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相談室(No.3401〜3500)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

3500 05/02/12 k m 放射線治療 福間
3499 05/02/12 seiko 乳首からの出血について 福間
3498 05/02/12 k m 術後病理診断後の治療について 吉田
3497 05/02/12 S 乳頭の膿みについて 吉田
3496 05/02/12 F 今後の治療について  吉田
3495 05/02/12 M.S. 癌性髄膜炎のその後(2)(No.2136-3) 吉田
3494 05/02/11 Y.M 骨への転移では? 吉田
3493 05/02/11 H.N. 術後の活動について 吉田
3492 05/02/11 M 退院後の生活について 吉田
3491 05/02/10 HR 米粒大のしこり 吉田
3490 05/02/10 M.T. アメリカでの治療(2)(HPNo.3289-2) 吉田
3489 05/02/10 lurie 多発性乳癌 吉田
3488 05/02/10 K  しこりについて 吉田
3487 05/02/10 TH 手術待ちの期間について 吉田
3486 05/02/10 F.T. 抗ガン剤とホルモン療法について(HPNo.2232-8) 吉田
3485 05/02/09 A.N. 良性腫瘍と腋下のしこりについて 福間
3484 05/02/09 C.H. 2センチ以下の腫瘍による転移 福間
3483 05/02/09 S  術後補助療法について 福間
3482 05/02/09 T子 薬と健康食品の併用について 福間
3481 05/02/09 Y.Y. 温存術を薦められています 福間
3480 05/02/09 uo おばの乳がんについて 福間
3479 05/02/09 S  妊娠中のマンモグラフィー 吉田
3478 05/02/09 核異形度について 吉田
3477 05/02/09 Y.S. 母の乳癌について 吉田
3476-1
3476-2
05/02/09
05/02/17
乳房の検査時期について
乳房の検査時期について(2)
吉田
麻賀
3475 05/02/09 M.H. しこりについて 吉田
3474 05/02/09 S 乳腺線維腺腫と診断を受けました(33歳) 矢吹
3473 05/02/09 T.M 左胸のしこりと痛み、石灰化 矢吹
3472 05/02/08 まこ 石灰化の場所が痛むことはあるのでしょうか?(HPNo.3275-2) 矢吹
3471 05/02/08 C.H 温存手術・放射線治療と授乳について(30代) 矢吹
3470 05/02/05 K.O 温存手術後の治療について 西川
3469 05/02/05 Y.N 乳首全体の痛みについて(HPNo.3333-2) 西川
3468 05/02/05 M  リンパ節転移の可能性 西川
3467 05/02/05 R.K. しこりと赤い分泌物があります 宮本
3466-1
3466-2
05/02/05
05/02/21
MA むくみについて
アリミデックスについて
宮本
麻賀
3465 05/02/05 R . M 補助療法について  西川
3464 05/02/05 M.K ハーセプチンの使用時期  西川
3463 05/02/05 S・S 分泌物について 西川
3462-1
3462-2
05/02/04
05/11/16
M・S 告知を受けて
今後の治療について
川本
加藤
3461 05/02/04 E.A. 手術から放射線治療の期間について(HPNo.3253-3) 川本
3460 05/02/04 アリミデックスの副作用について 川本
3459 05/02/04 Y.O 乳がん予防と大豆食品との関係について 川本
3458 05/02/04 MIO センチネルリンパ生検について 川本
3457 05/02/04 N.S. 石灰化 川本
3456 05/02/04 T.A. 髄様癌 川本
3455 05/02/03 M パジェット病について 宮本
3454 05/02/03 R.K.  微細石灰化 宮本
3453 05/02/03 D.I 術後治療について 宮本
3452 05/02/01 H.F. 判定不能 緒方
3451 05/02/01 H  良性の腫瘍(1mm) 緒方
3450 05/02/01 K 細胞診の結果について 緒方
3449-1
3449-2

3449-3
05/01/31
05/02/12
05/04/18
S.N. 細胞診でV、その後の対応について
放射線について
浸潤性小葉がんについて
緒方
福間
首藤
3448 05/01/31 S.I. 局所再発(HPNo.3279-3) 川本
3447 05/01/31 N.A 遠隔転移の場合の治療について(HPNo.3361-2) 川本
3446 05/01/31 母の乳がんについて(HPNo.3373-3) 川本
3445-1
3445-2
05/01/24
05/04/09
K.K.  ガン告知から手術までの期間
リンパ節摘出について
浜口
鈴木
3444 05/01/24 S.S. 乳がん術後の心配 浜口
3443 05/01/24 M.I  両乳房のかゆみと色素沈着 浜口
3442 05/01/24 M.T.  術後手足の落ち込みの痛みについて 浜口
3441 05/01/24 M.S. 乳管内乳頭腫について(HPNo.2627-2) 浜口
3440 05/01/24 risu ホルモン療法継続の判断について 浜口
3439 05/01/24 m.y 腫瘍マーカーの臨床的意義について(HPNo.1752-4) 浜口
3438 05/01/23 Y.Y 授乳期以外の乳腺炎について(2)(HPNo.3314-2) 浜口
3437 05/01/23 M.N リンパ節の郭清について 浜口
3436 05/01/23 E.Y.  乳頭の汚れ、分泌物が気になります 浜口
3435 05/01/23 stone 乳癌手術後の抜糸について 浜口
3434 05/01/23 マンモグラフィーと妊娠について 浜口
3433 05/01/23 K.O.  しこりのようなものについて(2)(HPNo.3395-2) 浜口
3432 05/01/23 Y.Y.  手術後の状態について 浜口
3431 05/01/23 E.W.  ホルモン治療の切り替えについて 浜口
3430 05/01/23 M.M 切除範囲とセンチネル生検について(2)(HPNo.3345-2) 浜口
3429-1
3429-2
05/01/23
05/03/12
M&H リンパ節転移陰性/ハイリスク群の抗がん剤選択について
タキサン系抗がん剤の選択
浜口
稲葉
3428 05/01/23 M  ホルモン剤服用について 浜口
3427 05/01/23 S.S. ICTの診断結果について 浜口
3426 05/01/23 K.H.  若年のがんについて教えてください。 浜口
3425 05/01/21 手術後の瘢痕について 浜口
3424 05/01/21 K  左胸のしこりについて 浜口
3423 05/01/21 T.K. 乳房の疼痛及び大きさの変化について 浜口
3422 05/01/21 T.H. ノルバディックス服用と妊娠の可能性 浜口
3421 05/01/21 K.O. 乳輪から黄色い分泌物が出る事について 浜口
3420 05/01/21 Y.K. 生検について 浜口
3419 05/01/21 y.g. しこりを摘出したはずなのですが・・・ 浜口
3418 05/01/21 母の乳がんについて(2) (HPNo.3373-2) 浜口
3417-1
3417-2
05/01/21
05/05/09
S.T アロマシンの副作用について
放射線治療の時期について
浜口
吉田
3416 05/01/20 M.S. 術後の補助療法について 浜口、清水
3415 05/01/19 I.Y 妊娠について 浜口
3414 05/01/19 ゆき 転移性乳癌の治療について(HPNo.3136-3)  浜口
3413 05/01/19 MBL  外科の種類について 浜口
3412 05/01/19 アヤ 乳房の痛みについて 浜口
3411 05/01/19 K.F. 茶色い分泌物があります 浜口
3410 05/01/19 R.C. 乳がんの転移について 浜口
3409 05/01/19 T  乳首のかゆみ 浜口
3408 05/01/19 N  転移後の治療について 浜口
3407 05/01/19 M・D リュ-プリンの乳腺への影響について 浜口
3406 05/01/18 K.E 抗がん剤中断後、再抗がん治療の効果の有無について 徳田
3405 05/01/18 Y.T. リンパ浮腫の予防について 徳田
3404 05/01/17 M.M. 2つの腫瘍がある場合の温存手術について 徳田
3403 05/01/17 M.H. 術後のしこりについて 徳田
3402 05/01/17 R.M バストアップサプリメントと乳癌 徳田
3401 05/01/17 k m   リンパ節転移の処置について(2)(HPNo.3383-2) 徳田

 

 

No.3500】 05年02月12日   k m  
放射線治療

37歳、閉経前です。1月下旬に温存手術を行いました。術後の説明で、充実腺管癌2p強の腫瘍と、そこから乳頭方向と肩方向に細かい癌細胞(充実腺管癌かは不明)が点々と広がっている状況と聞きました。切除細胞を見たところ、2p強の腫瘍は白色、細かい癌細胞は赤色でした。センチネルは1つ摘出し陰性、念のためセンチネル近くのリンパ節も摘出し、これも陰性ということでしたので、リンパ節郭清はしていません。術後の病理診断はまだ聞いておりません。癌の色が違っていたのは、別の種類の癌の可能性が高いのでしょうか? 温存手術ですので、術後は放射線治療を行うとのことでした。癌のグレード(悪性度)などによって、放射線治療の方法や強度、使用する放射線機器に違いが出るのでしょうか?

顕微鏡の検査でガン細胞をごらんになったのでしょうか? 切除したものを肉眼でごらんになっただけでは、そのガン細胞の特徴はわかりません。単にガン細胞の多いところ少ないところを色の違いで把握されている可能性が高いかと思います。温存術後の放射線治療はいくつかの方法がでてきていますが、確立された標準治療は存在します。種類にかかわらず、ほぼどの施設でも同じ治療をします。放射線治療が効きにくい乳癌もありますが、効きにくいかどうかをあらかじめ完全に予測することは病理検査でも難しいかと思います。しっかり病理結果がでてから、また主治医が説明すると思います。(文責 福間)

 

No.3499】 05年02月12日   seiko
乳首からの出血について

母のことで心配になり、メールをさせていただきます。今日の昼間に、子どもがふざけて母の乳房を掴み非常にいたがってたのですが、そのときは何事もありませんでした。夜、着替えている時にブラジャーを見たら、直径1センチくらいの出血の痕がありました。乳房を絞ってみたところ、血が数滴出てきました。少し様子を見てまた絞ってみたところ、再び血が出てきました。痛みはありません。衝撃をうけたことによる出血ということはあるのでしょうか? それとも乳がんによる出血なのでしょうか? 3ヶ月ほど前に乳がんの検査は受けていましたが、異常はありませんでした。病院で検査を受けたほうがよろしいでしょうか?

強くつかんで出血することはあり得ることです。その場合は鮮血(真っ赤な血)の場合が多いかと思います。しかし乳房の中にある病気が原因で乳管の中にたまった血性の内容液がつかむなどの外力にて出てきた可能性も十分にあります。
その乳房の病気の中には乳癌である場合もあります。乳癌以外の病気でももちろん出血します。そういった病変は小さいことがありますので、3月前の検査でもひっかかからないことも十分にあります。乳腺専門医受診をおすすめします。(文責 福間)

 

No.3498】 05年02月12日   k m
術後病理診断後の治療について

妻の乳癌について教えてください。37歳閉経前、1月下旬に温存手術(2期・センチネル生検実施・腋下リンパ節非郭清)をしました。術後の病理結果は下記の通りです。
1)悪性度:グレード3(充実腺管癌・原発巣2cm強・乳腺に沿った細かい癌細胞の拡散あり)
2)切除断端:陽性(肩に近い部分、乳腺の上限辺りが陽性)
3)リンパ節:転移なし(センチネル2個摘出で陰性)
4)HER2:遺伝子陽性・受容体3+

今後の治療は、下記の予定です。
@放射線照射30回、Aゾラデックス(月1回皮下注射・2年)、BノルバデックスD(毎朝1錠経口・5年)、C半年に1回検査実施

下記について教えてください。
1) 断端陽性に関しては、放射線照射で対処できると聞きましたが、追加切除しなくて大丈夫でしょうか? 肩に近い乳腺の上限付近が切除断端の陽性箇所で、この先はおそらく脂肪と思われるとのことでした。癌が取りきれていない場合に、放射線で撃退できるのでしょうか?
2) 2期ではありますが、悪性度がグレード3で、HER2が遺伝子陽性・受容体3+というのは、高リスクでしょうか?
3) 予後の予測は厳しいでしょうか? 5年生存率・10年生存率はどのくらいになるでしょうか?
4) ハーセプチンは、転移・再発時に保険適用と聞きました。現在、転移・再発は見受けられませんが、この状態でハーセプチンを使用することに有効性はあるでしょうか?
5) ハーセプチンの投与頻度はどのくらいなのでしょうか?
6) 保険適用外でハーセプチンを使用すると、費用はどのくらいかかるのでしょうか?
7) 上記の治療予定は妥当でしょうか?

お忙しい中、恐れ入りますが、不安で一杯です。是非ともご回答いただけますよう、お願い致します。

1) 追加切除は患者さんの強い希望がなければやらないことが多いと思います。温存療法後は微少の癌が残っても大丈夫な様に放射腺を照射します。癌が残っていても撃退できることが多いです。
2) 高リスクと低リスクの中間のリスク群に相当します。
3) 5年生存率は95%程度、10年生存率は90~85%ぐらいと思います。
4)5)6) HER2が陽性ですので、この状態でハーセプチンを使用すれば再発率をさらに減らすことになると思います。しかし予防的にハーセプチンを使用したデーターはまだありません。ハーセプチンは週一回投与しなければなりませんし、期間は可能な限りです。保険適応外ですと一回7〜8万円ぐらいかかります。
7) 極めて妥当なものと思います。(文責 吉田)

 

No.3497】 05年02月12日   S
乳頭の膿みについて

21歳、未婚のSです。よろしくお願いします。一週間くらい前から、右の乳頭と乳輪に水泡のようなものができ、軟膏を塗ってもよくなりません。乳頭が切れる感じで、傷が膿み、膿んでいる周りは黒くなっています。右腋下のリンパも腫れていて痛み、同時に背中も痛みます。乳腺外科を受診しエコーをしましたが、乳腺に異常はなかったです。しかし、乳頭・乳輪は相変わらず膿んでいます。どうすればいいでしょうか? 次は皮膚科に行くべきでしょうか? パジェット病ではないか?違うとしても変な皮膚病ではないか?など、とても心配です。一人暮らしで誰にも相談できないので、アドバイスお願いします。

症状がパジェットとは違う様に思います。アレルギー性の皮膚炎など皮膚科の病気が疑われます。皮膚科にいくべきでしょう。(文責 吉田)

 

No.3496】 05年02月12日   F
今後の治療について  

初めてご相談させていただきます。 私は32歳・独身・出産歴なしです。現在、治療の最中なのですが、今後の治療について@ゼローダ ACMF Bナベルビンの中から選択をするように言われ悩んでいます。
【質問】
1) 上記の治療法の中でどれが最適と思われますか?
2) 局所再発が続いているということは、内臓及び骨等への再発が近く起こる可能性が高いのでしょうか? そういった場合、生活に支障なくいられるのはいつ頃までなのでしょうか?
3) 抗癌剤治療が続いているということで、予定があるわけではありませんが将来、出産のリスクがかなり大きくなるということでしょうか?

長くなりますが現在までの経過及び知りうる結果を明記いたします。
1)03/5〜03/9   術前抗癌剤治療(CEF)、あまり効果(しこり縮小)がみられなかったため、5クールで終了。
2)03/10      胸筋温存乳房切除術(左外上)。 組織結果:: ・大きさ 3×3×2.5cm ・硬癌 ・辺縁(−) ・リンパ管(+) ・静脈(−) ・リンパ節転移1/17 ・ハーセプチン対応 0 ・異型度3 ・ホルモン受容体 いずれも陰性
3)03/11〜04/03 術後抗癌剤治療(タキソール) 4クール
4)04/4      局所再発、左腫瘍摘出術(左皮下腫瘍)。組織結果: ・硬癌 ・断面(−)  ・ホルモン受容体 いずれも陰性
5)04/5〜04/6   放射線治療 局所25回
6)04/10〜05/2 再発。鎖骨下(左)のリンパが腫れ、しこりのようになっている。 抗癌剤治療(タキソテール) 4クール。  最新腫瘍マーカー(05/1/25): ・BCA225 42  ・CEA(CLIA) 1.0 ・CA15-3 8  ・NCC-ST439 1.4

※この後の治療について選択を迫られています。 どうぞよろしくお願いいたします。

1) アンスラサイクリン、タキサン系薬剤を使用してきてますので、今後の治療法は迷う所です。特に理論的根拠はありませんが、私ならセロータ、ナベルビン、CMFの順に使っていきます。
2) 時期については分りませんが、内蔵、骨へ転移が出てくる可能性は少なくとも20%以上あると思います。再発のみられる部位により支障なく暮らせる期間はまちまちですが、乳癌の場合は消化器癌と違い最後まで家で元気な方が多いようです。
3) 過去に抗癌剤を投与したことにより出産のリスクが高くなるとは思えませんが、卵巣機能が低下しますので妊娠はしにくくなるでしょう。(文責 吉田)

 

No.3495】 05年02月12日    M.S.
癌性髄膜炎のその後(2)(HPNo.2136-3)

いつも都合の良い時だけご相談して頂いて申し訳ありません。その後、乳房内再発した癌は組織検査をしたらホルモン受容体ではない結果(硬癌)が出たにもかかわらず、タモキシフェンを1ヶ月程飲み続けたら進行が止まったので、それ以外の治療はせず現在に至ります(乳房内再発に関しては現状維持)。ただ2ヶ月ほど前よりだんだん足に力が入らなくなり(痛みはないそうです)、最近では階段の昇り降りも苦痛になってきたので、背中のMRIを撮ったところ、背中の骨髄(?)に癌性髄膜炎とみられるものが写っていたようです。これからもっと詳しく場所、範囲等を調べて治療方針をを決定する事になりましたが、現時点では直接脊髄に抗がん剤を投入する治療が濃厚です。それで重複するかもしれませんが再度の質問です。この場合使用する抗がん剤は、どのようなものが考えられますでしょうか? また一年前に全脳照射をしたお陰で、今でも脳には異常が見られず、意識も食欲も普通で、他の臓器、骨には転移はないとの事なので、私としては姉には放射線治療が合うのかな?と思いますが、背中に放射線治療をする場合の有効性はどうでしょうか? 多分範囲によるとは思いますが、どれぐらいの広さまでだったら治療できますか? いつも漠然とした質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

癌性髄膜炎で髄膜内に注入する抗癌剤はメトトレキセイト(MTX)が一般的です。放射腺も癌性髄膜炎には有効ですので、髄注が旨くいかなかった場合放射線ということになるかも知れません。照射の範囲についてはよく知りませんが、一度に安全に行えるのは3〜4椎体ぐらいだと思います。(文責 吉田)

 

No.3494】 05年02月11日    Y.M
骨への転移では?

1年半前に温存法手術をし、術後に25回の放射線治療をしました。薬はノルバデックスを飲んでいます。リンパ節への転移はありませんでしたが、8カ月前から1CTPの数値が上がってきて、今は4.6です。RI検査をする事にはなっていますが心配です。骨への転移では? 9月のCT検査では異常はありませんでした。来週子宮筋腫の手術をしますが、1CTPとは関係はあるのでしょうか? お願いします。41歳主婦。

乳癌の骨転移は多いので、1CTPの値から骨転移の可能性は低いですがあります。CT検査では全身の骨の状態はわかりませんので、やはりRI検査が必要となります。子宮筋腫と1CTPは関係ありません。1CTPの値は正常上限ですので、今後も注意して動きを見ていくことが重要です。(文責 吉田)

 

No.3493】 05年02月11日    H.N.
術後の活動について

59歳女性です。先日(2/1)、乳房温存術を受けました。現在は傷の痛みや腕のむくみもなく、リハビリを行っております。お聞きしたいのは、今後の生活のことです。私は山歩きが趣味で、手術前までは週1回程度近隣の山林に歩きに行っておりました。軽いものですと、2キロ弱程度のリュックを背負い、30〜40分歩いて休憩を入れて、という調子で約3時間ほどです。冬でも汗をかく程度の運動でした。こういった運動は、術後はいつ頃から可能でしょうか。どんなことに注意すればよろしでしょうか。またリュックの重さや歩く距離など、この時期にはどの位までなら大丈夫という基準があれば大変ありがたいです。よろしくお願い致します。

個人差があり一概にには言えませんが、術後1ヶ月もすれば山歩きもいいでしょう。特に注意することはありませんが、あまり無理はしないことです。基準はありません。(文責 吉田)

 

No.3492】 05年02月11日    M
退院後の生活について

左乳房の全摘とリンパ郭清を多少行いました。手術の方は癌の進行がレベル1で、がん細胞も6mm程度のもので温存でも良いと言われたのですが、再発が心配で全摘を希望し行いました。現在はリンパ浮腫もなく、痛みもなく過ごしています。リハビリの方もリンパ郭清が少なかったということで、一日アップで行っていました。抗がん剤の治療も行っているのですが、もうすぐ退院できるようで、退院後どんなことに注意したらよいのかよくわからず、ご相談させていただきました。
1) 病院ではリハビリを毎日行っているのですが、退院後も同じ内容のものを行った方がいいのでしょうか。「日常生活の行動で腕をあげるように心がけたりしてください」と言われたのですが、もし家事などで腕を使っていたら、今のリハビリはいらないのでしょうか。
2) 「腕に負担のかかるような重い物は持たないでください」と言われたのですが、どのくらいまでなら持ってもよいのでしょうか。またなぜ持ってはいけないのでしょうか。家事をするとなると布団や鍋や重い物も持つ機会が多いのですが・・・。あと犬も飼っていて散歩をするとかなり腕をひっぱられるのですが、そういったことは避けた方がいいのでしょうか。
3) リンパ節を郭清すると感染しやすくなると言われたのですが、どういったことに注意したらいいのでしょうか。庭弄りが好きなのですが、そういった汚れるようなことは避けた方がいいのですか。

たくさん質問していまい申し訳ありません。他にも退院後に注意したらいいことがあったら、ぜひ教えてください。

1) リハビリと言うほど大げさでなくとも良いですが、患側の腕が十分に挙がる様に運動してください。お風呂で温めてやるといいと思います。家事とは別に退院後3〜4週間ぐらいで十分でしょう。
2) 術後創部保護のために術後1ヶ月程度はなるべく、重いものや強く引っ張ることは避けたほうが良いとされていますが、常識範囲内でかまいません。
3) 患側の腕はリンパ液がたまり易い状態にあり、小さな傷などがありますと感染を起こし易いです。庭弄りなどを行うときはビニールの手袋したほうが無難でしょう。

あとは、特に注意することはありませんが、退院後徐々にもとの生活に戻る様にしてください。(文責 吉田)

 

No.3491】 05年02月10日    HR
米粒大のしこり

はじめまして。一昨年、慢性乳腺症のしこりが大きくなったためか、乳房にくぼみを作ったりしたため、しこりの全摘出をしました。細胞診でクラスVbと出たため、悪性も疑われての手術でしたが、良性の結果が出ました。その後、2年弱程たちますが、半年から10ヶ月おき位には定期健診でエコーをしていただいてます。前回は9月でした。特に異常は認められず、3月は決算で忙しいので、4月に次の予約をしました。ところが昨年12月の頭に、左胸の外側、わきの下に近いところの皮下に米粒くらいのしこりを発見しました。かたいです。今まではありませんでした。生理前だっため、生理が終わったら消えるかもと思って様子を見ていましたが、2回来た生理の前後も小さくなることはなく、皮下にくっつくようにして、あまり位置が動くことはありません。4月にエコーとマンモグラフをする予定ですが、それまで様子を見ていて大丈夫でしょうか? あまり騒ぎたくないので、これくらいの大きさなら2ヵ月半くらいは大丈夫なのでは、と勝手に思っているのですが・・・。

