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相談室(No.8801〜No.8900)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

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なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

8900 09/05/10 J M タモキシフェンについて
8899 09/05/10 YK 術前ホルモン療法
8898 09/05/07 k・t ハーセプチンなしで大丈夫でしょうか?
8897 09/05/07 K.S. 乳輪下のう瘍
8896 09/05/07 右乳房の痛み
8895-1
8895-2

8895-3
09/05/05
09/05/14
09/05/23
ぴろ 胸のしこりについて
胸のしこりについて(2)
胸のしこりについて(3)
高橋
俵矢
徳田
8894 09/05/05 高橋
8893 09/05/05 R.M. 良性乳管拡張とは? 高橋
8892 09/05/05 Y.S.  痛みを緩和する検査方法はないのでしょうか? 高橋
8891 09/05/05 M  術後補助療法について 高橋
8890 09/05/05 K.S.  マンモグラフィーに影&エコー異常なし 高橋
8889 09/05/05 ノルバデックスの副作用について 高橋
8888 09/05/05 うーたん まま 9歳の女の子のしこり 高橋
8887 09/05/05 閑チャン 副作用について(HPNo.8858-2) 高橋
8886-1
8886-2
09/05/05
09/05/31
G 手術までの期間が長いのですが・・・
針生検検査後について
高橋
浜口
8885-1
8885-2
09/05/05
09/05/13
H.T.  追加切除について
センチネルリンパ節生検について
高橋
8884 09/05/05 ノルバデックスの服用について 高橋
8883 09/05/05 Y子 タスオミンと卵巣嚢腫 高橋
8882 09/04/29 H  乳房の痛みとわきの下のしこり 加藤
8881 09/04/29 K  ドセタキセル 加藤
8880 09/04/29 O  タモキシフエン 加藤
8879-1
8879-2
09/04/29
09/05/24
K  悪性の可能性は大きいですか?
どんな結果を信じればいいですか?
加藤
徳田
8878 09/04/29 N.K.  HER2陽性乳がんの術後補助療法について 加藤
8877 09/04/29 M.I. 痛みとかゆみについて 加藤
8876 09/04/29 K  転移後の痛みについて 加藤
8875 09/04/29 K  乳房再建について 加藤
8874 09/04/29 KY CA15-3 腫瘍マーカーの上昇について 加藤
8873 09/04/29 M.M 左わきの下のふくらみについて 加藤
8872 09/04/29 副作用について 加藤
8871 09/04/29 N  血性分泌物 加藤
8870 09/04/29 S  ノルバデックスと漢方について 加藤
8869 09/04/29 I.S. パジェット病の可能性があるのでしょうか? 加藤
8868 09/04/29 Y  乳首からの分泌物 加藤
8867 09/04/29 E・K 遠隔転移?腹部違和感・足その他疼痛について 加藤
8866 09/04/28 A  乳頭の膨らみと痛みについて 須田
8865 09/04/28 S.Y. 浸潤性小葉癌 須田
8864 09/04/28 W 赤血球の下降 須田
8863 09/04/28 S  温存は無理でしょうか? 須田
8862 09/04/28 M.S. 手術方法について 須田
8861 09/04/28 K  細胞診 須田
8860 09/04/28 K.M.  ホルモン療法について 須田
8859 09/04/28 A.K.  傷口周辺の赤み 須田
8858-1
8858-2
09/04/28
09/05/05
閑チャン 副作用について
副作用について(2)
須田
高橋
8857 09/04/28 H.Y. 放射線が終わり、内分泌治療が始まりました 須田
8856 09/04/28 M.T.  ホルモン療法 エストロゲンについて 須田
8855 09/04/28 T  術後療法について 須田
8854 09/04/20 M.K. 乳癌温存術後の状態について 首藤
8853 09/04/20 Y・I 産後3ヶ月人工授乳中です 首藤
8852 09/04/19 O.H.  アリミデックスとリュウマチの関係について 首藤
8851 09/04/19 U ステージ3でしょうか? 首藤
8850 09/04/19 T  反対側のしこり 首藤
8849 09/04/19 K 乳房の痛みについて 首藤
8848 09/04/19 ナミ  術後療法と妊娠について 首藤
8847 09/04/18 今後の治療方針について(2)(HPNo.8813-2) 首藤
8846 09/04/18 A 胸のしこりについて 首藤
8845 09/04/18 N  皮膚がん・乳がんの一種でしょうか? 首藤
8844 09/04/18 H.M. MRI検査について 首藤
8843 09/04/18 A  ホルモン療法の継続について 首藤
8842 09/04/18 A子 再発が不安です 首藤
8841 09/04/18 K.K. 腫瘍マーカーの上昇について 首藤
8840 09/04/17 I  ホルモン療法について 首藤
8839 09/04/17 H 治療の選択のために 首藤
8838 09/04/17 S  ノルバデックス 首藤
8837 09/04/17 Ky 腫瘍マーカー数値(2)(HPNo.8802-2) 首藤
8836 09/04/17 W  今後の治療方針について 首藤
8835 09/04/17 T.Y.  再発率、10年生存率 首藤
8834 09/04/17 N.T. 乳腺炎(HPNo.8482) 首藤
8833 09/04/17 M子 抗がん剤が中止になりました 首藤
8832 09/04/17 T. O ITCP値の上昇について 首藤
8831 09/04/17 A トリプタノール服用に関して 首藤
8830 09/04/14 Y   ゼローダの効果と副作用について 首藤
8829-1
8829-2
09/04/14
09/06/26
副作用でしょうか?
ヒアルロン酸はホルモン治療に影響しないでしょうか?
首藤
緒方
8828 09/04/14 S  生存率 首藤
8827 09/04/14 C 母の非浸潤がん 首藤
8826 09/04/14 D.S.  母の乳がんの治療法について(HPNo.8394-5) 鈴木
8825 09/04/14 T.U.  タキソールの投与回数について 鈴木
8824 09/04/14 st ハーセプチンの量について 鈴木
8823 09/04/14 K  手術方法について(温存か全摘か) 鈴木
8822 09/04/12 G  良性の腫瘍 鈴木
8821 09/04/12 Y ホルモン治療中の降圧剤について  鈴木
8820 09/04/12 R.M. 術後治療について 鈴木
8819 09/04/12 F.M.  今後の治療について 鈴木
8818 09/04/12 K子  再発率&生存率 (HPNo.8776) 鈴木
8817 09/04/12 K  副作用? 鈴木
8816 09/04/10 BON 抗がん剤をやるべきでしょうか? 清水
8815 09/04/10 M  タモキシフェン 清水
8814 09/04/10 S  MRIの良悪の鑑別について 清水
8813-1
8813-2
09/04/10
09/04/18
U 今後の治療方針について
今後の治療方針について(2)
清水
首藤
8812 09/04/10 Y ハーセプチンの副作用について 清水
8811 09/04/07 S 多発性骨転移、皮下転移に治療法について 河原
8810 09/04/07 T.N. アメリカと日本の治療の違いについて(2)(HPNo.8737-2) 河原
8809 09/04/07 W  左乳首の直ぐ下のしこり 河原
8808 09/04/07 J.H. 術後治療について 河原
8807 09/04/07 C 腫瘍マーカーについて 河原
8806 09/04/06 同時両側乳がんの術後治療方針について 清水
8805 09/04/06 Y.I.  治療後の薬について 清水
8804 09/04/06 M.T.  腋窩リンパ節郭清後における腋窩リンパ節の腫れについて(HPNo.8341-2) 清水
8803 09/04/06 M.S. 線維腺腫が何度も出来る 清水
8802-1
8802-2
09/04/06
09/04/17
KY 腫瘍マーカー数値
腫瘍マーカー数値(2)
清水
首藤
8801 09/04/06 M.I. アロマシン服用中の出血 清水

 

No.8900】  09年05月10日   J M
タモキシフェンについて

イギリスで2年半前に左全摘出をして、12回の抗がん剤の後、5年間のタモキシフェン服用を選択しました。タモキシフェンを服用して半年、ホットフラッシュ、プチ鬱、背中痛が耐えられず、約1年、服用を止めました。でもやはり再発・転移が怖いので服用を再開しました。半年になります。
1) 最近ひょんな事から血液検査をしたら、「エコノミークラス症候群」の疑いがあると言われ、胸のレントゲンやスキャンを受けました。血流をよくする注射もされて、検査の結果、治療は必要なしとの事でした。今までこんな事はありませんでした。タモキシフェンの副作用に「血栓症」とありましたけど、タモキシフェンのせいで、血液中の血栓が多くなったのでしょうか? このまま服用を続けてもいいのもなのでしょうか?
2) 副作用の緩和と血流をよくするのにビタミンEがいいと知ったので、さっそくビタミンE(含有量IU400)を買ったのですが、タモキシフェンと同時に服用してもいいのでしょうか? ビタミンEは女性ホルモンを活性化するのにいい、とか・・・?
3) 血栓予防のため、納豆も食べるようにしようと思いますが、納豆にはビタミンKが多く含まれていますよね? ビタミンEのサプリメントと同時に摂取しても大丈夫なのでしょうか? これもタモキシフェンに影響はないのでしょうか?

いろいろ聞いて申し訳ありません。イギリスでは基準が違うのか、なんでもOKと言った感じです。担当医に会うのも至難の業です。お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願い致します。

1) 血液検査で凝固系(血の固まりやすさ)の異常が出たものと思われます。実際に現在血栓ができているかどうかはわかりませんが、血栓ができやすい状態ではあるようです。タモキシフェンの副作用の可能性もありますので、一度中断して経過を診る必要があると考えます。
2) ビタミンEには多くの効能があるとされていますが、もし女性ホルモンを活性化する働きがあるとすれば、乳癌の予防としてタモキシフェンで女性ホルモンを抑えている事柄に反することになります。そう考えるとビタミンEは使わない方が無難と考えます。
3) 納豆にはビタミンKが多く含まれているため、ワーファリンなどの抗凝固剤を服用している人が摂取すると、ワーファリンの働きを弱めることが知られております。しかし通常の人が納豆を多く摂取したからといって、おそらく凝固系に変化はないと考えられます。タモキシフェンに影響も無いものと思われます。(文責 谷)

 

No.8899】  09年05月10日   YK
術前ホルモン療法

いつも大変参考にさせていただいております。
48歳独身女性です。4月上旬に右乳頭にしこりが発見され、その後組織診をし、4月中旬に診断が確定しました。大きさ1.4cm×1.2cm、充実腺管癌、ステージ1、CTによる検査では肝・肺・リンパ節転移なし、グレード1、ER陽性、PGR陽性、ハーセプテスト陰性でした。現在治療を受ける医療機関を検討しておりますが、希望する医療機関は混んでいるため、手術は3ヶ月先、その間、術前ホルモン療法をする、という提案がありました。術前ホルモン療法は乳がん治療のスタンダードにはなっていないと思いますが、どのような意義・効果はあるのでしょうか?(閉経前です) たとえ、効果があってしこりが縮小したとしても、もともと原発の大きさは切除すると聞いています。またホルモン療法をすれば副作用のでる可能性もあると思います。効果がはっきりしない場合はこれをする意義があるのでしょうか?それとも3ヶ月という手術待ちの間、しこりが大きくならないための実施ということなのでしょうか? 術後ホルモン療法をする際、どのような薬が有効化切除前の情報が入手できるから有効という話も聞きましたが・・・。
それともホルモン療法をしないで3ヶ月先の手術でも、癌は進行しないでしょうか? よろしくお願いいたします。

乳癌の診断を受けたものの混み合っていて手術まで3ヶ月待ちというのは、大学病院や癌の基幹病院ではいまや一般的といえます。術前検査では早期の乳癌であることがわかっており、通常このまま何もせず3ヶ月待ったとしてもまず今と変わりなく手術を受けられ、おそらく今後の経過に関しても変わりないものと考えられます。しかし、術前の検査でER陽性、PgR陽性とホルモン療法の効果が期待できる結果が出ており、ただ不安のまま3ヶ月待つよりも、ホルモン療法をして手術を待つことで少しでも癌が増大するのを食い止めたいとの目的で施行するものです。また術後はホルモン療法を施行する可能性も強く、術前に施行することで、しこりの大きさを測定しその効果を見ることができるのも、そのメリットとなります。ただ仰るとおり副作用が生じる可能性はありますし、また術前ホルモン療法に対するしっかりとしたエビデンスはありませんので、あくまでオプションと考えてよろしいかと思います。このことを踏まえ、主治医の先生と再度よくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.8898】  09年05月07日   k・t
ハーセプチンなしで大丈夫でしょうか?

43歳女性です。宜しくお願いします。2/5に左乳房温存内視鏡手術を受けました。術後、放射線治療25回+ブースト5回、60グレイをうけております。病理診断は、
papillotubular carcinoma
2.5×2×2.7cm、 ER(-) PgR(-) Her2(3+) ly(+) v(-)
tubular carcinoma
6×5×2mm、ER(-) PgR(+)70% Her2(0) f(+)

です。主治医から2つの癌が併存していたため、今後の治療は難しい。LH-RH アゴニスト製剤(リュープリン)を月に1回と、CEF療法・・・というお話がありました。ホルモンがマイナスで、Her2が強陽性の場合は、ハーセプチンが効くようなのですが、私にはむりなのでしょうか? 主治医の先生は、「1年やったところで、そのあとの治療方法がなくなる。がん細胞を殺すわけではないので、今すぐやる必要はない。」と言われました。再発、転移はどうしても避けたいと思うのですが、ハーセプチンなしで大丈夫なのか、すごく心配です。宜しくお願いします。

まず2つの癌があったとのことですが、tubular carcinomaは他の組織型と比べ悪性度が低いうえサイズも小さいので、papillotubular carcinoma のほうの再発予防を中心に考えてゆけばよろしいかと思います。腋窩リンパ節への転移の有無やがん細胞の悪性度(グレード)についての記載がありませんが、腫瘤のサイズは2cm以上でT2に分類され、ER,PgRともに陰性、HER2が(3+)などの条件より、最近では術後補助療法として抗がん剤治療ののちハーセプチン1年間の投与がよく推奨されております。再度主治医の先生とハーセプチン使用も含めた今後の補助療法について話し合われるのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.8897】  09年05月07日   K.S.
乳輪下のう瘍

現在、高2の娘の事で質問させて頂きます。乳首陥没で乳輪下のう瘍と診断されたのが3月。その時点では乳輪周辺に穴が1つあり、そこから先生に膿と血を出してもらい、抗生剤を処方して頂き、快方に向かっていたかに思われたのですが、再び透明な液体が出始めました。乳輪の周りがただれた様になり、瘡蓋なのか皮膚なのか、2cm四方くらい剥がれ落ちました。その部分は縫い合わせてもらったのですが、抜糸した部分から、また少し膿のまざった透明な液体が出て、ガーゼなしではいられません。この状態からでは、どのくらい治療が続くのでしょうか? また透明な液は、いったい何なのでしょうか? 慢性化するとは聞いていましたが、こんなにひどい物なのでしょうか? この夏、本人は海外派遣に参加する予定です。それまでに治療の目途はつくのでしょうか?

乳輪の下に膿を持ったふくろができるために、赤く腫れ上がり痛みを伴うものを乳輪下膿瘍と呼んでいます。この乳輪下膿瘍は乳頭の陥没と合併することが多く、自分でつぶれて膿が自然に出るか、病院で切開して膿を出すことで一時的に改善しますが、また再発することが多く見られます。娘さんのようになかなか治らないケースでは、根治手術が必要と思われます。根治手術は膿のふくろや膿の出てきた孔などを残さず摘出してしまう方法ですが、炎症がある程度治まった状態でないと困難です。主治医の先生と根治手術についてよく話合ってください。(文責 谷)

 

No.8896】  09年05月07日   B
右乳房の痛み

33才です。1か月前に右乳房の痛みが気になり、 マンモグラフィを受けましたが、右ではなく左上にかげがあり、念のため MRIをしましょうとのことでした。先週受けましたが、「次の日、家族の方と来て下さい。」との事で 病院に行きました。MRIでもかげがあり、超音波で見ながら、針で細胞を取りました。先生は、「超音波をみるかぎりでは、悪い物ではなさそうなんだけどね。」 といっていました。 形がしっかりしていないと言っていたのですが、意味がわかりません。気になっていますが、連休なので聞きに行く事も出来ずにいます。細胞で良性、悪性の区別はつくのでしょうか。もし解らなければ、切って2泊の入院で検査といっていたのですが、それはしこりの部分を全部取ってしまって検査するのか、少しだけとるのか、意味がわからず、後で気になってしまいました。後1週間後まで先生にあうこともなく、気になってたまりません。しこりはさわってもわからない程度で、先生も、エコーでは見つかりにくい物でした。2人の子供がいます。良性であることを願うしかなくて、気になり、なかなか眠れません。万が一悪性だとしたら、治るのでしょうか? お忙しい所申し訳ありませんが、アドバイスお願いします。

乳癌の可能性があるとのことで、現在検査結果を待っておられる状況ですね。結果を聞くまで心配でいてもたってもいられず、ご質問をいただいたものと思います。乳癌の診断には今回のような細胞の検査は重要な位置づけとなっており、その結果で乳癌の確定診断がつくことがあります。しかし、細胞の検査だけでは良性・悪性の区別がつかないこともしばしばあり、その場合は組織検査といってもう少し多くの部分を採って調べることになりますが、これにはしこりの一部だけを採る場合と、しこりを全部採って調べる場合のいずれもあります。貴女のしこりが良性であることを私も心より願いますが、もし乳癌と診断されても、正しい治療を行えば大半は治癒していることも付け加えたいと思います。(文責 谷)

 

No.8895-1】  09年05月05日   ぴろ
胸のしこりについて

39歳、2人子供がいます。右胸脇側上部に、しこりがあります。乳腺科でみてもらったところ、「触診では良性だと思われますが、エコーでみると、1.2ミリほどで、縦長の形であり、縦長は心配です。」と言われました。マンモでも石灰化がみられました。しこりは、よく動きます。1年前は左側のしこりのみで、水がたまっているところがあると言われました。右側は今回がはじめてです。3月に流産をして、はじめての生理が終わったところでした。流産後のホルモンのバランスとも関係がありますか? 縦長は、癌の可能性があるのでしょうか。「2週間後にしこりが大きくなっていたら、生検をしましょう。」と言われました。カテゴリー3〜4だそうです。 流産後から、葉酸とマカを飲み始めました。ネットには、「葉酸のとりすぎから、乳がんに・・・」というのをみかけてしまいましたが、サプリメントから、がんになりやすくなってしまうということがありうるのでしょうか?

ご質問どうもありがとうございます。まずはご不安を取り除くためにも、一度針生検をおこなっていただいた方が良いかもしれませんね。ただし1.2mmであれば、検査はかなり難しいと思います。もし大きさが1.2cmならば十分に針生検は可能です。痛くないように丁寧に麻酔をしていただいて行えば、つらくありませんよ。また、サプリメントの摂りすぎで乳がんになるというのは、実証されておりません。ビタミンA、ビタミンC、葉酸、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、カルシウム、鉄、カロテン類、イソフラボンのいずれにおいても、まだ因果関係については結論は得られておりません。乳がんに対するご不安な気持ちを早く解決できるといいですね。またご不明なことがございましたら、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.8895-2】  09年05月14日   ぴろ
胸のしこりについて(2)

先日はお返事ありがとうございました。昨日、生検しました。切開して、16回細胞搾取しました。結果は金曜日とのことです。超音波で、やはり、しこりの形が怪しいので、生検とのことでした。がんになりやすい形というものはあるのですか?生検している間にも、先生が目で見たら、ガンかどうかはわかるのでしょうか? 何度も質問させてもらい、すみません。あと、ガンだった場合に、1.2ミリというのは、早期に入るのでしょうか? あずき大くらいで見つけたという人も聞くと、遅いほうだったのかと心配になります。

画像診断だけで、ほとんど癌と確信できる病変もあれば、細胞診や針生検を行っても、癌なのか良性病変なのか判断に迷う病変もあります。その場合は、最終的には病変を切除して、判断することになります(切除生検)。切除しても、そのような病変だと肉眼ではなかなか判断が難しいので、病理検査の結果を待つことになります。1.2mmの病変というのは、見つけだすことも、切除することも困難なので、おそらく1.2cmの間違いではないかと思います。1.2cmだとしても、病変として大きいほうではないと思います。検査の結果を待ってくださいね。(文責 俵矢)

 

No.8895-3】  09年05月23日   ぴろ
胸のしこりについて(3)

HPNo.8911で質問させていただいたものです。針生検の結果、良性の線維腺腫とのことでした。しこりは、まだありますが、そのうち消えるでしょうとのことでした。しかし、体がだるく、首から肩が痛かったりで気になります。エコーを見ながら、細胞搾取をしていたので、取り違いということは、まずないとは思いますが、こういったしこりは、消えるまでに、どれくらい日数はかかるものなのでしょうか。また、消えなかった場合は、取ったほうがよいですか。次回は3ヶ月後に検診です。

線維腺腫は、消失することはまずありません。良性であるので、そのままでよいのです。ただ、針生検では、葉状腫瘍の可能性は否定できないので、急速に増大する場合には摘出すべきです。そのために、しばらく経過を観察するのです。(文責 徳田)

 

No.8894】  09年05月05日   M
患側からの注射

乳癌術後、注射など患側からしないようにいわれていますが、術後どれくらいまでしてはいけないか教えてください。

ご質問どうもありがとうございます。乳がんに対する手術でリンパ節郭清やセンチネルリンパ節生検を行った後、患側に注射や怪我、虫さされなどをきっかけにリンパ浮腫が誘発され、以後長年にわたって悩まされてしまう場合がございます。リンパ浮腫は、術後10年経過してもなお突然発生することがあります。手術操作により離断されたリンパの流れが再開通することはございませんので、これは何年経過しても注意していかなければなりません。またご不明なことがございましたら、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.8893】  09年05月05日   R.M.
良性乳管拡張とは?

