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相談室(No.11201〜11300)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。

ご相談メールの投稿はこちらからお願いします。

 

なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。


★ 過去にさかのぼって相談内容が検索できるようになりました。ご参考になれば幸いです。ご利用下さい。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

11300 14/01/31 K.O 術後の病理結果について 石山
11299 14/01/27 E.K.  全摘 石川
11298 14/01/27 今後の治療について(HPNo.11241) 石川
11297 14/01/27 H  放射線治療について(HPNo.11293) 石川
11296-1
11296-2
14/01/25
14/02/05
Y  転移の検査 
左鎖骨周辺の痛みと違和感
石川
i石山
11295 14/01/25 R 今後の治療について(HPNo.11292) 石川
11294 14/01/21 M.M. 今後の治療の進め方について 吉田
11293-1
11293-2

11293-3
14/01/20
14/01/27
14/02/13
H  病理結果と今後の治療について
放射線治療について
放射線治療について(2)
吉田
石川
大西
11292-1
11292-2
14/01/20
14/01/25
R 今後の治療について
今後の治療について(2)
吉田
石川
11291 14/01/17 S  小脳転移(HPNo.11278-2) 吉田
11290 14/01/17 H.M. 術後の治療について 吉田
11289 14/01/15 際に癌細胞が出ない事はありますか? 吉田
11288 14/01/15 S  トリプルネガティブ乳癌で腰の痛み 吉田
11287 14/01/15 N 今後の治療について 吉田
11286 14/01/13 S ハーツー3+の治療方針について 浜口
11285 14/01/13 M.K. 乳頭の形成手術(HPNo.11043) 浜口
11284 14/01/11 M.M. Ki67について(HPNo.11253) 浜口
11283 14/01/11 S 術後センチネル微小転移の治療 浜口
11282 14/01/11 E 右胸の痛み 浜口
11281 14/01/09 さくら 右肩甲骨から胸にかけての痛み 浜口
11280 14/01/09 K 転移について(HPNo.11275) 浜口
11279 14/01/09 SK 術後の治療について 浜口
11278-1
11278-2

11278-3
13/12/31
14/01/17
14/03/12
S 小脳転移
小脳転移(2)
今後の治療方針
徳田
吉田
斎藤
11277 13/12/30 H 今後の治療について 徳田
11276 13/12/30 S 術後の病理結果 徳田
11275-1
11275-2
13/12/30
14/01/09
K 転移の心配
転移について
徳田
浜口
11274 13/12/27 M 術後治療について 徳田
11273 13/12/25 RT タスオミン(HPNo.10272-3) 俵矢
11272 13/12/25 S リンパ液は、いつまで出るのでしょうか? 俵矢
11271 13/12/23 Y  男性乳頭出血 (HPNo.11231)
11270 13/12/23 K  放射線治療を行う病院について
11269 13/12/23 K  乳癌手術できない状況
11268 13/12/23 T 温存をキープするか全摘か
11267 13/12/21 A  手術跡のしこり 俵矢
11266 13/12/21 T 乳首が変形 俵矢
11265 13/12/20 K  肝転移についてHPNo.11241) 俵矢
11264 13/12/20 N.K 乳頭腫について 俵矢
11263 13/12/15 T  早速の回答、ありがとうございました(HPNo.11257)
11262-1

11262-2
13/12/15

14/04/26
K.M.  @術後化学療法と放射線療法の順番 A好中球減少によるスケジュールの遅れ
放射線性間質性肺炎


俵矢
11261 13/12/15 RT 今後の治療について(HPNo.10272)
11260 13/12/10 N  脈管侵襲ly+です 高橋
11259 13/12/10 K.H.  肝転移の今後の治療について 高橋
11258 13/12/10 M 抗癌剤治療について 高橋
11257-1
11257-2
13/12/07
13/12/15
T  PET-CTにて多発性肝転移が見つかりました
早速の回答、ありがとうございました
高橋
11256 13/12/07 M.W. 乳がんの薬の影響につて 高橋
11255 13/12/07 N 術後のしこり(HPNo.11243-2) 高橋
11254 13/12/04 U 再発率と術後補助療法について 高橋
11253-1
11253-2
13/12/04
14/01/11
M.M.  ガンが複数箇所あった場合の治療について
Ki67について
高橋
浜口
11252 13/12/04 k m パージェタ 高橋
11251 13/12/03 I ゼローダの服薬の仕方 大西
11250 13/12/03 E.Y.  乳がん全摘手術&リンパ節郭清後の放射線治療について 大西
11249 13/12/03 R.O.  今後の治療について(HPNo.11055) 大西
11248 13/12/01 B 乳頭からの出血 大西
11247 13/12/01 K  再発リンパ節への放射線治療 大西
11246 13/12/01 S  セカンドオピニオン 大西
11245 13/11/27 H  胸のしこりについて 鈴木
11244 13/11/27 H.Y.  全摘後の検診について 鈴木
11243-1
11243-2
13/11/27
13/12/07
N  温存術後です
術後のしこり
鈴木
高橋
11242 13/11/27 M  化学療法とホルモン剤の併用について 鈴木
11241-1
11241-2

11241-3
11241-4
13/11/27
13/12/20
14/01/27
14/03/25
K  ステージ4、リンパに多数と肝臓に転移があります
肝転移について
今後の治療について
今後の治療について(2)
鈴木
俵矢
石川
鈴木
11240 13/11/27 N 細胞診について 鈴木
11239 13/11/27 N  手術跡のしこり(HPNo.11128-3) 加藤
11238 13/11/27 N  左頬の腫れ 加藤
11237 13/11/27 R  わきの下のしこり 加藤
11236 13/11/27 TA  今後のホルモン剤について(HPNo.10672) 加藤
11235 13/11/27 N  病理結果 加藤
11234 13/11/27 チャーリー ステージ3c というけれど・・・ 加藤
11233 13/11/20 M.Y.   病理で一部がHer2陽性になりました 清水
11232 13/11/20 G  リンパ浮腫について 清水
11231-1
11231-2
13/11/20
13/12/23
Y  男性の乳頭出血
男性の乳頭出血(2)
清水
11230 13/11/20 H 非浸潤乳管癌の診断 清水
11229 13/11/18 A 右肘付近ののコリコリした塊 清水
11228 13/11/18 N.S.  抗がん剤(TC療法) 清水
11227 13/11/18 M.O 術後治療とセカンドオピニオン 清水
11226 13/11/18 M  右胸の乳輪付近に膿がたまる(2)(HPNo.11223-2) 清水
11225 13/11/15 M 背中の痛み 清水
11224 13/11/15 T  リュープリンを追加するかどうか(HPNo.11123-3) 清水
11223-1
11223-2
13/11/12
13/11/18
M  右胸の乳輪付近に膿がたまる
右胸の乳輪付近に膿がたまる(2)
斎藤
清水
11222 13/11/12 S   ステージ4 遠隔転移後の治療 斎藤
11221 13/11/12 Y  今後の治療について 斎藤
11220 13/11/12 F 術後の治療について 斎藤
11219 13/11/12 S.E ホルモン治療と生理について 斎藤
11218 13/11/12 Y.G.  アリミデックスとポリフェノールの関係について 斎藤
11217 13/11/12 S ホルモン剤アリミデックスの副作用に悩まされています 斎藤
11216
11216-2
13/11/12
15/07/22
MS 今後の治療について
リュープリンの継続について
斎藤
石川
11215 13/11/12 A  肺転移? 斎藤
11214 13/11/12 MT 今後の抗がん剤について 斎藤
11213 13/11/07 Q  今後の治療方針について 久保内
11212 13/11/07 M.K. 非浸潤癌と言われたものの 久保内
11211 13/11/04 I  術後治療について 久保内
11210 13/11/04 T  フェマーラ 久保内
11209 13/11/04 Y.S.  薬の副作用について 久保内
11208 13/11/04 E  乳首からの分泌物 久保内
11207 13/11/04 M.T 今後の治療について(2)(HPNo.11201) 久保内
11206 13/10/23 F.J.  病理検査について 緒方
11205 13/10/23 J  11190で相談した者です 緒方
11204 13/10/23 S  皮膚の浸潤 緒方
11203 13/10/23 M  ホルモン治療 緒方
11202 13/10/22 N  心療内科 緒方
11201-1
11201-2
13/10/22
13/11/04
MT  今後の治療について
今後の治療について(2)
緒方
久保内

 

No.11300】  14年01月31日     K.O
術後の病理結果について

妻(39歳)が、昨年10月に乳房温存術+腋下リンパ節郭清を行いました。病理結果は、腫瘍経(娘結節?少し離れたところの1個を含め)5p、核グレード2,切除断端:陰性、ホルモン(ER・PgR共に):強陽性、HER2:陰性、リンパ節転移:12/22個、Ki67:20%、ステージ3と言われました。あまりにもリンパ節転移が多く、非常にショックを受けております。治療計画として、FEC×4+アガラキサン×4 その後、放射線25回 ホルモン療法5年以上で現在進行中です。術前のCT画像検査(単純・造影)では、腫れたリンパ節は1個は映っていて、ホルモンが陽性なので、病理結果次第では化学療法は省略できるかもしれないとまで言われていました。

1) 術後の病理結果が正しいのは理解できますが、10数個も転移しているリンパ節はCTには映らないものなのでしょうか? また、画像に映らない理由として、例えば、10数個のリンパ節への微少転移などはあり得るのでしょうか?
2) 治療計画としては、妥当なものなのでしょうか?
3) ステージは、リンパ節転移10個以上なので、3cとなるのでしょうか?(術前では2b)
4) 上記治療を完遂すると、再発率はどれくらいでしょうか?

本来であれば主治医に聞くべきところですが、診察時は本人もいるので、なかなか聞くことができません。よろしくお願いします。

主治医に聞かれたほうが良いと思います。本人に隠れてというのは、現在ではありえません。本人もリスクを知るべきです。術前検査はあくまで手術の参考程度で、手術結果を重要視すべきです。治療については、当科でも同じ治療を提示します。妥当だと思います。組織型にもよるので、再発率についてははっきりしませんが、化学療法をすることで再発を半分から3分の1に減らせるはずですが、ホルモン感受性の高い場合、抗がん剤はそれ以外に比べてやや効きにくいかもしれませんが、それでも高度リンパ節転移ですので、やることをお勧めします。(文責 石山)

 

No.11299】  14年01月27日     E.K.
全摘

44才、出産経験なしです。昨年末、右乳房、乳輪のほぼ真下に大きなしこりを発見しました。昨年8月にドックで検診を受けていて、異常はなかったので、あまり心配はしてなかったのですが、大きさも大きいので、年明け、念のため乳腺外科を受診しました。マンモでは何も映らなかったのですが、エコーでは大きな塊が見つかり(2.5センチ)、細胞診の結果は、クラスVでした。その後、針生検、CTの検査をうけ、現在、結果待ちの状態です。主治医の先生からは、全摘しなければいけないと言われて、私の仕事のこともあり、早速2月中旬に手術の予定をいれてくれました。が、その後、転移の有無や、術前に化学療法が必要なのではないか、MRIは必要ではないのか、など、疑問がでてきてしまいました。私が仕事の都合を言ってしまったために、先走った治療になっているのではないかと、心配でたまりません。いかが思われますか? また、腫瘍の位置が乳頭の直下に近いため、主治医からは全摘と言われていますが、抗がん剤で小さくすれば、乳頭、乳輪は残せるかもという話も聞きます。癌のタイプにもよるのでしょうが、その可能性はどの程度あるのか、分かれば教えていただきたいのです。

転移の有無や病巣の広がりを見るためのMRI検査は必要です。その状況で、エコーで、術前に化学療法をしたほうがいいかどうか、決めるのが一般的です。腫瘍の大きさ2.5センチcmのようですが、腫瘍の位置が乳頭直下でも、乳頭に浸潤がなく、乳頭・乳輪まで安全距離がとれれば、即ち癌の遺残がなく手術できるようならば、全摘ではなく温存手術ができる場合があります。この場合では、術後の放射線照射は必須と考えられます。また、乳頭、乳輪などを温存できる可能性を高くするための術前化学療法も行われています。温存療法ができるかどうかは、化学療法の奏功程度次第ということになります。非常によく効いて腫瘍が小さくなる場合もありますが、その逆もあります。やってみないと温存療法できるまでに至るかどうか、わからないのが実情だと思います。(文責 石川) 

 

No.11298】  14年01月27日     K
今後の治療について(HPNo.11241-3)

お忙しいところ申し訳ありません。以前、No.11241でご相談させていただきました。いつもお世話になっております。今回、EC4回を終え、造影CT・エコーで確認したところ、原発巣、多発リンパ転移、肝転移、いずれも見えなくなっており、主治医はカルテにcCRと記入していました。治療は、4回目の時に39度の発熱があったため、今まで100%で投与していたものを、今回から80%にし、その分回数を増やして、使える限度いっぱいまでECを続けるそうです。この後、治療としてはどのようになっていくのか、人によって違うのはわかっていますが、大まかな流れだけでも教えていただけたらと思い投稿させていただきました。よろしくお願いします。

EC治療後は、おそらく他の化学療法(たとえばタキサン系薬剤などの単独・組み合わせ)とホルモン剤を駆使して経過を見ていくことになると思います。(文責 石川) 

 

No.11297】  14年01月27日     H 
放射線治療について(HPNo.11293-2)

ご回答いただきまして、誠にありがとうございました。すいませんが、もう少しご相談させてください。放射線の件で記しました地理的な問題は、現在治療中の病院に公共交通機関を利用して行くと、乗り換えなども含めて片道1.5〜2時間かかり、運行数も少ないことです。家族が車で送迎できればいいのですが、仕事などの理由でほぼ困難なため、本人の負担が大きくなってしまいます。そこで片道1時間程度で済む、別の病院(乳腺専門医はいないが、放射線装置はある)で受けられないか、看護師を通じて相談しようとしたところ、懸念があるようで後日外来で話し合いとなりました。治療中の病院も別の病院も県立病院ですが、手術を受けた病院以外で放射線を受けることは問題が生じるものでしょうか。照射範囲の設定、手術内容のシェア、病院間の連携や技師のスキルなど想像しますが、ちょっと意外でした。予想されることなどがありましたら、教えて頂けませんか。
一方、癌研やアメリカの一部学会では、条件を満たせば放射線省略のケースもあると聞きます。上記の交通事情も含めて考慮した場合、省略の可能性もあるでしょうか。お忙しい中すいませんが、可能な範囲でよろしくお願いします。

手術を受けた病院以外で放射線を受けることに問題はありません。臨床的事項、特に手術内容、病理結果の情報があって放射線科医がいれば、遜色なく照射可能なはずです。私の患者さんで、そのように他の住居に近い病院で照射を施行した人はたくさんいます。
pT1c、 no、stage TAなので、切除断端surgical marginに癌細胞(-)なら、放射線省略できる可能性はあります。乳房内再発のリスクは照射したほうが少ないので、私個人としては、できればお勧めしたいです。(文責 石川) 

 

No.11296-1】  14年01月25日     Y 
転移の検査

右乳がん切除、術後8年目を迎えようとしています。術後の不安な時期、このサイトにたくさん助けられました。先生方のお気持ちに感謝しています。
現在ノルバデックス服用中ですが、半年前ぐらいから左肩に鈍い違和感や痛みを感じています。転移の精査をしてもらいたくPET−CTを申し出ましたが、主治医は、肩のMRI造影の結果次第でPET−CTをするかどうか決めたらよいとのことです。
そこで質問です。

1) 肩の違和感や痛みが転移だと仮定したら、PET−CT・MRI造影・骨シンチのいずれが転移の検出率が高いでしょうか? あるいは他にもっと精度の高い検査がありますか?
2) MRI造影で異常がなければ、PET−CTでの検査は必要ないでしょうか? 肩のMRI造影検査で異常がなければ、PET−CTでも異常は出ないのでしょうか?
  
よろしくお願いたします。

1) 転移だとすると、PET−CTか、骨シンチがいいと思います。
2) MRI造影で異常がなくとも、PET−CT検査で異常が見つかることもあるので、行ったほうがいいと考えます。それぞれの検査にはそれぞれの特性があり、総合して判断することになります。(文責 石川) 

 

No.11296-2】  14年02月05日     Y 
左鎖骨周辺の痛みと違和感

NO11296で相談したYです。その後MRIの検査結果では転移を疑わせるような結果はなく、いわゆる50肩の所見をいただきました。乳腺科医師は同じがんセンターの整形外科医を紹介して下さいましたが、私の痛みや違和感は左鎖骨周囲であり、整形外科の医師も、MRIの所見から連想される痛みと現実に私が感じている痛みは違うとおっしゃいます。私は主治医にPET−CTも組み合わせていただきたい希望を伝えましたが、MRI造影の方が精密検査になるからPET−CTをしても意味がないとおっしゃいます。
1) 半年前の超音波検査で、「左鎖骨下や鎖骨上窩に3ミリ大のリンパ節を描出しますが形状扁平です。」という所見を貰っています。主治医は、表面がつるっとしているので、癌ではなく、生まれつきリンパ節が大きいのだとおっしゃいますが、初期の転移で腫大して、違和感や痛みになっているのでは?と不安です。この左鎖骨下や鎖骨上窩に3ミリ大のリンパ節の転移の有無は、どのような検査で調べることはできますか?
2) ある文献に、「造影MRIでは鎖骨上窩のリンパ節転移は通常撮影野には入らないため描出されず、比較してPET−CTでは撮影野が広いので描出される…」とありましたが、MRI造影では鎖骨下や鎖骨上窩のリンパ節は写らないのでしょうか?
3) 私のMRI報告書には、「依頼内容からもカルテ上からも肩部についての所見記載が全くないので、これ以上の記載は困難。想定される疾患により撮影方法も異なります。」とありました。検査の際も、頚部MRIになっていて、私が首ではなく鎖骨周囲だと申し出ましたが、報告書には左肩関節痛とあり、左肩周辺を撮影していました。私の痛みから想定して、主治医が撮影医にどこをどのようにとるかの指示が伝わっていなかったと感じました。また、撮影医も私の話を聞いていたのか? 再度主治医に痛みの場所をしっかり伝え、MRIを取り直す意義はありますか? このような所見を見てしまうとすごく不安です。どうしたらいいでしょうか?
4) 仮にリンパ節に転移があったとしても、大きさが5ミリ以上でないとPET−CTには集積は見られないのでしょうか?
5) 半年前から我慢できない程ではありませんが、左鎖骨周辺に違和感や痛みを感じます。痛みは増しています。鎖骨そのものが痛んでいるのか? 周辺が痛いのか? よくわかりません。このような場合、骨シンチやPET−CT等、どのような検査の組み合わせがよいのでしょうか?

長々と申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

MRIは、最新のものと10年前のものでは全く解像度が違います。最新ものであれば1mmでも診断できますが、10年前のMRであれば、1pでも映らないこともあります。色々心配で主治医が対応してくれないなら、セカンドオピニオンを求めて乳腺外科に相談に行けばいかがですか。現在の検査の精度が分からないと、お答えのしようがありません。(文責 石山)

 

No.11295】  14年01月25日     R 
今後の治療について(HPNo.11292-2)

ご回答をいただきまして、大変参考になります。ありがとうございます。お忙しいところ恐れいりますが、追加で2点ほどご教示お願いいたします。

1) 肝機能改善薬として、ベザトールSR錠とウルソ錠を摂取しております。これはKi-67の数値を引き上げる要因になるお薬でしょうか?
2) 先生なら、私のようなケースで、どのような抗がん剤、放射線、ホルモン治療のスケジュールを組まれますでしょうか? ご参考としてお教えくださいませ。

1) ベザトールSR錠とウルソ錠が、Ki-67の数値を引き上げる要因になることはないと思います。
2) 私は、オンコタイプDX検査で大丈夫ならホルモン治療(LHRH agonist ± Tamoxifen)のみ、化学療法をするならタキサン系薬剤の単独療法か、サイクロフォスファマイド併用のTC療法を選択します。(文責 石川) 

 

No.11294】  14年01月21日     M.M. 
今後の治療の進め方について

いつも拝見させていただいております。43歳、3歳と10歳の子供の母です。11月に温存手術を行い、年末に病理結果がでました。その結果、腫瘍は1.5p、センチネルリンパ節転移なし、脈管侵略無、gread 2、HER2 (2+)→その後DISH 法で陰性、ホルモンは両方とも 陽性(8)。断端は陰性。主治医からは、放射線もしくは追加切除を言われておりますが、その前に、抗がん剤をどうするか決めて欲しい旨、問われております。この腫瘍の浸潤は1.5pのものの、周りに非浸潤癌があり、腫瘍そのものは2pとなること、grade が2であることより、抗がん剤をするかしないかの割合は半々とのこと。子供がまだ小さいこともあり、リスクはできるだけ避けたいとの考えもありますが、仕事をしているため、副作用も気になります。また、ホルモンが強陽性だと抗がん剤が効きづらいとの話も聞いており、副作用を押してまで抗がん剤をするかどうか悩んでおります。オンコタイプdx の試験も勧められ、費用をかけてでもしようと思っておりますが、11月に手術して、すでに2か月以上経過していますが、さらに1か月も無治療でよいのかも気にしております。また、オンコタイプで中間リスクとでた際に、また迷いそうな気もしております。今後の治療の進め方についてのアドバイスをお願いします。

どの様にすれば良いか専門家でも迷うところです。費用は掛かりますが、オンコタイプDXはできればやりたいところです。簡便な方法として、Ki-67の値(増殖能を示すとされている)が知りたい所です。これが20%以上の数値をとる様であれば、抗がん剤をやっておいた方が無難でしょう。メールにある情報だけですと、どちらがbetterなのか分かりません。(文責 吉田)

 

No.11293-1】  14年01月20日     H 
病理結果と今後の治療について

初めて投稿させて頂きます。よろしくお願いします。昨年末ぐらいに母が乳がんの手術を受けました。病理結果と今後の治療について、可能な範囲でアドバイスを頂けますと助かります。データは以下です(羅列で申し訳ありません)。
年齢73歳
IDC、Solid-tubor, ly0, v0, f, EIC(-) 浸潤径12mm
組織学的グレードU、核グレード1
ER+、PR+、 HER2− Ki67:11%
n(-) [SNB:0/2]
pT1c、pN0、cM0、G2、stage1A
骨密度同年代比90%、若年成人比61%

1) 抗癌剤は必要なく、骨粗鬆症の為ノルバデックスが処方されました。この処置は一般的でしょうか。骨粗鬆症も懸念されますが、アロマターゼ阻害薬の投与が最も推奨され、骨粗鬆症に対しては別の薬でコントロールするとも聞きます。
2) 放射線は地理的な面も考慮して省いてもいいだろうということになりましたが、できればやった方がいいでしょうか。なお、薬は飲み始めました。治療をするとすれば、薬は一旦中止でしょうか。

1) 一般的だと思います。若年成人比61%というのは、明らかに骨粗鬆症です。骨粗鬆症の治療を平行して行い、骨密度の数値が改善したら、アロマターぜ阻害剤に変更するのがよいでしょう。
2) 地理的な問題がどの程度がわかりませんが、出来ればやったほうが良いと思います。放射線治療中、ホルモン剤を中止する必要はないと思います。(文責 吉田)

 

No.11293-2】  14年01月27日     H 
放射線治療について

ご回答いただきまして、誠にありがとうございました。すいませんが、もう少しご相談させてください。放射線の件で記しました地理的な問題は、現在治療中の病院に公共交通機関を利用して行くと、乗り換えなども含めて片道1.5〜2時間かかり、運行数も少ないことです。家族が車で送迎できればいいのですが、仕事などの理由でほぼ困難なため、本人の負担が大きくなってしまいます。そこで片道1時間程度で済む、別の病院(乳腺専門医はいないが、放射線装置はある)で受けられないか、看護師を通じて相談しようとしたところ、懸念があるようで後日外来で話し合いとなりました。治療中の病院も別の病院も県立病院ですが、手術を受けた病院以外で放射線を受けることは問題が生じるものでしょうか。照射範囲の設定、手術内容のシェア、病院間の連携や技師のスキルなど想像しますが、ちょっと意外でした。予想されることなどがありましたら、教えて頂けませんか。
一方、癌研やアメリカの一部学会では、条件を満たせば放射線省略のケースもあると聞きます。上記の交通事情も含めて考慮した場合、省略の可能性もあるでしょうか。お忙しい中すいませんが、可能な範囲でよろしくお願いします。

手術を受けた病院以外で放射線を受けることに問題はありません。臨床的事項、特に手術内容、病理結果の情報があって放射線科医がいれば、遜色なく照射可能なはずです。私の患者さんで、そのように他の住居に近い病院で照射を施行した人はたくさんいます。
pT1c、 no、stage TAなので、切除断端surgical marginに癌細胞(-)なら、放射線省略できる可能性はあります。乳房内再発のリスクは照射したほうが少ないので、私個人としては、できればお勧めしたいです。(文責 石川) 
 

 

No.11293-3】  14年02月13日     H 
放射線治療について(2)

HPNo.11293 です。ご回答いただきまして、ありがとうございました。別の病院でも放射線治療は受けられる点、理解しました。何度も申し訳ありませんが、もう少し質問させてください。まず追加情報として、病理のコメント欄に「断端は陰性」とあったので、前回コメントを頂いた、切除断端に癌細胞(-)ということでしょうか。あと、お伝えしてなかった既往症として、患者は20〜30年前に子宮を摘出してます。病名は忘れましたが、のう胞だったかもしれません(悪性腫瘍ではないです)。 放射線のリスクとして、乳癌学会のHP等には、まれに間質性肺炎を起こすとありますが、呼吸器関連のHP等では、症状の有無によらず、ある程度のダメージを受ける場合が多いという内容も見られ、高齢者の場合、意外に負担が大きいのではないかと懸念しました。肺へのダメージによるQOLの低下リスクと、局部再発のリスクを考えたとき、母の場合、やはり治療した方が利益が大きいでしょうか。本来あまり悩むところではないのかもしれませんが、追加情報も踏まえまして、再度お考えを頂けると助かります。よろしくお願いします。

ご指摘の通り、「断端は陰性」とは、切除断端に癌細胞(-)ということです。呼吸器関連のHPと乳癌学会のHPでリスクが違うのは、乳癌の場合と肺癌の場合では放射線の照射方法が違うからではないでしょうか。70歳以上の患者さんを対象とした臨床試験があります。この臨床試験は部分切除術を受けたホルモン感受性乳癌患者さん600人を対象とし、ホルモン療法と放射線照射をうけるA群と、ホルモン療法のみのB群に分けています。術後10年間におけるA群の局所再発率は2%で、B群の局所再発率は10%でした。また生存率には差がありませんでした。他の先生と同じように私も放射線照射を勧めますが、上記データを踏まえて、高齢者には強く勧めない場合もあります。(文責 大西)

 

No.11292-1】  14年01月20日     R
今後の治療について

HP 大変参考にさせていただいております。50歳です。生理継続中。昨年12月に左胸の温存手術を受けました。乳頭より真上首側の部位です。 
ER  100% (8/8)、PgR 100% (8/8)、 Her 2 (-)、 Ki-67 41.7%、 摘出組織サイズ 2cm×1.4cm×1.1cm、 リンパ節転移なし。
手術後の診察で、主治医より、抗がん剤はいらないと思われるけれど、Ki-67の高値が気になるので、本人の10年後を考えると数値で把握するのが一番良いと、オンコタイプDXの検査を勧められ、お願いしました。結果は来月2月の中旬ということです。結果が悪ければ、抗がん剤をしましょうと言われています。抗がん剤の覚悟はしていたのですが、先生から、いらないと思うといわれて、少々混乱しています。アジュバントオンラインの数値は不明です。現状のデータで、どのような可能性があるのかご意見をいただけたらと、お願い申しあげます。

ホルモン感受性強陽性の乳がんであり、通常はホルモン剤だけで十分ですが、KI-67が高値です。抗がん剤を行うべきか悩むところです。この様な場合、オンコタイプDXの結果により抗がん剤投与の有無を決めるのは、非常に良いことと思います。腫瘤径2cmあり、KI-67高値であることを考えると、ホルモン剤だけの場合、再発のリスクは10%前後ではないかと思います。出来れば抗がん剤はやっておいた方が無難でしょう。(文責 吉田)

 

No.11292-2】  14年01月25日     R
今後の治療について(2)

ご回答をいただきまして、大変参考になります。ありがとうございます。お忙しいところ恐れいりますが、追加で2点ほどご教示お願いいたします。

1) 肝機能改善薬として、ベザトールSR錠とウルソ錠を摂取しております。これはKi-67の数値を引き上げる要因になるお薬でしょうか?
2) 先生なら、私のようなケースで、どのような抗がん剤、放射線、ホルモン治療のスケジュールを組まれますでしょうか? ご参考としてお教えくださいませ。

1) ベザトールSR錠とウルソ錠が、Ki-67の数値を引き上げる要因になることはないと思います。
2) 私は、オンコタイプDX検査で大丈夫ならホルモン治療(LHRH agonist ± Tamoxifen)のみ、化学療法をするならタキサン系薬剤の単独療法か、サイクロフォスファマイド併用のTC療法を選択します。(文責 石川) 

 

No.11291】  14年01月17日     S 
小脳転移(HPNo.11278-2)

いつも丁寧なご回答、誠にありがとうございます。12/25に脳神経外科にて、小脳腫瘍摘出手術を終え、現在入院先にてリハビリ中です。病理結果から、乳がんの小脳転移と言われております。退院後、別病院にて、全身の転移検査(PET)を受診後、小脳の局所放射線治療(サイバーナイフ)となりそうです。

1) PETとPET-CTの違いと精度。1cm以上の腫瘍でないとPETでは見つけられないのでしょうか?
2) PET検査とサイバーナイフを同じ病院で受けることのメリット。同じ病院で受けたほうが、治療費を抑えられると思うのですが・・・。鎌倉在住ですが、上記施設を完備している近隣の病院は、川崎市の新百合ヶ丘総合病院以外にありますでしょうか?
3) サイバーナイフの世代による相違点。最新は第四世代でしょうか? 春日居サイバーナイフセンター(山梨県)以外に、近隣に最新装置を完備している病院はありますか? 渋谷区の日本赤十字医療センターのサイバーナイフは何世代でしょうか?
4) 小脳腫瘍摘出前後の血液検査で、腫瘍マーカ(NCC-ST-439)が36.7から14以下まで下がっていましたが、今後、血液検査で本腫瘍マーカをモニタすることの意義はありますか?
5) どうせ受診するなら、同じ病院に乳腺外科、放射線外科、脳神経外科が全て揃っていたほうが、素人的には安心するのですが、安易でしょうか?

