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相談室(No.4601〜4700)

このページは乳がんに関する不安や悩みを解消していくことを目的としています。皆様からの乳癌に関する情報、体験談、意見、質問などをお待ちしております。 個人および病院への攻撃や中傷に関してはお答えできませんので、あらかじめご了承下さい。ご相談内容は  info@kbcts.gr.jp   まで、メールでご連絡下さい。なお治療法は、患者さんと主治医がご相談されて決定されるものであり、この相談室でお答えできるのは、一般的な参考意見であることをご了解下さい。

当相談室にお寄せいただいたメールについては、編集・引用・公開させていただく権利を当会(神奈川乳癌治療研究会)が有するものとします。また、名前、メールアドレス等個人情報保護の観点から、皆様から頂戴したご相談のメールは、一定期間の後、アドレスも含めて削除させていただいております。再度ご相談いただく際はその旨ご留意いただき、掲載No.を書き添えて下さるようお願い致します。

 

目 次

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No

日 付

名 前

件  名

担 当

4700 05/12/04 yumi 乳輪下のしこり 鈴木
4699 05/12/04 T  アリミデックス錠について 鈴木
4698 05/12/04 O.B. 左胸、脇、背中の痛み 鈴木
4697 05/12/04 ST ホルモン療法について 鈴木
4696 05/12/04 Y.K.  多発性乳癌の手術について 鈴木
4695 05/12/04 S  胸のしこり 鈴木
4694 05/12/01 N.K.  傷口の手術後変化について 鈴木
4693 05/12/01 T.N. 核異型度の重視性 鈴木
4692 05/12/01 A.G. 腋の痛み 鈴木
4691 05/12/01 J.F しこりの再検査にあたって 鈴木
4690 05/12/01 T  背中等の痛み 鈴木
4689 05/12/01 E.N.  断乳後の処理について 鈴木
4688-1
4688-2

4688-3
05/11/29
05/12/01
05/10/10
非浸潤癌の治療について
非浸潤癌の治療について(2)
非浸潤癌の治療について(3)
稲葉
鈴木
清水
4687-1
4687-2
05/11/28
06/07/01
U.M 大胸筋への転移について
骨転移について
稲葉
麻賀
4686 05/11/27 H・T 乳首の痒み 稲葉
4685 05/11/27 T.N. 首のしこり?について 稲葉
4684 05/11/27 F  ホルモン療法について 稲葉
4683 05/11/27 K・M 肋骨への転移 稲葉
4682-1
4682-2

4682-3
05/11/26
05/11/29
05/12/10
N.H. 非湿潤がんと診断されました
非湿潤がんと診断されました(2)
非湿潤がんと診断されました(3)
稲葉
稲葉
清水
4681 05/11/26 p 乳癌を治療する病院の選択について 稲葉
4680 05/11/26 eco 初期の乳癌の術後感染について 稲葉
4679 05/11/26 MY 骨シンチの結果について(HPNo.2998-5) 稲葉
4678 05/11/26 M  病理結果と今後について 稲葉
4677 05/11/26 K.T.  アリミデックスについて 稲葉
4676 05/11/26 さくら 乳腺線維腺腫の術後について 稲葉
4675 05/11/26 I.M.  乳首の下のしこり 稲葉
4674 05/11/25 t・s 放射線治療後の赤みと熱感について 稲葉
4673 05/11/25 K.Y  乳がんの可能性を指摘されました 稲葉
4672-1
4672-2
05/11/25
05/12/04
HY 初めての乳がん検診で再検査になりました
結果は乳腺症でした
稲葉
鈴木
4671-1
4671-2

4671-3
05/11/24
05/11/25
05/12/07
M.I. 母の病気について
潜在性乳がんについて
手術方法、手術期間について
稲葉
稲葉
清水
4670 05/11/24 KOBA 超音波について(HPNo.3799-3) 稲葉
4669 05/11/23 C.Y. 痒みと乳輪の拡がり 稲葉
4668 05/11/23 Y 術後の治療について 稲葉
4667 05/11/23 N   背中の痛み 稲葉
4666-1
4666-2
05/11/23
05/12/16
T.C. 腋の症状が不安です
検査を受けましたが…
稲葉
首藤
4665 05/11/22 M.U.  術後の治療法について 坂本
4664 05/11/22 K.H.  授乳の成分について 石川
4663 05/11/22 Y.N 温存か全摘か? 石川
4662 05/11/22 T.F. カテゴリー2について 石川
4661 05/11/22 C.S. マンモグラフィー 石川
4660 05/11/20 H.S. 放射線治療について(HPNo.4469-2) 石川
4659 05/11/20 K.K. 頭骨のしこり 石川
4658 05/11/20 M.K. 術後の治療について 石川
4657 05/11/20 K.Y. 針生検後の乳首からの出血について 石川
4656 05/11/20 B   抗癌剤について(HPNo.4372-4) 石川
4655 05/11/20 HF 白血球について(HPNo.4425-3) 石川
4654 05/11/20 K.T. 乳腺の石灰化について 石川
4653 05/11/20 K.D. 術後の留意点について 石川
4652 05/11/20 M.S 術後の検診内容について 石川
4651 05/11/20 F 肺の影について(HPNo.4365-3) 石川
4650-1
4650-2
05/11/20
06/01/30
S.M 左乳房の痛み
乳房の痛み
石川
千島
4649 05/11/20 EM 骨転移(HPNo.4558-2) 石川
4648 05/11/20 k・k 抗がん剤投与中にインフルエンザ予防注射はできますか?(HPNo.4532-2) 石川
4647 05/11/20 F.R. 肺への転移について 石川
4646 05/11/19 M・A 乳腺のう胞症で要観察という診断について 石川
4645 05/11/19 C.N. 左胸部に痛みがあります 石川
4644 05/11/19 T.O 授乳中に乳がんになりました 石川
4643 05/11/19 k m HER2 石川
4642 05/11/19 C・C子  乳癌検査について 石川
4641 05/11/19 F.U  ホルモン療法について 石川
4640 05/11/19 S・H ゼローダとの併用について 石川
4639 05/11/19 N.R. 両胸のしこりについて 石川
4638 05/11/17 T,s 再発について 石川
4637 05/11/17 術後治療について 石川
4636 05/11/17 Y.E.  ゾラデックスの期間 石川
4635 05/11/17 S  乳腺線維腫瘍 石川
4634 05/11/17 N  HER2について(HPNo.4523-2) 石川
4633 05/11/17 S・S HER−2過剰発現の診断 石川
4632 05/11/16 F.K. HER2(+3)について(HPNo.1767-5) 加藤
4631 05/11/16 F  乳頭の分泌物 加藤
4630 05/11/16 M・S 今後の治療について(HPNo.3462-2) 加藤
4629-1
4629-2
05/11/16
06/01/18
N.K. 右胸のしこり
右胸のしこり(2)
加藤
徳田
4628 05/11/13 N.O. HER2 について 加藤
4627 05/11/13 K.P.  マンモグラフィー 加藤
4626 05/11/13 K.W. 術後の化学療法について(2)(HPNo.4517-2) 加藤
4625 05/11/13 H.H 転移性乳がん(肺転移)について その3 (HPNo.4454-3) 加藤
4624 05/11/13 K.N.  乳首からの出血 加藤
4623-1
4623-2

4623-3
4623-4
05/11/13
05/11/17
06/01/09
06/01/22
S・S 乳癌の確定診断について
手術について
手術後のリハビリ
放射線とホルモン療法
加藤
石川
俵矢
徳田
4622 05/11/13 乳頭の透明な分泌物について 加藤
4621 05/11/13 R.A. 乳がん検診について 加藤
4620 05/11/13 F.O. 母の骨転移判定について 加藤
4619-1
4619-2
05/11/13
05/11/29
H.M. 術後の治療について
ゾラデックス注射後、生理になりました
加藤
稲葉
4618 05/11/13 M  乳頭からの分泌物 加藤
4617 05/11/13 ゾラデックスの治療期間について 加藤
4616 05/11/12 M.O. 骨への転移について(2)(HPNo.4598-2) 加藤
4615-1
4615-2
05/11/12
05/11/16
M.I 再発・転移の不安
再発・転移の不安(2)
加藤
加藤
4614 05/11/12 N  放射線の影響 加藤
4613 05/11/11 K.M. 放射線治療について 加藤
4612 05/11/11 過誤腫 加藤
4611 05/11/11 S.S. 線維腺腫の多発について 加藤
4610 05/11/07 KY 多発性肝転移の治療について 石山
4609 05/11/07 R.S. 脇にしこりができました 石山
4608-1
4608-2
05/11/07
05/12/08
Y.H. 乳がんの手術先の変更について
リンパ節内の転移を知ることの患者のメリットは?
石山
清水
4607 05/11/06 B 放射線治療とホルモン治療について(HPNo.4372-3) 石山
4606 05/11/06 KIT 突発性肉芽腫性乳腺炎について 石山
4605 05/11/06 yt 乳がんの再発について 石山
4604 05/11/06 N  骨転移? 石山
4603 05/11/06 K・E 血液検査結果について 石山
4602 05/11/06 セカンドオピニオンについて 石山
4601 05/11/06 術後の治療法について 石山

 

 

 

No.4700】 05年12月04日     yumi
乳輪下のしこり

38歳、独身の女性です。左の乳首の乳輪外側部分の下(皮膚の真下)にしこりがあります(1.7cm)。痛みを伴い、皮膚はぶつぶつとした水ぶくれで、色は黒ずみがかり、盛り上がっている状態です。乳首より血液などは出ていないのですが、盛り上がった乳輪は白い分泌物?か何かで皮膚がくっついたところがあります。ある病院で針生検をした所、浸潤癌ということで手術をしようと思いましたが、念のため、がんセンターの方にも受診したところ、そちらの先生は、「80%は悪性だが、あまりがんが発生することがない所なので、良性の方も考えた方がいい。慎重に局所麻酔でしこりを取り、もし悪性だと、その後手術をしよう。」とおっしゃいました。がんなのか良性なのかの区別というものは、やはり切らないと分らないものでしょうか? 80%だと100%に近いですので、時間をかけて調べるよりすぐ手術したほうがいいのか、それとも残り20%〜5%・・・をめざして少し待つ方がいいのか、現在迷っています。宜しくお願いいたします。

針生検の結果が全てで、その結果が信頼できるものかどうかです。場所が判然としませんが、癌センターの意見が、癌が通常出来るところではないのでというのであれば、その部分を局所切除して、病理検査をしっかりと行ってから次の治療法に行くのがよいでしょう。一度、浸潤癌と言われているのであれば、経過観察をして・・というのはやめた方が良いと思います。 (文責 鈴木)

 

No.4699】 05年12月04日     T 
アリミデックス錠について

10月初めに左乳がん部分切除の手術をしました。リンパ節への転移はありませんでした。55歳で閉経後です。病理の結果は、乳頭腺管癌 浸潤径5mm ER陽性 PgR陰性 HER2(1+)核異変度2 切時断端に癌は陰性ということでした。遠隔転移のリスクは低いが0ではないということで、11月25日からアリミデックス錠を飲んでいます。今のところ副作用はないのですが、静脈血栓症/更年期症状/骨密度の低下などの副作用があると説明を受けた時点では、あまり気にしなかったのですが、5年間という長期服用での静脈血栓症などのリスクを考えると、再発のリスクの少ない場合は、無治療という選択の方がよかったのではと不安になりました。先生が主治医でも内分泌療法をすすめますか、また今後の血液検査などで、特に気をつける検査項目はどんなものでしょうか。魚を食べる、納豆を食べるなどの食事療法で副作用をコントロールできますか。

薬剤に副作用はありますが、そういった物を加味しても、再発予防という観点からすれば内服していた方が良いでしょう。副作用と病気を治す気持ち、副作用と付き合う体力などとのバランスで考えれば良いと思います。私が主治医であっても、この治療法を勧めます。再発のリスクが少ないといってもゼロではありませんし、術後補助療法によって治癒できるチャンスですので、出来ることは、やっておいた方がいいのではないでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4698】 05年12月04日     O.B.
左胸、脇、背中の痛み

27歳、未婚の女性です。ここずっと左胸の脇に痛みとまではいきませんが、鈍い痛み、違和感があります。胸の中心にも時々痛みがあります(奥の方が痛みます)。また、背中の左一部にも時々痛みがあります。つまり、脇から中心から背中からと放射線状で痛み、違和感が続いています。断続的な痛み、激しい痛みではないですが、長期に渡り違和感等が消えません。また反対側の右胸、脇、背中には全く違和感、痛みはありません。特にしこりらしいものもないと思うのですが、何か病気でしょうか?お願いします。

乳腺の違和感、いたみ、つれ・・・このような症状を訴える方は非常に多く、殆どが乳腺症という状態です。病気ではなく、乳腺の構造が、わかりやすく言えば、ごつごつしていて、まだら傾向にあるということです。はっきりとしたしこりがないのであれば、様子観察で問題ありません。一度、乳腺外科の受診をして、乳腺症か否かを判断してもらって下さい。女性ホルモンのアンバランスでおこると言われています、片側のこと、両側のこと、前は右、今度は左ということもあります。乳腺症に関してはナーバスになる必要はありません。(文責 鈴木)

 

No.4697】 05年12月04日     ST
ホルモン療法について

以前2回相談させていただいたST、49歳です。いつもありがとうございます。2004年7月に右乳房温存手術をし、顔つきも性質も悪いものでリンパ節に1個転移、HER2+3で、CEF6クール、放射線28回終了しました。今年1月からアロマシンを服用していましたが、当初から出ていた指の関節痛がいよいよひどくなり、主治医の先生と相談の結果、11月からタスオミン錠に変わりました。関節痛は少しずつ良くなっているのですが、今度は以前生理が始まる前に感じた下腹部痛や、少しですがおりものがあるようになりました。また、別の先生のホームページで、「HER2が3の場合、ノルバデックスは効かない」と書いてあるのを読み、ということはタスオミン錠も効果が無いということではと非常に驚きました。もし効果が無いのであれば関節痛は我慢してアロマシンに戻したいと思います。先生のご意見をお願いいたします。

薬剤ですので、何らかの副作用はついてまわります。ご自身で、副作用に許容できるかどうかです。確かに、HER2が3+であれば、タモキシフェンは効きにくいという報告もあります。ただ、全く効かないということではないので、関節痛と付き合えるか否かで判断されてはいかがでしょうか。再発の事だけで判断するのであれば、アロマシンの方が効果は高いでしょう。(文責 鈴木)

 

No.4696】 05年12月04日     Y.K. 
多発性乳癌の手術について

46才になる妻の手術についての質問です。左乳房4.5時方向に4,5個(5〜10mm)の癌ができ、多発性乳癌だと言われました。マンモ、超音波、MRI、生検での結果で間違いはないようです。当然手術となりますが、現在受診の先生は、「多発性なので乳房全摘の上、リンパ郭清をしたほうが良い」との見解です。乳房温存、センチネルリンパ節生検によるリンパ郭清回避(リンパ転移がない場合)はできないものか質問したところ、その選択肢もあり、患者さんの選択になると言われましたが、「多発性でリスクがあり、全摘・リンパ郭清を薦める」と言うのです。なんとなく釈然としませんが、多発性とはそういうものなのでしょうか。リスクがあるのもいやですが、術後を考えるとリンパは残したいという気持ちです。どう考えたらよいのでしょうか。

多発性であっても、部分的に腫瘍のある場所が集中しているのであれば、温存手術は可能ではないでしょうか? 確かに、多発であれば、他の部分にもある可能性、出来る可能性は、はっきりした頻度は不明ながら、確率的に高くなります。温存で手術して、術中に切除断端に癌の遺残を確認しながら、断端が陽性になるのであれば全摘も仕方ないでしょうが、温存手術の選択肢はあると思います。センチネルに関しては、術前に明らかに転移を疑うリンパ節の腫れがなければ、センチネルリンパ節生検も可能です。今一度、相談されてはいかがでしょうか?(文責 鈴木)

 

No.4695】 05年12月04日     S 
胸のしこり

高1の男ですが、一年ぐらい前から胸のしこりが治りません。押すと少々痛い感じがします。ほんの少し大きくなっています。どうすればいいでしょうか。

女性化乳房症といって、女性ホルモンの影響により、乳腺が張っておきている現象です。思春期と壮年期に生理的に起こりやすいほか、薬剤性によるもの、女性ホルモンがたくさん分泌されるような腫瘍がある場合などの原因でおこります。一度、乳腺外科を受診され、そのあたり精密検査してはいかがでしょうか? 基本的には、生理的なものであれば時間が解決しますので、そのまま放置しておきます。(文責 鈴木)

 

No.4694】 05年12月01日     N.K.
傷口の手術後変化について

手術後2週間で傷口のところ(癌があったところ)にしこりができました(2×1.5cm)。脂肪がくっつき、線維をだして、それが硬くなったものということです(脂肪球)。癌のあった所にこの硬いしこりがあるので、とても不安です。経過観察で良いのでしょうか? 大きくなったら取るとのことです。それとも、先に細胞診をした方が良いか、早めに取り除いたほうが良いでしょうか?

手術後2週間であれば、まだ術後の変化、良くなっていく一つの過程と考えましょう。傷のすぐ下は、多かれ少なかれ硬くしこることがあります。いましばらく様子をみてはいかがでしょうか? この硬さは、1年くらいすると、ほとんどわからないくらいに柔らかくなる人もいれば、ある程度、硬さが残る人もいます。(文責 鈴木)

 

No.4693】 05年12月01日     T.N.
核異型度の重視性

術後の治療について伺います。温存術、リンパ節転移なし、35歳以上、ハーセプテスト1+、エストロゲン・プロゲステロン受容体は共に80%+で、放射線+ホルモン療法で十分効果があるが、核異型度3なので抗癌剤をプラスしてもいいと診断されています。抗癌剤を使うと再発率が下がるのは分かっているのですが、下がっても数%で、0%になるわけではないし、副作用や費用を考えると躊躇しています。「核異型度とは顔つきで、重要なのは性格である。」と以前ここで読んだことがあるので、自分の場合も、「見た目は悪そうだが、実はおとなしい癌細胞なので、放射線とホルモン療法で完全撲滅!」といきたいのですが…。核異型度は、どの程度重要視されますか? 3の場合は、やはり抗癌剤をプラスすべきでしょうか? よろしくお願いします。

術後の治療に核異型度がどれほど重要かとの質問ですが、従来ではこの核異型度は、術後の治療方法を決める上での因子には入っていませんでした。今では、核異型度は因子に組み込まれ、グレード3であれば、intermediate riskという、中間群に属します。この場合の治療は、他の因子と掛け合わせて考えると、ホルモン療法、もしくはホルモン療法ののちの化学療法ということになっています。確かに、費用、副作用を考えると躊躇すると思いますが、術後補助療法は、治癒に持って行けるチャンスですので、少しでも可能性が高いのであれば、しっかりと治療しておいた方が良いのではないでしょうか?ここから先は、ご本人が考えて決定すればよいと思いますし、最終的に後悔しない治療を受けられるのがベストでは・・・。(文責 鈴木)

 

No.4692】 05年12月01日     A.G.
腋の痛み

今年10月に乳がんと診断され摘出、病理の結果、病気UB、リンパ13個摘出のうち一個に転移がありました。ホルモン感受性はあり、悪性度1。今、EC療法の最中です。抗がん剤の副作用は回数を重ねる毎にひどくなっているようです。腋が冬になったせいか、なんとなく時折奥のほうに鈍い痛みがあるのですが、自分ではもしかしてまだ取りきれていない癌細胞が活発に動いているのでないかと心配なのですが、どうしたものでしょう。

恐らく、手術の傷があることと、最近の寒さにより傷が痛んでいるのではないでしょうか? 患者さんは、よくそのような訴えをされます・・・。取り残しの心配はあまり考えなくていいでしょう。それと、抗癌剤の治療をしているので、いろいろ細かな症状が出てくるものです。主治医と相談しながら、治療を頑張って続けて下さい。(文責 鈴木)

 

No.4691】 05年12月01日     J.F
しこりの再検査にあたって

明日、乳房のしこりを‘検査のために’採取します。しこりは1.5pで、細胞検査では線維腺腫ですが、エコーで見る形が、がん細胞のように一部ギザギザしているので再検査です。しこりを取る前に医師に確認しておいた方がいいこと、また、必要な覚悟というか、心得などありましたら教えていただけますか? 傷のサイズ、細菌感染、採取後の生活、通院などのほかにあるでしょうか。また、胸を切ったことによって、(もし癌だったとして)がん細胞が広がってしまうとか、何か良くない症状を招く恐れはありませんか? よろしくお願いいたします。  

特に特別な心構えはいりません。傷の大きさは、しこりがしっかりと取り出せる大きさです。当院では、手術の翌日に消毒に来院していただいて、その日から入浴も可能です。その後、病理結果の揃う頃に来院してもらっています。感染の心配、癌である場合に、細胞が散らばる心配は、あまり考えなくて良いと思います。(文責 鈴木)

 

No.4690】 05年12月01日     T 
背中等の痛み

33歳、未婚の女性です。ここ2、3週間ほど、左の鎖骨の下〜脇の下辺りと、腕までと、背中に鈍い痛みがあります。常にすべてが痛いわけではないのですが、どこが痛いという感じです。激しい痛みではないのですが、しばらく続いているので少し心配です。それから、今年8月末に定期健康診断の乳がん検査のエコーでひっかかり、触診検査を受けました。その結果、乳腺嚢胞と診断されました。触診の結果、しこりがあるとは言われませんでした。自分でも今のところ、しこりらしきものは見つけていませんが・・・。あまり詳しくは聞く事ができなかったのですが、「心配ないが、年に1度の定期診断は受けてください」と言われました。心配しすぎかもしれませんが、乳がんの可能性等があるのでしょうか。どうかよろしくお願いいたします。

まず、ひとこと。乳癌の可能性は殆ど心配いりません。乳腺が、硬い部分と柔らかい部分が混在しているタイプではないでしょうか? そのような方は、触診ではごつごつと触れ、乳房、脇の下、背中などの痛みを伴うことが多いのです。
確定的な診断は組織診断が必要となりますが、乳腺症という病態です。ただ、病気と考えずに乳腺の特徴であると考えた方が良いでしょう。そのような方は、嚢胞という水たまりが出来やすい傾向があります。これも癌化しませんので、心配いりません。年に1回の検診で充分であると思います。(文責 鈴木)

 

No.4689】 05年12月01日     E.N. 
断乳後の処理について

3歳4ヶ月の娘が甘えん坊で、やっと今月頭くらいにフェイドアウト的に断乳しました。でもそのままにしていたら、お風呂後やふとした時にわきの下が痛くなったり、しこりのような物が出来ています。自分で完全に絞りだしたほうがいいのか、処理に困っています。そのままにしておくと次の子が出来た時、お乳が出づらかったり、更年期の時、重くなると聞きました。どうすればいいのでしょうか? 乳腺内科が近くにありません。診察してもらったほうがいいのでしょうか?

