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相談室(No.10601〜10700)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。


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目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

10700 12/07/07 R 術後の治療について 石川
10699 12/07/07 Y  術後の補助療法について(HPNo.10689) 石川
10698-1
10698-2

10698-3
10698-4
12/07/07
12/07/16
12/07/22
12/10/21
A.T.   全摘出の方法について
手術方法について
皮下乳腺全摘出での乳輪・乳頭の削除
術後治療について
石川
石山
大西
吉田
10697 12/07/07 N.H.  肺転移では? 石川
10696 12/07/02 K.I.   ホルモン治療を受けたほうがいいでしょうか? 吉田
10695 12/07/02 Y.T. 浸潤癌 全摘後の治療について 吉田
10694 12/07/01 K  左肺の影について 吉田
10693 12/07/01 A子 再発について(HPNo.10499) 吉田
10692 12/07/01 くるみ 乳ガンの疑いはあるでしょうか? 吉田
10691 12/06/29 Y.O. 反対側の胸のしこり 吉田
10690 12/06/29 M.O. 乳輪のできもの 吉田
10689-1
10689-2
12/06/29
12/07/07
Y  皮下全乳房切除術について
術後の補助療法について
吉田
石川
10688 12/06/29 D 非浸潤がんの術式について 吉田
10687 12/06/27 M.S. 肺転移後のゼローダ、フェマーラもしくはフェスロデックスの併用について(HPNo.10525-3) 吉田
10686 12/06/27 F.F. 母の手術について 吉田
10685 12/06/27 Y 骨転移 (HPNo.10662) 吉田
10684 12/06/27 I  11月まで待っても大丈夫でしょうか? 浜口
10683 12/06/27 S 抗がん剤が7月からです 浜口
10682 12/06/27 K.Y. 現段階の治療方法について 浜口
10681 12/06/27 M トリプルポジティブの治療と再発率について 浜口
10680 12/06/25 Y 骨転移(HPNo.10662) 浜口
10679-1
10679-2
12/06/25
12/11/19
M.M 脂肪肝について
脂肪肝について(2)
浜口
緒方
10678 12/06/25 F 今後の治療と再発率 浜口
10677 12/06/23 A.T.  胸の痛みとしこり 浜口
10676 12/06/23 K.A 今後の治療と再発率について(2)(HPNo.10663-2) 浜口
10675-1
10675-2

10675-3
10675-4
12/06/23
13/01/22
13/02/16
13/07/01
K  手術待ちの間に、進行しませんか?
上腕のしこり、癌?
リュープリンの副作用による、骨塩量低下?
遺伝子検査(オンコタイプDX)の必要性
浜口
俵矢
石川
緒方
10674 12/06/22 M.S. リュープリンの副作用について 俵矢
10673 12/06/22 病院選び 俵矢
10672-1
10672-2

10672-3
12/06/22
13/10/18
13/11/27
T.A. 再発率
今後の治療について
今後のホルモン剤について
俵矢
須田
加藤
10671 12/06/22 S.W 骨転移治療中の足の違和感 俵矢
10670 12/06/22 H  ランマークについて 俵矢
10669 12/06/22 A.O. ホルモン治療の必要性はありますか? 俵矢
10668 12/06/22 Y  ホルモン剤について(HPNo.10648) 俵矢
10667 12/06/22 アリス リンパ浮腫について 俵矢
10666 12/06/19 N.T.  今後の治療について(HPNo.10593) 徳田
10665 12/06/19 T 授乳期腺腫について  徳田
10664 12/06/19 F  診断書について 徳田
10663-1
10663-2
12/06/19
12/06/22
K.A. 今後の治療と再発率について
今後の治療と再発率について(2)
徳田
浜口
10662-1
10662-2

10662-3
12/06/17
12/06/25
12/06/27
Y 骨転移
骨転移(2)
骨転移(3)
徳田
浜口
吉田
10661 12/06/17 M  不妊治療について 徳田
10660 12/06/14 M.O. 良性腫瘤と乳首の凹みについて 徳田
10659 12/06/14 M 胸の痛み 徳田
10658 12/06/06 右乳房の小さなのう胞について
10657 12/06/06 E.N. 乳輪のしこり、違和感
10656 12/06/06 母の乳癌について
10655 12/06/06 Y  術後治療について
10654 12/06/06 タモキシフェン服用への迷い 高橋
10653 12/06/06 K.N. 抗がん剤治療について 高橋
10652 12/06/03 それいゆ 腫瘍マーカー(CEA)の上昇(HPNo.10446)
10651 12/06/03 ステージ1の再発、転移について
10650 12/06/03 r n  左乳房のしこり
10649 12/06/03 M.N. 右乳房外側のしこり
10648 12/05/29 ホルモン剤について (HPNo.10627) 高橋
10647 12/05/29 I   乳がん術後のホルモン療法について 高橋
10646 12/05/29 さくらこ 皮膚転移の可能性はありますか? 高橋
10645 12/05/29 アロマターゼ阻害剤 高橋
10644 12/05/29 M.M. 血性分泌物 高橋
10643 12/05/29 M W トリプルネガティブ 高橋
10642 12/05/26 E  放射線治療について(HPNo.10587) 高橋
10641-1
10641-2
12/05/26
12/09/27
Y  術後治療について
再発転移の相談
高橋
高橋
10640 12/05/26 F  臨床試験について 高橋
10639 12/05/26 M.K. ホルモン剤の効果がでるまで(HPNo.10631) 須田
10638 12/05/26 MF アブラキサンの副作用(痺れ) 須田
10637 12/05/26 自費治療について 須田
10636 12/05/26 AR トリプルネガティブ 須田
10635 12/05/26 k  胸のしこり 須田
10634 12/05/26 M.I. のう胞 須田
10633 12/05/26 k  乳癌の再発・転移の可能性 須田
10632 12/05/26 化学治療・ホルモン治療と卵巣機能(生理)について 須田
10631-1
10631-2
12/05/15
12/05/26
M.K  胸膜転移について
ホルモン剤の効果がでるまで
首藤
須田
10630 12/05/15 M.S. 肺転移後のゼローダ、フェマーラの併用について(HPNo.10525) 首藤
10629 12/05/15 AK 術後のホルモン療法(リュープリン注射など)について 首藤
10628 12/05/14 ホルモン治療について(2) (No.10621) 首藤
10627-1
10627-2

10627-3
10627-4
12/05/14
12/05/29
12/06/22
12/07/30
薬が効いていなかったのでしょうか?
ホルモン剤について
ホルモン剤について(2)
手術跡の皮膚
首藤
高橋
俵矢
緒方
10626 12/05/13 転移ありでも手術? 首藤
10625 12/05/13 KK 乳腺のう胞 と リンパの腫れについて 首藤
10624 12/05/13 S.Y. 局所再発での手術と薬物療法について(2)(HPNo.10605) 首藤
10623 12/05/11 ハーセプチンとホルモン療法併用について 首藤
10622 12/05/11 YK 術前化学療法の効果判定 首藤
10621-1
10621-2
12/05/11
12/05/14
ホルモン治療について
ホルモン治療について(2)
首藤
首藤
10620 12/05/07 T.M. 手術後のセンチネル生検 鈴木
10619 12/05/07 K.I.  何科を受診するべきでしょうか? 鈴木
10618 12/05/07 アジュバンドオンライン(HPNo.10607) 鈴木
10617 12/05/07 Y センチネルリンパ節生検の傷跡 清水
10616 12/05/07 Y.K. マーカー上昇について(HPNo.9371) 清水
10615 12/05/07 Y.N. ホルモンの新薬について 清水
10614 12/05/01 乳がん骨転移後のゾメタ長期間投与の是非について 清水
10613 12/04/28 T.S. 術後の治療について 清水
10612 12/04/28 S.O. 病理結果について 清水
10611 12/04/27 タモキシフェンと副作用(HPNo.10413) 加藤
10610 12/04/27 Y  今後の治療法について 加藤
10609 12/04/23 T.M. 化学療法の妥当性と効果について 斎藤
10608 12/04/23 S.A. 出産後の授乳、ホルモン治療について 斎藤
10607-1
10607-2
12/04/23
12/05/07
S ノルバデックスの副作用について
アジュバンドオンライン
斎藤
鈴木
10606 12/04/23 T・K  術後の治療について 斎藤
10605-1
10605-2

10605-3
12/04/23
12/05/13
13/08/15
S.Y. 局所再発での手術と薬物療法について
局所再発での手術と薬物療法について(2)
肺転移の治療について
斎藤
首藤
加藤
10604 12/04/23 母の再発治療について(HPNo.10487) 斎藤
10603 12/04/18 ゆか 転移後の治療について 久保内
10602 12/04/18 さくらこ 病理組織報告書 久保内
10601 12/04/18 抗癌剤治療について 久保内

 

No.10700】  12年07月07日    R 
術後の治療について

先月、非浸潤性乳管がんの手術を受けました。左乳房全摘、一次再建致しました。病理結果は、「非浸潤性乳管がん リンパ(ー) 遠隔転移なし ステージ0  核異型グレード 1  FR
陽性100% PR陽性100% Her2スコア0
コメドタイプ」 でした。今後、ホルモン療法としてタモシキフェンを5年ということです。再発率など不明と言われ、服用を迷っています。どのように考えていけばよいでしょうか? よろしくお願いします。

非浸潤性乳管がんで左乳房全摘(乳房切除術)なら、再発率は0%に近いので、術後治療を行わないことの方が圧倒的に多いと思います。私は経過観察のみにしています。(文責 石川)

 

No.10699】  12年07月07日    Y 
術後の補助療法について(HPNo.10689-2)

以前もご相談させて頂いたものです(10689)。術前に、手術待ちの間2ヶ月ほどホルモン療法を行い、6月19日に右皮下全乳房摘出術をうけました。術後の病理診断が出ましたので、ご相談させていただきたく、よろしくお願い致します。年齢:44才。

(右)、Invasive ductal carcinoma、scirrhous carcinoma 、 ER 90%、PgR 40%、ki67 1〜9% 、HER-2 2+(術前のFISH法で−)、 腫瘍径(浸潤部)3.5×3.0×1.4cm
 腫瘍の広がり:3.5×3.0×1.4(cm)、浸潤度:g+、f+、、娘結節:-、切除断端:-、約5mm以内-、リンパ管浸潤:-、静脈浸潤:-、intraductal soreading −、EIC −、壊死comedo−(術前は+) 、punctuate
−、石灰化−、組織学的異型度TubularFormation:2(10%to75%)  Mitosis score:1 NuclearAtypia:1 Totalscore:4 TumorGrade:1 リンパ節転移Level I:0/3、sentinel 1/1、合計1/4  (永久標本上では転移巣5mmでmicrometastsisです)

主治医からは、術前のホルモン療法と同じ、3ヶ月に一回リュープリン注射+タキシモフェンの提示を受けました。術後、主治医から、”術中センチネルリンパ節に微小転移があったが、奥まで転移がいっている可能性のぎりぎり下のラインで、そんなに転移がありそうな感じがないから、横に一個だけ腫れているリンパ節と、そこの周りのリンパと合わせて少し取り、余計な組織を取らないようにした。リンパ廓清というほどしていない。皮膚はしっかり残しており、周りの癌がいない脂肪もかなり残しておいた。”との説明を受けましたが、後の説明で、微小転移が5mmだったと聞き、微小転移は2mm以下のことをいうのではないかと不安になっております。腫瘍も大きく、硬癌で、リンパ節転移1/4ですが、放射線治療や抗がん剤治療はやらずに、このままホルモン療法のみでよいのでしょうか? その治療を行った場合の再発率はどうでしょうか? よろしくお願い致します。

本当に5mmなら微小転移とはいえないと思います。また腫瘍の広がり:3.5×3.0×1.4(cm)だったことを考えると、ki67 1〜9%で癌の増殖能(悪性度)は低いのですが、センチネルリンパ節に転移がみられたので、放射線治療や化学療法をした方が良いと思います。その治療を行った場合の再発率は、さらに低下すると思います。(文責 石川)

 

No.10698-1】  12年07月07日    A.T. 
全摘出の方法について

毎年、乳がん検診をしていましたが、今年(1年2ヵ月後検診)は、超音波検査(乳腺症の為、マンモではなく超音波検査をしていました)で引っ掛かり、追加のMRI検査にて、多発性の集族性の非浸潤がんと診断されました。
また、範囲が広いので、多少は浸潤しているかもしれないと言われました。尚、広範囲の為、全摘出になると言われました。現在は、マンモでの病理検査を待っています。病理検査が出た時点で、担当医と手術等の話をする予定です。そこで、手術方法についての質問です。全摘出の方法についてですが、
(1)皮下乳腺全切除術
(2)乳房切除術 
上記(1)(2)があると思うのですが、素人考えで恐縮なのですが、(1)の方が肉体的ダメージが少なく、かつ、再発率も変わらなく思われますが、今後、担当医との話し合いの中で、手術はどうのような観点で、どんな方法を選択すれば良いのでしょうか。それぞれのメリット、デメリットなどを含めて、ご教授願います。

癌の乳管内進展が問題となります。すなわち癌の範囲と乳頭への波及の程度によって、皮下乳腺全切除術か乳房切除術に分かれると思います。根治性(再発率)と整容(美容)性で一長一短があります。皮下乳腺全切除術の方が、後に乳房再建術をするときには容易です。ケース・バイ・ケースなので、病理検査が出た時点で、担当医とよく相談してください。(文責 石川)

 

No.10698-2】  12年07月16日    A.T. 
手術方法について

No.10698にて、手術方法について、ご相談させて頂いたものです。病理結果にて、乳房切除を言われました。皮下乳腺全摘出について聞いたところ、広範囲の為、選択の余地がなく、やはり乳房全摘の回答でした。皮下乳腺全摘出でも、乳輪・乳頭を削除する方法もあると思います。この場合、皮膚が残せると思うのですが、そこで質問です。

(1) 皮下乳腺全摘出での乳輪・乳頭の削除
(2) 乳房全摘

上記(1)(2)は、根治性(再発率)において違いはあるのでしょうか。お伺いしたく、ご相談いたします。よろしくお願いいたします。

一般にそのような手術をすることはないので成績は不明です。(文責 石山)

 

No.10698-3】  12年07月22日    A.T. 
皮下乳腺全摘出での乳輪・乳頭の削除

No.10698にて、手術方法について、ご相談させて頂いたものです。病理結果にて、乳房切除を言われました。皮下乳腺全摘出について聞いたところ、広範囲の為、選択の余地がなく、やはり乳房全摘の回答でした。皮下乳腺全摘出でも、乳輪・乳頭を削除する方法もあると思います。この場合、皮膚が残せると思うのですが、そこで質問です。
皮下乳腺全摘出での乳輪・乳頭の削除とは、直上皮膚を切除せずに内部の乳腺を乳頭乳輪を含め全切除する術式(skin-sparing mastectomy)であると理解しています。

1) これと乳房全摘について、再発率に違いはあるのでしょうか?
2) この術式の方が体へのダメージが少ないのではないでしょうか?
3) ただ、腫瘍と皮膚との距離での判断になるのでしょうか?
4) 腫瘍と皮膚との距離はMRIにて確認するのでしょうか?
5) それとも手術中での病理検査で確認するのでしょうか?

お伺いしたく、ご相談いたします。よろしくお願いいたします。

1) 乳房切除術(全摘)とskin-sparing mastectomy(SSM)は局所再発に関して差はありません。
2) ダメージについても差はないと思います。
3) SSMは皮膚や胸筋への浸潤、炎症性乳癌などを除く早期乳癌に適応があります。
4) マンモグラフィー、超音波、MRIで総合的に判断します。
5) 術中の病理検査で判断するかどうかは施設基準になると思います。

SSMは一定の基準を見てしていれば、乳房切除術と同等の安全性があります。しかし乳房再建がその先になければ、たるんだ皮膚が残るだけで、それ以外は全摘と変わりません。(文責 大西)

 

No.10698-4】  12年10月21日    A.T. 
術後治療について

以前、No.10698、No.10710にて手術方法について相談させて頂きました。その節はありがとうございました。年齢は43歳女性です。手術で左乳房全摘し、再建を考慮してエキスパンダーを挿入しています。この度、病理結果が出たので、術後治療についてアドバイス願います。

【病理結果】
1.組織型     乳頭腺管癌
2.リンパ節転移  術中のセンチネルリンパ節生検では、陰性でしたが、病理検査で1ミリ転移ありとの診断
3.ERとPgR    ER(+)とPgR(+) 共に強陽性
4.HER2      1+
5.癌の浸潤型   2ミリ
6.脈管侵襲    なし
7.核異型度、KI67  腫瘍が小さいため判定不能とのこと
リンパ転移有りの為、ステージUa

【Adjuvant! Onlineの結果】
1.未治療    再発率 42%
2.ホルモン単独 再発率 27%
3.抗がん剤単独 再発率 24%
4.2と3併用  再発率 16%

ただし、主治医からは、Adjuvant! Online(ver8)が古いのと抗がん剤を主体にしているものである、また、Tumor GradeをUndefined、Tumor Sizeを0.1-1.0cm、 Positive Nodes1-3で入力しているので、上記数字程、1の数値は悪くないと思われる。また、抗がん剤併用による効果も数値程ないかもしれないとの話でした。以上を踏まえて質問です。

1) 希なケースと言われたのですが、脈管侵襲なしにも拘らず、リンパ節に転移することもあるのでしょうか?
2) 「全摘したが、リンパ節転移(1ミリ)なので、放射線照射したほうが良い(食塩水を抜いた後に照射)。抗がん剤も年齢を考えたらやった方が良いのでは。」との話でした。治療の選択として、「1.ホルモン単独 2.放射線+ホルモン  3.放射線+抗がん剤+ホルモン」の3つが提示されました。再発をしないことを第一に考えると3を選択するべきでしょうか? Adjuvant! Onlineの結果で上乗せ効果が10%超あるのは大きいのですが、抗がん剤の副作用を考えると判断に迷ってしまいます。

長々と書いてしまいましたが、ご回答の程よろしくお願いします。

1) 脈管侵襲がなくてもリンパ節転移があるということは、時にあります。病理検査はすべてを調べる訳ではなく、調べた範囲内で脈管侵襲がなければ脈管侵襲なしといたします。ですから、このようなことも起こり得ます。
2) ERとPgRが強陽性であり、リンパ節転移の程度も軽度ですので、ホルモン剤単独でも良いと思います。抗がん剤の上乗せ効果は、このような状況だともっと低いでしょう。(文責 吉田)

 

No.10697】  12年07月07日    N.H. 
肺転移では?

先生方、いつも拝見させていただいております。肺転移を心配したのでご相談させてください。
6年半前、左乳がん(HER2+3、3センチ硬癌、リンパ転移 細かいものが12個)で、全摘出術を受けました。抗がん剤CEFとタキソテールを終え、現在まで経過観察で、すべて異常なしで来ていたのですが、最近受けた、病院の定期健診ではなく、会社の健康診断の胸部X線で、「左肺尖胸膜肥厚」という所見が出てしまいました。原発巣が左でしたので、この所見は非常に気になるものでした。ただ、この所見は今回が初めてです。病院では、定期的に6カ月に1度はレントゲン、CT、マンモ等を行っています。病院での検査は1月でしたが、異常はありませんでした。胸膜肥厚は悪性の可能性であることもあるとネット等で書かれていますので、不安になってしまいました。上記の罹患があった場合は、転移の可能性は強いのでしょうか。お伺いしたく、ご相談いたします。よろしくお願いいたします。

左肺尖胸膜肥厚は、炎症(胸膜炎)後の所見として、一般的によく見られるものです。胸部X線よりもCT検査のほうが精確度が高いので、後者で大丈夫なら、まず転移ではないと思います。(文責 石川)

 

No.10696】  12年07月02日    K.I. 
ホルモン治療を受けたほうがいいでしょうか?

先月、乳腺皮下全摘出手術を受けました。手術前の検査では、腫瘍の大きさが、エコー0.6cm MRI 5.3cm stage1~2 でした。手術後の検査結果は、非浸潤癌、リンパ節への転移なしでしたが、断端では皮膚側に乳管内が露出しているとのことでした。ER++ PgR+ HER2− で、再発の確率は、1〜2パーセントで、ホルモン治療を受けるか決めてくださいと言われました。ホルモン治療を受けたほうがいいでしょうか? また、手術で癌が取りきれなかったのでしょうか? 今、再建治療を受けていますが、残った癌を取り除くには、全摘出の手術をしたほうがいいでしょうか?

メールの文面からは、癌が取り切れなかった可能性が1〜2%あると思っていいでしょう。しかし、これは乳管内の癌が残った可能性であり、この程度の癌が残ることは致し方ないことだと考えられます。また乳管内の病変が残っていたとしても、将来これが再発を起こすかどうかは分かりません。再手術で全摘する必要はないですが、ホルモン剤は服用したほうが無難な気がいたします。(文責 吉田)

 

No.10695】  12年07月02日    Y.T.
浸潤癌 全摘後の治療について

先日、全摘手術を受けたものです。非浸潤癌だが、広範囲に広がっているため全摘になるとのことで手術を受け、術後の最終診断で、1か所浸潤癌が見つかりました。大きさ8mm、ステージは1とのこと。乳頭から3cmほど離れたところです。乳頭、乳輪は切除していません。再建をするため、がん切除と同時に、エキスパンダーを挿入しています。術後の治療については、抗がん剤なし、化学療法なしで、「ホルモン療法はどうされますか?」と、質問されました。現状での再発率は10%前後と考えられ、ホルモン療法(タスオミン20mg)をした場合、5%ほどに抑えられる可能性があると。先生のニュアンスでは、「今の状態では必須の治療ではなく、10%を5%に減らすことができそうだけど、どうしますか?」という風に聞こえました。より確実性が高まるのならと、ホルモン療法を受けることにしましたが、1つ疑問が・・・。ステージ1であるとはいえ、浸潤癌が見つかった場合でも、全摘なら抗がん剤療法や化学療法を全くしないということもあるのでしょうか?

術後Stage1(浸潤癌)に抗癌剤(化学療法)を行うのは、ホルモンの感受性がない場合で、核異型度は中等度以上、また腫瘍径が1.0cm以上である場合が多いと思います。腫瘍が小さく、核異型度が弱く、ホルモン感受性がある場合は、ホルモン療法が主体になると思います。抗癌剤(化学療法)を行わないことは十分考えられます。(文責 吉田)

 

No.10694】  12年07月01日    K 
左肺の影について

以前癌が見つかり、信頼のおける人が1人もおらず、ふさいでいました時に、こちらに相談させていただきました。現実的には病院でお世話になっているけれど、その時の気持ちは、私など誰も相手にされないという心底孤独でした。インターネットなどしたことがなかったのですが、始めたのがこの頃でした。メールを送ったあとは怖かったです。そうしたら返事がもらえて、中身を読む前に嬉しくてたまらなかった事を思い出します。自分に与えてあげられる力が何もない事が悔やまれます。有難うございました。

2012年12月、全ての検診は大学病院で、ホルモン治療と血液検査など日常は後者の病院で、と、2つの病院に通うことになりました。後者の先生は、ゾラデックスは5年、タスオミンは10年とのお考えのようでしたが、調子がたいそう悪くなったので2年でやめ、現在はタスオミンの服用のみです。大学病院では、5年たてば薬はいらないとのことでした。すっかり癌とは無縁だとさえ思える日々を送っておりました。去年の6月、大学病院での定期的CTで左肺に小さな影が1つあるという事で、半年後の12月に再検査しました。同じ大きさのままで変化もなく、このことだけを追っていてもと言うお話は理解できたので、終わりにするつもりでしたが、後者の病院の先生が、「半年後にもう1回再検査をする方がいい。もし後発性癌だと成長が早いから」とのお話で、今月受けました。結果、2つ写っているという事でした。以前からのは大きさが変わらず、新たな1つも、大きさが同じぐらいらしいです。それで2つの選択がありました。1つは、又半年後CT予約をして経過をみる。1つは、白黒つけたいなら肺生検で、呼吸器科の先生に連絡とりましょうか、という方向。「小さいから、とれるかどうかもわからないし、とれても1つしかとらないし、リスクもある。わからないものはわからない」とのお話は理解できたので、半年後のCT予約をしました。先生も経過観察というお考えのようでした。ネットで、「小さいものは検査ではなかなか見つけにくく、見つけた時には大きくなっていて」などを見ますと、その小さいものを見つけられたのではないのか、で、どうすべきなのか、何かした方がいいのか、と、気持ちがゆれて、とても不安です。見過ごすという同じ過ちで後悔することにならないでしょうか。後者の先生は、「PET…」と、つぶやかれ、「ゾラデックスを再開しますか?」と聞かれましたが、効果のほども聞かず、調子悪くなる実体験から返答できず、「タスオミンで抑制されている可能性もあるから続けましょうか。」という事でした。例え生検が可能だとしても、その治療方法は半年後のそれと同じなのでしょうか? 冷静には、「経過観察」なのですが、気持ちは、「調べたい」です。かわりがないのでしょうか? 効果があるのならゾラデックスを再開したいですが、今更ながらに効果があるのでしょうか? PETをうけた方がいいのでしょうか? 肺転移=末期とは信じ難く、毎回の血液検査で何も言われたことがありません。私が1人で決めなければならないのですが、どう考えればいいのでしょうか。

肺に乳癌の転移かも知れないものが出現し、CTにて6ヶ月ごとに経過観察しているとのこと、次回PET-CTをしてもらい、肺転移であるか否かを調べてみて、転移の可能性が強ければ、出来れば生検してもらい、組織型、ホルモン受容体、HER2の状態を調べることが大切です。その結果、乳癌であれば、生検組織で得られた情報を下に、治療法を考えてもらいましょう。(文責 吉田)

 

No.10693】  12年07月01日    A子 
再発について(HPNo.10499-3)

いつも勉強させていただいております(HPNo.10499−1.2)。先生方々には、お忙しい中のご回答、感謝申し上げます。 私は、47歳、昨年6月右非浸潤性乳管癌、1センチ、充実型、リンパ節転移なしにて、放射線療法を受けました。タスオミンは、内服半年で卵巣が4センチの右卵巣のう腫となり、中止したら改善され、副作用と判明されました。現在は無治療です。質問二つ、よろしくお願いいたします。
1) 非浸潤性乳管癌の場合、ホルモン療法をしない場合の再発率は、どのくらいアップしますでしょうか? 
2) 再発はどの本を見ても術後2〜3年くらいが多いと書いてありますが、丁度安定の時期のように思ってしまい、なぜなのでしょうか?

お教えいただければ幸いでございます。

1) 非浸潤癌でホルモン剤を使用する場合は、微小浸潤が潜んでる可能性を考えて投与することが多いですので、ホルモン剤の有無による再発率の違いは信用できるデータがありません。しかし、非浸潤癌でも3〜4%に局所再発がみられますので、ホルモン剤を服用しないと1%程度このリスクが高くなるような気が致します。
2) 手術で切除したものが再発するのは、肉眼では確認できない顕微鏡レベルのがん細胞が残っていて、それが増大してくるからです。2〜3年くらい経つと、検査で見つかる位の大きさに成長してるものが、乳癌では多いということでしょう。(文責 吉田)

 

No.10692】  12年07月01日    くるみ . 
乳ガンの疑いはあるでしょうか?

