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相談室(No.3801〜3900)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

3900 05/05/18 A.N. 乳首のかゆみについて 浜口
3899 05/05/18 MM ノルバデックスと出血について 浜口
3898 05/05/18 N.T 病理検査について 浜口
3897 05/05/16 M.Y. 術後の皮膚の痛み 鈴木
3896 05/05/16 N M リンパ浮腫について 鈴木
3895 05/05/16 N.K. 左乳房に一部硬い部分があります 鈴木
3894 05/05/16 K  炎症性乳ガンの治療法について 鈴木
3893 05/05/16 K.M.  硬癌で再発率何%? 鈴木
3892 05/05/16 S.Y. 線維腺腫について 鈴木
3891 05/05/16 S子 化学療法について 鈴木
3890 05/05/16 HF ハーセプチン(HPNo.3740-3) 鈴木
3889-1
3889-2
05/05/16
05/05/19
化学療法、抗体療法について
化学療法、抗体療法について(2)
鈴木
鈴木
3888 05/05/14 Y.M 脇の下の皮膚のかたまりについて 徳田
3887-1
3887-2

3887-3
3887-4
3887-5
05/05/14
05/05/16
05/06/21
05/06/28
05/07/03
R・O 全摘をすべきでしょうか?
再発の可能性はどのくらいでしょうか?
手術後のしこりについて
しこりができたのですが・・・
ノルバデックスについて
徳田
鈴木
麻賀
福間
石山
3886 05/05/14 A.M.  石灰化について 徳田
3885 05/05/14 Y子 水(リンパ液)が引かない 徳田
3884 05/05/14 A.A.  乳頭からの血性分泌について 徳田
3883 05/05/13 c 胸のしこり 徳田
3882 05/05/13 N  乳がん検査について 徳田
3881 05/05/13 S・I 再発の可能性について 徳田
3880 05/05/13 K.I. 微熱と乳がん 徳田
3879 05/05/12 K.R.  経過観察で大丈夫でしょうか? 徳田
3878 05/05/12 HF 薬の効果について(HPNo.3740-2) 徳田
3877 05/05/12 K  左そけい部のリンパ節にしこり 徳田
3876 05/05/12 H.M.  治療終了後の診断書 徳田
3875 05/05/12 R.O. 今後の治療について 徳田
3874 05/05/12 CHI  がん細胞の消滅?について 徳田
3873 05/05/12 M.S.  穿刺吸引細胞診後の出血について(HPNo.2627-3) 徳田
3872-1
3872-2
05/05/11
05/05/13
Y.H.  乳管内乳頭腫と妊娠について
乳管内乳頭腫について
徳田
徳田
3871 05/05/11 T 乳房の肥大について 徳田
3870 05/05/10 YT 腫瘍マーカーICTP 徳田
3869-1
3869-2
05/05/10
05/05/13
E  ノルバデックスの副作用 
子宮ガンですか?
徳田
徳田
3868 05/05/10 N  再建の時期と骨シンチの検査について 徳田
3867 05/05/10 H 閉経とゾラデックスの関係について 徳田
3866 05/05/09 K  血乳が止まりません 千島
3865 05/05/09 N  乳がん? 千島
3864 05/05/09 OG 乳がんの疑いはないですか 千島
3863 05/05/09 KOBA 抗がん剤の種類について(HPNo.3799-2) 千島
3862 05/05/08 H.M.  乳腺のう胞について 千島
3861-1
3861-2
05/05/08
05/05/12
T  臨床検査報告書について
臨床検査報告書について(2)
千島
徳田
3860-1
3860-2
05/05/08
05/07/02
N子 リンパ液貯留について
ホルモン療法について
千島
石山
3859-1
3859-2
05/05/08
05/05/11
IGA 乳管内乳頭腫の経過観察、及び内視鏡検査について
乳管内乳頭腫は放っておいてよいのか?
千島
徳田
3858 05/05/08 N Her2 3+について 千島
3857 05/05/08 K.A. 首のしこりについて 千島
3856 05/05/08 S.K.  ホルモン療法と針生検について 千島
3855 05/05/08 K.Y 病理組織検査報告書と今後の治療について 千島
3854-1
3854-2
05/05/08
05/06/23
KY 化学療法について
化学療法について(2)
千島
石川
3853 05/05/08 M.K 放射線治療について 千島
3852 05/05/08 K これからの治療法について 千島
3851-1
3851-2
05/05/08
05/05/23
S.N. 治療法について
治療法について(2)
千島
浜口
3850 05/05/08 A.K リンパ浮腫について 千島
3849 05/05/08 J.M.  組織診で迷っています 千島
3848 05/05/08 N  生検はどこで受けるべきでしょうか 千島
3847-1
3847-2
05/05/08
05/06/10
S.K.  イタリアと日本の治療について
乳癌と食生活
千島
吉田
3846 05/05/08 E.Y.  パジェット病が心配です (HPNo.3774-2) 千島
3845-1
3845-2
05/05/08
05/05/21
HY ホルモン剤と抗がん剤の併用について
ホルモン剤と抗がん剤の併用について(2)(HPNo.3845-2)
千島
浜口
3844 05/05/08 K.M.  術後化学療法と心配事についてお尋ねします 千島
3843 05/05/08 M  再発乳癌の治療について 千島
3842 05/05/08 A.H. 副作用と硬癌の治療について 千島
3841 05/05/08 S  ゾラデックスだけで大丈夫でしょうか? 千島
3840 05/05/08 脇下の痛み 千島
3839 05/05/08 君影草 手術痕について(HPNo.3515-3) 千島
3838 05/05/08 K  これからの治療法について 千島
3837 05/05/04 MM 胸から脇にかけての痛みについて
3836 05/05/04 K子 細胞診について
3835 05/05/04 CHIEKO 脇の痛み
3834 05/05/04 T.N. アメリカで手術するべきか、日本でするべきか
3833 05/05/04 jw 乳房と乳首の痛みについて
3832 05/05/04 Y.A. 手術方法について
3831 05/05/04 Y  乳房の痛み、しこり、腋の下のぐりぐり
3830 05/05/04 K.M.  右乳首にシコリがあります
3829 05/05/04 T.H.  手術後の化学療法について
3828 05/05/04 Y.M 乳頭部のしこり
3827 05/05/03 A.M.  グレード1について
3826 05/05/03 M.I. 授乳期のしこりについて
3825 05/05/02 M・T 外来で手術しました(HPNo.3759-2)
3824 05/05/02 C.H.  細胞診ではclassUでした
3823 05/05/02 N  乳がん再発の手術について
3822 05/05/02 YUKI 断乳後の乳がんについて
3821 05/05/01 R.N.  胸のリンパのはれがひどいのは乳がん?
3820-1
3820-2
05/05/01
05/10/23
R.T 両乳房、両乳首の痛み
乳首からの血性分泌

須田
3819 05/05/01 M.K マンモグラフィー カテゴリー3
3818 05/05/01 K.K 化学療法について
3817 05/05/01 K.M. ホルモン治療
3816 05/04/30 K   対側乳がんの治療について
3815 05/04/30 M.K. 乳腺線維腺腫
3814 05/04/30 H   良性から悪性へ変化?
3813 05/04/29 M.O.  異型乳管過形成について(HPNo.3787-3)
3812 05/04/29 T.T.  乳がん?
3811 05/04/29 K.S 造影剤アレルギーについて(HPNo.3714-2)
3810-1
3810-2
05/04/28
05/05/02
H.M. リンパ浮腫
腫瘍マーカー

3809 05/04/28 M.H. 右脇が痛むのですが・・・
3808-1
3808-2
3808-3
05/04/27
05/05/08
05/06/07
ミキ  母の乳癌
母の乳癌(2)
母の乳癌(3)

千島
吉田
3807 05/04/27 MA 乳腺症について
3806 05/04/27 K・T 乳首の皮剥け
3805 05/04/27 Y.I 5歳の女の子です
3804 05/04/25 S.I. 脇の下と乳房の痛みについて 須田
3803-1
3803-2
05/04/25
05/05/01
りんご 再発・転移が気になって・・・
CMF療法後の治療について
須田
3802 05/04/25 M.O.  異型乳管過形成について(2)(HPNo.3787-2) 須田
3801 05/04/25 K.I. 母乳と乳首のかゆみ 須田

 

 

No.3900】 05年05月18日     A.N.
乳首のかゆみについて

始めまして。40歳、二児を出産しております。乳首のかゆみについてご相談したいと思います。3,4日ほど、左の乳首の痒みが続いています。少しいた痒いという感じです。以前から乳首は痒くなりやすい体質ではあります。先日新聞の記事で「乳がんの特徴、『痒み』」というのを目にしたのと、片方のみ痒いこと、そして数日間続いていることが重なり、心配になった次第です。乳がん検査に行った方がいいでしょうか?

乳頭部のかゆみの原因の多くは乳頭部の皮膚炎によるものが大半を占めますが、まれに乳頭部にできる特殊な乳癌もありますので、外科もしくは乳腺科の受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.3899】 05年05月18日     MM
ノルバデックスと出血について

46歳。二年前左乳房切除後EC、タキソール計6クール施行後、ノルバデックス2錠の服用を続けています。化学療法のためと思いますが、生理が一年半ありませんでした。5日前から多量の出血が続いており、貧血のためかふらふらしています。これはノルバデックスの副作用なのでしょうか? その場合、ノルバデックスは中止したほうがいいのでしょうか? よろしくお願いいたします。

確かにノルバデッククスは子宮に対しては女性ホルモン様の作用を示し、子宮内膜の増殖や性器出血を引き起こす可能性はあります。しかし、乳癌再発予防の重要な治療薬ですので、中止するかどうかは主治医の先生にご相談下さい。(文責 浜口)

 

No.3898】 05年05月18日     N.T
病理検査について

46才既婚、出産経験有り、閉経前です。今年4/22左乳房全摘出手術を行いました。術前検査で、しこりの大きさは約3cm、乳頭腺管癌、乳管内進展有りとの事でした。術後2週間後に主治医先生より病理検査の結果説明が有り、リンパ節転移はなし(0/12)で、再発の可能性は15%〜20%位との事。5/19より、ホルモン療法で1種類の薬を約2.3年続ける事と定期的な検査を受けるようにとの説明をして頂きました。偶然こちらのHPを拝見させて頂き、とても参考になりましたが、同時に上記の説明しか受けていない事に少し不安を覚えました。多くの方の質問を拝見させて頂いていると、ホルモンレセプター、ER、PgR、HER、異形型、などと記載があり、私には全く意味もわからず、私の場合はどうなのだろうと不安になってしまいました。そこで、いくつか質問をさせて頂きたく思いメール致しました。

1) 病理検査の結果などは普通、口頭以外に記載されている物を頂けるものなのでしょうか? 頂けない場合、意味もわからない私が聞いて教えて頂けるものなのでしょうか?(聞いて意味がわかるのか、と言われそうで少し不安・・・)
2) 上記の説明で推測される私の病期や悪性度など、予測の範囲で教えて頂けないでしょうか?

以上、よろしくお願い致します。

1)  当院の場合は、基本的には病理検査の結果は患者様に見て頂きながら口頭で説明させて頂き、希望がない限りは記載したものなどはお渡ししておりません。外来の限られた時間で全てについて説明するのは至難の技であり、治療に関係する所見を中心に説明することになります。治療に関係してくる因子としましては、病理学的腫瘍径、リンパ節転移、遠隔転移、ホルモンレセプター(ERとPgR)、HER2、組織学的異型度、脈管侵襲などがありますので、それを知っておくとよいのではないでしょうか。
2)  病期はStage IIAです。ホルモン療法の期間については5年間が標準と考えます。(文責 浜口)

 

No.3897】 05年05月16日     M.Y.
術後の皮膚の痛み

35歳、左胸に2cmの腫瘍が見つかり2週間前に温存手術を受けました。センチネルリンパ生検は陰性で、リンパ節郭清は行っていません。まだ病理結果が出ておらず、病院にいくのが先なのですが、乳首と傷の上あたりの皮膚に布や下着ですれたような痛みがあり、微妙に赤くなっています。ここ数日で痛みがひどくなり、服を着ていてもなるべく肌に触れないようにしていないと、かなり痛い状態です。術前に先生からは術後痛みが出てくる、という説明はありましたが、傷のまわりの皮膚という理解はしていませんでした。また術後は皮弁壊死の可能性もあるとの説明もありました。これが実際に術後に伴う痛みなのか、壊死の兆候なのか判断がつかず、次回の予約までに病院へ行ったほうがよいのか悩んでいます。宜しくお願いします。

確かに文面だけでは判断が難しいので、主治医、乳腺外科医の診察を受けて下さい。(文責 鈴木)

 

No.3896】 05年05月16日     N M
リンパ浮腫について

右のリンパを取り、その後、右腕がリンパ浮腫ではれていますが、ここ3週間ぐらい夜中に2回くらい着替えるくらい、右腕のパジャマがぼとぼとに濡れます。左腕はなんともありません。この水分はなんでしょうか? 腕は押せばかなりへこみます。1日の中で硬くなったり、柔らかくなったりの繰り返しですが、少しは細くなった気がします。右腕だけがこんなに濡れてしまうのは、何か他に原因があるのでしょうか?よろしくお願いします。

術後、どれくらいか判りませんが、術後、間もないのであれば、腋窩の傷からリンパ液がもれているのではないでしょうか? 一度、乳腺外科、主治医の診察を受けてみてはいかがでしょう。(文責 鈴木)

 

No.3895】 05年05月16日     N.K.
左乳房に一部硬い部分があります

現在41歳、既婚、出産暦3回。3人の子どもは、完全母乳で育ちました。授乳中、乳腺炎になった経験あり。2004年1月に左乳房がなんとなく右と比べはったような感じで、また上斜め外側に一部小石のような小さな硬い部分があったので、2月に病院の検診センターで、乳がん検診もできる人間ドックを受けました。触診とマンモグラフィー、腫瘍マーカーもしていただきました。腫瘍マーカーのどの種類のが乳がんの数値と関係があるのかわかりませんが、検査結果をとりあえず書きます。α-フェトプロテイン 6、CEA 0.7、CA19-9 2、CA125 15、でした。X線検査も含め、このときは異常なしのA判定でした。2004年の7月に、やはり同じような部位に違和感が続いていたので、近所の総合病院の産婦人科を受診しました。検査方法は、触診、マンモモグラフィー、超音波。特にそれらしきものはないといわれました。その後安心しきって、自己検診はしていましたが、忙しいのもあって、それっきり特に気にとめていませんでした。2005年5月に入って左乳房の外側のほうが押さえると痛く、また前回と同じような場所もやはり固く、そこを丹念に触るとしこりのようなものがある気がして、5月12日に再び昨年7月に受診した先生を訪ねました。検査方法は、前回同様、触診、マンモグラフィー、超音波です。超音波ではベッドに仰向けになり両手を上にあげ、左下に枕をあて胸をそるようなかたちで診られました。丹念に調べてくださり、硬い部分あたりに7mmくらいの丸いものがあるといわれました。また、マンモグラフィーの結果も、そのあたりに他と少し色の濃い部分が診られるとおっしゃられ、専門の機関を受診するよう紹介状を書いてくださいました。翌日13日に乳腺専門外来で受診し、同じような検査をしましたが、超音波ではその7mmくらいの丸いものは見えないといわれました(超音波はこのとき仰向けのままで、腕も下におろした状態でしました)。乳管が広がっている部分はあるともいわれました。触診(座った状態で腕は下に下ろしたままです)の結果も、それらしいしこりはないといわれました。前の病院の先生と唯一同じ意見だったのが、レントゲンの画像で少し色の濃い部分がみられる、というところです。「様子をみてもいいと思いますが、MRIを受けてみますか」といわれたので、お願いし、5月25日に予約をいれていただきました。
ここで疑問なのですが、超音波で、5月12日には7mmくらいの丸いものがみえるといわれ、翌日5月13日に別の医療機関ではそれらしいのはないといわれたのですが、そういうこっとってあるのでしょうか? 生理は5月12日が1日目、13日が2日目でした。左乳房の外側上部(乳首から斜め左上のあたり)は生理とは関係なく、なんとなく常に硬い感じがずっとしています。腕を下ろした状態ではあまりわかりませんが、左腕をあげてさわると、やはり右の同じ位置とは感じが違います。右と左のはりぐあいも、右はやわらかいのに対し、左は少しはったような…右とやわらかさが違うような気がするのです。MRI検査までまだ10日もあり、もし本当に7mmのものがあるなら10日もほっといてその間に大きくならないのだろうかと不安です。主人は10日も間があるので、その間、別の専門外来で超音波で診てもらったらといいます。私ももう一人違う先生の意見を仰いでみたいという気持ちもあるのですが、25日にMRI検査もあり、どうしようかと迷っています。MRI検査は、超音波では見えなかった、または見落としたものが見えるのでしょうか?また、セカンドオピニオンをうけるなら、MRI検査の前に尋ねていったほうがいいのでしょうか?もし癌なら、検査との間が長いとその間に悪化するのではないかと不安でたまりません。長々と書いてしまいましたが、アドバイスをよろしくお願いします。

ひと言、あまり心配ないように思います。7mmというと、本当にしこりであったのか、乳腺の組織がまだらな部分なのか不明ですが、例えば、嚢胞という、水たまりであれば、時に消失し、時に大きくなります。これは、全く心配する物ではなく、そのまま放置します。他にも、前の病院で見えた物が、次の病院では見えないということはよく経験します。7mmのしこりは、10日放置しておいても、全く心配いりません。殆ど大きさの変化はないでしょう。10日の間に別の医療機関にいくことも、あまり意味があると思えません。どこか一カ所で最終診断を受け、それで心配になるのであれば次の医療機関へ、の方がかしこいかと思いますよ。間に、あちこちに行って、いろいろ検査を受けて、ややこしくなるばかりで、まどわされますので。それと、どこか乳腺外科での受診を勧めます。あまりに不安が大きいようであれば・・・。おそらく乳腺症といって、乳腺がところどころ、硬いところ、柔らかいところが混在するタイプではないかと思います。これは、乳腺の特徴を表す言葉で、乳腺症という病気ではありませんので、これもまた、あまり心配されませんように。(文責 鈴木)

 

No.3894】 05年05月16日     K
炎症性乳ガンの治療法について

35歳になる主婦ですが、炎症性乳ガンと告知を受け、17年5月6日に1回目の抗ガン剤投与を行いました。症状としては、胸がはり、脇と右腕がはれています。背中と頭の付け根が痛いです。現在造影剤なしのOCRで頭を撮りましたが腫瘍が確認できず、造影剤を使って再度OCRを撮る予定です。また現在5歳、3歳、2歳の子持ちです。デカドロン20mg、カイトリルまたはゾフランまたはセロトーン1A プリンペラン1A エンドキサン1000mg、ソルデム3A200ml ファルモルビシン150mgが内容です。これを3週間に1回の4回です。このような化学療法のみの治療しかないということですが、他になにか方法はないのでしょうか? またこの後の治療の見通しと、今までみてきた症例を教えてください。それと気になる話として、動脈カテーテルを使った治療と、イメージ療法で子供の脳腫瘍が治癒した症例を、テレビ、本で聞いたのですが、どこまでのことを実際したのか知りたいです。あとお酒の飲酒は微量でもいけないことなんでしょうか? 長々と書き連ねてしまいましたが、どうかお返事をいただければと思います。お忙しい中とは思いますが、どうぞお願いいたします。 

HER2蛋白の有無、ホルモン感受性の有無が不明ですので、詳細はわかりませんが、それらが存在するようであれば、各々の働きを抑えるような薬も使えます。文面からは、それらの治療が使えなさそうですので、現状では、今の治療がベストかと思いますし、用量も十分であるようです。動脈カテーテルでの治療は、時にいい成績をもたらすこともありますが、決して勧められません。腕から管を入れて、鎖骨下の動脈に先端を置いて、抗癌剤を投与するものですが、その投与量も不確実ですし、皮膚潰瘍などの副作用もあり、ガイドラインでも推奨していません。あきらめずに前向きに頑張って下さい。何かありましたら、連絡下さい。(文責 鈴木)

いつも拝読させて頂き、とても勉強になり感謝申し上げます。HPNo.3894 5月16日 鈴木先生のこ回答「炎症性乳癌」について私の「事例をご報告」させて頂きたく、失礼ながらメ−ルさせて頂きました。
* 氏名:R子(匿名希望) 52歳 会社役員 現在お蔭様で遠隔転移もなく元気。鈴木先生にも感謝しておりますが、主治医(乳腺専門医)にも感謝しているため、すみませんが、匿名にさせて下さい。
* 2003年8月5日初診 左炎症性乳癌 左腋下リンパ転移あり ステ-ジVb ホルモン陰性
* 2003年8月13日左鎖骨下動注ポ−ト挿入 
* 2003年9月25日首の左後ろに潰瘍が出てきた。この日までに ファルモルビシン40mg×7回
* 2003年9月30日より静注に変更し、タキソテ−ル等点滴
* 2003年11月14日脳幹梗塞 コレステロ−ル・血圧等の原因は考えられず、動注ポ−トが原因の血栓が飛んだと考えられ、即日抜去。(脳神経外科のMRIに血栓がしっかり写っていた)         
* 2003年11月上旬〜12月 エンドキサンを点滴、これが非常に良く効き炎症が引いた。ファルモルビシンもタキソテ−ルも私の場合はあまり効いてない様子。
* 2004年1月6日左乳房切除(植皮なし。大胸筋も切らずにすむ。)
* 2004年1月末〜2004年3月上旬 放射線治療25回 
* 現在術後1年4ヶ月、お蔭様で遠隔転移なし。但し脳幹梗塞と抗癌療法の後遺症で目と手が不自由。

以上が私の事例ご報告です。お医者様方にとても感謝しています。

 

No.3893】 05年05月16日     K.M. 
硬癌で再発率何%?

