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相談室 (No.5501〜5600)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

5600 06/08/07 放射線治療中のビタミン剤の服用について 鈴木
5599 06/08/07 K  タモキシフェンのベネフィット(HPNo.4953-2) 鈴木
5598-1
5598-2
06/08/07
06/08/18
y 手術後の治療について
手術後の治療について(2)
鈴木
清水
5597-1
5597-2
06/08/07
06/08/12
H子  再発率、生存率をお教え下さい
再発率、生存率をお教え下さい(2)
鈴木
清水
5596 06/08/04 Y.K.   術後の職場復帰時期と術前治療について 鈴木
5595 06/08/04 K.I.  マンモもエコーも細胞診もMRIも受けたのですが・・・ 鈴木
5594 06/08/04 N 乳がんの可能性について 鈴木
5593 06/08/04 T.S.  非浸潤性乳管癌の放射線治療について 鈴木
5592 06/08/03 Y  ノルバディックスの服用期間 加藤
5591 06/08/03 O.M. 診断から手術までの期間について 加藤
5590 06/08/03 I.K.  乳首の白い斑点について(2)(HPNo.5427-2) 加藤
5589 06/08/03 M  母が炎症性乳癌と診断されました 加藤
5588-1
5588-2
06/08/03
06/10/01
H.S 超大量化学療法について
超大量化学療法について(2)
加藤
浜口
5587 06/07/31 jujun  乳ガンと風邪細菌 加藤
5586 06/07/31 S.T. リンパ節郭清について教えて下さい(HPNo.4871-3) 加藤
5585 06/07/31 H.N 微小病変の切除について 加藤
5584 06/07/31 Y.N. 11歳の子供の乳房の痛みについて 加藤
5583 06/07/31 M.K.  核異型度3という結果について 加藤
5582 06/07/31 NH 細胞診 加藤
5581 06/07/31 T.H. 経過観察中の2度目の結果!(HPNo.5183-3) 加藤
5580 06/07/31 乳がんの自己診断結果について 加藤
5579 06/07/31 K.K 右乳房の痛みについて(HPNo.5426-2) 加藤
5578 06/07/31 N N ホルモン療法 加藤
5577 06/07/31 N  温存手術後 加藤
5576 06/07/31 S.N.  咽喉の違和感及び胃ポリープについて(HPNo.5425-3) 加藤
5575 06/07/31 H.I.  早期乳癌の治療先を探すにあたって(HPNo.5546-2) 加藤
5574 06/07/31 C.M 粘液ガンのホルモン治療について 加藤
5573 06/07/31 K.Y.  今後の治療について 加藤
5572 06/07/31 P  乳房の石灰化について 加藤
5571 06/07/31 Y.K.  左胸に違和感 加藤
5570 06/07/24 RS 化学療法について(2)(HPNo.5393-2) 阿部
5569 06/07/24 3ヶ月の経過観察で大丈夫でしょうか? 阿部
5568 06/07/24 M.M. 放射線について&ゾメタの副作用について教えてください(HPNo.5392-2) 阿部
5567 06/07/24 T  乳首の異常について 片山
5566 06/07/24 S.T.  ホルモン療法 片山
5565 06/07/24 M  小学生の乳輪部のしこりについて 片山
5564-1
5564-2

5564-3
5564-4
5564-5
06/07/24
06/07/31
06/08/08
06/08/23
06/08/30
N  乳がん転移と咳こみ
乳がん転移と咳こみ(2)
乳がん転移と咳こみ(3)
妻の様態
妻の様態(2)
片山
加藤
鈴木
須田
須田
5563 06/07/23 C.H   リュ-ブリンについて 片山
5562 06/07/23 MA  右の乳首に痛みがあります 片山
5561 06/07/23 AS マンモトーム生検について 片山
5560-1
5560-2
06/07/23
06/09/22
M  術後の治療について
パクリタキセルについて
片山
徳田
5559 06/07/23 K・E セカンドホスピタルを探しています 片山
5558 06/07/23 S  乳首のデキモノについて教えて下さい 片山
5557-1
5557-2
06/07/23
06/07/31
脇の下のしこり
脇の下のしこり(2)
片山
加藤
5556 06/07/22 H.Y.  サプリメントと腫瘍マーカー 片山
5555 06/07/22 A・K 副作用について(HPNo.3959-4) 片山
5554 06/07/22 s.k 術後治療について 片山
5553 06/07/22 m.o 右足付け根のリンパ節の腫れ 片山
5552 06/07/22 M.M.  乳がん手術後にしこりが見つかりました 片山
5551 06/07/22 I.S.   左腋下の痛みを伴うしこりについて 片山
5550 06/07/22 A.Y.  生理前の乳房の張や痛み 片山
5549 06/07/22 M.F. 抗がん剤動脈注入療法について(HPNo.5421-2) 片山
5548 06/07/22 芙蓉 ホルモン療法の必要性 片山
5547 06/07/22 H  乳がんでしょうか? 片山
5546-1
5546-2
06/07/22
06/07/31
H.I.  初期癌ー浸潤性、非浸潤性について
早期乳癌の治療先を探すにあたって
片山
加藤
5545 06/07/20 Y・K   術後1年です 片山
5544-1
5544-2

5544-3
5544-4
06/07/20
06/11/18
07/08/06
07/09/12
H.M 術後5年の検査について
ゲルマニウムについて
定期検診について
骨転移の痛みについて
片山
片山
首藤
浜口
5543 06/07/20 i-mi  放射線照射後1年です 片山
5542 06/07/20 M.K.  術後治療について 片山
5541 06/07/20 M.S 薬の服用について 片山
5540 06/07/20 H.I.  「検査」なの?「手術」なの? 片山
5539 06/07/20 A.G. 右脇のしこり 片山
5538 06/07/19 S  DCISの術後補助療法について 片山
5537 06/07/19 T.K. 脇の軽い痛みとしこりについて 片山
5536 06/07/19 A.N.  非浸潤癌について(2)(HPNo.5474-2) 片山
5535 06/07/19 N.T. 骨盤転移について(2)(HPNo.5484-2) 片山
5534 06/07/16 グレ ラロキシフェン 石山
5533 06/07/16 I.M. 葉状腫瘍の疑い 石山
5532 06/07/16 JM エコーで写らないしこり 石山
5531 06/07/16 N.N 受診の必要性について 石山
5530 06/07/16 JN 術後の治療法について(HPNo.5396-2) 石山
5529 06/07/15 Y   放射腺治療後の通院期間について 比嘉
5528 06/07/15 A.D.  白血球減少による抗がん剤の延期について 比嘉
5527 06/07/15 P.S. 切除手術 比嘉
5526 06/07/15 K  母の今後について 比嘉
5525 06/07/15 Y.S. ノルバデックスと卵巣腫大の関係について(HPNo.1905-3) 比嘉
5524 06/07/15 M.U. 化学療法中の副作用について 比嘉
5523-1
5523-2
06/07/15
06/07/22
Y  転移後の治療について
転移後の治療について(2)
石山
片山
5522 06/07/13 Y   乳腺炎について 石山
5521 06/07/13 Y.T.  ホルモン療法中です 石山
5520 06/07/13 A.S.  左胸のしこり 石山
5519 06/07/13 S.K. マンモトームと非浸潤癌について 石山
5518 06/07/13 nrk 細胞診の跡 石山
5517 06/07/12 T.T.  乳輪下のう瘍 石山
5516 06/07/12 R.I.   乳がん治療について(HPNo.5492-2) 石山
5515 06/07/12 S.A. 血性乳頭分泌 石山
5514 06/07/12 H.Y 石灰化とカルシウムについて(HPNo.5495-2) 石山
5513 06/07/12 HS 何の症状でしょうか?  石山
5512 06/07/12 やまちゃん 初期乳ガンの治療方法 石山
5511 06/07/12 M.J.   マンモトーム生検について 石山
5510 06/07/12 U  乳がん再発について 石山
5509-1
5509-2
06/07/12
06/07/15
K.H.  経過観察
今後の治療について
石山
石山
5508 06/07/12 K   右脇下辺りから上胸にかけての痛み 石山
5507 06/07/10 t.m 腋窩リンパ節郭清 阿部
5506 06/07/10 M.O.  乳腺全摘出と乳房全摘出について 阿部
5505 06/07/10 M  ラジオ波温熱凝固療法について 阿部
5504 06/07/10 S.T.  ホルモン療法について教えて下さい 阿部
5503 06/07/10 Y・N 乳頭からの出血 石川
5502 06/07/10 Y.I.  乳腺症? 石川
5501 06/07/10 T.S. 乳がん手術後の授乳について(3)(HPNo.4808-3) 石川

 

 

No.5600】   06年08月07日     N  
放射線治療中のビタミン剤の服用について

お忙しいところすみませんが、御回答お願いします。私は、知人から「がんにはビタミンC(アスコルビン酸)の原末を飲んだ方がいい」と言われ、放射線治療中も毎日朝と夜2回(1回が付属のスプーン、確か一杯1グラム)を飲んでいました。放射線治療前に、ビタミン剤を摂らないほうがいいなどとということは特に聞いていなかったのと、看護士さんにもビタミン剤を飲んでいることは治療前から伝えておいたのですが、特に放射線治療の時はやめたほうがいいとは言われませんでした。最近になって、「放射線治療中の抗酸化剤(ビタミンAやCやEなど)の服用は、放射線治療の治療効果を弱めるので服用しないほうがよい」と書いてありました。(フリーラジカルの作用を弱くしてしまうとのことだと思うのですが・・・。)放射線治療を受ける前にもらったパンフレットに、そのような注意書きが書いてあったらビタミン剤は飲まなかったのに・・・と後悔しています。実際、ビタミンCの抗酸化作用によって放射線治療の効果は弱くなってしまうのでしょうか? また、もしそれが原因でがん細胞が死滅しないで大きくなってしまった場合、手術は可能なのでしょうか?

ビタミンCと放射線療法の併用に関するデータは全くありませんので、必要以上に多量でなければ、過度に神経質になることはないと思います。(文責 鈴木)

 

No.5599】   06年08月07日     K  
タモキシフェンのベネフィット(HPNo.4953-2)

こんにちは。二度目の相談です。32歳、既婚、子供なし(アメリカからです)。以前、術後の抗がん剤治療について相談をさせていただきました。その後、抗がん剤(AC4ク−ル)を受け、今は放射線治療中です。卵巣保護の為、抗がん剤治療中だけゾラデックスを注射してもらいました。そのせいなのか、抗がん剤のせいなのか、まだ生理はありません(5月が最後の点滴)。
手元にある病理のコピ−からです。「INVASIVE DUCAL CARCINOMA(Cancerizaion of the lobules)。最大腫瘍径1.6センチ。断端陰性。リンパ転移なし。胸壁、脈管への侵入はなし。grade3。poorly differentiated(9/9)。ER6%(borderline) PgR1%(NEGATIVE)」
手術をしたドクタ−は、私のホルモンリセプタ−はネガティブだと言いました。抗がん剤治療を受けるにあたって、二人の抗がん剤ドクタ−からオピニオンを取ったのですが、最初に会ったドクタ−もホルモンはネガティブだから、ホルモン治療はしないで抗がん剤を勧めると言いました。そして、セカンドオピニオンのドクタ−から抗がん剤治療を受けたのですが、このドクタ−は、6%あればホルモン治療をする意味があると言います。5年間タモキシフェンを飲むように勧められています。ちなみにゾラデックスは勧められていません。6%の感受性で私の病理の結果だと、タモキシフェンを服用するメリットはあるのでしょうか。ドクタ−には、何度かこのことは相談しましたが、副作用よりも、ガンを根治させることが重要だと言うことと、私の場合はハイリスクだということ、6%の感受性は、治療を受けるには充分だと言います。でも、2人のドクタ−からはネガティブだと言われたのも気になりますし、出来れば子供も望んでいるので、治療に踏み切れずにいます。ご意見よろしくお願いします。

2005年のSt.Gallenのミーティングによるリスク分類では、ホルモン療法に関して、内分泌反応性不確実というカテゴリーに入り、intermediate riskになり、推奨されている治療法は抗癌剤の後のホルモン療法になりますので、タモキシフェンの内服が推奨されます。妊娠に関しては、主治医、partnerとの相談だと思いますが、個人的には、少なくとも当初の2年間は治療に専念するべきだと思います。(文責 鈴木)

 

No.5598-1】   06年08月07日     y
手術後の治療について

ご相談致します。病期は1期で、温存手術、放射線治療、ホルモン受容体陽性、アリミデックスを2年服用(今のところ関節痛などの副作用はありません)、54歳です。15年前に子宮筋腫で手術のため子宮はありませんが、卵巣はあります。1年前からほてりが強いため、先日採血し、ホルモン値を調べました。結果は「卵巣機能低下していない」でした(エストラジオールE2は61、プロラクチンは10.5、FSHは32.25)。この場合、ホルモン療法は閉経前になりますか? 閉経後になりますか? このままアリミデックスを服用していても心配ありませんか?  

ホルモン値に関する解釈は実際に難しい問題がありますが、採血結果からは閉経前と考え、ノルバデックスの内服が良いのではないでしょうか? ただ、これの方が更年期症状が強く出る可能性があります。(文責 鈴木)

 

No.5598-2】   06年08月18日     y
手術後の治療について(2)

ご返事有難うございます。質問ですが、15年前に子宮筋腫で手術、子宮は有りませんが卵巣はあります。1年前より、1日に何度もほてりがあり、今回初めてホルモン値の検査をしました。検査の結果は卵巣機能低下していない、でした。54歳ですが、まだ完全に閉経していない状態で、アロマターゼ阻害剤を2年前から現在も服用中です。副作用について、再発しやすい等の副作用はありませんか? また今後すぐに閉経前のホルモン療法に変更しても心配ありませんか? 受診日に主治医に相談する前に予備知識として知りたいと思います。よろしくお願い致します。

完全に閉経していない状態であれば、LH-RH analogue(ゾラデックス、リュープリン)を使って卵巣機能を完全に停止させてアロマターゼ阻害剤を使うべきだと思います。卵巣機能が生きているときにアロマターゼ阻害剤を使用して再発が増えるかどうかについては、そのような状況のデータがないのでわかりません。しかし、閉経前の患者さんにアロマターゼ阻害剤を投与した治験時のデータでは女性ホルモンの値が上昇することが報告されており、アロマターゼ阻害剤の本来の目的である女性ホルモンを下げるという働きに対して逆の状態になるので望ましくないと考えられています。NCCAのガイドラインでも、アロマターゼ阻害剤は60歳以上では閉経していると考えて投与するが、50歳代は血液検査で閉経を確認してから投与するように注意されています。(文責 清水)

 

No.5597-1】   06年08月07日     H子 
再発率、生存率をお教え下さい

いつも参考にさせて頂き、ありがとうございます。42歳、既婚、二児(11歳、7歳)の母です。病理診断と術後治療内容から5年後または10年後の再発率、生存率を教えて頂けたらと思います。
病理診断:
1) Carcinoma of right breast, area; CEDA, 8×5×5mm, invasive papillotubular ca., g(+), f(-), ly2, v0, EIC+ ; el 30mm, en 40mm, em 55mm, mastectomy
2) Surgical margin; negative
3) Regional lymph nodes; 0/22+1/4
細胞異型度:核異型度=2、 核分裂像数=23個/10HPF、 ホルモン・レセプター:エストロゲン(±)、プロゲステロン(+)、 HER2 : 3+

術後治療::
CAF× 4回、ウィークリー タキソール+ハーセプチン×12回終了、現在ハーセプチンのみ(合計1年間継続予定)。ホルモン治療5年間を予定しています。(薬の種類はまだ聞いていません)

何卒よろしくお願いいたします。

厳密な再発率、生存率に関するデータは、個々の腫瘍経、ホルモン感受性、リンパ管浸潤・・・などの因子別には検討されているものの、全体でとなると、不明確です。8x5mmであれば、5生率、10生率が各々、98%、96%、細胞異型度は2であれば5生率が65%、リンパ節転移が0ですので、5生率、10生率は96%、91%といった具合です。答えになっていなくて済みません。ただ、治療法に関してはベストな選択だと考えます。病理所見の詳細は主治医にご確認して下さい。(文責 鈴木)

 

No.5597-2】   06年08月12日     H子 
再発率、生存率をお教え下さい(2)

お世話になります。早々にご回答いただきましてありがとうございました。心より感謝いたします。もう一度お聞き直ししたいのですが、「リンパ節転移が0」とありましたが、実際は0/22+1/4であり、センチネルリンパ節に1つ転移がありました。その場合の生存率をお教えいただけますか? よろしくお願いいたします。

T1N1M0、stage2ですから、術後無治療で10年生存率で70?80%くらいでしょうか、但し、Her2(3+)ですから、もう少し悪いかもしれません。現在の術後補助療法(CAF->Paclitaxel+Herceptin->Herceptin)を行った場合、再発を半分にできると言われていますから、生存率は85?90%になると思われます。ちなみに生命表によれば昭和35年生まれで40歳を迎えた方が65歳を迎える確率は83%位だそうです。(文責 清水)

 

No.5596】   06年08月04日     Y.K. 
術後の職場復帰時期と術前治療について

初めてメールいたします。仕事を中心に生活をしている42歳独身です。6月中旬に右乳房のしこりに気づき、7月になってから受診した結果、しこりの大きさは3cmだが広範囲にわたって石灰化がみられ、リンパの腫れも2個確認されるとのことで、ステージV、全摘手術といわれました。
手術は早いほうがいいが、病院側のスケジュールからすると8月末になるとの事。しかし、8月末から2週間の海外出張が予定されており、以降仕事の都合がつけられるのは11月初めと申し上げましたところ、それまで待てないとのことで、8月中旬の手術日を設定していただきました。
現在の予定では手術日から1週間後に退院、翌日から職場復帰、その1週間後からの出張を予定しています。出張について、担当医から、痛むかもしれないから痛み止めを持っていくこと・重い荷物は持たないことの注意がありましたが、ほんとうに先に申し上げました日程で職場復帰、および海外出張が可能なのかお伺いしたいと思い、メールした次第です。一般的には術後、何日くらいで職場復帰するものなのでしょうか? また、自分としては今回出張を優先させたいので、8月中旬の手術は見送り、先に放射線治療を行ってから手術という方法もありなのではないかと思うのですが、担当医の見解では、放射線治療が効かずに手術に切り替えたときには遅いということでした。
バタバタと手術日も決まってしまい、一方で出張の準備もいろいろ進めていく中で、不安な日々をすごしております。何卒アドバイスお願いします。

個人的な見解ですが、術後2週で海外出張はやや不安があります。向こうで何かあった時に対応が難しいと思います。先に放射線は、エビデンスが乏しいので勧められません。仕事の内容はわかりませんが、元気な身体あっての仕事ですから、あまり無理をされないで、まず、乳癌の治療に専念してはいかがでしょうか?文面からでは、手術の後に、抗癌剤が必要になるのではと思いますので、しっかりと治療しましょう。中途半端は良くないと思います。(文責 鈴木)

 

No.5595】   06年08月04日     K.I.  
マンモもエコーも細胞診もMRIも受けたのですが・・・

はじめまして。お忙しい所すみませんが、不安なので質問させてください。38歳・既婚・5歳の子供がおります。今年4月、左胸にちくちくという痛みを感じ、触れてみたところ、内側の中心よりやや上に1cm位のこりこりとした硬いしこりを発見しました。早速、乳腺専門の開業医を調べて受診し、エコー・マンモグラフィー・細胞診を受けました。「エコーでは、両胸共のう胞のような袋が多数ある。細胞診では、腫瘍特有の症状はないものの、シロとも言いがたく、マンモで、左胸にもやもやとした白いものが写り、乳腺かもしれないが、気になる。」との診断でした。「1ヶ月程経過を見ましょう」ということで、6月初めに再診しましたが、先生としては、やはりかなり気になるとのことで、セカンドオピニオンで、他の先生の目でも見てもらったほうが良いと、総合病院を紹介されました。
その総合病院で、7月初めにマンモを再撮影したところ、4月と全く同じ状態で、こちらの先生の判断も同じ。何でもないかもしれないが、気になりますというので、7月下旬にMRIを受け、その結果が先日出たのですが、左胸のしこりがある部分がはっきり丸く白い物が写っていました。先生の診断ですが、「何かあるのは確かだが、それが単なる乳腺の塊で、腫瘍であるのかないのか、腫瘍だとしても悪性か良性か判断できない、切って細胞を調べても多分わからないだろう」とのこと。こちらの病院で診察を続けるなら、経過観察しかないとのことです。そして他の病院で受診したとしても同じ結果になるだろうとのことで、心配なら大学病院を紹介する、と言われました。複数の専門の先生が見ても判断できないというのが、とても気にかかります。
しこり自体は消えることがなく、大きさも変わらないように思います。痛みには波があって、全く痛みを感じない時期もありますが、特に生理前や排卵期に、脇や乳輪の周りも、ズキズキと傷みます。腫瘍マーカーも受けましたが、基準値内でした。また、過去に20代の頃と、5年前の授乳期に、乳腺炎と診断された事はあります。

1) はっきりしこりと痛みがあり、何かがあるのは確かなのに、専門医が見て判断できないという、このような症例はあるのでしょうか?
2) 何かわからない状態で、経過を見るという診断をされたということは、悪性の腫瘍ではないということで、とりあえず安心してよいものでしょうか?
3) 現在妊娠を希望しているのですが、経過観察中だったら、諦めざるを得ないのでしょうか?

