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相談室(No.10501〜10600)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 
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目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

10600 12/04/18 sumau アリミデックスの延長について 久保内
10599 12/04/18 術後の病理診断 久保内
10598 12/04/13 M.I. 治療方法について(HPNo.10288) 久保内
10597 12/04/13 M  骨転移の放射線治療とは? 久保内
10596 12/04/13 腫瘍マーカーの推移について 久保内
10595 12/04/04 術後化学治療の選択について 緒方
10594 12/04/04 再発後の治療の選択 緒方
10593-1
10593-2
12/04/04
12/06/19
N.T. ノルバデックス
今後の治療について
緒方
徳田
10592 12/04/02 今後の治療について(HPNo.10342) 緒方
10591 12/03/26 K  ハイリスクですか? 大西
10590 12/03/26 27歳男性です 大西
10589 12/03/26 T  母の再発治療について(2)(HPNo.10487) 大西
10588 12/03/26 さくら 術後のMRI検査 大西
10587-1
10587-2
12/03/26
12/05/26
E 放射線治療について
放射線治療について(2)
大西
高橋
10586 12/03/26 さくらこ フェマーラの副作用?(HPNo.10527) 大西
10585 12/03/18 S子 集簇性石灰化 石山
10584 12/03/18 今後の治療について(2)(HPNo.10344-3) 石山
10583 12/03/16 Invasive micropapillary 乳がん5年後の治療について  石山
10582 12/03/16 A.Y 術後の治療について 石山
10581 12/03/16 MS ゾラデックスの注射について 石山
10580 12/03/15 今後の予後について 石山
10579 12/03/15 M  生理再開? 石山
10578 12/03/15 T.O. 蜂窩織炎(HPNo.10313) 石山
10577 12/03/14 M.T 異型乳管過形成 石川
10576 12/03/14 病理診断について 石川
10575 12/03/14 K  手術方法について 石川
10574 12/03/14 今後の治療について(HPNo.10344) 石川
10573 12/03/14 再発後の治療について(HPNo.4273-3) 石川
10572 12/03/14 M  化学療法の有無について(2) (HPNo.10559) 石川
10571 12/03/12 K.K. ゾメタの治療再開時期について(HPNo.5096) 石川
10570 12/03/12 M  今後の治療について 石川
10569 12/03/12 K  胸のしこり 石川
10568 12/03/12 M.A. 今後の治療について 石川
10567 12/03/11 S  PET-CT検査と血液検査の結果 石川
10566 12/03/11 黄色い乳汁としこり 石川
10565 12/03/11 CT 再発乳がんについて 石川
10564 12/03/06 F  術後治療について 吉田
10563 12/03/06 T  抗癌剤 吉田
10562 12/03/06 A子 腕の炎症  吉田
10561 12/03/04 ゾラデックス 吉田
10560 12/03/04 T.U. 抗がん剤治療が必要か教えてください 吉田
10559-1
10559-2
12/03/04
12/03/14
化学療法の有無について 吉田
石川
10558 12/03/04 O リンパマッサージについて 吉田
10557 12/03/04 E.M. 妊娠と授乳中のしこりの変化 吉田
10556 12/03/02 T.N  術後〜抗がん剤投与までの期間について 吉田
10555 12/03/02 術後治療について 吉田
10554 12/02/29 N.N. 高校2年生の息子について 浜口
10553 12/02/29 術後補助の卵巣注射による無病率向上について  浜口
10552 12/02/27 浮腫 浜口
10551 12/02/27 E.H. 今後の治療について 浜口
10550 12/02/27 腰痛 浜口
10549 12/02/21 今後の治療について 徳田
10548 12/02/21 M  余命半年 徳田
10547 12/02/21 ノルバデックスと抗鬱剤 徳田
10546 12/02/21 癌の進行と血小板減少について 徳田
10545 12/02/19 G  骨転移? 徳田
10544 12/02/19 S子 オペ後5年以降のフォローについて 徳田
10543 12/02/19 T.I. 今後の治療方針について 徳田
10542 12/02/18 M.F. アブラキサンの補助療法 徳田
10541 12/02/18 ハーセプチンについて 徳田
10540 12/02/18 術後病理結果のコピーについて 徳田
10539 12/02/16 紅穂 腫瘍マーカー (HPNo.10435-2) 徳田
10538 12/02/16 右胸のしこり 徳田
10537 12/02/15 S.M. 治療後の妊娠について 徳田
10536 12/02/15 粘液癌 徳田
10535 12/02/07 腫瘍マーカーの上昇
10534 12/02/06 H  肺転移
10533 12/02/06 患部からの浸出液
10532 12/02/06 M.S. 肺転移後のゼローダ、フェマーラの併用について(HPNo.10525)
10531 12/02/06 胸筋リンパ節再発について
10530 12/02/06 転移について
10529 12/02/06 肺の影について((HPNo.10528)
10528-1
10528-2
12/01/30
12/02/06
肺の影について
肺の影について(2)
高橋
10527-1
10527-2

10527-3
12/01/30
12/03/26
12/12/13
さくらこ 術後治療法の選択
フェマーラの副作用?
小豆粒大のしこり
高橋
大西
清水
10526 12/01/30 生検なしで、乳がんではないと確定できるものなのですか? 高橋
10525-1
10525-2

10525-3
12/01/27
12/02/06
12/06/27
M.S.   フェマーラ服用中のマーカー上昇について
肺転移後のゼローダ、フェマーラの併用について
肺転移後のゼローダ、フェマーラもしくはフェスロデックスの併用について
高橋

浜口
10524 12/01/27 M.O. NCC-ST439上昇について 高橋
10523 12/01/27 FECの副作用でしょうか? 高橋
10522 12/01/24 母乳 首藤
10521 12/01/24 N.U. 手術まで何か治療はないでしょうか? 首藤
10520 12/01/24 O LDHの値について 首藤
10519 12/01/21 術後の痛みと化膿 首藤
10518 12/01/21 トリプルポジティブ乳癌 首藤
10517 12/01/21 H 遺伝子検査について 首藤
10516 12/01/20 OM 今後の治療について 鈴木
10515 12/01/20 M  肝転移後の治療について 鈴木
10514 12/01/20 S C 胸からの出血 鈴木
10513 12/01/15 S 温存手術後の授乳について 鈴木
10512 12/01/15 血性分泌物 鈴木
10511 12/01/15 乳癌の疑い(検査や手術のことで) 鈴木
10510 12/01/15 今後の治療について 鈴木
10509 12/01/15 A子 エストロゲン依存症について(HPNo.10499) 鈴木
10508 12/01/13 乳がん関連の症状ではないでしょうか?(2)(No.10505) 須田
10507 12/01/13 Y.I. 骨転移と抗がん剤 須田
10506 12/01/13 今後の治療について 須田
10505-1
10505-2
12/01/07
10/01/13
T 乳がん関連の症状ではないでしょうか?
乳がん関連の症状ではないでしょうか?(2)
須田
須田
10504 12/01/07 術後の炎症について 須田
10503 12/01/07 K.I. 放射線治療の休止期間 須田
10502 12/01/07 術後治療について 須田
10501 12/01/07 転移した可能性はありますか? 須田

 

No.10600】  12年04月18日    sumau
アリミデックスの延長について

アリミデックスの延長についてお伺いしたく、メールをさせていただきました。63歳です。5年前に右を全摘手術。病理結果は、腫瘍の大きさ1cm、ER,PgRとも強陽性、HER2は+3、センチネルは0/1で陰性。術後療法は、アリミデックス5年とUFT2年で開始。2か月で肝数値が悪くなり、UFTは中止。その後はアリミデックスのみで5年がたちました。その間、関節痛などの副作用もなく、毎年骨密度を測ってきましたが、同年代の方と比べてかなりよく、数値はあまり落ちませんでした。主治医から、「 @10年服用した場合のデーターがない、Aどうしても10年延長しなければならないリスクはない、B私がどうしても望むなら薬を出す 」と言われ、いったんはアリミデックス終了という結論をだしましたが、HER2+3が気になりだしました。今迄表立った副作用もなく、HER2+3のような場合、後5年延長した方がいいのでしょうか。データーがないかもしれませんが、ご意見を伺わせていただければ有り難く思います。

閉経後エストロゲン受容体陽性乳癌で、リンパ節転移陽性等での再発リスクが高い場合にはAI剤(アリミデックス等)を5年以上続けることがありますが、この場合は主治医の言われるとおりだと思います。HER2陽性という因子に対しては、AI剤ではなくむしろハーセプチンでしょうが、5年も経った今から行うべきではないと思います。(5年前には術後の投与が認可されていません)(文責 久保内)

 

No.10599】  12年04月18日    R
術後の病理診断

初めて相談します。41歳で、右乳がん(ステージU)。術前化学療法(AC→タキソール+ハーセプチン)後、今年2月に、部分切除とリンパ節郭清を行いました。3月からホルモン療法(ノルバデックス)を始め、現在放射線照射治療中です。ハーセプチン1年を続ける予定です。術後の病理診断から疑問がわき、こちらで相談させていただきたいと思いました。

1) 手術前の検査では、「化学療法の効果は部分奏功、リンパ節が5ミリ大に腫れていたのは触れなくなっているが、画像では転移の可能性があるので郭清する。」とのことでした。術後病理診断では、リンパ節転移はなしとのことでした。これは、転移は消えていたということでしょうか。それとも、取り残しているかもしれないということでしょうか。
2) 治療前の検査で、Her2は+3でしたが、術後病理診断では0でした。このままハーセプチンを1年続けるのですが、これは妥当でしょうか。
3) ステージは、治療前はU以上、術後病理診断ではTb。浸潤癌10×5ミリ、リンパ節転移なし、ER+、PR−、Her20、核異型度1、Ki-67index <5% 私の場合、再発しない可能性はどのくらいでしょう
か。

どうぞよろしくお願いいたします。

1) 手術時のリンパ節郭清とは、腋窩からリンパ節を取り切ってしまうことを言いますので、取り残しているとは考えられません。術前化学療法が効いて、転移リンパ節の癌細胞が消失したことを意味していると思います。
2) 術前治療の効果で、主病巣においてはHER2陽性細胞が先に消失したと考えられます。化学療法前に診断されたHER2陽性乳癌に対しては、ハーセプチンの投与期間は1年が妥当だとされています。ですから投与の途中で手術になったとしても、予定の1年は投与が必要です。
3) 化療前のKi67が記載されていないのでわかりませんが、きっとかなり低下したのではないかと考えます。浸潤径10mmでリンパ節転移なしで、HER2が陰性化していますから、術前化学療法が良く効いて予後はかなり良くなったのではないかと思います。しかし何%という数字では出せません。(文責 久保内)

 

No.10598】  12年04月13日    M.I.
治療方法について(HPNo.10288-2)

「NO,10288」で相談させていただきました。いつも参考にさせていただいております。ぜひとも先生に再度ご教示願います。平成23年3月に手術をし、術後の治療ということで、平成23年7月11日(メールにてご回答いただきした。)ご教示いただきました。その後、順調に経過しまして1年が無事にたちました。先日、1年が経過したことにより、転移をたしかめる検査を行いました。 「受診項目」は下記のとおりです。
・腹部エコー ・MRI(MMGを本人が希望しなかったため) ・血液検査 ・骨密度 ・骨シンチ ・胸のCT

検査結果として、乳がんによる転移は認められないとの見解でした。ただ、右乳房に1pぐらいの腫瘍のようなものがあり、悪性、良性の判断はMRIの画像では判断できないので、胸CTとエコーを追加検査するよう指示がありました。その結果は、CTとエコー(技師)では判断できず、ドクター自らエコーを再度行ったが確認されなかった。その後、pet―ct及び胸の造影剤CTを行った。結果は、異常所見は出ず、とりあえず経過観察になりました。そこで以前からKi-67の検査をお願していましたが、あまり参考にならないとのことで示してもらえなかったが、今回生検を追加してもらい、ki-67 LI : 約25%という数値、さらに、核grade 3 (異型スコア2, 分裂像スコア3)という結果でした。
次の事項についてご教示願います。

T左乳房関連
1) 術後1年間経過しますが、これはルミナールAに該当し、本当にリュープリン+TMAでよかったのですか。(抗がん剤の必要性はなかったのか。)
2) 今からでも抗がん剤の追加は必要ないですか。このたびki:67の結果が高いので、非常に心配です。少しでも再発リスクを軽減するのに、最善の治療方法は何かありますか。たとえば、経口抗がん剤「UFT」の服用など。
3) 術後、抗がん剤を先に行ってからホルモン療法を行うのが一般的と理解していますが、同時併用することは、生存率に影響はあるのですか。また、1年たってから抗がん剤を使うことは、上乗せ効果期待できませんか。 
4) 術後1年間、野菜中心の食事にし、肉類を一切口にせず、体質改善に努力しています。術前の体重差10sを維持しているが、この努力は報われるのですか。
5) Adjuvant Onlineの10年生存率は当時90%以上と聞きましたが、その理解でよいですか。

U右乳房関連(仮定論)
6) もし右乳房に腫瘍ができたのか、あるいはあったと仮定すると、術後1年間ホルモン療法の効果はなかったという理解ですか。(以前のMMGでは画像に映らなかった。)
7) 右乳房の腫瘍は左乳房の再発ではないと考えてよいですか。
8) 右乳房と左乳房の病理組織が違う場合(たとえば、ホルモン感受性乳がんではなく、トリプルネガティブ系の乳がん)どのような治療を行うのがよいですか。
9) ホルモン療法と抗がん剤を同時に使用すると生存率は下がるのですか。(仮説ですいませんが、左乳房はホルモン感受性であり、ホルモン療法を、右乳房が仮にホルモンレセプターがないトリプルネガティブだとした場合を想定)

以上、お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

1) 前回ご提示されたデータではLuminal A(L-A)と考えられますが、今回調べられたKi67と核グレードを加えて検討すると、Luminal (L-B)の可能性は否定できません。サブタイプの分類は、本来マイクロアレイ等の遺伝子検査でなされるもので、日常臨床ではER・PgR・HER2・Ki67等免疫染色や、核グレード等を参考にして類推するに過ぎません。特にL-AとL-Bの区別は難しいことが多いのが現実です。L-Aは内分泌治療のみが原則で、L-Bには化学療法の追加が勧められますが、患者さんのご意向も含めて決定されるべきことであり、リュープリン+TAMだけではいけなかったとか、化学療法をしなければならなかったと言うことはできません。
2) Ki67が高いL-Bに対して、タキサンが有効であったとする臨床試験は有りますが、CMFは有用ではなかったようです。UFTについてはTAMと併用してCMFとほぼ同等の効果が有ったとされています。しかし、術後1年が経過してからの化学療法の追加については、エビデンスも有りませんし、私も経験がないので判りません。また、Ki67-LI=25%とのことですが、固定・染色・病理医による判定等で測定値が異なるようです。この数値が絶対値で「高い」と判断できるかどうかは少々疑問です。
3) 化学療法と内分泌療法の同時併用で、効果を打ち消しあう場合が有る半面、生存率が向上することは有りません。術後1年経過例では、前述したように不明としか言えません。
4) 術後の肥満が死亡リスクを増加させ、運動することが減少させることは確実です。また日本人では関連なしですが、白人では脂肪摂取の増加が再発リスクを増加させるとされています。しかし減量が死亡リスクを減少させたり、脂肪摂取の減少が再発リスクを減少させるという報告は有りません。多大な努力をされていることは賞賛に値しますが、ほどほどで良いと考えます。
5) 核グレード3ですので、少し変わって85.1%です。
6) TAMはER陽性乳癌を抑制すると言われ、乳癌発症予防は抑制率38%ですが、完全なものではありません。仮に右乳房腫瘤が乳癌であったとしても、それは有り得ることです。私もTAM内服中に発症した乳癌を2例経験していますし、2例ともER陽性乳癌でした。
7) 右が乳癌なら別の乳癌が発生したと考えます。左の乳癌がからだをぐるっと回って右に再発していたら、他の再発しやすい部位の転移も有るでしょう。
8) こういうことは余り遭遇しないと考えられますが、それぞれに対しての治療が必要でしょう。術後治療ですので、より再発しやすい方を優先して行うと思います。
9) 3)で述べたように上乗せ効果が無いのと同様、生存率の低下もありません。(文責 久保内)

 

No.10597】  12年04月13日    M
骨転移の放射線治療とは?

再発後の治療について、お教えください。手術後2年目で、脊椎に転移しました。今は、少し痛みを感じる程度ですが、今後のことが心配です。いろいろ資料を見ると、今後の治療で、「放射線治療」が有りました。

1) 大変な痛みを感じる前の早いうちに放射線治療をするという選択はありますか。
2) 温存手術後の放射線治療は25回50グレイが一般的とのことでしたが、再発後の骨に対する放射線は、どの程度のものなのでしょうか。
3) 再発転移の場合、治癒は無いようですが、放射線治療を骨にすると言うことは、その部分のがんやっつける、ということではないのでしょうか。一部のみダメージを与える、という程度のことですか。再度がんが活発になるのでしょうか。

変な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

1) 骨単独病変でも、再発治療は全身治療が優先されると思います。内分泌療法か化学療法に、ビスフォスフォネートを加えた治療が原則で、痛みの激しい骨転移部位に放射線治療を行うことがあるのが通常で、早いうちに放射線治療をする選択は無いと考えます。
2) 前述したように骨転移に対しては疼痛緩和が主目的であり、腫瘍の根絶を目指すものではないので、残存乳房に対する照射量より幾分少なめの照射量・回数になることが多いようです。米国では30グレイ10回分割が標準ですが、病変により、放射線科医により、線量・回数は異なると思います。
3) 骨転移に対しての放射線治療は、「がんをやっつける」のではなく、「疼痛を緩和させQOLを改善する」ことにあります。(文責 久保内)

 

No.10596】  12年04月13日    M
腫瘍マーカーの推移について

2年前に乳房の全摘手術を受け、半年後のCA15-3が5.3でしたが、 以来不定期に測定して、いずれも右肩上がりで、本日は6.6でした。 普通は一度でも下がったりするものなのでしょうか。 たとえ微増でも、フェマーラが効いていないなど考えられるでしょうか?

CA15-3は通常35位が正常上限だと思いますので、正常値内のそれもかなり低値での変動は、心配される必要は無いと思います。(文責 久保内)

 

No.10595】  12年04月04日    N
術後化学治療の選択について

術後化学治療の選択について、ご相談いたします。私は62歳、6年前に右乳癌で全摘出手術をうけました。トリプルネガティブで、術後ACとタキソテールを受けました。そして昨年、異時性両側乳癌を、5年目検診で見つけていただき、今年左乳癌温存手術を受け、現在放射線治療を毎日うけております。今回もトリプルネガティブで、T1N0M0 浸潤性乳管癌 大きさは2x1.8 グレード3 リンパ0/2 センチネルと術後病理結果だったそうです。化学治療ですが、医師より、「無治療、大きさが初期と中期の間なので、初期をとってタキサン系+経口抗がん剤(UFT)か タキサン系+CMF 中期をとってTC」 の選択を提案されています。中期をとって治療したほうが良いのか、判断がつきません。再発を防ぐには、どのようなことを考えて選択したら宜しいでしょうか。よろしくご指導ください。

タキサン系+UFTまたはCMFとTCを直接比較したデータがないので、当然患者さんご自身が判断がつくわけありません。実はトリプルネガティブに最適の化学療法がどの組み合わせかというデータがまだないのです。一つだけ言えるのは、すでにAC4サイクルを受けられているので、心臓に毒性の高いアドリアマイシン系のお薬は使用を避けた方が良いということです。私の結論は、TCでしょうか。(文責 緒方)

 

No.10594】  12年04月04日    H 
再発後の治療の選択

六年前に温存をし、FEC、タキソテール、術後タキソールをした者です。今回再発をし、半年になります。最初は、肺、胸膜転移だけでしたが、現在進行をし、肝臓、胸膜、肺、反対側の乳房、えきかリンパ節に転移しています。胸水が満タンになったので、ドレナージをして癒着手術をして、現在ゼローダ、エンドキサンにて治療して3クール目です。まだマーカーは高いままですが、ゼローダの治療の効果判定をするにはまだ早いので、様子をみています。一時は、癒着手術をしてから胸部や背中の激痛で寝たきりでしたが、現在は炊事もできますし、歩行もできます。痛み止めも、オキシコンチンとオキノームほ服用していましたが、緩和されてきたので、現在はオキシコンチンだけです。そこで質問したいのですが、宜しくお願いいします。

1) 胸水はできるだけ空にするといっていたのですが、少し残した状態で癒着手術をしました。がん細胞が入っている胸水を、そのまま残したまま癒着をしてよかったのでしょうか。悪化することはないでしょうか。
2) 反対側乳房にしこりがあり、悪性とわかったのですが、手術はしないということでした。気分的には取ってしまいたいと思うのですが、取ることによってのメリットとデメリットはありますか。あと放射線をして進行をとめておくという選択は、考えられないでしょうか。
3) マーカーが、CEAが56,、CA15-3が260で高いままですが、どれぐらいまで、ゼローダ、エンドキサンを続けていいものでしょうか。最初はゼローダ単独でしたが、エンドキサンを足してから胸部や背中の痛みが緩和されたような気がするのですが、抗癌剤で痛みが軽減することはありますか。もしあるのであれば、マーカーは高いのですが、効果があるという判断をしてもいいのでしょうか。
4) 次の抗癌剤ですが、できれば今現在はオキシコンチンで生活ができているので、辛い抗癌剤はさけたいのですが、マーカーが上昇するようであれば何を選択したらよさそうでしょうか。経口だと、同じ成分のものをしてもあまり意味がないでしょうか。具体的になにがありますでしょうか。
5) 肝臓転移ですと、よくナベルビンという選択をみますが、私のような転移状況でも、効果を期待してもよさそうでしょうか。
6) 皮膚転移ですが、なかなか参考になる情報がないのですが、手術をしないということですと、目でみて進行具合がわかるので、その皮膚転移を見ながら治療の効果判定の目安にしてもよさそうでしょうか。
7) 癒着手術をした胸にまた胸水がたまってきた場合は、再度ドレナージは不可能と聞きました。注射針などで抜く選択になるのでしょうか。

以上、宜しくお願いいたします。

1)がん細胞が入っている胸水が悪さをするというよりは、胸水を作っている胸膜のがん細胞が悪さをするのです。癒着術の善し悪しではなく、薬剤による治療が効いて胸膜のがん細胞が減るかどうかが、悪化するしないの差です。
2)反対の乳房に転移しているということは、ぐるっと体を一回りして肺や胸膜、肝臓などに転移することと意味は同じです。そこだけ治療しても意味がないのです。
3)腫瘍マーカーは、治療の効果を判定するのに用いられますが、患者さん個々で数値の変化がまちまちです。癌がたくさんそのマーカー(タンパク質)を作れば、値が高くなりますが、もともと少ししか作らない患者さんであれば、少しでも標準値から上がったことで注意が必要になるし、逆に上り下がりの幅が大きい患者さんは、むきになることはありません。ですから、この数値以上で治療を変えるといった判断はしません。抗がん剤で痛みが取れることはあります。続けてマーカーが減少してくるようであれば、エンドキサンが効いて痛みが取れた、マーカーが下がったといえるでしょう。
4)まだ使用していない薬がたくさんあります。主治医の先生とよく相談してください。
5)肝転移だからナベルビンという考え方はありません。ナベルビンは、まだ使用していない薬なので、効果は当然期待できると思います。
6)その通りです。
7)癒着術をすると、小さいスペースが複数できたような状態で再発してくることが多く、一つずつ抜かなければならないことが多いです。したがって、注射針などで抜く選択が多くなります。(文責 緒方)

 

No.10593-1】  12年04月04日    N.T.
ノルバデックス

視覚障害の副作用のため、ノルバデックスを中止することになりました。ホルモン療法を約4年間しており、なんとか後1年がんばって5年間できたら、と思っていますが、何かよい方法はないでしょうか? 閉経前です。よろしくお願い致します。

私の患者さんでも、以前視力が低下したためにノルバデックスを中止せざるを得なくなった方がいました。トレミフェンでも同様の副作用の可能性はあるので、4年間内服されたのであれば、そのまま終了が良いと思います。(文責 緒方)

 

No.10593-2】  12年06月19日    N.T.
今後の治療について

No.10593で相談させて頂いた者です。ご回答どうもありがとうございました。相談させて頂いた時は、ソラデックスとノルバデックスで治療中でしたが、無治療になるのが怖くて、なかなか踏ん切りがつかず、今もゾラデックスの注射は続けています。ホルモン療法を止めるという選択肢も頭では理解できているのですが、できればホルモン療法を5年間(残り後1年)続けたいと言う気持ちも消えずにあります。

1) ゾラデックス単独で続けるのはどうでしょうか?
2) ゾラデックス+アリミデックスも効果があるという記事を読みましたが、可能でしょうか? 