37才、未婚、妊娠出産経験もありません。約1ヶ月ほど前に、元々あった乳房の左右差が増していることに気づきました。左が、ぱっとみてすぐにわかるくらい乳房乳輪ともに、明らかに大きいです。炎症とまではいかないですが、左の方が張っていて、全体的に少しだけ硬いような気がします。自分でしこりを見つけることは出来ませんでしたが、左胸のかなり上方内側に硬結様のものを感じて、押すと圧痛と違和感があります(これは数年前からです)。それから、先月乳房が拡大していることに気づいたときと同じ頃に、同側の鎖骨あたりがピリピリと痛む日が何日か続きました。現在は症状はありませんが、疲れているときや無理したときに感じた気がします。あと、重たい荷物を持ったり、小さな子供を抱っこしていたりすると、腋の下から左胸の下側がキンキンに張り、怖かったです。それも翌日には消失しました。腋も何となく腫れぼったいような違和感があるような感じです。腋、鎖骨とも、しこりなどはわかりませんが、乳ガンがリンパ節に転移してるのではと考えてしまい、怖くて受診も出来ないでいます。突然の身体の異変に戸惑っています。やはり乳ガンの疑いはあるでしょうか? 診察をしたわけでもない上、拙い文章で、分かりにくく、申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

書かれている症状からは乳腺症ではないかと思われます。しかし、しこりがはっきりしない乳癌もありますので、一度乳腺外来を受診して、検査を受けておいた方が良いでしょう。(文責 吉田)

 

No.10691】  12年06月29日    Y.O. . 
反対側の胸のしこり

右側を温存手術し、幸い何事もなく7年がたちました。ご相談したいのは、左側の胸に、しこりがあります。マンモとエコーでも確認が取れないようなのですが、このままでも、いいのでしょうか。マンモやエコーにも写らない癌って、あるものでしょうか。よろしくお願いします。

マンモやエコーに映らない乳がんも希にありますが、そのよう癌の多くはごく初期の癌です。どうしても心配ならば、MRIなどの検査を受けるのも良いと思います。(文責 吉田)

 

No.10690】  12年06月29日    M.O. 
乳輪のできもの

17歳です。6月16日ごろに、左胸の乳首すぐ横の乳輪にデキモノができて、日がたつにつれて、どんどん大きくなり、腫れも酷くなって、デキモノはパンパンに腫れ、痛かったので、皮膚科にいきました。病院では、化膿止めの薬をもらい、服用したところ、21日に潰れてしまいました。痛みはおさまったのですが、念のため病院にいったところ、「腫れていてわからなかったが、しこりがあるみたいなので、外科にいくように。」と勧められ、23日に紹介された外科に行きました。エコーと触診で、「デキモノの下にやはりシコリがあるようで、傷口からは膿がでていたので、とりあえず薬で膿がとまるのをまって検討しましょう。」と、言われました。25日に消毒と診察にいったところ、「傷も治ってきているし、シコリも小さくなってきているようです。」と言われ、安心していたのですが、26日今日また病院で診察と消毒をしてもらったところ、「膿がまだ出ていて、傷の下にシコリもあるので、大きい病院を紹介しますから見てもらって。」と言われました。不安でしかたありません。乳癌や重い病気の可能性はあるんでしょうか?

乳腺膿瘍だと思われます。きれいに治るまでは時間がかかると思いますが、乳がんなどの重い病気の可能性は少ないでしょう。(文責 吉田)

 

No.10689-1】  12年06月29日    Y 
皮下全乳房切除術について

初めてご相談させて頂きます。先週、右皮下全乳房切除術をしました。手術の前日の説明で、右皮下全乳房切除術という方式で、手術中に、もし乳頭まで癌がいっていなければ、乳頭、乳輪は残すとの説明を受け、結局乳頭乳輪は残っています。また皮膚もしっかり残して、まわりの癌がいない脂肪も残しているので、今後もし再建をするときも大丈夫と、術後の説明で言われました。私も素人で、また手術の前日の説明だったこともあり、よく調べずに受けてしまったのもいけないのですが、全摘と思うには、かなり皮膚、脂肪も残っており、見た目もよくありません。全摘だと放射線治療の必要がないというメリットもあり、再建する気持ちもないので、全摘がよいと思っていたのですが、このように皮膚、脂肪がかなり残っている場合は、放射線治療も必要になるのでしょうか?  また、全摘より再発のリスクも高いのでしょうか? また、「センチネルリンパ節に微小転移があり、奥まで転移がいっている可能性のぎりぎり下のラインだったが、そんなに転移がありそうな感じではなかった。横に一個だけ腫れているリンパ節があったので、そこの周りのリンパと合わせて少し取り、余計な組織を取らないようにした。リンパ節かくせいと言うほど、がばっと取っていない。」という説明もありました。このような場合、転移の可能性も高いのでしょうか? 手術が終わったのに不安な気持ちでいっぱいで、ご相談させて頂きました。よろしくお願い致します。

皮下乳腺全摘を行った場合、通常は放射線治療は行いません。局所再発の可能性は全切除の場合とあまり変わらないと思います。センチネルリンパ節に微小転移があり、腋窩の郭清を軽めに行ったということでしょう。郭清をしっかり行った場合に比べ、転移の可能性が高くなる可能性はないと考えて良いと思います。(文責 吉田)

 

No.10689-2】  12年07月07日    Y 
術後の補助療法について

以前もご相談させて頂いたものです(10689)。術前に、手術待ちの間2ヶ月ほどホルモン療法を行い、6月19日に右皮下全乳房摘出術をうけました。術後の病理診断が出ましたので、ご相談させていただきたく、よろしくお願い致します。年齢:44才。

(右)、Invasive ductal carcinoma、scirrhous carcinoma 、 ER 90%、PgR 40%、ki67 1〜9% 、HER-2 2+(術前のFISH法で−)、 腫瘍径(浸潤部)3.5×3.0×1.4cm
 腫瘍の広がり:3.5×3.0×1.4(cm)、浸潤度:g+、f+、、娘結節:-、切除断端:-、約5mm以内-、リンパ管浸潤:-、静脈浸潤:-、intraductal soreading −、EIC −、壊死comedo−(術前は+) 、punctuate
−、石灰化−、組織学的異型度TubularFormation:2(10%to75%)  Mitosis score:1 NuclearAtypia:1 Totalscore:4 TumorGrade:1 リンパ節転移Level I:0/3、sentinel 1/1、合計1/4  (永久標本上では転移巣5mmでmicrometastsisです)

主治医からは、術前のホルモン療法と同じ、3ヶ月に一回リュープリン注射+タキシモフェンの提示を受けました。術後、主治医から、”術中センチネルリンパ節に微小転移があったが、奥まで転移がいっている可能性のぎりぎり下のラインで、そんなに転移がありそうな感じがないから、横に一個だけ腫れているリンパ節と、そこの周りのリンパと合わせて少し取り、余計な組織を取らないようにした。リンパ廓清というほどしていない。皮膚はしっかり残しており、周りの癌がいない脂肪もかなり残しておいた。”との説明を受けましたが、後の説明で、微小転移が5mmだったと聞き、微小転移は2mm以下のことをいうのではないかと不安になっております。腫瘍も大きく、硬癌で、リンパ節転移1/4ですが、放射線治療や抗がん剤治療はやらずに、このままホルモン療法のみでよいのでしょうか? その治療を行った場合の再発率はどうでしょうか? よろしくお願い致します。

本当に5mmなら微小転移とはいえないと思います。また腫瘍の広がり:3.5×3.0×1.4(cm)だったことを考えると、ki67 1〜9%で癌の増殖能(悪性度)は低いのですが、センチネルリンパ節に転移がみられたので、放射線治療や化学療法をした方が良いと思います。その治療を行った場合の再発率は、さらに低下すると思います。(文責 石川)

 

No.10688】  12年06月29日    D
非浸潤がんの術式について

いつも参考にさせて頂いております。先月、非浸潤がんのため部分切除をうけました。病理診断の結果、非浸潤乳管がん センチネルリンパ節生検 (−) MIB1 10% ホルモンレセプターはどちらも陽性でした。しかし、断端陽性で多発性のため、再手術の予定です。全摘か皮下乳腺全摘のどちらにするべきか、迷っています。年齢は43歳です。主治医は、再建も視野にいれた皮下乳腺全摘を提案されています。私は2期再建もしくは再建しない方向で考えが決まりつつあります。

1) 皮下乳腺全摘は標準治療でないので、局所再発率などのデータがあまりないと聞いたことがあるのですが、安心して受けられる手術なのでしょうか? また、非浸潤がんの場合の局所再発率は、どれくらいだと考えられるでしょうか?  (乳頭は残す予定です。)
2) 将来再建しないのであれば、皮下乳腺切除のメリットが少なくなる様に思えるのですが、再発の可能性や再々手術の可能性を減らす為に、乳房切除にしたほうがいいのでしょうか?

来月手術を控え、大変迷い、不安で、他の先生のご意見も伺いたく、質問させていただきました。よろしくお願いいたします。

1) 皮下乳腺全摘はエキスパンダなどを用いた再建をする事を前提として行うことが多い術式で、私たちの施設ではよく行われます。安心して受けられるものでしょう。皮膚や乳頭乳輪に浸潤の可能性のある場合は行いませんので、局所再発は全切除の場合と変わりません。乳房部分切除の場合、非浸潤癌の局所再発率は10%程度だと思います。
2) 再発の可能性のことだけから考えれば、乳房切除が一番良いでしょう。しかし乳房を失うことになります。(文責 吉田)

 

No.10687】  12年06月27日    M.S. 
肺転移後のゼローダ、フェマーラもしくはフェスロデックスの併用について(HPNo.10525-3)

いつもお世話になり、ありがとうございます。先日、母(67歳)の乳がんのことで、ご相談させていただきました。ご相談させていただいたこと、及びセカンドオピニオンをふまえ、7月から、ゼローダを継続しつつ、ホルモン剤をフェマーラからフェスロデックスに変更しようということとなりました。そんな矢先、6月16日にゼローダ処方のため診察を受け、血液検査をさせていただいたところ
BCA225
2011年11月→167、 2012年 1月→180、 2012年 3月→184、2012年 4月→198、 2012年 5月→197、 2012年 6月→162
CEA15-3
2011年11月→27、 2012年 5月→33.7、 2012年 6月29.0
と、腫瘍マーカー値が下がっていることが判明いたしました。主治医の先生のお話では、「LDHも下がってきているし、お薬の効き目が現れてきたと思います。 フェスロデックスに変更すれば、もう少し下がるとは思うのですが、 このまま様子を見ることもできますし・・・難しいですね。いずれにせよ、マーカーが下がってよかった!」とのことでした。

1) このまま、フェマーラ+ゼローダを継続するべきなのでしょうか? それとも予定通りフェスロデックスに変更するべきなのでしょうか?
2) お薬の効き目が出るのが遅いということは、がんの増殖スピードが速く、薬効が追いつくのに時間がかかったということになるのでしょうか? それとも、ただ母の体質的な問題なのでしょうか?
3) フェマーラもフェスロデックスも、いつかは耐性ができてしまうと思います。同じく乳がんの友人のお母様より、新しいホルモン剤としてTAS-108というお薬があると伺ったことがあるのですが、これはどのようなお薬なのでしょうか?
経口剤で、SRI Internationalと大鵬薬品の共同開発製品、といったお話は伺ったことがあるのですが、その他あまり情報がありません。今までのお薬との違い等、何かお教えいただければ幸いです。

謎のマットやお灸等、あやしげな代替治療を進められてしまうこともある中、こうして先生方にお伺いできること、とても心強いです。お忙しい中恐縮ではございますが、ご回答いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

1)  ホルモン剤に限らず、乳癌の薬物治療は効果のみられている間は、変更しないで続けるのが原則だと思います。もう少しフェマーラ+ゼローダを続けるべきでしょう。
2)  薬効き目が出るのが遅いのは、癌の増殖速度と関連すると考えるよりも、使用薬剤の特徴と考えるべきでしょう。体質の問題があるかもわかりません。いずれにしても、本当の所は不明です。
3)  TAS-108は新しいホルモン剤であり、エストロレセプターを完全にブロックするものとされており、既存のホルモン剤が無効となった後でも、25%位の人には効果が見られる様です。まだ治験段階の薬であり、一般的には使用できません。(文責 吉田)

 

No.10686】  12年06月27日    F.F. 
母の手術について

91歳の母の事なのですが、4年前(87才)、左胸上部に乳癌が発見され、化膿した状態でしたが、切開し、4〜5日間入院、その後、ホンモン療法でノルバデックスを一日に一錠飲んでいます。数ヶ月に一回、定期検査をしています。この度(2012年6月)の診察で、切開部分近くに0.5mmと0.9mの2個の癌が出来、更に頚部に0.5mm、股関節部分に0.5mmと転移しています。担当医の以前のお話では、乳癌が10mmになったら手術をした方がいいと言われていました。次回(8月)の定期検査で、手術をするか、否かご返事をしなければいけないのですが、どうすべきか迷っています。長生きして欲しいし、そうかといって、抗がん剤等で寝たきりになる状態にはさせたくない等の思いがあります。

1) 手術しなかった場合、どれくらいの余命か?
2) 手術した場合、どれくらい生きれるのか?
3) 体重が現在31kg、全身麻酔でとの事ですが、体力が耐えられるのか?

以上、宜しくお願い致します。

1) すでに4年前に癌があったとのことで、可成り進行は遅いものと思います。このままの進行だとすると、あと2年以上は大丈夫だと思います。
2) すでに頸椎と股関節に転移が存在しているとのことですので、生命予後は手術によってもあまり変わらないと思います。手術する意義は、局所(左胸部)をきれいにすることあるのでしょう。
3) 手術をするのであれば、心電図や呼吸機能、血液検査をきちんと評価してから全身麻酔の手術は行われます。御高齢ですので、無理はしない方が良いでしょう。

詳しい事情が分かりません。手術する意義を主治医より良く聞いてください。(文責 吉田)

 

No.10685】  12年06月27日    Y  
骨転移 (HPNo.10662-3)

HPNo.10662で相談したものです、ありがとうございます。骨転移のゾメタは、ジェムザール点滴から他のに変わっても出来ることとわかりましたが、今ある肺と周辺のリンパのガンが、もし消えたとしてもゾメタは続きますか? 骨転移のガンは、何をすれば消えていきますか? よろしくお願いします。

ゾメタは骨を溶かす細胞を抑性し、転移の進行を止めたり・遅くしたりするものです。従って肺と周囲のリンパの癌が消えても、骨転移が消えなければ使用していた方が良いでしょう。骨転移の進行はゆっくりで、直接生命をおびやかすものではありませんが、何をしてもなかなか消えません。ゾメタや新しく出たランンマークなどの薬で骨転移の進行を止め、癌と共存していくことが重要と思います。痛みがでた場合には、放射線外照射やRI治療が効果てきです。(文責 吉田)

 

No.10684】  12年06月27日    I 
11月まで待っても大丈夫でしょうか?

治療前検査 : 腫瘍径2.0cmX2硬がんリンパ節転移1/13個にエストロゲン受容体+,プロゲステロン受容体+,HER2 IHC法1+
化学治療 : エンドキサン経口、メソトレキセートと5Fu点滴を4週毎6回治療
治療後アルミテックスを5年間服用、H24年5月6日終了。
H24年6月1日検査結果は下記の通りです。
「 GOT(AST) 29 u/l GPT(ALT) 19 u/l LD乳酸脱水素酸素 231 u/l APL 327 u/lと高く、CEA 2.0 ng/ml CA 15.0 u/ml 」と、今までにない結果がでたが、診察の際医師の説明がなかったので、とても心配です。6ヶ月後の診察検査日11月まで待っても大丈夫でしょうか? 71歳10ヶ月、現在のところ元気良く生活して居ります。お忙しい折、宜しくお願い致します。

特に再発を心配しないでよいと思いますが、原因はわかりませんので、心配であれば主治医に相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.10683】  12年06月27日    S  
抗がん剤が7月からです

大学病院にて治療をしています。4月にみつかり、5月に手術、病理結果は、「ホルモン感受性なし HER2 FISH陽性、グレード3、Ki67 65% リンパ節1」 なのに、抗がん剤が7月からです。大丈夫なのでしょうか。抗がん剤はFEC100 4クールのあと、ウイークリーパクリタキセル12回+ハーセプチンです。5年生存率は何パーセントでしょうか? すでに微小ではなく、転移しているのかと、心配です。

年齢や腫瘍の大きさなどの情報がないので正確なことはわかりませんが、50歳、腫瘍の大きさ2cm以下でAdjuvant onlineによると、ハーセプチンが50%程度再発を減らす効果があると考えると、現在の治療で10年再発リスクは15%程度と考えられます。(文責 浜口)

 

No.10682】  12年06月27日   K.Y.
現段階の治療方法について(HPNo.10370-2)

前回 【No.10370】  11年09月25日 転移の確定転移の確定 で、質問させていただきました。その節はありがとうございました。結果もご報告せず今に至ってしまいました。前回ご相談してから、結果的に肺の手術を昨年10月にしました。幸い全摘にはならず、右肺中葉のみの切除で終えました(乳がんの肺転移です)。しかし、その後、肺炎(後に好酸球性肺炎と診断)に罹り再入院。抗生物質がなかなか効かず(熱が下がらず)、最終的にステロイド剤(プレドニン)で治りました。その後、元の病院で(手術は別の病院で受けました)抗がん剤治療を始めました。当初FECを4クール、タキソテールを12クールとの事でしたが、タキソテールは担当医が変わり4クールになりました。
しかし、タキソテールは、1回目に気分が悪くなり(点滴直後、胸に圧迫感と目の周りに星が周り始め)、中止になりました。アルコールのせいでは無く、アレルギーではないかとの事。結局、その後の治療はホルモン療法になり、タモキシフェンを20r服用しています。FECを終えているので、無理をしてまですることはないでしょうとの事。タモキシフェンは初発の治療でも服用していました。手術の際の組織診断は、下記の通りです。年齢的にこのまま閉経になり、その後はまた薬を替えていくようです。抗がん剤治療はこの段階で他の薬もあったのかもしれませんし、もう一度チャレンジすべきだったか、しばらくは考えていました。現段階の治療方法について、今の方法で良いかお教え願えませんか。再発後の治療関連の相談内容もありますが、宜しくお願いいたします。

組織診断 (10月の手術時)
Lung,rt middle lobe, resection  Mucinous carcinoma, metastatic E-R(+):90%、 3+, Pg-R(−): <10%, 1+, Ki-67 LI=20%   HER-2: Score 2, HER2-FISH:(-) HER2-FISH法 シグナル比=0.7, HER2遺伝子の増幅なし

肺転移に対する治療ということで、現在他に明らかな病変がないのであれば、ホルモン感受性なので、基本的にはホルモン療法を中心に治療を進めていき、もしも病状が進行して、ホルモン抵抗性となった場合には、化学療法を行うという方針でよいと考えます。(文責 浜口)

 

No.10681】  12年06月27日   M
トリプルポジティブの治療と再発率について

45歳で右乳癌にて乳房切除しました(術前抗癌剤治療はしていません)。病理診断は、浸潤腫瘍径18×17mm(HE標本上)  組織学的浸潤度:g  リンパ管侵襲:lyー  静脈侵襲:vー  ductal spread:ductal spread+ 娘結節:+ 切除断端:marginー 原発巣:T1c リンパ節転移:N0 sentinel(0/2)  組織型:充実腺管癌 核異型スコア:2点 核分裂像:2点(9/10HPF) ER(+)(Jーscore3) PgR(+)(Jーscore3)  HER2/FISH判定:(+) (HER2増幅比:7.34) ki-67値 40%
術後にEC療法4クール施行し、その後ハーセプチン単独で1年間18回の予定です。腋窩リンパ節に転移がなかったので、タキソールは行わなくていいとのことでした。EC療法にて薬剤閉経したため、LHーRHアゴニスト製剤は一度も使用していません。現在はタモキシフェンの内服中です。腋窩の転移はなかったものの、HER2(+)であることやki-67値が高値であることがとても気になります。

質問は、
1) 術後にタキソールの上乗せはしなくてヨかったのでしょうか?
2) アジュバントオンライン等による、私の再発率(生存率)などの数字を知りたいです。
3) 初発の際にリンパ節転移がない人でも、10年後には25%の人に再発が見られるというデータをみました。増殖率の高い私は、その25%に入りやすいタイプでしょうか。

以上、お忙しいところ、よろしくお願いいたします。

ハーセプチンの長期的な再発予防効果のデータはまだありませんが、50%程度再発を減らす効果があると考えると、Adjuvant onlineによれば、現在の治療での10年再発リスクは7%程度となります。タキソールも使用した場合は5.5%程度ですので、あまり上乗せ効果はないと考えてよいのではないでしょうか。ハーセプチンの無い時代には確かにHER2陽性は再発リスクが高いと考えられましたが、ハーセプチンの使用により、そのリスクは下げられると考えてよいと思います。(文責 浜口)

 

No.10680】  12年06月25日    Y 
骨転移(HPNo.10662-2)

HPNo.10662で相談した者です。ありがとうございます。骨転移の点滴ゾメタは、一生続けていかなければいけないのでしょうか?

ゾメタは投与を続けることにより、骨転移による骨折などの合併症のリスクを減少させる効果がありますので、重症の副作用(腎障害や顎骨壊死など)が出現しなければ、基本的には続けることをお勧めします。骨転移の状況によっては、ランマーク、メタストロンや放射線治療が有効な場合もあります。(文責 浜口)

 

No.10679-1】  12年06月25日    M.M
脂肪肝について

術後ノルバデックスを飲んで、約3年ですが、先日の検診で脂肪肝を指摘されました。肝機能の数値も高めです。主治医からは、ひとまず食事に注意をしてみてと言われました。「次回の診察で改善が見られないようだったら、
薬を変更も考えますが、なるべくなら薬の変更はしたくないな」と、言われています。私も、使えるのであれば、同じお薬で行きたいと思っております。ノルバデックスの副作用なのかもしれませんが、ノルバデックスを服用しながら、脂肪肝の治療として、何かお薬で対処はできないものでしょうか?

ノルバデックスの副作用として中性脂肪の上昇や脂肪肝による肝機能障害はよく見受けられますが、稀に急激に進行する非アルコール性脂肪肝炎もあり注意が必要です。生活習慣で改善できればよいですが、薬の副作用で重症の場合には、薬剤の変更も考慮したいところです。閉経後であれば、ノルバデックスとほぼ同様の効果で脂質代謝への影響が少ないトレミフェンへの変更も選択肢のひとつです。(文責 浜口)

 

No.10679-2】  12年11月19日    M.M
脂肪肝について(2)

お世話になっております。以前HPNo.10679にて質問させていただきました。その後、肝機能数値も若干下がっておりますが、まだ基準値を超えている状態です。主治医は、今年の8月で術後5年を迎えたので、ホルモン剤の服用を止めてもいいとおっしゃいました。(リュープリンは今年5月で、丸2年打ちましたが、肝機能が悪くなったのを機に止めました。) 現在は、ノルバデックスのみ服用中。今後は、半年間隔での診察です。しかし、術後の病理検査結果が、術前化学療法(FECとタキソテール)を半年行ったにもかかわらず、3cm×5cm×2cm、リンパ節転移 レベルT 1個 レベルV 1個、ホルモン陽性、ハーツ陰性でした。温存しましたが、断端陽性のため全摘手術をしました。その後、放射線治療を受け、ゼローダを半年服用しました。私自身、リスクが高いと思っているので、出来るだけ治療を続けていきたいと思っております。質問させていただきたいのは、患者会で、ある方が、ノルバデックスからアリミデックスに変更したら、脂肪肝が治ったと言っておられました。ホルモン検査を受けて閉経を確認出来たら、アリミデックスにしてもらうのがいいかなと思いましたが、リュープリン最終が5月ですが、来年2月の診察時にホルモン検査を受けたら、閉経かどうかは判断出来るのでしょうか。また、病理と今までの治療法から見ると、ここで治療を止めるのと、今後も何らかのホルモン療法を続けるのとでは、どれくら再発率に違いがあるのでしょうか? よろしくお願いします。

個人差は、あるかもしれませんが、5月に最終のリュープリンであれば、2月にホルモンの採血結果に影響がでることはないと思います。ただし、薬を変更すると言うことは、新しい副作用が出現する可能性もあるということです。よく主治医と相談して下さい。
また、最後のご質問に関しての回答は、一般的にはホルモン感受性陽性の患者さんの方が、陰性の患者さんに比べより長く再発の可能性が残るということがあり、残念ながらM.Mさんの再発リスクが低くはないことは私も同感ですので、タモキシフェンからアリミデックスに変更して長めに内服することは選択肢の一つだと思います。数多くの臨床試験の結果から、術後のホルモン療法の最適期間は5年と結論付けられていますが、一部の試験結果では、再発リスクの高い患者さんに10年間タモキシフェンを内服して頂いた方とタモキシフェン5年の後にフェマーラを5年内服した場合とで、わずかにタモキシフェン5年の後にフェマーラを5年内服組が再発率で良かった結果が得られています。ただし、長く内服することで出てくる副作用もあり、私の患者さんでも何人か似たような状況の患者さんが居りますが、ケースバイケースで良く話し合って決めています。(文責 緒方)

 

No.10678】  12年06月25日    F 
今後の治療と再発率

はじめてお便りいたします。左全摘手術を受け、1か月以上が経過しました。病理の結果は、腫瘍径:20x19x18mm、組織型:invasive lobular carcinoma,核異型度:NG1(Atypia1 + Mitosis1)、脈管侵襲:Iy1、v0、切断断端:Negative、リンパ節:pN1mi(se)  センチネルリンパ節(1/3) 転移巣の径は1mm、腋かリンパ節(0/10)、ER:90%、PgR:60%、HER2:ー、MIB-1:5、E-cadherin:Negative、stage:IIーA(TNM分類:pT1cN1mi(sn)M0)でした。「術後の補充療法を抗がん剤にするか?ホルモン療法のみにするか?微妙なところ」と、主治医に言われており、結論は来週まで持ち越しとなりました。私と致しましては、抗がん剤は副作用も強く、生活の質も落ちることから、できればしたくないと思っています。統計的に、このような結果がでている患者が抗がん剤療法をした場合とホルモン療法だけをした場合の再発率は、1年、2年、5年、10年と、どのくらいなのでしょうか? よろしくお願いいたします。年齢は51です。

最近は乳がんの個別治療の進歩に伴い、ホルモン治療のよく効く患者さんには、リンパ節転移のある場合でも抗がん剤治療を省略するケースが増えてきています。顕微鏡検査で2mm以下のリンパ節転移を微小転移と言いますが、微小転移は2mm以上の転移よりも再発リスクが低いと考えられていますが、長期の経過をみたデータはなく、恐らくリンパ節転移なしと2mm以上の転移の中間的な位置と考えます。Adjuvant onlineでホルモン療法単独と標準的なアンスラサイクリンを用いた化学療法を追加した場合の10年再発率は、リンパ節転移なしの場合、8%と5%、リンパ節転移1-3個の場合、13%と8%になります。ですので、化学療法を追加した場合の10年再発率は絶対値で3-5%程度低下させる効果が期待できると予測します。抗がん剤治療を追加した場合に、2-30人に1人の再発を防ぐ効果が期待されるということであり、副作用などのデメリットと比較してどちらを選択するかは、主治医の先生のおっしゃるように微妙なところで、どちらも選択しうる治療と考えます。(文責 浜口)

 

No.10677】  12年06月23日    A.T. 
胸の痛みとしこり

ここ1ヵ月くらい、時々胸が痛みます。(左)触ってみると「これはしこり?」と思うようなものがあります。最近は左胸のちょうど裏側の背中の中?が痛く、苦しいです。胸の触りすぎか、家事で前にかがむと胸が痛い(中心付近)です。 しこ
りらしきものは、胸のつけねより2センチほど上です。右胸を触っても、このしこりのようなものはあります。マンモグラフィはまだ受けたことはありません。不安で怖くてたまりません。

いろいろな原因が考えられますが、しこりのようなものがあるのであれば、不安を解消するためにも一度乳腺外科での診察をお勧め致します。(文責 浜口)

 

No.10676】  12年06月23日     K.A
今後の治療と再発率について(2)(HPNo.10663-2)

前回はお返事ありがとうございました。使用する抗がん剤を再度確認しましたら、エピルビシン+エンドキサン/ 3週間に一回x4 、ドセタキセルx4+ハーセプチンx4/3週間に一回、ハー
セプチンx14/ 3週間に一回、タキシモフェンx五年でした。この治療での10年再発率は 10%程度という理解でよろしいのでしょうか? 年齢は47歳です。お手数をおかけしますが、よろしくおねがいします。

はい、Adjuvant onlineによれば10年再発のリスクは10%程度と考えます。(文責 浜口)

 

No.10675-1】  12年06月23日     K 
手術待ちの間に、進行しませんか?