米粒大のしこりであれば、4月まで待っていても大丈夫だと思います。もし増大してくるようであれば、早めに検査を受けてください。皮下にくっつくようにあるのは皮下のしこりで、乳癌やリンパ節でないことが多いと思います。(文責 吉田)

 

No.3490】 05年02月10日    M.T.
アメリカでの治療(2)(HPNo.3289-2)

HPNo.3289でお世話になったものです。その節は有難うございました。Core Needle Biopsyの検査結果は以下の通り報告がありました。
fibrocystic changes 、columnar cell hyperplasia 、radial scar 、microcalcifications in columner cell hyperplasia 、no carcinoma in situ, or invasive, is idenitfied
石灰化に関しては前にも書きましたが、良性でした。アメリカでも良性の場合はその後のフォローアップでよいということでしたが、Dr.がここで気になったのが radial scar の部分だそうです。良性のようであるが悪性に変わるかもしれないということで、Dyewire Excional Biopsyでその部分と周りの組織をとりました。これは摘出生検で摘出手術とはちがうのでしょうか? マンモグラフィ上での radial scar とは日本語で何なのでしょうか? いろんなサイトや本で調べているのですが、今ひとつ自分の中で理解できません。こちらの医者は聞けば説明をしてくれるので、前準備として日本語で理解したうえで、この検査結果を聞きたいと思っておりますので、上に書いた検査結果の言葉も含め説明していただけませんでしょうか? 検査結果から想定できる治療法のオプションとして、どんなものがあるのでしょう。以上、宜しくお願いいたします。

Radial Scarは放射状瘢痕のことで、前に行った小手術や加齢による変化によることが多いようです。小さな癌が存在している可能性がありますので、摘出生検をして調べておくのは良いでしょう。記載してある病変はいずれも良性のものであり、乳腺症を形成する部分病変です。経過観察たけで十分で、現在治療する必要はないと考えます。摘出生検は調べることを目的とします。実際に行うことは同じこともありますが、摘出手術は腫瘤の切除を目的とし治療の意味合いが強くなります。(文責 吉田)

 

No.3489】 05年02月10日    lurie
多発性乳癌

右に3cm未満からのもの5個、左に2cm未満2個、手術により右切除左部分切除予定、もちろんリンパ節は左右取るそうです。両手が不自由になる覚悟、そしてたくさんの癌、ステージがはっきり判らないまま手術でいいのだろうか。今のところ検査で転移無し、リンパも腫れていません。このような癌はもう転移しているのだろうか。手術して不自由な体と転移の心配、今痛くなく、このまま薬とかでは駄目ですか。

両側乳癌であり、これから手術を受けられるとのこと、さぞ不安だと思います。しかし、やはり手術をして、病変の広がり、組織グレード、リンパ節転移の状況、ホルモン受容体の有無などをきちんと調べ、その後の治療計画を立てたほうが良いでしょう。両側乳癌手術で両手の期間は意外と短いと思います。勇気をだして頑張ってください。(文責 吉田)

 

No.3488】 05年02月10日    K 
しこりについて

38才、2児の母です。3年前にしこりがあり、触診・細胞診を行いましたが異常はありませんでした。でも細胞が少ないみたいな所見を見て、医師はその事について何も言われず、不振に思い別の病院で触診、エコー、マンモグラフィーをしました。左右にしこりが見つかり乳腺炎、線維腺腫だと診断されました。それから年に何回か検診をしています。大きさはあまり変わっていません。今回左のしこりがエコーで映らずマンモでは映り、カテゴリ1で小さくなっていました。右は3で去年と同じらしく、今まで異常なしとしか聞いておらず、今回カテゴリ3と言われ、良性だけど悪性も否定できないとのことで半年後に受診して下さいとのことでした。それを聞いた事で、この先大丈夫か心配になってきました。それ程心配しなくてもいいのでしょうか?

右のしこりが気になっているようですが、カテゴリ3とは「良性であるが、悪性を否定できない病変」のことを指します。この場合、経過を観察し、必要があれば細胞診または生検などを行います。それほど心配することはありませんが、指示に従って必ず再診してください。(文責 吉田)

 

No.3487】 05年02月10日    TH
手術待ちの期間について

ホームページを拝見しました。参考になることが多く、有難く思います。先日、妻の乳がんについて告知を受け、以下の通り不安をかかえています。よろしくお願い致します。患者の年齢 39歳、患者の診断 乳がんのT期。
現在までの経過:
平成13年に右乳房(乳首の上方向約5cmほどの位置)に米粒大のしこりを本人が見つけ病院で検査をしてもらう。触診の結果、判定不能。様子を見ることとし、その後半年に一回の割合で検診を受けた。マンモー、エコーを受診するが良性だろうといわれる。その間徐々に大きくなる。昨年9月に穿刺吸引細胞診をうけるが良性と診断。このときシコリは1.3cm。今年1月に針生研を受け1月末日に悪性であることを告げられる。このときシコリは1.6cm。乳がんのT期。乳首を残した温存療法を薦められた。今年の4月初めにヘリカルCTを行い、リンパ腺の検査(センチネル)をした翌日に手術の予定です。手術予定日は4月中旬です。手術が非常に混んでおり、これより早期の手術は無理とのこと。手術までの間、少しでも進行をとめる手立ては無いかたずねたが、良策はないとのことでした。手術まで期間が開くことについて主治医は、「細胞診の結果、グレードTでホルモン受容体は陽性。リンパの腫れも見られない。過去の検診結果もふまえ、手術までに期間はあるものの、大勢に影響ない。手術前のホルモン剤や抗がん剤、放射線はあまり意味は無い。心配なら他病院への紹介状を書く。」 と説明してくださいました。

質問事項
1) 手術までに2ヵ月半もあるが、本当に大勢に影響ないのか。許容できるリスクなのか。
2) 手術前の対処(ホルモン剤や抗がん剤、放射線)は意味が無いのか。何もせずじっと待つのはつらいので。

お忙しいところ恐縮ですが、ご教示くださるようお願いします。

1) 奥様の様な状況ならば2ヶ月まっても大勢に影響はないと思います。
2) ホルモン受容体が陽性ですので、効果の程は分かりませんが、待っている間ホルモン剤の服用をしていても良いと思います。(文責 吉田)

 

No.3486】 05年02月10日    F.T.
抗ガン剤とホルモン療法について(HPNo.2232-8)

昨年HPNo.2232で相談をさせていただきました。再度相談させてください。
昨年3月からホルモン療法(ゾラデックス+タスオミン)を進めてきました。症状も安定しており、脈絡膜の転移の症状も少し改善し、物のゆがみの状態が少なくなってきていました。体の状態は昨年春からみれば調子はいいと感じていましたが、昨年末から腫瘍マーカーNcc−St−439の値が上がってきました。H15年12月→120 H16年3月→130 4月→140 5月→110 6月→87 7月→76 8月→52 9月→57 10月→54 11月→55 12月→66 H17年1月→80。1月の診察の際、この状態を考え、主治医から抗ガン剤治療を考えた方がいいと話がありました。治療内容は、第一に考えているのはCAF、のみ薬でサイクロフォス・・(はっきり薬の名前が分けなく申し訳ありません)、点滴で5FU、注射でアドリアマイシン。1クール(二週間治療を行い、二週間薬を休む)を6回。また、現在行っているホルモン療法も継続して行うという説明がありました。次に行うとしたらタキソールとのことでした。質問です。
1) 薬の投与方法も、経口、点滴、注射等あるようですが、投与方法によって、体への負担や、薬の効き目に違いはあるのでしょうか。Cを経口ではなく点滴が現在は標準と言うことを聞いていますが、投与方法によって薬の効果に違いはありますか。Cについて経口より点滴の投与の方が良いのでしょうか。
2) ホルモン療法も継続していくことについて:
ホルモン療法と抗ガン剤を併用するのは良くないと文献で見ました(どちらの治療が効いているのか、否かがわからない)。また、再発の場合は併用してよいということも聞いています。再発治療の場合のホルモン療法と抗ガン剤の併用について教えてください。
3) 併用していくとしたら、今までのホルモン剤(タスオミン)が効かなくなったと考え、第2のホルモン剤治療のアロマシンやアリミデックスに移行することになりますか。しかし、昨年4月の時点では閉経前でした。閉経後に適応するアロマシン、アリミデックスは使えないことになります。現在、まだ閉経前であった場合、今まで同様のゾラデックス+タスオミンの治療を抗ガン剤と併用することになるのでしょうか。

よろしくお願いします。

1) 薬の投与方法によって、負担や効果には違いがあると思います。しかしこうした方が良いという十分なエビデンスはあまりありません。CAF療法のサイクロホスファミドは以前経口でいくのが標準でしたが、現在では欧米の影響を受けて点滴の方がよく行われています。どちらでも効果に差はないと感じておりますが、経口の場合飲み忘れる人が意外に多くいました。その点、点滴だと確実です。
2) この点についても十分なエビデンスはないと思います。しかし私は再発の場合もホルモン剤と抗癌剤は併用はいたしません。抗癌剤を投与している間はホルモン剤を中止し、抗癌剤の投与が終ったら再開するようにしております。ホルモン剤と抗癌剤が互いに作用しあって夫々の効果が弱くなる可能性があるからです。
3) 現在の状況では、ホルモン剤を変更する必要はないと考えますが、主治医とよく相談してください。(文責 吉田)

 

No.3485】 05年02月09日    A.N.
良性腫瘍と腋下のしこりについて

はじめてご相談します。24歳と27歳で出産をし、二人とも2歳まで母乳で育てましたが、月経は2度とも出産後2ヶ月目から再開しています。現在34歳で、5年ほど前右胸にしこりを見つけて、細胞検査・マンモグラフィー・エコー検査を受けましたが、良性腫瘍と診断されました。大きさは現在、5年前から数ミリ大きくなって5cm弱あるそうですが、そんな大きなものを摘出すると胸の形も気になるし、怖くてそのままにしていますが、何か悪影響はあるのでしょうか? 悪性に変身したりするんですか? それから、最近右腋下のくぼみの上のほうに1cmくらいのしこりを見つけました。皮膚の近くに触れます。その2日ほど前から生理が始まっているのですが、月経・乳がん・乳腺など、何か関係があるのでしょうか? 1人め出産後、副乳が張ったことがあるのですが、何か関係がありますか?

しこりのことでご心配のことと思います。良性と思われる5cm大の腫瘤をどうするかについては医師によって意見が異なります。5年間も変わらないからそのままでいいという医師と、5cmもあるのだから切除した方がいいという医師とがあります。また自分がどう思うかです。悪性に転化する可能性は多くの場合は低いのですが、それもゼロではない、また今後も大きくなりいずれ切除するのであれば早いほうがいいと考えるか、自分ではこのまままず心配ないと思えるかです。切除しても乳房の形はあまり変わらないと思います。様子を見るにしても乳腺専門医には継続してかかる必要があります。右腋窩のしこりは副乳の可能性が高いと思います。しかし新たにできたものなら、やはり専門医を受診してください。(文責 福間)

 

No.3484】 05年02月09日    C.H.
2センチ以下の腫瘍による転移

はじめまして。基本的なことでの質問なのですが、2センチ以下の腫瘍による転移はあるのでしょうか? 母が乳がんと診断され、腫瘍は7ミリとの事なのですが・・・。

乳癌の転移は1mmから生じる可能性があります。しかし同じ性質の癌であれば、小さければ小さいほど転移の可能性は低くなります。7mmなので小さい乳癌です。可能性は低いと思います。(文責 福間)

 

No.3483】 05年02月09日    S
術後補助療法について

こんにちは。いつも誠実なご回答、有難うございます。先日、乳ガン(非浸潤癌)と言われ、手術を2回したものです。1回目は左上4分の1切除、その後の断ぺん検査(5ミリ間隔)で少し癌が残っていると言われ、2回目の追加手術(1.6cm位切除)を終えました。私の主治医は、術前は、「癌が残っていなければ放射線とホルモン療法(ノルバデックス)」と言っていたのですが、術後に、「叩けるうちに癌を叩いた方がいいため、抗ガン剤もやった方がいい」と言われました。35歳以下のため抗ガン剤は必要とも言われました。ホルモン療法はかなり効くタイプだそうです。
1)術後、放射線とホルモン療法はやりますが、抗ガン剤もやるべきだと思われますか?
2)補助療法とは関係のない質問ですが、血液検査で骨への転移検査の数値が少しだけ高いと言われました。(気にする事はないと言われましたが)非浸潤癌でも骨への転移を気にするものなのでしょうか?

お忙しいとは思いますが、ご回答よろしくお願いいたします。

1)まず現在の病理結果が術前に伝えられたように非浸潤癌のままでいいのかどうかです。非浸潤癌であれば抗ガン剤をやる必要はないと考える医師も多いかと思います。ただ1回目と追加切除を待つ期間が長くて、用心で抗ガン剤をやると考えているかもしれません。追加病理検査で浸潤部が見つかったようであれば、35歳以下ですので抗ガン剤をやる方向になるのではないでしょうか?
2)最終病理診断で非浸潤癌であればまず心配はいりません。しかし非浸潤癌でも再発する場合があります。病理で詳しく調べても浸潤部を調べたりない場合があるからです。(文責 福間)

 

No.3482】 05年02月09日    T子 
薬と健康食品の併用について

始めまして。2年半前に乳がんの手術をし、点滴による抗がん剤治療、ゾラデックスを経て、現在は錠剤のタスオミンのみです。順調に回復しているようなのですが、最近抵抗力がおちているようで、白血球数も2490と低く、風邪をひくと治りにくくなったり、度々口内炎もおこします。46歳という年齢からくる更年期障害のような症状も多少あります。そこで、万田酵素という健康食品を耳にしたのですが、今飲んでいるホルモン剤(タスオミン)との併用はどうなのでしょうか?  またこの食品は私のような状態の時は効き目があるでしょうか? ちなみに、ここ2年ほど青汁をのんでいます。ご指導のほど、宜しくお願いいたします。

残念ながら市販されている健康食品のすべてに対する知識を医師が持っているわけでなく、またその食品の有用性などを検証している組織が作られようとする動きもあるのですが、すべての食品を網羅できるわけでもありません。米国では国予算が付き、少しずつ検証しているようです。万田酵素のHPをみました。タスオミンとの飲みあわせに関してはわかりません。申し訳ありませんが、自己責任で飲む形になります。(文責 福間)

 

No.3481】 05年02月09日    Y.Y.
温存術を薦められています

はじめまして。31歳、昨年6月に乳癌の診断を受けました。手術を受け入れられずに、術前化学療法をはじめ、腫瘍が分からなくなってしまいました。しかし、主治医から、「せめて腫瘍があったと思われるところだけでも、くり抜いておいたほうが良い」と、温存術を薦められています。分からなくなった乳癌を様子をみているのは、危険ですか?分からなくなったのに、あったと思われる場所を上手くくり抜く事は出来るんでしょうか? 教えてください。

化学療法が効いてよかったと思います。化学療法は6ヶ月施行したものと思います。化学療法をした後で、手では腫瘤が触れなくなった状態だと理解して説明します。触診で触れなくなる状態でも、あるいは検査(MRIなどの検査)をしてしこりが認められないような状態でも、手術をしてとったものを調べてみると、わずかでも癌が残っている場合が少なくありません。化学療法をしても画像などの検査などで癌の残存が正確に予測できないのが現状です。ですから現時点では画像で癌が消失しても原則手術による切除が必要だと思われます。また腫瘤の存在した部位は術前検査などの検討や癌の瘢痕などで存在部位を推定することが可能です。傷を乳房にあまりつけたくないのであれば、内視鏡手術などの選択枝があります。(文責 福間)

 

No.3480】 05年02月09日    uo 
おばの乳がんについて

はじめまして。お忙しいところ申し訳ありませんが、伯母の乳がんについて相談にのってください。今までの経過は次の通りです。「H11.8 乳がん1期左乳房温存手術、H12.2 右胸に再発 温存手術 放射線をあてていません、H13.5 右乳房全摘、H14.2 脊椎・腸骨転移、H16 肝臓転移、H17.1 肺に水がたまる」
現在は2週間に一度、タキソテール60ccをうけています。2週間前に急に手の甲にむくみがでて、薬のステロイドをやめたようです。それから咳が出始め、調べたところ、肺に水がたまっていることがわかりました。2週間前までは元気だったのですが、今はせき、鼻血、下痢があり、辛そうです。そこで質問ですが、
@ どうしたら咳、鼻血、下痢が治まり、少しでも楽になりますか? マスクをしてると咳は楽になるようです。
A 主治医は、肺の水は抜いてもまたたまるので抜かないとおっしゃっているようですが、抜かなくてもいいですか? 自然に消えることはないですか?
B 抗がん剤の後は水分をどのくらい摂ったほうがいいですか? 肺に水がたまるのとは関係ないですか?
C 昨年の8月に余命半年と告げられ、そのときが迫っていますが、このまま悪くなっていくのでしょうか? 最近までがん患者とは思えないほど元気だったので、信じられません。病状が進んでるということでしょうか。

同じ時期に母も乳がんを患い、母は丸6年再発なしで元気にしているだけに、伯母もよくなってほしいと思っていましたが、今は少しでも長く生きてほしいと祈っています。お忙しいと思いますが、よろしくお願い申し上げます。

おばさんのことmご心配のことと思います。急に悪化したのがなぜかという思いがあると思います。ただ乳癌再発後もお元気で過ごす方が多くいらっしゃいます。しかしおばさんの場合は6年ほどの経過で確実に病気が進行しています。
肺は呼吸に直接関わる重要な臓器です。水がたまるだけでなく肺の中のリンパ管などにも癌がひろがると、急に咳や呼吸困難などの症状がでてきます。鼻血、下痢は肺の症状ではなく、抗ガン剤などの副作用なども考えられます。もし呼吸困難などの症状が出てくるようであれば、やはり肺の周囲の水(胸水)を抜くような処置が必要になるかもしれません。ただ症状はわかるのですが、その背景となる病気の状況は十分にはわかりません。やはり今後の抗ガン剤使用などについて主治医と相談される必要があります。水の大量摂取が原因で胸水がたまっている訳ではありません。普段通りの水分摂取でいいかと思います。(文責 福間)

 

No.3479】 05年02月09日    S 
妊娠中のマンモグラフィー

1/24に乳房に違和感の為、乳腺外科を受診(結局ただの静脈の炎症でした)。その際、妊娠の可能性があることは伝えたのですが、被爆量の少なさを説明されて、エプロンをつけマンモグラフィーをしました。今日(2/7)妊娠4週後半と判明しました。今頃になって不安になってきたのですが、大丈夫でしょうか?

X線遮蔽のためのエプロンを付けてマンモグラフィをとったのであれば、妊娠初期であっても何の心配もありません。(文責 吉田)

 

No.3478】 05年02月09日    H
核異形度について

核異形度(Nuclear grade)の詳しい基準について教えて下さい。核異形度からは何がわかるのでしょうか? DCISでNuclear grade:score 2と病理組織検査で診断された場合、悪性度の度合いはどの程度なのでしょうか?

核異型度は病理の標本を病理医が検鏡して判断するもので、1〜3に分類するものです。異型が強ければ3、弱ければ1で、中間が2です。ですから病理医間で多少のズレがあることもあります。がん細胞の「顔つき」を見ているわけですので、「顔つき」の悪いのはだいだい性格も悪いという具合に、癌の悪性度の一表現として用います。でも「顔つき」が悪くても性格の良い人も沢山いるわけで、真実を示しているわけではありません。DCISでnuclear grade 2というのは、乳癌としでは悪性度は低いと考えてよいでしょう。(文責 吉田)

 

No.3477】 05年02月09日    Y.S.
母の乳癌について

いつも拝見しております。早速ご相談なのですが、昨年の7月母の乳癌がみつかりました。ホルモンレセプター陰性、HER2陽性(3+)、リンパ節転移あり、鎖骨上に転移あり、骨・内蔵には転移なしという状態です。まずタキソールから始まり、すぐにハーセプチンとパクリタキセルを投与して、脇のしこりが小さくなったところで11月に全摘しました。その際、脇リンパ節は10個とり、そのうちの一つに転移があったそうです。そして現在もハーセプチンとパクリタキセルを投与しています。そこで質問が3つあります。
@ もし鎖骨上の転移が抗がん剤で消えなければ放射線治療を主治医は考えているようです。母はできればやりたくないらしいのですが、したほうが良いのでしょうか?
A 手術から3ヶ月たった今でもリンパ液が脇の下部に溜まり、週2回くらい抜きに行っているそうです。そのうち溜まらなくなるとは言われているらしいのですが、今月末には海外旅行に行くそうなので心配しています。そんなに心配することはないのでしょうか?
B 体に良いそうなので母に足マッサージ機を買いたいと思っております。ただ血行が良くなると悪い癌もあるらしいので、母の癌はだいじょうぶかどうか教えてください。

以上離れて暮らしていることと、母は主治医の方を信頼しているためあまり細かく治療などについて聞かないようで、分かりにくい部分などあるかもしれませんが、お答え頂ければ幸いです。何卒よろしくお願いいたします。

@ 鎖骨上の転移巣がそのままであれば良いのですが、増大してくることもあります。今のところ他に転移がないのですから、放射線照射か切除してしまうのが良いと思います。本人がしたくないのであれば仕方ないですが・・・。
A リンパ液は必ずとまりますが、いつまでにとは言えません。たまりが多い場合は海外旅行は断念しなくてはなりません。主治医とよく相談してください。
B 明らかな転移巣が足に存在しているわけではありませんので、足マッサージ機は使用して問題ないものと思います。(文責 吉田)

 

No.3476-1】 05年02月09日    M 
乳房の検査時期について

初めまして。私は33歳の既婚者で、妊娠経験はありません。ここ数日、気になる症状があります。左乳房に軽い痛みがあり、小さなしこりのようなものもあります。脇の下、肩胛骨、首筋も痛み、首のリンパが腫れている感じがします。25歳くらいの時にも同じような症状があり、検査を受けたことがあります。その時は乳腺症とのことでした。今、生理2日目です。検査してもらうとしたら生理が終わってどれくらいで行けばよいのでしょうか?

乳房の検査はいつでも行えますが、生理前とか生理中だと乳房自体が腫張して病変がよくわからないことがあります。検査を受ける時期としては生理後1−2週がよいと思います。(文責 吉田)

 

No.3476-2】 05年02月17日    M 
乳房の検査時期について(2)

先日HPNo.3476でお返事頂き、ありがとうございました。未だ胸の痛みはなくならず、心配の日々を過ごしております。早く検査に行きたいとは思っているのですが、少なくとも今月中は仕事を休むことが出来ません。乳ガンは一般的に痛みを感じないことのほうが多いといわれていますが、痛みを感じての乳ガンということでしたら、かなり進行しているということでしょうか? 私の症状ですが、左胸に鈍い痛みがあり、外側やや下に小さなしこりのようなものがあります。触るところころと動き、痛みも少し感じます。あと脇の下のリンパ線と肩胛骨に痛みがあります。あるHPの体験談で、しこりのほかに肩胛骨や肩の痛みがあり、検査をしたら乳ガンだったというのを見たことがあります。やはり、無理にでも仕事を休んで、早めに病院に行ったほうが良いのでしょうか?

