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相談室(No.4101〜4200)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

4200 05/08/02 N.K 高カルシウム血症の治療について 加藤
4199 05/08/02 K  両胸の痛みと張りについて 加藤
4198-1
4198-2

4198-3
4198-4
05/08/02
06/02/11
06/02/24
06/04/04
H CT検査の結果について
CT検査
CT検査(2)
CT検査(3)
加藤
西川
麻賀
加藤
4197 05/07/30 A.N 豊胸手術後のしこり 加藤
4196 05/07/30 K  わきの下から乳房にかけての違和感 加藤
4195 05/07/30 Y.F.  石灰化 加藤
4194 05/07/30 F.S.  補助療法について 加藤
4193 05/07/30 Y 術後の治療について 加藤
4192 05/07/29 N.T.  しこりと痛み 加藤
4191 05/07/29 k。k ノルバデックスと無月経 加藤
4190 05/07/29 F.R. 石灰化について(HPNo.4014-2) 加藤
4189 05/07/25 N.H.  乳輪の痒みとしこりについて 清水
4188 05/07/25 H  放射線治療による影響について 清水
4187-1
4187-2
05/07/25
05/09/02
A.O. 胸のしこりと分泌物
外科的生検後の胸の変形について
清水
俵矢
4186 05/07/25 K.S.  わきの下のしこりについて 清水
4185 05/07/25 S.T.  授乳中のエコーの影 清水
4184-1
4184-2
05/07/25
05/07/29
Y・K 妊娠中の乳頭の分泌物について
産婦人科でのプレパラートの検査は?
清水
加藤
4183 05/07/25 K.S.  再発乳癌に関して 清水
4182 05/07/25 sleepy  組織診の後について 清水
4181 05/07/25 N  0期でも全摘出をしなければいけないのですか? 清水
4180 05/07/25 M.S. 石灰化と検査について 清水
4179 05/07/25 S・R 大きな腫瘍(癌)の場合 清水
4178-1
4178-2

4178-3
05/07/25
05/08/09
05/09/14
Y.T.  手術を含めた治療方法について
健側の痛み
術後の治療と腫瘍マーカーについて
清水
鈴木
千島
4177 05/07/25 W  乳がん手術後の様子について 清水
4176 05/07/25 Y. S. センチネルリンパ節生検について 清水
4175 05/07/25 N.K ハーセプチンの有効期間 清水
4174 05/07/25 Y.N.  化学療法及びリンパ節転移について 清水
4173 05/07/25 KA ノルバディックスの副作用以上に再発・健側予防に有効?(HPNo.3352-2) 清水
4172 05/07/25 T.S.  マンモグラフィーの体への影響について 清水
4171-1
4171-2

4171-3
05/07/25
05/07/26
05/07/28
S 細胞診がclass3の場合は?
細胞診がclass3の場合は?(2)
再び細胞診class3でした
清水
清水
清水
4170 05/07/25 T.T.  局所再発 清水
4169 05/07/25 APH  良性の腫瘍かもということでした 清水
4168 05/07/25 i-mi 放射線治療が終わりました(HPNo.3996-2) 清水
4167-1
4167-2
05/07/25
05/07/29
S.M UFTについて
UFTについて(2)
清水
加藤
4166 05/07/25 K.K. センチネルリンパ節 清水
4165 05/07/25 I・T  病期と術後治療について 清水
4164 05/07/25 Y.N. 夫婦生活について 清水
4163 05/07/25 A  組織診について 清水
4162 05/07/25 A.F. 胸にあるしこりについて 清水
4161 05/07/24 乳房の痛み 清水
4160 05/07/24 H.S. 骨転移の可能性 清水
4159 05/07/24 C.H. 乳がんである可能性について 清水
4158-1
4158-2

4158-3
4158-4
05/07/24
05/08/02
05/10/15
05/10/15
W.K. 腫瘍マーカーについて
腫瘍マーカーについて(2)
肝機能低下
腹水について
清水
加藤
阿部
阿部
4157 05/07/24 ssp 男性の乳癌 清水
4156-1
4156-2
05/07/20
06/02/10
N.M. カテゴリー4
クラス3
清水
緒方
4155 05/07/20 MM 乳頭とその周辺のかゆみについて 清水
4154 05/07/19 M.T.  石灰化 カテゴリー3 清水
4153 05/07/19 T.H 術後治療について 清水
4152 05/07/19 M ホルモン治療について 清水
4151 05/07/19 Y 19歳、男、乳首のしこりについて 清水
4150 05/07/17 S  乳癌の手術について 片山
4149 05/07/17 nori  しこりについて 片山
4148 05/07/17 N.K 高カルシウム血症でしょうか? 片山
4147 05/07/17 A.A 放射線治療後・首の痛みについて 片山
4146 05/07/17 Junko 両乳腺のう胞、両乳腺症 片山
4145 05/07/17 N.K 線維腺腫について 片山
4144 05/07/17 M.N 細胞診の分泌物について 片山
4143 05/07/17 N.A.  放射線について 片山
4142 05/07/17 R.S. 胸のしこりみたいなものについて 片山
4141 05/07/17 H.K 癌の疑いが非常に高いとの見解です 片山
4140 05/07/17 T  放射線治療に関して 片山
4139-1
4139-2
05/07/17
05/07/19
JMK 乳輪下膿瘍について
乳輪下膿瘍について(2)
片山
清水
4138 05/07/17 男性乳癌について 片山
4137 05/07/16 Y.K.  粘液癌の再発治療について 片山
4136 05/07/16 Y.M. 胸の痛みについて 片山
4135-1
4135-2
05/07/16
05/08/02
S.M 手術前の化学療法について
術前補助化学療法について
片山
加藤
4134 05/07/16 O.A. 粘液癌について 片山
4133 05/07/16 M.U. 首のリンパ腺の腫れについて 片山
4132 05/07/16 M.S. 断端陽性が広範囲の場合、放射線は効果があるのでしょうか? 片山
4131-1
4131-2
05/07/16
05/07/19
アロマシンとアルミデックス  
アロマシンとアルミデックス(2)
片山
清水
4130 05/07/16 N.K W期に入っているのでしょうか? 片山
4129 05/07/15 K・K 脇の下のしこり 片山
4128 05/07/15 M  ゾラデックスについて 片山
4127 05/07/15 FUJI 米粒ほどのしこりを見つけました 片山
4126 05/07/15 M.I 経過観察か細胞診かの判断について 片山
4125 05/07/15 N.S. 脇のしこりと検査手順について 片山
4124 05/07/12 G   鍼灸治療について(HPNo.3689-2) 片山
4123-1
4123-2

4123-3
4123-4
4123-5
4123-6
4123-7
05/07/12
05/07/16
05/08/06
05/08/09
05/08/10
05/10/21
05/10/29
S.F.  センチネルでの手術後、DCISの可能性あり
センチネルでの手術後DCISの可能性あり(2)
センチネルでの手術後DCISの可能性あり(3)
センチネルでの手術後DCISの可能性あり(4)
センチネルでの手術後DCISの可能性あり(5)
手術方法につき再度お尋ねさせてください
手術方法につき再度お尋ねさせてください(2)
片山
片山
鈴木
鈴木
首藤
清水
清水
4122-1
4122-2

4122-3
05/07/12
05/07/25
05/08/28
乳房切除後の胸壁照射について
抗がん剤の量について
再発・転移の可能性
片山
清水
4121 05/07/12 A.U.  細胞診 片山
4120 05/07/12 Y  胸の痛み 稲葉
4119 05/07/12 N  術後の検査について(HPNo.3967-2) 稲葉
4118 05/07/12 E.H. 良性のしこりの摘出について 稲葉
4117 05/07/12 T.M.  乳ガンの温存療法について 稲葉
4116 05/07/12 H.M. 免疫細胞療法(CD3-LAK療法) 稲葉
4115 05/07/12 M.k 温存で手術する予定です 稲葉
4114 05/07/12 R.Y. 乳首の下にしこりが! 稲葉
4113 05/07/11 T  早めに専門病院に行ったほうが良いのでしょうか? 稲葉
4112 05/07/11 Y  抗がん剤投与中の腫瘍マーカーの上昇について 稲葉
4111 05/07/11 A・K 非浸潤癌の手術について(HPNo.3959-2) 稲葉
4110 05/07/11 Y.F. 治療についての御相談 稲葉
4109-1
4109-2
05/07/11
05/07/24
M.H. 石灰化していると言われ?
石灰化していると言われ?(2)
稲葉
清水
4108 05/07/11 クラスVの結果について(2)(HPNo.4093-2) 稲葉
4107 05/07/10 M・T 胸のしこりは・・・ 稲葉
4106 05/07/10 N  骨に転移? 稲葉
4105 05/07/10 K・N しこりについて 稲葉
4104 05/07/10 太郎 ノルバデックスについて(HPNo.3993-2) 稲葉
4103 05/07/10 T 珍しい癌とのことです 稲葉
4102-1
4102-2

4102-3
4102-4
4102-5
05/07/09
05/07/16
05/07/24
05/08/02
05/10/12
なお 術後の治療の選択について
術後の治療の選択について(2)
化学療法を始めるに当たっての注意点
CEFの副作用でしょうか?
化学療法について
稲葉
片山
清水
鈴木
吉田
4101 05/07/09 mao 石灰化について 稲葉

 

 

No.4200】 05年08月02日    N.K
高カルシウム血症の治療について

以前にも質問させていただき、丁寧なご回答ありがとうございます。妻が乳がん(肝臓・骨転移あり)で、高カルシウム値が上がってしまい(2度目)、今回「ゾメタ」という薬を投与することになりました。この薬、まだ日本で承認されたばかりと聞いたのですが、大丈夫でしょうか? 又、高カルシウム血症になってしまうのは、危険な状況なのでしょうか? それともよくある事なのでしょうか? 妻は先週よりハーセプチンと抗がん剤の治療を始めたばかりです。よろしくお願いします。

ゾメタは海外で広く使用されている薬です。高カルシウム血症の程度にもよりますが、さほど高値でなければご心配ないと思います。骨転移の方には時々みられます。(文責 加藤)

 

No.4199】 05年08月02日    K 
両胸の痛みと張りについて

お忙しいところすみません。最近になって両胸が張って、とても痛いのです(思春期に成長段階で痛かったように)。41歳で、8歳と11歳の子供の母親です。強く押したら、乳輪の周りにしこりのようなものがある気がします。左脇下をおさえたら、少し痛みます。筋肉痛とも考えたのですが、強いて激しい運動をした覚えもありません。診察が必要なのか、もう少しおいておくべきなのか悩んでいます。教えてくださいますようお願い申し上げます。

ご心配ないと思いますが、念のために外科(乳腺外科)の受診をお勧めします。(文責 加藤)

 

No.4198-1】 05年08月02日     H
CT検査の結果について

妻の件でご相談お願いします。昨年7月、2*2センチの乳癌を温存で手術しました。リンパ節転移はありませんでした。先日、術後初めてのCT検査をしました。結果、肺に少し炎症がみられるが、特に問題ありませんとのことでした。心配ですが、いかがでしょうか。

放射線後の影響なども考えられますが、特にご心配ないと思います。(文責 加藤)

 

No.4198-2】 06年02月11日     H
CT検査

HPNo.4198ご相談したものです。昨年7月にCT検査をし、「肺に少し炎症がみられるが、特に問題ありません」とのことでしたが、今月肺のレントゲンをとるようにとのことで受けました。結果は異常なしでしたが、主治医から、「ちょっと早いけど、昨年7月のCTでちょっと肺に影があったので、来月CTをとってください」とのことでした。昨年特に問題はないとのことで、安心していたのですが、どのように考えたら良いでしょうか。マーカーは3カ月おきに実施しておりますが、いずれも正常値でした。よろしくお願いします。

術後の肺転移検索として行われたものと考えられます。施設により差はあると思われますが、乳癌においては肺、胸膜転移の出現の確認は胸部レントゲン検査や胸部CT検査が行われています。検査の頻度については半年から1年おきに検査する施設が多いのではないでしょうか。術後に放射線治療は行われていますでしょうか?もしも行われていらしたら、その為に肺の一部に炎症が起きることがありますので主治医に確認してみて下さい。(西川)

 

No.4198-3】 06年02月24日     H
CT検査(2)

HPNo.4950でご回答いただいたものです。放射線治療は一昨年の10月に行いました。昨年7月のCT検査は、放射線後9カ月たっていました。9カ月たっても放射線の影響はありますか。もし昨年7月のCT検査で肺転移が疑われたら、もっと早く(2月後とか)再検査をすべきでなかったでしょうか。昨年7月、影について特に問題ないといわれて安心していたのですが、改めて昨年影があったので、少し早めにCTをしてくださいと言われ、心配です。よろしくお願いします。

1) 9カ月たっていても放射線の影響は出ます。
2) CT検査はある程度の間隔を置いて検査しなければ、その変化が分かりません。担当医の指示に従えばよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.4198-4】 06年04月04日     H
CT検査(3)

妻の件で、いつも大変お世話になっております。HPNo.4198でご相談しているものです。先日CTをとりました。結果は、8カ月前と大きさは変わっていないとのことで、主治医の先生は、「転移や悪いものであるとしたら8カ月も経過しているので、大きくなっているか変化があるはず。変わっていないので、転移とかの心配いらないでしょう」とのことでした。ただ、原因はいろいろあるので特定はできないとのこと(放射線の反対側の肺でした)。また追加検査もいらないとのこと。ご相談ですが、このまま放っておいて大丈夫でしょうか。風邪とかの炎症性のものでも長い間影が消えないことがあるのでしょうか。ゾラテックス注射、そろそろ予定の2年を迎えようとしてますが、後1年延長することのメリットはありますか。以上、よろしくお願いします。

主治医の指示通りでよいと思います。ゾラデックス延長のメリットは現段階では不明です。(文責 加藤)

 

No.4197】 05年07月30日     A.N
豊胸手術後のしこり

10年ぐらい前に豊胸手術をしました。傷口はちょうど乳輪の下あたりです。そのせい?なのかもしれませんが、最近になって、ちょうど傷口の奥あたりのしこりが気になります。乳ガンの疑いはありますか? 見た目は普通で、色も特別変わりはありません。ただちょっと気になりますので・・・。お返事、お待ちしております。

豊胸術後にしこりができることもあります。乳がんであるとは限りませんので、あまりご心配されずに外科(乳腺外科)を一度受診してみてください。(文責 加藤)

 

No.4196】 05年07月30日     K 
わきの下から乳房にかけての違和感

初めまして、36才女性です。20日位前から、右脇の下あたりに、なんとなく違和感があります。痛みというほどではなく、周辺を探しても、しこりらしきものはありません。たぶんリンパ節だと思うのですが、強く押すと痛い場所があります。最初に気づいた時が生理前だったのですが、終わっても痛みはなくなりませんでした。1年前に右乳房にしこりのようなものを感じてマンモを受けましたが、断乳して数ヵ月後だったこともあり、乳腺の腫れだろうとの診断でした。またマンモの検査に行くほうがよいのでしょうか? それとも、何か別の科を受診するべきなのでしょうか? よろしくお答え下さいませ。

ご心配ないかと思いますが、念のため病院を受診された方がよいでしょう。外科(乳腺外科)でよいです。(文責 加藤)

 

No.4195】 05年07月30日     Y.F.  
石灰化

こんにちわ。いつも参考にさせていただいております。私は20代後半の女です。以前にもご相談させていたきましたが、健康診断のエコーで、のう胞・石灰化がみられるということで要精密検査になりました。再検査をしたところ、マンモの様子を先生がみられ、「のう胞は大丈夫ですし、石灰化もレントゲンをみるかぎり、光り方で悪性のものではない」と言われました。ただ左中央部分にも、目をこらすようにみると小さい石灰化がみられ、何か悪いものがあってなっている様子はないが、経過観察をという感じで、「半年後にもう一度確認しにきてください」と言われました。そこで、質問ですが、こういう状態で半年後までほおっておいてもよいものなのでしょうか? 悪性ではない石灰化というのは、なぜできるのでしょうか? 母も石灰化があるといっていました。遺伝とかはあるのですか? 良性から悪性に変わったりしないですか? 教えてください。すごく不安です。よろしくお願いします。

半年後でよいと思います。石灰化は体質と思ってください。マンモグラフィーでは大勢の方に認められます。遺伝に関しては明らかにはされていないと思います。良性から悪性に変わることは通常ありません。(文責 加藤)

 

No.4194】 05年07月30日     F.S.  
補助療法について

初めまして。7月28日に今後の治療内容を決めることになりましたので、ご相談いたします。6月1日に温存療法にて手術を行いました。切除のしこりの大きさは、直径1.5cm、T期、充実腺管癌との診断でした。手術結果においては、乳頭に向かってがん細胞があること、断端+、リンパ管の中にがん細胞があること、センチネルリンパ節(腋窩リンパ節2個)の転移はない、悪性度はU、との状態でした。尚、センチネルリンパ節については、胸骨傍リンパ節にも一つ出ましたが、肋骨の裏側ということで、それについては検査をしませんでした(気になっています)。また、ER+、PgR-、HER2:1+ です。
今後の右乳についての処置としては、@追加切除+(放射線) A放射線、 全身治療としては、@抗がん剤+ホルモン Aホルモンの選択肢を与えられましたが、7月6日に追加切除を行うことにしました。2回目の手術については、先端においてのがん細胞はないとのことで、7月28日には下記の2つの選択肢を決めることになっています。7月28日には、今後の治療方法として、@抗がん剤+ホルモン+放射線 Aホルモン+放射線の選択を決めることになっています。抗がん剤治療がBESTなものと言われていますが、ホルモン治療が可能な状態でもあり、現在の状態で抗がん剤治療を選択する必要性があるか悩んでいます。また、胸骨傍リンパ節については検査を行っていないことも、ホルモン選択に不安を持つ要因でもあります。治療効果は、抗がん剤を使用することが万全な治療方法との見識もありますが、再三、治療方法に選択肢を設けられ、悩んでしまいます。乳がんの治療方法は、これがBESTというものが存在しないのか、また自身の状況は、何を選択するのが良いのか判断基準が不明瞭な状態です。@、Aを選択した場合に各々想定されることについて、また、わたしの場合はどちらを選択したらよいのか、アドバイスをお願いします。

再発の可能性を1%でも減らすという考え方であれば、抗がん剤を行うことになります。ただ、恩恵を被れる可能性はほんの数%でしょう(100人中数人しか効果を得られないことになります)。副作用と天秤にかけることになりますが、副作用は実際に投与してみないと判らないこともあります。後悔をしないという点で考えれば抗がん剤を行っておくということになるでしょう。腋の下のセンチネルリンパ節に転移がなく、胸骨傍にのみ転移がある可能性はほんのわずかです。こちらは気にされなくてよいと思います。(文責 加藤)

 

No.4193】 05年07月30日     Y 
術後の治療について

45歳、既婚、子供なし。平成16年7月、左乳房温存術。しこりの大きさ17×15×10、断端マイナス、ホルモン感受性プラス、リンパ節転移なし。
<経過>
平成6年 左乳房乳腺症。平成10年 子宮内膜症(初期)、腹腔鏡手術。平成16年5月 マンモグラフィ検診 乳腺腫瘍の疑い、6月マンモトームによりしこり摘出。細胞診にて粘液癌と診断。術後放射線50グレイ30回。11月よりノルバデックス20mg服用。平成17年5月頃より皮下出血、腹部違和感あり。子宮が大きく腫れる。婦人科受診したところ、子宮筋腫、左卵巣のう胞ありと診断。主治医に相談したところ、ノルバデックス中止。ゾラデックスの注射を勧められる。
<質問事項> 
1)ゾラデックスは保険適用外で、1回2万円で高額と聞きました。現在経済的に苦しいのと、副作用が辛いので、ホルモン治療をやめて、乳癌検査(CT、腫瘍マーカー等)のみにしたいですが、だめでしょうか?
2)女性ホルモンが影響している乳癌患者は、大豆、大豆製品をたくさん食べてはいけませんか?

1)ゾラデックスは保険適応です。治療の継続と中止について主治医とよく相談なさってみてください(副作用は実際に治療を受けてみないとわからないこともあります)。もちろん御希望でしたら治療を中止することもできます。
2)大豆製品が良い影響を与えるとするデータもあれば、その逆のデータもあります。日常生活において通常に摂取する分には、ほとんど影響はないと思います。(文責 加藤)

 

No.4192】 05年07月29日     N.T. 
しこりと痛み

30歳、既婚、出産経験はありません。3ヶ月ほど前から、右の乳首の裏にしこりを感じます。位置が位置なので、気にしていなかったのですが、左胸とは明らかに違う塊があり(大きさはちょうど乳輪の幅ぐらい)、胸が張っているように感じます。ちょうど乳首の裏側なので、えくぼができたり、ただれたりするようなことはありません。乳房ではなく、こうした場所にあるしこりに乳がんの可能性があるのか、又乳がんでなければ、どんな理由が考えられるのか、教えてください。ちなみに、祖母は癌で亡くなっており(高齢のため、詳しい検査をすることなく亡くなりました)、母は9年前に51歳で乳がんの手術をしています。生理後に、婦人科検診を受けるつもりです。

乳頭の裏側にもがんができることはあります。がんでなければ良性のしこりや、単に乳腺が硬く触れるだけのこともあります。いずれにせよ一度病院を受診されたほうが宜しいかと思います。婦人科ではなく、外科(乳腺外科)が担当の科になります。(文責 加藤)

 

No.4191】 05年07月29日     k。k
ノルバデックスと無月経

手術後、3年経過しています。ノルバデックス服薬を開始したころは生理は順調でした。半年後に無月経になり、今も無月経です。服薬直後は3年間飲むようにとの話でしたが、その後、5年服薬が望ましいとのことを言われています。そこで、伺います。このように無月経が続いても服薬を続けた方がいいのでしょうか。

無月経でもノルバデックスは効果がありますので、服用は続けたほうが宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.4190】 05年07月29日     F.R.
石灰化について(HPNo.4014-2)

前回HPNo.4014に返信いただき、ありがとうございました。いくつか質問したいことがあり、投稿させていただきます。よろしくお願いします。放射線治療も無事終わり、現在はホルモン剤を飲んでいるのですが、母は微細石灰化が広範囲に広がっていたのですが温存手術〔四分の一〕をしました。たぶんですが、石灰化は全部取りきれていないと思うのですが、それは大丈夫なのでしょうか? 抗がん剤は3週間×4、アドリアマイシン系を投与したと思います。抗がん剤によって石灰化の癌も死滅するのでしょうか? 放射線はふつう胸全体にあてるのでしょうか? 母は病院の先生に任せきりなので心配です。読みにくい文章で申し訳ありません。

石灰化が残っていても、抗がん剤、放射線、ホルモン治療でがんをたたける可能性はあると思います。放射線は残存乳房全体にあてます(そのあと追加で切除した部位の周辺にかけることもあります)。(文責 加藤)

 

No.4189】 05年07月25日     N.H.  
乳輪の痒みとしこりについて

初めまして。30歳・未婚・出産経験なしです。左胸の乳輪に高校生の頃から直径2ミリほどの出来物みたいなものが2つあります。そして、以前から稀にですが、乳輪部分が痒くなることがあります。先日も数日間、痒みを感じていたのですが、暑い日だったので、蒸れが原因かと考えておりました。そして、昨日、左胸の乳輪の少し上の部分にしこりがあるのに気付きました。痛みはありません。なお、高校生のころ、乳輪部分に現在もある出来物とは別に、乳首を小さくしたような突起状の出来物があり、病院で診てもらったところ、無害だが気になるのであれば除去してくれるということだったので、焦がして除去してもらったことがあります。乳腺科でガン検診を受けるべきでしょうか。ご回答の程よろしくお願い致します。

Mailの内容からは悪いものの印象はありませんが、心配していないで、乳腺科もしくは外科を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.4188】 05年07月25日     H 
放射線治療による影響について

はじめまして 乳がんの相談室のホームページを拝見して、メールを出させていただきました。70歳の母が乳がんと診断されました。ステージTで、15ミリほどの腫瘍があるということです。主治医には温存手術か全摘手術かを選べと言われました。その際、温存手術には術後の放射線治療が欠かせないとも言われました。母はC型肝炎で、血小板の数が5万程度しかないということで、放射線治療がこのあたりにどのように影響するのか危惧しております。心情的には温存手術をしたいと考えていますが、放射線治療の副作用がどの程度になるのかわからず、選択を迷っております。そのあたりのことをアドバイスをお願いいたします。よろしくお願いいたします。

血小板の数が乳房温存療法における放射線治療に影響を及ぼすことはありません。血小板が5万でも放射線治療は可能です。どちらかというと、血小板が少ないのは手術に影響します。蛇足ですが、現在は温存か全摘かを選ぶというより、3cm以下の乳癌で、画像上明らかな広がりがなければ、乳房温存療法が標準治療です。(文責 清水)

