と100%言い切れません。再発でないとすれば、リンパ液貯留とか、異物反応、炎症などの可能性が考えられます。 (文責 石川) 

 

No.10304-1】  11年07月27日    F.C. 
今後の治療について

1ヶ月後の手術を控え、もう少し情報を得たいと思い、相談させていただきました。47歳、閉経前(抗がん剤で閉経)です。
 
1月初診・・・・左浸潤性乳管癌(トリプルネガティブ)、エコー上 22mm、 MRマンモ上 27mm、 乳管内進展、大胸筋浸潤の可能性あり。ki-67 約52%。 CT上、左腋下短径8mm大までの結節がいくつかあり。右乳腺症の疑い。骨・他臓器転移なし。腫瘍を縮小し温存できるよう、転移予防目的にと術前化学療法の説明。

2月中旬から術前化学療法開始
    1) TC療法(ドセタキセル+エンドキサン)1/3w X 4回
    2) EC療法(エピルビシン+エンドキサン)1/3w X 4回 予定

TCの効果は最終点滴後にエコー実施し、16mmに縮小。EC2回終了後にMRマンモ実施し、23mmに縮小。大胸筋へ直接浸潤。その他乳腺に5mm以下の小結節が複数散見。右にも小さな結節がいくつかありとの所見。ECの効果は、3回目の点滴終了後にエコー実施し、18mm。 本人も2回目診察時、生検後からの痛みがTCでは2週間位落ち着き、痛み出しても次の点滴で落ち着くパターンが、ECでは痛みが取れず、しこりも大きくなった感じと話し、次は薬を変えるような事を言われるも変更なし。エコーの所見が出た4回目で、やっとTCに変更した以外、大きな副作用もなく全日程終了。1ヶ月後のOPEに向け、化学療法後の白血球・体力回復したのちの検査予定にて、まだ術式など未決定。 術後の治療に対し質問するが、病理の結果次第と言われたが、どのような治療が考えられるか青写真が欲しい。なぜなら、「ki値が高いから抗がん剤の効果は期待できる。全くしこりがなくなることもある。」と聞き、単純に喜び、効かない場合など考えもしなかった。ECが効かず、動揺し、薬を変えると言われるも変えず、予定通りすすめられ、流されてしまう自分がいる為、予測したい。抗がん剤の効果判定の時期は適切でないのでは? 本来何回目で判定するのでしょうか?  今後どのような治療が望ましいか教えて頂きたいです。特に抗がん剤の種類と感受性試験についてお願いします。

抗がん剤の効果判定の時期は、私はTC療法、EC療法とも 4回終了後あたりを目安にしています。早すぎると間違った判定の、また遅すぎると効いていない場合は不利益が生じる可能性があるからです。今後は、切除標本の病理結果を検討して,TC→EC療法が有効でなければ、注射剤としてはジェムザール(一般名ゲムシタビン)、パラプラチン(一般名カルボプラチン)などを、またナベルビン(一般名ビノレルビン)、トポテシン(一般名イリノテカン)なども使用することがあります。その他に内服治療としてXC療法(ゼローダ+エンドキサン)、DMpC療法(フルツロン+ヒスロンH+エンドキサン)、TS1などの5FU系抗がん剤の併用・単独療法が 考えられます。感受性試験はこれら薬剤について出来るかどうかわかりません。できるとしても新鮮な腫瘍組織が必要になるので、手術前に主治医に相談されることをお薦めします。(文責 石川)

 

No.10304-2】  11年08月09日    F.C. 
今後の治療について(2)

