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相談室(No.4001〜4100)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

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名 前

件  名

担 当

4100 05/07/09 S.T. 胸のむくみと腫瘍マーカーついて 稲葉
4099 05/07/09 N   骨に転移? 稲葉
4098 05/07/09 m m 乳房の痛みとエコーの影 稲葉
4097-1
4097-2

4097-3
4097-4
05/07/09
05/07/09
05/08/14
05/08/17
Y.S 針生検について
首のリンパ腺の腫れ
DCISの手術について
DCISの手術について(2)
稲葉
稲葉
首藤
須田
4096 05/07/09 H.S. 乳癌検査 稲葉
4095 05/07/08 M.M 転院にあたっての注意点 稲葉
4094 05/07/08 Y・K 妊娠中の乳頭の分泌物について稲葉 稲葉
4093-1
4093-2
05/07/07
05/07/11
M  クラスVの結果について
クラスVの結果について(2)
稲葉
稲葉
4092 05/07/07 m.m 乳管部のしこりについて 稲葉
4091 05/07/07 M・M 再発治療について 稲葉
4090 05/07/06 もも センチネルリンパ節生検について 稲葉
4089 05/07/06 K.H 再発乳がん治療にラジオ波熱凝固療法はできますか? 稲葉
4088 05/07/06 K.M 石灰化について 稲葉
4087 05/07/04 Y.S. CAFと卵巣保護(LH-RH )併用について 石山
4086 05/07/04 K.M.  センチネルリンパ節生検を受けるための転院について 石山
4085-1
4085-2
05/07/04
05/07/08
N.A.  I CTPについて
I CTPについて再質問です
石山
稲葉
4084 05/07/04 C.N.  乳ガン転移治療について 石山
4083 05/07/04 mayu 乳がん検診の結果 石山
4082 05/07/04 M.M. 肺転移乳癌について 石山
4081 05/07/03 N.A.  肝臓の数値について 石山
4080 05/07/03 S  乳輪下膿瘍の治療について 石山
4079 05/07/03 R.O ノルバデックスについて(HPNo.3887-5) 石山
4078 05/07/03 M.S. ホルモン受容体陰性の場合の術後療法(HPNo.3634-2) 石山
4077 05/07/02 TY 乳房の線維腺腫について 石山
4076 05/07/02 N子 ホルモン療法について(HPNo.3860-2) 石山
4075 05/07/01 PU 乳頭からの出血と細胞診について 石山
4074 05/07/01 Y.O.  卵巣機能抑制について 石山
4073 05/07/01 S.H.  薬剤の切り替えについて 石山
4072 05/07/01 MAKO 無治療の選択について 石山
4071 05/06/29 M.K 健側の乳房の大きさ 石山
4070 05/06/29 NOT 乳房のしこりについて 石山
4069 05/06/29 A.S バジェット癌についてお教え下さい 石山
4068 05/06/29 H.Y.  29歳妊娠7ヶ月、パジェト病が心配です 石山
4067 05/06/29 N.A 乳頭からの分泌物について 石山
4066-1
4066-2
05/06/29
05/08/16
S.S. セカンドオピニオンのタイミング
マンモトーム生検後の乳頭よりの出血
石山
首藤
4065 05/06/29 K 皮膚癌と右足の痛みについて(HPNo.1991-4) 石山
4064 05/06/29 K 何科に行けばいいですか? 石山
4063 05/06/29 KR  胸の赤黒いしこりについて 石山
4062 05/06/28 ON 病理検査の結果について 福間
4061 05/06/28 micchey 治療の継続について 福間
4060 05/06/28 A  放射線治療後 福間
4059 05/06/28 R・O  しこりができたのですが・・・(HPNo.3887-4) 福間
4058 05/06/28 M.S. 知人の病理検査結果について 福間
4057 05/06/28 T  乳腺症、乳腺のう胞症について 福間
4056 05/06/28 e.s 母が炎症性乳癌です 福間
4055 05/06/28 A.N. 腰への転移について 福間
4054 05/06/28 M  検査結果について 福間
4053 05/06/28 N ホルモン療法について 福間
4052 05/06/28 M.K.  摘出するしかないのでしょうか? 福間
4051 05/06/27 Y  高校二年男子です 石川
4050 05/06/27 K.M. 放射線治療後の皮膚炎 石川
4049 05/06/27 YT 良性のものと癌の違いについて 石川
4048 05/06/27 母の乳癌について(HPNo.2787-3) 石川
4047-1
4047-2

4047-3
4047-4
05/06/27
05/10/16
05/10/29
09/08/02
R.I 骨転移治療について
骨転移について
骨転移について
腫瘍マーカー上昇について
石川
吉田
片山
須田
4046 05/06/27 HH 乳房全摘での局所再発について 石川
4045 05/06/27 HF 頭部検査について(HPNo.3740-6) 石川
4044 05/06/27 AI 悪性度3の細胞について  石川
4043 05/06/27 H.M. 異時性両側性乳がんの術後 石川
4042 05/06/27 K・N 手術の選択肢 石川
4041 05/06/27 N.A. 男性の胸のしこり 石川
4040 05/06/27 T.N 遠隔転移の治療とBNCTについて 石川
4039 05/06/27 みーママ ホルモン治療と放射線治療後の痛みについて(HPNo.2883-2) 石川
4038 05/06/25 Y.H. 術後治療について 石川
4037 05/06/25 E.A.  フェアストンについて(HPNo.3253-5) 石川
4036 05/06/25 Y   ホルモン剤を飲むことについて 石川
4035 05/06/25 NN ホルモン療法 石川
4034 05/06/25 M.Y. 細胞検査について 石川
4033 05/06/25 S.H.  母の乳癌について 石川
4032 05/06/24 W.P.  病理組織検査の必要性 石川
4031 05/06/24 T,K 胸のしこり?&痛み 石川
4030 05/06/24 J.K. 脇の下のしこり 石川
4029 05/06/24 m.o ノルバデックスの副作用でしょうか? 石川
4028 05/06/24 I.M. 乳がん術前化学療法に関する相談 石川
4027 05/06/24 M   補助療法を続けるべきでしょうか? 石川
4026 05/06/24 S.U 母の乳がんについて 石川
4025 05/06/24 K.K.  術後補助療法と再発チェックの内容について 石川
4024 05/06/23 KY 化学療法について(HPNo.3854-2) 石川
4023 05/06/23 M.M. PET検査について 石川
4022 05/06/23 H  生検手術について 石川
4021 05/06/22 K  非浸潤癌の治療法について 石川
4020 05/06/22 N  腋下に直径2センチ程のしこりがあります 石川
4019 05/06/22 Y.Y. 手術時の麻酔について 石川
4018 05/06/21 K  右胸のしこり 麻賀
4017 05/06/21 dai 男でも乳癌にはなるのでしょうか? 麻賀
4016 05/06/21 R.O 手術後のしこりについて(HPNo.3887-3) 麻賀
4015 05/06/21 Y.K. マンモト-ム生検について 麻賀
4014-1
4014-2
05/06/21
05/07/29
F.R. 手術の仕方について
石灰化について
麻賀
加藤
4013 05/06/21 U.A.  断端陽性の場合の療法の選択について 麻賀
4012 05/06/21 H.K 左胸のしこりについて 麻賀
4011 05/06/21 K.S. 乳房温存後の痛みについて 麻賀
4010 05/06/21 H  薬について 麻賀
4009 05/06/21 Rieko 乳腺嚢胞 麻賀
4008 05/06/21 摘出生検について 麻賀
4007 05/06/21 m.M 生検について 麻賀
4006 05/06/21 K.S 対側のしこりについて 麻賀
4005 05/06/21 EP PET検査 麻賀
4004-1
4004-2
05/06/18
05/08/06
M.Y.  胸のしこりと検査について
胸のしこりと検査について(2)
麻賀
鈴木
4003 05/06/18 m,m 左胸にしこりのようなものがあります 麻賀
4002 05/06/18 胸のしこりについて  麻賀
4001 05/06/18 311 今後の検査について 麻賀

 

 

No.4100】 05年07月09日     S.T.
胸のむくみと腫瘍マーカーついて

2点お聞きしたい点があります。よろしくお願いいたします。
1) 2004年7月に右乳房温存手術後、CEFを6クール終了。その後ホルモン療法ということでアロマシンを服用したところ、関節痛や指のこわばり(以前こちらで相談させていただきました)などでぐずぐずしてしまい、放射線治療が遅くなってしまいましたが、今年4月19日に28回の照射を終えました。アロマシンはその後継続して服用しています。担当の先生から照射終了後2ヶ月ぐらいが一番胸がむくむとお聞きしていて、確かに6月中旬ぐらいから右胸が大きくなっています。いつも違和感があり、脇のほうが痛いような気がすることがあるので気になります。このむくみはどれくらいで緩和されてくるものでしょうか?
2) 先月1年経過したので検査をしようということで、血液検査(腫瘍マーカー4種類)を行い、その結果により必要な検査をするということでした。その時はそれでいいと思ったのですが、腫瘍マーカーの結果だけで再発や転移の可能性をしっかり見極められるものなのでしょうか? 次の外来日は8月末なので、もし何かあったらと少し不安になっています。

1) 放射線照射後のむくみについては個人差がある様ですが、緩和されるのに照射終了後6ヶ月〜1年ぐらいかかるようです。
2) 再発や転移の際に必ず腫瘍マーカーが上昇するとは限りませんので、再発や転移の検索を腫瘍マーカーだけに頼るのでは不十分です。レントゲン、CT、MRI、シンチなどの画像検査や診察を行いチェックをします。しかし、画像検査は頻回にできませんので(6ヶ月から1年毎のチェック)、補助的に腫瘍マーカーのチェックをすることはいいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4099】 05年07月09日     N 
骨に転移?

5年前に乳癌の手術を受けました。その後は経過もよかったのですが、先日の血液検査の結果、腫瘍マーカーは正常でしたが、少し貧血があるのと、骨の数値が、5.1にあがっていました。先生は今の所心配はないとのことでしたが、とてもショックです。3ヶ月後にまた血液検査をする予定ですが、やはりどんどんあがっていくのでしょうか? どのくらいまで数値があがると骨に転移したと判断するのでしょうか? 転移以外にも数値があがった原因は考えられますか?

骨転移の診断は腫瘍マーカーの値や血液検査だけで診断するわけではありません。単純レントゲン写真やCT、MRI、骨シンチ検査といった画像検査での陽性所見と症状などから診断します。血液検査は補助的なものに過ぎません。また骨の値が具体的に何という項目なのか(TCTPでしょうか?)わかりませんので、転移以外に上昇する原因については判断しかねます。(文責 稲葉)

 

No.4098】 05年07月09日     m m
乳房の痛みとエコーの影

乳房の痛みが気になり、平成15年に乳がん検診をしましたが、その時は異常なしと言われました。それから年に一度乳がん検診をしています。今年も2月に乳がん検診をしましたが、今回も痛みが気になり、問診の時に言うと、しこりはありませんでしたが、エコーに5oほどの影がありました。右乳房の上です。2ヵ月後に再診ということだったので、4月にもう一度検査しました。エコーだけの検診でしたが、大きさは変わっていません。痛み、エコーの影が気になります。これは乳癌でしょうか? 42歳既婚、子供はいません。よろしくお願いします。

メールの情報で癌か癌でないか診断をつけるのは難しいと思います。心配でしたら、検診でなく専門病院を受診してマンモグラフィやエコー、場合によれば細胞診など行ってきちんとした診断をしてもらったらどうでしょうか。(文責 稲葉)

 

No.4097-1】 05年07月09日     Y.S
針生検について

はじめまして。44歳、1児の母です。1週間前、紹介でうかがった癌専門病院の先生に超音波とマンモグラフィーで診ていただいた所、左右の胸に乳癌が強く疑われるしこりがありということで、昨日針生検をしました。次回は主人も同行してもらうように言われました。ただ、この病院は手術待ちの患者さんが多く、手術は10月まで予約でいっぱいとの事でした。針生検をした場合、癌の進行が早まるということはあるのでしょうか? 左側にはしこりが二つもあるので心配です。宜しくお願い致します。

針生検で癌の進行が早まったり、転移が起きるということはありません。現在は癌の診断に細胞診だけでなく、針生検などを行って悪性と良性の鑑別に加えて組織型や異型度などまで診断する傾向にあります。針生検を行って、きちんとした診断をつけることは大事なことと考えます。(文責 稲葉)

 

No.4097-2】 05年07月09日     Y.S
首のリンパ腺の腫れ

先ほど生検後に癌の進行が早まらないかどうかご相談した者ですが、もうひとつ気がかりなことが在りますので宜しくお願い致します。実はここ一月ほど首のリンパ腺が全体的に張っているのですが、乳がんと関係があるのでしょうか? 脇の下には触った所しこりはありません。 

乳癌で首のリンパ節に転移を認めて腫れることはあります。しかし、首のリンパ節は炎症など乳癌の転移以外でも腫れるので、担当医にきちんと相談されるのが良いと思います。(文責 稲葉)

 

No.4097-3】 05年08月14日     Y.S
DCISの手術について

7月にHPNo.4097でご相談させていただいたY.S.です。両胸のガンは右が2.3cmの乳頭腺管癌で、左はDCISという組織検査が出ています。8月25日に手術の予定です。お尋ねしたいのはDCISの手術についてです。胸の3分の1に広がっており、2cmほどのしこりが乳房の近くと鎖骨の8cmくらい下に二つあり、生検はそのうち後者のみの結果で、DCISと出ました。もうひとつのほうも検査するべきだったのでしょうか? 主治医の先生は両胸温存とおっしゃっています。再発の可能性を考えると全摘したいと思うのですが、私の意見を聞いてくれませんでした。この様な広範囲のDCISの場合(しかも石灰化のあるしこりが二つ)の手術は、どうしたらよいのでしょうか? ホルモンレセプターが陽性か陰性かということも、生検で出していないのも心配です。アドバイスを宜しくお願い致します。

広範囲なDCISという場合(「広範囲」が具体的にどの程度広範囲かということが問題ですが)、温存術には「取り残し」というリスクが伴うと思います。乳房の近くのしこりが、予定されている温存術による切除予定範囲内であれば問題ないですが、そうでないならば術前に生検等を行って、そのしこりが悪性でないことを確認すべきだと思います。レセプターは温存術後の検体からも検査可能です。(文責 首藤)

 

No.4097-4】 05年08月17日     Y.S
DCISの手術について(2)

お忙しい中、いつもご親切な回答を頂き有難うございます。広範囲とは乳首の少し下から上の方にかけて、正三角形のような感じだったと思います。生検をしたのは、ちょうどその頂点にあるしこりです。乳房全体の3分の1の大きさです。生検をしていないしこりはちょうど乳首のあたりにあり、切除範囲です。たちの悪いコメド型ではないかと先生に聞いた所、教えていただけませんでした。宜しかったら、もう少しご質問させてください。 
1)温存の場合、切除したシコリに近い乳首を残すことにリスクはあるのでしょうか。 
2)DCISの「取り残し」は放射線で完全に叩けるものなのでしょうか。
3)胸が小さい場合でも、マージンの病理検査は正確に出来るのでしょうか。(十分なマージンが取れるのでしょうか)

上記のことを考慮し、DCIS側の方は、再度先生に全摘をお願いしようか考えたいと思います。宜しくお願い致します。

1) 残した乳頭に癌が残存するかどうかは、手術中の迅速診断により判定します。貴女の場合、「DCISが、乳首の少し下から上の方にかけて、正三角形で広範囲にある」との事、リスクはあると考えたほうがよさそうです。迅速診断で切除断端を調べ、これを確認する事になります。
2) NSABP B-17のトライアルでは、DCISに対する乳房温存療法で、術後照射による放射線治療を行っても、8年後に、12.1%の再発があったとの報告があり、完全に叩けるとは断定できません。
3) 切除断端の検査は、胸の大きさに関わらず、胸が小さくても正確にできると考えられています。充分なマージンをとれるかどうかは、術者のデザイン次第ですが、また、充分にとると乳房形成が困難となる事も考えられます。(文責 須田)

 

No.4096】 05年07月09日     H.S.
乳癌検査

41歳、出産経験なし。家族に乳癌を含めて癌の病歴はありません。先月マンモグラムを受けたところ右側が再検査となり、再撮影をしました。前回撮影したものには、右の乳頭から指3本分ぐらいのところ(上側)に直径1センチほどのほぼ円形の白い塊が映っていましたが、今日撮影したものではその塊は消えていたそうです。念のためにと超音波でも検査し、結果は異常なしということでした。こういうことはよくあることなのでしょうか。白く映ったものは何だったのでしょうか。断定することは不可能だと思いますが、何であった可能性があるのか教えていただけたら幸いです。

前回のマンモグラフィーで写っていた陰影が再度のマンモグラフィーで写っていないということはありうることです。しこりが乳房の端にある場合、病変がうまく挟まれてなくて写っていないという可能性もありますが、エコーでもしこりがはっきりしないというのは真のしこりでなく、前回写っていた陰影が乳腺の重なりによって生じた可能性もあります。(文責 稲葉)

 

No.4095】 05年07月08日     M.M
転院にあたっての注意点

先日はご回答ありがとうございました。温存手術を受け、退院しました。病院は自宅から遠いため、主治医よりもう少し近い病院で放射線治療を受けてもかまわないとの話がありました。別の病院の場合、これまでの結果の伝達や治療法の差、見解の違いなど患者側が心配するようなこと、注意する事はあるのでしょうか? 心配する必要がなければ、近い病院にしようと思っています。

転院の場合でも、これまでの治療経過や結果などは転院先の先生に診療情報提供書や紹介状という形できちんと連絡されますので、心配はいりません。医師により多少の考えの相違はあるかもしれませんが、これらは患者様と主治医がよく話し合えば解決できます。転院に当たってそれほど心配することはないと思います。(文責 稲葉)

 

No.4094】 05年07月08日     Y・K
妊娠中の乳頭の分泌物について

現在妊娠8か月と2週の26歳の主婦です。初めての妊娠です。出産した妹などから出産前でもお乳が出ると聞いて、試しに乳首をきゅっとつまんでみると、複数(3つか4つくらい)の穴から乳白色や黄色っぽい白色の分泌物が出ました。それは気にならなかったのですが、2つの穴からは黒っぽく薄い血や濃い血が出ます。おっぱいマッサージや激しい乳頭マッサージは全くしておらず、たまに乳首の表面の薄い皮(軽くさわって取れるもの)をお風呂上りなどに取っていた程度です。妊婦検診でそのこと(血が出ていること)を聞いてみると、そのときには血が出ず、1週間後の検診(現在逆子のため)で「念の為、がん検査をしてみる」とのことでした。その時まではあまり気にしないようにするつもりですが、思ってもいない「がん検査」の言葉に戸惑っています。 
1)もしも乳がんの場合、おなかの赤ちゃんに影響はないのでしょうか?
2)このまま出産できるのでしょうか?堕胎しなければいけないのでしょうか?
3)無事産むことが出来た場合、母乳をあげることは出来ないのでしょうか?

お返事よろしくお願いいたします。

乳頭からの分泌液に血液が混じっていたり、黒色や赤色の分泌液の場合には鑑別診断として乳癌が考えられるので、精密検査が必要です。しかし、メールの内容からかすると症状は一過性で、おそらく心配のないものと思われます。万が一乳癌だったとして、質問にお答えしたいと思います。もし乳癌の場合、妊娠8ヶ月ですから堕胎はできませんので、妊娠を継続して出産した後に治療ということになります。また乳癌であることが直接胎児には影響は与えないと思います。乳癌の場合は出産後は手術や抗がん剤などの治療が行われるので、母乳を与えるのは難しいかもしれません。(文責 稲葉)

 

No.4093-1】 05年07月07日     M 
クラスVの結果について

はじめまして。昨日、細胞針でクラスVの結果が出ましたので、相談させてください。38歳で既婚、子供8歳が一人です。母乳の出が悪かった為、ミルクで育てました。以前から両胸に自覚症状の無い沢山の嚢胞があったので、定期的に検診は受けてきました。昨年11月に、右胸の下側にシコリを自覚したので、あわてて検査をしてもらったところ、嚢胞が大きく(1cm位)なったので、針で抜いてもらい検査をしてもらったところ異常なしでした。2月の検診でも異常なしだったので、次回は8月に検診予定だったのですが、
1) 6月8日、生理が終わった二日後、朝起きた時に右乳首に異常を感じる。乳りんに沿って一部(2cmほど)皮膚が赤くなって痛みもあり。
2) 6月10日受診。皮膚に赤みと痛みもあった為、エコーで診ていただく。乳首の辺りなので映りづらかったようで炎症性乳がんを心配していたが、乳腺炎かな?っていう診断。血液検査(白血球 異常なし)。お薬(フロモックス・ボルタレン・アルサルミン)3日分
3) 6月13日受診。赤みは消えていたが、まだ少し痛みがあった為に(ボルタレン・アルサルミン)4日分
4) 6月27日受診。赤み少々で痛みはなし。マンモとエコーを受けるが特に問題は無いと言われたが、痛みのあった所がシコリのように硬く(1cm位)なっていたので、針の太さを5回変えて細胞を取る。
5) 7月4日受診。結果はクラスV。結果用紙には「炎症性乳がんも疑われるので生検を・・・」と書いてあったが、赤み・痛みなし。「シコリ部分も小さくなってるみたいなので一週間後にエコーをして、もう一度、針で細胞をとるか切ってとるか(生検?)考えましょう。」との事でした。担当の医師は「再検査でTになる事もあるから」と、おっしゃっていましたが・・・。

そこで質問ですが、
1) クラスVからクラスTやUに変化する事ってあるのでしょうか?
2) 炎症性乳がんでも、処方された上記の薬によって皮膚の赤みや痛みは治まってしまうのでしょうか?
3) 生検を受けて癌と診断された場合、癌は広がる事はないのでしょうか?
4) セカンドオピニオンは生検前の方が良いのでしょうか?