5月中頃に乳がんと診断されました。術前検査も終え、手術も決定しているのですが、日程が決まりません。病院の都合で、先約がおられたり、更に先日も、重篤の方が後から来られて、その方を優先されるとのこと。検査の結果、ER100%、HER2マイナス、原発巣2.2センチ 娘結節あり。リンパ節の転移なし。今、タモキシフェン(ノルバデックス)を飲み始めて10日位です。大体の手術予定は、7月末頃と言われています。「待っている間に、転移するのでは・・・」と、ストレスを非常に感じています。大丈夫でしょうか?

手術までの1日1日は本当に長く感じてしまいますよね。手術待ちの期間は、患者さんの多い病院ほど長くなる傾向にあり、通常1-3か月程度の病院が多いのではないでしょうか。乳がんはしこりが見つかるまでには年単位の時間が経過していると考えられ、手術までの1-2か月で突然転移を起こすとは考えにくいです。更に、転移を抑えるのは手術ではなく全身薬物療法ですので、タモキシフェンを開始しているのであれば、あまり心配せずに予定通り手術をすればよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.10675-2】  13年01月22日     K 
上腕のしこり、癌?

時々『相談室』をありがたく拝見させていただいています。前回HPNo.10675で相談させていただいた者です。
7月に右乳房温存手術を受けました。術前検査では、「リンパ節転移なし」と、言われていました。しかし、センチネルリンパ節1/3で転移が見つかり、リンパ節郭清を追加されました。麻酔から目が覚めて、そのことを聞かされた時は、とてもショックでした。検査で、全部を調べることは不可能とわかっていますが、「手術待ちの間に、転移したのでは?」と考えてしまいました。その後、ノルバデックスとリュープリン、放射線治療も受けました。放射線治療では、一週間後位から、少し治まりかけていた、上腕の痺れが再発。胸から腋の下への突っ張り感も増してきました。何もかもが、良くなるのではなくて、悪くなる方向に進む気がしました。ここしばらくは、やっと精神的に落ち着いてきていました。(薬の副作用と思われる、ホットフラッシュ等の不快感はありますが・・・) ところが、先日、上腕に5ミリ程度のしこりを見つけました。特に、リンパ浮腫のような症状はありません。病院によっては、腕にサポータをするよう支持されているようですが、こちらの病院では、ありません。いきなり癌とは思えないのですが、気になって仕方ありません。現在、6週間に1回の通院(触診と問診)、3ヶ月に1回はリュープリンの注射と血液検査をしています。9日に通院したばかりです。

1) 次回診察まで、このしこりの件をそのままにしてよいでしょうか?
2) また、私としては、触診だけでなく、マンモやエコーも受けたいのですが、一般的にそれは過剰診療となるのでしょうか? ちなみに「左乳房にも多数のう胞あり」と指摘されていて、しこりのようなものを自分の手で確認できています。

1) 上腕のしこりが今回の乳がんに関係する可能性は低そうです。仮にがんに関係するものだとしても、次回の通院まで待ってもよいかと考えます。
2) マンモやエコーは、視触診で病変を疑う所見がなければ、一年に1回程度で十分であると思います。しこりが確認できていても、のう胞と判断されているならば、心配ないと思います。新しいしこりができる、今あるしこりがかなり大きくなるなどの症状があれば、主治医に申し出てください。 (文責 俵矢)

 

No.10675-3】  13年02月16日     K 
リュープリンの副作用による、骨塩量低下?

HPNo.10675で相談させていただいた者です。いつもお世話になり、ありがとうございます。他の方の相談についても、とても参考にさせていただいています。先日、リュープリンについての質問がありました。私の場合、7月から開始して5年の予定です。開始後、しばらくしてから、ホットフラッシュによる、玉のような汗を突然かくようになりました。他には、頭を押さえつけられるような感覚に、たまに襲われます。1月に3回目の注射後しばらくしてから、両膝に軽い痛みが出始めました。痛みが治まった時でも、常に違和感があります。リュープリンを注射することによって、骨塩量が低下するとのことですが、現在の私の症状は、骨に影響が出てきていると考えられるでしょうか?

リュープリンの長期注射による性腺機能低下で骨塩密度が低下し、骨粗しょう症が起こることがあります。7月からのリュープリン開始なので、現在の症状は、骨塩密度低下による可能性は低いように思われます。念のため、主治医に症状を話し、相談してください。(文責 石川)

 

No.10675-4】  13年07月01日     K 
遺伝子検査(オンコタイプDX)の必要性

いつもお世話になります。4回目の相談です(No10675)。不安に思った時に直ぐに相談でき、本当にありがたく、感謝しています。今回は、遺伝子検査について、よろしくお願いします。アンジェリーナジョリーさんが遺伝子検査を受け、その結果、乳癌となる確率が高いとのことで、予防的乳房切除をされました。現在、この遺伝子検査は保険適用外で、40万円位とのこと。病理検査より遺伝子検査のほうが、より詳しく、新たなこともわかる可能性があるのでしょうか? 私がこの検査を考えた理由は、一つの疑問からです。20年近く、毎年、エコーとマンモ検査を受けていましたが、たった一年だけ、福島第一原発による放射能の体内被曝を少しでも減らしたいと思い、マンモ検査を受けませんでした(エコーは受けました)。その翌年の検査で、いきなり3センチの浸潤癌がみつかりました。温存手術を受けました。

病理検査結果

ER100% PgR70% HER2マイナス
MIB−1 5%
GradeU(tubular3 nuclear2 mitosis1)
周辺部にDCISを伴い、線維性間質内に個細胞性、
索状配列を示して浸潤するscirrhous typeの浸潤癌
脂肪織内に浸潤
リンパ節転移 1/6

素人判断ですが、MIB−1が低ければ、癌の進行は遅いということではないのですか? なぜ3センチもの大きさになってしまったのか理解できません。病理検査を全て信頼して大丈夫なのでしょうか? 疑問が頭から離れません。もしも、遺伝子検査をすることによって、他に何か有益な情報が得られ、それが治療に役立つのなら、高価でも検査を考えたいと思います。(今後、保険適用になる可能性があるのなら、待ちたいです)

AJが受けた検査は、オンコタイプDXではありません。家族性乳がんの遺伝検査です。Kさんの質問中の「この遺伝子検査は保険適用外で、40万円位とのこと。病理検査より遺伝子検査のほうが、より詳しく、新たなこともわかる可能性があるのでしょうか? 」の検査は、オンコタイプDX のことのようです。この検査の目的は、ホルモン療法だけではなく化学療法を追加した方がより再発を抑えられるかどうかを、患者さんのがんの遺伝子の組み合わせから知ることです。ですから、「他に何か有益な情報が得られ、それが治療に役立つ」ことになるわけです(微妙な結果の時もあることはあるんですが・・)が、「なぜ3センチもの大きさになってしまったのか」という疑問には、答えられません。(文責 緒方)

 

No.10674】  12年06月22日     M.S. 
リュープリンの副作用について

お忙しいところ恐れ入ります。リュープリンの副作用についてお伺いします。私は、乳がんになり、リュープリンを7回ほど投与している最中です。先日、肝臓などの臓器の超音波をした所、肝のうほうが見つかりました。主治医は、「リュープリンとは関係ないです。このままで問題ありません。」と、言われました。リュープリンの副作用で肝機能の障害と記載してありますが、肝のうほうは、これに当てはまらないのでしょうか? 食事や運動に気遣っているのに、なぜ肝のうほうになったのか、原因もわかりません。このような例は、ありますか? ご回答の程、よろしくお願いします。

おそらく肝のうほうは最初からあったのでは? 肝のうほう自体には病的意義はあまりありません。人間ドックなどでもよく見つかりますが、のうほうと確実に診断できる所見を示すものについては、放っておいてかまいません。(文責 俵矢)

 

No.10673】  12年06月22日     M
病院選び

エコーやマンモで判断できず、MRI、マンモトーム生検し、来週結果がでます。おそらくMRIの画像から、よくない結果がでるかもしれません。初めは市民検診で再検査になり、その後の検査は、乳腺専門医(1人)がいる市立病院でみてもらっていました。もし手術となったら、今かかっている市立病院(乳腺専門医1人、他の外科医は4名くらい)で手術したほうがいいのか、大きなガン専門病院に行ったほうがいいのか、迷っています。市立病院は、年間手術数50件くらいで、家から車で30分くらい。大きな専門病院は、乳腺専門医が4名くらいいて、手術数も年間300件くらいです。家からは、電車で1時間半くらいです。小さな病院は、症例数も少なく、専門医が一人でみているので、手術となったら、その先生が全部してくれるとは思います。また、新たに大きな病院に行って手術待ちをするのも不安ですし、専門医が1人の病院の場合、治療方法は全部一人で判断してやってしまうのではないかというのも不安です。多少遠くても、たくさん専門医がいる方がいいのか迷っています。よろしくお願いします。

私自身もその小さな市立病院と同じような環境で仕事をしています。確かに大きな病院のようにたくさんの専門医がいるわけではないので、近隣の施設の専門医の先生との勉強会に参加したり、迷う症例は相談したりもしています。大きな病院は大きな病院なりのメリットがありますし、近くの病院にも、その病院なりのメリットがあると思います。今かかっている病院の先生に、セカンドオピニオンの紹介状を書いてもらって、がん専門病院で一度診察してもらってはいかがでしょう。そのうえで、あなた自身がどちらがよいかお決めになるのがよいと思います。私のところでも、セカンドオピニオンに行かれて、その結果当院で治療をご希望される方もいますし、セカンドオピニオンの先で治療される方もいらっしゃいます。いずれにせよ、患者さん本人が納得された施設で治療なさることが一番です。(文責 俵矢)

 

No.10672-1】  12年06月22日     T.A.  
再発率

51歳主婦。昨年乳がんを発症して手術をしました。病理検査の結果は、「ER PG共に100%陽性、Her2−のルミナールA型、腫瘍径は2・5cm、リンパ節転移は3個、グレード2」でした。タキソテール4クール、FEC4クール、放射線治療25回して、現在はホルモン治療でタスオミンを服用中。手術前にリュープリンを1回注射した後、閉経状態です。術後1年3ヶ月。再発の兆候はみられません。相談したいことは再発率です。いつ、どこに、どのような形で再発するのか、とても心配で、そのことばかり考えてしまいます。2007年から毎年乳がん検診を受け、ずっと異常なしでしたので、すっかり安心して、2010年の検診をさぼりました。痛い検査を毎年することもないかと思って・・・。2011年1月に2.2cmのシコリが見つかりました。最後の検診は2009年9月でした。1年4ヶ月で2.2cmのシコリができるなんて、増殖が速いと思います。主治医に、「おとなしいガンだから」とか「ホルモン剤がよく効くから大丈夫」とか「治りやすい方にいるんだから」と言われても、信じられない気持ちです。このタイプは抗癌剤の上乗せ効果がほとんどないらしいし、リンパ転移3個だし、再発しないとは思えなくて・・・。他の先生に「大丈夫だよ」と言ってもらえたら、少しは心配が減るかと思ってお便りしました。

術後の補助療法を十分やっていらっしゃっていますね。頑張りましたね。「やれるだけのことはやった、大丈夫。」と考えて、タスオミンをしっかり服用してください。(文責 俵矢)

 

No.10672-2】  13年10月18日     T.A.  
今後の治療について

以前HPNo.10672で質問させていただいたTAです。先日CYP2D6遺伝子検査を受けたところ、「低代謝」という結果が出て、大変がっかりしています。タモキシフェンが効くと思って飲んでいたのに・・・。今後は、どのような治療方法(薬剤)がよいでしょうか? 結果報告書は主治医にお渡しして、考えてもらうことにしましたが、主治医はCYP2D6に詳しくないようです。なお、リンパ節転移は、3個ではなく4個でした。よろしくお願いします。

タモキシフェンと同種の薬剤であるトレミフェンは、非ステロイド性のエストロゲン剤で、男性ホルモン様作用がなく、副作用が少ないとされています。本剤は、CYP2D6ではなく、主にCYP3A4で代謝されます。現在閉経状態との事ですので、トレミフェンとして40mg 又は 120mg 経口内服してみる方法も考えられます。主治医とご相談してみてください。(文責 須田)

 

No.10672-3】  13年11月27日     T.A.  
今後のホルモン剤について

以前NO10672で質問させていただいたTAです。トレミフェンを勧めていただきましたが、アロマターゼ阻害剤はどう思われますか?

アロマターゼ阻害剤もよい候補の一つになります。相談されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.10671】  12年06月22日     S.W
骨転移治療中の足の違和感

いつも拝見させていただいております。2009年8月に左乳房切除手術、抗癌剤終了直後2010年3月に肋骨に転移が発見され、ゾメタとフェマーラの治療を継続中です。骨以外には、今のところ転移は発見されておりません。つい最近6月4日に、経過観察のため定期的に受けている骨シンチ検査を終え、結果待ちの状態でおります。検査翌日晩より、右足のだるさと違和感が気になり相談させていただきました。フェマーラ服用後、関節痛に苦しみましたが、自然に症状が治まったにも関わらず、又このような症状が副作用として現われることがあるのでしょうか? 今までになかった症状のため、大変不安に感じております。コレステロール値が高い(250)事は関係ありますでしょうか? 主治医の診察が6月14日とまだ先のため、相談させていただきました。お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願い申し上げます。

フェマーラはずっと飲んでいるということなので、フェマーラによる副作用は考えづらいように思います。コレステロールは関係なさそうです。癌や癌治療の副作用とは関連ないかもとも思いますが、文面のご相談では、このくらいのお返事が限界です。主治医に相談なさってください。(文責 俵矢)

 

No.10670】  12年06月22日     H 
ランマークについて

術後、六年で再発した者です。現在、肺、胸膜、肝臓、骨、皮膚に転移していますが、ゼローダ、エンドキサンが効き、マーカーも正常値近くまで下がってきました。骨転移が最近になって判明したため、新薬のランマークを二回接種したところです。今回の血液検査の結果、カルシウムが低下、白血球が2400になってしまいました。次回の血液検査しだいで、ランマークからゾメタに変更しようかという話しがでています。現在抗癌剤は二週服用し1週休みのペースですが、マーカーをみて、効果がかなりでているので、二週の休みにしてランマークを続けてみるかという選択も視野にいれているそうです。そこでなのですが、転移箇所が多いので、このまま1週の休みにしてゾメタに代えたほうが良いのか、二週休みにしてランマークでいくか、どちらがよい治療選択になりそうでしょうか。ゾメタは接種したことがないのですが、効果は同等と聞いています。血管が潰れている私にとってはラ、ンマークをできるだけ続けたいと思っています。あと、ランマークやゾメタの治療効果として、骨転移のどういうことに効くのでしょうか。進行を遅らせることもできるのでしょうか。痛みを軽減する作用は入っていますか。

ランマークもゾメタも、骨転移による痛みを軽減する作用はいずれもあります。ランマークはゾメタに比べ痛みを取る作用が強いですが、低カルシウム血症などの副作用もゾメタより少し頻度が高いと言われています。低カルシウム血症のコントロールが難しければ、ゾメタに変えてもよいと思います。(文責 俵矢)

 

No.10669】  12年06月22日   A.O.
ホルモン治療の必要性はありますか?

先日、乳がんで温存手術・センチネルリンパ節を行いました。転移は認められず、リンパ節輪清は行わずにすみました。永久病理検査の結果、「すべて非浸潤性乳管癌、 脇の下のリンパ節転移:なし、他臓器の転移:なし、ステージ:0、組織学的異型度:グレード1、Lyc-1:リンパ節転移しにくいタイプ、断端:--、再発リスク:約10%、ER:7/8、pgr:8/8、Her2:0、MIB-1<10% 」でした。手術した病院で放射線治療を行います。ホルモン治療については、「自宅近くの病院のドクターと相談の上決定して下さい。」と、言われました。「ホルモン治療は副作用もあるのでしたくない」と伝えると、「ステージ1だったら必ず行って欲しいけど…。う〜ん。どうかな、その旨を自宅近くの病院のドクターに伝えてみて決定して」と、言われました。再発リスク10%に、ホルモン治療を行う必要があるのでしょうか? 私は46歳で、まだ閉経していません。よろしくお願い致します。

ホルモン療法を行うか行わないかで、いわゆる生存率は変わらないかと思います。ホルモン療法をするメリットは、乳房内再発の確率を下げることと、反対側の乳房にがんが発生する確率を下げる事です。副作用もあるので、やった方がよいか、やらないほうがよいかは、ケースバイケースで判断します。ですから、やりたくないならば、やらないことでもよいのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.10668】  12年06月22日   Y  
ホルモン剤について(HPNo.10627-3)

ホルモン剤はタミフルではなくて、タスオミンです。慌ててまちがえてました。現段階で、タスオミン以外の選択肢はないのでしょうか?

この場合、局所療法(切除)のみですませるか、薬物療法も追加するかどうかは難しいところです。最初のがんは小葉がんで、あとで出てきたのは粘液がんということで、組織型が違うのでしょうか? しかし、全摘されたとのことなので、新たな乳がんが出ることは考えづらいので、局所再発ということになるのでしょうか。タスオミンを服用中に出現したということなので、違う薬物(化学療法も含め)を検討してもよいと思います。しかし、この場合、出てきたものも小さいので、切除して、そのままの治療を続行するのもありかと思います。温存療法後に放射線療法を行ったという記載がないですが、行っていなければ胸壁照射も選択肢に入ると思います。(行っていれば、通常追加の放射線照射はしません。)(文責 俵矢)

 

No.10667】  12年06月22日   アリス
リンパ浮腫について

何度か相談にのっていただいております。この度も宜しくお願いいたします。今年に入って肝転移(現在の所15oのものが1つのみ)が見つかり、症状も無い事からホルモン療法(フェアストン)の治療を継続して様子を診ております。術後、リンパ浮腫になり、リハビリやマッサージなどで良くも悪くもならない様態を続けておりましたが、最近になり指まで腫れて、物を掴むのも力が入らず、肘も曲げづらい状態です。以前は腫れもある程度ひいておりましたが、ひかなくなり、腕のサイズが8p〜10pの差があります。以前は5p程でした。

1) リンパ浮腫を調べていて、転移や再発をきっかけに浮腫が悪化すると書いてありましたが、本当でしょうか? 私の場合、何をしたから腫れると言うものでも無いように思います。
2) リハビリを続けるのも大変なので、先生と相談して自分でマッサージやスリーブをして管理を続けておりました。リンパマッサージの機械があると聞き購入も考えておりますが、効果は期待できますでしょうか?
3) 最近は腫れだけでは無く、痛みや体重の増加が診られます。 体型は変わらないのに、1s〜1.5sの増加はリンパ浮腫からくる物なのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ございませんが、宜しくお願いいたします。

1) 腋の下や鎖骨の周り、頚部へのリンパ節の転移再発や、皮膚のリンパ管の中にがん細胞が浸潤する場合には、リンパ浮腫が悪化することがあります。
2) リンパマッサージの機械については、かえって逆効果のこともあります。主治医やリンパ浮腫のリハビリの先生に相談してみてください。
3) 胸水や腹水が貯留したり、下腿にむくみが生じても体重がふえることもあります。測定誤差も。(文責 俵矢)

 

No.10666】  12年06月19日   N.T.
今後の治療について(HPNo.10593-2)

No.10593で相談させて頂いた者です。ご回答どうもありがとうございました。相談させて頂いた時は、ソラデックスとノルバデックスで治療中でしたが、無治療になるのが怖くて、なかなか踏ん切りがつかず、今もゾラデックスの注射は続けています。ホルモン療法を止めるという選択肢も頭では理解できているのですが、できればホルモン療法を5年間(残り後1年)続けたいと言う気持ちも消えずにあります。

1) ゾラデックス単独で続けるのはどうでしょうか?
2) ゾラデックス+アリミデックスも効果があるという記事を読みましたが、可能でしょうか? 

ホルモン陽性、ハーツー陰性、リンパ節転移なし、グレード2、大きさ1.8センチでした。現在47歳です。よろしくお願い致します。

1)ノルバデックスが副作用の原因なのであれば、ゾラデックスをあと1年つづけるのは、問題ないと思います。
2)ノルバデックスのかわりに1年間アリミデックスを追加するのが有用かどうかは、データはありません。あらたな副作用の出現もありえるので、お勧めしません。(文責 徳田)

 

No.10665】  12年06月19日   T 
授乳期腺腫について 

26歳、授乳中です。妊娠6ヶ月のとき、乳頭下にしこりがあることに気づきましたが、産婦人科で、乳腺の発達によるものと診断されました。産後3ヶ月、大きくなり続けていることを疑問に思い、乳腺外科を受診。マンモトーム生検で授乳期腺腫という結果でした。これまで腫瘍が急激に大きくなった時期が3期間あるのですが、私自身疲れやストレスを感じていた時期に一致しています。この腫瘍は、そういった疲れなどということが関係ある可能性があるのでしょうか? 現在、経過観察中で、ここ1ヶ月は、腫瘍は4cm大で増大はみられておりません。授乳にも特に影響はありません。一般的に授乳期腺腫は、断乳後手術が必要となるケースが多いのでしょうか? また近々、次の妊娠を考えたいのですが、断乳、手術後でないと、次の妊娠中に問題がでてくるのでしょうか? よろしくお願いいたします。

授乳期腺腫とストレスとの関連は、不明です。この腫瘍のがんとの関連はないとされています。したがって、腫瘤による影響、たとえば、乳頭が変形したり、乳管が圧迫されて、乳汁のうっ滞がおこるなどの影響がなければ切除しなくても良いとされています。しかし、あたなのように、次の妊娠を考えるのであれば、大きいので、その前に切除しておいた方が安心なのではないでしょうか。(文責 徳田)

 

No.10664】  12年06月19日   F 
診断書について

診断書についてお伺いします。治療前診断では、がんの大きさ、cT1、リンパ節転移の状況、cN0が術後病理診断では、pT1、pN0になっています。cとpの意味を教えてください。よろしくお願いします。

「c」は、画像診断などを含めた臨床的な病期を表します。「p」は、手術材料の病理学的な診断結果を基にした病期を表しています。(文責 徳田)

 

No.10663-1】  12年06月19日   K.A.
今後の治療と再発率について

5月18日に両側全摘手術をうけました。術後の病理診断が出ましたのでご相談させていただきたく、よろしくお願い致します。年齢:47

(右)、Invasive lobular carcinoma、ER 90%、PgR 99%、HER-2 2+(FISH法で2.21)、MIB1 index:1-9%、腫瘍の広がり:10.0×3.0×7.3(cm)、浸潤部:2.4×1.5×1.0(cm)、浸潤度:g+、f+、s-、娘結節:+、切除断端:-、5mm以内-、リンパ管浸潤:-、静脈浸潤:-、組織学的異型度 TubularFormation:3 Mitosis score:1 NuclearAtypia:2 Totalscore:6 TumorGrade:2 リンパ節転移(sentinel):0/2 LevelI 0/1 右センチネルリンパ節:1個にisolated tumor cell(ITC)が認められる 
(左)、大きさ: 2.4x1.5x2.0cm 組織型:DCIS, cribriform type, comedo type

主治医からはEC1クール+TC1クール+ハーセプチン1年+タキシモフェン5年の提示を受けました。その治療を行った場合の再発率は、どの程度下がりますでしょうか。あまり予後が良くないタイプでしょうか。どうぞよろしくお願いします。

右側の乳癌が予後を決定します。年齢の情報はありませんが、無治療の場合の10年の再発率は、約50%と予想されます。標準的な抗がん剤+ハーセプチン1年+タモキシフェン5年の術後補助療法を行なうと、10年の再発率は、約10%程度と考えます。ただし、化学療法が標準的ではありません。EC1クールというのは、3週ごと4回ということでしょうか。それにTC(ドセタキセル+サイクロフォスファミド?あるいはカルボプラチン?)1クールというのは標準的な組み合わせではありません。おそらく、情報がちがっていると思います。担当医に再発の減少効果も含めて再確認してください。(文責 徳田)

 

No.10663-2】  12年06月23日   K.A.
今後の治療と再発率について(2)

前回はお返事ありがとうございました。使用する抗がん剤を再度確認しましたら、エピルビシン+エンドキサン/ 3週間に一回x4 、ドセタキセルx4+ハーセプチンx4/3週間に一回、ハー
セプチンx14/ 3週間に一回、タキシモフェンx五年でした。この治療での10年再発率は 10%程度という理解でよろしいのでしょうか? 年齢は47歳です。お手数をおかけしますが、よろしくおねがいします。

はい、Adjuvant onlineによれば10年再発のリスクは10%程度と考えます。(文責 浜口)

 

No.10662-1】  12年06月17日   Y .
骨転移

何度か相談させていただいてます。乳ガンから、肺とその近くのリンパ節に転移、抗ガン剤治療をしていますが、股関節あたりに痛みがあります。骨シンチ検査したところ、転移はないと言われましたが、MRI検査で骨に転移と言われ、ショックをうけました。骨シンチでわからない事があるのですか? ジェムザールプラスゾメタをすることになりました。ジェムザールが効かなく他の抗ガン剤に変えて、ゾメタも続けられるのですか? 骨転移と聞くと、もう終わりのような気がして不安です。アドバイスよろしくお願いします。

骨転移は、骨シンチではみつからないこともあり、MRIや PET/CTの方がすぐれています。ゾメタは、骨転移の部分に働いて、骨折や痛みなどの発症をおさえる効果があります。したがって、抗がん剤が変わっても続けます。(文責 徳田)

 

No.10662-2】  12年06月25日   Y .
骨転移(2)

HPNo.10662で相談した者です。ありがとうございます。骨転移の点滴ゾメタは、一生続けていかなければいけないのでしょうか?