乳癌なら痛むとか痛まないとかいったことは診断の上からあまり参考になりません。いろいろな場合があります。あなたの今の症状が乳癌に関連しているのかどうかは、よくわかりません。症状だけではわかりません。心配なら病院を受診し、早く安心した方が良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.3475】 05年02月09日    M.H.
しこりについて

こんばんは。先日、右胸の「ころころくりくり」としたしこりに気がつきました。すぐに国立病院に行き、触診、マンモグラフィ、超音波検査を受けました。しこりは小豆大で、マンモグラフィには何も問題は無く、超音波でも問題はなしということでした。「乳癌の心配は無いといっていいでしょう、乳腺症だと思われます。ただ、人間の行う検査ですから100パーセントはありえません。乳癌ではないということをより確実にするために、これから2ヶ月毎計2回くらい、超音波と触診で見てみましょう」と言われました。私としては、経過を見る・・・と言われただけで、「やっぱりガンなのかな?」などと考えてしまいます。
@ 乳癌の心配がほとんど無い場合でも、このように2ヶ月後に再診をするものなのですか?
A しこりが動く、動かないと言いますが、動くとはどのくらいを言うのですか? 何センチも移動するくらいなのですか?(ちなみに私のしこりは押すと、くりっと動くような感じがする程度です)
B このときの超音波ですが、丁寧に時間をかけてくださっていましたが、「ちょっと上手く撮れなかったんだけど・・」なんておっしゃるので、「この先生で大丈夫なのかな?」と思ってしまいました。しこりを写し出すのは難しいものなのですか?
C 乳腺症のしこりは痛みがあるといわれていますが、私はしこり自体痛くありません。ただ気になって触りすぎたら、(生理前でした)いつもの生理前の胸の痛み(うつぶせになって寝ると痛い等)と一緒になってしまい、よくわかりません。しこりの特徴とはどこまで確かなのですか?

たくさん質問してしまい申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

質問順にお答えします。
@ 乳房に良性を思われるしこりがあり経過観察を行う場合、間をあけて再診いたしますが、どの位間をあけるかは決まりがありません。丁寧に診察する場合は2ヶ月後ということもあります。
A 乳腺のしこりが動くという表現は、しこりが周囲の乳腺組織に浸潤や癒着の程度が軽いこと意味するもので、実際に動いているわけではありません。感覚的なものですので明確な基準はありません。
B しこりが小さくよく動く場合、超音波で写真をとるタイミングがずれてしまうことはよくあります。医師の技量とは関係ありません。
C しこりの特徴は「癌らしい」とか「乳腺症らしい」といった程度でしか表現できません。ですから他の検査所見とあわせて総合的に診断することが必要です。再診した時によく調べてもらいましょう。(文責 吉田)

 

No.3474】 05年02月09日    S 
乳腺線維腺腫と診断を受けました(33歳)

区民検診で異常があり、病院で検査したところ、上記の診断です。
1) 医師は、「痛みが出てきたらまた来て下さい」と言われたのですが、痛みとはどんな痛みでしょうか。現在は無症状と思っていたのですが、上記と診断されてから、気になるような違和感が右胸にあります。今までは生理前後に胸が張ったりしていたので、それかと気にしなかったのですが、痛みではなく、何か違和感です。それとも痛みとは、ちくちくしたものや、はっきりしたものでしょうか。
2) 医師は触診でもしこりがわからないということで、超音波とマンモグラフィで上記判断をされたのですが、ということは、しこりは小さいほうなのでしょうか。
3) 例えば、沢山揉むとかすれば自然に消えるとか、何か方法がないのでしょうか。マンモグラフィも凄く痛かったし、余りやりたくないです。既婚、出産経験ナシです。
4) ネットなどで拝見すると、これは大きくなることがあるというので、出来たらもう一つ他の病院にいこうかと思っているのですが、マンモグラフィが痛かったので迷っています。去年の12月の診断で分かったのですが、もう少し間をあけて病院に行ったほうがいいのか、迷っています。教えて下さい。胸は小さいです。

1) 痛みとは残念ながら個人差が大きく、自覚症状である為、他人が評価する事は困難です。ご自身が「痛い」と感じたものが「痛み」としか言いようがないのですが、そんなに厳密なものではなく、「痛い」と思われた時に再度受診されてみて、余り問題はない筈です。
2) 通常乳房の小さい方ですと、非常に分かり易い部位に出来たしこりで1cm以下でも分かる事がありますが、乳房の大きい方や、皮下脂肪の厚い方などでは1cm以上にならないと触れにくいと考えられます。従って貴女の画像に現れた病変は恐らくは小さい方なのではないかと推測しますが、詳細は診察医に確かめられた方が確実ではないかと思います。この場では検査所見を拝見していません以上憶測でしかありませんので。
3) 特に何もする必要はありませんし、何かしたから消える、と言うものではありません。(必要であれば貴女の診察医が指示をすると思います。)
4) どの時期にどの程度の検査を受けた方が良いのか、と言う事は、その方の症状や所見によって各々異なりますので、残念ながらこのご質問内容だけではハッキリとお答え出来かねます。それから、貴女は何を求めて他医師を尋ねたいとお考えなのでしょうか?その目的をハッキリと認識する事がも大切です。”ただ、何となく最初の医師の説明が不安だから”他の医師の意見を求めたい、と言う様な理由で所謂「セカンドオピニオン」と言う物を求めて尋ねるのでしたら、出来る限り前医での検査結果を借用して別の医師の扉を叩く方が、無駄に被爆を繰り返す機会を減らせると思います(マンモグラフィーは少ない線量ですが、被爆します)。
幾ら患者さん自身の言葉で状況を説明して頂いても診察する側としては、結局検査させて貰わないと詳細は分かりませんし、前回どの様な検査をどの位前に行っていて、どの様な所見だったかを確かめられれば、必要最小限の検査で結論を出し易くなります。つまり、前医での検査結果を借用出来れば、それに対して適切なコメントも出来ますし、次にどの位の間隔を開けてどの様な検査を行えば良いか、きちんとしたアドバイスが出来ます。もしかしたら貴女は尋ねた先の医師の言葉でも、再び充分に納得出来なければ、また他の医師を訪ねて再び検査を勧められるままに何度も受ける事になりはしないでしょうか。「定期的にフォローする様に」或いは「何ヶ月後に検査を受けるように」、と他医で指示された方がいきなり外来にいらっしゃる事がありますが、結局は前の検査所見との比較が出来ない為、1から検査をし直す事になってしまいますので、もう一度良く考えてみてください。
最後になりますが、今回のように精密検査を受け、がんがないと言われても、月1回は触診による自己検診を行って、自分の乳房の状態の把握に務めて下さい。しこりが新しく出来たり、大きくなる場合は、乳腺症ではない事もありますので、以前と変わった点がある、と気付いた時点で必ず再受診なさって下さい。自己検診で異常がなくても痛みなどの症状が現れた場合に再診察してみると前回の画像で写った“しこり”の部分が大きくなっている事もあるので、気付いた時点で再診察を受け、きちんとフォローする必要があるでしょう。(文責 矢吹)

 

No.3473】 05年02月09日    T.M 
左胸のしこりと痛み、石灰化

初めまして。私は32才未婚の女性です。出産経験はありません。5日程前から身体を動かしたり、大きく呼吸をすると、左胸の下部(身体の中心よりで、身体の奥・・?のような感じです)に痛みを感じます。触ってみると、その痛みのある部分に5cmぐらいの盛り上がったようなしこりのようなものがあります(右胸の同じ箇所には何の盛り上がりもありません)。そのしこりを直接押してもさほど痛くはありません。痛みが強くなったような気がして、乳腺外科を受診しました。触診では異常はないが、リンパ節が腫れていると言われました。気になるなら超音波検査とマンモグラフィーの検査をしてみたらと言われ、受けたところ、超音波では左胸上部に嚢庖が認められ、マンモグラフィーではやはり左胸上部に散在した点状の小さな石灰化がありました。炎症による乳腺症で、嚢庖やリンパの腫れ、痛みやしこりはそのせいだということでした。乳腺症に関してはホルモン剤を使用することもできるが、かなり強い薬で、アトピーと言う事もあり、あまりお勧めできないとの事、処置なしで、痛みはその内なくなると言われました。石灰化に関しては経過観察で、今のところは乳ガンの心配はないが、この石灰化が数が増加したり、集まってくると乳ガンの可能性があるといわれました。4ヶ月後に再度検査するよういわれました。
1) 炎症による乳腺症と言う事ですが、炎症の原因としては何が考えられるのでしょうか? 最近、大きな外傷を負ったり、動物に引っ掻かれたりということはありませんでした。
2) 石灰化ですが、既出の質問を拝見していると、明らかに分かる良性と悪性があり、どちらか分からない場合も有るとありましたが、受診した医師の台詞からして私はど
ちらか判断がつかない石灰化、ということなのでしょうか?
3) 悪性だと乳ガン、ということなのでしょうが今の状態から悪性になる可能性はどのぐらいあるのでしょうか?
4) 石灰化は増える事はあっても殆どの場合消失することはない、と言われました。一度出来てしまったら、今後一生乳ガンの発症を危惧していかなければならないので
しょうか?ずっと経過観察でそのたび検査を受ける必要があるのでしょうか?
5) 今後の日常生活の中で留意することはあるのでしょうか?

初めて外科を受診し、突然嚢庖だの石灰化だのいわれて動揺してしまい、あまり医師に質問することが出来ず、この場をお借りしました。多くの質問で大変恐縮ですが、お答え頂いたら嬉しく思います。今後のことを考えるととても不安です。

1) 乳腺症とは通常、月経周期に伴う女性ホルモンの変動などによって、周期的に乳腺・内分泌外科が張ったり痛みを帯びる症状を呈しますが、基本的には“生理的変化”の一部と考えられており、病的なものとは区別して考えられています。貴女の主治医が“炎症によるもの”と判断された根拠はお手紙の内容からはハッキリとは分かりかね
ますが、アトピーなどによって、皮膚の炎症状態などがあると、腋窩のリンパ節が腫れたりする場合はあるかも知れません。この点につきましてこちらとしましても診察させて頂いておりませんので、分かりかねます。主治医に良くお尋ねになってみて下さい。
2) これもお写真を拝見しません事には何とも言えません。(恐らくはそうなのではないかと思いますが)主治医に直接確かめてみて下さる事をお勧め致します。
3) 超音波検査では腫瘍はない、と言う事の様ですので、マンモグラフィーでの石灰化のみの場合は、乳癌でもごく初期の“乳管内癌”と言って転移を起こさない段階の癌を見ている場合があります。これは治療さえ受ければほぼ100%完治します。この場合はその石灰の部分を切除、或いはマンモトムと言う装置を用いて太い針で組織を取って来て、顕微鏡で検査しないと、完全に悪性(乳管内癌)ではない、とは言い切れません。しかし、主治医が貴女に敢えて観血的(血が出る方法)検査を勧めないのは、どちらかと言うと良性寄りの像だ、と言う意味かも知れません。併せて主治医に再度質問なさって下さい。又、現在見ている石灰化が本当に良性であれば「悪性(癌)に変わる」のではありません。癌は発生した時点から癌で、途中から「変わる」ものではないと考えられています。但し「癌」である、と診断がつかない場合もありますので、注意深く経過観察する事が必要な場合がある、と理解して下さい。
4) 貴女のMMGに写った石灰化が、癌を強く疑うものであればきちんと経過観察、ないし上述した様にハッキリとさせる為にも組織を取って診断する必要がありますので、その点を主治医に良く確かめて頂く必要があります。ただ、良性の石灰化であれば、年齢を重ねるほど増えて来ますが余り心配は要りません。また、検査の結果今回の所見が良性で、癌の心配はない、とされても、今後の一生を通じてずっと大丈夫だ(癌は発生しない)、と保証されたと言う事にはなりません。乳癌のリスクは一生を通じて全女性に等しい割合である訳ですから(現在日本人女性25人に1人が一生の内に乳癌に罹患すると言われています。)これをきっかけに最低でも1-2年に1回は何らかの形で乳房の検診は受け続ける事をお勧めします。所見や症状のある方の経過観察の方法や間隔はその人毎に違いますので、主治医に良く説明を求める様にして下さい。
5) 乳腺症の痛みに対する注意事項と基本的には同じなのですが、なるべく規則正しい生活を心掛け、ストレスを避ける事。適度な運動を心掛け肥満を避ける事。睡眠を充分に取る、飲酒、喫煙(受動喫煙も)を避ける事。動物性蛋白および脂肪の過剰な摂取を避け、植物性の物を多く摂取する様な食事内容に改める。高カロリーな食生活を改める事、等を心掛けてみて下さい。そして忘れずに月に1度自分の乳房を良く触診して異常が現れていないか確かめて下さい。(文責 矢吹)

 

No.3472】 05年02月08日    まこ 
石灰化の場所が痛むことはあるのでしょうか?(HPNo.3275-2)

HPNo.3275で質問させて頂きました。その後専門医を受診し、近日中にマンモトーム生検を受けることになりました。先月から、生理が終わってからも乳房痛があり、触らなくても時々ズキンという感じで痛みます。場所はちょうど石灰化のあるところなので気になり、今回の先生に尋ねたところ、「乳腺の腫れが見られるが心配するものではない」と言われました。また、左乳房にはのう胞が数個あるが、それも心配するには及ばないとのことです。気になるのは、2ヶ月前に撮ったマンモグラフィーを前回の病院から借りずに受診したため、先生には見比べていただくことができませんでしたが、当初の石灰化の数より増えた気がします。また、前回は無かった場所に数個の石灰ができていました。先生にこのことを話しそびれてしまい、今になって気になっています。石灰化の場所が痛むことはあるのでしょうか? また、新たに石灰化ができたということは、がんの確立が高いのでしょうか? 恐縮ですが、御回答をお願い致します。

まず、痛みのある所に、必ず癌がある訳ではない、と言う事をもう一度確認してください。痛みはむしろ乳腺症など、ホルモンの影響で現れる事が多いのです。石灰がある場所が必ずしも痛むとも限りません。石灰の場所が痛むか痛まないかは本来あまり心配な事ではありません。炎症や熱や膿を持つ様な状態で無い限り、貴女の担当医が言うように痛みについては無駄に心配し過ぎない様にして頂きたいと思います。
また、前回のMMGと比較出来なくて増えているのかも知れない、とご心配なのでしたら、前医に貴女自身で連絡すれば普通すぐに貸してくれる筈なので、申し出てみてはいかがでしょうか。石灰の性質を見てみない事には新たに出来た物が癌かどうかは分かりません。(増えたからと言っても必ずしも癌である、とは言えません。)むしろその事をきちんと検査の際、マンモトームの担当医師にお話なさって下さい。(文責  矢吹)

 

No.3471】 05年02月08日    C.H
温存手術・放射線治療と授乳について(30代)

温存手術を受け、まもなく放射線治療が始まるところです。放射線治療をすると母乳がでなくなると知人から聞きました。乳がん温存手術や放射線治療をすると、母乳がでなくなるのですか? もしその場合、反対側は大丈夫でしょうか。将来できれば子供は母乳で育てたいと思っています。とても大切なことだと思うので、よろしくお願い致します。

安心して下さい。確かに、放射線照射を受けた側は乳汁を作る事が出来なくなると思いますが、反対側の乳房は正常に乳汁分泌出来る筈です。貴女と同様に乳房温存治療を受けた患者さんで、きちんと出産後、ご自分で授乳して赤ちゃんを育てている方は沢山いらっしゃいます。また、将来授かる赤ちゃんの成長を見守って上げる為にも貴女が健康であり続ける必要があると思います。放射線治療は局所再発を押さえますので、出来れば躊躇せず受けて頂きたいと思います。(文責  矢吹)

 

No.3470】 05年02月05日    K.O
温存手術後の治療について

温存手術後の治療について2つご相談したいことがあり、メールをしました。よろしくお願いします。1つは、昨年12月にステージ1で温存手術を受け、1月よりノルバデックス・D錠(20mg)を飲んでいますが、子宮体ガンの副作用が心配です。生理は1年位前から不順で、昨10月には突然普通にあったきりで、ホルモン療法で問題にされる閉経前・後のちょうど境目になるかと思います。主治医には、薬を変えてもいいが未承認の薬は副作用がまだわからないといわれて、アロマターゼ阻害剤への変更をお願いできずにいます。現在、アロマターゼ阻害剤は一般的にはどの程度処方されているのでしょうか。
2つめは、放射線治療でブースト照射を5回する予定ですが、数ヶ月から数年後に乳房が硬くなり治らなくなるというようなことを本で読み、不安に思っています。現在、副作用はまだありませんが、放射線科の医師に質問しても大丈夫としか答えてもらえません。どちらが本当なのか知りたいと思っています。

最初の質問ですが、アロマターゼ阻害剤は閉経後乳癌に適応となっている薬剤です。閉経期前後の方は血中のエストロゲン等のホルモン値を計測し閉経状態の有無につき確認された方がよろしいと思います。最近のデーターでは閉経後乳癌の方にはアロマターゼ阻害剤の有効性が証明されてきていますので、処方される先生も増えているのではないでしょうか。具体的な処方の頻度はわかりません。二番目の質問のブースト照射後のことですが、乳房が硬くなり治らなくなるという記載については疑問です。通常の残存乳房に対する照射後も一時的には硬くなりますが、しばらくすると柔らかさが戻ります。ブースト照射を行っても必ず硬くなるとはいえないと思います。放射線科の先生がおっしゃるとおりではないでしょうか。(文責 西川)

 

No.3469】 05年02月05日    Y.N
乳首全体の痛みについて(HPNo.3333-2)

よろしくお願い致します。HPNo.3333にて、別件ご回答頂きました。41才・未出産者です。乳首の痛みについて相談させてください。生理まで二週間ほどです。一週間ほど前から、乳首の表面がひりひりと感じ、多少の痛みがあります。表現がうまく出来ないのですが、内部からも痛みを感じる気がします。ひりひり感は、下着がすれて痛いような感じがしますが、下着の有無にかかわらず痛いです。また、乳房が張っている感じもします。出血や傷などはありません。2月中旬に、「マンモグラフィ」の検診を受けますが、痛みが継続しているので終日気になり、こちらに相談させていただきました。乳頭の癌もあるようでので、気になっております。どうぞよろしくお願い致します。

乳頭や乳房の疼痛があり癌が心配で外来受診される方が多いですが、一般的には乳腺症であることが多いと思います。41歳であることから乳腺症の好発する年齢でもありますので、検診にてよく見ていただいてください。乳頭周囲に出現するPaget病という特殊な癌もありますが、まずは乳腺外科の受診をおすすめします。(文責 西川)

 

No.3468】 05年02月05日    M 
リンパ節転移の可能性

3年半前に、術前化学療法を2クール行って3cmのしこりが半分になり、乳房温存法で内視鏡手術をしました。術後は放射線を25回照射し、現在はホルモン剤を飲んでいます。順調でしたが、4・5ヶ月前から手術した方の左腕が軽いリンパ浮腫でむくんでいます。昨日、MR・RI・腹部超音波・肺レントゲンの検査をしたところ、MRで脇の下に白くはっきりとした影が出ました。左脇リンパ節は半分くらい取ってあります。担当医の話では血管に造影剤が残って出たのかもとのことで、2月4日にCT検査を行う事になっています。昨年9月のCT検査では何の問題もなかったのですが、4ヶ月くらいでこのようなはっきりした影が出るような症状、転移があるものでしょうか? ちなみに、昨日は腫瘍マーカーの数値はまだ出ておらず、白血球は5300でした。2月4日に検査をして、7日に判ることになっていますが、それまで心配でたまりません。何かわかることがあれば教えてください。よろしくお願いします。53歳主婦。

手術を受けられた時の腫瘍の状況やリンパ節の転移の有無などの情報が無いため細かいことはお伝えできませんが、抗ガン剤を使用されていないことからおそらく転移は無かったのでしょうか。ご質問の内容からは術後のリンパ浮腫なのかリンパ節再発なのか、その他のことなのか判断できませんが、CT検査の結果を待ちましょう。4ヶ月前に問題が無かったから今回は違うとは言い切れませんが、主治医の方が細かく検査をされているようですので結果を良く聞いてください。(文責 西川)

 

No.3467】 05年02月05日    R.K.
しこりと赤い分泌物があります

はじめまして。4歳、2歳の二児を持つ33歳女性です。先日乳がん検診を受診し、しこりがあるとのことでマンモグラフィーをとりました。その結果、要再検査ということで、来週乳腺外科に行く予定になっています。今日、しこりに触れてみていたら、乳首から赤い分泌物が出てきたのですが、これは乳がんの可能性が大きいということなのでしょうか? 次回の検査まで不安でならないのですが、赤い分泌物が出る他の要因というのはあるものでしょうか? お忙しいところ申し訳ありません。どうか、お教えください。

ご心配ですね。しこりと血性乳頭分泌は、関係がある場合と関係がない場合があります。関係がある場合は、しこりが乳管の中にあったり、浸潤したときに出現します。これは、良性の乳管内乳頭腫でも見られますし、がんのときにも出てくる場合があります。関係がない場合は、しこりとは別に乳管の病気かある時です。また、打撲後や授乳により乳頭が噛まれる事により傷つき出血する事もあります。このように、色々な事が考えられますので、専門の先生によく見て頂いて下さい。お大事になさって下さい。(文責 宮本)

 

No.3466-1】 05年02月05日    MA
むくみについて

母が乳癌の治療に通っています。週一回、タキソールの点滴です。足や手のむくみがだいぶひどくなり、よく聞くしびれよりもむくみを気にしているようです。フットバス程度しか思いつかなくて購入してやらせていますが、他に何かむくみを取る方法はありますか?

タキソールの治療でたいへんそうですね。タキソールは奏功率が良い薬なのでよく乳がんの治療に使用されますが、副作用にしびれやむくみがあります。むくみは内服薬や漢方で軽減する事もあります。また、むくみは体の抹消の血液の流れが悪くても生じる事がありますので、水分を良く摂って、手や足首をぐるぐるまわしたり、湯船に浸かりつつ、体の先から心臓にむけて全身を万遍なく軽くマッサージをしてあげると良いと思います。がん関係の書籍以外にも女性誌や健康雑誌などにリンパドレナージの事が書かれてあったりします。ご参考になると思いますのでご一読ください(図解が無いと解りにくいと思いますので)。お大事になさって下さい。(文責 宮本)

 

No.3466-2】 05年02月21日    MA
アリミデックスについて

先日はむくみの件、お答え頂きまして有難うございました。あれから再検査を受け、母のしこりの大きさが12センチという大きなものであることが判明しました。ただ、他の臓器に転移していないことが救いです。これから点滴とアリミデックスでの治療となるそうです。アリミデックスとはどんな効果がありますか?ステロイドは非ステロイドと書いてあったので安心していますが、効果は見込めますか?手術はその効果によってだと聞いています。副作用はどんなことが考えられますか?  

