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相談室(No.1901〜2000)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

2000 03/11/15 K.H.   右腋の近くの痛み 浜口
1999 03/11/15 M.H. 抗ガン剤治療について 浜口
1998 03/11/15 Y.H マンモグラフィについて 浜口
1997 03/11/15 T.K. 姉の乳癌について 浜口
1996 03/11/15 K  女性化乳房について悩んでいます 浜口
1995 03/11/15 Luna 乳首周りの痒みと腋の下のしこり 浜口
1994 03/11/15 I  妊娠中の乳房の痒み及び乳頭からの分泌物について 浜口
1993 03/11/15 M  乳房の発疹とかゆみ 浜口
1992 03/11/15 再発治療方法 浜口
1991-1
1991-2

1991-3
1991-4
03/11/15
04/03/13
05/03/30
05/06/29
K 肝臓への転移と余命について
乳癌患部からの出血について
第4頸椎に転移
皮膚癌と右足の痛みについて
浜口
稲葉
清水
石山
1990 03/11/15 M.Y. 術後の治療について 浜口
1989 03/11/15 O   小さなしこりがあります 浜口
1988 03/11/14 S.K.  乳首の痒み 浜口
1987-1
1987-2
03/11/14
04/01/11
みみ 検査結果について
乳房の痛み
浜口
籾山
1986 03/11/14 taka 腫瘍マーカーについて 浜口
1985 03/11/14 T.O.   妊娠中の乳癌検査について 浜口
1984 03/11/14 Y.O.  肺転移について 浜口
1983 03/11/14 こっこちゃん イソフラボンについて 浜口
1982 03/11/11 N   センチネルリンパ生検、セカンドオピニオン 浜口
1981 03/11/11 Y.Y. 右胸の痛みについて教えてください 浜口
1980 03/11/11 U 今後の治療と妊娠の可能性 浜口
1979 03/11/11 Y.K. 乳がん検査について 浜口
1978 03/11/11 B.Y. 余命宣告について 浜口
1977-1
1977-2
03/11/09
03/11/15
I.M.   抗がん剤治療について
抗がん剤治療について(2)
浜口
浜口
1976-1
1976-2
03/11/09
03/11/15
N.R.  検査方法について
画像診断の確実性について
浜口
浜口
1975 03/11/09 M 乳頭分泌物について 浜口
1974-1
1974-2
03/11/07
03/11/09
I.M.  リンパ郭清について
郭清の後遺症について
浜口
浜口
1973 03/11/07 R.B. 検査したほうがいいのか? 浜口
1972 03/11/06 F  腫瘍生検とセカンドオピニオン 浜口
1971 03/11/06 A 乳がん検診の結果 浜口
1970 03/11/06 M 乳腺にできるしこりについて 浜口
1969 03/11/05 F.M. 術後の補助療法についてのご相談 浜口
1968 03/11/05 E  乳癌と卵巣摘出 浜口
1967-1
1967-2

1967-3
1967-4
03/11/05
04/03/27
04/03/29
04/08/05
N.T.  59歳母について
処方された飲み薬について
処方された飲み薬について(2)
肺転移
浜口
片山
片山
浜口
1966 03/11/05 M.S. 乳ガン転移その後について 浜口
1965 03/11/04 T.C.  マンモトーム生検 浜口
1964 03/11/04 A  外科的生検とマンモトーム生検について 浜口
1963 03/11/04 E 左胸のしこりについて 浜口
1962 03/11/04 K.I.  乳がん検診の結果について 浜口
1961 03/11/04 N.S 乳首の痛み 浜口
1960 03/11/03 D.I. 転移の可能性 浜口
1959 03/11/01 M 再発?でしょうか 徳田
1958 03/11/01 A 抗癌剤と生理 徳田
1957 03/11/01 T.T. 骨転移の可能性 徳田
1956-1
1956-2
03/11/01
03/11/14
K.Y.  石灰化について
ステージについて
徳田
浜口
1955-1
1955-2
03/11/01
05/02/24
TT 術後の治療
抗がん剤治療後の検査
徳田
石川
1954 03/11/01 D.I.  首のリンパ節転移? 徳田
1953 03/11/01 ak 乳瘤について 徳田
1952 03/11/01 M.S. ホルモン治療について 徳田
1951 03/10/31 N.M 乳癌患者について 徳田
1950 03/10/31 K.F 乳がん術後の妊娠について 徳田
1949 03/10/31 K 集団検診の超音波検査の結果 徳田
1948 03/10/31 ST  術後の治療及び再発率 徳田
1947-1
1947-2
03/10/30
03/11/01
Y  病理結果について
インフルエンザ予防接種
徳田
徳田
1946 03/10/29 M.G.  妊娠中の乳腺 徳田
1945 03/10/29 C ECの副作用 徳田
1944 03/10/28 URE 左の乳首のかゆみについて 徳田
1943 03/10/28 S  胸の痛みについてご相談します 徳田
1942 03/10/28 O 乳腺症について 徳田
1941 03/10/28 M 術後20年のリンパ節転移 徳田
1940 03/10/25 S.O.  楕円形のしこりについて 徳田
1939 03/10/25 M.N 乳がん検診 徳田
1938 03/10/24 K 手術創近くのこりこり感は? 徳田
1937 03/10/24 T.H.  ステージとクラスの数値について 徳田
1936 03/10/24 R.M. 17歳です 徳田
1935 03/10/23 hitomi   切除手術後の転移 徳田
1934 03/10/23 S 診察の時期 徳田
1933-1
1933-2

1933-3
1933-4
03/10/22
04/01/15
04/01/21
04/06/06
術後の治療について
再発について
今後の治療について
リュープリンの副作用について
徳田
籾山
石川
須田
1932 03/10/22 sea  生検後のしこり 徳田
1931 03/10/22 K  術後のしこり、ノルバデックスでの閉経?卵巣がんについて 徳田
1930 03/10/22 A.A. 右側の乳房の張り 徳田
1929 03/10/19 HK  しこりについて 徳田
1928 03/10/19 K 癌の転移 徳田
1927 03/10/19 A.T. 乳輪の大きさについて 徳田
1926 03/10/18 M.T.  乳癌の骨転移 徳田
1925 03/10/18 Y  乳頭の痒みと分泌物 徳田
1924-1
1924-2
03/10/18
03/10/22
K.M 局所再発について
局所再発について(2)
徳田
徳田
1923 03/10/18 D.N.  血小板の減少について 徳田
1922-1
1922-2
03/10/18
03/11/22
N 不正出血について
再発治療方法
徳田
川本
1921 03/10/17 ゆうな   再発の症状について 徳田
1920 03/10/17 larc   温存手術後の治療について 徳田
1919 03/10/17 Y.W. 全身転移状態での手術後の放射線治療について 千島
1918 03/10/17 H.N 右胸の痛み 千島
1917 03/10/17 mika 両胸にしこりがあります 千島
1916 03/10/17 N.Y. 胸のしこりについて 千島
1915 03/10/14 TK 手術後の放射線療法について 千島
1914-1
1914-2
03/10/14
05/01/09
sacre 術後の補助療法についてお伺いします
外科生検について
千島
千島
1913 03/10/14 SAYAKA ノルバデックスの副作用について 千島
1912 03/10/13 M.O.  ホルモン療法の薬の選択(2) 千島
1911 03/10/13 K.K. 右胸のしこりについて 千島
1910 03/10/13 T・K 骨量について 千島
1909 03/10/13 m.o. 乳腺のう胞 千島
1908-1
1908-2
03/10/13
03/12/17
F.K.   ゾラデックス
ホルモン療法と放射線治療の副作用(HPNo.1908-2)
千島
吉田
1907 03/10/13 CH 鎖骨の痛み 千島
1906 03/10/12 Y.Y 癌性腹膜炎について教えてください 千島
1905-1
1905-2

1905-3
1905-4
03/10/12
03/10/18
06/07/15
07/03/17
Y.S. NCCーSTー439について
検査結果について相談します
ノルバデックスと卵巣腫大の関係について
乳がん術後の妊娠について
千島
徳田
比嘉
比嘉
1904-1
1904-2
03/10/12
03/10/14
SS 生検の前に迷いが・・・。
生検の前に迷いが・・・(2)
千島
千島
1903 03/10/12 ひろみ 胸のかゆみ、痛みと分泌物について 千島
1902 03/10/12 CH 手術後の治療について 千島
1901 03/10/12 M.H.  術側の胸の腫れと痛みについて 千島

 

 

No.2000】 03年11月15日 K.H.
右腋の近くの痛み

はじめまして。もうすぐ31歳になります。母が2年前に乳がんで亡くなりまして、それ以来私自身も乳がん検査を受けております。最近右腋の近くに痛みを覚えることが多く、急にピリピリと痛みが走るのです。時々夜中に目が覚めるくらい・・・。特に腋の下というよりも右乳房と腕の付け根の間辺りです。乳腺なのか筋なのか良くわからないのですが、こりこりしたものがあるところ一帯です(左にもあるのでしこりではないと思います)。気になるのでその辺りを押すと鈍い痛みがします。開業医の産婦人科で肋間神経痛と診断され、整形外科を勧められました。整形外科へ行くと、レントゲンの結果、整形外科的な悪いところは無く、乳腺のほうが心配であるとまた言われてしまいました。近くの総合病院の乳腺外科でマンモグラフィー、超音波、触診をしてもらい異常なしと言う結果を頂いたのですが、その時の先生の言葉がうまく理解できておらず、痛みがあるので不安が解消されないままです。今回の乳腺外科受診で、「腋の下には乳腺は無し、痛みがあるのなら心配はない!」と言われたのですが、一年ほど前に検診を受けたときの先生は「腋の下にも乳腺はあるから腋の下が痛いこともあります」という見解でした。どちらが本当なのでしょうか? また、母も痛いのを我慢していて気づいたときにはVまで進んでいたので、助かりませんでした。「痛みが有るから安心して」と言われても不安になるだけで、なんだかずっと気にかかったまま3ヶ月ほど憂鬱にしています。自分でもちょっと過敏なのかなぁと思うこともあるのですが、乳腺外科の結果を信じていいのでしょうか?また、六月、七月に故意に生理をずらすために中程度のホルモン剤を服用した経歴があります。これの所為なのでしょうか・・・。もし、他にこの痛みの原因を推定していただけるのなら、そちらを受診したいとも思っています。どうか、ご意見をお聞かせ下さい。滋賀県在住です。

内容から推測しますと、乳腺症もしくは肋間神経痛が疑われるのではないでしょうか。個人差はありますが、乳腺は腋窩方向に伸びており、乳腺症でも腋窩付近が痛くなることはあります。触診、マンモグラフィ、エコーでしこりがないのであれば、乳癌の可能性はきわめて低いでしょう。ただ一般によく言われている「乳癌は痛くない」というのは間違いで、乳癌患者さんの受診動機の80-90%は「しこり」ですが、痛みで受診される患者さんも約5%います。また肋間神経痛は他の疾患が否定された場合に診断がつく場合が多く、画像検査で確定診断をつけるのは困難です。どちらにしても現時点では経過観察もしくは、鎮痛剤投与等の対症療法ということになると考えます。今後は定期的に乳癌検診を受けることが重要と思います。(文責 浜口) 

 

No.1999】 03年11月15日 M.H.
抗ガン剤治療について

私の親族は片方の乳房の全摘出手術をしました。Uaの段階で、リンパ節転移は13個中10個にあり、その後、抗ガン剤(CAF)を2週間に1度、20回連続で行っています。いろいろな本等で見ると抗がん剤は6回が1サイクルのようなことが書いてあるのですが、この場合は転移の可能性が高く、体力はまだあるので、今の内にたたけば、転移の可能性が低くなると考えておけば良いのでしょうか。

CAFの場合であれば、現在は3週に1回、もしくは4週に2回を6サイクル施行するのが標準的な治療です。アンスラサイクリン(CAFのA)の効果は用量依存性があると報告されており、1回に投与する量はある程度必要です。また総投与量が多くなると心筋毒性があるためアドリアマイシンは500mg/m2、エピルビシンは900mg/m2以下にすることが推奨されており、長期間投与すればよいというものでもありません。MHさんの場合、1回投与量が不明なので詳しくはわかりませんが、主治医の先生に詳しく説明して頂くのがよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.1998】 03年11月15日 Y.H
マンモグラフィについて

今年6月27日、乳房温存手術をうけました。来年1月8日にマンモグラフィを人間ドッグでとる予定でいました。他の先生の診断もお聞きしたいと思ったからです。しかし、主治医の先生は、来年とるから、とらないでとおっしゃいました。傷口への影響、もしくは体への負担や影響はありませんか?とっても大丈夫かどうかお教えください。宜しくお願い致します。

術後7ヶ月目での検診マンモグラフィは傷口への影響や体への負担はあまり心配ありませんが、再発チェックのためであれば、術後の変化と再発を7ヶ月目のマンモグラフィで鑑別することは困難であり、意義は低いでしょう。再発チェックの目的であれば乳房のMRI検査が有用であると言われてます。(文責 浜口)

 

No.1997】 03年11月15日 T.K.
姉の乳癌について

はじめまして。どうして?という疑問が解けず、メールを打たせて頂きました。よろしくお願いいたします。現在44歳の姉の病状について。2002年2月に右上部内側に癌がみつかり、四分の一の部分切除を行いました。術前の検査では転移も見られず、2cm以下の腫瘍なので、初期と考えていいとのことでした。切除した病変を調べたところ、切り口には癌細胞はないが、その内側に癌の芽みたいなものがいくつかみつかったとのことでした。それが後に癌になるかならないかは今のところ誰にもわからないといわれ、子供も小さかったこともあり、右乳房の全摘を行いました。術後はタモキシフェンのみの服用でしたが、2002年11月よりユーエフティE顆粒が追加されました。基準値7.0のマーカーが12.5まであがったからとのことでした。その後も多少のマーカーの上下はあったのですが、定期検査では再発はありません。2003年11月の血液検査でマーカーの上昇があり、再発はみられないが、念のため点滴治療をしましょうということになりました。姉は、現在元気に働いております。体より精神的ダメージの方が大きい気がします。姉は色々な情報に振り回されたくないといって、自身の病気について医師から詳しいことは聞いておりません。姉の癌はどんな種類のものか、この話からわかりませんでしょうか?今後は、ただ見守るしかできませんか?今まで家族に癌患者はおりません。ここ何日かは家族の不安がピークに来ている気がします。

術後経過観察中に腫瘍マーカーの上昇があった場合、やはり再発の可能性を考慮し全身検索を行います。腫瘍マーカーの種類によっては乳癌以外の癌でもあがるものもありますので、場合によっては他の癌の合併の可能性も考慮する必要があります。乳癌の場合、リンパ節、骨、肺、肝、脳などへの転移が多く、それぞれに応じた画像検査を行いますが、それでも再発部位がわからない場合は全身をスキャンするPET検査を行う方法もあります。腫瘍マーカーの上昇のみで再発かどうかはっきりしない場合の治療は確立されたものはありませんが、閉経前でホルモンレセプター陽性であれば、まずはLH-RHアゴニスト+タモキシフェンを第一選択とし、無効であれば抗がん剤を考慮していくということになるのではないでしょうか。現在患者さん本人が十分な説明を受けていないのであれば、ご家族が一度本人に代わり主治医から説明を受けたらいかがでしょうか。なおも疑問が残るのであれば、セカンドオピニオンを求めたらよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.1996】 03年11月15日 K
女性化乳房について悩んでいます

この病気に中学二年生の頃からかかっていて、もうすぐ21歳になるのですが、まだ治りません(大きさが変わりません)。大学病院で診察してもらい、血液検査をしてもらいましたが、正常らしく、時間がたてば治ると言われました。病気として考えると心配はないと思うのですが、やはり服の上からでも目立つので(Tシャツとか)、かなりストレスがたまり、鬱もはいりかけています。僕が望んでいることは体験者の人とかの事を聞かせてもらいたいことと、治ったときに自分でわかるのでしょうか? このままの大きさで治るってことはないんでしょうか? 大体この病気にかかった人はどのくらいで治るのでしょうか? 運動や筋肉トレーニングをしても、見た目には関係ないといわれたので、自分ではどうすることもできないのがすごく悩みです。お願いします、相談にのって下さい。本当にこのままで治るんでしょうか・・・。

女性化乳房が思春期性乳腺肥大であれば、半年から1年で自然治癒するのが一般的です。内分泌疾患、肝疾患や糖尿病に合併して起こっているのであれば、原疾患の治療が必要であり、薬剤に起因するのであれば、薬剤の中止が必要になります。しかし、多くの場合は成因のはっきりしない特発性乳腺肥大であり、Kさんの場合にもこれにあてはまると考えられます。自然治癒が困難な場合は、日常生活に問題なければ経過観察となりますが、美容上の観点から手術療法も選択可能です。一度形成外科を受診され、相談してみたらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1995】 03年11月15日 Luna  
乳首周りの痒みと腋の下のしこり

23歳の女性ですが、かなり前から乳首の周りが痒いことがあって、かきすぎて血が出ることもしばしばです。また、かきむしった直後とかではなく、何もしてないときに乳首がズキズキ痛むことがあります。あと、わきの下にしこりのようなものがあって、時々痛んでその痛みが2〜3日続きます。「わきの下にしこりがあると乳がんの恐れがある」と読んで不安になってメールしました。この症状を総合して、乳がんの恐れがあるのでしょうか。お返事下さると嬉しいです。

内容からは乳頭部の接触性皮膚炎が最も考えられ、乳癌の可能性は低いと思いますが、症状があるのであれば一度専門医の診察を受けることをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.1994】 03年11月15日 I
妊娠中の乳房の痒み及び乳頭からの分泌物について

初めてメールさせていただきます。私は26歳で、妊娠7ヶ月です(初めて)。一ヶ月前くらいから両方の乳房及び乳首が痒い上に、指で乳首や乳房を押さえると、乳頭から薄い血と半透明の液体がでてくるようになりました。産婦人科で紹介していただいた外科で分泌液の検査をし、今その検査結果待ちです。次回の検査の時に、エコー及びマンモグラフィーの検査をするといわれました。妊娠中にこれらの検査を行っても、胎児に影響はないのでしょうか?また、その診察のときに、先生は「胸にしこりはないし、どうして血がでるのかなー」という感じでした。検査結果がでるまで、乳がん又は胎児に影響する病気だったらどうしようと心配です。もしも、乳がん等の場合、出産後に手術なりを行うようになるのでしょうか?それで間に合うのでしょうか?お忙しい所恐れ入りますが、回答の方をよろしくお願いいたします。

妊娠7ヶ月であれば、エコー、マンモグラフィによる胎児への影響はほとんど心配いりません。もしも乳癌だった場合は妊娠中でも手術は可能です。しかし、抗がん剤治療を行う場合には胎児への配慮が必要になります。(文責 浜口)

 

No.1993】 03年11月15日 M
乳房の発疹とかゆみ

9月に40歳になりました。夏前から身体に発疹が出て、あちこち掻き壊してしまい、今はだいぶおさまりましたが、色素沈着がたくさん残っています。皮膚科では、自家感作性皮膚炎ではないかと言われました。数年前から乳首や乳りんも痒くなったり、治ったりを繰り返していますが、今は落ち着いています。最近になって両乳房の下のほうがとても痒く、何度も掻き壊してしまって、そのたびにステロイドを塗ったりして症状を抑えてるのですが、赤い発疹が出たり引っ込んだりして、なかなか完全に治りません。最近になって炎症性乳がんという病気を知り、とても不安です。乳房は下半分だけが赤くて、とても痒いのですが、腫れたり熱をもったりはしていません。寝ているときに無意識に掻いてしまっているようで、ヒリヒリ痛みます。炎症性乳がんの可能性はありますか?わたしはもともとアトピー体質で、他にもわきの下や下腹部も特に痒みが強いです。

炎症性乳癌であれば、ステロイド軟膏によって治ることはありえませんので、やはり皮膚炎の一部と考えてよいでしょう。しかし、心配であれば一度専門医を受診したらいかがでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1992】 03年11月15日 M
再発治療方法(HPNo.1877-3)

以前1877で、再発の事で相談させていただいたMです。その後治療方法が決まりました。その後セカンドオピニオンを受けた病院で全身検査、ハーセプチン検査をしました。結果は脳CT、胸部CT、腹部CT、骨シンチ、血液検査異常なし。ハーセプチンは0の判定で適応なし、ホルモンにかなり影響を受けるタイプ(100%と書いてあったような気がします)なのでゾラデックスのみということになりました。今現在しこりとしては2個確認されているのですが、癌細胞は胸全体にたくさんあるだろうということで、放射線をかける範囲を決める事も難しいし、抗癌剤などの方法もあるが癌のたちとしていいほうだし、他に転移しているわけではないので、身体に負担をかけなくてもいいでしょうということでした。私の中ではホルモン療法は予防的な効果のみしかないと思っていたのですが、ゾラデックスのみの治療でもしこりが消えることはあるのですか?ゾラデックスはどれぐらいの期間打つのでしょう?放射線の必要についてはどう思われますか?よろしくお願いします。

局所再発部への放射線照射は局所コントロールには効果が期待できますが、予後の改善のためにはやはり全身療法が重要と考えます。ホルモンレセプター陽性の場合、ホルモン療法は再発乳癌に対しても重要な選択枝のひとつです。閉経前症例の進行再発乳癌の一次治療におけるLH-RHアゴニスト(ゾラデックス)の奏効率は29.7%であり、更にタモキシフェンを追加することにより38.8%になります。局所再発のみであっても、タモキシフェン追加による上乗せ効果が期待できるかも知れませんので、主治医の先生と相談してみたらよいのではないでしょうか。ゾラデックス投与は標準的には2年間です。(文責 浜口)

 

No.1991-1】 03年11月15日 K
肝臓への転移と余命について

はじめまして。母(66歳)の乳癌が肝臓に転移しました。乳癌は手術できず、右乳房に7×6センチ、右脇リンパ節に多数転移、鎖骨・首に数個転移しています。更に、最近肝臓に1.5センチの転移が発見されました。現在、ホルモン療法(ノルバディックス)とアガリクス(液体)を服用しています。ハーセプチンは効かない体質だそうです。そこでお伺いしたいのですが、@余命はどれ位でしょうか、A治療方法は肝臓に対しては何が一番有効でしょうか、B実は2つの病院に肝臓を診察して頂いたところ、PET検査では1.5センチの転移といわれましたが、他病院の超音波検査では全く転移していない、癌は見当たらないと言われました。超音波では1.5センチ位の小さな癌は見落とされることがあるのでしょうか。どうぞよろしくお願い致します。 

1) 余命については転移性乳癌の場合は個人差が大きく予測は困難ですが、肝転移がある場合、平均で6-12ヶ月程と考えます。
2) 肝転移に対して特に効果があるという特別な治療は残念ながら確立されていません。一般的に転移性乳癌の治療方針は、ホルモン療法が効くのであれば、まずはホルモン療法を行います。ホルモン療法が効かなくなったり、命を脅かされるような状態では抗がん剤治療に切り替えます。しかし、残された期間が短いのであれば、副作用の強い抗がん剤治療はしないというのも選択枝のひとつでしょう。主治医の先生とよく相談して下さい。
3) 超音波検査では肝臓の肺や腸管のガスに隠れた部分の観察はできないため、場所によっては見えないことがあります。(文責 浜口)

 

No.1991-2】 04年03月13日 K
乳癌患部からの出血について

昨年11月にHPNo.1991でお世話様になりました。前回の状態は、「母(66歳)の乳癌は手術できず、右乳房に7×6センチ、右脇リンパ節に多数転移、鎖骨・首に数個転移。肝臓に1.5センチ癌あり(医者によると転移かどうか不明とのこと)」でした。今年1月まで、引き続きホルモン療法(ノルバディックス)とアガリクス(液体)を服用。ハーセプチンは効かない体質です。今年1月半ば、癌のある右乳房から出血が始まり、現在では安静に寝ていると少量ですが、動くと何かの拍子でかなりの量の鮮血が出ます。主治医に相談し、1ヵ月放射線を照射(右乳房、首、リンパなど通常の3倍ほどの量)しましたが、出血は止まりません。そこでご相談ですが、
@ 今後どのような治療をすればよいでしょうか。放射線を更にかけた方がいいのでしょうか。抗がん剤は本人の希望により使用したくないとのことです。
A 生活するうえで注意する点を教えてください。一応普通に生活していますが、本当はずっと寝ている方が長く生きられるのでしょうか。
B 余命はどれ位でしょうか。これは末期状態なのでしょうか。
以上3点です。よろしくお願いいたします。