診断結果が何の検査をしてもはっきりしないので、どう気持ちを置いたらよいのかわかりません。先生方のご意見も参考にさせて下さい。よろしくお願いします。

われわれも、何かあるけれど、ありそうだけれど、はっきりしないので、経過を見ましょうということはよくあります。ご本人の感じている痛みは腫瘍とは関係ないと思います。ただ、もし腫瘍、腫瘤がしっかりと画像で映るのであれば、切除生検や、太い針での生検をするのも良いのではないでしょうか? 細胞学的な検査、組織学的な検査をされてみれば、よりはっきりするように思いますが。
経過をみるというのは、今の時点で癌の可能性が低いと判断されたのだと思います。妊娠、出産は問題ありません。(文責 鈴木)

 

No.5594】   06年08月04日     N 
乳がんの可能性について

37才、8ヶ月児の母です。産後、乳首が扁平のため赤ちゃんが左側の乳を全く吸わず、左側の乳が固く張ったような状態が続きました(今も左の乳房と左肩から左腕全体に違和感があります)。3年振りに、先週がん検診(触診、エコー、マンモグラフィ―)を受けました。左の乳房に石灰化が見られ、腫瘍があると言われ、細胞診の結果待ちです。母の主治医から、「母、叔母が乳がんであるので、かなり乳がんである可能性が高い」と言われ、結果を聞きにくるときに説明をするので、家族で来るように指示されました。乳腺炎や他の病気の可能性もありますか?左腕がしびれているような感じがあります。お忙しいところ申し訳ありませんが、心配で仕方がないので、ご返答お願いいたします。

この文面だけでは、なんとも答えようがありません。見て頂いている先生のコメントで、癌の可能性が高いというのであれば、そのように考えざるを得ないのではないでしょうか? 済みません。これくらいのコメントしかできません。(文責 鈴木)

 

No.5593】   06年08月04日     T.S. 
非浸潤性乳管癌の放射線治療について

初めてお尋ねいたします。昨年夏から乳輪直下に2つのグリグリを見つけ、10月頃には分泌物がありました。検査の結果、乳管内乳頭腫と診断され、他院を紹介され受診しました。結果、乳腺症と診断されましたが、念のため某大学病院に受診しました。6月に日帰りの腫瘍摘出術で検査の結果、乳管癌と診断され、追加手術として前回摘出した腫瘍部分プラス1センチをとり、さらにセンチネルリンパ生検では(−)の結果となりました。今後の予定として、放射線治療を言われていますが、非浸潤性乳管癌の場合でも放射線治療を施す必要があるのでしょうか。お教えください。

非浸潤癌でも残存乳腺に放射線照射することで、局所再発のリスクが軽減できますので、照射した方が良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.5592】   06年08月03日     Y  
ノルバディックスの服用期間

現在38歳です。約3年前に乳癌と診断され、手術と放射線療法を受けました。現在は、ノルバディックスDを服用中です。先生からは、再発予防のため5年間は服用するよう言われていますが、副作用のためか睡眠が浅く、夜何度も起きてしまい、十分な睡眠がとれていません。再発予防のためには、必ず5年間服用し続けなければいけないのでしょうか?また、放射線治療を受けた患者は出産できないのでしょうか? 奇形等が生まれる可能性はどれくらいあるのでしょうか?

服用は5年が一般的ですが、必ずしも必要というわけではありません。副作用などの諸事情があれば短くすることは可能であると思います。主治医に相談なさってみてください。放射線治療を受けても出産は可能です(奇形等が増えることもありません)。ただ、ノルバデックス内服中の妊娠は避けたほうがよいですので、妊娠をご希望であれば主治医に伝えたほうがよろしいでしょう。(文責 加藤)

 

No.5591】   06年08月03日     O.M.
診断から手術までの期間について

初めてメールをします。よろしくお願いします。母(62歳)がマンモグラフィー検診を受けて、しこりがあるとされ、病院で針を刺して生検を行ったところ、早期の乳がんだと診断されました。大きさは0.7cm×0.6cm、進行度はT1とありました。生検の後、胸部のレントゲンや癌の部位のMRI、血液検査等を受けました。医師から手術が必要と言われ、乳がんの手術例が多い他の総合病院で手術を受けることを希望し、紹介状を書いていただきました。しかし、その病院の乳腺外来が非常に混んでおり、初診察は1ヶ月後の予約となりました。生検等の各検査をしていただいた医師に、緊急性があるかどうかを聞いたところ、「2,3ヶ月手術が先になったとしても状況は変わらないでしょう」と言われました。しかしやはり癌という診断をされているので、今以上に大きくならないか、転移等の可能性はないかと心配です。
1) 生検やMRI等の検査で、がんが進行する速さやがんの性質(転移しやすいか等)もわかるのでしょうか。
2) もし進行が速い癌だった場合、1ヶ月間の中で状況の変化はあるのでしょうか?

お忙しい中申し訳ありませんが、お答えをいただければと思います。よろしくお願いいたします。

1) 細胞診やMRIでは一般的に予測は難しいでしょう。
2) 1ヶ月という期間は通常問題にはなりません(一般的にがんは何年もかかってできています)。診断後、治療までの期間は特にご不安かと思いますが、あせらずにもう少しお待ちください。(文責 加藤)

 

No.5590】   06年08月03日     I.K. 
乳首の白い斑点について(2)(HPNo.5427-2)

HPNo.5427でご相談させていただいた者です。その節は、ご回答ありがとうございました。変化があったので、再度ご意見を伺いたくメールいたしました。乳首の白い斑点ですが、先日薄皮?が破れ、触ったらポロッと中に詰まっていた物がきれいに取れました。ちょうど白っぽいニキビのような感じで、痛くも痒くも無く、血も分泌物も出ませんでした。以前、陥没乳頭だったので、ゴミのような物が溜まってできたものか、ホルモンバランスの異常で、授乳中ではありませんがミルクのような物が溜まってできたものか、乳がんとの関連はあるのか、と気になっています。その後、数日たちましたが、白い物が詰まっていた小さな穴もふさがり、乳首に痛みも無く分泌物も出ていません。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いいたします。

メールの内容からは乳がんとの関連性はなく、ご心配ないように思います。(文責 加藤)

 

No.5589】   06年08月03日     M 
母が炎症性乳癌と診断されました

先週、母が炎症性乳癌であることがわかりました。今週の終わりに精密検査入院をします。左の乳房が腫れて熱をもっているようです。その左乳房が針を刺すようにチクチクと痛むんです。我慢できなくはないと言うのですが、夜寝付けないようです。この痛みは、やわらげることはできますか? まだ癌ということがわかってから日もたってなく、これから精密検査なので、不安だらけです。病院にさきほど連絡して診てもらえるか問い合わせたところ、夜中で専門治療ができないから、診てくれそうな病院を紹介してくれるところの電話番号を教えてくれました。こんなとき、不安にしている母を目の前にどうしたらいいのかわかりません。

痛みを和らげることは可能であると思います。鎮痛薬も色々種類がありますので、主治医に相談なさってみてください。集学的治療の進歩により、炎症性乳癌の治療成績は最近よくなってきています。これから長期にわたる治療になりますので、ご家族のサポートが大切になってくると思います。(文責 加藤)

 

No.5588-1】   06年08月03日     H.S
超大量化学療法について

61才の妻ですが、6月30日に右乳癌の手術を行いました。その結果、「組織型:充実腺管癌、腫瘤径:1.9cm、リンパ節転移:11/17あり、HER2蛋白:1+、エストロゲン及びプロゲステロン受容体:陰性」でした。今後の治療としては、抗癌剤治療で末梢血幹細胞移植の併用で超大量化学療法との説明でした。詳細についてはまだわかりませんが、いろいろ調べたところ、現在では細胞移植による大量化学療法はあまり行われていないようですが、ご意見をお願いします。また一般的にはリンパ節転移が10個以上の場合、どのような組み合わせの化学療法が行われているのか、また副作用について非常に不安がっていますので、ぜひお聞かせ願いたく、よろしくお願いいたします。

超大量化学療法はまだ一般的な治療ではなく、臨床試験段階です。ハイリスクの場合には化学療法はアンスラサイクリン、タキサンの薬を使用することが多いと思います。副作用は脱毛、嘔気、白血球低下などが主なものになります。(文責 加藤)

 

No.5588-2】   06年10月01日     H.S
超大量化学療法について(2)

再度ご相談をお願い致します。前回ご回答をいただき、有難うございました。術後の化学療法で8月中旬からFEC療法3週毎6クールを行い、その後超大量化学療法を行うとの説明で、現在3クール目に入っています。連日、吐き気と白血球の減少で、体力面、精神面ともにまいっている状態です。今回末梢血幹細胞を採取するとのことですが、本人は副作用での体力的な面から大量療法をしたくないと言っています。超大量療法は臨床実験的要素もあるとのことですが、その効果とリスクで、判断に迷っているところです。先生のご意見をお聞かせ願います。またしなかった場合、FEC療法6クールで終了なのか、他の抗がん剤をプラスしたほうが良いのかどうか、その場合、どの抗がん剤が適切か等、ご指導をよろしくお願い致します。

リンパ節転移を多数認めているため、術後の化学療法をしっかり行うことが再発のリスクを下げるために重要です。超大量化学療法につきましては、一般的な術後療法としては確立しておらず、不安が強いのであればFEC等のアンスラサイクリンを含んだ治療の後にタキサン系の薬剤による追加治療を行うことも考慮してよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.5587】   06年07月31日     jujun 
乳ガンと風邪細菌

件名にありますように、乳ガンと診断されても、それが実は風邪細菌がしこりに入ったために、まちがって診断されることがあるのかお聞きしたく、ご相談させていただきます。ばかばかしい相談で申し訳ありません。
6月下旬、エコー、マンモグラフィー、血液検査、細胞診を行い、7月上旬に、ClassX の乳ガンであるという診断がくだりました。現在、治療・手術に向けての検査を行っている最中です。そんな中、毎月1回、身体の疲れを取る目的で受けている気功の先生から、「乳ガンではない。しこりに風邪の菌が入ってしまい、それが細胞診で間違って ClassXと判定されてしまっている。細菌があれば、はなから乳ガンだと思って検査しているので、こういう判定がされてしまう。もし仮に手術しても、乳ガンではなかったと言われるだけ。抗ガン剤治療や手術などせず、風邪の抗生物質をしばらく飲んで、もう一度同じ検査をすれば、乳ガンとは診断されない。」と、びっくりするようなことを本日言われました。まさか、風邪もひいていないのに、お医者さんに行って、「乳ガンが間違いかどうか、抗生物質をください。」などと言えないし、でも、気功の先生の言うことが1%でも望みがあることなら、検討してみたい、と思うのです。可能性として、細胞診の結果がはっきり出ているのに、その原因が癌ではない、などということが現実にあり得るのでしょうか?お教えください。よろしくお願い致します。

細胞診が悪性であっても、ごく稀に結果が異なる場合があります。ただ、メール中の気功の先生?が言っていることは実際にはあり得ないような気がします・・・。主治医にも伝えてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.5586】   06年07月31日     S.T. 
リンパ節郭清について教えて下さい(HPNo.4871-3)

HPNo.4871で、ご相談させていただいた者です。術前化学療法を終え、現在、身体の回復を待っております。腫瘍は、触診、エコーで確認できないくらい小さくなっているようです。今回ご相談したいのは次のとおりです。どうぞよろしくお願いします。身体の回復後、センチネルリンパの検査を行います。
1) 術前化学療法後、センチネルリンパが陰性の場合、その先のリンパ節への転移は無いと考えてよいのでしょうか? 取り残しという可能性はどうなのでしょうか。
2) リンパ節郭清について、本に書かれているのを見ると、レベル1〜3まであるようですが、(乳がんが見つかった時点では、腫瘍の大きさ1.5cm・触診ではリンパ節は腫れていない・腫瘍より2cm離れた乳管内に石灰化進展が一部認められる・顔つきはいい・HER2は陰性・ホルモン反応は両方陽性)、そして現在、術前化学療法の効き目があった場合、リンパ節郭清を行うとしたら、一般に行われるレベルをお教えください。
3) もしセンチネルリンパが陰性ならば、リンパ節郭清は必要ないという報告やデータはあるのでしょうか?

どうぞよろしくお願いします。

1) 術前化学療法施行後は取り残しの可能性がより多いとの報告がいくつかあります。
2) 郭清はレベル2が一般的ですが、リスク因子や術中の所見などにもよります。
3)  術前化学療法後のデータはまだ不充分なものが多いです。(文責 加藤)

 

No.5585】   06年07月31日     H.N
微小病変の切除について

病理判断が良性の乳頭腫か乳管内癌(非浸潤癌)かに分かれていた為、切除生検をすることになっています。癌の可能性を疑うなら、少し大きめに試験的切除とリンパ節生検も行うという事でした。癌かどうかを調べるのにリンパ節生検まですることに納得がいかず、さらにコンサルテーションをした結果、「4つの機関で良性の乳管内乳頭腫、1つが全体としては良性の可能性が高いが乳管内癌を否定できない部分が見られる。もう1つが非浸潤癌の疑い。」という事で、ほぼ良性の可能性が高いようなので、切除生検ですむか相談したいと思っています。切除生検は局所麻酔の日帰りでできるとのことですが、私は怖がりなので入院覚悟で全身麻酔でお願いしようと思いますが、可能でしょうか? 御意見をお聞かせください。

メールの内容からは確かにリンパ節生検は必要ないように思います。切除生検がよいでしょう。全身麻酔も可能であると思いますので、主治医にご相談下さい。(文責 加藤)

 

No.5584】   06年07月31日     Y.N. 
11歳の子供の乳房の痛みについて

はじめてメールをさせていただきます。小学校5年生の11歳の子供が、胸が痛いと1カ月前からいいだしました。片方なのですが、さわってみると乳房のあたりがかたくなっていて、いわゆるしこりのようなものが中にあるような手触りです。これは病気なのでしょうか? それとも成長期で乳房がふくらんでくるという症状なのでしょうか。もし病気が疑われる場合は、どこの科にいったらよいのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

おっしゃるように成長期の一症状であると思います。ただ、しこりができることも稀にありますので、念のため外科あるいは乳腺外科の受診をお勧めします。(文責 加藤)

 

No.5583】   06年07月31日     M.K.
核異型度3という結果について

先日ホルモン治療のみにするか、その前に抗がん剤(AC療法)をプラスするかご相談させていただきました。主治医ともさらに話し合った結果「今できる事をすべてやっておこう」ということになり、抗がん剤を受けることにしました。まだ治療が始まったばかりなのに、再発・転移のことが気がかりでなりません。病理結果でおおよその予後が決まるといいますが、核異型度3の場合、再発・転移の確率はそんなに高いのでしょうか? 病理結果は2A期(2.1×1.9×1.7)、 リンパ節転移なし(0/4)、エストロゲン受容体+、プロゲステロン受容体+、HER2 2+、核異型度3です。今後の治療予定は、AC療法(ピノルビン、エンドキサン)4回、放射線25回、アロマターゼ阻害剤5年(年齢63歳)です。よろしくお願いします。

異型度3の場合は1、2と比較するとやや再発率が高くなります。ホルモン受容体の程度も確認したいところですが、再発を抑えるという点からは現在予定されている治療がよいと思います。(文責 加藤)

 

No.5582】   06年07月31日     NH
細胞診

51歳です。3月中旬左乳房に親指位のしこりを発見、乳腺症だろうと思い、放置していました。3〜7月、4ヶ月の間に卵大の大きさになりました。2ヶ月前〜腋の下にグリグリが出来ました。ズッキンズッキン乳房痛が激しいので、怖くて検査に行けなかったのです。でも、一向に良くなる感じがないので、思い切って今日、乳腺科受診しました。触診・エコー・細胞診・マンモグラフィーの検査を受けました。結果は分かっていません。細胞診の時、先生がビックリした様に、自分の思いとは違うのか「あっ、液や、」と仰いました。注射器に4cmほど、液を取りました。先生が「良性でも手術しないとなぁ・・・」と仰いました。そこで、ご相談なのですが、
1) 結果が出て良性の場合、手術しなくてもいいでしょうか? 絶対に手術したくないのです。
2) 先生に乳房が痛いと言ったら、「これだけ液をとったら、ましになるでしょう、」と仰いました。そしたら、全部とってくれれば良いのに?と思いました。 いまだに、ピンポン玉位の大きさがあるのですが、液を取ったら治るのでしょうか?

長々書きましたが、よろしくお願いいたします。

1) 良性の場合は基本的に手術の必要はありません(悪性との鑑別が難しい場合や増大傾向がある場合などは考慮します)。
2) 液を吸引すると痛みが軽減することがあります。ただ、吸引後もまた貯留することがあります。(文責 加藤)

 

No.5581】   06年07月31日     T.H. 
経過観察中の2度目の結果!(HPNo.5183-3)

HPNo.5183で、エコーで写る2つの石灰化についてご相談した者です。先日は丁寧なご回答をありがとうございました。今回は経過観察になり、2度目のエコーとマンモの検査を行いました。結果は、エコーでは5ミリと6ミリの石灰化が、6ミリと8ミリの大きさになっていました。今回のマンモでは左右非対称ではなく、両方とも同じ様に乳腺の状態が写っており、前からあった5つの石灰化のうち、一つが少し大きく横長になっていました。先生は「いずれも特に変化は見られず、良性のしこりと判断、今後は年に1度の定期健診でも宜しいでしょう」と仰いました。「細胞診もせず、本当にそれで良いのでしょうか?」とお尋ねしたところ、「問題なし」との回答でした。ホッと胸を撫で下ろしたものの、疑心暗鬼な自分も存在します。担当の先生は乳腺の専門医でいらっしゃるので、今までの経験でその様に診断されたのだと思います。勿論、今後も自分で定期的に触ってみて、何か異常があればいつでも来てくださいと仰いました。そこで質問です。
1) 私の様な状態で、実はガンであるのに見落としていた、などといったケースはある事なのでしょうか?
2) 心配なら別の病院で再度一から検査を受けた方が宜しいのでしょうか?

お忙しいのに度々申訳ありませんが、どうぞ宜しくお願いします。

1)  ないとは断言できませんが、稀だと思います。
2)  1年後の受診を指示されたということは、あまり御心配されなくても大丈夫だということだと思います。主治医を信頼されているのであれば再検査は必要ないようにも思いますが・・・。(文責 加藤)

 

No.5580】   06年07月31日     S 
乳がんの自己診断結果について

数日前に気づいたのですが、乳輪の部分の内側に5ミリほどの大きさのしこりのようなものが触るとあるのですが、乳がんの可能性はあるのでしょうか? 自己診断の仕方など、よく乳房を触って確認などと言う風には書いてあることが多いのですが、乳輪にしこりが出来ることもあるのでしょうか? ご返答お願い致します。

乳輪下にしこりができることもあります。しこりの多くはがんではありませんが、一度受診されることをお勧めします。外科あるいは乳腺外科になります。(文責 加藤)

 

No.5579】   06年07月31日     K.K
右乳房の痛みについて(HPNo.5426-2)

以前HPNo.5426でお世話になりました。その節はありがとうございました。前回6月の検査結果が気になり、こちらの相談室に質問をいたしました。お返事を頂き安心できましたので、次の診察日(9月初旬)まで経過観察と思っていました。ところが7月10日前後くらいの夜、布団にうつ伏せになった時、右乳房に少し痛みを感じ触ってみると、乳房上部の内側の乳輪の部分(乳頭の際か上方にかけて)が硬くなっていました。触った感じは、分かりにくいかもしれませんが、授乳期に胸が張ったときの乳房を触った感触と似ていました。のう胞が沢山できていると言われているので、初めのうちは水を抜いたのう胞が小さくなったので、その近くののう胞が目立ってきたのかな、と思っていたのですが、前回の細胞診検査の時に、しばらくの間少し押すと、痛みがあった位置と同じあたりで、直接針を刺した跡とは少し離れていますが、水を抜いたのう胞があったあたりなので、針を刺した事が何か影響しているのかと心配になってきました。何日か様子を見ていたのですが、手のひらで軽く圧迫したり体を動かしている時に物が胸に当たったりすると痛みがあるようになってきたり、乳房の奥のほうではなく皮膚に近いところなので、表面からも少しふくれたように見えてきたので心配になってきました。針を刺した事が影響しているのか、それとも癌や他の悪い病気なのではないかと気になって診察に行って来ました。(7月25日)

前回同様にマンモグラフィー(圧迫された時に少し乳頭から分泌物が出ました。色は極薄いクリーム色)、エコー、細胞診検査、マンモテックを行いました。エコーで見ている時に、主治医が「のう胞が沢山あって水がいっぱい溜まって、はった状態になっているので痛みが出てきているんです。また水を抜きましょうね。」と仰いました。私も水を抜いてもらえば痛みが無くなると思っていました。一回目は針を刺しましたが、何も採れませんでした。エコーでもう一度確認して針を刺しました。水が抜けないのか、痛みのある部位を指でギュッと何度も押されました。とても痛かったですが、看護師さんに「我慢してね。」と言われたので我慢していました。その後2回針を刺して水を抜きました(取れたのは1回)。その度に押されるので、とても痛かったです。それから、主治医に乳頭から分泌物が出ないか聞かれたので、レントゲンで圧迫された時に出た事を伝えました。そうすると、看護師さんに「検査室にマンモテック頼んで」と指示していました。それから私に「圧迫するので少し痛いですよ。」と仰って乳房をギュッ、ギュッと押してきました。もともと痛みがあって診察に行ったので、痛くて痛くてグッとこらえていました。暫くして検査室の人が来て、「私がやってもいいですが、ご自身でやった方が出やすいと思います。」と仰いました。その時やっと分泌物を出すためだった事が分かりました。乳頭の分泌物の出た位置は、痛みのある側ではありませんでした。今回針を刺した(右上部の中心より少し外側)すぐ近くでした。自分でやると少し血液が混じっていたのかピンクがかった極薄いクリーム色の分泌物が出てきました。最後に主治医が、「検査で採った水が少し濁っていたので、ばい菌が入って膿なんかが混じっているのかもしれないので、採った水を培養して調べます。痛み止めと炎症を抑える薬を出します。レントゲンは前回と変わりありません。」と仰いました。1週間後に又診察に来るように言われました。 
その日は乳房をギュウ、ギュウ押されたせいか、診察前よりも痛みがひどくなり、もともと痛みがあって少しふくれていたところは夜になるとぷっくりと腫れていました。検査結果はまだ出ていません。説明が大変長くなり申し訳ありませんでした。

伺いたいのは、
1) のう胞ができて中に水が溜まってくると痛みが出てくるのでしょうか。
2) のう胞ではなく乳腺そのものが硬く変化したり、のう胞の中に癌が隠れていてこのような症状が出る事ははないのでしょうか。             
3) 前回の検査で針を刺した事が何か影響するような病気はあるのでしょうか。
4) 痛みのある乳房を腫れるほどギュウ、ギュウ押して、乳腺に悪い影響はないのでしょうか。
5) このまま外科の診察で良いのでしょうか。
 
今もまだ痛みはあります、腕を上げたり体を動かしても痛みます。強い痛みではないので痛み止めは飲んでいません。触れると硬くなっていて乳輪ががむくんでいるように見えます。私は癌と診断されたわけではありませんが、心配で仕方ありません。検査結果が出るにはまだ日数がかかりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