ホルモン陽性、ハーツー陰性、リンパ節転移なし、グレード2、大きさ1.8センチでした。現在47歳です。よろしくお願い致します。

1)ノルバデックスが副作用の原因なのであれば、ゾラデックスをあと1年つづけるのは、問題ないと思います。
2)ノルバデックスのかわりに1年間アリミデックスを追加するのが有用かどうかは、データはありません。あらたな副作用の出現もありえるので、お勧めしません。(文責 徳田)

 

No.10592】  12年04月02日    S
今後の治療について(HPNo.10342-2)

No.10342でご相談させていただいたものです。右浸潤癌に対して、10月に部分切除を受けました。センチネルリンパ節生検の結果は陰性でした。オンコタイプDX検査の結果、ハイリスク群(スコアは36)で、10年再発率が24%だったので、11月からFEC-T (4クール×2) を受けています。
1) タキソテールによる口内炎が毎回ひどく、多発した口腔内アフタの痛みのため、今回は7日目から4日間ゼリー状のものしか食べられない状態です。タキソテールも残す1回となったのですが、浮腫も進行してきて、総蛋白も5.8まで低下しています。今回で治療を中止するという選択肢はいかがなものでしょうか?
2) もう一点はホルモン療法についてです。前回も書きましたように、タモキシフェン内服中に対側に浸潤癌が見つかったこともあり、また同じ薬を使うことに抵抗があります。トレミフェンへ変更するのはいかがでしょうか? 検査の結果では、まだ閉経前ということでした。どうかよろしくお願い致します。

1)  最後の1回を中止したために、今までの治療が無効になることはもちろんありません。3回で終了することで、効果が明らかに不十分になるというデータはありません。タキソテール3回と4回が変わりないというデータもありませんが・・・。内分泌療法の感受性が高いのであれば中止するのも手だと思います。
2)  アロマターゼ阻害剤は閉経後にしか有効でないため、抗エストロゲン剤であるタモキシフェンかトレミフェンが選択の対象になります。たしかに、タモキシフェンを内服していたのに浸潤癌が発生してしまったことを考えると、同じ薬は避けたい気持ちになると思います。ただし、トレミフェンが絶対効果あるとは言い切れませんが、内分泌療法を受けないという選択肢はないと思います。よく主治医の先生とご相談下さい。(文責 緒方)

 

No.10591】  12年03月26日    K
ハイリスクですか?

今月9日に、左乳癌の全摘手術をしました。センチネル検査で、リンパには転移していませんでした。その時はステージ1と言われていたので安心していたのですが、病理結果では、「乳頭線管癌 1、7p  グレード3 ホルモンレセプターマイナス HER2 2+ Ki67 60%」でした。それと、切り取った所に小さい癌の卵?が1つ見つかりました。治療は、抗がん剤6ケ月→放射線→ハーセプチン1年とのことでした。そこで先生にお聞きしたいのですが、この治療を全部すれば、ステージ1と変わりない予後、生存率になるのでしょうか? 軽い癌と思っていたので、病理結果を聞いて頭が真っ白になってしまい、主治医の先生に何も聞けなかったので、質問させてもらいました。私はハイリスクなのですか? 治療をすれば、再発の心配は ないのですか? 5年後、10年後は生きていられるのか、とても不安です。

ステージ分類は腫瘍径とリンパ節転移状況で分類し予後を統計しています。最近は腫瘍径、リンパ節転移状況だけではなく、ホルモンレセプター、HER2、核グレード、Ki67などを参考にして予後を想定したり治療法を決めたりしています。そのため、KさんはステージIですが、抗がん剤治療を受けることになったのです。どの患者さんにも言えることですが、補助療法をしても再発する人もいらっしゃいますし、補助療法をしなくても再発しない人もいらっしゃいます。Kさんの場合、抗がん剤治療の効果は大きいタイプだと思います。Kさんは低リスク、中間リスク、高リスクの中では中間リスクに分類されます。(文責 大西)

 

No.10590】  12年03月26日    Y
27歳男性です

初めて投稿させていただきます。27歳男性です。1ヶ月ほど前より両方の乳輪が痒くなりました。特に気にせず放置していたのですが、よく見てみると、一部がこげ茶色に変色をしております。痒みの他には目立った症状は無いのですが、初めての事なので気になっております。乳癌の症状に、こういったものはあるのでしょうか? よろしくお願いします。

同じような症状で外来にいらっしゃる方は結構います。ほとんどが女性化乳房という診断になります。まず心配する必要はありませんが、男性乳癌もありますので一度乳腺外来への受診をお勧めいたします。(文責 大西)

 

No.10589】  12年03月26日    T 
母の再発治療について(2)(HPNo.10487-2)

73歳の母の再発治療について、【No.10487】にて相談させていただいた者です。何度もお手数をおかけして申し訳ございませんが、また質問をお願いいたします。昨年末、術後9か月で肺と骨に転移が見つかった母は、すぐにCMFを開始しましたが、2クール終了後にCTを撮ると、年末の段階では、右肺に1センチ、胸骨の裏に怪しい影という状態だったのが、右肺は2センチ、胸骨の転移部分は裏側から骨を突き抜け皮膚まで到達し、外見上からもはっきりと骨が盛り上がっているのがわかるほどになっていました。痩せすぎで、食が細く、体力が無いので、吐き気の強い薬は避け、また、本人がタキソテール使用時の脱毛でひどく滅入っており、もう二度と嫌だと言うので、次はゼローダ+アバスチンに変更になりました。胸骨の痛みが強く、デュロテップパッチを使いましたが、貼り換えの日にちをすぐ間違えてしまうため、オキシコンチンを朝夕、10mgずつ(1日20mg)に変更ですが、まったく痛みが治まらないため、オキシコンチンを倍量の1日40mgに増量、合間にボルタレンサポも1日1度使用。ゼローダ+アバスチン1クール終了後に、疼痛緩和のため、地域連携の別の病院を紹介していただき、放射線治療を12回行い、それで胸の痛みは、だいぶ楽になったらしく、ボルタレンサポは無し、オキシコンチン1日30mgで治まっているようです。ですが、放射線治療中の3月初めに、鎖骨や顎の痛みを訴え、また食事がとれなくなったので、そちらの病院でPET−CTを行ったところ、鎖骨と顎は大丈夫だったのですが(筋肉性の症状だったようで数日で治まりました)、新たに肝臓への転移が見つかりました。肺の腫瘍は、両側あわせて5個に増え、最大で2.75センチ、他に2か所、2センチ近いものができていました。はっきりと増大、増殖していましたが、まだ1クール目ですし、判断がつきかね、ゼローダ+アバスチンの2クール目を開始ですが、そこから10日ほどで一気に弱り、何度か歩いている最中に腰が抜けるように転んで立てなくなったり、座っていても斜めになっていたり、歩く時も真っ直ぐ歩けない時が増え、常に一緒に居る父曰く、痴呆が来たのではないかと思うような、よくわからないことをしている時もあるそうです。話しかけても、ひどくぼんやりしていて、反応が悪くなっており、痰が絡んだような咳も止まらなくなっています(眠っている間は出ないようですが・・・)。再発が発覚してから僅か3か月、トリネガで悪性度3だったとはいえ、あまりに腫瘍の増大、増殖具合が早く、目に見えて衰えていく様子に戸惑うばかりです。先日、母が居ない時、主治医に、今なら母を旅行に連れていけるかどうかと尋ねましたところ、「今なら」ではなく「今のうち」と言われました。(もうすぐ母の診察日なので、また脳については尋ねるつもりですが、今かかっている病院には脳外科はありません)

1) これは脳転移の可能性もあるのでしょうか
2) もし脳転移が見つかった場合、この年齢で、これだけ弱っている状況で、放射線治療をして、効果が見込めるでしょうか? 痴呆症状などが出てくる可能性もあるんでしょうか?
3) 現在、体重も35kgぐらいに落ち、どうしてもわずかしか食べられません。積極的な抗がん剤治療より、もう緩和治療を考えるべきなのでしょうか?

自分も6年前に乳がんを患いましたので、自分なりに勉強したつもりでしたが、母のあまりの進行の早さに、どうしてあげればいいのか困惑しております。お手数ですが、何卒よろしくお願いいたします。

1) お母様の経過と症状からは、脳転移のことは考える必要があります。
2) 現在の症状の原因が脳転移でしたら照射により効果が望まれます。脳への照射は個数で方法が違います。少数の場合は、転移巣へ集中的に照射する定位手術的照射が選択されることもありますが、個数が多い場合などは全脳照射になります。全脳照射を行った場合は、心配されるような認知症が出ることもありますし、お母様が嫌がられている脱毛も考えないといけません。
3) 非常に難しい選択ですが、現在の治療(アバスチン+ゼローダ)に効果がないのであれば、緩和治療を考えてもいいかもしれません。

乳癌は一般的に予後良好な癌ですが、中にはお母様のように急速に進行する乳癌もあります。さらにお母様は体が丈夫ではなさそうで、困惑されるのはよくわかります。あまり一人で悩むのではなく、いつでも相談してください。(文責 大西)

 

No.10588】  12年03月26日    さくら
術後のMRI検査

私は2年前に乳癌の手術をしました。術後、定期検査でMRIを受けました。その画像で、手術した方の胸に5mmの腫瘍が写りました。主治医は、「変な形でもないし、新しく血管が出来たのかもしれない。しばらく様子をみましょう。」との事でした。検査後に、自分で触ってみても、しこりとしては触れません。画像の見方によっては、細い血管と繋がっているようにも見えます。ただ血管としても腫瘍っぽく、小さく丸くうつったのが気になりました。術後に5mmの新しい血管が出来る事ってあるのでしょうか? このまま経過観察でも良いのか、他の検査をしてみたほうが良いのか、是非アドバイス頂きたいと思いメール致しました。お忙しいと思いますが、宜しくお願い致します。

5mmの腫瘤影でも主治医の先生が言うように良性腫瘍の場合もありますし、悪性腫瘍の可能性もあります。一般的には腫瘍の形はもちろんですが、撮影方法の違いや造影剤を投与してから撮影までのタイミングなどで良悪性の判断をすることになると思います。画像を見てみないと何とも言えませんが、5mm程度の血管が新たに写った原因については、「1.造影剤を投与してから撮影までのタイミングによって以前からあった血管が今回初めて写った。 2.以前よりあった細い血管が術後の変化で太くなった。 3.新しく血管が新生した。」などが考えられるのではないでしょうか。追加の検査としては、マンモグラフィーや超音波などになると思いますが、もし既に行われていて特に写っていないようであれば、経過観察になるのが一般的です。それでも心配な場合は、主治医の先生から画像をお借りして、他の先生に診ていただくのもいいと思います。(文責 大西)

 

No.10587-1】  12年03月26日   E
放射線治療について

放射線治療について、ご相談させて頂たく、メールさせて頂きます。20011年7月に乳房切除術(全摘)を受けました。その結果、断端陽性であり、放射線治療をすることになっています。断端陽性の場所は全体的であり、間隔もかなり狭く、5mm等全然ないという主治医の話でした。その後、セカンドオピニオンをした医師からは、乳腺を取り残している可能性があるという話でした。腫瘍は1.5センチ、センチネルリンパ節−、リンパ管+、組織学的グレード2、ホルモン+。その後、訳あって転院し、手術から2ヶ月後に抗がん剤治療(CEF,パクリタキセル)を受け、今はハーセプチンをやっております。放射線治療後は、ホルモン治療になります。そこで、相談内容ですが、放射線は、胸壁照射だけで、良いのでしょうか? 鎖骨上や、鎖骨下は必要ないでしょうか? 全体的に断端陽性という事と、手術から抗がん剤開始までに2ヶ月かかってしまっている事が気になります。また、転院したため、手術をした医師に判断を仰ぐ事ができず、転院先の放射線医師と、私で相談して決めるような状況です。お忙しいところ、恐れ入りますが、アドバイスを頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

一般に進行乳癌の場合術後の胸壁照射が推奨され、症例によっては鎖骨上リンパ節も照射します。そこでEさんの場合ですが、腫瘍径1.5p、リンパ節転移陰性ですのでステージI、早期癌になります。このことを考えると断端陽性とのことですので、胸壁照射は必要と考えられますが鎖骨上リンパ節照射は不要と考えます。鎖骨下は胸壁照射の照射野に入っていませんか? 化学療法まで術後2か月かかっていることですが、あまり気にしなくていいと思います。(文責 大西)

 

No.10587-2】  12年05月26日   E
放射線治療について(2)

放射線治療について、ご相談させて頂きたく、メールさせて頂きます。以前にも一度ご相談させて頂いたことがあります。(投稿No. 10587)
20011年7月に乳房切除術(全摘)を受けました。その結果、断端陽性であり、放射線治療を受ける事になりました。断端陽性の場所は、全体的であり、間隔はもかなり狭く、5mm等全然ないという主治医のはなしでした。その後、セカンドオピニオンをした医師からは、乳腺を取り残している可能性があるという話でした。

腫瘍は1.5センチ、 センチネルリンパ節−、 リンパ管+、 組織学的グレード2、 ホルモン+、 年齢41歳

その後訳あって転院し、手術から2ヶ月後に、抗がん剤治療(CEF,パクリタキセル)、次に放射線を受け、今はハーセプチン、ホルモン治療をやっております。そこで、相談内容ですが、放射線治療24回目の時に、書き足したマーキングが幅5mm程ずれているのが気になり、放射線腫瘍医に話したところ、治療に立ち会い、マーキングを修正してくれました。ただ、気になるのが、実はマーキングは、随分前(治療中盤辺り)からずれていることがあり、その時は、先生に報告していませんでした。治療終了後、照射した所の皮膚が赤くなりましたが、ずれていたと思われる所は、赤くなっていないようです。ずれていた線は、体の中心側の縦の線です。目印の十字のような線ではなく、実際に照射される範囲の線です。そこはただでさえ、反対側の胸の陰になり、ぎりぎりまであてられない場所なので、5mmのずれも大きいようで、気になります。そこで、ずれた箇所に追加照射するというのは、不可能なのでしょうか? 先生は、以前からずれていたのを見ていないので、なんともいいようがないとおっしゃっていました。治療内容は、60グレイを30回です。 5/15で、30回終了しています。お忙しいところ、恐れ入ります。度々申し訳ありませんが、アドバイスを頂けると、助かります。どうぞよろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。放射線治療に関しては、放射線治療科の先生が照射範囲を設定し治療を行います。追加の照射が可能かどうかは、放射線科の主治医の先生のご判断になります。今後何より大切なのは、局所の腫瘍再発よりもやはり、肝臓や肺、そして骨などの全身への転移を制御することです。今までに十分な予防治療もなされておりますし、現在ハーセプチンそしてホルモン治療もなさっています。このまま今の治療の継続でよろしいかと存じます。再度放射線治療科の先生にもご相談なさってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10586】  12年03月26日  さくらこ
フェマーラの副作用?(HPNo.10527-2

HPNo.10527で、術後の治療についてご相談にのっていただきましたさくらこです。その節はありがとうございました。結局、決断はONCOTYPE DX TESTにゆだね、結果が抗がん剤を加えても加えなくても再発率がまったく同じと出ましたので、抗がん剤はやめました。リンパに転移があったので不安でしたが、・・・でも、主治医も抗がん剤はしなくていいでしょうとの判断でした。今は毎日の放射線治療を受けながら、フェマーラを内服しています。四月の初めには骨密度のチェックをしていただく予定です。一か月がたち、警告されていた関節痛などの副作用はまだありませんが、先日、透明なおりものがありました。閉経後、一度もおりものを見たことがありませんでしたので、フェマーラの作用ではないかと不安になりました。こういう場合、婦人科にかかったほうがいいのでしょうか? また、よく言われる関節痛や更年期障害のような副作用は、一般的にホルモン治療開始後どのくらいで現れるものですか? 女性ホルモンを抑えると、肌、頭髪、声などにも男性化が起きるのでしょうか? 更年期障害を抑える漢方薬を飲む効果は期待できますか? 以上、よろしくお願いします。

フェマーラ(アロマターゼ阻害薬)にも帯下の増加など生殖器系の副作用が知られています。少量であれば婦人科に受診するほどではないと思いますが、血液が混じっていたり、量が増えたりするようであれば、受診する方がよいでしょうね。アロマターゼ阻害薬による関節痛の発現時期は様々ですが、数カ月程度の人が多いようです。更年期障害の発現時期も同じような印象があります。アロマターゼ阻害薬で男性化が起こることはありません。漢方薬は更年期障害に効果があるとされていますが、一方で漢方薬に含まれる生薬の中にエストロゲン様作用を有するものも含まれるので、服用に際しては、主治医の先生の意見を仰ぐようにしてください。(文責 大西)

 

No.10585】  12年03月18日  S子 
集簇性石灰化

65歳女性です、19年12月末に、集簇性石灰化の微細円形が6個見つかりました。23年10月までの3年半、数も形にも変化がなく、半年に1回の経過観察でした。同じ大学病院の分院が新設され、主治医について転院しました。そこで今まで6個だった集簇性石灰化が8個に増えていましたので、心配性の私へ、「良性を確認するためのマンモトームをしましょう。」となり、4個採取でき、良性と結果がでました。そのときは、マンモグラフィの画像でみたより多い集簇性石灰化がありました。拡大したら、マンモに映っているよりたくさんあったと、私も想像しました。その半年後、経過観察を先日受けた結果、「形は最初のままで、微細円形の集簇性石灰化だけど、数は増えていますね。」と、いわれました。マンモトームで良性とわかってからは、主治医が若い女医さんにかわりました。今までの主治医と違って言葉が少なく、詳しい説明がありません。「今まで淡かった集簇性石灰化がはっきりとしてきて、マンモに映ったのか、または数が増えたのか」と聞いても、「う〜^ん、」わかりませんねぇ〜〜」とのこと、現在いくつあるのかと、いくら聞いても数は教えていただけません。前の主治医は、その部分を拡大して、「ほら1個2個3個〜8個です・・」という風に私にも見せて8個を数えてくださいましたが、今度の先生はあまり拡大もせす。「とにかくたくさんありますよ」というだけ。私が20個〜30個もあるんですか?と聞くと、「30個もないですけどぉ〜〜」といった感じです。たとえば20数個と仮定しても・・・、私の年齢(65歳)で、4年前から数に変化がなかったのに、この半年間で急に通常のマンモトームにうつる集簇性石灰化の数が8個から20個にも増えた原因が確定できないのが、とても不安です。くいさがって聞きましたが、「そういうこともありますよ〜」という感じで、あとは無言。こういった集簇性石灰化が、癌でもなく、また乳腺症も起こしていないのに、数がふえたりしてくることもあるのでしょうか。どういった原因でそうなるのでしょうか? それと20個くらいかなと思っていますが、そういった集簇性石灰化が最初からあり、通常のマンモにうつらなかっただけで20個あった場合は、マンモトームでたった4個しか採取してない生検で良性という判断は、信用できるのでしょうか。8個のうちの4個なら、半分は検査できたから安心ですが、20数個あるうちのたった4個だとすると、残りの15個も良性と思えるのでしょうか? こういったことを女医さんに聞いても、曖昧な回答しかきけず、「ただこの部分は大丈夫です。又数が増えてくるとか、形が変わってきたら、マンモトームをしたらいいのでは?」という言い方です。マンモトームで良性とわかったからには、今後は1年に1回の経過観察でいいかと思っていたのに、又半年後の検査になり、不安でいっぱいです、今回したマンモトーム検査は、何の意味もなかった気までしてきました。こういう考え方はまちがっていますでしょうか? 病院を変わる事も考えていますが、まだマンモトームの傷跡も残っており、勝手に転院もできす、不安な毎日を送っています。どうかよろしくお願いいたします。

レントゲンフィルムを見ないでコメントはできませんので、写真を借りてマンモトームをたくさんやっている施設に、セカンドオピニオンに行けばいかがですか。(文責 石山)

 

No.10584】  12年03月18日  L 
今後の治療について(2)(HPNo.10344-3)

HPNo.10574です。ご回答有り難うございます。1)の質問ですが化学療法、放射線療法は済ませているので、10年で20%以下の再発率と理解しました。残り6回の単独ハーセプチンを、心臓の状態をみながら、術後から間隔があいてもしたほうが良いのでしょうか? 痛みに耐え抗ホルモン療法を続けようと思います。今一度宜しくお願い致します。

HERAトライアルの結果で、HERを1年投与は、術後すぐのデータですので、間隔が空いて効果がどうなるかはわかりません。(文責 石山)

 

No.10583】  12年03月16日  k
Invasive micropapillary 乳がん5年後の治療について 

現在58歳です。2007年1月、53 歳で温存手術、放射線25回、ホルモン治療 。病理結果は以下のとおりです。Invasive micropapillary、ステージ1、腫瘍径1.1×0.7cm、リンパ節転移 無(0/7)、ER高度、PgR高度、Her2(1+)陰性、ly(+)、V不明、f(+)、特殊型、グ レード無し、乳管進展少しあり。2007年4月よりアリミデックスを飲み始め、5年になります。

1) IMCは非常に悪性度が高く、予後の悪い癌だと書いてありますが、あまり情報が無いので、とても不安です。5年で終了してもいいものか、もう少し飲んだほうがよいのか、迷っております。先生のご意見、よろしくお願い致します。
2) アリミデックスの大規模10年治療の試験が2007年から行われているようですが、情報がありましたらお教えて下さい。
3) 病理に、「組織学的に小乳頭状 小管腔形成canncer cellの塊状な集合よりなります。」と、書かれていますが、IMCの小管腔形成canncer cell とはどのようなものでしょうか。よろしくお願い致し ます。

小乳頭状 小管腔形成cancer cellの塊状な集合とは、micropapillaryの病理所見で、正常乳管より微細な腺管構造をもつという形態的な特徴です。予後が悪いのですが、今でも症例報告があるほど珍しいので、まとまったデータはありません。アリミデックスの10年投与は結果はまだ分かりませんし、micropapillaryに有効かもわかりません。当院でもリスクの高い方に10年投与を勧めていますが、絶対良いかどうかは分かりません。長期投与では骨密度などチェックする必要はあります。(文責 石山)

 

No.10582】  12年03月16日  A.Y
術後の治療について

今年の2月に乳がんを告知され、温存術を受けました。硬癌(12mm)、ER(+)、 PgR(+)、HER2(-)、核グレード2、KI-67 20%、リンパ節転移なし、断端陰性、脈管浸潤なし。術前の病理は核グレード1だったので、化学療法はなしと言われていたのですが、2になったために、TCを勧められてショックを受けています。追加検査のKi-67が低ければ、化学療法をしないか、してもUFTでと思っていたのですが、微妙なラインで悩んでいます(自分の中では20%を区切りにしようと思っていました)。悩んでいるのであればオンコタイプDXもあることを言われていますが、こちらもグレーゾーンであることも考えられるので、受ける予定はありません。化学療法を避けたい気持ちが大きい反面、まだ先が長いので(40歳です)、できることはしておいた方がよいのかなとも思っています。ホルモンレセプターが高度優位(腫瘍細胞のほぼ100%に陽性所見が認められる)とあるのですが、ホルモン療法の効果がかなり高いのでしょうか? この場合でも、化学療法の効果は期待できるものなのでしょうか? もし化学療法をするのなら、TCの末梢神経障害の副作用が気になっています。ECなど他の抗がん剤との無再発率の違いは大きいものなのでしょうか? また末梢神経障害が出現しても軽減していくものなのでしょうか? いろいろ考えだすときりがないのですが、よろしくお願いいたします。

当院であれば、化学療法を希望しない方にはLHRH+タモキシフェンをお勧めしますが、化学療法も副作用に個人差があるので、やってみて副作用が出た時点で減量中止することもできます。(文責 石山)

 

No.10581】  12年03月16日  MS
ゾラデックスの注射について

お忙しい所、恐れ入ります。ゾラデックスの注射(1.8)を投与して4回目になります。3回目までは、生理もとまり、おりものも止まった状態になっておりましたが、4回目を投与してから、多量のおりものと、少しの不正出血が続いております。この薬は、生理を止めるものだと認識しておりますが、今の状態は、どのような事が起こっていると考えられるのでしょうか? ゾラデックスの薬が効かなくなったということでしょうか? それとも、単なる薬の副作用という事でしょうか? 治療に不安を抱いてしまうので、一般的なお話を伺えるとありがたいです。よろしくお願いします。

不正出血なのか月経が来ているのか、血中ホルモンを測ればある程度わかります。(文責 石山)

 

No.10580】  12年03月15日  F
今後の予後について

ご相談します。妻36歳(妊娠歴なし)が、乳がんの診断を受け、現在治療中です。
・腫瘍径18ミリ、センチネルリンパ生研(0/3)でステージ1期 ・ホルモン受容体なし、Her2陰性でトリプルネガティブ ・リンパ侵襲(+1)、脈管侵襲(-) ・ki-67が50%以上 ・グレード3 ・温存手術後断端陰性
以上の病理結果で、現在EC療法2回目を終えたところです。この後、放射線治療となります。トリプルネガティブということで、大変予後に不安を感じていますが、現在の治療法の有効性、並びに今後の予後について、この病理結果での一般的な生存率、再発率等々をご教示ください。宜しくお願い申し上げます。

Triple negativeは、患者さんの中でもマイナーな部類ですので、生存率が悪いのは分かっていますが、世界中での統計もないですし、各施設での少ないデータしかなく、生存率、再発率でのしっかりしたデータはありません。また有効な化学療法も確定したものはないように思います。各施設でやり慣れた化学療法で、とりあえず治療して効果を見ているのが現状です。症例報告では乳癌に一般的でない抗がん剤治療で再発が減ったという報告はありますが、他施設共同研究などでのまとまったものはなく、治療法は手探りではないかと思います。(文責 石山)

 

No.10579】  12年03月15日  M
生理再開?