断乳としこりが関係あるかわかりませんので、断定的なことは言えませんが、しこりのような物が、本当にしこりなのか、乳瘤(ミルクのたまり)なのか、乳腺の硬い部分なのか・・・です。痛みとしこりはあまり関係ないように思います。一度、乳腺外科の受診を勧めます。(文責 鈴木)

 

No.4688-1】 05年11月29日     S 
非浸潤癌の治療について

はじめまして。41歳・未婚・出産経験なしです。11月24日にマンモトームの結果「非浸潤癌」と言われました。来月には手術の予定になり、来週はMRIの検査があります。インターネット等を見ていますと、この「非浸潤癌」は、生涯「非浸潤癌」のままであるケースも多いとあったのですが、現在の日本の医療の世界では、「非浸潤癌」は早期発見ということで切除するということになってるのでしょうか? また病院によって、医師によって、その判断は違うのでしょうか? 定期的にマンモトームをして、「非浸潤癌」であるならば、そのまま定期検査を続けることで生涯終われるものでしょうか?「非浸潤癌」が「浸潤癌」となるケースはどのくらいの確率なのでしょうか? まだそういうデータもないのかなぁと思うのですが、やはり「非浸潤癌」でも手術するべきなのでしょうか。

非浸潤癌の大部分は将来浸潤癌になるといわれています。もちろん生涯非浸潤癌のままである例もありますが、何%の非浸潤癌が非浸潤癌のままであるかなどはわかっていません。またどのような非浸潤癌が非浸潤癌のままであるのかもわかっていません。ですから現時点では非浸潤癌と診断されたら、きちんと手術などの治療をお受けになるのがいいと思います。定期的なマンモトームでフォローするというのはお勧めはしません。マンモトームなどの生検は病変の一部をみているにすぎず、病変全てが非浸潤癌であるということではありません。生検していない部分に浸潤癌が潜んでいるかも知れません。マンモトームで非浸潤癌と診断された場合、自覚症状に乏しいことが殆どなので、手術といわれてもなぜ?と思うかも知れません。生涯非浸潤癌であり続けるという確証はありませんので、やはり手術をされた方がいいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4688-2】 05年12月01日     S 
非浸潤癌の治療について(2)

お世話になります。早速ご回答頂き、ありがとうございました。やはり切除するように致します。温存出来るとは言われていますが、切り方にも病院によって差はあるのでしょうか? ある程度の基準があるのでしょうか? 今のうちに綺麗に切除していこうと思います。

特に切除の方法に基準はありません。温存手術が可能であるとのことですので、腫瘤の周囲2cm前後で、術中に切り口に癌の露出がないことを確認しながら切除範囲を決めます。頑張って手術を受けて、早く病気を克服して下さい。応援しています。(文責 鈴木)

 

No.4688-3】 05年12月10日     S 
非浸潤癌の治療について(3)

お世話になります。宮崎県のブレストピアなんば病院でされています「下集束超音波手術」は体にメスを入れずに癌を治療するようですが、私の「非浸潤癌」はこういう治療でも完治するでしょうか? 治療にはかなりの痛みを伴うような(熱いような)気がするのですが、いかがでしょうか? また この治療法は医学的にも認知され、再発はしないと思えるのでしょうか? 温存手術を受けようと思ってはいますが、こういう情報を耳にしてかなり動揺しています。ご意見をお聞かせ頂けるとありがたいです。(何度も申し訳ありません)

今の時点で大切なことは、病巣を全て切除して隅から隅まで顕微鏡で見てもらって、どこにも浸潤が無いかどうかを調べることで、その結果どこにも浸潤が無く、非浸潤癌と確定診断がつけば再発の心配は極めて少なくなりますが、浸潤があれば、術後の補助療法を考えなければいけなくなります。ですから、集束超音波手術で組織を焼いてしまうとそれがわからなくなるので、お勧めできません。「下集束超音波手術」はMRI下集束超音波手術のことだと思いますが、この治療法はまだ治験の段階です。どのような適応で治験が行なわれているか詳細は知りませんが、貴女のような例は多分対象にならないのではないかと思います。(文責 清水)

 

No.4687-1】 05年11月28日     U.M
大胸筋への転移について

初めまして、母(49歳)の乳癌転移についてご相談致します。母は2年前に3センチのシコリに気が付き検査を受けましたが、腫瘍マーカーは平均値で、細胞診で乳癌だと判明しました。手術は4分の1切除で、全てが取り切れなかった為、再手術で全摘になりました。病理の結果は抗癌・ホルモン−・HER2:2+・リンパ転移無しでした。術後治療は放射線治療のみでした。今年8月に切除した左胸の大胸筋にシコリが見つかり検査したのですが、腫瘍マーカーも上がってないし、大胸筋への転移は稀だと言われ、要観察とのことでしたが、11月になり痛みが強くなったので摘出手術を受け、大胸筋への転移だと判明しました。今後は週1回のハーセプチン投与と3週間に1度のタキソール投与を半年間続けることになりました。大胸筋への転移は本当に稀なのでしょうか? 母のように腫瘍マーカーに現れない癌もあるのでしょうか? 腫瘍マーカーがに現れない癌だとしたら、腫瘍は全て取り除いてしまった為、これから抗がん剤投与を始めますが、何を見て抗がん剤の効果があるのかを判断するのでしょうか?大胸筋以外の転移は見られないようですが、母の予後は如何なものでしょうか? 長々とすみませんが、ご回答宜しくお願い致します。

大胸筋への転移ということですが、それほど稀ということではありません。原発時温存ではとりきれないほど大きかったということですから、元々大胸筋近くまでがんが浸潤していたかも知れませんし、リンパ管侵襲が強いものであると大胸筋内のリンパ管やリンパ節などから再発することもあるので、厳密な意味での転移というより局所再発の要素も強いと思います。腫瘍マーカーが上昇しないことはよくあります。むしろ上昇しないことの方が多いです。何を目安にみていくかというと、再発転移を起こしやすい部位(局所、骨、肺、肝臓、脳など)の検査を定期的に行ってみていくことがよいと思います。大胸筋以外に転移がない場合、病変が本当に大胸筋だけであれば長期の生存も可能ですが、大胸筋に再発という症状が全身転移の前駆症状として現れていることもあるので、もう少し経過をみないと予後については何ともいえないと思います。(文責 稲葉)

 

No.4687-2】 06年07月01日     U.M
骨転移について

HPNo.4687(05年11月28日)で、大胸筋への転移についてご相談しましたU.Mです。度々すみませんが、宜しくお願い致します。ご相談後、タキソール+ハーセプチンを4クール(当初は6クール予定でしたが、副作用が強すぎたので4月上旬まで)投与して様子を見てたのですが、5月末に腰に強い痛みがあり検査したところ、胸骨.腰椎.仙骨に計6箇所の転移があることが分かりました。今後の治療法ですが、4月上旬までタキソール+ハーセプチンを投与していても骨に転移したので、抗がん剤を同じタキサン系のタキソテールに変えて、ハーセプチン投与と一番痛みの強い仙骨への放射線治療で大丈夫でしょうか? 他に有効な治療法はありますか? 今は痛み止めにロキソニンとボルタレン座薬を使用していますが、効き目はイマイチのようで、先週からは座薬の使いすぎで、肛門から若干の出血があるそうです。他に有効な痛み止めはないでしょうか? また、母の癌は造骨型らしいのですが、ビスホスホネートを使用することはできるのでしょうか? 効果はあるのでしょうか? ご回答宜しくお願い致します。

1) 抗癌剤はその組み合わせでよいと思います。仙骨への放射線治療もやったほうがよいかもしれません。
2) 麻薬系の鎮痛剤があります。
3) 造骨性でも溶骨性の部分も合併していますので、ビスホスホネートは効果があります。(文責 麻賀)

 

No.4686】 05年11月27日     H・T
乳首の痒み

両方の乳首とその周りが時々かゆくなり(排卵日頃)、皮膚がむけてしまいます。特に痛いというわけではありません。原因はなんなのか気になっています。宜しくお願い致します。

ホルモンの周期によって乳首がかゆくなったり皮膚がただれたりする症状は外来診療でたまに経験することです。詳しいメカニズムなどはわかっていません。恐らく今回の症状もホルモン周期に伴った特に問題のないものと思いますが、まれに乳癌の症状で乳首のただれや痒みといったものがあるので、専門医の診察を受けて下さい。(文責 稲葉)

 

No.4685】 05年11月27日     T.N.
首のしこり?について

42歳、主婦です。一週間前に右乳癌温存手術を受けました。退院後、無理のないよう気を使いながらも、ほぼ以前のように家事をこなしていますが、やはりまだ痛みの残る右側をかばっているので、たいへん肩がこります。先日肩や首をもみほぐしていると、首の右側(耳のすぐ下)が左に比べて硬くなっているのに気づきました。主人は、「凝っているだけだ。」ともみほぐしてくれるのですが、強く押さえると痛みがあります。もしや悪性リンパ腫? 術前にはMRIやCT検査しましたが、そういえば首から下しか調べていないので、以前から腫瘍があったのか?などと思ってしまうと気になって眠れません。次の診察は一週間後ですが、すぐに受診して伺ったほうが良いでしょうか。

リンパ節の転移や悪性リンパ腫の可能性は低いと思います。1週間後の外来で大丈夫と思います。(文責 稲葉)

 

No.4684】 05年11月27日     F 
ホルモン療法について

初めてご相談させていただきます。10月に多発のため左乳房全摘、インプラントによる同時再建手術を受けました。51歳、閉経前です。ステージ1、グレード1または2(はっきりしないので確認中)、ER(+)、PgR(+)、HER2(2+)。主治医の治療方針は、タモキシフェン5年、ゾラデックス2〜3年とのことです。セカンドオピニオンを求めた先生にはFISH検査をするように勧められ、血管・リンパ管に癌細胞がなかったか因子の確認をするようにとのことでした。FISHが(−)、因子に問題なければタモキシフェン5年のみで、ゾラデックスは見合わせるとの方針です。生理については血液検査で確認しながらというものでした。FISHが(+)の場合はゾラデックス追加です。閉経間近という年齢であり、両医師に難しい時期と言われました。
1) FISHが(−)の場合は、どちらの治療を受けたら良いのでしょうか。調べたところ、ゾラデックスは2年の処方ばかりでしたが、2年以上の場合もあるのでしょうか。
2) 閉経前の治療で「タモキシフェン+ゾラデックス」と「タモキシフェン単剤」とを比較すると、再発リスクに差はあるのでしょうか。
3) これ以外の治療方法も考えられますでしょうか。

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

年齢が51歳ですので、閉経前としても卵巣機能は閉経期のレベルに近づいてきていると思います。血液検査をして女性ホルモンの測定をして、ホルモンの値から閉経前なのか閉経後なのかきちんと調べることが大事と思います。閉経前のホルモンレベルならゾラデックス+タモキシフェンの治療になるし、閉経後であればアロマターゼ阻害剤を使うのがよいと思います。閉経前の治療でゾラデックスは2年が一般的です。2年以上使用した場合のデータが出ておりませんので、2年間使用することが一般的となっています。もちろん、タモキシフェン単剤よりもゾラデックス+タモキシフェンの方が再発リスクは下げることになります。仮に現在閉経前のホルモンレベルであっても、2〜3年以内に閉経となる可能性が高いのでタモキシフェンを5年続けるより2〜3年したらタモキシフェンからアロマターゼ阻害剤に変えるのが良いと思います。FISH陽性、つまりHER2遺伝子が発現している例では、ホルモンレセプター陽性でもタモキシフェンが効きにくいというデーターもあります。この場合アロマターゼ阻害剤(閉経後の場合)や化学療法が選択肢となると思います。(文責 稲葉)

 

No.4683】 05年11月27日     K・M
肋骨への転移

この度、初めてお世話になります。私の母(45)が約2年前に乳がんとわかり、その際の手術でリンパを切除し、治療を進めて参りました。術後の治療は女性ホルモンを止める注射を打ったり、定期検査などで、術後の最初の頃は放射線治療もやっておりました。術後、抗がん剤は使っていないと思います。故郷に住む母のことで、実際の詳しい治療は分からず、私が知っているのはこの程度です。そして先日、肋骨への転移が見つかりました。故郷であるゆえ、担当の医師と話が出来る機会もなく、非常に不安です。インターネット等で調べてみても、術後の骨への転移は「直接的に生死に影響は及ぼさない」「将来的にまた違う場所に転移するので完璧な治療は難しい」ということぐらいしか分かりませんでした。もちろん、自分の母なので、「完治」するのが一番望ましいのですが、初めに乳がんと分かった時点で、死ぬまで乳がんとうまく付き合っていかなければならないという事は覚悟していました。個人によって大きく差があるとは思いますが、現在の母の状況から将来の病状はどのように考えられますか? また、一般的に見て長期的な生存を望むことも出来ますか? 私も、あと少しで学校を卒業するので、病状によっては卒業後、母の傍に居た方が良いのか考えなければなりません。今、私なりに出来る事は全てやろうと思っています。知識が乏しく申し訳ないのですが、どうか、答えにくい事であってもご返答よろしくお願いします。

乳癌の再発や転移の治療において、重要なことは完治することは少ないということです。抗癌剤やホルモン剤などで病変が小さくなったり、進行が抑えられることはあっても、再発転移病変が完全に消失することは少ないです。ですから今後の治療において大事なことは、病変が進行しないようにすることを主眼において治療をすることだと思います。患者さんの生活の質を落とさずに行っていくことも大事です。一般的に骨やリンパ節の転移などは今すぐ生命に関わるということはないので、副作用のあまりない治療から始めて、病変が進行するとか症状が強くなるといった場合に、より強い治療に移っていきます。また骨転移やリンパ節転移などは治療が効いて長期生存や完治することもあります。まず最初の治療が効いて長期間縮小していたり、大きくなっていなければ、ある程度の長期間の生存が期待できるかも知れません。最初の治療や二番目の治療があまり効かなければ、病状が進行して他の臓器に転移を起こしてくる可能性もあります。(文責 稲葉)

 

No.4682-1】 05年11月26日     N.H.
非湿潤がんと診断されました

初めまして。お忙しいところを申し訳ありませんが、質問させていただきたく存じます。38歳です。11月初旬に左胸にしこりのようなものを感じ、超音波、マンモグラフィーを受け、超音波には何も写っていなかったのですが、マンモで石灰化が幅広く確認されました。その後、針生検とMRIの結果、今日、「非湿潤がんである」との診断を受けました。非湿潤がんは、まだ転移していないと言われるそうですが、肩のあたりに軽いつっぱりを感じたり、腰が痛かったりします。肩の凝りは以前からあったのですが、凝りではなくて、転移で張り感が感じられるのでしょうか。あと、腰も以前から座り仕事なので痛みはありましたが、言われてみれば鈍い痛みがあったので、こちらも転移の可能性は考えられるものでしょうか。「非湿潤である」と言われましたが、がんであることを気にするせいか、頭が重い感じがしたり、肩の張りが日増しにひどくなる気がして不安になっています。緊張性のせいか、鎖骨への転移か、どんどん不安が大きくなっていっております。それと、10月と11月に2回、がんであることを知らずにリンパの流れを良くするリンパマッサージに行ってしまいました。これは、転移を促したりしてしまうのでしょうか。申し訳ありませんが、以上2つのことについて何か可能性として考えられることを教えていただければと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

肩のこり、張りや腰痛、頭の重い感じ、鎖骨の張りなど、転移の症状とはあまり考えられないと思います。非浸潤癌であれば他臓器の転移はまず考えられません。転移の症状としては、張り、こりより痛みが多く、その痛みもある程度強いことが多いです。リンパマッサージも癌の転移には影響を及ぼしません。癌が見つかったということで、多少不安な気持ちになるのは皆さん同じです。非浸潤癌の段階で見つかってむしろ幸運であるぐらいに思って、これからの治療をがんばって下さい。(文責 稲葉)

 

No.4682-2】 05年11月29日     N.H.
非湿潤がんと診断されました(2)

No.4682です。昨日は、お忙しいところ、ご回答をありがとうございました。 再度、質問をさせてください。「非湿潤がんである」と言われたと書きましたが、正式な転移検査は今週にやるのだそうです。それで、不安を感じたのですが、針、超音波、マンモ、MRIのみで「非湿潤がんである」と診察がつきましたが、転移検査で遠隔転移、切ってみたら転移していたなども考えられるものなのでしょうか。正式な転移検査を目の前にしてドクターを信じていないわけではないですが、そういう可能性もあるのでしょうか。申し訳ありませんが、再度付けたしとして質問させていただきました。よろしくお願いいたします。

非浸潤癌であれば転移を認めることは殆どありません。しかし、針生検や組織の一部の生検で非浸潤癌と診断された場合、しこり全部が非浸潤癌であるという保証はありません。手術後の標本で非浸潤がんであると診断された場合はしこり全てが非浸潤癌であるといってほぼ正しいのですが、針生検で非浸潤癌と診断されてもしこり全ての部位をみているわけではありませんから、手術後に取ってみたら、浸潤癌であったということもあります。ですから遠隔転移の検査を念のため行うのだと思います。(文責 稲葉)

 

No.4682-3】 05年12月10日     N.H.
非湿潤がんと診断されました(3)

いつもご丁寧な回答をありがとうございます。HPNo.4682です。先月25日に画像診断と針生検で「非浸潤癌である」との診断になりました。その後、血液検査、肺レントゲン、おなかのエコーなどの検査で転移は見られないということで、最初は今週に手術ということでした。しかし、胸を同時再建するのに形成外科との日程がなかなか合わず、まだ手術日は確定しておりません。どうやら19日の週になるようだということなのですが、こうしている間に浸潤してしまうのではないかと不安に思ってしまいました。そんなに急速に進行はしないとはいうものの、何せ素人ですので、今、非浸潤でも明日にはもう浸潤してしまうかもしれないなどと考えてしまいます。異変に気付いたのが先月初めで、検査から手術まで1カ月半以上も待つのかと思ったら、また不安にかられてしまいました。非浸潤から浸潤になってしまう可能性はいかがなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

前回稲葉先生が回答しているように、非浸潤癌という診断は、切除した組織を隅から隅まで調べて、どこにもが浸潤巣が無いことを確認してから初めてつけることができる診断名ですから、針生検の結果が非浸潤癌だからといって全てが非浸潤癌とは言えません。ですから、待っていることで非浸潤癌が浸潤癌になるという心配より、現時点で浸潤があるかどうかが問題です。乳癌の手術で1‐2ヶ月の時間はあまり問題になりません。(文責 清水)

 

No.4681】 05年11月26日     p
乳癌を治療する病院の選択について

はじめまして。先日、乳癌の宣告を受けましたが、病院の選択について悩んでいます。34歳で、3年前から右乳房のしこりに気づいていましたが、第一子を妊娠し、授乳中であったため詳しい検査はできないと言われ、様子を見ていましたが、そのあと第二子を妊娠し、授乳が終わるまで様子を見ていました。ところが、10月に胸部圧迫感や咳嗽があり、近医受診して、レントゲンから乳癌の疑いがあり、近くの総合病院を紹介されました。細胞診の結果、クラスXで、マンモグラフィでは石灰化、腫瘍の大きさは5cm大と言われました。今月下旬入院で2日後手術になったのですが、不安があります。その病院は専門病院ではなく、一般外科です。乳腺外来などもありません。主治医からは「手術してとってみないと、リンパなどの転移の有無はわからない。化学療法や放射線療法などについては術後考える」と言われました。地方にいる家族に、ガン専門病院の看護師をしている人がいるのですが、「10月ぐらいから原因不明の咳嗽が続いて、肺などのCTをとったり血液検査をしたりせず、全身検査をするなどなく、転移の有無などの予測もせず、手術するのはいかがなものか。専門医のもとで治療すべきではないか。」と言われ、その地方の家族が働いている病院に来て治療しないかと言われています。腫瘍が大きく、今予定している病院ですぐ手術したほうがいいのか、それとも、小さな子供をかかえ地方に行くのは少し厳しい状況ですが、それでもそちらの専門病院に転院すべきか(またそこに入院しても検査などしている間、手術が遅くなり、その間進行するのではないかという心配もあり)、悩んでいます。お忙しい中、申し訳ありませんが、どうかアドバイスお願いいたします。

まず地方の専門病院へ転院することはあまりお勧めしません。乳癌の治療は手術で終わりではなく、術後の補助療法などが必要となることが多いです。また術後10年程度は経過を見るために外来通院が必要です。自宅から離れた病院では大変だと思います。できれば現在の自宅の近くにがんセンターや大学病院、総合病院でも乳腺専門医のいる病院があれば、そこがベストと思いますが。もし無ければ、もう一度今の主治医に詳しく聞いてみたらどうでしょうか。現在の病気の段階や今後の治療などについてです。わかる範囲で詳しく説明してもらえると思います。もし自分の納得する説明が得られなかったら、転院といったことも選択にあがってくると思います。(文責 稲葉)

 

No.4680】 05年11月26日     eco
初期の乳癌の術後感染について

乳癌手術後の質問です。私の母(70才)が初期の乳癌と診断され、10月25日に左胸の温存手術を受けました。部位は内側で、心配していたリンパ節への転移も無く、簡単に終わった感を受けました。腫瘍の大きさも15ミリ以下で、切除した物を見せて頂きましたが、全体で巾70ミリ位のお饅頭位の大きさで、この中に腫瘍があると説明を受けました。入院も5日程で、術後何があるという特別な説明も無く、退院後は普段通りに過ごしておりました。1週間程経った頃、胸帯に茶色のシミが付いているのを発見したので、2週間後の外来予約を待たず、早く診察を受ける様に言いました。その頃母も「腫瘍を取った後に水が湧き出て来て溜っている、ちょっと痛い」と言っていました。調べて頂くと「細菌感染を起しているので、抗生物質を出します。1日おきに外来診察を受けてください」と言われましたが、その時水は抜きませんでした。次に受診した時には胸がパンパンになっていたので水抜きを強く希望し処置して頂くと、水を見て「これは感染じゃないな、術後に穴が空いている部分に水が溜る事はよくある。自然に出なくなるのを待ちましょう。又明後日来てください」との事。しかしその夜9度近い高熱を出し、翌日受診すると「菌の種類は分かりませんが細菌感染を起しています。抗生物質を静脈点滴して行きましょう」と言われ、通院させるのは大変なので(自宅から30分)、今日現在再入院しています。発熱当初食欲もありませんでした。回診の折、担当医師と違う方が「貴方のは抗生物質を投与しても内蔵ではないので意味がありません。細菌の種類は通常人の皮膚にいるモノです。」と言ったそうです。そして胸に穴を開け、パイプを通しバックを吊るし排液を出す治療を、入院3日目の今日から受けています。入院期間は前回より長くなるそうです。お聞きしたいのは、この水とは一体何なのか?どの位で止まり完治するのか?感染の治療は自然治癒なのか?術後感染とはよくある事なのか?一体今どういった症状なのか?担当の医師に説明は受けたのですが、難しくて理解ができないので、こちらにご質問させて頂いた次第です。長々失礼致しました。宜しくお願いいたします。