長々とした文章ですが、どうぞ宜しくお願いします。

1) 細胞診の結果が変化することはよくあります。細胞診は病変の全体像は捉えていません。穿刺した部位の細胞像しかわかりませんので、穿刺した部位が異なったり、病変が炎症のように変化するものであれば結果が異なってもおかしくはありません。
2) 炎症性乳がんであれば、処方された抗生剤や解熱鎮痛剤で症状が軽快する事はありません。
3) 生検によって、がんが拡がることはありません。
4) 大事なことはきちんと確定診断を付けることと思います。クラスVであれば、生検して診断をつける事が必要となる場合もあります。セカンドオピニオンの時期は、どの時期でも構いませんが、診断が付いてからのほうが具体的な意見をもらえると思います。(文責 稲葉)

 

No.4093-2】 05年07月10日     M 
クラスVの結果について(2)

HPNo.4093の相談で、お忙しい中お返事くださいまして有難うございました。不安な中、こうして専門の先生方に相談出来て有難く思っております。今は、赤みや痛みは全くなく、赤みのあった部分が少し硬くシコリのようになっております。色んなHPで炎症性乳がんの事を調べたのですが、あまり載っていません。そこで同じような事ばかりお尋ねしてしまうのですが、どこかのHPで、切るよりも化学療法をしてからの方が望ましい・・・と、書いてありましたが、生検とはシコリを切り取って調べるものですよね? 切っても大丈夫なのでしょうか? 生検以外に炎症性乳がんの診断はつかないものなのでしょうか?来週エコーをして頂いてから針で細胞をとるか切ってとるか考えましょうと言われていますので、教えてください。それと6月27日に針で細胞を取った結果がクラスVだったのですが、次に細胞の検査をするのはいつ位が適当でしょうか? よろしくお願いします。

炎症性乳癌についてのHPの記載ですが、‘切るよりも化学療法をしてからの方が望ましい’とあるのは、いきなり根治手術(乳房切除)をするより化学療法を最初に行ったほうが良いという意味です。生検を行わないでという意味ではありません。炎症性乳癌の診断には生検が必要です。皮膚のリンパ管内にがん細胞があることが一つの診断の根拠となりますので生検が必要となるのです。細胞診の結果がクラスVですから、やはり早めに次の検査をやられた方がいいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4092】 05年07月07日     m.m
乳管部のしこりについて

初めてメ-ルいたします。昨年7月に3人目を出産し、ちょうど1ヶ月後に右側が乳腺炎になりました。乳管部に枝豆くらいの大きさでしこりができ、触るとプリプリと移動します。痛みや腫れもひどかったので、あまり吸わせずにいたら、未だにしこりが残っています。現在も授乳中で、しこりを押すと少々痛みます。助産婦さんに授乳中のガンの判別は難しいと言われましたが、やはりきちんと検査を受けた方が良いのでしょうか。よろしくお願い致します。

授乳中の乳がんの診断は難しいことがあります。がんとわからずに進行してしまうことが稀にあります。メールの内容からするとがんの可能性は低いように思われますが、一度きちんとした検査を受けることをおすすめします。(文責 稲葉)

 

No.4091】 05年07月07日     M・M
再発治療について

はじめまして、いつもとても参考にさせていただいております。私の姉は3年前、32歳で乳がんのため左胸全摘出、浸潤1センチ未満、わきの下のリンパ節転移なし、ホルモンレセプター陽性、術後の治療一切なし、定期検診3ヶ月ごと、という状況でした。しかしその後、2年未満で両肺多発性転移、骨転移が発覚したので、ノルバデックス3ヶ月間→CAF6ヶ月間→ゼローダ4ヶ月間→ヒスロン4ヶ月間→タキソテール治療中です。CAFの場合を除いては全て検査や症状で痛みや進行があったので、治療を変更となっております。現在、肺は両側多発性転移、左鎖骨リンパ節転移、骨転移で、5月末からタキソテールをはじめ、月1でアレディアという点滴を行っています。今後の治療法として、具体的にいくつの抗がん剤やホルモン剤が存在するのでしょうか?他にどういった治療法があるのか、是非教えて下さい。今後とも宜しくお願いいたします。

再発乳がんの治療で用いられる点滴の抗がん剤は大きく分けて、アンスラサイクリン系薬剤とタキサン系薬剤の2種があります。アンスラサイクリン系薬剤では、すでにCAF療法が行われています。アンスラサイクリン系薬剤はある一定量投与すると心毒性が発生する頻度が高くなるので、別のアンスラサイクリン系薬剤を投与するということはあまり行いません。タキサン系薬剤はタキソテールとタキソールがあります。タキソテールが効かなくなっても、タキソールは効くということもありますので(もちろんその逆もあります)、再発乳がんの治療で両者を使うことが多いと思います。これらの薬剤が効かないときにゼローダを用いますが、最近アンスラサイクリンやタキサン系薬剤が効かなくなったときに用いる薬剤でナベルビンという薬が使えるようになりました。その他に乳がん組織でHer2遺伝子が過剰発現していれば、ハーセプチンが使えます。これはタキサン系薬剤と一緒に用いると効果が増強すると言われています。ホルモン剤は閉経前でしたらタモキシフェン(ノルバデックス)やLH-RHアゴニスト(ゾラデックスやリュープリン)、ヒスロンなどです。抗がん剤の影響でおそらく無月経になっていると思われますが、月経があるならLH-RHアゴニストを使用するのもひとつの方法と考えます。また骨転移にはビスフォスフォネート(アレディアなど)も有用です。(文責 稲葉)

 

No.4090】 05年07月06日     もも
センチネルリンパ節生検について

お忙しい所、申し訳ありません。センチネルリンパ節生検では、転移が見つからなければリンパ節郭清省略という方法で手術が行われることをこちらの相談室で知りました。そこで質問なのですが、リンパ節郭清をしていなくても浮腫が起こってしまうのはなぜですか? そしてリンパ郭清に比べ、リハビリはあまり必要がないのはなぜですか? またリンパ節郭清を行っていなければ重い荷物も持ってよいのでしょうか? たくさんの質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

センチネルリンパ節生検の場合はセンチネルリンパ節のみ1〜4個程度しか切除しないので、あまり腕のしびれや浮腫はおこらないのが普通ですが、センチネルリンパ節の個数が多いとき(7〜9個程度のこともある)は、多少リンパ液の流れが悪くなり浮腫がおきやすくなることもあると思います。通常はセンチネルリンパ節生検の場合は、郭清に比べ脇の知覚神経の損傷や傷による癒着なども少ないため、リハビリはあまり必要ありません。重い荷物を持つこともそれほど気にしなくてもよいと思われます。(文責 稲葉)

 

No.4089】 05年07月06日     K.H
再発乳がん治療にラジオ波熱凝固療法はできますか?

はじめまして。30歳、既婚、5歳の子供が1人おります。3年半前に右乳がん、ステージT、温存手術(リンパ節、切り口に転移なしのため放射線治療はなし)、右腋リンパ節全切除、ホルモン治療(ゾラデックス・ノルバデックスD)、抗がん剤治療(フルツロン)をしてまいりまして、検査結果も異常はありませんでしたので、今年に入って、ノルバのみの服用になりました。今年5月に温存手術をした乳頭横に1.5cmのしこりを自ら発見、MRI、細胞診で、再発ガンが確認されました。3年半前の手術では乳管に9cmと広がっていたタイプのものでしたので、主治医には右胸全切除・経過をみて乳房再建を勧められていますが、現在、保留中です。自分の乳頭を失いたくはありませんので、どうにか温存できる方法がないのかと調べておりましたら、肝臓がんのみ保険適応の治療法で、ラジオ波熱凝固療法というものがありました。その方法で乳がんの治療をしている病院もあるようで、乳房を傷つけずにガンを熱凝固してしまうという治療法を知りまして、是非やってみたいと思いました。この方法はHPで知ったので、主治医には、まだ相談しておりませんが、全国的に乳がん治療にはまだ普及していないのでしょうか? HPを見ても、肝臓がんの治療法にばかりあげられています。保険が利かないとのことで、どのくらいのコスト、治療効果など、何かご存知のことがありましたらお教えいただけたらと思いましてメールさせていただきました。よろしくお願い致します。

乳がんに対するラジオ波凝固療法はまだ実験的な治療です。学会で治療経験という形で最近報告はみられますが、治療効果や副作用など複数の施設できちんとまとめたデータはないと思われます。現時点では科学的な根拠が確立していない治療法といえます。ただメスで傷つけることなく、がんを治療するという点では手術と異なり、今後研究が進むと思われます。(文責 稲葉)

 

No.4088】 05年07月06日     K.M
石灰化について

はじめてメールさせていただきます。現在33歳の1児の母です。一年半前に出産し、半年ほど母乳をあげていました。先日、乳がん検診でマンモグラフィーをして、その結果の説明をしていただいた時、「石灰化があります」と言われました。その時は何の知識もなかったので、あまり先生に質問などしなかったのですが、後日インターネットなどで調べると、とてもこわくなりました。石灰化とはよくあることではなく、稀なことなのでしょうか? そして石灰化の人は乳がんになりやすいのか? 石灰化がある人の何割ぐらいが乳がんを発症するのでしょうか? 検診をしていただいた先生は「今は心配ないよ」と言いつつも、「一年後も検査に来てください」とおっしゃっていました。これから癌化するかもしれないので経過観察という意味だったのでしょうか。だとすれば、もっと間隔をあけず検査したほうがいいのでは・・・など、たくさん質問して申し訳ありません。なるべく詳しく教えてください。宜しくお願いいたします。

石灰化自体はそれほど稀なことではありません。ただ通常は自覚症状はなく、さわっても石灰化は触れませんので気づかずに過ごしていて、たまたま検診のマンモグラフィを撮って石灰化がみつかることはよくあります。石灰化には良性の石灰化(そのまま放置していいもの)と悪性の石灰化(乳癌の徴候としてみられるもの)があります。良性の石灰化が悪性になったり、石灰化の人が乳がんになりやすいということはありません。ただ、マンモグラフィで認められる石灰化は良性、悪性の区別が難しいものがあり、そのため念のためにという意味で、一年後に再診と言われたのだと思います。石灰化の良、悪性の鑑別は石灰化部位の組織を採って調べなければ最終的な確定診断には至りません。(文責 稲葉)

 

No.4087】 05年07月04日     Y.S. 
CAFと卵巣保護(LH-RH )併用について

はじめまして。30歳、未婚です。右乳がん温存手術を受けました。充実腺管癌、2.2cm、ホルモン、ハーセプチン(−)、センチネルリンパ節転移(−)、核異型3で、摘出組織の断端陽性のため、CAFと放射線療法を受けることになっています。結婚も考えているため、卵巣機能を残したい旨を相談したところ、ゾラデックスの皮下注射で卵巣機能の保護効果をみる臨床試験の説明を受けました。CAFの効果を減弱させてしまう可能性も否定できないようで、卵巣機能を保護し再発のリスクを取るか、妊娠の希望を絶つか悩んでいます。妊娠自体も再発のリスクになるのですよね。この併用療法に関する情報があれば教えてください。

補助療法としてはホルモン剤を併用すると抗がん剤の効果は、弱まる事があるので併用すべきでないというデータがあるので、併用して卵巣機能保護はあくまでも臨床治験の段階と思います。この点は他人が言うべき事ではないので、御自分で決断するしかないと思います。(文責 石山)

 

No.4086】 05年07月04日     K.M. 
センチネルリンパ節生検を受けるための転院について

47歳の妻が下記のように乳癌と診断され再手術を受けることになっておりますが、リンパ節廓清を避け得るセンチネルリンパ節生検を実施している病院に変わるべきかどうか迷っております。人間ドックで見つかった右乳房腫瘤が時間の経過(約1年)と共に大きく(0.5cm→1.2cm)なり、細胞診の結果もTからVaへ変化したため、検査と治療を兼ねた切除手術を受けました。当初は腫瘤の周囲約2cmを取ると言われていましたが、手術直前の超音波およびCTの結果から乳腺症の可能性が高いと判断されたため、切除範囲を予定より縮小した旨、告げられていました。しかし、7月1日に病理検査結果の説明があり、断端陽性、周囲への浸潤および転移はなく癌細胞が乳管内に留まる少ない症例(intraductal papillary carcinoma)、とのことでした。3週間後に、腫瘤周囲拡大切除およびリンパ節廓清のための再手術を受けることになっております。リンパ節廓清の後遺症を考えると、センチネルリンパ節生検を受けさせたいという気持ちを捨て切れません。人間ドック後の精密検査から今までお世話になった病院には病理部がなく、そのためには病院を変わらなければなりません。また、それに伴う治療の遅れも気になり、悩んでおります。長い質問になってしまい恐縮ですが、ご教示をお願い致します。

DCISと言う診断であればセンチネルの希望があるのであれば考慮すべきと思い、転院をお勧めします。治療の遅れはそれほど問題になりません。(文責 石山)

 

No.4085-1】 05年07月04日     N.A.
I CTPについて

こんにちは。昨日肝臓の数値について質問させて頂いたものです。お聞きするのを忘れていたことがありますので、教えて下さい。先日腫瘍マーカーの値がCEA1.4・NCC-ST-439が1.0以下・CA15-3が19.1・I CTPが6.3でした。先生は腫瘍マーカーも問題ないですねと言われましたが、昨日何気なくインターネットでI CTPの意味を調べていたところ、基準値より高いことがわかり不安になりました。29歳で手術、ステージ1・温存・1.5x1.2x1.2センチ・G2〜3・Medullary(Atypical)carsinoma・ly1・vo・intraductal spreading−・surgical margin free・n−です。昨年12月に手術をして、今年の1月から5月までAC療法を行い、その度の腫瘍マーカーはNCC-ST-439とI CTPはなく、それ以外の項目で、今回初めてI CTPを計りました(引越しのため病院が変わりました)。このことについてお尋ね致しますので教えて下さい。
1) I CTPの値は大丈夫でしょうか? どのようにとらえたらいいのでしょか?
2) 骨転移以外には何が考えられるのでしょうか?
3) CA15-3の値ですが、今まで4回ほど計りましたが、13・11.2・11.6・12.2という具合で、今回一番高かったので不安ですが、大丈夫ですか?

どうぞよろしくお願い致します。

ICTP は乳がん細胞そのもの増殖を反映しません。骨破壊が起こる時に出るたんぱく質の一種ですので、骨粗しょう症など他の病態でも上がることがありますので骨シンチなどで異常なければ余り心配しなくて良いと思いますが。またCA15-3も正常値の中での変動ですのでどれだけ意味があるか分りませんので、再度検査しさらに上がるか経過を見れば良いと思います。(文責 石山)

 

No.4085-2】 05年07月08日     N.A.
I CTPについて再質問です

早速お返事を頂きましてありがとうございました。大変参考になります。今年1月から5月までAC療法をして、2月下旬から生理がなくなって現在に至っています。そこでお尋ね致します。
1) 女性ホルモンが減少したら骨に影響が出ると聞きました。I CTPが6.3というのは生理が止まっていることと関係があるのでしょうか?
2) エストラジオールE-2が10.0以下・プロゲステロン0.42・FSH121.9です。この値はどうとらえたらよいのでしょうか? やはり閉経後の値でしょうか?

度々申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。

女性ホルモンが減少すると、骨塩量が減少し骨粗鬆症が進む方向に傾くと言われます。ただ生理が止まったのが2月ごろですから、半年ほどで急激に骨塩量が減少し、骨粗鬆症が進んでTCTPが上昇するとは考えにくいと思います。
TCTPの軽度上昇と女性ホルモンの低下と関係があるか否かは今回の採決結果だけではなんともいえないと思います。女性ホルモンの値は低下していますので、ホルモンレベルからすれば閉経後に近い状況と言えると思います。(文責 稲葉)

 

No.4084】 05年07月04日     C.N. 
乳ガン転移治療について

8年前35歳の時、右乳房全摘出しました。2年前肝臓に転移が見つかり、手術しました。今年3月背骨(第5脊椎)に転移が見つかり、放射線治療をしました(この時点のマーカー値は12)。しかし5月の検査でマーカーが20にあがっており、PETをしたところ、背骨の他に肝臓に2つ小さな転移が見つかりました。現在抗ガン剤治療(アドリアマイシン+サラクロホストマイド)をしています。ハーセプチンテストは−でした。ネットで動注化学療法と肝動脈塞栓療法を知りました。この2つの治療法を受けたいと思いますが、アドバイスをお願いいたします。

乳がん肝転移では肝臓癌(肝細胞癌)に比べて効果が低いと言われていて、余りお勧めできません。全身化学療法が一般的だと思いますが。 (文責 石山)

 

No.4083】 05年07月04日     mayu
乳がん検診の結果

先日受けた乳がん検診(マンモグラフィー)で、要精密検査の結果がでました。乳腺疾患の疑い(石灰化)微小円形、集簇性、不明瞭(カテゴリー3)とあります。年齢は30歳で、子供もいます(出産の経験あり)。そこでいくつか質問があります。
1) 精密検査に行きますが、こういう場合、一般的にはどのような検査をしますか? 切開とかすることになるのでしょうか?
2) 10年ほど前に線維腺腫の切除手術を受けたことがありますが、その時と同じような場所です。その時の影響という可能性はあるのでしょうか?
3) 一番心配なのが悪性(乳がん)ではないかということですが、他にどのような病気の可能性がありますか?

手術後の瘢痕でも石灰化が起こる事がありますので、同じ部位であればその可能性があります。一般にそのような所見でも癌が見つかる可能性は8%程度と言われています。精密検査は超音波検査や、マンモグラフィーのCC像や、拡大スポット撮影などで、その後場所がわかれば、穿刺吸引細胞診やマンモトーム検査と言う事になります。(文責 石山)

 

No.4082】 05年07月04日     M.M. 
肺転移乳癌について

63歳の未婚です。2001年に右乳房温存手術をしました。2.1cmでセンチネンタル生検でリンパ腺転移がなく、また病理の結果がよく、放射線照射はしませんでした。粘液癌と聞いております。ホルモン受容体はプラスで、その後今日までノルバデックスを服用しています。4年検診で肺に1cm未満の腫瘍が見つかりました。再発・転移については心配しておりましたが、経過が良かったのでびっくりしています。また、転移が大変なこともショックになっています。一応腫瘍が小さくて確定できないため(呼吸器の医師は、CT画像からほぼ間違いないと云われます)、9月に再度CTをし、確定後手術となる予定です。CT画像から乳癌の転移とわかるのでしょうか? また、粘液癌は抗がん剤が効きにくいので、と言われましたが、今後転移があるたびに手術でしょうか?