@ 今後の治療についてですが、現在一番対応に苦慮している症状は乳房からの出血です。放射線を1ヶ月照射して、出血が治まらないというのであれば、別の方法を考えた方がいいかも知れません。例えば手術も選択肢の一つと思います。これは根治性をめざすというのではなく、出血を防ぐという局所のコントロールの意味で行うものです。
A 生活する上で気をつけることは、なるべく通常の生活をするということです。寝たきりというのは感染を起こしやすくなり、また精神的にもあまり望ましいことではありません。安静にすれば生存期間が延びるということはありません。
B 残された時間は肝転移があるとすれば、3〜6ヶ月と思われます。時間は限られているわけですから、残された時間を本人にとって有意義なものにしてあげることが大事と考えます。(文責 稲葉)

 

No.1991-3】 05年03月30日 K
第4頸椎に転移

2003年11月15日からHPNo.1991でお世話様になっております。前回2004年に放射線を照射してから何とか出血は止まりましたが、右乳房から右脇下のリンパが拡大し硬直化して鈍痛が慢性的にあり、手をじっと下げていられない状態です。鎖骨の転移も拡大しており、両側の肩甲骨周辺の痛みが激しかったためMRIを受けたところ、第4頸椎が薄黒くなり、骨が溶けているとのこと。明日から首に放射線を掛けることになりました。担当医から「放射線処置はあくまで痛み止めで、治療ではない」と言われましたが、
1) 放射線による骨転移への治療効果はないのでしょうか。
2) 右上腕の痛みは頸椎と関係あるのでしょうか。
3) 両側肩甲骨の痛みの原因は何が考えられるでしょうか。
4) 余命はどのくらいでしょうか。
5) サイバーナイフの効果についてはどうお考えでしょうか。

以上5点、お忙しい中申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

1) 放射線治療の目的は痛みを取ることです。癌の一部は死ぬかもしれませんが、死なないがん細胞の方が多いと思います。癌が死ぬくらいの量をかけることも可能ですが、その場合、脊髄がやられてしまい、下半身麻痺になってしまいます。
2) 右上腕の痛みは、第4頸椎の転移のためか、頚部リンパ節の転移かどちらかでしょう。
3) 肩甲骨のあたりの痛みの原因は、このメールの内容からは特定できません。いずれにしても、癌がどこかで悪さしているのでしょう。
4) 再発してから1年4ヶ月経っています。目標は一日も長くですが、これから先1年は厳しいかもしれません
5) サイバーナイフは限局した病変に有効ですから、お母様のように首から前後ろに広がっているような形の再発では使えないと思います。(文責 清水)

 

No.1991-4】 05年06月29日 K
皮膚癌と右足の痛みについて

HPNo.1991でお世話様になっております。その後、頚椎だけでなく、頭蓋骨にも数箇所の転移が発見されました。時々頭痛があります。更に右乳房の患部周辺に皮膚がんが広がって、膿と少量の出血が始まってしまいました。
1) 皮膚がんと出血に対する対処法はありますでしょうか?(すでに放射線で一度出血を止めております。)
2) また、右脇の下から手先まで、むくみがひどくなってきて、我慢できないほどの痛みを感じるようになりましたが、右手のむくみと痛みへの対処法はありますでしょうか?
3) 更に右足が痛み、歩くことが困難になったので整形外科で検査したところ、「癌の転移ではないが、右足付け根の恥骨とちょう骨の辺りにひびが入っているようだ」と言われ、現在杖をついてしか歩けません。この右足の原因がよくわからないのですが、病気との関連は本当にないのでしょうか。本当に治るのでしょうか。(特に心当たりがなく、風邪の咳がひどいので、骨に響いたのかとも考えましたが、わかりません)
4) 風邪を引いた後、咳だけがずっと残り、痰もひどいですが、検査の結果、肺転移はありません。病気のせいで咳が治りにくいのでしょうか?

以上、お忙しいことと存じますが、宜しくお願いいたします。 

皮膚がんが乳癌皮膚転移という事であれば、全身化学療法、内分泌療法と共に、抗がん剤入りの軟膏を塗布する場合があります。むくみは手術や放射線療法など様々な原因でおきますので、リンパドレナージなどのマッサージ、利尿剤投与、感染がある場合は抗生剤投与をします。3)4)については検査結果を実際に見ないと分りませんので、主治医に再度確認して下さい。(文責 石山) 

 

No.1990】 03年11月15日 M.Y. 
術後の治療について

初めてのメールです。先月、乳がんの温存手術を受けました。47歳で閉経前です。「しこりの大きさは1.4×1.0、ホルモン受容性+、リンパ節転移 0/15、グレード 2」とのことです。医者よりホルモン療法か抗がん剤かの追加治療を勧められました。グレードが1ならホルモン療法だが、抗がん剤もやるかどうか決めるように言われ、私自身、白血球がもとより3000を切るのが通常の値なので、ホルモン療法をすることにしました。抗エストロゲン剤(タモキシフェン)を5年間、LH-RHアゴニスト(リュープリン)を2年間投与することにしました。この治療の有効性は、抗がん剤の場合に比べどの程度なのかお聞かせください。また標準治療と考えてよろしいのか、効果がないときは抗がん剤治療に変わることもあるのかも知りたく存じます。なお、明日より放射線療法を25回受ける予定です。

イギリスのEBCTCGのメタアナリシスの結果等によれば、タモキシフェンやLH-RHアゴニストによる卵巣機能抑制による年間再発数の減少率は30-40%であり、更に抗がん剤治療を併用すると約7%の上乗せ効果が期待できます。MYさんの場合はリンパ節転移(-)の中-高リスクになりますので、タモキシフェン+LH-RHアゴニストが標準的治療と考えてよいでしょう。オプションとして抗がん剤の併用が考えられ、確かに上乗せ効果は期待できますが、副作用等のデメリットがあるのも事実です。MYさんの場合は比較的低リスクと考えられますので、ホルモン療法のみで十分な再発抑制効果が得られると考えてよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1989】 03年11月15日 O
小さなしこりがあります

お伺いしたいことがあります。50歳になる母で、6年ほど前に一度乳腺症のしこりができ摘出をいているのですが、今年の検査でまたしこりが発見され、マンモグラフィ、超音波の検査をしました。結果はマンモグラフィでは白くなってしまってあまりよくわからなかったのですが、超音波で、手で触ってもわからないくらいの小さなしこりがいくつかあるということでした。お医者さんは3週間後にくる乳腺の専門の先生に見てもらいましょうと言われたのですが、もし乳がんの可能性が残っているのであれば、そんなに時間をおいてしまっていいのでしょうか?小さな悪性腫瘍が点々とできるというようなことがあるのでしょうか?よろしくお願いいたします。

メールの内容からは、やはり乳腺症の可能性が高いように思います。しかし、乳腺症の中に小さな乳癌ができていても発見は困難ですので、やはり専門医の診察を受ける方がよいでしょう。万一乳癌だったとしても、乳癌は触ってわかるようになるまで年単位かかっていると考えられており、3週間で進行してしまうということはまずありませんので問題ないでしょう。(文責 浜口)

 

No.1988】 03年11月14日 S.K. 
乳首の痒み

私は29歳で、2歳になる娘がいます。現在授乳はしていません。5年ほど前から乳首のあたりの痒みがありました。その時は皮膚科の薬で痒みは治まりましたが、その日以来、毎回この繰り返しです。あまりのかゆさで、夜寝ている間にかきむしってしまう時もあります。痒みがある場合は、癌の可能性があるとのことだったので、先日病院に行き、エコーなどを使って検査しましたが、特に異常はみられなかったようです。日によって痒みがあり、また左胸の脇が時々痛みます。左右の胸の大きさも違うので心配です。検査のエコーなどで見落としてしまうことはないのでしょうか?現在海外に住んでるので、不安で仕方がありません。

確かに乳首のところがただれたようになる特殊な乳癌(パジェット病と言います。)もありますが、もしそうであれば皮膚科の軟膏で治ることはありませんので、お話しからは否定的と考えます。症状からは乳頭部の接触性皮膚炎や乳腺症が考えられ、それほど心配しないでもよさそうです。しかし、症状が悪くなるようであれば海外在住だと大変ですが、やはり専門医を受診する方がよいでしょう。(文責 浜口) 

 

No.1987-1】 03年11月14日 みみ
検査結果について

はじめまして、お忙しいところすみません。質問させて頂きます。
私は31歳、独身で出産経験はありません。今年8月頃に右乳房の上部内側にしこり(米粒大)を発見し(つるつるとした感じで動きません)、10月上旬に集団検診(エコーのみ)をうけ、結果は「異常なし」でした。それでもしこりが気になり10月下旬に市民病院で検査(エコー、マンモグラフィー)をうけました。本日11月11日に検査結果を聞きにいったところ、マンモグラフイー、エコーともに異常なしでしたが、念のためという事で、エコーをもう1度取り直しました。右乳房からのみ黄色い分泌液が一箇所からでてきた旨をつげたところ、それを調べるとの事でした。今は一週間後の検査結果を待っています。お尋ねしたいことは
1) エコー、マンモグラフイーで写らない場合、どのような病気が疑われますか?
2) 片方だけ黄色い分泌液がでますが(一箇所から)、黄色い分泌液は癌の疑いはありますか?

以上2点です。ご回答のほうよろしく御願いいたします。

1)については、小さくて写らないというケースは考えられますが、ある程度の大きさがあるのにエコー、マンモグラフィで写らないとなると、正常の乳腺構造と区別が困難な病変が考えられ、乳癌は比較的考えにくく、乳腺症や乳頭腫などが考えられます。また、乳腺外の皮下にある腫瘤などもエコー、マンモグラフィでは写りにくいです。
2)についてですが、乳癌で分泌物を伴う場合、血液が混じることが多く、黄色いことは比較的少ないです。しかし、乳癌の疑いはゼロではありませんから、必要に応じて細胞診、乳汁中CEA、乳管造影などの検査を行うことになります。(文責 浜口) 
 

No.1987-2】 04年01月11日 みみ
乳房の痛み

前回は親切なご回答、ありがとうございました。とても参考になりました。今回も是非お聞きしたくメールいたしました、よろしく御願いします。前回の内容は以下の通りです。
『私は31歳、独身で出産経験はありません。今年8月頃に右乳房の上部内側にしこり(米粒大)を発見し(つるつるとした感じで動きません)、10月上旬に集団検診(エコーのみ)をうけ、結果は「異常なし」でした。それでもしこりが気になり10月下旬に市民病院で検査(エコー、マンモグラフィー)をうけました。本日11月11日に検査結果を聞きにいったところ、マンモグラフイー、エコーともに異常なしでしたが、念のためという事でエコーをもう1度取り直しました。右乳房からのみ黄色い分泌液が一箇所からでてきた旨をつげたところ、それを調べるとの事でした。』
分泌液の検査結果はTとのことでした。今回お尋ねしたい事ですが、しこりのある右乳房が12月下旬頃から痛く、しこりも大きくなった気がするのです(米粒大から小豆粒くらいに)。乳房も乳首も右のほうが大きくなっています。生理は毎月13日前後にきます。分泌液は痛みの為にしぼる事ができないので、まだ続いているのか現在不明です。
ご回答頂きたいのは
1) お医者様は、「1年後またきてください」とおっしゃいましたが、1年を待たずに行ったほうが良いのでしょうか?
2) 「若い人は乳腺が邪魔をしてエコーやマンモグラフイーで癌がみつけにくい(写らないケースがある)」と聞いたのですが、現状はどうなのでしょうか?
3) 分泌液の検査をしましたが、この検査でどの程度癌である確率がわかるのでしょうか?

以上です。お忙しいとは思いますが、ご回答よろしく御願いいたします。

1) 新たな症状があるならば、1年を待たずに受診すべきです。
2) 若年者のマンモグラフイーは確かに有用とはいえませんが、エコーやMRIは有用と思います。
3) 分泌液の細胞診検査は、正診率50〜70%程度(施設の報告により差があり)ですが、繰り返し行えば、それだけ確立は増えます。不安を残したまま受診しないのはよくないことです。他の施設に受診して、セカンドオピニオンを聞くのもひとつの方法です。(文責 籾山)

 

 

No.1986】 03年11月14日 taka 
腫瘍マーカーについて(HPNo.1514-3)
 

No1514で質問させていただいた44歳の女性です。親切なアドバイスに感謝しています。今年の5月27日に手術を受けました。右胸の乳がん1.7cmで、手術は温存療法(くりぬき法)で、リンパ節は染色法で7つとりました。病理検査の結果はリンパ節転移なし、乳頭腺管癌、断端陰性、ホルモンレセプターは2種類とも陰性、グレードは2、Her2はマイナスで、現在、放射線療法の後、経口抗がん剤フルツロンとホルモン療法のノルバデックスを服用しています。化学療法はしていません。今回お聞きしたいのは腫瘍マーカーについてです。術後3ヶ月ごとに血液検査をしていますが、7月に腫瘍マーカーの数値がCEAが2.3、CA15-3が9.9だったのが、10月の検査でCEAが4.3と倍近くに上昇していました。CA15-3は9.1とあまり変わりません。担当の医師からは何も言われていないのですが、基準値内(5.0以下)ではありますが、CEAのこのような上昇は癌の再発と何か関係があるのでしょうか。ささいなことで申し訳ありませんが、不安になっています。回答いただければ幸いと思います。

腫瘍マーカーが正常範囲内であれば、現時点では心配ないと考えてよいのではないでしょうか。特にCEAは正常の気管支や消化管粘膜にも存在し、喫煙、気管支炎等の悪性疾患以外の状態でも上昇することがあります。ですから、多少変化しても気にせず、今後更に上昇するようであれば、精密検査を考えればよいでしょう。(文責 浜口) 

 

No.1985】 03年11月14日 T.O.
妊娠中の乳癌検査について
 

私は31歳の主婦です。乳癌検診の結果、両胸にしこりが見つかり専門の外科で診察するように指示があり、外科医よりエコーとマンモグラフィーの検査をするように指示がありました。検査の日程も決定し受診するばかりでしたが、妊娠が判明してしまいました。マンモグラフィーはX線なので検査を止めるように指示があり、エコーも始めは止めましょうと言われた後で、「出産までこのままで癌の確認はできないのでしょうか?」と聞くと、「では、エコーはやりましょう。エコーは影響ないですから」との答えでした。エコーの影響がないのであれば何故最初の段階でエコーも止めると言ったのか不安です。更に、エコーだけで乳癌の確認ができるのかと聞くと「エコーで分かりますよ」との答えでしたが、エコーで確認できるなら何故マンモグラフィーの検査も行うように指示があったのでしょうか?子どもがお腹の中でどんどん成長してしまうので、毎日不安でたまりません。御回答、宜しくお願いいたします。

妊娠期には、ホルモンバランスの変化により、乳房にもさまざまな変化が起こります。検査もメリット(良悪性診断)とデメリット(胎児への影響)を考慮した上で進めていけばよいでしょう。診察していないのではっきりしたことは言えませんが、両側にあることからもあまり乳癌は考えにくく、まずは安全に行える超音波検査を受けられればよいのではなでしょうか。(文責 浜口) 

 

No.1984】 03年11月14日 Y.O. 
肺転移について(HPNo.1490-3)
 

bP490でお尋ねいたしましたが、その節は有り難うございました。肺転移が見つかり(多発性)、アドリアシン、タキソテールの抗ガン剤治療6クールの内1クールが終わりました。心配していた肝機能の数値も、高いながらも今までより少し下がったとのことで、2クール目に入る予定です。1年で転移があり思ってもみないことでしたので、今後のことで少しお尋ねさせてください。進行の早いがんと
理解いたしました(主治医との会話で)。抗ガン剤の効力に期待していますが、このまま現状維持で何年くらい生活できるものなのか(咳が少し出ますがとても元気です)。それぞれでお答えにくいかも知れませんが、よろしく御願いいたします。

乳癌の臓器転移の場合、個人差が大きく、経過はまちまちです。治療が奏効すればさらに生存期間は長くなることが期待されますので頑張って下さい。(文責 浜口) 

 

No.1983】 03年11月14日 こっこちゃん
イソフラボンについて(HPNo.1346-2)
 

前回NO.1346でご相談しましたこっこです。Her2(3+)、ER(+)の場合、タモよりはアリミデックスの方が良いとのお返事をいただき、主治医に相談してお薬をかえていただきました。結果CEAの値が下がりはじめました。閉経前でしたのでゾラもしております。どちらの副作用かよくわからないのですが(両方?)、更年期の症状が強くなり、節々が痛むようになりました。主治医に大豆(イソフラボン)の摂取を薦められました。いろんなHPをみますとタモに似た働きがあるとの事ですが、タモの服用を避けたほうがいい私がイソフラボンを服用していいのでしょうか?更年期症状は確かにつらいのですが、再発をするのはもっと嫌なのです。せっかく数値が下がりはじめましたので、悩んでいます。他にサメの軟骨も飲んでいますが、こちらのほうはどうでしょうか。よろしくお願いいたします。

イソフラボンやさめの軟骨については医薬品ではなく健康食品の部類にはいるものですから、我々も普段治療に用いておりませんし、データも不十分でそ、の効果についても不明な部分が大きいです。文献的にはイソフラボンは分子構造が女性ホルモンに似ているため、更年期障害に効果があると言われています。しかし、アメリカで行われたメタアナリシスでは症状の改善に効果なしと結論が出ています。乳癌に対しても実験レベルではイソフラボンが乳癌細胞の発育を抑制したとの報告がありましたが、臨床での効果は不明です。結論としては更年期障害に対しても、乳癌の再発に関してもイソフラボンの作用は不明であり、心配なのであれば服用しない方がよいのではないでしょうか。(文責 浜口) 

 

No.1982】 03年11月11日 N
センチネルリンパ生検、セカンドオピニオン

始めまして、宜しくお願いします。44歳、ゴマ粒大x2位のしこりが気になり受診。クラスX、ステ−ジI.8mmのしこり、右下内側、骨シンチでは転移なし。乳房温存切除術、リンパ節郭清をすると、色々説明受けている中で、「リンパは取らないとだめですか?」の質問にDoctorの返答は、エッという顔で、「取らないと転移がわからないので取ります。」 つまり、しこりを取る+リンパ切除 = セット なのかと思い込みました。センチネルリンパ生検の説明は、ひとつもありませんでした。私も無知で、そのときは知りませんでした。もし転移判明の為だけにリンパ節郭清するのなら、QOLの事を考えセンチネル生検をしていただきたくなりましたが、当病院ではしていないと想像します。担当ドクタ−に質問をしますが、期待できそうに無いので、セカンドオピニオンを求めようと思います。近くにセンチネルリンパ生検を行う病院がありましたら教えていただけないでしょうか、担当ドクタ−とは納得いくまでお話した後のことですが、宜しくお願いします。鎌倉市岡本在住です。

センチネルリンパ節生検は術後の上腕のむくみやしびれなどの合併症を減らすなどのメリットがありますが、長期的な安全性については未だ明らかではないため、現時点ではどこの病院でも一般的に行われている治療ではありません。日本乳癌学会の研究班の報告では直径15mm以下の乳癌であれば、センチネルリンパ節生検の正診率は100%であり、Nさんの場合はよい方法かも知れません。神奈川県立がんセンターや大学附属病院では多く行われているようですので、受診してみたらよいでしょう。(文責 浜口) 

 

No.1981】 03年11月11日 Y.Y.
右胸の痛みについて教えてください

1人目の子供の授乳中にかなりの乳腺炎になり、母乳が詰まって出ない時期が1ヶ月ほどありました(6年以上前のことですが)。2人目は特に目立った乳腺炎にもなりませんでした。乳腺炎にかかった人は乳がんになる可能性が高いと耳にしたことがあるのですが、1週間程前から乳腺炎にかかった右胸が熱いと感じたり、じんじんしていると感じたり、痛いような常に気になる状態で、それと左胸に比べて乳首が硬いようにも感じます。しこりは生理前とかにはある様な時もありますが、今は特にあるようには思いません。1年に一度、触診で検査はしておりますが、一番最近の3月時も特に異常なしとのことでした。お忙しい所恐縮ですが、お時間が出来ました時にお答えいただけたら幸いです。相模原市在住 32歳主婦。

乳腺炎にかかったことがあると、炎症が治る過程で瘢痕化し、しばらくの間、痛みやしこりといった症状の原因になることは考えられます。また、乳腺症でも同様な症状がでることが考えられます。乳腺症では乳癌の発症リスクがあがることが言われていますが、乳腺炎ではあまり心配しないでよいでしょう。しかし、症状があるのであれば触診だけの検診ではなく、一度マンモグラフィや超音波による検診を受診されて、しこりがないことを確認しておくとよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1980】 03年11月11日 U
今後の治療と妊娠の可能性

初めてご相談させていただきます。よろしくお願いします。現在26歳、病期はU、クラス分類V、術前化学療法中AC2回終了しました。シコリの大きさは23×19×17、あと1つ小さいのがくっついています。AC2回終了しましたが、大きさは変わりなしです。ホルモンレセプター陽性、HER2陰性です。私が悩んでいる事は、ここでACを終了し、手術にもっていくかどうかということです。手術をし、リンパ転移があるかどうか調べていなかった場合、術後ホルモン療法により将来妊娠できる可能性が残せるかということです。転移があった場合は抗がん剤は必要ということです。できればそういう可能性は残したいのですが、私はハイリスクに入るため、ここでできるだけの治療はしておきたいんです。しかし現在の状況としてはシコリの大きさは変わりありません。目にみえて小さくなっているのならこのまま続けたい気持ちはありますが・・・。ここで手術をしたほうがよいのか?それとも予定どおり、あと2回ACした上で手術したほうがいいのか?よくわかりません。何かよきアドバイスいただければうれしいです。よろしくお願いします。

35才未満の場合、リンパ節転移がなくてもハイリスクであり、再発予防のため抗がん剤治療が勧められます。妊娠の希望を除いて考えれば、現在の治療は2回で評価するのは少し早いと思いますので、腫瘍が大きくなっているのでなければ予定通り4回やって手術するのがよいと思います。しかし、今後妊娠を希望するのであれば、なかなか難しい問題です。一般的には、抗がん剤治療により約60%の人が閉経しますが、ホルモン療法の場合、一時的に閉経しても約70%の人が生理が再開し、妊娠可能と言われています。それを考慮したうえで今後の治療については主治医の先生ともう一度よく相談して決められるとよいでしょう。(文責 浜口) 

 

No.1979】 03年11月11日 Y.K.
乳がん検査について

はじめまして。不安でしかたがないので質問させていただきました。28歳の主婦です。子供はいません。今回しこりを発見し、検査を受けました。マンモグラフィでは良性でしたが、超音波では悪性の疑いがあるため細胞検査を受けました。しこりのおおきさは1.3センチでした。白い液状の成分だったそうです。結果は良性のため、そこで検査は終了となりましたが、本で調べると、細胞検査は100%ではないということと、50歳以上ではマンモグラフィが効果的で、50歳未満ではマンモグラフィでは所見がなくても超音波で発見されやすいとあり、不安になりました。「この3種の検査ではどれが一番信用性が高いのか、良性でも超音波では悪性っぽくでることはよくあるのか、年齢によって確実性に差がでるのか」の3点についてどうぞ教えてください。よろしくお願い致します。