 

No.4187-1】 05年07月25日     A.O.
胸のしこりと分泌物

はじめまして。今年の春からこの相談室を拝見させていただいている者です。現在34歳で、11歳と10歳の子供がいます。はっきりした時期は覚えていないのですが、五年ぐらい前に左胸にしこりを感じたので、病院で診察を受けました。そのときは線維腺腫といわれて、日帰り手術でとってもいいし、しばらく様子を見てもいいということで、忙しいのと手術というので躊躇してしまって、その後ずっと検診等も受けずにいたのですが、今年の三月頃に気になって別の病院で検診を受けたところ、線維腺腫とは言われずに、エコーとマンモグラフィーと、あと太めの針をエコーを見ながら刺して採取した細胞(だと思います)を調べた結果、「しこりはあるけれども線維腺腫ではなくて乳腺症ではないか」という診断を受けました。その後、六月にも検診に行った時に左だけではなくて右にも小さいしこりが見つかりましたが、特に気にしなくてもいいと言われました。そのときに、もし分泌物が出たり、他に何か異変があればすぐに来てくださいと言われ、八月末の定期健診の予約をして帰ったのですが、最近お風呂から出たとき、ちょっと胸が張る感じがしたときに、強めに押してみたら乳白色の分泌物が出たのですが、心配です。血液とかが混じると、即連絡したほうがいいのかなと思うのですが、白っぽいし、量も押せばでる程度なので、次の検診まで様子を見てもいいのかなとか思ってしまって・・・。あと、胸のしこりは三月の時には1センチないぐらいと聞いていたのに、六月の検診では2センチぐらいと言われました。エコーのとり方によって大きさは変わることもあると言われましたが、それも心配です。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

きちんと検診をお受けになっているようですから、続けてください。画像診断だけでつけた線維腺腫の診断が、実は乳腺症だったということは珍しいことではありません。どちらも良性疾患ですから、あまりこだわりません。乳白色の分泌物はまず心配ありませんが、気になったら受診して細胞診をしてもらってください。悩んでいるより、その方がすっきりすると思います。乳腺症のしこりの陰であれば、大きさが変わることはよくあることです。(文責 清水)

 

No.4187-2】 05年09月02日     A.O.
外科的生検後の胸の変形について

以前HPNo.4187で相談したものです。その後、当初の予定通り、昨日定期検診に行ってきました。触診の後レントゲンとエコーで検査したのですが、明らかな悪性の感じではないが、レントゲンの画像に少し気になるところがあるので、3cmぐらい切って、直径2cmぐらい取り出して詳しく検査してみようと言われました。そのほうが確実で、良性なら検診もある程度期間をのばせるということと、今のままではずっと気になるままなのとで、来週その検査をする予約をして帰ってきました。傷ができることと、形が少し変形するという説明をうけて納得したのですが、変形はどの程度なのか、今になって心配になってきました。傷に対してのイメージはなんとなくわかるのですが、変形のほうはどのぐらいなのでしょうか? 年月がたてばわからなくなる程度なのですか? なんだか聞きそびれてしまって・・・。よろしくお願いします。

穿刺吸引細胞診や針生検などの何らかの針を刺す細胞/組織検査はなさったでしょうか。通常これらの検査を経て、悪性病変の可能性を否定しきれない場合は切除生検(しこりの切除)を行うことになります。ただし病変の性質によっては、針の検査では分かりにくいものもあります。また切除後の変形の程度は乳腺をどのくらい切除するかということと、患者さんの乳房の大きさのバランスによって決まりますので、一概には申し上げられません。「明らかな悪性の感じはない」ということなので、時間的余裕はありそうです。もう一度主治医の先生とお話になって、納得されてから切除を受けられてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.4186】 05年07月25日     K.S.  
わきの下のしこりについて

1ヶ月前ぐらいに右脇の下に直径1.5センチほどのしこりを1個発見しました。去年の7月に二人目の子を出産して、その出産直後に両脇の下に複数個(片側7〜8個)できた副乳に手触りは似ていますが、痛みは全くありません。先週そのしこりを観察(?)しながら揉んだりしていたら、そのしこりから1センチ位離れた所(毛穴?)から茶色い分泌液が出てきました。どのようなものの可能性があるのか、また病院で診てもらうには何科を受診したらいいのかをご教授ください。35歳、女性。

Mailの内容からは粉瘤のようなものを想像します。まずは外科でよいのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.4185】 05年07月25日     S.T.
授乳中のエコーの影

2ヶ月の子供の授乳中に、ビー玉のようなしこりを見つけました(右胸脇近く、痛みなし)。数日でしこりは感じなくなったのですが、母が乳がんを経験したこともあり、触診、マンモグラフィ、エコーの検査を受けました。授乳中はわかりづらいという前提のもと、先生から、「マンモでは異常は見られないが、エコーに1センチくらいの影があるので、3ヶ月後にエコーの再検査をしよう。」と言われました。その際「母乳のつまりということはないか」 と聞いたら、そうかもしれないという返事でした。

1)がんのしこりは自然になくなるものでしょうか。乳腺の発達でわかりづらくなっているだけでしょうか。
2)母乳のつまりがエコーに写ることはあるのでしょうか。

1)癌のしこりが自然になくなることはありません。
2)母乳のつまり(乳瘤)は授乳中にみられるしこりの代表的なもので、エコーでわかります。(文責 清水)

 

No.4184-1】 05年07月25日      Y・K
妊娠中の乳頭の分泌物について

先日「 妊娠中の乳頭の分泌物について」で質問いたしましたY・Kです。その節は丁寧なご回答、ありがとうございました。後日、妊婦検診を受けている産婦人科でがん検査(プレパラートに分泌物をつけてどこかに送って調べるようでした)をし、やはり濃い黄色や赤やどす黒い赤い血などが出ました。1週間後、電話で結果を聞くと「再検査するように」とのことでした。その日のお昼に産婦人科へ行き、再検査しました(上と同じ検査)。結果は4日後の水曜日です。心配してなかったもので、すごく不安になっています。無意味に心配しすぎるのもどうかと思って、先生に心配度や考えられる病名など、いろいろ質問すると、「今まで乳頭からお乳以外のものが出て検査する人は結構いたが、再検査の人はいなかった」「考えられるのは乳管の方のがんかも」「再検査の結果が悪かったら紹介状を書くから、専門の先生の所に検査に行かないといけない」などなど・・・。聞けば聞くほど余計に不安になってしまいました。現在の症状としては、指でつまむと両方の乳頭から、上でも書いたように「赤い血やどす黒い血、にごった茶色、黄色、白、透明」が少量(丸く血が出て直径2、3ミリくらいです)出ます。産婦人科の先生に触診してもらったところ、しこりはありませんでした。見た目も、くぼみやハリ、腫れ、ただれなどなく、きれいです。つい先日気づいたのですが、パジャマの裏側(乳頭が当たる部分)を見ると、その分泌物のついた跡が点々とついています(寝返りを打ったりしている時についたものと思われます)。たまに乳房がつっぱるような痛さが少しあります(妊娠前の生理中などにもあったので、これはあまり気にならないです)。長々とすみません。現在の症状を先生方はどのように感じられるでしょうか? 結局は再検査の結果が出ないとわからないと思っているのですが、やはり妊娠9カ月という身で、近々どうなるのか心配で・・・。PCや本でも調べて見たのですが、どうも乳がん(初期)のような気がしてしまいます。ご回答お願いいたします。

再検査ということはclass3だったのでしょうか、おっしゃるように再検査の結果を待つしかありません。楽観的に考えれば、妊娠中に出血することは全くないことではないし、妊娠中は乳管細胞の増殖傾向が強く良性の細胞が少し悪っぽく見えたのかもしれない。悲観的にみれば、早期の乳癌が潜んでいるのかもしれない。どちらのシナリオにしても、現在しこりはないようですから、焦らず一つ一つ検査を進めていくことです。おなかの赤ちゃんのためにも、出来ることを一つずつ行って、余計な心配はしない方がよいと思います。(文責 清水)

 

No.4184-2】 05年07月29日      Y・K
産婦人科でのプレパラートの検査は?

「妊娠中の乳頭の分泌物について」で相談しましたY・Kです。先生のおっしゃる通り、赤ちゃんのためにも余計な心配は再検査の結果が出るまでしないようにします。ところで私が受けたタイトルに書いてある検査は、どこまでのことがわかるのでしょうか? 色々なHPで調べましたが、細胞診の検査で良性か悪性かがわかる検査だと思っているのですが、間違いないでしょうか? お返事よろしくお願いいたします。

分泌物の細胞診は、あくまでも良悪性の鑑別の手助けの一つとなるもので、絶対的なものではありません。画像等を含めて総合的に診断することになると思います。(文責 加藤)

 

No.4183】 05年07月25日      K.S.  
再発乳癌に関して

2003年11月に左乳房癌と宣告されました。リンパ節をとり、乳房同時再建手術をしました。その後タキソールを4クール行いました。その時の病理結果は、6.5×3.5センチ、ホルモンレセプター陰性、硬癌、ハーツー受容体3+、遺伝子治療可能、とのことでした。今月に入り、定期検診にてしこりがみつかり、病理にまわしたら癌だったことが判明。左大胸筋リンパ線にがん(1.5センチ)、CTスキャンにはいったら、右肺に5mmの転移性がんが2個とのことです。他の病院で、これから骨シンチ、そして他臓器に転移があるかどうかを検査することになっております。そこで、質問です。
1) 転移性の乳癌というのは、現在の医学では10年生存率は何パーセントなのでしょうか? 完治は難しいといわれていますが、延命治療ということになるのでしょうか?
2) 抗癌剤を受けながら、東洋医学も受け入れ、尚且つ自然療法も受け入れる統合医療というのは、今この日本ではどのくらいの患者さんが利用しているのでしょうか?
3) ハーセプチンは利用可能でしょうか? 主治医はAC療法をまず投与するとおっしゃっています。それが効けばやらないとおっしゃってますが、私はハーツーが高感度なので、この薬剤は最初から、しかも単体利用というのは可能なのでしょうか?

お忙しいところ申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。

1) 乳癌の転移が見つかった場合、現時点では完治は難しいと考えた方が良いと思います。乳癌で再発した方の生存の中央値(再発した人が100人いたとして、再発後死亡までの時間の短かった人から順番に並べて50番目の人が生存できる時間)は約2年から2年半と言われています(もちろんハーセプチンのない時代のデータです)。ただし、現在の治療法は日々進歩していますから、もう少し延びるかもしれませんし、その間に完治する方法が見つかるかもしれませんので、現時点では癌があることを受け入れてQOLを保ちながら延命する治療を選択することになると思います。
2)統合医療を行っている患者さんは少なくないと思いますが、病院で統合医療を行っているところは非常に少ないと思いますので、病院の治療を受けながら自分で東洋医学や自然療法を見つけて行っている方が大部分だと思います。
3)ハーセプチンの使い方は難しいのです。よく効く薬なので大事に使いたいとも思うし、使い始めたら止められないとも言われていて、早くからこんなに高価な薬を使ってよいのか?単独より抗がん剤との併用の方が良いことは判っているのだが、副作用が少ないという特徴を生かして奏功率は低くとも単独療法に挑戦すべきか? 新しい薬だけにまだまだ使い方が難しいのです。貴女にとっては切り札になる薬剤ですから、主治医の先生とよく話し合って、悔いのない使い方をしてください。(文責 清水)
 

 

No.4182】 05年07月25日      sleepy 
組織診の後について

初めてメールさせて頂きます。37歳独身女性です。まず、今までの経過についてお話させて頂きます。昨年末くらいに左胸にしこりらしきものを感じ、乳がん検診を受ける事に。ただ、今まで検診を受けた事がなかったので、触診にも少し抵抗があり、女性外来(乳腺)のある病院を探し、電車で1時間近くかかるA病院で検診を受けました。マンモグラフィーでは悪い感じはなく、超音波では黒く写っていましたが、のう胞内乳頭腫であろうとの事でした。しかしその時に、透明っぽい分泌液があり、検査された結果クラス3との事で、乳腺外科の先生に相談して下さいと言われ、そのままA病院の乳腺外科の診察を受ける事になりました。そこでまず細胞診を受けましたが、それもクラス3。最終的に確定診断と、今後腫瘍が大きくなってからでは傷も大きくなるからと言う事で、腫瘍を取って組織診をしてもらう事になり、外来手術を受けました。しかし、病理の先生も判断しかねるという事で、なんでも病理検討会とかいうものに持っていって判断するとの事。結果、一部癌化していると言われる先生がいらっしゃったというので、乳がんとしての治療を薦められましたが、良性を否定出来ないという先生もいらっしゃったと言う事は認識しておいて下さいと言われ、そこまでいくと転移でもしない限り悪性と断定出来ないとおっしゃいました。良性の可能性もあるのに、悪性の治療をするというのも納得がいかず、知り合いに相談をした所、その病院はスタッフもいないし良くないとの話で、電車で2時間くらいかかる乳腺専門のB病院を紹介してくださり、A病院で紹介状やレントゲンフィルム等の資料をかりてきて診察を受けました。B病院の病理の先生の判断は、境目ではあるが悪性は認められないとの診断でした。でも、定期的に近くのA病院で診察を受けて下さいと言われました。・・・というのが、今の状況です。そこで質問ですが、この定期的というのは、いったいどれくらいで、その時の診察方法はどういうものなのでしょうか? 今、組織診のあとが硬くなっているのですが、誰もそうなるものでしょうか? こんなおおごとになるとは思っていなかったので、病院選びも慎重にはしませんでしたが、もっと近くに大きなC病院があり、乳腺外科もあるようなのでC病院での診察を受けたいのですが、私はやはりA病院での診察を受けるべきなのでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、教えて頂けないでしょうか。お願い致します。

我々も似たような例を経験しますから、貴女の不安な気持ちはよく理解でできます。Mailの内容から推測するのは、乳管内乳頭腫で、乳頭状病変の部分が乳頭癌なのか良性の乳頭腫なのか病理の先生によって見解が異なっている状況と考えます。このような場合、貴女が行ったセカンドオピニオンを受けることがbestの選択です。その結果、やはり悩ましいのであれば、通常は追加の治療はせずに3ヶ月に一度くらいの診察と6ヶ月から1年に一回のマンモグラフィーとエコー検査をすることが勧められます。その根拠は、このような例はほとんどが嚢胞内乳癌で嚢胞とともに取りきれていること。癌かどうか悩むくらいですから、浸潤癌ではないこと。以上のことより、この場合一部が万が一癌であっても、全身への再発の心配はなく、心配なのは乳房内再発だけですから、このまま経過観察でよいのです。組織診をした後は傷の下は固くなります。C病院を選択するかどうかは貴女の判断ですが、今後の通院は長くなりますから、通院しやすい病院、自分と相性のいい先生を選ぶのがこつでしょうか。(文責 清水)

 

No.4181】 05年07月25日      N  
0期でも全摘出をしなければいけないのですか?

お尋ねします。乳管内乳頭腫かガンか見極めるために小葉区分切除を行い、ガンと言われました。乳管内にとどまっている非浸潤ガンだが、切除した部分の外側にも広がっている可能性があり、しかも乳管が乳首の直下から全体に広がっているので、全摘出を勧められています。0期でも場所が悪ければ全摘出ということになるのでしょうか。

おっしゃる通りです。乳癌の病期と乳房温存は関係ありません。かえって、逆の関係があるくらいです。その理由は、乳癌で最も問題となるのは内蔵への再発です。内蔵の再発の危険がある場合(浸潤癌の場合)、乳房を全部切除して乳房内の再発を抑えることより、大事なことは全身への化学療法やホルモン療法を行うことで、乳房については切除しても温存してもどちらでもよいのです。どちらでもよいから、温存が増えるのです。しかし、非浸潤癌の場合は内臓への転移の危険性はほとんどありませんから、全身への治療は不要です。となると、次は乳房内再発の問題です。乳房全摘すれば乳房内再発の可能性はゼロになり、乳房を失った代わりに全身再発、乳房内再発ともに、その可能性がなくなります。非浸潤癌で乳房温存をした場合、放射線治療を加えれば乳房内再発の可能性は約5%です。この5%の乳房内再発の心配と乳房を失うことを天秤にかけることになると思います。医師の気持ちとしては、たとえ乳房内再発で生命予後に影響ないといっても自分が手術した後で再発されるのは気分よくないので全摘を薦めたがる傾向にあります。(文責 清水)

 

No.4180】 05年07月25日      M.S.
石灰化と検査について

こんにちは。この度はじめてこちらのサイトを知り、メールさせていただきました。私は30歳の主婦で、まだ出産経験はありません。20代前半から生理前に右はほとんど痛みがないのに左乳房だけがズキズキと痛むことがあり、生理中〜生理後にも上から押すと痛みがあるので気になっていましたが、触ってみても全体に硬い感じはあるものの特にしこりというものは感じられず、もともと左の肩こりがひどく、肋骨も痛むことがあるので、肩こりや肋間神経痛の影響もあるのかもしれないと思い、乳腺外科のような専門外来を受診したことはありませんでした。30才から乳がん検診の対象ということで、ずっと気になっていたこともあって、先日、市の乳がん検診(視触診、マンモグラフィ)を受けました。昨日その結果が届いたのですが、視触診は「所見なし」だったものの、マンモグラフィの結果は、左乳房に「石灰化病変(部位UM、散在性)」とあり(UMは上半分の位置です)、判定は「B=要経過観察(1年後)」でした。「現時点では、乳がんの心配はありませんが、下記の所見がありますので、1年後に検査を受け、経過を追ってください」とも書かれていました。「石灰化病変」がどういう意味なのか分からず、気になってインターネットで調べているうちに、石灰化にも良性、悪性があると知り、痛みのこともあってとても不安になってきました。 診断結果にはカテゴリーの表記はなかったので、果たして良性の診断と取ってよいのか、経過観察とはいえ、1年も間があいてしまって大丈夫なのか、とても不安です。そろそろ出産をとも考えていたのですが、良性か悪性かはっきりしないまま妊娠してしまって大丈夫なのか、それとも、やはりハッキリさせてからにするべきなのか、困惑しております。もし詳しく検査した方がよい場合、どのような病院を選べばよいのでしょうか。 石灰化の場合はマンモトーム生検が適切と、いろいろなサイトに書かれていましたが、費用的にはどのくらいかかるものなのでしょうか。最新設備の整った専門クリニックのHPを見ましたが自由診療となっており、どのくらいの費用がかかるのかも不安です。(「ステレオガイド下吸引式針生検」というものが最新の技術と考えてよいのでしょうか?) 保険適用でこのような最新の検査を受けられる機関もあるのでしょうか? それとも自主的に検査を受ける場合には、基本的に保険外診療になってしまうのでしょうか。せっかく詳しく調べるなら、治療に定評があって設備の整った病院で診てもらいたいとも思いますが、そのような大病院にいきなり行っても、やはり紹介がなければダメだったり、経験のある先生には診ていただけないものなのでしょうか。とにかく全く知識が無く、身近に経験者もいないので、どうしたらよいのか分からず、不安でしかたがありません。なにか参考になるご意見、アドバイスがありましたらお聞かせ願えればと思います。お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願いいたします。

乳癌検診を受けた時に初めて届く検診結果には皆さんドキドキされるようです。結果を通知するほうとしても、いたずらに不安感を煽ってもいけないし、かといって簡単に異常なしと書いて安心させて、あとで違ったのではないか言われるのも困るので、大丈夫でも念のために来年も必ず受診するように書くのです。話はそれましたが、散在性の石灰化はcategory2ですから”異常なし”なのです。だから、一年後で良いのです。ちなみにcategory3以上では、すぐに精密検査を受けてくださいになります。したがって、妊娠もまったく問題ありません。蛇足ですが、マンモトーム検査は保険適応になっています。但し器械を持っている病院はそんなに多くはありませんから、HomePageなどで近くの病院を調べてから受診されると良いと思います。(文責 清水)

 

No.4179】 05年07月25日      S・R
大きな腫瘍(癌)の場合

母が細胞診の結果、乳癌と確定しました。腫瘍部分もかなり大きく、部分切除では無理という事で全摘になる様です。
1) かなり進行しているのでしょうか?
2) 腫瘍が大きくても、リンパ節に転移していない事もありえますか? かなり大きいということを聞き、とてもショックです。
3) 全摘レベルの場合、副作用が強いと言われる抗癌剤の投与は避けられないでしょうか?
4) 抗癌剤を投与しても副作用が全く出ないという事もありますか?

ご回答お願いいたします。

1) しこりの大きさだけでは進行度はわかりません。最低でもリンパ節が腫れているか、しこりの大きさはどのくらいかを主治医の先生に聞いてください。
2) しこりが大きくてもリンパ節に転移がないこともあります。
3) 全摘(乳房切除)をするか乳房温存するかは、乳房内再発を防ぐかどうかの問題ですから、乳房切除をしたからといって再発のリスクが減少する訳ではありません。手術後に抗がん剤治療を行うかどうかは、リンパ節転移の有無や組織の悪性度、ホルモンレセプターの有無などから総合的に判断されますから、乳房切除をしても、乳房温存をしても行う治療法は同じです。素人の方はどうしても、癌が大きい- >進行している->だから全摘->その後は抗がん剤と考えてしまいますが、乳房を切除するかどうかは乳房内再発させないようして、かつ形よく乳房を残せるかどうかが決定因子であり、抗がん剤を使うかはどうかは、全身への再発のリスクがどのくらいあるかを評価して決めます。しこりの大きさとたちの悪さも必ずしも一致しません。たちの悪さは手術後の病理の結果で推測します。
4) 抗がん剤の副作用はケースバイケースです。また、やってみなければわからないという側面もあります。(文責 清水)

 

No.4178-1】 05年07月25日      Y.T.
手術を含めた治療方法について

初めて御相談致します。52才、閉経1.5年。右乳房の乳頭真裏の大きさ3〜4センチのしこり(乳頭陥没)。浸潤癌の硬癌。ステージ2。(マンモ、エコー、針生検、MRI)エコーではリンパ転移は認められず。
<経過>
1.昨年10月頃から右乳首のかゆみと少しの陥没。
2.本年2月頃に右乳首の下にしこり。(しこりは、逃げる感じで、日によっては確認できない事も)
3.本年4月しこりをはっきり確認。(しこりは乳首の真裏から下にかけてあり、その方向に乳頭陥没)
4.今月乳腺専門医にてマンモ、エコー、針生検、MRIを受診。上記診断を受ける。 
      
右乳首のほぼ真裏に3センチ程のしこりで、場所的に温存よりは乳房切除を選びたいと言われました。温存の為の治療も可能だが、乳頭を残す事はリスクが高い。

<質問事項>
1) 一般的判断は乳房切除ですか。
2) 浸潤癌の硬癌の性格と悪性度を教えて下さい。
3) 娘核節とは何ですか。

お忙しいと思いますが、宜しくお願い致します。

1) 乳頭直下にあって乳頭陥凹があって娘核結節があれば、原則として乳房切除が勧められると思います。無理をして乳房温存をした場合は乳房内再発のリスクが高くなります。どうしても温存療法をご希望される場合は術前化学療法をお勧めします。というより、米国などではこの程度の大きさであれば積極的に術前化学療法が勧められているようです。
2) 硬癌は、浸潤性乳管癌の一つですが、特別予後が悪いということはありません。通常の乳癌として、いろいろなデータが使えます。
3) 娘核結節とは、主腫瘤以外に子供(娘)のしこりがあるということで、乳癌が広がっていることを示します。予後は主腫瘤の大きさで決めますから、娘核結節があってもなくても変わりません。(文責 清水)

 

No.4178-2】 05年08月09日      Y.T.
健側の痛み

お世話になります。No.4178で相談させて頂きました。他院でのセカンドオピニオンも同診断で、どちらの病院でも丁寧な説明を受け納得もし、8/18に乳房切除の手術を致します。この2週間ほどですが、健側の胸(鎖骨から脇の下、肩甲骨、首)の痛みがひどく、心配しております。日常動作や咳、深呼吸にも痛みがあり、眠れません。痛み止め(ロキソニン)も効きません。
1)今の段階で骨に転移しているという事はありますか?  また、どのようなものが想像されますか?
2)もし悪いものだった場合、一般的にどのような対処ですか?
3)痛みが精神的な場合、適切な薬はありますか?  また、このままの状態で手術をして問題はありませんか?(切除した痛みと、残った胸のこの痛みに耐えられる自信がありません。)

しこりの大きさが3cmと大きいので、骨転移の可能性はあります。術前に骨転移の有無を検査してはいかがでしょうか?もし、検査をしてあって、問題なしというのであれば、精神的なものではないでしょうか。その場合は、不安を取るような薬、安定剤みたいなものを処方して頂いてはいかがでしょう?いろいろ悩まれて手術に臨むわけですから、不安はわかりますが、落ち着いて、主治医を信頼して手術をお受け下さい。(文責 鈴木)