恐らく乳房の部分切除をして空洞となった部位に浸出液やリンパ液などがたまったものと思われます。術後たまにみられるものです。通常は細菌感染していないことがほとんどで、浸出液などを抜くことで自然と良くなります。今回の場合は熱が出たので、細菌感染と判断されたのでしょう。細菌検査をして常在菌ですので、熱が下がっていれば、抗生物質は中止して排液を出す治療だけで十分です。1週間程度の入院で大丈夫と思われます。(文責 稲葉)

 

No.4679】 05年11月26日     MY
骨シンチの結果について(HPNo.2998-5)

昨年2998番で、何度もお世話になりました。すがる思いで、ご相談させていただきました。本当に感謝しております。手術から1年たち、ゾラとタモキシフェンを服用しています。定期検査の肝臓、肺のCT、マンモは問題ありませんでした。が、骨シンチの結果について、お聞きしたいことがあります。よろしくおねがいいたします。読影の先生のコメントは、「フォローお願いします」とありました。写真を見ますと、胸骨のところに一箇所、黒い丸が写っていました。胸骨柄と胸骨体の継ぎ目(?)のところらしいです。主治医の先生は「大丈夫でしょう。MRIの必要はありません。1年後にまたシンチ撮ればいいです。」とのことでした。でも、あの黒い丸はなんだったのかと、落ち込んでしまいました。炎症などがあるとシンチに出てしまうと聞いていますが、胸骨あたりは傷めた覚えはありませんし、痛みもありません。転移以外にも、この部分が黒くでることは他に何が考えられるのでしょうか? MRIは年内はいっぱいで、来年にならないと予約が取れないと言われました。どこかで早くMRI検査をして、はっきりさせるのが一番なのだろうとは思いますが、それも怖い気がしています。すっかり気分がふさいでしまっています。どうか、よろしくお願い申し上げます。

骨シンチで転移以外に集積がみられるとしたら、炎症や骨折などが考えられます。特にぶつけたといったことが無ければ、MRIやCT(骨条件で)を撮ってみて病変があるのかないのか、きちんと確認しておいた方が良いと思います。仮に転移だとしても、早く見つければ治療の選択が広まるので、詳しい検査をすることをお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.4678】 05年11月26日     M 
病理結果と今後について

初めてメールさせて頂きます。よろしくお願いいたします。今年9月に温存手術をうけ、放射線治療30回、ホルモン療法としてフェアストン1日一錠を受けております。病理結果より予後をお教えください。年齢46歳で、子供は2人の女の子です(16歳と7歳)。「診断:invasive lobular carcinoma,G2,NG2、 リンパ節:No tumor,LN,LN dissection、 所見:高度の核異型と軽度の核分裂像を有する腫瘍細胞がわずかに周辺脂肪組織まで浸潤増殖している。浸潤部ではやや異型は強いが、E,cadherinが陰性であり小葉癌の所見である。リンパ節転移は見られない。(HER2:1+, ER+,PgR:+ 共に50%以上に陽性)」 併せて、私の手術の2ヶ月前に母も同手術を受け、診断結果も同じ小葉癌でした。娘に遺伝すると言われ、大変心配しております。娘にも検査等必要でしょうか? お忙しいところ、よろしくお願いします。

温存手術を行い、術後の補助療法がホルモン剤のみということを考えると、腫瘤径はそれほど大きくは無いと考えます。ホルモンレセプター陽性、リンパ節転移なし、G2、NG2といった結果を考えると、10年生存率は約85〜90%程度と考えます。乳癌は特殊な家族制乳癌を除いては、子供に遺伝することはありません。ただ家族歴で母親や姉妹などに乳癌の方がいると、全く家族歴が無い方に比べると乳癌の発症が多いという事実はあります。娘さんは16歳と7歳ですから、今すぐ検査の必要はありません。20代後半頃になったら年1回程度の検診を受けるようにすればいいのではないかと思います。(文責 稲葉)

 

No.4677】 05年11月26日     K.T.
アリミデックスについて

初めてメールをさせていただきます。36歳、今年7月に左乳房温存手術を受けました。リンパ節に転移はなく、放射線治療を25回受け、その間ノルバデックスを服用していました。放射線治療終了後の最初の外科外来の時に、「病理結果がホルモン(−)で、ノルバデックスではたいして効果が得られないので、アリミデックスに変更する」旨説明を受け、二ヶ月近く服用しています。今回副作用について調べていたところ、アリミデックスは閉経後に使用されると分かり、私自身閉経前で生理も止まっていないため、主治医に確認すると問題ないとのことでした。本等を読むと、ホルモン治療をしない方法もあるようですし、このままアリミデックスを飲み続けてよいのか不安があります。どうぞよろしくお願いします。

仰るとおり、アリミデックスは閉経後乳癌に適応ですので、閉経前の方には使いません。またホルモン感受性陰性の場合はノルバデックスでもアリミデックスでもホルモン剤はあまり効果が無いので、用いないのが普通です。ですからアリミデックスを続けるのは、あまりお勧めしません。(文責 稲葉)

 

No.4676】 05年11月26日     さくら
乳腺線維腺腫の術後について

3年ほど前に左胸の乳腺線維腺腫を摘出しました。2ヶ月ほど前から手術した傷跡が痛みだし、触ってみるとしこりの様なものもある感じです。実はこの度妊娠2ヶ月になり、かなり不安になっています。半年前に流産を経験しております。この痛みとしこりは、流産と妊娠に関係はあるのでしょうか? また再発の可能性がありますでしょうか?どうぞ宜しくお願いします。

線維腺腫が妊娠期に再発することはたまにみられます。線維腺腫は女性ホルモンの刺激で大きくなることがあり、思春期に巨大な線維腺腫ができることがあります。ですからこのしこりが線維腺腫であれば、妊娠を契機に大きくなった可能性は考えられると思います。もちろん他の病気などの可能性もあるので、専門医の受診を受けることをお勧めします。(文責 稲葉)

 

No.4675】 05年11月26日     I.M.
乳首の下のしこり

18歳の男ですが、最近、乳首の下にしこり(おはじきのような感じ…)があるのですが、これは癌ですか? すごく心配しています。今、受験シーズンで、病院にも行けないし、勉強に力も入らず大変です。助けて下さい! あと、もしかしたらなんですが、僕は睾丸の病気(せいさくねんてん?)とか言うので、睾丸が@つしかありません、これは関係ありますか? また、癌でないなら、どのくらいで治るものでしょうか?教えて下さい。

メールの内容からすると、癌の可能性は少ないと思います。18歳の男性ということを考えると、思春期にたまにみられる女性化乳房などが考えられると思います。睾丸の病気とは関係ありません。数ヶ月で軽快すると思いますが、念のため専門医の先生の診断を受けて下さい。(文責 稲葉)

 

No.4674】 05年11月25日     t・s
放射線治療後の赤みと熱感について

「温存手術、1期」です。放射線治療後1回目で、患部とは別なところに赤みと熱感があります(5センチくらい)。放射線科医は、「1回目でこうなるのはありえない。あなたには、この治療があわないです。」と言われたので、原因をお聞きしたところ、「ばい菌が入っているかもしれないので、外科医に聞くように」と言われました。お聞きしましたが、体温は平熱であるので心配はないと言われ、放斜線治療を続行しましたが、原因については何も言われませんでした。この赤みと熱感の原因を知りたく思います。お願いいたします。

赤みと熱感は何らかの炎症が起きていると考えられます。症状が強くならなければ、放射線は続行していいと思います。原因は診察していないのではっきりとはわかりませんが、患部と別の部位ですから、皮下の脂肪組織などの内出血や感染、脂肪組織の変性などが考えられると思います。(文責 稲葉)

 

No.4673】 05年11月25日     K.Y 
乳がんの可能性を指摘されました

今日初めてこのページを見ました。何も解らない者の質問で、常識はずれなことがあってもご了承ください。先週、妻が胸にしこりを見つけ、本日病院へ行き、診察とマンモグラフィーを行った結果、左胸は全く何もないですが、小さいつぶが右胸の色々な場所に見つかりました。また、右腕と胸の根元あたりには沢山つぶが集まっており、先生は16×34と数字を書いていました。石灰化しているようで、3日後にCT検査と、12月半ばに細胞を検査する予定です。癌の疑いが強いようですが、もし良性でも、これだけ大きいと取ってしまった方がいいのでしょうか。また、今日のマンモグラフィーで非浸潤、浸潤かどうかわかっているのか、転移の可能性はどのように調べられるのか、リンパ転移等、転移は手術しないとわからないのでしょうか。先に調べるのでしょうか。PETが全身を検査できると聞いたのですが、手術前にPETで転移を調べた方がいいのですか。また、抗がん剤は髪の毛が抜けるものと大丈夫なものとあるみたいですが、効果の差はどれほど違うものでしょうか。妻は、「髪の毛が抜けて人に会うことも嫌になり、かえって病気になるので、抗がん剤は使わない。」と言っています.大きさから言って、全摘出の可能性が大きいと思いますが、もしうまく摘出できても、その後、抗がん剤は必要なものでしょうか。ここ2.3日夜も眠れないようで、初めて睡眠薬を買うと言っていますが、悪影響を及ぼす可能性はあるでしょうか。また、これくらいの大きさで、リンパのほうへ転移している場合と、してない場合、およそ生存年数は何年くらいでしょうか。今日のことで大変動揺しています。いろいろお尋ねしますが、どうかよろしくお願いします。

まずしこりが何であるか、きちんと調べることが大事です。細胞診、あるいはできれば針生検まで早めに行って診断をつけることが重要です。癌であった場合、画像検査で非浸潤癌か浸潤癌か完全に診断することは難しく、組織を採って診断をつけることになります。他の部位の転移はCT検査などでわかりますが、脇の下のリンパ節などはCTや超音波で腫れを認めなくても、手術でとってみると転移があることがあります。術前の検査としてPET検査まではしなくてもいいと思います。術後の抗癌剤治療は再発予防のために行うもので、手術で癌がきれいにとれたとしても、病理の結果で必要ならばやるべきと考えます。睡眠剤は癌の進行には影響は及ぼしません。生存率についてですが、しこりが34mmでリンパ節転移ありなら、5年生存率が約70〜80%で、リンパ節転移なしなら、5年生存率は約80〜85%ぐらいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4672-1】 05年11月25日     HY
初めての乳がん検診で再検査になりました

先月初めての乳がん検診の触診でしこりが見つかりました。今年30歳、出産暦無しです。家系には、がん・乳がん者はいません。今現在の状態は生理10日くらい前ですが、かなり胸が張り、しこりらしき物も自分でなんとなく分かります。ただ、胸の張りが成長期の時のようにかなりひどく、走ると痛いです。検診の時は、触診で右上の脇側にしこりを指摘されましたが、がん家系ではない事、生理前に胸が張り、今も生理前で張っている事を伝えたところ、「多分乳腺症でしょう。マンモも撮るので、それで分かりますよ。」との事でした。結果は「要再検査」で「腫瘤の疑い」でした。その後、家の近くの総合病院の外科で再検査をしました。検診時のマンモのレントゲンを借りて持って行き、検診の内容を伝えました。その日は生理後ということもあり、胸の張りは無く、自分ではどこにしこりがあるのかも分からない状態で、先生も見当たらないと言っておりました。ただ、レントゲンにはハッキリ影が写っているので、エコーと再度マンモを後日撮る事になりました。先日検査に行き、エコーを見たのですが、乳がんのしこりの画像ととても似ていました。そして左右数箇所に大きな空洞(影)が見られました。特に検診で指摘を受けたしこりの部分はかなり大きかったです。エコーは検査技師さんが行ったので、簡単な質問程度(しこりは自分で見つけたのか・・など)の会話のみで、画像についての説明はありませんでした。検査結果は1週間後に分かりますが、この状態の場合、やはり疑われるのは乳がんなのでしょうか? 乳腺症なのかも?と自分では思いたいのですが、エコー画像が乳腺症のように網目では無かったように思えます。また、万が一乳がんだった時の事なのですが、術後の出産について、可能なのか、どれくらい出産できなくなるのかなども教えて下さい。宜しくお願いします。

レントゲンやエコーでしこりが認められるわけですから、何らかの病変があるのは間違いないようです。ただ、しこり=がんというわけではありません。乳癌以外に良性のしこり(線維腺腫など)や嚢胞なども考えられると思います。乳癌であった場合、術後の出産は可能かという点については、現時点では何ともいえません。乳癌の進行度によって術後の治療が変わってくるので、きちんと診断がついて手術を行い、病理結果が出てからの方がいいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4672-2】 05年12月04日     HY
結果は乳腺症でした

先日は回答ありがとうございました。検査の結果、両胸とも乳腺症で、部分的に嚢胞や線維腺腫もあるようでした。ただ、エコー検査の時にかなり詳しく調べていた一箇所のみ「非浸潤性がんの可能性を否定できない」という結果でした。先生は、「今嚢胞からしこりになりかけているという感じで、今後もしかしたら非浸潤性がんになるかも・・・という程度なので、1年に1回検診を受け続けて、その間にも自分で異変に気付いたらすぐ病院に来れば大丈夫だから、あんまり心配しないように。」との事でした。ネットなどでこの病気の情報を見ると、超初期でしこりになる前の段階であるとか、良性腫瘍でがんでは無いとか色々あります。今後私が注意していく上で、(今は他のしこりとの区別がつきません)どの状態になったらすぐ病院へ行くべきでしょうか? 摘出するなら非浸潤性がんの段階でしたいのですが・・・。それとも今の段階でも摘出した方が良いのでしょうか? 私としては今すぐどうこうって事でないのなら、出産をまだしていないので、様子を見つつ、その間に可能なら出産をして、がんという事がハッキリした時点で摘出する方が望ましいのですが、こんな考えでも大丈夫でしょうか? そして、非浸潤性がんをすでに疑われているという事は、嚢胞からしこりになった時は単なる腫瘍(良性)の可能性はないのでしょうか? また、乳腺症ですが、このまま何もしないでも自然に治るのでしょうか? 今後妊娠・出産には問題無いとは言われましたが、生理前でも嚢胞がすごく張ってしまい、しこりも色々なところにある状態なのですが、妊娠・出産の時はもっとひどくなるのか心配です。 申し訳ありませんが、また教えて下さい。 宜しくお願い致します。

非浸潤癌は良性腫瘍ではなく、悪性腫瘍です。ただ、乳癌の中にあっては、局所に留まるもので、再発、転移の心配は殆どありませんので、そういう意味では良性と言えるかもしれません。乳腺症の患者さんで、時々、非浸潤癌のような超音波像を示すときがあります。今回のように、嚢胞が固まっているような像を呈する非浸潤癌がありますので、そのような所見だったのかもしれません。年1-2回の検診を受け、変化があるようであれば、切除するというスタンスで充分であると考えます。ご自身ではわかりにくいと思いますが、何か変化があれば、そのような状況でも自覚するものがあったりしますので、ご自身での触診もしっかり行ってください。今の時点で、良性と判断するのに、手術は必要ないと思います。
乳腺症はホルモンのアンバランスで、女性ホルモンの相対的過剰でおこると言われます。理論上は閉経後はよくなると言われています。妊娠、出産、授乳、特に制限もありません。乳腺症に関しては、あまり神経質にならない方が良いでしょう。(文責 鈴木)

 

No.4671-1】 05年11月24日     M.I.
母の病気について

はじめまして。母の病気についてご質問させていただきます。よろしくお願い致します。
母(59歳)はPETでリンパに病変があると言われ、がんセンターを受診しました。腋のリンパなので乳がんを疑い、乳腺外科でマンモ、細胞診、マンモトーム、MRIの検査を受けましたが、乳がんは見つける事ができませんでした。まず、リンパの切除を・・・と考えました。(ガンセンターはちょっと遠いので)がんセンターの先生も、「リンパの切除であれば地元の大学病院で充分。」と言われ転院しました。大学病院で、リンパの細胞診の結果はガンだったそうです。乳がんは再度MRIをとるそうです。その他卵巣も9センチ程度に腫れているし、甲状腺も何かあるかも・・・と言われているそうです。これは乳がんからの転移と考えるのでしょうか? また、乳がんの所見がないのに転移なんて考えられるのでしょうか? 私は実家と離れているので心配です。母が乳がんの場合、私もリスクが高いのでしょうか? 私自身、子宮頸がん(上皮内腺がん)の経過観察中です。ご返事をお待ちしています。

潜在性乳癌というものがあります。これは脇の下のリンパ節への乳癌転移のみが症状であるものをいいます。乳房内にはマンモグラフィやエコー、MRIなどでもしこりなどの病変は認められません。リンパ節の生検をして乳癌の転移であることが確定されれば、これである可能性が高いと思います。他の可能性として、乳房以外の別の臓器原発の癌がリンパ節に転移した場合やリンパ腫などでしょうか。リンパ節の細胞診でガン細胞が出ているわけですから、リンパ腫の可能性は低いと思いますが、細胞診のみでは区別が難しい場合もあるので、鑑別診断としてはリンパ腫も考えられると思います。どちらにしろ、まず脇の下のリンパ節の組織生検を行い診断をつけるべきと考えます。(文責 稲葉)

 

No.4671-2】 05年11月25日     M.I.
潜在性乳がんについて

早速のご返事ありがとうございました。 また質問をさせて頂きます。よろしくお願い致します。 「潜在性乳がん」、初めて聞いた言葉です。がんセンターでも大学病院でも、一度も聞いていません。リンパの細胞診は行いましたが、特に乳がんからの転移とは言われていないようです。通常、細胞診で原発臓器は判定できるものなのでしょうか?再度検査が必要ですか?(私が一緒に病院に行っていないので、詳しいことはわかりません) もし、「潜在性乳がん」だった場合の治療方法は、どういものが考えられますか? やはり、抗がん剤や放射線治療は必要ですか? 彼女は抗がん剤をあまり受けたくないようです。副作用が心配だと言っています。還元水を飲んだり、キチンキトサンのサプリメントを飲んだりしています。こんなもので治るとは到底考えられません。藁をもつかむ気持なのはわかりますが、こういうものは本当に効果があるのでしょうか? よろしくお願い致します。

細胞診で原発臓器まで判定するのは難しいと思います。やはりリンパ節の組織診断(針生検でも外科的生検でもどちらでもいい)を行うのがよいと思います。治療法は通常の乳癌と変わりありません。潜在癌の場合、診断時にリンパ節に転移があるわけですから、抗癌剤治療は必要になると考えます。放射線治療は、乳房を温存した場合は必要になると思います。サプリメント等については、あまり効果は無いと思います。(文責 稲葉)

 

No.4671-3】 05年12月07日     M.I.
手術方法、手術期間について

ご返事ありがとうございました。 また、質問をさせて下さい。 本人は年内に手術をする事を決心したようです。手術ですが、腋のリンパだけを取るのと、リンパ・乳房ともに取るのと、どちらがよいのでしょうか? 検査をしても見つけられないガンであっても、乳房をとる必要があるのでしょうか? 乳房を取った場合と、とらなかった場合の5年生存率は違うのでしょうか? 転移・再発率も違うのでしょうか? 手術をした場合、手術時間・入院期間はどれくらいになるものでしょうか(一般的に)。わからないことばかりで、自分のこと以上に不安です。よろしくお願い致します。

私は腋の下のリンパ節だけを手術して、乳房に放射線をかけて、手術後にきちんと全身の術後補助療法を行なうことをお勧めします。その理由は、乳房を切除してもしなくても5年生存率は変わらないこと、転移再発も異ならないからです。もう少し説明すると、通常の乳癌の手術で乳房温存療法が可能なのは、しこりを切除しただけで完全にガンが取りきれているわけではないのです。それでも、放射線をかけて必要に応じてきちんと術後の補助療法を行なえば、乳房が温存されてしかも、全身への再発は乳房を切除した人と変わらないのです。お母さんの場合も、同じように考えれば乳房を切除する必要がないことは理解頂けるのではないでしょうか。ただし、乳房を温存した場合は、乳房内再発という心配がありますから、術後に定期的な乳房の検査(原則として一年に一回のマンモグラフィー検査)が必要になります。手術時間はリンパ節郭清だけであれば1―2時間くらい、乳房切除とリンパ節郭清で2‐3時間くらい。入院期間は術後1週間で抜糸して翌日退院というのが平均的ではないでしょうか。(文責 清水)

 

No.4670】 05年11月24日     KOBA
超音波について(HPNo.3799-3)

抗がん剤を終えました。来月からホルモン療法に入ります。副作用で頬に濃いしみが出来ました。美容用の超音波で、しみを薄くする方法を考えているのですが、いかがでしょうか? 併せて、おなか周りの脂肪やセルライトに効く美容用の超音波もしたいと思っているのですが、体への悪影響がないかと心配しています。リンパ節への転移が2個あったので、美容用の超音波が及ぼす影響が悪く働かないか知りたいと思っています。医療用の超音波はもちろん害はないでしょうが、美容用のそれがどうか教えてください。リンパマッサージを術後は積極的に行うように指導されましたが、マッサージすることでがん細胞が遠くに流れていくのではないかとも思ってしまいます。正しい知識をお教えください。もう1つ、手術によってがん細胞を取りきれている場合もありますか? がん細胞が潜んでいるかもしれないので、消滅させるために術後の治療をしていると考えてよろしいでしょうか? 以上3点、教えてください。よろしくお願いします。

美容用の超音波機器についてあまり知識がないので、医療用のものと同じものかどうか判断はできかねますが、超音波であれば害はないと思います。頬のシミは恐らく抗癌剤の影響でできたものと思われますので、抗癌剤が終了して時間が経過すれば、通常は自然と薄くなったり消えることが多いです。リンパマッサージによりガン細胞が全身に散らばっていくということはありません。手術でガン細胞がとり切れているかどうかを完全に証明することは難しいことです。手術で切除する範囲はガン細胞が全てとり切れていたとしても、リンパ節転移があるわけですから全身の他の部位にも微小な転移が起こっている可能性は否定できません。仰るとおり、ガン細胞が潜んでいる可能性があるので、ガン細胞が少なければ、つまりたくさん増殖する前であれば、抗癌剤の治療により再発を抑えることができることもあるので治療を行っているわけです。(文責 稲葉)

 

No.4669】 05年11月23日     C.Y.
痒みと乳輪の拡がり

37歳、出産経験は2回の主婦です。ここ数ヶ月前から、右乳房の乳頭から乳輪上部に痒みを覚えるようになりました。毎日ではありませんが、その痒みは激しいものです。汚れでもたまっているのかなと思っていました。つい最近、ふと見ると乳輪が不規則に拡がっていました。痒みを感じる部分です。加齢と共にこういうことは起こるのでしょうか? このまま放置しておいても問題ないでしょうか? それとも早急な診断が必要でしょうか? もし相談に伺うとすれば何科にいくべきでしょうか? 

