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相談室(No.2501〜2600)

このページは乳がんに関 する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

2600 04/07/03 noriko 左胸の張りと痛みについて
2599 04/07/03 K.S. 右胸が痛い
2598 04/07/02 PT  女性化乳房症 千島
2597 04/07/02 Y.S.  ページェット病について 千島
2596 04/07/02 T  乳房の痛み
2595 04/07/02 KAME 手術後4ヶ月
2594 04/07/01 ゆう 鎖骨リンパ転移?の治療法について
2593 04/07/01 I.T 抗がん剤治療について
2592 04/07/01 S.M. 乳がん検診
2591 04/07/01 B.N.  男のしこりについて
2590-1
2590-2

2590-3
2590-4
04/07/01
04/07/07
05/01/09
05/01/14
F.F 手術に関して
手術に関して(2)
術後の治療及びフォローについて
ハイリスクとは?

千島
千島
徳田
2589 04/07/01 E.F 乳輪下膿瘍
2588 04/06/29 KU 乳輪のかゆみ及び変形について
2587 04/06/29 i-m 34歳、これからの治療について
2586 04/06/29 T.K. 姉の乳癌治療について
2585 04/06/29 K.M.  NOLVADEXの5年間服用後の副作用?
2584-1
2584-2

2584-3
2584-4
2584-5
2584-6
04/06/28
04/07/07
04/07/12
04/07/20
04/11/03
04/11/24
M.S. 乳房のしこりの相談
乳房のしこりの相談(2)
乳癌の診断
乳癌の診断(2)
術後の心配
ホルモン療法の薬について

千島
千島
千島
石田
加藤
2583 04/06/27 H.T.  化学療法を術前にすべきかどうかについて
2582-1
2582-2
04/06/27
04/09/15
S  脇の下のしこりについて
脇の下のしこりについて(2)

館花・福田
2581 04/06/27 megu セカンドオピニオン(HPNo.2485-3)
2580-1
2580-2

2580-3
04/06/27
04/07/01
04/11/15
kuni 術前化学療法後の結果について
リンパ節転移について
しびれについて


片山
2579 04/06/27 A.I. 肺転移治療中の歯科治療について (HPNo.814-5)
2578 04/06/26 A.M 組織診と細胞診について
2577-1
2577-2
04/06/26
04/07/07
さつき ハーセプチンと放射線治療の併用について
腋窩リンパ節再発には手術しか?

千島
2576 04/06/26 H.S. 手術後の傷とホルモン療法の副作用について(HPNo.2478-2)
2575 04/06/24 マンモグラフィ
2574 04/06/24 kai 授乳中に見つけたしこり
2573-1
2573-2
04/06/24
04/06/27
momo 妊娠について
妊娠について(2)

2572 04/06/24 manami 胸の痛みとしこり
2571 04/06/24 YUKA 乳輪のかゆみについて
2570 04/06/23 MP 母の乳輪できた、こげ茶色のできものについて
2569-1
2569-2

2569-3
04/06/23
04/06/26
04/07/20
kuzira   炎症性乳癌様再発について
炎症性乳癌様再発について(2)
再発乳癌の治療


千島
2568-1
2568-2
04/06/21
04/08/19
sao 乳腺症・嚢ほう
検診結果

緒方
2567-1
2567-2

2567-3
04/06/21
04/06/30
04/07/18
もえぎ 異型乳管過形成の今後について
異型乳管過形成の今後について(2)
術後のマンモ検査について


千島
2566 04/06/20 T.T 骨転移治療のその後について(HPNo.1644-3)
2565-1
2565-2
04/06/20
04/06/24
NK 乳がんの疑いはあるでしょうか?
乳がんの疑いはあるでしょうか?(2)

2564 04/06/20 ICTP値について(HPNo.2178-6)
2563 04/06/18 SAKI 左胸の痛みについて 須田
2562-1
2562-2
04/06/18
04/09/19
K.T. 細胞診 クラスVについて
切開生検とマンモトームについて
須田
福間
2561 04/06/18 しこりと腕の痛み 須田
2560 04/06/18 A、N 抗がん剤使用の基準について(HPNo.2472-2) 須田
2559 04/06/18 risu 再発乳癌の対処について
2558 04/06/18 S.N. 乳癌の前兆
2557 04/06/16 maiko 癌の可能性は高いのでしょうか? 須田
2556 04/06/16 Y.S  乳がん検診の結果について 須田
2555 04/06/16 pooh  乳首のかゆみについて 須田
2554 04/06/16 s.s 乳首からの血性分泌(HPNo.1888-2) 須田
2553 04/06/16 I.O. 乳房の細胞診にてクラス5です 須田
2552 04/06/16 J.K  転移性骨腫瘍かもしれないとの事です 須田
2551-1
2551-2
04/06/15
04/06/23
Y.O. 切らずに乳癌を治す方法
ピンポイント照射
須田
2550 04/06/14 DQQ 手術待ちです(HPNo.2388-5) 須田
2549 04/06/14 M.I 手術後の補助療法 須田
2548 04/06/14 M.I.  肝機能障害について(HPNo.1868-9) 須田
2547 04/06/14 K.T. 19歳になります 須田
2546 04/06/14 N  アメリカ在住の乳腺外科医師 須田
2545-1
2545-2
04/06/14
04/07/11
a.k 乳房のしこりについて
乳房のしこりについて(2)
須田
千島
2544-1
2544-2
04/06/14
04/06/15
Momo 嚢胞について
嚢胞について(2)
須田
須田
2543 04/06/13 たんたん セカンドオピニオンコール依頼 須田
2542 04/06/13 K.Y. 放射線照射について教えてください(HPNo.2499-2) 須田
2541-1
2541-2
04/06/13
04/06/15
MM  針生検時に出血
不安でいっぱいです
須田
須田
2540 04/06/13 K.T. 今後の治療法について(HPNo.2020-3) 須田
2539 04/06/13 S.S. 乳腺のう胞について 須田
2538 04/06/13 ayami 乳ガンから胸椎へ転移し治療中です 須田
2537-1
2537-2
04/06/12
04/06/16
S.S. 左乳房の付け根部分にしこりがあります
線維腺腫と乳腺症
須田
須田
2536 04/06/12 I.M  筋層にも腫瘍(HPNo.2410-3) 須田
2535 04/06/12 N.M.  胸の痛み 須田
2534-1
2534-2

2534-3
04/06/12
04/06/14
04/07/17
R.A AC療法中ですが…
AC療法中ですが…(2)
AC療法の間隔について
須田
須田
千島
2533 04/06/12 A.I. CMFとUFTの比較試験について 須田
2532 04/06/11 SG   乳輪のいぼについて 須田
2531 04/06/11 K.K. 左胸のしこりについて(18歳男性) 須田
2530 04/06/11 RK 浸潤性小葉癌の手術について 須田
2529 04/06/11 TF  乳がんの症状なのでしょうか? 須田
2528 04/06/11 T.Y.  しこりについて(HPNo.2446-3) 須田
2527-1
2527-2
04/06/11
04/07/18
E.K  乳頭腫について
乳頭腫切除
須田
千島
2526-1
2526-2
04/06/11
04/06/14
S.K.  乳癌術後の職場復帰について
乳癌術後の職場復帰について(2)
須田
須田
2525 04/06/11 シラタマ  術後補助療法について(4) (HPNo.2448-4) 須田
2524 04/06/11 H.H 乳がん発病後ののう胞について 須田
2523 04/06/09 A.T. 腫瘍を摘出しましたが、その結果について(2) (HPNo.2486-2) 須田
2522 04/06/09 やま 術後の治療法について 須田
2521 04/06/09 ミーシャ 細胞診の結果についてご相談致します 須田
2520 04/06/08 DQQ 癌宣告から手術までの時間(HPNo.2388-4) 須田
2519 04/06/08 SI 自己検診について 須田
2518 04/06/08 R.I 乳輪のかゆみについて 須田
2517 04/06/07 A.I.  非浸潤癌の治療について 須田
2516 04/06/07 T.M. 右胸のしこりが心配です(2)(HPNo.2474-2) 須田
2515 04/06/07 H.S. ピルと乳癌 須田
2514 04/06/07 H.T.  今後の検査予定について(HPNo.2498-2) 須田
2513 04/06/07 高カルシウム血症と骨転移について 須田
2512 04/06/06 K 今後のことについて(HPNo.2391-2) 須田
2511 04/06/06 roko 術後療法について 須田
2510 04/06/06 m.k

術後5ヶ月の化学療法について(HPNo.2132-4)

須田
2509 04/06/06 MA 抗がん剤とホルモン剤の併用の効果は?(2)(HPNo.2495-2) 須田
2508 04/06/06 M.K  両脇のしこり 須田
2507 04/06/06 S.H.  乳がん検診でひっかかりました 須田
2506 04/06/06 きくこ 左わきの下のしこりについて 須田
2505 04/06/06 T  乳房のしこりと石灰化 須田
2504-1
2504-2
04/06/06
04/06/20
A  乳輪の腫れについて
乳輪や乳首の変化
須田
2503 04/06/06 MK  術後鎖骨転移について 須田
2502 04/06/06 megu 微細石灰化について(HPNo.2485-2) 須田
2501 04/06/06 AYA 骨密度(HPNo.2163-2) 須田

 

 

 

No.2600】 04年07月03日   noriko
左胸の張りと痛みについて

39才、既婚、出産経験有り。半月程前から、左脇の下から乳輪までのあたりが張るような感じで違和感があります。しこりはないようですが、押すと痛む所もあります。産婦人科を訪れたところ、生理前から生理後までそういう症状が出ることがあるので、生理が終わってからもまだおかしいようなら乳腺外科を受診するように言われました。自分では生理前の張りとは違うと感じています。また、副乳と乳癌は関係があるのでしょうか?ご回答、よろしくお願いいたします。

直接拝見していませんので詳しいことはわかりませんが、特に問題となる症状では無いように思います。ただやはり気になっているようでしたら、一度乳腺外科を受診されるのがよいと思います。また副乳に生じた乳癌の報告もまれにありますが、基本的には副乳と乳癌との間には因果関係は無いと思います。(文責 谷)

 

No.2599】 04年07月03日   K.S.
右胸が痛い

半年前から右の胸が痛い感じがあります。いつも痛いわけではなくて、右の胸だけ思い出した様にチクチク痛みます。それ程強い痛みではありません。どこが痛いのか良く分かりません。左胸との間の辺りが痛い感じだったり、右わきの下が痛い感じだったりします。生理前に症状が強くなるような気がします。36歳で独身です。あまり遅くまで独身でいると体に良くないと聞きましたので心配になりました。触った感じでは、しこりなどは多分ありません。形のアンバランスや分泌物もなく、見た目は健康そうに見えます。ちなみに家族や親戚で癌になった人はいません。こちらで色々な方の症例を見ますと、30半ば過ぎるとホルモンのバランスから胸が痛むケースがあるようですが、私の場合、特に右だけ痛むのですが、片方だけというケースもあるのでしょうか。

乳房痛は女性であればおそらくすべての人が少なくとも一回は感じたことのある痛みであると思います。貴方のように痛みの場所や程度も様々で、一度気になるとどんどんエスカレートするケースが多いように感じられます。貴方の症状から拝察するに、その症状が悪いものである可能性は低いと考えられます。もちろん痛みが片側だけに生じることも決して珍しくはありません。とはいってもやはりその心配を解決するためには、一度しっかりと検査をお受けになるのがベストだろうと思います。(文責 谷)

 

No.2598】 04年07月02日   PT 
女性化乳房症

今24歳の男です。小学生の時から乳首にしこりができて(思春期になるやつです)以来、治りません。両方の乳首で結構大きいしこりです。どうにか治りたいのですが、どうしたらいいのでしょうか? やはり手術しかないのですか?よろしくお願いします。

文面から察するに、女性化乳房症の症状だと考えられます。女性化乳房症の中には、睾丸腫瘍や薬の副作用によって起こってくる病的な場合もありますが、貴方のように小学生の頃から変化がない場合は体質的なものと考えられます。基本的には治療の必要はないのですが、美容的に気になるようであれば手術療法も選択肢の一つとなってきます。美容手術による利点と欠点について、形成外科などで十分に相談してから治療法を決定するようにしてください。(文責 千島)

 

No.2597】 04年07月02日   Y.S.
ページェット病について

はじめまして。27歳の女性です。いつからか記憶にないのですが、乳首の周囲が痒く、かきすぎて血がでることもあります。小さなころからアトピーが関節にできるので、乳首も、ブラジャーと接触する面積が大きいので、かゆいのだと思っていました。最近ページェット病について知り、不安に思って連絡致しました。乳首の周囲が皮がむけることもあります。また、両方の乳房になります。母親が七年程前に乳癌になり摘出手術を受けているので、乳癌かもしれないと思い大変不安に思っています。私のような年代でも可能性はあるのでしょうか。一度、皮膚科か乳腺外科を受診した方がいいのでしょうか。どちらを受診したらいいのでしょうか。

貴女の年齢、両側性であること、アトピー性皮膚炎を患っていることを考慮すると、パジェット病である可能性はきわめて低いと考えます。まずは皮膚科を受診して、パジェット病の可能性が残された場合は、改めて乳腺外科を紹介していただく形で良いと思います。(文責 千島)

 

No.2596】 04年07月02日   T  
乳房の痛み

ご相談します。36歳、二人の子供がいる女性です。数日前から、両乳房の下側(下着のワイヤーがあたる部分よりも少し上のほう)に痛みがあります。痛みは生理前にあるような痛みなのですが、生理まで2週間以上あります。生理前の痛みにしては少し早すぎると思うのですが、そういうことはありますか? 生理は先月までは順調です。乳がん検診は定期的に受けており、3ヶ月ぐらい前に触診でしたが、受けました。乳房の下のほうでも乳腺症はあるのでしょうか? またそうだった場合、治療を受けないといけないでしょうか?以上、よろしくお願いします。

乳腺症で生理前に乳房痛が生じ、生理が始まるか始まって2〜3日すると痛みが軽減することはよくみられることです。また痛みの部位も外側上方に多くみられます。しかし、そもそも乳腺症の乳房痛も女性ホルモンの変化に伴う乳腺の増殖と退縮によるものと考えられておりますが、そのメカニズムは詳しく知られていないのが現状です。実際、生理とは無縁に痛みを訴える女性も多くいらっしゃるし、またその部位も決して定まっておらず、乳房内ならどこでも生じるようです。貴方の場合もまず問題とならないとは思いますが、ご心配ならば一度乳腺外科を受診なさることをお勧めいたします。(文責 谷)

 

No.2595】 04年07月02日   KAME
手術後4ヶ月

初めてご相談させていただきます。50才主婦です。今年2月27日に乳房温存手術をしました。4月中には放射線30回が終了し、現在ノルバデックスを服用しています。放射線治療中からリンパ液が溜まりやすく、1〜2週に一度抜いていましたが、5月中頃より少し粘液っぽく血液のようなものに変わってきました。出血しているわけではないとの説明でした。溜まってくるとかなり張るので毎週50cc程度抜いていましたが、6月になって「中で少し固まってきているので抜かないでそのまま吸収されるのを待ってみては…」とのことで、そのままにしておいたところ、1週間程していつも注射針を刺すあたりに血豆ができ、そこから出血(?)してしまいました。溜まっていたものが全部出ましたのでかなりの量でした。一旦その傷もふさがり、主治医も「これからは抜かないでそのままに…」ということでしたが、先日また別のところに小さな血豆が出来ていました。大きくなる様子は今のところないのですが、また出血するのではないかと気になります。やはりこのままそっとしておくのがベストなのでしょうか。たびたび抜いていたことが原因なのでしょうか。現在も脇の奥の方まで溜まっている感じがあります。お忙しいところ申し訳ありませんが、ご意見よろしくお願いします。

腋下リンパ節郭清の後、腋下にリンパ液が貯留することはしばしば経験します。その多くは、時間とともに貯留量がだんだんと減っていき、当初穿刺し抜いていた液も自然に吸収されていきます。貴方の場合何度か穿刺するうち、穿刺した皮膚から少し出血したのだと思います。しかし貯留がなかなか減らないケースも時々経験し、その場合液を抜いた後、貯まり難くするために薬剤(ミノマイシン、VitCなど)を注入する手段を採ったりします。このようなケースでもいずれは必ず貯留しなくなりますし、穿刺自体本来負担の少ない手技なので、少し長い目でお待ちいただくのがよろしいかと思います。(文責 谷)

 

No.2594】 04年07月01日   ゆう
鎖骨リンパ転移?の治療法について

突然の質問ですが、よろしくお願いします。
99-5月 右乳房全摘、右腋リンパ全摘(内2つ転移)、術後CMF6クール、ホルモン治療に入るも薬剤肝障害により脂肪肝発現(ゾラデックス、リュープリン)。
03-春 鎖骨リンパ節に転移認められる(右に2つ可触、左に8つ非触)。声が出なくなるとのことで放射線治療には入らず、ホルモン治療のみを継続。
03-12月 MRIにて肝臓転移が疑われたため入院するも転移はなかった。本人の希望もあり、アリミデックスを使用するために卵巣摘出を受ける。この後、右鎖骨リンパ節は縮小。
04-3月 腫瘍マーカーCA15-3:18、CEA:1以下
04-6月 腫瘍マーカーCA15-3:60、CEA:2 このころより、左鎖骨リンパ節が腫れははじめる。

乳がんの転移は全身病ゆえに、治療法は特にないと言われています。ただ、腫ればかりか倦怠感も出てきており、何か有効な手を打ちたいと思っているのですが、たとえば、放射線のピンポイント照射などは有効ではないでしょうか?このままホルモン療法を続ける中で、たとえば薬剤を変えていくという選択肢もまだ残されているのでしょうか?

乳癌術後5年鎖骨上リンパ節再発とのことです。これまでに多くの治療法を行ってきており、現在のところ重要臓器への明らかな転移はないということですので、今後の治療法は乳癌の専門家のなかでもいろいろと意見の分かれるところではないかと思います。まず倦怠感についてですが、何が原因なのか調べてみる必要がありそうです。貧血や低栄養、肝機能障害などがあるようでしたら、まずその原因追求とその治療が先行されるべきです。特に全身状態に問題がないようでしたら、アリミデックスを続けた上で、アンスラサイクリンベースの抗癌剤(CAF、CEF,AC,ECなど)やタキサン系抗癌剤の使用も選択肢にはいりそうです。またハーセプチンの感受性があるようでしたら、ハーセプチン単独の使用や、さらにハーセプチン+タキサン系などの選択肢もありそうです。放射線のピンポイント照射というのは、特定の施設でのみまだ試験的に行われている放射線療法です。これまでの長い経過を考えると、これもひとつの選択とは考えますが、あくまで放射線療法は局所療法であることを念頭に置いた上で施行していかなくてはならないと思います。以上のことなどを踏まえたうえで、主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.2593】 04年07月01日   I.T
抗がん剤治療について

もうすぐ70歳になる母の事でご相談させて頂きます。今年3月中頃に右乳房温存手術と、腋窩リンパ節郭清を受けました。浸潤性乳管癌(硬癌)、大きさ1.5×1.0、リンパ節転移1個、ホルモン感受性あり、遠隔転移なし。術後4週間目よりホルモン療法でアリミデックス1日1回朝服用中、その2日後より放射線療法開始、計30回照射して6月初めに終了しました。その後医師より抗がん剤治療をすすめられています。@経口抗がん剤(薬名わかりません)2年間服用 Aアドリアシン+エンドキサン 点滴 4サイクルのどちらが良いかとの話でした。母は20年程前より高血圧で薬を服用しています。他に持病はありません。現在はホルモン剤、放射線の副作用もなく、食欲もあり、以前の体重に戻っています。年齢を考えると副作用に耐えられるか、体力は持つのかなどいろいろ悩んでしまいます。どうか先生のご意見お聞かせください。よろしくお願いします。

乳癌術後リンパ節転移陽性(1個)とのことですので、補助療法として術後化学療法が推奨されます。補助療法としての抗癌剤には、現在のところ経口剤は再発予防としての効果の証明がないとされておりますので、アドリアシン+エンドキサン(AC療法)、CMF療法などの経静脈(点滴)療法がよいとされております。しかし、70歳という年齢も考えて、主治医の先生は副作用の比較的少ない経口抗癌剤も選択肢に含めたのだろうと推測いたします。ただ、70歳とはいえお元気でいらっしゃるようですし、というよりもまだ70歳という年齢なので、私見ではAC療法を選択されるのがよいのではと思います。副作用には個人差が大きいので、お母様がどの程度副作用を受けるのかは残念ながらその抗癌剤をうけてみないとわかりませんが、70歳でもお元気な方なら充分にお受けになることは可能ですし、もし副作用がきついようでしたら、そのときに主治医の先生ともう一度よく相談されればよいと思います。もちろん当然ではありますが、お母様のご希望が一番重要ですので、まずお母様とよく相談したうえで、再度主治医の先生と今後の治療法を決定なさってください。(文責 谷)

 

No.2592】 04年07月01日   S.M. 
乳がん検診

乳がん検診を30歳になったので初めてしました。超音波検診で左の胸にシスト7個と検査されている方が言って、もう一人の方が記入されてました。なんだかよく分からず、帰ったらとても不安になりました。シストとはなんでしょうか? 去年叔母が乳がんで手術しました。私は未婚です。宜しくお願いします。

”シスト”とは”cyst”のことで、日本語で”嚢胞”と呼んでおり、液体の貯留したふくろのことです。乳腺の嚢胞は乳腺症の一形態とされており、しこりを触知したり、超音波検査で偶然に発見されることが多く、数mmから場合により数cmに及ぶものもあります。多くは悪性とは無縁のもので経過観察のみで充分ですが、ごくまれに嚢胞の壁に癌が生じていることもありますので、定期的な観察と、場合によりその液体を一部吸い取り細胞の検査を行うことなどが必要です。(文責 谷)

 

No.2591】 04年07月01日 B.N. 
男のしこりについて

はじめてメールさせて頂きます。私は現在20歳の大学生です。12歳の頃から胸にしこりがあり、とても悩んでいます。友達にもいましたが、みんなすぐ治ってしまい、私だけずっと残っています。両胸とも痛みなどは無く、大きさは2cmほどです。これを治すよい治療などはあるのでしょうか? また治療費はいくらぐらいかかりますか? 真剣に悩んでいるので、よきアドバイスをお願いします。

男性の乳腺が何らかの原因で肥大するものを女性化乳房といいます。思春期と老年期に多発し、多くは一過性のもので、両側のことも片側のこともあります。男性ホルモンと女性ホルモンのアンバランスが原因とされておりますが、服用薬剤や肝疾患、内分泌疾患などの基礎疾患のほか、なぜアンバランスが生じるかはわからないこともしばしばです。貴方の場合も女性化乳房症が最も考えられますが、8年にわたって消失しないことやそれにとても悩んでおられるようですので、一度乳腺外科を受診されるのがよいと思います。女性化乳房と診断した場合、特別の治療を行わず経過をみることが多いですが、本人の希望がある場合や他の腫瘍との鑑別が困難な場合、摘出することもあります。男性ホルモン剤や抗女性ホルモン剤の投与を行うこともあるようですが、私はこれらの処方はしたことがありません。(文責 谷)

 

No.2590-1】 04年07月01日 F.F
手術に関して

貴HPの大変多くの専門的なアドバイスを拝見し、参考にさせていただいています。お言葉に甘えて質問メールをさせていただきます。
47歳(閉経前)、アメリカ在住の主婦です。先週乳がんの疑いを持たれ、わずか数日後手術致しました(日帰り)。手術に関して伺いたいのですが、医師は実際に目で見て、明らかにそのものが悪い物か、そうでないものかわかりますでしょうか? 私の場合、「悪い物は取りました」という説明で、リンパは取らず、そのものだけを摘出したようなのです。大きさは指で輪っかをつくり(直径4センチぐらい)、その中に核があるようで、その核の大きさは親指の爪半分ぐらいという説明でした。医師が、「たぶんガンだと思う」とおっしゃっていたのに、何故リンパを取らなかったのかが気になります。マンモやエコーでリンパ転移などはわかるのでしょうか?只今病理結果待ちで、あれこれ考えても仕方ないのですが、不安で不安で仕方ありません。お分かりになる範囲で結構ですので、どうかよろしくお願いいたします。

視触診、マンモグラフィ、エコーなどで悪性を疑ったため、しこりを直接取って調べる生検を行ったのだと思います。文面より拝察するに、まだ悪性の確定診断が得られていないようですので、まず病理の結果を待ってやはり悪性というのであれば、そこで初めてリンパ節郭清も含めた「乳癌の治療法」を検討することになります。乳癌の専門医であっても、目で見ただけで悪性の確定診断はできませんので、やはり病理の結果を待ちたいと思います。(文責 谷)

 

No.2590-2】 04年07月07日 F.F
手術に関して(2)

No.2590でご相談させていただいた者です。お忙しい中、ご丁寧な説明、ご回答を頂き、ありがとうございました。先日主治医より連絡があり、病理結果を言われました。腫瘍自体の悪性は否定されたのですが、再度マンモを撮り手術で取った病巣の奥を調べたいとのことです。病理結果のリポートはとても分かり難く、日本で診断していただいたら個人差はあるもののどのようなことに相当するのか分からず、又不安になっています。特に「線維性嚢胞の変化。変則的な小葉状の過形成の少数の焦点が識別され注意。」が気になります。前回の質問で説明不足でしたが、ご回答の「視触診、マンモグラフィ、エコーなどで悪性を疑ったため」の通りで、それプラス細胞診もしておりました。ただ細胞診の結果も、悪性反応も良性反応も出なかった為、2日後に全身麻酔による腫瘍摘出手術を実施され、「たぶんガンでしょう」と言われていたのにリンパに関する説明もなく、そして取らなかったことに疑問を抱き不安になっていたわけです。こちらの医師は遺伝を非常に重要視するようで、私の場合、母と伯母が乳がんをしているため、とても神経質に診てくださっているようです(母が患ったことにより2倍、この度の腫瘍を私自身が持ったことで4倍のリスクがあると言われてしまいました)。今回もまた次回のマンモ撮影後にならないとなんとも言えないのでしょうが、言葉の壁があるぶん微妙なニュアンスが理解出来ず、又余計な心配をしてしまいます。上記した「線維性嚢胞の変化。変則的な小葉状の過形成の少数の焦点が識別され注意。」が、もしお分かりになりましたら、参考になるご説明をいただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

おそらく貴女が説明を受けた病理所見は、fibrocystic diseaseと記載されていたのだと思います。これは加齢による女性ホルモンの不均衡から生じる非腫瘍性の変化と考えられます。つまり、生理的な乳腺の退行性変化(老化)からやや逸脱して入るものの、臨床的には正常範囲に入るので治療の必要がないものと解釈されます。小葉の過形成もそれ自体は病的ではなく乳腺症の一症状と考えられますが、その中に不整な形の細胞が含まれている時には、乳がんの発生母地となることがあるので注意が必要です。貴女の場合は、お母さまと叔母さまに乳がんの既往があるため、主治医も気にされているのだと思います。当面、リンパ節郭清などの追加治療は必要ないと思いますが、マンモグラフィや超音波を用いた定期検査は受けていく必要があると思います。(文責 千島)

 

No.2590-3】 05年01月09日 F.F
術後の治療及びフォローについて

以前相談させていただいた者です(HPNo.2590−1,2)。先だってお答えいただいたfibrocystic diseaseというのは記載されていず、HYPERPLASIAという記載があります。これは異型上皮という意味だそうですが、今後かなり気をつけて観察を要するものなのでしょうか?(質問)
実は術後4ヶ月目にタモキシフェンの服用を言われました(リンパも取っていませんし、ホルモンレセプターに関しても何も言われていません)。子宮ガンのリスクなど耳にしますので服用を躊躇っていたのですが飲まずに後悔してもと思い術後5ヶ月少しして飲み始めることにしましたが、いかが思われますか?(質問)
飲み始めてまだ一ヶ月ですが、今のところ顕著に現れる副作用は生理が止まったことのみです。今月フォローアップの検査(マンモ・エコー・MRI)があります。そのMRI検査ですが、造影剤を入れるのと入れないのとではかなり精密度が違ってきますか?(質問)
造影剤を入れるととても気分が悪くなるので出来れば使いたくないのですが・・・。アドバイスいただければ幸いです。

Hyperplasiaだけならば問題はありませんが、異型を伴うAtypical hyperplasiaならば、発癌リスクは通常の人と比べて4〜5倍程度といわれています。このように乳癌高リスク群でタモキシフェンを服用した場合、30〜40%程度で浸潤癌の発生を抑制するといわれています。ただし、子宮体癌の発生も2〜3倍増加(発生率は0.5%前後)するので注意が必要です。MRI検査で診断率を上げるためには、やはり造影剤が必要になります。ただし、MRIは検査機械の性能でかなり診断率が変わってくることもあり、MRIが絶対的に優れているというわけではありません。もし造影剤で気分が悪くなるのであれば、アレルギー等の心配もあるので、主治医にその旨を伝えて他の検査法で代用するほうが良いと思います。(文責 千島)

 

No.2590-4】 05年01月14日    F.F
ハイリスクとは?