 

No.4178-3】 05年09月14日      Y.T.
術後の治療と腫瘍マーカーについて

お世話になっております。HPNo.4178でご相談させて頂きました。こちらのHPや主治医の先生に勇気をいただき、8/18に右乳房切除の手術を致しました。結果、腫瘍径:2センチ、脂肪と乳頭皮膚に一部浸潤、リンパ節転移:無し(0/12)、核異型度:1、リンパ管浸襲:0、静脈内浸襲:0、ER:+、PGR,HER2:-、8/30よりアリミデックス(5年間)の服用が始まりました。
1) 一般的な治療として抗癌剤は必要ないのでしょうか?
2) アリミデックスの副作用(骨量減少以外)はどのようなものがありますか? 飲み続けるに際しての注意はどのようなものがありますか?
3) 手術前の腫瘍マーカーが、CEAが2.7、CA15-3が7.5でした。癌を持っている状態でも健康な値が出るのでしょうか? もしそうなら、今後の腫瘍マーカーの数値はどのようにみていけば宜しいのでしょうか? 3ヶ月毎に採血のうえ腫瘍マーカーを調べるとの事ですので、判断の目安を教えて頂ければと思います。

宜しくお願い致します。

1) 日本では抗がん剤を投与しない施設が多いと思いますが、一部の施設や米国などでは抗がん剤を投与する可能性もあります。
2) アリミデックスで一番問題となる副作用は、手指を中心とした関節痛です。特に朝起き掛けに強く出現し、しばらくすると改善してきます。アリミデックスが服薬中止となる主原因はこの関節痛です。ホルモン剤とはいえ、いろいろな副作用がありますので、詳細については主治医から説明を受けるようにしてください。
3) むしろ手術前の乳がん患者さんで腫瘍マーカーが高値を示すことの方が少ないと思います。乳がんの再発時には腫瘍マーカーが高値となることもありますが、再発初期で腫瘍マーカーの上昇を認めるのは、全再発患者さんのうち50%前後です。(文責 千島)

 

No.4177】 05年07月25日      W 
乳がん手術後の様子について

はじめまして。実の母(58歳)ですが、2003年4月に同時両側性乳がんで、胸筋温存乳房切除術で左右両方の手術をいたしました。その後、ホルモン療法(ノルバデックス)5年間、抗がん剤(アドリアシン、エンドキサン)3週間に一回を、6回治療いたしました。現在はホルモン療法だけですが、ここ数ヶ月、両腕のむくみが取れません。たまに気持ちが悪く、はいたり、疲れやすかったりします。右腕に帯状疱疹もできてしまいましたが、お薬の影響、副作用は関係しているのでしょうか? また、ホルモン療法、抗がん剤の副作用は、2年近くたつ現在でも影響するものなのでしょうか? よろしければ教えてください。宜しくお願いいたします。

両腕のむくみは手術の影響によるもので、薬の影響ではありません。抗がん剤の影響が2年半後に現れることはあまりありません。むくみについては、マッサージやスリーブの装着などをお勧めします。(文責 清水)

 

No.4176】 05年07月25日      Y. S.
センチネルリンパ節生検について

はじめまして。先生方が多くの質問に真摯にお答え下さっていて、大変参考になります。私もぜひアドバイスをいただきたく、メールを送らせていただきました。
60歳の母が右胸に違和感を感じて受けた2週間前の初診で、2センチ弱のしこりが見つかりました。他には転移は見られず、右脇リンパ節は多少腫れているようにも見える、とのことでした。こういう段階においては乳房のしこりとその周辺および腋窩リンパ節の廓清が現在の標準治療であり、先生もその方針でいらっしゃるとのお話でした。しかし、母はリンパ節の廓清に不安を感じており、センチネルリンパ節生検を希望しております。私も、母が手術や治療を頑張って乗り越える時、あるいは乗り越えた後に、(乳房のみの手術でも、いろいろな違和感は避けられないとは思いますが)リンパ浮腫や知覚の障害などで別の悩みを抱える可能性があることを考えると、リンパ節の廓清は出来るだけ避けたいと考えてしまいます。先生はどうしても希望するなら色素法で検査します、とおっしゃって下さいましたが、色素法のみによる生検では同定率が落ちる、という資料をいくつか目にしました。また、実際に検査を行う経験数に同定の精度もある程度比例して上がるという話も耳にし、あまり積極的には検査を実施していらっしゃらない様子に、お願いしてよいのかと勝手に一抹の不安を覚えているところです。
その先生は乳腺の専門医で、私たちの疑問にも根気強く丁寧に的確に回答してくださり、セカンドオピニオンも受けられるように速やかに資料一式を用意して下さった、とても信頼のおける素晴らしい先生でした。その資料を持って早速大きなガン専門病院の乳腺科(積極的にセンチネル生検を実施)に行き、お話を伺ってきましたが、そこの先生は、先の先生の診断は全て正しいとのご意見で、センチネルリンパ節生検の同定率や精度については私たち素人が考え過ぎても意味がない(専門家の先生方も模索している最中なので)とのことでした。先生によって慣れた方法でやっているものだともおっしゃっていました。専門性と施設のよさ、症例数がとても多い(早期の患者の殆どにセンチネル生検を実施している)こと、ここの先生も素晴らしい先生だったこと等から、後者の病院がより良く思えてしまうのですが、1)手術は3ヶ月待ち、2)術後の治療に通うのは無理(恐らく前者の病院に放射線治療など依頼することになる)ということ、また早期なので、そこまで考えず、最初の先生にお願いするべきなのか(家に近く、手術も1週間後にはしてくださるとのこと)と、母共々考えがまとまらずにおります。明日、考えをまとめて先の先生にどうするかお話する予定になっておりますが、

1) 60歳という年齢で早期の場合、3ヶ月という期間はどのように影響するのものなのでしょうか。リンパ節の状態に大きく影響しないでしょうか。
2) 先の先生に(色素法で)センチネル生検をお願いすることについて、素人の私たちが懐疑的に考えすぎでしょうか。

大変長くなりすみません。お返事いただけると有り難いです。

1) 診断から手術までの時間についてはよく聞かれる質問ですが、原則として心配ありません。もちろん、短いにこしたことはありませんが、3ヶ月待ちの病院の治療成績が悪いかというと、そんなことはありません(そんなことがあったら大変なことになります)。一番の問題は待っている間の心理的なストレスだと思います。
2) 確かに色素法よりRI法の方が同定率が高いことが知られています。しかし、基本的にはその施設の条件に合った方法でその施設がやり慣れた方法が一番良いのではないでしょうか。だからといって、先生にすべてお任せという姿勢はよくありません。懐疑的というのはなく、十分質問し、説明を受けて、その結果納得したら治療をお受けになったら良いのではないでしょうか。その場合、病院の事情、お母様の気持ちの問題なども当然加味されて考えなければならず、世の中で一番良い方法がお母様にとって一番良い治療方法とは限らないと思います。(文責 清水)

 

No.4175】 05年07月25日      N.K
ハーセプチンの有効期間

以前、妻が乳がんの4期に入ってしまいご相談させていただきました。妻の治療方法が決まり、ハーセプチンが使えるようなので、抗がん剤と併用して使うこととなりました。ハーセプチンは6ヶ月ほどしか効かないと本で読んだのですが、有効期間があるのでしょうか? 医師はとりあえず1年間使いましょうとのこと。効き目が無くなったらどうなるのでしょうか? 教えてください。よろしくお願いします。

ハーセプチンは6ヶ月しか効かないというのは何かの勘違いではないでしょうか、そのようなことはありません。ハーセプチンが効かなくなったからといって止めると、もっとひどくなることが経験されていますので、どちらかというと4期の乳癌で使用する場合、一生使い続ける可能性があります。(文責 清水)

 

No.4174】 05年07月25日      Y.N. 
化学療法及びリンパ節転移について

はじめてご相談をさせていただきます。平成17年2月に左乳房温存手術をうけました。60歳、閉経後で、腫瘍径1cm、浸潤性入管癌、ERおよびPgRとも+、Her2−、悪性度Grade3、リンパ節郭清(リンパ節転移陽性2/9)、断端陰性、術後に3月11日より4月26日まで放射線治療25回終了、5月9日より7月15日まで化学療法EC4サイクル終了(ファルモルビシン90mg、エンドキサン900mg)、現在アリミデックス服用中(5年間予定)、Stage3a(T1N2aM0)。ご相談は、
1) 術後化学療法はEC終了後Tの抗がん剤を受ける必要はありませんか?
2) リンパ節転移は陽性で2/9ですが、互いに癒着していたためN2aと説明をうけました。互いに癒着しているということの意味(なぜ癒着しているのか、単なる転移との相違は何?、予後への影響、腫瘍径の割にリンパ節転移が重いことの理由や意味等)をお教えください。

ご多忙中恐縮ですが、お教えいただければ大変嬉しく存じます。よろしくお願い申し上げます。

1) リンパ節転移陽性乳癌であれば、ECの後にTaxaneを加えた方が再発のriskが減少することが知られています。現時点でのSt Gallenの推奨(2003年版)はECですが、今年の1月の会議ではTを加えることを標準治療として推奨しようということになりましたから、8月に予定されている最終報告(2005年版)ではTが加わることが予想されています。
2) N2aというのは手術前に触診で固いリンパ節が相互に固着して触れる場合の表現です。実際に癒着があったわけではないと思います。また、実際には癒着があろうとなかろうと術後の経過に影響を及ぼすことはありません。影響があるのは転移があったか、なかったか、あったとしたらその数は3個以内か4個以上かです。確かに腫瘤径が1cmでリンパ節転移があったというのは、できた癌のたちが悪いと思います。であればよけいしっかりした術後補助化学療法をお勧めします。(文責 清水)

 

No.4173】 05年07月25日      KA
ノルバディックスの副作用以上に再発・健側予防に有効?(HPNo.3352-2)

HPNo.3352でご相談したKAです。その節は、本当にありがとうございました。マンモト−ムの結果は、「石灰化は良性」とのことで、まずは安心でき、ホッとしています。その後、無治療でしたが、5月中旬に生理がきたので、ノルバディックス20mgを処方されました。左耳に水が入った感じが時々するようになりました。重い副作用は無いものの、再発と健側乳房の予防のためには子宮体がんの増加の危険より有効と考えるべきでしょうか? それは数値で表すとどのようなものでしょうか? 覚悟が決まっておらず、飲み忘れることがあります。主治医から、「貴女のがんは、ほとんどが非浸潤がんであったが、ホルモンの反応が強陽性なので使わないのはもったいない」という説明がありました。お忙しい中、よろしくお願い致します。

子宮体がんの正確な発生率は知りませんが、全年齢通して1000人に1〜2人くらいでしょうか、国立がんセンターのwebでは発生率の最も高い50歳代で10万人あたり15?20人とあります。米国でのノルバデックス(TAM)の乳癌予防試験でTAM投与群は偽薬群に比し子宮体がんが2倍増えると言われています。一方、反対側の乳癌の発生率は年0.7%、10年間で7%あります(乳癌を手術した人1000人中70人は10年以内に反対側乳癌になるという計算です)。TAMがこれを低くすることは知られていますが、正確な数字はいろいろな因子があって正確には把握できません。更に、TAMはその方の再発のリスクに対して再発の予防効果が加わります(これも数字は状況によって異なります)。これらの数字から米国では、TAMによるmeritの方が、demeritより大きいと判断しています。KAさんの場合、ほとんどが非浸潤癌で、多分リンパ節転移はなかったのでしょうから、乳癌の再発のリスクは低いので、期待されるTAMの効果は反対側の乳癌の予防であり、心配される副作用は子宮体がんです。前述の数字からは対側乳癌の予防効果の方がやや勝っているように思いますが、その差はそれほど大きくありません。となると、あとはKAさんの考え方で、対側の乳癌は定期的な検診で見つければ良いと考えてTAMを内服しないのか、TAMを内服して定期的な婦人科検診を受けるか(その場合でも定期的な乳房検診は必要ですが)の選択だと思います。(文責 清水)

 

No.4172】 05年07月25日       T.S.
マンモグラフィーの体への影響について

昨年、線維腺腫との診断を受け、定期的な検診を勧められました。今年も検診を受ける予定なのですが、マンモグラフィーも行なうとのことでした。現在妊娠はしていないのですが、妊娠を希望しています。排卵や着床前であればX線は影響しないのでしょうか?

原則として、妊娠していなければX線の影響はありません。また、妊娠に気がつかないくらい初期であった場合であっても、マンモグラフィーは下腹部への被爆は少ないのでほとんど影響ありません(もちろん妊娠と判っていれば撮影しないにこしたことはありませんが)。但し、線維腺腫のfollowのためにマンモグラフィーが必要かどうかは議論があります。乳癌の発見効率と放射線被爆の危険性を考慮した国の推奨は”40歳以上の女性が2年に一度のマンモグラフィー検診”です。(文責 清水)

 

No.4171-1】 05年07月25日       S
細胞診がclass3の場合は?

40歳、既婚、子供なしです。やせ型、親戚にガンはいません。今まで人間ドックの触診のみの検査だったので、マンモも一度はと思い、乳せん外科のある大学病院に行きました。結果は、触診で5ミリのしこりがみつかりました。マンモとエコーから、担当医の先生は「100%ガンではないと思うが、念のため」という事で穿刺細胞診をしました。結果は、クラス3。aとかbとかはありませんでした。「どちらともいいがたいが、たぶん乳腺症」との回答だったそうです。それなので、もう一回穿刺細胞診をしました。今、その結果待ちなのですが、「今回もクラス3以下ならば、まだ5ミリだし、マンモとエコーからはガンとは思えないので、3ヵ月後の経過観察でよいと思います。」と言われましたが、それで大丈夫なのでしょうか? クラス1、2ならそれで納得しますが、3ならばとって(生検?)しまった方がいいのでは?とも思います。先生なら、どういう診断にしますか? クラス3の場合、こちらから強くとって下さい!といったほうがいいのか、経過観察でいいのか、とても迷っています 。

私は、細胞診がclass3であれば、たとえ5mmでも原則は摘出生検だと思います。 どうしても手術が嫌だと言う場合は針生検を行います。それも嫌だと言われれば経過観察です。(文責 清水)

 

No.4171-2】 05年07月26日       S
細胞診がclass3の場合は?(2)

お答え、有難うございます。担当医の先生が、マンモとエコーで「100%ぜったいガンではない」といいきったにもかかわらず、もし2回目も、クラスV以上になった場合、担当医の先生をこれから信じていってよいものでしょうか? なぜ「100%、ぜったい」という言葉を医師は使うのですか? 100%といわれた後、「あやしかったからもう1回」と言われ、また1週間またされる患者側のショックは、はかりしれないものなのです。大学病院なので他の医師は沢山居ます。其の中の、他の先生に担当をかわってもらう、又はマンモやエコーを他の先生にも診てもらいたいと願い出るのは失礼ですよね? 先生の場合は、5ミリのもので、ご自分がマンモとエコーで100%違うと思っても、細胞診でクラスVならば次のステップに行くということですよね? こちらの相談室の過去ログをいくつか読ませて頂きましたが、私と同じような状況の質問で、「経過観察でいいではないか?」とお答えになっていた記事も読みました。そのあたりが、自分のあたった医師によって違う...というのは患者側はどうしたらよいのでしょうか? 知識もない患者に、やりたいなら「自分で決めろ」という事になるのですか? 愚痴のようになってしまいましたが、正直な気持ちです。よろしくお願いします。

class3であったら組織生検を行うというのは、マンモやエコーの所見も抜きに考えた、あくまでも原則論です。実際にはケースバイケースで考えています。もっとも、私には5mmのしこりがマンモとエコーで100%癌でないなどと言い切る自信はありません。ここで、ぜひ皆さんに理解していただきたいことは、mailの相談室には限界があるということです。実際に診察をし、レントゲンをみて、細胞診のコメントをみている訳ではありませんから、質問されている方へbestの回答ができているとは思いません。一つの原則論や一つの意見を提示して、それをもとに主治医の先生とよく話し合っていただきたいのです。ですから、時にはアンチテーゼのような回答もあります。回答している医師達は全くのvolunteerで、mail の回答に限界があることは知りながら、少しでも不安を抱えている質問者の方の力になれればと思って回答しています。何も知らなければ何も聞けない患者さんが、主治医との話し合いの場で、”こういう意見があると聞いたのですが、先生はどう思いますか”と聞けるような材料の一つとして、この相談室の回答を使っていただけると幸いです。(文責 清水)

 

No.4171-3】 05年07月28日       S
再び細胞診class3でした

自分の不安な気持ちから、メールで、失礼な感情をぶつけてしまったかと思います。忙しい時間をさいていただいているのに本当に申し訳ないです。もしよろしかったら、引き続き、ご相談にのって下さい。
本日二回目の細胞診の結果がでました。電話再診だったので詳しくはわかりませんが、「またクラス3です。細胞自体には問題ないみたいなんだけど、一応外来にきてもらって、次に進むかどうか相談しましょう」とのことでした。次とはMRI、太い針生検、切除生検等ですよね。太い針では、5ミリのシコリでもうまくできますでしょうか? なんかまたクラス3とかでそうで、どんどん貴重な時間がすぎていきます。もうすでに、次の外来まで、シコリが発覚してから20日たってしまいます。いっきに切除にしてもらおうかと思っているのですが、5ミリのしこりの切除生検の場合、どのくらいの傷になると思いますか? もしよろしかったら、よろしくお願いします。本当にすみませんでした。

皆さんの不安な気持ちは理解できます。ぜひこの相談室を利用して賢い患者さんになってください。話は変わりますが、5mmのしこりを切除するのであれば1cmも切れば大丈夫ではないかと思いますが、しこりの位置が深かったりするともう少し大きく切ることになるかもしれません。それでも2cmを超すことはないと思います。このような場合、MRIは役に立たないと思います。太い針の針生検は、医師が自信あれば可能ですが、難しいことも事実です。二回class3が出たということであれば、やはり、摘出をお勧めします。(文責 清水)

 

No.4170】 05年07月25日       T.T. 
局所再発

はじめまして、昨年2月に温存、検査結果追加手術で3月に右胸全摘しました。温存の時に浸潤癌。全摘の時に硬癌が2つあったから全摘してよかったねと言われました。当時33歳、現在35歳です。子供は二人出産しています。昨年3月からCEFを6クール、その後ノルバデックス朝1錠と月一回ゾラデックスの皮下注射を、現在まで10回終了しました。しこりは1.6cm、リンパ節は6個転移していました。術後一年の全身検査も無事にパスして、検診が月1回から2ケ月に1回になった矢先に突然、再発の可能性で先日細胞診をやって、局所再発でしょうと言われました。触診でもわからず、エコーで映りました。マーカーは手術前から上がらないタイプらしく、異常値になったことがありません。場所は、全摘したちょうど傷口の下の胸壁とのことで、0.7cmの硬癌だそうです。来週、外来で局所麻酔で手術するのですが、取りきれたらそれでおしまい、検査結果、残っているようだったら放射線をかけることになると言われました。先生も看護士も局所だから軽い感じで話をするのですが、再発となると末期なのでしょうか?取れる場所にあるから大丈夫という感じです。局所再発になったら遠隔転移が近くなったということでしょうか。以前にリンパ節転移が4つ以上ある場合は、全摘でも放射線を全体的に照射するという話を聞いて先生に聞いたところ、今は何もないから必要はないと言われました。取りきれていても放射線を照射したほうが、再再発や転移は防ぐことができますか?乳腺専門医に通っています。前向きに生きようと思っていますが、ついついブルーになってしまいます。宜しくお願いします。

局所再発も再発の一つの形ですから、再発した事実に間違いありませんが、末期ではありません。局所再発には二つの場合があります。再発が局所だけで、切除もしくは切除+放射線で治ってしまう場合と、全身再発の一つとして局所に再発が現れた場合で、その場合は間もなくどこか内蔵に転移の兆候が現れてきます。後者の場合は全身への治療が必須です。TTさんの場合、どちらなのかはわかりませんが、まず全身再発の検査をすることでしょう。そして肺や肝臓、骨に転移がなければ放射線治療がよいのではないでしょうか。逆にどこかに転移が見つかった場合は、再発巣もしくは原発巣のHer2を調べて、今後の治療戦略を立てることになると思います。現在Zola+Tamを行っているということはER(+)なのでしょうから、どちらの場合でも、ここでノルバデックスをアロマターゼインヒビター(アリミデックスもしくはアロマシン)に換えることをお勧めします。(文責 清水)

 

No.4169】 05年07月25日       APH
良性の腫瘍かもということでした

先日マンモグラフィーと超音波検査をしました。マンモグラフィーは異常なしでしたが、超音波に黒い物が写り、良性の腫瘍だということです。平たい形で横長なので、良性だということで検査しませんでした。腫瘍と聞くと怖くなり、様子をみてもいいのか心配になりました。大きさが聞かなかったのではっきりしませんが、このくらいの大きさで検査することはしないというお話でした。細胞の検査は、あまり小さいものだとやらないのでしょうか? 平たい物は良性のもので心配ないのでしょうか?

超音波で平たい腫瘍の陰影ということは、専門用語では縦横比が1以下といって良性腫瘍の特徴と言われています。腫瘍と聞いて恐れることはありません。原則は経過観察でよいと思いますが、うんと心配なら、超音波ガイド下に細胞診を行ってもらってはどうでしょうか。(文責 清水)

 

No.4168】 05年07月25日       i-mi
放射線治療が終わりました(HPNo.3996-2)

以前一度質問させてもらいましたi-miです。放射線治療が終わり1か月になりますが、
1) 追加照射したところが丸く色素沈着を起こしているのと、乳首の皮が半分ほどまだ剥けかけで戻りません。沈着を防ぐ薬をもらいたいのですが塗るほうが良いでしょうか?必要ないでしょうか?
2) 追加の場合は戻るまでどのくらいかかりますか? 夏で暑いので消炎の薬も塗るほうが良いですね?
3) なんとなくのどが痛いのと胸の辺りがすっきりしないような気がしますが、放射線の影響でしょうか? 気にしすぎでしょうか?
4) ステージO期ではホルモンレセプターは皆、陽性ですと言われただけで、詳しい情報はありません。HER2は調べていないと言われましたが、この時期では普通のことでしょうか?