2005年に乳がんが見つかり、UA(リンパ転移あり)、術前治療で抗がん剤AC+PTX4回、CR12回を行い(乳房のしこりが消えました)、2006年に温存手術を行いました。放射線治療25回、ホルモン治療(タスミオンD)を5年行い、2011年に治療が終了しました。年1回のマンモと定期的に診察をしています。抗がん剤治療の1回目後から生理が止まり、7年近く生理がありませんでした。先日乳房の張り、痛みを感じていたら、数日後出血しました。今出血3日目です。以前より量は少ないのですか・・・。閉経したと思っていたのですが・・・。このような状態で生理再開は考えられますか? ホルモン治療を行ったこともあり、子宮がん、子宮体がんの可能性も考えたほうがようですか? 子宮がん検診は去年11月に行い、(−)でした。子宮体がんは3年前に行い、(−)です。明日、婦人科に行ってきますが、今の状況で考えられる状況を教えて頂きたくメールしました。よろしくお願いいたします。

年齢にもよるので判断が難しいですが、若い方であれば月経再開もあるので、とにかく婦人科に行って相談してください。必要があれば、女性ホルモンやFSHなどのホルモン値を調べれば、月経再開など判断はできますが、年齢次第です。(文責 石山)

 

No.10578】  12年03月15日  T.O.
蜂窩織炎(HPNo.10313-2)

過去の質問 10313 でお世話になりました。59歳の母の術後(右乳房全摘、リンパ節郭清)についての質問です。相変わらず患部の痛みはそのままで、それでもなんとか我慢していたのですが、8月2日にあまりの痛みに我慢できなくなり、病院に行ったところ、「蜂窩織炎」に感染していました。とにかく冷やすようにと言われ、抗生物質も貰ったのですが、何回か服用したのち、黒い便が出始めて、大腸から出血しているらしいということで、服用を止めるよう言われました。そこで冷やすことだけしていたのですが、蜂窩織炎に感染する以前から、患部が固まり、酷く痛んでいたこともあり(その時は温めてくださいと言われました)、痛みであまり冷やせません。すると8月5日の夜に突然針で突き刺されるような我慢できない激しい痛みが5回ほど連続してありました。これは蜂窩織炎が悪化しているのでしょうか。とても心配です。どうかよろしくお願いします。

蜂窩織炎かどうか見ないとわかりません。蜂窩織炎であるかどうか、痛みの原因も含め受診して診察をしないとわかりません。乳腺専門医や外科医を受診してください。抗生物質も副作用に腸炎を起こすことがあるので、中止しても、副作用防止をしつつ抗生物質の投与はできるはずです。(文責 石山)

 

No.10577】  12年03月14日   M.T
異型乳管過形成

昨年末、市の乳がん検診を受け 年明け早々、病院より早急に受診するようにと連絡を受けました。乳癌検診は、若い時から、かかさず受けており、 殆ど精密検査要となり、その結果は経過観察と言うことが続いておりました。前回の検査でも、右乳房に脂肪ありで、超音波検査の結果、経過観察と言われていましたが、今回同じ場所に石灰化が見られると言うことで、造影MRIを受け、DCIS疑い有りとなり、さらに組織診を受けるように言われました。2月半ばに、病院を紹介して頂き、エコーガイド下バコラ生検をしました。先日、その検査結果を聞きに行き 異形乳管過形成であると言われました。その時の先生の説明では、目視下で癌細胞?が3つ以上あると非浸潤癌になるが、私の場合は3つ以下だったので、異型乳管過形成となったと言われました。そして摘出手術が必要と言われ、5月に全身麻酔にて手術を受ける予定をしていますが、その結果で、非浸潤がんや浸潤がんとなることもあると言われました。細胞の数で、癌か癌でないと言うのには、納得が出来ないでいます。本当にそうなのでしょうか? もう一つは、検査前は、触診してもわからず、0.5mmほどと言われていましたが、検査後その部分を触ると硬くなっており、大きくなっています。検査で癌が乳管の外に出て大きくなっているのではと、とても心配です。(検査で癌が飛び出ることは無いと、主治医は言っておりましたが・・・) 次の診察は4月なのですが、それまで待っていても大丈夫でしょうか? 長い文章になりましたが、どうぞ宜しくお願い致します。

細胞の数3個を境として癌を判定するというのは、私は聞いたことがありません。異型乳管過形成の範囲や程度の目安としての表現として使ったのではないでしょうか。エコーガイド下生検後、その部分が一時的に硬くなることは珍しくはありません。次の診察は、4月まで待っていても大丈夫と思います。(文責 石川)

 

No.10576】  12年03月14日   T
病理診断について

初めて相談させていただきます。よろしくお願い致します。病理診断の術中迅速診断と最終病理の結果の違いについて教えてください。昨年の2011年3月(28歳)に、左乳管内乳頭腫の疑いで、3cm大の腫瘍の切除手術を行いました。病理診断の結果、左乳癌・断端陽性と判り、2011年5月に、左乳房全摘手術を行いました。3月の手術の最終病理は以下のとおりです。浸潤性乳管癌、ly0、v0、Nuclear Grade 3、ER(-)、 PgR(-)、HerceptTest0、Ki67LI>90%。 5月の手術の結果、リンパ節転移(2/15)でした。その後、2011年6月からFEC(6回)、2011年11月からWeeklyアブラキサン(12回)の抗がん剤治療を行いました。今月からリンパ節への放射線治療を行う予定です。そして、今後の治療について、主治医からホルモン療法をすすめられています。ホルモン感受性(-)でホルモン療法をすすめられた理由が、以下の2011年3月の手術の術中迅速診断の結果です。ER+(5%), PgR(-), HerceptTest0, Ki67LI>90
そこで伺いたいのですが、この結果の違いはどのように考えたらよいのでしょうか。ホルモン感受性のあるタイプとないタイプの癌が、同じ腫瘍の中にある場合もありますか。 また、この場合、ホルモン療法を行うと、どの程度効果が期待できますか。お忙しい中お手数をおかけして申し訳ありません。ご意見をいただければ幸いです。

術中迅速診断は組織を凍結させて、術後の病理診断は組織をホルマリンで固定した後で診断します。後者の方が切除組織全体を広範囲に、より詳しく検査でき、確実性にも優れているので、最終病理結果は後者になります。ホルモン感受性の程度が、同一腫瘍の中で異なることもありますので、診断が術中迅速診断と術後永久標本診断でずれることが有り得ます。一般的に、ホルモン感受性(+)なら、ホルモン療法を行うと再発率で10%前後少なくなることが期待されます。(文責 石川)

 

No.10575】  12年03月14日   K
手術方法について

はじめて質問いたします。43歳、少し前に乳がんの宣告を受けました。主治医の説明では、非浸潤癌であり(4か所生検をしましたがすべてDCIS)、MRIの結果、AC領域全般に病変が見られるとの事でした。手術方法については、全摘出か温存かを、ゆっくり考えてくださいと言われています。
1)温存は可能だが、約1/4になるので、かなりの変形がありえるし、その後の放射線治療を受ける必要がある。
2)全摘出の場合は、非浸潤なので、それ以降の放射線治療も抗癌剤もおそらくしなくて良い。また再建も、術後すぐはお勧めしないが、方法はある。

との説明をうけています。手術まであと1週間ほど、「十分に考え納得できる方法を探しましょう。」と言ってもらっていますが、決めきれないでいます。全摘にしても温存にしても、一度は後悔するかもしれないし、今後のリスクを考えると全摘がベストかとも思うのですが、温存の希望も捨てられません。1/4の切除予定で温存した場合、やはりかなり変形するのでしょうか? 又、後日の放射線治療についても、仕事を1月半休まざるを得ないので、医療費の面で(収入がへるので)かなり心配になっています・・・。まとまらない質問ですみません。毎日、色々考えては答えが変わる日々です。よろしくお願いします。

1/4の切除で温存した場合、乳房の大きい人はそうでもありませんが、小さい人はかなり変形すると予想されます。癌がA領域にかかっているので、なおさら変形が懸念されます。放射線治療は外来通院で、一回(一日)の照射は短時間で終了するので、状況が合えば、働きながら行なっている人もいます。(文責 石川)

 

No.10574】  12年03月14日   L 
今後の治療について(HPNo.10344-2)

No.10344です。前回はご相談をさせて頂き、有り難うございました。あれから血液でホルモン量を検査したら閉経との事で、ノルバデックスからフェマーラにかわりました。が、抗ホルモン剤を飲み始めてから、徐々に体動時(特に歩行時に踵から足底部と膝も腰掛けるのがやっとです)の痛みはますます強まり、ノルバデックスに戻されましたが治まらず、2カ月前より、肘、肩、寝起きは手も握れない痛みも現れました。鎮痛剤を試しても改善せず、仕事も辛く感じるようになりました。治療内容に、タキソテール+ハーセプチン4回と単独ハーセプチン12回の計16回となっています。昨年8月放射線を終え、抗ホルモン療法が始まり、9月から3週間毎に単独ハーセプチンを始めて6回を終えた12月下旬に循環器を受診したところ心肥大(通常女性4.7aのところ5.5a)で駆出率45%との事で1月は休薬し、主治医から16回のうち半分はしたので良いでしょうと言われ2月に心エコー再検を勧められましました。「駆出率52%へ回復しているので、心臓の状態を観ながらハーセプチンを再開しましょう。」と、言われました。痛みに対しては、ノルバデックスは止められないと言われ、駆出率が回復しても、肥大した心臓は、1ミリ小さくなっただけで再開すればまた悪化するのではと不安で、ハーセプチンは止めたいと言いました。私はER PGR HER2ともに3+です。

1) 抗ホルモン剤の休薬やハーセプチンを止めた事で生じる再発のリスク度
2) 抗ホルモン剤による身体変化に対して補助食品を摂取して可能か (主治医にはダメだと言われました)
3) ノルバデックスの副作用にある子宮内膜肥厚があれば、不正出血がなくても子宮体部癌を受けなければならないのか (頸部のみで良いか)

ご意見を知識として、今後の治療に前向きに考えて行きたいと思いますので、宜しくお願い致します。

1) 術後、抗ホルモン剤や化学療法など何もしない場合、Adjuvant ! Onlineという予後予測を参考にすると、生じる再発のリスクは10年で20%前後と考えられます。
2) 抗ホルモン剤による身体変化に対して補助食品を摂取することは可能と思います。
3) ノルバデックスを使用していて子宮内膜肥厚があれば、不正出血がなくても必ず子宮体部癌検査も受けてください。(文責 石川)

 

No.10573】  12年03月14日   N
再発後の治療について(HPNo.4273-3)

HPNo.4273でご相談させて頂きましたNと申します。其の節はありがとうございました。再び宜しくお願い致します。左胸手術後7年間、右胸のそのしこりを、毎月のエコーと年1回のマンモで検査していましたが、昨年2月を最後に検査をやめていました。ところが、最近急にしこりが軟らかい感じに大きくなり(私が力を入れて毎日触り過ぎたかも)、検査したところ悪性で、全身検査後全摘手術をしました。センチネル手術で脇のリンパに15個中7個の転移があり、1年位でそんなになるのかと大ショックでした。今は退院したばかりで、しこり2cm、リンパ転移7個としかわかりませんが、左の時Her2(+3)なら、右も同じかもです。家族、友達に恵まれ、前回の治療は苦しくもなく終了しましたが、前回使用したACやタキソールは耐性が出来てますね? 私の今の状況での最善と考えられる治療法と、治療後の予後と生存率を教えて頂けたらと思います。参考に無治療でのそれもお聞かせ頂いたらと思います。宜しくお願い致します。

前回使用したACやタキソールは7年前ですので、右の乳癌がその後に新たに発生したものだとすれば、耐性が出来ていない可能性はあると思います。耐性と考えるなら、別の薬剤を選択することになります。よく主治医と相談してください。 Adjuvant ! Onlineという予後予測に当てはめてみると、治療後10年後の再発率は67%、生存率は73%となります。無治療では再発率は73%、生存率は50%となります。(文責 石川)

 

No.10572】  12年03月14日   M
化学療法の有無について(2) (HPNo.10559-2)

お忙しいところご教授いただき、どうもありがとうございました。あの後、術痕チェックのため診察を受けました。迷っていると伝えたところ、
1) OncotypeDXをやってみるか
2) 脱毛の副作用が少ない薬剤に変更することもできる(抜けるのは覚悟、ただ元のようになるのかが不安のため)
という提案をいただきました。OncotypeDXは金額や時間がかかるし、そこまでやらなくてもよいと答えましたが、同病の患者さんの知り合いの方が、もう少し簡単なもので予後やタイプを判断されたと聞きました。(又聞きのため不正確な情報ですみません) そのようなものがあるのかどうか、あればどういった施設で受診できるのでしょうか。総合判断でTCとなったものを替えるのも不安です。たびたびお時間をとらせてしまい申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。

癌の切除組織標本で、脈管侵襲ly、v、組織(細胞)学的悪性度grade、ホルモンリセプター、HER2の状況、増殖マーカーKi-67などで、ある程度予測はつくと思います。これは、どこでも、手術した施設で可能なはずです。まずはTC療法でおかしくないと考えますが・・・。(文責 石川)

 

No.10571】  12年03月12日   K.K.
ゾメタの治療再開時期について(HPNo.5096-3)

以前5096(2006,3,24)及び8093(2008,7,5)にて相談させていただきました。温存手術から8年2ヶ月が経ちました。その為、経過をお知らせするにも文が長くなる事をお詫びいたします。骨を強くする治療ゾメタの治療再開時期について教えていただきたく、メールいたしました。ホルモン療法を受けていて右肺に転移が認められたのでEC療法をした時点の相談から4年近く経ちます。右肺の腫瘤は2009,6に胸クウ鏡での手術にて取りました。その時点での、他での再発はありませんでした。2010,1 背骨、左骨盤に再発、ゾメタを開始しました。 2011,4 前頭葉に再発し、ドセタキセルも開始しました。その間、歯科治療が必要となり、ゾメタを3ヶ月休み、右下奥2本抜歯しましたが、歯茎の治りが悪く、その後口腔外科に掛かり現在に至っています。「顎骨壊死」と診断され、現在はこれは止まっていますが、「ゾメタを始めると広がる可能性がある。骨転移しているので治療のためゾメタを再開してはどうか?」との口腔外科の先生のお話でした。担当医からは、緩和医療と告げられていますが、「骨折をおこしそうな所は無いが、抗癌剤はゾメタと併用する事によって効きが良くなるかどうか分からない。歯茎の状態も良くなって来ている。歯周病を起こしているので、ゾメタをはじめてよいものか?」とのことです。ジェムザールの点滴をしましたが、初回全身に発疹が出たため、現在ハラヴェンの点滴をしています。なお、点滴治療と口腔外科は別の病院ですが、診察時に聞いたことを伝えています。以上が現在の状態ですが、ゾメタを開始した方が良いのか逡巡しています。治療期間が長く、言葉が足らない部分も多々あると思いますが、宜しくお願い致します。

骨転移があるのでゾメタ点滴を早く再開したいのはやまやまですが、まだ顎骨壊死のリスクはあるように思います。あとはリスクと効果を天秤にかけて、どちらを選択するかの決断だと思います。(文責 石川)

 

No.10570】  12年03月12日   M
今後の治療について

初めてご相談させていただきます。H23年7月、個人病院にて乳がん告知、余命1〜2年、すぐセカンドオピニオンを看護師からすすめられ、転院しました。K病院にて治療中です。現在、左トリプル15ミリ2か所ありますが、リンパ節転移はなくなる、右進行癌2ミリはなくなるが、8月センチネル廓清後5個ありました、9月から11月まで、抗がん剤エンドキサンとリュープリン注射とフェマーラ服用後、失神転倒、顔面粉砕骨折、顔面麻痺右側、半月入院後、エンドキサンやめる。9月からNK療法隔週で2月まで。腫瘍マーカーCA15-3 3.2、BCA225 34、NCC-ST-439 5.7、白血球4800、赤血球368、好中球28.3、リンパ球3.3。 2012、2,22現在・・・セカンドオピニオンでは両胸全摘の診断から、手術はなしの診断、しかし、以前リンパ転移があったので、3月から抗がん剤UFTとメチコバールを1日3回、副作用がひどくでるので気を付けるようにといわれ、現在服用を先延ばしにしています。フェマーラの副作用で関節痛がひどく、股関節と肘から下が鈍痛、しびれあり。肩こりや首もまわりません。リュウマチ膠原病の検査をすすめられましたが、異常なし。量も1.25ミリに変更していただき、このような副作用です。下痢がひどいので、抗がん剤を飲む勇気がでません。骨折時に、救急乳腺外科の医者に、「ホルモンと抗がん剤併用は危険すぎる!」といわれたのが、気になります。初診の医院でも、進行癌とトリプル癌なので、治療する自信がなく、余命2年宣告でした。今回もまた、肝臓や脊髄や下痢の重篤な副作用がでるUFTを飲まず、NK療法と食事療法とホルモン剤では、1.5ミリの癌を無くすのに時間を急がないといけませんか? K病院では、「急がないと後悔しますよ。リンパ転移があったから」と・・・。リンパ廓清検査では、進行が遅い癌なので大丈夫とも告知されました。現在、超音波では左1.5ミリの癌2個縮小傾向、右は完全に消失、リンパもないとの診断です。アドバイスお願いいたします。

ホルモンと抗がん剤併用は一般的には行われることは最近少なくなったようですが、現在でもあります。特に進行癌、再発癌では行われていて、危険すぎるということはありません。副作用・奏功度・希望などを考慮し、それぞれの人の状況・希望にあった治療法・薬剤を探して治療を重ねていくことになります。原則として、副作用なしの治療はないので、どれを選択するかということになります。(文責 石川)

 

No.10569】  12年03月12日  K
胸のしこり

36歳男性です。左胸の乳首の外側に、縁にそうような感じで細長いしこりみたいな物があります。痛みはなく、外見上からはわからないです。一応外科病院に行ったところ、エコー検査では、1cm大の水泡があり、水が溜まっていると言われました。半年から1年くらいだそうです。ただ診察の先生からは、腫瘍があるのでマンモグラフィーを撮って調べましょうと言われ、撮影をしたのですが、結果が分かるまで2週間もかかるそうです。エコー検査の先生とは前記のような会話がありましたが、診察の先生からはエコー検査の内容の説明もなく、「マンモグラフィーの結果が出たらどうするか決めましょう。」と言われただけで帰されてしまったため、状況が分からず、不安で仕方ありません。撮影したものの、診断に2週間もかかるものなのでしょうか? (水泡も腫瘍の内に分類されるのですか? それとも水泡以外があったのでしょうか?)  また、女性の方は針を刺して調べたなどの話も聞きますが、そういった話もなかったですし、結果を早く知るために別の病院で診察を受けるべきでしょうか? 無知な上、解りづらい文章で申し訳ありませんが、アドバイスお願いいたします。

撮影後、画像ができれば診断はすぐに出来ます。診察予約がいっぱいだったとか、何か他に理由があったので2週間後になったと思います。水疱は腫瘍ではありません。嚢胞は腫瘍で形成されることがあります。エコー検査、マンモグラフィ検査で腫瘍が疑われれば、針による細胞診が行われることになります。このまま現在の病院で結果を待っていいと思います。まず水疱を伴う男性の乳癌は極めて稀でもあり、診療内容から見てもその可能性はとても少ないように思います 。(文責 石川)

 

No.10568】  12年03月12日   M.A. 
今後の治療について

52才。昨年乳がんが見つかり、ステージVCでした。6月より術前化学療法を開始し、12月17日に胸と脇リンパを手術致しました。抗ガン剤が効いてくれ、術後病理結果では、胸の癌は完全消失、脇リンパには2個転移しており、癌も生き残っていました。鎖骨リンパに放射線25回治療の予定になっておりますが、胸に傷口が開いてしまい、治療が送れております。傷が塞がったのですが、50肩の様で腕が上がらず、またまた治療が延期になっています。先生は、「途中で治療がストップするのが一番困るので、焦らず行きましょう。」と言ってくれるのですが・・・。エコーでも解らなくなっている鎖骨のリンパですが・・・。早く放射線を開始したいのに出来ないジレンマと不安で一杯です。3月17日で術後3ヶ月になります。何ヶ月までがタイムリミットなのでしょうか? 現在アリミデックスホルモン剤の治療のみで、鎖骨のリンパ手術をしていないので、非常に心配です。もしこのまま何ヶ月も放射線をしないと、どうなる事が予想されますか? 宜しくお願い致します。それと、ステージVCで、根治の可能性はあるのでしょうか・・・。

一般論では早いほどいいと考えられますが、無理して行なった場合には副作用が強く出て、かえって治療効果がマイナスになってしまうこともあります。何ヶ月までがタイムリミットということはないと思います。鎖骨のリンパ節はエコーでもわからなくなっているようなので、アリミデックスのみで、放射線治療なしで抑えられる可能性もあります。ステージVCで完治している人を、私も少なからず経験しております。(文責 石川)

 

No.10567】  12年03月11日   S
PET-CT検査と血液検査の結果

2004年に左乳房全摘手術、ノルバデックスを服用。血液検査、マンモ検査、胸のレントゲンなど、異常なしと診察の時に言われましたが、体調不良が続いたので、2008年にPET-CTの検査を希望しました。2008年PET-CTにより右側に乳がんが見つかり温存手術、ノルバデックスからアリミデクッスに変更。2012年の血液検査で、GPT−41・GTP−88と、半年前の倍の数値になりました。CA15-3−13.7 ・CEA−2.5だから、主治医の先生は心配ないと言いましたが、気になるのでPET‐CTを受けてみました。所見には胆石があります。甲状腺右葉に石灰化があり、前回と著変見られませんと有りましたが、主治医の先生は「問題ないです」の一言です。本当にこのまま何もしなくて良いのでしょうか、不安でいっぱいです。良いアドバイスがあれば教えてほしいと思っています。宜しくお願い致します。

腫瘍マーカー正常、PET-CTの検査で肝臓も含めて問題所見ないので、心配いらないと思います。肝機能の経過見ていけばいいと考えます。(文責 石川)

 

No.10566】  12年03月11日   Q
黄色い乳汁としこり

お尋ねいたします。私は70歳です。昨年夏、朝起きると、肌着の右胸に2センチ四方の茶褐色の染みが付いていました。驚いてネットで検索しておりましたら、血性分泌が2週間以上続くようなら受診するようにと書かれているのを読みました。妙な姿勢で寝ていたようで、外傷性の出血かとも、或いは関節痛の痛み止めにボルタレンを飲み、胃の痛みに効く胃薬を10日ほど続けましたので、その副作用かとも考えたのですが、一箇所から出たことと、茶褐色なので、そのせいでは無いと考えて、様子を見てきました。茶色の分泌物は、つまむと出るという状態が、それから2.3回ありましたが、その後はブラジャーに1ミリ程度の小さな染みが一つ二つずつ何日か続き、突然オレンジ色の直径3ミリ程度のものが一つ一度だけ見られ、それ以降は黄色い直径1ミリ、2ミリほどのしみが時々つきます。それも暫らくすると無くなり、最近思い出して、つまんでテイッシュでふいてみると、同じくちょっぴり黄色の乳汁が付きました。乳腺外科で、乳汁CEA等を調べていただこうかと思いますが、いつ行っても乳汁が必ず出るとは限らず、どうしたものかと考えています。神経質になって9月ごろから丹念に自己検診を致しましたところ、右下に数ミリ(6ミリ〜8ミリ?)の柔らかめのしこりらしきものが触ります。それを触ると、鈍い痛みを感じます。それは現在まで大きくなっている様子はありません。そこでお尋ねしたいのですが、この歳になっても乳管内乳頭腫や、乳腺症などになるものでしょうか。高齢であることと、お酒を飲むこと以外のリスクはあまりないつもりですが、やはり乳癌を考えるべきでしょうか。いずれ受診しようと思っておりますが、心の準備をしたいと思います。お忙しい中恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