1)  痛みがでてくることはあります。
2)  全くないとはいえませんが・・・。
3)  特にないと思います
4)  特にないと思います。
5)  宜しいように思いますが、不安であれば他に受診されてもよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.5578】   06年07月31日     N N
ホルモン療法

現在ホルモン療法をしています。乳がんと診断された時、すでに骨転移がみられたので、治癒の為の手術は行えないといわれ、手術はせずに2年が過ぎています。今は、生活の質をできるだけ保つ為のホルモン治療をしています。タスオミンD錠、アリミデックス錠と飲んできましたが、肝臓に転移があることがわかり、2ヶ月前にヒスロンH100に変わりました。しかし、最近のMRIで肝臓の腫瘍が大きくなっている、また新たな腫瘍も出来ていることがわかりました。主治医からは診療方針を変えると言われ、近いうちに診察に行ったときに話をすることになっています。もうホルモン剤による治療は終わって、とうとう抗がん剤になるのかなあと予想しています。抗がん剤は体に負担が大きいし、通院するには遠い距離の病院ですので、なるだけ抗がん剤治療は先延ばしにしたいと思っています。私の場合、治癒が目的ではないので、進行を少しでも遅らせて家での生活を長く出来る状況を希望しています。骨転移の痛みは、今のところロキソニンを飲めばなんとかしのげます。ホルモン剤で試してみる薬はもうないのか、抗がん剤治療に移行するしかないのか、ご意見をお聞かせ下さい。

おっしゃるようにそろそろ抗がん剤選択の時期かもしれません。ただ、抗がん剤も何種類かあり、副作用等を考慮した上で、選択可能です。次回診察時に相談なさってみて下さい。(文責 加藤)

 

No.5577】   06年07月31日     N 
温存手術後

いつも参考にさせていただいてます。一昨年の12月、ステージ1、リンパ転移なしで抗がん剤、今はホルモン治療をしている31才です。去年8月に放射線治療を終えました。
1) たまにまだ温存手術後の胸がチクチク痛むことがありますが、そういうものでしょうか?
2) 放射線治療後、胸は硬くなり次第に柔らかくなってきましたが、また最近硬くなってきました。不安なのですが、硬くなるものなのでしょうか? しこりはありません。

1) 手術後の胸が痛むことはよくあります。多くの方が「再発では・・・?」と御心配されますが、大丈夫であることがほとんどです。
2) 再度硬さが出現することはありますが、御心配であれば一度診てもらうことをお勧めします。(文責 加藤)

 

No.5576】   06年07月31日     S.N. 
咽喉の違和感及び胃ポリープについて(HPNo.5425-3

前回、白血球数値について相談しました。その後、白血球を上げる為にG-CSF(ノイトロジン)を5回接種し、何とかCEF投与(40%減)ができるようになり、31日に第三回目を受け、とりあえず終了との説明がありました。ところで最近、咽喉の痛み(咽喉の四方)を訴え、先日内視鏡検査を行なったのですが、咽喉自体は異常なしとのことでした。その際、胃の検診も同時に行い、ポーリプが6ヶ所見つかりました。その内一つは大きなものだったので、細胞検査に回されています。「基本的には問題ないでしょう」という担当医師からのお言葉は頂きました。薬により胃が炎症を起こしているのか、ストレスからくるものなのかよく分かりませんが、いずれにせよポリープとはいえ心配しています。乳がんの胃との関係って何かありますか? 胃へ転移する可能性ってあるのでしょうか? 咽喉についても何か考えられる事があれば教えて下さい。

乳がんが胃に転移することはごく稀です。ポリープとの関連性はないでしょう。のどの痛みについても直接的な関連性はないと思いますのでご安心下さい。(文責 加藤)

 

 

No.5575】   06年07月31日     H.I. 
早期乳癌の治療先を探すにあたって(HPNo.5546-2)

HPNo.5546でご回答いただき、ありがとうございました。残念ながら、今日告げられた検査の結果はClassV、乳癌とのことでした。検査をしたのがウィメンズクリニックであり、「希望の病院に紹介状を書きます」と言っていただきました。現在のところ、1cmくらいの、ステージ1の腫瘍とみられています。できれば温存+一番体に負担がかからず機能がおちない、最新の医療にかかりたいと思っています。たまたま海外の保険にはいっているため、保健医療でない、自費負担の治療をすることも可能です。
1) クラスVとはいえ、手術前に生検で浸潤、非浸潤を調べて手術の方針を決めるのが一般的ですか?
2) 内視鏡による手術をするリスク、デメリットは何だと思われますか? 日本では、聖路加や癌センターなど、乳癌の治療で有名な病院では内視鏡による治療は行われていませんが、再発リスクが高いなどの理由があるのでしょうか?
3) 放射線治療の代替として、収束超音波を使うことをどう思われますか? 切除断端にがん細胞が認められないと判断された場合は有効という考え方もあるようですが。
4) 都内の病院の先生宛に、検査をしてくれた検査クリニックから紹介状を書いてもらうことになりますが、聖路加、癌センター中央病院などが一般的な紹介先といわれました。機能低下を避けた、体に優しい治療を受けたい(かつ再発リスクもさげたい)とした場合、どなたに(どの病院の)みていただくことをお勧めになりますか?(申し訳ありません、失礼な質問と思われましたら、お答えくださらなくても・・・。病院名だけでも助かりますが。)

分からないことばかりで混乱していますが、よろしくお願いいたします。

1) 画像等の結果を総合的に判断し、細胞診結果に信頼性があれば、1cmの腫瘤に対し生検は必ずしも必要ではありません。
2) 内視鏡による手術は、必要以上に手術操作を行う場所が増えてしまうなどのデメリットもあります。特殊な治療として日本の一部の限られた病院で行っていますが、必ずしも患者さんにとってメリットが増えるわけではなく、普及していないのが現状です。
3) 現時点では放射線治療の代替にはならないと思います。
4) 申し訳ございませんが、この場ではお答えできません・・・。ただ、大切なのは病院ではなくて医師の選択だと思います。(文責 加藤)

 

No.5574】   06年07月31日     C.M
粘液ガンのホルモン治療について

いつも興味深く拝見させていただいております。お教えいただきたいのは、今後のホルモン治療のことです。私は6月に乳がんの手術を受けました。現在、30回の放射線治療中です。診断結果は、腫瘍最大径2.5センチの純型の粘液ガンでした。リンパ、静脈への侵襲なし、核異型度1、核分裂度1、核グレード1、ER7、Pgr6、リンパ節転移pni-、Her2(弱陽性部20%)スコア1。現在37歳になったばかり、出産経験はありません。ステージはどこに入るのか伺っておりません。主治医には、今後ホルモン治療を提案されていますが、以下の内から選ぶようにと言われました。
●タモキシフェンを5年飲む
●タモキシフェンを飲まなくてもいい(無治療)
●タモキシフェン5年とゾラテックスかリュープリンを2年

また、主治医は、「年齢も年齢なので、もし子供が欲しいなら無治療で1年頑張ってみて、それから治療でも良い」という意見もいただきました。粘液ガンという特殊型の事例があまりにも少なく、自分では無治療でいいなら無治療を望みたいのですが、判断を誤りたくありません。

1) 上記の主治医からの提案のうち、何が最適だと思われますか?
2) 粘液ガンはステージ分けができるのでしょうか?

お教えください。よろしくお願いします。

1) 腫瘤径2.5cmであることを考えますと、タモキシフェンか、タモキシフェン+ゾラデックスをお勧めします。個人的には後者を提案します。ただ、出産のご予定なども考慮する必要があります。
2) ステージはUAということになりますが、純型のものは予後良好であり、一般的な再発率や生存率のデータは当てはまりません。(文責 加藤)

 

No.5573】   06年07月31日     K.Y.
今後の治療について

今年はじめに一度相談した者です。妻33歳、5歳と3歳の母親です。2年前、乳がん切除、昨年11月CEA上昇で検査の結果、肺に影ひとつ。原発の影の可能性のため、右下葉切除手術のため1月入院。確定診断のため、頭部MRで多発転移(約20)発覚。手術中止で全脳照射2.2G×23日? ハーセプ3+のため、ハーセプチン毎週開始。幸い、その後頭部転移は全部消滅!! CEAも5.5くらいまで下がりましたが、5月から徐々に上昇。直近7月中で8.8。6月検査では頭部異常なし。肺は若干大きくなった?かもとのこと。3月末に骨シンチ異常なし。肺のための上昇か? タキサン系(投与時間の関係でタキソテール)検討中ですが、その他の可能性として、医大で高度先進医療で免疫療法(活性リンパ+樹状細胞)も検討中。あともう一度検査した上で、肺単発であれば手術はどうか?など考えていますが、ご意見いただければ幸いです。

免疫療法の効果ははっきりと確認されていませんので、あくまでも臨床試験段階とご理解下さい。脳転移もおありになるとのことですので、肺の手術はお勧めできません。ハーセプチン投与後にマーカー上昇、転移巣増大ということであればタキサンの投与が望ましいでしょう。(文責 加藤)

 

No.5572】   06年07月31日     P
乳房の石灰化について

2年前に左乳房を全摘出しました。その際の診断は、しこりが3個、乳管内にも約10cm広がっていて、充実腺管癌で、しこりの一番大きいものは2.1〜2.2cmだったと思います。実は5年位前からしこりはあり、乳腺外来にも通っていたのですが、乳腺症で、ある病院では、のう胞でマンモでは石灰化はあるようでしたが・・・。右乳房にもしこりがあり、摘出したのですが、それは良性のようでした。先日会社の検診でマンモを撮影した際、右下部に石灰化があり、2年前のマンモと比べないとはっきりわからないが、癌の可能性もあると言われ、不安になっています。今は三ヶ月に1回の診察で、手術後は一度もマンモはせず、エコーと触診のみで、主治医は「手術を執刀したから、マンモはしなくても分かる」と言っておられました(リンパには転移が無く、7個取りました)。2年前に手術した結果は、詳しい資料は貰っていない為、皆さんのように詳しくは無いのですが、ホルモンレセプターは陰性、ハーツー(+3)、抗がん剤は手術後6クールのところ不整脈などが出て4クールで終了して、それ以来癌に関係する薬等は服用しておりません。右乳房には自分でもしこりを感じて、主治医に診てもらうと「脂肪なので大丈夫だ」とのこと。9月に外来予約をしていますが、マンモを再度撮影して比べてもらい、診断をしてもらいなさいと言われましたが、後一ヶ月以上放置しておいても大丈夫でしょうか? それと検診のときに言われたのは、「2年前で全摘とはおかしいな?」 乳管内に広がっていても温存する方法もあったのでしょうか? お忙しいところ申し訳ないのですが、よろしくお願いいたします。

石灰化のほとんどは良性であり、心配のないものです。ただし、がんの可能性も全くは否定できないとき、「可能性もある」という言い方をすることがあります。患者さんの心配材料を増やすだけの、あまりよくない言い方だと医師の多くは自覚していますが、昨今の医療事情の影響もあり、止むを得ないとご理解頂ければと思います。石灰化の評価は過去のものとの比較が大切ですので、2年前のものと比較してみるのがよいでしょう。一ヶ月という期間は問題になりませんので、ご安心下さい。しこりが3個で、10cmの広がりがある場合、温存術は一般的に困難です。主治医の治療が正しかったと思います。(文責 加藤)

 

No.5571】   06年07月31日     Y.K. 
左胸に違和感

初めまして。私は25歳のニュージーランド在住の既婚者です。一ヶ月ほど前から左胸に違和感があり、ここ二週間くらいはたまに痛みます。痛んだ時にそこを押しても、何も感じない時もあります。痛みを感じていない時でも、押すと痛い時もあります。痛む場所は、左乳房の乳輪より外側全体の胸の中です。いつも全体が痛いわけではなく、下側だけだったり、斜め上だけだったりします。たまに胸骨が痛いようにも感じられます。痛みの種類は、すごく痛いというわけではありません。うまく言えませんが、チクチクするような感じの時もあるし、鈍痛や軽い圧迫感のような時もあり、そのときによって違う気がします。同じく、肩こりや、たまに左腕、左わきの下、首(あごの下)の左側に違和感、背中の左側に軽い痛みも感じることがあります。また、軽い咳がたまに出たり、微熱が出たりなども続いていたので、病院に行ったところ、血液検査・尿検査では異常なしとのことでした。同じく、一ヶ月弱前に、左胸に小さなしこり(小豆くらい)を見つけたので病院に行ったところ、ホルモンの関係だろうといわれ、一週間してまだあったらまた来てくれといわれました。一週間してもまだあったので、再度病院に行き、針で細胞をとり検査をしたところ、特に何もないとのことでした。一週間ほど前に、新しいしこり(ビービー弾くらい)を見つけたので病院に行ったところ、スペシャリストのいる病院を紹介されました。 そこで、診断してもらったところ、ホルモンの関係や、母乳の準備(妊娠はしてません)によるものだと言われました。念のため、針で新しいしこりの細胞を取るとのことです。ホルモンの関係や母乳の関係と言われただけで、特に何も言われないので乳腺症や乳腺線維腺腫ということではなく、ただよくあるホルモンの影響だと考えてよいのでしょうか? また、左胸の痛みやその他の違和感、微熱等、初めにお伝えした症状もホルモンによるものなのでしょうか? 長い文になってしまいすいません。お忙しいと思いますが、よろしくお願いします。

メールの内容からは御心配ないように思います。担当医の言うようにホルモンの影響によるものかもしれません。あまり心配なさらずに検査結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.5570】   06年07月24日     RS
化学療法について(2)(HPNo.5393-2)

HPNo.5393でお世話になりました。しこりは0.8mmではなく、0.8cmです。後の病理検査は一緒です。診断は同じですか? エキスパンダーが挿入されていることによって、抗がん剤治療に影響はありませんか? お忙しいところ申し訳ありません。

腫瘍径が0.8mmではなく0.8cmとのことですが、いずれにしてもステージ1です。初期の段階でしっかりした治療がなされていれば、必要以上に心配しすぎない方が良いでしょう。ティッシュエキスパンダーは将来の人工乳房を入れるスペースを確保するだけですので、特に影響ないと考えます。ただ、もともと化膿しやすく、アレルギー体質もあるようですので、主治医の先生とよくご相談ください。(文責 阿部)

 

No.5569】   06年07月24日     O
3ヶ月の経過観察で大丈夫でしょうか?

仕事で中米の途上国にいる31歳、未婚の女性です。先日、胸部左側下部に1センチ程度のしこりを発見し、ここのお医者さんにかかりました。触診と超音波の結果、ガンではないらしいとのことで、3ヶ月の経過観察と言われました。ここは医療事情が悪く、簡単に医者のいう事を信じることができません。特に私の場合は、母も乳がんで亡くし、父方も母方の祖父母もガンで亡くなっているので、ガンの確立は高いと思います。この診断で間違いはないのでしょうか? 私はしこりを取って詳しく調べて欲しいのですが、日本に帰って病院で要望すれば、しこりは取っていただけるのでしょうか?

仰るとおり、組織を調べるのが一番確実です。ただ、触診と超音波のみで癌ではないらしいと判断し経過観察することは日本でもあります(31歳とお若い方のマンモグラフィの有効性は50代女性ほど高くはありません)。経過を見る場合、最初の観察期間としての3ヶ月間は妥当な考えだと思います。もし、怪しいと考えれば、担当の先生も細胞診・組織診などの検査を勧めてくださると思います。しかし、家族歴・医療事情などが気になるようであれば、日本で事情を説明してコアニードルやマンモトームによる組織検査、もしくは治療を兼ねて摘出生検をお受けになるのがよろしいかと思います。(文責 阿部)

 

No.5568】   06年07月24日     M.M.
放射線について&ゾメタの副作用について教えてください(HPNo.5392-2)

HPNo.5392にて、ご相談させて頂いた者です。お返事有難うございました。とても参考になりました。今度は放射線、ゾメタの副作用についてご相談したい事がありますので、メールしています。母の腰への転移が1箇所だと思っていたら4箇所ありました。「腰の痛みは薬を変えたことだけではなく、ガンによるものではないか?」と主治医に言われました。放射線治療が出来ないか聞いたところ、「4箇所あると難しいな」と言われてしまいました。腰の骨が潰れたところが2箇所あるのですが、間に2個ずつ転移がある状態です。最近痛みがひどいらしく、放射線が出来ないというのは、とてもショックでした。やはり、4箇所転移があると、放射線治療は難しいのでしょうか?
又、母は、先週月曜日から入院してゾメタを点滴したのですが、今ものすごく腰の痛みがきついようなのです。ゾメタの点滴でこんな風に痛みがきつくなってしまう副作用は出るのでしょうか? 熱が出るという副作用は聞いていましたが、こんな痛みがきつくなるなんて・・・と、家族でオロオロしています。病院もアレディアは使ったことがあるようなのですが、ゾメタは初めてなので、困っているようです。この痛みには、どのような薬が効くのでしょうか? 又、副作用だとすれば、次回に点滴するときは、このような副作用は少しは薄らぐのでしょうか? 
フェマーラは効いてきている様で、腫瘍マーカーは下がってきているため、医者はガンに効いているのではないか?と言って下さっているのですが、あまりに腰の痛みがきついため、心配でたまりません。お忙しい中申し訳ありませんが、お返事頂けると嬉しいです。

放射線治療は照射範囲が広過ぎる場合や近くに放射線障害を受けやすい臓器がある場合、既に照射済みの場所には副作用の問題で使用できないことがあります。また、ビスフォスホネート製剤は副作用として時に骨痛を生じることがあります。恐らく通常の鎮痛剤を使用されていることと思いますが、使用可能であればモルヒネ製剤をご検討なさってはいかがでしょうか?骨転移からも当然疼痛は生じますが、骨粗鬆症の痛みも相当強いことがあります。アロマターゼ阻害剤であるフェマーラが有効な可能性があるのであれば、使用継続で経過を見られてはいかがでしょうか?(文責 阿部)

 

No.5567】   06年07月24日     T 
乳首の異常について

27歳の主婦です。数年前から左の乳首に異常を感じていました。常に少し湿っており、押すと少し痛みがあります。ただの炎症かと思い、ずっとほっておいたのですが、妊娠を計画しており、授乳のことを考えて相談させていただきました。乳首も少しただれています。下着には液体や粕みたいなのもついたりします。臭いも少しあります。病院に行くにしても、どの病院に行ったらいいのか分からず・・・。兵庫県の姫路市なのですが、出来れば女医さんに診ていただきたいのです。よろしくお願いいたします。

乳頭の湿疹などが最も考えられますが、実際に拝見していないのではっきりとは申し上げられません。いちど乳腺外来を受診なさってください。(文責 片山)

 

No.5566】   06年07月24日     S.T.
ホルモン療法

以前にもホルモン療法のことでご相談させていただきました。ホルモン療法を受けるか受けないか(ステージ2A)、迷いながらも2回ほど皮下注射、薬を服用しましたが、副作用がひどく、受けないことに決めました(2カ月で判断するのもどうかと思いましたが、再発率と副作用を考えての結果です)。ホルモン療法を受けない今後の治療計画(?)は、一般的にどのようなものでしょうか。また温存手術(リンパ節郭清)のため放射線治療(3〜4月に25回)を受けましたが、脇の下と後ろに腫れ(ボールが挟まっているような感じで、まっすぐ腕を伸ばせない)があり、いつも腕を曲げている状態です。放射線の影響でしょうか。この状態は少しずつ緩和されていくのでしょうか。お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

腫瘤径、年齢など情報が少なく、はっきりしたことは申し上げられませんが、注射(おそらくLH-RHアゴニスト)による治療を受けられたということで、閉経前、T1N1 か T2N0のStageUa、Intermediate riskで、内分泌反応性か内分泌反応性不確実と考えられます。前者の場合は内分泌療法主体、後者の場合は化学療法と内分泌療法のコンビネーションを考えることになります。脇の下・後ろの症状は、放射線の影響よりは手術(リンパ節郭清)の影響と思われますが、時間と共に少しずつ緩和されていくことが多いと思います。(文責 片山)

 

No.5565】   06年07月24日     M 
小学生の乳輪部のしこりについて

8歳、小学3年生の女児です。一週間前から左乳輪部にしこりができています。赤みがかっているようです。右乳輪とは、明らかに大きさの違いがあります。第二次性徴期の現われと、放置しておいていいでしょうか?