細かいことで申し訳ありません。

放射線治療後の色素沈着や痂皮は3〜6ヶ月くらいできれいになります。かゆみがあったり、炎症がひどければ、ステロイドの入った軟膏がお勧めです。のどの痛みや胸の辺りのすっきりしない感じは、おっしゃるように神経質になりすぎているのではないかと思いますが、主治医の先生によく診察してもらってください。ステージ〇期というのはTIS(非浸潤癌)だったということでしょうか? そうであれば、ホルモンレセプターもHer2は調べることは可能ですが、その結果が治療に結びつくことはありません。術後に何も補助療法が必要ないのですから。(文責 清水)

 

No.4167-1】 05年07月25日       S.M
UFTについて

6月に母の乳がんがわかり、乳房温存手術を受け、今、週5日5週間の放射線治療を受けています。手術後の細胞検査の結果、病期は2A、しこりは2cm未満、リンパ節転移はなし、ホルモンレセプターは陽性です。ただ、ハーツーも陽性2と患者用カルテに書いてあったので、すごく心配になりました。「放射線治療が終わったあとは、ホルモン療法のアリミデックスの内服と、抗癌剤はどちらでもよい」と担当医から言われ、するかしないか考えておいてくださいと言われました。薦められた抗癌剤はUFTで、いろいろ本などで調べたりしたのですが、あまりよく書かれていないので、不安になりました。母にセカンドオピニオンをしてみようかといったのですが、担当医が乳腺専門で実績のある方なので、「どこで聞いても一緒なのでは」と、あまり積極的ではなく、次の外来までにもう少し調べて担当医に相談しようということになったのですが、調べれば調べるほどわけがわからなく、どうしていいのかわかりません。抗癌剤治療が必要なのか、UFTは本当に効果があるのか教えてください。よろしくお願いします。 

しこりが2cm未満でリンパ節転移がなければ病期は1だと思います。組織学的悪性度がわかりませんが、それがなくても、お母さんの場合は絶対にアリミデックスだと思います。UFTを使うならアリミデックスと一緒でしょうが、そのようなevidenceはありませんから、アリミデックス単独でよいと思います。(文責 清水)

 

No.4167-2】 05年07月29日       S.M
UFTについて(2)

UFTについて先日相談させていただき、ありがとうございました。明日外来診察へいきます。やはりもう一度主治医の先生にUFTの服用を確認してみようと思っています。アリミデックスのみの服用でいけるのであれば、母もそうしたいと思っていると思います。母の悪性度のグレードは2です。主治医の先生もアリミデックスとUFTとの併用の効果はまだ発表されていないと言っていました。どちらでもよいと言われたのは、やはり悪性度がグレード2であることと、Her2が+2であったことが原因なのでしょうか。再度よろしくお願いします。

おっしゃるように悪性度、HER2の結果を考慮した上でだと思います。服用に関してメリット、デメリットを主治医とよく相談なさってみて下さい。(文責 加藤)

 

No.4166】 05年07月25日       K.K.
センチネルリンパ節

はじめまして。よろしくお願いします。部分切除術中のセンチネルリンパ生検結果、転移なしで腋窩郭清せず。術後初めての外来時にセンチネル再検査の結果、転移ありといわれました。再手術して腋窩郭清したほうがよいのでしょうか? 「経過観察or再手術、どちらにしますか?」と言われても分りませんので、アドバイスお願い致します。

どのような方法でセンチネルリンパ節生検を行ったのかわかりませんが、私たちのところでは、手術中に摘出したセンチネルリンパ節の最大割面を術中迅速診断で転移の有無を調べ、術後はそのリンパ節を細かく調べます。その結果、手術中の検査では転移がなくても術後の検査で小さな転移が見つかることがあります。そのような場合でも追加切除はしません。追加切除するかどうかよりも、転移ありとして術後補助化学療法行うかどうかが問題です。(文責 清水)

 

No.4165】 05年07月25日       I・T 
病期と術後治療について

こんにちは。前にも質問させていただいております。石灰化で4月に温存手術し、先週放射線治療(33回)が終わりました。病理結果はステージ1。硬ガン。脂肪織、筋肉、血管、リンパ管にガン細胞はなし。石灰化の広がりが2センチ×1.5センチ。ホルモン感受性マイナス。HER2+1。リンパ節は調べていない(主治医の考え=石灰化の場合はしなくてもいよい)。年齢が35歳でちょうど低リスクと中リスクの境界線にあるので、抗ガン剤治療をすることになりました。主治医の話では、石灰化の場合、広がりを腫瘍の大きさとして判断するとこのと。同じ石灰化で私よりも広がりがあった方はステージVと言われたそうです。
1) 石灰化の場合、その広がりを腫瘍径として病期の決定をするのですか。
2) 抗ガン剤の治療は術後2ヶ月以内というのを見たことがありますが、私の場合3ヶ月後となりますが問題ないですか。
3) 抗ガン剤治療(AC4クール)をしても1/4ほどしか再発転移は押さえられないと言われましたが、私の場合は再発転移がどのくらいの割合になりますか。
4) その病院では出産の前例はないとのこと、先生の病院では前例がありますか。(妊娠の可能性を無くしてまで抗ガン剤治療をする必要があるでしょうか)

長くなってしまいましたが、どうぞよろしくお願いします。

あなたの主治医の考えとは異なるかもしれませんが、硬癌であればリンパ節を調べる必要があると思います。
1) 腫瘤径は腫瘤の大きさで決めるので、石灰化の広がりは含めません。
2) 術後の抗がん剤治療は早く始める方が効果が大きいと言われています。そのため、最近は術後補助化学療法を放射線治療の前に行うことが多くなっています。しかし、3ヶ月が遅いかどうかはわかりません。
3)“1/4しか再発転移が抑えられないのか”と考えるのか、”1/4も再発転移が抑えられる”と考えるのかで見方は大きく違います。あなたの場合リンパ節の状況がわからないので正確なリスクは評価できません。
4) 乳癌術後の出産症例は多くはありませんがいます。妊娠の可能性と化学療法を天秤にかけるのはとても難しい問題です。ご主人、主治医とよく相談する必要があります。最近は化学療法中、薬で生理を止めて卵巣を保護する方法もありますから、それらの方法も含めてよく相談してください。(文責 清水)

 

No.4164】 05年07月25日       Y.N.
夫婦生活について

初めまして。3年半前に乳がんの手術を受け、現在の治療法として、4週に一度のゾラデックス3.6の注射をお腹に射ち、生理を止めています。夫婦生活についてお聞きしたいのですが、生理を止めている状態では妊娠の心配はないのでしょうか? 主治医に伺った所、はっきりとした返答がもらえず不安です。お返事お待ちしております。宜しくお願い致します。

Zoladexで生理を止めている間は妊娠の心配はありません。(文責 清水)

Zoladex投与中は妊娠の心配がないと回答しましたが、理論的にはその通りなのですが、まれではありますが、Zoladex投与中に妊娠したという症例報告がありました。薬の注意書きにも避妊するように書いてありました。訂正してお詫び申し上げます。(文責 清水)

Breast. 2000 Apr;9(2):110-2.

Pregnancy in a breast cancer patient treated with a LHRH analogue at ablative doses.

Jimenez-Gordo AM, Espinosa E, Zamora P, Feliu J, Rodriguez-Salas N,  Gonzalez-Baron M.

Medical Oncology Department, Hospital Universitario La Paz, Paseo de la Castellana, number 261, 28046 Madrid, Spain.

A 36-year-old female diagnosed of breast cancer was treated with surgery, chemotherapy, radiotherapy and goserelin. After 17 months of uninterrupted therapy with this LHRH analogue at hormone suppressive doses, a 16-week gestation foetus was detected and the treatment was withdrawn. Although the drug was administered throughout the first 4 months of pregnancy it resulted in the term delivery of a healthy infant, and no foetal adverse effects were detected. A review of the influence of hormonal treatment for breast cancer on fertility and birth defects has been performed.

 

No.4163】 05年07月25日       A
組織診について

はじめまして。32歳で、子供はいません。先日、マンモ、エコーをしたところ、乳輪の端あたりに1cmのしこりがみつかったので細胞診をしました。結果はクラスUとのことで良性と言われましたが、組織診をした方が良いでしょうか? 雑誌に、細胞診は情報量が少ないが、組織診は確実にわかるとありました。先生に聞くと、「ご希望であればします」とのことでしたが、針が太く麻酔もするとのことで迷っています。先日の細胞診以来、しこりの辺に違和感があるし、そんなに太い針を刺すのだったら、余計に痛くなったり違和感も残る気がします。組織診の負担は結構あるものですか?また、麻酔は胸のどこに打つのでしょうか?以上、よろしくお願いします。

細胞診の正診率は100%ではありませんが90%以上です。細胞診を正しく利用するのためには、触診、マンモグラフィー,エコーの検査結果を総合的に判断する必要があります。触診、マンモグラフィー、エコーが良性の所見で細胞診がclass2ならそのままでよいのではないでしょうか。どれか一つでも悪性が否定できない所見があるならば、組織診をした方がよいでしょう。太い針による組織診の負担はあまり大きくありません。麻酔は針を刺す部位の皮膚に少量するだけです。(文責 清水)

 

No.4162】 05年07月25日       A.F.
胸にあるしこりについて

初めてお尋ねします。地域は違いますが、ご回答いただければうれしく思います。現在左胸中心部よりやや左上部に2〜3センチくらいの大きさのしこりのようなものを見つけました。しこりと言っても、よく見たらしこりのような感じがするといったくらい薄くて、あまり目立ちません。触っても軟らかく痛みもありません。見つけたのは3週間ほど前です。すぐに近くの外科を訪ねましたが、しこりもないので今の段階ではわからないと言われました。最近知ったのですが、しこりだけが乳がんではなく、皮膚が赤くなる炎症性乳がんもあるとのことで、心配になりお尋ねしてみました。これだけで炎症性乳がんの疑いがあるのかどうか、そうでなければ、それ以外にどのようなことが考えられるか教えていただければ幸いです。私は38歳で既婚、子供はおりません。乳がん検診は毎年9月に受けております。検査内容は触診とマンモグラフィです。今年は超音波を受けるように言われました。昨年は異常はありませんでした。今週か来週中に総合病院できちんと調べてもらおうと思っていますが、その前に少しは何か知っておけたらとお尋ねしました。それではご回答よろしくお願いいたします。

Mailの内容からは炎症性乳癌とは思えません。総合病院を受診して確認してください。外科で異常なければ皮膚科を受診してみては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.4161】 05年07月24日       E 
乳房の痛み

今日突然右の乳房が少し触っただけでも激痛が! 現在妊娠9ヶ月目なのですが、妊娠とか母乳とか関係があるんですか? 妊娠中でも乳腺炎になったりするんですか?

メールの内容からは、乳癌は否定的だと思います。妊娠中の乳腺炎も珍しいと思います。専門医を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.4160】 05年07月24日       H.S.
骨転移の可能性

ご相談お願いします。40歳の妻が乳ガンになり、昨年7月温存で手術しました。大きさ2.3センチの硬癌、リンパ節転移なし、断端陰性、ホルモンレセプター陽性でした。現在タモキシフェンと月1回卵巣機能を抑制する注射を打っています。先日術後初めての骨シンチとCT検査を受けました。結果CTは特に問題なかったのですが、骨シンチで右膝のところが少し集積しているので、乳腺との関係はないと思うけど、念のためレントゲンを撮りますとのこと。妻は昔(5年くらい前)から梅雨や雨が降る前日等、よく膝が痛くなるようです。その影響もありますか。レントゲンの結果はまだ聞いていませんが(時間的に聞けなかったので)、骨転移の可能性はあるでしょうか。今まで腫瘍マーカーを3回実施しましたけど、いずれも正常値でした(最近では5月)。よろしくお願いします。

奥様のように元々膝が悪い方が骨シンチを行うと、膝関節にRIの集積が起こることはよく経験することです。一方、癌が膝関節に転移するというのは稀なことです。また、腫瘍マーカーの値が正常である、以上を総合的に判断すると、奥様の骨シンチの所見が癌の転移である可能性はかなり低いと思います。それでも心配であれば、MR,PET等の検査をすることになりますが、それらの検査で異常なかったとすれば、再発の可能性は更に低くなりますが、再発の可能性がゼロになることはないと思います。どの変で妥協するかだと思いますが、いかがでしょうか。(文責 清水)

 

No.4159】 05年07月24日       C.H. 
乳がんである可能性について

乳がんについて少しご相談お願いいたします。私は36歳で結婚して10年目で、子供は現在おりません。去年の春ぐらいに右脇下(脇の毛が生えているところ)にシコリができはじめ、12月には右腕に電気が走る痛みとシコリが触れて痛みがあった事に絶えられなくなり、近くの皮膚科へ行ったのですが、大きい病院を紹介され、形成外科で腫瘍摘出手術(表面は1個、中に6個あった。神経にもあったので、えぐる様な感じで7個摘出した)をし、9日後に乳がんだろうと告知されました。夏頃から胸にもシコリがあったので、告知された時に胸のシコリの事を伝え、今までにエコーとマンモグラフィー、CT、細胞診、生検と骨シンチ検査を済ませました。ホルモンレセプターもしました。胸のシコリは6.5cmあります。胸は癌ではないが、良性とも悪性とも言えず、今は何とも言えない状態と言われました。ホルモンに依存して出来た癌なので、ホルモン治療を現在しいています。ゾラデックスと錠剤ノルバデックスを飲んでます。右胸全体が完全に大きく硬いシコリです。2,3ヶ月前に2回目の細胞診を行った結果、乳腺症だと言われました。そして、先月、左胸にもYシャツのボタンほどの大きさのシコリが1つ出来始め、右胸のようにまた大きくなっていくのだろうと思ったら、案の定大きくなりだし、現在4つになっています。もしかしたら治療薬があってなくてシコリになんらかの影響が出たのか?と少し思いました。主治医は、「ゾラデックスとノルバデックスで胸のシコリにも何らかの影響があってシコリが小さくなったり消えたりするかもしれないが、影響あるかどうかは分からない。」と、この治療を始める前に言われました。最近は深い呼吸をしたり、大笑いをすると両胸がシコリが痛いです。主治医は、「乳腺症は痛いのはつき物だから気にしないで」と言っています。本当にこのままでいいのか?本当に癌ではないのか?乳腺症がこんなに大きくなるのか?この治療方以外にあるのか?と思う様になり、セカンドオピニオを受けたい事を主治医に言いました。現在の症状をみて、どの様に思われますでしょうか?どうかご意見をお聞かせくださいませんでしょうか。宜しくお願いいたします。最後に、今の主治医はとても親身になってくれて患者思いのとてもいい先生です。こんな患者思いの先生に出会えた事に感謝しております。

申し訳ありませんが、診療経過については、C.H.さんの言葉では不明な点が多くよいアドバイスはできません。しかし、主治医の先生が親身になってくださる先生であるならば、遠慮せずに、先生に疑問点をぶつけては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.4158-1】 05年07月24日       W.K. 
腫瘍マーカーについて

昨年、乳癌全摘出手術(ステージ4)を行った者ですが、手術後ET治療を6クール後、今年5月にCT検査と骨シンチをした結果、骨及び肝臓の転移が全て消失したと医師から言われ、その後はフルツロンの錠剤を飲み続けています。今月の半ばに腫瘍マーカーの検査をしたところ、以前のものより3つは下がっているが残りの3つが上昇していると言われました。先生は2ヵ月後にまた採血の検査をすると言っていましたが、これは再発の可能性があるのでしょうか? あと、もう一つお聞きしたいことがあるのですが、現在フルツロンを服用していますが、医師から、「完全に再発を防げるわけでもなく白血球減少の原因にもなるし、飲み続けていても意味がないから、薬を出すのは今月までで止めましょう」と言われましたが、私としては例え意味がなくても気持ち的に飲み続けていきたいと思っているのですが、やはり進行乳癌の場合は服用しても意味がないのでしょうか?以上2点の質問のご返答、宜しくお願い致します。

厳しい言い方になるかもしれませんが、ステージ4の乳癌ということは、遠隔転移がある乳癌です。たとえ、ET療法で画像上の転移巣がなくなったからといっても、癌が治ったとは考えません。いかに症状をコントロールして、がんと共存しながら長生きするかが治療の目標になると思います。確かに腫瘍マーカーの値に一喜一憂するのですが、それよりも、現在再発の症状なく生活できていることに喜びを感じる訳にはいかないでしょうか。現在の状態が再発の可能性があるのかと聞かれれば、答えはyesです。でも、今その答えを突き詰めていってどうするのでしょうか?再発を早期に発見して早期治療しても症状が出てから治療してもその予後は変わらないと言われています。したがって、再発の可能性はyesでも、気にしないで主治医の先生がおっしゃるように、次の採血まで経過を見てはどうでしょうか?その間、再発の可能性はあっても、実際に再発の症状がなければ、再発していないと思って生活してもよいのではないでしょうか?フルツロンについては確かに再発乳癌の治療に使って、延命できるというevidenceはありません。しかし、副作用の少ない薬ですから、効果があるかどうかは別に考えれば、気持ち的に飲み続ける意味はあるかもしれません。(文責 清水)

 

No.4158-2】 05年08月02日       W.K. 
腫瘍マーカーについて(2)

先日の質問(No.4158)へのご回答、有難うございました。腫瘍マーカーは一応の目安にしかすぎないとは理解しておりますが、今までの腫瘍マーカーのデーターを見て、一つ疑問があります。手術直前(既に肝臓、骨転移)に採血した腫瘍マーカー、例えばCA15−3は25、ICTPは4.5だったのですが、手術及び抗がん剤終了直後(画像上腫瘍は全て消失)に採血した腫瘍マーカーは、CA15−3は109、ICTPは9.8まで上昇していました。素人の考えですと、何故、抗がん剤で腫瘍が消失した直後の方がマーカーが上昇してしまったのか分かりません。もちろんこの腫瘍の消失は画像上のみで完治していないことは承知しておりますが、この数値が気になります。腫瘍が消失しても癌細胞が存在しているため、このような数値が出るのでしょうか。それとも他の原因によっても上がることは考えられますか?お忙しいとは思いますが、ご返答宜しくお願い致します。

腫瘍マーカーと画像上所見の乖離は時々みられます。おっしゃるように画像に捉えられない腫瘍細胞の影響も考えられます。(文責 加藤)

 

No.4158-3】 05年10月15日       W.K. 
肝機能低下

以前、腫瘍マーカーの件で相談させてもらったものです。先月辺りから体が非常に疲れやすくなり、喉が異常なほど渇き病院に行ったところ、肝機能が低下していると言われました。点滴をし、だいぶ体が楽になったのですが、これは肝臓転移による原因で肝機能が低下してしまったのでしょうか? もしそうだとすると、だいぶ肝臓への転移が進んでいるという事なのでしょうか? 食欲もあり、普通に生活しております。ご返答、宜しくお願い致します。

肝転移が存在し肝機能低下と説明されているのでしたら、転移が進行している可能性も否定できません。食欲もあり、普通に生活できているそうですが、異常な喉の渇きがある場合は何らかの理由で血管内が脱水になっている可能性があります。採血・腹部超音波などをお勧めします。(阿部)

 

No.4158-4】 05年10月15日       W.K. 
腹水について

昨日、肝機能低下についてメールさせてもらったばかりの者です。超音波をしたところ腹水がたまっていることが分かりました。これからCT検査及び腹水の細胞診を検査し、結果次第ハーセプチン治療を始めると言われましたが、まだ肝機能が回復していない為すぐには治療に入れないとも言われました。その間にどんどん進行していくことに恐れています。もし今後ハーセプチンが効けば、少なからずの延命効果は期待できますか?

お返事が遅くなり申し訳ありません。肝転移・肝機能低下・腹水貯留という状態からは肝不全の状態ではないでしょうか? いずれの薬剤もある程度の全身状態が保たれていないと、厳しいことがあります。理論上はハーセプチンが有効であれば延命できるはずですが、病勢との兼ね合いもありますので断定しかねます。(阿部)

 

No.4157】 05年07月24日       ssp
男性の乳癌

私は男ですので乳癌ではないと思いますが、2ヶ月位乳首裏側のしこりがとれません。初めは触れるだけで痛みがありましたが、現在では痛みだけがなくなりました。一度医師の診断を受けた方が良いのでしょうか?

男性でも乳癌はあります。しかし、メールの様子では乳癌ではなさそうです。いずれにしても、乳腺のしこりを自覚したら専門医を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.4156-1】 05年07月20日       N.M. 
カテゴリー4

はじめまして。37才、3人を出産しており、1番下の子はまだ授乳中です。先日、マンモでは異常なしでしたが、エコーで8ミリ程度の影が見つかりました。乳腺の層から下の方に、すうっと尾を引いたような影です。所見はカテゴリー4とあり、針生検しました。「組織を肉眼で見たところ、石灰化しているようだから大丈夫だと思いますよ。」と言われ、結果は悪い細胞は見あたらないということでしたが、3ヶ月後のエコーとMRIを必ず受けるように言われました。針生検の結果で悪い細胞が見られなくても、癌の可能性はまだあるのでしょうか。母が32才で乳癌の摘出をしております。

どのような検査もその結果が本当に大丈夫かと言われて、絶対大丈夫ですと言える検査は、摘出生検以外にはありません。針生検で悪い細胞がないと言われたら、ひとまず安心してよいのではないでしょうか。医師は、それでも、針生検が絶対的な検査ではないことを考慮して、念のために3ヶ月後の検査を指示したのだと思います。予定通り3ヶ月後の再診をお勧めします。(文責 清水)

 

No.4156-2】 06年02月10日       N.M. 
クラス3

以前HPNo.4156にて、カテゴリー4の質問をした者です。前回(7月)には太い針で組織をとり、ガン細胞はないという結果でした。半年経ち、エコーでみたら、やはり硬癌の疑いあり。細い針で細胞をとり、結果はクラス3ということでした。エコーの影が気になるそうです。医師からはMRIをすすめられましたが、授乳中なので、3ヶ月後のエコーということになりました。医師からは、「もしかしたら、授乳をやめたら小さくなっていくものかもしれないし・・・。」と言ってもらいました。授乳回数の多い方の乳房にできているのです。が、白黒つかない状態に、苦しくなっています。
1) 授乳をやめてでも、MRIをうけるべきでしょうか。
2) 癌の疑いは高いと思われますか?

よろしくお願いします。

授乳中は、乳腺が発達していて血のめぐりもいいので、普通に撮影したときとはMRIの結果が異なります。針生検で悪性の診断がついていないのであれば、授乳が終わって落ち着いてから検査をすればいいでしょう。細胞診も授乳中はあまりあてにはなりません。ですから、答えは、
1) 授乳をやめてでも、MRIを受けるべきではない。
2) 癌の疑いは低い。
です。(文責 緒方)

 

No.4155】 05年07月20日       MM 
乳頭とその周辺のかゆみについて

初めまして。23歳の会社員です。半年ほど前に乳頭とその周辺が痒くて掻くと黄色い汁が出たので、皮膚科を受診しました。医師はブラジャーのナイロンによるかぶれだと診断し、デキサンG軟膏、亜鉛華単軟膏とかゆみ止めのジルテック錠を処方して下さいました。そしてナイロンに触れないように常にガーゼを当てることをすすめられました。薬を使用すると痒みが軽くなるのですが、半年経った今でも同じ症状のままです。もしかしたら乳がんの症状ではないでしょうか? 

Mailの内容からすると、乳癌の症状とは思えません。私の想像では、ナイロンのかぶれではなく、自分の乳頭からの分泌物にかぶれたのではないかと思います。痒くなるときと、生理と関係ありませんか? 治療はステロイドの軟膏が有効ですが、使いすぎると色素沈着するので必要最小限で使うことをお勧めします。一度乳腺外科の先生を受診しては如何でしょうか。(文責  清水)

 

No.4154】 05年07月19日       M.T.
石灰化 カテゴリー3

右の胸に痛いところがあり、外科で触診・エコー・マンモグラフィーの検査を受けました。結果、左胸3箇所に石灰化が見つかり、カテゴリー3で良性かもしれないが悪性の可能性もあると言われました。3ヶ月後に再検診しますが、妊娠していたらすぐに来て下さいと言われました。現在1歳8ヶ月の長男がいます。35歳になるので早く2人目がほしいのですが、問題あるでしょうか? 授かるようだったら産みたいのですが。

実際のマンモグラフィーを見ている訳ではないので何とも言えませんが、一般的には、マンモグラフィーのカテゴリー3は、“たぶんで良性でしょうが、悪性の可能性を完全に否定できません”ですから、触診、エコーで異常なければ心配ありません。医師によっては念のために3ヶ月後に再診とする場合もあります。九分九厘心配ないと思いますが、気になるならば3ヶ月後の再診の結果が出るまで妊娠を控えてはどうでしょうか。(文責 清水)

 

No.4153】 05年07月19日       T.H
術後治療について

はじめまして。36歳、二人の子供をもっています。5月初旬、右乳房にかなりの広さのしこりを発見、血汁もでたため急ぎ乳腺外来へ。検査の結果乳がんであると判明(おそらく非浸潤がん)、6月に右乳房全摘出手術をうけ、その後外来に通っている状態です。病理検査の結果ほぼ非浸潤がんであったため、術後治療はしないかホルモン療法(ゾラデックスプラスタモキフェン)と言われています。主治医の先生は、「センチネルでもリンパの転移もみられないため術後治療はせず、症状がもしでたら検査するというかたちでよいのでは」という考えのようです。ただ、ほぼという言い方が気になりお聞きしたところ、ミクロの単位で浸潤している部分もあったというようなお答えでした。みなさんのように病理検査の結果というのをいただいていないので記入できないのですが、
1) このような状態では術後治療をしないものなのでしょうか?
2) 悪性度もきいたのですが、浸潤している部分が少なすぎてか、小さすぎて悪性度をはかれずというような病理結果だったようですが、そんなことがあるのでしょうか?
3) 私はタモキフェンの子宮ガンリスクがとても不安なのでゾラデックスのみの治療を希望していますが、そのことで治療効果はどのくらい違うのでしょうか?ホルモン療法の効く度合いというのは分かるのでしょうか?
4) 再発などの確認のためPET検査を受けたいのですが、そういう検査は術後どれくらいたって受けるとよいのでしょうか? PET検査を行っている病院に尋ねたところ、診療情報提供書を書いてもらうと保険適用になりますと言われたのですが、主治医の先生にこういう検査をしたいというのは言ってもよいのでしょうか?