確かに細胞診は100%ではありません。しかし、マンモグラフィ、超音波や細胞診はそれぞれ違った視点からみている検査であり、単純にどれの信用性が高いとは比較できず、それぞれの検査を総合して良性か悪性か判断するのです。ですから、超音波検査だけで良性と言い切るのは難しく、少しでも悪性の心配があれば細胞診を行うということは一般に行われています。マンモグラフィの場合、若い人の方がバックグラウンドにある乳腺が濃いのでしこりがあってもわかりにくいケースはあり、その場合には超音波などの検査を追加することがあります。(文責 浜口)

 

No.1978】 03年11月11日 B.Y.
余命宣告について

お伺い致します。63歳の母が9月24日に初期の乳癌と診断され、検査の結果、先週の金曜日(10月31日)母本人には、乳癌が背骨とハイに転移している気配と告知。父には、手後れ、余命2,3ヶ月と告知されました。
私は結婚をして9年の間、フランスに住んでいますので、連絡は専らメ−ルのやり取りです。10月31日に日本へ電話して父・母それぞれと話しをしました。父は母が嫌がる事はしたくないといい、母は検査の痛みに耐えるのは嫌だと、私が望むセカンドオピニオンを拒みます。実際、余命5ヵ月と宣告された友人の父(前立腺癌から骨に転移)は15ヵ月目の今日もご存命です。私が長期で戻れば母は余命が長くない事を察するだろうと、帰国も二の足を踏まざるを得ません。
本日が第一回の抗がん剤点滴だったそうです。点滴に2時間ほど要したそうです。父は担当医と30分ほど話しをしたそうですが、手遅れを感じたと言っています。どうしてもセカンドオピニオンを勧めたいのです。余命告知とはどのような観点で下される時間なのですか?!告知よりも長らえる方が多くいらっしゃるのはなぜでしょうか?!併せまして、素人にセカンドオピニオンを受ける気に持っていくには、どのような説明をしたら良いのでしょうか。まだ混乱中で、取り止めも無く人生相談のようで申し訳ございません。アドバイス頂けたら幸いです。

乳癌の場合、肝や肺といった臓器への転移があると平均余命は6-12ヶ月程です。しかし、転移の状態や抗がん剤の効果により個人差は大きいです。余命2-3ヶ月と予想された患者さんが治療の効果により延命するケースも珍しくなく、あきらめずに治療を続けることが大事ではないでしょうか。また、主治医の説明や治療方針に患者さんと家族が納得できていないのであれば、セカンドオピニオンを求めるべきでしょう。検査結果などは当然借りることができますし、主治医に紹介状を書いてもらえば、セカンドオピニオンの際に不要な検査で苦しむことはありません。しかし文面から察しますと、お母様は主治医の説明に納得がいかないというよりも、自分の病状をまだ受け入れられていないのではないでしょうか。そうであればお母様がセカンドオピニオンのために他の病院を受診されたとしても状況は変わらないのではないでしょうか。セカンドオピニオンは患者さんの権利ですが、義務ではありません。もし、B.Y.さんが納得できていないのであれば、まず現在の主治医から直接説明を受けるべきでしょう。それで納得のいく説明がえられなければ、セカンドオピニオンを考えればよいのではないでしょうか。遠方に住んでいて大変だとは思いますが、状況が許すのであればB.Y.さんご自身が主治医から直接説明をうけることが一番ではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1977-1】 03年11月09日 I.M. 
抗がん剤治療について

初めてご相談します。10月初旬に右乳癌の手術をしました。
術式Bt 腫瘤占拠部位Rt ace 腫瘤径2.0×1.8cm
割面f 中間型
組織型 Scirrhous
構造異型 スコア2、核異型 スコア3、分裂像数 スコア1
1y (+) V (-) n 1
INF β
ER  陽性 占拠率 5−10% 強度弱
PGR 陽性 占拠率 70%   強度強

このような状況で、年内は抗がん剤EC療法を施されています。現在は点滴を1回受けて、髪が抜け始めたところです。当初主治医から、あなたの場合はEC療法が終わったら年明けからホルモン療法を始めましょうとのことでしたが、先日の外来で、タキソール毎週投与3ヶ月をホルモン療法の前に受けることになるかもしれないと言われました。抗がん剤治療に対して、副作用などのことを考えるとあまり前向きに考えることができません。私の場合、やはりタキソールも受けたほうがよいのでしょうか?いろいろな先生方のご意見をお聞きしたいと思い、ご相談させていただきます。よろしくご返答ください。

術後補助療法としてECを行った後タキソールを追加した場合、術後再発のリスクを17%減少させることがわかっています。ですから、タキソールを追加する意味はあると思います。ECに比べるとタキソールの毎週投与は辛くないとおっしゃる患者さんが多いようです。(文責 浜口)

 

No.1977-2】 03年11月15日 I.M. 
抗がん剤治療について(2)

回答をありがとうございました。本日ECの2回目を受けてきました。白血球数が3800で、大丈夫とのことで受けてきたのですが、3800という数字はかなり免疫力が落ちているということなのでしょうか?また、最近足の裏の灼熱感というかしびれのような感覚に悩まされていますが、これは副作用なのでしょうか?それとも更年期障害の症状なのでしょうか?お返事をお待ちしております。

白血球数は個人差がありますが、3800/mm3であれば心配いらないのではないでしょうか。主な副作用は悪心、嘔吐、食欲不振といった消化器症状、骨髄抑制、脱毛や肝機能障害等ですが、エピルビシンにはしびれ等の神経症状も0.1-5%に出現しますので副作用の可能性は否定できません。しかし、副作用の症状が軽度であれば治療は続行すべきでしょう。(文責 浜口) 

 

No.1976-1】 03年11月09日 N.R. 
検査方法について

33歳の主婦です。乳がん検診の触診でしこりが見つかり、再検査としてマンモグラフィとエコーを受けたところ、このしこりが確かに存在することが分かり、またその他のガンらしきものは見当たらないということを言われました。ここまでは先生の説明でよく分かったのですが、次は一週間後にMRIとCT検査と言われ、自宅で不安ながらも勉強していたら疑問が出てきました。何故、先に細胞診をしてくれないのでしょうか? ネットで経験者の方の検査記録を見ると、まずこれでガンかどうかはっきりしてから転移などの恐れがあるかどうかのMRIの検査に移っているように思われます。病院は総合病院の外科にかかっています。一刻も早くガンかどうか知りたいのに、いつまで待たされるのか、この検査の流れに不信感を覚え、ますます不安になっています。もちろん病院側に聞いてみるべきなのですが、私の勉強不足ゆえの勘違いなのでしょうか? まずは、ネットで相談させていただきました。

確かに細胞診は必要な検査であり、いずれ施行することになるでしょう。どの検査を先にやるかは、施設によっても多少違うこともあるかも知れませんし、悪性の可能性がどれだけあるかによっても多少変わることがあると思います。また、細胞診の後にMRIやCTを行うと細胞診後の出血などの影響で画像診断がつきにくくなるケースもありますので、細胞診を後にしているのかも知れません。やはりまずは主治医の先生にその疑問を率直にぶつけてみるのがよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.1976-2】 03年11月15日 N.R. 
画像診断の確実性について

No.1976で相談させていただいた者です。あれからMRIとCT検査を行い、今回発見された10ミリのしこりは乳腺線維腺腫と思われると言われました。先生は、マンモグラフィー・エコー・MRI・CTという4つの画像を見て良性という診断を下したわけですが、画像診断だけでどこまで信用していいのか不安になっています。私としては、当然この後、細胞診の検査に進むと思っていたので戸惑い、先生に細胞診の検査はしないのか質問しますと、希望ならやってもいいと、こちらに選択権があるようです。画像診断でほぼガンではないと確定できる場合があるものなのでしょうか?先生は細胞診の検査は体を傷つけるし、確実に細胞が取れるとは限らないと、どちらかというとこの検査に対して消極的なようです。細胞診の検査を希望するかどうか迷っています。ちなみに病院は総合病院の外科にかかっています。

10mmのしこりでマンモグラフィ、エコー、CT、MRIで線維腺腫の診断であれば、まずはあまり心配しないでよいと思います。確かに画像診断で100%診断をつけるのは不可能です。しかし、細胞診を施行しても正診率は90%台であり、100%ではなく、画像上乳癌を疑う所見がないのであれば施行する意義は低いかも知れません。細胞診で良性の結果が出たとしても100%ではないのですから状況はあまり変わらないでしょう。100%の診断を望むのであれば手術による生検しかないですが、良性の可能性が強い状況であれば、経過観察して、変化が無ければ徐々に安心できるのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1975】 03年11月09日 M
乳頭分泌物について

42才の主婦です。乳頭からの分泌物のことでご相談します。7月末の検診で、初めてマンモグラフィの検査を受けました。その際、右乳頭より茶褐色の分泌物がありました。心配になって3日後、最寄りの病院の乳腺外科を受診し、再度マンモグラフィ、エコー、分泌物の細胞診と腫瘍マーカーを受けました。マンモグラフィとエコーでは、これといった異常が見あたらず、細胞診は陰性、腫瘍マーカーの値もそんなに高くないので、半年後にもう一度同じ検査をしましょうと言われました。乳管に造影剤を入れる検査があるけど、今の段階ではそこまでする必要はないでしょうとのことでした。細胞診の診断率は50〜60%くらいという話も聞いたのですが、私の場合、半年後まで待っていても大丈夫でしょうか? 分泌物の方は、わざわざ出してまで様子はみないでもいいとのことで、そのままです。半年後だとちょうど子供の受験に重なり、もしその時点で悪性のもので手術とかになると困るかなとも思います。半年を待たずに検査してもらっても、この状態ではまだはっきりとした診断はつかないでしょうか? 乳管造影の検査というのはどういうものなのでしょうか?以上よろしくお願いいたします。

乳頭分泌物の原因としては、乳腺症、乳腺炎、乳腺腫瘍(良性の乳頭腫と悪性の乳管癌)などがあげられます。多くの場合は乳腺症が原因であり、いくつかの乳管から分泌物があるようであれば経過をみてよいでしょう。逆に単一乳管からの分泌で血液が混じったような色の場合は腫瘍の可能性が考えられ注意が必要です。腫瘍が疑われる場合には外科的切除の必要があります。確かに分泌物の細胞診、腫瘍マーカーの陽性率は必ずしも高くなく、乳管癌の場合で各々30%、70%程度と言われています。茶褐色の分泌物が続くようであれば、半年待たずに主治医と相談して乳管造影を施行したらいかがでしょうか。乳管造影とは乳管開口部から造影剤を注入してマンモグラフィ撮影を行う検査です。腫瘍があれば乳管の途絶や陰影欠損で腫瘍の存在がわかります。しかし、良性か悪性かをはっきり診断つけるためには手術が必要になります。(文責 浜口)

 

No.1974-1】 03年11月07日 M.I.
リンパ郭清について(HPNo.1868-3)

HPNo1868です。本日、手術についての説明があり、温存・リンパ郭清(レベルU)とのお話です。しこりが3cmであり、大きなしこりは間違える確立が高いので、センチネル生検は摘要外との診断です。後遺症等のことを考えると、郭清を望まないのですが、郭清しないと再発の可能性が高いと言われました。転移があれば仕方ないと覚悟しますが・・・、3cmのしこりだと大きなしこりになるのですか? 転移の可能性は高いのでしょうか? また、他に郭清しない治療法はありますか? たとえば、郭清しないで放射線をするとか、脂肪組織を取らずにリンパ節だけ取るとか、私が様々な本で得た素人考えの知識ですが、専門的にはいかがでしょうか?

センチネルリンパ節生検については長期フォローアップのデータは不十分であり、大学病院やがんセンターなどの限られた施設を中心に行われているのが現状です。日本乳癌学会の研究班の報告でも腫瘍径が1.5cmを超えると正診率が下がることが知られており、2.0cm以下を適応とすることが推奨されています。腫瘍径が3cmの場合、報告により多少違うでしょうがリンパ節転移のある可能性は40-50%くらいと考えます。今後センチネルリンパ節生検の技術の進化により適応が拡大されていくことは考えられますが、現時点で再発の少ない手術を行うためには従来通り腋窩リンパ節郭清を行う手術を選択するのがよいのではないでしょうか。腋窩リンパ節郭清と腋窩放射線照射の比較は難しいところですが、照射の場合腋窩再発のリスクは4倍高くなると言われています。また、リンパ節郭清を施行することによりリンパ節転移診断を正確に行うことができ、その後の治療方針を決める上でも非常に有用です。リンパ節やリンパ管が腋窩を網の目のように走行していることを考慮すると脂肪組織を取らずにリンパ節を郭清するのは不可能です。合併症や後遺症のリスクがあまり高くないことも考え合わせると、乳房温存+腋窩リンパ節郭清術を推奨します。(文責 浜口)

 

No.1974-2】 03年11月07日 M.I.
郭清の後遺症について(HPNo.1868-4)

御回答ありがとうございました。少し踏ん切りがつきました。郭清の後遺症ですが、個人差はあると思いますが、どの程度の頻度でむくみ・しびれ・浮腫等がありますか? 私は右の癌なので、郭清することによって、日常生活に影響のあることが心配なんですが・・・。ただ、使わない左手より、利き手なので、毎日動かすことによってリハビリになるんではないかと、自分なりに考えております。また、放射線照射ですが、私は肌の色がかなり白いです。照射することによって、重いやけど状態になる可能性はあるのでしょうか?お忙しい中、様々な質問をしてすみませんが、よろしくお願いいたします。

むくみや浮腫は人から見てもほとんどわからないようなものから、明らかなものまで含めて10%前後くらいと言われています。しびれは腕全体がしびれるようなことはほとんどありませんが、腋窩リンパ節郭清手術の際にどうしても肋間上腕神経という知覚神経がダメージを受けるため、上腕内側には知覚鈍磨やしびれといった症状が程度の差はありますが、ほとんどの人にあらわれます。しかし日常生活にはほとんど影響ないことが多いようです。術後の放射線照射では確かに皮膚色素沈着が起こることがありますが、時間がたてば薄くなってきます。いろいろ考えることが多くて大変と思いますが、納得いくまでよく主治医の先生に説明を聞いて治療を頑張って下さい。(文責 浜口)

 

No.1973】 03年11月07日 R.B.
検査したほうがいいのか?

初めてメールします。あと2週間で33歳になります。既婚で、お産の経験はありません。妊娠も希望していますが、結婚後5年以上経ってもその兆候はありません。今のところ不妊治療は行っていません。持病で、IDDM(11歳で発病、合併症なし)と喘息があります。インスリンを一日4回、あとは喘息の薬を飲んでいます。春に会社の健康診断でオプションがあったため、乳がんと子宮ガンの検診を受けましたが、乳がん検診では触診のみで、老医師がさわって、”このボインちゃんではわからないなー”といわれて終わってしまいました。乳腺症ではあるということでしたが、機会があればどこかで検査してみてもいいかもしれません、と看護婦さんが教えてくれたのみでした。その後あまり気にしていませんでしたが、ここ数週間で左の乳房の下のほうに違和感を感じています。ごく軽いものですが、鈍い感じで、しびれたような、麻酔をかけられたような感じです。乳房のしこりは前からたくさんあるので、その部分にあるものが新しく出来たものかは不明です。腕を上に上げるとその部分の皮膚が引きつれて、不恰好にへこんでいますが、ただ光の加減によっては見えないほどかすかなものです。それから、同じ頃から左のみ乳首が陥没しています。マンモグラフィーなど、撮影して確認したほうがいいのでしょうか?ちなみに、分泌液は一切出ておらず、生理も普通にきています。

一般的には30才を超えますと症状のない方でも乳癌検診の対象になります。お話によりますと、症状があるようですから、是非おじいちゃん先生の触診だけでなく、専門医を受診されることをお勧めいたします。乳房の違和感や以前からあるたくさんのしこりというのは乳腺症でも説明がつきますが、乳頭の陥没と皮膚のへこみというのが要注意であり、乳癌でも同様の変化が起こることがあります。まずは専門医を受診され、マンモグラフィや超音波検査でしこりがないか調べた方がよいでしょう。(文責 浜口)

 

No.1972】 03年11月06日 F
腫瘍生検とセカンドオピニオン

突然のメールで失礼します。ホームページで色々検索していて、ご相談願えるということですので、ご回答いただけるならばと思いメールいたします。
妻(47歳)の事でご相談させていただきます。人間ドックで検査したところ乳腺症の疑いありで、2次検査でマンモグラフィー、エコーなどの検査を行いました。血液の腫瘍マーカーはエラスターゼ128 ・CEA0.3 ・CA19-910.0 ・CA125 8.7で、全て正常値ですが、エコーで1cmの影があると言われました。マンモグラフィーについては特に言われていません。確定診断のために11月21日に生検を予約するように言われて行う予定ですが、不安があります。そこで2つほどお教えいただけないでしょうか。
1)生検は針生検か、吸引組織生検か、切開か、よく聞いていないようですが、外来でするとのことですので、前者のどちらかと思えます。確定するためには生検が必要である事は理解していますが、針を刺す事で最悪がん細胞が飛び散り、悪性の場合は至急手術しなければならなくなると聞きました。大変失礼とは思いますが、この場合、現在検査している病院が病理検査から手術まで一連で信頼できるのかが不安です。他のHPでは、生検は先生の技術により大きく変わるとなっていました。病院は横浜市にあるK病院です。

2)同じ生検でも最近ではマンモトーム生検という技術があることがわかりました。こちらのほうが安全かつ正確そうに思えますが、この技術がある病院にセカンドオピニオンを求めたいと考えています。このような検査をセカンドオピニオンで紹介もなく引き受けていただける先生をご存知でしたらお教えいただけますでしょうか。

誠にお忙しい中、ご迷惑おかけする事、重々承知の上、ご回答の程、心よりお願い申し上げます。

1) 細胞診、針生検や局所麻酔下切開による腫瘍生検は乳癌専門医のいる病院でも一般的に行われている処置であり、あまり心配しないでよいでしょう。前者から後者にいくにつれ、患者さんへの負担は大きくなりますが、診断能力も高くなりますので、画像検査の結果などを考慮した上で、どの方法が適切か判断して検査を進めます。今おかかりの病院で手術まで任せられるかは患者さんが判断することです。納得いくまで説明を受けて、不安が残るのであれば他の病院も受診してみるとよいでしょう。

2) マンモトーム生検については、現在のところどこでも簡単に受けられるといった状況にはなっていません。県立がんセンターにはあるようです。大学病院にもあるところが多いと思います。マンモトームの位置づけとしては、針生検と腫瘍生検の間くらいになり、石灰化のみで腫瘤が触れないような病変に威力を発揮します。一般的な針生検に比べますと、針が太い分、取れる組織量が多いので診断能力はあがりますが、患者さんへの負担は大きくなりますので、Fさんにとってメリットがあるかを主治医の先生とよく相談してみるとよいのではないでしょうか。セカンドオピニオンは患者さんの権利です。今かかっている先生に正直にお話して、紹介してもらうのがベストです。紹介状を持っていけば不要な再検査を避けられスムーズに進むでしょう。万が一、相談していやな顔をするような先生であれば、その先生にかかるのはやめた方がいいと思います。(文責 浜口)

 

No.1971】 03年11月06日 A
乳がん検診の結果

32歳、子供3歳の主婦です。先日、乳がん検診に行ったところ超音波検査で楕円形の物が写りました(0.4×0.9cm)。1週間後に行くと「乳ほう症(?)で悪い顔をしていないから、大丈夫でしょう」と言われました。そこで、お聞ききたいのですが、
@ 乳ほう症とは乳腺のう胞の事でしょうか?
A 超音波検査の画像だけで良性とわかるのでしょうか?
B 乳腺のう胞だとしたら、治療しなくても大丈夫なのでしょうか?また癌になる可能性はあるのでしょうか?

母が乳がんの手術をしたので、自分も?と不安です。よろしくお願いします。

@ 乳ほう症とは乳腺症か、のう胞の聞き間違いでしょうか。
A 超音波に限らず、画像診断で100%良悪性診断することは困難です。針を刺して細胞を取り顕微鏡で見て調べる細胞診の検査でさえ、正診率は大体90%台です。しかし、良性の可能性が非常に高いのであれば、すぐに摘出等で確定診断をつけるのでなく、経過をみればよいでしょう。
B のう胞の多くは癌になることはありません。治療の必要はなく、経過をみればよいでしょう。しかし、のう胞の中に腫瘍がある(のう胞内腫瘍と言います)場合には注意が必要であり、稀に乳癌が潜んでいることがあります。超音波等の検査で腫瘍が疑われる場合には、細胞診や生検などを行うべきでしょう。(文責 浜口)

 

No.1970】 03年11月06日 M
乳腺にできるしこりについて(HPNo.1838-2)

NO.1838で相談させて頂いた者です。先日はありがとうございました。10月初旬のマンモグラフィの結果は、何も映っていなくて異常所見なしでした。最近になって同じ左乳房の外側に薄い肉の盛り上がりのようなものを数種発見しました。それは明らかに線維腺腫のようにはっきりと触れられるものではなく、軟らかい物のようです。痛みもあって、生理後でも消えません。触れているものは、しこりではないのでしょうか? 次回の半年後の検診まで様子を見た方がよいのでしょうか?

質問の内容から推察しますと、あまり心配しなくてもよさそうに思いますが、実際に診察した先生に相談されるのが最善でしょう。少しでも気になるのであれば、半年待たずに受診されることをお勧めします。診察を受けて問題なければ安心できるのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1969】 03年11月05日 F.M.
術後の補助療法についてのご相談

術後の補助療法について、11月8日までに返答を迫られています。急で恐縮ご相談させていただきます。当方、55歳、閉経後5年です。10月初旬に右乳房温存手術を受け、目下、放射線治療を受けています。11月8日までに今後の補助療法について決めておくようにとお話がありました。組織検査の結果では、腫瘍の大きさは1・6×2センチ、硬がん、リンパ節への転移は2(それぞれ1〜2ミリのもの)/10コ、ホルモン・レセプターはE・Pともに陽性、 HER2は陰性、リンパ管・血管への浸潤はなし、がんの顔つきはグレード2、全体でステージ2Aでした。補助療法については次から選ぶようにと示されました。
1)ホルモン療法のみ(アリミデックス)
2)ホルモン療法(ノルバデックス) + 抗ガン剤(CMF,CEF,CE,UFT)

1にするか、2にするか、また2の場合の抗ガン剤について、悩み抜いております。ご意見をお聞かせ願えれば大変有り難く存じます。なお、経口抗ガン剤のUFTは避けた方がいいのでしょうか。よろしくお願い致します。 

スタンダードな治療法としては、抗がん剤治療(CEF)を行った後にホルモン療法(ノルバデックス)に切り替えて補助療法を行うのがよいのではないでしょうか。抗がん剤とホルモン剤の併用については、まだ議論の残るところですが、現時点では、併用せずに抗がん剤を終了後にホルモン療法を行うのが一般的なようです。(文責 浜口)

 

No.1968】 03年11月05日 E
乳癌と卵巣摘出

はじめまして、私は40歳、子供が一人、現在独身です。今年5月9月に生理がありました。
8月14日に乳癌温存術、腫瘍の大きさ2cm、リンパ節転移(−)、切除断端(−)、現在ノルバデックス10mg朝晩2回服用。9月に子宮ガン検診で子宮けい部上内皮ガン、細胞レベルX。10月に円錐切除術を受けましたが、とりきれませんでした。婦人科の医師から子宮全摘の話あり、外科医からは卵巣も一緒に摘出するように話がありました。
心配なことは乳癌治療中であり更年期障害などが強く現れたときホルモン補充療法は行えないとのこと。卵巣摘出によるそれ以外の色々なマイナス点を考えると不安でたまりません。どうぞ、助言をお願いします。

乳癌再発予防のホルモン療法は、閉経前患者さんの場合、薬により閉経させる治療であり、卵巣摘出と同等の効果と考えられ、どちらにしても更年期障害の症状は多かれ少なかれ出現します。投薬の必要がなくなり、マイナス点はあまり無いと思います。(文責 浜口)

 

No.1967-1】 03年11月05日 N.T.  
59歳母について

14年6月左乳房全摘出、薬に対してアレルギーがあるため(後天性)予後治療せず。15年1月両肺転移(小さな雪状)、4月からハーセプチンを開始(単剤)、10月骨転移(4箇所)、抗がん剤とハーセの使用を検討中です。薬に対してアレルギーがあるので、抗がん剤は通常より少量で、週1回をハーセとの組み合わせで考えていますが、効果は通常と同じですか。抗がん剤は初めて使用すると効果が高いという事になりますか。がんセンターで臨床試験参加も検討中ですが、副作用の軽いハーセの様に直接攻撃するような薬はほかにありますか?免疫療法は行っていますか? 薬アレルギーは30代の時に造血剤や頭痛薬でめまいがしたり下痢をしたことがあり、それからは風邪薬等も飲んだことがない為、治っているか、まだアレルギー反応があるかはわかりません。 

No.1966の質問とかなり内容が重なっていますので、参考にして下さい。補足しますと、ハーセプチン+抗がん剤(タキサン系)では、週1回少量投与でも、3週間隔に匹敵する効果が期待できます。現在のところ、乳癌に使用可能なハーセプチンのような癌の増殖に関与する分子を直接ブロックするような薬はありません。薬剤アレルギーについては、一般的には頭痛薬のアレルギーがあるからといって抗がん剤も駄目ということはありませんので、病状からしますと抗がん剤使用は是非前向きに検討してみて下さい。(文責 浜口)

 

No.1967-2】 04年02月27日 N.T.  
処方された飲み薬について

抗ガン剤使用についてのアドバイス、ありがとうございました。12月よりタキソール+ハーセを行っています。現在は肺、リンパ骨、脳に転移がありますが、自覚症状はありません。ただ身体がだるく息切れがひどかったので、主治医に伝えた所、リンデロン錠を2錠処方されました。調べるとこの薬、あまり身体によさそうでないので1錠だけ飲んでいましたが、みるみる元気になりました。しかしたびたび激しい胃痛を経験し胃薬を換えていただきましたが、怖くなりリンデロンをやめたところ、まただるくて無気力な状態になりました。リンデロンで私の身体は元気を保ち、使用をやめればごろごろ寝たきりの生活しかできないのでしょうか。胃痛に転げ回るよりはと使用を控えているのですが…。身体はガンによってだるいのでしょうか? 抗ガン剤によってだるいのでしょうか?