ゾメタは投与を続けることにより、骨転移による骨折などの合併症のリスクを減少させる効果がありますので、重症の副作用(腎障害や顎骨壊死など)が出現しなければ、基本的には続けることをお勧めします。骨転移の状況によっては、ランマーク、メタストロンや放射線治療が有効な場合もあります。(文責 浜口)

 

No.10662-3】  12年06月27日   Y .
骨転移(3)

HPNo.10662で相談したものです、ありがとうございます。骨転移のゾメタは、ジェムザール点滴から他のに変わっても出来ることとわかりましたが、今ある肺と周辺のリンパのガンが、もし消えたとしてもゾメタは続きますか? 骨転移のガンは、何をすれば消えていきますか? よろしくお願いします。

ゾメタは骨を溶かす細胞を抑性し、転移の進行を止めたり・遅くしたりするものです。従って肺と周囲のリンパの癌が消えても、骨転移が消えなければ使用していた方が良いでしょう。骨転移の進行はゆっくりで、直接生命をおびやかすものではありませんが、何をしてもなかなか消えません。ゾメタや新しく出たランンマークなどの薬で骨転移の進行を止め、癌と共存していくことが重要と思います。痛みがでた場合には、放射線外照射やRI治療が効果てきです。(文責 吉田)

 

No.10661】  12年06月17日   M.
不妊治療について

2009年、29歳の時、左胸2.6pのしこり、術前EC×4 → 手術(リンパカクセイ)→ タキソテール×4→ 放射線治療、病理検査でPCR、トリプルネガティブの為、現在無治療です。今年33歳で、術後2年半ですが、近々妊娠を希望しています。生理はタキソテール終了後1年弱で戻りました。現在再発の兆候はありません。

1) 妊娠する時期はもう少し先の方が良いでしょうか? また、妊娠による再発リスクはありますか?
2) 産婦人科を受診した際、クロミフェクエン酸塩を処方されました。乳ガン患者の使用は出来ない事がある…との記載を見ましたが、使用は問題ありませんか?

よろしくお願いします。

1)妊娠による予後の悪化はないとされていますが、前向きの試験の結果ではないので、高レベルのエビデンスではありません。妊娠によりエストロゲンが増加しても、体内に乳がん細胞がなければ、影響はないということです。再発する人は、妊娠とは関係なくいずれ再発するのです。一般的には、再発のリスクが減少した術後2年以上してからの妊娠がすすめられています。
2)クロミフェンは、卵巣を刺激して排卵を誘発する薬剤です。したがって、エストロゲンの増加がおこるので、妊娠と同じように、熟慮のうえ使用すべき薬剤です。添付文書にも、乳がんの方には使用しないように書かれています。産婦人科の担当医には、乳がんの既往を告知してください。(文責 徳田)

 

No.10660】  12年06月14日   M.O.
良性腫瘤と乳首の凹みについて

私は31歳女性、未婚、出産経験無しです。10年程前に、ダイエットのしすぎで生理が来なくなり、ホルモンの薬を飲んでいました(約半年?1年位)。5/24、会社の集団検診で、生まれて初めて乳癌検診(触診と超音波エコー)を受けました。二週間経って、先週末に結果が届きましたが、「乳房視触診→所見なし 乳房超音波→右 乳房外上部 腫瘤、右 乳房外上部 のう胞 判定:要再検査(3ヶ月後)」との診断でした。それから、半年?1年程前から、右の乳首がなんだか元気がないなあと思っていて、右乳首の根元の上の部分が少し凹んでいます(シャワーの時、水が一粒たまる感じです)。左の乳首は、今まで通りふっくらしているのに・・・。右も前までは左と同じでした。不安で不安で、ご飯が食べられなくて、昨日近くの病院で、もう一度ちゃんと診てもらいました。その病院では、触診、超音波エコー、マンモグラフィの3つの検査をしてもらい、結果は、
A(右乳房の外上部)→Benign tumor、領域:C、カテゴリ:2、サイズ:15*8*7、形状:楕円形、境界性状:明瞭粗造、タイプ:Solid、エコーレベル:等、血流:+
B(右乳首少し上部)→Benign tumor、領域:C、カテゴリ:2、サイズ:11*4*5、形状:楕円形、境界性状:明瞭平滑、エコーレベル:等、血流:?
とのことでした。つまり、「良性だから、経過観察で3ヶ月後にまたエコーしに来てください。」と、言われましたが、安心しきれないのが、右乳首の凹みです。良性の場合でも凹んだりすることはあるんですか? 癌の可能性は本当にゼロなんでしょうか? というか、この良性腫瘤に隠れて発見されていない乳癌があったりしないんでしょうか? 乳首の凹みや変形は、乳癌以外あり得ないみたいな文をよく見るので、本当に不安です。しかも凹みのすぐ下には腫瘤があるわけだし…。乳癌の他に乳首が凹む原因は、考えられるのでしょうか? どうかご意見お聞かせ願えないでしょうか? よろしくお願いいたします。

1. 超音波で同定された腫瘤については、がんが完全に否定されたわけではありません。経過観察で心配であれば、針生検をお勧めします。
2. 画像的に同定されていないがんがある可能性は、ゼロではありませんが、現時点では見つからないのですから、経過を見るほかありません。定期的な検診で対応しましょう。
3. 乳頭の変形や陥没は、乳管が慢性の炎症により短縮しておこることは、よくあります。がんを考える所見がないようですので、あえてがんと関連づける必要はありません。(文責 徳田)

 

No.10659】  12年06月14日   M 
胸の痛み

44歳ですが、生理周期が最近短くなってきて、排卵期ごろから胸が痛みます。変な鈍い痛みや、ちくっとした痛み、いろいろです。今も生理1週間ほど前なので痛いです。若いころはありませんでした。乳がん検査は、がんではない異形細胞があったので、手術しました。超音波とマンモは1月に受けて異常はなかったのですが、痛みが心配です。また検診時期なので行きますが、痛みはがんと関係あるのでしょうか。

一般的には、関係ありません。がんのしこりが大きくなって、神経を巻き込むと常に痛みがおこることは、まれにあります。(文責 徳田)

 

No.10658】  12年06月06日   I
右乳房の小さなのう胞について

お忙しいとは思いますが、宜しくお願いいたします。
現在71歳10ヶ月、2006年8月 手術、 術式 胸筋温存乳房切除術、 腫瘍径 2cmX2cm、 組織型 硬がん、 リンパ節転移の数 13個中1個、 ホルモン エストロゲン受容体+ プロゲストロン受容体+、HER2 IHC法1+。
化学治療 4週毎6回 エンドキサン経口 メソトレキセート、5FU 終了後アリミデックスを5年間服用。6年目の検査で、右乳房に小さなのう胞が見つかった。心配ないと言われたが、どう言うことか分からないので、お教え下さい。

「のう胞」とは液体の溜まった袋のことを指し、乳腺にはしばしば見られます。通常放置しても問題なくそのまま経過観察で良いと思われます。(文責 谷)

 

No.10657】  12年06月06日   E.N. 
乳輪のしこり、違和感

30歳、出産経験なしの者です。2〜3年前から、左胸の乳輪(下の部分)に少し硬い部分があり、検診を受けたところ、乳腺が発達しているだけで異常なしと言われていました。ところが、1ヶ月ほど前から大きくなったような気がし、時々痛いような時もあった為、気になって乳腺科を受診しました。土曜日でも診てもらえる別のクリニックだったのですが、エコーでみてもらったところ、皮膚近くで何か液体が溜まっているように見えるが、詳しい検査をしないとはっきりしたことは言えないとの事でした。今様子を見ているところなのですが、違和感を感じ、硬いところを触ると、また感じが変わったような…これはなんなんだろと、ものすごく不安です。その他として、陥没乳頭ですが、今、さらにひきつられているような気がします。しこり下の胸が昨日から少し赤いです。再度乳腺科を受診するつもりではありますが、これは一体何なんでしょうか?

メール内容から判断すると、乳輪の周囲に膿の溜りができる病態である乳輪下膿瘍がもっとも考えられます。再度乳腺科受診をなさってください。(文責 谷)

 

No.10656】  12年06月06日   S
母の乳癌について

今回お尋ねしたいのは、母の事です。母は、昨年初め頃、乳がんが見つかり、温存手術をしました。一応その手術は成功しました。その後、放射線治療と抗がん剤治療を終えました。
その後、昨年秋から、めまいやふらつき、吐き気があり、いろいろな課に行ったのですが、原因がわからず、とうとうこの前の3月末緊急入院となり、わかったのは、脳に腫瘍があったのです。おかげさまで、数日後、無事摘出手術を終えました。一応綺麗に腫瘍は取れているということでしたが、目に見えていないガンが残っているかもしれないという事で、その後、全脳照射治療をしました。そして、その腫瘍は、病理検査の結果、乳がんの転移とわかり、今は、ゼローダを服用中で、1クール目が終わるところです。幸い副作用はあまりなく、味覚が少しよく分からないのと、以前のように食欲がないくらいです。
相談とは、実は、ずっと前、最初の乳がんの手術、放射線、抗がん剤治療が終わって落着いてから、家族での海外旅行の計画を立てて予約をしてていたのです。今からキャンセルするとキャンセル料もかかるし、今後の母がもっと悪くなる事もあるかもしれないので、出来ることなら、その前に予定通り行きたいと思っているのです。
旅行先は、シンガポールで、ツアーではないので、母の体調に合わせて、ゆっくり過ごす事は可能です。飛行機もビジネスクラスの予定です。期間は、約1週間です。
最近の手術は、開頭脳腫瘍摘出手術で、術後3ヵ月後の旅行の予定です。手術は、成功、何の後遺症もありません。ちょっと耳が時々グチュッというと言っていますが・・・。飛行機に乗ること自体は、問題ないのでしょうか?
今はゼローダ服用中ですが、副作用がなければ、旅行中も服用して問題ないでしょうか? それとも一応その期間だけ休止した方がよいでしょうか?
先月放射線治療中、一度CT検査でみてもらったところ、また頭に腫瘍ができている様だと言われました。ただ、まだ放射線の効果が出てないから、今月中旬もう一度CT検査をする予定です。その結果、もしなくなったり、小さくなっていればよいのですが、また大きくなっていた場合、やはり旅行はやめたほうがいいのでしょうか?
療養中に旅行なんて不謹慎に思われるかもしれませんが、もう家族でそろって海外旅行に行けないかも知れないと思うと、ちょっと無理しても行っておきたいと思ってしまいますが、でも、それで、母の病状に大きな悪い影響があるならば、それは避けたいと思いますし・・・。
最終的には、担当の先生のご意見に従いますが、一般的な見解を教えていただければ、その前に心構えが出来ますので、ぜひアドバイスお願い致します!

療養中の旅行が不謹慎なんてことは全くなく、むしろ旅行を目標に療養することができ、素晴らしいことだと考えます。ただせっかくの楽しい旅行も、途中で病状が悪化してしまうと逆に後悔につながりますので、決して無理は禁物です。これらを踏まえ、主治医の先生とよく御相談の上、旅行の是非をご検討下さい。(文責 谷)

 

No.10655】  12年06月06日   Y
術後治療について

はじめてお便り致します。術後治療について、いくつか質問させて下さい。

経過:45歳です。2月に乳癌が見つかり、乳腺外科のある病院に転院後、4月末に全摘手術を受けました。癌が乳頭まであり温存が難しいこと、リンパに転移が見られないこと、ER,PgR高値であることから、術前療法は行わず、手術先行で、後にホルモン療法の予定でした。術後の病理検査は、3.1X1.5cm、ER(+)高値陽性、PgR(+)高値陽性、HER2(+1)陰性、リンパ節転移12個中4個、レベルI、Ki6740%、グレード1、乳頭腺管がん硬がん、T2NIMO StageIIbでした。術後治療として、抗がん剤+放射線+ホルモン療法を提示されています。抗がん剤は、パクリタキセルorドセタキセル3ヶ月後、FEC100 3week4クール3ヶ月が第一候補で、TC 3week4クールが第二候補です。

1) 抗がん剤治療が必要かどうか悩んでいます。2011年St.Gallenコンセンサス会議で、luminalAタイプは化学療法に対する反応性が低く、その効果が乏しいとされていますので、化学療法の追加は慎重な選択が望まれると思います。リンパ転移4個が再発リスクを高め、化学療法の追加が必要となるようですが、乳がんは早期の段階から全身病といわれ、微小転移の可能性は、リンパ転移の有無に関わらず考慮して全身療法が必要で、再発リスクを下げるのであれば、効果が見込まれるホルモン療法になるかと思います。プラス抗がん剤治療で効果があるのは10%ほどと聞いています。
2) 抗がん剤治療を行う場合、第一候補と第二候補の違いや、この薬剤の選択の妥当性に悩んでいます。私のような特性の乳がんに、候補の薬剤がどう効くのか知りたく、Adjuvant Online で検索を試みましたが、医療従事者でないので先に進めませんでした。少しでも再発リスクを下げ、予後を良くしたいと思います。抗がん剤治療を受けるにせよ、薬剤の選択が悪かったと後で後悔したくありません。また、病巣がなく治療の効果の確認もできないままの抗がん剤治療ですので、たぶん効果があるかも?という曖昧な根拠の治療は避けたいと思います。高額になりますが、OncotypeDXを確かめることは有益でしょうか。
3) 全摘でしたので、放射線治療は念頭にありませんでした。将来再建手術を考えていましたので、放射線治療を行うと、再建は難しくなりますか。放射線治療を行った方がよいとされていますが、差異は何%ほどでしょうか。
4) 再発乳がんの予後は不良で、治癒を望むのは困難であり、再発後の10年生存率は5%程度という論文を読みました。とても不安に感じました。一方で、術後2〜3年で再発する乳がんは、増殖能が高い特性のグループで、予後が見込めず、ホルモンレセプター陽性乳がんは、術後5年以上経てからの再発(骨への転移が多い)もあるが、予後はよく、生存率もよいという文章も目にしました。乳がんは生物学的特性によって予後が異なるようですが、その情報を得る方法はありますか。

以上、長々と書いてしまいましたが、ご回答をお待ちしています。どうぞ、よろしくお願い致します。

1) とてもよく勉強されており、前向きに今後のことをお考えになっておられる姿勢に敬服いたします。まず、貴女の場合は2011St.Gallenコンセンサス会議に当てはめると、ER,PgRともに陽性、HER2陰性、Ki67高値(>15)より、luminal Aでなくluminal Bとの分類になります。すなわち内分泌治療は行うべきで、さらに抗がん剤治療を上乗せするか否かはcase by caseといった判断になります。より再発率を下げることに重きを置くのであれば、抗がん剤を先に施行した後ホルモン剤を使用することを選択し、抗がん剤を追加しても再発率をあまり下げることができないため抗がん剤使用によるデメリットの方が大きいと判断した場合は抗がん剤は使用せずすぐホルモン治療を開始することとなります。
2) そもそも術後補助療法というものは、それが実際聞いているかどうかの指標は全くありません。よって自分が選択した方法が一番正しいと信じて、頑張って治療に望むべきものであると思っております。主治医の先生が示された二つの抗がん剤治療の選択肢は、もちろんいずれも正しい方法であり甲乙つけられません。よってもしどちらかの抗がん剤治療を行うとすれば、その方法が一番正しいと信じて頑張るべきです。また抗がん剤使用の是非を検討する際のツールとしてOncotypeDXは有用な選択肢の一つであると考えます。
3) 腋窩リンパ節転移が4個以上の場合、胸壁および鎖骨上への放射線照射によりリンパ節再発の可能性を1/3〜1/4程度に下げると言われており、乳癌診療ガイドラインでも推奨グレードAと強く推奨しております。
4) 乳がんの生物学的特性は多くの専門医が注目しているところではありますがまだ解明されていないことも多く、これからさらに研究が進む分野であると考えております。(文責 谷)

 

No.10654】  12年06月06日   C
タモキシフェン服用への迷い(HPNo.10413-3)

お世話になります。前々回(10413)、前回(10611)とご回答くださり、大変ありがとうございました。その後もタモキシフェンの服用を続けています。服用して半年になります。生理がとまり3ヶ月になります。再度、大量の不正出血があり、婦人科を受診しました。その際、採血をし、エストラジオールとプロゲステロンの血中濃度を調べました。その結果、それぞれ452pg/mL、57.5ng/mLと高いものでした。もちろん、妊娠はしていません。婦人科の先生曰く、「タモキシフェンを服用すると、エストラジオールの値が高くなる場合がある。」とのことでした。内診の結果、子宮内膜症と新たに診断されました。エストラジオールの血中濃度が高いまま、生理がおこらず、このまま内膜が増殖し続けると、体ガンになるリスクがあるので、体ガン検診を受けました。体ガン検診は、1ヶ月前に受けて、問題なしだったばかりなのに、また検診を受けました。結果はまだでていません。私の子宮は、大きな筋腫もあり、内膜も増殖を続け、生理がおこる気配がありません。婦人科の先生はとても心配してくださっています。
この結果を乳がんの主治医に相談し、タモキシフェンを中止したい旨を話しました。理由は、子宮の具合が悪いのが非常に気になることと、エストラジオールとプロゲステロンがタモキシフェンのせいで高くなり、かえって乳がんを促進するようなことがあるのではないかと不安に思ったからです。乳がんの主治医は、「服用を止めると言うことは、再発してもよいということです、服用してください。再発してもよいなら止めてもいいですよ。ただし、ゾラディックスなどの注射を打つのは、勧められない。」とのことです。エストラジオールやプロゲステロンの血中濃度が高く出ていても、ホルモン治療中の血液検査の結果は全くあてにならないので、関係ないそうです。タモキシフェンを続けるか再発を容認して服用を止めるかの2択が提示されました。
主治医の先生の説明を理解して納得することができませんでしたが、病院は非常に混雑しており、先生は忙しそうなので、遠慮して、それ以上のことが聞けませんでした。エストラジオールとプロゲステロンの血中濃度が私のように高い場合でも、タモキシフェンは逆効果とならず、乳がんの再発を抑える効果が期待できるのでしょうか。ホルモン治療中のホルモン濃度の検査結果は全くあてにならないのでしょうか。もしそうなら、どういった理由からでしょうか。
私の乳がんは、両ホルモンの感受性がほぼ100%です。非浸潤がんでしたが、タモキシフェンの効果が高いなら、子宮のことも妊娠のこともあきらめて、再発予防に服用を続けてもよいかと思ってみたり、はたまた、もう絶対に服用したくないと思ってみたり、気持ちが波立ち揺れています。自分で治療法を決めなければなりませんが、判断材料が不足しています。どうかよろしくお願い申し上げます。

ご相談どうもありがとうございます。先生方にも色々な意見があり、気持ちが揺れてしまいますね。答えがないので、先生方のお返事も少しずつ色合いが異なるのですね。タモキシフェン内服中はE2(エストラジオール)の数値が上昇します。タモキシフェンがエストロゲンレセプターを占領してしまうために、余剰のE2が血中に増加してしまうのかもしれません。従ってホルモン治療中のホルモン濃度計測は意味のあるものではありません。タモキシフェンがしっかりと働いていると、E2の値も上昇すると考えてよいと思います。乳がんの再発予防と言う観点からは、今のタモキシフェン継続が良いかと思いますが、非浸潤がんにタモキシフェン内服が必要かどうかも議論の分かれるところです。どうしてもご心配であれば、タモキシフェンの内服を中止し、定期的な乳がん検診や子宮がん検診を欠かさないということでしょう。少しでもお力になれましたら幸いです。これからも応援しています。(文責 高橋)

 

No.10653】  12年06月06日   K.N.
抗がん剤治療について

抗がん剤治療を受けるかどうかで悩んでおります。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご意見をお伺いさせていただけないでしょうか。
今年の2月に左乳房温存術を受け、断端陽性との疑いで、4月に左乳房の全摘手術を受けました。手術の結果、前の手術でがん腫瘍は取りきれており、断端陽性ではなかったのですが、少し離れたところに0.1pのがんがあったと、主治医の先生から説明を受けました。また、2回目の手術の後に追加でki-67の検査をしていただき、結果は50%でした。42歳です。2回目の手術後から、無治療は良くないとのことで、リュープリンとノルバデックス治療を始めております。病理結果は下記のとおりです。

locus:A
腫瘍サイズ:2.0×2.0cm(左胸上側内側です)
invasive ductal carcinoma,scirrhous carcinoma.
グレード1(atypia score 2,mitotic score 1)
specimen margin:see coment of invasive carcinoma(*)
ly(++)(D2-40),v(−),g, f, comedo necrosis(−),calcification(−)
リンパ節転移 なし センチネル生検(0/1)
ER 50%以上 PgR 50%以上
HER2 1+
浸潤性乳管癌

主治医の先生は、ホルモン治療のみで、抗がん剤はしないのが標準治療であり、ki-67が高値であってもそれは変わらない。しかし、心配で抗がん剤治療をしたいなら、してもよい、とおっしゃっていただいています。私自身は、抗がん剤治療の副作用+生活の質の低下と、ホルモン治療のみの場合の再発の不安(ki高値、リンパ菅侵襲2+、腫瘍径が抗がん剤がギリギリ適用とならない大きさ)が均衡しており、早く決めなければと思いつつ、決めかねています。お伺いしたいのは、

1) 私のような場合、ホルモン治療のみでよいと考えられますか。
2) 核グレードとki値は通常相関関係にあると聞きました。kiが高値ということは、例えば腫瘍の一部はグレードが低いが、一部悪性度が高いところがあるといったことが考えられるのでしょうか。
3) 術後抗がん剤は、術後早い段階から開始しないと、効果が下がると何かで読みました。術後、4ヶ月経過した今から始めた場合、抗がん剤治療の効果はかなり低くなってしまうのでしょうか。

長くなってしまいまして申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。たくさんの選択肢があり迷ってしまいますよね。少しでもお力になれましたら幸いです。
1) 御指摘の通りホルモン感受性陽性の場合にはLuminal typeに分類されホルモン治療の有効性が期待されます。一方、Her2が陽性であったりKi-67が15%より大きいと、Luminal B typeに分類され、ホルモン治療以外に抗がん剤が選択肢に加えられます。ここは現時点では議論が分かれておりますが、Ki-67が50%であれば、抗がん剤をおこなう理由になると考えます。もしKi-67を計測しても判断に使用しないのであれば計測する必要もないわけです。最終的には御本人と御家族、主治医の先生で決めていかなければなりません。
2) おっしゃるとおり腫瘍の内部で細胞分裂の程度にばらつきがあり、その平均をしたものがKi-67です。
3) あくまでも予防の治療ですので、何ヶ月目から始めなければいけないというきまりはございませんが、納得出来ましたら早急に治療を始めるのがよいと思います。

不安がたくさんあると思いますが、これといった明確な答えがないので、主治医の先生とご相談いただきながら、決めていってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10652】  12年06月03日  それいゆ
腫瘍マーカー(CEA)の上昇(HPNo.10446-2)

bP0446で回答を頂き有難うございました。1月よりハーセプチンを3週間おきに受けています。1月末よりUFTとアリミデックスを服用しています。3月末に術後半年のCT検査を受けましたが結果は異常無しでした。最近、わずかですが腫瘍マーカー(CEA)の数値が上昇しているのが、気になっています。
10月2.4 11月2.9 12月4.2 1月3.5 3月3.6 4月4.1 5月4.6
どのように考えれば良いでしょうか? ご助言をお願いします。

CEAは大体5以下が正常範囲とされており、その範囲内での増減は心配のないことがほとんどです。貴女の場合、正常範囲内で上がったり下がったりしていますので、現段階では、
まだあまり気にしなくて良いと思います。今後さらに一方的に上昇し、5を超えてゆくような場合は、他の腫瘍マーカーのチェックや全身検索などを検討されれば良いかと思います。(文責 谷)

 

No.10651】  12年06月03日  M 
ステージ1の再発、転移について

皆様の相談を読ませていただきましたが、今回自分の相談をお願いすることになりました。よろしくお願いいたします。2010年10月に手術をしました。64歳です。
浸潤性乳管がん(硬がん) 11mm×6mm×12mm ステージ1
波及度 乳房内 脂肪織
切断断端 陰性  リンパ管浸襲 0  血管浸襲 0
グレート1 (NG1 HG1)  ホルモン受容体 ER+(<90%)PgR±(1%) HER2+1
腋窩リンパ節郭清なし リンパ節転移 0個(センチネルリンパ節生検 0/5)
Ki-67<10% 
という病理結果でした。

非常におとなしいタイプのがんと言われ、手術後放射線治療後、アリミデックスを服用していました。 そして、今年2012年2月、腰痛があり、骨シンチ、MRI、CTなどで腰椎転移が判明しました。 質問は次の通りです。

1.浸潤癌である以上ステージ1でも、このように早く転移があることも珍しくないのでしょうか。精神的にまだ動揺しています。
2.原因はどのようなことが考えられますか。(手術前検査はきれいでした。)
3.手術後言われたおとなしいタイプは、転移した後も、そのタイプを持続するのでしょうか。
4.術後早い時期の転移は予後が悪いと聞きますが、そのように思っていた方がよいでしょうか。
5.今は標準治療に有るように違う種類の抗ホルモン剤としてフェアストンに変更になりましたが、術後抗がん剤治療を受けていないので、抗ホルモン剤の代わりに、まず先に抗がん剤治療をとりあえずするという選択はありますか。

1)2) 乳がん術後1年4ヶ月で腰椎転移が生じたとのこと、術後の病理等の結果からは再発リスクもそれほど高くないと判断するだけに、なおさらのこと動揺されていることとお察し申しあげます。しかし、乳がんでは、このように再発リスクが少ない方でも、ときに術後遠隔転移が見つかることを経験します。原因は今のところよくわかっておりません。
3)4) 一般的には転移した場所の腫瘍の性質は、もとの乳がんの性質と似ていることが多いと言えます。しかし、ときに性質が変わることがあるのと、貴女の場合、術後の検査ではリスクファクターが低かったにもかかわらず1年4ヶ月と比較的早い時期に骨転移再発をきたしており、一般論で進めていいものかという問題は残ると考えます。
5) まず骨転移による痛みや骨折を予防する目的で、ゾメタ、ランマークなどの治療を併用することは有用と考えられます。さらに、おっしゃるとおり標準治療としては他の種類のホルモン治療剤が第一選択ということになりますので、今回選択されたフェアストンやフェソロデックス、アロマシン、ノルバデックスなどが候補にあがります。しかし前述のごとく、もとの乳がんの性質が変化している可能性もあり、またアリミデックスを服用していての比較的早期再発であることを考えると、おっしゃるとおりホルモン剤でなく抗がん剤を使用することも有力であると思います。主治医の先生と、よくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.10650】  12年06月03日  r n 
左乳房のしこり

初めまして。39歳、出産経験はありません。 お忙しい中恐縮ですが、お教え頂けると幸いです。 3ヶ月程前に左乳房の乳頭右上3〜4cmの辺りに、1cm弱の膨らみが出来ました。触ると中に丸いしこりがあり、痛みはなかったのですが、気になったので乳腺科の個人病院で調べて貰いました。 マンモと超音波検査をした結果、「皮膚表面からばい菌が入った為でしょうから、抗生剤の塗り薬で良くなります。」と言われ、その後薬を塗布しながら今に至ります。しかし、全く良くならずに、最初は1cm弱で円形だったものが、今では円形から左右に細長く広がり、サイズも明らかに大きくなってしまいました。 皮膚表面も、肌の色と変わらなかったものが、今は赤くなって(真っ赤ではなく、炎症起こした時などのようなピンクよりの赤色)、触ると、しこりから左右に線のような硬い部分がはっきりと伸びている感じがわかります。しっかりと根をはった感じで、中で動いたりはしません。 色々な乳がんのHPを調べてみましたが、皮膚表面にはっきりとわかるような腫れが出るケースが見つからずに、このまま放置していて良いものか不安になり、ご相談をさせて頂きました。 ホルモン治療を2年間しましたが成果がでず、5年程前に子宮の手術も行なってます。 「出産、授乳経験もないので、婦人科特有の病気になりやすい。」と、その際に言われたので非常に不安です。 3ヶ月で明らかにしこりのサイズが大きくなるような場合、このままどの程度の期間様子を見ても大丈夫でしょうか。 乳がんは比較的進行速度が遅いので、焦って手術に臨まなくても、と記述しているサイトもありましたが、この状態のまま放置していてもよいものでしょうか。 どうぞ、宜しくお願い致します。