たくさんの質問で申し訳ありません。いつもあわてていて聞きたいことをきっちり聞けなくて・・・。こちらでアドバイスいただければ参考にさせていただき、次回外来ではメモをもって聞きたいことを聞けるようにしたいと思います。

1) 実際に病理の標本を見ている訳ではないので、どの程度の浸潤かがわからないとコメントのしようがありません。主治医の先生がおっしゃるようにミクロの単位の浸潤であれば再発のriskは低いと考えます。閉経前、多分ER(+)、n(-)、微小浸潤癌、Grade(不明)の場合の術後補助療法は、ホルモン療法(ゾラデックス+タモキシフェン)がお勧めだと思います。
2) 標本を見ていないので何とも言えません。
3) 閉経前のホルモン療法で、ゾラデックス単独とゾラデックス+タモキシフェンでは後者の方が再発率が低くなることがわかっています。しかし、THさんの場合は再発のriskが低いので、その差は小さいと考えてよいのではないでしょうか。ただし、一般的にはタモキシフェンによる子宮体癌のriskは、タモキシフェンによる対側の乳癌の発生の予防効果より低いと考えられているので、定期検診さえしていれば(米国ではそれすらもいらないということになっていますが)、そんなに神経質になることはないと言われています。
4) はじめに、再発を見つけるためのPET検査は保険適応になりません。CTやRIといった検査で再発が疑われた場合に行ったPET検査は保険適応になります。THさんの主治医は、米国のguidelineに従っていると思われます。つまり、定期的な画像検査をして再発を早く見つけて早期に再発乳癌の治療を始めても、再発の症状が出てから治療を開始するのと比べて予後に差がないので,定期的な画像検査の必要はない、という考え方です。しかし、日本では多くの病院で定期的な画像検査が行われています。理由の一つは,日本には米国の何倍もの数のCTやMRの検査装置があり,国民階保険制度のもと、誰でも安く早く検査が受けられること。もう一つは、予後に影響がないとしても自分の状態(再発があるかないか)を知りたいと考える患者さんがいることだと思います。検査の間隔は主治医の考えと患者さんの希望を調整して決めればよいのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.4152】 05年07月19日       M
ホルモン治療について

45歳、Mと申します。いつも大変参考にさせていただいております。相談よろしくお願いします。
経緯
・細胞診でクラス5  ・平成16年11月に左乳房温存で手術  ・充実腺管癌 腫瘍径2.0*2.3  ・リンパ節1/14(一本でレベル1とレベル2とのこと)リンパ節郭清  ・断端陰性 エストロゲン、プロエストロゲン共に陽性 HER2‥1+ T2N1N0  ・術後一ヶ月後から放射線治療、50グレイ照射  ・抗がん剤治療 FEC 6クール終了  ・今月(平成17年7月)よりノルバディックス20mg一日一回服用しています。  ・平成13年7月に子宮全摘出し、閉経状態がわからないため血液検査(FSH65.7 E217.3)を行いノルバデックスの服用となりました。

ホルモン治療について相談があります。リンパ節に転移があったため、ゾラデックスについて主治医に伺うと、 "そこまではいらないでしょう"とのことでした。ゾラデックスは必要ないでしょうか? また、今後、血液検査をして閉経が確認されればアリミデックスに変更した方がよいでしょうか? より予防効果の高い治療方法を教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。

閉経前,ER(+),n(+)乳癌の術後補助療法としてFEC->ノルバデックスは標準的な治療の一つだと思います。しかし、あなたの血液検査のデータは完全な閉経状態ではないので、現在も閉経前と考えるとゾラデックスを追加することは再発のriskをより軽減させることになると思います。主治医の先生がおっしゃるように”そこまではいらない”かも知れませんが、少しでも再発のriskを下げようと考えたら、もう一度ゾラデックスの投与を主治医の先生にお願いしてみては如何でしょうか。血液検査から閉経が確認できればアリミデックスの方がよいと思います。(文責 清水)

 

No.4151】 05年07月19日       Y 
19歳、男、乳首のしこりについて

初めて相談させていただきます。1ヶ月ほど前から、左側の乳首にしこりができ、少し心配になって検索していると先生のサイトを見つけ、相談のメールを送らせていただきました。このしこりができたのは、普段着でスポーツをしている時に左の乳首が擦れてしまって、少し痛いなと思っていたところ、少しずつ腫れていって、今では小さなしこりとなっています。先生のサイトを拝見したところ、このように擦れてできたしこりのことは書かれていなかったので、送らせていただきました。これも、女性化乳房症なのでしょうか?

Mailの内容から判断すると思春期(?)の女性化乳房症のように思われます。近くの外科の先生に診てもらってください。(文責 清水)

 

No.4150】 05年07月17日       S 
乳癌の手術について

少し生理前などの痛みとは違う痛みを乳房に感じたので、かかりつけの産婦人科で子宮癌検診と一緒に検査したところ、超音波で水泡があると言われ、乳腺外科に行くように言われました。7月12日に診察を受け、マンモグラフィーでは少し石灰化があるようだがと言う事でした。超音波では水泡はいくつもあり、それは心配ないが、先の病院とは違う場所にある水泡は形が変だし癌の可能性もあると言われ、穿刺吸引細胞診を受けました。その時MRIを8月3日に予約しました。16日に結果が出たのですが、悪性の疑いとの事で、その場で手術日など決められてしまいました。その上でまた20日にもう一度細胞診をするとの事です。今まで丈夫できまして初めての事なので、本当にこのまま手術を受けて良いのか迷っています。違う病院でも診察を受けたほうが良いのでしょうか?

16日の結果というのは、穿刺吸引細胞診の結果が悪性の疑いとのことで、癌の確定診断ではなかったのですね?とすると手術は確定診断のための生検でしょうか?その辺りのことがメールの文章だけではよく分かりません。主治医の先生にしっかりとよく理解できるまでおたずねください。(文責 片山)

 

No.4149】 05年07月17日       nori 
しこりについて

40歳の専業主婦です。20代の前半に乳房にしこりが出来て検査を受けた事が有ります。その時は乳腺症との診断で、悪性の物になる可能性は殆ど無いと言われました。暫くの間は生理が終わって数日すると受診していましたが、もともと生理が1年に3、4回しか無かったのと若かったので、深く考えずに受診するのをやめてしまいました。その後はあまり気にならなかったのですが、昨年位から右の乳房に痛みを伴うしこりのような物が有るような気がして...。生理前になると両乳房がパンパンに張り、歩いたり走ったりすると痛みますし、母乳のようなものも出ます。まるで授乳中のようになります。昨年気になり外科を受診した時には(痩せ型で乳房もかなり小さく厚みも無い)、しこりとは思えない、あばらが触る、肋間神経痛では?との診断でした。確かに両乳房ともにあばらも触りますが、私のしこりではないかと思う箇所は、あばらでは無く明らかにしこりと思うのです。その後、市の健康診断では触診、主婦検診では触診とマンモグラフィーと受けましたが、結果は問題無しでした。同年代の知人やテレビ等の病気の番組で乳がんの話を聞いたり見たりすると、とても気になり夜も眠れなくなります。年1回の検診を待つよりも、乳腺外科(外来)で再度検査を受けたほうがいいのでしょうか?

痛みを直接悪性疾患と結びつけて心配しなくて良いと思いますが、一度乳腺外来を受診されることをおすすめします。(文責 片山)

 

No.4148】 05年07月17日       N.K
高カルシウム血症でしょうか?

乳がんが転移し、W期に入ってしまっているようですが、血液中にカルシウムが多いと言われました(値は12.0mg)。高カルシウム血症なのでしょうか? これは珍しいのですか? そして、大丈夫なのでしょうか?

血清カルシウム値は、施設によって測定法の差などにより多少の差はありますが、正常値は8.9-10.1mg/dlとされ、12.0はやはり高カルシウム血症となります。乳がんの転移が骨にあり、それによる高カルシウム血症であるとすれば、ビスフォスフォネート投与を考えてよいかもしれませんので、主治医の先生と相談してください。(文責 片山)

 

No.4147】 05年07月17日       A.A
放射線治療後・首の痛みについて

お世話になります。今年1月に左胸温存手術を受け、4月から5月にかけ放射線治療を受けました。2週間ほど前から、左の首筋から肩、背筋にかけてが筋肉痛のようにひどく痛みます。これは放射線治療による副作用でしょうか? 何か治療が必要でしょうか? 特に左だけを使った覚えも無く、心配になり、ご相談させていただきました。見解をお聞かせください。よろしくお願い致します。 

放射線療法を受ける際の姿勢が影響していた可能性はありますが・・・、主治医の先生によくうかがってみて下さい。(文責 片山)

 

No.4146】 05年07月17日       Junko
両乳腺のう胞、両乳腺症

1ヶ月前に会社の健康診断で「両乳腺のう胞、両乳腺症」と診断され、精密検査を受けるよう言われ、紹介状もいただきました。都内在住ですが、どこの病院がいいのでしょうか? また、わたしはがん保険など医療保険にまだ加入していないので、もし手術や入院となったらと心配です。加入してからの方がいいですか? それとも手遅れ? 乳がんとは違うのですか? 乳がんになる可能性はあるのでしょうか? マンモなどの診察になると思われますが、診察代が2万以上かかるようですが、保険は適用されないのでしょうか? 良きアドバイスお待ちしてます。

マンモグラフィー・超音波撮影装置などのある大きな総合病院がよろしいと思います。マンモグラフィー検診精度管理中央委員会(http://www.mammography.jp/mammo/img/top/tit3.gif)のホームページに読影医師リスト、画像認定施設などが載っておりますので参考にしてみてはいかがでしょうか? 乳腺のう胞、乳腺症は良性疾患の病名で、乳癌とは違います。保険診療内での診察ということになると思います。(文責 片山)

 

No.4145】 05年07月17日    N.K 
線維腺腫について

初めてメールさせていただきます。34歳で、二歳になる息子の母です。三ヶ月半前に左胸に痛みがあり、近くの乳腺外科に行き、マンモグラフィ、エコーの検査をしました。その時は、乳腺症だということで、また三ヵ月後にみますとのことでした。その後二人目を妊娠、今妊娠10週なのですが、8週の時にやはり三ヵ月半前と同じ場所の痛みが気になりだし、同じ病院へ行きました。妊娠中のため、マンモグラフィはやらなかったのですが、エコー、触診をしていただき、「痛みのある部分は妊娠によって乳管が開いて張って痛くなっている」とのことでしたが、全く思いもよらなかった右胸の下部に1センチ大のしこりが見つかりました。注射針で細胞を取って調べる細胞診という検査をしましたが、先生は、「しこりを狙っているが、必ず当たるとは限らず、検査の結果によっては、局所麻酔でしこり自体をとりだす外来手術をしたいが、ここまでは妊娠中でも可能です」とおっしゃいました。一週間後、検査結果は線維腺腫でした。しかし、この一週間、このサイトはもちろん、いろいろ調べ、先生も言われていたとおり、この細胞診が100パーセントの結果ではないのが気になり、無礼を承知でお聞きしました。「今回の結果は細胞がきちんと取れているのは明らかで、取れていなければ、そのような結果でコメントがでるので、大丈夫です」とのことでした。取り出す手術も、私が妊娠中でなければ心配ならやってくださるような雰囲気でしたが、妊娠中なので、麻酔のこともあるし、鎮静剤を飲めませんからと言われ、また三ヵ月後に診ますということで、帰宅しました。線維腺腫と言われたときは、乳がんをかなり疑っていた私は涙が出てしまったくらい安心しましたが、妊娠中に線維腺腫にはあまりならないとも言われ、また、三ヵ月半前に検査をしたときは見つからなかったことを考え、たったの三ヵ月半で1センチのものができるのかとも心配になりました。
ガンでもないのに、もう一箇所、病院を当たるべきかも悩んでいますが、実際、二歳の子供を同伴して病院に行くのが本当に大変なことや、しかし、子供のことを考えると、もしも本当はガンだった場合、せめて子供が成人するまでは生きていたいと思い、自分ひとりのことを考えるより遥かに神経質になってしまっています。また、今の妊娠を中断しなければならないようなことにならないかなども。5年ほど前に中絶をしており、一人目の子供も母乳を飲むのが上手でなく、かなり悩んだのですが、一ヶ月ほどでミルクに切り替え、そのようなことが乳がんの原因にもなるという本を読んでしまったり、本当に一喜一憂しております。お聞きしたいのは、@もう一箇所、行くべくなのか、三ヵ月後まで様子をみてもいいのか。A線維腺腫はガンに変わることもあるのか、小さくなったりなくなることもあるのか。Bこのまま妊娠を継続してもいいのか。ということです。よろしくお願いいたします。

@ 心配であればその旨を今の先生に率直にぶつけてセカンドオピニオンを得るのは決して悪いことではありません。お話をうかがっている限りは線維腺腫でよさそうですが、実際に拝見していないので、はっきりとは断言できません。ご自身の精神的な安定を得るためにも主治医の先生にもう一度ご相談されてはいかがでしょうか?
A 線維腺腫を取ってみたら中に微細な癌が含まれていたという報告がないわけではありませんが、ごく稀なことです(私自身は経験したことはありません)。線維腺腫自体が癌に変わることはありません。線維腺腫と発生母体を同じくした悪性腫瘍は葉状肉腫といって癌よりは稀な病気です。経過を診ているうちに30歳代後半、40代となるにつれて縮小していってしまうこともあります。
B 上記の条件が満たされれば(このしこりが線維腺腫であって、ご自身精神的安定が得られていれば)、もちろん可能です。(文責 片山)

 

No.4144】 05年07月17日    M.N. 
細胞診の分泌物について

はじめまして、宜しくお願いします。33歳でおっぱいは出ませんが授乳中です。今月左胸脇の側にしこりを見つけ、母親が再発乳がんなので慌てて乳腺外来を受診しました。マンモは所見がなく、触診ではがんの所見ではないと言われ、エコーで黒い丸い影が二つあり、そのうちの一つが炎症を起こし周りが白くモヤモヤっとエコーに写っていました。8ミリです。「炎症を起こしているので針をさして吸引します」と言われ、先日吸引してみると、白いかたまりみたいなものがニョロニョロとチューブから出てきました。全部吸い取りましたが痛かったです。これは何という病名だと思われますか? 検査結果待ちです。がんの可能性や、又同じことを繰り返しますか?

授乳中との事で、乳瘤やそれが炎症を起こしたことが最も考えられ、癌の可能性は低いと思います。同じことを繰り返す可能性はあると思います。(文責 片山)

 

No.4143】 05年07月17日    N.A. 
放射線について

いつも参考にさせて頂いています。放射線治療と骨シンチを同じ日に受けてきましたが、夕食後なんだか気持ちが悪くなりました。放射線治療と骨シンチは同じ日に受けても大丈夫なのですか? 骨シンチも体内に放射線が入るので、一度に受けたから気持ちが悪くなったのでしょうか? しょうもない質問で申し訳ございませんが、ふと不安に感じたので教えて下さい。

放射線治療をどこの部分に受けておられるのか分かりませんが、通常は骨シンチの検査が同日でも問題ないと考えますが・・・。一応担当の放射線科の先生にお尋ねください。(文責 片山)

 

No.4142】 05年07月17日    R.S.
胸のしこりみたいなものについて

初めまして。21歳です。1ヶ月ぐらい前から左胸の左上部分の乳房に、1センチぐらいのデキモノみたいなのができました。最初はニキビかなと思って放置していたのですが、治る気配が全くありません。触ってもやわらかく、痛みも全くない状態です。最近、あまりに治らないので、すごく気になっています。現在妊娠8ヶ月の状態で、「お腹の子に影響はないのか。もし、乳がんだったらどうしよう。」と考えてばかりいます。これはやっぱり病院で検査などを受けたほうがいいのでしょうか?

申し訳ありませんが、実際に拝見していないので分かりません。かかりつけの産科の先生に、外科か皮膚科の受診を相談なさってみてはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

No.4141】 05年07月17日    H.K
癌の疑いが非常に高いとの見解です

はじめまして。50代後半で、出産歴はあります。胸のしこりが気になり、触診→エコー→マンモグラフィーと検査をしたところ、しこり部分の他に石灰化している部分も見受けられるという事で、限りなく癌の可能性が高いので(ほぼ癌だろうとのこと)、細胞を取り、検査待ちです。このしこりは一年ほど前から気になっていましたが、検査等受けていませんでした。癌だった場合、
1) この年代で1年での進行はどの程度なのでしょうか? 外見に症状もなく、痛み等もありません。しこり以外の症状は全くありません。しこりは前より大きくなったと思います。
2) 自分で触った感じだとしこりの大きさは10円玉ぐらいです。触った感じと実際の大きさは違うものでしょうか?
3) またこの状態でも細胞診の結果で癌じゃなかったという事はありえますか?
4) もしどこかに転移していた場合、通常の内科で行う健康診断の血液検査で何かの数値に異常等あらわれますか?(定期的に健康管理の為、血液検査をしていて、異常がなかったものですから・・・)

お忙しいとは存じますが、ご回答お待ちしております。

1) 個体差もあり、一概には言えません。非浸潤癌の場合、何年間もそのままほとんど変化しないものもあります。
2) 触診ですと、皮膚、皮下脂肪を介して乳腺の中のしこりを触れるわけで、若干大きめに触れることが多いと思いますが、逆に触るよりも広く乳管などに沿って広がっている場合もあります。
3) ありえると思います。
4) たとえば肝臓に転移があって肝機能障害が起こるなどということはありえますが、それはかなり進展している場合で、通常はなかなか異常値となっては表われないと思います。(文責 片山)

 

No.4140】 05年07月17日     T 
放射線治療に関して

以前、質問させていただいた者です。母が乳がんを患い、約一年間点滴に毎週一回通い、その頑張りが通じたのか10センチ近くもあったしこりが数センチに小さくなり、どこへも転移していないことが確認されました。点滴に拒否反応を示し、発疹が出来てきたので、点滴をやめて放射線治療に30日間通うことになりました。そこで質問ですが、放射線治療一回に付き、治療費が4万円近くかかるというのは本当ですか? 点滴も約2万くらいしていたので、少し心配しているようです。良くなっていると聞いて母も喜んでいたのですが、お金のことを心配しているようで・・・。お恥ずかしい質問ですが、教えて頂けますでしょうか?


費用についてはあまり詳しくなく申し訳ありませんが、今日病院で事務の方に確認しましたら、温存術後の照射の場合、初回が5000点(5万円)強となり、3割負担ですと約1万6-7千円で、2回目からは1500点強くらい(3割負担で5000円くらい)とのことでした。また、月に7万3千円(?これも正確ではありませんが・・・)以上は高額医療で戻ってくると思います。正確な数値でなくてすみません。詳しくは現在かかっている病院にお尋ねいただければと思います。(文責 片山)
 

No.4139-1】 05年07月17日     JMK 
乳輪下膿瘍について

初めてご相談させていただきます。31歳、出産歴なしです。今年右胸にしこりがあり、外科を受診しました。乳腺症ということで様子をみていたのですが、4月末から乳輪部より排膿があり、3回ほど切開してもらいました。その度に抗生剤と軟膏の処方をされていますが、1週間〜10日もするとまた炎症を起して排膿する・・・を繰り返しています。もうかれこれ3ヶ月近く通院していますが、一向に良くなる気配がありません。以前よりも炎症のおこし方がひどくなっているようで、腫脹し始めると半日ぐらいでぱんぱんに腫れあがり、胸全体が痛くなってしまいます。他の方の相談を読ませていただきましたが、炎症が年に数回あるようなら根治手術を・・・と書いてありました。今日も切開してもらったのですが、先生に聞いたところ、「今は炎症を起しているので、手術は普通はしない。炎症が落ち着いたら、手術してもいいのでは」と言われました。根治手術をしても再発する可能性は高いのでしょうか?今、膿瘍は4cm×1,5cmぐらいで、婁孔もしっかりとエコーには写っていました。乳腺専門の先生にも診てもらいましたが、その先生には「手術してもね〜」と言われました。排膿が続くだけでも不快なのですが、仕方ないのでしょうか? 他の病院を受診しても一緒なのでしょうか? こんな質問で申し訳ありませんが、ご意見いただければと思います。よろしくお願い致します。

難治性乳輪下膿瘍は文字どおり治りにくい疾患で、抗生剤・消炎剤の投与で軽快しなければ、切開排膿して次第に肉芽組織が盛り上がってくるのを待つということになります。しかし乳腺は、特に乳輪の近くではアリの巣のように乳管がはりめぐらされている組織ですから、その一部に膿が残ってしまうと再発してしまうわけです。陥没乳頭が合併している方に多く、繰り返す場合、これを合わせて治す手術を行うことがあります。(文責 片山)

 

No.4139-2】 05年07月19日     JMK 
乳輪下膿瘍について(2)

さっそくのご返答ありがとうございました。再度質問させていただきたいと思います。乳輪部に1.5cmぐらいのしこりがありますが、それが膿瘍なのでしょうか? 乳頭のすぐ下の部分なのですが、お返事をみると乳腺が集まっているところと書いてありました。確かに私は陥没乳頭なのですが、それも合わせて治さないと再発するということなのでしょうか? 手術は一般的に外来手術なのですか? 日帰りの手術はちょっと心配なのですが・・・。こんな質問で申し訳ないのですが、あまりにも長引いているので心配で・・・。先日切開してもらった時はそんなに膿がでなかったようで、「ひどい人はもっと膿がでるから」と言われました。私としては、手術でしっかりと治してもらう方がありがたいのですが、先生に言い辛くて・・・。他の方は乳がんなどの質問をされているのに申し訳ありません。よろしくお願い致します。

難治性乳輪下膿瘍は陥凹乳頭の方に多い病気で、乳管が皮膚と同じ扁平上皮化してしまうために起こります。繰り返し化膿するのが特徴で、基本的にはその度に切開排膿します。根治させるためには扁平上皮化した乳管を切除しなければいけません。手術は通常外来で局所麻酔で行います。炎症を起こしているときは手術しにくいので、炎症が収まっているときに手術するのがbetterです。この手術は癌の手術より難しい手術です。一生懸命根治手術をしても再発する可能性もあります。癌の手術のように命に関わる手術ではないこと、難しいこと、再発が少なくないことなどが、医師に二の足を踏ませているのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.4138】 05年07月17日     F 
男性乳癌について

突然メールで失礼します。実家の父が数週間前から右の乳首に触れると痛みを感じるようなのです。左は全く痛みもないみたいです。実は、私事なのですが、一年半以上前に線維腺腫で手術しました。なので、両親そろって少し神経質になっているのだとは思いますが、自分がそうなっただけに、私も心配になりました(術後一年で、また出来てしまい、今も定期検査に通っています)。男性の場合の乳がんの症状は、どういったものですか? それと、自己チェック方法を教えて頂ければと思います。乳がんでないとは思うのですが、痛みだけで他に自覚症状がないとしても、一度、専門医にきちんと診てもらった方が良いのでしょうか? 病院は、「がんセンター」とかでなくて、女性が受診する「乳腺外来」で良いのでしょうか? お忙しい所、申し訳ありませんが、お返事の方お待ちしておりますので、よろしくお願い致します。

男性乳癌の頻度は女性と比べて1−2%程度と少なく、初老期の男性が痛みを伴うしこりを自覚した場合、多くは女性化乳房症です。念のために乳腺外来を受診なさってはいかがでしょうか。(文責 片山)

 

No.4137】 05年07月16日     Y.K.  
粘液癌の再発治療について

2001年2月に右胸全摘したものです、約6センチの粘液癌でリンパの転移なしということでした。術前タキソール約3カ月投与しましたが、大きさの変化はありませんでした、術後もタキソールの投与をしました。半年ごとの定期検査で腫瘍マーカーが上がったということで全身検査の結果、右肺に転移ありということでした。検査期間に水も溜まってしまったということで抜くことになりました(思ったほど溜まってはいなかったようです)。ホルモンレセプターはマイナスなので、抗癌剤治療になるということなのですが、粘液癌は抗癌剤が効きにくいといわれ治療に不安があります。最初に出来た癌は10年以上かかって出来た癌なのに、転移してからは進行が早い癌なのでしょうか。粘液癌の再発の治療方法は抗癌剤しかないのでしょうか。あまり例のない癌だということで解らない事ばかりなので、よろしくお願いします。

粘液癌は特殊型で症例数も少なく、特に再発後の治療法に関しては確定したものがない状況だと思います。やはり通常型の乳癌の再発に準じて、まずアントラサイクリン系(アドリアマイシンやファルモルビシンなど)を含んだ化学療法から試みるということになると考えます。(文責 片山)

 

No.4136】 05年07月16日     Y.M. 
胸の痛みについて

はじめまして。少し心配なことがあり、今回相談させていただきました。現在29歳の女性です。妊娠5週目なのですが、妊娠の自覚症状と共に乳房の中にある硬い部分(なんかこう柔らかい筋肉みたいなもの)に痛みがあります。全く動かさなければ痛みはないのですが、その固い部分を手で押してみたり、軽く握ったりするとひどく痛みます。筋肉痛の痛みに似ていますが、飛んだり跳ねたりした時は特に痛みがあります。皆様の言っている妊娠時の乳房の張りや痛みというのはどういうものか良くわからないのも現状です。妊娠時にはどなたでもこのような症状が起こりうるのでしょうか。両胸であることから、乳癌とは関係なさそうなのですが、若干ナーバスになっております。妊娠中なので乳癌検診も若干ためらっております。アドバイス宜しくお願い致します。