乳輪部の痒みだけでは通常は問題ないと思います。ただ乳頭部のただれなどを伴う場合は早めに診察を受けた方がいいと思います。どちらにしても専門家の診察を受けてください。乳腺外科でいいと思います。(文責 稲葉)

 

No.4668】 05年11月23日     Y
術後の治療について

術後の治療についてお尋ねします。40歳、閉経前。右乳房ABCでInvasive ductal carcinomaのため、今年8月末に右乳房温存手術+センチネルリンパ節生検をし、A片のみ10数個の乳管内に見られる微少な病変が認められ、一部断端陽性につき追加切除手術を9月末に行い、その結果断端陰性で病変を取りきったということで、現在放射線治療25回とホルモン治療(ノルバデックスD 1日1回1錠+リュープリン注射1ヶ月に1回)を受けています。     
病理の結果は、Bp+(Ax)右側 C 1.5×1.5×0.8cm F sT1NOMO sStage1。乳管上皮由来のcancer cellがpapillo-tubularあるいはscirrhous patternを呈して浸潤・増殖している。Her2(2+), ER(+)(ほぼ全てが陽性)、PgR(+)(約90%が陽性)、Nuclear grade3,nuclrar atypia score3  mitotic counts score2 乳腺所属リンパ、切除No nodal metastasis ということでした。
現在行っている治療は、推奨されている標準治療で、自分に適したものと安心していたのですが、先日ふとgrade3 とHer2(2+)という結果が気になり、主治医にハーセプチンの必要性と抗ガン剤の必要性について尋ねたところ、Her2(2+)は3+よりハーセプチンの効力も落ち、心毒性の副作用もあるので、現時点では進められないが、抗ガン剤については希望があればやるというお答えでした。そこで、以下の点についてお尋ねします。
1) 自分のような病理の結果の場合、抗ガン剤を追加した方がいいのでしょうか?
2) 抗ガン剤治療を追加して行う場合、どのような抗ガン剤がベストだと考えられますか?
3) 同じような病理結果の患者の方で、ホルモン2種類だけと抗ガン剤+ホルモン2種類を比較した場合、 どちらが再発率が少ないでしょうか? また、その差は何%でしょうか?
4) ホルモン治療は、Her2陽性の場合、タモキシフェンよりもアロマターゼ阻害剤の方が効力があると聞いたのですが、リュープリンで閉経になった状態ならタモキシフェンからアロマターゼ阻害剤に変えてもらった方がいいのでしょうか?
5) 自分のようなHer2(2+)なら、ハーセプチン治療を術後補助療法として行う程深刻に考えなくていいのでしょうか?

沢山質問しましてすみません。ご回答よろしくお願い致します。

1) 抗ガン剤+ホルモン療法でもいいし、ホルモン療法単独でもいいと思います。メリットとデメリットを考えて総合的に判断すればいいと思います。
2) AC、EC、CEF、CAFなどのアンスラサイクリン系薬剤を含んだものがいいと思います。
3) 抗ガン剤+ホルモン剤の方が再発率は低いです。その差は3〜5%程度です。
4) 確かにHer2強陽性(3+)の場合はタモキシフェンが効きにくいというデータがあります。また理論的にはリュープリンで閉経後と同様のホルモン環境になったわけですから、アロマターゼ阻害剤でもいいような気がしますが、リュープリンとアロマターゼ阻害剤を併用した場合のデータはありません。ですから40歳であれば、やはりリュープリンやゾラデックスなどのLH-RHアゴニストとタモキシフェンの併用がいいと思います。
5) 現段階ではハーセプチンは術後補助療法にまだ使用できません。また2+の場合はFISHという検査をおこなってHer2遺伝子の発現が認められているかどうかを確認して発現があれば、ハーセプチンが効くといわれています。病理結果などからすれば、ハーセプチンの補助療法としての使用はあまり考慮しなくてもいいのではないでしょうか。(文責 稲葉)

 

No.4667】 05年11月23日     N  
背中の痛み

いつも参考にさせて頂いています。肺に転移で背中の痛みがでることはありますか? 主治医には、そこは筋肉みたいなので大丈夫と言われています。骨シンチ、問題なしです。

通常は肺の転移で背中の痛みはないことが多いのですが、肺の転移が大きくて胸壁まで浸潤している場合や、神経などを浸潤している場合は痛みが出ることがあります。また胸水がたまっている人で、たまに背中の痛みを訴える方がいます。(文責 稲葉)

 

No.4666-1】 05年11月23日     T.C. 
腋の症状が不安です

8月20日頃より左乳房に何となく痛みがあります。9月初めより生理が始まり、その間痛みが続き、9月終わり頃には痛みが増し、10月には腋まで痛くなる。その後10月19日に生理が始まるまでに痛みは治まったが、その間自分で乳房・腋を触っていたら、乳房はしこり・分泌物・ひきつれ等見当たらないが、腋の腕の付け根(どちらかと言うと胸の方ではなく奥の方)に少し腺・管?が浮き出ている様な感じ。10月末に受診。触診のみで、腋も押さえられただけで乳腺に炎症があるとだけ。腋の症状が不安です。どう言う事が考えられますか?お願いします。

乳腺がホルモンの周期により、硬くふれたり腫れた感じがしたりすることはよくあることです。乳腺組織が脇の方まで伸びている方がいますが、そのような方だと乳腺の張った痛みが脇の方まで放散することがあります。恐らく脇の症状はホルモンの周期による乳腺の痛みであろうと思われますが、症状がもう少し続く様であれば再度乳腺の専門医の診察を受けてください。(文責 稲葉)

 

No.4666-2】 05年12月16日     T.C. 
検査を受けましたが…

11/19に「腋の症状が不安です」と相談し、11/23に回答を頂いた者です。「ホルモンの影響で痛みが腋の方まで放散しているのでは。症状が続く様ならもう一度病院へ」と回答頂きました。あれから痛みはほとんどなくなりましたが、何となく鈍痛を感じる時もあります(特にブラをしている時に感じます)。よく考えると、これくらいの痛みは左だけ20歳代からあった様に思います(現在38歳)。生理周期が不順なので、生理周期に合った痛みかもはっきりしません。腋の腺・管の膨らみも右にもある様な、でも左の方が大きい様な…もししこりだったらと心配で、12/12に検診を受けました。視触診で腋の気になる所を言いましたが、「異常がある様なものは触れません」との事。胸も異常なし。その後、マンモグラフィとエコーをしました。結果、異常なしとの事で一安心しましたが、質問したい事があったのに緊張していて、後になってまた心配になってきました。エコーでは説明を詳しくしてもらいながらでしたし、腋の方まで診てもらいましたが、もししこりの場所にエコーが当たってなかったら発見できない事もありますか? また「マンモグラフィでも特に異常はありませんね」とおっしゃって頂きましたが、マンモは胸が大きいと異常が写らない事があると受診後聞いたのですが、そんな時も異常がないと言う診断をされるんでしょうか? 石灰化がある場合、マンモで良性・悪性の判断がつくのでしょうか。良性の場合、異常なしと伝えられる先生もいらっしゃいますか? それとも良性であっても何か写っていれば本人に言うのが普通ですか? 後で電話などで聞いても教えて下さるでしょうか? 結果的に乳腺症とも言えない様で、「血管か何かがホルモンによって炎症を起こしているのでは」と言う事で、自然に治るのを待つとの事でした。この炎症が元で癌になったりしないでしょうか? 私の祖母・叔母が乳癌、35歳で初産、太めです。これだけでも乳癌リスク高いと思うのですが、実は二人目の子供がほしいと思いながらまだ授からず悩んでいた所の今回炎症でした。この炎症があるのに妊娠を考えるのは無謀でしょうか? 更に乳房に負担がかかり悪化し、癌になるひきがねになる様な事になるのでしょうか? 一人目の時は3ヶ月弱で母乳が止まりました。看護婦さんにマッサージをしてもらった時、左乳首から少し血がでました。お願いします。

お話をうかがう限り、特に心配な点は無いようです。検査の結果が後になって不安になったり疑問点がでてくることはよくありますし、一度あなたの疑問点をもう一度検査を担当された先生に聞いてみてはいかがでしょうか?(文責 首藤)

 

No.4665】 05年11月22日     M.U.  
術後の治療法について

初めて相談させていただきます。37歳既婚、3人の子供がいます。一番下の子がまだ授乳中の今年4月上旬に右乳房のしこりに気がつき、近くの乳腺外科の開業医にみてもらいました。当初は乳腺症と診断されましたが、しこりが大きくなっていったので、再受診。細胞診の結果、異常なしと診断されました。しかし不安が残るるため、7月下旬に腫瘍摘出を外来手術で受け、術中も多分わるいものではないと言われ安心していたのですが、一転悪性とわかり、都内の病院に紹介状を書いてもらい、8月22日に手術しました。右乳房温存手術。腫瘍2センチ。センチネルリンパ節生検によりリンパ節第2まで廓清。リンパ転移1つ。ホルモンレセプターいずれもマイナス。Her2は1+〜2+ でした。術後に遠隔転移の検査を行い、異常なしでした。9月6日から術後の化学療法がはじまり、ファルモルビシン140mg エンドキサン950mg を2回終えたところです。予定ではあと2クール行う予定です。手術前は場合によっては8クール、タキソールを加えるかもしれないと言われていました。副作用は予想通りの脱毛、爪の変色、吐き気がでましたが、それほど精神的にもダメージを受けることなくきております。化学療法が終わった段階で、ラジエーションを行う予定です。そこで質問なのですが、現在予定されている治療で十分なのでしょうか。タキソールを追加しなくてもよいのでしょうか。もしも先生が主治医であればどのような選択をなさるのか、ご意見をお聞か願えればと思います。あと、遠隔転移の検査で、骨シンチ等を受けたのが8月下旬だったのですが、現在右肩甲骨付近に筋肉痛のようなものがあり、もしも骨転移だったらと不安になるのですが、一か月ちょっとで、しかも抗がん剤投与中にも転移するものなのでしょうか。お聞かせください。

ご返事が遅くなり申し訳ありません。まだお子さんが小さいうちに乳癌の診断を受け、大変ご不安かとお察しします。リンパ節転移が1個で腫瘍径2cm、Her2は1+〜2+という情報からは、2005年St. Gallen Consensus Conferenceの再発リスクの分類では、低リスク、中間リスク、高リスクの内、中間リスクになると思われます。ホルモン不応性ということで、主治医の先生も今の化学療法を選択されたのだと思います。リンパ節転移のある乳癌の方にアンスラサイクリン系にタキサン系の抗癌剤をさらに追加するかどうかについては、今までに結果がでている試験を総合すると生存率の改善効果についてはあるという結果とないという結果で分かれますが、健存率の改善(再発の抑制効果)はあるという結果が示されています。現行の化学療法で副作用が許容範囲内ならタキサン系の追加を考慮されることをおすすめします。しかし、リンパ節転移1個と一口にいっても、それが非常に微小な転移の場合もあり、こういった微小転移の場合にタキサン系の抗癌剤を加えるかどうかについては難しい問題だと思われます。また、核グレードやリンパ管・血管への脈管侵襲といった病理組織学的検査の結果は今回提示されていませんが、これらを総合的に考えて主治医の先生は今の治療を選択されたのだと思います。組織の結果や生活背景など主治医の先生が一番良く御存知だと思われますので、予定通り放射線治療を終えられたあと主治医の先生と今後の治療についてご相談されてみてはいかがでしょうか。また、右肩甲骨の痛みは骨転移の症状としては非特異的で8月の骨シンチで問題がなかったのであれば心配はなさそうですが、抗癌剤投与中でも効果なければ転移はありえます。主治医の先生に相談されることをおすすめします。(文責 坂本)

 

No.4664】 05年11月22日     K.H. 
授乳の成分について

お忙しいところ大変申し訳ありません。今6ヶ月の子供がおり授乳中なのですが(完全母乳です)、最近しこりのようなものをみつけ、病院に検査にいこうと思っています。そこで1つ心配になったのですが、もし乳がんの場合、今まであげてしまった母乳により子供に悪い影響はないでしょうか(癌の成分が移行しまうとか)? このまま与えてよいものでしょうか?

乳がんの場合、今まであげてしまった母乳により、子供になにか悪い影響はないと思います。乳癌と確定したら、授乳しない方が乳癌の治療のためにはいいと考えます。(文責 石川)

 

No.4663】 05年11月22日     Y.N
温存か全摘か?

先日乳頭分泌と微細石灰化について質問したものです。マンモトーム検査の結果、初期の非浸潤癌と診断されました(手術を受けてリンパを調べ、転移が無ければ確定だそうです)。MRI画像では4分の1切除でいけるのではないか、ということでした。その後放射線治療を受けた場合、残った4分の3の乳房に再発する可能性はどのくらいあるのでしょうか。またもし再発した場合、浸潤癌になってしまう事もあるのでしょうか。まだ幼い子供がいますので、日々再発の恐怖に耐えられるか自信が無く、全摘してしまった方がいいのでは、という思いがあります。全摘してしまえば再発の可能性はなくなりますか。また放射線治療等を一切受けなくてもいいのでしょうか。温存+放射線治療と全摘での生存率があまり変わらないというのは本当ですか。

浸潤癌で乳房温存療法術後に放射線治療を受けた場合、残った乳房に再発する率は一般的に4〜5%前後と思います。非浸潤癌ではもっと低いことが予想されます。乳房(乳腺)全摘すると、再発の可能性は極めて少なくなります。非浸潤癌では放射線治療等を受けなくてもいい場合が多いです。適応を選べば、乳房温存+放射線治療と全摘での生存率があまり変わらないというのは本当です。(文責 石川)

 

No.4662】 05年11月22日     T.F.  
カテゴリー2について

検診でカテゴリ−2と診断されました。このままにしていても大丈夫でしょうか?

カテゴリ−2とは明らかに良性と診断できる所見があるということですから、このままにしていても大丈夫と思います。6ヶ月後か1年後に、また検診を受けられれば心配ないと考えます。(文責 石川)

 

No.4661】 05年11月22日     C.S. 
マンモグラフィー

先日人間ドックを受け、乳がん検診でマンモグラフィーを左右一枚ずつ撮りましたが、右乳房上のほうに、細長く5mmぐらいの白い物が写っていました。専門の医師に診てもらってから結果を郵送して来るそうなのですが、その時もう乳がんだと思い、頭が真っ白になり何も聞けませんでした。2週間後ぐらいに結果が郵送してくるはずなのですが、2週間過ぎましたが、まだ送られてきません。51歳、女性です。まだ不順ではありますが、月経はあります。自分で入浴時などに何度も触ってはみるものの、しこりをみつけられません。やり方が悪いのかどうかわかりません。マンモグラフィーで乳がんを疑われたのですから、可能性は大きいのでしょうか? 今、毎日食欲もなく不眠が続いている状態です。よろしくお願いします。

乳がん検診のマンモグラフィーでひっかかっても、実際は乳がんでないことのほうが多いのです。しこりもないのですから、あまり決め付けない方がいいと思います。(文責 石川)

 

No.4660】 05年11月20日     H.S.
放射線治療について(HPNo.4469-2)

HPNo.4469でお世話になりました。今日の受診で聞いたところ、保険会社の診断書にはt2(T2<3cm),No,Moと書かれていて、ステージはUaと思っていたのですが、ステージTだとおっしゃいました。現在はノルバテックス一日2錠5年、リュープリン2年の治療です。来年から放射線の予定だったのですが、今日になり放射線をやるかやらないかを自分で決めて下さいと言われました。次回先生の診察は1月中旬なので、それまでに決めなくてはなりません。ただでさえ小さくなった胸が、もっと小さくなるとか、硬くなるとか言われると、正直悩みます。温存手術=放射線治療をしなくてもいいのでしょうか?宜しくお願いいたします。

T2ならステージはUaと思います。局所・乳腺内の再発率が減少するので、温存手術後放射線治療をするのが一般的です。絶対的にしなければいけないということではありません。条件が揃っていれば、温存手術後放射線治療しない症例もあります。主治医の先生に訊ねてみたらいかがですか。(文責 石川)

 

No.4659】 05年11月20日     K.K.
頭骨のしこり

手術して一年になります。1.2×1.2、センチネルリンパ生検(−)、悪性度T、42歳(当時)、現在ノルバ服用中。2、3日前、偶然に触れた右額に鈍い痛みを感じたので、その辺りを触ってみると、米粒大程のしこりを見つけました。とてもかたく、まるで骨のその部分だけ隆起しているかのようです。生え際にももう1つ、同じものがありました。左にはありません。骨転移なのでしょうか・・・。NCC−ST-439が4.8→8.9→11.3・・と上昇しています。CEA、CA15−3・・は正常値です。次回の診察が2月です。その前に見てもらったほうがいいでしょうか。同じ病院内の整形外科か脳外科に行ったほうがいいのか、それとも乳腺外科の方がいいですか?主治医の先生はとてもお忙しい方でいつも予約で一杯なので、予約以外に見ていただく事が難しいのです。ですので、乳腺外科の他の先生にお願いする事になります。

次回の2月の診察を待たずに、その前に念のため診てもらったほうがいいと考えます。その場合、乳腺外科を受診し、必要なら整形外科か脳外科に紹介してもらうのが良いと思います。(文責 石川)

 

No.4658】 05年11月20日     M.K.
術後の治療について

49歳、閉経前。10月18日に温存手術を受け、放射線治療を開始したところです。術前の検査ではT1N0M0でした。11月17日に病理結果が出て、リンパ管侵襲1、血管侵襲0、Macro 1.5×1.3cm、Micro2.3×1.7×1.2cm、乳頭腺管癌。断端−、センチネル生検−、核グレード1、ER+、PgR+、HER2-という結果でした。この結果で、術後療法としてホルモン治療のみの選択はよくないでしょうか? 化学療法の追加が必要でしょうか? ホルモン治療内容についても、アドバイスをお願いします。よろしくお願いします。

St.Gallen 2005のリスクカテゴリーでは、low risk に近いと考えられます。すると、術後療法としてはホルモン治療のみのか、または治療なしでもいいことになります。ホルモン治療の内容は閉経前なので、LH-RHa(ゾラデックかリュープリン)の注射が必須になります。あとは抗エストロゲン剤のタモキシフェンなど、アロマターゼ・インヒビター剤(アリミデックスやアロマシン)などを追加するかどうかです。(文責 石川)

 

No.4657】 05年11月20日     K.Y.
針生検後の乳首からの出血について

10月末に左胸の外側上部に1センチくらいのしこりを見つけました。また、2年前の断乳以後、乳首を押すと少し黄色い半透明の分泌物が出ていました。私はお乳の残りなどと思いこんで調べようともしなかったのですが、しこりを見つけたこともあって急に心配になり、大学病院の乳腺内分泌外科と言うところで検査しました。分泌物に関しては検査していませんが、断乳がすごく前の事でもないので、お乳の名残のようなものだろうとのことです。しこりの方は、マンモグラフィ、エコー、触診、細胞診、組織診と検査をし、良性の線維腺腫(乳腺症タイプ)と言われました。「今のところは大きくないので、とる必要はないだろう。3ヵ月後に大きくなっていないかどうか診ましょう。」とのことでしたが、さっきお風呂に入っていた時に乳首を押すと、血のまじったような赤褐色の分泌物が出ました。私としては針生検(10日前)のときの内出血が乳首から出ているのかなぁ・・・と思うのですが、インターネットなどで検索してみましたが針生検の後に乳首から出血するという例は見つけられませんでした。お忙しい中、すいませんがよろしくお願い致します。来週にでも病院で診てもらったほうがよいのでしょうか?

血のまじったような赤褐色の分泌物が出るのは、針生検後に可能性がないわけではありませんが、10日としてはおかしいように思えます。早めに病院で診てもらったほうがよいと考えます。(文責 石川)

 

No.4656】 05年11月20日     B 
抗癌剤について(HPNo.4372-4

HPNo.4372でご相談させていただいた者です。繰り返しの質問にご回答いただき、ありがとうございました。お手数をおかけし大変申し訳なく思っているのですが、化学療法をしなくていいのかどうかが不安で、先生の見解を伺いたくメールいたしました。45才、出産2回です。右乳房に3ミリの非浸潤性小葉癌が見つかり、温存手術を受けました。病理検査の結果、先の小葉癌の浸潤としての断端はマイナスでしたが、少し離れたところにポツリポツリと小さな癌が見つかりました。偶然、針生検の経路に沿っていて、針を刺した皮膚の方向で断端プラスとなっていることから、主治医の先生は、「針生検時、針を抜く時に途中で残ったのでしょう。放射線治療でほぼ完全に死滅させられるので大丈夫です。」とご説明下さいました。手術前にもセカンドオピニオンをお願いした先生に再び受診し伺ったところ、こちらのサイトでご回答いただいた見解と同じく、「理論的には可能性はあるが、それを病理学的に検証するのは困難なこと。」とのことで、点在する癌の一部は浸潤性発育が見られるものもあることからも、「生検とは関係なく、もとから存在していたそれぞれが原発の癌の可能性が高いと思われます。」とのことでした。現在30回予定の放射線治療を受けておりますが、今になって化学療法をしないで大丈夫なのだろうかと不安になってきました。原発癌が多発しており、小さいながらもまだ癌が体に残っている可能性があるという状況で、抗癌剤を考えなくても大丈夫なのでしょうか? 現在、放射線治療の他はノルバデックス服用のみです。説明不足で分かりにくいかとは思いますが、よろしくお願いいたします。

生検とは関係なく、それぞれがもとから存在していた原発の癌の可能性が十分有り得ると私も考えます。しかし偶然に見つかった微小な癌だったようで、予定の放射線治療で制御できそうに思います。放射線治療の他はノルバデックス服用のみで、一般的には良いと考えられます。ただ、どうしても心配ならば化学療法を受けることも決して悪くない選択です。(文責 石川)

 

No.4655】 05年11月20日     HF
白血球について(HPNo.4425-3)

宜しくお願い致します。白血球の数値についてお聞きしたく思います。現在ゼローダを飲んで8クール目になります。その他リュープリンと骨転移のため、アレディアをしています。月に一回血液検査で白血球を調べていますが、3000台前半が多いのです。多くてもたまに4000をちょっと超える程度です。治療開始から1年半たちますが、平均してずっとそうです。「体温と同じで、平熱が低い人がいれば、高い人もいる。急激に下がったわけでなく、平均してそうなので、HFさんの場合は心配はない」と、主治医には言われましたが、これは病に対する抵抗力が弱ってきている、という事とは違うのでしょうか?