お話からは第2次性徴の可能性が高いと思いますが、赤みがあるということで、炎症(?)がからんでいることもあり得るので、一度乳腺外科を受診なさってはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

No.5564-1】   06年07月24日     N  
乳がん転移と咳こみ

48歳になる妻は、2002年6月に右胸の乳がんで、温存手術(T期)を大学病院で行いました。その際リンパ節一個、がん細胞の存在を確認しました。放射線治療を受けましたが、2005年2月に右の肺に転移が認められ、肺の1/3と気管周囲のリンパを切除しました。がん細胞の検査結果では腺ガンで、乳がんからの転移だと主治医から説明を受けました。その後抗がん剤治療を受け、嘔吐、目まい、頭痛、脱毛など、苦痛に耐え何とか乗り越えましたが、今度は2006年1月頃から咳き込むようになり、最近は咳き込む回数が増しています。心配なので検診の度に主治医(肺の切除をした先生)に様子を話したり、血液検査やレントゲン検査をしたりしましたが、結果は異常ないとのことです。咳止めの処方箋を頂きましたが、一向に改善されません。本人は風邪かもしれないと薬局の風邪薬を服用したりしていますが、良くならず、息づかいもゼーゼーいっており、辛そうに毎日を送っています。8月に年1回のCTを含む精密検査がありますが、とても心配です。そこでお伺いしたいのですが、更なる転移の心配はないのでしょうか。よろしくお願いします。

咳き込むという症状が、咳の回数が多いのか、いわゆるむせ込み(誤嚥)されているのかが、お話をうかがっているだけでは良くわかりませんが、前者であれば、癌性胸膜炎の可能性は考えておかねばならないものの、風邪や上気道炎などの炎症疾患でも起こりえます。後者ですと、例えば縦郭のリンパ節への転移などで神経の圧迫症状からむせが起こっている可能性もあると思います。いずれにしても主治医の先生とよく相談して、必要な検査をしていただいてください。(文責 片山)

 

No.5564-2】   06年07月31日     N  
乳がん転移と咳こみ(2)

ご返事いただきまして大変有難うございました。妻は、大学病院で肺のCT検査を行ないました。その結果、主治医からは癌性胸膜炎で、胸水が咳き込みの原因であることも説明していただきました。さらに肝臓にも転移の可能性があるので、後日、MRA検査の結果によって、今後の治療方法を選択するとのことでした。先生にお伺いしたいのですが、末期の状態ではないかと自分では思うのですが、仮に肝臓に転移がなかったとしたら、あとどれくらい生きられるのでしょうか。そして肝臓に転移があった場合はどうなのでしょうか。私は、現在、海外赴任を続けております。先のことが心配でなりません。率直なご意見をお聞かせください。

再発が見つかってからの平均余命は2-3年といわれていますが、良い薬もでてきており、もっと期待できる可能性はあります(最近のデータではもっと良くなっています)。ただ、肝臓に転移があった場合は、それよりも短いといわれています。(文責 加藤)

 

No.5564-3】   06年08月08日     N  
乳がん転移と咳こみ(3)

ありがとうございます。8月2日に検査結果と今後の治療方法について主治医から説明がありました。縦郭リンパ節が腫れており、転移した右肺の気管が細くなってしまって、それが原因で、咳および息苦しさが増しているため、至急縦郭リンパ節部分の放射線治療が必要とのことで、さっそく3日から放射線治療を始めることにしました(30回照射)。右肺胸水500ccも抜いてもらいました。癌性胸膜炎については様子を見ながら、呼吸困難を対処することが先決との説明でした。肝臓への転移、骨髄への浸潤は今のところ心配ないとのことです。食欲は落ちており、食道に違和感あるらしく、日々不安が増しており、妻は食道への転移も心配しています。咳は依然喘息気味でヒューヒュー音をさせながら苦しそうにしています。抗がん剤は、肺炎を起こすので併用できないそうです。今後治療法はどう変わっていくのか不安です。
再発後2−3年の余命とすれば、すでに1年半経過してますから、1年半程度ということですね。そうだとすれば、できる限り生活の質を上げてあげたいですが、家族としてはどう支えてあげればいいのでしょうか。放射線治療は9月中には完了しますが、いまの治療方法がベストであることを、本人家族が納得がいくためにはどうしたらいいのかわかりません。一度他の癌専門機関(国立癌センター中央)にセカンドオピニオンを求めたほうがいいのでしょうか。日常生活に希望がでて、病気と共存しながらも、あと10年ほど生きられる方法はないのでしょうか。ご意見をお聞かせください。

まずは放射線照射を、無事、順調に受けられることです。放射線を先行させるのか、抗癌剤を先行させるのかは、議論の分かれるところだと思います。癌性胸膜炎もあるのであれば、抗癌剤を先行させるという意見もあると思います。
今回の場合は、放射線後に抗癌剤の投与ということになります。食道への転移はまれですので、あるとしたら、縦隔リンパ節の腫れが食道を圧迫していることは考えられます。確かに、余命は厳しいのかもしれませんが、人間は可能性を持っていますので、希望は捨てずに支えてあげましょう。元気のある時には外に連れて、一緒の時間を過ごすようにし、好きなもの、楽しいもの、心地良いものなどを見て、感じるのはいかがでしょうか? もう少し暖かくなってからとか、涼しくなってから・・などというより、もし、病状が悪化した場合の事を考え、今出来ること、やりたいことを精一杯、悔いの無いように過ごされてはいかがでしょうか? そんな中で、体調が改善し、元気になれば、また出来ることは広がりますし、希望も膨らみます。10年というのは、実際、難しいかもしれません。現実は受け止めつつも、前向きに、あきらめずに治療を続けてくださることを祈っています。応援しています。セカンドオピニオンは、家族、本人が希望あれば良いと思いますが、現在の治療に大きな間違いはないように感じます。(文責 鈴木)

 

No.5564-4】   06年08月23日     N  
妻の様態

2週間ぶりですが、その後の状況をお話します。放射線(14回終了/合計30回)治療を続けてます。たしかに以前ほど咳が出ませんし、息苦しさも改善されていると妻は言ってます。乳腺の主治医を中心に、連携しながら呼吸器科、放射線科の先生の診察も受けています。また肺に水が溜まってきており、2回目の水を抜きました。主治医の診察では、「放射線治療が終ったあと、胸膜の張り付けをする」と言われました。咳がひどくなり、息苦しさが増してくることを防ぐためのようです。つまりこの段階は、この病の一般的に予想される過程なのでしょうか。癌に効く薬の相性を特定し、少しでも利く更なる抗がん剤治療ができる選択肢はあるのでしょうか。妻は体重も減ってきていませんし、食欲も人並みです。通院も自分で車を運転して行きます。見た目は健康そうに見えるのですが、これから先、様態が急変することが信じられません。睡眠時には、やはり様々なことを考えてしまい、よく眠れないようです。最近は家中の物を処分して気分的にすっきりさせるんだと言って、毎日片付けしていますが、かえってそのことが身体に影響するのではと心配もしています。わたしも国内勤務にしてもらい、近いうちに自宅からの通勤範囲で仕事ができそうですし、妻も子供も大変喜んでおります。まだ暫くは(3-4年)元気でいられるのであれば、長期で旅行にいったり、この際、増築もしようかとも思います。一般的な意見で結構です。そうした時間は、まだ私達には残されているのでしょうか。

転移・再発乳癌に対しては、副作用が許容できる範囲の量の薬剤を使用して、癌と共存する事を考えなくてはなりません。副作用の程度は個々によって様々で、実際に使用してみなければわかりませんが、更なる抗癌剤を試してみる価値はあると思います。主治医と充分なコンタクトをとり、納得のいく治療を受けて下さい。闘病生活においては、ご家族の支えが大きな力になります。抗癌剤の効果しだいで予後も変わってきますが、奥様のなさりたい事を中心に、皆さんで大切な時を過ごしていただきたいと思います。頑張ってください。実際に診察していないので、限られた内容の回答しかできませんが、少しでもお役に立つことがあれば、この相談室を利用してください。(文責 須田)

 

No.5564-5】   06年08月30日     N  
妻の様態(2)

放射線治療も回数で半分までいきました。特に痛みや苦しさなど訴えていませんが、最近は時たま気分が悪くなり、食事をした後、戻したりすることが多くなっています。先生、この原因としては放射線治療によるところなのでしょうか、それとも他の理由なのでしょうか。3週間前の浸潤検査の結果は肝臓、骨への転移はないとの説明でしたが、先生のご意見をお聞かせください。

直接拝見していないので、推測の域を出ませんが、腋窩のリンパ節転移によって大きくなった転移巣が神経を巻き込んで発育している事も考えられます。メールだけでは情報不足ですので、実際に診察している主治医に現状をよく説明してもらってください。納得のいく治療を受けるためにも、主治医の先生とコンタクトを取ることは大切です。(文責 須田)

 

No.5563】   06年07月23日     C.H
リュ-ブリンについて

2年前の7月温存手術をして、その後放射線25回、抗がん剤(エンドキサン+テラルビシン)治療をしました。ノルバデックス服用・ゾラデックス(リュウブリンに途中で変更)の注射をしていて、現在41歳です。リンパ節転移なし、グレード3、ホルモン陽性。当初、注射は2年間ということで、そろそろ終わると楽しみにしていたのですが、「もう少し続けては」と主治医に言われました。施設によっては薬と同じように5年しているところもあるということでした。そう言われるとした方がよいのかと思いますが、本など読むと2年と書いてあります。手術した方とは反対側に7ミリほどのしこりがあり、これは心配ないとのことで経過観察しています。これのために注射をやめないのでしょうか?これとは関係なくても続けた方がいいのですか? 続けるとしたら何年すれば安心なのでしょうか? もうイヤだといえば、無理に続けることもなさそうで、私の判断にある意味ゆだねられているようでもあります。どうしたらいいでしょうか?よろしくお願いします。

GnRHアナログ製剤を含む世界的な試験は大きく分けて3つあります。
1つ目は,ゴセレリンと標準的化学療法との同等性試験で、ZEBRA試験では外科手術の後、患者はゴセレリン2年投与群、またはCMF療法6サイクル投与群に無作為に割り付けられました。患者がER陽性の場合には、効果は同等でした。
2つ目はゴセレリン+タモキシフェンを併用した内分泌療法と標準的化学療法との比較試験で、卵巣機能抑制+タモキシフェン投与と古典的CMF療法を比較した2つの試験が最近報告されています。ひとつはGROCTA02、もうひとつはAustrian breast cancer study group (ABCSG)試験です。イタリアの乳癌試験GROCTAでは、卵巣摘出(卵巣摘除術、卵巣照射。70%はゴセレリン投与)+タモキシフェン5年投与とCMF療法を比較しました。オーストリアの試験では、ゴセレリン3年投与+タモキシフェン5年投与群と、CMF療法6サイクル投与群を比較しました。その結果、いずれの試験でも、卵巣機能抑制+タモキシフェン投与は、CMF療法単独に比べ有効性が高いことが明らかにされました。
3つ目は、標準的な細胞毒性化学療法を一次治療薬とした患者に対する内分泌療法の相加効果を検討する試験です。INT 0101 / E5188 (Inter Group Study ECOG / SWOG / CALGB Trial)試験で、 局所療法を施行した患者を、CAF療法6サイクル投与単独、CAF療法6サイクル投与後にゴセレリン5年投与、およびCAF療法6サイクル投与後にゴセレリンとタモキシフェンをそれぞれ5年投与する3群に無作為に割り付けました。この試験があなたのケースに近いかと思われますが、最新の結果をみますと、化学療法にゴセレリンとタモキシフェンを追加投与した群では、ゴセレリンのみを追加した群に比べ5年無再発生存率の有意な改善が認められていますが、ゴセレリンのみを追加した群でも統計学的有意差はないものの改善傾向が認められています。また、化学療法にゴセレリンを追加投与した群での治療効果は、CAF療法で閉経しなかった非常に若年の患者群でより顕著であったエビデンスも得られています。
日本の乳癌診療ガイドラインでは、現段階では化学療法後にタモキシフェン5年投与が推奨され、ゾラデックスの追加については言及されていません。(文責 片山)

 

No.5562】   06年07月23日     MA 
右の乳首に痛みがあります

31歳女性です。ここ1ヶ月くらい右の乳首に痛みがあります。ひどい痛みではありません。それ以前は乳房に筋肉痛のような痛みがありました(現在はなし)。場所はいつも同じではなく、痛みもひどくはありませんでした。2年前に断乳しましたが、最近まで乳首を絞ると白い汁が出ていました。先日、絞った時に白い汁の出るところと、極うすい茶色のぬるぬるした汁の出るところがありました。それは左右ともです。今年1月にマンモグラフィー、超音波、触診を受け、異常は見られませんでした。現在の痛みは生活に支障をきたすのもではありませんが、診察を受けたほうが良いでしょうか? その際、近くに「乳腺外来」がないので、「外科」でも良いでしょうか? お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

お話をうかがっている限りではあまり心配なさそうですが、分泌物はそのものを細胞診や分泌物中の腫瘍マーカー(CEA)測定の検査に出すこともできますので、一度そういった検査のできる病院を受診なさってみては如何でしょうか?(文責 片山)

 

No.5561】   06年07月23日     AS
マンモトーム生検について

33歳、出産経験なしです。マンモグラフィーで石灰化が見つかりました。検査してくださった先生は、悩みながらカテゴリー3と判断し、マンモトーム生検を勧められています。母が乳癌であるということを第一の理由にマンモトームを勧めるとおっしゃっていました(母も石灰化で乳癌が見つかりました)。3ヶ月後の経過観察かマンモトームをするかは本人が決めてくださいと言われました。今回、以前受けた検査でのう胞が見つかり、その診断が不安だったため、違う病院を受診しました。のう胞のことばかり気になり、石灰化と言われ、とても困惑しています。前の病院でのう胞と言われたところは、今回の病院ではのう胞ではなく乳管(乳腺?)が拡張しているかもしれないといっていました。つながっているから・・とかいってたような・・・。この状況ではマンモトーム生検を受けておいたほうがよいでしょうか? この検査を受ける危険性はないのですか? 麻酔を使うことは、針が太いこと、感染がある?みたいなことが書かれていたり、検査をすること事体不安です。でもその不安よりも検査を受けて癌を見つけることを選んだほうが賢明でしょうか?

カテゴリー3の石灰化は良悪性の判断が非常に難しく、実際に画像を拝見していないのでコメントはできません。淡く不明瞭な石灰化の集簇でのカテゴリー3は要注意ですが、乳腺症によるものも多いと考えます。しかし、石灰化の集簇や乳管の拡張から見つかる乳管内の乳癌もありますので、あわてる必要はありませんが、主治医の先生とよく相談して決めてください。(文責 片山)

 

No.5560-1】   06年07月23日     M 
術後の治療について

はじめてご相談させて頂きます。恐れ入りますが、早急にご返答頂きたいと思っています。私は30歳、独身、喘息、アトピー性皮膚炎、食事アレルギー(キイウイ・エビ・ホタテ)、妊娠希望者です。5月に左乳房全摘、腋かリンパ節廓清を行い、これから抗がん剤治療を行います。病理結果は、悪性度1、乳管内進展が広い範囲を占める、乳管浸潤部分2cm、石灰化は壊死型、ER:+、PgR:−、HER2:0、リンパ転移18個中1個。術前説明では、病期はUBと言われました。7月18日にゾラデックスを打ち始めました。2年間打つ予定です。7月25日からアドリアマイシン、サイクロゴスファミドを4クール、ドセタキセルを4クール打ちます。(通院している病院はAC+パクリタキセルを推奨していますが、私はアルコールがダメなのでドセタキセルを使うと言われました。)

1) 他の方より病理結果報告項目が少なく感じます。上記以外に確認する必要がある項目はありますか?
2) ゾラデックスの効果はまだ臨床段階だと聞きました。私の年齢で妊娠できる確立を教えて下さい。また、他にも確立を高める方法はありますか?
3) 生存率を教えて下さい。
4) 再発率を教えて下さい。
5) 無再発期間を教えて下さい。
6) 妊娠を希望しますが、それより再発リスクを低くする事を優先したいと思っております。AC+ドセタキセルより強い薬はありますか?強くする必要はありますか?
7) 抗がん剤、ホルモン治療によって他の癌になる可能性はありますか?
8) PgR、HER2が陰性の問題点はありますか?

通院している病院は忙しいさに追われ、こちらの疑問点を聞く時間をもらえません。神奈川乳癌治療研究会の皆様も大変お忙しいとは思いますが、このようなサイトを運営して頂いている事をとても感謝します。

1) 腫瘍周囲の脈管浸潤(ly,v)の記載がありませんが、いずれにしてもリンパ節転移が一個あり、HER2陰性ということで、Intermediate risk として今後の治療戦略を立てるということになると思います。
2) ゾラデックスの副作用として、0.1%未満ですが月経回復遅延が報告されています。また化学療法(特にサイクロフォスファマイドによると考えられる)副作用としての無月経がありますが、最近のデータで、35歳未満の女性では85%で化学療法終了後6ヶ月以内で月経が再開したとされています。
3)4)5) T1(腫瘍径2cm以下)N1でStage UAとすると、5年生存率80%前後、つまり再発率20%前後、5年間無再発率は60−65%程度と考えられます。
6) 抗癌剤の投与期間を短縮して、薬の体内の濃度を高める dose-dense 化学療法がありますが、乳癌患者において有用である可能性はあるが、根拠が不十分で、今のところ臨床試験においてのみ行われるべきであるとされています。
7) エンドキサン、アドリアシンなどではわずかながら白血病発生の副作用が報告されています。またホルモン治療薬でタモキシフェンは5年以上の長期にわたって服用すると子宮内膜癌の発生がわずかに増えるとされます。
8) ER+、PgR−は内分泌反応性不確実ということになるので、化学療法の併用が推奨され、あなたの受けられようとしている治療法は理にかなっていると考えます。

いずれにしても現在治療を受けられている主治医の先生とのコミュニケーションを深め、納得のいく治療を受けていただくことが肝要だと思います。(文責 片山)
 

No.5560-2】   06年09月22日     M 
パクリタキセルについて

HPNo.5560でご相談させて頂きました者です。その節はご丁寧にご回答頂き、有難うございました。再度ご意見を伺いたくメール致しました。通院している病院で、私の状態はAC+パクリタキセルの化学療法が統計的に予後がいいと言われています。しかし私はアルコールが苦手なので、AC+ドセタキセルを使うそうです。ですが無理してでもパクリタキセルを使いたいと思っています。
1) パクリタキセルを1回試して無理があるような場合、ドセタキセルにする事は可能ですか?
2) パクリタキセルは毎週毎1回か3週間毎1回を選ぶ事が出来るそうです。統計的に予後がいいのはどちらですか?

ちなみに私はビール350mlを3時間かければ飲める程度です。宜しくお願い致します。

1) 可能です。しかし、パクリタキセルがドセタキセルより優れているという根拠はありません。
2) 毎週1回80mg/m2の方が、3週1回175mg/m2より優れています。(文責 徳田)

 

No.5559】   06年07月23日     K・E
セカンドホスピタルを探しています

乳癌について質問させて頂きます。一昨日、私の母が乳癌と告知され、腫瘍は既に7cmとなっておりました。何とかリンパ節には転移してなかったものの、最近変な咳をするので、肺に転移しているのではないかと不安です。今、セカンドホスピタルを探しています。東京都東大和市付近で乳癌治療にお勧めの病院を知っていらっしゃるようでしたら御返答願います。また国民健康保険のみ加入しています。入院や治療費など、これから必要な費用について、参考までに聞かせて頂けると助かります。お手数おかけして済みませんが、頼るあてもなく、こちらへ相談させて頂きました。宜しくお願い致します。

当方神奈川県在住のため、東京都東大和市の病院事情については明るくありません。既にご自分でも検索なさっていると思いますが、乳腺・内分泌の外科でホームページを持っているのは、お近くでは東大和市では東大和病院、東村山市の多摩北部医療センターなどで、少し遠くなりますが、東京都立府中病院(東京都府中市武蔵台2−9−2)には日本乳癌学会の専門医の先生がいらっしゃるようです。治療法によっても大きく異なってきますが、10日前後の入院、手術であれば3割負担で30−40万円といったところでしょうか?その他外来で行う検査や術前・術後の全身療法によって差が出てくると思います。(文責 片山)

 

No.5558】   06年07月23日     S 
乳首のデキモノについて教えて下さい

はじめまして、29歳の未婚です。HPを見て、自分も心配になりメールする次第です。4年前頃に乳首付近がかゆかった為、掻いてしまい、血や分泌物が出ていました。そして、2年前からは、乳首の真下(乳輪との境目)に、ただれたイボのようなデキモノになり、ひっぱると痛い状況にあります。これは何らかの病気に当てはまりますでしょうか? 今後、子供を出産し、授乳時に噛まれたりしたら痛いと思うので、手術して取り除く事は出来るかどうか、ご回答下さい。また、その際には、乳腺外科、皮膚科、美容外科のどちらに行く方が良いか教えて頂ければ幸いです。お忙しいところ、申し訳ないですが、何卒よろしくお願い申し上げます。

当初の症状は乳頭や乳輪の湿疹の可能性が高いと思います。現在の症状はモントゴメリー腺の炎症が考えられるでしょうか? 実際に拝見していないのではっきりとはわかりません。乳腺外科を受診してみてください。(文責 片山)

 

No.5557-1】   06年07月23日     M 
脇の下のしこり

術前化学療法をしているものです。抗がん剤を投与にいく時に主治医がしこりの大きさを確認しているのですが、超音波で脇の下にもしこりがあるということを聞いています。脇の下にあるということは、腋窩リンパ節に転移していてしこりがあるという解釈でいいのでしょうか。そのしこりは郭清することで取り除くということになるのでしょうか。

腋下リンパ節転移の疑いがあるというニュアンスかと思います。細胞診か最終的には取って組織的に確認することになると思います。その場合、術前の化学療法が奏功していれば、癌細胞がなくなっている可能性もあります。(文責 片山)

 

No.5557-2】   06年07月31日     M 
脇の下のしこり(2)

HPNo.5557で質問したものです。術前化学療法にてしこりが消失した場合でも、センチネルにて確認するということはせず、郭清するのが普通なのでしょうか。転移や再発のことを考えれば、消失したとしても郭清したほうがいいのでしょうか。

現時点では郭清が一般的です。ただ、再発のリスク等を考慮したうえでのセンチネル生検も可能であると思います。術前に主治医によくご相談されてみてはいかがでしょうか?乳房のしこりが消失していても、リンパ節に腫瘍が残存しているケースもあります。(文責 加藤)

 

No.5556】   06年07月22日     H.Y. 
サプリメントと腫瘍マーカー

お世話になります。2005年10月乳がん手術をしました。(ステージ1、腫瘍の大きさ2cm、リンパ節転移なし、ホルモン受容体+(エストロゲン)。術後、抗がん剤はなし、アリミメデックスを最低2年間飲む事になりました。10月末より、放射線を25回照射しました。12月末に、免疫療法のドクターの処方で冬茸夏草を摂取始めましたが、手術時2.6だったCEAが1月、2月3月と上昇を始め、3月末に5.2まで上がりました。そこで冬茸夏草の摂取をやめて、他の茸系のサプリメントやフコダインに変えたところ、下がり始め、7月の始めに4.7まで下がりました。結局、冬茸夏草は更年期障害に効くサプリメントであったことが、後から製薬会社に問い合わせてわかりました。(エストロゲン用の働きを体の中でしてしまう)
1) 3月末に5.2まで腫瘍マーカーが上がったという事は、私の体の中で癌細胞が増え続けたと解釈すべきなのでしょうか?
2) 今現在下がり始めたという事は、5.2まで上がった腫瘍マーカーの影響を、それほど考えなくてよいのでしょうか?
3) 放射線を受けている間はとても体がだるく、白血球も3100ぐらいに下がりました。7月になってやっと3700までもどりましたが、放射線の影響で免疫力が下がり、CEAが上がったという可能性もありますか?