症状が両側性であり、妊娠時の張りや痛みでよさそうですが、念のためかかりつけの産科の先生に相談し、場合によって外科のDrの診察をうけてください。(文責 片山)

 

No.4135-1】 05年07月16日     S.M
手術前の化学療法について

乳房のしこりと脇の下のしこりが気になり自宅近くの病院で検診、細胞診でクラスVでしたが、手術を勧められました。セカンドオピニオンで、乳腺外来のある病院で診察、針生検の結果、癌の告知を受けました。しこりが3cm、乳首近くにあるため、温存を希望の場合、手術前に化学療法をするしかないとの説明でした。化学療法で必ずしこりが小さくなる保証は無く、またしこりが全体的に小さくならずにいくつかに分散された状態になることも説明がありました。良く解りませんが、(-)(-)の人には効果があるが、私の場合(+)(-)なので・・・ということも言われました。私としては、もし可能であれば温存を希望しており、手術後に同じ化学療法を受けるのでしたら、手術前に受けた方が良いように思いますが如何でしょうか。

術前補助化学療法は腫瘤を縮小させて温存率をあげる目的で行われます。縮小したことが目に見えれば効果があることが分かりますから、術後にも同じ治療を続けるという目安にもなります。しかし化学療法による副作用で閉経状況になることもあり、今後妊娠を希望されている女性では一考が必要です。(文責 片山)

 

No.4135-2】 05年08月02日     S.M
術前補助化学療法について

HPNo.4135で術前補助化学療法による温存の件でご相談した者です。術前補助療法の選択について、更に質問です。前回解答頂いた内容を踏まえ、年齢が44歳ということもあり、副作用による閉経は仕方ないと思い、温存を希望の旨、主治医に伝えておりました。その後、詳しい検査後、今後の治療について主治医から以下のような説明を受けました。
1)骨・肝臓・肺等への転移無し
2)リンパの腫れがある為、レベルUまで郭清する。(細胞診をしたために腫れることもある)
3)腫瘍が乳房の乳頭から腕側・下にかけて細長い(3cm*4.5cm)ため、このまま温存しても乳首も残せず、乳房があまり大きくないので形良く残せないめ、全摘が望ましい。(希望があれば再建もできる。)
4)術前補助化学療法をする場合、腫瘍が小さくなる可能性は80%、術前でも補助化学療法は6ヶ月続ける。術後は補助化学療法はしない。術前・術後で使用する抗がん剤は同じ。

再建手術まで、現時点ではとても考えられませんし、全摘してしまった後で後悔しても元に戻せませんので、随分がんばって質問したつもりですが、今ひとつ納得できません。術前補助化学療法について、否定的ではないものの、温存の希望を伝えているにもかかわらず、こちらからの質問に対しての十分な返事が得られません(専門家に対しての質問の仕方が漠然として答えようがないのかもしれませんが)。主治医の口ぶりから、まず手術(全摘)をして、病理の結果次第で、その後の治療を決めたい意向のように感じます。手術を優先した場合と、術前補助化学療法をした場合のリスクが良く解らず、決めかねています。宜しくお願い致します。

現時点で公表されているデータからは、化学療法は術前に行っても術後に行っても効果は同じです(再発、生存率に関して)。ただ、手術の方法に関しては術前投与により温存術施行率が上昇します。腫瘍の縮小の仕方は色々ですが、乳頭の近くに存在していても温存術が行える可能性はあると思います。温存を御希望でしたら、術前化学療法が候補にあげられるでしょう。十分な返事が得られない場合、納得のいくまでご質問されたほうが宜しいかと思います。あるいは他の医師の意見を参考にすることも選択肢の一つです。(文責 加藤)

 

No.4134】 05年07月16日     O.A.
粘液癌について

はじめてこのサイトを知りました。母(65歳)の乳ガンの件でご相談申し上げたく、メールいたしました。検査結果を共に聞きに行き「粘液癌」と言われました。本人でもないのに頭が真っ白になり、ほとんど先生に質問できなかったのですが、聞き慣れないその特殊型は、検索しても難しい論文のようなものばかりで一般人にはなじめないサイトばかり、困り果てた次第です。1センチ2ミリ程度のもので位置が悪く、乳房もろとも切除なのですが、手術がどの位時間がかかるものなのか?抗ガン剤はリンパへの転移度によって決めるとおっしゃっていたのですが、その程度の場合、放射線治療は施されるのか?またこの癌はいったいどのくらい難しい癌なのかを知りたいのです。宜しくお願いします。

ケースバイケースと思いますが、手術時間は2−3時間くらいといったところでしょうか。乳房切除をした場合、術後の病理結果にもよりますが、取りきれていると判断した場合は通常は放射線療法はしないと思います。リンパ節転移がなければ比較的全身転移を起こすことが少なく予後の期待できる癌種と思いますが、局所再発が比較的多い印象です。(文責 片山)

 

No.4133】 05年07月16日     M.U.
首のリンパ腺の腫れについて

はじめまして。34歳、独身、出産経験なしです。5年前にしこりが見つかり、一度悪性と診断されたものの、生検で線維腺腫と診断されました。今年になって、また左胸にしこりが見つかったため、念のためと思い乳腺外科で見てもらったところ、「マンモ、エコーでは大丈夫なように思うが、一応細胞診をしましょう」とのことで、現在結果待ちの状態です。私が今回気にしているのは、先日から左首のリンパ腺が腫れていることです。37.5℃くらいの熱がでて、下がらないので内科を受診したところ、「風邪の細菌がリンパに入ったのでしょう。」とのことで抗生物質をもらいました。数日飲むと熱は引いたのですが、また現在もリンパ腺が腫れ、熱がでてきました。首のリンパ腺は腫れると少し筋肉痛に似た痛みがあるのですが、喉などの痛みはなく、咳、鼻水などの風邪のような症状は一切ありません。これは胸のしこりとは関係あるのでしょうか。もし、しこりが悪性なら首のリンパが腫れることはありますか?このまま熱が続くようならもう一度内科を受診しようと思っていますが、そのときに左胸のしこりのことも伝えた方が良いのでしょうか?お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答よろしくお願いいたします。

お話を伺う限りは胸のしこりと首のリンパ節の腫れは関係がないように思いますが・・・、実際に拝見していないのではっきりとは分かりません。次に内科を受診する際に左胸のしこりのことも是非先生にお伝えください。(文責 片山)

 

No.4132】 05年07月16日     M.S.
断端陽性が広範囲の場合、放射線は効果があるのでしょうか?

始めまして、よろしくお願いいたします。私は乳癌で非浸潤癌です。センチネル転移なしです。術前には7mmほどのしこりが、意外にも病理結果では38mmの広がりで、しかも断端陽性+で、広範囲に広がっていたようです。そこで今の選択肢として、放射線照射か再手術を勧められています。放射線とホルモン療法で治療するべきか、また再手術でとって非治療をするべきか、どちらが完治できるのでしょうか。断端陽性が広範囲の場合、放射線は効果があるのでしょうか? どうぞ良きアドバイスお願いいたします。

非浸潤癌の治療方法はまだ確立しておらず、日常診療でも非常に悩ましく難しいことが多いところです。癌の大きさ(広がり)、断端の余裕、組織学的悪性度をスコア化して、局所切除のみ・放射線を併用・乳房切除術の方針を決めるという方法がありますが、ひとつの目安ということになります。(文責 片山)

 

No.4131-1】 05年07月17日     E
アロマシンとアルミデックス  

以前、ノルバデックスを服用していてダラダラした出血が止まらなくなって相談させていただいたEです。その節は本当にありがとうございました。その事が原因でノルバデックスの服用が中止になり、ひと月は何も飲んでなかったのですが、一ヵ月後からアロマシンを飲んでいます。術後に生理が止まってしまいました。閉経後と言う事でアルミデックスだと思っていたんですが、アロマシンを服用しています。同じ働きのお薬で、副作用も同じなんでしょうか? 最近、両手の間接がこわばり、リウマチの症状ではないかと心配しています。ノルバデックスを3年飲んだのですが、今ホルモン剤を止めてしまうと再発の可能性は5年飲むのとではかなり違ってきますか? 他にも持病があるので、薬を変えて出てくる副作用が怖いです。宜しくお願い致します。

同じアロマターゼ阻害剤という分類に入る薬ですが、アロマシンはT型ステロイド性非可逆的で、アリミデックスはU型非ステロイド性可逆的という差があり、 ほてり・発汗・悪心などの副作用は似ていますが、関節痛、骨折などはアロマシンのほうが少ないようです。アロマシンはホルモン療法の初回治療における有効性及び安全性は確立しておらず、術後補助療法における有効性及び安全性は確立していないとされています。最近の外国の大規模比較試験でノルバデックスを2年から3年服用後にアロマターゼ阻害剤に変更したほうが再発リスクを低下し、無病生存期間が延長したというデータが出ています。(文責 片山)

 

No.4131-2】 05年07月19日     E
アロマシンとアルミデックス(2)  

早々のご指導ありがとうございます。良くわからないのですが、「アロマシンは初回治療における有効性及び安全性は確立しておらず、術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。」とは、どう言うことなのでしょうか? アルミデックスの方が安全なのですか? 理解出来なくてすみません。

「アロマシンは初回治療における有効性及び安全性は確立しておらず、術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。」というのは,薬の添付文書に書いてある注釈で、日本人について試験が行われていないので、厚労省が安全かどうか判断できないということです。海外では多くの術後補助療法の試験が行われており、安全性に特に問題はないと思います。アリミデックスとアロマシンはどちらの薬も術後ノルバデックスを2〜3年内服した後に変更した場合、ノルバデックスを5年間内服した場合に比べて、より再発が減ることが証明されています。(文責 清水)

 

No.4130】 05年07月16日    N.K
W期に入っているのでしょうか?

私の妻ですが(34歳、出産暦なし)、1年ほど前から胸のしこりには気付いていましたが(そのころ2cmほど)忙しさのあまり検査に行きませんでした。7月に入り激しい嘔吐と微熱で近所の病院にゆき、即大学病院に回されました。告知はまだですが、先生より「左胸の半分が犯されており、肝臓にも2〜3cmのしこりが5個ある」と告げられました。又肋骨にも転移の疑いがありと・・・。書物で調べるとW期だと判断するしかないと思われます。告知と今後の治療の説明は7月20日と言われ、それまでは「自宅療養」とのことでした。こんな呑気なことで大丈夫なのでしょうか? 肝臓が大きくなてしまって胃を圧迫して、「ずっと気持ちが悪い」と苦しんでいます。私は汗を拭いてあげることと、お腹をさする事しか出来ません。どうしたら良いのでしょうか?助けてください!

細胞診、ないし組織診を行って診断が確定することが多いと思いますが、お話をうかがう限りW期の乳癌の可能性が高いと考えます。その場合全身化学療法を主体とする治療になると思います。(文責 片山)

 

No.4129】 05年07月15日    K・K
脇の下のしこり

はじめまして。私は33歳、3人の子どもがおります。2,3日前に脇の下にころころするしこりをみつけました。触っているうちに、痛みがでてきました。今現在の症状は、蚊に刺されたようにぽつんとなっていて、その周りが少し盛り上がったようになっています。しこりの大きさは3センチ位の大きさで、下着が当たるだけでも痛みます。触ってみた限りでは、乳房・乳頭にしこりのようなものはないようです。どんな病気が考えられるでしょうか? 教えてください。

皮膚・皮下のしこり(粉瘤や脂肪腫)、その炎症、虫刺症、リンパ節炎などが考えられると思います。外科の外来を受診なさってください。(文責 片山)

 

No.4128】 05年07月15日    M 
ゾラデックスについて

はじめまして。41歳の主婦です。4月に乳がんの手術をし、5月から補助治療としてゾラデックス+ノルバデックスを投与しています。先日3回目のゾラの注射をしたのですが、お腹の広範囲に内出血してしまいました。1回目、2回目にはなかった症状です。病院には相談したほうが良いのか心配ないのか、教えていただけたらと思います。

現在止血しているのであればまず問題ないと思いますが、念のためかかっている病院に相談されてはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

No.4127】 05年07月15日    FUJI
米粒ほどのしこりを見つけました

はじめまして。30歳の既婚、出産経験はありません。数日前に左の脇の下(位置は窪みよりも2cmほど背中よりにあります)に米粒ほどのしこりを見つけました。痛みはほとんど無く、コリコリした感じで、つまむとつまようじで刺したような窪みが出来ます。乳癌による乳房のしこりの場合、つまむとえくぼ状になるとの事ですが、脇の下のしこりもえくぼ状になる事があるのでしょうか? もうひとつ気になる事がありますが、1ヶ月ほど前からつまむと左側の乳頭から水のような透明な分泌物があります。この事としこりとは何か関係があるのでしょうか?よろしくお願いします。

実際に拝見していないのではっきりしたことは申し上げられませんが、位置が完全に腋下にあるようなので、乳腺内ではなく皮膚・皮下のしこり(粉瘤など)が考えられ、であるとすると皮膚にくっついたしこりであるので、つまんだ時にえくぼ状になっておかしくありません。
乳頭からの透明な分泌物はしこりとはおそらく関係ないでしょう。出血でなければあまり心配いらないと思います。(文責 片山)
 

 

No.4126】 05年07月15日    M.I
経過観察か細胞診かの判断について

以前にもご相談させて頂いたものです。「・右2ケ所、左1ケ所にしこり有り ・昨年10月、総合病院Aで検査の際、左胸のみ顔つきが悪いので細胞診→良性 ・今年2月、A病院再診。医師とのコミュニケーションが上手くいかず、個人病院Bにてセカンドオピニオン ・当月末、B病院にて左胸細胞診→良性」という過程を経て、今月再びB病院を受診しました。マンモ、エコーの結果、左右共、大きさ・形等変化無し。医師に「特に目立った変化も無いようですし、心配は要らないと思いますね。一応、今回は3ヶ所共、細胞診をしておきましょう。」と言われて驚きました。右胸に関してはA病院の先生はエコー画像を見るなり、「これは良性、気にしなくていい」と即答されました。B病院の先生も初診の際には何も仰いませんでした。私がその旨お話すると、「まぁ、形的には問題ないと思いますが、念の為にね。」 今回は余り気が進まないと言うと、「では、次回でも結構です。6カ月後にいらして下さい。その時は必ず細胞診しましょう。」という事でした。そこで質問させて頂きます。
1) 知人(複数)で、(良性と思われる)しこりのある人は皆、経過観察です。一般的に良性と判断できる所見で大きさ・形ともほぼ変化の無いものでも、しこりであるなら細胞診をするものなのですか?
2) 左胸の顔つきが悪いしこりに関しても、おそらく原因となる事由(昔、化膿して切開した箇所の真下)が判明したので、やはり経過観察でいいのではないのでしょうか?
3) 細胞診の正確性はどれほどなのでしょうか?(一般的には90〜95%と聞いています。4ヶ月程の間に2度も行った私の場合はもっと高いのでは?と思うのですが)
4) もし、少しでも疑わしいと思っておられるなら、6ケ月後は間が空き過ぎではないかと思うのですが、どう判断すべきでしょうか?

A・B病院どちらの先生も、乳腺専門医です。しこりは、「左:触知せず、エコーでのみ確認できる、マンモ写らず。 右:触診で自覚無し、医師は触知。マンモ写らず。」です。以上長々と書き連ねまして申し訳ありません。宜しくお願い致します。

1) 実際に拝見していないのでしこりがどのようなものかわかりませんが、右胸のしこりに関しては今まで一度も細胞診をしておらず、今回情報を少しでも増やす意味で先生も細胞診をすすめられたのかもしれません。
2)4) 実際に拝見していないので微妙なニュアンスがわからずコメントできません。
3) 細胞診の検査が正確にできるためには色々な要素があり、しこりの形や大きさ、固さによっても異なると思いますが、正確に穿刺ができて標本がうまくできた場合は、おっしゃるように90-95%の正診率が得られると思います。(文責 片山)

 

No.4125】 05年07月15日    N.S.
脇のしこりと検査手順について

27歳未婚、出産歴なしの女性です。半年前から左脇に直径5mm程度の大きさのしこりがあります。痛み、分泌物等はなく、他人に触られても、しこりに触れられている感覚はありません。数日前に病院に行ってきました。その日は触診とエコーを行い、悪い感じはしないと言われ、念のため10日後にマンモグラフィを撮ることになりました。よくよく考えるとレントゲンで乳房を調べるより、しこりの細胞を見た方が白黒はっきりするような気がするのですが、細胞診は画像診断後にしかしないものなのでしょうか? また、脇にしこりができる原因は、乳がん以外に悪性のものはあるのでしょうか? 検査がのんびりしすぎているような気がして心配になってきました。よろしくお願いいたします。

乳腺疾患の診断は、視触診・マンモグラフィー・エコーなどによる総合診断であり、診画像診断で明らかに良性と思われる場合には、必ずしも細胞診の検査が必要というわけではありません。またしこりの位置や深さにもよると思いますが、直径5mmのしこりに針を刺して細胞を取るのは難しい場合もあります。(文責 片山)

 

No.4124】 05年07月12日    G  
鍼灸治療について(HPNo.3689-2)

HPNo.3689でお世話になりました。その後担当医に話を聞いたところ、「フルツロンとゾラが2年、ノルバDが5年でいきます」ということでした。ホルモン剤の副作用もホットフラッシュと体重の増加くらいで安心をしておりましたが、先月中旬より術側の腕のむくみが発生しております。毎晩入浴中にマッサージはしておりましたが、娘にテンピュールみたいだ!といわれるほどひどくなってしまいました。そこで友人の鍼灸師に相談しましたところ、針治療でよくなる、と聞きましたが、治療をうけるにあたり注意すべき点をお教え戴ければ幸いです

あなたの原発巣がT2noであったことを考えると今の時期に再発ということは考えにくいですが、一応腕のむくみが関係ないかどうか検査も含めて主治医の先生に相談してみてはいかがでしょうか? 針を打つ場所にもよりますが、患肢に近い場合、感染には注意されたほうが良いと思います。(文責 片山)

 

No.4123-1】 05年07月12日    S.F.
センチネルでの手術後、DCISの可能性あり

カナダ在住女性です。6月末、センチネルと部分切除の手術を受けました。3月に1個目(9時の位置)のしこりを発見して、検査などを受けている間に2個目(12時の位置)ができ、部分切除とセンチネルを受け、リンパへの転移のないステージ「1」と診断されました。病理検査結果、腫瘍はホルモン反応陽性、2個目のしこり周辺に手術時には解らなかったDCISが広がった状態(Low to termediate GRADE)であると言われました。全摘出を希望していません。そこで下記のけん、お尋ねします。
1)DCISが浸潤性に変わる確率とその期間
2)ホルモン療法が適切か否か
3)バイオプシー検査で2個目のしこりができた可能性はあるか
4)万が一摘出が必須の場合は、どの再建方法がなされるのか

よろしくお願いします。

1) DCISが浸潤癌に変わる確率は存じませんが、腫瘤形成や血性乳頭分泌などの症状のあるDCISは将来浸潤癌に移行するものが多く、検診MMGのみで見つかるような微細なDCISは数年―10数年、あるいは一生そのまま同じ状態でいるのではないかという意見もあります。
2) ホルモン反応陽性であり、適切であると考えます。
3) そのような可能性は低いと考えます。
4) 広背筋や腹直筋皮弁など自分の体の一部を用いた再建や、シリコンバッグなどのプロテーゼを皮下や胸筋間に入れる方法などがあります。(文責 片山)

 

No.4123-2】 05年07月16日    S.F.
センチネルでの手術後、DCISの可能性あり(2)

ご丁寧なお返事をありがとうございます。再度ご質問してもよろしいですか?
1) 腫瘤形成や血性乳頭分泌は英語ではどの単語で表現されますか?
2) 2個目の腫瘍1.5cmの大きさに対して4cm角で組織を取り出し調べたところ、DCISが組織の中で大きく広がっていると言われましたが、その場合にはどういった処置を行うのが一般的でしょうか? 取り出された組織内の全体にDCISがあれば、他にもあるという考え方で、全摘出をやるものなのでしょうか?
3) 回答内にある「検診MMG」は顕微鏡の意味ですか?

お忙しいところ、何度も申し訳ありません。よろしくお願い致します。

1) 腫瘤形成→Tumor formation,making tumor? (すみません。通じないかもしれません)、 血性乳頭分泌→Bloody nipple discharge.
2) DCISの治療法はまだ確定しておらず難しい点が多いと思います。癌の大きさ(広がり)、断端の余裕、組織学的悪性度をスコア化して、局所切除のみ・放射線を併用・乳房切除術の方針を決めるという方法がありますが、ひとつの目安ということになります。
3) MMG(Mammography):乳房X線撮影のことです。(文責 片山)

 

No.4123-3】 05年08月06日    S.F.
センチネルでの手術後、DCISの可能性あり(3)

何度もお尋ねしてすみません。オンコロジストから下記の通り治療方法の説明がありました。日本での治療方法は異なりますか?
最終結果:ステージ1、1個目(9時のあたり)グレード1、2個目(12時あたりグレード3)、エストロゲン陽性90%

1)センチネルで部分切除した2個目のしこりの組織4cm角のマージン(下方部)が1mmしかなかった為、再手術で組織を取る
2)手術に入る前に抗がん剤 AC 4回(3週間に1回)
3)再手術後、放射線とホルモン治療(タモキシフェン)
4)DCISについての治療は特になし 

質問:
1)ステージ1なのに、抗がん剤を打たなければいけないのは、グレード3で進行性が高いからですか?
2)抗がん剤の組み合わせは日本と同じでしょうか?
3)副作用が大きいアドレアマイシンは毒性があると言います。安全でしょうか?
4)40歳になっている為、閉経する可能性もあると言われました。妊娠を望む場合、抗がん剤は止めたほうがいいのでしょうか。

お時間をお取りして申し訳ありませんが、ご回答頂ければ幸いです。

単純に2個ともDCISであれば、局所の治療のみで十分で、化学療法はovertreatmentです。1個めが浸潤癌で、その病理所見で化学療法が必要とされたのでしょうか?(なんとなく文面からはそのようですが・・・) 2個めの腫瘍はすべてがDCISでしょうか? 部分的に浸潤癌があるのでしょうか? 2個めの腫瘍の断端は、intraductal componentか、invasiveなのか。こちらから質問で恐縮ですが、この結果によっては、いくつかoptionがありそうなので、お答え頂けますか? そうしましたら、また回答します。(文責 鈴木)

 

No.4123-4】 05年08月09日    S.F.
センチネルでの手術後、DCISの可能性あり(4)

お忙しいところをご親切に回答頂き、ありがとうございます。
1)1個目の腫瘍:
invasive duct carcinoma, no special type, grade 1(tubules 2, nuclei 2, mitoses 1), arising from a 1cm region of duct carcinoma in-situ, grade 2 nuclei, cribriform attern with a focal brisk mitotic rate. margins are negative. closest margin less than 1mm.

2)2個目の腫瘍:
invasive duct carcinoma, no special type, grade 3(tubules 3, nuclei 2, mitoses 3) with focal necrosis. maximum size 1.2cm(pusing margin). asspciated with extensive duct carcinoma in situ, grade 3, solid cribriform with comedo necrosis, within and beyond the invasive tumor. margin is positive(inferior margin). margins are negative for in situ carcinoma. closest argin less than 1mm.

上記が結果です。手術から5週間が過ぎました。再手術の前に抗がん剤をしますが、急いで始めたほうがいいのでしょうか?2個目の腫瘍も1個目の腫瘍を発見してから2ヶ月後に見つけました。日本と違ってカナダは検査などに時間が掛かり、心配です。以上、よろしくお願い致します。

逆にありがとうございます。2個めの腫瘍の下方にinvasive ductal carcinoma(浸潤癌)があるため、追加切除という判断だと察します。主治医がどう考えているのかよくわかりません。1個めの腫瘍の局所再発と考えているのか???手術前に抗癌剤というのは判断に苦しみます。局所再発と考えているのであれば、その部分を切除すれば、事は足りるはずだと思います。抗癌剤の組み合わせはACにタキサン系の抗癌剤を、順番に投与するのが最近では一般的です。やるのであれば、術後でよいはずです。術前に急いでやるメリットは感じません。どちらにしても、外来での投与が可能で、イメージほどの強い副作用はありません。
あなたに対して、われわれの施設を含めて、日本でのごくスタンダードな治療方法は、局所切除(術中に切除の断端を病理医と相談しながら、顕微鏡を見ながら、切除断端に腫瘍のないことを確認する)の後、抗癌剤の投与(リンパ節転移がなければCMFという薬剤の組み合わせですが、最近では、リンパ節転移の有無にかかわらず、ハイリスク乳癌には、ACといった、A--アンスラサイクリン系の抗癌剤を含んだ治療をする風潮にあります。その際、先程にも書きましたが、ACにタキサン系の薬剤を、追加で投与します)。その後に局所に放射線照射(25日間)、その後に、ホルモン感受性があればホルモン療法です。海外で大変ですが、よく相談のうえ、治療を継続して下さい。(文責 鈴木)

 

No.4123-5】 05年08月10日    S.F.
センチネルでの手術後、DCISの可能性あり(5)

お忙しい中回答を頂き、ありがとうございました。恐れ入りますが、もう二つだけ質問させてください。
1) 局所切除(術中に顕微鏡を見ながら切除断端に腫瘍がないことを確認する)とありますが、日本では私の様に、後になって腫瘍が残っているかもと言われることはないのでしょうか? ここでは一週間後に検査結果をもらいます。
2) 抗がん剤を術前または術後で行う大きな違いはあるのでしょうか? メリットを見出せないとありますが、術前に対するデミリットはあるのでしょうか?