白血球数値の推移ですが、病に対する抵抗力が弱ってきているということではありませんので、ご安心ください。(文責 石川)

 

No.4654】 05年11月20日     K.T.
乳腺の石灰化について

私は47才で、8年前に温存手術を受けました。現在は年1回の術後検査を受けています。昨年の検査で乳腺に手術後の石灰化がみられると診断され、経過を見ることになりました。先週行った検査でも、昨年と同じ場所に乳腺の石灰化があると診断されました。乳腺の石灰化は乳がんの初期症状と聞いておりますが、どの位の期間でがんに変化するのでしょうか?また、がんになる確率はどの位でしょうか?教えて下さい。

乳腺の石灰化は乳癌の初期症状の場合があるのは事実です。しかし、乳腺症、線維腺腫など良性の状態でも起こります。乳癌の場合、石灰化が癌になるわけではなく、癌ができたために石灰化がみられるのです。したがって、存在する石灰化の良悪性の鑑別が問題となるわけです。石灰化の形態・数などで、かなり区別できる場合があります。わかりにくければ経過観察、ステレオガイド下マンモトーム生検、摘出生検などが行われます。(文責 石川)

 

No.4653】 05年11月20日     K.D.
術後の留意点について

いつも参考にさせて頂いております。また、私と同じ病気で闘っている方の存在を知り「私も頑張ろう」と励まされています。私は今年9月に右乳房全摘の手術を受け、現在ホルモン療法で治療中、41歳です。日に日に傷の痛みも和らいで落ち着いてきました。これこら生活をしていく上での留意点を教えて頂きたいと思います。
@ 腕のだるさや肩こり回避のため水泳などをしたいと思っていますが、行っても大丈夫でしょうか?まだ早いでしょうか?
A 直射日光には当たらないほうがいいといいますが、日中の買い物程度ではあれば大丈夫でしょうか?
B 健康補助食品で摂らないほうがいい成分はありますか?抗エストロゲン剤を服用しているのに、ホルモンの働きを良くするものは摂ってはいけないということですか?

以上です。お忙しいところ申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。

@ 水泳などをしても大丈夫です。時期が早すぎるということはありません。
A 直射日光には当たらないほうがいいとされていますが、日中の買い物程度ではあれば全然問題ありません。
B 血中のエストロゲンを上昇させるものは避けた方が無難でしょう。(文責 石川)

 

No.4652】 05年11月20日     M.S
術後の検診内容について

いつも拝見させていただいております。私は現在36歳、既婚、子供なしです。昨年12月に人間ドッグにてしこり+石灰化が見つかり、精密検査の結果、乳がんと診断され、左胸全摘手術をうけました。病理検査の結果、幸いにもどこも浸潤しているところがなかたため、非浸潤性乳癌であると診断されました。術後治療は一切することなく、年に一度の検診(視診、触診、超音波、マンモグラフィー)ということになり、来月には術後初めての検診を控えております。いろいろと調べてみると、同じ非浸潤性乳癌でも検診内容に少し違いがあるようです。私が受ける内容の他に、CT検査をされていたり、血液検査をされている方もいらっしゃるようです。そこでこの場をお借りしてうかがいたいことは、
1)今現在の非浸潤性乳癌の標準的な検診内容
2)CTおよび血液検査はなにを知るためにすることなのか
3)ホルモンレセプターが+の場合はホルモン治療をした方がよいのか

以上の3点を教えていただきたく、よろしくお願いします。

1) 非浸潤性乳癌と診断された中に浸潤性乳癌も隠れていることがあるので、基本的には浸潤性乳癌の標準的な検診内容と変わりがないと思います。本当に非浸潤性乳癌なら、まず再発率は限りなく0に近いので、検診内容をいかようにも省略することが可能です。
2) CTおよび血液検査は、やはり再発チェックのためだと思います。
3) ホルモンレセプターが+でも、非浸潤性乳癌の場合はホルモン治療をしないのが普通です。(文責 石川)

 

No.4651】 05年11月20日     F
肺の影について(HPNo.4365-3)

先日HPNo.4365で質問させていただきました。いつも丁寧なご回答、ありがとうございます。今回は、前回少しお聞きした肺の影について質問させていただきます。CT検査で見つかった肺の影についてですが、手術前日の9月12日にCTをとったところ、1枚の画像に小さい薄い影(1cm未満)が1つありました。その時は、何かわからないため2ヶ月後に再度CTをとって判断したいとのことでした。去る11月11日に2回目のCTをとったところ、前回と同じ影があり、サイズは前回と同じであるとのことで、主治医は炎症性の影の可能性が高いとの診断でした。あらゆる可能性を列挙するならば、炎症性、肺がん、乳がんの転移で、7対2対1の確率ではないかといわれました。この腫瘍に対して、今後どのように対処していけばよいか悩んでいます。主治医は2、3番目を考えた場合、この腫瘍を手術で切除し、病理を確認した方がよいのではないかと言われました。また、手術以外に確認する術は今のところはないとも言われました(もう少し腫瘍が大きければ、乳がんのように針生検ができるともいっていました)。そこで、質問なのですが、本当にこの腫瘍が何であるか診断するには手術して切除するしかないのでしょうか? もっと他に検査方法はないでしょうか? また、この腫瘍が大きくなったときに対処するとしたならば、予後のリスクは高くなってしまうのでしょうか? 恐れ入りますが、よろしくお願いいたします。

CTなどの画像検査では良悪性がはっきりしないことも少なくないので、腫瘍を切除して病理組織学的に調べる検査が一番信頼できます。細胞診(針生検)では、悪性であっても出ないことがあります。無駄な手術はできるだけ避けたいので、経過を見て大きくなっていなければ良性・炎症性のものと判断する場合があります。経過を見ていて腫瘍が大きくなったとき、それが悪性ならば、予後のリスクは高くなってしまう可能性があります。このジレンマで悩むわけです。(文責 石川)

 

No.4650-1】 05年11月20日     S.M
左乳房の痛み

HPを検索していたらこちらのHPにたどりつきました。今、左乳房の痛みがあり、乳がん検診専門の病院に通っています。最初産婦人科触診で何もなく、生理が終わっても痛かったのでまた産婦人科にいったら、「エコーに写ったので精密検査」といわれました。紹介状をもらったのですが知り合いのいる乳腺外科でみてもらうと、「影みたいなものはあるけど、エコーを動かしていくと脂肪組織と合体しているから問題なし」と言われました。気になるので最初紹介していただいた乳がん検診専門の乳腺外科にいくと、やはり影があるとのこと。細胞診もしました。針でさした時、先生が、「やわらかいねぇ。もしかしたら判定不能かも」と言われたのですが、やはり結果は判定不能でした。先生が触ったら何かブニブニしたものがあるといわれるのですが、自分で触っても全然わかりません。分泌物も毎日チェックしていますが、ないようです(マンモの時、異常の無いほうからは出ましたが、痛いほうからは何も出ませんでした)。細胞に針を刺した感触とエコーで見た様子からか、先生が「99%大丈夫!」といわれたのですが、はっきりしない診断で心配です。検査を受けて結果を聞いたのが11月14日ですが、そのころは痛みもたまーにあるくらいでした。16日くらいからまた痛みがちょっと復活してきたと思ったら見事に生理になりました。月経緩和や子宮内膜症などにきく漢方薬を3週間分飲んで、また検査になります。その後3週間で薬は終了とのことです。12月5日に検査なのですが、間があくとやはり心配です。特に変わったこと変化があるわけでもないのですが(痛みはあります)、このまま次の検診までおとなしく待っていても大丈夫かな?と不安です。お忙しいと存知ますが、相談させていただきました。29歳、既婚、妊娠暦なしです。

経過からも、先生が99%心配ないと言っていることからも、次の検診までおとなしく待っていて大丈夫と思います。(文責 石川)

 

No.4650-2】 06年01月30日     S.M
乳房の痛み

先日質問させていただいたものです。 処方された漢方薬を年末で飲み終えて、12月末にマンモグラフィーを再度やりました。固くなっていた乳房がだいぶ軟らかくなっていて、マンモ画像上異常なしでした 。更に2週間後のほうがよくわかるとのことで、2週間後の1月17日にエコーをしました。 所見のあったしこりのようなものが、前は1p強あったのに、小さく半分以下?くらいになっていました。 念のため細胞診をしましたが、先生が「心配いらないから、結果は1ヶ月後にでも聞きにきて」とのことでした。3月には退職するので3月ではだめですか?といったら、今ダイエットをすすめられていて、その様子もみたいとのことで2月の半ばになりました。一時に比べて痛みは緩和してきております。生理前から生理中が一番強く痛みを感じ(生活に支障はありません)、他の時はたまに痛いくらいです。気になることなのですが、所見があったのが左側の乳房の脇側の上(乳頭から脇よりに斜め3〜4p上)だったのですが、左のブラジャーの下の部分があたるところがピリピリ痛みます。骨が痛いのかなと押してみたのですが、骨ではないようですし、皮膚にも変化がないです。しこりもないです。たまにある乳房の痛みのような感じもします。ブラジャーのワイヤー部分がきついものの時に強く感じます。ゆるいものの時は全く痛みがないわけではないですが、違和感?があります。乳腺症でもこの辺に痛みが出ることはあるのでしょうか? 先生にその胸を伝えたら、気にすることはないとのことでしたが、痛みがあると気になります。長々となりましたが、まだはっきりしてないので心配で質問しました 。

診察してくださった医師が経過観察で良いということなので、次回の診察まで経過観察していて良いと思います。(文責 千島)

 

No.4649】 05年11月20日     EM
骨転移(HPNo.4558-2)

先日は御丁寧な回答を誠に有難うございます。一部更新を致しますので、またアドバイスを頂戴したく宜しくお願い致します。先ず、骨転移は肋骨ではなく、CT、シンチにて胸骨の破壊像との事でした(体中央部3cm程度のお餅の様な膨らみを中心に、2〜30cmの広範囲に痛みあり。我慢できない程ではない様)。7年半前の摘出した癌の病理結果は、「ER 1+、PgR 3+、HER2 0」でした。又、先月の骨転移発見後のエコーにて左鎖骨下リンパ節2cmの転移疑い、PETにて左鎖骨上窩リンパ節の転移疑いでした。遠方の病院だった為、地元での主治医を探す為、2箇所の診察にいった結果、
・リンパ転移疑いは、触診では何れも確認できなかった。ただ、1箇所の再エコーでは、左鎖骨下リンパ節1cm位の疑いっぽいものは一応見られたようです。
・治療手段は、いずれもホルモン療法(タモキシフェン+ゾラ)を基本とするとの説明。
・但し、主にアレディアについての治療方針の違いがあった。1箇所では、アレディアもホルモン療法と同時に開始し、それでも痛みがあれば放射線加療。骨の外観の膨らみが直接目視で大きくならなければ、ホルモンとアレディアを一生継続との説明でした。又、もう1箇所では、「痛みがあれば放射線で加療する、3ヶ月以上後に様子確認し、場合によっては、次のホルモンor抗がん剤に変更するかも。アレディアは高価でもあるし、あまり効果が大きいとは考えられないため、基本的には使用しない。」との説明でした。  

私共の考えとして、ホルモン療法を選択するのであれば、許される範囲で、先ずはホルモン療法自体が奏効しているのか確認できた後、骨に限定した治療/予防のアレディア追加にしたいと考えます。現在、骨の溶解具合だけが治療効果を見る指標の為、アレディア、ホルモンの何れが効いているのか判らない状態で、ホルモンを一生継続していく事に懸念を感じます。丁重にその考えについて主治医に伝えようとしましたが、一蹴されてしまい途方にくれている状態なのです。何卒、下記の御意見、アドバイスいただきたく、宜しくお願い致します。

■御質問
1) ホルモン療法のタモキシフェン+ゾラの奏効具合は、7年以上もかけてできた再発ですと進行も遅い為、骨転移箇所の奏効具合を見るには3ヶ月後では不十分なものでしょうか?あまりにホルモン自体の奏効に拘って、重篤な骨関連の予防が後手になる恐れがあれば、最初からアレディアもセットにした方がいい様な気もしています。いかがでしょうか?
2) 今はホルモン(タモキシフェン+ゾラ)+アレディアでスタートして、奏効が顕著に出てからアレディアを一旦やめてホルモン自体の奏効確認するのは、考え方としてあり得ますでしょうか?(骨はアレディアで良いが、臓器はホルモンでいいのだろうかと、日々不安が募りそうなのです。)
3) 治療効果を確認するのに、外から目視で患部の直径が小さくなったor変わらないから奏効と判断する手法は、この場合あり得る方法なのでしょうか?身体の肉付きが数ヶ月で変化しただけで、変わりそうな気がします。(CT等の画像で正確に比較してもらいたいのですが、他院で撮った物で少し小さく、見難いようです。被爆もあるから必要以上に撮らない方がいいとの談を受け、困惑しているのです。)
 
何卒、宜しくお願い致します。

1) 効果判定は3ヶ月後でも十分と思います。胸骨の破壊像もあるので、重篤な骨関連の予防を考え、最初からアレディアもセットにした方がいいように思います。
2) 今はホルモン(タモキシフェン+ゾラ)+アレディアでスタートして、奏効が顕著に出てからアレディアを一旦やめてホルモン自体の奏効確認するのは、考え方としてあり得ます。
3) 治療効果を確認するのに、外から目視で患部の大きさを基準として治療効果を判断する方法もありまし、実際行っています。(文責 石川) 

 

No.4648】 05年11月20日     k・k
抗がん剤投与中にインフルエンザ予防注射はできますか?(HPNo.4532-2)

HPNo.4532でお世話になりました。その節は丁寧なお返事ありがとうございました。先生からの回答と主治医から示された内容が全く同じものでした。片道1時間半強かかる通院を考えて、タキソ−ルかタキソテ−ルか自分が受けたい治療を選んだらいいと言われました。治療効果はほぼ同じで、タキソ−ルは80mg/m2x12回(毎週)、タキソテ−ルは強引にアメリカ式に100mg/m2x4回(3週間おき)ということでした。タキソ−ルの方が副作用が軽いかもと言われた主治医の言葉で、毎週頑張って通院する方を選び治療中です。最近鳥インフルエンザのニュ−スを聞き、抗癌剤治療や手術が12・1・2月になるので心配になってきました。通院に人混みは避けられないので、インフルエンザの予防注射をした方がいいのでしょうか?しかし毎週抗癌剤投与しているので予防注射を受けること自体可能なのでしょうか?教えて下さい。よろしくお願いします。

抗癌剤治療でよっぽどの副作用が出ていない限りは、インフルエンザの予防注射は可能と考えます。私の患者さんでも、大勢の抗癌剤治療を受けている方がインフルエンザの予防注射をしましたが、問題が生じたことはありません。(文責 石川)

 

No.4647】 05年11月20日     F.R.
肺への転移について

いくつか質問があるで、よろしくお願いします。昨年12月に母(52歳)が乳がんで手術しました。腫瘍は2cm、石灰化あり、センチネル検査での見張りリンパ節には転移は見つからず、たまたま切ったところに微小の転移のリンパが一つ(1ミリ)がとれたとのこと。抗がん剤治療AC、放射線治療25回をして、ホルモン感受性が少しあるのでホルモン剤を5年間服用することになりました。たしかタスオミンDを服用しております。そこで質問ですが、この治療法は妥当ですか?タスオミンDは効果が期待できますか?母はステージで言うとどのくらいなのでしょうか? 最近カラ咳を朝によくするので、肺に転移していないのか心配です。放射線治療が終わったところでCTで撮影し、「炎症はあるが問題はない。半年後に肺炎を起こすことがあるので注意してください」と言われたそうで、ちょうど今が放射線が終ってから半年くらいたつのですが、最近のカラ咳はその影響ですか?まだ手術後1年くらいなのに、肺に転移することはあるのでしょうか?ちなみに肺に痛みはないそうです。文が読みにくくてすみません。よろしくおねがいします。

治療法は妥当と考えます。ホルモン・リセプターが陽性のようなので、タスオミンDは効果が期待できるかと思います。ステージはT1〜T2N1M0で、UA〜UBになるのではないでしょうか。最近のカラ咳は放射線照射の影響かどうか、実際に診察・検査をしていないのでわかりません。風邪、気管支炎ということも考えられます。検査すればすぐわかると思います。手術後1年くらいで肺に転移することは有り得ます。(文責 石川)

 

No.4646】 05年11月19日     M・A
乳腺のう胞症で要観察という診断について

はじめてメール致します。よろしくお願いします(33歳)。11月初めの集団健康診断で、「乳腺のう胞症」という結果がでました。「定期的に検査して経過をみて下さい」とコメントがありましたが、定期的というのはどれぐらいをいうのでしょうか? すぐに病院で検査を受ける必要はないのでしょうか? 

6ヶ月から1年の間を指していると思われます。乳腺のう胞症は普通慌てることはありません。(文責 石川)

 

No.4645】 05年11月19日     C.N.
左胸部に痛みがあります

初めてメールいたします。27歳会社員です。数日前から、左胸部に打ち身のような痛みがあります。乳房と鎖骨の間辺りなのですが、乳癌の可能性はあるのでしょうか。さわってみたところ、少し腫れているようです。両親共に癌で亡くなっているので気になります。お忙しいところ恐縮ですが、アドバイスいただけましたら幸いです。

乳癌で痛みが出ることは極めて稀です。しこりが無ければ、その可能性は非常に少ないと思います。しかし、27歳の乳癌も決して珍しいものではないので、いい機会と考え一度受診をされてみてはいかがでしょうか。(文責 石川)

 

No.4644】 05年11月19日     T.O
授乳中に乳がんになりました

はじめまして。現在、生後6ヶ月の子供を持つ39歳主婦です。左胸の外上に2センチ弱のしこりができ、病院で検査を受けました。結果、初期の乳がんであると言われました。後日、手術になろうかと思います。今まで完全母乳で育ててきましたが断乳し、人工乳に切り替えることとなりました。ついては自分で搾乳するにあたり、どのような点に気をつければよろしいでしょうか?よろしくお願いします。

しこりのところは、できるだけ揉まないほうが望ましいと考えます。この点で陰圧吸引式の搾乳器は好都合かも知れません。(文責 石川)

 

No.4643】 05年11月19日     k m 
HER2

妻は、年齢38歳、今年1月に右乳房温存手術をしました(2期・センチネル生検実施・腋下リンパ節非郭清)。術後の病理結果は、下記の通りです。
@悪性度:グレード3(充実腺管癌・原発巣2cm強・乳腺に沿った細かい癌細胞の拡散あり) A切除断端:陽性(肩に近い部分、乳腺の上限辺りが陽性) Bリンパ節:転移なし(センチネル1個摘出で陰性) CHER2:遺伝子陽性・受容体3+

現在下記の治療中です。
@放射線照射30回(3月に終了) Aゾラデックス(月1回皮下注射・2年) BノルバデックスD(毎朝1錠経口・5年) AとBの投薬開始後、すぐに生理が止まり、現在に至っています。

7月の検査(胸部レントゲン・血液採取)では、再発・転移の所見無しでした。次回1月に検査予定(マンモグラフィー・血液採取・骨シンチなど)です。先日、このホームページの相談内容で、「HER2 陽性(3+)の場合、再発率が70%」という記述を見ました。また、この相談の回答で、「HER2の術後投与で再発率が半分に抑えられるという発表がありました。」と記載されていました。下記について、教えていただけますようお願い致します。
@ ホルモンレセプター陽性(3+)の場合、再発率が70%というのは、妥当なデータでしょうか?
A ホルモンレセプター陽性(3+)の場合、再発率が70%という発表があったのでしょうか?
B ホルモンレセプター陽性(3+)の場合、比較的早い段階で再発する傾向にあるでしょうか?
C HER2の術後投与で再発率が半分に抑えられるというのは、これからのスタンダードになり得るデータでしょうか?
D HER2の術後投与で再発率が半分に抑えられるという発表は、ホームページなどで詳細を確認できるでしょうか?
E HER2の副作用(症状や特定の内臓や器官などへ影響があるのか?)を教えてください。
F HER2の投与(方法、間隔)は、どのように行うのでしょうか?
G 現在、ゾラデックス月1回注射、ノルバデックス毎日1錠服用しています。再発前にHER2投薬をする場合は、これらの薬剤は併用するのでしょうか?
H 再発前のHER2投薬は、保険適用外ということですが、月当たりの費用はどのくらいかかるのでしょうか?
I 再発前のHER2投薬の場合、混合診療の関係上、HER2以外の費用も保険適用外になると記憶しています。Gの質問にもあるとおり、HER2以外の投薬も必要な場合、それらの費用はどのくらいかかるでしょうか?
J 保険適用外である現段階で再発前のHER2投薬を開始し、その後、再発前のHER2投薬が保険適用化された場合は、その時点から保険適用にて診療・投薬できるのでしょうか? (保険適用外でHER2投薬を開始した場合は、保険認可後も保険適用外になってしまうのでしょうか?)
K 再発前のHER2投薬が保険認可されるには、まだまだ長い時間が必要でしょうか?
L HER2の投薬には、期間制限があるでしょうか?
M 再発前にHER2投薬を開始し、その後、再発・転移が見つかった場合は、HER2の効果が無いという事になり、抗がん剤への切り替えになるでしょうか?
N その他、HER2投薬にかかわるリスクが何かありましたら、教えてください。

質問数が多くなり申し訳ございませんが、ご回答いただけますよう、お願い致します。

@AB ホルモンレセプター陽性(3+)の場合、再発率が70%という報告は聞いたことがありません。いくらなんでも高すぎると思います。他の因子、例えば腫瘍の大きさ、リンパ節転移など状況で再発の率、時期は変わってきます。
CD HERCEPTINの術後投与で再発率が半分とはいかなくても、抑えられる可能性はあります。しかし、HERCEPTINの予防的投与はまだ保険で認められていません。治験では行われているようですが、まだ確かな成績は出ていません。
E HERCEPTINの副作用で一番気をつけなければいけないのが心臓障害です。心不全が報告されています。そのほかにアレルギー反応、発熱、倦怠感など言われております。
F HERCEPTINは点滴で、投与間隔は毎週・隔週などケース・バイ・ケースで違います。
G ホルモン剤は併用するのが良いと思います。 
H HERCEPTINの薬価は、1バイアル(150mg)で78074円です。3割負担だと23422円となります。      
I どの薬かによって違ってきます。かかっている病院でお尋ねください。
J 保険適用外である現段階で再発前のHER2投薬を開始し、その後、再発前のHER2投薬が保険適用化された場合は、その時点から保険適用にて診療・投薬できると思います。
K 再発前のHER2投薬が保険認可されるには、まだまだ長い時間が必要と思います。
L HER2の投薬には、期間制限はありません。
M 再発前にHER2投薬を開始し、その後に再発・転移が見つかった場合はHER2の効果が無いという事になり、他の抗がん剤への切り替えになるのが普通です。
N 特に思いつきません。(文責 石川)

 

No.4642】 05年11月19日     C・C子 
乳癌検査について

バンコクに在住している者(40代主婦)ですが、先日バンコクにある病院で健康診断を受けました。久々の乳癌検診を受けた結果、マンマグラフィー・エコーで「両方の乳房に1cm以内の水疱がある。心配ないけれど、1年1回の検診を受けてください。」と言われました。きちんとした病名?を聞かなかったのですが、嚢腫とかであれば、癌化する危険があるので、きちんと細胞診で良性か悪性かを調べたほうがいいと本で読んだのですが・・・。どうしたらいいのでしょうか。1年間様子をみていていいのでしょうか。バンコクの病院ですぐ検査した方がいいのでしょうか。それとも日本で検査した方がいいのでしょうか。 