画像所見である程度わかる場合が多いのですが、1センチ以下だと難しい事もあり、はっきりさせる場合はTBLBという気管支鏡を使った検査をして組織診をすることもあります。治療はHER2の状況にもよりますが、ホルモン剤の変更や抗がん剤投与など選択肢は多いと思いますので、主治医と良く相談して下さい。(文責 石山)

 

No.4081】 05年07月03日     N.A.  
肝臓の数値について

こんにちは、よく拝見させて頂いて参考にしています。私は29歳の年の去年12月に右乳房温存手術を行い、今年1月から4月までAC療法の4クールを、分割8回に分けて行いました。点滴中の採血の結果では肝臓の数値は全く正常で、今までも悪くなったことがなかったのですが、最終の点滴を終えた1ヵ月後に採血をしたら、GOT68・GPT85・LDH227・ALP201・y−GTP16と、GOT・GPTの数値がよくありませんでした。点滴が終わって、この一ヶ月の間にも採血を2・3回していて、その時も正常でした。数値が悪いのは6月14日・その前6月1日に検査していますが、正常でした。特にだるいとか発熱とかはなく、体は元気です。
1) お医者様からは、「ストレスか抗がん剤の影響と考えられるので、全く心配しなくていいよ」と言われましたが、大丈夫でしょうか?
2) どのようなことが考えられるのでしょうか?
3) 肝炎というようなことはありますか?
4) 抗がん剤が終了して1ヶ月も経って肝臓に影響がでてくるものなのでしょうか? 点滴中は正常だったのに、どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?
5) 自然に治りますか?

お忙しいところ申し訳ございませんが、とても不安なので教えて下さい。

どのような薬剤であっても肝臓に対する副作用があるので抗がん剤の副作用と考えられますが、その後は何か服用されていませんか? ホルモン剤やあるいは健康食品でもそういう事が起きます。肝炎については手術時に一応調べているはずですので、ウイルスがあったかどうか主治医に聞いて下さい。定期的に採血をしていくはずですので、余り心配はないと思います。ストレスでは肝機能は悪くならない様に思うので、原因は薬剤が最も考えられます。(文責 石山)

 

No.4080】 05年07月03日     S 
乳輪下膿瘍の治療について

はじめまして、30歳女性、既婚、6歳と4歳の子供がおります。2人とも完全母乳で育ちました、またその際に乳腺炎などのトラブルはありませんでした。下の子への授乳は2歳ぐらいまでしていました。昨年夏頃から右胸の乳輪の下にしこりのようなものがあって、それが少しずつ赤くなってきたので、9月末に受診をし切開して膿を出しました。その後も別の部分にも硬いしこりが残っていたので、二度の針を刺しての検査で3が出たので、今年3月に外来手術でしこりの部分を取りました(検査のため)。その時に乳頭からの分泌物も検査して、どちらも悪性ではなかったとのことでした。その後5月末位からまた、今度は乳輪の上の部分が同じように赤くなってきたので切開したのですが、今度も針を刺しての検査では悪性ではありませんでした。頻繁に繰り返したこともあって、最初の病院には乳腺外科がなかったので、乳腺外科のある病院へ紹介状を書いていただき、現在二度通院しました。私としてはネットなどで調べてみると乳輪下膿瘍が考えられる様に思うのですが、どちらの病院でも「単に乳腺炎でしょう」とおっしゃっていました。これからも繰り返すのなら一度根治手術を出来ないものかと考え、乳腺外科のある病院へ転院したのですが、結局新しいことは何もわからず(癌かどうかの診断はしますが)、切開するなら別の病院でという話でした。できれば癌ではない病気でもしっかり見ていただける乳腺専門の先生のいる病院へかかりたいのですが、教えていただけないでしょうか? また、何か他の病気は考えられるのでしょうか? 現在埼玉の所沢市在住です。

最初にかかった病院でもう一度ご相談されれば良いと思います。乳腺専門医の勤務先は http://www.jbcs.gr.jp/nintei/senmon.html で、名簿からお近くの病院勤務の専門医を受診されれば良いと思います。乳腺炎という診断になると、やはり乳腺専門医は外来が乳癌患者で溢れているのでご希望に添えない事もあるかもしれませんが、形質細胞乳腺炎という診断になると難治のことがあるので専門医のアドバイスを聞いた方が良いと思います。 (文責 石山)

 

No.4079】 05年07月03日     R.O
ノルバデックスについて(HPNo.3887-5)

いつもご相談させていただき、とても感謝しております。他の方への回答の中に「ノルバデックスの薬用量は20mgです。」というのを読んで気になったのですが、私(46歳、閉経前)はノルバデックス10mgを1日1回で処方されました。3月に温存手術をし、放射線25回終了しています。腫瘍は30*22*18mmですが、すべて乳管内で、1箇所にせいぜい1mm程度の浸潤像があったそうです。殆どDCISのようなものということです。乳頭管腺癌、リンパ転移なし、核異型は軽度、分裂像は5以下、リンパ管、静脈侵襲無し、断端陰性、ホルモンレセプターは陽性、HER2は浸潤部が少なかったので判定不明です。骨、肺、肝臓も異常なしでした。再発のリスクが低いということで、今後はノルバデックスを5年間服用することになったのですが、これでよろしいのでしょうか、先生のご意見をお願いいたします。

ノルバデックス20mgであれば当院でもそうしますし、5年間飲む事をお勧めしています。(文責 石山)

 

No.4078】 05年07月03日     M.S.
ホルモン受容体陰性の場合の術後療法(HPNo.3634-2)

HPNo.3634で、60歳の母の術前化学療法後の手術についてご相談させていただきました者です。その後、4月上旬に鏡視下乳腺全摘、およびリンパ節レベル1まで郭清の手術を行った結果、腫瘤径45×9mm、リンパ転移なし(0/8)で、ステージIIAということでした(術前にCAF2クールを行っていたのですが、実際にはほとんど効果がなかったようです)。病理検査の結果、アポクリン癌とのことです。病理報告書には Nuclear grade2(Nuclear atypia score 2+Mitotic counts score2=4) HER2 score 0、ER:-、PgR:- の記載があります。今回お伺いしたいことは2点あります。
1) アポクリン癌とはどんな癌でしょうか?
2) 報告書を見る限り、ホルモン受容体はすべて陰性ということだと思うのですが、現在、ホルモン剤であるアリミデックス錠が処方されています。手術後、化学療法としてまたCAFを始めていますが、ホルモン受容体が陰性の場合 、アリミデックスを服用しているメリットはどれくらいあるのでしょうか? あまり効果が期待できないようであれば、主治医に相談してホルモン剤の処方をやめてもらえるようお願いしようかと思っています。

乳癌特殊型に分類される乳癌で、一般的な乳癌に比べて予後が良い(治りやすい)癌と言われています。頻度は1%程度と珍しいものです。ただ病理所見では異型度が2でホルモン感受性が陰性は、少しリスクが高いことになるようです。アリミデックスは感受性陰性で投与するエビデンスはないと思います。また抗がん剤と併用するのは余り好ましくないのでやめた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4077】 05年07月02日     TY
乳房の線維腺腫について

44歳の既婚で、1女の母です。母と祖母を乳癌で亡くしています。毎年、健康診断を受けていますが、エコーで左乳房下部に径8.2×4.9×6.1mmの線維腺腫を示唆する所見が認められました。再検のマンモグラフィーでも同様の所見で、昨年よりサイズの増大を認めるそうです。圧迫すると多少痛みを感じるようにも思います。通常このようなケースで家族歴に問題がなければ放置して様子を見るところだが、近親者に乳癌がいるため、100%の疑いを排除するには切除したがよいと言われました。現在イギリスに住んでいますが、今年中には帰国となるかもしれません。帰国後に切除するとしても、その前に細胞診だけでも受けたがほうがよいと勧められていますが、それでもあくまで100%の診断はつかないと言われました。現在のところ、「疑わしきは切除した方がよい」という気持ちに動いていますが、如何なものでしょうか?よろしくお願い致します。

細胞診は診断率は90%から95%と言われていて、確実なのは切除ですが、最近は針による組織診(コアニードルバイオプシー)やマンモトーム検査などもありますので、選択肢は多いと思います。しかし一番確実なのは摘出することであるのは間違いないと思います。また海外に暮らしているのであれば医療事情も困る事があり、帰国時にいっそのこと摘出する方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4076】 05年07月02日     N子
ホルモン療法について(HPNo.3860-2)

HPNo.3860のN子です。リンパ液2〜3週間でやっと引いてくれました。ありがとうごさいました。4月に乳頭腺管がん、1.4oにて乳房温存、センチネル生検の手術を受けました。43歳です。リンパ節転移なし、ER+80〜90%、PR+90%、HER2−です。放射線治療25回終了し、ホルモン療法の予定です。主治医から詳しい薬剤の説明はありませんが、私としては副作用がとても心配です。ひどい更年期障害が起こると聞きます。タモキシフェン5年間服用と、ゾラデックス2年間注射は、必ず併用しなければ効果はないのでしょうか?また、どちらが副作用が強いですか?できれば注射はしたくありません。よろしくご指導ください。

ゾラデックスは月一回下腹部皮下に注射するホルモン治療で、タモキシフェンと併用するとCMFという注射の抗がん剤と同等の効果が得られるというデータがありますので薦められると思います。更年期障害は人によって差があるので、「ひどい」かどうかはやってみないとわかりません。併用をお勧めします。(文責 石山)

 

No.4075】 05年07月01日     PU
乳頭からの出血と細胞診について

はじめまして、宜しくお願い致します。39歳、既婚、出産経験はありません。今年5月初めに左胸乳頭より少量出血し、乳腺外来を受診しました。エコー、マンモグラフィでは異常はありませんでした。少量ながら出血が続いたので、6月22日に乳管造影の検査をしようとしたのですが、針が奥まで入らず、造影剤がうまく注入できなかったため、検査が出来ませんでした。「乳管の入り口付近に何か腫瘍が出来ていて、針が進まないのかもしれませんね」と担当の先生には言われました。乳頭からの出血液を採取して細胞診だけをしてもらうことになりました。乳管造影の検査の直後から出血は止まってしまったのですが(乳管造影により出血が止まる事もあると先生はおっしゃっていました)、昨日細胞診の結果を聞きに行ったら、「クラスVa、疑陽性、組織診が必要」との結果でした。しかし先生には、「検査をしたいんですが、現在出血が止まっているため、組織を切り取る場所が特定できず、検査が出来ません」と言われ、1ケ月後に再受診となりました。要精密検査なのに検査が出来ない…このままで大丈夫か、とても不安です。先生は「乳管内乳頭腫の可能性が高いが、確定的なことは言えない」とのことです。長くなって申し訳ないのですが、細胞診の結果コメントも掲載しておきます。
コメント:『背景には赤血球、泡沫細胞をみます。その中に、乳頭状のductal cellsの集塊を散見します。核は軽度腫大し、配列の乱れを認めます。結合性強く、核の飛び出し所見も見られず、papilomatosis?、papilloma等のbenign losion?由来? を第一に疑います。TumorあるようでしたらABC願います』

所々判読不能な文字があるので意味不明の文章かもしれないのですが、申し訳ありません。質問事項としては、
a)乳管内乳頭腫、もしくは万が一乳がんであった場合は必ず再び出血するでしょうか?
b)出血があるまで何ヶ月も放っておいても大丈夫でしょうか?
c)組織を採取しなくても、例えばMRI等で良性か悪性かの診断はつかないでしょうか?

以上、わかりにくい文章で申し訳ありませんが、ご回答宜しくお願いいたします。

乳管内乳頭腫の可能性が高いということですので、余り心配ないと思います。再出血するか、超音波で乳管内に溜まった血液があれば超音波下で穿刺して検査することは可能だと思います。また超音波でその部分を見ながら切除する事もマンモトームで組織検査することもできると思います。また造影できなかったのは、妊娠授乳の経験がない場合は、乳管造影は非常に難しいのでやむをえないと思います。(文責 石山)

 

No.4074】 05年07月01日     Y.O. 
卵巣機能抑制について

50歳、H15年9月30日に右乳房全摘の手術を受けました。病理の結果は、硬がん、腫瘍径 3×2cm、リンパ節転移(−)、ER(−)、PGR(+)でした。術後、化学療法(EC4回)を受けた後、ノルバデックスを現在も服用しています。実は、化学療法後、生理が止まり閉経したものと思っていたのですが、先日より1年8ヶ月ぶりに生理が始まりました。この場合、ゾラデックスで卵巣機能抑制をしたほうがいいでしょうか?アドバイスよろしくお願いします。

もともと50歳では女性ホルモンの血中レベルは低いはずですので、生理が来た事が、再発のリスクにつながるかどうかは分りません。理論上はゾラデックスとノルバデックスはCMFと同等の効果があるといわれていますので、心配であれば付加するのは意味はあります。(文責 石山)

 

No.4073】 05年07月01日     S.H.
薬剤の切り替えについて

55才の母のことについてお伺いします。3年前に左乳房全摘をし、術後にはアリミデックスを服用していましたが、腫瘍マーカCA15−3の上昇により、検査の結果、今年4月に頭蓋骨転移がわかりました。5月からはアロマシンに切り替え、現在も服用していますが、マーカーの値が、4月26.5→5月25.5→6月26.6と、今月になってやや上がっていました。担当医はアロマシンを服用して2ヶ月なので、効果の判断のしようがないが、来月また上昇するようであれば他の薬(ゼローダ)に切り替えましょうといわれました。アロマターゼ阻害剤はすぐには効果がでないので、3ヶ月以上の長期の値をみて判断する、と他のところで聞きましたが、3ヶ月目に上昇したからといって、すぐにほかの薬剤に切り替えるものなのでしょうか。一度薬剤を切り替えると、今使っている薬剤は使えなくなる(効かなくなる)と他でうかがったので、すぐに次から次へと薬を変えていくのが不安です。もちろん効かない薬を使い続けるのは問題ですが。ご意見の程、よろしくお願いいたします。

一般に内分泌療法の効果は3ヶ月で出てくると経験的に考えられていて、その判断は間違っていないと思いますが、ただCA15-3は施設により誤差もありますが、正常値が27以下とか30以下とかですので、正常値の中でのわずかな変動は検査の誤差を考えると余り意味がないと思いますが、如何なものでしょうか。それよりも、骨転移の新病変がでないか、ICTPという骨特異的マーカーなど総合的に判断して決められる事が重要と思います。(文責 石山)

 

No.4072】 05年07月01日     MAKO
無治療の選択について

こんにちは。今年1月末に右胸温存手術、4月に放射線治療を終えた42歳、閉経前です。術後の病理結果は、腫瘍径1.3x1cm、グレード1、センチネルリンパは0/2にて転移無し、ly1、v0、HER2マイナス、ホルモンレセプターは両方とも77%以上とのことでした。
1) 主治医からはノルバデックス(おそらく10mg)を一日1錠飲むことを提案されましたが、ホルモン治療の効果はどのぐらいあるものなのでしょうか?無治療との比較で数%程度のものでしたら、無治療を選択したく思っています。また、その率の計算方法は、ホルモンレセプタープラスの人で無治療の人対ホルモン治療を受けた人でしょうか、それとも全ての無治療の人(ホルモンレセプターマイナスゆえに無治療も含む)対ホルモン治療を受けた人でしょうか。
2) 術前にエコーや触診で言われていた腫瘍の大きさは2.1cmx1.4cmだったのですが、術後は浸潤径という書き方で、1.3x1cmとのことでした。この場合、よく言う腫瘍径とは、術後のサイズで良いのですか?あるいは、当初の2cmが私の腫瘍の大きさ、と解釈するのでしょうか?
3) 無治療を選択した場合でも、1−2年後からノルバデックスを飲み始めてももう効果はないのでしょうか?
4) 術後の病理結果で癌のグレードが1と出ましたが、別の病理医で判定するとグレードが2であったりすることもあるのでしょうか?

たくさん質問してしまい申し訳ありません、どうぞよろしくお願い致します。

ノルバデックスは薬用量は20mgです。効果についてのコントロールスタディーはないので何%かはデータがありません。サンクトガレンのリコメンデイションでも内分泌療法は一応推奨されていますので、お勧めします。術後病理診ではホルマリン固定の影響で一般に収縮する事があり、術前の腫瘍径で病期を決めるのが最近の決まりです。途中から内服は、データがないので分りません。グレードについては、我々外科医にも分らない点があり、その可能性がありますが、コメントするほど実際にそう言った事があると聞いた事はありません。(文責 石山)

 

No.4071】 05年06月29日     M.K
健側の乳房の大きさ

39歳、約2ヶ月前に温存手術を受けました。ステージ1で、リンパへの転移なし、放射線治療を終えて、現在はタモキシフェンの服用(1ヶ月前から)のみの治療です。この2週間ほどで、健康な側の乳房が目にみえて小さくなってしまい、悩んでいます。たとえばタモキシフェンの影響ということは考えられるのでしょうか。そうであれば服用が終れば(といっても5年後ですが)回復するのでしょうか。つまらないことをお聞きするようで恐縮なのですが、無傷なはずの乳房まで変形してしまうのかと思って、気持ちが沈んで仕方がありません。通院先はとても混んでいて、このような質問はなかなかできずにいたところ、この相談室を見つけてメールさせていただきました。よろしくお願いいたします。

tamoでそのような事があるかどうか余り聞きませんし、実際に見たことはありません。また副作用としても、薬理作用から考えても、関係ないように思いますが。(文責 石山)

 

No.4070】 05年06月29日     NOT
乳房のしこりについて

乳房のしこりについて質問いたします。2005年6月25日、乳がん検診を受けました。自覚症状は何もなく、年齢的に自発的に受けたものです(2度目)。触診では何もありませんでしたが、エコーで左乳房に4.5mmほどのしこり(と言う表現を医師は使いませんでしたが)が見つかり、マンモグラフィ撮影を行いました。しかしレントゲンでははっきりとした画像がとれませんでした(乳腺に邪魔され写らなかったようです)。医師の説明では、「まだ小さいので細胞診を行っても精度が低いため、経過を見て調べましょう」とのことでした。年齢的に見て、癌よりも乳腺の他の病気の可能性のほうが高いとのことでした。このまま様子を見て、10月に再受診するように言われました。自分で異常を感じた場合は、その時点で受診するように、とのことでした。自分で異常を感じなければ、4ヶ月ほど放置することになるのですが、もしも癌だった場合、その間に大きくなることによって、転移や他の弊害はないのでしょうか。(今回、当方が住む札幌ではかなり有名なS乳腺クリニックを受診しております。)時間を置かないうちに、他の病院を受診したほうがよいでしょうか(というよりも、4ヶ月も待つことなく、癌か否かを判定できないものでしょうか)。「見落とし」がたびたび話題になっているので、心配です。不躾ではございますが、返答していただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
37歳女性、既婚、子供はいません。血族に乳がんの人はいませんが、・母方の祖母が癌で死亡(どこの癌かは失念しました) ・母方の叔父が、腎臓癌で闘病中 ・父方の祖母の兄が胃癌で死亡。飲酒:週2〜3回の晩酌、ワインをグラスに2〜3杯。喫煙:5〜6本/日、禁煙期間を省いて、トータルで12年ほど。身長154cm、体重54kg。生理不順で、2年ほどピルを使用したことがあります。(4年ほど前に止めました。吐き気、むくみ等の副作用ががまんできなかったためです。)

乳癌検診に超音波を用いた場合、病変を拾いすぎて、検診の意味がないということもあり、現実に超音波検査では小さなものが見つかりすぎる事はあります。またしこりという表現でなかったということは、別のものという診断だったのでは。もう一度確認し、必要があれば超音波下の穿刺細胞診などをしてもらえるかお聞き下さい。(文責 石山)

 

No.4069】 05年06月29日     A.S
バジェット癌についてお教え下さい

家内(62歳)の右乳房の乳頭に、いつの間にか黒いかさぶたのようなもの(直径1センチ程度の不定形)が出来ていることに気づき、病院にいって診察ならびに検査(細胞診、マンモグラフィ、超音波)を受けたところ、バジェット癌(病)とのことで、一ヵ月後に手術をすることになりました。その際、「この癌は進行が遅く、転移の可能性も少ない。手術後一週間程度で退院できる。ただし、乳腺ははすべて切除する。」との説明を受けたそうですが、この癌は、そういったものなのでしょうか? 再発率等、お分かりの情報がありましたら、それらについてもお教えいただきたく存じます。ネットでいろいろ検索しても、この病名に関する説明は非常に少なく、不安な気持ちでおります。お答えをお待ちしております。よろしくお願いします。

パジェット病は頻度が少なく、予後や再発率に関するデータは少ないので分らない点が多いと思います。再発は少ないのも確かなようです。また、乳腺内に乳癌の合併も多く、全摘となる事が多いようです。(文責 石山)

 