今週には抗がん剤が始まる予定です。以上 よろしくお願い致します。

1) 可能性として@迅速切片の診断が難しく、術中は陰性としてもホルマリン固定した永久標本で見直すと陽性(段端に癌の露出があった)という場合や、A断端には癌の露出がなかったものの、ホルマリン固定された切除標本を細かく切って調べると断端のすぐそばまで癌が伸展していた といったことが考えられます。がん細胞が乳管の中にぎっしり詰まっていれば切片に連続性があり、切り足していって癌がなくなれば終わり、となりますが、がん細胞がSkipして分布していればたとえ断端陰性でも腫瘍が残っている可能性がでてきます。
2) 浸潤がんを対象とした臨床試験では、術前・術後化学療法で抗がん剤と手術の順番の違いと再発率などには関係がない、差がないことが確認されています。 比較的大きな浸潤がんが術前化学療法の結果縮小し、乳房切除範囲が小さくてすむなどのメリットはあります。しかしあなたの場合、がん自体がほとんどDCISのようですので術前化学療法のメリットがそれほどあるとは思えません。(文責 首藤)

 

No.4123-6】 05年10月21日    S.F.
手術方法につき再度お尋ねさせてください

お忙しいところ申し訳ありません。再度お尋ねしたいことがあり、メール致しました。4回の抗がん剤投薬がやっと終わり、2個目の断端にDCISが残っていた為、拡張手術を受けることになりました。拡張する範囲をどう判断するのでしょうか? 手術前に生検などで切除範囲を決定できるのでしょうか? カナダでは術中の迅速診断を行っていない為、再度開けた後で「やはり断端に残っていた」となるのを恐れています。カナダの執刀医は「多発(2個の腫瘍が9時と12時にあった)なので全摘出が好ましい」と言っていますが、温存法の可能性に賭けてみたいのです。ただ、No.4123-5の回答にある様に、”切り足していって癌がなくなれば終わり、となりますが、がん細胞がSkipして分布していれば、たとえ断端陰性でも腫瘍が残っている可能性がでてきます”を考えれば、全摘出が良いのでしょうか? ご回答の程、何卒よろしくお願い致します。

難しい例で、日本語で説明されても難しい専門用語を英語で対応しなければならない不自由な状況でご苦労されていることをお察し申し上げます。拡張して手術する範囲は、手術する医師の判断によります。拡張している範囲は目では見えませんから、レントゲン等を参考にして範囲を考えてその範囲を手術します。ですから、再度手術してまた断端陽性になったり、ご心配のようにskipしている可能性もあります。そのような心配をなくすためには全摘が勧められます。日本でも広範に広がる病変が二カ所あれば、多くの先生は全摘を勧めると思います。しかし、乳房温存して生命予後が悪くなるかというと、全摘と変わらないのです。ですから、乳房内にまた癌ができる可能性を心配しながらも、乳房を温存したいのか、きれいさっぱりして、少なくともその乳房内に癌ができる心配をなくすのかの選択だと思います。その結果、温存を選択したのであれば、あまり断端等を気にせずに、しっかり放射線治療を受けて、できるならできてみろと開き直るのが良いのではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.4123-7】 05年10月29日    S.F.
手術方法につき再度お尋ねさせてください(2)

早速ご回答頂きありがとうございました。悩んだ挙句、温存を選択しようと決めました。病理医と放射線担当医も「全摘出が必須ではない」と温存に同意して下さいましたが、 手術医が「9時と12時の2個いずれも断端が1mmも満たなかったのだから、両腫瘍の間に残っている可能性があり、それぞれを更に拡張して組織を取ると、その部分がえぐれ胸の形が崩れるだろう」と言い、乳首の周り2cm辺りを筒状に切り、組織を綺麗に取り除き、シリコンを入れる同時再建を薦められました。私のケースはどちらの方法もあり得るらしく、結局は私自身の判断になる様なのですが、判断できずに困っています。温存のリスクは局所再発。では、全摘出および同時再建のリスクは何でしょうか。こちらは同時再建の盛んな国ですから、手術医は「安全だ」と言います。

1) 本当にシリコンは安全なのでしょうか。
2) 今後はシリコンを常に検査していかなければならないのでしょうか。
3) 局所再発を恐れながらも温存するのは自分自身の乳房を持ちたい・・それだけの事でしょうか。
4) 温存におけるメリットは他にありますか。

手術医と病理医や放射線担当医の意見の間で決断を下せずにいます。是非、上記の質問にお答え頂ければと思います。重なる質問で大変申し訳ございませんが、何卒よろしくお願い致します。

1) シリコンが完全に安全かどうか不明です。以前問題となったのは、シリコンを長期間体内に置いておくと体の抵抗力が弱くなる(アジュバント病)ということで販売中止になった経緯があります。最近のシリコンにそのような副作用がなくなっているのかどうか確認してみてはどうでしょうか?
2) シリコンを入れた方の乳房の検査は不要です。
3) 局所再発を恐れながら自分の乳房を維持するのは精神的に耐えられないというならば乳房切除をお勧めしますし、局所再発しても命まで持っていかれる訳ではないのだからと割り切って、同じ乳房内に二回もがんができたその時(局所再発)はきっぱり切除しようとか、切除して再建しようと考えて今回乳房温存するかです。局所再発のリスクをあなたがどうとらえるかです。
4) 温存におけるメリットは何と言っても乳房が残ることです。言い換えれば、乳房切除のデメリットがないということです。乳房切除のデメリットは、頭で考える以上に生活の節々に“片方の乳房がなかったのだ”と思いしらされる場面があるというのいうのが、体験者の話です。最後に私見を述べます。乳房再建はその時ちょうど良い大きさにできても、人間の体型は変化しますから、再建した方の乳房もしょっちゅう手を入れて(手術を繰り返す)おかなければなりません。それもそれで結構大変なことです。再建した後のことも手術する先生とよくお話しした方が良いと思います。勧められた手術方法はOncoplastic surgeryと呼ばれる方法で、数年前に日本にも紹介されましたが、日本ではあまり普及していません。私個人の意見では温存で良いのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.4122-1】 05年07月12日    K 
乳房切除後の胸壁照射について

はじめまして、よろしくお願いいたします。42歳、5月下旬に左乳房全摘の手術を受けたものです。再発・転移のリスクと胸壁照射が必要かどうか、お伺いしたいと思います。病理検査の結果は以下のとおりです。
1、Invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma
2、INFγ、g(+)、F(+)、s(+)
3、EIC(++);ICT(+++)NCAT(+)
4、Distance from margin : 7mm(DCIS-LAT) →surgical margin: negative
5、Nuclear atypia: Score2, Number of mitoses: Score 2  →Nuclear grade 2
6、Limph nodes, axilla, excision

「所見」
8×5×2cmの範囲にわたって癌を認める。組織学的には大部分が乳管内にとどまっている癌であるが、中心部では間質への浸潤がみられる。また、乳頭部表皮内への癌浸潤も認める。脈管侵襲は明らかではない。断端は陰性である。リンパ節切除検体では、癌の転移は認めない。ER マイナス、PgR マイナス、HER2/neu  3+。

主治医からは、断端が陰性であるし、浸潤部の腫瘍が2cmなので胸壁照射は必要ないと言われているのですが、切除検体の写真を見ると、断端にかなり近い場所に腫瘍があるのがとても心配です。また、現在の病院に来る前に別の病院で針生検(細い針による細胞診)を受けました。そのとき針をさされた場所に癌細胞がついているのではないかと心配です。(その時どこにさされたのか正確に思い出せませんが、今回の手術で切除した部分には含まれないで残っていると思います。こうした状況から、もし再発したら胸壁に広がってしまって大変なことになるのではないかと心配です。そうした再発の危険性があるのであれば、放射線で治療しておいたほうがよいのではないかと考えます。ちなみに現在は化学療法を受けています。以上です。よろしくお願いいたします。

皮膚への浸潤があったようなので、そこでのマージンは気になるところですが、断端陰性であるので基本的には照射の必要はないと考えます。手術したのと別の病院での検査であったということは確かにあるものの、通常は針生検した部分の皮膚は乳房切除術のときに一緒に切除されることが多いと思います。また穿刺吸引細胞診の場合、太い針(18Gなど)を用いるとその跡に癌細胞を残すことがあるとする論文もありますが、普通は21Gなどの細い針を使用することが多く、その場合は少ないとされます。もしも照射を検討される場合、現在行っている化学療法がアドリアマイシンなどのアントラサイクリン系の薬剤を含むものであるならば、照射は化学療法終了後がよろしいと思います。(文責 片山)

 

No.4122-2】 05年07月25日    K 
抗がん剤の量について

先日は放射線についての質問にお返事を頂き、ありがとうございました。度々で恐れ入りますが、本日は抗がん剤の量についてお伺いしたいと思います。術後の抗がん剤治療で、現在タキソテール37.5mgの毎週投与を受けているのですが、4週目位から髪が抜け始め、足の小指が黒ずんできた以外は、まったくと言っていいほどなんとも無いのです。タキサンはタキソールにしろ、タキソテールにしろ倦怠感などの副作用に苦しむ人が多いと聞きます。実は私、術前でECを受けたのですが、そのとき副作用がものすごかったため、タキサンの副作用も覚悟をしていたのですが・・・。最初は副作用がほとんどなかったので喜んでいたのですが、最近は、効いているのか少し心配になっています。といのは、腫瘍径は2センチでリンパ節転移はなかったのですが、ホルモン感受性がなく、HER2が3+のため再発・転移のリスクは高いと思うのです。そのため術後にはしっかりと抗がん剤治療を受けたいと思っています。私は身長151cm、体重49kgです。タキソテール毎週337.5mg(12回の予定)というのは術後の補助療法として治療効果のある量なのでしょうか? よろしくお願いいたします。

術前にECを行った方の術後補助療法については、現在のところ決まったものはありません。ホルモンレセプター陰性の乳癌であれば、タキサンを使うというのは一つの選択肢だと思います。その投与法は通常はタキソテールであれば3週間に一回、タキソールであれば毎週投与法というのが標準です。タキソテールの毎週投与法の有効性はきちんと証明されていませんが、副作用が軽くなることは判っています。主治医の判断として、多分、前回のECの副作用が強かったため、副作用の少ない投与法を選択したのだと思います。投与量については一回37.5mgということは体格からして約25mg/m2/weekとなり日本の投与量としては標準的な分割法だ思います。しかし、世界中で100mg/m2/3weeksという投与量が使われている中で、日本では70mg/m2/3weeksしか使えないという問題があり、医師によっては30mg/m2/weekを使う先生もいます。(文責 清水)

 

No.4122-3】 05年08月28日    K 
再発・転移の可能性

HPNo.4122で質問させて頂いたものです。その節はありがとうございました。本日は、再発・転移の可能性についてお伺いしたいことがございます。よろしくお願いいたします。5月に左乳房全摘手術を受けました。病理検査の結果は、@浸潤部腫瘍径・・2cm、A乳管内進展・・5cm×8cmの範囲、B乳頭部表皮内に浸潤あり、C組織学的悪性度・・2、Dリンパ節転移・・なし、E脈管浸潤・・不明、FERマイナス、PgRマイナス、G HER2/neu 3+、でした。現在術後の化学療法を受けていますが、再発・転移の可能性をどのように考えたらよいのか悩んでいます。ホルモン感受性がないので、ザンクトガレンのリスク分類では中リスクに入ると思うのですが、リンパ節に転移がないとはいえ、乳頭部で皮膚浸潤していて、 HER2/neu 3+。HER2/neu 3+は何を見ても”予後が悪い”と書いてあります。”HER2/neu 3+はそれだけでハイリスクと言える”と聞いたこともあります。術後の補助療法終了後半年や1、2年など、早い時期に再発・転移されている方はHER2/neu 3+の方が多いので、怖いです。中にはリンパ節に転移がない方でも、早くから再発・転移されている方がいらっしゃいます。 HER2/neu 3+の場合、病院のHPや本に載っている病期別の予後に関するグラフはそのまま当てはまらないような気がします。再発・転移の可能性について教えてください。私は治癒する可能性はあるのでしょうか?

前回や今回の貴女の質問を拝見し、非常によく勉強され、知識をたくさんお持ちでいらっしゃることにまず敬服いたしました。貴女の場合、2005年のザンクトガレンの分類に照らし合わせた際、組織学的悪性度、ER、PgRともに陰性、HER2/neu 3+の3項目がリスクを高めるfactorとなり、ご指摘の通りintermediate risk(中等度リスク)に分類されることとなります。一方で、HER2/neuが3+の方は20〜30%にみられ、これらの方は陰性の方に比して予後が悪いとされております。ただ貴女の場合、あくまでも腋窩リンパ節転移なくstageTであり、しかも術後補助療法として化学療法までお受けになっておられるわけですから、具体的な数字はお示しできませんが、決してそれほどまでに再発率が高いわけではありません。必要以上に再発を気にされず、やるだけのことをやり、あとは再発しないと信じることも、時に重要だと私は考えております。是非悲観しすぎずに頑張ってください。(文責 谷)

 

No.4121】 05年07月12日    A.U.
細胞診

昨年の乳ガン健診で触診では分かりにくいと言われ、エコー検査を行った際、右胸上部に直径8ミリの腫瘍か何か(画像では黒っぽく写っていました)が見つかりました。細胞診の結果は「血液性でないため判定できず」で、マンモグラフィの結果は異常なし。今年も同じ病院で触診とエコー検査を受けたところ、直径は9ミリになっているそうで、細胞診も行いましたが結果は昨年と同じ。ガンではないと断定はできないので、半年後また受診するように言われました。自分で触っても、しこりは感じません。ガンの可能性はあるのでしょうか? 半年後にまた細胞診をしても同じ結果になりそうだし、不安になるばかり。セカンドオピニオンとして別の乳腺外科で診察を受けた方がいいのでしょうか?

細胞診の結果は「血液成分のみで判定ができない(Class 0)」と考えられます。お話をうかがっている限り1年間ほとんど変化がなく悪性の可能性は低いと思いますが、実際に画像を拝見したわけではないので、はっきりしたことは申し上げられません。生検の可能性も含めて主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 片山)

 

No.4120】 05年07月12日    Y 
胸の痛み

32歳独身です。10日程前から胸の痛みがあります。乳癌検診に行った際に相談したところ、「乳腺が固くなっていますが、病気とは関係ありません」と言われました。ですが、原因や今後の経過について、どうしたら良いかということを詳しく聞くことが出来なかったので、アドバイスをいただけないでしょうか。いつもは生理前1週間くらい胸のはりがあるのですが、今回は時期的にもだいぶ早く痛みが続いています。胸の脇側と下側に痛みがあり、張っている感じです。初めは乳頭も痛かったのですが、それはなくなりました。病気(乳癌)とは関係ないということでしたが、乳腺が固くなっている症状には治療は必要ないのでしょうか。生理がきたら治まりますか? 3年前に、卵巣で黄体ホルモンが増えている(通常の何倍か)ということがあったのですが、そのときは生理がきたら治りました。乳腺が固くなることは、このようなホルモンのバランスなどに関係があるのでしょうか? 原因などあれば教えてください。よろしくお願いします。

乳腺が硬くなっている状態、診断名をあえてつけるなら乳腺症といいます。原因は詳しくはわかっていません。ホルモンのバランスに関係があるとも言われていますが、これだけではないようです。通常は閉経後自然に軽快し、乳腺は軟らかくなっていくことが多いようです。治療は特にありません。乳腺が硬い場合、しこりができても見つけにくいので、癌を見落としてしまうことがあるので、気をつけてみていくことが大事かと思います。(文責 稲葉)

 

No.4119】 05年07月12日    N 
術後の検査について(HPNo.3967-2)

以前[No.3967]でお世話になり、ありがとうございました。とても参考になりました。再び「術後検査」について質問があります。よろしくお願いいたします。昨年11月25日に左乳がん摘出手術を受け、術後検査は12月と今年6月の血液検査のみです。主治医に術後検査計画をお聞きしますと、「半年に1回血液検査をして、1年に1回マンモグラフィーをします。それは標準治療に基づいています。精密検査は、例えば咳が出るなど症状が出てからします。」というようなお返事でした。(また、診察も7月にあったのですが、次は来年の1月と半年後になりました。病院は大変混みあっています。) 本で調べてみても、私の場合は術後検査がとても少ないように感じられ、取り残されているような気がします。先生であれば、どのような術後検査計画を立てられるでしょうか? 6月の血液検査の結果、腫瘍マーカーも正常範囲内で問題はないと言われています。

担当の先生は恐らく米国の術後検査のガイドラインに沿った方針で検査計画を考えておられるのだと思います。米国では術後の転移の検索は症状がないうちは行わず、つまり胸部CTや肝エコー、骨シンチ検査などは行わずに、症状が出てから行います。マンモグラフィーは、術後の患者さんにおいて反対側の乳癌の発生を見つけるために有用とされています。しかし、わが国では定期的にCT、エコー、骨シンチを行って、血液検査も3ヶ月に一度くらいの割合で行う先生が多いのではないでしょうか。どちらも正しいと思います。個人的には、血液検査は3〜6ヶ月に一度、年に1回画像検査を行って転移の有無をチェックするということにしています。(文責 稲葉)

 

No.4118】 05年07月12日     E.H. 
良性のしこりの摘出について

しこりについて質問させて頂きたくメールさせて頂きました。先日、左胸にしこりが発見された為に病院で検査しましたところ、良性のしこりだと言われました。大きさは4cmになります。良性のしこりでも大きいため、摘出した方が良いと言われ、全身麻酔の5日間ほどの入院と言われました。良性のしこりの摘出は、局部麻酔による当日帰りと知り合いが言っていたのですが、全身麻酔をする事があるのでしょうか?もしかして悪性の恐れがあるのでしょうか?また、4cmというのは大きいほうですか?摘出の必要があるのでしょうか?あと、手術後はやっぱり相当に痛いのでしょうか?申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

良性のしこりであっても、3cm以上の大きさのものは摘出したほうがいいとされています。4cmの大きさでも局所麻酔でできないことはないのですが、切除範囲が大きければ大きいほど局所麻酔だけでは手術中の鎮痛効果が不十分になるので、全身麻酔でと言われたのだと思います。術後の痛みは一般的には経口の痛み止めを服用すれば我慢できる程度の痛みです。(文責 稲葉)

 

No.4117】 05年07月12日     T.M.
乳ガンの温存療法について

53才の女性です。全摘術か温存療法かの選択で、温存を選択しました。腫瘍が2.3×1.7で、術前の化学療法で、腫瘍を小さくしてから温存手術と言われました。化学療法を2クール受けましたが、とても倦怠感が強く、半年間も化学療法を行う自信がありません。全摘を受けても良いかなと思っています。途中で変更しても良いでしょうか。変更することのデメリットを教えてください。

術前化学療法を副作用のため途中で中止することは構わないと思います。化学療法を途中で中止することのデメリットは、用いた抗がん剤が癌に効くものかどうかの判断が難しいというだけです。術前に抗がん剤を行っても術後に抗がん剤を行っても再発率や生存率に変わりはありません。術前に抗がん剤をやるメリットは、用いた抗がん剤が癌に効くかどうか判断ができるということです(もちろん半年ほどの規定量が投与された場合です)。しこりが大きい場合は抗がん剤で大きさが小さくなり温存可能になるという効果があるかも知れませんが、2.3cmということであれば抗がん剤を投与しなくても温存可能の大きさであると思います。もし半年続けるのがつらいと思ったら、一度担当医の先生と相談されたらどうでしょうか。(文責 稲葉)

 

No.4116】 05年07月12日     H.M. 
免疫細胞療法(CD3-LAK療法)

免疫細胞療法(CD3-LAK療法)には保険が適用されるのでしょうか? もし適用されないのであれば、費用はどのくらいかかりますか? 乳癌の遠隔転移の場合は根治は難しいと考えられていますが、免疫細胞療法+タキソール+ハーセプチンの治療で転移が消えた人がいらっしゃるようなのですが、効果は期待できますか?

免疫細胞療法には保険は適用となりません。費用に関しては自費扱いになりますし、また行っている施設によって異なるので、具体的にはわかりません。一般的には一回数万から十万程度かかるという話です。効果に関してはまだ実験段階の治療ですので、過度の期待はされないほうが良いと思います。抗がん剤の併用で癌が消えたというのは抗がん剤の作用のほうが強いと思います。(文責 稲葉)

 

No.4115】 05年07月12日      M.k
温存で手術する予定です

はじめての相談です。宜しくお願い致します。42歳、6月上旬検査後、左乳癌早期と診断され、実はあと4日後に温存で手術する予定なのですが、不安がつのり質問します。1.8mmと幾つか広範囲に広がっているようです。石灰化もあるようです。「扇型に四分の一切除とリンパサンプリング予定、また取り残しが多ければ追加切除もありえる。」とのことです。先日購入した本には、このような場合温存はむいていない。とかいてあり大変不安です。主治医に再発確立の高い癌ともいわれました。まだ年齢的に全摘はイヤでしょう?と。。。そんな判断でも再発が心配です。ちなみに10年前、母が左乳房ぜんてき、現在再発なしです。遺伝でしょうか?娘がいるので心配です。申し訳ありませんが至急ご回答ねがいます。

病変が広範囲な場合、特に広範囲の石灰化を認める場合は温存手術では癌が取りきれない可能性もあります。主治医の先生の判断が再発確率の高い癌ということであれば、術式に関しても主治医の先生ともう一度相談して決めてみたらどうでしょう。どの術式になるにしても、患者様が納得した術式で行う事が重要です。(文責 稲葉)

 

No.4114】 05年07月12日      R.Y. 
乳首の下にしこりが!

50歳、出産経験1回です。最近右乳首下にビ-玉大のしこりがあり、触ると痛みます。乳首からの分泌液は認めません。また、乳首のひきつりや変形もないです。熱感もなく、痛みは我慢できる程度です。30歳のときに左の乳房外側にしこりが出来、精査で線維腺腫でした。今回痛みがあるのですが、心配です。

このしこりが何であるか、このメールに書かれてある情報だけでは診断はつきかねます。やはり専門医を受診していただくのが良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.4113】 05年07月11日     T 
早めに専門病院に行ったほうが良いのでしょうか?