以上3点についてお答えいただけると幸いです。

1)2) CEAはあまりぶれることが少ないアッセイだと思いますが、それでも多少のデータの変動はあり、必ずしも癌細胞が増え続けたということではないと思います。例えば喫煙者では多少高くなることが経験されます。
3) 放射線は残存乳房に照射しているわけで、体全体への影響は少ないと考えられ、免疫力低下→CEAの上昇という構図も考えにくいと思います。(文責 片山)

 

No.5555】   06年07月22日     A・K
副作用について(HPNo.3959-4)

いつも、乳癌に対する不安な気持ちや迷っていることに、回答くださりありがとうございます。三月に、非浸潤ガンで、左乳房全摘手術をうけました。リンパには、疑わしいところがなかったとのことでした。無治療でもいいが、念のため六月から、右乳房の予防もかねて、ノルバ一日1錠飲み始めました。めだった副作用などはないと思っていたのですが、口の渇きが出てきて、生理も少なく、日数も短くなりました。子宮内膜症も手術したことがあるので、生理後一週間目に検診に行き、異常なし、半年に一回の検診でよいとの診察でした。ところが、その後一週間後に、また生理が始まりました。以前は、25から30周期できていたので、少し不安です。それと、情緒不安定というか、うつっぽく考えたり、気持ちが切り替えできなく、落ち込んだりすることが多くなりました。自分で、こんなんじゃだめだと思っても、とめられません。女性ホルモンに対する薬をのんでいるから、仕方ないのでしょうか。以前甲状腺になり、ホルモンバランスが崩れることの怖さを味わったので、目に見えない不安があります。気の持ちようかとは思うのですが、アドバイスお願いします。

口渇や月経異常、抑うつ状態などはいずれもノルバデックスの副作用の可能性があります。別の抗エストロゲン剤を試すか、それでもあまりに副作用が強くて続行が難しい場合は、もとの乳癌の再発リスクにもよりますが、Low risk の場合は無治療という選択肢もあると思います。主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 片山)

 

No.5554】   06年07月22日     s.k
術後治療について

初めてご相談させていただきます。57歳7月3日に左乳房温在手術、左円状部分切除術〜センチネルリンパ節生検腋窩リンパ節敦清省略しました。病理検査の結果が出まして、ステージ1、腫瘍の大きさ1.1cm、核異型スコア2、リンパ節転移なし、ホルモン受容体陰性、脈管侵襲なし、リンパ管侵襲なし。主治医より「核異度2、ホルモン陰性で抗がん剤の投与」と、投与しない事でリスク40%だと言われました。予防の意味での抗がん剤の効き目はあるのか? 副作用のこと考えるとなやんでしまいます。出来れば放射線照射のみで、化学療法は行わないで経過を観察したいと思います。また病院と自宅が遠隔地の事で、経済的な問題にも悩んでいます。宜しくお願いします。

St.Gallenのコンセンサスレポートでは、内分泌非反応性の患者さんは化学療法を行うことが推奨されており、副作用や経済的なご心配はあると思いますが、治療を受けておかれることをお勧めいたします。(文責 片山)

 

No.5553】   06年07月22日     m.o  
右足付け根のリンパ節の腫れ

いつも参考にさせて頂いています。2004年11月左乳房皮下乳腺全摘出、同時再建をしました。38歳です。今はノルバ&ゾラテックスの治療をしています。最近すごく心配なことがあり、メールさせていただきました。右足の付け根のリンパ節がひとつ腫れて痛むのです。肌は、私がそこばかりいじったせいで赤いですが、特に発疹や腫れはありません。リンパ節は触れるとこりこりとした感じで、押すと痛みます。でも、発熱もないし、右足に何か怪我や虫さされをした覚えもありません。これは乳ガンの転移のひとつなのでしょうか? ご意見をお聞かせ頂けたら幸いです。

乳癌の転移がいきなり足の付け根(鼠径部?)のリンパ節だけにくることは考えにくいと思います。しかし一現象を現している可能性はあるかもしれませんので、主治医の先生にお尋ねください。(文責 片山)

 

No.5552】   06年07月22日     M.M. 
乳がん手術後にしこりが見つかりました

初めてお便りします。05年3月に胸のしこりに気づき、診断を受けたところ、2.1cmの浸潤性の乳がんと診断され、05年4月に乳がんの手術(乳房温存手術)を受けました。最初の手術は2泊3日の摘出手術で、このときセンチネルリンパ節生検を行いましたが、1箇所の転移が見られ、5月に再手術でリンパの摘出を行いました。その後、化学療法(AC、タキソール)、放射線治療を受けました。1年検診(06年6月)では異常なしとの診断でしたが、その後胸にしこりを感じ、超音波検診にて3mm程度のしこりが発見されました。場所は、乳房の上部で、手術の傷より少し上の部分です。主治医によると、乳房ではないので再発ではなく、可能性としては転移も考えられるとのことです。乳腺のう胞腫?との診断で、悪性かどうかはわからないとのことです。主治医によると、しこりが小さいため今は判断できないとのことです。このまま様子を見るので良いのでしょうか。何か検査等をする手立てはないのでしょうか。次回9月の検診まで不安で待てません。先生のご意見をよろしくお願いします。

しこりが3mmと小さいので細胞診の検査などが難しいということだと思います。大きくならないか経過を見るのも診断の一助となることもあります。どうしてもご心配でしたら、切除生検の可能性などを主治医の先生とご相談なさっては如何でしょうか?(文責 片山)

 

No.5551】   06年07月22日     I.S. 
左腋下の痛みを伴うしこりについて

24歳、妊娠経験なしです。二日ほど前に、左腋下に痛みを感じ、指で触れてみると、直径5ミリほどのしこりを発見しました。痛みは、触れると特に強く感じ、しこりのある部分だけではなく、しこりを中心に腋下全体に拡がっています。生理は4日ほど前に終了したばかりなので、生理前の副乳腺の張れ等とは異なる様な気がします。胸には生理前以外に痛みもありませんし、しこりもないように感じますが、乳がんではないかと不安に感じているのですが、どうでしょうか?

お話をうかがっていると乳癌の可能性は低いと思われますが、実際に拝見していないのではっきりとしたことは分かりません。一度乳腺外来を受診なさってください。(文責 片山)

 

No.5550】   06年07月22日     A.Y. 
生理前の乳房の張や痛み

京都に在住の29歳の会社員(薬剤師)です。今回こちらのHPを拝見させていただいて、気になる症状が続いているので、メールさせていただきました。7月に入ってから左胸の上部がピリピリする事があり、それから生理が始まる少し前から、胸の脇よりの半分と脇の下の筋がはっているような感じが続きます。手がだるく、しびれる感じがある事もあり、生理が終わった現在も、張っている部分は筋のような形で抑えると痛い部分とそうでない部分があります。以前に乳腺炎になった事があるのですが、なにか乳癌と関係あるのでしょうか? お忙しい中、突然のメールでご迷惑おかけしてすいません。お返事よろしくお願いいたします。

特に生理前の乳房の張や痛みは直接乳癌とは関係のないことが多いと思いますが、稀に微妙な自覚症状から乳癌が見つかることもあるので、一度乳腺外来を受診なさってください。(文責 片山)

 

No.5549】   06年07月22日     M.F.
抗がん剤動脈注入療法について(HPNo.5421-2)

HPNo.5421でご相談させていただいた者です。その節は、ご回答ありがとうございました。タキソール8回投与後、エンドキサン・ファルモルビシン・5−FUを2回、その後ハーセプチン+ナベルビンを3回投与してもらいましたが、効果がなく、腫瘍は大きくなるばかりです。それでも、他の薬を試したいとお願いして、ゼローダを服用し、一週間です。これも効果がないようですので、(全摘手術は避けたいため)放射線科の先生を紹介してもらいました。そちらの先生から「抗がん剤動脈注入法なら効果があるはず(シスプラチンなど)」と言われ、喜んでおりましたが、主治医の先生は、「今まで効果のあった抗がん剤がないし、シスプラチンは乳がんではあまり効果の見られない薬なので、その方法は薦められない。」とおっしゃいます。皮膚表面にも腫瘍ができており、そういう腫瘍には動脈注入が効くと、放射線科の先生はおっしゃっていましたが、静脈内投与で効果のないものは、動脈内投与にしても、やはり効果はないものでしょうか?(硬癌で、乳房内の腫瘍もかなり大きくなっているようです。)
ご回答いただければ幸いです。

乳癌診療ガイドラインによれば、「局所進行乳癌に対して、局所動注化学療法は推奨するだけの根拠がなく、臨床試験においてのみ行われるべきで、最新の静注化学療法との比較試験が行われておらず、生存期間に与える影響が明らかでないため、日常診療での使用は勧められない。」とあります。もちろんガイドラインがすべてではありませんが、参考までにと思います。(文責 片山)

 

No.5548】   06年07月22日     芙蓉
ホルモン療法の必要性

今日初めてこちらの相談室に出会い、夢中で読ませていただきました。ちょうど治療法で迷っていたところで、ご相談させてください。乳房温存手術を受け、病理の結果、「乳頭腺管がん・断端陽性・ly1・vo−・ER+・PgR−・グレード1・HER2−・リンパ節転移なし」で、先週まで放射線治療を6週(ブースト1週含)に渡って受けました。45歳閉経前で、タモキシフェンを服用するか無治療かの選択をすることになり、放射線治療まで受けた後の再発率と副作用などのマイナス面を比べると、どちらを選ぶのがベストの選択なのか? とても迷いましたが、反対側の胸に線維腺腫があることも気になり、飲む選択をしたところです。けれど、5年という長い月日を思うと気も遠くなりそうで、またPgRが−だと、どれくらい効果が期待できるのかということも気になり、果たしてこの選択でよかったのかと、まだうじうじ考えております。この優柔不断な私に、先生のご意見を聞かせていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

St.Gallenのコンセンサスレポートによれば、ER(+)、PgR(−)は内分泌反応性不確実であり、腫瘤径がわかりませんが、ly1ということから一応Intermediate risk と考えると、化学療法→内分泌療法(化学療法+内分泌療法)が推奨されることになります。(文責 片山)

 

No.5547】   06年07月22日     H 
乳がんでしょうか?

初めて相談いたします。今35歳です。20歳くらいから乳腺症と判断されて、定期的に検診を受けていました。今年4月にも健康診断でマンモを受けたのですが、異常なしでした。ただ、その時「マンモでは映らないガンもあるので、自己触診をしてくださいね。」と指導をうけ、また近いうちにエコーの検査を受けようと思っていた矢先、5月の終わり頃から左の乳房に異変を発見しました。左乳房の乳首から外側(乳首から脇までの中間地点)に、縦に細長く5センチくらいのくぼみが現れました。腕を下げていると分からないのですが、万歳をするとすこしくぼんでいるのが分かります。心配になり婦人科でエコーをとったところ、5.7×4.6の黒い丸い影が映ったため、念のためマンモを撮りましょう、ということになりました。先生が、「しこりは触診をしても触れるほどの大きさにはなっていないし、まだ小さいので心配ない」と言われたのですが、乳がんの可能性はあるのでしょうか? また、皮膚がへこむのは進行がんの可能性が高いのでは?と心配です。乳がんの書物などを読んでいると、乳がんが発見されたときにはすでに遠隔転移していることもあると書かれてあり、一刻も早く検査し、結論を出してほしいのですが、マンモはすぐには予約が取れず、1ヶ月先になります。それまで検査を待っていても問題ないのでしょうか? 検査まで心配で食欲もわかず、体調を壊してしまいそうです。どうか詳しく教えてください。お願いします。

皮膚にくぼみができるのは乳癌だけに限らず、例えば静脈に血栓ができておこる静脈炎(血栓性静脈炎)でも、皮膚に縦に長いくぼみができる場合があります。4月に検査を受けられて異常なしとのことで、あまりあわてなくてもいいとは思いますが、ご心配でしたら主治医の先生と相談して少しでも検査を早めてもらってはいかがでしょうか?(文責 片山)

 

 

No.5546-1】   06年07月22日     H.I. 
初期癌ー浸潤性、非浸潤性について

本日、乳癌検診で癌の疑いを指摘されました。マモグラフィーでは影が映りませんが、超音波で1cmくらいのぎざぎざの影が映り、悪性である可能性が高いといわれました。すぐ生体検査(バイオプシー)をして、今結果を待っているところです。乳癌関係のウェブサイトを見ると、2cm以下の場合、非浸潤と浸潤性により、癌のステージも生存率も大きく違ってくるようです。初期(1cm)程度の大きさでも、浸潤性の癌である可能性はあるのでしょうか。突然、癌の可能性を示唆され、非常に不安です。

非浸潤癌(Tis)であれば、99%近い10年生存率が期待でき、2cm以下で腋窩リンパ節転移のないステージT症例では90%以上というところだと思います。浸潤性か、非浸潤性かということは大きさとはあまり関係なく、1cm程度でも浸潤癌ということはあります。(文責 片山)

 

No.5546-2】   06年07月31日     H.I. 
早期乳癌の治療先を探すにあたって

HPNo.5546でご回答いただき、ありがとうございました。残念ながら、今日告げられた検査の結果はClassV、乳癌とのことでした。検査をしたのがウィメンズクリニックであり、「希望の病院に紹介状を書きます」と言っていただきました。現在のところ、1cmくらいの、ステージ1の腫瘍とみられています。できれば温存+一番体に負担がかからず機能がおちない、最新の医療にかかりたいと思っています。たまたま海外の保険にはいっているため、保健医療でない、自費負担の治療をすることも可能です。
1) クラスVとはいえ、手術前に生検で浸潤、非浸潤を調べて手術の方針を決めるのが一般的ですか?
2) 内視鏡による手術をするリスク、デメリットは何だと思われますか? 日本では、聖路加や癌センターなど、乳癌の治療で有名な病院では内視鏡による治療は行われていませんが、再発リスクが高いなどの理由があるのでしょうか?
3) 放射線治療の代替として、収束超音波を使うことをどう思われますか? 切除断端にがん細胞が認められないと判断された場合は有効という考え方もあるようですが。
4) 都内の病院の先生宛に、検査をしてくれた検査クリニックから紹介状を書いてもらうことになりますが、聖路加、癌センター中央病院などが一般的な紹介先といわれました。機能低下を避けた、体に優しい治療を受けたい(かつ再発リスクもさげたい)とした場合、どなたに(どの病院の)みていただくことをお勧めになりますか?(申し訳ありません、失礼な質問と思われましたら、お答えくださらなくても・・・。病院名だけでも助かりますが。)

分からないことばかりで混乱していますが、よろしくお願いいたします。

1) 画像等の結果を総合的に判断し、細胞診結果に信頼性があれば、1cmの腫瘤に対し生検は必ずしも必要ではありません。
2) 内視鏡による手術は、必要以上に手術操作を行う場所が増えてしまうなどのデメリットもあります。特殊な治療として日本の一部の限られた病院で行っていますが、必ずしも患者さんにとってメリットが増えるわけではなく、普及していないのが現状です。
3) 現時点では放射線治療の代替にはならないと思います。
4) 申し訳ございませんが、この場ではお答えできません・・・。ただ、大切なのは病院ではなくて医師の選択だと思います。(文責 加藤)

 

No.5545】   06年07月20日     Y・K 
術後1年です

温存術後1年、ホルモン療法中ですが、ゾラ2年ゾルバ5年の長い長い1年がやっときました。まだまだ手術痕がかなり痛く、もしやと心配していますが、経過順調で、MRIや骨シンチ、触診や血液等、全く異常なく経過しております。1年では異常がなくても、これほど痛み残るものでしょうか? もう一つ質問ですが、婦人科の検診を受けるにあたって、通院中の総合病院では待ち時間が非常に長いので、できれば最寄りの病院での受診を希望しています。そこで、この治療中に受けておきたい婦人科の検診項目をお聞きしたいのです。また、これから、どのくらいの頻度で婦人科を受診したら良いのでしょうか。

術後の痛みに関しては個人差もありますが、多少は残る方はいらっしゃいます。しかし月単位、年単位で見ていくと、少しずつ軽減してくるケースが多いようです。ノルバデックスの長期投与例で子宮内膜癌の発生が若干増えるとされておりますので、こちらの検診を念に一回ぐらい受けてください。(文責 片山)

 

No.5544-1】   06年07月20日     H.M
術後5年の検査について

以前にも相談させていただきました。52歳閉経。5年前に右乳房全摘手術(リンパ節転移13/23)、抗がん剤、放射線をして現在ノルバデックス服用中で、今まで特に異常無く元気に過ごしてきました。今月末に定期検診に行きます。ノルバデックスは5年で終わるようになっていますが、私はかなりハイリスクなので薬をやめることはとても心配です。それで診察の時主治医の先生に今後のことについてお聞きしようと思いますが、外来患者さんがとても多いのでゆっくりお話ができません。どんなことを聞けばよいでしょうか。事前に準備していこうと思います。お忙しいところこんな相談で申し訳ありません。よろしくお願い致します。

アロマターゼ阻害剤という種類の閉経後乳癌に対する内分泌療法剤で、特にフェマーラ(レトロゾール)という薬が、ノルバデックス5年服用後の追加投与(5年)で、無病生存率が向上したというMA17試験でのデータがあり、今後の治療のひとつの選択肢として考えられます。(文責 片山)

 

No.5544-2】   06年11月18日     H.M
ゲルマニウムについて

以前HPNo.5544で相談したものです。10月からフェマーラを服用していますが、今のところ副作用もありません。術後1年で右腕がリンパ浮腫になり、現在も続いています。先生からは肥満にならないようにと言われています。しかし、最近ベスト体重より5kgも増えたので、食事と運動でダイエットを始めました。ご相談したいのは、「ゲルマニウム温浴」は体脂肪を増やさない効果があるらしいので、それもやってみようかと思っていますが、よろしいでしょうか?よろしくお願い致します。

術後のリンパ浮腫はなかなかやっかいで、すっきりと軽減させる方法はなかなかありません。やけどや怪我などに気をつけて、今よりも悪くしないように心がけることが肝要かと思います。ゲルマニウム温浴が、ダイエットひいてはリンパ浮腫に対しての効果があるかどうかの科学的検証はありませんが、過ぎなければ精神的なリラクゼーションが得られるという意味での効能はあるとは思います。(文責 片山)

 

No.5544-3】   07年08月06日     H.M
定期検診について

以前HPNo.5544で相談致しましたが、来月で手術をして6年になります。7年目の検診についてお聞きしたいのですが、今月検査を受けますが、予約はマンモグラフィだけです。昨年は骨シンチ、エコー、胸のレントゲンをしました。先月採血をしていますが、結果はまだです。診察日に主治医の先生から他の検査について何も言われなければ、こちらからお願いしてみようと思うのですが、7年目の標準的な定期検査について教えていただけませんか。お忙しいところ、よろしくお願い致します。

施設により術後経過観察の方針が違うと思いますが、乳癌術後の場合、術後10年まではCT・骨シンチを含めた全身検索を行なうのが適当と思います。(文責 首藤)

 

No.5544-4】   07年09月12日     H.M
骨転移の痛みについて

HPNo.5544で相談致しましたが、いつもご回答いただきありがとうございます。 検査の結果異常なしでしたが、「マンモグラフィは5年目迄検査しますが、それ以降は何か症状があった時にします」と、主治医(乳癌専門医)の先生に言われました。私としては不安がないわけではありませんでしたが、20年以上お世話になっている先生で、とても信頼していますので、それでいいかなと思ってます。ただ、骨転移の痛みについて、肩こりや腰痛などどはっきり区別がつきますか? 今、フェマーラを服用していますが、副作用の関節痛はまだ出ていません。どんな痛みなのでしょうか? お忙しい中、よろしくお願い致します。

骨転移の痛みは圧痛を伴うことが多く、また肩こりや腰痛と違い自然に軽快することはありません。アロマターゼ阻害剤の副作用による関節痛は個人差がありますが、手足のこわばるような痛みを訴える方が多いようです。(文責 浜口)

 

No.5543】   06年07月20日     i-mi 
放射線照射後1年です

非浸潤癌の診断を受けて放射線30回照射して1年がたちました。ホルモン剤は飲んでいません。
1) 定期検診は5月30日が最後で、今後は1年に1回検診に来るように言われましたが、そのような間隔で再発が早期に判るのか不安です。1年毎でも大丈夫でしょうか? 普通は2年目まではどのような検査がありますか?
2) 6月に婦人科検診で卵巣が3センチぐらいですと言われたのですが、腫れている=腫瘍の可能性もあるということでしょうか? 何かあれば電話連絡しますという病院で、電話がなかったので大丈夫とは思っているのですが・・・。
3) 主治医より「放射線照射は被爆です。皮膚は見た目は変わりないですが、汗腺や毛根はダメージを受けています。」と言われました。その言葉がずっとひっかかっています。実際、照射線が当たっていた脇は発毛がありません。照射した皮膚はかさっとしています。放射線照射により今後細胞が異型を起こし癌細胞になる可能性は高いのでしょうか?

お忙しいお仕事の中、つまらない質問で申し訳ありません。

1) Pureな非浸潤癌で断端が陰性であり放射線療法を行っていれば、再発の可能性はかなり低いと思います。今後新しく出てくるかもしれない乳癌に対しての検診というニュアンスのほうが大きいかもしれません。乳癌診療ガイドラインによれば非浸潤癌に限らす乳癌全般についてですが、術後1-3年目は3-6ヶ月ごと、術後4-5年目は6-12ヶ月ごとの問診、視触診、また年1回の対側・同側のマンモグラフィー撮影が推奨されるとしています。
2) やはりご自分で病院にお問い合わせいただいたほうがよろしいと思います。
3) 放射線療法による副作用はもちろんありますが、乳癌の局所コントロールに対するメリットのほうがより大きいと考えます。(文責 片山)

 

No.5542】   06年07月20日     M.K. 
術後治療について

63歳の母についてご相談させていただきます。先日温存手術をして病理結果がでました。「2A期 2.1×1.9×1.7、 リンパ節転移なし(0/4)、 エストロゲン受容体 +、 プロゲステロン受容体 +、 核異型度 3、 HER2 2+(ほぼ陰性)、 断端陰性」
術後治療として2つの方法の説明を受けました。
1.抗がん剤(AC4回)→放射線(25回)→アロマターゼ阻害剤(5年)
2.放射線→アロマターゼ阻害剤

主治医は、「悪く見て核異型度が3なので、抗がん剤をするか、それとも無しでいくか」と。後で後悔はしたくないので、抗がん剤をした方が良いとは思いますが、予防の意味での抗がん剤は効き目があるのかわかりませんし、副作用のことを考えると悩んでしまいます。やはりやっておいた方が良いのでしょうか? 抗がん剤をすることで再発転移率はどれくらい上がるでしょうか? よろしくお願いします。

腫瘤径が2cmを越えており、核異型度が3という2つの点で、2005年のSt.Gallenのコンセンサスレポートによるリスクカテゴリーが、Low riskではなく、Intermediate riskということになります。この場合、内分泌療法単独か、化学療法→内分泌療法が推奨されることになります。Intermediate riskグループの患者さんに化学療法を併用する具体的な基準はこのレポートには明記されていませんが、内分泌療法に対する反応性が確実か不確実かの程度、あるいは再発の相対的なリスク、年齢、忍容性(毒性)、社会経済的な問題、患者さんの希望を考慮して決める、と記載されています。一方日本の乳癌診療ガイドライン(薬物療法)によれば、「CMF療法を中心とする多剤併用化学療法はリンパ節転移陰性乳癌の年間再発率を26%、年間死亡率を18%それぞれ減少させること、投与薬剤に関してはアンスラサイクリンを含むレジメ(AC,EC,CAF,CEFなど)はCMFと同等、あるいは生存率が良好であったと報告されており、タモキシフェン(ノルバデックスなど)と化学療法の併用に関してはタモキシフェンと多剤併用化学療法を併用したほうがタモキシフェン単独よりも無病生存率で優れていたと報告されている。」と記載されており、術後療法として推奨されるとなっていますが、「副作用も多かったと報告されており、それぞれの症例に合わせて投与薬剤を決めるべきである。」と記載されています。(文責 片山)

 

No.5541】   06年07月20日     M.S
薬の服用について

初めてご相談させていただきます。昨年3月に左乳房温存手術をしました。ステージ1、リンパ転移なしで、放射線照射を25回しました。まだ子供がいないので、ホルモン療法はしていません。39歳です。子供が欲しく、産婦人科へ通院しています。乳がんの話はこちらの先生にしていますが、今回、注射とデュファストンという黄体ホルモン薬が処方されました。この薬は、飲んでも大丈夫でしょうか? よろしくお願いします。

合成黄体ホルモン剤であるデュファストン自体は乳癌に対して禁忌ではありませんし、副作用としての発癌の問題もないと思います。再発のリスクは個々の患者さんによって違いますが、再発する方の多くが術後2-3年以内にみつかることから、少なくとも術後2年は妊娠を待った方が良いかもしれません。(文責 片山)

 

No.5540】   06年07月20日     H.I.  
「検査」なの?「手術」なの?