前回、トリプルネガティブ(Ub、Ki-67≒52%)で、術前化学療法を終えたところで、手術後の治療について教えて頂き有難うございました。
今回は、術前化学療法の効果が得られないまま手術を受けていいのか?不安になり、投稿させていただきました。しこりが小さくならない事から、全身療法として効果ないまま手術を受けていいものなのか不安なのです。TC後は痛みも和らぎ、むくみ?が和らいだせいもあり、しこりも小さく感じましたが(エコー上も若干縮小)、ECは2回目より効いていない感じがあります。実際エコー上も大きくなり、MRマンモで大胸筋浸潤・乳腺内転移があり、日を増す毎に痛みが強く、しこりもむくみ?と一体化し、がっちりした塊になってしまいました。そういうわけで、4回目のECはTCに変更になりました。最後のTC後2週間は痛みも和らぎましたが、その後はまた痛みも強くなり、しこり部の発赤のような物も、やや黒味を帯び広がっているような感じです。

1) 局所で効いていないと言う事は、全身療法としての効果も得られていないのではないでしょうか?
2) 術前に何か手立てがないのでしょうか? 
3) 3週間では一進一退なので、毎週毎のタキソールなどはいかがなものでしょうか?
4) それとも症状的に早く手術した方がいいのでしょうか? 
5) 手術により転移しやすいとか、不利益な事はないのでしょうか?

8/16の手術を控え、CT・MRマンモを予定しています。その結果後の相談の方が病状をより把握しやすいとは思いますが、その説明のとき、手術を延期し術前化学療法を追加するか?予定どおり手術するか?を決定しなければいけないのです。何卒よろしくお願いいたします。

1) 術前化学療法で腫瘍が消失した症例は、残存した症例よりも生存率が良いことが知られています。そのことから、F.C.さんが懸念されておられるように術前化学療法で画像上効果が得られなかった方は、全身療法としての効果も少ない可能性が考えられます。しかし、画像診断のみで評価できることが全てではなく、病理学的な評価も重要です。またリンパ節の転移の状況も気になるところです。化学療法前のCT検査では8mm大の結節が散在していたようですが、仮に病理学的に腫瘍壊死が認められるようなことがあれば、生存率が良いことも知られています。
2) これからCT・MRマンモを予定され、その後手術を延期し術前化学療法を追加するか?予定どおり手術するか?を決定されるとのことですが、おそらくよほどのこと(たとえば遠隔転移がある)がなければ、主治医の先生は手術を提示されるのだと思います。現時点で術前にすることは思いつきません。
3) 3週間に一回のタキソテールと毎週投与のタキソールでは治療効果は同等とされています。
4) 化学療法後の白血球・体力回復を待って、手術を受けられるのが良いと思います。TCとECを逐次投与されたとのことですが、仮に別の抗がん剤を追加投与されても腫瘍が劇的に縮小することは考えにくいです。
5) 乳癌の手術で癌が進行することはないと思います。乳房がなくなる(もしくは変形する)ことと、腋窩リンパ節郭清をするのであれば、それに伴う後遺症が残ることではないでしょうか。(文責 大西)

 

No.10304-3】  11年11月09日    F.C. 
HER2について 

手術前には、トリプルネガティブということで幾度と相談にのって頂き有難うございました。8月末に手術を受けましたが、創の治りが悪く、これから術後補助療法を受けるところです。今回はHER2についてお伺いしたいのですが 手術の病理結果にてHER2 2+と言われたのですが、院内病理では(−)、外注で(2+)でした。以前この相談室で、「ハーセプチンの使用は、HER2+でも、FISH法で調べて・・・」と言うご意見を目にしていたので、先生に「FISH法で+ですか?」とお聞きしたところ、「FISHかけたけど・・・。 (−)でもFISHかけると+に出る事あるからね」と、言われました。院内病理の検査法や、外注で2種の検査法をしたのかなど、詳細は聞けませんでした。 「ハーセプチンを使う」とおしゃっているので間違いないと思うのですが やはり気になります。また、術後の抗がん剤は術後3ヶ月以内に始めた方がいいと何かに書いてあったと記憶してるのですが、最終抗がん剤は7月中旬でした。どのくらいまでに始めた方がいいのでしょうか? ちなみに、術後病理結果は、浸潤性乳管癌(乳頭腺管癌タイプ)、グレード2、g+、f+、脈管系浸潤なし、pT2、pN0、断端(−)、ER(−)、PgR(−)、HER2(2+)でした。よろしくお願いいたします。