お世話になります。お忙しい中、毎回ご返答を頂き有難うございます。3月中旬に右胸乳癌を温存手術をしました(ローリスク)。放射線の予約が取れないこともあり、4月上旬からノルバ゛テックスを飲んでおりましたが、予約が取れ、来週GW明けから放射線の治療(25回)が始まります。放射線科医師から薬の服用を一旦止め、放射線の治療後に再度服用するようにと言われましたので、指示通りに今日から飲んでおりません。
1) ネット等で薬と放射線を同時に併用しては良くない等を読んだ事があるのですが、詳しく分からないので教えて下さい。
2) 去年秋の検診で右胸は乳癌疑いでしたので、病院/クリニックに行き、触診、マンモ、超音波、細胞診で良性⇒摘出生検⇒乳癌と診断されるのに5ヶ月かかり、3月に温存をしたのですが、左胸の検診結果は良性・乳管拡張 自己検診+1年後再検査となっております。病院/クリニックでマンモを撮っていますが、何も言われておりません。良性乳管拡張について教えて下さい。
3) 乳癌になるリスクはありますか? 左胸も乳癌になるのが怖いので不安になりました。

お手数をおかけしますがよろしくお願い致します。

ご質問どうもありがとうございます。
1) ホルモン療法と放射線療法の併用に関する結論はまだでておりませんが、がん細胞に対する効果が落ちる、という報告もあります。従って、放射線治療中は念のためホルモン療法を中止しておいて、放射線治療終了時にホルモン療法を再開するという方針でよろしいかと存じます。ただ、はっきりした結論がでているわけではありませんので、放射線治療と同時にホルモン治療をおこなっている患者様もいらっしゃると思います。
2) 乳管拡張の原因には、ホルモンの異常による乳汁分泌や乳管内乳頭腫、そして乳がんが挙げられます。エコーやマンモグラフィーで明らかな異常を認めないのであれば経過観察となりますが、血性乳頭分泌が見られるときは、積極的に摘出生検などをおこなう場合があります。もしご心配な時には、乳腺造影MRI検査により良悪性の診断を確認することも可能です。一度ご相談ください。
3) 乳管拡張の原因としては、画像に捉えられない微小ながんが関与している場合がございますので、半年ごとなどに定期検査をしていただいた方が良いかもしれません。またご心配なときには、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.8892】  09年05月05日   Y.S.
痛みを緩和する検査方法はないのでしょうか?

40代独身です。5日ほど前から、右乳首の下が痛み、腫れてきました。吸引すると乳白色の膿のようなものが出ました。以前よりクリーム状の分泌物がたまにありましたが、今回は本当に膿という感じで不安になり、近所の乳腺外来に行ったところ、マンモをすすめられました。ただ今は触れても痛いのでムリだと伝えると、ではエコーということになり、エコーの間も、とても痛かったのですが、その後細胞診をされました。麻酔を希望しましたが、麻酔の注射と細胞診の注射はどちらも同じようなもの(痛さ)だから、麻酔無しでした方が、1回で済むと言われ、承知したのですが、あまりの痛さに絶叫してしまいました。もっと痛みを緩和する検査方法はないのでしょうか? 正直、検査結果を聞きにいくのも恐怖です。甘ったれた質問かもしれませんが、よろしくお願いします。

ご質問どうもありがとうございます。お話からは乳輪下膿瘍の可能性がございますね。検査はとっても痛かったことと思います。もう少し優しくしてくださったら良かったのにと私も感じます。同じ医療従事者として、少し優しさが足りなかったことをお詫び申し上げます。ただ、先生はおそらく悪性でないことを少しでも早く証明してさしあげたくて、検査を急いだのだと思います。一般的には炎症を起こしている急性期には抗生剤や痛み止めで炎症を抑えて、数日経過をみて、痛み止めの注射を使用しながら針生検などをおこなう方がよろしいかと私は考えています。今回の一件は、十分なご説明とご相談があれば、もう少しY.S.様を悲しませずに済んだのかもしれません。でもせっかく痛い思いをして検査を受けられたのですから、しっかりと結果を聞きに行ってくださいね。またおつらいときには、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.8891】  09年05月05日   M
術後補助療法について

初めてご相談させていただきます。3月に右乳房温存手術を受け、来週から化学療法に入る予定の39歳です。病理検査の結果は以下の通りです。
充実線管癌、Invasive ductal carcinoma 1.1×0.8×0.7cm、最大径(乳管内進展含む)1.7×1.4×0.7cm、リンパ管浸潤ly1 血管浸潤v0、核異型度G1、リンパ節転移1/17、ホルモン受容体ER+(>90%)PGR+(>90%)、HER2 0

主治医からの説明で、FEC100療法4クールとホルモン療法は決定しています。タキサン系の抗がん剤をやらずに、経口抗がん剤併用療法を一年という提案がありました。自分で調べてみると、アンソラサイクリン系とタキサン系の組み合わせが標準治療のようなので、このまま主治医の提案どおり、タキサン系をやらずに経口薬で良いのか不安になってきました(経口抗がん剤の名前は、まだ聞けていません)。私の場合、タキサン系をやらないと予後は大きく変わってくるでしょうか? また、経口抗がん剤にはどのようなものがあり、効果はどれくらい期待できるのでしょうか? お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

ご質問どうもありがとうございます。ザンクトガレン2007のリスク分類では、リンパ節転移1個、Her2陰性より中間リスクとなります。病院や先生により多少の方針の相違はあるかと存じますが、リンパ節転移があることを考えますと、ガイドラインからも、抗がん剤治療に関してはアンスラサイクリン系+タキサン系の投与が標準的治療であろうと考えます。まだ、経口抗がん剤の再発予防効果については研究段階ですので、もう一度主治医の先生に良くお話を伺って、納得できるお答えをいただいてから治療を開始してください。言われるがままの受け身では、あとで後悔する場合もあります。積極的にご質問してくださいね。またお分かりにならないことは、いつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.8890】  09年05月05日   K.S.
マンモグラフィーに影&エコー異常なし

ご相談にのってください。41歳、子供が一人います。毎年定期的に乳腺専門のクリニックでマンモグラフィーとエコーの検査を受けています。先月マンモグラフィに白くはっきりした影が映り、数日後エコーの検査を受けたところ異常なしでした。医師は、「マンモグラフィーに、たまたま乳腺の影が映ったのでしょう。」とのことで、「また半年後にエコーだけはやりましょう。」ということになりました。触診はしていただいていないのですが、マンモで影の映ったあたりを自分で触ってみると、コリッとしたものがあるような気がするのですが、過去に子供の授乳時に乳腺症になったり、生理が近くなると胸が張ってきたりするので、自分ではよくわかりません。別の医師に診てもらったほうがいいでしょうか? マンモとエコー以外で希望したほうがよい検査は、この場合ありますか? ありましたらそれは何でしょうか?

ご質問どうもありがとうございます。ご心配が少しでも解消できるようにお手伝いさせていただきます。今回は触診が無かったのが一番の不安材料なのだと思います。でも、もし仮に、触診でしこりを触れたとしても、マンモグラフィーや超音波検査で総合的に判断し、合格という結果がでたのであれば、心配はないものと考えます。乳腺症という良性の状態でも、しこりはしばしば触れるものですからね。ただし、どうしてもご心配な場合には1ヶ月後ぐらいにクリニックを受診され、再度乳腺MRIを含めた精査をおこなっていただいても良いかと思います。MRIはどこにでもあるわけではないので、ご紹介いただくことになるかもしれませんが・・・。いずれにしても、今心の中に芽生えた不安を早めに解決することは、決して間違ったことではありません。お分かりにならないことは、またいつでもご相談くださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.8889】  09年05月05日   A
ノルバデックスの副作用について

2008年11月に右乳房温存手術を受けました。45歳です。ステージ「1」。その後、年が明けて1月より30回の放射線治療を行い、現在はノルバデックスを2008年12月から服用中です。お聞きしたいのは、ノルバデックスの副作用についてです。顔にしみがあり、この4月に美容クリニックで顔のしみを6箇所レーザーでとってもらいましたが、1週間もしない間に、その部分が、また濃くしみが浮き出てきています。乳がんになる前にも一度同じようにしみをとってもらった事があるのですが、その時は、その後濃くしみが浮き出てくる事はありませんでした。今回、しみをとってもらうにあたって、美容クリニックの先生には病気の事・服用している薬の事は伝えてあります。しみが、浮き出てきたので、またその美容クリニックに受診予定ですが、またレーザーでとってもらっても、同じようにしみが濃く浮き出てしまうんでしょうか? 顔のしみが気になるので、取りたいのですが、ノルバデックスを飲んでいる間はしみの治療はしない方がいいのでしょうか? また、今宣伝でもしている女性対象にした頬のしみ「カンパン」にきく飲み薬は、ノルバデックスと一緒に服用しても大丈夫でしょうか? 病気からはずれた質問で申し訳ございません。宜しくお願いいたします。

ご質問どうもありがとうございます。形成外科的なご質問ですね。中途半端な知識での回答はかえってご不安な気持ちを強くしてしまうので、なかなかお答えしづらいのですが・・・。レーザー治療でも、一度ではしみがきれいになることは少ないと、お聞きしています。また1週間前後は急性期なので、一時的にしみが濃くなる可能性もあると思います。形成外科の先生は、どのようにお話されているのでしょうか。おそらく何回かは必要ですと、言われているのではないでしょうか。肝斑に効果があるといわれているトレネキサム酸やビタミンCとノルバデックスに相互作用はありません。ノルバデックスとしみの因果関係は分かりません。お役に立てなかったかもしれませんが、詳しくは美容形成外科の先生のご意見をお聞きくださいませ。今後ともよろしくお願い申し上げます。(文責 高橋)

 

No.8888】  09年05月05日   うーたん まま
9歳の女の子のしこり

現在9歳の女の子です。最近、左胸にしこりがあることに気づきました。乳首の真下ではなく、少し左上に離れたところです。乳首の真下ならば、「胸のふくらみの初めかな?」とも思えますが、少し離れたところにグリグリとした直径1センチほどの楕円です。ホルモンバランスや成長期の影響なのでしょうか? 本人が気にしているので、どのように説明したらよいのか・・・。受診したほうが良いでしょうか? よろしくお願いします。

ご質問どうもありがとうございます。成長期の女性の胸には、ご指摘のとおり女性ホルモンのバランスによってしこりのように乳腺の一部が触れる場合があります。また、一部炎症を起こす場合もございます。ご心配な時には、一度年齢に関係なく乳腺外来への受診をお勧めいたします。ただ、気づかないうちにしこりは消失することがほとんどであると考えます。またご不安な時には、ご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.8887】  09年05月05日   閑チャン
副作用について(HPNo.8858-2)

回答を有難うございました。その後、他の病院で胸部のレントゲンを取って頂きましたが、「間質性肺炎ではなさそうです」との事です。ただ、レントゲンは先週の金曜日(24日)にとったものなので、微妙なのですが・・・。せき止めを貰って飲んでいますが、咳が出ます。ノルバデックスも飲み続けています。明日(5月1日)、主治医の診察日になっておりますので、主治医に相談して見ます。また、副作用を気にして、イライラしながらのノバルッテックス5年間服用を疑問に思い始めています。再発のリスクは、高くなりますが。途中で断る方っていらっしゃるのでしょうか?

閑チャン様、ご質問どうもありがとうございます。どうしても疑問の方が大きくなって、心配やいらいらがつのってしまう場合には、一旦ホルモン治療を中止される方もいらっしゃいます。ただし、もしいらいらしてしまう場合には、漢方薬なども有効な場合があります。また少しお考えになってみて、時期をずらして再度他の担当の者にご質問いただいても結構です。色々な先生の意見を聞いてみてくださいね。主治医の先生にも再度ご確認くださいませ。(文責 高橋)

 

No.8886-1】  09年05月05日   G
手術までの期間が長いのですが・・・

初めてメールします。38歳の主婦です。2週間前に右胸(11時方向)にしこりを見つけ、婦人科に受診してエコーにて2cm大のしこりを確認し、専門の病院を紹介していただきました。乳腺外科にて診察の際、触診で癌の疑いがあるとのことで、超音波、マンモグラフィ、細胞診をして帰りました。一昨日、結果が出て、やはり乳がんと言われました。今後、もう少し詳しい検査(MRIや骨シンチなどの検査はこれからやります)をして治療計画をたてるとのことです。ただ、手術の日程が込んでいるらしく、2ケ月先になるとのことで、私としては、その間に転移しないかがとても心配です。2ヶ月も間があいて大丈夫なのでしょうか?

ご質問どうもありがとうございます。同じことでお悩みの方はたくさんいらっしゃいます。今は、乳腺専門病院における手術の待ち期間は約2〜3ヶ月であることが多いです。通常、この期間であれば、乳がんの進行度には影響ありません。まずは、しっかりと術前の検査をされて、どういった術式を選ぶべきか良くお考えになってください。どうか心配しすぎて焦った結論をだされませんように。ご不安な時はいつでもご相談くださいね。 以上、主治医の先生にもご確認くださいませ。(文責 高橋)

 

No.8886-2】  09年05月31日   G
針生検検査後について

先日は、ご返事いただきまして有難うございました。手術までの期間じっくり自分の病気のことを勉強したいと思います。二週間前にコアニードル針生検の検査をしました。すでに、乳がんと診断されておりましたので、今後の治療方針を決めるために行いました。結果は、硬癌で、ホルモン受容体陽性、HER2陰性でした。本日、生検のあとの傷口を止めていたテープがとれました。針を刺したところから、しこりの方角の皮膚がとても固く、少し盛り上がっているように感じます。テープで止めているときから固さを感じていたのですが、テープのせいだと思っておりましたが、剥がれても固くなっているので心配です。しこりが大きくなったのか?とも疑いましたが、検査前には、まったく皮膚の固さを感じなかったので、検査によって炎症を起こしているのかとも思いました。うつ伏せになると時々鈍痛があります。針生検の後は、このような症状がおこるものなのでしょうか? 問題はないでしょうか? 次回の診察まで二週間ほどあくので、少し心配になりメールさせていただきました。お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

針生検後のキズのところが出血や炎症で腫れたり、硬くなったりすることはありますが、あまり心配はいりませんので、次回の診察まで待って問題はありません。(文責 浜口)

 

No.8885-1】  09年05月05日   H.T.
追加切除について

よろしくお願いします。埼玉県在住、40歳、独身、出産経験はありません。父方の叔母が乳癌、叔父がリンパ癌、母方の叔父が肺癌、従兄弟が白血病で亡くなっています。3月31日に左乳房温存手術(腋の下近く)を受けました。以下が病理の結果です。
・浸潤性乳管癌
・14x14x10mm(浸潤部)/32x25mm(DCIS成分も含めた広がり)
・核異型度スコア2、分裂像スコア(1-2/10HPF程度)で核グレード1
・HER2:1+、ER+(80%、moderate),PgR+(90%、moderate)
・切除断端陽性(DCIS)
・センチネルリンパ節生検:0/8
・周囲に導管内成分を伴うinvasive ductal carcinomaを認める
・腫瘍は乳腺組織内にとどまり、周囲脂肪組織への浸潤は目立たず
・浸潤部周囲には導管内に乳頭状、充実性に増殖進展する像、あるいは小葉内へ進展する像が目立ち、乳頭側(A領域側)へ広がる

結果にもあります通り、DCIS部の取り残しがあったため、局所麻酔で追加切除手術を受けます(温存です)。局所麻酔ということなので、それほど広がってはいないだろうと前向きに考えるようにしているのですが、それでも、やはり不安でたまりません。

1) 再手術をするにあたって、DCIS部がどこまで広がっているかを調べる検査はしなくてもよいのでしょうか?
2) 最初の手術から一月も経っているので、乳管浸透がさらに広がっているという可能性はないのでしょうか?
3) 「DCIS成分も含めた広がりが32x25mm」とありますが、そもそも切除断片が陽性なのに「32x25mm」という数字は、どうやって出るのでしょうか?

ご質問どうもありがとうございます。再手術に向けて不安なお気持ちなのですね。少しでもそのお気持ちが元気になりますようにお手伝いさせていただきます。
1)乳腺部分切除後に検査をおこなってDCISの広がりをもういちど確認するのは、非常に困難です。実際には現在の顕微鏡検査の結果を十分に確認し、どの方向においてどの程度断端にがん組織が陽性であるかを確認したうえで、必要な部分を追加切除して、もう一度断端を確認することが大切だと思います。
2)一ヶ月ですごいスピードで進行することはありません。
3)摘出した乳腺の中での大きさを表現していますので、追加切除した乳腺内にさらに広がりがあれば、この数字は変更されると思います。

また、局所麻酔にこだわりすぎて今度の切除範囲がまた不十分ということがないように、全身麻酔で十分に乳腺を切除していただくのも、一つの選択肢です。以上、主治医の先生にも再度ご確認下さいませ。(文責 高橋)

 

No.8885-2】  09年05月13日   H.T.
センチネルリンパ節生検について

HPNo.8885で質問させて頂いた者です。その節はありがとうございました。
実は、先日の追加切除の病理の結果も出ないうちに、今度は右乳房にシコリが見つかってしまい、細胞診の結果、悪性と出ました。(2月〜3月に検査を受けていた時の画像診断には何も映らず、3週間ほど前に自分で触って見つけました。現在7mmほどです。)
左胸の最初の手術の際、リンパ節への転移は陰性だったので、脇の下のリンパ節の隔清はされませんでした。右のシコリが、原発なのか転移なのかはまだ分かっていません。そこで、私の受けた左胸のセンチネルリンパ節生検に関して、疑問に思うことがあります。(もしかしたら右胸のシコリが左乳癌の転移の可能性もあると思うので。)
ネットで見ていると、だいたいが「腫瘍の周り、もしくは近くに注射を打つ」とあるのですが、私の場合は乳輪の周りに4箇所注射されました。薬剤はアイソトープです。私の腫瘍の位置は、元々は副乳と言われていた所で、ほぼ腋の下辺りにありました。(14年前に米粒ほどのシコリに手が触れ、病院で診てもらって副乳と言われたので、それ以来ずっと副乳だと思って、さほど気にしていなかったのです。)
次回外来の時に主治医にも確認しますが、先生の御意見もお聞かせ下さい。標準治療ではセンチネルリンパ節生検の注射は、どこに打つことになっているのでしょうか? 乳輪の周りに打つというのも、標準治療の中に選択肢として含まれているのでしょうか。もし、乳輪の周りに打つのが一般的でないなら、なぜそのような方法が選択されたとお考えになりますか?
最初の手術の後、リンパ節が陰性だったので安心していたのですが、「センチネルの検査が正しく行われていなかったのかも?」という思いが拭い切れず、不安で仕方ありません。これから右胸の手術も控えていますので、出来れば自分の納得した方法で検査、手術をしてもらいたいと切に願っています。お忙しい中、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

センチネルリンパ節生検の際の注射は、腫瘍の周りまたは乳輪の周りに打つことが標準です。とくに腫瘍が腋窩に近い場合は、その部位に注射すると腋窩リンパ節と重なってしまいリンパ節の確認がしづらいことがあり、この場合は乳輪の周りを中心に注射するのが一般的であると思います。また、左乳癌が右乳房に転移することは極めてまれであり、一連の操作で転移したということはまずないと思います。左乳癌の手術が終わったばかりで、今度は右乳癌の手術を受けることとなり、とても大変なこととお察し申し上げますが、私が拝見する限りでは、今までの経過の中で不自然な部分は特になく、安心して今後も主治医の先生にお任せになるのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.8884】  09年05月05日   A
ノルバデックスの服用について

37歳既婚、子供ありです。先月非浸潤癌で、皮下乳腺摘出術により手術しました。病理の結果ホルモン陽性で、対側の予防のためにノルバデックス2年間の服用を勧められました。飲まない人もいるらしく、治療をするかしないか来月まで考えてくださいと言われたのですが、やはり副作用等が気になります。子供もどうしてもというわけではありませんが、欲しい気もしますし、対側に発生するパーセンテージも3割弱と微妙な数字で、決めかねています。もともと月経前に精神が不安定になったりと苦労しているので、これ以上つらくなるのは日常生活に支障をきたします・・・。やはり飲むべきなのでしょうか。よろしくお願いいたします。 

ご質問どうもありがとうございます。非浸潤がん術後ホルモン療法に関するご質問ですね。一般的には、非浸潤がんの手術で乳腺をしっかりと切除されていれば、その後の追加の予防治療は行わないことが多いです。特に御本人が強く希望されるのでなければ、ホルモン療法は積極的にはお勧めはしていません。それよりも、今後の定期的な検診の方が大切であると考えます。以上のような考え方でよいかどうか、再度主治医の先生にもご確認くださいませ。そして、またご心配な時は、どうそご相談ください。(文責 高橋)

 

No.8883】  09年05月05日   Y子
タスオミンと卵巣嚢腫

2005年に温存手術後、2年間のゾラデックス注射を終え、タスオミン内服4年目、47才です。ゾラデックスを終えて1年ほどで生理が戻り、今はほぼ毎月あります。半年ごとに婦人科の検診を受けていますが、昨日の内診で、5センチほどの卵巣嚢腫が見つかりました。これはタスオミンの副作用でしょうか? 内服を中止するれば、卵巣嚢腫は小さくなるものですか?