以上、ダラダラと長文になりましたが、よろしくお願い申し上げます。

1) PET-CTとはPETとCTを組み合わせたもので、PETの取り込みが見られた部位が体にどこに当たるのかを、CT画像で分かりやすく見えるようにしてあるだけです。
2) メリットは巻絡が密に行われるぐらいでしょう。この両者を完備しているところが何処にあるのかは知りません。
3) 私は乳腺外科医ですので、サイバーナイフの最新情報を知りません。脳外科あるいは放射線科に問い合わせてください。日赤医療センターのサイバーナイフの世代数も知りません。
4) あります。治療後、また再発巣が増大したり、新たに出来たりした場合は、また上昇すると思われます。これに代わるマーカーがあれば話は別ですが・・・。
5) 理想的にはそうですが、そういう病院はなかなかないでしょう。元が乳癌ですので、乳癌のことが良く解っている乳腺外科なり乳腺科あるいは腫瘍内科などがしっかりしたところが良いと思います。(文責 吉田)

 

No.11290】  14年01月17日     H.M.
術後の治療について

術後の治療について、ご相談させていただく50歳、既婚女性(子供2人)です。昨年12月に左乳房温存手術を受けました。現在ホルモン治療中(タモキシフェン)です。また、1月21日から放射線治療予定です。
術後の病理結果は、「・乳頭腺管がん(浸潤性乳管がん) ・腫瘍の大きさ 11×10ミリ ・核グレード2 ・HER2 3+ ・リンパ節転移− ・センチネルリンパ節生検0/2 ・リンパ管−、脈管−、断端−」です。術前は、エストロゲン受容体95%、プロゲステロン60%でしたが、術後は聞いていません。Ki-67の値は不明です。また、浸潤は3ミリとおっしゃっていました。結果を紙で欲しいと先生にお願いしたのですが、出せないということでした。先生は、浸潤が10ミリを超えればハーセプチンを使うが、3ミリなのでホルモン療法と放射線のみでいいとおっしゃっていました。ハーセプチン+抗がん剤治療は過剰診療であるし、白血病の心配等リスクもあるとのことでした。術後は当然ハーセプチンを使うと思っていましたが、先生の判断は理解、納得も出来ます。しかし、小さくても浸潤していますから、HER2陽性の悪性のがん細胞があちこちに運ばれているのではないかと不安になります。セットになってしまう抗がん剤治療の副作用を考えると、やらなくてよいならその方が良いとも思うのですが、万一再発した時に、なぜハーセプチンを使わなかったのかと後悔しそうな気持ちもあります。お忙しいところ申し訳ありませんが、先生のお考えをお聞かせください。すでに治療が始まっており、後戻りは出来ない状況ではありますが、納得して治療を受けたいのです。どうぞよろしくお願いいたします。

小さな浸潤癌に対してハーセプチン+抗癌剤の治療を行うかということですが、一応5mmが基準点になっている様です。万一再発した場合のことを考えたら限がありません。10mm以上だと再発は結構いますし、5mm以下だと稀です。(文責 吉田)

 

No.11289】  14年01月15日     海
実際に癌細胞が出ない事はありますか?

今月末に乳がんの手術を控えております。今わかっておりますのは、浸潤がんであること、グレードは2ぐらいかなといったことのみです。シコリは1.5センチほどですが、CTで一つ、リンパのシコリが写っておりました。これについては、「実際に手術してみなければわからない。切ってみたら、癌細胞はないということも多々あります。」と言われました。実際に癌細胞が出ない事はありますか? しかし、あったとしても稀でしょうか? 1センチぐらいで丸いとありました。ご指導お願い致します。

CTで見えるリンパ節の半分近くは、実際には癌細胞はありません。実際の画像を見ないと何とも云えませんが、1cm大で丸いというのが気になります。一応は転移の可能性を考えるべきでしょう。可能性としては、60〜70%位でしょう。(文責 吉田)

 

No.11288】  14年01月15日     S  
トリプルネガティブ乳癌で腰の痛み

お世話になります。ちょうど5年前に乳がんの手術及び化学療法+放射線治療を受けました。トリプルネガティブ、腫瘍大きさ2センチで、リンパ節転移なしのステージ1。 半年前のエコー、CT、 3ヶ月前の血液検査は異常なし。ここ10日くら、い腰(左側)の奥のほう(腎臓がある位置あたり)に鈍痛があります。転移、再発の兆候ということは考えられますか? ちょっと前まで風邪を引 いていたのですが、その影響でしょうか…。トリプルネガティブは2〜3年がヤマだと言われているようですが、もう5年経過するので、再発の可能性はかなり低くなっているのでしょうか? よろしくお願いいたします。

再発の可能性を否定することは出来ませんが、非常に低いでしょう。鈍痛がいつまでも(1ヶ月以上)続いたり、強くなるようでしたら、その旨を主治医に告げ、検査して貰ってください。(文責 吉田)

 

No.11287】  14年01月15日     N  
今後の治療について

2011年、41歳で、術前脇0個で左乳頭腺管癌約3センチで全摘し、術後脇1個で脈管侵襲あり、リンパ覚醒して、2bです。ER+、PGR+、Her2−で、抗がん剤を終え、今はノルバッテック飲み薬とリュープリン注射しております。
1) 抗がん剤後,数カ月して、生理が復活したので、2012年8月〜三か月ごと、リュープリン注射をしているのですが、2013年7月に婦人科受診後、生理が一カ月続き、乳腺科に聞いたら婦人科で受診だと言われました。受診したら異常なく、止血剤をもらい、何日かで止まりました。その後、また2014年1月に薬を一日飲み忘れたからか?、生理が2週間続いてます。来週乳腺科の診察ですが、乳癌に生理は良くないと聞くので、不安です。注射をしている期間でも生理が来ることはありますか? また、あと半年で注射が終わるのですが、私の場合、注射の量を増やしたり、5年に注射をのばしてもらったり、飲み薬も10年にした方がよいですか?
2) 1年検診も、2年目検診も、CTとエコーだけで、マンモをしてくれないのですが、してもらった方が良いですか?

1) リュープリンを注射している間は、生理が止まっているのが普通です。「生理」が2週間続いているのは変です。再度婦人科を受診した方が良いでしょう。リュープリンを何年やれば十分かは判っておりません。飲み薬の方は10年続けた方が良いということになっていますが、個人個人によって状況は異なりますので、主治医とよくご相談ください。
2) マンモグラフィは是非やってもらってください。(文責 吉田)

 

No.11286】  14年01月13日     S 
ハーツー3+の治療方針について

初めて相談します。浸潤性ハーツー3+、ホルモン陰性、約6センチ、リンパ転移あり。VA。11月の始めにしこりを見つけ、開業医からがん研の結果まで2か月かかり、やっと抗がん剤をやることに決まりました。治療が決まった時は、うれしくて疑問など浮かびませんでした。家に帰って冷静に考えているうちに次の疑問がわいてきました。

1)11月には3.9センチ、UBが2か月の間に進行してしまいました。そこで、抗がん剤を先にやり、そのあと手術。途中経過で抗がん剤の効果がない場合は、手術になると言われました。乳首にもしこりがかかっているため、全摘出だと思っています。全摘なら先に取ってしまったほうがいいと思うのですが、先に抗がん剤の根拠がよく分かりません。進行が広がってしまうようで、早くガンを取り除いてほしいです。病院の抗がん剤の効果確認のため? 先に抗がん剤の治療は、よくあることですか? 手術が後のほうがよい理由はどんな事が考えられますか?

2)それから抗がん剤ですが、1つ目の病院では「@TCH 6回 AFEC 8回」どちらでもよいといわれたのですが、がん研では、FEC8回のみ提示されました。回数が少ないほうがいいので、根拠を聞いたところ、「TCHでも効果は同じ、ただ副作用が扱いづらい、FECの方が実績がある。」と言われました。できたら回数が少なく、副作用が楽なほうがいいです。私の場合は、FECのほうがいいのでしょうか?

治療を始めるにあたり、先だってアドバイスを頂けると幸いです。以上よろしくお願いします。

HER2陽性乳癌に対する化学療法としては、アンスラサイクリン及びタキサンにトラスツズマブを使用する治療が、標準治療として多く行われてきています。それに対し、TCH(アンスラサイクリン、カルボプラチン、トラスツズマブ)は臨床試験で同等の効果が示され、心関連の副作用が少ないことが示されました。患者さんが自覚する副作用は個人差があり、単純な比較は難しいですが、前者が実績のある標準治療で多く選択されており、心疾患がある場合などには心毒性のあるアンスラサイクリンを使用しない後者も考慮するのが一般的と考えます。(文責 浜口)

 

No.11285】  14年01月13日    M.K.. 
乳頭の形成手術(HPNo.11043-3)

No.11034 No.11083でご相談させていただきました。いつも分かりやすいご説明をいただき、励みになっております。昨年9月に人工物再建手術を受け、5月以降に乳頭の形成手術を予定しています。術側のバストに皮膚が薄くなったことによる『くぼみ』ができているため、お腹の脂肪をくぼみに注入することができるそうなのですが、後々、しこりや石灰化ができやすいということなので迷っています。麻酔をかけている間に同時にできるなら修正をしたいとも思うのですが、再発することが何よりも怖いです。脂肪を注入した箇所にできるしこりや石灰化は、乳がんの再発とは関係ないものなのでしょうか。それとも再発しやすくなるということでしょうか。乳腺科の先生にも相談して決めようとは思いますが、先生方のご教示も頂きたくご相談させていただきます。どうか宜しくお願いいたします。

人工乳房による再建術後のくぼみなどの修正に、脂肪注入は最近では比較的よく行われる方法であり、注入方法の工夫により生着率はあがってきています。注入した脂肪の一部が生着せずに壊死すると、しこりのように硬くなったり、石灰化や嚢胞ができたりします。それを完全に防ぐことは難しいですが、脂肪注入後のしこりや石灰化が乳癌の再発リスクをあげるわけではありませんので、心配はいりません。(文責 浜口)

 

No.11284】  14年01月11日    M.M. 
Ki67について(HPNo.11253-2)

No.11253で、乳ガンが複数箇所見つかった場合の手術について相談させていただきました。アドバイスをいただき、主治医と手術前に切除方法についてよく話し合うことができました。おかげさまで部分切除とセンチネルリンパ節生検を、無事受けることができました。昨日出た病理検査の結果は以下のようでした。
リンパ管侵襲 0 ・ グレード1 ・ ER 80% PgR 60% ・ HER2蛋白 0 ・ リンパ節転移 0 ・ 切除断端 陰性 
ただ、術前は9%とされていたKi67が21%になっていました。主治医は「高いというほどではないので」ということで、今後放射線治療とタモキシフェン服用となりました(タモキシフェンは術前から服用しています)。Ki67の数値が高い場合には抗がん剤を用いると書いてあるのを見たことがあるのですが、「Kiが高い」とは、どのくらいの数値を指すのでしょうか。Ki67は『増殖能』と解説されていますが、再発率に大きく影響するものなのでしょうか。また、放射線治療を別の病院で受けるため、始めるのが術後8週間ぐらいになってしまいます。予約が取れない以上しかたがないのですが、効果がなくなってしまう、あるいは減ってしまうことはありますか。ご回答、よろしくお願いします。

Ki-67の値と予後に関連があることは、多くの臨床試験から確認されています。しかし、いくつ以上なら予後が悪いのかは、施設施設によってばらつきがあることから、標準化されるには至っておりません。21%ですと、主治医の先生のおっしゃるように、それだけで治療方針決定するという値ではありませんので、やはり他の因子も考慮しながら総合的に判断することになるでしょう。また、放射線治療開始が術後8週間ということについては、明確なデータはありませんが、あまり心配しないで宜しいと考えます。(文責 浜口)

 

No.11283】  14年01月11日    S 
術後センチネル微小転移の治療

初めて相談します。左浸潤性乳管がん で全摘 センチネル陰性隔清なしの術後4週目です。センチネルは3つの内一つに1ミリの転移が見つかりました。 医師からはえきかへの放射線照射を提案をされていますが、効果は余り期待出来ないといいます。また リュープリン等も使用せず、ホルモン剤の服用だけでよい、と言われている点も不安でなりません。
1) 照射+ホルモン内服+注射を実施したほうが再発リスクを下げられると思われますが、いかがてでしょうか。
2) また、リンパ管浸潤(1+)でした。えきかに照射するならば、鎖骨下も実施したほうがよいのでしょうか。

年齢45閉経前、最近月経はかなり不規則です。腫瘍径1.5センチ、乳管内進展5センチ、遠隔転移無、Eg100%Prg95%、HER1+ 、核グレード1、 ki67: 5% 、リンパ管浸潤(1+)、血管内浸潤(-)。宜しくお願い致します。

センチネルリンパ節生検で腋窩リンパ節に1mmの微小転移を認めた場合に、腋窩の追加治療をどうしたらよいかは、十分なデータの蓄積はありません。術前にリンパ節転移がないと思われる乳癌に対しては、腋窩リンパ節郭清と腋窩照射は生存率が同等であり、腋窩の治療を省略できるという明確な根拠はありませんので、現時点では、腋窩郭清もしくは照射を追加することをお勧めしたいです。微小転移1mmのみであれば、鎖骨下への追加照射の意義はないと考えます。
閉経前乳癌の術後ホルモン療法の基本はタモキシフェン内服で、理論的にはリュープリンなどのLH-RHアゴニストを併用することがよさそうですが、追加しても生存率、再発率に差は認めていません。化学療法施行後の40歳以下の患者さんには併用した方がいい可能性があると言われていますが、今後のデータの蓄積が待たれるところです。(文責 浜口)

 

No.11282】  14年01月11日    E  
右胸の痛み

高校生です。生理の予定日が少し送れています。しかも、右胸が張っていてしこりがあります。そのしこりを触ると痛みを感じるのてもすが、乳ガンの危険性があるのでしょうか?

乳腺は女性ホルモンの影響で常に変化しており、ホルモンのバランスやストレスなど様々な要因で、はりや痛みなどの症状が出ることはあります。すぐに乳がんを疑うような症状ではありませんので、あまり心配しないでよさそうですが、症状が長く続くようであれば、一度乳腺科受診をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.11281】  14年01月09日    さくら
右肩甲骨から胸にかけての痛み

1ヶ月くらい前から、右肩甲骨から胸にかけて鈍い痛みがあります。普段はなんともないのですが、ソファなどに座って、背もたれにもたれた時に、背中から胸に伝わるような痛みです。肩から腕にかけて、痺れるような感覚もあります。半年ほど前に、検診で一通り、マンモ、エコー、触診としていただき、嚢胞はあるけど、心配ないと言われました。何か病気の兆候なのか、ただの筋肉痛なのか、とても不安です。どうか宜しくお願いします。

あまり乳癌に特徴的な症状ではなさそうで、半年前に検診されているようであれば、乳房はあまり心配しないでよいのではないでしょうか。その他には、筋肉、骨、軟部組織、神経、皮膚、内臓など色々な原因が考えられますので、質問内容だけではこれ以上のアドバイスはできませんので、心配でしたら、まずは整形外科か内科で相談することをお勧めします。(文責 浜口)

 

No.11280】  14年01月09日    K
転移について(HPNo.11275)

HPNo.11275で相談致しました者です。回答ありがとうございました。年末告知されて、年末年始の為、何も動けず不安がつのるばかりで、幾つか質問がございます。今回エコーで7ミリの乳癌と言われましたが、このしこりは2年半前に見つかり、半年事に経過観察をしておりました。一年前迄の3回は、誤差の程度で、ほとんど変化なし、半年前は4ミリに小さくなっているとの事で、安心していました。それが今回7ミリになったので、細胞診検査になって、クラス5で告知、場所は左乳房上部外側です。
1) しこりですが、大きさに変化が無かったり、小さくなる事があるのですか?
2) 結局、二年半放置状態となりましたが、これにより転移の可能性が高くなったのでは?
3) しこりの場所上部外側は、リンパや鎖骨に転移しやすいですか?
4) クラス5と言う事は、グレード3で硬癌と言う事ですか?

担当医は、二年半置いてしまった事での転移については、「7ミリだから」とは言っていましたが、やはり転移の可能性大でしょか? 宜しくお願い致します。

経過観察中に乳癌の診断となり、不安に思われていることと思います。しかし、乳癌の多くは癌細胞1個から検査で見つけられる大きさになってくるには何年もの長い期間がかかっていると考えられていますので、あまりそのことは心配されないで宜しいのではないでしょうか。
1) 乳癌が大きくなったり、小さくなったりすることがあるかについては、ホルモン感受性の乳癌は、女性ホルモンを抑える治療により縮小したりしますので、自然の環境でも同様の変化が起こることはありえると考えます。
2), 3)については心配しないでいいでしょう。
4)については、class5というのは癌細胞という判定だけで、グレードや組織型のことではありません。(文責 浜口)

 

No.11279】  14年01月09日    SK
術後の治療について

いつも拝見させていただいております。術後の治療についてご相談させていただきます。10月に温存で手術を受けました。現在放射線治療中です。
術前の組織病理検査は、「MIB−1 30(術前)、ER 8(オールレッドスコア)、PgR 3、HER2 −、T2N0ステージUA」です。
術後の病理結果は、「浸潤がん、腫瘍の大きさ 21×13×18ミリ、乳管がん(硬がん)、核分裂スコア1、核異型度スコア2、核グレード1、HER2+1(−)、リンパ節転移−、センチネルリンパ節生検0/4、リンパ管−、脈管−、断端−」です。結果のコピーが欲しかったのですが、だめだということで、先生の話をメモしたため、はっきりしない点や間違いがあるかもしれません。先生は、この結果から、ホルモン療法と放射線のみでいいとおっしゃっていたのですが、先日オンコタイプDXの結果がでました。結果は、「再発スコア26、ホルモン療法のみの平均再発率17%、ERスコア9.0 positive、PRスコア 3.4 negative、HER2スコア13.3 positive」です。
病理では、HER2がnegativeで、オンコタイプDXでは、HER2がpositiveですが、これはどういうことなのでしょうか。どちらが信頼できるのでしょうか。またこの結果を踏まえて、術後はどのような治療を選択すればいいのか迷っています。化学療法をするべきか、また化学療法をするなら、どんな抗がん剤を選択するのがいいのか・・・参考までに教えていただけると心強いです。主治医の先生は、オンコタイプのHER2の結果が病理と違っていることを見落としていましたが、その時は、弱い経口の抗がん剤を2年するのがいいとおっしゃっていました。再度HER2は検査し直していますが、結果が出るのが1カ月先で、もしHER2positive なら・・・・早く化学療法を始めなければならないのではと不安です。よろしくお願いします。

ホルモン治療に感受性のあるタイプの乳癌で、基本的にはホルモン治療を中心に考えていくことになりますが、Mib-1=30とやや高いこと、腫瘍径が21mmでT2であることがあり、化学療法の追加をするか悩ましいところです。Oncotype DXで低リスクであれば、ホルモン療法単独、高リスクであれば化学療法を追加したいところですが、中間リスクということで、Oncotype DXの結果だけでは判断が難しいところです。化学療法をするべきかしないべきかは、どちらが正解と言い切れるものではありませんので、化学療法を追加した場合の副作用等のデメリットと再発リスク軽減効果というメリットを天秤にかけて、決定することになります。化学療法の再発リスク軽減効果は高くはないですがゼロではありませんので、少しでも再発を減らしたい、後悔したくないとお考えであれば、化学療法をお勧めします。経口のフッカピリミジンの効果については、日本からデータが出ていますが、世界的な標準治療は点滴による化学療法で、再発リスクのそれほど高くない場合には、最近ではTCなどの短期間で終了する治療が多く行われていると思います。また、HER2の判定についてですが、過去の多くのデータはASCO/CAPのガイドラインに準拠した形で行われており、HER2タンパク質を免疫染色でチェックして、判定が微妙なケースではFISHなどの方法で遺伝子の増幅をチェックして判定するというのが一般的で、Oncotype DXの判定は参考程度に考えていいと思います。もし、追加でFISHを行っているようでしたら、陽性の場合には化学療法+抗HER2療法が必須と考えます。個人的には、ホルモン療法単独に不安を感じているのであれば、化学療法追加をお勧めします。(文責 浜口)

 

No.11278-3】  14年03月12日    S 
今後の治療方針

【No.11278】で相談させていただいたものです(妻48歳の相談)。いつも拝見させていただいております。
小脳遠隔転移の術後のPET-CTの結果、転移巣はありませんでした。原発巣と遠隔転移の病理結果に変化があり、今後の治療方針を主治医と相談することになっております。

【原発巣】平成21年2月:左乳房全摘出+リンパ節郭清腋
 ・腫瘍径:1.8cm×1.2cm
 ・種類:浸潤性乳頭腺管がん
 ・切除断端:陰性
 ・波及度:脂肪
 ・リンパ節転移:24/25
 ・リンパ管浸襲:ly++
 ・血管浸襲:v0
 ・ER:2+
 ・PGR:3+
 ・HER2:−
 ・組織学的悪性度:3

【小脳単発遠隔転移】平成25年12月:摘出手術
 ・腫瘍径:5.6cm×3.8cm
 ・ER:3+
 ・PGR:+
 ・HER2:3+
 ・Ki-67:38%

HER2:3+ということもあり、ハーセプチン3週毎18回+タキソール4回のお話があがりましたが、bllood brain barrierにより、脳へは届きにくいため、脳に届きやすいラパチニブ+ゼロータも治療方針として候補にあがっています。
平成21年2月の術後は、抗がん剤治療(FEC+T)を経て、ホルモン療法(リュープリン皮下注射+ノルバテックス)を継続していました。現在はノルバテックスのみです。
そこで相談なのですが、以下の@からCの治療方針のうち、私はBかCを選択したいのですが、やはり、HER2:3+に変化したため、分子標的療法を導入すべきでしょうか? (ハーセプチンはホルモン感受性陰性のほうが、効くというのを見たことがありますが。。。)

@ハーセプチン3週毎18回+タキソール4回 →妻がタキソールによる脱毛を回避したいと言っている。
Aラパチニブ+ゼロータ →本当に脳に届くのか?
Bノルバテックスのみを継続。 →脳以外はコントロールされているから、そのまま継続し、小脳腫瘍摘出周囲はサイバーナイフ治療を受ける。
C閉経後の標準治療であるアロマターゼ阻害剤に切り替え。 →脳以外はコントロールされているから、閉経後の標準治療のアロマターゼ阻害剤に切り替え、小脳腫瘍摘出周囲はサイバーナイフ治療を受ける。

ちなみにBとCはHER2:3+に変化があったことに気づく前に主治医からお話が出た方針で、HER2:3+を確認した後は、@とAのお話があがりました。次回の通院時までに、主治医が院内の腫瘍内科医とも相談し、治療方針が提示される予定です。
以上、長文となりましたが、先生方の治療方針をお聞かせいただきたく、よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。 私のお返事でNさんの奥様の治療に対する疑問が少しでも減れば嬉しく思います。
奥様の今後の治療方針を決めるのは大変難しいと思います。奥様に合う治療選択に役立つような過去の研究も少ないと思います。そのため、相談する医師によって、お返事も変わってくると思います。
以下内容は私の考えです。現在小脳以外には、画像検査では明らかな転移はありません。そして、小脳転移は手術で大部分が切除されています。そこで、脳転移と、脳転移以外の全身治療とに分けて考えたいと思います。脳に対しては転移腫瘍が5cm以上とかなり大きい腫瘍であったため、私は全脳照射が良いのではないかと考えます。ただし全脳照射とサイバーナイフどちらが良いかは、放射線治療の先生のご意見もお聞きになってからお決め頂きたいと思います。
さて全身治療ですが、明らかな転移部位はありませんが、顕微鏡でしか見えないような転移はあると考えて治療をすすめたいと思います。そのため、私は全身治療をかなり長期間続けたいと考えますので、副作用の少ないホルモン療法をお勧めしたいです。ホルモン療法の薬剤を何にするかは、現在の血中エストロゲン濃度を測定し、閉経前・後どちらなのかを確認して薬剤を選択したいと考えます。転移部位のHER2が3+と陽性なので、ホルモン療法にハーセプチンを追加するのは一つの選択肢かもしれません。
しかし、この場合のハーセプチン使用目的は、脳転移の予防や脳転移が良くなると期待して使うわけではありません。ぜひ担当医の先生とよくご相談して、治療をお受けになる奥様と、サポートされているご主人のお二人が後悔しない治療法を選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11278-2】  14年01月17日    S 
小脳転移(2)

いつも丁寧なご回答、誠にありがとうございます。12/25に脳神経外科にて、小脳腫瘍摘出手術を終え、現在入院先にてリハビリ中です。病理結果から、乳がんの小脳転移と言われております。退院後、別病院にて、全身の転移検査(PET)を受診後、小脳の局所放射線治療(サイバーナイフ)となりそうです。

1) PETとPET-CTの違いと精度。1cm以上の腫瘍でないとPETでは見つけられないのでしょうか?
2) PET検査とサイバーナイフを同じ病院で受けることのメリット。同じ病院で受けたほうが、治療費を抑えられると思うのですが・・・。鎌倉在住ですが、上記施設を完備している近隣の病院は、川崎市の新百合ヶ丘総合病院以外にありますでしょうか?
3) サイバーナイフの世代による相違点。最新は第四世代でしょうか? 春日居サイバーナイフセンター(山梨県)以外に、近隣に最新装置を完備している病院はありますか? 渋谷区の日本赤十字医療センターのサイバーナイフは何世代でしょうか?
4) 小脳腫瘍摘出前後の血液検査で、腫瘍マーカ(NCC-ST-439)が36.7から14以下まで下がっていましたが、今後、血液検査で本腫瘍マーカをモニタすることの意義はありますか?
5) どうせ受診するなら、同じ病院に乳腺外科、放射線外科、脳神経外科が全て揃っていたほうが、素人的には安心するのですが、安易でしょうか?