今年40歳の二児の母です。母乳はマッサージをしてもらっても殆ど出ませんでした。産婦人科のマンモグラフィで、右に腫瘍(線維腺腫)と石灰化があるので、三ヵ月後に受診するように言われました。検診の書類に、{良性だが否定できない}に丸をされているようでした。三ヶ月も待っていて大丈夫なのでしょうか。早めに乳腺外科で診てもらった方が良いのでしょうか。その場合は、マンモグラフィやエコーの写真を借りていったほうが良いのでしょうか。よろしくお願いします。

念のため、乳腺外科を受診することをおすすめします。受診先の病院でも再度検査はすることになると思いますが、検診で行ったマンモグラフィーやエコーが借りられるなら、借りて乳腺外科を受診してください。(文責 稲葉)

 

No.4112】 05年07月11日     Y 
抗がん剤投与中の腫瘍マーカーの上昇について

以前にも大変お世話になり、ありがとうございました。あれから大腿骨への転移も見つかり、幸いにも骨折の可能性は今の所ないでしょうということで、前回の骨転移の時に効果があったタキソールを投与することになりました。3クール終了時では、当初NCC−ST−439が3800から1500に、4クール終了時になると2300に上昇してしまいました。主治医からは、「あと1クールをやった時点で採血して調べましょう、その後治療法を考えましょう。」と言われました。そこで相談ですが、あと1クールをやる必要性はありますか? 私は、最初の腰椎転移の時もタキソールを投与し、効果がありました。それを含めると21回タキソールを投与したことになります。耐性が出来てしまったことが考えられますか? それから、骨シンチ、肺、肝臓、脳の検査も8ヶ月ほどしていません、が検査も受けたほうがいいでしょうか? もし、抗がん剤を変更する場合はどのようなものがいいのでしょうか? 私が使用した抗がん剤は、タキソール、エンドキサン、フルツロンです。ホルモン剤は、ノルバデックス、アロマシンです。現在はゾラデックス注射とビスフォナールを点滴しています。術後1年目より骨転移が始まり、今年で乳がん6年目、38歳になりました。(現在骨転移は腰椎3、4番、左仙腸骨、左骨盤、左大腿骨など7箇所)

腫瘍マーカーの上昇を考えると、抗がん剤の変更が望ましいかも知れません。今まで使用していない抗がん剤でアドリアシンとかファルモルビシンといったアンスラサイクリン系薬剤を使用していないので、考えてみてはどうでしょうか。あとはタキソテール、ゼローダ、最近乳癌で使用できるようになったナベルビンといった薬でしょうか。ホルモン剤は、閉経前でしょうからゾラデックスとノルバデックスでよいと思います。骨シンチ、肺、肝、脳の検査も行うといいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4111】 05年07月11日     A・K
非浸潤癌の手術について(HPNo.3959-2)

HPNo.3959で相談を受けたA・Kです。あの後MRIを受け、細胞検査も受けたのですが、どちらも納得のいく結果が出ず、いまだに途中半端な状態です。来週にはPET/CT、その後組織検査の予定です。非浸潤癌は、このようにいろいろ検査しても結果が出にくい物なのでしょうか? それと、手術になった場合は温存はできないと言われました。乳管の異常な部分は自分の乳房の三分の一ほどなのですが、やはり広範囲にとらなくてはいけないのでしょうか? 手術のやり方についてセカンドオピニオンをすれば、違いはあるのでしょうか?

非浸潤癌は組織を採って診断が確定します。マンモグラフィーやエコー、MRIなどで非浸潤癌を考えるべき所見があることはありますが、これらの所見があるから必ず非浸潤癌と言うわけではありません。今回の場合は拡張した乳管を切除するマイクロドヘクトミーという手術を行って非浸潤癌か乳管内乳頭腫か診断をつけることになると思います。異常な乳管の範囲が乳房の3分の1であるなら、確かに温存は難しいかも知れませんが、詳細な情報がないので断定はできません。術式に関してはかなり広範囲の切除でも温存で行うという考えもありますので、セカンドオピニオンは一度受けられてもいいかも知れません。(文責 稲葉)

 

No.4110】 05年07月11日     Y.F. 
治療についての御相談

44歳、ETCで治療中、お盆に終了予定です。2.1cm リンパに1個微小転移があり、センチネルで今年1月手術をしました。非浸潤癌が乳房の広範囲に残っています。ホルモン受容体陰性で、HERタンパク+3です。抗癌剤が効きにくく、悪性度が高いと、どの本にも書いてあります。まだ全摘すべきか迷いがあります。

全摘というのは、乳房でしょうか? リンパ節でしょうか? 乳房についてですが、非浸潤癌が広範囲に残存しているとのことですが、どの程度かわかりません。これは手術した標本を詳細に調べないと判断することは難しいので、主治医の先生と相談されるのが良いと思います。リンパ節ですが、センチネルリンパ節1個に微小転移があって、残りのリンパ節をとっていないというこでしょうか? センチネルリンパ節に微小転移があった場合、残りのリンパ節を全てとるかどうかは、いろいろ意見があります。微小転移も転移には変わりないのだから、残りのリンパ節をとった方がいいという意見もあるし、微小転移であればリンパ節を取らずに術後の化学療法で治療するという意見もあります。微小転移がある場合の予後に関してはまだ結果が出ていませんので、いろいろな意見があるのです。(文責 稲葉)

 

No.4109-1】 05年07月11日     M.H. 
石灰化していると言われ?

はじめまして。私の妻は44歳です。3年前にマンモグラフィーで石灰化があると言われましたが、「これは大丈夫です」と言うことで、気になるようなら3ヶ月後にまた検査しましょうと言うことで検査しました。その時も「大丈夫ですね」とのことで安心して、それから3年が経ち、今度は乳腺外科のある病院でマンモグラフィーを受けたところ、また石灰があると言われ、今度はすぐにでも精密検査を受けてください言われました。最悪は、中期程度の乳がんかもしれないと言われました。これはどういうことなんでしょうか? その時の石灰と何か違うのでしょうか? 石灰化ということは非浸潤癌と言うことなんでしょうか? 非浸潤癌の中期程度の乳がんというのはどういう意味でしょうか? 今思えば確か3年前にもし癌になったとしても非浸潤癌だから進行が遅いとか、しこりがないのでそのままわからないで何年も?いる人もいるとか聞いたような気がします。その病院の診断方法をホームページで見たら、ステレオガイド下針生検の説明文があったので、たぶんその検査だと思いますが、それと、マンモグラフィーから精密検査も混んでいるみたいで、一ヶ月もかかって大丈夫なのでしょうか?(精密検査は2週間後です。その間が不安な日々で、妻も落ち込んでいます。) 知人に聞いたらあの病院は乳がんの治療では有名みたいで、混んでいるときは手術まで3ヶ月もかかる時があると言うことですが、そんなに時間がかかっていいのでしょうか? よそで検査してもいいと言われましたが、どんなものでしょうか? こちらとしては、早く精密検査を受けさせてあげたいのですが・・・。長い質問になりましたが、よろしくお願い致します。

3年前の石灰化と今回の石灰化が同じものかどうかはマンモグラフィーを見比べてみないとわかりませんので、何ともいえません。石灰化は良性の石灰化と癌の石灰化があります。癌の中には非浸潤癌の場合と浸潤癌の場合があります。この区別は組織を採らないとできません。中期程度の乳癌というのは浸潤癌の場合で仰っているのだと思います。検査はステレオガイド下針生検になると思います。この検査はどこの病院でもできるとは限りません。検査できるのが限られているので、多少混んでても今の病院でやられるのがいいと思います。検査や手術まで1〜3ヶ月かかるということですが、癌の診断がついたらもちろん早く行われることに越したことはないのですが、3ヶ月ぐらいで癌が極端に進むということはありません。(文責 稲葉)

 

No.4109-2】 05年07月24日     M.H. 
石灰化していると言われ?(2)

早速のお答え、ありがとうございます。実は、今日乳腺外科の専門医の先生にマンモの画像を見てもらいましたが、乳房の上部に2センチくらいの石灰化がみられるということでした。また、その時の超音波検査ではしこりはみられないということでした。「それでは、もし癌だとしても非浸潤性ですか?」と、お尋ねしたところ、それはマンモトームの結果を見なければ正確には判断できないということでした。そして、もし浸潤性でもこのくらいであれば、リンパへの転移もないだろうということでした。手術でも、その部分だけ切除でいいとのことでした。それに関してはヘリカルCTで判断するとのことでした。超音波検査でしこりはなしで、マンモ乳房の上部に2センチくらいの石灰化と言うことは、私なりに最良〜最悪で考えたところ、石灰化は良性、非浸潤癌(0期)、浸潤癌の1期のどれかと考えていいのでしょうか?浸潤癌の1期だとしたら、センチネルリンパ節生検をしたほうがいいのでしょうか?術後の放射線療法もするのでしょうか?10年後の生存率はどんなでしょうか?それと、しこりですが乳管を破った癌細胞がしこりになると思っていたのですが、超音波検査でもみられないしこりもあるのですか?微細石灰化の浸潤癌というのも多くあるのでしょうか?(マンモトームの検査が8/5で、その結果が8/15と言うことで、結果がでるまで時間がかかるので心配でたまりません、その時に先生に確認すれば良かったのですが、頭の整理がつかなくて聞き忘れました) また長い質問になりましたが、よろしくお願い致します。

ご主人が心配されているお気持ちはよくわかります。しかし、メールから判断するに、きちんとした手順で検査は行われているようですから、一つ一つ検査していくことをお勧めします。質問に対するお答えですが、現在の病期がどのくらいかは、検査が進まないとわかりません。想像でものを言うのは控えた方がよいと思います。センチネルリンパ節生検は腫大したリンパ節がなければ適応と考えています。乳房温存療法を行えば術後の放射線治療は必須です。10年後の生存率は、手術が終わって病理の検査が済まないと正確なことはわかりません。非浸潤癌でもしこりを作ることがありますし、超音波検査で見られないしこりもあります。微小石灰化を伴った浸潤癌は珍しくありません。検査結果が悪くないことをお祈りしています。(文責  清水)

 

No.4108】 05年07月11日     M
クラスVの結果について(2)(HPNo.4093-2)

HPNo.4093の相談で、お忙しい中お返事くださいまして有難うございました。不安な中、こうして専門の先生方に相談出来て有難く思っております。今は、赤みや痛みは全くなく、赤みのあった部分が少し硬くシコリのようになっております。色んなHPで炎症性乳がんの事を調べたのですが、あまり載っていません。そこで同じような事ばかりお尋ねしてしまうのですが、どこかのHPで、切るよりも化学療法をしてからの方が望ましい・・・と、書いてありましたが、生検とはシコリを切り取って調べるものですよね? 切っても大丈夫なのでしょうか? 生検以外に炎症性乳がんの診断はつかないものなのでしょうか?来週エコーをして頂いてから針で細胞をとるか切ってとるか考えましょうと言われていますので、教えてください。それと6月27日に針で細胞を取った結果がクラスVだったのですが、次に細胞の検査をするのはいつ位が適当でしょうか? よろしくお願いします。

炎症性乳癌についてのHPの記載ですが、‘切るよりも化学療法をしてからの方が望ましい’とあるのは、いきなり根治手術(乳房切除)をするより化学療法を最初に行ったほうが良いという意味です。生検を行わないでという意味ではありません。炎症性乳癌の診断には生検が必要です。皮膚のリンパ管内にがん細胞があることが一つの診断の根拠となりますので生検が必要となるのです。細胞診の結果がクラスVですから、やはり早めに次の検査をやられた方がいいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4107】 05年07月10日     M・T
胸のしこりは・・・

はじめまして。検索サイトでこちらのHPに辿りつきました。50代後半、出産歴ありです。1年前になりますが、原因は分かりませんが右胸が異常にパンパンに張った事がありました(それ以降、張ったことはありません)。それ以降、右胸にしこりの様なものが気になって病院に行きましたが、触診では特に問題がないとの事でした(今思うと先生は見落としたのではと思っています)。それから1年が経ちましたが、しこりが消えず再度婦人科に行き、エコーをしてみたところ、10円玉程度のしこりが見つかりました。今度乳腺外科で検査を受けることになっています。月に一度は健康診断(通常の血液検査・腫瘍マーカーではありません)を受けていますが、全て異常はみられません。やはり癌の可能性が高いのでしょうか? 胸が異常に張った後からなので、「癌じゃないといいな」とは思っているのですが・・・。胸の張り→しこり という症状の場合、癌でない可能性もありますか? お忙しいとは思いますが、回答お待ちしております。

おそらく1年前の胸の張った感じと今回見つかったエコーの10円玉程度のしこりは関係がないと思います。また今回のしこりが1年前にもあったかというのはわかりませんので、1年前の触診でわからなくてもおかしくはないと思います。しこりについては検査をしなくては何ともいえませんが、エコーで見つかったしこりの内、良性のしこりが圧倒的に多く、しこり=癌というわけではありません。(文責  稲葉)

 

No.4106】 05年07月10日     N
骨に転移?

こんにちは。38歳です。乳がんの手術をしてから6年目になります。ずっと順調でしたが先日の血液検査の結果、腫瘍マーカーは正常でしたが、骨の値が5.1にあがっていました。今までは2から3の間でした。先生は今のところ心配ないとのことでしたが、とてもショックです。やはりこのままどんどんあがっていくのでしょうか? 体調によってもあがることはありますか? 一ヶ月前に胸の再建手術をしたのですが、それも関係ありますか?

骨の値というのはTCTPのことでしょうか?TCTPをさしているとしてお答えします。TCTPは私の勤務している病院の基準値は4.5以下が正常範囲です。(検査方法によっては多少違うので正常範囲は主治医の先生に確認したほうが良いと思います。) 正常範囲を超えたといってもわずかな値ですから、1回5.1に上昇したからといって骨転移と判断するのは危険です。私は5.1でしたら、変動範囲内とみます。2〜3ヶ月経過をみて、再検するとか、骨の転移を調べるために骨シンチやCT、MRIなどをやられたらどうでしょうか。体調や胸の再建手術とは特に関係ないと思います。(文責 稲葉)

 

No.4105】 05年07月10日     K・N
しこりについて

22才の未婚です。以前から自分の乳房は硬いほうだと思っていましたが、自己検診をしていて、右胸・乳首の少し上にしこりのようなものを見つけました。また、今まではうつ伏せで寝ていても全く痛みはなかったのですが、ここ何ヶ月かは痛くて、ワイヤー入りのブラを避けるようにしています。鎖骨の下〜脇の下辺りと腕まで、筋肉痛のときに似た痛みもあります。一度見てもらったほうがいいのでしょうか? 住んでいる地域に乳腺外科がありません。どこに行けばよろしいのでしょうか? 特記事項として、私は車椅子を使用しているので、マンモグラフィーは撮影できるのか不安です。長くなりましたが、よろしくお願い致します。

メールの内容からすると、悪性の可能性は少ないように考えられますが、一度必ず診察を受けてください。乳腺外科がなければ総合病院の外科など地域で大きな病院なら大丈夫と思います。車椅子でもマンモグラフィーは可能です。マンモグラフィーが大変そうなら、エコーだけでも検査してもらうといいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4104】 05年07月10日     太郎
ノルバデックスについて(HPNo.3993-2)

HPNo.3993で一度お聞きしました太郎と申します。度々申し訳ありません。飲む回数について主治医になぜ3回なのか聞いてみました。20〜40mgだから真ん中をとって30mgだそうです。そのような考え方はあるんですか? 副作用のことを考えると、少ない方が副作用が少ないように思うのですが、効果もそのぶんだけ減ってしまうものですか? 主治医には言わずに一日2回に減らしても大丈夫なものでしょうか?

ノルバデックスは1日20mgで服用するのが普通です。40mgまで増量可能ですが、30mgというのはあまり行わないと思います。UFTと一緒に服用しているとしたら、UFTが1日3回なので、間違いをなくすためにUFTとノルバデックスの服用する回数を一緒にして3回にしたのでしょうか。1日2回に減らすのであれば、主治医の先生と相談して決めてください。(文責 稲葉)

 

No.4103】 05年07月10日     T
珍しい癌とのことです

7才、既婚、子供あり。2004年11月に左胸内側下部に硬いしこりとアザ(しこりの周りに広範囲で)を発見。すぐに乳腺外来のある総合病院を受診。モンマグラフィー・エコーの結果、乳腺線維腺腫(2センチ)との診断でした。以降、生理周期にあわせて(生理前)しこりが大きく硬くなり、アザになることを繰り返し、徐々にしこりが大きくなり2005年5月に再受診しました。担当医の先生が症状を見て驚き(急に大きくなった事とアザの大きさ)、乳がん専門医に引継がれました。再びモンマグラフィー・エコー・細胞診(がん細胞は発見されなかった)と検査が進み、しこりが大きかった(3.5センチ)こともあり摘出→生検をしました。本日その結果が出て、摘出したしこりの周囲にがん細胞が張り付いていた珍しいタイプのがんだったとのこと。(「どろっとしていた」とおっしゃっていました。) 今後骨シンチとCT検査、取り残されたがん細胞を再度摘出する事、リンパ(節?)を一部摘出しなくてはならない旨、説明を受けました。
1) しこりの周囲にがん細胞が張り付いていた場合、がんのタイプはどれに分類されるのでしょうか?(浸潤や非浸潤、等)
2) 2004年10月に受けた勤務先の乳がん検診では何も引っかかりませんでした。その一ヵ月後に突然前述のようなしこりの症状がでました。このように突然症状が現れるタイプもあるのでしょうか?
3) リンパ(節?)を一部摘出というのは、転移の有無を調べるためには摘出し検査してみないとわからないのでしょうか?(摘出しないで他の方法で調べられないのでしようか?)

以上、担当医に聞けば済むことなのですが、待合室に大勢の患者さんが待っていることを思うと、今後の検査内容について質問することしかできませんでした。がんに立ち向かうためにも自分なりに勉強しなくてはと思い、このような心強いホームページたどり着きました。長くあつかましい質問で恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。

1) しこりの周囲にがん細胞が張り付いていたとのことですが、線維腺腫のわきにがんが合併していたと解釈してお答えします。がんのタイプは周りに良性の病変があっても癌そのものの組織所見で決まります。生検の病理結果には浸潤癌か非浸潤癌か、組織型が何か書かれてあると思います。主治医の先生に確認されるのが良いと思います。
2) おそらく10月の時点でもしこりが存在したのではないかと思います。勤務先の乳癌検診は触診だけでしょうか。触診だけではしこりがわかりにくいこともあります。
3) リンパ節を一部摘出というのは、センチネルリンパ節生検のことだと思います。リンパ節の転移の有無を調べるには摘出し調べなくてはわかりません。(文責 稲葉)

 

No.4102-1】 05年07月09日     なお
術後の治療の選択について

お忙しいところ、申し訳ありません。術後の治療についてお聞きしたいのです。リンパ節転移2個、グレード2、ホルモンレセプター陽性(閉経後)、HER2タンパク 1+、脈管侵襲目立つ、との病理検査結果だった場合は、乳がん補助療法の基本的な方針によると、TAMもしくはAI、化学療法+TAMもしくはAI、になるようですが、この中のどの治療を選択すべきなのでしょうか? CEFによる化学療法が予定になっていますが、副作用が強く、乗り切れるか、精神的なことも含め心配です。 ホルモン療法のみにした場合、やはり再発、転移のリスクは高くなるのでしょうか? ホルモン療法は、TAMとAIのどちらの薬のほうが、再発、転移のリスクをさげますか?

ホルモンレセプター陽性でリンパ節転移が2個、脈管侵襲が目立つということであれば、補助療法としては化学療法を行った後にホルモン慮法を行うのが良いと思います。化学療法はアンスラサイクリン系薬剤が基本です。脈管侵襲が目立つという事を重要視すればアンスラサイクリン系抗がん剤の後にタキサン系抗がん剤を行うという意見もあると思います。CEF療法はアンスラサイクリン系薬剤を含んでいますので問題ないと思います。ホルモン療法単独では再発、転移のリスクは高くなると思います。閉経後であればAIはTAMより再発、転移のリスクを下げることが証明されています。(文責 稲葉)

 

No.4102-2】 05年07月16日     なお
術後の治療の選択について(2)

相談についての回答、ありがとうございました。先生の回答を参考にさせていただきたいと思います。ひとつお聞きしたいのですが、アンスラサイクリング系のCEF療法とEC療法では、効き目や副作用など、違いがあるのですか? また、どちらが主に使われているのでしょうか?

外国、特に米国での術後補助療法に対する臨床試験ではACまたはEC4サイクルを用いることが多いようです。EC(エピルビシン・エンドキサン)に5−FU(F)を加えたものがCEFということになります。薬の量や投与方法によって差があるので一概には言えませんが、CEFのほうが薬の種類が多い分だけ副作用も強く、効果も若干高いと考えられます。しかし大規模試験によってそれを比較した成績はまだないと思います。(文責 片山)

 

No.4102-3】 05年07月24日     なお
化学療法を始めるに当たっての注意点

とてもわかりやすい回答、ありがとうございました。いろいろと悩んだ結果、CEF療法を始めることにしました。副作用が強いようなので、これから数ヶ月間不安ですが、無事に乗り切れるよう、願っています。化学療法を始めるに当たってですが、飲みあわせが悪い薬や、化学療法中に飲んでしまうと危険な薬などはありますか?食べ物は自分が食べたいと思ったものを好きに食べてしまっていいのでしょうか?CEFと食べあわせが悪い食べ物などはありますか?もし、ありましたら教えていただけると、安心します。お忙しい中であると思いますが、よろしくお願いします。

CEFの副作用については主治医の先生から既にお聞きのことと思います。点滴をして2〜3日目に吐き気が出るのが普通で、それ以後は全く普通に食事ができます。治療中の食事についてアドバイスすることといえば、食べられない時に無理をせず、果物等で水分を補給することをお勧めするくらいです。食べられるようになったら、特に制限はありません。そのためか、術後の化学療法が終わった時に体重が増えてしまう方が結構いらっしゃいます。その他、飲み合わせ、食べ合わせ等で特に注意することはありません。術後補助化学療法(CEF療法)の目的、意味をよく考えて治療に前向きに臨んでください。(文責 清水)

 

No.4102-4】 05年08月02日     なお
CEFの副作用でしょうか?

お忙しい中、回答ありがとうございました。CEF療法は1日目、8日目に投与して2週休むというサイクルで、2回目の投与が終わったところです。先生が教えてくださったような吐き気はなく、食事も普通に食べられるのですが、胃のあたりがかぁーっと熱くなり、胸焼けがひどいです。これも副作用の1つなのでしょうか?主治医の先生に話したところ、「そうですか、そういうこともあるのですね」といったようなお返事でした。あまり胸焼けがひどいと、胃があれてしまうのではないか・・・と、心配になってしまうのですが、こういう症状の時はどうしたらいいですか? 何かお薬をだしていただいたほうがいいのでしょうか? 何度も申し訳ないです。

恐らく、抗癌剤により粘膜の障害がおこり、胸焼けが起きているのでしょう。あまりひどければ内服薬を処方してもらって下さい。胃があれることはあまり心配しなくてもいいでしょう。(文責 鈴木)

 

No.4102-5】 05年10月12日     なお
化学療法について

いつも、わかりやすいご回答ありがとうございます。前にも相談させていただいたように、今、乳がんの術後補助療法として、CEF療法を受けています。1日目、8日目投与して、2週休みを4クール受ける予定ですが、疑問点が2つあります。
1) 本などには標準的な治療として、6クールとよく書かれているのですが、4クールの予定なのですが、効き目に差が出てきてしまったりはしないのでしょうか? こちらから主治医にお願いして6クールにしてもらった方がいいのでしょうか?
2) 今3クール目にはいった所ですが、4000あった白血球が3000に下がってしまった為、2週連続で点滴を延期していますが、こんなに先延ばしにしてしまっていいのでしょうか? 白血球を増やす注射をして点滴を受けていらっしゃる方もいますし、予定通りにやらなくて効き目があるのか・・・と、心配になってしまいます。 主治医は「生きている間にやればいいぐらいの気持ちで大丈夫ですから・・・」と、心配させないためかおっしゃっていましたけれど・・・。 よくわからないぶん心配です。お忙しい中申し訳ないのですが、アドバイスよろしくお願いします。

1) CEF4クールと6クールでは当然6クール行ったほうが効果は高いと考えます。副作用等で続けることが困難である場合を除いて、6クール行うのが標準的です。主治医の先生にお願いしてみてください。
2) 白血球減少が著明な場合、抗がん剤の投与を1〜2週延ばすことは良くあります。しかし、あなたの言われるように、あまり延ばすと効果も低くなってしまいますので、出来るだけ予定通りやるのが原則です。白血球3000以上であればクールの二回目の点滴はそのまま行い、発熱や白血球減少が顕著となった場合には白血球を増やす薬を使用するのが一般的と思います。(文責 吉田)

 

No.4101】 05年07月09日     mao
石灰化について

よろしくお願いいたします。37歳で子供はおりません。2年前の乳がん検診では、異常なしでした(今回と検査内容は同じです)。今年の乳がん検診で6月にでた結果が、左胸に石灰化がみられ、先生からの説明では、「検査(マンモグラフィーとエコー)では5段階の4とでたが、先生自身は、2〜3と考えている」と言われ、3ヵ月後の8月末に再度マンモグラフィーで検査との事でした。その説明の時、ショックで質問もしないまま終わりました。こちらのページで石灰化のことは、わかりました。お聞きしたいのは、1〜5段階の内容を知りたいのです。乳がんのステージのことは書いていたようですが。この石灰化の状態の1〜5の段階を教えてください。あと相談内容を見ていると、石灰化と診断を受けた方で、次の検査を1年後、半年後と色々有りましたが、私は3ヵ月後再検査です。この期間の差でも悪性の確率が高いという事なのでしょうか。教えてください。お願いいたします。 

石灰化の1〜5段階というのは、カテゴリー分類の事と思います。カテゴリー1は異常なし。カテゴリー2は明らかに良性と診断できる所見がある。カテゴリー3は良性の可能性が高いが、悪性も否定できない。カテゴリー4は乳癌に典型的な形態でないが、悪性の可能性が高い病変。カテゴリー5はほぼ乳癌と考えられる病変。カテゴリー3以上は精密検査の対象となります。(文責 稲葉)