No.4068】 05年06月29日     H.Y.
29歳妊娠7ヶ月、パジェト病が心配です

短大受験の年に乳輪に湿疹ができ、とても痒く、透明または黄色っぽい汁が出ていました。患部が凸凹になったりしていましたが、アトピー性皮膚炎なのでアトピーかと思いほおっていました。合格後、元に戻りましたが、就職して3年後くらいでしょうか、また再発、皮膚科の先生にステロイドをいただきました。ステロイドに抵抗があったので、塗ったり塗らなかったりしていましたが、そのうちに治ってしまいました。今回妊娠して再発。産婦人科でいただいたステロイドを使って、授乳できるように早く治そうとしていました。また治るかなと思っていましたが、乳首の近くに乳首の極小のようなものができていました。ネットで調べていたところパジェト病という病気を知って、出産間近ということもあり、焦っています。出産できますよね? パジェト病とできた物もあわせて教えてください。

パジェット病は一般に湿疹様の病変とされていて、かゆみや痛みがない場合が多いのですが、専門病院で、接触細胞診など簡単に調べられますので、検査されることをお勧めします。(文責 石山)

 

No.4067】 05年06月29日     N.A
乳頭からの分泌物について

私は33歳独身で出産の経験がありませんが、2、3日前より左胸の乳頭から汁が出ています。正確には乳首をつまむと1つの穴からプクーっと出てくる感じです。つままないと出てこないので、特に下着に付着するといったことは今のところありません。ティッシュでその汁をふき取ってみると半透明の黄色い色をしています。しこりについては自己診断で色々な箇所を触ってみましたが、見つけることは出来ませんでした。生理がそろそろ終わるという時に異変に気づいたのですが、毎月生理が不順なわけでもありませんし、胸が腫れていたり痒かったり、痛みなんてものは一切ありません。どんな病気が考えられるのでしょうか?不安です。

一般的には乳管内乳頭腫や乳管内癌を疑って検査しますが、血性分泌でない場合は違う事が多いと思います。いずれにしても専門の乳腺外科などを受診して、細胞診、マンモグラフィーなど受けられた方が良いと思います。 (文責 石山)

 

No.4066-1】 05年06月29日     S.S.
セカンドオピニオンのタイミング

はじめまして。長文で申し訳ありません。40歳既婚・出産経験無し・閉経前です。5月に区の検診を受け、6月頭に視触診異常無し、マンモグラフィ要精査の結果が届き、すぐにがん専門病院にマンモ画像を持参、触診と超音波を受けました。6月15日に再診し、ガンですか?と問うと、『ベースは乳腺症でしょうね。画像をみると 右側の胸に細かい石灰化が集まっている部分があるので、マンモトーム生検を受けた方が良いでしょう』と言われました。『もしも悪性なら』の前提でお話をしたのですが、「どのような治療になるのですか?温存は無理ですか?」との問いに、『手術は全摘出になるね(即答)。閉経前のこういうのは(?)厄介なんだよね。でも、このテのは多分タチは悪くないでしょう。』と言った内容の答。 動揺しつつも、石灰化部分のマンモ拡大撮影と血液検査を受け、生検の予約をし、帰りました。私の受診したがん専門病院は乳癌の手術件数も多く、先生の見立ては信頼がおけるのでは?と思っております。先生の口ぶりからすると、がんを確信しているように感じたのですが、本などで病院の情報を見ると、温存率があまり良くないようです。マンモの画像のみで全摘出と即答され、しこりも自覚していないのに・・・とショックです。石灰化病変の部分がかなり広がっている可能性があるという事でしょうか? (まだ病理診断を受けていない時点でどうかとも思ったのですが)  悪性であった場合、納得して治療方針を決定したいので 、セカンドオピニオンを受けるつもりでいますが、タイミングに迷っております。 実務者である先生の意見をお伺い致したいので、宜しくお願い致します。
1)画像の読影・診断で、温存・全摘の治療方針は決定できる場合もあるのでしょうか?
2)乳房温存を視野に入れ、万が一転院する可能性がある場合、生検を受けてガンの診断を受けてからの方が良いのか、それとも今の時点で画像を持って温存率の良い病院で意見を聞き、そちらで生検を受けたほうがよいのでしょうか。
3)以後の手術方針(温存・全摘)の違いによって、マンモトーム生検の手法に違いや影響は有るのでしょうか? クリップを残す場合があるとのことですし、(これはWEBからの情報ではありますが、)ガンだった場合、細胞を散らす可能性があるとの情報も目にしました。生検後に転院した場合、執刀していただく先生・病院が変わる訳ですが、影響はあるのでしょうか。

先の事を心配する気持ちはわかりますが、マンモグラフィーで悪性石灰化の疑いであっても、実際に乳がんが見つかる確率は5から8%で、実際はがんでない場合が多いのです。そのためのマンモトーム検査ですので、その結果を見てから心配するほうが良いと思います。石灰化の範囲が広い場合は温存は難しくなりますが、広い範囲の石灰化は一般には良性石灰化の可能性があるので、心配だけしても仕方がないと思います。まず最初の検査ではっきりしてから順番に考えた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4066-2】 05年08月16日     S.S.
マンモトーム生検後の乳頭よりの出血

先日No.4066にてご相談させて頂いたものです。先日はお世話になりました。マンモトーム生検を受けました。生検の結果は良性との事だったのですが、マンモグラフィ画像の読影結果は、石灰化分布が【集蔟性.区域製で形状は淡く不明瞭.不均一。カテゴリー3or4。5の可能性も...】他の先生と意見が分かれました、と。(ちなみに両先生とも石灰化ご専門とのこと) 画像をご覧になったときは90%癌の疑いと考えていたそうです。念のため次回MRI検査→結果次第で再度マンモトームをしましょう、との事でした。マンモトーム検査の翌日、ガーゼをはがしたところ乳頭から微量の出血がありました。結果のときに先生に聞き忘れてしまいまして、次回面会はMRI検査後の結果の際、一ヶ月ほど先になってしまうのですが、その時でも良いでしょうか? 至急で先生に申し伝えたほうがよいでしょうか。すぐに止まってしまったのですが、生検後このような症状は見られることなのでしょうか?今頃不安になってしまいまして・・・。申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

「石灰化専門の医師」というのはマンモグラフィ精中委認定の読影医師ということでしょうか・・・。淡く不明瞭な石灰化は、その分布が区域性であってもカテゴリーとしては4止まりです。マンモトームの弱点として、淡く不明瞭な石灰化の集族など、ステレオスコピックな画像で位置を決めるときに、なかなか「位置決め」が難しく、生検に難渋することがあります。ターゲットの淡い石灰化の部分がしっかりと取れていて、顕微鏡検査でそれが良性ならば、急を要するものではなく経過観察しましょう、ということだと思います。乳頭血性分泌がマンモトーム検査以前よりあったならば、ミルクの通る乳管の内部に病変がある可能性がありますが、生検後の乳頭出血ならば組織採取の時に乳管の一部がダメージを受けた結果だと考えられます。これは、ほとんどの場合一時的なものですし、後遺症を残すものではありません。あなたの場合もすぐに止まったようですから、特に問題はないものと考えられます。(文責 首藤)

 

No.4065】 05年06月29日     K
皮膚癌と右足の痛みについて(HPNo.1991-4

HPNo.1991でお世話様になっております。その後、頚椎だけでなく、頭蓋骨にも数箇所の転移が発見されました。時々頭痛があります。更に右乳房の患部周辺に皮膚がんが広がって、膿と少量の出血が始まってしまいました。
1) 皮膚がんと出血に対する対処法はありますでしょうか?(すでに放射線で一度出血を止めております。)
2) また、右脇の下から手先まで、むくみがひどくなってきて、我慢できないほどの痛みを感じるようになりましたが、右手のむくみと痛みへの対処法はありますでしょうか?
3) 更に右足が痛み、歩くことが困難になったので整形外科で検査したところ、「癌の転移ではないが、右足付け根の恥骨とちょう骨の辺りにひびが入っているようだ」と言われ、現在杖をついてしか歩けません。この右足の原因がよくわからないのですが、病気との関連は本当にないのでしょうか。本当に治るのでしょうか。(特に心当たりがなく、風邪の咳がひどいので、骨に響いたのかとも考えましたが、わかりません)
4) 風邪を引いた後、咳だけがずっと残り、痰もひどいですが、検査の結果、肺転移はありません。病気のせいで咳が治りにくいのでしょうか?

以上、お忙しいことと存じますが、宜しくお願いいたします。 

皮膚がんが乳癌皮膚転移という事であれば、全身化学療法、内分泌療法と共に、抗がん剤入りの軟膏を塗布する場合があります。むくみは手術や放射線療法など様々な原因でおきますので、リンパドレナージなどのマッサージ、利尿剤投与、感染がある場合は抗生剤投与をします。3)4)については検査結果を実際に見ないと分りませんので、主治医に再度確認して下さい。(文責 石山) 

 

No.4064】 05年06月29日     K
何科に行けばいいですか?

こんにちは、21歳の男性ですが、半年ほど前から右胸にしこりがあり、少し大きくなっているような気がします。乳首まわりも腫れてきて、男も乳癌になると聞き心配になりました。成長期にできるしこりかな?と思っていたのですが、乳癌でしょうか? 他に何が疑われますか? また、病院はまず何科に行けばいいのか教えてください。よろしくお願いします。

男性乳癌も確かにありますので、乳腺外科あるいは外科の外来にかかれば良いと思います。女性化乳房という可能性が高いと思いますが、調べてみて下さい。(文責 石山)

 

No.4063】 05年06月29日     KR 
胸の赤黒いしこりについて

はじめて質問させていただきます。27歳の独身です。妊娠・出産経験もありません。先日、右胸の下のほうに1〜2cmくらいのしこりが見つかりました。見てみたところ、表面が赤黒くなっており、虫に食われたようになっています。表から見て、膨らんでいます。触ったりつまんだりしても、特に痛みもかゆみもありません。初めて見つかった時にしこりをつまんでみたところ、膿と薄い血が出てきましたが、いっこうにしこりの大きさ・色が変わりません。膿が出てきたのは最初だけで、その後強くつまんでも何も出てきません。しこりの中心に毛穴(乳腺なのでしょうか?)があります。そこが炎症を起こしただけなのでしょうか? 乳癌の心配はありますか? とても心配しています。宜しくお願い致します。

この所見から皮膚の粉瘤(アテローム)ではないかと思いますが、乳腺専門の医師であれば視触診ですぐに判断がつくので一度乳腺外科のある病院にかかられた方が良いと思います。もちろん皮膚科でもかまいませんが、万一乳腺のしこりだった場合は、また乳腺外科に行くので最初から乳腺外科にかかったほうが良いと思います。(文責 石山)

 

No.4062】 05年06月28日     ON 
病理検査の結果について

いつも参考にさせて頂いています。39歳、ステージ1、4月21日に温存手術を行った者です。6月1日現在で病理検査の結果が半分しか出てなく、現在無治療です。半分というのは、手術によってガン細胞がとり切れていた、とか、センチネル生検で取ったリンパ4個に転移が見つからなかったなどを伝えられました。腫瘍の大きさや、何という癌か聞いたのですが、「乳癌なんだから一緒ですよ。」と言われてしまいました。また、ホルモン感受性などのことについては、6月の13日に外来で聞くと言うことになりました。また、放射線治療も、病院のあきがないために6月27日からとなりました。そこでお聞きしたいのは、以下の2点です。
1)検査にこんなに時間がかかるのは、何か問題があるからなのか。
2)術後こんなに時間が経っても何もせず大丈夫なのか。手術をすると、転移している細胞が活発になると聞いたことがあります。また、2ヶ月もたってからの放射線で大丈夫なのか。

どうも主治医との関係がうまくいかず、悩んでいます。お力を貸して頂けると幸いです。 

病理検査結果の遅れに対するご質問です。今の日本の乳ガン専門施設の多くは切除したもの(検体)を5mm間隔で切り、それでプレパラートという病理検査用の加工をして検査をします。細かく調べるのでその結果が出るのに施設によって異なるのですが2−5週間はかかります。その検査結果が出てから癌のある場所を確認してホルモンレセプター、HER2などを検査します。ですから半分結果がでてから1−2週間は結果が出るのに時間がかかります。ですから以前に比べ病理結果でるのに時間がかかります。放射線治療は以前手術後できるだけ早くやっていましたが、少なくとも4カ月以内に開始したほうがいいとされ、最近では化学療法終了後すなわち術後6カ月目以降に放射線治療をする施設もでてきました。ですから6/17の開始で決して遅くありません。なお病理結果が乳ガンだから変わりがないというのは組織型の話で、核異型度、ホルモンレセプター、リンパ管侵襲、HER2などは予後、補助療法を決める上で重要となります。(文責 福間)

 

No.4061】 05年06月28日     micchey
治療の継続について

現在30歳、独身です。治療について相談させてください。H15.4に湿潤性乳管癌で左胸を全摘、ステージ2a、リンパ転移なし、ER(+)だったので、ゾラデックスとノルバデックスのホルモン療法を行っていました。H17.3に肺転移があり、切除しました。検査の結果ER(+)だったので、ゾラデックスとアリミデックスの治療になりました。2年間生理はありませんが、アリミデックスは閉経後の薬なので閉経後の人よりは効果がないと聞きました。骨粗しょう症にもなるらしく心配です。更年期障害がひどく、仕事をするのにも支障があるほどです。このことでかなりのストレスを受けていて、鬱っぽくなってきています。ホルモン療法で再発しているので、いまいち治療に効果があるとは思われません。ストレスと薬の副作用を考えても、この治療にメリットはあるのでしょうか? 治療は続けていくべきなのでしょうか? よろしくお願いします。

再発後の治療についてのご質問です。肺転移があるとのことです。再発後の治療はホルモンレセプター陽性であれば、原則的にホルモン療法を順次使用していくことが標準的な治療となります。ですのでゾラデックス+ノルバデックスから、ゾラデックスで閉経状態にしてアリミデックスを使用することは普通にする治療の1つとなります。しかし副作用があります、鬱状態や更年期障害などの問題があります。それらに対しては対症療法 漢方薬投与などが行われます。日常生活に支障が出るようであれば主治医と相談し薬剤変更も当然考えなければなりません。選択枝はいくつかあります。ホルモン療法ではアロマシン投与、、ヒスロン投与などです。薬剤変更で更年期症状が和らぐことがあります。またHER2が強陽性であればハーセプチン投与、抗癌剤使用も選択枝の1つです。主治医ともう一度ご相談ください。あるいはセカンドオピニオンを受けてみてください。セカンドオピニオンで視野が変わる可能性もあります。(文責 福間)

 

No.4060】 05年06月28日     A 
放射線治療後

右胸にステージ1の癌が見つかり温存手術をうけ、その後放射線治療を受けましたが、終了後一週間ぐらいしてから、動悸、息切れがします。運動をしていないときでも症状は続いていますが、後遺症でしょうか?

症状があり心配されているのにご返事が遅れ、まことに申し訳ありませんでした。放射線治療後の息切れとのご質問ですが、,一番注意しなければならない副作用としては放射線が契機で生じる放射性肺炎です。胸の写真などで診断しますが、早く主治医を受診されたほうがいいと思います。(文責 福間)

 

No.4059】 05年06月28日     R・O 
しこりができたのですが・・・(HPNo.3887-4)

以前 HPNo.3887で質問させていただいた者です。その節はありがとうございました。今日で放射線治療25回が終わりました。10回目位の時に気が付いたのですが、治療を受けている温存した右胸の鎖骨の下約9センチ、乳頭の上を弧状に手術した傷の上約4センチ位の所にしこりがありました。主治医に超音波でみてもらったところ、「リンパかなあ・・でも悪いものではなさそうなので、針生検はやらなくても大丈夫です」とのことでした。手術前には絶対になかったものなので、放射線の影響でしょうか? このような事はよくある事なのでしょうか? このまま様子を見ていて大丈夫でしょうか? ご回答、よろしくお願いいたします。

しこりがあり心配だとのご質問だと思います。いろいろなことが考えられますが、一番は手術で取った欠損部を埋めるためにいろいろな工夫をしますが、そこを埋めるための工夫のため、一部しこりのように触れる場合があります。もちろん再発の可能性もありますが、術直後放射線治療では普通はそういったことはないと思います。もし心配なら、エコー、MRI、CTといった検査を行うといいでしょう。(文責 福間)

 

No.4058】 05年06月28日     M.S.
知人の病理検査結果について

いつも読ませていただき、大変勉強になります。今回は知人の病理検査について質問致します。55歳、現在は閉経。去年6月全摘手術、同年11月局所再発、以後手術した病院を変わり新しい病院にて、本年1月首のリンパ転移で放射線治療開始。4月中頃、放射線治療後、歩行不可となり検査の結果、肝臓に5センチの腫瘍と骨転移有りとわかる。現在は腰への放射線治療とタキソ−ルと骨を強くする点滴による治療。知人の病理検査結果ですが、invasive ductal carcinama f&s INFB ly(+)shin-ly(+)v? レベルTU で組織が壊死しており、組織図取れないとありました。ホルモン-、ハ−ツ-とありますが、組織壊死の為確認が必要、との記載もありました。そこでですが
1) 現在の病院で彼女の正確な病理検査を調べる方法はあるのでしょうか? ホルモン、ハ−ツがマイナスでなければ治療の幅が広がると思うので。
2) 来月退院の予定ですが、3回のタキソ−ルで効果なければゼロ−ダに代える(遠方にお住まいで歩行が難しく点滴しに通うのが厳しい為)予定との事ですが、他の治療法もありますでしょうか。組み合わせが良いようなのでゼロ−ダ+タキソ−ルの組み合わせがもっと効果的なのでしょうか?(こんな組み合わせがあるのかわかりませんが・・)
3) 肝臓に直接抗癌剤を投与することにより、ご自身のQOLは高まるでしょうか?

初発の時に酷い副作用で抗癌剤は少ししかしていませんが、現在のタキソ−ルの副作用はそれ程酷くないようです。進行が早いのですが、前向きな治療をと思っております。宜しくお願い致します。

1)手術した場所の再発や首のリンパ節が残っているようであれば、そこから組織採取してホルモンレセプター、HER2を測定できる可能性があります(採血でHER2濃度をはかることも試みられていました)。
2)薬剤の組み合わせに関しては、併用で強く効かせる考え方と、単剤で息長く続けていく方法があります。ただ遠方とのこと、ゼローダ単独も十分妥当な選択肢だと思います。
3)肝臓に動脈注射することも肝転移に対する1つの治療法です。しかし骨転移がありまた動注も治療としては少し大変な面もあります.多くの場合は動注ではなく前進化学療法が選択肢になるかと思います.(文責 福間)

 

No.4057】 05年06月28日     T 
乳腺症、乳腺のう胞症について

私は34歳の未婚で、母が17年前に乳癌、その5年後に子宮癌をしており、癌家系と言えるので、30を過ぎたころから婦人科健診を受けるようにしています。今年4月に受けた健康診断の結果を今日受け取ったのですが、婦人科健診で、「両側乳腺症」と「乳腺のう胞症」という診断を受けました。超音波での結果です。1年前に受診したときも同じ結果で、「日常生活に注意を要し経過観察を要します」とのことでした。同じ機関で受診したのですが、昨年の結果と今年の結果で何か症状が進んでいるのかを聞いた方がいいのかどうか悩んでいます(細胞の形とか、大きさに変化があるかどうか、癌の可能性はないのか)。ただ、会社の健診で行った機関なので、カルテなどが保管されているか心配なのですが・・・。この相談室の内容をみると、病院にかかると何かが見つかってしまいそうで、ちょっと怖いのです。普段は特に気になることもないですが、生理前に両胸の内側が張って痛いので、乳腺症などのせいかなあと、だんだん心配になってきています。改めてこう診断されると、これから先、この診断名は消えることはないけど、増えることはあるんだなあと、マイナス思考になってしまいます。このまま、また来年の健康診断まで経過観察でいいのでしょうか?