一箇所から出たこと、色が茶褐色だったりしたこと、またしこりらしきものが触れることから、早めの受診をお勧めします。高齢でも乳管内乳頭腫や乳癌は起こりえます。(文責 石川)

 

No.10565】  12年03月11日   CT
再発乳がんについて

母の乳がんが再発しまして、今後の治療法を悩んでいる際に、このサイトを拝見しました。もしよろしければお返事を頂けると大変ありがたいです。

■母(64歳)の状況 [1年前(初発)]
・癌の種類:浸潤性小葉癌(特殊型) ・ホルモンレセプター:ER陽性 (70 %)、PgR陰性、HER2:陰性 (0) ・センチネルリンパ生検:リンパ節を1つ採取、陰性 ・切除断端:陰性 ・癌の大きさ :4.5 cm x 3.5 cm ・脂肪組織まで浸潤 ・リンパ管にやや浸潤、血管浸潤なし 

全摘手術後同時再建。術後は術前から続けていたアリミデックスの服用を続ける。

[今年2月、再発]
・左胸皮膚に炎症様再発 ・左胸の皮膚、その下のリンパ管への癌の局所広範囲皮膚再発(リンパ管の網の中に癌が広がっている、左胸の皮膚がCTで厚く見える)・骨シンチ、CTで遠隔転移は見られない ・左側の腋窩リンパ節が一つ腫れている。がん細胞検出済み。 ・ホルモンレセプター:ER陽性、PgR陰性 ・HER2:2+。陽性かどうかはFISHの検査結果待ち・癌の場所:BAを中心にCDにも小皮膚腫瘤 ・左胸には放射線を当てる。・照射スケジュールは3/9(金)より週5日を25回および週3日を5回の計30回(予定) ・照射と並行して、フェセロデックス(ホルモン注射)、XC療法(化 学療法)を行う。フェセロデックスは3/1(木)に第1回注射済み。XCは3/7(水)より予定。

今回、知人医師にセカンドオピニオンを取ったところ、主治医の治療方針は「標準レジュメから外れている」とのこと。セカンドオピニオンでは、「根治を目的として、抗がん剤(ACT法)投与」を勧められました。また、放射線、抗がん剤を組み合わせるのは禁忌だともいわれました。主治医に再度話を聞きに行ったところ、やはり根治には否定的。放射線、抗がん剤、ホルモンの3つを並行させることは、これまでも行っており、問題ないとのこと。放射線終了後は、抗がん剤も終了して、ホルモンだけで経過を見るつもりであり、HER2陽性が出ればハーセプチンも投与とのこと。主治医は、「副作用の出ない治療を優先したほうがよい(QOL)」と何度も言います。

疑問
1) XCと放射線というのは、セカンドオピニオンの医師の言うように標準レジュメから外れているのでしょうか。
2) ACTをすると副作用が強いのでしょうか。それでも、現在の方針よりは根絶(=延命)の可能性が高いのならば、考えたいとも思います。

家族としてはQOLを大事にしたいと思う一方、放射線&XCを「標準治療でない」と言われたことに大変動揺しています。長文申し訳ありませんが、もし可能ならば一言でもよいのでご意見・ご感想を頂けると幸いです。よろしくお願いします。

1) それぞれの人の状況にあった治療法があり、絶対的に決まった標準治療があるわけではありません。また同じ薬剤を使用しても、施設によりレジュメが異なることがあります。一般的にACT治療を選択する施設が多いと思いますが、XCと放射線というのがおかしいとは言えないと思います。
2) ACT療法は人により程度は異なりますが、副作用がかなり強いことを覚悟されておいた方がよいと思います。薬剤など治療の効果は予測がつきにくく、やってみなければわからないという場合の方が多いのですが、データ的にはACTの方が奏功率が高いだろうと評価されています。(文責 石川)

 

No.10564】  12年03月06日   F 
術後治療について

術後治療についての相談です。2011年10月に左胸全摘手術を行いました。49歳女性。主治医からは、おとなしめの細胞とのことで、腫瘍は2か所、最大腫瘍径1.8p、ホルモン感受性(+)、HER2(−)、Ki67 10%、悪性度グレード1、腋下リンパ節転移 7個(7/13本)でした。 現在ノルバデックスのみ服用しています。不安に思うことは、リンパ節転移が7つもあったことです。病院によっては、抗がん剤の治療も行われるということですが、主治医にその点を確認したところ、ホルモン治療で進めましょうとのことでした。中外製薬から出ている乳がんの病理の冊子には、リンパ節転移の数が4〜9の場合、5年生存率が70%弱、10年生存率が50%ほどになっていて、不安が高まっています。次回の診察は半年後、血液検査とマンモグラフィー、超音波の検査を受けることになっています。今の治療を5年間続けていくのがベストなのでしょうか。ご意見お願いします。

この頃は以前ほど腋窩リンパ節陽性であることを重要視せず、乳がんの生物学的状況により治療を行う傾向があります。現在の治療がベストであるか否かはわかりません。やはり7個もリンパ節転移が存在していたことより、抗癌剤の投与を行ってからホルモン剤で様子を見るのが良いと思いますが、もう一度主治医と相談して決めて下さい。(文責 吉田)

 

No.10563】  12年03月06日   T
抗癌剤

39歳の主婦です。閉経前です突然ですが まず病理検査結果は、「左乳房切除術、硬癌、大きさ2.1cm、広がり2.5cm 、グレード2、リンパ転移 無、センチネル 0/1、微小リンパ管の広がり 無、 微小静脈広がり 無、 エストロゲン 7/8、プロゲステロン8/8、  HER2  1、 MlB-1 9%」です。ホルモンレセプターがとても強く、ホルモン治療だけでとの事。ノルバデックス5年、リュープリン2年、術前は抗がん剤もとの事でしたので、ホルモン治療だけで良いのか、すごく不安です。抗がん剤も覚悟していたのに、副作用の方が心配だし、ホルモンが強いから抗がん剤の効果が期待出来ないと言われました。私は、やりたくはないけど、少しでも再発防止の為ならやるべきなのか、すごく迷っています。乳癌になる4年前から、精神的に弱く、抗うつ剤、安定剤、睡眠薬を服薬しています。他の先生方の御意見も聞かせて貰いたくてメールしました。宜しくお願いします。

メールのような場合、私も抗がん剤は不要であり、ホルモン剤(リュ-プリン+ノルバテックス)で十分と思います。大半の乳腺専門医も同様と思います。(文責 吉田)

 

No.10562】  12年03月06日   A子
腕の炎症

不安なことがあり、パソコンで調べていましたら、ここにたどり着きました。50代主婦です。2011年術前抗がん剤(FEC、タキソテール、各4回)、9月末左胸全摘手術、リンパ転移あり。11月よりノルバデックスを飲んでいます。いつからか不明ですが、今年になってから、術側の上腕内側がうっすらとピンク色になっているのに気付き、リンパ浮腫だったらと不安になり、少しさすったりしていました。改善されないので診察して頂き、フロッモックス錠を処方され、2日後担当医の診察を受けました。血液検査の結果、白血球9.2/C 反応蛋白0.2で、大きな問題はなく、抗生剤クラビット500mgを処方されました。3日目には腕を触ると激痛になり、起き上がるのも困難なまでの痛みになりました。その後の診察で、クラビットをやめてロキソニンで様子を見ることになり、痛みは治まりました。腕のピンク色は薄く残っているので、再度フロモックスを2週間分処方されました。10日間飲みましたが改善されず、腕の上腕外側がズキズキ痛みます。蜂窩織炎も心配になり、聞いてみましたが、蜂窩織炎は熱が出て、もっと腕の浮腫みがあるとのことでした。現在術側の腕の方が健側腕より1.5cm太くなっています。次回診察日が13日なのですが、自己判断で、今日はフロモックスをやめて、ノルバディックスのみにしています。抗生剤があわないのか、他に考えられる原因、治療法がありましたら、ご教授頂けたらと思います。また、担当医に気を悪くしない様な言い方がありましたら、ご助言頂けると助かります。宜しくお願いいたします。

やはり細菌性リンパ管炎を考えます。クラビットが無効であるのは、症状増悪より明らかです。フロモックスは効いていたのではないかと思います。自己判断で中止しないで、飲み続けてください。医師は自分の行っている治療に責任をもって対処いたします。この間に事情を良く話し、フロモックスを自己判断で中止していたことを正直に伝えてください。もし症状が増悪するようなら、病院(医師)にそのことを電話してください。(文責 吉田)

 

No.10561】  12年03月04日    T
ゾラデックス

ゾラデックスについて質問があります。私は現在、ゾラデックスを打っている40歳です。現在、4回目が終わったのですが、注射を打ってから、それまでなかったオリモノが、最近ありました。量も多めです。白くて、ドロっとしています。これは薬の副作用でしょうか? お忙しい所恐れいりますが、よろしくお願いします。

ゾラデックスの副作用と思います。今後は軽快してくると思いますが、酷くなるようでしたら、念のため婦人科を受診してください。(文責 吉田)

 

No.10560】  12年03月04日    T.U.
抗がん剤治療が必要か教えてください

初めてご相談します。よろしくお願いします。昭和24年生まれの62歳主婦です。 昨年秋の乳癌検診で小さなしこりが見つかり、再検査の後、2回の手術を受け、放射線治療が終了しました。1回目の手術の結果、「肉眼的にはわからない大きさだが、乳管に沿ってかなり広範囲に拡がっている乳癌」ということで、2回目の手術を受けました。 リンパ節への転移はなく。ER3+、PgR0、HER2 0です。 病理:invasive ductal carcinoma(scirrhous)。浸潤癌の大きさは1cm前後。ただし、その周囲に導管内進展が1cmあると言われています。切除断端陰性。脈管浸襲(−)。 放射線治療終了後には抗がん剤治療(ACもしくはCMF)を行い、その後5年間のホルモン療法を薦められています。別の医師に相談したところ、ホルモン療法は必要だが、抗がん剤治療の必要はないと言われました。 抗がん剤治療を行うかどうか迷っていますので、アドバイスをお願いします。 もし抗がん剤治療の必要性があれば、より副作用が少ないとされるCMFを選択しようと考えていますが、それについてもアドバイスをお願いします。

私も抗癌剤は必要ないと思いますが、PgR陰性ですので、ホルモン剤の効果が少ないかもしれません。安心のため、副作用の少ないCMFを行うのは良いと思います。(文責 吉田)

 

No.10559-1】  12年03月04日    M 
化学療法の有無について

ご相談させていただきます。温存手術後、病理診断で下記の結果が出ました。

・浸潤性乳肝癌(硬癌) 2.0×0.8×2.6cm ・Eg(ほぼ全てに中程度陽性) PgR(30%に中程度陽性) HER2(ほぼ全てに陰性) ・局所浸潤 g、f、p ・脈管侵襲 ly ・グレード1 センチネルリンパ節転移なし(0/5) ・乳管内成分 40%  ・ki67 20.3% ・40歳 閉経前

TC療法を奨められています。その方針も理解しているつもりですが、乳房の形より抗がん剤を避けたくて、癌の性質・範囲が小さいことを願って手術をしたもので、またまた迷っています。基準となるデータ範囲が広いため、少しでもご意見、情報を得て、参考にしたいと考えています。
1) 抗がん剤使用の範囲としては、妥当か少し慎重なのか。
2) 放射線治療・ホルモン治療だけと比べて、どの程度再発リスクが下げられるか。

どうぞよろしくお願いいたします。

1) 抗癌剤の使用することが妥当か慎重かとういことであれば、やや慎重の感じがいたします。年齢が40歳であることと、ki67が15%以上ということで、主治医は奨めているのでしょう。
2) 正確には分かりませんが、放射腺治療・ホルモン剤だけですと、再発のリスクは、ほぼ10%程度、抗癌剤を追加することで3−4%下げられると思います。(文責 吉田)

 

No.10559-2】  12年03月14日    M 
化学療法の有無について(2)

お忙しいところご教授いただき、どうもありがとうございました。あの後、術痕チェックのため診察を受けました。迷っていると伝えたところ、
1) OncotypeDXをやってみるか
2) 脱毛の副作用が少ない薬剤に変更することもできる(抜けるのは覚悟、ただ元のようになるのかが不安のため)

という提案をいただきました。OncotypeDXは金額や時間がかかるし、そこまでやらなくてもよいと答えましたが、同病の患者さんの知り合いの方が、もう少し簡単なもので予後やタイプを判断されたと聞きました。(又聞きのため不正確な情報ですみません) そのようなものがあるのかどうか、あればどういった施設で受診できるのでしょうか。総合判断でTCとなったものを替えるのも不安です。たびたびお時間をとらせてしまい申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いします。

癌の切除組織標本で、脈管侵襲ly、v、組織(細胞)学的悪性度grade、ホルモンリセプター、HER2の状況、増殖マーカーKi-67などで、ある程度予測はつくと思います。これは、どこでも、手術した施設で可能なはずです。まずはTC療法でおかしくないと考えますが・・・。(文責 石川)

 

No.10558】  12年03月04日    O
リンパマッサージについて

2年前に乳がん(3.0×2.6cm)と、腋の下のリンパ節転移(11/47)の手術をし、抗がん剤・放射線・ハーセプチンを終え、今はフェマーラを内服中です。3週間前に交通事故にあい、頸椎捻挫・左肩挫傷・左肘挫傷・右手挫傷・殿部打撲と診断されました。主治医にご相談しての他病院への通院です。首・肩・肩甲骨に電流を流したり、リンパのマッサージをしていますが大丈夫でしょうか? リンパの手術の事も話しているのですが、少し痛めの力加減です。ご回答をよろしくお願いいたします。

交通事故の治療で行っているリンパマッサージなどと、乳がんの再発・転移とは無関係です。どうぞ続けてください。しかしフェマーラは飲み続けましょう。(文責 吉田)

 

No.10557】  12年03月04日    E.M.
妊娠と授乳中のしこりの変化

36歳、左胸にしこりがあります。意識するようになった頃(7年くらい前)は、2、3センチくらいのヒョウタン形の、ツルツルよく動くしこりでした。いろいろ調べた結果、線維腺腫に近い感じがしました。数年間大きさも変わらず、放っておいたのですが、3年前妊娠した時(しこりを意識してから4年後)に急に大きくなりました。5、6センチはありそうです。妊娠で乳腺が膨らんだ?から押し上げられてるのか、見てわかるくらい、しこりが盛り上がっています。出産後2年経ちましたが、まだ授乳中の為か、しこりは6センチくらいのままです。形は雲のようにモコモコしています。触り心地はツルツルしています。境目ははっきりわかり、胸の中で浮いてるようによく動きます。皮膚や乳首などの異変はありません。脇などにしこりもありません。今は、妊娠と出産、授乳中という特殊な環境なので、しこりが変化したのかな?と思っていましたが、やはり見てわかるほど大きいので気になります。授乳(自然卒乳を待っています)が終わったら乳腺科に行くつもりですが、上記のような状態は、今すぐ病院に行かなくてはいけないくらい危険でしょうか? 血縁者には胸の病気の人が1人もいません。

線維腺腫あるいは嚢胞と思われますが、葉状腫瘍ということもあります。今すぐでとは言いませんが、なるべく早く乳腺科を受診して下さい。(文責 吉田)

 

No.10556】  12年03月02日    T.N  
術後〜抗がん剤投与までの期間について

乳がんのことで大変不安に思ってることがありご相談させて頂きます。どうぞ宜しくお願い致します。昨年12月に乳がんだと判明し、今年1月19日に左乳房部分切除+リンパ郭清の手術をし、2月21日に病理結果がでました。
「浸潤性乳管癌 ・ステージ2a ・癌の大きさ1.8mm ・リンパ節転移1/19 ・リンパ管浸襲++ ・血管浸襲+ ・切除断端− ・グレード3・ki67:70% ・エストロゲンレセプター+:95% ・プロゲステロンレセプター+:40% ・Her2:0」

3月から抗がん剤(ACもしくはTC)を受ける予定だったのですが、急遽主人の転勤が決まってしまいました。転勤先は隣県なのですが、病院へ通うには片道3時間かかりますため、やむなく隣県の大学病院へ転院することにしました。主治医から紹介状を頂き、まだ引越し前ですが、転院先の大学病院を受診し、とりあえず抗がん剤を受けるためのいろいろな検査を受けてきました。その検査の結果が出てから抗がん剤投与になるとのことなのですが、時期的には4月の初めになるそうです。元主治医から、「術後2ヶ月以内に抗がん剤を投与するのが望ましい。」と言われていたのですが、4月初めからの投与なら術後2ヶ月半になってしまいます。転院するということは、治療が遅れるということなんだと、しみじみ悲しくなりましたが、今の状況ではどうすることもできません。ここで質問なのですが、私は、「グレード3 ・ki67:70% ・管浸襲++ ・血管浸襲+」です。治療を遅らすことによって、その間に目に見えないがん細胞が早くも増殖してしまう可能性は高いのでしょうか? もし増殖してしまっても、今後の抗がん剤でがん細胞を叩けるものなのでしょうか? でも、そうなると、すでに転移しているということになりますよね? 転院が決まり、治療が遅れることが決まって以来、毎日不安で不安で仕方ありません。ぜひご意見をお聞かせ願いたいと思います。お忙しい中、お手間を取らせてしまい申し訳ございません。どうぞ宜しくお願い致します。

確かに抗がん剤の投与が必要な状態であると思いますが、抗癌剤の投与が1か月遅れたからと云って、再発が多くなるとしたエビデンスはありません。抗癌剤は投与時期よりも、その薬に感受性があるか否かが重要であると思います。あまり気にしないで転居先の大学病院でしっかり検査をしてもらい、それから抗癌剤の投与をキッチリ受けるようにして下さい。(文責 吉田)

 

No.10555】  12年03月02日    Y
術後治療について

いつも拝見させていただいております。平成18年9月に左胸の温存手術をしました。現在53歳です。病理結果は、「硬癌 センチネル生検でリンパ節転移なし 浸潤径12ミリ 波及度f++ 脈管侵襲ly+ ER、PGR+で5 ハーツー0 核異型度1」で、ノルバデックスのみ5年服用しました。平成21年10月から生理がなかったのですが、昨年7月に生理のような出血があり、10月でノルバデックス服用5年終了で、閉経後のアリミデックスの服用はしませんでした。しかし、それ以降は一度も出血がなかったので、先生にお願いして血液検査をしていただき、閉経状態にあるという結果をふまえて、今年1月初旬からアリミデックスを服用することが出来たのですが、丁度1カ月目に生理のような出血があり、服用中止になりました。折角閉経状態にあったのに、自分の強い希望でアリミデックスを服用して、又女性ホルモンを活発化させてしまったと思うとショックです。主治医の先生は、「心配ならエビスタ錠を服用しますか?」と、言ってくださっていますが、血栓などの副作用もあるし・・・と自己判断になりました。脈管侵襲があるので、再発がとても不安です。エビスタ錠が乳がん治療薬でないのは自分なりに調べて承知しておりますが、御助言よろしくお願いいたします。併せまして、再発率もよろしくお願いいたします。周りに11年目15年目に再発した方たちを目の当たりにして、不安に思ってしまいます。

10年以上経って再発する方は、ホルモン感受性陽性であることが多い傾向にあると思います。しかしアリミデックスを服用して出血があったからと云って、そんなに悩むことはないでしょう。エビデンスはありませんが、心配なら、またノルバッテクスまたはトレミフェン等をあと1−2年服用してからアリミデックス等を服用することにしたら良いと思います。なぜ主治医がエビスタを奨めたのかわかりません。手術時の所見からして、特に再発の危険性が高いとも思えません。(文責 吉田)

 

No.10554】  12年02月29日    N.N.
高校2年生の息子について

高校2年生の息子のことで相談したいと思います。左の胸(乳首)が大きくなっています。1週間くらい前からで、押すと痛みがあると言っております。中学生の頃も片側の乳首が大きくなったのですが、3週間くらいで治ったと記憶しております。病院へ行った方がいいのでしょうか? 男性も乳癌になることがあると聞きますが、高校生(4月で18歳になります)でも乳癌になることはあるのでしょうか? 本人は特別不規則な生活はしていませんが、期末テスト前で忙しいようで、睡眠不足気味ではあると思います。何卒よろしくお願いいたします。

症状からは女性化乳房がもっとも考えられます。ホルモンバランスの影響で男性でも乳腺組織が増殖して女性の乳房のようになることがあり、それを女性化乳房といいます。多くの場合には自然に軽快しますが、長期に続く場合や目立つ場合には治療の対象となる場合もあります。あまり心配はいらないと思いますが、肝機能障害などの内科疾患、薬剤性、稀に脳腫瘍などが原因となる場合もありますので、期末試験が終わってからでもよいと思いますので、一度乳腺科を受診されたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.10553】  12年02月29日    Y 
術後補助の卵巣注射による無病率向上について

これまでの多くの質問とご回答を拝見しました。日々お世話になっております。今回は私自身のことで、また質問があります。ご教示ください。42歳、子供はおりません。2ヶ月前に乳がんと診断され、三週間前に左乳房全摘手術を受け、回復中です。病理検査では、「最大腫瘍径2・5センチ、リンパ転移なし、脈管侵襲ゼロ、ステージ2A、グレード1、ホルモン受容体高感受性、HER2マイナス」とのことでした。リスクの高さは、腫瘍の大きさと年齢(比較的若い)によって、中リスクに分類されました。治療として、2年間の代謝拮抗剤(ドキシフルリジン、薬剤名は「フルツロン」)内服と、5年間の抗ホルモン剤(タモキシフェン、薬剤名は「タスミオン」)を、手術から一週間後に開始しました。病理結果を聞いて、腫瘍の大きさとステージの高さに不安を感じたため、点滴の化学治療の可能性を担当医に打診したところ、現在の状況を鑑みると、それはオーバーな治療であるとの返事を受けました。その代わり、「ゾラデックス」という卵巣の注射を4週間に一度、これから2年行いたいならば、それは意味があるかもしれない、と指示を受けました。ゾラデックス注射は私が諾と言えば、すぐに始まることになっております。ここで二つ質問があります。

1) 私のような症例の場合、ゾラデックス注射で5年・10年無病率および生存率は明らかに改善されるのでしょうか。
2) ゾラデックス注射を2年受ける場合、それ以前に解決しておかなければならない内科的問題はあるでしょうか。例えば婦人科系の検診など。

どうかよろしくお願いします。

閉経前ホルモン感受性乳がんに対するタモキシフェンとLH-RHアゴニスト(ゾラデックス)の併用療法は、手術単独に比べて再発リスクを軽減する効果があり、日本で広く行われている治療です。しかし、タモキシフェン単独と比較した場合には、LH-RHアゴニストの追加効果は明らかではなく、再発リスクや死亡リスクの明らかな改善を示すデータはないのが現状です。LH-RHアゴニストは卵巣機能を抑制し閉経状態にする治療ですので、更年期障害の症状などが現れることがありますが、使用前に特に注意は必要ないと考えます。(文責 浜口)

 

No.10552】  12年02月27日    S
浮腫

昨年6月に組織検査で硬がんとのことで、7月に温存手術をしました。手術中、断片陽性だった為、追加切除を行いました。その時、センチネルリンパ生検をしましたが、色がついている場所が確定できず、4個のみとり検査したとのことでした。3週間後、手術後の検査結果は浸潤性小葉がんという種類であったことがわかったのですが、「小葉がんは、どこにでも転移するがんで、全摘した方がよい。」と聞いて不安です。最初から小葉がんとわかっていても、温存手術の選択肢もありますか? リンパの転移は0でしたが、4個中0だということで、他のリンパ節転移の可能性はあるのではと思うと不安です。手術前のCT検査で、リンパ節のあたりに気になる所があるといわれたのが引っかかっています。手術後2週間で退院した後も、脇にリンパ液が溜まっていて、1週間置きに2回ほど、リンパ液を抜いてもらいました。手術した腕のつっぱった痛みが、最初は上腕だけだったのが、最近は手首まできています。体操やマッサージもしていますが、あまり効果はみられません。最近は浮腫も少しみられる日があります。治るのでしょうか? 手術して下さった先生は手術後すぐに転勤になり、他の先生が診てくれるようになったのですが、病院側の諸事情があり、前任の先生から申し送りを受けていないので、どういう手術をしたかとかは検査結果のみの判断しかできないと言われ、早期発見と思われるし、リンパも少ししか取ってないと思われるので、浮腫はそんなにひどくはならないと思うし、放射線でリンパ液が滞っているのかもしれないので、マッサージをしっかりして下さいとのことでした。検査結果は、浸潤性小葉がん 断片浸潤− 乳管内進展+  コメド−  石灰化− リンパ節転移0/4  ER+  PgR+ 軽度  HER2なし。放射線治療25回と追加照射5回しています。現在ノルバデックスのみ服用しています。よろしくお願いします。

浸潤性小葉癌は乳管癌に比べると乳房内に多発する傾向があり、乳房内再発には注意が必要ですが、画像診断など術前に十分な評価を行えば乳房温存手術も可能です。センチネルリンパ節生検後の腋窩リンパ節再発の頻度は低いので、あまり心配しないでよいと考えます。術後の腕のつっぱるような痛みの原因はリンパ浮腫以外に、Axillary web syndrome(AWS)も考えられます。AWSは術後に腋窩から上腕のリンパ管が閉塞することによって起こる症状で、腋窩〜上腕の皮下に索状のスジを認めます。多くは自然に改善するようですが、リンパドレナージなどを積極的に行う方がよい場合もありますので、もう一度主治医に相談してみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.10551】  12年02月27日    E.H.
今後の治療について

41歳主婦です。2011年10月半ばに乳房温存手術を受けました。病理結果は、充実腺管癌、原発巣1.3cm、リンパ節転移なし、断片陰性、核異型度・・・3、HER2・・・3+、KI67・・・60〜70%、ER・・・8 PgR・・・5、脈管侵襲ありでした。抗がん剤EC療法4クール(11月半ば〜1月)終わったところです。2月からハーセプチンを3週毎に17クール、3月から放射線を2グレイ×25回、ノルバデックスを服用する予定です。

1) 標準的な抗がん剤治療は、EC→T→ハーセプチンと本で読んだのですが、私はやらなくて大丈夫でしょうか?
2) 担当医の先生に、「癌が1cmの大きさになるには10年位かかるけれど、私の場合、3,4年だ」と言われたのですが、KI67が60〜70%だと、そんなに早く進行するのでしょうか? その場合、再発・転移したときも、進行は早いですか?
3) 私の予後はどうですか? 再発転移は5年以内が多いのでしょうか? 何年たったら安心できますか?
4) 旦那の海外転勤があります。ついて行った場合、定期健診は何をどの程度受けるべきですか?