先日は早々のご丁寧な回答をありがとうございました。残念ながら私の病理結果にはHYPERPLASIAという表記だけでなく「Fibrocystic changrs , Predominantly Non-Proliferative But Associated with Atypical Duct Hyperplasia and Atypical Lobular Hyperplasoa」となっていました。こちらで相談されている多くのもっともっと大変な方々に対して、私の場合まだ乳がんと言われたわけではないので申し訳なく思いますが、医師があまりにも「ハイリスク、ハイリスク、必ず5年以内に発症する」と言うので、とても敏感になってしまっています。「たぶんこれはガンです」と言われて、取り出した物が上記ような物だったのですが、この時点で悪いものは取っても、乳房自体の土壌すべてがハイリスクだと解釈すればいいのでしょうか?(肝硬変の中に肝臓ガンが出来るのと同じようなものですか?)ー(質問)
MRI検査の造影剤に関しては造影剤ナシもしくは他の検査で診てもらうように致します。またのアドバイスお願い致します。

ご理解のとおり、残っている乳腺自体が癌になりやすいということです。したがって、定期的な検診が必要です。(文責 徳田)

 

No.2589】 04年07月01日 E.F
乳輪下膿瘍

今年3月の終りに初産しました。一週間ほどで乳腺炎にかかりましたが、出産医院では抗生物質で様子を見ていました。徐々に悪化し(普段は陥没乳頭なのですが)、乳首がサクランボぐらいの大きさに出っ張り、横を向いてしまうぐらい腫れ、結局総合病院に駆け込み、切開し膿を取り除きました。お乳を止める薬も飲み断乳しましたが、一ヶ月ぐらいでまた乳輪だけがビリビリ傷むようになりました。約三ヶ月たった今も(超音波で見たところ)乳輪の下に膿がたまっているようなのですが、何も処置ができないとのことで、抗生物質のお薬をいただきました。このまま痛みと共に暮らさなければならないのかと思うと憂鬱です。大きな手術ではなく、通院で針を刺して膿を抜くという方法は限られた病院でしかやってもらえないのでしょうか? また、ほおっておくと乳がんなど併発する恐れはありますか? この二日不正出血(茶色)もあり、出産後不安がたくさんです。

はじめての出産後、予想以上に大変な育児に加え急性乳腺炎を併発し、非常に困っておられることではないかと思います。急性乳腺炎後に乳輪下膿瘍や皮下膿瘍をきたすケースはしばしばみられ、抗生剤投与に加え切開排膿をしないと治らないこともしばしばです。貴方の場合、3ヶ月後に乳輪下に液体の貯留があるとのことですので、乳瘤または膿瘍を形成しているのだと思います。針でそれを吸引することは比較的容易な操作だと思いますが、おそらく完全には吸引しきれないのと、吸引してもまたすぐに貯留してくるだろうとのことで、主治医の先生は経過を診られているのかもしれません。しかし、痛みが強いのならば、今一度主治医の先生とよく相談されるのがよろしいかと思います。通常、乳腺炎が悪性化することはありませんが、炎症性乳癌という特殊な乳癌もあり、特に授乳中でもないのに乳房全体が赤く腫れ上がった場合は要注意とされております。(文責 谷)

 

No.2588】 04年06月29日 KU
乳輪のかゆみ及び変形について

はじめまして、48歳、独身、出産経験なし。ネットにていろいろ検索してみましたが、同じような症状が見つからなかったので、相談させていただきます。半年ほど前、乳首と乳輪にかゆみがあり、その後も時々かゆみがありましたが、しばらくするとおさまるので、特に何もしていませんでした。右の胸の方が小さいので、下着によっては擦れた様な不快感は時々ありました。最近、またかゆみがあり、市販の赤ちゃんのあせもや湿疹にも使える軟膏をぬったらかゆみはある程度おさまりました。しかし、乳頭はなんともないのですが、乳輪部分がほとんどなく、茶色っぽく乳頭のすその部分に縮れてくっついてしまったようになっています。さわってみたらかさぶたのようなものが少しはがれました。またくっついてしまっている部分とまわりが、しこりのように固くなっているような感じもします。分泌物はありません。3ヶ月ほど前から多少気にはなっていたのですが仕事で中々休みがとれなく、そのままにしてしまっていたのですが、今度総合病院を受診しようと思っています。受診するとしたら外科でよろしいのでしょうか?それとも皮膚科の方がよろしいのでしょうか?説明がわかりにくい文章で申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。

乳輪部の湿疹が考えられます。まず皮膚科を受診してみてください。(文責 谷)

 

No.2587】 04年06月29日  i-m
34歳、これからの治療について

6月2日に手術を行い、右温存で元気に退院してきたのですが、明日から放射線治療が始まります。
病理の結果は 
 サイズ 2cm
 組織型:tubular carcinoma
 浸透範囲:f
 断端:ー
 リンパ管浸襲:−
 リンパ転移:0/8
 Extensive intraductal somponent:+
 Atypical ducal hyperplasia:+
 組織異型度:intermediate grade(total score= 6)
 @腺菅形成(腺菅形成傾向):面積的に70%前後 に腺菅形成を認めるのでscore 2
 A核多型性:score 2
 B核分裂象(/10HPF):7個ゆえ、score 1(<8個)
 Herceptest:−(#11)
 ER(2+) PR(2+):(#11)
 Kiー67 index:10%(#11)

と報告書にはでています。ホルモン治療を放射線25回の後に行うのですが、抗癌剤はやはり抵抗があります。現在でも仕事を休んでということなので、抗癌剤をしたら副作用で髪が抜け半年以上はまともに働けないように思います。リスクは年齢的に34歳(ぎりぎり)なのでわかりますが、主治医は、「ゆっくり考えたらいいよ。」と言ってくださったので、放射線をあてている間に私自身納得のいく治療法を探しています。リスクは抗癌剤をするしないで、かなり%が変わってきますか?ホルモン治療は、もう出産はしないので、していくつもりをしています。ガイドラインはどれを見ても35歳以下はハイリスク群に入っていて、本当にそうなのか、この病理結果を見て教えていただけたらと思いました。もし絶対しないといけないとなった場合、脱毛の副作用をなんとかでないようなものはないのでしょうか・・。また生えてくるとわかっていても、やはりダメージと仕事ができなくなるということから答えがでません。よきアドバイスをお願いします。

35歳以下の若年性乳癌が、他の年代に比べ同等の進行具合であっても死亡のリスクが高いということはたびたび指摘されてきており、さらに化学療法を受けた方々の中だけで比較すると、35歳以下の方々も他の年代と死亡のリスクに差がないというデータが示されております。これは、化学療法を受けることで他の年代のリスクに近づくということを示し、言い換えると35歳以下の方は抗癌剤の恩恵を受けやすいともいえるかと思います。貴方の場合、病理学的には比較的再発リスクの低い結果とも言えそうですが、やはり年齢を考えると化学療法を行うことがよい選択になると思います。化学療法はアンスラサイクリンベースの治療法(CAF,CEF,AC,ECなど)の方がCMF療法よりも約10%程度再発率を下げるというデータがありますが、脱毛という副作用の観点からみると、CMF療法のほうがかなりマイルドです。そのあたりをよく検討されて最終的には貴方や貴方のご家族と主治医の先生との間で治療法を決定してください。私も脱毛予防のため、頭部を冷やして毛根に抗癌剤がいきにくくするダンクールキャップとか、テタリスなどの養毛剤を使用したりすることもありますが、私の印象ではこれらはあまり結果的に効果がないように思えます。(文責 谷)

 

No.2586】 04年06月29日  T.K. 
姉の乳癌治療について

現在44歳の姉の治療方法について相談致します。約2年前に右乳房全摘手術を行いました。初期の乳癌と言われ、腫瘍は1.5cm位でした。術後タモキシフェンとUFT顆粒の服用をしてきましたが、昨年マーカー値の上昇があり、検査の結果再発は見られなかったのですが、主治医の勧めもありCMFを半年行い、その後タモキシフェンとフルツロンの服用に変わりました。フルツロンによる副作用が激しく、服用を中止しました。今はタモキシフェンのみの服用で、体力の回復を待っている状態です。先日の診察においてホルモン剤の注射を4週間ごとにやる方法があるけれども、やってみないかと言われ、本人が悩んでおります。私なりに調べたところ、LH-RHアゴニスト製剤ではないかと思うのですが、この薬の副作用はどのようなものでしょうか。またこの治療法は行った方がいいのでしょうか。なお、現在も約半年くらい生理は止まっています。再発もみられません。宜しくお願いいたします。

LH−RHアゴニストの種類にはゾラデックス、リュープリンなどがあり、いずれもよく用いられております。この薬の副作用としては、ほてり、熱感、のぼせ、肩こり、頭痛、不眠、めまい、発汗などの更年期障害様の症状のほか、不正性器出血、関節痛、骨疼痛、うつ状態などがよく知られております。これらの多くは血中エストロゲン値の急激な低下に伴うものとされており、お姉さまの場合、すでにタモキシフェンを服用して生理も止まっているとのことですので、これらの副作用もおきにくいと考えられます。私がお姉さまを直接拝見している訳でないので、この治療を開始したほうがよいかどうかの判断はお答えしかねますが、画像上再発の証明が得られなくても、腫瘍マーカーが上昇し続けているのであれば、今後再発兆候が現れる可能性は強いと考え、LH−RHアゴニストをはじめとするホルモン療法の追加やアンスラサイクリンベースの抗癌剤(CAF,CEF,AC,ECなど)の使用を検討されるのがよろしいかと思います。また腫瘍マーカーが正常に戻ったのならば、あえて追加治療は行わず、タモキシフェンのみでしばらく経過をみられるのも一法かと思います。(文責 谷)

 

No.2585】 04年06月29日  K.M.
NOLVADEXの5年間服用後の副作用?

65才主婦、未経産婦、99年の5月に温存法にて手術、放射線治療とNOLVADEX 20mgを5年間毎日服用し、本年5月20日に終了しました。漢法薬「十全大補湯」を体力増強の為、同時に飲んでおり、現在も継続中です。6月11日に病院の婦人科の定期検診(6ケ月毎)で癌検査受診し、結果は25日、異常ないと先生から聞きました。ところが、現在6月18日より、少量の継続的不正出血と生理時の様な軽い腹痛と張りがあります。この症状は5年間で初めてです。もう少し様子を見ましょうと言われ、その様にしょうと考えております。ご相談ですが、
@ NORLVATDEXの服用後のこの様な症状について、何か例があるのでしょうか?
A 例えばNOLVADEXの服用を、段階的に1日おき、2日おきの様にし、中止による体へのショツクを少なくする?等々、今後どの様な方向で対応していけば良いのでしょうか?

以上お忙しいのに恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

ノルバデックスを5年服用し、服用終了した直後の不正性器出血とのことです。机上の論理では、ノルバデックスが子宮内膜に何らかの変化を与え、それを止めた途端出血させることがあっても不思議ではないと思われますが、実際にそのような例はお聞きしたことがありませんし、少し調べた限りでもそのような副作用の記載は見当たりません。よって出血がノルバデックスを服用していたことと本当に因果関係があるか否かは、私にはわかりません。ただご存知かとは思いますが、この薬が子宮体癌の発生頻度を2〜4倍程度高めることが知られており、これを踏まえて産婦人科検診を今後もしっかりと受けていただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.2584-1】 04年06月28日  M.S. 
乳房のしこりの相談

はじめまして。42歳の主婦です。出産経験は3回あります。最後の出産は3年前です。昨年の10月に右乳首外側にしこりを見つけ、総合病院の乳腺専門医に受診しました。マンモグラフィー、超音波、分泌物の検査をし、異常無しとのことでした。その後、乳房の痛み、圧痛も感じていました。今年5月に右乳首下のしこりが気になるようになりました。しこりは小さい物ではなく、上から触ってみると5センチぐらいはあるような気がします。生理前は痛みも強かったのですが、生理後は痛みは和らぎましたが、しこりはあります。6月21日に前回の専門医を受診したのですが、超音波で黒くなった部分があると言われました。7月下旬に再度詳しい検査をする予約を入れました(予約が込んでいるそうで1ヶ月後しか空いていないとの事です)。右の乳首を絞ると黄色っぽい分泌物も少しあります(左からも分泌物があるのですが、こちらは白っぽい色です)。超音波に黒い物が写ったと言うことで、とても心配しています。1ヶ月も待っていて問題ないのでしょうか? それともすぐに受診できる病院を探した方が良いのでしょうか? アドバイスをお願いします。

直接拝見したわけではないので詳しいことはわかりませんが、昨年の10月に一通りの検査をされていて異常なく、今回乳頭下に5cmのしこりを触知したとのこと、また生理前に痛みをともなっていることなどを考え合わせると、しこりは硬くなった乳腺そのものの、すなわち乳腺症の可能性が高いように思えます。ただ超音波検査で黒く映るものがあるとのことですが、嚢胞などの液体成分なのか、乳腺の中に腫瘍が存在するのか、これだけでは判断しかねます。最近どの施設も乳腺外来が混み合っており、検査も予約待ちということが多くなってきているように思います。しかし現実には、もし悪いものであったとしても1ヶ月待ったからといってその間に大きく進行するとは考えにくいので、医学的にはまったく問題ないと思います。ただし、それを待つことの精神的な負担が大きいと判断されるのであれば、主治医の先生にその旨を話して、前回の超音波検査の説明をお聞きになるがよいと思います。(文責 谷)

 

No.2584-2】 04年07月07日  M.S. 
乳房のしこりの相談(2)

先日HPNo.2584で相談をした者です。詳しい検査まであと1ヶ月ほどあるのですが、とても怖がりの性格で、食事ものどを通らないほどです。ネットで検索をすると、診察を受けていても見落としがあるようなことも書いてあります。しこりの大きさも4,5センチぐらいの横に広がったような感じですし、何よりも超音波で黒い物があるといわれて不安で不安でたまりません。超音波で黒い物が映っている場合、悪性の可能性は高いのでしょうか? しこりのある右の乳首から黄色っぽい分泌物もありますが、押すと出る時と出ない時があります。左側は白っぽい分泌物で、右の分泌物に連動して押すと出ることが多いようです。とても心配で他の病院を受診してみようかとも思うのですが、診断や検査は即日でできるものでしょうか? それともこのまま待っていても大丈夫でしょうか? 今診察を受けている医師は予約が込んでいて、これ以上の早い診察は難しいようです。お忙しいところ何度も申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

前回の回答にもあるように、「黒い物」というだけでは嚢胞(液体の貯まり)なのか、腫瘤(しこり)なのかはっきりしたことはいえません。少なくとも食事がのどを通らないほど心配しているよりは、主治医の先生にもう一度相談してみる方が良いのではないでしょうか?貴女が今、これほど精神的に苦しんでいるのを知れば、主治医の先生も親身になって相談に乗ってくれることでしょう。主治医とは十分にコミュニケーションをとる事が大切です。わからない事があればもっと気楽に質問しても良いのではないでしょうか?(文責 千島)

 

No.2584-3】 04年07月12日  M.S. 
乳癌の診断

HPNo.2584で相談した者です。予約までが不安でしたので、別の病院を受診しました。マンモグラフィーは異常無しでしたが、超音波に正常でない物が映るということで、しこりと分泌物の細胞診をしました(しこりの細胞診は2本針を刺しました)。その結果クラスVbで乳癌と言われました。超音波で見るとしこりの大きさは1.8cmぐらいとのことでしたが、自分で触るともっと大きいような気がします。手術を薦められています。医師の説明では来週の月曜日に再診、水曜に入院、金曜に手術はどうかといわれています。去年の秋には異常無しでしたし、6月に受診した際も最初に検診をした医師は、触診と超音波で「黒い物がある」と言っただけで、一ヵ月後の検査でも大丈夫でしょうと言っていました。このまま昨日受診した病院ですぐに手術を受けたほうが良いのでしょうか?それとも最初の病院も受診するべきでしょうか?最初の病院は込んでいるようで、知人の話によると、手術も順番待ちになることがあるそうです。頭の中が真っ白で何も手に付かない状態です。お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いします。

ClassVbというのは、「乳癌の疑いあり」ということで、乳癌と決まったわけではありません。乳癌の治療は、マンモグラフィ、超音波、細胞診のすべての検査で「乳癌以外の病気は考えられない」と診断された時に手術となります。貴女の場合は、マンモグラフィで「異常なし」、超音波では「黒い物(?)」、細胞診で「乳癌疑い」ということで、どの検査をとってみても乳癌としての確定診断がついていません。通常は、外来での針生検もしくは切開生検で、組織学的に乳癌細胞を確認してから入院手続きを行います。どの検査結果が根拠となって乳癌と診断したのか?何(治療?診断?)の目的で入院するのか?どのような手術を予定しているのか?手術以外の検査、治療法はないのか?・・・曖昧な部分が多すぎるのではないでしょうか。いずれにしても入院予約をした医師と貴女自身とのコミュニケーションが不足しすぎているように感じます。少なくとも今の状態で水曜日(7月14日)に入院するのは無理があるように思えます。もし心配ならば、予約外で前の病院を受診してみてはいかがでしょうか。他の病院で「手術を勧められている」といえば、予約がなくてもすぐに診察してくれることと思います。焦っていろいろな病院を渡り歩くのではなく、前医でも今の主治医でもよいので、もっと自分の病気と治療の必要性について、十分な説明を受けるほうが良いと思います。(文責 千島) 

 

No.2584-4】 04年07月20日  M.S. 
乳癌の診断(2)

HPNo.2584で相談した者です。2軒目の病院で行った細胞診の結果を最初の病院に持っていったところ、クラス5で乳癌と診断されました。非浸潤性の乳癌だろうと言われたのですが、これはどういうものでしょうか?しこりの大きさは2センチ弱あります。全摘出になると言われていますが、温存は無理なのでしょうか?去年の10月の受診では異常はなかったのですが、急に癌になることもあるのでしょうか?よろしくお願いします。

初めの病院で乳癌と診断されたと言うことですね。非浸潤癌というのは早期乳癌で、転移の可能性が極めて少ない(原則的には転移しない)癌なので、手術で完全に切除してしまえば99%以上の確率で治癒する病変と考えられています。ただ非浸潤癌の特徴として、画像で描出される大きさよりも広範囲の乳腺へ拡がっている可能性があるため、数年前までは乳腺全摘出術の適応と考えられていました。しかし、現在はMRIやCTなどによる「拡がり診断」の技術が進んできているので、乳房温存術を受けられる症例も増えてきています。貴女の場合は2cmの腫瘤形成性の非浸潤癌のようなので、状況によっては乳房温存術が可能かもしれません。主治医とよく相談して術式を決定するようにしてください。(文責 千島)

 

No.2584-5】 04年11月03日  M.S. 
術後の心配

HPNo.2584ではお世話になりました。42歳の主婦です。7月下旬に右乳房全摘手術を受けました。非浸潤癌といわれていたのですが、病理の結果、一部浸潤している様子があるということでした。非浸潤癌だとかなりの確立で完治すると思っていたので、一部浸潤の結果にショックを受けています。しこりの大きさは2センチでしたが、8センチぐらいの広がりがあったそうです。ホルモン感受性ありということで、現在はゾラテックス月1回とフェアストンを服用しています。精神的に弱くて、再発するのではと心配でたまらず、担当医に精神安定剤も処方してもらっています。ネットで検索すると手術跡に再発することがあると書いてあり心配しています。傷口をみるとちょっと凸凹したような感じで、傷口のすぐ側に小さな突起(ゴマ粒ぐらいで色は普通の肌色です)がいくつかありました。
1) 皮膚に再発というのはどのような形で現れるのでしょうか?
2) また私のような場合は再発、転移の可能性は高いのでしょうか?
3) デパスという安定剤を飲んでいますが、長期間服用しても副作用などは無いのでしょうか?
4) 再発や転移のことを考えると、何も手につかないぐらい恐怖感に陥ります。精神的なケアをしてもらえるような所はあるのでしょうか?

1) 湿疹様の硬結や皮下の硬結の形で出現します。
2) 乳房が全摘されており、多くが非浸潤性とのことですので、局所全身の再発の可能性は少ないと思います。
3) 問題ないと思います。
4) 同じ病院で精神科があれば、ケアをしていただけると思います。あるいは医療相談窓口があれば相談してみて下さい。(文責 石田)

 

No.2584-6】 04年11月24日  M.S. 
ホルモン療法の薬について

HPNo.2584でお世話になった者です。いつも丁寧にご回答いただき有難うございます。ホルモン療法で「ホルモン注射+ノルバデックス」と書いてある方が多いのですが、私は「ホルモン注射+フェアストン」です。42歳で閉経前です。フェアストンでも問題ないのでしょうか?よろしくお願いします。

原則としてフェアストンは閉経後が適応となっています。ただ、問題はないように思います(主治医に確認されてみて下さい)。(文責 加藤)

 

No.2583】 04年06月27日  H.T. 
化学療法を術前にすべきかどうかについて

本日、ガンの告知と治療方向について話を聞いてきたところです。34歳、既婚、不妊治療1年のものです。左乳房2.5cmのしこりと左脇リンパに転移がみられ、癌としてはU期で、手術としては、しこりと脇・鎖骨の下のリンパ切除が必要ということです。医師からは、抗がん剤治療(6ヶ月)を術前にするか術後にするかを患者自身が選択するように言われましたが、詳しい説明もなく、どちらも予後の結果に違いはないと言われて困っています。本日説明を受けた病院では手術が2ヶ月待ちなので、化学療法(6ヶ月)+手術+放射線+ホルモン療法しか対応できないため、もし手術先行ならば、対応してくれる病院を探さないといけません。個人的には手術+化学療法(6ヶ月)+放射線+ホルモン療法の道筋としたいと思っていますが、いかがでしょうか。転移が目の前にせまっているので、こわくて仕方ありません。とりとめのない内容で申し訳ありません。U期のケースで化学療法を術前にすべきかどうか、ご意見を頂けたら幸いです。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

以前は、U期の乳癌に対しほとんどの施設で手術を先行しておりましたが、最近手術可能乳癌であっても、術前化学療法の後、手術といった選択もよくされるようになり、これら化学療法先行と手術先行の成績は変わらないとされております。このことより、治療の順番選択は主治医と患者さんとの間でよく話し合われて決定すべきと考えますが、手術が2ヶ月待ちとか、仕事や家族の都合で今はすぐ手術できないとか、そのような環境要因も加味して決定されるのがよいと思います。(文責 谷)

 

No.2582-1】 04年06月27日  S 
脇の下のしこりについて

はじめまして、私は29才で、10ヶ月の娘をもつ者です。お忙しいところ恐れ入りますが、質問させてください。3ヶ月前に、右脇の下にしこりを見つけ、ちょうど乳がん検診の通知が来ていたので、個人病院の乳腺外来へ行ってきました。触診とエコーの結果、1センチ程のしこりがエコーで確認できたのですが、皮膚の奥に存在することから、粉瘤や脂肪ではないとの事ですが、「リンパかな?」と先生はおっしゃいました。乳房には異常なく、心配しなくても良いとの事でした。1ヶ月たってもしこりは消えないので、あらためて総合病院の内科を受診し、またエコーをとっていただきましたが、やはり乳房には異常なく、「リンパ節だと思いますが・・・」とのお話でした。私の右脇の下には副乳がありますが、それより2センチ脇中央側にあります。形はまん丸ではなく、面長な感じで、硬い感じはしません。先生はリンパ腫などの病気なら、他のリンパも腫れるはずだし、乳癌の転移なら乳房に異変があるだろうから、さほど心配はいらないと事でした。このまま様子をみているだけでよろしいのでしょうか? 乳房関係の何か疑われる病気はありますでしょうか? 心配性なもので、気になって仕方ありません。アドバイスよろしくお願いいたします。

まずご指摘の腫瘤ですが、直接拝見しておりませんので詳しいことは申し上げられませんが、リンパ節であったとすると、以前の炎症の名残のようなものかもしれません。とくにアトピー体質の方などに多く、それ自体は全く心配はありません。副乳がそのように触れることもあり、その場合もやはり全く心配はありません。いずれにせよメール内容からでは乳房のトラブルとは無縁のように思えますが、御心配ならば、検査をしてくださった主治医の先生と再度よくご相談いただくのがよいと思います。(文責 谷)

 

No.2582-2】 04年09月15日  S 
脇の下のしこりについて(2)

先日HPNo.2582で相談させていただいた29歳、出産経験有りの女性です。丁寧なご回答、本当にありがとうございました。大変お忙しいところ申し訳ないのですが、もう一つだけ質問させて下さい。今年の3月頃から右脇下に1cmほどのしこりがあるのに気づき、4月に乳腺外来に行ったところ、「心配ないです。エコーの結果乳房には問題ないので、経過観察しましょう」と言われてましたので、先日再度、診察に行って来ました。エコーの結果脇のしこりは1cmとの事で、4ヶ月前と大きさは変わっていませんでした。念のためとの事で、注射針のようなもので細胞診を行いました。結果は何の問題もなく、「脂肪か何かですかね」との事でホッとしておりましたが、最近1cmのしこりの横に数ミリの(まだしこりとはよべない大きさですが)しこりを発見してしまいました(以前はありませんでした)。今回の診察では乳房は見ていただけませんでした。細胞診は100%信用できないとの事ですし、再度病院を受診したほうがよろしいでしょうか? また、細胞診は針を2回さしたのですが、何か悪い細胞が周囲に飛び散ったという事は考えられないでしょうか? 小さい子供がおりまして、なかなか病院に行く時間がとれず、家で一人悩んでおります。お手数ですが、再度宜しくお願いします。

良性と診断されていても、その横にしこりが増えたのであれば再診すべき。細胞診が100%信頼できないのが不安かもしれないが、乳腺の検査はより低侵襲なものからはじめるため、いきなり最初から切除したりはしない。脂肪腫(良性)であれば、あなたのように脂肪細胞がみられるであろう。なお、癌でなければ細胞診のときに移動した細胞が悪さをすることはない。細胞診で癌細胞が移動してしまうことは確かに考えられることだが、これは悪性かどうかを証明する大事な検査。5段階評価するが、5が悪性。3以上だったら詳しく診てもらおう。心配するのはそのあとで。(文責 館花・福田)

 

No.2581】 04年06月27日  megu
セカンドオピニオン(HPNo.2485-3)

HPNo.2485でご回答いただきましたmeguです。また質問させていただきたいのですが、どうぞよろしくお願いいたします。マンモトームの必要性が知りたくて、別の病院でセカンドオピニオンを受けてきました。今回の先生は、マンモグラフィを見ると(マンモグラフィは前回の病院から借りてきたものです)カテゴリー4に入るため、マンモトームを受けた方がいいとおっしゃいました。前回の先生は経過観察をして石灰化の状況が変化したらマンモトームをという判断だったのですが、マンモトームを受けるべきか経過観察をするべきか迷っております。カテゴリー4の場合、マンモトームは必須でしょうか? 先生により判断が異なるので、どうしていいのかわからなくなってしまいました。あと、マンモトームを受ける場合、今すぐではなく4ヶ月先にすると、病気は進行してしまっているのでしょうか? また、今回の先生は微細石灰化が胸骨に近いため、判断しにくいともおっしゃっておりましたが、胸骨に近いということは何かよくないことなのでしょうか? また家に帰って落ち着いてから疑問がでてきてしまいました。どうかご回答、よろしくお願いいたします。

マンモトームはまだ新しい医療機器で、われわれの神奈川県にも私の知る限りまだ3台しかない貴重な機器です。ご指摘の通りマンモグラフィでカテゴリー4以上で腫瘤を触知しないということですので、マンモトームによる生検がよい適応と考えますが、もし悪いものであったとしても非浸潤癌の可能性も強いと思われ、4ヶ月先にしたからといって病状が進んでしまうといったことは考えにくいと思われます。また、前述の通り、マンモトームはまだ貴重な機器なので、すぐにマンモトームの予約がとれるかどうかといった問題も生じてくると思われます。よって今すぐマンモトームを施行するのも、4ヶ月後に再度マンモグラフィをとった後その後を検討するのも、どちらも同等によい選択であると思います。また微細石灰化が胸骨に近いとのことですが、胸骨に近いのがよくないということではなく、多分乳頭から遠い部分なのでマンモグラフィで挟みにくい、または読影しにくいということではないかと思います。(文責 谷)