51歳、既婚、子供なし。昨年12月に右乳房温存とセンチネンタルリンパ検査を受けました。術中のリンパ検査では陰性だったのですが、術後の病理検査で2つのうちの1つに、2mmのがん細胞があったとのことです。腫瘍は、1.2cmx1cmx0.9cm、悪性度1、ホルモン療法が効くタイプだそうです。術後の補助療法はCEを4回終わり、現在3週連続(4ヶ月)のタキソールを始めました。のちに 放射線とホルモン療法となるそうです。リンパ節を取っていないこと、硬癌であることを考えた場合、私の将来の再発率はどれくらいでしょうか? 宜しくお願いいたします。

生存率は10年で60%くらいです。センチネルのdemeritとしては、切除したものに癌があった場合にどうするかということで、まさにその状況ですが、これに関しては、正論はありません。今一度、リンパ節郭清をする、腋窩に放射線照射を行う等が考えられますが、どれも、結論としては十分ではありませんので、どれがベストかを論じるに至りません。主治医とよく相談されてはいかがでしょうか? ただ、化学療法はしっかりとした方法で行われているようですし、すでに治療の半ばまで来ていますので、この抗癌剤の治療効果に期待してはどうかと思いますが。(文責 鈴木)

 

No.3892】 05年05月16日     S.Y.
線維腺腫について

はじめまして。いつも拝見しており、ありがとうございます。去年四月、職場のエコー検診の結果「線維腺腫」と診断されました。気になったので半年後、乳腺科でエコーをしました。結果は同じでした。その時、細胞診はやりませんでした。そしてその半年後、同じ乳腺科で、エコー・マンモをやりましたが、前回のしこりが1ミリ大きくなったとの事です。マンモには写らなかったそうです。半年で1ミリ大きくなった事は心配でしょうか? 細胞診をしたほうが良いか迷っています。よろしくお願いします。

一度、細胞診、組織診を行っても良いとは思いますが、1mmの変化というのは誤差範囲ですので、心配されなくて良いでしょう。(文責 鈴木)

 

No.3891】 05年05月16日     S子
化学療法について

はじめまして。よろしくお願いいたします。先日、右乳房温存+センチネルを致しました。年齢40才、閉経前です。病理の結果は、硬癌 1.3cm、ホルモン両陽性、リンパ3個 すべて陰性、ハ−2 陰性、癌の顔つきグレード3 でした。今後の治療は、放射線とホルモン治療、化学治療は次回までに私が返事をすることになっております。この前の診察の時はリュープリンを注射、内服薬フェアストン40MGが処方されました。服用は化学治療の返事まで待ってと言われました。主治医も化学治療については迷っているようでした。私も大変迷っております。比較的年齢が若いこと、癌のグレード3は、やはり化学治療を受けたほうがよいのでしょうか? 私の場合、予後はどれくらい違うのでしょうか? 化学治療は副作用もありますし、なるべくでしたら受けたくはないのですが、やはり再発が天秤にかかると、大変迷ってしまいます。ご参考までに、先生のご意見お聞かせください。

閉経前、グレード、ホルモン感受性、リンパ節転移、腫瘍経からあわせると、中間群に属します(低リスク、中間群、高リスクに分類されます)。グレード3、閉経前であることを考慮すると、抗癌剤がベストと考えます。CMFという治療がよいと考えます。ホルモン療法は、抗癌剤の終了後に行う方が効果が高いですので、すでにリュープリンを投与されたのはいかがかと思います。それと、ホルモン剤ですが、リュープリンは、再発予防の補助療法に適応はありません(Zoladexという薬剤と薬効は一緒ですが、evidenceが不十分です)。さらにフェアストンも補助療法としてはevidenceに乏しいと思いますので、今一度、相談された方が良いかと思います。(文責 鈴木)

 

No.3890】 05年05月16日     HF
ハーセプチン(HPNo.3740-3

先日はご回答頂きありがとうございました。現在使用中のハーセプチンについてお伺いしたく思います(ゼローダと併用中です)。年に1回は心臓の検査をしましょうということで、心臓エコーを行いました。その結果、脈出数?(心臓がポンプのような動きをして血液を全身に送る動き?)が42%に下がっている、とのことでした。通常で70%程度はあるものとのこと。私は、ハーセプチンを始めた9ヶ月前は62%だったそうです。これが30%を切ると少し動いただけでも息切れがして、下手をすれば心不全にもなりかねないので、しばらく休んだほうがよいと主治医から言われました。ただ、主治医から以前、「ハーセプチンはあなたにとって最後の薬です」とまで言われており、出来るなら続けたいと思っています。「しばらく休む」とは、どの位休めばよいものなのでしょうか? また、ハーセプチンの代わりにタキサン系を使う事は可能でしょうか。「最後の薬」と言われましたが、それ以外に使える薬はもうないのでしょうか? 宜しくお願い致します。

現在までの治療癧が不明ですので、なんとも言えませんが、Herceptinは確かに心毒性がありますので、もし、心拍出量が低下しているのであれば、休薬する方がよいでしょう。休薬することで回復も望めます。もし、タキサンを使用していないのであれば、その選択肢もありますが、タキサン併用でも、13%位に心毒性の心配があります。最後の薬と言われてしまうと、精神的にも大変だとは思いますが、他にも治療法はあるはずですし、乳癌は、新しい薬の開発が盛んな部位ですので、あきらめずに続けて下さい。ここから先は主治医と患者さんの間合いで治療法を決めればよいと思います。心不全のリスクを背負って、治療を続けたいという強い意志があれば、その旨を伝えてみてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.3889-1】 05年05月16日     Y 
化学療法、抗体療法について

53歳です。左乳房のしこりはやはり乳癌でした。腫瘍4cm、皮膚浸潤あり、胸壁浸潤なし、腋かリンパ節転移なし(?)です。病理検査の結果、ER(+)、PgR(+)、Her neu(3+)でした。Adriamycinが効くからAC療法を2から4ヶ月してまだ残っているようならハーセプチンを追加投与しましょうという病院と、先にハーセプチンとタキソールを投与しましょうという病院があり、どちらのほうがいいのかわからず困っています。一般的に再発率が低い、生存率が高いのはどちらのほうなのでしょうか? よろしくお願いします。

術前化学療法であるのか、すでにどこかに転移してしまっているのか、判断に悩みますので、双方に見合うように回答します。抗癌剤であれば、現在、術前化学療法で最も効果の高い治療法は、ACを3週毎に4回行い、その後に、Taxolを毎週12回行う方法です。ACを2から4ヶ月行って、消失したら終了?してHerceptinを追加というのは疑問が感じられる治療です。evidenceに乏しいと思います。消失したとしても、Taxolを追加したほうがよいでしょう。すでに、転移があるのであれば、(皮膚浸潤を転移と考えることもできる)、Herceptin + Taxolがよいと思います。転移がない状況での、Herceptin + Taxolはあまり勧められません。ACとHerceptin + Taxolとの単純比較というデータはありません。ACを行った経歴のある症例を対象にHerceptin + Taxolを行って、ACと比較したデータでは、Herceptin + Taxolの方が効果は高い結果です。転移のない、術前化学療法では、AC + Taxolを、転移がある場合には、Herceptin + Taxolを勧めます。現在の状況に、回答が即さないようであれば、今一度、ご連絡下さい。(文責 鈴木)

 

No.3889-2】 05年05月19日     Y 
化学療法、抗体療法について(2)

最初からTaxol+Herceptinを使おうといった病院は皮膚浸潤を転移と考えてのことだと思います。CT検査の結果、転移は見られないとのことでした。(骨スキャンは行っておりません。するべきでしょうか? 現時点では症状はありません。) 皮膚浸潤がある場合(現時点では乳首の周囲が黒く、乳輪の部分がすこし茶色く、でこぼこしていますが、血性分泌は見られておりません。これを皮膚転移と見るべきでしょうか?)、ACをやるよりも先にTaxol+Herceptinを行ったほうが治療成績はいいのでしょうか?もしエビデンスがない場合は、先生のお考えでも結構ですのでお聞かせください。よろしくお願いします。

ACよりは、Herceptin + Taxolの方が、治療効果は良好です。皮膚転移と考えるには、現実、皮膚の病理所見が必要です。お話からは、皮膚転移というには、少し弱い所見かと思いますが、実地臨床では、皮膚転移と考えてHerceptinを投与することもあります。ただ、今回のケースでは、今後、手術を考えていると思いますので・・・、だとしたら、Herceptin + Taxolをいつまで続けるかという問題が残りますので、best choiceはACを行って、その後にTaxolを投与だと考えます。(文責 鈴木)

 

No.3888】 05年05月14日     Y.M
脇の下の皮膚のかたまりについて

現在未婚の45歳です。27歳前後の時に右乳房の乳頭の傍に1cm四方ぐらいのしこりがみつかり、早速検査してもらいましたところ、『良性の油のかたまり』で、心配はないとのことでしたが、爆弾をかかえているようで嫌だったものですから切除手術をしてもらっております。その後40歳前後の時に、左乳房の脇に近いところがチクチクと痛みがあり、また早速検査してもらいましたところ、女性ホルモンの関係で全く異常なしとのことでした。ただその時に、私は普通の人よりも乳腺が発達しているらしく、自分の手で触れるだけではなかなか異常が見つかり難いので、1年に1回程度は乳がんの検診を受けたほうが良いとのことでした。しかしながらその後一度も検診は受けておりません。つい最近になり気がついたのですが、左の脇下の脇毛が生えている皮膚が1cm四方ぐらい硬くなっておりまして、ぐりぐり触ると、うっすら痛いというか、しこりなのか?皮膚のかたまりなのか?メールで大変恐縮ですが、少々心配にもなり、ご返事いただけましたら幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

皮膚の脂肪を入れた袋(粉瘤)ではないかと思います。心配のないものですが、専門医に実際診察しておいてもらったほうが安心できるのではないでしょうか。(文責 徳田)

 

No.3887-1】 05年05月14日     R・O
全摘をすべきでしょうか?

46歳、閉経前です。2005年3月に右温存手術をうけました。病理の先生の所見は、「右ACの30*22*18mmの腫瘍です。組織学的には殆どが飾状の乳管内病変からなります。核異型は軽度で、分裂像は乏しいです。1箇所microscopicな浸潤像がありますが、せいぜい1mm程度です。EIC+のpap tob caですが、ほとんどDCISのようなものです。脈管侵襲は見られません。腫瘍背景には乳腺症の所見が目立ちます。リンパ節0/2です。Sent;0/2 計0/2。乳頭管腺癌。核異型 NAN1. 分裂像 5以下。 組織波及 g。 リンパ転移 n0。 遠隔転移 m0。 リンパ管侵襲 ly0。 静脈侵襲 v0。 病巣外併存病変mastopathy。乳管内伸展。断端陰性。ELC50%。以上です。 主治医の先生からは、ホルモン陽性、HER2(−)と言われています。現在、放射線治療をしており、来月からホルモン治療を始める予定です。お聞きしたいのは、もともと乳房が小さい上に、手術のあとの放射線でだいぶ硬くなっています。又、細胞診で針を刺したところもしこりになっています。今後、定期検診をしていくのに、マンモグラフィーで挟める状態ではありません。万一再発したときに見つかりにくいのでは、と心配です。それならば全摘をしておいた方が良いのでは?と悩んでおります。先生のご意見をお願いいたします。      

手術、放射線による乳房の硬化は、6-12ヶ月たつとやわらかくなってきますので、現状で判断しないほうがよいと思います。また、超音波やMRIなどの画像診断法もあるのですから、マンモグラフィーがとれないからという理由で全摘する必要はありません。(文責 徳田)

 

No.3887-2】 05年05月16日     R・O
再発の可能性はどのくらいでしょうか?

HPNo.3887で、ご回答いただき、ありがとうございました。もう一つ質問なのですが、この病理結果から、放射線、ホルモン治療をした後の、私の再発の可能性、生存率はどのくらいと思われますでしょうか? よろしくお願いいたします。

この中で、あなたの予後を握っているのが、腫瘍の大きさです。3cmですと、10年生存率は83%というデータがあります。あくまでも目安ですので、数字の一つ一つにとらわれるのではなく、前向きに行きましょう。(文責 鈴木)

 

No.3887-3】 05年06月21日     R・O
手術後のしこりについて

以前HPNo.3887で質問させていただいた者です。その節はご回答ありがとうございました。また質問させていただきたいのですが、3月に温存手術をした後、放射線治療の10回目の頃に温存した右胸の鎖骨の下9センチ、乳頭の上を弧状に縫った上5センチ、胸の中心から5センチ位の所に、人差し指の爪くらいの大きさのしこりがあることに気が付きました。主治医の先生に超音波で診ていただいたところ、『リンパかなあ・・でも悪いものではないので、針生検はしなくても大丈夫でしょう」とのことでした。私はセンチネル生検0/2で転移は無かったのですが、乳癌は必ず最初に脇の下のリンパ節にいくのでしょうか? 万一にも胸骨傍に先にいくということはないでしょうか? それと、放射線治療が終わってから、はじめて右腕にしびれを感じるようになりました。これも放射線の影響によるものなのでしょうか?ご回答よろしくお願いいたします。   

1)かならず脇のリンパ節にいくとも限りません。胸骨傍にいくこともあります。リンパ節を介さず、いきなり遠隔転移を起こすこともあります。
2)放射線の影響はよくわかりません。(文責 麻賀)

 

No.3887-4】 05年06月28日     R・O
しこりができたのですが・・・

以前 HPNo.3887で質問させていただいた者です。その節はありがとうございました。今日で放射線治療25回が終わりました。10回目位の時に気が付いたのですが、治療を受けている温存した右胸の鎖骨の下約9センチ、乳頭の上を弧状に手術した傷の上約4センチ位の所にしこりがありました。主治医に超音波でみてもらったところ、「リンパかなあ・・でも悪いものではなさそうなので、針生検はやらなくても大丈夫です」とのことでした。手術前には絶対になかったものなので、放射線の影響でしょうか? このような事はよくある事なのでしょうか? このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか? ご回答、よろしくお願いいたします。

しこりがあり心配だとのご質問だと思います。いろいろなことが考えられますが、一番は手術で取った欠損部を埋めるためにいろいろな工夫をしますが、そこを埋めるための工夫のため、一部しこりのように触れる場合があります。もちろん再発の可能性もありますが、術直後放射線治療では普通はそういったことはないと思います。もし心配なら、エコー、MRI、CTといった検査を行うといいでしょう。(文責 福間)

 

No.3887-5】 05年07月03日     R・O
ノルバデックスについて

いつもご相談させていただき、とても感謝しております。他の方への回答の中に「ノルバデックスの薬用量は20mgです。」というのを読んで気になったのですが、私(46歳、閉経前)はノルバデックス10mgを1日1回で処方されました。3月に温存手術をし、放射線25回終了しています。腫瘍は30*22*18mmですが、すべて乳管内で、1箇所にせいぜい1mm程度の浸潤像があったそうです。殆どDCISのようなものということです。乳頭管腺癌、リンパ転移なし、核異型は軽度、分裂像は5以下、リンパ管、静脈侵襲無し、断端陰性、ホルモンレセプターは陽性、HER2は浸潤部が少なかったので判定不明です。骨、肺、肝臓も異常なしでした。再発のリスクが低いということで、今後はノルバデックスを5年間服用することになったのですが、これでよろしいのでしょうか、先生のご意見をお願いいたします。

ノルバデックス20mgであれば当院でもそうしますし、5年間飲む事をお勧めしています。(文責 石山)

 

No.3886】 05年05月14日     A.M. 
石灰化について

初めてご相談いたします。先日初めて婦人科健診をしました。40歳、未婚、出産暦もありません。さきほどマンモグラフィーの検査結果を受け取りました。左右の乳房ともに石灰化と所見がありました。カテゴリーは、右が3で左が2です。会社の保健を利用しての健診のためか、詳細は全くわかりません(画像とかドクターからの説明はありません)。要精検とだけあるのですが、まず私は何をするべきでしょう? どのような病院に行くのがいいでしょう?(信頼できるところを探して、少し時間をかけて病院を決めるべきか、とにかく検査を早くするべきか) また,、『精検』の内容はどのようなものでしょうか? 気が動転してしまい、仕事も手につきません。よろしくご回答ください。

右の石灰化がカテゴリー3ですので、精密検査になったのだと思います。近くの乳腺専門医を受診してください。専門医は、日本乳癌学会HPで調べられます。精密検査としては、カテゴリー3以上ということになれば、石灰化の部分を切除して調べる必要があります。(文責 徳田)

 

No.3885】 05年05月14日     Y子
水(リンパ液)が引かない

はじめまして、HPNo.3860のN子さんと同じなのですが、4月13日に手術、19日タンクを外し、20日リハビリ開始、21日リハビリ中に、廃液が前はもちろん背中右側のウエスト辺まで濡れ、22日廃液が漏れている部分を午後3針縫う。24日腫れがひどいと告げて、午前注射で80ml水を抜いてもらう。25日110ml・26日45ml・27日80mlを抜いて「退院」。連休が明けたら、『CEF』抗がん剤の点滴をしますとの事。水については、主治医は週2回くらい通院して注射で抜いたらいいと・・・。でも、2日の予約を待てなくて 29日腫れがひどいので休日外来で当直の先生に120ml抜いてもらう(明日も来るようにと)。30日80ml・5月1日50ml・2日35ml・3日(主治医が水の溜まる期間が長すぎるので、タンクを付けると・・・)、毎日溜まる量を測るようにとの事。4日80ml・5日50ml・6日70ml・7日60ml・8日と9日忙しく書き忘れ、確か7〜80mlずつ・10日80ml・11日70ml・12日60mlと水の量が多くて、期間が長く、いつかは引くだろうと思いながらも大丈夫かしら?と心配にもなってきてるのですが・・・。主治医は「13日にはタンクを外す」と云われましたが、この調子ですと、また長引く様な気がして気になるのですが、大丈夫でしょうか?

腋窩リンパ節切除後のリンパ液の貯留です。一般的には、次第に減少します。細菌を持ち込んで感染させないように注意しましょう。(文責 徳田)

 

No.3884】 05年05月14日     A.A. 
乳頭からの血性分泌について

相談室を全て読ませていただき、血性分泌についての知識はいただいているのですが、わからないことがあり、質問させていただきます。私は35歳、出産経験ありです。一月ほど前、左乳首の一孔から圧迫すると直径1ミリほどの球になるような少量の出血がありました。驚き、すぐに近くの大学病院の外科にて、絞り出してやっと程度の出血をプレパラートにこすりつける感じでの細胞診、マンモグラフィ、そして、一週間後にエコーの予約を取りました。しかしながら、乳腺専門医ではなかったため、次の日、別の大学病院の乳腺外科にて、まずマンモグラフィ、エコーを行い、その結果を持って、乳腺専門医の診察を受けました。画像的には異常はなく、先生は絞りだしてやっとの出血をみて、「この量の検査だと結局はわからないから、組織診はやりません」とおっしゃいました。出方をみて、「私見では悪いもののようには思えないが、経過観察はする必要がある。このような形で出血が続く場合は半年後、量が多くなるようなら時期を待たずに検査に来てください。」とのことでした。このように、二度目に来院した乳腺外科では、「量の少ない分泌物は正確な結果がわからないので、調べない」との見解だったのです。しかしながら、初めに訪れた大学病院も結果も気になり、再度結果を聞きに言ったのですが、分泌物組織診の結果は、「クラス3」でした。結果を教えてくれた医師は、「専門でないからよくわからない」としながら、「一般的には検査を続行していくべき結果かもしれない」とのことでした。本当に微量の血液からでも、結果が出た以上は、通常通りうまく行えたと判断し、一般の意味での「クラス3」ととらえるべきなのか、専門医が「どうせこの量ではわからない」と言った通りに、「わからないから3」なのか、私にはわかりません。私が思うには、余りに量が少なすぎて正確な判断ができなかった場合は、「検査不能」という結果が出てしかるべきであり、やはり「クラス3」という結果がでたからには、乳管造影、内視鏡検査など、踏み込んだ検査をするべきなのではと思うのですが・・・。出血が始まったのが生理3日前で、生理が終わる頃には明らかに量は少なくなりました(2.3日に一度、微量)。しかしながら、一ヶ月すぎた今も真っ赤な出血が認められます。やはり量はとても少なく、専門医がおっしゃっていた組織診に十分な量にはとても及びません。このような状態で、クラス3の結果を重視し、更に踏み込んだ検査を強く希望し、やってもらうべきなのか、二度目に来院した専門医が「この量ならば様子見でも・・・」とおっしゃった言葉に従うべきなのか、悩んでいます。

乳頭分泌物の細胞診は偽陽性が多いのですが、乳管造影は行って、乳頭腫が存在するのかどうか確認しておいたほうがよいと思います。(文責 徳田)

 

No.3883】 05年05月13日     c
胸のしこり

はじめまして。28歳既婚で、子供はいません。偶然左胸を触ったところ、乳頭部近くの脇側の乳輪にしこりを発見しました。大きさ・形は、ちょうどビービー弾くらいの小さめのもので、割と堅いのではないかと思います。形は、きれいにまん丸で、触ると多少動く様な気がします。右胸には、この様なしこりはないのですが、何が原因と考えられるか教えて頂けますか。また、病院に行く必要はあるのでしょうか。それとも、しばらく様子を見た方が良いのでしょうか。お手数ですが、少し心配なので教えて頂けますか。

乳腺の良性の腫瘍である線維腺腫、あるいは、のう胞が多いですが、乳癌も否定できません。専門医を受診すべきです。(文責 徳田)

 

No.3882】 05年05月13日     N 
乳がん検査について

32歳の女性です。乳房MRについて教えてください。2月に乳がん検診にて、視触診、超音波では異常がなかったものの、マンモグラフィで右側乳腺に多発集ぞく微細石灰化巣が認められ、先日再検査を行ないました。結果は前回と同じで、また3ヵ月後に再検査になったのですが、子供を授かりたいという話をすると、乳房MR検査をうける事になりました。MRでは、がんの可能性がどのぐらい精密にわかるのでしょうか? 子供を授かれば授乳期間とあわせて、およそ2年検査が受けられなくなります。がんの可能性が少しでもあれば、安心して妊娠期間を過ごせそうにありません。いかがでしょうか?

乳癌の検診におけるMRIの有用性については、まだ確立していません。マンモグラフィーより劣るという報告と、優れているという報告があります。逆に言うと、その程度の精度ということです。微細石灰化が問題であれば、その部分を切除して調べるのが、もっとも確実です。(文責 徳田)

 

No.3881】 05年05月13日     S・I
再発の可能性について

2005年3月に左乳房温存手術をうけました。30歳、独身です。主治医からは、「しこりの大きさ 2.2センチ。HER2が+2。ホルモンは−。センチネル生検でリンパに1つ転移がある。」と言われました。たちが悪い転移しやすいがんだと言われ、ショックです。今は放射線治療を受けていますが、いずれ転移の可能性が高いのなら、つらい抗がん剤治療をうけたり高額の医療費を支払うよりも、元気なうちにやりたいことをしようかと悩んでいます。家族は母一人です。母は私の好きにして良いといってくれます。私の再発の可能性は、どのくらいの確率で起こるものなのでしょうか? 私に効く抗がん剤はあるのでしょうか? 怖くて夜も眠れません。どうぞよろしくお願いします。  

補助療法をなにもしなければ、10年の再発率は、約40%程度と考えます。補助化学療法により、あきらかに再発率は減少します。(文責 徳田)

 

No.3880】 05年05月13日     K.I.
微熱と乳がん

はじめまして、21歳学生です。1ヶ月ほど微熱が続いて不安に思い調べていたところ、乳がんの方の体験談で、検診前に半年ほど微熱が続いていたという記述を拝見しました。なかなか症状としてあがっていないのですが、微熱というものも乳がんの初期症状のひとつとして十分考えられるものなのでしょうか。私の母は数年前に良性の乳がんであると診断されており、私自身も乳房のしこりや乳輪のただれなどが気になります(ただれは昨冬に起こり、皮膚科で乾燥によるものだと診断され、塗り薬を塗り、春には治りました)。微熱のことで近所の病院に行くつもりなのですが、一度外科などで検査すべきかどうか、ご意見を伺わせていただきたいと思いました。

乳房にしこりがないような早期の乳がんの初期症状として、微熱は、まず考えられません。(文責 徳田)

 

No.3879】 05年05月12日     K.R.
経過観察で大丈夫でしょうか?