日本の方が安心なのですが(言葉が通じる・医療技術が高い?)、海外でも安心して治療は続けられるのでしょうか? 私は、飛行機で片道2時間かけて通院することになるようです。外務省のHPで危険情報が発令されている治安の悪い場所で、空港で襲われることがよくあるようです。それも不安です。

再発リスクや治療効果を予測するAdjuvant! onlineによれば、現在の治療による10年間の再発リスクは7%程度と推測されます。Adjuvant! onlineでは、HER2やKi-67の情報が十分には反映されていないので、あくまでも目安ですが。タキサン系抗がん剤の上乗せ効果は小さいので不要という主治医の先生の判断ではないでしょうか。HER2が高発現しているタイプでは、早い時期の再発が多いですが、ホルモン感受性のタイプでは10年以上経ってからの再発もあります。いつになったら安心と言えるかは難しいですが、年々再発のリスクは減っていくと考えられます。海外での状況については国によって大きく異なると思いますので、現地の方に確認頂くのが確実と思います。(文責 浜口)

 

No.10550】  12年02月27日    P 
腰痛

いつも見させて頂いております。お忙しいなか、患者の不安のため時間をさいて頂いてありがとうございます。昨年の5月に左乳がん温存手術、6月終りより放射線後、経過観察中です(トリプルネガティブのため、現在は無治療) 。1月に無事検診も済み、次回は5月の1年検診の予定ですが、1月の終りから少し腰に違和感があったのが、先週くらいから腰痛になってきています。術後、重いものはすべて健側で持つようにしてるので、そのせいかな、と思っており、さほどキツクもなかったのですが、昨日くらいから痛みが増してきました。そこで心配なのが骨転移ですが、どの程度続けば骨シンチやCT等のcheckをすべきなのでしょうか? (頭痛や尿検査でひっかかり、MRI,CTと行って、何も出てこなかったので、あまり早々に検査をするのも気が進みません) 1月中の検診の際には、腫瘍マーカーとエコーのみですが、問題はありませんでした。腰痛の場合、即、検査した方がいいのか?、1ヶ月位様子を見た方がいいのか? (正直、骨転移とは思いたくない気もして)  どうか宜しくお願いいたします。

腰痛の原因は骨転移ばかりではありませんので、あまり心配しすぎないでよいのではないでしょうか。明確な基準はありませんが、1ヶ月ほど様子を見て、症状が悪化するようであれば早めに主治医に相談したらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.10549】  12年02月21日    M 
今後の治療について

46歳主婦です。2月8日に乳ガンの手術をしました。センチネルリンパ節生検で、」乳房温存法です。ガンは浸潤癌で、硬癌で大きさは15ミリです。リンパ節の転移はなしです。病理検査はまだ出ていませんが、主治医の先生には、抗癌剤治療、放射線治療、ホルモン剤をするように言われました。仕事や家庭の事を考え、ホルモン剤治療だけにしたいのですが、そうすると癌の再発があるのでしょうか? リスクは高くなるのでしょうか? 抗癌剤治療は受けないと言っても大丈夫たのでしょうか? 毎日悩んでばかりです。よろしくお願いします。

最終的な、病理検査の結果をもとに再発の可能性を予測し、ホルモン療法単独でもよいのか、抗癌剤も使用した方がいいのか判断します。抗癌剤を追加したほうが、通常再発率は低くなります。しかし、抗癌剤の副作用を考えて、再発率の減少が何%以上であれば、あなたは副作用を我慢できるでしょうか? 1%の減少効果でもがんばれますか。それとも10%以上必要ですか。その点を主治医とよく相談してください。(文責 徳田)

 

No.10548】  12年02月21日    M 
余命半年

現在40才。26才の時に乳ガンが見つかり、温存療法で手術をしました。34才で再発、全摘出手術を行いました。1年位はアリミデックスを服用していましたが、ホットフラッシュ等あり、全摘出したからという安心からか、治療と検診すら行かなくなりました。昨年11月位から背中等の痛みがありましたが、マッサージ等で和らいでいました。今年に入り、胸痛や腰痛があり、1月末に突如足に力が入らなくなり、検査した所、胸椎、腰椎、せん骨、肺、肝臓に転移が見つかりました。数日で膀胱直腸反射が無くなり、現在オムツで、歩行も勿論無理の状態です。余命半年以下、手術、抗がん剤は無理。過去にほとんどホルモン療法をしていなかったため、当初ホルモン療法という話しもありましたが、肝臓の転移がひどいため、かえってする事で体力が低下するため断念。現在放射線を背中に照射(10回予定)しています。本当にもう手立てが無いのか。抗がん剤やホルモン剤は無理なのか? 検査データです。
AST34  ALT30  LDH213  GTP184  ALP459 CEA 59  CA15-3 203  NCC-ST-439
610

ご教授いただけますでしょうか? 宜しくお願いします。

肝転移がある以上、薬物療法が必要ですが、ホルモン療法も断念するくらいの肝機能であれば、抗がん剤もまず使用できないと思います。黄疸指数がわかりませんが、示された検査データからは、それほどの肝機能低下があるとは考えられません。原発巣のER, PgR, HER2の状況を踏まえて、もう一度主治医とどのような薬物療法が可能なのか相談しましょう。(文責 徳田)

 

No.10547】  12年02月21日    E
ノルバデックスと抗鬱剤

乳癌のホルモン治療剤「ノルバデックス」を飲んでいるのですが、鬱になり、抗鬱剤として「リフレックス」を飲んでいます。両薬を併用しても問題は無いのですか。

ノルバデックスを活性型代謝産物に変換する酵素の阻害作用は、軽度ながらリフレックスにもあるので、可能であれば、変更した方が良いと考えます。(文責 徳田)

 

No.10546】  12年02月21日  Y
癌の進行と血小板減少について

初めてご相談させていただきます。二週間前、2月8日に、乳がんの左乳房乳腺全削除の手術 をしました。42歳、生理はまだあります。子供はおりません。病理検査は次のようなものでした。浸潤癌(硬癌+乳頭線癌)、三カ所に癌、最大腫瘍径2,5センチ、リンパ転移なし、血管・リンパ管侵襲なし、ステージ 2A(腫瘍の大きさから)、ホルモン反応性は高感受性、HER2 陰性、悪性度グレード1。手術直前のPET/CT検査、および手術後のエコーで肺と肝臓に転移がないことは確認されています。治療方法としては、放射線および静脈化学療法は必要なしとされ、 タキシモフェン(タスミオン)を5年間、ゾラデックス注射を 2年間、経口抗がん剤(フルツロン)を2年間の処方を提示されました。さて、ここからが質問なのですが、血液検査の結果では、私の血小板は6万程度で、非常に少ないということです。ここ2年ほど、生理期間が長く、出血の色合いも、ますます鮮やかで明るい赤になっていて驚くことがあり、40歳前後の身体の変化として、特筆できるものの一つに数えておりました。手術は2月8日だったのですが、今回の生理は1月25日に始まり、手術前々日に途絶えたと思うと、手術後2日目からさらに多くなって戻ってきました。現在2月17日で、生理はまだ十分に続いています。また、乳がん全摘手術後45時間して初めて歯を磨いたとき、口から吐き出す水が真っ赤でした。歯茎から血が出たようでした。手術と関係があるかどうか分かりませんが、ここ数年、血液の成分が変わりつつあって、それがこのひと月に顕著な症状になっているように思います。出血や血小板減少の症状は、この数年進行していたに違いない癌と関係があるものでしょうか。骨髄などに影響を与えているのでしょうか。腫瘍マーカーは正常値と言われています。どうか、質問のご検討をよろしくお願いします。

血小板が6万というのは、異常と思います。ただし、手術が可能のレベルなので、今すぐ日常生活に支障があるようなことはないと思います。乳がんとの関連は考えにくいです。やはり、血液内科に相談すべきと考えます。(文責 徳田)

 

No.10545】  12年02月19日   G
骨転移?

昨年の6月に乳がんの診断を受け、温存手術を受けました。39歳です。最近腰痛が続いているので、過度な心配はよくないとわかってはいるのですが、ついつい骨転移?などと不安になります。乳がん診断時には、腫瘍が6mmの大きさということで、検査はしても見つけれないとのことで、全身の検査はしておりません。病理の結果、腫瘍の大きさ1.0cm、センチネルリンパ節生検2個で陰性、腫瘍の悪性度2、ER100%、PgR100%、HER2 3+、脈管侵襲 ly-1,v-0 とのことでした。その後、抗がん剤治療で、EC4回、タキサン4回終了、現在ハーセプチン、放射線治療中です。術後7ヶ月位でも、転移再発というのはありえるのでしょうか? 個人差もあるでしょうが、このような状況で、最短で再発するとした場合、概ね術後何ヶ月くらいからなのでしょうか? お忙しい中誠に恐縮でございますが、ご教示頂けると有難いです。宜しくお願い致します。

再発の確率は、10年間でも5%以下と予想され、再発するまでの平均期間は、計算できません。再発する確率はゼロではないので、再発する方は、少ないですが存在し、術後数ヶ月の方もおられるでしょうし、10年以上たって再発する方もおられるでしょう。再発する方の70%は、3年以内に再発しますが、全体でみれば数%です。むずかしい質問です。(文責 徳田)

 

No.10544】  12年02月19日   S子
オペ後5年以降のフォローについて

2006年に温存手術(浸潤癌1.2センチ、その他何箇所か非浸潤)、ホルモンマイナス、ハーツー強陽性、グレードV、術中センチネルプラスにて、抗がん剤(FEC4+タキソテール4)、放射線60グレイの治療を受けました。初発時はこちらでもお世話になりました。有難うございます。その後、途中で健側にも怪しいものがあり、そのおかげで、オペ後3年位はわりと頻度にエコーしてもらえたりし、その後は特に異常もなく(その病院は血液検査・触診・エコー・マンモがフォロー検査です)、5年以上経過しました。よく乳がんは10年フォローされると聞きますし、担当医からも来年また来るようにと言われましたが、私のようにホルモンマイナスだと、比較的早期に転移のおそれなどあり、それをすり抜けると、その可能性はぐっと低くなると何かで聞きました。リンパに1個小さい転移があったので、仕方なく抗がん剤も受けましたが、治療を受けている間に、小さいリンパへの転移は転移と言わないという見解に変わったようです。正直6年目以降はパスして、乳がんとはおさらばし、万一何かあれば受診するでよいのではと思ってるのですが、その場合、医療サイドから受け入れてもらえないものでしょうか?

最終的には、ご自身が決めることですが、再発を疑ったら、いつでも受診可能です。私のお勧めとしては、1年に1度、両側のMMG、USを含めた乳がん検診をしてください。(文責 徳田)

 

No.10543】  12年02月19日   T.I.
今後の治療方針について

昨年28歳で乳ガンが発覚、現在29歳、既婚、子どもなし。術前の細胞診の結果、腫瘍サイズ1.7センチ、リンパ節転移なし、ホルモン感受性(-)、HER2(3+)、核グレード2〜3(定かではないですか3だと思います) 。 術前にハーセプチン+タキソテールを6クールし、乳房温存手術後、現在は放射線治療中、術後ハーセプチン残りを投与予定です。術後の病理結果は、腫瘍サイズ2ミリ、脈絡浸潤なし、HER2(3+)、ER15.8%、PR0%となり、ホルモン療法が追加となりました。妊娠を強く希望しており、ホルモン治療をすることに迷いがあります。主治医と話し合い、ノルバデックスを2年内服はどうかと勧められました。リュープリンなどは、しない予定です。
1) ERの感受性が低い上、標準5年服用のノルバデックスを2年で中断して効果はあるのか?
2) ホルモン治療をせず、ハーセプチンの投与が終わったら妊娠にチャレンジするという選択ではどうか?
3) ホルモン治療をした場合、服用終了後いつからが妊娠可能か?

ご意見お聞かせ下さい。

1) ERが10%以上あり、ノルバデックスは、服用しないより2年間服用するのは有用です。
2) ハーセプチン終了後、完全に体内からハーセプチンが消失する6ヶ月程度避妊する。また、おそらくタキソテールのために無月経状態である月経が再開する時期を考えると、2年間のノルバデックスの内服は、可能ではないでしょうか。
3) ノルバデックス終了後2ヶ月は、妊娠を避けるべきとされています。(文責 徳田)

 

No.10542】  12年02月18日   M.F.
アブラキサンの補助療法

いつも参考にさせていただいています。術後の抗癌剤についての相談です。ステージ1、トリプルネガティブ、グレード3、basal-like、MIB-1 80% 、現在AC療法を受けています。この後、アルコールがだめな為、アブラキサンを4クール予定しています。ただ、アブラキサンは術後補助療法としては適用されない事を知りました。病院によっては使用しない、また保険適用外などという文章をネットで読みました。私のようなトリネガでアルコールが使えない人の補助療法は、アブラキサン以外の選択肢をした方がいいのでしょうか? また、このような補助療法で、アブラキサンは実際に使用されていないのでしょうか? 再発時の使用と補助療法の使い方にの違いには、なにがあるのでしょうか? また保険が適用されないこともありえるのでしょうか? どうぞよろしくお願いいたします。

アブラキサンは、抗がん剤としてはタキソールと同じものですので、タキソールのかわりに使うことは、理論的には問題ありません。とくにタキソールが使用できない状況ではなおさらです。ただ、健康保険は別問題で、術後補助療法は適応外ですので、地域によっては、査定される可能性があります。しかし、査定されたとしても、あなたにとっては、あまりマイナスはなく、主治医が勧めているのであれば、まかせてよいと考えます。(文責 徳田)

 

No.10541】  12年02月18日   T
ハーセプチンについて

発見時37歳の妻の乳がんでの質問です。腫瘍の大きさ1.7X1.8で、周りに惑星状に4個ぐらい小さい腫瘍あり、ホルモンは80%と70%、ハーツーマイナス、リンパは1本怪しいということで、術前化学療法を行いました。温存手術後の結果、奏効度は2Aで、周りの小さな腫瘍は全て無くなり、3ミリ大の腫瘍が3箇所ぐらい残っていました。リンパ節は0/7で 、ホルモンは両方100%で、放射線治療後、現在ゾラデックスとノルバデックスによるホルモン療法をしています。しかし術後のハーツーが2+で、FISHでプラスでした。先生にハーセプチンの質問をしたところ、抗がん剤と同時に使用しないと効果が薄いし、術前に抗がん剤を使用しているので、ハーセプチンは使いませんと言うことです。トリプルポジティブの場合、ハーセプチンは必須だと思っていたのですが、ホルモン受容体の数値が高いので、ホルモンだけでとのことです。これは標準治療内でしょうか? ハーセプチンは必要ないのでしょうか? 長々と失礼しましたが、ご意見をお聞かせください。

術前化学療法を行なった場合は、術後ホルモン療法とともにハーセプチンを1年間投与するのが標準です。(文責 徳田)

 

No.10540】  12年02月18日   S
術後病理結果のコピーについて

4歳の母の事なのですが、組織診でDCISとの診断で、2週間ほど前に乳房温存術とセンチネルリンパ節生検を受けました。 日帰り手術で出来ると言われたのですが、怖かったため、入院して全身麻酔にて手術を受け、4日間で退院しました。術後のリンパ液を抜くドレーンはしていません。 術後14日目(抜いた回数5回、退院後1日置きの間隔で抜いてます)で、まだリンパ液が35〜50cc出ているので、リンパ液が出ているうちは放射線治療を受けられないと言われました。 術後の病理組織診ではっきりとした診断がついて、詳しい結果を教えてもらえると思っていたのですが、病院によく置いてある乳癌患者さんの自分の記録用の小冊子に腫瘍の大きさを書き込み、あとは以下のチェック項目にマルを付けて渡されただけでした。
病理組織学的診断:非浸潤癌 、腫瘍径(拡がり):15ミリ×15ミリ 、浸潤度:乳腺内 、リンパ管浸襲:0 、血管浸襲:0 、センチネルリンパ生検:0/2(転移なし) 、切除断端:陰性 、ステージ:0 まだ出ていないのか、ホルモン受容体のERとPgR、HER2、グレードには何も書かれませんでした。
ネットで調べてみますと、乳癌の患者さんが病理医の書いた術後の詳しい病理検査の報告書のようなものを載せていらっしゃるので、そういうものを頂けると思っていたのですが、主治医に結果のコピーを頂きたいと言ったところ、「基本的にそういうものはあげていない」と言われ、貰う事が出来ませんでした。 ホルモン受容体の結果の事も聞いたのですが、「放射線療法はするが、非浸潤癌だから薬物療法はしないので、わからなくても問題ない。ホルモン受容体の判定は、浸潤癌なら必要だけど、非浸潤癌だから必要ない」という様な事を言わました。 術後の確定診断なのに、詳しく説明して貰えず、病理医からの病理診断の結果も見せて頂けないので、何か隠している事でもあるのか、本当に1mmも浸潤していなかったのか、そもそもホルモン受容体は調べたのか、陽性ならばホルモン療法を受けたほうが良いのではないかと、色々と不信感が募ってしまい、心配になってしまいました。 長々と愚痴のような事を書いてしまい恐縮なのですが、お聞きしたい事は

1) 術後の病理結果のコピーは、患者は貰えないものなのでしょうか?
2) 非浸潤性癌の場合には、薬物療法はしなくても良いのでしょうか?
3) 非浸潤性癌であっても、薬物療法をした方が再発の可能性が低くなるのではないのでしょうか?
4) リンパ液は一般的に術後どのくらいで出なくなるものなのでしょうか? (毎回、赤く透明な液が出ています)
5) リンパ液が出ているうちは、放射線療法は出来ないのでしょうか?
6) 術後何日以内に放射線治療を受けたほうが良いのでしょうか?

という事です。 くだらない質問かもしれませんが、どうぞよろしくお願い致します。

1) 内容は、英語や医学用語が使われており、理解しにくいかもしれませんが、私は、希望される方には、コピーを差し上げています。
2)3) ホルモン受容体陽性であれば、放射線療法に追加して、タモキシフェンを5年間服用した方が、局所再発は少ないとされています。
4) センチネルリンパ節生検では、通常、あまり貯留しません。
5) 吸収されにくくなる可能性があり、待った方がよいと思います。
6) 術後3ヶ月以内であれば差はないとされています。(文責 徳田)

 

No.10539】  12年02月16日   紅穂
腫瘍マーカー (HPNo.10435-2)

昨年11月9日に相談させていただいた、紅穂です。その後、腫瘍マーカーはCA15ー3だけが、相変わらず、毎月2くらいずつ上昇しています。今月は26になりました。他のマーカーは低いままです。基準値は27ですが、この基準値とは、27を越えたら危ないということなのでしょうか? 加齢で上がっているようなのですが、いくつくらいまで上がっていくものでしょうか。やはり気になります。どうかよろしくお願いします。

正常値内の変動は、測定誤差を含めた誤差で、ご心配いりません。基準値とは、通常、健常な方の95%が含まれる値です。したがって、健常な方でも2.5%は、基準値を超えることがあります。腫瘍マーカーは、あくまで参考です。経過と画像所見などから、総合的に判断します。(文責 徳田)

 

No.10538】  12年02月16日   C 
右胸のしこり

以前別件で質問させていただきました。7年前に右胸にシコリを発見し、その時は、マンモとエコーで「線維腺腫」と診断されました。昨年8月に、別の症状で受診したところ、右胸のシコリが気になると言われ、再度マンモとエコーを受けましたら、多分良性だと思うけど、100%否定は出来ないとの事で、1月に針生検をしました。結果は良性でしたが、シコリの形がガンに似てるから、100%否定は出来ないとの事でした。シコリの大きさは、昨年8月と先月末では、2pと、変わっていませんでした。7年前からあるシコリなので、多分大丈夫だと思うけど、シコリを取り出して検査をしてみないと100%否定は出来ないので、気になるならいつでも手術しますので、との事でした。もしガンだったら、7年も放置していた事になりますし、針生検でも良性と出ているので、大丈夫と思う反面、形がガンに似てると言われると気になります。年をとると小さくなると聞いていたので、放っておくつもりでしたが、取った方が良いのでしょうか? ガンの可能性もあるのでしょうか?