アリミデックスは非ステロイド系のアロマターゼ阻害剤というホルモン治療剤です。現在閉経後乳癌の方に使われだした薬剤です。タモキシフェンより効果があるかもしれません。 副作用は筋肉痛、関節痛、骨粗しょう症などです。(文責 麻賀)

 

No.3465】 05年02月05日    R . M
補助療法について 

38歳、11月に左乳房部分切除術+センチネルリンパ節生検をしました。術後病理診断は次のとおりです。
診断: Breast,left,wide excision and axillary dissection:
Infiltrating mammary carcinoma , no special type, apocrine features, intermediate combined histologic grade and intermediate proliferation rate, with moderate lymphatic involvement, I solated tumor cells (0.16mm) in a sentinel lymph node, pNO,0/2

所見:
全体:85g, 5.5×7cm、 皮切:3.3×1.2cm、 IMC:1.3×1.5×1.3cm、乳頭腺管癌、管状癌を含む。f+,ly++,v-,s-,#8(ly+),9(ly+),15,18-19(ly+) &1(免疫染色用)、DCIS solid type : #4,6,8,11,15,17-18 &1、 ALH:#11&19、 断端陰性:背景は嚢胞と散在する上皮過形成。 Biopsy site:#15.

リンパ節転移:
Frozen: sentinel lymph node, up to 12×9mm, 0/2 辺縁洞にI solated tumor cells(33個の細胞)を認める。pNOと解釈される。迅速標本には認めず、陰性であったが迅速残で認める。
Estrogen receptor:20% nuclear positive、 Progesterone receptor:10% nuclear 、positive Membrane immunoreactivity for Her-2 : 1+

以上の診断結果後、EC療法で治療中です。EC×4のうち2回終了しました。質問は、EC終了後、T×4を入れた方がよいか、ホルモン療法にすすんでよいか迷っています。ご教示お願いします。

病理組織結果のみから判断すると、腫瘍は小さいようですがリンパ節転移が永久標本にて陽性のようです。年齢が38歳でありホルモンレセプターは陽性ですが、陽性率が低めであることよりTaxanを施行してもよろしいかと思います。しかし、永久標本でのリンパ節転移の範囲や腫瘍のNuclear gradeなどの情報によっても検討が必要かと思います。主治医とよく相談下さい。(文責 西川)

 

No.3464】 05年02月05日    M.K
ハーセプチンの使用時期 

現在35歳です。2003年1月に乳がんの全摘手術を受け、リンパ節転移はなく、ホルモンレセプター(+)でしたので、ホルモン治療でリュープリン注射とフェアストンを服用していました。しかし、2004年1月骨転移のため腰椎を圧迫骨折してしまい、腰椎固定のための手術を受け、その時にHer2(2+)である事が分かりました。現在、リュープリン注射とアリミデックス服用・アレディア点滴で治療を行い、腫瘍マーカーは40〜50くらいで横ばい・症状等も落ち着いている状況です。お医者さまによっては、ハーセプチンを併用した方がいいのではないかという意見があります。もしもホルモン治療が効かなくなってからハーセプチンを使用すればいいのでは、という意見もあります。ハーセプチンの使用開始時期は一般にはどう考えられているのでしょうか? よろしくお願いいたします。

ハーセプチンは再発乳癌に対し使用され、HERCEPTestが2または3+のかたに適応となっています。使用時期についてはご指摘のように担当医により意見の違いはありますが、現在、骨転移のみであるようですので、基本はホルモン療法とアレディアでよろしいかと思います。HER2が3+であればハーセプチンの投与を開始するのもよろしいかと思いますが、2+ということですので現状の治療を継続されてはいかがでしょうか。よく担当医とご相談下さい。(文責 西川)

 

No.3463】 05年02月05日    S・S
分泌物について

お世話になります。28歳です。出産経験はありません。先月末から、たまに左腋の下から左乳房外側にかけて皮膚がピリピリしたり、左乳房の外側にしこりと言うほどハッキリしないのですが、触っていてスジのような物がひっかかるようになりました。心配になったので早速がん検診へ行き、初めての検診ということもあり、触診・エコー・マンモグラフィとまとめて受けてみました。最初に触診とエコーを受け、見ていただいた先生からは異常なしとの診断をいただきました。スジの様な物についても聞いてみたのですが、大丈夫との事。そしてマンモグラフィーを受けたのですが、左乳房を機械に挟んだ時、初めて乳首から黄色い膿のような分泌物が少量出てきました。その場にいたマンモグラフィー担当の方に聞いてみたところ、「血液が混ざっていないようだったら問題ありません」と言われました。家に帰って再度見てみると、左側だけ乳首ではなく乳房を挟むと分泌液が出てきます。何もしないと出てきませんが、分泌液自体も初めてなので、このまま放置しておいて良のかなと思ってしまいます。「問題ない」と言われたものの不安が残ってしまいました。再度見てもらったほうが良いでしょうか? ご教示いただけましたらと思い、メールしました。宜しくお願いいたします。

乳頭よりの分泌物は妊娠・授乳期以外に起きれば異常ですが、すべてが腫瘍や癌であることもなく、治療も絶対必要と言うことではありません。乳腺症やホルモン分泌の異常、薬剤の副作用、外傷、そして乳管内の病変による分泌などが考えられます。分泌物の性状も重要な所見の一つです。血液の混ざった分泌物や黒色、茶褐色であると乳管内病変の精密検査が必要かと思われます。分泌物の細胞検査やマンモグラフィ、超音波検査が一般的です。精密検査の必要な方には、乳管造影や最近はMRIなどにより検査を行うこともあります。不安が残るようでしたら、お近くの乳腺外科を受診され担当医にご相談をされたらいかがでしょうか。(文責 西川)

 

No.3462-1】 05年02月04日    M・S
告知を受けて

初めてお便りさせていただきます。54歳で、先日乳がんの告知を受けました。エコー、マンモ、細胞診クラス5という結果をもとに、浸潤性乳管癌だといわれました。腫瘍の大きさは、1.5×2.0cmですが、石灰画像が広範囲5cmくらいあり、乳房切除術、リンパ節郭清術を勧められました。他の病院で診察を受けた際、リンパ節郭清を現時点で決めてしまうのは早すぎるのではないかと言われました。今は、針生検の結果待ちです。術前抗がん剤治療になる可能性が高いような事を言われました。胸腹CT上は、特に問題なかったそうです。質問です。
1)針生検では何がわかるのでしょうか? 
2)リンパ節郭清をせずにすむか、分かるのでしょうか? 
3)手術前に抗がん剤治療をする事で、体力の低下などから手術が出来なくなる事はないのでしょうか? 

ご多忙とは存じますが、お返事いただければ幸いです。

1)ガンの組織型がわかります。その組織を使ってホルモン受容体の有無やハーセプチンという抗ガン剤が使えるかどうかが判定できます。
2)その項目は針生検ではわかりません。
3)体の体表面積に合わせで抗ガン剤の量を決めます。個人差もあるので、体表面積から換算した量が絶対ではありません。副作用の状態をみて量の変更も考えます。体力も十分考えて術前治療の抗ガン剤をしますので、体力低下で手術が出来なくなることはないと考えます。どのような抗ガン剤を使うのか、そして副作用について主治医によく相談しましょう。(文責 川本)

 

No.3462-2】 05年11月16日    M・S
今後の治療について

以前HPNo.3462でご相談させていただきました。その節は、ご親切なお返事をありがとうございました。術前化学療法を終え、手術も無事に済みました。診断時は、画像上5cmを超える腫瘍がありましたが、抗癌剤の効果があり、画像上はCRとの評価を受けました。腫瘍が大きかった事から全摘を行いました。リンパ節は21個取りました。術前のエコーとCT上、リンパ節への転移も否定できないと説明を受けていましたが、抗癌剤の効果もあってか取り出したリンパ節からは転移は認められませんでした。今後の治療について伺いたいことがありメール致しました。      
1) ホルモンレセプターについてです。検査を受けた病院では、ER+ PR- と言われ、術後はホルモン剤を使う事になるだろうと言われていました。しかし、実際の治療は他の病院で受けました。標本は検査した病院のものを使い、その病院でも調べたようです。しかし、先日の説明では、「当院ではホルモン療法に反応しないタイプとでました」と言われました。病理検査の結果が変わるという事はあるんでしょうか? 抗癌剤の影響で変化するものなのですか? 2つの病院の結果が違うことに戸惑っていますが、もう1度検査していただけるものなのでしょうか?
2) ホルモンレセプターが陰性であり、ハーセプチンの治療を勧められました。HER2がいくつなのかは分かりませんが、反応するタイプだといわれました。週1回の点滴を1年間続けなくてはいけないという事に不安を感じています。抗癌剤のように、回数を重ねるごとに症状が辛くなるものなのでしょうか。また、現在は転移性乳癌でなければ保険適応ではないようですが、それでも治療を受ける事に効果は期待できるものなのでしょうか。
3) ホルモン剤とハーセプチンを併用した治療になるといわれたようですが、ホルモンレセプターが陰性なら、ホルモン治療は意味がないように思うのですが…。逆にホルモンレセプターが陽性なら、まずホルモン剤の治療を試みるということでもいいのでしょうか? ハーセプチンで画期的な効果が現れたということは新聞でも目にしましたが、やはり両方行う事が1番いい事なのでしょうか。 

長くなってしまいましたが、お返事いただければ幸いです。ご多忙とは存じますが宜しくお願い致します。

1) ホルモン受容体の検査結果が変わることはありえます。陽性、陰性の判定基準が明確なものではないからです。術前の針生検での検査結果でしたら、もちろん抗がん剤の影響は関係ないのですが、術後の検体でしたら影響もでてきます。単に+、−ではなく、%またはスコアーを再度確認された方がよいと思います。
2) 回数を重ねるごとに辛くなることはないと思います。再発を約半分に減らせるという臨床試験結果が最近報告されました。 
3) ホルモンレセプターが陰性ならホルモン治療は行いません(むしろ予後が悪くなるという報告もあります)。2)と矛盾する内容のような気がしますが・・・。レセプターが陽性ならハーセプチンとの併用になります。もちろんハーセプチンを行わないならホルモン治療だけとなりますが、再発を抑えるという考えからは両方がベターです。ただ、費用や通院等の負担も考慮しなければならないと思います。(文責 加藤)

 

No.3461】 05年02月04日    E.A.
手術から放射線治療の期間について(HPNo.3253-3)

妊娠中の乳癌について(No.3253)にて質問させて頂きました。たびたび恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。どうぞ宜しくお願いいたします。2004年10月29日、妊娠24週で手術を受けました。術後、「非浸潤性で癌は取りきれたと考えていい、放射線は予防的にやる」と主治医から言われました(ちなみにホルモンの飲み薬も5年やります)。本などをみると、放射線は術後12週以内に行うのが望ましいとありますが、お産を待つため、18週後くらいから放射線を始めることになります。術前に「手術はお産の後でもいいですが、心配でしょうからやりましょう」と言われたこともあり、素人ながら何となく大丈夫だとは思っています。でもやはり不安は大きいので、他の先生のご意見を伺いたいです。
1)微細な癌が残っていたとして、これらが放射線を待つ間、浸潤性にかわったり、悪さをしたりする可能性は高いでしょうか。
2)18週おくことに問題はないのでしょうか。

ご回答、宜しくお願いいたします。

1)微細なガンが放射線を待つ間に大きくなって浸潤癌になることはないと思います。悪さもしないと思います。放射線で耳かき1杯位のガン細胞はたたくことが出来ます。
2)確かに12週以内が望ましいですが、妊娠中なので、この期間に関しては仕方がないことだと思います。心配しすぎると体にも良くありませんし、安心してお産に備えて下さい。(文責 川本)

 

No.3460】 05年02月04日    Y
アリミデックスの副作用について

今日、相談室を知りました。親切で丁寧なご回答内容を読ませて頂き、不安に思っていることを相談したく、メール致しました。2002年1月(56歳時)、乳がんにて左乳房全摘出術を受けました。術前1ヶ月より今まで(2年と1ヶ月間)、アリミデックス1mgの内服を継続していますが、他の補助療法は一切しておりません。先日のドックで子宮粘膜の肥厚(3cm)を指摘されました。体がんの検査ではマイナスでした(取った組織は肥厚した部分ではないと思います)。アリミデックスの子宮への影響についての状況をお教え下さい。また、私の状況についての見解、及び、もし変更するとしたらどのホルモン剤がお勧めになるか、合わせてお教え下されば幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。

アリミデックスを服用することで子宮体癌のリスクは上昇しないことが明らかになっています。性器出血や膣乾燥などの副作用は、頻度は少ないですが認められています。どの薬も副作用は少なからず存在します。効果と副作用を比較して効果の方が高いときに薬の価値が出てきます。あまり副作用で悩むときには、主治医に相談して薬を変えてもらうのも一つの方法です。アリミデックスと同じアロマターゼ阻害剤にアロマシンという薬もあります。まずは主治医に相談しましょう。(文責 川本)

 

No.3459】 05年02月04日    Y.O
乳がん予防と大豆食品との関係について

以前低容量ピルと乳がん発症リスクについて質問させていただいた者です。その節はご回答ありがとうございました。最近テレビ番組で、乳がん予防には女性ホルモンを調節する効果のある”豆乳+きなこ”が良いというのを見て、毎日カップに一杯ずつ飲んでいます。現在低容量ピルを服用している状態ですが、毎日飲んでも差し支えないでしょうか? 飲む事によって、余計にエストロゲンが増えてしまうということはないでしょうか? イソフラボンがエストロゲンを調節するというのは、医学的に認められているのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、ご回答の程宜しくお願い致します。

ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンを合成している薬です。これは生理や排卵、妊娠を制御するホルモンで、ピルを飲むことで生理はあるけども排卵していないという状態を作ります。副作用の頻度を落とすためにホルモンの量をギリギリまで落としたものが低容量ピルです。女性ホルモンを調節する効果のある”豆乳+きなこ”がピルよりホルモン調節効果が高いとは思いません。ですから”豆乳+きなこ”を飲んでもピルの効果には影響しないと考えます。イソフラボンは分子構造が女性ホルモンに似いるので更年期障害に効果があると考えられてきましたが、明らかな効果はないとの報告があります。イソフラボンがエストロゲンを調節するというのは、医学的に認められているのでしょうか?に関しては、臨床上では証明されていません。研究の中ではイソフラボンが乳癌の細胞が増殖するのを抑制したとの報告がありましたが、実際の臨床での乳癌に対する効果は不明です。(文責 川本)

 

No.3458】 05年02月04日    MIO
センチネルリンパ生検について

はじめまして。早速ですが、ご相談申し上げます。現在35歳、針生検で浸潤性乳管癌と診断されました。しこりの大きさは3センチ、乳房温存手術を受けることになりました。MRI,CT、骨シンチの結果、他の臓器や骨への転移はないようです。エコーで、腋のリンパに2ヶ所影のようなものはあるらしいのですが、センチネルリンパ生検をすることになりました。センチネルリンパ節に転移があれば、レベル2までの郭清をし、転移していなければ、「1)センチネルリンパ節のみを切除する。 2)センチネルリンパ節と周囲数個のリンパ節を取る。 3)レベル1まで郭清」と説明され、転移してなかったらどこまで取りますかといわれ、どうしたらいいのかわかりません。1)、2)、3)でどのような違いがあるのでしょうか? またレベル1を取るのと、レベル2まで取るのとでは、術後の痛みやむくみ方は随分と違うものなのでしょうか?

センチネルリンパ節は「見張りリンパ節」と呼ばれ、ガンが最初に流れ着く(転移する)リンパ節です。ですからもしセンチネルリンパ節に転移がない場合は、ほかのリンパ節に転移はないと考えます。しかしリンパの流れる道筋は単純な経路ではなく複雑で、約5%にスキップしてセンチネルリンパ節を飛び越えて転移する症例もあります。ですからスキップして転移したリンパ節があれば、それらも含めて採るものが2)3)にあたる術式ですが、2)や3)を行っても必ずスキップした転移リンパ節も採ってこれるかはわかりません。当然2)より3)の方が採るリンパ節の数は多いので、バックアップとしての郭清はより確かなものに近づきます。しかし、術後の痛みやむくみを減らすためにセンチネルリンパ節生検をするので、3)を行うことでそのメリットは半減してしまうと思います。センチネルリンパ節生検だけ行っても、数%の人はむくみが出ることもあります(腕のリンパの流れにも個人差があるため)。レベル1を取るのと、レベル2まで取るのとでは、術後の痛みやむくみ方は随分と違うものなのでしょうか?に関しては、前述しているようにリンパの流れは個人差がありますが、一般的にむくみの程度は郭清範囲を広げると確率も上がります。痛みに関しても同様のコトがいえると思いますが、痛みの方が個人差は大きいようです。(文責 川本)

 

No.3457】 05年02月04日    N.S.
石灰化

はじめまして。HPの相談室を拝見し、メールさせていただきました。40歳既婚、5歳、3歳の二人の子供がいます。市の乳ガン検診で、今回初めてマンモグラフィーを受けました。触診では異常なしでしたが、マンモで両乳房の石灰化が見られ、精密検査となりました。今度超音波検査を受ける予定です。この石灰化という言葉は初めて聞きましたが、こちらの相談室でもたくさんの方が石灰化について質問されているのを見ました。この石灰化というのは、もう二度と取れない?ものなのでしょうか? 今後もマンモを受けるたびに必ず写るものなのですか? どうぞ宜しくお願いいたします。

マンモグラフィーで写る石灰化は、良性の石灰化と悪性(ガン)の石灰化があります。石灰化の形や分布のしかたで良悪性を推測していきます。良性の石灰化であれば、殆ど石灰化の形や分布の仕方は変化しないか、少なくなることもあります。しかし悪性であれば数が増えたり形や分布も変化していくので、石灰化の部分を一部採る検査(マンモトーム)も必要です。(文責 川本)

 

No.3456】 05年02月04日    T.A.
髄様癌

乳がんの髄様癌ステージ1、1.8×1.6×1.2cm、温存で腋窩リンパ節かく清、放射線は本人の意志で受けていません。術後3年経過していますが、右乳がんだったせいか、いまだ右胸と右腕が圧迫されたような苦しみがあります。再発の不安があります。最近右胸の奥に時々ですが、鈍痛があることがあります。やはり医師に相談するべきでしょうか? 髄様癌は悪性タイプ、それとも治療しやすいタイプの癌なのか、教えてください。3年経過したわりには、いつも体に疲れを感じます。体力アップの方法があれば教えてください。

右胸と右腕の圧迫については、個人差はありますが術後同じような症状を訴える患者様もいます。特に転移や再発のための症状ではないと思いますし、特に冬場は同様の症状を訴える方が多いようです。しかし定期的に術後の診察や画像検査は必要ですから、不安が強いのであれば医師に相談した方がいいと思います。そして定期的な診察も受けることをお勧めします。
髄様癌はどちらかというと予後は良いガンに分類されます。しかし組織の形だけで良い悪いは判断できません。手術病理結果に関しては担当の先生に相談された方が良いと思います。
体力アップに関しては、ありきたりで申し訳ありませんが、ウオーキングなどの簡単な運動から始めて徐々に運動量を増やしていっても良いと思いますし、何かリラクゼーションを行っても効果があります。(文責 川本)

 

No.3455】 05年02月03日    M 
パジェット病について

パジェット病について教えてください。
1)手術の方法    2)治療の期間    3)入院の必要の有無

よろしくお願いします。

1) 手術は乳頭を含めた乳房部分切除術を行います。しかし、非浸潤がんのため、乳房切除部分も少ないです。術中、皮膚の端を病理検査に提出し、がん浸潤の有無を調べる事もあります。
2) 治療期間は、術後放射線を乳房に照射を約5週間(50回)行います。加えて、がんにホルモン感受性があった場合、ホルモン療法を5年間行います。
3) 当施設では、手術を全身麻酔で行いますので入院していただきますが、患者様の状況などにより、局所麻酔で日帰りで行う事もできると思います。医療機関により、ご担当先生のお考えもあると思いますので、主治医の先生とご相談いただくのがよろしいかと思います。お大事にして下さい。(文責 宮本)

 

No.3454】 05年02月03日    R.K.
微細石灰化

はじめまして。私は2年前に集簇する微細石灰化(カテゴリー4)がみつかり、その後マンモトーム生検をしました。結果良性でしたが、1年後に反対側の胸にしこりを見つけ、検査の結果悪性でした。今、ホルモン療法をしています。微細石灰化の方は半年に一度レントゲン撮影をしていますが、特に変わった変化はみられないので、今も経過観察中です。そこで質問なのですが、2年も経過しているので、もう一度マンモトームをしたほうがよいのでしょうか? 悪性の場合、画像に変化が出てくるのでしょうか? また、画像上変化が見られなくても、マンモトームをした場合悪性とでる事もあるのでしょうか? マンモトームは石灰化の部分を全部とってしまうものではないので、ずっと経過観察だとなんだかすっきりしない気分で、とても悩んでいます。先生のご意見をお聞かせ下さい。

微細石灰化病変で、マンモトーム生検後悪性でなければ、定期的にマンモグラフィーにて観察していきます。それは、悪性の場合画像に石灰化の数が増えたり、範囲が広がったりといった変化が、時間を追って出てくるからです。定期的に検査を受ける事で、変化を早めに見つける事ができますから、ご心配でしょうが頑張ってください。画像上の変化が数年しても無い場合には、検査の間隔を少しずつ開けていく場合もありますので、主治医の先生とよくご相談して下さい。お大事にして下さい。(文責 宮本)

 

No.3453】 05年02月03日    D.I
術後治療について

56歳です。昨年6月に左乳房にMRIで異常を指摘されるも放置し、9月に細胞診を行い、左乳癌との診断で11月に温存手術をしました。1回目は断端陽性だったため、2回目の温存手術を行いました。病型T、ホルモンレセプター陰性、HER2陰性、非浸潤性と浸潤性の2箇所を切除、断端面2cm陰性、リンパ節生検陰性、遠隔転移は10月時点でなし、今年1月下旬より放射線治療が始まる予定です。その後は服薬を軽いのにしますとのことです。右乳房に2箇所の石灰化があり、これは良性とのことで8ヶ月経過していますが、その後の検査はありません。主治医は治療について、「手術がしっかり行われたので、それでいい」との意向が強く、再発はなく、遠隔転移は症状出現時に対応すればいいとの方針です。私としてはしっかりと治療をしておきたいと思っていますが、発見から手術まで半年経過していること、放射線も術後2ヶ月経過、さらに服薬治療ということは、今後の不安があるのですが、よろしくお願いします。また右乳房の硬化の検査はしなくていいのでしょうか。癌は異型度2、悪性度2です。

手術お疲れさまでした。術後の放射線は、遅くとも術後6ヶ月以内に施行する方が良いと考えられていますので、術後2ヶ月であれば特に問題ないと思います。また、術直後よりは、手術のキズや状況により術後少し間をおいてから放射線療法を行う事もありますので、ご心配いらないと思います。服薬治療についてですが、具体的な薬剤名が無いので、回答が難しいですが、主治医に先生と必要性などよくご相談してください。再発に対して、ご不安等はあると思いますが、経過を見ていき、残念ながら再発してしまったときに、それに対する治療を行う事になります。右乳房の石灰化に関しては、実物を見ていないのですが、良性であれば定期的に(1回/年 程)マンモグラフィーを施行して頂いたらいかがでしょうか? それまでに、ご心配な様でしたら、主治医の先生とよくご相談して下さい。お大事にしてください。(文責 宮本)

 

No.3452】 05年02月01日    H.F.
判定不能

人間ドッグでしこりが見つかり検査しました。超音波、マンモグラフィーの結果、99%乳腺症だと言われましたが、念のため細胞診をお願いしました。その結果しこりが7ミリで小さいため、判定不能とのことでした。再度検査した方がいいでしょうか。

細胞診で判定不能は、細胞が取れていない、出血が多く判定できない、取れたものが嚢胞内容で細胞が認められない等で、でてきます。状況から6カ月後のフォローアップで十分ではないでしょうか。(文責 緒方)