今年40歳になる未婚者です。過去何度か乳がん検診(触診+エコー)を受けております。H14年からH16年まで、乳腺のう胞の所見でした。て今年H17年2月に受診し、しこりが見つかりました。所見は、左乳腺低エコー腫瘤疑い、右乳腺症。3ヶ月後に再検診になり、本日再検診してきました。エコーでは、左10mm,右12mm位。場所ですが、左は皮下3cmくらい(胸筋付近)、右は皮下2cmくらいでした。大きさは3ヶ月前と比較して、左はほぼ同じ、右は9mm→12mmで、3mm大きくなっていました。血流の所見では、「血流は特になく、幾つか点として写っているのは血管でしょう、また3ヶ月後に経過を見てみましょうか。」との事になりました。いろいろとインターネットと調べていると不安になります。私の場合、経過観察で本当に良いのか、それとも乳腺外科できちんと再検査をした方が良いのでしょうか。どうぞご意見をお聞かせ下さいませ。宜しくお願いします。

担当が乳腺専門医でないのであれば、専門医の受診をおすすめします。(文責 徳田)

 

No.3878】 05年05月12日     HF
薬の効果について(HPNo.3740-2)

前回HPNo.3740で、治療方針についてご相談させて頂きました。回答を頂き、有難うございました。その後ゼローダに変更し、飲み始めて2週間になります(ゼローダ+ハーセプチンです)。今回は薬の効果についてお聞きしたく、メールさせて頂きました。新しく薬を変えた場合、効果はどの位で現れるものなのでしょうか?主治医には、錠剤は点滴よりも効果が出るのには時間がかかる、とは言われましたが、ゼローダの場合、服用期間としては、どの程度の期間、様子をみればよいものでしょうか。あともう一点お願い致します。ゼローダは首から上には効果はないのでしょうか? 自分なりに調べてみた情報の中にそのようなものもあり、不安になっています。どうぞ宜しくお願い致します。

早ければ1サイクルで縮小傾向が見られる場合があります。ゼローダは、中枢神経系の転移には効きにくいので、その意味かと思います。(文責 徳田)

 

No.3877】 05年05月12日     K 
左そけい部のリンパ節にしこり

いつも参考にさせていただいています。2年前に左乳房温存手術、1.3cm、リンパ節転移なし、ホルモン感受性なし、Her2 3+、悪性度3、脈管侵襲ありでした。先日、定期健診の造影CTで、左そけい部のリンパ節にしこりが見つかりました。そけい部のリンパ節への転移はあまり聞かないような気がするのですが、よくあるのでしょうか? 針をさして検査してもらうか、経過観察にするか悩んでいます。よろしくお願いします。

ソケイ部のリンパ節転移が、単独で起こることはあまりありません。心配であれば、簡単ですので、細胞診をしてもらってはどうでしょうか。(文責 徳田)

 

No.3876】 05年05月12日     H.M. 
治療終了後の診断書

いつもありがとうございます。主治医が治療終了後の診断書を書いてくれません。去年9/16のオペだったので、一年休職して、今年9月から職場復帰しようと考えているのですが、今のところ腕や胸の痛み、ケモの副作用による生理の停止による更年期障害の症状等、不安がいっぱいです。販売職なので、立ち仕事で一日の拘束時間も長いです。慣らし勤務もないので、復帰してしまうと体調不良で休む事も難しいです。ケモで髪も抜けてしまったので、一日10時間以上もカツラをかぶるのは苦痛です。他の病院では治療後、半年から一年くらいは診断書を書いていただけるようなのですが…。個人差はあると思いますが、肉体的にも精神的にも痛みつけられた体で、すぐに復帰するのは厳しいと思います。通常はどのくらいで復帰するのが妥当だと思われますか? 私が甘えているのでしょうか? ちなみに主治医の自宅療養の診断書さえあれば、2年間は仕事を休む事が出来ます。

患者さんごとに異なりますのでなんとも言えません。主治医だけでなく、ケースワーカーにご相談なさってみてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.3875】 05年05月12日     R.O. 
今後の治療について

はじめまして、よろしくお願いします。30歳、未婚です。3月に温存手術をしました。しこりは2.2センチ。ホルモンは−。HER2は+。センチネルでリンパに一つ転移がありました。主治医からは、たちが悪く転移しやすいと言われ、現在放射線治療をしています。家族は母一人です。辛い抗がん剤をがんばっても、又高額な治療費を払っても、いずれ再発するのであれば、元気なうちにやりたい事もあるので、これ以上の治療をやめようかと悩んでいます。母は私の好きなようにして良いと言ってくれます。私の場合の再発はどのくらいの確率で起こるものなのか、教えていただきたいです。

センチネルリンパ節のみ1つに転移があったとすると、10年の再発率は40%程度です。補助療法により明らかに再発は減少します。(文責 徳田)

 

No.3874】 05年05月12日     CHI
がん細胞の消滅?について

母の乳癌についてお伺いしたく、メールさせて頂きました。腫瘍の大きさは5cmほどと大きかったのですが、他への転移はみられませんでした。ただし筋肉のほうにまで達しているので、術前療法でタキソールを使用し、少し患部を小さくしてから手術をしましょうということになりました。現在タキソールの投与12回のうち6回まで終了した時点で少し細胞を切りとって検査したところ、がん細胞が消えていると担当医から言われたそうです。タキソールの治療しかしていないのですが、そのようなことがあるのでしょうか? 又、がん細胞は消えたがしこりは残っているので、そのまま放置しておくと、いつかまた癌になる恐れがあると言われ、そうなった場合は治療を始めた当初よりも症状が酷くなる恐れもあると言われたそうです。残りのタキソールの投与が終わったら、いずれにしても手術して取ってしまったほうが安心だと言われたそうです。もし癌細胞が本当に消えているのなら、できれば手術したくないというのが母の本音のようですが、必ず取らなければいけないものなのでしょうか?メールだけでははっきりしたことは言えないかと思いますが、可能性の有無だけでもわかればと思いメールさせて頂きました。よろしくお願い致します。

今回切除した部分に腫瘍細胞がなかっただけで、すべてを反映しているわけではありません。現在のところ、癌細胞が完全に消えているかどうかは、最終的にはその部分を取って調べてみないとわかりません。(文責 徳田)

 

No.3873】 05年05月12日     M.S. 
穿刺吸引細胞診後の出血について(HPNo.2627-3

前回HPNo.2627でお世話になったものです。その際には早急に回答をいただきありがとうございました。また質問なのですが、3月初旬の定期検査(マンモ、エコー)の際に左乳房に気になるしこりがあったので穿刺吸引細胞診をした結果、クラス3で、病理医はガン細胞は認められないということでした。細胞診をした翌日から血性の分泌物が出始めて(日頃から乳頭から黄色い分泌物が出ているが、出血は違う乳管から出ている)、細胞診の結果を聞いた時に主治医に尋ねたら、長く続くようであれば考えようということでした。それから1ヶ月出続けて1週間は出なくなったのですが、また出始めて現在に至っています。
1) 穿刺吸引細胞診をしたあと出血が続くということはよくあることなのでしょうか?
2) 次回の検診は6月なのですが、早急に診察してもらった方がよいと思われますか?
3) 出血の際の検査は、乳汁の細胞診以外にどんな検査が有効なのでしょうか?

今までにも何回か出血したことはありましたが、1週間位で止まっていました。今回はあまりにも長期間出続けているので、少し心配になって質問させていただきました。教えていただけたら助かります。よろしくお願いいたします。

1) 他の乳管を穿刺の針が傷つけた場合、出血することもあります。
2) 診察を受けるべきです。
3) 乳管造影、内視鏡、MRI、分泌液中のCEAの測定などが乳管内の病変の検査に用います。(文責 徳田)

 

No.3872-1】 05年05月11日     Y.H. 
乳管内乳頭腫と妊娠について

はじめまして。現在37歳ですが、35歳第二子の授乳時に右乳頭(一乳腺からとのことでした)より血性分泌を認め、乳腺外科にて乳頭分泌の細胞診で悪性像を認めず、乳管内乳頭腫の診断で経過観察中です。次の診察まで3ヶ月あるのですが、第三子妊娠の可能性があり、乳頭腫への影響が心配です。妊娠は継続してよいものかどうか、また、乳腺腫の切除を安定期に行い挙児ができるかどうか、ご意見をお願いします。

まず、乳頭腫があるのかどうかが問題です。授乳中の血性乳汁分泌だけでは、なんとも言えません。乳頭腫が存在するのであれば、切除すべきです。(文責 徳田)

 

No.3872-2】 05年05月13日     Y.H. 
乳管内乳頭腫について

HPNo.3872でご回答頂いたY.H.です。お忙しい所、早速のご回答ありがとうございました。乳管内乳頭腫の診断は、乳管内視鏡ですか? 田舎なので、その検査が近くで受けられるかどうかわからないのですが、確定診断の方法を教えて下さい。また、現在は血性分泌がないので、どの乳管かわかりづらいと思うのですが、それでも診断可能でしょうか?

乳管内乳頭腫の確定診断は、切除です。超音波などの画像診断で捕らえられない場合、ご指摘のとおり血性分泌がないのであれば、問題の乳管開口部がわかりませんので、診断はつけられません。逆に、分泌がないということは、乳頭腫の存在も否定的です。(文責 徳田)

 

No.3871】 05年05月11日     T
乳房の肥大について

お世話になります。藁をもすがる思いで相談いたします。独身の47歳の妹がおります。最近会ったときに左側の胸(乳房)が大きいのに気づきました。まるで水がたまっているのでは?と思うくらい膨らんでいます。すぐに専門医で診てもらうように言いましたが・・・。もしや乳がんでは?と心配していますが、どのような病気が考えられるでしょうか?インターネットで見る限り、乳がんは「しこり」の症状がほとんどという事ですが・・・。

乳がん、葉状腫瘍など、さまざまな疾患が考えられます。やはり、専門医の診断を受けるべきです。(文責 徳田)

 

No.3870】 05年05月10日     YT
腫瘍マーカーICTP

片側の非浸潤性乳管がん部分切除3年経過後の再発で全摘することになりました。血液検査の腫瘍マーカーICTPの数値だけが7.8と高くて心配です。主治医の説明では他の腫瘍マーカーは基準値以下で問題ないので、骨粗しょう症傾向なためと思われる事です。本当でしょうか?全摘の手術前なので間もなく骨シンチと及び肺と肝臓のCT検査予定です。骨転移が心配でたまりません。専門医のご意見をいただきますようお願いいたします。

腫瘍マーカーというのは、疑陽性が少なからずあります。骨シンチが近くおこなわれるのであれば、その結果をみるべきです。(文責 徳田)

 

No.3869-1】 05年05月10日     E 
ノルバデックスの副作用  

3月に一度相談致しましたEと申します。宜しくお願い致します。主治医と相談の上で4月13日からノルバデックスの服用を中止致しました(丸3年服用しました)。2月頃から始まった週に一度の出血、間の日は薄赤い物であったり、黄色い物であったりするおりものはその後も続いていました。服用を中止したのに最近は生理の時のような出血が二日に一回の間隔であります。半日で止まったり、一度で止まったりで、その以外もやはり少しずつおりものがあります。2,3月と2回、血液検査とガン検を受けていますが、どちらも異常なしでした。ノルバデックスも止めたのに何も改善されませんし、ダラダラとした出血がもう三ヶ月になってきます。ノルバデックスの副作用からなのか、子宮体ガンの不安が消えません。

ノルバデックスによる刺激のために子宮内膜が増殖した状態になっているのかもしれません。やはり、婦人科に相談しましょう。(文責 徳田)

 

No.3869-2】 05年05月13日     E 
子宮ガンですか?

HPNo.3869です。何度もすみません。増殖とは、どういう状態で、それはガンと言うことでしょうか? 悪い状態なんでしょうか? 宜しくお願い致します。

良性の場合が大部分です。しかし、悪性も否定できないので、調べるのです。(文責 徳田)

 

No.3868】 05年05月10日     N 
再建の時期と骨シンチの検査について

現在両方ともエキスパンダーが入っていて、2期再建をひかえています。シリコンで再建するのですが、再発のピークが3年と聞き、それが過ぎるまで再建を控えたほうがいいか迷っています。主治医は、「エキスパンダーは大体術後2年が限度、それを過ぎると感染や破損の恐れがある」と言いました。今年の夏で左は術後2年、右は術後1年半ですが、来年の夏まで待って、再発していないことを確認してから再建を受けたい気持ちと、早く手術を受けて落ち着きたい気持ちと両方あります。時期的にエキスパンダーのタイムリミットは何年くらいなのでしょうか。又、再発したらシリコンを取り出す手術をするわけですが、それも自費扱いでしょうか。それから骨シンチの検査についてお尋ねします。注射後2時間半で検査室に呼ばれました。最初の予定では5時間後だったのですが・・・。きちんとした検査結果がそれで出るのか聞いたところ、大丈夫と言われましたが、どうも不安でなりません。全身に注射の液がいきわたるのに4時間はかかると聞いていたので。2時間半で正確な検査結果が出るものなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

エキスパンダーについては、主治医の意見のとおりと思います。手術の費用については、施設により違いますので、主治医にご相談ください。骨シンチについては、3時間程度でも問題ありません。(文責 徳田)

 

No.3867】 05年05月10日     H  
閉経とゾラデックスの関係について

昨年7月に左温存手術、リンパ節郭清をして(リンパ節に転移はなし)、放射線25回と抗がん剤テラルビシンとエンドキサンを3週間ごとに4回点滴しました。現在はゾラデックスの注射を月1回とノルバデックスを服用しています。抗がん剤で閉経することもあると聞きましたが、ゾラデックスと抗がん剤治療を平行してしたので、それを調べるにはゾラデックスの注射を中断しないといけないし、年齢的にも(40歳)まず閉経していないと考えられると言われました。万が一閉経していれば、ゾラデックスは無駄ということになるのでしょうか? 普通そういうことは調べないのでしょうか? もう1つ質問ですが、1ヶ月ほど前から、手術した側の乳首、乳輪にかゆみがあって、黄色っぽい汁が下着についたりします(アトピーではありません)。かゆみ止めを処方され、塗るとおさまりますが、しばらくするとまたかゆくなります。傷口ではありませんが、手術していない方は何もないし、原因がわからないので心配です。手術の影響か、他に何か病気があるのでしょうか? ご回答よろしくお願いします。

抗癌剤で閉経したとすると、ゾラデックスは無駄ということになります。しかし、それを確認するためにゾラデックスを中止するのは、リスクがあると思います。主治医の診察をうけるのがよいと思いますが、おそらく、乳頭よりわずかに分泌物があって、それが乾燥して、乳頭の皮膚を刺激しているのだと思います。(文責 徳田)

 

No.3866】 05年05月09日     K 
血乳が止まりません

はじめまして。相談室を拝見してメールさせていただきます。約2年間の授乳期間を経て、3月の中旬に断乳をしました。それから約2ヶ月経ちますが、血乳が止まりません。断乳前からうっすらと茶色の乳が出ていたのですが、母乳相談でも、断乳したら止まるだろうと言われておりました。断乳直後から濃い血褐色(鮮血ではないように見える)になり、今も続いています。インターネットで調べると早期乳がん(非浸潤性)の可能性があるような記載を見ましたが、その可能性はあるのでしょうか? 授乳および断乳と血乳の関係はあるのでしょうか? 特にシコリのようなものは無く、痛みもありません。以上、よろしくお願いいたします。

授乳中から断乳時にかけて、血液混じりの分泌物を認めることもあります。分泌物が続くようならば、念のために乳腺科(乳腺外科)で細胞診などの検査を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.3865】 05年05月09日     N 
乳がん?

29歳、子供は2歳になります。1〜2ヶ月前から不眠と頭痛で婦人科に行ったのですが、原因がわからず安定剤をもらいました(血液検査は異常なしでした)。子供の断乳は半年前にしたのですが、断乳マッサージを受けていない事を女産婦の方に相談してマッサージを受けました。黄色いどろっとした乳が出て、マッサージ後は楽になったのですが、それから5日は頭痛と胸の上、脇のつけね、首のリンパに痛みがあり、また何をしても疲れがでて寝たりしていました。生理後もう一度マッサージを受けましたが、また同じ症状でした。母乳マッサージの先生はもう大丈夫とのことでしたが、心配でメールしました。産後おっぱいをあげてすぐに乳がんになったりもするのでしょうか? 又、断乳マッサージを受けていないと、こういった症状があるのでしょうか? 

確かに妊娠・授乳期乳癌というのも比較的まれではありますが存在します。しかし、貴女の場合は乳汁の排出が不良であったことによる「乳房の張り感」と考えられます。マッサージが不良で乳腺炎を生じると、脇の下から首にかけてのリンパ節が腫れることも考えられます。症状が悪化する場合や、発熱を伴うようなときには助産師(助産婦)さんに相談してみてください。(文責 千島)

 

No.3864】 05年05月09日     OG 
乳がんの疑いはないですか?

こんにちわ。18歳の女子大生の娘の母親です。先日、娘が胸にしこりがあると言ったので、近くの乳腺クリニックのある病院で触診と超音波を受けました。しこりは右胸に2〜3mmの大きさで、乳腺線維腺腫と診断されました。はじめての診察なので、「しこりの大きさが大きくならなければ3ヶ月後に来て下さい。これ以上大きくなれば手術しましょう。」と言われたようです。しこりがあっても乳がんでないとの判断を超音波だけで出きるのでしょうか? 乳がんの疑いはありませんか? 母親としては乳がんの心配をしています。検査をするなら、どのような検査を受ければ良いでしょう?

年齢的に考えても乳癌の可能性は極めて低いと考えます。典型的な線維腺腫ならば超音波所見でほぼ診断できますが、より確実に診断するためには細胞診(注射針で細胞を抜き取って顕微鏡で調べる検査)が必要になります。しこりが大きくならないようであれば、3ヶ月後の診察の時にでも担当医に尋ねてみてください。(文責 千島)
 

 

No.3863】 05年05月09日     KOBA
抗がん剤の種類について(HPNo.3799-2)

HPNo.3799でご丁寧な回答をいただき、ありがとうございました。とても励まされました。改めて質問なのですが、
1) 回答の中のtrialとは「併用」という意味でしょうか。
2) 回答によると「ホルモン療法のみ」と「化学療法(CMF)+ホルモン療法」ではあまり差がないと受け止めてよいでしょうか。   
3) 医師からは、化学療法を併用するなら「CMF」を提示されていますが、ACやECを選択肢に入れなくて良いでしょうか。  
4)リンパもUまで郭清しています。それに伴って、(モンドール病と説明を受けていますが)腋下から肘、肘から5、6cm下の辺りまで筋状のものに触れます。痛いので腕が伸ばせない一因にもなっています。痛み止めを飲んでいますが、この筋状のものは徐々に治っていくでしょうか。  

またご回答いただければ嬉しいです。よろしくお願いします。

Trial というのは、日本語では「臨床試験」のことを表しています。これは、ホルモン療法を受けた人と抗癌剤療法(CMF)を受けた人で、どちらの治療効果の方が高かったかを、統計学的に比較する試験(実験)のことです。つまりZEBRA試験が意味するところは、「ホルモン療法(LH-RHアナログ製剤)のみ」と「化学療法(CMF)のみ」では、「治療効果はほぼ同等である」ということを示しています。現在、リンパ節転移がある症例での抗癌剤治療は、アンスラサイクリン系抗癌剤が含まれている治療が推奨されています。この薬剤はEC, AC, CAF, CEF, FEC などの記号で表される抗癌剤治療に含まれています。この中のEとAがアンスラサイクリン系抗癌剤を示す記号となっています。つまりCMFはEやAを含んでいないため、ここ数年は「推奨される術後補助化学療法」のリストからはずされています。ただし、数年前までは「標準治療」であった経緯や、アンスラサイクリン系抗癌剤に比べると副作用も比較的軽度であると考えられているので、現在でも症例によってはCMFが選択される場合もあります。簡単な目安として、アンスラサイクリン系抗癌剤を含む治療はCMFに比べて1.4倍程度の再発抑制効果があると考えられています。モンドール病というのは、乳房やや外側から前胸部にできる「原因不明の静脈炎」のことを言います。手術の後に腋窩から肘に出現する「つっぱり」とは別の物です。術後に生じるこの「つっぱり」は、数週から数ヶ月かけて徐々に軽快してきます。(文責 千島)

 

No.3862-1】 05年05月08日     H.M.
乳腺のう胞について

43歳の既婚者です。出産経験はありません。2003年の健康診断の際、触診と超音波検査で左胸に乳腺症による腫瘤があると診断され、経過観察といわれました。心配になり、半年後別の病院(乳腺外科ではなく外科)で再度超音波・マンモ検査を行い、細胞穿刺の検査も行いました。「がん細胞でないと言い切れない細胞がある」との検査結果が出され、外来で摘出手術を行いましたが、病理組織診断で陰性と診断されました。2004年の健康診断の際、再度左右の胸にいくつか乳腺のう胞があり、経過観察といわれました。半年後に乳腺外科で再度検査(超音波・マンモ検査)を行ったところ、「今のところは問題がないが、がんになる可能性もあるので、三ヶ月に一回検査をするように」といわれました。私としては、三ヶ月に一回もレントゲン照射を行うのは抵抗があります。そんなに頻繁に検査を受けるべきなのでしょうか?また、乳腺のう胞ががんになることはあるのでしょうか?

マンモグラフィによる放射線被爆量は極めて微量で、国際線のスチュワーデスさんが一回のフライトで浴びる自然放射線量よりも少ない位です。確かに石灰化病変に対してはマンモグラフィが一番有効ですが、それ以外の病変(特に乳腺嚢胞)ならば超音波検査で代用することもできます。基本的に乳腺嚢胞があることで乳癌発生の危険度は上昇しません。ただ、稀に嚢胞内から乳癌が見つかることもあるので、定期検査(検診)は受ける必要があると思います。 もし、次回の検査でも問題なければ、おそらく定期検査は6ヶ月から1年毎になると思います。(文責 千島)

 

No.3861-1】 05年05月08日     T 
臨床検査報告書について

昨年12月に細胞診(V)で癌とわかり、4ヶ月ほど前に温存手術を受けました。48歳、閉経、主治医からは「ホルモン感受性が無く、HER2(−)なので放射線治療後は特に何もありません」と臨床検査報告書を頂きましたが、説明も無かった為、自分なりに調べたのですが、わからないことが多いため教えていただければ助かります。

報告書
1)No invasion of carcinoma,@A
  A small number of atypical cell,B
Lymph nodes,axilla,excision
No metastasis of carcinoma,CD
@乳頭側A,1°方向,B4°方向、Cリンパ節1、Dリンパ節2

2)Invasive ductal carcinoma,solid-tubulan carcinoma
g(+)、f(+) surgical margin free

3)(Diagnosis with paraffin section)
Surgical,margin,excision
No involvement of carcinoma(@AB)
Lymph nodes,excision
No metastasis of carcinoma,n(0/2) (CD)

4)ER(-),PgR(-)、

5)HER2 0 組織型 充実線管癌
  コメント:細胞膜には陽性像は認められません

術後、放射線治療30回 1.2cmの癌
1)は手術中に行ったの検査結果です。2)以降はその後の検査結果です。

センチネルリンパ節生検で取った2つのリンパに転移は見られなかったのですが、この報告書からリンパ管浸潤や周囲の脂肪組織への浸潤を示すものはありますでしょうか。また、組織的異型度がわかりますでしょうか。2)の意味を教えてください。特にg(+) f(+)は何を示しているのでしょうか。乳癌の補助療法を決めていく上で、重要な因子がひとつでも当てはまる症例には抗癌剤を行うのがベストということですが、私はホルモン感受性の有無(感受性のない方が予後不良)があります。主治医には何もする必要がないと言われましたがどう思われますか。3週間ほど前から、手や足の痺れ、最初足の甲、踝、足首、膝、腰と痛みがあり、シップや塗り薬を使用していますが、最近は歩くにも支障があります。骨シンチは手術の前日に受け問題ありませんでしたが、骨に転移した人の書き込みを読むと術後3ヵ月後から症状が出てたと言う人もおり、心配です。大変長くなってしまいましたが、宜しくお願い致します。

病理組織所見の中に、細胞異型度についての記載は見当たりません。所見中のg(+)、f(+)は、乳癌細胞が乳腺内(g)を超えて、脂肪組織内(f)へ浸潤していることをあらわしています。貴女の場合は、大きさが1.2cmでリンパ節転移がない乳癌なので、病期1の早期癌ということになります。西欧諸国では、病期1でもホルモン感受性がないような乳癌には、再発予防のために抗癌剤の使用を勧めていますが、日本では無治療で経過観察する場合も少なくありません。今回の病理結果から推察するに、貴女の10年再発率は、高めに見積もって20〜25%位です。もし抗癌剤の治療を受けた場合、再発率は10〜15%まで低下します。残念ながら、完全に0%までは下がりません。この治療と引き換えに3〜6ヶ月の通院治療が必要で、嘔気、倦怠感、ほぼ完全な脱毛などの副作用が発現します。抗癌剤は再発リスクが高い人ほど予防効果も高くなりますが、副作用に関しては予防効果の程度に関わらず同じように出現します。再発リスクが低い人にとっては効果よりも副作用や高額医療費による弊害の方が大きくなる可能性があります。何もしなくても75〜80%は治癒する早期乳癌です。抗癌剤による再発予防効果=10〜15%/10年後。この推定値を「高い」と受け取るか「低い」と受け取るかは、貴女自身の「人生設計」にかかってきます。主治医から抗癌剤による弊害についても十分説明を受けた上で、貴女の人生に最適な治療法を選択するようにして下さい。下半身の関節部分を中心とした現在の痛みに関しては、骨転移の症状とは異なるように思います。痛みが続くようならば、一度主治医に相談してみて下さい。(文責 千島)