線維腺腫ががんに変わることはありません。極めてまれに、腫瘍内の乳管からがんが発生することはあるかもしれませんが、その確率は、きわめて少ないことは乳管の量を考えるとご理解頂けると思います。しかし、腫瘍を切除するのは、局所麻酔で1時間程度で終了しますので、精神的に負担であれば切除を勧めます。(文責 徳田)

 

No.10537】  12年02月15日   S.M.
治療後の妊娠について

初めて相談させていただきます。39歳、去年の夏に、ホルモンER(-)、PgR(-)、HER2(2+)のステージU-Bの乳がんが見つかりました。乳がんは右胸に3箇所あり、大きさは【43x31x22mm】、【17x14x14mm】、【6x5x5mm】です。組織学的グレードは、NSAS-BC及びModified
Bloom-Richardsonともに3、MiB-1陽性率は50〜ほぼ100%です。10月に右乳房切除手術を行い、TC療法で抗がん剤治療(4クール)を行い、1月に終了しました。治療当初はトリプルネガティブ癌と言われていたのですが、最近になって、シグナル比が 2.7 とわかり、ハーセプチン投与を勧められています。現在、結婚を控えており、パートナーは子供を切望しています。ハーセプチンの治療が終わると年齢が40歳となり、妊娠率が一気に下がります。担当医からは、ハーセプチンが生理に影響を与えないと話をされましたが、良く分かりません。抗がん剤とハーセプチンの治療が完了した後、生理が戻り、妊娠・出産は可能なのでしょうか? また、抗がん剤やハーセプチンは妊娠に悪影響を及ぼすのでしょうか? お忙しい中お手数ですが、ご回答宜しくお願いいたします。

1) ハーセプチンは、月経には影響を与えません。しかし、胎児には重大な影響を及ぼす可能性があり、投与中は、避妊をすべきです。避妊の期間については、明確なデータはありませんが、ハーセプチンが体内から消失する期間が、投与終了後約6ヶ月であることから、その程度は避妊をしておいた方がよいと考えます。TC療法は、すでに終了しているので、これからの妊娠には影響はありません。
2) 現在月経がとまっているようですが、これは、TC療法による卵巣機能の低下のためと考えられます。TC療法でのデータはありませんが、一般的に40歳以上の方よりも少ないですが、40歳未満の方でも化学療法のために恒久的に無月経になることがあります。また、無月経から、回復するまでに12ヶ月以上かかることもあります。一方、ハーセプチンは、無月経からの回復にも影響を与えないと考えられます。

以上より、気持ちはよくわかりますが、再発のリスク、ハーセプチンの再発抑制効果、月経再開までの時間を考えると、避妊しながらの1年間のハーセプチンの投与を勧めざるをえません。(文責 徳田)

 

No.10536】  12年02月15日   Y
粘液癌

34歳です。今年1月後半にクリニックでマンモトーム生検をし、1月末に粘液ガンと診断されました。ホルモン受容体90%、比較的おとなしい癌で、リンパへの転移もないだろうとのことで、乳房温存手術とセンチネルリンパ生検をし、術後の治療も放射線治療はしないで、ホルモン療法のみで大丈夫と言われたので、安心して手術をしようと思っていました。しかし、友人、知人が心配をし、術後の設備も整った大病院で手術もした方がいいのではと勧められ、有名ながん専門の大病院に紹介状を書いてもらい、診察していただきました。結果、手術は1か月半待ちのため、いまかかっているクリニックで、来週にでも手術をし、ホルモン療法と放射線治療を早く開始したほうがいいとのことでした。乳房温存手術を行ったら、必ず放射線治療はしないといけないというふうに決まっていると教えていただきました。クリニックの先生には、放射線治療は必要ないと言われたので、正直クリニックで手術をするのは不安で、少し不信感もつのります。しかし、マンモトーム生検をしたら、癌細胞が散布してしまうから、早く手術をした方がいいと、噂ですが聞いた事もあり、直ちに、今かかっているクリニックで手術をした方がいいのか、手術の待ち時間があっても、放射線治療も行っている病院に転院して手術した方がいいのか(手術の待ち時間はまだ確認できてません)、すごく悩んでおります。マンモトーム生検をして、5日間毎晩鼻血が出ました。マンモトーム生検は関係ないと言われましたが、心配です。しこりの大きさも少し小さくなっております。お手数ですが、どうかアドバイス、よろしくお願いいたします。

1) 乳房温存療法後に残存乳腺に放射線療法を追加するのが標準です。放射線療法は、手術と同じ施設で行なう必要はありません。照射設備のある施設に紹介していただけばよいのです。紹介していただけないようでしたら、他の施設での手術をおすすめします。
2) マンモトーム生検後に直ちに手術をしないと予後に影響があるという根拠はありません。
3) 術後のホルモン療法などについては、手術の結果で判断すべきです。必要があれば、そこでセカンドオピニオンを求めてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.10535】  12年02月07日   M
腫瘍マーカーの上昇

いつも参考にさせていただいています。57歳です。6年前に乳癌の手術を受け、抗がん剤の治療後、5年間ホルモン治療を受け、2011年8月から無治療です。ステージIIbでした。CA15の数値が2010年12月8.9、2011年8月24.4、2011年12月43.7と上昇し、2012年1月には71.7でした。3ヶ月ほど前から息苦しく感じることが多く、そのことは医師に伝えましたが、次回は2月末に血液検査を受けるようにとのことでした。その時にまた数値が上昇していたらPETを受けるよう言われました。息苦しさは継続しています。胸のCTで肺転移かどうか判断できないものなのでしょうか。次回の血液検査を待たずにCTを撮ってもらうことは無駄なのでしょうか。ご教授いただけますでしょうか。

乳がんの腫瘍マーカーであるCA15-3はおよそ25以下が正常とされております。貴女の場合、2010年12月に8.9だったのが24.4,43.7,71.7と着実に上昇してきており、再発の存在の可能性を否定できないと考えます。まずCTなどで全身のチェックを行うのが良いと思われます。主治医の先生とよくご相談下さい。(文責 谷)

 

No.10534】  12年02月06日   H
肺転移

乳ガンの転移の質問です。乳ガン術後のCT検査で、再発やリンパの腫れもありませんでしたが、肺に4ミリの影が見つかりました。2ヵ月後に再検査します。ちなみにCT検査の2週間前に風邪をひきました、それと喫煙習慣もありました、肺癌になっても仕方ないのですが、教えて下さい。乳ガンの肺転移の場合、リンパも腫れず、乳腺にも変わりがなく、肺だけに癌が現れるのでしようか? よろしくお願いします。

乳ガンが肺だけに転移すると、肺以外には何の症状も見られません。

 

No.10533】  12年02月06日    K
患部からの浸出液

3月末に右乳より血乳がありました。諸検査の結果、右の乳管内乳頭腫の疑いで、6月28に右乳管腺葉区域切除術を受けました(現在病理結果待ち)。術直後は特に問題がなかったのですが、術後5日目より右乳に生理前のような腫りがあり、徐々に増強。発熱と患部の熱感のため、抗生剤の点滴を受けました。腫れや熱感、発熱は治まりましたが、傷がその張りのためか避けてしまい、浸出液が多量に出ており、毎日生食洗浄+ガーゼドレンで排液してもらっています。浸出液の色は、手術時に使用した青の染色液と黄色のもので、異臭はありません。先生は、傷のしたに袋のようなものができていて、そこに浸出液が溜まっているので、治るのには時間がかかるとおっしゃています。袋ができているという意味がよくわからないのと、染色液が2週間以上も経った今もでることがよくわからないのですが、そういうことってあるのでしょうか? また、そのような経過を辿った原因は何かあるのでしょうか? 術後、2日しか仕事を休まずに仕事復帰し、力のいる仕事をした事や、夏場で汗をかき創部が不潔になったことが原因ではないかと、ちょっと後悔しています。

乳管腺葉区域切除術後の創の離解とのことですが、直接拝見しておりませんので、その原因をお話しすることは困難です。ただ手術の際に乳管の位置を確認するために使った青い色素は、細い乳管の広い範囲にわたって入り込んでいることが多く、それがまだ少しずつしみだしてきているのだと思います。原因や今後の見通しに関しましては、再度主治医の先生によくお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.10532】  12年02月06日    M.S.
肺転移後のゼローダ、フェマーラの併用について(HPNo.10525-2)

先日、母のことでご相談させていただきました。昨日、肺のCTを撮影し、肺に1cm以下の腫瘍が5つ見つかり、「多発性肺転移」との診断を受けました。ただ、大きさから考えて、5年前には既に飛んでいたものがホルモン剤で抑えられていた可能性もあるとのことでした。今後は、フェマーラ、骨密度対策のベネットに加え、ゼローダという経口抗がん剤を飲むこととなりました。転移した癌の大きさから考えて、ゼローダでおそらく消えるのではないか?とのお話でした。しかし、周りでゼローダを服用している方達は、病状が重い方が多いので、ゼローダを提示していただいたということは、病状が思わしくないのではないか・・・?と不安になってしまいました。
1) フェマーラとゼローダを併用するのは、よくあるパターンなのでしょうか?
2) ゼローダを今の段階で使用して、今後の抗がん剤選択に支障が出ること等はないでしょうか?(使えないものがでてしまうことや、「切り札」的なものがなくなってしまう等。)
3) アリミデックス、もしくはアロマシンに替えていただいた方が良いのでしょうか?(フェマーラの効果が出ていないのでは・・・?と不安です。)

お忙しい中恐縮ではございますが、ご回答いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 理屈の上からは、フェマーラ使用中に再発したとなるとフェマーラが無効であると判断し、フェマーラを中止とし、ゼローダ開始というのが正しいということになりますが、再発までの経過が長いことなどを加味して、フェマーラも中止しきれないのだと思います。実際には、しばしばみられる処方の組み合わせだと思います。
2) 乳がんに効果的とされる抗がん剤は、まだ何種類もありますので、現段階でのゼローダの使用は問題ないと考えます。
3) 仰る通りホルモン剤を変更するという選択肢もあると思います。ホルモン剤の変更をするのであれば、アロマシン、フェソロデックス(昨年暮れより日本でも発売開始)などが有力であると考えます。しかしゼローダ開始と同時にホルモン剤も変更すると、その効果や副作用がわかりにくくなる可能性がありますので、変更するのであれば、ゼローダ開始後の経過を少し経てからの変更になるかと思います。(文責 谷)

 

No.10531】  12年02月06日    D
胸筋リンパ節再発について

現在、46歳の女性です。1998年に乳がんと診断され、1999年3月に乳房温存術を受けました。その間、ゾラデックス注2年、フルツロン2年、ノルバデックス5年、化学療法6回、放射線療法25回 施行しました。2004年に温存乳房に再発があり、部分切除。内服はフェマーラ1錠に変更。その後、2007年に再度再発あり、乳房全摘施行。2009年、2010年とたて続きに再発があり、そのつど部分切除していたのですが、2011年4月に切除皮膚が足りないとのことで、皮膚移植施行。分類は粘液癌で、毎回同じ細胞だそうです。その間、内服薬は、アリミデックス・アロマシンを各1錠。2011年からは、フェマーラ3錠を内服しています。2012年になり、造影CT施行したところ、胸筋内リンパ節に転移が認められるかもとのこと。「3ヵ月後に、再度造影CTと採血で様子観察しましょう。」と、言われました。また、「もう手術はできないので、ホルモン剤から抗がん剤に変更しましょう。点滴は必要ない。」と、いわれました。経過も長いので、もう治療方法はないのでしょうか? 手術・化学療法などはできないのでしょうか? PET検査で全身の状態を検査してもらいたいのですが、粘液癌は、PETでは撮影できないのでしょうか? 長々とすみませんが、よろしくお願いいたします。

13年以上にわたって前向きに乳がんと戦ってこられたことにまず敬意を表します。局所再発が何度も続いた後、今回は胸筋内のリンパ節転移の可能性があるとのことです。もしそれが本当に転移であると診断されれば、ホルモン剤は無効と判断し、抗がん剤の使用(=化学療法)が一般的かと思います。何度も局所再発に対する手術を施行されていますので、再度の手術は困難なのかもしれませんし、今回は局所再発ではなくリンパ節転移になるので、全身治療である抗がん剤治療が必要であると仰ったのかもしれません。粘液癌でもPET検査での診断は有効であると思います。ご希望なら、次回診察時PETの御相談をされればいかがでしょうか? (文責 谷)

 

No.10530】  12年02月06日    M 
転移について

2002年5月に、29歳で非浸潤癌、皮下乳腺全摘手術をしています。リンパ節0/10、ホルモンレセプター(+)、その後、無治療。2003年10月に局所再発。胸骨傍リンパ節転移なし、プロゲステロン80%、エストロゲン40%、ハーセプチン2(−)。フルツロン2年服用。ノルバデックス5年間服用。内服中に妊娠希望し、約1年半後に治療を中断して第一子出産。その後、再び内服開始し、2年ほどノルバデックスを服用後に終了。2010年に第二子出産。その後は無治療でした。2011年11月の検査で、CEA9.4(正常5以下)となる。今まで0.5以下で推移。CA15−3は基準値内。胸部CT異常なし。肝臓エコー異常なし。胃カメラ、大腸カメラ異常なし。肝臓、胆のう、膵臓エコー異常なし。特別な症状の自覚なし。今後の転移探しは、PETと骨シンチとなります。

1) ホルモンレセプター(+)という結果のようですが、転移が見つかった場合、ノルバデックスを服用してしまっているので、次は化学療法になるのでしょうか?
2) もし、骨シンチ、PETでも転移が見つからなければ、次はどのような検査をすべきでしょうか?
3) もし、骨転移が見つかった場合は、全身に転移していると仮定されると思いますが、その場合は余命はどの程度なのでしょうか?
4) 脳への転移も検査をした方がよいでしょうか?

よろしくお願いします。

1) もし転移が見つかった場合、ノルバデックスの服用中止後1年以上経ての再発ということになりますので、再度ノルバデックス服用という選択肢もあると思います。その場合、転移の場所、程度などからホルモン治療がよいのか抗がん剤治療がよいのかを選択することと思います。
2)4) 骨シンチやPETで転移が見つからなければ、実際に転移がない可能性も十分にあると思われます。脳転移のチェックのため頭部MRI(またはCT)は行いたいと考えますが、再度CEAを測定し、さらに上昇するものなのか否かも知りたいところです。
3) もし骨転移が見つかったとしても、ホルモン治療や抗がん剤治療、放射線治療などが十分に期待されますので、それで余命を決定することはできません。(文責 谷)

 

No.10529】  12年02月06日    H
肺の影について(HPNo.10528-2)

44才の主婦です。前回の続きです。1年前に乳ガンになりました。手術後から1年の定期検査、乳腺のMRI検査では異常なし、その2ヶ月後にCT検査で肺に影がある言われました。今回のCT検査の二週間前に風邪をひきました、肺の影は、病気と炎症の違いはわかりますか? また乳腺のMRI検査では、肺の異常まではうつらないのでしょうか? ご回答、よろしくお願いします。

乳ガンの手術をした患者様の多くは、その後身体にちょっとしたトラブルがあると、すべて乳ガンが転移したのではと不安になります。貴女の場合、CTで肺に影があると言われたわけですから、とてもご心配で居られることとお察し申し上げます。貴女の検査結果を直接拝見したわけではありませんので詳細はわかりかねますが、CTにうつる小さな影の場合、半年など少し時間をおいて再度CTで評価する以外他に方法がないことがしばしばあります。乳腺のMRI検査は乳腺だけを詳しく見るように設定されておりますので、肺に関しては全く情報が得られません。炎症性の影と腫瘍による影は通常は少し違うので区別がつくことが多いのですが、時に似通った影もありますので断定はできません。今後も主治医の先生とよくコミュニケーションをとり、少しでも心配が払拭していただければと願っております。頑張ってください。(文責 谷)

 

No.10528-1】  12年01月30日    H
肺の影について

44才の主婦です。私は一年前に乳ガンになりました。大きさは1.3センチ、ステージ1でした。放射線治療をして、ホルモン治療もしています。ですが、手術前から喫煙習慣があり、放射線治療中も喫煙していました。術後半年の血液検査では異常なしでしたが、術後一年がたち、CT検査で肺に影があると言われました(手術前にペット検査をした時には、肺には異常はありませんでした) 。先生には、「これからは一年で受ける検査を半年で受けるようになります。」と、言われました。怖くて、今は禁煙しています。もし禁煙を続けていたら、影は小さくなるのでしようか? 大きくなった場合、やはり肺癌なんでしょうか? それと時々胸が少し痛い時があります。不安でたまりません。先生、教えて下さい。

ご相談どうもありがとうございます。肺にかげと言われるとびっくりしますよね。放射線治療をなさったあとに、肺に炎症をおこす可能性はございます。しかし通常であれば、肺に影が有れば、肺転移を疑い時間の経過を追いながら定期検査をしていく場合が多いです。お話からは今の状況で胸が苦しむことはないと思われますので、不安な気持ちが様々な症状を出しているのかもしれません。主治医の先生とご相談いただきながら、
慎重に経過をみていきましょうね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10528-2】  12年02月06日    H
肺の影について(2)

44才の主婦です。前回の続きです。1年前に乳ガンになりました。手術後から1年の定期検査、乳腺のMRI検査では異常なし、その2ヶ月後にCT検査で肺に影がある言われました。今回のCT検査の二週間前に風邪をひきました、肺の影は、病気と炎症の違いはわかりますか? また乳腺のMRI検査では、肺の異常まではうつらないのでしょうか? ご回答、よろしくお願いします。

乳ガンの手術をした患者様の多くは、その後身体にちょっとしたトラブルがあると、すべて乳ガンが転移したのではと不安になります。貴女の場合、CTで肺に影があると言われたわけですから、とてもご心配で居られることとお察し申し上げます。貴女の検査結果を直接拝見したわけではありませんので詳細はわかりかねますが、CTにうつる小さな影の場合、半年など少し時間をおいて再度CTで評価する以外他に方法がないことがしばしばあります。乳腺のMRI検査は乳腺だけを詳しく見るように設定されておりますので、肺に関しては全く情報が得られません。炎症性の影と腫瘍による影は通常は少し違うので区別がつくことが多いのですが、時に似通った影もありますので断定はできません。今後も主治医の先生とよくコミュニケーションをとり、少しでも心配が払拭していただければと願っております。頑張ってください。(文責 谷)

 

No.10527-1】  12年01月30日    さくらこ
術後治療法の選択

いつも大変参考にさせていただいています。去年11月に浸潤性乳管がんの温存手術を受けました。以下の検査結果が出ています。

大きさ: 10mmX8mm(T1)
リンパ節転移: 有、センチネル(1/1)、その他は(1/2)
ホルモンレセプター: 強陽性、ER(5.3)、PR(4.3)
Her2: 当初2+でFISH後の結果は1.1陰性
k:67: 10%
ステージUa

今後の治療ですが、放射線治療とホルモン治療は必須ですが、抗がん剤については医師の間でも意見が分かれるケースだとのことで、最終的にわたくしの決意に委ねられました。ぜひご意見を伺いたいと思います。OncotypeDXを受けようかとも考えています。なお、閉経は五年前です。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。ホルモンレセプター強陽性で、FISH法でHer2陰性、そしてKi-67が10%ですので、Luminal A タイプに分類されます。リンパ節に転移が一個みられるようですが、腫瘍の大きさも20mm以下であり、ホルモン治療を中心に考えていくことになると思います。最終的には主治医の先生ともう一度ご相談いただき、決めていきましょうね。何度でも先生にご確認いただきながら、疑問点を解決して決めていけば良いと思います。どの答えが正解ということではありません。御自分があとで振り返ったときに、「自分はきちんと十分な治療で再発を予防してきた。」と納得できますように、御自分の性格も分析なさって、どこまで行なう必要があるかをお考えになってみてくださいね。これからも応援しています。(文責 高橋)

 

No.10527-2】  12年03月26日    さくらこ
フェマーラの副作用?

HPNo.10527で、術後の治療についてご相談にのっていただきましたさくらこです。その節はありがとうございました。結局、決断はONCOTYPE DX TESTにゆだね、結果が抗がん剤を加えても加えなくても再発率がまったく同じと出ましたので、抗がん剤はやめました。リンパに転移があったので不安でしたが、・・・でも、主治医も抗がん剤はしなくていいでしょうとの判断でした。今は毎日の放射線治療を受けながら、フェマーラを内服しています。四月の初めには骨密度のチェックをしていただく予定です。一か月がたち、警告されていた関節痛などの副作用はまだありませんが、先日、透明なおりものがありました。閉経後、一度もおりものを見たことがありませんでしたので、フェマーラの作用ではないかと不安になりました。こういう場合、婦人科にかかったほうがいいのでしょうか? また、よく言われる関節痛や更年期障害のような副作用は、一般的にホルモン治療開始後どのくらいで現れるものですか? 女性ホルモンを抑えると、肌、頭髪、声などにも男性化が起きるのでしょうか? 更年期障害を抑える漢方薬を飲む効果は期待できますか? 以上、よろしくお願いします。

フェマーラ(アロマターゼ阻害薬)にも帯下の増加など生殖器系の副作用が知られています。少量であれば婦人科に受診するほどではないと思いますが、血液が混じっていたり、量が増えたりするようであれば、受診する方がよいでしょうね。アロマターゼ阻害薬による関節痛の発現時期は様々ですが、数カ月程度の人が多いようです。更年期障害の発現時期も同じような印象があります。アロマターゼ阻害薬で男性化が起こることはありません。漢方薬は更年期障害に効果があるとされていますが、一方で漢方薬に含まれる生薬の中にエストロゲン様作用を有するものも含まれるので、服用に際しては、主治医の先生の意見を仰ぐようにしてください。(文責 大西)

 

No.10527-3】  12年12月13日    さくらこ
小豆粒大のしこり

10527、10646で相談させていただいた、さくらこです(59歳)。2011年11月に温存手術をし、ONCOテストの結果、抗がん剤を加えても再発率は同じと出ましたので、放射線治療のあと、フェマーラを服用中です。術後の病理結果は次の通りでした。

大きさ 10x8mm
リンパ節転移あり センチネル(1/1)その他(1/2)
ホルモンレセプター 強陽性 ER(5.3)PR4(4.3)
Her2  Fish後、陰性1.1
Ki67 10%
悪性度 1
ステージ 2a

10月なかばに、少し早目の術後一年検診を行い、肝臓血腫、腎臓結石などはありましたが、CTスキャンや骨シンチでは何も見つかりませんでした。ところが、2か月近くたった昨日、術側の傷の3センチほど上の皮膚の少し下に、小豆より少し小さめのしこりを見つけ、ショックを受けています。かなりしっかりした固さのあるしこりです。これは再発なのでしょうか? 関係があるかどうかはわかりませんが、2か月ほど前に原因不明の39度ほどの熱が出て、4日間下がらなかったことがあります。また、術後ずっと、術側の背中の表面に近い部分に広範囲に痛みを感じ続けています。一年検診で大丈夫と判明してわずか2か月後に再発ということはありうるのでしょうか? 心配で動悸が収まりません。ご返答をお待ちしています。

創の近くにできたしこりであれば、再発、新しい乳癌、手術時に使った糸が原因の肉芽腫、等いろいろな原因が考えられます。心配しているより。早めに主治医の先生に診てもらった方がよいと思います。(文責 清水)

 

No.10526】  12年01月30日    Y
生検なしで、乳がんではないと確定できるものなのですか?

52歳の主婦です。アドバイスをお願いします。右胸下部にシコリがあり、近隣の乳腺外来にてマンモ、エコー、触診をうけました。結果、良性の腫瘍のようだが、ハッキリする為、生検を受けることをすすめられ、癌センターを紹介されました。癌センターの乳腺外科の医師は、紹介先のデータから、シコリの形が良性とは言い難い、悪性の疑いが強いとのことでした。医師は、「もう一度マンモ、エコー、触診の検査をしてから病名を確定したい。生検はそれから。」との説明でした。次回検査結果の時は、主人も一緒に来るように言われました。検査結果当日、癌告知のつもりで受診すると、「大分脅かしてしまいましたが、良性の線維腺腫ですね。」とのこと。「リンパ等、悪性所見なし。」となっていました。医師は、「葉状腺腫も疑われるので、生検をしたほうがいい。大きさが3.7センチと大きいことからも、手術で取ったほうがいいけれど、そんなに急がなくてもいい。」と言われました。主人は、癌では無くて良かったと、泣いて喜んでくれましたが、私は本当に素直に受け止めて喜んでいいのか、スッキリしないのです。生検なしで、乳がんではないと確定できるものなのですか? 主人は、「癌?〓良性?〓癌?なんて、コロコロ診断が変わるはずがない。良性と言われたのだから。」と言います。良性と言われてから生検をして、もし癌細胞が出たら、また家族に悲しい思いをさせてしまうとか、考えたらきりがありません。生検は、あくまで葉状腺腫だったらこまるから検査しておきましょう、というようなニュアンスでした。その時は癌ではないという医師の言葉に単純に喜び、舞い上がり、深く考えませんでしたが、怖くてたまりません。悪性ではないという医師の言葉を信じて、喜んでいいのでしょうか? 笑われるかもしれませんが、真剣に悩んでいます。アドバイスをお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。おっしゃる通りだと思います。正確な診断名は、針生検をしないと難しいかと存じます。ただし、エコーで観察した時に明らかにやわらかい場合には、「がんの可能性は低い」という言い方で患者様に診断をお伝えする場合がございます。患者様に安心していただきたくて先生は結論を早めにおっしゃってくださったのだと思います。葉状腫瘍の中にも良性と悪性がございますので、最終的にはやはり針生検の結果を待っていただくほうがよろしいでしょう。色々ご不安になってしまうかもしれませんが、一歩ずつ確実に検査をお受けになってくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.10525-1】  12年01月27日    M.S.
アリミデックス5年服用後、フェマーラ服用中のマーカー上昇について

初めてご相談させていただきます。母は現在67歳で、5年前に右胸にステージ2b〜3aの乳がんが見つかり、右胸を全摘し、5年間アリミデックスを服用いたしました(リンパ転移なし、大きさは5p以上、ホルモン陽性、閉経後)。
2011年5月からは、アリミデックスに代わりフェマーラを服用しているのですが、2011年11月にBCA225が167、2012年1月には180と上昇し始めてしまいました。他のマーカー(ca15-3)は変化なしとのことなのですが、主治医の先生によると、「そんなに心配する上がり方ではない」 ということでした。が、念のため、一度肺のCTを撮影していただくことをお願いしました。(定期検診で肝臓、腎臓、膵臓、左胸は異常なしであったため。) 
1) そもそも、このマーカーの上がり方、数値の変化は、どれぐらい緊急を要するものなのでしょうか?
2) アリミデックス→フェマーラの服用を継続すべきなのでしょうか?
3) 再びアリミデックスに替えていただくべきなのでしょうか?
4) 他の系統のホルモン剤に替えていただくべきなのでしょうか?
5) もしくは抗がん剤を考慮する段階なのでしょうか?