 

No.3451】 05年02月01日    H 
良性の腫瘍(1mm)

友人がマンモグラフィと細胞検査を受けた結果、約1mmの良性の腫瘍があるので、投薬にて、まずは1週間始めようと言われたようです。その薬の副作用は、人により太る・吐くなどがあるらしいものです。良性の判断なのに、検査結果後2,3日で投薬の治療が始まるのはよくあることなのでしょうか。友人は40歳で、初産が20歳です。現在20歳・5歳・1歳の子供がおります。よろしくお願いいたします。

少ない情報で、何も正確にお答えできませんが、1mmの良性腫瘍は何ら治療の対象になりません。よく分からない話です。友人の方によく主治医に説明をして貰うようにお話し下さい。(文責 緒方)

 

No.3450】 05年02月01日    K 
細胞診の結果について

はじめまして。38歳、既婚、出産経験ナシです。2年前の5月に検診でしこりが見つかり検査(触診・超音波)したところ、のう胞(複数)との事でした。念のため水を抜き細胞診をしましたが、結果は異常なしでした。1年後に検査に来て下さいとの事で、昨年5月に触診・超音波検査をして頂いた結果、大きくなってない事等から心配ないとの事でした。が先日、入浴中にしこりを見つけた為、病院に行きました。主治医は触診と超音波検査をして、「前に水を抜いた所と同じ場所なので、また水が溜まった様です。」と言い、画像を見せてくれました。「まず心配ないと思いますが、水を抜いて細胞診に出しておきます」との事でした。しかし、1週間後、結果を聞きに行くと、主治医から「意外な結果でクラスVb、腺癌の疑いがあるので生検をしましょう。だけど、のう胞の袋の場合はまず癌はないし、超音波の結果からも恐らく大丈夫でしょう」と言われました。来週、生検をする予定です。そこで先生のご意見をお聞かせ下さい。
1) 細胞診でクラスVbの場合、癌である可能性はどれぐらいでしょうか?
2) また癌でない場合でも、細胞診でクラスVbなら、なんらかの治療は必要なのでしょうか?
3) 生検ではのう胞の袋とその周りの細胞を少し切り取ると言われていますが、水を抜いた今でもできるのでしょうか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

1) 細胞診のクラスVbは、ニュアンス的には一見変な顔つきの細胞があるけど、これだけではがんの疑い(クラスIV)までは言い切れない。細胞の数がたりなかったり、細胞が変性していることがあるからです。したがって可能性は数パーセントといったところでしょうか? ただし、経過や所見が影響してくるので一概には言えません。
2) 必要です。どうしても生検がいやであれば、さらに短い間隔で経過をみることになります。超音波で本当に嚢胞だけであれば、たまたま細胞診でクラスVbの可能性が高いのですが、やはり一度変な細胞が出ていればきちんとした方が後悔が残らないと思います。
3) できます。(文責 緒方)

 

No.3449-1】 05年01月31日    S.N.
細胞診でV、その後の対応について

はじめてメールいたします。相談室を一通り拝見しまして、以前同じような質問もありましたので控えようかと思ったのですが、やはり不安があるのでメールさせていただきます。43歳、出産経験ありです。12月の人間ドックで、マンモグラフィー、超音波、触診ともに右側乳腺ー悪性腫瘍(疑)とでました。1月初めに外科の乳腺分泌外来を受診、マンモグラフィー、超音波、細胞診を受け、1週間後 結果がV、生検で確認をということでした。担当の先生からは、どちらともいえないので 
1) 6ヶ月経過を見る。
2) しこりの摘出手術をして、術中に検査、悪性であればそのままがんの摘出手術に切り替える。リンパに転移があるかも確認し、リンパの手術も必要があれば行う。
という選択肢があるということでした。
しこりの摘出でわかるのであれば、その後精神的にも楽になると思い、家庭の事情も考慮の上、3月末に一応の入院予約を入れました。2月3日にMRI検査を受けるよう指示があり、その後3月18日に再度受診して、手術のための血液検査等を行い、最終決定の予定です。事前に悪性かどうかの検査はできないかということについては、しこりが小さいので、太い針での検査は難しいので薦めないとのことでした。今の時点では、「しこりも1cm程度なので、悪性であっても心配は要らない」という説明でした。時間を置いてネットで検索などをしていますと、いろいろ疑問も出てきましたので(担当の先生とお話するのがベストだと思ってはおりますが)、3点質問させてください。

1) 術中検査と術前検査のメリット、デメリットについて。信頼性とか安全性の面などからも。
2) MRI検査の必要性と、そこからわかることは何ですか。これによって、術前の診断が一歩進むということはありますか?(先生のお話では、しこりの性質を調べるということでしたが、サイトによってはMRIの効用について述べられていないものが多いような気がしまして)。
3) 特にセカンドオピニオンをのぞんではいないのですが、これから別な病院で再度同じ検査をした場合、違った結果(例えば、クラスTで悪性ではないとか、エコーで良性・悪性の判断がつくというような)が出る可能性はありますか?

どれも担当の先生に伺うべきこととは思いましたが、抜歯の予約を取るような感じで次回の受診が決まり(それだけ楽観できる状態なのだと思い、日々過ごしてはおりますが)、3月に受診する際の予備知識として予習できればと思い、メールさせていただきました。不勉強からの失礼もあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

よく頭のなかで整理されているようなので、質問に対して要点を説明いたします。
1) 術中検査と術前検査のメリット デメリットについて。術中検査は、切除された腫瘍を液体窒素で凍らせて薄く切って顕微鏡で診断するものです。したがって、通常のホルマリンに固定して顕微鏡で診断するよりも精度に欠ける傾向にあります。微妙な診断の場合は、その場で結論を保留する場合があります。また、がんとその場で診断されたものが後にがんでないと変更されることもまれにあります。それを説明した上で種々の理由で、「しこりの摘出手術をして 術中に検査、悪性であればそのままがんの摘出手術に切り替える。」という方法をとることが多いです。太い針での検査(針生検)は、1cmのしこりでも通常行います。ただし、狙うしこりが小さいので、的をはずして、がんの組織が取れていないということもありえます。術前の検査では、局所麻酔で直接腫瘍を切除する方法(生検)が一番確実です。しかし、これは最終的な診断まで時間がかかるということと、しこりの場所次第では、脇の下のリンパ節を部分的にとって調べるセンチネルリンパ節生検という方法がとれない(リンパの流れを生検で遮ってしまうため)場合があるというデメリットがあります。2/3のMRIでしこりに関する情報がさらに増えますので、それを踏まえて主治医の先生とご相談下さい。
2) 一般的なMRI検査は、がんと診断がついた場合、拡がり具合をみる点で一番威力を発揮します。ですから、まずがんかどうかを調べることには用いません。しかし、生検で切除した後では、拡がり具合がわかりづらくなります。手術に先立って行う意味合いが今回は強いと思います。したがって、術前の診断が一歩進むと考えていいと思います。
3) 超音波、マンモグラフィの内容を拝見しなくては何ともお答えできませんが、一度クラス3が出ていることは事実ですので、このまま放っておくのは賢明ではないと思います。(文責 緒方)

 

No.3449-2】 05年02月12日    S.N.
放射線について

HPNo.3449で回答をいただき、ありがとうございました。ちょうどMRI検査の前日だったので、メールを読ませていただいて、当日は診察の予定はなかったのですが先生とお話もしてきました。術前診断と術中診断については、コア生検、マンモトーム生検、外来での切開による生検も選択肢としてあるが、私の場合には悪性であった場合も切除する部分は大差ないこと(リンパ節の手術が追加になるだけ)、コア生検も全く負担がないわけではないので術中診断を薦めるとのことでした。その病院の方針として、術前の状態で温存が可能な場合は極力術中診断をとるということでした。MRIについても、メールで回答をいただいとのと同じ説明で、手術後の治療方針を決めるために必要であるとの説明をされました。担当の先生も私の素人の質問に、「納得してから進めましょう」と言って下さり、「3月の末に全身麻酔下の生検を行い、術中診断で悪性の場合はがんの手術に切り替える」ということで進めることにしました。ただここで癌であった場合、術後5週間の放射線治療を必ず行なうというお話でしたが、放射線照射は避けられないものですか? と言いますのは、がん経験者の友人から「放射線照射はよく考えたほうがいい」、また「放射線照射をしないところもあるかもしれないから、切る前に考えたほうがいいかも」とアドバイスされたからです(こちらも医療従事者ではありませんが・・・)。もちろんケースバイケースであると思われ、かたくなに拒否するつもりはなく、必要であれば治療を受けるつもりでおります。放射線照射について一般的なお話を伺えたらと思います。よろしくお願い致します。

世界の中で乳房温存術をした後に放射線治療をするのは標準治療とされています。また日本での乳房温存療法ガイドラインでも、温存術をした場合には放射線治療をするのが標準治療となります。乳癌学会のHPをごらんになるとガイドラインがみれます。しかしガイドラインの中には、日本では切除したものを5mm間隔で細かく切って病理で調べて、とったものの断端から癌までの距離が十分あれば放射線治療をしないとすることもよしとしています。きちんと調べて、余裕があれば放射線治療をしないことも選択枝の1つに入ります。ただかかっておられる病院で、再発率の低い安定したやり方があるのだろうと思います。主治医の先生もしっかり説明される方だと思います。再度ご相談ください。(文責 福間)

 

No.3449-3】 05年04月18日    S.N.
浸潤性小葉がんについて

HPNo.3449ではお世話になり、ありがとうございました。先日乳房温存手術にて腫瘍の摘出を行い、10日間で退院、2週間目に病理の結果を伺ってきました。こちらで予習することもできたので手術も安心して受けることができました。病理の結果は、ステージ1、浸潤性小葉がん(1X0.9X0.9) 、ホルモンレセプターはER PGRともにマイナス、HER2もスコア1でマイナス、リンパ節転移はなし、放射線照射については通常の25日間に5日間追加を予定しているということでした。ホルモンレセプターがマイナスだったので、放射線照射後の治療は何もしないとのことでした。これに関しては「何もしないということは、再発・転移に関してなにも予防することができないのか」ということが心配です。担当の先生も、リスクがあるとすればそれがリスクになるとのことでした。保険としてフルツロンを1年間服用することになりました。浸潤性小葉がんという病理結果でしたが、これは発生率としては低いものと聞きました。先生は特に心配することはないとおっしゃっていましたが、ネット等で調べると「予後はよくない」という記述を数箇所で見ました。「予後がよくない」とは? 他の多数のがんとの違いも気になります。また、「しこりを作りにくく遠隔転移もおこしやすい、反対側の乳房での再発も多い」というような記述もありました。担当の先生はその性質等に関しては言及されなかったので、ホルモン療法ができないことと合わせて大変気になり始め、こちらへメールさせていただきました。浸潤性小葉がんについて教えていただけたらと思います。また、フルツロンの効果などについてもお願いします。今後も前向きに治療を受けていきたいと思っております。これからもよろしくお願い致します。

浸潤性小葉癌は浸潤がんの特殊型の一つです。乳癌は組織学的にミルクが通る乳管と、その末梢にある小葉の中間のTerminal Duct Lobular Unitといわれる部分から最初に発生するといわれており、できた癌細胞の形態が乳管細胞の方向にいけば乳管癌、小葉の細胞方向に向かうと小葉癌となると考えられます。 臨床的には、「@癌細胞がびまん性に(ばらばらに)乳房の中に拡がることが多く、乳房温存術を施行する場合にはしっかりとしたマージン(辺縁)をとること、および温存乳房に対する放射線療法を行うことが大切 A転移の仕方が乳管癌とやや異なり、乳管癌は肺、肝臓などへの転移が多く、小葉癌は髄膜、腹腔内の内臓などにも転移することがある」と言われています。
確かに予後的には乳管癌よりも悪いと言われていますが、StageIの場合は、一般的な乳管癌よりも良いという報告もあります(著者 DiCostanzo D 雑誌名 Am J Surg Pathol 1990年 14巻 12−23頁 題名Prognosis in infiltrating lobular carcinoma:an analysis of classical and variant tumors.)
今後の治療ですが、これは小葉癌、乳管癌という組織型よりも、やはりザンクト・ガレンの推奨に従って治療方針を決めるのがよいと思います。あなたの場合ホルモンレセプターが陰性であることから、少なくともIntermediate Riskに入るわけで、腫瘍径は小さくとも、基本的には化学療法となると思います。保険としてのフルツロン一年ですが、残念ながらエビデンスに欠けるようです。やはりCMF、FEC、ECなどの化学療法が薦められると思います。(文責 首藤)

 

No.3448】 05年01月31日    S.I.
局所再発(HPNo.3279-3)

前回のご返答、有難うございました。また少し気になる点があるのですが、母が2ヶ月前に左胸全摘出手術をしたのですが(母の腫瘍はちょうど乳首の所です)、最近同じ左側の、鎖骨よりだいぶ下辺りに、1センチも及ばないほどの小さなしこりみたいなものを発見しました。主治医に見てもらったところ、「こんなに早く再発することはないし、もし出るなら腫瘍のあった乳首あたり、いわゆるメスの入った傷口辺りだ」と言われました。全摘をして、こんなに早く再発することはないのでしょうか? やはり主治医の言う通り傷口付近に出るのでしょうか? また、母は骨に薄い影があると言われていますが、全く痛みもなく、このままの状態で抗がん剤6クール終了後はどのような治療をしていくのですか? 痛みなどの症状が出なければ、放射線や再び抗がん剤治療は行わないのですか? ご回答、宜しくお願いします。

同じ左側の鎖骨よりだいぶ下辺りに1センチも及ばないほどの小さなしこりに関しては、穿刺吸引細胞診を行うことで診断がつくと思います。外来でも出来る簡単な検査なので(針を刺すので多少の痛みを伴いますが)、どうしても気になる場合は、担当の先生に検査の相談をしてはいかがでしょうか。
前回No.3279-2でお答えされているようにお母様の状態を一番よく把握して下さっているのは主治医の先生です。エピルビシンは心毒性もあり治療に限度がありますし、骨転移に対してパミドロネートを使用する事もあります。今後の治療に関して不安がある場合は、主治医に納得がいくまで相談されることを勧めます。(文責 川本)

 

No.3447】 05年01月31日    N.A
遠隔転移の場合の治療について(HPNo.3361-2)

以前ご相談させていただいたN.A(子供3人、主婦、40歳)です。先月、自分で右乳房の右側にしこりを4個(合わせて4cm)見つけ、検査を受けたところ、乳がんとわかりました。更に本日、CT、MRI、エコー及びPET検査の結果、遠隔転移有(肝臓 42mm×19mmをはじめ2箇所/ 肺5mm程度のもの数箇所)との診断を受けました。今後、乳房部のがんの一部を手術で取り、それを調べ、効果のある薬(抗がん剤、ホルモン療法、ハーセプティン)を決定し、縮小すれば、乳房部の手術を行うことと致しました。
1) このような病状、いわゆるステージWですが、一般的に完治する可能性はどのように考えればよろしいのでしょうか? 現在肝臓や肺に自覚症状は全くありませんが、一般的に今後症状が出て、普通の生活をすることは困難になるものなのでしょうか?
2) 病院の手術待ちの関係で、上記がんの一部をとる手術は1ケ月先になる可能性もあると聞いておりますが、がんが大きくなり、治療が困難になるリスクがとても高くなることはありませんでしょうか?
3) この待ち期間にて、自分自身で何かできることはありませんでしょうか?

ご意見を賜りますよう、何卒よろしくお願いいたします。

1) 遠隔転移がある場合は全身治療(抗ガン剤、ホルモン治療)が第一選択になります。抗ガン剤がとてもよく効いた場合は転移の病変がなくなることもありますが、抗ガン
剤で転移病変が小さくはなるがなくならない場合は、抗ガン剤の投与が継続されることになります。抗ガン剤の効果は投与前に正確には判断できません。ですからやってみてどの位効果があるか判定しないと今後の経過はわかりません。
2) 一部とる手術が必要な治療はホルモン治療やハーセプチンです。針生検でもしこりの組織は採取可能ですし、外来でもできる手技です。抗ガン剤に関して言えば、一部と
る手術をしなくても治療可能と考えます。担当の先生に聞いてみてはいかがでしょうか。
3) もし時間があるのであれば、乳癌患者さんの会などで色々な話を聞いてみるのも良いかも知れません。1人で考え込んでしまうのは良くないので、機会を見つけて自分の
悩みを相談することが良いと思います。(この相談室はそういった悩みを相談したり意見交換の場でもあると思っています)(文責 川本)

 

No.3446】 05年01月31日    N
母の乳がんについて(HPNo.3373-3)

HPNo.3373で質問しました。今日、再手術の結果を聞きに行きました。まず、乳頭直下に多少のガンが残っていると言われました。先生は、「@その部分に放射線をあてるか A温存でその部分だけ取るか B全摘出するか」と、おっしゃっています。それを家族で相談して決めてくださいと言われました。母はリンパ節に転移しているので、どちらにしても抗がん剤はすると思うのですが、何が最善の方法かわかりません。母は乳房の中に少しでもガンが有る事が不安なので、全摘出を望んでいるのですが、先生はあまり勧めてはいないようです。そして、今日ノルバデックスというホルモン剤も飲み始めました。抗がん剤治療をするならば、全摘出をするまででもないのでしょうか?再発のリスクを少しでも下げるには、どの方法がいいですか? 教えてください。お願い致します。

乳房温存手術の切除断端にガンが少し残っており、今後どのような治療を選択すればよいのか?という質問ですが、術後の治療には大きく分けて全身治療(抗ガン剤やホルモン治療)と局所治療(放射線治療)があります。局所治療(放射線治療)で残っていたガン細胞は死滅させることは出来ると思います。放射線を照射しても残った乳腺にガンができる可能性は数%存在しますが、その再発は患者さんの予後(今後の寿命)には影響しません。ですからもし同じ側の乳房に再発してもそのしこりを切除すれば、問題ありません。乳房を残す意志があって乳房温存手術をお受けになったと思いますし、追加切除か放射線照射でガンが残っている不安は解決されると思いますが、いかがでしょうか。もし乳腺を全摘出すれば乳腺への再発はなくなりますが、皮膚などに再発する可能性もあります。全身治療(抗ガン剤やホルモン治療)に関してもノルバデックス(ホルモン治療)を飲みはじめていらっしゃるようなので、今後抗ガン剤について担当の先生にご相談なさってはいかがでしょうか。(文責 川本)

 

No.3445-1】 05年01月24日    K.K. 
ガン告知から手術までの期間

お忙しい中、申し訳ございません。今回、母親(56歳)の乳ガンの件で教えて下さい。検査をした結果、乳ガンの硬ガン(約3cm)で、手術は4月11日と告知されました。母親は動揺と再発を恐れ、「胸を全部取って下さい」と医師に言ったのですが、医師は、「手術し状態を見てそうなるかもしれないが、基本的に部分撤去で大丈夫」。手術方法は母も何とか納得したのですが、心配なのが手術まで3ヶ月近く待つということです。医師には、「3ヶ月後手術で転移していたら、今現在すでに転移している。早ければ良いという訳ではなく、色々検査した上で手術に望むことが大切」と言われました。素人的には転移する前に一刻も早く手術した方が良いと考えるのですが、母・私も心配で仕方がありません。医師を信用するしかないと思っていますが、通常は告知してから手術まで、どれくらい期間をあけるのでしょうか? 教えて下さい。知識がなく失礼と存じますが、以上、よろしくお願いします。 

乳癌が発生してから診断に至るまでは恐らく年単位の時間が経過していることを考慮すると、3ヶ月間で病状が急激に進行する可能性は低いでしょう。手術時期は現実には術前検査と手術の待ち状況に左右されてしまいます。我々の病院であれば同じ状況の患者さんであれば3週間後くらいに手術となります。知る限りでは、4週間前後の待ち期間の病院が多いのではないかと思います。術前検査に3ヶ月かかるということは考えにくいですので、恐らくは手術を待っている患者さんがたくさんいるのではないでしょうか。たくさんの患者さんがいるということは信頼できる病院と考えて宜しいと考えますが、早く手術を希望するならば他の病院を紹介してもらうことは可能でしょう。また、手術の方法についてですが、乳房温存手術は乳房切除術と比較して、遠隔転移のリスク、生存率については同等ですが、局所再発率(乳房の再発)は高くなりますので、十分に説明を受けて納得した上で術式を決定して下さい。(文責 浜口)

 

No.3445-2】 05年04月09日    K.K. 
リンパ節摘出について

以前、HPNo.3445でお世話になったものです。来週手術なのですが、担当の先生より言われたのですが、リンパ節の摘出について、今になって疑問に思った事がありますので教えてください。「リンパ節に1箇所に転移していたら、摘出しない。リンパ節に2箇所転移していたら、1箇所摘出する」という内容でした。リンパ節に転移した物を残しておいたら再発すると考えるのですが・・・。看護婦さんに聞いたら、「とっても取らなくても変わらない場合が多く、退院後のリスクを考えて、最近このケースが多い」と教えてもらいました。このような理解でよろしいでしょうか? 今一しっくりしないので教えてください。お忙しい中、何度も申し訳ありませんが、以上、よろしくお願いします。

転移していたら、やはり摘出するのが一般的であり、その方が安全です。転移しているのに摘出しないのは理解に苦しみます。確かに、転移が明らかであれば、その方の予後というのは自ずと悪くなりますから、そういう意味で言っているのかもしれませんが、患者様の家族同様、こちらも今ひとつしっくりしないので、御一考下さい。摘出することの理由、しないことの理由、各々のメリット、デメリットをしっかり説明してもらい(医師から)、それでもしっくりしないのであれば、セカンドオピニオンを考えてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.3444】 05年01月24日    S.S. 
乳がん術後の心配

姉55歳のことで相談します。2002年の9月、ステージ1乳がんで右乳房全摘出手術をしました。昨年7月にリンパが腫れているとのことで針をさし検査をした結果、良性でしたが、その腫れが小さくならないとのことで、担当医からは切って調べることをすすめられています。本人はペットを昨年9月にうけて異常なしと診断されているので、切開することを延ばしています。介護の母のことや、担当医が早急にと言わないことで今月に至っていますが、私としては心配です。ペットの結果を信じて今まで延びていますが、大丈夫でしょうか。担当医はペットを受けていることを知りません。教えてください。

術後に腋窩や鎖骨上下のリンパ節が腫れているのであれば、リンパ節再発の可能性も考慮しなくてはなりません。PETの解像度にもよりますが、小さいリンパ節であれば転移であってもわからないケースもあります。診断をつけるには生検が必要になります。しかし、主治医にPET検査を施行したことは話すべきではないでしょうか。主治医を信頼しているのであれば、全て状況を話したうえで総合的に判断すべきです。その上でやはり納得できないのであれば、セカンドオピニオンを希望すればよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3443】 05年01月24日    M.I 
両乳房のかゆみと色素沈着

42歳の主婦です。不妊治療と出産経験あり。1年程前から両方の乳輪の下がピリピリと痒くなり、かいているうちに色素沈着してしまい、乳輪の形がいびつに大きくなってしまいました。もともと3年ほど前から小さなしこりが複数あり、病院で細胞検査までしましたが良性で、半年に一度ほど検診しています。かゆみの症状が出たときもすぐに乳腺外科に行きましたが、「癌の影はないので皮膚科でみた方がよい」とのこと。皮膚科ではただ塗り薬をもらいましたが症状はいっこうによくならず、この1年間痒みがひどくなるばかりです。色素沈着した部分は皮膚が乳輪と同じようにしわがよって、つれたような感じがするのですが、大きな病院ですし、このままにしておいてよいのかずっと悩んでいます。

両側性であれば癌の心配は少ないでしょう。乳腺外科でも心配ないと言われているのであれば、皮膚科での治療を続ければ宜しいと考えます。(文責 浜口)

 

No.3442】 05年01月24日    M.T. 
術後手足の落ち込みの痛みについて

術後手足の落ち込みの痛みについての相談です。時々痛み、他に体、首などが痛みます。足も歩けないほどで、小さな浮腫(手も)になります。抗がん剤やホルモン剤の副作用ですか? それともリンパ浮腫でしょうか? 何か対処方法はありますか?