 

No.3861-2】 05年05月12日     T 
臨床検査報告書について(2)

早速回答を頂き、有難うございました。前回(3861)の相談で書き忘れたことがありますので、もう一度教えていただければ助かります。昨年12月に左乳房にしこりを感じる数日前に、右の脇にリンパの腫れを見つけました。主治医には「左の乳癌が転移したとは考えられないので心配しなくていい、現在の段階では腫瘍マーカーにも出ていない」と言われましたが、心配で放射線治療をしてもらった病院でCTを取ってもらったところ、確かにリンパの腫れは見られるがまだ小さく、それを白黒させるには細胞を取るしかないので、経過観察でいいのではと言われました。が問題は本当にないのでしょうか。回答頂いた10年再発率のリスクと母も乳癌の経験者であることを考えると、抗がん剤をしたほうがいいのではないかと考え始めました。教えて頂きたいのは、
1) 本当にそのリンパは左の癌に関係が無く、問題が無いと考えていいのでしょうか。もし、そのリンパの腫れに問題があれば、抗がん剤治療することにより何らかの結果が出る可能性もありますか。
2) 私のようにホルモン感受性(-)、HRP2(-)の場合、抗がん剤をする場合どのような薬がベストなのでしょうか。
3) 私の主治医のように何もしなくていいという場合と、治療を行う場合の割合はどのくらいなのでしょうか。  
4) 前回、治療期間は3〜6ヶ月と回答いただいたのですが、現在、術後4ヶ月以上経過し、手術の時点で腫瘍マーカーが挙がっていない状況で、治療期間はどのくらいかなのでしょうか。術後どのくらい経過しても治療に問題が無いのでしょうか。
5) 3週間に一度の治療が標準になっていますが、たとえば2週間に1度にした場合、4週間に1度にした場合、どのような差が出てくるのでしょうか。

現在、海外に住んでいて東京での通院治療になってしまう為、海外での健康保険、医療環境、言葉の問題等があり、良い方法がないか模索中です。本当は実家に戻り治療する事が一番なのでしょうが、老齢で体調がおもわしく寝込んでいる母には乳癌のことは伝えておりません。1ヶ月に1度日本に帰国することは可能と思いますが、放射線治療で白血球、血小板が基準以下に下がった為、治療後の体調が心配です。また、現在見てもらっている病院は個室しかなく、放射線治療も肺疾患で治療中の病院で入院させて頂き治療をお願いしました。手術をしないで抗がん剤治療をうけいれてくれる病院は、抗がん剤治療が治療費として請求できない為、サービスのような治療を受けるいれる病院は少ないと聞いています。もし、何か良い方法がありましたら教えて頂ければ助かります。宜しくお願いいたします。

前回と回答者が異なりますのでご了解ください。
1) 対側の腋窩リンパ節に転移があるとすると4期、全身に広がった状態ということになります。総合的に見ると考えにくいのではないでしょうか。それでも心配であれば、細胞診をして、安心されてはいかがでしょうか。
2) 現在のところ、ホルモン感受性、HER2で薬剤を選択することはありません。
3) 再発のリスクを予想して治療を決めますが、最終的にはご本人が決定しますので、比率は意味がないと思います。
4) 術後の補助療法は、一般的に24週程度です。腫瘍マーカーが上がっていないことは斟酌しません。術後あまり時間がたってしまうと、補助療法としての効果は低下します。
5) 薬剤の量が同じですと、2週間ごとにすると毒性が増加し、4週にすると効果が低下します。治療効果については、標準的な治療法に基づいています。

日本では抗癌剤治療のみでも保険請求できますので、通常の保険診療をしている施設であれば問題ないと思います。(文責 徳田)

 

No.3860-1】 05年05月08日     N子
リンパ液貯留について

はじめて質問いたします。4月27日、乳房温存とセンチネルリンパ節生検の手術を受け、退院4日目です。本日外来にて、リンパ液貯留のため注射器で抜いてもらい、その時は圧迫感はなくなりました。しかしその後半日経過したころから、同じような脇の下の圧迫感と液が溜まった感じがあります。主治医は自然に体に吸収されるからと言われましたが、今日、液を抜いてもらったばかりなのにすぐに同じくらいまで腫れてしまって、本当に自然になくなっていくものでしょうか? 何度か病院で抜いてもらわなければなりませんか? 治らないということはありませんか? どうかお教えください。

乳癌手術後、特にリンパ節郭清を行った後には、しばしば腋窩部(脇の下)にリンパ液貯留を認めることがあります。この場合、注射器でたまったリンパ液を抜き取ります。通常は数日から1週間位の間、通院しながら数回抜き取れば自然に治ります。リンパ液が多い時や抜き取りが不十分だと、半日から1日で再貯留してしまいますが、発赤や熱感がなければ心配ありません。次の診察日まで経過観察していて良いと思います。(文責 千島)

 

No.3860-2】 05年07月02日     N子
ホルモン療法について

HPNo.3860のN子です。リンパ液2〜3週間でやっと引いてくれました。ありがとうごさいました。4月に乳頭腺管がん、1.4oにて乳房温存、センチネル生検の手術を受けました。43歳です。リンパ節転移なし、ER+80〜90%、PR+90%、HER2−です。放射線治療25回終了し、ホルモン療法の予定です。主治医から詳しい薬剤の説明はありませんが、私としては副作用がとても心配です。ひどい更年期障害が起こると聞きます。タモキシフェン5年間服用と、ゾラデックス2年間注射は、必ず併用しなければ効果はないのでしょうか?また、どちらが副作用が強いですか?できれば注射はしたくありません。よろしくご指導ください。

ゾラデックスは月一回下腹部皮下に注射するホルモン治療で、タモキシフェンと併用するとCMFという注射の抗がん剤と同等の効果が得られるというデータがありますので薦められると思います。更年期障害は人によって差があるので、「ひどい」かどうかはやってみないとわかりません。併用をお勧めします。(文責 石山)

 

No.3859-1】 05年05月08日     IGA 
乳管内乳頭腫の経過観察、及び内視鏡検査について

はじめまして。43歳主婦、子供がひとりおります。入浴時に右乳首からの血性分泌物に気づき、地元の総合病院外科を受診しました。分泌物の細胞検査ではクラス1、マンモグラフィー的には所見を認めず、エコーでは1本の乳管の5ミリ程度までの拡張を認め、良性の乳管内乳頭腫で経過観察でよいのでは、と言われました。3ヵ月後に同じ検査をするとのことですが、血性の分泌が2週間以上続いており、このまま放っておいてよいのか気になります。早めに専門医の診察を受けるべきでしょうか? また、内視鏡検査は専門の病院でないとできないと言われていますが、この検査は悪性を疑うわけでもないのに、むやみに受けないほうがよいということは考えられますか?

血性乳頭分泌物を認めた場合、マンモグラフィ、超音波検査に加えて細胞診検査を行います。細胞検査で乳癌が疑われる場合(通常クラス4、5)は手術を含めた検査を行います。良性疾患(乳管内乳頭腫)が疑われるが、乳癌も否定できない場合(クラス3)は乳管造影やMRマンモグラフィ、時に乳管内視鏡(これはかなり特殊)などの検査を追加します。良性疾患(乳管内乳頭腫や乳腺症)の場合(クラス1、2)は、経過観察しながら定期的に細胞診などの検査を行います。乳管内乳頭腫や乳癌などの原因(器質的疾患)がなければ、血性分泌物が止まることもありますが、器質的疾患がある場合は、原則的に手術で病変を取り除かなければ血性分泌物は継続します。貴女の場合、超音波では明らかな乳頭腫を認めないようなので経過観察でも良いと思いますが、心配ならば乳管造影やMRマンモグラフィなど追加検査を行って、病変の有無を調べてみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.3859-2】 05年05月11日     IGA 
乳管内乳頭腫は放っておいてよいのか?

HPNo.3859の続きです。早々の御回答、ありがとうございました。良性であれ、乳管内に腫瘍があるということになれば、早めに切除した方がよいのでしょうか? そうであれば、早めに専門医に診てもらいたいと思います。今は総合病院の外科で、おそらく乳腺専門医ではないと思われます。また、鑑別診断が難しいようですが、最終的には内視鏡ができる病院にいく必要があるのですか? それとも乳腺外科であれば最終的治療(切除)まで行えるのでしょうか? ちなみに、私は静岡県富士市在住です。専門の医療機関はどのように調べられますか?

乳腺専門医であれば切除可能です。日本乳癌学会HPにアクセスすると認定乳腺専門医を調べることができます。(文責 徳田)

 

No.3858】 05年05月08日     N
Her2 3+について

初めまして、どうぞよろしくお願いします。34歳、既婚、2児あり。第2子出産・授乳後、乳房の痛みが続き、2005年3月受診しました。右乳癌、浸潤性、リンパ節転移あり、Vb?期、胸部CTでは乳房全体に腫瘍が写っているような感じでした。ホルモン感受性(−)、Her2テスト 3+。現在CEF療法(1回/3週間)を2回実施→あと2回予定、終了後 TXT(1回/2週間)を行い、腫瘍の縮小を期待し、手術の予定です。主治医からは、「ホルモンは使えない。ハーセプチンを使った方が良い。費用が1回につき7万円程度、週1回投与、今行っている化学療法の合間に行う。術前の投与のみとする。」と言われています。
1) 年齢、進行度、Her2(3+)である事を考えると術前にハーセプチンを使用したほうが良いでしょうか? 現在のがん細胞をしっかり抑えることが重要ということでしょうか。
2) いずれ再発、転移する確率が非常に高いと思うと沈んでしまいます。たくさんの抗がん剤・ハーセプチンを使った後、再発時にはどのような治療薬、方法があるのか気になっています。手立てがなくなってしまうのではないか?と不安です。
3) 手術方法は選択できる状態でしょうか。

化学療法の副作用も軽く、WBC3000台になりましたが、元気に過ごせています。私としては辛くてもしっかり治療し、今後の経過が良い方向に行くといいなと考えています。どうぞよろしくお願いいたします 。

日本におけるハーセプチンの適応は、転移性乳癌のみとなっています。しかし、最近の論文発表では、「ハーセプチンを術前に使用した症例では、腫瘍縮小効果が著明であった」と報告されています。術前化学療法で腫瘍が完全に消失すると、将来乳癌が再発しにくいと考えられるため、貴女が言うように「術前に癌細胞をしっかりと封じ込めること」は、治療上の重要なポイントとなります。術前化学療法の利点の一つに「抗癌剤の効果があらかじめ確認できること」が挙げられます。術前に投与した抗癌剤が有効であれば、仮に乳癌が再発した時にも同じ抗癌剤(特にハーセプチン)が有効である可能性があります。もう一つの術前化学療法の利点としては、「抗癌剤投与で腫瘍が縮小した場合、乳房の切除範囲を狭くできる可能性があること」があります。しかし、切除範囲を縮小することで、反対に残存乳房の再発率は上昇すると考えられているので、温存手術などを選択する場合は、十分な理解と注意が必要になります。いずれにしても、治療を受けているのは貴女自身なのです。主治医とじっくり話をし、病気の状態、治療効果や副作用(弊害)等を十分に理解した上で、自分に一番適した治療法を選択するようにして下さい。(文責 千島)

 

No.3857】 05年05月08日     K.A. 
首のしこりについて

現在43歳です。40歳の平成14年9月に左胸温存手術を受けています。腫瘍の大きさは8ミリ位でした。浸潤性乳管癌です。センチネルリンパ節のみとり、2こ中リンパの転移はありませんでした。後に放射線治療のみ23回受けました。ホルモン反応はマイナスと聞いています。相談させて頂きたい事は、最近右首筋の後ろに1センチ位のクリクリしたものをみつけました。耳の後ろから7センチ位下のところです。首の付け根ではないのですが、心配しています。娘には似たようなものがありますが、転移なのでしょうか?

左乳癌は早期癌であったこと、しこりの部位は手術と反対側の頚部であることなどからも、右頚部のしこりが乳癌の転移である可能性は極めて少ないと思います。正常の人でも頚部リンパ節の腫大を認めることは少なくありませんし、お嬢様にも同じようなしこりがあるとするならば、何か正常組織の一部を触れている可能性もあります。心配はいらないとは思いますが、転移でないということを確認するためにも、一度主治医の診察を受けるようにして下さい。(文責 千島)

 

No.3856】 05年05月08日     S.K. 
ホルモン療法と針生検について

はじめまして。よろしくお願いいたします。40才、既婚、子供一人。左乳房にしこりを見つけ受診。超音波の結果、しこりは1.6cm、全体に広がっていたので三月末に全摘出手術、同時再建(広背筋皮弁法)をしました。病理結果は今の所全部はわかっておりませんが、ホルモンレセプターER(+)PgR(+)、リンパ節転移なし、ほとんどが非浸潤癌で、少しだけ浸潤癌があったとのことです。先生の話では非常に早期のがんとのことですが、いくつか心配な点があります。
1)ホルモン療法は抗エストロゲン剤のみでいいのか。アゴニスト製剤も合わせてしたほうがいいのか。執刀医と担当医の先生の意見が分かれていて迷っています。
2)(前の病院で)針生検をしているので、皮膚に癌がついている(?)かもしれないので、再発防止を考え放射線治療を勧められました。針生検はそういうリスクもあるのでしょうか。乳首を残しているので、放射線治療は免れないと思っておりますが、できるだけ身体に負担のないようにしたいと思っています。よろしくおねがいします。

質問文と主治医の話を総合すると、貴女の癌は「広範な非浸潤癌を伴う早期乳癌」と推察できます。再発リスクがそれほど高くない症例では、抗エストロゲン剤の投与だけでも予防効果は十分だという意見もありますが、理論的にはLH-RHアナログ製剤を併用した方が再発予防効果は大きいと考えられています。貴女の場合は早期癌ということもあるので、具体的な予防効果の数値やホル
モン剤によって生じる副作用、治療にかかる医療コストなどを考慮しながら、担当医と相談して治療法を選択してはいかがでしょうか。また、術前に針生検を施行した場合、ごく稀ではありますが穿刺部位に皮膚再発を起こすことがあります。放射線治療に不安を感じるようならば、少し瘢痕は大きくなりますが、穿刺部周囲の皮膚を外科的に切除しておくのも一つの選択肢だと思います。通常、乳頭側の切除断端に乳癌細胞が陰性であれば、残存乳頭のためだけに放射線治療を行う必要はないと思います。(文責 千島)

 

No.3855】 05年05月08日     K.Y
病理組織検査報告書と今後の治療について

初めてメールいたします。37歳、既婚、子供なしです。3月下旬にしこりのみ摘出しました。所見をそのまま書き写します。「39×45×12mm大の検体。#1-7すべてに管状〜篩状、一部充実性に増殖する管内病変を認める。ニ相性を持つ部分もあって良性と紛らわしい所もあるが、細胞境界明瞭な部分では明らかなductal carcinomaの管内進展と判定できる。#3-5に微少な間質浸潤をともなう。明らかな脈管侵襲はなし。管内進展が優勢であり、最外側面にも多数の管内病変の広がりを認めるので、断片陽性と考えられる。Nuclear atypia 2 Mitotic count 1 Nuclear grade 1」 以上でございます。先生は、全摘出とリンパをレベル2までとおっしゃってます。他に治療方法はないでしょうか。なるべくリンパ節も切りたくなく、悩んでおります。お手数ですが、ご返答よろしくお願いいたします。

貴女の場合は、39×45×12mmの切除標本すべてに乳癌組織を認めているようですが、細胞異型は軽度であり良性との境界病変も存在しているようです。生検前に施行したマンモグラフィ、CT、MRIなどの画像所見で、広範な乳管内進展が認められない場合には、乳房温存術という選択肢も残されます。仮に残存乳房内に再発しても、適切な治療を受ければ「生命に関わる危機」には及ばないと考えられています。また、リンパ節に関しても賛否両論ありますが、御本人がリンパ節郭清を希望しない場合は、センチネルリンパ(見張りリンパ)節生検だけ施行して、転移がなければ全リンパ節を切除しないで済む方法も不可能ではないと思います。施設や主治医によって術式が異なる可能性があるので、画像資料と紹介状を持って、手術前に他施設でのセカンドオピニオンへ行くことをお勧めします。(文責 千島)

 

No.3854-1】 05年05月08日     KY
化学療法について

初めて相談させて頂きます。3月に右乳房全摘手術を受け、先月第1回目の抗癌剤(AC)を点滴にて投与しました。1週間後位に胸と背中に湿疹が出来た為、主治医に話したところ、抗癌剤の副作用だったら抗癌剤は使えないと言われました。とりあえず軟膏を塗ってみて、来週の2回目の抗癌剤投与予定の日に状態を見て決めると言われています。私はアトピーがあり、冬場や夏場は湿疹が出来ることはよくあります。以前解熱剤でも湿疹が出来たこともあります。予定はAC3ケ月、T3ケ月、その後ホルモン療法です。リンパ節転移3個有り。 37才、HER2(−)です。やはり抗癌剤治療は受けたいのですが、出来ないと言われたらどうしたらよいのでしょうか。ご意見よろしくお願い致します。

統計学的に貴女の病状を分析すると、37才で発症、リンパ節転移が3個の場合、 手術治療のみでは10年間で60〜65%の確率で乳癌が再発します。現在予定されている抗癌剤治療を行うことで、40%程度まで再発率を低下させることができます。その後にホルモン剤(ゾラデックス(注射薬)+タモキシフェン(内服薬))を併用することで26%程度まで再発率を低下させることができます。仮に抗癌剤が投与できず、ホルモン治療のみを行った場合でも、再発率は45%程度となります。貴女の場合、抗癌剤が使用できなくてもホルモン剤による補助療法が適応となるのが強みです。抗癌剤投与が完遂できれば何よりですが、副作用による体の負担が大きい場合は抗癌剤投与を中止するのも一つの選択肢だと思います。また、AC療法が継続できなかった場合でも、タキサン系抗癌剤は投与できる場合もありますので、主治医と相談しながら今後の治療法を決めるようにして下さい。(文責 千島)

 

No.3854-2】 05年06月23日     KY
化学療法について(2)

5月にHPNo.3854 にて回答頂きました。ありがとうございました。湿疹は1回目の投与で背中と胸のあたりに出ましたが、その後2回目、3回目はそれ程ではなく、今は黒く跡になっている程度です。そして本日4回目のAC投与をしました。次回からタキソテール3ケ月の予定でしたが、主治医から抗癌剤はこれで終了してホルモン療法でもいいと思うと言われました。タキソテールの方がアレルギーが出やすいからとの事です。タキソテールをやると再発率を17%低下させられるが、人数的には100人中2〜3人程度と言われました。次回までに考えてくるように言われ、とても悩んでいます。自分としてやるつもりでいましたし、主治医も当初はやったほうがいいと言っていました。度々申し訳ありませんが、ご意見宜しくお願い致します。

主治医は副作用を心配して、タキソテール治療を考え直したのだと思います。ACとは薬剤が違いますので、試みてもいいのではと私個人は考えます。(文責 石川)

 

No.3853】 05年05月08日     M.K
放射線治療について

昨年夏に左乳房温存手術を受け、術後25回の放射線治療を行い、ホルモン注射による治療を継続中です。今年3月下旬に、約半年ぶりにマンモグラフィ検査をしたところ、画像に白い長方形のものが数個映っておりました。医師からは、これは放射線のものだから心配はいらないとのコメントをいただきました。乳腺でもなく、しこりでもない、長細く白いものはなんでしょうか。教えてください。お願いします。

おそらく手術中に使用したチタン製のクリップだと思います。放射線照射時の目印として術中に使用したものだと思います。詳しくは主治医に聞いてみて下さい。(文責 千島)

 

No.3852】 05年05月08日     K 
これからの治療法について

初めてメールさせていただきます。よろしくお願いします。41歳既婚、子供2人、閉経前です。10月に乳房温存手術を受け(充実線管癌)、ホルモンレセプター陽性、HER2(2+)、リンパ節13個中2個転移していました。その後25回の放射線治療を受け、抗がん剤治療(エンドキサン、ファルモルビシン)EC?4クールがやっと4月中頃に終わりました。副作用もおさまり、現在は手術後から飲んでいるノルバデックスを朝1回服用中です。治療は一段落で、今後は半年に1回の検査とノルバデックスになるそうです。でもいろいろ本を読んだり、相談室の書き込みを見たり、インターネットで調べたりしていると、EC4クールの後タキソール?などを追加投与している事例が多いのですが、先生はどう思われますか? 副作用はとても辛いのですが、再発や転移はもっと辛いです。しなくてすむものなら、勿論したくはないのですが、治療内容の地域格差もあるようなので、とても心配しています。それと私の場合、アゴニスト製剤の投与は必要ないのでしょうか? 宜しくお願い致します。

再発リスクが高い症例ほど、抗癌剤による再発予防効果も高くなります。最近はリンパ節転移陽性例に対して、術後補助療法にタキサン系の抗癌剤を用いる施設が多いと思います。もちろん強い化学療法を行えば予防効果も高くなりますが、その分副作用も多くなります。 抗癌剤のメニューごとにある程度予防効果が推定できるので、副作用と効果のバランスを考慮して、主治医と十分に相談しながらあなたにとって最適な治療を選択するようにして下さい。ホルモン療法に関しては、体内の女性ホルモン値を測定して卵巣機能が閉経前の状態ならば、LH-RHアゴニストを併用する方が、再発予防効果が高いと考えられています。(文責 千島)

 

No.3851-1】 05年05月08日   G.K
治療法について

はじめまして。28歳、男性です。母の癌の治療についてお聞きしたいと思い、メールしました。母は、平成14年2月に左胸に癌が認められ、乳房温存手術を受けました。その際、脇のリンパ節を取り除いて、転移を調べたところ、13個のうち10個転移が見つかりました。その後、抗がん剤6ヶ月と放射線25回行い、ホルモン剤を内服していました。平成16年11月に、首にしこりを見つけて検査したところ、癌であることがわかり、放射線を25回かけました。平成17年2月には、頭の骨、あごの骨、首の骨、肩の骨、骨盤と子宮に転移が見つかりました。現在、タキソールを3クール行う予定で、1クール終えたところです。今までの母の治療の概要は以上になります。質問を以下に記載しますので、よろしくお願い致します。
1)現在、「トラスツズマブ(ハーセプチン)」が適用できるかどうかの検査を受けて、結果待ちの状態となっています。初回検査を受けてから、3週間以上経過していますが、主治医からは「まだ結果がでていない」と言われています。一般的に適用検査はどれくらいで終わるものなのでしょうか?
2)癌の治療について調べたところ、セカンドラインの薬剤としてタキソールを使うことがか書かれていましたが、その後のことは何も書かれていませんでした。もし、タキソールが効かなかった場合には、その後、治療していく方法はあるのでしょうか?