メールの文面からは、粉瘤というしこりがもともとそこに存在して、そこが炎症を起こしたもの(炎症性粉瘤)か、毛穴の中に細菌感染が起こてできる毛嚢炎などが考えられ、乳がんの可能性は低いように思います。しかし、がんでなく炎症性の疾患であるにせよ、病状が良くなっていないようですので、以前受診した乳腺科を再度受診されてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.10649】  12年06月03日  M.N.
右乳房外側のしこり

お世話になります。52歳女性。閉経後1年経過。4月末に右乳房外側にしこりを感じ、個人の乳腺外科を受診しました。細胞診断の結果クラス5で悪性ということで、順天堂を紹介していただき、先日初診に行ってきました。私は毎年定期健診でマンモグラフィーと触診を受けているのですが、今年の1月の検診で、どちらもA判定(問題なし)、昨年もA判定でした。しかし順天堂では、しこりの大きさが3センチと言われ、とても焦っています。(現在針生検の結果待ちです) こんなに短期間にがんのしこりが大きくなることはあるのでしょうか。もしかしたら進行の早いがんということなのでしょうか。ご見解お聞かせいただければ幸いに存じます。よろしくお願いいたします。

毎年乳がん検診を受診しているにも関わらず、今回しこりを感じて受診したら3cmの乳がんを指摘されてしまったとのご心配ですね。直接拝見したわけではありませんので一般論でお話いたしますが、視触診でもマンモグラフィでもわかりにくい乳がんがあって、今まで検診では見つけられずに、徐々にがんが育ってきた可能性はあると思います。検診で早期の乳がんを100%見つけられるわけではなく、せっかく検診を受診しているのに指摘できない早期乳がんは、残念ながら時々見られます。検診にも限界があるということです。もう一つは、おっしゃるとおり非常に進行の早いがんの可能性です。乳がんは比較的ゆっくりと進行するケースが多いのですが、進行のとても早いがんも、稀ではありますが確かにあります。いずれにせよ、以上のことを踏まえ、主治医の先生にこのご心配をお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.10648】  12年05月29日  Y
ホルモン剤について (HPNo.10627-2)

先日はご回答ありがとうございます。8年前に粘液ガン発症、温存手術後、フルツロンカプセル200を1年間と、ノルバディクスを5年間服用。8年目に、温存したところに小葉ガン発症、全摘後ホルモン剤がよく効くタイプだとの事で、ゾラディクス注射を4週間毎、タミフルを服用しておりました。が、半年後に全摘した後に5mmの粘液ガンがあらわれました。主治医は、「脂肪に隠れていたものだから摘出、その後薬がきいていなかったのかもしれないので薬を変更するかも?」とのことでした、しかし、手術でちゃんと取れたので、結局は変更しないとの事でした。すごく不安です。他のホルモン剤はないのでしょうか? タミフルが効果があるかどうかは調べられないのでしょうか? 納得して治療をうけたいのですが・・・。

ご相談、どうもありがとうございます。何度も手術を受けられて、とてもご不安だと思います。今までの再発はすべて局所の再発ですので、局所再発に対する治療としての手術という、ベストな選択肢をされてきていると考えます。今後、全身へ何らかの転移が発生した場合には、次の治療を選択されてもよいかと存じます。閉経前であれば、ホルモン治療として今後、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)、さらにアナストロゾールなどが選択肢としてあげられます。現在内服されているお薬が、抗インフルエンザウィルス剤である「タミフル」なのかどうかは、良くご確認くださいね。今後の方針は、主治医の先生ともご相談なさってくださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10647】  12年05月29日   I
乳がん術後のホルモン療法について

39歳 DCISにて乳管での拡がりがあったため、胸筋温存全乳腺切除術をしました。病理検査の結果は、「センチネルリンパ節生検実施→陰性 リンパ節郭清→なし リンパ節転移→なし 非浸潤癌、グレード1、脈管浸潤なし」でした。担当医から、再発や転移の可能性は極めて低いと説明を受けました。今後は、予防のためにノルバデックスの服用をする/しないを選択するように言われています。服用する場合は、私の年齢を考慮して、2年で止めて様子を見ると言われました。再発や転移を防ぎたいと思う一方、副作用を考えると判断しかねております。私の症例の場合、服用した方がいいのでしょうか。どうぞ、ご意見をお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。DCISの場合の術後ホルモン治療に関しては、反対側乳がんの発生の予防が、主な目的となります。定期的な検査をしていけば原則として術後ホルモン治療はおこなわないことも多くございます。患者様がご希望されれば、ホルモン治療をおこなうという状況です。再度主治医の先生ともご相談くださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10646】  12年05月29日   さくらこ
皮膚転移の可能性はありますか?

昨年11月末に温存手術をし、三月末に放射線治療を終え、今はフェマーラを服用しています。ONCOタイプテストにより、抗がん剤は加えても加えなくても再発率は同じとの結果が出ましたので、抗がん剤はしていません。最近、放射線の当たった部分の脇の下あたりに、直径五ミリほどのシミができているのに気付きました。前からあったものかどうかは記憶にありませんが、色は茶色で、境界線は不規則で、中に色の濃い部分があります。乳がんは皮膚に転移するケースが多いと聞きましたが、どういった症状の皮膚がんが現れるのでしょうか? 私のケースも皮膚転移の可能性はありますか?

ご相談ありがとうございます。少しの変化もご不安のことと思います。お力になれましたら嬉しいです。放射線治療後は、皮膚の色素沈着がおこる可能性がございます。自然に薄くなってくると考えますが、個人差はございます。皮膚転移の場合には、しこりで発見される場合が多いので、色素沈着でしたら典型的ではないと考えます。ご不安でしたら、主治医の先生にもご相談くださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10645】  12年05月29日   M 
アロマターゼ阻害剤

三年前に温存手術、放射線治療をし、今、リュープリンとアリミデックスを服用しています。 ノルバデックスで薬剤性肺炎をおこし、アロマターゼ阻害剤の服用となりました。 今年 50歳になり、 閉経の可能性もあるので、リュープリン注射を止めたいのですが、止めるには 閉経が確認されないといけないとの事。 その為には 治療を一旦止めて、半年後位にホルモン値を調べてみて、閉経を確認するしかないと言われました。他に方法はないのでしょうか? 確認しないで、アロマターゼを続ける事は出来ないのでしょうか?  半年薬を止めて、その間に再発してしまう可能性は低いのでしょうか? ちなみに、私はステージUb 、リンパ節転移二個、悪性度1です。

ご相談ありがとうございます。閉経前ホルモン治療は、LH-RHアナログ(リュープリンやゾラデックス)2年間とタモキシフェン(ノルバデックス)の併用5年間が、日本では標準的におこなわれています。しかし薬剤の副作用により薬剤を変更した場合には、標準治療ではございませんので、主治医の先生と方針を決めていくことになります。日本人の平均閉経年齢は52歳前後ですから、もしご不安でしたら、リュープリンを52歳まで継続してから中止とすることも選択肢としてはあると考えます。再発に対するご不安なお気持ちはとてもよく分かりますので、主治医の先生にそのお気持ちをお伝えいただき、方針をご相談いただけたらと存じます。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10644】  12年05月29日   M.M.
血性分泌物

30代後半、子供は二人います。祖母が乳がんで死去していることから、かなり敏感になっています。先週より乳頭から黒い分泌物→赤いもの→やや黄色の分泌物が出始めました。場所は左側で、同じ穴から出ています(1週間程度です)。これまで、病院では、2009年に同様の症状で受診した結果、乳腺症の症状だと診断を受け、念のため一年に一度、マンモとエコーの検査と診察は受けていますが、今回もエコーで見る限り、医師の診断は乳腺症の症状ではないかとのことです。今回も細胞診をすることになりましたが、結果がクラスV以上の場合のみ、精密検査をして見ましょうとのことでした。

1) 乳腺症で血性分泌物が出ることは、あるのでしょうか。ネットで検索をすると、乳頭から血性分泌物が出ていると、乳腺症以外のこともあると書いてあるのを見て、不安になってきました。
2) 祖母が乳がんだったことを受けて、私自身気をつけなければいけないことや、注意しなければいけない点について教えてください。

以上の二点について、教えていただけますと助かります。

ご相談どうもありがとうございます。
1)黄色の分泌物は乳腺症で起こる可能性があります。一方、血性分泌物は、乳管内乳頭腫や非浸潤がんの可能性がございます。乳頭分泌物のCEA計測や細胞診、さらに乳管造影、最近では乳腺造影MRIにより診断をおこないます。診断が難しい場合には、腫瘍の存在が疑われる乳管を摘出する選択的乳管小葉区域切除術をおこない、確定診断をつける場合もございます。
2)特に日常生活で注意する点はございませんが、主治医の先生に相談しながら慎重に経過をみていく必要性はございます。

ご不安が少しでも解決できましたら幸いです。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10643】  12年05月29日   M W
トリプルネガティブ

相談室、拝見させていただいてます。現在35歳。昨年6月に乳ガンが発覚して、ステージ3a、 グレード1、 しこり2.3p、 脇リンパ転移有、 ホルモン受容体4/8、 ハーツー ー。術前FEC4回、タキソテール4回後、手術。病理結果によると、 脇リンパは消失しましたが、しこりは2_拡がりの部分も入れると、8_残っていました。 ホルモン受容体が(ー )に変わっていて、トリプルネガティブと言われました。術後、追加でパクリタキセル12回終わって、今放射線治療をしています。その後無治療になるのは不安です。
1) トリプルネガティブですが、最初の検査でホルモン+だった場合、ホルモン治療をやってみる価値はありますか? 費用も高いので迷っています。
2) 手術前には、転移する確率10%ないくらいと言われ安心していましたが、トリプルネガティブなので変わってきてるのかなぁとも思っています。今後転移する確率は、どのくらいでしょうか?

アドバイスお願いします。

ご相談、どうもありがとうございます。針生検の結果と、手術で摘出した病変のホルモン感受性やHer2が異なっていることは、約20%の方に起こりえます。通常は切除乳腺の結果を中心に治療方針を決定しますが、術前化学療法をおこなっている場合には、病変が完全消失することもございます。その場合には、治療方針は針生検をもとに判断します。従って最終的には主治医の先生の判断になると思います。医療費のことは、ソーシャルワーカーさんが相談に乗ってくださると思いますので、主治医の先生にお尋ねくださいね。トリプルネガティブに関しては、術前治療によって変化した結果である可能性もあり、組織型の判断は、主治医の先生に解釈を再度ご確認いただけたらと存じます。ご不安だと思いますが応援しています。(文責 高橋)

 

No.10642】  12年05月26日   E
放射線治療について(HPNo.10587-2)

放線治療について、ご相談させて頂きたく、メールさせて頂きます。以前にも一度ご相談させて頂いたことがあります。(投稿No. 10587)
20011年7月に乳房切除術(全摘)を受けました。その結果、断端陽性であり、放射線治療を受ける事になりました。断端陽性の場所は、全体的であり、間隔はもかなり狭く、5mm等全然ないという主治医のはなしでした。その後、セカンドオピニオンをした医師からは、乳腺を取り残している可能性があるという話でした。

腫瘍は1.5センチ、 センチネルリンパ節−、 リンパ管+、 組織学的グレード2、 ホルモン+、 年齢41歳

その後訳あって転院し、手術から2ヶ月後に、抗がん剤治療(CEF,パクリタキセル)、次に放射線を受け、今はハーセプチン、ホルモン治療をやっております。そこで、相談内容ですが、放射線治療24回目の時に、書き足したマーキングが幅5mm程ずれているのが気になり、放射線腫瘍医に話したところ、治療に立ち会い、マーキングを修正してくれました。ただ、気になるのが、実はマーキングは、随分前(治療中盤辺り)からずれていることがあり、その時は、先生に報告していませんでした。治療終了後、照射した所の皮膚が赤くなりましたが、ずれていたと思われる所は、赤くなっていないようです。ずれていた線は、体の中心側の縦の線です。目印の十字のような線ではなく、実際に照射される範囲の線です。そこはただでさえ、反対側の胸の陰になり、ぎりぎりまであてられない場所なので、5mmのずれも大きいようで、気になります。そこで、ずれた箇所に追加照射するというのは、不可能なのでしょうか? 先生は、以前からずれていたのを見ていないので、なんともいいようがないとおっしゃっていました。治療内容は、60グレイを30回です。 5/15で、30回終了しています。お忙しいところ、恐れ入ります。度々申し訳ありませんが、アドバイスを頂けると、助かります。どうぞよろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。放射線治療に関しては、放射線治療科の先生が照射範囲を設定し治療を行います。追加の照射が可能かどうかは、放射線科の主治医の先生のご判断になります。今後何より大切なのは、局所の腫瘍再発よりもやはり、肝臓や肺、そして骨などの全身への転移を制御することです。今までに十分な予防治療もなされておりますし、現在ハーセプチンそしてホルモン治療もなさっています。このまま今の治療の継続でよろしいかと存じます。再度放射線治療科の先生にもご相談なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10641-1】  12年05月26日    Y 
術後治療について 

右乳がん全摘 腫瘍径 1.0cm×0.6cm  乳管内癌の広がり 4.6p×1.4p 腋窩リンパ節郭清 15個/0個  1y0(HE),v0(HE) グレード1  Nuclear atypia Score2mitotic figures 3/10HPF(SWH10X):Score1, エストロゲン4+(50パーセント以上) プロゲステロン4+(50パーセント以上) HER2 2+ FISH陰性(FISHスコア1.19)Ki67 15%(Low≦15%)
ゾラデックスとタモキシフェンの術後治療6年、現在に至っております。これから閉経を確認してAIを追加投与するかどうか迷っています。ご教示よろしくお願いいたします。

1) Ki67が15%(Low≦15%) 通院病院においてLOW リスクとなっております。NCCNや2011ザンクトガレンの区切りは14%であり、>14%をルミナルBとするといった考え方もあるようです。また、一見ルミナールAタイプにも抗がん剤が効くタイプの人が10%いる。この10%人は、既存の病理検査でルミナールAに見えるだけで、実際はがん細胞の増殖能が高いルミナールBタイプもあると知りました。私の病理で、ルミナールBになることはありますか?
2) BIG 1−98試験では、低リスク(リンパ節転移、腫瘍径の大きさ、HER2、脈管浸潤、ホルモン受容体、バイオマーカーを段階的な数値にする)であれば、タモキシフェンのみの治療でもアロマターゼ阻害剤(フェマーラ)を含む治療と同等の効果だが、リスクが高い場合にはアロマターゼ阻害剤5年の治療成績が高かったことが報告された(100人のうち4.3人再発死亡を免れた)とありますが、私の病理をこの臨床試験の数値に当てはめると、何点になりますか? 低リスクになりますか? それともリンパ節転移がなかったのものの、Ki67=15%を高リスクと考えますか?
3) 私の病理でAI追加投与と無治療では、どれほどの利益の差があると考えられますか?
4) リンパ節転移が陽性なら、AI投与によってOSは伸ばせるようですが、リンパ節転移の状況にかかわらずDFSが伸びるということは、リンパ節転移の状況にかかわらず再発は遅らせられるということですか? DFSが伸びるということは、これからフェソロデックスなどの新しいホルモン剤が術後治療に保険適用になり、もしかすれば全生存率も伸びるということは考えられますか? AI投与で身体だけに負担をかけるだけなら無治療もあるかもしれないが、もしかしたら恩恵があるのではないか?と、二つの気持ちで揺れています。
5) 現在50歳で、母の閉経が55歳であり、AI投与をするとしても、これから5年以上の無治療期間になる可能性もありますが、何年までの無治療期間なら効果がありますか?
6) 標準治療から離れることは承知していますが、私の不安な気持ちを察してか、主治医より無治療期間中に生理が再来した場合はゾラデックス+AI治療でもよいと言われました。「ゾラデックス+AIのエビデンスはないのでは?」とお聞きしましたら、あの試験は若い人対象だったから、閉経真近なら効果はあるかもしれないとの事です。術前治療ではゾラデックス+AIの効果は証明されているので、術後においても、全くエビデンスがないということはないのでしょうか? 私自身は、無治療期間中に明らかにホルモン量が高かったり生理が再来したなら、ゾラデックスを単独で投与するほうがまだいいのではと考えますが、いかがでしょうか?

リンパ節転移もなく、私によく似た病理で術後10年経過して多くの仲間が再発しました。今できるだけの事はしておきたいと感じています。よろしくお願いいたします。

1)ご相談ありがとうございます。基本的にはLuminal A typeと判断いたしますが、ki-67が境界値ですのでおっしゃるとおり厳密な判断は難しいと思います。
2)臨床試験にあてはめて考える必要はないと思いますが、腫瘍径は1cm以下で、Her2陰性、リンパ節転移もなく、Ki-67が境界値ですので、低リスクと考えられると思います。
3)タモキシフェン5年投与後にアロマターゼ阻害薬に切り替える効果が検討された臨床研究が多く報告されており、いずれも良好な成績が残されておりますので、副作用が問題ない範囲であれば、アロマターゼ阻害薬へ切り替えて継続するのが一般的だと考えます。
4)リンパ節転移がなくても再発は起こってくるものですので、油断せずに慎重にホルモン治療を継続なさるのが良いかと存じます。
5)何年開けて良いかというのは分かりません。今後5年以内の再発の可能性を考えれば、お母様の閉経年齢にあてはめるのではなく、タモキシフェンとゾラデックスを中止し、血中ホルモンを数ヶ月毎に計測します。項目は血中E2(エストラジオール)、FSH(卵胞ホルモン刺激ホルモン)です。閉経していればアロマターゼ阻害薬を使用します。
6)まずは上記のようにして、経過をみていくのが良いと思います。

現時点ですべての不安を解決して差し上げることはできません。その都度その都度主治医の先生とご相談いただきながら、方針を決定していくことが大切です。これからも応援しています。(文責 高橋)

 

No.10641-2】  12年09月27日    Y 
再発転移の相談

NO10641では丁寧なご教示感謝しております。その後、自分なりに納得して、ゾラデックスとノルバデックスを終了しました。現在追加のAIを検討するため、閉経を確認すべく血液検査で様子をみています。しかしながら、ここ1か月、右鎖骨やろっ骨の痛みと右胸全体に違和感を時々感じます。このような症状の時、再発を精査できるのは、MRIやPET-CTがよろしいのでしょうか? 2年前にも鎖骨に痛みを感じ、頚部MRI単純+造影検査をしたことがありますが、今回は症状の範囲が広いので迷っています。MRIは、頚部と胸部の広範囲を両方同時に検査することができますか? PET-CTは、被爆の問題や、以前造影剤をいれたもののリニアックが故障し造影剤後時間が経過しすぎてうまく精査できなかったケースに見舞われ、個人的に抵抗があります。MRIよりPET-CTの方が、より再発を見つけやすいのでしょうか? ご教示、よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。再発転移の診断にPET-CTが良いか、MRIが良いかは議論の分かれるところですが、PET-CTに抵抗がおありでしたら、全身diffusion MRIという選択肢がございます。被爆もございません。病院でdiffusion MRI(ディフュージョンエムアールアイ)をご希望してみてくださいね。骨の痛みには、骨シンチグラム(コツシンチ)も有効です。もちろん通常の胸腹部造影CTも大切な検査です。先生と良くご相談なさってくださいね。応援していますからね。(文責 高橋)

 

No.10640】  12年05月26日    F
臨床試験について

これからの治療を考えるにあたって、臨床試験について教えてください。

1) 2011年NCCNガイドラインP24 MA−17試験について
4.5年〜6年間の術後タモキシフェンを完了した女性5187例における結果は、レトロゾールによる延長療法がホルモン受容体陽性早期乳がんの閉経後の女性に利益をもたらす。追跡中央値2.5年の結果、延長レトロゾールのほうが再発や対側の新たな乳がんが少ないことを示し、全生存率には差はなかった。リンパ節転移陽性のサブセットでは、生存率に利益が認められたとあります。
上記について、MA-17試験は、観察期間中央値(30か月)時点でレトロゾールがDFSを有意に改善していたため早期終了と乳がんガイドラインにありましたが、レトロゾールが投与されたのは2.5年間でしょうか? それともレトロゾール群は5年の治療をしたのでしょうか? 追跡中央値とは、レトロゾールを投与して平均して2.5年後の結果ですか?

2) NCCNガイドラインP25 MA−17試験別のコホート分析について
4.5年から6年間のタモキシフェン投与後のプラセボ群をランダムに割り付けた1579人、
非盲検化した試験後にレトロゾールとプラセボの有効比較した 
タモキシフェン投与終了後の中央値は2.8年
無病生存率(DFS)と無遠隔転移生存率は、双方ともレトロゾール投与群において有意に改善されることが判明し、それによりタモキシフェン治療4.5年〜6年の術内分泌療法を長期に受けた患者によるレトロゾールの有効性についてあるエビデンスが提示された。とあります。上記MA−17試験別のコホート分析の意味は、タモキシフェン4.5年から6年間の治療を経て、平均して2.8年後の無治療期間を経て何年間のレトロゾール投与があったのでしょうか? MA−17試験別のコホート分析の意味を教えてください。

3) LateMA.17試験(乳がんガイドライン2011p30)  
タモキシフェン5年投与後のプラセボ群対象に試験開始5年後に、@ レトロゾール投与群  A 非投与群 観察中央値5.3年DFS(HR:0.37)は有意に投与群のほうがよかったとありますが、タモキシフェンを5年投与した後5年間の無治療期間を経て5年間レトロゾールを投与し、その後レトロゾール投与開始5.3年にDFSが非投与群に比べ再発を63%の人が遅らせたということですか? またタモキシフェン5年投与とありますが、詳細には4.5年から6年なのでしょうか?

4) ABCSG6aタモキシフェン5年投与後の健存例856人(乳がんガイドライン2011P31)
@アナストロゾール3年  A経過観察のみ 観察中央値62.3か月アナストロゾール群がRFS有意に改善とありますが、タモキシフェン5年投与した後アナストロゾールを3年追加したほうがアナストロゾールを投与しなかった人に比べ、アナストロゾール投与開始後平均して62.3か月後にRFSが有意に改善していたと解釈しますか?

5) NSABP B-33(乳がんガイドライン2011p30)  
NSABP B-33試験(乳がんガイドライン2011p30)は、タモキシフェン5年投与後に無再発の3157人対象にエキセメスタンを何年投与したのでしょうか? 最初は2年の予定だったけれど、5年に延長されたものの、MA-17試験の結果を受け終了したとありますが? また、NSABP B-33試験の観察中央値30か月で、DFSとRFSはエキセメスタンで延長したがOSでは有意差なしとありますが、エキセメスタンを投与開始平均して30か月後の結果ですか?

6)ノルバティスフーァーマーHPの2008年3月18日のプレスリリースに、MA.17試験データーの非盲検化後の解析で、タモキシフェンによる治療終了から最長7年後にフェマーラを投与開始した場合でも、再発リスクの減少が期待できることを証明とありますが、タモキシフェン治療終了後時間がたてばたつほどフェマーラの恩恵は少なくなるのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。少しでもお力になれましたら嬉しいです。
MA-17試験は、5,187人の閉経後早期乳がん患者を対象に行われた試験です。約5年間のタモキシフェンによる術後補助療法が終了後に、レトロゾールまたはプラセボ(偽薬)を投与しました。各患者様ごとに投与期間は異なりますが、治療開始からの観察期間28ヶ月(中央値)において、レトロゾールの再発抑制効果が明らかであったためプラセボの患者様もレトロゾールが開始できるように治療のプロトコール(規則)が変更されています。

1) 観察期間28ヶ月(中央値)はすべての患者様のレトロゾール投与期間を平均したわけではなく、ちょうど真ん中に存在する患者様の投与期間を指します。例えば、1 , 3, 8, 9, 10の5つの数字の平均値は「6.2」ですが、中央値とはちょうど真ん中にある数字の「8」になります。
2) タモキシフェン終了後、レトロゾール開始までの期間は1年から7年で、その中央値(先ほどお伝えしましたね)は2.8年でした。治療成績は、レトロゾール開始後1年目、2年目、3年目、4年目の成績で比較検討されています。
3) MA-17試験をさらに分析し発表されたデータでは、タモキシフェンの推奨投与期間5年間を完了し、数年以内(タモキシフェン終了後レトロゾール投与までの期間の中央値は2.8年)にレトロゾールを開始するとレトロゾールを開始しなかった患者様に対し、再発リスク(危険性)が63%減少したということです。観察期間中央値5.3年は先ほどお伝えした通り、平均値ではありません。5人の参加者の中央に位置する方の観察期間です。タモキシフェン投与期間はおっしゃる通り4.5~6年となっています。
4) ABCSG6a(Austrian Breast and Colorectal Cancer Study Group 6a)では、御指摘の通り、タモキシフェン5年投与後にアナストロゾールを3年間投与してデータが検討されています。検討された患者様の観察期間のちょうど真ん中にいらっしゃる方の観察期間が62.3ヶ月ということです。62.3ヶ月後に改善したわけではございません。
5) NSABP B-33は、タモキシフェン5年終了後のエキセメスタン5年間の追加治療の効果をみる試験です。この試験も、中間解析によりプラセボ(偽薬)で開始した患者様もエキセメスタン投与を希望すれば内服できることになりました。こうした全ての患者様のちょうど真ん中の方の観察期間が30ヶ月ということです。
6) 現在はホルモン治療薬の種類も増えてきていますし、アロマターゼ阻害薬が効果がなくなってもフルベストラントもございますので、状況を把握しながら適切な選択肢を選んでいくことが大切です。

Fさまはタモキシフェン内服後数年経過して、再発の治療で悩まれていらっしゃるのでしょうか。主治医の先生とも良くご相談いただきながら、私どもの意見はあくまでも参考程度としていただき、今後の治療方針をご検討くださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10639】  12年05月26日    M.K.
ホルモン剤の効果がでるまで(HPNo.10631-2)

10631の胸膜転移の者です。今日、受診日でマーカー横ばいのため、そのままホルモン治療(ノルバテックス)続行になりました。細胞分裂の勢いがあるので抗がん剤にします・・・と言われるのが怖かったので、とりあえずはホッとしています。KI67は測っていません。ノルバテックスはちょうど1カ月服用しました。ホルモン剤の効果がでてくるのはどのくらいからでしょうか。今後、ホルモン剤を変えていった時、やはり1カ月~2カ月で効果判定なのでしょうか。また、ホルモン依存性の強度によって効き方の差がありますか? よろしくお願い致します。

一般的には、3ヶ月程使用して効果を判定します。ホルモン受容体が、一定量以上ある場合は効果が期待できますが、受容体の少ない場合、それほどの効果は期待できない場合が多いです。(文責 須田)

 

No.10638】  12年05月26日    MF
アブラキサンの副作用(痺れ)

以前に質問させていただき、丁寧な回答を感謝しています。現在、術後補助療法でAC4クールの後、アブラキサン1クール目です。3週間4クールの予定です。副作用の説明は受けていたのですが、1クール目から足の痺れがひどいです。あと3クール、もしこれ以上の痺れがあれば、日常生活ができなくなるのではないか不安です。そこで主治医に相談したところ、タキソテールに変更は可能、ただしアルコールがだめな為、水に溶かす事になるが、効果が少なくなると言われました。
1) アブラキサン→タキソテール(溶媒 水)の場合、効果はどのくらい変わるのか。水に溶かす場合もあるのでしょうか?
2) アイスグローブについて、主治医は、昔流行ったけど効果がなかったと言っていますが、実際今は使ってないのでしょうか? 効果はないのでしょうか?
3) アブラキサンの痺れは歩行に影響が出るほどになる可能性はあるのでしょうか?