治療経過がわかりませんので原因ははっきりわかりませんが、術後のリンパ浮腫であれば、マッサージや睡眠時に腕を高くするなどで対処します。副作用が心配なのであれば、まずは主治医に相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.3441】 05年01月24日    M.S. 
乳管内乳頭腫について(HPNo.2627-2

7月にHPNO.2627で相談したものです。あれから定期的にエコーや穿刺吸引細胞診を行っていたのですが、細胞診の結果がずっとクラスVでした。12月にエコーで確認した際、病変が認められたので(しこりの形の変形)生検することになり1月4日にいたしました(右乳房)。組織検査の結果、乳管内乳頭腫と乳腺症と病理医の判断が下った訳ですが、乳頭腫が切除断端に認められたのでしこりが残っており、残存乳腺に乳頭腫が再発する可能性があると言われました。
1)取り残しのしこりがガンという可能性はあると思われますか?
2)乳頭腫が何回も再発する度に生検しなければいけないのでしょうか?

検査結果を聞くのに2時間も待ち、おまけに極度の緊張感のため先生の説明を聞くのがやっとで、質問する気力さえありませんでした。説明不十分で理解しがたいとは思いますが教えて頂けたらありがたいです。よろしくお願いいたします。

乳頭腫自体は良性疾患であり、残った乳房に癌がある可能性は低いと考えます。切除断端に病変が認められても必ず再発する訳ではありませんので、follow upで宜しいと考えますが、乳頭腫から癌が発生することもありますので、再発が疑われた時は生検が勧められます。(文責 浜口)

 

No.3440】 05年01月24日    risu
ホルモン療法継続の判断について

先生方の大変ご丁寧なご回答、ご対応をいつも拝見させていただいております。わたくしは現在41才、既婚、子供なし、2年6ヶ月前に乳房温存手術を受け(リンパ節郭清なし、センチネルリンパ生検も実施せず)、病理の結果は非浸潤癌、stageI、grade1、断端(-)、 ER+,PgR+, Herceptest実施せず、術後追加治療なし、でした。昨年6月にシコリが触れたため、再検査の結果、マンモで石灰化像が認められたため、穿針細胞診を行い、1回目でIII、2回目でVと判定され、MRI, エコー画像から、「右乳房下の乳腺にそって癌が広がっているため全摘します。状況からみてリンパ節の郭清は必要なし、センチネルリンパ生検はおすすめします。」とのお話でした。私としては全摘がためらわれ、リンパ節の切除の必要がない状況ならばと、主治医の先生にホルモン療法をお願いし、ゾラ+ノルバで6ヶ月間の投与を受けました。今回再度MRIの診断の結果、縮退はわずかで、先生のお言葉を借りれば「ホルモン療法は効いているうちには入らないから切りましょう。効く人の場合は最初の1,2ヶ月で急激に小さくなるから、今後効くかもという期待は無駄です。」とのこと。ご質問ですが、どうしても全摘をためらう私としては、「縮退がわずかでも進行していない状況ならば、もう少しホルモン療法を継続し、3ヶ月毎に状況検査を行う選択をしたい」と考えています。先生は「切りなさい」と言われますし、確かに今切ってしまえば完治する状況であろうとは想像されますので、この状況でホルモン療法を継続するのは、やはり無駄なのでしょうか。私としては全摘、再建のプロセスに対し、精神的なストレスが異常に高まりそうで(夫は、私が最初の温存手術後にしばらく精神的に不安定になったことを心配し、全摘の場合はその後のケアが前回以上であろうと悩んでいるようです)、乳がんは治ったけれど、家庭崩壊ではお話にならないので、進行していない状況ならば(確かに浸潤癌への進行のリスクはあるものの)、人生の総合判断として、ホルモン継続をお願いしようと思っているのですが、この判断は分が悪いでしょうか。拙文長くなりまして恐縮ではございますが、アドバイスをいただければ幸いに存じます。

温存術後の乳房への再発ということで宜しいのでしょうか。そうであれば標準的術式としては乳房切除術が標準的術式ではないでしょうか。前回非浸潤癌でも今回もそうだとは限らず、センチネルリンパ節生検もよい方法でしょう。ホルモン療法は術後再発予防での有効性は確立されていますが、局所再発の治療に対する有効性は確立していません。再手術に対する精神的なストレスと癌を切除せずに残っている状態でいることによるストレス、生命のリスクを考慮すると、主治医と同様に手術を勧めます。(文責 浜口)

 

No.3439】 05年01月24日    m.y  
腫瘍マーカーの臨床的意義について(HPNo.1752-4)

以前お世話になったHPNo.1752です。術後1年6ヶ月経ちました。元気なのですが、ちょっと気になることがあります。骨破壊のマーカーの1CTPが、平成16年8月4.8、今回平成17年1月で5.5でした。これって有意な上昇ととるべきなのでしょうか? その他の腫瘍マーカー、ALP LDH等は全く異常ありませんでした。もう少しマーカーの推移を詳しく書かせていただきます。2003年11月 1CTP3.5 2004年2月 3.7  2004年8月 4.4  2004年11月 4.8  2005年1月 5.5と少しずつ上昇しています。去年の8月の骨シンチはWNLでした。お忙しいところ本当に申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

1CTPは骨転移などにより骨の破壊が起こった際に血中に放出される微量の分子であり、骨転移マーカーとして利用されておりますが、その感度は必ずしも高くありません。3.5→5.5を有意な上昇とは言いきれないでしょう。もし、今後も上昇傾向が続くようであれば、再度骨シンチやPETによって骨転移をチェックしたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3438】 05年01月23日     Y.Y
授乳期以外の乳腺炎について(2)(HPNo.3314-2)

HPNo.3314でご回答いただきましたY.Yです。再度気になることがあり、メールをさせていただきました。授乳期以外の乳腺炎は切開しなくてはならない場合が多いと初回の診察で言われたのですが、結局投薬のみ(抗生物質と化膿止め)で症状が落ち着いたため、そのまま様子を見ることになり、計3回4日分ずつ同じ薬を処方されました。1月14日に「これで診察は終わりで構いません。変化があるようなら来てください」と言われました。診察の終了時には、化膿してやわらかくなっていたしこり部分が硬結して痛みはほとんどなくなり、赤みもお風呂上りなど以外は見られないようなのですが、現在はまた左の硬結部分が柔らかく変化しており、症状のあった左側の乳房だけになんとなく違和感を感じています。痛みというほどのものではないのですが、どうしても何も感じない右に比べると、重いような熱っぽいような感じがしています。お風呂上りには相変わらず乳輪のまわりが赤くなります。どうしても炎症性乳がんが気になって仕方がないのですが、このような所見で炎症性乳がんである可能性は考えられますか? 前回の相談時にも書きましたように、マンモグラフィーとエコー、視触診を受けました。その後も数度エコーを見ていただきました。炎症性乳がんは、マンモやエコーでもそれとわかるものなのでしょうか? 乳腺外科の主治医は「この部分に関しては乳がんではない」とおっしゃるのですが、何度も乳腺炎と診断されて、やっぱり炎症性乳がんだったという人の体験をインターネットで拝見したので、とても心配しています。はっきり炎症性乳がんの可能性を否定するにはどのような検査を受ければいいのでしょうか?お聞きしたいことを整理すると、
1)私のような症状で炎症性乳がんの可能性はどの程度あるのか。 
2)マンモとエコーで炎症性乳がんかどうかは診断できるのか。特有の所見があるのか。 
3)炎症性乳がんかどうかをはっきりさせたいときは、どのような検査を受ければいいのか。 

以上3点です。お忙しいこととは存じますが、ご回答よろしくお願い致します。

炎症性乳癌とは皮下のリンパ管に癌細胞が入り込んで浮腫、炎症を引き起こし、乳房の腫脹、疼痛などの症状を引き起こします。乳腺外科の先生が大丈夫と言うのであれば、あまり心配しないで宜しいと思います。しかし、マンモグラフィやエコーでは腫瘍が指摘できないようなケースがあることもありますので、どうしても確認したいのであれば、気になる部分の組織を採取して病理検査で調べる以外にないでしょう。(文責 浜口)

 

No.3437】 05年01月23日     M.N
リンパ節の郭清について

初めてご相談させて頂きます。母(71歳)は、超音波、マンモグラフィー、細胞針(クラスX)で乳癌と確定され、針生検の組織検査の結果を待たずに、2月4日に手術をすることになっています。これから行われるMRI、CTの結果を見て手術の形式が決定されます。しこりの大きさが22.9×18.5×13.9mmなので、温存は可能であろうとのことです。ここで相談したいことは、リンパ節の郭清についてです。私は後遺症や、手術後の本人の負担を考えるとリンパ郭清をなるべくしたくはないと考えています。主治医には術後の治療方針の決定のために、郭清を薦められました。勿論、データは沢山あったほうが安心だとは承知していますが、病理組織検査などからも判断できると本で読みました。手術を受ける病院はリンパ節の郭清が主流に行われていますが、聞いたところ、センチネル生検もできないことはないとの話でした。センチネル生検をお願いしてもいいものか、主治医が薦めるように郭清をすべきなのか決めかねています。どうぞご意見をお聞かせ下さい。宜しくお願い致します。

センチネルリンパ節生検とは色素や放射性元素を使用してリンパの流れを同定して、乳癌が最初に入り込むと思われるリンパ節を発見し、それを摘出しそこに転移がなければリンパ節郭清を省略するというものです。術前診断で明らかなリンパ節転移がないのであれば選択枝のひとつとなるでしょう。メリットとしては術後の腕のむくみなどの合併症が少ないことがあげられますが、長期フォローアップでの安全性はまだ完全には確立されてません。もし希望するのであれば、実際にセンチネルリンパ節生検を施行している病院でお話を聞いてみてはいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3436】 05年01月23日     E.Y.
乳頭の汚れ、分泌物が気になります

はじめまして。昨年の秋ぐらいから、乳頭から何かが染み出しているような感覚が気になるようになりました。(下着がぬれるほどではなく、目で見て何かが分泌されていると確認できる程でもありません。でも何かが染み出しているという感じは、確かなのです。) 乳口に黄色いカスのようなものが詰まって汚れています(擦ったりつまんだりすると取れます)。妊娠、授乳を終えてから、自分の乳頭や乳口を観察することなどなかったので、この黄色いカスのような乳口の汚れは、生理的なものなのかわかりません。乳頭から何かが染み出していることと関係があるのか、そうだとしたら受診の必要があるのか、教えていただきたいのです。出産2回、H9年、H12年で、母乳で育てました。乳腺炎はH12年に2回なりました。H13年夏に母乳は止めました。それ以降、健康診断で乳腺症といわれています。乳腺症との関係も教えてください。受診するとしたら、乳腺外来でしょうか。また、生理中など、受診するのに避けたほうが良い時期や、受診に相応しい時期があったら教えてください。よろしくお願い致します。

乳腺はもともと分泌物を出す機能をもった臓器ですので、乳腺症などの状態で乳腺の増殖が不均一に起こると乳頭から分泌物が出たり、授乳終了後も分泌が続くことはあります。しかし、乳管内にできた腫瘍によっても分泌物が出るのでやはり一度乳腺外科外来受診をお勧めします。片側性、茶色い場合は要注意です。(文責 浜口)

 

No.3435】 05年01月23日     stone 
乳癌手術後の抜糸について

私の母が、昨年1月26日に乳がんの手術を受けました。ステージTの浸潤がんで、リンパもレベル2切除しました。今は放射線治療を受けているのですが、抜糸がまだ済んでいません。こんなに長い間抜糸をせずにいても良いものなのでしょうか? 担当の医師は「この次の通院の時にでも」と話しているそうです(手術を行った病院には放射線の設備がないので、放射線は他の病院で受けています)。母も不安に思っているので、相談してみることにしました。よろしくお願いします。

乳癌の手術で皮膚を縫合した糸の抜糸は、縫合の仕方にもよりますが、 5-14日くらいで行うのが一般的です。創の具合いによっては少し時間がかかることもあります。質問内容からは何のために残しているのかわかりませんが、皮膚の中を縫った糸や血管をしばった糸は体内に残っても問題になりませんので、少なくとも心配はないと考えます。しかし、必要ないのであれば抜いてもらいましょう。(文責 浜口)

 

No.3434】 05年01月23日     S
マンモグラフィーと妊娠について

27歳、一児の母です。昨年10月に左胸の下部分に小さなしこりを見つけ、心配になり近くの産婦人科で乳がん健診を受けました。触診・超音波の結果、「たぶんただの乳腺症ではないだしょうか」とのことで、どうしても心配ならガンセンターでマンモグラフィーをとることを進めますよと言われ、しばらく様子をみていました。しこりは生理がきておっぱいが柔らかくなると気にならなくなり、生理が終わると気になるといったことを繰り返していました。心配で、昨日ガンセンターで検診を行ったのですが、マンモグラフィーは妊娠の可能性のある人は受けられないとのことを聞いていたので、市販の検査薬で検査したところ、生理予定日の一日前にもかかわらず陽性がでて可能性があるためマンモグラフィーはできないとのことです。超音波もしたところ、エコーには何も写らないというのです。細胞検査もしましたが、抗体が少なくて検査結果はでないというのです。「いま一刻を争うものでもなさそうだし、触った感じも乳がんぽくないとは思うが、100%そうとはいいきれない、あとは乳腺外科と相談して局所切開するかどうか、決めなければならない。」と言われました。もし仮に妊娠していたとしたら、たぶん2ヶ月になると思います。麻酔やその後の痛み止めなど、赤ちゃんに少しでも影響する危険性があるならば、今回の妊娠はあきらめたいと考えています。マンモグラフィしか正確に病名がだせないそうです。やはり妊娠の可能性があればマンモグラフィーは無理なのでしょうか? 長々とすみませんが、とても真剣に悩んでいます。

もしも乳癌であれば、触診でわかるしこりが超音波検査で確認できない可能性はかなり低く、乳腺症等の正常範囲の乳腺の一部を触知している可能性が高そうです。確かに触診や超音波で見つからない早期乳癌がマンモグラフィの石灰化で見つかるケースもありますが、触診でわかっているしこりに対して胎児にリスクをおかしてまでマンモグラフィを行う意義は少ないと考えます。また、妊娠中期以降であれば手術が可能ですから、妊娠は継続して、乳房のしこりは経過観察が一般的と考えます。(文責 浜口)

 

No.3433】 05年01月23日     K.O.
しこりのようなものについて(2)(HPNo.3395-2)

ご丁寧なご回答、ありがとうございました。先日、大学病院の乳腺内分泌外科で診断を受けました。触診のみで、盛り上がっている部分については、‘右側だけ’に少しもり上がりがあったので、気になっていたのですが、「骨です。」と言われました。そして、その「骨」の上にある、柔らかくクリクリと動くもの(へそのようなくぼみはありませんでした。)については、特に触診されませんでしたが、「下着のワイヤーが当たっていることで、炎症を起こしているのでしょう。」とのことでした。クリクリと動くものについては、合わない下着のワイヤーが接触している時に、圧迫されるため痛いと感じる時がありますが、下着をはずして触ってみた時には痛みはありません。「下着をワイヤーのない、体に合ったものにすることが解決になります。他は問題ありません。」とのことでした。ご回答では、乳腺線維腺腫や皮膚に由来する腫瘤(粉瘤)が考えられるとのことですが、別の病院でも診断を受けてみた方がよいのでしょうか。とても気になります。(前回の、症状に対する説明が不足していたら申し訳ございません。)
お忙しいところ大変恐縮ですが、ご回答いただけたらと思います。どうぞ宜しくお願いします。

恐らく心配ないでしょう。変化があれば受診したらいいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3432】 05年01月23日     Y.Y.
手術後の状態について

昨年3月に左に約9cmのしこりを術前にフォルモル・エンドキサンの抗癌剤投与を6回行ない、8月にはマンモグラフィイでも確認できないほどしこりはなくなりましたが、細かな散らばりがあるという事で左胸全摘手術をしました(リンパ節転移は3個、他に転移は見つからず)。その後タキソテールを12回し、現在月に一度のホルモン注射(ゾラ)と毎日ノルバデックスを服用しています。ご相談したいことは、ガン告知を受けた3月から体全体がヒリヒリしたり(日焼け後のような)、またカーッと熱くなったりします。特にお腹や腰、背中などで、それがとても気になり、不安でたまりません。主治医は「女性の体は複雑だから」と言うだけです。ガンによる痛みなのか?と気持ちが落ち着きません。このような症状は何が原因で起こっているのでしょうか? いつかは治まるでしょうか? よろしくお願いします。38歳主婦です。

経過からすると癌による症状である可能性は低いと考えます。考えられるのは、低エストロジェン状態による更年期障害の症状や抗がん剤の副作用としての末梢神経障害などが考えられるのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3431】 05年01月23日     E.W. 
ホルモン治療の切り替えについて

はじめまして。49歳です。3年前に、術前化学療法(CAF)、左乳房全摘出手術、放射線治療の後、ホルモン治療を受けています。昨年、朝日新聞に載った「がん最新情報」のアロマターゼ阻害剤の記事を見て、アロマシンに切り換えるべきかで悩んでいます。主治医は、「まだ確立されていないので、積極的に勧めることもできないが、反対する理由もないから、希望通りに処方する」と言ってくれます。先生のご意見をお聞かせ下さい。

閉経後乳癌患者さんに対してタモキシフェン療法を2-3年行った後にエキセメスタン(アロマシン)に変更した場合、タモキシフェン継続投与に比べ、3年無再発生存率で4.7%改善すると報告されています。(しかし、全生存期間については差がありませんでした。) 閉経後であれば、考慮する価値はあるでしょう。(文責 浜口)

 

No.3430】 05年01月23日     M.M
切除範囲とセンチネル生検について(2)(HPNo.3345-2)

先日はご回答いただき大変参考になりました。ありがとうございました。セカンドオピニオンの一環として、本日がんセンターの方に伺い、色々と確認をすることが出来ました。承ったご説明の要旨は以下の通りです。
@ 切除範囲が広かったため、リンパの流れが途絶えている可能性が大きく、センチネルを行っても意味がない。
A 従って、当方が希望するならば標準的処置であるリンパ節切除を行う。
B 但し、異型度がグレード3なので、「飛んだ考えだが・・」という前置きがありましたが、微小転移の不安を絶つならば、Aを行わず抗がん剤(EC療法)を一気にしてしまうのも方法のひとつと。

特に、女性ホルモン感受性が低く、且つグレード3なので、こういう場合は抗がん剤治療が推奨されているとのことですが、Bを行うのは抵抗があります。実際、医療の現場ではBを行うのは決して稀ではないのでしょうか? PETドッグ上、微小転移はその限りではないことは承知してますが、転移はもちろん認められておらず、グレード3だからといってBを選択するのはやはり飛んだ考えなのでしょうか? 実際、グレード3と判定されるのは何割ぐらいなのでしょうか? お忙しい中、申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。

International Breast Cancer Study Groupの1998年の報告によれば、組織学的グレード3と判定されたのは34%でした。組織学的グレードの判定は判定を行う病理医により多少異なる可能性もありますが、グレード2,3はハイリスク群に分類されますので、グレード3であれば術後化学療法による再発、死亡リスクの軽減が期待でき、選択を考慮すべき治療法のひとつと考えます。(文責 浜口)

 

No.3429-1】 05年01月23日     M&H
リンパ節転移陰性/ハイリスク群の抗がん剤選択について

M&Hと申します。2004年12月に左乳温存手術を行いました。センチネルリンパ節転移陰性だが、ハイリスク群にあたり、術後化学療法を行うほうが望ましいとのこと。以下の選択肢から選べるといわれ、悩んでいます。

@AC(60/600) 4(〜6)コース
AAC→T       4コース+4コース
BCMF        6コース
CEC(90/600) 4〜6コース

術後病理検査の結果はInvasive ductal carcinoma, Solid-tubular carcinoma,F,LY(-),V(-), histogical grade:3、腫瘍径 21mm×16mm、異型上皮細胞の充実性胞巣状増殖を認める。浸潤性乳管癌(充実腺管癌)の所見で脂肪織への浸潤を認める。腫瘍には核分裂像が目立ち、壊死塊が散見する。浸潤成分周囲には管内成分を散見する。M4のリンパ節とセンチネルリンパ節(0/1)にリンパ節転移はみとめず。Herceptest score 1+、ER −、PR −でした。

質問事項
1)無治療の場合、再発率、5年生存率は何%でしょうか?
2)上記治療法の再発予防効果はどの程度異なるのでしょうか?
3)CAF,CEF療法は、上記治療よりも再発予防の効果が高いのでしょうか?

以上です。よろしくお願い致します。

腫瘍径2.1cm、リンパ節転移陰性、遠隔転移なしであればステージIIAになりますが、リンパ節転移陰性であってもホルモン受容体陰性、組織学的グレード3であれば、リンパ節転移陽性の患者さんと同様に術後化学療法による再発、死亡リスクの軽減が期待できます。
1)米国の腫瘍登録データベースをもとに推測されたデータによれば、閉経前、リンパ節転移陰性、ホルモン受容体陰性、腫瘍径2cm以上の患者さんの無治療10年間の乳癌による死亡リスクは16%以上であると推定されます。また、S.E.Pinderらの報告によれば、組織学的グレード3、リンパ節転移陰性、化学療法非施行の患者さんの12年生存率は70%、無再発生存率は65%でした。(Cancer1998;83:1529-39)
2)無治療に対してCMF療法の再発リスク軽減率は24%、CMF療法に対してアントラサイクリン療法(AC,EC,CAF,CEF)の再発リスク軽減率は12%、更にアントラサイクリン療法にタキサンを追加することにより、再発リスク軽減率17%の上乗せが期待できると言われています。
3)CAF,CEF療法はAC,ECとほぼ同等と考えていいでしょう。(文責 浜口)

 

No.3429-2】 05年03月12日     M&H
タキサン系抗がん剤の選択

2004年12月に左乳房温存手術を受けました。浜口先生、No.3429では、術後補助療法の選択について、丁寧なご回答をいただきありがとうございました。その後、CEF4サイクル→タキサン4サイクルを選択し、現在CEFの3サイクルが終了しました。今後タキサン系抗がん剤の投与、終了後に放射線治療を行う予定です。
質問
1)タキサン系抗がん剤には、タキソール、タキソテールがありますが、これはどんな基準で選択されるのでしょうか? 再発予防の効果が高いのは、どちらなのでしょうか?
2)タキソールの投与法に、2種類あると言われました。(・3週ごとの投与、これを4サイクル ・1週ごとの投与を3回、1週休み、これを1サイクルとして4サイクル)
 この2種類の投与方法で、再発予防効果と副作用には、どんな差があるのでしょうか?