細胞針クラス4で、生検をしました。生検の内容は、腫瘤を丸々摘出した腫瘤摘出術なのですが、これは、「治療を直接の目的としない手術」なのですか? 「治療を直接の目的としない手術」とは、「たとえば、美容整形上の手術、疾病を直接の原因としない不妊治療、診断・検査(生検、腹腔鏡検査など)のための手術などのことをいいます。(某医療保険の定義)」とあるのですが、どうなのでしょうか? ちなみにその後、温存手術もしています。もし、これが検査目的の手術だというならば、大腸ポリペクトミーはどうなのですか? こちらも、同じく検査から始まり、途中で疑わしい腫瘤を摘出して、後の病理診断で結果がでるという観点においてはまったく同一のものと推察されますが、こちらは、保険会社曰く、「治療を目的とした手術」に該当するそうなのです。どうしても納得ができません。医学的な見解を教えてください。よろしくお願いします。

最初の摘出術はどちらかといえば腫瘤の良・悪性を判断するための検査目的での手術(生検)であり、(お話の内容からはおそらく結果が悪性であったため、その後温存術を行ったと思われますので)2回目の手術は治療目的での手術と考えられます。(文責 片山)

 

No.5539】   06年07月20日     A.G. 
右脇のしこり

26才、東京都在住女性です。3日ほど前から、右脇の下にごりごりした1センチほどのしこりがあり、触ると痛いです。鏡でみると右だけ少し盛り上がっている感じです。今生理前なので、乳房は生理前の痛みはありますが、外観は特に変化ないと思います。乳ガンではないと思うのですが、心配でしかたがなく、ご相談させていただきました。ちなみに、低容量ピル・シンフェーズを服用して1年半ほどたちますが、そろそろ妊娠したいと思っています。申し訳ないのですが、よろしくお願いします。

ピルには乳房痛、乳房緊満感といった副作用があります。乳癌は痛むことは少ないので心配は少ないと思いますが、念のため乳腺外来を受診して診てもらって下さい。(文責 片山)

 

No.5538】   06年07月19日     S 
DCISの術後補助療法について

初めまして。相談室は、とてもすばらしい場ですね。[No.5407]矢吹Dr.の回答に、「ホルモン療法の薬と放射線照射が標準的な非浸潤癌の補助療法である。補助療法を行わないことが気になる」と書いていらっしゃるのを読み、私も補助療法を行っていないので、少し気になり、ご相談いたします。6月に部分切除手術を行いました。
intraductal carcinoma with remarkable mastopathy、DCIS、腫瘤大きさ1cm、センチネルリンパ節0/1、他に0/1、断端Free、Margin1cm以上、組織、細胞核異形度グレード1、ホルモン受容体陽性(切り出した標本の端に近い部分に)atypical ductal hyperplasia(ADH)を見るが二相性が保たれている。

主治医の先生の判断: 「年齢45、腫瘍径、核異形度、マージン」の4つの事項をみると、再発の恐れがほとんどないので、術後治療は必要ない。経過観察は必要。これはVan Nuysの指針により判断している、ということでした。

質問
1) ADHとはどういうものですか? 悪いものではないのですか? 端の方にADHがあっても、マージン1cm以上と断定していいのですか? また、切除していない部分にADHのある可能性はあるのでしょうか。これが原因となって、この先、再発する可能性があるのでしょうか。
2) 術後の治療を行わないことは標準的ではないのでしょうか? 私は、「副作用と再発のリスクとを考え合わせると、治療をしないことのほうが総合的には良いということなのだろう」と解釈しているのですが、それで問題ありませんか? 

主治医は私にとって信頼できる先生で、治療方針や説明に納得していますが、自分の病気に関することは、できるだけ多くの情報を知っておきたいと思っていますので、ご意見をうかがえればありがたく思います。どうぞよろしくおねがいします。

1) ADHはAtypical ductal hyperplasia:異型乳管過形成のことで乳腺症の部分像であり、それ自体悪性病変ではないが経過観察を要します。切除していない残った乳腺内にADHのある可能性もあり、ここから乳癌が発生してきた場合は、再発というよりは新たに出てきた乳癌と考えられるかもしれません。ちなみに2006年のNCCNのガイドラインにおける非浸潤性乳管癌(DCIS)の切除断端の評価に関する記載について掲げておきます。 「 DCISにおける病理切除断端陰性の定義についてはさまざまな意見がある。議論は、病変の多様性、過形成範囲を同定することが困難であること、断端の位置を解剖学的に把握することが困難であること、およびDCISの予後因子に関する臨床試験が不十分であることから生じている。10mmを超える断端は、多くの場合、陰性として広く受け入れられている(しかし切除範囲が大きくなり最適な美容上の効果が得られない可能性がある)。逆に、1mm未満の断端は陰性とするには不十分とみなされる。現時点では1-10mmの断端について最適な結論を見出す十分な根拠は得られていない。」
2) 同じくNCCNのガイドラインによれば、「0.5cm以上のDCISの場合は、一次治療としてリンパ節郭清を行わない乳腺腫瘍摘出+放射線療法またはリンパ節郭清を行わない全乳房切除術±再建術を行い、術後療法として、乳房温存療法(乳腺腫瘤摘出術)と放射線療法で治療した患者さんにはタモキシフェン5年間を考慮する」ことが推奨され、放射線の省略は患者さんの希望、年齢、併存疾患、腫瘍切除断端および腫瘍悪性度をもって考慮する、となっています。(文責 片山)

 

No.5537】   06年07月19日     T.K. 
脇の軽い痛みとしこりについて

はじめまして。31歳、子供二人(8歳、5歳)いる主婦です。以前から多分生理前だったと思うのですが、脇の横あたりの部分が、たまにズキッと痛むことがあったのですが、今回の生理前(7月7日)には特に痛く(痛み自体はそんなにひどくはない)、気にしていても仕方ないので、近所の70歳くらいの先生がしている外科に診察に行きました。触診でも異状(しこりなど)はなく、乳腺エコーをとったところ、小さいのう胞(?)があるけれど癌化することはないだろうと言うことでした。年齢が31歳なので、まだ自治体の乳がん検診の年齢ではないので、念のためマンモグラフィーもとってもらいましたが、やはり異常はないとの事でした。脇の痛みは生理前のものだろうということでした。のう胞の不安が少し残りましたが、一応納得して帰ってきました。しかし、脇のあたりが気になり(生理が終わってもたまにズキッと痛むので・・)触っていたら、脇の多分リンパ節のところだと思うのですが、米粒より小さいようなしこりのようなものが無数にふれます。先生に教えていただいた自己検診のやりかた(石鹸をつけて四本の指でなでる)などでは触れないのですが、少し強めに押し触ると触れます。これはしこりとは言わないのでしょうか・・・。乳がんのしこりならば上記の自己検診のやりかたで触れるのかなとも思うので、気にしすぎだとは自分でも思うのですが・・・。一度診察も受けていて乳房には明らかなしこりもありませんが、左の脇にはあり、右にはないようにも思い、気になりメールさせて頂きました。普通に触っても触れません。きつめに押し触ると触れるのです。やはりもう一度違う病院を受診すべきでしょうか? 長々となり申し訳ありません。ご返答お願い致します。

乳房の特に生理前の張り、痛みはよくある現象で、癌の危険性と直接結び付けて心配されなくてよろしいと思います。また、のう胞も30歳前後から始まる乳腺の年齢的な変化に伴って起こる現象で日常診療では最も多く見る所見です。エコー、マンモグラフィーまで受けておられるので、まず心配はないと思いますが、気になるようでしたらもう一度主治医の先生にご相談なさってください。(文責 片山)

 

No.5536】   06年07月19日     A.N. 
非浸潤癌について(2)(HPNo.5474-2)

HPNo.5474で質問させていただきました。先日、再検査の結果が出ました。今回も3年半前同様、病理では癌とは判断できないという診断でした。でも、診察医は「石灰化が増えているということは、増殖性の何かがあると思うし、画像からやはり自分は癌を疑う」と言います。双方の(病理と)意見が合わないと癌としての治療はできないので、MRM検査後、検査のための切除を行いたいとのことです。そこでいくつか質問があります。
1) 検査は、マンモトーム生検を行う予定でしたが、エコーでターゲットがはっきりわかっているとのことで針生検でした。針生検でも石灰化部分について十分な検査ができた(8本取れた?と言っていました)とのことですが、それだけでは診断はつかないのでしょうか?
2) 診察医が癌を疑う理由として、石灰化が増えたことを挙げられましたが、それはやはり癌を疑うには十分な理由なのでしょうか?(石灰化の範囲は広がっていない、形も丸っぽいといえば丸い・・・と言います)
3) 非浸潤癌だった場合、「手術はしこり(1.7cm)のある乳管部分とその周辺の石灰化部分を切除するのみで、乳房の変形はなく、入院も1日で済む」と言われましたが、手術による乳房の変形は本当にないのでしょうか。(脂肪をうまく動かす?とのこと。どのくらい取るのかお聞きしたら、手で3cm×8cmくらいの形を作って「このくらいです」と言われました)

以上、ご意見をお聞かせください。よろしくお願いいたします。

1) 実際の画像による石灰化の形態や広がり、また周囲の所見を拝見していないのではっきりしたことは申し上げられませんが、主治医の先生は、石灰化の部分に対するサンプルは十分に取れたが、もう少し組織全体としての構造を見たり、またほかの部位に微細な癌が潜んでいないかどうかを探る意味での生検が必要だと考えられているようにお見受けします。
2) 経過観察をしていく上で、石灰化の数の増加は確かに注意しなければいけない所見のひとつだと思います。
3) 変形はかなり少なくてすむ印象ですが、実際のお乳の形、大きさ、しこりの存在部位(内側?外側?腫瘤乳頭間距離)等によってバリエーションがあり、一概には言えません。(文責 片山)

 

No.5535】   06年07月19日     N.T.
骨盤転移について(2)(HPNo.5484-2)

HPNo.5484で質問させていただいております。再度ご相談いたします。MRIの結果、読影医の所見では『転移が最も疑われる』との事でした。乳腺の主治医は『画像的にみても、初発の病理結果的にも転移は考えにくい』との事ですが、はっきりさせる為に整形外科にて生検手術を受ける事になりました。整形外科医は『MRI画像では転移で間違いないと思うが、骨シンチの画像は良性っぽいので五分五分』との事。12月の腫瘍マーカーが、NCC-ST439→13でした。正常な人でもこれくらいの数値はあるので問題ないとの事で、このマーカーは前回のみしか検査していません。CEA、CA15-3、1-CTPについては基準値内です。先生方の見解が違うため、どう受け止めるべきか困っています。
1) MRIで疑いがあっても、良性と結果がでるものでしょうか?
2) 病理結果的に腸骨への転移の可能性はどれくらいでしょうか?(右全摘(乳頭温存)、T期。微小(1ミリ)浸潤性乳管癌、リンパ転移なし 0/13)
3) 転移だった場合は、どのような治療法が良いでしょうか?
4) NCCの腫瘍マーカー値は、転移の兆候だったとも考えられますか?

質問ばかりで申し訳ございませんが、何卒、よろしくお願いいたします。

1) 画像診断はすべて100%確実というわけではありません。MRIで疑いがあっても良性と結果が出ることも十分にありえます。
2) 数字はお示しできませんが、病理の結果からは転移の可能性は低いと考えられます。
3) 全身療法としては、まずLH-RHアゴニスト(ゾラデックス、リュープリン)+ノルバデックスによる内分泌療法が考えられると思います。場合により、局所への放射線療法の追加も考慮されると思います。
4) 一回のみの測定結果であり、なんともいえないと思います。(文責 片山)

 

No.5534】   06年07月16日     グレ
ラロキシフェン

病歴:'99閉経後乳がん(現在62歳)乳房温存後、放射線、CMF、フェアストン5年間服用、6年目(5年11ヶ月)の検査で局所再発し全摘。その後アリミデックスを飲んで1年3ヶ月になりますが、関節痛、脱毛、粘膜の荒れなどの副作用がいろいろ出ています。先日、萎縮性膣炎になり、婦人科でエストリール座薬を処方されました。5日間くらいの使用では乳がんに悪い影響はないのでしょうか? また、アロマターゼ阻害剤はどれも同じような副作用があるようですが、ラロキシフェンを骨粗鬆症の予防も兼ねて使用した場合、アロマターゼ阻害剤と比較すると効果はどうなのでしょう? 現在経過観察中で、主治医から次の薬の提示はありませんが、選択肢の一つになるのではと考えています。もちろん、乳がん治療薬として未承認であることは承知しています。よろしくお願いします

女性ホルモンを膣炎で使うというのも、乳癌患者さんにはお勧めできません。ラロキシフェンは、海外ではそのようなデータもありますが、副作用や未知な部分もあります。まだAI剤と直接比較のデータはないと思います。(文責 石山)

 

No.5533】   06年07月16日     I.M.  
葉状腫瘍の疑い

いつも参考にさせて頂いています。去年の7月から経過観察をしている8mmの腫瘍がありました。細胞診では、「良性と思われるが悪性を完全に否定できない」という結果でしたが、3ヵ月後に大きさ(8mm)に変化がなく、経過観察を継続していました。今年5月に半年振りのエコーで、近くに新しく腫瘍が発生したのですが、次は1年後でよいと言われ、気になったので違う病院で診察を受けました。2つとものう胞を疑う画像でしたが、新しく発生した腫瘍が形がやや縦長、叔母が40歳代、母が60歳で乳癌になった事もあり、ここでも細胞診を行いました。この時点でも粘液状のものが多く採取され、のう胞ではと言われていました。結果はクラスV(非浸潤癌も否定できない)で、エコーガイド下のマンモトーム生検も受けました。結果は「7本採取した組織のうち、1本に葉状腫瘍を疑うものがありました」との事でした。
1) 組織診は確定診断と聞きますが、結果は<葉状腫瘍の疑い>と断定できない場合もあるのでしょうか。
2) 先生は「良性です」と言われたのですが、葉状腫瘍と断定できない段階で良性と断定できるのでしょうか。
3) 次回は3ヶ月後にエコーでの診察です。今後、葉状腫瘍かどうかを見極めるには、大きさと形の変化を観察する以外にはないのでしょうか?時間を置いて、再度生検を受ける必要はありませんか。
4) 大きさに変化の少ない葉状腫瘍(良・悪性含め)などは存在しないのですか。

取りあえずは一安心というところなのですが、「葉状腫瘍は大きくなる、悪性の場合は有効な化学療法が無い」などと見るにつけ心配になってしまいます。何卒、ご教示頂きたく宜しくお願いします。

1) 疑いというのは、マンモトームも標本が小さいので取れた場所によっては疑いという事もあります。
2) 悪性葉状腫瘍はかなり少ないので、可能性としては良性が多いという事です。例外はいくらでもあります。
3) 心配なら、すべて取る腫瘍摘出術をする事も選択肢の一つです。
4) 変化するものもあれば、しないものもありますが、大きくなる場合は悪性の可能性もあるという事です。(文責 石山)

 

No.5532】   06年07月16日     JM
エコーで写らないしこり

アドバイス頂けましたら幸いです。6月にマンモグラフィを初めて受け、左乳房しこり・要精密検査の通知が届きました。すぐに乳腺外科を受診し、専門医の触診で「小さいけれど確かにしこりがある」 と説明を受け、エコーと細胞診の予約を入れ、一昨日実施しました。すると、「触診では確かに他の部位に比べて固い部分はありますが、何度確認してもエコーの画像として写りません。経過観察ということで、3ヶ月後に再度エコーを受けて下さい」と言われました。細胞採取もしておりません。自身が納得したいという思いもあり、他の病院でもう一度検査を受けようと考えています。マンモグラフィで写ったしこりが、エコーでは見られない。こういうケースはあるものなのでしょうか。49歳です。

マンモグラフィーで写って他の方法で分らないしこりを調べるのはかなり難しいですが、マンモトームで調べる事は可能です。(文責 石山)

 

No.5531】   06年07月16日     N.N
受診の必要性について

この度初めてご質問させていただきます。お手数をお掛けしますが、どうぞ宜しくお願い致します。29歳女性です。1ヶ月前に初めて左胸の付け根辺りにピリッとした痛みを感じ、その後触る度に痛みを感じるようになりました。ブラジャーを外す瞬間とかも痛かったです。整形外科を受診したところ、「筋肉の疲労から来ているかも」と言われ、消炎剤を10日程飲みましたが治らず、風邪の時にもらった抗生物質を10日程飲んでみましたら、なんとなく軽減して一時は治ったようになりました。が、この3.4日前から症状が再発してきました。痛み方は、やはり触るとピリッとかチクッとして、しばらく触り続けていると痛くなくなります。最近は痛む場所が乳頭や乳輪の辺りになりました(部分的な感じです)。自分で触ってみても、しこりというものがあるようには思えなく、赤みや膿もありません。生理前の張っている痛みとも違う気がします。なんといっても左側だけというのが気になりまして・・・。今日は気にしすぎて触りすぎているせいか、腫れぼったくなってきた気もします。右は全く痛くありません。次の仕事が休みの日に今度は婦人科を受診しようと思っているのですが、かなり心配になってきたので、救急で見てもらった方がいいものなのかも含めて、ご意見どうぞ宜しくお願い致します。

次の休みが何日後か分りませんが、早めに受診して、行かれるなら婦人科でなく乳腺外科に行かれる事をお勧めします。 (文責 石山)

 

No.5530】   06年07月16日     JN
術後の治療法について(HPNo.5396-2)

一度HPNo.5396でお世話になり、ありがとうございました。38歳、子供あり、閉経前です。6月21日に左乳房全摘出手術をして、先日病理の結果が出ました。腫瘍の大きさ 2.0x1.6x1.1cm、硬癌+乳頭腺管癌、リンパ管侵襲:ly3、静脈侵襲:v1、核異型スコア2、核分裂像スコア2、グレード2、リンパ節転移2/21、HER2 Score:0、 ER Score:3、 PgR Score:3 でした。主治医には、「今後の治療方針は、ハイリスクということでEC4クール、その後できればタキソール4クール、更にホルモン治療をリュープリン2年+タモキシフェン5年」と言われました。
1) タキソールは必ずしたほうがよいでしょうか。ECを終えた時点でホルモン療法に移るのはどうでしょうか。またその他に、標準的な治療法はありますか。
2) 腫瘍が左胸内側にあったこと、また胸筋に近く、断端から1mm以内に浸潤癌がある(露出はない)、と書かれています。放射線をあてるという選択肢はありますか?
3) 抗がん剤治療を行うとき、白血球はどのくらいの値がないと打てないのでしょうか。

以上3点、よろしくお願いいたします。

1) 再発の心配があり、ハイリスクと思いますので、提示された治療が最も理想ではありますが、途中で副作用が出れば、止めざるを得ない事もあります。
2) 胸筋は筋膜をはがして手術する事で比較的近くても、再発は少ないと言われていて、放射線はその点では不要ですが、それ以外の局所再発や遠隔転移は減るというデータ‐もあるので、ご相談されて下さい。
3) 一般には2000以下でしょうか?3000にしている施設もあります。(文責 石山)

 

No.5529】 06年07月15日     Y  
放射腺治療後の通院期間について

ご相談致します。1期で温存手術をいたしました。放射腺科の通院についてですが、術後何年くらい行くのでしょうか? 医師は、どういうことに注意して診察されるのでしょうか? 私の担当の医師は、親切で丁寧に首のまわり、両脇、手術の痕などを診察してくれますが、投薬の必要も無いので、「行かなくてもいいのでは?」と思います。通院しない場合は、どのような症状に注意が必要でしょうか?