何をお尋ねなのか、今一つはっきりいたしませんが、Her2陽性の場合、抗癌剤に引き続き(あるいは同時に)ハーセプチンを行うことが良いとされています。時期については、ハッキリしたデータはありませんが、早い方が良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.10303】  11年07月27日    N.S. 
抗がん剤治療に迷っています

49歳女性で、海外在住です。4月に非浸潤癌6cmと診断され、6月末に右胸全摘出手術し、リンパ節転移もなく、同時再建しました。その後、とった乳房細胞診の結果、1.7mmの浸潤癌がみつかり、今後の治療として、抗がん剤FEC、その後放射線治療とホルモン治療をすすめられています。放射線とホルモン治療に関しては、副作用が少ないので受けるつもりなのですが、抗がん剤の副作用の事を考えると、長い治療になることと、辛い治療を聞かされているため、治療を迷っています。アドバイスいただけたらうれしいです。

浸潤癌の部分が1.7mmとわずかなので、放射線治療とホルモン治療だけでも一般的には十分なように思えます。私としてはどちらかと言えば、抗がん剤治療(化学療法)もお勧めしたいです。FECでなく、もっと副作用の少ない薬剤(方法)を選択することも可能と考えます。(文責 石川)

 

No.10302】  11年07月27日    U.M. 
act療法中 タキソール アナフィラキシーの場合

初めてメール致します。こちらのホームページは、いつも参考にさせて頂いています。今年二月、5ヶ月の子供の授乳中に乳がん(4x4cm リンパ転移あり ステージ2b)が判明し、三月から術前化学療法でac4クール受けました。四月からは、あわせて、ホルモン療法(月1のリュープリンと毎日のタスオミン)を行なっています。Acは、私の場合副作用が少なく、乳房の癌はほとんど消滅しましたが、石灰化が広がっているということと、リンパの腫れは引いているものの残っているので、六月に右乳房切除し、リンパ節レベル1全切除しました。病理検査の結果は、リンパ節への転移は11個中1個とのことでした。骨シンチやctでは、他への転移は見られていません。腫瘍マーカーも今まで問題ありません。七月から、タキソールを3週+1週休みを6クール受ける予定でしたが、初回のタキソール開始2,3分で呼吸困難と嘔吐と下腹部痛があり、治療は中止となりました。タキソールの代わりに、ts1という飲み薬を来週から始めると伺いました。

1) ts1は、タキソールと同じ位効果がありますか。
2) タキソールを受ける一時間前に、普段より多めの朝食と普段あまり飲まないコーヒーを飲みました。また若干風邪気味でした。(白血球は5000ありました)  これらはアナフィラキシーに関係ありますでしょうか。

タキソールはよく効くと聞いているので、タキソールが受けられないのがとても残念です。何卒御回答頂けますよう、お願い申し上げます。

1) 抗癌剤も個人により反応が異なるので、やってみないと効果の優劣はわかりません。
2) アナフィラキシーと関係ないと思います。(文責 石川)

 

No.10301】  11年07月24日    M.Y.
細胞診

しこりが1.7センチ。マンモグラフィと超音波影像で腫瘍部分を確認。担当医には「乳がんですね」といわれ、細胞診をしました。一週間後の結果、「よくわからず判定できない状態」といわれ、再度針生検をしました。結果は更に2週間後とのこと。「乳がんです」と、担当医は断定した後に、細胞診ではわからないということもあるようですが、癌ではない可能性はあまりないと言われました。乳がんであると覚悟しながら針検診の結果を待つべきなのでしょうか。

担当医の様子からは癌が強く疑われるようですね。癌でも細胞診では陰性に出ることがあります。その場合でも臨床的に悪性が否定できないときには、コアニードル生検(CNB)やマンモトーム生検などの組織診を行います。(文責 石川)

 

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