乳腺嚢胞は小さいものはかなりの率で認められます。ほとんどが良性のものです。触診でわかるもの、超音波検査で嚢胞内に腫瘍が認められるものは、癌との鑑別が必要です。1年間様子をみても大丈夫のように思えます。バンコクでも日本でも検査にはあまり違いがないのではないでしょうか。(文責 石川)  

 

No.4641】 05年11月19日     F.U 
ホルモン療法について

初めて質問させていただきます。38歳です。7年前左乳癌で手術いたしました。今年6月、脇下リンパに再発し、ホルモン療法中です。ノルバデックスとリュープリンの治療をしていますが、茶色や黄色のおりものがでるため、11月初めに子宮がん検診をしましたが、異常なしでした。子宮内膜の状態も心配ないとのことで、ノルバデックスの副作用と考えられるとのことでした。ノルバデックスの服用は大丈夫と言われましたが、他にフェアストン錠に変えてもいいと言われました。閉経後の治療薬らしいのですが、ノルバデックスと同じ効能ということでした。そこでお聞きしたいのですが、ノルバデックスとフェアストン錠、閉経後の乳癌治療薬のアリミデックス錠の3つの薬とリュープリンとの組み合わせの治療効果について教えて頂きたく、よろしくお願いいたします。

リュープリンは閉経前に用いるLH-RH analogue製剤で卵巣機能を抑制します。これで閉経状態にしておいて、さらに末梢組織のエストロゲンを抑えるために、閉経後の乳癌治療薬アロマターゼ・インヒビターのアリミデックスを内服します。徹底したホルモン抑制ができる可能性があり、さらなる効果が期待できると考えられます。抗エストロゲンのノルバデックスとフェアストンは閉経前後にかかわらず適応があります。(文責 石川)

 

No.4640】 05年11月19日     S・H
ゼローダとの併用について

頭蓋骨転移により、現在治療中です。2005年3月頭骨転移が分かり、8月、9月と肺・肝臓・骨シンチの検査を受けました。頭蓋骨以外に病変はみつかりませんでしたが、CA−153のマーカーは28→27→24→29→35、今月には36とあがり、現在服薬しているアロマシンの効果が弱くなってきているかもしれないとのことで、ゼローダを併用することになりました(アロマシンの前はアリミデックスを服用していました)。ゼローダは単剤ではなく、あまり効いているのかわからないホルモン剤とゼローダは併用したほうが良いのでしょうか。錠剤とはいえ、やはり抗がん剤を飲まなければならないというのは抵抗があるのですが、今回の併用は、通常行われていることなのでしょうか。よろしくお願いいたします。

ゼローダは単剤ではなく、ホルモン剤と併用したほうが良いと思います。併用はよく行われていることです。(文責 石川)

 

No.4639】 05年11月19日     N.R.
両胸のしこりについて

21歳、女性です。現在海外に住んでいるのですが、こちらに来て、ここ一ヶ月くらい、前から(10代はじめの頃から)あったしこりが以前よりまして痛くなりました。この件に関しては、こちらに来る前に産婦人科で見ていただいたのですが、「ホルモンの異常だろう...」とのことでした。このしこリの大きさは3センチから5センチくらいのもので、触ると痛いです。場所はそれぞれ違いますが、両方の胸にあります。特に生理前には痛みが増します。うつ伏せになるだけでも痛みがあります。今のところ、一応日本人のスタッフがいる病院に予約を入れているのですが、海外ということもあり、少々不安なので、どんな検査をされるか、また、どんな病気が疑われるのかを、前もって知っておきたいと思って、ここにメールを致しました。よろしくお願いします。

両方の胸にあり、特に生理前には痛みが増すことから、やはりホルモンのアンバランスによる病態ー生理的な乳腺痛か、乳腺症ーが最も疑われると思います。検査は視・触診、]線(マンモグラフィーMMG)、超音波(US)が一般的で、穿刺細胞診も行われるかもしれません。(文責 石川)

 

No.4638】 05年11月17日     T,s
再発について

乳がんの再発について教えてください。2003年4月に両乳房摘出手術を受けました。腫瘍マーカーCA15-3は、2003年3月の検査で194あり、漸減していました。2004年11月に14.6まで下がりましたが、その後上昇し、2005年11月には再び194まで上がりました。CT、PET、骨シンチ、胃カメラ、大腸ファイバーを行ないましたが、異常所見はないとのことでした。どうとらえたらよろしいでしょうか。
他の数値についても報告させていただきます。1CTPは2003年2月は1.1でその後変化がなく、2005年10月に1.7、同11月に2.0です。CEAは2003年2月は3.0で、その後変化がなく、2005年10月に3.4、同11月に4.4でした。PETは2005年10月(このときCA15‐3は111.0)に、骨シンチは11月に行ないました。CTは2005年7月(このときCA15-3は34.7)に行ないました。どうかよろしくお願いいたします。

腫瘍マーカーCA15-3が194というのは高すぎると思います。絶対ではありませんが、普通はどこかに再発巣があると考えます。CT、PET、骨シンチ、胃カメラ、大腸ファイバーで異常所見はないとのこと、また1CTP、CEAなどの他の腫瘍マーカーは正常なので、偽陽性で高値になっている可能性は有り得ます。辛抱強く、経過観察・検査を続けることをお勧めします。(文責 石川)

 

No.4637】 05年11月17日     M
術後治療について

私は年齢30歳です。抗がん剤治療(CMF)を終えました。腫瘍径1.6×1.0cm リンパ節転移なし f、1y1、v0 、ER100、PGR50、HER2− グレード1、全摘です。今ホルモン治療中(ゾラ+タモキシフェン)ですが、抗がん剤の選択はこれでよかったのかと思っています。あと1y1、リンパ管侵襲+というのが気になります。リンパ管侵襲+ということは全身に転移しやすいと言う事ですか?しこりは内側だった為、それも心配に思っています。

いろいろな抗がん剤の選択が考えられたとは思いますが、これで間違っているとはいえません。どちらかといえば、リンパ管侵襲+(程度は1〜3まであります)の方が転移が起こりやすいという傾向があると言われています。が、ly1でリンパ節転移なしということなので、あまりこだわらなくていいと思いますが・・・。(文責 石川)

 

No.4636】 05年11月17日     Y.E.
ゾラデックスの期間

はじめまして。ゾラデックスの使用期間についてお伺いいたします。
1) 3年前に初期乳癌の手術をしました。特にリンパの転移もなく、現在はゾラデックスとノルバデックスの服用を続けています。先日、主治医の先生に、「そろそろ3年経つから、注射を止めてもいいよ。」と言われました。私は5年は続けたいかな?と思ってますが・・・。この注射を5年続けたとしたら、少しくらいは再発率がさがるのでしょうか?3年も5年も特に変わらないのでしょうか?
2) ゾラデックスとノルバデックスの影響?で、子宮内膜増殖症で婦人科の治療を受けています。注射を止めると子宮内膜増殖症は治るのでしょうか?

1) ゾラデックスの注射を5年続けたとしたら、再発率がさがる可能性はあるとは考えます。経済的と副作用の問題もあるので、状況次第と思います。
2) ゾラデックスとノルバデックスの影響で子宮内膜増殖症がひどくなっているとすれば、注射や内服を止めれば、子宮内膜増殖症は良くなると考えます。(文責 石川)

 

No.4635】 05年11月17日     S 
乳腺線維腫瘍

ずっと右胸のしこりが気になっており、本日近くの病院へ行って参りました。触診とエコーで診てもらい、「線維腫瘍」との診断を受けました。3cm弱と大きくなってしまっている為、摘出手術をすすめられました。日帰り手術が可能とのこと、来週に手術の予約を取って参りました。22歳未婚です。これから恋愛も結婚も出産もあります。乳房にメスを入れるのは大変心配です。術後、傷口や乳房の形がどうなるのか、また、今回摘出しなければどうなるのか、お答えいただければと思います。本日診て頂いた医師には「傷口は化粧縫い(?)で後が残らないようにしてあげるから」と言われました。形についても「術後はひきつりなどがあるが、その後はほとんど目立たなくなる」と言われています。摘出するならば若いうちにしておいた方がいいとは思いますが、若いが故に傷跡などが心配です。お答えをお願い致します。

メスを入れると傷ができます。この後の瘢痕は残ります。この瘢痕の程度は体質などいろいろな状況で変わってきます。ほとんどわからないものから、ケロイドとして残るものもあります。術後の乳房の変形はないのが普通です。摘出しなければ、線維腫瘍(線維腺腫?)は大きくなっていくのが通常ですが、縮小・消失する場合も有り得ます。(文責 石川)

 

No.4634】 05年11月17日     N 
HER2について(HPNo.4523-2)

以前にHER2のことでご相談させていただきました。その後の検査はまだなのですが、何か情報があったらと思い、ずっとHPを参考にせていただいていました。HER2の検査にFISH法があると書いていました。私の検査結果の7.6はFISH法なのでしょうか? もしそうだとしたら、7.6はとても高い数字なのでしょうか? 転移を覚悟しなければいけないのでしょうか? 来年検査予定なのですが、とても怖いです。宜しくお願いいたします。

HER2の検査には一般的にIHC(免疫組織化学的方法)とFISH法があります。これでは0、+1、+2、+3と評価して判定するので、Nさんの場合の7.6は血清のHER2を測定したものと思います。基準値は6.5ng/ml以下が推奨されています。腫瘍マーカーに準ずるものですが、まだ一般的ではなく、データも少なく信頼性に乏しいようです。(文責 石川)

 

No.4633】 05年11月17日     S・S
HER−2過剰発現の診断

お世話になります。HER−2の検査ですが、染色法で+3と診断されましたが、画像を見た限り非浸潤癌部分のものです。色は、かなり濃い茶色をしていました。主治医には、「浸潤部分でないと判断できないのでは」と質問しましたが、全体的に診ているから問題ないと言われました。非浸潤部分では、+3と出ることは多いのですか? それであれば、FISH法をしてもらうことは必要ですか? +1や+2、さらには陰性になる場合もあるのではと思いました。私は乳頭腺管癌です。かなりの範囲を非浸潤癌がしめています。教えてください。 

非浸潤部分で特にHER2が強く出ることは多いという報告はないようです。さらに鋭敏とされるFISH法の追加検査の必要はありません。+1、+2や陰性になることはまず考えられません。(文責 石川)

 

No.4632】 05年11月16日     F.K.
HER2(+3)について(HPNo.1767-5

HPNo.4489にて回答頂きました。2003年7月 39歳時 右乳房温存手術、腫瘍2センチ、リンパ節転移なし、ホルモンレセプター両方+、悪性度不明、HER2(+3)、放射線治療後、ホルモン治療(ゾラ、ノルバ)。ゾラは、24回中10回で中止(副作用大の為)。現在はノルバのみ服用中です。HER2(+3)であると先日の受診の際に、代替医師に教えて頂き、大変ショックを受けました。不安が大きくなり、動揺しています。宜しくお願い致します。悪性度も聞いたのですが、カルテに記入していないと言われました。Nccst-439マーカー値 9月は13.5でした。
質問事項
@ HER2(+3)という事は、悪性度も高い可能性が高いのでしょうか? 再発率は、どれ位になりますか?
A 今服用中のタモキシフェンは、効果が有るのでしょうか? 代替医師から、もしかしたらアロマターゼの方が良いような事を聞きましたが、どうなんでしょか?(ゾラで偽閉経にしても保険適用外ですと)
B 再発転移した際は、ハーセプチン治療になるのでしょうか? 分子標的治療は抗がん剤よりも副作用が抑えられるそうですが、髪は抜けますか? 費用はどれ位ですか?
C ハーセプチン単独よりも+タキソールの方が61%効果が上がるとネットで調 べたのですが、どうなんでしょうか?   
 
以上 宜しくお願い致します。

@ HER2陽性であれば、悪性度は一般的に高いと考えられます。再発率は陰性の方よりも高くなりますが、大きな差ではありません。
A おっしゃるようにアロマターゼ阻害剤のほうが効果的な可能性があります。ただ、閉経が使用条件になりますので、ゾラの注射が必要となります。
B ハーセプチンを使用する可能性は高いと思います(ホルモン治療も選択肢の一つになります)。脱毛は一般的にありません。費用は一回の治療につき2-3万円程(保険によって変わります)になります。
C その通りで、単独よりも併用の方が効果は高いです。(文責 加藤)  

 

No.4631】 05年11月16日     F 
乳頭の分泌物

お忙しいところすみません。38歳の主婦です。下着のちょうど乳頭にあたるところに、左右同じように2〜3センチぐらいの薄いしみ(無色)がついていたので、すぐに乳頭を絞ってみたのですが分泌物はありませんでした。今生理中なのですが、関係はあるのでしょうか? 何か悪いものなのでしょうか? お忙しいとは思いますが、どうぞ宜しくお願い致します。

透明の分泌物はまず心配ありません。悪いものではないと思いますが、一度検査を受けられてみてはいかがでしょうか? 外科または乳腺外科が担当の科になります。(文責 加藤)

 

No.4630】 05年11月16日     M・S
今後の治療について(HPNo.3462-2)

以前HPNo.3462でご相談させていただきました。その節は、ご親切なお返事をありがとうございました。術前化学療法を終え、手術も無事に済みました。診断時は、画像上5cmを超える腫瘍がありましたが、抗癌剤の効果があり、画像上はCRとの評価を受けました。腫瘍が大きかった事から全摘を行いました。リンパ節は21個取りました。術前のエコーとCT上、リンパ節への転移も否定できないと説明を受けていましたが、抗癌剤の効果もあってか取り出したリンパ節からは転移は認められませんでした。今後の治療について伺いたいことがありメール致しました。      
1) ホルモンレセプターについてです。検査を受けた病院では、ER+ PR- と言われ、術後はホルモン剤を使う事になるだろうと言われていました。しかし、実際の治療は他の病院で受けました。標本は検査した病院のものを使い、その病院でも調べたようです。しかし、先日の説明では、「当院ではホルモン療法に反応しないタイプとでました」と言われました。病理検査の結果が変わるという事はあるんでしょうか? 抗癌剤の影響で変化するものなのですか? 2つの病院の結果が違うことに戸惑っていますが、もう1度検査していただけるものなのでしょうか?
2) ホルモンレセプターが陰性であり、ハーセプチンの治療を勧められました。HER2がいくつなのかは分かりませんが、反応するタイプだといわれました。週1回の点滴を1年間続けなくてはいけないという事に不安を感じています。抗癌剤のように、回数を重ねるごとに症状が辛くなるものなのでしょうか。また、現在は転移性乳癌でなければ保険適応ではないようですが、それでも治療を受ける事に効果は期待できるものなのでしょうか。
3) ホルモン剤とハーセプチンを併用した治療になるといわれたようですが、ホルモンレセプターが陰性なら、ホルモン治療は意味がないように思うのですが…。逆にホルモンレセプターが陽性なら、まずホルモン剤の治療を試みるということでもいいのでしょうか? ハーセプチンで画期的な効果が現れたということは新聞でも目にしましたが、やはり両方行う事が1番いい事なのでしょうか。 

長くなってしまいましたが、お返事いただければ幸いです。ご多忙とは存じますが宜しくお願い致します。

1) ホルモン受容体の検査結果が変わることはありえます。陽性、陰性の判定基準が明確なものではないからです。術前の針生検での検査結果でしたら、もちろん抗がん剤の影響は関係ないのですが、術後の検体でしたら影響もでてきます。単に+、−ではなく、%またはスコアーを再度確認された方がよいと思います。
2) 回数を重ねるごとに辛くなることはないと思います。再発を約半分に減らせるという臨床試験結果が最近報告されました。 
3) ホルモンレセプターが陰性ならホルモン治療は行いません(むしろ予後が悪くなるという報告もあります)。2)と矛盾する内容のような気がしますが・・・。レセプターが陽性ならハーセプチンとの併用になります。もちろんハーセプチンを行わないならホルモン治療だけとなりますが、再発を抑えるという考えからは両方がベターです。ただ、費用や通院等の負担も考慮しなければならないと思います。(文責 加藤)

 

No.4629-1】 05年11月16日     N.K.
右胸のしこり

はじめまして。28歳女性です。実は1年くらい前から右胸にしこりがあります。8月に細胞検査等うけたところ、「8mmのしこりで、たぶん腺腫だと思いますが、少し形が気になる」・・・とのこと、針検診?(太い針をさしてカッターで細胞の一部をとる)をしてみませんかと言われました。仕事が今忙しいので12月以降にお願いしますといったのですが、ガンの可能性は高いのですか? それとも確認のための検査なのでしょうか? もしガンなら4ヶ月もほっておいて大丈夫なのですか? 教えてください。よろしくお願いいたします。

メールの内容からは線維腺腫の可能性が高いように思います。1年間大きさが変わらないのであれば、急いで検査を受ける必要はないでしょう。確認のための検査だと思います。(文責 加藤)

 

No.4629-2】 06年01月18日     N.K.
右胸のしこり(2)

先日はご回答ありがとうございました。12月にマンモトームでの針検診をしてきました。先日、結果を聞きにいったところガンと診断されました。あまりに動揺した為、なにも聞けなかったのですが、しこりは私がさわった感じでは一年前とほとんど変わってないはず。また、8月の細胞検査、12月のマンモトームでも、特にしこりの大きさは変わっていませんでした。そこで質問ですが、しこりの大きくならないガンってあるのですか? また、大きくならないってことは転移型のガンなのでしょうか? 先生がはっきりガンといったので、マンモトームの結果はおそらくカテゴリー5と思われますが、この場合、手術して実はがん細胞がないってことはあり得るのでしょうか?12月にマンモトームを行ったため、これによってがん細胞が散らばり、転移ってことは考えられるのでしょうか? また、1年以上もしこりを放置している為、これによるガンの転移は考えられるのでしょうか? 長々とすみません。マンモトームをしていただいた先生に「大丈夫だよ」って言われていたので、ガンと聞いてかなり動揺しています。教えてください。お願いいたします。

1)発育がゆっくりですと、1年程度では、増大がわからないことがあります。
2)マンモトームで、とり切れてしまうこともありますが、切除してみなければわかりません。
3)マンモトームのためにがん細胞が転移を起したという報告はありません。1年以上前からのしこりががんとすれば、その間に進行して転移を起こすことも否定はできません。(文責 徳田)

 

No.4628】 05年11月13日     N.O.
HER2 について

38歳既婚、一年前に非浸潤癌の温存手術を受けました。こちらのHPはいつも参考にさせていただいております。過去ログを見ていて偶然目に入ったのですが、ある方の非浸潤癌についての質問(04年11月15日No3064-2)の回答に、「HER2は浸潤部で判断すると思われるので、3+という結果が出ているということは一部に浸潤巣がある可能性があります。」という箇所がありました。ということはHER2が測定できるのは非浸潤癌ではないということですか? 私の病理結果は非浸潤癌でしたが、HER2は3+とありましたので、浸潤部分があったということなのでしょうか。心配になってきました。お教え頂ければ幸いです。宜しくお願いします。

病理結果が非浸潤がんでも、レポートにHER2の記載があることはあります(もちろん非浸潤部分の評価です)。浸潤部分があったということではありませんので、御安心ください。(文責 加藤)

 

No.4627】 05年11月13日     K.P. 
マンモグラフィー

22歳の会社員です。ご相談よろしくお願いします。乳癌検診をマンモグラフィーを使って受けましたが、結果として『精密検査を受けて下さい』と言う文書と、市からの紹介状が送られてきました。精密検査の予約はとりましたが、とても不安です。マンモグラフィーで乳癌を発見する確立はどのくらいなのでしょうか? また、癌以外のものを写す可能性はありますか?

マンモグラフィー検診で要精密検査となる方のほとんどは異常なく、乳がんが見つかる方はほんの一部です。しこりの影が写っても、がん以外のしこりによるものが多く、要精密検査は「念のために」という意味のことがほとんどですので、あまり心配されずに検査を受けてください。貴女の御年齢ですと、マンモグラフィーより超音波が有用である場合が多いです。乳がんが見つかることもごく稀です。(文責 加藤)

 

No.4626】 05年11月13日     K.W.
術後の化学療法について(2)(HPNo.4517-2)

以前ご質問させていただいた内容の関連で、是非ご意見を伺いたくメールいたします。42歳。7月手術。その後放射線治療30回。9月よりFEC4クール→タキソール4クールで終了し、その後ホルモン療法をする予定で前向きに術後治療に臨んでおります。 FEC3回目(11/10)で、白血球が2200と少なく、またしても1週間延期になりました。2回目(10/20)はファルモルビシンを75→60に減らしたにも関わらず、3週間後の数値がこのようなので、主治医が、「本来3週間隔ですべきだし、あまり間を空けては効果がない」と、FEC3クールで終わり、その後はタキソールをウイークリー12回もしくは3週1休の4クールに変えたらどうかという話が出ました。
1) タキソールをすることは希望していますが、FECを3クールに減らすこと(量も60と少ない)に対して不安があります。前回先生が書かれていたG−CSF注射をしてでも4クールきちんと終了してタキソールへという選択は必要ないのでしょうか?ちなみに好中球の数値などの検査はしておりませんし、主治医からも話は出ておりません。
2) タキソールの白血球減少の程度は打ってみないとわからないとは思いますが、心配です。そのような場合もやはり延期、延期となるのでしょうか?またウイークリーと3週1休での効果の違いはありますか?
3) この場合の治療方法のご意見を是非お聞かせください。

私は、再発予防のために、ガイドラインに則った適切な治療を希望しています。主治医の事は信頼していますが、乳がんという病気の補助療法は結果が後にはっきりするため、なかなか自分での納得した決断は難しく、先生方のご意見を参考にさせていただきたくよろしくお願いいたします。

1) 抗がん剤による白血球減少の回復スピードは個人差があります。多少の投与間隔の延長は心配されなくても大丈夫だと思います。投与量も実際には個人差がありますので、副作用に応じた調節も必要になってきます。しっかりと治療を行なっておくという考えからは、おっしゃるように4サイクル投与が望ましいでしょう。
2) 投与量にもよりますが、FECよりも減る程度は少ないと思われます。術後補助療法での3週毎と毎週投与の比較試験の結果はまだでていません。ただ、他の試験結果からは毎週投与の方が効果的なようです。
3) 今予定されているFEC→タキソール→ホルモン療法がベストだと思います。(文責 加藤)

 

No.4625】 05年11月13日     H.H
転移性乳がん(肺転移)について その3 (HPNo.4454-3)

前回HPNo.4454でお答えを頂いた者です。今回もよろしくお願い致します。
1) 2002年4月に手術、その後に放射線、ゾラテックスの注射2年(2004年4月頃まで)。この質問の欄でお答え頂いたように、何故抗がん剤を同時に服用させて頂けなかったのかを質問したところ、「その頃はそういう情報はなかったから」と言われました。本当にその様な情報はなかったのでしょうか?
 ※術後療法の推奨として、ゾラテックスの注射2年、ノルバデックスの服用5年が良いとの情報
 ※主治医は、ゾラテックスの注射の終わり頃「抗がん剤を飲んだ方がいいんだけどな〜」と呟いていたが、処方はしてくれませんでした。
2) HER2の結果で、+4.3と前回の診察でお答え頂いた件で、HER2は、「0 +1 +2 +3」の四種類ではないのでしょうかとお聞きしたところ、「私が言ったのはFISH法だからですよ」と言われていましたが、FISH法は+2の時に、+、−の判定で、+4.3という数字は出るのでしょうか?
3) 4)のFISH法の場合に+4.3という数字があるとした場合、FISH法のこの数値でハーセプチンは効力があるのでしょうか? 又、推奨できる数字はプラス幾つ以上でしょうか?
4) 腫瘍マーカーの数字が、4月、8月10月と次の様に推移しているのですが、現在アリミデックスのみの服用ですが大丈夫でしょうか? (CEA 3.4 → 12.5 → 24.5 CA15-3 27.5→104.0→251.2) 8月の数字で転移が発覚しました。11月9日は血液検査はしませんでしたが、胸の中央あたりが痛いので、痛み止めを頂きました。アリミデックスは11月9日にも1ヶ月分頂いてきましたが、上記の腫瘍マーカーの数字の場合、次の薬に変えた方が良いのでしょうか? 又、薬を変えるタイミングは、何時が良いでしょうか? (数値は上がっていますが、現在のアリミデックスが効いている気がするのですが・・・) アリミデックスは11月9日にも一ヶ月分頂いてきましたが、上記の腫瘍マーカーの数字の場合、次の薬に変えた方が良いのでしょうか? 又、薬を変えるタイミングは、何時が良いでしょうか? (数値は上がっていますが、現在のアリミデックスが効いている気がするのですが・・・) 上記の腫瘍マーカーの数値の場合、他の薬をやっても手遅れになる事がりますか? 主治医はハーセプチンを考えているようですが、私は次にアロマシン、その次にレトロゾール、そしてハーセプチン+ナベルビンと考えているのですが、どうでしょうか?(ナベルビンがタキソール、タキソテールよりも効果が期待出来ると何かで読みましたので・・・) いつも質問が多くなってすみません、何とか自分の病気を克服したいと思っていますので、よろしくお願い致します。 

1) 抗がん剤を同時に服用することの有用性については、はっきりとしていないと思います。
2)3) FISH法はシグナル比で結果が表わされます。2以上を陽性とし、ハーセプチンの適応となります。
4) 次回の検査でマーカーが更に上昇しているなら、ハーセプチン+タキサンを考慮したいところです。(文責 加藤)

 

No.4624】 05年11月13日     K.N.
乳首からの出血

数年前より右乳首から出血があり、2年前ガンセンターで診察してもらいました。そのときは乳菅内に何か異常があるとのことでしたが、出血成分をみても悪性か良性かの判断が難しいと言われ、「今のところ悪性ではないので定期的に検診を受けるように」との事でした。その後主人の転勤で仙台に行き、また仙台のガンセンターでも同様の結果でした。最近ちくちくし、出血が多い日もあります。今年の10月末に転勤で横浜に引っ越した為、どこに診てもらえばよいのかわかりません。どうしたらよいのでしょうか?