お母様が乳がんであり、34歳未婚であるので、乳がん高危険度群となります。文面を拝見しますと、このままの検診でいいのかという不安があるように思います。しっかりした検診を受けたほうがいいが、怖いという気持ちもあるように思います。のう胞症自体は心配する病態ではありません。しかしマンモグラフィもとっていないようです。できれば乳腺専門外来を受診して安心されたらどうでしょう?(文責 福間)

 

No.4056】 05年06月28日      e.s
母が炎症性乳癌です

58歳の母が、先月炎症性乳癌と診断されました。すでに、頭蓋骨、背骨、上腕に転移してるため、手術不可能と言われました。今は抗ガン剤を服用していますが、ホスピスも考えて下さいと言われました。そこで、お聞きしたいのですが、統計でみて、母は、後どれぐらい生きられますか? 1年生存している確率はどれぐらいでしょうか? 主治医は長くはないとしか言ってくれません。残りわずかでも。なんとか家族といる時間を多く過ごさせたいと考えています。どうか、お聞かせください。

炎症性乳がん、それも多発骨転移がある場合の予後は不良です。炎症性乳がんでも転移がなければ5年生存の方も多くいらっしゃるようになりました。お母様の場合は抗がん剤治療に十分反応しなかったようです。ただ乳がんの治療薬は多くあります。1つの薬で反応しない場合でも他の薬で奏効することがあります。反応すれば1年後以降も元気でいらっしゃる場合ももちろんあります。どの程度薬を試してみたか文面からはわかりません。(文責 福間)

 

No.4055】 05年06月28日      A.N.
腰への転移について

59才の母についてお尋ねします。3年前に乳癌が発覚し、一部切り、放射線と薬の服用をして順調にきていました。しかし3年経った今、腰の痛みから調べた結果、腰に転移していました。3ケ月前にも骨シンチとMRIを撮っているのに見あたらなかったのは、進行が急に早まったのでしょうか? 外科医は、「歩けなくなってから来る人もいるから、気付いたのが早くて良かった」と言われたようです。腰の型をとって固定していくようですが、今後どのような治療法が望ましいのでしょうか? また他に転移してしまうのでしょうか? 止める方法はありますか? 家族としてどうしてあげたらいいのでしょうか? 母はどうなってしまうのでしょうか。

残念ながら腰への骨転移ということで、今後の治療などをお聞きになりたいとのことです。3ヶ月前の検査で見つからなかったといっても、急に進行したというわけでもないと思います。検査にも限界はあります。今後の治療は痛みに対する治療(対症療法)と全身療法になります。対症療法は、骨を固定したり放射線治療をしたり痛み止めを投与したりすることになります。全身療法はホルモンレセプターの結果などにもよりますが、化学療法、内分泌療法などになります。またアレディアという骨の破壊を食い止めるよなうな注射薬も選択肢になります。今後に関しては他の部位の再発の有無などによりますが、これは治療への反応などもかかわります。主治医にご相談ください。(文責 福間)

 

No.4054】 05年06月28日      M 
検査結果について

5/12に温存手術を受けた41歳です。昨日病理検査の結果を聞きました。抗癌剤は必要ないかもと手術前に聞いていたので、次は放射線治療と思い込んでいた私に言われたのは、化学療法、放射線、内分泌療法すべてやったほうがいいという事。腫瘍が並んで二つあり、合わせて2.7×1.8cm。断端の検査でわずかに+。リンパ節は術中は陰性だったが、サンプリングしたもののひとつに陽性。ホルモン感受性は陽性。HER2は3+。化学療法はCE×4 T×4 と説明を受けました。予備知識があまりないまま説明を聞き、帰宅して乳がん治療中の知人に話を聞きました。かなり病状も進んでいて強い抗癌剤を使ったらしいのですが、知人もCEを使ったらしいのです。私は初期だと思っていたのですが、CEを使うというのはどういうことなのでしょうか。リスクの高いガンなのでしょうか。

手術前の想定と話が違うということで、ご心配のことだと思います。病理結果に関しては、かなりの部分切ってみなければわからないというところがあります。病理結果ではリンパ節転移陽性、HER2(3+)、断端も陽性とのことです。この場合はやはり主治医のいわれるような治療が標準的な治療だと思います。CEを使うから進行乳がんというわけではありませんが、きちんと治療されたほうがいいと思います。(文責 福間)

 

No.4053】 05年06月28日      N 
ホルモン療法について

初めて相談させていただきます。昨年11月に右胸温存手術を受け、病理の結果は腫瘍径2cm、リンパ節転移1/24(センチネルに1個)、ホルモン受容体共にプラス、グレード1、ハーツーマイナスでした。現在抗がん剤CEFを投与中で、後1回で終了予定です。その後ホルモン治療に入るのですが、2月から生理がとまっており、現在もありません。主治医は、「タモキシフェンだけでいいでしょう」と言います。生理が再開してしまった時点でゾラテックスを注射するというので大丈夫だそうです。私としては女性ホルモンの検査をして閉経を確認したいのですが、そこまでやらなくてもいいでしょうと言われました。今44歳です。抗がん剤で生理がとまっているというのは閉経と同じということですか。また生理が再開してからゾラテックスで大丈夫なのでしょうか。あと温存手術だったので放射線治療もホルモン療法と平行してやるということなのですが、抗がん剤治療のため術後7ヶ月あいてしまうのですが、やはり受けたほうがいいのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

閉経前でホルモンレセプター陽性の患者さまに対し、ノルバデックス単独にゾラデックスを併用することは必ずしも必須ではありません。またCEFを施行すると閉経状態に近い状態になります。ただホルモン量がどれほどあるかについては採血しないとわかりません。もし確実を期すなら採血をする必要があります。放射線治療をする時期ですが、以前は術後4月までに開始するとことといわれていましたが、最近では化学療法終了後といったことも増えてきました。放射線治療は受けられたほうがいいかと思います。(文責 福間)

 

No.4052】 05年06月28日      M.K. 
摘出するしかないのでしょうか?

先日左上胸(脇に近い所)に固いしこり(親指位)を見つけ、病院でエコー、マンモグラフィーをした所、癌の可能性はほぼなく、葉状腫瘍か何かだろうということでしたが、念のために針生検または摘出が望ましいと言われました。針生検だと、もし悪性の腫瘍の場合とびちってしまうので、それを考えると摘出がいいのではということで、大きい総合病院で摘出してもらって下さいと言われました。良性の場合経過観察してからと思っていたので、いきなり摘出といわれ不安です。やはり摘出するしかないのでしょうか?大変お忙しいとは思いますが、宜しくお願いします。

お話からすると診断を受けた病院はあまり手術していない病院のようです。手術するしないは別として紹介された病院で再度診断を受け、経過観察でいいか、やはり葉状腫瘍(原則として摘出になります)の疑いで手術を受けるべきかどうか相談してもらうのでいいかと思います。(文責 福間)

 

No.4051】 05年06月27日      Y  
高校二年男子です

左の乳首がはれていて、真下にしこりみたいなものがあります。摘むと2センチぐらいでしょうか、押したりすると痛いです。一ヶ月ぐらいこの調子で、最初のころより腫れが大きくなった気がします。これは病院で医者に一度見てもらうべきでしょか? 男でも乳がんがあるって聞いてすごく不安です。返信よろしくお願いします。

女性化乳房といって、若い男性にもよく見られる状態です。ふつう、放置しておけば自然になくなることが殆んどです。高校生の男性に乳癌はまずありません。どんどん大きくなるようなら受診をお勧めします。(文責 石川)   

 

No.4050】 05年06月27日      K.M. 
放射線治療後の皮膚炎

温存後の50gyが先週終わりました。しかし照射部が赤くなったままで発疹もできてます。放射線医に軟膏を追加処方してもらうべきでしょうか?

放射線医または主治医に診てもらって、軟膏を処方してもらった方がよさそうです。(文責 石川)

 

No.4049】 05年06月27日      YT
良性のものと癌の違いについて

こんにちは。初歩的な質問です。40歳、二人の子供がいます。7年前にエコー・マンモ・細胞診を行い、両胸共にII、良性と言われました。1年半程経過観察したのですが、あとは勤務先の定期健診のみで大丈夫でしょうと言われました。1年程前から念のため再び検査に通い始めました。3ヶ月前と1週間前の細胞診では、左がII、右がIIIaでした。右は石灰化があり(大きさは2cm以内・・だったと思います)、3ヶ月前にMRIも行いました。どちらも良性の変化だが、右は少し変化が強いので3ヶ月後に受診して下さいと、検査結果のお手紙が来ました。7年前から良性と言われ、全く安心しきってのんびりしていたのですが、今日乳がんの本をはじめて読んで(お恥ずかしい話です・・・)、驚きと不安で、こうしてご相談申し上げてます。II、IIIaと診断された時点で、これは乳がんなのでしょうか!? 本でも、どのサイトを見ても、II、IIIaは手術が必要と書いてあります。のんびりと3ヶ月後の検査を待っていても良いのでしょうか、心配です。

IIはほぼ正常か良性、IIIaは悪性疑いまでいかなく、どちらかと言えば良性に近いと考えられる状態です。因みにWは悪性疑い、Xは悪性の診断になります。IIIaは良性疾患でもよく出ますが、ちゃんとした経過観察が必要です。ふつう3ヶ月以上期間を空けて検査します。(文責 石川)

 

No.4048】 05年06月27日      R
母の乳癌について(HPNo.2787-3)

HPNo.2787でお世話になったRです。一年健診を終えて、副作用で脂肪肝になっていること、子宮筋腫が大きくなっていることを告げられたそうです。それでも半年後の健診でよいと言われてきました。
1)肝臓に詳しい先生にお聞きしたところ、「副作用で脂肪肝になるのは、食べ物でいうと冬に食品が腐りにくい状態で薬がゆっくり消化されるから、投薬が少なくなっても心配するほどではない」と説明されました。肝転移になりやすいわけではないのですよね?
2)ホルモン剤を服用しているのに筋腫は成長するものでしょうか?
3)担当医から再発率は60〜70%だと告げられましたが、HPNo.2787で説明した癌の状態、治療方針からして妥当でしょうか? また最新の生存率(ネットではデータが古いため)などわかれば教えていただきたいです。

1)肝転移になりやすいわけではありません。
2)女性ホルモン(エストロゲン)を抑えるホルモン剤のはずですから、ふつうは筋腫の発育はしにくいはずと考えられます。婦人科の医師と相談されてはいかがですか。
3)その再発率は妥当と考えます。また最新の生存率はいくらか改善しているものの、大きな差はないと思います。(文責 石川)

 

No.4047-1】 05年06月27日      R.I
骨転移治療について

初めまして。38歳、既婚、子供2人。昨年37歳で11月に左乳房全摘(小さなしこりでしたが3個と多かったのと枝上に分かれていたので、全摘を薦められました)。リンパ転移は手術時は無いだろう・・・との事でしたが、病理結果で4/20。ホルモンレセプターはわずかに陽性。HER2陰性。退院後、化学療法(AC)4クール後、ノルバデックス服用&月1アゴニスト注射、現在に到りますが、退院後、12月の骨シンチ検査で背中の右側肩甲骨に2cm程度の影あり。しかし、現在、骨の痛みは全くなく、血液検査も腫瘍マーカー値も正常値を保っているため、主治医の先生が、始めは転移を確定的に考えておられず、治療をしぶられておられたのですが、自分的には転移と受け止め、ビスフォスフォネートの治療(月1点滴)をお願いして、半年くらい続ける予定です。実際、転移が確定的でなくても転移の予防効果はあるとのことでしたので、主治医の先生も薦めて下さいました。そこで、質問ですが、血液検査(腫瘍マーカー含)が正常値であれば、骨の転移は断定できないのですか?また、治療をあせる必要はないのでしょうか?(骨の転移は直接的に命を脅かすということもないと聞きましたが・・・) というのもビスフォスフォネートのほかに、骨の治療に関して放射線治療についても興味があるのですが、痛みなどの症状もなく、血液検査も正常値内なので副作用などのリスクを考えると薦めないと言われました。この点はどうなのでしょうか? 治療を併用する事で治療効果を高めるとかあれば、試してみたい気持ちもあるのですが。影がガンでない可能性もあって今の良い状態を保てれば、もちろんそれに越した事はないのですが、子供もまだ小さいので、最悪の事を考えて最善の治療を受けたいと考えています。今の自覚症状のない状態がずっと続くという補償はないし、症状が出てからの対応では不安に感じます。ご意見、宜しくお願い致します。

骨転移があっても転移巣が少なければ血液検査(腫瘍マーカー含)が正常値であることは珍しくありません。骨シンチ検査は偽陽性が多いので、集積があったからといって、即転移とはいえないことが少なくありません。骨の転移は肺、肝臓、脳と違って、すぐ命を脅かすということがないというのは事実です。痛みなどの症状もなく、血液検査も正常値内なので、副作用などのリスクを考えると、まだ放射線治療は勧めないのが普通です。(文責 石川)

 

No.4047-2】 05年10月16日      R.I
骨転移について

HPNo.4047で相談したものです。その節はありがとうございました。肩甲骨に骨転移の疑いありで、現在、ビスフォスフォネートで治療中です。治療の副作用も無く、骨の痛みも全く感じず、腫瘍マーカーも正常値を保って体調は良好です。質問ですが、骨の転移が確定的と想定して、転移場所を激しく使う運動(バレーやバトミントンなど)は骨には支障をきたしますか?(骨折などのトラブルは起こりますか?) また、肩甲骨ですが、骨転移が最初に起こりえる場所として、可能性はやはり高いでしょうか? 普通、最初は骨の転移は身体の中心部を支えている骨に行く事が多いと聞きました。ご意見、どうぞ宜しくお願い致します。

骨の転移が確定的である場合、転移の状況にもよりますが、激しい運動は骨折などの原因となります。骨転移は胸椎、腰椎などにおこることが多いですが、肋骨や四肢骨、骨盤などが初発部位となることも稀ではありません。勿論肩甲骨か初発ということもありますが、頻度的には高くありません。(文責 吉田)

 

No.4047-3】 05年10月29日      R.I
骨転移について(2)

いつもお世話になります。HPNo.4047です。HPNo.4558の方の内容により、気になることがありましたので以下質問させて下さい。 ”すぐには生命予後に関わらないとき(例えば小範囲の骨転移)は、ホルモン感受性のある腫瘍の場合は、まず内分泌療法を優先し、効果がなければ2nd、3rd line の 内分泌療法、更に効果がない場合に化学療法と進めていきます。”
(質問)
1) “2nd、3rd line の内分泌療法”→ノルバデックス以外に具体的にどんなものがあるのか教えて下さい。
2) 患者さんから“肋骨のみの浸潤の類であれば、外科的手術により摘出”とありますが、骨の外科的手術とは可能なのですか? 私は主治医に普通、骨に関しては手術は行わないと言われましたが、例えば、骨病巣の一部を取り、癌と確定する事は可能なのですか? また、病巣部を完全に摘出する事は可能なのですか?(骨を削ったという人を話しに聞いたことがありますが。) 私は肩甲骨へ骨転移疑い有りで、現在、ノルバ服用とビスフォスフォネート点滴で治療中です。骨の外科手術が可能で転移が確定的になれば現治療の納得性も高まり、意味があるのではと思うのですが、いかがでしょうか?
3) 骨の転移疑い場所に関して、約一年間変化はありませんでした。さらなる転移や大きくなるなど無く、癌がおとなしくしていれば、現治療を続け、上手に癌と付き合って行く事で良いのでしょうか? それとも、病変を無くするor小さくするために別の療法へと進むべきなのでしょうか? ご意見どうぞよろしくお願い致します。

1) 閉経前であれば、月に一回注射することで生理を止め、血中のエストロジェンレベルを低値に保つLH-RHアゴニスト(ゾラデックスなど)、もう少し年齢が高くなり、あるいは化学療法後で生理が止まり、閉経状況と考えられた場合はアロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシンなど)、そしてMPA(ヒスロンH)などがあります。
2) 他の非侵襲的検査で確定診断がつかない場合に、可能であれば部分的に取って(生検をして)診断確定をすることもありうると思います。もちろん深さなど部位により困難なことも多いです。基本的には根治を狙って外科的手術というのは考えにくいと思いますが、椎体への転移で脊髄障害のような神経症状が出た場合などに骨の一部を削って除圧したり、固定術を行うことはあります。
3) 骨への転移のみで1年間変化なく症状もないのであれば、ここであまり動かず現在の治療を継続するほうが今のところは良いと考えます。(文責 片山)

 

No.4047-4】 09年08月02日      R.I
腫瘍マーカー上昇について

お世話になります。以前HPNo.4047&4449で相談したものです。術後骨転移などの疑いがありましたが、骨手術を行った結果、陰性で順調に過ごしておりました。しかし、今年の4月末に腫瘍マーカー(NCC-ST-439)が基準値7を超えてしまい(1ヶ月に3〜5上昇しています)、7月で23.7ありました。ノルバデックスは4年半くらい服用中、LH-RHアゴニストを5月から再開し、ホルモン療法の様子をみていますが、今のところ上昇を続けています。並行してPET検査&頭のCT&MRI検査なども受けていますが、今の所、画像上で転移は確認できておりません。そこで質問ですが、
1) 腫瘍マーカー(NCCST439)の上昇だけで抗がん剤治療をすすめてもよいか?(主治医からはすすめられています)
2) ホルモン療法の効果は、どのくらいの期間様子をみたらよいか?

正直、抗がん剤を使うタイミングについて悩んでいます。タキソールの予定で、一度始めれば、基本、治療はエンドレスと聞かされましたので、かなり慎重になります。マーカー値がいくらになったらやるか、画像に確認できてからやるか、抗がん剤治療はいつ始めても予後に変わりはないと思いますが・・・。いつ始めるべきかという判断をするためにご意見頂けないでしょうか? よろしくお願い致します。

1) モノクロナル抗体NCC-ST-439は、当初胃癌を免疫原として作成された為、胃癌のスクリーニング検査としての有用性が期待されましたが、実際には膵癌(60%)・胆道癌(50%)・乳癌(40%)・大腸癌(30〜40%)・肝癌(30%)・胃癌(20%)など、消化器系を主とする腺癌で陽性となり、臓器特異性は乏しいとされています。従ってNCC-ST-439の数値が上昇する乳癌患者さんの場合、乳癌の再発・遠隔転移も充分考えられますが、他の場合もないとは言えません。主治医と充分ご相談下さい。
2) 骨などの遠隔転移がある場合の治療方針は、癌の根治を目指すのではなく、癌の進行を抑えたり、症状を和らげたりして、生活の質を保ち、癌と共存する事を主眼とします。従って、ホルモン剤の効果が認められなくなった場合は、一般的には抗癌剤治療に移るということになります。

貴女の病状については、主治医が一番よくご存知ですので、1)2)の考え方を踏まえて、貴女の場合は、どのように考えるのがベストであるのかという事を、納得のいくまでご相談下さい。病気と前向きに取り組むためにも大切な事だと思います。(文責 須田) 

 

No.4046】 05年06月27日      HH
乳房全摘での局所再発について

以前一度相談をさせていただいたものです。2年前、右乳房の皮下全乳腺切除術を受け、その後CEF・ノルバディクス服用中ですが、最近、摘出乳頭横にしこりを感じています。PET・CT・エコーを実施しましたが、一期再建をしているため、針生検ができないとのことで、グレーかどうかは半々とのことでした。当時、放射線の必要性を主治医に相談したところ、全摘なので必要ないとのことで、実施していません。リンパ管断片陽性・リンパ管転移1/3でした。この場合、乳頭は残しているため、放射線は必要だったのでしょうか? また、一期再建をしている場合、今後どのような治療になるのでしょうか?アドバイスをお願いします。よろしくお願いします。

明らかな癌遺残は無かったようなので、また一期的乳房再建術をしているので、放射線はかける必要はなく、またかけられなかったと考えます。一期的再建をしている場合も乳房への放射線療法以外、乳房温存・切除術後と治療は変わらないと思います。(文責 石川)

 

No.4045】 05年06月27日      HF
頭部検査について(HPNo.3740-6

いつもありがとうございます。今回は頭部の検査について質問させて下さい。「ハーセプチン適応者は、脳転移を起こしやすい」という話しを人づてに聞きました。私はハーセプチンが使えるタイプなので不安に思っています。昨年6月に入院して、その際、頭部CTをとりました。退院後は、定期検査で12月と今年の4月に頭部MRIをとりました。主治医は、「頭はそんなに頻繁にとらなくても大丈夫」といいます。ただ、頭部には抗癌剤が効かないということと、3センチ?を超えると治療が難しいと聞いているので、頭痛がするたびに不安に思ってしまいます。通常はどのくらいの間隔で検査をするものでしょうか?(現在骨転移あり、腫瘍を縮小している最中で、腫瘍はまだ胸に残っています。) もう一点お聞かせ下さい。私は手術はしていません(それについて主治医に確認したことはないのですが)。転移があると完治は難しい、という話しは聞きました。手術もしないものなのでしょうか?薬や放射線で小さくしていくしかないのでしょうか。宜しくお願い致します。

ハーセプチン適応者は、脳転移をおこしやすいというより、他の臓器転移は抑えられるので、薬の効きにくい脳への転移が目立つということだと思います。頭部への転移は頻度は少ないので、症状が無ければ術後の定期検査ではあまり行いません。骨、肺、肝臓など他の臓器に転移がある場合は、6ヶ月前後の間隔で検査をするのが一般的だと思われます。腫瘍量をできるだけ減らして、化学療法・放射線療法を行うのが原則で、手術できるものはするという立場を外科医はとっています。(文責 石川)