お忙しい中恐縮ではございますが、ご回答いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。腫瘍マーカーのわずかな上昇でもご不安ですよね。BCA225の正常値は160以下ですが、これが20~30上昇したからといって、すぐに再発や新たながん出現を疑うわけではありません。通常は、2~3ヶ月の経過をみて、さらに急激に上昇する場合には再発を疑うこととなります。通常はまた下降したり、また再発がなくてもわずかに上昇したりを繰り返すことがあります。可能な検査はおこなっていただいて、もし再発やがんの出現を疑うようでしたら内服薬の変更をご検討頂いてもよいですが、今は内服薬の変更や抗がん剤の必要性については何とも申し上げられません。ご不安なお気持ちはとても良くわかりますが、今はしっかりと状況を見極めていくことが大切だと思います。応援しています。これからもよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.10525-2】  12年02月06日    M.S.
肺転移後のゼローダ、フェマーラの併用について

先日、母のことでご相談させていただきました。昨日、肺のCTを撮影し、肺に1cm以下の腫瘍が5つ見つかり、「多発性肺転移」との診断を受けました。ただ、大きさから考えて、5年前には既に飛んでいたものがホルモン剤で抑えられていた可能性もあるとのことでした。今後は、フェマーラ、骨密度対策のベネットに加え、ゼローダという経口抗がん剤を飲むこととなりました。転移した癌の大きさから考えて、ゼローダでおそらく消えるのではないか?とのお話でした。しかし、周りでゼローダを服用している方達は、病状が重い方が多いので、ゼローダを提示していただいたということは、病状が思わしくないのではないか・・・?と不安になってしまいました。
1) フェマーラとゼローダを併用するのは、よくあるパターンなのでしょうか?
2) ゼローダを今の段階で使用して、今後の抗がん剤選択に支障が出ること等はないでしょうか?(使えないものがでてしまうことや、「切り札」的なものがなくなってしまう等。)
3) アリミデックス、もしくはアロマシンに替えていただいた方が良いのでしょうか?(フェマーラの効果が出ていないのでは・・・?と不安です。)

お忙しい中恐縮ではございますが、ご回答いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

1) 理屈の上からは、フェマーラ使用中に再発したとなるとフェマーラが無効であると判断し、フェマーラを中止とし、ゼローダ開始というのが正しいということになりますが、再発までの経過が長いことなどを加味して、フェマーラも中止しきれないのだと思います。実際には、しばしばみられる処方の組み合わせだと思います。
2) 乳がんに効果的とされる抗がん剤は、まだ何種類もありますので、現段階でのゼローダの使用は問題ないと考えます。
3) 仰る通りホルモン剤を変更するという選択肢もあると思います。ホルモン剤の変更をするのであれば、アロマシン、フェソロデックス(昨年暮れより日本でも発売開始)などが有力であると考えます。しかしゼローダ開始と同時にホルモン剤も変更すると、その効果や副作用がわかりにくくなる可能性がありますので、変更するのであれば、ゼローダ開始後の経過を少し経てからの変更になるかと思います。(文責 谷)

 

No.10525-3】  12年06月27日    M.S.
肺転移後のゼローダ、フェマーラもしくはフェスロデックスの併用について

いつもお世話になり、ありがとうございます。先日、母(67歳)の乳がんのことで、ご相談させていただきました。ご相談させていただいたこと、及びセカンドオピニオンをふまえ、7月から、ゼローダを継続しつつ、ホルモン剤をフェマーラからフェスロデックスに変更しようということとなりました。そんな矢先、6月16日にゼローダ処方のため診察を受け、血液検査をさせていただいたところ
BCA225
2011年11月→167、 2012年 1月→180、 2012年 3月→184、2012年 4月→198、 2012年 5月→197、 2012年 6月→162
CEA15-3
2011年11月→27、 2012年 5月→33.7、 2012年 6月29.0
と、腫瘍マーカー値が下がっていることが判明いたしました。主治医の先生のお話では、「LDHも下がってきているし、お薬の効き目が現れてきたと思います。 フェスロデックスに変更すれば、もう少し下がるとは思うのですが、 このまま様子を見ることもできますし・・・難しいですね。いずれにせよ、マーカーが下がってよかった!」とのことでした。

1) このまま、フェマーラ+ゼローダを継続するべきなのでしょうか? それとも予定通りフェスロデックスに変更するべきなのでしょうか?
2) お薬の効き目が出るのが遅いということは、がんの増殖スピードが速く、薬効が追いつくのに時間がかかったということになるのでしょうか? それとも、ただ母の体質的な問題なのでしょうか?
3) フェマーラもフェスロデックスも、いつかは耐性ができてしまうと思います。同じく乳がんの友人のお母様より、新しいホルモン剤としてTAS-108というお薬があると伺ったことがあるのですが、これはどのようなお薬なのでしょうか?
経口剤で、SRI Internationalと大鵬薬品の共同開発製品、といったお話は伺ったことがあるのですが、その他あまり情報がありません。今までのお薬との違い等、何かお教えいただければ幸いです。

謎のマットやお灸等、あやしげな代替治療を進められてしまうこともある中、こうして先生方にお伺いできること、とても心強いです。お忙しい中恐縮ではございますが、ご回答いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

1) ホルモン剤に限らず、乳癌の薬物治療は効果のみられている間は、変更しないで続けるのが原則だと思います。もう少しフェマーラ+ゼローダを続けるべきでしょう。
2) 薬効き目が出るのが遅いのは、癌の増殖速度と関連すると考えるよりも、使用薬剤の特徴と考えるべきでしょう。体質の問題があるかもわかりません。いずれにしても、本当の所は不明です。
3) TAS-108は新しいホルモン剤であり、エストロレセプターを完全にブロックするものとされており、既存のホルモン剤が無効となった後でも、25%位の人には効果が見られる様です。まだ治験段階の薬であり、一般的には使用できません。(文責 吉田)

 

No.10524】  12年01月27日    M.O. 
NCC-ST439上昇について

約5年半前に、0期の非浸潤がんで片側乳房全摘しました。浸潤部分はありませんでした。 その後、2年リュープリン、4年ノルバデックスによるホルモン療法を終了しました。 昨年8月の採血結果で、異常なしともらったデータに、NCC−ST439が33.9と高値を示していることに気づき、11月の受診の際、主治医に問いましたが、問題ないとの返答でした。 しかし、心配だったので、もう一度採血をお願いしましたが、やはり29と高値でした。主治医は問題ないとのこと。 過去のデーターがなかったので、問い合わせたら、2年前から21、1年前は24と高値でしたが、異常なしといわれていたので安心しており、認識していませんでした。 採血は年に1回のみです。マンモグラフィーと超音波検査を年に1回。診察は3ケ月ごとに触診。それと、毎年PET検査を薦められていましたが、特に異常ないのに被爆するのにためらいがあり、3年前から断っていました。 もうすぐ、また受診なのですが、やはり一度、PETをしたほうがよいのでしょうか? また、採血を自分からお願いすべきか? それとも、いっそのこと他院に移るべきか悩んでます。 助言いただけたら幸いです。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。腫瘍マーカーの上昇は、皆様を不安にさせてしまいますよね。数値の増減で一喜一憂する必要はないのですが、ご不安な場合には全身の検査を一度しておいても良いかもしれません。乳がんの再発がマンモグラフィーや超音波検査、乳腺造影MRI検査などで明らかでなければ、消化器系の検査も必要でしょう。例えば、上部消化管内視鏡(胃カメラ)や下部消化管内視鏡(大腸ファイバー)も必要だと思います。PETは全身のチェックとして有効かもしれませんが、PETでは見つからないがんも存在しますので、まずは肉眼で確認できる検査を進めていただいてもよいと思います。いずれにしても不安なことは早めに解決しておきたいですね。検査の結果、何も見つからなければ、今後は定期検査を継続していくのが良いと思います。少しでもご不安が解決いたしますように、応援しております。これからもよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.10523】  12年01月27日    K 
FECの副作用でしょうか?

70歳の母です。9月初めにステージTの乳頭線管癌、病巣が乳房内に3〜4か所と診断され、10月半ばに左乳房全摘出しました。悪性度:2、脈管侵襲:有、リンパ節転移:無(0/1)、ホルモン:非反応性、ハーツ―レセプター:3+(染色法)。手術後、FECを3クール予定し、その後ハーセプチン投与の予定でしたが、12月中旬FEC1クール目を投与以降、5週間以上経過した現在も胃のムカつきが収まらず、食べる事ができない為、痩せてフラフラになってしまい、FECを中断する事になりました。医者からは、ストレス的なものではないかと言われ、胃薬と精神安定剤を処方して頂きましたが、1ヶ月以上服用しても全く軽減する兆しがありません。10月(手術の1週間前)に前に胃カメラや大腸内視鏡検査にて、胃や腸に異常が無い事は確認済です。FECの副作用は、ここまで続くものなのでしょうか…。ムカムカの原因が、実は胃ではなく、脳転移のせいだったら…と不安になったのですが、まさかこのタイミングに於いて、脳転移の可能性などはあるのでしょうか。よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。様々な症状が、患者様をそして御家族を不安にさせてしまいますね。おっしゃるとおり、FEC療法から5週間が経過して嘔気が続く可能性はゼロではありませんが低いと思います。ストレスや不安のために胃炎や胃潰瘍がおこっていることも考えなくてはいけませんし、脳転移について調べても良いと思います。ストレスを感じて1週間有れば胃炎や胃潰瘍は発生いたしますので、去年の10月大丈夫だから検査はしなくてよいということにはなりません。もう一度胃カメラも行っていただいてもよいかもしれません。脳転移の可能性については絶対にないとは言えませんので、頭部造影MRIを主治医の先生にお願いしてみてくださいね。もちろん何でもないことを確認するための検査ですから、こわがる必要はありません。お母様をはじめ御家族様を応援しています。これからもよろしくお願いいたします。(文責 高橋)

 

No.10522】  12年01月24日    S
母乳

初めて投稿します。私は39歳で、子供3人を母乳だけで育ててきました。今回、乳がんになったわけですが、乳がんは長い年月をかけて成長するとありましたが、私が断乳をしたのは、3年前です。その頃には乳がんが出来ていたとも考えられますよね。子供は、そんな母乳を飲んで、体に乳がん細胞は回っていませんか。何か検査をしたほうが良いでしょうか。

母乳の中に腫瘍細胞があったとして、それを赤ちゃんが飲んだとして悪影響を及ぼす可能性はほぼ無いと考えてよいと思います。がん細胞がお子さんの体の中に入って、それが育つことは免疫学的にまず不可能で、通常は「異物」として分解排泄されていると考えるのが順当です。ご心配は不要と存じます。(文責 首藤)

 

No.10521】  12年01月24日    N.U. 
手術まで何か治療はないでしょうか?

非常にお忙しい中、相談にのって頂きたく考えております。本日(1/20)、妻(46才)から乳がんを知らされ、非常に戸惑っております。患部は右胸のみで、粘液がん(pure型か混合型かは聞いていないそうです)で、2.5cmと1cmの2箇所発見されているとのことです。粘液がんは比較的進行が遅いと聞いておりますが、大きな病院で患者さんが多く、偽胸を作る為、整形外科の先生との同時の手術が必要な為、3/2まで待たなければならないそうです。(整形外科の先生と同時手術をしない場合でも2/28です。) 手術まで1ヶ月以上待たねばなりませんが、大丈夫なのか、不安でなりません。硬がんではないので、放射線治療も出来ないとのことです。手術までの間、少しでも(その間に別の病院で)何か治療はないのでしょうか? 病院を変えた方がよいのでしょうか? 妻は、注射等の同じ検査をされるのを非常に嫌がっております。アドバイスを頂けないでしょうか? 宜しくお願い致します。

小生の所属する大学病院でも、手術まで1ヶ月半から2ヶ月待ちの状態です。ご迷惑をおかけしますが、Capacityはどこの施設もほぼ限界状況でしょう。奥様の診療機関でも同様の状況と推察いたします。ご心配でしょうが、予定通りの治療をご考慮ください。(文責 首藤)

 

No.10520】  12年01月24日    O
LDHの値について

いつも参考にさせていただき、有難うございます。1年半前、腋窩リンパ節に局所再発し、摘出後は、乳腺外科での血液検査や腫瘍マーカーは 、特に異常値はありませんでした。今週、普段通院している内科診療所での一般の血液検査で、LDHの値だけが、260と基準値を少し超えていました。これ位は何でもないとの事でしたが、帰宅後これまでの乳腺外科でのLDHの検査結果を見てみると、過去5年位(半年毎)は、 180〜190、前回10月に初めて213と少し上昇していましたが、基準値内でした。その時の腫瘍マーカー(CEA CA15-3 ICTP)は、すべて基準値内で、大きな変動はありませんでした。このLDH260という結果は、次回(2ヶ月後)乳腺外科で伝える必要はありますでしょうか? LDHが、肝臓に関する項目の中に記されていましたので、少し不安があります。一過性で、よくある値でしょうか。LDHに関して教えていただけますと幸いです。よろしくお願い致します。

LDHやALP値などは、結構変動します。がんの再発を示唆する場合もありますが、それ以外の多くの理由でも変動するものです。あなたの場合、たしかにLDHが上昇気味ですが、それが本当に病態と関係しているかは、もう少し経過を見ないと何とも言えないところですね。その他腫瘍マーカーの変動などもあわせて考えるべきと思われますが、主治医にはひとつの情報としてお伝えしたほうが良いでしょう。(文責 首藤)

 

No.10519】  12年01月22日    A
術後の痛みと化膿

私は、2011年3月16日、リンパ腫悪性乳癌になりました。最近になって、手術した所が凄く痛くて、少し手をあげただけで激痛がはしります。再発にしては早すぎるし、化膿するにしても、9ヵ月たっているのに化膿することなんかあるのでしょうか? 病院で見てもらったほうがいいですよね?

ご質問の内容からは、何らかの炎症が起こっている可能性がありそうです。リンパ管炎などの状況もありますので、なるべく早く外来受診されることをお勧め致します。(文責 首藤)
 

No.10518】  12年01月22日    T
トリプルポジティブ乳癌

妹が『トリプルポジティブ乳癌』と言われ、ホルモン治療ができないとのことですが、他の治療法はあるのですか?

妹さんが閉経前か閉経後かで話が変わってきますが、閉経後においてはアロマターゼ阻害剤の使用は問題ないところでしょう。閉経前においては議論の多いところですが、現段階ではタモキシフェンによるホルモン治療とハーセプチンとの併用も考慮されてしかるべきと思われます。(文責 首藤)

 

No.10517】  12年01月22日    H
遺伝子検査について

いつも新しい情報をありがとうございます。遺伝子検査について伺います。家族に複数の乳癌患者がいる、乳癌・卵巣癌に重複して罹患している、若年、両側等、色々なリスクがあると思いますが、遺伝性の乳癌がBRCA1,2に変異があるということが、トリプルネガティブがBRCA1,2の働きが弱いということや、ホルモン陽性乳癌と、何か関連はあるのですか? 遺伝性でないトリプルネガティブもあるし、ホルモン陽性であってもBRCA1,2に変異のある乳癌もある、ということでしょうか? 頭の中でうまく整理できなくて、おかしな質問で申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

遺伝性乳癌は全体の約10%程度ではないかと推定されます。遺伝性乳癌はBRCAの変異との関連が指摘されています。トリプルネガテイブ乳癌も同様の変異が関連していると考えられています。どういった理由での質問か分かりませんが、ご質問の内容がこの相談室の主旨とかけ離れているようです。ご考慮頂ければ幸いです。(文責 首藤)

 

No.10516】  12年01月20日    OM 
今後の治療について

54才。再発乳癌、多発性骨転移があります。現在は、ノルバデックスとリュープリンを受けています。最近腫瘍マーカーが上がり始めていて、不安があります。ホルモン薬も色々使ってきたので、もうヒスロンしか残っていません。昨年新しいホルモン薬のファソロデックスが認可されたと聞いていますが、閉経後乳癌患者が対象と言われ、私の場合は無理のようです。年齢的には既に閉経となっているかもしれませんが、今女性ホルモンの値を調べてもらうことは、いかがでしょうか? 主治医からは、一旦リュープリンを止めてみてもいいかもしれないと言われましたが、万が一生理が戻ってきた場合は、どうしたら良いのでしょうか? その場合、乳癌が急速に進行してしまうことはないのでしょうか? ご助言を頂けたら有り難く思います。どうぞよろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。一般的にいえば閉経後のご年齢のようですが・・・。女性ホルモンの値で、ということですが、ホルモン療法中の女性ホルモン値はあてにならず、あまり参考になりません。生理が発来するか否かでの判断となります。現状、すぐに生理が発来するかどうかはわかりませんが、それまでは、リュープリンとノルバデックスの双方を中止し、閉経後としてフェソロデックスの投与を受けても良いと思います。生理が発来しても、病状が急速に悪化することはありませんので、それを確認しつつ新しい治療を行ってはいかがでしょう。 (文責 鈴木)

 

No.10515】  12年01月20日    M 
肝転移後の治療について

よろしくお願いします。私は胸膜転移後骨転移し、今回肝臓エコーで影が見つかりました。使った薬は、胸膜再発後はタキソールを1年半して寛解、その1年後に又胸膜に再発し、ゼローダを2クールしましたが効果なく、ホルモン療法になりました。ホルモン療法は、ノルバデックス、アリミデックス、フェマーラ、アロマシン、ヒスロンHの後、フェアストンとエンドキサンを1年服用(ゾメタ点滴もしています)。今回、肝転移となりました。ホルモン療法はすべてしましたし、今回肝臓の影もかなり大きそうで、抗がん剤になると思います。
1) 今後、どんな抗がん剤が考えられますか?
2) この相談室の中で、肝転移の場合、生検をしてハーツーを調べる方法があると書かれていましたが、私のように、胸膜、骨にも転移をしている場合でも可能でしょうか?

いろいろな病状を抱え、がんばっておられる様子が伺えます。応援しますね。ご年齢がわかりませんが、閉経後と察しますので、ホルモン療法でもうひとつ、フェソロデックスという最近認可になった、今までのホルモン療法とは作用機序の違う薬剤もあります。抗がん剤では、ナベルビン、タキソテール、ジェムシタビン、TS-1、ハラヴェン、アブラキサンなどが考えられます。これらの薬剤を、副作用、効果、ご本人のやる気、などのバランスをみながら、上手に使い切るのが、今後の治療となりそうです。また、タキソールも効果的であったのであれば、タキソールを選択肢にいれて考えるのも良いと思います。次いで、肝臓の生検ですが、可能ならば、生検して頂き、腫瘍の性格を調べることも一考です。その結果により、ホルモン療法の効きやすいタイプか否か、HER2を調べ、ハーセプチン、タイケルブなどの抗HER2薬が効くタイプか否かを調べるものです。もともとの病気の性格が、転移を起こすことで変化するという理論に基づきます。ただ、施設により不可能な場合もあるので、その場合はもとの腫瘍の性格と変わらないという前提での治療になります。いずれにしても、今後の治療は、大げさですがあなたご自身の人生ともいえますので、納得のいく、正しい治療をお受け下さい。時々、ガス抜きをして気分転換も必要です。また何かあれば、訪ねてきて下さい。(文責 鈴木)

 

No.10514】  12年01月20日    S C
胸からの出血

私は中学3年です。体育で走っている時に胸に激痛がはしり、家に帰ってからみてみたら、下着に血がついていました。左だけです。なにか病気なのでしょうか。

ご質問有り難うございます。年齢的にみて、何か病的なことを考えるより、生理的(病的ではなく、問題のないこと)ではないかと思われますが、一度、乳腺外科の外来(病院によっては、小児外科を介して乳腺外科に回るかもしれない)を受診して下さい。(文責 鈴木)

 

No.10513】  12年01月15日  S 
温存手術後の授乳について

初めてご相談させていただきます。約3年前に、ステージT〜Uの非浸潤性乳癌で、乳房温存手術をしました。その後 放射線治療はせず、タスオミンを3年間とリュープリンを約2年間投与しております。しかし現在、妊娠を望んでいるため、主治医と相談のうえ 2011年12月で薬・注射とも終えることにしました。今後妊娠出産をした場合、温存手術をした乳房での授乳は可能でしょうか? 主治医からは、乳腺は残っているので授乳は可能との説明を受けましたが、授乳に全く問題がないのか、多少の影響があるのか(その場合はどのようなことがあるのか)、教えていただきたいです。また、授乳が可能かどうかの検査をすることなどは、できるのでしょうか? それから、最近子宮に鈍い痛みを感じることがあります。リュープリンを最後に投与したのが2011年の9月、タスオミンは12月上旬まででしたが、薬や注射をやめた影響で、そのような症状がでることはありますでしょうか? 今現在まだ生理は来ておりません。お忙しい中大変お手数をお掛けしますが、ご回答いただけましたら幸いです。よろしくお願い致します。

手術の時に、乳頭の真下まで乳腺を切除しているかどうかによるかと思われます。乳頭の真下まで切除していないのであれば、残りの乳腺からの授乳は理論的に可能で、なんら問題なく授乳できます。ただ、健常の乳房と比べて、量は少ないでしょう。一方、乳頭の真下まで切除しているようだと、残りの乳腺からの出口が無いので授乳は無理でしょうから、この場合は授乳を止めてミルクにする必要があります。授乳が可能かどうか検査する手段はありませんので、現場での判断となります。最終のタスオミンが昨年の12月とのことですが、半年くらいの妊娠は避けたほうが良いでしょう。また、ホルモン療法を中止したことと、下腹部の痛みはあまり関係ないと思われます。(文責 鈴木)

 

No.10512】  12年01月15日  C 
血性分泌物

昨年6月、左の乳首の一本の乳腺から血性の分泌物が出ていて、乳ガン検診(マンモ・超音波・乳汁細胞診)を受けました(細胞診は、その日は血が出ませんでした)。恥ずかしながら当時五才になる我が子に、授乳中でした。結果は、癌ではなく、乳腺が膨張しているからとの事で、授乳をやめる様に言われました(左は美味しくないと言って、あまり吸わなくなっていました)。12月頃に授乳は完全にやめましたが、つい先日、左の乳房が急に痛くなり、痛みは強くありませんが、動けなくて、キューと締め付けられる様な痛みでした。5分程でおさまりましたが、その時また搾ってみましたら、やはり血性の分泌物が出ていました。量は1滴程で、その後は白い母乳が出て、時間をおいてまた搾ってみるとまた、血性の分泌物が少し出て…の繰返しです。乳管の膨張とは、こんなに長い期間血性の分泌物が出るのでしょうか? もしかしたら、癌なのかと怖くてたまりません。因みにシコリは見当たりません。病院は今月末に予約しているので、また行きます。

血性乳汁分泌でご心配の様子ですが、その原因で最も多いものは、乳管内乳頭腫という良性の病気です。乳管(お乳の通り道)の中に乳頭状(腫瘍の形態がもこもこ、カリフラワー状になるので、この名前)の腫瘍ができる病気です。しこりをふれることはめったにありません。癌化することはありませんが、大きくなる時や、悪性の可能性が否定できないときは、切除して調べる必要があります。一般的なエコー、マンモグラフィ、分泌物の細胞診を行いますが、最近では乳腺のMRI(一般のMRIとは違い、特殊な機種を用いるので、専門的な施設が良い)なども有用な検査ですので、ご心配であれば、乳腺外科の受診を受けてみてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.10511】  12年01月15日   K 
乳癌の疑い(検査や手術のことで)

42歳、主婦、子供なしです。5年ほど前のエコー検査でmいくつか線維腺腫(?)の疑いがみつかり、それ以降は、年に2回エコー検査を行って、経過観察していました。2010年11月に近くの総合病院(外科)でマンモグラフィをした結果、再検査となり、2010年12月にMRI(造影)とエコー検査を受けましたが、特に異常なしで、半年後(2011年6月)に再度検査を行いました。12月のマンモグラフィ検査時に、左乳頭部から黄色い分泌液が飛び出しましたが、先生に告げるのを忘れていたので、6月の検査時に以前から左側の下着が黄色く汚れていたことを伝えて分泌液の検査もしてもらいました。細胞診でclass3aという結果で、経過観察となり、3ヶ月に1回検査をしてきました。
2011年9月の検査で、乳管造影検査を行う予定でしたが、乳管がかなり狭いため検査が厳しいとのことで、中止しました。今後は、class3a→class3bに変化したら手術して取ることも考えたほうが良いと、先生が言いました。手術方法は、乳頭から切って腫瘍のある乳管を取り除く方法だそうで、私の場合は、乳頭が小さいため、無くなる可能性があるそうです。そして、2011年12月の検査で、class3a→class4になってしましました。その時は決心がつかなかったので、2012年2月の再検査の結果で判断することにしてもらいました。外科的に考えると、不安要素は取り除くというのはわかるので、手術するのは正しいと思いますが、手術となるとかなり不安です。今の病院に不満はありませんが、乳腺専門医のいる病院でも検査したほうが良いでしょうか? その場合はセカンドオピニオンになりますか? それとも自分で病院を探して(紹介状なしで)受診してみるのも良いですか? もしかしたら他の治療方法があるかもと考えてしまい、きっと来月検査をして結果が出ても決心つかないと思ってメールさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。
私の覚えている検査結果は以下の通りです。