ご質問どうもありがとうございます。ホルモン療法をおこなっている患者様は、どうしても副作用のことが気になってしまいますよね。確かに、タスオミンの副作用として卵巣嚢腫はあげられていますが、発生頻度は0.1%未満と報告されています。ですから、今回の因果関係は不明です。定期的に婦人科受診をされていらっしゃるようですので、婦人科の先生にもお尋ねしてみてくださいね。タスオミンを内服されていなくて卵巣嚢腫が見つかる方の方が頻度は多いと考えますので、あまり副作用を気にしすぎなくて良いかと思います。またタスオミンを中止すれば、すぐに消失するというものでもないと考えます。またご心配な時はご相談くださいませ。(文責 高橋)

 

No.8882】  09年04月29日   H 
乳房の痛みとわきの下のしこり

現在31歳で、1歳の娘がおり、授乳中です。1ヶ月ほど前から、右乳房の奥から乳首の方へズキンズキンという痛みがあり、しこりもあるような気がしたので、10日前に乳腺外科を受診しました。授乳中の為マンモグラフィー検査は受けられず、超音波検査とわきの下を含む触診をしてもらい、しこり等どこにも異常がないと言われました。しかし現在も時折胸の痛みがあり、また一昨日何気なくわきの下を触ったらしこりのようなものに触れました。そのしこりは、なめらかでころころと良く動き、痛みはありません。10日前の検査では、わきの下にしこりはないと言われたのに、何故という気持ちでいっぱいです。乳がんでのわきの下のしこりとは、どのようなしこりなのでしょうか。硬かったり動かなかったりするのでしょうか。それともころころ動くのでしょうか。また乳房の痛みも治まらないのが気になります。因みに本日、産後初めて月経がきました。もう一度乳腺外科を受診した方がよいのか、アドバイスお願い申し上げます。

わきの下のころころしたしこりというと、リンパ節を触れている場合がほとんどです。リンパ節は炎症などでも腫れることがありますし、特に異常がなくても触れることがあります(ただ、まれにリンパ節以外のものの場合もあります)。10日前の検査では異常なしとのことですので、少し様子をみられても宜しいかと思います。数週間して変わらないようであれば、再受診されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.8881】  09年04月29日   K 
ドセタキセル

昨年9月に左乳房を全摘しました。センチネルリンパ節3個は転移無しで、エキスパンダーを挿入しました。その後、病理検査の結果、センチネルのすぐ近くのリンパ1個に転移が見つかり、11月から化学療法を始めました。ACを4週間ごとに(白血球が回復しなかったため)4クール終了し、ドセタキセルを始めるところで、血小板の減少(現在65000)のため延期になっています。Drは、血小板が80000くらいに回復したら、ドセの量を20%減らして投与しましょうとのことです。私はB型肝炎のキャリアーでバラクルードを服用中です。それも含めて考えると、ドセの投与は断って、ホルモン療法に移りたいと思っています。ドセをやめた場合と4クールした場合との転移再発のリスクの差はどれくらいでしょうか。ご回答よろしくお願いします。

ホルモン反応性の程度(エストロゲン、プロゲステロン)、HER2発現の有無などの腫瘍の性格、実際のリンパ節転移の数(センチネル以外に一つ取り、ちょうどそこだけに転移があったのでしょうか?)などによってドセの追加効果は変わってきます。条件をある程度満たせば、ドセの追加効果は小さくなりますので、合併症のことも考えると、Kさんの判断が適切だと思います。(文責 加藤)

 

No.8880】  09年04月29日   O
タモキシフエン

38歳、出産経験なしです。乳がんの温存手術後、放射線治療が終了し、ホルモン療法タモキシフエンが決まりました。病理検査 非浸潤ガン 微細浸潤ガン有り。腫瘍経3.5 グレード1、内頭側断端 プラス (術中-なので事実上negatuve)、 尾内側断端 プラス(乳腺を取りきっているので事実上negatuve)、 HER2 1+、 SN 0/2、 ER:ts 8/8、 PGR:ts 7/8

タモキシフエンは、副作用で子宮内膜ガンの可能性が3倍とのこと、上記病理検査結果の場合でも、そのようなリスクを負うべきか悩んでいます。身内で子宮がんで他界しているものがいますので・・・。「断端事実上negatuveというのは、取りこぼしなしと考える? ならば非浸潤ガン取りこぼし無しならば完治なのでは? ならば何もしなくても、とりわけハイリスクではないのでは?」と考えています。色々な書物をよみましたが、いくつかホルモン療法は断るべきとの書籍もあります。薬剤師のかたは、年に一度検査にいけば初期ですむとおっしゃっていますが、そもそも子宮がんになりたくないのです。なのに何故タモキシフエンなのでしょうか。再発リスクが統計上上回るという理由のみでしょうか? また、よくHP等で拝見する数値、タモキシフエンでの子宮がん発生率1000人中3人というのは、閉経後の方でしょうか? 閉経前でしょうか? 子宮がんになった場合の治療を考えるだけで気が沈みます。タモキシフェンをお断りしたくなります。恐れ入りますが見解をお聞かせ下さい。

タモキシフェンによる御指摘の子宮がん発生率は、主に閉経後の方のデータになります。閉経前の方ではリスク上昇は少ないとされています。一方、乳房内再発率は約5%の低下が期待できます(対側乳がんの発症率も下がります)。あとは費用や副作用(服用してみないと分かりませんが)も含めて考慮し、決定することになろうかと思います。実際服用してみてから考えるというのも、一つの選択肢になりますが、リスクを少しでも回避したいのであれば、無理に服用はしなくてもよいと思われます。(文責 加藤)

 

No.8879-1】  09年04月29日   K 
悪性の可能性は大きいですか?

いろいろご回答を読ませていただいて、大変勉強になりまして、本当にどうも有難うございます。私、45歳。去年2月に左下内側に0.5センチのしこりを見つけ、一般外科の先生に見てもらいました。「小さすぎますから、どんなものなのか分かろうとしてもわかりません。細胞診はうまくできないから、急に大きくになったら来て下さい」と言われました。今年2月、市立病院でマンモグラフィーをとって、左の下に薄い影を見られます、エコー検査で怪しいところがあるため、細胞診を受けて、クラス3の結果を得ました。3月にがんセンターの乳腺専門医に見てもらいました。マンモグラフィーで何の影もなく、エコー検査で結構疑われることがあるが、がんなのか結論は超音波下コアニードルの検査結果を見てから分かるようです。今しこりは1センチ、形ははっきり分かりません(エコーで見たのは、二つ似た円形の間に不規則な太い棒があるらしいです)。おでこの硬さで、動かないようです。結論を待つのにすごく苦痛を感じています。大変迷惑なのはわかっているのですが、メールを送らせていただいてしまいました。

1)このしこりは悪性の可能性が大きいですか。
2)超音波下コアニードルの検査で絶対に白黒結果は出ますか。

外国人が書いた分かりづらい文章で申し訳ございません。どうぞ、よろしくお願いいたします。

1) 一年でほぼ倍の大きさとなり、細胞診でクラス3とのこと、確かに悪性の可能性もありますが、良性のこともあります。
2) コアーニードルでも良悪性の判断が難しい場合もあります。絶対に白黒結果がでますか?と言われれば、答えはnoとなります。ただ、適切に標本が採取されていれば多くの場合結果が判明します。結果が判明するまでは、不安も多いと思いますが、あせらずにお待ち下さい。たとえ悪性であったとしても、初期の段階である可能性が高く、治癒を十分期待できると思います。(文責 加藤)
 

 

No.8879-2】  09年05月25日   K 
どんな結果を信じればいいですか?

 前回の相談はNo.8879せす。大変お世話になりまして、お礼としてどんな言葉を選んだらいいのか、分かりませんが、本当にどうもありがとうございます。 超音波下コアニードル検査の結果、一応乳がんを出されました。疑われたところは、すごく硬いから、うまく採取できなかった為、繰り返し採取し、組織8箇所をとられました。7箇所は異常なしで、一箇所だけ細胞の異常があって、非浸潤性乳がんの可能性が高いと説明してもらいました。「念のため腫瘍マーカーを検査しましょう」と薦められまして、でも、まだはっきり白黒つけられない可能性があると言われたから、乳房生検を受ける決意をしました。先生には、念のため、余分に取ってもらいました。病理結果は良性、のう胞です。先生から「良性だから、心配をいりません。念のため9月もう一度検査に来てください」といわれました。2回の病理検査結果は、私にとってあまりにも異なります。
1) こんな結果はありえますか。
2) 私は、これから心配を本当にしなくてもよいのですか。

ご回答、お願いいたします。

腫瘍の切除生検の結果が最終診断です。針生検は、腫瘍のごく一部の所見ですから、最終結果が異なることは、少ないですがありえます。主治医のコメントから推測すると、針生検の診断も確定的なものではなかったと思われます。(文責 徳田)

 

No.8878】  09年04月29日   N.K.
HER2陽性乳がんの術後補助療法について

3/3に右乳房温存手術をしました69歳母のことで、相談お願いいたします。
病理結果:硬がん、ステージT、腫瘍1cm、がんの広がり?5cm、グレード2、センチネル生検 リンパ節転移なし(0/1)、ホルモンレセプター PgR(-) ER(-)、HER2 (3+)、リンパ管侵襲(2)脈管侵襲(-)

術後補助療法として、「放射線療法、FEC 6クール、ハーセプチン 18回」を勧められました。ただ治療するのに69歳という年齢は微妙だともいわれました。母は治療を受けるつもりでおります。下記の件のご回答よろしくお願いいたします。

1) 69歳という高齢の場合は、化学療法による再発率を抑える効果が低くなるということでしょうか?
2) ハープセチン単体よりタキサン系と併用のほうがいいのではないでしょうか?
3) また「ハーセプチン+タキサン系」併用の場合、FECの6ク−ルの回数は減らすことは可能なのでしょうか?

1) 一般的に、高齢の方ほど数字上再発抑制効果が低くなります。
2) 病理結果を考慮すると、大きな差はないでしょう。
3) 減らすことは可能です。(文責 加藤)

 

No.8877】  09年04月29日   M.I. 
痛みとかゆみについて

35歳の女性で、出産経験はありません。ほぼ毎日、生理中でもそうでない時でも「右側のみ」下記の症状が出ます。
・乳房の痛み(軽くズキズキしますが、辛くはありません) ・乳首の周りや乳房の痒み ・腋の下の痛み
しこりについては自分の手で胸を触ってみてはいますが、しこりと骨の区別がつかず、有るのか無いのかすらよく分かりません。ちなみに分泌物はなく、外見上の異変も見受けられません。以上、お手数ですが、よろしくお願い致します。 

痛みに関して片側のみを訴える方が多いのですが、検査上異常が見つかるのは、ほんの一部の方だけです。ただ、一度検診を受けて、しこり等がないことを確認されておくことをお勧めします(市町村の検診は一般的に40歳からですので、施行している病院等での受診になります)。(文責 加藤)

 

No.8876】  09年04月29日   K 
転移後の痛みについて

お世話になっております。49歳、左全摘で術後5年たち、その間、再発を繰り返し 2年前からは骨と肝臓に転移、左の肩から指先までの麻痺と、今は脾腫も加わり、毎日辛く沈んだ気持ちで過ごしております。今回ご相談したいのは、骨転移が全身にあり痛みもあるのですが、特に頚椎が気になるのです。起床時に気持ちが悪い時があります。どのように寝るのが良いのでしょうか。また枕も専用なものがあるのでしょうか。その他注意することがありましたら教えていただけますか。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

専用の枕はないですが、負担のかからないものがよいと思います。いろいろなものがありますので、体にあったものを探されるとよいでしょう。寝方に関しても特に決まりはありませんが、痛み、しびれの少ない姿勢で休むのがよいでしょう。起床時に気持ちが悪いとのことですが、続くようであれば主治医にお伝えになったほうが宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.8875】  09年04月29日   K
乳房再建について

はじめてメールします。私はステージ1(左胸しこり1.5p)の乳がんで、昨年3月に温存手術を受けたのですが、断端陽性ということで4月に全摘出しました。同時に乳房再建をすることにして、6月にインプラントを挿入しました。そろそろ乳首乳頭の再建をしようと思うのですが、その方法について相談したいと思いメールしています。
形成外科の主治医から、「@乳首乳頭を右胸から移植 A局所皮弁+刺青 B乳首の移植+刺青」の三つの方法を提案されました。私は皮膚が薄いためAは少しリスクがあるそうのなので、@かBにしようかと思っています。ただ私はこれから出産授乳を希望しています。ホルモン治療が終われば妊娠できたらと思っています。今後右胸での授乳は可能だと内分泌外科の主治医から聞いていました。この乳首乳頭再建で乳首を移植することで授乳に差しさわりが出てこないか心配になっています。ご意見お聞かせください。よろしくお願いいたします。所沢市、34歳。

乳頭移植を行うと、授乳に影響が出る可能性があります。形成外科医に今後の出産希望を伝えた上、選択を行っていくのが望ましいでしょう。(文責 加藤)

 

No.8874】  09年04月29日   KY
CA15-3 腫瘍マーカーの上昇について

いつも有意義な回答をいただきありがとうございます。50歳、今年で術後10年になります。昨年9月の定期検診で異常なしでしたが、先日の血液検査でCA15-3 腫瘍マーカーのみが、31.7とやや高くなっていました。7年前の数値は17位と記憶しています。ドクターは心配ないということですが、再発転移が心配でなりません。いろいろ調べると数値は個人差があるようで、多少高くてもガンではないことも多いとありますが、再発の兆候ではないかと危惧しています。昨年までの数値の傾向が不明ですが、測定機器の誤差や個人差などを考慮すると、この数値はいかがなものでしょうか? ご教示いただけると幸いです。

再発がみられなくても、腫瘍マーカーが正常値をやや上回ることは時々ありますので、それほど心配する必要はないように思います。もしご心配であれば、少し時期を置いて再検査されてみるとよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.8873】  09年04月29日   M.M
左わきの下のふくらみについて

初めてご相談させていただきます。左わきの下(左胸のほぼ真横位の場所)にふくらみがあることに気がつきました。ずっと2人目出産後の産後太りのせいで、胸の横に脂肪がついたんだと思っていました。が、よく見てさわってみると、乳首のない小さな胸の様な感じなのです。触った感じはぷにょぷにょしていて、柔らかく、さわっても痛みはありません。押すと、しこり?あばら?乳腺? 何かわからないのですが、少し硬いものがあります。大きさは、はっきり輪郭があるわけではないので難しいのですが、5〜6センチではないかと思います。身内に癌の人はいません。子供2人は母乳で育て、1人目は1才10ヵ月まで、2人目は3才までおっぱいをあげていました(2年半前まで)。たんに太っていて脂肪がついているのかな?とも思いますが、副乳、乳癌が心配です。このまま様子を見てもいいのでしょうか?それとも、診察に行ったほうがいいのでしょうか? 現在40才で、これから乳癌検診をしようと考えていたところでした。住所は横浜市旭区です。おすすめの病院を教えていただけると助かります。

メールの内容からは、おっしゃるように脂肪の一部や副乳の可能性もあると思われます。ただ、しこりが隠れていることもありますので、一度受診をお勧めします。もしかかりつけの医院があれば(産婦人科も含めて)、まず相談なさってみてはいかがでしょうか?(外科あるいは乳腺(外)科が担当の科になります)(文責 加藤)

 

No.8872】  09年04月29日   k 
副作用について

お世話になます。2003年に右乳房を温存療法で手術しましたが、2年後に肝臓・脳に転移しました。脳はガンマナイフで治療し、タキソールを1年半使いましたが、きかなくなり、ナベルビン4箇月、ゼローダを半年のみ、現在TS1を3クール飲みました。その副作用か、腹痛は我慢できますが、足のつめがひどく痛くなり、靴もはけなくて外出もままなりません。市販の、ひびの塗り薬をいろいろ試しましたが、いっこうによくなりません。主治医に相談したら、副作用なので塗り薬をつけても意味がないと、痛み止めと抗菌剤をくれましたが効き目がありません。もう2ヶ月近くこんな状態でまいっています。飲み続けなければいけないから、我慢するしかないのでしょうか? 何かよい治療法があれば教えてください。よろしくお願いいたします。

主治医の加療によっても改善しないのであれば、減量または中止するしか方法はないかもしれません。治療は効果も大切ですが、副作用も大切であり、そのバランスを考えつつ行っていきます。日常生活に影響を及ぼす程度が強いようであれば、今後の継続につき相談されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.8871】  09年04月29日   N 
血性分泌物

今年1月30日に出産し、HTLV1ウイルスキャリアの為、母乳は与えずです(しばらく断乳するか迷いがあった為、その間に痛みとハリが強くありましたが、薬で炎症をおさえました)。そのあと痛みはありません。母乳は少しでていましたが、まだ出るものかと確認のため乳頭を絞ってみると、母乳と鮮血が出ました。絞ると出るという感じですが、痛みは全くありません。受診すべきでしょうか?

出産後、母乳に血液が混じることは時々みられますが、長く続くようであれば受診をお勧め致します。(文責 加藤)

 

No.8870】  09年04月29日   S
ノルバデックスと漢方について

いつも参考にさせてもらってます。去年から心療内科に通っています。心療内科の医師からは、「うつ病の患者さんに使う薬を飲んだ方がいいでしょう」と言われたのですが、抵抗があったので断ってしまい、そのかわりに体に負担が少ないと言われている漢方を飲んでいます。ノルバデックスを服用中に他の薬(安定剤や漢方など)を飲み続けるといけないのでしょうか? 漢方は加味逍遙散というのを飲んでいます。漢方がノルバデックスの効果を下げてしまうようなら、漢方服用はやめようかと考え中です。他の薬を飲んでいるとノルバデックスの効果を下げ、転移・再発率が高くなってしまうんじゃないかと不安もあります。どうぞよろしくお願いします。

抗うつ剤の一種(パロキセチン)は、ノルバデックスの効果に影響を与える可能性があるといわれていますが、漢方薬については、まだそのような可能性は明らかにされていません。(文責 加藤)

 

No.8869】  09年04月29日   I.S. 
パジェット病の可能性があるのでしょうか?

38歳の女性です。2007年10月下旬に初めて子供を出産し、その一ヶ月後位には母乳が出なくて、完全ミルクでの授乳になりました。その後時々乳首が湿っぽい感じがする事がありましたが、自分で乳首を絞っても目で確認できるほどの分泌物は無く、いつしか忘れていました。それが一昨日、また乳首が湿っているような感じがし絞ってみたところ、両方の乳首から微量の無色透明の分泌液が出ました。手触りはサラリとして水みたいな感じ、色は無色透明で匂いもありません。そこで乳腺科のある病院で診察を受けたのですが、エコーと視触診の結果しこりなどは無く問題なし、分泌液はその時は左からは出ず、右からのみ微量が出たので、医師がプレパラートに付着させて、成分を見るとの事で、検査に出しますとの事でした。ちなみに、この医師はマンモグラフィの読影認定医で、この医師の元で昨年11月に視触診とエコー、マンモによる乳がん検診を受け、異常なしと診断されています。素人の考えですが、当初自分では高プロラクチン血症かと思っていたのですが、採血(血液検査)のないままに細胞の検査に回った事で、もしやパジェット病の疑いが濃いのだろうかと動揺しております。医師は分泌液を確認したとき、見た感じでは嫌な感じは無いと言っていましたが、実際のところ高プロラクチン血症かどうかの診断を出すときは、血液検査より細胞の検査が先になる事もあるのでしょうか? なお、今のところ乳首や乳輪に炎症や湿疹はなく、若干左の乳輪の下の方が、分泌液の影響によるのか弱いかゆみを感じますが、他には何もありません。この段階でパジェット病の可能性は大きいのでしょうか。それから一か月ほど前に突発性難聴からくるめまいのため、耳鼻科に通院しめまいの薬を服用しています。当初はアデホスコーワ顆粒10%、プレドニン錠5r、カリクレイン錠10単位、、メリスロン錠6rを、処方されて服用していましたが、症状が改善するにつれてまず服用開始から2週間でプレドニン錠が、続いてアデホスコーワ、カリクレインが処方されなくなり、現在はメリスロン錠だけを1日6錠服用しています。高プロラクチン血症の場合、薬の服用でなる場合もあると聞きますが、これらの薬が影響している可能性もありますでしょうか?
どうぞアドバイスをお願い致します。

メールの内容からは、パジェット病の可能性は低いと思われますので、御安心下さい。めまいのお薬との関連性も低いでしょう。(文責 加藤)

 

No.8868】  09年04月29日   Y 
乳首からの分泌物

半年前マンモで乳癌を発見し、左を温存手術。リンパも取りましたが、転移無く、ステージ1で、放射線も終わり、ホルモン剤を飲んでます。2週間程前に乳首から水のような物が出て、病院でエコー検査をしました。先生は、「溜まっていた水が出て来たんだろう。」との事でしたが、良くある事なんでしょうか? 先生に質問しても、ハッキリとした答えが聞けませんでした。そのエコー検査で1aぐらいの影が見つかり、「傷の一部かもしれないから様子をみましょう。」と言われ、又あいまいな答えなので、組織検査を希望し、今月末にする事になりましたが不安です。

しこりを取ったところに浸出液(お水のようなもの)が溜まり、乳頭から出てくることは温存術後に時々みられます。エコー検査で確認されているのなら、問題ないと思います。判断が難しい場合は細胞(組織)の検査を行うこともあります。あまり心配なさらずに、検査結果をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.8867】  09年04月29日   E・K
遠隔転移?腹部違和感・足その他疼痛について

以前、62歳・母・乳がん(右側温存手術)の件では大変お世話になりました。ホルモン療法で術後丸2年たち、足の痛みは術後すぐから続いておりますが、その後他症状もなく落ち着いていたのですが、最近になって「骨盤・足の疼痛・右足の腫れ・しびれ」「腹部の違和感・膨満感・板が張ったような感じ」が、ここ1ヶ月ほど続いており、本人も心配でたまらないようです。痛みは気にならない時もあれば、強く痛むときもあるようです。食欲は普通にあるそうなので、転移などであれば「黄疸・食欲不振」なども同時期に出現してくると思うのですが・・・。1ヶ月前に高血圧による動悸で胸部レントゲンを撮りましたが異常無し。転移の恐れは薄いでしょうか? 可能性としてはどの程度でしょう? とても心配で夜も眠れません。お返事宜しくお願いいたします。

体調に変化があり、1ヶ月ほど続いているということであれば、受診をお勧め致します。検査が必要であれば、指示があると思います。メールの内容からだけでは、可能性を申し上げるのは難しいですが、あまりご心配せずに、まず担当医とご相談下さい。(文責 加藤)

 

No.8866】  09年04月28日   A
乳頭の膨らみと痛みについて

最初は乳頭の下に小さな膨らみがあり(ニキビのような)、少し服に擦れて痛いとは思っていましたが気にしていませんでした。それから三ヶ月くらい経ち、いつもよりも痛みを感じたので、見てみると、その膨らみが乳頭の上に重なるような感じで大きくなっていました。その翌日、乳頭から脇にかけて痛みを感じています。症状は左胸にでています。怖いです。

診察しなければ分かりませんが、おそらく乳輪、乳頭部の感染による病変だと推測されます。不安を取り除く為にも、一度、乳腺外科又は外科を受診して、ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.8865】  09年04月28日   S.Y. 
浸潤性小葉癌

私は人間ドックのエコーで左乳房に腫瘍があり、細胞診の結果、浸潤性小葉癌と診断されています。来月末に乳腺全摘出と腹直筋筋皮弁の同時再建を予定しています。心配な事は、腫瘍が5〜6個あり、違う浸出癌もあると記されているのと、両脇下が痛む事です。小葉癌は両側に出る確率が高いとのこと、主治医の先生は、手術まで診察なしでいいとのお話です。体調も良くないので不安です。同時再建にも迷いがあります。こんな私にアドバイスをおねがいします。

浸潤性小葉癌は、両側に乳癌が発生したり、同側乳房内に多発する場合もあります。両側に発生する場合もあるということで、主治医の先生は、おそらく、MMG、CT等にて、反対側の乳房チェックされていると思います。不安や疑問がある場合は、主治医の先生によくお話を伺ってみて下さい。また、両脇下の痛みに関しては、直接診察しなければわかりませんので、一度アポイントをとって、主治医の先生に受診して下さい。同時再建に関しても、不安を抱えたまま行うのではなく、再度先生に充分お話しを伺い、治療方針を理解した上で、納得の行く治療を受けることが大切です。(文責 須田)

 

No.8864】  09年04月28日   W
赤血球の下降

現在41歳です。全摘手術し、先日6年目検診をしたところ、「平均赤血球体積76.1、平均赤血球ヘモグロビン量23.8、平均赤血球ヘモグロビン濃度31.2、白血球数2.8」と、軽度の異常が見られるので再血液検査となりました。CEA、CAは正常です。ノルバは5年服用しました。再検査とあるからには、いったい何を疑っておられるのでしょうか? 再発などの関連性もあるのでしょうか? 癌専門病院だけに、とても怖いです。どうぞ宜しくお願いいたします。

再検査をして貧血の原因を調べる事になると思いますが、おそらく再発との関連性はないと思います。(文責 須田)

 

No.8863】  09年04月28日   S 
温存は無理でしょうか?