 

No.4044】 05年06月27日      AI
悪性度3の細胞について

はじめまして。メールさせていただきます。43歳、閉経前、既婚、子供なしです。今年4/28に左胸皮下乳腺全摘手術を受けました。病理結果はDCISをバックに20mmと15mmのしこりが2つ。T1N0M0です。DCIS(50%) fl4 y(−)g(−)Hert2(-)、細胞悪性度3、ホルモンレセプター両方とも(+)、センチネル0/2、断面陰性ということで、補助治療としてホルモン治療という事になる予定でしたが、細胞悪性度3ということと、しこりが2つあること、それと年齢がまだ若い方に入ると言うことで化学治療をすることになりました。CE療法を3週間ごとに4回、そのあとにタモキシフェンということで、先に化学治療を5/31に1回目、6/22に2回目が終わったところです。脱毛以外はたいした副作用もなく、私としては悪性度3を強く受け止めて6回受けてもいいと思うのですが、主治医はリンパ節マイナスなので4回でいいですっておっしゃてくださっています。6回やっても効果はないのでしょうか。ご指導のほど、よろしくお願いします。

CE療法を4回受けて、脱毛以外重篤な副作用が無ければ、6回受けるのも悪くないと思います。回数(薬剤量)が多ければ多いほど、一般的には副作用も効果も高くなります。どちらを優先するか兼ね合いが難しく、悩むところです。(文責 石川)

 

No.4043】 05年06月27日      H.M. 
異時性両側性乳がんの術後

初めまして、44才主婦です。42才の時に右乳癌(2.3cm)になり、乳房切除術を受けました。硬癌+充実腺管癌、(grade記載なし)、エストロゲンR:陰性、プロゲステロンR:陰性、ハ−セプテスト:陰性、リンパ節転移1/10にて、EC計6回(術前1回、術後5回)を受けました。術後1.5年の今年、左乳房に1.3cmのしこりができ、再び乳房切除術を受けました。ER陰性、PR陰性、ハーセプテスト:score1+、リンパ節転移0/21、組織学的悪性度:gradeU(7point)、脂肪織に浸潤・深部切除断端から1mmまで進展あり。今回は再発・転移ではなく、リンパ節転移もないので、術後の化学療法を行うかどうか判断が難しいと言われています。ハーセプテストについてはFISH法で確認してみるとのことですが、術後の化学療法の必要はないのでしょうか?ハーセプチン単独・タキサン系単独・両者併用なども考えられると思うのですが、いかがでしょうか?主人が内科医(循環器医)なので意見を聞いてみましたが、アンソラサイクリンを既にやっていて新しく出てきているので、タキサンがいいのではないかと言っています。ただ、タキサン単独でいいのか、再度、アンソラサイクリンをやってからタキサンをやった方がいいのか、3週ごとor毎週投与で差がないかはわからないようです。以上長くなりまして申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

腫瘍径1.3cmでリンパ節転移陰性(0/21)ですが、ER陰性、PgR陰性、組織学的悪性度:gradeUで、St.Gallenの再発リスク分類ではintermediate riskに入ります。また、脂肪織に浸潤・深部切除断端から1mmまで進展ありとのことなので、術後の化学療法はやられた方がよいと考えます。ハーセプテスト1(+)なので、ハーセプチンは普通使用しません。御主人の言われるように、アンスラサイクリンを既にやっていて、術後1.5年に新しく出てきているので、タキサンがいいように思います。(文責 石川)

 

No.4042】 05年06月27日      K・N
手術の選択肢

38歳未婚です。9年前から左乳房に痛みとシコリがあり、9年前と5年前に2回検査をしたのですが誤診され、先月3回目の検査で乳癌宣告を受けました。5〜6cm大のしこりで、一部は乳首近くまで石灰化しています。非浸潤と浸潤の部分がある様です(もしかしたら非浸潤のみかもと言われました)。術後の生存率と、癌の大きさを考えると、全摘出しか方法はないと言われました。術前の抗がん剤は用いない様です。来週手術の決心をしないとなりません。温存の可能性はないのでしょうか?アドバイス、宜しくお願い致します。 

術前化学療法をして奏功すれば、乳房温存の可能性が全くないわけではありませんが、腫瘍の大きさ、位置から、普通は無理で危険と考えます。(文責 石川)

 

No.4041】 05年06月27日      N.A. 
男性の胸のしこり

私は38歳になる男性です。23歳の時に軽症の再生不良性貧血と診断され、28歳くらいまでホルモン剤を服用しておりました。服用を止め30歳になったくらいから、かなり大きいしこりが両胸にでてきました。一度病院には行きましたが、「心配しないでいい」と言われました。子供たちを海やプールにも連れてってやれずに、すごく悩んでいます。今のところ、特に痛みとかはないのですが、胸の膨らみが女性の乳房っぽくなっています。できれば切除せずに、薬などで治療したいのですが・・・。

ホルモン治療などの可能性はあり得ると思います。専門医に相談してください。(文責 石川)

 

No.4040】 05年06月27日      T.N
遠隔転移の治療とBNCTについて

埼玉県在住のT.N.と申します。妻が乳癌で肝臓、腰椎に遠隔転移しております。昨年9月からアドリアシンの治療を9クルー(8ヶ月)行い、4月までは腫瘍マーカーが正常値でしたが、5月から値が増えております。CTによると腫瘍は当初の半分程度に萎縮しているとの事ですが、今月からドタキセールの治療を始めました。ホルモンレセプターは(−)、HER2は(3+)です。ハーセプチンとタキソールの併用が良いと聞いておりますが、私の妻の場合手術が出来ませんので、ドタキセールの効果を確認して、ドタキセールの効果期間を満了してからハーセプチンの治療にする方が、長期間、薬の効用を享受できるのではないでしょうか? アドリアシンは6ヶ月〜1年、ドタキセールは6ヶ月の効果期間があると本で読みましたが、ドタキセールとハーセプチンで繋いで行く方法と、併用は、どちらが効果期間が長いのでしょうか? また、転移乳癌に対してBNCTの適応は可能でしょうか? インターネットで事例を見ますと乳癌への実施は見当たりませんが、乳癌はホウ素を取り込みにくいのでしょうか? 以上、宜しくお願い申し上げます。

最近の報告ではドキタキセルとハーセプチンの併用の方が奏効率は高いようですが、効果期間がより長くなるかは断定できません。転移乳癌に対してBNCTの適応は今のところ無いと思います。(文責 石川)

 

No.4039】 05年06月27日      みーママ
ホルモン治療と放射線治療後の痛みについて(HPNo.2883-2)

昨年HPNo.2883で質問した者です。50歳。閉経はしていません。平成16年11月30日に左乳房温存手術、12月6日、術後出血のため止血手術。平成17年1月17日から5週間放射線治療を受けました。病理の結果は非浸潤がん0期・グレード3・ホルモン受容体はプラス3。婦人科で問題ありとホルモン治療はしていません。ガンの顔つきが悪いとされるグレード3ですが、無治療で大丈夫でしょうか? 1番の心配はいまだに治療を受けた胸の腫れと痛みです。乳房全体が硬いのは仕方がないと思いますが、脇から鎖骨下あたりに痛みがあり、指で押すと更に痛みます。いつまでこのような状態が続くのでしょうか。このまま無治療でも大丈夫なのでしょうか。よろしくご回答、お願いいたします。

病理の結果が非浸潤がん0期なので無治療で大丈夫と考えます。未だに胸の腫れと痛みがあるようですが、治療経過からみて、まだあっても仕方がないにように思えます。あと数ヶ月は続くのではないでしょうか。時間が解決してくれるものと思います。(文責 石川)

 

No.4038】 05年06月25日      Y.H. 
術後治療について

はじめまして。よろしくお願いします。2005年5月23日に左乳腺部分切除術とセンチネルリンパ生検をうけました。34才7ヶ月で、子供が2人います。その後の病理で、種類:adenoid cystic carcinoma、 しこりの大きさ:1.5センチ、 病期:ステージ1、 リンパ節転移:(ー)、 ホルモンレセプター:ER(ー) PR(ー)、 断端;(ー)、 HER2 neu=c-erb-2:発現なし、 リンパ管侵襲:0、 血管侵襲:0 と診断されました。
術後治療として、1)放射線治療は実施、2)化学療法について・・・ (a)なにもしない、(b ) UFT服用2年間、(c)EC療法 月1回×3 のどれかを選択、といわれました。何もしなくてよいほどの軽度であるというのはうれしいのですが、何もしないと言われると、ちょっと不安になります。しかし抗がん剤の服用による強い副作用は避けたい、でも、それではかえって何の意味もないのでは?と、これもまた不安になります。副作用が軽い、と聞くUFT服用は意味があるのでしょうか? EC療法ではきつすぎて、必要のないところにも影響がでるのでしょうか? よろしくお願いします。

UFT服用が意味がないということはありません。EC療法でいろいろな副作用がでる可能性は十分あります。(文責 石川)

 

No.4037】 05年06月25日      E.A. 
フェアストンについて(HPNo.3253-5)

HPNo.3253で何度かお世話になりました。またよろしくお願いします。現在30才、平成17年2月17日出産。妊娠中に乳癌が見つかり、妊娠中の10月に手術。結果は非浸潤性乳管癌でした。産後に放射線30回しました。現在、フェアストン40を毎朝1錠飲んでいます。5年飲む予定です。以下、質問です。
1) フェアストンは閉経後の女性に投与されるとありますが、閉経していない30才の私に何故投与されたのでしょうか。
2) 子宮体癌の可能性を上げると言われ、検査をしました。どのくらいの確率であがるのでしょうか。また、乳癌の予防の方が子宮ガンのリスクを上回るため投与されていると理解して大丈夫でしょうか。
3) フェアストンによる効果を教えてください。

1) フェアストンは保険上、閉経後にのみ適応があります。タモキシフェンと類似構造で作用機序は同じです。タモキシフェンは閉経後にも適応があります。
2) 子宮体癌の可能性が高くなるといわれますが、その確率は数%ぐらいではないでしょうか。おっしゃるとおり、乳癌再発予防の方が子宮癌のリスクを上回るため投与が推奨されています。
3) フェアストンはタモキシフェンよりも子宮体癌の発生増加の報告が少ないと言われています。作用機序はエストロゲンに対するレセプターでの拮抗作用であり、そのほかにインスリン様成長因子の情報伝達の阻害によっても細胞の増殖を抑えることも示唆されています。(文責 石川)

 

No.4036】 05年06月25日   Y  
ホルモン剤を飲むことについて

二度目の相談です。ECを4クール終わったところです。病期は、T2,N1,M0です。 浸潤部と非浸潤部で、どちらかが+、もう片方が−だそうです。抗がん剤点滴前はホルモン治療はしないということだったのですが、やはり一方でも+ならしたほうが無難だろうということです。ただ、私の場合は感受性は強くなく、どちらかといえば弱いと言うことです。抗がん剤の治療をしてからは、顔の火照りが強く、汗がドッとふきでる時もあります。精神面でも薬を見るだけでも吐き気がするし、とても辛いです。副作用も肥満や更年期の症状が出るということで、あまりする気分にはなれません。まして五年もの長い間服用を続ける自信もありません。私のようなステージでも、ホルモン治療をしたほうが、しないよりは再発の可能性は減るのでしょうか。ご意見をお聞かせくださればありがたいです。

ホルモン治療をしたほうが、しないよりは再発の可能性は減ると考えます。(文責 石川)

 

No.4035】 05年06月25日   NN
ホルモン療法

以前にも相談させていただいたNNです。またよろしくお願いします。現在ホルモン療法をしています。すでに骨転移をしております。半年ほどタスオミンD錠を飲んでいましたが、腫瘍マーカーが上昇しているので、最近アリミデックスに変わりました。まだ閉経していなかったので、薬により偽閉経の状態にしての服用です。ただ薬の変更を言われた時に、肋骨を2本骨折していることが判明しています。就寝中に痛みで目が覚めて気づきました。アリミデックスの副作用として関節痛があることは説明をうけましたが、骨折の危険が増す副作用については説明がありませんでした。後日ネットで調べて知りました。4週に一度アレディアを点滴していますが、骨のことを考えると、このままアリミデックスを服用しても大丈夫なのか、心配です。他の薬の選択はないのでしょうか。

アリミデックスなどアロマターゼ阻害薬のホルモン剤を服用すると骨密度が低下することが言われています。骨折は転移が原因の可能性もあると思います。骨転移の治療を優先すると、ホルモン剤使用は不可欠のような気がします。アレディアを点滴したり、骨粗鬆症の薬を内服したりして、対策をしながら治療していくのがよいと考えます。他の薬の選択をするなら化学療法で、HER2/neuが十分陽性ならハーーセプチン併用がいいと思います。(文責 石川)

 

No.4034】 05年06月25日   M.Y.
細胞検査について

初めてメールします。45歳、未婚の女性です。会社の人間ドックの触診で2次検診が必要になり、検診センターでエコーとマンモグラフィを撮影しました。検診センターでは、レントゲンとエコーの結果を二人の医師に診断してもらうそうですが、その医師の方々とは直接お話はできませんでした。医師の方々の検査結果で、専門医の診察が必要という結果をもらい、レントゲンとエコー写真、紹介状を持って、専門医のところへ行きました。触診と持参したマンモグラフィの結果から、右胸上部に数個の石灰化がみられ、それが悪性の可能性もあるため、手術をして細胞を採取して検査する必要があると言われました。局部麻酔をかけて皮膚を切開し、細胞を取って検査する以前に、他の検査方法はないのでしょうか? 石灰化で、しこりではないため、注射器などで、ピンポイントで検査をするのが難しいために、広範囲の細胞を取る必要があるとのことでしたが、傷跡も心配で、リスクも高いような気がしますが、やはり、これが一般的なのでしょうか? その結果次第では、直ぐに悪性の部分の切除手術と言われました。現在の状況では、転移するような部分でもないし、進行もそんなに早いものではないから、急ぐ必要はないとも言われましたが、検査手術を来週に控えて、”本当にこんなリスクの大きい検査が必要なのか?”と不安になっています。ご意見をいただければ幸いでです。よろしくお願いいたします。

局所麻酔は必要ですが、超音波またはX線ガイド下に画像で確認しながら、組織を採取する方法(マンモトー生検)があります。これだどほとんど傷跡が残りません。悪性の疑いがあるのなら、細胞・組織検査は受けられた方がよいと思います。(文責 石川)

 

No.4033】 05年06月25日   S.H. 
母の乳癌について

母(70歳)の乳癌ですが、去年12月に乳房にしこりがある事を発見して検査したところ、30.7mmの悪性乳腺腫瘍が見つかり、今年1月に手術をしました。このとき腋窩リンパへの転移もありました。その後、ホルモン療法が可能かどうか検査をした結果、すべて陰性ということで、ホルモン療法は使えず、飲み薬の抗がん剤を使っていました。今月になって乳房に転移した癌がみつかり、ホルモン療法も使えないということで、もっと強力な抗がん剤を、明日から3週間を1回として投与することになりました。担当医の話によると、抗がん剤の効果も確率は30%くらいということで、他に何か良い治療法があったらと思いご質問のメールを差し上げております。色々と情報を集めているうちに、温熱療法と免疫療法というものを見つけたのですが、どの程度の効果のあるものなのでしょうか? それと母の乳癌は、30mmくらいの大きさでしたが、この大きさに育つまでに通常、何年くらいの年月がかかるものでしょうか? というのは母は乳癌の検診を受けたことがあって、そのときには問題ありませんでした。乳癌検診で見落としてしまうこともあるのでしょうか? お手数ですが、ご回答のほど宜しくお願いいたします。

温熱療法と免疫療法は一応ありますが、現在のところ有効なものはないというのが実情です。腫瘍によって発育速度が異なりますが、30mmの大きさの乳癌になるまで数年はかかっていると思います。乳癌検診で見落としてしまうことはありえます。(文責 石川)

 

No.4032】 05年06月24日    W.P. 
病理組織検査の必要性

突然、ご連絡をさせていただき、ご無礼をお許しくださるようお願いいたします。私は、36歳(子供一人)ですが、先日会社の婦人検診を受け、超音波検査で左の乳房にしこりがあると判明しました。その後、病院で細胞診を受け、結果は疑診であって、以下の内容が報告書に書かれました。「軽度異型上皮の集団が散見され、背景にmucux成分を少量伴う。 mucinous ca.の可能性が否定しきれない。」、ちなみに、大きさは5mmの円です。さらに病理組織検査を受けるようと進められていますが、先生に質問をしているところ、外観から「怪しい」と言われました。癌の可能性が高いでしょうか。先生方のご意見を是非お聞かせいただきたいので、よろしくお願いいたします。また、仕事の関係で、8月中旬に病理組織検査を受けるつもりですが、遅くありませんか。以上です。お忙しいところ、大変申し訳ありませんが、癌にかかるなんて思いもしなかったので、とっても不安です。どうかお力をお貸ししてくださるようお願いいたします。

癌の可能性は否定できません。5mm大なので慌てなくていいと思いますが、病理組織検査は受けた方がよいでしょう。8月で遅くないと思います。(文責 石川)

 

No.4031】 05年06月24日     T,K
胸のしこり?&痛み

HPよりメールを送らせて頂きました。宜しくお願いします。23歳です。生理と生理の間に胸が張ります。今回も張っていたので、「またいつものだ・・」と思い、触ってみると、一部分が痛くて、そこがちょっと硬いのです。しこりというよりは筋(みたいもの)が詰まっているような感じです(場所は右の乳房より斜め上で、体の中心側です)。気付いて3日くらい経ちますが、おさまりません。(ちなみに今年3月頃に乳がんの検査(触診)を受け、異常は無いと言われました。) 今回の事で病院へ行きたいとは思っていますが、すぐに時間が取れない事と、子供を望んでいるので、せめて生理開始(あと約1週間)後にレントゲンを撮りたいのです。先生方が「これはすぐ行った方がいい」とおっしゃるなら、やはり子供より自身なので早急に行きたいと思います。どうかアドバイスをお願いします。

今年3月頃に乳がんの検査(触診)を受け異常は無いと言われてもいますので、慌てて受診しなくてもいいと思います。(文責 石川)

 

No.4030】 05年06月24日     J.K.
脇の下のしこり

2004年4月に右乳房温存手術。50歳。ご相談、宜しくお願いします。腫瘍径 3.5cmx2.0cm、硬癌、リンパ転移 0/17、HER 2 1+、ステージUa 。化学療法中に生理が止まりました。癌の顔つきが悪い。ホルモン エストロゲン受容体 +  プロゲステロン受容体 + 。CMF療法のあと、放射線治療 2グレイX25回、現在ホルモン療法中、タスオミン 20mg。5月に1年定期検診、マンモグラフィ 骨シンチ 胸部エコー 腹部エコー 胸部レントゲン 血液検査 異常ありませんでした。1週間ほど前、右わき下に米粒位のしこりがあるのがわかりました。ちょうどリンパ節切除した傷の一番下より5mmほど横にあります。触っても痛くありません。見ためは変わりありませんが、指先で触るとコリッとする感じです。相談室の回答などを拝見すると、あまり心配しないほうが良いのかと思いますが、心配です。8月に3ヶ月ごとの外来受診がありますが、そのときまで様子を見ていてよろしいでしょうか。もし再発なら早期発見しても予後の改善には結びつかないと聞いています。ご回答お願い致します。 

8月の、3ヶ月ごとの外来受診でよろしいと思います。遅すぎるということはありません。再発なら、よっぽど進行してしまわないかぎり、予後は変わらないと考えている医師が多いようです。(文責 石川)

 

No.4029】 05年06月24日     m.o
ノルバデックスの副作用でしょうか?

37才、主婦です。去年9月に左乳房皮下乳腺全摘出しました。その後、化学療法(EC)を4クール+ゾラ月1回、今はノルバデックスを1日1錠服用しています。生理は化学療法が終わってから3ヶ月くらいで戻ってきました。その後、次の生理は順調にきたのですが、今、生理が2週間遅れています。もしや妊娠?と判定薬で調べましたが陰性でした。1度は順調に来ていた生理が不順になることは、ノルバデックスの副作用にありますか? もし妊娠だとして、この時期の妊娠はやはり無理なのでしょうか?