リンデロンは副腎皮質ホルモン剤で、効能・効果に乳癌の再発転移も含まれています。使用法を誤らなければ良い薬だと思います。消化性潰瘍の副作用はあるので、長期連用の場合は気遣いが必要です。(文責 片山)

 

No.1967-3】 04年02月29日 N.T.  
処方された飲み薬について(2)

返答ありがとうございました。医師が勧めてくれるのにインターネットで副作用を調べ不安になり、確かに胃痛も何度か経験しました。リンデロンについては周りに使用中の人もいなく、謎の薬だと思い警戒していました。効能・効果に乳癌の再発転移も含まれているという事は、癌に効く薬という解釈でよろしいのでしょうか? 希望を捨てず治療の励みにしたいと思います。お忙しい中、いつも迅速で的確な対応に感謝いたします。

副腎皮質ホルモン剤なので、癌を直接たたいたり縮小させたりする薬ではなく、糖や脂肪の代謝、体液の維持、免疫の調整などに働き、癌の再発・転移などで弱まっている身体を調節してくれる作用を期待しての使用ということになると思います。(文責 片山)

 

No.1967-4】 04年08月05日 N.T.  
肺転移

HPNo.1967です。両肺転移の為に胸が苦しく横になっても息が詰まるので飛び起きてしまいます。以前入院時に肺がんにより両肺が真っ黒だとおっしゃっていた方は日中よく寝ていらっしゃいました。先月よりナベルビンとハーセで治療中で自宅では24時間酸素を使用しています。ベットも工夫してみましたが効果はなく、今はゆっくり寝てみたいというのが願いです。抗ガン剤の効果を待つしかないのでしょうか。私の肺はまだ2分の1くらいはきれいなのですが…とても息苦しいのです。

入院中であれば点滴で眠れるようにお薬を使う方法もありますが、自宅ではなかなか困難です。抗がん剤の効果が出てくるにはやはり2-3ヶ月ほどはかかると思いますので、頑張って下さい。(文責 浜口)

 

No.1966】 03年11月05日 M.S. 
乳ガン転移その後について

59歳女性。平成14年6月左乳房全敵出後、薬アレルギーの為化学療法はしていません。平成15年1月肺転移、その後単剤でハーセプチンを始めたが10月骨にも転移。単剤での治療は無意味なのか、又抗ガン剤を使用した場合どの程度効くのか、他に臨床試験参加も考えていますが、県立がんセンターでは行っているのでしょうか?。

ハーセプチン単独でも無効ではないですが、治療中に他の転移が出現していることを考えると、今後は他の抗癌剤の使用を考えるべきでしょう。併用では、ハーセプチンにタキサン系(タキソール、タキソテール)という組み合わせがもっとも広く行われており、いくつか報告されていますが、奏効率で40-70%くらいです。奏効率が必ずしも生存期間の延長などにつながるとは限りませんが、試してみるべき治療のひとつでしょう。県立がんセンターではハーセプチンにゼローダを併用する臨床試験などを行っているようですが、乳癌にはアンスラサイクリンやタキサンなど一般に使用できる有効な薬が他にもありますので、M.S.さんの場合は主治医の先生と相談のうえ、まずはそれを試してみて、それが無効であれば、臨床試験を考えてみればよいのではないでしょうか。(文責 浜口)

 

No.1965】 03年11月04日 T.C. 
マンモトーム生検

初めてご相談させていただきます。34才で未婚、出産経験はありません。現在しこりは10×7×5mm、エコー・マンモグラフィー、針生検の検査結果待ちの状態で、エコーの画像を見る限りでは癌が疑われるとも言われています。針生検の結果次第では、「局所麻酔でもっと太い針で検査をするかも」と言われており、おそらくそれがマンモトーム生検というものになると思うのですが、検査の際に癌を撒き散らす可能性もあると、この相談室であったので心配です。現在大学病院で検査をしていますが、もし最悪手術となれば実家近くの病院へ移るべきか迷っております。簡単に検査を受けてしまってもいいのでしょうか。よろしくお願い致します。

恐らく現在穿刺吸引細胞診の結果を待っているということでしょうか。細胞診で乳癌の診断が確定すれば手術、確定しない場合はマンモトームを含む針生検や摘出生検により確定診断をつける必要があります。癌を撒き散らす心配については、手術の際に針穴を含めた切除も可能であり、あまり心配する必要はなく、それ以上に診断を確定させることの方が重要でしょう。
どこで手術を受けるかについては、乳癌であれば手術後にも長期間外来通院が必要であり、抗がん剤等の治療が必要な場合もありますので、長期間通うことを前提にして、病院を決定するとよいと思います。少しでも気にかかることがあれば、両方の病院を受診して決めればよいのではないでしょうか?(文責 浜口)

 

No.1964】 03年11月04日 A
外科的生検とマンモトーム生検について

2年前に触っても分からないしこり(大きさ1.5mmぐらい)が見つかり、エコー、マンモグラフィー、細胞診を受け、良性のクラス2という結果が出ました。ただしエコーで見る限りはゴツゴツしていてあやしい感じがしますが、乳腺症なので経過観察で大丈夫でしょうと言われ、現在に至りました。気になっていたのと別の先生の意見も聞きたかったので、最近、別の病院で見てもらうことにしました。2年前と同じようにエコー、マンモグラフィー、細胞診を受け、良性のクラス2という結果がでました(しこりの大きさは1cmもないぐらい)。しかしエコーで見る限りあやしい形をしているので外科的生検をしてはっきりさせた方がよいと言われました。パソコン等で見ているうちに、マンモトーム生検というのを見つけました。こちらは、痛みや傷跡などが残らずはっきりと調べられるとありました。外科的生検と、マンモトーム生検とでは、どちらにした方がよいのでしょうか。(ちなみに医師からはマンモトーム生検があるということは何も聞いていません。)お手数ですが回答を頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

良性腫瘍の可能性が高く診断の目的では体への負担の少ないマンモトーム生検でもよいでしょうが、現在のところ県立がんセンター等の限られた施設にしかマンモトームはないのが現状です。診断および治療の目的であれば、腫瘍を残さず摘出する手術を勧めます。(文責 浜口)

 

No.1963】 03年11月04日 E 
左胸のしこりについて

29歳の未婚です。3ヶ月ほど前に左胸の下にしこりがあることに気が付きました。特に痛みなども無かったのですが、10日ほど前から左の乳首の上あたりが痛むようになり心配になってきました。しこりはつまもうとするとつるつると逃げてしまい、その周辺は痛みはありません。またこの3ヶ月で大きさが変わったという感じもしませんし、分泌物等もありません。ただ、今まで生理前でも乳首にこのような痛みを感じたことが無かったのと、左側だけに痛みがあるので、やはりしこりと関係があるのでしょうか?よろしくお願いします。

痛みとしこりの関係については、はっきりわかりません。年齢からは乳癌の可能性は低いですが、無いわけではありません。しこりがあるのであれば、必ず専門医を受診して下さい。(文責 浜口)

 

No.1962】 03年11月04日 K.I.
乳がん検診の結果について

はじめまして、38歳の主婦です。今年の10月に初めて乳がん検診を受けました。結果、「視触診は異常所見なし、フィルムマンモグラフィーでは不均一高濃度、左右総合判定;石灰化の疑いに丸印がされており、(乳腺症疑)、要観察」となっていました。初めて受けた検査の結果なので不安です。自分で触ってみて、しこりのような物は感じません。要観察とはどうすればよいのでしょうか?アドバイスをお願いします。

乳腺の石灰化は良性疾患でもがんでも起こります。コメントから推測すると、乳腺症に伴う良性の石灰化の可能性が高く、そうであれば経過観察でよいでしょう。一般的には月に一回程度の自己検診、および、6ヶ月から1年に1度の検診を勧めます。(文責 浜口)

 

No.1961】 03年11月04日 N.S
乳首の痛み

35歳の既婚、子供 7歳、4歳の母です。今年8月にX線と触診をして乳がんは異常なしでしたが、両乳腺症と以前言われた事があります。10月2日に生理が来て、今回は量が少ない感じでした。予定より少し早めでした。10日位前に気がついたのですが、乳首が痛いのです。乳腺炎のせいか自分でしこりの判断は良くわかりません。全体に張った感じがして、乳首がさわると痛みます。分泌物の出ている感じはありませんし、下着についてもいません。左右どちらもです。乳腺炎があり、しこりが分かりにくいので、がん検診はまめに受けるようにと言われた事があります。成長期でもないので、ホルモンのバランスなのか、ガンや何かの病気なのか、更年期などに入るのか、今までにない乳首の痛みなので、心配になりこのページを探しました。病院へ行くには、乳腺専門が近くにないのですが、産婦人科で良いのでしょうか?宜しくお願いします。

生理不順については、続くようであれば産婦人科受診をするべきです。乳頭部の痛みについては両側性であればがんの可能性は低いでしょう。乳頭部は皮膚炎を起こしやすい部位であり、そうであればステロイド入りの軟膏でよくなります。もし、乳頭部がじくじくするような場合には、稀に特殊型の乳癌のこともありますので専門医の受診を勧めます。(文責 浜口)

 

No.1960】 03年11月03日 D.I.  
転移の可能性(HPNo.1198-6)

NO.1198です!回答ありがとうございました!もうひとつ聞きたいのですが、首のリンパ節に転移すると、どんな症状がありますか?転移の可能性はありますか?相談室の先生方は、私と同じ症状の患者さんには、どんな検査や治療をしますか?参考までに教えて下さい。宜しくお願いします!

頚部リンパ節に転移した場合、主な症状は頚部リンパ節の腫れとそれに伴う頚部の違和感です。しかし、リンパ節が腫れる原因の多くは炎症性であり、腫瘍によって腫れることは稀であり、あまり心配し過ぎないでよろしいのではないでしょうか。いつまでも腫れがひかない場合や、周囲のリンパ節が数珠状に腫れてくるような場合は注意が必要であり、細胞診等の検査を行い転移の有無を確認した方がよいでしょう。万が一転移だった場合には、ホルモン療法が効果があるかどうかなどを考慮した上で、ホルモン療法、もしくは抗がん剤による治療を行うことになるでしょう。(文責 浜口)

 

No.1959】 03年11月01日 M
再発?でしょうか

46歳の主婦です。2002年2月に左胸乳癌温存手術をしました。レベル5、大きさ2・6位で、リンパ転移は1/21でした。術後、放射線治療はなし。4クールの抗癌剤投与の後、ノルバデックスを飲むと体がふわふわして肝機能の数値が上がったので 4週間に一度のゾラデックスとアリミデックスの治療に変え、一年です。(ゾラとアリミの組み合わせは、今まで経験ないと先生・・・) 先月CT検査で、肝臓と肺は異常なしでした。マンモでは「大丈夫でしょう・・」と言われたのですが、今月、ゾラデックス治療の時、右胸触診の後、超音波で「3ミリの影、様子をみましょう」と言われました。それって、再発?と聞きそびれてしまいました。私の癌は顔が悪い(悪性)と聞いています。再発なのでしょうか?すぐに検査しなくても大丈夫なのでしょうか?また再発の場合、どんな治療をするのでしょう?生存率10年75%ですよね!私の場合・・・。

対側の乳腺ですので、仮に癌だとしても再発ではありません。最初の腫瘍と同じように考えればよいのです。必要があれば細胞診、生検をしましょう。もちろん癌であれば温存術も可能です。生存率はその程度でしょう。(文責 徳田)

 

No.1958】 03年11月01日 A
抗癌剤と生理(HPNo.1726-2)

前回はありがとうございました。治療は終りということになりました。今はとても調子が良いです。私は43歳、独身ですが、抗癌剤の途中から生理が止まって(3ヶ月目)いて、主治医はもう少し様子をましょうと言うのですが、心配です。生理が無くなると言う事は、私の身体にどのような影響があるのでしょうか?

抗癌剤により卵巣機能が抑制されて、閉経状態になるということです。更年期が早くなったということになります。(文責 徳田)

 

No.1957】 03年11月01日 T.T.
骨転移の可能性

昨年4月左全摘(リンパ節転移4個 stage3b)術後AC(4クール)放射線(50Gy)、現在ホルモン療法(ゾラ+タモ)をしています。31歳です。1ヶ月前に定期検診(骨シンチ、腹部超音波、マンモグラフィ、採血)をして問題ないとお墨付きを頂いたばかりですが、5日前から、骨なのかその周りなのか左胸(肋骨かその周り)が痛みます。少し前から胸骨がなんとなく痛いことはありましたが、骨シンチでは異常なしだったので気にしていませんでした。場所は左鎖骨から2、3本目のほぼ胸骨寄りの辺りで、指で押したり、体を捻ったり、物を持ち上げたりすると特に痛みます。定期検診をしたばかりなのでまさかとは思いつつも、つい骨転移が頭を過ぎってしまいます。転移の可能性はあると思われますか?可能性がある場合、1ヶ月前の骨シンチで見つからないということはあるのでしょうか?また、転移以外で痛みが起こることがあれば教えてください。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

骨スキャンは感度の高い検査ですので、転移は考えにくいと思います。手術側ですので、手術の傷に伴う痛みではないでしょうか。(文責 徳田)

 

No.1956-1】 03年11月01日 K.Y. 
石灰化について

はじめまして。今月初めに右内側下のしこりに気がつき、診断してもらった結果、乳ガンでした。しこりは5ミリでしたが、外科生検で摘出しました。右外側上に石灰化が見られますが、手術の時にしか、ガンか良性のものなのか判断できないそうです。がんセンターにはステレオマンモトーム生検という検査があるそうですが、どのような検査になるのか、それによって手術の大きさが変わるものなのでしょうか? よろしくお願いします。

石灰化の状況によると思います。癌を疑うのであれば切除して良悪の鑑別をつけるべきです。癌であるとしてもそれぞれ取り切れれば温存術で良いと考えます。(文責 徳田)

 

No.1956-2】 03年11月14日 K.Y. 
ステージについて

ご回答ありがとうございました。その後、石灰化は乳腺を這っていて、がんということが分かりましたが、マンモグラフィーを見れば他の検査をしなくてもがんと診断できるのでしょうか? また、この場合、早期発見になるのでしょうか?よろしくお願いいたします。

石灰化のパターンにより良性疾患によるものか、悪性疾患によるものかはある程度予測できますが、マンモグラフィだけで診断を確定することはできず、やはり切除標本や生検標本を顕微鏡でみた病理診断が確定診断となります。また、しこりがないのにマンモグラフィで石灰化がみつかり乳癌が早期発見されることはあります。(文責 浜口) 

 

No.1955-1】 03年11月01日 TT
術後の治療

術後の治療についてお聞かせください。43才、平成15年10月2日に左乳房全摘手術を受けました。3cm大のしこり(腫瘍)があり、周辺に点々と広がっていて全体としては5cmの大きさでした。リンパ節転移はLevelT(1/10)、LevelU(0/4)、LevelV(0/1)であり、ホルモン受容体は陽性、HER2陽性+1、浸潤性硬がん、悪性度は2、StageはVとのことでした。術後は経口のフルツロン200mgを1日3回(3年間)、ノルバデックス10mgを1日2回(5年間)服用しています。リンパ節に1つ転移しているのにCMF等の抗がん剤は必要ないのでしょうか。主治医の先生が言うには「リンパ節転移が4つ以上であれば強い抗がん剤を使うが、副作用で生活に支障をきたし、あまり好ましくない。」とのことでした。お忙しいと思いますが、ご意見をお聞かせください。

術後補助療法として、CMFなどの標準的な抗癌剤治療とフルツロンが同等であるとの根拠はまだありません。 標準的な治療をすべきです。(文責 徳田)

 

No.1955-2】 05年02月24日 TT
抗がん剤治療後の検査

以前相談にのって頂いたHPNo.1955のものです。去年の6月で抗がん剤治療(CEF)が終わりましたが、投与量等について不信感があり現在の病院に転院しました。背中が1年位痛かったので、骨シンチを撮りましたが異常なしでした。最近頭痛とめまいがあったので、脳のCT(造影剤)をやることになりました。私としてはMRIの検査をすると思っていたので戸惑っています。CTの方がMRIより脳への転移が発見しやすいのでしょうか。また、CTをとった後、すぐに全身PETや他の部位(胸等)のCTをしても被爆量に問題はないのでしょうか。よろしくお願いします。

MRIの検査の方がいろいろな方向の断面像が撮れるので、脳への転移が発見しやすし、詳しくわかると思います。また、CTをとったあと、すぐに全身PETや他の部位(胸等)のCTをしても被爆量はそれほど大したことはないと思います。ただ被爆量は少ないに越したことは無いので、検査の必要性と天秤にかけることになります。(文責 石川)

 

No.1954】 03年11月01日 D.I. 
首のリンパ節転移?(HPNo.1198-5)

前、相談にのってもらったNo.1198のものです。リンパ節について教えて下さい。術後すぐに首のリンパ1個が腫れてきたのに気づきましたが、主治医は、「ずっと大きさも変わらないので様子をみましょう」と言うことで、様子をみてきました。今年になってから2個ふれるようになったのですが、「様子をみましょう」ということでした。近ごろ、腫れている所が増えたように思います。主治医は、「へたにいじったりしないほうがいいと思う。腫瘍マーカーも問題ないし」とのことでした。転移かどうか調べなくて大丈夫でしょうか?教えて下さい。

細胞診をしてみればはっきりすると思われます。いじってもかまいません。(文責 徳田)

 

No.1953】 03年11月01日 ak
乳瘤について

半年前に出産し、現在、混合栄養で授乳中です。2ヶ月ほど前から右の乳首付近に大きなしこりを見つけました。特に痛みや熱は伴っていないのですが、最近ちょっと大きく(ウズラ卵より小さい位)なってきたので乳腺科を受診しました。診断は、超音波もマンモグラフも授乳中なのではっきりと写らないとのことで、多分、飲み残した乳汁が溜まってきているのではないかと言われました。「特に切開する必要もなく、このまま放置しましょう、もしかすると断乳後に、吸収されてなくなるかも知れないし、ケアしたければ、助産師のところに行くように。」と言われました。はっきりと乳瘤と言われたわけではないので不安なのと、乳瘤だとすれば、消失するにはどうすればいいのでしょう? 放置して乳ガンに変異する可能性や、乳ガンの早期発見の妨げになることはないのでしょうか? 何かアドバイスを頂けると幸いです。よろしくお願いします。

超音波でも写らないとすると腫瘍は考えにくいと思います。乳癌に変わる可能性はありません。(文責 徳田)

 

No.1952】 03年11月01日 M.S.
ホルモン治療について(HPNo.1848-3)

HPNo.1848でお世話になっています。先日、乳房は追加切除せず、リンパ節の郭清術のみ受けて退院してきたところです。最終的な検査の結果、非浸潤性入管癌、ER:陽性:80%〜90%、PR:陽性:40%〜50%、HER2:判定不能(入管内進展部 1+)、リンパ節への転移、−でした。前回、浸潤癌ということでアドバイス頂きましたが、最終的にはこのような結果でした。今後、ホルモン治療を注射と飲み薬両方で勧められています。具体的なお薬の名前と続ける期間を教えて頂きたいと思います。入院中、主治医と副主治医に別々の機会にちょっと違う治療法を聞かされ、確認しづらいままに退院してしまい気になっています。また、注射を受けるにあたって、次の生理が終わってすぐ始めた方が良いのでしょうか? 最後に、フルツロンの服用はまだ必要でしょうか? わかりづらい文章で申し訳ありませんが、以上のについてご助言お願いいたします。

非浸潤性乳管癌で乳房温存術を施行したということですね。術後ホルモン療法の有用性についてはまだ確立していません。使用するとしてもタモキシフェンという経口薬ですが、メリット、デメリットを主治医と相談しましょう。注射は、ゾラデックスという卵巣の機能を抑える薬と考えられますが、現時点では、あなたに適応はないと考えます。
非浸潤性乳管癌では、術後の抗癌剤の適応はありません。したがってフルツロンは不要です。(文責 徳田)

 

No.1951】 03年10月31日 N.M
乳癌患者について

こんにちは。私は19歳の看護学生です。今、乳癌の乳房温存術を受けた患者様を受け持ちしています。一つ相談なのですが、この患者様は再発に対する不安があり不眠状態になっています。スポーツが好きな方なので、日中体を動かすことで睡眠が促されるのではないかと思い、リハビリも兼ねた、ちょっとした、遊び感覚で行える運動を考えています。29日現在で術後6日目です。ドレーンも短カットされ、部分的に抜糸もしました。患者様にあまり負担をかけない程度で気分転換になるようなスポーツはないでしょうか?? 