 

No.2580-1】 04年06月27日  kuni
術前化学療法後の結果について

4センチ以上あった腫瘍が、CAF4回タキソテール4回を術前に行い、2センチ以下になったので温存で手術しました。腋下リンパ転移は最初からあるとわかっていましたが、病理の結果を聞いていなかったので、こちらからリンパの転移数と癌の種類を聞きました。リンパの転移はレベル1に1つ、レベル2に2つ、合計3/11といわれ、乳頭線癌だけれど、いろいろ混ざっていると言われました。化学療法を終えてリンパに残っているということは、かなり転移しやすいということでしょうか。レベル2にもいっているのも気になります。また、病理の詳しい結果は、書面等でこちらから言わなくても出されるものなのでしょうか。

CAFおよびタキソールによる術前化学療法で腫瘤の縮小化が図れ、温存療法が施行できたとのこと、まずはよかったと思います。リンパ節転移が3/11うちlevel2に2個ということになると、ある程度の再発の可能性は避けられず、温存術後の放射線療法に加え、術後の化学療法が推奨されることとなると思います。ER,PgRといったホルモンの感受性やHer2テストなどの結果によっても、治療法の選択は変わってきますので、主治医の先生と相談して今後の方針をよく話し合う必要性があります。また病理結果やホルモン感受性の結果などの患者さんへの御報告は、病院やその先生によって様々ではないかと思いますが、私は口頭で本人およびその御家族に結果内容を伝え、場合によっては手書きで記しながら、ご説明させていただいております。(文責 谷) 

 

No.2580-2】 04年07月01日  kuni
リンパ節転移について

たびたびご相談させていただきます。術前化学療法中、CTで腋下リンパの様子もみてきました。白い影が4つも写っていて、最初の頃より小さくなりました。そして手術しましたが、病理の結果はレベル1に1つ、レベル2に2つでした。3/11ということなのですが、取り残しがあるということでしょうか。また、リンパをとる数が人それぞれですが、11という数はどのような根拠のもとでしょうか。

術前化学療法中に小さくなった腋下のリンパ節は、乳癌の転移と考えるのが自然だと思います。とすると、化学療法の効果で一部のリンパ節は癌が消えたということになると思います。乳癌は化学療法の感受性のよい癌ですので、このことも決して珍しくはありません。私どもが直接携わった訳でないので詳しいことは申し上げられませんが、しっかりとした治療をお受けになっていらっしゃるようですので、術前に確認しているリンパ節を手術で取り残したとは考えにくいです。病理報告におけるリンパ節は、われわれが術後に摘出した組織の中からリンパ節だけを取り出し病理に提出するわけですが、提出したリンパ節の数が分母となり、そのうち転移の認められるリンパ節の数が分子で表されます。よって貴方の場合、11個のリンパ節が提出されたということになり、平均よりやや少なめかもしれませんが、リンパ節の数には個人差が大きいので、まったく不思議はないように思われます。(文責 谷)

 

No.2580-3】 04年11月15日  kuni
しびれについて

以前HPNo.2580で質問したものです。温存手術後断片陽性だったため放射線を25回受け、その後リューブリンとノルバで治療中です。術前にタキソテールを受けてから両手足の先にしびれが生じていましたが、5月に終了後依然として残っています。鬱気味なので神経症状かとも思ってみたりしましたが、このところ1ヶ月半ほど前から術側の親指・中指・薬指に特に強く感じ、親指にいたっては洗濯バサミではさむときに力が入りにくい状態です。また、術側ではないですが、いつも注射をしていた手首から親指にかけてひねるような動作をするときに痛みがあり、1ヶ月ほど変りません。また、このところ左足も動かしにくいような気がします。私は病院に通いだすと(特に抗がん剤をすると)鬱になりやすいので、再発治療はなるべく負担のないようにしたいし、急いで検査、治療をするより痛みがつらくなるまで普通にしていたいという気持があります。心配だけど怖いというところです。わたしのようなタイプの患者でも再発の場合早期に対処した方がよいのでしょうか。延命率や治癒率に違いはでるのでしょうか。閉所恐怖症なのでMRIやガンマナイフはできません。

しびれなどの神経症状はタキソテールの副作用の可能性が高いと思われますが、心配されているよりも念のため再発のチェックをしてみてはいかがしょうか? 骨シンチグラムやCTスキャンであれば、MRIよりも比較的閉鎖感のない検査ができるかと考えます。(文責 片山)

 

No.2579】 04年06月27日  A.I.
肺転移治療中の歯科治療について (HPNo.814-5

度々お世話になります。現在、肺転移の治療中でタキソールを毎週点滴しており、白血球は2千〜3千台で推移しており、胸水はありません。先月から虫歯が時折痛むので、主治医の先生に歯科で治療を受けたい旨話したところ、「歯科で嫌がられなければ・・・」とのことでした。実際一度かかりつけの歯科に行きましたが、たまたま痛みが治まっていたこともあり、様子を見ましょうと言われました。しかし、その後も時折疼くので、放置しておくのも気にかかっています。抜歯などしなければ、抗がん剤治療中でも歯科治療を開始しても良いのでしょうか。ご意見を頂ければ幸いです。

肺転移にてタキソールを毎週使用中とのこと、厳しい毎日をがんばっておられることと心よりお察し申し上げます。タキソールにより白血球の値が低下することはしばしばみられ、値だけで一概に申し上げられませんが、大体2000を下回ると風邪をひきやすくなるなど、感染症にかかりやすくなることがあります。さて貴方の場合、虫歯がときおり痛むとのことですので、これからもずっと治療しないでいくと言うことは現実不可能と思います。また、虫歯も感染を起こす大きな原因となりますので、その意味からも早急に治療するべきです。まず歯科医院で治療にどのくらいの日数と処置が必要なのかをお聞きしていただき、それを持って主治医の先生とタキソールの使用をよく相談いただくのがよいかと思います。毎週投与とはいえ、時に少しずらして投与することも充分可能と思われますので、ぜひ歯科治療にも前向きに対処していただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.2578】 04年06月26日  A.M
組織診と細胞診について

先日、超音波検査の結果しこりがみつかり、可能性としては乳腺線維腺腫が高いと言われました。しっかり判断するには、細胞診や組織診が必要とのことでした。細胞診も組織診も、針をさして・・・ということでしたが、これらの検査は、両方受けなければいけないものなのでしょうか? それとも、より詳しく分かる細胞診だけ受けておけば大丈夫なものでしょうか。超音波の検査や組織の検査は、保険がきくのでしょうか、きかないものなのでしょうか。教えてください。

超音波検査にて乳腺線維腺腫の可能性が強いとのことですので、通常その診断の裏付けのために、細い針を刺してしこりの細胞を少し吸い取り検査をする穿刺吸引細胞診を行います。この結果も線維腺腫で矛盾しないということなら、通常組織診までは行わなくてもよいと思います。しかしその診断に少しでも疑問がある場合は、組織診または生検(しこりの摘出)をして、確定診断をつける必要があると思います。もちろんこれらの検査はすべて「検診」でなく「診療」の範疇なので、医療保険の範囲内です。(文責 谷)

 

No.2577-1】 04年06月26日  さつき
ハーセプチンと放射線治療の併用について

はじめまして。母のことで相談させてください。母は2年前に全摘手術をし、1年後に鎖骨上リンパ節に転移が見つかり放射腺で治療。その後、昨年よりハーセプチンの投与を始めたのですが、半年前に腋下リンパ節に転移が見つかりました。主治医は単独使用を勧めるのですが、タキソールとの併用が一般的だと知り、お願いして3ヶ月前からタキソールは3週おきに投与しています。しかし、いっこうに腫瘍の腫れは小さくならず、腫瘍マーカーも次第に上がってきました。主治医は、「ハーセプチンが効きにくいタイプかもしれないけど、大きくならない分、他の薬に替える必要はない。」と言います。また、止めたら他の部位に転移する恐れがあるから一生投与を続けていくというのですが、金銭的なこともあり、高額なハーセプチンを払い続けるのもしんどいです。もちろん命と引き換えだということは分かっています。また他の薬に替えることも相談してみると、この先、転移していくことを考えると、今はとりあえずハーセプチンだけで様子をみようとのことでした。そこで最近、放射線で小さくするのはどうかと切り出してみたら、これまでそのようなケースはないけどやってみてもいいかもしれない、とのことでした。ハーセプチンの投与をしながら放射線治療もすることに対して、先生方のご意見をいただきたいです。またハーセプチンの投与は、やはりずっと続けなくてはいけないのでしょうか?また単独使用とタキソールとの併用についてもご意見いただけますでしょうか?ご多忙中恐れ入りますが、アドバイスいただけたら幸いです。

乳癌の術後、鎖骨上リンパ節、ひきつづき腋下リンパ節への再発ということですので、まず、肝臓や肺などの直接生命にかかわる臓器への遠隔転移を少しでも食い止めるという考え方で治療法を選択してゆくこととなると思います。ハーセプチンが効きやすい乳癌の場合、タキソールにハーセプチンを併用するのは、その薬剤の効果が互いに増強されることが知られており、ひとつのよい選択だと思われます。仰るとおりこれらはいずれも高価で、経済的な面も決して無視できないと思います。また腋下に放射線を併用するのも一法かとは思いますが、あくまで現在の一番のターゲットは遠隔転移の食い止めなので、局所療法である放射線の使用もそれを踏まえて検討するべきだと思います。タキソールを使用していて腫瘍マーカーが上昇したのであれば、アンスラサイクリン系抗がん剤(CAF,CEF,AC,ECなど)も選択の一つに加わるかもしれません。もしホルモン剤の感受性のあるタイプなら、ホルモン剤も選択に加わると思います。いずれにせよ、主治医の先生と、これらの点をふまえたうえでよくご検討ください。(文責 谷)

 

No.2577-2】 04年07月07日  さつき
腋窩リンパ節再発には手術しか?

先日HPNo.2577で相談させていただいたものです。実は状況が変わりまして、再度アドバイスいただけませんでしょうか?
本日、母が主治医の触診を受け、あまりにも腋窩リンパ節が大きく(5pくらい)なっているのに驚き、「急遽、来週手術をするべきだ、このまま放っておくと大変なことになる。」と言われたそうです。前回触診をしてもらったのは2ヶ月前で、その時は、「このまま抗癌剤で治療を続けて様子をみましょう。」ということだったのですが、そんなにこの2ヶ月くらいで大きくなってしまうものなのでしょうか? エコーやCTの検査はせず、即、手術をしようということになったそうです。また、放射線治療の話を出すと、「癌が散ってしまうからだめだ。手術しかない」と。再発癌では手術をあまりせず抗癌剤で治療をするものだと思っていたのですが、部位によるのでしょうか?やはり手術で摘出するしかないのでしょうか?申し訳ありません、どうかアドバイスをください。

初回手術時の手術所見、病理学的検査結果が不明なので断定的なことは言えませんが、リンパ節転移が明らかに大きくなっているのならば、現在受けている治療ではがんのコントロールは不十分なのかもしれません。通常、初回手術でもリンパ節切除(郭清)は行うことが多いのですが、今回見つかったリンパ節は初回手術で切除しないような特殊な部位に出現しているのでしょうか?それとも初回手術時はリンパ節は切除しなかったのでしょうか?もし、再発部位が手術可能な腋窩リンパ節だけであるのならば、手術治療も選択肢の一つかもしれません。しかし、お母さまの場合は、もともと鎖骨上リンパ節にも転移があったようですし、今回の手術でがん病巣がすべて切除出来るかどうかは微妙なところだと思います。いずれにしても、初回手術時の所見、病理学的検査結果をもとに、手術、抗癌剤、ホルモン剤による治療のリスク&ベネフィット(治療効果と治療によって生じる不利益)について、主治医から十分な説明を受けることをお勧めします。再発乳がんの治療は、「これが一番!」と決まった治療法はありません。生活の質(社会生活での活動性、経済性)と治療効果のバランスを考えて、主治医と十分にコミュニケーションをとりながら、患者さま自身の生活に最も適したオーダーメイドの治療メニューを作っていくことが重要なことだと思います。(文責 千島)


 

No.2576】 04年06月26日  H.S.
手術後の傷とホルモン療法の副作用について(HPNo.2478-2)

前回HPNo.2478で相談させて頂いた者です。その節はありがとうございました。母は、退院後もしばらくはリンパ液が溜まっていたため外来で抜いて貰っていましたが、それも、つい10日前くらいにやっとなくなり、ホットしたところでしたが、新たに気になることがあり、相談させて頂きます。よろしくお願いします。
@ 手術終了後からのようですが、手術前、右胸のしこりがあったあたりに、硬く、丸くて黒っぽい「かさぶた」のようなものが1つあります。手術後の主治医の説明では、だんだんと消えていくのでそのままにして問題ないとのことでした。しかし結局、なかなか小さくならないため、最近、それを外来で切り取りました。そのため、傷跡が痛み、液が染み出てくるので、週に3回、消毒に行っています。この「かさぶた」のようなものは何なのでしょうか。主治医の言う通り、心配はいらないものなのでしょうか。
A 退院してから、ホルモン療法で、「アリミデックス」を毎朝1回服用しています。飲み始めた頃は大きな副作用もなく、「これなら飲める」と母も言っていましたが、しばらく飲み続けているうち、体がだるくて力が抜けたようになり、家でごろごろしていることが多くなりました。以前は、人一倍、活発な母でしたので、そのような母を見ていて、これから5年間も飲んでいる間ずっとそのような状態だと、周りの者としても辛いです。そこで質問ですが、このような状態は、飲んでいる間ずっと続くのでしょうか。飲んでいるうちに、薬に慣れて症状が軽くなることはないのでしょうか。もしずっと続くのでしたら、現在朝飲んでいるのを夜寝る前に飲むことによって、昼間のだるさを軽減することはできませんか。また、飲む回数を減らしたりすることはできないのでしょうか。手術後の主治医の説明では、病理検査の結果から、術後の治療方針として、第1の選択肢がホルモン療法で、第2が「何もしないこと」と言っていましたので、最悪、服用を中止するのも仕方がないかと、家族で話しています。

以上、長々と書いてしまいましたが、よろしくお願いします。

乳房切除後の瘢痕にしばらくの間かさぶたがついていることは私もしばしば拝見します。乳房全摘後の創は周囲から引っ張る力(張力)が強いため、治癒に時間がかかることが多く、そのためかさぶたがなかなかとれないようです。しかし、ほとんどの方が多少の時間の差はあれ自然に治っていきますので、もう少し気長にお待ち頂くのがよいかと思います。アリミデックスは、閉経後のホルモン感受性乳癌に再発予防効果が認められているホルモン剤で、大きな副作用はあまり認められませんが、顔面紅潮、ほてりなど、更年期障害類似の症状がしばしば生じます。お母様の倦怠感もあるいはこの薬の副作用とも考えられますが、副作用であれば一時的なことが多いので、もう少し様子をみるのも一法かと思います。ただ、この倦怠感は他の病気が隠れているせいかもしれませんので、主治医の先生に一度よくご相談されるのがよいと思います。アリミデックスは一日一回服用すれば朝でも夜でも効果に差はないと思いますが、副作用もあまり軽減されないと思います。飲む回数を減らすのは、薬の作用そのものの効果の根拠がなくなってしまいますので、これは感心できません。いずれにせよ今一度主治医の先生とよく相談なさってください。(文責 谷)

 

No.2575】 04年06月24日  K 
マンモグラフィ

すみません。教えてください。今月に入って片方から血液がまじった分泌物があり、1週間前から、パジャマから布団のシーツ・布団まで汚すほど出ていました。今妊娠9ヶ月(28歳)ということもあり、かかりつけの産婦人科に相談しました。そこで細胞診をし、結果良性とも悪性とも判断できないとのことで、専門医を受診するようにいわれました。産婦人科では細胞診のみだったのですが、他の診察では超音波やマンモグラフィがあると知りました。マンモグラフィは妊婦・胎児に影響はないのでしょうか?すぐにでも検査を受けてはっきりさせたいと思う反面、妊娠中ということも気になるのでもう少し遅らせたほうがいいのか迷っています。質問内容がここにふさわしくないかもしれませんが教えてください。

現在妊娠9ヶ月とのこと、まもなく生まれてくる新しい家族の一員をどう迎えるか、期待と不安で胸がいっぱいのことと思います。さて、布団を汚すほどの大量の血性乳頭分泌が続くとのこと、やはりしっかりと調べる必要がありそうです。分泌物の細胞診では良性と悪性の判断ができないとのこと、class0またはclassVという診断だったのでしょうか。今後乳腺外科を受診すれば、まず胎児にもまったく影響のない視触診、超音波検査、分泌物の細胞診の再検と分泌物中の腫瘍マーカーの測定などを行うこととなります。また施設によっては乳管内視鏡を行うところもあります。さらに必要に応じて、マンモグラフィおよびそれを用いた乳管造影を行うべきか否か検討することとなりそうです。もう妊娠9ヶ月とのことなので、マンモグラフィがお腹のお子さんに与える影響はほとんどないと思いますが、やはり妊娠中なのでレントゲンを使用するのはマンモグラフィや乳管造影がどうしても必要と判断するときのみにしたいと思います。いずれにせよ、早急に乳腺外科を受診なさってください。(文責 谷)

 

No.2574】 04年06月24日  kai
授乳中に見つけたしこり

初めてメールさせていただきます。30歳、1歳3ヶ月の子供がおり、現在も授乳中です。右乳輪のすぐ内側に2センチちょっとのしこりがあります。いつからあったかは不明ですが、少なくとも半年以上は認識していました。その部位に一致した周辺は母乳が詰まりやすく、結局何回かうっ滞を繰り返しているうち、そこから母乳は出なくなってしまいました。しこりの性状は、境界明瞭、かなり可動性はありますが、表面は分葉状になっており、痛みはありません。近くのA病院に行って、マンモグラフィーと超音波を撮りましたが、マンモグラフィーでは直径5ミリ程度の大きな石灰化が見られ、悪性っぽくないとのことでしたが、超音波では、被膜のようなものに包まれ、中は周りの乳腺組織と同じぐらいの濃度の不均一な像が見られていました。どの疾患に当てはめてもあまり典型的ではないようです。リンパ節は腫脹していませんでした。カラードップラーでは、腫瘤の中は、周りと比べるとほとんど血流がありませんでした。結論としては、触診と超音波を見る限り、悪性、良性どちらかといえば悪性だろうとの診断でした。また大学病院で穿刺吸引細胞診を行った所、細胞はよく取れていて、結果クラスUとのことでした。以上のことをふまえ、やはりA病院でいわれたように高い確率で乳癌の可能性はあるのでしょうか。授乳期のトラブルの繰り返しによる慢性的な病変でこのような変化を起こす特殊な疾患はありませんか。やはり、いずれにしろこのしこりは摘出しておいた方がいいのでしょうか。宜しくお願い致します。

妊娠中および授乳中の乳房はそれらにおける変化のため、診断が容易でないケースも多く認められます。メールに詳細にいたるまで御記載いただきましたが、これを拝見しても、診断に難渋している様子がうかがわれます。これ以上の検査ということになれば、やはりしこりを摘出する生検ということになりそうです。乳癌の可能性が高いかどうかはともかくとして、否定しきれないことは確かで、生検するのがベターと考えます。因みに、授乳期のトラブルによるこのような変化を起こす特殊な疾患というのは、私は聞いたことがありません。(文責 谷)

 

No.2573-1】 04年06月24日  momo
妊娠について

こんにちは。31歳女性です。先月乳腺外科での検診(エコー)にてシコリを指摘され、再度のエコー(悪性の所見少ない)、マンモ(何もうつらず)、細胞診を行い、「1cmの線維腺腫」との診断をうけました。その時、今後の方針をうかがうと、「1年後くらいに検診を兼ねて来てください」とのことでしたが、自分なりに調べたところ、線維腺腫は定期的な観察が必要とあったので心配になり、今月に入り別の病院を受診しました。そこで今までの経緯を話すと、私が初めに診ていただいた先生のこともご存知のようで、「あの先生の診断なら間違いないと思いますよ」とのことでしたが、念のため再度エコーをしました。その結果、シコリは1cm×1cm×0.5cmで形からみても線維腺腫でしょうとのことでした。前の病院で細胞診もしているなら間違いないのでは?といわれ、コチラの病院での細胞診は行いませんでした。「大きさからしても、形からしても今切除する必要はないと思う」「今後は経過観察は1年、心配ならば半年毎にエコーをしていけばいいでしょう」とのことでした。見せていただいたエコーの画像は前の病院で見たのはキレイな丸の楕円系だったのですが、2件目の病院ではおたまじゃくしのような形で映っていたのですが、これは映る角度によっての違いでしょうか? 画像自体もかなり鮮明さが違ったのですが(最初の病院のエコー画像が全てにおいて、くっきり鮮明に映っていました)、これは機械の違いと考えてよろしいでしょうか? このような経緯ですが悪性の可能性はないと考えてよいのでしょうか? 2人の先生がおっしゃるように、次は半年後の受診でいいでしょうか? つい先日妊娠が発覚したので、不安な気持ちになってしまいます。妊娠中に大きくなる可能性はどれくらいありますでしょうか? 長々と申し訳ありませんが、アドバイスいただけますと嬉しく思います。

乳腺線維腺腫は20〜30歳代に好発する良性腫瘍で、マンモグラフィ、エコー、細胞診などでしっかりと診断された場合、あえて切除せず経過をみることもしばしばあります。ただひとつ気をつけておきたいことは、これらのなかにも短期間でぐんぐんと大きくなるものもあり、経過観察中にご自分で増大傾向を感じたときは速やかに再受診するべきです。また二つの病院でのエコーの見え方の違いについてですが、機器の種類の差や、画面の設定の差、エコーを行う先生のプローブの当て方の差などで充分説明がつくと思います。妊娠によるホルモン環境の変化により増大する可能性も否定できませんが、上記で申し上げた通り、いずれにせよ腫瘤が急速に増大する場合は、半年後といわず早急に受診なさってください。(文責 谷)

 

No.2573-2】 04年06月27日  momo
妊娠について(2)

先日【No.2573】で相談させていただいたものです。早々のご返事ありがとうございました。再度ご相談させてください。今後も自己検診を怠ることなく(もちろん増大傾向があればすぐに受診します)、定期的に経過観察の意味で受診をするつもりでおりますが、
@ 妊娠中であっても、切除対象の2センチを超える場合は、すぐに摘出をするのが好ましいでしょうか?
A またその場合、安定期4ケ月以降であれば、胎児に影響はないと考えてよろしいでしょうか?
B 先生の経験上、線維腺腫が妊娠を機に大きくなることは、頻度としてはかなり多いでしょうか?
C 線維腺腫でどれくらいの期間大きさが変わらなければ一安心(とりあえずであっても)とすることができますでしょうか?
D 今現在(妊娠2ケ月)腺腫の増大傾向がなくても、妊娠生活を安心して過ごすために切除を考えるのは行き過ぎでしょうか?

先生のご意見をお聞かせくださいませ。

@ 増大傾向があまりないようなら、あえて妊娠中に摘出する必要はないと思います。
A 摘出する際に用いるリドカインなどの局所麻酔にアレルギーがなければ、胎児への影響はまずないと思います。
B 妊娠によるホルモン環境の変化に伴い乳腺に変化が現れることがあり、線維腺腫も大きくなる可能性はありますが、実際のところ妊娠中に増大したケースはあまり経験がありません。
C 私が外来で拝見している際には、まず3ヶ月後に診て、かわりないようなら、次の6ヶ月後に変化がないか診るようにしております。増大傾向のあるケースでは最初の3ヶ月で変化が見られる場合が多く、次の6ヶ月までには明らかに大きくなる場合がほとんどであると思っております。
D 私見になるかもしれませんが、これから生まれてくる赤ちゃんのために、妊娠中はできる限りの「安全」を作りたいというのが親心であり、医学的にまず問題がないとされている薬であっても、妊娠中はなるべくさけるのがベターと思います。よって増大傾向がなければ、私は摘出をお勧めいたしません。(文責 谷)

 

No.2572】 04年06月24日  manami
胸の痛みとしこり

はじめまして、私は28歳の主婦です。教えて欲しいのですが、一週間前ぐらいから右胸に痛みを感じていて、何日か前に卵の黄身ぐらいのかたまりがあるのに気づきました。あまり気にしていなかったのですが、周りと話をしていると怖くなってきて、病院に行った方がいいのかと悩んでいます。しこり自体は楕円形で表面はゴツゴツしています。痛みは普通にしていると気にもならない程度でしたが、だんだん痛みが増してきたようにも感じます。自分で気になるがために、触るとしばらくの間は結構痛いです。母親の血筋が癌系統ですので、少し心配になっています。癌ではなくても、何か手術をするような病気なんでしょうか?

メール内容からでは、どのような疾患か想像も困難です。ぜひ早急に乳腺外科を受診なさっていただきたいと思います。(文責 谷)

 

No.2571】 04年06月24日  YUKA
乳輪のかゆみについて

はじめまして。18歳の学生です。最近乳輪がかゆくなり、分泌液のようなものが出てきます。高校生の時も同じような症状が出ましたが、そのときは薬をつけて、ガーゼで服にくっつかないようにしていたら治りました。しかし最近また同じようにかゆく、分泌液のようなものが出てきます。親にもいえません。これは乳癌なのでしょうか・・・。普通に生活しているには、かゆくもないし、痛くもありません。ただ、ブラをつけると、ブラに分泌液のようなものがくっついてしまし、ブラをはずす時、かさぶたのように皮膚がはがれてしまいます。バジェット病ではないかと、とても不安です。

乳輪やその周囲に湿疹ができることがよくあり、その多くはステロイドの含有された軟膏等で著明に改善します。貴方の場合も湿疹である可能性が高いように思いますが、一度皮膚科を受診することをお勧めします。(文責 谷)

 

No.2570】 04年06月23日  MP 
母の乳輪できた、こげ茶色のできものについて

昨日、お風呂に入った際に気がついたようなのですが、左の乳輪に直径3〜4mmほどのこげ茶色のできものを発見しました。少し膨らんでいるようなのですが、痛みなどはないようなのです。乳がんに関係があるのでは・・・と、とても心配です。アドバイスを宜しくお願いします。

直接拝見しておりませんのでお答えするのが難しいですが、黒子(いわゆるホクロ)、炎症性の腫瘤、モントゴメリー氏腺の隆起、粉瘤などが想像されます。乳癌の可能性はそれほど高くないと思いますが、いちど乳腺外科または皮膚科の受診をお勧めします。(文責 谷)

 

No.2569-1】 04年06月23日  kuzira
炎症性乳癌様再発について

昨年2月にシコリがあり手術、リンパ節転移あり、抗がん剤治療開始。エンドキサン、アドリアマイシン4ヶ月、タキソール4ヶ月終了後、すぐに手術創周囲の皮膚に発疹があり、細胞を調べ炎症性乳がん皮膚転移。タキソール、アレディア、ハーセプチン治療開始。3ヶ月して局所再発(7ミリ程)があり、タキソールをゼローダに替え現在治療中です。炎症が背中、胸にかなり広がり、腕もリンパ浮腫あり、腕の付け根に血栓もあります。局所再発は一度枯れたようになりましたが、最近大きさは小さいながらも、また水ぶくれのようになりつつあります。悪性で治療が難しいのはわかっています。現在は普通に生活、仕事もしていますが、あとどのくらい時間があるのでしょうか?人それぞれあるので一概には言えないでしょうが、何年位生きられるのでしょうか?有意義に送らせたいのです。炎症、リンパ浮腫は薬が効かないと今以上にひどくなるのでしょうか?お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします。

炎症性乳癌は、通常の乳癌と比べて進行が早く、また炎症を伴う様々な病態を示すため、手術、化学療法、ホルモン療法、放射線療法など多くの治療法を駆使する、いわゆる集学的治療がよく用いられます。貴方の場合、現在術後局所再発が認められ、大変心配と苦労をされておられることとお察し申し上げます。今後の見通しについては主治医の先生にご説明頂き、よく相談したうえで納得いく治療を選択していっていただきたいと思います。私から申し上げられることは、炎症性乳癌に限らず乳癌全般について、再発後の経過、抗がん剤やホルモン剤などの効果には個人差が非常に大きいということです。われわれ医師の予想をはるかに上回る治療効果が得られるケースも少なからず経験します。大変だとは思いますが、前向きにがんばってください。(文責 谷)

 

No.2569-2】 04年06月26日  kuzira
炎症性乳癌様再発について(2)

お忙しい中、回答ありがとうございました。炎症は赤いだけですが、局所再発は気持ち大きくなっています。炎症以外の局所再発の部分だけ放射線をあてる場合もあるのでしょうか? このまま大きくなると破れて化膿するんですよね? 個人差はあるとは思いますが、このまま薬が効かないと、生存は平均どのくらいですか? 新薬も使いました。あとは昔からある薬を試すしかないのですか?