お忙しいところ恐縮ですが、よろしく回答お願い致します。

HER2検査は初回手術時の組織標本を作り直して、病院外の検査会社に判定を依頼する場合が多いので、早くて1週間、場合によっては3週間近くかかることもあります。再発乳癌の治療は、ホルモン剤の効果が期待できる乳癌の場合は、ホルモン治療から開始します。トラスツズマブが適応になる症例では、これを併用する場合もあります。あらゆるホルモン剤に耐性を示す乳癌や、肝臓転移や重症の肺転移のような命に関わる転移が出現した場合には、抗癌剤の投与を開始します。この場合も、トラスツズマブの適応があればトラスツズマブの投与を継続しながら、いくつかの抗癌剤を投与していくことになります。多くの場合、術後にアンスラサイクリン系(アドリアマイシン、エピルビシン)の投与を行っているので、セカンドラインとしてタキサン系抗癌剤を使用します。その後は、CPT-11、カペシタビンなどの抗癌剤を投与しながら治療を継続して行きます。近々、 ビノレルビンという抗癌剤も保険適応になる予定です。(文責 千島)

 

No.3851-2】 05年05月23日   G.K
治療法について (2)

5/4に「治療法について」という題名で、母の癌についてメールさせていただきました。28歳男性です。前回回答、ありがとうございました。参考にさせていただきました。今回また、ご質問したいことがあります。以下の2点について、回答よろしくお願いします。
1) ハーセプチンの検査をした結果、効果がないという結果が出ました。抗がん剤(タキソール)のみを続けて行うことになりました。自宅にある本には、抗がん剤のみの治療より、ハーセプチン+抗がん剤の治療の方が効果があると書いてありましたが、ハーセプチンの使用なしで大丈夫なのでしょうか? 担当医は、「ハーセプチンが効くほうが悪い癌」と言っていますが、「ハーセプチンが効果なし」という判定は、「効果あり」に比べてよい状態と判断してよいのでしょうか?
2) 4月から、タキソールとアレディアの点滴を行っています。母の4月の白血球の数が4900→4700→4300というように、減少していました。しかし、5月になってからは、7300→7700と増加しています。この現象は、母の体内で炎症か何かが起こっているのでしょうか? 抗がん剤をやっているにも関わらず増加しているというのは、抗がん剤があまり効いていないということなのでしょうか? また、母は毎日体によいとされる健康食品をいろいろ試しています。それが、白血球の増加に関係しているのでしょうか?

以上です。よろしく回答お願いします。

ハーセプチンのターゲットになるHER2蛋白は癌の増殖に関与しており、HER2高発現は低発現に比較してリスクが高いと考えられます。発現が低いのであれば、ハーセプチンの治療効果は期待できず、タキソール単独でよろしいのではないでしょうか。白血球についてはタキソールの毎週投与のケースでは3-4週目まで低下しますが、その後は下げ止まるケースが多いようです。白血球はもともと様々な因子によって変化しますので、極端に高くなったり、発熱などの症状を伴ったりしていなければ、あまり心配しないでいいでしょう。健康食品についてはわかりません。恐らく関係ないでしょう。(文責 浜口)

 

No.3850】 05年05月08日   A.K
リンパ浮腫について 

16年11月に左胸温存手術、及びリンパ節切除手術をしました。ステージUでしたが、抗がん剤のAC6クールを終えほっとしていたのもつかの間、3日前から急に左手首が引きつるような痛みと浮腫みがでてしまいました。重いものも持たないように気をつけていましたし、傷や虫刺され、日焼けもしていません。ただ浮腫み予防にストレッチや水中歩行を試みたくらいです。浮腫みにはストレッチや水中歩行は逆効果なのでしょうか? 暑い時期に弾性スリーブもあせもの原因になりそうで怖いです。早い時期に治療しないとどんどんひどくなると聞いて専門的な知識が欲しいです。よろしくお願いいたします。

リンパ節郭清の程度、術後放射線照射の程度にもよりますが、10%前後の人で術後に患側上肢のリンパ浮腫を認めます。赤くなったり熱を持ったりしている場合は、炎症(蜂窩織炎)を合併している場合があるので、抗生物質の投与が必要になります。基本的には腕の挙上やマッサージでむくみを減らした後に、弾性スリーブ等でむくみの増悪を防ぎ、再発を予防することになります。ただし、リンパ節再発を伴うリンパ浮腫の場合は、原則的にマッサージは行わないので注意が必要です。マッサージをすすめる場所や方向など基本的な注意事項があるので、一度主治医に診察してもらい、正しいマッサージ法の指導を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.3849】 05年05月08日   J.M. 
組織診で迷っています

40歳、出産経験はありません。6年前に初めて両胸にしこりと痛みを感じ、エコーとマンモグラフィを受け、乳腺膿症との診断を受けました。その後1年に1回程度検診を受けていましたが、先日、細胞診をした結果、片方は(2)で良性、片方が(3)aで、どちらかといえば良性との結果でした。先生によると、「心配だったら組織診を受けるか、または経過観察をするか、じっくり考えてみてください。」とのことでした。どうしたらいいのか悩んでいます。また、細胞診まででも痛みが強かったのですが、具体的には組織診とはどのような検査なのでしょうか。アドバイスをよろしくお願いいたします。

細胞診で良性が考えられ、超音波、マンモグラフィ検査でも良性を考える場合は、経過観察で良いと思います。今後も「しこり」が増大するようであれば、組織診断が必要になります。大きさが2〜3cm以上の場合や痛みなどの違和感が強い時は、外科的に摘出して診断と治療を兼ねておくのも一つの方法です。あまり大きな傷を作りたくない場合には、2mm位の太い針を刺して、組織の一部を採取する針生検という方法もあります。いずれの場合も局所麻酔 をしてから行いますが、細胞診程度の痛みは伴うと思います。(文責 千島)

 

No.3848】 05年05月08日   N 
生検はどこで受けるべきでしょうか?

42歳、既婚、出産経験なし。2年前実父を肺がんで亡くしております。4月19日に右胸にしこりを発見。同日自宅近くの外科にて触診、マンモ撮影、1週間後にエコー検査を受けました。しこりのサイズは1×1.5、マンモのカテゴリーは3、のう胞であると思われるが、念のためMRI検査も行うことになりました。ただ、それでもしこりの良性悪性が判別できない場合は、外来で局所麻酔でできる外科的生検で調べるのが良いだろうと言われました。自分なりに色々調べているうちに、某がん専門病院のHPで、生検は最終的治療を行う病院で受けるべきとありました。現在かかっている病院には乳腺外科はなく、外科部長のドクターが担当してくださっておりますが、万が一しこりががんだった場合のことを考えて、生検はがん専門病院、又は乳腺外科がある病院で行うべきでしょうか。

1〜1.5cmの嚢(のう)胞ならば、MRI検査はもとより超音波検査でも診断可能だと思います。仮に画像検査で良悪性の診断が難しい場合でも、外科的生検(摘出生検)を行う前に超音波下で細胞診、または針生検を行うことで診断可能だと思います。それでも診断が難しく、摘出生検が必要な場合には、一度主治医に紹介状を作成してもらい、専門医の意見を聞いてみるのも一つの選択肢だと思います。(文責 千島)

 

No.3847-1】 05年05月08日   S.K. 
イタリアと日本の治療について

始めまして。私は現在43歳、イタリアのミラノにイタリア人の主人と8歳の娘と住んでいます。3月に初期乳がんの手術をしました。乳房温存療法で9mmのしこりを取り、リンパはセンチネンタルリンパに異常が無かったので取っていません。今後の治療法として、放射線治療とタモキシフェンとLHRHのDecapepty 3.75mgを28日毎に最低2年打つことになりました。6月始めから7月末まで帰国する為、日本でも注射をしなければいけなくなったのです。こちらイタリアでは家庭でも注射を許可無く打つことが出来、看護士に家に来て貰う事も可能ですが、日本はそうではないので、帰国前にどうしたら良いのか知りたいのです。薬は種類やメーカーが異なると不安なので、こちらから持っていきたく、その薬を日本の病院で売ってもらうことが可能なのか、可能な場合、病気、薬に関するドクターからの証明が英語で必要なのか、私が日本語に翻訳したもので十分なのか、教えていただけないでしょうか。帰国前に知っておかないと安心して行けないので、どうか宜しくお願いします。又もう一つお聞きしたいのですが、病院の方からタモキシフェンの代わりにExemestaneを試して見ないかと言われています。この薬にする場合、Triptorelinを5年間打つことになるそうです。この病院では大々的にタモキシフェンとExemestaneを比較する研究が進められているそうですが、まず第一に注射をする期間が長くなる事、この薬が(Esemestane)使われて15年と短い事、それらが不安なのですが、もしも確実にタモキシフェンよりも有効であれば試してみたいとも考えています。ちなみにExemestaneとは日本で使われているアリメデックスの事なのでしょうか。お返事、宜しくお願いします。

一般名で leuprorelin, goserelin という2種類の注射薬は販売されています。Decapepty はおそらくleuprorelinと同じ成分の注射薬だと思いますが、一度主治医に確認してみて下さい。日本では、これらの薬を使用するためには病院で処置を受けなくてはなりません。主治医からの病状説明書があればbetterですが、日本の医師は必ずしも英語が得意とは言えないので、病状がわかる資料があれば、御自身が翻訳したものでも十分だと思います。
exemestane は、日本ではアロマシンという薬で販売されています。閉経前の方に使用するということは、病院側としては臨床試験に参加してほしいということなのだと思います。確かにこの治療法は将来的には期待されていますが、副作用(特に骨に対する長期副作用)については解決されていません。貴女の場合、大きさは0.9cm、リンパ節転移を伴わない早期乳癌なので、日本では無治療の場合もあるほどです。臨床試験に参加する場合も、期待される再発予防効果と弊害となる副作用のバランスをよく考えてから選択することをお勧めします。(文責 千島)

 

No.3847-2】 05年06月10日   S.K. 
乳癌と食生活

ご丁寧なお返事有難う御座いました。イタリアの治療は各分野(腫瘍内科、乳腺、産婦人科放射線科)で分かれてカウンセリングを受けるので、それぞれ詳しく納得いくまで説明して貰え、とても安心します。その分自分もしっかり勉強していかなければならないのと各科ばらばらの日にちのアポイントになるので、時間が掛かるのが難点です。ただ今回の様に日本の先生からアドバイスを母国語で受けるのは、どこかほっとする思いがします。前回お尋ねした薬は、日本に持ち込む事にしました。注射針が有るのでテロ対策の為飛行機の予約をする際に申告しなければいけないそうです。今回お聞きしたいのは、よく色々な文献を読むと乳製品を控えた方が良いような事が書かれていますが、こちらヨーロッパでは乳製品を取る機会も多く、私も毎朝ヨーグルトを1カップ、牛乳やチーズを食べる事も多いのです。確かに乳がんはこちらではとても多く、身近にも沢山の患者が居ます。これはやはり食生活に関係するものなのか、私もこちらでの食生活を14年続けている事が一つの要因になり得るのか(肉類はこちらの人ほど取って居ませんし、野菜摂取にも気はつけています)、この頃気になっています。乳製品を全て絶った方が言いという考え方の先生も居らっしゃると聞いたのですが、私の普段の摂取量でも減らすなり、やめるなりした方が良いのかどうか、注射薬で閉経していますので、カルシウムになるものを食べなければと思うのですが、今後の食生活どういうふうに気をつけたほうが良いのか、又娘(9歳)が居るのですが、彼女も乳製品はかなりとって居ますので、この事も彼女の将来を考えると気になってしまいます。どうかアドバイス宜しくお願いします。

易学的に乳癌の発生と脂肪の摂取量とは関係があるとされています。最近日本でも乳癌は増加の一途を辿っていますが、これは脂肪を欧米並みに摂取するようになったことが一因とも考えられています。乳製品をひかえることは脂肪の摂取を控えると考えて良いと思います。乳製品は栄養価が高く、すべて乳製品を控えるのは行き過ぎでしょう。閉経後はどうしても骨租しょう症ぎみになりますので、カルシュウムの摂取を多くした方が良いと思います。乳製品以外でカルシュウムを多くとる工夫をしてください。娘さんのことを含めて、あまり神経質になってもしかたありません。脂肪を沢山とっても乳癌にならない人は大勢いますので・・・。(文責 吉田)

 

 

No.3846】 05年05月08日   E.Y.
パジェット病が心配です (HPNo.3774-2)

こんにちは。先日はご相談にのっていただき、ありがとうございました。4月18日にHPNo.3774でご相談にのっていただいた者です。あのあと、乳腺外来を受診しました。診察は、視診、触診とエコーを行いました。その結果、エコーからは『妊娠中特有の変化以外はみられない』事と、『乳首・乳輪部分のただれが左右両側にできていること』から、心配ないでしょうということでした。「パジェット病が心配なのですが、組織を検査したりしなくてよいのでしょうか?」と質問したところ、その必要はないということでした。皮膚科的な治療をしてくださいと言われました。先生にはある程度目で見て、疑いがある・ないが、わかるものなんでしょうか? また、パジェット病の診断にもエコーでの診断というのは有効なのでしょうか? たびたびで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

貴女の場合、妊娠中(初期?)であることからマンモグラフィやCTなどの放射線を使用する検査はお勧めできません。10年以上の経過があること、両側性であること、年令が若いことなどを考慮すれば、パジェット病はまず否定的です。組織検査は乳頭の一部を切除するため、授乳の障害になる可能性もあります。パジェット病が否定的な現状では組織検査の必要はないと思います。アトピー性皮膚炎がある場合、乳頭の先が痒くなったり、乳頭がただれて透明(やや黄色)の分泌物を認めることは少なくありません。インターネット等の情報は完璧ではありません。このような不確かな情報に惑わされず、実際に診察して下さった主治医の診断を重視するようにしてはいかがでしょうか?あまり心配し過ぎるとお腹の赤ちゃんにも良くありません。この場は一安心ということで、元気な赤ちゃんを産んで下さい。(文責 千島)

 

No.3845-1】 05年05月08日    HY
ホルモン剤と抗がん剤の併用について

私は58歳の主婦です。平成15年に乳がんの温存手術を受け、その際腋の下のリンパ節転移が判明し、放射線治療後点滴抗がん剤(タキソール)の治療を受けました。今年4月に、マーカーの数値が急上昇し、別のリンパ節に転移しており、再び点滴抗がん剤(CAF)の治療中です。平成15年の手術前より、殆ど毎日、一錠のホルモン剤を服用しております。また、手術後は服用抗がん剤が加わり、ホルモン剤と抗がん剤を併用しております。ホルモン剤は、ノルバデックスD→アリミデックス錠→フェアストン錠40に、抗がん剤は、フルツロンカプセル200→ユーエフティ→エンドキサンP錠に変わっています。ところが最近、点滴抗がん剤とホルモン剤は一緒に使ってはいけないとの情報を知りました。本当でしょうか。また、それはどうしてなのでしょうか。お教えいただければ、幸いに存じます。ご多忙中、まことに恐れ入りますが、よろしくお願い申し上げます。 

CAF療法やタモキシフェン(ノルバデックス)を含んだ術後補助療法の臨床研究の結果では、化学療法とタモキシフェンを同時併用するよりも、順次投与を行った方が血栓症による副作用のリスクが減少し、再発予防効果が高いという結果が得られています。この臨床研究の結果を受けて、最近の術後補助療法では化学療法とタモキシフェンは同時に使わないことが多くなっています。他の薬剤と組み合わせた場合や、再発乳癌の治療では明確な結論は出ていません。(文責 千島)

 

No.3845-2】 05年05月21日    HY
ホルモン剤と抗がん剤の併用について(2)

HPNo.3845のHYです。前回、ご回答いただき本当に有り難うございました。私の場合、再発乳がんで、ホルモンレセプターが陽性なので、効果が期待できるからと、引き続き抗がん剤と併用しています。昨日、CAFの4クール目が終わりました(一応、4クールで終わりの予定です)。実は、3クール目が終わってから、左の鎖骨上のリンパ節に転移した癌が、左首の下部を圧迫する感じがしたので、受診したところ、首〜胸のCTをとることになりました(4月23日)。その結果、左首の部分の血管がぼんやりした状態(右首の血管ははっきりしている)になっており、肺は正常ながら、右胸の下の部分に少し水がたまっているとのことでした(原発は右乳がんです)。前回、1月上旬にとったCTでは、鎖骨上のリンパ節をはじめ、このようなことは全く見られなかったことです。主治医の先生は、3クールが終わった段階でこういう症状が出ているのは、CAFがあまり効いていないのでは・・・とおっしゃり、「ゼローダ+ハーセプチン」の治療法を提示されました。現在、使用できるか、HER2を検査中です。HER2も、「+1」程度では、あまり効果がないように言われました。ハーセプチンが使えるなら、そうしていただきたいのですが、使えない場合の治療法はどのようなものが考えられますでしょうか。また、CAFの効き目が現れるのは、どれくらいからでしょうか。現状から判断されて、私には効き目がなかったのでしょうか。これらの点について、お教えいただければ、とても有り難く存じます。ご多忙中、まことに恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申しあげます。

CAFを開始して3サイクル終了した時点で病状が進行してきているのであれば、治療はあまり効果がでていないと判断して他の治療に変更してよいのではないでしょうか。HER2が高発現しているのであれば、ハーセプチンを軸にタキサン系やゼローダ、ナベルビンなどの併用が考えられます。ハーセプチンが使用できない場合であれば、タキサン系抗癌剤の使用をまず試してみてはどうでしょう。(文責 浜口)

 

No.3844】 05年05月08日    K.M.
術後化学療法と心配事についてお尋ねします

以前こちらでお世話になり、深く感謝しております。41歳既婚、子供3人です。4月7日に手術左乳房全切除、リンパ節転移陽性1個(センチネル腋下)で、腋窩リンパ節郭清(Levl1、2)を受けました。リンパ節転移の結果は(Levl1:0/17)(Levl2:0/4)(SNL1/2)です。組織診の結果 :肉眼的には明らかな結節病変は認められない、浸潤性乳管ガンです。2箇所の浸潤部径:0.1cm、乳管内病変:8cm(中等大から大型の異型細胞が乳管内を低乳頭状、葡萄状に増殖)、脈管侵襲(-)、ホルモンレセプター陰性(ER:0、Pgr:0)、HER2/3+、異型度:Grade 1で、2週間後からEC療法を6コースの予定です。
お尋ねしたいのは4点です。
1) HER2/3+がとても気になっています。予防的抗癌剤投与を念入りに行った方がいいのでしょうか? 私の組織診ではECが標準療法であると主治医から伺ったのですが、他にお勧めされる選択があれば教えてください。
2) 手術痕の治りが悪く、手術から1ヶ月近くたっても、まだジクジクと汁もでるし、皮膚も乾いてないのですが、このように治りが悪いものなのでしょうか?(主治医は「普通の傷ではないので大丈夫」とおっしゃるんですが・・・)
3) 転移したセンチネル腋下リンパ節は1cmだったそうなのですが、浸潤部径がたった0.1cmでも、転移したリンパ節腫瘍は1cmにもなるのでしょうか? リンパ節の腫瘍径を気にする必要はありますか?
4) 「乳がんの進行度は主に腫瘤の大きさとリンパ節転移の有無で0〜4期に分けられる」そうですが、乳管内病変8cmというのが、その腫瘤の大きさに該当するのでしょうか?

お忙しい中、恐縮に存じますがよろしくお願いいたします。

現在、HER2=3+を再発危険因子に含めるかどうかは検討中の課題です。病理検査の結果では、0.1cmの微小浸潤部が2ケ所のみでリンパ節転移を認めたとのことですが、非浸潤癌が8cmあったことを考えれば、より詳細な病理検索を行えば、他にも微小浸潤部が見つかる可能性は否定できません。ただし、微小浸潤部が多発していても、乳癌の病期は一番大きい浸潤部分とリンパ節転移で決定されるため、貴女の場合は病期2Aということになります。多くはないのですが、浸潤部が小さいにも関わらず大きなリンパ節転移を作る乳癌にも時々遭遇します。この場合、浸潤部の大きさに関わらずきちんとした術後化学療法を受けておくことが必要です。EC療法6コースは、どこの施設でも行っている標準的な治療ではありませんが、一部の施設では頻繁に使われているメニューだと思います。もし、治療法に疑問があるようならば、このメニューをすすめる根拠、再発予防効果等について主治医に確認してみてはいかがでしょうか。皮膚がジクジクして治りが悪いのは、癌の再発等ではなく、手術の影響で皮膚の一部が壊死したためと思われます。時間をおけば自然に治癒しますが、多少瘢痕が残る可能性があります、今後の治癒経過については主治医から説明を受けるようにして下さい。(文責 千島)

 

No.3843】 05年05月08日    M 
再発乳癌の治療について

大阪在住の乳癌再発が2回目の患者です。昨年11月に2回目の再発(左肺に胸水がたまります)がわかり、抗がん剤の治療を受けておりましたが、インフルエンザにかかってしまったのと、主治医の先生が転院されて新しい先生になられたのとで、抗がん剤治療はその段階で打ち切りとなり、ヒスロンHの服用となりました。私はまだ年齢が36歳で、当然閉経する年齢ではないのですが、ゾラデックスや抗がん剤の治療で生理は止まっておりました。なので、女性ホルモンの数値を調べる事もなく、閉経後の治療薬であるヒスロンの服用となったようです。3ヶ月服用しましたが、咳がだんだんとひどくなって、胸水も増えてきたため効果がないとみなされ、今度は「アルミデックス」に変わりました。4/15の事です。そして、今朝生理が始まってしまいました。本来の生理よりかなり出血量は少ないのですが、鮮血が出ましたのでやはり生理だと思われます。そこで病院に行ったのですが、飲み始めてまだ2週間弱なので服用して様子を見て下さいとの事でした。アルミデックスも閉経後の治療薬だと伺っていたので、本当にそれで良いのか確認しましたが、大丈夫との事でした。効果のない薬を服用するぐらい不安な事はありません。本当にこのままほおっていて大丈夫なのか、悪化しないのか、ご回答をお願い致します。

ヒスロンHは閉経前後、いずれの乳癌にも適応があります。女性ホルモン(エストロゲン)抑制以外にも乳癌細胞に対して作用すると考えられており、他のホルモン剤とは少し毛色が異なる薬です。その一方で、アリミデックスは閉経後乳癌のみに作用する薬です。今回、月経を認めたとのことですが、原因は二通り考えられます。一つはヒスロンHを中止したことによる副作用です。ヒスロンHは副作用として子宮内膜を増殖させるため、服用中止後数日から1週間で「月経様」の出血を認める場合があります。もう一つは卵巣機能回復による月経ということになりますが、37歳という年令を考えれば、アリミデックスを使用する前に血中FSHやE2などのホルモン値を測定してから使用を開始するべきだと考えます。今後の治療方針を含め、もう一度主治医に病状説明を受けるようにして下さい。(文責 千島)

 

No.3842】 05年05月08日    A.H. 
副作用と硬癌の治療について

はじめまして。61歳の母の癌のことでご相談です。2004年12月に右の乳房に2.1センチのしこりが発見され、12月22日に摘出しました。当初の診断では肺に影があり、転移の可能性が疑われるとされました。術後2005年1月から点滴による抗がん剤治療を始めましたが、副作用が回を負うごとにひどくなりました。薬も服用しているのですが(アリミデックス・クレスチン・ユーエフティE・ツムラ十全大補湯エキス)、吐き気がひどく、最近は薬も飲むのが困難な状況です。その旨を主治医に相談したところ、「飲まなきゃだめだ。工夫して飲みなさい」ということでした。食事の味がなく、食欲がなく、常に吐き気があります。食事も時間をかけて食べられるものをゆっくりとり、仕事も趣味もできるだけ続けて、何かに集中したりして、何とか嘔吐から逃れ前向きな気持ちに、と思っているのですが、最近は吐き気のため眠れない状況もでてきて、病院にいくのもつらい状況になり、気力が落ちてきました。さて、ここからが相談なのですが、
1) 「つらい抗がん剤治療は失敗した治療」という医師もいるが、主治医は「薬飲まなきゃだめだ」の一点張りです。がん治療にはある程度の副作用はやむをえないのか、それとも別の可能性をいろいろ試すべきなのか、悩んでいます。
2) 肺の影なのですが、手術後にCTをとったところ、「影がおとなしくなった」と言われました。胸部X線では見えなかったということです。また、腫瘍マーカーは術前は高かったのが、一月の検査では正常になりました。ですから、1)の疑問と関連するのは、転移の可能性としての肺の影が抗がん剤投与前に小さくなり、腫瘍マーカーにも変化が見られたにも関わらず、現在使用している抗がん剤に意味があるのか、ということです。その後は検査もしておらず、検査する予定は今のところない、と主治医からの意見でした。
3) ただ、母の癌は「硬癌」なのが気になります。癌が大きくないのに、病期が4だと言われたのですが、それは「硬癌」のせいだからでしょうか。また、「硬癌」への治療の一例を紹介していただけたら幸いです。
 
以上、よろしくお願いいたします。

いろいろな薬を処方されているようですが、相談内容を参考にする限りでは抗癌剤の副作用を防ぐ制吐剤などの処方が抜けているように思います。また、クレスチンは乳癌に対する効果は全く証明されていません。また、「乳房の手術のみ」で肺転移が改善することはありません。現在は主治医も「肺の陰影=転移」とは考えていないのではないでしょうか。現在お母さまが受けている抗癌剤治療は、「転移に対する治療」ではなく「新たな転移が生じないための予防」が目的と思われます。もし、手術時に肺転移やリンパ節転移がなかったと過程するならば、お母さまの乳癌は病期2Aということになります。この場合、抗癌剤による再発予防効果は決して大きいとは言えません。また、乳癌の治療では硬癌などの組織型で治療法が異なるということもありません。主治医の説明と、御本人や御家族の病状理解には解離があるように思いますし、使用している薬剤も標準的なものとは異なるようです。もう一度主治医から「抗癌剤使用の目的」について説明を受けることを強くお勧めします。どうしても説明が納得できない場合には、主治医に紹介状を作成してもらい、乳腺専門医にセカンドオピニオンを依頼するのも一つの方法だと思います。(文責 千島)

 

No.3841】 05年05月08日    S 
ゾラデックスだけで大丈夫でしょうか?