あと数日で退院する予定と思います。おそらく上肢の運動のリハビリもされているはずです。コンディションとしては、手術前とほぼ同じ状態と思います。不眠は再発に対する不安からだとすれば、その不安から目をそらさせるのではなく、むしろ、その不安を減らしてあげることが第一と思います。(文責 徳田)

 

No.1950】 03年10月31日 K.F
乳がん術後の妊娠について

はじめまして。7年前(37歳)に乳がんの温存手術・抗がん剤・放射線治療を受け、その後「いつ再発してもおかしくない。ずっと心配だった」と医者に言われながらも再発を見ずに今日まできました。常に胸の痛み等から来る再発・転移の不安はあり、先日の3ヶ月毎検診では小さなしこりを生検したのですが何も出ず、小さすぎて針がズレた可能性もあり、少し様子を見ようと言われました。右腰周辺(下腹部や腰骨後)の痛みもここ半年ほど続いており、(夏に病院へ二度行ったのですが、痛みが間断するのはガンではないと言われ、MRIは撮ってもらえませんでした)痛みが続くようになってきたので心配な状態です。
ご相談というのは、4年前に結婚して不妊治療・検査を続けた結果、子供を持つには(精子数が乏しい為)体外受精(顕微受精)しかチャンスがないと言われていることです。私は年末に45歳になり、残された時間もわずかなので、すぐにでも始めたいのですが、その為にはホルモン剤を多用しなければならず、乳がん再発のリスクが心配なのです。以前排卵誘発剤を使った時に別の医者に尋ねたところ、「使っても使わなくても再発する人はする、しない人はしない」という感じで納得いく返事が得られず、「乳がんが心配な人は治療をするな」ということかも知れないと思いました。今度の医者も、「あまり心配ない」という返事でしたが、不妊(治療をすすめたい)ドクターの返事なので不安が残るのです。具体的に申しますと顕微受精で使用されるのは、病院の説明によりますと、
・ ヒュメゴン150、パーゴグリーン150(排卵誘発剤。7〜10日間注射)
・ スプレキュアー(脳下垂体に作用して卵胞発育を抑える薬。本来は子宮内膜症や子宮筋腫に用いてエストロゲンの増加を抑制し月経を止める。 体外受精では排卵誘発する際に長期使用して自然排卵を抑制し、複数の卵胞発育を同期化させる。1日3回8時間おきに点鼻。)
です。これらの薬を使用することによるリスク、又、妊娠そのもので女性ホルモンが多く排出されることによるリスク、妊娠で乳腺が膨らむことによるリスクなどを知りたいと思っております。一度の体外受精では妊娠は難しい為、2か月の間をおいて2回くらいは試すことになるかも知れません。ご専門外の質問かも知れないのですが、調べる方法がなく、どうかよろしくお願いいたします。

いくつかの大規模な調査の結果、術後の妊娠については、予後に影響を与えないというのが今の一般的な考え方です。ただ、妊娠する方としない方を無作為にわけて調べるようなことはできないので、断定的ではありません。再発なく元気な方が積極的に妊娠、出産されているのかもしれません。したがって、術後数年は様子をみているのが現実だと思います。あなたの場合、7年たっているので妊娠は差し支えないと考えます。
人工授精の影響については、報告はありません。排卵誘発剤の影響はわかりませんが、短期間ですし、スプレキュアーはむしろエストロゲンを抑制しますので、問題ないと考えます。(文責 徳田)

 

No.1949】 03年10月31日 K
集団検診の超音波検査の結果

34歳・既婚・子供なしです。先日集団検診で乳がんの超音波検査をしました。今回が初めての検査でした。本日結果が送られてきたのですが、「乳腺腫瘤の疑い」とのことで、乳腺外来に行くよう紹介状が添付されていました。実はその検査の時に、検査してくださった先生が画像を真剣に見ている様子だったので、結果がとても気になっていました。やっぱり・・・という感じです。触診はなかったので、その後自分で触ってみたりしたのですが、気にしているせいか胸や背中も痛いような気がするようになっています。しこりもあるような、ないような、自分で触っても恐くてよくわからないような感じです。乳腺腫瘤とは何なのでしょうか?乳がんの可能性はあるのでしょうか?超音波検査では悪性か・・・などの見分けはついているのでしょうか?ちょっと動揺しているので文章がうまく書けなくて申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

画像を拝見していないので何とも言えませんが、超音波検査で良悪の鑑別もある程度は可能です。やはり、はやく専門医にみていただきましょう。(文責 徳田)

 

No.1948】 03年10月31日 ST
術後の治療及び再発率

お忙しいところ申し訳ございません。46才妹の事でお聞きします。今年三月左胸全摘、リンパ節転移17中13、HER2++、プロエストロゲンのみ+ 、腫瘍の大きさは1.5センチの三期Aです。五年生存率と再発率を教えていただけませんか。また、術後すぐハ−セプチン、タキソテ−ルを半年投与し、今はゾラとフェアストンですが、これは標準的な治療なのでしょうか。よろしくお願いいたします。

腋窩のリンパ節転移の個数がもっとも重要な予後因子です。13個陽性ですので、5年生存率は70%、再発率は50%程度と予想されます。術後のハーセプチンの再発予防効果については、まだ確立しておらず、臨床試験中です。(文責 徳田)

 

No.1947-1】 03年10月30日 Y
病理結果について

病理結果についてお聞きしたいのですが、報告書によると、リンパ節:Level-1(0/3) Level-2(0/3) sentinel(1/2)と記載されており、診断結果では、(1/5)とのことでした。素人の私には、Level-1とLevel-2で、「6個取ったうち1個に転移あり」と理解してしまうのですが、センチネルの2個中1個とは、どのように理解すればよいのでしょうか?分かりやすく説明いただきたいのですが、宜しくお願い致します。

センチネルリンパ節というのは、癌細胞がリンパ節転移を起こすときに最初に転移すると考えられるリンパ節のことで、見張りリンパ節ともよばれています。このリンパ節を取って調べて、転移がなければ、ほかのリンパ節は取る必要がないのではないかというアイデアで、現在、多くの施設で臨床試験として行われています。センチネルリンパ節を見つけるためには、放射性物質や色素を腫瘍の近くに注射して、放射線を発するものや、色素に染まったリンパ節をさがします。あなたの場合、2個のセンチネルリンパ節のうち1個に転移があったということだと思います。今後の治療については、通常のリンパ節転移が1個陽性の場合と同じです。(文責 徳田)

 

No.1947-2】 03年11月01日 Y
インフルエンザ予防接種

お忙しいところ、お返事有り難うございました。ところで、現在4回目のCEF終了後ですが、この時期心配なインフルエンザの予防接種を受けてもよいのでしょうか?度々申し訳ありませんが、アドバイスお願いします。

抗癌剤投与中のインフルエンザの予防接種は受けてかまいません。(文責 徳田)

 

No.1946】 03年10月29日 M.G. 
妊娠中の乳腺

お聞きしたいことがあります。現在33歳で妊娠6ヶ月の初産婦です。ここ1ヶ月、右胸の外側、脇に近いところが痛みます。仰向けになったり右胸を下にして横になると、特に痛いです。妊娠に伴う乳房の痛みかとも思うのですが、右首筋が引っ張られるような感覚があるのと、時々右脇下が痛むので乳がんを心配しております。右脇下にはしこりはありません。しこりは22歳の時から両胸にあるのは自覚しておりました。22歳の時にマンモで検査してもらって線維腺腫と言われました。万が一乳がんであった場合、妊娠中に手術を受けることが出来るのでしょうか?

専門医の診察を受けましょう。乳がんであっても局所麻酔で腫瘍をとったりすることは可能です。(文責 徳田)

 

No.1945】 03年10月29日 C
ECの副作用(HPNo.1535-5)

以前、1535番で相談させていただきました。現在、EC4クール目を終わったところです。2、3日前から右足がしびれています。ふくらはぎから下が正座した後みたいな感じです。ECの副作用でこのようなしびれはありますか?予約はまだ先なので、すぐ行くべきか悩んでいます。

ECの副作用の頻度としては2%以下で、少ないと思います。進行するようなら診察をうけましょう。(文責 徳田)

 

No.1944】 03年10月28日 URE
左の乳首のかゆみについて

25歳女性、独身です。小5年の時乳首がすれてただれ皮膚科にいきました。そのときは薬を塗ったらすぐになおりました。20歳のころまたかゆくなり病院に行き、ステロイドの軟膏(リソデロン)をもらいました。それをつけるとかゆみがおさまるので、それ以来専門病院には行ってません。今は時々左乳輪が赤く膨れそこがかゆくなり、たまに薄い皮がむけます。乳首も右に比べると赤くかゆいです。リソデロンを使うと一時的になおり、またかゆくなるの繰り返しです。分泌物はでてません。パジェット病でしょうか。もし病院に行ったらどんな検査するのでしょうか。

軟膏により改善しているので、パジェット病は否定的です。はっきりさせるためには、乳頭のただれた部分の一部をとって顕微鏡でしらべます。(文責 徳田)

 

No.1943】 03年10月28日 S
胸の痛みについてご相談します

はじめまして。1週間ほど前から胸の痛みが気になっています。ご回答いただければ幸いです。最初乳首が痛くなって、それは2、3日でマシになったのですが、胸の上部にちくっとするような軽い痛みを感じます。五ヶ月ほど前に定期検診で乳がんの触診を受けましたが、異常なしでした。しこりはありません。しかし痛みがあるので乳がんが心配です。現在32歳です。母乳を止めて1年ほどになり、しばらく乳首を押す事で母乳が出ていましたが、だんだん乳カス?のようなものが出て、最近になって全く出なくなりました。母乳は出し切ったほうがいいような気がして、入浴中に絞ったり、乳カスをだしたりしていました。痛みは母乳が止まってからでてきましたので、そのせいでしょうか?それとも乳がんの検査を早めに受けた方がいいでしょうか?

一般的に乳癌の初期では痛みはありません。あなたの場合、お若いのでホルモンの変動に伴う乳腺の痛みのように思います。しこりもなく乳癌の可能性は低いですが、5ヶ月前の検診は触診のみですから、一度、レントゲンや超音波などの画像検査を専門医のところで受けてみてはいかがでしょうか。(文責 徳田)

 

No.1942】 03年10月28日 O
乳腺症について

はじめまして。一昨日、母が検診で左胸にしこりがあることがわかり、来週二次検査をすることになりました。母は50歳で、以前右胸にしこりがあり、検査の結果、乳腺症によるしこりということで取り除きました。一度乳腺症でしこりができたりしたら、また同じように乳腺症によるしこりができやすいんでしょうか?それとも乳腺症に一度なってしまったら、乳がんになる確立が高いのでしょうか?よろしくお願いいたします。

触診でわかるしこりと超音波などの画像で分かるしこりとは意味が違います。乳腺症で触れるしこりでも腫瘍でなければ問題ありません。乳腺症だからといって癌になりやすいということはありません。(文責 徳田)

 

No.1941】 03年10月28日 M
術後20年のリンパ節転移

55歳の女性です。1983年に右乳房をハルステッド法で除去。その際右リンパ、大胸筋全てとり、胸リンパに放射線をかけました。しこりは3x4cmで第2期とのことでした。その後つつがなく暮らしておりましたが、2003年9月末、左脇から5〜6cm下方のリンパ節にしこりを見つけました。局所麻酔で取り出し(9月10日)、病理にかけたところ、「乳がんの転移細胞」が見つかりました(9月18日)。その前にマンモグラフフィ・エコー・上半身のCTスキャンをしましたが、異常はなく、また腫瘍マーカーも正常でした。骨シンチも異常がありませんでした。病理の結果が出た時点で(9月18日)、フルツロンカプセル200とアりミデックスを処方され飲んでいます。現在、千葉県N市のY病院にかかっていますが、先生は
1)20年前の右乳がんの転移とは考えにくい。左にまだ見えないものがある可能性がある
2)もう一度性能のいいエコーで検索して発見できれば手術、発見できなければ放射線あるいは抗がん剤治療
とのご意見です。以下の質問にお答えいただければ幸いです。

1)PETを受けたほうがいいでしょうか?
2)非常に特殊な例といわれましたが、専門医(現在は外科ですが、乳腺外科、あるいはガンセンターなど)へ変わったほうがいいでしょか?
3)どのような治療があるのでしょうか?
4)現在の先生はとても親切で、紹介状はいつでも書いてくださるとのことです。その病院での乳がん手術は1年に100件程度とのことでした。

どうぞよろしくお願いいたします。

確かに非常に特殊な状況です。はっきりさせておくべきことは、左側の腫瘍は、
1)リンパ節への転移なのか、左の乳腺の原発性の乳癌あるいは,副乳の乳癌の可能性はないか。
2)リンパ節の転移とすると、右の乳癌の転移なのか見つかっていない左の乳癌(潜在性乳癌)なのか、右の乳癌の組織と比べる必要があります。その解釈によって治療法がかわってきます。

1.右側の乳癌の転移再発だとすると、全身再発の可能性があり、PETで全身の検索をすることは有用です。
2.難しい状況ですので、専門医の方が望ましいと考えます。
3.右乳癌の転移であるとすると、全身療法をすべきです。他に転移がなければ、副作用の少ない治療からはじめるのがよいでしょう。ホルモン感受性があるのであればホルモン療法です。左の乳癌のリンパ節転移と考えるのであれば、左の乳腺全摘により乳房に癌がないかどうか調べることも有用です。その結果で全身療法を考えます。(文責 徳田)


先日はお忙しい中ごていねいなお返事有難う御座いました。その後の経過ですが、
1) PETが有効との先生のご意見に従い11月11日に検査を受けることになりました。
2) 現在の主治医の先生のご助言で20年前に手術した神戸市立中央病院に連絡をとったところカルテも残っており先生もまだおられたので、昨日行ってきました。20年前の癌は浸潤性乳頭管状癌、今回のは 浸潤性小葉癌で、新しい癌との可能性は大であるが、前にがん細胞の中にあったものの転移であるとの考えも捨てきれない。前の手術では術後真ん中の胸骨のリンパにも放射線をあてているので、リンパの流れが変わっている可能性がある。治療法としては、まず左乳母の除去(疑わしきを取り除く)、後は投薬。やはりきわめて特殊な例であるので判断が難しいとのことでした。
3) 治療としては命が大事との観点から、左の乳母切除しようと思っております。PETの結果が出ましたら またご報告させていただきます。
色々ご親切に有難う御座います。(11月8日)

 

No.1940】 03年10月25日 S.O.
楕円形のしこりについて

はじめまして、42歳です。乳がんについて相談させてください。左乳房の内側に、触れると痛みを感じしこりもあるような気がしたので、外科の外来を受診し、マンモグラフィーと超音波検査を受けました。その結果、マンモグラフィーでは異常がなく、超音波検査で別の場所にしこりがあることがわかりました。痛みのある場所は正常な乳腺組織であろうとのこと。超音波検査でみつかったしこりは、乳頭の真下あたりにあり、2×0.7センチの大きさで、楕円形とのことです。そのしこりの痛みはありません。先生がおっしゃるには、通常がんの場合球状なので、楕円形の場合は問題はないだろうとのこと。経過観察して3ヶ月後にフォローアップのため診察を受けるようにと言われました。そのときはなんとなく納得して帰宅したのですが、そのあとネットなどで調べているうちに、細胞診の検査をしていないことにとても不安を感じるようになってきました。次の3ヶ月後まで様子をみて大丈夫なのでしょうか?それとも早いうちに細胞診をしたほうがいいでしょうか?その問題の乳頭の真下にあるしこりは、思春期の頃からあったような気もして、実はあまり気にもとめていませんでしたし、今までの乳がん検診(触・視診のみ)でもひっかかったことはありません。どうぞ、回答のほうよろしくお願いいたします。

乳頭直下しこりについては、画像的に良性の可能性が高いとはいえ、細胞診まではしておくべきです。(文責 徳田)

 

No.1939】 03年10月25日 M.N
乳がん検診

31歳、既婚、子供はいない主婦です。昨日初めて乳がん検診を受診しました。3ヶ月ほど前に双子の姉が検診を受けて、カルシウムの沈着が見られるとのこと、定期的に検診を受けることになったのです。それで私も検査を受けてみたのですが、触診、エコーでは特に問題なく、レントゲン撮影で左の胸に全体的に右より多くカルシウム沈着が多くあり、細胞診もしました。今は検査の結果待ちですが、
1) カルシウム沈着は全体のどれくらいの割合で見受けられるのですか?
2) またそれは、遺伝的なものですか?
3) 乳腺症とは関係あるのですか?

1)乳房の全体に散在する石灰化は問題になりません。一部に限局して集まって存在する場合、乳癌の可能性がでてくるのです。良性の石灰化が大部分なので、問題のない方も含めてどのくらいの割合で石灰化が見られるのかはわかりません。
2)良性の石灰化に遺伝的な要素がどれほどあるのかはわかりません。
3)乳腺症のかたは、石灰化が比較的多くみられます。(文責 徳田)

 

No.1938】 03年10月24日 K
手術創近くのこりこり感は?

32歳、1年前に温存術をしています。その後放射線治療を終え、今は何もしていません。手術した傷の辺りがこりこり硬い感じがしています。3〜4ヶ月毎にエコー検査を受けていますが、手術の傷跡のせいなのか、癌の再発なのか、はっきりわかるのでしょうか?

手術創の近くが硬くなることはよくあります。手術の傷跡なのか癌の再発なのかは、超音波で定期的にみていると判断がつきます。必要があれば適宜細胞診をします。(文責 徳田)

 

No.1937】 03年10月24日 T.H.
ステージとクラスの数値について

はじめまして。よろしくお願い申しあげます。現在59才、女性です。2001年8月に右乳房全摘手術を受けました。ステージ1期(ネット等では2A期だと思うのですが)、クラス5、癌の大きさは2,7×3.1pで、リンパに転移なしでした。ただ術後、執刀医に2,3年後に左へ移行することがあると告げられております。病状及び予後のことなどの説明も受けておりません。諸事情がありまして術後、執刀医のもとを転院し、一年になります。抗がん剤、及び放射線治療は受けておりません。ホルモン剤(アリミテックス)を朝1錠服用しています。クラスの数値とステージの数値で移行、再発、転移などは予想出来るものなのでしょうか?クラスの数値が高いとステージの数値が低くても、移行、再発、転移の可能性は高いのでしょうか?お忙しいと思いますが、よろしくお願い申し上げます。

クラス5というのは、細胞診の結果で、腫瘍が良性なのか悪性なのかを示しています。進行の程度とはちがいます。
あなたの右の乳癌は、ステージIIAです。リンパ節転移(−)、おそらくホルモン受容体陽性。したがって、再発の可能性は、10年で20%程度と思います。対側の乳腺にあらたに乳癌ができる確率は、10年で5%程度です。(文責 徳田)

 

No.1936】 03年10月24日 R.M.
17歳です

3週間くらい前から乳首がかゆく、乳首が硬くなると乳輪のまわりに湿疹ができ、病院で塗り薬をだしてもらいました。かゆみはかなりおさまったのですが、湿疹がなかなか治りません。乳首を強く押すと小指の先くらいの小さい塊のようなものがあるみたいで、気になります。17歳なのですが、すこし心配です・・・。

おそらく乳頭内の乳管に分泌物がつまっているのではないかと思われますが、念のため専門医の診察を受けましょう。(文責 徳田)

 

No.1935】 03年10月23日 hitomi
切除手術後の転移

はじめまして。51歳の母のことでご相談させて下さい。5年ほど前に母の片方の乳房に腫瘍が発見され、乳がんと診断されました。転移の可能性を考慮して乳房を切除致しました。術後は経過もよく、本人も元気そうでしたが、抗がん剤の服用で若干だるそうな感じでしたし、髪の毛は抜け落ちてしまいました。定期健診も異常なくきていたのですが、昨年異常が見つかり、あばら骨と肺に転移しているとのことでした。現在は抗がん剤の服用を止め、骨を強くする薬(名称がわかりません)を服用しているとのことです。転移ということになると、やはりもう先は長くないと捉えてよろしいのでしょうか。それによっては現在住んでいる東京での勤めを辞め、実家へ戻ろうかと考えております。よろしくお願いいたします。

乳癌の再発後の生存期間の中央値(50%の患者さんが生存している期間)は、2−3年です。この数字よりもっと短い方もいれば、再発が完全に消えて10年以上健存している方もいます(治ったのかもしれない)。したがって、あきらめずに治療すべきと思います。現在、骨についてビスフォスフォネートという種類の薬を4週に1度点滴しているのだろうと思います。これは肺の転移には効きません。そこで、ホルモン療法あるいは抗癌剤などの全身治療をする必要があります。(文責 徳田)

 

No.1934】 03年10月23日 S
診察の時期

去年、今年と引き続いて町の乳がん検診で、引っかかりました。去年は近くの総合病院の乳腺外来で診ていただき、異常なしでほっとしたのですが、今年もまた引っかかってしまいました。で、また同じ病院に行こうかと思っていますが、今ちょうど排卵の時期で、胸が張っています。今度の生理は1週間後の予定です。そんな時期に診てもらうより生理が終わったあとの方がいいんでしょうか?診察してもらうのに一番良い時期を教えてください。

レントゲンや、超音波などの画像診断を併用すると思いますので、生理の時期を勘案する必要はないです。(文責 徳田)

 

No.1933-1】 03年10月22日 R
術後の治療について

八月に温存手術を受けました。33歳です。切除断端(−)、リンパ節転移(−)、腫瘍の大きさ2センチ、異型度2、エストロゲン(+)、プロゲステロン(−)。放射線照射25回が終わり、現在ノルバデックスの服用とCMFの1回目が始まったところです(6クール予定)。主治医は、月1回、2年間の皮下注射もした方がよいと言われました。この治療法にしたがっていけばよいと思われますか?また再発率はどのくらいでしょうか?自分の体の事ながら勉強不足で、説明不十分、お許しください。

ノルバデックスは、CMFと一緒ではなく、CMF終了後から開始する方が望ましいと思います。月一回の皮下注射(卵巣の機能をおさえるゾラデックスという薬)は併用した方が再発率は減少します。10年の再発率は20%程度と思います。(文責 徳田)

 

No.1933-2】 04年01月15日 R
再発について

CMFも3クール終わったところで、超音波検査で温存乳房に影がみつかりました。触診では触れないようです。細胞診の結果待ちですが、こんなに早い時期に再発するとは、かなり深刻なことなのでしょうか? 治療の方もCMF3クール終えたところで ホルモンの注射に変わりました。抗がん剤3クールでは何の意味もないですか? でも再発なら抗がん剤も放射線も効果なしということですよね? 私の今後はどのような治療が考えられますか? かなり危険な状態と考えるべきですか? ちなみに今度は乳首の下で、乳首をとる、もしくは全摘だそうです。 

細胞診の結果がすべてですが、もし再発だとしても、今後の治療をきちんと受ければ心配いりません。治療は切除が原則です。再度温存するか全摘するかは、腫瘤の場所・大きさ・本人の希望を考慮して決定します。(文責 籾山)

 

No.1933-3】 04年01月21日 R
今後の治療について

再度の相談、申し訳ありませんがよろしくお願い致します。
再発についてはまだ検査結果待ちです。それとは別に、1933でもお尋ねはしているのですが、現在ノルバデックスを服用しながら、CMF4クール目を受けているところです。ノルバデックスの服用の時期について主治医に尋ねてみましたが、CMFと併用していくとのことで、今に至っております。今再発の心配が出てきたことが原因かどうかわかりませんが、今後の治療について3つの選択肢が与えられました。決めかねております。先日再発の件で、セカンドオピニオンを受けました。そちらの先生は再発とは思えません。治療についてはこのままCMFは6クール続けて、その後でホルモンの注射をしたらどうか?とのこと。現在の主治医は、「生理がまだあるため卵巣の機能をおさえたいので、CMFは続けるにしても、今からホルモンの注射をいく。もうひとつはきつい抗がん剤にかえる。」との事です。
私は手術をしてくれた先生が辞められ主治医が変わったことや、放射線も他の病院にかかったたことで、いろんな先生の意見を聞くことができたのですが、いろんな考えがあり混乱しています。再発、転移は怖いけど、今からまた抗がん剤をやり直す気力もありません。CMF療法は私には妥当ではなかったのでしょうか?先生のご意見よろしくお願いします。お忙しいところ申し訳ありません。

もし仮に再発だったとしても、CMF療法が完全にでわなくても癌の増殖を抑えていた可能性も考えられます。どんな化学療法でもやってみないと有効かどうかわからない面を持っています。CMF療法が妥当でなかったと考えるのは良くないと思います。化学療法とホルモン療法を同時に行う方法と、別々に行う方法がありますが、どちらがいいのか、はっきりした結論は出ていません。CMF療法以外の、きつくない化学療法もありますので、よく医師と相談してみて下さい。(文責 石川)

 