2010.11 マンモグラフィ:要検査
2010.12 MRI(造影):特に異常なし、エコー検査:いくつか線維腺腫(?)があり、乳管の拡張がみられる
2011.6  マンモグラフィ:前回と同じため特に問題なし(要経過観察)、エコー検査:いくつか線維腺腫(?)があり、乳管の拡張がみられる、細胞診:class3a、マンモテック:100〜400
 ※エコー検査時、注射針を胸の上から刺して細胞を採取して検査したが良性とのこと
 ※左乳頭の1箇所から黄色っぽい分泌液が出る
2011.9 エコー検査:いくつか線維腺腫(?)があり、乳管の拡張がみられる、細胞診:class3a、マンモテック:100〜400
 ※乳管が狭いため乳管造影検査は厳しいとのこと
 ※乳頭より左下部を圧迫すると分泌液が出ることがわかり、圧迫すると痛みがある
2011.12 エコー検査:いくつか線維腺腫(?)があり、乳管の拡張がみられる、細胞診:class3a→class4、マンモテック:100〜400→1〜100

何回かの検査で乳癌の疑いとのこと・・。ご心配のことと察しますが、細胞診の結果だけで手術を考えない方が良いと思います。良性の病変でも、増殖の強いときはclass3とかclass3bとかが検出されます。それと、class3から4、5と進行していくものではありません。もし2010年11月のころから乳癌があるのなら、もっと別の症状があっても良さそうですね。いろいろご自身の検査結果を把握し、事細かにされている様子・・・。別の病院のことまで頭にはあるようですから、もし専門の医師に診て頂いてないのであれば、別の先生の意見を聞いてみてはいかがでしょうか? 今の先生に直接、別の病院を受けたい希望を伝え、データを頂きましょう。もし、やりにくければ、直接紹介状なしで受けてくれる病院もありますので、受診をし、必要により、そちらの先生から、前のデータを取り寄せてもらってはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.10510】  12年01月15日   S
今後の治療について

家内48才が、昨年10月に乳がんの宣告を受けました。断片的ですが、診断内容は下記の通りです。
トリプルネガティブ 陰性
腫瘍 3cm リンパに転移1箇所、他転移無し
ステージUb (リンパ転移の影から数箇所あるのでは?)
11月より抗がん剤治療開始(EC)、本日1/10時点で2回終了
1回目の抗がん剤投与3週間後  3cm→2cm
2回目   〃         2cm→2.2cm

上記の内容で質問させて頂きます。トリプルネガティブの生存率、再発率。 副作用が強く、且つ、白血球が異常値を示したため(数値200)、新たに治療を行ってもらいましたが、更に副作用が強いようです。そこで、抗がん剤治療をやめて、腫瘍摘出に切り替えて貰おうかと悩んでいます。判断は間違っていないでしょうか。摘出後の治療としては、やはり抗がん剤治療しか手立てはないのでしょうか? 術後、放射線治療だけでは駄目でしょうか? 当然、代替治療として免疫を上げる治療は行うつもりです。血管内治療という治療を見つけましたが、有効でしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、以上の内容で、アドバイスの程、よろしくお願い致します。

トリプルネガティブだけの生存率、再発率のデータはありません。トリプルネガティブという言葉に敏感なのかもしれません。確かにある一部のトリプルネガティブは進行の早いものが存在しますが、すべてではありません。データに振り回されず、今できることをやるべきだと思います。個人的には、腫瘤が小さくなっているのであれば、化学療法の投与量を少し減らしてでも追加で投与をすべきではないかと。化学療法の効果は、腫瘤そのものに対しても、全身に対しても現れます。放射線治療は局所のみですから、化学療法の代替えをするものではありません。生存率、再発率・・というところに行き着くのであれば、全身の治療を優先すべきではないでしょうか。ただ、化学療法の副作用は個人差が強く、モチベーションの高い、低いもあり、継続するか否かは、ご本人とよく相談すべきです。当然、免疫をあげる治療・・・とのこと、当然・・とあります。冷たいようですが、行う必要はありません。普通にバランスよく食べ、体を動かし、くよくよしない、これが一番です。血管内治療なども全くお勧めしません。奥様の病状が心配だからこそ、だとは思いますが、過敏にならず、不必要な(データの乏しい治療、保険で認められていない治療)治療は避けてあげること、このことが最良のサポートだと思いますよ。応援申し上げますので、何かありましたら、またどうぞ。(文責 鈴木)

 

No.10509】  12年01月15日   A子
エストロゲン依存症について(HPNo.10499-2)

先日はご回答をいいただき、ありがとうございました。HPNo.10499のA子です。もうひとつすみません。よろしくおねがいします。
反復いたしますが、47歳、昨年右乳房温存術後、非浸潤性乳管癌でした。放射線治療30回終了、タスオミン内服中婦人科検診で子宮筋腫と右卵巣のう腫が見つかり内服を一時中止して、婦人科の様子をみている状況です。既往歴としまして、左右乳腺症、子宮頚部ポリープ(1年前切除)があり、エストロゲン依存症の疾患がこんなにもあるのが不安になってまいりました。体質的にエストロゲンが多いのでしょうか? また、まだ私の場合閉経まで少し時間がありそうなので、乳がんにとっても卵巣を切除してしまったほうがいいのかと、素人考えで思ってしまいました。お忙しい中恐縮ですが、アドバイスいいただければ幸いでございます。

人間って、一度病気をするといろいろ心配になるもので・・・。これは致し方ないのかなと思いますが、あまり心配し過ぎると、心まで疲れますからね。まず、頭の中の整理です。@もともとの非浸潤癌は転移・再発はしません。完治します。Aタスオミンの副作用で、筋腫、卵巣のう腫は考えにくいこと・・・です。もしかしたら以前からあったものかもしれません。乳癌も乳腺症もエストロゲンの影響はありますが、血液中の女性ホルモンの量が多い、少ないは関係ありません。卵巣に手術が必要な病気があるのならともかく、良性の病変であれば手術の必要はありません。経過を見る中で、腫瘤が大きくなるとか、筋腫が大きくなるとか、であれば手術を考えればよいと思います。(文責 鈴木)

 

No.10508】  12年01月13日   T
乳がん関連の症状ではないでしょうか?(2)(No.10505-2)

早速のご回答、本当に有難うございました。原因の特定は、中々難しいとも思いますが、もし仮にフェマーラの可能性の場合、服用を一時休止したら、どの位の期間で改善できるでしょうか? 例えば1〜2週間程度の休止でも効果はあるでしょうか? 病院で貰った「薬の説明書」にも、息苦しさの副作用が書いてありましたので、11月頃薬局に問合せしたのですが、服用開始から1年以上もたっているので、副作用ではないといわれ、12月の受診時に、先生もあまり関心を示されませんでした。少し休んで効果を見て、主治医の先生に相談してみようと思うのですが、その位の期間では無理でしょうか。循環器系のサンリズムカプセルやワソランも効き目が鈍いようです。紅い斑点は、8日目には自然にほぼ消えました。フェマーラが服用できなくなる不安もあり、副作用でない事も望んでいます。度々のご相談で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

フェマーラの重篤な合併症の頻度については、現在不詳です。息苦しさ等については、重篤な合併症の初期症状である場合があるので、主治医に検査をしてもらって、重篤な合併症の初期症状としては否定的であることを確認することが大切です。もし重篤な合併症の初期症状であれば、フェマーラは中止となります。従って、自分の判断で休薬し、その後に主治医に相談するのではなく、まず、主治医に報告し、検査をしてもらうことです。(文責 須田)

 

No.10507】  12年01月13日   Y.I.
骨転移と抗がん剤

よろしくお願いいたします。年齢は51歳。2009年9月、右胸にしこりを発見、外科生検。結果は、1.2×1.2センチの腫瘍、断端陽性、リンパ管浸潤−、静脈浸潤−、ホルモン、ハーツーマイナスのトリプルネガティブ。11月、抗がん剤治療開始(CE4回。タキソテール4回)。4月、タキソテール4回終了。5月、温存手術→前回の切除生検後の瘢痕組織がみられるのみで、明らかながん細胞の残存なし。6月、放射線治療50グレイ。12月、術後の検診、骨シンチで骨盤集積がみつかる。放射線科の先生は、年齢的なものもあるかもしれないがMRIをとるのもよいかもしれないと診察。乳腺外科主治医は、気にしなくてもよいので様子をみてはいかがかと言われ、半年様子を見ることにする。2011年4月、右尾てい骨に何となく気になる痛みがでてくる。6月、定期検査、かわらず骨盤集積あり。どうして集積するのかと、この痛みは関係あるのではないかと質問しても、このレベルでの転移はありえなく、坐骨神経痛ではないかと、それならPETCTでの検査をするとすべてわかるのでと検査する。結果、PETはきれい、CTで少し白く写っているとのことで、わからないので、放射線科の先生も含めたカンファにかけられることに。7月カンファの結果、MRIをとるのがわかりやすいとのことで、造影MRIをとる。結果、骨転移の可能性あり。とりあえず3ヶ月様子を見たいと伝えて、大きさなどがかわるようであれば考えると、様子を見ることにする。10月、股関節造影MRI。主訴、右乳房上外側部乳がん。検査目的、右股関節CTで転移疑い、骨島の可能性高い。検査所見、両側股関節単純+造影MRI(7月と比較)、両側腸骨、恥骨、坐骨、左大腿骨、腰椎などに多発前回と比較して増加肥大。明らかな軟部腫瘤形成は指摘できません。結果、多発性骨転移との診断、ゾメタを検討した方が良い方向へとなるが、保留。12月、術後1年半検診、骨シンチで骨盤他の集積あり。坐骨の広がり、新たに少し肋骨、右頚椎などにひろがりがあり。やっと普通の状態になり、これからというときに、こんなに短い期間で進んでいて驚いています。トリプルネガティブだからでしょうか。ゾメタは痛みもとり、進行を止めますか? 副作用が心配です。主治医には、ホルモン剤が効かないので経口抗がん剤をすすめられています。本当に骨転移でしょうか。抗がん剤は必要でしょうか。放射線科の先生はメタストロンがよいといいます。先にゾメタで治療し、もっと痛みが出た場合にメタストロンをするほうがよいでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

多くの乳がんの発生増殖には、女性ホルモンのエストロゲン受容体や、がん遺伝子であるHER2が関わっておりますが、15%〜20%の乳がんは、このホルモン受容体とHER2に関係のない発がん増殖のメカニズムを持っていると考えられています。これがトリプルネガティブ乳がんです。このがんの増殖因子がよく分かっていませんので、効果的な治療が難しく、予後不良と言う事になっています。
ゾメタは、骨転移による痛み、骨折、脊髄圧迫や麻痺などの出現を遅らせたり、減少させる効果が期待できます。骨の破骨細胞の働きを抑えて骨を守り、病巣の進行を抑制する働きがあり、乳がんの骨転移に対する標準的治療の1つです。副作用としては、発熱や一過性の骨痛の増強があり、まれに、腎障害、顎骨壊死や低カルシュウム血症があります。メタストロンは、骨転移に対して、放射線治療を行う薬です。メタストロンは、ストロンチウム89で、この薬を静脈注射すると、血液に乗ってがんの骨転移部に集まって定着し、放射線を出し、それによってがんが照射されて、痛みを抑える効果を発揮します。従って、この薬は放射線科で管理されており、使用できる施設が限られています。貴女の場合、現在症状がなくても、骨症状の予防という意味でも、ゾメタかメタストロンを使用した方がよいと思います。抗がん剤についても、主治医と相談の上、可能な化学療法については行った方がよいと思います。(文責 須田)

 

No.10506】  12年01月13日   W
今後の治療について

叔母のことで相談いたします。62歳。脇にしこりを発見した半月後には手拳大まで大きくなり受診。すぐに浸潤性乳ガン、stageVAの診断を受け、精査にて肝硬変(腹水有り・白血球・血小板減少他)の診断も受けました。術前化学療法困難との事で、早期の胸筋温存乳房切除術・腋窩リンパ節郭清levelUまでいたしました。病理検査結果等は、浸潤性乳管癌(硬癌)、術前はT2との事でしたが、実際には16×10と小さくT1、N2、M0、stageVAは変わらず、核グレード3、トリプルネガティブ、ki-67 57%、リンパ節転移15/15、大まかにはこの様な結果です。叔母といっても夫の叔母ですが、家族も90近い母親と20代の独身の息子しかおらず、私が親族代表として説明を受けています。本人と同席の為、主治医には踏み込んだ質問が出来ず、こちらで質問させてください。これから化学療法が始まるところですが、肝硬変の影響で、どれだけ順調に出来るかわかりません。パクリでスタート後EC予定ですが、きちんと受ける事が出来たとしても、予後はかなり悪いと理解しています。気になるのは再発・転移までの期間と、ズバリ余命。また転移がみつかった場合、化学療法が困難な時の治療は? また、肝硬変は肝転移に繋がりますか? 本人の心配は勿論ですが、治療のフォローの問題や、その時が訪れた場合の遺される家族の問題も大きく、準備や心構えもあります。私個人も病気の夫と4人の子どもを抱え、不安ですが、出来る限りの事をしたいと思っています。どれだけの時間が残されて、私たちに何が出来るか、本人に出来ること・・・、切実な問題です。どうかご助言お願いいたします。

予後を推測する因子には色々ありますが、最も強力な予後を推測する因子は、リンパ節転移陽性の数です。リンパ節転移が10個以上あることが病理検査で判明した場合、そのような人が100人いると50人は4年以内に再発して死亡し、50人になることが統計学的にわかっています。10年経つと、さらに30人に減少します。ホルモンリセプター陰性、HER2陰性と判定された乳がんをトリプルネガティブ乳がんと呼んでいますが、この場合、ホルモン療法やHER2療法ができないため、化学療法となります。化学療法剤の効果が低い場合は、有効な治療がないことが問題となっていますが、今後の血管新生阻害剤などの新しいメカニズムの抗がん剤に期待が懸かっています。肝硬変と肝転移は直接関連はありません。再発・転移の時期は、個々により異なり、断定することはできませんので、主治医の提案される抗がん剤治療を基準に、行える治療をやれるだけやっていくのがベストだと考えます。乳癌の治療法は日々進化していますので、主治医と充分ご相談しながら、おば様を支えていただきたいと思います。(文責 須田)

 

No.10505-1】  12年01月07日   T
乳がん関連の症状ではないでしょうか?

63歳、いつも参考にさせていただいています。2006.12月(5年前)左乳房全摘手術、病理結果は、「硬癌 断端(−)(f) ly-1 v-1 NG1 ER(−) PR(+) MIB1(−) P53(−) HER2(0)腫瘍径32×17 リンパ節転移なし」でした。治療は、アリミデックスのみを選択しました。2010.6月(術後3年半経過)、左腋窩リンパ節に局所再発。摘出手術を受け、その後薬はフェマーラに変更となっています。その後、外科での血液検査等に異常はありませんが、 2011年8月頃より動悸があり、不整脈が日常的に起きるようになり、循環器内科クリニックで心電図等の検査を受けましたが、特に危険性はないということで、サンリズムカプセル等を処方されました。10月頃より息苦しさが時々出るようになり、一部心房細動もあるが、やはり危険性は低いという事でした。昨年12月の外科受診時にその経過を伝えましたが、内科の方で様子を見て下さいとの事でした。年末12/31、両脚に細かい紅い斑点が一面に出てびっくりしましたが(痒みなし)、回復傾向にあり、年始あけ本日、内科を受診しました。血小板減少性紫斑病と甲状腺の機能検査の採決をしてもらい、結果は来週にわかりますが、この様な循環器系や紫斑病の疑い状況は、乳がんの進行やフェマーラの影響とは関係ないものでしょうか? 次回の外科受診は2月下旬、内科クリニックでも乳がんのことは伝えてありますが、このまま内科(結果次第で皮膚科)での治療で問題ないでしょうか? 老化による症状であれば仕方がないのですが、医療機関が別々の為と、突然の体調変化に不安を感じています。外科の受診は、本当に患者数が多く、余り関係のない質問は出来かねるような状況です。ご教示いただければ大変有難く思います。よろしくお願い致します。

フェマーラには服用を中止するほど重篤な副作用はまずありませんが、稀に、循環器系や皮膚病変での初期症状として、息苦しさ・胸の違和感・赤い発疹や水ぶくれなどが見られることがあります。念のため、主治医に症状をお話して、ご相談ください。(文責 須田)

 

No.10505-2】  12年01月13日   T
乳がん関連の症状ではないでしょうか?(2)

早速のご回答、本当に有難うございました。原因の特定は、中々難しいとも思いますが、もし仮にフェマーラの可能性の場合、服用を一時休止したら、どの位の期間で改善できるでしょうか? 例えば1〜2週間程度の休止でも効果はあるでしょうか? 病院で貰った「薬の説明書」にも、息苦しさの副作用が書いてありましたので、11月頃薬局に問合せしたのですが、服用開始から1年以上もたっているので、副作用ではないといわれ、12月の受診時に、先生もあまり関心を示されませんでした。少し休んで効果を見て、主治医の先生に相談してみようと思うのですが、その位の期間では無理でしょうか。循環器系のサンリズムカプセルやワソランも効き目が鈍いようです。紅い斑点は、8日目には自然にほぼ消えました。フェマーラが服用できなくなる不安もあり、副作用でない事も望んでいます。度々のご相談で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

フェマーラの重篤な合併症の頻度については、現在不詳です。息苦しさ等については、重篤な合併症の初期症状である場合があるので、主治医に検査をしてもらって、重篤な合併症の初期症状としては否定的であることを確認することが大切です。もし重篤な合併症の初期症状であれば、フェマーラは中止となります。従って、自分の判断で休薬し、その後に主治医に相談するのではなく、まず、主治医に報告し、検査をしてもらうことです。(文責 須田)

 

No.10504】  12年01月07日   M
術後の炎症について

石灰化が悪性ということでが、一昨年の12月左乳房の温存手術を行いました。手術後2ヶ月してから放射線治療を30回行い、5ヶ月してからホルモン療法(ノルバディクスを服用)を行い、現在に至っています。ノルバディクスを服用してから、めまい、ふらつき 不眠等があったので、医師に相談し、ツムラの37番(ハンゲビャクジュツテンマトウ)と就寝前にマイスリー5mgも現在服用しています。放射線治療後の半年頃、突然手術した左乳房(丁度放射線をあてた範囲)に炎症(部位の痛みと赤み)が起こり、手術した病院の放射線科を受診し、見てもらいましたが、半年後の炎症ということで、「放射線治療の影響ではない。原因はわからない」と言われ、塗り薬(ゲンタシン)を処方してもらいました。その塗り薬を1週間ほどで塗布しただけで炎症も治まったので、そのまま特に外科にも経過を話すことなく(話す機会もなかったので)、原因不明で過ごしてきました。しかし年明けにまた同じ左乳房に炎症が起こり、症状も同じで、本当はよくないのかもしれませんが、前に頂いていた塗り薬(ゲンタシン)を現在塗布しています。まだ完璧ではないですが、症状も徐々に治まってきてます。あと、この年末年始、家族と共に過ごしたところ、今まではかくことがなかった鼾の事を母から言われました。母が言うには、その鼾が普通の鼾と違って、何か途中息がとまるような鼾だと言われました。普段は一人暮らしなので、いつも鼾をかくのか、頻度がどれぐらいなのかは全くわかりませんが、これも現在服用している薬などと何か関係があるのでしょうか? 左乳房の数回の炎症の件、鼾の件、ご教示頂ければ思い、相談してみました。

放射線治療後に抗癌剤治療を行った場合、使用する薬剤によっては、照射部位に皮膚炎を起こすことがあり、これをリコール現象といいます。文献を調べると、ノルバデックスでもリコール現象を起こしたと考えられる一例が報告されていますので、めったにありませんが、この可能性も考えられます。
ノルバデックスを内服して、体重の急激な増加はみられませんでしたか。もしそうであれば、鼾と関係あるかもしれません。直接診察していないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、主治医にお話して、ご確認ください。(文責 須田)

 

No.10503】  12年01月07日  K.I.
放射線治療の休止期間

放射線治療による休止期間は、どの程度で効果が減少するのでしょうか? 2011年8月に乳房温存術にて手術を行い、2011年9月〜11月に化学療法を実施しました。2011年12月に放射線科の先生の診察を受け、25回+5回の照射を行うという説明がありました。ところが、年末年始で休止期間があったことから、照射の方法が変わるとのことです。12月は5日〜照射を開始し、28日まで実施しました。23日は祝日でしたので、1週間のうち4回しか照射していません。年始は4日から照射を開始しました。9日は祝日なので、またお休みです。「照射は続けて行うことで効果が出る」とか、「『正月』『GW』で放射線治療中断・・・がん再発,4人死亡」等とか、記事が出ていたりするので心配です。放射線科の先生は問題がないように行うとおっしゃっているので、疑う気はないのですが、他の病院へ通っている乳がんの患者さんの話を聞くと、効果が薄れるので祝日も照射へ通っているとのことでした。

放射線治療の遅れや休止期間が局所再発にどの程度影響し、生存率がどの程度下がるかについては、正確なデーターはありませんが、貴女の場合、放射線科の先生が充分説明してくださっているようなので、信頼して指示に従って、問題ないと思います。それでもなおご心配な場合は、主治医にその旨お話し、ご相談なさってください。乳癌の場合、治療が長期にわたりますので、医師とのコミュニケーションを密にすることも大切になってきます。(文責 須田)

 

No.10502】  12年01月07日   A
術後治療について

術後治療について、お伺いします。2010年7月、49歳のときに左乳房温存手術をしました。ステージTでしたが、病理結果は、ER+10%、PgR+10%、HER2++、FISH 1.33、MIB-1 70%で、トリプルネガティブではないのですが増殖能がとても高いので、術後治療として、同年9月から翌3月抗がん剤治療(EC→DOC)、2011年4〜5月放射線治療、その後ホルモン治療(ノルバデックス)を行なっています。今後は現在の薬を2年使用後、閉経後の薬に変え、ホルモン治療5年を予定しています。そこで相談は、ホルモン受容体10%の場合のホルモン治療です。この程度ではホルモン治療をしない選択もあると主治医から聞いています。しかし最終的には私自身の判断です。元来薬は嫌いで、また現在ほてりや無気力感などを感じているので、できればホルモン治療をやめて、生活習慣・食事・運動・仕事・サプリ等によって再発予防をしていきたいと思っています。しかし万が一再発してしまったことを考えると決心がつかない状況です。今後ホルモン治療を続けていくことで、どれくらい再発リスクが抑えられるのか、またはホルモン治療をやめてしまうことによって、どれくらいリスクが高まるのか?について、教えていただければと思います。またホルモン治療を続けていくべきかどうかについての見解は如何でしょうか。

生活習慣・食事・運動・仕事・サプリ等の補完代替医療で、乳癌の進行を抑えたり、再発を予防したりする効果が明らかになっているものは、現時点ではありません。閉経後の薬に変えて、ホルモン療法を5年間行うと、ホルモンレセプター陽性の場合、再発する可能性を50%程度改善します。個人的にはホルモン療法を行うことをお勧めしますが、最終的には、貴女の病気の状態を最も把握してくださっている主治医とご相談の上、あなた自身が決断することになります。ご心配なこと、疑問に思うことがあれば、遠慮せず、主治医にご相談なさってください。前向きに病気と向き合うためにも、納得のいく治療を選択することが大切です。(文責 須田)

 

No.10501】  12年01月07日   J
転移した可能性はありますか?

7月に左胸を全摘し、リンパ腺も取りました。3ヶ月後に再建し、右側の胸も形を整えました。ホルモン治療ノルバテックスと、1ヶ月一回と3ヶ月後に一回注射しています。生理がきましたが、乳癌か転移した可能性はありますか。

左側および右側も手術したのでしょうか。情報が少ないので何ともいえませんが、おそらく閉経前乳癌の術後療法で、1ヶ月又は3ヶ月に1回、卵巣でのエストロゲン合成を抑えるためのLHーRHアゴニスト製剤と、エストロゲン受容体をふさいでエストロゲンが乳癌細胞に作用して増殖するのを妨げるための抗エストロゲン薬(ノルバデックス)を使用しているものと思われます。おそらく、LHーRHアゴニストを使用し始めたための不正出血があったのでしょう。情報が少なく、思い違いがあると余計に不安が膨らみますので、不明な点、心配な点は、主治医にご相談して、伺ってください。納得のいく治療を進めていくことが大切です。(文責 須田)

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