以上、ダラダラと長文になりましたが、よろしくお願い申し上げます。

1) PET-CTとはPETとCTを組み合わせたもので、PETの取り込みが見られた部位が体にどこに当たるのかを、CT画像で分かりやすく見えるようにしてあるだけです。
2) メリットは巻絡が密に行われるぐらいでしょう。この両者を完備しているところが何処にあるのかは知りません。
3) 私は乳腺外科医ですので、サイバーナイフの最新情報を知りません。脳外科あるいは放射線科に問い合わせてください。日赤医療センターのサイバーナイフの世代数も知りません。
4) あります。治療後、また再発巣が増大したり、新たに出来たりした場合は、また上昇すると思われます。これに代わるマーカーがあれば話は別ですが・・・。
5) 理想的にはそうですが、そういう病院はなかなかないでしょう。元が乳癌ですので、乳癌のことが良く解っている乳腺外科なり乳腺科あるいは腫瘍内科などがしっかりしたところが良いと思います。(文責 吉田)

 

No.11278-1】  13年12月31日    S 
小脳転移

四年程前に一度ご相談をさせていただいたものです。妻の乳がんの遠隔転移(小脳)についての相談です。
治療経過: 平成21年2月 乳がんにより、左乳房全摘出(リンパ節転移あり24/25 核グレード:3)→抗がん剤治療(FEC+T)→ホルモン療法継続中(リュープリン皮下注射+ノルバテックス服用)
転移治療中: 平成25年12月25日 小脳転移(5cm)を摘出手術(別の病院の脳神経外科にて) 
現在の状態: 術中病理診断により九分九厘転移性の脳腫瘍であると告げられた。確定診断は正月明けの見込み。また、摘出前の血液検査で腫瘍マーカ(NCC-ST-439)が36.7(通常:7以下)であると告げられた。
困っていること:乳がん主治医での定期的な腫瘍マーカモニタは、CEA,CA15-3,ICTPの3種類しか見ていなかった。NCC-ST-439を継続モニタしていれば、5cmにもなる前に小脳転移を早期に発見できたと思いますが、如何でしょうか? このまま、乳がん主治医を信頼して通院が出来ません。(乳がん主治医には、小脳腫瘍の話はしていますが、腫瘍マーカのことはまだ話しておりません。)この先の乳がん闘病をどう進めていったら良いか不安です。
それから、現在治療中の脳神経外科から退院したあと、放射線治療を行うことになると思いますが、他の部位への転移有無を確認するために、PET検査は必要でしょうか? 以上よろしくお願いいたします。

現在のエビデンスでは、定期的な画像検査や腫瘍マーカー測定により無症状のうちに転移再発病巣を発見して治療を開始しても、症状が出現してから検査を行い,転移を確認して,治療を開始しても予後には差がないとされています。転移再発と最初の乳がんの早期発見とは意味がちがうのです。したがって,欧米では,3ヶ月毎の視触診以外の術後の定期的な画像検査は,1年毎の対側のマンモグラフィのみが標準です。
脳転移については,薬剤の治療効果が期待できず,手術や放射線療法が標準です。脳以外の転移については,薬物療法が期待できますので,PET検査で転移を検索することは現在行なっているホルモン療法の継続を判断するうえで意味があると思います。(文責 徳田)

 

No.11277】  13年12月30日    H
今後の治療について

36歳時、H20.8月摘出生検・乳癌告知(浸潤癌&非浸潤癌)→H20.10月乳癌摘出・リンパ切除手術→H20.11月〜25回・放射線治療→H21.1月〜ホルモン治療(リュープリン&フェアストン)開始→H23.6月・新癌発見→H23.7月・全摘手術→ホルモン治療継続→リュープリン開始から5年経過にて終了(?)→次回〜外来半年後
今までこのような流れで治療してきました。現在42歳です。今回、最初の癌に対してのホルモン治療開始から、丸5年になります。いつまで続けるか確認したところ、リュープリンは止めて、フエアストンは継続することになりました。こちらが言い出すまで、主治医は次回リュープリン予約を入れるなどしていたのですが、確認したところで急にやめることになりました。

1) 突然決まったので、これで良かったのか...と不安になっているのですが、この判断で良かったのでしょうか? (フエアストンは10年くらいは続ける方向で、という話でした。)
2) こういった場合は、一般的に生理は戻るのでしょうか?また、戻った方がいいのか悪いのか、戻ったらまた止めるのか...等、疑問です。
3) 最初の温存手術から3年後に同側胸に別種類の癌が見つかり、今度は全摘しました。こちらはホルモン感受性なしの非浸潤癌でしたが、異型度がグレード3でした。こちらに対しての治療は無治療だったということになりますが、こちらもこれで良かったのかと、今更ながら不安になりました。
4) 術後の定期検査についてですが、CTを1〜2年に1度位受けていれば、反側胸へのマンモグラフィは受ける必要はないのでしょうか?

年末で病院も休みになり、季節的な事もあり、不安な気持ちが増しております。主治医を信頼してはいるのですが、忙しい様子で、あまりゆっくり話すことが出来ません。そちら様もお休みでしたり、日々お忙しいことと思いますが、この場で相談させていただきたく、宜しくお願い致します。

1) リュープリンの5年以上の投与については,安全性を含め,確立していませんので,終了してよいと考えます。
2) 現在,42歳ですから、1年程度で卵巣機能が回復すると思われますが、フェアストンがさらに生理の回復を遅らせる場合もあります。卵巣機能の回復は、女性ホルモンの増加を意味しますが、フェアストンの効果に期待しましょう。
3) 非浸潤癌は,理論的には,転移再発を考える必要はありません。
4) 対側の1年毎のマンモグラフィによる検診は,必須とされています。(文責 徳田)
 

 

No.11276】  13年12月30日    S
術後の病理結果

12月始めに温存手術をしました。術中、センチネルリンパ転移があり、リンパ郭清をしました。年齢は49才です。先日病理結果の説明がありましたが、あまりにも悪く、がっかりしています。充実腺管がん グレード3 ホルモン陽性 Her2陰性 リンパ節転移5 断端陽性。今後は抗がん剤治療をし、全摘手術、放射線治療、ホルモン治療となりました。悪性度が高く進行したもので、V期です。はじめは温存で簡単に終わるものと思っていたので、次々に悪い結果に言葉もありません。これからの治療はひとつずつ頑張っていこうと思っています。再発率や予後はかなり悪いとは思いますが、希望は持てるでしょうか。

これから、抗がん剤治療,放射線治療、ホルモン治療などを受けて頂けば、10年の再発リスクは、約30%程度にまでおさえられると思います。(文責 徳田)

 

No.11275-2】  14年01月09日   K
転移について

HPNo.11275で相談致しました者です。回答ありがとうございました。年末告知されて、年末年始の為、何も動けず不安がつのるばかりで、幾つか質問がございます。今回エコーで7ミリの乳癌と言われましたが、このしこりは2年半前に見つかり、半年事に経過観察をしておりました。一年前迄の3回は、誤差の程度で、ほとんど変化なし、半年前は4ミリに小さくなっているとの事で、安心していました。それが今回7ミリになったので、細胞診検査になって、クラス5で告知、場所は左乳房上部外側です。
1) しこりですが、大きさに変化が無かったり、小さくなる事があるのですか?
2) 結局、二年半放置状態となりましたが、これにより転移の可能性が高くなったのでは?
3) しこりの場所上部外側は、リンパや鎖骨に転移しやすいですか?
4) クラス5と言う事は、グレード3で硬癌と言う事ですか?

担当医は、二年半置いてしまった事での転移については、「7ミリだから」とは言っていましたが、やはり転移の可能性大でしょか? 宜しくお願い致します。

経過観察中に乳癌の診断となり、不安に思われていることと思います。しかし、乳癌の多くは癌細胞1個から検査で見つけられる大きさになってくるには何年もの長い期間がかかっていると考えられていますので、あまりそのことは心配されないで宜しいのではないでしょうか。
1) 乳癌が大きくなったり、小さくなったりすることがあるかについては、ホルモン感受性の乳癌は、女性ホルモンを抑える治療により縮小したりしますので、自然の環境でも同様の変化が起こることはありえると考えます。
2), 3)については心配しないでいいでしょう。
4)については、class5というのは癌細胞という判定だけで、グレードや組織型のことではありません。(文責 浜口)

 

No.11275-1】  13年12月30日   K
転移の心配

50歳女性です。3日前に細胞検査で、クラス5 (左に7mm)乳癌の告知を受けました。昨日乳腺外科のある総合病院に行き、入院に備えて、ごく一般的な検査とエコー検査をして、2週間後に乳腺の専門医師に見て貰い、手術や精密検査の予定を決めて行く所です。今一番気になる事は 、転移の心配で、特に10月から、顎、左下の奥が痛みだし、口がほとんど開かない状態でした。歯科で見て貰い、顎間接症ではなく、顔を出してない親知らずが中で可能している様だからと、可能止めの処理をして様子を見た所、痛みは大分良くなり、一週間前に親知らずを抜きました。ただその時の口腔外科の先生が、症状と私の口の開け締めを見て、「親知らずの可能ではなく、疲労ではないか?」とも言っておりましたが、親知らずを抜いた今は、確かに前の様な痛みは無くなり、左でも食事が噛める様になりました。ただ、まだ大きなあくびをするど顎下が傷む感じがあり、頬の内側にも違和感が残ります。そんな矢先の癌告知で、同じ左で近い場所、転移の症状なのか? 心配で心配で不安です。是非回答をお願い致します。

7mmの乳がんで腋窩リンパ節などの局所転移がなく、下顎骨などに転移が存在することは、極めてまれと思います。しかし、念のために主治医にも、症状、経過を相談してください。(文責 徳田)

 

No.11274】  13年12月27日   M
術後治療について

11月に温存手術をしたものです。術前の病理では、浸潤癌で大きさ2cm、ホルモン陽性、Her2陰性(0)でした。センチネル陰性の為に、リンパ郭清はしておりません。本日、術後の病理が出たのですが、断端陽性の為再手術が決まりました。今度は全摘です。それは仕方ない事と思いますが、不安なのは、Her2が2と出たことです。再検査をして、陽性なら抗がん剤、ハーセプチン、ホルモン、陰性ならホルモンのみとの事です。術前と後で結果は変わることがあるのでしょうか? また、再検査で陰性と出た場合、ホルモンのみですが、Her2 0と比べ、2はリスクが高くなるのでしょうか? 同じ術後治療ながら、リスクが以前と比べ高くなることに不安を覚えております。

針生検では、組織量が少ないため、手術材料の結果と異なることは時々あります。全体像から判断する術後の結果を尊重します。
再検査おそらくHER2遺伝子の増幅を見る検査(FISH/CISH法など)で陰性であれば、免疫組織化学法のハーセプテストでHER2 0でもHER2 2でも差はないとされています。(文責 徳田)

 

No.11273】  13年12月25日    RT
タスオミン(HPNo.10272-3)

No.10272および10272-2で相談させていただいたものです。丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。皮膚への再発がDCSIの取り残しによるものと考えると、タスオミンの継続は不要ではないかとのことですが、2000年の最初のがんの取り残しであったとすると、タスオミンを継続する意味はありますでしょうか。主治医の先生も「タスオミンやめてもいいと思うよ」とおっしゃることもあるのですが、私としては、最初のがんと皮膚への再発を比べると、gladeは1から2に、HER2遺伝子は陰性から1〜2+へと変わっていることが心配でもあります。またタスオミンの副作用について教えていただければありがたいです。たびたびの質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

この場合 タスオミンを続けるかやめるかに関しては、明確な答えはなく、ケースバイケースということになると思います。個々の症例で利益不利益を判断して考えることになると思います。タスオミンの副作用として頻度の高いものとしては、月経不順や不正性器出血などや、ほてり のぼせ 発汗などがあげられます。また頻度はそれほど多くないですが、肝機能異常、脂質代謝異常、血栓症、子宮体がんなどの発生などがあげられます。現在、子宮や卵巣を切除されているということであれば、月経不順や不正性器出血、子宮体がんなどの子宮に関連する副作用は考えなくてよいということになります。その分タスオミン服用に関する不利益が少ないともいえるので、服用を続けて当初の予定通り5年間服用するというのも選択肢としてはありだと思います。しかし、主治医の先生がやめてもいいよとおっしゃっているのであれば、それなりの理由があると思われます。あなたの病状を現時点で一番わかっているのは現在の主治医と思いますので、まずは継続したときの利益不利益、やめたときの利益不利益を今一度主治医に説明してもらって、お決めになるのがよいと思います。そのうえでまだ疑問が残るようでしたら、セカンドオピニオンも検討されるとよいのではないでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11272】  13年12月25日    S
リンパ液は、いつまで出るのでしょうか?

12月4日に温存手術をした者です。手術時にリンパ郭清も行いました。1週間後にドレーンを抜いて、翌日退院しました。その後リンパ液が脇から胸にたまり、一日おきに抜いていて、80mlくらいでした。ところが3回目の翌日から発熱し、真っ赤に腫れて、感染してしまいました。抗生剤を内服しても良くないため、切開して短いドレーンを入れました。そこからリンパ液が出ていて、パットを交換してます。赤みは治まりつつあり、発熱も下がりました。これからリンパ液は、いつまで出るのでしょうか。毎日パット交換を4回くらいするので、段々不安になります。

通常は一ヶ月ほどで収まることが多いですが、それ以上続くこともあります。感染も収まってきているようですし、もうしばらくの辛抱ではと思います。(文責 俵矢)

 

No.11271】  13年12月23日    Y  
男性乳頭出血 (HPNo.11231-2)

先月、26歳男性乳頭出血で相談させていただいたものです。あれから、分泌物細胞診の結果が出まして、「class2、出血と共にリンパ球好中球少量見られる」とのことでした。乳腺外科の先生は、「細胞診も陰性だし、経過観察でいいかな」とおっしゃっていたのですが、出血の原因がわからず不安だったため、紹介状を書いてもらい、総合病院の乳腺外科へ行きました。総合病院の乳腺外科でも、視触診はしておりませんが、マンモグラフィ、エコー共に異常なしでした。血性分泌物は、先月の一度きりしか見られておりません。医師の紹介状には、「エコーで異常なし。かさぶたを剥がし細胞診をしましたが、かさぶたを剥がしたことによる皮膚からの出血の可能性もあり、正確な判断はできていません。かさぶたの隣接部分より透明の分泌物あり」と、書かれていました。その紹介状を見た総合病院の医師は、主人がアトピーだった事もあり、「アトピーによるものでしょう」とおっしゃっていたのですが、痒みもなく、外傷もみられないのに、アトピーで出血なんてことはあるのでしょうか? 血性分泌は一度きりだったので、私の考えすぎかなとも思うのですが、これから、またある日突然出血し、実は非浸潤性乳癌だったなんてことになったらと思うと不安です。若い男性の非潤性乳管癌はありえますか? もしガンの場合、エコー、マンモグラフィどちらかに異常は見られるものでしょうか? どうかご意見よろしくおねがいします。現在はしぼっても血性分泌は見られず、服薬もしておりません。

直接拝見していませんのでメール内容からの推察になりますが、やはり乳癌の可能性はとても低いと思われます。血性乳頭分泌を伴う男性乳癌であれば、視触診、エコー、マンモグラフィのいずれにも異常が見られなかったのはとても不自然でありますし、もしガンであれば出血も一度きりでその後変化なしということも通常ありえません。また男性乳がんは20代の若年者に生ずることはほとんどなく、ご主人様が26歳という年齢を考えてもやはり不自然と考えます。このまま異変がなければ放置して良いと考えます。(文責 谷)

 

No.11270】  13年12月23日    K 
放射線治療を行う病院について

トリプルネガティブの乳がんになり、温存手術後、抗がん剤治療を行って、残り1クールで抗がん剤治療も終わろうとしています。今回相談したいことは、抗がん剤治療後に放射線治療が予定されていますが、放射線治療を行う病院について、アドバイスをお願いします。手術と抗がん剤治療を行った病院において、引き続き放射線治療を行った方がよいのか、または別の病院でも問題はないのか、迷っています。放射線治療は5週間予定されています。手術、抗がん剤治療を行った病院は、毎日の通院が遠いので、近くの病院についても検討しています。近くの病院も、“がん診療連携拠点病院”になっており、放射線治療機器も、リニアック、治療計画装置、CTシュミレータがあることが、ホームページに書かれています。症例数等はわかりません。アドバイスできましたら、よろしくご指導お願いいたします。 

乳房温存術後の放射線療法は現在では定型化してきており、施設間での差はあまりないものと思われます。よって、週5回約5週間にわたって通う必要のある治療法ですので、近くの病院で行うメリットも大きいものと考えます。積極的にご検討ください。(文責 谷)

 

No.11269】  13年12月23日    K 
乳癌手術できない状況

母が乳癌です。主治医からは、手術もできない状況と言われていますが、何か希望はないでしょうか? 母、62歳。 昨年10月に局所進行乳がんを診断されました。10月〜2月迄、抗がん剤治療を行い、一旦消えましたが、今年の10月には、もうかなり進行していました。現在抗がん剤治療中です。右乳房は、えぐれて膿んでいます。転移はリンパにしています。3日前の採血で、貧血の為輸血を3日間行いました。腫瘍マーカーは12→6へ減っていましたが、主治医からは手術不可と常に言われています。何か希望があれば、アドバイスお願いします。

お母様が局所進行乳癌とのこと、娘として何かしてあげたいとの優しい思いが伝わってまいりました。局所進行乳癌では手術療法があまり効果的でないケースが多いため、治療の主体は全身療法(抗癌剤またはホルモン治療)と放射線療法になります。腫瘍マーカーが減少してきている様子ですので、現在の治療がいまのところ効果的に作用している可能性が高いと言えます。乳癌は薬剤や放射線療法の効果が期待できる癌であり、薬剤の種類も近年増加し選択肢も増えてきておりますので、ぜひ希望を持ってお母様と一緒に今後の治療を頑張ってください。応援しております。(文責 谷)

 

No.11268】  13年12月23日    T
温存をキープするか全摘か

海外在住です。今年10月に温存で手術をしました。浸潤、グレード3、pt2pN2a、axillary
sentinel lymph nodes 4/5、axillary contents lymph nodes 1/6、腫瘍3.4x3.1x2.7、エストロゲン47%、プロゲステロン95%、HER2-3、Ki-67 43%、で現在TCHを3週毎を6回、その後放射線治療を7週間、ハー
セプチンを1年、ホルモン治療を5年または10年の予定です。質問ですが、
1) このまま、この治療をした後の再発率は、どのくらいでしょうか?
2) 予防の為に全摘(両胸または温存した方のみいずれか)を考えていますが、どのタイミングで手術をした方が良いのでしょうか? その間、治療が中断しても大丈夫でしょうか?
3) 両胸全摘、温存した方のみ全摘、このまま温存をキープする、これらの中では、どれが一番再発率が低いでしょうか? どのくらいの差がありますでしょうか?

病理が良くなく、温存をして、とても心配です。どうぞ宜しくお願いします。

1)年齢やホルモン治療の内容など詳細が不明ですが、Adjuvant!Onlineというサイトでわかる条件の範囲で調べると、術後10年までの再発率は50-70%程度となります。
2)3)再発の多くは乳房以外に生じます。よって再発予防としての乳房切除はそれほど効果的であるとは思えません。提示された追加治療をしっかり行うことが、少しでも再発率を減ずる最大の方法となると考えます。(文責 谷)

 

No.11267】  13年12月21日    A 
手術跡のしこり

手術傷跡のすく下の所(乳頭から左上1センチ位の所)に、最初は丸く小さかったのが、しこりを見つけてまだ3週間位なのに、大きくなったのを感じます。またそのしこりから乳頭にかけて、棒状のようなしこり(1センチ位)があります。最初小さなしこりを見つけた時、エコーで診ていただいて良性の石灰化と診断されましたが、良性でも短期間で徐々に大きくなっていったり、ただ単に丸いしこりでない事もあるのですか。それとも、これは、再発の可能性があるとも考えられるのでしょうか。主治医の先生の定期検診は2ヶ月後なのですが、それまで放っていて大丈夫でしょうか。(5年前の手術の断片は陰性で、放射線治療もしました。)よろしくお願いいたします。

しこりが大きくなったと感じるようであれば、やはり診てもらった方がよいと思います。二ヶ月後でもよさそうには思いますが、心配が強いようですので、安心のために受診日を早くしてもらってはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11266】  13年12月21日    T  
乳首が変形

1年半前に右側が乳腺炎で乳腺科にかかり、その時マンモで、左側が石灰化で、カテゴリー3でした。その半年後のマンモでは特に何も言われず、また一年後に受けて下さいと言われ、今ちょうど一年になろうとしています。最近石灰化と言われた左側の乳首が変形しているように思うのです。1年前、診察を受けている時も、多少の変形はあったように思うのですが、乳首が二つに割れて、その下側が陥没とまではいきませんが、扁平乳頭みたいになっています。もしがんであったとして、一年で乳頭が変形するくらい、がんが大きくなるものなのでしょうか? 日頃から乳房はあまり気にしたことがなかったのですが、授乳期でもないのに乳腺炎になってから、ものすごく気になっていて、もしかしたら以前から変形していたのかも分かりませんが、心配です。その変形している乳輪下を触ると、こりこりしたものに触れる気がしますが、反対側の右胸の同じ所もこりこりしているようです。他の気になる症状はありません。分かりづらい文章で申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。

質問分を拝見すると、陥没乳頭なのかなと思いますが、これだけからは何ともいえないので、以前と形が変わったとお感じになるようでしたら、乳腺科を受診してみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11265】  13年12月20日    K 
肝転移について(HPNo.11241-2)

お忙しいところ申し訳ありません。以前13年11月27日に、相談No.11241で相談させていただいたものです。現在、抗がん剤治療を続けていて、3回目の抗がん剤投与をしたとき、効果の確認をエコーでしたところ、以前16oあった原発巣が、測れないほどになっていると言われました。肝臓の方は乳腺外科では見ていただけなかったので、最初に肝臓の腫瘍を見つけていただいた、かかりつけの内科にお願いして確認してもらったところ、こちらの方は、最初15ミリほどあったものが、大きく見積もって9ミリだと言われました(今あるのは1個です)。
そこで、知り合いの医療従事者に話をしたところ、「ほかに転移が無いのなら、肝臓の方も手術を検討した方がいい。ステージ4でも、肝臓手術を進める医師もいる。肝転移を治療しなければ、結果はステージ4の寿命と同じまま。46歳ならまだ若いし、肝臓手術をしてくれる病院で手術してもらった方がいい。」という意見をもらいました。私としては、それが出来るならば、ぜひとも手術してほしいと思っています。実際可能なのでしょうか? もし可能だとしたら、そのような病院を、どうやって探せばいいのでしょうか?  以前回答をもらった内容では、肝臓のことは、治療効果が高く、肝臓に1個2個だけいつまでも残っているときには、手術する可能性もあると教えていただきましたが、いつまでもというのは、どれくらいの期間のことなのでしょうか? 
少しでも良くなる可能性があるのなら、出来ることはしてほしいという気持ちでいっぱいです。よろしくお願いします。

もし画像所見、臨床所見から肝臓の病変が乳がんの転移以外のものであることが疑われる場合は、肝生検で診断を確認することが必要な場合もあります。この場合は乳腺の原発巣が抗がん剤治療によって縮小しており、肝臓の病変も同様に縮小しているようなので、乳がんから転移した一連の病変と考えてよいのではないかと思います。転移したがんは、現在肝臓に一個だけあるように見えていても、それは氷山の一角であり、肝臓のほかの部分や他の臓器にまだ見えない大きさの転移がんがあると考えて治療します。ですので、現在見える部分だけを切除したとしても、他の部分をコントロールできなければ、よい治療効果は得られません。効果のある薬を使えば、乳房にも肝臓にもまだ見えない病変にも効果をあらわしてくれます。他の臓器への転移があるがんの治療は、薬の治療を基本とし、手術は補助的に行います。今のところ抗がん剤は乳房や肝臓の腫瘍を縮小する効果を示しているようなので、続行を難しくするような副作用がなければ、このまま治療を続けるほうがよいと思います。
確かに、肺転移や、肝転移が一つしかなくて、他の転移や原発巣が長い間コントロールされている場合は、転移巣を切除することもあります。どのくらいという具体的な基準はないですが、抗がん剤をやめた状態、もしくはホルモン療法のみの状態で、一年程度はコントロールされていないと、切除について検討することは少ないのではないかと思います。転移がんの治療は、「これ」といった正解はありません。その患者さんやがんの状態によって、いろいろな場合があります。今のあなたの状態を一番わかっているのは主治医ですので、主治医とよく相談することが大事です。知り合いの医療者に言われた言葉も、そのまま主治医に伝えて質問してみてはいかがでしょう。その上で、まだ疑問が払拭されない場合は、セカンドオピニオンなども検討されてみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11264】  13年12月20日    N.K
乳頭腫について

48歳です。先日集団乳がん検診で、触診は異常なし、マンモグラフィでひっかかり、要精密検査と通知がきました。すぐに病院行き、マンモグラフィと超音波検査後、1.5センチほどの腫瘍が見つかり、細胞診を勧められました。細胞診を行ったのですが、結果がでませんでした。病名は乳頭腫で、クラス3aとのこと。「針生検をしても結果がわかるとは言えない。良性であると思うが、100%と断言できない。」との事で、外科的生検を勧められました。外科的生検では、胸に傷が残ります。48歳で、17歳の子どももいますが、シングルマザーであり、子どもが成人して、今後よい伴侶にめぐり合えたら結婚したいと思っています。胸の傷跡が残るのは、できれば避けたいのです。今のところ、様子見ということで、次回4ヵ月後に受診することになっています。ただ乳頭腫が大きくなれば、良性でも取らなければならず、その時は今よりも傷が大きくなることはわかっています。受診した病院にはマンモトーム生検の設備がないため、マンモトーム生検ができる病院で受診したほうがよいのでしょうか? その際には、今受診している病院に相談して紹介状を書いてもらったほうがよいでしょうか? 現在まったく自覚症状がないため、乳がんとは思えないのですが、私の母が乳がんで手術をしています。あまり気にすることはないと思っているのですが、グレーゾーンでは精神的に落ち着かないので、相談させていただきました。よろしくお願いいたします。

細胞診だけよりも、マンモトームも行ったほうがより診断の確信度は高まると思います。しかし「乳頭腫」を疑われる病変のなかには、時に、がんとの鑑別が難しい病変があります。その場合、マンモトームを行っても診断がつかず、結局切除生検(診断のために病変をまるごと切除する)を行うこともあります。乳頭腫は乳首の近くにできることも多く、その場合乳輪にそって皮膚切開から切除を行うと比較的傷がめだたず行えます。もちろん病変の位置や大きさによりますが。ですので、「グレーゾーンは精神的に落ち着かないが、傷が目立つのはいや」ということを主治医に伝えて、相談してみてはどうでしょう。紹介してもらうにも紹介状を書いてもらった方が、行った先でもスムーズですので。(文責 俵矢)

 

No.11263】  13年12月15日    T 
早速の回答、ありがとうございました(HPNo.11257-2)