こんにちは。いつも拝見させていただいて、とても勉強になります。今日は教えていただきたいことがありまして、始めてメールを致しました。私は今年の2月に乳癌の手術をうけました。腫瘍は7mmで、センチネル生検して、腋窩リンパ節には転移がなかったということです。病理結果は:INVASIVE DUCTAL  CARCINOMA、SCIRRHOUS CARCINOMA、OF BREAST F、LY(+)、SURGICAL MARGIN(-)。ER(+)、PgR(+)、HER 2 SCORE(0)、グレードは2、年齢は37才です。先月末に放射線31回の治療も終りました。これからはホルモン療法を受けることになっておりますが、元々ゾラデックス2年とノルバデックス5年併用の予定だったのですが、今日の診察で主治医の先生から、新しいザンクト・ガレンによって、この2種類の薬は併用しないほうが効果が高いと言われ、ノルバデックスの処方をしてくれませんでした。何も薬を飲まないととっても不安なのですが、私にとってゾラデックスの注射だけで、十分の治療を受けているということになるでしょうか。先生のアドバイスをいただきたいので、よろしくお願いいたします。

2005年1月にザンクトガレンで話し合われた内容は、まだ試案の段階であり決定事項ではありません。ちなみに、この試案を参考にするならば、あなたの場合はly(+)というところで、再発の中リスク群に入る可能性が出てきます。この場合はホルモン療法のみ、または化学療法→ホルモン療法ということになります。ホルモン療法を行う場合は、ノルバデックス単独よりもゾラデックス+ノルバデックスの方が治療効果は高いと考えられています。(文責 千島)

 

No.3840】 05年05月08日    紀
脇下の痛み

はじめまして、紀と申します。42歳の男性ですが、3ヶ月前から左脇下の鈍痛が感じられ、触っても何もないようですけど、最近、右にも軽い痛みが出ています。特に朝起きてからです。乳首及び周りに何の異常もありません。一度S大病院の整形外科に行きましたが、脇下のレントゲンを取りまして、結論がありませんでした。一体どの分野の診察を受けたらいいですか。神経痛やリンパ系の炎症、或いは腫瘍の可能性がありますか。アドバイスを頂ければ、ありがたいです。ぜひよろしくお願いします。

両側の腋窩(脇の下)で同時に腫瘍ができたり、炎症が生じたりする可能性は極めて低いと思います。症状が悪化しない限りは経過観察でも良いと思いますが、御心配なら皮膚科(?)で相談してみてはいかがでしょうか?(文責 千島)

 

No.3839】 05年05月08日    君影草
手術痕について(HPNo.3515-3)

HPNo.3515の君影草です。前回はお返事ありがとうございました。今日は乳癌である母本人の意思でなく、娘が独断でメールを差し上げております。今、母は自分の手術痕を見て、「腋窩リンパ節郭清してないんじゃないのか? センチネルのような気がする」と心配しています。どうも、医者とのコミュニケーション不足(というよりフィーリングの不一致)で、その部分を詳しく突っ込んで聞けないようなのです。私がお尋ねしたいのは下の3つになります。
1)手術痕を見て、郭清したか、していないかなんて、分かるものでしょうか?
2)(もしわかるのでしたら)それは一体、どのような痕になるのでしょうか?
3)センチネル手術痕との違いが解る決定的なモノがあれば、ご教授ください。

ちなみに、「右側胸筋温存、乳房全摘、乳房再建はしておりません」、このような状態です。お手数ですが、ご返答いただければ幸と存じます。よろしくお願いします。

胸筋温存乳房切除術の場合は、乳房切除とリンパ節郭清は同じ切開創から行うので、一目見ただけではセンチネルリンパ節生検とリンパ節郭清の区別はつきにくいと思います。通常、本人の承諾を得ないままセンチネルリンパ節生検を行うことはあり得ないと思います。お母さまが受けた術式が決定的にわかる唯一の方法は、次回の診察日に主治医に直接訪ねることだと思います。(文責 千島)

 

No.3838】 05年05月08日    K 
これからの治療法について

初めてメールさせていただきます。よろしくお願いします。41歳既婚、子供2人、閉経前です。10月に乳房温存手術を受け(充実線管癌)、ホルモンレセプター陽性、HER2(2+)、リンパ節転移13個中2個転移していました。その後25回の放射線治療を受け、そして抗がん剤治療(エンドキサン、ファルモルビシン)EC?4クールがやっと4月の中頃に終わりました。副作用もおさまり、現在は手術後から飲んでいるノルバデックスを朝1回服用中です。治療は一段落で、今後は半年に1回の検査とノルバデックスになるそうです。でもいろいろ本を読んだり、相談室の書き込みを見たり、インターネットで調べたりしていると、EC4クールの後タキソール?などを追加投与している事例が多いのですが、先生はどう思われますか? 副作用はとても辛いのですが、再発や転移はもっと辛いです。しなくてすむものなら勿論したくはないのですが、治療内容の地域格差もあるようなので、とても心配しています。それと私の場合、アゴニスト製剤の投与は必要ないのでしょうか? 宜しくお願い致します。

再発リスクが高い症例ほど、抗癌剤による再発予防効果も高くなります。最近はリンパ節転移陽性例に対して、術後補助療法にタキサン系の抗癌剤を用いる施設が多いと思います。もちろん強い化学療法を行えば予防効果も高くなりますが、その分副作用も多くなります。抗癌剤のメニュー毎にある程度予防効果が推定できるので、副作用と効果のバランスを考慮して、主治医と十分に相談しながらあなたにとって最適な治療を選択するようにして下さい。ホルモン療法に関しては、体内の女性ホルモン値を測定して卵巣機能が閉経前の状態ならば、LH-RHアゴニストを併用する方が、再発予防効果が高いと考えられています。(文責 千島)

 

No.3837】 05年05月04日    MM
胸から脇にかけての痛みについて

はじめまして。少し心配なことがあり、今回相談させていただきました。私は現在23歳の女性です。最近胸の外側の上の部分から腕の付け根のあたりにかけて痛みがあります。全く動かさなければ痛みはないのですが、腕を伸ばしたり、手で押してみたりすると痛みます。生理前には胸全体(この時も特に胸の上部外側。しかし今回相談している痛みとは異なる感じです。)が痛むのですが、この痛みは生理終了数日後〜次の生理の胸の張りを感じるくらいの時期に特に感じます。前回の生理後も同じ症状でした。左右とも同じ位置に同じくらいの痛みがあります。筋肉痛の痛みに似ていますが、特に筋肉を使ったわけではなく、前回の生理後にも同じような症状が出たので、単なる筋肉痛ではない気がします。前回痛みが出たときは、シップを貼ったりしましたが、特に変化はないようでした。周期のある痛みであり、両胸であることから、乳がんとは関係ないのかもしれませんが、何か考えられる原因がわかれば・・と思っています。

乳房痛は軽い程度のものも含めれば、ほとんどの女性が経験している症状であるにもかかわらず、ホルモンのアンバランスといった曖昧な表現でしか説明されていないのが現状です。実際問題として乳腺は女性ホルモンの影響を受けて増殖や退縮を繰り返しており、それに伴って痛みはいろんな形で生じているといわれています。貴女のいわれるとおり周期性、両側性であり、乳癌とは無関係と考えるのが自然であると私も考えます。(文責 谷)

 

No.3836】 05年05月04日    K子
細胞診について

胸にしこりを見つけ乳腺外科を受診しました。マンモグラフィー、超音波の結果、異常が認められなければ細胞診はやらなくても良いと言われましたが、マンモグラフィー、超音波の結果1.5cmのしこりが認められるとの事。細胞診を勧められ現在検査結果を待っていますが、なぜ細胞診を勧められたのか理由を聞けずじまいでした。専門医として意見を聞かせてください。

乳腺に1.5cmのしこりが認められるとのこと、主治医の先生がどのような疾患を考えておられるかはメールの内容からではわかり得ないですが、悪性を疑う際はもちろんのこと、まず良性だと思っても念のため細胞診の検査を施行することも少なくありません。次回の診察の際、主治医の先生にそのあたりをよくお聞きになってください。(文責 谷)

 

No.3835】 05年05月04日    CHIEKO
脇の痛み

半年ほど前に右脇に痛みを憶え、しばらく忘れていましたが、最近また痛みだしました。「中国の気」の権威のある方から、「右脇下20センチと乳房を線で結んだ箇所に○×○ミリのもの」と具体的に言われ、乳癌と診断をうけました。病院で検査をうけるように言われ、総合病院の外科にて、エコー検査、レントゲン、触診を受けましたが、異常なしとのこと。が、ときどきまだ痛みます。検査を信じるか、痛みがあるので、気を信じるか、迷っています。30年前にS状結腸の腫瘍のオペをしております。ご意見、よろしくお願いいたします。

私は”中国の気”は全くわかりませんので、どうアドバイスしてよいのやら困惑しておりますが、乳腺は特に大きな問題がなくても比較的痛みが生じやすい臓器なので、総合病院の外科できちんと検査をお受けになって異常なしと言われたとなると、それが正しいように思えます。もう一度「中国の気」の権威のある方に、病院での異常なしの結果をお伝えしたうえで診察していただくのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.3834】 05年05月04日    T.N. 
アメリカで手術するべきか、日本でするべきか

こんにちは。閉経前、39歳 3歳の子供がいます。先日アメリカから里帰りし、以前から気になっていた胸のしこりを検査し、biopsy検査で残念ながらがん細胞が発見されました。ドクターによるエコー診断では3.5mmということで、ステージ2、しかもリンパ腺も2個腫れているということでした。ちなみに、CTスキャンでは1.9mmの腫瘍とのことです(この差はなんでしょうか?)。後は連休明け、MRI検査後、今後のことを決めていく予定です。そこで、現在アメリカで手術+Chemotherapyを受けるべきか、日本で受けるべきか悩んでいるのですが、日本での治療法とアメリカでは何か大きな違いがあるのでしょうか? アメリカでの乳癌ステージUのprognosisは日本と比べて高いのでしょうか?アメリカでは、術後すぐに帰宅させられるということを聞いたのですが、それは本当でしょうか? うちの主人(アメリカ人)がいうには、チーム医療が充実し、各疾病のスペシャリストがそろっているアメリカの医療は世界一というのですが、どうなのでしょう? ちなみに、シアトル周辺に住んでいます。いろいろ質問して申し訳ございませんが、至急でお返事いただけたら幸いです。

まず申し上げるべきことは、今の時代日本でもアメリカでも乳癌の治療指針はほとんど変わらないということです。よって治療成績にもほとんど差はないはずで、prognosis(予後)も同じと考えるのが正しい判断であると思います。ただ医療保険制度の差で、アメリカでは日本に比して入院費用が非常に高くなることなどより、術後早期に退院し、通院で診察を受けることが多いというのは事実です。医療技術の比較となると、これはどうお答えしてよいのかわかりませんが、これから病院を選択する際の情報としては、技術はほぼ同じと考えた方がよいのではと思います。以上より私の結論は、貴女自身が今後のfollow upも含め受診しやすい方を選択されるのが一番よい選択であると考えます。(文責 谷)

 

No.3833】 05年05月04日    jw  
乳房と乳首の痛みについて

34歳独身女性です。乳首のかゆみは前前からあったのですが、2月にがん検診をした時、気にすることはないと言われました。がん検診の結果は異常なしでした。4/25あたりだと思うのですが(生理終了直後)、かゆかったので、ついおふろでごしごししてしまいました。翌日あたりから乳首がびりびりした痛みを感じるようになり(常時ではない)、月末あたりごろからは寝返りを打ち、左の乳房が下になると、乳首にびりびりとした痛みが走るようになりました。今現在は平常時でもなんとなくぴりっとくるような気がします(気にし過ぎだといいのですが)。左乳房全体が違和感があるような気がしてなりません。今も左乳房の左側をさわると、ある部分(場所はよくわからないが)その部分もいたいのですが、連動して乳首がびりびりするときがあります。分泌物はないようです。ゴールデンウィークなのでがん検診をしてくれたお医者様がおやすみで、はやくても診ていただけるのは6日からなのです。HPをみていたら、たまたまここを見かけたのですが、わたしと同じ症状の人はいないようですのでメールしました。少し様子をみようと思ったのですが、なんだか不安でしょうがないので、御忙しい中恐れ入りますが、アドバイスよろしくお願いします。

メールの内容を拝見する限りでは、乳頭上に少し傷でもついたのかと思いますが、特に癌を心配するような症状ではない様に思います。しかし不安なようでしたら一度乳腺外科を受診されるのがよいと思います。(文責 谷)

 

No.3832】 05年05月04日    Y.A.
手術方法について

はじめまして。よろしくお願い致します。47歳、既婚、子供無し。乳癌検診の時、超音波検査で9mmのしこりがみつかり、細胞診の結果、クラスVa、針生検では1回目は良性でしたが、念のため2回目を行い、乳癌と診断されました。CTを撮ると他にも小さなしこりが2つ見つかり、今、そのしこりの細胞診の結果待ちです。先生は、しこりが一つではないので、全摘の方が良いのでは、とおっしゃいます。エコーにも写らない乳癌のしこりもあるのでしょうか。1回目が良性、2回目に悪性の結果がでたので少しびっくりしています。もう1回検査するのは無駄でしょうか。それと、しこりが3つの場合は温存手術は無理でしょうか。どうぞ、よろしくお願い致します。

まず穿刺細胞診についてですが、もし悪性であっても病変からうまく細胞が採取できないとその診断がつかないことがあります。しかし、良性の病変から悪性の細胞が採取されることはありえませんので、残念ながら2回目の悪性の診断が正しいと考えなければなりません。ただどうしても納得がいかないのであれば、再度細胞診を依頼することは可能だと思います。次に、他にもしこりが更に2つあるとのこと(エコーに映らないしこりもあります)、もしこれらのどちらかが乳癌あるいは乳癌を強く示唆するということであれば、私個人としては、温存手術でなく全摘術をお勧めします。温存術では、術後の残存乳房再発の可能性が高いと考えるからです。もちろん2つの腫瘤があきらかに良性であるという場合は、このかぎりではありません。そのあたりも主治医の先生とよくご相談なさったうえで納得のいく治療をお受けになってください。(文責 谷)

 

No.3831】 05年05月04日    Y 
乳房の痛み、しこり、腋の下のぐりぐり

初めてメールします。出産経験2回、49歳閉経、現在53歳ですが、2人目の出産後乳房の不適切な処置をしたため、はれといたみがあったのですが、自分で治し、病院にはいきませんでした。その時、しこりができ、以来30年間大きさも変わらず、痛みは少しありましたが、押した時だけという感じでした。皮膚の症状は全くありませんでした。1年前ほどから何もしていないのに痛くて、1ヶ月前くらいから乳頭のところが少し黒くなっているような気がします。娘に触診してもらったところ、わきの下に1.5cmから2cmのぐりぐりを触れるといわれ、怖くなりました。一番可能性の高いのは何なんでしょうか? よろしくお願いします。

乳房に腫瘤を触れ、かつ腋窩にリンパ節を触れるということになると、乳癌が否定できません。高い可能性云々ということ以前に、癌が否定できませんので、なるべく早急に(乳腺)外科を受診なさってください。(文責 谷)

 

No.3830】 05年05月04日     K.M. 
右乳首にシコリがあります

はじめまして。ホームページを拝見し、メールさせていただきました。私は19歳の男で、現在大学生をしております。乳がんに関する相談室ということで、少々的はずれの質問ですが、他に質問できる場所も人もいなく、困っています。どうかお答え頂けますでしょうか?
2週間ほど前、右乳首にシコリのようなものができました。そして今日までの間に少し大きくなっているようです。表面から触るだけでは何でもありませんが、押してぐりぐり動かすと多少痛みます。動かし方によっては結構痛いです。思春期には男でも乳首にシコリができるということは知っています。現に14,5歳の頃、一度できました。たしか両方だったと思います。しかし、知らぬ間に消えていたと思います。思春期もかなり過ぎかけている年齢だけに少し心配になりました。2年ほど前に、右二の腕に同じようにシコリができ、放っておくと大きくなると医者に言われたので、そのときは手術で取りました。そのあとはなんともないです。また、1年ほど前には耳の後ろに脂肪の塊のようなシコリができ、病院に行こうかどうか迷っていたところ、いつの間にか消えていました。結構頻繁に起きるので(といっても1年に1回以下ですが・・・)、少し心配です。何が原因かも分かりませんし。以上のことをふまえ、お医者様の立場から考えられる可能性を教えていただきたいです。現在海外の大学にいるので、もし手術で取らなければならないとなるとかなり面倒なことになりますが(病院を信頼していいのかも分かりませんし)。よろしくお願い致します。

メールの内容より推測すると、女性化乳房、粉瘤、毛嚢炎などが考えられますが、男性乳癌の可能性は年齢より考えて低いと思われます。またいろんな部位にできるしこりの互いの因果関係は不明です。しかし、直接拝見しませんと確かなことは申し上げられませんので、やはり一度受診することが必要だと思います。(文責 谷)

 

No.3829】 05年05月04日     T.H.
手術後の化学療法について

今年3月、左乳房温存手術(リンパ節生検)を行い、現在放射線とホルモン療法(タモキシフェン)を行っております。54歳。ステージT期でリンパ節郭清は行いませんでした。病理検査の結果、ホルモンレセプターER(陽性)PgR(疑陽性)、異型度2、HER2遺伝子2という結果でしたが、抗癌剤療法は選択しませんでした。副作用の強い抗癌剤に抵抗がありますが、この選択に不安もあります。どのような抗癌剤療法があり、どのような基準で選択していくのか、また術後どれくらいの時期までに始めればよいのか教えていただき、もう一度考えたいと思います。よろしくお願いします。 

貴女の場合、今よく用いられているリスク分類(2005年:St.Gallen)に照らし合わせるとintermediate(中間型)リスクに分類されるのだと思います。54歳ということなので閉経後であるとすると、タモキシフェンなどのホルモン剤だけにするか、抗がん剤使用後にホルモン剤を使用するかのどちらかの選択が推奨されております。この場合の抗がん剤とは、AC,CEF,CAFなどの複合抗がん剤療法(通常3〜6ヶ月で施行)を指しておりますが、嘔気、白血球減少、脱毛などの副作用もある程度覚悟しなければなりません。CMF療法は上記に比して副作用がややマイルドであることが多いですが、上記に比して抗癌作用もやや劣るというデータもでております。抗がん剤を術後いつまでに施行すればよいというデータはありませんが、もし施行するのなら、なるべく早いほうがよいということはいうまでもありません。これらを参考に早々に主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.3828】 05年05月04日     Y.M
乳頭部のしこり

はじめまして、4歳と2歳の子供を持つ33歳の女性です。もともと陥没乳頭です。2週間ほど前に右乳首と乳輪の下にしこりを触れて、痛みもあったため、押してみたところ黄色い粘液のような膿が出ました。5〜6年前にも同じようなことがあり、膿を出すと痛みがなくなったので、すっかり忘れていたのですが、今回は痛みがひかず、しこりもあるため乳腺外来を受診しました。レントゲンと超音波の検査をし、先生は「はっきりとした結節は見当たらない」とのことでした。しかし、「乳管が拡張しており、その中に腫瘍ができる場合があるが、あなたの場合陥没乳頭なので乳管がはっきりわからず、造影剤が入れられない」と言われました。そして乳首から出ている膿をガラスの板のようなものに採って検査に出していました。先生がおっしゃるには「一刻を争う状態ではないが、将来的に手術して悪い部分をとって乳首の形成をすることも考えて」とのことでした。自分としてはいろいろ調べて「乳輪下膿瘍かな?」と思っていたのですが、「乳管の中に何かありそう」と言う言葉に、一気に不安になりました。そこで質問させていただきたいのですが、
1)乳管の中に癌ができることもあるのでしょうか。
2)造影剤が入らないと、癌が見つからないこともあるのでしょうか。
3)自分としては「乳輪下膿瘍かな?」と考えていたのですが、膿を検査に出したのは、癌の疑いがあるからでしょうか?