前回もお答えさせていただきましたが、多くの治療を受けた後、さらに再発が気持ち大きくなっているとのこと、今後の治療法について非常に悩んでおられることとお察し申し上げます。局所のコントロールを目的として、放射線療法は選択枝の有力な一つであると思います。炎症性乳癌は、多くの治療法を駆使する集学的治療を用いるようになってから、ぐんと生存率がアップしており、5年以上生存する方の割合も以前はかなり低い数値でありましたが、現在では三分の一程度と報告する施設も増えてきております。ただ生存平均とか生存率などという統計的な数字にとらわれず、貴方に対する今後の治療が貴方にはきっとよく効くと信じて、今後もがんばっていただきたく思います。(文責 谷)

 

No.2569-3】 04年07月20日  kuzira
再発乳癌の治療

三度目の相談になります。よろしくお願いします。炎症、局所再発、反対の胸にも先日のCTで1cmの腫瘍がみつかりました。先生は、「手術はしないし、今のところ放射線もしない。」と言われました。治療はハーセプチン、アレディアをしてます。新薬も使用してしまい、現在、タキソールはしたから、タキソテールをするか、何もしないわけにいかないから、昔からある薬をするか飲むかと言われています。保険適用内でしたら、選択肢はタキソテールしかないのでしょうか?炎症は上半身の前、後まで広がっています。着るものもかぎられてきます。このまま、まだ広がっていくのでしょうか?現在、今までの抗がん剤が効かないので、治療に前向きになれません。新薬まで使用しても効かない場合は、どうするのでしょうか?

点滴治療薬ならばドセタキセル(タキソテール)、CPT 11(カンプト、トポテシン)、メソトレキセートなどの治療薬があります。貴女の場合はホルモン治療を行っていないようですが、もし乳癌細胞にホルモン剤感受性があるようならば、内服抗癌剤と組み合わせながら治療していく方法もあります。再発乳癌では「この方法が一番」という治療がありません。患者様の病状や進行度、家族・仕事を含めた社会背景を考えながら、点滴または内服治療で最適な方法を選択していくことになります。そのために医師は、看護師、薬剤師、ケースワーカーなど多くの医療スタッフの協力を得ながら、「乳癌治療チーム」を作って診療に臨みます。どうしても主治医に聞きにくいことや聞き忘れてしまったこと、精神的な悩みなどがあるようならば、思い切って看護師の方に相談してみるのも良いのではないでしょうか。医師とは全く異なった観点から貴女のことをサポートしていただけるかもしれません。(文責 千島)

 

No.2568-1】 04年06月21日  sao
乳腺症・嚢ほう

はじめまして。39歳です。5年前に集団検診でしこりが見つかり、検査を受けて乳腺症と診断されました。半年に一度エコー、年に一度、エコー・マンモ・腫瘍マーカーの検診を受けています。右胸下部に嚢ほうが出来やすく、自然に消滅したり、大きくなったものは一度だけつぶしました。今回は右胸内側真ん中あたりに触診ではわからないのですが、エコーで嚢ほうが見つかりました。前回3ケ月前の検診ではなかったようです(エコー・マンモ・マーカー)。 ただ今までとは違い、縁がぎさぎざしているようで中身も乳腺症の模様のようなので、2ケ月後に検診して疑わしい場合は細胞診をします。検診が2ケ月後でも大丈夫なのでしょうか? よろしくお願いします。

乳腺症の構成成分のひとつに、嚢胞があります。その多くが特に治療を要しないものですが、まれに嚢胞の壁から癌が発生しているケースがあります。貴方の場合、嚢胞壁がやや不整だったために、主治医の先生は少し時間をおいて変化をみようとされているのだと思います。もし癌であったとしても、二ヶ月で大きく進行することはありえませんので、二ヵ月後で充分かと思います。(文責 谷)

 

No.2568-2】 04年08月19日  sao
検診結果

6月に相談しましたHPNo.2568です。2ケ月後に受診した結果、前回エコーの画像に写った(嚢胞ではなかったようです)黒い物は今回はうすくなっており、乳管と同じような画像なので、「前回は乳管に脂肪が入り込んでいたのかもしれない、腫瘍らしきものはないので心配いらない」との事でした。今まで通り半年ごとの検診で大丈夫でしょうか? このように腫瘍や嚢胞ではなくエコーに写る場合はどんな所見があるのでしょうか? よろしくお願いします。

超音波検査は、「再現性が低い」といって、何度やっても誰がやっても同じ結果を出すことが難しい検査です。2カ月前に見えたものは、見えただけで実際にあったわけではないと言うことでしょう。ただ、乳管が広がっている(拡張)だけでは治療の対象にはなりません。半年から1年ごとの検診で大丈夫です。(文責 緒方)

 

No.2567-1】 04年06月21日  もえぎ
異型乳管過形成の今後について

はじめてメールさせて頂きます。異型乳管過形成という単語で過去ログを読ませていただきましたが、よりよく知りたいと思いましたのでメールさせて頂きます。45歳、未婚女性です。今年(H16年)4月22日夜におっぱいの下方にしこりを見つけ、翌23日に病院に行きました。その日にエコー、マンモをし、右乳房下方に石灰化があり、しこりはぎざぎざしているとのことから癌の初期の可能性があると言われ、CTとMRIの予約をしました。4月27日と28日でその2つの検査を終え、30日に針で細胞を抜く検査をし、そのまま結果待ち(1時間程度)をして、最終的に癌と診断を受けました。手で触れたしこりは1つ(1cm程度)だったのですが、これは針で細胞をとったら消えてしまい、中には古い血液と細胞液(?)があったそうです。自分の手ではわからなかったしこりがもう1つ(2〜3mm程度)あり、こちらから癌細胞が出たと言われました。連休明けの5月6日に入院、7日に手術ということになり、癌の場合は転移が怖いので、乳房全部をとってくださいと最初からお願いしていました。入院は全摘出手術の予定でしましたが、手術前夜にもう1度エコー検査をしてくださり、「全摘出の予定で(全身麻酔で)手術を始めるが乳房下方の乳腺を摘出し、その場で検査をして、癌ではない可能性があれば全摘出はしない、永久(?)標本にして別途検査をし、結果を診断します。」とのことを言われました。結果的に、乳房下方の乳腺を取り検査にまわしてくれて、癌ではないとの診断を受け、病名は異型乳管過形成と言われました。全摘出を覚悟していたのにそうならなかったことにとても感謝しています。今後は月に1回程度エコーの検査に通うことになっています。昨日退院後1回目の検査の日だったのですが、小さい丸いものがエコーに写り、針で細胞を抜いてもらい1時間待って検査をしてもらいましたが陰性でした。長々と書いてしまい申し訳ありません。
今後このように検査を続けていくわけですが、お聞きしたいのは、次の3点です。
@ 異型乳管過形成は癌ではないのですよね? 異型乳管過形成が今後癌になる、癌に発展していくということはないでしょうか?
A 癌に予防がないように、異型乳管過形成にもないんだろうとは思いますが、生活上、気をつけるようなことはありますか?
B 癌の症状や治療法などなどはネットで調べるとさまざまあるのですが、異型乳管過形成は、「癌と間違いやすいもの」としかありません。詳しくわかる方法はないでしょうか?

どうぞよろしくお願いいたします。

@ 異型乳管過形成は、乳腺症構成成分のひとつですが、異型小葉過形成とあわせて異型過形成とよばれ、前癌病変または境界病変とされております。通常生検後に病理学的に診断されますが、異型過形成と診断された女性の約10%が、10〜15年の間に浸潤性乳管癌を発症するとの報告もあり、やはり厳重な経過観察が必要となります。
A 生活上特に気をつけることはありませんが、やはり怠らずこまめに検査をお受けになることだと思います。
B 「異型乳管過形成」はかなり専門性の強い用語ですので、通常にお調べになっても詳しくわかることは難しいかもしれません。(文責 谷)

 

No.2567-2】 04年06月30日  もえぎ
異型乳管過形成の今後について(2)

先日は早速にメールを頂いて感謝しております。回答頂いた中に、「異型過形成と診断された女性の約10%が、10〜15年の間に浸潤性乳管癌を発症するとの報告もあり」とあります。この率は健康な女性が乳癌になる確率と比べてどれくらいのものなのでしょうか? 回答の数字では90%は癌を発症しないと読めますが、それは安易な読み方でしょうか? また、「生活上特に気をつけることはありませんが、やはり怠らずこまめに検査をお受けになることだと思います。」との回答を頂きました。主治医の言うとおりに1ヶ月に1度きちんと検査を受けていくことにしていますが、ある日検査で「癌が出ました」と言われるのが怖いです。日々の中で何かこうしたら発症しないかもしれない、というようなことはないのでしょうか? 食べ物とか習慣とか薬でもいいです。

健康な女性が10〜15年の間に乳癌になる確率は正確にはわかりえませんが、1%未満であることだけは間違いないと思われ、異型過形成はやはり乳癌になりやすいといえると思います。また、10%乳癌になるというのは裏を返せば90%は乳癌にならないということでよろしいかと思います。発症しないための工夫があれば私もぜひ教えていただきたいと思いますが、現実にはそのようなものはわかっておらず、やはりこまめに検診をうけることよりなさそうです。(文責 谷)

 

No.2567-3】 04年07月18日  もえぎ
術後のマンモ検査について

いつもお世話になっております。HPNo.2567でお世話になりました。今日、月に1回の検査に行って参りました。石灰化の部分と異型乳管過形成の病巣(?)部分の摘出手術後は順調とのことで、エコー検査をしまして、こちらも大丈夫とのことでした。「月に1回というペースで、もう検査しなくてもいいです」と言われ、来月はお休み。9月にMRIをしてみましょうと言われましたが、最初の検査のMRIのときに、初めてでもあったのですごく恐怖心があり中断してもらったりしたので、「閉所恐怖症ではないと思うが、MRIは怖い。」といいました。そしたら、マンモをしましょうということになりました。前回(手術前)のマンモの検査はなんともなかったのですが、今は手術した乳房下部が固くなっています。押すと痛いのですが、固さはかなりあり、主治医はこの固さは残るかもしれないと言っています。こんな固さの部分をはさむ検査が出来るんですか? 「痛いですが」というと、痛いですが我慢してと言われました。検査に必要ならば仕方ないのですが、こんな固いままはさんでしまってなんともないのでしょうか?

病理組織検査の結果にもよりますが、単に異型乳管過形成のみであれば、1ヶ月ごとに検査を行う必要はないと思います。組織検査の結果、一部に非浸潤性乳癌(乳癌の初期像)が含まれており、さらに切除した部分以上に拡がっている(切除断端陽性)の場合には、頻回の検査が必要ですが、それでも1ヶ月ごとというのは、検査が頻回過ぎて効率が悪いように思います。術前のマンモグラフィでは所見がなかったとのことなので、術後のマンモグラフィでも手術後の変化以外は所見が見つからないことと思います。ただし、現時点で「異常なし」のマンモグラフィを撮影しておけば、これからの経過観察中に乳癌が発症した場合、マンモグラフィを比較検討することで、乳癌の早期発見に役立つことと思います。手術後の瘢痕(硬くなっている部分)があっても、マンモグラフィは撮影可能なので安心してください。いずれにしてもマンモグラフィは3ヶ月から1年毎でよいのではないでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2566】 04年06月20日  T.T
骨転移治療のその後について(HPNo.1644-3)

約一年前に相談させていただきました。その節は適切なアドバイスをいただき、ありがとうございました。以後もいろいろと参考にさせていただいております。今回は、その後の治療についてご助言をいただきたくてメールしました。03/6月〜 ゾラデックス1/4W施注、8月からアレディア45mg点注追加し、3ヶ月毎に骨シンチをチェックしてきました。骨metaによる集積は徐々に薄くなり、04/6月 一年目の全身チェックでシンチの画像上はほぼ消失しています。この間血液検査データー(マーカー含む)他、全て異常なく経過しています。あと半年間はゾラデックスのみ続行、アレディアは一旦中止することになりました。主治医には、「最終的には色々な検査データーを総合的に判断して休薬するかどうか考えましょう」との説明を受けました。治療が奏効したようで喜んではいるのですが、不安な部分も残ります。
そこで質問ですが
@ 骨metaが分かった時点では治療はエンドレス...との説明を受けていたのですが、今回のような判断はどうなのでしょうか?
A 4月末に左側胸部を打撲(胸部単純撮影でヒビ?)、6月のシンチで3箇所新たな集積(丸く)を認めました。偶然なのですが、03/6月に骨metaを指摘された時も、1ヶ月ほど前に同部位を打撲しており(このときの集積は横に長く)、気持ちのどこかに疑問を残しつつ治療を受けてきました。主治医、知人の紹介のDrも共に打撲で横に長くという集積はありえないとお考えのようでしたが、割と短期間で治療が奏効したことなど考え合わせると、もしかして・・・という思いが残ります。確定診断をするには生検をするしかないのでしょうが、03/6月の時のものは。やはり骨metaと考えたほうがよいのでしょうか?

画像もないので大変答えにくい質問だと思うのですが、これまで経験された症例や、可能性...ということででもお答えいただければ助かります。お忙しい中、どうぞよろしくお願いいたします。

骨シンチグラムは、骨転移の診断に際してとても有用な検査で、乳癌をfollow upしていく上でなくてはならない検査のひとつです。しかし、偽陽性すなわち転移でないのに転移のようにみえるケースも少なからず存在し、その診断に難渋することがしばしばあります。貴方の場合が転移であったか否か、直接拝見しておりませんので申し上げられる立場ではございませんが、経過とも考えあわせると転移でなかった可能性もあるように思われます。しかし、いずれにしても転移の可能性が充分に高かったことだけは間違いないので、ゾラデックス、アレディアの使用に関しましては、よい選択であったと思います。その後画像上骨転移巣が消失したとのことですから、アレディアを一旦中止、その後は慎重に経過観察ということが一般的だと思います。(文責 谷)

 

No.2565-1】 04年06月20日  NK
乳がんの疑いはあるでしょうか?

会社の婦人科検診(触診のみ)で、しこりがあると言われ、再検査をすることになりました。検査に行ったところ、生理一週間前ということで、胸が張っているので検査ができないと言われました。でも、生理が終わるまで結果が分からないのは不安なので、相談させてください。26歳、独身です。今、生理前ということもあるのか、かなり胸が痛いです。これは、生理前はだいたいあります。よく、乳がんは痛まないといいますが、この痛みは胸が張っている痛みであって、乳がんとは関係ないのでしょうか? 全体にしこりがある感じで、どれを先生が指摘したのか分かりません。乳房、乳首には変形も無く、分泌物も出たことはありません。ただ、しこりを指摘されました。可能性として、乳がんの疑いはあるでしょうか? 教えて下さい。よろしくお願いします。

直接拝見したわけではありませんので詳しいことはわかりませんが、まだ26歳ということなので、その年齢で乳癌に罹患する方はきわめて少ないとだけはいえそうです。また、痛みに関してはやはり生理前の乳房の張りに伴う痛みと考えられ、乳癌との関係はないと思います。ただ、乳癌の可能性が100%ないとはいえませんので、やはり乳腺外科を受診して、しっかりと調べてもらいたいと思います。(文責 谷)

 

No.2565-2】 04年06月24日  NK
乳がんの疑いはあるでしょうか?(2)

お返事ありがとうございます。今朝、早速検査をしてきました。マンモグラフィーとエコーの検査です。結果、線維腺腫ということでした。心配はいらないと言ってもらえたのですが、よく乳がんとの識別が難しいと聞きます。細胞診をしなくても大丈夫でしょうか? マンモグラフィーの方には何も写らず、エコーで線維腺腫の症状があったようですが・・・。今後、定期的に検査をしていこうとは思っていますが、乳がんへ発達する心配はないでしょうか?よろしくお願いします。

線維腺腫は20〜30歳代の若年者に頻度の高い良性の腫瘍で、乳癌との鑑別も比較的易しいケースも多く認められます。穿刺細胞診も行っていないようなので、おそらく線維腺腫に典型的な触診およびエコー所見だったのだろうと思います。一般に線維腺腫が乳癌に発展することはないと考えられておりますが、線維腺腫でも比較的短期間で増大するものや、葉状腫瘍という増大傾向の強い腫瘍との鑑別がつきにくいケースもありますので、定期的な検査のほかにも、ご自分でもときどき増大傾向がないかチェックしていく姿勢が必要と思われます。(文責 谷)

 

No.2564】 04年06月20日  H 
 ICTP値について(HPNo.2178-6)

HPNo.2178で相談させて頂いている者です。同時性乳癌で、病理の結果明らかな腫瘤はみられず、間質浸潤も見られないが、腺癌が有り、乳管内進展有り、リンパ節0/13、ホルモンER90+ PRG- ly0、ハーセプト- Tis n0 ステージ0期でした。この時に初めて5月の術前の腫瘍マーカーを教えていただきました。他は基準値よりずいぶん低かったのですがICTPだけ4.0と、とても基準値に近く、以前に相談させて頂いた右肋骨痛みがそんなに気にならなくなってきたものの、まだやっぱり左とは違う嫌な感じが有り、骨転移かと・・・。50歳代ですと普通でも高い方もあると聞いたことがありますが、32歳で4.0だなんて・・・。術後健康な方は、だいたい3.5とか、2.8とか、基準値よりも開きがあります。左はコメドも有り、異型度が3です。やはり先生方の経験上、再発をしてしまう人が多い症例でしょうか。リンパ節転移陰性でも再発される方はよく聞きますし、反対にリンパ節転移があっても再発されない方も大勢いるので、リンパ節よりも癌事態の性質を考えると、私も再発をしてしまうのかな・・と、なかなか明るくなれません。2月からゾラテックスをしていますが、ICTPはホルモン治療の影響を受けないと聞いています。先生方のご意見をどうぞ宜しくお願い致します。

TCTPは主に骨吸収を反映するマーカーで、骨転移の指標として最近多く用いられております。乳癌の領域においては、症状や画像による骨転移発見に先立って、TCTPが高値をしめすことがしばしばあるとされております。TCTPは4.5未満が正常範囲とされており、貴方の場合4.0であったということですので、少なくともその値で骨転移を疑うということはないと思います。しかし、TCTPに限らず腫瘍マーカーは一回の値よりもその変化が重要ですので、次の採血の際のTCTPの値がどう変化するか、主治医の先生からお聞きになるのがよいと思います。お若いにもかかわらず両側とも手術をお受けになっておられ、こころよりお察し申し上げますが、決して貴方の場合再発の可能性が高いケースとは考えらません。疑心暗鬼という言葉があります。気になっているとすべてのことが自分の悪いように感じられることがあります。貴方の場合、充分過ぎるほどよくお調べになり、よく考えておられます。ここらで一旦、「すべて主治医にまかせるわ」と、肩の力を抜かれてはいかがでしょうか? 貴方の不安の一部を主治医の先生が吸い取ってくれるかもしれません。(文責 谷)

 

No.2563】 04年06月18日  SAKI
左胸の痛みについて

24歳の未婚女性です。1ヶ月ほど前から左胸に痛みがあります。痛む場所はそのつど内側であったり外側であったりします。痛みは最近軽減してきていますが、心配です。特にしこりは無いように思います。また、3年ほど前に乳輪にかゆみを伴うただれがありました。乳首と乳輪の境も少し切れていたようで痛かったです。左乳房下部の下着が当たるところにもできていて、膿のようなものが出て、皮がはがれるような状態を繰り返していました。市販薬が効かず、なかなか治りませんでしたが、今ではまったく症状はありません。パジェット病というものがあると知って、現在の痛みのこともあり不安です。やはり病院へ行ったほうが良いでしょうか?その場合、何科を受診したら良いでしょうか?   

直接拝見していないので推測の域を出ませんが、メール内容から判断してパジェット病の心配はないと思います。プロゲステロンの血中濃度が高くなると、痒みが出る場合もあります。現在は症状がないとの事ですが、念の為に一度乳腺を取り扱っている外科で受診してください。(文責 須田)

 

No.2562-1】 04年06月18日  K.T.
細胞診 クラスVについて

36歳です。しこりはなかったのですが、痛みがあった為、先月マンモグラフィーと超音波検査を行いました。マンモグラフィーでは特に異常がなかったのですが、超音波検査で左の乳房に直径2cmと1cmの腫瘍が2個見つかりました。小さい方はクラスTの良性で、大きい方はクラスVと結果がでました。これから先は、3ヶ月ごとに検査を行うようで、先生は、「悪性に変わることもあれば、良性に変わることもある。手術をして良性だった場合、大きさが大きいだけに無駄になってしまうから、はっきり悪性とでたときに手術をしましょう。」とおっしゃっています。私は、次の検査で良性になってくれていたらと考えていますが、もし良性とでたとしても、また、それがいつ悪性に変わってしまうのかと不安でいくよりは、今すぐ手術をしてしまった方が良いのではないかとも考えています。でもやはり、先生のおっしゃる通りに様子を見たほうがよいのでしょうか?それと、最近は腰や背骨や脇の下が痛くなっているのですが、クラスVの結果で、もしかしたら転移かも知れないと思ってしまうのは考えすぎでしょうか?宜しくお願いいたします。

Class V とは、正常な細胞ではないが、癌の細胞でもなく、どちらか分らない」という事です。従って、次の手順として、再度吸引細胞診を行うか、生検を行うということになります。主治医の仰るように経過観察をしていくか、あなたの仰るように切除して調べるかという事ですが、実際の臨床の現場では、個々の状況を見極めて、その時その時の判断で、いずれも行われている事です。私どもの施設では、年齢25歳以上(25歳以下で乳癌の場合はほとんど見られない)、2cm以上の場合は、生検を勧めています。貴女の場合、あまり心配しすぎるのも精神衛生上よくなく、不安を取り除く意味からも生検を考えてもいいかもしれません。もう一度主治医とご相談し、今後の方針を決めてください。(文責 須田)

 

No.2562-2】 04年09月19日  K.T.
切開生検とマンモトームについて

HPNo.2562でお世話になった者です。ありがとうございました。今度、切開生検をすることになりました。最初は、良性の場合でも残したくなかったので、切開生検でもよいと思っていたのですが、いろいろ考えると不安になり、先生にマンモトームではと言ったところ(私の行っている病院にはマンモトームはありませんが)、私の腫瘍の場合は、切開生検の方がよいと言われました。マンモトームのデメリットもいろいろと教えていただきましたが、マンモトームが向き、不向きの腫瘍というのはあるのでしょうか?まだ気持ちがふらふらしている部分があるので、切開生検のメリットがありましたら、教えていただけたらと思います。お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

マンモトームは3−4mmの小さな傷から従来の針を用いた生検で、採取される検体(病理検査用の組織)が少ない問題を解決した優れた検査法だと思われます。多くの病理検査用の検体採取にマンモトームは有効だと思われます。しかし切開生検と異なり腫瘍全部を確実に切除する方法ではないので、たとえ良性腫瘍でも腫瘍が残ると問題な腫瘤には、適応を十分に考慮する必要があります。たとえば急速に大きくなる線維腺腫や葉状腫瘍が疑われるようなものです。それらでもいったんマンモトームで診断したのち切除ということも可能です。またマンモトームは多くの組織がとれるとはいえ切開生検に比べて採取量は少ないので、病理診断が、マンモトームだけでは十分につかない場合が少数例ですが存在します。(文責 福間)

 

No.2561】 04年06月18日  K 
しこりと腕の痛み

3ヶ月ほど前に、しこりを発見しました。左胸で3cm位の大きさです。場所は外側の下の方です。形ははっきりと感じられ、皮下脂肪にボールが埋め込まれている感じです。何となく左胸に鈍痛を感じることがあります。1ヶ月ほど前から、左腕が肩こりのような症状がずっとあり、手を挙げると痛いです。左脇の下が少し腫れている感じがします。乳ガンで既に左腕などに転移しているのでしょうか?

3cmの腫瘤があるとの事、貴女の年齢が分りませんが、閉経後であるとすれば、乳癌である確立も高くなります。いずれにしろ診察を受けなければ分りませんので、不安を取り除く意味からも、乳腺を取り扱っている外科で受診してください。視触診、乳房撮影、超音波、吸引細胞診等の検査をすることになると思います。痛みとしこりとの関係はなさそうに思いますが、直接診察した訳ではないので、推測の域を出ません。これについても受診時にご相談ください。(文責 須田)

 

 

No.2560】 04年06月18日  A、N
抗がん剤使用の基準について(HPNo.2472-2)

前回「2472」で、相談させていただきました。その節は、お忙しい中、ご回答をありがとうございます。病理の結果が出まして、再度、ご相談申し上げたく、メールしました。乳首と皮膚を残して、胸筋温存乳房切除、同時、広背筋再建手術を4月末に受けました。私の場合、大きなしこりは3つで(22x15x9、 13x11x9、 8x6x3mm)、うち、最初の二つは基定部でつながり、ひょうたん型をしていて、ひとつの大きさとしてみるならば 4センチとの事です。一番小さな腫瘍は、子(娘)核との事でした。それ以外に、乳管内にとどまっている非浸潤性のガンは多数あり、石灰化の所見は、乳房全体に拡がっていたとの事です。ステージ2、グレード2、組織型は乳頭腺管ガン、リンパ節転移 0(19個とりました)、エストロゲン・プロゲステロンともに陽性、HER2陰性、乳首や胸筋への断端陰性。よって、放射線照射なし、抗がん剤なしで、今後はゾラデックスとノルバデックスで治療していきましょうとのお話を受けました。
病院にも主治医にも何一つ不満がなく、信頼しており、感謝もしております。信頼しているからこそ、疑っているようで、質問しにくくて、こちらの先生のご意見を伺えたら幸甚です

@ 手術前、レベル1でのリンパ節郭清と説明を受けましたが、通常19個も取れるのでしょうか?ここの相談室に訪れる方々の内容を拝見していると、レベル1では、もっと分母が少ないように思うのですが・・・。
A 腫瘍が大きかった場合、リンパ節転移が認められなくても、抗がん剤を使用する病院があると聞きました。私は4センチあり、しかも、乳房内に非浸潤性のガンが多数認められていたのですが、ホルモン治療だけと言うのは適切な治療なのでしょうか?
B もし仮に化学療法を主治医にお願いするとしたら、私のような状態の患者には、一般的にどんな薬剤を使用しますか?