No.1933-4】 04年06月06日 R
リュープリンの副作用について

四度目の質問です(1933,2104,2115)。いつも参考にさせていただいております。温存手術後もうすぐ一年になります。抗がん剤が終わったところで転院し、現在リュープリンの注射を4回受けたところです。のぼせ、ほてりの他に4月半ばから体がだるく、5月に入った頃から、膝、腰、背中、腕、指先が痛くなり、体がこわばる感じでした。膝はしゃがんだり、立ち上がったりするときに痛くて、内科を受診しました。可能性として膠原病(関節リウマチ)?と言われ、血液検査、手、膝、肩のあたりのレントゲンをとりました。今日結果を聞きに言ったのですが、血液検査、レントゲンから、膠原病ではないと言われましたが、結局なぜ痛いのかはわからないとのこと。リュープリンを使っているのなら更年期症状のひとつとも考えられるから、外科の先生に相談するように言われました。まだ予約は二週間先です。寝込むわけでもなく、痛くてたまらないといったこともありませんが、何らかのご助言がいただければと思い、ご相談させていただきました。わかりにくい文章で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

リューブリン使用時の副作用にもいろいろありますが、筋・骨格系に発現する副作用で、関節痛(7.3%)、腰痛・筋肉痛(5%未満)というのがあります。リューブリンの副作用である可能性も否定できませんので、痛みが激しいようなら、予約日を待たず、近日中に受診し、抗がん剤の見直しも含めて、主治医と充分相談なさって下さい。ちなみに、リューブリンと同じ作用機序であるLH-RHアゴニストのゴセレリン(ゾラテックス)にも、5%未満ですが、筋・骨格系の副作用がみられます。(文責 須田)

 

No.1932】 03年10月22日 sea
生検後のしこり

はじめまして。30歳です。約2年前に急性乳腺炎になりました(授乳中ではなく、強い刺激があった為です)。当時見て頂いたお医者様に念のため細胞診をして頂いたところ、class3bとのことで悪性を否定できず、大きな病院で生検を行いました。結果は良性で乳腺症との診断でした。ご相談したいのはその後のことです。通常でしたら半年もすれば生検後のしこりは自然になくなると伺っていたのですが、2年経った今もまだしこりが残っています。さらに排卵時期になるとかなり痛むのです。半年毎に生検をした病院で経過観察をしており、3ヶ月前に細胞診をしたところclass3aとでましたが、検査後に出来たしこりだということは明らかでして、乳腺症のひどいものなので、また6ヶ月後に・・との診断でした。自分でも生検後にできたものだという事は明らかに分かっており、ありえないとは思いますが、痛んだりするとやはり心配になってしまいます(実をいいますとガンの疑いをかけられてから、ガンノイローゼ気味になってしまっているのです)。私のように、生検後にできたしこりがずっと残ってしまうという事はあるのでしょうか?別のお医者さんに見て頂いた方が良いのでしょうか?お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスの方よろしくお願い致します。

生検後の傷の部分に瘢痕のような組織が長期間残ることはありますので、経過を見る方針でよろしいと思います。不安が残るようでしたら、専門医のセカンドオピニオンを求めましょう。(文責 徳田)

 

No.1931】 03年10月22日 K
術後のしこり、ノルバデックスでの閉経?卵巣がんについて

43歳です。乳がんの1期ということで、9/29日に部分切除の手術を外来で受けました。まだ傷はじゅうぶん治りきっていませんが、癌のあった部分にふれると硬く、医師に聞くとそのうちやわらかくなるとのことですが、癌がとりきれてないのではと不安です。またノルバデックスDを服用していますが、生理がきません。ネットでみるとノルバデックスでの閉経状態は少ないと書かれているように思うのですが・・・。質問が続いて申し訳ないのですが、もう一点不安があります。実はエコーでみたところ卵巣がんの疑いもあるといわれ、8月から定期的に婦人科を受診していますが、大きさをはかるのみで、具体的な検査等がありません。(卵巣の大きさは2センチ程度です。) 卵巣がんは摘出してみないと悪性か良性かがわからないし、CTをとってもこの大きさでは写らないといわれたのですが、ほんとうに摘出前には検査方法はないのでしょうか。現在は個人病院です。以上3点、回答よろしくお願いいたします。

断端に癌が残っているのかどうかは、主治医に聞いてください。術後2−3ヶ月は、手術した部分は一時、硬くなりますが、次第にやわらかくなってくるのが一般的な術後の経過です。生理については、手術のストレスもあるので、もうしばらく様子をみてよいのではないでしょうか。卵巣については、ご心配なら、他の婦人科医にかかってセカンドオピニオンを得るのはどうでしょうか。(文責 徳田)

 

No.1930】 03年10月22日 A.A.
右側の乳房の張り

初めて相談させて頂きます。私は40才女性です。最近、右側の乳房が左に比べて張っているような感じがします。ここのところ太ったせいかと思っていたのですが、片方だけというのも気になります。触った感じでは「しこり」はないように思います。また、痛み、熱も特別感じませんが、気になりだすと落ち着きません。重大な病気がある可能性があるのでしょうか?また、専門医の診断を早急に受けた方がいいのでしょうか?

乳癌の初発症状としては、やはりしこりが一番多いです。限局性のしこりではなく、乳腺全体がはれることもありますので、念のため専門医を受診しましょう。(文責 徳田)

 

No.1929】 03年10月19日 HK
しこりについて(HPNo.1336-3)

以前1336でお世話になった者です。一年検診でしこりが確認されました。四ヶ月前の検査では異常なっかたのですが、今回、左胸術側 6ミリ、右側 7、6、5ミリがエコーで確認されました。三ヶ月様子を見て、また検査する事になりました。質問ですが、
(1) 手術の時、2cmで1/4切除し、術中迅速診断で断面に異型細胞が確認され、追加切除となりました。このような場合、再発リスクは上がりますか?
(2) 又、その時、小指大のリンパ節2つも一緒に迅速診断にだしたのですが、標準的な大きさはどれぐらいなんですか?
(3) 私はP53(+)、her2(2+)だったのですが、再発するリスクは上がりますか? 又、ガンが出来やすい体質なのでしょうか?
(4) 右側のしこりが悪性だった場合、三ヶ月でどれぐらい大きくなるのでしょうか? 乳腺症などの場合は大きさに変化がありますか?

転居により病院を変える事になり、色々と病院を周り、やっとみつけた病院で今回のような事になり、先生にも遠慮して思った事をなかなか聞けません。お忙しい中何度も恐縮ですが、宜しくお願いします。

(1) 最終的に断面に癌が残っていたのかどうかにより違います。追加切除により取り切れていたのであれば、通常の残存乳腺の再発率3%程度と考えます。残っていれば再発率は上昇します。また、追加切除をしなければならなかったことから、乳管にそって広がっていたとすれば、再発率は上昇します。
(2) 腋窩のリンパ節の大きさは、さまざまです。転移がなくても大きいものもありますし、小さくても転移があるものもあります。大事なのは、大きさではなく、顕微鏡的に癌の転移があるかどうかです。
(3) HER2 (2+) は、再発リスクを上げると考えられています。p53(+)もリスクをあげるという報告が多いようですが、コンセンサスは得られていません。癌のできやすさとの関連はあきらかではありません。
(4) 見えなかった腫瘍が4ヶ月間で7mmになったとするとかなり増殖のはやい腫瘍だと思います。画像で評価できているので、乳腺症の影響はないと思います。また、悪性であるとしても乳腺症は増殖には影響を与えないと思います。(文責 徳田)

 

No.1928】 03年10月19日 K 
癌の転移

お忙しいところ申し訳ございません。癌の転移とその治療方法についての相談です。今年63歳の女性で、3年前に乳癌手術を受けました。その時、癌細胞が背骨まで広がっていまして、左の乳房を全部摘出しました。術後は普通に生活できました。最近検診を受けたところ、骨盤と肺の3ヶ所に癌細胞が広がっているのが分かりました。そこで、どういう治療方法が一番いいのかを教えて下さい。また、転移した癌の治療はかなり難しいのでしょうか?ご返事お待ちしております。よろしくお願いいたします。

総論的には、全身療法の適応となります。全身療法には、抗癌剤治療、ホルモン療法、抗体療法があります。また、骨の転移に対しては、骨を丈夫にする(ビスフォスフォネート療法)があります。さらに骨の転移には、放射線を照射することもあります。あなたにとって、どの治療法がふさわしいのかは、腫瘍の性格や、転移巣の状態によって違ってきます。主治医に詳細を聞きましょう。抗癌剤の治療などつらい面もありますが、希望は十分あると私は考えています。(文責 徳田)

 

No.1927】 03年10月19日 A.T.
乳輪の大きさについて

34歳です。小さい頃(胸が膨らんできて)から、乳輪が大きいことで悩んでいます。先日、乳癌検診を受けました。その際、診てくださった先生に 「小さい頃から乳輪が大きいと感じていましたか?」と聞かれたのです。「はい」と答え、それ以外は何も言われず、また、自分でも恥ずかしさがあり聞けず、診察は終わりましたが、最近とても気になります(以前からですが・・・)。よくTVで、秘境の裸族の映像を目にしますが、私のバストと似ているな〜と思うのですが、裸族の女性って皆乳輪が大きいですよね。乳輪の大きさに 《大きい・小さい》があるのは何故なのでしょうか?真剣に悩んでいます。また、乳輪を小さくする手術は存在するのでしょうか? 教えて下さい。よろしくお願いします。

体の大きさが人それぞれであるように、乳房や乳輪の大きさも様々なのだとお考え下さい。乳輪を小さくすることは形成外科的な手術で可能です。(文責 徳田)

 

No.1926】 03年10月18日 M.T. 
乳癌の骨転移(HPNo.1650-4)

再び状況が変わりまして、お聞きしたい事があります。10月3日に急に動けなくなり、救急車で運ばれ、そのまま入院となりました。骨粗鬆症であると言われ、カルシウム値が高かった(5.3)ので、アレディアという点滴を8日に4時間かけてしました。骨が溶けだしているので、それを止める薬だと言っていました。あとは、便がかなりたまっていたようで、急に動けなくなったのは、それが一番の原因だと言われた。昨日、担当医からの説明があるということで、初めて私も両親と一緒に先生の話を聞きました。レントゲン・CT等の写真を見ながらの説明でした。「背骨のレントゲンで光っている所がある。それは骨転移のようだ。背骨が少しかけている所がある。疲労骨折している。肝臓のCTで少し白く映っている所がある。肝臓転移の疑い(五分五分)。時期を見てまたCTを撮る。凝固因子が低下している。心臓のレントゲンを見て、水が溜まっている」と言われた。「今後様子を見て水を抜く可能性もある。左心室の動きは良いが、右心室の動きが悪い。カルシウム値はアレディアの点滴後下がった。今後は、リュープリンとエンドキサンを使っていく」と言われた。
14日に骨髄液を撮る検査をしています。結果待ちです。担当医は、姉の癌は原発巣も分かりにくかったので再発も分かりにくいと言い、はっきり転移だとは言いません。すべて疑いありという言い方をしました。はっきり言ったのは、骨粗鬆症だということだけです。だいぶ歩行器を使って歩けるようになったので、あと一週間位で退院する予定みたいです。以上の症状から、分かることがあれば教えて下さい。姉は、再び車の運転が出来るようになりたいと言っていました。可能でしょうか? よろしくお願い致します。

骨粗鬆症というのは、良性の疾患です。断片的なお話から推測すると、「乳癌の骨転移により骨がこわされて血液中にカルシウムが溶け出した。特に背骨は、骨が溶けてもろくなって骨折をしている。肝臓の転移はまだはっきりしない。骨の転移はすぐに命にかかわるわけではないので、ホルモン療法を中心に治療していく。」ということでしょう。
車の運転については、痛みやしびれがなければ可能と思いますが、最悪の場合、背骨の転移が進行して、骨折から脊髄が圧迫されて半身不随になることもあり、骨の転移の状況がよく分からないので何ともいえません。(文責 徳田)

 

No.1925】 03年10月18日 Y
乳頭の痒みと分泌物

お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。31才、既婚、子供はいません。乳頭が痒くて痒くて、がまんできないくらいです。特に右ですが、激しい痒みがあり、最近は黄色い汁が出ました。肌着に付くくらいで、ちょっと心配になっています。よくみると、汁が出る部分は赤味があるようです。今年の3月乳がん検診は受けているのですが、特に異常はありませんでした。また検査した方がいいでしょうか?黄色の乳頭の分泌物は乳がんの症状でしょうか? 教えてください。ご返信お願いいたします。

珍しいですが、乳頭のただれでみつかる乳癌もあります。乳頭の赤みがどのようなものなのかわかりませんので、やはり専門医の診察をうけましょう。乳頭の分泌物は正常でもよくみられます。ただ、血液が混じった黒赤色の分泌物や、透明でも乳頭の一カ所から沢山でる場合には、少ないですが乳癌の可能性もありますので、専門医の診察をうけてください。(文責 徳田)

 

No.1924-1】 03年10月18日 K.M
局所再発について

こんにちは。以前、自分の事でお聞きしたのですが、今回は知人の事です。全摘の後、抗癌剤2クール、放射線治療中に局所再発との事。今度はタキソールとハーセプチンを使用するらしいのですが、余りに早い再発に驚いてます。抗癌剤が効かなかったとか・・・。リンパ転移も最初の段階で4ヶ?有ったらしいのですが、放射線治療中に皮膚がただれ始め、調べたら再発との事。詳しい情報が不明なのですが、お尋ねしたい点は以下です。
1)  結局、手術でガンが取り切れて無かったのでしょうか?
2)  再発の治療はエンドレス、とも聞きますが何故でしょう?
3)  こんなに早い再発の場合、かなり危険なんでしょうか?
4)  もし、今度の治療でも効果が無かったら他に手は有りますか?

1)  早期の局所再発は、癌細胞が全身にまわっていて、それが手術局所に定着したと考えた方がよいと思います。すなわち、手術でとりきれないような全身に広がった状態だったということです。
2)  仮に腫瘍が完全に見えなくなったとしても、細胞単位では残っているかもしれないので、治療を終了しにくいということです。
3)  手術から再発までの期間が短いということは、癌細胞の増殖のスピードが速いということで、たちが悪いということです。
4)  そのほかにもいろいろな治療薬があります。(文責 徳田)

 

No.1924-2】 03年10月22日 K.M
局所再発について(2)

少ない情報の中、丁寧な回答を有難う御座います。
1) 重ねて質問ですが「新薬」が出ると聞きました。どんな薬で、どんな人に適応で、いつ頃出るのでしょうか?
2) 放射線について
私はゾラデックスを打っていますが「閉経するまで」と言われています。2回目から生理は止まっていますが何年かかるのでしょう?主治医に聞いてもハッキリとした回答が得られてません。とある本によると放射線で卵巣機能を止められると有りました。もう出産予定は無いのだし、放射線なら早く安く済むらしいです。一般的には聞かない話ですが、頼めば可能なのでしょうか? 変な質問かも知れないですが、気になったので、宜しくお願いします。

1) 新薬にもいろいろありますので、それだけでは何ともお答えできません。
2) 術後ゾラデックスをどのくらいの期間使用したら十分なのか、まだ決まっていません。2年、3年、5年の臨床試験の報告があり、副作用や効果については検討されていますが、2年と3年、5年の直接比較の結果はないのです。現時点では、私は2年程度で十分と考えています。ゾラデックスは、中止すれば卵巣機能は回復します。したがって、女性ホルモンの低下は一過性ですので、更年期障害も一時的です。しかし、放射線照射は永久的です。また、消化管にも放射線があたり、副作用も予想されます。たしかに費用は少ないかもしれませんが、あなたにとっては、どちらがよいのでしょうか。ゾラデックスが使える以前は、手術や放射線が用いられていたので、もちろん可能です。(文責 徳田)

 

No.1923】 03年10月18日 D.N. 
血小板の減少について

初めて相談させていただきます。50代の女性です。抗ガン剤でしこりは小さくなりましたが、投与する前に8万あった血小板が3万に減り、約2ケ月経ちますが増えてきません。これから増えてくるのでしょうか?増えてこなければどうしたらいいのでしょうか?よろしくお願いします。

血小板は3万あれば日常生活には支障ありません。しかし、手術や抜歯などは避けるべきです。また、抗癌剤も継続すべきではありません。血小板以外のデータが分からず、はっきりしたことは申し上げられませんが、抗癌剤による一過性の副作用にしては回復がおそいので、それ以外の原因も考える必要があるかと思います。主治医によくご相談ください。(文責 徳田)

 

No.1922-1】 03年10月18日 N
不正出血について

32歳です。ノルバデックスを服用し始めて1月弱です。生理時の出血量が少なく、生理期間も長くダラダラ少量といった感じです。生理が終ったと思ったら、数日後また出血がありました。去年流産しているのですが、同じような出血のしかたで、もしかしたら生理じゃなく流産かと思うのですが・・・。腹痛もあります。ノルバデックスによる不正出血なのか流産なのかわかりますか?違いがあれば教えてください。

一般的には、ノルバデックス服用中は妊娠しないとされていますので、流産の可能性は少ないと思います。ノルバデックスは、子宮内膜の増殖作用があります。不正出血の可能性がありますので、婦人科を受診しましょう。(文責 徳田)

 

No.1922-2】 03年11月22日 N
再発治療方法

1922で回答を頂きました。ありがとうございます。主治医からはノルバデックスは中止と言われていますが、再度確認してみたいと思います。
1)奏効率というのはどこまでをいうのでしょう? 少しでもしこりが小さくなる場合も含まれるのですよね?
2)完全にしこりが消えるということもありえるのでしょうか? ゾラデックスの効果が出るとすれば何回目ぐらいが目安となるのでしょうか? よろしくお願いします。

1)奏効率はCR(complete response)+PR(partial response)の割合です。CR:全ての病変の消失が少なくとも4週間以上続くもの。PR:計測できる病変の総和の50%以上の減少をいいます。
2)確率的には高くありませんが、完全消失も可能性あると思います。ゾラデックスの効果は1、2回(1、2ヶ月)より長い期間診ていかないとわからないと思います。(文責 川本)

 

No.1921】 03年10月17日 ゆうな
再発の症状について

昨年10月、70歳の母が乳癌の左乳房全摘出手術をおえ、抗癌治療としてフルツロンカプセル200とエンドキサンP錠80を1クール行いました。その後の結果では問題ないと聞いておりましたが、今年の春ごろ、首にしこりがあると受診したところ、転移したということで、ヒスドンH200の薬を服用しておりました。ところが、前回の抗癌治療では点滴をしたときのみ、むかつきなどの副作用があったのに、今回はずっと食欲もなく、首の痛みもいっこうに引く様子もないらしく、咳が就寝時間以外は続けて出ているようです。病院で、咳止め、胃薬、食欲の出る薬、便秘薬など、症状を軽くするような薬を処方してもらっているようですが、改善があまりみられません。せめて、咳や痛みがもう少し軽くなればと思うのですが・・・。今週から新たに点滴の治療が始まり、また髪の毛がぬける薬のようです。体力も落ちているようなのですが、何かもっと首のしこりや咳にきくものはないのでしょうか? また、AHHCというキノコから作った薬で楽になったということも聞いたのですが、どのような症状に効くものなのでしょうか? 何分、無知な質問ばかりかと思いますが、どうか、アドバイスのほう、よろしくお願い申し上げます。

首のしこりは乳癌のリンパ節への転移、咳が肺の転移によるものだとすると、癌に対する治療をせざるを得ません。咳に関しては、咳止めを強くするという方法もあります。
AHCCはキノコ由来の食品で、免疫力を高めて抗癌効果を発揮するとのことですが、効果は科学的に検証されていません。副作用についても検証されておらず、どんな副作用がでるのか、今使っている抗癌剤と併用してもよいのかなどもわかっていません。したがって、お使いになるべきではないと考えます。(文責 徳田)

 

No.1920】 03年10月17日 larc  
温存手術後の治療について

1年前に温存手術を受け、リンパはセンチネル生検で終りました。25回の放射線も年末に終えました。 抗がん剤は副作用が嫌で断りました。年末からホルモン治療・・・おなかへの皮下注射と内服薬。副作用でました。病院に電話したら内服中止、4週間後に薬をかえますとの事。合うまでかえ続けるといわれ・・・通院をやめてしまいました。4週間の注射の副作用は・・・仕事行けませんでした。担当医によると、放射線、ホルモン、抗がん剤全てしないといけないガン細胞らしいのですが・・・子供たちのこと考えると人間らしい生活をとってしまいました。「全ての治療をして治癒するのなら耐えられる。なる時はなる、なればまた手術すればいい」との答えで・・・私も逃げ道は欲しい、全て手を尽くしてガンになった時のショックは大きいですから・・・。生理が止まり、年も45なんで、もう更年期とまざりあがったと思っていたのですが、3ヶ月前からまた生理が始まり、本心少し焦っています。内服薬だけで生理を止められないのでしょうか?受験生の子を毎年抱えるので、つらい!とかでは寝込んでいられないんです。教えて下さい。

お話から推測すると、腋窩のリンパ節転移はないが、腫瘍の大きさ、あるいは組織学的な悪性度から、ハイリスクと考えられ、全身療法をすべきと判断をされた。腫瘍はホルモン感受性であるので、卵巣の機能をおさえる4週間に1度の注射(ゾラデックス)とおそらくタモキシフェンの内服をされていたということでしょう。なにもしなくても10年で再発する可能性は20%程度です。確かに、ゾラデックスとタモキシフェンを併用した方がタモキシフェン単独より有効ですが、あくまで効果と副作用のバランスで考えるべきです。再発の可能性は低いのですから、副作用が強いのであれば、タモキシフェン単独でもよいと思います。この場合、生理はとまりません。(文責 徳田)

 

No.1919】 03年10月17日 Y.W. 
全身転移状態での手術後の放射線治療について

2001年の8月に乳がんによる胸椎骨折を発見された妻の件でお教えください。妻は以下のような経過をたどっております。
・ ホルモン強陽性であったため、ホルモン剤を服用しております。
・ 2002年1月に胸椎部分の転移が拡大したため放射線治療40グレイ、2002年3月に大腿骨転移のため放射線治療30グレイを行いました。
・ 2001年12月よりアレディアを注射しています
・ 2002年8月に肺転移が発見されましたが2003年1月以降は転移がCTでも分からなくなりました。また原発も同様に超音波、CTでも発見できなくなりました。骨転移も特に拡大も無く痛みもありません。腫瘍マーカー(CEA、CA15-3 )、他の血液検査でも正常値を維持しています。 
・ 2003年8月に原発から10センチ程度はなれた脇の下のリンパ近くの転移が大きくなり、膿が外に出始めましたので、9月29日に摘出手術を行いました。このときにリンパにもかなり大きな転移が見つかりこの部分を摘出(1/3ぐらい摘出し取りあえず全て取りきれたとの事です。) このときもホルモン受容体は3+でした。

外科の主治医の先生には、放射線を50グレイかけるようにいわれましたが、放射線科の先生には全身に転移状態であるので放射線をかけることはあまり意味が無く、むしろ今後のために放射線治療はとっておくべきだとのご意見でした。どちらにするか判断して、放射線治療を希望すればやっていただけるとの事ですが、このような場合、どの様な選択がよろしいのでしょうか?よろしくお願いいたします。

貴方の奥様が現在までに受けた治療は、骨転移に対する放射線治療、ホルモン剤(種類は不明)の内服、腋窩リンパ節切除のみで、化学療法は施行していないと考えてよろしいのでしょうか? 今回の手術では腋窩リンパ節を完全には切除していないようなので、主治医の言う術後放射線照射はある程度有用と考えられます。しかし、ホルモン剤の内服によって、原発や肺転移が消失していることを考慮すると、放射線治療医が言うように、もうしばらくホルモン剤で経過観察をして、放射線照射は後に残しておく方法もひとつだと思います。いずれにしても、私が治療法をアドバイスするには、ここに記載されている情報だけでは不十分です。例えば、乳がん細胞のHER2遺伝子発現状況によっても使用できる薬剤が異なってきますし、リンパ節の進行状況によってはホルモン剤の変更が必要かもしれません。転移乳がんの場合、患者さまによって病状、転移・再発部位が異なるため、術後補助療法のような確立された治療法は決まっていません。治療にあたっては画像所見、病理学所見、手術所見、進行状況を十分検討し、主治医と患者さま・家族が相談しながら、その人に一番適切な治療法を選択していくことが必要です。貴女の奥様の場合も、他の治療法の可能性や、放射線治療によって受ける利益と不利益について、もう一度主治医と相談しながら決定するようにしてください。(文責 千島)

 

No.1918】 03年10月17日 H.N
右胸の痛み

お忙しいところ恐縮ですが、ご相談させてください。33歳未婚で、もちろん出産経験はありません。生理前になると両胸の乳房痛と胸の張りなどがあり、生理の終わりに近づくと痛みが軽くなっていくというサイクルなのですが、今回、生理が終わって10日くらい経ちますが、右胸がシクシク…チクチク刺すような痛みを感じます。これは、乳がんと関わりがあるのでしょうか? しこりについてですが、触ってみる限りしこりは見うけられません。

女性の乳房は、卵巣からの女性ホルモン分泌によって刺激を受けます。特に排卵から月経開始までの間は、ホルモン分泌が亢進して乳腺組織の充血や増殖が起こるため、乳房に圧痛を認めたりゴツゴツとした「しこり」を触れることが多くなります。これらの症状は月経終了と共に軽快することが多いのですが、性周期ごとにホルモンバランスや乳腺組織の反応性が異なるので、月経後も痛みなどが継続する場合も少なくありません。ただ、決して乳がんが少ない年齢ではないので、乳がんでないことを確認するためにも、一度は専門医の診察(検診)を受けておくようにしてください。(文責 千島)

 

No.1917】 03年10月17日 mika
両胸にしこりがあります

私は五年位前から両胸にしこりがあります。そのことでご相談したいのですが、インターネットや本等で調べた結果、乳線維腺腫っぽいのです。大きさはかなり大きく、うずら卵より少し大きい感じです。20日に乳房検診を受けにいってきますが、切除の場合、大きいと胸がその分へこんだり、授乳の際、何か支障がでたりするのでしょうか? 