薬は、炎症と腫れを抑える薬(ダーゼン、レフトーゼ)、抗生物質(クラビット)と、胃腸薬(ビオスリー)、乳首を消毒する液をもらいました。検査の結果は一週間後ですが、不安でたまりません。

1)癌が乳管の中だけにとどまる場合もあります。
2)乳管の中の情報を得るために、しばしば造影剤を用い乳管造影という検査を施行します。これができないとなると通常超音波やマンモグラフィなどの他の検査から診断をつけることになりますが。造影できないと癌がみつからないということはありませんが、見つけにくいことはあるかもしれません。
3)やはり膿の中に悪い細胞(癌細胞)がいないかどうか調べたのだと思います。まず結果を待ちたいと思います。(文責 谷)

 

No.3827】 05年05月03日     A.M. 
グレード1について

私は去年8月に左胸と9月に右胸を内視鏡温存手術しました。左胸 硬ガン 2.7cm(術中は3cm)。リンパに術中検査にて顕微鏡で4個確認の上、郭清、ステージ1、グレード1。右胸 充実腺管癌 1.5cm。術中検査にてリンパに転移なし、ステージ1、グレード1。術後、抗がん剤を断り、放射線治療を先に終え、ゾラとノルバのホルモン療法をしていましたが、気分が悪くて自分勝手にやめました。術前、骨シンチでは ICTCは3.2でしたが、今5.3です。癌ではグレード(悪性度)が問題だと聞いていますので、グレード1の人の術後の情報を取り入れたいのですが、抗がん剤をするケースとしないケースはどれだけの違いがあるのでしょうか。しなくても70%の人は治って、残りの30%の為に抗がん剤をすると聞いてます。なるべく抗がん剤をしないで治したいと私は考えています。グレード1の人の術後の経過、2年後5年後10年後の情報を教えて頂けないでしょうか。よろしくお願いします。

浸潤性乳管癌の組織学的悪性度を悪性度の低いものから順にグレード1、2、3と分類します。確かに最近このグレードは術後の後治療を決定する際の重要な情報のひとつとされております。しかしグレード1の人の情報といっても他のもっと重要な因子(リンパ節転移の程度、組織型、腫瘤径など)や、術式や術後の後治療などで経過も大きく変わるため、グレード1だけに絞った経過を示すことは意外に困難であるように思います。一番重要なことは、主治医の先生と密なコミュニケーションをとり、今後の治療を主治医の先生と一緒に決定してゆくことだと思います。(文責 谷)

 

No.3826】 05年05月03日     M.I.
授乳期のしこりについて

39歳女性、生後2ヶ月の子どもに授乳中です。10日ほど前に右乳頭部(乳輪部ではなく乳頭の付け根)に5mm大のしこりがあることに気づきました。痛みは、授乳時や、自分で搾乳する際に少しありますが、強い痛みではありません。近医に受診したところ、何かはわからないが悪性のものではないようなので授乳しても大丈夫と言われましたが、検査もせず、しこりに触れられずに言われたことで、本当に大丈夫なのか心配です。子どもに授乳中で、ミルクを飲んでくれないため、他の病院で検査を受けることも授乳に支障が出てしまうのではと心配です。このまま授乳していて大丈夫でしょうか。また、専門病院に行ったり、検査を受けたほうがいいいのでしょうか。よろしくお願いします。

授乳期に乳頭に有痛性のしこりができたということになると、まず細菌感染(いわゆる”おでき”)を考えます。軽度のものなら自然に治癒してくれるでしょうからあまり心配はないですが、症状が軽快しないとすると他のしこりかもしれません。もちろん私が直接拝見したわけではないので、あくまで推測でしかありません。ご心配であれば乳腺外科を受診することがベストであることはいうまでもありませんが、出産後まだ2ヶ月とのことですので、出産の際や最初の授乳の際にお世話になった助産師さんにちょっと相談してみるというのもひとつかと思います。(文責 谷)

 

No.3825】 05年05月02日     M・T 
外来で手術しました(HPNo.3759-2)

先日はアドバイスありがとうございました。左乳頭からの血性分泌液は異常なし。コア生検は導管過形成、乳管造影は導管過形成あるいは悪性とみられる所見とのことでした。そのため、先日外来で局所麻酔にて色素を乳管に入れて摘出しました。今結果待ちなのですが、コア生検した部分は左乳房の脇の下の方で、手術した部分は乳頭から切開し、そこから3センチくらい組織を取りました。エコーで確認して行ったコア生検の部分と乳管造影のフィルムを参考に、手術した部分が離れているように思うのですが・・・。どうなのでしょうか? よろしくお願いします。

直接拝見したわけでないので、詳しいことは申し上げられませんが、コア生検はしこりそのものがターゲットであり、今回の手術は乳頭からのびる乳管がターゲットと、これらの部位が少しずれるのはありうることだと思います。(文責 谷)

 

No.3824】 05年05月02日     C.H. 
細胞診ではclassUでした

42歳。入浴中、左胸のしこりに気づいたのは4/9でした。それから4/19病院にいって触診をうけ、異常を指摘されて二日後に超音波とマンモグラフィと細胞診を受けました。MRIは5/2に予約を入れました。大きさは2cm程度。検査結果は、細胞診はclassUで、ガンではないとのこと。ただマンモグラフィと超音波でガンではないと言い切れないので、組織をとって調べないとわからないところがあるので、5/12に腫瘍を摘出する生検を受けるようにいわれています。超音波の画像も、マンモグラフィの写真も何も見せてもらえないまま摘出する検査の話をされたので、少し不安があります。細胞診で何もないのに摘出しないといけないものでしょうか? 患者には写真などの情報はみせてはもらえないのでしょうか? 組織検査より10日前の5/2にMRIを受けますが、MRIの結果説明は組織検査より5日遅れの17日に結果が聞けるそうです。MRI検査の結果を待ってから、組織検査をすることは無意味なのでしょうか? 良性かもしれないのに、胸に傷が残り形もへこんでしまうのに抵抗があります。インターネットで調べるとマンモトームという生検の方法もあるとわかり、できれば胸に傷を残さないマンモトーム生検を受けたいと思っています。今の病院ではマンモトーム生検はしていないようです。知らなければ、摘出検査を受けても仕方がないとあきらめていたのに、知ってしまうと、良性でも傷が残ってしまうという方法では後悔してしまうのではないかと思います。人間ってげんきんなものです。他の病院で早急にマンモトーム検査を受けたほうがよろしいでしょうか? それとも2cmでは摘出しか無理なのでしょうか? その場合、今までの検査結果を貸していただいて、行くことも可能でしょうか? お医者様に会う日が5/17までありません。摘出日帰り手術5/12までにあまり時間がないので、教えていただけたらと思っています。30歳で主人を亡くし、一人で息子たちを大きくしてきました。息子たちも18歳15歳と成長して、これからは私も女性として生きていきたいと思った矢先の出来事です。42歳にもなって往生際が悪いかもしれませんが、よりよい回答をお願いいたします。

左乳房に腫瘤があり、検査では癌を否定できないゆえ摘出を勧められた、といったケースですね。直接拝見したわけでないので一部にどうしても想像が入ってしまいますが、結論から申し上げれば、私も主治医の先生とまったく同じことをお勧めするのではないかと考えます。ただ、マンモグラフィなどの検査結果は要求すればいつでも見せてくださることと思いますし、もちろんMRIの結果を待ってからでも遅いということはまずありえませんので、まず落ち着いて現状を振り返り、納得された治療をお受けになっていただきたく思います。摘出する意義について補足させていただきますと、摘出するのは癌の否定ということだけでなく、良性腫瘍であればそれにより完治する可能性も高いわけで、その点ではマンモトームによる生検では不十分であると思います。ただ仰るとおり、傷は多少残り、くぼむ可能性もあることは否めず、そのデメリットと上述の意義との比較になるでしょう。いずれにせよ摘出手術までに、ぜひ一度主治医の先生とよく話し合ってみていただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.3823】 05年05月02日     N 
乳がん再発の手術について

はじめまして。私の母は現在61歳で、3年前に6ミリ大のものを右乳癌温存手術をし、その後2ヵ月毎に検診及びホルモン療法を受けていました。3〜4ヶ月前から手術箇所付近が痛み、又、背中も痛みだしたため、4月21日にCT、エコー及びRIで骨を調べてもらいました。結果は、4cm大の癌との事でした。骨を調べた結果発見された癌の場所は“乳房”になります。骨は小さいものは写っているが大丈夫だろうとの事ですが、この際、4cmの癌は全摘手術をした方がいいと医者から言われています。また筋肉の間にもあるので、筋肉も切る必要があると言われました(筋肉の間の小さなものは、それだけ摘出しにくい)。お聞きしたいことは次の2点です。

1) 2ヶ月毎に検診を受けていて、この様に大きくなるまで分からないものでしょうか?(納得がいきません) また、3〜4ヶ月の短期間でこの様に急に大きくなるものなのでしょうか?(上述の通り、3〜4ヶ月前から急に痛みが出てきました)
2)筋肉を切る必要があるのでしょうか? また、筋肉を切った場合、その後の生活にどの程度支障を来たすでしょうか?

1) 乳房温存療法術後の局所再発ということになります。確かに再発腫瘤が4センチということになると、かなり大きいなという印象は受けます。しかし途中の経過や検査所見などもわからないうえ、何より直接拝見しているわけではないので、これ以上のことは申し上げかねます。ただ温存療法の術後の患者さんを外来で拝見する立場から一言言わせていただくと、術後の乳房は硬さが増しており、再発腫瘤との区別が非常につきにくくなっており、あるいは腫瘤が再発によるものかどうかという部分で診断がつきにくかったのではと想像いたします。いずれにせよ主治医の先生から今一度詳しいご説明をお聞きいただくことが必要かと思います。
2) 再発腫瘤が筋肉内に浸潤しているとのことなので、筋肉(おそらく大胸筋と思われます)を最低でも少しは切除する必要があります。ただ筋肉を切除しても日常生活にはさほど影響がないと考えてよいと思います。(文責 谷)

 

No.3822】 05年05月02日     YUKI
断乳後の乳がんについて

はじめまして、3歳の子供の母です。1歳まで母乳をやっていましたが、断乳の処理をきちんとしなかったからか、いまだにしこりが残っています。断乳をきちんとしないでしこりを放置すると癌になる可能性があるとの噂を聞き、心配しています。その点についてお答えいただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

断乳の処理を怠ると、その部位がしこった状態になったり痛みが生じることはよく知られております。しかしそれが癌の原因となるということはないと思いますのでご安心ください。(文責 谷)

 

No.3821】 05年05月01日     R.N. 
胸のリンパのはれがひどいのは乳がん?

はじめまして、こんにちは。私20歳ですが、質問よろしいでしょうか? 一年ほど前から乳房にかゆみを伴うようになり、去年の6月ごろから胸のリンパがはれるようになりました。どうにかしようと運動したり、シップをはったり、極力身体に負担をかけないようにするなどして一時期おさまっていたのですが、去年の冬にまたリンパのはれと痛みとかゆみが・・・。最近ではすごく疲れている時やパソコンや細々とした手作業などをするとリンパが痛くなり、またワキのリンパのはれやかゆみ、腕の痛みなどがあります(最近はほぼ毎日リンパのはれとかゆみ)。乳房だけなら乳がんや乳腺炎ではないかと思っていたのですが…。生まれつきアトピー、乾燥肌であちこちのかゆみもあります。2年くらい前から運動を全くしなくなり、学校の授業もほとんどパソコンの授業だったので、眼の疲れ、タイピングによる腕の疲れや姿勢の悪さからか肩こりや肩甲骨の痛み、身体全体のだるさ、腰痛がひどがったので、何よりどこの病院に行けばいいのかもわからず、不安がありながらも引きこもりぎみの私はなかなか外に出れません。どんな病気なのか、また解消法(解決法)があれば是非教えてください。よろしくお願いします。長い文章ですみません。

アトピー性皮膚炎の方は、全身のいたるところに痒みが生じることが多く、無意識にかきむしったりするため炎症に伴うリンパ節の腫れがとてもよくみられます。おそらく貴女の場合も、アトピーに伴う乳房の痒みとリンパ節の腫脹と思われます。去年のころからアトピーが悪化したとも考えられますので、一度皮膚科受診されることをお勧めいたします。(文責 谷)

 

No.3820-1】 05年05月01日     R.T
両乳房、両乳首の痛み

はじめまして、ご回答よろしくお願い致します。私は今年40才になる未婚の女性です。1ー2ヶ月前から両乳房の調子が悪くメ−ル差し上げました。話がちょっと長くなりますが、古くは、若い時に白い分泌物や透明の分泌物が強く圧迫を両乳房に与えると少量出た事が始まりで、その検査も受けましたが、『異常なし』との病院での診断結果(血液検査や脳下垂体の検査等済み)でした。その後、23才位の時に何気なく受けた子宮癌検診で引っ掛かり、子宮癌ではありませんでしたが、卵巣脳腫で片方の卵巣を取りました。その結果、不定期だった生理もちゃんと来るようになり、また分泌物も止まりました。今でも1年に一度は定期検診を受けていますが、子宮癌系の病気には引っ掛かっていません。また、2003年に乳癌の検診も受けましたが、異常はありませんでした。でも、ここ1ー2ヶ月、生理の周期もちょっと乱れ始め、そして、両乳首のかゆみから始まり、両乳房が押さなくても痛むようになりました。(しこりはないと思います) それに伴い、両乳首も痛いんです。そして、かなり少量ですがまた、圧力を加えると分泌物が出ます。また、仰向けで寝ると横向きで寝るよりも痛みがあります。(朝起きると痛みがちょっと強いようです) 胸は大きい方です。これらの症状に伴い、肩凝りもとってもひどいです。卵巣脳種をしているせいか、婦人系の病気には神経質になっている事は確かですが、両乳房、両乳首の痛みは乳癌の恐れはあるのですか?不安で、不安で寝られません。どうかご回答お願い致します。また、仮に乳癌の疑いがメールから受け取れた場合、私事ですが申し訳けございませんが、どうしても6月の頭まで日本を離れるため乳癌の診察を直ぐに受けられません。そこで、6月に受けても大丈夫でしょうか?

乳房痛、乳頭痛は女性であれば多かれ少なかれ、まず経験したことのある痛みであると思います。その多くは女性ホルモンが関与しているといわれており、これと乳癌の発生とはまったく別物と考えられております。よって貴女の場合、特に乳癌の可能性を示唆する所見は何一つありませんので、心配し過ぎず定期的に自己検診と乳癌検診をお続になってください。(文責 谷)

 

No.3820-2】 05年10月23日     R.T
乳首からの血性分泌

先生方さま、以前にも一度ご相談させて頂いた事がありますが、その節はありがとうございました。今回もよろしくお願い致します。、今年7月に左乳首から少量の出血が見られ、右乳首からは乳白色の分泌物が見られたので、某病院の乳腺外来でマンモ、エコー、触診で検査を受けました(出血した血液は少なすぎて検査が出来ませんでした。また上手く説明が出来ませんが、赤紫のような出血で、触るとペタペタとした感じです。黒くてタール状の様なものではありません)。その結果は、マンモ・エコーとも異常無し。先生がおっしゃるには、『多分、乳腺が炎症しての出血、それと体質的なものでしょう』でした。それから、8月、9月、10月の先週までは何もなかったのですが、2、3日前からまた、左の乳首から乳房を両手で挟んで圧力を加えると少量の出血があり、右乳首からは乳白色の分泌物が少量あります。自身で感じるのは、生理が近くなって来て、乳房が痛くなり初める頃になるような気がするのですが、それでも、8月、9月は出血がなかったので、心配です。某病院の乳腺外来で検査して貰いましたが、やはり他の病院か某病院でもう一度検査を受けた方が良いのでしょうか? それと、これは関連があるかは解りませんが、実は以前から、両乳首から乳白色の分泌物があり、原因は卵巣のう腫だったようで、23才の時に左の卵巣を取りました。38才くらいまでは目立った症状が出ない年が続いていたのですが、しかし1年程前からまた、乳房を両手で挟んで圧力を加えると両乳房ともに乳白色の分泌物が少量見られるようになりました。昔から婦人系はあまり健康な方ではないような気持ちがしています。やはり、乳首からの出血は癌が一番濃厚な線でしょうか? よろしくご回答お願い申し上げます。

一般に血性乳頭分泌の場合、乳管内乳頭腫(良性)が70%、乳癌が30%だと言われていますので、乳癌でない事を確認するためにも検査をする必要があります。乳頭分泌については、持続的にあるわけではないので、分泌がある時に検査を行う事が大切です。検査内容としては、分泌液の細胞診、マンモテック、乳管造影、乳管内視鏡等があります。(文責 須田)

 

No.3819】 05年05月01日     M.K
マンモグラフィー カテゴリー3

はじめまして。現在主人の仕事の関係でマレーシアに住んでいます。先月一時帰国した際の健康診断で、乳がん検診でマンモグラフィーを行ったところ、右側でカテゴリー3という結果が送られ、2次検査を受けるよう案内が送られてきました(視触診では異常は認められませんでした)。マレーシアの医療技術のレベルがどの程度かわからないので、日本に帰って検査を受けようとは思っているのですが、要を急するものでしょうか?(結果のレントゲンは見ていません)

検診マンモグラフィでは、カテゴリー分類を行い、カテゴリー3以上を要精査としております。カテゴリー3とは「良性の可能性が非常に高いが、悪性も否定はできない所見がある。追加検査が必要である。」といった内容のものであり、やはり追加検査を受けることが望ましいと考えられます。ただカテゴリー分類と急を要するか否かとはまったく別の次元ですので、精神衛生上の部分も含め可及的速やかに追加検査をお受けになることをお勧めいたします。(文責 谷)

 

No.3818】 05年05月01日     K.K
化学療法について

はじめまして。妻の事でメールさせて頂きました。妻は37歳、出産経験はありません。2005年2月4日に右乳房温存切除術をし、その後放射線治療(2グレイを25回)を行い、続いて化学療法としてCAFを6クール受けることになったのですが、1クール目の抗がん剤投与終了の1週間後に、血液検査で白血球の値が1800まで減少していることがわかり、次回の血液検査で白血球の値が上昇していなければ、以後の予定を変更しなければならないと言われました。選択として主治医から示されたのは、「(1)CAFからCMFへの変更、(2)白血球の値を増やす注射を打ちながらCAFを続ける、(3)量を減らしてCAFを続ける」という3点でした。その上で主治医からはCAFからCMFへの変更を進められておりますが、病理組織診断の結果をみると、その選択がベストかどうか悩んでおります。病理組織診断の結果は以下のとおりでした。
Breast cancer,invasive ductal carcinoma,solid-tubular carcinoma, f(+),ly(+),n3[Level-I(6/7),Level-II(3/6),Level-III(1/1)], margin free 、Nuclear greade2 (nuclear atypia:2, mitotic ounts:2)
「異型上皮の大小胞巣状、一部管腔形成性胞巣状増殖よりなるbreast cancerです。リンパ管侵襲、乳腺外脂肪組織への浸潤が認められる。10視野の40倍倍率下で6個程度の核分裂像が認められます。断片に問題はありません。」HER-2(1+) ER(80-90%陽性) PgR(70-80%陽性)

先生ならどのようにお考えになるでしょうか。アドバイス頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。

非常に難しい問題です。37歳とお若くてかつ腋窩リンパ節のlevel-Vにまで転移を認めたとなると、やはりまずCAF療法やCEF療法などアンスラサイクリン系を含む治療を確実に施行した上で、さらにその後の追加治療を検討したくなります。しかしA(アドリアマイシン)やE(エピルビシン)などのアンスラサイクリン系を使用すると白血球減少の副作用がときに強く現れ、奥様の場合も1クール目で白血球がかなり下がっておりますので、今回はうまくしのいだとしても、このまま6クール施行することはかなり難しいと考えられます。しかしCMF療法なら白血球減少に対していくらかマイルドなので続けられる可能性はあると思います。あとはタキサン系薬剤(タキソールまたはタキソテール)の使用、タモキシフェン+LH-RHアナログの使用などが選択肢に上がりそうです。いずれにせよ主治医の先生と今後よく相談しながら治療方針をたてていってください。(文責 谷)

 

No.3817】 05年05月01日     K.M. 
ホルモン治療

温存、ホルモン陽性で、内服とリュープリンの併用を薦められました。私は内服だけを希望したのですが、注射されてしまいました。どうも納得できません。併用は現在標準なのですか? 単独では3年のリュープリンが優位なのですか? 私の主治医は研究しています。

貴女の乳癌の詳細がわかりませんので詳しいことは申し上げられませんが、閉経前でホルモン感受性のある乳癌の方の術後に、タモキシフェンの内服に加え、リュープリン(またはゾラデックス)の注射を併用することはその効果が認められており、しばしば用いられます。しかし、何より一番問題なことは、貴女自身が納得された治療をお受けになっていないことです。われわれ医師は、経験やデータなどに基づいて術後の治療を選択し推奨してゆきますが、あくまで最終決定するのはご本人であるべきだと考えております。近いうちにぜひ主治医の先生と今後の治療方針をよく検討なさってください。そして納得の行く治療をお受けになってください。(文責 谷)

 

No.3816】 05年04月30日     K  
対側乳がんの治療について

はじめてメールさせていただきます。40歳会社員です。1998年に右乳房全摘手術をしました。2001年 右鎖骨上リンパ節転移、2002年 左鎖骨上リンパ節、胸骨傍リンパ節に転移しました。これらは放射線、化学療法により消失しましたが、2003年 両側肺転移、多発性骨転移、左乳がん併発が判明しました。ちなみに、ER(+)、PgR(-)、HercepTest:0です。その為CMFを8クール、手術直後から継続しているゾラデックスにアリミデックスを追加しました。その結果、肺転移はほぼ消失したのですが、今現在、左乳房がかなり痛みを増し、乳頭陥没も目立ちます。主治医は早々に手術をした方がいいと言っています。遠隔転移があっても、手術が一番の選択手段なのでしょうか。化学療法、ホルモン療法の変更などはどうなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

右乳癌術後にリンパ節転移、肺転移、骨転移と、本当に大変な経過を経てこられたのだと心よりお察し申し上げます。そしてここに来て左乳癌が見つかりその進行性も認められるため、手術を勧めておられるのだと思います。たとえ遠隔転移があっても、左乳房痛があることや今後癌がさらに大きくなって潰瘍を形成したりする可能性に対する治療と考えれば、やはり手術に匹敵するものは他になく、結局手術がよい選択なのではないかと私も思います。いままでの経過より、かなりの治療歴もおありだと思いますので、今一度主治医の先生によくご相談されることが必要と思います。とにかくぜひ前向きにがんばってください。(文責 谷)

 

No.3815】 05年04月30日     M.K.
乳腺線維腺腫

はじめてメールさせていただきます。今年6月に30歳になるものですが、今年1月に初めて乳癌検診を婦人科にて受けました。触診と視診とエコーのみでしたが、右胸にしこりを指摘されました。大きさは+1.16cm、×1.21cmと先生からいただいたエコーの画像に書いてあります。「多分線維腺腫だと思うけれど、年齢が若いので3ヶ月後にまた診察しましょう」とのことでした。そして今月頭に再度受診してエコーをまたしていただいたのですが、大きさは+1.13cm、×1.26cmと書いており、「大きさはそんなに変わってないけれど、一応紹介状を出すのでレントゲンを撮りに行って下さい」と言われ、とても不安になっております。病院に行く前の状態では、生理の前1週間くらいになると胸が張って痛い時がありました。その痛みは毎月という訳ではなく、痛い月があったり痛くない月があったりしていました。「触った感じが硬くないので、おそらく線維腺腫でしょう」と言われましたが、自分でしこり等を感じておらず、30歳になるからそろそろ検診をと思い受けた検診でこのようなことを言われて、自分は乳がんではないか?と考えてしまい、とても不安です。それと、2回目の受診のエコー検査の際に、「ここにもうひとつしこりがあるねぇ」と、2つ目のしこりも指摘されました。検査に行っていろいろ調べなければ何もわからないとわかっているのですが、自分でも気が動転してしまって、こちらで乳がんの確立がどれくらいあるのかと聞いてみたくなりメールさせていただきました。先生に紹介されたのは普通の外科ですが、レントゲンの良い機械があるとのことです。その外科の紹介状を書いてもらいましたが、乳腺専門外来に行く方が良いのでしょうか? めちゃくちゃな文章になってしまって申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

いままであまり気にしていなかった自分の乳腺について、今回検査をうけることとなり動揺されておられるのがメールから読み取れます。まず、エコー上線維腺腫とのことで、サイズも変化していないことより、悪性の可能性はかなり低いように読み取れます。ただ念のためマンモグラフィの撮影のできる病院をご紹介されたのだと思います。立派なマンモグラフィがあるのですから、その病院の外科に受診すればよいと思います。(文責 谷)

 

No.3814】 05年04月30日     H  
良性から悪性へ変化?

お忙しいとは思いますが、ご意見お聞かせ下さい。去年の12月にエコー、マンモをし、エコーにて4mm×3mmのしこり発見。乳腺外科を紹介され、エコー、マンモ、細胞診をしました。結果良性ということで、乳腺症との診断でした。半年ごとの経過観察と言われましたが、先日、良性から悪性にいつ変化するかわからないと知り、正直不安になりました。今も胸の痛みがあり、気になります。その様な事は多々あるのでしょうか?