放射線治療の照射回数は25回程度行います(病院の休診日は施行しません)。約5−6週間といったところでしょう。術後通院に関しては施設により若干の違いはありますが、基本的に再発の多い3年以内は3〜4ヶ月後の視触診・超音波・マンモグラフィーが必要と言われています(投薬の有無は関係ありません)。その間に胸部X腺やCT、骨シンチ、腹部超音波などを追加する事もあります。3年以降に関しても通院が不要なわけではなく、定期的な(期間は施設により異なります)検査は必要です。最後になりますが、肺や肝臓、骨への転移は初期に症状がないのがほとんどです。(文責 比嘉)

 

No.5528】 06年07月15日     A.D.  
白血球減少による抗がん剤の延期について

昨年秋に左胸全摘し、FEC4クールを終え、現在タキソールとハーセプチンを投与しています。 タキソールはweeklyで12回連投しようということで、3月半ばより開始しました。 私の主治医は白血球が2500以下であると投与はしないという考えのようで、今までに3回延期しています( 現在9回目まで終了しています) 。白血球が少ないからといって注射をしてくれるわけでもなく、1週間待って増えていたら点滴、まだ少なかったら、また延期という感じです。 12回連投でする予定が、結局 4回→(2回延期)→1回→(1回延期※GWのため)→2回→(1回延期)→2回→(1回延期:本日) 。延期する時の白血球数は2300ぐらいです。こんなとびとびの点滴で効果があるのか不安です。やはり効果は薄れてしまうのでしょうか? また注射をして白血球数をあげるということは、あまりしないのでしょうか? お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いします。

化学療法は可能な限り定期的に投与するのが効果的です。白血球をあげる注射薬(G-CSF)を投与しながら化学療法を行うこともありますが、必ずしも有効な方法とは言えないことも事実です。(G-CSFの使用は白血球内の顆粒球が1000未満で発熱を伴う場合や、顆粒球が500未満で保険適応とされています)
継続が難しい場合は、薬剤の変更を余儀なくされる事もありますので、主治医と良く相談して下さい。(文責 比嘉)

 

No.5527】 06年07月15日     P.S.
切除手術

30代前半女性。左乳頭にびらんが出来、びらん直下にしこりが見つかりました。パジェット癌疑いです。あと乳頭直下の乳がんも考えられますが、このしこりが良性の場合は、切除手術は回避できませんか? 出産がこれからですので・・・。

しこりが良性の診断であれば乳房切除の必要はありません。しかしパジェット癌の場合は全摘術を勧められる可能性が高いと思われます。当然の事ながらまずは診断です。(文責 比嘉)

 

No.5526】 06年07月15日     K 
母の今後について

初めてメールさせていただきます。乳癌の全摘出手術をしてから三年目に肺に点々と転移あり、胸壁、骨にも転移が見つかってから、約一年二ヶ月が過ぎます。3パターンくらい抗がん剤を替え、現在タキソールで様子を見ています。そして、「このクールが終了したら、一度抗がん剤をやめて様子をみましょう。」と言われました。もう薬が効かないということなのでしょうか? もし、どの薬も効かなくて最悪の場合で、後どのくらい生きられるのでしょうか? また、薬がうまく合えば、どのくらい生きられるのでしょうか? 後三年位生きる確立は、あるのでしょうか? 私は、20歳の時父を癌で無くし、現在27歳で、もしかして母まで・・・という不安でしかたがないです。母は現在59歳で一人暮らしです。私は結婚して離れて暮らしてるので、いずれは私の実家に戻って母と同居しようと考えているのですが、急いだほうが良いのでしょうか? わかりづらい内容のメールですいません。どうかよろしくお願いします。

お気持ちお察しします。再発した場合、抗癌剤の投与期間に対し明確な目安はありません。私の推測ですが、進行がみられないので一度止めてみましょうと言われたのではないでしょうか? 再発乳癌の治療目的は、症状緩和、QOL改善、延命と言われています。その上で最適な化学療法の期間を考えなくてはなりません。この点は主治医とよく相談しなければならない問題です。再発乳癌が完治する事はありませんが、余命に関しては判断が難しいというのが正直なところです(病気の進行でかなり変わってきます)ので、同居に関して急いだ方が良いか判断はできません。最後に、抗癌剤が奏効した場合ですが、4〜5年以上生存されている患者も少なくありません。(文責 比嘉)

 

No.5525】 06年07月15日     Y.S.
ノルバデックスと卵巣腫大の関係について(HPNo.1905-3)

HPNo.1905で質問をさせていただいております。あれから4年経ちます。今のところ、再発もなく無事に過ごしており、感謝しています。ノルバデックスは3年8ヶ月飲み、あと残すところ1年ちょっとです。子宮ガンの検診も半年毎に受けており、先日卵巣が腫れていると指摘を受けて、MRIの検査をしました。まだ結果はでていないのですが、エコーでは30m×35mで、3cm以上は腫大といわれました。主治医に薬との関係を聞いてみたのですが、卵巣にはあまり影響はないと言われましたが、薬の副作用では0.1%の人に見られると記載がありました。また、中性脂肪が高く(300)、薬の副作用なのではないかと思っていますが、この薬を飲んで高い人はどのくらいいますか。卵巣と薬の関係、中性脂肪と薬の関係について教えてください。よろしくお願いします。

ノルバデックスは卵巣への影響は少ないとされています。しかし若干ではありますが、エストロゲン作用を認めると言われていますので、卵巣腫大の原因としての可能性は否定できません。
ノルバデックスの内服で中性脂肪の増加をみることがあります。その際は、(経過にもよりますが)高脂血症治療薬の併用や薬剤の変更にて対応する事もありますので、主治医の先生と良く相談されて下さい。(文責 比嘉)

 

No.5524】 06年07月15日   M.U.
化学療法中の副作用について

2006・4・28 右乳がん全摘手術。6・14 化学療法の2回目投与(EC療法)。2005年秋に閉経です。1回目の抗がん剤ではでなかったのですが、実は現在生理中のような症状がでています。副作用の一つでしょうか?出血量は少ないのですが・・・。子宮ガンなのでしょうか?

お返事遅れまして大変申し訳ありません。ホルモン治療に関する記載がなかったのでホルモン剤の影響かどうかは不明です(抗癌剤ではこのような症状はあまりみません)。基本的に不正出血の場合は子宮癌の検診も含め婦人科受診をおすすめします。(文責 比嘉)

 

No.5523-1】 06年07月15日    Y 
転移後の治療について

はじめてメールさせていただきます。母の治療方法について少し不安があり、心配で質問させて頂きたいと思います。よろしくお願いします。
一年半前に脳へ転移し、放射線での治療で腫瘍は残っておりますが、今現在も大きくなったりなどはしておりません。しかし、その半年後、脾臓への転移が確認されました。
そのあと、タキソテールを打ち、腫瘍マーカーは下がったのですが、副作用がひどく出たため、抗がん剤を休んでいる間にまた急激に上がったので、体調が戻ったところで、次はタキソールという抗がん剤を打ちました。タキソールは打った当日は眠気がひどいのですが、体調は良く、普通の生活に支障はありませんでした。検査では、700位あった値が170程まで下がりましたが、白血球の減少が見られたので100mlを80mlに減らし、投与を続けました。すると次の検査の時は白血球は正常に戻りましたが、腫瘍マーカーが600弱程まで急激に上昇してしまいました。もうタキソールの投与には限界があると思われると言われ、これ以上他の抗がん剤を打って体に負担をかけるのはあまり良くないので、治療方法を変えましょうと言うことで、ゼローダを処方されました。
先生は何も知らない私たちにわかりやすい様に、「今までの抗がん剤とは違い、がん細胞を殺すものでは無いので、腫瘍マーカーの値は上がっていくと思いますが、このまま抗がん剤を打ち続けて調子の良い体調を悪くするよりも、一日でも長く今の体調が良い状態を保ちながらがん細胞と付き合っていくという治療に切り替えていこうと思います。」と説明されました。先生の言っている意味はわかりますが、値が上がったからといって治療方法をこんなに早く切り替えてしまって良いのかと思い、心配で不安なのです。まだ体調も良い状態で、抗がん剤を打てば、値が下がったりしているのに、「他に方法はないの?」と、頭からモヤモヤが消えません。「値が上がっていく」という言葉が引っかかってしまい、「もう値が上がっていくのを見ているしかないの?」と納得がいかない部分があるのです。
一般的にどの先生もこの様な方法をとるのなら安心なんですが・・・。母はセカンドオピニオンを好まず、転院しないのに他の病院へ行くのを嫌がるので、一般的な考え方や治療方法を、こちらで参考になる意見をお聞かせ頂けたらと思いメールさせていただきました。もし他に方法があるのなら、母にセカンドオピニオンを勧めるキッカケになります。よろしくお願いします。

これまでに行った抗がん剤が分らないので、タキサン、ゼローダ以外ならアドリア(EC,AC,FAC,FECなど)、CMF、ナベルビン、飲み薬ではティーエスワン。HER2陽性ならハーセプチン、ホルモン感受性があればAI剤など色々ありますが、使ってないもの、適応があれば試せます。(文責 石山)

 

No.5523-2】 06年07月22日    Y 
転移後の治療について(2)

お忙しい中、ご回答ありがとうございます。抗がん剤はタキソテールとタキソールを使っただけですので、まだ試すことのできる薬はあると言う事がわかり、ありがとうございます。再度、質問させていただきたいと思います。母の場合、点滴で行う抗がん剤から飲み薬に変更するタイミングは、一般的にみて適当なのでしょうか? それとも、もっと他の点滴の抗がん剤を使用してから飲み薬にかわるのでしょうか?

アントラサイクリン系(アドリアマイシン、ファルモルビシンなど)を使った、AC,EC,CAF,CEFなどを、まだ行っていないようなので試してみたいところですが、白血球減少の副作用が強いようだと使いづらいかもしれません。またゼローダも決して癌がたたけない治療薬ではなく、かなり有効であった症例も経験しています。(文責 片山)

 

No.5522】 06年07月13日    Y 
乳腺炎について

ネットで検索して、こちらのホームページを閲覧させていただき、メールをいたしました。乳がんではないのですが、数年前、一度乳腺炎にかかり、今年に入って2回、又乳腺炎になってしまいました。いつも最寄の病院の外科で診療していただいております。元々陥没乳なので、先生から乳腺炎にかかりやすいと説明していただきました。現在36才で未婚ですが、若い頃から右乳頭は陥没していたように思うのですが、最近になって乳腺炎に度々なるようになってしまったのも不思議なのです。
乳腺炎になる都度、切開が怖く、注射で膿をある程度出して、その後抗生物質の点滴、もしくは薬で治療していただいてきました。抗生物質で炎症はおさまり良くなるのですが、数回炎症を起こしたり、注射で膿みを抜いているせいか、小さなしこりが残ったままです。一回目になった後は、しこりは消え、刺激すると乳頭は出ていたのですが、現在は何をしても、わずかに乳首上部が出る程度で乳首下部は思うように出てきません。これはしこりが原因なのでしょうか? それともしこりがあるので、怖くて強く押し出せていないせいで、乳首下部だけ出て来ないだけなのでしょうか?
通院しているお医者さんには、乳腺炎とだけ病名を告げられています。通院できる曜日がまちまちの為、複数の先生に見ていただいているのですが、乳腺の手術をしたほうがいいという先生と、乳腺の手術は必要ないから、まず乳首を出す手術をすればいいのではという先生がいらっしゃいます。
乳腺の手術をすると、形が壊れる可能性があるという説明があったので、それは怖く、形成外科の病院に行き、乳首を出す手術を行おうかと考えています。乳首を出す手術だけで、乳腺炎になる可能性は低くなるのでしょうか? ネットで、乳首が出ない人は乳管を切除しなければならないというような情報もあったのですが、それは必然なのでしょうか? もしそのような手術をした場合、乳房はだいぶ変形してしまうものなのでしょうか? また乳管切除と乳首を出す手術は、同じに行ってもらえるものなのでしょうか? 乳頭を出す手術だけの場合、入院は必要なのでしょうか? 乳管切除の手術の場合は、どれぐらいの日数入院が必要となるのでしょうか?
現在通院している病院には形成外科がなく、先生に詳しくはご説明していただけなく、また病院が混雑している最中、色々質問してご迷惑をおかけすることがためらわれ、どうにも困惑してしまいまして、こちらに突然メールさせていただいいものなのかどうか判らなく、失礼かと思いましたが、質問させていただいている次第です。
現在炎症はなく落ち着いているのですが、このまま放置していた場合、乳ガンになる可能性は高いのか、どの手術が最善なのか、乳房はこのままの形を保てるのか、手術費用はどうなのか、入院日数はどうなのか、不安ばかりたまり、家庭的にも金銭的にも色々制約があり、なにをどうしたら一番いいのか判らなくなってしまっています。
質問がとても長くなってしまいまして、大変申し訳ございません。アドバイスいただけたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

我々乳腺外科医は形成外科医ではないので、手術をして乳頭陥没を治す必要はないと思います。見た目のあくまで美容目的としか考えられません。乳腺炎の原因は確かにそれかもしれませんが、乳頭を引き出して清潔にしていれば問題ないと思いますが・・・。診察したわけではないので程度にもよると思いますが。(文責 石山)

 

No.5521】 06年07月13日    Y.T.  
ホルモン療法中です

いつも興味深く拝見させて頂いております。昨年、温存手術を終え、只今ゾラとノルバでホルモン療法の真っ最中です。ホットフラッシュやイライラの副作用にも負けず、再発防止のため、前向きに仕事に没頭しております。ところで、最近、お腹や下腹部に、やたらとほくろのような、しみのようなものが増え続けております。主治医にメラノーマではと、相談したのですが、その心配はないと言われました。女性ホルモンの減少による、老人性のものでしょうか? まだ30代の後半なのですが・・・。乳癌になってから、多重癌や転移が心配で・・・。書物やメディアの情報収集のしすぎでしょうか。幸いリンパの転移は無く、再発率も10%と言われているのですが・・・。主治医のことも信頼していますが、いつも不安をぶつけると大丈夫との答えなので、ご回答よろしくお願い致します。

ホルモン治療でそのような皮疹が出るというのは余り経験がないので、皮膚科に行く事をお勧めします。(文責 石山)

 

No.5520】 06年07月13日    A.S. 
左胸のしこり

今日初めて拝見させて頂きました。25歳です。さっそく相談なのですが、一週間前に左胸のしこり(触った感じ少し硬くて、あまり移動性がない、ビービー弾位の大きさ)を見つけて、今日総合病院の乳腺外来に行ってきました。触診後、医師に「年齢からいって悪いものではないと思うから、マンモグラフィーはなしで、エコーだけ撮ろう」と言われました。エコーでは両胸をみてもらい、やはり左のしこりの部分が、黒くきれいな円形のものが写りました。大きさは1cmで『水の塊だね』と診断されました。『水の塊』とはどういうものですか? その医師には、「大きくなる事があるけど心配いらない。定期検査も、まだ若いし1年位でいいよ。」と言われました。これは癌に移行することはありませんか?本当に心配しなくて良いのでしょうか。3ヶ月後位に他の病院にもう一度かかろうかと悩んでます。宜しくおねがいします。

のう胞で、悪性ではないと思います。心配なら、針を刺して内容液を検査することをお勧めします。(文責 石山)

 

No.5519】 06年07月13日    S.K.
マンモトームと非浸潤癌について

55歳、独身です。マンモグラフィの石灰化映像で乳癌が疑われ、マンモトームを勧められていますが、94歳・全盲・寝たきりの父を一人で介護していて、例え癌であっても、入院・手術を2−3年でも先延ばしできないかと思っています。お忙しい中、恐れ入りますが、以下の疑問にお答えいただければ幸いです。
1) 石灰化=非浸潤と考えていいのでしょうか。
2) 非浸潤だと、しこりになる(癌化する)のに5−10年かかる、又は一生癌化しない場合もあるらしいのですが、半年に1回程度、マンモグラフィをとりながら、しこりになるまで放置するのは危険な選択でしょうか。又、その場合のマンモグラフィの放射線の影響は?
3) マンモトームをすると、非浸潤だったものが浸潤してきて癌化が早まり、すぐに手術しなくてはいけなくなるのではないでしょうか。   
4) 非浸潤の状態での手術は全摘が一般的なのでしょうか。
5) しこりがある場合の、切らずにできる治療として、集束超音波治療が、全国どこでも受けられるようになるのはいつ頃でしょうか。

1) すべて癌ではありませんし、病理診断をしないとすべて非浸潤癌とは限りません。
2) 非浸潤癌というのはあらかじめ保証できない以上、早く治療した方が良いと思います。浸潤癌であれば、転移、再発のリスクが高まります。
3) 癌化は早まりません。
4) 癌の範囲を同定できれば温存も可能です。
5) 集束超音波はすでに治験が行われていますので、自費で行う事は可能です。RF波による焼灼、術前化学療法など切らない治療はありますが、まだ手術ほどの確実性はありません。(文責 石山)

 

No.5518】 06年07月13日    nrk
細胞診の跡

40歳、未婚です。人間ドックで左乳房に1cm弱のしこりがみつかり、細胞診を受けました。結果は「良性」とのことで、3ヵ月後の再検査を言い渡されましたが、気になっているのは細胞診の跡についてです。細胞診前は触診ではわからなかったしこりが、検査後、明らかに分かるような大きさになっています。また検査時に「数日間、内出血のような跡が残りますよ」と看護士さんに言われてはいたのですが、検査から2週間近く経ったにもかかわらず赤黒い斑点や黄色いシミが残っています。痛みは特に感じません。そこで質問ですが、これはこのまま次回の検査まで放置しておいてよいものでしょうか。神経質過ぎるのかもしれませんが、ほぼ同年齢の従姉妹が、最近「良性」と言われたにもかかわらず、数ヵ月後の再検査でがんと判明したこともあり、不安を感じています。よろしくお願いします。

皮下出血が消えかける時は、紫色から黄色になって消えていきます。心配ないと思います。(文責 石山)

 

No.5517】 06年07月12日    T.T.
乳輪下のう瘍

3年ほど前から、胸から膿が出て切開をして頂いていましたが、去年の秋と先週の、2回手術を受けました。診断の結果、「乳輪下のう瘍」と診断されました。私は20代で未婚のため、先生と話し合った結果、今後の授乳のため乳腺の切断は避ける事になりました。先週受けた手術後、再度膿が溜まってしまい、今でも傷口にガーゼを当てていないとダメな状態です。「陥没乳首」の人が多くかかる症状の様ですが、私は違うので、先生も少し驚いている様でした。もう、手術の苦しみはどうしても避けたいと言うのが本心ですが、抜糸の際「今後、傷口から膿が止まらないなら、入院をして再度手術をして、もう少し深い所まで取らないと良くならない」と言われました。今まで、4件の病院で見てもらって、乳癌の疑いは無いと言われたので少し気持ちは楽ですが、やはり手術をどうしてもこれ以上受けたくないというのが本心です。「乳輪下のう瘍」は、繰り返して治りにくい病気と聞きますが、薬や手術以外の治療はありますか? 日常生活で気を付けないといけない事等あれば教えて下さい!よろしくお願いします!

難治性の場合は確かにあり、何度も切開排膿を繰り返す方もいます。培養検査を行って適切な抗菌薬を投与しつつ膿の排出を促し、治療を続ける以外ないと思います。炎症の部分が深ければ洗浄をしたりする事もあります。(文責 石山)

 

No.5516】 06年07月12日    R.I.
乳がん治療について(HPNo.5492-2)

お忙しい中、ご回答頂き有難うございます。質問ばかりで恐縮です。
1) 化学療法中に「容態が急変する可能性がないとはいえない」との事ですが、どのような場合が考えられますか?
2) 化学療法中の副作用の一つとして白血球の低下のための感染症があると聞きました。白血球の数がどのくらいになったら要注意でしょうか? また発熱した場合、解熱剤等の薬を勝手に飲んではいけないのでしょうか? 発熱した時の処置をお教えください。

1) 強力な化学療法では関連死といって副作用死が僅かにあります。海外の文献では、大量化学療法で2%の死亡率というものもあります。主なものは白血球減少による感染や消化器症状から来る出血や下痢、腎障害など、それぞれ薬特有のものもあります。
2) 有熱性の白血球減少は治療の対象となりますが、一般的にはGCSFという白血球を増やす薬があるので、あまり心配なくなってきています。私のところのCEF療法では、白血球2000以下なら休薬という基準を作っています。(文責 石山)

 

No.5515】 06年07月12日    S.A.
血性乳頭分泌

ちょっと心配になりまして相談させていただきたく、メールをいたしました。28才の未婚なのですが、2週間前に乳頭から出血がありまして、病院へ行きました。レントゲン・マンモーグラフィー検査と、分泌液の細胞診検査を行いました。結果は一応Class2で良性でしたが、ひどい炎症がみられるとのことで、再度検査したほうがよいのではという回答でした。あと、「腫瘍マーカーは1000以上で陽性がでているので、今すぐ再検査より、3週間、炎症止めを飲んで様子をみて、3週間後に再検査(細胞診)をしましょう。」と言われました。今、乳頭からは白濁のものが出ますが、テッシュにとると、うっすらと茶も混じっているような感じです。炎症がひどいと乳がんの疑いが強いのでしょうか? 大変心配になりまして・・・。先生の結果の説明も、今の所、良性とはでたけれど、はっきり言えないと言われまして、さらに不安がつのりまして、このまま3週間薬を飲んで検査を待つには精神的にツライです。他の病院でも安心のために検査してもらったほうがよろしいのでしょうか? どうかお返事おまちしております。

血性乳頭分泌という事は、一般的には乳頭腫という良性病変によるものか、ガンによる場合もあります。しかし炎症との主治医の判断からすると乳頭自体が炎症で出血しているのであれば、乳頭分泌とは異なります。超音波などで周囲の乳管の中の腫瘤性病変なども検査をするのが一般的と思います。(文責 石山)

 

No.5514】 06年07月12日    H.Y
石灰化とカルシウムについて(HPNo.5495-2)

お忙しい中、回答ありがとうございます。もう2,3質問させてください。以前の乳がんは、やはり石灰化があり、そこを調べたらしこりがありました。今回はしこりはふれないのですが、また石灰化が見つかるということは、前回の病歴、私の体質からしても、このままほっておいて大丈夫でしょうか? もし経過観察をするとしたら、次回はどんな検査をしたらよろしいですか? 時期も教えていただけたらと思います。
先日のメールで、「主治医の先生は大丈夫といわれた」と書きましたが、勘違いして書いてしまいました。主治医の先生は、カルシウムとだけおっしゃって、私も、ぼーとしてしまい、左右どちらかも聞くのも忘れました。そんな状態での説明だったため、前回、超音波で石灰化がわかったので、超音波の検査の希望をしたら、超音波はあまり当てにはならないけどとおっしゃっりながら、次回は超音波の予約を取ってくださいました。この石灰化の説明はそれだけだったため、どう考え、今後どのようにしたらいいかわかりません。再質問で申しわけなく思っていますが、アドバイスをお願いいたします。

マンモグラフィーの石灰化は、形、大きさ、分布のしかたで悪性らしさがある程度判断できます。そこを良く聞かないと検査を受ける周期や今後の事は分りません。(文責 石山)

 

No.5513】 06年07月12日    HS
何の症状でしょうか? 