来週の火曜日に左胸全摘手術を控えている者です。全摘しても、何年か後に再発したという方がいるみたいで、一応納得して今まできましたが、手術前に化学療法で小さくしてから温存は無理なんでしょうか? 病院では、温存希望したのですが、私の場合は無理とのことでした。乳腺専門外科でみてもらいました。

術前化学療法をすることによって乳房温存術が可能になる場合が多くありますが、100%というわけではありません。このメール内容だけでは情報不足で、はっきりしたことは分かりません。もう一度主治医の先生に、温存術が無理であることの説明を受け、納得のいく治療を受けて下さい。病気と前向きに闘うためにも、不安や疑問を取り除く事が大切です。(文責 須田)

 

No.8862】  09年04月28日   M.S. 
手術方法について

抗がん剤の術前投与で、FECが終わり、パクリタキセルとハーセプチンの投与もまもなく終わります。このあと、CTやMRIをとってから手術方法や範囲が確定になります。術前3センチあった腫瘍も、リンパのぐりぐりも触っただけではわからない状態になりましたが、もともと広がりの範囲を特定しにくいタイプとのことで、もとあった場所は切除することになるので、四分の一切除を今は勧めていただいています。全摘でも私はかまわないのですが、「もし全摘して、術後の検査でがん細胞がなかったら辛くなりませんか。」と聞かれました。いろいろ希望を聞いてくださり大変ありがたいのですが、何を基準にお答えしたらいいのか迷っています。予後が悪いといわれるハーツー陽性患者で、リンパ転移のある場合、部分切除した場合と全摘の場合の再発転移に関する何か具体的なデータはありませんか。よろしくお願いいたします。 

乳房温存療法(乳房温存術+乳房照射)と胸筋温存乳房切除術では、生命予後に関しては同等と考えられています。従って、術前化学療法の目的の一つは、全身に潜んでいるかもしれない微小転移を退治することですが、どちらの手術を行っても、遠隔転移については同率という事になります。主治医の先生は、「同率であれば、乳房の形を残して、生活の質(QOL)を少しでも良くするほうがいいのではないでしょうか。」と、アドバイスしてくれているのだと思います。(文責 須田)

 

No.8861】  09年04月28日   K 
細胞診

36歳。5mm位の、のう胞があるということで細胞診をしました。粘液がでたみたいで、結果は一週間後です。水でなく粘液が出た場合は、ガンの可能性が高いでしょうか? また、ガンの場合、一番傷口が小さくてすむ手術法はありますでしょうか? 手術で定評がある病院がありましたら紹介してください。宜しくお願いします。

粘液を産生する癌を粘液癌といいますが、粘液癌の可能性は否定できません。仮に癌であった場合は、次にCTで広がりの検査を行うと、発生している場所、大きさ等がわかります。その時点で、どのような手術創が適当かのデザインが可能になります。皮膚の手術創のみを小さくする方法としては、内視鏡による手術も考えられますが、この方法で行うのがベストがどうかを判断するためにも、癌の広がりを調べる事が必要です。主治医の先生と、よくご相談下さい。病院については、日本乳癌学会のホームページを参考にして下さい。(文責 須田)

 

No.8860】  09年04月28日   K.M.
ホルモン療法について

2月に温存で手術を終えました。浸潤で11ミリ。レセプターはER+、Rgr+、HER2(−)、リンパ転移なしとのことでした。グレード1。放射線照射を先日25回終えました。51歳で、閉経直前、ホルモン療法をどうしようか迷っています。副作用がかなりあるということで、いったんは主治医の先生にやらないと伝えましたが、無謀でしょうか? ご意見をお聞かせください。51歳主婦。

ER(+)、PGR(+)です。ホルモン療法は、化学療法ほど重篤な副作用はないので、行うことをお勧めいたします。たとえば、タモキシフェンは、閉経前乳癌にも閉経後乳癌にも標準的に使用される飲み薬ですが、5年間服用することで、約40%再発を減らす事ができます。もう一度、主治医の先生と充分ご相談下さい。(文責 須田)

 

No.8859】  09年04月28日   A.K.
傷口周辺の赤み

術後の傷口の赤みについてお尋ねいたします。53歳、浸潤性乳管癌で温存手術後、25回の放射線をして、まる3年がたちました。腫瘍の大きさは5mm×12mm、PR,ERともにプラスで10%、グレードは low、Her2 は1+、リンパ節転移なし、リンパはレベル2まで郭清しました。ノルバディクスDを飲んでいます。術後3年が経過した最近、温存した乳房の傷口の周辺が赤みを帯びてきました。だんだん広がっているような気がします。傷口は多少硬いものの、しこりなどはありません。定期的に行っている血液検査では異状はありませんでした。医師にも訴えましたが、特に何も言われなかったので、それ以上は聞けませんでした。

1) 傷口周辺の赤みの原因は何でしょうか。
2) 炎症を抑える軟膏で対処すればいいのでしょうか。

手術創の肥厚性瘢痕です。外傷後、創部の痒みと軽い痛みを伴い、増大するものもありますが、乳癌とは関係ありません。キシロカイン+ケナコルト等の局所注射により、症状の大部分はコントロールできますが、瘢痕が完全にとれるわけではありません。(文責 須田)

 

No.8858-1】  09年04月28日   閑チャン
副作用について

初めてメールをします。昨年12月に乳がんで左乳房を全摘しました38歳の閑チャン(女性)と申します。抗がん剤治療が終わり、今月4月からゾラテックスの注射(月一回の)とノバルテックス錠を開始しましたが、錠剤を開始した頃から咳があり、4月13日に風邪薬を出していただきまして、15日に一度咳は止まりましたが、4月17日にノバルテックスを飲んだところ、また、咳が出始めてしまいました。昨日、主治医に相談したところ、ノバルテックスを飲み続けながら様子を見てくださいと言われ、今日から飲んでます。重篤な副作用で間質性肺炎がありますが、このまま咳が出る状態でノバルテックスを暫く飲んでいるほうが良いのでしょうか? 乳がんのホルモン治療で、このお薬が一般的でとても良いお薬なのは、ネット等で調べて存じていますし、私も5年間飲み続けたいのですが、重篤な副作用があるため、神経質になっています。良いアドバイスがあったら、よろしくお願いいたします。

直接診察していないので、正確なことは申し上げられませんが、副作用としての間質性肺炎は、そう多くはありません。普段見てくださっている主治医の先生が大丈夫と仰るのであれば、おそらく心配ないと思います。ただし、不安を抱えたままでは治療に前向きに取り組めませんので、間質性肺炎を心配しているのであれば、胸部X線撮影、胸部CTを行って、確認してみるのも一法です。主治医の先生に心配していることを申し出て、病変のないことを確認してもらうのがよいと思います。(文責 須田)

 

No.8858-2】  09年05月05日   閑チャン
副作用について(2)

回答を有難うございました。その後、他の病院で胸部のレントゲンを取って頂きましたが、「間質性肺炎ではなさそうです」との事です。ただ、レントゲンは先週の金曜日(24日)にとったものなので、微妙なのですが・・・。せき止めを貰って飲んでいますが、咳が出ます。ノルバデックスも飲み続けています。明日(5月1日)、主治医の診察日になっておりますので、主治医に相談して見ます。また、副作用を気にして、イライラしながらのノバルッテックス5年間服用を疑問に思い始めています。再発のリスクは、高くなりますが。途中で断る方っていらっしゃるのでしょうか?

閑チャン様、ご質問どうもありがとうございます。どうしても疑問の方が大きくなって、心配やいらいらがつのってしまう場合には、一旦ホルモン治療を中止される方もいらっしゃいます。ただし、もしいらいらしてしまう場合には、漢方薬なども有効な場合があります。また少しお考えになってみて、時期をずらして再度他の担当の者にご質問いただいても結構です。色々な先生の意見を聞いてみてくださいね。主治医の先生にも再度ご確認くださいませ。(文責 高橋)

 

No.8857】  09年04月28日   H.Y. 
放射線が終わり、内分泌治療が始まりました

現在46歳、既婚、子供2人がおります。昨年9月初旬に、右乳房2時方向に、自己触診でしこりを発見し、触診、マンモ、穿刺細胞診、太針細胞診、エコー、乳腺MRIを経て、初期(ステージT)の乳管がんと診断されました。10月末に右乳房部分切除術、センチネルリンパ節サンプリングし、11月中旬に以下のような腫瘍の病理検査がでました。腫瘍径10mm、断端(陰性)、ホルモン感受性(強陽性)、静脈管浸潤(陽性)、HER2スコア(2+)、リンパ節転移0/6個(陰性)、遠隔転移(−)、リンパ管浸潤(+)、核異型度(グレード1)。
組織は胸膜にも達しておらず、乳腺及び乳房内に留まっているため、温存術としました。以上の結果から中間リスクであると言われています。年末から1月中旬まで23回の放射線治療、その後2月から内分泌(ホルモン)治療を開始し、経口剤(ソシゲーン)を2ヶ月服用、4月よりリューブリン3ヶ月製剤を注射しています。現在は経口剤は「タスオミン」になっております。閉経前なので、経口剤、リューブリンを打ってから、先週に生理が来ました。先生は月経過多になるかも知れないとおっしゃっていたので、注意をしていましたが、量的にもいつも通り、普通に5日ほどで終りました。この治療を5年続ける計画ですが、5年後、自身が本当の閉経を迎えていた場合、お薬は変更しますとの事です。主治医の先生からは、「静脈管浸潤は気になるものの、あえて化学療法を取り入れても、脱毛や吐き気に苦しんで、どれだけ再発が抑えられるのかは、数パーセントの違いじゃないかと思う。HER2スコアも(2+)なので、今後内分泌治療を続けて、血液検査やその他の検査で異常があった場合、FISH法でHER2を確定して、増幅があった場合、抗体療法をしよう。」とおっしゃっていました。今すぐ着手しなければいけない様な緊急性はないと考えていらっしゃいます。今の所、放射線皮膚炎も治まり、血液検査の結果は問題ありませんが、中間リスクであると聞いた時から、「抗体療法を採用しなくても大丈夫なんだろうか?」という不安があります。ステージTaの初期の乳管がんと聞いていたので、低リスクだと思っていたのでショックもありますが、一般的にこの治療方針が普通でしょうか?
この他に、乳がんの再発を抑えるために、私ができる治療としてはどの様な物が考えられますか? 未来を見据えて色々考えておかなければ後悔しそうなので、どうしても悪い方に考えが及んでしまいます。お忙しい所、お手数をお掛けしますが、宜しくご教授下さい。

ザンクトガレン国際会議における推奨療法では、中間リスクの場合、1)内分泌療法のみか、2)化学療法+内分泌療法、又は、HERU陽性かつホルモン感受性が高い場合は、ホルモン療法とハーセプチンとの併用やハーセプチン単独は推奨されておらず、3)ハーセプチン+化学療法が推奨されています。従って、貴女の場合も上記3つの選択肢があることになります。推奨薬剤の選択は、補助療法としてはタキサンを含むレジメで、HERU陽性では、これにハーセプチンを併用することが有効と考えられます。副作用や経済性等も考慮して、主治医と検討し、納得のいく治療法を選択して下さい。主治医の先生がおっしゃっている「ホルモン療法のみ」も、勿論選択肢の一つです。(文責 須田)                 

 

No.8856】  09年04月28日   M.T. 
ホルモン療法 エストロゲンについて

お世話になっております。ホルモン療法についてですが、タモキシフェンを服用しております。

1) タモキシフェンを服用すると反対側の乳房は小さくなってきますか?
2) 大豆製品には抗エストロゲン作用があるとのことですが、タモキシフェンの代用は可能でしょうか?
3) 大豆製品のエストロゲンは通常飲食では、乳がん発祥リスク、タモキシフェンの妨害にはらなないでしょうか?
4) タモキシフェン常用で子宮内膜ガンのリスクが2年で2倍、4、5年で4倍とのことですが、大豆製品を沢山飲食することにより子宮ガンリスクはあがりますか?またそういった報告はないでしょうか?
5) 一般にタモキシフェン服用で子宮内膜ガン発症の数字は日本においてでしょうか?欧米での記録でしょうか?

お忙しいところ恐れ入りますがよろしくお願いします。

1) タモキシフェンは、エストロゲン依存性の増殖を示す細胞に抑制的に作用するので、小さくなる場合もあります。
2) 大豆イソフラボンはエストロゲンによく似た構造をしており、体内でエストロゲンと同じような作用を示しますが、エストロゲンよりはかなり弱いと言われています。また、適切な量の摂取によってタモキシフェンと同様の効果が期待されますが、タモキシフェンの代用という根拠はありません。
3) 大豆イソフラボンの通常量の摂取では、乳癌の発症リスクを高めるという根拠はありませんし、また、タモキシフェンの妨害になるという根拠もありません。通常量の摂取では問題ないと思います。
4) 大豆食品を多く食べると子宮内膜癌のリスクが高くなるという報告はありませんが、乳癌では、大豆食品を多く摂取する事で発症リスクの減少することが報告されています。
5) タモキシフェンの長期内服による子宮内膜癌の発症は、日本でも欧米でも同じです。(文責 須田)

 

No.8855】  09年04月28日   T 
術後療法について

私は、2月に右乳房温存手術をおこないました。51歳です。
病理診断: 硬癌、大きさ1.9×0.8cm、断端(−)、HER2(1+)、エストロゲン受容体90%、プロゲステロン受容体90%、センチネル2個中 0
1) 放射線25回、ノルバデックス服用中です。硬癌は予後が悪いとのことですが、やはり抗がん剤は必要ないのですか? 
2) ノルバデックスを飲みはじめて1ヶ月ですが、舌のシビレと味覚がおかしくなりました。目の上も重苦しく、気になります。時間がたてば治まるのでしょうか? ホルモン受容体が90%は、ホルモン療法の効果は大きいと考えて良いのですか? 5年服用中にアロマターゼ阻害剤に変更しなくても良いのですか? 宜しくお願いします。

1) @癌細胞の悪性度、A腫瘍範囲の脈管浸潤についての情報が書かれていませんが、主治医に抗癌剤は必要ないと言われたとすれば、低リスクのカテゴリーに入るのだと思われます。@Aについては、主治医にご確認下さい。
2) ノルバデックスの副作用として、更年期様症状が出現する事があります。舌のシビレ、味覚障害、目の上の重さ等の不定愁訴も、更年期様症状の一部である可能性があります。閉経後乳癌に対する補助療法について、タモキシフェン5年投与に比べて、アロマターゼ阻害剤の方が再発抑制効果の高い事がわかっていますので、変えてみるのも選択肢の一つかもしれません。効果と副作用のバランスを考えながら使っていく事になりますので、主治医と充分なコンタクトを取りながら、納得のいく治療を選択して下さい。(文責 須田)

 

No.8854】  09年04月20日   M.K.
乳癌温存術後の状態について

一年半前に、乳癌温存術を受けました。36歳です。病理は、「充実腺管癌、PR +、ER +、HER2−、grade1(2+1)、センチネルリンパ節1(0/1)、センチネルリンパ節2(1/1)、 レベル1+2(7/26)」です。FEC4回 タキソテール4回 放射線25回(鎖骨や胸骨傍リンパ節にはあてていません) タキソテールの途中で閉経したので、今はノルバテックスを服用中です。
先日、10ヵ月止まっていた生理が急に腹痛とともに、まだ一回だけですが、1週間ありました。(婦人科で癌やホルモンの検査をしたら・・・生理再開の数値だそうです。)
1) この時から更年期症状がひどくなったのと、一日中おなかがゴロゴロして、ガスが一日中出ます。ノルバテックスの副作用に、一日中ガスが出る事は入っていますか? 
2) 更年期の副作用対策に、漢方のけいしぶくりょうがん(頭痛、のぼせ、下腹痛、ホットフラッシュ用)、術側の鎖骨や胸骨、腕、肋骨、肘が(気になる痛みが2,3週間続いて、移動していきます)が痛むようになったので、漢方のとうきしぎゃくかごしゅうしょうきょうとうを漢方クリニックで処方してもらっています。鎖骨の痛みや胸の痛みは、主治医の先生に話し、胸部造影CTを撮りました。今は結果待ちです。リンパのかくせい術や温存術後は、こういった痛みはよくありますか? 
3) リンパ節に転移の数が多かったので、不安で仕方なく・・・インターネットや雑誌で再発予防を見ています。メラトニン、ビタミンD、ラクトフェリン等のサプリメントは、再発予防になりますか?摂取はよくないですか?

お酒、乳製品やお肉、甘いものは、ほとんど食べなくなりました。体重は153センチ。43キロです。小さい子がいるので、再発が怖くて仕方ありません。よろしくお願いします。

1) あまりききません。
2) 手術の影響で鎖骨や胸が痛くなることは一般的ではありません。
3) サプリメントの効果は正直言って「?」ですが、実際には多くの術後の方々が服用しているのも事実です。(文責 首藤) 

 

No.8853】  09年04月20日   Y・I
産後3ヶ月人工授乳中です

産後3ヶ月、26歳です。帝王切開での出産後1ヶ月で生理再開しました。産後は約1ヵ月半里帰りして親元で生活していました。その間は母乳もよく出ていたのですが、生理開始を境に徐々に母乳が足りなくなり、ミルクを使用することが多くなりました。里帰りを終えてつかの間、夫の転勤が決まり、こどもをみながらの引越しで、しばらくは息つく間もなく、授乳回数も減りました。疲労とともに鼻かぜを引き、内服のために断乳したため、いよいよ母乳が出なくなりました。以後ミルクで育てながら吸わせればまた母乳が出ると思い、時々吸わせていました。先日入浴後に鏡の前に胸を張って立ったところ、右乳房の上内側に突起があるのを見つけ、触れると硬いしこりでした。そのまま指でなぞると下方にも硬いしこりがありました。気になるほどの痛みはないのですが、なんとなく痛いような気がする程度の鈍痛と右上半身の重苦しい感じがあります。血族に乳がんはいません。出産した病院で相談したところ、専門医での診察をすすめられました。週明けに受診する予定ですが、気になって仕方なくご相談させていただきました。 

授乳中や授乳後のしこりとしては乳瘤(ミルクのたまり)であることが多いのですが、メール内容からは、それ以外の可能性も否定はできません。やはり専門医の診察をおすすめいたします。(文責 首藤) 

 

No.8852】  09年04月19日   O.H.
アリミデックスとリュウマチの関係について

私は、2007年6月に乳癌の手術を受け、抗がん剤治療、放射線治療を受けて、現在はアリミデックス錠を内服しています。53歳です。2008年11月まではタスオミン錠を服用。以後閉経後一年経過ということで、現在のアリミデックス錠に変更しました。まもなく、両手(指)のこわばりが出るようになり、現在も続いてます。手首の痛みも何回か起きましたが、2週間位で痛みは治まり、現在は、毎朝指のこわばりを感じています。ひどくなっているようには思えませんが、薬との関係はやはりあるのでしょうか? また、リュウマチと薬の関係はありますか。内服の副作用でリュウマチになったという事例はありますか? わかりにくい質問になっているかも知れませんが、教えていただけると幸いです。

ご指摘の症状のうち、関節痛はアリミデックスなどのアロマターゼ阻害剤に共通した副作用と考えられます。基本的に内服開始後半年において顕著なものです。薬とリュウマチとの関連はないでしょう。しかし「指のこわばり」がかなり顕著なのであれば、副作用として単純に片付けるのはやや疑問ですし、一度主治医にご相談されることをおすすめします。(文責 首藤)                 

 

No.8851】  09年04月19日   U  
ステージ3でしょうか?