お手数をおかけして、申し訳ありませんが、アドバイス、どうか、よろしくお願い申し上げます。

@  リンパ節のレベル1とは、小胸筋外側縁より外側の腋窩の脂肪織の中に含まれているリンパ節をさします。手術手順としては、上記範囲のリンパ節を含む脂肪織を切除し、術後に、この中に含まれているリンパ節を取り出して顕微鏡で転移の有無を調べることになります。重要なことはリンパ節が何個あったかという事ではなく、転移が何個あったかという事です。リンパ節の数は、レベルに関係なく、ケースバイケースで人によって異なりますが、19個というのは、非常に多いという数ではありません。貴女の場合は、腋窩の脂肪織に含まれていたリンパ節が、後で拾い出してみたら19個あったということです。
A  腫瘍の大きさ4cm、リンパ節転移(-)ですから、stage Uになります。ER(+)、PGR(+)ですから、標準的の治療としては、抗がん剤+ホルモン療法という事になります。抗がん剤としては、アンスラサイクリン系を含む多剤併用療法、例えば、CAF、CEF、AC、EC等があります。主治医にメリット・デメリットの説明を伺い、がんばって前向きに治療に臨んでください。
B  例えば、AC、又はECを3週間ごとに点滴し、4サイクル行うことになります。消化器症状(嘔気、嘔吐)、食欲不振、味覚障害、好中球減少等の副作用がありますが、副作用の程度は、人によって様々です。メリット・デメリットを天秤にかけつつ抗がん剤を使用していくことになりますが、予後を考えると、出来ればがんばっていただきたいと思います。(文責 須田)

 

No.2559】 04年06月18日  risu
再発乳癌の対処について

先生方の大変ご丁寧なご回答、ご対応をいつも拝見させていただいております。本日はわたくしの妻の件でご相談申し上げます。現在39才、2002/05月に左右の乳房にしこりが見つかり、左右同時に温存手術を受けました。切除量については、詳細の記録を私どもで残しておらず、記憶に頼りますが、左2x2, 右4x2ほどの切除片であったように思います。リンパ節の郭清なし、センチネルリンパ生検も実施せず、切除後の病理検査の結果は、左 前癌病変、右 非浸潤癌、stageI grade1。ホルモンレセプター、ハーセプテストについても実施されていないそうです。術後も追加治療はありませんでした。この度、2004/06月に右乳房にしこりが触れたため、検査の結果、マンモにて1cmx1cmほどの腺状の石灰化像が確認され、1回目の穿針細胞診でIII、2回目の穿針細胞診でVと判定され、MRIを受けました。主治医の先生のご判断では、「MRIの画像、エコー画像から判断すると、乳腺に沿って右乳房下の広い範囲に癌が広がっているため、右乳房は全部切除する。状況から見て、リンパ節の郭清は必要なし。センチネルリンパ生検はおすすめします。」との事でした。部分切除の可能性をお聞きすると、不可能とのお返事でした。また、アンダースキンでの全乳腺切除についてお聞きすると、おすすめはできないが、不可能ではないとのお返事でした。妻は乳房の全切除に大変否定的です。少々神経質な性格であることもあり、確かに前回の温存手術後も、わずかな切除であったにもかかわらず、かなりの期間精神的に追い込まれているような状況があり、今回の切除を実施した後のケアに少なからず心配がついてまわります。妻は今回もリンパ節の郭清を必要としないケースだから、何か他の方法があるに違いないと自分の都合によいことばかり考えています。ご質問ですが、このような非浸潤癌と想定されるが、乳腺に沿って広がっている癌のケースで、ホルモン療法(レセブターの確認が先になりますが)、化学療法等で癌の拡大や転移をひとまず抑えることは可能でしょうか?  転移等で命を危険にさらすことはできないのは当然ですが、5年ほど何とか他の方法で抑え込み、妻も45過ぎにもなれば、精神的にもなんとか納得のうえ、手術が受ける事ができるようになればと都合のよいことを考えています。主治医の先生は、この点については、「妻が寿命を全うしないということ、端的には、そのような方法は無治療と同等であり、現状の状況からすると5年は生存可能だが、その先は何の保証もないという事。」とのお返事でした。拙文長くなりまして恐縮ではございますが、アドバイスをいただければ幸いに存じます。

奥様の場合、非浸潤癌の術後乳房内広域再発と考えられます。手術をせずホルモン治療、化学療法、放射線療法などで5年という長期間経過をみることは、それに関する明確なデータがないため、無治療と同等かどうかはともかくとして、原則としてお勧めできません。直接拝見していませんので詳しいことは申し上げられませんが、手術療法による治癒の可能性は充分に高い反面、他の療法では進行の抑制をくいとめる保障、すなわち命の保障がないということになりますので、やはり手術の選択をはずすことはできないと思います。度重なる経過にご夫婦ともにとまどっておられることと拝察いたしますが、幸いにもこれだけ熱心に病気に立ち向かってくださるご主人様がいらっしゃるので、今一度ご家族の将来をみすえたうえで、ご夫婦でよく話し合われることを望みます。(文責 谷)

 

No.2558】 04年06月18日  S.N.
乳癌の前兆

29歳、未婚、喫煙者の女性です。私の祖母が乳癌で亡くなり、その後叔母さんが子宮ガンになり、癌家系の中育っているのですが、ここ数年私自身も左胸に痛みのあるしこりに悩まされ、乳癌検査にも定期的に行くようにしてます。乳腺炎と診断され治せる薬は無いといわれたのですが、今後乳癌へ発展していく可能性は有るのでしょうか? 主に乳癌になる前の前兆やしこりの形など教えて下さい。又乳癌にならない為に気をつけなければならない事はありますか。宜しくお願いいたします。

乳腺炎と診断されているとのことですが、乳腺炎と乳癌との間には、特に因果関係は指摘されておりません。また、文面より拝察するに、貴方の場合「乳腺炎」でなく、「乳腺症」と診断されているのではと考えますが、やはり、乳腺症が乳癌に発展することもないとされております。乳癌の予防や予見は、もしそれがわかれば大発見ということになりますが、残念ながら、まだそれはわかっておりません。ただ、乳癌になりやすいグループというのは、ある程度指摘されており、未婚、乳癌の家族歴があること、初潮年齢の早い女性や閉経年齢の遅い女性などがこのグループにあたります。因みに、喫煙は喉頭癌、肺癌、食道癌をはじめとして多くの癌になりやすくすることがよく知られておりますが、乳癌との間には因果関係は指摘されておりません。貴方の場合、乳癌の検査もしっかりとお受けになっており、今の姿勢で今後もお続けいただければ、充分かと考えます。(文責 谷)

 

No.2557】 04年06月16日  maiko
癌の可能性は高いのでしょうか?

初めてメールさせていただきます。私は22歳です。2日ほど前から、わきの下(毛の生えているところ)に1cmほどのしこりに気づきました。触ると鈍い痛みがあり、脇を閉めていると圧迫感があります。癌ではないかと、とても心配です。病院には怖くて行くことが出来ません。癌の可能性は高いのでしょうか?少し様子を見たいのですが、早めに行ったほうがいいのでしょうか?私の家系には乳がんやリンパ節腫の人はいませんが、祖母が直腸がんです。もし病院にいくなら何科に行けばよいのでしょうか。教えてください。よろしくお願いします。

直接診察していないので、推測の域を出ませんが、おそらく「粉瘤」だろうと思います。粉瘤は乳癌ではなく、皮膚疾患で、悪いものではありませんが、しこりは摘除して調べる場合もあります。治療が必要かどうか、はっきりさせる事が大切ですので、外科又は皮膚科を受診して、ご相談ください。不安を取り除くためにも、診察を受ける必要があると思います。(文責 須田)

 

No.2556】 04年06月16日  Y.S
乳がん検診の結果について

50歳の母を持つ22歳の者です。今年5月に母が受診した乳がん検診の結果によると、視触診所見ではしこりやリンパ節を含め、異常は認められないとのことなのですが、マンモグラフィー所見では「鑑別が必要な石灰化」という欄にチェック印(V字)が付され、左の乳房に形態は多形成、分布は集簇性、随伴する他の所見ありと示されました。腫瘤、リンパなどについてはチェック印が付されていません。MLOという欄には乳腺の評価が不均一高濃度、R-MLO・CCの欄は共に「1」なのですが、L-MLO・CCという欄にカテゴリー「4」と示されています。「左乳腺上内側に悪性を疑わせる所見を認めます」とコメントされ、乳がんの可能性があるとのことのようです。今週金曜日には父も母と共に要精密検査の指示通り、行ってくるとのことです。この状態からすると、現段階では乳がんであっても早期のものと考えられるものでしょうか。それとも進行したものも十分に疑わなければいけない状態なのでしょうか。

カテゴリー「4」とは、乳癌に典型的な形態ではないが、悪性である可能性が高い病変で、細胞診や生検を含めた精査が必要であるということです。カテゴリー「4」で、マンモグラフィガイド下組織生検を行った場合、53%が乳癌であったとのデータもありますが、それらの多くは、非浸潤性のものです。お母様の場合も、生検を行って、癌であるかどうかの判定をすることになります。たとえ癌であったとしても早期である可能性が高く、治療によって充分コントロールできると思います。いずれにしても精査が必要ですので、主治医の先生とよくご相談ください。(文責 須田)

 

No.2555】 04年06月16日  pooh
乳首のかゆみについて

26歳です。出産の経験はありません。3ヶ月程前、突然右の乳首がかゆくなりました。かゆくなり始めた頃、かゆみが我慢できずかいてしまい、乳首から黄色い分泌物が出るようになり、お風呂に入る際、ボディーソープ等がしみて痛みを感じるようになりました。一度婦人科で診察してもらったところ、乳腺には異常がなく、原因がわからないということで、その時は塗り薬(リンデロンVG軟膏)をもらい、様子をみることになりました。 しかし、その後もかゆみがおさまらず、塗り薬を塗ると一時的にかゆみはおさまるのですが、完全にはなおっていません。下着を着けている時は大丈夫なのですが、寝るときなどに下着を着けず、服のみ着ると、乳首がこすれ痛みを感じるため、乳首に絆創膏を貼ることもあります。かゆくてもかかないように我慢していますが、今では右の乳首と乳輪が黒ずみ、乳首が以前の1.5倍程の大きさになってしました。これは元に戻るのでしょうか? もう一度病院に行こうと思うのですが、婦人科に行った方がいいでしょうか?それとも皮膚科に行った方がいいでしょうか? お忙しいとは思いますが、アドバイスをお願いします。

月経前にはプロゲステロンという女性ホルモンが体内で増加し、この影響で「乳首が痒い」という症状を訴える女性も少なくありません。貴女の場合は、どうでしょうか? もしこれに当てはまるとすれば、病気ではありませんので、心配ありませんが、乳輪部の湿疹やパジェット病も念頭に置く必要がありますので、一度皮膚科を受診して、ご相談ください。(文責 須田)

 

No.2554】 04年06月16日  s.s 
乳首からの血性分泌(HPNo.1888-2)

遅くなりましたが、ご回答ありがとうございました。しばらく様子を見てとの事でしたが、妊娠を希望していた事もあり、その後すぐ、乳腺専門の病院にて触診とマンモグラフィ−にて検査をしました。結果、異常はなかったのですが、最近また気になる事があったので相談させて下さい。
現在、妊娠9ヶ月です。6ヶ月頃から たまに乳汁(?)が出ています。色はその時々で違って、白だったり黄だったり,透明だったりです。ところが2,3日前 左の乳首から透明に少量の血液っぽいものが混じって出てきました。翌日も恐る恐る見てみましたが、混じっている気がする…くらいの量で、昨日は白と透明しか出ませんでした。本などでも 妊娠中に分泌物が出る事はあると書いてあるのですが、血液が混じったりという事もあるのでしょうか?それとも、何か病気が疑われるのでしょうか?妊娠直前の検査では異常なかったとは言え、以前から気にしていた左胸だったので心配です。ぜひ、母乳で育てたいと思っているのですが…。次回の検診で産婦人科でも聞いてみようと思うのですが、少し時間があります。教えて下さい。よろしくお願い致します。

初乳については、血液が混じることがありますが、悪いものではありません。自然に消失するはずですので、心配はないと思います。次回検診時に産婦人科で確認してください。(文責 須田)

 

No.2553】 04年06月16日  I.O.
乳房の細胞診にてクラス5です

36才、今年1月に第2子を出産しました。乳腺炎になり、外科を受診し細胞診でクラス5が出た為、精密検査の出来る病院を紹介してもらいました。胸のX線,マンモグラフィ,超音波検査,MRIを受けましたが乳癌とするものが認められないとの事、再度細胞診を乳房の4パーツより実施したところすべての個所でクラス5となり、9日に結果を聞き、今月6月24日に全摘出手術をする事になったのですが、その報告を最初の病院にした所、「炎症も治まっていないし、術前治療なしで手術は疑問、他の病院で診てもらった方がいい」と言われました。 検査記録を借りてからではないと、他院に予約及び受診が出来ないので、受診するまでの間不安です。今の状態で、即手術を受けるべきでしょうか?他にどのような治療方法があるのか?お願いします。

マンモグラフィ、超音波検査、MRIでは腫瘍が認められなかったけれども、吸引細胞診で調べた4ヶ所すべてがclass Xであったことを考えると、病変が広範囲に広がっている可能性があります。手術可能な乳癌に対する化学療法を術前に行うか、術後に行うかについてですが、生存率に関しては両者に差がないというデータがあります。手術で局所の腫瘍を出来るだけ切除しておき、その後、抗がん剤で全身の治療を行うという考え方もありますが、貴女の場合は、まず全身療法である術前化学療法で腫瘍を小さくし、その後に局所療法である手術を行ったほうがよいように思います。直接診察しておらず、あくまでも一般的な意見になりますが、個々の状態によって判断が変わってくる場合もあります。あなたの状況を把握して下さっている主治医に説明していただき、納得のいく治療を受けて下さい。
また、セカンドオピニオンを希望する場合は、患者さんの当然の権利ですので、その旨申し出れば、快く検査結果を添えた紹介状を下さるはずです。(文責 須田)

 

No.2552】 04年06月16日  J.K 
転移性骨腫瘍かもしれないとの事です

9年前の42歳の時に左乳房全摘出後、ゾラテックスデポの注射を4週間に一度、3年続けました。それ以後は、治療は無しでした。一年に一度の検査で、レントゲン、エコー、マンモグラフィー、腫瘍マーカー、骨シンチ変化無しで9年が過ぎようとしていた今年の「骨シンチ」の検査で、肩と胸に真っ黒ではありませんが、影が出ていました。その他の検査は正常値との事です。先生は、「転移性骨腫瘍かもしれないので、3ヶ月後にもう一度骨シンチの検査をしましょう」と言われました。頭が真っ白になり、あまり質問も出来ず家に戻りましたが、「もし本当に骨に転移していたなら3ヶ月も検査が先で、ガンが広がってしまうのでは?」と心配になり、体調を崩してしまいました。落ち着いた気持ちで3ヶ月を過ごすのはとても不安になり、相談させていただきました。このまま3ヶ月後の検査まで様子見の状態で待っていた方が良いのでしょうか。よろしくお願いいたします。 

骨転移は、乳癌の初回治療以後10年間で、1〜3%の頻度で発生するというデータがあります。これを発見するために骨シンチを行うわけですが、骨折・関節の変性疾患等の病変が含まれるので、一般的には、その後、骨シンチで集積される場所をCTやMRIにて精査することになります。
主治医の先生は、おそらく、「転移性の骨腫瘍かもしれないので、(時間を置いて比較するために)3ヵ月後にもう一度骨シンチをしましょう。」と言われたのだと思いますが、貴女の場合、体調を崩すほど心配されているので、その旨主治医に申し出て、CT又はMRIにて精査し、はっきりさせることも必要かもしれません。主治医とご相談下さい。(文責 須田)

 

No.2551-1】 04年06月15日  Y.O.
切らずに乳癌を治す方法

はじめまして。34歳未婚です。先月下旬に3.5センチ、3.2センチの乳癌と診断され、これからタキソテール?という抗がん剤を使って術前化学療法に入る予定です。しかし、友人から切らずに乳癌を治す方法があると聞いたことがあると言われ、どのようなものなのか大変気になります。噂では日本にも数台しかない大変高価な機械で保険が利かず、治療に何百万もかかると聞きました。それは、どこでやっているのか、どんなタイプの乳癌が有効なのか、メリットとデメリット、何故みなさんがそれをやらないのか、料金はおよそいくらくらいなのか、分かれば教えていただきたいです。4日後に抗がん剤治療に入るため少々急いでいます。お忙しいところ恐れ入りますが、よろしくお願いします。

陽子線治療のことでしょうか?陽子線は線量が体の表面では少なく、ある深さに達すると最大になる(8〜12cm)という性質があり、病変部を狙い撃ちすることが出来るので、X線に比べて副作用も少なく、治療効果も高いと考えられています。ただし導入されている施設には限りがあり、筑波大学・国立がんセンター東病院・兵庫県立粒子線医療センター・静岡県立静岡がんセンター・若狭湾エネルギー研究センター等です。国立がんセンター東病院では、高度先進医療として認可され、肝癌・肺癌・前立腺癌に使用されていますが、費用は約300万円かかるそうです。
患者への負担が少ないことから、新たな癌治療の方法として活用され始めていますが、乳がんは体表に出来る癌なので、あまり適用されていないはずです。(文責 須田)

 

No.2551-2】 04年06月23日  Y.O.
ピンポイント照射

HP番号2551でお世話になり、ありがとうございました。先日テレビで、放射線の三次元照射(ピンポイント照射)により、切らずに乳がんが治せると放送していました。 本などを読むとまだ数十名しか治療していないため、まだ実験段階。それでもよければ相談にも乗るし、治療もしてくれるそうです。放射線による重大な副作用もなく、跡が薄く赤い線などが入る程度。切らなくてもがんが治るというのは、私は想像もつかないことですが、切らずにがんが治療できるというのはどのように感じられますか? 実験段階といいながらも実際に治療が始まっているようです。今後の発展性をどのように想像しますか?よろしくお願いします。

ご存知のように乳癌は放射線の感受性の高い癌であり、現在では、乳房温存療法の術後、局所再発の部位、進行乳癌の局所コントロール目的など、数多くの場面で放射線が用いられております。ピンポイント照射は、特殊な放射線機器を用い、ある部分だけに集中的に照射するもので、この機器は全国にまだ10台前後しかないのではないかと思います。まだまだ使われるようになってからの日も浅く、治療効果について他の治療法と比較できる状態ではありません。現在ある病院で、術前化学療法にこのピンポイント照射を併用し、その後通常に手術をしてこれらの効果を調べる臨床試験が始まっております。1立方cmの癌が60Gyの照射で完全に消えたという実験データもあり、将来一部の乳癌に対して手術をせずピンポイント照射を行うという選択肢が生じるかもしれません。しかし、段階を経た数多くの臨床試験の後、慎重に検討する必要性がありますので、まだまだ先の話と思います。(文責 谷)

 

No.2550】 04年06月14日  DQQ
手術待ちです(HPNo.2388-5

毎回早急なご回答ありがとうございます。HPNo.2388でお世話になっています。31日に癌宣告をされ、手術も24日か25日には行う予定のようです。今週日曜日から胃が締め付けられるように痛く、眠れない夜を過ごしています。ストレスからくるのだろうと薬を飲みながら仕事へ行っています。あまり毎日触りすぎるのも怖い気がして、しばらくシコリには触れなかったのですが、久しぶりに触って見ると少し大きくなっているような気がします。形も5/2に初めて気がついてから変わっているような気もします。相変わらずコロコロと動くのは変わりありません。シコリに気がついてから一ヶ月・針を刺してから二週間と少し・・こんなに早く進行することはありえますか? ステージT・転移は無さそうとの事でしたが、大きくなっているのは気のせいではないような・・・きっと手術を控えた患者はみんな不安なんだとは思いますが、見た目は明るく元気キャラの私ですが、小心者な一面があり、不安は次々沸いてきて、毎日一人になるとふさぎ込んでしまいます。診察をしていない先生にこんな質問ばかり、お忙しいのに申し訳ありません。他に相談できる人が居ないもので・・よろしくお願い致します。    

乳癌の診断がついて入院待ちの期間は、皆さん、程度に差はありますが、不安な気持ちで過ごされるようです。ステージT・転移は無さそうとの事ですから、急激に進行するようなことはないはずですが、直接診察をしていないので、はっきりしたことは分りません。不安に思っていることは、我慢せず、現在の貴女の状態を最もよく把握して下さっている主治医に遠慮なく問い合わせてください。善処して下さるはずです。手術後の病理結果をもとに術後療法の検討を行いますが、主治医とよく相談して、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.2549】 04年06月14日  M.I
手術後の補助療法

妻(57歳 閉経)が乳房温存手術後の放射線治療も後数回になりましたが、この後、補助療法として抗がん剤を使った方がいいかどうか迷っています。病理診断は腫瘍の大きさ1.5x1.6センチメートル 充実腺菅ガン 悪性度3 リンパ管侵襲0 血管侵襲0 ホルモンレセプター(ER)(PR)とも(−) Her2(++) 断端(−) 切除したリンパ節はセンチネルで2個、少し張れていたもの1個 計3個とも(−)です。抗がん剤を使わなければ再発の可能性はどのくらいでしょうか。使うことで再発を防げる可能性はどのくらいでしょうか。 宜しくお願いいたします。

センチネルリンパ節に転移がないので、リンパ節転移がないと考えた場合、ER)(PR)とも(−) 腫瘍の大きさ1.5x1.6cm 57歳 悪性度grade3 ですから、ハイリスク群に入り、標準治療としては化学療法が推奨されます。奥様のような状態(ER ?、 PGR -、 n0、 ハイリスク群)では、5年無再発生存率を比較すると、何もしない時 77.3%、CMF療法 83.5%、CAF療法 86.7%というデータがあります。一般的にはアンスラサイクリン系を含む治療が推奨されますが、このデータでは、無治療の場合と比較して9.4%再発を防げる可能性があるということになります。この数字で満足できるか、医療経済的にはどうか、副作用についてはetc、個々によって意見が分かれるところです。個人的には、今できる治療は行うべきと考えますが、主治医とよく相談し、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2548】 04年06月14日  M.I.
肝機能障害について(HPNo.1868-9)

HPNo.1868です。先日、術後半年の血液検査、肺レントゲンの結果は異常無しでした。ところが血液検査で肝機能の数値が高いと指摘されました。担当医は「特に気にする数値では無いので、様子を見ましょう」との診断でした。しかしながら、数値が気になりましたので、御相談させて頂きました。
AST(40)  ALT(54)  LDH(171)  G−GTP(92) ALP(201)  LAP(80)

【質 問】
@ この数値で、肝臓に関して何も検査等受けなくてよいのでしょうか?  (昨年の人間ドックで、脂肪肝と診断され、数値的には正常だったので、再検査の指摘はありません)
A 今、ノルバデックスを飲んでいますが、このまま飲み続けて大丈夫なのでしょうか?
B 原因として考えられるのは、薬の影響でしょうか?
C 今、胃の調子が悪く、背中が張ったりしていますが、上記の肝機能数値との関連性はありますか? 
D 現在ゾラティックスを注射しているので、毎月病院へ行っております。その際に血液検査をしてもらい、数値の経過を見たほうが良いのでしょうか?

お忙しい中、乱雑な質問で申し訳ありませんが、よろしくお願い申し上げます。

@ 次回受診時に採血をして、再検査を行うと思います。
A B タモキシフェンの副作用には、悪心・嘔吐・顔面紅潮・血小板減少等がありますが、いずれも軽い症状です。また長期連用により子宮内膜癌の発生が少なからず見られます。肝障害はタモキシフェンの副作用としては考えられず、内服は続けて問題ないと思います。手術前の検査値にもよりますが、AST、ALT共に3桁以上の場合は、内科で検査して調べる必要があります。
C 診察をしなければ分かりませんが、「胃の調子が悪い・背中が張る」等の症状がありますので、肝・胆道系の疾患があるかもしれません。原因を調べるためには消化器の検査が必要です。
D 不安を取り除く意味からも、検査を行って、変化がないか、よくなっているか、等の経過観察は必要だと思います。主治医とご相談ください。(文責 須田)
 

 

No.2547】 04年06月14日  K.T.
19歳になります

ここ最近、時々なのですが、両胸の上半分(乳首より脇の付け根寄り・鎖骨の13cm位下)が痛むような感覚があります。痛いというより肩こりの感じに似ています。しこりは触った限りでは特に目立ったものはありません。大学に通う一方、バイトを学費のためにしているので、なかなか病院に行く機会がなく、まだ一度もガン検診を受けたことがありません。これはガンの可能性があるのでしょうか?すごく不安です。もし可能性大ということでなければ、病院に行くのも出来れば夏休みにしたいと思っているのですが…。今すぐ病院に行くべきなのでしょうか?

私自身の経験では、10代での乳癌症例は35年間で19歳の女性1例だけです。その方は、明らかに乳房にこぶ(腫瘤)があり、吸引細胞診で乳癌と診断がつきましたが、10代での乳癌は極めて稀です。貴女の場合も、乳癌である可能性はほとんどないと思いますが、不安を取り除く意味からも、夏休みにでも一度乳腺外科で診てもらって下さい。(文責 須田)

 

No.2546】 04年06月14日  N 
アメリカ在住の乳腺外科医師

インターネットのHPにて相談を受けてくださると知り、メールしました。現在、メキシコのモンテレイ在住、35歳、1歳の双子を抱えています。今年2月日本への一時帰国の際、人間ドックを受け、左胸乳輪付近に7mmの腫瘍が認められました。専門医を紹介して頂き、2月には触診・エコー検査・X線検査・細胞診(針生検)、5月に再度触診、エコー検査・細胞診を受け、共に良性(negative)という結果を受けました。が、先生からは以後も3ヶ月毎の経過観察が必要であると言われました。(先生のお話では最大でも6ヶ月スパンでの経過観察要とのこと)
ですが、私は日本在住ではないので、どこで経過観察を行うか、ということで悩んでいます。一番良いのは日本に戻ってこの先生に診ていただくことだとは承知しておりますが、諸々の事情により、なかなか難しいのが現状です。希望としてアメリカで診察を受けたいので、日本人医師(言葉が不自由なため)でメキシコ・モンテレイに近いアメリカ在住の乳腺外科医師を探しています。色々インターネットでも調べてみたのですが、私の力不足により探せませんでしたので、もしご存知の先生がいらっしゃったら、ご紹介頂きたくメールした次第です。乳がんの病状についての相談ではないのですが、どうぞよろしくお願い致します。

乳癌の医療で有名なM. D. Anderson Cancer Centerに、Dr.Naoto.T.Ueno がいらっしゃいます。(Associate Professor of Medicine. The University of Texas-Houston)
上野先生は腫瘍内科の先生ですが、事情をお話して、乳腺外科の医師を紹介していただいたらよいかと思います。
上野先生と直接面識はなく、情報のみで申し訳ありませんが、ご連絡させていただきます。(文責 須田)

 

No.2545-1】 04年06月14日  a.k
乳房のしこりについて

乳房のしこりについて相談させてください。5/21に断乳し、今日で3週間がたちました。断乳後4日目と18日目には助産婦さんのマッサージもしました。4日目のマッサージの後はほとんど張ることもなく過ごしていました。しかし、昨日(21日目)、左乳房の付け根(わきより少し乳房より)に小さいしこりを発見しました。授乳中のしこりと比べるととても小さく、今までにない場所のしこりです。断乳の影響だと思いますが、とても心配です。乳腺外来の診察は必要でしょうか。

直接拝見していないので推測の域をでませんが、乳瘤といって、母乳が溜まった嚢が出来ることがありますが、癌とは関係ありません。メール内容から判断しておそらく乳瘤だろうと思いますが、不安を取り除く意味からも、一度乳腺外来を受診し、癌でないことを確認してください。(文責 須田)

 

No.2545-2】 04年07月11日  a.k
乳房のしこりについて(2)

NO.2545で相談させていただきました。アドバスのとおり、乳腺外科にかかりました。触診、マンモグラフィー、細胞診を行いました。注射器で採った細胞の見た目は、残乳ではないということでした。2週間後の今日、結果がでて、class2と言うことでした。その場で、よく聞けなかったのですが、これは乳腺線維腺腫なのでしょうか。それとも違うものなのでしょうか。今後は経過観察ということで、3ヶ月後の受診を薦められました。確かに当HPでも、class2は良性とのことですが、「細胞診は2針なので、他の個所は分からない」との診察された先生の話です。かといって、とったりする必要はないとの事。良性で良かったものの、不安は払拭できませんでした。今後、悪性化する可能性はあるのでしょうか。しこりはこのままでよいのでしょうか。他の病院の受診したい気持ちがありますが、同じ見解でしょうか。まとまりのない相談で申し訳ありません。またアドバイスいただければ幸いです。

ClassUの細胞が採れていたからといって線維腺腫に限りませんが、少なくとも細胞診では異常細胞は採取されていなかったということです。画像所見が分からないのではっきりしたことは分からないのですが、文章から察する限り主治医は乳がんを考えていないようなので、3ヵ月後の再受診でも心配ないように思います。(文責 千島)

 

No.2544-1】 04年06月14日  Momo
嚢胞について

はじめまして。以前、検診で嚢胞と診断されました。超音波で両胸にいくつかあるみたいなのですが、左の外側にボコボコといくつか触ると感じるしこりがあり、それも嚢胞といわれました。色々とサイト等で調べると嚢胞は消えることもある・・とあるのですが、私のはいつもあります。検診のたびに消えずにあります。消えなくても大丈夫なのでしょうか?大きさは1cmもないと思います。ただ同じ所近くに5個ぐらいあります。消えなくても大丈夫なのか心配です。

一般に嚢胞が多発している場合、何回か細胞診を行ない、嚢胞内に癌がないことを確認した後、3〜6ヶ月毎にfollowをしていくことになります。中には小さくなって消失するものもありますが、大部分は消えずに残っているのでfollowを続けていく訳です。消えなくても大丈夫というよりは、消えないものは仕方がないので、定期的な検査で確認する必要があります。(文責 須田)

 

No.2544-2】 04年06月15日  Momo
嚢胞について(2)

早速お返事ありがとうございます。私は1度も細胞診をやったことがありませんが、マンモグラフィーと超音波を半年に一度乳腺外科に行って検診を受けています。結構多発していますが、すべて(多分)1cm以下なんで・・・。先生に、「細胞診をやらなくていいのか?」と聞いた所、「疑わしいものがあればもちろんやりますが、無いので・・」といわれました。2件病院に行きましたが、どちらも同じ事でした。やらなくても6ヶ月検診をうけていればいいのでしょうか?