ノルバデックスの副作用ということは考えられます。この時期の妊娠は、薬剤の卵子・胎児への影響が懸念され、乳癌再発のリスクも高くなることが予想され、危険で無理と思われます。(文責 石川)

 

No.4028】 05年06月24日     I.M.
乳がん術前化学療法に関する相談

はじめまして。39歳、妊娠経験なしです。先日、浸潤性乳管がん、悪性度3、リンパ管侵襲高度、HER2スコア0、ホルモン受容体・エストロゲン・プロゲステロン共に陽性、腋リンパ節転移あり、しこりの大きさ25mm、T2N1M0、IIB期、胸筋侵潤の可能性ありとの診断を受けました。術前化学療法で腫瘍を小さくしてから手術することになり、1)エピルビシンとシクロフォスファミド3週おきx4コース 2)パクリタキセル週1x4コース を術前・術後にどちらかひとつずつ投与することを提示されました。全くの無知識で、果たしてこの投与方法が私の病状に最適なのか分からず調べてみたところ、術前にはタキソテールがより効果がある、という研究結果の記事を読みました。また、この二つの投与を両方術前にする方法もあるという記事もありました。更に、リンパ節転移がある場合、この二つを術後に投与することで、再発率を17%低下させる事が証明されているという記事もあり、混乱しています。
1) 私の病状には、提示された投与をどちらを術前にするほうが、より効果があるのでしょうか?
2) 私の病状には、提示された投与法が最適なのでしょうか。それとも、より効果の期待できる他の投与法(タキソテール・ホルモン療法など?)が、あるのでしょうか?ある場合、どのようなものでしょうか?

どうぞよろしくお願いいたします。

確かに術前にはタキソテールがより効果があるという報告はありますが、確定的ではありません。エピルビシンとシクロフォスファミド、パクリタキセルの二つの投与を両方術前にする方法もあるくらいで、まだ標準的治療というのは定まっていません。したがって、
1) 提示された投与をどちらを術前にするほうが、より効果があるのかわかりません。
2) 提示された投与法が最適なのかも、断言できません。(文責 石川)

 

No.4027】 05年06月24日     M  
補助療法を続けるべきでしょうか?

いつも読ませていだだいています。とても参考になり感謝しています。初めてメールさせて頂きます。年齢45歳 閉経前 BMI値29。平成16年6月、左乳房下側真ん中に約1cmのしこりを見付けマンモグラフィーには何も写らず、エコーは等エコー、しかしカラードップラーエコーで腫瘤に一本の血流が見られたので針生検、結果class4でした。しこり近辺に常に多少の痛みと、引きつれ感があったこともあり、同9月左乳房温存手術、リンパ節郭清を行いました。主治医は研修後すぐの方で、乳腺外科専門ではありません。術後最初に受けた説明は、「左乳がん、タチの良いタイプ、大きさは2cmよりやや小さい、リンパ節転移は無し、ER・PgRは共に陽性、断端陰性、今後放射線照射、ホルモン療法を行います。」でした。CT、骨の検査等はしていませんし、腫瘍マーカーはやったかどうかもわかりません。その後、持病の薬ステロイドの影響か、乳房の傷だけ化膿してしまい、3週間毎日通院していましたが、その間に病理検査の結果変更を告げられました。保険の診断書には、「病理診断名 intraductal carcinoma、超音波検査 左乳房6°方向に12.8mm大の辺縁不整なmass+、MMG検査 特に異常なし、手術名 2×4 lumpectomy及びリンパ節郭清、今後の治療 抗ホルモン剤」とあります。「非浸潤性乳管がんだったので、今後補助療法は一切いりません。放射線照射も必要ないです。」 この時先生の言葉を信じればよかったのでしょうが、元来の心配性とその当時息子の病気が深刻だったこともあり、近年の再発入院だけは避けたかったので、本当に補助療法が不必要なのかと疑問をぶつけました。素人ではありますが私なりにネット等で得た情報を元に、異型度等の質問をしましたところ一笑され、結局2度程聞いても何の返事もいただけないまま、ノルバデックスがでました。今年1月から20mgを1回、一年も飲めばいいでしょうということです。ここまでは副作用らしいものは皆無に等しく、かかりつけの薬局と、最初に針生検をして下さったクリニックの乳腺専門医の薦めもあり飲んできましたが、先月から生理が2週間に1回、それも今まで経験したことがないような量のがきて、婦人科の検診を受けなければならないと思うと同時に、抗ホルモン剤をこのまま続けるべきか、やめるべきか悩んでいます。今までの先生が専門でない事も引っ掛かっていたので、病院に次回の診察を乳腺外科の専門医にとお願いしたところ、次回7月の1回だけならいいと言われました。私が行っている病院は外科医が14人中乳腺専門医は1人です。私に与えられたチャンスは1回だけなので、この機会に専門の先生の御意見を伺い、TMを続けるか・やめるかの判断をしたいと思います。その為に、今、どのような基準でDCISで温存した場合の治療・補助療法・経過観察がなされているかを知りたくメール致しました。放射線照射なし・補助療法なしで定期検診のみ(定期検診の内容はエコーと胸部レントゲンだけとのことです)でいいという私のがんは、どのような基準で判断されたのか、TMをやめるか続けるかの判断ポイントとして、何を質問したらいいか、婦人科に関する副作用はどこまでが許容範囲なのかをご伝授下さい。今のところ余程の事がない限り転院は考えられません。いつかのメールに浸潤がんと非浸潤がんでは天国と地獄ほどの違いと回答がありました、それを思うと私は極早期の発見だったようですので何よりだとは思いますが、それなりに悩んで居ります。お忙しいところ大変長いメール、日にちに余裕がなくて誠に申し訳ありません。診察の予定は7月7日です。どうぞどうぞよろしくお願い致します。

45歳で閉経前と考えられ、Tamoxifen(TM)で副作用みられるようなので、LH-RH analogue製剤(ゾラデックス,リュープリン)に変更すべきです。普通、非浸潤癌でも乳房温存術後では放射線照射・補助療法(とくにホルモン・レセプター陽性ならホルモン療法)が行われることが少なくありません。非浸潤癌では転移はまずないので、経過観察・術後検査は厳しくないのが一般的です。婦人科に関する副作用はどこまでが許容範囲なのかは、個人により異なってきます。不正出血が見られる場合は婦人科の疾患が無いとも限りませんので、受診をお勧めします。(文責 石川)

 

No.4026】 05年06月24日     S.U
母の乳がんについて

はじめまして。59歳の母のことで相談させていただきます。1年半ほど前に左胸に石灰化が確認されましたが、忙しさからほったらかしにしていたところ、先月3センチほどのしこりに気づき、乳がんと診断されました。術前の検査では遠隔、リンパ節転移は確認されなかったので、6月3日にセンチネルリンパ節生検で左胸全摘の手術をしました。腫瘍の大きさは3.3X2.3。術中はセンチネルにがん細胞は発見されなかったのですが、病理検査により微小のがん細胞が一つ見つかったとのことです。先生には、医学的に問題のない範囲?大きさ?なので問題ないと言われたようです。でもステージはUbで、t2,n1,moと書かれてあったそうです。それと、術後療法として、CEFを3週間に1回6クールやることになったそうです。ここで質問ですが、
1) 医学的に問題ないというのは、センチネルにあるがん細胞が微小ならばリンパ節転移として考えなくていいということなのですか? それとも、やはり転移が1つとして再発、生存率も大きく変わるものでしょうか。
2) センチネルリンパに転移があるとしたらリンパ節郭清せず、そのまま残しておいていいのでしょうか? 術後化学療法をするみたいですが、この治療法以外に考えられるものはありますか?
3) がんの種類が最初に‘乳‘がつく名前だったそうですが、私が調べた限りでは乳頭腺管がんだと思うのですが、情報があいまいで申し訳ないのですが、このような状態だと再発、生存率はどのくらいでしょうか。
4) 悪性度やホルモンレセプターの受容など細かいことはわからないそうなのですが、化学療法をするということは再発、転移のリスクが高いということも考えられるのでしょうか。母の状態だと予後はいいか悪いかで言うと、どちらになるでしょうか。

質問内容がまとまっていなくて申し訳ありません。父もがんを患っているので生きた心地のしない毎日を送っています。お忙しいとは思いますが、どうか宜しくお願いします。

1) リンパ節転移なのですが、微小転移なので予後に影響しないということだと思います。
2) 普通、センチネルリンパに転移がある場合、リンパ節郭清は行います。化学療法以外に放射線療法、ホルモン療法があります。HER2/neuが陽性なら分子標的治療(ハーセプチン)もあります。
3) 乳頭腺管癌は硬癌より予後はよいと考えられています。当科の成績では、5年後の再発、生存率はstage Uで、それぞれ15%、88%、n1で20%、85%前後です。
4) 化学療法をするということは再発、転移のリスクが少なくないということだと考えられます。(文責 石川)

 

No.4025】 05年06月24日     K.K. 
術後補助療法と再発チェックの内容について

現在39歳です。術後補助療法と再発チェックの検査項目と頻度についてうかがいたいと思います。どうぞよろしくお願いします。2004年3月 左乳癌の診断を受け全摘出手術、以降化学療法を行い、現在ホルモン療法中です。化学療法は以下のとおりです。AC×4(ピノルビン60mgエンドキサン600mg)+ウィークリータキソール×4(110mg×1クール+80mg×3クール)。ホルモン療法は以下のとおりです。ゾラテクス2年+ノルバテックス5年。組織所見では、DCISの進展で腫瘍最大径3×2×1.5cmです。ER(+)、PGR(+)、HER+2(0)、リンパ節転移はセンチネル(1/1)Level1(5/17)Leve2(0/1)の合計6個/19個でした。今現在転移の所見はありません。今後再発リスクを下げるために、まだやれることがあればやりたいと思っております。たとえば現在再発の患者さんに処方されて効果がある経口抗がん剤はいかがでしょうか。再発乳がんが抑えられているということは、目に見えない小さな癌にも効果があるのではないかと思うのです。小さいうちなら術後の点滴抗がん剤と同じ理屈でたたけるのではないかと考えてしまうのですが、いかがでしょうか? すでに点滴抗がん剤ではA、C、タキソールの3種類の抗がん剤と使いましたので、その3つでたたききれなかった癌に対して第4の抗がん剤としてどうかと思うのですが・・・。もし使うとしたらどの薬がいいでしょうか。また骨転移防止にはビスフォスネートという薬が効果があると聞きましたが、いかがでしょうか。現在保険は適用されていないようですが、たとえば骨粗鬆症などの症状がある場合は適用されますか? 現在再発チェックは以下のような項目と頻度で行っています。術前1年前骨シンチ、胸部レントゲン撮影1/1年、血液マーカーチェック 1/3〜4ヶ月、マンモグラフィ 反対側 1/1年、CT 無し PET 無し。主治医の先生は再発乳がんは早く見つけても予後があまり変わらないという意見をお持ちで、PETなどは意味がないということでした。私としては今新薬がどんどん出ているので、小さく見つければ再発した癌は消すことができるのではないかと期待していて、なるべく早くみつけたほうがいいように思えてしまうのです。この点はいかがでしょうか?再発チェック検査として増やしたほうがいい項目や頻度など教えてください。

化学療法AC×4、ウィークリータキソール×4、ホルモン療法はゾラデックス2年+ノルバテックス5年と予定されているので、かなり術後療法はされることになります。再発の患者さんに処方されて効果がある経口抗がん剤は副作用がかなり強いようです。また、点滴・静脈注射で行うCEF,CAF,などの標準的化学療法の方が奏功率高いと思います。
術後に残っているかも知れない小さな癌の方が、抗がん剤は効きやすいと考えられます。そこで、術後療法が推奨されるわけです。第4の抗がん剤使用には蓄積される副作用、至適時期など異論のあるところだと思います。主治医とよく相談してください。
ビスフォスネートは骨粗鬆症に適用されません。骨粗鬆症には内服薬があります。
再発チェックは十分に行われているようです。PET検査は施行された検査で怪しいところがあるが、転移かどうかはっきりしないときに行われます。偽陰性も少なくなく、万能ではありません。主治医の先生が言われたように、再発乳がんは早く見つけても予後があまり変わらないという印象をもっている医師は少なくないようです。(文責 石川)

 

No.4024】 05年06月23日     KY
化学療法について(HPNo.3854-2)

5月にHPNo.3854 にて回答頂きました。ありがとうございました。湿疹は1回目の投与で背中と胸のあたりに出ましたが、その後2回目、3回目はそれ程ではなく、今は黒く跡になっている程度です。そして本日4回目のAC投与をしました。次回からタキソテール3ケ月の予定でしたが、主治医から抗癌剤はこれで終了してホルモン療法でもいいと思うと言われました。タキソテールの方がアレルギーが出やすいからとの事です。タキソテールをやると再発率を17%低下させられるが、人数的には100人中2〜3人程度と言われました。次回までに考えてくるように言われ、とても悩んでいます。自分としてやるつもりでいましたし、主治医も当初はやったほうがいいと言っていました。度々申し訳ありませんが、ご意見宜しくお願い致します。

主治医は副作用を心配して、タキソテール治療を考え直したのだと思います。ACとは薬剤が違いますので、試みてもいいのではと私個人は考えます。(文責 石川)

 

No.4023】 05年06月23日     M.M.
PET検査について

たびたび質問させていただき、ありがとうございます。二年前左乳房切除、EC3クール、タキソール3クール後、現在はノルバデックス20mgを服用している46歳です。PET検査は、再発転移の発見に有効なのでしょうか? もし有効なら骨転移に関して骨シンチと比較してどうなのでしょうか? よろしくお願いいたします。

PET検査が再発転移の発見に有効なことはあります。骨転移検査の場合、骨シンチは疑陽性が多いので、集積像があり、それがCT、X線、MRIなどでも転移かどうかはっきりしないときにPET検査が役に立つことがあります。(文責 石川)   

 

No.4022】 05年06月23日     H  
生検手術について

初めてお便りさせていただきます。母(60歳代)は、20年ほど前に右胸全摘出手術、10年前に左胸温存手術を受けました。今年になって、左胸に再発らしき感じで石灰化が見られまして細胞診を行いましたが、限りなくブラックに近いグレーという診断でした。一応、細胞診ではW、Xと出ていましたが、今回かなりの早期ということで、先生達も確実に乳がんであるという診断をつけかねていた感じです(ちなみに、セカンドオピニオンをもらったところでも同等意見、こちらでは組織診を行いました)。ということで、とりあえず生検手術をして診断をつけてから今後の治療を決めていくことになりました。一番初めに受けた時代は、「手術中に生検手術をして、それが悪性だった場合、すぐに摘出しないと、周りにちらばってしまう。」ということで、そういった手術をしていたようなのですが、「今は、一旦退院させてからで大丈夫」と言う説明を受けたそうです(知人の乳がん経験の方からは、2週間以内にしないと散らばると言われたそうです)。今回の生検手術を行って、結果は非湿潤性乳管癌だったようですが、次回の入院まで期間があるため、母としては心配のようです。「こういった生検を行うと散らばるいった話を聞いたことがない」と婦長さんは言っていたそうですし、先生は以前はそういうふうに言われていたといったり、いろいろなようです。実際、どうなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

理論的には生検後の顕微鏡的な癌の遺残は常に考えられるので、早く根治手術を行うほうがよいと思われます。実際はどのぐらいの期間なら大丈夫とはっきりしませんが、3週間以内なら予後に差がなかったという報告はあります。肉眼的に明らかな腫瘤が残っていなければ、それほどあわてることはないと思います。とくに非湿潤性乳管癌なら転移を起こすことはまずないので、手術まで期間があっても心配ないと考えます。(文責 石川)

 

No.4021】 05年06月22日     K
非浸潤癌の治療法について

相談室を拝見していましたら、非浸潤癌の方が、放射線のみの治療で定期観察とあったのですが、手術の必要がないのですか? 非浸潤癌の場合、放射線は効きにくいと聞いておりますが・・・。私は、同じ病名で手術をする予定です。放射線で有効なら、私も手術を受けたくないのですが・・・。また、内視鏡手術のリスクはありますか?術後、放射線治療をしっかりやれば、温存と生存率など変わりないと、主治医からは説明を受けています。宜しく御願い致します。

非浸潤癌でも手術が原則です。非浸潤癌の場合でも、放射線は有効です。乳管内進展が広範囲のことも少なくなく、内視鏡手術は難しい印象があります。(文責 石川)

 

No.4020】 05年06月22日     N 
腋下に直径2センチ程のしこりがあります

はじめまして、よろしくお願い致します。私は32才なのすが、10日程前から急に腋の下に直径2センチ程のシコリの様な物ができました。1ヵ月程前にも腋の下にシコリかなって思う程度の事はあったのですが、2センチ程の大きさに気付いたのは10日前です。 ここ1、2日は、その腫れも小さくなった様にも思えます。家庭の医学という本などで色々調べてみたのですが、(シコリを押さえると痛みがある場合)手にキズがあったり、おできがあったりすると、わきの下にシコリが出来たりすると書いてありました。私もそれなんでしょうか? シコリを押さえると痛いですし、肌が弱い為、1ヵ月以上前からひどいアカギレがあります。治りましたが、大きなオデキもありました。もう少し様子を見たほうがいいでしょうか? 教えて頂けませんでしょうか? よろしくお願い致します。

腫れが小さくなった様なので、炎症性にリンパ節が大きくなった可能性が高いように思えます。ただ、乳腺などにしこりは触知しなくとも、悪性の疾患があって腋窩リンパ節が腫れる場合もあるので、いつまでも腫れがひかなければ受診されほうが安全と思います。(文責 石川)

 

No.4019】 05年06月22日     Y.Y.
手術時の麻酔について

現在43歳です。今年の1月に乳頭分泌物があり、マンモ、エコー、乳管造影検査を受けた結果、乳管内乳頭腫の疑いがあると言われました。検査を受けた病院でもセカンドの病院でも、手術して良性か悪性かをはっきりさせたほうがいいのではと言われました。しかし、手術時の麻酔の方法に違いがあり、全身麻酔と局所麻酔とに分かれました。私は、以前全身麻酔で手術を受けましたが、その時息がとても苦しくなり、気持も悪くなりましたので、できたら全身麻酔の手術は受けたくないのですが、手術式はどちらも腺葉区域切除であり、局所麻酔では日帰り手術になり、普通でしたら全身麻酔のほうが患者にとっては楽なのでしょうが、病院がどちらの麻酔方式をとっているかわかる手段はありますか。ちなみに県立がんセンターはどちらなのでしょうか。エコーでしこりが見つかっており、それについて先生によって意見の相違があり、納得できない部分がありますので、他の病院でみてもらいたいと思っています。現在では、医師に絞るようにしてもらわないと3ヶ月間分泌物は出ていませんが、やはり手術は受けた方がいいのでしょうか。よろしくお願いいたします。

乳管内乳頭腫疑いで腺葉区域切除を行う場合、その麻酔には全身麻酔と局所麻酔があります。手術は前者の方がやりやすいのですが、全身麻酔をかけるためにいろいろ検査が必要で、入院もしなければならないので、私は普通後者で行っています。一応、患者さんの希望を聞いて決めていますが、ほとんどの人は局所麻酔を選択しています。医師によっても麻酔方式が違うので、担当の医師に尋ねるのがいいと考えます。どちらでも希望できると思います。乳管内乳頭腫疑いなら、手術は受けた方がいいと考えます。(文責 石川)

 

No.4018】 05年06月21日     K 
右胸のしこり

18歳の男です。一ヶ月くらい前に右乳首に違和感を覚えて、それから毎日ずっと気になっています。触ると(指で押したりすると)微妙に痛みます。乳首の内部?というか、真後ろにしこりがあり、かたいです。日毎にかたくなってきているような…。乳癌なのか?と、不安で夜も眠れません。3週間前から背中の肩甲骨付近に痺れをおぼえ、整形外科へいったところ、骨に異常が無い事から首の疲れによる炎症によるものと診断されました。そうなのだろうと思いたいのですが、もしや乳首のしこりと関係があるものではありませんよね?心配性なので、何かと嫌な方向を考えがちです。もう一ヶ月しこりも治らないのですが、まずいでしょうか?

男の乳腺腫瘤で一番多いのは女性化乳房症です。文面からそのように思いますが、念のため病院を受診したらどうでしょうか。(文責 麻賀)

 

No.4017】 05年06月21日     dai
男でも乳癌にはなるのでしょうか?

21歳の男です。親元を離れ、大学に通っています。今日気づいたのですが、左胸内側にしこりがあります。圧痛がありますが、日常生活にはなんの問題もありませんでしたが、不安です。男でも乳癌にはなるのでしょうか?