72歳女性です。ステージ2のガンということで、昨日手術を受けました。手術中にセンチネルリンパ節生検を行い、結果的にリンパ節を20個切除しています。手術時間も3〜4時間との説明を受けていましたが、5時間かかりました。この段階で、ステージは3になったと判断されるのでしょうか。それともステージ2なのでしょうか。主治医の先生と話す機会も限られており、心配でたまりません。今考えられる範囲でお答え頂けたら助かります。また、今の段階で主治医の先生に尋ねておくとよいことはどのようなことでしょうか。

ご指摘のステージは、術前における腫瘍の大きさやリンパ節腫大の有無などにより判断されるものですから、特に変更はないでしょう。あなたの場合、今後の治療や再発率に関連する事項としては、病理検査におけるがんの広がり(浸潤径)、リンパ節転移個数、ホルモン受容体の有無、癌遺伝子発現の有無などの結果が重要となってきます。(文責 首藤)

 

No.8850】  09年04月19日   T 
反対側のしこり

以前何度かご相談にこちらを訪れております。その折は、ご丁寧なご回答を下さりありがとうございます。その後、無治療ではありますが、手術から一年七ヶ月が過ぎ、主治医からも、3月の検診で、「なんだかんだ言いながらここまで来たね。」という言葉を聞いたばかりです。来週早々には定期健診ではあるのですが、手術側とは反対の腋にしこりがふれました。毎日とはいかなくても 日々、自分で触診していたのですが、今日、急に降って湧いたように現れた感じです。触った感じで、「あ・・・これは以前のものと同じ感じだな」というのが判りました。実は私はこちらでお見受けする患者さん達のように詳しいデーターなどは一切把握しておりません。私が化学療法に積極的ではなかったので、主治医も敢えて話す機会もなかったとは思います。ホルモン依存性の乳がんであったということだけはわかっていて、治療を暫く受けた経過があります。今回判明したしこりは、2007年に手術した乳がんから来たものであろう事は想像できることですが、ただ、手術した病院とは別に刺絡療法を受けていて、そちらでは定期的に血液検査を受けていまして、3月の時点で、マーカーや炎症反応など、全くの正常範囲内なので、安心してよいと言われたところでした。今回のしこりが、どういうものであるかは、主治医にお願いをして、エコーで調べてもらうつもりですが、前回の乳がんからのものとわかった場合、今後 どういう選択肢が自分にとって一番有効かを考えます。こちらで見かける様々な抗がん剤の名前がありますが、ハーセプチンとは、どういうタイプに効くお薬なのでしょうか。保険適応ではないような事も見かけたと思います。有効な抗がん剤を選ぶためには また、細胞診を受けたりしなければならないのでしょうか。私としては、もう身体に傷つけることなく、以前受けている手術、細胞診、術後の病理検査のデーターを基に、情報を頂いた上で今後の選択を考えたいのですが、可能でしょうか。

反対側の乳癌に関連したものとすれば腋窩リンパ節の転移である可能性が高いと思います。よく主治医の先生とご相談ください。ハーセプチンはハーツー遺伝子陽性の乳癌に対する保険適応治療薬です。(文責 首藤)

 

No.8849】  09年04月19日   K 
乳房の痛みについて

現在31歳の主婦です。1歳8ヶ月の母親で、生後11ヶ月まで母乳育児をしていました。授乳後、右側のおっぱいが痛むことがよくありました。次第に白班もでて、助産士さんに相談したところ、「たぶん乳腺がつまっていると思う」と、言われました。卒乳時期になると痛みもほとんどなくなり、卒乳はすんなりとできました。でも、いまだに毎日ではありませんが、たまにおっぱいが痛むことがあります。癌なのでは??と、とても心配になります。しこりなどはありません。おっぱいをしぼってみると、まだ若干母乳はでます。

現状でがんである可能性は低いと思いますが、一度専門医の診察をお受けになられてはいかがでしょうか。(文責 首藤)

 

No.8848】  09年04月19日   ナミ 
術後療法と妊娠について

私は今アメリカ西海岸、サンディエゴというところで在米12年を迎えている32歳です。今年2月に、右胸に癌があることを告知されました。当初はDCISでしたが、その後Lunmectomy(部分手術?温存手術でしょうか・・・)をした後、詳しい病理検査(生検というのでしょうか?)のあと、センチネンタルリンパにわたっていることが確認できました。そこで今回は病理医師にお会いし、今後の療法を聞いたところ、抗がん剤と、ホルモン治療を勧められています。この場合、もしリンパにわたっていなければ、ホルモン治療や、放射線治療ですんだでしょうか? リンパにわたっていたので、抗がん剤をしようするしかないのかな?と思っているのですが・・・。
それとホルモン剤を使うと、服用期間(そして期間後もでしょうか?)は子供を望めないということで、年齢的にも、できれば5年使用ではなく、2年もしくは1年使用を希望しています。そういうことは可能でしょうか? また、それをすることによって、目に見えない癌があったら、それを大きくしてしまう可能性はあるでしょうか?
また抗がん剤を使用するにあたって、Infertirity-子供が授かれなくなるということもでてくるかもしれないと(只今、1歳5ヶ月の女児がいます)、先生から伺いました。受精卵を凍らせて、もしものときに備えておいたほうがいいでしょうか? ちなみに、使用予定の抗がん剤は、ACT(TAC?)、そしてホルモン剤は TamoxifenとLhrH Agnisとなっています。まだまだ癌のことは勉強中で私自身も知識が豊富ではありません。なにとぞよろしくお願いいたします。

受精卵凍結は可能でしょう。ホルモン療法は1年よりも2年、2年よりも5年が再発予防の点から有効であり、通常は5年間となります。治療の短縮は、それなりのリスクを負うこととなりますね。(文責 首藤)

 

No.8847】  09年04月18日   U
今後の治療方針について(2)(HPNo.8813-2)

HPNo.8813でご相談させていただきました。お返事ありがとうございました。ホルモン療法もしくは無治療が標準治療だということは理解いたしました。ノルバデックスを服用して三週間になりますが、今のところ生理が遅れている以外副作用はございません。やはり主治医の先生は、私の場合「無治療」というお考えなので、次回の外来でお薬が中止になるかもしれません。乳癌の場合、腫瘍が小さい時からリンパ管や血管より全身にがん細胞が回っているといいます。病理の結果では、リンパ管侵襲(―)血管侵襲(−)ですが、がん細胞が流れている可能性も否定できないのでしょうか。10年〜15年後に再発している知人もいるので心配です。再発率が低いこと、子宮がんになるリスクが上がることや子宮筋腫があることを考えると、主治医の先生のお考えが正しいのだと思いますが、再発が恐く迷っております。ご助言よろしくお願い致します。 

主治医を信じて頑張りましょう。(文責 首藤)

 

No.8846】  09年04月18日   A
胸のしこりについて

胸のしこりについての質問です。現在、25歳で、生理中ですが、両胸の上下にしこりがあり、押すと痛いです。生理中にしこりが出来るというのは、生理時の症状のうちの1つになるのでしょうか? それとも、生理に関わらず病院に行った方が良いのでしょうか? 今までこういう事はなかったので、心配でメールさせていただきました。よろしくお願いします。

状況からはホルモン動態に関連するいわゆる「乳腺症」ではないかと思いますが、一度乳腺専門医を受診してくださいね。(文責 首藤)

 

No.8845】  09年04月18日   N 
皮膚がん・乳がんの一種でしょうか?

HP拝見させていただきまして、メールさせていただきました。よろしくお願いします。70代の母親のことでお聞きしたいことがあります。先日、かかりつけの内科の医師より、癌の可能性があると言われ、とても気になっています。両方の乳輪に黒いしみのようなものがあります。本人は、痒みがあり、かいた後がしみになったと言います。いつごろからできたのかはわかりませんが、乳房の下には、黒くはありませんが、色素沈着のようにかきむしったあとがあります。この痒みはコレステロールを下げる薬を飲み始めてのことだといいます。乳輪の黒いしみは、もりあがってはいませんが、触ると少し硬い気がするそうです。皮膚がん・乳がんの一種でしょうか? 痒み以外の症状はまったくありません。判る範囲で結構ですので、お忙しいとは存じますが、よろしくお願いします。

診察なしでは判断できないと思います。乳腺専門医を受診ください。(文責 首藤)

 

No.8844】  09年04月18日   H.M. 
MRI検査について

33歳既婚者、5歳の女の子をもつ母です。最近自発的に乳がん検診をしにいったんですが、マンモグラフィー、エコー検査をしました。結果、「左乳房C領域ソウセイ、1時方向、乳頭腫瘤間隔4.2センチにUS上1.3×0.9×0.8センチの低エコー腫瘤が認められます」との事です。エコーでの画像の形は、少し縦長で6ミリでした(クリスマスツリーの形)。更に細胞診もしたのですが、細胞が取れなかったみたいだったので、MRI検査をすることにしました。MRIの検査結果、「矢状断後相画像では、左C領域に点状濃染の集団を認めますが、ダイナミック相では軽微な変化しか同定できません。造影形式は弱い斬増型です。MRSでコリンのピークはありますが、DWIADCの値も比較的高値です。Intraductal component 主体の腫瘍の可能性は残りますが、どちらかというと乳腺症を疑います。」という結果でした。「この結果でも良性とは確診はできない。確診したければ、針生検をしてください。」とのことでした。「もし、しないなら、3カ月後にまた診察しましょう。」と言われました。
MRIとは、ネットでもしらべたのですが、腫瘍の良性、悪性を調べ、癌細胞の広がりを見る事が多いみたいですが、MRIで良性と出た場合でも悪性になることもあるのでしょうか? 特に、細胞診で細胞がとれなかった事が気になります。よく、悪性の細胞がある場合(硬がんなど)はコラーゲンとかが多くて細胞が取れない場合もあると書いてあったので、すごく気になります。回答、お願いします。

MRI診断が100%とは限りません。良性の腫瘍でも線維成分が多いものなどでは細胞が取れないことがあります。(文責 首藤)

 

No.8843】  09年04月18日   A 
ホルモン療法の継続について

平成15年4月 浸潤性乳癌により温存手術を致しました。リンパ腺への転移(0/21)なし。しかし、骨シンチにより左足膝関節の上に集積を確認。骨転移か? しかし、今だに痛みなどの症状がなく、シンチ検査をしても進行なし。ホルモン療法が効く癌ということから、5年間(フェアストン40)を服用。しかし6年目の昨年、閉経状態にまだならないので、主治医に相談してホルモン療法を延長いたしました。7年目を迎える今、今だ閉経の状態になリません。主治医は、「終了してもいいし、不安なら、また継続しても・・・。来月の外来の日までに考えてください。」とのことでした。先生のご意見をお聞かせ頂ければ幸いです。

抗エストロゲン剤内服は現状では5年間が標準的です。人工的閉経状況を期待されるのであれば、LH-RHアゴニスト(ゾラデックスなど)があります。主治医にご相談ください。(文責 首藤) 

 

No.8842】  09年04月18日   A子
再発が不安です

37歳既婚、子供ありです。石灰化により非浸潤癌と診断され、皮下乳腺全摘術をしました。現在病理結果待ちです。術前にMRIでみたところ、石灰化が乳頭下1センチぐらいまで及んでおりましたが、主治医の先生が、「術中病理検査で癌が見つからなければ乳頭を残しましょう。」とのことで手術が終わり、乳頭を残していただきました。センチネルにより、リンパ転移なし。術後は順調なのですが、やはり乳頭を残したということで再発が不安です。皮下乳腺全摘の場合は、マンモは出来ないのでエコーのみの検査と言われておりますが、そうすると浸潤癌として進行してからしか見つからないのではと心配です。そのほか早期で発見できる方法として、他の検査方法はないのでしょうか。よろしくお願いいたします。

術後定期的に診察を受けることが大事でしょう。(文責 首藤)

 

No.8841】  09年04月18日   K.K. 
腫瘍マーカーの上昇について

現在、あと少しで40歳になります。36歳の時に左胸乳がんのT期(硬がん、腫瘍大きさ1.7p、HER2が3+、ER・PGRと+)で温存手術をし、放射線治療後、ハーセプチン単剤を自費で1年、その後2年リュープリンの治療をうけました。リュープリンが終了したので、今後経過観察しながら無治療となりますが、腫瘍マーカーのCA15-3が、ずっと8台で推移していたのが、昨年の12月に10になり、本年3月に検査したところ、10.6になりました。主治医は「誤差の範囲であり、乳腺症でも上昇することがあるので、大丈夫。」といいますが、本当に大丈夫なのでしょうか。なお、他の腫瘍マーカーはCEA1.4、抗P53抗体は<=0.69でずっとかわりありません。また、先週の金曜日に事故で転倒して、術側の左乳房を地面で強打しました。運悪くパットのついていない下着に、薄いTシャツとコートでした。病院に行ってレントゲンをとった結果、どこも骨折はしておりませんでしたが、現在シップをし、痛み止めを飲んでいますが、乳首から胸にかけてじんわりと痛みます。この衝撃で再発や新しく乳がんになったりしないでしょうか? くよくよ考えても仕方ないことなのですが、どうにも心配でたまりません。どうかお教え下さいますよう、お願いいたします。

腫瘍マーカーの変化は現在のところ有意なものではなさそうですね。衝撃でがんが再発することはありません。(文責 首藤)

 

No.8840】  09年04月17日   I 
ホルモン療法について

妻の治療について相談します。年齢41歳、3月5日に温存手術しました。病理検査の結果、サイズ約12mm(単発)、広がり18mm程度、浸潤性乳管がん、組織悪性度2点、リンパ管内(無)、血管内(無)、リンパ節移転無(センチネル検査)、ER受容体6点(強陽性)、PgR受容体7点(強陽性)、HER2 0点(陰性)、進行度1期との結果でした。今後の治療ですが、4月15日から放射線治療(5週間)、4月7日よりLH-RHアゴニスト製剤(4週事、2年間)、その後状況をみて3年くらいホルモン療法です。質問ですが、妻の結果では、LH-RHアゴニスト製剤のみで大丈夫なのでしょうか? ネットで調べますと、LH-RHアゴニスト製剤と抗エストロゲン剤との併用が標準的という記述もあり、とても不安です。

抗エストロゲン剤の5年間の内服が標準的でしょう。LHRHアゴニストとの併用に関してはリンパ節転移陽性例などでより有効とのデータもありますが、確立した概念ではありません。よく主治医の先生にご相談ください。(文責 首藤)

 

No.8839】  09年04月17日   H
治療の選択のために

いつも大変勉強させていただいています。遺伝子の細かい検査をすることによって、適切な化学療法の選択ができる、あるいは不要な治療が回避できる、オンコタイプDXとマンマプリントの違いを教えてください。実際、一般的に臨床の場で行われているものなのでしょうか? お値段は高額で一般的とはいえないと思いますが・・・。よろしくお願いいたします。

オンコタイプDXのほうは、すでに日本国内で検査が行われていますが、46万円の費用負担となります。今後需要が増えれば低額になってくるとは思いますが。(文責 首藤)

 

No.8838】  09年04月17日   S 
ノルバデックス

私は今ノルバデックスを服用しています。去年から心療内科に通っているのですが、鬱の人に使う薬を使いたいと言われました。しかし、ノルバデックスを飲んでいるし、抵抗もあったので断ってしまいました。その代わりに漢方を処方されて飲んでいます。心療内科の先生には、ノルバデックスを飲んでいても大丈夫と言われているので、飲んでいます。ノルバデックスを服用していても、漢方を服用しても大丈夫なのでしょか? 漢方がノルバデックスの作用を下げるような事はないのでしょうか? また、私はノルバデックスを飲み忘れたり、飲む時間がバラバラなのですが、同じ時間に飲んだ方がよいのでしょうか?

漢方薬の種類が不明で何ともいえないのですが、心療内科の先生のご意見通りでしょう。内服は時間を決めておけば飲み忘れしにくいですね。(文責 首藤)

 

No.8837】  09年04月17日   Ky
腫瘍マーカー数値(2)(HPNo.8802-2)

本日主治医にお会いしました。基本的には、ご回答いただいた内容と同じことを言われましたが、来週3大検査を6カ月前倒しでやってみようと勧められました。かえって不安が増してきています。
「数値の上昇もわずかだし、今の状態では何とも言えない。検査の誤差もあるし、次は数値が下がることも十分ありうる」ということでしたが、数値の上下で一喜一憂するのも本当に嫌になりました。
そこで御質問です。

1) どなたかの質問の回答に「一時的な数値の上昇(基準オーバー)は問題ない」とありましたが、これは4.5か月続くこともあるのでしょうか?
2) 私の場合、CA15-3がここ数年間28前後です。術後は15程度でしたが 、これはすでに異常でしょうか?
3) 再発が早く見つかれば打つ手はたくさんあると言われましたが、本当でしょうか?
4) インターネットで調べると、CA15-3は加齢により増加するとあります。また医師によれば、肝機能の衰えにより増加するとも言われました。いかがでしょうか?
5) 再発の場合の腫瘍マーカーの数値は、急激に増加するというような記述も見ました。

たくさんの質問で申し訳ありません。主治医には時間がなさ過ぎて思うようにお聞きできません。よろしくお願いいたします。

1) 数値の上昇が継続するのであれば、画像検査などを考慮することがあります。
2) 正常上限付近の数値ですし、また数値が安定しているのであれば経過観察でよいと思います。
3) 再発の早期発見・早期治療は再発後の生命予後とは無関係であるというのが乳癌再発治療の標準的スタンスです。
4) 重要なのは数値の上昇傾向であり、この場合は前回回答のごとく婦人科癌など乳癌以外のチェックも大切だということです。
5) そのような場合もございます。(文責 首藤)

 

No.8836】  09年04月17日   W 
今後の治療方針について

No.8778で質問させて頂いたものです。
ごく初期の非浸潤ガンということで、先月温存手術を受けました。手術前から主治医の先生はごく初期という事で術後は無治療で、とおっしゃっていたのですが、病理結果は次のように出ました。
Left breast cancer , noninvasive ductal carcinoma
[lt, C, 0.6×0.5×0.2cm, g, ly-,v-, ductal spread-, nx, margin-]
【病理所見】
肉眼的には拡張した乳管組織が認められるが、腫瘤形成は指摘できない。
組織学的に0.6×0.5cmの範囲で篩状および充実性patternを示す微小な乳管内癌を認める。
背景の乳腺には軽度の異型を持った異型上皮が低乳頭状に増殖した異型乳管増殖症相当の乳管が散見される。
VNPIでは、size1点(6mm)、margin1点(>10mm)、pathologoc score1点の合計3点である。
免疫組織化学的に腫瘍細胞はER(+,約90%)PgR(+,約70%)

十分にマージンを付けて取ってあるので、VNPIのスコアにより、部分切除のみで良いと言われました。放射線についてですが、ネット等で調べると温存治療をした方のほとんどが放射線をしているようなのですが、主治医の先生は、「もし次に同じ側に乳がんが見つかった時に放射線治療ができなくなるので今回は行わない。」と言われました。ホルモン療法ですが、ホルモンレセプトがプラスだったので、「タモキシフェン」を検討してみてもよいが、副作用を考えると今は使わなくてもいいのではないか、とおっしゃいます。無治療でいけるなら、私も主治医の先生のおっしゃる通り、今後の経過観察のみにしたいと思っているのですが、私のようなケースの場合、無治療でいいのか、それとも放射線、ホルモン療法をした方がいいのか、別の専門医のご意見も聞きたくて質問させて頂きました。どうぞよろしくお願いします。

非浸潤癌に対する温存術後においては温存乳房への放射線療法を行うことが標準的です。タモキシフェンによるホルモン療法は、温存乳房内再発や反対側乳房における癌発生を半減するPowerがあるとされています。よく主治医とご相談ください。(文責 首藤)

 

No.8835】  09年04月17日   T.Y. 
再発率、10年生存率

昨秋(当時45歳)左胸全摘手術を受けました。病理診断の結果、広範に渡る非浸潤がん、センチネルリンパ1個中0個、ホルモン感受性ER(3)、PgR(−)、悪性度3でした。ホルモン感受性は弱いのですが、現在は対側の予防も考えてノルバディックスを服用しております。全摘で非浸潤ですから再発の心配はいらないとは思うのですが、病理診断で100%非浸潤だと断定するのはなかなか難しいと聞きます。私の場合、病巣が広範囲に渡っていたということや悪性度が3ということもあり、病理検査で見切れなかった部分に微小浸潤があるのでないかという疑いが拭いきれません。病気のことを忘れて生活しようと努力しておりますが、一つの数値として頭の隅に入れておきたいので、万が一微小浸潤があったと仮定して、私のような場合の再発率、10年生存率がわかれば、お教え下さい。

実際に浸潤癌の部分があり、その広がりが○○mmであるといった事例でなければ再発率等は推定できません。基本的にはあなたの場合、非浸潤癌であったとして転移の発生する確率はおおよそ考えられないというところでよいのではないでしょうか。(文責 首藤)

 

No.8834】  09年04月17日   N.T.
乳腺炎(HPNo.8482-2)

HPNo.8482でお世話になりました。精密検査を受けて「異常なし」でした。ただ、「乳腺炎のなりかけ(?)で、ほかの人より乳がんにはなりやすい。乳腺炎は病気ではない」ということでした。乳腺炎は病気ではないのですか? 私の聞き違いだったのでしょうか。

乳腺炎には細菌によって発症したものや、細菌の関与していないものもありますが、基本的に病気とみなされています。病気ではない、ということであれば、いわゆる「乳腺症」がその範疇かもしれません。(文責 首藤)

 