直接診察していないので推測の域を出ませんが、例えば嚢胞が小さいとか、何らかの意味で細胞診に適していない条件があるのだろうと思います。「細胞診をやらなくていい」のではなくて、「細胞診に適していない」ということだと推測されます。また、「細胞診をやらなくても、6ヶ月検診を受けていれば大丈夫」というのではなく、「細胞診はやれなかったので、可能な検査として、6ヶ月後に視触診、更に必要であれば細胞診、マンモグラフィ、Echoを行う」ということになります。いずれにしても、6ヶ月検診で定期的にfollowすることは大切だと思います。(文責 須田)

 

No.2543】 04年06月13日  たんたん
セカンドオピニオンコール依頼

初めて相談させて頂きます、たんたんと申します。33歳既婚女性。出産経験有り。細胞判定:クラス5。ステージ1期(しこり1.7cm、リンパ節への転移無しと予想)。左乳房腫瘤(Ductal carcinoma invasive)とA病院で診断。センチネルリンパ生検をお願いしようと考え、手術可能なB病院へ行ったのですが、下記の事で悩んでいます。
1) 温存くり抜き手術の際、くり抜いた部位の周りに癌細胞が残っていた場合、更にくり抜くのか、残して術後療法で対処して行くのか迷っています。メリットとデメリットを詳しく、解り易く教えて下さい。
質問事項に関するB病院の主治医の意見:「温存でくり抜きの範囲は何処まで残すのか、周りにがん細胞が残っていても残すのか、無くなるまで切り続けるのかは、手術までに自分で決めておきなさい!」と、詳細説明無し。
2) リンパ節郭清または、センチネルリンパ生検を全くしなくても良いとの情報も有ります。メリットとデメリットを詳しく、解り易く教えて下さい。
質問事項に関するB病院の主治医の意見:「センチネルリンパ生検だけにするのか、サンプリングもするのか手術までに自分で決めておきなさい!」と詳細説明無し。

どうかアドバイスをお願い致します。

1) 乳癌は、たとえしこりが小さくても手術の時点で既に微小転移を起こしており、局所(乳房内)に留まっていないことがしばしばあります。 従って、局所(乳房)を大きく切除しても、全身に散らばっていると癌が残るので、必ずしも癌をコントロール出来るとは限りません。これが乳癌治療法の選択(大きく切除するか、小さくとって放射線をかけるか)に際しての基本的な考え方であり、温存療法選択の理論的な背景になっています。温存療法では、「なるだけ小さくとって(乳腺部分切除 + リンパ節郭清)、更に放射線照射を行い、全身に散らばった癌については、しっかり抗がん剤の治療を行いましょう。」ということになります。癌の1ヶ1ヶの細胞は目に見えないので、くり抜いた部分の周囲に微小な癌細胞が残る場合があり、乳房再発を起こす可能性があります。温存の場合、これを防ぐためにも、放射線治療は必要不可欠です。それでも再発が起こる可能性は否定できず、予防的意味からも全身療法である抗がん剤やホルモン剤を使用することになります。
2) 腋窩リンパ節郭清の要否をセンチネルリンパ節転移の状況によって決定する方法は、まだ保険で認められておらず、日本では、高度先進医療や倫理委員会承認の臨床研究の一環として行われているのが現状です。
リンパ節郭清を省略し得た場合、上腕の浮腫や腋窩郭清に伴う合併症を軽減できるメリットはありますが、直接診察していないので、詳しいことは分りません。あなたの状況を把握してくださっている主治医に伺ってください。納得のいかないことがあればセカンドオピニオンを受けることも出来ますが、その際は、今までの治療経過を添えた紹介状をいただいたほうがいいと思います。(文責 須田)

 

No.2542】 04年06月13日  K.Y.
放射線照射について教えてください(HPNo.2499-2

先日は抗がん治療に関して詳しく教えていただきました。抗がん治療に関しては迷いがなくなりましたが、放射線照射についてお聞きできれば助かります。先日はリンパ節転移が7/32とお知らせしましたが、実際は7/37で転移しているとのことでした。現在6月18日終了予定で放射線照射を行なっていますが、皆さんの相談に関してのご回答を拝見させて頂いていますと、妻のようにリンパ節転移が7個もある場合、放射線照射は腋窩、鎖骨上にも照射した方が予後が良いことが示されておりました。妻の場合は現在医師に尋ねましたところ鎖骨上にはあてていないとのことでした。望む場合、鎖骨上に更に5週間の放射線照射を行なうことができるとおっしゃってくださいました(手術をしてくださって今後抗がん治療をしてくださる病院と、現在放射線照射をしてくださっている病院は別の病院です)。しかし今後の抗がん剤治療を考えますと下記の点で不安と疑問がありますので、教えていただければ大変助かります。
@ 妻はリンパ節7個の転移がありますから、鎖骨上にも放射線照射を行なったほうが良いでしょうか。妻の予後に影響を与える事柄であれば行ないたいと考えています。
A 妻は4月9日に手術を行ないました。6月18日退院後(現在乳房に放射線照射中)、さっそく抗がん剤治療を行なうよう計画を立てたいと思っていましたが、鎖骨上に放射線照射を行なうことが良い場合、鎖骨上の照射5週間行なうことを優先させてから、その後抗がん治療を行なうべきでしょうか。それとも6ヶ月間の抗がん剤治療を優先させ、その後鎖骨上に放射線照射を行なう順番で良いでしょうか。必要な場合、どの順番が良いか悩んでいます。
B 不安な点として、妻の乳がんの大きさは直径1.5×1.1と小さいとのことでしたが、小さいのに転移しているということは、それだけ転移性が早い癌であると認識すべきでしょうか。それは臓器への転移が早い可能性を示すものでしょうか。教えてください。仮にそうであれば、やはり鎖骨上の照射を行なうべきではと悩んでいます。HER2、ホルモンレセプター等の情報はこれから得たいと思います。

6月18日退院後さっそく決定する必要のある事柄ですので、お忙しいなか大変恐縮ですが、宜しくお願いいたします。

乳房温存療法における放射線治療は必要不可欠であり、その目的は、縮小手術によって乳腺内に残存する可能性のある顕微鏡的な癌病巣を根絶することにあります。一方、乳房切除術後の放射線治療の目的は、ひとたび起こるとその制御が困難である胸壁再発を予防すると共に、二次的な遠隔転移の予防によって生存率の向上を図ることです。乳房切除後の放射線照射は、腋窩リンパ節転移4ヶ以上、原発腫瘍が5cm以上について生存率の向上が認められるという事になっています。
「乳癌は手術の時点で既に微小転移を起こしていて、局所に留まっていない(全身病である)ことがしばしばあり、局所を大きく切除しても必ずしも予後の改善につながらず、全身に広がった癌をコントロールできない」という考え方が、温存療法の理論的背景になっています。奥様は手術後リンパ節転移が7ヶ陽性であったということですが、この場合は局所療法である放射線治療より、全身病としての抗がん剤治療に力点を置くことになります。従って乳房照射が終われば、抗がん剤治療が優先され、鎖骨上の照射は必要ないということになります。
Bについては、乳房の腫瘤が小さいから進行が早いという事ではなく、手術時すでに全身病であったという考え方です。手術可能な乳癌でも、(小さいものでも)全身に広がっているもの、局所にとどまっているもの等、ケースバイケースで、本当に様々です。奥様の場合、小さいから温存術を行ったのではなく、手術の時点で全身病であると考えたので温存を選択したということになると思います。今後については、主治医と充分ご相談の上、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2541-1】 04年06月13日  MM
針生検時に出血

初めてメ−ルします。先日、妻が乳癌(大きさは、4*4センチ)だとの事で針生検を行いました。その時、出血したとの事ですが、転移の心配は無いのでしょうか。教えて下さい。

吸引細胞診によるがん細胞の散布についてはHPNo.2520でもお答えしましたが、癌の腫瘤に直接針を刺すことで、癌細胞を撒き散らし、転移を促進するのではないかという危惧について、以前はずいぶん論議されましたが、現在ではその危険性はなく、心配ないということになっています。(文責 須田)

 

No.2541-2】 04年06月15日  MM
不安でいっぱいです

早速のご返答、有難うございました。なにも分からない事なので不安でいっぱいです。大きさが4*4であるとの事ですが、妻を見ていたら平常とあまり変わらない様子です。通院先の先生によると、これから化学治療を6ヶ月間行い、癌を小さくしてから手術し、その後、放射線治療をするとのことですが、これが最善の治療方法なのでしょうか?また妻の生存率は、どの位のものなのでしょうか?また子供たちや私の妻への接し方はどうしたらいいのでしょうか?唐突に質問してばかりで申し訳ありません。

最近では、腫瘤が大きかったり、温存療法を希望したりする場合に、術前に抗癌剤を投与して腫瘍を小さくしてから手術に望むという方法も行われていますが、化学療法を術前に行うか、術後に行うかについて、生存率に関しては両者に差がないというデータがあります。直接診察していないので、これ以上のことは申し上げられませんが、何が最善かについては、いろいろ考え方もあると思います。生存率に関しても腫瘍径だけの情報では判断しかねます。ご家族の気持ちも含め、納得のいく治療を受けることが大切ですので、主治医より、腋窩リンパ節への転移の有無etc、奥様の状況をうかがい、ご相談なさってください。患者さんにとっては、温かいご家族の支えが何よりの励ましになると思います。それぞれの家族によって接し方も様々だと思いますが、奥様と一緒にがんばってください。(文責 須田)

 

No.2540】 04年06月13日  K.T. 
今後の治療法について(HPNo.2020-3)

以前HPNo.2020で質問させていただきました。その節はアドバイスを頂き、本当にありがとうございました。今回は今後の治療についてご意見をお聞かせ頂きたいと思います。よろしくお願いします。02.9〜03.10 術後補助療法として放射線治療、CEF6クール、フルツロン経口。 03.11〜 局所再発、肝転移、骨転移あり。治療法 タキソテール・アドリアマイシンを併用、アロマシン。 04.2〜現在 ハーセプチン・タキソールに変更。アロマシン継続、胸部に放射線治療。現在は局所部分、肝転移部は縮小しましたが、骨転移については脊椎、肋骨に転移が増大しています。幸い痛みはなく、高カルシウム血症はみられません。そこで、今後の治療法について悩んでいます。このまま現在の治療を継続していくべきか、骨転移の増大に伴っていわゆる高カルシウム血症に効くといわれる抗がん剤を追加すべきか、抗がん剤、ホルモン剤を再考し直すべきか・・・など。どのような治療法がありますでしょうか。ご指南いただければと思います。どうかよろしくお願い致します。

骨転移は、疼痛・病的骨折・脊髄圧迫症状・高カルシウム血症等の原因となり、お母様のQOLを損なうことになる可能性があります。現在、上記のような症状がなくても、現在の治療に、更にビスフォスフォネート(高カルシウム血症に効く薬)を追加すべきだと思います。生存には寄与しませんが、骨転移を伴う合併症の頻度を減らし、その発症を遅らせる効果があります。(文責 須田)

 

No.2539】 04年06月13日  S.S.
乳腺のう胞について

初めまして。昨年7月に授乳を終え右胸の内側にしこりを感じたので、乳腺外科にて診察を受けたところ、乳腺のう胞との診断がありました。その時中の水を抜いて検査したので、しこりは触っても分からないくらいになったのですが、最近、その部分を触ると痛みを感じるようになりました。又、妊娠をした訳ではないのですが(産婦人科で検査済み)、先月の生理が来ないので、何かホルモンとの関係があるのかと不安な気持ちでおります。乳腺のう胞というのは癌に移行する事はないのでしょうか?

吸引細胞診を行ったことと、月経不順とは関係ないと思います。月経不順に関しては、乳腺とは別の問題ですので、婦人科でご相談ください。
また、乳腺ののう胞性疾患については、のう胞内や、のう胞の近傍に乳癌が発生する事もありますので、今後とも定期的に(例えば6ヵ月毎)、検診、及び今回と同様な吸引細胞診を中心とする検査が必要です。(文責 須田)

 

No.2538】 04年06月13日  ayami
乳ガンから胸椎へ転移し治療中です

はじめまして。49才の姉が、約3年前に乳ガンの手術をし、乳房温存療法を受けましたが、3年経過した今年4月に胸椎と他数カ所の骨転移が見つかりました。抗ガン剤1クール終えたところで排尿障害となり、急遽放射線治療を勧められ、10回の照射を終えて徐々にリハビリも始まりました。治療は進んでいるものの、本人の状態はいっこうに回復認められず、留置カテーテルとおむつの生活で、起きあがりもままなりません。このままこの状態から改善できないのかと、本人の心中は一ヶ月間の入院生活のストレスに加えて、先行きの不安は隠せないようです。主治医からは放射線治療で退院し、外来での治療も期待できるようなこと言われたそうですが、今の状態とは結びつきません。可能性は期待できるのか?また今後の治療についてお聞かせいただきたいのですが・・・。

メール内容から推測すると、直腸膀胱障害と両下肢の麻痺という事だと思いますが、おそらく腰椎の転移によって脊髄が圧迫され、麻痺が起こっているのでしょう。直接診察しておらず、画像所見も拝見していないので、どこまで回復するかについては、はっきりしたことは申し上げられませんが、麻痺が長引けば不可逆性の変化となって、回復も困難になるかもしれません。放射線医師、又は主治医に伺ってください。
今後は化学療法を中心に行うことになると思いますが、アンスラサイクリン系の抗がん剤、タキサン、ハーセプチン、カペシタビン等、何を選択するかについては、現状を把握してくださっている主治医と充分相談して、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2537-1】 04年06月12日  S.S.
左乳房の付け根部分にしこりがあります

どうぞよろしくお願いいたします。10日ほど前から左脇の下が痛かったのですが、ちょうど下着を替えたところで、そのせいかと思っていました。昨日、何気なくいつまでも痛いのも変だなと思い、触ったところ、左乳房の付け根の部分にしこりを見つけました。自分なりに調べてみると、リンパ節あたりのようです。今日、隣町の総合病院に行って来ましたが、乳腺の専門の先生が月曜日に来ると言うことで、マンモグラフィーだけをとって終わりました。乳ガンはリンパ節から全身に転移すると聞きました。一日も無駄に出来ないと思い、焦っています。私の住む地域は田舎なので、明日にでも、もっと大きい街で、専門の病院で見てもらった方がいいのでしょうか? 月曜日まで待っていても大丈夫なのでしょうか?精神的な不安ばかりですが、よろしくお願いいたします。私は30代後半で二人の子供がいます。昨年末に断乳して、その後は特に手入れ等はしていません。重ね重ねよろしくお願いいたします。

乳癌の進行状況については、しこりの大きさ、リンパ節への転移の程度及び遠隔転移の有無により決定されます。ちなみに stage 1 は、しこりの大きさが2cm以内で、リンパ節転移(-)、遠隔転移がないものです。
一般的には、リンパ節転移後、引き続き全身への転移が見られることになりますが、全員が転移するということではなく、殊に貴女の場合は、まだ乳癌だと診断されたわけではありません。一日も無駄にできないほど進行が早いという病気ではありませんので、慌てず、しっかり診断して頂いて下さい。(文責 須田)

 

No.2537-2】 04年06月16日  S.S.
線維腺腫と乳腺症

先日は漠然とした相談にもかかわらず、ご丁寧なお返事有り難うございました。マンモグラフィーと超音波診断、触診の結果、先生からは「線維腺腫か乳腺症でしょう。どちらにしても悪いものではないので、大丈夫です。」と言われました。どちらなのか、はっきりさせなくても良いのでしょうか?また、見立て違いなどの可能性はあるものなのでしょうか?セカンドオピニオンを求めた方がいいと身内には言われています。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

まずは乳癌でなくてよかったと思います。乳癌であった場合、放置すると致命的になりますが、線維腺腫、乳腺症の場合は、いずれにしても、悪性のものではなく、致命的にはなりません。「どちらにしても悪いものではないので、大丈夫です。」というのは、そういう意味です。例えば毒キノコと、そうでないものとの区別が絶対に必要ですが、エノキダケとシメジを区別してもしなくても、日常生活には全く困りません。同様に、線維腺腫、乳腺症は、いずれも良性疾患ですから、どちらであるかという事をはっきりさせてもあまり意味がありません。
「見立て違いなどの可能性は?」という事ですが、全くないとは言い切れませんが、乳腺専門の先生が診察しているので、大丈夫だと思います。それでも不安という事であれば、セカンドオピニオンを求めるのもいいかもしれません。その旨、主治医にお願いすれば、これまでの治療経過を添えて紹介状をいただけるはずです。(文責 須田)

 

No.2536】 04年06月12日  I.M 
筋層にも腫瘍(HPNo.2410-3)

HPNo.2410です。半年の抗ガン剤治療の最終日、筋層にも(+)なので次は放射線と言われました。手術直後筋層に近かった、膜があるから大丈夫だと思うけどくらいの説明で、退院時も筋層の病理検査の説明はなく、抗ガン剤とホルモン療法と言われただけです。主治医もしくは内科の先生に聞いてみようと思いますが、院外の信頼できる先生にどうしてもお聞きしたいのでお願い致します。
@ 筋層の病理の結果を今頃、それも内科で聞かされる(上記のような説明とも言えない内容)ことは普通ありますか?病理の結果はどのくらいでわかりますか。
A 筋層に(+)が術中にわかれば、術式を変更して筋肉まで切除ということは行われないものですか?
B 筋層(+)ということはどういうことなのでしょうか? 大きさ、顔つきなどはわかるのですか? この結果により私は何期になるのでしょうか?
C 放射線治療により完全に腫瘍がなくなる可能性はどのくらいなのでしょうか? もしなくならなかった場合、どのようなこと(局所再発、転移の場所など)が起こりやすいのですか?
D 今気づいていないだけで、どこかに転移している可能性もあり得ますか?MRI、骨シンチなど計画されていないのですが、大丈夫でしょうか? 見つかっても何もしない(できない)とも聞いたことがありますが、そういうものですか?

@ おそらく腫瘍内科で見ていただいているのだと思いますが、日本ではまだまだ腫瘍内科がある病院は少なく、術後の抗がん剤についても、手術を行った外科で決めている場合が多いようです。摘除した乳腺組織の検査結果については、一般的には2週間程度で返事が返ってきますが、難しい症例で、病理医が別の病理医の意見を求めるというような事があれば、数ヶ月かかる場合もありえます。
A B 直接拝見していないので詳しいことは分りませんが、手術時乳癌が胸筋に浸潤している場合、以前のように胸筋すべてを切除するのではなく、術後のQOLを考えて、胸筋を一部削り、正常な部分は残すような傾向になってきています。貴女の場合、胸筋を一部削り、正常な胸筋は残してあるので、「胸筋ギリギリ」という表現になったのではないでしょうか。従って、手術によって削り取った胸筋の中には乳癌の浸潤が考えられるので、おそらくstage Vbだと推測されます。腫瘍の大きさ、細胞の顔つき等は、病理学的な検査の結果ですので、主治医に伺ってください。
C 術後放射線療法の効果ですが、無病生存率が14〜17%向上すると言われています。
D 病理結果が分らないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、局所再発、遠隔転移を起こしている、又は起こす可能性はあります。全身療法に関しては、抗がん剤やホルモン療法の方針は変わらないと思います。MRI、骨シンチに関しては、治療過程で、いずれ行うと思いますが、あなたの状態を最もよく把握してくださっている主治医に伺ってください。検査で何か異常が見つかれば、主治医からお話があると思いますが、病気と前向きに闘うためにも、納得のいく治療を受けることが大切だと思います。(文責 須田)

 

No.2535】 04年06月12日  N.M.
胸の痛み

はじめてご相談します。34歳、出産経験なしです。一ヶ月前から右胸の乳輪の斜め下に強い痛みがあります。毎日明け方の寝返り時に痛みを感じ、痛みの部分は触ると、沁みるような、もしくは剥がれるような強い痛みがありますが、その部分にしこりはありません。乳首は陥没していません。分泌物もありません。触っていると、痛みが散っていくように痛みがなくなり、しばらくしてまた触ると痛みを感じます。ただし、最近は触るとやや痛みを感じるものの、以前に比べて痛みが弱く、明け方に痛みを感じることもなくなりました。
私は今から16年前の18歳の時に左胸にしこりができ、「念のため取った方がいい」とのことで、G病院でしこりを除去しました。何ヶ月か後に右乳房にもしこりができましたが、「大きくなるようだったら来なさい」とのことでした。以後もしこりはでき続け、両方の胸に現在10個以上の触れるしこりがあります。22歳の時に3センチくらいのぼこっとしたしこりができ、別の病院でマンモグラフィーを含む検査をして、「たぶん大丈夫だと思うけど取った方がいい」と言われましたが、小さくなったので取りませんでした。以後病院には行っていません。言い訳になりますが、現在スペインで生活しており、最近痛みも弱くなったことから、なかなか病院に行けないでいます。しかし、一ヶ月もの間、強い痛みがあったことは少し不安に思っています。9月頃には帰国する予定です。お忙しいところ恐れ入りますが何卒よろしくお願いいたします。

まず痛みについてですが、乳房痛は胸痛の一部になります。胸痛は、大きく分けると内臓痛と体性痛になります。内臓痛は、心臓とか肺の病気に伴うもので、心筋梗塞、狭心症の時に代表されるような、「死ぬほど痛い」痛みです。肺の場合は、呼吸と関連した痛みが多いようです。体性痛は、体幹の痛み(帯状疱疹、肋間神経痛等)で、乳房痛もこの中に入ります。乳腺の痛みの大部分は月経周期に伴うものが多く、「気にすれば痛いが、日常生活を休むほどではない」というような痛みです。ほとんどの場合、癌とは関係ありません。ただし貴女の場合は、剥がれるような強い痛みということですので、一般の乳房痛とは異なるようです。16年前の手術は左胸ですから、今回の痛みとは関係ないと思われます。診察をしていないのでよく分りませんが、何らかの体性痛(帯状疱疹、肋間神経痛?)でしょうか。
また、しこりに関しては、現在両側に10ヶ以上触知するとのことですので、やはり9月まで待たず、一度受診して、痛みのこと、しこりのことについて充分ご相談ください。不安な部分は解消すべきだと思います。(文責 須田)

 

No.2534-1】 04年06月12日  R.A 
AC療法中ですが…

今年の3月に母が手術をしました(左全摘・リンパ転移有(2個))。現在AC療法中で、1回目の投与から40日経過したところです。三半規管の異常を訴えて耳鼻科にかかり、6月末に頭のMRIを予定しています。主治医に相談の後、MRIの結果が出るまで2回目は止めようということになり、現在に至ります。先日から激しい苛立ち・ざわつき感・不眠を訴えており、カルシウム・ビタミンDを多めにとるようにし始めたのですが、実際、乳がん患者として、「食べたほうが良いもの」「避けたほうが良いもの」というものがありましたら、是非参考にしたいので、お教えいただけないでしょうか?ちなみに、牛乳・ヨーグルト・小松菜・小魚・カルシウム含飲料・チーズなどを選りすぐって飲食しています。主治医に話しても、「いつも通りで」としか言ってもらえず、いつも通りといっても人それぞれですし、どうして良いのかわかりません。とにかく何もかもが不安でたまりません。AC療法とはこんなに日数があいてしまっても大丈夫なものなのですか?また、勝手な解釈でこのようなものを選って食べていますが、「乳がん患者の食事」としては大丈夫でしょうか?食事によって脳や骨に転移しないだろうか?考えると不安でならないのですが…。

「乳癌患者の食事」という事で、積極的これを勧めるというものはありません。一般的に発癌の環境を抑えるという意味で、肉類を過剰摂取するよりは、ビタミンC、野菜、穀物類等がいいようですが、乳癌患者さんでなくても、普段心がける食事内容だと思います。またアルコール類も、女性ホルモンに影響を与えるので、程々にしたほうがよいと言われいています。厳密に食事をコントロールしたからといって、目で見る範囲で乳癌がよくなったとか、悪くなったということにはならず、そういう意味で、主治医の先生は、「いつも通りで」と、仰っているのだと思います。あまり神経質にならず、健康な食生活を心がける程度で充分だと思います。
AC療法に関してですが、一般的には3週間毎で4サイクル行います。ただし、抗がん剤は効果と副作用の兼ね合いもあり、個々の状況を見て総合的に判断して決定しますので、一概には言えませんが、お母様の場合、MRIでの結果を待って、別の抗がん剤を考えているのかもしれません。主治医に治療方針を伺い、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2534-2】 04年06月14日  R.A 
AC療法中ですが…(2)

お忙しいところ回答ありがとうございました。とても参考になりました。AC療法ですが、嘔吐などの症状が全くでなかったので我々としてはこのまま進めて頂きたいのですが、主治医は、先生のおっしゃるとおり、「別の薬に変えたり、その都度方法を考えましょう」と言っていました。ちなみに、このままACの続行を希望した場合、1回目から2回目の間が2ヶ月以上空くことになりますが、効果は大丈夫なものなのですか?または「一からやり直し」ということなのですか?度々質問で申し訳ございません。

2ヶ月あけた場合との比較データはありませんが、効果については計画通り実施した場合に近いと考え、そのまま引き続いて4サイクル行うことになると思います。術後療法はあくまで再発予防のために行うものですから、効果と副作用のバランスを考え、個々の状況をみながら安全に行うことも大切です。主治医とよくご相談ください。(文責 須田)

 

No.2534-3】 04年07月17日  R.A 
AC療法の間隔について

度々の質問、失礼致します。以前、「1回目から2ヶ月間隔が空いてしまうのですが…」という質問をさせて頂きましたが、病院側より「他に優先の患者さんがいる」などの理由により、2回目を未だに受けられません。結局3ヶ月空いてしまうと思うのですが、効果はもとより投与法としては問題は無いのでしょうか?また、2ヶ月以上間隔が空いている今の体調としては、普通の人と変わらない状態に戻っていたりするのでしょうか?もしくは、やはりまだ白血球などが不安定な体調なのでしょうか? 何事に関しても主治医より詳しい説明が頂けず、むしろ不安に陥ってしまうような態度ばかりとられてしまうのですが、現在の状況で、他の病院に変更して治療を続行するということはできるのでしょうか?

最近は抗癌剤投与の間隔を短くして、2週間ごとに投与したほうが、3週間ごとの投与よりも効果が高いと言われています。ましてやAC療法での投与間隔が3ヶ月間も空いてしまっては、術後補助化学療法としての効果も定かではありません。前回の質問時のように、お母様が体に不調を訴えているならばまだしも、「他に優先の患者さんがいる」などの理由で化学療法を延期することはあり得ないと思います。3ヶ月間も化学療法を延期するからには、身体的副作用などでお母様自身に何かしらの理由があるはずです。もう一度主治医に説明を受けるのが一番ですが、それが難しいようならば、主治医に紹介状を作成してもらってセカンドオピニオンを受けるのも良いのではないでしょうか。(文責 千島) 

 

No.2533】 04年06月12日  A.I.
CMFとUFTの比較試験について

上記の二つの抗がん剤について、比較試験がおこなわれたと聞きましたが、その結果はどうだったのでしょうか?経口剤は効かないという話と CMFとほぼ同じ効果があるという両方のコメントがあちこちに見られます。非浸潤乳癌(ホルモンレセプター陰性、her2(+3)のハイリスク)の術後治療として選択するなら、どちらがいいのでしょうか?よろしくお願いいたします。

リンパ節転移陽性(1ヶ〜9ヶ)乳癌での術後補助療法として、CMFとUFTの比較試験が行われ、今年6月のASCO(American Society of Clinical Oncology)で、両者の効果は同等であるとの結果が報告されました。
非浸潤癌の治療では、乳房切除を行えばほぼ100%コントロールできるとされていますし、また温存療法でも、乳管内進展が広範囲の場合は、切除乳腺断端に癌細胞が遺残しないうちに切除すれば完治が望めます。いずれの術式でも、標準治療として、リンパ節郭清は必要ないことになっています。ただし、温存術を行った場合は、残りの乳房に再発する可能性を少なくするために、必ず術後放射線治療を行います。
貴女の場合、乳房切除を行っているのであれば、CMF、UFTに関係なく、このまま無治療で、経過観察することでよいと思います。また、温存術を行った場合、切除断端陰性であれば、このまま何もしないで経過を見ていくことでよいと思います。貴女の状態を充分把握してくださっている主治医と相談し、納得のいく治療を選択してください。(文責 須田)

 

No.2532】 04年06月11日  SG 
乳輪のいぼについて

はじめまして。33歳の主婦です。不妊治療で1週間前から注射を打っていますが、排卵を前にし、いつもの生理前より全体的に張っていて、乳首・乳輪においても触って痛い程です。余りの痛さに今日気づいたのですが、乳輪にいぼの様なデキモノがあり、しみる痛みがあります。強く押さえると、いぼの横から血がにじむ位で、そこがしみるのかとも思いますが、このいぼはほっといて良いのでしょうか?3ヶ月前に乳癌検診をしたのですが、いぼのない方の乳首に小さい良性と思われるしこりがあるが、特に異常はないと言われました。Paget病という病名をこちらのH.Pで初めて知り、大変気になっています。よろしくお願いいたします。

直接拝見していないので推測の域を出ませんが、メール内容から判断して、おそらくパジェット病ではないと思います。「乳輪部のデキモノから出血、しみる痛み」との事ですので、一度皮膚科でご相談ください。(文責 須田)

 

No.2531】 04年06月11日  K.K.
左胸のしこりについて(18歳男性)

18歳男性です。5日ぐらい前から左の乳首にしこりができています。見た目でも少し腫れており、触ると痛みがあります。男性にも乳がんがあると知り、とても不安です。

10代の男性乳癌の報告は見当たりません。おそらく思春期の女性化乳房だと思います。癌ではなく、良性の疾患であり、大部分は2年以内で消失し、気にならなくなります。不安を取り除く意味からも、念のために一度乳腺外科で診てもらって下さい。(文責 須田)

 

No.2530】 04年06月11日  RK
浸潤性小葉癌の手術について

先日、左乳房の乳癌手術(温存)を行い、左側乳房病巣部(2cm未満)及び周辺の切除、センチネルリンパ節生検の手術を受けました。その後、組織検査の結果説明があり、1.センチネルリンパ節への転移は見られずリンパ節郭清の必要はないこと、 2.断端陽性(乳首側に多くある)であること、 3.切除した癌細胞は浸潤性小葉癌(多発性、両側性があるとの説明)の疑いがあることから、改めて大学病院で細胞検査を行っているとの説明を受けました(総合病院内で、小葉癌と断定できかねるという意見もあったとのこと)。また、同時に右乳房のしこり(従来検査ではグレイ)についても、改めて穿刺吸引細胞診がありました。これらの検査結果については、近々に説明がある予定ですが、
1) もし左乳房が小葉癌である場合には、追加切除よりは全摘の方が適切でしょうか。
2) 右乳房のしこりについて今回も明確な結果が得られない場合、当面切除しないということでよいのでしょうか。

担当医からの説明の前に、ある程度自分の考えをまとめておきたいと考えておりますので、ご教示方、どうぞよろしくお願いいたします。

1) 小葉癌が多発性であることを考えると、乳房切除術(全摘)をする方がよいと思います。
2) 仰るとおりです。当面切除はしないで、定期的に診察及び穿刺吸引細胞診を中心とした検査を行うことになります。(文責 須田)

 

No.2529】 04年06月11日  TF 
乳がんの症状なのでしょうか?