私の病理結果はトリプルネガティブ、ステージ1、KI80%以上でした。どうぞ宜しくお願いします。

タキサン系の抗癌剤には、タキソール、タキソテール、アブラキサン等があります。タキソールは、水に溶けないため、溶媒としてアルコールとヒマシ油使うことで製剤化しました。これによる重篤な過敏症や危険性をなくすため、前もって薬を使用しなければならず、投与時間も長くかかります。このようなタキソールの欠点を改良した薬がアブラキサンで、タキソールとヒト血性アルブミンを結合させたものです。アルコール、ひまし油が含まれていないので、アルコール過敏症の人でも使え、前投薬は不要、点滴時間も30分になりました。更に、タキソールと比較して、腫瘍縮小割合も、優位な差が認められています。
タキソテールは、溶媒が水ですから、過敏症状はタキソールより起こりにくいと考えられています。副作用としての浮腫は、投与量が蓄積されるにつれて発生頻度が高くなりますが、手足に出現する神経症状(しびれ)は、タキソールに比べて軽微であるとされています。タキソールとタキソテールは同じタキサン系の薬剤ですが、有効性を示す癌細胞の範囲が多少異なりますが、乳がんに限って考えると、タキソテールとタキソールは、ほぼ同等であり、アブラキサンより多少効果がおちるとされています。
爪障害はタキソールでよく見られますが、フローズングローブは、末梢血管を収縮させ、爪への抗癌剤到達量を減らすことができるので、爪障害の発現率を押さえたり、症状の改善または遅延を期待することができます。タキサン系薬剤では高頻度に末梢神経障害が出現しますが、海外の臨床試験で、2010年に発売されたアブラキサンは、海外での臨床試験によると末梢神経障害の早い軽快が示され、期待が寄せられています。抗癌剤の効果、副作用に関しては、個人個人によって異なってきますので、主治医と相談しながら、上手に選択し、使っていくことになります。(文責 須田)

 

No.10637】  12年05月26日    M 
自費治療について

先日、さる掲示板で、自費のゾメタやセレブレックスが大流行と読みましたが、本当でしょうか? 私は外骨歯や顎関節症があり、歯に自信がありません。ゾメタは一度やった時口内が粘ついて、2日高熱でダウンでした。閉経しているので、それでもした方がいいのでしょうか。

乳がんの骨転移に関するご質問だと思います。乳がんでは、骨転移した部位で破骨細胞が活性化し、骨吸収が異常に亢進します。ゾメタは、この骨吸収を抑制する作用があり、骨転移の症状に効果があります。2012年1月にデノスマブ(商品名 ランマーク皮下注120mg)が製造承認されました。この薬は分子標的薬で、破骨細胞の形成活性、生存を抑制し、骨転移の症状を改善する新薬です。貴女の状態をもっともよく把握してくださっている主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.10636】  12年05月26日    AR
トリプルネガティブ

7年前(当時40歳)に乳がんの告知を受けました。サイズは約2.3×1.3cm、トリプルネガティブ、リンパ節なしの2A期で、術後はAC→T療法を受けて、その後放射線治療で終了し、現在経過観察をしております。トリプルネガティブのタイプの乳がんは、3年後までに再発転移が多いと言われていたのですが、幸い3年5年7年と再発転移なしで今に至っています。今後どのような検査を受けるべきでしょうか? 7年以降、再発転移の危険性は、どの程度と考えていいでしょうか? お忙しいところ申し訳ございませんが、お手すきのときに、ご回答いただけましたら幸いです。

リンパ節転移もなく、術後7年たっていますので、再発転移の危険性は低くなっていると考えられます。術後5年以降のフォローアップとしては、問診・視触診・マンモグラフィーによる1年毎の実施が推奨されています。マンモグラフィーは対側乳がんの早期発見に有用です。しかし、これらに加えて、血液検査やCT等の画像診断を行なって慎重なフォローアップを実施し再発を発見し治療しても、その後の生存率を改善するに到っておりません。(文責 須田)

 

No.10635】  12年05月26日    k 
胸のしこり

高校3年生の男子です。中学3年生の時から胸にしこりがあり、ネットや親が思春期には良くあると言っているのですが、少し長い気がします。これは病院でみてもらった方がいいでしょうか。

思春期にみられる女性化乳房だと思います。一般的には消失していきますが、1〜2年その状態が続くようであれば、念のために、一度乳腺外科もしくは外科を受診してください。(文責 須田)

 

No.10634】  12年05月26日    M.I.
のう胞

初めて投稿させていただきます。お世話になります。43歳、既婚、出産経験なしです。今年2月に右乳房上外側辺りに、5ミリ以下くらいに感じるコリっとした手触りのシコリを感じ、即かかりつけの乳腺外来受診しました。マンモは異常なし(乳腺が白く確認できず)、エコーでも確認できませんでした。不安を感じ、3月に別の乳腺専門のクリニックに行きました。マンモはやはり白くて分からない、エコーでは3ミリののう胞、問題ないので一年後に再診とのこと。のう胞でも中身が張っていれば硬く感じることもあるとの説明に、一旦は納得するものの、自己触診の度に不安を感じていました。 5月、再度かかりつけの乳腺外科でエコーをお願いしたところ、「問題ないのう胞ではない。白くもわっとした感じののう胞であるので、癌の可能性が数パーセントあり、経過観察。」と説明される。すぐに大きな病院の乳腺外来に紹介してもらい、エコーで「のう胞のようだが、のう胞の一部(真下辺り)の部分が少し厚いように見える。何分小さすぎてはっきりしないので、通常は経過観察になるが、確定診断希望ならマンモトーム生検しますか?」とのことで、お願いしました。マンモトームでシコリ丸ごと取れるそうなので、もうその結果を待つのみなのですが、結果が分かるまでに二週間かかるため、非常に不安を感じて色々調べた結果、更に不安が増してしまい、藁をもすがる思いで投稿させていただきました。

1) のう胞内乳癌は「少ない」との記述が多いですが、少ないとは、だいたいどの程度なのでしょうか?(稀なのか、多くはないという意味なのか、「少ない」の感覚がよく分からず・・・)
2) のう胞の膜に癌が潜んでいた場合にも、のう胞内乳癌は非浸潤性という症例が多いのでしょうか?
3) 3ミリなら例え癌でも治ると考えていましたが、調べているうちに、そうとも言えない気がしてきて、若干パニックになっています。3ミリでも、深刻な症状になる症例は高いのでしょうか?

長くなりすみません。調べることによって余計混乱してしまいました。一般論で結構ですので、よろしくお願いします。

一般的に、のう胞内癌は稀ではありませんが、そんなに多くはありません。また、非浸潤癌もあれば、浸潤癌もあります。3mmの病変では、深刻な状態になる確率は低いと考えられますので、検査結果を待って、主治医の先生を信頼し、ご相談しながら、今後の方針を決めてください。(文責 須田)

 

No.10633】  12年05月26日    k 
乳癌の再発・転移の可能性

乳癌の術後五年と数ヶ月経過した37歳です。手術時、リンパ節に一個転移ありで、温存手術をし、FEC75と放射線治療→その後リュープリンを3年とタスオミン服用中です。二週間位前から腰痛・下肢痛・臀部痛などアチコチが痛んだりダルさがあります。先月末に血液検査をしたのですが、CEAの値が4.5になっていました(基準値は3.4までの検査です)。3.8とかの時もあったので、そんなに気にしていなかったのですが、アチコチの痛みやダルさがあるので、骨転移では?と心配になってきました。どの位、再発・転移の可能性があるのでしょうか?

2週間前からの痛みや倦怠感が骨転移による症状であるかどうかは、調べてみなければわかりません。心配なことは、すぐに主治医に報告し、転移でないことを確認するためにも、X線撮影・CT・MRI・骨シンチ等で、検査してもらってください。骨転移は、乳がんの遠隔転移として、肺・肝・脳等よりも多くみられ、術後10年以上経って出現することも、少なからず経験しています。(文責 須田)

 

No.10632】  12年05月26日    K
化学治療・ホルモン治療と卵巣機能(生理)について

2006年6月(当時39歳)右乳がん、温存手術後に全摘手術。センチネルリンパ節生検で2個転移があり、リンパ郭清。術後、化学治療を半年間(FEC×4、タキソテール×4)、ホルモン治療でタスオミンを5年間(今年1月末まで)服用し、今年2月より無治療となっています。化学治療中、卵巣保護のためゾラデックスを併用し、化学治療終了後ホルモン治療としてゾラデックス継続予定でしたが、当時、心身ともに副作用のダメージが大きかったため、生理が再開してからゾラデックスも再開するということで、ゾラデックスをいったん中断しました。主治医は、年齢から生理が再開する可能性は高いと言われていましたが、結局タスオミン服用の5年の間、無月経のままで、半年に1度の血液検査でのホルモン値もずっと低いままで、化学治療により閉経してしまった可能性の方が高いと言われ、今日に至ります。ここからが質問です。今年2月よりタスオミンの服用を終え、約3ヶ月後の4月末に初めて不正出血がありました。出血の量は少ないのですが、約2週間経った今も出血が続いています。生理痛のような痛みも軽くあります。子宮体癌の検査を怠っていたため、至急婦人科で診察・検査を受けなくては・・・とは思っていますが、生理が再開したとは考えられますでしょうか? ゾラデックスはせず、タスオミンのみ服用の5年の間無月経で、タスオミン終了後3ヶ月で月経が再開するような事例は考えられますか? そのような事例の経験はございますでしょうか? 参考のため、こちらの先生方の見解をお聞かせ頂ければ有難く存じます。よろしくお願いいたします。

FEC療法は、シクロホスファミドによる影響を受けずに生理が再開する場合もありますが、閉経になる可能性もあります。43歳未満で卵巣機能が停止していることを確認するには、血液中のホルモン量を測定する必要があります。 主治医とご相談なさってください。また、不正出血が7日以上続く場合は、婦人科的疾患についての診察、検査を受けてください。(文責 須田)

 

No.10631-1】  12年05月15日    M.K 
胸膜転移について

すみません、不安におしつぶされそうで・・・ご指導願います。12年前37歳の時、右乳がんT期、リンパなし、乳管内進展していたため全摘(今49歳)。ゾラテックス2年、ノルバテックス5年終了し、10年目の卒業証書もいただきました。しかし、12年目、胸水貯留が発覚し、MRIでもCTでも、胸水しかはっきりせず、PETをして、胸膜、右腋下、鎖骨下、右縦隔リンパ転移が確認できました。その後、入院して胸水をぬき、ピシバニールで癒着させました。ショックでショックで告知後1カ月たちますが、まだたちなおれずにいる情けない状態です。(夫と子ども3人にささえられ、やっと食事を作っています) いまのところホルモン治療の方向ですが、次の受診で、マーカーや胸水などの増加がみられれば、抗がん剤と言われています。今ノルバテックスを飲んでいます。胸膜転移は予後が悪いのでしょうか。肺・肝・脳などは、今のところありません。胸膜転移の情報が少なく、不安と恐怖におびえています。ホルモン剤の効き方がよければ、共存できますか?  胸水からの細胞診報告書は以下のとおりです。
細胞診断 : Carcinoma,consistent with metastatic ductal cell carcinoma
細胞所見 : N/C比大、核形不整、クロマチン軽度増量、核小体を有する異型細胞を孤立散在性に多数認めます。核分裂も少数みられます。また、PAS(+) Alcian-blue(+)の粘液を認めます。免疫組織化学
的に、異型細胞は、ER(+,5/3)Pgr(+,4/2),Her2(1+),CK7(+)/CK20(-),calretinin(-),D2-40(-) 乳がんの転移として矛盾しない所見です。

よろしくお願い致します。

胸膜転移だからといって特に特殊な治療法があるものではありません。現状のホルモン療法は適切な選択肢でしょう。主治医の先生を信じてがんばってください。(文責 首藤)

 

No.10631-2】  12年05月26日    M.K 
ホルモン剤の効果がでるまで

10631の胸膜転移の者です。今日、受診日でマーカー横ばいのため、そのままホルモン治療(ノルバテックス)続行になりました。細胞分裂の勢いがあるので抗がん剤にします・・・と言われるのが怖かったので、とりあえずはホッとしています。KI67は測っていません。ノルバテックスはちょうど1カ月服用しました。ホルモン剤の効果がでてくるのはどのくらいからでしょうか。今後、ホルモン剤を変えていった時、やはり1カ月~2カ月で効果判定なのでしょうか。また、ホルモン依存性の強度によって効き方の差がありますか? よろしくお願い致します。

一般的には、3ヶ月程使用して効果を判定します。ホルモン受容体が、一定量以上ある場合は効果が期待できますが、受容体の少ない場合、それほどの効果は期待できない場合が多いです。(文責 須田)

 

No.10630】  12年05月15日  M.S.  
肺転移後のゼローダ、フェマーラの併用について(HPNo.10525)

お世話になっております。先日、ご相談させていただきました。あれから、母のゼローダ、ベネット、フェマーラ、手足症候群軽減のためのビタミン剤服用が始まりました。腫瘍マーカーの推移は、以下のとおりとなっています。
BCA225
2011年11月→167 2012年 1月→180 2012年 3月→184 2012年 4月→198 2012年 5月→197
CEA15-3
2011年11月→27 2012年 5月→33.7 (CEA15-3は半年に1回測っています。)

主治医の先生によれば、「ゼローダとフェマーラでぼんやりと押さえられていると思います。このまましばらく様子を見ましょう。ただ、FEC75や、タキソールを使えば、少し下がるかもしれません。難しいところですね。」とのことでした。

1) 下がることを期待して、FECもしくはタキソールを使用する場合、どちらから始めるのが標準的なのでしょうか?
2) CTによれば、肺の多発転移とのことですが、5月のマンモグラフィーでは、左乳房に微少な石灰化が見られました。この石灰化が、腫瘍マーカーの推移に影響していることはあるのでしょうか?
3) 主治医の先生によれば、フェマーラを10年服用するとのことですが、他のホルモン剤と併用、もしくは以前お教えいただいたようなアロマシンやフェソロデックスに変更することは可能でしょうか?
4) もし、上記のようにホルモン剤を変更した場合、再びフェマーラに戻すことは可能でしょうか?

肺への多発転移は、あまり良い状況ではないと思いますが、胸水もたまっておらず、腫瘍マーカー以外は健康そのものの母です。母子家庭で働き続けてきた母です。気力もあり、長くQOLを保っていけるように、できれば寛解できるように、娘として出来る全てのことがしたいのです。お忙しい中恐縮ではございますが、ご回答いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

1)どちらから始めても良いと思われますが、おそらくFECの方がやや奏効率が高いでしょう。
2)微小石灰化と腫瘍マーカー値はおそらくは無関係です。
3)可能です。フェスロデックスも良い選択肢です。
4)可能と思います。(文責 首藤)

 

No.10629】  12年05月15日   AK
術後のホルモン療法(リュープリン注射など)について

4年前の5月に左胸全摘手術をしました。術前半年、抗がん剤済みです。現在46歳です。術後すぐにリュープリン注射を2年間。それで生理を止める状態に。ホルモン剤(ノルバディックス20)を5年間続ける治療となりました。今現在4年ノルバディックスを続けています。リュープリン注射はしていません。最近、リュープリン注射はしていないので、せっかく生理をとめていた状態だったのですが、生理になる状態に戻りそうで不安です。 生理が来ない状態にあえてしてきたのですが、閉経前の40代の患者は、どういう治療を続けていけばいいものなのでしょうか? 生理が来ると再発リスクが増えるのではと不安です。人によっては卵巣を摘出する人もいるそうですが・・・。このまま、生理が戻る状態で、不安ばかりです。

欧米ではリュープリンなどのLHRH製剤を5年間投与することが多く、日本でもそのような傾向が強いようです。最初の乳癌の状況が、例えばリンパ節転移が4個以上あったとか、グレードが高かったとか、さらにホルモン受容体陽性細胞が多かったなどの条件では、さらに延長して閉経に持ってゆくという考え方もあるのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.10628】  12年05月14日   D
ホルモン治療について(2) (No.10621-2

No.10621でご相談させて頂きましたが、早速お返事を頂き、ありがとうございました。違う先生の意見はとてもありがたいです。主治医の先生ともよく話してみます。回答を頂きましたが、もう一度質問させて下さい。再発死亡率を教えていただきましたが、これは10年以内に再発して、10年以内に死亡する確率という事でしょうか? 再発率だけのデータが有りましたら、無治療の場合とホルモン治療した場合をお教え頂ければ幸いです。主治医の先生からは、無治療より治療した方が再発率は50%位違うといわれました。同じホルモン治療した場合でも、閉経前の場合で、タモキシフェンだけの治療とゾラデックスと組み合わせた場合のデータはありませんでしょうか? 度々で恐縮ですが、よろしくお願いします。

再発死亡率ですので、癌の再発による死亡率です。再発率に関しては、主治医の先生から治療の選択肢を含めて直接お話を伺ったほうがよろしいでしょう。(文責 首藤)

 

No.10627-1】  12年05月14日   Y 
薬が効いていなかったのでしょうか? 

初めてご相談いたします。8年前に粘液ガン温存手術。去年、温存したところに小葉ガンができ、全摘後、タミフルと4週間おきのゾラデックス注射。半年後に、全摘したところに5ミリの粘液ガン再発、摘出。薬が効いていなかったのでしょうか? そして完治は望めないのでしょうか?

難しい判断となります。前回摘出術で残っていた部分が再燃した可能性もあり、一方で皮膚のリンパ管侵襲のようなものかもしれません。ホルモン療法には抵抗性を示すがん細胞である可能性も否定できません。(文責 首藤)

 

No.10627-2】  12年05月29日   Y 
ホルモン剤について

先日はご回答ありがとうございます。8年前に粘液ガン発症、温存手術後、フルツロンカプセル200を1年間と、ノルバディクスを5年間服用。8年目に、温存したところに小葉ガン発症、全摘後ホルモン剤がよく効くタイプだとの事で、ゾラディクス注射を4週間毎、タミフルを服用しておりました。が、半年後に全摘した後に5mmの粘液ガンがあらわれました。主治医は、「脂肪に隠れていたものだから摘出、その後薬がきいていなかったのかもしれないので薬を変更するかも?」とのことでした、しかし、手術でちゃんと取れたので、結局は変更しないとの事でした。すごく不安です。他のホルモン剤はないのでしょうか? タミフルが効果があるかどうかは調べられないのでしょうか? 納得して治療をうけたいのですが・・・。

ご相談、どうもありがとうございます。何度も手術を受けられて、とてもご不安だと思います。今までの再発はすべて局所の再発ですので、局所再発に対する治療としての手術という、ベストな選択肢をされてきていると考えます。今後、全身へ何らかの転移が発生した場合には、次の治療を選択されてもよいかと存じます。閉経前であれば、ホルモン治療として今後、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)、さらにアナストロゾールなどが選択肢としてあげられます。現在内服されているお薬が、抗インフルエンザウィルス剤である「タミフル」なのかどうかは、良くご確認くださいね。今後の方針は、主治医の先生ともご相談なさってくださいませ。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10627-3】  12年06月22日   Y 
ホルモン剤について(2)

ホルモン剤はタミフルではなくて、タスオミンです。慌ててまちがえてました。現段階で、タスオミン以外の選択肢はないのでしょうか?

この場合、局所療法(切除)のみですませるか、薬物療法も追加するかどうかは難しいところです。最初のがんは小葉がんで、あとで出てきたのは粘液がんということで、組織型が違うのでしょうか? しかし、全摘されたとのことなので、新たな乳がんが出ることは考えづらいので、局所再発ということになるのでしょうか。タスオミンを服用中に出現したということなので、違う薬物(化学療法も含め)を検討してもよいと思います。しかし、この場合、出てきたものも小さいので、切除して、そのままの治療を続行するのもありかと思います。温存療法後に放射線療法を行ったという記載がないですが、行っていなければ胸壁照射も選択肢に入ると思います。(行っていれば、通常追加の放射線照射はしません。)(文責 俵矢)

 

No.10627-4】  12年07月30日   Y 
手術跡の皮膚

いつも丁寧なご回答を、ありがとうございます。5月に受けた5mmの腫瘍の摘出跡(1cm程度の縫った跡)なのですが、以前より赤みが増したような気がいたします。皮膚に転移した場合の初期症状は、どんなものなのでしょうか?

皮膚に転移して、多い症状は、硬めのコリッとしたしこりが皮膚の下、皮一枚下に触れたり、皮膚の表面に赤く触れたり、です。ただし、肥厚性瘢痕と言って、縫った後の皮膚がケロイドのように赤く硬く盛り上がる体質の人もいます。怖がらず、主治医に聞きましょう。(文責 緒方)

 

No.10626】  12年05月13日   P
転移ありでも手術?

私は、乳がんで、遠隔転移(骨転移)ありの状態で発見されました。現在はホルモン療法のみですが、先生が胸を切ってしまった方が良いと言い始めたのです。薬を飲み始める前よりは、癌自体は多少小さくなった感じです。「3ヶ月経ってこの程度なら、手術した方が良い。ホルモン剤はいずれ絶対効かなくなるから。」という言い方にも疑問を感じました。普通、骨転移まで見つかったら、手術はしないものと思っていたのですが、した方がよいのでしょうか?

遠隔転移のある乳癌においては、 原発巣のある乳房を切除することで予後・余命が延長することはありませんが、今後原発部位が大きくなり出血を繰り返すなどの不愉快な事象をなくすことができるかもしれません。いわゆる局所コントロールですね。そういう意味では手術は妥当と思われます。(文責 首藤)

 

No.10625】  12年05月13日   KK
乳腺のう胞 と リンパの腫れについて

初めて相談させていただきます。 55歳の母のことです。30代ごろから、乳腺のう胞と診断され、今まできましたが、ここ数日、左鎖骨中央やや上部分(首の左下あたり?)に腫れを感じるようです。3日様子を見ていましたが、引く様子はなく、腫れがはっきりしてきた模様で、本人は心配しています。かかりつけのお医者様に見せる予定ではありますが、仕事の関係上、少し先になってしまうらしく、私としても心配しています。左鎖骨あたりのリンパの腫れは、一般的に乳がんなどと関係するものなのでしょうか? それとも、胃がんなども考慮に入れたほうがよいのでしょうか。乳腺のう胞と、リンパの腫れの関係があるのか、調べてみてもよくわからずにおります。よろしくお願いいたします。

乳腺のう胞との関連は無いと思います。ご指摘の部分のリンパ節が腫れているとすれば、消化器系の疾患との関連が推定されますので、医療機関を早めに受診されることをおすすめします。(文責 首藤)

 

No.10624】  12年05月13日   S.Y.
局所再発での手術と薬物療法について(2)(HPNo.10605-2)

前回は丁寧なご回答有難うございました。改めて、次の治療に向けて考えを整理したいと思い、再度の相談をお願いする次第です。いつもお手数おかけして恐縮ですが、どうかよろしくお願い致します。先日、リンパ節と皮膚の再発部分の生検手術を受け、病理結果待ちです。先日、簡単な結果(がんが存在していた)を受け、主治医から今聞いている方針は、「・9割方、現在のホルモン療法(タモキシフェンとリュープリン注射)の継続だろう ・ki67が異常に高かった場合は、抗がん剤(アンスラサイクリン系を4回、タキサン系を4回) ・リンパ転移が4個以上なら放射線治療(腋窩には当てない?)」というものです。
主治医の考えでは、ルミナールAだと抗がん剤は効かないタイプであり、又、抗がん剤は副作用も厳しく、人生を変えてしまう、私の場合は、生検で腫瘍をのけてしまったので、効き目が目に見えてわからず、つらい抗がん剤治療を、そのような状態で乗りきれないものだ、とのこと。ホルモン療法が弱い治療ではなく、抗がん剤より効きめがある、ということ。また、放射線治療は、受けなくても良い(予後は変わらない?)との意見でした。私が調べた範囲では、「 ・リンパ節転移が多いので、抗がん剤を選択される事が多い ・放射線治療を行った方が、生存率が良い」ということがあり、この2点をどうすべきか、判断がつかないのです。再発したら、長期戦になるので、できるだけホルモン療法を長く・・ということらしいですが・・。

質問としては
1) 私の再発は、「初発の腫瘍と同じ位置。手術の際に皮膚を多めに残したのでそこに僅かに残ったものが出てきた」「リンパ節はセンチネルではわからない微小細胞があったのかもしれない」との主治医の考えは、どう思われますか? それは再発形式としてシビアな状態ですか? それ以外の再発形式は考えられますか? リンパ行性転移ですか? 全身に回っている可能性高いですか?
2) 抗がん剤をして、果たしてどれくらいの効果が期待できるのでしょうか?
3) 抗がん剤をすべきでしょうか? どういうレジメが適当でしょうか?
4) いま抗がん剤をしてしまうと、耐性ができ、後で(遠隔転移など出た場合)困るのでしょうか?
5) 放射線治療はした方が、予後はいいでしょうか?
6) 放射線は腋窩に当てなくていいでしょうか? 当てるとリンパ浮腫になる可能性高いからでしょうか?
7) 放射線を当てるなら、どの範囲まででしょうか?
8) 最近の研究では、タモキシフェンより、アロマターゼ阻害剤の方が閉経後には効果が高く、閉経前でも、リュープリンと併用する説があるそうですが、そちらに変えた方が良いのでしょうか?