以上です。お忙しいところ申し訳ありませんが、お返事お待ちしております。よろしくお願いいたします。

術後補助療法でのタキサン系薬剤の使い分けについては、決められたルールはありません。タキソール、タキソテールとも補助療法に効果があることは臨床試験で証明されております。術後の補助療法で両者を直接比較したデータもありません。タキソールの投与方法ですが、ご存知のように3週毎4サイクルと毎週1回を12サイクル(3回投与して1回休薬もあります)です。術後補助療法での欧米での大規模な臨床試験はタキソールを3週毎4サイクルで行っているものが多いようです。副作用に関しては経験からすると毎週1回12サイクルの方が少ないように思われます。日本での実地臨床では毎週1回12サイクルの投与が多いと思われます。(文責 稲葉)

 

No.3428】 05年01月23日     M  
ホルモン剤服用について

はじめてご相談させていただきます。私は30歳、2児の母です。昨年子宮がんを患い、両卵巣摘出のためホルモン補充療法をしています。服用しているのはプリマリン(エストロゲン)という薬ですが、先日婦人科を介して乳房検査(マンモグラフィーと超音波)をしたところ、「左胸に小さな複数の石灰化、右胸に一部石灰化が認められる。良性を疑うも、一年検診を半年検診に短縮したほうがいい」と所見欄にかかれていました。婦人科で結果を聞いたのですが、その際「今服用しているホルモン剤を飲んでいてもいいですか」と質問したところ、「もともと分泌されていないホルモンを補充してるのだから問題ない」との回答。でも家に帰ってからも不安で、「ホルモン剤を飲んで万が一悪化してしまったらと思う」と怖くて飲めません。本当に飲んでも影響ないのでしょうか。ホルモン剤を服用しないと、骨にも影響してくるし、分泌系も衰退してくるから飲んだほうがいいらしいのですが、もし悪性だったらと思うと不安です。

約2/3の乳癌はエストロゲンがその発育に関与しており、閉経後女性が更年期障害の治療目的に女性ホルモンの補充療法をした場合、乳癌のリスクが高くなることが知られています。乳癌患者さんに対するホルモン補充療法は行うべきではありませんが、乳房に石灰化があっても良性石灰化であれば、ホルモン補充療法を行ってはいけないわけではありません。エストロゲン不足によるデメリットもあるわけですから、治療のメリット、デメリットを考慮して治療を続行するか決めて下さい。(文責 浜口)

 

No.3427】 05年01月23日     S.S. 
ICTの診断結果について

お世話になります。41才、出産経験のない女性です。2004年12月、乳がん検診にて以下結果となり要精密検査となりました。超音波所見により、右 多発性嚢胞 カテゴリー2、左 ICT (12.8mm*22.2mm)、時間軸 1:00、部位 M、カテゴリー3、マンモでは異常を認めずとのこと。(胸の張るPMSはきつい体質です)とのことで、要精密検査の通知を受け取りました。2005年1月、近所の医院で技師さんとお医者さんの超音波画像の読み取りが若干違い、患者としてどうして判断するのが良いかの相談です。
「技師さん:左 嚢胞内にカラードップラーによる血流あり。 お医者さん:左 嚢胞(Cyst)とは思えない。良性の乳腺症。」とのことです。素人の私からみて超音波画像は白っぽい乳腺のところに黒いほぼ卵形の影(境界がごく一部明瞭でない)があり、内部に薄く、かなりまばらに白っぽい画像がかかるといった感じです。カラードップラーの赤青の表示はほとんどが黒い影境界線上ですが、内部に少しありました(大きさ・位置は昨年12月と変化無し)。画像診断の簡単な例ではないのかもしれませんが、お医者さんの良性を信じて、このまま何もしなくて良いのでしょうか。技師さんが超音波検査のときに説明してくれたカラードップラーによる血流は何由来のものか、判断はお医者さんは言及しませんでした。その血流を悪性のもの由来かもと、画像を読んだ技師さんのことが気になります。それをはっきりさせたいならばどういう検査をするべきなのか教えてください。お医者さんは針細胞診は正常であれば細胞が取りにくいので、細胞が採れずに情報がないことも多いとおっしゃいました。宜しくお願いします。

実際の画像を見ずにコメントするのは難しいですが、1年前と変化ないのであればあまり心配しないでよいのではないでしょうか。しかし、画像で悪性の可能性があるのであれば、細胞もしくは組織を採取して調べることをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.3426】 05年01月23日     K.H.
若年のがんについて教えてください

いつもこちらの相談室を拝見させて頂いており、大変参考にさせていただいています。いつも丁寧な回答には恐れ入ります。私は36歳、左乳がん 現在、術前化学療法が終わり、今月末に方法は未定ですが(今後、再検査、手術の詳細説明有りの予定)、手術の予定です。やや一般的とも言える事かもしれませんが、教えていただきたい事があります。私の半年前の診断では、クラス5(腋のリンパ、及び乳腺共に)、病期Ub〜Va、浸潤性乳がん、細胞分裂多め、がん細胞の形が悪い、とのことでした。しこりの大きさは半年前の検査では腋で2cm、胸で2.7cm×2.9cmでしたが、現在では術前化学療法でそれよりは小さくなっています。教えていただきたいのは、一般的に「若年のがんは危険」と言われる理由と、どう注意すれば良いのかです。私の検査結果でも細胞分裂多めとあるので、がんの増殖速度が高いのが一般的傾向なのかなと理解しています。ひとたび発見されて治療した後(予後、というのでしょうか)に対しても、若年のがんというのは再発リスクが高かったり、手術でもがん細胞を切除し切れなかったりする確率が高いのでしょうか? 若年のガンとして特に気をつける点を、手術方法の選択の観点から、及び術後の経過観察の観点から、教えていただけますでしょうか?

日本でも若い方が乳癌になるケースが増加しており、30代の患者さんも決して珍しくなくなってきています。年齢が35才未満の場合はリンパ節転移が無くても、再発のリスクが高い群に分類され、しっかりとした術後の補助療法が必要になります。若いからといっても、術式の選択や術後follow upの方法に関しては特に違いはありません。基本的には閉経前、リンパ節転移陽性乳癌に対する治療が必要であり、術前化学療法の効果、ホルモン感受性等も考慮しつつ、術後補助療法を計画していくことになると考えます。(文責 浜口)

 

No.3425】 05年01月21日     Y
手術後の瘢痕について

ホームページを見てメールさせていただきました。ご相談したいことは、手術後の傷跡付近、シコリを採出した付近は固くなってしまうものなのでしょうか? 私は現在25歳です。手術は去年の10月末にしました。20歳の時、左の胸の左下に直径2cmほどのシコリを見つけ、病院に行きました。検査の結果、良性の腺維腺腫と言われました。その後、半年間隔で検査するだけで、手術も投薬もなく過ごしていました。去年の夏過ぎから、左胸だけ、生理前後に茶褐色っぽい分泌物が出てくるようになったので、病院で検査をしましたが、結果は良性でした。しかし分泌物が出ているということもあり、手術することになりました。摘出物の検査の結果は良性でした。病名は乳頭腫瘍だったそうです。もう乳腺に関して通院する必要はないとのことです。しかし私は甲状腺にも良性の腺維腺腫があるので、そちらの方の通院日と合わせて、念のため引き続き乳腺も検査してもらう事になりました(乳腺と甲状腺は同じ病院で同じ先生に診ていただいています)。手術後、軽い痛みがありましたが、一ヶ月ほどしたら痛みもほぼなくなり、手術の跡もあまりわからなくなりました。手術して2ヶ月半、今だにうつ伏せになった時や生理前など手術した辺りが時々痛みます。手術した付近は手術後ずっと、表面的にはあまり気にならないのですが、シコリに似たような固みがあります。退院してから10日後ぐらいに抜糸してもらった時、担当の先生に固くなっているのは何故か聞いてみたら、傷口がへこまないために付近の肉を寄せ集めたからだ・・・みたいな事をおっしゃっていました。時間が経てば傷跡も固みもなくなるとおっしゃっていました。その時は先生のお話を聞いて納得しましたが、今だに同じ症状なので不安です。次に病院に行くのは5月です。もし異常であれば一日でも早く病院に行かなければならないと思っています。手術後の私の症状、どう思われますか? 病院に行くべきでしょうか?

手術の瘢痕がしばらく硬いのは不思議なことではありませんので心配いりません。(文責 浜口)

 

No.3424】 05年01月21日     K 
左胸のしこりについて

31歳、出産経験なしの主婦です。7年前に左胸にしこりを発見して乳がん専門の病院に行き、レントゲンとエコーの検査をしてもらいましたが、「おそらく乳腺症でしょう。3ヵ月後にまたきてください。」と言われ、今に至ります。常にしこりがある状態で気にはしていましたが、一度検査してもらったという安心感から中々病院には行きませんでした。今月生理が終わった後、しこり部分が痛みました。激痛ではありませんが、ズキズキという感じです。7年前と大きさは変わっていませんが、もう1つ増えた気がします。生理が終わって1週間以上たつ今は、腕がダル痛かったり左肩までずきずき痛みます。これは悪い病気でしょうか。あと乳首がかさかさになり、薄いかさぶたのようなものが貼ってあるようです。アドバイスお願いします。

7年前と変化のないしこりであれば乳癌の可能性は低いですが、新しくできたしこりが同じものである保障はありません。どんな専門医でも画像だけで乳癌でないと100%断言することは困難ですので、経過観察は非常に重要です。乳頭のかさかさも乳頭炎が多いですが、乳頭にできる特殊な乳癌もあります。やはり一度専門医を受診することをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.3423】 05年01月21日     T.K.
乳房の疼痛及び大きさの変化について

最近ドラマでも乳癌を題材とした番組もあり、妻に気になる症状があったので、インターネットにて色々と検索している中、このようなサイトを見つけご相談させて頂きました。妻は29歳です。半年ぐらい前から右の肩こりがひどいと言っておりました。ここ最近2ヶ月ほどで、乳房の大きさが左だけ極端に小さくなり、右の乳房を手で触ると痛いそうです(もっと前から痛かったのかも知れません)。確かに乳房の内部に大きなシコリのようなものがあるように思います。そこでお伺いしたいのですが、
1) どこかのサイトにて、「乳癌には痛みはない」と見かけたのですがそうなのでしょうか? 触って痛ければ、乳腺症の可能性の方が高いのでしょうか?
2) 乳房の極端な大きさの変化と、乳癌(または肩こり)とは何か関係があるのでしょうか?
 
以上の2点についてご回答頂ければと思います。妻は、病院にほとんどかかった事がなく、病院に行きたがらない状態です。市の主催する乳癌健診等も受診しておりません。そのような状況で、このような相談サイトは非常にありがたく思います。お忙しい中、申し訳ございませんが、是非ご回答を宜しくお願い致します。

1) 乳房の疼痛の原因は乳腺症であることが多いのは事実ですが、乳癌が痛くないというのは正しくありません。乳癌患者さんの受診動機の約9割は腫瘤を自覚して来院されますが、疼痛を主訴に受診される患者さんも5%くらいいると言われています。ですから痛ければ安心かといえばNOです。
2) 乳房の大きさの左右差は正常でもありますし、肩こりはよほど進行した乳癌でない限り直接は関係ないと考えます。しかし、極端な左右差や、最近になって変化が出てきているようであれば腫瘍が潜んでいる可能性もあり注意が必要です。変形、ひきつれ、えくぼ症状、皮膚の変化などはないでしょうか。少しでもおかしいなと思ったら専門医を受診して下さい。(文責 浜口)

 

No.3422】 05年01月21日     T.H.
ノルバディックス服用と妊娠の可能性

はじめまして。40歳で子供無しです。半年前に乳癌の温存術・放射線治療を受けました。リンパへの転移は無しでした。現在はノルバディックスを服用。5年間と言われています。年齢的に子供を持つ最後のチャンスがあるかどうか知りたいのです。卵子を取り出して体外受精させ、薬服用終了後に受精卵を子宮に移すことは可能でしょうか。担当医は薬が卵巣に及ぼす影響がわかっていないからダメだと言いますが、他の医者は大丈夫だと言う人もいます。前例はあるのでしょうか。よろしくお願いします。

ノルバデックスは体内に入ると女性ホルモンであるエストラジオールのエストロゲン受容体に対する結合を阻止することにより抗エストロゲン作用を発揮します。ホルモン環境の変化が起こりますので、通常の排卵誘発剤を使用しての卵子摘出とノルバデックス投与を平行して行うことは安全性が確率されていないと考えます。どうしても妊娠を希望するのであれば、乳癌の補助療法を一時中断して行うことは可能かも知れませんが、再発のリスクは高くなりますので、ご家族、主治医とよく相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.3421】 05年01月21日     K.O.
乳輪から黄色い分泌物が出る事について

初めてメールいたします。今とても困っているのですが、最初は乳ガン検診で去年の8月に近くの大きい病院の乳腺外科でマンモグラフィやエコーの検査をしたのです。結果は乳腺症の疑いがありますが、問題はないと言われました。しかしその翌日、右の乳首の下(乳倫)から黄色の分泌物が出る様になりました。今まで左の乳首から黄色の分泌物が出た事はありますが、右の胸からは初めての事です。塗り薬を塗ってばんそうこうを貼るという処置をしていましたが、治ったかなと思ったらまた出るって感じでした。今月からは何も塗らず自然に治そうかなと思い、ばんそうこうだけにしていますが、毎日分泌物が出ています。ばんそうこうがいけないかもとは思いますが、何か貼っとかないと、下着に分泌物がつき、雑菌が入って余計だめなのかなとも思っています。2回目病院行った時に分泌物を検査してもらったのですが、5段階のうち2のレベルと言われました(数値が低い方が良性)。先生に問いただしても良く分からない感じでした。意外に外面の事でしたら皮膚科になるのでしょうか? この分泌物はいったい何なのでしょうか? ストレスやホルモンバランスとよく言われますが、ストレスを感じない時でも出ていました。お忙しいところ恐縮ですが、ご返事お待ちしております。宜しくお願い致します。

乳管の開口部は乳頭にあり、乳腺に関連する疾患であれば乳頭より分泌物が出たりと乳頭に変化があるはずですが、乳部に変化があるのであれば湿疹、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎などの皮膚疾患の可能性が考えられます。基本的には局所を清潔に保ち細菌による感染を予防することと、炎症が強ければステロイド含有軟膏等による炎症を抑える治療を行います。乳腺に異常を指摘されないのであれば、皮膚科を受診することをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.3420】 05年01月21日     Y.K.
生検について

はじめまして。46歳主婦です。12月半ばに右の乳房のしこり(1pほど)に気づき、乳腺外科で診察を受けました。超音波の結果はVbで、石灰化の見られる部分があること、血管を巻き込んでいることから悪性である可能性もあるというお話しでした。1月7日に細胞診を受け、今日、その結果を伺ったところ、細胞は適性に取れており、クラスUで良性であったが、やはり悪性の可能性が半分はあると思われる(浸潤性乳管がんの疑い)ので、このまま様子をみるよりも生検を勧める、ということでした。(マンモグラフィーはしこりが乳頭に近いので、検査の際の刺激が好ましくないため勧められない、ということで受けておりません。) ご相談したいのは、生検ではどのくらいの範囲を摘出するかということです。小さく取って悪性とわかってから手術するか、あるいは悪性である可能性の方を高くみて大きくとるか。大きく取る場合は乳頭の中をくりぬくので、術後に乳頭が壊死する可能性もある、とのことでした。生検をどの程度で行ったかにより、その後にどのような違いが生じうるのか、お教えいただければ幸いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

悪性の可能性が考えられるのであれば、生検により診断確定することが勧められます。生検にも太めの針を使った針生検や手術で行う生検があります。切除した組織が多ければ、より確実性が高くなります。針生検であればキズが小さくてすみますが、診断がつかないことがあります。乳癌の乳房温存手術の場合、腫瘍周囲の組織を2cmつけて切除するのが一般的ですので、初回にそれに準じて切除すれば追加の乳房切除が不要になる可能性もありますが、もしも良性であった場合はとり過ぎということになります。小さく切除して、病理の結果悪性であれば初回の傷の周りを再度切除することになります。(文責 浜口)

 

No.3419】 05年01月21日     y.g.
しこりを摘出したはずなのですが・・・

はじめてご相談させていただきます。35歳、既婚、2回出産経験があります。海外に住んでいるのですが、12月に胸に5ミリ大のしこりを自分で見つけ、現地の病院でマンモグラフィーとエコー検査をしたところ、やはり5ミリの丸い瘤が認められました。良性であろうとの診断でしたが、念のため摘出しましょうと言われ、現地でマンモトームという機械による摘出手術を受けました。10日前に摘出したばかりなのですが、痛みも引いたので、自分で手術部位を確認したところ、以前と変わらぬ位置に、同じ大きさの5mm大のしこりが触れます。触った感触も同じです。そして、その上部に、さらに大きなしこりが出来ています。
1) 本当のしこりは切除されておらず、上部の違う部分を切除された可能性があるでしょうか?
2) 本来のしこりが摘出されたのなら、もともとしこりがあった部位というのは、しばらく硬くなっているものなのでしょうか。そして、上部の大きなしこりは何なのでしょう?
3) 再検査を受けるのなら、別の病院に行ったほうがいいのでしょうか? それとも、手術を受けた病院で確認してもらったほうがよいのでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、ご回答よろしくお願いいたします。  

1) マンモトーム生検でしこりの生検(組織を採取すること)を行う場合、診断目的にしこりの一部を切除する場合と、複数回の吸引、切除を繰り返し、しこりを全て切除する場合の2つが考えられます。 一般的には目的の組織がとれない可能性は低いです。
2) 生検部位が硬く触知することはありえます。また、上部の大きなしこりというのは腫瘍が急激に大きくなる可能性は低いと思いますので、そうであれば、生検時の出血による血腫(Hematoma)などが考えられるのではないでしょうか。
3) マンモトームがあるということは、ある程度乳腺を専門にやるスタッフのいる病院であると思います。主治医が信頼できるのであれば、そのまま検査を受ければいいと思いますし、何か疑問があったり、信頼できないのであれば、他の病院を受診されたらよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.3418】 05年01月21日     N
母の乳がんについて(2) (HPNo.3373-2)

以前HPNo.3373で質問をさせていただいたNです。お忙しい中、ありがとうございます。また、質問があります。14日に再手術をしました。手術の後、先生に説明を受けました。まず、最初の診断ではガンが0.8ミリのステージT、リンパ節転移無しだったのですが、再手術の時聞いたのは、乳房に思った以上にガンが広がっており、大部分を取ったとの事、そしてまた病理検査の結果次第、全摘出になるとの事でした。母は進行が早いのでしょうか? 何よりもショックだったのが、もう一度深く検査をしていった所、リンパにごく小さい物が転移していると言われました。つまり、ステージTでは無かったという事なのでしょうか? リンパに転移した場合は、抗がん剤しか治療法は無いのでしょうか? 抗がん剤でリンパ節にあるガンは消えるのですか? 例えば、一つのリンパに転移したという事は、他のリンパや臓器に転移していると考えた方がいいのでしょうか? 担当の先生からは、その事については何も聞いていませんし、まだ調べていません。今は、再手術の時に取った部分の病理検査待ちの状態なので、話は進んでいません。そんな間に、どんどん進行しているのじゃないかと、心配でなりません。ご返答の方、宜しくお願い致します。

リンパ節転移がある場合、 病理学的進行度はステージIIAになります。リンパ節転移のある患者さんは無い患者さんに比べ再発のリスクは高いので、一般的には術後抗がん剤投与が勧められます。しかし、リンパ節転移の状況や、ホルモン感受性、年齢等の因子を考慮し、ホルモン療法で再発予防をしていくことも可能かもしれませんので、病理結果がでたら主治医と相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.3417-1】 05年01月21日     S.T
アロマシンの副作用について

よろしくお願いいたします。48歳。昨年7月に右乳房温存手術後、エンドキサン、ファルモルビシン、5FUを3週間おき6クールを11月に終えました。浸潤性、硬がん、リンパ節転移12個中1個。遠隔転移無し。ホルモン受容体陽性、HER2スコア3です。12月からアロマシンを服用することになり、1ヶ月後、右肩、右ひざに痛みが出てきました。アロマシンの副作用として関節痛があること、以前ひざ痛、左肩五十肩の既往があり、副作用か不明なため、1月服用を中止し、様子を見ることになりました。副作用なら左にも出るのではないかと思ったり、服用中止して10日になりますが、この1週間は痛みがひどくなって来ているし、腰や背中も痛むので不安です。すぐ治るのですが、起床時には両手の指が曲がりにくくなっています。右肩は手は上がるのですが、後ろに回そうとすると痛みます。手術後順調によくなっていた右腕なので残念です。ひざも毎晩のストレッチ時、痛みで以前より伸ばせません。アロマシンの関節痛の現れ方や、症状についてお教えください。片方のみに副作用が出ることがあるのか? 五十肩が発症することがあるのでしょうか? 他の薬に変えることも可能だそうですが、その場合どんな薬があるのでしょうか? お教えください。

アロマシンの副作用としては筋骨格系障害として約2%の発生頻度であり、中でも関節痛としては0.4%程度に起こると言われています。もちろん副作用である可能性は否定できませんが、重篤な副作用の報告はなく、服薬中止後も後遺症として残る可能性は低いと考えます。他のホルモン療法としては、閉経前であればLHRHアゴニスト+タモキシフェン、閉経後であればタモキシフェンやアロマシン以外のアロマターゼ阻害剤などが使用可能と考えます。(文責 浜口)

 

No.3417-2】 05年02月09日     S.T
放射線治療の時期について

HPNo.3417(アロマシンの副作用について)にご回答いただき、ありがとうございました。服薬を止めて1月経過し、再度アロマシンを服薬することになりました。ところで、手術前の担当医師からの説明で、放射線療法の話がありましたが、術後まずは全身転移予防のため抗がん剤投与、そしてホルモン療法ということで必死にやってきましたが、ここに来て放射線治療はいつやるのか?と思い、いろいろ調べたら、術後早くやるほうが良いらしく、また6ヶ月以上経過してからではかえって良くないというようなことなので不安になってしまいました。担当医師にお聴きするのが良いかと思いますが、外来日が1ヶ月も先なので、ご意見をお願いいたします。

温存療法後のまず抗癌剤の投与を先行させる場合は放射治療が遅れてしまうことになりますが、時期についていつまでにしなければならないという明確な基準はありません。抗癌剤の投与がすんで1−2ヶ月で開始することが多いですが、術後6ヶ月以上となってしまう場合もあります。特に支障はないようです。(文責 吉田)

 

No.3416】 05年01月20日     M.S.
術後の補助療法について

はじめまして。自分自身が乳がんにかかってしまったので、いつもこちらで勉強させて頂いています。私は現在35歳。7歳・3歳の子供がいる既婚者です。昨年11月に人間ドックで受診したマンモグラフィーにてカテゴリー5と指摘され、11月末に乳腺外来を受診。細胞診の結果はClassX、骨シンチなど骨・肝臓・肺への遠隔転移はみつかりませんでした。12/21に右胸を部分切除の予定でしたが、1.5cmほどの病巣から、15cmもの長いDICSが伸びており、乳房は全切除となりました。切り取った患部の病理結果は以下の通りです。