男でも乳癌はまれですがあります。心配なら病院を受診してください。(文責 麻賀)

 

No.4016】 05年06月21日     R.O
手術後のしこりについて(HPNo.3887-3)

以前HPNo.3887で質問させていただいた者です。その節はご回答ありがとうございました。また質問させていただきたいのですが、3月に温存手術をした後、放射線治療の10回目の頃に温存した右胸の鎖骨の下9センチ、乳頭の上を弧状に縫った上5センチ、胸の中心から5センチ位の所に、人差し指の爪くらいの大きさのしこりがあることに気が付きました。主治医の先生に超音波で診ていただいたところ、『リンパかなあ・・でも悪いものではないので、針生検はしなくても大丈夫でしょう」とのことでした。私はセンチネル生検0/2で転移は無かったのですが、乳癌は必ず最初に脇の下のリンパ節にいくのでしょうか? 万一にも胸骨傍に先にいくということはないでしょうか? それと、放射線治療が終わってから、はじめて右腕にしびれを感じるようになりました。これも放射線の影響によるものなのでしょうか?ご回答よろしくお願いいたします。   

1)かならず脇のリンパ節にいくとも限りません。胸骨傍にいくこともあります。リンパ節を介さず、いきなり遠隔転移を起こすこともあります。
2)放射線の影響はよくわかりません。(文責 麻賀)

 

No.4015】 05年06月21日     Y.K. 
マンモト-ム生検について

5×6センチの嚢胞があり、水の中の細胞診でクラス3、様子を見ていましたがすぐ大きくなり、膜の厚くなっているところもあるとかで、昨日マンモト−ム生検を受けました。簡単に取れると聞いていたのに、先生、四苦八苦になってしまい、最後は、針先をスススス-と、こするようにして(その時、先生は目を閉じていた)採取しました。腋の下がだるくなり、傷も痛みます。あのようなやり方で、癌細胞が余計にまきちらされたのでは?と、不安になります。マンモト−ム生検というのに、そういう危険はないのでしょうか?その病院が大きくないので、結果で、大学病院を紹介してもらうつもりだったのですが、この生検をしたこの病院で手術も受けたほうが、先生が病状をわかっていてよいのでしょうか? よろしくお願いします。

1)マンモトーム生検も時にはむずかしいこともあります。
2)組織生検で癌が撒き散らされ転移の割合が増えるという話はありません。
3)もし悪性であった場合、どこで治療を受けたらよいのかはあなたが決めることです。どちらで受けても大差ないと思います。(文責 麻賀)

 

No.4014-1】 05年06月21日     F.R.
手術の仕方について

母が12月に乳がんで手術をしたのですが、少し疑問があったのでメールさせていただきます。しこりの大きさは2cmだったのでセンチネルリンパ検査をし、転移がなければリンパを残すとのことで手術をしました。見張りのリンパには転移がなく、乳房を切除した時、たまたま別のリンパに1ミリの転移がみつかったのですが、医師は、「再手術でリンパ郭清を家族が希望すればしますが、90%はリンパ郭清しなくていい。」とのことで、結局再手術はしませんでした。その後抗がん剤+ホルモン剤+放射線で治療中です。本当にリンパ郭清をしなくてよかったのか、今になって心配です。遠隔転移がすごく心配です。先生の意見お願いします。

このあたりの問題はまだ確実な答えが出ていません。センチネルリンパ節生検の正確度にもよりますが、センチネルリンパ節に1mmくらいのリンパ節転移であれば、再度腋窩郭清を行わなくとも良いと思います。腋窩照射を行うか、そのまま経過観察してリンパ節が大きくなってきたら切除するのでも良いと思います。
あなたのように抗がん剤+ホルモン剤を行っていれば遠隔転移にはあまり影響はないと思います。しかし、あなたの場合はセンチネルリンパ節ではなくその近くのリンパ節とのことですので、私にはそのような経験がありませんので正確には答えられません。(文責 麻賀)

 

No.4014-2】 05年07月29日     F.R.
石灰化について

前回HPNo.4014に返信いただき、ありがとうございました。いくつか質問したいことがあり、投稿させていただきます。よろしくお願いします。放射線治療も無事終わり、現在はホルモン剤を飲んでいるのですが、母は微細石灰化が広範囲に広がっていたのですが温存手術〔四分の一〕をしました。たぶんですが、石灰化は全部取りきれていないと思うのですが、それは大丈夫なのでしょうか? 抗がん剤は3週間×4、アドリアマイシン系を投与したと思います。抗がん剤によって石灰化の癌も死滅するのでしょうか? 放射線はふつう胸全体にあてるのでしょうか? 母は病院の先生に任せきりなので心配です。読みにくい文章で申し訳ありません。

石灰化が残っていても、抗がん剤、放射線、ホルモン治療でがんをたたける可能性はあると思います。放射線は残存乳房全体にあてます(そのあと追加で切除した部位の周辺にかけることもあります)。(文責 加藤)

 

No.4013】 05年06月21日     U.A.
断端陽性の場合の療法の選択について

初めてメールさせて頂きます。41歳、子供2人。5月末に左乳房温存とセンチネルを受けました。ステージTの非浸潤性乳管癌、リンパ節転移なしでしたが断端陽性だったので放射線追加3回か再手術、どちらかを選択するよう言われました。再発率はそれぞれ10%、5%未満といわれましたが、生存率には差がない、断端の癌も2と少なかったので、主治医は放射線追加でも大丈夫ではないかと言います。今回再手術でも温存できるようですが、再発の場合も温存は可能でしょうか?5%の差はどこから来るのか確かな返答を得られませんでした。放射線で残った癌を消滅させることはできないのですか?どちらにすべきか迷っています。意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いします。

1)温存治療の乳房内再発率が断端陽性だと10%、陰性であれば5%と言う意味と思います。
2)温存した乳房を全摘してしまえば乳房内再発は0%となります。
3)乳房を残したいのであれば放射線照射でよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.4012】 05年06月21日     H.K
左胸のしこりについて

つい最近、左胸の上部にシコリを見つけました。大きさは楕円形のような形で3×5cmぐらい、固くて動かないような形状のもので、痛みはありません。半年ほど前に腋のシコリのようなものがあり、その時の胸部の自己診断ではなかったものです。42才、未婚、出産経験なしです。やはり乳癌の専門医を受診した方が良いのでしょうか?ご回答の方、どうぞ宜しくお願い致します。

この文面だけではこのシコリが何であるのかわかりません。病院を受診して調べてもらうことです。(文責 麻賀)

 

No.4011】 05年06月21日     K.S.
乳房温存後の痛みについて

今年3月2日に右乳房温存術、その後4月半ばまで放射線治療、現在はホルモン療法を行っています。ご質問させていただきたいのは、今もずっと続いている右乳房の痛みです。放射線治療中乳房に少し炎症を起こして軟膏をぬり、今では皮膚表面も傷口も殆どきれいになりました。でも乳房の中奥深くから感じるキリキリ、シクシクした痛みが続きます。押しても痛みます。熱感などはありません。また腋かリンパ節かくせいの後も痛みがあります。この痛みは何なのでしょうか 心配です。宜しくお願い致します。

手術を行ったことによる痛みと思います。この痛み自体は病気との関連はないと考えます。(文責 麻賀)

 

No.4010】 05年06月21日     H 
薬について

よろしくお願いします。44歳。二年半前に骨転移、骨髄転移。骨髄生検でわかりました。抗がん剤とホルモン剤・ノルバデックスを続けています。今、アレデァも行っています。生理もとまっています。骨転移のほうは、痛みもなく、少しよくなっていましたが、腫瘍マーカーは、ずっと高い状態が続いています。ca15−3・・260ぐらい cea・・30ぐらい。昨年12月から今年3月まで、38℃から39度の熱が連日続きました。いろいろ調べた結果、心のう水がたまっているのがわかり、抜いて調べた結果、悪性でした。癒着療法をし、のちに続いていた熱がでなくなりました。いま、抗がん剤を定期的に行ない、また心臓のほうも経過を見ています。が、ほんの少し、心臓が大きくなっています。質問ですが
1) また水がたまったとき、たまる前に利尿剤など飲み薬で対処は可能でしょうか。たまる前の予防はできるでしょうか。
2) 心のう穿刺は、負担が大きく避けたいのですが、やはり、抜くときはこのほうがいいのでしょうか。
3) 利尿剤は、抗がん剤などとの併用は可能でしょうか。メリット、デメリットは、どんなものでしょうか。

1)たまる前に利尿剤などで心嚢液の対処が可能なこともありますが、病気が進行してくればまた穿刺を行わなければならないこともあります。
2)必要ならばやったほうが良いです。
3)併用は可能です。(文責 麻賀)

 

No.4009】 05年06月21日     Rieko
乳腺嚢胞

以前質問させていただいた者です。その節はお返事頂いてありがとうございました。その後、大学病院の乳腺外来(日本乳癌学会の先生)で検査をしたところ(エコー(過去数年分の撮ったものを持参)/触診/マンモグラフィー)乳腺嚢胞の診断でした。今後は半年に1度くらい嚢胞の大きさのチェックをしていって下さいとのことでした。ひとまず安心したのですが、少し気になるのが、私の嚢胞は平成14年くらいからあります。先生は消えたりすることはある、とおっしゃっていましたが、私は3年間もあることになります。もし一生消えない、このままずっとあると仮定して、それが悪性になる可能性はありますか?さっきインターネットを見ていたら、『時に乳癌が原因で嚢胞ができることもあり、また嚢胞と考えられていたものが、実は充実性の腫瘍であることもありえるため、それを念頭においた検査が必要です。嚢胞か、腫瘍かの区別は超音波検査と注射針を用いた穿刺吸引により行われます。』 今回は、穿刺吸引はしませんでしたが、念の為した方が良いのでしょうか。

1)嚢胞は消えなくても癌になることはありません。
2)嚢胞であると診断するためには細胞診を行っておくほうが良いです。ただ以前に細胞診を行ったことがあり、超音波で腫瘤に変化がないのであれば省いてもいいです。(文責 麻賀)

 

No.4008】 05年06月21日     N 
摘出生検について

はじめまして。お忙しいところ恐れ入りますが、相談に乗ってください。左の乳房にしこりを発見し、いつも主婦検診でお世話になっている中堅どころの病院に診てもらいました。触診、エコー、マンモを終え、あまりよさそうではないとのことで、細胞針の検査をして帰宅。1週間後、検査結果を聞きにいくと、細胞針の結果はW。来週は外来手術でしこりだけを取り出して、癌の種類や悪性度を病理にかけるとのこと。その結果で、温存か全摘か、また温存の場合はその範囲を決定しますとのこと。主治医は、大きな大学病院の先生でもあり、摘出したしこりは大学病院の病理の方が検査するとのこと。ただ、大学病院はいっぱいで入れないよと言います。本やHPには、ほとんどがこのしこりだけを取り出して検査したというものがありません。しこりを取った刺激によってがん細胞が広がっていくという心配はないのかも心配です。来週23日の予約は入れてしまってます。見解をお聞かせくだされば幸いです。

このような場合、摘出生検を行うのが良いと思います。担当医と同様の見解です。(文責 麻賀)

 

No.4007】 05年06月21日      m.M
生検について

本日、生検を受けました。軽く皮膚に穴をあけ、器具を挿入してから約30分近く時間がかかりました。「しこりが固くてなかなか針がささらない」との事で、かなり力を入れてゴスゴス器具を入れたり出したり色々していました。その後、結局しこりの表面がとれたかとれてないかわからない状態で終了し、結果が出る日だけ告げられて、バンソウコウを貼られて帰されました。術後の傷口は、かなり力を入れてまさぐっていたために、ぐちゃぐちゃしていてひどいです。傷口以外の部分に痛みもあります。替えのガーゼや傷口のケアの仕方、お風呂の有無などの説明はすべてされていません。痛みもあって、とてもとても不安です。どうしたらいいのでしょうか?

傷や創部の状態は担当医に聞いてください。文面からはよくわかりません。(文責 麻賀)

 

No.4006】 05年06月21日      K.S
対側のしこりについて

昨年1月に左部分切除し放射線30回、現在フェアストン内服中です。先月、反対側の鎖骨下3センチくらいのところに楕円形のかたまりを見つけました。以前のように硬いものではなく、袋のような感じです。大きさは10ミリ以内です。たまに軽い痛みがあります。次の診察は来月の半ばですが、それまで待っていてもよいものでしょうか?

次回診察時に担当医によく見てもらうのが良いと思います。(文責 麻賀)

 

No.4005】 05年06月21日      EP 
PET検査

はじめまして。私の母(55才)は平成15年9月13日に乳腺クリニックで両方に乳癌を告知され、両方乳房を全摘出しました。ステージTでした。左側2a、右2a以下(母自身気がつかないくらいの大きさ)でした。リンパを切除し、転移もないとのこと、油断は禁物で漢方も飲んでいました。クリニックからはフェアストン剤を今も服用しています。腫瘍マーカーは正常範囲ですが、今年6月にみぞおちの痛みがでて気になり、CTを撮りました。すると肝臓に8oの嚢胞、1つ。右肺に炎症後と思われる病変を認め、気管支前リンパ節や傍大動脈リンパ節の腫大を多数認めており、リンパへの転移を疑われました。明らかな肺、肝、骨の転移は認められていないのですが、ペット検査を進められました。先生は大丈夫だと思うとのことですが、本当のところどうなのでしょうか。

本当のところは私にはわかりません。担当医の言うようにPET検査を行って見るのがよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.4004-1】 05年06月18日      M.Y. 
胸のしこりと検査について

初めてお便りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。30歳既婚、出産経験なしです。年末に受けた健康診断で胸部にしこりが見つかったようで、精密検査を受けるよう結果が送られてきたため、近くの大学病院の乳腺外来へ行きました。しこりは右胸の内側にあり、自覚できる位大きく、痛みはありません。触るとよく動きますが、強く押すと痛みを感じます。実母も同世代の頃、同じようにしこりができ、良性でしたが比較的大きかったそうで、手術して取っています。検診結果は紹介状として封をされ送られてきておりましたので、乳腺外来の先生にそのままお渡しし、触診とエコーのあと、麻酔なしで針のようなものを3回刺し、組織をとって検査に回すと言われました。その際、「組織が筋状で、ジュルジュルと引っ張られないので、まず大丈夫でしょうけれど」と言われましたが、結局その検査に必要な組織を十分採ることができなかったので、確実にシロとは言えないから、マンモグラフィーも撮りましょうということになりました。結果、まぁ大丈夫でしょう、と言われました。また、エコー写真をご覧になって、「私はしこりなどができやすいタイプの乳房(乳腺)だ」と、先生はおっしゃっていました。来月の中旬が6ヶ月後になりますので、また病院へ行くことになっています。でも、今からとても不安で不安で仕方がありません。もしグレーゾーンであれば、その時は麻酔をして、もっと太い針を刺して調べよう、と先生はおっしゃいましたが、前回の細い?針を刺す検査は非常に強い痛みを伴い、しかも時間的に長い(3回)ものでしたので、大変苦痛でした。検査をするのも恐ろしいし、さらに悪性のものが見つかるのはもっと怖いです。針を刺しても組織が採れないというのは、どういうことが考えられるでしょうか。また、来月の検診で問題がなければ妊娠したいのですが、支障(リスク)はあるでしょうか。長々とすみません。来月主治医に聞けばいいのですが、検診日が近づくに連れ、不安と恐怖に押しつぶされそうで、お伺いしました。お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。

針を刺しても細胞が取れないことはよくあります。そのような場合はあなたのように経過を観察して画像で問題があれば再度細胞診をおこないます。担当医とのやり取りなどから判断するとおそらく癌ではないでしょう。(文責 麻賀)

 

No.4004-2】 05年08月06日      M.Y. 
胸のしこりと検査について(2)

前略ごめんくださいませ。先日4004番でお世話になりました。7月12日に半年検診を受けたところ、エコーに映るしこりが良性の映り方ではないと言われ、針を刺してもいいかどうか担当医に聞かれました。私はただのフォローアップ検診だと思っていたので、ショックが大きく、また針を刺すのは非常に痛いので嫌だと答えたところ、ではMRIをやってみましょうということになりました。マンモグラフィーでは映らないでしょうと言われました。7/31にMRIを受け、8/4日に結果が出ることになっています。
1) しこりが見つかって半年後の今になって、良性の映り方ではないというのはどういうことが考えられるでしょうか。癌の可能性はどのくらいあるのでしょうか。
2) 針を刺しても、前回と同じく組織が採れない(=理論上は良性)かもしれないけれど、と言われたのですが、それではいつまでたってもはっきりしないことになります。しこりがある以上、このままずっと半年位のスパンで通院しなければならないのでしょうか。
3) 母と主人に転院を勧められています。私個人の意見としては、転院はあまり気が進みません。今の担当医を信じていないわけではありませんし、また同じような検査の繰り返しに耐える自信がありません。転院する場合、私の症状に関する検査結果等を頂くのに、どのように担当医にお願いすればいいのでしょうか。
4) MRIで分かることは何なのでしょうか。腫瘍が悪性か良性か分かるのでしょうか。

お伺いするばかりですみません。よろしくお願いいたします。

半年経過して腫瘍の形が変わってくるというのは、実際によくあることです。必ずしも悪性ではないけれど、若干大きくなる、形が変わるということであれば、悪性の可能性も考慮して、細胞診の必要性がでてきます。しこりそのものが悪性化しなくても、その周囲が悪性化してくれば形も変わりますし、大きくも映ります。ですから、単なるフォローアップとはいえ、そういった意味合いも含んでいます。
今後ですが、もし組織をとっても十分診断するほどの組織量が取れなければ、また、半年、次いでまた半年・・・といったあたりは、さじ加減的なところがあります。大きさも変わらないので、一年後にしましょうかとか・・・心配であれば半年後にしましょうか・・・といった具合です。MRIで、良性、悪性の確定はできません。悪性のときは、このように映るといった特徴があるので、悪性の可能性が高いとか、まず大丈夫でしょうとかいう判断です。やはり良悪性の鑑別は最終的には組織が必要になります。担当医には、率直にセカンドオピニオンを希望したらよいでしょう。ただ、あくまで、受けられるのは本人ですので、周りがどうこうではなくて、本人の気が進まないのであれば、転院はいかがなものかと思います。形が怪しくて、悪性の可能性が否定出来ないのであれば、また、繰り返しの検査に耐えられないというのであれば、その部分を外来で摘出するのも一考ではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4003】 05年06月18日      m,m
左胸にしこりのようなものがあります

私は20代前半です。先日、左乳房に手がぶつかったとき痛みを感じ、触ってみるとしこりのようなものがありました。右側にも同じようなコリコリとした感触はあるものの、痛みは感じず、しこりという感じではありません。大きさはおそらく2センチくらい・・・。乳がんは痛くないとも聞き、そのほかの病気も疑っているのですが、乳がんの検診で、そういった病気もすべて含めて見ていただくことはできるのでしょうか?

乳癌だから痛いとか痛くないとかはあまり関連がありません。病院を受診して調べてもらってください。(文責 麻賀)

 

No.4002】 05年06月18日      H 
胸のしこりについて 

半年程まえに左上腕が引っ張られるような感じがあり、腋の下にシコリのようなものもあったので(胸の自己診断をしましたが、何もありませんでした)、乳がんの病院を受診しましたが、「脱毛等の際にばい菌が入って、リンパが腫れているだけでしょう」という事で、抗生物質を頂きました。それからは特に症状がなかったのですが、つい最近、何気なく左胸を触ってみると、乳房の上の部分に固いシコリを見つけました。形状は細長い丸形で固く、大きさは3×5位のものです。痛みはありません。腋の下のシコリも完全には無くなっていないような気がします。やはりもう一度、乳がんの検査をしてもらった方が良いのでしょうか?ご回答の方、どうぞ宜しくお願い致します。

おそらく乳腺が触診上、多少硬くなっているところをしこりとして触れているのだろうと思います。念のため病院を受診して調べてもらったほうがよいと思います。(文責 麻賀)

 

No.4001】 05年06月18日      311 
今後の検査について

先日マンモグラフィと乳腺エコー検査・乳房触診の検査を行ないました。生理前に少し痛む程度でしたが、年齢が33歳(2年ほど前に子供を出産)なので、念のため検査を受けた結果、触診では、左乳腺症の疑いで、乳腺エコーの結果は、右乳腺腫瘤の疑いで、乳頭から分泌物もでました。マンモは異常なしです。3ヵ月後に乳腺エコーの再検査となっております。たいしたことないと思っていて調べたら、乳がんの可能性もあると分かり心配です。今後どうすればいいのか・・・宜しくお願いいたします。

文面から見ると良性疾患のように思います。ただ万が一を考えてよく検査を受けておくことは重要です。(文責 麻賀)