沢山の質問で恐れ入りますが、ご教示頂けますよう、切にお願い申し上げます。

1)主治医の考えは妥当でしょう。
2)3) Ki67が高ければ抗がん剤が有効かもしれません。アンスラサイクリン系、タキサン系薬剤選択は妥当です。
4)耐性は現段階で考えなくてもよいのではないでしょうか。
5)6)7)放射線療法は基本的に局所療法です。鎖骨上リンパ節転移や、疼痛のある骨転移などに対しては有効と考えますが、直接的に予後との関係はないと思います。
8)リュープリン+AIも選択肢の一つと思います。(文責 首藤)

 

No.10623】  12年05月11日   M 
ハーセプチンとホルモン療法併用について

「ハーセプチンとホルモン療法にはクロストークがあるので、同時併用する。」という記事をみました。ハーセプチンを先に始め、3−4ヶ月先にホルモン療法をはじめるのでは、効果は期待できないでしょうか? もう一つ、血管侵襲(−)、リンパ管侵襲(−)、核グレード(2)、ER(12%)、PR(−)、HER2(3+)、ステージ1で、ホルモン療法は必須でしょうか? 術後療法無しで再発確立は20〜30%とか・・・。ハーセプチンのみの療法だと効果は薄いでしょうか? 質問の書き方に不手際があるかとは思いますが、宜しくお願いいたします。

同時併用が理論的に良いと思いますが、数ヶ月の差は考えなくてよいのではないでしょうか。ER陽性ですので、ホルモン療法の効果は期待できると思います。(文責 首藤)

 

No.10622】  12年05月11日   YK
術前化学療法の効果判定

昨年10月に、サイズ17mmの浸潤がんということで、アブラキサン(3wごとを4サイクル)+ハーセプチン(毎週13回)の術前化学療法を受けました。組織検査では、ER(+)、 PgR(+)、HER2(+)、組織学的異型度:グレード1、MIB-1:23%でした。今年3月に乳房温存術+センチネルリンパ節生検の手術を受けました。最終病理結果は、「浸潤性粘液がん、組織学的効果判定:pINV、Grade:2b、INF:γ、g+、f-、s-、ly0、v0、pT1:<1mm (ただし、粘液プールは17mm)、EIC-、Surgical margin:-、センチネルリンパ節生検:陰性 (0/5)」とのことでした。49歳です。今後、FEC( 3wごとに4サイクル)、その後ハーセプチン(通して1年になるように残り9ヶ月)と放射線、そしてホルモン療法という治療方針が示されました。

1) 術後にFEC(3wごとを4サイクル)の追加は、やはり必要でしょうか?
2) 術前に使用したアブラキサンではなく、FECを使うことは妥当なのでしょうか?
3) 術前化学療法で、組織学的効果判定がGrade:3(完全奏功)になった場合には、予後がよいといわれているようですが、この背景を教えていただけないでしょうか。このエビデンスは、サブタイプごとに明らかになっているのでしょうか? 化学療法の効きやすさは、サブタイプごとに異なると思うのですが、一律に考えてもよいものでしょうか? (私は、Grade:2b・ルミナルBですが、Gradeが3ではないので、予後を考えて追加の化学療法をするという判断をするべきか悩んでいます)

よろしくお願いします。 

1) 術後補助療法としては化学療法も選択肢でしょう。
2) 妥当と思います。
3) サブタイプ的にはいわゆるTriple Negativeにおいて奏功率が高く、かつ奏功性の高いTriple Negativeはそうでないものと比較して予後も良好です。(文責 首藤)

 

No.10621-1】  12年05月11日  D
ホルモン治療について

初めて相談させていただきます。宜しくお願いします。42才ですが、右乳房の浸潤性乳管ガンの診断をうけたので、3月2日に温存型で手術を受けました。
病理結果は、 *組織型: 浸潤性乳管ガン、硬ガン *Nottingham Grade:Grade U(6point) *核グレード: Grade T *乳管内病変:有 *腫瘍の大きさ:DCISを含めた大きさは1.8×0.7×0.5cm 浸潤癌の大きさは0.7×0.5×0.5cm *pt分類:pT1b *波及度:f(乳腺外脂肪) *切除断端:陰性 但しコメントとして「背景の乳腺にはduct papillomatosis, apocrine metaplasia, lobular hyperplasia などのmastopathyが目立つ。上皮の異型を伴う箇所もあり、flat epithelial atypia あるいはatypical ductal hyperplasia相当の異型上皮が断端の近傍にも分布している」とあり *リンパ管侵襲:ly(-) *静脈侵襲:v(-) *神経周囲浸潤:(-) *免疫染色結果: ER:Proportion (5,>2/3) Intensity(2+,中等度) PgR:Proportion (5,>2/3 ) Intensity (2+, 中等度) HER-2:(1+) Ki-67:約10%  *リンパ節:転移(-) (0/2)
でした。主治医から、放射線治療30回(リニアックで25回+電子線で5回 計60グレイ照射)とホルモン治療を勧められています。閉経前なので、ノルバディックス5年、ゾラデックス2年だそうです。主治医には、「見通しの明るい予後が想定し易い状況」と言われています。それならば、再発せず、寿命迄生きた時の事まで総合的に考え、身体に無理をさせない(ホルモン治療はしない)と言う選択は無いのでしょうか? 標準治療をしない勇気がなくて治療を始めたましたが、タモキシフェンを5年も服用した後、老後に想定される副作用と、ゾラデックスで月経を2年も止めた時の更年期症状と、そのまま閉経してしまう事が怖くて、出来ればホルモン治療をしたくありません。
弟は鬱の薬を長期服用しましたので、現在は肝機能が低下していますし、斜視にもなりました。祖母は40代で脳下垂体を取ってしまったので、寿命は延びましたが、老後の病院が大変でした。母は更年期症状が酷く、長いことホットフラッシュと不定愁訴に悩まされ、70代になった今も不眠に悩んでいます。私はノルバディックスを服薬始めてまだ5日目ですが、早速生理が予定日より10日早くなり、明らかに髪質が変わりました。「こんなに早く副作用が現れるの?」と戸惑っています。色々調べても、服薬中の副作用について記載はありますが、その後の長期に渡る身体の不調については記述がないので、余計に不安です。再発リスクを減らす為の予防治療は、将来の身体に対しダメージを与える過剰治療ではないのでしょうか? そもそも病理結果から考えて、治療しない場合と治療した場合と生存率、再発率は何パーセントなのでしょうか?
取り留めのない文章になってしまいましたが、
1) ホルモン治療は本当に必要か?
2) ホルモン治療の長期にわたって想定される副作用は?
3) ホルモン治療た場合としなかっ場合の再発率/生存率は何パーセントなのか?

この3つについて、先生の見解をお伺い出来ますでしょうか? 宜しくお願いします。

Outcome calculatorを使用すると今後10年間の再発死亡率は無治療の場合3%、ホルモン療法施行した場合2%です。したがってホルモン療法により1%再発死亡を予防できます。ホルモン療法の副作用としてはホットフラッシュや婦人科疾患(特に子宮内膜癌)などがあげられます。以上をふまえ、主治医によくご相談ください。(文責 首藤)


 

No.10621-2】  12年05月14日  D
ホルモン治療について(2)

No.10621でご相談させて頂きましたが、早速お返事を頂き、ありがとうございました。違う先生の意見はとてもありがたいです。主治医の先生ともよく話してみます。回答を頂きましたが、もう一度質問させて下さい。再発死亡率を教えていただきましたが、これは10年以内に再発して、10年以内に死亡する確率という事でしょうか? 再発率だけのデータが有りましたら、無治療の場合とホルモン治療した場合をお教え頂ければ幸いです。主治医の先生からは、無治療より治療した方が再発率は50%位違うといわれました。同じホルモン治療した場合でも、閉経前の場合で、タモキシフェンだけの治療とゾラデックスと組み合わせた場合のデータはありませんでしょうか? 度々で恐縮ですが、よろしくお願いします。

再発死亡率ですので、癌の再発による死亡率です。再発率に関しては、主治医の先生から治療の選択肢を含めて直接お話を伺ったほうがよろしいでしょう。(文責 首藤)

 

No.10620】  12年05月07日   T.M.
手術後のセンチネル生検

1ヶ月前、左の全摘手術とセンチネル検査、右の疑い部分の除去手術を受けました。右側は、MRIを取ったときに疑わしい部分が見つかり、針生検をしても確定できなかったので、除去して生検することになったものです。その結果、右側は1cm以内の浸潤性がん(グレード1)であることがわかりました。そこで、右側もセンチネル検査をするように言われていますが、サイトや本などの情報では、術後のセンチネル検査の記述が見つからず、生検後のセンチネル検査は同定が難しいため適応外となっています。手術から1ヶ月以上経過しており、主治医からは通常40日以内にするため、すぐにするようにとのことですが、可能もしくは意味があるのでしょうか。このように遅くなったのは、検査結果が大幅に遅れたためです。現在、イタリア在住のため、手術と治療はこちらで行っており、日本国内と日本語での事情を知るために、ネットと本で情報収集をしております。私としては、右側は経過観察し、センチネル検査も廓清も行いたくありません。主治医の意見では、おそらく転移はないだろうということですが、念のため、絶対にすべきである、ということです。申し訳ありませんが、大変せかされておりますため、できるだけ早いご回答をいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

MRIの精度が高くなったことで、エコー、マンモグラフィでは発見できなかったような小さな病変もみつかるようになりました。結果的には、小さいうちに発見できたので良し・・とするところですが、あなたのような場合には、さて、センチネルリンパ節生検は難しい判断です。確かに、生検後はリンパの流れも変化するでしょうし、もし外上方の病変の場合、乳頭直下に色素を注入したりしても、腋窩までのリンパの流れが生検の傷により妨げられて、リンパ節をうまく同定できません。生検後にセンチネルリンパ節生検を行うべきか否かに関しては、明確な答えがありません。あくまでも個人的な意見ですが、2cm以下の乳癌で、センチネルリンパ節生検を行い、1-2個の転移があった場合、そのまま放置するのと、リンパ節郭清をするのとで比較し、生存率、無病生存率(病気が発生することなく生存している率)はどちらも一緒というデータがあります。わかりやすく言えば、1-2個のリンパ節転移は郭清してもしなくても同じ生存率・・、術後の再発予防の治療(補助療法)をしっかり受けましょう・・というメッセージです。であれば、はっきりと転移を疑わせるリンパ節の腫れがなく、1cmの大きさであれば、そのまま放置し、経過を見るというのはreasonableだと思います。放射線治療も受けるでしょうから、一部、腋窩にも放射線は当たります。センチネルリンパ節生検を行わず、放射線と術後補助療法で経過観察というのはいかがでしょうか? 少なくとも、絶対すべきであるというのは、やや大げさのような気もします・・。 (文責 鈴木)

 

No.10619】  12年05月07日   K.I.
何科を受診するべきでしょうか?

ネットで検索していて行き着いたので、相談させてください。2日前から、左の乳首の下部分に激しい痒みが出て、鏡で確認してみると、米粒くらいの大きさのできものが、固まってできていました。2日経って、大きさが少し大きくなったように見えます。加えてなんとなくですが、左の脇の下あたりを触ると、痛みまではいかない違和感があるように感じます。最近受けた婦人科検診では、膿胞があると言われ、要経過観察と言われたので、何か関係があると思ってしまいます。病院を受診したほうがいいでしょうか? その場合、何科を受診するべきでしょうか?

乳輪に痒みが出て、何か出来てきたとのご様子です。恐らく、病的な意味はあまりないかと思われます。時々、乳輪、乳頭に痒みが出る方がいらっしゃいますが、軟膏を処方する程度で改善されます。ただ、皮膚炎かと思っていたら、乳頭、乳輪に発生する早期の乳癌もありますので、心配ならば、乳腺外科の受診をお勧めします。施設により皮膚科の受診を勧められる場合もありますが、どちらでも問題ありません。また、嚢胞(質問の字は誤字のようです)とのことですが、因果関係ありません。これは分泌物のたまりですので、このまま放置して頂いて結構です。ただ、何もなくても年1回の検診は受けるようにしましょう。(文責 鈴木)

 

No.10618】  12年05月07日   S
アジュバンドオンライン(HPNo.10607-2)

10607でご相談させてもらったものですが、ノルバデックスの副作用で子宮が肥厚して不正出血をおこし、出血を止めるため黄体ホルモンを処方されましたが、その副作用もでて、次回また同じ症状がでた場合、同じ治療を受けるのが辛いのでできれば、ノルバデックスを中止したいのですが、再発のことを考えると飲み続ける方がよいのかもと、思い悩んでいます。私の病理検査の結果をアジュバンドオンラインでみてもらえませんでしょうか? 再発率、生存率、ホルモン療法したことで何%伸びるのかを知った上で結論をだし、主治医に話をしょうと思います。

病理の結果 : 
46歳浸潤性小葉がん 腫瘍の大きさ8o×11o  f,INFy,1y0,v0  断端浸潤(-) 乳管内進展(+) comedo pattern(-) 石灰化(-) リンパ節転移(-)0/4 ER(+)PgR(+)で
あるが染色強度は軽度 HER2(-) ステージ1です。

主治医からもらった資料は以上ですが、これでアジュバンドオンラインはしていただけますか?

ご質問有り難うございます。残念ながら現在アジュバントオンラインは、バージョンアップの最中で使用できません。あしからず、ご了承下さい。その中でも、意見を言わせて頂きます。再発予防の治療ですから、安全に行うことも必要です。ノルバデックスによる副作用であろう子宮内膜の肥厚、それによる出血、さらにそれに対しての黄体ホルモンの内服・・何のための治療かわからなくなってしまいます。確かに、再発予防だからしっかりと・・という考えもありますが、予防の前に、元気な身体という考えはいかがでしょうか? ご自身としては、半年とはいえ、やれる治療は頑張ったわけですから、あとは、体調を整え、バランスの良い食事、運動などで元気に過ごされるほうが良いのではないでしょうか?頂いた病理の結果も、再発リスクが高くは無さそうですし・・。難しい判断ですが、よくお考え下さるよう。また何かあればいつでもご相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.10617】  12年05月07日   Y
センチネルリンパ節生検の傷跡

左乳房温存術(扇状部分切除)とセンチネルリンパ節生検を受けました。乳房AC領域に、円弧4.5cmの傷と、ほぼ同じ高さの腋に3.5cmのセンチネルリンパ節生検の傷があります。センチネルリンパ節生検の傷も、乳房の傷も、横方向です。生検では5ヶのリンパ節を摘出しました。立って正面から見た際に、手をおろした状態では、 腋横の脂肪が切除線でくぼんで見え、少し気になります(手を挙げた状態では気になりません)。ネットで探した画像では、センチネルリンパ節生検の傷は縦方向にあるものが多いようですが、切除線の向きはどのように決まるのでしょうか?グローブで検出されたセンチネルリンパ節が5ヶと多かったこと、またその5ヶの位置が横方向に拡がっていたため横方向に切除されたのでしょうか? センチネルリンパ節生検の切除線の決め方について、スタンダードがあれば、お聞かせ願えないでしょうか? よろしくお願いします。

センチネルリンパ節生検を行なう皮膚切開について、きまり(スタンダード)はありません。センチネルリンパ節を同定する方法(色素法かRI法か併用法)、センチネルリンパ節が存在する部位、その患者さんの腋窩の皮膚の皺の方向、確実に切除できること、可能であれば皮下の神経の損傷を最小限にすること、などを総合的に勘案して決めます。ですから、私の場合も傷の方向は一定ではありません。(文責 清水)

 

No.10616】  12年05月07日   Y.K.
マーカー上昇について(HPNo.9371-3)

10498でお世話になりました。NCC-ST439の上昇について、また質問させてください。昨年ホルモン治療終了後、生理が再開してからNCCーST439が上昇しています。今年の2月にCTとシンチをして異常なしでした。しかしマーカー値は、「12月17 ・1月 35 ・2月 15 ・4月 20」と変化しています。右肩上がりというほどではありませんが、上限を大幅に超えた状態で、安定せず経過してます。毎日不安で過ごす中、やはりホルモン治療を再開してみたいと思うようになりました。私のようなケースで、再発と確定できない場合にも、予防のためにホルモン治療を再開したケースは、先生の経験からございますか? その場合、リュープリン、またはノルバデックス、どちらを使う場合が考えられますか? 私の通院する病院では、年間乳癌手術も20件弱と症例も少なく、担当の一般外科医の先生としても判断に迷っているようです。私としては、標準治療でないことでも、再発予防のために出来るだけのことはしたいと思っています。どうか乳癌専門医の先生のご意見をお聞かせください。いつも忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

前回お話ししたように、腫瘍マーカーの値には偽陽性、偽陰性が一定頻度あります。ですから、一回一回の結果に一喜一憂されないことをお勧めします。どうしても心配ならば、再度画像検査を行なうしかありません。画像検査で異常なく、一つの腫瘍マーカーだけが高い場合は通常は腫瘍マーカーの偽陽性と考え、治療はしません。強いて言えば、2〜3種類の腫瘍マーカーが全て右肩上がりに上昇しているにも関わらず、画像検査で異常が見つからない場合、かつホルモン受容体陽性の場合、診断的治療として内分泌療法を行う事があります。内分泌療法にもそれなりの副作用がありますから、安易な投与は控えた方がよいと思います。(文責 清水)

 

No.10615】  12年05月07日   Y.N.
ホルモンの新薬について

ホルモンの新薬フェソロデックスが承認されましたが、これはホルモン陽性、他の抗エストロゲン剤治療後に進行した転移性乳がんに使用するようですが、今までと違い、純粋な抗エストロゲン剤でエストロゲン受容体の数を減らすという記事をよみました。それならば、いままでの薬より効果が期待できそうで、まずこの薬を早い段階で再発時に使うということはできないのでしょうか? 大変高額であるということは解ってはいますが、ハーセプチンを使えない者としては考えてみたい選択の1つではあります。どうぞよろしくお願いいたします。

フェソロデックスが発売され、ホルモンレセプター陽性の患者さんにとっては治療の選択肢が増えて良かったと思います。おっしゃる通り、純粋な抗エストロゲン剤で、理論上は素晴らしい薬ですが、実際の効果は今までのホルモン療法剤と大きく変わらないようです。臨床試験としては再発後の一次治療が無効になった例に対して、従来のアロマターゼ阻害剤と比べて、進行を抑えたというデータです。現状ではいろいろなホルモン療法剤を使って、もう使うものがなくなってしまった患者さんに投与される事が多いのですが、臨床試験で証明されている使い方を参考にするなら、もっと早い段階で使う事が推奨されます。今後、いろいろな使い方がされて、どのような順番で使うのが一番良いのか、だんだん分かってくるのではないかと期待しています。(文責 清水)

 

No.10614】  12年05月01日   K
乳がん骨転移後のゾメタ長期間投与の是非について

乳がん骨転移後のゾメタ長期間投与の是非について、お聞きします。
2004年3月invasive ductal carsinoma of the breast で左乳房温存 当時51歳(現在58歳)出産なし 
HER2:0
ER:陽性80%以上+++
PGR:陽性80%以上+++
invasive ductal carsinoma with predominant intraductalcomponents
g ly-0 v-0 EIC(-) comedo(-) Tis(-)
size 1.1×0.9 cm cut end(-) 0/12
NG(1.2.1) B&R I N−SASI(ただし、DCISがmain なのであまり意味はなし)
sclerosing adenosis and florid adenosis, marked
some foci of atypical cystic duct, suspicious

2006年4月multiple bone meta
右大腿骨頭に強い集積あり
左足関節、右7th rib, 左2nd rib に異常集積あり
(強い痛みで歩行困難 (肺肝臓への転移はなし)

zometaゾレドロン酸水和物注射液4mg5ml点滴投与4回目のbone meta followで、「肋骨4か所の集積は縮小する。右大腿骨の集積も淡くなる。新たな集積なし。」となり、骨転移から6年経過後の現在も、zometaを4-5週に1回4mgを点滴静脈内投与しています。2012年4月bone meta follow、2011/11/4bone meta followと比較して(骨シンチは年1回)、肋骨に多発する淡い集積は変化なし、L5の集積も変化なし、右下腿近位骨端の集積も変化なしとなりました。(肺肝臓への転移はなし)(歩行回復、自覚症状もなく、日常も普通です)(CEAが4.0のラインを0.3程度上下する以外はマーカーに異常なし)(ノルバデックスから変更、現在はアリミデックス服用中)

お聞きしたいことは以下の通りです。
1) zometaの副作用(顎骨壊死)を回避するために、歯科的に自覚症状のない段階で、zometaを休薬する必要がありますか?
2) 再発乳がんの場合、zometaの長期投与後の投薬方針について、乳がん治療ガイドラインでどのようにするか決められていますか?
3) 副作用(顎骨壊死)を回避するための効果的な投与および休薬の期間は?
4) zometaは最長どれ位投与できますか?
よろしくお願いします。 

1) ZOMETAを投与する事によって得られるメリットが顎骨壊死を起こすデメリットより小さいと判断されれば休薬するという選択肢もあると思いますし、投与間隔を空けるという選択肢もあると思います。
2) ガイドラインでは、骨転移に対してZOMETAを投与する事は推奨していますが長期投与後の投薬方針については言及していません。
3) 顎骨壊死を回避する効果的な投与法というのはありません。回避するためには投薬を中止する事が一番です。
4) それも特にきまりはありません。貴女の場合、症状もなく、検査でも異常ないとなると、ZOMETA投与のメリットは顎骨壊死のデメリットを下回っているように思えますが如何でしょうか。

主治医の先生とよく話し合うことをお勧めします。(文責 清水)
 

No.10613】  12年04月29日   T.S.
術後の治療について

DCISと診断され、3月頭に皮下乳腺全摘手術をうけました。術後の病理診断がでましたが、2mm×1mm×1mmの部分浸潤部分があり、現在ホルモン療法をうけようか迷っています。病理検査結果から、アジュバントオンラインでは再発率は15%で、ホルモン療法で9%まで下げられるということでした。今後、妊娠・出産もできれば望みたいので・・・。10年〜15年での遠隔転移のリスクはどれくらいあるのでしょうか? それに応じてホルモン療法をうける、うけないを決めたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

年齢:36、Invasive ductual carcinoma、ER 90%、PgR 90%、HER-2 (-) 2+(FISH法で1.45)、MIB1 40%、腫瘍の広がり 7.0×4.2×2.2(cm)、浸潤部:0.2×0.1×0.1(cm)、浸潤度: g+、f+、娘結節:+、切除断端:-、5mm以内-、リンパ管浸潤:-、静脈浸潤:-、組織学的異型度  TubularFormation:2  Mitosis score:1  NuclearAtypia:2 Totalscore:5 TumorGrade:1 リンパ節転移(sentinel):0/2

遠隔転移はかなり高い確率で死亡につながります。ですから、遠隔転移率をみるためには、Adjuvant onlineで死亡率をみる事をお勧めします。そうすると、貴女の場合、無治療(手術のみ)の時の10年生存率97.3%、乳癌による死亡率1%、他病死1.7% で、Tamoxifenを加える事による死亡率の減少は0.3%となりました。ここから遠隔転移があって10年目に生存している人の分を差し引かなければいけませんが、そのような人の数は極めて少ないと考えます。(文責 清水)

 

No.10612】  12年04月29日   S.O.
病理結果について

先日、右乳がんの手術をしまして、以下の病理結果が出ました。42歳、閉経前です。出産歴2回。

大きさ 浸潤部 6×4o
乳管内進展 18mm以内 乳管内病変を含めた全体25×30×7mm
pT pT1b
形状 中間
組織型 invasive ductal carcinoma,papillotubular type with a prominent intraductal component and lobular carcinoma in situ
Grading Nottingham grade=1(Total score 5) tubular formation:1 Nuclear pleomorphism:3 Mitotic count:1
浸潤範囲 g f
脈管侵襲 ly0,v0
断端 negative
免疫染色 ER(+) 95%以上,PgR(+)80%,HER-2 score 2,CK19(+)100%
リンパ節 pN0 n1(-)--sentinel(0/2)
Comments 浸潤部は乳管癌であるが、非浸潤部は乳管癌と小葉癌が混在している。

主治医はKi-67を信用していないので、調べないようです。放射線を50グレイ、タスオミン服用し、生理が止まらなければ注射だそうです。グレードはぎりぎり1ですが、この場合に抗がん剤は必要でしょうか?(Nuclear pleomorphism:3が気になります。) 無再発10年生存率は、どのくらいでしょうか? アジュバントオンラインを自分でやってみようと思ったら、医療従事者のみ使用可能だったので・・。いろいろ申し訳ありませんが、教えて下さい。

Adjuvant onlineの結果は、無治療(手術のみ)で10年生存率が96.7%、乳がんによる死亡率が1% 他の原因による死亡率が2.3%でした。Tamoxifenを加えると0.3%死亡率が減少して、化学療法(2nd generation)を加えると0.4%死亡率が減少、化学療法とTamoxifenの併用で0.6%の死亡率の減少でした。無再発というと、更に12−13%悪くなります。これは、対側乳癌の発生率、同側乳房内再発などを加えるためです。(文責 清水)

 

No.10611】  12年04月27日   C
タモキシフェンと副作用(HPNo.10413-2)

前回No.10413でお世話になったものです。術後の不安な時にご回答くださり、とても感謝しています。ありがとうございました。断端は陰性でした。今回また質問させてください。
12月上旬で、放射線治療を予定通り終えました。放射線治療半ば頃に、ノルバディックスの服用を開始しました。飲み始めて5カ月ほど経ちます。1カ月前から生理不順となり、先日、不正出血がありました。主治医に相談したところ、検診を受けておいた方がいいとのことで、婦人科を受診しました。子宮内診と、体がん、頸がんをしました。がん検診の結果はまだでていませんが、子宮筋腫(4pと2pのものが2個)があることがわかりました。一年半前、乳がんがわかる前ですが、子宮の検査を同じクリニックでしましたが、筋腫はありませんでした。婦人科の医師は、ノルバディックスで子宮内膜が薄くなるので、生理も軽くなる。生理が重すぎたり、痛かったり、膀胱などを圧迫していなかったら、筋腫は問題ないとのこと。今、私には、これらのような自覚症状はありません。そこで、疑問と不安があります。ノルバディックスは子宮内膜が薄くなる、ではなく、厚くなるのではないでしょうか。この先、ノルバディックスを服用し続けて、筋腫が悪化しないか心配です。今後の妊娠も諦めた訳ではないです。私は年齢が若いので、再発は本当に怖いですが、リスクは低いものと思いますので、ノルバディックス服用に迷いがあります。副作用がなければ服用したいと思っていますが、とても不安に思います。主治医の検診まであと3カ月あります。どうかご回答をよろしくお願いします。

おっしゃる通り「厚くなる」です。筋腫の増大が認められる場合もありますので、定期的に診てもらったほうがよいかもしれません(ご存じかもしれませんが、妊娠には内服中止後しばらくの期間が必要です)。リスクが低いのでしたら、服用しないという選択肢も十分あり得ますので、主治医と再度相談なさってみるのも一つと思います(医療側はつい過剰治療となりがちです)。(文責 加藤)

 

No.10610】  12年04月27日   Y
今後の治療法について

80歳の母のことで相談させて頂きます。3/15に右乳ガン(5センチくらい)と診断され、フェマーラを飲み始めました。3/23にセンチネルを受け、3/29に転移なしとのことでした。次回は4/26の診察予定で、今はフェマーラを飲んでいるだけです。本人は先生の言われたとおりに・・・と言っております。

1) 薬の効果は飲んでみないとわからないのでしょうか? もし、効果がなかった場合は、無為に1ケ月を過ごしたことになってしまいますか。
2) 今できること、もっと積極的な治療法はないでしょうか?
3) 身体への負担が小さい治療法は、どんなことが考えられますでしょうか?

お忙しいところ恐縮です。どうかよろしくお願いいたします。

1) おっしゃる通り、飲んでみないとわかりません。無為に過ごしたことになってしまうかどうかは正確に評価するのが難しいですが、 その一か月によって今後への大きな影響はないように思います。
2) 腫瘤の性格、お母様の具合などにもよりますが、十分な治療を受けておられると察します。
3) 腫瘤が小さくなれば、日帰り手術(局所麻酔下)が可能になるかもしれません。(文責 加藤)

 

No.10609】  12年04月23日   T.M. 
化学療法の妥当性と効果について

化学療法の妥当性と効果をご助言ください。54歳、 閉経前後、 20mm×10mm、 グレード:2(構造異型3点、核異型3点、核分裂像1点)、ER:90%、 PgR:90%、 Her2なし(浸潤病変スコア0 上皮内病変スコア3+)、浸潤は乳腺組織に留まり、切除断端:陰性、 センチネル(0/2)level(0/4)、 Ki67:40%、 
化学療法は必須ですか? ホルモン療法を受けながら、その間に高額な遺伝子検査を受けて、その結果をみて化学療法というのは、意味があるでしょうか?