1)腫瘤のサイズ:15cm * 13cm(主病巣は典型的な硬癌で大きさ1.5cmだが、周辺には広汎なDICSがある。)
2)組織型:scirrhous carcinoma + ductal carinoma in situ
3)浸潤範囲:g
4)断端:-(断端には腫瘍性変化なし。)
5)静脈侵襲:+
6)リンパ管侵襲::-
7)リンパ節転移 0/17 axilla
8)Extensive intraductual component:+
9)Atypical ductal hyperlasia:+
10)組織異型度:grade 2
腺管形成傾向:score 3、 核多型性:score 2、 核分裂象(/10HPF):score 1
11)HercepTest:score 3
12)ER(+-)、PgR(+)

現在、今後の治療については、ホルモン療法+抗がん剤治療ということぐらいの話しか聞いていませんが、以下のことを知りたいので、教えて頂ければ幸いです。

1)上記結果から、私のステージはU〜Vのどれに相当しますか? 主治医の先生は、主病巣から伸びているDICSをどう評価するかで難しい、とおっしゃられて、UとVの間ぐらいかな、とお話くださいましたが、他の先生からの見解も伺えると幸いです。
2)私のような病理結果では、EBMとしては、どの薬剤を使った化学療法・内分泌療法が選択肢としてありうるでしょうか?
3)私としては、できれば卵巣機能は残したいのですが、本相談室のNo,2853-2にて、「抗癌剤治療を行う時に、予めゾラデックスかリュウプリン(生理をとめる注射)で卵巣の働きを止めておいてから、抗癌剤を投与」という方法が紹介されていました。この報告のリソースを教えて頂けないでしょうか? 主治医の先生に説明する際、参考にしたいと考えています。

以上です。長々と申し訳ありませんが、よろしく御願いします。

1) 腫瘍径が1.5cmであればステージIと考えていいと思います。
2) 組織学的グレード2であれば、Average/High riskとなり、タモキシフェン+LHRHアゴニストによるホルモン療法が推奨されますが、化学療法による上乗せ効果も期待できますので、副作用等も考慮した上で主治医と相談の上で治療法を決定したら宜しいのではないでしょうか。
3) 私が、この話を初めて知ったのは数年前のASCO(American Society of Clinical Oncology)で発表されたときで、乳癌患者の術後補助化学療法を行うときにリュウプリンを併用すると90%近く月経が再開したという報告でした。翌年にはゾラデックスでも同様な発表がありました。今、手元にASCOの抄録集がないので、何年の抄録で何ページかはわかりません。代わりに、Pubmedで索引したところ、論文が一つありました(悪性リンパ腫での化学療法に関する報告ですが)ので、その抄録を御送りします。
J Soc Gynecol Investig. 2001 Jan-Feb;8(1 Suppl Proceedings):S60-4. Related Articles, Links Ovarian rescue/protection from chemotherapeutic agents.Blumenfeld Z.Reproductive Endocrinology Section, Department of Ob/Gyn, Rambam Medical Center, Faculty of Medicine, Technion-Israel Institute of Technology, Haifa, srael. bzeev@techunix.technion.ac.il
BACKGROUND:
After improved long-term survival in young women with lymphoma and leukemia undergoing chemotherapy, preservation of future fertility has been the focus of recent interest. The investigational endeavors of ovarian cryopreservation await the clinical experience of in vitro maturation of thawed rimordial follicles, their in vitro fertilization, and embryo transfer. Although promising, this experience is not yet available. Moreover, the risk of possible reimplantation of malignant stem cells with the thawed cryoperserved ovary has been raised after experimental animal observations. Therefore, until these innovative endeavors prove successful, and in parallel with them, we attempted to minimize the gonadotoxic effect of chemotherapy by the cotreatment with a gonadotropin-releasing hormone (GnRH) agonistic analogue to induce a temporary prepubertal milieu. Whereas inhibin-B concentrations in serum may reflect the ovarian granulosa cell compartment, inhibin-A reflects luteal function. Immunoreactive inhibin-A and -B in these patients before, during, and after gonadotoxic chemotherapy were measured.
METHODS:
A prospective clinical protocol was undertaken in 44 women with lymphoma, aged 15--40 years, ten with leukemia and eight undergoing chemotherapeutic treatments for nonmalignant diseases such as systemic lupus erythematosus or other autoimmune diseases. A monthly injection of depot D-TRP6-GnRH-a was administered from before the start of chemotherapy until its conclusion, up to a maximum of 6 months. A hormonal profile was taken before starting the GnRH-a/chemotherapy cotreatment, and monthly thereafter until the women resumed spontaneous ovulation. This group was compared with a control group of 55 women who had been treated with similar chemotherapy. Inhibin-A and -B immunoactivity was measured.
RESULTS:
Whereas all but one (40-year-old) of the surviving patients with GnRH-a/chemotherapy cotreatment group resumed spontaneous ovulation and menses within 6 months, fewer than half of the patients in the control group (chemotherapy without GnRH-A cotreatment) resumed ovarian function and regular cyclic activity (P <.05). The remaining 60% experienced premature ovarian failure (POF). Temporary increased follicle-stimulating hormone (FSH) concentrations were experienced by almost a third of the patients resuming cyclic ovarian function, suggesting a reversible ovarian damage in a larger proportion of women
than those experiencing POF. Inhibin-A and -B decreased during GnRH-a/chemotherapy cotreatment but increased to normal levels in patients who resumed regular ovarian cyclicity and/or spontaneously conceived, compared with low levels in those who developed POF.
CONCLUSIONS:
If these preliminary data are consistent in a larger group of patients, inhibin-A or -B concentrations may serve as prognostic factors to predict the resumption of ovarian function, in addition to the levels of FSH, luteinizing hormone, and estradiol. GnRH-a cotreatment should be considered for every woman of reproductive age who receives chemotherapy, in addition to assisted reproductive technology and the investigational attempts of ovarian cryopreservation for future in vitro maturation.(文責 浜口、清水)
 

 

No.3415】 05年01月19日     I.Y
妊娠について

31才女性です。2年半前より左胸に約2cmのしこりがあります。昨年4月に初めての妊娠が発覚し、それを機に乳腺外来で診ていただきました。「可動性、表面がツルっとしているし、エコーで診ても真ん丸、悪いものではないだろう」と言っていただきましたが、詳しいことは妊娠中で調べられない、授乳が終わってから、ということになりました。しかし11月末、残念ながら子どもは死産となりました。今年1月に乳腺外来で再び診てたいただいたところ、マンモグラフィ、エコーで診ても、おそらく液体で、悪いものではないだろう、ということでした(エコーは真ん丸ではなく、おたまじゃくしのようなしっぽがありました)。しかし、念のため針で抜いて液体を調べていただいたところ(粘度が強かったのか、ほとんど抜けませんでした)、クラス3bという細胞診の結果がでました。今週末、しこりを摘出する手術をします。摘出し、結果しだいでは、再度手術の必要があると説明を受けました。このように、良性のような姿をしていても癌であることがあるのでしょうか? また、前回が死産だったため、強く妊娠を希望しており、夏頃には妊娠したいと思っておりました。悪性だった場合、薬などを服用するのでしょうか? そうなると、妊娠することは難しいのでしょうか?

画像診断で良性か悪性かを100%診断することは不可能であり、診断確定のためには組織学的診断が必要となります。超音波でまんまるの乳癌もあります。乳癌の場合、基本的には術後に再発予防のためにホルモン療法や抗がん剤化学療法が必要になるケースが多く、その場合は一時的もしくは永久的に卵巣機能が抑制されることになり、少なくとも治療中の妊娠は困難です。(文責 浜口)

 

No.3414】 05年01月19日     ゆき
転移性乳癌の治療について(HPNo.3136-3) 

早速のお返事、ありがとうございます。先生からの回答にあったように、ホルモン療法はどちらも受けました。効果は、目をみはるようなものではありませんでした。なぜかというと、術後補助療法でゾラデックス+タモキシフェンを受けましたが(その時点では転移はありませんでした)、しかし1年後に腰椎転移、そしてタキソール(4クール)を投与しました。効果が有り、腫瘍マーカーが正常範囲にまで下がりましたが、半年を待たず腫瘍マーカーが上昇してしまい、その後、経口抗がん剤のフルツロン、効果がなくなるとエンドキサン錠と変更して行きました。その間もゾラデックスは継続していました。タモキシフェンは副作用に耐えられず、中止。その後、左仙腸骨に転移をして、その時はゾラデックス+アロマシンを受けました。でも、先ごろ右仙腸骨に転移がわかり、その後の治療のことで迷っているんです。
次の治療法として、主治医から提示されているのは、ヒスロンの服用、または抗がん剤投与です。現在、腫瘍マーカー(NCC−ST−439)が2500で、痛みは殆どなく、ごく自然に日常生活を送っています。なので、副作用に苦しんでまで抗がん剤をする必要があるのか、ヒスロンにしても血栓症、血圧の上昇など揚げられているようで心配です。ゾラデックスをするようになってから、コレステロール値の増加、高血圧症に悩まされています。かといって、やはりゾラデックス+ビスフォナールだけでは、このがんの勢いは抑えきれないのでしょうか? よろしくお願い致します。

転移性乳癌の治療の場合、ホルモン療法で効果があった後に病状が進行したのであれば他のホルモン剤を使用し、効果がないのであれば、抗がん剤治療を考慮するというのが一般的です。ホルモン療法の効果が不十分であるのであれば、アンスラサイクリンやカペシタビンなどによる化学療法も選択枝としてあげられると思います。副作用については個人差がありますので一概には言えませんが、副作用と生活の質の両方を考慮して治療を選択していかなければならないと考えます。(文責 浜口)

 

No.3413】 05年01月19日     MBL 
外科の種類について

こんにちは。初めてお便り致します。40才の主婦です。昨年6月右胸にしこりを見つけ、近くの比較的大きな病院を受診しました。レントゲン検査とエコー検査があり、それ自体は脂肪のかたまりであろう、というお話でしたが、今年1月になって再診したところ、エコー検査で同じく右胸の乳頭直下に、別の物が見つかりました。注射針を刺し、吸い上げようとしましたが、全くといってよいほど何も採れませんでした。ほぼ丸い形で、水がたまったようなものではない事から、「結果を問わず外科手術をして調べます」と言われています(脂肪のかたまりと言われていたものは、半年前よりも軟らかくなり、しこりとしてはあまり感じません)。その病院には乳腺専門の外科の先生はいない事、一箇所の病院の判断では不安な事から、専門医のいる病院を紹介してもらおうかと考えています。その場合、「乳腺・内分泌外科」と「乳腺甲状腺内分泌外科」とは何か違いがあるのでしょうか。また、「過敏性腸症候群」であることから、そちらへの悪影響を心配しています。腸が弱いということでしょうから、更に傷めやすいとか、転移しやすいとか、使う薬を考えなくてはいけない、とかあるのでしょうか。また、漢方等と併用を考えてくれる病院等はあるのでしょうか。(ちなみに関東地方です。「乳腺専門医のいる施設」を検索したところ、どこへ行くにも2時間は掛かる事が解りました。)
失礼な質問ばかりで申し訳ありません。よろしくお願い致します。

「乳腺・内分泌外科」と「乳腺甲状腺内分泌外科」とは基本的には同じと思います。乳腺の標榜のある病院を受診すれば宜しいのではないでしょうか。過敏性腸症候群と転移しやすいかどうかは関係ありません。また、過敏性腸症候群であっても乳癌の治療は通常通り行うことになります。(文責 浜口)

 

No.3412】 05年01月19日     アヤ
乳房の痛みについて

ご相談させてください。26歳女性です。いつ頃からだったかは分かりませんが、生理前や排卵時期になると乳房横(ブラのワイヤーのあたる部分)や乳首が痛くなります(特に左側の痛みが強いです)。自分で触った感じでは、しこりの様な物は無いと思います。乳がんの自己診断もやるようにしていますが、くぼみやひきつれ等もありません。「生理前等に胸が張るのはいいが、そこに痛みがあるのはよくない」と、何かで見ました。とても心配になり、ご相談させていただきました。やはり治療が必要なのでしょうか? 考えられるものとして、どのようなことがありますか? お忙しいとは思いますが、お返事宜しくお願い致します。

生理前には正常乳腺も増殖が起こりますので、乳房痛が起こることは珍しいことではありません。しかし、しこりがなくても乳房痛で発見される乳癌の患者さんもいますので、心配であればやはり専門医の受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.3411】 05年01月19日     K.F. 
茶色い分泌物があります

初めまして。こちらでは相談を受け付けていただけるということで、相談したい事がありメールさせて頂きました。
私は現在14歳です。最近下着に茶色い染みがついているのを見つけ、最初は気にしなかったのですが、それ以降にも染みが付いている事がありました。インターネットで調べてみたら乳がんなどは茶色系の分泌液が出ることもあると書いてあり、不安に思い相談させていただきました。染みは右胸のみに付いており、絞ってみても何も出てきません。一度病院で見てもらったほうがいいのでしょうか?返答いただけたら幸いです。宜しくお願いします。

茶色い分泌物の場合は血液を混じた乳頭分泌の可能性があり、その原因としては、炎症、腫瘍が考えられますが、一時的であれば乳腺の増殖に伴い分泌物がある可能性も考えられます。ご年齢からは乳癌の可能性は低いですが、症状が続くようであれば乳腺科もしくは外科受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.3410】 05年01月19日     R.C.
乳がんの転移について

妻が乳がんの手術を1年半ほど前にいたしました。ステージU、しこりが3cm、リンパ転移なしでした。術後の治療は、化学療法、放射線治療、ホルモン治療です。今はホルモン治療のみ行っています。最近乳房の下からお腹の方へ手で触ると、しこりが数珠繋ぎなような感じで、5〜10cm程の長さであるのに気付きました。これは乳がんの転移の可能性なのでしょうか? 教えて下さい。

可能性としては術後瘢痕や静脈血栓などが考えられます。転移の可能性を否定するには診察が必要です。まずは主治医に相談して下さい。(文責 浜口)

 

No.3409】 05年01月19日     T 
乳首のかゆみ

始めまして。私は29歳の主婦です。出産経験はありません。今子作り中で、生理は遅れていますが検査をしても陽性ではありません(生理不順気味)。最近乳頭の痒みを感じています。分泌物はまったくありません。薄い皮がめくれるだけです。乳輪には異常がありません。アトピーではありませんが、ただの乾燥によるものでしょうか? あと乳房にやわらかいしこりが左右にあり、これは病院で見てもらい乳腺症と診断されました。が、生理終了後に、かならずしこりの変化がないかの自己触診はしております。今のところ変化はありません。やはり皮膚科で見ていただいた方がいいのでしょうか? 乳がんに関係ある症状でしょうか? すいませんが教えてください。

乳頭は皮膚炎を起こしやすい場所のひとつですので、症状から推測しますと乳頭部皮膚炎の可能性が高いと考えますが、乳頭部にできる特殊な乳癌もありますので専門医の受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.3408】 05年01月19日     N 
転移後の治療について

はじめまして 昨年5月に右乳房全摘しました。42歳です。術後の検査で胸椎と肺に転移が見つかり、放射線を胸椎に40グレイ、胸に50グレイかけました。その後、ACを3クール、Tが4クールに入ったところです。「次回から破骨細胞に効く薬を追加します」と言われています。今の主治医が4月に転勤してしまうのと、あまり質問に詳しく教えて貰えない為、この先どのようになるのかとても不安です。現在の自覚症状は、背骨、腰の痛みがありますが、痛み止めを飲むのは3日に一、二度といった感じで、体力が少しなくなってきたようで、疲れやすくなっています。今後どのような治療が考えられるか、また、どのような症状が出てくるのか、予想できる範囲で教えていただけたらと思います。知人に丸山ワクチンを進められていますが、どうなのしょうか? また、主人がヘビースモーカーなのですが、やはり体にはよくないでしょうか?

乳癌の転移に対する治療としては、抗がん剤による化学療法、ホルモン療法、放射線療法、免疫療法などの選択枝があり、個々の患者さんの病状に応じて治療法を選択していくことになります。確かに抗がん剤の治療は副作用も強いですので、体力が落ちている場合はホルモン感受性の乳癌であればホルモン療法に切り替えることもひとつの方法ではないでしょうか。今後出現する可能性のある症状としましては、痛み、咳、体動時の呼吸苦などが考えられると思います。丸山ワクチンの有効性については確立されていないと考えます。ご主人の喫煙については病状の進行については直接影響は少ないと考えますが、症状に影響が出る可能性は否定できません。(文責 浜口)

 

No.3407】 05年01月19日     M・D
リュ-プリンの乳腺への影響について

初めてメールさせて頂きます。相談室は大変勉強になり、とてもありがたく拝見させて頂いています。私も、ご相談させて頂きたい事があります。マンモグラフィー1回目 カテゴリー4・細胞診3、2回目 カテゴリー5・細胞診で石灰化が1個取れたが悪性の所見で無かったので、現在引き続き経過観察しています。マンモトームなど組織を取る検査はしていません(左側)。そこでお聞きしたいのですが、以前に子宮内膜症の為、半年間リュ-プリンの治療をした際、その期間中ずっと乳頭の血性分泌がありました(左側)(治療後は止まりましたので、副作用と考えられます)。今又、粘膜下筋腫の治療として、リュ-プリンの治療をすすめられています(過多月経、貧血の為)。普通に考えると、リュ-プリンは乳癌治療にも使われていて問題無いと思われるのですが、以前の事があり、今の様な乳腺の状態にどの様な影響があるのか、とても不安に思います。乳腺の方は、グレーの状態ではありますが、もう少し様子をみようという事になっています。私の場合、やはりリュ-プリンは乳腺にとって良くない影響があると考えられますか?
分かりにくい質問かも知れませんが、どうかよろしくお願い致します。

リュープリン投与は薬剤により閉経状態とする治療ですので、副作用としては女性ホルモン低下に伴う更年期障害ということになります。低エストロゲン状態に伴うほてり、のぼせ、肩こり、頭痛などが頻度の高い副作用としてあげられますが、乳房については乳房痛、緊満感、萎縮などがあると言われています。乳腺に起こる変化も閉経に伴う変化が起こると考えられるので、少なくとも乳癌のリスクが増加するということはありません。(文責 浜口)

 

No.3406】 05年01月18日     K.E
抗がん剤中断後、再抗がん治療の効果の有無について

平成16年4月、左乳房温存手術を実施しました。年齢59歳、硬ガンで、大きさ0.9cm、リンパ節転移2個、断端マイナス、ステージ2。その結果、放射線治療を経て抗がん剤治療6クールとなりました。CAFを11/26 5クールまで終了致しましたが、肝臓機能数値がGOT71、GPT106、ALP550まで上昇してしまい、中断しています。主治医は、抗がん剤治療をこのまま止めても、また抗がん剤治療を続けてもいいようなお話をされました。(現在肝臓の薬ウルソを服用中で、数値は下がりつつあり)私には判断しかねます。5クールでも効果の有無をどのように判断するのか、また2ヶ月以上間をあけて抗がん剤をした場合効果があるのかお教え頂きたい。

CAFの6クールを5クールにした場合、どの程度予防効果に差があるのかは、報告はありません。ただ、2ヶ月あけて6クール目を行っても5.5クール程度の効果ということになります。あくまで予防の治療ですから、強い副作用がでたら中止すべきです。(文責 徳田)

 

No.3405】 05年01月18日     Y.T. 
リンパ浮腫の予防について

昨年11月に左乳房切除とリンパ郭清の手術を受けました。以前からボディビルジムで筋トレをしています。浮腫が心配で、今は腕は鍛えていません。患側の腕で重い物を持たない、体をしめつける服は着ない、…色々と注意することがありますが、重さの程度など、わからないことが多く、悩んでいます。主治医からはリンパ浮腫についてはわからないと言われ、ますます不安です。リンパ浮腫予防について相談できる病院はありますか? それと、予防のためのマッサージ方法を教えてもらえる所はありますか? 本やインターネットではわからない事があるので・・・。三重県四日市に住んでいます。

乳癌の専門医であれば相談に乗れると思います。お近くの専門医を探してみてください。(文責 徳田)

 

No.3404】 05年01月17日   M.M.
2つの腫瘍がある場合の温存手術について

45才の主婦です。左乳房に1cm位の悪性の腫瘍が2つならんであると診断されました(ひっついてなくて別々のものだと言われました)。切除生検でステージ1のクラス5。全摘と温存の2つの方法のいずれかを選択しないといけないのですが、情報が少なく迷っております。腫瘍の大きさから考えると温存手術でも十分なように考えておりますが、2つの腫瘍ができているので、乳房の他の部分に検知できていない腫瘍があるのではないか不安があります。また、再発の可能性も高いのではないかとも考えております。多発性の腫瘍では温存手術はしないと書かれた本もありました。私のように2つの腫瘍がある場合は、腫瘍が小さくても全摘した方がよいのでしょうか?。

原則的に多発の場合は、温存術の適応ではありません。しかし、あなたのように腫瘍が隣接している場合、乳管にそって広がっていて、つながったひとつの病変である可能性もあります。そうであれば、断端が陰性になるのであれば、温存+放射線でもよろしいと考えます。やはり、ご本人の乳房に対する気持ちで決めるほかありません。原則として、乳房内再発は予後には影響しないと考えられます。(文責 徳田)

 

No.3403】 05年01月17日   M.H.
術後のしこりについて

はじめまして、私は6年前に右乳房を切除しました。その数ヶ月後に右脇下に小さなしこりが見つかりました。主治医は、「これは手術のときの縫い目の最後の所だろう」と言われました。6年経った現在もそのしこりは5ミリ位のままです。「癌だったらこんな事では済まないからね、今後も診ていきましょう」と先生はおっしゃいます。このままで良いのでしょうか。不安です。

6年間変化がなかったということは、再発の可能性はないと思います。それでも不安であれば、主治医に話をして、細胞診あるいは切除をしていただいてはいかがでしょうか。切除は容易な部位、大きさですから。(文責 徳田)

 

No.3402】 05年01月17日    R.M
バストアップサプリメントと乳癌

よく通販などで売られているバストアップサプリメントを飲用すると、乳がんを誘発したりすることはありますか? あるバストアップサプリメントはプエラリアという植物が主成分のサプリメントなのですが、どうでしょうか? 下記説明がついていましたので、記しておきます。

**プエラリア説明**
・プエラリアとはタイ国山岳地帯のハーブの一種で、葛属マメ科の植物です。
バストアップや美肌に女性ホルモンの「エストロゲン」が深く関わっている事は既にご存知と思いますが、この「エストロゲン」を誘発するイソフラボンが大豆の40〜数百倍も含まれていると言われております。このプエラリアによるイソフラボン誘導体によるバストアップ作用はタイ国立チェランコン大やリーディング大の研究で明らかになっています。日本では「胸を大きくする芋がある」として、このプエラリアがマスコミ等で取り上げられ話題となり、現在でも驚異的ヒットを飛ばす商品となっております。

乳癌のリスクについてはわかっていないようです。わからない場合は使わないほうが安心なのではないですか。(文責 徳田)

 

No.3401】 05年01月17日    k m  
リンパ節転移の処置について(2)(HPNo.3383-2

ご返信ありがとうございます。センチネルリンパ節に1個のみ転移があった場合に、郭清を省いて照射対応するのは、現在試験中ということですが、現在までの試験段階の治療成績のデータは、郭清時と比較し、どのような差が出ているのでしょうか?

大規模な無作為化比較試験の成績はまだ公表されていません。(文責 徳田)