No.11257で質問させていただいた者です。早速の回答、ありがとうございました。やはり、乳がんからの転移性肝がんに、手術は無理なのですね。しかも、多発的にがんが転移しているということは、ピンポイントで手術というわけにはいかないのでしょうね・・・。一応経過を説明し、今後の治療予定についても一般的とのこと。これに関しては少し安心しました。
ただ、今私が気になっているのは、昨年秋にメタストロン治療を受けて以降、白血球が下がりっ放し(2000〜2500)の為、元々飲んでいたゼ ローダ&エンドキサンによる抗がん剤治療が再開出来ず、昨年末より、ノルバデックスによるホルモン治療を続けていますが、今年の春からは貧血もひどく(ホモグロビン値7.3-8.5前後)、自覚的にも、ちょっと動いただけで動悸・息切れが起こり、昨年の体調と比べると、明らかに生活の質が落ちている状態です。これから始めるフェソロデックスの効果が見られない場合には、点滴による抗がん剤治療(パクリタキセル+アバスチン)を予定しているようですが、経口による抗がん剤治療が出来なかったのに、点滴による抗がん剤治療が出来るのか?抗がん剤はがん細胞だけでなく、よい細胞まで攻撃するので、自分の体が治療に耐えられるのか?極端な話、より寿命を縮まてしまうのではないのか?と、いろいろと不安です。基礎体力がないので、どうしても抗がん剤ということであれば、経口による抗がん剤治療の方が私としてはいいのですが、そういう選択肢はないのでしょ うか? また、私の採血データを見た他科の数名の医師は、「輸血をしてもらって、抗がん剤が使えるようにしてもらった方がいいのではないか?」と、言っていま したが、私の主治医は、現時点でも「輸血は不要!」と言っています。その辺が、抗がん剤治療を受ける自信がないことにもつながっているのですが・・・。また、顔の左半分のしびれについて、頭部CT、MRIの結果、これといった原因はないとのことですが、頭蓋骨への転移が発見されたことと関係がある のでしょうか? しびれているのが、唇から頬〜目の下まで広がり、ピリピリと痛みも出てきて非常に不快だし、無意識のうちに噛んで出血したり、鏡を見ていても、口紅を塗るにも、感覚がないのでうまく塗れません。顔半分の痺れについては、ネットでもいろいろ調べたのですがわからず、「何でこんな思いをしなければならないんだろう・・・」と、精神的におかしくな りそうです。本当は、前回受診後早々に主治医と再度じっくり話し合えれば、私の不安も早く取り除けるのかもしれませんが、現時点では主治医の予約が一杯で、次回受診日(フェソロデックス初回)まで会って話が出来ないでいます。最近では、次の受診日にきちんと主治医と話し合えるのか?と、不安で夢にみるほどです。再度で申し訳ありませんが、何かアドバイスがあれば、お願いいたします。

現在の病状や今後の方針に関して、大きな不安を抱いておられることと、お察し申し上げます。まず第一に申し上げたいことは、長い経過を経ての現在がありますので、やはり主治医の先生とのコミュニケーションが最も大事であろうと考えます。それゆえ今後の方針について、まとまった説明の時間を主治医の先生におとりいただくのが必要と思います。そして可能ならば、ご家族やご友人など身近の方にも同席いただく方が良いと思います。長い経過の中で治療や病状のため骨髄抑制が慢性化しており、それによる白血球や赤血球の低下なので、抗がん剤使用の是非や輸血の是非などは総合的に評価してでないと判断できないと思います。あと顔面のしびれに関しては、一度神経内科を受診してはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.11262-1】  13年12月15日    K.M.
@術後化学療法と放射線療法の順番 A好中球減少によるスケジュールの遅れ

4月に左乳がん部分切除手術、5月にリンパ節切除手術をしました。乳頭腺管癌、ルミナルB(HER2陰性)、リンパ節転移なし、ステージ1、グレード2です。6月よりFEC75を4回の予定で始めましたが、好中球減少で3回入院、2回目からはFEC60となり、間隔も21日ではなく30日でした。FECの後アブラキサンをする予定でしたが、FECがずれ込んでしまったため、放射線を先にした方がいいとの主治医のお考えで、そのようにし、現在は、ウィークリーパクリタキセル12回を始めたところです。

1) FECとパクリは、続けてやらなくても効果があるのでしょうか。間に放射線を挟むというやり方は聞いたことがないので・・・。 
2) アブラキサンをウィークリーパクリに変えたのは、その方が好中球減少の影響が少なくて延期も少ないだろうという理由からでした。しかしながら、放射線でも好中球が減少し、スタートがどんどん遅くなってしまいました。来年の4月からは職場復帰を予定していて、それまでにはパクリを終えたいと考えています。主治医は、「ステージ1なので、3月中にパクリが12回までできなくても、そこで終わってもいいのではないか。」と、おっしゃっていますが、12回やらなくてもいいのでしょうか。

1) 貴女の仰るとおり、通常はFEC・パクリタキセルなど抗癌剤治療を続けて行った後に放射線治療に移るのが一般的です。まず局所療法よりも全身療法を優先させるというのがその主な理由です。今回はFECで予想以上の骨髄抑制の副作用が出てしまい、一旦抗癌剤治療を休憩するつもりで放射線治療を間に挟む目的なのか、あるいは放射線治療を行う上での運用上の問題なのかはわかりません。ただ、実際問題としては、その順序を入れ替えても、その予防効果はほぼ変わらないと考えます。
2) ウイークリーパクリタキセルを予防投与として使用する場合、通常12回使用します。それは、その効果が認められているいくつかの臨床試験が、いずれも12回行われていたからです。もし10回で終わったとしても、10回分の予防効果はきっとあるものと考えますが、いわゆるエビデンスはないと言わざるを得ません。それを踏まえ、主治医の先生とよくご相談なさってください。(文責 谷)

 

No.11262-2】  14年04月26日    K.M.
放射線性間質性肺炎

No.11262 で相談にのっていただいた者です。先日,術後1年検診として造影CTを受けましたところ,検査報告書に「放射線性間質性肺炎を考えます」との記載がありました。(昨年の10月〜11月に,左乳がん部分切除手術後,50グレイの放射線治療を受けました。) 
1)  空咳,息切れ等の間質性肺炎の症状は全くありません。症状が出るまで,治療する必要はないのでしょうか。
2)  間質影は,時間の経過とともに消失するものなのでしょうか。

ご教授、よろしくお願いします。

放射線照射後の肺炎に関しては CT検査をすると肺の陰影としては見つかるが無症候の方はたくさんいらっしゃいます。無症候ならば特に治療をする必要はありません。肺炎の症状があれば、治療の必要があります。 (文責 俵矢)

 

No.11261】  13年12月15日    RT
今後の治療について(HPNo.10272-2)

2011年6月に相談させていただいた者です。No.10272です。皮膚の再発部位切除後は、リュープリンとタスオミンでの治療となりました。術後の検査では、今のところ再発所見はありません。リュープリンは2年ということで、今年の夏に中止しました。タスオミンは継続中です。今回の相談は、タスオミン継続についてです。夏に子宮内膜に肥厚がみられるということと、筋腫も大きくなり、長年の過多月経もあったので、先月、子宮と卵巣を摘出しました。主治医は、再発者の卵巣摘出後のタスオミン使用についてはデータがないので、今後どうするか決めかねていらっしゃるようです。タスオミンやアロマターゼ阻害剤など使用した方がいいのか、何もしなくてもいいのか、ご意見をいただけないでしょうか。また、今までセカンドオピニオンを受けたことはないのですが、受けた方がよいでしょうか。受けるとしたら、どのような機関で受けたらよいでしょうか。お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願いします。

皮膚の再発部位切除後2年7ヶ月経過、リュープリンは2年間使用し、その後卵巣も摘除したとのことです。今後更にホルモン治療の継続が必要か否かとのご質問ですが、主治医の先生が仰るとおりエビデンスはなく、いわゆる応用問題として検討するよりありません。私見となりますが、2011年の皮膚への再発が2009年の手術の際に取りきれなかった組織の残存であったとすると、その組織型がDCIS(非浸潤がん)であったことより、今後他の臓器への遠隔転移やリンパ節転移はきたしにくいと考えられます。よってその副作用も考慮すると、今後さらにホルモン治療を継続する必要はないと考えます。またセカンドオピニオンに関しましては、より多くの専門家の意見を参考にしたいとお考えならばお受けいただくことに十分な意味があると思います。逆に方針に納得がいくのであれば、あえて受診する必要はないと思います。セカンドオピニオンを受診したい場合は、大学病院やがんセンターなどの基幹病院でセカンドオピニオン外来を設けているところを、ホームページで調べた上で受診するのが良いと思います。(文責 谷)

 

No.11260】  13年12月10日    N  
脈管侵襲ly+です

初めて投稿します。悩んでいます。右乳癌で手術しました。乳腺悪性腫瘍手術、乳房部分切除です。手術後の病理組織で、「乳頭線癌 1.4×0.8×1.3 リンパ節転移なし、ホルモン受容体あり、 HER2 0、 ki67 19%、 組織学的悪性度 1、断端−、脈管侵襲ly+、ticnomoステージ1」 でした。補助療法で、抗癌剤をしたらいいのかどうか迷っています。ホルモン療法と放射線療法だけでいいものでしょうか。気になるのは、ki67が19%と、ly+です。ly+ということは、リンパ管にがん細胞が侵入しているということですので、抗癌剤をしなければ、いつかは再発するということですか? もしくは遠隔転移の可能性があるということでしょうか? オンコタイプDXを自費でやったとして、乳がんのみの再発リスクだけがわかるのですか。その結果、中間リスクの場合はどうしたらいいですか? 本当に困っています。

ご相談どうもありがとうございます。早期がんで、リンパ節転移もなかったのですね。Ki-67については、厳密には14%より高い物は悪性度が高いと判断せざるを得ないのですが、世界的な統一見解はまだございません。抗がん剤をおこなうべきかどうかというと、Ki-67は、25%以上などのあきらかな高値でなければ境界領域と判断し、ホルモン治療を優先し、抗がん剤は積極的にはおこなわないことが多いと考えます。ly(+)については、それ自体を理由に抗がん剤治療をおこなうという判断にはつながりません。オンコタイプDXを調べて、先生にご相談するのも良いと思いますが、最終的には中間型と判断すれば、ご自身で抗がん剤をおこなうかどうかは決定しないといけません。乳がんのステージ1の5年生存率は95%前後であり、これを100%に近づけようとすれば、抗がん剤治療をおこない、さらにホルモン治療を継続することが望ましいと考えます。しかし、脱毛や白血球減少、食欲不振などの副作用が約半年間続くことを天秤にかけて最終的にご判断いただくしかございません。主治医の先生とも、よくお話をなさってお決めくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11259】  13年12月10日    K.H. 
肝転移の今後の治療について

一年前の夏に肝転移が認められ、 肝機能の数値もきびしいものでしたので、これまでのホルモン療法から、抗がん剤 アバスチン + タキソールを3コース受けました。はじめての抗がん剤だったこともあり、肝機能数値も腫瘍マーカーも、ほぼ正常値にもどりました。その後、副作用もきつく、状態も落ち着いてきたからとホルモン療法に戻り、ヒスロン、フェアストン多量服用とつなぎました。数値が徐々に上昇しはじめたこともあり、また、ホルモン剤もすべて使い切ってしまったこともあり、経口抗がん剤TS−1へ治療変更しました。4か月近く服用しましたが、期待するほどの結果もでず、次の治療へと移行を検討していたころから、肝臓の腫れによる腹部圧迫感、倦怠感がひどくなり、それに伴い、数値のほうも右肩上がりに推移しています。この時点で、再び アバスチン +タキソールを再度試み、3コース目が終了を迎えようとしています。前回の効き目を期待していたものの、思うように効果は現れません。現状では、肝臓の腫れが引かずに、腹部までもがパンパンに腫れて、苦しい状態です。主治医からは、抗がん剤の乗り換えも考えねばと言われています。幸い(?!)残された抗がん剤の選択肢は多いのですが、どれを選択していいやら、迷います。とにかく、今はこの状態から抜け出したい気持ちでいっぱいです。抗がん剤以外に、なにか手立てはないのでしょうか? 簡単な内容説明で申し訳ありませんが、今後の抗がん剤選択の参考にご意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。
抗がん剤治療やホルモン治療など、様々な治療を選択なさって頑張って来られてますね。色々なご不安があると思いますが、いくつもの治療をおこなってきて、「今度は絶対にこれが良い。」という治療は断言できないのです。一つずつ治療効果を確認しながら変更していくということが大事なのです。特に今は、おなかの痛みも張る感じも強くておつらいと思います。そのような場合には、緩和ケアチームにご相談いただき、まずは痛みを和らげていただくことが重要です。必要ならば、モルヒネなどの医療用の安全な麻薬を使用することもあります。外科手術後にも医療用の麻薬を使用して痛みを緩和して患者様が笑顔になれますので、がんによる痛みにもとても有効です。痛みが緩和されれば、次の治療にもまた前向きになれるかもしれません。主治医の先生に、痛みについてご相談してみてくださいね。まずは笑顔になれることが何より大事です。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11258】  13年12月10日    M
抗癌剤治療について

第2クール16日目。こんな夜遅くまで起きていられるようになりました。夜中も目が覚めず、6時ごろまで熟睡しています。お仕事、お疲れ様です。先日のご講演の際、伺いたかった質問を、この場を借りてお願いいたします。

1) FEC-Tの投与時、口内炎予防のために氷をなめること、血管痛予防のために血管を温めること、爪の変色を防ぐために爪を冷やすこと(これはやっていませんが)以外に、何かした方が良いことはありますか? もしあれば、ぜひ教えてください。
2) リンパ節の廓清をした場合、採血も、手術側の腕は避けるべきなのでしょうか?

3) 抗がん剤を始める時、FECの後の抗がん剤について、主治医からは、「タキソールを毎週投与で12回あるいはタキソテールを3週ごとに4回。どちらでも好きな方でよい。」と、言われました。勉強不足のため判断できず悩んでいたのですが、2クール目の治療の日に、2か月後の予約として、毎週の方向で予約を入れてくださいました。それって・・・12回コース?あるいはとりあえずの予約?と、謎のままです。3クール目の治療は、先生が出張のため、初めてお目にかかる他の先生を受診することになっており、主治医の本意を確認できません。(4クール目の治療ではお目にかかれます。)  しびれなど身体への負担は、毎週投与の方が楽なんじゃないかしら?と想像できますが、毎週病院へ行かなければいけないこと。4回で済むはずの点滴を12回もしなきゃいけないこと。この二点が憂鬱です。実際のところ費用も3倍かかるのでしょうか? それとも4回コースは、一回あたりの料金が3倍に高いのでしょうか? お金のこともさることながら、一回約2時間の点滴だとしても、8時間と24時間はあまりにも違うので、病院までの往復時間も考慮すると、やはり私は4回コースを選びたいと思っています。薬による副作用の違い、身体への負担など考慮すると、先生はどちらのコースをオススメされますか?
4) すごく基本的な質問で恥ずかしいのですが、乳がんの抗がん剤を受けている私たちは、他のがんも防げるのでしょうか?

以上です。よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。少しでもお役に立てましたら幸いです。
1) 十分に御指導を受けられていらっしゃるようですので、身体のつらいことがあれば我慢せず必ず先生にご相談することでしょうか。
2) リンパ節郭清をおこなった腕では、重い物を持ったり、虫刺されしたり、採血や点滴、血圧測定なども避けていただくようにしています。何をきっかけにリンパ浮腫となり、腕が高度に腫れ上がってしまうか予期できないからです。注意するに超したことはない、という感じです。
3) 毎週の点滴でも、3週ごとの点滴でも、高額医療費制度を考慮すれば、毎月の医療費に大きな差はないはずです。また、治療効果としては、どちらも同じ効果と考えております。特に、毎週のタキソールと、3週ごとのドセタキセル投与が効果が同じという研究結果がでております。仮に3週間ごとに点滴をおこなったとしても、白血球減少の可能性を考慮すると、結局毎週採血に受診していただき、採血結果を確認した方が安全と考えます。もちろん経過を見て、問題なければ通院間隔は開けていけると思います。ご希望がどちらか分からなくても、化学療法外来が混雑しているために、早めにMさまの席を先生が確保してくださったのだと考えます。
4) 他のがんが防げている可能性もありますが、そのような研究結果は発表されていないので、胃がんや大腸がんや婦人科がんについての健康診断は、毎年おこなっていただくほうが良いと思います。

以上です。これからも応援しています。(文責 高橋)

 

No.11257-1】  13年12月07日    T 
PET-CTにて多発性肝転移が見つかりました

初めてメールをさせていただきます。今までの経過は以下の通りです。(かなり以前に発病した為、乳がんのタイプその他は私自身がわからない部分がありますので、伝えられる範囲で記載 します。)

・1997.4  右乳房のしこりに気付く 病院を受診 細胞穿刺するも陰性とのこと。
・1997.5  念のために乳房一部切除。乳がんとのこと。
・1997.6  右乳房全摘手術、ステージUbの硬癌 リンパ節転移あり
・1997.7  ホルモン注射(薬剤名不明、月1回の筋肉注射)と経口による抗がん剤(5FU)治療。5FUの副作用で1日十数回の下痢、味覚障害の為食欲不振の為、5FU中止。別の経口による抗がん剤(薬剤名は忘れました)。
・1998.7  ホルモン注射の副作用がキツく、2年の予定で始めたホルモン注射を中止。経口の抗がん剤のみになる。
・1999.8  定期検査にて胸椎に遠隔転移が発覚。医師からはかなり厳しいことを言われる。放射線治療(20回) 経口薬もフルツロン・エンドキサンに変更。骨折予防にテイロック注射月1回開始。
・2007.9  経口による抗がん剤の副作用(吐き気など)はあるものの8年間1か所で落ち着いていたのに、仙骨に転移。放射線治療(20回) 薬もホルモン剤(フェマーラ)に変更。テイロック→ゾメタに変更。
・2009  他にも骨転移現れ、フェマーラ→フェアストーンに変更
・2010  フェアストーンの効果があまり見られず、開始後7〜8ヶ月で中止。以降アロマシンに変更
・2011.10 他部位に骨転移が増えた為、ホルモン療法中止。ゼローダ・エンドキサンに変更。
・2012.9  多発性骨転移の為、メタストロン(ストロンチウム)治療。前月より一時ゼローダ・エンドキサン中断。
・2012.11  メタストロンの影響なのか?白血球減少気味(2500以下) 抗がん剤治療が出来ないとのことだが何の治療もしないのが不安で自ら頼んでホルモン治療を再開(ヒスロンH)。
・2012.12  ヒスロンHの副作用(食欲旺盛・太り気味)の為、ノルバディックスに変更。
・2013.春〜  白血球・赤血球・血小板は相変わらず減少気味。それに加えて貧血の状態を見る値が7.5まで減少。動悸・息切れが現れる。私としてはストロンチウムの影響だとばかり思っていたが、放射線の医師の受診を受けると、「そんなに影響が残ることはありえない。影響が残っても1ヶ月程度。」とのこと。結局、自分自身で血液を造る力がなくなっている様子。
・2013.7  定期検査。骨への転移は大きく変わりなし。腹部・肺への転移はないとのことで少し安心する。しかし、相変わらず白血球(1900)、赤血球・血小板も少なく、採血の時など血が止まりづらい。
・2013.9  横になった後に頭痛を感じ、それが続いている。また顔の左唇から頬にかけてしびれが出現。日を追う毎にしびれが強くなり、気になってどうしようもない。精神的な物もあるのだろうが、吐き気が止まらない。(空吐き)
・2013.10  顔の痺れが気になり、脳神経内科を受診。頭部のCT検査をしたが、脳自体は異常なし。しかし、同時に頭蓋骨への転移(1か所)判明。突然、口の中からレバーのような血のかたまりが出て、ビックリする。原因は鼻血のようだが、なかなか止まらない。微量の出血が2週間以上続いたので耳鼻科を受診。眉間の下の一番奥の方から微量に出血があるとのこと。副鼻腔炎や腫瘍の可能性があるとのことで、MRI検査を外部の病院で受けるが、結果心配するような物は何もなしとのこと。経過観察中。
・2013.11  先月の副鼻腔のMRIの結果で頭部部分もわかるが、特に顔の痺れの原因になるような物はないとの事。しかし、寒くなってきたせいか痺れが痛みに感じることがあり、範囲も若干広がっている感じ。腫瘍マーカーの数値が大分上がってきたこともあり、別の病院でPET-CT検査を受けることになる。月末に結果を聞くが、前回7月の検査では問題なかったのに、肝臓に多発的に転移出現。骨への転移も増えているとのこと。主治医としては第一選択として、比較的マイルドな抗がん剤(パクリタキセル+アバスチン)を考えているようだが、現在ノルバディックスのみで白血球2300、白血球239、血小板7.5、ヘモグロビン8.3、自覚的には動悸・息切れ・相変わらず横になると頭痛、昼間はいいが夜になると吐き気が続いており、この上点滴による抗がん剤を投与すれば脱毛だけではなく、生活の質が落ちることは目に見えているので、夏頃に主治医から提示があったがまだ行っていないホルモン注射のフェソロデックスを行うことにする。(2〜3ヶ月様子を見て効果がないようであれば、抗がん剤に移行するとのこと)
・2013.12  現在飲み薬なし。ゾメタは引き続き月1回の予定で続行とのこと。12月中旬よりフェソロデックス治療予定。顔の痺れについては前月より麻酔科にてレーザー治療、首の後ろからブロック注射と行っていますが、現状症状が緩和されたという実感なし。 

乳がんと言われてから16年半になるので長くなってしまい、申し訳ありません。正直なところ、検査結果を聞いた時には「ついに恐れていた状態になった・・・・」と、とてもショックで、頭の中が真っ白になってしまって、あれこれとは聞けませんでした。しかし、帰宅後いろいろと不安や疑問が出てきて、出来るだけ早い時点で主治医からもっと詳しい話をしたいと思い、予約を入れるべく病院へ電話をしたのですが・・・。私にとってはたった一人の主治医ですが、主治医にとってはたくさんの患者の一人でしかなく、今週の予約は一杯で変更が出来ないとのこと。 来週からフェソロデックスの治療をするまでは、話は出来ないようです。実は私は長く病んでいますし、3回入院していますので、それなりに同じ病気の友人がいます。しかし、抗がん剤を投与して現在も健在な友人というのは、手術直後に再発予防の為に投与した人だけで、その他転移が見つかった後に抗がん剤治療をし た人は、ほとんど苦しい思いをした後に、治療の甲斐もなく亡くなってしまいました。私は経口による抗がん剤治療は実際に受けていますが、もっと病状が悪くなって「点滴による抗がん剤治療と言われた時は簡単には受け入れられない・・・・」と思っていました。今回も主治医に、「治療をしなければどのぐらい持ちますか?」と、聞きました。医師の見立てでは、「何も治療をしなければ半年、持って1年」と、言われました。これから行う注射のホルモン療法が効いて、少し続けられるようであれば、少しの間は今の状態を保てるのでしょうが、効かなかった場合には他のホルモン 療法を!ということは難しいと予想が出来ますし、いずれにしろ近い将来必ずまた悩む時が来るはずです。(フェソロデックスが効くという保証は全く ないようです。) そこで質問なのですが

1) .前回7月の検査では転移がなかった肝臓に多発的に転移が見られたということは、進行度が早いのでしょうか? それとも、前回は造影剤を使ったCT、今回がPET-CTだった為、小さい物も出てきたということでしょうか?
2) 乳がんからの転移性肝がんは、抗がん剤治療しか選択肢がないのでしょうか?(例えば手術など)
3) 漢方薬で末期がんの方も改善に向かったということを聞いたことがありますが、そのような治療を受けたい場合、どこの病院で受けられますか?(住まいは都内です) また健康保険が適用になるでしょうか?

今後治療を受ける上で、ベッドの上での延命治療よりも、出来るだけ長く自宅で自分らしい生活を送ることを望んでいます。長くなりましたが、よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。不安でいっぱいになってしまいましたね。少しでもお力になれましたら幸いです。
1) 今までは小さくてCTなどでは捉えられなかった病気が、ある日急に見えるようになることもございます。PET-CTだから、よりクッキリ見えている可能性ももちろんございます。スピードはあまり関係ないと思います。
2) 肝臓への転移は、副作用の少ないホルモン治療から開始しますので、経過を拝見しますと適切な治療をお受けになっていると考えます。効果が見られなければ抗がん剤治療です。手術は選択肢にはないです。
3) 漢方薬で、転移に対して効果がみられているものは残念ながらございません。でも苦痛を取り除く緩和ケアが命を延ばしてくれた報告がございます。身体がつらい時は、往診による緩和ケアもおこなっているクリニックもありますので、お近くを探してみてくださいね。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11257-2】  13年12月15日    T 
早速の回答、ありがとうございました

No.11257で質問させていただいた者です。早速の回答、ありがとうございました。やはり、乳がんからの転移性肝がんに、手術は無理なのですね。しかも、多発的にがんが転移しているということは、ピンポイントで手術というわけにはいかないのでしょうね・・・。一応経過を説明し、今後の治療予定についても一般的とのこと。これに関しては少し安心しました。
ただ、今私が気になっているのは、昨年秋にメタストロン治療を受けて以降、白血球が下がりっ放し(2000〜2500)の為、元々飲んでいたゼ ローダ&エンドキサンによる抗がん剤治療が再開出来ず、昨年末より、ノルバデックスによるホルモン治療を続けていますが、今年の春からは貧血もひどく(ホモグロビン値7.3-8.5前後)、自覚的にも、ちょっと動いただけで動悸・息切れが起こり、昨年の体調と比べると、明らかに生活の質が落ちている状態です。これから始めるフェソロデックスの効果が見られない場合には、点滴による抗がん剤治療(パクリタキセル+アバスチン)を予定しているようですが、経口による抗がん剤治療が出来なかったのに、点滴による抗がん剤治療が出来るのか?抗がん剤はがん細胞だけでなく、よい細胞まで攻撃するので、自分の体が治療に耐えられるのか?極端な話、より寿命を縮まてしまうのではないのか?と、いろいろと不安です。基礎体力がないので、どうしても抗がん剤ということであれば、経口による抗がん剤治療の方が私としてはいいのですが、そういう選択肢はないのでしょ うか? また、私の採血データを見た他科の数名の医師は、「輸血をしてもらって、抗がん剤が使えるようにしてもらった方がいいのではないか?」と、言っていま したが、私の主治医は、現時点でも「輸血は不要!」と言っています。その辺が、抗がん剤治療を受ける自信がないことにもつながっているのですが・・・。
また、顔の左半分のしびれについて、頭部CT、MRIの結果、これといった原因はないとのことですが、頭蓋骨への転移が発見されたことと関係がある のでしょうか? しびれているのが、唇から頬〜目の下まで広がり、ピリピリと痛みも出てきて非常に不快だし、無意識のうちに噛んで出血したり、鏡を見ていても、口紅を塗るにも、感覚がないのでうまく塗れません。顔半分の痺れについては、ネットでもいろいろ調べたのですがわからず、「何でこんな思いをしなければならないんだろう・・・」と、精神的におかしくな りそうです。本当は、前回受診後早々に主治医と再度じっくり話し合えれば、私の不安も早く取り除けるのかもしれませんが、現時点では主治医の予約が一杯で、次回受診日(フェソロデックス初回)まで会って話が出来ないでいます。最近では、次の受診日にきちんと主治医と話し合えるのか?と、不安で夢にみるほどです。再度で申し訳ありませんが、何かアドバイスがあれば、お願いいたします。

現在の病状や今後の方針に関して、大きな不安を抱いておられることと、お察し申し上げます。まず第一に申し上げたいことは、長い経過を経ての現在がありますので、やはり主治医の先生とのコミュニケーションが最も大事であろうと考えます。それゆえ今後の方針について、まとまった説明の時間を主治医の先生におとりいただくのが必要と思います。そして可能ならば、ご家族やご友人など身近の方にも同席いただく方が良いと思います。長い経過の中で治療や病状のため骨髄抑制が慢性化しており、それによる白血球や赤血球の低下なので、抗がん剤使用の是非や輸血の是非などは総合的に評価してでないと判断できないと思います。あと顔面のしびれに関しては、一度神経内科を受診してはいかがでしょうか?(文責 谷)