この相談室の会員がいる病院であれば、乳腺を専門にしている医師がいますので、大丈夫だと思います(ホームページから会員紹介へと進んでください)。受診曜日、時間等は病院へ直接確認された方が確実だと思います(紹介、予約が必要な場合もあります)。(文責 加藤)

 

No.4623-1】 05年11月13日     S・S
乳癌の確定診断について

はじめまして、神奈川県のS・S(37歳)と申します。昨日右胸のしこりが気になり、乳腺専門医のいる病院に検査に行きました。触診・エコー・マンモと検査をして、即「乳癌」ですとのことでした。大きさは2cm弱とのことで、できれば今月中に手術とのことです。上記の検査だけで悪性の腫瘍という判断は、専門医であればすぐに見極められるのですか? セカンドオピニオンも考えていますが、躊躇しているより早く取ってしまったほうが安心なのかな?とも思っています。お返事宜しくお願いいたします。

画像上典型的な所見であれば診断は可能ですが、通常は細胞診(細い針をしこりに刺して行う検査)または針生検(もう少し太い針で行う)によって、確定診断をします。手術、術後の治療の方法など医師間で多少差がありますので、ここは躊躇してじっくり考えられた方がよいかもしれません(ただ、考えすぎると迷路に入り込んでしまうこともあります)。しこりは通常何年もかかってできており、短期間に進行、転移することはまずありません。あせって手術を受ける必要はありませんので、ゆっくりと冷静に検討なさってみてください。特に主治医とはこ、れから先長い間二人三脚で乗り切ることになると思いますので・・・。(文責 加藤)

 

No.4623-2】 05年11月17日     S・S
手術について

HPNo.4623で回答をいただいた者です。冷静に考える時間をもてるような回答をありがとうございました。そこでもうひとつ質問です。主治医の先生は地域でも有名な優秀な先生のようなのですが、個人病院の為、手術は大手病院で別の先生が行うとの事で、少し心配しています(主治医の先生も定休日にはそちらで診療を行っています)。一番安心なのは、やはり診断から手術まで同じ先生のほうがよいのでしょうか? このような例は大学病院などでもあるのでしょうか? またこのような場合、患者側にはどのようなデメリットがあると思われますか? よろしければ一般的なご意見をお聞かせ下さい。今後の参考にさせていただきたいので、宜しくお願いいたします。

診断から手術まで、同じ先生でない場合は大きな病院ではよく有り得ることです。患者さんは不安でしょうが、どちらも専門医なら全く問題ありません。医師の方は最初から最後まで診たい、責任を持ちたいというのが本音ですが・・・。(文責 石川)

 

No.4623-3】 06年01月09日     S・S
手術後のリハビリ

HPNo.4623で回答をいただいた者です。その節は親切にご回答ありがとうございました。12月16日に手術を行いました。乳房温存でリンパかくせいになりました。家に帰ってからもリハビリを行っているのですが、手を横・上に上げる時に脇の下から腕の内側の筋が一本ピーンとはって、触ってもわかります。最近はそれを我慢してリハビリしていると手の甲の方まで1本ビーンと張ってかなり痛いのですが、これはリハビリを続けて改善していくのでしょうか? それとも筋(腱?)が張ってしまっているのは、無理に伸ばしてはいけないのでしょうか? 外来の時に先生に診てもらうつもりですが、それまでどのようにリハビリを行えばよいか、外来までまだ少し日があるので悩んでいます。私の病院ではリハビリはパンプレッとをもらうのみで、療法師の先生などはつかないので、アドバイスお願いします。宜しくお願いいたします。

12月16日に手術ということなので術後3週間くらいですね。この時期では、手術直後よりむしろ傷のツッパリ感は強く感じられるかもしれません。いただいたパンフレットに沿ったやり方で腕を動かしてもらってよいですが、あまり痛みが強いならば、強い痛みが出ない範囲でやってみてください。時間と共につっぱり感は和らいでいくはずです。つっぱり感が弱くなったら、また少しずつ動かしてみましょう。腕の上がり具合があまり悪いようなら、受診の際に相談して、必要ならリハビリのほうを紹介してもらえると思います。(文責 俵矢)

 

No.4623-4】 06年01月22日     S・S
放射線とホルモン療法

HPNo.4623で回答をいただいた者です。その節は親切にご回答、ありがとうございました。前回ご相談させていただいた脇から手の甲までのつっぱりは静脈との事でした。外来時に塗り薬を頂いてきましたが、まだかなりつっぱっていて、切れてしまいそうで心配です。主治医は1ヶ月ほどで治るとのことでしたが、このままリハビリを続けても切れてしまうことはないのでしょうか? あと術後治療ですが、まだ結果がでていなかったので何もしていないのですが、放射線とホルモン療法をならば、行う順番は決まっているのでしょうか? 同時に行ってはいけないなど、決まりはありますか? 回答宜しくお願いしたします。

リハビリで静脈が切れることはありません。放射線療法とホルモン療法は、同時に行うのが一般的です。(文責 徳田)

 

No.4622】 05年11月13日     K
乳頭の透明な分泌物について

初めてメール致します。どうぞよろしくお願い申し上げます。現在32歳で未婚、出産経験なしです。3年ほど前、胸にしこりを感じエコー検査を受けました。その時は、影などなく、乳腺が大きくなっているだけだと診断されました。その後、大きさなどはさほど変化なかったので、月に一度自己診断していました。先日、乳房が痒くなり胸をぎゅっと絞ってみたところ透明な分泌物があったので不安になりました。胸に病巣がなくても分泌物が出るということはあるのでしょうか。よろしくお願い申し上げます。

透明な分泌物は特に異常がなくてもでることがありますので、ご安心ください。心配ないと思いますが、前回の検査が3年前とのことですので、そろそろ受診されてみてもよいでしょう。(文責 加藤)

 

No.4621】 05年11月13日     R.A.
乳がん検診について

昨年の夏頃、乳頭から白い分泌物が出ました。ただその時は診療内科に通っており、薬を服用していましたので、それが原因ということでした。その時は婦人科で超音波検診と血液検査をしました。そこで服用を止めたのですが、今度は乳頭がかゆくなり、我慢できずかいてしまったことで乳頭がただれてしまいました。そういう状態がずっと続き、もしかすると乳がんになってしまったのではと思い、今年3月にマンモグラフィと超音波検査をしました。その時の診断は乳頭びらんということで、かゆみ止めをもらい、下着の材質に気をつけるように言われました。ですが、こういう状態になる前からつけていた下着ですから、私的にはそれが原因ではないような気がしていました。3月の検査から8ヶ月が経ちましたが、治ったり痒くなったりの繰り返しです。最近では乳房を触ると痛みを感じる部分があり、神経質になっているせいもあるとは思いますが、シコリなのかなぁと感じる部分もあります。私の祖母が乳がんで両胸を切除していますので、乳がんは遺伝するときいていますから、また受診しようと3月に行った病院に予約の電話をしました。ところが、現在の症状を全て話したのですが、「3月にマンモと超音波をやっているので心配することはない、このまま下着だけ気を付けて下さい」と言われました。そんなものなんでしょうか? 例えば胃がんとかで健康診断をした時は異常なかったけれど、その後発症し、若いから進行が早くて半年後に亡くなってしまったとかいうのを聞いたことがあります。乳がんにはそういうことはないのでしょうか?

メールの内容からは心配ないように思います。乳がんでそのようなことは稀ですが、御心配であればやはり受診をお勧めします。(文責 加藤)

 

No.4620】 05年11月13日     F.O. 
母の骨転移判定について

はじめまして、62歳の母の事で伺いたい事のある息子です。今年の初めに乳がんと診断され、1月31日に右乳房全摘出手術とリンパ郭清を行い、ステージU期、核異型度グレード1、ホルモン受容体陽性で、リンパにも若干の転移はあったものの、他には全く遠隔転移はありませんでした。術後、4週間おきに6回の抗がん剤点滴、今はアリミデックスを朝一度飲んでいます。先月、椎間板ヘルニアが分かり、MRI、骨シンチの検査を受け、腰椎・胸椎などは骨転移の可能性は無く、腰は椎間板ヘルニアのみでしたが、右の手術で摘出した乳房の下辺りの肋骨に2cmほどの異常がみられ、整形外科の先生では単発で他には異常が無いので骨転移か否か判断がつかないとの事で、再度乳腺外科の予約を入れて頂きましたが、今月末しか予約が取れず、不安でいっぱいの生活を家族でしています。抗がん剤治療(点滴)が終わってまだ半年も経たない状態で、肋骨に2cmほどの単発での骨転移は可能性として高いものなのでしょうか? 痛みは術後と変わらない状態です。何卒、ご助言をお願いいたします。

肋骨への単独転移の頻度は低いです。骨シンチは転移がなくても陽性にでてしまうことが時々見られます。痛みも強くなっていないのでしたら、少し様子を見て再検査なさってみてはいかがでしょうか? 影がなくなる可能性も十分期待できると思いますので、あまりご心配なさらずに診察をお待ち下さい。(文責 加藤)

 

No.4619-1】 05年11月13日     H.M. 
術後の治療について

10月12日に腋窩郭清、乳房温存手術を受け、やっと病理結果が出ました。癌結節2×2×1.5cm(組織学的には癌結節はsolid-tubular ad-caよりなる)、リンパ節転移なし〔level1(0/12)〕、断端陰性、エストロゲン+、プロゲステロン+、HER2なしスコア1+、(タンパク過剰発現なし、) 核異型 scor2 、核分裂像 scor2、核異型度grade 2と言う結果をお聞きしました。書き留めるのがやっとで、それぞれの意味はよくわかりませんが、今後の治療についてご相談させてください。主治医の先生は、「25回の放射線治療とホルモンレセプターが陽性なのでホルモン療法をしましょう。抗がん剤はどちらでも、あなたの希望で決めてください。」と言われて、困っております。先生のご経験とご意見は・・・と伺っても、はっきりとは進言してくださいませんでした。私のような例の場合、化学療法をしない場合はよくありますか? 私の場合、ホルモン療法は注射か経口かどちらが良いと思われますか? 尚、私は48歳、閉経前、出産2回(27歳、29歳時)、既往症なし、です。お忙しいところ申し訳ございませんが、何卒ご意見賜りますよう、お願い申し上げます。

貴女の手術結果からは化学療法を行う場合、そうでない場合の2通りに分かれます。ガイドラインでも化学療法+ホルモン療法、またはホルモン療法のみが推奨されています(医師によって選択の幅があります)。閉経前、ホルモン受容体陽性の方は一般的にホルモン療法だけだと25%、化学療法を追加すると45%程度再発を減らす力を期待できるといわれています。ただ、ホルモン感受性の程度によってその数字は変化し、化学療法を追加する意義も変わってくるでしょう。ホルモン感受性が高ければ化学療法を追加する意義はわずかなものでしょうし、低ければそれなりにあるものと思われます。再発を1%でも減らす治療を・・・ということであれば化学療法を考慮しますが、化学療法には副作用もあり必ずしも行った方がよいということではありません。実際に化学療法によって恩恵を被る方は数%のみと予測されます。もちろん一度化学療法を受けてみて、続けるかどうか再考することも可能です。主治医にホルモン感受性の程度を確認されてから、再考してみてはいかがでしょうか?ホルモン療法のみであれば注射と経口の併用をお勧めします。(文責 加藤)

 

No.4619-2】 05年11月29日     H.M. 
ゾラデックス注射後、生理になりました

No.4619で、ご回答いただきました。お忙しい中、ありがとうございました。迷いましたが、抗がん剤治療をせず、ホルモン剤治療をする事にいたしました。現在放射線治療中ですが、先日1回目のゾラデックスを注射いたしましたが、その注射の10日後に生理が始まってしまいました。注射の日からノルバデックスを1日2回服用開始しておりますが、このまま、ノルバデックスの服用を続けていて良いのもでしょうか。次回(1ヶ月後)の外来診療日を待たずに、生理が始まってしまった事を主治医に伝えに行くべきでしょうか。お忙しいところ申し訳ありませんが、主治医の乳腺外来が週1日しかないため敷居が高く、こちらでお聞きする事をお許し下さい。よろしくお願い申し上げます。

ゾラデックスを注射したらすぐに生理が止まるわけではありません。ゾラデックスはホルモンのフィードバック機構を利用して卵巣の機能を抑えます。注射をしてから2週間ほどで女性ホルモンが下がってきます。ですから生理の周期によっては、注射をしてからでも生理が来るということはあります。ゾラデックス1回目の注射で生理が止まらなくても、2回目の注射を行えば殆どの人で生理が止まります。心配はいりません。ノルバデックスも飲み続けていいですし、次回1ヶ月後の外来で大丈夫です。(文責 稲葉)

 

No.4618】 05年11月13日     M
乳頭からの分泌物

以前二度ほど御相談をさせて頂きました。昨年11月にマンモグラフィーでカテゴリー3、右乳房に微細石灰化があり、細胞診をして乳腺症といわれました。最近、その右乳房が時々針を刺されたようにチクッと痛みます。痛みはすぐになくなります。数ヶ月前から指でつまむと同じところから黄色い分泌がでていたのですが、先日は分泌液に血液が混じりました。ほんの少しで色は鮮血です。再度受診したほうがよろしいでしょうか? 現在仕事の関係で検査を受ける時間をとるのが少々困難なので、このまま様子をみても大丈夫なら2ヶ月後に受診してみようと思っているのですが・・・。よろしくお願いいたします。

分泌物に血液が混じる場合は、受診をお勧めします。多くは乳がんではありませんが、昨年の結果も考慮すると再検査をされた方が宜しいかと思います。2ヵ月後でも遅くはないと思いますが、もしお時間がとれれば早い方がいいでしょう。(文責 加藤)

 

No.4617】 05年11月13日     T 
ゾラデックスの治療期間について

2003年10月(39歳)右胸全摘出手術をしました。リンパ転移2/8。2003年11月よりフルツロン経口、ゾラデックスの注射が始まりました。フルツロン2年間、ゾラ3年の予定でした。2005年4月転勤に伴い、転居で病院が変りました。そこで新たな先生から、フルツロンよりノルバデックス、ゾラの方が良いとのことから変更になりました。そして先月2年のゾラの注射が終わりました。先生の転勤で、先月また先生が変って・・・、2年で辞めても3年続けても良いと言われて悩んでいます。2年と3年では違ってくるのでしょうか? 今現在は体調は良く、血液検査、マンモ、肺のレントゲン検査は異常なしでした。治療期間で迷っています。よろしくお願いいたします。

2年と3年で比較した結果は残念ながらありません。実際には年齢、手術結果、治療による負担などを考慮し、相談した上で続行するかどうか決めています(それほど大きな差はないように思います)。(文責 加藤)

 

No.4616】 05年11月12日     M.O.
骨への転移について(2)(HPNo.4598-2)

どうもありがとうございました。脳の影が前より少し大きくなっており、癌なのかわからないようです。ただ、この治療を全くしないのもいかがなものかで、病院の先生に一度聞いた方がよいのでしょうか? 放射線療法をしている病院に移った方がいいのでしょうか? 母の頭をさわってみると、時々頭痛がする方は熱をもっているような感じがしました。

もう一度主治医に確認されたほうが宜しいかと思います。通常転移と診断しなければ治療を開始することはありません。はっきりしない場合には少し様子を見ることもあります。放射線治療が必要だと思われる場合は、主治医から放射線科医へ紹介があると思います。(文責 加藤)

 

No.4615-1】 05年11月12日     M.I
再発・転移の不安

はじめまして、毎日のようにホームページ拝見させていただいております。41歳既婚、子供なし。私は6月上旬に右乳癌(硬癌)浸潤にて全摘をしました。リンパへの転移は3つありました。ステージは2、病理検査の結果は悪性度2、ホルモン陽性、HER2は3プラスで、術後化学療法ECを6クール行い、先月末よりホルモン療法開始、ノルバデックを毎朝1錠とリュープリンを4週間毎に施行の治療となっております。リンパへの転移はもちろんですが、HER2が3プラスというのが再発のリスクがかなり高く、HER2が3プラスではホルモン療法もあまり効かない、70%で再発すると、ネットでみかけました。主治医にハーセプチンの話しをしましたが、もしも再発したときに使用するとのことでした。毎日不安が強く、押しつぶされそうです。今はホルモン療法で経過をみるしかないのでしょうか?

HER2が陽性の場合、術後にハーセプチンを使用すると再発が約半分に抑えられるとの画期的な発表が最近ありました。ただ、おっしゃるように日本では保険上術後補助療法での使用が認められておりません・・・。一刻でも早く認可が望まれるところです。また、ノルバデックスは相性がよくない可能性もあります。いろいろハードルがあるかと思いますが、勇気を出して主治医にもう一度相談なさってみてはいかがでしょうか? 不安を少しでも和らげるためにも、再発したときではなく、今ベストな治療を行っておくという方が大切なように思います。(文責 加藤)

 

No.4615-2】 05年11月16日     M.I
再発・転移の不安(2)

返答ありがとうございます。私はECを6クール行っておりますが、これからハーセプチンを自費で行うことは可能でしょうか? ノルバデックスは相性がよくない可能性もあるというのは、ノルバデックスを服用することにより再発のリスクが上がる可能性もあるのでしょうか?

可能だと思いますが、他の治療も自費になってしまいます・・・(日本では混合診療はまだ認められていないからです)。ノルバデックスによって再発のリスクが上がるということはないと思います。他に、注射に加えアロマターゼ阻害剤という選択肢もあります(現在海外で臨床試験中の組み合わせですが)。(文責 加藤)

 

No.4614】 05年11月12日     N
放射線の影響

いつも参考にさせて頂いてます。29歳。去年12月右乳がん温存手術。1.5センチ、リンパ節−、断端−、ステージ1。術後抗ガン剤と放射線治療を受け、今はゾラとノルバをしています。 そこで質問です。
1) 放射線治療は25回受け、8月頭に終わり、経過も日焼け状態の皮がむけてきたくらいで良好です。先日一年検診のCTで右肺にうっすら影が見つかりました。主治医は、おそらく放射線の影響だから大丈夫ですとの事でした(放射線治療を受けた病院は別です)。主治医がいる放射線の先生や肺の先生みんなにも見てもらったけれど、大丈夫でしょうとのことでした(先生たちの会議の時)。三ヶ月後にまたCTを撮ることになり、主治医は全然心配してませんとおっしゃっていました。90%大丈夫ですか?と聞くと、「もっと大丈夫」と言われました。こんなことはよくあるのですか?
2) 肺の影は何か今後に影響はありますか? あってもほおっておいて大丈夫なのですか? 風邪などひいたら悪化しやすいのですか? 気をつけることはありますか? なくなりますか?
3) 放射線治療後、白血球が2600、2700とかなのですが大丈夫ですか? このぐらいの値は風邪とかひきやすくなるのでしょうか?

1)放射線の影響がうっすらと影に出ることはあります。主治医のコメント通り大丈夫だと思います。
2)今後特に影響はないと思います。そのままでも大丈夫です。風邪により悪化することはなく、気をつけることも特にないでしょう。今後影がうすくなっていくこともあると思います。
3)大丈夫です。風邪をひきやすくなるということもないと思います。

お話の内容からはご心配ないように思います。3ヵ月後の再検査でいいでしょう。(文責 加藤)

 

No.4613】 05年11月11日     K.M.
放射線治療について

放射線治療をした部位は、もう汗はでないのでしょうか?