No.8833】  09年04月17日   M子
抗がん剤が中止になりました

昨年4月に乳房温存手術をしました。病理検査の結果はStage1、浸潤がん、特殊がん(紡錘細胞がん)、リンパ節転移なし、ホルモン受容体マイナス、HER2タンパクマイナス、グレード3。分かっていることはこれだけですが、放射線25回をし、また、抗がん剤AC療法4回、ドセタキセル1回したところで、感染症の副作用の為抗がん剤中止になりました。この先は3か月後の定期検査のみです。中止になったので、再発、転移を考えると不安な気持ちですが、本当にこのままでいいのでしょうか?他の治療法はないのでしょうか。また、トリプルネガティブ、特殊癌は再発するでしょうか?率直なご意見、よろしくお願いします。

化学療法としては、AC4回+ドセタキセル4回を予定していたのでしょう。基本的には、あなたの場合AC4回の化学療法を完遂したということです。ドセタキセルが中止とのことですが、パクリタキセルを試みる選択肢はあると思います。よく主治医の先生にご相談ください。トリプルネガテイブや特殊癌だからといって、すべてのかたが再発するわけではありません。(文責 首藤)

 

No.8832】  09年04月17日   T. O
ITCP値の上昇について

2006年7月に左乳房全切除を行い、非浸潤性乳がんと診断され、現在ノルバデックスを服用しています。2009年2月にお腹の脂肪を使用した乳房再建術(DIEP-FLAP)を行いましたが、かなりの量の出血をしたため、1ヶ月以上入院しました。4月に入って腫瘍マーカーの検査をしたのですが、CEAは1、CA-15-3は8.1で正常値でしたが、ICTPの値が初めて5.8と正常値を超えました。主治医からは術後間もなくで、ホルモンバランスを崩しているからかもしれない、ということで経過観察をしようといわれました(確かに生理は乱れていますが・・・)。骨転移でなくとも上昇することはあるのでしょうか。DCISということで、再発、転移はほぼないと聞いていたので不安です。年齢は40歳、まだ閉経していません。よろしくお願いいたします。

腫瘍マーカーの値は正常値よりもやや高い程度ですし、もともとも癌が非浸潤癌であることを考慮しても、主治医の先生のおっしゃるとおり、現段階では経過観察でよいかと思います。(文責 首藤)

 

No.8831】  09年04月17日   A 
トリプタノール服用に関して

以前に乳房疼痛症候群の事で相談させていただいた者です。病院でトリプタノールを処方していただき服用していますが、口渇は凄くあり、何時もお水を持ち歩いています。そして体重の増加、目が見えにくくなり、1ヶ月に1回くらい心臓が苦しくなります(心臓が苦しい時はニトロを舌下しています。) これだけ色々な副作用が出てきたので薬を服用するのを止めようと思いますが、服用を急に中止するのは駄目だと聞きますが、お薬は徐徐に止めたほうがよろしいでしょうか? それと主治医の先生が他病院に変わられ、1ヵ月半後に診察を受けることになっていますが、副作用が余りにも色々有りすぎ困っています。どの様に対処していったらよいでしょうか。お忙しい所申し訳御座いませんが、ご回答の程宜しくお願いいたします。

メールからは循環器系を含めて症状が多岐にわたり、基本的に医師の診察が必要な状況とも考えられます。1ヶ月半後の予約を待たずに、かかりつけの医療機関を受診されることをおすすめします。(文責 首藤)

 

No.8830】  09年04月14日   Y 
ゼローダの効果と副作用について

今までの経過は、以下の通りです。
乳癌発症発覚(2006年11月)→全摘手術(2006年12月)→抗がん剤/CMF(2007年1月〜2007年6月)→ホルモン剤/アルミデックス(2007年7月〜2008年12月)→胸骨及び腰骨、大腿骨骨転移発覚(2008年6月〜12月)→ホルモン剤/アロマシン(2009年1月〜2月)、ホルモン剤/フェマーラ(2009年2月〜2009年3月)、抗がん剤/ゼローダ(2009年3月〜現在)、このほかゾメタ(2008年12月〜現在)
現在、ゼローダ投与開始から1ヶ月が経ちました。この時点で再度血液検査とCTスキャン、骨シンチを行ったところ、以下のような結果が出ています。
右胸リンパへの転移、胸骨、腰骨、大腿骨、脊髄、背骨、肩甲骨における集積。12月時点より拡がっている。しかし内臓への転移はなし。
癌マーカは以下の通りで、ゼローダ開始時点の3月より、それまで上昇してきたCA15-3が半減する一方、CEA-Sの上昇幅が大きくなっています。
 

年 月 08/12 09/01 09/02 09/03 09/04
CEA-S 1.5 2.5 3.7 6.0 14.4
CA15-3 47.6 95.2 178.0 426.0 217.6

 
質問は、
1) 上記の結果をどう評価すれば良いのか?(特に癌マーカの数値の変化についてと、ゼローダの継続服用について)
2) ゼローダの副作用として足裏に水ぶくれが出来ており、一般的にがん治療で推奨されている”運動”が出来ないが、アドバイスはあるか?
の2点です。ご多忙かと存じますが、どうかご回答いただけないでしょうか。宜しくお願い申し上げます。

1)  CA15−3値が低下していることからは、ある程度化学療法の効果があるようですが、Xeloda開始から約1か月での数値ですので早急に判断せずもう少し経過を追ってはいかがでしょうか。
2)  痛みが強かったり、日常生活に支障をきたす(痛くて歩けない)のでしたら一旦休薬する方がよいでしょう。(文責 首藤)

 

No.8829-1】  09年04月14日   T
副作用でしょうか?

2006年12月に左乳房全摘手術をしました。現在60歳です。「硬がん、腫瘍径3.2×1.7p、リンパ節転移なし、NG1、ホルモン感受性あり」で、アリミデックスのみ服用中です。特に何の副作用もなく有難く経過していましたが、アリミデックスは副作用として、骨粗しょう症があるという事でしたので、予防の為、約半年前から月に2度位軽いハイキングやウォーキングを始めました。約1ヶ月位前から膝に痛みを感じる様になり(生活に支障を来す程のものではありません)、これが老化から来たものか、歩き疲れか、アリミデックスの副作用(関節痛)であるのか、ひょっとして骨転移の可能性もあるのか、不安なまま、月に2度のハイキングは楽しくもあり続けています。主治医の先生の診察日まで1ヶ月以上ありますので、ご教示戴ければ有難いです。

1) 骨粗しょう症予防の為に始めたウォーキングなのですが、関節痛という副作用の出現は、服用開始後2年以上たった今頃からでもあり得ますでしょうか? 同時期から両手の指の関節も少し痛み出しました(これも急に暖かくなり、庭仕事の作業量が大きく増えたせいかもしれませんが・・・)。副作用の場合、やむを得ないものなら、少々の痛みは無視して運動は続けてもいいのでしょうか?
2) 骨転移の痛みというのは、どの様なものでしょうか? 現在の痛みは、激痛ではなく鈍い痛みです。左膝の方に少し強く感じます。
3) 主治医の先生の診察日を待つ事なく整形外科を訪ねた方がよろしいでしょうか? 診察日まで他科の診察はひかえた方がよろしいでしょうか?

1) 内服開始後半年間の症状がもっとも強いと言われていますが、2年以上経過しても症状を認めることもあります。運動継続に問題はありません。 
2) 転移した骨の部分によって痛みの状況は異なってきます。腰椎転移であれば腰痛として現れます。 
3) 気になるのでしたら整形外科を受診されるとよいと思います。(文責 首藤)

 

No.8829-2】  09年06月26日   T
ヒアルロン酸はホルモン治療に影響しないでしょうか?

先日は、アリミデックスの副作用についてご回答有難うございました。2年以上たっての発現もあるそうで、激痛でもないため様子をみようと思います。念の為、手指・ひじの痛みは、かかりつけの内科でリウマチ因子を血液検査で調べてもらった結果は陰性でした。ひざの痛みは今後悪化しても困ると思い、整形外科を訪ねましたところ、レントゲンでは特に異常はなく、「年齢(60)からして女性に多い老化でしょう」ということで、シップと痛み止めを2週間分処方されました。効果がなかったので、ひざに直接ヒアルロン酸を注射、痛み止めは継続ということになりました。今後、ヒアルロン酸注射は週に1度の間隔で計5回するとの事で、2回終りました。整形の医師は、「アリミデックスには影響ありません」と言われましたが、間違いないでしょうか? リハビリ中心の治療が希望だったのですが、ご教示いただければ有難いです。因みに、ヒアルロン酸等色々な健康食品をよくみかけますが、このような、副作用かもしれないあちこちの関節痛にも積極的に取り入れても大丈夫でしょうか?

大丈夫です。影響ありません。健康食品に関しては、自薦他薦、混交玉石ですので、基本的には自己責任(少し表現が古いですね)でお使い下さい。(文責 緒方)

 

No.8828】  09年04月14日   S 
生存率

10年生存率とは、乳がんのみで死亡する数値を引いたものですか? その数値に、ほかの病気や事故での死因は含まれていないのでしょうか。

おっしゃる通り、全生存率としては他病死(他の癌、心臓血管系疾患)なども含まれます。(文責 首藤)

 

No.8827】  09年04月14日   C 
母の非浸潤がん

遠くに住んでいる70歳になる母のことで相談させていただきます。2,3年ほど前からマンモで再検査になるも、総合病院で診てもらうと乳腺症との診断を受けておりました。今年もマンモで引っかかった為(毎年 触診では異常なしです)、乳腺クリニックに行きましたところ、「これは乳腺症ではなく腫瘤だよ」と言われ、その場で組織診となったようです。ガンを覚悟して結果を待っていましたが、本日その結果が出ましてやはり結果は「ガン」 「・0期 ・しこりは2cm ・おそらく非浸潤がん」と、言われたようです。「おそらく非浸潤がん」とのことなのですが、組織診やエコーなどで、ある程度分かることなのでしょうか? また、しこりが「2cm」にもかかわらず0期というのは、どういうことでしょうか? 0期、非浸潤がんという言葉に、少しほっと胸をなでおろしつつも、2cmのしこりがあるということは精密検査等をして、「転移」等の可能性も出てくるのでは?と大変不安です。2cmにもかかわらず非浸潤がん、0期ということもあるのでしょうか? 一般的なご意見で結構ですので、お聞かせいただけますでしょうか? よろしくお願いいたします。

非浸潤がんは基本的に転移の可能性のない癌と考えられますから、2cmの大きさであっても再発(転移)の可能性はおおよそ低いものと推測されます。したがって切除した腫瘍が非浸潤がんであったならば臨床的には0期ということになります。(文責 首藤)

 

No.8826】  09年04月14日   D.S. 
母の乳がんの治療法について(HPNo.8394-5)

HPNo.8394-4にて質問させていただいたものです。毎回、丁寧に回答していただき本当に嬉しく思っています。母の乳がんの治療で、不安があるたびにこちらに相談させていただき、とても助かっております。今回の相談なのですが、先日の質問させて頂いた、母の乳がんの手術結果ですが、もう一度明記します。
「左胸を全摘し、センチネルリンパ節に転移があったので、リンパ節もすべてとり、病理の結果、しこりは20mm×15mm×28mmで、リンパ節転移は0/25で、センチネルのみ陽性でした。細胞の悪性度グレード1、細胞断端?マイナス ER+、PR+-(陽性)、HER2(+1)」という結果でした。

1) 2月よりFECの抗がん剤治療が3週に1回のペースで4回目が4月1日に終了いたしました。その際、担当医より、リンパ節の転移がセンチネルリンパ節のみだったこと、顔つきも悪くないこと、ホルモン剤の治療が可能なことから、当初、FEC4回、タキソール4回の予定でしたが、「FECを6回にして、タキソールはやらずにその後はホルモン治療にしましょう。」と提案があったようです。(タキソールは万が一再発した場合にとっておきましょう・・・と先生は言っていたようなのですが)
母は抗がん剤の治療が短くなったということで、とても喜んでおり快諾して帰ってきたようなのですが、私としましては、今きちんと抗がん剤の治療をしないで再発してしまっては、意味が無いと思っているので、「大変でも、抗がん剤の治療をしっかりやっておいた方がいいのではないか?」と思っております。この様な、病理の結果を受けて、FEC6回のみということは妥当なのでしょうか?

2) また、先日にも質問させていただいた、CT画像で母の肺に小さな影がある件ですが、1月に再検査を行いましたが、CTの断面の切り方の違いで影が少し大きくなっているようにも見えるため、もう一回、4月20日に肺のCT検査を行う予定です。CTの場合、断面の切り方で多少大きく写ると言うこともあるのは普通なのでしょうか?また、抗がん剤をはじめているので、もし癌の転移だった場合に肺の影が無くなったり小さくなってしまうことがあるのでしょうか? もし、今回影が消えていた場合は、前回、前前回の影は肺への転移とみなされ、抗がん剤が増えると言うことが、あるのでしょうか?

長文で申しわけありませんがよろしくお願いいたします。

FEC4回の後、タキソール4回というように、FEC、EC、ACなどの治療法の後に、タキソールやタキソテールを組み合わせる方法が、現状では最もpowerfulな治療法です。FEC4回、タキソール4回と、FEC6回とどちらが効果的かは、はっきりとしたデータはありませんが、おそらくタキソテールを加えた方が効果的かと思われます。
病理結果で、途中から治療方法を変えることはあまり行いませんので、何か副作用なのか別の事情があるのかわかりませんが、ご家族がおっしゃるように、再発しないための治療ですから、今できることは最大限の努力をして・・・というのが術後補助療法の考え方です。再発した時のために・・・という説明はしっくりしません。一方、あくまでも再発予防ですので、安全に行うこともなにより重要です。その2つを考えて治療方法は決めるべきだと思います。私の考えとしては、リンパ節転移がありましたので、タキソールまで頑張るというのをお勧めします。
CT検査の限界で、どうしても小さな病変の場合は、そのように写ることがよく起こります。もし、今後、大きくなるようでしたら、気管支鏡の検査、場合により肺の手術を考慮する必要はあるでしょうし、逆に抗癌剤の終了後に消失したということになれば、乳癌の転移だったのであろう・・・との判断から、さらに抗がん剤を追加するという選択肢もありますが、ホルモン療法が効果的な方ですので、ホルモン療法で様子を見るというのも選択枝になります。
ご心配なこと、よくわかりますが、主治医としっかりcommunicationをとり、質問をし、悩みはその都度、解決をしていくようにしましょう。われわれもサポートはしますが、あくまでも参考意見ですので、最終的には主治医とよくご相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.8825】  09年04月14日   T.U. 
タキソールの投与回数について

年齢48歳 2月24日に乳房温存手術を受けました。病理検査の結果は2センチ弱の浸潤がん、断片陰性、リンパへの転移なし、ホルモン陽性、HER2強陽性でした。先週1回目のハーセプチン投与が終わり、今週から25回の放射線治療も始ります。放射線治療が全25回終わり次第、タキソールが始まる予定です。ハーセプチンは1年投与、タキソールはハーセプチンと同時投与で3週毎12回だそうです。その後ホルモン剤ということです。ハーセプチンとタキソールとの組み合わせは標準治療のようですが、タキソールの投与の回数が多いのではないかと思い、主治医に質問したところ、副作用が出るほど一度にたくさん投与しないとのことでした。ただ、その後点滴担当の薬剤師の方や研修で乳腺外科に来ている先生などに聞いてみると、回数が多いからといって、1回の量が少ないということはないとのことでした。私はほかの患者さんのブログやこちらの相談室で読んだ投与の実績からいって、3週毎4回だとばかり思ってましたが、3週毎12回でもおかしくないのでしょうか? その場合、1回の投与量は少なくなるのでしょうか?

タキソールは3週毎であれば4回、毎週であれば12回というのが標準の投与方法です。3週毎であれば、1回の量を多くして4回、毎週であれば1回の量を少なくして12回ですので、主治医の言う、副作用が出るほど一度にたくさん投与しない・・・という方法は納得できません。よくご相談されたほうがいいと思います。(文責 鈴木)

 

No.8824】  09年04月14日   st
ハーセプチンの量について

この掲示板をみて参考にしているものですが、過去の掲載を見ても同じ質問がないようなので、今回質問させていただきたくメールします。
妻の事です。昨年8月に左胸の温存手術をしました。その後、FEC療法を4クール行いました。その後、HER2が陽性のためハーセプチンとタキソールを受けています。今回の質問は、ハーセプチンの量についてです。タキソールが毎週なので、ハーセプチンも毎週行っています。タキソールが終わったら、3週間に1度ハーセプチンをすることになると説明を受けました。タキソールは6週やって2週休み、また6週やる方法ですので、全部で14週で終了になります。そこで素人考えなのですが、最初のハーセプチンは4mg/ kg(体重1キログラムあたり)を投与し、その後14週目まで2mg/kg を行い、15週目に3週間に1 度の場合の量の6mg/kg になるのかと思っていたのですが、違いました。実際は最初は4mg/kg で、2週目から6週目までは、2mg/kg を投与しました。しかし7週目(タキソールが休みの期間)に6mg/kg を投与しました。その後2週ハーセプチンは休みました。なので9週目はタキソールだけを投与しました。10週目から14週目までは2mg/kg を行いました。次は3週に1度になるので、17週目からハーセプチンだけを行うと言われました。14週目のハーセプチンの量は、1週に1度の量の2mg/kg なので、15週目までしか効かない量だと思うのですが、2週間、体にハーセプチンがない状態になるのではと心配しています。実際はそんなに神経質になる事はないのかもしれませんが、先生だと、どのようにやっていますでしょうか。教えていただけませんか。お願いします。

日本も含め、世界で行われた試験結果により、HER2蛋白が陽性の患者には、術後補助療法として、ハーセプチンを術後に投与すると再発率が低下し、生存率が向上することが明らかなことから、日本でも術後にハーセプチンを投与することが多くなっています。その投与方法ですが、それらの試験が、様々な方法でハーセプチンを投与しての結果ですので、確立した意見はありません。
@ FEC(実際の試験ではACという治療法)などの後にタキソールを3週毎に1回を計4回、投与しながらハーセプチンを毎週52回投与する方法
A FEC(実際の試験ではACという治療法)などのあとにタキソールを毎週12回投与してから、ハーセプチンを毎週52回投与する方法、タキソールを毎週12回投与するのと一緒にハーセプチンを12回投与し、その後、ハーセプチンだけを40回投与する方法
B FEC(実際の試験ではACという治療法)などの後にタキソテールを3週毎に1回を計4回、投与してからハーセプチンを毎週12回、その後3週毎に14回
C 種々の化学療法終了後にハーセプチンを3週毎に1年もしくは2年投与

などとなっています。まとめると、化学療法の後に投与するか、化学療法と併用で投与するかといった点に集約割れますが、先にも書いたように、どれがいいのかは確かめられていません。しかし、日本が参加した試験は、Cの方法をとっていたため、化学療法が終了後に3週毎、1年というのが一般的で、最近では、化学療法と併用で1年投与するというのも多いようです。
奥様の件では、まず、タキソールの投与方法が6週投与して2週休薬という一般的ではありません。一般的には、休薬せずに、毎週12回投与をします。これに関しては、長くなりますので省略します。奥様の投与方法で行われた場合、ご主人の考えていられたように、毎週14回、その後、3週毎というのがreasonableと思われますが・・・。ハーセプチンは投与すると2週間くらいは体内に滞りますので、ご主人の心配されている点は問題ないかと存じます。 ハーセプチンを投与するという方針には異議ありませんが、タキソールの投与方法と、ハーセプチンの投与方法に違和感を感じます。今一度、今後の治療方針など、discussionした方がいいのかもしれません。(文責 鈴木)

 

No.8823】  09年04月14日   K 
手術方法について(温存か全摘か)

母(73歳)のことで相談いたします。右胸上部に約40mmの腫瘍。複数の腋下リンパ節に転移あり。CTと骨シンチの結果では、遠隔転移は確認されず。主治医の話では、「希望すれば温存手術も不可能ではないが、全摘を薦めます」とのことで、来週乳房全摘とリンパ節切除の手術を受けることになっています。手術後、場合によっては放射線照射をするかもしれないとも言われました。
1) 温存後、放射線治療と、全摘では、生存率に差異は無いということですが、それでも全摘の方が良いという理由は何でしょうか。
2) 放射線照射をしないのは全摘のメリットだと思うのですが、全摘して、そのうえ放射線というのは、どういう状況でしょうか。温存後の放射線とは方法や目的に違いがありますか。

以上、よろしくお願いいたします。

確かに、温存療法と全摘では生存率は同等ですので、それであれば、残す手術にしよう・・・といって温存術が普及してきました。お母様の場合、4cmの乳がんとなると、その周りに少し広がっていることも考え、周囲に2cm前後の正常の乳腺組織を付けて切除を行います。そうすると、単純に考え、8cmの直径で切除をすることになります。日本人の胸で8cmを切除すると、かなり変形が強くなることが予想されますから、主治医が全摘を勧めたのかもしれません。手術の予定をされているとのことですので、蛇足にはなりますが、強く温存術を希望するのであれば、術前に化学療法を約6ヶ月行ってから、腫瘍を小さくして、温存術を目指すという方法もあります。いずれにせよ、リンパ節転移がありそう・・・というのであれば、術後に抗がん剤の必要性は出てくると思われます。であれば、術前に投与し、全身に飛んでいるかもしれない微少の細胞もたたき、さらに局所の腫瘍も小さくしようという考えです。術前化学療法と、術後化学療法も、生存率に差がないことは確かめられていますので、この方法も一考かと思いますが・・・。
また、全摘後の放射線照射ですが、手術で腋窩リンパ節転移が4個以上である場合、切除後の胸壁、鎖骨上、腋窩、胸骨周辺にも放射線照射をすることにより、予後の向上が確認されていますので、全摘後でも放射性照射の必要性は出てきます。部分切除の時の放射線照射に比べ、若干広い範囲に照射をすることになりますが、期間、副作用は大きな違いはありません。(文責 鈴木)

 