 

No.11256】  13年12月07日    M.W. 
乳がんの薬の影響につて

乳がん治療2年目の48歳です。現在ノルバデックスの服用と、リュープリン注射の治療をしています。1ヶ月ほど前から左ひざが痛く(時々右ひざも)、整形外科を受診しました。レントゲン検査では異常がなく、少し腫れがあるのでリューマチの検査もしましたが、異常なしでした。整形の先生からは、整形外科的治療は何もないと言われました。ノルバデックスやリュープリンの影響の可能性はあるのでしょうか? 主治医の先生の診察が来月のため、相談させていただきました。お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願い致します。

ご相談どうもありがとうございます。御指摘の通り、リュープリンやノルバデックスなどのホルモン治療の副作用として、膝関節痛はございます。ホルモン治療は乳がんの再発予防に大切ですので、安易に中止することは避けた方が良いと思います。痛み止めをいただきながら、落ち着くのを待つのが良いでしょう。整形の先生が「何もない。」とおっしゃるのでしたら、経過観察がベストだと考えます。どうしてもご不安な時には、先生の外来を早めに受診してみてください。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11255】  13年12月07日    N 
術後のしこり(HPNo.11243-2)

HPNo.11243で、以前質問した者です。その後も固いままですが、そのような場合もあるとの事で様子を見ていました。よくチェックしてみると、患側の切除して硬くなっている所以外の所も一箇所、硬くなっている事に気づきました。腫瘤というより、硬結という感じです。早急に受診した方がいいでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます。乳房温存術後に、乳腺の摘出部分に水がたまり、固いしこりのように触れたり、柔らかく触れたりすることは良くございます。あまり心配しなくて良いと思いますが、拝見していないのに「大丈夫。」とも申し上げられません。「先生に受診して、エコー検査をしていただいてくださいませ。」が、正しいお答えと思います。よろしくお願いいたします。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11254】  13年12月04日    U 
再発率と術後補助療法について

10月下旬に乳房温存手術をし、病理結果が出ましたので、ご相談させて下さい。閉経後、58歳です。
病理結果: 浸潤癌(硬癌)、腫瘍径 1.2センチ、センチネルリンパ節 0/1(転移なし)、グレード1、ER 陽性(90%以上)、Pgr 陰性(0%)、Her2 2+(fish陽性 2.2)、リンパ管や脈管へ
の浸潤は認められない、とのことでした。
1) Pgrが陰性ということは、通常よりホルモン治療が効きにくく、予後が悪いのでしょうか。
2) 主治医からはTC療法4回+ハーセプチン→放射線治療→ハーセプチン残り14回+ホルモン治療(アロマターゼ阻害薬5年)を提案されてますが、化学療法でTCのみというのは妥当なのでしょうか。
3) 上記術後補助療法を行った場合の10年生存率、再発率はそれぞれどのくらいでしょうか。

よろしくお願いいたします。

ご相談どうもありがとうございます。手術を無事に終えてこれから抗がん剤治療なのですね。ERが90%以上であればホルモン感受性は十分です。PRは参考程度で良いと考えます。いただいた情報ではステージ1の早期がんであり、抗がん剤の副作用を少なくする目的でTC療法を選択される病院は増えていますので問題ないと思います。Her2陽性であり、再発予防効果を高めるためにハーセプチンを使用するのであればタキサン系の薬剤を使用することが標準治療ですのでTC療法は理にかなっています。個別に再発率や生存率を計測することは難しいですが、ステージ1であることを考慮すれば5年生存率は95%前後です。これを少しでも100%に近づけるための治療を今、確実におこないましょうということです。応援しています。(文責  高橋)

 

No.11253-2】  14年01月11日    M.M.
Ki67について

No.11253で、乳ガンが複数箇所見つかった場合の手術について相談させていただきました。アドバイスをいただき、主治医と手術前に切除方法についてよく話し合うことができました。おかげさまで部分切除とセンチネルリンパ節生検を、無事受けることができました。昨日出た病理検査の結果は以下のようでした。
リンパ管侵襲 0 ・ グレード1 ・ ER 80% PgR 60% ・ HER2蛋白 0 ・ リンパ節転移 0 ・ 切除断端 陰性 
ただ、術前は9%とされていたKi67が21%になっていました。主治医は「高いというほどではないので」ということで、今後放射線治療とタモキシフェン服用となりました(タモキシフェンは術前から服用しています)。Ki67の数値が高い場合には抗がん剤を用いると書いてあるのを見たことがあるのですが、「Kiが高い」とは、どのくらいの数値を指すのでしょうか。Ki67は『増殖能』と解説されていますが、再発率に大きく影響するものなのでしょうか。また、放射線治療を別の病院で受けるため、始めるのが術後8週間ぐらいになってしまいます。予約が取れない以上しかたがないのですが、効果がなくなってしまう、あるいは減ってしまうことはありますか。ご回答、よろしくお願いします。

Ki-67の値と予後に関連があることは、多くの臨床試験から確認されています。しかし、いくつ以上なら予後が悪いのかは、施設施設によってばらつきがあることから、標準化されるには至っておりません。21%ですと、主治医の先生のおっしゃるように、それだけで治療方針決定するという値ではありませんので、やはり他の因子も考慮しながら総合的に判断することになるでしょう。また、放射線治療開始が術後8週間ということについては、明確なデータはありませんが、あまり心配しないで宜しいと考えます。(文責 浜口)

 

No.11253-1】  13年12月04日    M.M.
ガンが複数箇所あった場合の治療について

初めてメールいたします。51歳。10月初旬にガンとの診断を受け、検査を経て現在手術待ちです。最初は左胸に15mmのガンが見つかり、病理検査でホルモン受容体陽性、HER2陰性、悪性度はグレイド1ということで、温存手術のあとホルモン療法と放射線療法という方向でした。その後MRI検査で、そのガンから5cmほど離れたところに5mmほどの影がうつり、太針穿刺組織診の結果、ほぼガンであると言われました。新しく見つかった方は、最初のものから乳管を通っていったものがそこで大きくなった可能性があるということで、画像にうつらない小さなガンが他にも広がっていることが考えられる(私の目からも二つのガンが腺でつながっているように見えました)ので、術中迅速診断でガン細胞が見つかれば、更に大きく切除するということでした。
医師から話されたときには、いずれにしても手術するのだし、どのくらい切除するかは切ってみないとわからないと言われたので、あまり考えもせず帰宅してしまいました。今になってみると、乳管を通ってガン細胞があちらこちらに広がっている、ということに恐れを感じています。また、最初は日帰り手術も可とされていたものが、術中診断によってはさらに切除、となると、麻酔から覚めたときに予想以上に乳房が変形しているのではないか、という不安もあります。温存が前提だったので、再建についてはなにも検討していません。次に主治医に会うのは手術の前日となっていますが、このまま手術を受けてしまっていいものか、と落ち着けません。

1)  私のような場合、やはり小さなガンがあちらこちらに広がっている、という可能性が大きいのでしょうか(全摘も覚悟しておくべきでしょうか)。
2)  ガンが1箇所だった場合と、複数だった場合の、大きな違いは何でしょうか。

3)  術前に物療法などでガン細胞を減らしておく、という方法は考えられないのでしょうか。

勉強不足で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

ご相談どうもありがとうございます。不安になってしまったのですね。MRIで乳がんが複数箇所に見つかることは良くあることです。どれぐらい散らばっているのかは、最終的には乳腺を摘出して顕微鏡で調べてみないと分かりません。ですから乳がんが複数箇所に見つかった場合には、温存手術よりも乳房切除術をおこなう方が望ましいと考えます。乳房を温存したつもりが、乳がんまで温存してしまっては意味がないのです。でも急に乳房切除と言われても動揺してしまいますよね。がんが一箇所であれば乳房温存手術は可能です。でも複数にあるのでしたら、もう一度先生とご相談して、皮下乳腺全摘術(乳頭乳輪を残し、乳腺のみ切除する)や乳房再建についてのご意見をお聞きになった方が良いと思います。手術日が決まっていても躊躇してはいけません。納得できる治療が見つかるまで、先生としっかりとご相談なさってくださいね。術前薬物治療についても、現在の病状によって判断は変わってきますので、今の疑問点を是非先生にもお尋ねくださいませ。応援しています。(文責  高橋)

 

No.11252】  13年12月04日    k m  
パージェタ

先日から、ハーセプチン、ゼローダの投薬治療に、パージェタを追加しました。今月中旬にパージェタ2回目の投与となります。投与後、副作用として下痢が出ています。市販の下痢止めを使用すると、効き過ぎてしまい、困っています。又、元々口内炎ができやすい体質ですが、パージェタ投与後、口内炎が多くなったように感じています。何か良い対処法がないでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます。パージェタによる副作用の口内炎もございますが、ゼローダによる口内炎で悩まれていらっしゃる方もいらっしゃいますね。口内炎の治療は休薬が一番有効ですが、ずっとお休みするわけにもいきません。口内炎の治療としては、うがい薬を使用したり、口内炎の軟膏を塗布することが一般的です。また痛みが強い場合には一時的に中止にすることもあります。口内炎が強いと食事摂取も出来なくなることもありますので主治医の先生に対策をご相談くださいね。応援しています。(文責  高橋)

 

No.11251】  13年12月03日    I 
ゼローダの服薬の仕方

抗がん剤のゼローダの服薬の仕方について、質問させていただきます。3週間服薬して1週間お休みする、という服薬をしておりますが、ちょっときついなと感じております。2週間服薬して1週間お休みするという飲み方の方が、副作用はでにくですか? よろしくお願い致します。

当然副作用は出にくいですが、当初期待されている効果も少なくなると思います。(文責 大西)

 

No.11250】  13年12月03日    E.Y.
乳がん全摘手術&リンパ節郭清後の放射線治療について

62歳の母は、今年9月に乳がん全摘手術を受けました。大きさは1.5cmで、核グレード2、ER12.0、PR9.0、HER2陰性(1+, 9.8)で、ki67は5-10%と、概ねおとなしめということですが、術中のセンチネルリンパ生検で微小転移が3つ見つかりました。リンパ郭清(10個ほど) を行ったところ、それ以上の転移はなかったとのことです。 10月初旬から、フェマーラの服用を始めましたが、微小転 移3つが気になるので、オンコタイプDXを実施したところ、スコアゼロと出ました。スコアゼロでしたら、通常抗がん剤の上乗せ効果は少なく、主治医から勧められたTS-1の治験参加もお断りしました。ですが、主治医は、今度は、やはりリンパ節の3つが気になるとのことで、放射線治療を勧めてきました。今回の手術では全摘を選び、また一期再建でエキスパンダーも入れているので、母としては今の段階になっての放射線治療という話に戸惑っているようです。お教えいただきたいのは、上記のような乳がん‐オンコタイプのスコアはゼロでも、リンパ節に微小転移3つという状態の場合、乳房再建をあきらめても放射線治療を実施したほうがベターかということです。また、上記のとおり、リンパ節郭清をしているので、放射線をあてることで浮腫が起こりやすくなるかもという不安もあります。長くなってしまい恐縮ですが、ご教示いただけましたら幸いです。

乳房切除後の放射線照射は腋窩リンパ節転移4個以上の患者さんでは強く勧められ、1-3個の患者さんにも勧められています(強くではありませんが)。主治医の先生は、そのために放射線照射を勧められたのだと思います。微小リンパ節転移3個やオンコタイプのスコア0の方の局所再発率が、どの程度あるのかまでは分かりません(あまり高くはないと思います)が、放射線照射をスキップすることで再発率が上昇する可能性があるので、お勧めする形になります。ちなみに放射線照射によってリンパ浮腫のリスクが上昇する可能性はありますが、自家組織による乳房再建は考えても良いと思います。(文責 大西)

 

No.11249】  13年12月03日    R.O. 
今後の治療について(HPNo.11055-2)

以前NO,11055で相談させて頂きました。その節はありがとうございました。温存にて手術を終えました。結局、先生の判断で少し大きめに切ってくださり、前回相談したMRIに映ったものは良性でした。しかし、センチネルの結果は陽性。病理の結果、リンパを10個採った内の1つに転移がありました。ホルモン(+)Her2(-)でしたが、顔つきが悪いとのことで、TC×4回の抗がん剤を受けました。次は放射線の予定でしたが、お正月休みの間受けられないとのことで、それでは効果がなくなるので…、先に来月からホルモン治療を開始することになりました。

1) ホルモン治療を開始後、年明けから放射線を始めると治療がかぶるのですが、大丈夫なのでしょうか?
2) 抗がん剤で既に生理が止まっているのですが、主治医は、皮下注射(ゾラデックス)と飲み薬を行うとのこと。同じ病で大学病院に通っている友人も、抗がん剤で生理が止まっている同じ状況で、皮下注射は意味があまりないからと言われ、飲み薬だけになるそうです。どちらが、標準的な治療なのでしょうか? 意味がないのに、痛くて高い注射を何年も受けるのはつらいので…。教えてください。よろしくお願いします。

1)  ホルモン療法と放射線照射の併用については安全とされているので、心配はないでしょう。
2)  閉経期の方は抗癌剤治療で閉経する場合もあればしばらくすると再開する場合もあります。閉経前の方でホルモン治療をする場合抗エストロゲン薬を使用しますが、LHRHアゴニスト(ゾラデックス)を併用するかどうかは主治医の判断にゆだねられるところがあります。つまり質問に対してはどちらも標準的な治療になりますし、意味がないこともないというのが正直な回答になります。(文責 大西)

 

No.11248】  13年12月01日    B 
乳頭からの出血

乳癌のホルモン剤治療中です。乳頭から出血しています。すぐに病院に行った方がいいですか?

どのような出血なのかで緊急性が変わってきます。あわてることはありませんが、1〜2週間のうちに診てもらった方がいいかと思います。(文責 大西)

 

No.11247】  13年12月01日     K 
再発リンパ節への放射線治療

2004年1月に乳がん手術をした、現在63歳の母について相談させていただきます。当時の病理は大部分が非浸潤で、一部が浸潤した面皰がんで、リンパ節転移がレベル1に2つ、レベル2に1つの計三個でした。ホルモン強陽性で、CAF6クールのあとアリミデックスを8年くらい服用していましたが、その後やめたそうです。
昨年10月、鎖骨付近のリンパ節が腫れていることが検査で判明し、フェソロデックスを使用し始めましたが、今年4月、肺に影が出始めたため、現在アブラキサンを併用しています。その後、8月の検査で肺の影は消えたものの、11月の検査でも鎖骨リンパは縮小が見られないようです。さらに術側の腋窩リンパ節も少し腫れているそうです(全部とったのだと思っていましたが)。母は初発治療時、放射線治療を受けていません。今回の再発治療に放射線治療は適応になるでしょうか? アブラキサン、フェソロデックスはこのまま続けるそうです。素人目からは、放射線治療でリンパ節が縮小するのならお願いしたいと思ってしまうのですが・・・。もちろん主治医には、次回にでも相談しようと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

お母様の場合、乳癌の再発部位は肺とリンパ節で、肺については治療効果が認められ、8月の検査では消失したとのことですね。癌細胞の動きから考えると、リンパ節に転移している癌細胞と、一度血流に乗って全身に癌細胞が広がり肺に生着した癌細胞がいることになります。現在アブラキサンとフェソロデックスを継続されているとのことですが、どちらの薬も血流に乗って全身に廻ることになります。当然リンパ節にも肺にも到達しています。放射線照射についてですが、放射線は照射している部位にしか効果がありません。腋窩や鎖骨付近に照射するとリンパ節は縮小するかもしれませんが、全身に広がっている癌細胞には効果がありません。仮に全身に廻っている癌細胞はすべて抗癌剤で死滅していると考えると、照射も一つのオプションになるかと思いますが、適応は慎重に決めることになると思います。(文責 大西)

 

No.11246】  13年12月01日     S 
セカンドオピニオン

母60才が、先日乳ガンと診断されました。右の乳房に5円玉くらいのしこりと、本当に小さなしこり2つが見つかったそうです。先生には、幸いリンパにはいってない、と言われたそうですが、来週の月曜日に病院に行って、手術にたえられるかどうか、心電図や肺の検査をするそうです。母は、その日に細かい事が全部分かると言うのですが、私は正直頭の中が真っ白です。今、母がみてもらっている病院は総合病院なんですが、地域で乳腺外科専門の病院でみてもらうといった、セカンドオピニオンはどうなのでしょうか? 母はセカンドオピニオンは気がひけるみたいなのですが、私は色々話を聞いた上で治療の選択をしてほしいのですが、セカンドオピニオンをして、最初にみてもらっていた先生に戻るという事はよくないことですか? まだ、色々な事がはっきりしてない段階での相談ですません。

セカンドオピニオンは珍しいことではありませんので、遠慮しなくてもいいと思います。またセカンドオピニオンは今の病院で治療を受けることが基本路線で、セカンドオピニオン先では治療についての意見を聞くだけになります。別の病院で治療を希望される場合には紹介受診となり、セカンドオピニオンとは別になります。お母様と相談して決めていただければと思います。(文責 大西)

 

No.11245】  13年11月27日     H
胸のしこりについて

14才の娘の胸のしこりについて、ご質問させていただきます。左側の乳房に小さなしこり(乳輪から3センチ下くらいの場所)があるようで、本人も気にしております。寝転がると、ちょうど胸のふくらみ始める場所にしこりがあり、動いて場所が変わったりするようです。思春期のこともあり、乳腺の発達からくるものではと思いつつ、自身も数年前に乳がんの診断を受けて、現在もホルモン療法を続けていることもあり、心配しております。娘は身長も低く、成長は他のお子さんと比べて遅いほうです。このような年齢でも乳がんを発症するというようなことはあるのでしょうか? それとも成長期特有のものと考えてよいのでしょうか?

ご質問有り難うございます。14歳の娘さんのしこりですが、乳癌の可能性はまずないと思います。おっしゃるとおり、固い乳腺の一部か、良性の腫瘍をみているのではないでしょうか? 超音波検査を行えばはっきりしますので、いちど検査されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.11244】  13年11月27日     H.Y. 
全摘後の検診について

いつも参考にさせていただいております。30代、約1年前、右全摘手術を受けました。その後、半年ごとのフォローアップ健診を受けています。その際、術側ではない胸は超音波やマンモをしますが、術側は触診もありません。乳腺がないのだから当然、かと思っていました。その矢先、同病の知人から、全摘出した側から癌が新たに見つかって治療中、と聞きました。それで、不安になって相談させていただきました。全摘出後の検査では、超音波をしておく必要はないのでしょうか。何か術側もドクターに診ていただくことはできないのでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。

ご質問有り難うございます。全摘後でも局所再発のリスクは数%ありますので、最低限、自分で触診を行い、変化があるようなら追加の検査を行うべきと考えます。従って、診察の際の触診も大事な検査の一つです。さて、超音波を行う必要は?とのことですが、全摘に限らず、術後の検査(フォローアップ)は、健側(病変と反対側)のマンモグラフィのみを行うべきであると、ガイドライン、教科書に記載されています。これは、反対側の病変は早期に見つければ、しっかり治せますが、再発病変(特に、肝、肺、骨転移など)を早く見つけても完治が困難であるとの考えに基づきます。現状では、半年〜1年に1回の検査を行っている施設も多いようですが、全く検査を行わない施設も存在します。ご質問は、局所再発に対する検査の必要性という事ですから、遠隔再発(肝、肺、骨)とは若干ニュアンスが異なりますので、検査の意義、必要性は、主治医とよく相談して進められたらいいと思います。(文責 鈴木)

 

No.11243-1】  13年11月27日     N
温存術後です

今年2月に温存手術をし、放射線は5月に終わりました。腺葉区域切除した部分は長細く硬くなっていましたが、これがなくなるには時間がかかるとのことでした。最近、その幅も幾分狭くなり、少し柔らかくなったかな?と思っていたのですが、ここ数日で又以前のようにカチカチに・・・。しこりの辺縁も、触るとハッキリとわかります。今頃になって、このような症状が出ることもあるのでしょうか?

ご質問有り難うございます。温存手術後は、ある程度柔らかくなるものの、まったく元のとおりには柔らかくなりません。個人差が大きいように思います。また、ご指摘のように一時柔らかくなったところが、また固くなる・・ということも時々経験します。あまり心配ないと思いますが、変に目立つようなら一度、超音波検査でもされてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.11243-2】  13年12月07日     N
術後のしこり

HPNo.11243で、以前質問した者です。その後も固いままですが、そのような場合もあるとの事で様子を見ていました。よくチェックしてみると、患側の切除して硬くなっている所以外の所も一箇所、硬くなっている事に気づきました。腫瘤というより、硬結という感じです。早急に受診した方がいいでしょうか?

ご相談どうもありがとうございます。乳房温存術後に、乳腺の摘出部分に水がたまり、固いしこりのように触れたり、柔らかく触れたりすることは良くございます。あまり心配しなくて良いと思いますが、拝見していないのに「大丈夫。」とも申し上げられません。「先生に受診して、エコー検査をしていただいてくださいませ。」が、正しいお答えと思います。よろしくお願いいたします。応援しています。(文責 高橋)

 

No.11242】  13年11月27日     M
化学療法とホルモン剤の併用について

先月、乳頭乳輪温存の皮下乳腺摘出を行いました。35歳です。1.7×1.2の硬癌、乳頭腺管癌。センチネルで1/1だった為、リンパ節郭清レベル2近くまでしたところ、2/7でした。リンパ管侵襲等は-で、グレードは1。ホルモンは両方とも90以上で、HER2は0〜1+で陰性。MIB-1は5%以下です。放射線は行わず、只今、エンドキサン+タキソールの化学療法をスタートしました。先ずは化学療法を終わらせ、その後ホルモン剤のタモキシフェンだと思っていたのですが、実際は両方同時に開始するみたいで混乱しております。医師は、大変ホルモンに反応する癌だから、何ヵ月も化学療法でスタートを遅らせるのは良くないとの事。しかし、他の病院では併用はしないとの事で、併用は逆に効果が薄れてしまうのではないかと不安になりました。私と致しましては、リンパ節転移があったということで、今後再発をしないよう、しっかり治療していきたく思っております。その為には、どんな治療も頑張るつもりです。併用は、両方の作用が悪くなるのでしょうか? もしくは化学療法中はホルモン剤の意味がなさそうという事でしょうか? 教えて頂けますでしょうか? 宜しくお願い致します。

ご質問有り難うございます。まず、出来うる治療を頑張ってやるつもり・・とのことですが、現在の治療に関してはいくつか問題点があります。
まず、ホルモン感受性が高く(エストロゲン受容体もプロゲステロン受容体も90%以上)で、MIB-1(Ki67)が低い事から、化学療法の効果はあまり高くないと思われます。35歳という年齢と、リンパ節転移が陽性だったことを考慮してのことと思われますが、現在のガイドラインからすれば、ホルモン療法のみという選択をされる場合が多いと考えます。化学療法の必要性を検証する方法として、化学療法の効果が高いか低いかの遺伝子発現を調べるOncotypeDXという方法があります。切除させて頂いた検体から検査が可能ですが35万円ほどかかります。化学療法を行ってしまっているのですが、この検査を行って、以降の化学療法を行うか否かを判断しても遅くはないかと思います。
次いで、ホルモン療法を化学療法に同時併用する、とのことですが、化学療法→ホルモン療法と化学療法+ホルモン療法を比較した試験結果で、前者の方が再発予防効果が高く、現在では同時併用は行いません。
化学療法の必要性、ホルモン療法の同時投与については、今一度、良く相談されることをお勧めします。(文責 鈴木)

 

No.11241-1】  13年11月27日     K
ステージ4、リンパに多数と肝臓に転移があります

お忙しいところ、申し訳ありません。今年8月の検診結果で乳がんが発覚し、いきなりステージ4、リンパに多数と肝臓に転移があります。いきなりのことなので、これからどうなっていくのか不安でいっぱいです。去年5月に別の医療機関でですが、検診を受けた時には異常なしという結果だったので、当初はトリプルネガティブを疑っていたのですが、違いました。HER2陰性、高度ホルモン反応性あり、Ki-67は高いです。乳がんは16o、肝臓のほうは、大きさはわかりませんが、小さなものだったと思います。現在、エンドキサン、ファルモルビシンで、先月から治療を始めています。去年異常なしということは、トリプルネガティブでなくても進行が速いものということなのでしょうか? 治ることはないのでしょうか? 乳房とリンパは直接命にはかかわらないが、肝臓に転移したのが命とりですね、と言われました。肝臓が暴れだしたら手が付けられなくなります、とも言われました。それは、肝機能が低下してきたら、後は治療の仕様がないから死ぬのを待つだけ、ということなのでしょうか? 肝機能の低下をしないようにすることは、できないのでしょうか? 最初は手術はできないと言っていたのですが、後日、抗がん剤の効果次第で、乳房とリンパは手術するかもしれないと言われました。肝臓は命に係わるところだが、転移した先だからできないと言われました。手術をする理由はなんなのでしょうか? よろしくお願いします。

ご質問有り難うございます。不安もいっぱいのことと察します。少しでもお手伝いになれば幸いです。
さて、頂いた文を拝見していて、答えが難しい部分もあり(明確な答えがない)長文になりますが、ご容赦下さい。いくつかの質問に分けて回答申し上げます。
@ 基本的に、乳房、リンパ節、肝臓、いずれもひとつの病気と考え、手術は行いませんが、最近になり、化学療法なり、ホルモン療法なりを行ったあと、治療効果が認められる場合、局所(乳房とリンパ節)を切除することによって、予後が良くなるという報告もされていますので、治療効果によっては手術を行うこともあり得ます。ただ、肝臓は、画像で何個と数えられても、小さな病変がある可能性が高く、こちらは手術を行うことは無いと考えて下さい。よほど治療効果が高く、肝臓に1個、2個だけ、いつまでも残って存在する・・という時に、本当に活動性の病変があるかどうかを確かめる目的で手術を行うことも無くはありませんが。
A 去年異常なし・・ということですが、これは画像を拝見していないのでなんとも言えません。振り返って見れば、これが病変だったかも・・なるものはあるかもしれません。一般的に、ホルモン感受性がありますので、トリプルネガティブの多くに比べれば、進行は遅いかと思いますが、Ki67が高いので、やや早い部類かと思います。
B 「肝臓が命取り」、「肝臓が暴れ出したら手がつけられなくなる」、そう言われればそれまでですが、この言葉には、切なさを感じます。確かに、今後、ご本人の体調を左右するのは肝臓だと思いますが、最近の治療薬の進歩は目を見張るものがありますし、進行乳癌の予後は、ここ数年で格段に向上しています。ぜひ、頑張って治療されることを願っております。
C これからの治療の考え方について。これからの治療は、「効果」、「副作用」、「ご本人のやる気」、「体力」、「日常生活のおくりやすさ、おくりにくさ」、などを常に考え、バランスを取りながら進めていきます。どれか一つでも、「ずば抜けたり」、「欠けたり」してもうまくいきません。すごく高い効果でも、副作用が高ければ長続きしませんし、逆に治療効果はボチボチだが、副作用が少なければ長続きする、という具合です。副作用が強ければ、少し休んで、体力の回復を待ってから治療を再開するのも選択肢です。いずれにせよ、主治医と上手にコミュニケーション取りながら、納得のいく治療を続けて下さい。悩むとき、壁にぶつかるときは、セカンドオピニオンなども良いかと思われます。

個人的にも応援申し上げます。ぜひ、頑張って治療を続けて下さい。また、何かありましたらいつでもご連絡下さい。(文責 鈴木)

 