乳腺外科を受診され、エコー、マンモグラフィ、細胞診を施行し乳腺症との診断とのことですので、まず安心してよいのだろうと思います。基本的に良性が悪性に変わるということはないと考えられておりますが、現段階では調べられない程度の極初期の癌が潜んでおり、今後時間とともに検査で感知できる様になる可能性、あるいは今後新たな乳癌が発生する可能性などを考え、半年ごとの経過観察をするよう指示されたのだと思います。必要以上に心配なさらず、自己検診と定期受診に務めてください。(文責 谷)

 

No.3813】 05年04月29日     M.O. 
異型乳管過形成について(HPNo.3787-3)

お忙しい中、ご丁寧なご回答を本当にありがとうございました。たびたび質問で恐縮なのですが、よろしくお願いします。
1) マンモトーム生検は切除生検と同様に患部を完全に取り除くことは可能ですか?(現在かかっている病院ではマンモトームはないのですが、ある病院で切ろうか迷ってます)
2) 乳癌は他の癌と比べて良性・悪性の鑑別が難しいので、乳腺専門の病理医がいる病院が望ましいと本で読んだのですが、私がかかっている病院にはいません。本当に専門の病理医でないと、やはり診断は確実ではないのでしょうか? 生検した標本をもって別の病理医の意見を求めたい時は、その旨を別の病院で伝えればやってくれますか? 生検した標本は簡単に貸してくれるものですか?

1)マンモトーム生検は少ない切除範囲で組織診断をつけるための検査であり、これにより患部を完全に取り除くことはできないと考えた方がよいと思います。
2)ご指摘の通り、乳癌の病理診断はときに病理医でも難しいことがあり、そのような際は複数の病理の先生の見解もとりいれて最終診断を出されることもあるようです。もし病理のセカンドオピニオンをご希望でしたら、主治医の先生にその旨をお話されて、標本(プレパラート)を貸し出してもらい、紹介状を書いていただくことになります。通常これは可能だと思います。(文責 谷)

 

No.3812】 05年04月29日     T.T. 
乳がん?

はじめまして、こんにちは。34歳(子供2人、8歳・3歳)です。ホームページを閲覧させていただきました。実はご相談があり、メールいたしました。宜しくお願いいたします。3歳の子供を1年半前に断乳しています(昨年7月触診のみの乳がん検診済み・異常なし)。本日午前中、右乳房のみ2つの穴から黄色い液が出るのを発見しました。近所の婦人科を受診し、超音波・分泌物の細胞診(結果は連休あけ)の検査をしました。超音波で診て頂いて、しこりなどもなく、『おっぱいの成分と一緒でしょう。乳腺もまだ発達したままだねぇ〜。』との事でした。今月生理は4月13日から4日間です。たま〜におっぱいが張っている時のツーンという痛みがあり、おっぱいが出たかな?と思い見たりしたことがありますが、おっぱいは出ていませんでした。安心して家に帰りましたが、インターネットでいろいろ見ていくと『黄色い液は要注意』という言葉を何度も見ました。もしかして乳癌の可能性あり?と思うと急に不安になりました。分泌物の細胞診の結果がでるのは連休明けの5月6日です。しこりもないのにガンってありますか?10日以上ある結果待ちで、手遅れなどにはならないのでしょうか?お返事いただけると嬉しいです。宜しくお願いいたします。

まずメールから推測する限りでは、乳癌の可能性は極めて低いように思います。断乳後1年半とのことですが、この時期にまだ少しの乳汁が出ることは決して珍しくありません。またその色は通常透明から白色または黄白色が多く、一方もし乳癌によるものであるとすると赤から茶色または黒っぽい分泌液が出ることが多いと思います。もちろんしこりを形成しない乳癌もまれにありますし、そのため主治医の先生も念のため超音波や分泌液の精査をされているのだと思います。万が一ガンであっても10日で手遅れになることはありませんので、いずれにせよあまり必要以上に心配せず、結果をお待ちになるのが得策かと思います。(文責 谷)

 

No.3811】 05年04月29日     K.S
造影剤アレルギーについて(HPNo.3714-2)

HPNo.3714で相談させて頂いた者です。造影剤アレルギーについて教えて下さい。今までMRI1回、CT2回受けて、毎回手の甲に広範囲ではないですが蕁麻疹がでたので、術後1年の検査時には造影剤なしでCTを、MRIは情報が半分くらいしか得られないとの事で当日に中止になりました。骨シンチのときは少々赤くなった程度です。放射線科の先生によると、もし次回造影剤を使ったときはアレルギーが強く出ることがあるという事でした。主治医の先生は造影剤なしでも撮って欲しかったようです。定期検査でMRIはどうしても必要なのでしょうか?アレルギーがある場合、これからも完璧な検査が受けられないのでしょうか。

術後の定期検査にCTやMRIはよく用いられます。これは体への影響が比較的少なく、また受ける側にとっても苦痛の少ない検査である半面、情報量が比較的多いからです。またその際、新たな影(たとえば再発のしこりなど)がもしできてきた時に、周囲組織とのコントラストをよりはっきりさせるために造影剤を用います。ところがこの造影剤にアレルギーのある方は比較的多くいらっしゃって、私自身の診療の際にも造影剤を用いないで(”単純CTなどといいます”)CTやMRIを施行することがしばしばあります。やはり一度でもアレルギー反応が出た方には、ときにショックなど強い形で現れることもありますので、原則として造影剤は使用しない方がよいと考えます。ただ造影剤が使用できないからといって乳癌術後の経過観察が不十分になるといったことはなく、それは主治医の先生が十分にフォローしてくださると思いますので、あまり心配せず主治医の先生に任せてよいと思いますよ。(文責 谷)

 

No.3810-1】 05年04月28日     H.M. 
リンパ浮腫

はじめまして。私は加古川に住む37歳で、H.16.09.16に左乳房を温存で、脇のリンパ節は郭清で手術を受けました。6回の抗癌剤治療と25回の放射線治療を3/28に無事終了いたしました。硬癌で、ステージは1、ホルモンは陰性です。治療終了後は特別な治療は何もしていません。抗癌剤で生理は半年以上止まってしまっています。そのせいか更年期障害の症状が出ています。リンパ浮腫についてお伺いしたい事があるのですが、宜しいでしょうか? 気圧の変化が腕に良くないと聞いたのですが、長時間飛行機に乗るような場合はどうすればいいですか? また飛行機に乗ると免疫力が下がると言われたのですが、どのくらいのリスクになりますか?

乳癌の手術後、腋窩郭清に伴い上肢のリンパ浮腫は懸念される合併症の一つです。確かに気圧の変化が症状に多少の影響を与える可能性は否定できませんが、飛行機に乗ることでそれほど大きく変化させるとは考えられません。また飛行機に乗ると免疫力が下がるというのは、私は聞いたことがありません。(文責 谷)

 

No.3810-2】 05年05月02日     H.M. 
腫瘍マーカー

血液検査で腫瘍マーカーの1CTPの値が7.7と正常値を超えているので少し気になります。骨シンチ検査は大丈夫でした。抗癌剤で生理が半年以上、止まっていますが、骨密度も正常値で特に問題ないようです。どういう場合に このマーカーの数値が上がるのか教えていただいてもいいですか?

TCTPは癌の骨転移のマーカーとして近年よく用いられております。正常は4.5未満とされておりますが、副甲状腺機能亢進症や甲状腺機能亢進症、高カルシウム血症などで高くなることが知られております。またそのような状態でなくても正常より高くなるケースはいくらでもありますので、骨シンチで異常がないとわかっている以上、現段階ではあまり心配することはないと思います。(文責 谷)

 

No.3809】 05年04月28日   M.H.
右脇が痛むのですが・・・

右の脇に常に痛みがあり、触ると痛みます。リンパに不要物が溜まっているとマッサージの先生から言われ、お風呂に入って強く押し揉んだところ、更に痛みがひどくなりました。2年ほど前、気になり外科を受診したのですが、「リンパが腫れてるだけです」との答え、特に薬が処方されるでもなく、「脇をそったりしているからばい菌が入ったんでしょう」との事でした。その後、脱毛にいき始め、なるべく剃らないようにして、傷をつけまいとしているのですが、痛みは一向に治まりません。生理前になると特に痛みがひどくなります。これは乳がんと関係あるのでしょうか? 病院を再度受診したほうが良いのでしょうか? 又、病院受診するとすれば、何科を受診すべきなのでしょうか? 教えてください。

腋窩の痛みとのことですが、まずメールの内容から推測する限りでは、乳癌の可能性は低いと思われます。また、もし病院の再受診をなさるのなら、やはり一般外科がまず無難ではないかと思います。確かに腋窩リンパ節が常に触れる方はしばしばお聞きしますが、痛みも常にあるとすると、やはり痛みがリンパ節由来なのかどうかも含め、再度きちんと検査されることが望ましいと考えます。(文責 谷)

 

No.3808-1】 05年04月27日   ミキ
母の乳癌

はじめまして。私の母は2003年11月に乳癌の手術をしました。第一期だったので温存療法でした。放射線治療も終え、ホルモン療法が2004年1月15日からはじまり順調だったのですが、9月頃から口内炎が出来始め、初めは治っては出来、治っては出来を繰り返し、2005年2月、3月は全く出来ず安心していましたが、3月の後半から又出来始めました。一度に5〜6個出来、病院で処方された口腔用ケナログとビタメジンカプセル25(ビタミンB)とうがい薬を貰いました。試しているのですが、治りきらないうちに次々と出来るのでかなり悩んでいます。どうしたら治りますか? 母は高血圧でテノ−ミン錠25(降圧剤)も17年間飲んでいます。何か関係あるのでしょうか? 長くなってすいませんが、宜しくお願いします。 

口内炎は食事や水分の摂取の際とても痛く、早い対処が望まれる状態ですが、反面原因やその治療においても困難なことが多いと思われます。17年前より服用している降圧剤との因果関係は少ないと思いますが、体調の優れないとき、かぜを引いているとき、胃腸の調子が芳しくないときなどによくできることは知られており、お母様に口内炎ができやすくなったのも一連の手術、放射線治療などとの因果関係は多分にあるように思います。また口腔内に何らかの原因が生じている可能性もあると思われますので、口腔外科、耳鼻咽喉科など口腔内の専門家を一度受診されるのも一法かと思います。(文責 谷)

 

No.3808-2】 05年05月08日   ミキ
母の乳癌(2)

前回の質問に対する回答、とても参考になりました。ありがとうございます。また相談があるので教えてていただきたいのですが、前回質問メ-ルをした後、耳鼻咽喉科に診察に行ったのですが、原因は分からないとの事でした。出される薬はケナログとうがいで、外科で出されるのと同じでした。母の乳癌の主治医の診断で、今、血圧以外の薬(フェアストン錠40 シナ−ル錠200 ビタメジンカプセル25)を二週間やめています。やめて6日目(4/28〜)、口内炎は少し治まってきましたが、今朝から左の背中、肩甲骨辺りが痛いと言っています。息を大きく吸ったり、横になったり、腕を上げ下ろしする際に痛むようです。昨日まではなんともなかったのに急になので、本人も分けがわからず不安がっているので相談した次第です。私自身も転移、また他の病気の疑いではないかと心配ですので、ご多忙の中とは思いますが宜しくお願いいたします。

左背部から肩甲骨周囲が痛いとのことですが、症状から推察する限りでは乳癌転移が原因の可能性は低いと思います。高血圧の治療歴があることから一番心配しなければいけない病気は心筋梗塞(初期)などの循環器系の病気ということになります。一時的に症状が軽快した場合でも、一度循環器科の主治医に相談してみてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.3808-3】 05年06月07日   ミキ
母の乳癌(3)

前回の回答、とても参考になりました。ありがとうございます。今回は乳癌の種類についてお伺いします。母の乳癌の種類は硬癌なのですが、硬癌はバラバラになって外に広がっていて、10年生存率は他に比べると、やや低い数字というのをある資料で読んで少し心配になっています。硬癌について詳しい知識がないので余計に不安です。詳しく教えていただけないでしょうか? それと、気をつけなければいけないことなど、癌の種類によって違ったりするのでしょうか? 教えて下さい。お忙しい中とは思いますが、宜しくお願いします。  

乳癌で一番多い浸潤性乳管癌は充実腺管癌、乳頭腺管癌、硬癌に分かれますが、普通これらの癌が混在しており、占める割合が一番多いもので分類しています。硬癌の占める割合の多い癌(硬癌)は、同じ大きさの他の癌よりもやや予後が悪いとされています。しかし乳癌は組織型よりもリンパ節の転移個数のほうが遥かに予後に関連しますので、組織型の違いはあまり重要視しない傾向にあります。通常の乳癌であれば、癌の種類で気をつけなければならないことはありません。(文責 吉田)

 

No.3807】 05年04月27日   MA
乳腺症について

はじめてメールさせて頂きます。30歳の既婚者で、出産経験はありません。2年程前に両乳首が激痛を伴い、腫れました。その時には内科に行き、炎症を起こしていると診断され抗生物質を服用し、2週間ほどで治りました。その後も数回同症状になりましたが、いずれも抗生物質で治りました。今年1月に左胸乳房にしこりを見つけ、また乳首にも痛みを伴うしこりがあるため乳腺外科に行った所、乳癌検診(マンモグラフィー、エコー、血液検査)を受けた結果、水が溜まっているだけで問題ないと診断されました。その後3ヶ月経っても乳首のしこりは大きくなる一方で痛みも消えないため、再度診察を受けたところ、膿が溜まっていると思われるとの事で、5mm程切開し膿を出しました。その3日後、傷が小さすぎて膿ができらないとの理由で、更に1cm追加切開しました。今は毎日通院し消毒をしてもらっています。病名を聞いた所、乳腺症でしょうねといわれましたが、完治するまでの期間はわからないと言われ、また暫くは毎日通院するように言われています。しこりができはじめてから、左胸の乳首は陥没してしまいました。陥没しているために細菌が入ったといわれましたがそうではありません。膿が出きらない場合は更に追加切開すると言われ、とても不安です。これは本当に乳腺症なのでしょうか。他の病院にも行くべきなのでしょうか。

症状や経過より拝察するに確かに乳腺症とは異なった病態であるように思われます。あるいは乳輪下膿瘍なのでしょうか?いずれにせよ私は直接拝見していませんので、これ以上のことはわかりません。ただ患者である貴女一人で説明を聞くだけでは落ち着いて説明が聞けず、聞き落とすことがあるかも知れませんので、ご家族や身近な友人等と一緒に受診して主治医の先生から一度説明をお聞きになるのはいかがでしょうか?もしそれでも納得いきかねるのであれば、他の乳腺外科を受診されるのがよいと思います。(文責 谷)

 

No.3806】 05年04月27日   K・T
乳首の皮剥け

年齢40歳の2児の母です。昨年夏頃より生理前ぐらいになると乳首が痒いなと感じ、(掻きむしった覚えはないのに)乳首の表皮が欠損(1〜2mm程度)しており黄色い分泌物が出るため、下着と乳首がくっついた状態になることがあります。始めは左の乳首がそうなり、その後右の乳首も同じような状態になり、どちらかと言えば右の方が多いです。欠損部分は何もしなくても一日から二日程度できれいに治り、今のところ湿疹もありませんが、何度も同じ状態になるので心配です。欠損する部分はその時によってまちまちです。5ヶ月前に乳癌検診を受けましたが、乳腺症とだけ言われました。パジェット病についてあまり詳しい資料がないため、症状や進行状態について教えていただけますか?

Paget病は乳頭やその周囲に生じるびらんを主症状とする乳癌の一種で、多くはゆっくりと進展します。しかし切除をしない限り自然に治癒することはなく、いずれ手術をすることとなります。貴女の場合、両側に生じており、しかもすぐきれいに治るとのことですので、Paget病の可能性は低いように思いますが、やはりぜひ一度乳腺外来を受診されることをお勧めします。(文責 谷)

 

No.3805】 05年04月27日   Y.I
5歳の女の子です

5歳の女の子です。今月(4月)初め頃、右胸の腫れに気づき、触ってみたら100円玉ほどのしこりが出来ていました。しこりの上に乳首が乗っているといった感じです。様子を見て2週間ほど経ってから婦人科で診ていただいたところ、「成長の過程なので心配ないです」と言われました。ちなみにちょうどその時期に耳鼻科で処方された花粉症の飲み薬を1ヶ月ほど飲ませていたので、そのこともお伝えしたところ、「薬の成分が頭の方にも働いて、そういう症状がでたのかもしれない」とも言われました。処方された薬(ペミラストンドライシロップ、ムコダインDS、アスベリンシロップ)です。今現在は薬は飲んでいません。飲むのをやめてから10日以上経ちましたが、胸の腫れとしこりはなくなっていません。婦人科の先生がおっしゃっていたように心配ないでしょうか? それとも総合病院などで詳しく診ていただいたほうがよろしいのでしょうか? ご回答、宜しくお願い致します。

成長期にホルモンの影響をうけ、乳腺が硬くしこることはしばしば経験することで、お子さんもこのケースだと考えるのが自然だと思います。しかし、私が直接拝見したわけでもなく、またご両親の安心のためにも、一度乳腺外来を受診されてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.3804】 05年04月25日   S.I.
脇の下と乳房の痛みについて

はじめまして。32歳の二児の母です。2年前に左胸が痛み、乳腺外科で超音波とマンモグラフィーの検査をしました。結果は乳腺症とのことでしたが、その後1年後の検診では視触診のみで、次の検診まであと半年もあります。ここ1週間、わきの下が腕を上げると痛み、左胸も押すと痛みます。また下着を着けていると楽ですが、はずすと痛みが増します。はずした状態でバンザイをすると左胸が攣れるように痛みます。とても不安です。どうかお知恵をお貸しください。

乳房は、月経周期に伴う女性ホルモンの変化によって張ったり痛んだりしますが、特に月経前2週間から月経までの間に症状が強く出現するようです。痛みに関しては人によって感じ方が異なりますが、メール内容から推測する限り、乳癌は否定的だと思います。精神的な不安を取り除き、乳癌でない事を確認するためにも、一度外科、又は乳腺外科でご相談下さい。(文責 須田)

 

No.3803-1】 05年04月25日   りんご
再発・転移が気になって・・・

はじめまして、HP見せていただいています。51歳です。血性乳頭分泌で受診、微細石灰化が広範囲にあり、非浸潤がんと言われ、今年1月末に右胸筋温存乳房切除術、腋窩リンパ節郭清をしました。病理では浸潤がん、リンパ節転移なし(17個中)、ER(−)・EgR(−)、細胞の顔つき(3)分裂(2)、しこり 5.2cm 、HER-2(3+)でした。補助療法CMF療法を6クールの予定で、現在3クール終えたところです。3月頃から手術創の近くの肋骨に沿って腫れ出し(軟らかい)、右鎖骨のすぐ下の骨へと徐々に広がって来ています。皮下に注射液が広がる時のような腫れ方で、ジリジリとした痛みの様な感覚があります。切開傷も線状にきれいになっていたのに、不規則に赤味を増し、部分的に太くなってきました。局所転移したのでは?と思うと、とても不安です。先生に診て頂いたのですが、「腫れはない、心配ない、傷はケロイドで気にしすぎ」と言われました。しかし、この腫れが気になって仕方ありません。確かに腫れていて、鏡でみても私には分かります。この腫れはいったい何なんでしょうか? 局所再発は胸壁や皮下に現れるとか書いてありましたが、どのような現れ方なのでしょうか? 私の場合の生存率と、再発・転移の確率はどの位なのでしょうか? お忙しいとは存じますが、よろしくお願いいたします。

直接診察していないので推測の域を出ませんが、局所再発の場合は、一般的には皮下に結節として固く触知しますので、現時点では再発の心配はないように思われます。ケロイドは、温まると痛痒くなり、赤みを帯びて創が膨隆してきます。術後6ヶ月頃まで膨隆が続く事もありますが、主治医の先生にご相談下さい。
患者さん個人の治療成績を評価する因子としては、病期分類より、リンパ節転移個数の方が重要です。リンパ節転移のない群の5年生存率は93.7%、10年生存率は84.7%です。貴女の場合、更に補助療法としてCMF6クール行いますので、年間再発率を26%、死亡率を18%減少させることになりますが、あまり数値にとらわれることなく、今考えられる最良の治療を受ける事が、いい結果に繋がるはずです。頑張ってください。(文責 須田)

 

No.3803-2】 05年05月01日   りんご
CMF療法後の治療について

HPNo.3803でお世話になった者です。 お忙しい中お返事をいただきまして、ありがとうございました。現時点では再発の心配はない様に思われるとのご回答に、不安だった気持ちも落ち着きました。また、「余り数値にとらわれず、今考えられる最良の治療を受けることが良い結果に繋がるはず」とのお言葉に、本当にそれしかない、頑張ろう、と改めて思いました。ところで、もう一つお聞きしたい事があります。私の場合の最良の治療についてです。今のCMF療法を終えれば、他にはないのでしょうか。CMFを終えた後のことは、主治医の先生からは、まだ何も聞いていません。ホルモン療法は適応にはならないので、これで終わりなのでしょうか。今考えられる最良の治療を受けたいと思っています。よろしくお願いいたします。

病理結果でリンパ節転移を認めず、ホルモン感受性も陰性ということですので、CMF療法のあとは無治療がもっとも考えられます。いずれにせよ主治医の先生とよく話し合って決めてください。(文責 谷)

 

No.3802】 05年04月25日   M.O. 
異型乳管過形成について(2)(HPNo.3787-2)

お忙しい中、ご回答ありがとうございました。先生のご回答を読み、MRI(1ヶ月先に予定)後の針生検はやめて、すぐ切除生検をしようと決意しました。また質問で申し訳ございませんが、以下の3つの質問にご回答願います。
1)切除生検で確実に異型乳管過形成と診断された場合、その後の治療とはどういうものがあるのでしょうか?
2)もう一つあるしこりはマンモと超音波のみ(細胞診の吸引失敗)で、「線維腺腫だから残しておきましょう」と言われましたが、大丈夫なのでしょうか? もう一度細胞診をしたほうが良いでしょうか?
3)近所の大学病院で週に1度乳腺外来を先生2人でやっているのですが、異型乳管過形成と非湿潤性乳管癌のように鑑別に難しい診断は診断後に別の病院でセカンドオピニオンをした方が良いのでしょうか? 切除生検をすれば確実に鑑別できるものですか?

1)生検で偶発的に発見された異型乳管過形成の場合、完全にとりきれている事が多く、そのまま経過観察で充分だと思いますが、とりきれていない場合は、浸潤癌が発生するリスクもあります。また、強い乳管過形成を合併している場合、或いは臨床的に癌合併の疑いがある場合には、追加切除し、病変と広がりの部分を明確に取り除く必要があります。主治医に貴女自身の状況をよく伺い、今後の治療方針をご相談下さい。
2)ご心配であれば、再度細胞診をお願いしてください。不安を抱えたままでは、精神的にもマイナスだと思います。
3)セカンドオピニオンについてですが、異型乳管過形成であると診断をつけるのは病理医ですから、生検した標本を乳腺専門医に相談するのではなく、別の病理医の意見を求める事になります。外科医が切除する事と、病理医が診断を確実につけることとは別問題です。(文責 須田)

 

No.3801】 05年04月25日   K.I. 
母乳と乳首のかゆみ

はじめまして。27歳未婚女性です。21歳の時に堕胎手術を受けたことがあり、その直後母乳がでることがありました。それ以降、妊娠もしていません。また、この堕胎手術以降、ずっと低容量ピルを飲んでいます。最近、妊娠もなにもしていないのに、右乳房からだけ母乳がでます。また、右の乳首だけ、ものすごいかゆみがあり、我慢できず掻いてしまいます。乳首はまるで水泡ができたあとのように、まるいかさぶたがたくさん出来てしまいました。これは乳がんの可能性はありますでしょうか? それともヘルペスでしょうか?(体にヘルペスができたことはありませんが、いろんな皮膚科のサイトを見ていて、かさぶたがヘルペスっぽいなと思いまして・・・。乳首にヘルペスができることはありますか?) 右乳房からのみ母乳がでるという症状は、やっぱりどこか悪いのでしょうか? よろしくお願い致します。

ヘルペスは、胸壁では肋間神経に沿って有痛性の水泡形成(かさぶた)、痂皮等の病変が起こりますので、貴女の場合、メール内容から判断する限り、ヘルペスや乳癌は否定的です。直接診察しなければ分かりませんが、乳頭部の湿疹でしょうか。一度皮膚科を受診して、相談してみてはどうでしょうか?(文責 須田)