28歳・子どもが2人います(3歳と0歳9ヶ月)。20代前半の頃から、右胸・外側に無痛ですが、しこりがありました。ちょうど職場での健康診断があり相談したところ、「脂肪の固まり」と言われました。そのしこりは、妊娠中、授乳中に関係なく、確認できたりできなかったりするのです。今はありません。1人目の授乳中は何のトラブルもなく済みましたが、2人目を出産後1週間で左胸の外側が乳腺炎になりました。切開は免れました。
昨日の晩から、また左胸が痛くなり、コリコリと小豆くらいのしこりがあります。内側です。何かに触れるだけでも痛みがあります。授乳はいつも通りしており、血が混じったりは今のところないようです。乳腺炎ではないようなのですが、他に考えられる病気ってあるのでしょうか?
23歳の時に豊胸手術を受けました。シリコンの挿入です。乳がんになる確率は上がるのでしょうか? また、検査を受ける際にマンモグラフィやレントゲンなどに写ったりしますか? 他に何か問題点はありますか? 問診の際には、伝えていたほうがいいのでしょうか? 質問ばかりで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

乳瘤という妊娠授乳期に特徴的な良性腫瘍があり、その可能性が高いのですが、癌も否定し切れません。専門医の診察を受ける事をお勧めします。シリコンバッグの挿入でマンモグラフィーは診断率は下がります。癌が出来やすいという事はないとは言います。必ずその事を伝えてから受診して下さい。(文責 石山)

 

No.5512】 06年07月12日    やまちゃん
初期乳ガンの治療方法

初めての相談です。5月1日の主婦検診でひっかかり、その後、細胞の検査をしましたが、はっきりとした診断がつかず、6月20日に針による生検を受けた結果、癌と診断されました。場所はほぼ中央、筋肉に近い所に8ミリ程度のものだそうです。主治医は、かなりいびつにはなるが切るしかないと言います。放射線治療だけでは治らないと言います。7月13日に術前検診を受けて、8月1日の手術を予定していますが、最近、周囲の人から「小さければ放射線治療で治るのではないか。」とセカンドオピニオンを勧められます。茨城県古河市、宇都宮線沿線付近で相談にのってくれそうな所はありますか? また、そうする場合、主治医に紹介状をお願いすることになりますか? 42歳です。

セカンドオピニオンは患者さんの当然の権利ですから、治療法に納得が行かないのであれば主治医にお願いして紹介状や検査データを借りて、行かれれば良いと思います。ただ放射線で乳癌が完全に治るというのはまだ確定的でなく、治験といって、研究としては行われていて、まだ確定的な治療ではありません。茨城の医療事情は詳しくないので、「乳腺外科」でインターネットで検索するか、http://www.jbcs.gr.jp/ninteii/senmoni.html に乳腺専門医のリストがありますので参考にして下さい。(文責 石山)

 

No.5511】 06年07月12日     M.J. 
マンモトーム生検について

いつも参考にさせていただいております。37歳です。4年半前に初めてマンモグラフィを撮って石灰化が見つかり、カテゴリー3と言われています。その後毎年マンモグラフィを撮っていて、毎回「変化なし」と言われて、今日も年1回のマンモグラフィを撮ってきたのですが、変化ありませんでした。今日は今までの先生と違う先生だったのですが、マンモトームをすすめられました。私としては4年半変化がないので、今まで通り経過観察をしたいのですが、やはり先生のおっしゃる通り、一度マンモトーム生検をやった方がいいのでしょうか? 4年半変化がなくても実は悪性であったということもあり得るのでしょうか? とにかく恐がりなので、できることなら怖そうなマンモトーム生検は受けたくないなあと思ってしまうのですが・・・。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

カテゴリー3の石灰化で癌が見つかる確率は5%程度と言われています。マンモトームは、その可能性が低い事から、まずMRIなど非侵襲的な検査からやっても良いと思いますが。(文責 石山)

 

No.5510】 06年07月12日     U  
乳がん再発について

三年前に乳がんの手術をしました。その時は右乳がん、乳頭腺管癌、大きさ2.0x1.8x1.0、リンパ節 1/17、乳房温存療法で放射線を25回で、追加5回受けました。抗がん剤は6クール受けるようにしていましたが、5クール受けてから指先が痛くて、血液検査を受けたら肝臓の数値が上がっていたので6クールは受けませんでした。ちょうど三年目に検査を受けました。血液検査、胸部X線、骨シンチ、腹部エコー、みんな良かったのに触診でひっかかり、検査したら乳房内再発、前取り除いた少し下1センチちょっとの腫瘍、放射線5回追加しました。先生は、「そこだけ取り除いて、そこの部分を検査に出して、いけないようだったら再手術で全部取り除いたらどうか? それとも最初から全部とってしまうか?」 私の選択です。抗がん剤はどちらにしても今度は髪が抜けるくらいの強いのを使うそうです。どうしたらいいか迷っています。また手術の前にPET検査受けたほうがいいんでしょうか? 52歳です。アドバイスお願いします。

温存術後の再発についてはエビデンスが少なく、やはり手探りです。いずれも遠隔転移はないという事ですので、局所療法は乳房の美容的問題を考えて術式を決定されば良いと思います。ただ再発の原因が多発なのか、初回手術時の断端陽性なのかで少し違うと思います。主治医に確認して下さい。(文責 石山)

 

No.5509-1】 06年07月12日     K.H.  
経過観察

初めてメールさせて頂きます。29歳女性、既婚、妊娠・出産経験はありません。1ヶ月程前に右下乳房にしこりを発見し、病院でマンモグラフィーとエコーを受けました。結果は、マンモグラフィーでははっきりとした病変無し。エコーでは右に3つ、左に1つのしこりが確認され、うち3つは良性で、残りの一つは経過観察が必要との事で、3ヵ月後に再度エコーの予約をしました。経過観察が必要と言われたしこりは、生理前になると痛み、1センチでコロコロ動きますが、他の3つのしこりは生理後消えたような気がします。そこで質問なのですが、
1)細胞診や組織検査を行う必要はありませんか?
2)検査を受けた病院はマンモグラフィーの施設、技術者、読影がそろっている、という病院です。しかし乳腺専門の先生はいません。乳腺専門医のいる病院をセカンドオピニオンした方がよいでしょうか?
3)今の状況での妊娠は避けるべきでしょうか?

お忙しい所、誠に申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

1)可能なら受けた方が良いと思います。   
2)お近くにあるなら行かれた方が良いと思います。   
3)細胞診などやって確認の上なら問題ないと思います。(文責 石山)

 

No.5509-2】 06年07月15日     K.H.  
今後の治療について

HPNo.5509で質問させて頂いた者です。度々申し訳ありません。私が住んでいる市内には乳腺専門の病院は無いのですが、急いで調べてセカンドオピニオンの手続きをする必要がありますか? 細胞診または組織検査も乳腺専門の病院で受けるべきでしょうか? 検査はどちらを希望した方が良いのでしょうか? 私の症状で3ヵ月後再度エコーと言われた場合、乳がんの可能性が高いでしょうか? 質問ばかりで申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

検査所見や画像を見ないでお答は出来ません。一般的には細胞診を行ってから組織診となります。今の病院でも細胞診は出来るのではないでしょうか?もう一度聞いてみて下さい。(文責 石山)

 

No.5508】 06年07月12日     K 
右脇下辺りから上胸にかけての痛み

現在23歳です。しこりや分泌物の異常などは全くないのですが、5日ほど右の脇下辺りから上胸が全体的に痛みます。我慢できないような痛みではありません。張っているような感じもしています。生理前などではありません。乳がんの「痛み」とは、どのようなものなのでしょうか? 診察は必要ですか? それとも、特に病気ではないのに内臓や筋肉などの調子が悪くて一時的に痛くなるのと同じようなものと思って心配は要らないのでしょうか? 

乳癌の8割以上が腫瘤(しこり)で見つかると言われていて、痛みがある乳癌は少ないと思いますが、心配なら乳腺外科を受診した方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.5507】 06年07月10日     t.m
腋窩リンパ節郭清

妻が7月に手術をします。ER+、PR+、Her2-、腋窩リンパ節転移2ヶ、T2N1の浸潤性乳管癌です。術前化学療法で胸のしこりが3pから5oに小さくなりました。主治医の先生はリンパ節郭清すると言っているのですが、抗がん剤の担当の先生は郭清する必要はないと、言い切っています。あまりにも意見が違うので迷ってしまっています。本当に郭清する必要がなければしないほうが良いのですが、リスクはないのでしょうか?(センチネルは術前化学療法の為、考えていません) 
ご意見お伺いしたいのですが、よろしくお願いします。

一般にリンパ節郭清は補助療法をどのレベルまで行うかの判断に役立つと考えます。奥様の場合は術前T2N1でホルモン感受性がありますから、化学療法後に内分泌療法を継続することになると思います。その際、化学療法継続の程度を決めるのに参考に出来るのではないでしょうか? また、画像的に消失しているようでも、顕微鏡レベルで乳癌が残っていることもあり得ますし、逆に転移リンパ節に見えても実は転移していない可能性もあります。恐らく手術前には治療関係者のカンファレンスがあるはずですので、統一した見解が出るのではないでしょうか?(文責 阿部)

 

No.5506】 06年07月10日     M.O. 
乳腺全摘出と乳房全摘出について

36歳の主婦です。前日、切除生検をし、結果は傷口の近くにミクロ単位の小さな、ごく初期の癌(0期)がぱらぱらと散らばっていたとのことでした。治療は、他にもぱらぱらとその小さな癌がある可能性もあるので、乳腺を全摘出し、人工のものを入れるか、自分の筋肉をいれる方法、もしくは乳房を全部とりのぞいてしまう(後日再建可能)か、どちらかだそうです。
1) 乳腺を摘出すると皮と乳首だけになってしまうそうですが、脂肪もとってしまうのですか?
2) 根治率はどちらの方法が高いですか?
3) 再発は乳腺をとってしまえばないのですか?
4) 人工のものをいれた場合、発ガン等のデメリットはありますか?年齢的に今後40年以上も入れることになりますが、また再手術が必要となることもありうるのでしょうか? (皮膚が壊死したり、中身がもれる等)
5) レントゲンでもわからないくらいのミクロ単位の小さな癌がパラパラとあったそうなのですが、反対側の乳房も同じようなものがある可能性はないのでしょうか?

質問が多くて申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

1) 乳腺の切除断端を不用意に露出させてしまうと乳癌を散らばらせてしまう可能性があるので、乳腺を脂肪でくるむように切除することになります。
2) 非浸潤癌であれば、乳頭側断端にがんを残さないように切除すれば根治率に大きな差はないはずです。
3) 非浸潤癌で乳腺を確実に切除してあれば、理論上は転移・再発は無いはずです。
4) 今回の場合は非浸潤癌の乳腺を全摘するわけですから、再建後の再発のリスクはきわめて低いと考えます。人工物を挿入するわけですから、挿入物の損傷や挿入物に対する過剰反応などが生じる可能性がありますが、腹部や背部などに新たな創部を作ることなく乳房再建が出来るというメリットがあります。再建に関しては乳房専門の形成外科にご相談されるのが一番だと思います。
5) 対側に乳癌が発生するリスクは乳癌を経験されなかった方よりも高くなると考えますので、定期検診を必ず受けて下さい。ご心配でしたら、造影乳腺MRIでの確認する方法もありますので、主治医にご相談下さい。ただし、MRIで疑わしくてもマンモグラフィでも超音波でもCTでもはっきりしない場合は、組織検査が出来ない可能性があります。そうなると心配しながら経過観察をすることになるかも知れません。もっとも、最初に見つかった乳癌に対して全身的な補助療法を行えば、同時に治療できる可能性もあります。(文責 阿部)

 

No.5505】 06年07月10日     M  
ラジオ波温熱凝固療法について

はじめてメールいたします。。38歳、既婚、子ども一人です。昨年11月に右乳輪近くに1,5センチ、脇リンパ高度転移(Vレベル)、ステージV期と診断がありました。12月よりCFF3クール(薬物肝障害により1クール休み)、+タキソール毎週投与12クールを開始し、5月中旬に予定通りに終わりました。
5月下旬の検査結果ではCTは見せてもらえず(あてにならない、とのこと)、超音波では、胸は瘢痕になっていて、脇リンパは遺残があるかも、ということで、「胸・8ミリ程度? 消失から変化なし」「リンパ・消失or遺残」と書かれていました。手術してみての予想される結果とのことでした。乳頭を残しての温存+センチネル生検との説明にありがたく思っていますが、ラジオ波温熱凝固療法+センチネル生検だと傷口が小さいとインターネットで見ました。他の患者さんから、手術を受ける病院でも、治検がはじまったと聞きました。
ラジオ波温熱凝固療法の信頼性と広がりについて
1) 私の場合、ラジオ波温熱凝固療法への適用できるとおもわれますか?
2) 瘢痕とは、細胞が死んでいると考えてよいでしょうか?

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

1) ラジオ波温熱凝固療法に関しては、まだ十分なエビデンスは揃っていないのではないでしょうか? 治験の段階ではM様にお薦めして良いのか疑問です。手術をして化学療法の効果を確認しながら次の手を打つのが妥当だと思います。
2) 「画像上の瘢痕=ガン細胞が死んでいる」考えるのは早急だと思います。一見、瘢痕化していても顕微鏡で確認するまでは断定できませんので、手術は安全域を見込んで切除することになります。(文責 阿部)

 

No.5504】 06年07月10日     S.T. 
ホルモン療法について教えて下さい

4年ほど前に一度ご相談申し上げ、ご親切なお返事を頂きました。その節は、本当にありがとうございました。2002年5月に乳癌の温存手術を受け、25回の放射線治療、ノルバデックス、ゾラデックスのホルモン療法を致しました。ともに副作用がとても強く、ノルバデックスは、むくみが出た為、主治医のご判断で3年半でやめ、高熱、湿疹が出たりしたためゾラデックスを休眠しておりましたが、ノルバデックスを止めると同時に「ゾラデックスだけの治療」と言う事で四週間に一回、先月21回でやめました。休眠がなかったら、術後年数からもとっくに終わっていました。
主治医は、「24回もしくは3年打った方が良い」とおっしゃられましたが、とにかく目覚めと共に全身骨が痛く、特に足が痛くて歩くこともままなりません。休眠中は、主人が突発性の間質肺炎で闘病中という事もあり、病院で一年泊り込んでおりましたので、今思い出そうとしても一度ゾラデックスを止めたときの症状等、全く思い出せません。ただ体重が凄く減ったのは記憶にあります。先月9日に打ったのが最後で、薬の効き目としてはもう切れかかっていると思うのですが…。リュウマチのように手足が痛く、同じく9日に貰った血液検査データがリュウマチ因子が高く、整形外科にかかりましたが、レントゲンとしては異常はないそうです。総合病院ですが、主治医曰く「正直、内科、整形外科とも勧められる先生がいない」との事で、定期的な婦人科の癌検査以外では他の病院の整形外科にかかりました。このゾラデックスという注射は、骨が痛くなる症状が出るのでしょうか? 主治医は、ノルバデックスともに副作用の事は一切教えて下さいませんでした。一度、注射直後の右目の痛みと視力低下を訴えたら、「初めての臨床データだ」と言われました。院内でも、ゾラデックスを使ってる患者さんはいないように思われます。注射による一過性のものなら我慢も納得もできます。主人もお陰で在宅酸素療法で、毎日家で過ごしておりますが、お互い身内が全くいないために、私がこれ以上患って寝込む事は絶対できません。
今一番の悩みは、もしリュウマチの場合、今後又強い薬を使ってもよいものかどうか?整形外科の先生は、ゾラデックスは「初めて聞く名前だ」とおっしゃいました。とても不安でたまりません。主治医がおっしゃった「餅屋は餅屋…乳癌治療はこれで終わったのだから、これからは内科的な事は専門医にかかる方が良いと思います。」これは、決して批判ではありませんが、「ゾラデックスがもう限界です。」と最後の受診の時、主治医の先生は、怒られて触診もして下さいませんでしたので、酸素携帯で同行していた主人が、「高い注射を打っている時は、ニコニコで診てくれ、その間は、一切の検査もなしで止めるとなると知らん顔ですか?」と直接言いづらい事もハッキリ言ってしまいました。「では、8月に骨シンチをしましょうー」という事になりました。私としては、10万に1人と言われる褐色性細胞腫の大手術もしておりますので、外科医の先生方は、そんなにいちいち細かいメンタル面においてもお気遣い頂く事は、次から次への患者さんで無理だと重々、一種冷めた目で見てしまう悪い癖がありますので、充分すぎるコミュニケーションだと納得しております。これからも乳癌の定期検査などは、今までお世話になった主治医の先生に見て頂くつもりです。ただ、今一番の心配は、転移よりリュウマチです。ノルバディックス服用の副作用としては、リュウマチも、間質性肺炎もありうる事は承知しております。ゾラディックスを止めたら、少しずつでもこの骨の痛みは緩和されるのでしょうか?どうかお教え頂けますか…。わたくし事ばかりで本当に申し訳ありません。お返事お待ちしております。

リウマチに関しては血液データだけで判断することは無理です。臨床症状を加味して診断基準に一致した場合に症状に応じて治療を行います。膠原病内科などのリウマチの専門医に必ず相談してください。また、薬剤により筋肉痛・関節痛などが生じることもしばしば見られます。ノルバデックスもゾラデックスも例外ではありません。2002年5月の手術であれば既に4年経過しており、早期再発は免れていると考えます。現在の投薬により著しくQOLが阻害されるのであれば、投薬内容の再検討、場合によっては中止というのも一案ではないでしょうか?(文責 阿部)

 

No.5503】 06年07月10日     Y・N
乳頭からの出血

36歳の3児の母です。30歳の頃、左胸のしこりに気がつき、初めて乳腺科で乳がん検診を受けました。結果は良性で、異常ナシとのこと。それから毎年乳がん検診を受けております。今年も5月に受けたのですが(そのときも異常はありませんでした)、6月末、下着に茶色のシミがあるのに気がつき、絞ってみると、茶色っぽい濃い分泌液、もう一度絞ると真っ赤な血液が出たものですから、びっくりしてかかりつけの乳腺科を受診しました。エコー検査・造影剤を入れてのマンモグラフィー検査・分泌液の細胞診検査を行いましたが、1週間後の細胞診の結果ではClassTということで異常なしでした。これ以上に詳しく調べるとなれば組織検査ですが、今の時点では必要なしということで、もう少し経過を見て、3ヵ月後にもう一度受診してくださいと言われました。しかし、それ以後も毎日乳房が気になって、日に何回も絞ってみるのですが、10日ほどたった今でも分泌液が出ます。一見白っぽいのですが、ティッシュなどでおさえると赤い色が混ざっています(量は少しです)。気が付けば毎日絞っているからか、他の乳腺からもおっぱいのような液が出ます。3ヵ月後ではなく、もう一度受診して、すぐにでも細胞検査を受けたほうがいいのでしょうか。また、乳がん以外でも乳頭からの出血はありうることなのでしょうか。3人の子供たちのことを考えると、不安で不安で仕方ありません。どうかお返事いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

分泌液の細胞診検査は簡単なので、また検査を受けるべきと考えます。乳腺症、乳管内乳頭腫、乳管拡張症など良性病変でも、乳頭からの出血はよくあります。実際には良性病変の方が、乳癌より乳頭出血の頻度は多いと思います。(文責 石川)

 

No.5502】 06年07月10日     Y.I. 
乳腺症?

44歳、出産暦2回です。9年ほど前に右乳房部分切除をしました。当初はtisと言われましたが、4ミリの乳頭腺管癌(ごく一部に浸潤箇所あり)、断片マイナス、リンパマイナスで、放射線照射、ノルバデックス5年間と、きっちりとした治療をしていただきました。ここ一ヶ月ほど、手術した同じ場所に硬さを感じます。しこりというのではなく、つまむとわかり、境界はあまりはっきりせず、つるんとしたような感じです。押すと少し痛みます。質問ですが、9年後に出てきた場合は、再発というものでしょうか? それとも新しいガンが出てきたということでしょうか? 乳腺症の場合だとしたら、放射線照射後にも乳腺はまだ機能しているのでしょうか?

再発、新しく乳腺に発生した、その両方の場合が考えられます。放射線照射後にも乳腺はまだ機能していると思われますので、乳腺症の場合も考えられます。いずれにしても、主治医(専門医)に診てもらうことをお薦めします。(文責 石川)

 

No.5501】 06年07月10日     T.S.
乳がん手術後の授乳について(3)(HPNo.4808-3

早速回答をいただき、ありがとうございます。参考になるアドバイスを今回もいただき、ありがとうございました。先日、乳腺外科の担当医にお話を伺ったところ、「授乳中でもエコーやマンモグラフィーの検査は可能だし、乳腺が発達しているので多少見にくいところがあるだろうが、心配することはないので、授乳しても問題ないと思う」とのことでした。「手術側は恐らく母乳は出ないこともあり、ミルクと混合になるだろう」とのことと、「期間的には6ヶ月くらい」とのアドバイスもいただきました。産婦人科の担当医は、乳腺外科がOKしているなら、「医学的に授乳をこちらからやめた方がいいと勧めることはない。ただ、1〜2年母乳をあげるということは想定していないと思う」とのご意見でした。私自身が精神的に不安ということなら、カバサールで初めから母乳を止めてミルクで育てる方法もあるので、生まれるまであと1ヶ月、考える時間はあるという結論になりました。再度の質問で恐縮ですが、以下について教えていただければと存じます。妊娠9ヶ月になりましたが、特に目に見えるようなおっぱいの分泌は、健側&手術側ともにまだありません(母乳マッサージはしておりません)。また、手術側は、C領域で乳頭は残っていますが、近くを手術しており、確かに硬くなっています。
1) 手術側は、うっ滞性乳腺炎を起こしやすくなるとのことですが、普通の乳腺炎と違うものなのでしょうか? どのような症状が起こる可能性があるのでしょうか。
2) うっ滞性乳腺炎が起きた場合、どのように治療するのでしょうか? 乳がんへの影響は考えられますか?

よろしくお願いいたします。

1) 普通の乳腺炎と違うことはないと思います。
2) うっ滞性乳腺炎が起きた場合、保存的に薬などで治療する場合から、乳腺膿瘍にまでひどくなれば切開・排膿する場合など、いろいろな治療法があります。乳がんへの影響は考えなくていいと思います。(文責 石川)

 

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