No.11241-2】  13年12月20日     K
肝転移について

お忙しいところ申し訳ありません。以前13年11月27日に、相談No.11241で相談させていただいたものです。現在、抗がん剤治療を続けていて、3回目の抗がん剤投与をしたとき、効果の確認をエコーでしたところ、以前16oあった原発巣が、測れないほどになっていると言われました。肝臓の方は乳腺外科では見ていただけなかったので、最初に肝臓の腫瘍を見つけていただいた、かかりつけの内科にお願いして確認してもらったところ、こちらの方は、最初15ミリほどあったものが、大きく見積もって9ミリだと言われました(今あるのは1個です)。
そこで、知り合いの医療従事者に話をしたところ、「ほかに転移が無いのなら、肝臓の方も手術を検討した方がいい。ステージ4でも、肝臓手術を進める医師もいる。肝転移を治療しなければ、結果はステージ4の寿命と同じまま。46歳ならまだ若いし、肝臓手術をしてくれる病院で手術してもらった方がいい。」という意見をもらいました。私としては、それが出来るならば、ぜひとも手術してほしいと思っています。実際可能なのでしょうか? もし可能だとしたら、そのような病院を、どうやって探せばいいのでしょうか?  以前回答をもらった内容では、肝臓のことは、治療効果が高く、肝臓に1個2個だけいつまでも残っているときには、手術する可能性もあると教えていただきましたが、いつまでもというのは、どれくらいの期間のことなのでしょうか? 
少しでも良くなる可能性があるのなら、出来ることはしてほしいという気持ちでいっぱいです。よろしくお願いします。

もし画像所見、臨床所見から肝臓の病変が乳がんの転移以外のものであることが疑われる場合は、肝生検で診断を確認することが必要な場合もあります。この場合は乳腺の原発巣が抗がん剤治療によって縮小しており、肝臓の病変も同様に縮小しているようなので、乳がんから転移した一連の病変と考えてよいのではないかと思います。転移したがんは、現在肝臓に一個だけあるように見えていても、それは氷山の一角であり、肝臓のほかの部分や他の臓器にまだ見えない大きさの転移がんがあると考えて治療します。ですので、現在見える部分だけを切除したとしても、他の部分をコントロールできなければ、よい治療効果は得られません。効果のある薬を使えば、乳房にも肝臓にもまだ見えない病変にも効果をあらわしてくれます。他の臓器への転移があるがんの治療は、薬の治療を基本とし、手術は補助的に行います。今のところ抗がん剤は乳房や肝臓の腫瘍を縮小する効果を示しているようなので、続行を難しくするような副作用がなければ、このまま治療を続けるほうがよいと思います。
確かに、肺転移や、肝転移が一つしかなくて、他の転移や原発巣が長い間コントロールされている場合は、転移巣を切除することもあります。どのくらいという具体的な基準はないですが、抗がん剤をやめた状態、もしくはホルモン療法のみの状態で、一年程度はコントロールされていないと、切除について検討することは少ないのではないかと思います。転移がんの治療は、「これ」といった正解はありません。その患者さんやがんの状態によって、いろいろな場合があります。今のあなたの状態を一番わかっているのは主治医ですので、主治医とよく相談することが大事です。知り合いの医療者に言われた言葉も、そのまま主治医に伝えて質問してみてはいかがでしょう。その上で、まだ疑問が払拭されない場合は、セカンドオピニオンなども検討されてみてはいかがでしょうか。(文責 俵矢)

 

No.11241-3】  14年01月27日     K
今後の治療について

お忙しいところ申し訳ありません。以前、No.11241でご相談させていただきました。いつもお世話になっております。今回、EC4回を終え、造影CT・エコーで確認したところ、原発巣、多発リンパ転移、肝転移、いずれも見えなくなっており、主治医はカルテにcCRと記入していました。治療は、4回目の時に39度の発熱があったため、今まで100%で投与していたものを、今回から80%にし、その分回数を増やして、使える限度いっぱいまでECを続けるそうです。この後、治療としてはどのようになっていくのか、人によって違うのはわかっていますが、大まかな流れだけでも教えていただけたらと思い投稿させていただきました。よろしくお願いします。

EC治療後は、おそらく他の化学療法(たとえばタキサン系薬剤などの単独・組み合わせ)とホルモン剤を駆使して経過を見ていくことになると思います。(文責 石川) 

 

No.11241-4】  14年03月25日     K
今後の治療について(2)

お忙しいところ申し訳ありません。以前、No.11241で相談させていただいたものです。今回、EC8回後の次の治療を決める際のことでお聞きしたいのですが、主治医からホルモン剤に切り替えるか抗がん剤を続けるかと聞かれています。今現在、cCRなのですが、pCRになる可能性を少しでも増やすためには、1種類(ECのみ)の治療で抗がん剤治療を終えるより、2種類(プラス、タキサン系)した方が確率が高くなるのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか? ホルモン剤は増殖の抑制効果はあると聞きますが、抗がん剤のように癌を死滅させる効果はないのでしょうか? あと、治療のことではないのですが、主治医に直接聞きにくいのでここでお聞きしますが、夫婦生活はしても大丈夫でしょうか? その場合、何か注意することはありますか? よろしくお願いします。

質問有り難うございます。まず、大変な治療をお受けになり、結果が伴っているようで安心しております。さて、この後の治療ですが、stage4にしても、再発乳癌にしても、化学療法、ホルモン療法に終わりはなかなか見出せません。効くからやる、やったから効いた、効いたので続ける・・といった具合です。したがって、どちらの治療をしても長く続ける必要があります。現状、cCR(clinical complete response、ときにremission)という、完全奏効(完全に消えた、ただし画像上ですので、見えない癌細胞は潜んでいるものとご理解下さい)の状態ですので、次の治療薬を用いた時に、治療効果の判定が難しくなります。先に書いたように、頑張ったので消えています、消えているのでもう3ヶ月頑張りましょう、その調子でもう3ヶ月・・といった具合に継続することになります。抗がん剤を行った場合、継続すればするだけ副作用は強くなってくるのが一般的ですので、どこかで中止、休薬が必要なこともあると思います。したがって、抗がん剤を用いても良いのですが、長く継続したときの副作用、という観点からすれば、ホルモン療法で身体を休める、という考えもあるかと思います。もし、現状、さほどつらい症状がないのであれば、タキサン系の抗がん剤(ドセタキセルなら3w毎に4回、パクリタキセルなら毎週で12回)を使用して、その後、ホルモン療法でメンテナンスを行うというやり方も間違いではありません。現状の副作用の有無、効果判定の難しさ、ということからすればホルモン療法を行い、効果が乏しいようであれば、抗がん剤の変更する、というのが良いのかもしれません。よくご相談の上、決めて下さい。
今回、ECを8回とのことですので、この治療は、どちらにしても終了です。心臓の働きがわるくなることがあります。動悸、息切れを感じる時は、主治医に連絡をして下さい。(文責 鈴木)

 

No.11240】  13年11月27日     N
細胞診について

36歳で、7歳と2歳の子供がいます。上の子出産後、授乳時期に、乳首の内側に向かって4センチの所に、コロコロと動く1センチ強のシコリを見つけました。それから、生理に合わせて少し痛かったりもしていましたが、大きさは同じ位のままです。2人目の授乳期間も終わり半年立ったので、先日マンモグラフィ、エコー、細胞診をしてきました。細胞診では、太い注射器のようなものでガチャンと大きな音がするもので、一度で終わりました。帰宅後ガーゼを剥がしてみると、シコリと針を刺した部分が5センチも離れていました。細胞診とは、このようなものなのでしょうか? 次回、結果を聞く時に、このことを聞くのが失礼な気がして迷っています。もう一度、違う病院に行くことも検討しています。お忙しい中すみませんが、教えて下さい。

ご質問有り難うございます。太い注射器のようなものでガチャンと大きな音・・ということなので、細胞診ではなくて組織診だと思いますが、どちらにしても、しこりの真上から針を刺すのではなく、少し遠いところから針を刺しますので、全く問題ない処置だったと思われます。一時的に、内出血(針の刺入経路もしこりも)しますので、少し変色するのと、しこりも大きくなった感じがするかもしれませんが、1週間ほどで改善しますので心配いりません。(文責 鈴木)

 

No.11239】  13年11月27日     N 
手術跡のしこり(HPNo.11128-3)

HPNo.11131でご相談させていただいたものです。早速にご回答くださいまして、ありがとうございました。御礼申し上げます。再度ご相談させて下さい。
手術傷跡のすく下の所(乳頭から左上1センチ位の所)に、最初は丸く小さかったのが、しこりを見つけてまだ3週間位なのに、大きくなったのを感じます。また、そのしこりから乳頭にかけて、棒状のようなしこり(1センチ位)があります。最初小さなしこりを見つけた時、エコーで診ていただいて良性の石灰化と診断されましたが、良性でも短期間で徐々に大きくなっていったり、ただ単に丸いしこりでない事もあるのですか。それとも、これは再発の可能性があるとも考えられるのでしょうか。主治医の先生の定期検診は2ヶ月後なのですが、それまで放っていて大丈夫でしょうか。5年前の手術の断片は陰性で、放射線治療もしました。よろしくお願いいたします。

しこりの大きさに変化がある場合は、再度検査が必要になるかもしれません。良性で短期間に変化することはあまりありません。あわてなくてよいですが、少し診察を早めてもらえる可能性もありますので、病院へ連絡されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.11238】  13年11月27日     N
左頬の腫れ

いつもお世話になっております。以前にも数回こちらにて先生方にお世話になりましたNと申します。ひと月ほど前より、左頬(下顎のあたり、耳たぶから口角の真ん中のあたりが特に・・)が時折腫れてきます。おそらくきっかけは、左下顎あたりに吹き出物が出来、膿が溜まって痛くなってきたので、自身にて、つぶして、膿を絞り出していました、その時に腫れに気づきました。皮膚科でも、恐らく吹き出物を潰したので菌が入ってしまって腫れたのではないか。との事で、塗り薬を貰って、いったん落ち着きました。しかし、時々、朝、鏡で見ると、腫れています、一日中続くことはあまりなく、寝る頃には大分落ち着く、という感じです。最近気づいたのですが、治療中の歯を数か月放置してしまっていて、その部位が痛むと、腫れてくる確率が高い感じです。左下奥歯です。こちらも早く治療を再開しなければいけないのですが、仕事が忙しく、中々行けていません。乳腺外科の主治医には、まだ話していませんが、次回受診日まで、心配です。もしかしたら、転移では?とか、です。術側の左というのも気になります。「乳がんで頬が腫れる」と、インターネットで調べても全然検索できず、悶々としています。一体何が原因なのか?やはり乳腺外科でしょうか? それとも違う科を受診すべきでしょうか? その場合、何科になるのでしょうか? 長文失礼致しましたが、どうぞ宜しくお願い致します。

2011.5より、TC療法×6回済み、現在、ノルバデクス服用中3年目になります。また、不正出血を収めるため、最近デュープリンも始めました。今年末まで、約6か月実施の予定です。
病歴:2011.3全摘
粘液癌(乳管内に非浸潤癌が広がり、基底膜を破っていたのが3か所との事でした)、 サイズ 8o、4o、2o の3つ、  グレード2、  ホルモン共に90%、  脈管侵襲共になし(−)、  リンパ転移なし(−)、  センチネル生検 (0/3)、 Her2(−)、  増殖能(−)

手術結果、経過を考えますと再発の可能性はかなり低いように思います。左の奥歯が原因となっている可能性がありますので、歯科受診をお勧めいたします。(文責 加藤)

 

No.11237】  13年11月27日     R 
わきの下のしこり

乳ガンと言われてないんですが、心配で投稿しました。5年ほど前に会社の検診でエコーを受け、膿疱ありとのことで、病院に再検査に行きましたが、たくさんの膿疱があるけど大丈夫とのこと。それから毎年病院で受けています。今回会社でまたエコーを受け、左乳房に乳腺腫瘤疑いということ、病院で精密検査をうけるようにとの指示で、うけてきました。マンモとエコーをうけました。「左乳房の疑いは膿疱ということ、マンモで左上の方にひとつだけ石灰化がある。一年に一回検査を受ければいい。」と、言われました。左わきの下にも、1センチぐらいのしこりが、何年も前から変わらずあり、心配です。わきの下のしこりも、病院などでは見てるのでしょうか? すべてが左なので、とても心配です。わきの下のしこりは、大きさに変わりはありません。他の病院で、検査をまた受けてみたほうがいいんでしょうか?

何年も前から大きさも変わらずとのことで、心配ないでしょう。すぐ検査を受ける必要もないように思いますが、いかがでしょうか。(文責 加藤)

 

No.11236】  13年11月27日     TA
今後のホルモン剤について(HPNo.10672-3)

以前NO10672で質問させていただいたTAです。トレミフェンを勧めていただきましたが、アロマターゼ阻害剤はどう思われますか?

アロマターゼ阻害剤もよい候補の一つになります。相談されてみてはいかがでしょうか?(文責 加藤)

 

No.11235】  13年11月27日     N 
病理結果

先日は心療内科の薬の件、ありがとうございました。薬は、ジェイロフトではなく、もうひとつの処方された薬だけ飲むようにしました。それだけでも十分効果があるようです。病理結果を、遅ればせながら、主治医にお願いし、もらったのですが、意味がわかりません。

Nuclear grae1(atypia score1,mitotic scoae1*)2-3/10HPF
@Pattern :solhd and crbriform.
AExtent:.confgned within and asound the invasive lesion -Resected ends:negative with more than 5mm of safety margin.〈cancer negative in two additionally resected tissues.〉
-A level 1 lymph Node negative((0/1)
-A17mm sized mastopathy , medio. Cephatic side of the invasive tumor

今さら主治医にも聞きにくく、でも自分の病理を少しでも理解したいのです。お手数で申し訳ありません。この専門的な文章を訳して頂きたいのです。どうかよろしくお願いします。

誤植があり、すみませんが推定範囲内で簡単に申し上げます。がんとしてはおとなしい性格で(3段階に分けると一番いい方の1)、手術した組織の端(断端)にがん細胞はみられない(2カ所追加で切除した所にもがんはなし)。一つ摘出したリンパ節に転移はみられなかった。摘出したがんの近くに乳腺症が認められた。(文責 加藤)

 

No.11234】  13年11月27日     チャーリー
ステージ3c というけれど・・・

初めて相談します。ステージ3cなのですが、腫瘍径は2cm以下で、腋下に微小転移1個と、傍胸骨リンパ節転移1個です。そのため、ステージが思った以上に悪くて落ち込みました。グレード3、 ホルモンどちらも陽性、HER2陰性。術前化学療法はよく効いて、オペ後の病理では非浸潤ガンのみが見られる完全奏効でした。その後放射線治療し、今はタモキシフェン内服のみです。部分切除しています。先程の話に戻りますが、ほぼ胸骨傍リンパ節転移のみで化学療法がよくきいた症例でも、やはり3cとして覚悟が必要なのでしょうか…。

3cとしての覚悟は必要ないと思います。ステージ分類は腫瘍の大きさとリンパ節転移の程度のみで決定されるもので、腫瘍の性格は全く考慮されていません。この分類はいささか古くなった感は拭いきれず、性格も考慮した新しい分類法も提唱され始めています。また、薬物療法の効き具合も重要な因子で、がんの性格(サブタイプ)によっても異なりますが、術前療法で消失が認められた場合の予後はそうでない場合と比べおしなべて良好です。チャーリーさんの予後は一般的にいわれているステージ3の方に比べかなり良好だと思われますので、あまり落ち込む必要はありません。この情報が少しでもお力になれば幸いです。(文責 加藤)

 

No.11233】  13年11月20日     M.Y. 
病理で一部がHer2陽性になりました

40代です。乳がんと診断され、術前化学療法(抗がん剤治療)を行った後、左乳房全摘手術を受けました。センチネルリンパ節生検の結果、リンパ節転移はありませんでした。 病理ですが、術前の針生検では、浸潤がんで、Her2陰性とされていました。 ところが、術後の病理で、浸潤がんに加え、同じ乳房の少し離れたところに数センチ程度に散在する非浸潤がんが存在していたことが分かりました。そして、浸潤がんは増幅なく、Her2陰性ですが、非浸潤がんは増幅値は低いながらHer2陽性であることがわかりました。 説明では、同じ原発のがんで、一部でHer2が強くでたのではないかと言われました。以下について質問させてください。

1) 同じ乳房に同じ原発のがんが複数ある場合(もしくは広がっている場合)、一部がHer2陽性、一部がHer陰性になることはあるのでしょうか。 それとも、異なる原発と考えたほうが自然なのでしょうか。
2) 今回のような場合(抗がん剤治療を行っている。非浸潤部分のみHer2陽性、浸潤部はHer2陰性)、患者が希望したら、ハーセプチン治療の対象となるのでしょうか。

お忙しいところ申し訳ございませんが、どうか宜しくお願い致します。

1) 一つのがんの中で、Her2(+)の細胞とHer2(-)の細胞が混在することはよくあることです。
2) 非浸潤部のER,PR,Her2は、治療の対象として考えません。ですから、貴方の場合はハーセプチン治療の対象にはなりません。(文責 清水)

 

No.11232】  13年11月20日     G
リンパ浮腫について

術後6年目の母親の事で、ご相談させていただきます。左側の温存手術を6年前にしまして 現在アリミデックスを服用しています。ガーデニングが趣味で 、作業をしていたところ、無理をしたみたいで 術側の手の甲が浮腫んでしまいました。病院に行き エコー、マンモグラフィの検査をしたそうです。リハビリにも通いましたが、あまり効果がありませんでした。一度 リンパ浮腫になりますと、元の状態に戻すのは難しいのでしょうか? また、検査はエコーとマンモグラフィだけで問題ありませんでしょうか? 宜しくお願い致します。

乳癌術後のリンパ浮腫は何年経っても起きる可能性があります。一度起きたら、マッサージやスリーブ等の補助装具を使った理学療法が中心です。大きな病院には看護師さんがリンパ浮腫外来を開いているところがあるので、そういうところで相談してみるのも一つの方法です。経過は、すぐに良くなる人がいたり、長引く人がいたりで、個人差があります。こまめなマッサージで、ひどくしないようにすることが肝心です。リンパ浮腫に関する特別な検査はありません、首や脇の下のリンパ節の腫れが原因になっていないかどうかエコー検査を行うくらいです。(文責 清水)

 

No.11231-1】  13年11月20日     Y 
男性の乳頭出血

26歳男性の夫について、ご質問させていただきます。今月7日(木)の夜、入浴前に痛みを感じ、胸を見てみると、右乳頭1箇所より少量の鮮血色の出血がありました(横に伸びているような出血)。お風呂の中でしぼると、また少量出てきましたが、出血はその時限りで、今現在何事もなかったかのように乳頭はきれいです。翌日乳腺外来に行き、触診、エコー、外傷共に問題なし、先生が乳頭をしぼってもなにもなかった為、その時できていたかさぶたを剥がし、分泌物細胞診に出してもらっています。結果は明後日電話で聞きます。この1週間調べ続けたのですが、乳頭からの出血は乳癌の可能性があるとのことで、不安でたまりません。今も腫れもなにもなく、女性化乳房症や乳管内乳頭腫のような感じもしません。だとすると、考えられるのは乳癌だけなのでは?と不安です。よく、うつ伏せでゲームをしていますが、それ以外引っ掻いたり等はないようです。なぜ、男性の乳頭出血がおこるのでしょうか?また、そのような男性を見たことありますか?
補足として、今春の健康診断でガンマgptの値は高く、二次検査では痩せればよいだけだと言われました。現在服薬はしておりません。よろしくお願いします。

確かに、26歳男性の乳頭血性分泌は珍しいと思います。一般的に、血性乳頭分泌の原因ががんの場合は分泌が一回で止まってしまうということはなく、断続的に続くことが多いので、今回のご主人の血性乳頭分泌の原因ががんである可能性は低いと思います。検査は触診、MMG、US、細胞診です。続くようなら乳管造影が良いと思います。ご主人の場合は、現時点では細胞診の結果を待つしかないですね。(文責 清水)

 

No.11231-2】  13年12月23日     Y 
男性の乳頭出血(2)

先月、26歳男性乳頭出血で相談させていただいたものです。あれから、分泌物細胞診の結果が出まして、「class2、出血と共にリンパ球好中球少量見られる」とのことでした。乳腺外科の先生は、「細胞診も陰性だし、経過観察でいいかな」とおっしゃっていたのですが、出血の原因がわからず不安だったため、紹介状を書いてもらい、総合病院の乳腺外科へ行きました。総合病院の乳腺外科でも、視触診はしておりませんが、マンモグラフィ、エコー共に異常なしでした。血性分泌物は、先月の一度きりしか見られておりません。医師の紹介状には、「エコーで異常なし。かさぶたを剥がし細胞診をしましたが、かさぶたを剥がしたことによる皮膚からの出血の可能性もあり、正確な判断はできていません。かさぶたの隣接部分より透明の分泌物あり」と、書かれていました。その紹介状を見た総合病院の医師は、主人がアトピーだった事もあり、「アトピーによるものでしょう」とおっしゃっていたのですが、痒みもなく、外傷もみられないのに、アトピーで出血なんてことはあるのでしょうか? 血性分泌は一度きりだったので、私の考えすぎかなとも思うのですが、これから、またある日突然出血し、実は非浸潤性乳癌だったなんてことになったらと思うと不安です。若い男性の非潤性乳管癌はありえますか? もしガンの場合、エコー、マンモグラフィどちらかに異常は見られるものでしょうか? どうかご意見よろしくおねがいします。現在はしぼっても血性分泌は見られず、服薬もしておりません。

直接拝見していませんのでメール内容からの推察になりますが、やはり乳癌の可能性はとても低いと思われます。血性乳頭分泌を伴う男性乳癌であれば、視触診、エコー、マンモグラフィのいずれにも異常が見られなかったのはとても不自然でありますし、もしガンであれば出血も一度きりでその後変化なしということも通常ありえません。また男性乳がんは20代の若年者に生ずることはほとんどなく、ご主人様が26歳という年齢を考えてもやはり不自然と考えます。このまま異変がなければ放置して良いと考えます。(文責 谷)

 

No.11230】  13年11月20日     H 
非浸潤乳管癌の診断

お世話になります。よろしくお願いします。
乳癌で全摘手術を受けました。術後の病理結果は非浸潤性乳管癌であるので、無治療とのことです。診断の際、5mmスライスするとありますが、私は1pでスライスして調べられたそうです。見つけられなかった浸潤部があるのではないか、このままで良いのか不安に思っております。何か方法はないでしょうか。よろしくお願い申し上げます。

乳房全摘した標本では5mmスライスは無理だと思います。例え1cmスライスでも割面の検査で浸潤がんがなければ非浸潤性乳管癌として扱います。1cmの幅のなかに浸潤癌がある可能性は否定できませんが、それは5mmの幅でも同じことです。基本的に術後は無治療でよいと思います。(文責 清水)

 

No.11229】  13年11月18日     A 
右肘付近ののコリコリした塊

3年ほど前に、右乳の温存手術(約1.6cm)をしました。腋窩リンパ節に転移があり、リンパ節も廓清いたしました。毎年、全身検査を受けていますが、今のところ、転移・再発等はありません。術後、しばらくして気付いたのですが、右の肘付近の内側に、コリコリした塊のようなものを見つけました。そのしこりのようなものを担当医に相談しましたが、関係ないと言われ、そのまま放置しています。しかし、少しずつ大きくなっており、最近そのしこりのあたりの腕がだるくて、ツライのです。術中に腱か何かが切れて、肘に溜まってしまったのかな、と思っていたのですが、実際、原因等は何だと思われますか? 乳がんとは本当に関係ないのでしょうか? もし、乳腺外科での治療でない場合、何科に相談すればいいのでしょうか?

Mailの症状からは乳がんとは関係ないように思います。整形外科を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.11228】  13年11月18日     N.S. 
抗がん剤(TC療法)

今年5月に乳がんの左乳房温存手術を受け、年末で50歳になります。放射線治療を25回受けた後、現在術後再発予防の抗がん剤(TC療法)を6回の予定で受けており、3回目の投与まで終えました。この6回という投与回数に疑問がありまして質問させていただきたいと思います。同じ再発予防のTC療法を受けている方を乳がんブログの中で何人も見つけましたが、皆さんほとんどの方が4回の予定、または4回で終了しています。ネットの中で、TC療法は6回でも4回でも効果は変わらないというのも、どこかで読んだ記憶もあります。私はなぜ6回なのでしょうか? 6回受けたほうがいいのでしょうか? 主治医に「私は悪性度が高いから6回なのですか?」と、伺いましたら、「いや、そうではなくて。僕は4回で大丈夫かな〜と思うんですよね。」ということでした。他の先生方はどのようにお考えになるか、知りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。以下に私の病理結果を明記いたします。

Left breast,partial resection,Invasive ductal carcinoma,solid-tubular carcinoma>scirrhous carcinomag
g(+),f(-),s(-),ly(+),v(-),EIC(-)
割面最大径18x13mm大、淡黄褐色調の充実性腫瘤が認められる。組織学的にはクロマチンが増量し腫大した楕円形〜類円形の異型核、明瞭な核小体を持ち、弱好酸性の胞体を有する腫瘍細胞が太い索状、大型胞巣状、シート状を呈して浸潤性に増殖する充実性腺管癌の成分が主体である。部分的には小胞巣状、細索状を呈して浸潤性に増殖する硬癌の成分も認める。
Nuclear grade3(score5=2+3)
腫瘍細胞は乳腺組織内に留まっている。
D2−40の免疫染色にて軽度のリンパ管侵襲が認められる。明らかな静脈侵襲像は認められない。
迅速診断時の結果も合わせて切除断端は陰性と判断する。
腫瘍細胞は免疫染色にてER(+90%),PgR(+70%)示す。
Ki−67は約40%。
センチネルは陰性、郭清を省略。
ルミナールB
オンコタイプDX結果 : 
  再発スコア  38   
  ERスコア  10.1  Positive
PRスコア  7.0   Positive
HER2スコア9.9 negative

以上になります。抗がん剤治療は、やはり副作用も色々あり、つらいです。4回で終われるものなら終わりたいと、切に思います。何卒ご回答をよろしくお願い申し上げます。

標準的なTCの投与回数は4サイクルです。貴女の主治医の先生の考えでは6サイクルなのでしょう。主治医の先生とよく相談してください。(文責 清水)

 

No.11227】  13年11月18日     M.O
術後治療とセカンドオピニオン

52歳、閉経後。1年程前、市の検診で要精密検査の判定を受け、総合病院で再検査(マンモ・エコー)したところ、経過観察。3か月後も変化がなかったのですが、6か月後に大きさが6o→10oになっていたため細胞診を行い、classXと判明、9月に右乳房部分切除(60o×60o)を行いました。ところが病理結果で断端陽性ということで、10月に追加手術になりました。現在2度目の病理結果待ちで、治療も開始待ちです。1度目の結果は、浸潤性導管癌(硬癌)、whole size 12×7o, invasive size 10×7o, histological grade 2, ER+, PgR+, HER2 0, センチネル生検−(0/2), ki67は数値結果がなく、ルミナルAかBはわかりませんが、今後抗がん剤(タキソール4コース)、放射線、ホルモン療法5年と言われております。追加手術実施やリスク分類が曖昧等の不安があったため、思い切って大学病院のセカンドオピニオンを受けました。そこで私のタイプに対する化学療法の有無や、する場合の方法が標準治療ではないと言われたり、術前検査(CTはしたがMRIは未)や、追加手術(術中迅速診ができないため)等、セカンドの病院とは違いがいくつか見られました。症例件数の圧倒的な違いも気になるところで、今後現在の病院で治療を行うことに正直不安を感じ、迷いが出てしまいました。治療もさることながら、現在反対側にも石灰化が複数見られたり、右の他にも小さな腫瘍があるため、それらの今後のフォローにも不安が残ります。周りには転院を勧められておりますが、主治医を信頼して2度も手術したこともあり、簡単には決断しがたく、迷うばかりです。貴重なご意見を頂きたく、よろしくお願いいたします。

貴女の現在の主治医の考え方と、2nd opinionの病院の考え方と、どちらが自分に合っているかよく考えて結論を出してください。第三者が判断するのではなく、貴女が自分で判断を下すことが大切です。(文責  清水)

 