5年前からあるしこりで大きさにあまり変化がないようならば、少なくとも「がん」である可能性は低いと思います。しかし、「しこり」の正体が本当に線維腺腫なのかどうかは、専門医の診察を受けてから判断してください。もし予想通り、貴女の「しこり」が線維腺腫であったならば、がん化することはほとんど無いと考えられていますので、急いで手術をする必要はありません。一般に、
1.発見時に5cm以上ある 
2.徐々に増大して3cm以上になる 
3.比較的早く2cm以上になる 
4.下着などがぶつかって痛みがあったり、邪魔になったりする 
5.悪性所見が否定できない(特に40歳以上)、
などの条件を満たす場合には摘出術を考慮します。線維腺腫は女性ホルモンの影響で大きくなると考えられているので、閉経後には退縮して小さくなってしまう場合もあります。切除した場合、腫瘤の大きさにもよりますが、ある程度の切開傷と多少の凹みは残ることがあります。また、乳輪乳頭に近い腫瘤の場合は、授乳期に乳腺炎を起こすキッカケにもなり得ます。貴女の「しこり」が線維腺腫だった場合は、切除によって生じる利益と不利益のバランスを考えながら治療を進めるようにしてください。(文責 千島)

 

No.1916】 03年10月17日 N.Y. 
胸のしこりについて

32歳、産後五週間、ミルク8〜9 母乳1〜2の割合で授乳しています。胸は朝少し張るくらいです。先日右胸の左上(触るとすぐ骨が分かるくらいの場所)に小指の先くらいのしこりを見つけました。つるつるした感じで触ると動き、強くおすと痛いです。たまたま2週間後に乳がん検診の予約をしていますが、心配でしかたありません。もっと早く病院へ行くべきでしょうか?癌のしこりの特徴というのはあるのでしょうか?よろしくおねがいします。

授乳中の方では、乳汁が乳腺内にうっ滞して乳瘤という「ミルクの塊」を形成することがあります。多くの場合、穿刺により内容物を吸引すると「しこり」は消失してしまうのですが、内溶液がドロドロと固まってしまった場合には、「乳腺腫瘍」と勘違いされることがあります。乳瘤以外では、線維腺腫という「良性のしこり」も考えられます。がんの「しこり」は表面がザラザラしていたり、境界が不明瞭で「地面に半分埋もれた石」ような感じで触知します。いずれにしても、これらの「しこり」を区別するためには超音波検査や穿刺吸引細胞診などが必要になります。元々、授乳期には乳腺が張っているため、乳がん検診(特に触診のみの場合)を受けても、「しこり」を発見すること自体が難しいと言われています。貴女の場合も、触診だけで「しこり」の質的診断がつく可能性は低いので、初めから乳腺外科を受診する方が良いと思います。(文責 千島)

 

No.1915】 03年10月14日 TK
手術後の放射線療法について

私の妹が抗がん剤治療の結果縮小した左胸の腫瘍を、先月温存療法にて摘出しました。幸いに手術はうまくいき、確認されている箇所はすべて切除できました。術後は放射線療法を行っておりますが、放射線による他の臓器、特に左胸なので心臓への影響を心配しています。特に注意すべき点、或いは放射線療法による影響の具体例があれば、アドバイス頂ければ幸いです。妹は36歳、3児の母です。

放射線治療は照射する場所、範囲によって使う放射線の種類が異なります。妹さんの場合は、残存乳房への照射ということになるので、通常は高出力X線(基本的に検査で使用するX線と同種のもの)による照射となります。この場合、乳房を中心にエネルギーが集中するように放射線を照射(接線照射法)するため、心臓や肺への影響は少なくなるように計算されています。一方、温存手術での切除乳腺の病理学的検索で、切除断端近くまでがん細胞を認めているような場合は、電子線(検査では用いない特殊な放射線)照射を追加することがあります。この場合、前方から電子線を照射するため、左側の場合は照射野に心臓、肺などの臓器が入る可能性があります。肺に起こる放射線の影響は、放射線性肺炎があります。放射線治療後2〜6ヶ月してから出現し、症状としては空咳や発熱、息切れなどがあります。軽度の場合は無治療で経過観察していますが、重症の場合はステロイドホルモン剤などの投与が行われます。心臓への影響は比較的少ないと考えられますが、照射野に入った場合は、心筋梗塞がわずかに増加すると考えられています。そのほか、右腕のリンパ浮腫(腕のひどいむくみ)を生じることがあります。軽度の場合は利尿剤や漢方薬、ビタミン剤、マッサージなどで軽快しますが、重症になると慢性化することもあります。どの種類の放射線を、どの程度照射するかについては、主治医から説明を受けるようにしてください。(文責 千島)

 

No.1914-1】 03年10月14日 sacre
術後の補助療法についてお伺いします

初めてお尋ねします。私は9月中旬、左乳がん全摘の手術を受けました。術後の補助療法についてお伺いします。病理検査の結果、
〇 3×2.5×1.0の範囲に1.4×1.1のしこりと 乳腺内に散らばっている非浸潤がん
〇 病期 Tis期
〇 リンパ節に転移無し
〇 ホルモンレセプター(エストロゲンレセプター陽性、プロゲステロンレセプター陽性)
〇 核異型度 2
〇 年齢 51歳
全摘のため放射線治療はしなくてよいとのことでした。ホルモン療法は閉経前ですので、4週間に1回LH-RHアゴニスト製剤の注射、抗エストロゲン剤のタモキシフェンを5年間飲用することになっています。化学療法(抗がん剤)についは、本人の判断で構わないと言われていますが、判断に迷っています。乳がんの告知を受けた時点では、可能な限り最大限の治療を考えておりましたが、病理検査の結果が意外と良好であったことと、健康不安から、できれば化学療法を回避したいと考えはじめました。上記病理検査結果から化学療法の選択に対するアドバイス及び回避した場合の危険度等、判断基準等のご意見をいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

病期がTisということは、病理組織診断で腫瘍全体が非浸潤癌であったことを意味します。非浸潤癌の定義は「転移しないがん」ということなので、乳房切除を受けた場合の治癒率は98%以上と考えられています。そのため、非浸潤癌症例では基本的に術後補助療法は必要ありません。しかし腫瘍の一部に、顕微鏡検査で発見できないような微小浸潤巣を伴っていることがあるため、非浸潤癌症例でも稀に転移・再発を認めることがあります。その微小浸潤巣に対する再発予防、もしくは対側乳癌の発生予防(これについては保険適応外の使用法です)のために、非浸潤癌症例でも術後ホルモン療法を行うことがあります。どのホルモン剤を、どのくらいの期間使用するかについては、もう一度主治医と相談して決めるようにして下さい。少なくとも術後化学療法の必要性はないと思います。仮に、「1.4×1.1のしこり」の部分が浸潤癌であったとすると、貴女の病期はTisではなくT期ということになります。この場合は術後補助療法も異なってくる可能性があるので、病理所見の詳細については、もう一度主治医に確認したほうが良いと思います。(文責 千島)

 

No.1914-2】 05年01月09日 sacre
外科生検について

前にHPNo.1914で術後の補助療法についてお伺いした者です。その節にはご丁寧な御回答、ありがとうございました。お蔭様で自分の乳がんの状況について理解でき、大変参考になりました。
○経過
1)2002.11. 左乳房1cm程度のしこり、右乳房5mmしこり
2)2003.7.  左 細胞診クラス5、乳がんと診断、MRIの結果しこり以外にも多発性あり。右 細胞診クラス2、良性と診断。
3)2003.9.  左 皮下乳腺全摘手術受ける。 右 経過観察。
       左乳房病理検査の結果、非浸潤ガン、病気0期、リンパ節転移無し(センチネル)、ホルモンレセプター陽性、核異型度2。
    
○現在の問題点
左は解決できたのですが、
右乳房
2003.8.  2mm×5mm 細胞診クラス2
2004.6.  6.2mm×4.3mm   クラス2
2004.12. 6.2mm×4.8mm   クラス3
2004.12.のエコーの画像が前2回と少し変化あり。MRIの結果、DCISかセンイのかたまりか不明。

○質問事項
主治医は外科生検か経過観察ということでした。迷いましたが、外科生検を選択しました。私の選択は順当でしょうか。又、外科生検にあたっての注意点を教えて下さい。どうぞよろしくお願いします。

細胞診でClassV、超音波では時間とともに形状変化があるならば、切除生検を受けるのが妥当と考えます。おそらく局所麻酔での手術と考えますので、大きな問題はないと思います。強いて注意すべき点といえば、組織結果が出るまでは過剰な心配はせずに、できるだけ心身ともにリラックスする様に心がけてください。(文責 千島)

 

No.1913】 03年10月14日 SAYAKA
ノルバデックスの副作用について

はじめまして。わたしの母の事でメール致しました。母は52歳で、今年の4月25日に乳がんの手術を行い、右乳房を全摘しています。術後、「ノルバデックス」という薬を朝のみ2錠ずつ飲むように担当医の先生より言われました。現在3ヶ月分の薬を受診の際いただいて来て服用しています(9月に3ヶ月分もらったので、次回は12月に受診予定です) 。今まで特に副作用らしい副作用はなかったようですが、ここ4日間発熱し、時には39度を超える高熱が続いています。風邪などの症状(セキや鼻水など)はまったくありません。4日間も高熱が続く原因がわかりません。また、現在母は「炭酸リチウム」(リーマス)を朝夕2回と、就寝前に睡眠薬を服用しています。薬の相性が合わなかったのでしょうか。とても心配しています。もしも明日まで熱が下がらなかったら病院に連れて行こうと考えています。

お母様は化学療法は受けていないようなので、発熱の原因は乳がん治療とは関係ない可能性があります。ただし、ノルバデックスを服用している人の0.1〜5%未満で、白血球減少などの副作用を起こすことがありますので、出来るだけ早く主治医の診察を受けるようにして下さい。神経科の薬である炭酸リチウム(リーマス)も安全域が狭い薬で血中濃度が上昇(2.0meq/L)すると中毒症状を示しますので、念のため神経科主治医にも相談してみるようにしてください。(文責 千島)

 

No.1912】 03年10月13日 M.O.
ホルモン療法の薬の選択(2) (HPNo.1345-3)

アドバイスしていただいたように、エストロゲン血中濃度の検査をしてもらいました。結果は、FSH−38.6 E2−10.0> でした。主治医の先生は、「E2は低いのでいいが、FSHはもう少し高ければなぁ」と言われました。血中濃度がどのぐらいの数値になれば閉経になったといえるのでしょうか。また私の場合は、どちらなのでしょうか? 検査日は、生理が始まった日から18日目でしたが、検査日によって数値が変わることがあるのでしょうか。何回も申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

日本人女性の婦人科的な閉経の定義は、「1年間以上月経を認めなくなった女性」とされており、平均年齢は51歳となっています。貴女の場合は、不順ではあるものの、まだ月経を認めるようなので、婦人科的定義では閉経前ということになります。それでは、ここで問題になっているホルモン剤の適否についてですが、ノルバデックスは閉経前・後どちらの乳がん症例にも適応となっていますが、フェアストンとアリミデックスは閉経後乳がん症例のみの適応となっています。保険適応から考えると貴女にはノルバデックスのみが使用可能ということになります。それでは、もう少し科学的に体内の内分泌環境を考慮して考えてみましょう。卵巣で作られるエストロゲンの中ではE2(エストラジオール)が最も強力であるので、E2の低下とそれに続いて起こってくるFSH(脳から分泌される卵胞刺激ホルモン)の上昇を認めれば、内分泌学的に閉経していると考えられます。閉経時のE2レベルは18pg/ml以下となっていますが、多くの場合10pg/mlにまで低下します。閉経時のFSHレベルは26〜114mIU/mlとなっていますが、多くの場合、閉経前の10〜15倍(50mIU/ml)以上になります。通常、これらのホルモン環境が完成されるまでには婦人科的閉経から2〜3年と言われています。つまり内分泌学的に見ても、貴方のホルモン環境は「閉経期にさしかかったところ」と言うことになります。確かに検査日によってホルモン検査値は変動しますが、今後の検査でもE2が持続的に10pg/mlまで低下しているようであれば、内分泌学的閉経と考え、アリミデックスの効果が期待できると思います。(文責 千島)

 

No.1911】 03年10月13日 K.K.
右胸のしこりについて

はじめまして。よろしくお願いします。私は35歳、既婚、出産経験はありません。ここ2、3日、気になることがあります。右胸の側面の奥の方にブツブツとした感触のしこりのようなものがあり、押さえると痛みます。左胸も押さえると少し痛みますが、しこりのようなものは見当たりません。もうすぐ生理が始まる予定です。大体いつも生理の1週間位前から胸がはったり痛みがあったりするのですが、しこりのようなものを見つけたのは初めてです。1ヶ月後に婦人科検診の予定です。それまでこのままでいいでしょうか。それとも1日も早く診察を受けたほうがいいでしょうか?お忙しいところ申し訳ありませんが、教えてください。

女性の乳房は、卵巣からの女性ホルモン分泌によって刺激を受けます。特に排卵から月経開始までの間は、卵巣からの女性ホルモン(特にプロゲステロン)の分泌が亢進し、乳腺組織にうっ血、乳管・腺葉組織の増殖が起こるため、乳房に圧痛を認めたり、乳腺組織をゴツゴツ(ブツブツ)と触れることが多くなります。これらの症状は月経終了と共に軽快します。また、月毎によって痛み・ゴツゴツ症状の程度も異なる場合が多いようです。乳腺組織の反応性は、左右で異なる場合もありますので、貴女の場合は右側での乳腺腫大が強いと考えられます。右乳房のゴツゴツも月経終了と共に柔らかくなるようであれば、一ヵ月後の婦人検診まで経過観察しても良いと思います。詳細については検診医に相談してみてください。(文責 千島)

 

No.1910】 03年10月13日 T・K
骨量について

初めまして。現在、術後11ヶ月です。宜しくお願いします。ノルバデックスを10ヶ月、飲み続けています。昔から股関節に違和感があったのですが、抗癌剤治療を半年続けました(7種類・吐き気止めも含む)。その頃、歩いている時など股関節が痛くて(瞬間なんですが)体重の掛け具合では、力が入らないような時もありました。(*症状は下記のURLに書かれているのに酷似しています)
一番この症状が酷くなった引き金と言うのが、白血球が下がって、あげる注射をお尻にされてからなんです。高熱と痛みが走り、入院しました。熱は一晩で下がり、痛みは2時間でなくなりましたが、それからずっと後を引いています(この事は病院にも言いにくいので言っていません)。整形で診察を受け、レントゲンと足を上げたり下げたり(寝ている状態で)して、「痛んでいるのは痛んでいる」と言う事だったのですが、「また痛くなったら来て下さい」という事で、何も処置はありませんでした。それから2ヵ月後に婦人科にて骨量を測って、「70代後半」と言われました。実際は40代後半です。今、薬(アクトネル)を頂いています。PCで色々調べると、私に似た症状がありましたが、ノルバデックスという記述もあるのですが、それは【骨頭無菌性壊死】原因薬剤:ステロイド剤 と言うのですが、ノルバデックスはステロイド剤なのですか? それに今頂いているお薬を飲みながらカルシウムを摂取していますが、過剰症という事にはならないでしょうか? それから少し歩く事をはじめています。これ以外に骨量を増やす事は何かありますでしょうか? 骨量の検査の結果の表は、如何見るのでしょうか? Gとあります。これは最下位という事のようですが、Z=-1.91 T=-1.81 SD 、Z--2.21 T=-2.09 SD とあります。見方がわかりません。(先生は聞けば教えていただけたと思いますが、ショックが酷くて、其処まで思考が回りませんでした)
上記のHPのURLを書きますので、宜しくお願いします。
http://www.sam.hi-ho.ne.jp/tootake/1999.5.15.htm 中ほどにあります。宜しくお願いします。

貴女の場合、骨塩量が減っているようなので、カルシュウムやビタミンDの摂取が有効であると考えられます。女性の骨代謝にはエストロゲンという女性ホルモンが大きく関係しています。ノルバデックスはタモキシフェンという一般名を持ち、乳がんに対しては抗エストロゲン作用を示しますが、骨に対してはエストロゲン様の作用を示すため、内服によって骨粗鬆症が悪化することは少ないと考えられています。タモキシフェン自体はステロイド剤ではないので、無菌性骨頭壊死を起こすことはないのですが、0.1%未満での副作用に「骨痛」という項目が記載されています。また、骨粗鬆症の治療に関しては日本骨代謝学会に診断基準等を参考に、骨粗鬆症との診断が確定している場合はビスフォスフォネート剤を使用する場合もありますが、カルシュウム製剤との同時服用で相互作用を認めるので、服用に関しては担当の整形外科医とよく相談してみてください。(文責 千島)

 

No.1909】 03年10月13日 m.o.
乳腺のう胞

39才です。先日の人間ドックでの超音波検査の結果、乳腺のう胞(経過観察要)との結果がでました。1年後に検査して下さいと書かれていましたが、総合病院でもっと詳しい検査を早急にしたほうがいいのでしょうか? それとも本当に1年後でいいのでしょうか? 自分で触っても、しこりや痛みはまったくありません。生理開始1週間前ぐらいから痛み始め、終わると痛みは消えます。もし、病院で検査を受けるとすると、生理が終わった直前がいいのでしょうか? タイミングを教えてください。

乳腺のう胞は乳腺内に分泌物が貯留して出来てくる「水の溜り」で、閉経前の乳腺症ではよく見かける一症状です。のう胞だけならば問題ないのですが、超音波で経過観察をしていると、のう胞内にポリープ状の盛り上がりを認めることがあります。このような場合、稀にのう胞内で乳がんが発生していることがあるので精密検査が必要になります。心配な場合は一度専門医の診察を受けて、異常がなければ1年ごとに人間ドックで経過観察をしてはいかがでしょうか。(文責 千島)

 

No.1908-1】 03年10月13日 F.K. 
ゾラデックス

39才、7月に右乳房温存手術を受けました。毎月お腹に左右交互にゾラデックスを打ち、現在2回目を終えたところです。1回目に打った際、次の日から紫色になり10日程で消えたのですが、その後こりこりとした硬いしこりのようなものが出来てしまいました。いまだに消えないのですが、大丈夫でしょうか。なぜ、硬いしこりのようなものが出来たのか教えて頂きたいと思います。宜しくお願い致します。

ゾラデックスの場合、皮下に刺す針が太いため、時々皮下に出血をおこして「青あざ」が出来ることがあります。出血が軽度の場合には2週間程度で消えてしまいますが、出血量が多い場合には皮下に「しこり=硬結」として残ってしまいます。この「しこり」も通常は数週間で吸収されてしまいます。同じ作用を示す薬でリュープリンという注射剤もあります。リュープリンの注射針はゾラデックスと比較して細いので、出血することは少ないのですが、やはり注入した注射液が「しこり」として残り、痛みを生じることがあります。この場合も数週間で吸収されてしまうので安心してください。(文責 千島)

 

No.1908-2】 03年12月18日 F.K. 
ホルモン療法と放射線治療の副作用

39才、7月右乳房温存、9月よりホルモン治療開始。現在ゾラディクス4回終了し、ノルバディクスを毎日服用しています。10月中旬より放射線治療25回開始、11回通院しましたが、ホルモン治療による不眠や白血球低下で、残り14回は入院して放射しました。その頃から食欲不振、嗅覚味覚障害、風邪等も重なり更年期障害が強くなりました。放射終了後、一時退院しましたが、体の抵抗力も落ちたせいか更に更年期障害が強くなり、今では、のぼせ、ほてり、鬱、頭痛、脱力感、無気力、不安感、手の痺れ等、自分でも自覚出来るようになりました。でも普段とは違う自分に戸惑いを感じ、おかしいと思っていても、それをコントロール出来ないんです。毎日いろいろな症状が現れ不安感で涙が出る日もあります。これがホルモン治療の副作用ですか。主治医は体重増加と言いましたが、私は4キロも体重が減ってしまいました。こんなに辛く、せつないのが再発予防の治療の意味をもつのでしょうか。自分を認めて上げられない状態では、かえって免疫低下で精神的にも良くないのではないでしょうか。主治医には漢方薬を勧められ、トウキシャクヤクサンを飲み3週間立ちました。ゾラデックスは止められないと言われました。私は、今の状態をどう受け止めれば良いのでしょうか。おかしな文章で申し訳ありません。宜しくお願いします。

ソラッテクス+タモキシフェンは広く行なわれている治療で、効果は抗癌剤(CMF)と同等で副作用が少ない治療法です。副作用かあなたの様に強く出る患者さんを経験したことがありません。再発予防のためにやっているのですから、副作用があまり強ければ継続することはないと思います。主治医に現状をよく話して補助療法を変えたほう良いと思います。放射線治療の影響も残っているのかも知れませんが、これは徐々に薄れていくでしょう。(文責 吉田)

 

No.1907】 03年10月13日 CH
鎖骨の痛み

58歳の母のことです。去年の9月にしこりに気がついて診てもらうと、乳腺症だから大丈夫と言われて、とりませんでした。ところが、今年の4月頃に左胸の内側にひきつれを見つけて病院に行くと、9月に乳腺症といわれたところが乳癌になっていました。5月に温存手術をして、ステージT、グレード2、リンパ節転移なし、断片にも癌細胞はありませんでした。大きさは1.5pでした。抗がん剤はセロトーン、アドリアシン、エンドキサンを4回と放射線療法をしました。ところが最近左の鎖骨あたりが痛いと言っています。リンパ節転移はなかったのに骨に転移はあるのでしょうか。来月、骨シンチの検査をするのですが、一ヶ月も放っておいていいものでしょうか。9月に乳腺症といわれた所はその時から癌だったと言う事は考えられますか?よろしくお願いします。