No.8822】  09年04月12日   G 
良性の腫瘍

私は、以前に胸にしこりが出来たことがあります。それは良性の腫瘍ではあったのですが、大きくなりすぎたら摘出しなければならないと言われ、自分で大きくなっていると感じるまでは様子を見ることになりました。また、胸が小さいことにも悩んでいて、サプリやバイオブラを試してみたいとも思っているのですが、ホルモンや細胞に働きかける成分があるようで、腫瘍に何か影響が出るのではないかと心配です。使ってみても大丈夫なのでしょうか。

サプリやバイオブラがどのように作用するかはデータがありません。乳腺に出来る腫瘍は多かれ少なかれ、女性ホルモンの影響を受けますので、それらの薬剤が影響することは考えられますが、あっても微々たるものだと思います。通常の用量であれば問題ないと考えますが、確証ありません。(文責 鈴木)

 

No.8821】  09年04月12日   Y 
ホルモン治療中の降圧剤について 

何時も先生方のご好意に感謝しております。術後三年、ゾラデックスとノルバデックスのホルモン治療中です。術後血圧が高くなり、生活習慣で改善できず、二年前よりARB系統のニューロタンという薬を服用していましたが、それでも降圧できず、最近、ARB系統のミカルディスとカルシウム拮抗薬のコニールという薬を組み合わせて治療しています。降圧は成功していますが、カルシウム拮抗薬のコニールという薬の副作用に、男性の女性乳房化という副作用があり、女性ホルモンのように作用するのではないか?と不安で、製薬会社に尋ねたところ、現在のところは大丈夫だろうとしか答えようがありませんと回答をいただきました。他のほとんどのカルシウム拮抗薬についても男性の女性乳房化の副作用があるようです。

そこで質問ですが
1) 製薬会社の回答から、将来やはり女性ホルモン作用があったようだとなる可能性もあるということでしょうか?
2) 乳癌治療のホルモン療法中においての降圧剤の使い方でエビデンスや注意点などあるのでしょうか?
3) 私の場合ARBとカルシウム拮抗薬の組み合わせがしっかり降圧できるようですが、ARBと利尿剤との組み合わせもあるようです。そちらのほうがいいのでしょうか?
4) カルシウム拮抗薬のなかにも副腎系に影響のない薬はあるのでしょうか? あるとしたらその薬剤をお教えください。

どうぞご教示よろしくお願いいたします。

申し訳ありません。回答できるだけの知識、データがありません。確かに降圧剤の一部で女性化乳房症をきたすことがありますが、はっきりと機序はわかっておりません。今後の乳がん治療において、コニールが悪さをする影響は極めて少ないと思われます。2-4の質問に関して、降圧剤の使用方法、副作用などは、循環器内科の先生に聞いて下さい。あまり、気にされない方が良いと思いますが。(文責 鈴木)

 

No.8820】  09年04月12日   R.M.
術後治療について

お世話になります。
毎回ご返答を頂き感謝しております。有難うございます。
摘出生検後に初期の乳癌(8mm)であることが判明し、3月中旬に右胸温存(くり抜き法)手術を受けました。
CT、MR、呼吸機能、レントゲン、心電図、血液、超音波の検査を受け、術前に医師から、CT、MRI他の病変(肺、肝臓転移、右脇の下リンパなし)
乳癌があった乳頭脇の部分にもなかったとの検査結果の報告を受け手術をしました。
術中の結果は断端無し、追加切除なし、センチネル生検2個調べてリンパ節無しでした。
術後の検診で聞いてメモをした結果が下記の通りです。
術後の病理検査にてなかったので再手術なし。
Size 8mm Ng 1 ER/PGR+/+ HER2 1+ no 0/2 グレード1、細胞異型度1
ローリスクなので薬物療法あり/なし(選択)+放射線とのことで
予後治療、再発、反対の胸のリスクも考え、女性ホルモンに対応するタイプだったので、 
ノルバテックス(タモキシフェン)を飲み始めました。放射線は予約が取れない為これからです。

質問です。
1) ノルバテックスを飲んでいても飲酒は大丈夫と言われました(月に1回〜2回 お付き合いで軽く飲むことあります)
2) 医療機関にかかれない時に薬局で販売している薬 頭痛薬、胃腸薬、風邪薬等を飲んでよいのか。 (医療機関にかかる際に 薬を処方される場合には、お薬手帳を持参し医師に伝えます。)
3) 今は胸の傷、脇の傷が、痛み止めを飲む程ではないですが、個人差がありますが、どれ位で落ち着くのでしょうか? 治癒していく段階の痛みであると思っていますが、この先、痛みが増した際に入院時に処方された痛み止めと胃薬を飲んでよいのか。
4) 生活環境の改善と食生活の見直しを考え始めました。色々と本を読んだりしていますが、乳癌になった年上の知人に、「欧米型の食生活がよくない。日本食にしなさい。牛肉、豚肉は食べてはいけない。統計データで出ている。自分も指示されている。鶏肉は脂身を除いた部分ならよい。」と言われ、困惑しています。フルタイムで働き、育ち盛りの子供がいて、食事は勿論、お弁当作りなどがあり、毎日和食ばかり、又はおかずを2種類に分けて作れません。私自身 動物性タンパク質を控えめに食事の栄養バランスを考えていたのですが、植物性タンパク質、大豆食品は支障はないと思いますので普通に食べています。サプリメントは取りません。常識の範囲内で食べてはいけない食品があればお知らせ下さい。

長々となりましたがよろしくお願いいたします。 

病理結果から、乳がんの性格としてはlow riskであることがわかり、ホルモン療法と放射線を行えば良いことがわかります。そこで、質問に関してですが、ひとこと、どうぞ、ご自由に、好きな者を食べ、好きなことをしてお過ごし下さい。乳がんという病気は患いましたが、病人ではありませんので、食事、お酒、お出かけなど、すべての面において、乳がんが見つかる前の生活に戻って頂いて構いません。ただ、食事も飲酒も度をすぎるのはいけませんし、また閉経後は肥満傾向にあると乳がんのリスクが増えますので、その点は理解し、意識しましょう。薬局で売っている薬、近所の内科でもらう風邪薬、整形外科でもらう痛み止め、歯医者でももらう痛み止め、などなど、どれも今までと同じようにして下さい。痛みに関しては、年度が経っても、傷の痛みはゼロにはなりません。寒い日、雨降りなどは、みなさん、傷の痛みを感じる方が多いように思われます。あまりに痛ければ痛み止めは飲んでも構いません。(文責 鈴木)

 

No.8819】  09年04月12日   F.M.
今後の治療について

平成6年に初発の手術をしてから(温存 術後放射線治療)何事も無く9年すぎ、平成15年に胸骨に、平成18年に肺に転移、放射線と経口抗がん剤とホルモン剤で治療してきましたが、今年になってから腫瘍マーカーが上がってきました。CT検査の結果、肺の転移の数が増えているようなので薬が効かなくなっているのでは?ということで、今後のためにもドタキセルの点滴治療をしましたが、白血球が1000を切ってしまい、この治療は出来ないことになりました。次の治療を決めなければいけませんが、体質的に白血球が減りやすい場合、どのような治療があるのか心配です。私のような方もたくさんいると思いますが、どのような治療が一般的なのか知りたいと思いまして御相談しました。又、最近では化学療法専門の先生もいると聞きましたが、そのような先生にセカンドオピニオンを受けることも考えていますが、いかがでしょうか?

乳がんに効果のある薬剤はたくさんありますし、種々の治療法を組み合わせれば、効果も認められたりします。化学療法を行う場合、初回の手術時に取られた組織から、どのような治療法がいいのか(ホルモン療法が効くタイプなのか、ハーセプチンという分子標的治療薬が効くタイプなのかなど)を見極める必要があります。さらに、手術後から再発までの期間、再発してからの治療内容、体力、全身状態、病院までの通いやすさ、副作用などを勘案し、治療内容を決めていきます。文面から察するに、抗がん剤は経口のものと、ドセタキセルを使ったようですので、他の選択としては、タキソール(パクリタキセル)、ナベルビン、ゼローダ、TS-1、ファルモルビシンなどがあります。ご存じのように、化学療法専門の医師もいますので、一度相談されてみるのもいい考えです。主治医にその旨を申し伝え、資料を頂いてみてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.8818】  09年04月12日   K子 
再発率&生存率 (HPNo.8776-2)

以前HPNo.8776でご相談させて頂いたものです。再度質問させてください。ステージVA 39歳 腫瘍6.5センチ リンパ節転移1個 レベル1(1/13) レベル2(0/8) トリプルネガティブ 悪性度グレード3 浸潤性乳管癌、ただいま化学療法(FEC+T)の1クール目です。再発率と5年10年後の生存率はどのくらいでしょうか?よろしくお願いします。 

組織型、治療内容などは個人個人、様々なため、具体的な数字は持ち合わせておらず、お示しできません。欧米人のデータですが(必ずしも日本人に当てはまらないことはご承知下さい、また10年生存率のみの計算です)、あなたのような組織型で、何も治療を行わなかった場合の10年生存率は34.4%です。抗がん剤を行った場合は、55.2%です。ただし、乳がんの治療は日々新しくなっており、新規の治療法も出てきますので、必ずしも生存率だけで議論できないのが現状です。実際は腫瘍径、リンパ節転移、ホルモン感受性、グレードなど、どれも悪い要素が重なっていますが、一緒に闘って行きましょう。応援しています。まずは、現在の治療を無事に完遂することを考えましょう。(文責 鈴木)

 

No.8817】  09年04月12日   K 
副作用?

よろしくお願いします。3年前に左側全摘手術をしました。現在ホルモン治療で ノルバデスクを一日1錠、あと フルツロンカプセルを一日3錠飲んで、丸二年たちます。このごろ体をぶつけると、青アザがすぐ出来るようになりました。やはり 薬のせいですか。

ノルバデックスの副作用に血小板減少(血小板は、出血部位に集まり、出血を止めようとする作用を持っています)があります。頻度としては0.1%ですから、極めてまれですので、あまり気にされなくて良いと思います。フルツロンは、抗がん剤ですので、やはり、骨髄抑制がおこり、血小板が低下していることがありますので、時々、採血を行い、白血球数、ヘモグロビン値(貧血の度合い)、血小板数だけは確認していた方が良いと思います。ただ、いずれも、副作用の可能性は否定出来ないものの、あまり大きな問題にはなりませんので、主治医と良く相談の上、投与を続けて下さい。蛇足ではありますが、フルツロンの効果は確認されていますし、良い薬剤ですが、術後の再発予防としての効果は不確実なところがありますので、今後、内服を継続するか否かは良くご相談下さい。(文責 鈴木)

 

No.8816】  09年04月10日   BON
抗がん剤をやるべきでしょうか?

はじめて投稿させていただきます。早速ですが、ご質問をさせてください。6月末に右胸温存手術を行い、病理検査の結果がでました。内容は以下のとおりです。
年齢:36歳、充実腺管ガン、浸潤径:1.7×1.5cm、リンパ節転移なし、ER+PgR+(PS5、IS2)、HER2:2+、核異型度:2、脈管浸襲:軽度、断端:陰性、HER2についてはフィッシュ法による判定待ちです。

1) PS5、IS2というのは、どの程度の陽性なのでしょうか?
2) HER2が2+の場合に、フィッシュ法で陽性となる率はどの程度でしょうか?
3) 主治医によると、HER2が陽性であれば、ホルモン治療の他に抗がん剤+ハーセプチンをやった方がいいが、陰性だった場合は、 ホルモン治療のみという選択もあるとのことです。最終的には自分でリスク低減と副作用を天秤にかけて決定すべきなのは分かりますが、その判断材料として、HER2が陰性だと仮定すると、無治療の場合、ホルモン治療のみ、ホルモン治療+抗がん剤+ハーセプチンと3つのパターンでの10年再発率はそれぞれどの程度かお教えください?
4) 同じく、HER2が陽性の場合の3つのパターンの10年再発率もお教えください。
5) 断端は陰性ですが、切除範囲内にメインの腫瘍部分から少し離れた場所にも小さなガンが一箇所あったらしく、主治医も放射線をすべきか判断が難しいとのことです。先生ならどうご判断されるでしょうか?

以上、ご多忙中お手数をお掛けしますが、宜しくお願い致します。

1)  PSはPercent Scoreの略で陽性細胞が全体のどのくらいを占めているかを表します。PS5は60%以上の細胞が陽性であるということです。ISはIntensity Scoreの略で染色強度を表し、IS2は中等度の染色強度であるという意味です。ですからPS5,IS2であれば強陽性と考えて良いと思います。
2) おおよそ20-30%程度と考えられています。
3) 4) ER,PRが強陽性であればHer2は陰性になる確率が高いのですが、それはそれとして、確かにHer2が陽性であれば化学療法+ハーセプチン+ホルモン療法が推奨されます。残念ながら、Adjuvant OnlineのHer2を加えたデータはまだ未公開なのでHer2別のデータはありません。Her2が不明としてデータを出すと、貴女の無治療の場合の10年再発率は24.8%、ホルモン療法による再発リスクの減少は9.1%で、タモキシフェンの内服で10年再発率は15.7%になり、ACもしくはCMFといった比較的弱い化学療法を更に加えた場合の10年再発率は10.2%になります。
5) 乳房温存療法の原則は放射線照射を加えることです。たとえ断端が陰性でも。乳房温存手術のあとの乳房内再発の原因は、断端にガン細胞があるかないかだけでなく、乳がんは多発しやすいということも大きな原因の一つですから、断端陰性で放射線治療しない場合はそれなりの乳房内再発が出現します。(文責 清水)

 

No.8815】  09年04月10日   M 
タモキシフェン

38歳、出産経験なしです。乳がんの温存手術後に放射線治療が終了し、ホルモン療法「タモキシフェン」が決まりました。病理検査では、「非浸潤ガン、微細浸潤ガン有り。腫瘍経3.5、グレード1、内頭側断端プラス(術中-なので事実上negatuve)、尾内側断端プラス(乳腺を取りきっているので事実上negatuve)、HER2 1+、SN 0/2、ER:ts 8/8 pgr:ts 7/8」です。タモキシフェンは、副作用で子宮内膜ガンの可能性が3倍とのこと。上記病理検査結果の場合でも、そのようなリスクを負うべきか悩んでいます。身内で子宮がんで他界しているものがいますので・・・。「断片事実上negatuveというのは、取りこぼしなしと考える? ならば非浸潤ガン取りこぼし無しならば完治なのでは? ならば何もしなくても、とりわけハイリスクではないのでは?」と考えています。色々な書物を読みましたが、いくつかホルモン療法は断るべきとの書籍もあります。薬剤師のかたは、年に一度検査にいけば初期ですむとおっしゃっていますが、そもそも子宮がんになりたくないのです。何故タモキシフェンなのでしょうか。再発リスクが統計上上回るという理由のみでしょうか? また、よくHP等で拝見する数値、タモキシフェンでの子宮がん発生率1000人中3人というのは、閉経後の方でしょか? 閉経前でしょうか?子宮がんになった場合の治療を考えるだけで気が沈みます。タモキシフェンをお断りしたくなります。恐れ入りますが、見解をお聞かせ下さい。

貴女の病理所見からAdjuvant Onlineをたたくと、無治療の10年生存率97.3%、乳がん死1%、他病死1.7%ととなり、Tamoxifen内服による死亡リスクの減少は0.3%です。この数字であれば、子宮体がんの話しを持ち出すまでもなく、Tamoxifenを内服しないという選択肢も十分に考えられます。(文責 清水)

 

No.8814】  09年04月10日   S 
MRIの良悪の鑑別について

不安で胸が押しつぶされそうな今、このような相談を受けてくれる所があって本当に有難いです。宜しくお願い致します。約10年間、乳癌検診は異常なしでしたが、3月の検診で、エコー検査では異常なしでしたが、マンモグラフィで今までになかった影がみつかり、念のためMRIを撮ることになりました。異常なしを期待していたのですが、MRIの結果は、「7ミリのしこりが発見され、悪性の可能性有りなので、もう一度エコー検査をして、しこりの位置を特定した上で、細胞針まですることを要する」との事でした。MRIはすごく精度が良いとよく目にしますので、MRIで悪性の可能性があるということは、まだ組織を検査してないので癌とは確定できないだけで、実質上、ほとんどの確立で癌であると覚悟を決めておいた方がいいのでしょうか? それとも、MRIの結果が悪性の疑い有りでも、癌だとあきらめなくて、少しは癌ではないという希望も持っていても良いのでしょうか? まだまだ検査まで遠く、食事も砂をかむような感じで、心がどうにかなりそうなので、こちらでお尋ねさせて頂きました。どうか、宜しくお願い致します。

乳がんの診断に関してMRIの診断精度はそれほど高くありません。特に偽陽性が多いことが問題で、MRIでがん疑いであったが、手術したら乳腺症だったという話しはよく聞きます。だからといって間違いばかりという訳ではありません。ですから現時点ではどちらとも言えません。お気持ちはわかりますが、ここは順番にきちんと検査を進めていくしかありません。最悪がんであったとしても7ミリであれば超早期と考えられますから、あまり心配せずに(といっても無理でしょうから、少し心配しながら)一つずつ検査をしていってください。(文責 清水)

 

No.8813-1】  09年04月10日   U 
今後の治療方針について

51歳主婦です。宜しくお願いいたします。今年1月に温存手術を受け、放射線治療も終了し、その後ノルバデックスを服用しております。病理の結果は、「浸潤性乳頭腺管がん、腫瘍径5mm×5mm、切除断端(−)、波及度(脂肪)、リンパ管侵襲(−)、血管侵襲(−)、ER(+)PgR(+)、組織学的悪性度(グレード1)、HER2(−)、リンパ節転移なし(センチネルリンパ節)」でした。乳癌が見つかるまでの三年間ほど、生理不順(不正出血)のためホルモン注射やピルの服用をしておりまして、現在も生理があります。子宮筋腫もあります。一応閉経前ですが、主治医から注射で生理を止める治療のお話はありませんでした。私の場合そこまでの治療は必要ないのでしょうか。生存率には差がありますでしょうか。先生には「無治療でも良いのだけど」と言われましたので、お聞きしにくく悩んでおります。どうぞよろしくお願いいたします。

貴女のがんの病理所見から術後治療を考えると、St.Gallenのガイドラインではlow riskで、無治療もしくはTamoxifen(ノルバデックス)の推奨となりますから、主治医の先生のおっしゃっていることは極めて標準的だと思います。Adjuvant Onlineでも、貴女が10年までに乳がんで亡くなる可能性は1%ですから無治療もしくはTamoxifenで十分だと思います。もちろん生理を止める治療(LH−RHanalogue)を投与することも可能ですが、過剰治療であり、追加効果もあまり期待できないと思います。(文責 清水)

 

No.8813-2】  09年04月18日   U 
今後の治療方針について(2)

HPNo.8813でご相談させていただきました。お返事ありがとうございました。ホルモン療法もしくは無治療が標準治療だということは理解いたしました。ノルバデックスを服用して三週間になりますが、今のところ生理が遅れている以外副作用はございません。やはり主治医の先生は、私の場合「無治療」というお考えなので、次回の外来でお薬が中止になるかもしれません。乳癌の場合、腫瘍が小さい時からリンパ管や血管より全身にがん細胞が回っているといいます。病理の結果では、リンパ管侵襲(―)血管侵襲(−)ですが、がん細胞が流れている可能性も否定できないのでしょうか。10年〜15年後に再発している知人もいるので心配です。再発率が低いこと、子宮がんになるリスクが上がることや子宮筋腫があることを考えると、主治医の先生のお考えが正しいのだと思いますが、再発が恐く迷っております。ご助言よろしくお願い致します。 

主治医を信じて頑張りましょう。(文責 首藤)

 

No.8812】  09年04月10日   Y 
ハーセプチンの副作用について

ハーセプチンの副作用についてお聞きします。昨年6月に手術を受け、3回の抗がん剤治療、11月からハーセプチンを3週間に一度の割合で投与しています。治療を始めてからずっと体の痛みを感じています。風邪気味の時に感じる様な痛みです。生活には全く支障はないにですが、とても憂鬱な気持ちになります。どうにかならないのでしょうか。51歳、既婚。

体の痛みというのは比較的稀な副作用だと思います。しかし、辛いでしょうから、主治医の先生にお願いして消炎鎮痛剤を処方してもらってはどうでしょうか。それでもダメであれば、半年で投与を中止してもらうしかないと思います。半年で効果があるかどうかはevidenceがなくわかりませんが、FINHER trialではハーセプチンを術後9週使うだけでも使わないよりは良いというデータがありますから、半年でもやらないよりはある程度効果があると考えては如何でしょうか。(文責 清水)

 

No.8811】  09年04月07日   S
多発性骨転移、皮下転移に治療法について

いつも拝見させていただいております。現在52歳、多発性骨転移の治療中です。
術前化学療法(FEC:4クール、タキソテール:4クール)の上、H19、5月に左胸乳房温存手術(腋下リンパ節、鎖骨下リンパ節切除)をし、術後 放射線治療を30回(60グレイ)を受けました。その後ホルモン治療としてアリミデックス錠を服用。
1年3ヶ月後、H20.8月に多発性骨転移と診断され、ホルモン剤をアロマシン錠に変更、4週間ごとにゾメタの投与を受けています。
さらに6ヶ月後、H21、2月 左脇の下にしこりのようなものが大小あわせて7〜8個位でき、その後左胸の脇側、下部分、胸椎あたりと計15個前後のしこりが出来ました。主治医より「皮下転移と考えられる」との診断を受けました(細胞検査は行ってません)。 結果、「アロマシン錠の効果が現れていないのでフェアストン錠に変更する」と言われ、効果としては2割程度の期待がもてる、との事でした。(ゾメタはそのまま続行)
病理結果:
浸潤性小葉癌、 リンパ節転移(16/25個)、 浸潤径 2cm以上(2個)、 異型度 不明、エストロゲン受容体(スコアー 8)、 プロゲステロン受容体(スコアー 6)、 ハーセプテスト(0) 、断片(陰性 4o)