ご相談ありがとございます。私のお返事で少しでも疑問が解消できれば嬉しく思います。T.M.さんの乳がんの状況を拝見すると、Ki-67がやや高いことが気になります。ご担当の先生がお考えのようにT.M.さんに化学療法を行うか行わないかを現在最もはっきりと決める方法には、Oncotype Dx.という切除した乳がん組織の遺伝子検査があります。この結果を見て決める方法がよろしいかのではないかと思います。(おっしゃるとおり高額ですが・・・)提出から結果がわかるまで約3週間ですので、ホルモン療法もその結果を確認してからで遅くないと思います。(文責 斎藤)

 

No.10608】  12年04月23日    S.A. 
出産後の授乳、ホルモン治療について(HPNo.10046-3)

No.10046で質問させていただいた者です。無事妊娠でき、5月出産予定です。主治医からは、「授乳もOKなので、少し落ち着いてからマンモグラフィーをしましょう。」との事でしたが、前回のマンモグラフィーから丁度1年経つところです。前回から、あまり期間を開けない方がいいような気もするのですが…。また、産後のホルモン治療はやはり必要でしょうか? 産科の先生からは、妊娠中はホルモン治療してるようなものだからと言われたのですが、本当でしょうか? まだ分かりませんが、出来ればもう一人子供もほしい気持ちもあるので、どのくらいホルモン治療の必要性があるのか知りたいです。よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。まず御妊娠おめでとうございます。さてご質問の検査期間ですが、術後の検査期間に決まりはありません。また授乳中は乳腺が発達しますので、画像検査で細かい異常所見を見つけるのは難しいと言われています。次にホルモン治療の必要性ですが、以前のS.A.さんのご質問を拝見すると、乳がんは非浸潤がんだったのですね。非浸潤がんに対するホルモン治療の効果は生存率が向上するという報告はなく、手術側および反対側の乳房の癌の発症を減少させる効果しかありません。したがってS.A.さんにとって癌の再発(乳房内のみ)と、お子さんを授かることと、現時点でどちらがご自身にとって重要かをお考えになり、ホルモン治療を行うかどうかをお決め頂くのがよろしいのではないかと思います。出産まではお二人分のお命抱えていらっしゃいますので、ぜひお体大事になさって下さい。(文責 斎藤)

 

No.10607-1】  12年04月23日    S
ノルバデックスの副作用について

半年前よりノルバデックスを服用していますが、かなりの量の不正出血があります。婦人科に受診したところ、ノルバデックスの副作用により子宮内膜が厚くなっていて、そこからの出血ということでした。完全な閉経はされてはないといわれましたが、生理は1月より、ない状態でした。黄体ホルモンの薬を処方され、外科の先生と婦人科の先生との話し合いで、ノルバデックスは飲み続けることになったのですが、ノルバデックスの副作用であるならば、また同じことが起きる可能性があるように思え、このままノルバデックスを飲み続けてもよいのか不安です。飲みはじめたころも吐き気やのぼせやめまいなどがありました。最近は落ち着いてきたのですが、ノルバデックスの副作用とつきあいながら飲み続けてくださいと、主治医からは言われますが、副作用があきらかにある状態で飲み続ける必要性はあるのでしょうか?

ご相談ありがとうございます。私のお返事で不安が減れば嬉しく思います。手術をなさった乳がんがどのような状態かわからないので、お答えが大変難しいです。再発しやすい状況であればホルモン治療を継続した方がよろしいのではないかと考えますし、再発の可能性が非常に少ない乳がんの状態であれば、中止をお考えになっても良いのではないかとも思います。再発予防の治療を行っていても残念ながら再発してしまう方もいますし、再発予防の治療を行わなくても再発しない方もいます。そのためSさんが副作用により日常生活に支障を来すようであれば、中止をお考えになっても良いのかもしれません。しかしご担当の先生もしっかりと婦人科の先生とご相談なさって治療継続をお勧めのようですので、もう一度ご担当の先生とご相談なさって、Sさんが納得のいく方を選択なさることをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10607-2】  12年05月07日    S
アジュバンドオンライン

10607でご相談させてもらったものですが、ノルバデックスの副作用で子宮が肥厚して不正出血をおこし、出血を止めるため黄体ホルモンを処方されましたが、その副作用もでて、次回また同じ症状がでた場合、同じ治療を受けるのが辛いのでできれば、ノルバデックスを中止したいのですが、再発のことを考えると飲み続ける方がよいのかもと、思い悩んでいます。私の病理検査の結果をアジュバンドオンラインでみてもらえませんでしょうか? 再発率、生存率、ホルモン療法したことで何%伸びるのかを知った上で結論をだし、主治医に話をしょうと思います。

病理の結果 : 
46歳浸潤性小葉がん 腫瘍の大きさ8o×11o  f,INFy,1y0,v0  断端浸潤(-) 乳管内進展(+) comedo pattern(-) 石灰化(-) リンパ節転移(-)0/4 ER(+)PgR(+)で
あるが染色強度は軽度 HER2(-) ステージ1です。

主治医からもらった資料は以上ですが、これでアジュバンドオンラインはしていただけますか?

ご質問有り難うございます。残念ながら現在アジュバントオンラインは、バージョンアップの最中で使用できません。あしからず、ご了承下さい。その中でも、意見を言わせて頂きます。再発予防の治療ですから、安全に行うことも必要です。ノルバデックスによる副作用であろう子宮内膜の肥厚、それによる出血、さらにそれに対しての黄体ホルモンの内服・・何のための治療かわからなくなってしまいます。確かに、再発予防だからしっかりと・・という考えもありますが、予防の前に、元気な身体という考えはいかがでしょうか? ご自身としては、半年とはいえ、やれる治療は頑張ったわけですから、あとは、体調を整え、バランスの良い食事、運動などで元気に過ごされるほうが良いのではないでしょうか?頂いた病理の結果も、再発リスクが高くは無さそうですし・・。難しい判断ですが、よくお考え下さるよう。また何かあればいつでもご相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.10606】  12年04月23日    T・K 
術後の治療について

初めてご相談させていただきます。2008年に乳がんを告知され、温存手術を受けました。硬癌(18×17mm)、リンパ節転移1つ、ER(+)、 PgR(+)、HER2(-)、放射線照射は受けず、タスオミンを4年間服用しておりました。今年2月に局所再発がわかり、3月に手術をしました。11×8×8mmの範囲に核クロマチン増加した核を有する異型細胞が索状、小型管状増殖を示す浸潤性乳管癌(硬癌相当Nuclear grade1相当)を認めます。脂肪繊浸潤と真皮浸潤を伴います。脈管侵襲は明らかではありません。追加切除片に腫瘍は含まれず、断片は陰性と判断されます。ER:88.61% PR:59.24 % Ki-67(MIB-1): 3.02% HER2(-) 。 現在、放射線治療中で、タスオミンも服用していますが、薬をトレミフェンに変更し、放射線治療終了後に、経口抗がん剤 UFT 4Cの2年間の服用をすすめられております。現在47歳で、生理は不順です。再発ですし、乳癌は全身病とも聞き、抗がん剤は仕方ないのかなとも思いますが、出来れば服用したくありません。術後の治療について、先生のご意見をお聞かせ下さい。宜しくお願い致します。

ご相談ありがとうござます。私のお返事で少しでも疑問が減れば嬉しく思います。T.K.さんの状態は、乳がん術後4年の局所再発切除後、最初の乳がんも再発乳がんも、ホルモン受容体陽性、HER2陰性、最初の乳がん術後の再発予防としてタスオミンを内服中に再発されています。また閉経前の状態と拝読しました。さて今後の治療ですが、報告が少ないのが現状です。その報告からは、今のトレミフェンに加えてLH-RHアゴニストを加える治療が一つの選択肢と考えます。現在内服しているトレミフェンの量がわからないのですが、量を多くする(高用量と言います)のも一つの選択肢で
す。またご担当の先生がお考えのようにタスオミンを内服している最中に再発したのだから、ホルモン療法は効果がないと考えて抗がん剤を使用するのも選択肢の一つです。これからお受けになるお薬の治療は期限の無い長い治療になることが予想されます。ぜひ今一度ご担当の先生とよくご相談なさって、ご本人が納得してから治療をお受けになることをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.10605-1】  12年04月23日    S.Y. 
局所再発での手術と薬物療法について

この度はお世話になります。3年3カ月前に手術してから、今回局所再発が見つかりました。状況は、
術側乳房・・・8ミリ程度の腫瘤、細胞診でクラス4、PET-CTにて確認、
術側腋窩リンパ節・・・エコーの後、PET-CTにて3個の転移確認。
PET-CTで遠隔転移は認められませんでした。

初発時の状況は、術式:左乳房皮下乳腺全摘 インプラントによる同時再建術。手術時44歳閉経前、乳頭腺管癌、1.2*7mm、Er、Pgr とも陽性80%、HER2は+1でFISH検査にて陰性でした。リンパ節転移なし(センチネルリンパ生検にて0/3)グレード1、浸潤fまで、断端陰性。術後治療として、ホルモン療法(ゾラデックス、リュープリンとノルバデックス服用)、1年3カ月不妊治療トライアルの為中断(妊娠せず)。 今回の乳房のしこりは、初発の癌の位置と同じで、再建のため多めに残した皮下脂肪にあった微小細胞が出てきたのでは?とのこと。
主治医の方針は
・乳房・リンパ節とも手術しない(リンパ節を手術しても予後に変わりなし)
・ホルモン療法を中断してからの再発なので、効かなかった訳ではない→ノルバデックスが必須。リュープリンはしてもしなくてもいい→私の意向ですることに。

というものですが、私が調べた範囲では「術側乳房や胸壁?に再発したしこりや、腋窩から鎖骨下までの範囲の再発に対しては手術を行なうとか、この範囲の局所再発のみで遠隔転移がなければ、再切除にて治癒もありえる、という記述を見ます。結局、私の希望として、クラス4ですし、組織を調べて、初発の際から変化してる場合に指針となると思い、また、100に1つでも治癒の可能性もあるのでは・・?と考え、手術をお願いし、「治療ではなく診断の為」との、ことわりつきでの手術を行うという事になりました。手術範囲も、私が最終判断委ねられ、リンパ節をどうするか迷っています。残しておけば、薬の効果など観察していけるそうです。1個とって他の2個は残す、ということはしたくないそうです。今の段階で、私としては「乳房のしこりとリンパの癌3個切除」と考えてます。リンパ節をとるなら、レベル2まで郭清しければ無意味なのか・・?とも考えるのですが・・・。いっぽうで、リンパ節の郭清して癌を抑える意味はなく、診断の為というのは理解しているつもりですが・・・、素人の耳学問ゆえ、混沌としております。主治医は、初発と組織が変わってたからと言って、治療は同じなので、わかったところで仕方ないと。切除する事で私の精神衛生上には良いから、そういう点で手術の意味はあると。主治医は最新の情報に基づいているとおっしゃいますが、患者の私には、そこまで調べようもなく、なかなか理解できていません。再発には標準治療がないということで、施設・先生によって考えが異なるものでしょうか? まだまだ仕事もしたいですし、希望を持って治療に取り組みたいです。こちらのご見解を賜りたく、どうかよろしくお願い申し上げます。

ご相談ありがとうございます。私のお返事で、今後の治療について整理できれば嬉しく思います。現在乳がん術後3年3か月の局所再発(乳房+リンパ節)の状態で、再発に対する手術をお受けになったとき、リンパ節をどこまで切除するのかお悩みと拝読しました。乳房の再発を切除して調べた場合に、以前の乳がんから少し変化してHER2陽性になっていた場合は、抗HER2薬が使用でき、治療選択肢が増えるという利点があります。しかし切除することで、今後使用するお薬の効果を見極める方法がなくなってしまうという欠点があります。リンパ節に関しても同様で、レベルIやレベルIIまで切除し、そこに転移リンパ節が何個あるかによって、どれくらい広がった癌かを推測することは可能となります。しかし転移個数によって治療内容が大きく変わることは少ないです。また海外の治療指針によると、切除可能であれば切除しても良いとなっています。私たちは全身病になっていると考えて治療を行うため、手術で根治を目指すことは考えていません。手術は局所のコントロールと乳がんの性格が変化していないかどうかを見極めるためとお考え頂くのが良いかと思います。ぜひ希望をお持ちになって今後の治療をお受け頂きたいと思います。応援致しています。(文責 斎藤)

 

No.10605-2】  12年05月13日    S.Y. 
局所再発での手術と薬物療法について(2)

前回は丁寧なご回答有難うございました。改めて、次の治療に向けて考えを整理したいと思い、再度の相談をお願いする次第です。いつもお手数おかけして恐縮ですが、どうかよろしくお願い致します。先日、リンパ節と皮膚の再発部分の生検手術を受け、病理結果待ちです。先日、簡単な結果(がんが存在していた)を受け、主治医から今聞いている方針は、「・9割方、現在のホルモン療法(タモキシフェンとリュープリン注射)の継続だろう ・ki67が異常に高かった場合は、抗がん剤(アンスラサイクリン系を4回、タキサン系を4回) ・リンパ転移が4個以上なら放射線治療(腋窩には当てない?)」というものです。
主治医の考えでは、ルミナールAだと抗がん剤は効かないタイプであり、又、抗がん剤は副作用も厳しく、人生を変えてしまう、私の場合は、生検で腫瘍をのけてしまったので、効き目が目に見えてわからず、つらい抗がん剤治療を、そのような状態で乗りきれないものだ、とのこと。ホルモン療法が弱い治療ではなく、抗がん剤より効きめがある、ということ。また、放射線治療は、受けなくても良い(予後は変わらない?)との意見でした。私が調べた範囲では、「 ・リンパ節転移が多いので、抗がん剤を選択される事が多い ・放射線治療を行った方が、生存率が良い」ということがあり、この2点をどうすべきか、判断がつかないのです。再発したら、長期戦になるので、できるだけホルモン療法を長く・・ということらしいですが・・。

質問としては
1) 私の再発は、「初発の腫瘍と同じ位置。手術の際に皮膚を多めに残したのでそこに僅かに残ったものが出てきた」「リンパ節はセンチネルではわからない微小細胞があったのかもしれない」との主治医の考えは、どう思われますか? それは再発形式としてシビアな状態ですか? それ以外の再発形式は考えられますか? リンパ行性転移ですか? 全身に回っている可能性高いですか?
2) 抗がん剤をして、果たしてどれくらいの効果が期待できるのでしょうか?
3) 抗がん剤をすべきでしょうか? どういうレジメが適当でしょうか?
4) いま抗がん剤をしてしまうと、耐性ができ、後で(遠隔転移など出た場合)困るのでしょうか?
5) 放射線治療はした方が、予後はいいでしょうか?
6) 放射線は腋窩に当てなくていいでしょうか? 当てるとリンパ浮腫になる可能性高いからでしょうか?
7) 放射線を当てるなら、どの範囲まででしょうか?
8) 最近の研究では、タモキシフェンより、アロマターゼ阻害剤の方が閉経後には効果が高く、閉経前でも、リュープリンと併用する説があるそうですが、そちらに変えた方が良いのでしょうか?

沢山の質問で恐れ入りますが、ご教示頂けますよう、切にお願い申し上げます。

1)主治医の考えは妥当でしょう。
2)3) Ki67が高ければ抗がん剤が有効かもしれません。アンスラサイクリン系、タキサン系薬剤選択は妥当です。
4)耐性は現段階で考えなくてもよいのではないでしょうか。
5)6)7)放射線療法は基本的に局所療法です。鎖骨上リンパ節転移や、疼痛のある骨転移などに対しては有効と考えますが、直接的に予後との関係はないと思います。
8)リュープリン+AIも選択肢の一つと思います。(文責 首藤)

 

No.10605-3】  12年08月15日    S.Y. 
肺転移の治療について

前回(10605-1,2)では大変お世話になりました。ありがとうございました。今回状況が変わりました。ご教示頂けましたら幸いです。

2008.12 初発の手術(皮下乳腺全摘+インプラント再建)、 ER,Pgr陽性、HER2陰性 、【治療】ホルモン療法1年6カ月(ゾラデックス+ノルバデックス→リュープリン+ノルバデックス) 
2010.6 ホルモン療法中断 中断期間:1年9カ月
2012. 3 術側胸と術側腋窩リンパに局所再発(PET-CTにて遠隔転移なし)、組織診のため摘出術 (ER,Pgr陽性、HER2陰性、Ki67 5%)、 【治療】再発後1次ホルモン療法 1年3カ月(リュープリン+ノルバデックス) ※主治医はリュープリンは不要の意見
2013.6 PET−CTにて、肺に1個の転移確認、位置的に乳癌からの転移とのこと。

治療として、「@ トレミフェン3倍容量のホルモン療法 A ゼローダ B 組織型確認の肺転移腫瘍摘出」を提示され、転移は想定外だった為、その場で判断できず、1カ月程度の期間を頂いてます。その間も、不安な為、ノルバをトレミフェンに変えて頂き服用しています。摘出は、根治目的ではない事。組織型が変化するケース(3割)があり、確かめる事で治療の選択が確実になるからとのこと。最近は腫瘍の全体量の面などから?摘出が見直されているとのこと。もしHER2でも出たら薬も違ってくるので、摘出手術を受けようと考えています。
今回お聞きしたい点は

1) リュープリンは打っても打たなくでも同じですか? 主治医に聞くと、打っても同じとのことですが、ホルモン依存性乳癌で生理戻って大丈夫だろうかと不安です。(48歳、数値では閉経してないとのこと)
2) 上記の治療の他に、LH-RH+AIが実験的な治療としてあるが、トレミフェンの方が実績ある治療なので、順番としては先ですか? 素人の耳学問で恐縮ですが、調べるとあちこちで、「閉経前ホルモン陽性乳癌の再発二次以降は治療の選択ができない、LH-RHと+AIをオプションとして選択してもよい」とも、閉経前に使うには問題点もあるともあり、気になります。
3) 今後の治療は、再発後2次ホルモン療法→飲み薬の化学療法→点滴の化学療法になりますか? LuminalA,おとなしい顔つきのがんと言われていたのに、この時期肺に来たのはショックで、治療を中断したのが原因かなぁとあきらめもしてるのですが、反省をこめてしっかり治療したいと思うようになりました。上記の順番で良いものでしょうか?
4) このほどドイツの論文で、「肺転移で摘出して平均生存期間が延びた、強く摘出を勧める」というのを知りましたが、バイアスもかかっているとのこと、いかが思われますか?

お忙しい中恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

1)2) LH-RH+TAM中に転移が出現してきていることを考えると、LH-RH+AIあるいは化学療法を考えます。肺腫瘤の摘出術をお受けになるのでしたら、その結果を踏まえて考慮してもよいでしょう。
3) よいと思います。再発後の治療の考え方は色々あり、これがベストと決まるものではありませんが・・・。
4) おっしゃる通りで、バイアスはかかっていると思います。(文責 加藤)

 

No.10604】  12年04月23日    T 
母の再発治療について(HPNo.10487-3)

73歳の母の再発治療について、【No.10487】【HPNo.10487-2】にて質問させていただいた者です。何度も何度も申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
2回目のアバスチンの点滴後(2クール目のゼローダ開始)に、極端に母が弱って、おかしな言動もありましたので、脳転移を疑ってメールさせていただいたのですが、その翌日に急変。まったく立てなくなり、呂律がまわらず涎が止まらない状態になり、救急車で運ばれて緊急入院しました。その時、撮影した頭部のCTには転移は見当たらず(CTでは写らないぐらいの微小転移がある可能性は否定できないようです)、そして咳もひどく、痰がだいぶ溜まっていて、吸引したところ300ccありました。点滴にステロイドが入っているので、脳の浮腫があっても少し治まると思うと主治医に言われましたが、その通り、翌日には意識もはっきりして、ちゃんと喋れるようにはなりました。痰の吸引も1日でほぼ治まり、自力で出せるようになりました(軽い咳は続いています)。しばらくは尿管とポータブルトイレで安静にしていましたが、1週間ほどで自力でトイレにも行けるようになり、病院の食事も大半は食べられるように回復、本人が退院したいと言い張るので、2週間目に退院しました。ですが、入院中は一度も歩行困難やおかしな言動は無かったのですが、退院の翌日に、また足が震えて真っ直ぐ立てなくなり、入院した時ほどではありませんが、若干呂律もおかしく、わけのわからない言動を繰り返した挙句、20時間近く寝て、翌日には普通に戻っていました。病院にいる時との違いと言えば、圧倒的に食べている量が足りないことでしょうか。おそらく1000kcalに満たないと思われ、間食をとるように強く勧めていますが、そんなに量は食べられていません。せん妄を起すような薬は使っておらず、抗がん剤ももう断念し、痛み止めのオキシコンチンを1日40mgと、寝る前のロヒプノール、あとは胃薬と便秘の薬ぐらいしか飲んでいません。

1) せん妄を起す原因は、もし脳転移で無いなら、何か防ぐ方法は無いものでしょうか。主治医から、脱水、低血糖などの可能性も否定はできないと言われています。
2) かなり厳しい末期の状態だと思いますが、母本人は大きな転移があることを承知しているものの、まったく深刻な状態だとは思っておらず、自分は元気だと思い込んで、必要以上に構われることを嫌がります。こういう状態の患者に、緩和ケアが必要なことを説明するのは、やはり無理でしょうか。(尚、市内にホスピスは無く、かなり遠い所まで行かないとありません)
3) 主治医は明言はしませんでしたが、余命は3ヶ月〜半年ぐらいと見ておられるようです。知人の末期がんの在宅ケアのお仕事をしている人に相談しても同じ見解でした。とても抗がん剤をする体力は無さそうですし、このまま無治療で過ごして、どれくらい入院せずに自宅で過ごせるものなんでしょうか。

傍で家事を補助しながら母を見ている父も、C型肝炎など持病がありますし、私も乳がんの治療以来、更年期症状がきつく、不眠などもあり、2人とも体力的には、あまり自信がありません。誠に申し訳ございませんが、ご意見うかがわせていただければ幸いです。

Tさん、ご相談ありがとうございます。以前初めてご質問頂いた時にお返事させて頂きました。縁あってまたお返事させて頂きます。
1)せん妄についてですが、せん妄は様々な原因で起こります。例えば痛み止めのオキシコンチンの量を増やした時に起きることもありますし、全身の状態が悪くても起こります。残念ながら、原因をご相談の内容から判断するのは困難です。治療はまず原因を除去することが必要なのですが、それが難しい場合は、抗精神病薬(不安を取ったりするお薬などいろいろあります)を頓服として使い始めます。
2)緩和ケアについてですが、緩和ケアは末期になったから開始する治療ではありません。すでに使用しているオキシコンチンやロヒプノールも緩和治療の一つです。現時点でご本人が苦痛と感じていることがないのであれば、少し距離をおいて見守ることも緩和ケアの一つと考えます。
3)どれくらい入院せずにご自宅でいられるかは、ご家族の人数と体力や、お住まいの近くに利用できる施設(訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、訪問介護事業所、在宅療養支援診療所など)がどの程度整備されているかによって随分変わってきます。これらについてご自身で情報を集めるのは大変だと思いますので、現在ご通院中の病院に、相談できる部署やソーシャルワーカーさんがいらっしゃれば、そちらでご相談されるのがよいと思います。(文責 斎藤)

 

No.10603】  12年04月18日    ゆか
転移後の治療について

30代です。お忙しいところ大変申し訳ありませんが、ご意見お聞かせ願います。

経過 
2008年、Glt+Ax+Ic施行。 t=3.0×2.0cm ER(+)90%、PgR(+)80%、HER-2(1+)。術後、FEC3クール+TXT3クール終了、SC+PSへの照射終了。2010年、自覚症状は全くなく、血液データ(生化学、腫瘍マーカーともに)にも著変なし。ゾラデックス24回施行した際の(2010年)の検査にて、肝臓転移(単発)指摘。再度抗がん剤治療の提案を受けたが、受け入れることが出来ず、リュープリンを注射しながら、ホルモン剤(フェマーラ、アロマシン、ノルバデックス)使用。2011年、生化学(肝機能)数値は著変見られず経過していたが、CA15-3が5月頃から徐々に上昇(5月33.4、6月44.8、7月44.4、8月88.9、9月111、10月170)。PET/CT、骨シンチ実施にて、肝臓(単発)腫瘍増大傾向、骨転移3か所の確認。

現在
ハラヴェンの投与中。ハラヴェン7クール終了した時点のマーカー値は、CEA:2.1、CA15-3:44 で、CT(プレーン) では肝のmassはやや縮小傾向。副作用として、特に「駆け足が出来ない・階段の昇りが出来ない・脚に力が入りにくい」 回を重ねる毎に悪化。

希望
・卵巣へのダメージが可能な限り少ないもの (妊娠出産があきらめきれない)
・血管のダメージが少ないも (まだ、ポートを埋め込みたくない)

質問
1) 同様の副作用に対しての対処方法
2) アブラキサンに変更したところで、副作用の改善は見込めない?
3) ハラヴェンは、MAX何クールまで継続してOKなのか
4) ハラヴェンを中止した場合、次に使う抗がん剤の候補

よろしくお願い致します。

1) 症状の羅列だけでは判断しかねます。是非主治医の診察の上の判断をお仰ぎ下さい。(倦怠感・疲労によるものか、ニューロパチーによるものかで対処は異なると思います)
2) ハラヴェンは再発に良く効いているように思います。副作用が強ければ、減量による副作用の軽減は考えられないでしょうか?他剤への変更はその後に考慮されるものと考えます。
3) 開発直後の薬ですので長期投与の経験はないと思いますが、効果の続く限り、重篤な副作用がない限り、限度は無いものと考えております。
4) アンスラサイクリン・タキサン・ビノレルビン・カペシタビン・ジェムシタビン等多くの薬剤の中から選択されるでしょう。ほとんどの薬剤が卵巣への影響を持ち、注射薬の多くは血管へのダメージがあります。(文責 久保内)

 

No.10602】  12年04月18日    さくらこ
病理組織報告書

病理組織の報告書を眺めていましたら、以下の部分に疑問が生じました。
NA(nuclear atypia):2 + MC(miotoc counts):3/10HPF = NG(nuclear grade):1
乳がんのサイトなどで調べますと、このようにNAとMCの合計が「5」になる場合は、核グレードは「3」のはずですが、なぜ「1」なのでしょうか? 間違いなのではありませんか? どうか、ご教授願います。

このレポートのMCは”3/10HPF”ですので、MCのスコア―は”3”ではなく”1”になり、核グレードスコアは2+1=3なので、核グレードは1のはずです。主治医にきちんと説明をお求めになってください。(文責 久保内)

 

No.10601】  12年04月18日    F 
抗癌剤治療について

私は3月に乳がん手術を受けました。その後、抗がん剤治療と、放射線、ホルモン療法があります。抗がん剤を受ける前に、カテーテルを入れる手術があります。抗がん剤を受けるためには、必ずカテーテルを入れなくてはいけないのでしょうか?

カテーテルとは血管内ポートのことでしょうか? そうだとすれば、ポートは静脈確保のしにくい患者さんのために、血管外漏出や血栓性静脈炎を防止するために、施行されるものであり、必ずしも化学療法の方全員にしなければならない医療行為ではないはずです。(文責 久保内)

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