確かに、StageTの乳がんでも20%前後で10年以内に骨、肺、肝臓などの臓器に再発する可能性があると言われています。しかし、年齢58歳、1.5cmの乳がん、リンパ節転移陰性、細胞異型度はGrade2。ホルモンレセプター発現状況に関する情報はありませんが、アドリアマイシンを含む術後化学療法終了直後に骨転移を発症する可能性はあまり高くはないと思います。1ヶ月以内に骨シンチ検査を受けるのであれば問題ないと思います。
乳がんの中には急激に大きくなってくる場合もありますが、通常は数年かけて育ってきます。どの程度の大きさになったら乳がんの診断が可能かは、患者自身が持つ「乳腺のバックグラウンド」によっても異なります。マンモグラフィを用いれば90%程度の乳がんを診断できますが、乳腺症が強いような場合や、乳腺組織が発達している若い女性のような「乳腺のバックグラウンド」では、小さな乳がんは発見されにくいと考えられています。超音波診断も腫瘤形成型乳がんならば90%程度で診断できると考えられていますが、石灰化だけで発見されてくるような早期乳がんは診断できません。貴女のお母様も、昨年9月の時点で「乳腺症だった部分が1.5cmの乳がんに突然変化した」という可能性よりは、「乳腺症の中に埋もれていた小さな乳がんが発見されにくかった」と考える方が適切だと思います。ただ、一つだけ分かっていただきたいことは、乳がんの中にも「診断が非常に難しいもの」があるということです。最近、新聞で「見落とし」という見出しをよく見かけますが、乳腺診療に普段から携わっている医師、ましてや数人の医師が半年、1年間診断が出来なかったとしても、それは「見落とした乳がん」というよりは、むしろ「発見が難しかった乳がん」と考える方が妥当なのではないでしょうか?「乳腺症で経過観察をしていたにも関わらず、1年後の診察で1.5cmの乳がんを発見した」という経験は、このホームページを運営する乳がん専門医の中にも少なからずあることだと思います。問題は乳腺症として診察を受けていた時点で、「主治医から十分な説明を受けていたか」、言い換えると、「どの程度医師とのコミュニケーションが取れていたか」ということだと思います。主治医とのコミュニケーションの重要性については、相談「No.1894」でも記載しているので参照してください。貴女のお母さんの場合も、「数年先にリンパ節転移を伴う乳がんが発見された」という状況ではなく、「StageTの比較的早期の乳がんが発見出来てよかった」と考えるほうが、心の不安に惑わされることなく、治療に対しても前向きになれるのではないでしょうか。(文責 千島)

 

No.1906】 03年10月12日 Y.Y
癌性腹膜炎について教えてください(HPNo.1631-2)

No.1631で相談した者です。現在42歳で、4年前に手術をしました。その後の検査でも転移先がわからずにいましたが、先月の検査で腹水に転移していることがわかり、癌性腹膜炎と言われました。今は、6月に再開したゾラデックスとノルバデックスで治療しています。体調はいいのですが、これからのことが心配です。他の臓器に転移していく可能性は高いのでしょうか。現在は自覚症状はありませんが、今後何か症状が現れてくるのでしょうか。よろしくお願いします。 

浸潤性小葉癌などの特殊な乳がんでは腹膜転移で再発することがありますが、一般的な乳がん(浸潤性乳管癌)では腹膜のみの再発というのは珍しいと思います。浸潤性小葉癌の場合は、腹膜だけではなく卵巣や他の消化管(胃、大腸)にも転移を生じることがありますので、念のためこれらの臓器の検索も行うようにしてください。いずれにしても、貴女の病状を把握する上でも、主治医に乳がんの組織型、ホルモン感受性、HER2遺伝子発現状況等を確認して、最善の治療法を選択するようにしてください。(文責 千島)

 

No.1905-1】 03年10月12日 Y.S.
NCCーSTー439について

はじめて相談します。32歳です。昨年の6月にブヨブヨしたしこりを発見し、3cm大の血液のう胞が見つかりました。細胞診ではクラス1でした。3ヶ月後まで様子を見ましょうといわれましたが、はやく取りたかったので、別の病院を受診しました。そこでは、「血液が引けたのだからガンの可能性がある、手術をしたほうがよい。」と言われ、摘出しました。病理で検査したところ、袋の壁に6mm×2mmのガンが見つかりました。ほどんどが非浸潤ガンで、1mm程度が浸潤ガンでした(乳頭腺管がん)。リンパ節は取っていません。その後放射線をかけて、現在はノルバデックスを服用中です。最近腫瘍マーカーのNCC−ST−439に変動が見られます。昨年は3くらいでしたが、11→7→8→14まで上昇してしまいました。他のCA15−3やCEAは15、0.3などと正常範囲内です。NCC−ST−439だけが上昇しています。主治医からは上昇しても再発でないこともある、再発すると右方上がりになると言われました。インターネットなどで検索してみると、「ホルモン剤を使用している人に軽度上昇することがある、また非再発例にも15%くらい上昇しているケースがある」と書かれていました。来週に肺や肝臓のCTをとる予定でいます。骨シンチは2ヶ月前に検査し、大丈夫でした。まだ1年しかたっておらず、若いことからこんなに早く再発してしまったのではないかと思い、不安で不安で仕方ありません。自分としてはわりと早い時期に見つかったと思い、こんなに早く検査をうけるなんて思ってもいませんでした。もちろんCTの結果を見てみないと何ともいえないと思いますが、この状況で再発の可能性はあるのかどうか教えていただきたいと思います。再発率などわかりましたらお願いします。

腫瘍マーカーについては、「No.1889」の相談で私が回答しているのを参照してください。もうご存知のこととは思いますが、私達が一般的に使用している再発リスク分類(St. Gallen 2003)によれば、35歳以上でホルモンレセプターのいずれかが陽性、浸潤癌の腫瘍径が2cm以下、細胞異型度1の症例は再発低リスク群に分類されます。この場合、術後補助療法を行わなくとも95%以上の生存率が得られると考えられています。貴女の場合は、32歳という年齢のみがリスク因子に該当するため、現在ノルバデックスを服用しているものと考えます。浸潤径が1mm程度であれば、再発の危険はゼロとは言えないまでも、きわめて低いと考える方が妥当だと思います。「No.1889」の回答に記載したように、腫瘍マーカー(特にNCC−ST−439)の信頼性は「絶対的なもの」ではありません。乳がんとの付き合いは10年以上の長きに渡ります。特に貴女の場合は早期乳がんなので、もう少し楽な気持ちで乳がんと付き合っていくようにしないと、ストレスによって健康を害してしまう可能性のほうが高いのではないでしょうか?(文責 千島)

 

No.1905-2】 03年10月18日 Y.S.
検査結果について相談します

先日は有難うございました。昨日、肝臓と肺のCTをとりました。肝臓は大丈夫でしたが、肺の後ろに5mmくらいの結節?みたいなものがあると言われました。CTをみてみると、くっきりと白く写っていました。以前からあったものか、それとも乳ガンになってからできたものかわかりません。昨年9月に放射線をかける前にプランニングCTをとりましたが、それには結節みたいなものは写っていなかったそうです(このCTは1cm刻みだったので、あったとしても写っていないかもと言われました)。NCC−ST−439が上昇しているので(14.6)、再発と疑って検査を進めています。また骨シンチの検査をして、前回と比較するようです。前回は結果的には大丈夫だったのですが、右肩関節が10円玉みたいにくっきりと黒くなっていたので、胸部のレントゲンをとりました。骨がつぶれている様子もなかったので、大丈夫だろうとのことでした。肺の結節?も心配なのですが、また骨シンチをするということで、こんなに検査するものなのかなと思ってしまいます。検査をするたびにいろいろ見つかるので、あまり考えないようにしているのですが、やはり心配です。肺のCTは2ヶ月後にとる予定でいます。CT上結節らしきものが、実はガンだったとなるとショックですが、この結節というものは、消えたり、ガン化したりするものなのでしょうか。そもそも結節というものがよくわかりませんので、教えていただきたいと思います。もし転移となるとホルモン療法(と軽い抗ガン剤治療)になると言われました。いまはノルバデックスを服用しているのですが、さらに卵巣機能を止めるということで、その場合、月経が戻らない可能性もあると言われたことがあります。まだその治療を受けると決まったわけではないのですが、戻らない可能性はあるのでしょうか。外来に受診しても若いひとはおらず、なんで私だけ・・・と思ってしまいます。普通はこんなに検査をするものでしょうか。よろしくお願いします。

肺の影や、骨シンチの黒い影が乳癌の転移であるかどうかがはっきりしないので、時間をおいて再検査するということだと思います。胸を開いてとって調べればはっきりするのですが、そこまで大がかりに調べるのは負担が大きすぎます。乳癌の転移であれば、増大したり、数が増加するでしょうし、転移でなければ消失したり変わらないでしょう。それを確認してから治療をはじめても遅くないということです。卵巣機能を抑える薬は、通常はやめれば生理は再開します。しかし、年齢によってはそのまま閉経になることもあります。(文責 徳田)

 

No.1905-3】 06年7月15日    Y.S.
ノルバデックスと卵巣腫大の関係について

HPNo.1905で質問をさせていただいております。あれから4年経ちます。今のところ、再発もなく無事に過ごしており、感謝しています。ノルバデックスは3年8ヶ月飲み、あと残すところ1年ちょっとです。子宮ガンの検診も半年毎に受けており、先日卵巣が腫れていると指摘を受けて、MRIの検査をしました。まだ結果はでていないのですが、エコーでは30m×35mで、3cm以上は腫大といわれました。主治医に薬との関係を聞いてみたのですが、卵巣にはあまり影響はないと言われましたが、薬の副作用では0.1%の人に見られると記載がありました。また、中性脂肪が高く(300)、薬の副作用なのではないかと思っていますが、この薬を飲んで高い人はどのくらいいますか。卵巣と薬の関係、中性脂肪と薬の関係について教えてください。よろしくお願いします。

ノルバデックスは卵巣への影響は少ないとされています。しかし若干ではありますが、エストロゲン作用を認めると言われていますので、卵巣腫大の原因としての可能性は否定できません。
ノルバデックスの内服で中性脂肪の増加をみることがあります。その際は、(経過にもよりますが)高脂血症治療薬の併用や薬剤の変更にて対応する事もありますので、主治医の先生と良く相談されて下さい。(文責 比嘉)

 

No.1905-4】 07年3月17日    Y.S.
乳がん術後の妊娠について

HPNo.1905で相談をしていたものです。卵巣の方は経過をみていますが、生理的なものだろうとのことで、ひとまず安心しております。今年10月でノルバデックスを飲み始めて5年になります。一応5年間服用と言われているので、その時期には終わる予定です。現在35歳で結婚をしていますが、薬を服用していたため妊娠ができませんでした。子どもがほしいと思っているのですが、私の場合は両方のレセプターがプラスであるため、妊娠により再発してしまうのではないかと不安になります。主治医にはまだ相談していませんが、術後に妊娠した場合は、どの程度再発のリスクがあるのでしょうか。私の体にとっては妊娠しないほうがいいのでしょうか。先生の患者さんで、私のような事例がありましたら教えてください。よろしくお願いします。

乳癌術後の妊娠に関しての大規模な比較試験はありませんが、報告されている内容では乳癌術後の妊娠が予後に影響することはないとされています。このことから十分な管理の下、妊娠は可能と思われます。しかし上記報告は卵巣機能の廃絶(化学療法やホルモン治療、卵巣摘出)が乳癌の再発リスクが減少するといった事と相反するような結果で、本人、医師も悩むところです。(文責 比嘉)

 

No.1904-1】 03年10月12日 SS
生検の前に迷いが・・・。

56歳、出産歴1回(37歳で)、平素至って健康な主婦です。先月、健診で胸に2cmのしこりが見つかりました。マンモグラフィー、CT、超音波、穿刺吸引細胞診(結果は3)すべてが灰色と出て、しこりを切除して生検を受けることになり、入院の病室の空き待ち中です。
主治医と話合い、術中に凍結切片の結果を待ち、癌と分かったらそのまま癌手術に移行する一期手術にすることにしましたが、数日かかる永久切片を待ってから、改めて癌手術をする二期手術を勧めるサイトを見て迷いが生じています。主治医は、凍結切片で癌と確定しない限り、その場ですぐに切らず、永久切片の結果を待つと仰いますし、2度にわたる手術の負担を避けた方がいいとも仰います。私もそう思う反面、生検で白と出るか黒と出るかで心と実際の準備が大違いですから、癌の場合はその覚悟で手術に臨みたいとも思います。迷える私にアドバイスを頂ければ嬉しいです。

乳がんの診断は、補助診断としてのCTやMRI等もありますが、基本的には触診、超音波、マンモグラフィ、細胞診、組織診で決定します。この中で最も信頼性が高いのは永久標本による組織診断です。日常診療では超音波、マンモグラフィ、細胞診のすべてで「乳がん」と診断された時に手術となります。逆にいうと、いずれかの検査で「乳がん以外の疾患」の可能性が示唆される時には組織診断を必要とします。組織診断には手術中に行う術中組織診と、入院前に組織を取り出して行う術前組織診があります。さらに術前組織診には局所麻酔で腫瘍を全摘出する場合と、太い針を刺して腫瘍の一部を切り取る方法(針生検)とがあります。それぞれの方法に利点と欠点がありますので、主治医とよく相談して決めることをお勧めします。一般的には手術治療を優先する場合で、「乳がんの可能性が極めて高い」症例では術中組織診断で判定することが多いと思います。中には「自分の眠っている間に判定が下るのはいやだ!」という方もいらっしゃるので、不安な気持ちが強いようであれば、術前組織診断を受けるようにしてはいかがでしょうか?(文責 千島)

 

No.1904-2】 03年10月14日 SS
生検の前に迷いが・・・(2)

一日千秋の思いで待っていたお返事を頂き、大変嬉しく、また参考になりました。有難うございます。重ねての質問です。いろいろなサイトを見たり、知人の経験談を聞く限り、日帰りで術前組織診を受けたという話が多いのですが、私が勧められた術中組織診は少数例なのでしょうか? だとすると、仰る通り乳癌の可能性が高いと見なされたと考えるのが妥当ですが、マンモグラフィーでは白、エコーでは怪しいと言われ、細胞診が3でもあり、可能性としては半々と思われます。それでも主治医は術中組織診に積極的なようです。また、針生検の話は端から出ず、全身麻酔で腫瘍を摘出した上で迅速診断の結果を待つと言われました。
私が、術前組織診にしようか迷い出したと申しましたら、そうすると癌だった場合、いじった後に周りに散るなどの悪影響がありうると言われました。それはないという説も聞きますし、どうなのでしょう? また白なら、もちろん黒だったとしても、術前組織診の方がどんな癌かの情報が事前に集められ、その後に癌手術をする方がいいのではとも思いますが、そういう考えはどうなのでしょう? いずれにせよ、術中組織診と術前組織診それぞれのメリット、デメリットをお教え頂ければ幸いです。目下、どちらを取るかは入院時に述べればいいと言われ、入院の部屋の空き待ち中ですが、術前組織診なら入院の必要はないのですよね? 私は、寝ている間に決まるのがいやというより、癌となれば事前に十分覚悟も決め、それなりの準備をしたいと思うので、どっちつかずのまま手術台に乗るのに抵抗があるのです。ただ、癌だった場合に一気に手術した方がよい理由があるなら、そちらを取ります。

最近の知見では、腫瘍全体をくり抜くような組織診ならば、がんを散らして手術に支障がでるような事はないと言われています。また、腋窩リンパ節郭清ではなく、センチネルリンパ節生検法を希望する場合は、腫瘍全体をくり抜く手術よりは、針生検による術前組織診の方がおすすめといえます。いずれにせよ、あなた自身が「どっちつかずのまま手術台に乗るのに抵抗がある」と言うことならば、術中組織診の選択肢は消えることになるので、入院前に局所麻酔による術前組織診を受けてみてはいかがでしょうか?(文責 千島)

 

No.1903】 03年10月12日 ひろみ
胸のかゆみ、痛みと分泌物について

23才、独身です。1年ほど前から、左胸の乳首のまわりから黄色い分泌物がブラジャーにつくようになりました。その頃から痒みもありました。最近、一段と痒みが増し、痛みを伴うようになり、右胸からも少しではありますが分泌物が出ています。左胸の乳首の周りの皮膚がただれています。きのうは痒くて仕方がなかったのに、今日は左胸が痛いです。このように、痒い時と痛い時があります。皮膚科に行くべきか、婦人科に行くべきかわかりません。胸の病気でないと良いのですが、ご返事のほどよろしくおねがいします。

乳腺組織はもともと母乳を分泌する「分泌物製造所」なので、非妊娠期でもホルモンバランスによっては黄色や白色の分泌物を製造しています。両側乳頭から黄色の分泌物を認めても医学的には問題がありませんが、分泌物が血性であるときは乳がんが隠されていることもあるので、念のために検査を受けるようにしてください。一般的に、プロゲステロンという女性ホルモンが高くなる月経前には、乳頭の痒みや両側の乳房痛を訴える女性が多いようです。これらの症状が月経周期と共に変化する場合は、生理的変化に伴う症状と考えられますので安心してください。もし、症状が「悪くなる一方」だったり「我慢できないほど辛い」時には、乳腺外科(乳頭のただれに関しては皮膚科)を受診するようにしてください。(文責 千島)

 

No.1902】 03年10月12日 CH
手術後の治療について

9/15に右乳房を全摘しました(51歳)。病理結果は、腫瘍径3.0cm位、リンパ節転移なし、グレードはUAかBと思われます。術後の補助療法として、まだ閉経していないので、リュープリンとノルバデックス(20mg)、フェアストン(40mg)、アリミデックス(1mg)を服用。抗がん剤のフルツロン1日2錠経口し始めました。ところが、私の場合、肝臓への太い血管が一部瘤のようになっている部分があって、普通はまっすぐな血管が、その瘤の中では細い血管が団子状になっている非常に特殊な例らしいのです。その血管がつまりさえしなければ、特に問題はないとのことですが、服用するホルモン剤が血をどろどろにさせるので、つまったら血栓ができ危ないとのことで、同時に「ワーファリン」という血液をさらさらにする薬も飲むことになりました。しかし、そのワーファリンの副作用が白血球の減少、一度出血したら止まりにくい、抵抗力がなくなるとのこと。ER(+)のときはホルモン治療が有効とわかっていても、服用期間は5年ですので、それと同時に、私の場合、ワーファリンを飲まなければいけないようなので、その副作用がとても心配です。通常、がん細胞と戦うのが白血球だと思うので、それが減少しては、どんどん弱って、がんにやられてしまうのではないかと心配です。(当初は乳腺専門の主治医は、定期的な検査で薬は服用しなくても大丈夫じゃないかといっていたのですが、循環器系の先生と相談して服用したほうが良いという結論になったようです。) それでご相談したいのが、私はどのような選択肢があるのかと言うことです。
1) ホルモン剤は血栓ができるほど血をどろどろにさせるのですか? 副作用を考えても、ワーファリンは飲んだほうがプラスでしょうか?
2) 乳がん手術後に関して、白血球の減少はやはり気にすることでしょうか? (がん細胞の撃退と関係がありますか?)
3) ワーファリンを服用する期間を減らすために、ホルモン治療に変わる効果的な治療はあるでしょうか?(例えば、子宮の機能停止させることは、ホルモン剤を服用するのと同様にエストロゲンを完全にブロックさせることにはならないのですか?)
4) 最後に現在の私にとって、これがベストな治療法であると思われるでしょうか?

ご多忙中、申し訳ありませんが、お考えをお聞かせ頂きましたら幸いです。よろしくお願いいたします。

1) ホルモン剤を服用して、肉眼で分かるほど血がドロドロすることはありません。確かにタモキシフェン(ノルバデックス)の内服により深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、肺塞栓症などの発症率が、正常健常女性に比較してやや高くなると言われていますが、そのわずかな危険性よりも、ホルモン剤が乳がん再発を予防する効果のほうが、はるかに上回ることがわかっています。通常、ホルモン剤が影響するのは「流れが緩やかな静脈系」であって、動脈での血栓形成にどの程度関係しているかは定かでありません。ここで記載されている「肝臓への太い血管が一部瘤のようになっている部分があって、普通はまっすぐな血管が、その瘤の中では細い血管が団子状になっている」状態が、どのような疾患を表しているのか分かりませんが、「肝動脈瘤に関する病気」と仮定して考えたとしても、ホルモン剤が原因となって肝動脈が閉塞してしまう可能性は低いと思います。そもそもタモキシフェンには、ワーファリンが肝臓で代謝されるのを阻害する可能性があり、ワーファリンの抗凝血作用が増強する恐れがあることから、併用投与には十分な注意が必要であると考えられています。
2) 乳がんの初期治療(術後化学療法や放射線療法)では、化学物質や放射線による直接的ながん細胞障害が主な作用機序なので、免疫学的にどの程度白血球(特にリンパ球)が関与しているかは明らかではありません。少なくとも、白血球減少はワーファリンの主な副作用に含まれていないので、ワーファリンが原因で乳がんの再発が助長されるということはないと思います。
3) 乳がんのホルモン療法は、子宮機能の抑制ではなく卵巣機能を抑制することによる効果を期待しています。リュープリンに変わる治療法として、卵巣摘出や卵巣への放射線照射が行われることもありますが、リュープリンの有用性が証明されている現在ではほとんど行われなくなりました。
4) 通常の乳がん治療で、リュープリンとアリミデックス、ノルバデックスとフェアストンを併用することはありません。さらに最近の研究では、アリミデックスとノルバデックスの併用は、アリミデックスの効果をノルバデックスが打ち消すと指摘されており、アリミデックスとノルバデックス(フェアストン)も併用しないことになっています。貴女の場合、上記4つのホルモン剤を併用しているのであれば、明らかにホルモン剤の使用法が間違っていると言えます。(文責 千島)
 

 

No.1901】 03年10月12日 M.H. 
術側の胸の腫れと痛みについて(HPNo.1421-3)

以前に、「No.1421-1」および「No.1421-2」で御相談させていただいた者です。その節は大変お世話になりました。いただいたアドバイスを参考にさせていただき、結局術後、放射線治療を受け、その後ホルモン療法(ゾラデックス)を継続しております。さて本日御相談したいのは術側の胸の腫れと痛みについてです。手術より半年、放射線治療終了から約3ヶ月経過したのですが、最近、術側の胸が全体的に腫れており、熱をもっているようです。また左胸が術側なのですが、乳房の外側の傷の周辺と上部に手で触ると痛みが出るようになってきました。質問です。術後時間も経過していますが、このような症状が出ることはあるのでしょうか?もし考えられるものがありましたら教えていただけますか?放射線の影響?それとも再発?と不安になっています。何か症例がありましたらそちらの情報(必要な検査や治療法等)を教えていただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。

乳房温存術の術式は、各施設・主治医によって多少異なっているため、乳房内のどの部位に、どの程度の切開をおき、どの範囲で乳腺を切除したかによって、術後の疼痛に差が出てきます。乳腺の切除範囲が小さすぎると再発率が高くなるし、大きすぎると美容的に醜形を残します。多くの施設で根治性と美容性のバランスが問題になっており、平成16年6月に開催される日本乳癌学会のシンポジウムでも、この話題について取り上げられています。参考までに当院での温存手術の場合についてお話します。乳腺内再発を少なくするために、比較的大きめに乳腺を切除するため、温存術と一緒に残存乳腺組織を使って乳腺形成術を追加しています。この術式を用いると、乳房変形を出来るだけ少なくしながら、乳腺の1/3程度まで切除可能です。原則的に温存術の後は放射線照射(高出力X線:50Gy)を行い、切除断端から5mm以内がん細胞を認めた場合は、追加照射(電子線:10Gy程度)を行います。この場合、放射線照射後3〜6ヶ月程度は残存乳房に炎症が残り、健側乳房に比較して乳房が硬く感じられますが、1年以内には通常の硬さに戻ってきます。切開や切除範囲により術後炎症の程度は異なりますので、詳しくは執刀医に聞いてみる方が良いと思います。残存乳房の再発率も、手術方法、放射線照射の有無によって大きく異なりますので、各施設での乳房内再発率を主治医に聞いてみるのも良いのではないでしょうか。通常、乳房内再発の検査はマンモグラフィおよび超音波検査を用いますが、CTやMRI検査も残存乳房再発診断に有用と考えられています。温存術後は半年から1年で局所再発検査があるはずなので、心配ならば主治医に相談してみることをお勧めします。(文責 千島)