No.11226】  13年11月18日   M 
右胸の乳輪付近に膿がたまる(2)(HPNo.11223-2)

回答いただき、ありがとうございます。どういう病気なのかもわからなかったので、大変助かりました。娘が今行ってる病院は、Tブレストクリニックです。先生は、「以前より良くなっているので、しばらく様子を見たほうがいい。」と、言っていますが、娘も私も摘出しないと治らないで、毎月続くと思っています。先生の所では、摘出できないそうです。都内の大きな病院か大学病院が良いと思うのですが、どこの病院に行けば良いか教えて下さい。よろしくお願いします。

どこの病院へ行けばよいかは、現在の主治医の先生に相談され、紹介状を書いてもらうのが良いと思います。診察をしていない私達には紹介はできません。(文責 清水)

 

No.11225】  13年11月15日   M
背中の痛み

51才。7年半前に両側乳ガン(右非浸潤ガン8ミリ、左浸潤ガン2.1センチ)で手術、ホルモン療法、放射線治療をしました。ここ最近、10日程前から、右側だけ広い範囲で、背中がズキズキ痛みます。なんとかがまんできる範囲で筋肉痛ではない感じですが・・・。熱も咳もありません。横になっていると、比較的痛みは和らぎます。ガンとは関係のないものならいいのですが、肺や肝臓や骨などへの乳ガンの遠隔転移で、そのような症状がでることがありますか? また、放射線治療の後遺症で、何か疾患が起こったということも考えられますか? 治らないようなら、近くの内科か整形外科に行ってみようかとは思いますが、手術をした大学病院の次の定期検診が4月で、まだ先なので、心配です。ご回答をよろしくお願いいたします。

肺や肝臓への転移で、そのような症状が出ることはまずありません。放射線の後遺症としての症状とも考えにくいです。主治医の先生に臨時の診察をお願いするか、貴方がお考えの様に内科の先生を受診することをお勧めします。(文責 清水)

 

No.11224】  13年11月15日   T
リュープリンを追加するかどうか(HPNo.11123-3)

HPNo.11144にて質問をした者です。リュープリンをするかしないかで悩んでおりますので、ご指南いただきたくメールしました。術前抗がん剤の後に手術をし、残っていたしこりが若干ER+だったため、タスオミンを服用しています。主治医と、生理が戻っているのでリュープリンをどうするかという話をしました。主治医曰く、「私のガンは術前の検査ではトリプルネガティブで、たまたまER陽性の部分が残ったと考えられる。普通ホルモン陽性で30代の患者さんにはリュープリンを勧めているが、私の場合は元がトリプルネガティブだから迷うところ。リュープリン自体も、タモキシフェンのように効果が実証されていないので、やったから再発を抑えられるかわからない。」ということでした。先生なら、このケースではリュープリンの追加を勧めますか? もう一つ、若干術側の腕に突っ張る筋があり、手を伸ばすと痛いのですが、緩和する方法はあるのでしょうか? ずっと治らないのでしょうか? よろしくお願いします。

閉経前のホルモン療法で、タモキシフェンにリュープリンもしくはゾラデックスを追加した場合に再発率が低下する、死亡率が減少するというエビデンスはありません。また、効果がないというエビデンスもありません。ですから答えはありません。良いという証拠がないからやらないのか、悪いという証拠がないからやるのか、貴方の考え方次第です。腕の内側の索状の突っ張りは、診察をしていないので何とも言えませんが、この時期に多いのは腕の静脈の血栓性静脈炎だと思います。腋窩、乳房の手術をした後によくできます。暫くすれば何も治療しなくても自然に治癒しますので、突っ張っている間は無理をしないことです。長引くようなら主治医の先生の診察をお勧めします。(文責 清水)

 

No.11223-1】  13年11月12日   M 
右胸の乳輪付近に膿がたまる

初めてメールさせていただきます。私の20の娘の事です。出産経験は、ありません。去年から、毎月生理の後、右胸の乳輪の周辺が赤くなり、膿がたまります。病院で、半年ぐらいは、飲み薬と点滴で治療していたのですが、それでも治らず、違う病院で切らないといけないと言われました。2cmほど切って膿を出してもらい、消毒のため通院したので、これで良くなると思ったのですが、次の月も生理が終わるとまた同じところが膿んでしまい、また切開して膿を取り、同じ事を3回繰り返しています。今月も、生理が終わり、また膿がたまり、もう切りたくないと言って、自分で膿を出してしまいました。この先も毎月続くのかと思うと心配でなりません。どうしたらいいのか教えて下さい。よろしくお願いします。よく母乳をあげている方で膿がたまると聞いた事があるのですが、娘のように若い人でもなる方がいるのでしょうか?

Mさんご相談ありがとうございます。ご令嬢の状態について私のお返事で、心配が減れば嬉しく思います。
さて乳輪の周辺皮膚から繰り返して膿が出る場合、乳輪下膿瘍と乳輪部にできた粉瘤(ふんりゅう)が考えられます。どちらかは最終的には診察させて頂かないと分かりません。粉瘤であれば皮膚の病変ですから、炎症が落ち着いたときに摘出してしまえば治ります。しかし乳輪下膿瘍の場合は原因を突き止めて治療を行わないと完治はなかなかしません。Mさんのご令嬢のようにお若い方でも、どちらの病気も発症はします。今診て下さっている先生が一般外科の先生であれば、乳腺専門医の受診をお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.11223-2】  13年11月18日   M 
右胸の乳輪付近に膿がたまる(2)

回答いただき、ありがとうございます。どういう病気なのかもわからなかったので、大変助かりました。娘が今行ってる病院は、Tブレストクリニックです。先生は、「以前より良くなっているので、しばらく様子を見たほうがいい。」と、言っていますが、娘も私も摘出しないと治らないで、毎月続くと思っています。先生の所では、摘出できないそうです。都内の大きな病院か大学病院が良いと思うのですが、どこの病院に行けば良いか教えて下さい。よろしくお願いします。

どこの病院へ行けばよいかは、現在の主治医の先生に相談され、紹介状を書いてもらうのが良いと思います。診察をしていない私達には紹介はできません。(文責 清水)

 

No.11222】  13年11月12日   S 
ステージ4 遠隔転移後の治療

お世話になります。よろしくお願いします。
2003.12 左乳がん手術。35歳 。温存術後、放射線。ホルモン療法 ゾラデックス
2006.12 左肺転移
2007.1 左肺部分切除手術、抗がん剤 CEF 6クール、 ホルモン療法 ゾラデックス( 寛解状態〜2012.10まで)
2012.10 左乳房局所再発、 確定診断検査の為、摘出手術。 ゾラデックス継続。
2013.6 44歳。PETCTにて、両肺多発性転移、縦隔リンパ節転移、
2007.1 肺手術跡に播種転移が判明、ゾラデックス継続、ノルバデックス追加
2013.10  45歳CTにて、肺転移などの大きな変化無し。超音波検査にて、右鎖骨上に最大1.4cm転移判明。現在ゾラデックス、ノルバデックス継続中。

ホルモン療法の継続を希望していますが、右鎖骨上に転移判明し、効果が無いのでしょうか。肺などは大きな変化が無いので、まだ、ホルモン療法は有効でしょうか。できるだけ、生活の質を保てる治療を望んでいます。過酷な抗がん剤治療をして、どれほどの効果が望めるのか、主治医は答えてくれませんでした。私の意向を取り入れ、第一選択は、肺転移に効果が望め副作用の少ないビノレルビンを提案されました。主治医、セカンドオピニオンの先生からは、完治しない、延命のみと言われています。タキサン系は、未使用なので使えますが、副作用が大変怖く、効果との相対を考えると、使用しないのが良いように思います。ステージ4に、標準治療は無いとも言われました。今後、どの様な治療を選択すれば良いでしょうか。

Sさん、ご質問ありがとうございます。私のお返事でSさんの疑問が少しでも解消すれば嬉しく思います。
Sさんの現在の肺転移の状態がご質問内容からは分かりませんが、肺転移診断後7年間ホルモン治療を継続されているところから、転移個数は多くても成長が遅く、それほど大きくなかったと推察致します。新たなリンパ節転移は直接生命に危険を及ぼさないと考えると、ホルモン治療を継続するという選択肢があります。Sさんが閉経前であれば、次のホルモン治療として考えられるのは、卵巣機能抑制(現在のゾラデックスもしくはリュープリンというお薬があります)に加えて、アロマターゼ阻害剤(アリミデックス、アロマシン、リュープリンがあります)の併用が考えられます。ただし、この使い方は保険適応外です。肺転移もリンパ節転移と同様に進行している状態であれば、生命に危険を及ぼす可能性があると考え、抗がん剤の使用をお勧め致します。転移再発乳癌の治療の目的は、延命と生活の質の維持ですが、治る方がいないわけではありません。Sさんがおっしゃるように治療で生活の質が極端に落ちてしまっては意味がありませんが、現在は抗がん剤による副作用を抑えるお薬も多くあります。それぞれのお薬の副作用と、それを抑えるお薬等をよく担当医の先生にお聞きになり、ぜひ後悔しない治療を選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11221】  13年11月12日   Y 
今後の治療について

今年9月に右乳癌全摘手術をしました・・・術前は小葉癌とは言われてなく・・・温存手術でいけると言われていましたが・・局所再発が怖かったので、全摘でお願いしました。
術後病理の結果は、切除術Bt+SNB 14、0×14,0 ×2.5CM
腫瘍径 8.50×8.50×3.30CM ,腫瘍径in situ ca 含む;8.50×8.50×3.30CM
組織分類;invasive lobular carcinoma
核異型スコア;2 核分裂スコア1(1/10HPF), 核グレード1
ER:Allred PS5 IS3 TS8、P&R;Allred PS5 IS3 TS8
HER2:score0,強陽性:0%、中等度陽性:0%,弱陽性:5%
波及度:gf,リンパ管侵襲:ly、静脈侵襲:v0
断端:皮膚側;−、1.0mm inv #21, 深部側:−、側側;−、乳頭側;−
in situ ca++,EIC+,娘結節−、comedo−、石灰化−、リンパ球浸潤+
リンパ節転移:合計(0/2,i+)
SNB(0/2)

UICC7版:pT3 pN0 Stage UB,  規約17版:pT3 pN0 pM0 Stage UB

中等大類円形核を有する極性に乏しいcarcinoma cellが、一列縦隊、個細胞性、胞巣状に増殖するinvasive lobular carcinoma (ILC)がみられます。一部には腺管状のdoctalな構造
(#12)が見られますが、ILCが大部分です。A領域(#9,12,16)で密に増殖している他に、CEBD領域の広い範囲にILCのfocusが広がっています。in site ca.はlobular carcinoma in site (LCIS)と、
flat,papillary,cribriform
type のdoctal carcinoma in situ(DCIS)の両方が見られ、DCISが多く見られます。

診断
Invasive lobular carcinoma,right breast ,Bt+SNB、area=ACEBD
8.50×8.50×3.30、  n(0/2,i+), margin −、NG(1), ER(8),PgR(8)
HER2(0),gf,ly1,v0,status:primary,UICC7th:pT3 pN0 pM0
stageUB、Jap17th:pT3 pN0 pM0 stage UB

上記が術後の病理診断で、オンコタイプDXの検査をして低スコアだったので、タモキシフェンを飲むことになりました。抗がん剤の治療は必要無いでしょうか? 3名の医者の判断はホルモン療法で良いと言うものでしたが、小葉癌であった事・・・広がりが8センチ・・・。心配です。それと、小葉癌は反対側にも癌ができるリスクが高いと聞きました。反対側も予防的に摘出したほうが良いのでしょうか? よろしくお願いします。

Yさんご相談ありがとうございます。 私のお返事でYさんの不安が減れば嬉しく思います。
乳房温存術で切除可能と言われたのに、切除した乳癌が予想より大きく、さぞ驚かれたことと思います。しかし小葉癌では時々見られることです。術後の治療ですが、以前であれば乳癌が大きければ抗がん剤を使用していました。しかし今は乳癌の大きさよりも、乳癌そのものの性格で術後の治療を決めていくことが一般的です。Yさんの乳がんは、女性ホルモンを栄養として成長するタイプ(ホルモン受容体陽性)で、その他の検査項目も大変おとなしい性格と考えられるタイプです。それを裏付けるように、オンコタイプDx検査の再発リスクも低かったのだと思います。抗がん剤を使用することによる再発を抑える効果と副作用等の体への負担を天秤にかけた場合、Yさんへの抗がん剤使用は効果よりも負担が大きいと思われ、必要ないと考えるのが一般的です。また対側の予防的乳房切除も不要と考えます。多くの先生にご相談なさってらっしゃる様ですが、今一度ご担当の先生とYさんが納得されるまでお話しになることがよいと感じました。(文責 斎藤)

 

No.11220】  13年11月12日   F
術後の治療について

お世話になります。片方の乳房切除の手術を受けました。術後の病理診断は、非浸潤性乳管癌。広がり4cm。grade high。ER5%PgR(−)HER2+3。 コメド型。無治療と言
われておりますが、広がりが大きく、悪性度が高いので心配です。今、受けられる治療はありませんか。ハーセチプンなどは、どうなのでしょうか。お忙しいところ申し訳ありません。宜しくお願い申し上げます。

Fさんご質問ありがとうございます。 私のお返事で疑問が解消できると嬉しいです。
Fさんの非浸潤性乳管癌はHER2が3+と強陽性でした。ご質問にありましたHER2強陽性の乳癌に対するハーセプチン投与による乳癌再発予防効果ですが、この試験は浸潤癌に対して行われ、また化学療法との併用で用いています。非浸潤癌は予後(今後の見通し)が極めて良好な癌であり、術後化学療法やハーセプチンを用いないで経過を見ていくのが一般的です。今受けられる治療としては、ERが5%とわずかに陽性であったことから、ホルモン治療は選択肢の一つとなります。癌と言われ心配やご不安があることは当然だと思いますが、今後の治療については、ご担当の先生とよくご相談頂き、効果と副作用を納得した上でお受けになることをお勧め致します。(文責 斎藤)

 

No.11219】  13年11月12日   S.E
ホルモン治療と生理について

5月に左胸の温存手術を受け、7月よりノルバテックス10mgを、朝晩服用しています。服用後の2ヶ月は通常通りに生理がありましたが、経血量はとても少なく、不正出血のような感じで、2日くらいで終わってしまい、9月を最後に生理が止まっています。生理前のお腹の張りや痛みはあるのですが、生理にはなりません。ホルモン治療中は子宮体がんのリスクも高まると本には書いてあるので、生理が止まったことにより子宮体がんの可能性が高まるのではと、心配です。他に薬の副作用と思われる症状はありません。定期的に子宮体がんの検査を受けた方が良いのでしょうか。ちなみに年齢は47歳です。

S.Eさんご相談ありがとうございます。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。さて術後6か月を経過し、少し落ち着いてきた頃でしょうか。ノルバデックスの副作用には、S.Eさんもご存じのように子宮体癌リスクが上がります。しかしノルバデックスを内服している方全員の、定期的な検診や生検の有効性は明らかにはなっていません。ただし普段の生理と異なる出血量や間隔などの異常があった場合は、婦人科受診をお勧めしています。(文責 斎藤)

 

No.11218】  13年11月12日   Y.G.
アリミデックスとポリフェノールの関係について

アリミデックスを服用しています母の事で、質問させて頂きます。アサイーなどのポリフェノールを多く含んだジュースを毎日飲んでいるのですが 、女性ホルモンを増やしてしまったり 治療の妨げになったりしませんでしょうか? よろしくお願いします。

Y.Gさんご相談ありがとうございます。今は色々な情報が氾濫しているので、何を信用して良いか迷ってしまいますよね。ご質問頂きましたポリフェノールについて私も調べてみました。ポリフェノールとは一つの物質の名前ではなく、たくさん(ポリ)のフェノールという意味で、ほとんどの植物に含まれる物質です。したがって、ぶどうから作られるぶどうジュースやワインにも含まれますし、コーヒーやお茶にも含まれています。女性ホルモンに対する影響や現在内服しているお薬に対する作用ですが、内服しているホルモンに対する影響に関する報告は見つけられませんでした。したがって妨げになるかどうかは不明です。また補完代替医療に関するガイドライン等も確認しましたが、ポリフェノールに関する記載はありませんでした。せっかくご質問頂いたのに、はっきりしないお返事で申し訳なく思います。(文責 斎藤)

 

No.11217】  13年11月12日   S
ホルモン剤アリミデックスの副作用に悩まされています

今年5月23日、乳癌の手術をしました。 病理検査の結果、非浸潤性乳管癌0期(DCIS)で、T.N.M.分類 T(?)N(0)M(0) tis  臨床病期0 異型度Grade3。術式 乳房切除。病理組織学的
腫瘍径 腫癌形成タイプではなく、石灰化のため判定は困難。断端(−) 脈管浸潤(−)
 センチネルリンパ節生検実施SLN(0/1) 。全摘出したので、放射線治療なし、抗がん剤治療なし。ホルモン受容体は10%、 HER2 +3で、全摘出したので、手術のあとは無治療だと思ってい
たら、ホルモン剤アリミデックスを5年間服用していただきますと言われました。初めは何の副作用もありませんでしたが、5ヶ月目からフワフワめまいがひどく、イライラもひどく、頭痛、倦怠感、いろいろ出てきました。10月24日朝、吐きけがひどく、一日寝ていました。先生に話すと、「我慢できなければ、ホルモン剤アリミデックスをやめるしかないね。」と、言われるだけです。副作用を和らげるため、漢方薬加味逍遥散を出してもらいましたが、全然効かず、10月20日に倒れました。内科で、頓服としてトラベルミンを出してもらっていたので、すぐのみ、落ちつきました。フワフワしそうになるときは、前もってトラベルミンを飲むようにしています。非浸潤性乳管癌0期tisの場合、転移再発は極めて低くく、100%に近いんですよね? もし、ホルモン剤アリミデックスをやめると、再発転移は何%ぐらいの割合になるのでしょうか? 怖くて、つらいですが、ホルモン剤をやめることができません。このまま続けていたら、なれてくるのでしょうか? 今は、なんとか副作用とたたかっていますが、いつまで我慢できるか、わかりません。ご意見よろしくお願いします。副作用を我慢して、5年間我慢して、頭痛、倦怠感、凄いイライラ、吐きけ、フワフワめまい、いろいろひどくなる一方です。乳腺外科の先生は、話すと、ホルモン剤アリミデックスをやめるしかないねとしか、言われません、思い切ってやめて、再発転移を怖がって生きるか、いつなれてくれるかわからない副作用を我慢して5年間飲み続けるか、悩んでいます。頭が変になりそうです。 どうか、わかりやすく教えていただけますか?  (50代/女性)

Sさん、ご相談ありがとうございます。 私のお返事で少しでも疑問や不安が解消できると嬉しく思います。
Sさんの乳癌は乳房切除術を施行した結果、非浸潤癌という結果だったのですね。最新の乳癌診療ガイドラインを確認してみますと、非浸潤癌に対する術後内分泌療法としてのアリミデックス(アロマターゼ阻害剤)の有用性については、未だ報告がないため、現時点での使用は推奨されていません。推奨されているのは抗エストロゲン剤ですが、これも再発抑制の利点と副作用の欠点を良く話し合って投与の可否を決定することが勧められています。したがって現在の治療で日常生活に大きな支障があるようであれば、治療は手術のみというのも選択肢の一つと思います。またセカンドオピニオンという他の病院にいる乳腺専門医の意見を伺うのも、よいのではないかと思います。最終的にはご担当の先生とよくご相談頂き、今後の治療継続についてお決め頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11216】  13年11月12日   MS
今後の治療について

術後の治療で、抗がん剤をプラスした方がいいのか悩んでいます。部分切除で、センチネルリンパ節では転移がなく、リンパ節郭清はしていません。ですが、術後の病理診断で、顕微鏡ではわからない程度の物があったと言われました。病理診断は下記の通りです。

(39歳)
乳頭腺管癌:ステージUa T2 pN0 pM0
腫瘍径:1.8cm×2.6cm×1.4cm
核グレード:1
ER:TS8、PgR:TS8
HER2:0
ly:1、v0
リンパ節転移:合計(0/1, i+)SNB(0/1)
Ki-67:19.4%

リンパ節転移のi+とリンパ管侵襲1というのが気になり、抗がん剤をするべきかどうか迷っています。主治医は、本人の判断に任せるという感じでした。できれば抗がん剤はやらず、ホルモン療法と放射線治療のみにしたいと思っています。アドバイスをお願いいたします。

MSさん、ご質問ありがとうございます。私のお返事で少しでも悩みが解決できれば嬉しく思います。
さてMSさんが疑問に思っている「リンパ節転移 i+」という意味ですが、免疫染色という特殊な方法でやっと見つかった転移と言う意味です。したがって転移はあるのですが、非常に微小な転移とご理解下さい。再発や転移などの全身に重大な影響を及ぼす可能性は、とても低いと考えられます。ホルモン剤と放射線治療のみでも十分と思います。ご担当の先生とよくご相談頂き、後々後悔しない治療を選択して頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11216-2】  15年07月22日   MS
リュープリンの継続について

以前、11216で質問させていただきました。丁寧な回答有難うございました。その後ホルモン療法で、タモキシフェンとリュープリンを行っていますが、もうすぐ2年がたち、リュープリンをこのままやめるか、3年まで延長するか悩んでいます。ホルモン強陽性で、生理が戻ってきても大丈夫なのか、すぐに出産を望んでいないこともあり、延長すべきかと思うのですが、副作用のホットフラッシュが酷いので、終了することで軽減すればと思う気持ちもあります。リュープリン2年と3年では、さほど再発率など変わらないのでしょうか? 腫瘍が2.6センチと少し大き目だったことも気になっています。またCYP2D6遺伝子検査をして低ければ、3年続けた方がいいのでは?とも思うのですが、この検査自体は有効なものでしょうか? お忙しい所申し訳ありませんが、回答お願いいたします。

リュープリン2年よりは3年の方が多少再発率は少ないと思います。CYP2D6遺伝子検査は、タモキシフェンが効きやすいかどうかをみる検査です。日本乳癌学会による乳癌診療ガイドラインの推奨グレードでは、CYP2D6遺伝子タイプを調べることは科学的根拠は十分といえず、実践することは基本的に勧められないとなっています。(文責 石川)

 

No.11215】  13年11月12日   A
肺転移?(HPNo.11039-2)

以前 NO11039で相談させていただいたAです。2003年2月、左胸全摘。硬がん。リンパ節転移有り(2/18)。T2N1M0。抗ガン剤、エピルビシン・タキソテール4回投与。2012年12月の血液検査で、st439が7.5となる。その後2013年2月のCT検査は異常なし。骨シンチに1箇所集積あり。9月の骨シンチの結果、以前の所は変わりなく、打撲痕で心配ないが、新たな集積が1カ所あるので、腹部、胸部CTを10月21日(月)に受けました。その結果が本日(11月5日)わかりました。肺に4カ所、今まで無かったところに白く映っていました。先生は、「極めて転移だと思うが、呼吸器内科で専門家に診てもらい、確定してから治療方針を考えましょう、呼吸器内科で必要なら組織をとって調べてもらってください。」とのことです。腫瘍マーカーが極端に上がっていたら確定するが、そうでもないので…ということでした。肺転移として、どのような治療が考えられますか。また今後どのような症状が現れるのでしょうか。なぜ今日肺転移という診断がくだらなかったのでしょうか。仕事はすぐに辞めるべきなのか(フルタイムでしています)など、不安だらけです。主治医だった先生は個人病院で家から遠く、家の近くの総合病院で、毎年CTと骨シンチを受けていました。今後は総合病院の先生に診ていただくつもりです。この場合、最初の手術の病理結果などを今までの主治医から書類に書いていただいて、新しい先生に持っていった方が良いのでしょうか。まとまりのない文章で申し訳ございません。今は不安ばかりです。あとどれくらい生きられるのか?誰にもわかりませんよね。これは。でも、受けられる治療をしっかりうけていきたいです。お忙しい先生方に大変申し訳ないとは思いましたが、相談させていただきました。

Aさん、ご質問ありがとうございます。私のお返事で少しでも不安が減れば嬉しく思います。
さて胸部CTでの、腫瘍についてお返事申し上げます。術後10年経過して見られた肺腫瘍のため、ご担当の先生は組織学的に乳癌の転移なのか、それ以外の腫瘍なのかをしっかり調べて治療方針をお決めになりたいのだと思います。また転移であった場合でも、最初に手術した乳癌の性格と、転移をした乳癌の性格が変わっていることがあります。このため組織を取れるようであれば、組織も取って調べてもらって下さいとおっしゃったのだと思います。肺転移への治療ですが、薬物療法が一般的です。薬物療法には、ホルモン剤、抗がん剤、分子標的治療薬とあり、飲み薬であったり、点滴のお注射であったり、様々な方法があります。しかし副作用で寝込んでしまうことは少ないので、すぐにお仕事をお辞めになる必要は無いと思います。また今後見て頂く総合病院の先生にとっては、最初の手術やその後の治療経過などは非常に重要な情報ですから、ご自宅の近くの先生にお願いして、ぜひ紹介状をお書き頂いてもらって下さい。突然のことで多くの不安があると思いますが、一つ一つ解決していって今後の治療に望んで頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11214】  13年11月12日   MT
今後の抗がん剤について

今後の治療について、アドバイスをお願い致します。私は、発見時から乳がんステージ4で、肺転移をしております。手術は出来ず、今までウィークリーでタキソールを15クールやり、効果がなくなってきたので、フェマーラを1ヵ月、胸水が溜まってきて苦しくなったので、フェマーラを中止して、今はFECを2クール終わったところです。FECは効いている気がしますが、血管痛がひどく、次回できるか分かりません。主治医から、次の抗がん剤は、ハラベンか、TS-1という飲む抗がん剤はどうかと言われました。ホルモンタイプなので、ホルモン治療のも効くと言われましたが、フェマーラは効果が出ず、やはり抗がん剤で腫瘍を抑えていくのがいいのかもと思いますが、ポートは入れたくありません。まだ、肝臓には転移は見られませんが、次の抗がん剤はハラベンがいいのか、よく分かりません。また、乳がんのステージ4で、TS-1で効果が期待出来るのでしょうか? 他にはないのでしょうか? よろしくお願いいたします。

ご相談ありがとうございます。私のお返事でMTさんの疑問が少しでも解消すれば嬉しく思います。
今までの治療経過はタキソール→フェマーラ→FECを行っているのですね。治療開始から7ヶ月目ぐらいでしょうか。現在の肺転移の状況がご質問の内容からでははっきりと分からないのですが、胸水がたまってきていることから、やや進行していると判断し、お返事致します。まずMTさんに使用可能な抗がん剤はまだ多くあります。(点滴では、ハラヴェン・ジェムザール・ナベルビン・タキソテール・アブラキサン・トポテシンなど、内服ではTS-1・ゼローダなどです) 点滴の治療薬が多く、今後も血管痛や血管外へのお薬の漏れや点滴が入れにくくなる事などが予想されますので、ポートを入れることをお勧め致します。ステージ4でもTS-1の効果は期待できます。また肺転移の状況が改善し落ち着いてくれば、ホルモン治療も選択肢の一つになってきます。また胸水で苦しい場合は、胸水を抜いて苦しさを取ってから、またお薬の治療を開始すれば良いと思います。色々とご不安がおありだと思いますが、疑問はご担当の先生に伺って、解消してから、納得のいく治療をお選び頂きたいと思います。(文責 斎藤)

 