33歳、未婚、出産経験なしです。乳首からニキビの芯のようなものがポロポロと出てきました。お風呂に入る時、乳首に少しかゆみを感じ、かきつつ見てみると、乳首(多分お乳の出てくるところと思われる場所数ヵ所)から黄身がかった白いニキビの芯のような(シュガーくらいの粒)ものがポロポロっととれました。心配になってもう片方の乳首を見てみると同じようになっていました。親戚の人が乳首の乳がんにかかったこともあり、とても心配になってメールさせて頂きました。その後、ブラジャーを見てみると、ちょうど乳首の当たる場所に薄くシミの跡がありました。他のブラジャーも調べてみましたが、素材や色の加減で分かるものはありませんでした。これは乳がんの症状なのでしょうか? 今までもかゆみを感じたことは何度かありましたが、じっくり見た事がなかったので、前からこういう状態だったのか、急になったのかは自分の事ながら分からない状態です。去年のこの時期に子宮に小さな真珠大くらいのポリープが出来て、切除しました。また一番最近の生理が長引いて、婦人科で診察を受けました。結果、ホルモンのバランスが崩れているせいでしょうと診断されました。自然に治ると思いますとおっしゃられ、現在様子をみています。その際、子宮に筋腫が2つあることが発覚しました。なんだかとても不安です。先生、よろしくお願い申し上げます。

HPNo.2518でも回答しましたが、かゆみについては、ほとんどの場合、問題ありません。ただ、パジェット病という特殊な乳癌でないことの確認が必要です。不安を取り除く意味からも、念のために乳腺外科、もしくは皮膚科を受診してください。(文責  須田)

 

No.2528】 04年06月11日  T.Y.
しこりについて(HPNo.2446-3

HPNo.2446で相談したものです。先日は有難うございました。またご相談したいのですが、昨日首を手で触っていると、2個ほどクリクリした、しこりのような物に触れました。比較的よく動くしこりのようなものです。これは転移が考えられるのでしょうか? もう一つお聞きしたいのですが、乳がんが骨転移している場合、確実に他の臓器に転移するのでしょうか。

「2個のクリクリした、しこりのような物」ということですが、頚部のどの位置にあるかが重要です。上部であれば転移は否定的ですが、下方にある場合は転移の可能性もありますので、充分検査する必要があります。吸引細胞診を行ない、それでもはっきりしない場合は生検を行って調べることになります。
骨転移が起こったということは、乳腺に発生した癌細胞が血液を通じて骨へ到着し、転移巣を形成したということです。従って、癌細胞が血液を介して、全身に流れているということになりますが、他の臓器へ確実に流れ着いて、そこで転移巣を形成するとは限りません。「他の臓器に転移する場合もある」ということです。(文責 須田)

 

No.2527-1】 04年06月11日  E.K
乳頭腫について

初めまして、38歳、既婚、子供はなしです。先日、人間ドックの乳がん検診(超音波)で、のう胞内乳頭腫様エコーとの診断を受けました。乳腺科のあるクリニックで触診と超音波で診てもらったところ、乳頭腫があるようなのう胞はないと言われたのですが、心配だったので、違う病院でも診てもらいました。そこでは、のう胞内に1ミリ程度の乳頭腫があると診断され、良性か悪性か判断できないし、針で組織?を採っても判断はできないかもしれないので、切除した方がいいと言われました。その方が安心できるのでしょうが、2センチくらい傷が残るとのことなので、迷っています。経過を見ていくということでは危険でしょうか?傷が残っても、切除してしまった方がいいのでしょうか?

のう胞内乳頭腫(良性)か、のう胞内乳癌かの判別に関して、高齢者や、腫瘍径の大きいものに癌である可能性が高い傾向にありますが、細胞診・胞内液の性状・CEA値・マンモグラフィ所見等では、決め手にならない場合が多いようです。主治医の言われるように、摘除して調べるほうがよいと思います。主治医とよくご相談ください。(文責 須田)

 

No.2527-2】 04年07月18日  E.K
乳頭腫切除

HPNo.2527で相談させていただいた者です。お答えいただき有難うございました。切除する方がいいとのお答えをいただいたので、もう一度先生とも話しをして、切除することにし、昨日手術を受けました。切除した部分を見せてもらい、これが乳腺でこれがのう胞で、との説明を受けました。私の勝手な思い込みで、乳頭腫のある小さな部分を切除するものと思っていたのですが、見せてもらったものは2.5cm×1.5cmくらいの大きさで驚きました。乳頭腫を切除するということは、乳腺も切除するということなのでしょうか。乳頭腫があるのう胞の部分だけを取るということは無理だったのでしょうか。その場では先生に聞くことができなかったので、自分自身が納得するためにも教えていただけたらと思います。 

手術治療へ同意する前に、切除範囲、傷の大きさ、合併症などについて主治医から十分な説明があったものと思います。その繰り返しになってしまうかもしれませんが、一般的な手術方法についてもう一度説明いたします。病変が乳管内乳頭腫の場合は、その乳頭腫を含む乳腺区域を切除(乳管腺葉区域切除)という手術を行います。この手術は局所麻酔・外来通院で行いますが、乳腺全体の1/8〜1/5程度を切除するため、傷も乳房変形も腫瘤を摘出するだけの場合に比べて大きくなります。一方、のう胞内乳頭腫の場合は症状・大きさによって術式が異なってきます。血性乳頭分泌物を伴うような場合には、乳管内乳頭腫に準じた手術を行うこともありますが、のう胞が限局して乳頭分泌物もないような場合は、のう胞だけを摘出する術式となります。この時はのう胞壁を破らないようにするために、周囲に正常な乳腺組織をつけて、のう胞を取り囲むようにして少し大きめに切除します。(文責 千島) 

 

No.2526-1】 04年06月11日  S.K. 
乳癌術後の職場復帰について

お忙しい所すみません。ステージ2A グレード1でした。放射線23回終わった所ですが、手術より2ヶ月過ぎまして、 身体も軽くなり、仕事に復帰したいと思うのですが、特養の介護員をしています。自分としては不規則勤務は身体にも良くないのではと思うのですが、仕事としてどの位の程度まで出来るものなのか教えていただきたく思います。

手術内容、また年齢や仕事内容などによって、個人差があり、一概には言えませんが、原則的には手術前と変わりなく職場復帰が可能だと思います。仕事上、上肢を使う場合は、片手でなく、両手で作業を行うと良いでしょう。あせらず、体を徐々に慣らすことも大切ですので、何かあった場合は無理をせず、主治医にご相談ください。(文責 須田)

 

No.2526-2】 04年06月14日  S.K. 
乳癌術後の職場復帰について(2)

回答有難うございます。不規則な時間、重労働が免疫を下げる事になるのではと考えました。1,2年は大事だとも聞いたのですが、再発というのはどのぐらいで起きるものなのでしょうか?どのような事に注意をすると良いのでしょうか?今、ノルバデックスDを服用しています。再びの質問、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

個々によって違いがありますので、一概には言えませんが、大雑把ですが統計的には手術後約25%が再発、従って約75%はコントロールできるということになります。再発症例のうち、70%は術後3年以内に、20%が5年〜10年、残りの10%が10年〜15年で再発しています。従って、術後ある程度長期にわたってfollowすることになります。貴女の場合、おそらくノルバデックス5年服用ということになると思いますが、体調がよくても、定期的な診察を忘れずに受けることが大切です。仮に再発したとしても、治療がないわけではなく、次の手を考えていくことになります。治療方法、followの仕方等、具体的な事については、ケースバイケースですので、主治医に充分伺ってください。納得のいく治療を受けることが、心の安定にもつながると思います。(文責 須田)

 

No.2525】 04年06月11日  シラタマ
術後補助療法について(4) (HPNo.2448-4)

ACではなくて、ECでと言う事なのですが、どのような副作用が考えられるのでしょうか? 度々の質問になりますが、よろしくお願い致します。

AC、ECでは副作用についてはあまり変わりなく、骨髄抑制、嘔気、脱毛、心毒性などがありますが、E(フアルモルビシン)は、A(アドレアシン)に比べて心毒性の出現が少し弱いというデータもあります。ただし、あくまでも副作用の出現は個々によって様々ですので、とりあえずやってみなければ分らないという部分もあります。主治医と相談しながら、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2524】 04年06月11日  H.H.
乳がん発病後ののう胞について

以前も術後療法でご相談させて頂きました。ありがとうございました。今回又、宜しくお願いいたします。45歳、閉経前です。昨年6月に左房温存手術を受け、1年後の検査で、超音波、マンモ、血液検査を受けました。超音波では異常なしの所見なのですが、マンモでみると右の乳首の近くにのうほうがあるといわれました。とりあえず経過観察しましょうといわれたのですが、心配です。
1) このままほっといて大丈夫でしょうか? 癌化しないでしょうか?
2) マンモだけで、のう胞の診断わかるのでしょうか?
3) 左も良性といわれて、念のためしこりをとって検査したら、がんと判りました。今度もそうではないかと思い、とったほうがよいのでは?と思っていますが、いかがでしょうか?
4) 経過観察するとしたら、主治医の先生は触診でするようなことをおっしゃいましたが、今触診では見過ごすと聞いていますが、経過観察の場合、どんな検査をすればよいのでしょうか?

4つも質問して誠に申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

貴女の場合、メール内容から推測すると、「マンモグラフィでは異常がなかったが、超音波検査で見ると右乳頭近くにのう胞があった」のだと思います。超音波でのう胞が発見されるのが一般的です。のう胞内に癌ができたり、その周囲で癌が発見されたりする場合がありますので、吸引細胞診によって細胞を調べ、癌でないことを確認する必要がありますが、細胞診でも判定がつかない場合は、念のため生検(しこりを取って調べる)をすることになります。また、のう胞が小さすぎて生検や細胞診が難しい場合、細胞診で class 2 以下の場合などでは、とりあえず3〜6ヶ月毎でfollow致します。その際は、触診と同時に超音波検査を行い、のう胞が大きくなっていないかどうか、のう胞内に腫瘤性の病変がないかどうか等を、注意深く調べることになります。主治医に、貴女の現在の状況をよく伺って、今後のことをご相談ください。(文責 須田)

 

No.2523】 04年06月09日  A.T.
腫瘍を摘出しましたが、その結果について(2) (HPNo.2486-2

HPNo.2486で相談指せて頂きました。お忙しい中、ご回答ありがとうございました。6月4日に診察があり、結果について、もう一度くわしく聞いてきました。「良性とも悪性とも言えない」と、同じでしたが、異型乳管増殖症と言われました。すごくめずらしい例で、先生の患者さんには、今まで一度もいなかったそうです。薬を飲んで判断とは、聞き違いだったようです。その後の病理の検査で陰性だったので、ホルモン療法はしないそうです。まだ検査の結果がでていないのがあるのではっきりしないが、放射線をあてることもあるかもしれないとも言われました。しこりが完全に取れているかどうか、又、エコーを見るというので、6月18日に予約をしました。病名の説明を詳しくして頂けなかったので、どんなものか不安です。それと、病理の検査結果には、そんなに時間がかかるものなのでしょうか?

「異型乳管過形成」は、生物学的に、「非浸潤性乳管癌」との判別が難しく、2mmを超えない微小な低悪性度の癌である可能性が示唆されています。従って、病理診断を行う際には、標本の検索方法・異型と判断した理由・癌と断定できなかった理由を明確にし、且つ、各症例毎に病理医と外科医の間で、診断後の対応について充分なディスカッションを行う必要があります。このような理由で、病理の検査結果に時間がかかっているものと推測されます。
次回受診の折、充分な説明があることと思いますが、分らない事、疑問に思う事などは遠慮なく伺って、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2522】 04年06月09日  やま
術後の治療法について

はじめまして。私は41歳です。2004年5月14日に左乳房温存術・右線維腺腫摘出術を行いました。私の身体の情報としましては、いろんな病気を持っています。@心房中隔欠損症(6ミリ程度の網目状の欠損のため経過観察) AATLキャリア B子宮頸ガン(0期で子宮単純摘出術のみ、9年目) C甲状腺腫(様子観察) そして、今回の乳癌です。私の乳癌は、硬癌、センチネル生検転移(ー)、組織的浸潤径1センチ、ER、PGR共に陽性80%、ハーセプテスト0、断端陰性で、低危険群で、5月31日から放射線療法を始め、6月8日よりタモキシフェン(タスオミンD)を内服する予定です。6月1日より仕事をしながら放射線療法をしています。先生は、「どちらも、ほとんど副作用はないから。」と言われますが、タモキシフェンの副作用で更年期症状や血栓が起こりやすかったりすると思うと、かえって神経質になって不定愁訴のようになりそうで、すでに気分がすぐれません。私の場合、「子宮を摘出しているので癌になりやすいということはないから、メリットのほうが大きいから内服をしたほうがいいのでは。」と言われました。長々となりましたが、お聞きしたいのは私の治療は適切だと思われますか? また、血栓を予防する方法はありますか? それと、硬癌とはどのようなもので、性質が悪いのでしょうか?2度も癌になり、今回の癌と9年前の子宮頸がんとの因果関係はあるのでしょうか? お教えいただきたくてメールしました。宜しくお願いします。

@  リンパ節転移陰性乳癌に対する術後補助療法についてですが、貴女の場合、低リスク群ということですので、核異型度はgrade 1であろうと推測されます。ER(+)、PGR(+)、腫瘍径1cm、41歳ということですから、標準治療としては、ホルモン療法を行うか、又は何もせずに経過観察ということになります。ただしこれはあくまで標準治療であって、個々の状態によって変わってきますので、主治医と充分相談し、納得のいく治療を受けて下さい。
A  タモキシフェンの副作用としての血栓症発生率は7.6%と、あまり多くはないので、内服を開始して血栓症を発生した時点で治療を行いますが、一般的には、血栓症を予防しながらの使用は致しません。ホルモン療法は、あくまで再発予防のためのものですから、当然効果と副作用のバランスを考えながら使用することになりますが、服用しているすべての女性がこのような副作用症状を生じるわけではありません。あまり神経質にならず、「副作用が出た時点で考えてみる」というくらいの気持ちでやってみてはいかがでしょうか
B  硬癌は、浸潤性乳管癌の1つで、乳癌の約40%を占めます。癌細胞がばらばらに、或いは小塊状、索状となって乳管の外へ広がる傾向にあり、リンパ節転移も多く、10年生存率は65〜70%です。また、乳癌と子宮頸ガンとは、直接的な因果関係はありません。(文責 須田)

 

No.2521】 04年06月09日  ミーシャ
細胞診の結果についてご相談致します

初めて相談させて頂きます。よろしくお願い致します。40歳既婚女性、妊娠・出産経験はありません。昨年9月末に子宮内膜症の根治手術(左右卵巣・子宮摘出)を受け、入院中に乳がんのエコー検査をして頂いたところ、左右の乳房とも乳腺の中に複数何かがあるということで、細胞診をして頂きました。先生の説明によると、「細胞をとってみたところ、セメダインの様に糸をひくものが確認されましたが、粘液がんではないですね。」とのことでした。今年1月と4月に再度エコー検査を受けましたが、大きさに変化が見られないので、半年後にもう一度細胞診をしてみましょう」と言われました。その際、「いずれは手術で乳腺を取ってしまった方がいいでしょう」と言われたのですが、手術をしなければならないのでしょうか? 先生がおっしゃるには、「あなたのようなものができているケースは珍しいです」ということです。ようやく子宮内膜症を治して頂き、これからは人並みの生活が送れると思っていたもので、少し心配しております。どうかアドバイスをお願い致します

細胞診の結果は「腫瘍ではないが正常でもない」ということで、確かレベルUだったと思います。右胸に2個、左胸に7個くらい、エコーに映っていたのですが、そのうち大きなもの(5〜7ミリくらい)2個だけ細胞診をしてもらいました。細胞診で取れたものは、液状のものだそうです。粘液がんではないのに液状のものが乳腺の中にあることが珍しいとのことです。液状のものを分泌している何かが存在していて、それが悪いものかもしれないので、組織診をした方がいいのでは、と言われました。私の場合、範囲が広いので、傷が大きくなるそうです。思い切って組織診をして頂いた方がいいのでしょうか。まだ乳がんについての知識が全くないもので、言葉が足りていないかもしれませんが、よろしくお願い致します。

貴女のメール内容をまとめますと、主治医の先生は、おそらく次のようなことを言われたのだろうと推測いたします。
1) 乳腺エコー検査により、複数の病変が見つかった。
2) 吸引細胞診では、「癌でもないが、正常でもない」、つまり、classVであった。
3) 癌かどうか分からないので、癌でないことを確認するために、組織を採取して、つまり手術による検査(生検)をした方がいいと医師に勧められた。

私どもの施設でも、吸引細胞診で classV 以上の場合は、原則として生検を勧めることとしています。今一度、主治医の先生に、上記のような状態であるかどうかを確認し、そうであるとすれば、原則論通り生検を行ったほうがよいと思います。納得のいく治療を受けるためにも、主治医と充分ご相談ください。(文責 須田)

 

No.2520】 04年06月08日  DQQ  
癌宣告から手術までの時間(HPNo.2388-4)

HPNo.2388でお世話になりました者です。5/31に癌宣告をされ入院・手術を待っている状態です。6年前にやはり乳癌で手術した友人が、針を刺した検査の後2〜3週間で手術しないと転移しやすい・・と言っていました。急に不安になり、お忙しいとは思いますが、ご相談させて頂きました。現在未だ入院の日も決まっていません。6月中にはすると言っていましたが、聞いてしまうと怖くなってしまいました。2日くらい前から乳首がなんとなく痛いような、本日はそれに加えてシコリの部分がチクチク痛むような気がします。このような症状はやはり悪化したりしているのでしょうか?患者は私一人ではないことは判って居ますが、こんなに手術まで時間をおいているものですか?再三の質問で申し訳ありませんがよろしくお願いします。前回は早急なお返事大変感謝しております。 

癌の腫瘤に直接針を刺すことで、癌細胞を撒き散らし、転移を促進するのではないかという危惧については、以前はずいぶん論議されましたが、現在では、その危険性はなく、穿刺後すぐに手術を急ぐ理論的根拠はないということになっています。また、乳頭部、腫瘤部の痛みと乳癌の進行とは関係ないと思います。手術待ちの状態での不安な気持ちは分かりますが、私どもの病院でも手術がたて込んでいると、2〜3週間お待たせするということもあります。各病院にはたいていの場合、相談窓口がありますので、入院の時期なども含めて、不安に思っている点を遠慮なく問い合わせてみてください。(文責 須田)

 

No.2519】 04年06月08日  SI
自己検診について

こんにちは。31歳女性です。1ケ月前、検診時にエコーにて右胸に1cm弱のシコリが見つかり乳腺外来にて再度のエコー、マンモ(悪性の所見なし)、細胞診にて線維腺腫と診断され、経過観察中です。それ以来、胸のことが気になり常に触ってしまうのですが、今日左胸にクリッとしたよく動くものが触れました(3cmくらい?)。指に力を入れると触れる感じです。1ケ月前の診察時には両胸ともエコー、マンモをしましたが、左胸については何の指摘もなかったです。検診は初めてだったのですが、乳腺の先生は、3本の指で細かくポンポンと円を描くように触診していたので、自分でもそのように触ってみましたが、その場合には何も触れませんでした(お風呂場で石鹸をつけて触ってみても触れませんでした)。自己検診時には乳腺の先生のように軽い力で行うものなのでしょうか?ついついシコリを探そうと力が入ってしまい、骨や色々なものに触れてしまい、よく分からなくなってきてしまいます(線維腺腫を指摘されて以来、少し神経質になっていると思いますが・・・)。1ケ月前に診察をうけたばかりなので、気にしなくてもよいでしょうか?また、今生理前というのも関係あるでしょうか? アドバイス宜しくお願いいたします。

自己検診にしろ、診察時の触診にしろ、基本的には同じ手順で、胸壁を触れます。以下に自己検診の手順、及びポイントを簡単に記しますので、参考にしてください。
1) まず、触覚の鋭い指先で触ります。ポイントは、指先と胸壁の間に腫瘤をはさんで見つけることです。
2) 肋骨を含む胸壁を、指を揃えた状態で、複数本の指先で確認します。
3) 次に体のポジションで、乳房が一番平らな状態になるようにします。(例えば、臥位で手を頭側に伸ばした状態)
4) 肋骨を含む胸壁を指先で認識しながら、腫瘤がないか、指先と胸壁とで挟んで見つけます。

現在月経前ということですので、クリッとしたものが触れてもおかしくない時期ではありますが、上記のような方法で自己検診を行い、何かが触れれば、乳腺の状態が変化したということになりますから、一度受診して、確認する必要があります。(文責 須田)

 

No.2518】 04年06月08日  R.I
乳輪のかゆみについて

32歳、既婚、子供はいません。 乳輪のかゆみについてですが、一ヶ月前からです。2週間ほど前、乳ガン検診を受けました。マンモ、エコーを受け、乳腺のしこりらしきものがあるが、悪性の所見はないので、6ケ月後にまたということでした。その時はそれほどかゆくなかったので、特に痒みの話はしませんでした。その後痒くてかくと、ひび割れて薄い皮がむけるようです。生理前に痒いのかなあと思う節もあります。 もともと乾燥肌です。オリーブオイルなどを塗ってみたのですが、かえってヒリヒリしたのですが、これは良くないのでしょうか。痒みが続くようであれば、6ケ月を待たず見てもらった方がいいでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。 

直接拝見していないので推測の域を出ませんが、乳頭の痒みは、ほとんどの場合、問題ありません。月経周期で痒みを生じる場合もあるようですが、乳癌とは無関係で、治療の必要はありません。ただし、乳頭・乳輪部の皮膚病変で、バジェット病という特殊な乳癌がありますので、これでないことの確認は必要かもしれません。バジェット病は、表皮内に癌が進展するため、乳頭にびらん・発赤・痒みなどの皮膚症状が前面に出て、湿疹と間違うことがあります。全乳癌の0.5%ほどの少ない病変ですが、念のため、乳腺疾患を扱う外科、もしくは皮膚科を受診し、バジェット病でないことを確認してください。(文責 須田)

 

No.2517】 04年06月07日  A.I.
非浸潤癌の治療について

43歳の妻のことでご相談いたします。ホルモン受容体陰性、her2(+3)、ハイリスクでしたが、病理の結果、非浸潤癌と診断されました。手術は全摘、病院は癌専門病院の乳腺外科にかかっています。このあとの治療のことで迷っています。無治療でいってもいいものなのでしょうか? 過剰な治療は受けさせたくはないのですが、悪性度の高さは気になってしまいます。

非浸潤性乳管癌に対して乳房切除を行った1342例中、13例(1.1%)に局所再発があり、乳癌死亡例は18例(1.3%)だったという報告もありますが、一般的には、非浸潤性乳管癌に対して乳房切除を行った場合、遠隔再発、或いは局所再発はほとんど起こらないと考えられています。このまま術後のfollowを3〜6ヶ月毎に行っていくことでよいと思います。(文責 須田)

 

No.2516】 04年06月07日  T.M.
右胸のしこりが心配です(2)(HPNo.2474-2

先日ご相談させていただきました32歳女性です。大変親切で迅速なご対応、感謝しております。ありがとうございました。エコーとマンモグラフィの結果、悪性ではなく線維腺腫で心配いらないとのことでした。マンモグラフィには写っていないとのことです。逆に反対の左胸に少しカルシウムがたまって乳腺症気味だが、この程度なら心配ないとのことでした。細胞診はやってもやらなくてもよいという感じで、どうする?と聞かれたので、一応やってもらいました。また検査予約をしてエコーで確認しながらやるのかと思っていたら、その場で、手でしこりを確認しなら注射針で抜かれましたが、そんなものなんでしょうか。あまりに安心して、結局赤い印が二つあったのはなんだったのか聞くのを忘れてしまいました。お時間のある時で結構ですので、三点教えてください。よろしくお願い致します。

@ 超音波とマンモグラフィとはそれぞれ特徴があるのだと思いますが、良性腫瘍はマンモグラフィに写らないなんてことがあるのですか。(胸は小さいのですが、しこりは中心から比較的近いので、はさめていなかったということはないと思うのですが・・・)
A 通常の胸部レントゲンや胸部CTでは、乳がんは写らないのですか。
B 風邪でもないのに軽い咳がずっとでるので、一年半前に肺の腫瘍マーカーも検査したことがありますが、代表的な肺の腫瘍マーカーと乳がんの腫瘍マーカーは関連ないのですか。

@  マンモグラフィは、X線透過率の違いで像を描出します。たとえば富士山の写真を撮る場合でも、晴れた昼間でないと富士山の像は撮れません。富士山と周囲の状況(例えば、夜とか雨の日とか)によって、山があっても、写真として描出できないことがあるのです。同様に、乳腺に腫瘍があっても、周囲に多くの乳腺組織があると、それに隠れてしまって腫瘍が描出されないことも有り得ます。
A  胸部レントゲンでは、撮影の条件が異なり、乳癌は写りません。胸部CTでは、腫瘤像を描出することは可能ですが、乳癌か、良性の腫瘍かの診断が困難ですし、また、マンモグラフィの石灰化像で見つかるような癌は描出できません。
B  腫瘍マーカーには、肝臓癌のαフェトプロテインとか、前立腺癌のPSAのように、臓器に特異なものと、CEAのように、癌に特異なもので、どの臓器か分からないものがあります。一般的には、乳癌の場合は、CEA、CA15-3等が用いられています。(文責 須田)
 

 

No.2515】 04年06月07日  H.S.
ピルと乳癌

34歳女性です。1週間位前から両方の乳首が痛いのです。乳房には痛みもなく、しこりもないようです。乳首だけが痛み、心なしか普段より大きくなっているような気がします。触れなければ平気です。2年前からピルを飲んでいます。半年に一回、血液検査と子宮がん検診はしています。どうしたらいいか教えて頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