おっしゃるように放射線の影響により汗腺の機能が低下することがあります。(文責 加藤)

 

No.4612】 05年11月11日     S
過誤腫

37歳、子供2人の主婦です。どうぞよろしくお願いします。1年半前に初めて乳癌検診を受けました。触診とエコーです。そのエコーで腫瘤がみつかりましたが、心配な画像ではないという事で、再検査にはなりませんでした。しかし、とても心配になったので、自分で乳腺外科を訪れ、診察していただきました。エコーとマンモグラフィーの結果、2.5cmぐらいの境界鮮明な楕円形の腫瘤がマンモグラフィーで確認されました。念のため、部分麻酔をして、注射器のような物をさして細胞をとってもらい、検査をしていただきました。結果、乳腺と脂肪が含まれていて、診断は、「過誤腫」でした。経過観察で良いでしょうという事だったので、1年後、もう一度診ていただきましたが、その時も特に画像では変わりなく、このまま経過観察で良いと言われました。私はとても心配性なので、本当にこのまま放っておいて良いのか、切除しなくて良いのか心配です。診察していただいている先生は、「どんどん大きくなってきて、乳房の大きさが左右で異なり、美容的に問題があるような事になれば、手術した方が良いかもしれませんね」とおっしゃっています。でも最近、細胞診では良性の腫瘍だったのに、手術して腫瘍を取り出し精密検査をしてみると実は癌だったという話を何度か耳にしました。とても心配です。そこで、質問です。
@ 過誤腫とは何でしょうか?
A 過誤腫の場合、一般的には手術はしないのでしょうか?
B 過誤腫が癌化する事はありますか?

長々と申し訳ありません。どうぞよろしくお願い致します。

@ 過誤腫は「新生物に類似する局所的な奇形で、正常発達から逸脱したもの。その部位に存在する組織が異常な増殖をしたり、そのうちの一つのみが異常な割合で増殖したもの」と定義されています。線維腺脂肪腫ともいわれ、脂肪と腺を含む被包化された増殖性病変として認められます。マンモグラフィーではよく被包化された脂肪を含む腫瘤(乳房内乳房breast-within-a-breast)として写ります。
A 良性であり、一般的に手術は必要ありません。
B がん化することは通常ありません。このまま経過観察でよいと思います。(文責 加藤)

 

No.4611】 05年11月11日     S.S.
線維腺腫の多発について

24歳、独身です。ご相談よろしくお願いいたします。7月ごろ左胸にしこりがあることに気づき検査を受けました。結果、二つ見つかり、ひとつは線維腺腫であるが、もう一つは悪性とも良性とも判断つかないため、手術摘出しました。その後、同様に良性であると判断されました。定期検診のため(手術から3ヵ月後)エコーを受けたところ、両方の胸に3箇所ずつ、計6箇所のしこりが見つかりました。主治医には、たまに多発することがある、と言われました。また、エコー画像を見る限り良性ではあるが、まれに悪性になる可能性もあるといわれました。大きさ的には、この数ヶ月で見つかったものは8ミリ程度のものです。短期間のうちに増えたことに不安があります。原因は何か考えられるでしょうか?

線維腺腫が悪性化することは通常ありませんのでご安心下さい。15%は多発性にみられますが、原因ははっきりとわかっていません。自然消失もあります。大きさも小さいようですので、あまり御心配なさらず、触診、超音波にて経過を見ていけば宜しいかと思います。(文責 加藤)

 

No.4610】 05年11月07日     KY
多発性肝転移の治療について

8月に標記の件について相談させて頂いた者です。ECによる治療を2回して効果が見られなかったため(それまで正常だった腫瘍マーカーの上昇 CEA 5.5、 CA15-3 36、及び腫瘍の増大)、現在ウィークリータキソール(3週打って1週休み)で治療をしております。現在4回終了し、次回腫瘍マーカーを検査、さらにもう2回打った後CTにより腫瘍の大きさを検査予定です。その結果改善が見られないならば、私としては他の抗癌剤に変えて頂きたいのですが、主治医はもし効果が見られなくても何回か打つうちに効くこともあるから、まだ続けてタキソールを打った方がいいと言われます。この件についてご見解を賜りたいのですが・・・。また次に使う抗癌剤は何が良いと思われますか? 量・効果判定までの期間等教えて頂けますか? 私の身長は162.4p、体重は55sです。お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

乳癌の増殖速度を考えると普通は2,3か月で病変を評価するので、ウイークリータキソールは当院でも三ヶ月やって画像診断をして評価する事が多いです。DFI(DESEASE FREE INTERVAL)といって初回手術や診断時から再発までの期間によってある程度増殖速度が違う場合があります。今後の治療はホルモン感受性やHER2の状況によって異なりますが、一般的にゼローダやナベルビンなどでしょうか。アドリアやECとしてやっていますが、メトイトレキセートはやっていなければやることもあります。投与量は標準治療として決まっていますので、体表面積で計算できます。(文責 石山)

 

No.4609】 05年11月07日     R.S.
脇にしこりができました

14歳ですが、最近脇にしこりができました。母に相談したところ、リンパ腺だと言われましたが、なかなか治らないので心配です。これは何でしょうか。

診察していなので何とも言えませんが、リンパ節は皮膚の奥に触れますし、毛穴や皮膚の腫瘤は皮膚とくっついて触れます。専門医が触れればすぐ分るので、病院に行かれた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4608-1】 05年11月07日     Y.H.
乳がんの手術先の変更について

妻のことでお伺い致します。本人が申すには、右胸にしこりがあり10月21日地元の総合病院外科外来に行ったところ、マンモエコーの検査が20日後ということで待っていましたが、待ちきれず10月31日に他の総合病院行き、すぐマンモエコー針をさしてもらいました。ほぼ乳がんと言われ、11月7日結果説明、14日入院で、16日の手術日を抑えていただきました。診断していただいた先生は60過ぎの乳がん手術の実績のある方で、知人も10年前に手術をしていただいたのを知りましたが、外科一般の先生であることや、私の要望(しこりも上のほうで胸筋に近いため、手術自体も後遺症がないように期待)にそっての色々な新しい方法を出していただけるか不安です。その後、あわてて本やHPで勉強しましたが、当地には乳腺外来がほとんどなく、医大のみ乳腺外来があり、そこに乳腺専門医がいらっしゃることがわかりました。また、術後永らく見ていただくことになる主治医なので、今の先生の御歳も考えると別の専門医に変わろうかと考えています。そこで7日に説明を聞いた方がいいのか、医大に変わることを初めから伝えた方が良いのか、マンモの資料をもらうべきか、紹介状は医者の名前まで書いてもらうものか困っています。ここ10日ほどダルイなどの症状があり、気分的にも焦っています。よろしくアドバイスをお願い申し上げます。

納得の出来る説明が受けられるのであれば今の病院でもかまいませんが、実際新しい治療や最新のエビデンスに基づく治療などは大学病院の方が進んでいて、仕方ない事と思います。いずれにしても今の主治医に良く聞いてから、ご自分の希望に合う術式治療を受けられないと思ったら、紹介状をお願いすれば良いと思います。ただ、大学病院の手術待ちは長いかも知れず、その辺を考えてから判断して下さい。(文責 石山)

 

No.4608-2】 05年12月08日     Y.H.
リンパ節内の転移を知ることの患者のメリットは?

05年11月07日に【HPNo.4608】で手術先の変更についてご回答いただき、ありがとうございました。結局2番目の病院にて紹介なしで受診し、後日CT、骨シンチでも転移は見られないとの結果はでましたが、良性とは期待せずにいてくださいと言われました。センチネルリンパ節生検での手術を希望したところ、可能だとのお話だったのですが、医師の勧めもあり乳房温存手術とリンパ節の郭清をすることにいたしました。最初の病院の針生険で組織が取れず、事前の確定診断はついていません。今週末入院予定となりましたが、
1) 確定診断がついていない状態でのセンチネルリンパ節生検は、専門の医師の方はどう思っておられるのでしょうか。
2) 【HPNo.4244】の中で、「病理学的にリンパ節転移が明らかになることをたびたび経験します。」とありますが、これはセンチネル生検の手術中には見つからなかった場合でもということでしょうか?
3) 担当の先生からはリンパ節の郭清後のケアーをきちんとすれば心配するような障害もないと思いますとの説明をしていただきましたが、リンパ節内の転移が部分的かどうかを知ることは、患者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。同じがん細胞に対する抗がん剤の選択が違うことは、どのような目的のためなのでしょうか?

ご回答のほど、よろしくお願い申し上げます。

1) 確定診断がついていない場合は通常は術中迅速診断といって、手術が始まるとまずしこりを取り出して病理検査へまわし、しこりを急速に凍結し固めて顕微鏡標本を作製して、病理の先生に癌かどうか診てもらいます(30分程度)。その結果で癌と診断されると手術が再開されます。センチネルリンパ節を探すためには、術前にRIか色素もしくは両方をしこりの近傍に注射しなければなりません。ですから、術前に確定診断がついていない場合は、癌としての手術になっても良いように術前にRI、色素の注射を行なっておきます。癌であればそのままセンチネルリンパ節生検を行ない、癌でなければ何もしません。後者の場合、投与した色素、RIは時間と共に自然に尿に排出されます。
2) 【No.4244】の“病理学的にリンパ節転移が明らかになることを、たびたび経験します。”というのはセンチネルリンパ節生検(SLNB)でない手術での話で、術前に触診でリンパ節が腫れていないと思って手術したのに手術(リンパ節郭清)をして、病理で診てもらったら転移があったという状況です。SLNBというのはリンパ節転移がない人の腋かリンパ節郭清をしないという方法ですから、センチネルリンパ節(癌細胞が一番最初に流れ込むリンパ節)を摘出して、術中に顕微鏡で調べて転移があれば郭清をし、転移がなければ郭清を省略します。ですから【No.4244】の説明と異なる点は顕微鏡検査で転移を確認しているところです。しかし、この方法でも5%くらいの見逃しはあると言われています。
3)  腋の下のリンパ節を郭清すると、たとえケアーをしても、程度の差はあれ30%程度の方に腕のむくみが見られます。“リンパ節内の転移が部分的かどうかを知る”という意味がわかりませんが、大切なことは部分的であっても全体であっても、転移が起きているかどうか(リンパ節転移があるかどうか)が問題です。転移が起きていれば、全身への再発の危険性が高くなるということです。“同じがん細胞に対する抗がん剤の選択が違うこと”については、乳癌と診断がつけば全部同じ細胞だと思われるかもしれませんが、実は同じ乳癌であっても十人十色で一人一人の乳癌の形や性格は全て違っていて、抗がん剤の効き方も違うので、術後の治療薬の選択に苦慮するのです。ここからの先の話は手術後の話になりますが、大事な話なので少し書き加えます。抗がん剤の選択の目的は、できれば副作用が少なく、奥様の乳癌が再発しないようにすることです。しかし、現実には奥様の乳癌の再発を抑えることができる薬がどれなのかはわかりません。そこで、過去の治療経験者のデータをみて、病理の結果が奥様と同じような状況だった患者さんたちがどのような治療をしてどうだったかを調べることになります。いまAとBという治療法が有った場合、どちらがよいかを調べる方法はただ一つで、数千人の患者さんを二つに分けてそれぞれにA,Bの治療を行ない、5年後10年後にどちらの治療群に再発が少なかったかを調べるのです。その結果Bの方が再発が少なかったとすると、その差はどれくらいで、副作用の違いは何かなどを考えて奥様の治療を決めることになります。乳癌が再発するかどうか(乳房内再発は除いて)は手術ではなく、術後の全身への治療法に左右されるのです。(文責 清水)

 

No.4607】 05年11月06日     B
放射線治療とホルモン治療について(HPNo.4372-3)

HPNo.4372で二度にわたりご回答をいただいた者です。ご回答ありがとうございました。お忙しいところ申し訳ありませんが、また不安に思うことがあり質問させていただきたくメールいたしました。今回の経過については前向きに捉え、主治医の治療方針通り放射線治療を受けることにしました。そこで質問ですが、
1) 放射線の副作用について、前に“放射線照射は何年も後に癌を発症するリスクファクターになると考えられている。”と聞いたことがあるのですが、現在の医学ではそのようなことはないのでしょうか。また皮膚の炎症症状の他には、吐き気等の全身症状はおきないのでしょうか。
2) 主治医より今回放射線治療をお願いする病院(手術した病院には放射線治療の設備がないので、委託病院が決まっているようです。)の標準的な治療期間は5日/週、5週間と伺っていたのですが、実際治療をしていただく放射線科の先生にお話を伺ったところ、「あなたの場合は5週間では足りませんね。6週間しましょう。」と言われました。私の症例が標準の照射では足りないのは、どのような理由なのでしょうか。また5週間で足りないと考えられるものが、6週間なら十分と言えるのでしょうか。不安です。
3) 放射線治療の期間中、スポーツなどはしても大丈夫でしょうか。体に残っているかもしれない発育を始めている浸潤性癌の成長がスポーツの刺激で促進したり、もっと他の部位にも飛んだりとかはしないのでしょうか。私のしているスポーツはテニスなのですが、癌が右側なので心配です。癌が見つかる前は1日に3〜4時間、ウエアの汗が絞れるくらいやっていましたが、やめたほうがいいのでしょうか。
4) 服用している薬はノルバデックスD20mg1日1錠です。これは妥当と思われますか。

お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。

前回の質問がわからないので詳しくは書けませんが、放射線が適応であり、副作用があることも事実ですが、最新の機器を用いた照射で副作用は減ってきていると思いますので、これまでの治療経験から、詳しい副作用の頻度や治療期間は現在かかっている放射線科医に良く聞いて下さい。運動と再発については関係ないと思います。治療薬の妥当性は、主治医にもう一度確認し、St. Gallenなどの治療指針にあっているのか、不安があれば資料を借りてsecond opinionを求める事も大事です。納得して治療を受けるのは、大事です。(文責 石山)

 

No.4606】 05年11月06日     KIT
突発性肉芽腫性乳腺炎について

妻(39歳)の事で相談させて下さい。4カ月前に左胸にシコリ違和感があり乳腺外科を受診しました。細胞組織をドレナージ術により取り、結果は癌ではなく「突発性肉芽腫性乳腺炎」と診断されました。治療法はステロイド投与しかないとの事ですが、他にはないのでしょうか? また再度「膿瘍」や「癌」は発生しないでしょうか?「肉芽腫性乳腺炎」は、悪性または良性もあるのですか? 治癒期間等、今後の参考にさせて下さい。

肉芽腫性乳腺炎という診断名が余り一般的ではないのですが、「granulomatous mastitisは、特発性肉芽腫性乳腺炎Idiopathic granulomatous mastitis、あるいはgranulomatous lobular mastitisなどとも呼ばれている小葉が傷害される原因不明な肉芽腫性炎症である。乳腺上皮の障害による分泌物の間質への逸脱と、それに対する炎症性反応で、炎症反応がさらに乳腺上皮の障害を惹起し、肉芽腫性炎を形成すると考えられている。細胞診においては好中球、リンパ球、形質細胞などの多数の炎症性細胞を背景に、類上皮細胞、多核巨細胞などが出現する特徴的な像を呈する。臨床的に癌との鑑別が困難なことも少なくない病変であるため、穿刺細胞診よる診断が極めて重要である。本病変の診断は、結核、真菌、sarcoidosis等、乳腺に生じる他の種々の肉芽腫性病変を除外した上で確定すべきものとされている(第17回臨床細胞学会関東連合会抄録)。 」との記載があります。 
珍しい疾患概念で、乳腺炎が一般的に乳管やその周囲から発生するのですが、この疾患では小葉から発生するというものです。症例が少なくまとまった記述がなく、症例報告が多く、一部に難治性という症例がありますが頻度がわからずなんともいえません。いずれにしても癌などの悪性腫瘍ではありません。(文責 石山)

 

No.4605】 05年11月06日     yt
乳がんの再発について

乳がんの再発について調べていたところ、このHPにたどり着き、不安なことがあるのでご相談させていただきたくメールいたしました。お忙しいところ申し訳ありませんが、何卒よろしくお願いいたします。母が4年前に右乳がんということが分かり、全摘で、リンパ節切除の手術をしました。大きさは4cm、リンパ節転移なしで、ホルモン受容体なしとのことで、抗がん剤を1回と、その後錠剤の抗がん剤を2年間飲んでいました。そして、2005年7月下旬に定期健診の造影剤CTで、肺に2mm程度のぽつぽつとした影が認められ、9月中旬に乾いた咳がでてきたので再度造影剤なしでCTを撮ったところ、少し大きくなって見えるとの診断でした。転移だろうということで、最初にホルモン療法、次に抗がん剤、次にハーセプチン+抗がん剤という順番での治療をすすめられました。ホルモン受容体なしとのことでしたが、再度検査をしてみたところ5〜10パーセントあり、HER2タンパクは3+ということがわかりました。セカンドオピニオンで違う病院を訪ねてみたら、転移に間違いはないだろうという診断で、最初からハーセプチンをすすめられました。
1) 乳がんの腫瘍マーカーは正常範囲内だそうですが、まだ小さいからなのでしょうか?
2) 咳と同時に胸の苦しさ、息苦しさもでてきたと訴えています。手術をしてからずっと軽い胸の苦しさはあったようですが、まだ小さいこともありまして、こんなに症状がでるのはおかしいのではないかと不安です。医師は転移を疑っていますが、他の病気も疑ってみた方がよいのでしょうか? 2年前、原因不明の発疹が腕や足にできたことがありまして、サルコイドーシスなども疑っております。
3) ホルモン受容体が少ないけれど、可能性を信じてホルモン療法を試してみたほうがよいのでしょうか? それとも、最初からハーセプチン治療をした方がよいのでしょうか?

以上の3点が気がかりで、治療を始めることを決めかねています。よろしくお願いいたします。

乳癌では、マーカーはすべての再発で上がるわけではないので、参考にしかなりません。ハーセプチン投与が一般的には第一選択と思います。咳と転移の関係は画像を見ないと何とも言えませんが、慣れた放射線科医がみればほぼ診断は間違いないと思いますが、喀痰の細胞診や気管支鏡による洗浄細胞診や肺生検(TBLB)をすれば病理学的に証明できる事もあります。(文責 石山)

 

No.4604】 05年11月06日     N 
骨転移?

いつも参考にさせて頂いています。30歳、去年12月手術、ステージ1、リンパ節転移なし、断端−で抗ガン剤を受け、今はゾラとノルバをしています。三日前から右背中が痛いのですが、骨転移でしょうか? 慣れない裁縫のせいでしょうか? 七月中旬に骨シンチをして異常なしでした。また最初に骨転移しやすい場所はどこですか? 回答よろしくお願いします。

多いのは体幹の骨ですので、背中の真ん中や腰が多いと言われていますが、肋骨の場合は右背中という事も考えられますが、主治医に症状を告げ、適切な検査を受けられた方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4603】 05年11月06日     K・E
血液検査結果について

神奈川県在住の60歳の主婦です。血液検査結果から心配が増えました。ご多忙中と存じますが、ご回答のほどよろしくお願い申し上げます。2004年4月、左乳房温存手術をしました。硬癌で、リンパ節2箇所に転移が認められ、その後放射線治療、抗癌剤治療(CAFを5クール実施)後、アリミデックス(1mg)を服用し、現在に至っています。1年後の骨シンチ、CT、胸部レントゲン、超音波、マンモグラフィーの検査結果は、今のところ異常は認められない旨の診断結果でした。しかし、本日入手しました血液検査は若干の異常が認められ、心配です。ALP値が高い、特にリンパ球の検査結果は、添付データのとおり本年5月の値と比較しますと9月9日の値(本日入手)は、著しく減少の傾向があり心配いたしております。下記3項目についてご説明およびアドバイスいただきたく、よろしくお願い申し上げす。
T.Lym(ME)の減少について
  1.Lym(ME)の減少は、免疫力低下を意味するものでしょうか?
  2.減少の原因は、どんなことが考えられますか?
  3.回復させる手段は、どのようなことでしょうか?
  4.何か注意することがありますか?
U.ALP値が高い
  1.ALP値は、高い傾向であり、手術前の2001年からのデータを見ても、400〜550を行き来しています。これは体質的なものでしょうか?
  2.原因があるとすればどのようなことでしょうか?

白血球数が増加していますので、絶対値としてのリンパ球数は1644から1383に減っているわけですが、余り病的な意味はないと思います。ALPは胆石症などでも上がりますので、アイソザイムがあるので骨型か肝臓型か調べれば参考になると思います。(文責 石山)

 

No.4602】 05年11月06日     S
セカンドオピニオンについて

先日乳ガン検査をすると、超音波で黒い7ミリ程の影が見つかりました。マンモに異常は見られず、超音波を見ながら針を刺して調べた結果、良性とされました。結論はシコリも無く、乳管か乳腺が腫れていて(どちらか忘れました)、それが超音波に映っただけだそうです。経過観察の必要も無しです。所謂乳腺症と安心したのですが、気になる事があります。生理が終わっても、その患部を揉むと若干痛みがあります。逆の胸にはありません。以前から左の胸に張りがあり、先生にも厚みがあると言われました(35歳ですが)。細胞診には誤診も多いそうなので不安が残ります。他の病院でもう一度細胞診をしたほうが良いでしょうか。その場合、最初の病院にマンモの結果を借りたいのですが、先生は問題無しと言ってるのでセカンドオピニオンを言い出しにくいです。私が神経質過ぎるのでしょうか。お願いします。

セカンドオピニオンは患者の権利ですので、普通は診断結果についての資料は貸してくれると思います。ただ痛みは乳癌の症状と言う事は少なく、乳腺症で痛みが出る事が多いので、その事にはこだわる必要はないと思います。いずれにしても腫瘤があるのであれば、経過観察はした方が良いと思います。(文責 石山)

 

No.4601】 05年11月06日     C
術後の治療法について

3年半前(31歳)に右乳房温存術を行い、フルツロンを1年間とノルバデックスを1年半内服していましたが、子宮内膜肥厚と言われ、ノルバデックスからゾラデックス2年に変更になりました。今年9月に治療が終わりましたが、翌月に右乳房と肝臓に転移が見つかり、右乳房全摘術を行いました。肝臓は1箇所でまだ小さいので、抗癌剤をせずにホルモン剤が効くタイプなのでノルバデックスを内服していき、効かなくなれば抗癌剤を行うとの事です。小さい間に治療した方が良いように思いますが・・・。今後の治療法について質問させていただきます。
1) 私は抗癌剤とホルモン剤を併用して行うと思っていたのですが、ホルモン剤だけで良いのでしょうか?
2) 肝臓は小さい間に治療した方が効果があると思うのですが、大きさは関係ないのでしょうか?
3) 初めの治療と再発の治療は違うと言われているのですが、基準はどのように違うのですか?
4) ホルモン剤が効かなくなれば、弱い抗癌剤から始めていくみたいなのですが、転移の場合は少し強いのからするのではないでしょうか?
5) 35歳以下で乳癌になると予後が良くないと聞くのですが、再発の場合はもっと予後が悪くなるのですか?

どうぞ宜しくお願いします。

手術時の病理所見がどぅであったか、にもよりますが、35才未満の発症はハイリスクと言われています。そうであれば再発予防の治療をもっとしっかりした方が良かったかもしれません。逆に再発をした場合は、ホルモン感受性があれば、自覚症状のないうちはホルモン剤単独で、無効な時に初めて抗がん剤に移行するというのが最近の治療の流れです。またHER2陽性かどうかでハーセプチンの適応があるかどうかも重要になりますので、一度確認されて下さい。(文責 石山)