そこで、骨の痛みと今後の治療方法についてお尋ねします。
1) 骨の痛みがひどいとき(痛み止めを飲まないと、歩行や日常の動きが出来ないとき)はいつも37.5度〜38.3度位の熱がでます。主治医の話では「骨の痛みで熱が出ることはない。原因は分からない」との事。骨の痛みの炎症などではなければ、他に発熱の原因として何か考えられるのでしょうか。
2) 今回の新たな皮下転移で、フェアストン錠に変わりますが、2割程度の効果しか期待できないのなら、遠回りをするより、抗がん剤治療を受けたほうがいいのでしょうか。しこりは少しづつ大きくなって、数も増えてきているような気がするのですが、ホルモン剤だけでいいのか、という不安もあります。又、抗がん剤を受けるとなると、どのような抗がん剤に期待が持てるでしょうか。
3) 現在、新しい治療方法として「免疫療法」が言われていますが、現在の症状の段階で受けることは可能なのでしょうか。
 
私としては、仕事もしていますし、現在の生活を維持しながら、なるべく副作用の少ない治療法を受けたいと思っています。よろしくお願い致します。

1) 発熱については、文面だけからはよくわかりませんでした。痛みがない時に発熱はないのでしょうか? 痛みの時だけの発熱だとすれば、(発熱というよりは)疼痛による反応としての体温上昇と考えればよいと思います。
2) タモキシフェンやフェアストンは選択肢の一つでしょう。ただ、病状の進行が早い、痛みが強いようなら、抗がん剤を行うことを考えた方がよいかもしれません。タキソール、ナベルビン、カペシタビンなどがよいのではないでしょうか。
3) 免疫療法については、その方面の研究者ではないのでよくわかりません。一般の「臨床医」として明確にお答えできる先生も、そういらっしゃらないと思います。

骨転移による痛みのコントロールが目的ならば、最近はメタストロンという方法もあるようです。どこでも受けることができる治療ではないこと、高価なことが問題ですが・・・。あと、生活の維持には今後「骨折」しないことが大切になってきます。「背骨」「足」などに転移があるようでしたら、(手術が出来る病院の)整形外科の先生にも併せて診ていただくことをお勧めいたします。(文責 河原)

 

No.8810】  09年04月07日   T.N.
アメリカと日本の治療の違いについて(2)(HPNo.8737-2)

丁寧なお返事を頂きありがとうござざいました。温存と全摘の違い、再建について良く分かりました。その後に、遺伝子検査でBRCA2が陽性と出たため、右も温存はあきらめるべきだろうと気持は固まりました。そこで、重ねて意見をお尋ねしてもよろしいでしょうか? 右側の浸潤がん(2.5センチ)はStage 1(もしくはStage 2)で、Gradeは3と言われています。よろしくお願いいたします。

1) 全摘の手術方法についての質問です。こちらでのセカンドオピニオンの医師から、Skin Sparingという方法(スキンを出来るだけ残すように小さめの穴を開けて中をくり抜く方法)を説明されましたが、主治医サイドから「バイオプシーの傷があるので、その方法は良くないかもしれない」と言われ、少々困惑しています。バイオプシーは両胸で4か所しました。傷のせいで表皮にがんが残る可能性があると言っているように理解しましたが、この理解であっているでしょうか。Skin Sparingというのは、どのような場合に行われる方法ですか? 私に適合しない方法とお考えになりますか?
2) 日本に戻って手術する場合の時間的リスクについて質問です。右の浸潤がんは2.5センチでした。こちらのセカンドオピニオンの医師からはステージ2と言われました。バイオプシーでは周囲のリンパ腺には流れ出ていないとされています。MRIと生検標本は日本に持ち帰れると思います。日本に戻ることで3か月手術が遅くなっても、リンパ移転のリスクについては気にするほどではないのでしょうか?
3) BRCA2陽性の結果から卵巣摘出を奨められています。日本でするとしたら、この手術は健康保険の対象になりますか?

以上です。大変長くなり申し訳ありません。最後に、頂いたメールで励ましの言葉をかけて頂き、大変に勇気づけられました。ありがとうございました。

1) バイオプシーを行った皮膚周囲から再発することはありますが、非常に稀です。学会などで話題になることもあるのですが、「1.稀であるから、通常通り皮膚はすべて残す先生 2.稀ではあるが、念のため針穴や切開創もきちんと切除する先生」と、分かれているようです。どれがよいとは一概には言い切れないところです。
2) 主腫瘍が切除された摘出生検後の手術のタイミングに関しては、かつて議論があったところです。以前は生検後は早々に手術するのがよいといわれていましたが、現在は「あわてる必要はない」というのがコンセンサスになっているようです。
3) まず保険適応外になると思われます。さらに言えば、日本では、BRCAに変異があることを理由にした乳房切除は通常行われていません。こういう状況から、卵巣切除をためらう婦人科医が多いのではないかと推察いたします。(文責 河原)

 

No.8809】  09年04月07日   W
左乳首の直ぐ下のしこり

56才の男です。1ヶ月ほど前から左乳首の直ぐ下の左2センチ(わき腹)から肋骨に沿って、縦に10センチ程の血管?と思われる1〜2本?のシコリがあります。普通の生活では症状を感じませんが、左腕を真上に上げたり、直接触ったりすると、ツッパリ感と少々の痛みを感じます。尚、右側には触っても血管と思しき物も痛みもありません。原因と治療方法が分かりましたらよろしくお願いします。

おそらく血管かリンパ管が炎症を起こし、硬く変化しているのもではないかと思います(モンドール病と呼ばれています)。一時的な炎症の可能性が高いのですが、乳腺は調べておいたほうが無難かと思われます。(文責 河原)

 

No.8808】  09年04月07日   J.H. 
術後治療について

53歳です。両側乳がんで11月初旬に手術をしました。左は非浸潤小葉がんで全摘出手術をしました。断端陰性。右は6×4×5mmの浸潤乳頭腺管がんで、「リンパなし・脈管侵食なし・グレード HG1 NG2・ER/−・PgR/−・Her2/+3」です。温存手術→放射線治療を28回照射を終了してます。断端陽性で<5mmで、ステージはpT1b.N0.Mxです。9月に癌を確定するために2cmの組織針(2mm)で取った際の検査結果で、ER/+Proportion3(11−33%)Intensity3(strong staining) total6・PgR/+Proportion2(1−10%)Intensity2(moderate staining)total4・Her2/+2だった為に、現在ホルモン剤のアルミデックスを1月から飲み始めて、特に副作用に困ることなく過ごしてます。主治医は、大きさが1cm未満でリンパなく・悪性度も高くないので、抗がん剤の副作用のリスクの方が高いので使用しないといわれました。Her2/+3が非常に予後が悪く悪性度が高く気になっています。ハーセプチンは現在原発性のがんに関しては抗がん剤使用後のみ保険適用という事で、世界的にも1cm未満のがんに関しては再発率が低いため臨床結果が行われてないとの事。

1) 乳がんは大体どの位の大きさから遠隔転移するのでしょうか?
2) 両側乳がんということで局所再発リスクは低いということではないのでしょうか?
3) 手術後→放射線治療だけの再発率と、抗がん剤を追加治療した場合の再発率を教えてください。

1) 浸潤癌であれば、どんな小さなものでも転移再発する可能性はあります。ただ、腫瘤が小さいものほど、その可能性が小さくなるということです。6mmというのはなかなか見つからないレベルの「小さな癌」です。
2) 両側だからといって温存した乳房内での再発率が低くなることはありません。
3) その数値は抗がん剤の組み合わせによってさまざまに変化します。なにもしない場合に再発する人を100人としますと、抗がん剤によってその人数を50−80人くらいにまで減らせる(つまり20-50人が再発無し)と考えればよいと思います。(文責 河原)

 

No.8807】  09年04月07日   C
腫瘍マーカーについて

ゾラデックスとタモキシフェンを5年続けて、現在無治療です。半年ごとの検診で、CA15−3、CEA、NCC−STの3種類のマーカーを調べていただいています。
ホルモン療法の副作用があった最初の2〜3年は、CA15−3、CEA、NCCーSTー439が、それぞれ7.5→4.6  2.4→1.9  1.0→1.0 と効果をあらわして、大体そのままの数字を持続していました。副作用がだんだん穏やかになってきたここ1年の間に、数値が上がりはじめました。現在CA15−3が5.7 CEAが2.2  NCC−STー439が1.6です。

1) 腫瘍マーカーについて、40〜50%陽性になれば再発の可能性があるとすると聞きましたが、 それはどういうことを意味するのでしょうか? CA15−3の場合28を基準として、11〜14の数値が出た時、という意味ですか?
2) 副作用があるということが、ホルモン療法が効いているということになると、医師から説明がありました。副作用が軽くなったこの1年に、腫瘍マーカーがあがったということは、ホルモン療法の継続(タモキシフェンの10年服用)はあまり効果が望めないことになりますか。

胸部エコーは2年前より経過観察中、腹部エコーは現在のところ血管腫のみで、異常はなしですが、マーカーがあがっっていることが気になります。よろしくご回答をお願いいたします。

1) 「40-50%陽性になれば再発の可能性がある」と記載された本(?)の内容をよく見ないと分からないのですが、基準値上限の40-50%の値でどうこう判断するのは明らかに間違った解釈です。基準値「上限」の値であっても「正常値」と考えるべきです。
2)タモキシフェンの10年投与は、その有用性と副作用のバランスで慎重に検討されるべきです。主治医の先生とよく相談してください。(私の場合は特にお勧めはしていません)

最近ホルモン療法中の副作用の程度が治療成績を占っているとの報告がありましたが、世界の多くの有識者はこの結果を鵜呑みにしていません。また、腫瘍マーカーも正常値内の変動、もしくは一時的な高値であれば心配しなくてもよいと思います。(文責 河原)

 

No.8806】  09年04月06日   S
同時両側乳がんの術後治療方針について

術後の治療方針について、ご相談させてください。
同時両側乳がん、病理結果は、「左・・非浸潤、リンパ節転移なし、右・・乳頭腺管癌 リンパ節転移なし、 ホルモン・・ER+PgR+ HER2・・0、 年齢35歳、微小浸潤(5ミリ以下)、核異型度・・不明」
左右とも温存手術を行いましたが、左右とも断端陽性という結果がでました。
左(非浸潤)・・6分の1切除で乳頭近く陽性
右(微小浸潤)・・4分の1切除で近接4ミリ、胸壁側です。

主治医から示された術後治療方針は放射線治療のみ、薬物療法なしです。こちらの掲示板の以前の書き込み等拝見していると、断端陽性の場合は全摘という選択肢もあり、局所再発率は放射線治療のみより下げられる、と理解しています。全摘を希望したいのですが、主治医は「放射線で十分たたけるので、必要ない」との意見です。
1) このまま放射線治療のみの場合と、両胸全摘では、局所再発率は有意に差があるでしょうか。その差は何%でしょうか。主治医が全摘を選択肢として考慮しない理由は、どういった事が考えられるでしょうか。
2) ホルモン療法も主治医は不要と考えていますが、私の病理内容の場合、ホルモン療法を受けることは有意なことではないのでしょうか。
3) 放射線治療後、局所再発をした場合はシリコンでの再建は不可能かと思いますので、今の時点で全摘+再建をしたいという選択は過剰治療と思われますか。

1) 貴女のおっしゃる通りです。左の非浸潤ガンについては全摘すれば再発の可能性はゼロですから、このままで放射線治療を行なう場合との治療効果の比較は、比較にならないくらい大きいと思います。右についても、乳房内再発という観点からは同じように、このまま放射線治療を行なうより、全摘の方が再発のリスクは限りなく小さくなります。主治医の先生が乳房切除を選択肢として考慮しない理由はわかりません。不思議です。
2) 5mm以下の浸潤部をもった非浸潤ガン(微小浸潤がん)ですが、術後に内分泌療法が必要かどうかは議論が分かれるところだと思います。データ的には微小浸潤がんというのは再発のリスクが低いことが知られているので、術後無治療というのが妥当な選択肢でしょう。しかし、再発のリスクが低いからといってもゼロというわけではないので、ER, もしくはPRが陽性であれば、ホルモン療法を行なって少しでも再発のリスクを少なくしたいという考え方も容認される考え方だと思います。
3) 全摘+再建というのは最もリーズナブルで最良の選択肢だと思います。(文責 清水)

 

No.8805】  09年04月06日   Y.I. 
治療後の薬について

7年前に手術を受け、ホルモン治療ノルバデクスを5年間服用、注射(タモ?)を受け、現在健康に暮らしております。本日は薬について質問させて下さい。
治療後生理が正常に戻りましたが、この1年間は周期などに乱れがありました。今回2ヶ月なかった整理が突然始まり、2週間も続き、婦人科にいきましたところ、無排卵生理で出血が続いているので、薬で止めてリセットしましょうと、「プラノバール」というお薬を処方されました。ホルモンの治療は乳がんのリスクを高めると伺っていましたので、婦人科のドクターに申し上げましたが、この薬はホルモン治療ではないと言われました。念のためにネットで確認しましたら、ホルモン・・・など書かれており不安になってしまいました。この薬を乳がん治療後に服用しても大丈夫でしょうか。宜しくお願いいたします。

プラノバールはエストロゲンとプロゲステロンの合剤で、服用してはいけない人として、ホルモン依存性腫瘍(乳がん)の人が挙げられているので、原則としては服用を控えた方が良いと思います。しかし、出血のコントロールを強く希望される場合、使用期間が短期間であること、術後7年まで再発がなく、再発のリスクが低くなっていることを考えると、他に止血する良い方法がなければ使用することも可能かもしれません。逆に、出血の原因が子宮がん等でないことがわかれば、出血を気にしないというのであれば、服用しない方が良いと思います。(文責 清水)

 

No.8804】  09年04月06日   M.T. 
腋窩リンパ節郭清後における腋窩リンパ節の腫れについて(HPNo.8341-2)

いつもお世話になっております。昨年 9/22,No.8341 で相談させていただいたものです。
2008年8月 右乳房全摘。右腋窩リンパ節郭清をし、ホルモン療法(ゾラデックス+ノルバデックス)を続けております。2008年12月 右腋窩に2cm程度のしこりを発見し、エコー、細胞診の結果、癌細胞は認められず、リンパ節が腫れているとの診断でした。2009年3月 リンパ節の腫れは、2cmのまま変化がありません。リンパ節郭清後のしこりは悪いものであることが多いとのことで、再度細胞診を行いましたが、明らかな癌細胞は認められないため、経過観察となっています。

1) リンパ節郭清後にリンパ節が腫れることは、時々見られることなのでしょうか。
2) このような腫れは、主治医がおっしゃるようにリンパ節転移であることが多いのでしょうか。

よろしくお願いいたします。

1) 通常は、リンパ節郭清をすればリンパ節の残りはないはずですから、郭清した場所のリンパ節が腫れるということはありません。しかし最近は、リンパ浮腫を予防するためにリンパ節郭清の範囲を縮小する傾向にあり、その場合、残ったリンパ節が腫れるということもあり得る話しです。
2) 手術した側の腋窩リンパ節が腫れてくれば、まずはリンパ節再発を疑います。そして細胞診等を行なって転移かどうか調べます。(文責 清水)

 

No.8803】  09年04月06日   M.S. 
線維腺腫が何度も出来る

線維腺腫で大きさが5cm位になって痛くなってしまい、高校入学前に摘出手術をしました。半年位で、定期健診で又同じようなものが出きて、経過観察中なのですが、出きにくい体質に改善する漢方薬や、サプリメントなど、自分で出来る事はやりたいので、どの様な物が良いか?教えてください。16歳です。

残念ながら、線維腺腫ができにくい体質にする方法というのはありません。(文責  清水)

 

No.8802-1】  09年04月06日   KY
腫瘍マーカー数値

いつも参考にさせていただいています。今年で術後10年となりますが、先日の血液検査で、CA15-3が32から34と二回続けて基準を超えました。今日病院で過去のデータを確認したところ、術後3年目で17くらい、アリミデックス服用後のここ3年くらいは26から28くらいで安定していました。術後4年後からアリミデックス服用直前のデータが不明です。血液検査の医師の話では、心配なら主治医に相談するよう指示がありましたが、あまり心配するなとのことでした。血液検査はアリミデックス服用後は2カ月ごとに行っていて、昨年11月のCA15-3の数値が28(ここ3年ほど28で高めです)、今年1月が32、3月が34で上昇しています。なおCEAはずっと1.3で変化なし、NCC‐ST‐439は1.0未満です。そこで御相談です。
1) アリミデックス服用後CA15-3が、17から急に26くらいに上がっているようですが、あり得ますか?
2) ここ数カ月でCA15-3 が基準を超え心配です。精密検査をした方がいいでしょうか?
3) 数年間基準値ギリギリでしたが、今回の数値の変動は異常でしょうか? アリミデックスの効果がなくなったのでしょうか?
4) CA15-3だけが上昇していますが、問題あるでしょうか?

以上よろしくお願いいたします。

1) アリミデックスの服用が原因で腫瘍マーカーが上昇するということは考えにくいです。
2) 心配であれば検査をしてもらっては如何でしょうか。ただし、その結果異常所見がなかったからといって安心できますか?
3) この値の変化だけから異常かどうか判断するのは難しいと思います。異常と判断するかどうかが難しいので、アリミデックス云々までは言えません。
4) これもわかりません。CA15-3だけしか上がらない再発もありますし、CA15-3が上がらない再発もあります。ただし、私のわずかな経験から言わせて頂くと、CA15-3だけが上がった場合、乳がんの再発以外に、卵巣がん、子宮内膜がんも考えた方が良い場合もあります。いずれにしても、現在、自覚症状がなければ、もう少し様子を見られては如何でしょうか。こういうケースがあるので、現在の術後経過観察のガイドラインでは定期的な腫瘍マーカーの測定を推奨していないのだと思います。(文責 清水)

 

No.8802-2】  09年04月17日   KY
腫瘍マーカー数値(2)

本日主治医にお会いしました。基本的には、ご回答いただいた内容と同じことを言われましたが、来週3大検査を6カ月前倒しでやってみようと勧められました。かえって不安が増してきています。
「数値の上昇もわずかだし、今の状態では何とも言えない。検査の誤差もあるし、次は数値が下がることも十分ありうる」ということでしたが、数値の上下で一喜一憂するのも本当に嫌になりました。
そこで御質問です。

1) どなたかの質問の回答に「一時的な数値の上昇(基準オーバー)は問題ない」とありましたが、これは4.5か月続くこともあるのでしょうか?
2) 私の場合、CA15-3がここ数年間28前後です。術後は15程度でしたが 、これはすでに異常でしょうか?
3) 再発が早く見つかれば打つ手はたくさんあると言われましたが、本当でしょうか?
4) インターネットで調べると、CA15-3は加齢により増加するとあります。また医師によれば、肝機能の衰えにより増加するとも言われました。いかがでしょうか?
5) 再発の場合の腫瘍マーカーの数値は、急激に増加するというような記述も見ました。

たくさんの質問で申し訳ありません。主治医には時間がなさ過ぎて思うようにお聞きできません。よろしくお願いいたします。

1)数値の上昇が継続するのであれば、画像検査などを考慮することがあります。
2)正常上限付近の数値ですし、また数値が安定しているのであれば経過観察でよいと思います。
3)再発の早期発見・早期治療は再発後の生命予後とは無関係であるというのが乳癌再発治療の標準的スタンスです。
4)重要なのは数値の上昇傾向であり、この場合は前回回答のごとく婦人科癌など乳癌以外のチェックも大切だということです。
5)そのような場合もございます。(文責 首藤)

 

No.8801】  09年04月06日   M.I. 
アロマシン服用中の出血

2002年3月(48歳)に、左乳房をUb期で温存手術。術後ノルバデックスを5年間服用。2007年(53歳)アロマシンに切り替えたところ、半年後に出血。検査で『閉経しているかどうか微妙な数値』と言われ、アロマシンを中止して再度ノルバデックスを服用。2009年(55歳)数値も閉経を示しているとのことで、アロマシン服用を再開。3週間後、出血(3日間)。この出血はアロマシンの副作用? どんなメカニズムと考えられるのか? アロマシンの服用を続けてもいいのでしょうか? アロマシンは5年服用の予定です。回答をよろしくお願いします。

初めに閉経という言葉の定義についてお話しします。一般的には月経が中止した場合を閉経と言いますが、アロマターゼ阻害(AI)剤を使う場合は、もっと厳密に卵巣の働きが停止した状況を閉経と考えます。一般的には35才前後から卵巣からの女性ホルモンの分泌が低下しはじめ、50才前後である一定のレベル以下になると月経が停止します。しかし、この時点では卵巣から分泌される女性ホルモンの量が減少しているだけで、まだ分泌は続いています。ですから、閉経したと思っても数ヶ月したらまた月経がきたということはよく経験されることだと思います。60歳を過ぎていればまず確実に卵巣機能は停止していると考えられています。ですから、60才以上であれば無条件でAI剤が使えますが、50歳代で月経がない状態の方の場合、血中のE2(エストラジオール)、FSH(卵胞ホルモン刺激ホルモン)を測定して、卵巣機能が停止しているかどうかを確認します。
AI剤と出血;月経はないが卵巣機能は停止していないという状況でAI剤を使用すると、卵巣以外からの女性ホルモンの分泌が抑制され、その結果FSHが上昇し、上昇したFSHの刺激で卵巣からの女性ホルモンの分泌が亢進して、月経が再開してしまうと考えられています。ですからAI剤を内服したあとで不正性器出血がある場合、もちろん婦人科で検査をしてもらいますが、その出血が月経であると考えられた場合はAI剤の内服を中止して抗エストロゲン剤(ノルバデックス、フェアストン)に換えるか、内服を中止するかします。どうしてもAI剤が必要な場合はLH-RH analogue(ゾラデックス、リュープリン)を用いて完全に卵巣の働きを停止させてから使用します。(文責 清水)

 

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