経口避妊薬(ピル)は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の配合剤であり、乳癌発生の危険性に関して否定することができません。ピルの内服は、乳癌の発生を軽度に増加させる(1.24倍)と考えられています。ピルの内服中、及び服用中止後10年以内では、乳癌の発生が軽度に増加しており、、ピル服用開始年齢が20歳未満で、かつ現在も内服または中止後4年以内では、乳癌危険率が上昇するとのデータもあります。ピル服用者は、予防的な意味も含めて、定期的に乳癌検診を行ったほうがいいと思います。
また、ピルの副作用として乳房痛もありますので、乳首に痛みが出現する可能性はあります。あまり痛みが激しい場合は、主治医にご相談ください。(文責 須田)

 

No.2514】 04年06月07日  H.T. 
今後の検査予定について(HPNo.2498-2)

HPNo.2498のご回答、ありがとうございます。6月4日に病院にいってまいりました。レントゲンを再度撮り、拡大映像も撮りました。その結果、やはり左乳房に石灰化がみられるとのことでした(白い小さな点々に見えるのですね)。ただ超音波診断に映らないとのことで、細胞診や生検は、3ヶ月後にレントゲンと再診をしてからということになりました。3ヶ月で大きく変化はないと聞き、納得して3ヶ月後に予約を頂きました。しかし、帰宅後こちらの回答を読ませて頂き、少しでもはやく検査をして頂くのが良かったのかと迷っています。3ヶ月後でも本当に大きく変化はみられないものでしょうか? また細胞診等は、超音波に映らないと確実な検査結果が得られにくいそうですが、それでもお願いすべきだったでしょうか? レントゲン写真も何もなく申し訳ありませんが、お返事宜しくお願い致します。

マンモグラフィ検診では、斜め1方向の撮影にて判定を行い、カテゴリー3以上を要精密検査とします。精密検査での診療マンモグラフィは、2方向撮影をし、必要に応じて拡大撮影も行って、病変部を入念に調べます。石灰化像のみで見つかる乳癌は、ごく初期の場合が多く、こぶとして認識できないため、超音波や細胞診での診断は困難です。
検診マンモグラフィでカテゴリー4、次に精密検査での診療マンモグラフィで詳しく見て、カテゴリー3となるようなことは、臨床現場では少なからず経験することです。このような場合、3〜6ヶ月後に再度診療マンモグラフィを撮って、前回の画像と比較します。腫瘤像はないか、石灰化像が増加していないか等をチェックし、何か変化があれば、次の検査として、マンモトーム、或いは生検を行い、組織診断をすることになります。直接診察していないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、メール内容から判断して、貴女の場合は、このようなことではないかと推測いたします。3ヶ月で大きく変化があるとは思えませんが、それでもご心配なら、主治医の先生にご相談ください。その際に診療マンモグラフィのカテゴリーを確認されるとよいでしょう。(文責 須田)

 

No.2513】 04年06月07日  S
高カルシウム血症と骨転移について

現在31歳、既婚、子供なし。平成14年5月に右乳房を皮下乳腺全切除にて手術。リンパ節転移0/10、非浸潤癌にて無治療。平成15年10月に、温存した乳頭の左上部にしこりを発見。検査の結果、癌と判明。乳頭、筋肉、胸骨傍リンパ節を切除。リンパ節転移なし。ホルモンレセプター(+)、ハーセプチン(−)。現在、フルツロン2年間内服(平成16年1月13日より)、ノルバデックス5年間内服(平成15年10月より)の予定で治療を行っています。1月8日のフルツロン開始前の検査でCaの値が9.4(正常値8.4〜10.2mg/dl)だったのが、フルツロン服用後の検査(1月24日)に10.3となっていました。骨転移があるとCaの上昇がみられるという文献を読んだのですが、これは骨転移によるものなのでしょうか? ちなみに、1月8日の腫瘍マーカーはCA15−3  8(基準値28以下)、 CEA 0.9(基準値5.0以下)、特に痛みなどはありません。また1月の末頃より血痰が時々でます。鼻からの出血もあるようなのですが、鼻から喉に流れて痰に混ざって出てきているという確証がありません。3月に念のため肺のCTを撮影しましたが、異常なし。耳鼻科で治療し、それでも続くようなら呼吸器科を受診しましょうとのことで、2回ほど耳鼻科にいきました。耳鼻科の医師は、鼻が原因の血痰だと思うと診断し、止血剤の薬を処方してくれました。服用して2〜3日で血痰は止まりましたが、1週間くらいでまた出現。咳などはなく、特に生理の7〜10日前から生理後くらいまでの期間に時々出現する感じがあります。また、鼻の毛が痰に混ざって出てくることもあります。肺癌もしくは肺転移ではないかと心配しています。呼吸器科で検査したほうがよいでしょうか?胃などからの出血も考えて5月に胃カメラ検査をしましたが、異常なしでした。よろしくお願いします。

カルシウムが異常高値を示す疾患には、原発性副甲状腺機能亢進症、ビタミンD又は類似物質の過剰(ビタミンD中毒サルコイドシス)、骨代謝異常(悪性腫瘍の骨転移、 多発性骨髄腫等、いろいろありますが、貴女の場合、正常値とあまり変わらず、腫瘍マーカーにも異常を示すような所見はなく、心配なさっているような骨転移の可能性は低いと思います。ただ、臨床検査のデータとして骨シンチを行い、骨転移のないことを確認するのも1つの考えかもしれません。主治医とご相談ください。
また、血痰に関してですが、呼吸器疾患としては、気管・気管支からの出血(気管支拡張症など)と、肺実質からの出血(肺結核、肺癌など)が考えられます。直接診察していないので断定はできませんが、貴女の場合、肺のCTをしたばかりであること、耳鼻科の診断では、鼻からの出血が原因の血痰であるとのことなどを考え合わせると、呼吸器疾患である可能性は低いと思います。あまり過剰に心配しすぎるとかえってマイナス効果かもしれませんが、不安を取り除く意味からも、念のために呼吸器科の先生に相談してみるのもいいかもしれません。(文責 須田)

 

No.2512】 04年06月06日  K
今後のことについて(HPNo.2391-2

HPNo.2391ではご指導いただきありがとうございました。5/11に入院し、5/14に手術を受け、本日退院いたしました。皆さんのように詳しい数値や薬剤等は覚えていないのですが、術前の細胞診(+)大きさは1.6cm、術中の迅速細胞診断にてリンパ節および断端面(−)(ステージTの浸潤癌ではあるが、境界面は割合はっきりしていると言われました)で、術後ホルモンレセプター(−)、ハーセプチン(+)となりました。5/27に1回目の抗癌剤点滴投与をうけ、今後3回、月1回ずつ外来で投与後、1ヶ月程放射線照射を受けるスケジュールになっています。今回お尋ねしたいのは下記のことです。
@ 主治医の先生は、転移は全く疑っておられないので、CT・シンチ等受けていませんが、術前にうけた血液検査・胸部X線・マンモグラフィー・胸部エコーで転移のあるなしはわかるものでしょうか?また、腋窩リンパ節転移(−)ならば、現在転移はありえないのでしょうか?(顕在化していない転移があるかもしれないので、抗癌剤等の化学療法を行うと説明されています)
A ホルモンレセプター(−)の場合、(+)より予後が悪いと言われましたが、上記の治療を完了したとして、私の場合、統計上、どの程度の再発率が出ていますでしょうか?

長々と申し訳ありませんが、どうかよろしくお願いいたします。

@ 術前の血液検査、胸部X線撮影、マンモグラフィー、乳房Echo検査では、肺転移の有無以外は分かりません。臨床現場では、術後の遠隔転移を見つけるために、骨シンチ・CT・胸部X線撮影・腫瘍マーカー・肝Echo等が定期的に行われているのが現状ですが、どのような乳癌に対して、どの程度の間隔で行うと有効であるかということに関しての信頼性の高いデータはありません。ただし、術後の基礎的な臨床データとして、これらの検査を行っておく必要はあると思います。
腋窩リンパ節転移(−)の乳癌では、現在顕在化している転移がなくても、術後10年間で28%の症例に再発が認められるというデータがあり、再発予防の意味から、術後補助療法が必要となります。
A リンパ節転移(−)、エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体ともに陰性の場合、上記の治療によって、年間再発率を26%、 年間死亡率を18%減少させることができると考えられています。ただし、これはあくまで統計上の数値であり、ケースバイケースですから、あまり気にせず、今できる治療をがんばって受けることが好結果につながると思います。 (文責 須田)

 

No.2511】 04年06月06日  roko
術後療法について

初めてお尋ねいたします。年齢60歳、子供2人、今年4月に手術しました。その経緯は以下のとおりです。

3/16 右上しこり見つける
3/23 マンモ、細胞診検査
3/30  結果:クラス5、しこり1ヶ(1.3mmx0.8mm)、充実腺管ガン1期、遠隔転移なしのもよう 
4/02 MR検査、切除生検、痛み止め(ポンタレンサポ)1回、セフゾンカプセル7日間服用
4/13  生検結果: リンパ管転移の可能性あり、グレイド2、硬ガンとの事 HercepTest (1+)、ER(+)、PGR(-)、ホルモン依存度あり、ンパ節郭清手術するとの事、CT(頭、胸、肝臓、)検査:転移なし 
4/20 手術説明、心電図、血液、肺活量検査 
4/23  リンパ腋か郭清手術
5/11 結果:15個中 全部ネガテブ、転移なし。その後、傷の治り具合悪く、何度も通院。セフゾンカプセル4日服用
6/01 傷も治り、投薬 フルツロンカプセル200 1日2回、塗り薬ダイアコートクリーム、放射線照射なし、薬のみ

この相談室で拝見していますと、放射線治療は必要で、ホルモン療法も転移を抑える意味で大事と思われるのですが、主治医は、「放射線治療はやけどの副作用や10年後の再発をまねく、ホルモン剤は再発したときの切り札になる。」とおっしゃいます。それで今はフルツロンカプセル200を5年ぐらい服用とのことです。
1)この薬のみで大丈夫でしょうか?
2)傷が治ったのにダイアコートクリームが投薬されたのはなぜでしょうか?

今後2週間後の受診となってしまい、主治医に聞き忘れましたので、お忙しいのに恐れ入りますが、教えていただけましたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。 

手術後に、検査では指摘できないけれども全身に広がっている可能性のあるがん細胞を、抗がん剤で死滅させることによって癌の再発率を下げ、予後を良好に保つことを目的とした治療を、術後補助療法といいます。この術後療法をどのようにすればよいかを決めるための国際会議が2年に1回開かれ、治療方針(ガイドライン)が出されます。現場の各医療機関では、個々の状況を把握しつつ、このガイドラインに沿って治療方針を決定するわけですが、腋窩リンパ節転移の有無、ホルモンレセプター、更に、再発の危険度が高いハイリスク群であるかどうか等によって異なってきます。
貴女の場合は、 ER(+)、リンパ節転移(0/15)、腫瘍径2cm以下、年齢60歳ですが、核異型度が grade2であるため、高リスク群に属します。ガイドラインによると、この群の治療方針としては、(化学療法 + タモキシフェン)が推奨されています。現在服用中のフルツロンは、この化学療法にあたります。ただし、ガイドラインに示された治療法は、あくまでも標準治療ということで、効果と副作用の兼ね合い等、個々の状態によって、また変わってくるのは当然ですので、貴女の現在の状況を一番よく把握している主治医と、充分ご相談ください。
また、ご質問のダイアコートクリームですが、これは副腎皮質ステロイドです。直接診察していないので断定はできませんが、おそらく術後、創付近に湿疹・皮膚炎等、何らかの病変があったのではないでしょうか。次回診察時に、主治医によくご相談ください。(文責 須田)

 

No.2510】 04年06月06日  m.k
術後5ヶ月の化学療法について(HPNo.2132-4

HPNo.2132で以前も相談しました。今回もご丁寧な回答、ありがとうございます。早速、1日の受診で術後の化学療法について主治医に相談しました。今回もその件についての相談ですが、よろしくお願いします。肺のCT、肝のアンギオCTの結果、再発転移等はありませんでした。やはり、ハーセプチンは転移などが見つかった時点から開始するとのことでした。そこで今回は、主治医には、回答いただいたようにAC4サイクル→T4サイクル{前回ACをATと間違えて書いてしまいました。}を、お願いしました。ところが、現在かかっている主治医や病院では、乳癌に関しては、Aはまだ使ったことがないとのことでした。また、ACのあとにTを4サイクルすることに疑問を感じているようでした。しかし、手持ちの資料等もあったため、主治医も申し入れを受けてくれました。ただ、Cに関しては内服でもいいのではないかとも言っていました。採血の結果も問題なく、来週から始めていく予定です。相変わらず、頭痛と膝の傷みがひどく、転移の症状ではないかと気になっているのですが、主治医は関係ないだろうとのことで、他科の受診を勧めました。そこで質問ですが、
1)  Cも、やはり点滴のほうがいいのでしょうか? 内服となると、効果はどうなのでしょうか?
2) 頭痛やめまい{貧血のデータはない}を脳転移と疑うことは考えなくてもよいのでしょうか? また、脳転移を否定する検査はMRIがいいのでしょうか?{同様に膝の痛みはコツ転移を}
3)  再発転移予防としては、やはりT4サイクルは追加したほうがいいのでしょうか?

以上について、よろしくお願いします。

@  C(シクロホスファミド)に関しては、内服、点滴のいずれでも、効果は同等というデータがあります。いずれでも良いと思います。
A  頭痛、眩暈の症状に関しては、小脳辺りの病変も考慮して、不安を取り除くことも大切ですから、CT或いはMRIでの検査を行ったほうが良いかもしれません。膝の痛みに関してですが、膝の痛みを訴えた乳癌の患者さんで、それが骨転移である症例は、ほとんどありません。おそらく骨転移の心配はないと思います。
B  術後補助療法に用いられる化学療法としてのAC→Tについては、一部のトライアルで良好な成績が示され、最近注目されている治療法ではありますが、ガイドラインでは、まだ推奨されていません。術後補助療法でのタキサン系薬(T)の使い方を明確にするために、現在進行中の試験結果を見極める必要もあり、この点に関しては、現場をあずかる臨床医の中でも意見が分かれるところです。貴女自身の意向、効果と副作用のバランスなどをよく考慮して、主治医とよくご相談ください。(文責 須田)
 

 

No.2509】 04年06月06日  MA
抗がん剤とホルモン剤の併用の効果は?(2)(HPNo.2495-2)

回答、ご丁寧にありがとうございました。ある日本乳癌学会専門医の先生が、「ホルモンレセプター陽性でホルモン治療もできるときには、まず抗がん剤治療、それが終わってからホルモン治療というのが最近の常識です。それは臨床試験で同時併用よりよい成績が出て、乳癌の国際会議で認められたからです。」とのコメントを拝見したために、妻の場合は併用ですので疑問を生じた次第です。主治医からは、「手術後の補助療法としては同時併用 が優れるとのエビデンスがあります。これは厚生労働省の科学研究補助による研究報告書にも明記されております。」との回答をいただいておりますが、ご感想をいただければありがたく存じます。

前回の回答にも記しましたが、化学療法とホルモン剤を併用するか、順次投与するかについては、AC+タモキシフェンのトライアルしかなされていません。再発予防に関する研究は現在、世界中で行われていますが、現時点では、タモキシフェン以外のホルモン剤を使った場合、エビデンスがありませんので、よく主治医とご相談の上、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2508】 04年06月06日  M.K 
両脇のしこり

26歳の未婚です。15,6歳のころから両脇のくぼみの下にしこりがあります。特に大きさの変化はなく(右のほうが大きいです)、触らない限りはあまり痛みもなく気になりません。脇に毛が生えてきた中学生のころに、気になって脇をやたら触ったりひっぱったりしたことが原因かなと思っています。以前病院に行きましたところ、先生に、「リンパが人より腫れているのであろう。」と言われました。私も悪性のものではない気がしますが、腫れがわりと大きく、袖のない服や水着を着ると目立ってしまいます。悪性でない場合、脇の下のしこり、やしこりによる腫れはなくすことはできますか?

直接拝見して診察しなければ、はっきりしたことは申し上げられませんが、おそらく乳腺組織の一部が腋窩にあるのだろうと推測されます。副乳といいますが、これ自体は悪い病変ではなく、癌とは関係ありません。治療の必要なものは、原因を見つけて、その原因の治療を行うというのが原則ですが、悪性でない場合は、差し迫って生命への危険はありませんので、そのまま経過を見ていくことになります。副乳の場合は、年齢とともにホルモン環境が変わって、腫れはなくなるはずです。
また、それが仮にリンパ節であるとすれば、「袖のない服や水着を着ると目立ってしまいます。」ということですから、ある程度大きいものと判断しなければならず、リンパ節自体の病気もありますので、吸引細胞診を行って、検査をする必要があると思います。一度受診して、よくご相談なさって下さい。(文責 須田)

 

No.2507】 04年06月06日  S.H. 
乳がん検診でひっかかりました

32歳主婦です。既婚で、2歳の息子が一人います。先日の乳がん検診で、視触診は大丈夫だったのですが、マンモグラフィーの結果、右が1箇所良性の石灰化と書いてあり、左が4箇所ぐらい石灰化とかいてあり、異常と記載してありました。書面だけでまだ詳しくわかりませんが、念のため乳腺外来で精密検査を受けてくださいといわれました。母も乳がんで3年前になくなったので、私も少なからず可能性はあると思っていましたが、いざこうなってみると息子のことが心配で夜も眠れません。マンモグラフィーで異常と出た場合、乳がんの可能性はありますでしょうか。

HPNo.2498で、マンモグラフィーのカテゴリーについて説明いたしましたが、検診では、カテゴリー3以上を拾い上げることになります。一般的には、検診受診者の約5〜10%にカテゴリー3以上が認められますが、その方たちがすべて乳癌であるということではありません。マンモグラフィー検診でひっかかり、精密検査を受けた人の乳癌である可能性は、2〜4%といわれています。 悪性の疑いを消すためにも、細胞診や生検を含めた検査を行い、確定診断をつける必要があります。少しでも早く良悪性の鑑別をし、もし悪性であった場合は、なるだけ早く治療を始めることが、予後の好結果につながると思います。(文責 須田)

 

No.2506】 04年06月06日  きくこ
左わきの下のしこりについて

悪いことばかりが頭に浮かび落ち着きません。どうか宜しく相談にのってください。左脇の一番へこんだ辺りよりやや背中よりにしこりがあります。形は丸いというよりも、平たく浅い位置にあり、皮膚と引っ付いています。横につまむと1cmくらいでしょうか。縦にはつまみにくいです。腕を上に上げた状態より、前に出したほうがハッキリ触れます。時々無性に痒くなり、先日もそれで気づきました。乳癌かも…と気になり、胸を何度も触ってみるのですが、しこりはありません。乳癌検診は二年ほど前にしたきりですが…。かなり前に腋毛の頭が出ず詰まったような状態になり、毛抜きで赤くなるまで触った記憶があります。その後しばらく小さな赤いしこりが残っていた記憶があります。左腕はつい最近まで五十肩で、約一年まともに上に上がりませんでした。そのせいかと考えていたのですが、左脇だけ臭います。何かしこりと関係あるのでしょうか。どうか宜しくお願いします。

病変部位から推測すると、乳腺の疾患ではなく、皮膚科領域の病変(たとえば、粉瘤)だと思われます。一度、皮膚科でご相談ください。五十肩、左脇の臭い等は、この病変とは関係ありません。 (文責 須田)

 

No.2505】 04年06月06日  T 
乳房のしこりと石灰化

初めて質問します。よろしくお願いします。34歳。8歳、6歳の子供ありです。1週間ほど前(生理後10日)に、左の乳首がヒリヒリしていたのですが、3日ほどで乳首の痛みはなくなり、今度は左の脇の前の方から乳房の外側〜下にかけて痛みがあります。そのせいで触っていたら、米粒ほどのしこりを発見し、病院を受診しました(左外側上方、乳輪より5cmあたりの所です) 。痛みも分泌液もないです。マンモグラフィーとエコーをとってもらい、左の乳房は異常なく、乳腺の炎症かな?ということでした。しかし、なんの変化もなかった右乳房に石灰化がみられ(私がみたレントゲン上では、2〜3mmの大きさで円形の下方が凹んでいました。馬蹄みたいな感じです)、これについては、6ヵ月後にまた様子みましょうということでした。エコーでは、石灰化場所確認できず。 しこり、分泌液ともにないです。これはどういうことが考えられるのでしょうか?聞けずじまいで帰ってしまい、ちょっと心配になっています。それと、今日から左の乳房の外側に5mm程度のぐりぐりもできました。そのグリグリを触るとかなり痛いです。大きくなったグリグリは、最初に発見したしこりの延長上、乳輪から7cmあたりにあります。リンパのような気がします。このような痛み、ぐりぐりは癌への変化になるのでしょうか?乳房とグリグリが痛くて痛くて仕方がないのですが、抗生剤とか痛み止めとかは飲まなくていいのでしょうか? 放置していたら治るものなのでしょうか? 長い質問になってしまい、すみません。病院でなかなか先生に質問できず、不安で質問させていただきました。よろしくお願いします。

右乳房の石灰化についてですが、直接画像を拝見していないので、はっきりしたことは申し上げられませんが、2〜3mmの粗大な石灰化ですから、乳癌を疑うような病変ではなく、乳腺症として6ヶ月後の診察を受けることでよいと思います。「グリグリ」に関しては、リンパ節かもしれませんが、直接診察なさった先生に伺ってください。いずれにせよ、今回、マンモグラフィー及びエコーで、腫瘤や、カテゴリー3以上の石灰化はなかったことが確認できたわけですから、悪性のものである心配はないと思います。
現在ある乳房の痛みですが、あまり痛みが強いようであれば、我慢せず、再度受診して主治医にその旨申し出てください。(文責 須田)

 

No.2504-1】 04年06月06日  A 
乳輪の腫れについて

はじめまして。30歳、Aと申します。最近気づいたのですが、片方の乳輪の一部が盛り上がったようになっているのです。よく見ると白いブツブツ(モンゴメリー腺でしょうか)がそこだけ固まったようになっていて、他の部分と比べると色も違うような気がします。病院に行ったほうがいいのでしょうか? お手数おかけしますが、よろしくお願い致します。

おそらくモントゴメリー氏腺だと思います。乳輪部の病変はEcho、マンモグラフィー等の画像でも分かり辛く、診察をしなければはっきりしたことは分かりませんので、不安を取り除く意味からも、一度乳腺外科の診察を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2504-2】 04年06月06日  A 
乳輪や乳首の変化

先日はありがとうございました。早速病院へ行って、マンモとエコーの検査をしました。乳腺症とは言われましたが乳輪には異常なしとのこと。確かにブツブツが固まって盛り上がっていてるが、気にすることはないそうです。ただ、以前はこういう事になっていなかったので、どうしても気になってしまいます。乳輪や乳首は出産していなくても変化していくものなんでしょうか? これ以上ブツブツが増える可能性もあるのでしょうか?

乳輪や乳首が年齢とともに変化することは、もちろん十分に考えられ、これは必ずしも出産、授乳が行われなくても生じると思います。乳輪のブツブツ、すなわちモントゴメリー氏腺についてですが、ときに炎症をおこしたり膿瘍をつくったりしますが、どんどんと目立つようになるというケースはお聞きしたことがありません。あまり神経質にならず、ときどき確認するくらいのスタンスでいてはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.2503】 04年06月06日  MK 
術後鎖骨転移について

宜しくお願い致します。2002年04月、私と一緒に手術をした方についてです。右全摘出(2センチくらいだったと聞いてます)、リンパも取っています(8ケ転移)。感受性が無い為ホルモン療法が出来ず、抗癌剤の薬を飲んでおられます。皮膚に染みが出来るくらいの副作用はありましたが、今まで順調に来ていました。ところが昨日6/1エコー検査で鎖骨に影があると告げられ、ショックを受けておられます。あす細胞を取ったり、CT検査をしたりして、結果を6/15に聞きに行くとのことです。もしそうであっても抗癌剤治療しか無いと医師から言われたそうです。大きい病院の為か私達の担当医が移動になり、新しい医師に変わった矢先なので、うまく先生との間にコミニケーションが取れていないようです。抗癌剤でどの程度の効果があるのでしょうか?他に何か良い方法が無いのでしょうか?本人はもう駄目だとあきらめている様ですが、完治する確率は低いのでしょうか?

「Echo検査で影が見つかり、細胞をとった」ということですので、鎖骨転移ではなく、鎖骨上リンパ節転移であろうと思われます。鎖骨上リンパ節転移は、切除や放射線による局所治療と、化学・内分泌全身療法を組み合わせることによって、他臓器転移がなければ、長期間の完全緩解が得られる場合があります。全身療法としては、ただちに強力な抗がん剤を使うのではなく、ホルモンレセプター陽性であれば、ホルモン療法が最優先されますし、陰性でも、経口抗がん剤で有効な場合もあります。又、一次化学療法では、アンスラサイクリンを含む多剤併用療法として、AC、CAFが推奨されています。他臓器に転移があるかどうかを確認し、あきらめることなく治療方針を立てることが、大切だと思います。納得のいく治療を受けられるよう、主治医とよくご相談ください。(文責 須田)
 

No.2502】 04年06月06日  megu
微細石灰化について(HPNo.2485-2)

HPNo.2485で質問させていただいたmeguです。先日は、とてもご丁寧にわかりやすくお答えいただき、本当にありがとうございました。再度質問させていただきます。細胞診断の結果がでたのですが、良性でした。ただ、先生は、マンモの所見が区域性(乳首下部分、全体の1/4)ということで、ひっかかっているようでした。エコーでも、石灰化の小さい粒はみえるが、異常と思えるものはないとのことでした。マンモトームは強く勧められることもなく経過観察していくという感じだったのですが、マンモトームをやらずに、経過観察をしていっても大丈夫なのでしょうか? あと、微細石灰化はなくなることはないと言われたのですが、経過観察していき、癌とはっきりした時点で手術するということは、何年先かはわからないけど、いつか必ず癌になるということになりますか? ということは、早くマンモトームをやって、早くとってしまった方がいいことになるのかなぁ・・・と、家に帰ってきてから、色々と不安がでてきてしまいました。どうぞよろしくお願いいたします。

直接診察しておらず、また画像も拝見していませんので、詳細についてはわかりませんが、現時点では悪性を疑う所見が見られないということだと思います。経過観察とは、ただ漠然と放置しておくということではなく、前回のマンモグラフィーと比較して石灰化像に変化が見られるか、触診での違いはどうか、echoでの変化はあるか、などを総合的に判断し、何か変化があれば、次の検査として、マンモトーム、或いは生検を行うことになります。いつか必ず癌になる・・・ということではありません。あまり過剰な心配をせず、経過観察で充分ではないかと思いますが、それでも心配・・・という場合は、不安を取り除く意味からも、主治医とご相談し、納得のいく治療を受けて下さい。(文責 須田)

 

No.2501】 04年06月06日  AYA
骨密度(HPNo.2163-2

以前2163でご相談させて頂いた者です。その節は有難うございました。又ご相談させて頂きたく、メール致しました。骨密度のことですが、ゾラデックスをうち始めて(うち始めは測定してないのでデーター無)2年経ったところで80%、リンパ節転移7個と多かった為、もう1年ゾラデックスを続けましょうと言われ、3年続けたところで骨密度が66%まで下がってしまいました。主治医は、ゾラデックスが良く効いているので、このまま後2年続けたいと言われます。現在はベネット錠2.5mgを服用し、3ヶ月ほどしてもう一度骨密度を調べる事になっています。閉経を迎えていればゾラデックスをうたなくてもいいと思うのですが、47歳で可能性はあると思うのですが・・・。 そこで、ゾラデックスをしながらでも血液検査で閉経状態が判るのでしょうか?この時の血液検査は婦人科で行うものなのでしょうか、それとも3ヶ月毎に受けている外科の血液検査で検査項目を追加すれば判るのでしょうか。腫瘍マーカー1CTPが、1月3.8U/ML →4月4.5U/ML と上昇しています。何か関連があるのでしょうか。それとも骨転移では・・・。お忙しい中、誠に申し訳ございませんが、ご回答宜しくお願い致します。

日本人女性の閉経時期は、平均51歳ということになっています。血液検査によって閉経レベルであるかどうかを調べることは可能ですが、ゾラデックスを投与している間は、女性ホルモンの数値は低値を示しますので、一度ゾラデックスを中止しなければなりません。血中のエストラジオール濃度が30pg/mlで閉経レベルと判断しますが、これは婦人科特有の検査ではありませんので、外科でも大丈夫です。また、I型コラーゲン(1CTP)は骨転移特有の腫瘍マーカーですが、基準値は4.5未満ですから、3.8→4.5でも、上昇しているとはいえず、骨転移を疑う所見ではないような気がいたします。ただし、ホルモン療法はあくまで再発予防のために行うものですから、副作用と効果を天秤にかけつつ、主治医と充分ご相談なさってください。(文責 須田)