No.11213】  13年11月07日    Q  
今後の治療方針について

乳がんについて色々と調べまして、こちらの相談室を拝見しまして、初めて相談させて頂く、40代前半、既婚女性(子供無)です。お手数をお掛け致しますが、宜しくお願いいたします。約半年前の超音波検診で要検査の判定を受け、その後の針生検で癌と判明。9月に温存手術を受けました。その病理結果が出まして、内容は下記のとおりです。主治医の説明では、浸潤癌だが、グレードもステージも1と低く、また、今回の手術で患部はほぼ取りきれていると判断し、放射線治療は今の時点では必要ないと思われるが、ホルモンは再発率を抑えるために、出来ればお勧めするといった内容でした。放射線治療は覚悟していたものの、そこまでは希望があればとのことでしたが、ノルバディックス20ml(1日1錠)の5年間服用のホルモン治療は勧められているのですが、治療中の副作用や妊娠不可と言う状態に陥ることを鑑みると、ホルモン治療には正直抵抗がございます。現状の手術での再発率は約8%、5年のホルモン治療によりこれを約4%にまで下げる効果があると言われ、出来るだけ再発予防のためにホルモン治療を頑張るか、現状のQOLを鑑みて、あとは経過観察のみとするか、悩んでおります。こちらの決断は、一週間後に、主治医にお伝えする予定です。
他の方々の投稿等拝見しておりますと、私はかなり初期で、軽い部類のガン手術で、その点に非常に感謝しなければいけないという自覚はあるのですが、ホルモン治療も拒否して、後は経過観察のみといった浸潤ガンの治療プランはいかがなものか、また実際に今回の手術のみでの再発率が約8%といった数値をどう解釈すれば良いのか(本当に実際8%と判明される程度の手術だったのか?)、悩んでいる状態でございます。

病理組織診断報告書
ガンの種類: 乳頭腺管ガン、 腫瘍(浸潤径)の大きさ:0.5〜0.6cm×0.2cm、 核グレード:grade1、 断端:(−)、 リンパ節転移:無 total:0/3、 Level T、 脈管侵襲:無、 ER:(+)、 PgR; (+) 、
 HER2: (1+)
 
記載内容のみで判別がつくか難しいところではあるかと存じますが、先生としましての、この再発率の解釈と、経過観察のみという治療プランによって再発した場合の以後の治療方針(もちろんホルモン治療を行っての再発の可能性も否定できないことは判っております)をご教示いただけましたら、大変有り難く存じます。どうぞ宜しくお願いいたします。

極めて難しい問題です。あなたの乳癌は、極めて早期に発見されたLuminal Aというおとなしい乳癌で、それが「しこり」を自覚する前に治療が完了されていると考えます。未治療での10年健存率92%、内分泌治療薬での効果は4%位というのは正しいと思います。治療を拒否して経過観察のみとした場合でも92%の方は再発しないし、治療をしても4%の方は再発するということです。通常はその治療効果4%は大きいと考え、内分泌治療を受ける方が多いということも事実ですし、副作用のため等で、どうしても治療できない方も居ることは事実です。
二つ目の質問として、無治療経過観察中に再発した場合は、内分泌治療が優先されることが多いと考えます。
ところで、妊孕性についての問題が、この場合の服用を躊躇われていると感じましたが、間違っていないでしょうか? 40歳代前半と記載されていますが、一度不妊専門の産婦人科医に、その年齢での妊娠の可能性や出産の可能性を聞いてみられてから考えてみるのも一つの方法だと思います。(文責 久保内)

 

No.11212】  13年11月07日    M.K.
非浸潤癌と言われたものの

35才、子ども3人の母の夫です。地方病院で、8月20日に、右乳房8mmの「癌疑い」のため部分切除、センチネルリンパ節生検をしました。病院内での病理診断では、「Secretory carcinoma-like tumor」でしたが、念のため東京の癌研究会癌研究所で調べてもらいましたところ、11月1日にやっと結果が知らされました。診断書によりますと、結果は、「Noninvasive ductal carcinoma」で、DCISでした。ただし、「見慣れない組織像を呈する病変で、診断が難しく、時間がかかった」とあり、さらに、「基底に近いところが扁平上皮様に見えますので、mucoepidermoid carcinomaのin situも鑑別に上がります」と、書かれていました。また、癌研の先生は、「唾液腺腫瘍類似の病変」とも考え、頭頸部の専門家にも見てもらったところ、「mucoepidermoid carcinoma in situか、嚢胞腺癌のなかのlow-grade cribriform cystadenocarcinomaか」という意見だったそうです。最後に、癌研の先生は、「明確な返事ができなくて申し訳ありません」と、こっちの病院の先生に謝っていました。この結果により、11月18日から放射線療法が始まることになりました。 確かに乳がんの可能性は高いのでしょうが、癌研の先生の口ぶりでは、その他の可能性もあるということではないでしょうか。そのような段階で放射線治療に入っても支障はないのかと疑問に思い、投稿した次第です。個人的には資料をもらってセカンドオピニオンに行こうと考えていますが、その必要があるのでしょうか。

癌研有明病院の病理が判断されたこととすれば、極めて珍しい症例ということなのでしょう。元来癌細胞というのは、「先祖がえり」した細胞が癌化することが多いので、他の臓器・組織の形を取るものが有り得ます。この場合、「唾液腺腫瘍類似の非浸潤癌が乳腺に発症して出来たもの」と考えるのが素直であると思いますが、癌研が珍しいという程ですから「唾液腺に病変が有るのか無いのか」を判断することは、ここで決めつけるわけにはいかないと思います。検査がどこまで行われたのかが明確でないこともあり、@乳腺由来の非浸潤癌と考えてよいのか、A唾液腺の検索はしないで良いのか、してあるとすれば結果はどうなのか、について、まず主治医に伺ってみることが最初だと思います。個人的な意見として、小生は『乳腺に発生した唾液腺類似の非浸潤癌』と考え、現主治医の治療方針で良いと考えます。(文責 久保内)

 

No.11211】  13年11月04日    I  
術後治療について

47歳です。先月末に左乳房全摘手術をしました。術前診断と術後診断で違いがあり、術後の治療に不安があります。
術前診断:マンモ、CT、MRI、超音波にて診断。左乳房 1.3cm乳がん。境界線不明だが大きく見ても1.5cm。境界線不明なので全摘にしてもらいました。
術後病理結果:(病理診断をそのまま記入します) 腋下リンパ節転移なし。
  (第1報)
   検体:左乳腺 乳がん病巣数:1病巣
   切除術:BT+(Ax) 16*15*5cm 占拠部位:左A領域 腫瘍径:2.2*1.4cm →質問@、A
   組織分類:invasive ductal carcinoma, papillotubular carcinoma.
核異型スコア:2、核分裂スコア:1(4/10HPF)、核グレード:1
   波及度:g−in situ g f、リンパ管侵襲:ly0、静脈侵襲:v0
   断端:皮膚側:−、深部側:−、側方:−
   in situ ca++、EIC−、娘結節+、comedo+、石灰化−、リンパ球浸潤+ →質問B
   前治療なし、区分:初発 規約16版:pT2
   A領域の上記病変(標本#4、6)の他、EB領域(標本#8、9)に娘結節を認めます。 →質問C、D
  (第2報)
   ER:陽性 PS5+IS2=TS7、PgR:陽性 PS5+IS3=TS8
   HER2陰性 HER2 score:1+、MIB−1LI:10%
担当医の判断は、顔つきのおとなしいがんなので、治療はノルバデックスのみを10年間とのことでした。

(質問)
1) 術前検査(MRI、CT、超音波)をしたにも関わらず、これほど実際の大きさが違うことがあるのでしょうか。
2) 大きさが小さいと判断されたので術前は無治療でしたが、実際の大きさが最初からわかっていた場合はどうでしょうか。
3) in situ ca++、EIC−、娘結節+、comedo+、石灰化−、リンパ球浸潤+ とは、どこの何を意味しているのでしょうか。
4) 離れた別の領域にもがんがあったということでしょうか。全摘はしていますが、娘結節があったということで、予後に影響はありますか。
5) 娘結節があったということで、治療に放射線(腋下?胸部?)、抗がん剤など必要はないのでしょうか。術前検査では何も言われなかったのですが見落としでしょうか。右側乳房も再精査する必要はあるのでしょうか。

担当医から病理検査結果も無理していただかなければ、「顔つきがおとなしいからホルモン治療のみ」の一言で、治療方針診断は終わるところでした。心配なので、セカンドオピニオンも考えています。大変長くなり、申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

1) 浸潤癌径が、術前画像16x15x5mm⇒病理での計測22x24mmは、大きな違いではないと思います。この位の違いは良くあります。
2) 術前16mm径の浸潤癌であれば、術前の針生検の組織型・核グレード・免疫染色結果(ER・PgR・HER2・Ki67)で、おおむねの術後治療を予測してから治療にかかります。この場合、当初からLuminal A typeと考えられ、術後治療は内分泌療法のみで良いと思いますし、術前の予想通りだったと思います。
3) ここに関しては、5)で説明する「娘結節」以外、あなたの病状に何ら問題が無く、専門的過ぎるので、割愛したいと思います。
4) 娘結節とは、同じ浸潤癌のフォーカス(集まり)が連続性を持たずに存在していたということで、主たる腫瘍の近傍に有ることがほとんどです。別の癌があったわけではないので、取り切れていれば良く、あなたの場合は(全摘と称していますが)乳房切除されているので、十分な手術療法だと思います。
5) 乳房切除後の放射線治療は、@切除断端癌陽性の場合A腋窩リンパ節転移4個以上の場合のみ対象となります。あなたの術後病理結果を拝見して、術後治療がノルバデックスのみ10年間は十分妥当だと考えます。

以上の回答は、十分なセカンドオピニオンだと思います。(文責 久保内)

 

No.11210】  13年11月04日    T 
フェマーラ

術後、フェマーラを10年間飲むことになりました。受診後、パソコン等で調べてみると、フェマーラは閉経後となっています。45歳。術前抗がん剤の2回目まで、生理がありました。閉経後のフェマーラを、飲んで大丈夫でしょうか?

あなたの場合は、術前化学療法で生理が止まっていると考えられます。50歳に近い方なら真の閉経に入っている可能性が有りますが、45歳なら月経の回復を見ることも多いかと考えます。内分泌治療の場合、閉経前ならタモキシフェン、閉経後ならフェマーラのようなAI剤という棲み分けが、日本では定着した感が有りますが、欧米では閉経後でもタモキシフェンを使用するケースがまだまだ多い(AI剤の副作用が強すぎる場合は、何もしないよりタモキシフェン内服の方が良いので)のが現状です。私が考えるに、あなたの場合はフェマーラを使用しているうちに生理が来てしまったら、効果の無い薬剤を長期飲まされたことになってしまうので、まずはタモキシフェンを投与して、婦人科医と相談の上フェマーラを考慮することが良いと思います。(文責 久保内)

 

No.11209】  13年11月04日    Y.S.
薬の副作用について

ホルモン剤(タモキシフェン)の副作用について、お訊ねさせていただきます。私は今年6月25日に左乳がんの手術を受け、7月22日からタモキシフェンを毎朝服用しています。8月から9月にかけて、30回の放射線治療も行いました。生理は7月初めにあったのを最後に、現在まで止まっています。10月に入ってからホットフラッシュが頻繁におこるようになり、昼間は発作の前兆を自覚出来ます。前兆とは、左脇の下(センチネルリンパ生検のための傷がある)や、左の人差し指になんともいえない圧迫感というか萎縮するような感じがしはじめ、胃がむかむかすることもあります。私はピアニストなのですが、術後からの指や腕の違和感に加え、この発作を我慢してピアノの演奏を続けると、ほてりと汗と気持ち悪さ、指や腕のひきつるような違和感に耐えなければならず、とても辛いです。夜は毎晩、2時間おきに、ほてりと寝汗で目が覚めてしまい、気温が低くなったこのごろでも、パジャマを脱いで下着だけになり、身体が冷えないと、再び眠りにつくことができません。冷えすぎても、今度は寒気でなかなか眠れなくなります。11時に就寝すれば、1時、3時、5時と驚くほど規則正しく発作はやってきて、朝目覚めた時は熟睡した気がしません。そんな毎日がもうひと月近く続き、目にはくまができ、顔色は悪く、体重も減ってしまいました。
次に主治医にかかるのは12月16日で、それまで通院の予定はありません。何か改善の方法はあるか、主治医に相談するべきか、我慢するしかないのか、教えてください。演奏復帰を早くしたいのですが、今のままでは演奏に支障がある(集中力がもたない)ため、見通しが立ちません。薬は5年間飲むことになっていますが、このような症状はその間、ずっと続くでしょうか。自分自身での改善のための努力としては、運動を始めたこと(筋トレ、ウォーキングなど)と食事の改善です。が、運動はすぐに疲れてしまって、なかなか思うようではありません。どうぞよろしくお願いします。

内分泌療法の副作用は、化学療法のものに比べ軽微なものが多いので、患者さんの症状は多くの医療者に無視されることが多いのが現状です。タモキシフェンを使用している方なら「閉経前エストロゲン受容体陽性乳癌」でしょうが、内服開始後に生理が止まっても閉経したことでは無いのが普通です。内服中止して暫くすると生理が再開することが多く、採血で脳下垂体ホルモンのLH・FSHを測定すれば閉経していないことが判明するでしょう。それとは別に、あなたの症状を聞く限り、タモキシフェンの副作用としてはかなり強いと思いますし、投与継続困難かもしれないと思います。是非主治医と相談してください。(文責 久保内)

 

No.11208】  13年11月04日  E 
乳首からの分泌物

高校生ですが、最近ブラジャーの乳首の辺りのところが、うっすらと茶色になります。液体が出ているのでは?と思って触ってみても、液体は出ていません。これは、乳ガンを疑った方が良いのでしょうか?

妊娠出産歴のない方でも、何の異常もない方で、乳頭からは微量の分泌を来し得ることがあります。両側性に見られるもので、分泌の状態が微量でしたら、検査の対象になり難い可能性は有ります、特に高校生ならこの症状で「乳がん」を心配することは無いでしょうが、身内に何人かの乳癌の方がいて心配ならば、一度乳腺(外)科を受診されると良いと思います。(文責 久保内)

 

No.11207】  13年11月04日   M.T
今後の治療について(2)(HPNo.11201-2)

先生の説明で、落ち込む日々から抜け出す事が出来ました。ありがとうございます。この所、新たな不安が出てきました。マンモトーム生検で癌が判明、0期の非浸潤癌との説明で、2カ月後の9月中旬に手術でした。病理検査の結果は約3週間後の10月初旬に聞きに行き、1期の一部浸潤でした。前にも書きましたが、抗がん剤の話が出た時、頭の中が真っ白になり、理解出来ない状態でした。抗がん剤に関しては遺伝子検査をしてからという事になり、11月の初めに診察予約を入れて帰りました。病理結果を聞きに行ってから、その予約まで約一カ月が経過する訳です。硬癌、脈管浸潤:ly(+)という結果が出ているので、その間に進行しているのではないかと不安になってきました。病院の都合もあるかと思いますが、次の予約まで間隔がいつも開いているので心配になりました。大丈夫でしょうか?

前回の回答者と異なると思いますが、私の当番ですのでお答えします。ここで記載された情報が極めて少ないので、大変回答しにくいのですが…。
まず術前に0期非浸潤癌と診断されていたものが、一部浸潤でT期浸潤癌と術後に訂正された場合、多くは浸潤径(pT)5mm以下の浸潤癌であることが多く、その場合はpure HER2 typeや、triple negative typeのような悪性度の高いsub typeのものでも、術後の化学療法をお勧めしないことが多いと思います。また「遺伝子検査」が、oncotype DXやMammaprintのようなものなのか、HER-2抗原がscore 2でHER-2 FISH検査を行うのであるかも判然としませんが、1か月かかるとすれば前者でしょうか? もしそうだとした場合でも、病理学的浸潤径(pT)が術前検査結果に反して大きい場合にのみ適応になると思います。またoncotype DX等の検査をすれば、結果が出るのに1か月近くかかるので、どこの病院におかかりになってもその位の期間は必要になり、ほとんどすべての病巣は手術で切除されているので、その間の病勢の進行は考えなくて良いと思います。しかし、化学療法をするしないという判断は大きな決断ですので、次の外来までが長期間空いていて不安が強いあなたの場合は、上記不明な情報を明かにしてもらった上で、上記「pT」がきちんと記載された病理結果を付けてもらって、セカンドオピニオンを受けられた方が良いように思います。(文責 久保内)

 

No.11206】  13年10月23日   F.J.
病理検査について

お世話になります。22ミリの範囲の石灰化と13ミリのしこりが見つかり、全摘(乳房切除)とセンチネルリンパ生検の手術を受けました。術後の病理結果は、「非浸潤性乳管癌 広がり4センチ ER5% PgR(―) リンパ節転移なし 今後は、無治療 年1回視触診とマンモグラフィ」とのことです。その時、「病理検査の時、5ミリ位にスライスして調べるので、その間に小さな浸潤が隠れている可能性はある。それが見つかっていれば浸潤癌としての治療をするが、見つかっていないので非浸潤癌」と、言われました。それで、可能性があるのなら、間をもう少し調べて頂けないかお願いしましたが、その病院では、これ以上の検査はしない(特別扱いはできない)と、断られてしまいました。範囲が広いこともあり、心配です。転移や再発が怖いので、今できるだけの治療を受けたいと思っております。その為にもう少し間を調べて頂く方法(ほかの施設や自費も含めて)は、ないでしょうか。お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願い申し上げます。

5mm間隔で調べていれば、もうそれ以上調べる必要はありません。調べていない5mmの間で浸潤癌がたくさんある可能性はほぼないわけで、仮に調べたとして、たまたま1,2箇所あったとしても、再発の危険が非常に高まるわけでありません。だから、5mmだと思って下さい。(文責 緒方)

 

No.11205】  13年10月23日   J 
11190で相談した者です(HPNo.11190-2)

色々とハードルをクリアし、おかげさまで抗がん剤治療を始められることになりました。まずはアンスラサイクリン系(FEC)から始め、次にタキサン系で行きましょうと言われています。抗がん剤治療をすると、約7割の人が卵巣機能も低下するので、LH-RHアゴニスト製剤も一旦止めると言われたのですが、40歳閉経前の私としては不安です。
1) LH-RHアゴニスト製剤を併用することで、何か弊害がありますか?
2) 開始する抗がん剤は、標準的な物ですか?

抗がん剤治療開始まで、ノルバデックスの内服とLH-RHアゴニスト製剤の1ヶ月効果がある注射をしました。ご回答、よろしくお願いいたします。

1) 特にありませんが、どうせ卵巣機能が低下するのに高い薬を使い続ける意味がないということです。
2) 標準的です。問題なしです。(文責 緒方)

 

No.11204】  13年10月23日    S 
皮膚の浸潤

母が乳がんと診断され、詳しい検査結果を聞きに行きました。しこりの場所が乳首の下側で、そこがかゆくて、かさぶたができているような状態でした。しこりは3センチ弱で、今の段階では腋下リンパ節への転移もなさそうです。そうなるとステージ2aですが、どうもこのかさぶたは、がんの皮膚浸潤のようで、そうなると、いきなりステージが3bになってしまいます。どうして皮膚浸潤があるとステージがさがってしまうのでしょうか。浸潤することで他の部位への転移などが起こりやすくなるのでしょうか。

浸潤することで、他の部位への転移などが起こりやすくなるのです。ただし、乳頭に近い場合、早くから皮膚浸潤が認められる印象があり、実際の病気の進行度と病期があっていないこともあるように、個人的には感じています。他の要素も治療には関わってきます。今のところは、あまり皮膚浸潤に拘る必要はないと思います。(文責 緒方)

 

No.11203】  13年10月23日    M 
ホルモン治療

この10月で、リュープリンとノルバテックスによるホルモン治療を2年続けました。妊活のため、休薬を希望しています。年齢もすでに41歳なので、最後のチャンスだと思っています。リュープリンは2年で終了予定だったので特に問題ないのですが、定石ではノルバデックスは5年服用期間があったと思います。ノルバテックスを2年服用した場合と5年とでは、再発率がどれぐらい違ってきてしまうものなのでしょうか? よろしくお願いいたします。
放射線治療、ハーセプチン、抗がん剤(TS-1服用)、すべて昨年中に終了しています。 病理検査の結果も比較的軽く、「浸潤性乳管癌(右)・腫瘍1.7p×1.10×1.00p ・グレード1 ・ER+ ・PgR+ ・HER2+  ・リンパ節転移− ・リンパ管侵襲− ・遠隔転移−」でしたが、ki-67が40%と高めなのも気になっています。

タモキシフェン内服期間が2年と5年でどれ位の差が出るかは、具体的な数字があるわけではありません。ただし、タモキシフェンを使わなかった場合と5年内服した場合とで、15年後に死亡率が10%違ってきます。一般的に、再発リスクの高い人ほど内分泌療法の治療期間を長くした方が良いということは言えそうです。妊娠との兼ね合いを考えると、時間的な制約がある分、どこかで無理矢理に区切りを付けざるを得ないと思います。(文責 緒方)

 

No.11202】  13年10月22日    N
心療内科

以前からお世話になっています。乳ガン、ステージ1 グレード1 。手術、放射線を経て、ホルモン療法のゾラデックス5回目、タスオミンを併用しています。最近、落ち込みや鬱のような症状がひどくなってきたように感じ、体も疲れやすくなり、リーぜ、トグマチールを処方されましたが、症状がよくならず、心身状態が悪くなり、心療内科を受診しました。心療内科では、ジェイロフト25mg  ロプラゼブ酸エチル錠を処方されたので、乳腺科の主治医にお薬を報告したところ、ジェイロフトはパキシルと同じ作用があるので、タスオミンの効き目が弱くなると言われました。それを心療内科で言って、不安なのでできれば違うお薬に変えて欲しいとお願いしたところ、ジェイロフトもパキシルも乳ガンには関係なく、むしろドグマチールの方が良くないと言って変更してもらえませんでした。どうすればよいのかわからず、困っています。心療内科の先生は意地になっているような言い方でしたし、主治医は、「タスオミンの効き目が弱くなるけど、改善するなら、しばらく飲んでみては。」とはいいますが、不安です。とにかく混乱しています。実際はどうなのか、教えて下さい。よろしくお願いします。

心療内科の先生も、主治医の先生も、どちらも間違いではないようです。酵素によってタモキシフェンが効果を現す形に分解されるのを、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)という種類のパキシルやジェイゾロフトが酵素を取り合って邪魔する可能性があることは、乳がんの医者ではみんなが気をつけて知っていることです。わたくしも患者さんに、主治医の先生と同じ説明をしています。しかし、患者さん全員が効き目が弱くなるわけではなく、遺伝子のタイプで一部の患者さんがその群にはいると言われています。ということで、君子危うきに近寄らずの選択になるわけです。主治医の先生の「タスオミンの効き目が弱くなるけど、改善するなら、しばらく飲んでみては。」という言葉も、本当は、「タスオミンの効き目が弱くなるかもしれないけど、つらい症状が改善するなら、しばらく飲んでみては。」です。(文責 緒方)

 

No.11201-1】  13年10月22日    MT
今後の治療について

初めて相談させて頂きます。宜しくお願いいたします。
2年程前に検診で石灰化が見つかり、その後、経過観察を受けていました。今年になって、マンモトーム生検を受け、癌と判明。9月に温存手術を受けました。術前の先生の説明では、「0期の非浸潤癌で、念のためオプションでセンチネルリンパ節生検を付けての部分切除。術後、放射線治療に5週間通院。」との事でした。結果は、一部浸潤していて1期、化学療法をした方が良いとの事でした。非浸潤癌だと聞いていたので、ショックが大きくて、頭の中が真っ白になってしまいました。私が「抗がん剤ですか?」と怯えて聞いたら、HER2遺伝子の検査追加して、その結果で化学療法を使用するか決めるとの事で、病理組織診断報告書を渡されました。私は60歳です。

病理組織診断報告書
部位: Right C
腫瘍の大きさ:全体(浸潤部分+管内性)6×4.5o
組織型:scirrhous carcinoma
核グレード:grade1 (nuclear atypia score:2  核分裂数:0個/10hpf、score:1)

浸潤度:f
断端:皮膚側(−)筋膜側(−)乳頭側(−)側方(−)
リンパ節転移: total:0/1
Sentinel LN:0/1(cp13-11610)
Level T(小胸筋外側縁より外側)
        Level U(小胸筋背側、胸筋間rotter)
Level V(小胸筋内縁より内側

n因子:pNO
規約分類: pTlb (浸潤部最大径):6o
UICC 7th
   pNO,MX,RO, stage TA

脈管侵襲:ly(+)、v(−)
ER:(0)0% (1+)20% (2+)50% (3+)30% J-score 3b
PgR; (0) 50% (1+)20% (2+)20% (3+)10% J-score 3b
HER2: (0)0% (1+)10% (2+)40% (3+)50% J-score 3+
 
HER2遺伝子検査の結果によっては、化学療法はしないで済むのでしょうか? 結果は、とても悪いものでしょうか? 生命の危険はあるのでしょうか? 私なりにPCで調べては落ち込む毎日です。不安ばかりが募り、相談させて頂きました。宜しくお願いいたします。

浸潤がんの径が6mmのリンパ節転移がない患者さんは、とても悪い部類には入りません。以前は早期乳がんと言っていました。サブタイプという考え方が最近は使われるようになりました。MTさんの場合、ホルモン治療が良く効くルミナールタイプなのですが、HER2蛋白も陽性の可能性があり、これはルミナールB HER2陽性タイプと言われています。HER2蛋白が陽性だと、ホルモン治療に抵抗性を持っている可能性があり、ハーセプチンという薬剤を使用することでその抵抗性を克服することができます。ただし、化学療法(抗がん剤)と併用しないと効果が低いため、一気に必要な治療の内容が濃くなるわけです。従って、主治医の先生は、遺伝子検査(FISH)まで行って確認しているわけです。HER2蛋白が陽性の患者さんは、最近はすごく治療成績が向上している群なので、とても悪くないし、生命の危険が差し迫っているわけでもありません。落ち込むことはありません。(文責 緒方)

 

No.11201-2】  13年11月04日    MT
今後の治療について(2)

先生の説明で、落ち込む日々から抜け出す事が出来ました。ありがとうございます。この所、新たな不安が出てきました。マンモトーム生検で癌が判明、0期の非浸潤癌との説明で、2カ月後の9月中旬に手術でした。病理検査の結果は約3週間後の10月初旬に聞きに行き、1期の一部浸潤でした。前にも書きましたが、抗がん剤の話が出た時、頭の中が真っ白になり、理解出来ない状態でした。抗がん剤に関しては遺伝子検査をしてからという事になり、11月の初めに診察予約を入れて帰りました。病理結果を聞きに行ってから、その予約まで約一カ月が経過する訳です。硬癌、脈管浸潤:ly(+)という結果が出ているので、その間に進行しているのではないかと不安になってきました。病院の都合もあるかと思いますが、次の予約まで間隔がいつも開いているので心配になりました。大丈夫でしょうか?

前回の回答者と異なると思いますが、私の当番ですのでお答えします。ここで記載された情報が極めて少ないので、大変回答しにくいのですが…。
まず術前に0期非浸潤癌と診断されていたものが、一部浸潤でT期浸潤癌と術後に訂正された場合、多くは浸潤径(pT)5mm以下の浸潤癌であることが多く、その場合はpure HER2 typeや、triple negative typeのような悪性度の高いsub typeのものでも、術後の化学療法をお勧めしないことが多いと思います。また「遺伝子検査」が、oncotype DXやMammaprintのようなものなのか、HER-2抗原がscore 2でHER-2 FISH検査を行うのであるかも判然としませんが、1か月かかるとすれば前者でしょうか? もしそうだとした場合でも、病理学的浸潤径(pT)が術前検査結果に反して大きい場合にのみ適応になると思います。またoncotype DX等の検査をすれば、結果が出るのに1か月近くかかるので、どこの病院におかかりになってもその位の期間は必要になり、ほとんどすべての病巣は手術で切除されているので、その間の病勢の進行は考えなくて良いと思います。しかし、化学療法をするしないという判断は大きな決断ですので、次の外来までが長期間空いていて不安が強いあなたの場合は、上記不明な情報を明かにしてもらった上で、上記「pT」がきちんと記載された病理結果を付けてもらって、セカンドオピニオンを受けられた方が良いように思います。(文責 久保内)

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